中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第39回)議事録

日時

令和3年6月11日(金)1500分から1730分まで

場所

Web会議

議題

(1)第38 回合同会合における意見等について
(2)関係者ヒアリング
(3)質疑応答
(4)今後の審議の進め方について

出席者

田崎智宏座長、細田衛士座長、石川雅紀委員、伊藤章委員、浦誠治委員、大石美奈子委員、大熊洋二委員、

大塚直委員、小原英夫委員、桂川孝裕委員、河口真理子委員、川村仁志委員、河野博子委員、小迫敏宏委員、

崎田裕子委員、杉山涼子委員、高橋修委員、滝沢朝行委員、萩原なつ子委員、平岡利枝委員、三嶋恒夫委員、

峯田季志委員、宮野譲委員、村上進亮委員、山本雅資委員、吉岡均委員

○廣田補佐  それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第39回産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合を開会いたします。

 事務局を務めます経済産業省商務情報政策局情報産業課の廣田です。どうぞよろしくお願いいたします。

 本合同会合の事務局及び議事進行は経済産業省と環境省の持ち回りで担当させていただいておりまして、今回は経済産業省が進行を務めます。

 まず本日の合同会合は、中央環境審議会は17名中17名全員の御出席、産業構造審議会は21名のうち19名の御出席をいただいており、両審議会とも定足数である過半数に達していることを御報告いたします。

 なお、産構審・山本委員、中環審・石川委員においては、所用により途中からの御出席と事前に御連絡をいただいております。

 続きまして、配付資料について、事前に御案内させていただいた経産省または環境省Webサイトにて掲載しております。また、本日はWeb会議システム上でも表示いたしますので、いずれかを御覧ください。

 資料は議事次第に加え、資料1から資料5までを用意しております。御確認ください。

 本合同会合の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきます。

 ただし、本日資料3の一般財団法人家電製品協会の資料につきまして、会合中に表示される資料には動画がついておりますが、Webサイトに掲載している資料につきましては提出者の御意向により動画がついておりませんので、御了承ください。

 また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様の御了解をいただいた後、公開いたします。

 また、本日はWeb会議での会合です。発言される場合を除きマイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしていただきますよう、お願いいたします。御発言の際には、ビデオとマイクをオンにして御発言ください。

 なお、本合同会合はYouTubeにおいてライブ配信しております。御了承ください。

 それでは、これ以降の議事進行を細田座長にお願いしたいと思います。細田座長、よろしくお願いいたします。

○細田座長  細田でございます。よろしくお願い申し上げます。

 本日は前回の会合で議論したスケジュールに従いまして、関係者ヒアリングということで製造業者等と小売業者の立場から御説明をいただき、委員の皆様から御意見をお伺いすることとさせていただきます。委員の皆様には忌憚のない御意見をいただきたいと思います。

 会議は17時30分終了予定ですので、御意見等々は手短にまとめる等、円滑な議事進行に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速議事に入らせていただきます。まず(1)「第38回合同会合における意見等について」、事務局から御説明をよろしくお願いします。

○小早川補佐  環境省リサイクル推進室の小早川です。よろしくお願いいたします。資料2の御説明をさせていただきます。

1ページを御覧ください。分類の欄に記載しておりますとおり家電リサイクル法対象品目に関する御意見と、それへの対応の方向性というものを整理してございます。

 ①のところでございます。①は、ブラウン管テレビの回収促進のキャンペーンを打ってはどうかという御意見でございました。対応の方向性の案といたしまして、現在年間100万台の引取実績があることを踏まえますと直ちに一掃するのは難しいと考えておりますが、今後の動向を注視しながら、キャンペーンについても検討してまいりたいと考えています。

 ②の御意見は、有機ELテレビを対象品目とすべきであるという御指摘でございました。方向性といたしましては法令上の該当性を確認の上、検討してまいりたいと思っております。

 ③につきましては、有機ELテレビ等を追加した場合には再商品化率が低下する可能性もあるという御指摘でございまして、こちらにつきましては経産省において現在試算を進めているという状況でございます。

 ④は政令品目の記載の仕方として、テレビというような包括的な定め方ができないかという御指摘でございました。こちらに関しまして、法律の4要件を満たすかどうかの検討が必要であることも踏まえながら、どのような記載としていくべきかにつきましては、主務省で検討していきたいと思っております。

 ⑤につきましては、OA機器等の政令品目としての追加を検討すべきという御指摘でございました。こちらについては他法令等の対象品目であることも踏まえながら、必要に応じて検討を行ってまいりたいと考えてございます。

 2ページ目を御覧ください。2番、回収スキームの課題に関する御意見でございます。

 ⑥は、回収スキームはインターネットで対応できないかという御指摘でございました。こちらについては直ちにインターネット対応ということは難しいと考えておりますが、その他料金の支払い方法や家電リサイクル券の利便性向上について検討してまいりたいと考えております。

 ⑦番につきましてはエアコンの回収率向上について、回収率向上対策が必要であることや、回収率について目標設定をどこまで上げられるのかという御意見がございました。こちらに関しましては、方向性といたしましてリスティング広告等の対策の検討を引き続き行ってまいりたいと思っております。

 また2ポツ目のところですが、ホテルや旅館等の事業者から排出されるエアコンに関して、実態把握及びそれを踏まえた対応検討を行ってまいりたいと思っております。

 また3ポツ目といたしましては、買替えがない排出につきましては義務外品の回収体制の構築というところ、現在人口カバーベースでは97%を超えているところですが、引き続き推進してまいりたいと考えてございます。

 その他、デジタル化等の対応も踏まえて回収率向上対策を検討してまいりたいと思っておりまして、最後に記載してございますとおり実態把握及びそれを踏まえた対策検討のための検討会を立ち上げて、今後、対策の内容及び目標設定も含め、御意見いただきながら検討していきたいと考えているところです。

 3ページ目を御覧ください。こちら回収スキームに関しては、アクションプランに基づき取組を進めてきたところですが、前回御意見として、その成果の詳細な分析を行えないかという御指摘をいただいておりました。その際委員から御意見もございましたとおり、それぞれの立場からのアクションが、それぞれ回収率向上に効いたのではないかと考えているところですが、別紙1のほうで要因分析を行っておりますので、そちらを御説明させていただきます。

 別紙1を御覧ください。8ページ目でございます。こちら上の段は回収率、青線が回収率のグラフとなってございます。点線のグラフは、いわゆる義務外品の回収体制構築率を時系列で示しているものでございます。その下に、これまでの取組を時系列で整理させていただきました。

 一番上の取組といたしまして、環境省では、自治体職員向けの違法回収業者対策のセミナーを開催してきているところです。その下の欄に行きますと有害使用済機器の届出制度を、廃掃法改正を行いまして平成30年から施行されているところです。続いて、工務店・解体業者への指導・周知、続いて、小売事業者であるインターネット販売事業者への周知・指導、続いて、引っ越し業者への周知・指導といった辺りを取り組んできているところでございまして、とりわけ平成30年には勧告等も実施してきているところでございます。最後の水際対策の強化というところでバーゼル法の改正を行い、平成30年に施行されております。こういった取組により回収率向上につながったのではないかと分析させていただいているところでございます。

 最後のバーゼル法の改正というところと関連いたしまして、別紙2を御覧ください。

 次の9ページでございます。こちらはヤード等における火災事故の発生状況を整理したものでございます。全ての件数が把握できているという網羅的に整理されたものではございませんが、報告があったものや報道等をベースに整理させていただきました。こちらを見ますと、やはり2017年に比べて2018年以降の発火事故の発生件数は減少傾向にあると見て取れるところでございまして、こういった観点からもバーゼル法の改正は、発火事故の減少にも効いてきているのではないかと分析しているところでございます。

 資料3ページ目に戻っていただければと思います。⑨でございます。消費者への普及啓発に関する御指摘でございました。こちらについて新たな周知内容の検討等行ってまいりたいと思っております。

 ⑩の御指摘は、広報について多言語化できないかという御指摘でございまして、これまで使っておりました広報資材等の多言語化について検討を行ってまいりたいと考えております。

 ⑪のヤードの発火件数の増減などのデータにつきましては、先ほど別紙2で御説明させていただいたとおりでございます。

 ⑫、義務外品回収体制構築に関する御指摘でございました。方向性といたしまして高齢化等、社会動向を踏まえた対応を検討していく必要があると考えているところでございます。その一つといたしましては、義務外品回収体制の構築の中身につきまして、今後アンケート調査等の中でしっかり把握をした上で、さらなる体制の発展のための検討をしてまいりたいと考えています。

 4ページ目、御覧ください。⑬の御指摘につきましては、廃棄物処理業者による廃家電の処理についてはアンケート調査の結果を前回お示しさせていただいたところでございますが、回答が得られていない事業者の方もいたこと等から、適正にリサイクルされていない可能性もあるのではないかという御指摘をいただいたところでございます。対応の方向性といたしまして、回答いただけなかった業者については現状把握のためにも自治体等に情報提供するなどして、実態把握に努めてまいりたいと思います。また、そういった実態の把握も踏まえた対策の検討のため、検討会を立ち上げて検討を行っていきたいと思っています。

 ⑭は違法回収業者対策についての御指摘でございます。こちら環境省の方で市町村職員向けの違法回収業者対策のセミナーを毎年行っているところでございまして、違法回収業者対策の効果的・効率的な対策の検討を引き続き行ってまいりたいと考えています。

 ⑮と⑯に関しましては、インターネット販売業者及びそれらの者が出店されているモールサイトに関する御指摘でございました。モールサイト業者に関しましては家電リサイクル法上の義務が課せられているものではございませんが、出店している小売業者が適切に引取義務・引渡義務が果たせるよう、効果的な周知方法等の検討を行ってまいりたいと考えております。

 ⑰、モールサイトに関しての御質問となってございまして、インターネット販売業者、通信販売業者のサンプル抽出率はどの程度かという御質問をいただいておりました。こちらは平成30年の調査の際には全件を確認の上、違反状態にあった小売業者全てについて行政指導を実施したことを御報告させていただきます。

 5ページ目を御覧ください。⑱、ごみステーションへの不法投棄は個人が行っているものではないかというところで、不法投棄対策に関しまして環境省の方で分析を行っておりますので、別紙3を御覧ください。10ページ目でございます。

 まず、ごみステーションの不法投棄においてはブラウン管テレビが一番多いという状況となってございます。例えば高齢者の数や不法投棄対策の実施回数等が、不法投棄台数に影響するのではないかという仮定を置き様々分析を行ってみましたが、明確な要因の特定はできませんでした。

 一方で、11ページを御覧ください。11ページでお示ししている分析、傾向の御報告といたしましては、不法投棄台数に着目すると人口の多い市区町村が多くなっている。一方で人口当たりの不法投棄台数に着目すると、人口の少ない市区町村が多いと下にお示ししている表から分析しています。

 さらに、12ページのほうにお示ししております内容に関しまして御説明させていただきます。まず、不法投棄台数が多い市区町村については、一般的な廃家電の回収条件が緩い。つまりは廃棄費用が無料である、回収サイズの条件が緩い、といった傾向が見て取れることが分析結果として分かったところでございます。ここから考察になりますが、そういった自治体においてはブラウン管テレビを廃棄しても構わないと、排出者が考えている可能性があるのではないかと考察しているところでございます。

 2ポツ目に記載させていただいておりますが、もう一つ、右の表を見ていただきますと分かりますとおり人口が少ない市区町村においては、義務外品の回収体制が構築されていない市区町村は構築されている市区町村と比べて人口当たりの不法投棄台数が4、5倍高い傾向にあることが分かりました。このことからも、対策として義務外品の回収体制構築を推進していくことが重要であると考えているところです。

 5ページ目に戻っていただけますでしょうか。⑲でございます。こちらは、地域によって指定引取場所までの距離があり、費用が高くなる場合があるという御意見でございます。指定引取場所は近年減少傾向にあるのは事実でございまして、立地上、様々な理由からアクセスを改善できない場合がございますが、地域ごとの事情を勘案して対策や代替案の検討を行っていきたいと考えております。

 ⑳は家電リサイクル工場の人手不足や、リサイクル工程の高度化に関する御意見でございました。環境省では技術実証や高度化設備への補助等をこれまでしてきておりまして、今後もニーズに合わせた技術開発の支援に努めてまいりたいと考えております。

 ㉑は自治体活動について、財政支援と人的措置をお願いしたいという御意見でございました。幾つかメニューとしてございまして、方向性の一つ目でございます。家電製品協会さんのほうで、不法投棄未然防止事業への助成を行っていただいているところです。

 2ポツ目でございます。不法投棄された家電につきまして、立地条件によっては直接リサイクルプラントへ搬入するほうが効率的な場合もございます。そういった場合、直接搬入できる仕組みの運用を開始させていただいているところです。

