中央環境審議会循環型社会部会(第18回)議事録
日時
平成29年2月3日(金)15:00~18:00
場所
大手町サンスカイルーム A室
議題
(1)第三次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検報告書(案)について
(2)廃棄物処理制度の見直しの方向性について
(3)特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方について
(4)その他
①家電リサイクル法及び小型家電リサイクルの施行状況について
②G7アライアンスワークショップ-資源効率性と低炭素社会による機会と示唆-の結果について
議事録
午後3時00分 開会
○企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、御多忙中にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。企画課長の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日は委員総数24名のところ、現時点で12名の委員の方に御出席をいただいておりまして、定足数を満たしております。また、追っておみえになる予定でございます。部会として成立しておりますことをあらかじめ御報告いたします。
また、本日は浅野中央審議会会長にも御出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局を代表いたしまして、大臣官房審議官の室石より御挨拶を申し上げます。
○大臣官房審議官 室石でございます。
本日は誠に御多忙のところおいでいただきまして、大変厚く御礼を申し上げます。本日は中井部長が出張でございまして、ちょっと不在でございますが、かわって一言御挨拶を申し上げます。
本日、出し物がたくさんございますが、第三次の循環型社会形成推進基本計画の最後の点検につきまして、これまでのヒアリング等を踏まえまして報告書案を事務局にて作成いたしておりますので、その案について御審議をいただく予定でございます。
また、これまで本部会のもとに廃棄物処理制度専門委員会、それから、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会を設置いたしまして、本部会へも進捗を適宜御報告しながら、集中的に御議論をいただいてまいったところですが、これらの専門委員会からの報告がまとまりましたので、その内容を御説明させていただき、部会の御了承をいただけますれば、意見具申という形で審議会から環境大臣に御提出をするという運びといたしたいというふうに思っております。
また、そのほか家電リサイクル法や小型家電リサイクル法の施行状況、G7アライアンスワークショップの結果についても御報告させていただく予定でございます。
それでは、本日もどうぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○企画課長 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。
次に、お手元の配付資料の確認でございます。大変たくさんの資料になっておりますけれども、議事次第の下に資料一覧がございます。資料1から3、それから、3については別冊もございます。参考資料については1から6、参考資料2については、2-1、2-2がございます。
なお、参考資料1でございますけれども、印刷した後に情報にアップデートがございまして、机上に「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」について、右下のページ、22というのが差しかえ分でございます。
なお、ウエブサイトには既にこの修正を反映したものが掲載されております。
さらに、加えまして、委員の先生方のお手元には前回の部会にてヒアリングを受けた際に御質問いただき宿題になっていた点がございまして、今回その御回答も差し上げたいと思いますが、そのための参考資料として、前回の部会資料の一部が追加で配付になっております。こちらのほうは既に公開している資料のため、改めてウエブサイトに掲載することはいたしません。御了承をいただければと思います。資料の不足がございましたら、事務局にお申しつけいただきますようお願いいたします。
また、本部会終了後には発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様方に御確認、御了解をいただいた上で公開させていただきたいと思います。
それでは、以降の進行につきましては、酒井部会長にお願いいたします。酒井部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 承りました。
それでは、今回の第18回の循環型社会部会でございますが、盛りだくさんの議題を用意いただいております。進行に御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
それでは、まず第1に第三次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検報告書(案)につきまして御審議をいただきたいと思います。
それでは、まず事務局のほうから資料の説明をよろしくお願いいたします。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) リサイクル推進室長、循環型社会推進室長、田中でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料1をご覧いただければと思います。
前回まで3回にわたって地方公共団体、NPO、NGO、産業界、関係省庁へのヒアリングを行っていただきました。今回は最新の数量的なデータも加えまして、第3回の点検結果の案につきまして御審議を賜れればと存じます。
表紙の裏の目次をご覧いただければと思います。
Iの「はじめに」に続きまして、IIでは各種指標に関するデータの記載とその分析を行っております。IIIでは全体の評価と今後の方向性をまとめております。IVでは各主体の取組状況の評価・課題、Vで国の取組の評価・課題を記載させていただいております。
それでは、IIの各種指標に関するデータと分析について、4ページから御説明をさせていただければと思います。
4ページの図3、資源生産性についてでございますが、平成21年度までは資源生産性は上昇傾向にございましたが、22年以降は横ばいに転じまして、26年度には37.8万円/トンとなっております。
この横ばいの要因としては、次の5ページの図4、上の図にございますように、1つは近年GDPが横ばいになっていること、2つ目は東日本大震災の影響などにより天然資源等の投入量が23年度以降横ばいとなっているためというふうに考えております。
続きまして、7ページをご覧いただければと思います。
循環利用率でございます。長期的には増加傾向にありましたが、近年はこちらも横ばいとなっており、平成26年度には約15.8%となっております。長期的に増加していた要因としては、1つは大規模公共工事等の減少や産業構造の変化等による国内の非金属鉱物系の天然資源等投入量が減少していたこと、2つ目として、各種リサイクル法による循環利用の増加が考えられておりますが、短期的動向につきましては、8ページの図10、上のほうの図にありますように、天然資源等投入量は微増していますが、引き続き循環利用量も増加しているため、循環利用率というのが何とか横ばいとなっているという状況でございます。
9ページをご覧いただければと思います。
最終処分量につきましては、平成26年度で約1,180万トンと長期的に減少傾向にあり、既に目標値を達成しております。最終処分量の減少の要因としては、廃掃法や各種リサイクル法等によって循環利用量が増加しており、産業廃棄物を中心に大幅に最終処分量が減少したことによるものと考えております。
続きまして、22ページまで飛びまして、図27をご覧いただければと思います。
廃棄物部門由来の温室効果ガス排出量は長期的に減少傾向にありましたが、近年は横ばいとなっております。下の図28、廃棄物として排出されたものを原燃料への再資源化や廃棄物発電などに活用したことによりまして、廃棄物部門以外で削減された温室効果ガスの排出量は、平成12年度と比べまして約2.3倍と着実に増加しているところでございます。
続きまして、26ページの図29、1人1日当たりのごみ排出量、下の図30、1人1日当たりの家庭系ごみ排出量はいずれも年々削減が進んでいるところでございます。
次のページ、27ページの棒グラフにございますように、事業系ごみ排出量も平成12年度に比べまして削減が進んでおります。近年は横ばい傾向にございますので、さらなる減量化の取組が必要になっております。
次の28ページ、電子マニフェストの普及率は図32の折れ線グラフのとおり、平成27年度は42%まで上がっておりますが、28年度末時点で50%という目標の達成は厳しい状況でございます。ただ、24年度末から毎年約4から5ポイント上昇しておりますので、このまま推移すれば、29年度内には目標が達成する見通しでございます。
続きまして、34ページの図33、左上のグラフのとおり循環型社会に関する国民の意識については概ねいずれの項目も6から8割と比較的高いのですが、行動について見ますと、右上のリデュースの行動あるいは左下のリユースの行動、右下のリサイクルの行動もまだまだ低く、実際の行動に意識が結びついていない傾向が続いております。
37ページからは個別リサイクル法の目標の達成状況をまとめております。
特に38ページの上から四、五行目に全品目の家電リサイクルの回収率あるいはその下の食品リサイクルの特に食品卸し、小売、外食の再生利用等実施率あるいは39ページの2行目の小型家電の回収量、これらについて特に取組の強化が必要となっております。
続きまして、46ページに飛んでいただきまして、瓶のリユースでございます。色の濃い棒グラフにございますように、リターナブル瓶の使用量、年々減少傾向にございます。
続きまして、57ページでございますが、不法投棄の新規判明件数でございます。ピーク時に比べまして大幅に減少しているのですが、27年度、この棒グラフの白いところを見ていただきますと、甲賀市、宇部市、久慈市で大規模事案が新たに発覚いたしましたので、総量、黒と白を合わせると約16.6万トンに達しているところでございます。
63ページの下の図のほうを見ていただきますと、エコアクション21の認証取得件数でございます。以前ほどの増加は見られないものの、16年度の策定以降、増加を続けているところでございます。
前回の部会で中村委員から御質問いただきましたエコアクション21の登録件数、平成22年ごろから伸びが鈍化しているのですが、これは平成20年のリーマンショックあるいは21年の東日本大震災の影響によるものと考えております。
近年、企業と投資家の間のESG、環境・社会・ガバナンスを重視した投資の動きもありまして、大企業・大手に環境マネジメントシステムへの期待が再び高まっておりまして、現在は頭打ちの状況から脱しつつありますので、これはバリューチェーンを伝わって今後は中小企業にも波及するのではないかと期待しております。環境省では、こうした動きを促進するために産業界と連携して取組を強化しているところでございます。現在改定中のエコアクション21のガイドラインでも大手企業のバリューチェーンにエコアクション21を戦略的に導入していただけるよう、ガイドラインを反映していきたいというふうに考えております。
それから、前回の部会で大塚委員から御質問いただきました有価証券報告書における環境情報の記載の義務化の検討についてでございますが、金融庁の金融審議会の報告では大きく2つ、1つは非財務情報を今後とも任意の開示の形で充実させていくことが考えられる一方、今後、明示的に義務づけるかどうかを検討する際には、総合的に検討することが適当であるというような報告書に示されている状況でございます。
続きまして、68ページからでございます。
III、ここからは全体の評価と今後の方向性をまとめております。昨年11月に環境基本計画の点検の中の循環部分での本部会で御審議いただいた内容や、これまでのヒアリングでの御意見をまとめながら、ここでまとめさせていただいております。
まず、柱書にございますとおり、昨年の富山物質循環フレームワークで示された共通ビジョン、この地球の環境容量内におさまるよう天然資源の消費抑制、再生材等の利用を進めるということをライフサイクル全体にわたって取り組むということの達成のために、例えば2050年の我が国のビジョンを設定し、そこからバックキャスティングで戦略的に取組を進める必要があるというふうに書かせていただいた上で、(1)資源生産性につきましては、先ほどのとおり目標達成は非常に厳しいため、4つ目のパラに書かせていただきましたが、建設工事におけるリデュース、それから、再生資材の利用拡大をさらに進めるとともに、化石燃料の消費量を削減するなど上流での取組を強化する必要があると。また、資源生産性の高い産業や2Rに関する産業育成をする必要があると書かせていただいております。
(2)循環利用率につきましては、近年横ばいであることから、この目標を達成するために、このページの一番下の右のほうから書かせていただいておりますが、再生材の活用など上流の取組を強化し、ライフサイクル全体で取り組む必要がある。また、次のページの3つ目のパラ、「今後は」のパラに書かせていただいておりますが、他の環境負荷への影響も適切に判断しながら、未利用の廃棄物を積極的に循環利用する必要もあると。
また、(3)最終処分量につきましては、目標は達成しておりますものの、2つ目の「一方」でのパラにございますとおり、瓦れき類やばいじんが今後もリサイクルの行き場を失い最終処分されるおそれがありますので、今後も最終処分量削減に向けて上流の取組を強化し、ライフサイクル全体での取組を進める必要があるとまとめさせていただいております。
(4)低炭素社会、自然共生社会など持続可能な社会づくりとの統合的取組につきましては、引き続きの第2パラに書かせていただいておりますが、適切な物質循環を十分に考慮し、廃棄物部門由来の温室効果ガス排出力の抑制に努めるとともに、廃棄物部門以外との連携もさらに進めることで、日本全体の温室効果ガス削減に貢献していく必要があります。また、有価物を含めた循環資源全体での温室効果ガス削減効果も検討する必要があると考えております。
さらに、70ページの第2パラに書かせていただいておりますが、食品ロス削減目標の設定やフードバンクへの活動支援などの取組の強化も必要です。また、第3パラ、「また」のパラでございますが、循環型社会形成の取組を経済・社会課題としても扱い、分野横断的・分野別政策に統合的にすべきというふうにしております。
また、(5)多種多様な地域循環圏形成による地域活性化につきましては、「一方」からのパラのとおり、人口減少や高齢化の進行が予想される我が国では、地域コミュニティへの再生や地域経済の活性化につなげるため、地域で自発的に行われる循環型社会の形成を目指すことが重要と。また、71ページの第2パラでは、「このため」のパラでございますが、富山物質循環フレームワークに基づき、循環型社会の形成が雇用創出、経済成長、地域振興につながるよう地域循環圏の取組を強化する必要があると。さらに、物質循環の視点のみならず循環、低炭素、自然共生との統合的アプローチに基づいた地域循環共生圏の構想の実現に向けて取り組む必要があるとさせていただきました。
(6)ライフサイクル全体での徹底的な資源循環につきましてでございますが、2つ目の「このため」のパラに書かせていただいておりますが、廃棄段階のみならず、生産・消費段階を含む物質のライフサイクル全体を通じて循環型社会形成の取組を強化することが必要である。これには各主体の連携が不可欠です。
それから、72ページの1つ目のパラのとおり、2Rについては、消費者、事業者の意識改革を進めるために経済的インセンティブを活用するとともに、社会経済システムを整えていく必要があるとしています。また、第3パラにあるように、プラスチックなどの多種多様な製品に含まれている素材、食品、ベースメタルやレアメタル等の金属、土石・建築材料や新たに普及した製品や素材について、ライフサイクル全体での資源循環の観点を踏まえ、さらなる取組を進める必要があるとさせていただいております。
また、73ページの下の方、(7)適正な国際資源循環体制の構築については、下から3行目のとおり、不法輸出入対策について、関係省庁による連携、アジア太平洋地域の関係国・国際機関と連携を一層進め、基準の整備を行うことで取り締まりの実効性を確保する必要がある。あるいは不用品回収業者対策も進める必要がある。
74ページの第3パラでございます。国際的な協力については、G7間を含む国際レベルでの協力を強化する必要があるとさせていただいております。
また、(8)万全な災害廃棄物処理体制の構築につきましては、下から4行目のとおり、廃棄物処理システムの強靱化や温暖化対策における適応策との統合を含めて検討する必要があるとさせていただいております。
また、(9)適正処理のさらなる推進につきましては、次の75ページの十何行目かの「アスベスト」からのパラにございます。アスベスト、PCB、POPs等について、引き続き適正な処理を進めることが必要。また、次の76ページの2行目の右のほうからでございますが、廃棄物処理施設や最終処分場の長寿命化等の支援も行う必要がある。さらに、2つ目のパラで飛び飛びでございますが、中間貯蔵施設あるいは指定廃棄物の処理についても着実に進める必要があるとさせていただいております。
(10)循環分野における技術開発、人材育成等については、同じく富山物質循環フレームワークに基づき、各取組について適切かつ科学に基づき広く認知された国内指標を検討する必要がある。また、下から4行目でございます。高度な技術や新たなサービスを実現し普及させるために、ICT技術を積極的に活用していくことも求められる。また、少子高齢化の進展や人口移動により、資源循環に関する技術や知識を持つ人材不足や偏在化が生じつつあり、地域において資源循環を担う人材の育成が必要。また、最後のパラのとおり、個々人の問題意識が実際の3R行動に結びつくような情報発信の必要性も書かせていただきました。
