中央環境審議会循環型社会部会(第17回)議事録
日時
平成28年12月9日(金)10:00~12:00
場所
TKPガーデンシティ永田町ホール2A
議題
(1)第三次循環型社会形成推進基本計画の点検について(関係省庁ヒアリング)
議事録
午前10時00分 開会
○企画課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。私、司会進行を務めます企画課長の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日でございますけれども、現時点で既に定足数を満たしております。最終的には19名の委員の方々にご出席をいただく予定となっております。
また、本日の議題であります循環型社会形成推進基本計画の点検のためのヒアリングの関係で、関係省庁の方々にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局を代表いたしまして、廃棄物・リサイクル対策部長の中井よりご挨拶を申し上げます。
○廃棄物・リサイクル対策部長 おはようございます。委員の先生方におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただきまして厚く御礼申し上げます。
今年も早いものであと1カ月を切りました。今回の部会が今年最後の部会となります。今年は廃棄物・リサイクル行政を進めていく上で、さまざまな課題に直面いたしました。委員の先生方にはその都度、貴重なご意見を賜りました。この場をおかりしまして改めて感謝申し上げたいと思います。
本年の1月には食品廃棄物の不適正な転売事案が発生いたしました。この事案を受けた対策に関して、本部会のもとの食品リサイクル専門委員会におきまして食料・農業・農村政策審議会の小委員会との合同でご審議をいただき、9月には本部会の答申として取りまとめていただきました。現在その答申も踏まえつつ、対策を進めておるところでございます。また、4月の熊本地震の発生に伴います災害廃棄物の対応状況や5月のG7富山環境大臣会合の結果、あるいは8月から施行されました改正PCB特措法につきましてもご報告させていただき、委員の先生方には闊達なご議論をいただきました。さらに、第四次環境基本計画や第三次循環型社会形成推進基本計画の点検も進めていただいているところでございます。
さて、本日は前回に引き続きまして第三次循環型社会形成推進基本計画の最後の点検についてご審議いただきたいと考えております。その一環といたしまして、関係省庁の取組についてご報告させていただきます。本日は農林水産省、経済産業省、国土交通省のご担当の方々にもご出席をいただいておりますところ、委員の先生方におかれまして忌憚のないご意見をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
○企画課長 それでは冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。
次に、配付資料の確認でございます。議事次第の下に資料一覧がございます。資料1から4がそれぞれ環境省、農林水産省、経済産業省、国土交通省からの発表資料となっております。そのほかに参考資料1及び2を置かせていただいております。資料の不足がございましたら事務局までお申しつけいただければと思います。さらに、本部会終了後には発言者名を示した議事録を作成し、委員の先生方にご確認、ご了解いただいた上で公開をさせていただきたいと思います。
それでは、以降の進行につきましては酒井部会長にお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 それでは本日の第17回の循環型社会部会、議事を始めさせていただきたいと思います。先ほど中井部長からご紹介ございましたとおり、本日は第三次の循環型社会形成推進基本計画の点検、関係省庁のヒアリングということでございます。
ヒアリングの進め方でございますが、まず環境省、次に農林水産省、引き続きまして経済産業省、最後に国土交通省の順番で取組をご紹介いただき、その後、一括して質疑応答の時間を設けたいと思っております。この方針でどうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、まず環境省のほうから参考資料の構成の説明と環境省の取組につきましてご説明をよろしくお願いいたします。
○リサイクル推進室長 リサイクル推進室長田中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、参考資料1、横長の細かい字でございますが、こちらの構成についてご説明いたします。循環基本計画では、地方公共団体、国民、NGO、NPO等、学術研究機関、事業者に期待される役割のほか、特に国については、国内外において行うべき取組が詳細に記載されております。そこで、参考資料1では第三次循環基本計画に関係する各省の取組の進捗状況を網羅的に取りまとめいたしました。
一番左の列は、第三次循環基本計画に記載されている取組項目。それから左から2列目には、計画に記載されている定量的な指標。左から3列目から順に、平成25年度に講じた施策、26年度、27年度、28年度上半期に講じた施策を記述いたしております。一番右の列には、今後の課題としまして、本部会で夏にご審議いただきました第四次循環基本計画の循環部分の今年度の点検でご提言いただきました課題とされた事項などを記載しております。
なお、最後のページでございますが、環境基本計画の点検の今後の課題のうち、富山物質循環フレームワークに即した、横断的な課題につきましては巻末に取りまとめて記載させていただいております。
なお、次の循環部会におきましては、本日までのヒアリングの結果や今後事務局で整理いたします物質フロー指標、取組指標等のデータを統合しまして、第三次点検報告案を事務局からお示しさせていただく予定としておりますが、その中にはこちらの参考資料も添付させていただければというふうに考えております。
そして、本日の関係省庁ヒアリングでは、今年3月の第2回循環基本計画の点検において、今後の課題とされた事項のうち、国の主な取組の中で循環計画の記載と比較しまして、取組が不十分との指摘を受けた事項の進捗に焦点を絞ってご説明させていただきます。具体的には前回の点検で引き続き何々する必要があるという○の課題ではなくて、一層~~する必要があると指摘された、いわば△的な評価を受けた課題や、あるいは今後~~する必要があると指摘された、いわば×の指摘を受けた課題につきまして説明をさせていただければと思います。
それでは、資料1のパワーポイントに移らせていただきまして、環境省の取組の進捗状況についてご報告をさせていただきます。
まず、1ページめくっていただきまして、タイトルで1.2Rに関する仕組作りと3R見える化ツールでございます。下の表の折れ線グラフのとおり、この20年間リユースびんの比率は約8割から4割まで低減しております。リユースびんの利便性を高めて、消費者の利用を促すよう、びんの規格の統一化等、リユースびんの地域利用を行う実証事業を来年2月から実施いたします。
二つ目の○でございますが、昨年11月に公表した3R見える化ツールのうち、食品ロス編につきましては、婦人会や企業等の協力を得て、この見える化ツールを使い勝手のいいものに改善するための実証事業を実施中でございます。また、2Rの取組の状況を把握するための指標につきましては、昨年度に引き続き、今年度も検討しているところでございます。
タイトルの2.リユース産業の拡大に向けた取組といたしましては、まず、各主体のリユースへの参加を促すための取組事例集、データブック、リユース読本、それからオフィス等から発生する使用済製品の利用のための手引きを公表いたしました。
また、フロントバンパーやエンジンなどの自動車リユース部品等の活用を促すための実証事業を実施しました。具体的にはレンタカーのような大口ユーザーと修理事業者が事前にリユース品を使うことを合意しておくことによる、リユース部品生産率・使用率の向上と二酸化炭素削減効果を検証いたしております。
また、太陽光パネルにつきましても、平成26年度に策定したロードマップにのっとり、本年4月にリユース・リサイクル・適正処分に向けたガイドラインを公表しました。加えて実証事業として太陽電池パネル等をリユースできるか、あるいはリサイクルに回すかを、リサイクル事業者などが性能判断する手法の開発を進めております。
次のページの3でございます。フードチェーン全体の食品廃棄物の削減のため、本年10月に福井県が事務局となって44都道府県201市町村により発足いたしました「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」会長を崎田委員にお願いしているところでございますが、この立ち上げを農林水産省、消費者庁とともに応援してまいりました。本年12月から1月の忘年会、新年会シーズンを迎えて、早速18道県58市町村で3010運動や宴会五箇条など『外食時の「おいしい食べきり」全国共同キャンペーン』を実施中でございます。
また、学校給食からの食品ロスの削減・食品リサイクルを促すモデル事業を昨年度の札幌市、松本市、恵那市に続きまして、今年度は宇治市、木更津市で実施中でございます。
さらに、食品リサイクルループの形成を促すため、食品関連事業者、再生利用事業者、農林漁業者、地方公共団体等を対象にしたマッチングセミナーを今年度は秋田市、大阪市、それからこれから那覇市で開催の予定としております。
4でございます。拡大生産者責任に基づく環境配慮設計を促す施策として、昨年度の中環審、産構審の合同審議会の報告を受けて、再生プラスチックを多く活用する自動車のリサイクル料金を割り引く制度の詳細設計の検討を作業部会で開始いたしております。
また、二つ目の○でございますが、製品の金属含有情報の共有化に向けて今年度の関係者ヒアリングを踏まえ、引き続き検討を進めてまいります。
続きまして次のページの5.消費者への普及啓発につきましては、3R推進月間でございます10月に合わせて若者向けに3Rを促す3Rの専用Webサイト「Re-Style」をリニューアルいたしました。同月間には自治体等での127以上のシンポジウム等の開催と並行して3R推進月間用にPRビデオを作成いたしまして、主要7都市の大型ビジョンで放映に協力していただいたほか、左下の枠にございますようにリユースを促す製品であることを、スーパーの店頭陳列棚で紹介する「選ぼう!3Rキャンペーン」の実施をドン・キホーテ[環境省1] 、あるいは徳島のスーパー等の協力のもと行ったほか、右下の枠にございますとおり、循環型社会推進応援ソング「巡り循った環の中に」を学生の協力を得て作成・公表しましたほか、ビッグエコーや通信カラオケDAMを運営する第一興商の協力を得まして、「巡り循った環の中に」のカラオケソングとしての導入、それから現在はその背景となる動画の募集もいたしております。
6でございますが、残留性有機汚染物質であるPOPs廃棄物の一層の適正処理の推進のため、本年9月より酒井部会長に座長をお願いしております検討会の中で、リサイクル原料に含まれる臭素系難燃剤を含めまして、関係業界団体へのヒアリング等を通じ、その適正な管理方策について検討中でございます。
次のページの7.適正処理困難物に関しましては、エアゾール缶及びカセットボンベの処理につきまして、27年に発生しましたエアゾール缶への穴あけが原因と見られる事故などを受けまして、環境省から事務連絡を発出し、廃棄の際には穴あけをしない方向が望ましい旨を周知いたしました。また、現在適正な処理が困難とされる廃棄物に関する全国の自治体の取組状況を調べておりまして、その結果を踏まえ、効果的な取組方策等について検討を行う予定といたしております。