 また、最後に環境省の方で違法回収業者対策のセミナーを自治体向けに行っているところでございまして、引き続き対策検討支援を行ってまいりたいと考えているところです。

 6ページ目でございます。㉒、㉓に関しましてはリサイクル料金に関する御意見でございます。まずリサイクル料金については事業者が個別に設定する仕組みになってございまして、現状一定程度の競争環境が確保されていると考えてございますが、さらなる競争環境の確保やコスト低減のための手段について御意見いただきたいと思っております。

 ㉔、㉕に関しまして、リサイクル料金の支払い方法に関する御意見でございました。まず、製品購入時の支払い方式。いわゆる前払い制にすべきという御意見がございました。

 2ポツ目のところにございますが、料金が前払いとなるとリサイクル費用への国民の意識が薄らぐのではないかという御意見もございました。さらに、前払いではなく製品価格に内包すべきではないかという御意見もございました。

 ㉕のところになりますと、リサイクル料金の在り方を変更することにより、小売業者の競争環境に影響が生じることがあるべきではないという御意見をいただいております。こちらに関しましては家電リサイクル法の今後に関わる論点であるという認識でございまして、経済的な影響等も含め様々な観点から議論が必要と考えておりますので、本合同会合において検討していきたいと思っているところでございます。

 ㉖でございます。リサイクルから利益を得る機会をつくることも認めてはどうかという御指摘でございました。現行家電リサイクル法においては、リサイクル料金はそのコストを賄うものであって、これにより利益を上げることはできないとされているところでございますが、再商品化された資源の売却によって利益を得ることはできるということで、経済的に成立することが前提の制度となっているところです。

 7ページ目を御覧ください。㉗につきましては、家電リサイクル法におけるサーキュラー・エコノミー及びカーボンニュートラルへの対応という御意見をいただいているところでございます。家電リサイクル制度においては基準以上の再商品化が現在実施されているところでございまして、新しい資源の使用抑制や再生材の活用といったところで、サーキュラー・エコノミーを意識した取組も行われているところでございます。さらなる推進ができないか検討してまいりたいと思ってございます。カーボンニュートラルに関しましても、回収率の向上に伴う温室効果ガスの削減や脱炭素を意識したリサイクルの推進といったところについて、検討していきたいと考えているところでございます。

 別紙4を参照いただければと思います。13ページでございます。まずサーキュラー・エコノミーに関しましてはこれまでの線形経済、大量生産・大量消費・大量廃棄の一方通行の経済活動から脱却し、従来の3Rの取組に加えた資源の投入抑制や消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながらサービス化等を通じた付加価値を生み出す経済活動であるというように定義されているところでございまして、製品の循環全体を通した取組であるところで、その中においてリサイクルも重要な位置づけがされていると理解しているところでございます。

 14ページを御覧ください。カーボンニュートラルに関しまして背景を少し御紹介させていただきます。2020年10月の臨時国会の所信表明演説におきまして、菅総理より2050年カーボンニュートラルを目指す旨の宣言がありました。また今年4月に開催されました気候サミットにおいては、2050年カーボンニュートラルと整合する形で2030年において46%削減を目指すということ、さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく旨、決意表明がなされたところでございます。

 このような背景を受けて、家電リサイクル制度の推進により温室効果ガス削減に貢献していくことが可能であると考えており、大きく二つの点から御説明させていただきます。

 矢印の一つ目、リサイクルの推進は資源の生産を抑制し、温室効果ガスの排出を減少させる効果が期待できる。例えばプラスチックについては、リサイクルしたほうがバージンで生産するよりも温室効果ガスの削減効果が約3倍高いという試算もございます。

 二つ目の点といたしまして、家電に含まれるフロンの回収でございます。フロンについては温室効果係数が二酸化炭素よりも数百から数千倍高いものもあるところでございまして、強力な温室効果ガスであるフロンの回収促進は温室効果ガス削減にもつながると考えているところです。

 15ページ目を御覧ください。現在地球温暖化対策計画、平成28年に閣議決定されたものが策定されているところでございまして、右の四角のところにございますとおり先ほどご紹介した菅総理の発言等を踏まえて、現在、この地球温暖化対策計画の見直し作業が進められているところでございます。この見直しにおいては、総理発言である2030年において温室効果ガスを46%削減することと整合する形での温暖化対策計画の見直しが現在急ピッチで行われている状況でございます。

 これを受けまして青い四角でお示しさせていただいておりますが、家電リサイクル制度の推進により廃家庭用エアコンの回収率を向上させることはフロン回収の増加につながり、温室効果ガスの排出削減に資するものであるため、このような内容を新たに現在見直しが進められております温暖化対策計画に位置づけることについて御提案させていただきたいと考えています。

 下の四角のところに記載させていただいておりますが、このような内容を温暖化対策計画に盛り込めないかと考えているところでございます。

 一つ目の丸に記載しているところですが、廃家庭用エアコンについては家電リサイクル法によりフロンの回収が推進されているところでありますが、現在回収率が他の品目よりもかなり低いことから、普及啓発等の対策により今後の回収率の向上が見込まれることを踏まえまして、二つ目の丸で記載しておりますが家電リサイクル法の確実な施行、普及啓発等により廃家庭用エアコンの回収率向上を推進し、フロンの回収を推進することにより、温室効果ガス削減に貢献していくという内容について記載できないかと考えています。

 16ページを御覧ください。こういった内容に関しまして温暖化対策計画の中では、それに伴う排出削減見込量というものを記載する形となってございまして、こちら試算になりますが対策指標のところで記載させていただいております。2030年に156万台の廃家庭用エアコンを家電リサイクルルートに流すことができた場合には、排出削減見込量として約100万トンCOの削減効果が見込まれるという試算をさせていただいております。こちらにつきましては現在数字を精査中ではございますが、このような内容に取り組んでいくことについて、温暖化対策計画に位置づけてはどうかと考えてございます。なお、この100万トンCO削減効果というのは、我が国の全ての温室効果ガス排出量の約0.1%に相当する量であるということでございます。また、対策指標に書かせていただいている156万台につきましては、現在廃家庭用エアコンについては約300万台がヤード業者等に流れているというフロー推計を前回の審議会でお示しさせていただいたところでございますが、その約半数が家電リサイクルルート、適正ルートに流れてくると仮定した場合について試算を行ったものでございます。

 また、表の右下になお書きで書かせていただいておりますが、先ほど御説明させていただいた温暖化対策計画の見直しがかなり急ピッチで進んでいる状況でございますが、このような対策及び排出削減見込量についてはこちらの家電リサイクル審議会での議論等を踏まえて、さらなる深掘り等の見直しを行っていく可能性があるという注釈をつけた上で、このような形で御提案させていただければと思っているところでございます。

 17ページ、18ページは割愛させていただきまして、19ページでございます。仮に先ほど御説明させていただきました156万台の廃エアコンを適正ルートに流すことができた場合における家電4品目合計の回収率というのを試算した結果でございます。その結果は70.9%になるという試算を行わせていただいた資料となってございます。

 別紙4につきまして御説明は以上とさせていただきまして、戻っていただきまして7ページ目の最後、㉘につきましては、リユースをどのように推進していくのか検討すべきという御指摘でございました。まずリユースに関しましてはガイドラインを作成し、リユースとリサイクルの仕分けを行うこととなってございます。御提案の内容につきましては、仕分けの結果リサイクルされるとなった廃家電であっても、一部はリユース可能なものがあるのではないかという御指摘であると承知しておりまして、委員の方の御意見やヒアリングの内容等を踏まえまして合同会合で議論いただければと思っております。

 資料2の御説明、以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 説明のありました内容についての質疑応答は全ての説明が終了した後まとめて行いたいと思いますので、次に進めさせていただきます。

 本日はリサイクルの義務を負う製造業者等のお立場から一般財団法人家電製品協会、回収の義務を負う小売業者の立場から大手家電流通協会と株式会社ヤマダホールディングスから説明を聴取いたしたいと存じております。

 それでは、まず家電製品協会の伊藤委員、御説明をよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員  家電製品協会の伊藤でございます。

 それでは、製造業者の取組について御説明申し上げます。我々は2001年4月1日から家電リサイクルの義務を果たすということで、20年にわたって家電リサイクルを行ってまいりました。現在家電リサイクルのプラントが全国44か所できております。そのうち今赤くついているのは、いわゆるAグループという東芝とかパナソニックが実施しているプラントであります。黒丸についてはBグループ、日立、三菱、ソニー、シャープが運営しているプラントでございます。

 続きまして、全体の説明をする中で一言、再商品化率ということについて御説明申し上げたいと思います。既に皆さん御承知と思いますが、再商品化率というのは、いわゆる通常のリサイクル率よりもはるかに厳しい基準であります。どういう点で厳しいかといいますと、第一には、サーマルリサイクルを含んでいません。したがって、仮にリサイクルをして一部は熱源として使われる場合であっても、この部分は再商品化には含まれないということになります。第二には、逆有償で出荷されたものは含まれていない。逆有償というのは、例えばガラスなどはこちらがお金をいただいて引き渡すのではなくて、こちらがお金を払って引き渡すことが非常に多くございます。そういうものについては、その後相手側は資源として利用するわけですが、我々のカウントでは逆有償で出荷したものですから、これは再商品化の対象にならない。このように、再商品化率というのは、通常言われるリサイクル率よりかはるかに厳しいものであることをまず頭に入れておいていただきたいと思います。次のページでございます。

 これを御覧いただきますと、その中でもエアコン等の4品目はかなり必死に頑張って再商品化率を上げていますが、唯一下がってきているのが薄緑で示されているブラウン管テレビであります。ブラウン管テレビは、もう10年以上前に製造が世界的に行われておりませんので、仮に材料がリサイクルされたとしても使う場所がありません。ブラウン管テレビの材料の中には鉛がたくさん含まれているガラスがありますので、鉛の製錬所に持っていってお金を支払い、そこで処理していただく。そこから鉛が抽出されて、鉛製錬されています。そういう意味でリサイクルはされているのですが、こちらからお金を払って引き取ってもらう部分が増えており、ブラウン管テレビについては再商品化率がかなり下がっていることがお分かりいただけると思います。

 さて、我々家電リサイクルを行っているメーカーとしては2001年4月から始めるときに、大きく三つの取組をしております。第一の取組は、リサイクルしやすい製品をつくる。これがこれから御説明するDfE(Design for Environment)、環境に配慮した製品設計であります。2番目の取組が、もちろんリサイクルをより高度化するということで、より多くのものをリサイクルの材料として回収していく。3番目が、そうしてできた再生材を製品に組み込んで再使用していく。この三つに取り組んでいるところであります。

 まず、環境配慮のデザインについて御説明申し上げます。これは前にも御説明したことがあるかと思いますが、テレビのものであります。テレビは、以前は400本近いねじで留めてありました。これを分解してリサイクルしようと思うと非常に手間がかかったのですが、デザインを変えることによって80本に、ねじの本数を少なくした。こういった取組を通じて、廃家電としてリサイクルしやすい設計を製品段階で行っているという一つの事例であります。

 次は、使っているプラスチックの種類をなるべく減らす。同じ製品には可能な限りは同じ素材を使う。そうして素材が統一されたものにしたいというのが我々の設計の考え方であり、当初、エアコンの室内機のカバーはポリスチレン、熱交換器ホルダーはABSでした。こういう二つのプラスチックを使っていたのですが、この素材をポリスチレンにまとめる。これによって分解して回収するにも非常に楽になる。すなわちプラスチックの材料をなるべく減らしていく。これが二番目のDesign for Environmentの例です。

 三番目が、マテリアル・リサイクル。テレビの背面カバーにいろいろな注意書きをしている部分があります。従来、注意書きは紙でできており、背面カバー全体はポリスチレンでできていたため、リサイクルに当たり、紙が混ざってしまうと、いい再生材にならない。このため、当初は、紙を削って、その後背面をプラスチック材料として再生するという工程を採用しましたが、後にデザインを変えて背面のラベルも同じポリスチレンで作り、これによって背面カバー全体を一緒に再生材として再生することができるようにしました。こういった取組が環境配慮設計の事例でございます。

 それでは、次に、家電リサイクルプラントにおける再商品化の取組について御説明させていただきます。先ほど御説明した44プラントでは、4品目の廃家電が入ってきますと、まず手解体が行われています。これは先ほど御説明したように単体の素材は可能な限りそのまま再生材として利用することを主眼としておりますので、まずは手で分解して単体素材として回収できるものは可能な限り単体で回収する。そうして回収した後、残りのものを機械破砕して、この中から、鉄、アルミ、銅を取り出し、その後プラスチックを回収していくというのが全体の流れであります。

