中央環境審議会循環型社会部会(第14回) 議事録

日時

平成28年7月26日(火)15:00~17:00

場所

大手町サンスカイルームE室

議事次第

1.開会

2.議題

 (1)第四次環境基本計画の点検・評価(案)について

 (2)その他

    ①PCB廃棄物処理基本計画・PCB特別措置法政省令について

    ②指定廃棄物等の状況について

(配付資料)

資料1-1 物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組(案)
(第四次環境基本計画(循環部分)の点検・評価報告書(案))

資料1-2 第四次環境基本計画(第6節 物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組部分)調査票

資料1-3 中央環境審議会循環型社会部会における第四次環境基本計画(循環部分)及び第三次循環型社会基本計画の点検・評価の進め方(平成28年度)

参考資料1-1 ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画(案)

参考資料1-2 ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画案の概要

参考資料1-3 改正PCB特措法の施行に向けた政省令の改正案の主なポイント

参考資料2 指定廃棄物等の状況について

参考資料3 中央環境審議会循環型社会部会委員名簿

議事録

午後3時00分 開会

○企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。

 委員の先生方、皆様方におかれましては、御多忙中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。私はこの度、6月の人事異動により企画課長を拝命いたしました小野と申します。今後どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、本日は委員総数24名というところでございますが、現在18名の委員の方に出席いただいておりまして、後ほど3名遅れて来られるということでございまして、定足数を満たしておりますので、部会として成立しておりますことを御報告させていただきます。

 それでは、事務局を代表いたしまして、廃棄物・リサイクル対策部長の中井より御挨拶を申し上げます。

○廃棄物・リサイクル対策部長 6月17日付で廃棄物・リサイクル対策部長を拝命いたしました中井でございます。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、厚く御礼申し上げます。廃棄物・リサイクル対策部、引き続き大変困難な課題を担っておりまして、委員の先生方の御協力のもとで、全力で課題の解決に邁進してまいりたいと思っております。

 まず、東日本大震災や熊本地震からの復旧・復興に向けまして、引き続き全力で取り組んでまいります。また、PCBの特措法改正を受けましたPCB廃棄物の早期処理などの課題にも対応してまいります。これらの困難な課題の解決に取り組むことが、真の循環型社会の実現のために不可欠であるというふうに考えております。さらに、先般のG7富山環境大臣会合で合意されました富山物質循環フレームワークなどを踏まえながら、食品ロスの削減、また、循環産業の国際展開を引き続き戦略的に促進してまいりたいと思っております。廃棄物・リサイクル行政に関わる日本の取組を世界に発信し、真の循環型社会の実現に向けた世界の取組をリードしていきたいと思っております。

 今回の部会におきましては、前回の関係省庁ヒアリングも踏まえました第四次環境基本計画のフォローアップの報告案について御審議いただきます。委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見をいただきますようよろしくお願いいたします。また、改正PCB特措法の8月1日施行に向けました基本計画や政省令の改正などについても御報告させていただきたいと思っております。

 それでは、本日どうぞよろしくお願いいたします。

○企画課長 次に、そのほかに新たに着任いたしました指定職及び管理職の紹介をさせていただければと思います。

 まず、大臣官房審議官の室石でございます。

○大臣官房審議官 室石です。指定廃棄物の担当参事官を2年半ぐらいやらせていただいておりました。これからも引き続きよろしくお願いいたします。

○企画課長 指定廃棄物対策担当参事官の和田でございます。

○大臣官房参事官 和田でございます。室石審議官の後任で担当することとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。

○企画課長 廃棄物対策課長の瀬川でございます。

○廃棄物対策課長 瀬川と申します。和田参事官の後任で着任いたしました。御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

○企画課長 産業廃棄物課長の中尾でございます。

○産業廃棄物課長 中尾です。よろしくお願いいたします。

○企画課長 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしく御協力をお願いいたします。

 次に、お手元の配付資料の確認でございます。議事次第の下に資料の一覧がございます。

 まず、資料1については資料1-1から1-3までございます。物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組(案)、第四次基本計画調査票、それから、1-3、点検・評価の進め方でございます。それから、参考資料1につきましては、1から3までPCBの関係で参考資料がございます。それから、参考資料2といたしまして、指定廃棄物等の状況について、参考資料3が委員の名簿でございます。

 また、席上のみに配付する参考資料といたしまして、会議用と右上に書いてございますが、循環型社会形成推進基本計画、それから、環境基本計画の冊子を席上に置かせていただいております。

 資料の不足がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。

 なお、本部会の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきたいと思います。なお、先ほど御紹介した環境基本計画と循環型社会形成推進基本計画の冊子につきましては、これは会議用ということでございますので、会議が終わりましたら席上にそのまま残しておいていただければと思います。また、この2つの資料については既に公表されておりますので、本部会の資料として改めてウェブサイトに掲載することはいたしませんので、御了承いただければと思います。

 また、本部会終了後に発言者名をお示しした議事録を作成し、委員の先生方に御確認、御了解をいただいた上で公開させていただきたいと思っております。

 それでは、以降の進行につきましては、酒井部会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○酒井部会長 それでは、早速第14回の循環型社会部会、始めさせていただきたいと思います。廃棄物・リサイクル部の体制が一新されて初めての会でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 議題が第四次環境基本計画の点検・評価(案)についてです。本日はこの環境基本計画の物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組の点検・評価につきまして、前回部会での関係省庁ヒアリングを踏まえ、本部会から総合政策部会に対する点検報告案を取りまとめたいと思います。

 まず、事務局の環境省のほうから報告書案を説明していただき、その後、質疑を行いたいと思います。本日は前回部会に引き続きまして、経済産業省、農林水産省、国土交通省にも出席していただいております。関係省庁の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 では、事務局からの説明、どうぞよろしくお願いいたします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 循環型社会推進室長の田中でございます。座って説明をさせていただければと思います。

 まず、お手元の資料1-3、第四次循環基本計画(循環部分)等の本部会での点検・評価の進め方を御覧いただければと思います。

 2月の循環部会でお示しいたしましたこの資料のうち、6から7ページが総合政策部会の点検スケジュールでございます。7ページの11行目にございますが、第86回総合政策部会、8月24日に予定されておりますが、ここで環境基本計画の各重点分野の関係部会での点検結果の報告がございます。そちらに向けまして、本部会でこれまで循環部分の審議を進めてきていただいたところでございます。

 同じ資料の4から5ページに戻ります。こちらが循環部会での点検のスケジュールでございます。4ページの下のところにございますとおり、前回の部会では関係省庁へのヒアリングを行っていただきました。具体的にはこの資料1-2、A3横の第四次循環基本計画の循環部分の点検調査票を用いまして、ちょっとそちらの1-2の2ページ目をお開きいただきたいのですが、左の列から環境基本計画の循環部分の重点取組事項①から⑦の具体的取組、a、b、c、dなどに沿いまして、その横の定量指標の動きを別の資料で御覧いただきながら、その横の省庁の取組例、それから、評価及び理由、今後の課題について御審議をいただいたところでございます。総合政策部会への循環部分の点検報告に向けまして、本日の部会では、循環部分の報告書案の取りまとめをお願いしたく存じます。

 その案として資料1-1を用意させていただきましたので、御覧いただければと思います。

 資料1-1は総合政策部会への各部会からの報告案の共通の様式、フォーマットに沿って前回の資料1-2の内容を落とし込んだものでございます。

 最初に、資料1-1の構成から御説明させていただきますが、四角で囲っております環境基本計画の循環部分の重点的取組事項①から⑦を重点検討項目と置きかえた上で、この重点検討項目ごとにリード文におきまして主に環境基本計画の記載や5月のG7富山環境大臣会合で合意され、伊勢志摩サミット首脳宣言でも支持されました富山物質循環フレームワークなどを引用しながら、重点検討項目の取組の背景や必要性・重要性を示すことにより、二重枠で囲んでおります環境基本計画の具体的取組a、b、c、dなどに関する関係省庁の取組状況をどのような観点から点検していくかということを記載いたしております。

 リード文に続きまして、2ページに移りますが、(1)環境基本計画における施策の基本的方向として、現在の環境基本計画の基本的方向の記述を移す形で施策のあるべき方向を示しております。

 点検の具体的な記述でございます(2)現状と取組状況では、a、bといった具体的な取組ごとに現状として先ほどの前回部会資料1-2の定量指標の列で示しました定量的なデータと、それから、評価及び理由の列で記述しました内容を記載しております。

 次に、資料1-1の4ページに移りますが、取組状況としては、前回部会資料1-2の省庁の取組例を記載しております。このような前回部会資料で点検いただいた内容の記載を重点検討項目②から⑦までも同様に繰り返しつつ、47ページから今後の課題として、資料1-2の今後の課題の列のうち評価及び理由の列で、3段階評価で三角やバツの取組に対する課題の記述、それから、前回部会での御意見、その後委員からメールで事務局にお寄せいただいた意見を中心に記載いたしております。

 それでは、資料1-1の内容の説明に入らせていただきます。

 1ページの重点検討項目①「質」にも着目した循環資源の利用促進・高度化につきましては、2ページ目の(2)現状と取組状況に記載しておりますとおり、具体的取組a)排出者責任・拡大生産者責任の徹底や環境配慮設計のさらなる推進につきましては、現状として、図表1の自主行動計画の各業種ごとの取組例や、あるいは4ページの図表2、1,400社への調査結果のうち自社の事業エリア内での環境負荷データの把握や環境負荷の目標を設定している企業の割合を示しつつ、2ページ目のとおり、個別法に基づく排出者責任・拡大生産者責任の徹底は進んでいるものの、法定外の製品に係る製造段階からの環境配慮設計については、十分な評価・分析がなされていないという記載をいたしております。

 4ページ目の下、b)有用金属の回収や主要製品全般を横断的に対象としたリサイクルにつきましては、現状として、図表3のとおり施行2年目に約5万トンまで小型家電が回収されたデータや、図表4の家電の回収率50%強であることを示しております。

 6ページのc)水平リサイクルのような高度なリサイクルを定着させることを目指した各種施策の推進につきましては、現状として図表5や6のとおり、循環利用率が増加していることを示しております。

 9ページのd)個別リサイクル法の見直しや実態把握、消費者への情報発信につきましては、現状として、図表8で各種リサイクル法の法定目標に向けた成果や、図表9で消費者の3R行動の実施率を示しつつ、9ページ目に書かせていただきましたとおり、個別リサイクル法の対象外となっているものについては、十分な実態把握や検討が行われていないことや、消費者による循環資源の収集や利用の状況の把握が十分には至っていないことを記載いたしております。

 その上で、11ページの取組状況において個別リサイクルの評価見直しの概略を記載いたしております。

 容器包装リサイクル法につきましては、再生材の質を重視した入札制度の見直しや国全体の目標設定に関して、容器包装全体のフロー整理や指標の検討などを進めることなど、家電リサイクル法については、56%の回収率目標の設定や法定の再商品化率を引き上げたことなど、建設リサイクル法につきましては、建設リサイクル推進2014において個別品目ごとの目標値を設定したことなど、食品リサイクル法については、新たな再生利用等実施率の公表や31業種についての発生抑制目標の設定など、自動車リサイクル法につきましては、リサイクルルートへの廃発煙筒の混入による破砕業者の事故防止のための省令改正など、小型家電リサイクル法につきましては、市町村における回収体制支援の強化などについて記載いたしております。

