中央環境審議会循環型社会部会(第40回)議事録
開催日時
令和4年4月5日(火) 13:00~15:00
開催場所
WEB 会議方式により開催
議題
(1)第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定について
(2)その他(報告事項)
議事録
午後1時03分 開会
○総務課長 それでは、始めさせていただきます。定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、WEB会議で開催をさせていただいております。
会議の運営につきましてのお願いでございますが、ご発言いただく際にのみ音声をオンとし、それ以外の時間はミュートとしていただきますようお願いいたします。また、ビデオにつきましては、ご発言の際のみ、任意でオンにしていただければと思います。
ご発言される際には、挙手ボタンでお知らせをいただきまして、部会長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。
会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開をしております。
本日でございますが、委員総数28名のところ、現時点で26名、最終的には27名の委員の方にご出席いただくことになっておりまして、部会としては成立しておりますことをご報告申し上げます。
また、酒井部会長にご了承いただいた上で、本日の議題に関連いたしまして、3月16日に開催された循環経済工程表に係るワークショップにおいて基調講演、それからモデレーターをしていただきました京都大学の浅利先生にもオブザーバーとして、前半部分に参加をいただくことになっております。
それでは、議事に先立ちまして、室石局長よりご挨拶をさせていただきたいと思います。局長、よろしくお願いいたします。
○環境再生・資源循環局長 室石ですが、聞こえていますでしょうか。
○総務課長 はい、大丈夫でございます。
○環境再生・資源循環局長 本日、年度始まりという非常にお忙しい中、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。本日は、第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定について、ご議論いただく予定となっております。
現在、ますますカーボンニュートラルが重要な課題となっております。IPCCの新しい報告書も出たところでございます。また、前回の部会以降、国際情勢も大きく変わってきており、循環経済の重要性が再認識されてきたのではないかと、「経済安全保障」という言葉もございますけれども、非常に注目されているんじゃないかというふうに思います。本日は、大所高所から活発なご審議をお願いしたいというふうに思っております。
また先日、4月1日にプラスチックの資源循環促進法が施行されました。私も、テレビとかいろいろ、雑誌とか新聞とか、いろいろな場面で、各企業がこういった新しい取組を始めると、そういったものを目にしております。まさに、実際に行動変容が起こりつつあるという、そういうことに直面しているというふうにも思います。
今日は、そうしたお話も含めて、最近の資源循環政策を中心にご報告もさせていただくという予定でございます。本日は、ぜひ忌憚のないご意見をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○総務課長 次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。本体資料につきましては、資料の1-1、1-2の二つでございます。それから、参考資料、こちらにつきましては1から8までとなります。資料につきましては、事務局にて画面に投影いたしますけれども、必要に応じて、あらかじめお送りいたしましたファイルをご覧ください。
それでは、以降の進行につきましては、酒井部会長にお願いをしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも承りました、酒井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほど、室石局長からご紹介がございましたとおり、本日の議題は、第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定についてです。前回の部会での進め方の議論を踏まえまして、実施された事前の意見募集、ワークショップの実施結果を事務局から報告をいただきます。そして、点検報告書及び循環経済工程表の要素(案)につきまして、議論を深めてまいりたいと考えております。
まず、事務局から資料1-1と1-2について、説明をいただきますが、説明後に委員の皆様からご質問、ご意見を頂戴できればと考えております。質問は、できるだけ簡潔にお願いできれば幸いです。また、事務局には、関連する質問は適宜まとめてお答えをいただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、まず事務局のほうから、資料1-1、1-2の説明をよろしくお願いいたします。
○循環室長 よろしくお願いいたします。
資料の1-1をご覧いただければと思います。循環基本計画進捗状況の第2回点検結果というのと、(循環経済工程表)の要素(案)ということでまとめさせていただいております。
最初に、目次をご覧になっていただけますでしょうか。「Ⅰ.はじめに」のところから始まりまして、点検作業を行っておりますので、その状況をⅡ、Ⅲでまとめてございます。また、今、ご言及がございましたパブリックコンサルテーションのところをⅢ-2のところで書いてございまして、点検結果、工程表としてまとめるところ、Ⅲ-3、今後の方向性というところで、今日は要素案ということですので、箇条書ということで書かせていただいてございます。
最初に、1ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。「はじめに」という部分で書いてございます。12月に部会でご審議賜ったことを書かせていただいてございます。循環計画を2年に1回点検するということ、それから夏まで、8月まで中長期シナリオ(案)の審議をしていたこと、それから温対計画で3R+Renewableということを位置づけつつ、循環経済工程表の今後の策定に向けた具体的検討を行うという旨、ご紹介申し上げた上で、第2回点検を行うということ、これを循環経済工程表として、取りまとめるという旨のご審議を賜りましたので、その部分を書いてございます。
この間、12月の部会の後、事前の意見募集ということで進ませていただきました。また、先ほどもお話がありましたけども、浅利先生にお願いをして、3月16日にワークショップも行いました。その状況を踏まえた資料を作ってございます。若干大部になりますが、3ページ目以降、ご説明申し上げます。
3ページをご覧になっていただけますでしょうか。ここから、しばらく循環計画で書いてある目標等の点検作業を進めてございます。別途、大迫先生などにお願いしている指標の詳しい検討結果をはめ込んでございます。
最初に3ページ目の1.物質フローの推計結果というところで、図のⅡ-1、図のⅡ-2がございます。これは、いつものおなじみの物資フローの図でございますけれども、最新のデータ、2019年度になりますので、2019年度のデータをⅡ-1に、比較のために2000年度の図をⅡ-2に入れております。物質投入量がきゅきゅっと減っていること、あるいは最終処分量がぐっと減っているというようなところ、いつものフロー図からも見てとれるのではないかというふうに考えます。
4ページ目、ご覧になっていただけますでしょうか。進捗状況のところをまとめてございます。資源生産性、循環利用率、四次計画になって入り口、出口ということになっておりますけども、最終処分量ということで、昔は三大指標で、今は四大指標でございますが、それの目標の推移を書いてございます。
表のⅡ-1をご覧いただければと思います。資源生産性について、目標どおり上向きになっていて、長期的にも達成見込みである旨、最終処分量については、一番下の出口のところですけども、目標どおり大幅に下がっていて、既に目標達成水準である旨、書かせていただいております。丸と二重丸は、その旨を表したものでございます。
真ん中の循環利用率のところをご覧ください。長期的に上昇傾向にあるということはありますけども、近年、横ばい傾向にあって、達成が厳しい見込みであるという旨、これは正直に書かせていただいておりまして、三角で表現させていただいております。
その下、4ページ目の下辺りから、資源生産性、循環利用率、あるいは最終処分量について、それぞれの説明を書かせていただいてございます。資源生産性のところをご覧になっていただきますと、当初、2000年度から土石系の鉱物資源が大量に減ったという旨、大規模公共工事との関係で書かせていただいておりまして、また、近年は上向き傾向である旨も書かせていただいております。
真ん中の循環利用率のところをご覧ください。②の部分でございます。循環利用率が増加傾向にあったという旨と、2014年以降、横ばい傾向になっている旨、正直に書かせていただいております。2019年度の循環利用量ということで、がれき類、金属くず、スクラップ、鉱さいが循環利用量、重い部分でございますけども、循環利用率が超えていると、高くなっているという一方で、3品目以外の家畜ふん尿であったり汚泥であったり、含水率が高いという旨も正直に書かせていただいておりまして、これによって循環利用率が低い値となっている旨も書かせていただいてございます。
その下の③の部分をご覧ください。最終処分量でございます。1,300万トンということで、長期的に減少傾向であることと、目標値に先んじてほぼ達成している旨、書かせていただいてございます。
7ページ目から10ページ目までは、その状況を推移としてお示ししたものでございます。なので、ちょっと飛ばしまして、10ページ目まで行きますと、最終処分量がほぼ目標を達成している旨も推移として表現してございます。
11ページ目以降をご覧ください。Ⅲで、循環型社会部会における点検結果という部分でございます。この部分は、しばらく四次計画の内容を最初のところでご紹介しつつ、この後、ライフサイクル全体の徹底的な資源循環というところが始まっておりますけれども、ライフサイクルを図で表した上で指標のマッピングをするということを指標の進捗状況のマッピングをするということを行ってございます。
最初に、Ⅲ-1の1.でライフサイクル全体の徹底的な資源循環という部分でございますけども、四次計画で書いてある部分を11ページ目にご紹介しておりまして、12ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。
進捗状況ということでございますけども、四次計画でそれぞれ素材を分けて説明してございます。最初にプラスチックのところを書いてございます。プラスチックの施策について、ライフサイクルで指標のマッピングをいたしまして、それぞれの指標目標を示してございます。「バイオマスプラスチックの国内出荷量」、これは目標が極めて野心的なものになっておりますけども、上向きではあるけれども、このままでは達成が難しい旨、書かせていただいてございまして、局長からもありましたけども、プラ法が施行になったところです。別途、また後でご報告申し上げます。ああ、ごめんなさい。参考の報告事項のところで、ご報告申し上げます。
13ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。こちらでバイオマスの関係の指標の進捗状況をマッピングしてございます。その下、13ページ目、ご覧いただけますでしょうか。ベースメタルやレアメタル等の金属ということで、こちらも数値の動向を書いてございます。赤字になっている部分が目立ちますけども、別途検討が進みまして、小電リサイクルのほうで14万トンという目標に対して、10万トンというようなことも点検いただいたところでございます。目標達成が厳しい状況である旨、正直に書かせていただいてございます。
14ページ目、ご覧になっていただけますでしょうか。Dのところで土石・建設材料ということで、ライフサイクルが長期にわたる部分でございますけども、そこも一応マッピングをして書かせていただいてございます。目標達成が厳しくなっている部分も、赤字で正直に書いてございます。
14ページ目の下の部分、Eのところをご覧になっていただけますでしょうか。温暖化対策等により新たに普及した製品というところで、太陽光パネルの関係の数字が書いてございますけども、これは率直に申し上げて、データ取得の課題だったり対象の選定だったりといった旨の課題がある旨も、これは正直に書かせていただいてございます。
15ページ目、ご覧になっていただけますでしょうか。ここで、四次計画のうちの、これも四次計画の柱の一つでございました統合的取組といったところの状況でございます。15ページ目で四次計画の統合的取組の内容を簡単にご紹介申し上げて、16ページ目以降で進捗状況を書かせていただいてございます。
16ページ目をご覧ください。進捗状況を書いてございます。表のⅢ-1で各指標の進捗状況というふうに書いてございますけども、例えば、上から三つ目の循環型社会ビジネスの市場規模というところで、最新値、2019年度で53兆円というふうにしてございますけども、上向き傾向であるけれどもという、短期的には、このままではといったところも正直に書いてございます。
そのまま17ページ、18ページ目とご覧になっていただいて、最新の状況をプロットしているというものでございます。
19ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。19ページ目で四次計画、あるいは四次計画の基になった環境基本計画の、これも柱の一つでございます地域循環共生圏の関係の内容でございます。19ページ目で四次計画に書いてある地域循環共生圏による地域活性化の部分をご紹介申し上げて、20ページ目以降で進捗状況をプロットしてございます。