8.CO2削減とのバランスをとったリユースを促すため「リユース読本」を今年5月に公表し、その中で、例えば使用時のエネルギー消費量が大きなエアコンは2000年から2010年に省エネ性能が40%向上したことから、リユースによって、かえってCO2が増える可能性があるということを解説などいたしております。
9でございますが、地域循環圏の形成を一層促すため、平成24年度のガイドラインを補完する「地域循環圏形成の手引き」を7月に公表いたしております。さらに自治体向けの研修を東京や仙台で順次開催したところでございます。
10でございます。「廃棄物エネルギー導入・低炭素化促進事業」につきましては、抜本的な見直しを行い、今年度から従来の廃棄物エネルギーを活用した創エネ事業に加えまして、廃棄物処理プロセス全体の低炭素化を支援する事業を実施しております。高効率な熱回収施設の整備等にかかる措置につきましても引き続き必要な方策を検討してまいります。
11.熱回収施設設置者認定制度の普及でございます。下のメリットのところにも書かせていただいておりますが、排出事業者が高効率な廃棄物発電や余熱利用が可能な事業者に処理委託することを促すため、熱回収設置者認定事業に基づきまして、都道府県等からの認定を受けたこの認定事業者18事業者でございますが、先ほどの10のところでご紹介いたしました低炭素型廃棄物処理支援事業によって、熱回収設備を導入した場合には5年以内に熱回収設置者の認定を受ける必要があることとしておりまして、今後のこの認定事業者の増加と熱回収の高効率の促進を見込んでいるところでございます。
12の再商品化のブランド化・ラベリング等の取組といたしましては、4で先ほどご説明したような再生プラスチックを多く活用する事業者のリサイクル料金を割り引く制度の詳細設計を進めているところでございます。また、再生プラスチックを用いた製品、再生インクカートリッジ、リユース部品を用いた複合機など、今年度は8月末までに139の製品についてエコマークの新規認定を行っております。さらに事業者に対しましてリユース・リサイクル製品を含め、品質・安全性・環境負荷低減効果についてわかりやすく表示することをテーマとしたセミナーを本年度中に2回開催する予定といたしております。
13、中小事業者でも取り組みやすい環境経営の仕組みである「エコアクション21」につきましては、取引先選定時やあるいは行政機関の入札条件となるなどの利用が進み、登録企業も純増しているところでございますが、さらに使いやすい制度を目指し、来年度には改訂ガイドラインを公表の予定としております。また、環境報告ガイドラインと環境会計ガイドラインにつきましても、昨今のニーズの変化に対応するため、来年3月にはともに改訂をするための骨子案を公表する予定といたしております。
13.環境マネジメント等でございます。企業と投資家との間のESG、Environment・Social・Governanceを重視した投資対話を促進するため、環境情報を中心とした非財務情報の開示システムを整備する事業につきましては、本格運用に向けて今年度から運用実施を始めております。企業、投資家合わせて400名近くの皆さんに参加いただいたESG対話のプラットフォームとして期待をしているところでございます。また、環境報告書等の普及と質の向上に向けて、すぐれた環境報告書と環境活動レポートを表彰する環境コミュニケーション大賞につきましては、環境情報開示の重要性の高まりを受けまして、応募が増加傾向にございます。今年度は338社からのご応募をいただきました。今年度は環境コミュニケーション大賞制定20回記念大賞を特設したほか、受賞ロゴマークを新設しまして、環境情報の開示を促しているところでございます。
14でございます。廃棄物処理法の点検・見直しの検討につきましては、本年2月に大塚委員に委員長をお願いして、廃棄物処理制度専門委員会を設置してご議論いただいております。現在、論点案を取りまとめいただき、報告書の取りまとめに向けたご審議を引き続きお願いしているところでございます。
主な論点といたしましては、1の廃棄物適正処理のさらなる推進として、マニフェストの活用などによる不適正な取り扱いの未然防止策の強化や、廃棄物処理における有害物質管理のあり方についての検討をお願いしております。また、2の健全な資源循環の推進として、有害特性を有する使用済物品の健全な再生利用の推進。優良産廃事業者などの循環産業のさらなる育成。廃棄物等の健全な再生利用・排出抑制等の推進についてのご議論もいただいております。3のその他といたしまして、廃棄物処理分野における温暖化対策の強化や各種規制措置等の見直しなどについてもご議論いただいたところでございます。1月末を目処とする取りまとめに向けてさらにご審議をお願いいたしております。
15の不用品回収業者対策といたしましては、昨年度に引き続き、自治体向けの取締りセミナーを開催するほか、今年度は都道府県、市町村の廃棄物担当者の参加をいただいて、取締りに至るまでの行程を検討するモデル事業を実施いたします。このほか全国におけるこれまでの取締りや住民向け広報の全国の優良事例集を取りまとめ、本年4月に各市町村に共有いたしております。
16、循環型社会形成推進交付金におきまして、既に埋め立てられている廃棄物を減容し、埋立処分容量を増加する事業として、最終処分場再生事業を支援、例えば宮城県の仙南地域、神奈川の湯河原町、横浜市、それから徳島の美馬などで行っております。
17の本年1月に改訂された廃棄物処理法基本方針及び本年7月に改訂された食品リサイクル法基本方針等を踏まえ、本年9月にはごみ処理基本方針を改訂し、全国の都道府県、市町村に周知いたしました。廃棄物処理法基本方針における一般廃棄物の排出量、24年度から32年度に12%減、及び再生利用率24年から32年度に21%から27%に拡大の達成に向け、地域の実情等に応じて進めるべき施策の例をそれぞれの地域特性に応じた適正な利活用の推進について明記するなど、市町村における再生利用率の向上等の取組を支援しております。
18でございます。小型家電の回収量増加や質の向上のため、小型家電の回収量の多い市町村の取組状況を分析し、回収量増加に効果的な回収方法等を取りまとめた取組事例集を市町村に紹介いたしております。また、人口規模や既存の清掃工場の施設規模など、個別の市町村ごとの状況を把握した上で、小型家電の回収量増大を見込める回収方法や回収品目の提案をするような、コンサルティング事業を開始いたしました。さらに埋立と比べて小型家電リサイクルにどう取り組むかの費用便益の定量的な試算をエクセルシートで簡便に実施する分析ツールを今年度、全市町村に展開いたしております。また、NHKの朝ドラの「べっぴんさん」のヒロインで、小型家電リサイクル応援マネジャーの芳根京子さんにも協力いただいた広報のほか、学習指導要領に準拠した小型家電リサイクル学習授業支援パッケージを作成しまして、全国の小学校に展開いたしております。
19、建設廃棄物の再生材の需給調整や利用促進につきましては、廃棄物処理制度専門委員会においてコンクリート塊や建設汚泥等の建設廃棄物を含む廃棄物等の健全な再生利用・発生抑制等の推進に向けた取組についてご議論をいただいているところでございます。
20、各主体の情報共有・ネットワーク化につきましては、地域の行政、企業、民間団体等の協働での取組を支援する事業として、本年度は例えば秋田県において未利用木材の利用とひきこもりの方の就労支援と組み合わせた事業を実施いたしております。山形県鶴岡市では間伐作業で生じる森林資源を加工し、利用者に届けるスキームを検討する事業を支援いたしております。
21、国際的な廃棄物管理や資源循環については、アジア各国での廃棄物管理及び資源循環についての情報を集めた「アジア太平洋地域における3R白書」を来年出版できるよう、国連地域開発センターや地球環境戦略研究機関と協力して作成を進めております。そのほか、3R国際学会と連携したワークショップやアジア諸国の廃棄物管理に関する基礎情報を国別に収集してホームページに掲載いたしております。
次に22でございます。我が国の循環産業の海外展開支援につきましては、関連情報をまとめたポータルサイトを構築しているほか、幅広い関係者が集まり、情報共有やネットワーキングを促すためのシンポジウムを2017年2月に開催します。また、本年11月にはオーストラリアのアデレードで共催いたしました第7回アジア太平洋3R推進フォーラムには、7自治体16事業者にご参加をいただいたほか、アジア太平洋地域における自治体事業者間の連携を進めるため、アジア太平洋3R官民連携ワークショップにも国内外の9自治体に参加いただいております。
23、地球温暖化対策と廃棄物対策のコベネフィット事業として、今年度はフィジビリティスタディを5件行いました。これまでの成果といたしましては、ミャンマーの廃棄物焼却発電施設炉が来年より運転を開始予定であるほか、ベトナムでのRPF製造事業につきましては、2014年から商業運転を開始いたしております。また、フィリピンにおいて廃棄物発電ガイドラインの作成を支援するとともに、インドネシア、マレーシアでも同様の事業を展開する準備を進めております。
最後に参考でございますが、環境省では12月13日の火曜日に資源効率性と低炭素社会による機会と示唆をテーマに、公開ワークショップを開催いたします。このワークショップは本年5月のG7富山環境大臣会合やG7伊勢志摩サミットの成果も踏まえ、資源効率性のためのG7アライアンスの取組の一環としまして、政府、企業、研究機関、国際機関等の参加を得て、低炭素社会における資源循環システムのあり方につきまして情報共有や意見交換関係者の交流を促すものでございます。
環境省からの発表は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。それでは引き続きまして農林水産省のほうからご説明をお願いしたいと思います。資料2でよろしくお願いいたします。
○農林水産省大臣官房政策課環境政策室課長補佐 農林水産省でございます。お手元の資料でございますけれども、本年3月に行われました第2回点検におきまして、一層取り組む必要があるとされたもの、先ほどの説明ですと△に該当するものでございますが、そういったことについて現在の進捗状況についてご報告をさせていただきます。
まず1ページ目でございますけれども、表の一番左にございます循環基本計画において、食品廃棄物の削減など、フードチェーン全体の改善に取り組むと記載されていたところ、第1回点検、第2回点検において記載のとおりの取組をさせていただいております。今回、色を塗っているところでございますが、食品ロス削減のための3分の1ルール等の商習慣の見直しについて、各地域の小売業者との意見交換を実施するとともに、食品ロス削減の優良な取組の普及に向けまして全国4カ所で食品ロス削減研修会を実施しております。今後はまだ取り組んでいない地方の食料品スーパー等へも広げていくほか、品目の拡大を検討していきたいと考えております。また、食品関連事業者における信頼性向上を通じたフードバンク活動の推進のため、食品の取扱い等に関する手引きを作成・公表したほか、企業とフードバンクのマッチング促進のための情報交換会を全国8カ所で実施しております。
続きまして、ページをおめくりいただきまして、環境教育についてでございます。環境教育については、循環基本計画におきまして環境教育等を多様な主体における連携の重要性を考慮しつつ、総合的に推進すると記載されていたところ、第1回点検、第2回点検で木育等について取り組んでいるところでございます。今回、進捗状況・今後の課題というところでございますが、学校教育における森林での体験活動を推進するため、学校の森・子どもサミットを開催しまして、体験活動の実施に関する情報交換を促進しました。また、木材や木製品とのふれあいを通じまして、木への親しみや木の文化への理解を深め、木材のよさや利用の意義を学ぶ教育活動としての木育を推進してございます。さらに、学校等が森林教室や活動体験を実施するためのフィールドとしまして、国有林を提供する「遊々の森」の協定締結を推進するとともに、既に遊々の森既設箇所165カ所ございますが、そういう既設箇所において学校等による取組を実施しております。
