中央環境審議会循環型社会部会(懇談会)(11月17日)

議 事 次 第

1.開  会

2.議  題

 (1)「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更について

 (2)循環基本計画フォローアップの中間報告(第2回)について

 (3)循環基本計画フォローアップのための関係省庁ヒアリング

 (4)各種リサイクル法の的確な執行の在り方に係る意見聴取を踏まえた国の検討結果につ

    いて

3.報告事項

 (1)水銀廃棄物対策に係る廃棄物処理法施行令・施行規則等の一部改正について(報告)

(配付資料)

資料1-1 第10回循環型社会部会における意見

資料1-2 廃棄物処理法に基づく基本方針の変更について

資料1-3 廃棄物処理法に基づく基本方針の変更案

資料2-1 各主体へのヒアリング結果について

資料2-2 重点点検分野の要因分析について

資料3-1 環境省資料

資料3-2 国土交通省資料

資料3-3 第三次循環型社会形成推進基本計画 国の取組に係る進捗状況表(第2回点検)

      (暫定版)

資料4   各種リサイクル法の的確な執行の在り方に係る意見聴取を踏まえた国の検討結果

      について(案)

参考資料1 水銀廃棄物対策に係る廃棄物処理法施行令・施行規則等の一部改正について(報

      告)

参考資料2 中央環境審議会循環型社会部会委員名簿

午後2時00分 開会

○企画課長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、御多忙中にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本日の出席状況ですけれども、委員総数24名のところ12名の委員の御出席をいただく予定となっております。定足数は13名ですので、本日は定足数を満たしておりません。懇談会という形で開催させていただくことをあらかじめ御報告させていただきます。

 まず、お手元の資料の確認ですが、議事次第の下半分に資料一覧がございます。

 まず、資料1のシリーズが資料1-1から1-3まで、資料2のシリーズが資料2-1と2-2、資料3のシリーズですが、資料一覧には明記されていないんですけれども、最初に資料3-1(別紙)として各省ヒアリング項目についてという紙がありまして、次が資料3-1で横型パワポの資料、資料3-2、それから資料3-3はページ数が多いので3分冊になっておます。それから資料4、参考資料1-2となります。

 以上、資料に不足があれば事務局までお申しつけください。

 本懇談会の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきます。

 懇談会終了後には発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様方にご確認、ご了解をいただいた上で公開させていただきたいと思います。

 それでは、以降の進行につきましては酒井部会長にお願いいたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○酒井部会長 それでは、進めさせていただきます。

 第11回循環型社会部会でございます。3時間ということで長丁場になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 1つ目の議題でございます。「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更について、御審議いただきたいと思います。

 事務局から資料1の説明をお願いいたします。

○企画課長 お手元の資料1-1から資料1-3につきまして、御説明いたします。

 まず、資料1-1が前回の部会で基本方針の変更に関していただきました御意見でございます。資料1-2でございますが、こちらが今回の基本方針の改定について、目標量の考え方だとか施策についてどういうことを盛り込んだかという、具体的な検討の考え方がある程度わかるように整理した資料です。資料1-3は、原稿の基本方針の加筆修正する形で今回の改定部分を書いたものになります。

 資料1-1、前回いただきました意見については、基本方針の中に取り込めるものはなるべく基本方針の中に取り込みまして、考え方として整理すべきところは資料1-2の中に整理させていただきました。それから<3.非常災害時>のところは別途、大規模災害の災害廃棄物対策検討会、酒井先生に座長になっていただいておりますが、こちらで並行して検討しておりまして、前回いただきましたこちらの部会の御意見も踏まえて、実際の基本方針の該当部分の案をそちらの検討会で別途ご議論いただいて、そこで整理していただいた案を今回、部会に案として出させていただいて、ご議論いただく、そういった形になっております。

 説明は、資料1-2を中心にさせていただきまして、適宜資料1-3を御参照いただければと考えます。

 それでは、資料1-2の最初のページをご覧ください。

 これは前提ということで前回、御紹介したとおりでございまして、今回の第3次循環基本計画に則って、それを基本としてつくっているというような考え方で、その後、基本計画をつくってから約2年分のデータが新しく追加されているということも踏まえまして、今回、改めて整理を行ったというようなことを記載しております。

 2ページでございます。

 第3次循環基本計画は平成25年に策定されておりますが、その策定の際に採用しておりました考え方に沿って、今回の目標に当たる数字を推計した結果が、こちらの表1になります。一般廃棄物、産業廃棄物それぞれに排出量と再生利用率、採集処分量を平成25年の計画策定時の考え方に則って整理したものであります。

 後ほどご説明いたしますけれども、このときの考え方としては、廃棄物の種類ごとに平成22年度までのデータのトレンドを見て、そこから一定の施策が進むだろうという効果を見込んで採集処分率とか再生利用率を設定しまして、その結果に基づいて推計したという形になっております。

 それを踏まえて、3ページが今回の目標量の考え方であります。整理した結果は下に書いていますが、結論として、今回の減量化の目標量としては、平成32年度、平成27年から5年先の目標量として、この一般廃棄物、産業廃棄物の量について、それぞれここに掲げた数字を採用させていただきたいという案になっております。

 具体的な考え方をその下に示しておりまして、まず、一般廃棄物に関する考え方であります。

 一般廃棄物、表3が現状ということで、今回、平成24年度の現状、実績値をそこに書いておおりますが、現行の目標に比べて今、どういう進捗になっているかを平成24年度のデータまで見て解析しておりますけれども、3ページの一番下に書いてありますように、排出量と最終所分量は、概ね今の推移の中で目標量を達成できそうな見通しで推移しているところであります。

 4ページをご覧ください。

 そこに書いてありますように、再生利用率は、なかなか達成が難しいというペースで推移しています。トレンドとか現状の延長線上では、なかなか再生利用率の達成は難しいということでありますけれども、下の○に書いてありますように目標量の考え方について、達成見込みとしては厳しい状況なんですが、施策を強化することによって何とか達成を目指すという方向で、今の21%に対して27%という目標になりますけれども、再生利用率を設定して、そこを目指していくということでございます。

 ただ、あまりそこが絵にかいた餅になっても困りますので、この達成のためにとり得る施策をいろいろと担当課で検討してもらいまして、その中で実際に、削減のポテンシャルとしてはどのくらいありそうかといった検討をした上で、施策を総合的に推進してやっていくことによって達成は可能だろうということで、何とか届き得る数字だということで今回は27%の目標を掲げるという整理にしております。

 具体的な対策としては、その下に○に書いてありますように、排出量そのものを削減させるというところと、再生利用量を増加させる対策を総合的に講じるということで、特に食品ロスなど厨芥類の削減だとか、有料化のさらなる推進でありますとか、各種再生可能なものの利用をさらに伸ばしていくといったようなことをやりまして、これで27%の達成を目指すというような目標設定としていきたいと考えてございます。

 次に、産業廃棄物でありますが、こちらについては今のトレンドを見ますと排出量、再生利用料、最終処分量、既に現行目標を達成しているということで、これまでの取組としては順調に進んでいるところであります。

 ただ、2つ目の○のところで次期目標量について考えるときに、第3次の循環基本計画策定時に想定に入っていなかったこととして、②に書いてあります東京オリンピック・パラリンピックの影響でありますとか、あるいは中央リニア新幹線といった大規模開発、インフラ整備により出てくる廃棄物について考慮していなかったということで、これは正確な推計があるわけではありませんが、今回ある程度こういった工事のインパクトを概算してみまして、それによってどのくらい影響があるかを見ております。

 5ページにその結果でありまして、「②に関して、」のところですけれども、そういった第3次基本計画で想定していなかった追加的な影響が、総量で見ますと約300から500万トンぐらいではないかということで、それを単年度ベースに直すと30から50万トン程度という推定となりまして、結果から見ると、今の排出量の見込みが3億9,000万トンですので、そこから比べると、単年度の影響ということではそれほど大きくないということでありますので、現在のトレンドを踏まえた見通しの数字であります3億9,000万トンという排出量は、オリンピック・パラリンピックなどの影響を考慮しても、さらにここに上積みすることはせずに、この数字の中で十分対応できるであろうと考えまして、3億9,000万トンを目標量として設定しました。

 今現在、目標を超過達成していますので、平成24年度比で見ますと3%増という数字になりますが、これ以下に抑制することを今回の目標として掲げたいと思っております。

 以上が従来の基本方針の中で掲げていた目標数字ですが、それ以外に今回、いろいろ御指摘も踏まえて新しい追加的な目標を設定しております。

 それが5ページの「2.その他の目標について」ですが、まず、廃棄物エネルギー利用の観点からの目標ということで、これも前回、御指摘いただいたところですけれども、これにつきましては、まず最初の○で書いておりますように、やはり焼却せざるを得ないものは焼却するんですが、その際にはできるだけ熱回収することが重要でありますので、この基本方針の中で新たな目標として、中長期的には、焼却される全ての一般廃棄物の熱回収を図るという目標を掲げております。

 現状を見ますと、平成24年度で熱回収できているものが、廃棄物量としては約79%、また、約66%が発電を経ているということであります。これを中長期的には100%の熱回収に持っていくということですが、平成32年度の目標としては、この発電の割合66%を69%に増加させることで設定させていただいております。

 (2)ですが、前回、市民目線のわかりやすい目標設定が必要ではないかという御指摘で、これも循環基本計画の中では、取組指標として1人1日当たり排出量を数字として算定しておりますので、この数字を今回、基本方針の中に具体的に盛り込みまして、1人1日当たりの家庭系ごみ排出量の500グラムを目標量として新たに掲げさせていただきました。

 (3)も新たに追加したものですが、減量化の目標量を達成するために、さらに取組目標として具体的な数値を掲げられるものを追加しております。ここに掲げておりますのは、特に各種リサイクル法と関わりの深いところで、特に廃棄物処理法に基づく取組が不可欠なものということで、新たな取組目標を3点追加しております。

 1つ目が食品ロスですが、こちらは、そもそも排出の把握が充分でないことから取組がうまく進んでいない側面がありますので、平成25年度、43の市町村でありますものを、5年後の平成30年度に向けて200市町村まで増やす。

 それから、家電リサイクル法に関する小売業者の引取義務があるもの以外のものについては、市町村のほうで回収体制を構築する必要があるわけですが、こちらについては6割弱にとどまっておりますので、これを平成30年までに100%に持っていく。

 それから小型電子機器の回収ですが、こちらは平成25年度に施行されておりますリサイクル法に則って、現在、平成25年度時点では43%。これを8割まで持っていくということです。

 先ほどの、全体の減量目標が5年後の平成32年度の目標だったわけですが、各種リサイクル法に関しては平成25年のところから5年後の平成30年度というのが、その下に書いてありますような理由で一つの節目になっておりますので、この3点の取組指標については5年後の目標ということで掲げさせていただいております。

 6ページから7ページにかけて、その次の目標策定に当たっての課題ということで、今回、対応が充分できなかった部分についての取組の方向性について書かせていただいております。

 1つ目、2つ目の○は振り返りなんですが、方向としては7ページに書いてありますように、各種施策の効果との関係性をより意識しつつ策定することが望ましい、こういった御意見をいただいたわけですが、具体的には、どういった対策をすればどれだけ廃棄物が減量できるのかという対策、施策とひもづけできた削減量を意識しながら目標を設定することがより望ましいので、そういった方向をより進めたいという方向性をここで書かせていただいております。

 今度の基本方針自体は、この5年後ですから平成32年度ぐらいの見込みとなるんですが、その前に第4次基本計画の策定が平成30年度に見込まれます。この基本方針は基本計画を基本としてやりますから、第4次基本計画の策定時にこういった内容が取り込めるように、今後、取り組んでいくという方向を記載させていただきました。

 8ページからは、具体的に実際の施策として盛り込んだ内容についての説明になっております。

 <Ⅰ.背景>は前回の部会で御説明したとおりということで、特に廃掃法の改正、災害対策基本法の改正から、前回の変更以降、小型家電のリサイクル法プラスさまざまな進展がある、そういったところを具体的に取り込むとどういうことになるか、ということです。

 非常災害時に関する事項は、先ほど述べましたように、大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会で御審議をいただいたという形になっております。こちらについては2つ目の○に4つの「・」で柱を書いておりますが、施策の基本的な考え方と各主体の役割、処理施設の整備や災害時の運用、技術開発と情報発信、そういう4つの柱に沿って整理させていただきました。

 内容まで踏み込むと時間がかかってしまいますので、ざっと見ていただきますと、資料1-3の13ページ、真ん中辺りに「五 非常災害時における前二号に掲げる事項に関する施策を実施するために必要な事項」ということで、ここから赤字で約3ページにわたって記載しておりますが、それが今回、新たに基本方針に盛り込む内容でございます。

 これにつきましては、さっき申し上げたように、前回骨子案について御意見いただきましたので、その意見を含めて別途の検討会で1度御議論いただいて、そこで整理した案となっております。

 基本的考え方の中から、特に非常災害時には各関係者が一丸となって取り組まなければいけないということで、関係者の役割分担とか連携に特に留意して整理させていただいております。関係者の役割のところは、一番基本となる市町村の役割ということで、災害時の市町村の役割を整理させていただいて、その下に都道府県の役割ということで、通常の災害時には市町村に加えて県がかなり主導的に連携・調整を図っていただくということで、その辺りの役割を明記させていただいております。

 国の役割のところは、特に大規模災害をイメージして国がリーダーシップをとるということで、その中身をしっかりと書かせていただいております。

 その後には事業者及び専門家の役割とありまして、その次に、15ページに入りまして、災害廃棄物対策としての施設整備と災害時の運用についての記載がございます。この辺りも、災害時を意図してどういった施設設備をするか、あるいはその運用をどうするか、公共の施設だけではなくて、民間の保有する施設も含めて整理させていただいております。

 技術開発と情報発信ということで、特に技術開発の重要性もありますけれども、情報発信ということでは、実際に災害が起きたときに住民の方の協力を得るのが大変ということがありますので、平素からそういった住民理解の促進に努めるような内容もこちらに盛り込ませていただいております。

 資料1-2に戻っていただきまして、災害時に関する事項に加えまして、今回、廃棄物処理を取り巻く情勢変化への具体的対応ということでさせていただいております。

 ①は第3次循環基本計画の策定ということで、これが平成25年に策定されましたので、この基本計画の中に盛り込まれた内容について、今回、適宜基本方針に盛り込んでおります。具体的には「主な対応」のところに書いてあることですが、2Rの取組だとか、まだまだ充分でない部分があるといった状況認識を書かせていただいて、9ページにありますように、東日本大震災大震災を踏まえて安全・安心を重視した考え方ということ、あるいは地域循環圏づくりといったようなことも、今回、盛り込ませていただいております。

 各種リサイクル制度の進展を踏まえた対応ということで、国民の役割から始まって各関係者の役割の中に、この間、小型家電リサイクル法が制定されたことと、柱書きにありますように食品、家電、自動車、それぞれのリサイクル法について点検、見直しが行われて、新たな施策の方向性が出されましたので、その中で、廃棄物処理法との関連で重要なものを取り込ませていただいております。国民や事業者の役割として食品ロスの削減を位置づけたりとか、地方公共団体の役割として、広域的取組への後押しですとか食品循環資源の再生利用の取組をしっかりと計画に位置づけることでありますとか、先ほど目標設定させていただいた、家電リサイクルの引取義務外品等の回収体制の構築といったこと、それから処理体制の確保として、市町村として特に、量だけではなくて組成の把握も重要ですので、そういった観点を入れたり、あるいは食品循環資源に関して民間事業者の活用といったことも盛り込ませていただいております。

 施設整備の目標の中には、食品循環資源の再生が重要ですので、そういった簡単も盛り込ませていただいております。

 10ページに書いてありますのは、先ほど目標設定のところで申し上げました、廃棄物処理法の取組が重要なところについては、特に取組目標として、新たに3つの具体的な数値目標を入れさせていただいております。

 その下、③は、平成22年に改正された廃棄物処理法で優良産廃業者の認定制度ができたということもありますので、その辺りの内容でありますとか、電子マニフェストの普及促進という観点も今回、追記させていただいております。