 破砕する前に、例えばエアコンはファンモーターの取り外し、テレビはバックカバーの取り外しなどの作業を行っております。実際にやっている姿を、次のビデオで御覧いただきたいと思います。

(VTR)

 これは冷蔵庫・冷凍庫の手解体の場面であります。今外しているのは塩化ビニルのパッキンを外しておりまして、このように破砕する前に外れるものは単一素材として外していく。次に外しているのは透明の部品ですが、これはポリスチレンであります。

 次に、外したものシュレッディングします。すなわち機械破砕するのですが、その中から金属部分を回収します。最初に回収するのは鉄であります。鉄は御承知のように磁石に吸いつきますので、細かく破砕したものの中から磁石で吸着して鉄だけを回収します。

 次に、非鉄金属とプラスチックの混合したものが残りますが、この中で非鉄金属については誘導起電力という形で、真ん中にあります磁石が回転することによって、非鉄金属に誘導起電力が起こって反発する力が働きます。それによって非鉄金属は遠くに飛び、プラスチックは近くに落ちて、非鉄金属とプラスチックとが選別されます。

 次に、非鉄金属の中の主体はアルミと銅であります。銅は御承知のように赤色、アルミは白色であります。この色の違いを使ってアルミと銅を分けるというのが次の段階であり、これはCCDカメラで捉えながら、噴射ノズルで銅とアルミを分けていく。こういう形で選別をいたします。

 残りは今御覧いただいているミックスプラスチックですが、これはプラスチックだけではありません。塩化ビニルの一部、あるいはコードなどが種々混ざっております。これをどのように分けるかというのがプラスチックの次の工程であります。

 プラスチックを分けるに当たって、まずプラスチックにはどういうものが使われているかと言いますと、環境配慮設計によって、大体4品目についてはポリスチレン、ポリプロピレンとABSという3種類のプラスチック素材で作られています。一部冷蔵庫については先ABSは水より重いのですが、ポリスチレンとABSは水より少し重く、他のものはずっと重い。この比重差を利用して水の中で振動させるウォーターテーブルを使ってポリスチレン、ABSとその他のものとを分けます。

 分けたポリスチレン、ABSにも白いプラスチックと黒いプラスチックがあります。残念ながら黒いプラスチックは再生材として余り高い値段がつきませんし、着色できず用途も限られます。白いプラスチックは比較的高い価格で取引されますし、再生材としても非常に有用性が高いということで白と黒を分ける。色彩の違いを利用する。この色彩選別を行って、白いプラスチックと黒いプラスチックを分けるのが次の段階であります。

 次に、こうやって分けた白いプラスチックの中にはABSとポリスチレンが入っているわけでありますが、この二つの見た目ではなかなか区別しにくいものに近赤外線を当てますと、吸収スペクトルに差が出ます。この差を利用してABSとポリスチレンを分ける。これが近赤外線選別という方式であります。

 以上、長々と御説明しましたが、これからこの流れを少しビデオで御覧いただきたいと思います。

(VTR)

 これがミックスプラスチック選別システムであります。大体1時間で1トンの廃家電を処理しております。最終的にはポリプロピレンとポリスチレンとABS、この三つを分離して再生材として取り出していく工程であります。

 まず、先ほど申し上げたようにポリプロピレンを分けていく。水よりも軽いということで、これを利用して分けていく方法であります。水に浮くポリプロピレンだけが右側に行って、これで回収する。これが水との比重差で素材を分ける方式であります。下に行ったものは水より沈んでおりますので、ポリスチレン、ABS、金属、あるいはコードといったものが下に残っていくわけです。

 この中で2番目でありますが、ウォーターテーブル。振動させながら水の中でふるいをかけますと、水より少しだけ重たいABSとポリスチレンは左側に動いて、それより重たいものは右側に動いて、ABSとポリスチレンが分かれます。

 このうち、先ほど申し上げたように黒いものと白いものを分けていくのが次の工程であります。こんな高速で流れるものを分けてまいります。これが実際に分けられたものであります。原理的には先ほど申し上げたように、センサーを通じて黒いものと白いものを分けていくものであります。

 次に、ABSとポリスチレンを分ける近赤外の選別方式ですが、これも高速で流れるものを近赤外ランプで照射して、それによる反射光の違いに応じてエアガンで二つに分けていく。こういう方式でポリスチレンとABSを分けてまいります。こんな形で全てのプラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、こういう形で回収する方式を今採用しているところであります。これでかなりのプラスチックを回収することができるというのが現状ですが、もちろんこれからもさらに改良していく必要があるかと思います。

 こうして得られた材料を、我々の第3の柱であります再生材として利用するといった面についても力を入れています。

 その一つがエアコン内部の部分であります。再生材は残念ながら少し色合いの面から問題がありますので、表面にはなかなか使いにくい。しかし、機能的には普通のプラスチック、バージンプラスチックと何ら変わりませんので、そういう意味では機能的に使える部分については再生材を積極的に使っており、ロールといったエアコン内部のプラスチック部品は再生材が多く使われています。

 また、冷蔵庫においても人の手に触れるようなところ、あるいは見えるところは残念ながらバージンプラスチックを中心に使っていますが、それ以外の部分については積極的に再生材を利用して冷蔵庫をつくっています。

 それ以外にも、食洗機ではベースカバー、掃除機ではモーターカバー、IHクッキングヒーターではプリント基板など、できるだけ多くの部品に再生材を利用することに今努めているところです。

 これらが現状取り組んでいる内容でありますが、幾つかの課題が存在しています。それは何かといいますと、一つは商品性の向上とリサイクル性との二律背反の問題であります。DfEの御説明で申し上げたように、商品性とリサイクル性は必ずしも同一方向ではありません。例えば最近多く出されているガラスドアの冷蔵庫であります。冷蔵庫の表面にガラスを貼ることによって、光沢があって汚れがつかない。さらには、電子的な表示ができる機能もあり、ガラスドア冷蔵庫が使われているわけですが、これを実際リサイクルしようと思うと、前面にあるガラスを外さなければいけないということで非常に大きな労力を使う。外さないで破砕機にかけますと、ガラスは非常に固いので破砕機の刃を傷めてしまうことがあるため、必ず破砕機の前に分離しなければいけないのですが、ガラスドアの分離が今非常に大きな課題になっております。

 2番目は真空断熱材。従来冷蔵庫の断熱はウレタンを使っておりましたが、最近は真空断熱材ということで、内部の容積を増やすため内壁と外壁の間を真空にして、それによって断熱する構造の冷蔵庫が多くなっております。外見の大きさが同じで容量が増えているのがお分かりいただけると思いますが、この真空断熱の中に間の充塡材としてグラスファイバーが使われており、実はグラスファイバーを破砕しますとフィルターの目詰まりを起こし、さらにガラスですので破砕機の刃を傷める。

 それから最近、大型パネルのテレビジョンが非常に増えていますが、これはある意味ガラスの塊みたいなものでありますが、ガラスは再生材として使われてはいるものの、有償で出荷できない。逆有償で出荷することが非常に増えており、そのため、今後大型テレビが増えてまいりますと、先ほど言いました再商品化率というものが下がっていく可能性が懸念されるところであります。

 2番目は、外的要因であります。デカBDE――何か訳が分かりにくいですが、「臭素系難燃剤」といいます。ブラウン管テレビのバックカバーは高温になるため、臭素系難燃剤を含んだプラスチックが使われていますが、これは環境負荷が大きいということで使用を禁止され、再生材として使えなくなります。我々としては焼却処理するしかないということで、サーマルリサイクルは再商品化率に含まれないので、これについてもまた再商品化率が下がっていくという問題が生じます。

 3番目は資源価格の変動であります。せっかくプラスチックを再生しても、再生したプラスチック材料は通常バージン材料より安い値段で取り引きされます。バージン材料が価格変動によってかなり下がりますと、再生材のプラスチックは有償から逆有償になって、要するにお金を払って処分することになります。これによって再商品化率が下がることも今後懸念されるところであります。

 ただ、我々としてはこういった問題点はたくさんありますが、ぜひとも今までの20年の努力と経験を生かしてさらに新たな挑戦をしていきたいと考えております。一つはDfEの継続推進であり、それからリサイクルの高度化であります。混ぜればごみ、分ければ資源といわれるように、先ほどの白と黒のプラスチックを御覧いただいても、まだ白の中に黒が少し混じっております。ああいったものを白いものと黒いものに完全に分けるといったリサイクルの高度化も積極的にやっていく必要があります。さらには再生材料をより多くの部品や製品に使っていく。こういったことにも活用していきたいと思っています。我々はこの事業をさらに努力して発展させていきたい、かように考えています。

 以上、ちょっと長くなりましたが、我々の取組について御説明申し上げました。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 続いて、大手家電流通協会の高橋委員、御説明よろしくお願い申し上げます。

○高橋委員  大手家電流通協会の高橋です。

 それでは、私から御説明させていただきます。今ほどのメーカー様がプラントで大変な御努力をされていらっしゃることに関しましては、敬意を表したいと思います。私ども収集・運搬をする立場ということで、本日は取組と要望ということについてお話をさせていただきます。

 本日は4点について述べさせていただきます。1点目が量販店におけるリサイクル券の業務について、2点目がこれまで回収促進に向けたアクションプランに基づき取り組んできた内容につきまして御紹介させていただきたいと思っております。3点目が家電リサイクル券システムに関する要望、それから最後に費用回収方式に関する要望ということで御説明させていただきます。

 1ページ目につきましては、これは料金販売店回収方式に関する概念図です。グリーン券と呼ばれるリサイクル券を使って、私ども運用しております。この図は家電製品協会様のホームページより転載させていただいたものです。

 まず、ここでいう①で小売店からリサイクル券をRKCに注文し、券が小売業者に納入されます。それを使って②、③で料金とリサイクル品を排出者からお預かりいたします。預かった証明に、④リサイクル券の排出者控えをお渡しいたします。⑤でSYに引渡しをし、⑥回付片が戻ります。リサイクル料金はRKCに入金いたします。これが大まかなグリーン券の流れでございます。

 2ページをお願いいたします。私どもが日常行っている業務について御説明いたします。正確にはそれぞれ会社によって若干違いはあるのですけれども、おおむね流れは同じということで御承知おきください。

 まず家電リサイクル券をRKCに注文して、リサ券が納入されます。リサイクル券はチェックデジットつきのユニークナンバーが全部振られておりまして、これを自社のPOSシステムに登録いたします。それは販売データとリサイクル券を紐付けるためです。販売された顧客ごとに、配達先別ごとに、リサイクル券は仕分けられます。ここの表記でリサイクル券を赤文字にしましたのは、リサイクル券が紙である以上、手作業が発生しているということでございます。

 3ページをお願いいたします。配達が終わりましてリサイクル品が回収されてからの業務でございます。引き取ったものを単純に引き渡せば終了ということでもございません。リサイクル券は5枚つづりになっておりまして、その中身なのですが、1番券は私ども小売控え、2番券が回付券、3番券はSYの控え、4番券は排出者控え、5番券が現品へ貼るシールとなっています。

 問題は、右の赤で囲ったイレギュラーな業務です。何しろ品目、メーカー、サイズ、その掛け算の数だけ種類がありますから、現品とリサイクル券とをアナログで一致させる作業の中では、どうしても書き損じ等のエラーは発生してまいります。時にはリサイクル券が風の強い日などは飛ばされることや、紛失ということも起こりえます。再発行となればお客様への連絡から、お客様控えの回収。とはいってもお客様は控えの紙を処分されている場合が多いですから、お客様控えの回収はほとんどできないのですけれども、さらに最も厄介なことが料金の違いによる過不足が発生することです。過剰に預かった分を返金することも大変な作業なのですけれども、不足分を集金する作業は困難を極めたりします。なかなか不足分を支払っていただけず、お店が不足分を負担するなんていうことも少なからずございます。

 次の4ページをお願いいたします。引き取ったリサイクル品の現品周りの作業です。リサイクル品は盗難防止のため鍵のかかる倉庫に格納しています。商戦期にはもう倉庫に入り切らずにあふれ出る。別倉庫に移動するといったことも起こっています。

 繰り返しになりますが、現品の確認とリサイクル券の記載内容の確認は、手作業です。複数人で何かないかどうかチェックを重ねますけれども、それでも手による確認ですからエラーはどうしても発生します。

 左下の写真は運ぶための作業の様子です。異物混入がないか。御迷惑のかからないように入念にチェックをいたし、先ほども申しましたけれども、お盆の時期、年末年始は、我々にとっては繁忙期ですけれども、SYは休業になります。引き取ったリサイクル品をトラックに積み込まざるを得なくなって、そのトラックの中で保管をする。トラックの稼働を止めてしまうといったことも、これは毎年発生していることでございます。

