中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第40回)議事録

日時

令和3年7月6日(火)15時00分から1715分まで

場所

Web会議

議題

(1)関係者ヒアリング
(2)質疑応答
(3)その他

出席者

田崎智宏座長、細田衛士座長、石川雅紀委員、伊藤章委員、梅田靖委員、浦誠治委員、大石美奈子委員、

大熊洋二委員、大塚直委員、小原英夫委員、桂川孝裕委員、河口真理子委員、川村仁志委員、河野博子委員、

崎田裕子委員、杉山涼子委員、高橋修委員、滝沢朝行委員、西尾チヅル委員、萩原なつ子委員、平岡利枝委員、

三嶋恒夫委員、峯田季志委員、宮野譲委員、村上進亮委員、吉岡均委員

○環境省・小早川補佐  ただいまから「第40回産業構造審議会産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ 中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合」を開会いたします。私は事務局を務めます環境省環境再生資源循環局総務課リサイクル推進室の小早川です。よろしくお願いいたします。

 本合同会合の事務局及び議事進行は、経済産業省と環境省で持ち回りにより担当させていただいております。今回は環境省が進行を務めさせていただきます。

 まず、委員の変更についてお知らせいたします。

 産業構造審議会崎田委員におかれては任期満了に伴い退任されました。崎田委員におかれましては中央環境審議会の委員として引き続き本合同会合に御参加いただく予定としております。

 次に、本日の合同会合は、中央環境審議会は17名のうち、遅れて入られる方もいらっしゃいますが、17名に御出席をいただく予定となっております。産業構造審議会につきましては20名のうち19名の委員に御出席をいただく予定となっております。両審議会とも定足数である過半数に達していることを御報告いたします。なお、小原委員につきましては所用により途中からの御出席と伺っております。

 本合同会議は、YouTubeにおいてライブ配信により議事を公開しております。

 また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様の御了解をいただいた後、公開いたします。あらかじめ御了承ください。

 本日はWeb会議での会合です。発言をされる場合を除き、マイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしてください。御発言の際にはビデオとマイクをオンにしていただき、御発言いただけるようお願いいたします。なお、音声トラブルが起きた場合、事務局側でビデオを強制的にオフする場合もありますが、御了承ください。

 続いて、配付資料につきましては原則全て公開しており、事前に御案内させていただいた経済産業省及び環境省のWebサイトにて掲載しておりますが、本日のWeb会議システム上でも表示いたしますので、いずれかを御覧ください。

 資料は議事次第に加え、資料1から資料5まで用意しております。御確認ください。

 それでは、これ以降の議事進行を田崎座長にお願いしたいと思います。田崎座長、よろしくお願いいたします。

○田崎座長  それでは本日の第40回の会合を始めたいと思います。

 本日は、前回の会合で議論したスケジュールに従いまして関係者ヒアリングを行います。小売業者、自治体、消費者の立場から御説明をいただき、委員の皆様からは忌憚ない意見をいただきたいと思っております。本会議は本日17時30分に終了予定ですので円滑な議事進行に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それではまず議事次第の1つ目ということで、関係者ヒアリングの議題に移ります。

 本日は、小売業者の立場から全国電機商業組合連合会、自治体の立場から全国知事会、全国市長会、消費者の立場からNPO法人元気ネットから説明を聴取します。まず説明を一通り聞いてから議題3の質疑応答に移りますので、まずはお聞きいただければと思います。

 それではまず全国電機商業組合連合会の峯田委員、御説明をお願いいたします。資料は資料2になります。

○峯田委員  全国電商連の峯田です。家電リサイクル制度に関する意見及び要望を述べさせていただきたいと思います。

 まず、前回の会合にて、まちのでんきやさんが市中に見られなくなったいるという御意見がありました。私も大変貴重な御意見ということで承ったわけでありまして、改めて我々まちの電機店、それぞれの地域においてしっかりと認知度を高めていくような活動をしていかなければならないということを感じた次第であります。本当に貴重な御意見をありがとうございました。

 さて、せっかくの機会ですから御紹介をさせていただきますが、私ども全国電機商業組合連合会は全国に13,300社、都内でも約1,000社が加盟している組織でございます。メーカーを問わず、それぞれの地域におけるまちの電機店でこの組織は形成しているわけでありまして、御案内のとおり、私どもも経営者の高齢化、そしてまた事業承継などの課題も山積しており、大変問題も多いわけでありますが、そういう中で、青年部組織が全国各地で大変いろいろと活動をいたしておりまして、地域に貢献しているという自負をいたしておるところでございます。特に今、環境問題が取りざたされており、省エネ家電製品の販売促進に尽力しているところでございます。

 そしてまた、沖縄を除いて全国に46の組合があるわけでございますが、その中でも特にこの家電リサイクルの義務外品の回収については、それぞれの組合でしっかりと市町村とタイアップして協力させていただいております。また、すべからくという状況にはなっておりませんが、常に我々の中では、そういった要望、負託に応えていくというような自覚と責任を持っておりますので、ぜひこれからも御理解をいただければと思っております。

 さて、リサイクル料金のシステムについてでございますが、リサイクル法が施行されて20年になるわけですけれども、私どもはスタートからこの料金制度については前払いが良いのではないか、そしてまた9年ほど前にも、提言として、前払いの御検討ということをお願いしておりました。今日、20年を経過して、組合の皆さんにいろいろと御意見を伺う機会がございまして、はっきり申し上げますと、このリサイクル料金システムについては現状の制度が非常に浸透しており、このままでいいのではないのかという声が非常に多くなっております。そのことをぜひここで述べさせていただきたいと思っております。

 私どもも、このリサイクル法について、これから前払いになるというようなことになれば、大変リスクが大きく、大変な作業、混乱も生じてくるのではないかと考えています。現行の制度、そして新たな前払いへの移行について考えますと、それよりも、これまで20年間皆さんでしっかりとやってきた制度をこれからもやっていく、その方がよろしいのではないのかというのが全国電商連の今日の考え方でございます。

 そういう中で、やはり不法投棄ということについては、各市町村の大変な経費、お金がかかっていると思いますが、私どもも組合員の店の前とか敷地内、倉庫の前などにも不法に投棄されるわけでありまして、皆さん自腹を切ってリサイクルをしているわけであります。そういう意味では、そういう現状をしっかりと何とかならないのか、お考えいただけるようにしていただければ大変ありがたいと思っております。

 不法投棄については前払いにするとなくなるというような御意見が多いわけでありますが、それぞれの地域の組合の皆さんにお聞きしますと、リサイクル料金制度を変えれば不法投棄がなくなるかということになると少し違うのではないかというような意見も多数あるわけでありまして、そういう意味では、しっかりとこれからも不法投棄については目を光らせ、そしてしっかりしたPR活動をしていかなければならないと思っているわけでありまして、ぜひ御理解をいただければというように思っております。

 ただ、料金システムについては私どもとしては現状のままでよろしいとは思っておりますが、内容について、例えばリサイクル券の記入方法等については見直しが必要であると思っております。やはりこのペーパーレスの時代に、現状では大変時間もかかる、労力もかかるわけでありまして、いろいろな問題も抱えているわけでありますから、ぜひ電子化というものが必要になってくると思っております。ただ、記入について、もしそのように変更になった場合は、当分の間は並行して現状の用紙における申請とペーパーレスでの電子化における併用をお願いする次第でございます。

 それから、個人情報の記入については、必要最低限ということをぜひお願いできればと思っております。

 それから、制度の運用上の課題についてでございますが、収集運搬料金の最低料金の設定について、これまでも我々全国電商連はいろいろと要望してまいりました。このあたりについてはいろいろな問題があるということは重々承知しているわけでありますが、やはり最低料金などを設定していただけることによって、この収集運搬料の有無が販促費などに活用されないことにつながると思っておりますので、ぜひ御理解をいただければと思っております。

 今も俗に言うカイコということで、前から比べると少なくなってきてはおりますが、無料引取りを、今も街宣でされており、まだまだ現状ではそういうことがはびこっているわけであります。組合の皆さんからは、まじめにリサイクルを順守している我々が消費者の皆さんからも悪人に思われている現状、まじめにやっている者がばかを見るようなことでは困るという切実な声があるわけでありまして、ぜひ御理解をいただけるようによろしくお願いを申し上げる次第であります。

 また、リサイクル制度の周知そして継続の強化、また、トラブル防止のための活動というのがまだまだ少ないのではないかと思っております。周知活動については、ぜひこれからもよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、指定引取場所については、A・Bグループの共有化は大変便利で喜ばれているわけでありますが、一方で、統廃合により指定引取場所が少なくなっている現状もあり、ある県においてはリサイクルをするのに半日以上かかってしまって仕事にならないというような声が出ているわけであります。ぜひそういう地域の声もお考えいただき、今後ともよろしくお願いを申し上げまして私からの意見、要望とさせていただきます。

○田崎座長  御説明ありがとうございます。質疑応答は全ての説明が終了した後にまとめて伺います。

 では続きまして、全国知事会の滝沢委員から御説明をお願いいたします。皆様、資料3を御覧ください。ではよろしくお願いいたします。

○滝沢委員  長野県の滝沢でございます。よろしくお願いいたします。私からは、長野県における家電リサイクル法に係る取組、それから長野県の状況についてお話をさせていただきます。

 資料1ページでございますが、まず長野県の施政、概況について御紹介をしたいと思います。長野県の特徴といたしましては、こちらにございますように広い県土がございまして、その約8割を森林が占めているという状況にあります。また、市町村数が非常に多く、とりわけ小さな村が多いというのが特徴でございます。次のページをお願いいたします。

 続きまして、若干PRをさせていただきたいのですが、長野県はごみの少なさランキングが6年連続で日本一ということでございます。ごみの減量化の意識が長野県民に非常に浸透していると捉えております。

 右下の表にございますように、ごみ処理の有料化を導入する市町村が多く、また、指定袋に記名をしていただくといった市町村のごみ減量化の取組にも市民の方から御理解をいただいているということを御理解いただければと思います。次のページをお願いいたします。

 続きまして、長野県におけます主な不法投棄の防止対策について紹介をします。左上ですけれども、市町村職員における県職員併任制度というものがございまして、こちらは市町村職員を長野県の職員として併任発令を行うというものでございます。

 その左下ですけれども、不法投棄監視連絡員というものを置いています。市町村から推薦されました住民、ボランティアですけれども、こちらを不法投棄監視連絡員ということで任命させていただきまして、不法投棄に関する情報収集、それから必要に応じて回収といったことを実施しております。

 右上に参りまして、それから中ほどになりますが、夜間監視のパトロール、それから河川の一斉パトロールということも実施しております。また、右下にありますように、電話での通報窓口といったものも開設しております。次のページをお願いいたします。

 こういった長野県のまじめな県民性ではありますが、やはり不法投棄は実際にございまして、その状況について、表それからグラフのとおりお示しをさせていただきました。大体全国と同じような状況で、減少傾向にあるのではないかと思っております。