指標としては、従来からの廃棄物の排出量が代表指標として設定されてございますけども、例えば、1人1日当たりのごみの排出量でありますとか、1人1日当たりの家庭系のごみの排出量でございますとか、20ページ目の下のほうに書いてございますが、長期的に減ってはいるということでありますけども、短期的に横ばい状況になっている旨、これも正直に書かせていただいてございます。
21ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。これも進捗状況をプロットしてございます。その下に行っていただいて、4.で適正処理の更なる推進と環境再生という部分でございます。
こちらも、四次計画の内容を22ページのところでご紹介申し上げております。廃棄物の適正処理、生活環境の保全及び公衆衛生の向上の観点から厳然として不可欠というふうにしたところでございます。四次計画の内容を22ページでご紹介申し上げた上で、23ページ目以降、指標の進捗を書かせてございます。
23ページ目をご覧ください。不法投棄量であったり、不適正処理量は、これが当初に比べて大幅に減っている旨、書かせていただいてございます。項目別の指標によって、不適正処理の発生件数が短期的に増加している旨も、これも正直に書いてございます。
23ページ目の下から三つ目のところ、電マニの普及率のところですけども、達成が難しい状況であったが、短期的な動向で上向き傾向にある旨、これも書かせていただいてございます。
24ページ目、ご覧になっていただけますでしょうか。これも不法投棄量であったり、不法投棄の発生件数であったりといった状況をプロットしてございます。
25ページ目、ご覧ください。これは四次計画の国際の部分の紹介を25ページ目でした上で、26ページ目をご覧になっていただきますと進捗状況をプロットしてございます。指標の設定の難しい部分でもありますし、項目別の取引指標、必ずしも、はかばかしくないように見えるところ、ございますけれども、そこもコロナの影響もあったというふうに考えてございます。
28ページ目以降で、パブリックコンサルテーションで得られた意見の概要について、ご紹介申し上げております。1月18日から2月末まで、12月の審議を踏まえて、事前の意見募集ということをさせていただきました。また、ワークショップということを3月16日に、この部会の委員の先生方をはじめ、様々なご協力を得まして行ったところでございます。
事前の意見募集の手続の部分ですけども、総計68件の意見が寄せられたということで、質問を事前に設定をいたしまして、1、2、3ということで、全体的なライフサイクル全般、適正な資源循環の取組の必要性、あるいは質問2において、新しい動きがある中で企業の本業として、様々な主体が取り組んでいくといったところ、それから質問3について、SDGsということを踏まえた環境にとどまらない価値といったところをご質問させていただきました。
また、30ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。ワークショップを開催いたしまして。ごめんなさい、31ページかな。すみません。3月16日に開催したところでございます。今日、ご参加いただいている浅利先生に基調講演とモデレーターをお願いして、サブテーマ、サブグループに分けて開催させていただいたところです。
それぞれ、事前の意見募集であったり、ワークショップで得られた生データに近い意見、書かせていただいておりますけれども、全体的なこととして、44ページをご覧になっていただけますでしょうか。すみません。44ページです。それで、学びのポイントということを書かせていただいております。手続について多くの意見をいただいて、ありがたかったというふうに思っておりますし、参加型のワークショップなりができたというふうに思ってございます。
事前の意見募集手続について、質問1、2、3ということで聞かせていただきましたけども、多様な連携であったりパートナーシップの取組であったりというようなご指摘がございましたし、質問2のところでも様々な新しい仕組み、あるいは、いろんな転換が見られているというところ、あるいは質問3のところでマルチベネフィットのところに多くのご指摘があったところでございます。
また、ワークショップのところでは、普段なら難しい意見交換といったことができたかというふうに考えているのと、あと、企業側あるいは消費者側、いろんな見方がございますけれども、企業側から見ていく中で消費者についてというところで、消費者の意識を変えていく必要があるんじゃないかということ、消費者の行動変容にどうつなげていくかといったところがございました。
また、ワークショップに若者世代の代表といった方にも参加いただきました。若者も、一口に言っても、意識が高くてというような層とそうでもないという層、二極化しているといったところ、様々な分析から示唆されていたところでありますけども、そういう意見も直接ございました。そういった方々が行動しやすくするような社会システム整備でありますとか、一人一人が立場を超えたというか、浅利先生から全員が資源循環のプレーヤーというようなおまとめもありましたけれども、そういった必要性について共有をいただいたというところでございます。
これらを踏まえまして、45ページ目以降で今後の方向性の要素の案ということを書かせていただいてございます。最初のところで、循環経済の役割と2050年を見据えた目指すべき方向性というところを書かせていただいております。最初の丸のところ、我が国のこれまでの取組、成果を上げている部分もございます、そういったところの認識でありますとか、あるいは12月の部会でご指摘いただきましたサーキュラーエコノミーの用語の整理も必要ではないかという旨、書かせていただいてございます。
また、その下で、循環型社会の実現に、どう循環経済を本業として行っていただくかといったところのビジネスモデルの転換のところも要素として書かせていただいてございます。
また、脱炭素の観点からの貢献といったところで、これは、すみません、参考資料の3の37ページに詳細なところがございますけれども、そこで資源循環からの貢献の分野を我が国のインベントリのベースで分析した結果として、貢献できる余地として36%という試算をしてございます。こちらをご紹介した上で、資源循環の取組が脱炭素のことをやっていく上で、これが不可欠な取組になっていく旨、要素として書いてはどうかということを書かせていただいてございます。
また、経済規模の観点からの貢献といったところも書かせていただいてございます。これも参考資料の部分で経済の規模の部分を41ページ目以降、載せさせていただいてございますけども、現行の政府の目標として、成長戦略のほうで先ほど申し上げた50兆円から80兆円以上にするということを目標として掲げてございますので、こういったところを要素として盛り込んだらどうかということを書いてございます。
また、その下、資源制約の観点からの貢献といったところで、これも現下、世界情勢が非常に厳しいところがございます。そういったところも踏まえた中長期的な資源制約の強まりといったところで、経済安全保障の観点をどういったところで書いていくかといったところを要素として盛り込んでございます。
また、その下、地域循環共生圏であったり国際的な経済体制といったところの貢献のところも要素として書いてございます。
46ページ目の2.のところで、素材毎の方向性というふうに書いてございます。現行の循環計画が四つのプラ、バイオマス、メタル、金属ですね、それから土石系といったところで分けて分析をしておりますが、これによらない温暖化対策等により新たに普及した製品や素材といったところも引き続き重点分野として扱うということでどうかということで、その下の追加的に考えられる方向性をそれぞれ記載したらどうかということを要素として書いてございます。
上流段階まで含めて、ライフサイクル・バリューチェーン全体のロスゼロの方向性を目指していくということを書いた上で、3R+Renewableといったところで社会全体で最適化していく旨、盛り込んだらどうかということで。
その下、プラ、バイオマスといったところで書いてございますけども、プラについてはプラ法もできましたけれども、3R+Renewableを徹底していくんだと。それから、再生素材なりバイオマスプラスチックの割合を高めて、バージンを減らしていくんだという方向性は既に出ているというふうに考えてございまして、それを要素として書いたらどうかというふうに考えてございます。
②のバイオマスのところですけども、3Rによる消費のリデュース、あるいは再生ペースを超えた利用がないようにといったことを書かせていただいておりまして、その下の食ロスの重要性のところで、年間の援助量よりも多い、既に食ロスの半減目標はあるところではございますけども、年間の援助量よりも多いといったのはよろしくないというところもございます。400万トンより少なくするということを目指すことでありますとか。
あるいは、食品廃棄ゼロエリアの創出、あるいは、8月までの中長期シナリオでも検討がありましたけれども、メタン回収だったり、あるいはカーボンキャプチャーであったり、様々な組合せによって、カーボンマイナス施設として活用していく旨も書かせていただいてございますし。また、バイオマス廃棄物等を原料として、バイオジェット燃料のところについても要素として盛り込んでございます。
メタル系について、③のところですけども、ライフサイクル全体で最適化していくというところを書いた上で、その下、金属回収の徹底でありましたり、経済安全保障の観点といったことも踏まえて、アジア等でリサイクルが困難な使用済製品等からの金属のリサイクルに向けた取組、これをより強化していく必要がある旨、要素として盛り込んでございます。
④の土石系のところで、これはライフサイクルが長期にわたる分野でございますけども、定量的な分析による知見の充実でありますとか、リデュースの観点で効率性の向上でありますとか、そもそも優れた原材料でありますとか。あるいは、48ページ目に行っていただきますと、長寿命化の促進でありましたり、あるいは既に循環型素材ということで、多大な貢献があるセメントのところについても要素として盛り込んだらどうかというふうに考えてございます。
3.のところで製品毎の方向性というふうに書いてございます。先ほどの2.のところが横串的、素材の横串ということになりますけども、脱炭素ということで中長期で考えていきますと、製品寿命が長い製品ごとの方向性についても示したらどうかということで、①の建築物の部分ですけども、リデュースであったりリユース、建築資材のリユースの話でありましたり、従来の建設リサイクル法の範疇が届いていない、ここでは建設系廃プラでありますとか、あるいは太陽光発電といったところのリサイクルについて、制度的対応の検討といったところも要素として盛り込んでございます。
また、②のところで自動車のところですけども、これは自動車リサイクルで別途検討が進んだところではございますけども、自動車リサイクルプロセスそのものを脱炭素化していくお話でありますとか、あるいは電動化によって、自動車がそもそも変わっていくといったことを踏まえた脱炭素戦略といったことを要素として書かせていただいてございます。
また、③の小電・家電の部分ですけれども、これは別途、小電や家電でそれぞれの検討が進んだところでございます。回収量の目標に達しない旨、先ほども申し上げましたけれども、家電の検討でもエアコンの回収率が低いといったところをHFCの観点も含めて要素として取り組んだらどうかということがございますし、また、サブスクといったところの新たなビジネスモデルも出てきているといったところを取り込んだ要素としてはどうかというふうに書いてございます。
また、④のところで太陽光の話、こちらでも書いてございますけども、その下のバッテリーの部分も、リチウムイオン電池に起因する火災等といったところに言及した上で、総合的な対応策について、要素として書かせていただいてございます。
⑤について、これは社会的な要求も踏まえて、ファッションについて、適量の発注、生産、購入、循環利用に転換していく旨、要素として書いたらどうかということを書かせていただいてございます。
4から下はそれぞれ個別の内容になりますけども、循環計画に対応した個別の内容になりますけども、廃棄物処理システムの方向性ということで、8月まで議論したシナリオについても、より深掘りを進めていく旨、4.のところで書かせていただいてございます。
また、5.の地域の循環システムといったところで、それぞれの特性に応じた地域資源としての活用であったり、広域課題であったりといったところの課題に触れつつ、分散型の資源回収拠点ステーションといった間口を広げていく取組についても必要性を要素として書かせていただいてございます。
6のところで適正処理、これは今後も大前提であろうということで、要素として書かせていただいてございます。一番下のところで、すみません、最終処分場の残余年数、産廃のほうですけども、現行のところ、目標が期限切れになっているところがございまして、2025年度を目標として、当面、今の水準を維持する旨、これも追記をさせていただいてございます。
7.のところで、国際的な循環経済促進の方向性でありますとか、これは諸外国の事情を反映して行っていく旨、書かせていただいておりまして、8.のところで各主体の役割と、あるいはその技術の整備といったところで、必要な技術開発、デジタル技術等の徹底活用でありますとか、経団連さん、あるいは経産省さんと一緒になって行っている循環経済パートナーシップ(J4CE)、これは代表事例として書いてございますけども、そういったものを要素として取り組んだらどうかということで書かせていただいてございます。
Ⅳ.のところで、こちらは計画全体の進捗の点検というところで、国の取組に関する進捗状況表、これは資料1-2ということで、白書の記載を転記するような格好でおまとめしてございますけれども、こちらは別途、ご参照になっていただければというふうに思います。