 右下の写真は、保管の様子です。回付券の3年保管が法で定められていますので鍵のかかる書庫で保管いたします。いずれにしましても、デジタル化、ペーパーレス化というようなことが待たれるところでございます。

 これまで業務の御説明をいたしましたけれども、これは全てコストになるわけですけれども申し上げたいことは、コストというのは販売価格に転嫁されているということでございます。別の言い方をすれば、コストというものは最終的に消費者負担につながっているものだということでございます。もちろん我々はコスト削減については問題意識を持って取り組んでいるところでございますが、今後の改善の方向性ということでいえば、やはりメーカーさんと一緒になって戦略サプライチェーン全体の効率化を図る。そのような取組の段階に来ているのではないかなと思っているところでございます。

 5ページをお願いいたします。前回の評価検討報告書に基づき回収率目標を設定して、目標達成に向け関係主体が協調してアクションプランというものを策定したわけですけれども、私どもの取組ということで御紹介いたします。

 まず私ども小売セクターで取り組んできたことですが、周知・広報というのが重要な取組になるわけですけれども、そこで重要なツールとなるのがポスターづくりということでございました。資料に掲載しましたのは当時候補となったデザインのほんの一部なのですけれども、私ども量販側が中心になって地域店の皆様、それからメーカーさん、経産省、環境省も加わっていただいて、侃々諤々の議論の末、左上の二重丸の図案を基にしたポスターをつくりました。

 6ページをお願いいたします。最終的には6ページにある左のような図案に決定しまして、これをもってエアコンの販売が伸びる夏場を重点候補期間として周知・広報を実施いたしました。このポスターの図案についてはコピーライトフリーといたしまして広く使っていただくということで、掲示場所は私ども量販店の店頭はもとより霞が関庁舎内、それから県庁や市役所など自治体庁舎内、協力していただける大学とか駅構内といったところにも掲示をいたしました。また同じ図柄を使って手配りチラシをつくって配布したり、クリアファイルにして使っていただいたり、様々な方法で周知・広報の展開をいたしました。この図案については今でも十分使えるものですから、また集中してキャンペーンをしてもいいのかなということも思ったりしております。

 7ページをお願いいたします。もう一つ、私どもの重要な取組として義務外品回収体制の推進について御説明いたします。四角囲みの中を読ませていただきます。「義務外品の回収に関しては、もとより量販各社において、消費者から回収依頼を受ければ、義務品か義務外品かによらず全て回収に応じている」ということが実態でございます。「一方、自治体との協力関係構築において課題となっていた、小売側と自治体側との認識のずれを解消すべく、確認書を取り交わし、相互理解を図る取組をいたしました」。

 私ども小売側と自治体側のずれといいますのは、人口の少ない小さな町役場等では、担当者の方が家電リサイクル業務だけを担当しているわけではございません。例えば年金業務と家電リサイクルを兼務されていらっしゃるとか、年金と家電リサイクルということでいえば当然年金業務に比重があるわけで、家電リサイクル法については十分御理解いただけていないといったことも無理からぬ話であろうと思います。例えば事例として消費者の方が役場に回収の問合せをしたら私どものほうに一方的に丸投げをされて、私どもとしてはお客様への説明に苦慮するといった行き違いが各地で少なからず発生しておりました。そこで協定という縛りの強いものではないですけれども、相互理解を図るツールとして確認書を取り交わすことにいたしました。

 確認書のポイントは、ここのページで言う赤文字の部分で用語の定義のところで、自治体担当品という用語で義務外品を定義させていただいたことです。この会議でもたびたび義務外品という呼び方についてはどうなのだ、変えるべきではないかとの意見が出ている問題でございまして、義務外品ということについての分かりにくさを解消しようという意図で、こういったネーミングを使って定義させていただいたということでございます。

 8ページをお願いいたします。もう一つ、赤文字で示したポイントとして、当該自治体にお住まいの皆様への案内に盛り込んでもらいたいということを確認させていただきました。

 特に中段下のところにある④と⑤ですけれども、店舗によってそれぞれ配達件数にキャパがあって、すぐに出かけられないことがございますものですからその事情を御理解いただくことと、それから収集・運搬料金の負担が発生する。こういったことを、しっかりごみカレンダーに掲載していただいたということでございます。そういったこともあって、回収をスムーズに行えるような協力体制構築が進んだのではないかなということで、これは成果があったなと考えているところでございます。

 続きまして、10ページをお願いいたします。ここからは要望ということで、この場をかりて何点か御説明申し上げます。ここでは6点要望を挙げさせていただきました。

 まず、①がリサ券の電子化です。初めに御説明したとおり私どもの業務実態から量販店の業務フローが電子化、デジタル化されることで、どれだけ効率化が図れるかということはお分かりいただけるのではないかなと思っております。

 ②については個人情報の記載についてです。リサ券に個人情報を記載しなければならないということが法律で定められているのですけれども、やはりリサ券の紛失とか、漏えいというリスクはなくならないということです。私どもではPOSデータと紐付いておりますから、以前よりここの改善を要望していたのですけれども、法律で定められていますということで門前払いではないですけれども、一蹴されるような形でずっと来ているわけですけれども、省令の改正を要望させていただきたいと思います。

 次の③ですけれども、有機ELテレビの対象品目化です。これは冒頭御説明もあったと思うのですけれども、私どもの回収の現場では液晶なのか、有機ELなのか、現場感覚としてはどちらもテレビですので、一刻も早く対象品目にしていただきたいという思いでございます。

 次の④については、これも現場で大変困った問題で、例えばテレビの買替えで、テレビ本体とテレビ台も一緒に買い替えられる場合が多いわけなのですけれども、そうすると古いテレビ台も廃棄として一緒に回収してほしい。これはお客様の当然の要求であるわけでございますけれども、しかし、テレビ台は一般廃棄物ですから我々は許可なく回収業務ができない。衣類乾燥機のユニット台ですとか、エアコンの室外機を設置する置台ですとか、そういったことも同様です。ここのところを、現実に沿った形でクリアにしていただきたいなということを要望させていただきたいと思います。

 続いて、⑤です。私ども商品の配達を委託業者に委託する場合がございます。委託業者にしてみれば商品の配送設置を生業としているわけでございまして、産廃を業としているわけではございませんので、都道府県の産廃業の許可が本当に必要なのだろうかというのをかねがね思っているところです。これもコスト負担になっているわけです。産廃の知識が必要だということであれば講習会の修了等をもって要件としていただきたいという要望でございます。

 最後に⑥、SYの長期休業期間に関する要望です。お盆ですとか年末年始も、我々同様にSYも営業してほしいとは申しません。その時期に私どもが回収して、倉庫に入り切らずにあふれ出たリサイクル品の積替保管を可能にしていただきたいという要望でございます。

 11ページをお願いいたします。費用回収方式に関する要望です。前回の合同会合に参考資料として提出させていただいた要望書の再掲となります。今回ちょっと読ませていただきたいと思います。

 「大手家電流通協会といたしましては、過去二度(平成18年5月及び平成25年7月)『家電リサイクル費用の製品内部化』の実現に向けた要望書を提出したところですが、改めて本要望書を提出させていただきますので、何とぞ御検討賜りたくお願い申し上げます」。

 1として「現行制度の評価及び課題について」、「現行制度は、平成13年の制度開始以来、回収ルートの確認については、関係各主体の努力もあり、世界に冠たる合理的で優れた制度であると評価している一方で、不法投棄や違法回収業者等の見えないフロー問題の解消が困難であることが継続的な課題となっております。また、弊会会員店舗においても、店舗駐車場等への不法投棄が後を絶たないこと、そしてその処分代金の負担や警察への手続等にも負担がかかっていることも依然として解決できておりません。これらの課題を解決し、さらなる優れた制度にしていくためにも、家電リサイクル費用の回収方式を製品価格へ内部化することが最も有効ではないかと考えております」。

 次のページをお願いします。「家電リサイクル費用の製品内部化について、及び要望」ということで、「消費者にとって、家電リサイクル費用の負担が義務ではなく、責務としての負担協力を求めているにすぎない中で、排出ルートによって価格差がある以上、見えないルートへの流出や不法投棄を行う動機に歯止めをかけることは難しいと思われます。家電リサイクル費用を製品価格へ内部化することで、排出時の消費者負担をなくすことが唯一の解決方法と私どもは考えます。そうすることで、適切な回収ルートでの回収率を飛躍的に上げることができるものと考えております。このことは全国市長会からも提言されているところであり、私ども流通業者のみならず、費用回収方法について、関係主体全体の納得感が得られないまま放置されている状態が続いております。今後、関係主体が一致して制度全体の運用をよりよいものにしていく上でも費用回収方法に関する検討が必要であると思います。また、海洋プラスチック問題やサーキュラー・エコノミー等の議論も活発に行われている昨今、時代の変化の中で費用負担、費用回収について、あるべき姿を見据える必要もあると考えております。つきましては、費用回収方法について、関係主体が一致した理解を得るための、検討の場を設置していただけるようお願いいたします」ということでございます。

 最終13ページですが、掲載させていただいたのは、第29回の合同会合で費用回収方式のメリット・デメリット、論点・課題といったものを整理して一覧にしたものです。ですから、これまで費用回収方式について議論されてこなかったということではないですけれども、私どもが主張する製品内部化の論点というのは、これまで議論の俎上にのっていないということがございます。それからここに掲載のメリット・デメリットについても明示されただけで、それぞれ十分に中身の検討が深掘りされているとはいえないというような状態が続いているといったことから、リサイクル料金費用回収方式については別途検討会を設けて、しっかり議論すべきであると考えるところです。

 冒頭、前回の意見の対応と方向性の中でもリサイクル料金については根本に関わる論点だということで、様々な観点から議論が必要だとされていることからも、このリサイクル料金費用回収方式については別途検討会の設置を要望いたします。

 以上、大手家電流通協会からの説明でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして株式会社ヤマダホールディングスの吉田様、御説明よろしくお願い申し上げます。

○吉田説明員  吉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私のほうから、株式会社ヤマダホールディングスからの御提案ということでお話しさせていただきたいと思っておりますが、まず、先ほど高橋委員からいくつか要望があったかと思います。私も家電リサイクル法にまつわる回収のところを、本社の責任者ということで一昨年までいろいろと管理をしておりました。その中で今回高橋委員にお話しいただいた要望も、私が当時感じていたものとかなり近いところがございますので、私からも、ぜひこの要望につきまして御検討をお願いしたいと思っております。

 資料の御説明をしたいと思います。1枚めくっていただきまして、右下にページを書いておりますが、2ページから御覧いただければと思います。

 まず、当社から考える中での家電リサイクル法の成果と課題ということです。これについては本審議会でいろいろと御審議があろうかと思います。ただ、我々のほうでざっと感じる一つの成果としては、やはりリサイクルが大きく進展しましたところで、それに伴って不法投棄が大幅に減少したところが最大の成果なのではなかろうかと思っております。その中で課題がいくつか残っておりますのは回収率です。これについては上がってきているという御報告もいただいております。これをどう評価していくかというところが一つあるのかなと思っておりますが、今回我々のほうで課題として挙げさせていただきたいのはリユースの促進でございます。

 なぜこのような話をさせていただくかというと、社会的な背景です。これも冒頭にあったかと思いますが1990年代におきましては大量生産・大量販売して、大量に消費して廃棄している。そのような時代であったかと思います。これが2000年代に入って社会的な問題が発生してきて、自治体のほうでは処理が困難になって、埋立処分場も逼迫、不法投棄も増えてきました中で、再製品化・再資源化のいろいろな制度が出てきまして、家電リサイクル法もその中の一つになっておりまして、これが国内においていろいろなリサイクルが促進されるきっかけになり、再製品化・再資源化する時代になってきたかと思います。課題が進展・解決したというのが2000年代からの流れであると考えています。

 一方、現在においては持続可能な社会への地球規模の懸念がいろいろと挙げられている中で、例えば世界人口の増加、気候変動などいろいろなことがある中で、サーキュラー・エコノミーということで廃棄物を発生させない。または経済価値、素材価値、あるものをそのまま損なうことなく使い続ける時代にこれからなってくるところを考えた中で、リユースという課題を今回挙げさせていただきたいと思います。

 次のページを御覧ください。当社については、これはずっと前からになりますが、リユースを家電でも進めています。直近3年間の実績を御覧いただきたいのですが、リユースの生産ですけれども3年間で約22万台。それに伴う販売のほうも21万台ということで簡単に申し上げると、作ってお店に並べれば売れてしまっているような状況でございます。購入されるお客様の層もどういう方がいらっしゃるのかなと思って例を挙げると、昔は新品でないと、というお客さんも確かにいらっしゃったのだと思います。ただ、現在において消費者の皆さんは、リユース品を購入することに抵抗感がなくなっているのではないかなと考えております。