 また、環境省が示している全国1万人当たりの台数、それから市区町村別1万人当たりの台数といったものを用いて算出した台数と比較しますと、長野県の場合はそのいずれよりも少ないということが言えるので、廃家電の不法投棄についても全国平均と比較して少ない状況にあるかと思っております。

 なお、グラフ中に青色で示す長野県の平成28年度が非常に高い数字になっていますが、こちらは2,688台という廃家電を含んでおります大規模な不法投棄がございまして、こちらの代執行事案が計上されていますので、そういったことがあるということをお含みおきいただければと思います。次のページをお願いいたします。

 引取義務外品の回収体制について少しお話をさせていただければと思います。長野県の不法投棄は先ほど申し上げましたとおり少ない状況にありますが、義務外品の回収体制といったものを構築している市町村が全国の平均を下回るという状況にございます。

 また、いわゆる義務外品の回収体制の有無、それから市町村別に分析をしてみますと、右下の表のとおり、人口規模による傾向は見られますが、回収体制の有無によっての明確な傾向というのはちょっと見受けられないということになりました。このような状況から回収体制の構築だけをもって不法投棄の傾向といったものを評価することはできないのではないかと捉えております。次のページをお願いいたします。

 次に指定引取場所についてです。長野県内におきましては10か所が指定されているところですが、単純に国土もしくは県土の面積で割り返してみますと全国平均よりも少ないということがわかります。長野県のように県土の多くを森林が占めているようなところにおいてはやむを得ないかということは理解しているところですが、下の表にありますとおり、県境の市町村では最寄りの引取場所が隣の県に位置するといったケースもあります。また、収集・運搬にかかる負担というものが非常に課題ではないかと受け止めているところでございます。次のページをお願いいたします。

 先般から議論になっていますリサイクル料金について、その支払方法について、長野県内の市町村にアンケートを実施してみました。77市町村のうち74の市町村から回答があり、約8割の市町村が前払いの方法を求める結果となりました。

 ただ、他方においては、少数ではありますが、制度の見直しといったものに否定的な考え方、それからメリット・デメリットがあるのでなかなか判断が難しいのではないかというような御意見もございました。次のページをお願いいたします。

 最後に、市町村等からの要望について、幾つか寄せられてはいますが、代表的な3つを御紹介させていただければと思います。

 まず1点目についてはリサイクル料金についてです。先ほどのスライドでも紹介をさせていただきましたが、前払い、もしくは内部化方式といったものの導入を求める市町村の声が多かったということです。

 2点目は、やはり対象品目の追加指定についてです。とりわけ有機ELテレビについては、制度を説明する上でも非常に課題と感じている市町村が多いようですので、こちらの追加指定について要望として挙げさせていただいております。

 3点目は、先ほども申し上げました指定引取場所の追加指定についてですが、こちらはより多く指定をいただくと市町村の負担も減るのではないかと考えているところでございます。

 長野県からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○田崎座長  御説明ありがとうございました。続きまして、全国市長会の桂川委員からの説明をお願いいたします。資料4を御覧ください。では桂川委員、よろしくお願いいたします。

○桂川委員  発言の機会をいただきありがとうございます。家電リサイクル制度の円滑な実施に御尽力をいただいている関係者の皆さんに深く感謝を申し上げたく思います。

 さて、現在2050年までのカーボンニュートラルの実現を目指して、脱炭素に向けた取組が強く求められているところでありますが、他方で、インターネットの通販や個人間取引が急速に拡大するなど、家電4品目の販売方法、消費者の購買行動は、制度創設の20年前から大きく変容しており、循環型社会のさらなる推進や時代の変化に対応するためにも制度の見直しをするべきであると考えているところでございます。

 それでは亀岡市の取組や全国市長会の意見を発表してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず初めに亀岡市の取組についてです。どうぞ1ページを開いてください。亀岡市は京都市の西に位置しまして、JR利用で京都駅から21分くらい、嵯峨嵐山駅から10分くらいのところにあります。また、隣は大阪と接しておりまして、兵庫県にも接しており、便利なところです。市内は京野菜の日本一の産地であり、また、トロッコ列車や保津川下りという自然の環境を生かした観光があるところです。

 そういった中、亀岡市は京都市、大阪府、兵庫県に隣接する利便性の高い立地条件から、大都市圏に隣接する山間部への不法投棄が後を絶たない状況であります。市道等の公共用地では迅速な回収・処理を進めているところではありますが、私有地での不法投棄も多く確認しており、所有者・管理者での回収処理が原則となることから、そのまま放置される場合も多いのが実情であります。

 亀岡市における家電4品目の不法投棄の状況と1か月間の人流データを重ね合わせたものが次のページです。市街地付近の人通りの少ないところで不法投棄が多い傾向が見られています。河川の土手とか高速道路の側道などの人があまり通らないところに多いのが実情です。また、他府県に隣接する山間部では不法投棄が後を絶たず、行政区をまたいで不法投棄されるものもあると考えております。

 次のページをお願いいたします。点線で囲っているところに、大阪府や兵庫県に隣接している関係で近隣自治体から持ち込まれて不法投棄される状況があるのではないかと思っています。次のページのような状況で、河川の土手や林道など、人目につかないところに不法投棄されているのが現状でございます。次のページをお願いいたします。

 亀岡市の不法投棄防止対策としては、週2回の巡回パトロールを実施しておりますし、ポイ捨て監視指導員と連携した監視体制を構築しております。これは週3回です。亀岡市はポイ捨て禁止条例を制定しており、ポイ捨て禁止重点地域を初めとした市内一円の監視パトロールを実施しているところでございます。

 また、不法投棄監視カメラの設置や貸出も行っておりますし、「ながらサポートプロジェクト」としまして、市内を巡回される企業、団体と連携した監視体制を構築しています。これは何かというと、郵便局や新聞販売店、また環境事業公社といった事業者と連携して、不法投棄があったときにすぐに市役所に連絡をしていただき、回収・撤去をする体制を整えています。

また、「まち・レコプロジェクト」として、市民の家庭用自動車に搭載されているドライブレコーダーを活用した町の安全・安心プロジェクトなどにも取り組んでいるところでございます。さらに、ドライブレコーダー協定を締結しておりまして、市内事業者のドライブレコーダーを移動型の防犯カメラとして活用し、18団体563台に現在登録をいただいているところでございます。このほか、不法投棄防止看板の設置、貸出等も行っているところでございます。

 加えて、次のページのエコウォーカーなどのような、市民の皆さんがボランティアとして、自分の健康維持のための散歩やウォーキングをしているときにごみを拾っていただいて、また、見つけていただいたときに通報をいただくといった取組も行っております。これは現在登録者数が800人を超えております。次のページをお願いいたします。

家電4品目の処理方法については市のホームページなどで周知をしております。また、家電4品目については、同一品目の買換えの際に処分する場合が多いことから、まずは購入されるお店に相談するようにお願いをしております。さらに、市内の大型家電販売店は、義務外品についても引取の対象としていただいているところが多く、そういったお店を協力店として案内をしているところでございます。加えて、自分で引取場所に直接搬入したい方については、郵便局で家電リサイクル券を購入した上で持ち込むようにお知らせをしているところでございます。

 亀岡市内における小売業者の引取義務外品の回収体制でありますが、家電リサイクル法の施行後から市内の一般廃棄物収集・運搬許可業者に協力を依頼しているところでございます。協力をいただいている一般廃棄物収集・運搬許可業者からは、回収した家電4品目の量をそれぞれ報告をいただく形で市が管理をしているところでございます。

 また、市のホームページやパンフレットに義務外品の回収を行う協力許可業者の連絡先2社等を掲載し、市民の皆さんへの情報提供を行っているところでございます。このような取組をしながら、義務外品についても市民がなるべく排出しやすいようにしております。次のページをお願いいたします。

 次に全国市長会の意見を述べさせていただきたいと思います。不法投棄対策についてでありますが、まず市町村が実施する不法投棄未然防止や離島対策については、家電製品協会に協力事業の実施をいただいており、改めてお礼を申し上げる次第であります。

 さて、御案内のとおり、不法投棄された家電4品目の撤去・運搬費用やリサイクル料金等については、本来、不法投棄した者が払うべきものを市町村がほぼ全額を税金により肩代わりして負担しているところでございます。このことは、本来、住民の福祉の増進に使うべき税金が不法投棄者のリサイクル料金等に使われていることになり、住民、納税者の理解を到底得られないばかりでなく、リサイクル料金の負担の公平性にも欠け、結果的に不法投棄をした者が得をし、まじめにリサイクル料金を負担した方が損をするような状況となっており、家電リサイクル制度の根幹を揺るがすことにもつながりかねないと考えているところでございます。ついては、不法投棄者が得をするような形にならない方策を講じるとともに、市町村の負担軽減を図っていただきたいと考えているところでございます。

 また、適正排出に係る普及啓発、監視カメラや警告看板等の設置、パトロールや巡回監視などについても積極的に取り組んでいるところでありますが、市町村が実施する不法投棄未然防止等の取組に対する製造事業者等の支援の継続・充実を図っていただきたい、加えて、国費による財政措置など、新たな財政支援を創設してほしいと考えているところでございます。

 次に義務外品の回収についてでございます。モールサイト等に出店している小売業者や個人間取引の仲介業者等を経由しての家電4品目の購入が拡大しており、消費者、排出者から見て購入した小売業者がわかりにくいことなどから、今後、義務外品が急増する懸念があると思われます。

 こうした販売方法や購買行動の多様化等に対応し、安定した家電4品目の回収を維持していくために、小売業者が自ら過去に販売した対象機器等にとどまることなく、広く引き取ることや、資源有効利用促進法に基づくパソコンリサイクル制度の製造事業者等による自主回収のような仕組み、指定引取場所数の拡大など、消費者が排出しやすい環境を整備していただきたいと考えているところでございます。

 特に、インターネット通販等で購入した小売業者が遠方である場合など、販売方法等の多様化に見合った小売業者の引取義務がしっかり果たされるような仕組みを構築してほしいと考えているところでございます。

 次に、対象品目の拡大についてでございます。家電リサイクル法の対象品目の4要件については、脱炭素への早急な対応やインターネット通販等の拡大など、社会情勢や販売方法、購買行動の多様化等の実態に合わせて柔軟に対応いただくとともに、対象品目のさらなる拡大を図っていただきたいと考えております。

 具体的には、有機ELディスプレイ方式のテレビをはじめ、前回の見直しにおいて引き続き検討することとされた電子レンジ、マッサージチェア、オイルヒーターや、市町村による再商品化が困難で温室効果が高い冷媒ガス類等を使用した除湿器等の製品など、前広に対象品目の拡大を行っていただきたいと考えているところでございます。

 次に、違法な不用品回収業者・ヤード業者対策についてであります。違法な不用品回収業者やヤード業者による回収や引取等により、相当数の家電4品目が家電リサイクル法ルート以外の処理ルートで処理されており、本制度の信頼を著しく損なっているばかりか回収率の向上やリサイクル料金の負担の公平性等の問題があると思われます。また、これらの違法業者による不法投棄や不適切処理も指摘されていることもあり、実効性のある対策が必要であると考えているところでございます。