 ④は水銀廃棄物対策ということで、水銀関連法ができまして、廃棄物処理法に関しても政省令の改正といったことで取組を強化する形になりましたので、特に地方公共団体での回収体制の構築だとか、住民への周知、あるいは国がそういったところをしっかりサポートすることだとか、特に金属水銀が廃棄物になることを想定した長期管理も重要な観点ですので、加えさせていただいております。

 PCBにつきましては、基本計画が昨年改定されておりますので、それを踏まえて国の役割として、とにかく新たな処理期限内に一日でも早く完了させるために必要な措置を具体的に書き込ませていただきました。

 ⑥循環型社会と低炭素社会の統合的実現も重要な視点でありますので、この辺りについて、それぞれ主な対応のところにありますように、いろいろな場所、基本的な方向の場所もありますし、国民の役割という部分もありますし、廃棄物処理施設の整備という観点もありますし、そういったところにエネルギーの視点でありますとか、それをしっかり地域で使っていく、あるいは地域にエネルギーを還元していくといったような視点を記載させていただきました。

 整備目標としては、先ほど申し上げましたように、エネルギーの視点を新たに追加させていただいたところです。

 ⑦は廃棄物処理施設の効率的な整備ですが、こちらについても「主な対応」にありますように、地方公共団体の役割のパートに、廃棄物処理施設と他のインフラとの連携、あるいは関係機関との連携体制の構築を強化するような内容を追記させていただいております。特に、だんだんごみの量が減ってきますので、他の施設だとか、あるいは施設間の連携といったところが重要になってきますので、その辺りを追記させていただいたものでございます。

 また、浄化槽の整備につきましても、持続的な汚水処理システムの構築という観点から、より積極的に浄化槽整備に取り組んでいくことについて具体的な内容を盛り込ませていただきました。

 ⑧技術開発及び調査研究の推進ですが、こちらも技術開発調査研究の重点ポイントとなるようなところについて具体的に記載させていただきましたのと、あと環境省の環境研究、環境技術開発の推進戦略が新たにできておりますので、それを踏まえた戦略的な実施とか、そういったことも記載させていただきました。

 ⑨は地域社会への貢献ということで、こちらも循環共生型の地域社会の構築といったキーワードで取組の具体的な推進を記載させていただいております。

 ⑩は、前回の部会で御意見いただいた人材育成関係を新たに記載するということで、主なところとしては、地方自治体の役割として災害時対応を含めた人材育成をしっかり図ることを記載させていただいたのと、それから、一番後ろに「その他の必要な事項」というのがありますので、ここで普及啓発関係の記載のところに各主体における人材育成を図っていく旨を追加させていただきました。

 ⑪各主体の役割ですが、今まで述べましたようなところで、各主体として追記するべきところを追記させていただいたことに加えまして、最後のページにありますが、廃棄物処理の広域化に向けては都道府県が市町村等との調整に努めていただくことが重要であることとか、地域循環圏の構築に努めていただくことが重要であるといったことを追記させていただいております。

 限られた時間ですので項目だけのご紹介になってしまいますが、具体的には資料1-3の中に記載させていただいているところでございます。

 事務局の説明は以上とさせていただきます。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 廃棄物処理法に基づく基本方針の変更につきまして、資料を説明いただきました。

 それでは御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでございましょうか。

○大迫委員 今回さまざまな観点の打ち出しでチャレンジしていただいていることに対して、大変よろしいのではないかと思っております。

 コメントと、幾つか質問も混ざってランダムになってしまうかもしれませんが、まず、4べから5ページにかけての目標値なんですけれども、いろいろと、再生利用率に関しても達成はかなり厳しい数字だけれども、施策をいろいろと積み上げて検討されたという御説明でした。ぜひこの数値を都道府県なり自治体に通知する際に、可能な範囲で、どういう内訳で積み上げたのかといった情報もあわせて示していくと、より自治体が取り組む上での参考になると思いますので、よろしくお願いします。

 それから産業廃棄物に関して、排出量は若干の増加を許容といいますか、そういった形で今回設定されておるわけですが、この点、経済情勢等いろいろな要因もありますので、なかなか予測が難しいところでありますので、それに関しては理解します。

 再生利用率等に関して、県レベルでの個別のところでは、例えば家畜糞尿の排出量がどんどん急激に減少してくる。そうすると、家畜糞尿は再生利用率が極めて高いので、各都道府県レベルの数値目標を設定するときに、なかなかチャレンジするような再生利用率のターゲットを置くことができないといった事例もありまして、そういう意味では、この数値目標を示していく際に、やはり地域、地域の事情に応じた形で設定してくださいというメッセージもあわせて伝えていくべきではないかと思います。

 もちろん、中にはさらにチャレンジングな設定にしていい地域もあり得ると思うので、そういったところで、画一的に何かこの数値が理解されないような工夫が必要かなと思います。

 それから5ページの、新たに今回、廃棄物のエネルギー利用の観点から数値を入れていただいたことは、ファーストステップとして大変重要かと思います。今回は、熱回収をしている施設について数値は把握しているけれども、目標としては、発電設備を設置している施設に関して目標を掲げていただいたところです。今、交付金のほうの要件に関しては、発電と熱回収をあわせたエネルギー効率という形で設定していて、それが施設の規模ごとに変えられているので、行く行くは施設ごとにこれぐらいの熱回収も含めたエネルギー効率が望ましいのではないか、では、それをどれぐらいの施設が達成しているか、そういったことも行く行くは考えられるかなと。ファーストステップとしてはこの設定で私もよろしいかと思いますので、ぜひ今後、検討いただければと思います。

 6ページにまいりますと、今回、食品ロスの発生量の把握ということで取組指標として掲げていただいています。その「発生量を把握している」という意味合いはどういうことか、御質問したいんですね。自治体において単にごみ組成調査をやって、厨芥類の割合を把握すれば発生量を把握していると言うのか、あるいはそこに、例えば賞味期限切れとか、あるいはレトルトパックとか、中食とか食形態もいろいろ変わってきている中で、食べ残しだとか過剰除去だとか、そういう内訳まで把握して対策を立ててくださいというような意味合いを「把握」と言うのかとか、運用の段階ではもう少しガイドしていってもいいのではないかと思います。

 最後に、一般廃棄物ですけれども、今回さまざまな取組を掲げていただいたので、そろそろぜひごみ処理基本計画策定指針の改定に着手いただいて、今回のいろいろなメッセージを適切に自治体が反映した形で計画づくりができるような支援も必要かなと思います。

○細田委員 これから私が申し上げることは、直接ここに書き込みかどうかは別として、書き込んだことをどうやって実現させるかに関するものです。だからコメントとして受け取っていただいても結構です。

 1つ目は、大迫委員がおっしゃったことと関係するんですけれども、やはり産業構造の変化で廃棄物の様態も変わってくると思うんですね。例えば今、畜産の廃棄物のことをおっしゃいましたけれども、これからTPPが実施される場合には、政府も畜産の大規模化であるとかいろいろな補助を考えていて、いろいろな構造変化が起きてくる。そのときに、大規模化すると小規模農業とは廃棄物の出方も変わってくる可能性があります。この点は、やはり我々フォローしていかないと、静脈の下側だけ考えていてはだめで、動脈に影響を与えるような働きかけのようなことが必要である。

 同じことは金属資源についても言えて、今の状況ですと、鉄スクラップは中国でも物すごく下落していますけれども、日本はまだ有価で、1万数千円/トンですけれども、かつての6,500円というようなことになったら足元で、排出源で×になる可能性だってあるわけですね。そうしたときに、今度それが廃掃法上の廃棄物に当たるかもしれない。そういう構造変化を見たときにどういうふうに再生利用を高めていくかを、動脈部分まで立ち入って考える姿勢がある程度必要だと思います。

 2番目は、これも実は大迫委員と似たようなことで申し訳ないんですが、再生利用率の中身で、積み上げることは大迫委員がおっしゃったとおりなんですけれども、実はその上に、どうやってコントロールするのか。つまり、いろいろな個別リサイクル法を持っている、それからソフトローで対応できる部分もある。ハードコントロールはできないと思いますけれども、それを駆使したらどの程度達成見込みがあるのかといった胸算用を持っておく必要があって、本来はそれを説明できなければいけないと思うんですけれども、今、そこまでいかないとしても、とりあえず、どういうコントロールをしてどの方策で、こういうことをやれば達成が高まるみたいな、ある程度蓋然的な心づもりのようなものが必要ではないかと思います。

○森口委員 大迫委員がおっしゃったこと、細田委員が追加でおっしゃったことのさらに上書きみたいな話になるんですが、一般廃棄物の再生利用率のところをどうやって達成していくかという内訳が、やはり極めて重要かなと思います。もちろんリサイクル率というのは国によって定義が違いますので、単純には比較できませんが、欧州が循環経済ということを表に出してきて、恐らく12月に新しい政策文書が出ると思いますが、単純に比較すると、どうも日本はこれだけ頑張っているのに見劣りするような数字になりかねない。それは、欧州などの場合には埋め立てにいくかリサイクルにいくか。真ん中にある焼却が少ないからなんですね。日本は焼却があることによってどうしても、それがあるがゆえにリサイクル率が低くなってしまうという現状がある中で、4ページの2番目の○を拝見しますと、紙・厨芥類・プラスチックの再生利用、それから紙・厨芥類のメタン化と出てくるわけですが、恐らく厨芥のほうは一方で発生抑制が非常に重要だという議論が出てくるので、それはまた分別して大量にリサイクルするということも、なかなかそことの難しい部分も出てくるということかなと思います。

 プラスチックも今、容リ法の中でやられている部分もあり、では容器包装だけにとどめるのかという議論も従来からあるわけですけれども、具体的に、これも大迫委員おっしゃったとおりなんですが、自治体が何をやればいいのかとなったときに、果たして何を分別していって、どういう技術で再生利用していけばまだこれを上げる余地があるのか、そこの部分が現実感を伴った形になっていないと、こう書かれていても、具体的にどうやって数字が上積みできるのかというところで実感がわきにくい部分もあるかと思いますので、ここに示すということではないと思いますが、やはり裏づけを持った形で書きませんと、恐らくこれはまた循環基本計画と連動してきて、循環基本計画の目標づくりなどにも関係して、またそれにレビューをかけていくというプロセスになると思うんですけれども、こういう国1本のマクロな目標だけだと、そのとおりにならなかったときに、なぜならなかったというところの内訳のレビューがしにくくなりますので、その点、やはり踏み込んで、バックデータを持っていく必要があるのかなと思います。

 もう一点申し上げようと思っているのは、これも大迫委員がおっしゃったことと基本的には全く同じで、リサイクル率の話とも絡むわけですが、第一歩としては、発電付の焼却に入れていく量の問題が重要ではありますけれども、特にプラスチックなどに関して、エネルギー回収とリサイクルと、果たして環境負荷削減の優位性から見てどうなのか、こういう議論もある中で言えば、やはり焼却のほうも質といいますか、焼却発電のエネルギー回収における、より効率の高さということもぜひ目指していっていただきたいと思いますし、これは設備がついていればということになっているんですけれども、いろいろな交付金の要件などですと、恐らく少し効率の観点等も入れた上でやっておられると思いますので、そういったことも読み込めるように、この文章の段階では難しいのかと思いますけれども、全体の方向性が読みとれるように工夫していただければありがたいと思います。

○藤井委員 大変個別的な御質問で恐縮ですが、8ページからの「廃棄物処理を取り巻く情勢の変化への具体的対応について」というタイトルの中で、12ページに浄化槽の問題が書かれています。私、30年以上浄化槽のことをやってきて、同じ書きぶりなんですね。情勢の変化に向けてどのように浄化槽を位置づけるかが非常に見えにくくて、むしろこの間の動きで言うと、浄化槽はバキュームを含めて災害時に非常に大きな役割を果たしていて、災害のごみの話は出るんですが、地域の健康、それからトイレの問題を含めてとても大事で、ですから浄化槽はもうちょっと情勢の変化の中で、30年間ずっと単独浄化槽の合併への切りかえの話ばかり出てきていて、そこを少し越えたものが情勢の変化ではないかと思いますので、その辺りを御検討いただけたらと思います。

○新熊委員 私からは、この資料に直接は関係しないんですけれども、再生利用率の目標設定に関しまして今後の課題ということで、コメントさせていただきたいと思います。

 現状、再生利用率の目標設定は推計値プラスαという形で何となく設定されている─と言ったら失礼ですけれども、そのような印象を受けるわけですね。最初の段階では、高ければ高いほどいいということで徐々に上げていくというやり方は別に何の問題もないと思いますけれども、今後、この終着地といいますか、究極の理想、最適な率というのは一体何なのか。それは100%なんですかということですね。そろそろ根拠のある最終目標、どういう社会が一番いいのかということに関係すると思いますけれども、そういうことを少し考えていく必要があるのではないのかなと思います。

 根拠のある最終目標、これは非常に難しいですけれども、それを考えるためにはある評価軸を入れていかないといけないと思うんですね。例えばですけれども、資料11ページに「循環型社会と低炭素社会の統合的実現」とうたわれております。これが一つのヒントになろうかと思うんですけれども、その評価軸として、例えばCO排出量を考えてみてはどうかなと思います。もっと具体的に言うと、再生利用率とCO排出量との関係ですね。何%にしたらどれだけのCO排出量なのか。例えば100%にすると物すごい量のCOが出てくるように思われますし、そういう関係を明示的に示すことで、最終目標といいますか、現在の技術水準でいったところのベストなところが大体どの辺にあるのか、どういったところでどう改善できるのか、ちょっと質的な改善にもつながると思うし、ぞういうことが必要だと思います。

 もちろん循環型社会という切り口で見てしまうと、これはもう答えは100%だろうということになってしまうわけですけれども、低炭素社会という切り口で見た場合、答えは違うわけですね。ですからもう少し理想的な、最終目標ということを意識されて、これは今後の課題ということで御検討いただけたらと思います。

○佐々木委員 1点は、全体の考え方については異論はないんですが、市町村に対するいろいろな責任、役割、これは一般廃棄物ですから当然のことなんですが、これから5年後ぐらいを見ると、恐らく人口はどんどん減っていって、特に地方都市についてはどんどん停滞といいますか、税収は上がらない、ただ出ていくお金はどんどん増えていく、そういった中で地方を活性化するような形、あれやれ、これやればかりではなかなか難しいと思うので、「こういったことをやることによって」という観点もぜひお持ちいただければと思います。

 今、政府においても地方活性化のいろいろなメニューが言われておりますので、廃棄物処理の観点からも、何かそういったメニューを打ち出されてもよろしいのではないかと思います。

 もう一点は、災害対策であります。これも市町村にとって本当に重大なことであります。

 昨年の広島の災害、あるいは今年の台風18号の災害対応、それぞれ幾つか課題や問題点、そういったものが新たにわかってきておりますので、そういったものをぜひ教訓化して市町村に提示していただいて、平時からの備えということも大事だと思いますので、そういった観点で国からもいろいろ発信していただければと思います。

○大塚委員 簡単な質問です。森口委員や新熊委員がおっしゃったことと関連するんですけれども、5ページの廃棄物エネルギー利用の観点からの目標とか、11ページの循環型社会と低炭素社会の統合的実現との関係でお伺いしておきたいのは、プラスチックの扱いということになりますが、特に気になるのは、焼却施設でプラスチックの量が減ってきているために重油を入れたり石油等を使うということになってくると、エネルギーとか低炭素社会との関係ではちょっと問題があるわけですが、現在そういう例はどのぐらい出てきているのか、環境省のほうでもし把握されていたら教えていただきたいと思います。

 その結果、新熊委員がおっしゃったように私も考えていくべきだと思っております。

○酒井部会長 ありがとうございました。

 多くの意見をちょうだいいたしましたが、質問的なところでお答えいただけるところ、あるいは方針等ございましたらお願いいたします。

○企画課長 貴重な御意見をありがとうございます。

 大迫委員、細田委員、森口委員、かなり共通する点があったかと思いますが、今回出した目標というよりは、その目標をどう積み上げて、それをどう実現していくのかをもっと、特に実際に取り組んでいただく自治体を含めた関係者に対して、どのようにきちんと伝えていくかがまず重要かなと考えました。