また、51ページ目以降は、本文に取り込めなかったフローの推計結果を参考資料として、まとめているといったところでございますので、ご参照いただければというふうに思います。
私からの説明は以上でございますけども、箇条書になっている要素案の部分、資料の図で申し上げますとⅢ-3の部分について、中心的にご意見を賜って、今後の文章化に生かしていきたいというふうに考えておりますので、審議のほど、よろしくお願いしたいと思います。
私からの説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうも、平尾室長、ありがとうございました。
それでは、今の要素案を中心に、ご質問、ご意見をお聞きしたいと思います。Webexの挙手機能、挙手ボタンで発言の意思表示をお願いできればと思います。気をつけて見るようにしたいと思いますけれども、抜けがあるような場合は、事務局から、ぜひ、アナウンスしてください。
早速、多く手を挙げていただいておりますので、ご指名していきたいと思います。
それでは、まず、新熊委員からお願いいたします。
○新熊委員 ありがとうございます。
脱炭素化が大きな目標の一つになっているわけですけれども、廃棄物分野における個々の取組の脱炭素効果が明確になっていないと思われます。そのために、今回の点検結果からは、脱炭素化に向けて、今後、何を優先的に取り組むべきなのかを残念ながら読み取ることができません。その一つの原因は、GHG排出量といった直接的な指標を使っていないからだと思われます。2050年まで先が長いことを考えまして、廃棄物分野におけるGHG排出量に関する指標の早期開発を提案申し上げます。また、今回の第2回点検におかれましても、指標を開発する必要性を盛り込んでいただきたく存じます。
GHG排出量に関する指標について、少しだけ具体的に申し上げますと、例えば、廃棄物の種類ごとにリユース、リサイクル、サーマルリサイクル、最終処分したらどれぐらいのGHGが排出されるのかを指標として示し、GHGの見える化に少しでも努めていただきたいと思います。昨年の中長期案作成のときにも、これと似たようなことをやって、GHG排出削減量を推計していたと思われますので、ご検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうも、新熊委員、ありがとうございます。
それでは、引き続いて、大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 ありがとうございます。4点ほど、申し上げさせていただきたいと思います。
一つは、46ページのところに関係しますけれども、サーキュラーエコノミーと循環型社会の違いみたいな話で、今まで酒井先生をはじめとして、循環型社会の形成に非常にご努力いただいて、ご尽力いただいてきたわけでございますので、それは、ぜひ生かしていきたいというふうに私も考えていますが、違いとしてあるところとして、3点ほど申し上げておきたいと思います。
一つは、46ページのところに関係しますけれども、サーキュラーエコノミーと循環型社会の違いの話です。今まで酒井先生をはじめとして、循環型社会の形成に非常にご努力いただいて、ご尽力いただいてきたわけでございますので、それは、ぜひ生かしていきたいというふうに私も考えていますが、違いとしてあるところとして、3点ほど申し上げておきたいと思います。
一つは、EUのサーキュラーエコノミーは競争政策を踏まえているということで、統合的な域内市場というものがあり、その中での競争条件を一律にするということが環境政策とセットで語られているということが第1点でございます。
第2点でございますけども、経済的なディスインセンティブを用いた環境配慮設計でDfEのようなことを強調していて、そのほかにEPRも入るわけですけれども、それが競争政策と実は非常に関連しているということでございます。この点に関しては、日本の循環基本法も一定程度のものを持っていますので、その再確認の必要があると思います。
第3点としては、安全・安心の基礎を堅持するということでございまして、これは化学物質対策と、そのためのデータベースの構築というようなことが関係しますが、サーキュラーエコノミーと化学物質戦略との一体化のようなことが関係してくるということです。
さらに、当然のことですけども、経済とか雇用とか社会とかの関係を重視しているということもサーキュラーエコノミーの重要な観点でございまして、これも、今まで循環型社会として我が国が追求してきたものとは少し違いますが、この点は既にご認識いただいているところかと思います。それが第1点でございます。
第2点ですけど、46ページの下のほうのベースメタルとレアメタル等の金属に関して、特に重視していることは私も非常に重要だと思っておりまして、この点は経済安全保障との関係でも重要だと思いますが、こういうものを合わせたクリティカルメタルというような考え方はアメリカとかEUとかも持っているようなので、そういうクリティカルメタルに関しては、特に回収。リユース、リデュースというよりは回収ですね、回収と再活用を考えることが非常に重要だと思いますので、そういう概念を経済産業省にも協力いただいてつくっていってはどうかということが第2点でございます。
第3点ですけども、48ページのところが関係しますけども、太陽光発電設備に関して、制度化の対応を含めてということで、ぜひ行っていただければと思いますけども、再エネ特措法のほうで、資源エネルギー庁さんのほうで既に一定程度の制度化、費用負担に関しては対応していますので、そのタイアップ、連携が必要だということと、環境省のほうが遅いと、3Rの実際に関するこちらの対応がよく分からないままに再エネ特措法のほうはどんどん、さらに制度化が進んでいってしまうこともあり得ますので、そういう意味では、連携とともに、こちらのほうの対応も迅速にしていただく必要があるのではないかと思います。
また、リチウムイオン電池に関しても発火事故等がございますので、制度化を含めて迅速な対応をしていただけるとありがたいということです。以上が第3点です。
それから、第4点ですが、49ページのほうですけども、資源回収拠点のステーションというのは分散型のものが大事だと私も思っていまして、この間、廃棄物の資源循環学会のほうでもパネリストに参加させていただきましたけれども、化石資源由来のものとバイオマス由来のものとを分別しないと2050年カーボンニュートラルは達成できません。分別をした上で、化石資源由来のものは燃やさないようにする必要がございますので、そういう意味での分別がさらに重要になっていくと思いますけれども、ソーティングセンターのようなものも、ぜひご活用いただく必要があるかと思います。資源回収拠点ステーションに入っているのかと思いますけれども、ソーティングセンターというのも重要だということを申し上げさせていただきたいと思います。
以上です。どうもありがとうございました。
○酒井部会長 どうも、大塚先生、ありがとうございました。非常に重要なご指摘、十分に検討してまいりたいと思います。
それでは、次に、見山委員、お願いいたします。多くの方から手が挙がっておりますので、半分ぐらいの委員からご意見いただいたところで、一度、事務局にマイクをお渡ししたいと思っています。では、見山委員、お願いいたします。
○見山委員 ありがとうございます。
私のほうからは、サーキュラーエコノミーに関して、入口と出口の話がここで書かれているんですが、その間をつなぐものとして、主に「制度」や「行動」ということが語られていると思います。ここに欠けている要素として、「技術」についてお話をさせていただきたいと思います。
技術動向に対する視点というものを、環境省として、受け身ではなく、既にある技術や、サーキュラーエコノミーに資するような新しい技術を社会に実装するような支援を、つまり「当事者として伴走支援をする」、「制度的なサポートをしていく」、そういった視点をぜひ入れていただきたいなというふうに思っております。
具体的には、日本の企業というのは、こういったサーキュラーエコノミーに資するような技術というのを既に開発していますが、実際、入口と出口がつながっていないという課題を多く抱えています。具体的に言うと、紙の再生をする技術で、使用済みのコピー用紙からインクを吸着して繊維に戻し、そこから水を使わないで再生紙をつくる技術があったり、先ほどファッションの話もありましたが、適正発注、適正生産、適正購買につながるようなデジタル捺染の技術。あるいは、自然エネルギーと親和性の高い、高コストパフォーマンスを実現するエネルギーマネジメントシステムを開発している企業が、実際にあります。
ただ、その中で、入口と出口がなかなかつながらない。そこをつなぐのが、多分、制度的な支援だという理解をしております。したがいまして、ぜひ、「技術」という視点もどこかに入れていただいて、環境省として社会実装に向けて能動的に参加し、制度的な支援を検討いただきたいと思います。
私からは以上になります。
○酒井部会長 見山委員、ありがとうございます。
引き続いて、岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 岡村です。ありがとうございます。
私からは2点、ご質問させていただきます。
まず、1点目は、資料の46ページ以降に示されている今後の方向性に関してですが、その中で中長期シナリオの深掘りという記載がございます。この中長期シナリオについては、事務局からの説明にもありましたとおり、一つのオプションであると理解しております。現時点では、技術の進展も踏まえて、見直しをきちんとしていかなければならないと思います。資料の中には、具体的な数値目標や中長期シナリオ(案)の実行計画も含まれておりますが、それが適切なものなのかということを、これからしっかり検討していただければと思います。
そういう意味で、特に、資料49ページにあります資源循環に関しては、社会全体での温室効果ガス削減のポテンシャルを試算するといったことも書かれております。その結果もしっかり踏まえながら、今後の検討に役立てていただければと考えております。
それから、2点目は、これまでの資源循環という観点に加えて、カーボンニュートラルが非常に重要になってきています。この二つをバランスよく進めるためには、様々なオプションを想定しながら最適解を探すことが必要になることに加え、これまで全く関わりのなかった異業種間の連携も非常に大切になってくると思っております。
その意味で、現在の法体系は、主に静脈産業側に着目しており、廃棄物に関して個別の製品ごとの法体系になっていますが、そういった形が本当にいいのかという視点を持つことも必要なのではないかと思います。サーキュラーエコノミーに関するビジネス市場拡大の話も出ていますが、それを効率的に進めていくためには柔軟に対応できるような制度体系が考えられていくべきではないかと思いますので、よろしくお願いします。
私からは以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
引き続いて、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。私のほうからも3点、発言させていただこうと思います。
まず1点目なんですが、先日、行われたパブリックコンサルテーションの公開に関して、私もYouTubeで確認をさせていただきました。本当に若い世代の方、あるいは企業の新しい取組、いろいろな情報共有が積極的に行われて、こういう機会はすばらしかったというふうに思っております。
なお、その中で私が強く感じたのは、先進的な企業の皆さんは、プラ新法の動きとかSDGsの流れとか、かなり早い段階でキャッチをして、2Rの徹底とかシェアリングエコノミーとか、使用の合理化とか、様々なことに関して積極的に取組もうとされている。そういう動きを、もっと社会全体が共有をして、消費者が商品を選ぶときの選択行動につなげる、あるいはライフスタイルの変容につなげる、そういうようなことを一緒に取組んで、社会全体の変革につなげていくような、そういう動きをもっと強くしていくのが大事なのではないかなというふうな感じがいたしました。そういう意味で、消費者の行動変容を起こしていくということも、その辺も制度の中にきちんと位置づけていくことが大事なのではないかというような感じもいたしました。
2点目なんですけれども、やはりサーキュラーエコノミーの流れに向けて、東京2020大会でどれだけのことに挑戦できるのかということを、昨年の大会で、取組をしていただきました。それで、組織委員会のほうからもワークショップに参加をして発表していただいたんですが、資料の点検結果案にはあまり詳しいことが書かれていないので、後で加えていただければありがたいなと思うことが幾つかあります。
特に、やはり入り口側と出口側の目標を高く持っていくということが大事で、調達物品の99%をリユース・リサイクルする目標を立てたんですが、これに関しては、管理を徹底して、結果的に99.97%のリユース・リサイクルを達成しました。なお、出口側の運営時廃棄物のリサイクルに関しては65%という目標を設定したんですが、リサイクル率の高いものが無観客で使えなかったということもあって、62%という結果でした。こういうふうに、目標を高く設定をして、それなりの管理システムを、調達のところから入れていけば、これだけの成果が出せるという結果も出てきたと思いますので、「持続可能性大会後報告書」の詳細データも活用して記録として入れて、社会に発信していただくことも必要なのではないかというふうに思いました。
3点目なんですけれども、先ほど、もう既にご発言がありましたが、脱炭素に向けて循環型社会づくりがどう貢献するのかということをもう少し見える化する、あるいは定量化するということを進めていくことが、今、多くの自治体でも制度の中にどう位置づけるか検討するという動きが出ていますので、大事なのではないかと思います。具体的に言うと、やっぱりプラスチックのことと食品ロスの話、施設整備や地域のゼロカーボンへの貢献などが大変重要だというふうに思っています。