 現状において、我々自治体もパトロールなどの対策を鋭意実施しているところでありますが、違法な回収行為等を現場で確認することは非常に難しい状況にあります。また、1つの市町村、1つの都道府県にとどまらず、違法業者が広域で活動するため、一自治体では対応に限界があることも事実だと思います。ついては、対策の実効性が確保されるよう、警察による取締りや法的規制のさらなる強化など、抜本的に対策を強化していただきたいと考えているところでございます。

 最後に、リサイクル費用の前払い方式の導入についてであります。先ほどの全国知事会からの長野県の御発表にもあったように、市町村の多くは不法投棄された廃家電4品目を処理する状況にある中で不平等が起きていることを感じております。そういう面では、リサイクル費用の前払い方式の導入により、少なくとも不法投棄された廃家電4品目のリサイクル費用は確保できるため、不本意な税金使用が抑制されるということに加えて、不法投棄された土地の所有者等の費用負担も軽減されると思っています。

 個人所有地での不法投棄については、基本的には投棄された土地の所有者がリサイクル費用等の負担をしなければならず、その対応が難しく、亀岡市においても手が出せない状況にありますから、そういうことも考えるとリサイクル費用の前払い方式の導入が大変重要だと思っています。

 また、排出時のリサイクル料金の支払いを避けようとするために行う違法な不用品回収業者への引渡し等も抑制され、家電リサイクル法ルートの回収率、ひいてはリサイクル率の向上も期待できると思っています。

 以上のようなことから、リサイクル費用については前払い方式としていただきたいと考えておりますし、やはり20年という時代の経過の中で、消費者が買うのは地元のお店というよりもまさにインターネット通販や、また、最近はメルカリとか、ヤフーオークションというようなもので買う方もいるということを考えると、そういう時代に適応したリサイクル費用の回収方式への見直しが必要だと思っています。

 なお、全国市長会では、そのリサイクル費用を内部化させるかまでは議論しておりませんが、いずれにしても、前払い方式を導入いただきたい。そのことをお願いしたいと思います。

 全国市長会からは以上でございます。

○田崎座長  御説明ありがとうございました。それでは続きまして、最後の説明となります。消費者団体としてNPO法人持続可能な社会をつくる元気ネットの鬼沢理事長、御説明をお願いいたします。資料5となります。よろしくお願いいたします。

○鬼沢理事長  御紹介いただきました持続可能な社会をつくる元気ネットの鬼沢です。本日はありがとうございます。次のページをお願いいたします。

 本日お話しする内容です。特に最後には、これまでの活動から見えてきたことを消費者・市民の視点として幾つか提案させていただきます。次のページをお願いいたします。

 NPO元気ネットは1996年に市民団体として発足して以来、廃棄物をテーマに社会の課題を連携、協働で解決したいと25年間活動してまいりました。こちらは直近の活動ですが、2013年から2015年にかけて各種リサイクル法の見直しが行われました。そのとき、地球環境基金の助成を受けて、2013年にはEU3か国7都市、2014年には4か国8都市の視察と関係者へのヒアリングを行いました。そして2年間で、見直しに向けたマルチステークホルダー会議を17回開催いたしました。その後、見直し審議会で、NPOとしていくつか提案をさせていただきました。

 本日は、スライド左下にあります2017年から実施した家電リサイクルに関する普及啓発から見えてきたことをお話しさせていただきます。この普及啓発につきましては、家電製品協会の事業として実施をさせていただきました。次のページをお願いいたします。

 こちらが2017年から3年間活動してきた内容です。2017年は家電リサイクルの認知度調査を、一般消費者向けに、エコライフ・フェアの会場で実施いたしました。97名の方に回答をいただきました。ほかに家電リサイクル工場見学とセミナーを、3Rに関心の高い地域リーダー25名を対象に実施いたしましたが、この時に出た質問は非常に基本的な質問や素朴な質問が多かったことから、家電リサイクルに関して正確に理解されていないということがよくわかりました。もう1つ、10月から11月にエアコンの使用状況に関するアンケートを全国の一般消費者を対象に実施いたしました。こちらは後ほど詳しく御説明いたします。

 消費者に家電リサイクルを正確に知っていただくために、楽しく学ぶための3問のクイズを開発して、中央区で開催された「子どもとためす環境まつり」で実施してみました。このときは別の事業で育成をしてきました市民リーダーにより実施していただくことで、この市民リーダーの皆さんにも家電リサイクルに関してよく知っていただこうということでやってみました。このときの参加者は、小学生がいる30代から40代の御家族の方や地域の一般消費者の100名が対象でした。

 2018年には普及啓発をより拡大していくために、発信の機会のある3Rに関心の高い地域リーダーを対象に、家電リサイクルの工場見学とセミナーを、場所を変えて2回実施いたしました。特に2回目は、家電のプラスチックのリサイクルのことをよく知っていただくようなプログラムにいたしました。ほかに、前年の続きとして普及啓発用のクイズの開発とか、それを実施するための市民リーダーの育成を行いました。

 イベント等における普及啓発や出張講座は、6月のエコライフ・フェア、9月の「子どもとためす環境まつり」、そして10月に実施されました新宿区の3R推進キャンペーンと3回実施してみました。

 3年目の2019年には普及啓発の担い手となる市民リーダーの育成に力を入れ、エアコンの残置削減に向けて終活コーディネーター等への情報提供と働きかけを行いました。次のページをお願いいたします。

 こちらは、1年目に活動を始めるときの元気ネットの問題意識です。右下の表は2017年6月に初めて実施した認知度調査ですけれども、使わなくなった家電製品をどのように処分したか、シールを貼っていただき、間違っていた場合にはその都度解説をいたしました。表の中の①の家電量販店と答えた方が7割でしたが、これは買換えの方と考えられます。②の不用品回収業者、③の粗大ごみと答えた方がそれぞれ1割いますので、正確な情報が伝わっていないということがわかりました。次のページをお願いします。

 こちらは先ほど御紹介しました2017年の10月から11月に北海道と沖縄を除いた地域の消費者へ実施したエアコンに関するアンケート結果です。516人の方の回答結果ですけれども、60歳代以上の方の回答が46.3%と多いのは、別居している御家族の御実家の状況や、空き家の状況に関しても聞くためで、50から70歳代の方の現状がよくわかりました。516人中、御本人や配偶者の御実家や親戚で既に空き家になっていると答えた方が11%いらっしゃいました。次のページをお願いいたします。

 こちらがアンケート調査から見えてきたことのまとめですけれども、年に数回、御実家へ帰省したときに使用するという世帯を除いても、「ほぼ使用していない。廃棄しても構わない」と回答した世帯が2割は存在しました。この世帯が廃棄を実行に移していない理由は、「面倒だから」と「ただ何となく」という回答でした。この2割は将来確実に空き家に残されたエアコンになると考えられます。

 一方、最近の風潮として「終活」という言葉に代表されるように、高齢者が亡くなった後について語るということはタブーではなくなっています。多くの高齢者が自分の死去後に子供たちに手間をかけたくないと考えております。以上から、高齢者に対して適切で高齢者の方にも利用可能な処分方法の案内とか、廃棄を促進するということが重要であると思います。

 処分方法の内容に関しては、高齢者が日常生活で目にするような、例えば年金のお知らせとか敬老のお祝いなどの自治体からのお便りのほか、病院や薬局などへポスター表示をすることも考えられます。次のページをお願いいたします。

 エアコンの残置に関しましては、空き家になる前の対策と空き家になった後の二通りの対策が必要だと思います。空き家になる前の対策として現在お独り住まい、あるいは近い将来お1人になる可能性のある方へ事前に情報提供をしておくことが重要だと思います。特に75歳以上とその子供の世代へは、具体的に費用面とか依頼先や工事等の手続など、特にフロン回収による環境保全面への情報提供をしていくことが重要だと思います。

 また、終活コーディネーターや遺品整理業者など、また、独り暮らしの情報をよく知っている地域の民生委員などにも情報提供をしていったらいいのではないかと思います。

 情報としては、子供に負担をかけないために、使っていない部屋や古いエアコンは元気なうちの処分をお勧めしますなど、最初の連絡先や処理ルートなども表示して、各方面から情報を届ける必要があるのではないかと思います。

 そういったことから、2019年度は終活コーディネーターへの情報提供と働きかけを実施いたしました。2団体へ働きかけ、1団体からは終活コーディネーターへの情報提供をするために動画撮影の希望がありましたが、その前に工場見学をしてみませんかと計画をしましたが、結果的には申込みがなく、実現はしませんでした。このような呼びかけはやはりNPOからではなかなか難しいと思いました。

 それからもう1つ、現在、空き家の対策としては、解体事業者へ情報提供をして、エアコンの正規ルートへの排出、特にフロンの回収をするということが重要ではないかと思います。特に現在、空き家の状況に関しては、自治体と連携して正規ルートでの回収を試行していくしかないと思われます。次のページをお願いいたします。

 この写真は、築40年程度の木造賃貸アパートです。既に室外機がありません。家電リサイクルプラントでは、回収したエアコンのフロンの計量など、漏れがないかなども、厳しい管理がされている一方で、空き家にあるエアコンの室外機がこのように盗難に遭ってしまうとフロンが自然界に放出されてしまいます。平成30年度には国内に846万戸も空き家があります。また、近所であった空き家の解体工事を見ていても、フロンの回収処理をしているようには見えませんでした。次のページをお願いいたします。

 こちらはポスティングされたチラシです。一時期、見かけることが少なくなりましたけれども、最近はまたよく見かけることがあります。高齢の方や独り暮らしの方が2階から下ろすことができなかったり、部屋から運び出すことができなかったりしますが、車に積み込んだ後に運搬費を請求されるという消費者被害が発生してしまいます。最近ではまたマイクで何でも回収しますという声も聞こえてきます。次のページをお願いいたします。

 これまでの活動から見えてきたことのまとめです。消費者、市民の視点から、やはり消費者への情報提供がすごく重要だと思います。特に消費者の家電を、排出につながる適切なタイミングで、関係者と連携することが重要ではないかと思います。例えば引っ越し事業者さんや解体事業者さんと連携していくことで、正規ルートに家電製品が乗っていくということになると思いますし、知らないことによる消費者の不適切な排出を減らしていくということにつながると思います。

 2つ目は、脱炭素社会に向けて、特にエアコンやフロンの回収の重要性です。エアコンの回収に関しては、一時的でも取り外し回収キャンペーンのようなことを行い、情報を拡散することが必要ではないかと思います。それに家電製品の修理を充実させて、長期に使用するということも重要ではないかと思います。

 3つ目はリサイクル料金の支払いの時期です。既に皆様からもいろいろと御意見があったと思いますが、やはり不法投棄を少なくする、フロンの回収を上げていくなどということを考えると、前払いの仕組みの検討が必要なのではないかと思います。ただ、自動車のような事前預託になりますと、システムと預託資金の管理が大変なので、商品価格への内部化と、そのことを商品に表示をするとか、あるいは家電リサイクルに適した新しい仕組みの検討が重要なのではないかと思います。次のページをお願いいたします。