 そうしたニーズを加味した中で、当社の中ではリユースを取り扱う店舗を今拡大させている状況で、現在では66店舗、2年後につきましては100店舗まで増やしていって、全国のお客様にリユース商品のお届けをするような計画を今、実施している状況でございます。

 次のページを御覧ください。こういったところも加味しながら我々小売業でございますので、その立場で家電リサイクル法について思うことで、家電リサイクルという分野においてサーキュラー・エコノミーを推進する一つの取組というのはリユースなのではないかなと考えております。課題が幾つかあると思っている例を真ん中に挙げさせていただいておりますが、我々のような小売からメーカー様に引き渡しているわけなのです。この中で目の前で物が流れていくところをつぶさに見ているわけなのですけれども、我々の中でリユースできるものは分別しているつもりでおりますが、製品自体、または製品の中に組み込まれている部品というところまで考えていくと、まだまだリユースできるものを引渡しさせていただいているものの中に含まれているのではないだろうか。これは肌感覚になってしまいますが、こういうことがあるのではないかなと考えております。

 今後サーキュラー・エコノミーもそうなのですけれども、家電リサイクル法の制度を考えていく中でリサイクルの高度化や、回収率の向上も当然重要な要素ですし、こちらがメインになってくるかと思いますけれども、同時にリユースが促進されるような仕組みを盛り込んでいくと、より良い制度、実効性のある制度になってくるのではないだろうかと考えておりまして、今後こういったことをデータ化して検証、皆さんで情報を共有する中で、いろいろな議論ができるような制度ができると良いのではないだろうかと考えております。

 これで説明を終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、議題(3)、全体の質疑応答に移らせていただきたいと存じます。御質問等ある方はWeb会議システムの挙手ボタンを押していただくか、メッセージ機能をお使いいただいて、お名前を記入していただくようお願いいたします。順次指名させていただきます。指名された方はマイクのミュートを解除し、ビデオをオンにして発言していただければ幸いでございます。なお、なるべく多くの委員の皆様から御意見を聞きたいと思いますので、発言者の方は質問を手短にしていただければと思います。

 また、時間が不足した場合、質問、意見を出しそびれた方は閉会後に事務局の方へメール等々で意見を提出いただきたいと思います。メールでの意見提出を含めまして議事録に記載いたしますので、御了承いただくよう申し上げます。ちょっと時間が押しておりますので、17時25分まで質疑の時間を取らせていただきます。

 それでは、御意見、御質問のある方は挙手ボタン等々で表明していただければと思います。よろしくお願い申し上げます。それでは、平岡委員、よろしくお願い申し上げます。

○平岡委員  御説明ありがとうございました。日本冷凍空調工業会の平岡です。

 御説明の中のリサイクル費用回収方式に関する要望に関して少し意見を述べさせていただきます。現在の制度は排出段階でリサイクル料金を徴収するといったシステムでございますが、今20年間運用しており社会的にも定着してきていると思っております。当初懸念されていた不法投棄の増大は減少しつつあります。また近年回収率も、冒頭御説明あったように大幅に向上しています。これは本制度に関する皆様の御努力によるものと思っております。このようなときに料金の徴収方法を変えるということは、この制度の根幹を変更することを意味すると考えております。現行制度の根幹を変更するのは、この制度では直面する諸課題に対応できないという認識が社会に広がったときではないかと考えておりまして、そのような状況にない現時点での変更は家電リサイクル制度の安定性を欠き、社会の混乱を招くことになると考えております。御説明でも諸問題に対していろいろな側面から検討したいというお話でしたので一言、その検討の前に意見を述べさせていただきました。

 私からは以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。次は小原委員、どうぞ。

○小原委員  こんにちは。電子情報技術産業協会(JEITA)の小原でございます。よろしくお願いいたします。

 資料3の中の製造業者等の再商品化における取組といった中で、再商品化率における今後の課題にあった二つ目、外的要因による影響のところです。臭素系難燃剤のデカBDE含有プラスチックの除去といったところに関して、JEITAから意見という形で述べさせていただきたいと思っています。

 ここに使われています臭素系難燃剤のデカBDEは、主にブラウン管テレビのバックカバーに使用されているものでございます。このプラスチックがリサイクルされないように、工場で適切に処理するために工数とか、スペースの確保に我々は積極的に今後取り組んでいきたいと思っております。また焼却コストが増加傾向である中で、焼却の受入量も厳しい状況にあるという環境にもございますが、しっかり着実に処理してまいりたいと思っております。

 以上になります。

○細田座長  どうもありがとうございました。続いて大塚委員、どうぞ。

○大塚委員  大塚でございます。

 4点、簡単に申し上げさせていただきたいと思います。前回も申し上げた点について、最初に事務局から御指摘いただいた点の中で必ずしも触れられていなかったのですけれども、フロンに関しては今回気候変動との関係で目標が非常に厳しくなったこともあり、温対計画をさらに策定していかなくてはいけないこともございますので、早急な検討をしていただきたいです。前回申しましたようにフロン類の回収に関しましては、家電4品目のうち家電リサイクルルートに乗らなかったものについて、フロン排出抑制法の特定製品に該当しないので、不法放出した場合に処罰の規定がございません。これはフロン法の方でやるか、家電リサイクル法の方でやるかという問題はあると思うのですけれども、ぜひ早急な対応をしていただきたいと思います。温暖化対策の目標が厳しくなって産業界の方も、国民の方もみんないろいろな負担をさせられることに、ある程度納得いただく必要があると思いますけれども、そうした中で、この種の法改正はできるだけ早くしていただく必要があるのではないかと思います。

 第2点ですけれども、いろいろヒアリングをさせていただいて、大変御努力いただいていることが分かって、ありがたいことだと思って敬意を表したいと思います。

 まず製造者の家製協の御報告については、非常に面白く、興味深く伺いました。ただ、1点だけちょっと気になったのは、最後から2枚目のページで再商品化率における今後の課題の大型パネルテレビのところで、ガラスの塊として逆有償で持っていってもらうものがあるので、再商品化率が下がる可能性があるとおっしゃったのですけれども、ここはそういうことにならないように大型パネルテレビについてはリサイクル料金を上げることを、本当はやっていただかなくてはいけないということだと思います。それがちょっと難しいとすると、むしろ他の製造者の方もどうやっていらっしゃるのかという話が発生して、まさにそこがちゃんと公平に競争ができているかという問題が発生すると思いますので、むしろこの点はリサイクル料金を上げる方向でお考えいただきたいと思います。それが家電リサイクル法の趣旨だと思いますので、そのような御検討を是非していただきたいということではないかと思います。国民としては、リサイクル料金をたくさん払うのは嫌だということももちろんあると思いますけれども、むしろそういう方向に進むことを考えて、リサイクル料金はその先にDfEをして減らしていくという方向で考えていくべきことではないかと思います。

 それから量販店、大手家電流通協会についても非常に面白い御報告をいただきました。10ページのほうで御要望がありましたけれども、電子化はぜひ進めていくべきだと考えております。今回コロナの関係でもわが国ではPCRの結果とかをファックスで送付して残念ながら世界の笑い者になりましたけれども、今、日本が遅れてしまっていることの一つになってしまうかもしれませんので、ペーパーレス化が効率的であれば、そちらの方向に進んでいっていただければと思います。

 四つ目ですけれども、株式会社ヤマダホールディングスのリユースの御報告については、とても面白かったのですけれども、前回ちょっと私が申し上げたようにEUのサーキュラー・エコノミーでは修理する権利という話が出てきていて、リユース品を売るとか買うという話も大事なのですけれども、今使っているものを修理して長く使う、長寿命化した形で使うことが必要かと思います。町の電気屋さんが全部かどうか分かりませんが大都市においてはなくなってしまって、量販店へわざわざ修理するために物を持っていくのもなかなか考えにくくなっていますが、ここを何か変えていただくことはできないのかと思います。つまり、部品のリユースのほうを考えていただけないのかという問題が出てきているかと思います。さらにサーキュラー・エコノミーとの関係でいうと、EU等では、安かろう悪かろうというものは排除する方針を産業政策上示しています。

 そういうことも含めて、修理する権利のようなことを御検討いただくようなことも必要になってくるのではないかなということを、申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。それでは、桂川委員、どうぞ。

○桂川委員  全国市長会の亀岡市長の桂川です。

 今回の家電リサイクル制度ですが、全国市長会としては、やはり適切な見直しを進めてほしいなという思いを持っております。昨年秋に国へ要望もしたところですが、その中で、先ほど平岡委員からリサイクル費用について現状のままでいいのではないかという御意見もあったのですが、全国市長会としては、やはり製品購入時に支払う前払い方式に改めるべきだと思っています。まだまだ自治体においては家電製品の不法投棄というのは後を絶たない状況で、少なくなってきたというお話もありましたけれども、実際目につきにくいところにそういうものが捨てられている現状があり、私たちのまちでも行政が独自で撤去しなければいけないという問題が多々出てきております。全国的にも同じような状況があることを踏まえて、今のように捨てるときに払うのではなしに製品購入時に払うという前払い制をぜひとも、まず議論してほしいと思っています。それが全国のごみ行政を、行政の仕事としてやっている中での大きな課題だと思います。

 二つ目は、不法投棄された家電製品の収集・運搬リサイクル費用については、拡大生産者責任の原則に基づいて事業者が担う仕組みを取ってほしいというのが一つであります。どうしても一般廃棄物は行政、市町村が取り組む責任となっておりますから、その部分に対する費用が本当にかさんでいるという状況があります。そういうことを思えば先ほどの義務外の処理についても同じことだと思っていますが、ぜひとも効果的に進めるためにも量販店も含めてもっと関係者が連携して、協力してこの取組を進めていかなければならないと思っていますし、制度の前進や拡充に資する新たな方法を検討することが必要だと思っています。

 また、先ほど有機ELテレビのことがございましたが、やはり対象品目を拡大してもらわないと4品目だけでなく、まだまだ家電の中において、ほかの品目もたくさん不法投棄されている現状があります。特にテレビについては有機もブラウン管も変わらずテレビという扱いの中での取組となってまいりますので、ぜひとも対象品目を拡大するための検討を進めていただきたいと思っております。

 全国市長会としては、大きくこれらの点について、ごみ行政を担う中での課題と認識しておりますので、その点よろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、回答していただきたいと思います。まず環境省のほうから回答いただき、それから家製協の伊藤委員、高橋委員、吉田様にも質問がありましたので、この順に御回答いただきたいと思います。まず環境省のほうからよろしくお願いします。

○小早川補佐  環境省の小早川です。

 御質問いただいているもののうち、まず大塚委員から御指摘ありましたフロン類に関しまして、エアコンの回収対策というところは早急に取り組んでまいりたいと考えております。というのが1点と、さらに家電リサ法にもフロン法にも書かれていない製品があるということ、御指摘のとおりと承知しておりますので、実際にどれくらいあって、どういった製品がそのようになっているのか、廃棄の方法はどのようになっているのかということも含めて、対策検討していきたいと考えています。

 さらに大塚委員から最後に4点目として御指摘のありました点で、サーキュラー・エコノミーに関してはリユースを検討すべきというところに関しまして、部品リユースについては既に家電リサイクル法の中では再商品化の一つとしてカウントされているところでございますが、EUの修理する権利等、そういった動向も踏まえながら家電リサイクルだけでなく、サーキュラー・エコノミー全体での今後の在り方という点も検討していければと考えているところでございます。

 環境省からは以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、伊藤委員、例えば費用支払等々について、不法投棄に関する生産者責任について等コメントあればお願いします。

○伊藤委員  分かりました。今回少しまとめたものを、次回、あるいは次々回にきちっとした形で分析させていただこうと思っていますが、意見を申し上げてよろしいならば、これからお話をさせていただきます。

 本質的には料金制度の如何を問わず、不法投棄が発生しているのは事実でありますので、皆さんの認識と異なります。前払いにすれば不法投棄はなくなるということはない。これはヨーロッパでも同じですし、日本でも同じだと思います。そのことは御認識を変えていただきたいと考えています。

 いずれにしても、我々の過去十何年にわたる不法投棄未然防止事業で得られた成果を含めて、不法投棄の問題についてお時間をいただければ次々回ぐらいにお話をさせていただこうと思っています。