 次に、13ページ、重点検討項目②低炭素社会、自然共生社会づくりとの統合的取組の現状と取組状況でございます。

 リード文では、環境基本計画の記載に加え、第3パラとして富山物質循環フレームワークのG7の共通のビジョンの実現が廃棄物や資源の問題への解決策のみならず、自然と調和した持続可能な低炭素社会の実現や雇用、競争力を高めグリーン成長をもたらすことや、第4パラとして、UNEP国際資源パネルにおけるSDGsや気候変動対策のためには、資源効率性の向上が不可欠である旨の記載を追記しております。

 14ページのa)3Rの推進による温室効果ガスの排出量低減につきましては、現状として、図表10のとおり廃棄物部門由来の温室効果ガス排出量の低減傾向や、図表11のとおり廃棄物の原燃料化や廃棄物発電等の進展による他部門での温室効果ガス排出削減が進んでいることを示しております。

  16ページのb)資源の効率的な使用や未使用資源の利用促進については、現状として、図表12のとおり資源生産性が近年減少傾向になっており、その要因として、17ページの図表13のとおり天然資源等投入量が横ばいであることを示しております。一方で、図表14の青の折れ線グラフのように、バイオマス系木くず等は増加していることを示しております。

 次に、19ページ、重点検討項目③2Rを重視したライフスタイルの変革につきましては、リード文において、環境基本計画の記載のほか、富山物質循環フレームワークでも3Rの優先順位が改めて共有されたことを記載いたしております。

 20ページ、具体的取組のaからcの2Rの取組につきましては、現状として、図表16のとおり、事業系ごみの有料化の地方公共団体は図のとおり85%であり、また、生活系ごみ処理の有料化についても、日本地図のとおり取組が進んでいることを記載し、あるいは食品リサイクル法に基づく排出抑制目標が31業種について設定されたことを記載しつつ、具体的な2Rの取組の制度的位置づけがそれらにとどまっていることを記載しております。また、リユースやリユースビジネスについては横ばい傾向と記載しております。

 22ページ、川上における2Rである事業者によるd)容器包装の軽量化、リターナブル、長期間使用の製品が評価される仕組みづくりにつきましては、図表20のとおり、容器包装の軽量化は着実に進展しているものの、21ページの図表18のようにリターナブル容器の利用は減少していることを示しつつ、22ページの下の現状の部分では、2Rの取組が社会的に評価される仕組みづくりが十分に行われていないというふうに記載いたしております。

 24ページからが重点検討事項④地域循環圏の形成でございます。

 リード文では、一般廃棄物のリサイクル率は約20%で横ばい状況であり、地域主導による循環型社会形成の取組が近年停滞していること、富山物質循環フレームワークにおいて、地域の多様な主体と協力したイニシアチブの重要性が強調されたこと、これらを受けて、今後地域の多様な主体間の連携に基づき各地域の資源の活用を図り、新産業や雇用、地域活性化の推進が必要である旨を記載いたしております。

 その上で、25ページの現状では、戦略的な計画策定の検討はなされているものの、地域循環圏の概念の高度化や戦略的な計画策定は十分になされていない旨を記させていただいております。

 28ページ目からが重点検討項目⑤循環分野における環境産業の育成でございます。

 リード文の冒頭では、G7伊勢志摩サミットの首脳宣言でイノベーション、競争力、経済成長、雇用創出を促進することを目標として、資源効率性を改善するために企業やその他ステークホルダーとともに歩むとされていることを記載いたしております。

 具体的な取組a)廃棄物等を貴重な国内資源と捉えた循環産業の確立につきましては、図表25のとおり循環産業がリーマンショック後拡大しておりますが、水平リサイクルのような高度なリサイクルが定着するまでには至っていないというふうに書かせていただいております。

 また、30ページの図表26の不法投棄や31ページの図表27のとおり、不法投棄や不適正処理は減少しているとしております。

 32ページ、b)産業廃棄物処理業者について、優良産廃処理制度の普及等につきましては、現状として、優良産廃処理業者の認定数や電子マニフェストの普及率がいずれも増加しているものの、電子マニフェストの目標値の50%の達成は難しいというふうにしております。

 33ページのc)循環分野における環境産業の海外展開の支援につきましては、現状として、環境省や経産省の支援事業で事業化に至る事例も一部見られることを記載いたしております。

 35ページからが重点検討項目⑥安全・安心の観点からの取組の強化です。

 リード文では、富山物質循環フレームワークにおいても、災害廃棄物の適正処理と再生利用、災害に対して強靱な廃棄物処理施設の整備等の重要性が共有されたことも触れた上で、36ページのa)アスベスト、PCB、鉛等の有害物質に係る取組については、現状として、アスベストやPCB、水銀等については適正な処理が進められているが、想定よりも処理が遅れているPCBについては、期限内の処理完了を確実なものとするため、28年度にPCB特措法の改正を行ったことを記しております。

 37ページのb)大規模災害時に備えた平素からの広域連携体制、仮置き場、浄化槽設置につきましては、現状として、広域連携体制の構築や浄化槽の整備は進めているものの、自治体による災害廃棄物処理計画や仮置き場の確保は十分に取り組まれていないというふうにさせていただいています。

 38ページのc)リサイクル原料について、国際動向も踏まえ、有害物質の混入状況に関する基準の策定、効果的な管理方法の構築等につきましては、現状及び取組状況として、国内的に進展していないことを記載いたしております。

 d)必要な廃棄物処理施設、最終処分場の整備につきましては、現状として、39ページの図表32、33の赤の折れ線グラフのとおり、一廃、産廃とも残余年数は増加しているものの残余容量は減少しており、また、地域偏在が見られることを記載いたしております。

 40ページのe)産廃の電子マニフェストの普及につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。

 41ページの最後の重点検討項目⑦国際的な取組の推進でございます。

 リード文では、その最後のほうで富山物質循環フレームワークにおいても、電気電子機器廃棄物の国際的な管理の重要性が共有されたことから、今後これらの輸出入の対応強化に向けた取組が重要である旨のG7の合意を記載いたしております。

 42ページの具体的取組のa)では、有用金属とともに有害物質を含む電気電子機器等の途上国による不適正処理が問題となっている一方で、我が国の貴重な有効資源の有効性を図る観点から、輸出が増加している循環資源についての国内での利用促進が環境基本計画では打ち出しているところでございますが、現状として、例えば家電リサイクル法の対象品目の回収率が53%となっており、エアコンなどスクラップとして海外に輸出しているものが一定量あることなどを書かせていただいております。

 取組状況としては、水際対策の強化、アジア太平洋バーゼル担当官のワークショップなどとともに、4月に廃棄物等の越境移動等の適正化検討会の報告書を取りまとめたことを記載いたしました。

 43ページのb)住民が分別排出した循環資源の持ち去り対策の強化としては、現状として、一部の自治体による努力は認められるものの、全体としては十分な対策ができていない状況にあることや、違法な不用品回収業者対策については十分な指導や取り締まりが困難な状況にあるとしております。

 44ページのc)途上国では適正な処理が困難であるが、我が国では適正処理が可能な国外廃棄物等の受け入れの現状について、我が国のリサイクル施設に受け入れ余力があるものの、手続に時間がかかり、他国との獲得競争に負けているとの事業者の声があり、さらなる取組が必要であると記載いたしました。

 d)有害廃棄物等の不正輸出防止のための水際対策の強化の現状として、水際対策に取り組んでいるものの、使用済家電等が混入した金属スクラップ等が規制対象物か否かの判断が困難であり、取り締まりに限界があることを記しております。

 45ページのe)アジア3Rフォーラムや東アジア支援、国際交流促進の取組状況としましては、毎年度のアジア太平洋3R推進フォーラムの開催、26年度のスラバヤ3R宣言の採択、JICAによる専門家派遣などを掲げております。

 f)地球規模の持続可能な資源管理、有害廃棄物等の適正管理への貢献につきましては、取組状況として、バーゼル条約のESMに関するフレームワークへの参画、水銀やPCB廃棄物に関する国際的な管理ガイドラインの改定作業への貢献、G7アライアンスへの貢献などを掲げております。

 47ページからが今後の課題でございます。47から48の半分ぐらいまでが7つの重点検討項目にまたがる今後の課題を記しております。

リード文の第2パラでは、施策を効果的・効率的に推進するためにSDGsやUNEP国際資源パネルによる政策決定者向け要約あるいはOECDの政策ガイダンスを参考に富山物質循環フレームワークを踏まえた今後の施策を検討していく必要があるとした上で、具体的には、1つ目の丸として、SDGsの17のゴールのうち、資源効率の向上あるいは持続可能な生産と消費など、資源と環境に直接言及している12のゴールを2030年に達成できるよう、循環型社会形成の取組を戦略的に進めるべきであること。

 2つ目の丸で、循環型社会や気候変動、異常気象、有害物質、災害廃棄物、自然環境保全、海洋ごみ、原材料へのアクセス、産業競争力などに関する政策を包括的・統合的に促進し、循環型社会の形成が雇用創出や経済成長、地域活性化につながるよう取組を強化すべきとしております。

 3つ目の丸では、物質のライフサイクル全体を通じた循環の取組強化に際し、拡大生産者責任やグリーン公共調達等のポリシーミックスの適用や規制的措置に加え、透明性や説明責任を確保しつつ、自主的な行動や情報措置などを活用すべきこと。4つ目の丸として、地域での循環型社会形成や消費者の持続可能な消費行動の実践の促進、48ページの最初の丸で、よりよいデータ及び分析に基づいた政策立案と評価を強化すべきであるとし、各取組について国内指標を検討するとともに、算定方法の共有を含むフォローアッププロセスを国内で構築すべきとしております。

 3つ目の丸では、富山物質循環フレームワークの共通ビジョン、具体的には地球の環境容量におさまるよう天然資源の消費を抑制あるいは再生資源の利用促進などの達成に向け、2050年のビジョンを設定し、バックキャスティングで戦略的に取り組むべきとしております。

 重点検討項目①「質」にも着目した循環資源の利用促進・高度化の課題につきましては、最初の丸で拡大生産者責任の徹底、2つ目の丸で各種リサイクル法の対象外の製品も含めた環境配慮設計の状況の把握・促進のための横断的な検討、3つ目の丸で公共調達、4つ目の丸で小型家電の分析強化について記しております。

 49ページの最初の丸では、太陽光パネル、蓄電池、炭素繊維強化プラスチックなど温暖化対策として普及が見込まれる低炭素製品について、3Rの推進によって普及が進むよう検討を進めるべきとしております。

 2つ目の丸では、プラスチックなど多種多様な製品に含まれている素材の含有量を把握し、個別リサイクル法の世界にとどまらず、循環資源全体でのリサイクルのあり方の検討を進めるべきである。3つ目の丸では、そのためにも製品の回収ルートの確立など物流段階での検討を進めるべきとしております。