78ページ以降には、IVとして各主体の現在の状況や課題をまとめて書かせていただきました。
それから、90ページというか、実際は91ページ以降の表、これは前回出させていただいた資料を修正したものでございますが、国の取組の進捗状況と課題をまとめさせていただいております。
私からの説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、第3回の点検結果報告案につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。どの程度御質問、御意見ございますでしょうか。名札をまず立てていただけたら幸いでございます。
では、数名の方から御意見があるようでございますので、それでは、順番に回してまいりたいと思います。
では、大迫委員のほうからどうぞよろしくお願いいたします。
○大迫委員 ありがとうございます。
3つほどでしょうか。まず、廃棄物分野の温暖化対策のところで、温室効果ガスの削減に関するグラフが出ておりましたけれども、廃棄物由来でそれをリサイクル等することによる温暖化ガスの削減効果ということの評価はしておりますが、これは今後の課題にもなろうかと思いますけれども、循環資源として全体を捉えたときの、廃棄物ではない有価なものも含めた3Rということもありますので、そういったものの温暖化ガス削減効果はさらに大きいものだと思うんですが、なかなか定量的な評価をするということが難しゅうございますけれども、3Rの取組全体を見ていくという上では、その部分をどう評価していくかということは課題かなというふうに思っております。それが1点目。
2点目は、統合的な取組ということで、3社会の統合的な取組の重要性ということがここで柱立てしてあるわけですけれども、やはりその自然共生社会や低炭素社会との統合という面でのウイン・ウインとかシナジーみたいな意味合いでの統合という捉え方だけなのか、あるいはトレードオフの関係の要素もあるので、やはり統合的取組というのは安全確保の社会ということも含めて、トレードオフも踏まえた統合的な取組をきめ細かくやっていくということが重要ではないかというところで、その点に関して今後の十分な考察も必要ではないかというふうに思います。
それから、3つ目は、災害のところの記載の中で、災害対策ということを主流化して対応していくということが重要であります。74ページのところで、平時から備えていくということが重要だということで記載がございます。それから、風水害に関しては、温暖化対策における適応策との統合というところの意識も重要だということの指摘は、こういうような形で記載していただくということは大変よかったかなと思います。
やはり熊本地震の中でも災害廃棄物対策というのは、D.Waste-Netの活動も含めてかなり行政的にはシステマチックに自治体等との関係、あるいは関係団体等も含めてシステマチックに機能したと思っておりますが、環境省内での例えばアスベスト問題でも水・大気局との関係性でありますとか、あるいは今回は幸いにもなかったわけですが、場所によっては化学物質を扱っているような施設、PRTR情報というのはフローの情報がありますけれども、ストックの情報ということはないわけでありまして、事前の備えの中で横断的な対応が、今後迫られる災害の様相ということは十分予想されるので、省内での何か部局間に横断的な問題に対して備えていくというような姿勢なども書き加えていただくといいのではないかというふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、高岡委員、どうぞお願いします。
○高岡委員 私からは意見というか、ちょっと体裁が91ページから文字化けをかなりしておりますので、最終的には修正をお願いしますということです。
以上です。
○酒井部会長 失礼しました。
あと、大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 大迫委員の御意見に触発されて思いついたので指摘しますが、先ほどの災害廃棄物との関係で、PRTRとの関係を書いてほしいというのは、私もぜひ書いていただければありがたいと思います。今回の東日本大震災のときもPRTR関係の情報がそれなりに役に立ったと思いますけれども、ただ、現在のPRTR法では貯蔵とか使用量に関してのデータが集められておらず、排出、移動のところだけになっているので、こういう大震災のときのような災害のときは、まさに貯蔵とか使用量とかが重要になってくるので、そういう観点からの制度の見直しもぜひ重要だと思います。ぜひPRTR関係の情報のことは追記していただけるとありがたいということを申し上げます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、引き続いて中村委員、お願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
まず、エコアクション21関連で質問した件についてご回答いただき、ありがとうございました。これからは環境経営と事業経営の関係が強まる時代になっていくと考えておりますので、その意味でもこのような仕組みをさらに普及していただきたいと思います。
ISO14001と比較しても、エコアクション21の更なる普及に向けて頑張っておられるということがよくわかりましたし、今後も普及させるための様々な手だてを考えていらっしゃるとのことですので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。商工会議所といたしましても、色々な形でご協力をさせていただきたいと考えています。どうもありがとうございます。
今回の資料で一つ質問させていただきたいと思います。27ページです。中小企業を主な会員としている私どもとしましては、事業系ごみの排出量が横ばいになっており、削減に向けた取り組みが必要と書かれている点が気になります。横ばいの原因を把握されていますでしょうか。取り組みを行うと記載されているのであれば、既に原因が分かっていると思いますので、原因あるいは今後の取り組みについてもう少し具体的にお教えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 それでは、三浦委員、お願いいたします。
○三浦委員 数点述べさせていただきます。
まず、68ページでございますけれども、最初の柱書の後半でございまして、例えば平成62年の我が国のビジョンを設定して、そこからバックキャスティングによって云々とございますけれども、やはり2050年のビジョンの設定というのは、そう簡単なことではないと思います。ですから、具体的にどのような事象を背景に検討されて、また、具体的にどのような検討をすることを想定して記載されたのかお教えいただきたいと思います。
その次、(1)でございますが、資源生産性でございます。経団連は以前から資源生産性の値を目標として設定することは適切でないと申し上げてまいりました。また、文中においてもGDPにおいて触れられておりますけれども、資源生産性というのは国民、企業の努力だけで改善できる性質のものではございません。内外の経済情勢、資源価格、為替、いろいろ変動要因が多岐にわたりますので、御配慮いただければと思います。
また、今度はあわせまして、66ページの表16でございますけれども、ここで資源生産性の目標設定している企業数ということで、数は少なくなっておりますが、やはりここで今申しましたように、資源生産性に関わる目標を設定するか否かは業種の実情に応じて決定するものでございまして、いわゆる目標を設定している事業者の数、いわゆる多寡を評価すべきではないと経団連としては考えております。
あと、69ページの(3)最終処分量についてでございますけれども、ここにございますように、最終処分量をめぐる状況というのは関係各界の皆様の努力によって大幅に改善してきたと認識しております。しかし、一方、昨年11月の事業者ヒアリングの際にも御説明させていただきましたとおり、産業界といたしましては、産業廃棄物の最終処分量のさらなる削減は、現在の技術水準とか法制度においては、もうほぼ限界に近づきつつあると評価しております。このような現状認識について追記いただければと考えておりますので、御検討のほどお願いしたいと思います。
あと、71ページでございます。(6)でございます。そこの第2段落目に、その際には拡大生産者責任や持続可能な調達、ビジネスとのパートナー云々とございますが、各主体が連携してライフサイクル全体での資源循環を図るという方向性には異論ございませんが、拡大生産者責任を適用するか否か等は画一的に定めるものではないと考えておりますので、断言した表現は避けるべきではないかと考えておりますので、御検討いただければ幸いでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 それでは、引き続いて見山委員、お願いいたします。
○見山委員 ありがとうございます。
63ページ、環境マネジメントシステムの認証取得件数のところですが、まず、上段のISO14001の取得件数が減っているとの部分に関して、現場をいろいろ回っていても、中小企業としてこれを継続し続ける、ISOを取得したのはいいけれども、継続し続ける為のコストの問題とか継続し続けることの意義というのがあまりないという感じなので、恐らくこの件数は、トレンドとしては、これからは頭打ちで増えていかないのかな、と感じているところです。
その代替にエコアクション21がなればいいなと思いますが、その為には、前回も申し上げた通り、地域金融機関が環境融資をするときの何らかの評価尺度にし易いような、金融機関が使うインセンティブにつながるような仕組みをうまくつくっていくことができれば、ISOでこぼれた分をこちら側で拾っていくことができるのではないかなというふうに思います。
それともう一点、同じく金融機関に関してなんですけれども、86ページで「金融機関・投資家の関連指標がない」という部分ですが、恐らくなかなかベストプラクティスというものが国内には存在していないというのが事実かなと思います。そんなときに海外の事例というのが、環境金融の分野は進んでおりますので、オランダのトリオドス銀行とかドイツのGLSコミュニティバンクとか、そういったところの情報をうまく取り入れながら、政策連携型のモデルということを学ぶということ、これを環境省から発信することによって各地域金融機関に届くような仕組みができればなというふうに思っております。
私からは以上です。
○酒井部会長 では、森口委員、お願いいたします。
○森口委員 ありがとうございます。少し遅れて参りまして、申し訳ございません。ちょうど埼玉県のほうの研究所で災害と環境問題を取り上げた講演会がございまして、そちらで災害廃棄物の話をさせていただいたものですから、ちょうど先ほど来、大迫委員、大塚委員が御指摘になっている点、ちょっと繰り返しになりますけれども、あえて発言をさせていただきます。
ちょうどその場でもフロアのほうからやはりPRTRという言葉も出ました。やはり有害物を一時的に貯蔵していることが災害時に環境汚染につながらないのかどうかということの懸念をおっしゃった方がいらっしゃいまして、これはちょっと廃棄物行政の枠を出る話かもしれませんし、平常時、それは廃棄物という状況ではないわけですから、廃棄物行政側からちょっと非常に手出しがしにくいところかもしれませんけれども、やはり地上にあるその物質が一時的にストックされているもの、あるいは災害廃棄物のもとは恒久的なストックですけれども、今話題になっているのは、一時的に貯蔵されているものというのが実は環境問題との関わりが非常に強かろうという問題意識かと思います。
ちょっとこれの点検というところのタイミングには合わないのかもしれませんけれども、東日本大震災にしろ、あるいは熊本地震にしろ、必ずしも顕在化しにくかった、たまたま地域の産業の構成のせいかもしれませんけれども、そういうことでやはりこれまでの最近の災害の質からまだ経験していないようなことに関しての問題が生じないのかどうかという点で、量的な点に加えて、やはり災害廃棄物のこれまで経験していないような質の問題がないかどうかという点の着眼点は極めて重要かと思いますので、私のほうからも付言をさせていただきたいと思います。
若干気になったのは、74ページの最初のパラグラフの最後に「十分に取り組まれていない状況にあります」という表現がありまして、どういう部分が機能しなかったのかということですとか、それからあと、D.Waste-Netのお話も先ほどあったわけですけれども、現地の方に聞きますと、やっぱり初動の一番最初に必要な方にどうやって情報を伝えるのかというところに関しての課題をおっしゃっていたようなところもあろうかと思います。ここの部分、経験は非常に蓄積されているところでありますので、将来に備えるという意味でもう十二分にレビューされているところでありますけれども、なお一層ここのところ、具体的にもう少し書き込むべきところがあれば書いていただければと思います。
ちょっと繰り返しの部分が多くて恐縮ですけれども、以上でございます。
○酒井部会長 では、永田先生、引き続いてお願いいたします。
○永田委員 どうもありがとうございます。
このレポート自体はよく細かいところまでまとまっているなという印象を受けておりますが、少し全体的な視点から眺めてみますと、一つの行政評価ということになるのかなというふうに思って見ていました。
それで、3つの目標が掲げられていて、この目標を達成するための方法論が中心、それ以外にももちろんあるわけですが、そうした視点で見ていったときに、もう少しブレークダウンした施策の関係を政策のところとどういうつながりがあって、それがどのくらい機能しているのかという視点の整理が必要になってくるんじゃないかなというふうに思って見ていました。
それから、施策の中にもその中のまた目標が掲げられているものもありますが、あまり目標がはっきりしていないものもあって、ちょっとその辺も少し整理していかれ、それから、アウトカム評価になってくると、目標にフィードバックしてどうだということを見ていかれるわけなんですが、ちょっとその視点が何となく曖昧になっているなと。例えば資源生産性の話、さっきから出てきているんですが、途中にも書いてあるように産業構造が変化していくと、当然資源生産性は変わってきちゃうわけですよね。そのウエートはどのくらいになって、ここの効果として表れているのか。本当にここで資源生産性を狙った施策がどのくらい効果があってここに影響を与えているのかというような話、もう少し定量的が望ましいんですが、ここで書けとは申しませんので、今後の対応の中できちっと表していっていかれたほうがいいかなと。
それから、もう一点はこれ循環型社会の問題というのは、それなりの取組の長さを持っているわけで、特に市民の方から聞くと、達成感がなかなか感じられないというんですよね。ここにも書いてあるほとんどが今後の課題みたいな話がずらずら書いてあって、ただ、これまで相当市民の方には努力していただいて、ここまで来たんだということになるんだと思いますので、またいろいろ見直しがあるのかもしれませんから、そのときにはぜひその点を全般の部分できちっと触れていただいて、その上でまだまだ課題は残っているし、新たな課題も生まれているんだという視点でまとめていただくのがありがたいのかなと。
それから、指標の中にちょっとこれは余分な話かもしれませんけれども、資源生産性もこれ原単位です。循環率、これもパーセント表現で原単位的になっているんですが、最後の最終処分のところが原単位じゃなくて絶対量が示されている。それから、今の時代、最終処分だけで本当にはかっていいのか、もう少し廃棄物処理の視点のものもきちっと指標の中に取り込んでいくべきじゃないかなというふうに思っていますので、これも将来の課題かもしれないなというふうに私自身は認識しています。
以上です。どうもすみません。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、最後に浅野会長のほうから御意見をいただきます。
○浅野会長 今、永田先生から達成感がないのではないかというお話だったんですが、これはそうでもないような工夫はできるだろうと思いますね。特に今度、第四次の循環計画を検討することになりそうなんですが、やはり一次から、つまり2000年のころからずっと経過を追っかけて、それをもう一回よく咀嚼をしてみると、最初からずっとかかっているものから言うと、よくここまで進展したなという気持ちがむしろあるんですね。それぞれの次元ごとにやっておられる方は、何か最近横ばいで何となく心配だということになるかもしれませんが、最初からやっているものから言うと、もうこんなによくなったんだということがありますから、それは十分達成感につながっていくと思います。
それから、指標についてもこれまでもう既に経団連からもたびたび御指摘をいただいて、私どもよくわかっていますので、そのように工夫をするということで修正をしてきてはいるわけですが、全体で日本の状況がどうなっているかということが問題で、産業界がやっている、やっていないというようなことを言っているわけじゃないので、その辺はよく皆さんにわかってもらわなきゃいけないだろうと思います。
永田先生が御指摘の最終の処分のところだけ数字だと言われているのはおっしゃるとおりなんですが、実はこれは多少裏がありまして、最初に目標をつくったときに、ここだけは経団連が言っておられた数字があったものですから、これはありがたいなと思って使わせていただいたというのが真相であります。