 以上でございます。

○細田座長  不法投棄に関しては不法投棄対策、あるいは離島対策事業等でいろいろ御協力いただいている事実もありますよね。

○伊藤委員  はい、そのとおりであります。

○細田座長  ありがとうございました。

 それでは、高橋委員は何かございますか。

○高橋委員  高橋でございます。

 私からでございますが、費用回収に関しての検討会を設置していただきたいというような要望なのですけれども、我々が主張しているのは製品内部化といいまして、蔵出しの段階で製品にリサイクル料金を、いわゆる原材料といったものと同じような位置づけで、そこに加えていただき、私どもに出荷してもらいたいということを要望しているわけでございます。その件については最後の論点、メリット・デメリットを整理された中においては議論されてこなかったということがございます。

 平岡委員等からお話があった、20年続けてきてうまくいっているのに今さらひっくり返さないでほしいというようなことなのだろうと思うのですけれども、私ども今の方法が本当に、なるほど、そうかということで納得がいけば、それはそれでしっかりやっていかなければならないと思ってはいます。しかし、何しろメリット・デメリットも含めて私どもが主張しているものについても、きちんと議論されていないのではないかと思います。ですから、いつまでたっても費用回収の議論がこの20年間ずっとくすぶっていると言うと語弊がありますけれども、結論が出ずに来ているということがありますので、何か一定の結論を導き出していただきたいという意味においても別途検討会を設置して、その中でしっかり議論をしていくことが必要なのではないかと要望させていただいたということでございます。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 私の記憶は若干違っておりまして、後で事務局のほうに調べていただきますが、このまとめのペーパーとは違っていて、今高橋委員がおっしゃったことも議論したのではないかと思っております。リサイクル料金をコストに含めるとしたらその分税金は当然掛からないわけで、ところが、それができない。そうするとどうするかというと、コストにも掛からず利潤の中からコスト分として税金が掛かってくる議論はさんざんやったと私は思っております。そうするとその部分で非常にゆがみが出てきてしまうという議論も、だから私はいい悪いと言っているのではなく、そういう議論をした記憶がございますので、その辺調べさせていただきまして、また事務局のほうで少し詳細な材料を提示させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、吉田様。リユースに関して大塚委員から質問がございました。

○吉田説明員  吉田から御回答いたします。

 先生からの御質問については、修理の促進が考えられないでしょうかという御質問だったと思います。これは我々個社の回答になってしまうのですけれども、実は前回の審議会の中で先生の修理のお話はすごく興味深く伺っておりまして、そういったことも今後やっていくことに対して価値があるのではないかと考えているところでございます。当然リユースも含まれるのでしょうけれども、新品を販売する、中古を販売するところと同時に、修理というところも今後考えていきたいと考えております。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 引き続き質疑を続けさせていただきます。それでは、崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員  崎田です。ありがとうございます。今お伺いした資料それぞれに一つずつ、発言をさせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

 資料2で、最初事務局からお話しいただいた中で、エアコンの回収率をしっかり上げて、フロンの回収を徹底させるということに関して温暖化対策上重要だということで、温暖化対策計画の中にもしっかりと文言を入れていくというお話がありました。私はこれには賛成します。大変重要だと思います。

 なお、文章の中に普及啓発等で進めていくというように書いてありますが、もちろん普及啓発とか、前回の話にあったようなインターネット広告にうまく対抗するとかいろいろなやり方がありますが、それだけではなく工務店とか、あるいは解体業者とか、アパート経営者とかいろいろな方の協力でしっかりやらなければいけない分野だと思いますので、検討会を立ち上げるときには、できるだけ幅広い関係者の方からお話を伺いながら対策を検討していただければと思っています。よろしくお願いします。

 その次は家電製品協会からの御発表で、再商品化に関して真剣に取り組んでいただいているというのが大変よく分かりました。質問させていただきたいことは、最後のページにあります環境配慮設計の継続推進や再生材の積極活用という中で、いわゆる再資源化したものをもう一度家電製品に活用するという、資源を明確に戻していくという流れが今何%ぐらいできているのかうかがいたい。そんなに多くはないのではないかと思いますが、例えば消費者が再生材を活用した製品が欲しいという方向性にきちんとなれば、もっとしっかり使っていただけるのか。現状と将来の見込みをどのように考えておられるか教えていただきたいと思いました。

 その次が量販店、大手家電流通協会の皆さんの御発表で、最後にリサイクル費用の回収方式に関する要望が出ていました。これに関しては、これまでの見直しのときに毎回真剣にお話合いをしてきていますが、今回も丁寧に出てきておりますので、それなりにこの全体会の中でもきちんと話し合っていくという流れは必要なのではないかなと思いました。

 最後に、株式会社ヤマダホールディングスからリユースに関してお話がありました。これに関してちょっと質問させていただきたいのですが、これまでもリユースは大変重要だということで、小売店がリサイクルとして現場で受け取らずにリユース品として受け取る場合のガイドラインをこの制度の中でつくってきましたが、そのガイドラインが使いにくいということでしょうか。どの辺をもっと変えたほうがリユースしやすいとか、そのような御提案もあるのかと思いますが、現状のシステムをどう改良したらいいのか、あるいは新しくしたほうがいいのか。何かその辺をもう少し具体的にお話しいただければありがたいなと思いました。よろしくお願いいたします。

○細田座長  ありがとうございました。では、大石委員、どうぞ。

○大石委員  ありがとうございます。

 最初の意見は、既に大塚委員、それから崎田委員からお話があったことと重なるので簡単にしますが、今後エアコンの回収率を上げることがフロンの回収率を上げることと大変密接につながっておりますので、国交省関係も含めてなるべく多くの関係者に入っていただいて、いかにエアコンの回収率を高めるかということを、ぜひ早急に検討いただきたいというのが1点目です。

 2点目として伊藤委員のお話の中で、これはちょっと質問なのですけれどもリサイクルの高度化という場合に、例えばバイオマス・プラスチックなどが今後使われた場合、それがどのようにリサイクルの高度化に影響があるのかというのが少し気になりましたので、そこを教えていただければと思いましたのが2点目です。

 それから高橋様の御発表の中で義務外品のことを自治体担当品というように呼んでいるというのは、確かにそのほうが消費者には分かりやすいなと思いました。この点については全体としてこういう呼び方をどうするかというのも、例えばこの審議会の中でも話してもいいのではないかなと思いました。

 それと10ページのところにいろいろ要望がありまして、1番の電子化ですとか、3番の有機ELの対象品目化というのはまさしくそうだなと思ったのですが、2番目の個人情報についてですけれども、もし個人情報を載せなくてもPOSデータなどで十分可能であるということであれば、それは消費者側としても出したいものではないので、本当にどこまで実際的な可能性があるのかということ。これはどちらにお聞きすればいいのかちょっと分かりませんけれども、可能であれば是非実行してほしいなと思ったのが感想です。

 最後、株式会社ヤマダホールディングス様、皆様先ほどから御発言がありますけれどもリユースということについて、一方、今はデジタルプラットフォーマーのCtoC製品の行き来というのがありまして、これも言うなればリユースだと思うのですけれども、その辺りとのすみ分けみたいなものはどのように見ていらっしゃるのかというのも、もしお話しいただければと思いました。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。それでは、川村委員、どうぞ。

○川村委員  ありがとうございます。

 この制度のリサイクルについて消費者の意識を高めるという部分では、現状では、自分が買い替えるとき、あるいは必要なくなって排出するときに、リサイクル料金はいくらですよという提示をされるのです。その制度では、なかなか一般消費者にリサイクル料金ということを理解していただくのが難しいのかなと思うのですけれども、どうしたらいいかというと、私が思うには製品を購入するときに、この製品のリサイクル料金はいくらですということを、比較できるようにしておくべきだなと思っているのです。

 そのためには、リサイクル料金そのものも今一律で、例えば冷蔵庫ですと170リッター以下がいくらですよということになっていますけれども、先ほど家製協の方の説明でもありましたようにガラストップの冷蔵庫であるとか、そういうものはリサイクルに相当手間がかかっていると思うのです。そうだとしても、現状ですと引き取るときには170リッター以下、何百リッター以下で通常のスチールの冷蔵庫と同じリサイクル料金で処分されているかと思いますけれども、そこに差があってしかるべきだと思うのです。消費者は製品を選ぶときに、ガラストップはきれいだけれどもリサイクル料金はこれだけ高いのですねということを意識して製品を選ぶところの消費行動に変えていかないと、なかなかDfEも進まないのではないかなと思います。そのためにも先取り、あるいは内包式、いろいろあると思いますが、排出するときにお金が決まるのではなくて、事前に分かることが大事なのかなと思っています。よろしくお願いします。

○細田座長  ありがとうございました。それでは、大熊委員、どうぞ。

○大熊委員  ありがとうございます。私のほうからは1点の御質問と、1点の意見ということで発言させていただきます。

 まず質問のほうなのですけれども、家製協のご発表の中でDfEの取組ということで、ここ10年で非常に取組が進んできたということを聞きましたけれども、このDfEの取組によってかなりリサイクルコストの削減がなされたのではないかなと思うのです。これもリサイクル料金に関連していくことなのかもしれませんが、DfEの進歩というのですか、改善によってどれぐらいのコストの削減に寄与したのかといったところがもしあれば、ざっくりでも結構なのですけれども、合理化のコストの違いが出たのかということが一つの質問でございます。

 あと意見でございますけれども、これは全国市長会の桂川委員ですとか、家電流通協会の高橋委員からも出ております前払い金についてのお話でございます。確かに不法投棄が非常に減ってきたということでありますけれども、自治体側の立場からしますと依然として不法投棄がなくならないことも事実ですし、さらにいまどき、違法回収業者にいろいろな家電のものが流れている。その先で適正な処理がなされているのかどうかも分からない。ましてや、これから先ほど出たエアコンを適正なリサイクルルートのほうに乗せていかなければいけないということでありますので、そういったことも含めて消費者、あるいは市民の立場からすれば新たにリサイクルの料金がかかるというよりも、既に前払いで料金が含まれているということであれば、より適正にリサイクルをする方向に消費者行動としてもいくと思いますので、ぜひ再び検討をするということでお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、村上委員、どうぞ。

○村上委員  ありがとうございます。村上です。コメントを二つだけです。

 まず一つ目ですが、さっきからたびたび出ている料金方式の件で、検討されること自体はいろいろあるのでよろしいのではないかと思います。その中で、料金の話に関しては、先まで考えていろいろやらなければいけないと思っていますので、例えばですけれども、家電であっても最近サブスクだとかなんだとか出てきているといった感じで、状況が結構変わりえるのかなと思います。ですので、検討していただく際にぜひいろいろなシナリオを、割と極端に振り回しても大丈夫なぐらいというつもりでやっていただきたいなと思います。どうしても今の問題を見てしまいがちだと思っているのですが、特に前払いにするという話になるとしばらく先まで見ないと話にならないと思いますので、長期的なシナリオみたいなものを踏んで御検討をお願いしたいと思いましたというのが一つです。

 もう1点ですが、リサ券の電子化の話があったと思うのですが、それ自体うまくいくならばよろしいことだと個人的には思っているところですが、リサ券の電子化は多分全体的な電子化というか、DXの話の一部なのであって、もっと全体的にそういう話を進めていくことでどういうメリットがあって、デメリットがあってみたいな整理をきちんとしていただきたいというのが一つと、それと併せて家電専用のシステムをつくりますというのではなくて、できるだけ資源循環全体で共有できるような考え方とか枠というのを踏まえながらその一部としてのリサ券の電子化みたいな検討をしていただけるとよろしいのかなと思った次第です。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、回答していただきます。まず環境省、経済産業省にお答えいただき、それから家製協に質問がありましたので伊藤委員、そして吉田様にもお答えしていただきたいと思います。

 それでは、環境省のほうからお願いします。

○小早川補佐  環境省からは1点、エアコン回収率向上のための検討会に関して何人かの委員からアドバイスをいただきましたので、その御意見を踏まえながら多様な参画を得て早急に検討してまいりたいと思います。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 次は経産省のほう、お願いいたします。

○廣田補佐  経済産業省です。

 大石委員から個人情報に関することと、リユースに関してCtoCのすみ分けに関すること、また村上委員からサブスクリプション事業に関することについて御意見がありました。

 まず個人情報について申し上げさせていただきますが、一昨年、経済産業省の委託調査におきましてPOSデータで個人情報を小売業者において管理している場合に、リサイクル券の券面で個人情報の記載を省略することができるかということについて調査を行いました。結論から申し上げますと、POSシステムが整備されている小売業者では個人情報の記載をしなくても、何かある場合に排出者にアクセスして、例えばリサイクル料金を返金する等、しっかりと応答義務を果たすことができるだろうという結論を、暫定的なものですけれども得ております。さらに検討を進めて省令改正等やっていきたいと考えております。