 今回、数字をつくるときに、先ほど申し上げたように一定の施策を考えて、そのポテンシャルがどのぐらいあるかといった検討はしたんですが、まだまだこういったところに、しっかりとした内訳として出せるだけの精度はないという状況でありましたので、その辺り、ただ施策としてどういうことが考えられて、その効果としては実際こういう仮定を置けばどのくらい見込めるといった情報は当然あるわけですので、そういったことも示しながら、自治体としてどういう取組をすればどれだけこの目標に近づいていけるのか具体的に伝えていくことは非常に大事だと感じました。

 今回、基本方針を改定してそれを周知する際に、単純に中身を伝えるということでなくて、今、御指摘いただいたようなところを踏まえてしっかりと整理していくことが重要と考えました。

 それから、今の段階で充分できていないものについては、資料1-2の最後に書いてありますように、次期の循環基本計画の策定に向けて、いろいろいただきましたことは今後の課題ということでしっかりと整理して、できるだけ御指摘に応えられるような内容にしていきたいと考えます。

 新熊委員から御指摘いただいた、もともと減量の計画ですのでどんどん減らさなければいけないというもともとの発想があったかと思うんですが、だんだんとその減らす部分も行き着くところまで行き着いてきたというようなことに近づいてきますと、御指摘があったように、最終的にどういう姿を目指すのかとか、その最終の理想形をどのように評価するのかという評価軸のご指摘というところで、そこは当然、循環だけではなくて低炭素、CO排出というシステムも重要というご指摘でした。その点も今後の課題としてしっかり受け止めていきたいと思います。

 それから、佐々木委員から地方の活性化という視点、今回も、特に地域に着目してさまざま考慮すべきことは書き込んだつもりでありますけれども、それは非常に大事な視点ですので、今後、具体の施策につなげていくところでぜひしっかりと考えていきたいと思っております。

 藤井委員から浄化槽に関するご指摘がありました。災害時の点はもっともなことだと思っております。特に浄化槽、今回、本文のほうをご覧いただければ従来の書き方より、より具体的に書き込んで、特に未普及の地域は時間を切ってしっかりと解消していかなければいけないというのは、政府全体として取り組むべきところに来ていますので、それは従来の施策ではありますけれども、そこはより踏み込んで取り組んでいこうということであります。

 また、災害時の対応につきましては、どういった形で位置づけるかについて検討させていただきたいと思います。

 それから御質問いただいた点で、食品ロスの関係ですね。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 大迫先生から御質問いただきました食品ロス、市町村単位の数でございますが、こちらについては市町村単位での厨芥類のうち可食部の部分のみを把握してもらう必要がございますので、その結果を踏まえて食品ロス削減対策を進めていきたいと考えております。

○廃棄物対策課長 御質問いただいた関係と御意見の関係、一廃の関係で申し上げますと、大塚先生からいただきましたプラ減少の関係は、具体的なところは、まだセンシティビティに引っかかっているという感じではありません。ただ、先生の御指摘は非常に重要かと思っていまして、というのは、もう社会説法かもしれませんけれども、プラだとナショナルインベントリ上、いわゆる非エネルギーCOになって、助燃だとたしかエネルギーCOになるはずですので、助燃のほうが増えてしまうとエネルギーCOのほうに直接及んでしまって温暖化対策上のナショナルインベントリへの直撃打になってしまうので、そこはセンシティビティを高くしておかなくてはいけないかなと思っているところです。

 あと、御意見いただいたところのポイントで申し上げますと、既に企画課長からありました再生利用の積み上げの関係のところですけれども、いずれも非常に、目標を掲げるだけではなくていかにしっかりとした積み上げがあるかということなんですけれども、まさに積み上げ、施策の内容の詳細具体性ということもありますし、その施策が本当に何で担保されるかというのは、例えば税制なのか予算なのか法律なのかといったところも踏まえながら、我が課として頑張っていきたいと思っているところでございます。

 もう一つ大きなところでありましたのが、エネルギー回収の関係だったと思いますが、これも特に来年、平成28年度にはもう電力自由化の最終ステージに入るということもあって、まさに、廃棄物発電だけに限ったことではないんでしょうけれども、顧客を意識したような電力供給というところが多分出てこようと思いますので、その中で、いわゆる発電、熱回収の関係を効率化する。特に電力については顧客を意識したということでもありますので、単に電気で売るだけではなくて、いわゆる電気変換上の効率というところまで意識しないといけないかなと思っているところです。

 それから、佐々木委員からありました地域活性化を促すようなというところ。これもまさに、1つとしてはエネルギーとの連動・連携関係というのもあるかなと。いわゆる大規模中央集権型のエネルギー供給システムから自立分散型のエネルギーシステムに移っていく過程で、地方活性化のみならず地域創生というキーワードとくっつけていけるような方向性にすべく、循環交付金のフレームワークなどを使っていきたいと思っているところです。

○酒井部会長 では、追加の御発言をどうぞ。

○森口委員 大塚委員からの御質問に関する廃棄物対策課長からのお答えの中で、ちょっと補足させていただきたいんですけれども、私もインベントリに関わっておりますので、確かにいわゆるエネルギーリカバリした分なり、この辺り、廃棄物由来の燃料をどの部門に計上するかというテクニカルな問題もあるわけですが、私の理解では、大塚委員の御指摘は、プラスチックのリサイクルは本当に有効なのかという議論の中で、可燃ごみの中からプラスチックを抜くことによって可燃ごみの焼却に助燃剤が必要ではないか、こういう議論をされる方がときどきおられる。結構まことしやかに、プラを分別することによって油をたくさんぶっかけているんだと信じている方がおられまして、他府省の委員会でも「政令市の担当から聞いたんだから確かだ」とおっしゃるんですが、私の理解とはかなり異なっているんですね。その辺り、場合によったら佐々木委員辺りから補足をいただいてもいいのかもしれませんが。

 もちろん可燃物の構成によると思いますし、そういう意味では私も若干、さっきの発言の中でうまく言えなかったんですが、厨芥はともかくとして、紙を抜いていくと今度は可燃物の焼却の問題にもまた絡んでくる部分があって、若干そこは取り合っている部分があると思いますので、根拠という話になったときに、多分、どういう分別をやっていくと焼却の方にどういう影響が出てというところも、自治体のごみ処理の計画ではそこまでやっているケースが結構多いと思うんですね。少なくとも私が関わっている自治体ではそういうふうにやっています。

 そういうところまで含めた、より高度な試算の積み上げのもとにこういう数字があるのが本来は一番望ましいと思うんですが、なかなかそこまでできないとしても、それぞれのところで散りばめられているものが、お互いがちゃんと整合がとれているかという点がちょっと気になるわけでして、そういう意味で、焼却発電のカロリーのもとになっているものがリサイクルのほうのもととしても計上されていると、両方はなかなか成り立たない。一方で、焼却のほうは今は施設の割合だけになっているので、施設の割合としてはいいんだけれども、そこに入っているんだけれども実はあまり発電効果が得られないような仕組みになっているとすると、目標上はこれでいいんだけれども、果たしてそれは全体として効率的なのか、こういう議論になるのではないかと思いますので、その辺りも含めて、エネルギー回収のほうでも少し質にも踏み込んでいただきたい、そういう趣旨でございました。

○佐々木委員 全ての自治体のデータではないんですが、ストーカ炉で連続運転をしている場合、容器包装のプラスチックを抜いたら15%から20%ぐらいカロリーが落ちると言われています。ただ、実際には連続運転をしておりますので、例えばごみを均質化する、要するに熱量が大きく変化しないように均質化することによって、安全運転は確保できるという実態があろうと思います。

 ただ、例えば厨芥類だけをつまんでどんどん入れてしまったら、多分熱量がこういう変化をしますが、今はほとんどの自治体で投入前にごみを攪拌する、均一化するということを相当きをつけてやっておりますので、そういったことの中で安全運転はできているんだろうと思っております。

○酒井部会長 よろしいでしょうか。

 廃掃法の基本方針につきまして多くの御意見を頂戴いたしました。

 今回、相当踏み込んで目標と施策との関係の検討に入り始めていただいておりますので、今後より具体的に実施段階で情報提供、あるいはその根拠の検証といったこともなされていくことになろうかと思いますので、その辺りを期待してまいりたいと思います。

 頂戴いたしました御意見の扱いにつきましては、私どもに一任とさせていただきまして、事務局において意見を踏まえた上での修正をしてパブリックコメントにかけていただくという手続に入っていただきたいと思いますが、その点に関して御了承いただけますでしょうか。

(異議なし)

○酒井部会長 ありがとうございます。

 それでは1つ目の議題、廃掃法の基本方針に関しましてはこの辺りにさせていただきたいと思います。

 2つ目でございます。循環基本計画フォローアップの中間報告(第2回)についてお願いしたいと思います。

 事務局、説明をお願いします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 資料2-1「各主体へのヒアリング結果について」をご覧ください。

 1ページをご覧ください。

 第3次循環基本計画には、1ページから4ページに抜粋しましたとおり、各主体に期待される役割が期待されております。前回10月1日の部会では、事務局から事前に都道府県、市町村、NPOからヒアリングさせていただいた結果を御報告させていただきました。今回は、2つ目の○の3行目からですけれども、学術・研究機関として各種3Rプロジェクトのコーディネーターとしての機能を努めておられる早稲田大学、あるいは製造・小売業者として各業界をカバーしている経団連、主要業種でございます日本建設業連合会、電機・電子4団体、全国清涼飲料工業会、それから産廃と一廃の大手でございますタケエイと大栄環境株式会社、それから地域金融に詳しい見山臨時委員から、現状と課題のヒアリングをさせていただきましたので、それについて御報告させていただきます。

 9ページをご覧ください。

 日本経済団体連合会からのヒアリング結果でございますが、最初の柱にございますように、自主行動計画のもと、各業界の努力により産廃の最終処分量は、左の棒グラフにございますように90年比で9割削減を達成されました。また、業種ごとに特性、状況が異なりますので、業種横断的な最終処分量の目標設定は難しいところ、右の青い図のように、業種別に独自の目標を設定して取組を進めていただいております。

 下の橙のところでございますが、ヒアリングさせていただきました方からの御発言として、1つ目の○にございますように、現在の技術や法制度のもとでは最終処分量のこれ以上の削減は難しい業種もございます。また、3つ目の○のとおり、企業が廃棄物処理やリサイクルにより効率的に取り組みやすい環境整備に向けて、政府による規制改革等も必要ではないか。あるいは4つ目のとおり、リサイクルの推進については温暖化対策との関係にも留意していく必要がある。あるいは他の有識者からの発言として、日本で培っていたノウハウや技術を活用して途上国のリサイクルへの国際貢献も重要ではないかというコメントをいただきました。

 10ページでございます。

 日本建設業連合会からは、建設業は多種多様な廃棄物を排出しており、全産廃の20%の排出量でございますが、最終処分量は4,160万トンから2,090万トンに削減されたということでございます。

 下の橙のところでございますけれども、建設業の役割として、再生資源の需要側としての役割が大きいこと、あるいは3つ目の○のように、請負業であるため環境配慮設計の推進や発生抑制、再生品の利用推進には発注者あるいは設計者の理解も不可欠であること、次の○でございますが、コンクリートの塊は地域によるミスマッチや時期によるミスマッチによって受給バランスの不均衡が生じているため、輸送方法や公共工事の発注時期の調整も必要になっているというお話がありました。

 また、他の有識者からは、下の青い枠の3つ目の○にございますように、建設系の再生資源の利用促進は、需要の確保など建設業界だけでは完結できない問題であるため、業界を超えた取組が必要であることなどの話がございました。

 11ページでございます。

 電機・電子4団体の発表では、家電リサイクルの取組については自己循環システムの確立による実効性ある環境配慮設計の推進を目指して、製品マニュアル開発や再生資源利用指標、プラスチック部品・識別表示のJIS規格化、B to C環境情報提供の仕組みづくりに取り組んでいるというお話をいただきました。

 発表者からは、橙の2つ目の○にございますように、製品ごとに材料の品質基準も異なることから、再生材の基準を一律に定めるのは難しいので、再生材の品質基準を製品ごとに設けるような検討も今後の課題というお話をいただきました。

 他の有識者からは、今後は再生された資源を利用した製品が積極的に利用されるような指標をつくって、その目標に向けて努力していくこと大切であること、あるいは製品をつくる段階から、静脈上どういうインパクトがあるかを想定して適正処理・リサイクルの取組を進めることが必要というお話をいただきました。

 12ページ、全国清涼飲料工業会の発表では、最終処分量が2,530万トンと平成27年度目標である3000万トンを前倒しで達成したほか、再生資源化率も99%まで達成している、あるいはペットボトルの軽量化などリデュースは進んでいるというお話をいただきました。

 発表者からは、橙のところでございますが、容器の軽量化、薄肉化がだんだん限界に近づいていること、リデュースのみならずリユース、リサイクルを組み合わせた総合的な視点からの環境負荷低減を考える必要があることなどのお話がありました。

 他の有識者からは、個別の取組を評価する際には、その取組がカバーする範囲を考慮し、オールジャパンでの評価を行う必要があること、あるいはリデュースの取組評価に当たっては原単位だけではなくて投入された資源の総量の結果も考慮する必要があること、3つ目のところで、リユースに取り組む地域はあまり増えておらず、2Rに取り組む地域を増やすためには、指標や評価の仕方についてこれまでと違うやり方を考えていく必要があるのではないかというご指摘をいただきました。

 13ページ、産廃のタケエイさんの発表でございます。

 右の橙の柱にございますように、2つ目の○の入口(集荷量)の確保、あるいは3つ目の中間処理技術の確立、その下の出口(再資源化)の確保が重要であること、あるいは4つ目の○の最初の「・」でございますが、再資源化を目的とした施設に対する規制の緩和が必要ではないかというお話がございました。

 他の有識者からは、下の青い枠でございますが、廃棄物の排出者、処理事業者だけでなく、先ほどございました入口、循環、出口の確保のためには、メーカーなどさまざまなステークホルダーが参加して規模の拡大と多様化で協力していく仕組みづくりが必要だというお話がございました。

 14ページ、大栄環境株式会社さん。

 一廃につきましては、橙のところにございますように、自治体等に一般廃棄物処理の民間委託の有効性についての理解をいただく必要があるということ、あるいは他の有識者からは、一般廃棄物処理は、ユニバーサルサービスとして利益が上がらないところでもサービスを提供しなければならないので、自治体の役割が重要であるというお話がございました。

 15ページ、早稲田大学の発表からは、橙のところ、各学術研究機関の得意分野についてそれぞれ取組を進めていただいておりますが、日本では個人の研究者同士の連携が中心になっていて、組織間の連携があまり進んでいないのではないかという話、あるいは循環型社会に関するノウハウが、省庁や有識者、事業者等、社会のどこに蓄積されているのかを整理することが重要であり、その受け皿、機能として学会の活用を考えていくべきではないかというお話がございました。

 他の有識者からは、2つ目の○ですが、大学にはノウハウの提供や関係者間をコーディネートする役割も期待されているというお話がございました。

 地域金融について、見山委員へのヒアリングにおきましては、左の2つ目の○のところでございますが、環境関連事業の目利き、事業性評価を行うのはなかなか難しいというお話がございました。

 一方で、左下の「・」ですが、循環型社会分野については雇用創出効果が大きいといったお話がございました。

 今後の対応として、橙に書いてございますように、金融業界の取組状況の評価、あるいはその下の、地方銀行が既にあるネットワークを活用した地域内での他の主体との連携、あるいはその下、ISO14001にかわる地方の中小企業が活躍しやすい認証制度等を通じた循環型社会形成分野への取組の拡大、あるいは一番下でございますが、勉強会、ワーキンググループを活用して知見共有・意見交換が必要というお話がございました。