簡単にもう一点だけ。プラスチックから紙へという流れが社会では多いのですけれど、今回、素材のところにバイオマスの中に食品と木と書いてありますが、ここに紙という言葉も入れて、紙のこともきちんと視野に入れたほうがいいんではないかという感じがいたしました。例えば東京2020大会では、選手の食事のお皿とかコップをリユースにできなかったんです、安全管理のために。そのために紙皿、紙コップにして、100%リサイクル目標を立てて、分別・資源化を取り入れました。そういうような流れもありますので、少し紙ということにも視点を向けることが大事なんではないかというふうに思いました。よろしくお願いします。
○酒井部会長 どうも、崎田委員、ありがとうございます。
では、引き続いて、大熊委員、お願いします。
○大熊委員 ありがとうございます。私のほうからは2点でございます。
1点目が48ページの製品毎の方向性に関連してでございます。今、自治体では、依然として、粗大ごみとして家具を集めまして、それを破砕して焼却等に回しています。家具は、素材的にはプラスチックですとか、あるいはバイオマスということになるんですけれども、今回のプラスチックの分別回収の手引でも、例えば、50センチ以上のものについては容リのルートに乗ってきませんので、それらについても依然として、自治体のほうで破砕して燃やすというような形になると思います。やはり、それらについても、ファッションと同様、家具のサブスクというのを取扱い始めている業者さんもいますので、今、大量に燃やしている家具についても、そういった視点を加えたらどうかということでございます。
もう一点は、製品、特に輸入品についてのリサイクルでございます。これは、例えば業界でリサイクルシステムをつくっているもの、例えば、リチウムイオン電池を含んだ二次電池ですとか、消火器とか、そういったものはリサイクルルートがあるんですけれども、それは輸入品が対象外になっているということもございます。その他の製品についても、今後、直接海外から、消費者がウェブで直接輸入して個人輸入するというのがどんどん増えてくると思いますので、そういったものをきちんと循環経済のルートに取り込めるような、そういった視点も必要なのではないかと思っております。
私のほうからは以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、藤森委員、お願いいたします。
○藤森委員 ありがとうございます。私のほうからは大きく2点、意見、要望、そして1点、ご質問をさせていただきたいなと思っております。
まず1点目は、循環型社会部門における点検結果が11ページ以降に載っておりますけども、その中の特に3.多様な地域循環共生圏形成による地域活性化の部分についてであります。その中で、点検結果の21ページに地方自治体による循環基本計画に取り組む地方自治体数は増えているという表記をしていただいておりますが、その計画の具体化とも言えます地域循環共生圏形成に取り組む自治体数を着実に増やすためには、あるいは関連する点検結果、23、24ページの不法投棄、不適正処理の件数、量を今後も着実に減少させる、そのためには、自治体の取組を裏づける体制の確保でありますとか、人材の育成に関する取組というのが重要でありますが、その内容を46ページ以降の今後の方向性の中に補強いただければというのが1点目であります。特に、一般廃棄物の排出量、循環利用率、最終処分量等が少し増える方向にもありますので、そのことも含めて、少し、そういう補強が要るのではないかなというのが1点目です。
2点目につきましては、これも4.の適正処理のさらなる推進と環境再生の部分について、IT化など、循環社会構築への新たな技術の導入に関して、23ページでは、電子マニフェストの普及率というのが長期的には達成が不十分という評価がされているようであります。46ページ以降の個別素材製品ごとの方向性に一部記述はあるものの、ICTの導入によるトレーサビリティの向上とともに、それまで紙で行っていた取引現場における効率化、円滑化に資するような様式の導入とシステムの構築に向け、強力な投資などが必要であるというように考えております。また、そのことは46ページ以降の1.の循環経済の役割と2050年を見据えた目指すべき方向性の項目にあります関連ビジネスの市場規模の拡大にも貢献するというように考えられますので、補強の検討をお願いしたいと思います。
最後、1点は質問であります。23ページの指標の中の優良認定された処理業者数について、短期的にも長期的にも増加の傾向が示されております。継続した取組を期待する一方で、国の取組に係る進捗状況表、28ページには、産業廃棄物処理業における人材育成の方策について検討を進めるというように記載いただいております。検討結果の今後の方向性に、この要素というのをどのような形で盛り込まれているのか、いないのか、今後、盛り込むことを検討いただけないかどうかについて、質問であります。
サーキュラーエコノミー関連事業の振興が望まれ、国の取組に係る進捗点検表、29ページにもありますように、優良事業者が社会的に評価され、不法投棄や不適正処理を行う事業者が淘汰される環境をつくるための目標達成のためには、不正に対する抑止の一層の強化とともに、事業そのものがSDGsのゴール8にもありますようなディーセントであるべきというように考えておりますので、そのことについて、お答えいただけるとありがたいです。
以上です。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうも、藤森委員、ありがとうございます。
それでは、高岡委員、お願いします。高岡委員までで前半として、質問、ご意見、一旦切って事務局のほうに1回マイクを渡しますので、よろしくお願いします。高岡委員、すみません、どうぞよろしく。
○高岡委員 ありがとうございます。手短に話します。2点の意見と1点の質問でございます。
49ページの廃棄物処理システムの方向性のところに関しまして、やはり、もう少し技術開発にも力を入れるということを入れていただきたいと思います。ここでは技術の評価、検証というようなところから入っておりますので、その前の段階、開発ということを入れていただきたいと思っております。
それから、もう一個は、次の地域の循環システムの方向性というところですが、ここも読んでいますと、やはり廃棄物になってからのところの話が多いわけですが、地域での上流側の産業との関係性も大変重要かと思いますので、その辺りの方向性も含めていただきたいと思っております。
もう一点、質問は、14ページ等で、今回、指標とうまくフローを合わせていただいて、大変見やすいものになっておるんですけれども、上のほうで、代表指標でも矢印が入っていないものと入っているものがあるんですけども、この辺り、どういった点で抜いているとか、入れているとかというのがあれば、教えていただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、ここまで前半のご意見ということで、環境省事務局のほうからお答えいただけるところ、あるいは考え方、どうぞ、ご発言をお願いいたします。
○循環室長 ありがとうございます。
指標について、新熊委員、あるいは崎田委員からもご指摘がございました。見える化といった観点で、ご指摘がございました。サーキュラーエコノミー、あるいはカーボンニュートラルといったところで、循環型社会の取組で設けていた指標が、これで十分か、さらに深掘りしていく必要があるんじゃないか、いろんな検討が必要ではないかというふうに考えてございます。
観点として、一つは、既存の指標で、十分表していけるかといったところの深掘りの観点と、あるいは、そもそも今日もご議論ございましたけども、CO2、GHGといったところで、全く新しい別の視点からの指標が要るんじゃないかと。それも、端的に、簡単に指標と申し上げましても、四つの素材で分けて、その中でも無機と有機、大きく分かれると思いますので、土石系、メタル系、化石系、バイオマス系といったところが必要になってくるのかというふうにございます。そういったところの深掘りを今後の方向性なりでやっていくといったところも、十分考えられるところかなというふうにお伺いをしたところでございます。
また、大塚委員から、サーキュラーエコノミーの関係で競争政策との観点でのご指摘もございました。それと、大熊委員からも話があった輸入品のところの対策といったところとも関係してこようかと思います。そういったところで全体の取組が進むようなところを踏まえた書き方の整理なりをやっていきたいというふうに考えてございます。
また、メタルのところの重要性と、ベースとレアだけじゃなくて、鉄のこともちょっと記述を工夫して、どういったところに焦点を当てていくかといったところも考えていきたいというふうに思います。
また、太陽光のところ、改正FIT法で積立て制度が動いているところでございます。そういったところを踏まえた内容にすることは、当然必要になろうかというふうに考えてございますし、実際、解体工事という部分がございますので、そういった点も踏まえたところを文章化していきたいなというふうに考えてございます。
また、資源回収拠点に関して、これは様々な間口、いろんな人の協力を得ていくというところと、それから実際の機能として、ソーティングセンターのような機能と、あるいは化石とバイオマスを分けてとか、様々な発展が考えられるところでございます。そういったところも踏まえた文章化をしていきたいなというふうに考えてございます。
また、見山先生、あるいは高岡先生から技術の部分のご指摘がございました。これも、おっしゃるとおりだというふうに考えてございまして、ちょっとこの部分も考えて、追記をしたいと思います。8.のところで、さらっと「技術」という書き方をしてございましたけども、実際、利用と技術をつなげていく話でありますとか、もうちょっと社会に近いようなところ等を念頭に置いた書き方をできないかなというふうに考えてございます。
また、岡村委員からも中長期のシナリオの深掘りの話がございました。この後、筒井課長からもご補足いただけるかもしれませんが、今後の検討に向けて、8月までの検討を踏まえて、今、循環計画の検討してございますけども、これが、またフィードバックされて、深掘りにつながっていくといったところで作業の手順として考えてございます。
また、施策として、様々な施策の考え方があるんじゃないかと、静脈側、個別製品だけではないといったご指摘もございました。そういった観点も含めて、素材で計画の点検の工程表の中では、分析を行っているところでありますけども、今回、プラ法がまさしく素材切りの法制度になりましたけども、そういった視点も持って、記述を進めたいというふうに考えてございます。
また、崎田委員から、消費者の行動変容であったりといったところのご指摘もございました。そういったところ、先ほど来、出ている、いろんな人が参加していくという中で、文章化を図っていきたいというふうに考えてございますし、あと、具体的なご指摘、東京2020大会のことでございましたので、記載を充実させたいというふうに考えてございます。
また、大熊委員から製品毎の方向性ということで、粗大ごみのお話がございました。これも循環利用の拠点といったところに関係してくる議論かというふうに思いますし、実際、新しめのところ、いろんなデジタル技術を用いたところで自治体と連携していくといったような話も伺っております。そういったところも踏まえた記載というものを行っていきたいというふうに考えてございます。
また、藤森委員から担い手の話、あるいはデジタル化の話、ご指摘ございました。ここも、よく大事な要素ですので、踏まえて書いていきたいというふうに思っています。
あと、ご質問で優良認定のお話ございました、そこは担い手の話にも通じていくことかというふうに思いますけども、神谷課長から報告いただけるかもしれませんが、そういった大事な視点だというふうに思っております。そういったところも要素として盛り込んでいるつもりではありますけども、ちょっと文章化の際に工夫したいと思います。
高岡委員からのご指摘ございました、矢印があるなしで、矢印を記載できるものは記載するという方針で臨んでいるつもりですけども、抜けがないか、改めて確認したいというふうに考えてございます。
私から以上でございます。筒井課長、補足ございますでしょうか。
○廃棄物適正処理推進課長 廃棄物適正処理推進課の筒井でございます。
岡村先生のほうから、中長期シナリオの関係、ご意見いただきました。当然ながら深堀りを進めていくということではございますけれども、適宜、その状況というか、見直しというか、そういうような視点もしながら、方針検討というのは進めていくことが大事だというふうに思っておりますので、ご意見を踏まえながら、今後の検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
以上でございます。
○循環室長 神谷課長、補足ございますか。
○廃棄物規制課長 優良認定制度ですけれども、情報の開示ですとか、経営の健全性とか、一定の水準の産業廃棄物業者を情報開示して、そちらへの契約を誘導するという制度でございまして。適正に運用することによって、業界への信頼性を上げていくという役割をこれからも果たしていけるように運用してまいりたいと思います。
○総務課長 事務局からの説明、この段階で以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。要点を押さえてお答えいただいているかと思います。ここまでお聞きいただいた中で、今日オブザーバー参加されている浅利先生、パブリックコンサルテーションに参加いただいたと伺っております。ここまでのご意見をお聞きして、あるいは事務局の説明を聞いて、一言何かメッセージはあるでしょうか、あればどうぞ。
○浅利オブザーバー すみません、貴重な機会をありがとうございます。
まず、皆さんのご意見も非常に勉強になりながら聞かせていただいておりました。パブリックコンサルテーションで、私も一言だけコメントしたんですけれども、やっぱり優良事例がたくさんあるものの、なかなか点が線になったり、面になっていかないというところが少しこれからの大きな課題かなと思いまして。そこが今日お話あった循環拠点なんかのところでつながっていって、より具体的な事例になっていくとすごくいいなというふうに感じて、お聞きしておりました。