 重点検討項目②低炭素社会、自然共生社会づくりとの統合的取組の課題としては、2つ目の丸として、廃棄物分野におけるバイオマスプラスチックなどの再生資源の積極的活用の促進や3つ目の丸として、SDGsも踏まえ、我が国としての食品ロス削減の取組を加速させるため、我が国の食品ロス削減目標の設定など目に見える取組の強化について記載いたしております。

 重点検討項目③2Rを重視したライフスタイルの変革の課題につきましては、1つ目の丸として、一般廃棄物の排出抑制等のための経済的インセンティブやポリシーミックスの推進、2つ目の丸として、3R行動の見える化の利用拡大、50ページの最初の丸では、リユース業界の優良化やリユースへの意識の向上の推進、2つ目の丸で、事業者の排出抑制や再利用に向かうインセンティブの検討を掲げております。

 重点検討項目④地域循環圏の形成の課題としては、1つ目の丸として、地域循環圏の拡大に向けた実態把握や取組強化、2つ目の丸として、今後の人口減少を踏まえた施設整備や地域循環圏の形成の検討、3つ目の丸として、循環、低炭素、自然共生の統合的アプローチに基づくバイオマス利用などを掲げております。

 重点検討項目⑤循環分野における環境産業の育成の課題としては、1つ目として、環境物品等の購入のさらなる促進、2つ目として、適正な廃棄物処理につながる電子マニフェストのシステム改善や普及、3つ目として、優良産廃業者の質の向上に向けた規制合理化とセットでのインセンティブ施策の充実などを掲げております。

 重点検討項目⑥安全・安心の観点からの取組強化の課題としては、2つ目の丸として、PCBの一刻も早い期限内処理達成のための措置、3つ目の丸として、水銀の管理、回収、処理の推進、5つ目の丸として、平時からの災害時に備えた重層的な処理システムの強靱化、6つ目の丸として、廃棄物・リサイクル分野でも風水害等に備えた温暖化の適応策との統合を含めた検討も記載しております。7つ目の丸には、有害物質規制の強化の国際動向を踏まえたリサイクル策の検討も掲げております。

 重点検討項目⑦国際的な取組の推進の1つ目の課題としては、関係省庁、関係国、国際機関と連携した一層の不法輸出入監視強化、2つ目として、国内外で発生した二次資源について、日本の環境技術の先進性を生かしたリサイクルを着実に進めるため、バーゼル法における規制のあり方等について検討を行い、早期に必要な措置を講じるとしております。52ページでは、違法な不用品回収業者について、住民の利便性の向上や指導・取り締まりがしやすい仕組みづくり、2つ目として、水際対策の現場での客観的かつ短時間で判断できる規制基準の整備、3つ目として、マイクロプラスチックによる海洋汚染について、リデュースの促進、調査研究の推進を記載しております。

 それから、最後にその他として、これは環境基本計画の章立てで言うと、循環とは別の放射性物質による環境汚染の回復、6月24日と8月24日に総政部会の分担で点検いただくようなところにいずれ統合されるかとは思いますが、浄水場または終末処理場において保管されている放射性濃度の高い汚泥について、放射性物質汚染対策特措法や廃掃法に基づく処理が着実に前進するよう引き続き取り組むと書かせていただいております。

 また、2つ目の丸として、人口減少により過剰となるストック資源の評価・活用の検討、3つ目として、資源効率性について、事業者の取組のフォローアップや支援、最後に新たな構想力や実行力を持つ各主体での人材育成について記載いたしております。

 長くなりましたが、以上でございます。

○酒井部会長 どうも非常に盛りだくさんな内容を短時間で御説明をいただき、ありがとうございました。ということで、御意見、御質問いただく時間を相当とっておりますので、委員の方々から活発な御意見をいただければというふうに思っております。

 それでは、ただいまの御説明に対しまして御質問、御意見ございますでしょうか。御意見のある方は、いつものとおり名札を立てていただけたら幸いでございます。

 それでは、大迫委員のほうから順番に回してまいりたいと思います。お願いいたします。

○大迫委員 今の段階で気づいたところをお話させていただくと、最初のほうのそれぞれのレビューに関わるところで、災害廃棄物の対応のところが出てきているかと思います。ちょっと今、ページが見つからないんですが、その段階で今回のレビューの時点にも関わるわけですが、熊本対応に関しては、ここに記載してはどうかというよりは、まだ道半ばでもあるので、ここで総括的なことを書くのは時期が早いとは思いますけれども、かなりこれまでの教訓や今回の法改正等を含めて、新たなスキームが大変機能した部分があったんじゃないかというふうに評価をしておりますので、そういったところは、今回の議事録の残すだけでも結構ですけれども、コメントさせていただければというふうに思います。

 それからあと、49ページの課題の最後のところに書いてありますが、バイオマスプラスチックの問題に関してですけれども、こういったバイオマスプラスチックの積極活用と同時に、使用していく上での意義を多様な評価も含めてやっていくべきではないかと思っております。いろんな観点での統合的な取組が大事だというようなところは随所に見かけるんですけれども、例えば海ごみやマイクロプラスチックとの関係も含めて、こういった再生可能資源を原料としたプラスチックが普及していくことのいろいろなメリットというのは、二酸化炭素の削減ということだけではない部分がある可能性もあるので、そういう多様な評価ということも必要かなと思っておりました。

 それから、51ページのところで、この重点検討項目⑥の一番最後のところに処理施設の設置に関する支援というところがございます。循環型社会形成、大規模災害対応からも不可欠な施設ということの認識はそうだと思いますし、やはり古くて新しい問題でもあります。国民の理解醸成とか地域における合意形成を促進していくということもぜひ支援の一つの大事なポイントかなというふうに思っておりますので、そういったところがもし内容的に入れられたら、御検討いただければと思います。

 ひとまず以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 ありがとうございます。ちょっと幾つかになってしまうので、簡単に申し上げていきますが、全体として非常にいいものができていると思っているのですが、ちょっと視点として少し追加していただきたいのは、例えば28ページ、29ページにもありますし、ほかのところにもございますが、リサイクルの質の高度化というのはやっていくべきことだと思いますし、高度なリサイクルは非常に重要だと思っている一方で、やはり社会的なコストの問題も無視するわけにはいかないので、それはリサイクル業者同士の競争という問題も関係してくると思いますけれども、ちょっと日本のリサイクル問題を扱われるときに、この点が完全にネグレクトされるのはちょっとまずいかなという気がしますので、あまりそちらを強調し過ぎるのも問題はあるんですけれども、どこかにその観点は入れていただく必要があるかなというふうに思っています。そういう将来的な見通しですね。リサイクルの高度化を進めながら、コストのこともどういうふうにしていくかということも検討しないといけないのではないかという点でございます。

 それから、47ページのところでございますけれども、ちょっとこれは確認で恐縮ですけれども、第2パラグラフのところに統合報告書政策決定者向け要約やOECDによる政策ガイダンスというのもございますが、これはEPRのことのOECDのものも入っているのでしょうか。EPRに関しては、新しく検討がなされているようですので、そちらのことももし書いていただけたら書いていただいたほうがいいのではないかと思いました。

 それから、49ページの上から2つ目の丸のところで、プラスチックに関して循環資源全体でのリサイクルのあり方を検討すべきだということは非常に重要だと思っていますが、後ろのほうにマイクロプラスチックの問題が国際的な取組の推進との関係で52ページに出ていますけれども、例えば東京湾の問題とかだと国内的な問題ということになりますので、特に日本海側は国際的な問題だと思いますけれども、太平洋側のほうは日本から出るものがかなりの割合を示しますので、そういう観点を考えると、国内問題としても扱っていただいたほうがよく、その上で、マイクロプラスチックというのは、生態系とか場合によっては人間の健康にも影響が及ぶような問題でございますので、今までの循環型社会形成という割と理念的な話にとどまらないで、もうちょっと切実な問題、もちろん今でも切実なんですけれども、別の観点から切実な問題というのが出てきているのではないかということがございますので、例えば国内の問題としても、49ページの上から2つ目の丸のようなところで例えばですけれども、国内の問題としてもマイクロプラスチックの問題は、もう少し重点を置いて書いていただけたらありがたいということでございます。

 とりあえず以上でございます。

○酒井部会長 崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。各項目、かなり項目は明確に出していただいていると思っています。

 それで今、今後の課題という47ページ以降のところを拝見していました。そこに関してちょっと申し上げたいんですが、47ページの下の丸2つ分辺りなんですけれども、下から2番目の丸で、ライフサイクル全体に対してそれぞれの主体が連携をするようにというようなことが書いてありますが、この中に結局生産と消費をきちんとつなぐためには、消費者のところまで書き込まなければいけないのではないかなというふうに思いますので、ここにきちんと消費者にまでつなぐ話を入れていただきたいということが1点。それとまたつながりますが、その次のところに「最終消費者にきちんと持続可能な消費行動の実践を促すべき」で終わっておりますけれども、今までいろいろこの分野の話し合いの段階では、環境配慮商品を消費者が消費選択すると。関心は高いけれども、きちんと選択行動まで移るというそこの間に非常にギャップがあるということが社会の課題になっているということが明確になってきておりますので、そこまでしっかり書き込んだほうがよろしいのではないかというふうに思いました。

 その次に、重点検討項目①の最後の丸ポチが49ページの真ん中辺にありますけれども、やはりここも消費者の話が出ておりますが、ここの最近の各種リサイクル法の見直しの中で、回収率のアップとかそういうようなこと、それとか質に着目したよりよい循環ということを考えたときに、多様な主体の連携、協働によってその質を高めていくということがかなりいろいろな法制度の見直しで出てきたと思いますので、ここにそこまで書き込んではいかがかというふうに思いました。

 その次に、3番の2Rを重視したライフスタイルの変革、ここはやはりきちんとシステムを整えていくことが重要だというふうに思っております。50ページの最後の丸のところに具体策として食品ロスが出ています。一応項目は全部出ていていいんですけれども、しっかりとこういうところに関してシステムを入れていくというところが大事だというふうに感じております。

 最後に、重点項目④の地域循環圏のところなんですが、やはりここも最後のところに50ページの真ん中ぐらいですか、地域循環圏は「循環、低炭素、自然共生の統合的アプローチに基づき、バイオマスを利用していく必要がある」と。そのとおりなんですけれども、例えば今いろいろな火力発電施設ができたときに、バイオマス混焼でCO削減効果を出すために海外から購入してくるというような計画もかなり進み始めておりまして、そういうことを考えると、この地域循環圏の構築に向けたこういう地域のバイオマス資源をしっかり活用する、そういう視点を非常に強調していくということがこれからの日本の国土や地域循環圏構想の定着に大変重要だと思っておりますので、何かそういうところまでもう少しきちんと書き込んだほうがいいのではないかという印象を持ちました。よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 佐久間委員、引き続きお願いします。

○佐久間委員 ありがとうございます。しっかりとした点検・評価案を作成いただきまして、ありがとうございます。

 私から2点、まず簡単なほうからですけれども、ページでいいますと、14ページ、3Rの取組云々、これによりまして温室効果ガスの排出を抑制するというところで、現状認識ですけれども、これ図表10と図表11を描いていると。特にこの図表11のところですけれども、文章でいいますと「また、バイオマス系循環資源の原燃料への再資源化」と、こうあるんですが、現状は、バイオマス系循環資源は燃料だけに使われていると、こういうことでございます。これは図表11を見ていただければ、それはおわかりになるかと思いますし、また、原料への利用というのは、ここに書いてある廃プラのケミカルリサイクルのことを言っているんだと思いますので、これは修文として「また、バイオマス系循環資源の燃料への利用や廃プラのケミカルリサイクルによる再資源化」と、こういう形にしていただければと思います。