最後になりますが3ページ目でございます。今後の展開の方向としまして、2R、SDGsの達成に向けた取組において、それぞれ食品ロスの削減に取り組むということになっており、進捗状況・今後の課題としましては、現在の業種別の発生抑制の目標が食品廃棄物全体での目標値となっておりまして、可食部と不可食部の区別がなく、純粋なロスの目標になっておりません。こうしたことから、食品廃棄物の可食部については、データが不足しているということでございまして、国内の食品ロス削減目標を検討するために、平成29年度予算で予備調査に係るものを要求しているというものでございます。
以上でございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。では、引き続きまして経済産業省のほうからのご説明、よろしくお願いいたします。
○経済産業省リサイクル推進課課長補佐 それでは経済産業省のほうから説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料3でございますけれども、まず1ページ目ですけれども、リデュース・リサイクルに関する規格策定の動向についてご説明させていただきたいと思います。
まず、リデュースについての規格につきましては、包装の環境配慮に関する規格ということで、ISO18602に準拠してJISz0130-2と包装システムの最適化ということで、昨年の5月に制定をされたものでございます。これに基づいてですけれども、2ページ目をおめくりいただければと思います。
最適化の概要ということで、包装の機能を維持しながら環境負荷を最小にするということのための規格でございます。これに基づいて、3ページ目でございますけれども、本年の3月に事業者向けの手引き及び消費者向けの事例集というのを取りまとめて公表のほうをさせていただいているところでございます。
続きまして4ページ目でございますけれども、こちらがリサイクルに関する規格の話でございます。規格の話の前に背景ということで、4ページ目ですけれども、今容器包装由来の再生樹脂の価格が日本では、ドイツと比較しますと大分安い状況になっていて、これはドイツのほうでは流通している再生樹脂というのが非常に用途が広く、かつ高付加価値な製品の原料に使えると。さらにはかなりの量が流通しているというような状況であるというふうに認識をしています。
こうした再生樹脂の価格上昇ということを考えた場合に、これから我が国としてもまずは再生樹脂の質の向上ということで、これは事業者さんが中心にやられる話ですけれども、光学選別機の導入等による単一素材化の推進を行っていくと。そして規格化によって再生樹脂のマーケットの拡大を図っていくということが重要であろうというふうに考えております。これに基づいて、5ページ目でございますけれども、規格化の取組ということで、マーケットの拡大でありますとか、再生樹脂の安定供給のために再生樹脂の品質水準と再生樹脂をつくる際の品質管理の規格が重要であるというふうに考えております。
6ページ目でございますけれども、これに基づいてまずは容器包装由来のポリプロピレンとポリエチレンのリサイクル材の仕様に関する規格ということで、ISO18263-1でございますけれども、これについてはリサイクル材の基礎仕様の様式でありますとか、あとは表示方法についての規格でございます。これについては今、現在JIS化の作業を進めているところでございます。
続きまして、7ページでございますけれども、マネジメント規格ということで、一般的なマネジメント規格はISO JIS 9001がありますけれども、これの分野別指標ということで、プラスチック再生材料の事業プロセスの規格として、JIS9091を本年の10月に発行をしたところでございます。
続きまして8ページですけれども、経済産業省の予算でございます。現在、予算要求の事業でありますけれども、8ページ目は高効率なリサイクル技術の研究開発事業ということで、破砕選別プロセスの自動化及び精錬過程での高効率化を図る研究開発事業でありまして、現在、予算要求中でございます。
続きまして9ページ目ですけれども、国際的な省エネ型の支援循環システムの形成のための実証事業でありまして、これにつきましては海外、アジアでの実証事業と国内での実証事業の二つをやっております。海外のほうは現在、2件FS調査ということで、バングラデシュにおける大型家電リサイクル事業のFS調査をやっているところでございます。国内につきましては、アルミ車両の、鉄道車両の水平リサイクルについての実証事業初め4件進めているところでございます。
最後10ページでございますけれども、先ほど環境省さんのほうからもありましたけれども、経済産業省も国際資源循環に関するG7のワークショップというのを12月14日、来週ですけれども、開催予定でありまして、環境省さんのワークショップの次の日にやる予定にしております。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。それでは最後になりますが、国土交通省のほうからご説明、どうぞよろしくお願いいたします。
○国土交通省環境政策課長 国土交通省でございます。資料4に基づきまして、長期にわたって使用可能な質の高い住宅ストックの形成に向けた取組についてご説明をさせていただきます。
まず、社会全体でつくっては壊すというようなフロー消費型から、いいものをつくってきちんと手入れをして、長く大切に使うというストック型社会への転換が求められております。住宅分野におきましても、住生活基本法におきましてストック重視の住宅政策への転換が掲げられてございまして、これに基づきまして長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づきまして認定制度が設けられてございます。長期優良住宅の建築維持保全に関して計画を策定し、これを所管行政庁が認定をし、これに対して各種の助成制度が適用されるという仕組みでございます。
左下の認定基準でございますが、1としまして、住宅の長寿命化に必要な条件として、劣化対策、耐震性など。社会的資産として求められる要件として、省エネルギー性能など。長く使っていくために必要な要件として、維持保全計画の提出。こういったところを審査して認定をする仕組みとなってございます。これに対する助成策としまして、税制、融資、補助制度などによって支援をしているところでございます。
これらの支援に基づきまして、実績といたしまして、これまでの累計では約69万6,000戸。漢字で「万」という字が入っておりますが、誤植でございますので、恐れ入りますが削除をお願いしたいと思います。
平成27年度の実績としては、10万4,000戸あまりという実績になってございますので、今後とも引き続き推進をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。4省のほうから今回の点検に係るヒアリングということでご説明をいただきました。
それでは、この後、ご質問、ご意見を受けたいと思っております。まず最初に、篠木委員、もうすぐご退席というふうに聞いておりますので、最初に何かご指摘ございましたら承って、その後、各委員、順番に回してまいりたいと思います。先にどうぞ。
○篠木委員 恐れ入ります。どうもありがとうございました。今、国土交通省さんのほうからご説明がありました住宅について勉強なので教えていただければと思います。こういった認定基準というのは、基本戸建のみなのでしょうか。集合住宅というのはどういった扱いになっているのかを教えていただければと思います。
○酒井部会長 それでは、どうしましょうか。すみません、本件だけ先にお答えください。
○国土交通省環境政策課長 集合住宅も対象になってございまして、若干戸建てと集合住宅で認定の基準が違うところはございます。④ですとか、⑥は若干違うところがございますが、共同住宅についても対象としてございます。
○酒井部会長 この実績のうち、ざっとどの程度の割合になるんでしょう。今の一戸建てと集合住宅の比率といいますか。
○国土交通省環境政策課長 ちょっと手元に数字はございませんが、戸建てのほうが大きくなってございます。集合住宅のほうが小さいというふうになってございます。
○酒井部会長 篠木委員、よろしいでしょうか、今の件。
それでは、委員の方からの質問に入ってまいりたいと思います。それでは順番に回してまいりたいと思いますので、また名札をお立ていただけませんでしょうか。
では大塚委員のほうから順番によろしくお願いいたします。あと、まとめてご回答いただくようにしたいと思いますので、一通りお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○大塚委員 どうもありがとうございます。環境省さんのほうの資料の1で、ちょっと細かい点で申し訳ないですけども、15ページのところで環境情報の基盤の整備事業のところでございます。環境情報に関して、非財務情報として環境情報の開示をしていただくということに関して、有価証券報告書において環境情報の記載を義務づけるというような話に関しては、かねて国会とかでも議論があったところだと思いますけれども、現在どこまで進んでいるかとか、義務化等についての検討はどういうふうになっているかということについて教えていただければありがたく思います。
以上です。
○酒井部会長 では崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。食品ロスの削減について、環境省と農林水産省に両方に質問させていただきたいのですけれども、やはり資源を効率よく使うという世界的な流れの中で、特に今、食品をしっかりと使い切るというのが世界の課題になっています。こういう前提の中で、今回もそういう関連の施策を非常に重視してご発表いただいて、大変傾向としてはありがたいと思うのですが、日本の、食品廃棄物、あるいは食品ロス削減の目標というのが明確に入っていないというところがあると感じております。
それに関して、農林水産省の資料のほうで、目標を検討するための予備調査に入るために29年度予算を要求中と書いてありますので、私はぜひこの食品ロスの発生は、生産流通過程、あるいは外食産業、そして家庭と全部つながっているいろいろな流れがありますので、環境省あるいは農林水産省と連携して、こういうような全体の調査をして目標設定を明確にするというような方向で取り組んでいただければありがたいのではないかと思って、それに関してお考えを両省からお伺いできればありがたいと思っております。
なお、先ほどご発表いただいたように、全国の自治体がネットワークを組んで食品ロス削減の施策を展開、共有をするというための全国おいしいたべきり運動ネットワーク協議会が立ち上がりまして、それに関して各省庁、内閣府も含めて応援いただいて、それに関しては大変感謝をしております。私は民間側として会長に要請されて入っておりますけれども、できるだけいろいろなマルチステークホルダーでこの問題を社会の課題として盛り上げていくということを皆さんと一緒にやっていければと考えております。
もう一つ別件の質問で、環境省のメダルの話なのですけれども、消費者への普及啓発のところでは、いろいろな最近チャレンジをしていただいて楽しいのですが、つかみはオーケーで、6ページの辺りに書いてあるじゃあ一体何をしたらいいかという、ところが大事だと思います。オリンピックでメダルを都市鉱山の回収資源からつくると組織委員会が決心されたということで発表があって、今公募をしている真最中ですけれども、こういうようなことがどういうシステムになるかが明確に決まった段階で、ぜひそういう流れを応援していただくということが東京2020オリンピック・パラリンピックの後のレガシーとして資源をしっかり回収することの全国への定着に大きく影響すると思いますので、しっかりと協力体制を組んでいただければありがたいと願っております。