あととても細かい点で1点だけなんですけれども、47ページのところで、食品ロスの削減について、具体的な国連の支援量である400万トンですか、それを下回るような量にするという説明があるんですけれども。その量を基準にして、比較はされるのはよく分かるんですけれども、それが妥当なのかどうかなというのはちょっと気になって見ておりました。大変細かくて、すみませんが。ありがとうございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。食品ロス目標は決して細かいところではないと思います。大事な目標の点ですので、ぜひ審議させていただきたいと思います。
それでは、前半から次、後半に移りたいと思いますが、前半部分で1点だけ、すみません。見山委員から技術、制度、行動とともに技術を大切にしてはというご意見いただきました。これはもう全くごもっともなところで、紙の例とか、ファッション、エネルギーマネジメントの事例等を説明いただいたんですが、聞き及んでいるところでは、米国のシリコンバレーのテックベンチャー関係者が、日本のこの循環技術に非常に興味を持っておられるという点、この点について、見山委員のほうから、今ご発言いただくことは可能でしょうか。
○見山委員 循環技術のみならず、日本の企業の中にたくさんの眠っている実装可能な技術があるということを、シリコンバレーのテックベンチャーキャピタルが注目をしております。日本企業の企業価値及び投資先のスタートアップ企業の企業価値という双方の価値向上を図れるような戦略を今つくっています。関心領域の技術の中でいえば、環境領域等の技術というのがかなり入ってきておりますので、こういったところとの情報交換というのも非常に有益ではないかというふうに考えておりますので、そのような発言をさせていただきました。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。普段あまりお聞きできてないところの見解ですので、今日、今いただいたご意見、ぜひ事務局のほうからも詳しくまた聞かせていただいて、しっかりとこういう計画、あるいは次の工程表の中に入れられるかどうか、一緒に考えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
それでは、ちょっと後半部分のご意見いただきたいと思います。では、大久保委員からお願いします。
○大久保委員 ありがとうございます。私から、4点、申し上げたいと思います。
46ページからのところですけれども、まず第1点目は、一番最初のタイトルの「2050年を見据えた」という意味がどこまでかかるのかということです。この1番のところでは、脱炭素等との関係があるということはよく分かるのですけれども、2番以降では、先ほど浅利委員から400万トンの話が出ましたけれども、一体いつまでに達成するというイメージ、2030なのか、2050なのかというのが混在したような内容になっているというふうに感じられますので、文章化するときには、分類をして区別したほうがいいのではないかというのが第1点です。
それから、第2点目は、46ページの1の中の6.のところですか、ここに資源制約の話が出てくるのですが、脱炭素の話が強調されている反面、「生物多様性」というキーワードが全然出てきていません。やはり自然資源の投入、それから資源制約という観点は、生物多様性の保全ということと密接に関わっていて、これは、基本計画の中では何か所か出てきていますけれども、重要なキーワードと思いますので、バランスの取れた形で、ここに主要なキーワードとして、「生物多様性」も書き込むべきではないかというのが2点目です。
それから、第3点目は、今回は要素を示したということですが、実際問題、どこまで書き込むイメージなのかということがよく分かりませんでした。例えばプラスチックについては、47ページのところに、発生抑制・再使用・分別回収の推進を最大限に進めつつという方向性が書いてあるのですけれども、この後、説明があると思いますけれども、参考資料4のプラ法の説明の中に出てくる市町村アンケートを見ても、かなり多くの自治体が参加を考えている状況ではないわけです。こうしたものをどういうふうに今後進めていくのかと、何がネックになっているのかという要因分析、それから、その具体的な推進策といったものを書き込むイメージなのかどうかということを工程表のイメージとして確認しておきたいと思います。
それから、最後ですけれども、4点目は、今回、パブリックコンサルテーションという大変特徴的な試みをして、それから、この中でも各主体の参加や連携というものが重要である、若者の参加が重要であるということが一応出てきてはいるんですけれども、この点は横断的な重要な項目として、せっかく今回こういう取組もしたわけですので、独立項目として、連携の在り方、パブリックコンサルテーションの在り方といった項目を入れるのも重要なのではないかと感じました。
以上です。
○酒井部会長 どうも、大久保委員、ありがとうございます。
では、引き続いて、大迫委員、お願いします。
○大迫委員 ありがとうございます。
今、いろいろと説明いただいて、大変有益な議論をされていると思います。1点、循環経済づくりにおいて、生産者と、それから消費者というプレーヤーだけじゃなくて、もう一つ、近年では投資側の視点というのが大事にされてきています。ESG投資というようなところでは、活発な動きになっております。
地域のシステムづくりにおいても、地域の金融も大きな役割を今後担っていくべきだというふうに思いますので、その投資側をどのように巻き込んでいくのかというようなところの仕組みづくり、取組に関して、考察を深めていただいて、何か明示できないかというふうに思います。
それに関連して、やはりそういった形で事業者側の行動変容というのは促されていくと思うんですけども、一方で自治体側のマインドシフトというところが、今後、大変重要じゃないかと思いますので、その点での人材づくりも含めた基盤的なところの取組、そういったところもより強化すべきではないかというふうに思っております。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
じゃあ続いて、髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋委員 ありがとうございます。それでは、幾つかご意見申し上げたいと思います。
まず、詳細な説明ありがとうございます。また、パブリックコメントにつきましては、28ページから45ページまで、多くのページを割かれておられて、敬意を表したいと思います。
先ほど、浅利先生がおっしゃったことは非常に重要だと思っていて、恐らく、優良な事例というのはたくさんあると思うんです。これがなかなか点から線になっていかないというのは、やはりその優良な事例は高い理念を持ったリーダーが頑張ってやっているという状況で、一般の人には、なかなかそれは広がっていかない。重要なのは、誰もが簡単にできるということではないかと思います。
そういった点では、例えば、今とてもプラスチックの個装なんかもどんどん増えてしまっていて、これを我々は構造化された選択肢という言い方をするんですけれども、そういった製品の選択肢が限れている中で、個人のモラルをといっても、なかなかうまくいかないと思いますので、やはり個人のモラルに頼らない社会制度の誘導というのが重要ではないかと思います。
2点目なんですが、まず、サーキュラーエコノミーという言葉、循環型社会という言葉、これも重要なんですけれども、循環すればいいというものではないということは確認しておく必要があると思います。大量のスピードで速く回っていってしまうと、結果的にCO2はやはり増えてしまいますので、そうではない形という、先ほどの個装もそうですし、あるいは長期使用、長寿命化というようなことも重要なのではないか。こういった意見はパブコメにも出ていたかと思います、29ページの辺りにあったかと思います。
この点で現在の指標をちょっと見てみますと、建設業界では14ページに、その長寿命化なんていうことが出されていたんですけれども、それ以外のところでは、なかなかやはりないんです。私、先日、プリンターが壊れたんですけれども、もう五、六年たっていたら随分長いほうですと言われて、部品がないと。もし部品があっても、やはり1万8,000円とか、2万円とか、最低料金そのぐらいかかるということで新しく買ったほうがいいというふうに結局言われてしまったんですけれども。これは、まさに構造化された選択肢なんですが。フランスとかでは、消費者に対して、修理の可能性を明示化することが義務づけられているとか、EUのほうでは、ご存じかと思いますが、エコデザインなんかでも最低7年から10年間は修理業者とかエンドユーザー向けに、そのスペア、部品の在庫保証期間を設けるとか、そういったいろんなヨーロッパ中心に先駆的な取組もありますので、こういった制度づくりなんていうのも重要なのではないかなというふうに思いました。
次ですね、最後なんですけれども、先ほど、これ大塚委員もおっしゃったかと思うんですけれども、宇都宮で2月ぐらいに焼却場で火災がありまして、リチウムイオンとか、あるいはライターとかスプレー缶ではないかと、まだ原因のほうも特定されているかはちょっと定かではないんですけれども、68%の処理をしていた焼却場がやられると、結構厳しい状況になってしまいます。
こういった問題というのは、調べると本当にあちらこちらでどうも起こっているようですので、この家電製品とか、こういった危険なごみについての回収の方法というのは、ちょっと工夫したほうがいいのではないかなというふうに思いました。
あと、すみません、もう一点だけ。最初に新熊委員がおっしゃっていた、温室効果ガスの推計については、私も賛成です。EUでは、バタフライ型のサーキュラーエコノミーダイアグラムというのがあるんですけど、やはり排出をそもそもしない、再利用、メンテナンス、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルというように、いろんなレベルでの循環があるわけで、それぞれにおける温室効果ガスの推計というのは、とても重要ではないかと思います。
すみません、以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
引き続いて、山田委員、お願いいたします。
○山田委員 ありがとうございます。もう大部分の先生がおっしゃっているので、屋上屋を重ねることは言いませんが、私ども経団連、環境省、経産省にて創生した、J4CEにて、昨年度、官民対話行い、サーキュラーエコノミーを促進する上での課題整理を行っております。
J4CEでは、環境省、経産省も交え、サーキュラーエコノミーに関心を有する事業者の間で、非常に建設的な議論がなされていると聞いています。今回、技術発展の支援とともに、J4CEを活用する方向性を示していただいたことは大変ありがたいと思っております。先ほど色々な先生がおっしゃっていましたが、技術の方向性において、我々、各民間企業は、それなりの技術を有していると自負しておりますので、ぜひ色々と相談した上で活用していただければと考えております。
それと、メタルに関してですが、資料の中に、小型家電の回収率が他の素材と比べますと少し見劣っています。様々なメタル、または資源と言い換えてもいいですけれども、そうしたものは小型家電の中にもたくさん入っています。昨今のウクライナ問題で取り上げられているようなメタルも、それなりに入っているところもございます。ぜひ、経済安全保障等々も含めて、国内にあるものを最大限活用していくという意味で、さらなる回収率のアップ、または、これからの資源回収の方法について、様々な角度から検討していただければと思っております。
以上です。
○酒井部会長 山田委員、どうもありがとうございました。
続いて、橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。私のほうから、主にモニタリングに関して、3点ほど申し述べたいと思います。
一つは、循環利用率がなかなか上がらないということに関してなんですけれども、特に水分率の高いものについて、脱水後の循環利用率も合わせて見ていくという、そうした方針転換ということも必要になってくるんじゃないかなというふうに思っております。
関連して、循環利用量についてなんですけれども、一般廃棄物のうち店頭回収、あるいは市中回収、さらには一般廃棄物の処理業者等で処理されて再資源されているもの、そういった民間ベースで回っているものの把握というものも行っていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。店頭回収については、スーパーだけではなくて、衣料等もありますし、プラ新法に基づいて、新たに自主回収していくようなことも出てくると思いますので、そういったものも考慮して、全体を把握していくようなことを考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
2点目は、脱炭素との関係についてなんですけども、これまで大気に出ていく炭素というのをインベントリとして整備してきているわけですが、カーボンニュートラルに向けて、炭素を経済社会内で循環的に利用していくということも必要になってくるということになると思います。
ということで、先を見ながらということなんですけども、経済社会の中での炭素のフロー、あるいは炭素の循環の状況がどうなっているのかということも把握していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
3点目は経済的側面なんですけども、循環経済という面でも、あるいは地域循環共生圏という面でも、この経済的側面というのをいかに計測していくかということが重要になってくるかと思います。その観点で、環境産業、循環産業の市場規模というのを現在把握しているわけなんですけども、ここの調査の見直し、調査の対象の項目等をきちんと整理して、再検討していくことが必要なんじゃないかなというふうに思います。