 2点目は、PCBのところでございます。取組については、高濃度についてはしっかりとした道筋が立っているということで結構だと思うんですけれども、一方で、低濃度のPCB廃棄物、これも大きな問題だというふうに認識しております。したがいまして、今後の課題のところには、ぜひ低濃度PCB廃棄物についての取組について触れていただきたいと思います。特に御案内のとおり低濃度PCB廃棄物、これについては、そもそも汚染されているかどうか、この有無を実際に分析しなければその該当性がわからないというものが非常に多いと。特に封じ切りの機器については壊さないとわからない。ところが、壊してみても、調べたところ低濃度PCB汚染もしていないと、こういうことがわかると、その代替機の購入まで必要になってくる、こういうことでございますので、ぜひ使用中の電気機器の確認方法に関する技術的検討を進めるといったことについて触れていただきたい。

 あと、もう2点目は低濃度PCB、これの処理体制の充実、多様化に向けて課電洗浄の対象範囲拡大や抜油後の筐体等の処理方策についても早期に結論を得るということ、これらに関しては産業界としても非常に期待が高いというところでございますので、処理促進に資するこれらの政策について、早期に結論を得て実行していくということも課題として触れていただきたいと思います。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございました。

 引き続いて、佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 全体としては、本当によくまとまっていてわかりやすい取りまとめかなというふうに思います。その上で2点、意見を言わせていただきたいと思います。

 まず、38ページのところでございます。37、38で大迫委員からも出ましたが、年度の関係で熊本地震への記載がちょっと書きにくいのかもわからないんですが、今回の熊本地震への環境省の取組、これは私どもも本当に自治体の立場からいって高く評価しておりますし、現地にスタッフを派遣していただいて、本当に市町村の立場、目線で支援をしていただきました。我々もいろいろ自治体の支援を一緒にさせていただきましたが、その辺のことは27年度までのことしか書けないのであれば参考でも何でもいいですから、ぜひ書いておいていただきたいなというふうに思います。

 それから、51ページになりますが、施設の必要性ということで、この中に関連する事項として一番最後のその他になっておるんですが、いわゆる過剰となるということで、今後の廃棄物処理施設を計画するときに、ごみ量の推計あるいは人口の推計等、要するにどういう施設規模にしていくかということが計画段階でも非常に大きな課題になっておりますので、あるもののいわゆる過剰になっているものというより、計画段階からもそういう視点が必要ではないかなと思いますので、その辺は少し考慮していただければと思います。

 以上です。

○酒井部会長 新熊委員、どうぞ。

○新熊委員 私のほうからは重点検討項目②の低炭素社会、自然共生社会づくりとの統合的取組、13ページ、14ページ、15ページについてコメントさせていただきます。

 これは循環型社会をこれまでのようなリサイクル量やリサイクル率といったボリュームだけではなく、CO排出量といった異なる観点からも評価するものとして私も非常に重要なことだと思っております。そうした意味でこの現状を把握する上では、出していただいた14ページ、15ページの図表10、11では非常にまだ不十分かと思っております。これを評価するためには、どういうふうな図であっていただきたいかといいますと、廃棄物の処理方法ごとにこの10、11じゃないですけれども、廃棄物の処理方法ごとにCOの排出量を明示していただきたいと思います。もっと具体的に言うと、廃棄物の処理方法というのは、埋め立て、焼却、水平リサイクル、そして、廃棄物発電のようなサーマルリサイクル、そうした処理方法ごとにネットのCOの排出量を明示すべきだろうと思います。

 これがやられますと、何がわかるかといいますと、例えば水平リサイクルを増やしたら、あるいはサーマルリサイクルを増やしたらCO排出量はどう変化していくのか、そして、埋め立てを減らしたらどうCOが変化するのかといったように、そういうこともわかるわけでありまして、結果として循環型社会をCO排出量という新しい観点から評価できるというふうに思っております。より理想的には、廃棄物一緒くたでそれらをやるんじゃなくて、マテリアルごとにそれらをやれたらなお理想的かなと思っております。

 以上です。

○酒井部会長 杉山委員、どうぞ。

○杉山委員 ありがとうございます。前回の各省からのヒアリングのときに欠席してしまったものですから、ちょっと的外れになっているかもしれませんが、3つほど意見を述べさせていただきたいと思います。

 今後の課題についての意見です。もう既に何人かの委員から触れられたところですけれども、49ページの真ん中辺りに2つ目の丸と3つ目の丸ですが、「プラスチックなど、個別リサイクル法の世界にとどまらず」というところと、それと、その下の「容器包装や製品プラスチックのように」というところなんですが、これは環境基本計画についての見直しですので、あまり具体的な記述というのはこういうところでは適切ではないということは思います。

 ただ、こちらを読んだときに、やはり容器包装と製品プラスチックを一緒に回収してプラスチックのリサイクルを進めるというような具体的なことがちょっと頭に想定されるものですから、それを考えますと、この3つ目の丸の「回収ルートの確立など物流段階での検討を進めるべきである」という部分の記述なんですが、これはこの重点項目①の全体として、EPR拡大生産者責任の徹底という流れで最初は読んだんですが、ここは自治体との関係というのはどうなんだろう。それも全部含めての回収ルートの確立ということかもしれませんが、その辺りの個別にこういうところに問題があるということがもう少し具体的に書いていただいたほうが読んだときにわかりやすいかなという気がいたしました。

 それから、2点目としては、そのすぐ後の重点検討項目②に関するところかと思うんですが、高効率発電ということ、これも交付金の関係なので環境省としては進めていらっしゃるわけですが、その辺りの記述が全くないので、高効率発電については、ここでは全く触れる必要がないのかどうか。やはり入れておいたほうがいいのではないかというふうに私は感じました。

 それともう一つは単純なことですが、50ページの一番最初のリユース業界の優良化ということがあるんですが、これも一言で言ってしまえばリユース業界かと思いますが、さまざまなリユース製品、いろんな業界があると思いますので、少し具体的なことも入れていただけると、課題として読んだときには理解しやすいというふうに感じました。

 以上です。

○酒井部会長 杣谷委員、どうぞ。

○杣谷委員 失礼します。まず、今回の点検については多岐にわたって詳細に記載をいただいております。よくできているのではないかというふうに思っているところです。その上で何点か検討、補強いただきたい点について発言をさせていただきたいと思います。

 まず、震災に対する対応ということで、熊本地震においては法改正あるいは災害廃棄物対策指針、そして、対策スキームなどによって適切な初動体制がとられたというふうに評価をしているところです。しかし一方で、今回の地震は発生確率が低い地域で起こったとか、あるいは事前予知ができないというような課題がある中で、次の基本計画の策定に当たっては、焼却施設などの廃棄物処理施設全般の耐震性の向上などについて、あるいは津波による有害物質の流出などの対応を求めていきたいというふうに思っていますので、そのことについて言及をしたほうがいいのではないかというふうに思います。流出については、PCBとかそんなこともあるのではないかというふうに思っています。

 それから、食品リサイクルについてですけれども、ダイコーによる廃棄食品の横流し事件については逮捕者が出るということになりました。この事件については、持続可能な循環型社会の根幹部分である信頼性に関わる問題だというふうに思っています。そういった意味で、安心・安全の観点から、電子マニフェストの改善以外に製造者責任などについて報告書に何らかの記載をしていただく必要があるのではないかというふうに思います。

 最後ですが、重点項目⑦の課題ですが、52ページにマイクロプラスチックの問題について記載がございます。この問題について、化学物質の対応も必要となるために環境保健部会などとも連携しつつ対応が必要だというふうに思っています。そして、日本だけの対策には限界があるというふうに思いますので、関係各国との緊密な連携のもとでの対応ということの観点から記載を追加いただきたいなと、このように思います。

 以上です。

○酒井部会長 高岡委員、どうぞ。

○高岡委員 ありがとうございます。私のほうからは2点ございます。

 1点目は36ページのところですが、この現状、取組状況のところでアスベスト、PCB、鉛等の有害物質というふうに書かれておりますが、内容としては、アスベスト、PCB、水銀、埋設農薬等ですので、後ろのほうでは使用済鉛蓄電池という話も出てきますので、それを入れられるか、あるいは「鉛等」のところを「水銀等」に変えられるか、検討していただくのがよいと思いました。

 それからもう一点は50ページ、重点項目④の課題のところの2つ目の丸で、施設整備や地域循環圏の形成について今後人口減少を踏まえて検討すべきであると書かれています。同様に、52ページのその他検討すべき事項の2つ目も人口減少による過剰となるストック資源の評価・活用について検討する必要があると、2つ人口減少について触れられておるわけですけれども、当然施設整備もそうですけれども、収集運搬とかそういったところもやはりかなり影響を受けてくることだと思いますので、そういうところの記載を追加していただきたいというのと、それから、長寿命化、延命化といったようなストックマネジメントという観点についても少し追加してはどうかなと思いました。

 以上です。

○酒井部会長 中村委員、お願いいたします。

○中村委員 ありがとうございます。まず、今回よくまとめていただいたことに感謝を申し上げます。その上で、重点検討項目について2点、意見と質問をさせていただきます。

 最初は重点検討項目①です。「「質」にも注目した循環資源の利用促進・高度化」のa)、排出者責任・拡大生産者責任の徹底や製品製造段階からの環境配慮設計の更なる推進への取組についてです。

 事業者の立場から申し上げますと、費用負担も含めて、既に拡大生産者責任を十分に果たしてきたと考えています。図表1に書いてあるように、各種団体でも取り組みを実施していることから、まずはこれらをきちんとレビューして、PDCAサイクルを回して継続的な向上を図っていくことが重要と思っています。このようなPDCAサイクルを回すことについては、ノウハウや経験が蓄積されておりますので、循環基本法や各種リサイクル法の法定外の製品に係る製造段階からの環境配慮設計におきましては、拡大生産者責任の考え方に基づく役割の拡大や、あるいは規制的手法の強化といった考えではなく、PDCAサイクルに関するノウハウ等を活用しつつ、企業あるいは事業者が自主的に行ってきた今までの取組を十分に活用することに対して、後押しするような観点からやはり検討・推進を行っていただきたいと考えています。

 このような視点を踏まえて、お願いと質問がございます。47ページの今後の課題、3つ目の丸の「廃棄段階のみならず」という文章についてです。この中の第2文章で「特に、規制的措置に加え」云々と書いてありますが、この「加え」という表現がやや気になるところです。規制的措置を行う前にやはり自主的な行動や様々な政策的措置があるかと思います。そういったものをまずは最大限活用するのがよろしいのではないかと思います。この「加え」という表現を、自主的な行動等の最大限の活用を重要視するような意味合いに書き直していただきたいと思っています。