もともと指標を使って目標を聞けるというときに、ばらばらには考えないというのが当初からの約束であったことをもう一度確認しておいてください。つまり3つをセットで考える。だから、どれかだけが突出してよくなっているからよくなったという考え方ではないので、全部がよくなっていかない限りだめですよということです。そうすると、例えば最終処分のところだけ突出してよくなっているというのは、やっぱりおかしいなということにならなきゃいけないはずですね。その辺から多分、永田先生御指摘の質の問題というようなことに切り込んでいけるのではないかと思いますから、ぜひ次の第四次の循環計画のところでは、森口先生を中心にしっかり頑張っていただいて、これまでの課題が解かれていくことを期待したいと思います。
私もついでに申し上げますが、最初からやっておりましたが、いよいよもうこういう場に出る機会はなくなりますので、今後ともぜひ皆さん、よろしくお願いします。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、この第3回点検結果報告につきまして一通り御意見をいただきましたので、事務局のほうから御回答いただけるところを御回答いただくということでお願いをしたいと思います。ちょっと1点だけその前に確認の質問をさせていただきますが、大迫委員のほうから統合的取組ということで、この循環、低炭素、共生のシナジーのみではなくトレードオフという言葉を出されたんですが、そのトレードオフの具体的なわかりやすい事例を1点だけでもちょっと挙げていただけないかというふうに思います。今の時点でそれほど深刻なものがあるとは実は思っていないこともありまして、お願いできれば幸いです。
○大迫委員読んでいくと、ほかのところではライフサイクルの観点等も含めて書いてあったかもしれないんですが、例えば製品の買いかえの問題ですね。エネルギー効率の高いものにどんどん買いかえていくということに対する製品のサイクルが早くなって資源消費につながるでありますとか、あるいは化学物質の問題と循環型社会でいうと、特に土石資源などに関して、その副産物と化学物質への懸念というところの中で、循環利用を進めることが本当にいいのかとか、あるいはマテリアルリサイクルと焼却によるエネルギー回収・温暖化ガスの問題とか、特にプラスチックの問題もありますが、そういう点でございます。
○酒井部会長 3社会統合全体を否定するほど激しいトレードオフはないという理解で、その点はよろしいですよね。
○大迫委員 はい、そうですね。
○酒井部会長 個別注意が必要なトレードオフ事項は結構あると、そこを認識せよと、そういう御発言かと思います。
それでは、ちょっと事務局のほうから一通りお願いいたします。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) まず、御質問いただいたところで、中村先生から、資料の27ページの事業系ごみの排出量の原因とどういう取組があり得るのかというお話をいただきました。
事業系廃棄物について、この目標を達成するために今後138万トンの削減を図っていく必要がありますが、背景、要因として、これまでも業務用床面積の増大傾向もあって、それに伴う排出量の増大というところ、それから、横ばいにとどまっているということが背景にあると思います。それは今後も続く傾向があるのではないかと考えております。そのような意味で、例えば、食品リサイクル法を通じた食品ロスの削減ですとか、あるいは事業系一般廃棄物についてどういった価格設定あるいは受け入れをどのようにしていくのかというような、取組をさらに検討していく必要があるのではないかと考えております。これは今の時点での一つのアイデアとして考えております。
それから、御質問いただいたところで、三浦委員のほうから68ページの今後の全体の評価・課題の柱書のところで、2050年からのバックキャスティングというようなところでございました。
我々もこれは簡単な課題ではないと思うのですが、これまでの1年間の環境基本計画の循環部分の点検ですとか、あるいはヒアリングの中で、例えば温暖化もバックキャストからどのように次の計画のことを考えていくか、一方で、低炭素社会と循環型社会と生物多様性の統合ということでいくと、事務局としても、循環型というところも大きく構えると、この富山フレークワークのG7共通ビジョンのところから2050年をどう考えていくのかを課題と捉えています。
実は、現行計画をつくるときにも2030年ごろまでを目指して、中長期的な方向性というところに数ページ分にわたり、既に現行の循環計画の中にも書かれているので、低炭素や自然との共生というのをにらみながら、長期的にどうあるべきかというところを、事務局としても、この2030年のさらに先を考えて、一案を示させていただきたいと今の時点で考えております。
それから、御指摘をいただいたところにつきましては、それぞれ今後の特に見直し作業を進める中で基本的に入れ込んでいきたいと考えております。
それから、1点、拡大生産者責任のところがありましたけれども、これについては現行計画、それから、富山物質循環フレームワーク、あるいは今般OECDの拡大生産者責任のガイドラインがまた数年ぶりに改定されたばかりでございますので、方向性の論点や切り口の一つとしては、これは欠かせないと思います。それだけではなくて、社会全体として取り組むという観点の一つとして、拡大生産者責任についてもしっかり踏まえて考えていく必要があると考えております。
○廃棄物対策課長 続きまして、災害廃棄物について少し御説明させていただきます。
まず、大迫先生から省内横断的組織についてということで御質問がございました。政府全体の話とともにお話し差し上げれば、省内横断的な組織は、災害担当の審議官を置きまして、熊本の地震の場合には、現地入りをして、アスベスト、PET対策、災害廃棄物、全て仕切っていただきました。また、平時におきましても、情報交換、それから、体制づくりということで対応しております。そういったことがこの計画に合致する部分で書けるところがあるか御相談をしようと思います。
それから、政府内の横断的な組織としては、内閣府防災を事務局といたしまして、各種災害、自然災害の際には必ず情報交換のための会議を開催しております。例えば道路の警戒情報、あるいは台風が続けて来る場合などは気象情報などが、私どもの災害廃棄物の対応にも非常に役に立っております。こういった内容が書けるか事務局と御相談をしたいと思います。
また、大迫先生、大塚先生、それから、森口先生からそれぞれPRTR情報の活用についてコメントをいただきました。PRTR情報に関しまして御関心と御留意を持っていただきまして、ありがとうございます。
PRTRの情報につきましては、先生方御存じのとおり、事業所ごとに環境への排出量について既に公開情報として取り扱っております。地理情報、GIS情報とともにホームページ上で閲覧することが可能なので、私の記憶が正しければ、東日本の際には1年前の事業の状況ではございますけれども、どういった物質を使っていて、どういった物質が環境中に出てきたかということをもとに、さまざまなモニタリングの地点などを検討したと記憶しております。
一方で使用貯蔵量あるいは一時的な貯蔵に関しましては、事業あるいはその事業上の企業秘密に属する部分もございますし、これはPRTR法全体の根幹にも関係することでございますので、関係課室と今後の課題として御相談させていただきたいと思います。
それから、森口先生から災害廃棄物の量的・質的な面での着眼点ということで御指摘をいただきました。そのとおりだと思っております。今現在、災害廃棄物というのは、量の問題、それから、質的な問題という面では、現場で分別をして、金属類、ガラス類、陶器類など、それらに応じてちゃんと分別管理をして適切にリサイクルするということを実施しております。ただ、それに加えまして、平時から質的な観点でどんなことができるのかということは少し考えさせていただきたいと思います。
それは、森口先生から御指摘いただきました十分に取り組まれていない状況にあるということにも関連いたしますけれども、ここで記載したかった内容は、災害廃棄物の処理計画を地方公共団体に策定していただくことにしておりますけれども、その数は現時点ではまだ多くはないということでございます。後述しておりますけれども、私どもこういった平時の備えのために、全国あるいは地域ブロックの協議会を設けております。そういった協議会での情報共有あるいは計画を策定していただくためのモデル事業などを今年度の補正予算から、また、来年度予算を用いてやっておりますので、その中で量的・質的な観点、どちらの観点でも対応を考えるという点は大事なことだと思いますので、今後モデル事業を実施していく上で留意していきたいと思います。
以上でございます。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) すみません。それから、高岡先生から御指摘いただきました文字化けのところ、大変失礼いたしました。気をつけます。
○酒井部会長 では、お願いします。
○企画課長 それからあと、指標の関係について三浦先生、それから、永田先生、浅野先生からもございました。恐らく現行の指標は指標として、次の計画をつくるときにもう少し指標については、より突っ込んだ議論をさせていただくということが必要かと思っておりますので、そういった対応をとっていきたいと思います。
また、幾つか災害廃棄物以外にも例えばエコアクションの点とか、金融機関の点とか幾つかございました。非常に大きな点については次回の検討課題ということでございますが、幾つかは現在のレポートの中にも盛り込み得る部分があると思いますので、また座長と御相談させていただいて、その辺の仕分けをした上で、現在のレポートに盛り込めるものは積極的に盛り込んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、委員のほうから頂戴いたしました意見、質問はほぼお答えいただいているかと思います。今のやりとりでまだ不足の御発言がございましたらお願いをしたいと思いますが、ございますでしょうか。
では、藤井委員から。あと、森口委員、どうぞ。
○藤井委員 すみません。初めに質問しなければいけませんでした。
73ページの適正な国際資源循環のところです。私も早くからこの循環のところに関わってまいりましたが、資源の循環は国内循環がまず、そして、国際循環ということの中で、この割合が大きくなったり小さくなったりというのは市場価格に影響されると思うんですが、私がもう40年ぐらい関わっている廃食油の世界では随分大きな流れがあって、それは今、20トンコンテナでどんどん今はロッテルダムと韓国とアメリカに輸出されているんですが、それはどういうことかというと、廃食油をつくるための法制化ができているところ、制度設計のできているところがその国が例えば韓国であったりフランスであったりに入らなくなる部分がたくさん出てきます。日本は資源を大事にということで回収する仕組みはできるんですが、それを使うための義務化とかバイオディーゼルでいえば何%混合と、そういう制度設計ができていないために非常に大きな狂いが生じています。
廃食油でいえば、地域で非常にけなげに、地域の人たちが非常にいい形の循環の回収の仕組みができていながら、今、最近の動きでいうと、随分とそこに齟齬があるので、この市場価格だけではなくて、それぞれの国がどんな制度設計をすることで国内資源が外に行かなくなるかというようなことも次のときにはぜひ盛り込んでいただきたいなと思います。ここにということではないです。
○酒井部会長 引き続いて森口委員、どうぞ。
○森口委員 恐れ入ります。廃棄物対策課長のほうから災害廃棄物のところをお答えいただきましたので、もう一度だけ踏み込んで発言をさせていただきますと、ここに地方公共団体という表現があるんですけれども、市町村が何をやって県は何をやればいいかみたいなところも必ずしも当事者が十分にそこを認識しておられるかどうかというところがあるかなということと、やはり自治体の研修の機関などでこの話をさせていただく機会なんかもあるんですけれども、なかなかやっぱりまだ当事者意識を持っていただいていない。いや、やらなきゃいけないことはわかっているんだけれども、何をやらなきゃいけないんですかという率直な御質問を受けるようなところがございます。
ですから、その辺りの当事者意識をどうやって持っていただくかというのは非常に重要ではないかなと思いますので、言うまでもないことでございますけれども、発言をさせていただきました。
○酒井部会長 それでは、追加の2つの御意見を賜りましたが、今の御意見、今後の作業の中で反映させていただくということで、わかりました。
どうぞ。
○古尾谷委員 今、地方公共団体の役割について御発言がありましたけれども、ちょっと私どものこの最後のほうの87ページから90ページにかけて地方公共団体の取組という欄がございます。ここにおける市町村の役割、都道府県の役割という形が果たして今の2017年の国、地方、いわゆる国、都道府県、市町村という枠組みに合っているのかどうか。既に特別市は20あります。政令市はどんどん増えております。それから、いわゆる中核市、従前は30万人以上だったのが20万人の特例市にまで幅を広げようというのが今、地制調等での議論になっています。それなりの能力があるところには、それなりの権限をおろしていく方向はよくわかるんですけれども、一方では、全国市町村、特に過疎地においては、市といっても人口が減少してしまっている北海道の各市のようなところやさまざまな形でおろ抜かれているところが出ているという中では、旧態の都道府県、市町村、国という枠組みだけでは捉え切れないのではないかというところが非常にあります。
それから、都道府県と市町村は廃掃法に基づく産業廃棄物は都道府県、一般廃棄物は市町村というのが呪縛のようにあります。役割分担というと、それは一般廃棄物だから市町村ですよ、これは産業廃棄物ですから県ですよといっても、実際の場面は同じ廃棄物です。総合廃棄物行政を進めないとなかなか現場の廃棄物はなくなりません。不法投棄で一番それを痛感しております。これは何々かと選んでいる場合ではないんですね。その面では、今回のこういう見直しの中で一番強く出てきた地域循環圏とかそういう方向をもっと強めて、その中で主体の協働を図っていくという視点をもっと地域、地域の色合いを出してやっていくほうが都道府県、市町村の役割ということでいうと、都道府県はいつもきれいなことばかり言って計画ばかりつくっているじゃないかという言われ方を私どもはしておりますので、そうではなくて、積極的に出ていくところには出ていくし、市町村の中にも力を持ったところは積極的に県あるいは他の自治体、広域的な連携をもしていく。今、総務省のほうでやっている地域連携都市圏ということを私どもがよく見れば、そういう方向でまさに地域循環圏などと一緒にやってもらいたい、発想を同じにしてもらいたいという気持ちがあります。
その中で現実の現場の対策を進めていかないと、人も財源にも限りがある中ですから、ぜひその点は役割分担という言葉だけではなくて、実態的な取組をぜひお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○酒井部会長 追加の御意見、今後の作業に反映してくださいでおさめるつもりだったんですが、今の古尾谷委員の御発言、相当重い御発言でございますので、少し廃棄物行政あるいは循環としてお考えになられるところがあれば、環境省のほうから一言お願いしたいというふうに思います。どなたからでも結構ですので、ちょっと考えてください。
少なくとも今日紹介いただいている話の中では、災害廃棄物対策というところでは、今の地方の枠組みで済まないところに直面されている中で日々苦労されているということで、新制度も考えてこられ、そして、年々発生する災害対応もおやりになられているというところでいけば、まさにその現実に対応されている側面がある。その一方、地域循環圏等々ではまだ不十分ではないかと、そういう御指摘かと思いますので、まさに今の御意見を受け取っていただく中で可能だというふうに思いますし、今挙がっています。大久保先生、では、もし今の関係があるなら。
○大久保委員 今のとちょっと関係ないんですけれども。
○酒井部会長 では、先に発言しておいてください。どうぞ。
○大久保委員 すみません。後出しで申し訳ありません。
先ほどの災害廃棄物のPRTRとの関わりでストック情報の話ですけれども、念のための確認ということで申し上げておきますけれども、情報公開法不開示が認められている法人情報にも、健康生命、財産保護のための情報というものは含まれませんので、災害時に周辺住民等の健康生命を守るため有害物質に関する情報ということであれば、当然営業の秘密を理由にして不開示にするということはできないと思います。また、国際的に見ても日本の法制度では、災害時の周辺住民への情報提供の法律上の規定が大変弱いという評価を受けておりますので、この点も含めて御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○浅野会長 PRTRだけがうまく機能するかどうかというのを含めてやっぱり考えなきゃいけない面があると思いますね。ただ、このテーマは既に環境研究では何本か研究が走っていまして、災害時の特にこういう有害物質をどうするのかということは、相当力を入れてやるということで動き始めますから、その成果を見ながらしかるべき制度が恐らく3年、4年ぐらいの段階で相当しっかりしたデータが出てくることを期待しています。
恐らく消防法とかいろんな法律が絡んでいますけれども、化学物質については、なかなか国全体としてすっきりした制度ができていないのもよくわかっていることですから、恐らく廃リ部だけの話ではないということだと思います。皆さんの意見はみんなそういうことなんですね。さっきの省内でもちゃんと連携をとってというのは、今のようなことも含めての話なので、廃リ部だけが全部しょい込むことはありません。むしろ環境省全体として取り組んでいただいて、今度は局になりますから、一層頑張ってください。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 古尾谷委員から御指摘いただいた点でございます。今、私ども次の計画の審議を春からお願いできればということで、みんなで分担して各地方公共団体のほうに出張して、現場の声というのも拾っているところでございますので、次の計画でどういう地域循環の姿を描いていくのか、それにどういう施策をインプットできるのかというところは、その次の計画策定の中でまた事務局案も示しながら御審議いただければなというふうに考えております。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