 4つ目はサーキュラー・エコノミー実現に向けた消費者意識の醸成です。現在はSDGs、海のプラスチックごみ、プラの資源循環、脱炭素社会、温暖化防止など、また、最近頻発しております大規模自然災害など、消費者にとっても環境への関心は非常に高まっております。再生プラスチックの使用などを全面的に打ち出して、ターゲットを絞った広報戦略が必要と思います。

 左下の表は、最初に実施いたしました2017年の認知度調査ですけれども、再生プラスチック使用の家電製品にはほとんど抵抗がないということがわかりました。再生プラスチックは品質が不安だから購入しないと答えた方は97人中1人しかいませんでした。これは私たちにとっても予想外に少ない数字でした。再生プラスチックの使用率をアップすることで、リサイクル料金が若干高くなっても取扱説明書やパンフレット等にその意義を積極的に掲載して消費者に伝えていく必要があると思います。

 最後になりますが、消費者への普及啓発にはnudge(ナッジ)を活用して、地球の未来のために協力したいとか、面倒くさいことは嫌だけどそのくらいのことはやってもいいのではないかなどと、多様な消費者の気持ちを側面から後押しするような刺激や文言、写真を入れて、様々なチャンネルで発信していくことが重要ではないかと思います。価値観や情報のキャッチは年代、生活別によって様々ですので、そういったことをいろいろと試みていくことが重要だと思っております。

 以上です。ありがとうございました。

○田崎座長  御説明、ありがとうございました。

 それでは本日の2つ目の議題ということで質疑応答に移ります。70分ほどの時間を用意してあります。御質問のある方はウェブ会議システムの挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。挙手状態は私が指名するまでキープしていただけますようお願いいたします。順次指名をさせていただきます。

 指名された方はマイクのミュートを解除し、ビデオをオンにして発言いただければと思います。

 それから、委員の皆様全員から御意見をいただきたいのですが、もし時間が不足した場合には、閉会後に事務局にメールで意見を提出していただくことも受け付けたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。発言はできるだけ短く、簡潔にしていただけますよう、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは挙手をしていただいている方から指名させていただきます。まずは大塚委員、よろしくお願いいたします。

○大塚委員  どうもありがとうございます。質問というか、若干意見が入るかもしれませんが、申し上げさせていただきたいと思います。

 まず全国知事会からの長野県の御発表ですけれども、義務外品の構築体制と不法投棄の数はあまり関係がないというお話でしたが、義務外品に対しての体制が構築されていないと、不用品回収業者にお渡しすることになっている可能性も高いので、そこは関係がないからやらなくていいといったことではないと思います。注文のようになってしまいますが、何かコメントがあればお願いします。

 それから全国市長会からの亀岡市の御発表ですけれども、2点ございますが、1つは違法不用品回収業者に関して法的規制の強化をするというお話がございました。既に廃掃法の2017年改正で「有害使用済機器」という概念を入れ、ある程度の対応をしたと思いますが、さらに何か必要があるとすると、例えばどういうことをお考えになっているのか、もし参考にさせていただければ大変ありがたいと思います。

 もう1つですが、前払いに関して、NPO法人元気ネット鬼沢理事長の御発表とも関係しますが、ネットの通販拡大に関して危惧を抱いていらっしゃるということで、私もそれは共感するところがあります。この点については、全国市長会にお伺いするのか、あるいは事務局のほうにお伺いするのかということになると思いますが、家電4品目は結構量が嵩張るので、ネット通販はあまり多くないのではないかという議論が前にありましたが、必ずしもそうではないということかと思います。その辺りについてどうお考えなのかということを教えていただければと思います。ネット販売が多くなってくるのであれば、やはり考えていかなくてはいけないと思って伺っているということでございます。

 それから、NPO法人元気ネットの御発表に関して2つ質問が、あります。1つは、御指摘のようにエアコンの室外機からフロンが放出されているのは結構大問題なので、これは国のほうにもぜひ対処していただく必要があると思います。温暖化対策との関係で、フロンはとにかくCO2に比べて単位当たりの温室効果が大きいものですから、気をつけないといけないと思って、御指摘のとおりだと思いました。

質問としては、前払い方式は私も賛成で、鬼沢さんがおっしゃっている事前預託システムでの預託金の管理は結構大変なことは事実ですけれども、この間ちょっと発言させていただいたように、これはメーカーの方で内部化していただくと、残念ながら家電製品は大体7年くらいではないかと思いますが、ちょっと変わってきているかもしれませんが、回収しリサイクルするまでに、そのくらいの間は消費者の下にあるので、その間にメーカーがリサイクル料金を貯めておかなくてはいけなくて、その間に、それに対して税金がどんどんかかっていくと、7年たったらなくなってしまったというようなことになるのではないかという議論があって、ドイツなどはそれに対して税金をかけないようにするということをやっていますが、日本でそれは可能かどうかという問題があり、それについて、もしお考えになっていることがあれば教えていただければと思います。

 おっしゃるように、自動車リサイクルと同じようにすると結構大ごとにはなるので、そうすると自動車の車検と同じではなくてもいいですけれども、個々の家電製品について登録するようなことが必要になってくるかと思います。おっしゃることはよくわかりますが、内部化したときにも問題がないわけではないので、私はそれを進める方向で議論した場合にどうかということを気にしているということですが、何かお考えがあれば教えていただければと思います。ありがとうございました。

○田崎座長  ありがとうございます。発表者の方と事務局への質問が出ておりますが、もう少し質問を受け取ってからまとめて御回答をいただきたいと思います。

 続きまして宮野委員、お願いいたします。

○宮野委員  宮野でございます。御意見という形で発言させていただきます。料金の支払制度についてでございますが、現行制度については、かつて不法投棄が増大する、また、回収率が伸びないという御指摘がございましたが、不法投棄につきましては法施行以前よりは減少してきておりますし、回収率につきましても、料金前払い制度を導入していますヨーロッパなどの例を見ますと30%台という形でとどまっているということがございます。日本の現状では60%台という回収率に達している状況も鑑みますと、この審議会の中で料金制度の見直しに関する議論をするということ自体が、これ以上貴重な時間を費やす必要性も妥当性もないのではないかと考えております。

○田崎座長  ありがとうございます。もうお一方を受け付けてから回答をいただこうと思います。崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員  崎田です。ありがとうございます。私も質問という形でお話をしたいと思いますが、亀岡市さんと元気ネットの鬼沢さん宛にお願いをします。亀岡市への質問ですが、やはり先ほど大塚先生のお話にあったように、いわゆるインターネット通販などへの問題意識です。今回は義務外品の回収ということで、インターネット通販の問題提起をされましたけれども、私はやはり純粋にインターネット通販などの家電リサイクルをこれからどのようにしっかりしていくのかということで考えていくといいと思います。具体的にどのように提案をされたいのか、もう一度お話をいただければありがたいと思いました。

 事務局に質問ですが、確かインターネットの通販などは、その担当事業者さんは、販売するときにはどのようにリサイクルをするかを必ず書かなくてはいけないとか、数年前にかなり指導を徹底していただいた時期がありますが、その辺はどのように実施いただいて、今どうなっているのか、そのあたりの様子を伺えればありがたいと思いました。

 もう1点、鬼沢理事長のほうに、この団体は私が昨年まで理事長を務めておりましたが、新しい鬼沢理事長をリーダーにして前々から3Rのプロジェクトを非常に熱心に活動していたので、今日発表をしていただいて大変うれしく思っています。やはり発表の中で、今はインターネット通販が大変増えているということで、それに対する問題意識が出ていますが、それに対応するにはどういった点を強調したらいいのか、何かお考えがあれば伺いたいと思いました。よろしくお願いいたします。

○田崎座長  それでは回答に移りたいと思います。滝沢委員、桂川委員、それから鬼沢理事長に質問が来ておりますので、この順番で御回答をいただき、それからネット販売のことについては経済産業省のほうからお答えをいただきます。よろしくお願いいたします。

○滝沢委員  長野県の滝沢でございます。大塚委員から御指摘をいただきました義務外品の回収体制について御説明をさせていただければと思います。大塚委員から御指摘がありましたとおり、私どもとしても回収体制の構築について何ら否定するつもりはないということだけは冒頭に申し上げたいと思います。

 今回、こちらの不法投棄と回収体制の構築について何か関連性がないかということで分析をさせていただきまして、その結果を素直に掲載させていただきました。得られた結果としましては、いわゆる回収体制の構築だけをもって不法投棄のお話をするのは無理があるのではないかということを御指摘させていただいているということでございます。当然、回収体制は必要ですし、それは続けるべきだと思いますが、長野県としましては、非常に小規模の町村においてはなかなか回収体制を独自に構築することが難しい状況があるので、この辺はまた国のほうにおいても御検討いただければということだけを付け加えさせていただければと思います。

 以上でございます。

○田崎座長  それでは桂川委員、お願いいたします。

○桂川委員  まず大塚委員から御指摘をいただきました違法な不用品回収業者・ヤード業者対策への法的規制のさらなる強化が必要ではないかということですが、この点が大変難しいのは、市町村による立入調査の結果、廃棄物処理法に基づく告発は、正直に言ってあまりできていません。廃棄物処理法による告発はハードルが高いという問題があります。そういう面では、違法業者に対してしっかりと対策をとれるような制度が要るのではないかと思っています。

 行政としても、不用品回収業者やヤード業者が適正にリサイクルに関する対応をしているのかどうかがわかりづらいという問題もありますし、廃棄物処理法に基づく告発を行うにはそれを突き詰めていかなければいけない。法律的には立入調査や廃棄物処理法に基づく告発ができるようになっていますが、まだまだハードルが高く、実行しづらい状況にあります。件数も、市町村による対策の中では少ない状況になっていますので、対策に取り組みやすいような制度が要るのではないかと思います。

 また、宮野委員から、リサイクル料金は前払いでいいのではないかという話がありました。しかし、現状として、有機ELディスプレイ方式のテレビなどはインターネットで買う人が多いと思っていますし、電子レンジとかオイルヒーターなどもインターネットで買う人もあります。中古品が売られているという状況もあり、購入した店舗が消費者から判別しづらいといった問題や、先ほどお話がありましたエアコンの回収率の問題もそうですが、今後の高齢化のことなどを考えていくと、リサイクル料金は、全国市長会では総意として前払い方式に変更してほしいというのが現状です。

 そして不法投棄の回収の状況ですけれども、回収台数が段々減ってきているということはあると思いますが、これは行政が回収できた数が載っているだけで、実際に個人の土地に捨てられたものには行政は手が出せない。そういうものは数に入っていないわけです。ということは、回収できていないものもまだたくさんあるという状況が現場にはあり、ジレンマを抱えているのが現状です。数字としてに表れていないものがまだまだたくさんあります。そうしたものの中には、違法ヤード業者等が捨てたようなものもあることから、対策を進めていかなければならないと思っております。