 それから、48ページ、重点検討項目①の丸の2個目について、質問でございます。ここに「環境配慮設計について」云々と書いてあり、これを進めるために「横断的な検討をすべきである」と書いてありますが、一体何を横断的に検討するかが前の文章を読んでもよくわかりません。これについてはもう少し詳しく記述していただけたらと思います。

 それから、補足として、2ページの図表1について、ガス機器については日本ガス協会が単独で記載がされていますが、実際は日本ガス石油機器工業会も協働してしっかり取り組んでいると聞いております。改めて確認いただき、メーカーサイドの取り組みとして日本ガス石油機器工業会も表に追加していただければと思います。

 2点目でございます。地域循環圏の形成についてです。47ページですが、これはまさに書かれているとおりでございます。環境と経済の両立を前提にこのような地域特有の資源を活用して、様々な主体の連携のもと、新規産業や雇用の創出を通じて地域活性化を図っていただきたいと考えます。まさに地域での循環型社会形成を進めていくことが重要ですので、これはぜひ進めていただきたいと思います。その上で、一つお願いがあります。地域における循環型社会の形成に向けた取り組みは、その地域だけでやり切れないこともあると思います。地域で吸収できないものは全国規模でフォローしていくことが必要だと考えています。その際にはやはり環境省がリーダーシップをとっていただくべきと思います。まさに環境省のリーダーシップの下で、地域活性化と全体最適の両方を実現していただきたいというのがお願いです。

 長々と申し訳ございません。以上でございます。

○酒井部会長 どうぞ藤井委員、よろしくお願いいたします。

○藤井委員 この循環の今回の議論の中で、主体としての市民、地域住民、NPO、NGOなどの担い手としてのステークホルダーの書き込みが少し少ないように思います。その意味で、2つの地域循環圏のところとアジア3Rのところでちょっとお話ししたいと思います。

 24ページと、それから、50ページに地域循環圏の形成がありますが、いずれのところでもその主体の中に各主体に地方公共団体等とか、もう全部ここで切れてしまっているんですね。そこに多分地域住民を含めてNGOや何かの書き込みがないと、実際には地域が動かないだろうなというふうに思っています。

 それから、その関係でもう一つ、今の地域循環圏のところで言いますと、50ページです。50ページはまさに地域振興、地域経済の活性化のために、もうここに書いてあるとおりなんですが、3つ目の項のところの循環、低炭素、自然共生の統合的アプローチに基づき、バイオマス利用をしていく必要がある、本当にこう思って動いてきているんです、20年ぐらい。ところが、エネルギー政策の中で、なかなかこれが前面に出てこなくて、特にバイオマス・ニッポン総合戦略からでももう十数年余りたっていますが、ここの書き込みが本当に実現できるようになれば、地域にお金が回る仕組みになるのではないかと思うので、ここに大変期待するところが1つです。

 それから、アジア3Rのところで45ページと、それから、42ページにアジア3Rについて書かれていますが、45ページのほうで取組状況を見ますと、確かにアジア3R、これは特にこの数年余りアジアでやってきているんですが、ここもアジア3R推進フォーラムのここと同時に、NGOが相当動いているところも書き込んで、そして、アジアの取組の中でNGO間連携が大変重要なファクターになってくると思います。企業間、国家間、都市間はもちろん重要だと思いますが、そこの中でこの数年来、そういうことを大変強く感じておりますので、いずれにしても、その2つの項のところのセクターの書きぶりを少し考えていただけたらと思います。

 以上です。

○酒井部会長 見山委員、お願いいたします。

○見山委員 ありがとうございます。今の藤井委員とも関連するところですが、セクターの特定はしっかり入れたほうがいいかなと思っています。第三次循環型社会形成基本計画の中で、事業者の中に金融機関とか投資家ということを外書きしていただいたんですね。それで、ここでいうと50ページの「地域循環圏の形成」というところで「概念整理や計画策定のみならず、その実態把握・実際の循環圏形成に向けた取組を強化」という部分がありますが、これは最終ページの一番最後のパラグラフの中にもある「新たな構想力と実行力」というところにもつながってくるわけなんですけれども、第三次循環型社会計画の中で金融機関を外出しにしたにもかかわらず、金融機関に対する記述だとか金融手法の活用とか、そういうことに触れられていないんですね。

 だから、ぜひこういった第三次の循環型計画の中で意図したところをこの中でも反映していただいて、「新たな構想力」というところで言うと、最近でいうとPFIとかプロジェクトファイナンスとか、そういった金融手法もありますし、結果として地域経済の振興とか雇用創出にもつながっていくので、ぜひこういったところもしっかりと書いていただければなというふうに思います。

 以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。一通り委員から御意見をいただきました。総じてよくまとまっている、よく書いておられるという総合的な評価であったかと思います。現状に対して、非常に厳しく政府として認識をされておられることが明示的に書かれているという点では非常に結構だろうと思います。

 その一方、今後の政策見通しの中で、どこまで見通せるかという現実感を持って、またこの文書を見ていかなければならないという側面もあろうかと思います。そういった意味では、少し書き過ぎていただいているかなというふうに私は個人的に思ってはおりましたけれども、委員の方々の評価は極めて高いので、原則この方向でまとめていただければというふうに思っております。

 それで、今日は他省からもお座りいただいておりますので、委員の方から出た意見あるいは質問的なところの中で、特にバイオマス利用とか、それから、食品ロス対応とかというところでの御意見がございました。この辺りに関しまして、まずは農水省さんのほうから、今日委員のほうから出た意見に対して特段の何か発言等ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○農林水産省バイオマス循環資源課総括補佐 農林水産省バイオマス循環資源課の松下と申します。

 バイオマスの関係の御意見をいろいろいただきまして、先日の当委員会のほうでも紹介させていただきましたけれども、バイオマス活用推進基本計画を今策定改定作業中でございまして、7月1日から14日に先日、パブリックコメントをさせていただきました。そういった意見もいただきまして、また、この8月下旬から9月辺りでまとめていければと思っております。バイオマスの活用につきましては、引き続き積極的に進めていきたいと思ってございます。

 食品ロスにつきましても、これはこちらも関係省庁さんがいろいろございますけれども、環境省さんなり消費者庁さんなりとも力を合わせまして、食品ロスの削減、先日のG7の会合とかそういったものもございましたので、一緒に検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。あと、経産省、国土交通省のほうからこの段階で委員の方々の御意見をお聞きになられて御発言ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。特段よろしいですか。

 どうもありがとうございます。

 それでは、事務局のほうから今後の修文方針等を含めて御回答いただける範囲をまず御発言いただければと思います。お願いいたします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) たくさんの御意見、ありがとうございます。私のほうからざっと御説明させていただきます。

 各種の修正意見のところで直せるものについては、事務局のほうで座長と相談しながら入れ込めるものを入れ込んでいきたいなと思っております。

 そのうち御質問があったところあるいは御意見の中で幾つか、例えば新熊先生から御指摘のございましたCO排出量につきまして、今後循環基本計画の点検あるいは見直しという取組がございますので、そのような中で、今度の地球温暖化対策計画の中で、循環分野の取組というところで各種の温暖化対策の具体的な排出削減見込み量というのを記載されていますので、そこの点検をまずしながら、さらにどのような工夫ができるかというところを検討させていただければというふうに考えております。

 それから、杉山委員から御指摘のございましたプラスチック等の特出しのところなんですけれども、これは環境省のほうでも素材別リサイクル戦略マップの策定に向けた調査検討等をやってくる中で、プラスチックについては年間排出量が約1,000万トンもございまして、その多くの焼却されているものもございます。1,800万トンのCOの温室効果ガスが排出されているということで、日本の温暖化対策の目標を達成する上で、ここの取組強化がもう必要不可欠になっているので特出しをさせていただいております。これはEUも来年度にプラスチックの戦略をつくるというふうに打ち出されているようなことも受けて、具体的にやっていかないといけないということで、世の中に発信しておく必要があるという観点から書かせていただいているものでございます。

 それから、OECDの大塚先生からの御指摘のガイドラインのところについては、当初念頭に置いたのは富山の会議の中でOECDから出されたガイダンスの中で、拡大生産者責任についても強調されていたので、それを意識したものではございますけれども、当然数年ぶりにOECDから別途拡大生産者責任の分厚い報告書が出されておりますので、こちらについてもしっかり検討した上で、今後の特に循環基本計画の点検ないしは見直しの際に、きちっと事務的には押さえておかなきゃいけないというふうに考えております。

 それから、環境配慮設計の横断的な検討を中村先生から御質問ございましたところについては、実は各業種あるいは製品についての環境配慮設計については、定量的、定性的、いろんな情報があるんですけれども、循環型社会の優先順位の一丁目一番地である排出抑制について、日本が全体としてあるいは横断的にどれだけ進んでいるのかというところを国民にわかりやすく示す、あるいは我々事務方がしっかり把握するということがどうにもできていないという、毎年の点検のデータを集めていく中で、実はリユースも同じなんですけれども、この2つの把握が非常に事務的に遅れているという危機感があるので、ここは特出しをさせていただいたものでございます。

 それから、規制的措置に加えて透明性を確保しながら自主的な取組をというようなところについては、ここは実は環境大臣会合で、G7で合意した富山物質循環フレームワークのところをたしか引用した部分だと思いますので、そういった意味だということでございます。もちろんポリシーミックスが重要なのですけれども、EUが規制という中で、それに加え自主的な取組も透明性を図りながらしっかりやれと、むしろG7の中に日本から打ち込んだところの経緯でそういう言葉になっているということでございます。

 その他多くの御意見をいただいたところについては、なるべく取り込む方向で記載を座長と相談させていただければというふうに考えております。

 私からは以上です。

○酒井部会長 今の御発言を踏まえて、さらに委員のほうから御意見ございますでしょうか。

 それでは、よろしければ……すみません、古尾谷委員、どうぞ。

○古尾谷委員 全国知事会の古尾谷と申しますけれども、明日から知事会議が福岡でありますので、全体の見直しの取組の方向について異論はございません。

 ただ、今、知事会や都道府県で議論の一番大きく出ていることは、東京一極集中が非常に加速して、大阪まで人口減になってくるという状況と、高齢化がどんどん急激に進行して、横浜市でも南部地域ではもう既に学校の統廃合が始まっているという社会状況が急激に変化している現実があるんですね。その中で、この環境の基本計画、都道府県も環境基本計画をつくって見直しをやっております。そういうものがどことなく市民の方あるいは自治体から見ると、どうもトレードオフというか、相互に一致した感情になかなか行き着かないんですね。地域が衰えれば、あらゆる施策は後退していきます。やらなくなります。分権によって都道府県や市町村に多くの施策が権限はおりましたけれども、担い手がいなくなっちゃっているんですね。担い手がいないあるいは知見を持った人物がいなければ、地域循環圏はなかなか形成できないはずです。それに対するさまざまな国、省庁あるいは民間の方は非常によくやっていただいていると思います。