自治体、地方公共団体という意味で非常に多様性があろうかと思います。それを反映した展開が今後どうできるかというところがキーかと思いますので、委員の御意見を含めて、今後の循環圏の考え方、ぜひ調べていただければと思います。
それでは、本日の1つ目の課題、この第3回の点検報告書(案)につきまして多くの御意見を頂戴いたしました。今後、環境省のほうからパブリックコメントにかけていただくという予定でございますが、どこまで直してパブリックコメントにかけるかというところにつきましては、事務局と相談をさせていただきますので、その段階につきましては御一任いただくということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、この後、必要な手続、そして、進めていただきますようによろしくお願いをいたします。
それでは、議題の1つ目につきましては、これで終了させていただきたいと思います。
続きまして、議題2「廃棄物処理制度の見直しの方向性について」に入りたいと思います。
まず、審議状況につきまして、委員長の大塚先生のほうから御説明をいただき、そして、資料について事務局から御説明をお願いしたいというふうに思います。
では、大塚先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○大塚委員 ありがとうございます。廃棄物処理制度専門委員会の委員長を務めさせていただきました大塚でございます。
まず、私のほうから専門委員会における審議状況について説明をさせていただいて、後で詳細は事務局から御説明いただきたいと思います。
資料2の目次の辺りをご覧いただければと思います。
廃棄物処理制度の専門委員会は、平成28年5月19日に第1回を開きまして、計8回にわたって審議してまいりました。その中では、第2回から第4回において関係者のヒアリングを行っております。それから、最後に取りまとめた後で、昨年12月の中旬から1カ月にわたってパブリックコメントの募集を行いまして、その意見を踏まえて報告書として取りまとめを行いました。報告書の内容は目次を見ていただきますとわかりますように、1、背景と経緯、2、基本的視点、それに続いて、3、制度見直しの主な論点となっておりまして、その中で各項目について現状と課題と見直しの方向性を整理するという形で、大きく12の課題についてまとめております。
1、背景と経緯におきましては、廃棄物処理法は類似の改正を行ってきたところでございまして、適正処理対策とか健全な資源循環の推進に一定の効果は認められますが、さらなる適正処理の推進とか健全な資源循環の推進に向けて取組を検討する必要がある。また、廃棄物処理分野における地球温暖化対策の強化についても重要であるということを整理しております。このような観点におきまして、専門委員会で議論を行ってまいりましたが、その結果が2章1項にございます。
2の基本的視点におきましては、5点基本的視点がございます。2ページでございます。
適正処理のさらなる推進というのが1でございまして、その中で排出事業者責任の徹底、処理業者による適正処理の確保に向けた仕組みづくり、現場での能動的な対処を重視した仕組みづくりというのを挙げております。それから、2つ目でございますが、健全な資源循環の推進ということで、①排出抑制・適正な循環的利用の推進、それから、2つ目に優良な循環産業のさらなる育成と各種手続等の合理化と整理しています。
以降は事務局から説明をお願いいたしますけれども、こういう基本的視点を踏まえて、第3章1項で大きな論点、それぞれに対して現状と課題と見直しの方向性を取りまとめております。3章以降について特に重要な論点は2つございまして、1つは雑品スクラップの扱いでございまして、これについては廃棄物に準じた扱いをするという方向性を打ち出しております。もう一つは電子マニフェストでございまして、これにつきましては、一定規模以上の特別管理産業廃棄物を搬出する事業者に対して義務づけを行うということを提案しております。
この報告書につきましては、最終的には意見具申として環境大臣に提言させていただくことを考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、以降につきましては、事務局からの説明をお願いいたします。
○制度企画室長 続きまして、事務局のほうからこの報告書の御説明をさせていただきます。
委員長のほうから今、1、背景と経緯、2、基本的視点の大きな方向性については御紹介いただきましたので、3の制度見直しの主な論点というところから御説明をさせていただきます。
4ページをご覧いただければと思っております。
まず、産業廃棄物処理状況の透明性の向上ということで、これは適正処理の推進のためにより処理状況の透明性の向上を図っていくべきであるという方向性のもとで、具体的に申し上げますと、5ページの「このため」という2段落目の真ん中ら辺に書いてございます通り、優良産業廃棄物処理業者認定制度による処理状況に関する情報のインターネットを通じた公表または情報提供について見直しを行うべきであるといった方向性について取りまとめさせていただいております。
ただし、当該情報のほかの事業者への提供や公開については、これは委員会のほうでもいろんな御意見がございまして、扱っている廃棄物の種類や処理業者の取引先である事業者の営業の秘密にも留意する必要があるということを書かせていただいております。
続きまして、12個の論点のうちの2番目でございます。マニフェストの活用でございます。
こちらは2つの論点にさらに枝分かれしておりまして、1つは虚偽記載等の防止でございます。こちらは見直しの方向性の下3行をご覧いただければと思いますけれども、マニフェストの虚偽記載の罰則の強化も含めた抑止力をより高めるための方策を検討すべきであるといった方向性でございます。
もう一つが6ページ、7ページにございます電子マニフェストの普及拡大でございます。
こちらにつきましては、7ページの見直しの方向性の3段落目をご覧いただければと思います。先ほど委員長のほうからも御発言がございましたが、より適切な管理が求められる一定規模以上の特別管理産業廃棄物を排出する事業者に対し─少し飛ばします─電子マニフェストの使用の義務化を検討するといったことが書かれております。
その後の行でございますけれども、「この際」といったところがございます。義務化を検討するに際しまして幾つかの留意事項ということが書かれております。1つは十分な周知期間、しばらく飛びまして、利便性の一層の向上、さらに、自然災害等やむを得ず電子マニフェストが使用できない場合の措置、電子情報組織への登録期限の見直しといったことについて検討すべきであるといったこと、また、その後「ただし」というふうに書いてございますけれども、善意の者が義務化初期に紙マニフェストを使用した場合にむやみに罰則がかからないよう留意が必要であるといったことが書かれております。
さらに、一番最後の②のところの行に書いてありますように、普及啓発ですとか経済的負担の軽減等についても検討すべきであるといったことがまとめられております。
続きまして、(3)排出事業者責任の徹底でございます。こちらについては、見直しの方向性の1段落目の一番最後をご覧いただければと思いますけれども、排出事業者責任の徹底について改めてしっかり周知をしていくべきであるという方向性が打ち出されているところでございます。
続きまして、(4)廃棄物の不適正な取り扱いに対する対応の強化でございます。
これは昨年1月に起きました食品の不適正処理事件におきましても、その当該自治体にヒアリングをしました際に、改善命令をかけるために、許可を取り消しせずに改善命令をかけ続けていたという状況がございました。こういったところの状況を機動的に改善するために見直しの方向性としまして下3行をご覧いただければと思います。許可を取り消された者であっても、処理基準に従って廃棄物を保管することその他必要な命令の対象とすべきであるとしています。
さらに、こちらはもう一つございまして、9ページ目の見直しの方向性をご覧いただければと思いますけれども、同じく許可を取り消された者に対して処理困難通知を義務づけるべきであると、こうした措置を検討することによって許可を速やかに取り消して、その後必要な命令あるいは排出事業者に対して処理困難通知、そういったものが出せるようにするということを不適正処理事案の対策として考えていくべきであるということをまとめさせていただいております。
続きまして、有害物質管理の在り方、(5)でございます。
こちらについても幾つか論点に分かれております。1つはア、情報提供というところでございまして、具体的には10ページ、見直しの方向性の1段落目の下から2行をご覧いただければと思います。WDS(廃棄物情報データシート)というものが現在運用の形でガイドラインとして定められておりまして、これに基づいて情報伝達が行われておりますが、WDSにおいて具体化されている項目を踏まえつつ、より具体的な情報提供を義務づけするべきであるといったことが求められているところでございます。
もう一つがイ、処理基準等というところをご覧いただければと思います。
こちらはストックホルム条約の対象物質が年々増えてきているところでございまして、こういったPOPs廃棄物につきまして、11ページの頭からご覧いただければと思いますけれども、ものによっては特別管理廃棄物に新たに指定すべきであるとしています。また、その他の性状のPOPs廃棄物であっても、しばらく飛んで「例えば」というところがございますけれども、POPs含有産業廃棄物と定義して、上乗せの処理基準を規定すべきであるといったことをまとめさせていただいているところでございます。
それから、しばらく飛びまして、「また」という段落がございます。太陽電池モジュールといったちょっと個別ではございますけれども、こちらについても議論になりまして、太陽電池モジュールにつきましては、下2行でございますけれども、リサイクルの促進・円滑化するための制度的支援や必要に応じて義務的リサイクル制度の活用を検討すべきであるといったことをまとめさせていただいております。
続きまして、適正処理のさらなる推進に関するその他の論点、(6)でございます。
こちらについては、こちらも幾つかの枝番の論点に分かれております。1つは適正処理困難物でございます。こちらにつきましては、見直しの方向性としまして、市町村の取組状況の把握と、あと、それを踏まえたそのための具体的な連携方策、協力方策といったところの検討といったところでございます。
続きまして、12ページをご覧いただければと思います。
建築物の解体時における残置物でございます。これは建築物を解体する際などにもとの所有者が不明になってしまって、別の廃棄物が残っているという状況が実際に問題になっているということを関係者から問題提起していただいているところでございます。方向性としましては、②見直しの方向性にありますように、残置物の取り扱いについて、地方自治体、処理業者、排出事業者に周知をしていくといった方向性が出ております。
もう一つ、最後の論点がウ、廃棄物処理施設の設置許可でございます。こちらについては、見直しの方向性の中段にありますように、まず、実際の実態を把握して、そういった設置許可を必要とする施設の範囲について検討を進めるべきであるというところをまとめさせていただいております。
続きまして、13ページをご覧いただければと思います。
こちらのアというところの論点が先ほど委員長からお話いただきました雑品スクラップでございます。
具体的な方向性としましては、14ページをご覧いただければと思います。
見直しの方向性というところの最初から少し飛ばしながら御説明申し上げます。使用済電気電子機器等が製品としての再使用が行われず破砕されたもの(雑品スクラップ)について、国外においては特にE-waste問題として取り上げられているようなところでございますけれども、国内外において環境汚染のおそれがあるものでございます。このため、この段落の一番最後に、都道府県等による一定の規制に係らしめるべきであるといったところが書かれております。
具体的には、その次の「例えば」という段落をご覧いただければと思いますが、処理基準の遵守、さらに下のほうにいきまして、都道府県等の行政機関が報告徴収、立入検査、処理基準の違反があった場合における必要な措置を行うことができるようにすべきといったところが書かれております。
なお、その次の段落にございますように、こういったものに対してはリサイクルルートが既に整備はされておりますので、リサイクルルートにおいては二重規制とならないような留意をすべきといったところもまとめさせていただいております。
雑品スクラップにつきましては、この後の議題でありますバーゼル法の見直しのほうの議論におきましても取り上げられておりますので、そちらのほうともあわせてご覧いただければと思っております。
続きまして、15ページ、バーゼル法との二重手続の改善でございます。
こちらにつきましても、見直しの方向性、16ページをご覧いただければと思います。1つはバーゼル法上の特定有害廃棄物かつ廃棄物処理法上の廃棄物に該当する場合は、二重に輸出の確認の手続が必要になるのですが、こういった審査を簡素化するということの方向性でございます。もう一つは、この見直しの方向性の一番最後の段落をご覧いただければと思います。この後の議題で御説明申し上げますバーゼル法の見直しにあわせて、そのバーゼル法の見直しで様々な輸出、輸入に関する規制強化又はその簡素化が議論されたところでございますけれども、それにあわせまして、同様の措置を廃棄物処理法の中でも考えていくべきであるということがまとめられております。
具体的には下のほうにございますけれども、事前同意施設といったものをバーゼル法の中で議論されていますけれども、そういったあらかじめ適正処理ができると確認されている施設に対して輸出する場合については手続を簡素化する、又は日本において、我が国において環境汚染の生じるリスクが低いと考えられる廃棄物の輸入における手続の簡素化、試験分析として少量の廃棄物の輸出入を行う際の手続の簡素化といったところについて必要な措置を講ずるべきであるとしております。こちらについての詳細な論点につきましては、次の議題でご覧いただければと思っております。
続きまして、(8)優良な循環産業のさらなる育成でございます。
こちらは17ページの中段、「また」というところにありますけれども、優良認定を受けた処理業者に対する優遇措置について検討すべきであるといったところ、さらに、下のほうにあります人材育成の方策について必要な検討を行っていくべきといったところがまとめられているところでございます。
(9)再生利用・排出抑制でございますけれども、こちらについては、具体的なものとしましては、アの現状と課題にありますように、インフラが更新時期を迎えているということから、コンクリート塊、建設汚泥といったところが取り上げられて議論されたところでございます。
具体的には、18ページの最初の段落の「また」のところの最後のほうにありますように、有効活用や広域利用に係るモデル事業の実施等の必要な措置を講ずるということで、モデル事業の実施ということが書いてあります。
さらに、資源効率性の向上に向けた対応としまして、見直しの方向性の真ん中、選別の位置づけの検討又は「この他」という一番最後でございますけれども、再生利用認定制度、広域認定制度の見直しを検討するといったことが書かれております。
続きまして、温暖化対策でございます。
こちらのほうは19ページ、見直しの方向性をまたご覧いただければと思います。1段落目の最後にありますように、3R技術の社会実装に向けた実証や導入促進の拡大等の必要な方策の検討、さらに、一層の熱回収の推進、そういったところについて御指摘をいただいているところでございます。
(11)各種規制措置の見直しでございます。
こちらについては、自ら処理の拡大、アというのがございます。見直しの方向性をご覧いただければと思いますけれども、親会社が子会社に対する十分な支配力を有しており、子会社が親会社の一部門のような関係にある等の一定の要件に適合する場合には、特例的に親会社と子会社を一体のものとして取り扱うための措置を検討するといったところがまとめられております。ただし、こちらについては、排出事業者責任の共有といったところをしっかりやっていくべきであるというような、そういうこともあわせて御議論いただいております。
続いて、許可の負担軽減や合理化でございます。
こちらについても、電子マニフェストと電子申請、先ほどの電子マニフェストの電子化の話がございましたけれども、こういったものと電子申請とを連携させて、IT技術の活用によって効率的・効果的なシステムの構築に向けた検討をしていくべきであるといったこと、あるいは各種申請様式の統一を進めていくべきであるといったことが議論されたところでございます。
最後に21ページ、地方自治体の運用でございます。
こちらについてもさまざまな運用の統一ですとか、そういったところが意見をいただいているところでございます。こちらについては、意見交換の場の設定といったところを方向性としまして、さまざまなこういった課題について議論していくように、そういった場のあり方を検討していくべきであるとしております。
ちょっと1つ論点を飛ばしてしまって恐縮でございます。その上にある欠格要件についても御指摘をいただきまして、こちらについても、慎重に専門的な検討を行うことということがまとめられたところでございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、廃棄物処理制度専門委員会からの報告ということで、今日、資料2の説明を詳細にいただきました。