以上、3点です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続いて、大石委員、お願いいたします。
○大石委員 ありがとうございます。私のほうからは、46ページからのまとめについて、何点かお話しさせていただきます。
まず、46ページのところで、先ほど大久保委員がおっしゃられました、生物多様性の面が抜けているのではないかというのは、私もそのように思いますので、ぜひ46ページの、6ポツ目に、入れていただければと思います。
それから、47ページ、素材毎の方向性について、まずプラスチックのところです。2ポツ目のところに、バイオマスプラスチックの普及促進ということが書いてあります。ここで書いてあるように、バイオマス原料を使うということは、先ほど、②のバイオマスには、食品、木、さらに紙も加えて考える必要がある、というお話がありましたが、まさしくこの内容はそのままバイオマスプラスチックに関わってくると思います。確かに、バイオマスプラスチックへの今後の期待は大きいと思いますが、資源をきちんと循環させないことには、このバイオマスプラスチックの普及拡大も目指せないということです。資源は限られたものであるということを前提に、循環の重要性を入れていただければと思います。
それから、③番目のベースメタルやレアメタル等についてです。これも、先ほどほかの委員もおっしゃいましたように、現在、家電リサイクルと小型家電リサイクルというのが全く別の法律で回っておりますが、やはりベースメタルやレアメタルを回収するという意味では、家電リサイクルと小型家電リサイクル総合して、資源をきちんと循環させるということが今後、ますます必要になってくるのではないかなと思います。なかなか難しいことは分かっておりますが、あえて意見を述べさせていただきます。
それから、48ページのところ、製品毎の方向性のところ、④番の温暖化対策等により、新たに普及した製品や素材の話ですけれども、ほかの委員おっしゃっておりましたが、太陽光発電の設備については、確かに、経済産業省のほうで再エネ賦課金に関する廃棄費用の積立て制度ができております。ただ、これはあくまでも再エネ賦課金の制度によるものであって、太陽光パネル全てということではないわけです。さらに、本来であれば廃棄の積立てというよりも、いかにリユース、リサイクルするかということが大変重要であり、ここは、環境省が主導になって早急に進めていただかなければと思っております。この点については引き続き、よろしくお願いいたします。
それから、最後の部分についてです。循環経済実現に向けたということで、この中に入るのかどうか分かりませんが、先ほど崎田委員もおっしゃいましたけれども、事業者も自治体も含めてではあるのですが、やはり消費者の行動変容ということが大変重要であり、そのための情報提供やコミュニケーション、これをさらに進めていかなければ、社会全体の資源循環の促進というものは進まないと思います。一番大きな課題でもありますので、消費者庁や文科省とも連携することも含め、ぜひ入れていただければありがたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
では、引き続いて、小和田委員でよかったと思うんですが、小和田委員、お願いいたします。
○小和田委員 どうぞよろしくお願いいたします。
まず、今回の報告において、これまでの部会での議論等を丁寧に拾っていただきまして、お礼を申し上げたいと思います。
私のほうから、2点コメントさせていただきます。まず、サーキュラーエコノミーの実現に向けてというところでございますが。これまで、どうしても「3R」というと、事業者にとっては、コストの面での負担が大きいというような声も上がっておりましたが、今回、「経済と環境の好循環」という中において、サーキュラーエコノミーという観点を広く広めていくということは、事業者にとっても、この取組を前向きに進めることができるというように受け止めてございます。
ただ、一方で、我々の会員である中小企業からは、どういったことに取り組んだらいいのか、具体的に何をしたらいいのかわからない、あるいは手探りな状況であるという声も多く寄せられておりますので、ぜひ先進的な取組については、横展開等を国のほうからもしていただきたい、そのように思っております。
また今回、サーキュラーエコノミーについては、カーボンニュートラルの実現にも貢献するといった観点で議論されておりますが、一方で興味深かったのが「バックファイア効果」についてです。ぜひこうした検証は引き続き継続的に行っていただいて、その結果についても情報共有していただきたいと思っております。
2点目につきましては、47ページにバイオマスのところで記載されてございますが、CCU、CO2の回収についてでございます。廃棄物処理施設で発生するCO2、これを回収した場合に、CO2の輸送コストを抑えるために、回収したその地域で再利用が行われる、これが最も望ましいことだと、私どもエネルギー事業者としては考えてございます。地域循環共生圏、これを実現する意味からも基本的には地域で発生するCO2を地域で循環する、こうした仕組みを構築していくことがやはり重要なのではないかと思っております。
その上で、私どもの業界でも取り組んでおることですが、例えば自治体で運営している下水道センター、あるいはごみ焼却場、そこから発生するバイオマス由来のCO2、これを回収して、合成メタンを製造する。実際に実証実験も既に行われております。ぜひこうした自治体や、あるいは地元の企業、地元のインフラ会社、エネルギー会社、こうした企業たちが取り組んでいる先進的なイノベーション事業に関して国からの支援、これもお願いしたいと思います。
私のほうからは、以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
では引き続いて、篠木委員、お願いします。
○篠木委員 ありがとうございます。私からは、49ページの5の地域の循環システムの方向性について意見を述べさせていただければと思います。
先ほどの資料1で多くの指標をご説明いただきましたけれども、いろいろな指標が横ばいになっている、あるいは若干下向きになっているというご説明があったかと思います。恐らく、それは今の体制ができて、多くの人が、その体制に従って循環型社会の構築に協力的になったといえるかと思います。例えば個人に焦点を当てるならば、その分別行動が習慣化したというような説明になるかと思いますが、それがだんだん年齢等のせいで協力できなくなってきたとか、あるいは、その潮流から下りる人が出てきて、指標がだんだん横ばいになってきたのではないかと思います。
そういう意味では、今の体制そのままだと、やはりこれ以上協力率を向上させるのが難しいというような感じがいたしますので、何かきっかけが必要なのではないかかと考えます。プラスチックの資源循環促進法などをきっかけにした企業の動きなどを見てみますと、新たな試みをうまく取り入れているように思います。それを新しい波の始まりにできるように、うまくその時期をつかまえて、そういった波に乗るということも、こういった政策では重要なのではないかなというふうに思っています。
ごみや廃棄物というのは多くの人が関わる問題ですので、そういう潮流を生み出しやすいという、そういう機能があるかと思いますので、ぜひともそこのところの流れをうまくつかんだ政策が進められればと思っています。
19ページに地域共生の循環ステムの図がございましたけれども、大都市と農村に関して独立にいろいろな項目が書いてありました。この中で、どの地域にも共通の政策とか、地域独自の政策があると思います。そういう意味では、そういった実験的な構造の積上げというのも重要で、それをいかに人に伝えていくかということがこれからとても重要になると思います。その点で、人々にどうやって物事や情報を伝えるか。そこの情報の伝達というところにおいて、新しい伝え方というのを少し模索していく必要があると思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
あと、7名挙手をいただいております。本日は3時までのお約束でございますが、ちょっとこのペースでいきますと若干オーバーする可能性がございます。すみませんが、ご容赦いただければと思います。
右田委員、お願いいたします。
○右田委員 ありがとうございます。循環型社会の点検について、網羅的なレポートをいただきまして、ありがとうございました。内容を拝見しますと、循環利用率等において、幾つかの指標で伸び悩みが見られるようですけれども、今後この検討を深めていくに当たって、循環経済の仕組みの在り方についての検証をされてはいかがかと思います。
私どもは、スクラップ、あるいはプラスチックなどの再利用を業界として進めておりますが、これは集荷率を高めていけばいくほど、限界的な集荷コストは上がっていきます。その結果、再利用をすればするほど限界的な経済性は悪化していくという面がありまして、この循環型社会を追及していくということ自身は正しいアプローチだと思いますけれども、それが社会にとって合理的に進められるようにするための仕組みというのを考えていく必要があるのではないかと思います。脱炭素もそうですし、循環型の社会をつくっていくということもそうですけれども、それを進めるために不可避的に発生するコストを社会全体でどう負担していくのかという議論をそろそろするべき時期に来ているのではないかなと考えております。
今後、工程表づくり、あるいは第五次というふうに検討を深めていく中では、必要となるコスト、あるいは社会全体での負担の在り方みたいなことにも踏み込んだ検討が必要なのではないかなと思います。
それから、今後の方向性の中で、品種ごとの方向性ということで、ファッション業界のところで、適量発注、適量生産云々という話がありますけども、この件に関しても、よくよく注意が必要かなと。これは必ずしもファッションに限った話ではないと思いますけれども、誰にとって適量なのかということをよくよく考えないと、産業界のヒエラルヒーの中の強者にとっての適量ということになりかねないということに、注意をしておく必要があると思いますし、社会全体で見たときに、どこにとって適量にすることが社会全体にとっての省資源なのかということをよくよく考えないと、ミクロで考えていくと間違った方向に行く可能性もあると思っておりますので、その点お伝えしておきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうも右田委員、ありがとうございました。
では末吉委員、お願いします。
○末吉委員 どうもありがとうございます。私からは2点意見がございます。
まず、1点目ですけれども、脱炭素・循環型社会を目指すには、やはり先ほども崎田委員や大石委員がおっしゃっていたように、消費者の実践なくしては成り立たないと思います。パブリックコンサルテーション、パブコメの中にも意見として入っていましたけれども、この工程表の中では静脈物流に関する策が尽くされていないように感じました。消費者の行動変容を促して、消費者が参画しやすくなるような策を今後すぐにでも考えて、実行していかねばと思っています。
そのためには、例えばですけれども、自治体への働きかけというのはとても大事であると思います。先進的な自治体はそれぞれうまくやっているところもありますけれども、多くの自治体がなかなか消費者に向けてコミュニケーションをうまく取れていないということもあると思いますので、自治体それぞれに全て任せるのではなく、消費者が使いやすくなるような、あるいは参画しやすくなるようなツールを考えて、渡していくというようなことも一つのアイディアとしてあるかなと思います。
あと、学校への教育も、とても重要だと思います。日頃活動している中で、今後、大人になっていく子どもたちにもこういったこと、例えば、今回の工程表の中で書かれていることを学校の中で先生方、子どもたちがどう理解して実践していけるのか、この辺りは文科省などとも連携をしながら、教育、コミュニケーションを取っていく必要があると感じています。
2点目ですけれども、先ほど髙橋委員もおっしゃっていましたが、循環すればいいという、もちろん循環は大事なんですけれども、循環すればいいというわけではなく、やはり全体の量を減らしていくこと、そして長期間使えて、エコデザインでリペアビリティが確保されている、という観点が大事であると思います。今年2月に出たヨーロッパのEUの標準化戦略では、対象項目の4分の1ぐらいがエコデザインとエネルギーラベリングに関するものでした。サプライチェーンに乗っかった後だと遅いと感じております。今回の資料の中でいうと、48ページ辺りに製品毎の方向性ということが幾つか書かれていましたけれども、その中にも環境配慮設計、エコデザイン、それからリペアビリティに関することはきちんと明記しておく必要があると感じました。
以上です。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうも末吉委員、ありがとうございます。
では引き続いて、石山委員、全国市長会からでございます。よろしくお願いします。
○石山委員 石山です。よろしくお願いいたします。
今までの委員の方々のご発言と重複するところがありますけれども、ご容赦をお願いいたします。
1点目につきましては、今ほどおっしゃったご意見に近いものがありますが、分別へ行く前の上流、なるべく上流の段階で廃棄物にしない、分別をしやすい製品づくり、そういった発想を取り入れていってほしいということであります。消費者の目線というご意見も出ておりますけれども、高齢化社会に突入しておりますので、高齢の方でも分別しやすくするとか、そういったような発想で考えていただく必要が出てくると思っております。