 この間もさまざまな努力、先ほど中村先生おっしゃったように、いろいろな努力はもっと市民の皆様に具体的に示していくべきだと思っています。私たちが地域で、都道府県で入っていくときに必ずぶつかるのは、廃棄物処理協会とではなくて、実際にやっている企業の方々の理解がなくては市民の方の理解もなかなか進まないという現実がございます。そういう点では、やはり社会状況をもっと環境省並びに環境基本計画全体についても状況の深刻さ、あるいは東京一極集中がここまで出てきて、私どもの最大のスローガンはひと・もの・しごとを地方にもっと出してもらいたい。人に出さない限りは、日本全体が沈没してしまうという危機感です。そこのところがどうもこの基本計画全体の流れの中では、危機感としては受け止められないなというのがどうしても、明日から会議がありますけれども、会議の中でも環境の部分というのが非常に少ないんですね、環境に関わる部分が。以前は環境のさまざまなことについて多く記述されていたことが今は地方創生や人口一極集中の是正とか、そちらの方向にだけ行っているという現実をやっぱり御理解いただきたいと思いますので、この内容についてではございませんけれども、余談でございますけれども、御意見として申し上げさせていただきました。申し訳ございません。

○酒井部会長 いいタイミングで極めて重要な問題提起をいただいたと思っております。今回は第四次の環境基本計画の点検・評価でございます。また、循環基本計画のほうの点検・評価、そして、それぞれ次期の計画の審議というのが今後続きますので、今いただいた御意見をよく念頭に置いて今後の検討ということを進めさせていただければというふうに思っております。

 それでは、今日いただきました御意見を踏まえまして、この総合政策部会に報告する文案につきましては、事務局と相談の上、修文を行い、そして、報告をさせていただくという方向で部会長のほうに御一任いただくということでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 また、修正後報告書につきましては、後日、事務局から各委員に送付させていただくとともに、8月に開催されます総合政策部会において説明させていただくということにさせていただきたいと思います。

 それでは、議題1につきましては終了させていただきます。

 引き続きまして、議題2、その他といたしまして、まず、PCB廃棄物処理基本計画・PCB特別措置法政省令につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○産業廃棄物課長 それでは、座って御説明させていただきます。

 PCB廃棄物処理基本計画でございますけれども、PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的な方策につきましては、昨年12月に永田先生を座長といたしますPCB廃棄物適正処理推進に関する検討会、こちらには酒井部会長、大塚委員にも参画いただきまして、報告を取りまとめさせていただいたところでございます。その後、前回の循環部会において御報告させていただきましたように、PCB特措法の改正案を国会に提出させていただきまして、さきの通常国会で法律が成立したところでございます。その法律に基づきまして、今回8月1日の施行ということで、基本計画案、また、政省令を定めております。

 本日お配りした参考資料1-1、1-2、1-3とございますが、「(案)」とついてございますけれども、今朝の閣議におきまして、これらについては閣議決定されましたので、大変恐縮でございますけれども、「案」のほうをとっていただければと考えております。

 計画案の概要につきまして、ごく簡単にではございますけれども、参考資料1-2に基づきまして御説明させていただければと考えております。

 まず、今回の特措法に基づきまして、今まで環境大臣が定めておりました計画につきまして、閣議決定とさせていただきました。政府一丸となって取り組んでいくということでございます。新たに追加になった章が幾つかございまして、具体的には第1章、第3章、あと第5章ということが今回の改正で追加になってございます。

 第1章の基本的な方針でございますけれども、基本的な考え方といたしまして、(1)でございますけれども、高濃度のものについてはJESCOの施設を活用して処理し、低濃度のものについては、民間事業者の無害化認定施設等を活用して処理するということ。また、(2)といたしまして、処理期限等につきましては、地元の地方公共団体と約束した期限を計画的処理完了期限といたしまして、PCB特措法の処分委託期限として処分期間を設けております。こちらについては、計画的処理完了期限の1年前といたしまして処分期間内の処分委託を義務づけているところでございます。また、低濃度PCB廃棄物につきましては、平成39年3月31日までの処分を義務づけております。(3)では役割分担を定めてございます。

第2章といたしまして、PCB廃棄物の発生量、保管量及び処分量の見込み、こちらを最新の情報に基づきまして計画に掲げてございます。平成28年度以降の処分量を見ていただきますと、大型変圧器、大型コンデンサー等については、それぞれ3,700台ほど、8万台ほどとなっておりますが、特に安定器、小型変圧器・コンデンサーにつきましては、386万個、約60万個とかなりの数になってございます。これらのデータについては、最新のデータを毎年度公表することとしております。

 低濃度PCBにつきましては、柱上変圧器以外の電気機器が約120万台、柱上変圧器が約100万台、OFケーブルが約1,400キロ存在すると考えられるところでございます。先ほど佐久間委員からも御指摘がございましたけれども、低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物及び低濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品につきましては、汚染の有無を実際に分析しなければその該当性を確認できないものが多いといった課題についてもこの計画に書き込んでございまして、これらの課題につきましては、今後正確な全体像を把握することといたしまして、そのための方策について検討することとしてございます。

 第3章でございます。PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を計画的に推進するために必要な措置に関する事項ということで、(1)でございますけれども、何よりも掘り起こし調査を強化していくことが必要であるということで、各都道府県市は一日でも早く掘り起こし調査を終えること、また、今回法案の立案過程におきまして、電気事業法の電気工作物に該当するものにつきましては、国が同法により立入検査などを実施して調査することとしております。その旨についても計画のほうに盛り込んでございます。

 国は各都道府県市の取組を支援するとともに、その進捗状況をフォローアップしてまいります。特に必要な場合には、自ら立入検査等も実施していくということとしております。国、特に環境省、経済産業省、都道府県市、電気保安関係者等の関係者からなる早期処理関係者連絡会、こちらを活用し、関係者間の連携を強化していくこととしております。

 (2)で高濃度PCB使用製品の廃棄促進ということで、今回の法律に基づきまして廃棄を義務づけております。電気事業法におきましても、同様に電気工作物に該当する高濃度PCB使用製品については使用の廃止を義務づけることとしておりまして、現在、電磁法に基づく政省令につきましては、明日までパブリックコメントを実施中ということでございますけれども、速やかに改正がなされるものと考えております。

 (3)で高濃度PCB廃棄物のJESCOへの処分委託の促進ということでございます。特に保管事業者の破産、死去等による処理が滞っている事案に対しましては、この点につきましては、別途検討会を設けさせていただきまして、検討を行っております。

 計画の本文を見ていただきますと、参考資料1-1に飛んで恐縮でございますけれども、26ページをお開きいただきますと、保管事業者が破産、死去、相続などに起因している場合、保管事業者が不明確になっている場合など都道府県市が行政代執行を行うこととなりますけれども、その場合に国が当然必要な支援を行います。財政的な支援も都道府県市に対して必要だということで、特別措置法第4条及び第22条の規定を踏まえた社会的責任に鑑み、社会貢献として、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金への出損について協力を求めるものとするということでございます。こちらにつきましては、別途代執行に関する検討会を設けさせていただきまして、大塚先生にも委員に入っていただきまして、おまとめいただきまして、誠にありがとうございました。その報告書に基づきまして、こちらの計画にも記載を位置づけてございます。

 (4)といたしまして、低濃度PCB廃棄物の処分の推進ということも盛り込ませていただいてございます。

 第4章、必要な体制に関する事項ということにつきまして、これは今までの計画にも盛り込まれていた事項でございますけれども、体制を強化して取り組んでいくということでございます。また、(2)の低濃度PCB廃棄物の処理の推進、こちらにつきましても、処分業の許可制度に加えまして、民間事業者の無害化処理認定施設による処理体制の充実・多様化を進めるとともに、その処理料金の低減を図ることによりまして、安全かつ効率的な処理を推進してまいりたいと考えております。

 第5章といたしまして、政府が保管事業者としてそのPCB廃棄物の確実かつ適正な処理のために実施すべき措置に関する事項ということで、まだ政府におきましても、自ら保管、所有しているものもございます。こちらについて各省庁におきまして実行計画を策定し、その計画の実施状況を毎年度公表することとしております。

 また、第6章で本計画の進捗状況でございますけれども、少なくとも1年ごとに必要に応じてさらに短い期間で点検を実施することとしております。また、計画的処理完了期限の達成が困難と認められれば、さらなる追加的方策を講じることを躊躇せず、本計画についても見直しを行うこととしてございます。また、改正法の施行後5年以内の見直しについても規定してございます。

 続きまして、参考資料1-3に基づきまして、政省令の改正案の主なポイントということでございます。

 政省令でございますので、様式などを定めているなど、かなり細かいものでございますので、資料について割愛させていただいておりますが、特にポイントといたしましては、施行期日につきまして本年の8月1日とさせていただいていること、また、今回の法改正によりまして、高濃度PCBという概念を盛り込んでございますので、政令におきまして高濃度PCB廃棄物につきましては、PCBを含む油に占めるPCBの割合が0.5%超であることなどとしております。これは現在JESCOで処理することとしている高濃度PCBの濃度基準を踏襲したものとなってございます。

 また、処分期間につきましては、先ほどの計画にもございましたけれども、JESCOの事業エリアごとに計画的処理完了期限の1年前までとしてございます。

 あと、その他施行規則のほうでは届け出事項などを定めてございますが、やや細かい点になりますので、ごくポイントだけと考えておりますけれども、PCB廃棄物の保管等、毎年度の届け出に関する事項について都道府県知事によりまして公表することとしておりますけれども、それはインターネットの利用などその他の適切な方法により行うこととしてございます。

 また、高濃度PCB廃棄物の保管の場所の制限の特例でございますけれども、各事業エリアごとに処分期限がございますので、保管場所の制限を今回の法改正では定めてございます。保管の場所の変更が認められる場合といたしまして、JESCOの5事業エリア内において変更する場合、やむを得ない事情があるとして環境大臣の確認を受けた場合と定めてございます。

 その他、環境大臣の権限の委任の規定などを盛り込んでいるところでございます。

 説明は以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。それでは、PCB関係の御報告に関しまして、何か御質問ございますでしょうか。

 先ほど佐久間委員からいただいた御意見の内容も相当盛り込まれた報告をいただいたというふうに理解をしております。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○産業廃棄物課長 先ほど佐久間委員のほうから御指摘がありました事項につきましては、参考資料1-1を見ていただきますと、まず、低濃度PCBのほうの課題につきましては、27ページの一番上のパラのところで記載をしてございます。絶縁油封じ切り機器であるコンデンサー類は使用中の採油はできない構造となっておりまして、使用を廃止しなければ分析は困難であると。また、本来ポリ塩化ビフェニル汚染のないコンデンサー類の使用の廃止と代替機器の購入まで生じるおそれがあるという課題などについても記入させていただいてございます。

 また、家電自然循環洗浄法につきましては、28ページの5ポツの2番目のパラのところに記載させていただいているところでございます。

 以上でございます。

○酒井部会長 先ほどの御質問にお答えをいただく形になっておりますが、ほか御質問はよろしいでしょうか。

 佐久間委員からいただいた御意見はテクニカルにも非常に難しい課題を背負っての検討になるかと思いますので、ぜひ今後ともこの関係をよろしく環境省におかれてはお進めいただきますようにお願いいたします。

 加えて、もう来週なんですね、8月1日は。来週の施行ということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、引き続きまして、指定廃棄物の状況につきまして事務局から説明をお願いしたいと思います。参考資料2の説明をよろしくお願いいたします。