それでは、ただいまの説明に対しまして、御質問、それから、御意見ございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、大久保先生のほうからお願いいたします。
○大久保委員 ありがとうございます。
規制、それから、優良事業者の促進に至るまで包括的に論点を出していただいて大変ありがたいと思っています。それを前提とした上で3点あります。まず、第1点目は電子マニフェストです。7ページを拝見すると、一定規模以上の特管について義務づけを検討するとなっていますが、基本的には、この規模要件の定め方が重要であるというふうに思っております。むしろ進んでいないのは小規模な事業者ではないかと考えられますので、規模の設定によってはあまり義務づけても意味がないと、もうほとんど電子化されているということになり得ると思います。
これは排出事業者、それから、処理業者、処分業者、3者が一体としてやってくれないと意味がない制度でもありますし、また、途上国などを見ていますと、iPhone等簡単な仕組みで登録できるようにも見うけられますし、実際途上国で義務づけしているところもあると思います。先ほどの御説明では平成29年度までに50%目標は達成できそうということでしたけれども、どこの層、どこの規模のところが電子化をしていないのかということを踏まえた上で、そこに有効に効くような形での要件を設定していただければというふうに思います。
それから、2点目はPOPs関係で、大変重要なことだと思います。POPsについて新しい概念を廃棄物に取り入れて対応するということで、ぜひお願いしたいと思いますが、その11ページのところで若干気になりますのが「一方」という段落です。POPsが難燃剤として使用されている廃プラスチックについては、引き続きあり方を検討していくという次の段階ですよという書き方になっているようにみえます。「今後の国際的動向等を踏まえ」という文言が前に入っていますが、現段階で、あまり国際的に対応していないという御認識なのかどうか、ちょっとここのところは現状を御説明いただければと思います。
3点目は雑品スクラップですが、これについては、この後の報告書でもまた御説明があるということですので、意見はありますが、そのときに申し上げたいと思います。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続いて永田先生、お願いいたします。
○永田委員 よくまとまっているのであれなんですが、ちょっと質問をまず1点させていただいて、私がちょっと理解できない記述が7ページ目の(3)の①の現状と課題というところの頭から2行目ぐらいかな。「料金の確認・支払い等の根幹的業務が地方自治体の規制権限の及ばない第三者に委ねられていることにより」という文章が入っているんですよね。これ次のページにも出てくるんですけれども、これ何のことを言っているのかなという気がしていまして、いや、当たり前の話だし、逆に裏返せば規制権限の中に入れたいのかという話にも読めるんですけれども、ちょっと話が違うんじゃないかなという気がしていますので、ちょっとそれ1点質問で、どういう意図なのか。
それから、不法投棄の話、先ほどの資料の中にも若干また大量の不法投棄が出てきましたという話ですが、もうこれは根絶したいんですよね。ちょっとそれに対する対応があまり書かれていなく、実際にはまたさっきのように出てきているというところ、それから、不法投棄が発生した後の対応が地方自治体の人から見れば、これ結構厄介な手続が入ってきたりしますので、そういう意味では、もう少しその辺のところを効率的に対応できるようなことを考えていただくのがいいのかなと。
それから、先ほど電子マニフェストの話が出てきましたので、ごもっともで、いや、何でこれいつまでもこんな状況にとどまって、もっと今のIT社会が当たり前になった世の中でやれないんだろうかというのが逆に疑問なんですよね。やろうとすればできるんじゃないですかと、そんな気持ちがあって、ちょっとここに書かれている内容は結構長い文章になっているんですけれども、いかにも遠慮したような書きっぷりだなという気がしますので、ちょっとどうかなという印象を受けています。
電子マニフェストのほうは、それをうまく活用していけば、ここの中にも書いてあるように、不法投棄だとか不適正な保管とか、あるいはそれの前の段階のビジネスとしての問題、こういうところも探れる可能性はあるわけですから、そういう意味では、できるだけ電子マニフェストを一般化していくということが必要なんだろうと。
それから、ちょっとこれには関係しないのかもしれませんけれども、ちょっと前の資料とも絡めて言っておきたいのは、そういう意味では、日本のビジネスの形態も相当変わってきたと。要するに製造業のほうが大分少なくなってきて、どちらかというと、例えば我々が必要な製品を買うのも流通の形態も販売事業者がコントロールしているといいますか、並べてある製品も販売事業者が選んでつくらせているというようなものもあるわけで、そういう意味では、販売事業者の役割というのが消費者との接点の中では非常に重要性が増してきているんじゃないかと。そういう視点を入れた形で廃掃法の見直しとか、そういうところでも配慮していただいて、具体的にどうだという話じゃないんですよ。ところが、そういう視点がやっぱり必要になってくるんじゃないかなと。販売でも通信販売で買っているものがあって、それが廃棄物になってどうなんだというような話もあるかもしれません。誰が責任をとるんだというような話もあるかもしれません。海外メーカーのものも非常に多いというような状況の中で、少し何か根源的な社会の変化みたいなものをどう受け止めているのかというような話も、廃掃法の中では見直しの原点として考えていただくといいかなというふうに思って聞いていました。
以上です。どうもすみません。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、中村委員、どうぞお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
まず、このペーパーについて、かなり細かいところまで踏み込んだ上で凝縮して作成されたと感じており、高く評価したいと思います。
その上で2点ほど意見を申し上げます。電子マニフェストについてです。永田先生が全部おっしゃられましたが、事業者に普及するためには電子化をするとお得になることを上手に伝える努力をしていただきたいと思います。加えて、移行期にあたっては、紙から電子化へ円滑に移行するような施策を打っていただくようお願いします。これが1点目です。
2点目です。電子マニフェストについてもう1点申し上げます。この電子マニフェスト導入がもたらす色々なメリット、これは廃棄物の処理が円滑に進むという意味での社会全体への貢献という側面も含め様々なメリットがあると思います。このような色々な意義や目的、あるいは先ほど申し上げました支援の仕方についても、事業者に行き渡るよう周知あるいは説明を丁寧にやっていただくようお願いします。もちろん商工会議所も、情報発信等により御協力させていただきます。
加えて、ここに書いてあるとおり、排出者責任の徹底というのが今回も肝だと考えています。8ページに見直しの方向性として、いわゆるパンフレットを使う等色々な方法を使って周知をすると書かれていますが、これにつきましても、商工会議所を含む業界団体の活用などあらゆる手段を使って周知をやっていただけたらと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございました。
古尾谷委員、お願いいたします。
○古尾谷委員 20ページと21ページのところで、まず20ページの見直しの方向性というところに都道府県に対して国が働きかけを行うべきであるという表現や、また、その間の3段落目のところの「併せて」の以下のところに「様式の統一を進め、当該様式について周知をしていくべきである」、あるいは21ページのところに流入規制について処理を阻害するおそれがあることを通知等により必要な措置をとると。一般論としてこれに今の段階でこうしてほしいということではないですけれども、具体的な事例をぜひ示していただきたい。規制改革会議で同じような議論があって、正直言って私も出たときに被告人のようになってしまいましたけれども、皆さんそういうことをおっしゃるんですけれども、美容院の規制とかさまざまなことを言う割には、具体的な事例となるとほとんど出てこないというふうなこともあります。私どもは基本的に自治体、特に都道府県がこれらの措置についてやっているのは、単純にやっているわけじゃなくて、やはり憲法に定められた条例制定権に基づいて決めておることでございますので、その成立にはさまざまな要件があって、地域住民の要望や、あるいは議会からの提言等を受けて修正を加えてきた例もあります。
それから、流入規制と申しますと、以前千葉県が産業廃棄物の流入を堂本知事のときにお断りするという宣言をして、近辺の都道府県や市町村とかなり具体的な論になったときも、地域において課題を解決しようということでお話をしてきた経緯もありますので、ぜひこういう形を書かれるなら、事前に都道府県や関係当局と十分具体的な事例を知っていただいて、そこのところの反映として言っていただきたい。こうした支障が具体的にあるということを言っていただきたいと思います。
この間、規制改革会議等では、その他も含めて日本が全世界で一番起業しやすいところになるようにするために阻害になるというような議論が非常になされておりまして、やはり単に起業だけではなくて、地域の環境がどうあるべきか、循環型社会はどうあるべきかということで論理構成はなされてきた経緯があって、1970年の公害国会以来の日本の環境行政はそれで進んできたはずですので、企業もそのことは皆さんよくわかっている中だと思いますので、そこら辺はぜひ御留意願いたいと思います。
○酒井部会長 三浦委員、お願いいたします。
○三浦委員 今回の大きな方向性といたしましては、概ね産業界の課題や要望が盛り込まれておりますので、大変評価したいと思います。それで、確認の意味からも産業界の意見をここで2点ほど述べさせていただきたいと思います。
1つは、6ページ、7ページにあります電子マニフェストでございまして、これは先ほど来もう出ていることと大分重複いたしますけれども、やはり排出事業者のみならず収集運搬業者と処分業者の電子マニフェスト使用を法的に担保する必要がありますので、やはり義務化に関しましては、いろいろ課題が多いと思います。ですから、今回もある条件ということで、ある一部の事業者を対象とした義務化ということが示されておりますけれども、やっぱり産業界としましては、将来的には全ての排出事業者と処理業者が原則として電子マニフェストを使用できる環境にしてほしいという意見がございますので、ぜひ第四次の基本計画の策定時には御参考にしていただければと思います。
あと、2つ目でございますけれども、19ページの(11)のアにございます親子会社間における処理の拡大ということでございますけれども、これは産業界からの意見によって盛り込まれたものでございます。ここの文案でもかなりいろいろ記載、考慮していただいていますけれども、確認という意味合いで、親会社、子会社間の取引の事情はやはりいろんな企業によってさまざまございますので、制度設計に当たりましては、やはり実態を十分に御理解いただいた上で、確認していただいて、策定していただきたいと思います。
以上、意見として2点御紹介させていただきました。
○酒井部会長 森口委員、お願いいたします。
○森口委員 2点発言をさせていただきます。
1点目は論点の7番目でありまして、これはこの後の議題のバーゼル法のところにも関わるところですが、バーゼル法のほうの委員会に私、参加させていただきまして、その中でもそういった廃棄物処理法側との関係は大変気になっておりましたので、ちょっとこのタイミングで発言をさせていただきます。
14ページに書かれていることの問題意識は極めて重要だと思っておりまして、それに対して手当てをしていただけるということかと思うんですけれども、気になりますのは、14ページの末尾の下から2行目辺りから書かれているところで、やはりある種の環境保全上の問題が生じるようなものが廃棄物処理法上の何に該当するのかという先ほど古尾谷委員から御発言のありました産廃、一廃という厳然たる区分等との関係で、結果的に問題が生じたときに誰が手を下すのかということがなかなか非常に難しい問題をはらんでいるのではないかなと思います。
したがって、こういう制度上の見直しは十分にしていただきたいと思うんですけれども、それのエンフォースメントといいますか、それを具体的にどうやって担保していくのかというところにおいて特にこの問題は重要かと思いますので、その点、ここで発言をさせていただきます。
2点目はちょっと今回の御報告の中の枠に入るのかどうかわからないんですけれども、1ページ目の背景と経緯のところを拝見いたしますと、2つ目のパラグラフの中段から「また、健全な資源循環の推進に向けた取組については、個別リサイクル法に基づく取組と相まって」云々と、こういう記述がございまして、これに関して、論点の後ろのほうで、8番目とか9番目の辺りで取り上げていただいているのかなと思います。
これは主に廃棄物処理法側の規制緩和等も含めて、資源効率性を高めていくということの検討をしていただいていると思うんですけれども、先ほど1番目の議題で循環基本計画の点検の中で、例えばライフサイクル全体での徹底的な資源循環でありますとか、あるいは富山物質循環フレームワークの話とか出てきたかと思います。そうしますと、多分廃棄物処理法側の、規制法側の話だけではなくて、もうちょっと具体的にそれをどう引っ張っていくのかということを少し制度的に担保しなければいけないんじゃないかなと思っておりまして、それは多分廃棄物処理法の世界ではなくて、むしろ今の個別リサイクル法で必要十分なのかどうかという話になるかと思いますので、多分この報告の中に入れる話ではないかとは思うんですけれども、やはりそういう議論をするとすれば循環部会でやるしかないのかなと思いますので、こういう今回のこの廃棄物処理制度の専門的な検討の範囲には入っていないとしても、前文、背景の辺りには書かれておりますので、この辺りについて積極的な取組をしていくに当たっては、どういう検討の場でこういう議論ができるのか。ここでこれを検討したからやっぱりしばらく最近までこういう検討ができないということになると支障があるのではないかなと思いますので、ちょっとこの議題の枠を外れる発言かもしれませんけれども、2点目もあわせて発言をさせていただきました。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日のこの資料2、廃棄物処理制度の見直しの方向性の意見具申案につきまして一通り御意見をいただきました。
それでは、ちょっと事務局のほうから今の御質問の部分について、まずお答えいただけたらと思います。
○制度企画室長 ありがとうございます。お答えさせていただきます。
まず、前からいきますと、森口先生がまずおっしゃっていた点でございます。資源循環に向けたリサイクル法と廃棄物処理法といったところも踏まえて考えていくような話では確かにおっしゃるとおりございまして、ここに書いてありますように、議論に際しては、委員の方々、そういったことを念頭に置かれて御発言いただいていたと理解をしております。こういった御指摘の話は、先ほどの議題の循環基本計画との関係でも非常に重要なところだと思いますので、そういったところの中を見据えながら、今後ともこういう廃棄物処理法を考えていく際に、そういうところを忘れないで考えていくといったことが大事ではないかと思っておりまして、御指摘として真摯に受け止めさせていただければと思います。
続きまして、マニフェストのところで幾つか御意見をいただいていたと思います。大久保先生からは規模要件の設定ですとか、実際途上国の方でも結構もう使われているようなところのお話ですとか、そういったところもいただきました。
実は、電子マニフェストの普及拡大のところでも、6ページ目の真ん中のところには書いているのですが、韓国、台湾、シンガポールといった国では電子マニフェストというものが義務づけされているようなところもございます。利便性のあるシステムというのが普及のためには大事だと思います。これは中村委員も含めまして、皆様から御指摘をいただいているところでございます。我々のほうでも実はそういうスマートフォンを使って入力できるようなシステムですとか、そういったものを開発したりとか、今現在行っているところでもございます。ですので、こういった利便性を上げていくというところは、一層進めていくというためには必要だと思いますので、引き続き考えさせていただきたいと思っているところでございます。
あと、不法投棄についてのご質問を、永田先生からいただいています。不法投棄を直接不法投棄のときというふうな言及を書いているわけではございませんが、この報告書の前半の論点、透明性の向上あるいはマニフェストといったところ、排出事業者の責任の徹底、こういった論点はいずれにおきましても、あるいは(4)の不適正な取り扱いに対する対応の強化、いずれにおいても適正処理の推進という意味では非常に大事なところだと思っておりまして、こういったところの対応を誤りますと、最終的には不適正処理という中で、そういう不法投棄につながっていくようなこともあり得ると思いますので、こういったところをきちっとやっていくということが最終的に不法投棄も含めまして不適正処理への対応になっていくという考え方の下、専門委員会では御議論いただいていたと思っております。
あと、永田先生からビジネス形態の話がだんだん変わってきているようなところの話もいただいております。これも先ほどの循環基本計画の中でも重要な話になってくると思っております。この報告書でも少し触れておりますが、ITのそういった活用ですとか、あるいは先ほどの議論でいいますと、販売形態や海外のものも入ってくるみたいな話ですと、排出事業者責任にも関係してくるのではないかと思っておりまして、専門委員会の議論でもそういったところが少し出ていたのではないかと思っております。ITの活用又は排出事業者責任についても、具体的なところである程度必要に応じて考えていくべきであるといったところは、この報告の中でもそういった御議論を踏まえて、触れているところでございます。