また、別件の質問で、国土交通省のところなのですけれども、先ほど住宅に関するご説明は、優良住宅のストック型社会に向けた政策転換のお話がありました。効果としては既築住宅、既に建っている住宅をどう修理するかというのも、効果としては大変大きいと思っているのですけれども、その辺は同じような視点でどういう制度が今入っているのかを教えていただければありがたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございました。佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 ありがとうございます。私からは意見と質問をさせて頂きます。
まず、経産省の方からご説明のあった、資料で言うと4ページの材料リサイクルの成長可能性というところで、いろいろ取り組まれているということなのですが、ちょっと驚きなのは、上から2つ目のセンテンスにドイツ並みの樹脂価格を目指すとあります。ちょっと目を疑ったのですが、樹脂のクオリティを高める、樹脂の価値を高めるというのは、当然、リサイクルを推進するために必要なのですが、この価格を目指すということ、即ち、価格を上げることを目指すというのが国の政策だとすれば、これはまさにリサイクル推進に反することになります。つまり、物が高くなれば普及しないわけですから、リサイクルを推進しないということを国が目指していると、こういうことにもなりますし、価格維持を国がやるというのは、ちょっと考えられないので、これは非常に違和感があります。これが本当に政策だとすれば、何のためにやっているのか判らない、環境のためにやっているとはとても思えない、ということになります。
それと、環境省の方からのご説明について、これは質問です。リユースのびんでリターナブルの率が減ってきたということですが、これは当然リターナブルびんが減ってきているから減っているという、単純にそういう比率の変化を言っておられると思うのですが、そもそもこれはもう皆さんご案内のとおり、リターナブルびんの典型的な商品は、お酒だとかだと思うのですけれども、そういうものはそもそも消費そのものが減っているというところが当然あるので、その辺を分析すると、あまり意味のないことに取り組まれてもしようがないのではないかなという気は素人ながらします。
これは質問です。リターナブルびん以外で回収されたびんについてはどういう形で利用されているのかという点をお伺いしたいと思います。なぜ、これについて関心を持ったかというと、先日のCOP22でマラケシュに行ったところ、日本からは2社だけが展示会に企業出展していました。その1社が鳥取の再資源化研究所という従業員9名の会社でしたが、そこは何をやっているかというと、廃棄されたびんからポーラス状で保水性のある土壌改良剤を開発して売っているということでした。それがモロッコでも実証検証されて、ああいう砂漠もしくは非常に降水量の少ないところで農作物のために役立てているということがありましたので、その辺についてお聞かせいただければと思います。
それと、最後になりますけれども、リサイクルについて、若干、気になる話というか、動きがありました。容器包装リサイクル法関連ですが、先週、経産省、環境省から発表されましたプラチック製容器包装の再商品化入札制度見直しの報告がありましたが、正直なところ、非常に議論不足、問題のあるものだと思っていますので、ぜひ、これは既に閣議決定されている内容に照らして、これからよくご議論していただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございました。それでは、白石委員、お願いいたします。
○白石委員 ありがとうございます。私からは化学物質絡みのところで質問か意見か、どちらかわかりませんけれども、したいと思います。
化学物質絡みは多分、参考資料1でいうところの11ページくらいからですか。11、12、13ページ辺りのところが対応していると思うのですけれども、前回の点検ではあまり話が進んでいないねということだったというふうに記憶しております。環境基本計画、ライフサイクルを通じた化学物質の管理というのがうたわれていて、環境保健部会のほうですか。点検は進んでいると思うのですけれども、廃棄物に関しては、この廃棄物部会が見るということで廃棄物の点検が必要であろうと、取組を期待しているところなのですけれども、その中で今日紹介された環境省資料1の4枚目、6枚目、14枚目、ここに化学物質関連のお話が分散している状態にあるというような認識です。例えば、製品中の有用金属情報の共有化というのは5ページ目にありますけれども、これは何をもって有用化するかという問題がありますけれども、有用だったり有害だったりするわけで、そういったものの情報の共有化についてどのような対応を取られる予定なのか。例えば、リサイクル原料の混入状況に対する規制ということで、POPs廃棄物のリサイクル原料に含まれる臭素系難燃物にのみ特化されているようですけれども、廃棄物、難燃カーテンとか、発泡スチロールとか、さまざまに臭素系難燃剤は使われているのですけれども、そういったもの。あるいは現在、地中に埋まっているものもあるでしょうけれども、そういったものについて少し視野を広げて統合的な考察はできないものかなというような印象を受けます。
そういうことを受けて、14ページ目に有害廃棄物の、14ページじゃなかったですね、廃棄物処理法の改正を検討すると、大塚委員の座長されているところで有害廃棄物の関係の管理の方策について検討されるということなのですけれども、ここでスライドに上っているだけでも3点関連する部分があるので、そういったものを統合的にどのようにやっていくのでしょうかというのがご質問です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。じゃあ杉山委員、お願いいたします。
○杉山委員 ありがとうございます。ご説明いただきましてありがとうございました。幾つか質問させていただきたいと思います。
最初に環境省さんの資料につきまして三つお聞きしたいと思います。最初は2という2枚目のスライドです。こちらはびんのリユースびんとワンウェイびんのデータが示されているのですが、生活している感覚からして、リユース比率が、20年前が8割で現状でも4割あるというのがどうもピンときませんで、身の回りでびんというのはほとんどリユースされているものがないのではないかと思うぐらいの感覚を持っていたものですから、ちょっとこの8割、4割という数字につきまして、もう少しご説明をいただければ大変ありがたいと思いました。
それから8ページ目です。エアゾール缶についての記述がありまして、その中に平成27年6月25日付で、エアゾール缶やカセットボンベは穴あけをしない方向が望ましい旨を周知というふうにございます。それで、私今年の2月、3月辺りに、全国の333自治体、これは10万人以上の市と、それ未満の市については50カ所ほど選ばせていただいてアンケート調査をしたのですが、78%の自治体からご回答いただいたのですけれども、その結果を見ますと、穴あけの指導をしているというところが53%、していないところは47%ということで、まだまだ穴あけについては自治体のご理解がいただけていないのではないかと思いますので、その辺りの情報の周知徹底はどうしていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。
もう一つは19ページです。これは大変単純なことです。誤植ではないかと思いますが、本文の2行目に平成28年9月にごみ処理基本方針策定指針とありますが、これはごみ処理基本計画策定指針ではないかと思ったのですが、すみません。ちょっと私の勘違いかもしれませんが、ここを教えていただければと思います。
それから次に、経済産業省さんの資料の4ページ目です。材料リサイクルの成長可能性というところで、ドイツと比べて再生樹脂の価格が低いということがあったのですが、これでドイツの事情でもう少しご存じでしたら教えていただきたいと思いましたのは、そもそも包装材の素材がドイツのほうが日本よりも複合素材とかが少ないのではないかというふうに私は思っているものですから、その情報があれば教えていただきたいと思います。といいますのは、確かに再生樹脂の単一素材化ということは大変重要かとは思うのですが、これは複合化したものが多い中で、単一素材化をするというのは、とてもロスもたくさん出てくるわけで、要するに歩留りが悪いということなんですが、もしも単一素材化を目指すのであれば、そもそも包装材そのものを複合素材をなるべくやめるという方向にしていかないと、リサイクルする段階で単一素材化して値段を上げるというのは、ちょっと無理があるのではないかというような、質問も兼ねてこれは私の意見です。
それから、国土交通省さんのご説明につきまして、全体でまだ11.4%ということが示されておりますので、これからもっと広めていただきたいなと思っているのですが、やはり11%程度にとどまっている大きな理由は、これは建築費が高くなるということなのでしょうか。ただ、そういう、恐らく建築費は高くなるんでしょうが、こういう質の高い住宅にすると、そのための特例措置があるとか、先々こんなメリットがあるのですよというようなことを、どこまで実際に施主の方に説明をしていただいて、こういう選択をしていただいているのか。その辺りのことをもう少し教えていただければと思いまして質問いたします。
以上です。
○酒井部会長 じゃあ杣谷委員、どうぞ。
○杣谷委員 すみません、2点教えていただきたいのですが、1点は環境省の16ページ、14.のところで、廃棄物処理制度専門委員会の課題として、その他に上がっている(3)の地方公共団体の運用とあるのですが、以前示していただいたかもわかりませんが、ちょっと記憶にないので、もう少し具体なところをお願いしたいというふうに思います。
もう一点は、先ほど杉山委員からありましたけれども、住宅の関係ですが、この期間、21年から28年までの間の数字と27年実績を見てみますと、そう大きく伸びていないように受けとめられますけれども、具体にこの政策自体を推進していく上でのさらなる対応というものについて、何か示されるものがあったらお願いしたいと思います。
以上です。
○髙橋委員 まず環境省さんの参考資料1の一番上なのですが、ごみの有料化実施団体の率を定量指標とされております。私はごみの有料化というのはごみの削減については一定の有効な手だてだと思っているわけですが、東京都の多摩地区におきましてもいまだ26市中23市が有料化ということで、まだ東京地区でも3市が無料化を継続しているということでありますが、全国レベルではまだまだ無料のところが多いようでありますけれども、ぜひ国を挙げて有料化を推奨していただけたらどうかな、というふうな考えがありまして、この辺どうお考えなのかをお聞きしたいと思います。
それから、資料1のほうですけども、今お話ありましたエアゾール缶の廃棄方法なのですが、やはり我々、不燃ごみの収集に当たっては、日々爆発事故、発火事故絶えません。そんな意味では、穴あけをすると、それでけがをしたりするということはもちろんあるわけでありますが、単純に穴をあけないで捨てるほうが望ましいというふうに周知をされてしまいますと、残った物をそのまま捨てるということが後を絶たないので、ぜひ穴あけをしないということを周知をするのであれば、ガスを使い切ってから、危険があれば穴をあけないで、できれば使い切って穴をあけて出していただきたいなというのが本音でありまして、ぜひ適正なご指導をお願いしたいと思います。