○大臣官房参事官 それでは、参考資料2をお手元に御用意いただければありがたいです。指定廃棄物等の状況についてということで、指定廃棄物、除染、中間貯蔵施設の関係での最近、最新の状況などについて御紹介したいと思っています。

 早速おめくりいただきまして、2ページ目からスライド番号を振っておりますけれども、ここはもう既にこれまでも何度か御説明する機会がございましたけれども、前回から少し時間がたっておりますのでポイントだけにしますけれども、対策地域内廃棄物と、それから、②となっておりますが、指定廃棄物、この2つについていわゆる指定廃棄物などということで対応しているところでございます。

 特に②の指定廃棄物については、環境大臣の指定ということで、8,000ベクレルを超えるような廃棄物について国が処理という位置づけになっております。一方、①の対策地域内廃棄物については、測定濃度ではなくて地域指定の関係での国が対応するものということになっているところです。

 次のページの3枚目を御覧になっていただきたいと思います。

 こちらのほうが福島県の中で、さらにいわゆる対策地域内と呼ばれるところが太い線で囲われている部分でございます。こちらのほうについては、国の直轄での対策地域内廃棄物の処理ということで、従来から特に帰還の妨げとなるような廃棄物については、27年度末の時点で仮置き場への搬入を完了しているところでございます。また、それ以降、28年5月末、ついこの間、最新の状況でございますけれども、棒グラフのものとも連動しておりますけれども、災害廃棄物の全体の見込みの量としては116万5,000トンということでございますけれども、そのうち約88万トンが搬入完了しているところでございます。津波瓦れきにつきましては、もう既に28年3月に仮置き場への搬入まで完了しているところです。仮設焼却施設、いわゆる減量化を目的とした焼却施設については、稼働中、その他のものがそこに記載のあるところでございます。

 4ページ目、下のほうを御覧になっていただければと思いますけれども、福島県内の指定廃棄物ということでございますけれども、こちらのほうにつきましては、特に8,000ベクレルを超えるものについては、既存の管理型処分場、これは10万ベクレル以下になりますけれども、10万ベクレルを超えるようなものについては後ほど御紹介しますが、中間貯蔵施設にということで、減容化の事業ということで進めているところです。特に農林業系、それから、除染廃棄物なども含めまして、そこにもありますが、田村市、それから、川内村の中での民有地の減容化事業ということで、現在施設の建設に向けての準備が進んでいるところで、事業の決定はもう既になされているところです。安達地方という部分につきましては、現在、地元の調整が鋭意進んでいるところでございます。

 おめくりいただきまして、5ページになりますけれども、こちらのほうが先ほど既存の管理型処分場ということで若干敷衍させていただきましたけれども、いわゆる旧フクシマエコテックを活用して10万ベクレル以下の汚染廃棄物の処分ということでございますけれども、最近の動きでは、黒丸がポツポツと並んでおりますけれども、本年の4月には事実上の国有化というところまで進んでいるところでございましたが、その後、6月27日、先月の下旬ですけれども、国、県、富岡町、楢葉町との間の安全確保に関する協定が締結されたというところまで進んでいるところでございます。今後はこの協定に基づいて着工の準備がなされていくということになろうかと思います。

 あわせて当然のことながらですが、下のほうにございますけれども、安全・安心の確保、それから、地域振興策の具体化というところの両側面についてしっかり取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 それから、6ページになります。下のほうになりますけれども、これは5県ということで、福島県以外のところでは宮城、栃木、千葉、茨城、群馬の関係でございますけれども、もう既に御承知の経緯のところだとは思いますけれども、選定プロセスの見直しということで、25年2月に新しく導入されたプロセスということで、市町村会議、それから、あわせて有識者会議、その後、詳細調査ということでございますけれども、このプロセスに基づいて現在の最新の状況ということで、7ページに記載をさせていただいてございます。

 特に宮城、栃木、千葉につきましては、宮城県ですと、ちょうど真ん中ら辺、それから、栃木ですと上のほうですね、1カ所提示、それから、千葉県のほうも1カ所提示となっておりまして、候補地は宮城が3カ所、栃木1カ所、千葉が1カ所ということで、詳細調査候補地を提示させていただいているところでございます。その中で、なかなか受け入れ表明が難しく、白紙撤回でありますとか反対ということでいただいているところでございますが、しっかり対応を続けていきながら今後につなげていきたいと思っているところです。

 このような中、宮城県では一番下のところになりますけれども、再測定の関係での動き、これは国の再測定も既にございましたけれども、県のほうでも8,000ベクレル以下の廃棄物の濃度測定というのが現在行われているところでございます。また、栃木についても再測定の実施を決定しておりますので、年末までに向けての再測定の結果を得ようと考えているところです。また、千葉のところで最新が1点抜けておりますけれども、一番最後のところに7月22日ですね、すみません。先週の金曜日になりますけれども、千葉市内の指定廃棄物7.7トンになりますけれども、指定解除の申請があったことを受けての解除の決定が行われ、環境省のほうから通知を行っているところでございます。茨城県につきましては、現地保管の継続ということで方針決定がなされておりまして、群馬県につきましては、市町村長会議が2回になっておりますが、今後3回目の開催に向けてということで取組を進めていこうと思っているところでございます。

 前回のこちらの当部会でも御説明させていただきましたように、8ページになりますが、指定解除の仕組みについてということで、本年の4月28日付の正式な施行というとで、指定解除のフレームワークが導入されたところでございます。それが先ほどの第1号ということで、千葉市内の7.7トンが解除されたところでございますけれども、8,000ベクレル以下の廃棄物について指定解除の要件、手続を整備させていただいたところでございます。

 なお、これについては、いわゆる環境大臣、環境省と一時保管者などとの十分な協議を前提とした上で、解除後についても国がしっかりとした技術的、財政的な支援も行うという前提のもとでのフレームワークを導入させていただいているところでございます。

 それから、おめくりいただきまして、10ページから除染と中間貯蔵になりますけれども、10ページのところが少しいろいろな色で色分けされているところでございますけれども、解除済みと言われる部分のところが網かけかつ深い緑色になっているところが既に解除、楢葉町などを含めて解除済みになっているところです。それから、除染の終了している深緑の部分のところ、それから、宅地のカテゴリーについて除染を終了しているところというふうなことの色分けで御覧になっていただければよろしいかと思います。

 この前提で、おめくりいただきまして、進捗状況なんでございますけれども、特にそこにありますような4市町村、飯舘村から富岡町までの関連で、特に宅地、農地、森林などのカテゴリー別の除染、特に国直轄除染と言われるものについての進捗状況について記載をさせていただいているところでございます。面的除染のところまで既に終了しているものということで、下のほうに少し白黒っぽいところで田村市から双葉町のところに記載をさせていただきました。

 それから、下のほうになりますけれども、12ページになりますけれども、こちらのほうは福島県以外のところの対策地域以外のところも含めて、それから、福島県外も含めてということで、市町村除染と言われるフレームワークのものでございます。

 特にこちらのほうの進捗状況も幾つか具体的な数字で書かせていただきましたけれども、下のほうにまいりまして、福島県内の進捗状況ということで申し上げますと、住宅、農地・牧草地で9割、公共施設で8割などというところで順次進んでいるところの数字の最新のものを書かせていただきました。それから、福島県外におけます市町村除染につきましては、そこにございますように、学校・保育園等、公園・スポーツ施設などについてはほぼ終了で、農地・牧草地などについては終了というところまでたどりついているところでございます。

 それから、おめくりいただきまして、13ページのほうが中間貯蔵施設の最近の動向というところでございまして、ここも御承知のとおりではあるんですけれども、いわゆる中間貯蔵施設、パイロット輸送を開始した後、順次取組、対応を進めているところでございますけれども、最近の大きなところで27年3月の下のところにこれまでですと、5万立方メートルの輸送というところでございますけれども、28年の一番下の4月のところになりますと、28年度の輸送ということで約15万立方メートルを開始というところまでたどりついているところでございます。

 今後なんでございますけれども、14ページ目のスライドにまいりまして、特に今年度については復興・創生期間の最終年であるということで、いわゆる復興五輪と位置づけられる2020年のオリパラが開催される平成32年度までということで、除染の土壌等を搬入できるというところまで取組を進める予定でございますけれども、少なくともということで、最低でも少なくとも身近な場所にある除染土壌については搬入をしっかりやっていくという点、それから、さらにはということで、それよりも踏み込みまして、幹線道路沿いにある除染土壌などについてもあわせて中間貯蔵施設への搬入を目指すというところまで書かせていただいているところです。

 具体的な量としては、そこにも500万から1,250万立方メートルとありますけれども、もう少し時系列的に、具体的に書かせていただいたものが15ページ目の部分になります。パイロット輸送以降ですね。先ほど申し上げましたように、28年度が25万立方メートル程度というところで、29年以降、順次幾何級数的に増えていくことを目指すように計画を組んでいるところでございます。

 以上でございます。

○酒井部会長 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございましたらお願いいたします。

 それでは、森口委員、どうぞ。

○森口委員 ありがとうございます。資料の題目で指定廃棄物等の状況についてということでございますが、除染も含めて特措法の対象となっている状況を御説明いただきましたので、関連して3点ぐらいコメント、一部ちょっと質問が含まれるかもしれませんけれども、申し上げたいと思います。

 1点目は、参考資料2の8ページに指定廃棄物の指定解除の話が出てまいります。指定解除後は一般廃棄物、産業廃棄物、当然8,000を下回ってすぐであれば特定一廃、特定産廃的なものになるのかと思いますが、文章では管理なり処分なりという書き方になっているんですが、ちょっと懸念しておりますのは、再生利用に関してのコントロールがちゃんとかかる仕組みになっているかどうかということでございます。

 一回指定廃棄物になったものに限らず、事故以降、再生利用に関しては出口基準というか、卒業基準の100ベクレルが少なくとも考え方としては適用されてきたかと思うんですけれども、指定廃棄物になったものであっても、場合によっては再生利用に回るということも理屈としてはあり得ないわけではないように思うんですが、その辺りの考え方がどうなっているのか。特に土壌について8,000ベクレル以下のものについて、その管理をきちっとした上で公共事業で活用していくみたいな考え方も報じられている中で、その100と8,000をめぐって、また、土壌と廃棄物で当然考え方が違ってくる部分もあると思うんですけれども、どうも従来であればクリアランス100ということがあったんだけれども、それより高いものがいろいろ再生利用に回るというふうな懸念をしておられる声がいろいろ私には聞こえてくるものですから、その辺りの説明という考え方については、十分丁寧にやっていただきたいなというのが1点目でございます。

 2点目は、10ページ目、それから、11ページ目辺りのところに除染の進捗状況の資料がございます。これは先日、ある学会、放射線防護関係の学会が開かれたときに何人かの演者が事故以降の対処に関してのプレゼンをされたときに、今回は対象になっていないんですが、双葉、大熊を含めて除染の進捗状況の推移を、環境省の資料に基づいて提示されました。これは御承知のように、あくまで除染の計画が立っているところに対しての進捗状況でありますので、100%という数字が出てくるわけですけれども、もとより帰還困難区域が多いところについては対象地域が非常に限られているという中で、こういう100%というような数字を出すことがその地域にお住まいの方、帰還されない方にとってどういうふうに受け取られるのかということで非常に厳しい指摘をされたパネリストがおられました。あくまで計画に対する進捗状況ということではわかるんですけれども、今日も浪江等の数字が出ておりますけれども、今、帰還困難区域に関する今後の方針についても、そろそろ報じられつつあるところでもあり、この辺りの数字の出し方はぜひとも慎重にやっていただきたいなと思います。