大久保先生からPOPsについての御指摘もいただいているところでございます。11ページの「一方、難燃剤」というところで、こちらはほかの上のものは具体的に特管物への指定、含有産廃と定義して上乗せの規定と書いてあるのに対して、恐らく記述がちょっと弱く見えたのではないかと思っておりますが、こちらは現在、先ほどちょっとご説明を省いてしまいましたけれども、酒井部会長に座長をしていただきまして、POPs廃棄物の検討会を開いて検討しておりまして、その結果をここに集約しているものでございます。それを専門委員会でも御了承していただいているというものでございます。
こういった難燃剤として使われているPOPsにつきましては、現在条約対象に追加するかどうかというのが議論中である物質があったりですとか、適用除外の範囲、更に、最低値のような基準となるべきLow POP Contentと呼ばれる値がどれぐらいになるのかといったことについて国際的に議論しているところです。まだそういった宿題事項が国際的にも議論されているようなところがありますので、これは将来的に対策を講じないという意味ではなくて、ここに書いてありますとおり、「今後の国際動向を踏まえ、引き続き制度的な対応のあり方を検討していくべき」であるということで、国際的な動向をきちっと踏まえて、その上で制度的な対応、つまり上に書いてあるようなほかの物質でやっているような対応というものをちゃんと考えていくべきですということを書いているところでございます。
続いてすいません、前後が逆になってしまっているんですけれども、(3)の排出事業者責任の徹底のところで、これも永田委員から第三者というところについて確認の御質問をいただきまして、これは非常に大事な論点でございまして、時間のために説明を少し短くし過ぎてしまったところがあります。
こちらは審議会のヒアリング等におきまして、こういった第三者が排出事業者と処理業者の間に入ってきて、それで第三者の介在によって排出事業者責任が希薄化しているのではないかといった問題提起がなされています。そういった問題提起を踏まえ、ここにきちっと書かせていただいたというものでございます。ただ、第三者の方が介在したとしても、排出事業者責任というのは何ら変わるものではありませんし、それは中村委員などからも周知を御協力いただけるというありがたいお言葉もいただきましたが、排出事業者責任というものは非常に大事であるということは変わらないということで、それをきちっと周知していくべきであるということを意見具申案で改めて書かせていただいているといったところでございます。
また、古尾谷委員から20ページ、21ページのところについて御指摘をいただきました。これもちょっと不十分な御説明で大変恐縮でございましたが、20ページの方向性のところで、様式の統一のところの段落の一番最初をご覧いただければと思います。私は説明を先ほどしませんでしたが、「地域の実情に応じた都道府県の適正な審査の質を確保しつつ」というところが、大事な要素でございまして、こういったところを確保した上で様式の統一を進めて、周知をしていくという記載内容でございます。ですから、これは古尾谷委員の言われた御指摘というのは、専門委員会の中でも受け止めて、そういったところを反映させた上でちょっと報告書を書かせていただいているという認識でございます。
21ページのほうも同じでございまして、流入規制で書いてありますが、現状と課題のところをご覧いただければ、「その背景と実態を把握した上で」というところがございます。「具体的な事例を踏まえて」ということを御指摘いただいたと思っておりまして、こちらのほうもまさにそういった背景や実態といったところ、背景はそういった先ほどお話のあった必要性、そういう歴史的なところとか、都道府県の中での議論の様子といったところもあるのだと思いますけれども、そういったところも把握した上で考えていくべき課題であろうと思っておりまして、意見具申案のほうに趣旨は反映させていただいていると思っているところでございます。
三浦委員から御指摘、こちらについても今後の具体化の検討の中で受け止めさせていただくところだと思っております。
森口先生から言われました雑品のところにつきましても、こちらも雑品のところは、まず廃棄物処理法できちっとやっていくという方向性を書かせていただいているところでございます。廃掃法上の整理がどうなるのかといったところでございますけれども、この雑品スクラップへの対応というところでございますと、今考えておりますのは、ここに書いてありますように都道府県等による一定の規制でございますので、廃棄物処理法の言葉で言えば産廃と同じような形での対応ということだと思っております。雑品スクラップにはどんなものが入っていて何なのかといったところに関係する御指摘だったと思いますけれども、これは正直実態が完全にわかっていないところがございます。ですから、まさに今回の打ち出された方向性で制度的な対応がなされていけば、どういったものを取り扱っていて、どういったものが問題になっているのかといったところが明らかになってくるのではないかと思っております。それを踏まえて、さらに何が入っていて、何が廃棄物なのか、何が雑品スクラップなのか、といったところもより明らかになっていくのではないかというふうに考えているところでございます。
以上、お答え申し上げます。
○酒井部会長 お願いいたします。
○企画課長 1点だけ補足。森口先生がおっしゃっていただいた資源循環全体の話ということでありますが、今回の検討は性格上も廃棄物処理法の見直しということでありますが、もちろん健全な資源循環というと、それにとどまらないというのは御指摘のとおりかと思います。これについては、まさにこの部会でこれから御検討いただく次の循環基本計画の中で骨太の議論をしていただいて、その結果を踏まえて個別の法律に落としていくという手順かと思いますので、そういった御検討をぜひこの部会の中でしていただければと考えております。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、大塚委員のほうからどうぞ。
○大塚委員 1点だけ私なりに補足をさせていただきますが、永田先生がおっしゃっていただいた点は非常に重要だと思いましたけれども、販売業者がコントロールしているような場合も出てきているという御指摘で、通信販売等のこともおっしゃっていただきました。廃掃法のもとでは、排出事業者責任を基本にしていますので、この点は拡大生産者責任と関係する点だと思っていますが、拡大生産者責任については、11ページの下から5行目にちょっとだけ顔を出していますけれども、今回はこのぐらいしか検討できておりませんので、おっしゃっていた点については、循環関係の法律も含めてさらに今後の課題とさせていただければと思います。
ただ、今の点は私が個人的に思っていることで、環境省のお考えではないかもしれませんが、申し上げておきます。
○浅野会長 いいですか。
○酒井部会長 どうぞ浅野先生、お願いいたします。
○浅野会長 これいただいて、私の責任で出すことになるので、やはりちょっと気になるので申し上げたいんですが、今の事務局の説明で十分意を尽くしたとはちょっと思いにくい面がある。というのは、21ページの先ほどの知事会が御指摘になった点ですね。これ読みようによってはこういうふうに読めるんですよね。把握するんだけれども、そもそも流入規制というのはおそれがあるという前提に立ってこれは書かれていますよね。だから、それに引っかかってくるんです。
だから、流入規制はそれなりに県知事、都道府県の側はそれなりの理由があっておやりになる場合もあるんだから、それはなるほど、もっともだという場合もあるだろう。だけれども、ありようによってはおかしいので、そういうことがあるときは、それは困りますよということを言おうという趣旨であるならちょっとこの書き方は不十分で、例えば把握した上で流入規制のあり方によってはそれがあるということをするなどの工夫が必要だというのであれば誰も文句を言わないんだけれども、これはもうはなからおよそだめだという前提で書かれているような気がするんですよね。それは恐らくそういうことを言う主張があることはわかるんだけれども、それはそれなりの論理があるわけだから、やっぱり両方見ておかなきゃいけないと思うので、ちょっと何かここで皆さんの御了解を得て、あり方によっては問題なんだよというふうに出しておいたほうがお互いうまく合意ができるんじゃないかなというふうに思いました。
それからもう一点は、大塚先生はお仲間だからあまり僕は言いたくないんだけれども、7ページのむやみやたら罰則がかからないようにしろというくだり、趣旨はわかるんだけれども、およそ法律学は、一旦法律ができたら知らんやつが悪いに決まっているんですね。だから、善意のものがあるはずがないんです、論理的には。だから、周知が徹底するまでは少なくともむやみやたらにいきなり罰則をするのはやめてほしいという趣旨なら、ちょっと引っかかります。そこは工夫をしてください。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。今、会長から御指摘の2点はどういたしましょう。今日御議論いただいた上で、今回の案を意見具申案として取りまとめるということでございますが、特にいただいた2点を今後事務局と調整をさせていただきまして、一部修正の上、意見具申として取りまとめるという方向でまいるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、特に最後の会長からの2点の御指摘、十分に事務局と相談をさせていただきまして、最終案にさせていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございます。
それでは、この廃棄物処理制度の見直しの方向性につきましての議論はこの辺りにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、議題3、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制のあり方に入りたいと思います。
まずは審議状況につきまして、この専門委員会の委員長でございます細田先生のほうから、そして、資料について事務局から説明をお願いしたいというふうに思います。
細田先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○細田委員 よろしくお願いいたします。特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会の委員長を務めさせていただいております細田でございます。
まず、私のほうから専門委員会における審議状況について説明させていただいた後、詳細は事務局より御説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
この専門委員会は、経済産業省の産業構造審議会との合同会合の形で平成28年10月31日に第1回を開きまして、計4回にわたって審議を続けてまいりました。報告書は昨年12月の下旬から1カ月にわたってパブリックコメントの募集を行い、その意見も踏まえまして取りまとめを行いました。報告書は平成4年のバーゼル法制定から約25年が経過いたしまして、日本を取り巻く国際的な資源循環の状況が制定当時から大きく変化したことを踏まえ、規制のあり方などについて検討した結果、まとめたものでございます。それは以下のとおりでございます。
具体的な内容について、まず韓国での使用済鉛蓄電池の不適正処理の事案等を受けまして、使用済鉛蓄電池の輸出先での環境上適正な管理の確保のため、輸出に関する環境上適正な管理の審査基準を整備するとともに、先進国であるOECD加盟国向けの輸出であっても、輸出先における管理の状況をまず確認すること。次に、製品スクラップの不適正な輸出に関する対応として、規制対象物についての法的根拠を明確化するとともに、雑品スクラップの該非判断基準を整備して、取り締まり現状での迅速な対応を実現すること、また、日本からの排出された貨物のシップバック対応を円滑化するために、輸出先国でバーゼル条約の対象であることが明確になっている場合には、その輸出先国向けのものはバーゼル法の規制対象物とすること、さらに、環境汚染リスクが低い廃電子基板などの輸入承認手続を簡素化するため、OECD理事会決定上のグリーンリスト対象物は事前の通告、同意手続を不要とすることなどが提言されております。
この報告書につきましては、最終的には意見具申として環境大臣に提言させていただくことを考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、以降、事務局より説明いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○産業廃棄物課長 それでは、資料に基づきまして御説明させていただきたいと思います。
資料3とあわせまして、資料3の別冊というものを配らせていただいております。主に資料3に基づきまして御説明させていただければと考えております。
最初のほうは法律の概要でございますので、7ページ目から御説明させていただければと思います。
まず、施行状況について簡単に御説明させていただければと思いますが、もしよろしければ参考資料の資料3の別冊の17というところを見ながら御説明を聞いていただければと思いますけれども、バーゼル法に基づく特定有害廃棄物などの越境移動につきましては、輸出入ともに近年増加傾向にございます。別冊のグラフでも、近年、輸出量、輸入量とも増えているのが見ていただけるかと思います。このうち輸出につきましては、韓国の製錬所での鉛のリサイクルを目的とした使用済鉛蓄電池の輸出が増えてございまして、また、香港のセメント工場向けの石炭灰の輸出も約7万トンと大きな量を占めております。
また、我が国の輸出につきましては、アジア諸国などで発生した廃基板などの電子部品スクラップ、これが大きな部分を占めてございまして、これにつきましては、製錬所などで銅や金などの金属のリサイクル目的で行われているところであります。
また、シップバック事案も増大してございまして、我が国からの使用済電気電子機器などの輸出がバーゼル条約上の不法取引に該当するとしてシップバック要請をされる事例が近年増加してございます。主に香港、マレーシアなどからということであります。
このような状況に鑑みまして、3ポツ以降に課題と見直しの方向性を書かせていただいてございます。
まず、(1)基本的考え方でありますけれども、輸出先で環境汚染などが生ずるリスクというものは、個々の国や施設によって大きく異なるということ、また、我が国には先進的な環境技術を有する施設が多数存在しているということに留意しながら、環境汚染などが生じるリスクに応じて規制水準の適正化を図るということを基本的な考え方としてございます。
①で特に輸出につきましては、輸出に伴い環境汚染などが生じるリスクを評価した上で、リスクが高いと考えられる場合には規制の強化を図る、また、輸入につきましては、8ページの上の②でございますけれども、輸入に伴い環境汚染などが生ずるリスクを評価した上で、リスクが低いと考えられる場合には規制の緩和を図る、ということを基本的な考え方としてございます。これによりまして、開発途上国において適正処理が困難なものを我が国が処理するということは、世界全体の環境負荷の低減にもつながりますし、また、バーゼル法に基づく手続がリサイクル資源確保の国際競争において国内企業にとって不利となっていることなども踏まえまして、緩和を進めていくということを盛り込んでございます。
以上の基本的な視点に基づきまして、(2)では輸出に関しまして見直しの方向性を示してございます。
まず、①は使用済鉛蓄電池について検討を行ったところです。OECD加盟国である韓国向けのリサイクル目的での輸出というものが近年増大しています。これにつきましては、環境大臣の確認はOECD向けのリサイクル目的のものについては、バーゼル法上、環境大臣の確認は不要ということで現在措置されています。こうした中、3パラ目ですけれども、昨年の6月、韓国におきまして、11社の使用済鉛蓄電池リサイクル業者が数年間にわたって組織的に不法に処理をしていたことが発覚しまして、我が国から輸出されたものにつきましても不適正処理が行われた懸念があるという課題がございます。現行、環境大臣の審査基準は基本告示に示されており、明確化されていないということも現状としてございます。
このような課題を踏まえまして、見直しの方向性について、9ページにいっていただきまして、大きく2つ、環境上適正な管理の確保の審査をするということ、また、管理の審査基準の整備などをするということを今回、方向性として出しております。
まず、環境上適正な管理の確保の審査について、輸出先国がOECD加盟国である場合におきましても、輸出先の処理施設の環境汚染防止措置の状況などに不適正処理が疑われるような場合には、環境上適正な管理が確保されているかどうかを審査することができるようにすべきであるということです。また、既に輸出承認がなされた案件につきましても、必要な情報収集を行うことで迅速に対応することができるように措置を講ずべきとしています。
また、少なくとも使用済鉛蓄電池につきましては、OECD加盟国を仕向地としてする輸出であっても、輸出先国における適正処理に関する確認を着実に実施するための具体的な措置を他の見直しに先駆けて講ずるべきであるとしています。
また、少なくとも使用済鉛蓄電池につきましては、OECD加盟国を仕向地としてする輸出であっても、輸出先国における適正処理に関する確認を着実に実施するための具体的な措置を他の見直しに先駆けて講ずるべきであるとしています。
また、現在、環境大臣の輸出先の環境汚染防止措置の審査基準が明確化されていないということに加えまして、より的確な審査を行うことが必要となっていることも踏まえ、環境大臣の審査基準を明確化すべきということを打ち出していただいてございます。