それから、同じく資料1の12ページなのですが、熱回収施設について、これはちょっと教えていただきたいのですけれども、低炭素型廃棄物処理支援事業を使った施設についてというふうに書いてあるわけでありますが、この低炭素型廃棄物処理支援事業という事業の概要を教えていただければありがたいなと思います。
それから、経済産業省さんの資料3のところの2ページなのですけども、これもすみません、わからなかったので教えていただきたいのですけれども、行き過ぎた、過剰包装をやめれば環境負荷が下がるというのはわかるのですけど、行き過ぎた包装を削減すると極端にこのグラフだと環境負荷が急に上がっていると。行き過ぎた包装削減が急に環境負荷がガーンと上がるというのはどういう状況なのかなと思って、その辺教えていただければありがたいと思います。
そして最後に資料4、国土交通省さんなのですが、昔100年住宅構想等々があり、そういった意味では二、三十年で家が建てかわってしまうというのは、やはり非常に社会ストックの整備の問題でもそうですし、また廃棄物の増高についても問題があるので、長く使い続けるというのはごみの減量だけではなくて、社会全体のストック形成としては当然必要なんだろうな。いいことだと思うのですが、やはりこういう政策を見ると何か新築のものにこういった認定制度を推奨して、結果としてこのことが建てかえを促してしまうのだと何か意味がないのかなということがありまして、ぜひ既に建っている住宅を何か改修することによって長寿命化するような、そういった技術の開発とそれに対しての何かインセンティブみたいなものもあると全体としていいのではないかなと思って、このことが建てかえにつながらないようにしてもらえればありがたいなと思っております。
以上です。
○中村委員 ありがとうございます。私からは資料1の14ページ、「13.環境マネジメントシステム」について、お願いと質問があります。環境マネジメントシステムの一つであるエコアクション21について、中小企業が地球温暖化対策や循環型社会形成に寄与するための取組を行う際のきっかけ、あるいは継続的に自社の取組を向上させる仕組として、非常に有用であると思っています。ISO14001は規格としては非常に重たいものですので、エコアクション21であれば第三者認証も取得でき、国内でしっかり取組を行うということでは非常に貴重なマネジメントシステムと思っております。したがいまして、今後も政府として普及活動に取り組んでいただきたいと考えています。また、各地商工会議所の中には、エコアクション21の地域事務局を務めているところもあります。日本商工会議所といたしましてもこういった商工会議所と連携しながら普及促進に努めてまいりたいと思います。
その上で、お願いと質問があります。まずお願いについて、資料14ページの環境マネジメントシステムの普及のところの矢印の二つ目に、「現在は事業者の理解しやすさや認証のメリットを考慮しながら」と書いてあります。実際、エコアクション21を使っている会員企業の方等から、エコアクション21自体について「よくわからない」「使いにくい」「取得するメリットがわかりにくい」との声が聞かれます。このため、「考慮しながら」ではなく、ユーザーの立場に立ってどのようなメリットがあるのかを事業者がきちんと理解できるようなガイドラインをつくっていただきたいと思います。しっかりとしたガイドラインを作って頂いて、ユーザーがこれは使うと非常に便利であること、および自分の会社にもメリットがあるということが具体的にわかるようにしていただきたいというのがお願いです。
2点目は質問です。14ページに実施状況のグラフが掲載されています。関係者の皆様も普及啓発に非常に頑張っていただいていると思いますが、何となく実施状況が数として飽和しているような感じがします。2015年時点でおよそ7,700件とのことですが、日本の企業数は恐らく数百万社あると思いますので、ここで飽和する理由は何なのか、もしその原因等々を環境省で分析されているのであれば、その内容を教えていただければありがたいと思っています。そういう理由がわかれば対策は打てると思いますので、ガイドラインの改定に役立てていただきたいと考えています。
以上、コメント1点、質問1点です。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 では、藤井委員どうぞ。
○藤井委員 では、環境省さんと農水省さんにご質問いたします。
まず、環境省のほうは16ページの大塚委員長のところの論点整理のほうの4番の少子高齢化人口減社会を見据えた対応というところをもうちょっとご説明いただきたいというふうに思うのですが、私ども、人口8万あまりの滋賀県の守山市で環境の施設の議論をずっと3年ぐらい集中してやっているのですが、18分別をやっている中で、少子というよりも高齢化の中でいろんな問題が起きています。70ぐらい自治体があるのですが、ほとんど自治体の中心メンバーと環境委員はごみの立会いと分別ができないシルバー所帯、一人所帯のごみ屋敷の状態をどうするかというのが、ほとんどごみに向き合い続けなければいけないというような状況が起きています。守山市はそう高齢化ではないんですが、それでもやはり一人所帯、シルバー所帯がいます。多分全国でいうと、そういう分別を大変進めてきて非常にいい形のモデル都市にはなってきたのですが、実際そうなっていますので、見据えた対応ということの中で、どんな議論がなされるかなというのを、その辺りを生かしていただけたらと思います。
それからもう一つ、22ページの森林保全とひきこもり就労支援の秋田の地球環境会議に、これは環境省独自のではなくて秋田の事例ですが、環境問題を解決するには環境セクターだけではなかなか成り行きが、うまく解決策が出なくて、基本的には地域社会の中で環境福祉部分が、相当クロスしていきながら解決の手法を探らなければいけないのではないか。これは11万5,000人の東近江市、これも滋賀県ですが、ひきこもり含めてなりわいをつくるという出口論をつくりながら、各地域の環境課題とそれからひきこもり含めてさまざまな人たちのマッチングを図っているところですが、多分そういうことが主体間の情報の中で、環境セクターだけでは解決できないなということが起きてくるのではないかというふうに思います。
それから、農林水産省さんのフードバンクの関係です。フードバンクの1ページ目のところで、企業とフードバンクのマッチング、情報公開を8カ所でとありますが、フードバンクについてはNPO、NGO、本当に全国各地域で行われていて、フードバンクにとどまるのではなくて、そこから今度は子ども食堂に行く。そこの中で子どもの貧困とか、家庭の貧困に結びつくような地域のありようにも少し意識を置きながら、どう食品を、フードロスを少なくするかだけではなくて、実態に目を見据えながら、ぜひ議論をしていただきたいという、これは要望です。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。では見山委員、お願いいたします。
○見山委員 ありがとうございます。私も先ほどの中村委員と同じ部分なのですけれど、環境マネジメントシステムの環境省さんへの意見というか、コメントというかになるのですけども、実際、先ほど中村委員も言われたように、中小事業者にとってISOって、コスト的にも手続的にも大変負担になっているということなんです。一方、実はこれ普及の、多分ヒントになるのではないかなと思うのは、今環境省さんと一緒に金融機関、地域金融機関を回らせていただいているんですけれども、地域金融機関は環境経営とか環境への取組に対して優遇金利を設定したりとか、環境金融みたいな取組を推進したいというふうに考えている一方で、何を指標にしたらいいかというのが非常に迷っておられるということなんです。一部の金融機関さんではエコアクション21というのが非常に有効じゃないかというようなお話もいただいていますので、ぜひこの部分、普及促進ということに関しては、地域金融機関さんとの連携、特に環境金融の文脈で非常に親和性が高いのではないかなというふうに思っています。それに関連しての部分になりますけれども、22ページ、20の各主体での情報共有・ネットワーク化というところで、循環型社会基本計画の中で、金融機関というのも一応主体ということで外出しをしていただいたのですけれども、先ほどのお話に関連するところで、ここの部分、行政企業というところに地域の金融機関ということも絶対やっぱり必要になってくると思うので、あえて意識するという意味でも、ここは明記をしていただけると、先ほどのエコアクションにもつながってくると思うので、ぜひその辺り明記していただければなというふうに思います。
それと25ページです。23.温暖化対策と廃棄物対策のコベネフィット事業の支援というところで、真ん中のアジア等の途上国においてというところのガイドラインというところがありますけれども、この部分、環境省さんなんかが推進される制度ガイドラインの策定、設定というところと、実は日本の環境技術をそういった国で展開していくということで、非常に親和性が高いと思います。これはぜひこういったものが海外でできますと、モデルケースとか、ショーケース化ということで、ビジネスチャンスにもつながりますし、日本の制度とか政策、あるいは日本の環境技術をアピールする、そういった場にもなると思うので、この辺り、経済産業省さんとの連携というのをどのように進められているのかと、今後検討されるのかということについてお聞きできればと思います。
私からは以上です。
○酒井部会長 じゃあ森口委員、お願いいたします。
○森口委員 それでは、3省についてそれぞれなるべくポイントを絞ってお尋ねしたいと思います。
まず、環境省ですけども、15番の不用品回収業者への取組についてお尋ねします。不用品回収業者はさまざまなものを扱っていると思うのですけど、これの対象は家電リサイクル法ですとか、あるいはそれ以外の小型家電等を含めた家電のようなものを主に考えておられたのか。あるいは高齢者のお宅に上がり込んで、片づけてあげるからといって、かなり高額のある種の費用を請求する、そういうタイプのもの。特に藤井委員がご指摘になった、やっぱり高齢化が進んでいる中で後者の問題も重要かと思いますが、その辺りも含めておられるのかどうかお尋ねしたいと思います。もし、仮に家電等のことであれば、ちょうど昨日もバーゼルの専門委員会がございまして、そこでも雑品スクラップ問題が出ておりました。シップバック事例の中でバーゼル法にはひっかかるようなものがあり、それは廃掃法にひっかかるのかどうかということをお尋ねしたところ、それは廃掃法にはひっかかりませんという環境省のお答えをいただいたわけです。そういう状況が生じてしまう中に、廃掃法に対してこの種のものが違法なのか適法なのかという判断が非常に難しいという状況があるかと思いますが、ここでは違法な事業者という話が明確に書かれておりまして、その違法、適法という判断をどのようにこのセミナーで踏み込んでお話をされているのか、それは大変重要な点ではないかと思いますので、その点お教えいただければと思います。
続いて経済産業省ですけれども、プラスチックのリサイクルに係るところで、先般まで行われておりました容器包装リサイクル法の見直しの議論に参加しておりましたので、大変関心を持って聞かせていただきました。ほかの複数の委員からもご発言ありましたけれども、日本のようなかなり種々雑多なプラスチックが使われている中で、欧州並みのものを目指せるのかどうかというところで、技術的な問題はあろうかと思いますけれども、容器包装に限らず、高品質のプラスチック、再生プラスチックをつくっていくということを目指すということ自身はよろしいかと思います。価格を上げるということを目指すと多分、産業界の方、非常に抵抗おありかと思いますけど、バージン原料に近い競争力を持っていくという意味だと思いますし、それでなおかつバージン原料より安くつくれるのであれば、これは産業界にとってメリットがあろうかと思いますので、その辺ちょっと工夫をしていただきたいと思うのですけれども、2点、それに関して具体的なお尋ねがございます。