 18ページ以降については、これまでのヒアリングの概要をまとめておりますが、重複するので、18ページの最後、7.のところだけご紹介させていただきます。

 事業者等の取組により最終処分量の削減は着実に進んでいるものの、再生材の利用や環境配慮設計等の新しい方向性に向けて、業界ごとの特性に応じた事業者の努力を適切に反映させることができるような指標の検討が必要ではないかというご意見や、あるいはその下でございますが、個々の取組が進んでも、国全体の取組状況はどうなのかというところを評価する必要があるというご指摘をいただきました。

 続きまして資料2-2、重点点検分野の要因分析についてご説明させていただきます。

 1ページをご覧ください。

 本資料の構成は、1が廃棄物やリサイクルの可能性、2が2Rに関する要因分析、3が環境配慮設計やリサイクル製品の需要の拡大についての資料でございます。1と2については前回も説明させていただきましたので、追加させていただいた部分だけ簡単にご説明させていただきます。

 2ページでございますが、一般廃棄物の発生量は微減傾向にございますが、1人当たりごみ排出量については紙等の国内消費量の減少の影響が大きいと想定されるというような話を追記させていただいております。

 ちょっと飛んで5ページですけれども、バイオマス系のリサイクルについて、下のほうの図でございますが、青色の折れ線グラフが示す木くずのリサイクル率、あるいは黄緑の折れ線グラフが示す食品廃棄物のリサイクル率は、平成14年の建設リサイクル法あるいは平成13年の食品リサイクル法の施行後に増加しており、一定の効果があったと評価されます。ただし、木くずのリサイクル率の増加については原油価格の高騰の影響など、さまざまな社会背景も影響していると考えられることから、こうした要因の分析も行う必要があると考えてございます。

 次に6ページ、非金属鉱物系あるいは化石系、金属系のリサイクルでございます。

 これも下の青の折れ線グラフが示します瓦れき、あるいは紫の折れ線グラフが示す廃プラのリサイクル率が、同じく平成14年の建設リサイクル法の施行や平成12年からの容器包装リサイクル法の施行後は増加に転じており、一定の効果があったと考えられますが、同じく廃プラや金属等のリサイクル率については、原油価格とか金属の価格の高騰の影響など他の社会的背景も影響していることから、こうした分析も必要であると認識してございます。

 14ページをご覧ください。

 産廃の重量の2割を占めております、建設業から発生する瓦れきのリサイクルの可能性でございます。路盤材としてリサイクルされております再生骨材の生産量は、左の2つの棒グラフが示すとおり、ほぼ横ばいとなってございます。長期的に見ると、骨材需要は右の棒グラフにございますように減少傾向にございます。地域や時期によっては、既に供給量が需要量を上回る事態が生じている可能性があることに注意を要すると考えてございます。

 17ページをご覧ください。

 2つ目の矢印ですが、セメントは右の円グラフのとおり、原料としてさまざまな廃棄物を引き受けていただいております。左下の青の折れ線グラフのとおり、セメントの生産量は減少傾向にあることから、リサイクルの受け皿としての量が将来、低下する可能性が見てとれることを認識してございます。

 19ページでございます。

 物量から見たリサイクルの要因分析の今後の課題でございますが、特に一番下、来年度以降の要因分析の方向性としては、過去の政策や自主的な取組による効果の分析、あるいはリサイクルの量だけではなくて質に着目した分析、あるいは中長期的な再生材の受給バランスの分析、あるいは有価物等も含めた廃棄物の一体的な分析、あるいは統計データの精緻化等がまだまだ足りないと認識してございます。

 次に、26ページをご覧ください。

 2Rについても幾つか関連するデータはその前に掲げさせていただいたのでございますが、今後の課題として、1つ目の○でございますが、国全体としての2Rの取組状況を判断することができる指標は設定できていないと認識しております。このため、2Rの取組を行うことによるインパクトを評価するための指標について検討を行うため、下の今後の方向性にございますように、今後開催予定の2Rに関する検討会において、こうしたインパクトの検討を行いたいと自戒してございます。

 最後に、31ページをご覧ください。

 環境配慮設計やリサイクル材の需要拡大について、幾つかのデータはその前に掲げさせていただいたものの、国全体としてこれらの取組状況を把握するところには至っていないことから、まずは実態把握が喫緊の課題であると認識してございます。このため今後の方向性として、最後に掲げさせていただいておりますが、来年度以降、取組の実態や課題を把握するためのアンケート等を実施してまいりたいと考えてございます。

 駆け足でございますが、以上でございます。

○酒井部会長 循環基本計画のフォローアップ中間報告でございます。

 御質問がございましたらお願いいたします。

○森口委員 まず資料2-1の9ページ、経団連さんからの御報告の中で、発表者の考える事業者の役割、課題の最後に「過度なリサイクルの推進はエネルギーコストを増加させる傾向があり、地球温暖化対策との関係に留意すべき」という御意見がございます。これは1番目の議題の大塚委員の御指摘と、私が補足したことと若干関係するんですけれども、もちろんこれは留意すべきなんですが、多くの場合、資源の効率的利用と温暖化対策はウィン・ウィンの関係にあると私は考えておりまして、そこまでのことが起きるようなことが現実に産業界のほうで行われているのだとすれば、それはちょっとまずいのではないかと思います。

 定性的にはわかるんですけれども、具体的にこれは何を指しているのか私には思い当たるものがなかなかなくて、一般廃棄物の灰溶融による建設材料化みたいなものは、確かにあれはリサイクルというよりは、どちらかというと最終処分量の低減という観点が大きいので、エネルギーをかけているということで正当化されるんだと思いますが、ちょっとこういう事例がにわかには思い当たらないので、これは何を指しているのかわかれば教えていただきたいと思います。

 2点目は、資料2-1の18ページの7.事業者等の取組の評価方法で、業界ごとの特性に応じた指標の検討が必要だと。これは全く同感でございますが、これは事業者さんのほうからこういうことが出てきたのか、あるいは他の御意見なのか。ぜひ事業者さんから積極的に、業界ごとにこういう指標を、処分量以外の指標を出していただくことは非常に重要かと思いますが、ちょっと事実関係として、この「事業者の努力を適正に反映させることができるような指標の検討が必要」というのはどこから出てきた御意見なのか、お教えいただければと思います。

 3点目は、資料2-2のほうでたまたま目についたんですけれども、8ページに最終処分量のデータが出ていて、一般廃棄物の最終処分量の内訳が出ているんですけれども、私の理解では、中間処理残渣というのは焼却残渣が大部分と思われるんですが、内訳として可燃物の内訳等も出ているので、これはどういう計算になっているのかちょっと解せないなと思っております。出典は他の調査の報告書ではあるんですけれども、何かちょっと実態に合ってイナイヨウな気がいたしますので、ここの確認をお願いできればと思います。

○見山委員 資料2-1の16ページ、地域金融へのヒアリング概要のところで、表現としてはちょっと厳し目ですけれども、ここで申し上げたいことは、まず、金融機関の立場に立つと、まず地域循環権みたいなことを考えたときに、まさに今、地域金融の出番が来ているということなんですね。なのでこの問題について一緒に、当事者意識を持って取り組んでもらうようなことができないかなということで、ワーキンググループみたいなこと。そこでいろいろノウハウを蓄積する中で、各主体との連携を構築していこうというのが1つ目。

 それと、国の立場で考えると、地域金融機関の金融を引き出すことによってまず交付金、補助金等でレバレッジがきかせるという効果ですね、要するに交付金、補助金に対しての倍数効果、レバレッジがきかせられるという効果が1つあるということと、あと、一旦連携してプロジェクトをやっていくと、そこからのプロジェクトのモニタリングができる。モニタリングを金融機関のほうでサポートしていただけるということがあるので、地域金融機関と国との連携というのはかなり親和性が高い分野ではないかと思います。

 ですから、こういったところでぜひノウハウの蓄積を目的とした、ワーキンググループを形成していくことができればいいなと考えております。

○細田委員 資料2-1の10ページ、日建連さんの発表で、オレンジの2つ目の○で「首都圏における建設汚泥処理が逼迫しており、建設発生土と一体となった」云々というのはすごく微妙な表現で、要するに、汚泥は一応産業廃棄物で建設残土は廃棄物ではないと主張されているんですけれども、この「一体となった」というのはどう解釈したらいいのか私、非常に悩むところです。それと、ちょっと派生ですけれども、今後、東京オリンピックとリニア新幹線があると、前から申し上げていますけれども、建設発生土というのは極めて深刻な問題になってきて、それからバックグラウンドとして汚染されている土壌があるわけで、これは土対法とも絡んですごく微妙な問題を持っているので、どういう表現なのかなというのが質問でございます。意図はどういうことなのか。

 あとはコメントです。

 資料2-2の最後に関わるところで、これは繰り返しになってしまいますが、こういう要因分析をする場合に、今後はかなりドラスティックな産業構造の変化がある。先ほど申しそこねましたけれども、例えば昨年度ですか、我が国は海外で恐らく史上最高のM&Aをやっていて、ということは、これは着実に海外投資が出てくることで、ものづくりにおいては、車などが典型的ですが北米で利益を上げて国内は非常に苦労しているという状況、いわゆるものづくが稼働しない場合に、そこに再生資源なり二次資源なりをインプットするということをどのように捉えていくか、それは非常に微妙な問題が出てくるということで、ぜひそれを頭に入れておいていただきたいということ。

 もう一つ、二次資源、あるいはここで言う循環資源、私の言葉で言うといわゆる静脈系に残っている資源をどうやって顕在化させるかという面なんですけれども、静脈資源が廃棄物を卒業して、いわゆる「これは本当の再生資源ですよ、天然資源を代替しますよ」ということがどうやってトレースできるのか。それができないと、実際使っているものが再生資源なのかどうなのかわからない場合があるわけですよね。その仕組みをつくらないと企業もなかなか怖くて使えない。使った結果、粗悪品だったり、あるいは使っても実は天然資源とほとんど変わらなかったり、混ぜてあったり、いろいろなことがあるわけですね。その点の仕組みづくりに向けて考えていかないと、3番目の○を実施することはなかなか難しいかなと思いますので、ぜひ今後はそういう方向に向けての検討もいただきたいと思います。

○大迫委員 今の細田先生のお話とも若干関係するかもしれませんけれども、やはり非金属系の、土砂系の循環資源に関して、廃掃法で適正処理を行っていく範囲と、それを循環資源として資源利用を図っていくところの境目というのが、やはりいろいろな問題を抱えているのではないかと思います。そういった中で、資源循環に国民から信頼を失うようないろいろな問題も出てきて、どうしても廃掃法の範囲でしか所掌はないのかもしれませんが、都道府県は、例えばリサイクル認定制度とかそういった、有価物に対してよりリサイクルを促進するための方策を実行しようとしていても、それがなかなか都道府県によって判断基準が違っているというようなこと、若干、建設汚泥の辺りでそのようなお話があったかもしれませんが、そういったところに環境省として、業界の標準規格だけに任せるのではなくて、都道府県支援の文脈でもいいですし、何かしら一定の考え方、それから管理の仕方としての廃棄物の該当性は、こういう状況であれば廃棄物に該当するけれども、いろいろな生産工程の一元的な管理という範囲内で品質管理していれば、この範囲だったら大丈夫だよとか、そろそろこの辺りの分野にもう少し踏み込んでいかないと、今後、東京オリンピックとかさまざま大量に出てくるものに関してもちょっと難しい側面も出てくるかなという問題意識を日頃持っているところです。

○酒井部会長 質問事項も多くいただいておりますので、まず、ご回答いただける範囲でご回答ください。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 森口先生から御指摘のありました経団連の取組のうち、リサイクルと温暖化対策の関係で留意すべきこと、ここは具体例については特に聞き取れませんでした。

 同じく一番最後の、指標について業界ごとの特性をという御指摘は、指標の有識者の方からいただいたものでございます。

 資料2-2の8ページ、一般廃棄物のところでございますけれども、最終処分に当たりまして、埋め立てはほぼ焼却灰でございますが、ただし、焼却灰では燃やす前の可燃物の成分比率から割り戻して数値を出したという処理を、これ自体はしております。

 それから、日本建設業連合会の「建設発生土と一体となった」というところについては、業界からの要望でした。一定基準を満たした場合は廃棄物から除外してほしいという要望があったという、すみません、そういう意味でございます。

○酒井部会長 資料2-2の8ページの森口委員の質問ですが、最終処分の量をもとの一廃の組成に割り戻した……。例えば紙とか木竹草類となるとほとんど有機分で、無機分はほとんどないような中で、なぜこれだけ計上されることになるのですか。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) すみません、また次回に向けて検討を続けてまいります。

○酒井部会長 まだ直接処分が一定量あって、その量をカウントするとこうなるということですか。─では、ここは少しフォローしてください。

 これは一段階おいてのヒアリングになっていますので、こういう質問が発生してきております。次年度以降、進め方に関しても再度相談させていただいて、どういうやり方でこの辺りの事実確認をしていくか、また事務局と相談して進めさせていただきたいと思います。場合によっては、やはり直接聞いていただく場面をつくったほうがいいかもわからないという気はしております。これはまた相談させてください。

 それでは、循環基本計画フォローアップの中間報告については、とりあえず終わらせていただきたいと思います。

 この後、各省からのヒアリングに入る前に実は5分間の休憩を予定していましたが、既に20分ほど時間が押しておりますので、このまま休憩なしで進めさせていただきたいと思います。

 それでは、循環基本計画フォローアップのための関係省庁ヒアリングということで、本日、環境省、経済産業省、農林水産省、国土交通省からヒアリングを行います。

 まずは事務局から、本日のヒアリングの趣旨について説明をお願いいたします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 部会の委員の皆様、これから来ていただきます関係省庁の皆様、第3次循環基本計画の進捗状況のヒアリングに御協力いただきまして、ありがとうございます。

 本日のヒアリングの趣旨について、事務局から御説明させていただきます。

 循環基本計画では、地方公共団体、国民、NGO、NPO等、学術・研究機関、それから事業者に期待される役割とともに、特に国については国内における取組、国際的取組、東日本大震災の対応について、それぞれ詳細な取組が記載されております。そのため毎年度、各省からヒアリングを実施して、各省の取組状況を確認しているところでございます。

 資料3-1(別紙)をご覧ください。

 こちらは、環境省から関係省庁にヒアリングを依頼した際のペーパーでございます。

 1ページの真ん中に1.2.とございますとおり、昨年2月の第1回の点検において課題とされた事項の中には、国の主な取組の中で、計画上の記載と比較して取組が不十分という指摘を受けたようなもの、あるいは2.でございますが、点検結果のまとめの部分で今後の展開の方向として指摘された部分がございます。この2点について、特に今回、説明をいただくことになっております。

 1枚めくっていただいて、1.「国の主な取組状況」上で課題とされている項目につきましては、この小さい字の表にございますように、前回の点検で「一層○○をする必要があります」と指摘された便宜的に△をつけさせていただいたものと、「今後○○する必要があります」と指摘された、ここでは×と区分した取組がございますので、本日は、この△や×のようなところを中心に各省に説明をお願いしたいと考えております。

 また、2.今後の展開の方向で指摘されている点につきましては、1.と重複する部分もございますが、2.のところも意識して説明していただくようにお願いしてございます。

 それから資料3-3でございますが、こちらにございますとおり、これは国における取組と国際的な取組、それから東日本大震災の取組と、ちょっと分厚いので分冊にしてコピーさせていただいておりますが、それぞれ第3次循環基本計画の項目に沿いまして、ちょうど真ん中の列でございますが、前回の点検までの取組、それから右から2つ目の列でございますが、前回の点検以降の進捗状況、それから一番右の今後実施予定の施策に分けて記載しているものでございます。

 この資料は本日は暫定版でございまして、次回の部会におきまして、これまでの中間報告あるいは本日のヒアリング、あるいは今後、事務局のほうで整理します物質フロー指標や取組指標等のデータを統合した第2回点検報告案を事務局からお示しさせていただきたいと考えておりますが、それにこちらの表につきましても、最終案をリバイスしたものを参考資料として添付させていただく予定でございます。

 本日は何とぞよろしくお願いいたします。

○酒井部会長 それでは、早速ヒアリングに入らせていただきます。

 まず、環境省の田中室長からお願いします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 資料3-1をご覧ください。