 そのようなことから、実体として不公平な状況にあり、本来、使わなくてもいい財源をそのような不法投棄されたもののの対応に使わなければいけないということはなくしていただきたいと思っております。ぜひとも前払い方式を導入ていただいて、しっかりと事前にリサイクル費用を確保いただくことが必要だと思っています。

○田崎座長  ありがとうございます。今の発言でちょっと言い間違いがあったようなので、確認させていただきたいのですが、宮野委員が主張されているのは後払いでいいという話で、桂川委員は前払いがいいというようなお話であったかと思いますが、間違いありませんか。

○桂川委員  はい。

○田崎座長  それでは続きまして鬼沢理事長に御回答をお願いしたいと思います。

○鬼沢理事長  前払いにする場合に、車のように預託をしないでどのようにするのかというところですけれども、電化製品にQRコードみたいなものをつけて、リサイクル料金がそこにちゃんと含まれているということと、商品を購入したときにリサイクル料金が幾ら含まれているというようなことはできると思いますので、そういった管理ができるのではないかと思います。

 そのほかにもっといいシステムがあれば検討していけばいいことだと思いますし、そのお金をどこにプールしておくかということになると思いますが、資金を管理する団体を設けてしまうと、組織の管理のためのお金が非常にかかってしまいますので、それはやはり製造メーカーなりどこかでそういったお金をちゃんと管理できるような形がいいのではないかと思います。それは新たに今後検討していけばいいことではないかと思います。

 それからインターネット通販が増えていくことはやむを得ないと思いますし、むしろインターネット通販を利用している、例えば若い方たちが利用することが多いと思いますので、そういった人たちに、インターネット通販を通じて家電リサイクルの情報をしっかりと提供していくとか、廃家電が出たときにはどうしていくといった情報を知らせていくということをしたらいいと思います。私が最後に申し上げたように、年代や価値観によって情報のキャッチの仕方が違うというのはまさしくそういうところだと思いますので、今までどおりではない、いろいろなチャンネルで知っていただくということが重要ではないかと思います。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。最後に事務局からネット販売について御回答をいただきます。

○経済産業省・廣田補佐  経済産業省の廣田でございます。ありがとうございます。大塚先生からインターネット販売が増えているのかどうかというようなことや、崎田委員から、数年前に実施したインターネット事業者に対する指導の方法について御質問がございましたので私から回答いたします。

 インターネット販売は、データについては調査中ではありますが、やはり事務局でも増えているというふうに認識しています。いろいろなデータを、ここでお示しできないものも含めていろいろと調べていきますと、家電4品目も品目によってはネット販売がじわじわと増えているという面があります。他方、ほかの電気・電子機器、例えば調理家電であるとか小型の電子機器がどうかというと、それに比べると、やはり店頭で見て買いたいという御要望を消費者の方が持っているというパターンがあるようで、実際に、機能やサイズ感を確認した上設置工事が必要なもの、特に冷蔵庫や洗濯機などがありますので、そういったようなものは店頭でサポートを受けて買いたいといった御要望をお持ちの消費者が多いということもあって、4品目のネット販売は小型の電子機器に比べると、現状では店頭販売がまだ多いというふうに認識しているところであります。

 次に、平成30年に、リサイクルの指導をどのようにやったかということでお答えを申し上げますと、小売業者はネット販売、店頭販売に関わらず、家電リサイクルに関する案内をしなければいけない。そして収集・運搬料金を店頭に掲示しなければいけないという義務がございます。これは家電リサイクルの回収義務、引取りと引渡しの義務を小売業者が負っているということから、家電リサイクルの制度に通じていると考えられるため、このような義務が定められているわけではございますが、ネット販売についても、インターネットサイト上においてそのような表示や説明があるかどうかということをまず確認することによって、リサイクルの体制というものをその小売業者が整えているかということを確認いたしました。

 手元に数字がなく、申し訳ありませんけれども、大きなインターネットモール事業者3者に対して我々は調査を行いまして、そのインターネットモールにおいて家電4品目を売っている小売事業者をピックアップし、そういったリサイクルに関する表示があるかということを目視で確認いたしまして、そういった表示がないところについては、インターネットモール事業者の協力も得ながら我々から通知をして、リサイクルの体制を整えてもらう、もしくはリサイクルの体制がない場合は品目の取扱いをやめていただくようにしました。結果としてやめていただいたところもあったということですけれども、そういった指導を実施したところでございます。今後もこういった指導については継続的にやっていく必要があると考えているところです。

 私からは以上です。ありがとうございます。

○田崎座長  それでは続きまして質問を受け付けたいと思います。今手が挙がっている方が3名いらっしゃるので、順番に氏名させていただきます。まず高橋委員、お願いいたします。

○高橋委員  ありがとうございます。大手家電流通協会の高橋でございます。本日、不法投棄についての御説明が皆様からなされたわけですけれども、私も不法投棄と費用負担とは、動機に鑑みて決して無関係ではないと思っております。本日の発表で、地域電機店の立場から、峯田委員からも御説明がありましたとおり、店舗の駐車場であるとか軒先に投棄されるということについては、私ども量販店側にも頭の痛い問題であるということは、私どもが前回に提出させていただいた要望書の中でも申し上げたところでございます。

 なぜわざわざリスクを冒して店舗に人がいないときを狙って投棄するのか、費用負担以外に動機が思い当たらないわけでございます。料金負担があるということである以上、無料というようなインセンティブが必ずその裏側で働きます。以前、確か元気ネットの鬼沢理事長からも、御自身の体験談として「リサイクル料金が必要ない方法がありますよ」といった提案をされたというようなエピソードを御紹介していただいたと記憶していますが、何しろ無料というインセンティブがある以上、負担を避けるような工夫といいますか、利用といいますか、そういったこともされていく余地はなくならないのではないかと思っております。

 ここに来て、先ほどECの問題ですとか、CtoCの問題ですとか、あとは空き家の問題であるとか、やはり社会の構造変化というものが起こっていまして、今の料金回収の制度が果たしてサステナブルな制度だろうかというところはやはり私どもとしても考えるところでございます。何か関係のセクター同士で、利害とかそういったことではなく、立場を超えてしっかりと議論をしていくべきテーマなのではないかと思っています。

 先ほど、この検討自体に必要性、妥当性がないというような御発言もあったかと思いますが、少なくとも関係主体の我々を含めて、納得を得るための議論や検討というのは必要性、妥当性はあると思っているところでございます。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。それでは続きまして小原委員、お願いいたします。

○小原委員  JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の立場から2つの意見を言わせていただきたいと思います。

 1つ目は、指定引取場所の減少問題についてです。指定引取場所の減少に対して御意見があったかと思います。指定引取場所を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。後継者不足を初めとして、人手不足なども相まって、従来どおり指定引取場所を継続することができなくなってしまったところがあることも事実でございます。また、働き方改革による労働時間の短縮要請を挙げてきているところもあります。

 しかし、このような状況下にありますが、指定引取場所の利便性の維持に向けて、A・Bグループのメーカーでそこはしっかりと検討してまいりたいと思っております。

 2つ目の意見ですけれども、料金支払制度についてでございます。再商品化等の料金を製品購入時に支払っていただく、いわゆる前払いについては、過去にもいろいろと議論されてきて、大きく3つの問題点があると考えております。

 1つ目はフリーライダーの問題です。購入時に支払われた料金が購入時から廃棄時まで管理され、廃棄時に拠出される必要があると思います。しかし、この間に倒産あるいは市場からの撤退等によって、消費者には二重の負担を強いられかねません。購入時に別の者に預託する必要がありますが、その場合でもコストの過不足が生じ不利益になる可能性があるということでございます。

 2つ目の問題は制度の二重化です。家電は何億台も各家庭に普及しています。よって長期間にわたって現在の制度を継続するために、買換えの際に、新しい製品と古い製品の再商品化等の料金の両方を消費者が負うことになりかねません。

 3つ目が税制上の問題です。料金の内部化によって再商品化等の料金の負担をメーカーに移転する場合には法人税が課せられることや、前払い料金を基金化して管理する場合には管理法人の運営費用がかかること等で、バックオフィスのコストが一層増すことになり、社会的なコストが大きくなってしまうと考えられます。これまで制度がおおむねうまくいっているという評価にもかかわらず、大きなコストを払う制度に変えることは社会的な理解を得られないものではないかと考える次第でございます。

 これらの問題点を解決しない限り、なかなか議論を前に進めることはできないのではないかと思っております。

 以上となります。

○田崎座長  ありがとうございます。続いて大熊委員、お願いいたします。

○大熊委員  ありがとうございます。私からは、今話題になっております前払い方式でございます。全国知事会、また全国市長会、そしてNPO法人元気ネット、あとは家電量販協会の高橋委員も御指摘のとおり、全国都市清掃会議といたしましても、前払い方式ということをお願いしたいと思っております。このことにつきましては毎年の要望活動の中でも国に対して要望させていただいているところでございます。

 これはやはりいろいろと困難な課題、御指摘もございましたけれども、これからリサイクル率を上げていく、その結果CO2の削減につなげていくという大きな課題があるわけで、このことによって寄与することは間違いがないのではないかと思っておりますし、全国知事会、全国市長会の御指摘のとおり、減ってはいますが、依然として不法投棄はなくなっていないということ、さらには桂川委員からもお話がありましたけれども、不法投棄の数字は行政が把握して、そしてそれを不法投棄として処理しているところであります。

 今、非常に不法投棄も手口が巧妙化しておりまして、わざわざ民地に捨てています。そうすると、その民地の管理者が処理しなければいけないわけですから、それをやはり放置をしていってしまう。そうすると、やはり環境に対して非常に危険なものもありますので、行政としてはこれを処理していかなくてはいけないということです。

 先ほど桂川委員から御指摘がありましたときにペーパーを見て思ったのですが、4ページのところで、不法投棄の台数は減少傾向にありますが、平成28年度に突出しており、その御説明として約2,000台余りを代執行した数字だというお話がありました。これは恐らく公道上とかそういった行政が管理していたところから撤去するというよりも、民間にあって普通には手を出せないところを、代執行という形で、環境を保全するために行政が執行したということだと思いますが、やはりそういった潜在的なものが全国に広がっておりまして、ここに出ている不法投棄の数イコール全国的な数と一致しているかというとそうではないというのが現場の認識だと思います。

 ということは、やはりそれが適正なルートに回っていないということでございますので、そういうことに鑑みましても、ぜひこれを機にまた手続の電子化、マニフェスト化というようなことも必須になるかと思いますので、そういったことを機に前払い方式をぜひ実施していただきたいと思っております。

 私からは以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。今3人の委員から御指摘がいろいろとありました。前払いにつきましてはまだいろいろと議論もありますし、ほかの方も意見もあろうかと思いますので、小原委員から回答のありました指定引取場所の減少については峯田委員、滝沢委員から問題点として指摘されていましたが、先ほどの回答について逆にコメントやお返事があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○峯田委員  指定引取場所については、先ほども言いましたように、今は統廃合によって減少になっているところがあるという現実について少しずつ声が出ているわけでありまして、この家電リサイクルをしっかりとやっている我々にとっても、この件についてはぜひ御配慮をしていただかないと、本当に今後リサイクルに対して皆さんから不平不満が出てくるのではないかと危惧しておりますので、ぜひ御理解をいただければと思います。