 また、CtoCに関すること、サブスクリプションサービスに関すること。簡単に申し上げると、商品の流通形態が変わっていることがありえることなのだろうと思います。CtoCという意味では、家電リサイクル法は業として家電4品目を消費者に売る場合に回収の義務がかかる仕組みになっておりますので、例えば知り合い同士で家電4品目をやり取りする場合には適用されません。しかし、CtoCのシステムを使って業を行う方も中にはいますので、ネット販売の一つとして、場合によっては追いかけていく必要があるのかなと思っております。

 また、村上委員からサブスクに関して御発言がありましたけれども、サブスクは通常、所有権を消費者に移転せずに事業者の側が保持したまま貸すという事業であると認識しております。これはリースと同じような仕組みでして、基本的には事業者が産業廃棄物として処分すべきものなのかなと思いますが、いずれにせよ、このような事業者にも家電リサイクルルートを利用してもらうことが必要なのかなと思っておりまして、村上委員の将来の市場を予想しながら議論すべきであるということには事務局としてもその通りではないかと思います。

 経済産業省からは以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 それでは、家製協の伊藤委員。崎田委員、大石委員から質問がありましたので、よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員  それでは、お答えさせていただきます。

 まず崎田委員から、再生材利用のパーセントについて御質問がありました。これについては、まだ現状ではそんなに大きな割合になっておりません。我々としては少しでも多く再生材を利用したいと考えています。

 ただ、先ほど申し上げたように再生材の利用には二つのファクターがありまして、一つは再生材の品質を上げることが非常に大事でありまして、この品質を上げるためにはリサイクルの効率化・高度化が大きなファクターとして出てまいります。もう一つは設計との兼ね合いでありますが、再生材をなるべく利用できるような設計にしていく。このような双方からの改善が相まって再生材の利用が伸びていくのだろうと思いますし、我々もその努力をしてまいりますが、先ほど例示で示した部分でお分かりのように、まだまだなかなか商品性のあらわれる場所では使いにくい部分がありますので、そういった制約の中で何とか再生材を利用していきたいと考えています。十分なお答えになっていませんが、崎田委員にはこういうことでお答えさせていただきます。

 2番目に大石委員からの御質問で、バイオ・プラスチックを使ったらどうなるかという話がございました。現在、家電製品のプラスチックは機能性プラスチックで、いろいろな機能を要求されるもので、バイオ・プラスチックの現状について十分把握しているわけではありませんが、なかなか我々の求める性能水準には達していないのではないかなと思っています。そのため、家電製品にはバイオ・プラスチックは現状では使われていませんが、今後使う可能性もないとは言えません。当然バイオ・プラスチックの場合、再生するかどうか。生分解性プラスチックなものですから、そのまま廃棄して自然に返すほうがいいのかもしれません。ここら辺は今後全体の中で検討されるべき内容ではないかと考えている次第であります。

 最後に、大熊委員から御質問ありましたDfEの話で、これでどのくらいコストが下がったのかということであります。これもなかなか定量的な評価はできませんが、明らかにDfEだけで全てを律することはできませんが、リサイクル料金が過去20年の間に下がってきている一因は、このDfEの影響も当然出てまいります。ただ、先ほど申し上げたようにDfEによるリサイクルのしやすさと商品性とのトレードオフの中で、コスト削減との兼ね合いはなかなか一概にははかりにくい部分があります。ただ、我々としては先ほど申し上げたようにDfEは今後も進めていきたいと、かように考えている次第です。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、吉田様にも質問が来ておりますのでよろしくお願い申し上げます。

○吉田説明員  2点質問いただいていると認識しております。

 1点については、リユースのガイドラインの話だったかと思います。こちらについては二つのガイドラインが存在すると思いますが、使い勝手等々については問題がないのかなと思っております。ただ、どうしてもリユースできずに、すり抜けるものがあるのと、あとは、これはリサイクルされるべきものであると判断されたものも含めて、我々としては製造業者さんに引き渡している状況でございます。ここのところにリユースを促進するに当たってどのようなポテンシャルがあるのかというところは、正直見えかねるところがありますが、目視やいろいろな経験値から見るといろいろありそうだというところがございますので、こういったところを一旦、何らかのデータを取ったら有益なのではないだろうか。リユースを促進するに当たって有益なのではないだろうかという考えが一つございます。

 もう1点、先ほど経済産業省からも御回答があったかと思いますけれども、CtoCの話をこちらにもされたような認識でおりますので御回答になりますが、CtoCとのすみ分けのことを御質問されているのではないだろうかという認識です。これについては特に今回のような家電リサイクル4品目というのが、どちらかというと個人間のCtoCのトレード的なものに向かないものなのではないかなと思っていますので、そういったものについては我々のような足回りを持っているところでやるほうが、より促進されるのかなと思います。一方で、もちろんCtoCが発達することについては、これはこれで当然よいことかと思いますという御回答になろうかと思います。

 すみません、的を射ているかどうか不安ですが、以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、また御意見、御質問を受けたいと思います。まず大塚委員、どうぞ。

○大塚委員  二言だけ申し上げさせていただくと、前払いの問題も私も前から主張していましたが、さっき細田座長がおっしゃったように一つの問題は、メーカーのほうの計算でやっていただくことにした場合に、徴収したリサイクル料金に税金を掛けないことにしないとメーカーのほうは一定期間経過後にリサイクルをしようと思っても料金が残っていないという問題になるのですが、これについて課税しないとすると、財務省の決断の問題になってしまうのです。ドイツはリサイクル料金について課税しないことをやっていますが、もし前払い方式を取るならわが国でも税金を財務省が取らないということが結構重要になってくる。先ほど細田座長がオブラートに包んでおっしゃらなかったことが問題になってくることを一言、ちょっとお話しさせていただきたいと思います。

○細田座長  ありがとうございました。

○大塚委員  もう一点だけ、さっき伊藤委員にお伺いした大型パネルのテレビに関して再商品化率を下げるのではなくて、むしろリサイクル料金を上げることを考えてほしいということがあります。皆様似たようなことをおっしゃっていただいたのですけれども、むしろリサイクルしにくいものであればリサイクル料金を上げる方向で考えていただきたいのですが、その辺のお答えをいただいていないと思いますので、もしできたらお願いします。

○細田座長  失礼いたしました。

 それでは、ちょっとここで伊藤委員に今の点、大型パネルでリサイクル料金を上げたらどうだという話です。どうぞ。

○伊藤委員  大塚委員から非常に勇気づけられる御意見をいただきましたが、はたして、リサイクル料金を本当に上げていいのかどうか。我々としては上げたときに、きっと二つの問題が起こると考えております。

 一つは、消費者からなぜリサイクル料金を上げるのだという疑問が挙がること。これは当然であります。そのときに我々としては、こういうガラス製品を使ったからですと言うと、そんなものは使わなければいいというようにまた反論されてしまう。この辺りは、商品性とリサイクルの仕方の難しさの象徴だと思います。例えばこの審議会の皆さんが理解されたとしても、本当に消費者がそれで納得されるのかどうか。これはなかなか難しい問題と思います。一般的に我々としては、リサイクル料金を上げる方向で進めるのは難しいのではないかと考えております。

 以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。

 その辺はまた時間があったら違った場所でも議論させていただきたいと思いますが、それでは、石川委員ですが、Web会議システムの音声トラブルのようですので、事務局が代読してください。

○廣田補佐  代読させていただきます。

 今後、特に重要なことは、エアコンの回収率を上げて正規ルートでの処理量・率を上げることだと思います。このためには静脈の入口及び処理に対する対策と、動脈の出口対策の両方を進めることが必要であり、有効だと思います。これまで見えないフローを調べて対策してきた体験からは、静脈サイドからヤード事業者などに対する規制を強めることなどが重要ではないかと思います。静脈サイドとして、昔から分からなくて困っていることとして産廃の処理に関する情報があります。この点に関しては可視化されている部分が余りにも少ないと思います。これまでのアプローチとは違う方策を考えていただきたいと思います。排出側としては可能性のあるルートを個別に特定し、制度に関する知識の普及と協力を得る活動が有効であったと思います。

 エアコンは他の家電製品と異なり、消費者自身で設置が難しい、ホテル、賃貸住宅等で、使用者と所有者が異なる場合が他の家電製品よりも多い。所有者と使用者とが異なる、例えば家屋解体事業者、リフォーム事業者などが関わるケースもあるなどの特徴があるので、これまで対象としてこなかった関係事業者に対する知識啓発、理解促進を進める余地があると思います。また、電子化をぜひ進めるべきだと思います。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。続きまして、河野委員、どうぞ。

○河野委員  ありがとうございます。私から二点、申し上げたいと思います。

 一つは、場にそぐわない質問かもしれないですが、前払い・後払いの問題で、私がよく分からないのがタイムラグの問題なのです。要するに買ったときと、例えば10年ぐらいずっと使っていて出すときに、買ったときのリサイクル料金と出すときのリサイクル料金。ついこの前、私も洗濯機を買い替えたのですが、あれ、こんな料金になっているのだと思ったことがありました。多分この辺の計算の仕方とか反映の仕方も、今後前払い・後払いを検討するときに製品価格への内部化ということも含めて、分かりやすい形で比較検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 二番目は、この前の会議のときに指摘させていただいたのですが、石川先生もおっしゃっているようにヤード業者への対応は、引き続き見えないフローということで非常に重要だと私は思っています。というのは、こんなけしからん業者がいるということを実際に記事に書くと、その直後、その業者は家電4品目を扱わなくなるのですが、インターネット上では物すごく派手な宣伝をしていて廃家電を引き受けるみたいなことを言っているとか、業界内では非常に有名な悪質業者ということが実際にあるのです。ですから、これは何で重要かというと、細かいように見えるかもしれませんが違法輸出につながってくるので、国際的にバーゼル法との関係で気をつけていかなければいけないところです。そこの実態調査と把握というのは引き続き気にしなければいけないと思います。

 特に、有害使用済機器の保管処分を業として行う場合の届出制が環境省所管であるのですけれども、この制度の見直しも必要だと思っています。有害使用済機器の保管処分という名称からしても何か変だし、位置付けが非常によく分からないなと思っている点もありましたので、実態把握と併せてその辺も引き続きお願いしたいと思います。

○細田座長  どうもありがとうございました。一番目の論点は勘違いでも何でもなくて、非常に重要な論点でございますので、後で検討会をつくるか、議論をするか。どちらにせよ議論させていただくことになると思いますが、例えば自動車リサイクルの場合は前払いでございます。メリットもありますし、デメリットもあります。ただ、我が国ではよく熟知しておりますので、そういうことも踏まえた上で今の河野委員の御質問に関してはこちらでお預かりして、材料を出させていただきますので、そのときにまたよろしくお願い申し上げます。

 その次、吉岡委員、どうぞ。

○吉岡委員  吉岡です。ありがとうございます。

 一つは御質問という形なのですが、環境省の資料の中でエアコンを含めた回収率のグラフがありましたけれども、買替えを伴わない場合の販売数の中で集合住宅等にエアコンが設置された状態で販売されていますが、その辺は数として把握された上での回収率になっているかどうかというのが質問です。

 あと一つ、意見としてリユースは非常にいいと思います。私、3年半ぐらい家電のリサイクルプラントにおりましたけれども、壊れて捨てているのではなくて、新しい製品で新しい機能のあるものに買い替えているので、壊れていないものがかなりリサイクルプラントのほうに入ってきています。海外のお客様などを御案内すると日本は何てもったいないことをしているのだと言われますけれども、かなり新しいものが出てきている。ただ、リユースの市場があれば需要は当然あると思いますので、先ほどリユースの御意見が株式会社ヤマダホールディングスからありましたけれども、そういったものをもうちょっと定着していけるようになるといいのかなと思いました。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 続きまして、河口委員、どうぞ。

○河口委員  ありがとうございます。

 ちょっとずれているかもしれないですけれども全体のお話を伺っていて、いろいろと新しい技術が出てきているのでリサイクル対象として検討する製品は、モグラたたきのように次から次へと出てくる。非常に苦労話を伺って大変だなと思う反面、モグラたたき的にやっていると道路工事のイメージがあるのですよね。ガス管のためにとか、何とかのためにとパッチワーク的に常に穴を空けていて、いつも凸凹しているというのがうちの周りの道であるのですけれども、そうやって一つ出ると埋めていくという方向でやっておられる。今までは家電4品目で、それでもよかったのだろうと思うのですけれども、パブリックコメントなどでもありましたように、これから家電が融合されてパソコンとテレビがどんどん一緒になってきているような世の中で、パソコンはパソコンリサイクル法で、これはこっちみたいな細分化されているままにやっていくのをどこまで続けるのか。