 環境省から進捗状況について御報告させていただきます。

 環境省からは大きく分けて2つ、1つ目は、本年度の主な取組、2つ目が前回点検で課題とされた点について御説明させていただきます。

 1ページをご覧ください。

 まず、本年度の主な取組として、災害時の廃棄物処理システムの強化についてでございます。

 我が国は災害・地震大国であり、一番上の枠に掲げてございますように、東日本大震災に続きまして南海トラフ巨大地震あるいは首都直下地震の発生が予測されており、東日本大震災を1桁上回るような量の災害廃棄物等の発生が予測されております。そのため東日本大震災以降、政府全体として大規模災害の対策が大きな課題となっており、右の欄の国土強靱化計画の「回避すべき事態」に、大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大幅に遅れる事態が位置づけられております。環境省としては、平成25年度からこれらに対する取組を進めております。

 次のページでございます。

 具体的には、平成27年度に本審議会での御議論を経て、黒海で廃棄物処理法及び災害対策基本法の一部改正が決定され、8月から施行されております。9月の関東・東北豪雨災害の対応において初めてこの廃棄物処理法の改正の規定が適用されたところでございます。

 3ページは、廃掃法と災害対策基本法の関係を整理したものでございます。

 駆け足でございますが、4ページをご覧ください。

 廃棄物対策について、国においては左の赤字に書いてございます、大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会のもと、平成26年度以降、各種のワーキンググループを設置し、検討を進めております。右の橙のところに赤字で記載されておりますが、地域におきましては9月に発足したD.Waste-Netや、その下の茶色のところに書かせていただいております地域ブロック協議会を通じて関係主体の連携を図っております。

 7ページでございます。

 次は、本年度の取組のうち水銀条約への対応についてでございます。

 現在、条約の批准に向けて関係法令の整備を図っているところであり、表の上の段でございますが、水銀使用廃棄物や水銀汚染物の左側は、現状基準で対応済みであるものの、下段の廃金属水銀等については新たに特別管理廃棄物として規制対象とするとともに、右の列でございますが、安定的なものにして処分するための基準の追加等について検討を進めているところでございます。

 次のページでございます。

 低炭素なリサイクルの推進については、エネルギー特別会計を用いまして昨年度から、上の赤字の事業でございますが、プラスチックの高度選別事業などリサイクルの高度化と、低炭素に資する技術システムの実証を支援しております。さらに本年度からは、下の赤字の事業でございますが、多様なプラスチックを同時に選別するなどして、従来のリサイクル設備よりも省CO型のリサイクルをする設備の導入補助事業等を開始しております。

 9ページでございます。

 東日本大震災大震災により生じた廃棄物につきましては、1つ目の各自治体による処理に加え、2つ目の広域処理や3つ目の国による代行処理によって対応を進めてまいりました。

 10ページでございますが、具体的には、福島県を除きまして災害廃棄物処理は既に処理が終了しております。福島県におきましても、(1)のとおり97%の処理が終了しておりまして、4つ目の○でございますが、残りの10万トンの処理につきましても国の代行処理を活用しつつ、適切に進めていくことになっております。

 12ページから17ページが、放射性物質に汚染された廃棄物の処理への対応についてでございます。

 12ページは、大きく福島県と福島県以外の処理に分けて書かせていただきました。福島県内におきましては、13ページにもございますが、仮置き場への搬入や仮設焼却炉での焼却処理を進めております。

 また、15ページにございますように、指定廃棄物のうち8,000から10万ベクレル以下のものにつきましては、左下の既存の管理型処分場として、フクシマエコテックを活用した埋め立て処理計画を進めるとともに、10万ベクレルを超えるものにつきましては、その横の緑色の白抜きでございますが、中間貯蔵施設に搬入することとしております。

 一方福島県外の処理につきましては、17ページにございますように、特に指定廃棄物の保管状況が逼迫しております5県におきまして、国が長期管理施設を確保する方針とし、市町村長会議等を開催して意見交換を行い、指定廃棄物の処理に向けた共通理解の醸成を図るとともに、選定方法等について議論を行ってきております。

 続きまして第2部として、前回の点検で課題とされた事項への取組について説明させていただきます。

 19ページでは、柱書きにございますように、2Rの取組がより進む社会経済システムの構築や2Rを進めている事業者が社会的に評価される仕組みづくりを進めるため、1つ目や2つ目の○にあるようなモデル事業に加え、3つ目の○にございますような見える化ツールの開発、改善を進めております。

 次のページでございます。

 使用済み製品からの有用金属の回収につきましては、小型家電リサイクル法の回収量目標の達成や、メーカーとリサイクラーの有用金属の含有量情報の共有化、環境配慮設計、再生材の需要拡大等が課題とされております。このうち1つ目の○でございますが、小型家電リサイクル法については、実証事業や普及啓発を通じて回収量の拡大を図っているところでございます。

 2つ目の○でございますが、環境配慮設計、再生材の需要拡大については、特に自動車リサイクル法の見直しにおいて取組を進めております。

 3つ目の○でございますが、有用金属の含有情報の共有化については取組が進んでいないので、今後、取組を進めていく必要がございます。

 次のページをご覧ください。

 水平リサイクル等の高度なリサイクルの実施や、有害物質を含む廃棄物等の適正処理システムの構築に向けては、消費者への情報提供や有害物質のリサイクル原料への混入への対応、適正処理困難物への対応が求められております。小型家電リサイクル法による市町村や認定事業者による情報提供、あるいはPOPs条約への対応などを進めております。

 21ページをご覧ください。

 次に、低炭素社会、自然共生社会づくりとの統合につきましては、1つ目の○にございますように、太陽光パネルのリユース、リサイクルを進めるためのガイドライン作成やリユース推進のための課題の検証を行うほか、2つ目の○にございますような環境効率指標の検討を進めることとしております。

 22ページは、地域循環圏やエコタウン、広域認定制度、再生利用認定制度の活用でございますが、モデル事業やガイドラインの改定とともに、広域認定制度、再生利用認定制度の認定数の増大を図っております。

 23ページでございます。

 循環資源、バイオマス資源のエネルギー源への利用としては、特に中低温熱の利用や循環資源、バイオマス資源の活用の拡大が課題とされておりますことから、1つ目の矢印にございますように、循環交付金の活用や、2つ目の矢印にございます民間事業者による施設設置の支援、あるいは3つ目以下の矢印にございますような各種モデル事業などを引き続き進めているところでございます。

 24ページは、循環産業の育成の課題でございます。

 1つ目の○にございますように、熱回収施設設置者認定制度については、普及啓発や予算事業でのひもづけによる普及を図るとともに、2つ目のとおり、自動車リサイクル法の見直しにおいて環境配慮設計や再生材の利用促進、あるいは3つ目の○のとおり、モデル事業による静脈物流の構築を進めているところでございます。

 25ページは、環境教育の推進と適切な情報共有・普及啓発でございます。

 1つ目の○にございますように、小電リサイクルについては市町村や認定事業者のデータの共有、あるいは小中学校との連携あるいは3Rマイスターの活用、今週末にございます3R推進全国大会や循環型社会推進功労者表彰、あるいは2R指標、ストック指標の検討を進めているところでございます。

 26ページでございます。

 国際的取組の推進として、アジア3R白書の策定やアジア太平洋3R推進フォーラムの開催に加えまして、循環資源の輸出入に関する対応として現在、有識者会議を立ち上げ、廃棄物等の不適正輸出等対策の強化や、環境負荷低減や資源の有効利用に資する循環資源の輸出入のさらなる円滑化に取り組んでいるほか、今年度は11月末にシンガポールにおいて有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップを開催予定としているところでございます。

 長くなりましたが、環境省からの発表は以上でございます。

○酒井部会長 ただいまの御説明に対して御質問、御意見をお願いします。

○大久保委員 簡単な質問なんですけれども、20ページの有害物質を含む廃棄物等の適正処理システムの構築という部分で、課題とされていたのはリサイクル原料について、有害物質の混入状況に関する基準の策定等への取組だと思うんですけれども、これに対応するものとして、2段目のPOPs条約対応だと思うんですが、これは自動車に限っているということですか。それが1点目。

 2点目は、「必要性について検討する」という検討状況を教えていただければと思います。○大塚委員 大学の授業があってそろそろ行かなくてはいけないので、今ここで述べることべきかどうかわからなくて、本当は後で議論すべきことだと思いますけれども、各省にこの循環基本計画との関係での進捗状況をきっちり点検していただきたいと思いますので、今日みたいなことを引き続きやっていただいて、温暖化対策と同じような感じで、産業界も含めて点検していくことが非常に重要ではないかと思いますので、先ほど酒井先生もおっしゃったところですけれども、それをぜひ支持したいということを一言申し上げておきたいと思います。

○細田委員 22ページにエコタウンにおけるモデル事業等の実施とあるんですが、多分私、これ違う委員会で同じことを質問したかもしれないんですけれども、御容赦ください。

 エコタウンの事後評価といいますか、どのように機能して、どのように機能しなかったかが国で調べられているのかどうか。それが政策評価の対象になっているかどうかわかりませんけれども、多分なっていると思うんですが、それがあったらぜひそういう情報を発信していただきたい。というのは、今後この循環基本計画が海外に発信されると、実は皆さん御存じのように、日本のエコタウンの成果に割とアジアの国が注目しているわけですよね。だからその点、やはりいいとこはいい、悪いところは悪いという評価があれば我々の次のレビューにもなるし─スマートシティとか次世代型のそういう発展ですよね。それからアジアのためにも役立つので、その事後評価みたいなものがあれば後で教えていただきたいと思います。

○酒井部会長 今、いただきました御質問あるいは御意見にお答えください。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 大久保委員から御指摘のございました、POPs条約の対応のところは、今、自動車を中心に作業しているところでございます。

 それからエコタウンにつきまして、実は6月ぐらいに行政事業レビューのほうでも、個々の事業は割といいことをやっているんだけれども、その横展開あるいは、国内の皆さんへの発信の仕方が足りないということで、今、過去の個々の事業の評価あるいは発信について作業を進めているところでございます。

○酒井部会長 大久保委員からは自動車だけですかということと、あと自主的取組や制度の必要性について検討、検討した結果どうなんですかという質問もあったと思いますが。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 今、具体的にやっているのは、自動車に焦点を当ててやっているところでございます。

○酒井部会長 ですからその後の、自主的取組や制度の必要性についての検討に関しては、どういう検討状況なんですかというご質問をされていますが。自動車が対象であることはよくわかりましたので。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 今後検討をすすめさせていただくということでございます。

○酒井部会長 では今、進行中ということで、乞御期待で、しばらくお待ちください。

○大久保委員 ぜひ、ここは重要なところだと思いますので、ちょっとスピードアップと、もうちょっと手厚くよろしくお願いします。

○酒井部会長 それでは、環境省からのヒアリングはこの辺りでよろしいでしょうか。

 それでは、引き続きまして経済産業省の産業技術環境局リサイクル推進課、本日は酒井課長補佐にお越しいただいております。

 10分程度の説明、10分程度の質疑ということで進めさせていただきたいと思います。

 本日はお忙しいところありがとうございます。よろしくお願いします。

○経済産業省リサイクル推進課課長補佐 経済産業省リサイクル推進課の酒井と申します。本日はよろしくお願いいたします。

 本日は、資料3-1(別紙)にも記載があるとおり、今回のヒアリング、前回点検で課題とされた点、及び今後進めていくべきとされた点についてのヒアリング方針とを伺っておりますので、経済産業省からは、昨年の循環型社会部会での御指摘を踏まえて、全体を網羅的ではなく、新たに取組を始めた部分に焦点を絞って御説明させていただきたいと考えております。

 ちなみに、資料3-1(別紙)の2.に○で9つほど挙げられてございますけれども、この中で特に経済産業省としましては、前半の4つと最後の○のところを主としつつ、御指摘を踏まえて新たな取組を始めてございますので、それを御紹介させていただきたいと考えております。

 まず、資料の御指摘の○の1つ目、2つ目、4つ目に関連するものとしまして、環境配慮設計ですとか製品の需要拡大、消費への普及啓発といった観点から、容器包装リサイクル制度について新たな取組を始めてございます。

 具体的には、資料3-3の参考1-1という横型の表の5ページをご覧いただければと思います。こちらに経済産業省の部分について記載しておりますが、容器包装の環境配慮設計に関する国際規格として、ISO18602、包装の最適化の評価という規格がございます。また、これに対応する国内規格としてJIS Z 0130-2が制定されております。これは、包装の機能を維持した上で材料の使用量と包装の体積、重金属や有害物質の含有量を減らすことを規定した規格でございますが、この規格を容器包装の設計・製造に携わる事業者に環境配慮設計を推進するツールとしてさらに活用していただくため、また、容器包装の環境配慮設計の事業者の取組の考え方について消費者等に説明するツールとしていただくために、活用事例集や活用ガイドラインを作成して周知することとしております。

 この活用事例集やガイドラインによりまして、良い事例のさらなる横展開を図るとともに、消費者へのさらなるアピールに取り組んでいただき、最適な包装を広めていくことにつなげていきたいと考えております。

 続いて、同資料の8ページをご覧ください。

 小型家電リサイクル法につきましては、環境省との共管で制度運営しておりまして、法に基づく事業者の新規認定も順次行ってきているところでございますけれども、こうした取組に加えまして、御指摘いただいた3点目、使用済み小型家電のリサイクルの回収目標量達成に向けた取組をさらに強化する観点から、新たな取組を実施してございます。

 具体的には1.に挙げた関係ですが、各主体間の連携促進等を目的とした自治体と小型家電リサイクル法に基づく認定事業者とのマッチング会の開催などを、同制度が定着するよう連携して行うため、制度への理解を深める説明会や国民向け啓発イベントを新たに実施しております。

 まず、各主体の連携促進を目的とした自治体と小電法に基づく認定事業者とのマッチング会を、福島県において、福島県の復興支援に向けた取組とも連動させる形で実施しました。これは、福島県下の市町村や一部事務組合に参加いただきまして、また、認定事業者から小電リサイクルに係る取組と市町村の要望に関して意見交換を行ったものでございます。

 次に、国民向け啓発イベントとしましては、地方経済産業局を通じまして、各地で体験イベントを実施しました。例えば、小学校の親子を対象とし、関係機関や事業者の協力も得て家庭に眠る貴金属等の有用金属を実際に小型家電の廃基板から取り出す実験を行って、子どもたちにごみ減量化やリサイクルの重要性を理解していただくことを目的としたイベントを実施しました。実際の声を紹介しますと、親御さんからは「思っていたよりも金がとれて驚いた」「基板には貴重な金属が金以外にもあることがわかって勉強になった」とか、お子さんからは「捨てられる家電にも貴重なものが入っていて、もったいないのできちんとリサイクルしようと思った」などの感想をいただきまして、ある程度の啓発活動にはつながっていると考えております。

 また、記載はしておりませんけれども、当省の産業構造審議会のもとに小型家電ワーキンググループを新たに設置することとしておりまして、年末にも開催することを予定しております。回収量の拡大や制度の安定的運用等についての各種課題について整理をして、順次議論を行い、使用済み小型家電のリサイクルの回収目標量達成等に向けた取組をさらに強化していきたいと考えております。

 続きまして、資料3-3の参考2、国際的取組をご覧いただければと存じます。

 参考2の、通し番号74ページの下の方からご覧いただければと思います。

 昨年の御指摘にもございました、我が国循環産業の海外展開の支援といったところに関連しまして、ここに縷々記載させていただいているように、当省としては、引き続きFS支援や実証支援にも鋭意取り組んでいるところでございますが、それに加えまして、まだ予算要求中の段階でもあり本調査票には記載しておりませんが、新たに新規予算の要求を行っているところでございます。

 口頭で恐縮ですが、簡単にその内容を御紹介させていただきますと、アジア規模で省エネや省資源にも資する資源循環制度を実現することを目的とし、具体的には、ある程度経済発展が進みつつあり、リサイクルの制度整備にも取り組み始めているが、運用面では実効的な設計ができていないようなアジアの国をターゲットとしまして、我が国が過去に実施してきた政策ツールや技術、システムの導入などのノウハウを提供して、実際にデモンストレーション的に実証事業を行うとともに、その取組を相手国の都市計画のマスタープランにもしっかり位置づけてもらうということで、相手国の環境改善にもつながり、かつ継続的に我が国企業のハードや技術の活用を組み込んでいけるような取組を行うことを予定しております。