 それから、最後ですけれども、復興五輪との関係での時限的な見通しのお話がございました。先ほど知事会さんから東京一極集中という御指摘がございましたけれども、オリンピックに関しても、どうも東京側の目線で動いているのではないかというような声もやはり聞こえてきておりまして、逆にある時期を目指してやること自体は非常に重要なんですけれども、逆にそこから先はもう目を向けてもらえないのではないか、そういう印象も与えかねないような、そういうふうにも受け取られかねないかと思いますので、もちろんそれを目指して進めていただくということは非常に重要かと思いますけれども、必ずしもここにも実際には進捗状況を含め、必要に応じて随時見直しを行うと書かれておりますので、32年度を目指していくこと自身は非常に重要かと思いますけれども、この問題解決にはより長期にわたるということも当然覚悟しなければいけないかと思いますので、その辺りがちょっと逆のメッセージにならないようにということについては、十分御留意をいただければと思います。

 以上、3点でございます。

○酒井部会長 引き続きまして、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。私は2点ほどお話をさせていただきたいと思います。

 まず、5ページなんですけれども、これは福島県内のものに関して、既存の管理型処分場を活用して廃棄物の処分がきちんとできると、そういう流れができたということなんですが、この5ページの資料の一番下のところ、受け入れを踏まえた考え方ということで、安全・安心の確保と地域振興策の具体化というところがあります。実は使用済核燃料の高レベル放射性廃棄物のこれとは違う話ですけれども、その高レベル放射性廃棄物の地層処分に関するリスクコミュニケーションというのを長くやってきて、非常に難しい議論を長くやってきた経験からいって、この地域振興策の具体化というのが非常に地域の皆さんにとっては大変重要な視点だというふうに思っておりますので、ここの決め方あるいは話し合いの流れというのを丁寧にやっていただければありがたいなというふうに思って発言をさせていただきます。

 決め方と申し上げたんですが、多くの住民の方は、こういう交付金の使い方はきっと首長さんや議会の皆さんが決めてくださるので、でも、きっと何か立派な建物はできるけれども、あまり私たちの暮らしには関係ないと思っておられるような住民の方も意外に多くて、福島の話ではなく一般論としてですが、住民の方がきちんと決める過程に意見を申し上げるようなことがちゃんと確保できるかどうかというのが意外に大事だというふうに感じております。

 また、内容に関しても、真っ先には生活環境の整備につながるようなことが非常に評価が高いですが、もう少し中長期的な視点で、その地域独自の産業おこしとか、そういうところにきちんと踏み込んだ内容にしていただくというのが大変重要なのではないかなというふうに思っております。

 なお、こういうことをどういうふうに決めていくかということがやはり今後のいろんなことに関わってくるのではないかというふうに感じております。

 2点目の発言なんですけれども、7ページのところで福島県外の指定廃棄物に関して、今いろいろなところで進めておられるという御説明がありました。テレビのニュースなどを拝見しておりますと、例えば8,000ベクレル以下になったということで指定の解除をしていただく。それに伴って、例えば千葉市内に既にもうこういう指定廃棄物がなくなっているので、あまり受け入れたくないというようなことを御発言されるような方がいらっしゃると、そういうニュースが流れたりしているわけですけれども、それぞれのところで非常に御苦労されていると思いますが、とりあえず指定解除でできるだけ分量を減らしていくと、それは大変重要なことですので、まず、どのくらいの量になっていくのかという将来像をきちんとしていただいた上で、やはりそれぞれの地域でどういうふうにやっていくのかというのを少しきちんと地域ごとに冷静にそのやり方に関して、もう一度しっかり考えてやっていただければとありがたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 ありがとうございます。今の崎田委員のお話と関連しますけれども、7ページのところで指定廃棄物に関して、関係5県についてもぜひ処分場の確保というのは大事だと私も思っておりますし、関係者の方々は非常に御苦労なさっていると思いますが、千葉県については先ほどのお話にもございましたし、指定廃棄物は、千葉県については解除されてしまったわけですが、今後の見通しについて今お話いただける範囲で結構ですけれども、教えていただければありがたいと思います。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、可能な範囲で参事官、よろしくお願いいたします。

○大臣官房参事官 ありがとうございました。順番にいかせていただきます。スライドの番号から順番で恐縮でございます。

 相前後して恐縮でございますけれども、崎田委員のほうから5枚目のスライドのところでいただきましたのが、まず地域振興策の具体化というところで、特にリスコミの経験なんかも含めて、今後いわゆる地元とのコミュニケーションを丁寧にということや、特に地元視点に立脚した観点、そこは非常に重要かなと。こういうパワポの短い文章ではなかなか書き切れていない部分とかもありますので、そういう思いを持ちながら、しっかり対応していきたいなと思っているところです。

 それから、スライド番号7の部分のところで崎田委員と大塚委員のほうからいずれも千葉県の指定解除の関係でのことでいただきましたけれども、いわゆる指定解除を行っていくことで、それぞれでいろんな地域の特性を踏まえながら、また、指定解除により減っていくことを踏まえながらの対応ということの視点も非常に今お聞きしていて、重要な視点だと思いますので、しっかり対応していきたいと思っています。

 それから、大塚先生のほうから今ありましたように、今後の千葉の件というところなんですが、まずは7.7トンについて、2種類の指定廃棄物7.7トンについて指定解除になったというところではございますけれども、先週金曜日に副大臣のほうから千葉市長に直接通知書、いわゆる指定解除の通知書をお渡しした際は、いわゆる白紙撤回ということではあるんだけれども、しっかり対話は続けていきたいというふうに市長のほうから直接発言がありましたので、そういう意味では対話のチャンネルが途切れたということではございませんので、しっかりその辺も踏まえて対話を続けていきたいなと思っているところでございます。

 それから、森口先生の関係で、次のスライド8のところで特に重要なところを御指摘いただいたかと思いますけれども、特に再生利用は非常に難しい問題ということなので、ちょっとここについては除染グループと私は指定廃棄チームで、土壌そのもののどちらかというと、多分小野企画課長のほうからもしかすると補足いただいたほうがよろしいかもしれないですけれども、ちょっといずれにしても、御指摘いただいたところについては再生利用という側面はどっちにも当てはまりますので、留意しながらというふうに思っております。後ほど企画課長のほうから補足があればと思います。

 それから、森口先生のほうからいただいた関係で、ちょっとすみません、確かに私も舌足らずというよりは不勉強だったような気がするんですが、11枚目のところでございますけれども、いわゆる分母をどこに置くかというところで、まさにこれからいろいろともっと今、指定解除の話、それから、帰還困の話とかというのが出てくる中で、従前の計画を分母にしているだけで100%まで行きましたというようなところをこれからもどんどん出していくというだけではちょっとかなというところはよく留意しながら、少し対応していきたいなと思います。非常に重要な御指摘かというふうに思っています。

 それから、最後から2番目のところでございますけれども、これも森口先生のところ、これもすみません、これもまさに非常にしっかり留意しなくてはと思っています。必要に応じて随時見直しを行うということを踏まえながら、いわゆるあまりにオリパラの話を前面に出して、それ以降全く取組みがないみたいなところのニュアンスになるというのは、非常に単に舌足らずだけではなくて、逆の思いが伝わってしまうということもありますので、これは非常に注意すべき点として受け止めたいと思っています。

 以上でございます。

○企画課長 前職の話で恐縮でございますけれども、森口先生から幾つかございまして、2点目と3点目は今、和田参事官から申し上げましたように、表現は表現で、これで出して説明をさせていただいておりますけれども、どういうメッセージを与えるかということは十分注意して、除染であれば帰還困難区域というのも重要な課題として残ってございますし、中間貯蔵にしても、平成32年度まで終わるわけではなくて、まだ取組が長く続いていくというところは十分注意したいと思います。

 また、再生利用のところは、土壌のところについては、先般公共事業で厳格な管理下のもとでの8,000ベクレル以下のものを使えるというところの方針が示されておるところでございまして、これについてもまだ実証試験等を実施しながら、段階的に進めていくということと理解しております。

 廃棄物のほうについても、再生利用についてまだ必ずしも明確な方針を示しているというわけではないかと思いますけれども、土壌のほうと平仄をとりながら、その廃棄物、土壌、齟齬がないように検討を進めていけたらと考えております。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。それでは、この指定廃棄物関係の報告に関して、これでよろしいでしょうか。

 それでは、今日事務局のほうで用意いただきました議題、全て終了でございます。

 ところで、前回報告のございました廃棄物等の越境移動の適正化につきまして、今後どのように検討を進めていくかにつきまして、ちょっと追加的に事務局のほうから御説明をいただきたいんですが、よろしくお願いいたします。

○産業廃棄物課長 前回、6月2日の循環部会におきまして、もうお帰りになられていらっしゃいますけれども、細田先生が座長となっておまとめいただきました廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会、こちらの御報告をこちらの循環部会でも御報告させていただいたところでございます。こちらにつきまして、今現在、役所内で検討しておりますけれども、廃棄物処理法の中で検討していくべき事項、バーゼル法の中で検討していくべき事項とあるかと考えてございます。

 廃棄物処理法につきましては、5月に廃棄物処理制度専門委員会を立ち上げまして、越境移動の適正化に関しても論点の一つとなっていくものというふうに考えてございます。他方でバーゼル法につきまして、こちらの見直しにつきましては、平成28年、今年の6月2日に閣議決定をされました日本再興戦略の中でも非常に重要な課題として、「国内外で発生した二次資源、使用済鉛蓄電池、電子部品スクラップなどについて我が国の誇る環境技術の先進性を生かしつつ、非鉄金属のリサイクルを着実に進めるため、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律における規制のあり方等について本年度中に検討を行い、その結果を踏まえ、早期に必要な措置を講じる」とされているところでございます。

 今後、循環型社会部会のもとに専門委員会を設置して御議論をぜひいただきたいというふうに考えております。スケジュールといたしましては、秋に専門委員会を設置する方向で現在、準備をしているところでございます。関係省庁とも調整しつつ準備を進めてまいりたいと考えてございますので、また改めて先生方には御相談させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○酒井部会長 承りました。ただいまの説明で順次バーゼル関係のところも準備いただいているということでございます。

 それでは、本日の部会はこれで終了とさせていただきたいと思います。闊達な御議論、どうもありがとうございました。

 事務局から何かございましたら、よろしくお願いいたします。

○企画課長 本日は長時間にわたりまして、御審議、御議論ありがとうございました。次回のこの部会の日程、場所等の御連絡、出欠の御確認は事務局から改めてさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 また、冒頭申し上げましたけれども、循環計画と環境基本計画の冊子は、またリユースをしたいと思いますので、席上に残しておいていただければと思います。どうもありがとうございました。

午後5時02分 閉会