それから、2点目ですけれども、今日、参考資料3で配られていたものの41ページ、42ページ、45ページ辺りのデータ、推計値が、大変参考になりましたけれども、その中でもレンタルやリース、中古住宅流通といったようなワードが大変気になりました。地方自治体、とりわけ地方の地方自治体になりますと、使える空き家を流通させること、こういったことに全力で取り組んでいるわけですけれども、この分野に限らずに入り口と出口、必要な人と使えるものをつなぐということはとても大切、必要なことだと思っております。空き家は使える中古住宅だということで、若い方々に住んでもらえるような支援策を大野市だけでなく、全国の地方自治体でされているのではなかろうかと思います。
それから、3点目ですけれども、少しキーワードとして、「デジタル化」という言葉ありましたけれども、以前の会議で申し上げましたとおり、担い手ですとか、人手不足に対応するデジタル化といったものは、廃棄物の分野でも大切になってくるのではなかろうかと思いますので、廃棄物に関わっている人材の方々の手間を省くような、あるいは見える化するような意味でも、デジタル化ということを考えていただいてもよろしいのかなと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうも石山委員、ありがとうございました。
それでは、引き続いて、枝廣委員、お願いいたします。
○枝廣委員 はい、ありがとうございます。1点だけ申し上げたいと思います。
先ほど、ほかの先生からも、委員からもいろいろ意見もありますが、これについては、やはり脱炭素との関連性をもう少し出すことが有効であるというふうに思っています。これを見る限り、脱炭素、カーボンニュートラルとこの循環型社会、もしくは循環経済というのがあまり重なっていない、別物であるかのような説明をされてしまうかなと思っています。これは、実際のGHGの政策もそうですし、あとコミュニケーション的な観点からいっても、これだけ脱炭素、カーボンニュートラルへの関心が高まっていますので、それにきっちり、循環型社会、循環経済という位置づけで、こちらについてもちゃんと伝えていく必要があるというふうに思います。
2点目は、先ほど、末吉委員がおっしゃっていましたが、消費者の行動変容、もしくは事業者、自治体や国を下支えする意味でも、生活者の意識変容をどうはかっていくか。生活者への情報提供も大事ですが、やはり教育という点で、子どもたちのうちから一つ一つ伝えていく必要がある。
例えば、今、小学校、中学校、高校等の教科書で、循環型社会であるとか、循環経済、サーキュラーエコノミーがどのように取り上げられているのか。そして、それはこれまでと比べて、どのように増えたり、内容が変わってきているのか。趨勢の一つとして、見ていく必要があると思います。もう一つ、ぜひお願いしたいのは、他国の学校教育において、このサーキュラーエコノミー、循環型経済というのをどのように教えているのかも調べてほしい。そこから学べる点も多いのではないかなと思っています。
また、ちょくちょくパブリックコンサルテーションに参加される方々、もともと意識のある方が多くなると思うのですが、そういった方々に続く人々の裾野をどう広げるか。そこに学校教育だけではなくて、今、SDGsの教育とか、例えば企業やNPOが子どもたちに出前授業などを通して、教える場面も増えています。SDGsの教育でも、サーキュラーエコノミー、循環型社会につながるようなところをどのように取り上げることができるのか。そういった観点も、横展開などもしていく必要があると思います。学校教育・社会教育の観点を入れていただきたい。現在の「今後の方向性」には出ていませんので、しっかり入れていただければと思っております
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
村上委員、お願いします。
○村上委員 ありがとうございます。村上です。簡単にしたいと思います。
まず、2件ですが、一つ目は、欧州が考えているサーキュラーエコノミーのスコープというのは、多分、日本の循環基本法に基づいている循環型社会よりも少し広いのだろうと思っていまして。別に、そこに全て無理して、ここで網羅的にいこうというのではなくて、日本の中でも、例えばクリティカルマテリアルみたいな言及が、たしか最初のほうでありましたけれども、それは資源政策、古典的な資源政策をやっているところでやっている話でもあるので、その辺をうまく連携をしていただきたいと。
ただ、バックグラウンドで情報交換をしておられたりはするんだと思っていますが、そこはちゃんとつながっているんだよというメッセージは、何がしかの形で出るといいなというふうに思っております。水の循環みたいな話もしかりで、多分、これも循環基本法的な中の枠組みではないんだと思っていますけれども、そこも循環経済といえば循環経済なので、そういうところもうまく連携できればいいかなと思いました。というのが1点目です。
もう一点ですが、情報の見える化、トレーサビリティみたいな話で、やはりなかなか進まないところがあるのかなというふうに思いながら拝見しているというのが学者的な立ち位置でありますけれども。どうすれば情報の価値が上がって、皆さんが積極的に共有できるものの範囲で結構だとは思うんですけれども。積極的にいくようになるのかみたいなところに対して、いろんな人にとって価値のある情報って、別に循環に関わる部分だけではなくて、多様な意味を持っている情報だから価値が上がって、つながって、結果的に循環にも寄与するというのが正しい展開だと思いますし、そうじゃなければ普及しないとも思いますので、その辺も、またちょっと循環だけという話ではなくて、広い目で見たときに価値のある情報をつないでいくんだというような視点でうまく展開していただけるといいと思いますし、どうすればそうなるのかみたいなところを少しご検討をいただけるといいかなと思いました。
以上、2点です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。私も、では手短にコメントさせていただきます。
46ページの2050年に向けた全体の方向性のところなんですけれども、2050年に向けて資源の生産と消費について、社会経済システムをどのように転換させていくのかということについて、何かビジョンというか、まとめのようなものがあるといいのかなと思いました。それに関連して、幾つか皆さんからもご意見ありましたけども、ビジネスモデルとか製品設計をどのように改善していくかという言及が必要ではないかと思います。個別製品毎のところには、環境配慮設計ですとか、リペアとか書いていただいているんですけれども、製品全体に対して、設計や修理などの観点必要ではないかと思います。
これに加えて、社会経済システム全体ということで、脱炭素との観点からの貢献のところに、生産過程や消費過程での効率性向上という、お言葉ありますけれども、後半4番のところに廃棄物処理システムの議論ありますが、循環システム全体の効率性向上ということも、今後、廃棄物処理費用や循環資源のコスト/価格といった面でも検討していく必要があろうかと思っています。
これらに関連して、先ほど村上委員からも、他分野との関連性が分かるような形というのがありましたけども。例えば循環経済ビジョンですとか、バイオマスの観点で言うと、農水省の「みどりの食料システム」ですとか、同様の議論をしている政策ありますので、その辺りの関係性が統合的に分かるような形に工程表の中でまとめていっていただければと思います。
最後に、工程表ですので、工程表ということで、工程表自体はどのような構成に今後なっていくのとかというところを、次回、例えばいつまでに、何を実現するために、何をしていくのかといったところを、また次回までに教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、最後になると思います。小野田委員、お願いいたします。
○小野田委員 ありがとうございます。2点だけ申し上げたいと思います。
まず、前半の指標に関しては、継続的にモニタリングすることが重要だと思う一方で、やはり、そこから見えないところをどうやって補足していくかという視点が重要だと思います。例えば、途中でお話あった、リチウムイオン電池のリスクですとか、あるいは宅配が増えて、ごみの出方がどうなったかとか、そういったところを突き詰めていく必要があるなと思いました。
あと2点目は、デジタル技術に関してですが、すべてデジタル技術にまとめてしまっているという印象を受けております。例えば、トレーサビリティの話なのか、電子化の話なのか、あるいはロボティクスのような技術開発が関係する話なのか、センシングでいろんな今まで取れなかった情報が取れるような話になるのかというところの切り分けが必要と考えます。これからの話ですので、よりブレイクダウンした議論が必要になってくる状況になっていると考えております。
私からは以上です。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
ここで、一通り終えていただけたかと思いますので、事務局どうぞ。
○循環室長 ありがとうございます。手短に申し上げたいと思います。
大久保委員からいただいた、2050年、2030年、あるいはどこまで方向性を見るのかといったところ、工程表の粟生木先生の意見とも関係しているかと思いますが、文章化の際に書き分けを試みたいと思います。具体的かつ簡潔にと思ってはいるんですが、ちょっとそこのところ、工夫をしてみたいと思います。
あわせて、バイオダイバーシティの言及が漏れているということで、それはあったほうがいいに決まってますので、すみません、区切ってなくて申し訳ございません。どこかで言いたいというふうに思います。
また、パブリックコンサルテーションのところの横断的な事項ということで、最初の環境基本計画で、参加といったところをうたったところでございますけども、そういったところも、視野として、大事だというふうに思います。様々な委員からご指摘いただいた、どうやって波をつくっていくか、潮流をつくっていくか、点を線につなげていくかといったところにも、発展してこようかというふうに思います。何か工夫をしたいというふうに思います。
そういった中で、大迫委員から話のあった投資家の視点ですね、書き込めてなかったかもしれませんので、ビジネスの重要な担い手だというふうに思って、そこのところも書き足したいというふうに思います。
また、自治体のマインドのところをご指摘もいただきましたし、藤森委員からもご指摘がありました。そこのところも、点と点を線みたいな話もありましたけども、そういった中で、実際の取組をどう促していくのかと、そういった視点ももうちょっと書けないか、検討をしたいというふうに思います。
あと、企業とのパートナーシップ、経団連とのパートナーシップの中でありますとか、そういったところをしっかりと書き込んでいきたいというふうに思いますし、先ほどから出ているビジネスにつなげていくという話、そこから、さらにベネフィットを出していくという話をつなげるようにちょっと書きたいというふうに思っております。
また、メタルの関係でご指摘もございました、ほかの分野での検討とつながるようにといった話もご指摘いただきましたので、そこはちょっと分かるように書き足したいというふうに思います。
また、指標の関係で、具体的なご指摘、橋本委員からいただきました、ここをしっかりと対応したいというふうに思いますし、小和田委員からのご指摘も踏まえたものにしたいというふうに思います。
また、右田委員から、誰にとっての適量なのかといったようなところ、あるいはコスト面、社会全体を見据えた話なんだというふうに思います。ちょっと書き方を工夫して、文章化に当たっては気をつけたいというふうに思います。
また、教育の話ございました。確かに書き切れていなかったところがあろうかというふうに思います。学校教育の成果で、関心層が広がってきて、逆に二極化につながっているというような話にもなっているのかもしれませんが、一応そういったところ、学校教育の話もしっかり踏まえたところを書いていきたいというふうに考えてございます。
また、バリューチェーン全体をも変えていくといったところの視点がもうちょっと書き足したほうがいいということなんだというふうに思いますので、上流部分をしっかり取り込んでいくといったところをどういうふうに書き込んでいく、もうちょっと表現をしたいというふうに思います。
また、デジタル化の話ございました。担い手の負担を減らしていくものだというふうに思っております。デジタル化と一言で言っても、いろんなことがあるというところも、そのとおりだと思いますので、そういったところを工夫して変えていきたいというふうに思いますし、そういったことが情報の価値につながっていくというふうに考えてございます。脱炭素のつながりも、もうちょっと強くというご意見もありましたので、そういったところでブラッシュアップをしていきたいというふうに思います。
雑駁でございますが、以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。今日のご意見のボリューム感からすれば、ちょっと時間不足ではございますが、この後の報告事項もございますので、一つ目の課題は、この辺りにさせていただきたいと思います。今後の点検評価、それから工程表の策定に向けて、事務局のほうで必要な検討、調整をよろしくお願いいたします。
それでは、議題の2、その他報告事項でございます。事務局から順にご説明お願いいたします。
○リサイクル推進室長 それでは、リサイクル推進室の平尾でございますけども、参考資料の4をご覧ください。プラ法の施行についてでございます。プラ法については、この4月1日に施行したところでございます。改めまして、ご審議いただきまして、ありがとうございました。
資料3-2の5ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。12月の部会以降の最近の状況をお示ししたものでございます。1月に政・省令の告示をいたしまして、様々な手引類の整備を進めているということでございます。直前までかかってしまいましたけれども、手引のほう、5本ですね、1月19日と3月31日に公表させていただいてございます。今後の仕事も様々残ってございます、指定調査機関の指定でありますとか、認定基準の整備でありますとか、あるいは市町村のリサイクルに係る、製品プラスチックのリサイクルに係る経費について、特交措置をやることになりましたけれども、そういったところの具体の算定方法とか、様々な整備を進めたいというふうに考えてございます。