 ここに書いてある取組とあわせて、国、自治体、企業がしっかり連携して、相手国と一緒になって制度と技術、システム一体となった取組をさらに強化していきたいと考えてございます。

 なお、本事業では、国内でも動脈産業、静脈産業が連携してリサイクルの高度化、効率化を図る実証事業をあわせて行う予定としておりまして、これは有用金属の含有情報の共有化というところを促進することにも資するものと考えております。これらを通じ我が国の資源循環システムの強化と円滑なアジア展開を促進してまいりたいと考えてございます。

 口頭の部分が多くなり大変恐縮ですが、当省からの説明は以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。経済産業省から御説明をいただきました。

 ただいまの御説明について、御質問、御意見ございましたらお願いします。

○細田委員 今の御説明に直接関わるか……、アジアとの関係なんですけれども、これは書かれているとおり、ぜひやっていただきたいことなんですが、一方で、国際資源循環の中で、ここに書かれていないかもしれませんけれども、例えば使用済み鉛バッテリーが今、鉛の相場がトン20万をちょっと超えているもので、グッズになってしまっているわけですね。そうすると、バッズの場合は特管物で物すごい規制がかかるのに、潜在汚染性が非常に大きいにも関わらずこれが大量にアジア、特に韓国等々に流出しているというのは、やはり金属……、もちろん我々が独占するという意味ではなくて、汚染を管理するという意味で、しかも明らかに適正なフロー以外のもので出ているということがあるわけですね。そこのところを考えた場合、御省としてはどのような形でこの金属……、広い意味での金属のリサイクル、資源循環、しかも潜在汚染性のある資源循環が非常に─廃基板の場合もそうですよね。経済産業省としてどのようにそのフローコントロールを考えておられるのか。このアジアの資源循環という中での位置づけとして、御意見を伺いたいと思います。

○崎田委員 遅くなりまして、失礼いたしました。

 最初に、資料3-1(別紙)でお話しいただいた中で、2.今後の展開方向性で指摘されている点のところで、国民の3R意識は高まっているけれども、もっときちんと2Rのところの実践に結びつくようにしていきたいと、そして社会システムのあり方について考えていきたいという記載がありました。

 実はここは非常に重要だと思ってコメントさせていただきたいと思うんですが、NPOで消費者の環境配慮製品の購入行動アンケートをとった際にも、3Rへの関心が高い方は8割9割いるんですけれども、商品を購入するとき、「環境配慮製品を購入するということをちゃんと実践していますか」と質問すると、15%ぐらいに下がってしまうと実は差がありました。では、そのときにどうしたら実践できるかを伺うと、ある程度、社会システムとして定着していれば自分もやると答える方が8割9割いらっしゃるんですね。そういう意味で、今後、2Rシステムなどに関してもものづくりとか小売店の小売の仕方とか、いろいろなシステムをきちんと変えていくことも今後、大変重要な視点なのではないかと感じました。

 そういう意味で、この辺の視点は大変重要ではないかと思ってコメントさせていただきます。

 ぜひそういう視点、消費者もきちんとつなぎながら、メーカーの取組と小売店の取組、そして消費者もつなぎながら循環型社会をしっかり定着させていくというところを、ぜひ徹底してリーダーシップをとっていただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○大久保委員 74ページの最後で御説明されたアジア規模での新規予算のお話ですけれども、これは都市マスに組み込むことも含めて検討中ということで、大変意欲的でおもしろい、パッケージ型のお話で大変おもしろいと思うんですけれども、ただ、都市マスのつくり方自体、コミュニティの関わり方とか、やはり国によって物すごく差がありますので、充分気をつけて、そういうところも含めてやると大変意欲的な試みだと思うんですが、これは気をつけてやらないと、何か変な施設が来るみたいな話になって逆に拒否反応になる可能性もあるので、具体的にどこか念頭に置いて、ここは大丈夫そうというようなところがあるのであれば、新規予算ということでまだ言えないかもしれませんけれども、教えていただきたいということ。ないのであれば、そういうところを御考慮いただければと思います。

○森口委員 私も間もなく失礼させていただくものですから、今の経産省さんのご発表の具体的な中身でなくて恐縮ですが、この点検の進め方のフォーマット的なところでコメントさせていただきます。

 前回、私、欠席しましたけれども、基本的には前々回の4月の段階で点検の進め方という議論があり、そういう中で各省からもお話を伺うことになっていたかと思います。これまでも点検の中で、各省からお話を伺うということがあったかと思います。

 今日の資料を拝見していて、資料3-3は非常に大部にわたるもので、多分、省ごとの縦割りではなくて各項目にわたってさまざまな府省が協力されているということで、こういうまとめ方はそれはそれで結構だと思うんですけれども、一方で、やはり各省でどこに注力しておられるかわかりやすい資料を別途御用意いただけると大変ありがたいかなと思っておりまして、いろいろお忙しい中で御負担をおかけするのは大変恐縮ですけれども、今日、国交省さんからは別途資料をいただいておりまして、こういう形で各省で「特に今年度、ここをやりました」という説明をいただけると、非常に限られた時間の中で大変御負担をおかけして申し訳ありませんけれども、今後、環境省と各省との間でその辺りの進め方も御相談いただければと思います。

○酒井部会長 4名の委員から質問あるいはコメントをいただきました。経産省からお答えがあればお願いいたします。

○経済産業省リサイクル課課長補佐 御質問、コメントありがとうございました。

 まず、細田先生に御指摘いただいた点に関しては、今、当省としてもいろいろな先生の御知見も伺いながら、まさに検討させていただいているところです。物によっていろいろ最適なというか、解があるのだと思っておりますし、国際的な資源循環といった目線でもっともっと、国内だけでどうということではなくて、国際的なフローをしっかり捉えて見ていくことが必要だと思っております。場合によっては、先ほど御説明した新規予算のように、海外でリサイクルしたものを海外の日本企業の工場で活用するといった連携もあると思いますし、一方で、途上国の現地では潜在的汚染性が顕在化してしまうような廃基板、これを日本なら活用できる技術があるといったものをしっかりとアジアワイドで見て活用していく、そのために制度面でも円滑に進める措置をとっていくといったことに関して、広い目線でもっともっと考えていくようなことが必要だと思っております。引き続きお力をお借りして議論させていただければと考えてございます。

 もう一つ、崎田委員から社会システム、2Rというところで、今御紹介いただいた資料はフォローアップ全体として御指摘いただいた項目でございますけれども、とにかく社会システムが定着していればやるというお話、あるいは消費者、メーカーをつなぎながらというところに関しては、当省としても非常に重要な意味合いがあると考えております。というのも、やはり資源の有効利用の促進、欧州のRE、CEの動きということの中で、3Rで言えばリユースの関係ですけれども、もっともっと製品を長く使うという観点からバリューチェーンの中でより価値を生み出していくといったところへの注目が今後より高まっていく中で、例えば国内でも、古着を大きなデパート等と協力して集め、これをエタノールに変えてという取組を進めておられるところがありますが、本当に店頭でそれを回収する仕組みをプラットフォームとして作っており、どんどん取組が進展しているという例もございます。まさにそういったところに関しても、もっとビジネス的な観点も含めて最終的にはそれがシステムとして成り立っていくような、そうした目線でもっと見ていく必要があると思っておりまして、この点についても、当省としてもより検討を進めていきたいと考えてございます。

 大久保委員からのご指摘でございますけれども、新規予算について留意点、大変ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりだと思っております。ここは国レベルあるいは地方自治体レべル、しっかりと政策対話というところを行うことを通じて、最終的に、まさにおっしゃったように現地でスタックしては何も意味がありませんので、相手国のニーズをしっかり聞きながら着実に進めていきたいと思っておりますし、逆に、それぐらい手間をかけてやっていかないと、よりインパクトの大きいところを達成できないというのがこれまでの経験の中から得られてきた課題です。今「この国の、ここ」ということは申し上げられませんけれども、ぜひ気をつけて進めていきたいと考えております。

 森口委員からの御意見のフォーマットのお話でございますけれども、そうしたところ、できるだけ対応できるようにいたしたいと思いますが、今回のやり方は前回御指摘の点をさらにという部分でのやり方でしたので、別途資料については充分な時間的余裕をもって、また、ある程度効率的に物事を進められるという前提の中で対応させていただければと思っております。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 質問事項に関してはほぼ網羅的に御回答いただけたかと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、農林水産省から御説明をお願いします。

 本日は、食料産業局バイオマス循環資源課、川野課長、並びに大臣官房政策課環境政策室、大友参事官にお越しいただいております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○農林水産省バイオマス循環資源課長 農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課長の川野でございます。

 資料3-3に基づきまして、御説明させていただきます。

 資料3-3の27ページをご覧ください。

 別途の資料がございませんで恐縮ですけれども、これに基づきまして御説明したいと思います。

 この項目は、基本計画でいきますと、3の地域循環圏の高度化に関する部分でございます。前回の点検におきまして、バイオマス系循環資源を活用した地域循環型エネルギーシステム、6次産業化の推進やリサイクルループの認定を引き続き進める必要があるとの御指摘をいただいたところであります。

 この御指摘を踏まえまして、今回このページの下のほうに記述させていただいております。

 左側の箱でございますけれども、こちらが当方の取組の概要でございます。

 大きく分けて2つ、1つ目がバイオマスの関係でございます。

 我々が今、取り組んでおりますのは、バイオマス産業都市というものを進めているところでございます。バイオマス産業都市と申しますのは、バイオマスが広く賦存しているわけでございますけれども、それを収集、運搬、製造、利用まで経済性が確保された形で一環システムとして構築していく、それによりまして地域に新たな産業を興して雇用や所得を増大していこう、そういうことを目指す地域でございます。

 それについての記述が1番でございまして、関係府省が連携し、農山漁村に豊富に存在するバイオマスを活用し、エネルギー等の製品を生産する地域拠点の整備を進めるとともに、バイオマス製品を積極的に地域で活用する取組を推進ということでございます。

 もう一つの柱として、食品リサイクル・ループでございますが、こちらは食品リサイクルを確実かつ継続的に進めていく手法として、食品関連事業者が農林漁業者やリサイクラーと共同して取り組む食品リサイクル・ループの構築を推進する。

 その右の枠でございます。前年度の取組といたしまして、まず、バイオマスの関係でございますが、こちらはバイオマス産業都市ということでありまして、バイオマス産業都市の構想をまず策定する段階があるわけですけれども、それは市町村のほうで、それぞれの地域のバイオマス、多様なバイオマスございますので、どういったものを使って経済性を確保した形で事業化していくのか、そういう観点から構想を策定していただくことになっておりますので、その策定を支援するというメニューもございます。

 それから、実際にバイオマス産業都市として認定された後に、構想の具体化をしていく。例えばバイオマスのガスプラントをつくるとか、そういった具体の施設整備に対しても支援を行ったということでございます。

 2番の食品リサイクル・ループの関係でございますと、こちらもループの構築を支援いたしております。

 その右の箱が平成27年でございますが、バイオマスの関係は、引き続きバイオマス産業都市を進めておりまして、構想策定の支援も行いつつ、実際の施設整備についても支援を行ってきたところでございます。

 食品リサイクル・ループにつきましても支援を行い、認定も行っているということでございます。

 一番右の箱が次年度以降の取組でありますけれども、前回の点検の御指摘も踏まえまして、今後とも農山漁村のバイオマスを活用した、産業創出を軸とした地域づくりに向けて、バイオマス産業都市の関連の施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。

 2番の食品リサイクル・ループの構築につきましても、引き続き認定に向けた支援も行っていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

 非常に短いですが、説明は以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 バイオマス産業都市とリサイクル・ループについて御説明をいただきました。

 それでは、御質問、御意見をお伺いしたいと思います。

○崎田委員 今、バイオマス産業都市のお話がありましたので、これが順調に進んでおられればすばらしいですが、その辺の様子を伺いたいと思います。例えば今、エネルギー確保のために火力発電所の計画が急激に増えていますけれども、そこにバイオマスを混焼させてできるだけ効率を上げる、CO削減効率も上げるというような動きがありますが、実はそういうときのバイオマスはほとんど海外からの輸入とか、そういうものが計画されているんですね。そういう企業にどうしてかと伺うと、国内産との輸送を含めたコスト比較とか、国内ではなかなか確保できないとかいろいろな理由が出てきます。そういうことを考えると、今、考えておられるバイオマス産業都市で、木材資源として、いわゆる建物であるとか家具など、そういうマテリアルとしてきちんと使うものと、エネルギー活用するものと、それが両方きちんと活用されながら地域の産業興しにつながっていれば大変すばらしいわけですけれども、その辺が、日本のこういう仕組みがうまくいっているのか、その辺の様子をぜひ伺いたいと思います。

○藤井委員 今の崎田委員のお話にも関わりがありますが、バイオマス産業都市、幾つか具体的な事例も出てきていると思うんですが、今、バイオマス基本計画の見直しも進行中ですよね。このバイオマス産業都市をフィージビリティ含めてやってくる中で、今のマテリアルが海外かどうかということも含めて、基本計画の中にもぜひきっちりと盛り込んでいただきたいと思います。それはもうバイオ燃料を含めて、多分、バイオマス・ニッポン総合戦略以来ずっと引いている問題もあると思いますので、ぜひ落とし込みの中では、その基本計画を見据えながら、さらにバイオマス産業都市が前進するような形を、ポジティブに捉えてできるような形をぜひ提案していただきたいと思います。

○酒井部会長 もっぱらバイオマス産業都市の実績に関する御質問ですのでお答えいただきたいと思いますが、あわせてもう一つの食品リサイクル・ループのほうも、実績として何グループぐらい実績が上がって、その中で特にユニークなものとしてこういう例がありますといった辺り、ご紹介いただけるといいのではないでしょうか。

○農林水産省バイオマス循環資源課長 崎田委員と藤井委員から、バイオマス産業都市の関連の御質問をいただきました。

 まず、順調にいっているかということでございますけれども、バイオマス産業都市の取組自体は、実は平成25年度からでございます。平成14年まで遡りますと、バイオマス・ニッポン総合戦略ということで、とにかく地域にあるバイオマス資源に着目して、それをいかに有効利用していくかということで、各地でバイオマスタウン構想というような形で鋭意取り組まれてきている、そういう経緯がございます。

 平成25年からバイオマス産業都市ということで、何が大きく変わったかというと、経済性を確保した一貫システムということで、事業としてきちんと回っていくことが大事だ、そういう観点を入れてバイオマス産業都市という形になっております。

 実績ですけれども、産業都市、平成25年度は6地域認定いたしております。平成25年度が16、平成26年度が6、平成27年度、ついこの間でございますけれども、12地域認定をいたしている状況でございます。

 平成25年度からということで日が浅いものですから、認定自体は行っておりますけれども、それぞれの地域での取組の具体化という意味では、ようやく少しずつ実際に稼働し始めているような状況になっております。

 それから、海外の輸入の御指摘もございました。

 確かにバイオマスの取組に当たりましては、原料をいかに確実に確保するかが課題になっていると認識しておりまして、それを安定的に供給するための一つの手段として、海外から輸入されているケースもあろうかと思います。バイオマス産業都市としては、地域にありますバイオマスをできるだけ有効活用するという発想でございますので、基本的には国内のバイオマスを活用していただくことを考えております。

 次に、藤井委員からバイオマス基本計画の見直しに関連しての御意見がございました。

 今、バイオマス基本計画の見直しを行っている最中でございます。まさに議論している最中でありまして、その中でも、やはり海外からのバイオマスの取り扱いについても御意見もいただいているところであります。その辺もきちんと議論して、一定の方向性を出したいと思っておりますけれども、基本的には、やはり国内のバイオマスをいかに有効に使っていくのかという観点が前面に出てくるのかなと思っております。