以上の最初の丸の環境上適正な管理の確保の審査については、この審議の状況を踏まえまして、既に輸出承認がなされた案件につきましては、この1月から輸出承認をする際に条件を付することにより、既に対応しているところです。また、OECD加盟国向けの鉛蓄電池につきまして、OECD加盟国を仕向地とする輸出については、ほかの見直しに先駆けて講ずるべきであるとされておりますので、現在、環境省と経済産業省におきまして、この2月ぐらいからパブリックコメントを実施いたしまして、この夏に向けて措置をしていきたいと考えてございます。
2番目に雑品スクラップの不適正輸出に関する懸念などを踏まえた対応でございます。方向性につきましては、10ページの中ごろから見ていただければと思いますけれども、取り締まりの現場での迅速な規制対象物の認定の実現ということで、現場において混合物を含めまして、客観的かつ短時間で規制対象物に係る該非判断が行えるように特定有害廃棄物等の範囲の明確化とわかりやすい基準の整備を行うべきであるということを盛り込んでいただいております。
また、規制対象物については、バーゼル法に制定の根拠がないということで、明確な法的根拠に基づいて定めることができるようにすべきであると。これによりまして、適切な検察当局などとの対応ができるようになるということを考えてございます。
また、あわせまして、国内における雑品スクラップの不適正な保管などへの対応も非常に重要であるということで、先ほど御紹介させていただきました廃掃法に基づく取組と連携した総合的な対策を講じていくべきであるということを盛り込んでいただいてございます。
輸出の3番目でありますけれども、シップバック対応の円滑化ということであります。11ページの③でありますけれども、現在の課題といたしまして、2つ目のパラでありますけれども、香港向けに輸出した中古電気電子機器につきましては、香港側では有害廃棄物などに該当するとして、シップバックの通報を受けた事例が20件発生したということであります。我が国では再使用目的であるということで該当しないとしておりましたけれども、香港当局は規制対象物であると判断するということで生じたものということであります。このように有害性判断の解釈が異なることや悪質な業者が意図的に輸出する可能性があることがこれらの原因となっていると考えられます。
このため、見直しの方向性でありますけれども、輸出先国の国内規制に応じた適切な輸出管理ということで、日本のバーゼル法の規制対象かどうかを迅速に判断できる基準を策定することとあわせまして、同様の貨物が繰り返しシップバックされるというような場合には、輸出先国でバーゼル条約の対象物であると解釈されていることが明確になっている場合、当該輸出先国向けのものについては、バーゼル法の規制対象物とする方策について検討すべきであるということであります。
④といたしまして、あとまた2つ輸出関係のことが続きますけれども、OECD加盟国向けの輸出手続の簡素化ということで、OECD加盟国を仕向地とするアンバーリスト対象物の輸出につきまして、事前同意施設での処理を目的とする場合には輸出手続を簡素化すること、また、先ほど廃掃法の報告書にもございましたけれども、⑤で二重手続の改善につきましても、両法に基づく審査内容を点検し、その統一化を図ることによりまして手続の重複を排除し、迅速化を図るべきであるとしてございます。
以上が輸出でございますけれども、(3)から輸入についての方向性ということであります。
13ページに移っていただきまして、環境汚染などのリスクが低い特定有害廃棄物などの輸入承認手続の簡素化ということで、廃電子基板などのように我が国における処理において環境汚染リスクが低いと考えられるものにつきましては、我が国施設の競争環境上の不利を解消いたしまして、我が国の環境技術を生かしつつ円滑な資源循環を促進するため、また、開発途上国では処理が困難なものを処理することで世界全体の環境負荷低減につなげるためということで、EUの制度を参考にしつつ、手続を不要とするなどの手続の見直しをすべきであるとしてございます。
また、アンバーリストといいまして、環境汚染リスクが相対的に高いものにつきましても、事前同意施設で処理する目的で輸入する場合には、最大3年間の包括的な同意を与えることができるということで、輸入承認手続の簡素化を図るという方向を盛り込んでございます。
②でありますけれども、我が国への輸入に係るバーゼル条約に基づくシップバック対応の円滑化ということでございます。適切な手続を経ずに輸入された場合につきまして、輸出国に対してシップバックがなされるべきでございますけれども、再輸出をしようといたしますと、輸出と同一の審査手続を経なければならないということで、輸出承認を行うことができず我が国の輸入者に不利益が生じる状況が現在あるということでございます。
このため、14ページの丸でございますけれども、シップバック手続の整備ということで、責を負わない我が国の輸入者が不当な利益を被ることがないように、再輸出する場合には輸出承認を不要とすべきとしてございます。
(4)でそのほかの課題と見直しの方向性ということで、試験分析目的での輸出入の円滑化につきましても、EUの制度などにならいまして、簡易に輸出を行うことができるようにすべきとしてございますけれども、輸出先国よっては制度が異なること、適切な環境管理がなされることが確実とは言えない場合も考えられるということで、この制度が抜け穴にならないよう留意すべきであるとしていただいております。
4ポツで今後の課題でございます。15ページにいっていただきまして、以上の報告に基づいて所要の制度整備が行われることを期待し、技術的かつ詳細な制度設計につきましては、今後さらなる検討を行う必要がある。また、運用に当たっての体制の充実、さらに、諸外国との情報交換を積極的に行うべきであるとしていただいてございます。
また、法の施行状況を踏まえた定期的な規制のあり方の見直しの必要性、また、我が国の先進的な環境技術をより活発に活用できるように戦略的に制度の見直しを進めることで、バーゼル法の実効性を確保していくべきである。ただ、具体的な事案でまた問題が生じた場合には、定期的な見直しを待たずに迅速に制度見直しを行うことも検討すべきであるとしていただいてございます。
(2)から(5)につきましては、引き続き御議論をかなりいただいたところでございますけれども、さらなる対応が必要な場合に迅速に対応すべきであるということでまとめていただいていると考えております。
また、5ポツでございますけれども、廃棄物処理法との一体的な措置ということで、バーゼル法の見直しにあわせまして、必要に応じて廃棄物処理法についても輸出入につきまして見直しをされるべきであるということを盛り込んでいただいております。この5ポツにつきましては、今週開かれた廃棄物処理制度専門委員会において、このバーゼル法の専門委員会の報告を踏まえた修正などを行っていただき、先ほどの報告書に盛り込まれているところでございます。
概要は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいまの説明に対しまして御質問、御意見を承りたいと思います。御意見のある方は名札を立てていただきますようにお願いいたします。
それでは、大久保委員からお願いいたします。
○大久保委員 御説明ありがとうございます。
リージョナルな資源循環を進めていくことが必要な状況の中で、アキレス腱となっていると考えられる雑品スクラップあるいはE-wasteの問題について対応を進めるという内容を盛り込んでいただいており、大変適切なことというふうに考えております。シップバックの事案が20件というデータが上がっていますけれども、私この問題を自分自身でつぶさに調査をしたことはないのですが、近年、インドネシア、タイを含めまして途上国に行った場合に、最初にこの話が出てくることが全く違うテーマで訪問した場合でも多いのです。それで、市民社会の側あるいは研究者の側にも日本はこの問題できちんと対応しているのかという懸念があるようです。日本の技術力に資源循環の観点で期待する半面、このE-wasteの問題に対しては極めて警戒感が高くて、実際にはフリクションを起こしている部分はこのデータで上がってきている20件以上にかなり潜在的にあるのではないかというふうに認識をしております。
そのことは、実は途上国あるいは他国での有害廃棄物の判断基準が不明確であるということ以上に、日本においてやはり廃掃法上の位置づけ、対応がきちんとなされてこなかったということを反映しているものと考えておりますので、ぜひ廃掃法、バーゼル法への対応を環境規制の観点から適正に強化していくという観点で、両者セットものとして対策を進める必要があると考えます。そうしないと、思っている以上にフリクションがきつくなっていくのではないかというふうに考えられますし、日本においても問題が顕在化するというふうに思いますので、ぜひその方向で強力に進めていただきたいと思います。
○酒井部会長 大久保委員から非常に厳しいといいますか、見解が示されました。ただ、現在のこの方向性での検討を支持する御意見というふうに承りましたが、ほかにはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
細田先生、追加で特にコメントはよろしいですか。
○細田委員 いえ、特にございません。ありがとうございます。
○酒井部会長 では、ほかに特段の意見がないようでございましたら、今回の御報告、これでもって意見具申案として原案どおりということで適当と考えておりますけれども、それでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。それでは、これを意見具申として事務局において今後の必要な手続を進めていただければというふうに思います。
それでは、議題3に関しては、これで終了させていただきたいと思います。
続きまして、その他といたしまして、まず、家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法の施行状況に入りたいと思います。
事務局から資料の説明をよろしくお願いいたします。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 参考資料1と、それから、22ページの補足の資料を御用意いただければと思います。
1月20日に細田委員長のもと家電リサイクル法の小委員会、それから、12月12日に同じく細田委員長のもと小型家電リサイクル法の小委員会がそれぞれ産業構造審議会と合同で開催されまして、施行状況について審議いただきましたので、部会に御報告させていただければと存じます。
まず、家電リサイクルでございます。2ページ目にございますように、廃棄物の適正な処理、資源の有効な利用の確保を図るために、排出者からリサイクル料金を受けて小売事業者が引き取ったものなどが指定引き取り場所に行きまして、再商品化、リサイクル等の義務が果たされているところでございます。
3ページでございます。指定引き取り場所における引き取り台数は、平成27年度で1,088万台、累計1億9,000万台を超えております。この引き取られたものについては、法定の再商品化基準を上回る再商品化が行われているところでございます。
同じく5ページでございます。不法投棄されていた家電4品目についての回収についても、平成23年度から連続して減少しているというところでございます。
一方、6ページでございますが、社会全体として適正なリサイクルを推進する上で、回収率目標というのを平成27年3月に設定いたしまして、平成25年度時点で49%だったものを不法投棄対策あるいは国内外スクラップの削減によって、平成30年度には56%にするという目標を達成するためのアクションプランを策定いたしております。
7ページでございますが、平成27年度の回収率につきましては52.2%と平成25年渡の基準年渡から3ポイント強上昇いたしました。しかしながら、回収率の下のグラフを見ていただきますと、青のとおりエアコン等はまだまだ低い状況でございます。
8ページのフローを見ていただきますと、これは全体のフローでございますが、2つ目の丸にありますとおり、例えばエアコンについては海外スクラップの台数が多く、出荷台数810万台に対して適正処理台数233万台、海外スクラップ台数が295万台というような推計になっております。
こうしたことから、9ページにございますように、違法回収業者の取り締まりに向けて、市町村向けのセミナーあるいは実際の市町村向け手引作成のために埼玉県等と協力して、取り締まりのモデル事業等行っております。
また、10ページでございますが、小売業者の引き取り義務外のもの、買換えに伴う廃棄でなく、購入した小売店が存在しない、あるいは遠方であるものについて、市町村で回収体制をつくっていただくことになっております。平成27年度と比較して15ポイント増加しているのですが、人口の少ない市町村においては、まだまだ構築が進んでいないということで支援等を進めているところでございます。また、廃掃法、バーゼル法の強化によって、こういった適正なルートに流れるよう取り組んでいるところでございます。
11ページからが小型家電リサイクル法の施行状況でございます。
12ページの左下にあるような携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラ等28品目についての促進法でございます。
13ページにございますように、国による認定事業者が全国で49社となっております。
14ページにございますとおり、1年間に使用済みとなる小型家電約65万トンのうち法律制定時の基本方針では、法施行3年目の27年度に回収量14万トン/年の目標を掲げておりましたが、27年度の回収量は6.7万トンにとどまっておりました。
15ページにございますように、市町村の参加状況につきましては、当初の想定を上回るペースで進みまして、1,327市町村に参加いただき、居住人口ベースでは90%以上の参加をいただいております。
一方、16ページにございますように、この14万トン目標の背景には、1人当たりの年間回収量1キログラムを想定していたのですが、27年度実績で1人当たりの年間回収量1キログラム以上となっている294市町村に対して、0.1キログラム未満─携帯1個分ぐらいですか─の市町村もまだ438市町村あるなど市町村によって大きな差が見られるということがわかりました。
一方で17ページでございますが、この3年間の経験から市町村における1人当たり回収量拡大につながる優良事例というのも導き出されております。Aにございますような回収品目の拡大、あるいは回収方式の拡大、回収方法の改善、工法の工夫など、これらを市町村の特性に応じて横展開していくということで、下の紫のところにございますが、例えばですが、25市町村に対して今年度からその市町村に合った方法で意見交換しながら課題を抽出し、改善メニューを御提案して、1人当たり回収量を拡大させていくのを支援する事業を実施しておりますので、こういった成功事例をさらに横展開していきたいと考えております。また、本制度に対する市民の理解を高めるためのCM、チラシの作成あるいはイベント等も取組を進めているところでございます。
また、19ページにございますように、小学校でのモデル事業の成果を生かした学校での教育用の教材ですとか、あるいは教育の材料としていただくようなDVDをつくって、小学校等に展開させていただいているところでございます。
こうしたこれらの取組等を通じて、20ページにございますように、市町村の参加率をもう少し上げたり、あるいは1人当たり年間回収量で1キログラムに近づけていったり、あるいは認定事業者による直接回収量を拡大することによって、30年度には回収目標14万トン/年を達成するということといたしております。
21ページは、回収されたもののうち鉄ですとかアルミとか銅とか、あるいは金などに再資源化された量が約3万トンとなってございます。この認定事業者の処理、選別の導入補助等によってリサイクル率の向上も支援していくこととしております。
また、22ページ、差し替えのほうの資料を見ていただければと思いますが、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会が金・銀・銅メダルの原材料に小型家電から抽出されるリサイクル金属を用いる「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を実施することによって持続可能性に配慮した大会、大会へのエンゲージメントの象徴を目指すということで公募しておりましたところ、今週水曜日に組織委員会のほうからNTTドコモと、それから、日本環境衛生センター─米印の下のところにございますが、全国の小型家電認定事業者と連携して、小電リサイクル法に基づき回収し、リサイクルメダルの材料を集めていくという事業─の2者を協力者代表として選定されたところでございます。
次の24ページに飛びますが、こうしたプロジェクトは我が国のリサイクルの取組を国際的にアピールするとともに、小型家電リサイクル制度の普及や回収率の向上につなげる上で大変有意義であるというふうに考えております。今回、選定された事業者が自治体とも連携しながら全国の国民の参加を得ましてリサイクルメダルとなり、オリンピック後も小型家電のリサイクルが循環型社会として定着するレガシーとなるよう、当省といたしましても全力で協力していきたいと考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして何か御質問ございましたらお願いいたします。
それでは、逆に今度は回させてもらいます。森口委員、どうぞ。
○森口委員 ありがとうございます。
7ページの回収率、それから、8ページのフロー推計のところをちょっとお尋ねしたいんですけれども、以前これ家電の小委員会に関わっていたんですが、このラウンドは関わっておりませんで、最近のこの状況を十分にフォローできていないんですけれども、ホームページで公開されているものを見る限り、平成26年度のフロー推計はエアコンに関して不確実性が高いということで、除いた3品目を公表されていたと思うんですね。この平成27年度推計についても4品目の内訳は既に公表されているのかどうか。