 それから、先ほど大手量販店の高橋委員からもお話がございましたが、不法投棄については、私も先ほど述べさせていただきましたように、高橋委員と同感であります。不法投棄で組合員も大変困っているわけでありまして、自腹を切ってやっているわけでありますが、ただ、前払いになることによって不法投棄が全てなくなるかということに対しては、我々のサイドではそうではないと、こういう今の社会環境を含めて、この不法投棄については、もっと別の角度からもしっかりと考えていかないとだめなのではないかと思っております。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。滝沢委員、指定引取場所について何かお返事などはありますか。

○滝沢委員  長野県の滝沢でございます。私どもとすれば、例えば対象品目が増えることによって指定引取場所への搬送というのが増えてくるのではないかと思います。それぞれの引取場所における困難な実情は理解するところですが、やはりこれからの対象品目が増えることを想定する中では、やはり増やしていただきたいという思いはあります。

 とりわけ市町村においては、ほかの廃棄物とは別に収集・運搬というものを手だてしなければいけないということもありますので、そういったことも踏まえて利便性を良くしていただければと思っております。

 以上でございます。

○田崎座長  ありがとうございます。それではまた続いての質問を受け付けたいと思います。西尾委員、伊藤委員、川村委員の順番で指名させていただきます。まず西尾委員、お願いいたします。

○西尾委員  筑波大学の西尾でございます。ありがとうございます。小さな質問が3つありますが、1点目は、前払い方式にするかどうかというのは、これはいつも議論になって、ビッグディスカッションということだろうと思います。私は消費者行動とマーケティングの研究者ですけれども、消費者の立場からすれば当然のことながら少し価格感度が鈍くなり、自分にとって要らなくなったもの、価値がゼロ円になった廃棄物の処理において処理費用がかかるといったときに対する心理的な負担感というのは非常に大きいので、そういう意味では前払いにするというようなことは一定の意味があるかと思いますし、また、自治体さん等々の不法投棄されたものの処理費用への対応面というようなところからしても有用な対策になるのではないかと考えます。

 ただ、一方で、消費者にとってみると、前払いにすれば不法投棄あるいは違法な廃品処理業者、回収業者に出さないのかというのはちょっと違うのではないかと、そこはもう少し慎重にデータを集めて検討する必要があるのではないかと思います。まず不法投棄をしている人たちが本当に最終消費者なのかどうかというようなことについて何か統計的なデータのようなものがあればぜひ教えていただきたいということが1つと、消費者にとってみれば、もちろん廃棄のときにお金を負担しないというようなことは、ある意味で心理的負荷が低いとは思いますが、義務外品の処理手続等が面倒であれば、やはり頻繁に回ってくる業者に出してしまうというようなことは高齢化の中で起こってくる可能性がございますから、それはそれでまたいろいろなことを考えながら、ほかの対策も含めながらこの問題は考えなくてはいけないのではないかと思います。

 2点目ですけれども、長野県が大変優れた取組をされていて、不法投棄監視連絡員を住民の方々のボランティアでしていて、一定の成果を上げているというようなことですけれども、この場合、住民の方々のボランティアに今までに何かトラブルのようなものはないでしょうか。こういった制度をほかのところが取り入れるに当たって何か注意しなければいけない点があるのであれば、ぜひ教えていただきたいということです。

 それから3点目は小さなことですけれども、電子レンジや電気マッサージチェアを家電リサイクルの対象にしてほしいというようなお話があったかと思いますが、これは小型家電の対象ですけれども、なぜ家電リサイクル法の対象にというふうにおっしゃっているのか、そのあたりについて少し補足的に御説明いただければと思います。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。では続きまして、伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員  ありがとうございます。まず皆さんから料金の前払いなどがいろいろと出ていますが、実はこの制度ができて20年たっております。その間に見直しが2回行われています。2回とも前払い、後払いの話が議論に出て、2回ともいろいろと検討した結果、現状の後払い方式が良いという話になっています。したがって、もう同じ話を何回も繰り返す必要が本当にあるのか、現状で5年前とそれほど違いがあるのか、そこはよく御検討いただきたい。

 どのシステムもはっきり言ってパーフェクトではありません。先ほどもいろいろと皆さんの御意見が出たように、前払いであれば全てパーフェクトか、そういったことはありません。資金運営団体を維持しなければいけない。大体廃棄までに10年かかりますから、10年たったときのリサイクル費用が本当に適正なのかと、いろいろな問題がたくさん出てきます。それは自動車リサイクルの審議会でも同じことが言われています。しかも我々はこれから切り替えなければいけないとなると、既に持っている人と持っていない人の間で前払いと後払いが10年以上にわたって併存するというわけのわからないことが起こってくるわけです。

 そういうことを過去にも同じように皆さんで議論しましたが、結果的には、自動車と大きく違うのは、自動車は車検という形で1台1台を誰が持っているかということが把握できていますが、家電はわかりません。したがって、同じ形の仕組みはなかなかとれないということについても十分に御理解をいただきたいと思います。

 さらに、私がこれからもう1つ申し上げたいのは、インターネット販売がものすごく増えてまいりました。大手インターネットモール事業者あたりに話を聞いたことがありますが、大体大型家電であっても1回くらいは必ずインターネットで検索するとのことです。これは家電店もある意味では被害者かもしれませんが、消費者は、これと思っているいくつかの品を、実は量販店なり販売店に行って現物を見て、これがいいと決めた後に、また戻ってインターネットで一番安いところを探すといった行動をとる人もたくさん出ている。これが別に悪いというわけではありませんが、こういう中で何が起こるか、実はたくさんの供給者、販売者が増えてまいります。これは何台市中に入ってきているかわかりません。そしてこの人たちにもし前払いなどという話を持ち出して、しかもそれを元気ネットの方々が言うように、あるいは量販店さんが言うように内部化したときにどういうことが起こるかというと、全員とは言いませんが、10年間、この人たちが本当にお金を持ってリサイクル料金を保持しているとは思えない。そうなったときに、排出段階で一体これを誰が処理するのか、誰がそのお金を負担するのか、こういう問題が必ず顕在化してきます。

 現実に、小規模の輸入業者、あるいは小規模のメーカーのリサイクル義務を我々は指定法人という形で受け取っていますが、この台数は過去には40万台でしたが、最近は60万台に増えています。そういったいろいろな業者が増えているということです。そういう多様な販売形態において、本当に皆さんが言ったような内部化というようなことができ得るのか、本当にそれがきちんと機能するのか。

 ぜひここでお願いしたいのは、私たちメーカは別に後払いを擁護する形ではなく、いろいろなバランスを全部見ていただきたい。その上で本当に今、前払いをすることによって全てが解決するなどということはありません。

 イギリスは全部前払いですけれども、ロンドンで我々は見ましたが、不法投棄が結構多くてどうにもならない。高速道路に大型の冷蔵庫が捨てられたりしている。こういう世界もあるわけで、お金だけが全てで不法投棄が起こるわけではない。

 それから先ほど市町村から代執行の話がありました。誰かの私有地に集まっているということでしたが、これは明らかに業者です。不法な業者が、あるところに持ち出せば絶対いいということで、どんどん情報が伝わるわけです。2年半に1回しか出せない個人消費者が冷蔵庫なり洗濯機を、そういう場所を探していくなどということはあり得ない話です。そういう意味では、不法業者の取締り、それから個人の場所に入っているものについては2,000台とか3,000台になる前にもっと手だてができないか、そのあたりは市町村ももう少し工夫をするとか、全体的にみんなで、システムをどうやったら効率的にできるか、どうやったらうまくできるかと、もうちょっと大所高所から、何かステークホルダーの自らの利益になること、自分たちがなるべくお金を負担しないでいいことといった主張ではなく、本当に社会システムとしてどういう形が一番望ましいかということを、過去2回の審議会の結論なり審議会の内容をよく吟味していただいて、その上で御発言いただきたいと思います。そうでなければまた同じ話が繰り返されるだけです。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして川村委員、お願いいたします。

○川村委員  ありがとうございます。ビックカメラの川村でございます。料金制度については社会的コストとしてどちらが安いのかということだと思います。今の制度を続けていると、コストを負担しているのは消費者だけではなく、もちろん自治体も負担していますし、我々の流通の中でも負担している部分を全てお客様に転嫁できているものではないのが現状だと思います。

 前払いにしたときに、例えばその資金を第三者が管理する場合にはその管理コストが膨大になるという発言はありますが、具体的にどのくらいになるのかといったところの数字が、今までの見直しのたびに「膨大になる」という言葉で終わってしまって、だから、こちらがいいということで、納得感がない議論がずっと続いていたのではないかと思います。

 ですから、小委員会でも何でも作って、こうやった場合にはコストがどのくらい増える、ただしこちらのコストはなくなるというような、社会的なコストとしての比較をしっかりして出た結論であれば皆さんは納得するのではないかと思います。ぜひそういったコストを比較できるような検討の場を作っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○田崎座長  ありがとうございます。まだ挙手されている方がいますが、一端ここで回答させていただこうと思います。まず小電リサイクル法のことで桂川委員に、それから義務外品や不法投棄については滝沢委員に、それから不法投棄の行為者についての質問がありましたが、滝沢委員、桂川委員、それから環境省もこの点で答えられるようでしたらお願いしたいと思います。まず小電リサイクル法のところで桂川委員からお願いできますか。

○桂川委員  ちょっと確認をしたいのですが、今の家電リサイクル法のことについては、小型家電リサイクル法がやっているのに、ということですね。

○田崎座長  そうですね。

○桂川委員  電子レンジやマッサージチェアは小型家電リサイクル法の対象品目ですが、正直に言いまして私ども亀岡市においてはそのようなものは対象品目に含めておりません。また、電子レンジなどが不法投棄されているような状況が多々あるなかで、リサイクルの受け皿をしっかりと作っていく必要があると思っています。リサイクル大型のものや多くの市民が常時利用しているようなものについては、家電4品目以外でもしっかりリサイクルできる体制を作っていく必要があると思っております。それが私からの回答です。

 以上です。

○田崎座長  西尾委員、よろしいでしょうか。

○西尾委員  ありがとうございます。たしか家電リサイクル法の対象の選定にあたっては、資源価値がどのくらいあるかという点も重要なポイントだったと思います。今日では資源をリサイクルすることに加えて、サーキュラー・エコノミーのように経済的価値をどう回すかというところも重視されるようになってきております。家電リサイクル法の対象の拡大においてもこの点からの議論は重要だと考えます。

○田崎座長  それでは滝沢委員、質問に対して御回答をいただければと思います。

○滝沢委員  長野県における不法投棄の監視連絡員についての御質問かと思います。連絡員をめぐって何かトラブルはなかったかというようなお話がありましたけれども、長野県でお願いしております監視連絡員の皆さんにおかれましては、いわゆる情報収集、長野県に対しての情報提供をお願いしています。そこで行為者に指導をするとトラブルが想定されますので、あくまでも情報提供を念頭にお願いしております。やはり法的な権限を持っていないボランティアの皆さんに行為者に対する指導等をお願いするのはちょっと難しいのではないかと受け止めておりますので、情報提供という形で取り組んでいただいております。そういう形での御説明とさせていただければと思います。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。不法投棄の行為者については環境省から御回答をお願いしたいと思います。