1点は、4ページの枠の中のポツに、稼働率の向上と書かれているのですが、これは容リ法のマテリアルリサイクル事業者の稼働率を向上させていこうという意味なのかどうか。それは総じて全体の稼働率を向上させていくお考えなのかどうか。あるいはここの資料が容リ法の世界に閉じることなく、より広い枠組みでプラスチックの再生ということをお考えになっているのかどうかということについてお尋ねしたいと思います。
2点目は、これは両省にお尋ねしていいのかどうかわからないんですが、先ほど佐久間委員のほうから少し最近気になる動きがあったというお話がございました。何回前か忘れましたが、容リ法の審議の後で永田先生が来られまして、議論が十分に尽くされたとは言いがたいということを率直におっしゃっていただいて、そういうことの中で問題が起きてこないかということを私自身は非常に懸念しておりましたので、もしそういう問題が起きているのであれば、どのような問題があるのか。ちょっと佐久間委員のご発言の中から、私ちょっと不勉強で何のことかが読みとれなかったものですから、もし思い当たられることがあればお教えいただければと思います。
長くなって恐縮です。3点目、国土交通省さんですけれども、質の高い住宅ストック形成ということ自身は、ストックを有効に使っていこう、質のいいストックを使っていこうということ自身は大きな方向として結構かと思うのですけども、一方で先ほども少し触れましたが、高齢化が進み、社会構造が非常に大きく変わっていく中で、せっかく長寿命のものをつくっても、ニーズがどんどん変化していくわけです。どういう世代のどういう方がお住まいになるかということによって求められるストックも変わっていくかと思いますので、当然、きちんと手入れをしてということの中に、それは入り得るのだとは思うのですけども、ただ長もちをするものではなくて、需要に応じて機能が変えていけるようなものをつくらないと、結局ある種の宝の持ち腐れになってしまうのではないかなという。オーバースペックのものをつくってしまって、結局誰も使わずに、ということになると、むしろ空き家が増えてしまうということになるとよろしくないかなと思いますので、ぜひハードの施策とあわせてそういうソフト面も十分に考慮いただいた上で、中長期的な視点でこういう施策を動かしていっていただければなと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。委員のほうから非常に多くの質問、ご意見をいただきました。各省からお答えいただける部分をお答えいただくということにしてまいりたいと思いますが、その前に先に佐久間委員からのご発言の容器包装リサイクル関係での最近起こっている問題につきまして、今森口委員のほうから具体的な内容がよくわからないと発言がありました。私も十分にフォローできませんでしたので、ちょっと佐久間委員から追加でその容リで生じている問題ということをもう少し詳しくご説明をいただけませんでしょうか。
○佐久間委員 ありがとうございます。まず、そもそもこれがどういう制度になっているかというところなのですけれども、法律によれば、このプラスチック製容器包装のリサイクルというのは、材料リサイクルとケミカルリサイクルという二つの方法がありますけれども、どちらも同じく優先ということになっています。ただし、実際は材料リサイクルが、出てきますプラスチックの半分を処理するという優先枠というのが大ざっぱに言えば設定されています。材料リサイクルというのはどういうものかといいますと、回収したプラスチックをある程度処理をして、それをもう一度成型をし直すということで、できる製品というのはプランターとか車止めなどです。
ケミカルリサイクルというのは、回収したプラスチックに熱処理を加えることによって熱分解します。一旦これはナフサに戻りますから、その後はいかなるものにも変わっていきます。環境負荷で言えば、材料リサイクルというのは先ほど言ったような方法ですので、最終的には回収したものの半分は廃棄処分などになっていきますが、一方、ケミカルリサイクルというのはほとんど使い切ります。なおかつ、先ほど言ったような枠がありますので、材料リサイクルは非常に高い値段となり、これは最終的に消費者が払っているという、こういう仕組みになっています。
これについては議論があって、閣議決定ではそういうところについて優良事業者の稼働率を高めるという方向での議論をすべきと、こういうふうになっていたわけですが、先週発表されたものでは、その材料リサイクルの事業者について、ある程度フロアプライス的なものを導入するということと、さらにある基準でそこで入札に参加できなかった事業者には、次のリターンマッチとしてケミカルリサイクルのほうに、もう一度入札に入っていけると、こういう制度になったということです。これは結局は、材料リサイクルのほうの値段をある程度底支えするということにもなりかねないということで、当然、経済的に言えば全体としては環境に良い方向に行かないと、こういう議論がされているのではないかという問題意識でございます。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。それでは全般を通じまして、それぞれからご回答いただくという手順に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。大体準備できていますか。ちょっと多くのご質問ございましたのでちょっと大変かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○リサイクル推進室長 できるところからご説明をさせていただければと思います。
まず、崎田委員からご指摘がありました食品ロスの目標の件でございます。環境省と農水省では、この問題についても何度も打ち合わせをしております。国会では総理から食品ロスの目標について検討するというふうに答弁をいただいているところでございます。環境省では既に本年1月に策定しました廃棄物処理法の新たな基本方針のほうで、家庭から排出される食品ロスの発生量を調査している市町村数というのが26年度で49市町村だったところを、平成30年度には200市町村に増大させるという目標を設定いたしておりまして、来年度予算要求についてもそういった自治体の組成調査、つまり食品ロスの余力がどこにあるのか、どういう取組をすればどれぐらい食品ロスを減らせるのかというようなところを調査する要求もさせていただいております。そういった取組も進めながら家庭部門からの排出についてのところにもしっかり目を当てながら目標の検討をする準備を進めているところでございます。
それからオリンピック組織委員会からリサイクルメダルについて先月の半ばに事業者の募集を開始しているところでございます。今募集中でございますが、これについても国会等でもご質問もございまして、環境省からこのオリンピックリサイクルメダルというものの実現は、日本がリサイクルを推進していることを国際アピールする上でも、あるいは国民の方のリサイクルへの参加を、回収量の増大に向けて協力を促すためにも、実現すれば非常に有意義であるということから、これまでも関連データの提供などでご協力をしてまいりましたが、多様な主体が参加できるようなリサイクルメダルの実現が望ましいのではないかということで、引き続き環境省としても応援してまいりたいと考えてございます。
それから、佐久間委員からお話のございました点でございます。今年の5月に中環審、産構審の合同審議会の中で答申をいただきまして、その中で材料リサイクル、それからケミカルリサイクル、多様な再商品化手法のポテンシャルを優良な事業者が先行きを見通して安定して投資を計画し、ポテンシャルを伸ばし健全な競争ができるよう環境を整備するということで、既に6月に総合的評価制度について再生材の品質を重視するものが、これまで50点、それ以外が50点だったところを、再生材の品質の重視100点ということで、総合的評価制度見直しをいたしました。さらに来月、平成29年度入札が迫っているところでございますが、入札制度につきましても、5月の報告書の中で示されているような方向を実現するために、つまり質の高い総合的評価をとった事業者のところにベールがより多く集まって、稼働率を上げて質の高い製品、例えばパレット等を生産すれば、それが市場で今までよりも高く評価されれば高く売れることになる。そして結果としてリサイクル費用も下がり、社会全体としてのコストも下がっていくというような考え方で見直しを進めているところでございます。
なお、5月の報告書の中でも材料リサイクルの登録要件の見直しを行うとともに、希望する材料リサイクル事業者は優先枠を放棄し、一般枠での入札を選択できる仕組みを早急に導入すべきであるというふうに提言をいただいているので、そういったことも入札制度に盛り込むことで準備を進めております。
ワンウェイびんのほうにつきましては、カレット化されたものを再商品化するということで、繊維、グラスウール、断熱材等に約31%。それからびんからびんにリサイクルされるものが約25%。それから骨材等、あるいは舗装用の骨材等に約35%リサイクルされているところでございます。
リターナブルびんにつきましては、例えばお店でビールを提供している飲食店等では、例えばビールびん等は今でもリターナブルされておりますし、あるいはワインですとか地域のお酒とかでも、買ったお店に持って行ってリユースされているところもありますので、今ワンウェイびんとリターナブルびん全体に占めるリターナブルびんの割合が4割ぐらいということでございます。杉山委員からのご質問部分でございました。
中村委員からご指摘いただきましたエコアクション21のところについて、今後も商工会議所等と協力しながら取組を進めていきたいと考えております。
最近伸びが飽和している理由につきましては、ちょっと今お答えがしっかりできませんので、わかりましたらまたご連絡をさせていただければと思います。ちょっとなかなか分析が難しそうだということでございました。
藤井委員からお話ありました秋田の事例に滋賀の事例等を受けまして、環境セクターだけではなくて多様な主体とのマッチングが必要ではないかということでご助言ありがとうございます。
森口委員からご指摘のございました15ページの不用品回収業者対策についての優良事例等でございますが、ご指摘ございましたとおり、家電、小電等を含めた廃棄物全般について、廃掃法の許可なく回収を行っている者に対して自治体が実施している優良な指導の事例を取りまとめたものでございます。また、セミナーの中でどこまで判断の難しいところに踏み込んでいるかというところについて、まさにそこを狙いの一つとしており、実際に自治体の中で現場に則した措置ができるよう、実務経験者の方に参加いただいて、リユース品の判断方法や事業者にする法令的な措置方法の実情についてもアドバイス等をセミナーの中で取り上げるようにしております。
取り急ぎ、私のほうから以上でございます。
○酒井部会長 瀬川課長、どうぞ。
○廃棄物対策課長 追加いたしまして、幾つか廃棄物対策課から回答させていただきます。
まず、ごみ有料化に関するご質問を高橋委員からいただきました。ご指摘のとおりで、ごみの有料化に関しましては、排出抑制ですとか、再生利用の促進に有効であるという観点で、一般廃棄物の処理、有料化の手引きというものを策定し、その後何回か改訂をいたしまして周知をしているところでございます。さらに本年9月、ごみ処理基本計画の策定指針というものを新たに発出いたしました。その中ではこれまでの記述からは一歩踏み込みまして、有料化のさらなる推進を図るということで位置づけをしております。このような基本計画の策定指針に沿って、市町村様とご相談しながら進めていきたいと思っております。