特にエアコンに関して、これ回収率が非常に低くて、ただ、この回収率の分母は排出量ではなくて出荷量ベースなので、バランス次第では100%を超えるようなこともあるし、全部回収しても100%にならないケースがあるような、そういう指標だと理解はしておるんですけれども、それにしても旧推計ですと、やはり50%ぐらいの回収率は確保されていたように記憶をして、ちょっと間違っているかもしれませんけれども、やはり30%というのは一体どういうルートでどこへ行っているのかというのも大変気になるものですから、先ほどのバーゼルの雑品スクラップ問題等々も考えつつ、今エアコンに関して特にどういうふうに推計を改められて、今何かわかっていることでお教えいただけることがあれば、あるいはこの4品目合計ではなくて品目別のデータが公表される予定等ございましたら教えていただければと思います。
○酒井部会長 それでは、浅野先生は最後にお願いするとして、次に崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。遅くなりました。
今の資料の最後のところの変更の資料という新しいのがありまして、これを拝見しました。それで、携帯電話等小型家電をしっかり集めて、それをオリンピック・パラリンピックのメダルにするというプロジェクトの事業者は2つのグループが選定されたということで、いわゆる携帯電話の事業者さんの店頭回収と全国の自治体と認定事業者の回収と、いわゆるオールジャパン体制がとれると、そういうような流れになっていると思いますぜひこういう形を環境省も応援していただき、オリンピック・パラリンピックの後も都市鉱山の資源回収を継続してきちんと社会に生かすと、こういうことがレガシーとして私たちの暮らしに定着するように広げていただければありがたいなというふうに思います。
なお、1点のみ、今後こういう都市鉱山回収の広報が始まったときに、こういうふうにメダルに活用するということをうたって違法の不用品回収業者さんも回収して回るみたいなことが起こると非常に信頼性がなくなったりしますので、ぜひそういうことが起こらないように、きちんと信頼性ある仕組みをつくっていけるように考えていければというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
では、引き続いて新熊委員、お願いいたします。
○新熊委員 私のほうからは小型家電リサイクル法の施行状況についてちょっとコメントさせていただきます。
この委員会の私メンバーにはなっていたんですけれども、昨年末にちょっと身内の不幸がありまして出席できなかったというのもありまして、ちょっとこの場を借りててコメントさせていただきたいと思います。
まず第1に、環境省がお持ちですけれども、市町村データの分析についてですが、地方ごとに分けた、東北地方がどうとか、そういった地方ごとに分けた分析というのはよくされておられるんですけれども、なぜか人口密度をもとに市町村を分類して分析したものがございません。というのは、私が関係者にいろいろ話を伺って受けている印象では、大都市部ではあまりうまくいっていないと。そして、過疎地域でもあまりうまくいっていないと。うまくいっているのは中小規模都市地域ではないかというふうな、そういうふうな話をよく聞くわけですね。つまり人口密度で分けて市町村を分類して、この課題が何であるとかそういった分析というのは非常に重要なんだと思います。それが全くないので、ちょっと今後やっていただきたいということが第1点です。
もう一つですけれども、ざっくりと受けた印象を申し上げますと、市町村回収と認定事業者が中心となる直接回収との連携がうまくいっていないと、そういうふうに思っております。もう少し言いますと、両者がバッティングをしていて、無用の競合関係があるような、そういうふうな印象があります。環境省としては市町村回収を押しているというのはよくわかるんですけれども、その市町村回収の効率性を向上する努力は非常になされていると思いますけれども、日本全体を考えた場合、認定事業者がやったほうがよいようなケース、そういった市町村、そういったところもあるわけですね。
ですから、認定事業者の直接回収と自治体が中心となる回収と、そういったすみ分けとか連携というのをもう少し省庁の枠を超えて、少し踏み込んで考えて議論していただきたいなと、そういうふうに思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、浅野先生、どうぞお願いいたします。
○浅野会長 家電リサイクル法の見直しが進んで、その後、それなりに成果ができたというのは大変うれしいことだと思っています。
ちょっと話は違ってくるんですが、実はフロンのほうのモントリオール議定書が変わりまして、対象が増えたんですね。否応なしに法改正をせざるを得ないんですけれども、それにあわせて調べてみると、やっぱりどうもものすごく日本は回収率が上がっていない。法改正をしたんですけれども、相変わらず30%しか回収できていないのですね。それで、今、地球局で一生懸命になって担当者が調べ上げているんですが、浮かび上がってきた問題の中にフロン法はみだり放出禁止というのがあって、これに違反すると1年以下の懲役までかかるようなすごい罰則がついているんですが、家電リサイクル関係は入っていないんですね。これは家電リサイクル法でやってくださるという信頼のもとに制度ができ上がっているんですが、残念ながら正規ルートで回らないものが結構ある。それから、家電リサイクル法の前から問題だということも言われているんだけれども、義務外品がありますよね。せめて義務外品に何か手当てをしていただかないと、義務外品だけをフロン法に抱え込むというのは制度的にものすごく難しいんですよね。何とかフロン法じゃなくて家電法でもできることをやっていただかないと、回収率はなかなか上がってこないなという気がします。
それから、それよりも一番の問題は、これはちょっと家電リサイクル法の枠を超えるかもしれないけれども、外すときに問題が起こるので、外してからいかに上手に運んでもらっても、みんな漏れちゃっているんですよね。ですから、その辺を家電のほうでどうにもできないならもうしようがないのでフロン法のほうに移さざるを得ないんですけれども、これがちょっと頭の痛いところです。非常に量も一点一点少ないので、フロン法では扱いにくいというのが問題なんですが、せめて義務外品を何とかちゃんとルートに乗せる方法というのは考えていただきたいと前から思っていましたけれども、図らずもフロンのほうでその問題が出てきたものですから、そちらのほうの部会長としても大変頭を痛めております。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 では、質問を含めて幾つかコメントいただきました。
では、田中室長、どうぞ。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) まず、森口委員から御質問いただきました平成27年度の4品目のフローにつきまして、それぞれホームページで公表させていただいております。それで、昨年の調査手法はアンケートをとって、どのルートで排出していくかというアンケート結果に基づいて行ったんですけれども、やっぱりどうしても違法なルートに出しましたというふうに答えにくいということで、バイアスがかかっているのではないかとの考えから、直近のデータにつきましては、出荷台数というかたいデータから既存の文献からストックデータがどうなっているかというところのデータを集めて、出荷台数から保有台数の増加量の差し引きで排出量を推計するという手法をしたところ、排出台数が出荷台数に近い数値となった結果、違法性の疑われるルートのところが増えたという結果が浮かび上がってまいりました。
エアコンにつきまして、ちょっと今日の資料からは割愛させていただいているんですけれども、家庭、事業所から排出される561万台のうち不用品回収業者経由で165万台、それから、いろんなルートからストックヤードスクラップ業者に301万台、そして、最終的に海外スクラップに295万台というふうに出ていくというようなデータが明らかになりましたので、本日議論になったような適正ルートのほうに流していくような対策というのを進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、崎田委員から御指摘いただきました御指摘については、まさに御指摘を踏まえて今後実行してまいりたいというふうに思います。
また、新熊委員からいただいたものについては、人口密度だけであまりうまくいく、いかないといった傾向は、あまりそういった傾向は出ていないということでございます。今回市町村支援事業で人口の多いところ、少ないところ、真ん中ぐらいのところに応じて、その市町村に応じて優良事例を当てはめていくような事業をやることによって、今後どのような人口密度の市町村でも自分たちもこういうふうにやればいいんだなというような材料、参考になるような情報を集めて横展開していくというような取組を進めてまいりたいと考えております。
それから、市町村との連携につきましては、小電の審議会の資料の中でも連携事例というのを出させていただいておりまして、例えばハリタ金属さんが不燃ごみの破砕処理を市町村から受託して低コストで取組を進めるような連携ですとか、あるいは大栄環境さんが小型家電リサイクル処理の結果、回収量とか金属ごとの再資源化量等の情報を市町村にフィードバック、見える化することによって市町村の取組を応援するというようなウイン・ウインの関係を築いている例もございますので、こういったものをさらに膨らませていきたいと考えております。
それから、浅野会長から御指摘いただいた件については、すみません、今後適正ルートについて、外すときの漏えいについて、家電ルートでいくところについてはあまり問題になっていないと認識しているんですが、やはり不用品回収業者ルートに流れたときには大きな問題になるおそれがありますので、このルートのところを適切に持っていくというようなところの取組をまずしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
森口委員、何か。どうぞ。
○森口委員 すみません。今のお答えと浅野会長からの御質問がちょっとかみ合っていないかもしれないと思っておりまして、要はそこへ流れるんじゃなくて流れる前に誰が外しているのかというところが問題で、私も気になるのは、正規の家電法ルート以外にエアコンが流れるときに一体誰がそれを本当に外しているのかというところを押さえないと、浅野会長の御指摘に答えられないんじゃないかと。そうすると、やっぱりこれは家電法以前の問題かもしれなくて、あるいは家電法自身の中で買換えということの慣行の中で、下取り慣行をもとにつくったということと、やはりエアコンのように工事を伴うものと若干業態の違う部分があるので、これはかなりそこのところにフロンの排出が依拠しているとすると、やはりちょっとそこは厳しいのではないかということを浅野会長は御指摘になったと思いまして、私も全くそのとおりだと思いますが、ちょっと家電法の中だけにおさまらない部分があるかもしれませんけれども、エアコンがどこへ行っているのかという私の質問もそこと重なるところでございますので、引き続き検討いただければと思います。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 研究をしっかりさせていただきたいと思います。
○酒井部会長 家電リサイクル関係、小型家電リサイクル関係、この辺りでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
引き続いて、もう一つ報告をいただく予定でございます。G7アライアンスワークショップ-資源効率性と低炭素社会による機会と示唆-ということでの報告をお願いいたします。
○企画課長 参考資料2-1、2-2に基づきまして、簡潔に御報告いたします。
G7におきましては、資源効率性のためのG7アライアンスという取組をしておりまして、G7各国の政府機関あるいは企業、研究機関、国際機関等が参加してワークショップなどをいろんなテーマを設けて開催しております。今回は昨年の12月12日、13日に資源効率性と低炭素社会による機会と示唆というテーマでワークショップ及び公開シンポジウムを開催させていただいております。この部会の中でも議論になっております資源効率性、循環型社会と低炭素社会の統合をどういうふうに進めていくのかということと絡む点でございます。
参考資料2-2が議長サマリーでございますけれども、ちょっと大幅にはしょりまして、一番最後の4ページだけをご覧いただきますと、「これらをもとに」ということで結論部分でございますけれども、その2つ目のところでございますが、パリ協定やSDGs等を考慮して、1つ目が資源効率性と気候変動を結合するターゲットや指標を検討すべきだと。さらに、政策決定者を動機づけするコベネフィットの評価を検討すべきだと。さらに、先ほど来議論がございましたが、低炭素技術の普及による影響の把握及びその負の影響を緩和する対策が検討されることというようなことが議論されております。もちろん負の影響というよりも正の影響といいますか、親和性、ともに進めることによるベネフィットが非常に大きいという前提のもとで、一部例えば太陽光パネルの普及などもございますけれども、そういった低炭素技術の普及による影響ということも考慮しなければいけないというような議論がなされております。
その上で、OECD、その他の関連機関によって物質のライフサイクル全体での資源効率の向上によるGHG削減効果の評価でございますとか、資源効率性・低炭素化のシナジー強化のための対策、政策が検討されることというような結論になっております。この部会での次期の循環基本計画の検討においても、こういったことが主要テーマの一つになってくると思われますので、こういった国際動向もフィードバックさせていただきながら検討していただければと考えております。
それから、残りの参考資料3、4、5につきましては予算関連でございますので、こちらのほうは適宜後ほど御参照いただければと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 小野課長、どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして何か御質問ございますでしょうか。
よろしければ本日用意をさせていただきました議題は以上でございます。闊達な御議論、どうもありがとうございました。
それでは、最後に室石審議官のほうから一言御挨拶をお願いしたいと思います。
○大臣官房審議官 どうも今日は闊達な御議論、ありがとうございました。今回の報告書に盛り込める内容あるいは長期的に宿題として受け止めなければいけないところはいろいろあったと思います。しっかりと私どもも受け止めたいと思っております。
それから、委員の皆様におかれましては、2月7日をもちまして任期が満了となります。本日、現体制での最後の部会でございまして、酒井部会長を初め委員の皆様には精力的に御審議を今まで賜りましたこと、改めて御礼を申し上げたいと思います。特に現体制をもちまして委員を退任される方々におかれましては、長年にわたり御指導、御鞭撻をいただきまして本当にありがとうございました。改めて御礼を申し上げます。
最後に部会長のほうからもしよろしければ一言お願いいたします。
○酒井部会長 室石審議官、どうもありがとうございます。
現体制での最後の部会ということでございますので、一言御挨拶申し上げます。
まず、この体制になりましてから最大のミッションでございます循環基本計画、こちらをしっかりモニタリングせよと。これは前部会長の浅野先生からの御指示でもございました。決して廃棄物だけに先祖返りはするなという強い御指示をいただいて、運営のほうを務めさせていただきました。この点につきましては、今回点検報告を出して、それで、次の第四次をどうするか、そしてまた、それと環境基本計画との関係、しっかり考えてまいりたいというふうに思っております。
それに加えてまして、この部会は常に一定の法制度の改革との関係でおつき合いをさせていただく使命を持っております。そういった意味では、災害の関係制度あるいはPCBの処理完遂に向けた制度改革、そして、今回の廃掃法、またバーゼルということで、それぞれさまざまな議論と、そして、制度設計につきまして考えてきていただけたかというふうに思っております。まず、その関係の方々に感謝申し上げたいと思います。
そして、今日最後の会でございましたが、浅野先生のほうからは、長期のモニタリングの視点を常に持つようにという点、この点は再度十分認識をして考えていかなければならない視点というふうに承りました。また、藤井委員のほうからは、回収はしても使っていないじゃないかと、こういう具体的な事例を含めて御紹介をいただきました。この点もしっかりと受け止めていかねばならないというふうに思っております。ということで、具体的な事例を挙げさせていただきましたが、まずは今期さまざまな点でおつき合いいただきました委員の先生方、そしてまた、事務局の方々も多大な努力をされてきたというふうに横で拝見をしておりました。その点を含めて深く感謝申し上げたいと思います。
そういうことで、とりあえず御挨拶ということにさせていただければというふうに思います。どうもありがとうございました。
それでは、何か最後に事務局のほうからございましたら、よろしくお願いいたします。
○企画課長 浅野会長、酒井部会長、それから、委員の先生方、本当にありがとうございました。
次回の循環型社会部会の日程、場所等の御連絡、出欠の御確認は2月8日に中央環境審議会の総会がございまして、新しく任命された委員の方々に事務局から改めてさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
午後5時52分 閉会