○環境省・小早川補佐  環境省リサイクル推進室小早川です。まず不法投棄に関しましては、何人かの委員から御指摘がありましたとおり、環境省の方でアンケート調査を実施して、市町村から不法投棄としてカウントできたものを第1回のときに不法投棄の状況としてお示しさせていただいたところでございまして、見えていないところは拾えていないということは御指摘のとおりかと思っているところでございます。

 不法投棄対策につきましては、そういった意味でも今後対策が必要となってくるということは御指摘のとおりと思っておりまして、長野県等から御紹介をいただきましたような対策につきまして、ぜひ御助言をいただきながら有効な対策を検討できればと思っております。

 環境省からは以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。それではまた続きまして質問を受け付けたいと思います。河野委員、石川委員、大西委員、川口委員という順番で指名させていただきます。残りの時間がちょっと押していますので、できれば2分程度、長くても3分程度以内に収めていただけると助かります。よろしくお願いいたします。

○河野委員  ジャーナリストの河野です。ありがとうございます。私からは、何人かの方々から出ていたヤード業者、あるいは不用品回収業者、あるいはこれはフロンの問題とも関わると思いますが、あるいは不法投棄とも関わってくる場面もあると思いますが、そこをもうちょっと効果的にウォッチしてフォローする対策なり新たな仕組みが必要ではないかというのは全くそのとおりだと思いますけれども、それを検討する前提として、今どういうことがいろいろなところで行われているのかという事例を、多分環境省にお願いすることになると思いますが、ちょっとまとめいただいて、議論やアイデア出しのベースを作っていただきたいという質問というか要望です。

 場所によっては、これは6年くらい前ですけれども、中部環境事務所でかなり熱心な取組をしていたり、あとは岡山県だったと思いますが、警察OBの方を雇用して、かなり専門的に追いかけたりというようなことをやっていたところがあると思います。

 また、今、例に挙がった長野県は情報を中心に集めているということですけれども、こういうことをちゃんとやっていこうと思うと、行政、警察、消防、それから最近また多いのは、インターネット上で、とんでもない、どう考えても違法だという広告、家電4品目を集めているというような広告が出ているということも実際にあります。ですから、インターネット上での監視というものもまた必要になると思いますし、どのようにやれば、そこがあまり重複しないで、かつ有効で、実際にそういうことが少なくなっていくという方向あるいは普及啓発にもつながるという方向につながるかというのは、どういう仕組みを作ればいいかということは重要だと思いますので、私個人としては廃家電Gメンといった制度を全国的に、しかし1つの組織を作るといったことではなく、ネットワーキングでできないかとぼんやりと思っていますが、その検討の前提となるようなどういう取組が全国を見渡したときにあるのかということをちょっと調べてまとめていただけると、皆さんはまたそれをベースに議論ができるのではないかと考えています。ありがとうございました。

○田崎座長  続きまして石川委員、お願いいたします。

○石川委員  叡啓大学の石川です。お話を伺っていて感じたのは、前払いの議論とも関連しますが、不法投棄が報告されているものはごく一部であって、実際にはもっと大きな問題があるという御指摘がたくさんありました。これは、データがないということであると、どのくらい重大な問題であるかということ自体がわからないということで、このこと自体が重大な問題だと思います。したがって、これについてはぜひ調査をしていただきたい。例えば、実際にあるのは現在報告されている数万台よりも桁違いに大きいということであればそれは非常に大きな問題だろうと思いますが、それほどでもないということであれば、また別のことになります。

 それから、これは前払いの話と実は深く関連があると思います。前払いの問題は、変えたときに得られるものと失うもののバランスで考えるべきであるという御意見がありましたが、私は全くそのとおりだと思います。前払いに関する議論に関しては、変えて得られるもの、何が解決するのか、どの程度の問題がどのくらいの確かさで解決するかということが実はどちらもよくわからない。不法投棄が出ていましたが、それが実はデータもよくわからないし、解決するかどうかについても委員の間で意見は分かれています。

 それからもう1つ、フロンの問題でエアコンが話題になっていましたが、エアコンは実は半分以上はどこでどう処理されているのかわかっていないというはるかに大きな問題があります。これに関して、前払いにして大きな効果があるとは私は個人的には思っていないので、支払い方式よりももっと別の効率的な対策があるだろうと思います。第一にはそこをやるべきだと思います。

 それからもう1つ、議論を前に進める意味では、今見えていない不法投棄があるのであれば、それがどの程度の大きさであるかということがわかるような、サンプリングでも構いませんから、調査が必要ではないかと思います。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして大石委員、お願いいたします。

○大石委員  ありがとうございます。今の石川委員のお話とも通じるかと思いますが意見を述べさせていただきます。今回、支払い方式について、相反する御意見が出ているところですが、1点、前払いになったら不法投棄はなくなるのかということいついては、それはまた違う話ではないかと思ってお聞きしていました。

 また、不法投棄されているものが何なのか、中身が見えないことも気になっております。先ほど桂川委員から、実際には家電4品目以外の、例えば電子レンジですとか、そういうものも不法投棄の中には入っているというお話があったかと思いますが、そうなると、不法投棄の中身には、家電リサイクルと小型家電リサイクルの境目はないということになります。今現在、小型家電と呼ばれて費用をかけずに自治体が自主的に回収しているものも入っているということですと、そもそも家電全体としての資源循環をどう考えるかという大きな視点で考える必要があると思います。これは、単に不法投棄だけの問題ではなく、家電リサイクルの対象でない小型家電であっても、やはり資源として必ず回収しなければいけないものは費用をかけてでも回収して再利用するのが循環型社会であり、それが今まさに求められていると思います。ですので、この場で検討することではなく混乱させるような提案になるかと思いますが、もっと大きな目で家電のリサイクルというものを考えていかなくてはいけない、そんな時代であることを認識する必要があると考えております。

 もう1点、インターネット上の事業者さんに対しては、以前も経済産業省、環境省で指導をお願いしたことがあったと思いますが、モール事業者の責任として、どういう事業者さんがモールに出店しているのか、例えばその事業者さんが、法令を守ってリサイクルをしていないということがわかったような場合には、モール事業者が指導できるということが重要ですし、効果がありますので、引き続き進めていただければと思っております。

 以上です。

○田崎座長  それでは続きまして河口委員、お願いいたします。

○河口委員  ありがとうございます。今までの委員の方とほぼ同じですけれども、不法投棄の問題で前払いという議論が10年前も確かあったと思いますが、必ずしも前払いがベストソリューションとは限らないだろうと思います。何人かの委員がおっしゃったことと同じですけれども、後払いから移行するコストをどう考えるのかとか、お金をためているのをどうするのかというところが、前払いがいいという方たちはそれはまた別途考えてということですけれども、それはコストの先送りでしかないと思うので、やはりここは事務局のほうで全てのコスト・アンド・ベネフィットを、アナリシスでもないですけれども、ざっくりと、不法投棄のコスト、税金をむだ遣いしているというお話もあって、そういった目に見えるコスト、それから、後払いから前払いに移行するときのコスト、それから、それによるベネフィットというのはどのようなものかということを、ある程度ざっくりでもいいので数値化できるところは数値化し、できないところは定性的でもいいですけれども、決して前払いになったからといって不法投棄は減らないというような御発言もありましたので、そういうことも含めて、一番コストが安いのはどれかという議論をしていただいたほうがいいと思います。

 また、全体的に、サーキュラー・エコノミーということで、ループの仕組みとか、容器包装的なところからまた新しい仕組みが入ってくる中で、人々の意識も変わってくるだろうし、そうすると、なぜ家電と小型家電は違っていて、こちらは金を取るのにこちらは違うのかとか、ますますそこが複雑になっているということでは、どうせやるのであれば、ここで前払い、後払いという議論をする以上に、大石委員がおっしゃったように、家電というもの全体の循環をどう考えるかというような大目的の中で考えるとか、そちらのほうがより建設的で長期的な検討方向ではないかと思いました。

 以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。では、今いただいた中ですと、特にヤード業者、それから不法投棄といったあたりのことについて、環境省のほうからお答えをいただけると思いますのでよろしくお願いいたします。

○環境省・小早川補佐  環境省の小早川です。御指摘をいただきましてありがとうございます。まずフロン等を対象にして、不用品回収業者やヤード業者対策をしっかりやっていくべきだという御意見をいただいたところでございます。こちらにつきましては、フロンに関しましては温室効果ガスとして高いGWP値を持っているということもありますので、カーボンニュートラルといった観点からも重要であると考えておりまして、前回の審議会の際にも、取り組んでいきたいということ、温暖化対策計画のほうに位置づけていくというようなことも御提案させていただいたところでございます。

 こちらの検討につきましては、石川委員から御指摘がありましたとおり、現状、半分くらいはどこにどう流れているかわかっていないというところがございます。ここはとても重要で、力を入れて取り組んでいくべきものだと感じておりますので、速やかに検討会を立ち上げさせていただきまして、まずは実態把握というところで、それを踏まえて実態を把握した上で効果的な対策を検討していきたいと思っております。

 その際には、御提案いただきましたとおり、これまでどのような対策がとられて有効だったのかというような事例も集めて、効果的な対策検討につなげていきたいと考えております。

 環境省からは以上です。

○田崎座長  それではまた質問を受け付けたいと思いますが、どなたか御発言等はありますか。挙手のボタンを押していただければと思います。

 それでは大塚委員から手が挙がっておりますので、大塚委員、よろしくお願いいたします。

○大塚委員  最初のほうで発言させていただいたので、ちょっとだけ発言させていただければと思います。恐れ入ります。

 いろいろな意見があって、それぞれとても啓発される意見でしたけれども、石川委員がおっしゃったように私もメリット・デメリットを比較したほうがいいと思っていて、移行のコストのことも考えなくてはいけないと考えています。

 今日の議論で全然出てきていないのが、家電リサイクル法は元々拡大生産者責任の為に作ったということがあって、ただ、今は国内で家電4品目があまり生産されていないので、デザイン・フォー・インバイロンメントの観点を言うとすると、例えば日本メーカーがアジアの国で作っているところの生産に関してDfEを求めるといった話になってくるので、あまり皆さんから議論が出てきていないのは若干さみしいところもありますが、前払いというのはその辺と実は大いに関係しているということはあるかとは思います。

 ただ、私も先ほどから申し上げているように、今、前払いにすることに関しては、移行コストの話と、先ほどの鬼沢さんとのやりとりでも出てきておもしろかったのですが、登録自体はQRコードでやれなくはないと思いますので、あとは、基金などを作ったときの運営とか管理などのコストの話を考えていく必要があって、これもどなたかから御意見があったように、それがどのくらいかかるのかというコストベネフィットを考えていく必要があるかと思っています。