それから、2点目は、エアゾール缶に関するものでございます。杉山委員からご指摘またご披露いただきました、エアゾール缶に関して穴あけをせずに廃棄するようにというご指導について、杉山先生のアンケートでは穴あけをせずに捨てるようにという指導をしたことがある自治体が53%ということで、半分を超えてほっとする一方で、まだまだかなという感じもいたします。
○杉山委員 逆です。穴あけというほうが53で、穴あけしないでというほうが47です。
○廃棄物対策課長 そうでございますか。それではまだまだしっかり広報していかなきゃいけないなと思っております。平成27年に事務連絡を出しました際には、そのような指導とともに、既存のパッカー車の若干の改修でこれに対応することができるということも周知をしております。さらにこのような広報につきましては、やはり1回だけではなくて何回か続けていくことが必要だと思っておりまして、本年6月には地方公共団体の主管課長様を集めての会議、この会議においても周知徹底を図っております。様々な機会を見つけて周知徹底をしていきたいと思っておりますし、また使い切ってから捨てるという件につきましては、例えばライターなど、より危険なものもございまして、消防庁、警察庁、それから消費者庁、経産省さんと一緒にパンフレット、リーフレットなどを使いまして、使い方、ガスの抜き方を実際に事例で紹介をしながら周知徹底を図っております。このような活動についても継続していきたいと思っております。
最後に、少子高齢化についてご質問をいただきました。少子高齢化につきましては大きな問題でございまして、一般廃棄物の収集という観点から申し上げますと、高齢化の世帯に向けて、どんな収集をしているかということについて、様々なところからお話をお伺いしております。例えばふれあい収集というふうに銘打ちまして、ごみステーションまで持って来られないご世帯に関しましては、世帯のドアまで収集にお伺いするといったことや、あるいは民生委員、あるいはヘルパーの方と連携いたしまして、可燃、不燃のごみを分けるところから一緒にやらせていただくといったこともございます。今後、一般廃棄物の収集運搬、それから処理に関しましては、様々な局面で少子高齢化について検討していく必要があると思いますので、事例を収集しながら、今後どのようなことが考えられるのか検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。環境省のほうから一通りご説明いただきましたが、追加でどうぞ。
○産業廃棄物課長 白石委員のほうから有害化学物質の関係でご質問いただきましたので、お答えさせていただければと思います。
環境省の発表資料のほうで3カ所ほどに出てまいりますけれども、今現在動いておりますのがPOPsの検討会と制度専門委員会の関係でございます。POPsの検討会につきましては、資料の7ページにございますけれども、今年の9月からPOPs廃棄物適正処理推進に関する検討委員会を開催してございまして、こちらのPOPs条約の制定当時12物質群から現在は約26物質群ということで対象物質が増えてございまして、過去にPOPsが使用された廃製品、難燃性のプラスチック製品を含め、現在でも使用されているものも対象となっております。こちらにつきましては、関係者と連携した形で適正処理に向けて必要な措置が講じられており、原則としてPOPsの分解率が99.99%以上であることが確認された施設で分解処理するということで、技術的留意事項、通知などのレベルで対策を進めているところです。
ただ、これまでに確立された処理ルート以外で処理されたものが一部ある可能性があるということで、制度的なあり方について検討を行っているところです。こちらの検討会の中で制度的に処理すべきものにつきましては、大塚先生に委員長を務めていただいております制度専門委員会のほうに検討結果をインプットして検討を行うという関係にございます。制度専門委員会ではこのPOPsの検討以外にも有害化学物質について議論が行われており、具体的には特に情報伝達という観点からの検討が必要ではないかということにつきまして、議論が行われております。現在、排出事業者から廃棄物処理業者のほうにはWDSガイドラインに示している廃棄物データシートという形で情報伝達が行われているということになってございますけれども、特に危険有害物質に関する関連法令で規制されているものについては、より具体的な情報提供を義務づける方策を検討すべきではないかといった点について議論が行われています。
POPsの検討会の中で先般も難燃剤につきましても議論が行われておりまして、適正な処理の確保とリサイクル率の向上と、両方の観点からの検討が必要であるというご議論をまさにいただいているところでございます。
また、高橋委員から低炭素型廃棄物処理支援事業につきましてご質問をいただきました。大きく二つに分かれておりまして、一つは自治体向けに地域循環圏エコタウンの計画策定、事業計画の策定向けの補助金と、あともう一つ、民間事業者向けに設備導入を支援する事業が行われておりまして、こちらの12ページのほうの資料のほうで書かせていただいているものにつきましては、主に民間事業者向けのものを念頭に置いて書かせていただいている記述ということになります。
あともう一つ、杣谷委員から地方公共団体の運用につきましてご質問いただきました。具体的にどのような点について議論が行われているかということですけれども、現在、地方公共団体が独自に行っている流入規制とか、実質的な住民同意があるということで、その背景と実態を把握した上で、それらにつきましては廃棄物の円滑で適正な処理を阻害するおそれがあるということを国のほうでもこれまでも通知などを出しておりますけれども、さらに周知を徹底するなど、必要な措置を講ずべきではないかといったような論点ですとか、また廃棄物の品目にかかる判断などが地方公共団体毎に異なる現状を改善するために、必要な対応について検討を行うべきではないかといった論点につきまして検討が行われているところでございます。
以上でございます。
○企画課長 すみません、長くなって申し訳ございません。最後でございますが、見山先生から廃棄物発電のガイドライン策定の件について質問がございました。これは廃棄物発電によってごみの適正処理とエネルギー問題の両方のメリットがあるということで、日本国内で大変技術が発達しまして進んでいると。これを途上国にも導入できないかということなのですけれども、やはりその分コストアップとなりますし、技術が必ずしも高度なものでなければ、日本でもかつてございましたダイオキシン問題、大気汚染問題が出るということで、適正な技術が導入できるようにガイドラインの策定を支援するということでございます。これによって、日本の高度な技術が展開しやすくなるという大きなビジネスチャンスになると考えております。
経済産業省の資料にも省エネ型資源循環システムのアジア展開ということで事業がございましたけれども、経済産業省と情報交換、連携しながら進めてまいりたいと思っております。
それから、幾つかお答えできなかったところがございます。エコアクションの点、恐らくこれも見山先生からございましたように、地域金融機関の融資の目安とか、こういうことになっていけばまた一段と進んでいくのではないかと思いますが、現状頭打ちになっている原因、あるいは大塚先生から環境情報の開示の件もございましたが、この辺り少し、もう一回持ち帰って調べさせていただいて、次回以降、報告させていただければと考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 中尾課長と小野課長のほうからのご説明でほぼ網羅していただいたというふうに思っておりますが、環境省関係、この辺りでよろしいでしょうか。
それではあとそれぞれ3省のほうから関連の質問へのご回答をよろしくお願いいたします。
○農林水産省大臣官房政策課環境政策室課長補佐 農林水産省でございます。崎田委員からご質問、ご意見ございました食品ロス目標に関する考え方でございますけれども、農林水産省としましては、まず食品の流通・消費過程で生じる売れ残りや食べ残し等の「発生抑制」をまずは行いまして、それでも発生した食品廃棄物については、飼料や肥料として「再生利用」に取り組むということで、この「発生抑制」と「再生利用」、この二つの柱で取り組んでいるというところでございます。
発生抑制の目標につきましては、先ほどの資料のうち75業種のうち、31については定めておりますけれども、残り44業種について、さらに調査を進めながら今後検討していきたいと考えております。この業種についてなんですけれども、一応大きく分けますと食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業と大きく四つに分かれているところでございます。
あと、再生利用の目標につきましては、このそれぞれの四つの区分に従いまして目標を定めておりまして、これは食品リサイクル法に基づきまして基本方針といったものをつくっておりますが、その基本方針の中で再生利用実施率目標を定めております。食品製造業については、前回の基本方針では一応24年度までが目標期間だったわけですけれども、85%、食品卸売業については70%、食品小売業については45%、外食産業については40%としておりましたところ、今回基本方針を見直して、新たに再生利用の目標を定めまして、食品製造業については95%、食品卸売業については70%、食品小売業については55%、外食産業については50%ということで、目標を引き上げて取り組んでいるところでございます。
まだ発生抑制に関して目標がない業種につきましても、当然自主的な努力といったものはしていただかないといけないわけでございまして、農林水産省としましても、そういった自主的な努力を促す取組としまして、「食品産業もったいない大賞」の表彰などもやっております。また、流通過程におきましては、3分の1の見直しルールなどにも取り組んでおりまして、こうした様々な取組を通じまして食品ロスの削減に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
○農林水産省大臣官房政策課環境政策室課長補佐 すみません。あと藤井委員からのご要望のございましたフードバンクと子ども食堂については持ち帰りまして関係部局に伝えてまいりたいと思います。失礼しました。
○酒井部会長 農水省ご回答いただきました。崎田委員、藤井委員、よろしいでしょうか。
○崎田委員 ありがとうございます。今それぞれの業界対応の詳細にお話しいただきまして、どうもありがとうございます。きっと今後、やはり国全体での食品ロス削減目標とか、いわゆる廃棄物減量目標、いわゆるSDGsでもそういうような大きな目標値が出ていますので、そういうものをやはり世界に示すということも必要になってくると思いますので、ぜひ政府全体でその辺は取り組んで、発信力のある目標を考えていくという方向でご検討いただければありがたいなと思います。これはコメントということでよろしくお願いいたします。
○農林水産省大臣官房政策課環境政策室課長補佐 わかりました。
○酒井部会長 それでは次に経済産業省のほうからご回答をお願いいたします。
○経済産業省リサイクル推進課課長補佐 ちょっと私の説明及び資料の表現が適切でなかったのでいろいろ誤解を生んだところがあろうかと思いますけれども、まず佐久間委員のご指摘ですけれども、先ほど森口委員でありますとか、環境省の田中室長のほうからもお話がありましたけれども、我々として公定価格を設定するということは決してそういうことではなくて、あくまで素材の高付加価値化をすることで、マーケットメカニズムの中で評価をされてということを通じて社会的コストを下げていくというようなことがあるべきことだと思いますし、経産省としては産業政策を推進する、そういう観点から高付加価値化というのを推進していきたいというふうに思っております。