 いずれにいたしましても、基本計画については現状を踏まえまして、しっかり見直しをしていきたいと考えております。

 それから、部会長から食品リサイクル・ループの御質問がございました。

 すみません、御説明が漏れておりましたけれども、食品リサイクル・ループの認定の実績でございますが、平成26年度は4件、平成27年度、今のところ3件認定しておりますけれども、トータルとしては52ございます。

 あと、ユニークな例として何かということでございましたが、一例申し上げますと、スターバックスさんの取組なども非常に有名でありまして、スターバックスさんのほうで出ますコーヒーかすを飼料にして、その飼料を使った牛のミルクを今度はスターバックスで使っていく、そういうふうに循環する取組がございます。

 その他たくさんございますけれども、一応一例としては、そういうものがございます。

○崎田委員 恐れ入ります、先ほど質問すればよかったんですが、昨年も今年も、農林水産省さんは食品ロス削減に関してもかなり熱心にやっておられたと思います。今、この資料にはそれについて記載はないんですが、その状況に関して伺えればありがたいと思います。

○農林水産省バイオマス循環資源課長 食品ロスにつきましては当省としてもさまざまな取組をやっておりますけれども、食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチームを設置いたしまして、これは平成24年度から26年度にかけて食品製造業、食品卸売業、食品小売業の方々に御参加いただきまして、フードチェーン全体でどのように食品ロスを削減していくのか、そういった検討を行いました。

 その中で、小売店などが設定いたしております3分の1ルール、そういったものにつきましても、これはパイロット事業で2分の1にするといったことも行いまして、そのパイロット事業ですと約4万トンのロスを削減した、そういうこともございます。そういった取組をできる限り進めていきまして、食品ロスの削減につなげていきたいと考えております。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 ちょうどこの期間、相当いいパフォーマンスといいますか、取組実績を上げられている時期でございまして、ぜひ今、お話された要点がより広く国民、市民に伝わるようにしていただくということもあわせてお願いできればと思います。また環境省とも相談しながら、よろしくお願いしたいと思います。

 どうもありがとうございます。

 それでは次に、国土交通省から御説明いただきます。

 総合政策局環境政策課、櫛田課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

○国土交通省環境政策課長 国土交通省の取組について御報告申し上げます。

 お手元の資料3-2をご覧ください。

 当省の取組の全体につきましては、資料3-3の中に記載がございますが、本日のヒアリングでは、昨年の報告書の中で、国の主な取組状況の上で課題とされておりました項目の2点につきまして、資料3-2に基づいて御説明申し上げたいと存じます。

 1ページ、リサイクルポートの関係でございます。

 一覧表の中で、静脈物流システムの構築の中での御指摘がございました。官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援を講じることによる国内外の資源循環の促進をすべきだ、こういった御指摘をいただいております。これに基づきまして、リサイクルポート施策について御報告申し上げます。

 港湾は物流の基盤として機能しているだけでなくて、エネルギーや製品の生産拠点となり、また、リサイクルなどによって生じた残渣を処分できる廃棄物海面処分場などを有している場合もございます。したがいまして、生産から廃棄に至るまでのライフサイクルを解決できるという大きなポテンシャルを有している場所でございます。

 そこで、リサイクル施設として広域的な立地に対応しました、循環資源の拠点となるような港湾をリサイクルポートとして指定いたしまして、海上輸送による広域的な静脈物流ネットワークの構築を図っているところでございます。現在までにリサイクルポート指定港として、22の港が指定されているところでございます。

 リサイクルポートとして指定されました港湾に対しましては、既存施設の有効活用を基本としながらも循環資源の取り扱いに配慮した岸壁の確保や、循環資源の積みかえ・保管施設などの整備に対する支援なども行っております。

 2ページをご覧ください。

 次に、リサイクルポート推進協議会について御報告いたします。

 平成15年に設立されたリサイクルポート推進協議会では、民間団体、民間事業者、リサイクルポートに指定された港湾管理者と関連する自治体をメンバーとし、各種部会活動、セミナーの企画・運営を行っております。さらに今年度の新たな取組として、環境省が中心となって設立していただいておりますD-Waste-Netへの参画が挙げられるところでございます。

 港湾が東日本大震災の際には災害廃棄物の輸送、処理の拠点となった、こういった経験を踏まえまして、その経験を生かして、協議会による大規模災害の際の廃棄物処理に対する助言などによる貢献が期待されているところでございます。

 さらに、平成26年度より環境省さんとの連携事業として開始しております、モーダルシフト輸送効率化による低炭素型静脈物流促進事業について御報告を申し上げます。

 循環資源の性質といたしまして、いついつまでに運ばなければいけないという納期の制約がない、こういった特性を生かしまして、海運を活用して低炭素型静脈物流システムの構築に必要な経費の一部を補助することによりまして、トラック輸送から海上輸送へのモーダルシフト、輸送の効率化を推進いたしまして、二酸化炭素の削減を図ることを目的といたしております。

 モデル事業として採択されました民間団体などに集積や保管をするための施設の整備、それから海上輸送容器に対応した車両の導入経費などの一部を補助しているところでございます。

 3ページをご覧ください。

 続きまして、シップリサイクルについてでございます。

 御指摘といたしましては、環境に配慮した先進的なシップリサイクルシステムの構築や、国内における実行体制整備を図るべき、こういった御指摘をいただいているところでございます。

 役割を終えました船舶の解体でございますシップリサイクルにつきましては、コストの安いインドやバングラデシュなどの開発途上国で多く実施されておりまして、その劣悪な労働環境や環境汚染が問題となっております。このため、国際海事機関では2000年よりシップリサイクルの議論が開始されまして、世界有数の海運・造船国である日本が新しい条約をつくる際、その起草の作業を主導いたしまして、2009年にシップリサイクル条約が採択されたところでございます。

 条約におきます主な義務といたしましては、船舶に使用されている対象物質の所在や量を記載した一覧表をつくる、こうした作成の義務、それからリサイクル施設における廃棄物や労働安全の管理体制の構築、国が船籍を有する船舶や国内に所在するリサイクル施設について検査、認証を実施する、こうしたことが義務づけられることとなっております。

 2012年に条約の施行に必要な各種ガイドラインの整備が完了したところでございますが、今後、条約が発効していくためには15カ国以上が締結し、締約国の船腹量が世界全体の40%以上、さらに締約国が持っております解体能力が締約国が持っております船腹量の3%以上、この3つの全ての条件を満たす必要がございますために、現時点では発効に至っていない状況でございます。このため条約批准に向けた国内体制の整備、それから条約の発効に向けた国際対応が求められている、こういった状況になってございます。

 4ページをご覧ください。

 次に、我が国の条約の批准に向けた国内体制の整備について御報告いたします。

 我が国といたしましては、船舶への搭載が条約上、義務化されております対象物質の一覧表につきまして、先行的に認証サービスを実施しております。また、我が国の条約批准に向けた課題や対応を検討するために、学識者、造船、海運、シップリサイクル業などをメンバーとします「シップリサイクル条約の批准に向けた検討会」を設置いたしまして、現在までに3回検討会を実施したところでございます。検討会におきましては、国際動向の把握、国内シップリサイクルの実態の把握、労働安全要件に関する条約と現行の国内法とのギャップの分析などを実施しております。

 今後も国内の執行体制の整備に必要な国内の法制化などについて、関係省庁との調整、準備作業を進めてまいる予定でございます。

 次に、5ページをご覧ください。

 最後に、条約の発効に向けた国際対応について御報告申し上げます。

 条約の発効に当たりましては、インドなどの主要なシップリサイクル国が批准することが必須であるということがございまして、各種の政府間の対話を実施しているところでございます。昨年9月に行われました日印首脳会談におきまして、インドのモディ首相は安倍総理に対しまして、シップリサイクル施設の改善に対する日本の支援に強い関心を示しました。また、前の太田国土交通大臣がインドを訪問した際には、道路交通・海運大臣とも会談を行いまして、インドのシップリサイクル施設の改善に対する日本からの協力や、今後も議論を継続し、実現に向けて協力するということに合意したところでございます。

 これら会談を受けまして、日印の海事当局間においても政府間対話を実施しております。

 今後も条約の早期発効のため、インドを初めとする関係国の条約批准を促す国際的な活動を実施していく予定といたしてございます。

 以上、御説明でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 それでは御質問、御意見をお願いします。

○見山委員 シップリサイクルに関しまして、国交省さんが国際的な取組をやられているという話は聞いておりますので、そちらのほうは今後ともぜひ進めていただければと思うんですが、特に私、バングラデシュのほうに頻繁に行っておりまして、バングラデシュ、昨年9月に安倍首相が行かれて大規模なODAの約束をされて、今後、橋などの建設がいろいろ進んでいくわけですけれども、そういったところにも恐らくシップリサイクルで出てきた鉄等を使うことがあり得ると思うんです。

 バングラデシュには結構こういった取組に対して積極的な財閥等もありまして、ぜひODA等を進めていく際にこういったところも含めて、JICAさん等とも連携していただいて、こういったところのご指導等もしていただくような体制づくりをしていただければと考えております。

○細田委員 1つに、ここには書いてありませんがぜひ伺いたいのは、FRPの不法係留、そして最終的な処理の問題がどうなっているか。私いつか東京と話したときに─あ、国交省さんかもしれません。港湾法が数年前に改正されて小型船舶の各地の問題もクリアされたので、全国の不法係留問題はクリアされているかと思ったらそうでもないということで、この問題はどうなっているかぜひ伺いたいと思います。あ、国交省の会議だ。すみません。

 2番目は、ここで何度も質問していてすみませんが、国交省さんは初めてなので質問させていただきますが、リニア新幹線に基づく残土の問題をどうお考えになっているのか。仄聞するところによると、JRはあまり深く考えておられず国交省が焦っているという話も聞きますけれども、大変な残土の問題が生じるわけで、その辺の見通しについてお伺いしたいと思います。

 もう一つはコメントで、リサイクルポートなんですが、私もこれ、非常にすばらしいアイデアだと思って絶賛していたんですが、申し訳ないけれどもあまり利用されていないという印象が否めませんよね。確かに酒田と姫川の間でいろいろなやりとりがなされているとか、北九州は比較的うまく使っているということですけれども、業者さんに聞きますと、やはり港は使いにくいと。いろいろな荷役の問題、それから、ここに書かれていますけれども循環資源に対する運用の問題等でやりにくいと。それからもう一つは、私ここでいろいろ勉強させていただいて気がついたのは、内港海運の料金の決め方が非常に不透明である。これでは産廃業者さん等々、使えないだろう。やはりちゃんと競争的に、説明責任のつく形で値決めをしていかないと、リサイクルポートを指定されても結局は使われないのではないかというおそれがあります。これはコメントにとどめさせていただきます。

○藤井委員 シップリサイクルの件でお尋ねします。

 バングラデシュについては見山委員が専門家でいらっしゃるんですが、バングラデシュでNGOの会合をやったときに、チッタゴンのシップリサイクルの健康被害が非常に大きな問題になりました。まさに今、国交省も労働安全衛生上や環境保護にきっちりと気配りしなければいけないということに気づいて、それを認識して動かれていると思うんですが、今日の発表の中では批准国が3つで、インドを含めてアジアの国々に批准を促しているという話がありましたが、日本は今どういう状況で、この委員会の中でどうなっていったら批准、いつぐらいを見越して動いていらっしゃいますか。

○佐々木委員 モーダルシフトの関係ですけれども、これの実績はどうなっているか教えていただければと思います。

○崎田委員 シップリサイクルですけれども、この中には新しい条約、費用的なことは書いていないんですが、これはリサイクルしたところが資源を売却することで得る料金でやる、そういうことを前提にしていると理解すればよろしいのかという確認です。

 もう一つ、先ほど細田先生からの質問にあったかと思いますが、FRPというのはプレジャーボートのことですね。

○細田委員 そうです。

○崎田委員 日本国内で今、係留されているプレジャーボートの半分ぐらいが不法投棄ではないかと言われていると思いますので、やはり国内のそういう小型船舶に関するリサイクルの仕組みをきちんと考えていくことが非常に重要なのではないかと思っていますので、その辺の状況に関して様子を伺えればと思います。よろしくお願いします。

○大迫委員 今日は御説明がなかったんですが、リサイクル原料についての有害物質の混入状況に関する基準の策定等、点検項目の中にあるわけですけれども、大きなリサイクル材の活用のポテンシャルを持っている港湾工事に関して、リサイクルガイドラインの改定等を昨年度、進められていたと思うんですが、ほぼ検討は終えられたと聞いているんですが、なかなかアウトプットとして出てきていないと私、理解しているんですが、その状況についてどうなっているか御質問いたします。

○酒井部会長 非常に多くの御質問ですが、可能な範囲でお答えいただけたらと思います。

○国土交通省環境政策課長 まずリニアの残土の問題につきましては、恐れ入りますが、今日はお答えする材料と体制がございません。申し訳ございません。

 それ以外の御質問につきまして、それぞれ担当部局が出席しておりますので、担当部局のほうから答えさせたいと思います。

○国土交通省船舶産業課 国土交通省海事局の船舶産業課でございます。

 見山委員にいただきました御質問でございますけれども、今のところインドを中心に、リサイクルの支援をできるように取り組んでいるところでございます。御指摘も踏まえて、そういった取組を進めていきたいと考えております。

 それから、FRPのリサイクルの御指摘をいただきました。

 不法係留については、担当部局が今日は参っておりませんけれども、FRPのリサイクルの仕組みにつきましては、既に仕組みをつくり上げまして、それを稼働させてございます。平成26年度は450隻のリサイクル実績もございまして、こういったところでリサイクルを進めていくことになるのではないかと考えております。

 それから、インドを含めて海外の条約批准を進める一方で、日本国内の批准についてということで、藤井委員から御指摘をいただいたところでございます。

 日本の批准の時期については、国会の御審議もございます関係上「いつ」と明確に申し上げることはなかなか難しいんですけれども、政府としましては、できるだけ早く批准するように検討を進めてまいりたいと考えております。

 そういった意味で、この検討会の中で条約上の要件として、国内に取り入れるときに法制化していかないといけないことを抽出しながら検討しているところでございますが、要件を見比べますと、概ね既存の日本の、既にある廃棄物関係の規制ですとか労働安全の規制で担保し得るのではないかと見ております。

 そういったところをもう少し詰めながら、国内の取り入れを進めてまいりたいと考えてございます。

 それから、大迫委員から御質問いただきましたシップリサイクル条約について、条約の中身、機能的なところはどうなっているのかということでございました。

 料金のお話は条約とは、ちょっとその中で扱っている項目ではございませんけれども、シップリサイクル条約の中で義務づけておりますのは、船にどういった物質が使われているのか、船側で明らかにするところを義務づけるのと、今度それを解体するに当たって、解体の事業者においてその有害物質をどのように管理しながら、あるいは安全に解体するのかという計画をつくる、そういったところがこの条約の骨子となっております。

 各国それぞれの国内法もありますので、そういった中で各国が取り入れていくことになけれども、原則としまして、安全な管理のもとで解体をし、適切に廃棄することをこの条約の中で担保しようというふうに規定しているものでございますので、こういったところを日本においてはしっかりと制度化できるようにしていきたいと思っております。

○国土交通省港湾局 国土交通省港湾局でございます。

 ちょっと数があったので、順番に回答させていただきたいと思います。

 まず、細田委員から質問がありましたプレジャーボートの不法係留の件ですけれども、現在4年に1度、全国の放置艇の数を調べる調査のようことを実施しておりまして、今年度も実施した結果、全国に8.8万隻あるという状況が確認できました。今、放置艇対策の推進計画を河川と漁港、それから港湾のほうで並べる感じでつくっておりまして、その中身ですけれども、平成34年度までにそれをゼロ隻にすることを目指していきたいと考えております。

 それから広域残土の件で、リニアの話だったと思いますけれども、港湾における取組としまして、特に首都圏の場合、今、スーパーフェニックスという取組がされておりまして、東京港ですとか横浜港、川崎港から東北の小名浜とか相馬とか、ああいう震災復興で土砂が必要なところに土砂を運ぶといった取組を行っております。