 不法投棄の問題はもちろん大事ですけれども、メリット・デメリットの中で考えていくということになるのではないかと思っておりまして、いろいろなことを言って申し訳ありませんが、一言感想を申し上げさせていただきました。

○田崎座長  そのほかにございますか。なければ、次回に向けて座長から少し発言をさせていただいて、次回はどういうことをしていくかというようなお話に移りたいと思います。いかがでしょうか、まだ質問はありますか。よろしいですか。

 まず本日のいろいろな意見の中で、前払い、後払いというようなところの意見もたくさん出ましたけれども、大石委員の発言にありましたように、そもそも何を解決したいのだ、我々は何を問題としているのだというところの認識をきちんとすり合わせることが今後の議論の中でも大切だと感じております。その上で、方法論として、前払いも含めていろいろなところのメリット・デメリットを考えながら行動していく、適切なものを選んでいくということだと思っております。

 それから、前払い、後払いの意見は皆さんの意見が多様で、このままだと意見の集約というか、せめてもう少し納得するためにお互いどういった理由で賛成、反対をしているのかということについて、意見が違っても共通理解をする必要が大切だと思っています。

 その意味では、前払いという制度を1つの名称で呼んでしまっていることにまず1つの問題があると考えていまして、前払いも含めて料金徴収の制度を考えますと、まず集めた料金をいつ使うのか、つまり、将来に充当するのか、当期に充当するのか。次に、前払いにする、後払いにする、そのときの費用には収集費用も含むのか含まないのか。今日はこの点があまり議論に出ていなかったと思いますが、これは今後の不法投棄や回収促進などに非常に大きな影響を与えるポイントであります。最後に、本日も少し議論があったのですが、料金を消費者に明示するような形にするか。国際的に言えばビジブルフィーにするかインビジブルフィーにするかという議論であります。

 この3つがあった上で、さらに料金徴収のタイミングは出荷段階という意見と販売段階という意見と廃棄段階という意見があり、皆様の意見が分かれている状態です。これらを組み合わせるだけで24種類出てきます。

 先ほど川口委員からお話のあったメリット・デメリットの定量化ということを考えても、この量だと少し検討が多過ぎるので事務局も大変で、このままだと議論が難しいと思っています。もう少し、ある程度に絞って、我々の共通認識を含めて共通理解をしていく必要があると思っています。

 先ほど24と言いましたけれども、実際にあり得るかあり得ないかという話をすると、私の計算だと17方式になって、そこに現行法の制度もあります。逆に言えば、前払い方式は16あるということになります。

 本日もありましたとおり、将来充当という方式については結構難しいところがあるので、ここについては少し優先順位を落として、当期充当でまず認識を深めたらいいのではないかと思っておりますが、この点につきまして、次回、次々回で議論していく中において、そのような扱いでいいかということについての御意見があれば、意見を後ほど事務局まで送っていただければと思っています。

 それから、前払いを主張している方に特にお聞きしたいのは、収集費用を含むかどうかという点であります。この点は制度の効果に対して大きな影響を与えるので、その点も今後は明示していただきたいと思っております。そういったことをしていくことで、お互い意見が違うにしろ、これまでよりも少しでもかみ合った議論ができるようになればと思っております。

 今後の議論ですけれども、先ほど述べたとおり、まずは何が問題かというところに重きを置いてやっていくことが必要だと思いますので、その上で方法論というような議論ができればと思っています。

 私からは以上ですけれども、産業構造審議会の細田座長からも総括的なコメントをいただきたいと思っております。細田座長、いかがでしょうか。

○細田座長  ありがとうございました。うまく田崎委員長にまとめていただいて、それで尽きていると思いますが、まず前払いかどうかに随分議論が偏ってしまったというような印象を私は持っていますけれども、それは大事な問題なので議論するべきだと思いますが、田崎委員長がおっしゃったように、前払いと一言で言ってもたくさんの制度があって、それぞれによって定性的、定量的にコストベネフィットを考えなければならない。どちらにも通用するのは輸送の話だと思いますが、田崎委員長がおっしゃったのは一次物流費用ですね。

○田崎座長  おっしゃるとおりです。

○細田座長  そうですね。例えば極端な例を挙げますと、離島の部分と国内の一番指定引取場所に近いような部分では、収集・運搬料金、一次物流が全く違ってしまうわけです。それをフラットに前払いにかけてしまうと、先ほど不公平の議論がありましたが、著しい不公平が生じてしまう。こういう問題も解決しなければいけないので、どういう制度を考えるかということを、田崎委員長がおっしゃったように分けて考えるべきだと思います。それが第1点です。料金の支払い制度の話ばかりになってしまいましたが、実は、循環経済にするためにどういう仕組みにするのがいいのかということかと思います。

 それから、リサイクルの中身です。今のこのままのリサイクルの中身でいいのか。

 それから、家電も頑張ってプラスチックの再利用などをやっていますが、再生資源をもう少し使うインセンティブなどがあってもいいのではないか。高度な資源循環の利用が回るようにする仕組みは何なのか。これも先ほど大塚委員が拡大生産者責任とDfEの関係をおっしゃいましたけれども、これは田崎さんが大変貢献なさっている3年前くらいの拡大生産者責任のすごいレポートがありましたが、あれを読んでみると、拡大生産者責任は思ったほどのDfE効果はなかったということです。全くないということではありませんけれども、思ったほどの効果はなかった。私は最近その解析的な論文も書いていて、DfEにはある一定の条件がないと効かないということがもう大分わかってきているわけです。そういうことからも、どういう仕組みにしたら高度な資源循環ができるのか、DfEが進むのかということを、今後もう少し議論したらいいのではないかと思いました。

 3点目は、これは河野委員が前から指摘されていて強調されていますが、ヤード業者の問題はもう少し正面から捉えて、もちろん廃掃法の改定などでやってきましたけれども、この問題は恐らく違法回収業者の問題とも絡んでいるのではないかと思います。おいしいところだけは回収してそれをリサイクルし、おいしくないところはどこかのヤードに流してしまうとかいろいろなやり方があって、この問題がまた今度は不法投棄問題、不法輸出問題にもつながりかねないということで、このヤード業者を中心とした問題に関しては、もう少しメスを入れておく必要があるのではないかと感じました。

 以上でございます。

○田崎座長  細田座長、ありがとうございます。今回と前回の2回で、関係者ヒアリングということでいろいろな意見を伺いました。細田座長がおっしゃるとおり、今回は少し前払いという料金制度に話が集中しましたけれども、前回はそれでも高度な資源循環の議論もできたと思っております。その両方の議論を、我々はこの合同審議会の中で議論していくことになります。

 次回からは個別の論点整理などを行うことになるかと思いますが、このあたりについて事務局から連絡事項があれば発言をお願いして、本日の会議を終わりにしたいと思います。

○環境省・小早川補佐  ありがとうございます。本日は委員の皆様から貴重な御意見をいただきありがとうございました。次回は議題として論点整理と個別論点に関する議論を行いたいと考えております。関係者の皆様の御協力をよろしくお願いいたします。

 会議に関し、日程等の詳細につきましては、委員の皆様に改めて事務局より御案内させていただきます。

 それではこれをもちまして「第40回産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合」を終了いたします。ありがとうございました。

<以下、会議後に委員から頂戴したコメント>

○川村委員  当該合同会合において「リサイクル料金の製品内部化が必ずしも不法投棄の減少につながるものではないことは、海外の事例を見ても明らかである」とのご意見がございました。

 こちらについて、当該制度(リサイクル料金の製品内部化)の実現により、少なくとも不法投棄が今よりも増えることはなく、消費者心理からしても減少傾向になることは明白と思料致します(実際に無料の回収業者を利用している消費者は存在しております)。ただし、不法投棄数を0にするのは容易ではないことも理解はしておりますので、別の手法とのかけ合わせも検討すべきと思料しますが、いずれにしても、不法投棄減少の有効な手法のひとつであることは間違いないと考えます。

 また、海外の事例に鑑みた意見についてですが、当方の理解では、日本国内と海外でそもそも環境が異なっており、海外では、家電品の処分場が身近になく、遠方まで運ばなくてはならないことが不法投棄の主な要因ではないかと聞いたことがあります。

いずれにしましても、このような実情を俎上に載せてメリットデメリット等を検証することを望みます。

 なお、現行制度におけるリサイクル料金の請求については【排出者(消費者)に対して料金を「請求することができる」】との定めになっており、消費者の支払いは義務ではないと理解しております。

 よって、我々小売業者は、消費者から料金を請求できるのは、我が国の国民性に頼っているところもあるのではないかと思っており、近い将来、グローバル化等が一層進み、外国籍の方の割合が増えた場合、果たしてリサイクル料金を現在同様徴収できるのかと、懸念を抱いているところもございます(全く争いがないとは言いきれないと考えます)。

 これらを解消するためにも、リサイクル料金の製品内部化は有力な手法ではないかと改めて意見させていただくとともに、先日の合同会合でも述べたとおり、社会的コストの検証を行い、各関係者にも納得感のある結論を導く必要があるのではないかと思料しております。

○吉岡委員  

◆リサイクル料金の支払い時期に関して

 料金の支払い制度についての議論をする上で、家電リサイクル法対象品目の不法投棄対策費用が各自治体の負担となっているとの意見がありましたが、家電リサイクル法施行以前においては家電4品目を国民が廃棄する場合、粗大ごみ或いは大型ごみとして自治体で処理していたのではないか。家電リサイクル法施行により対象家電処理に関わる自治体の費用負担が削減された分と、対象家電に関わる不法投棄対策費用に関してエビデンスのある比較データを各自治体にはお示し頂きたい。

 また、家電品は数年から十数年使用され、その後にリユース或いは廃棄されるため、費用負担の制度変更を行うと10年を超える期間に及び2制度が同時に運用されることとなり、その間に前払い費用の管理者が存在しなくなる場合の懸念があることに加え、現場での混乱と経済的負担増につながり、メーカーの負担増は結果的に製品価格に転嫁されざるを得なく、現状の家電リサイクル法を遵守している大多数の国民への負担となるのは多くの国民の理解が得られないと考えます。

◆不法投棄について

 4品目の中でエアコンが最も不法投棄の少ない理由は、現状の鉄・非鉄の相場からはフロン回収や冷凍機油の適正処理をしないであろう違法業者からすると有価価値が最も高いことが挙げられます。フロンや冷凍機油の不適正処理は不法投棄以上の問題であり、違法業者の取締り強化と罰則の厳罰化が必要と考えます。テレビの不法投棄が多いのは消費者が製品を持ち帰り自ら設置するため廃棄品との交換が起きにくく、更には自家用車で運搬できることが挙げられると共に廃棄物集積場所が最も多いこともあるので、制度の周知と合わせて指定引取り場所以外でも回収できる仕組みが高齢者などには必要だと思います。

◆その他

 家電リサイクル法のより次元の高い制度へしていくためには、家電リサイクル法の改正で議論するべきかどうかは解りませんが、プラスチックを主として再生素材の利用率の義務化とインセンティブの併設が必要と考えます。