続きまして、杉山委員からのご指摘でございますけど、ドイツですけれども、単一素材のものについてはそのまま材料リサイクルをされて、ほかの複合材については熱回収をしているというふうに聞いております。そうするとやはり全体としてそれでいいのかどうかというのは、そこは議論があるところだと思いますけれども、やはりあるべき姿というところは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、高付加価値化をすることでマーケットの中で評価をされていくということで社会的コストを下げていくということがやはり将来的な目指す方向としては大事かと思いますので、こうしたことに取り組みつつ、その中での手段として単一化というところだけを目指すわけではなくて、あくまでその手段の一つとして考えておりますので、ご指摘あったような一方で歩留りが低過ぎて、逆にコストがかかってしまうようであれば、これは本末転倒ですし、その他の手段としての、やはり複合材であっても、高付加価値化マーケットの拡大ということはできると思いますので、ということだと思います。
続きまして、髙橋委員からのご指摘ですけれども、急になぜカーブがきつくなるのかというところについては、実際容器包装が破け、破損をしてしまうと、中に入っている食品だとか商品というものが結局ごみになってしまうので、そうすると廃棄せざるを得ない、基本的にはという意味で、急にカーブが上がっているということでございます。
森口委員からのご指摘ですけれども、これはまさに容器包装リサイクル法の材料リサイクルの事業者の稼働率というところを念頭に置いたものですけれども、その他のプラスチックの事業者についても、やはり同じことが言えるかと思いますので、これは事業者さんが主体的に取り組む話ではありますけれども、というところでございます。
最後ですけれども、委員の方、田中室長からもお話がありましたけれども、オリンピックのメダルのリサイクルメダルの話ですけれども、経済産業省としてもなかなか小型家電リサイクル法の認知度向上がなかなかつながっていかない中で、今回の国民参加とうたっているプロジェクトは、非常に認知度を高める絶好の機会だと思っておりますので、経産省としてもそうしたプロジェクトに連携していく形で認知度の向上というのを取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、これは国民参加とうたっていますので、やはり幅広い方々が積極的に参画していくということが大事かと思いますので、私どもの方からも組織委員会の担当のほうには広く関係者が参加できるというようなことをぜひやってくださいという要望もさせていただいているところでございます。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。経済産業省からのご回答、今のようなところでよろしいでしょうか。
では森口委員、どうぞ。
○森口委員 すみません。プラスチックのことに関して、先ほども佐久間委員から追加ご発言があって、環境省側からはお答えがあったので、ちょっと環境省のお答えでは私ちょっとまだよくわからなかったのですけど、経産省さんとして佐久間委員がおっしゃったように、何か最近方針が公表されたということについては認識されているかどうかお教えいただければと思います。
○リサイクル推進室長 12月の半ばに29年度の入札がございまして、先般、学識経験者の方からも我々の気づかない点がないかという観点でご意見をお聞きしたことがございまして、その資料につきまして、11月29日にWebサイトに公表したということでございます。実際の入札はもう12月ですので今月中に入札が開始できるように、詳細の設計を両省と指定法人と一緒になって設計しているところでございます。
○酒井部会長 それでは最後に国土交通省のほうからのご回答、よろしくお願いいたします。
○国土交通省環境政策課長 国土交通省より長期優良住宅についてお答えを申し上げます。
杉山委員より、この優良住宅に対する施策のメリットをどこまでPRできているのか。それから杣谷委員からさらなる追加の対応があるかというご指摘がございました。委員のご指摘のとおり、質のよい住宅をつくればそれだけコストがかかりますので、購入者にとっては負担が増えるところがございますので、その負担を軽減するために現在特例措置としてさまざま施策を講じておりますが、例えば税制でございますと、所得税、住宅ローン減税に加えて固定資産税、不動産取得税、登録免許税、融資、補助制度ということで、我々としてもかなり力を入れて幅広い助成を現在しているところでございますので、引き続きこうした助成を進めることによって推進をしてまいりたいと思っております。
一方で、こうした助成策について必ずしも国民の皆様にまだ浸透していない面もあろうかと思います。長期優良住宅を購入された方にとりましたアンケート複数回答の中では、決め手となったのは何かという問いに対して、税制上のメリットというのを7割強の方、住宅ローンの優遇金利というのを3割強の方が理由として挙げておりますので、長期優良住宅をお選びいただいた方はメリットを認識していただいておりますけれども、それ以外の方にどうやって広げていくかということを今後引き続き努力をしていく必要があるかと考えております。
それから、崎田委員と髙橋委員から既存の住宅についても施策を講ずるべきではないかというご指摘。それから森口委員から将来ニーズが変化したときに対応できるようにすべきでないかというご指摘を頂戴しました。まさにご指摘のとおりでございまして、まずこの長期優良住宅の認定に当たりまして、建てた住宅について将来変化に対応できるようにするような要件も含まれておりまして、要件の④で申しますと、可変性、将来内装の模様替えができる。あるいは⑥のバリアフリー仕様ということで、将来高齢化したときにバリアフリーに対応できるような、こうした内容も定めているところでございます。
これらに加えまして、既存の住宅をニーズに対応できるようにしていくためにリフォームということも推進しております。特にニーズが大きく変化する分野としまして、耐震性が足りないものに対する耐震補強。それから省エネ性を高めるための省エネ改修。それからバリアフリー性を高めるためのバリアフリー改修。こうした分野につきまして融資などの助成策をメニューをそろえて推進しているところでございます。
それからさらに、持ち主の方のニーズに合わなくなった場合には、これを中古住宅として流通させるということが必要だというふうに認識しておりまして、中古住宅の流通市場の活性化にいろいろな施策を講じてございます。一つは、現在中古市場でどうしても中古の住宅というのは不安だということで、必ずしも正しく評価されてない面もございますので、使っている間の定期的な点検を促し、その履歴を保存して性能について明らかにしていく。それから中古住宅に隠れた傷がないかどうかをチェックするための専門家によるインスペクション。あるいは隠れた瑕疵に対する保険制度の普及。そして中古住宅について、必ずしも価格が今性能に応じて評価されていないのではないかという点から、適切な価格評価の推進と、こういったことに取り組んでございます。こうした取り組みを通じまして、使っている人もそれから中古で購入する人も安心して、中古はいいものだという認識をいただいて改修して長く使う、あるいは流通できるような仕組みに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。今の国交省からご回答、よろしいでしょうか。
これ、いわゆる建築物の3R対策という意味では、上位の2Rのところを中心とした取組ということで、非常にいい方向に取り組んでおられると思います。建設リサイクル法も国交省、そして環境省の所管かと思いますので、そこと全体を合わせた3Rの取組としてうまく統合的な展開が図られるように、今後ともお願いをしたいというふうに思います。
それでは今日はヒアリングに対して多くのご意見をいただき、そしてご回答いただきました。全体を通じて今日の議論、この辺りにしてよろしいでしょうか。
じゃあ森口委員、どうぞ。
○森口委員 たびたびすみません。ちょっと資料の確認ができなかったものですからとっさに反応できなかったのですが、先ほどあえて経済産業省にお尋ねをしたのですが、環境省からお答えをいただいたので、ちょっと私の意に反するところがあるのです。要は経済産業省、環境省、ちゃんと合意した形で決めるべき人が決めることを決めているかどうかということの確認を取りたかったということでございまして、これ以上今日は申しませんけれども、そういうこと自身が特に容リ法の手続にとっては極めて重要でありますので、あえてこれ部会でございますので、議事録にとどめたいと思いましてここで発言をさせていただきました。
○酒井部会長 特段のご発言ということで経産省、どうぞ。
○経済産業省リサイクル推進課課長補佐 両省共管ですので、そこはきちんとしたプロセスを踏んで対応していきますので。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。それではほかにご意見はございませんでしょうか。
大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 廃掃法の改正のところの委員長を仰せつかっておりますので、私がここでお願いしても自分に返ってくるものですから、ちょっと発言しにくかったのですけれども、二つほどちょっと一応コメントさせていただきますが、一つはエアゾール缶等の火災等の問題があって、これは回収の処理困難物ということに恐らくなると思うのですけれども、これについては先ほどの委員会の検討会のほうでも一応検討はしておりまして、16ページの1の(4)のその他のところで検討はしております。例えば廃掃法の6条の3のような製造者の協力とかのところも含めて検討が必要だと思っていますが、最終的にどういうふうに答申になるかどうかは今後決めていくことになると思います。
それから、先ほど森口先生が聞かれた現在不用品回収業者の雑品スクラップについての回収は違法なのかどうかというご指摘についても関係しますので、私の考えを申し上げておきますが、現在は通知でその点については3.19通知で決めているので、通知自体がとてもはっきりしているかという問題もなくはないのですが、基本的にそもそも通知って決めているということですので、自治体が規定をするときになかなかしにくいということもございまして、違法なのだけれども、とても明確な規制がなされているというような状況ではないということが恐らく回答になるのではないかと思いますので、私からの意見として申し上げておきます。
以上でございます。
○酒井部会長 どうも大塚委員ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
それでは、本日のヒアリングは以上にさせていただきたいと思います。関係省庁の皆様におかれましては、長時間の説明、そして質疑応答にご対応いただき、どうもありがとうございました。
なお、次回の部会におきましては、これまでのヒアリングの結果、それから物質フロー指標、あるいは取組指標を統合した点検結果の報告書案を事務局より次回示していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日の議題は全て終了ということで、これで本日の部会を終了にしたいと思います。最後に事務局のほうから何かございましたらよろしくお願いいたします。
○企画課長 長時間にわたりましてありがとうございました。次回の部会の日程、場所等のご連絡については、事務局から改めてさせていただきます。
本日は大変ありがとうございました。
午後0時01分 閉会