6ページ目以降、最近の事例を紹介してございます。減量化の方法の例でありますとか、その次のページに行きますと、ごみプラのリデュースといったところも法律が始まるということで動きが進んでございますし、自主回収の動きもその次のページに載せておりますけども、これは認定制度が動いてくるにしたがって増えていくというふうに考えてございます。
その次、自治体のアンケートの結果、これは8月に実施した結果でございまして、まだ様々な情報がない中でご回答いただいた内容でございますけども、説明等を進めて、あるいは一緒になって考えていくということを進めて、より例を増やしていきたいというふうに考えてございますし。実際、このアンケートの後で、もうやろうということを表明いただいている例も聞いておりますので、今年度もモデル事業なんかを実施したいというふうに思っておりますけども、取組の歩みを早めていきたいというふうに思ってございます。
最後に1点だけ、次のページに、ファイナンスの関係で、先ほどの議題でもございましたけども、ESG金融に係る取組の先行事例といったことを書かせていただいてございます。その次のページですね、ごめんなさい。
昨年の1月にガイダンス文書を作ったところですけども、そういったところの報告事例が出ておりますのと、投資家のほうで責任保険の割引といったことも見られております。こういったところで、ファイナンスの動きといったところも目に見えてきているなというふうに思ってございます。
プラ法の施行については、以上でございます。
続きまして、参考資料5に参ります。国連環境総会(UNEA)におけるプラスチック汚染に関する決議について、ご報告申し上げます。
プラスチックに関連して、G7なりG20なりで取組が進んできたというところがございましたけども、国際条約化に向けた動きの機運が高まっておりました。国連環境総会ですね、UNEPの意思決定機関ということで、昔の管理理事会からバージョンアップしたものになっておりますけども、UNEA5.2ということで、2月の末から3月2日にかけて、準備会合をその前の1週間、1週間をかけて行いまして、私とフロントで交渉してまいりました。
結果として、我が国も決議案を提出して、ほかから出ていたペルーやルワンダの決議やら、インドの決議といろいろございましたけども、まとまった形で3ページ目と4ページ目に国際条約交渉開始といったところの決議を採択することができました。これはいろいろございまして、今後2年間で、3ページ目の一番下のところですけども、今年後半から政府間交渉委員会を始めると、2024年までに作業を完了するという野心を持って、交渉するということでございまして。
次のページに行っていただきますと、目的を明らかにして、国別行動計画をつくっていくといった内容を書いてまとめてございまして、あるいはマルチステークホルダーを巻き込んだ交渉をやろうというふうになってございます。各国が乗れるような国際条約にすべく、日本としても議論に貢献したということでございます。
私からの説明、以上でございます。ありがとうございます。
○廃棄物規制課長 続いて、参考資料の6です。盛土による災害防止に向けた対応でございます。昨年7月、熱海で起きました大規模な土石流によりまして、多数の被害が発生したということでございまして、政府として、この不適正な盛土による災害の防止に向けた検討を進めてまいりました。大きく二つ取組がございまして、一つは、危険な盛土の総点検を関係省庁が連携して行ってございます。8月からこの3月にかけて、調査を行ってきました。自治体の関係部局が、点検が必要な箇所を約3万6,000か所ピックアップして、目視等による、まず一次的な調査を行った結果として、廃棄物の投棄等が確認された盛土が142か所あったということが、現在分かってございます。
もう一つは、危険な盛土の発生を防止するための対策の強化ということでございます。それを検討会でまとめた結果が、4ページ目をちょっと開けていただけますでしょうか。危険な盛土に対する対策ということで、この2番のところですけれども、今後の対応を求めてございます。
一つ目の対応としては、新たな法制度の創設ということで、これまで各法によって、ばらばらに規制されていたものを一律に規制を行うということで、宅地造成法を改正しまして、盛土全体に対する規制をかけるということを導入してございます。盛土の安全性を確保するための安全基準を設定して検査を行うこと、それから行為に対する責任の所在を明確化すること、罰則の厳格化等をこの法律によって許可をするという取組を行ってまいります。それに加えて、様々なガイドラインの整備ですとか、土の搬出先の明確化ですとかの対応を強化するという方向が打ち出されました。
我々、ポイントとしては、この4番にあります、廃棄物混じり盛土の発生防止等ということで、土の不適正な処理と廃棄物の不適正な処理というのが関連して事案が発生するという、非常に多うございます。ここの連携を強化するというところが廃棄物行政から見た大きなポイントとしてございます。
この内容を、ちょっと2ページに戻っていただけますでしょうか。その強化の内容でございますけれども、具体的には、マニフェスト管理の強化、それから2番目として、法令遵守体制の強化ということで、関係部局が連携してのパトロールですとか、建設業者に対する廃処法の規定の徹底やペナルティの強化、それから自治体向けのセミナーの開催等による情報の共有、さらに関係部局間での連携強化ということで、この廃棄物部局に加えて、これから盛土規制部局というのができますので、そういったところが情報交換をして、適正に対処をしていくという対応を強化していくという方向を取りまとめてございます。
次のページですけれども、「盛土緊急対策事業」ということで、先ほど総点検で不適正な盛土が発見された場合の是正措置を国が助成をして自治体にやっていただくということでございまして、国交省や農水省が中心に事業を行うわけですけども、廃棄物混じりの不適正な盛土があった場合の助成、調査及びその原状回復の事業というのを新たに予算措置をしながら、今後実施していくということにしてございます。
以上でございます。
○環境再生・資源循環局参事官 では、続きまして、参考資料7でございます。ご覧いただけますでしょうか。
平成26JESCO法改正に係る施行状況の点検の進め方について(中間貯蔵施設事業関係)ということでございます。お時間ございませんので、ポイントだけご説明させていただきます。
まず、5ページをご覧いただけますでしょうか。平成26年改正法の検討規定についてというふうに書いてございます。平成26年に、この日本環境安全事業株式会社法を一部改正いたしまして、これまでPCBの処理をやってきましたが、新たに中間貯蔵事業、福島県の除染で発生した除去土壌を30年間中間貯蔵するという事業を、今回JESCOの事業に加えたという改正を26年にやりました。この改正法の附則9条で施行後7年を経過した場合において、施行状況について検討を加えるという規定がございます。今回この7年の期限を迎えましたので、このJESCO法改正によって、新たに追加された中間貯蔵事業、JESCOの中間貯蔵事業について、点検・評価をしたいというふうに考えてございます。
次のページ、6ページご覧いただきますと、施行状況の点検に進め方として、ここまでやってきた中間貯蔵の事業につきまして、取組状況、あるいは進捗状況といったものを我々のほうで整理、分析を行います。有識者の方々それぞれの分野のご意見を伺いながら、我々、環境省の事務局において、報告書を取りまとめたいと思ってございます。
それを4月から夏頃ぐらいまでにかけて、こういった検討をやりまして、夏頃に一度、まず、この循環型社会部会のほうに、その報告書の案をご報告いたしまして、いろいろご意見をいただいて、それも踏まえて最終的に整理をしたいといったようなことを考えてございます。
すみません。残りの資料は、そもそも中間貯蔵とは何かといったような資料ですので、ご質問あればお受けいたしますし、後ほどご覧いただければと思います。お時間ございませんので、私からは以上です。失礼しました。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。若干時間が超過してございますが、ただいまの報告事項に関してご質問のある方、手を挙げていただければと思います。いかがでしょうか。
大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 質問というよりも意見というか、お願いになってしまいますが、プラスチックのほうの汚染に関する決議は大変よかったと思っていますし、日本案が採択され、大変よかったと思っていますけども。このスライド4とかのまとめ方だと、自主的な行動が結構強調されているという感じはいたします。国内ではそういうことになっていますけど、この文書自体を見ると、リオ宣言を踏まえてということになっており、リオ宣言の中には、PPPも入っていますので、これは、やはり排出国が気をつけないと、プラスチックが海洋に出ていってしまうので、そういう意味でPPPは、国家に対するPPPにもなりますけれど、非常に重要だと思います。リオ宣言を踏まえてということが、この本文の中に入っているということをぜひ環境省さんとしてもよくご認識いただいて、条約交渉に臨んでいただけるとありがたいと思います。余計なことを言っていることになるかもしれませんが、恐れ入ります。
○酒井部会長 どうも、大塚先生、ありがとうございます。
では引き続いて、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。それでは、私は参考資料の7のところに関して、一言コメントを言わせていただきたいと思います。
今、時間がないということで、かなり端折ってご説明いただいたんですが、私自身、事故の直後から環境省が担当された、この除染事業に大変関心を持ち、委員としても関わってきました。それで、この除去土壌を仮置き場から中間貯蔵施設まで運ぶという作業をここ数年やってこられたのですが、非常に丁寧に事故を起こさないように、そして安全を保つようにということを配慮しておられることを視察などを通じて感じ取ってきました。
それで、中間貯蔵施設のところは、大熊町や双葉町の地権者の方に協力いただいて、今、かなりしっかり整備しておられるんですが、見学に行くと、8,000ベクレルより低いものと高いものとをきちんと分けて貯蔵するということをやっておられて、再生利用に向けた取組も試験的に進めておられて、私はこの様子をぜひ多くの方に、福島の方と、県外の方にも関心のある方にはどんどん視察していただいて、今後問題になる土壌の再生利用とか、あるいは最終処分とか、そういう事業に関して関心を持っていただくようにしていくことがとても大事だというふうに感じています。それは、このJESCO法ではなくて環境省の課題かもしれないのですけれども、例えば環境再生プラザに集まってから中間貯蔵を見学し、伝承館も見学して、そこの会議室でみんなで対話をする、話し合うとか、そういうような積極的なプログラムを定期的に開催するなどの方策を取って、社会の関心を常に高めていただくことも大事なんではないかと、一言コメントさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。お二方の委員から質問、ご意見ございました。事務局、お答えになられますか。
○リサイクル推進室長 条約の件から申し上げます。交渉過程を一切省いて、ご説明申し上げたので、大変申し訳ございませんでした。リオ宣言は、リオ原則の置き方の交渉過程で、幾つかあった主要論点のうちの一つございまして。水俣条約の例を参考に、一番重要な3番目のパラグラフの柱書の部分を前文に記載するということで決定してございます。
リオ宣言の中身で大事に思っているところ、箇所も、先進国、途上国様々な思いがございます。どういった格好で条約化していくかといったことが、今後大きな論点になってこようかと思ってございます。ご指摘ありがとうございます。
私からは以上でございます。
○環境再生・資源循環局参事官 続きまして、崎田委員、ご意見ありがとうございます。委員全くおっしゃるとおりでございます。この問題、福島県だけではなくて、全国の方々にそれぞれ日本の課題ということで知っていただきたいということで、様々……。
○酒井部会長 ちょっと音声、途切れておりますけれども。
○環境再生・資源循環局参事官 今、聞こえてますでしょうか。
○酒井部会長 はい、今、聞こえ始めました。
○環境再生・資源循環局参事官 失礼しました。崎田委員、ありがとうございます。環境省としても頑張っていきたいと思います。今でも、環境省本省で、大臣をヘッドにした対話フォーラム、あるいはJESCOに委託をして、工事情報センターということで見学者の受入れ、センターでの展示、あるいは中間貯蔵施設へのツアーなども定期的にやっております。あるいは、再生土壌の使用ということでは、飯舘村の長泥という地区で、今、農地の盛土に再生土壌を使っているのですが、そこについても一般の方々にも見ていただくといったことも始めてございますので、どんどんこういった取組、広げていきたいと思っています。
以上でございます。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。今日も非常に熱心なご議論をどうもありがとうございました。
本日の議事は以上でございます。進行を事務局にお返しいたします
○総務課長 本日はありがとうございます。最後でございますけれども、次回の循環型社会部会につきましては、改めて、事務局のほうからご連絡させていただきたいと思います。
以上で、本日の部会は閉会とさせていただきます。長い時間にわたりまして、本当にありがとうございました。
午後3時12分 閉会