 私、個人的に今度加湿器をごみに出すのですけれども、そうすると新宿区のホームページを見て、加湿器はどうするのだと調べてやらなければいけない。不法投棄の問題に関しても、何が正しいか分からないよねと、一般の人だったらそう思うと思うのです。何かもうよく訳が分からないから出しちゃおうかみたいなことにもなる。家電リサイクルの仕組みというのはもうちょっとシンプルにやってくれたら、入り口が一つになってくれたらいいのにな、というのが素朴な消費者の考えだと思うのです。そういうことがもっとシンプルになれば、不法投棄をしたいというインセンティブが減る。だけどやり方がよく分からなくて、何をどうすれば分からないから、えいや、といって捨てちゃうみたいな、そういう動機も多いと思うのです。

 先払い・後払いの話もありますけれども、よく訳が分からないから捨ててしまう。これは制度を構築した自治体だと不法投棄は少ないよということにも通じると思うのですけれども、これからもうちょっとロングタームビジョンということで、最終的にはいろいろリサイクル的なものが融合されるような設計というものを少し考えるのは現実的でないのかなと思いながらも、是非そういう発想が必要かなと思いました。

 それからリサイクル料金に関しては上げるのは難しい。消費者の認識は難しいというお話があって、確かにそう感じる一方でレジ袋が有料化されて、今度使い捨てのスプーンとかフォークも有料化だということになっていて、いろいろと反発はあるものの、もう今はそういう時代ではないかというようにある程度みんな納得もしてきているので、いかにうまくコミュニケーションするかということなのですけれども、リサイクルするにも資源というのは有限で、それをまた丁寧に使えるようにするためには手間暇、金がかかるのだよということをうまく伝えていけば、その代わりリサイクル料金は高いから大事に使おうとか、リサイクル料金を上げていこうみたいなプレゼンテーションをすればよいのではないかなと思いました。

 あとリサイクル・プラスチック、いろいろと工夫されてつくられているのですけれども、白いところに黒が混じるからなかなか難しいというお話もあったのですが、これも発想を変えてリサイクル・プラスチックってそういうもので、黒いプチプチがあってもいいではないかと。もう既にアディダスがリサイクルされた漁網でつくったバスケットシューズは3万円ぐらいするという例があります。リサイクル品ですから色とか必ずしもきれいでないし、混ざっているけれども、でもそういうものだから1足3万円で売れていることを考えますと、今までのように完璧にきれいにしなければいけないだとか、機能がよかったら、それはまたデザインで別な次元で付加価値をつけるとか、そういう発想もこれからのサーキュラー・エコノミーという枠組みでは必要になるのかなと思いました。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 それでは、伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員  河口さんの非常に勇気づけられる話をお聞きしまして、我々としてはリサイクル料金を上げても、あるいは新しい発想に立って少しくすんだ色でも皆さんに買っていただけるならばそれに越したことはないですが、一般的にはなかなか難しい。うまい宣伝をすれば、特定の品目についてはトピック性がありますが、現実問題、年間数千万台を売る商品において、しかも値段が高い商品について、くすんだ色ときれいな色の商品が出たときに、皆さん黙っていてもきれいな色の商品を手にするのが人間の常ではないかと思います。我々としては、そういうことは抜きにして再生材こそ一番いいのだというように皆さんの意識が変われば、それに対応したリサイクルの仕方というのがあるだろうと思っています。

 それから一つ、リサイクル体系がいろいろと分かれているという話がよくありますが、最初に家電リサイクル法の法体系を作ったときの、リサイクルにおける最大の課題の一つと私が思うのは、誰が廃棄物を回収するか。この部分が肝なのでありまして、今家電4品目は通常の場合、新しい冷蔵庫を持って行って、古い冷蔵庫を引き取って来るという形で、家電店に廃家電が集まってくる。こういう流れがあるから今の体系ができています。しかし、例えばパソコンを例にとれば、新しいパソコンを買うときに、古いパソコンを販売店に持ってくるということが起こらない製品は回収の体系が違う。そういう体系の違うものを一緒にしようと思っても、これはなかなか一緒にできないことがあります。その点は十分御検討いただきたい。回収からリサイクルをしていく流れを含めて、別のときにまた皆さんで御検討いただけると思いますが、理想と現実の姿に違いがあるなと思っております。

 以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 時間も迫ってまいりました。回答をいただきたいと思います。まず環境省からお願いいたします。

○小早川補佐  手短に答えさせていただきます。

 回収率向上のための対策ということで、ヤード業者、産廃業者、有害使用済機器届出事業者の対策をしっかりするべきというところ、御指摘を踏まえまして検討会でしっかり検討していきたいと思ってございます。

 環境省のほうからは以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。

 経産省、どうぞ。

○廣田補佐  経済産業省でございます。

 河口委員から御指摘いただいたのは、制度間でいろいろ差異があって消費者からすると分かりにくいので、例えば不法投棄みたいなことをしてしまうのではないか。簡単に言うと制度間の違いであるとか、似たような製品、PCのモニターとテレビとがかなり近いものになっている。そういう分かりにくさみたいなところを解消できないかということなのかと思います。もちろん制度間の違いというものはあって、伊藤委員が御指摘のとおり回収システムによる違いもあります。それから製品間の違いということもあろうかと思います。

 いずれにせよ、いろいろな原因がありますので、そういうものをどこまで乗り越えられるのかということも、もちろん現状の制度を前提にしたとしても分かりやすく広報するとか、できるだけアクセスをよくすることを検討していくべきなのかなと思っております。

 私からは以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 山本委員は手を挙げられていたようで、すみませんでした。では、山本委員、どうぞ。

○山本委員  ありがとうございます。山本です。

 先ほどから伺って、料金の話、非常に関心が高いと改めて思っているところなのですけれども、座長がおっしゃられたと思うのですが、これまでいろいろな経緯があったということや、私のほうでも改めて知ったこととかいろいろあるのですが、今後、これまでの経緯を何らかの形で取りまとめいただけるような雰囲気に受け取りました。今回39回目の審議会ということですけれども、これまで議論されていないことは別かもしれませんが、ここまで議論がありましたよねという共通理解が次の検討のスタートになるような気もするのですけれども、そういったことを今後何か取りまとめていただけるような理解でよろしいでしょうか。

○細田座長  私としては、そういうつもりで発言させていただきました。私は家電リサイクルになぜか初めから関わっているわけで、長い、長い議論を積み重ねてきました。その中でかなりの時間を、料金支払いについて話したと思います。もういろいろな紆余曲折がありました。先ほどペーパーが1枚ありましたけれども、あれはかなり簡単にまとめたもので、議論を全てピックアップすると相当のやり取りがなされたと思いますが共通理解のため、ちょっと事務局は大変かもしれませんけれども、それをできるだけ集めて整理をして、皆様に共有していただきたいと思っています。ただでさえ事務局は忙しいのに、座長がまたあんなことを言っていると多分思っているでしょうが、でもそれが霞が関の役割であることを十分御理解いただいて、今山本委員のおっしゃった方向で進めさせていただきたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

○山本委員  ありがとうございます。それで先ほどあった自動車のほうが前払いということで、その辺りのメリット・デメリットも、共有事項に含まれると非常にありがたいのですけれども、事務局には御苦労をかけるなということです。

○細田座長  それは別の組織といいますか、今自動車のほうは自動車リサイクル促進センター(JARC)とか、あるいは自動車リサイクル高度化財団(J-FAR)ができておりますので取りまとめはそちらにお願いすることもできるし、違うセクションが経済産業省の場合はありますから多分大丈夫だと思います。どこまでできるかちょっとお約束はできませんが、それも材料として出したいと思っております。

○山本委員  ありがとうございます。楽しみにしております。

○細田座長  ありがとうございました。

 終了時間が迫ってまいりました。ここであえて何か御発言という方はいらっしゃいますでしょうか。――よろしいでしょうか。ありがとうございました。ここで質疑を終了させていただきたいと思います。まだ十分に御意見を表明されていなかった方は、会議終了後に事務局に御連絡していただきたいと思います。

 それでは、議題4「今後の審議の進め方について」、事務局から御説明をよろしくお願い申し上げます。

○廣田補佐  経済産業省でございます。

 次回、7月上旬に開催予定でして、ヒアリングの2回目ということで関係者の皆様に、また今回のように御意見をいただく機会を設けたいと考えております。日程については別途調整させていただきます。次々回以降、論点整理と、また個別論点に関する議論ということを審議していきたいと思っておりまして、ヒアリングは次回で一応区切りとなります。また、ほかにも御意見を述べたいという方がいらっしゃいましたら、8月以降になる予定でありますけれども、論点整理と個別論点に関する議論のところで伺いたいと思っております。

 また今日、料金制度に関して事務局側に宿題というか、取りまとめに向けた方向性ということで重く受け止めております。その辺りは努力していきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 私からは以上です。

○細田座長  ありがとうございました。

 本日も委員の皆様方から大変貴重で有意義な御意見を多数賜りました。ありがとうございました。終了時刻を若干過ぎてしまいましたので、本日の説明、質疑応答はここまでとさせていただきます。

 ここで中央環境審議会の田崎座長のほうから御意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○田崎座長  皆様、本日はいろいろな議論をいただきまして、ありがとうございました。再商品化の目標、回収の仕方、それから前払い・後払いの料金制度、リユース・リサイクルの両にらみの制度などといろいろな議論がありました。

 特に、料金制度についてはいろいろな意見が出たこと、それ自身がよかったと私自身は考えております。我々がさらにもう少し長所・短所を理解する必要があり、今度、資料が出てくるということですので、それぞれの制度の長所・短所を理解するとともに、それが今後の時代に、つまり、人口減少し、高齢化し、だんだんと買替えだけではない形の排出も多くなり、自治体による不法投棄の監視もしにくくなる中、また、市場が変わってインターネットの販売などがいろいろ変わっていく中、製品もデジタル化する中、どういった制度がいいのか。我々は思考停止することなしにきちんと考えていく。これが大切だと思っておりますので、そのような場になればと思っております。

 それからリサイクル・リユースの両にらみの制度。今回株式会社ヤマダホールディングスから提案がありましたけれども、やはり新しいチャレンジというものはきちんと後押しして、その中でまた我々がいろいろ学習していく。社会学習していくことも大切だと思っております。本日は多様な意見が出たということ。それ自身、私としてはよかったと思っております。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 最後に、私のほうからも総括してコメントを三点です。

 まず第一点目、料金徴収方式に関しまして皆さんから貴重な意見を賜りまして、ここは私たちがよいシステムをつくるためには共通理解が必要であろうと思いますので、今日いただいた意見はいろいろございましたが、それを受け止めてより発展させていきたいと思っております。

 それからこのシステムをフルに機能させるためには、伊藤委員もおっしゃいましたけれども、いかに回収するかというのがリサイクルなりリユースなりを進めていくことの本当にポイントだと思っています。回収の効率性をどうやって担保するのかという点。これが非常に重要だと思います。

 三点目、これも皆様から今日貴重な意見をいろいろ賜りましたが、我々自身でもいかにサーキュラー・エコノミーに近づけていくかということは大なり小なりインプットして、それが使用済になって、再生資源化して、出口でつながっていかなければいけないわけです。ループになっていなければいけないけれども、残念ながら水平リサイクルはまだまだ高嶺の花ということになっておりますが、いかに水平に近づけていくか。必ずしも全部が全部、水平がいいとは限りませんが、ある程度ダウングレードもいいですけれども、その濃淡を考えてきっちりとした入り口と出口の接続ということ。そして河口委員がおっしゃったように、なるべくシンプルで分かりやすいほうがいいですよねということがあると思います。こういう点を大事にしながら今後も議論を積み重ねさせていただきたいと思います。

 以上、私のコメントでございます。

最後に、事務局のほうから連絡事項があればよろしくお願い申し上げます。

○廣田補佐  本日は御多忙中、委員の皆様にお集まりいただき、また大変数多く貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。

 次回は引き続きヒアリングを議題とさせていただきまして、特に自治体、消費者の立場から御意見を伺う予定としております。関係者の皆様、御協力よろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましても万障お繰り合わせいただきまして御参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、これをもちまして、第39回産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合を終了いたします。ありがとうございました。

<合同会合後の追加質問>

合同会合後に委員から寄せられた質問事項は以下のとおり。

〇大塚委員 

1.村上委員から、電子化について、家電専用でなく、資源循環全体の電子化がいいというご意見がありましたが、他の制度との一体的運用の可能性があるかをご教示ください。

2 資料2の14ページに、「プラスチックはリサイクルした場合の方が焼却した場合に比べてGHG削減効果が約3倍高い」とありますが、この根拠をご教示くださいますか。また、ここでいうリサイクルはマテリアル・リサイクルのことでしょうか。ケミカル・リサイクルは含みますか。

――了――