 それから、同じく細田委員ですけれども、リサイクルポートが現状あまり利用されていないというご指摘がありました。これに関しましては周知不足というところがあるのかなと考えておりまして、リサイクルポート推進協議会を中心として、うまくいっている事例等を全国に対して粘り強く広報していくことが、利用促進につながっていくのかなと考えておる次第でございます。

 それから、佐々木委員から質問がありましたモーダルシフトの実績がどの程度進んでいるのかというところです。モーダルシフト全体の実績というところまでは押さえられていないんですけれども、とりあえず港湾のリサイクルポートに関する部分としまして、循環資源、リサイクルを念頭に置いた資源ですけれども、そういうものの、今、リサイクルポートの使用率は大体40%にまで高まってきておりまして、およそリサイクルポートを使っていただいている、実績が上がっているのかなとは認識している次第でございます。

○酒井部会長 大体網羅いただきましたか。委員の方々、よろしいですか。

 リサイクル原料の港湾のガイドラインの議論の改定、どうなりましたかという御質問がたしか大迫委員からありましたが、それに関してはどうなんでしょうか。

○国土交通省港湾局 それに関しては手元に情報がないので、持ち帰りまして、改めて総政局から回答させていただきたいと思います。

○酒井部会長 委員の皆さん、よろしいでしょうか。

 それでは、どうもありがとうございました。

 本日のヒアリング、活発なやりとりどうもありがとうございました。

 このヒアリングの内容、そしていただいた御意見につきましては、事務局から冒頭の説明でありましたように、第3次循環型社会形成推進基本計画、第2回の点検報告書案に反映させていただきたいと思います。

 次回の循環型社会部会で御確認いただくことにさせていただきたいと思います。

 本日ヒアリングに御協力いただいた各省の方々、どうもありがとうございました。議題(3)についてはこれで終了させていただきます。

 引き続きまして、各種リサイクル法の的確な執行の在り方にかかる意見聴取を踏まえた国の検討結果について、事務局から説明をお願いいたします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 資料4について御説明させていただきます。

 前回の循環型社会部会におきまして、複数の先生方から国と自治体の間で情報共有をもっと進めるべきという御意見をいただきました。関係自治体からの情報要求に係る要望事項につきまして、関係省庁と調整した内容につきまして御説明させていただきます。

 1ページが、容器包装リサイクル法でございます。

 関係自治体からは、容器包装多量利用事業者の個別の利用データ、あるいは事業所での再商品化の実態についての情報をいただきたいという話がございました。こちらにつきましては、平成26年度より公開しております容器包装を用いた量や容器包装の使用原単位に加えまして、自治体との協力事例等を含めて、更にわかりやすい形で公開または自治体への情報提供を行っていきたいと考えております。

 また、指定法人のホームページ上に各指定保管施設に対する落札事業者情報等が公開されておりますので、この活用につきまして、毎年開催しております地方ブロックごとの各地域の自治体職員との情報共有の中で、周知してまいりたいと考えております。

 続きまして3ページ、家電リサイクル法と小型家電リサイクル法でございます。こちらにつきましては、域内の事業者の認定に係る情報共有の要望がございました。

 まず、家電リサイクル法につきましては、4ページの左の箱にございますように、リサイクルプラントの認定、変更認定については自治体との情報共有をしておりませんが、今後は廃掃法の適正執行に必要な情報、例えばリサイクルプロセスに係る情報等について確認の上、施設が所在する関係自治体等に通知してまいりたいと考えております。

 また、国と自治体による行政処分情報共有スキームを検討いたしまして、行政処分について相互に情報を共有してまいりたいと考えております。

 5ページの小型家電リサイクル法につきましては、既に認定事業者の事業計画に変更があった場合には、適宜自治体に情報提供を実施してまいりましたが、今後は現在、提供している情報を含め、廃棄物処理法の適正執行に必要な、例えばリサイクルプロセスに係る情報等について確認の上、施設が所在する自治体等に通知してまいりたい。また、同じく国と自治体による行政処分情報共有スキームを検討いたしまして、行政処分について相互に情報共有を図ってまいりたいと考えております。

 6ページ、食品リサイクル法につきましては、食品廃棄物等の多量発生事業者の発生量のデータの共有の要望がございました。

 こちらにつきましては、7ページでございますが、定期報告では事業者単位の報告を受けておりまして、都道府県別というのは報告を受けておりません。これに対し、10月に取りまとめいただきました今後の食品リサイクル制度のあり方の中で、食品関連事業者の発生抑制、再生利用等の取組をより一層加速させていくため、国、自治体等が連携し、食品関連事業者、再生利用事業者との取組の継続的な改善を促していく必要があることから、都道府県ごとの食品廃棄物等の発生抑制、再生利用等の実施状況について集計、公表することと取りまとめいただきましたので、当該取組を適切に行うため、まず7月に省令を改正いたしまして、平成28年度から都道府県別のデータの報告を求めまして、都道府県ごとの食品廃棄物等の発生抑制、再生利用量を公表する予定といたしております。ここをしっかりやっていきたいと考えております。

 なお、8ページは、自治体から具体的な要望がなかった法令につきましても、地方公共団体との情報共有について検討したものでございます。資源有効利用促進法につきましては、毎年度、施行状況調査を実施して、これまでもその調査結果を公表してまいりましたけれども、今後は、その活用についてしっかり周知してまいりたいと考えております。

 また、自動車リサイクル法につきましては、つい先般、取りまとめいただきました見直し結果の中で、自治体による指導の円滑化及びその徹底に向けた環境整備やユーザー、関係事業者、自治体等との意見交換等を通じたシステム改善ニーズの把握、関係主体間の情報共有の円滑化等を課題として御指摘いただきました。これを受けまして、自動車リサイクルシステムを活用した情報提供や関係機関との連携強化、情報共有の円滑化のため、必要な情報共有体制の検討を進めてまいります。

 9ページ、補足でございます。国と地方公共団体の連携強化につきましては、情報共有を始めとして、例えば環境省が年1回それぞれの地域ブロックで行っております自治体との連携会議等において、引き続き自治体との意見交換や議論を推進し、各種リサイクル法等の実効性をさらに高めるべく取り組んでまいりたいと考えております。

○酒井部会長 前回のヒアリングを踏まえての、各種リサイクル法の的確な執行の在り方に係る意見聴取を踏まえた国の検討結果について、今、素案を御報告いただきました。

 御意見、御質問をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

 ほぼ前回いただいた御意見で作成いただいていると思いますが。

○佐々木委員 いろいろ検討していただいて、方向性もある程度出たのではないかとは思うんですが、やはり我々地方自治体が廃棄物の適正処理というか、循環型社会という面で、国が持っている情報をきちっと伝えていただく、そういったことは必要最小限のことではないかと思っております。もちろん企業情報等、いろいろ影響のあるものは当然配慮されるべきだとは思うんですが、ここに書いてあります、いわゆる廃掃法に基づく適正処理、そういったものを進めていく意味では、やはり情報の公開をしていただく、それが自治体にとっての1つ適正処理につながるものだと思いますので、情報公開、それからいわゆる国民に対しても、自治体を通じてやるのがいいのか、あるいは国が直接やるのがいいのかはありますが、そういったものがなければいろいろな協力体制はでき上がってこないのではないかと思いますので、今後一層、例えば個別情報につきましても御配慮いただければと思います。

○崎田委員 前回質問された方がどの辺を強調して質問されたかを、申し訳ありません、私、欠席していたのでちょっと把握できていないんですけれども、今、全体のお答えを伺いながら思ったんですけれども、今回、本当に短期の、二、三年の間に全てのリサイクル法の見直しが集中するという時期ですので、自治体からの声を聞くだけではなくて、どういう点が変わったかというところを─というか、自治体に期待する点や自治体の役割、どういうところが変わったのかというところを的確に伝えていただきながら、それに関して自治体ときちんと対話していただくことが大事なのではないかと思います。

 なお、今、佐々木委員の御意見の中にもありましたけれども、自治体やメーカー、いろいろな主体の循環の輪をつくる中で、消費者が購入して分別回収のほうで参加するという、その消費者の役割が大変強いと思うんですけれども、2000年前後に初めてリサイクル法ができたときときには、消費者への普及啓発が大変強調されたと思うんですけれども、その後、何となく安定期に入ってしまったような感じがあります。やはりもう一度きちんと、消費者が循環の輪をつなぐ役割があるんだというところをかなりきちんと共有していく、そこにどう伝えていくかというのは、自治体などと連携をしながらきちんとそこを強めていくというのが今、大変重要ではないかと思っています。よろしくお願いします。

○酒井部会長 お2人の委員から御意見ちょうだいいたしました。他にはよろしいでしょうか。

 それでは、今、佐々木委員からいただいた御意見、今日取りまとめていただいたまとめ、そこをより充分に趣旨を踏まえて、特に個別情報の検討等は引き続きという御要請の中で、骨格はこの方向をお認めいただいているのではないかと拝聴いたしました。

 また、崎田委員からの御意見は、リサイクル法本来の役割を念頭に置いた展開の必要性を訴えられた御意見、特にこれは国と地方の権限移譲に関わる点ということでは、今回の資料を上回る御意見ではないと拝聴しております。

 そういった意味で、今日取りまとめていただいたこの資料で特段の修正の御意見はないと認識しておりますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

(異議なし)

 どうもありがとうございます。

 それでは、今日は御欠席の委員の方もおられますので、その委員の方々の御確認もいただいた上で、本部会として了承するということにしていただきたいと思います。あとは政府の手続に沿って進めていただければ、そういうことにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○酒井部会長 今日は懇談会でございますので、あくまで委員の確認をしていただく、そういう趣旨でございますので、よろしく御理解をお願いいたします。

 それでは最後、事務局のほうで整理してください。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) ありがとうございます。

 御欠席の委員の御確認もいただいた上で、御了承いただいた内容につきまして、国と地方の窓口でございます地方分権改革推進本部に報告させていただきます。

 国としては、今後も引き続き自治体との意見交換や情報共有を図ってまいりたいと考えております。前回と今回と活発なご議論をいただきまして、誠にありがとうございました。

○酒井部会長 これで議題(4)については終了したいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、本日予定させていただきました審議事項は以上でございます。

 事務局から報告事項が数点あるようでございますので、よろしくお願いします。

○産業廃棄物課長 恐縮でございます、参考資料1「水銀廃棄物対策に係る廃物処理法施行令・施行規則等の一部改正について(報告)」をご覧いただけますでしょうか。

 これに関しましては、先日パブリックコメントをさせていただいたところでございまして、そのパブリックコメントの内容については前回の部会で御報告させていただいたところでございます。

 本日は、そのパブリックコメントの結果を踏まえて、あとは政令改正等を閣議決定させていただいておりますので、その内容について御報告申し上げたいと思います。

 まず1.経緯でございますが、本年2月に答申をいただいたところでございまして、これを踏まえまして、パブリックコメントを本年9月14日から10月13日まで行わせていただいております。パブリックコメントでお寄せいただいた御意見を踏まえまして、廃棄物処理法の施行令の一部を改正する政令について、今月11月6日に閣議決定させていただいたところでございます。

 これについては11日に公布されたところでございまして、現在、施行規則等を改正する省令等の公布に向けた作業を行っているところでございます。

 パブリックコメントの内容にどういったものがあったか、ポイントを絞って概要を御説明申し上げたいと思います。

 右肩に参考資料1(別紙)とある概要の資料をご覧ください。

 もう時間も押してございますので、この中からさらにかいつまんで御報告申し上げたいと思います。

 いただいた御意見は、全部で36件ございます。こちらには、その中で主なものを掲載させていただいておりますが、そのうちさらに絞って御説明申し上げますと、まず廃水銀関係、金属水銀関係でございますが、1番でございます。これにつきまして、廃水銀等の収集運搬を行う場合は、事業範囲変更による業の変更許可等が必要になるのか、こういった御質問、御意見をいただきました。これにつきましては、廃水銀等のうち特別管理廃棄物に該当するという扱いに、今回の政令改正でなったものにつきましては、業の変更許可等が必要になるものでございます。

 次に3番をご覧いただければと思いますが、パブリックコメント案の中で廃金属水銀につきましては、これを硫化する施設については設置許可が必要である、こういう廃棄物処理施設に位置づける、こういうふうに提案させていただいたところでございますが、この硫化する施設に加えて、硫化した後これを固型化する施設についても許可が必要な施設に追加すべきではないか、こういう御意見を賜ったところでございます。

 これにつきまして、右に書かせていただいておりますが、硫化施設と違いまして、固型化の場合には既に硫化された水銀を固型化するものでございますので、気化しやすい金属水銀ではなく、より安定した状態である硫化水銀を扱うということでございますので、その許可が必要となる施設には追加しておりませんが、その一方で固型化の処理基準は、これはしっかりと定めさせていただくことにさせていただいておりますので、そうした中で、御懸念がないようにしっかりと対応させていただきたい、このように考えているところでございます。

 おめくりいただきまして、5番をご覧ください。

 水銀汚染物の収集・運搬基準を定める必要はないのか、こういう御心配の御意見をいただきました。

 これに関連いたしましては、割れやすく大気への水銀の飛散が懸念される水銀使用製品産業廃棄物については、そのようなことがないように、新たに収集・運搬基準を追加させていただいたところでございますが、それ以外の高濃度の水銀を含む汚染物等、こうしたものについては既に現行の基準で充分に手当てされているところでございます。

 また、その下の6番でございますけれども、廃水銀等を取り扱う業者が新たに特別管理産業廃棄物の業許可を取得するために必要な期間を確保すべきではないか、こういう御意見でございます。

 これにつきましては、御意見を踏まえまして、パブリックコメントの段階では「速やかに施行」と書かせていただいていた部分ですけれども、今回の政令改正におきましては、平成28年4月1日もしくは、もし水俣条約がこれより早い日に発効すれば、これより早い日となりますが、基本的には来年4月1日に施行する、こういった形で猶予期間を設けさせていただいているところでございます。

 また、8番をご覧いただければと思いますが、市町村等により水銀体温計等の回収を一層促進することが重要であり、これに関して技術的、財政的な支援を行うべきではないか、こういう御意見をいただいているところでございますが、これにつきましては国といたしましても、市町村等による分別回収等を一層促進するため、ガイドラインの策定等の技術的な支援をしっかり行ってまいりたい、このように考えているところでございます。

 駆け足で恐縮でございますが、以上でございます。

○酒井部会長 説明ありがとうございました。

 ただいまの説明に対しまして、御質問がございましたらお願いいたします。

○崎田委員 今、後半で市町村の収集、分別回収の徹底に関する御質問がありまして、それに関してガイドラインの策定ということがあります。この辺が大事だと思っておりますが、今、製品の表示とかそういうほうの検討に参考させていただいていますけれども、そういうところとちゃんと連携しながら、こういう制度ができていくことが大変重要なのではないかと思っております。

 なお、社会の一員として、個人としての視点から見ると、やはり水銀対応が法律上決まって、条約上決まって、大気汚染、製品と廃棄とライフサイクル全体の仕組みができてきたということが重要なので、常に全ての情報が得やすいように発信していただければありがたいと思っています。よろしくお願いします。

○廃棄物対策課長 御指摘ありがとうございます。

 一般廃棄物の件は、市町村との連携はもとよりですけれども、今、先生がおっしゃったように、製品、廃棄等々という、一体としてという意味での連携は非常に重要だと思っておりますので、その辺も含めて、ガイドラインももとよりですけれども、周知徹底の工夫は最大限図りたいと思っております。

○酒井部会長 他にはよろしいでしょうか。

 それでは、本日用意させていただきました議題、全て終了でございます。

 全体を通じて何かございましたら、ここで御発言ください。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の懇談会はこれで終了としたいと思います。

 事務局から何かありましたらお願いします。

○企画課長 本日は長時間、誠にありがとうございました。

 次回の日程でございますが、暮れも押し迫ったところで申し訳ありませんが、12月24日木曜日、1時から予定させていただいております。次回も議題が多うございますので、一応3時間の枠をとらせていただいております。場所は大手町のサンスカイルームでございますが、出席の御確認を含めて、また事務局から改めて御案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いたします。

○酒井部会長 それでは、これで閉会させていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

午後5時05分 閉会