中央環境審議会循環型社会部会(第20回)議事録
日時
平成29年6月1日(木)10:00~13:00
場所
TKPガーデンシティ永田町 バンケットホール1C
議題
(1)第三次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ヒアリング)
テーマ:ライフサイクル全体での徹底的な資源循環(特に上流側や2Rに関する取組)
対象者:株式会社エアークローゼット
特定非営利活動法人中部リサイクル運動市民の会
株式会社リコー
株式会社竹中工務店
(2)第三次循環型社会形成推進基本計画の見直しについて(ディスカッション)
(3)その他
議事録
午前10時00分 開会
○企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。
委員の先生方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。私、本日司会を務めさせていただきます企画課長の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日、今現在で定足数を満たしておりますので、部会として成立しておりますことを御報告いたします。
まず初めに、前回の部会から委員の変更がございましたので、紹介をさせていただきます。
前回部会をもちまして佐々木委員が退任され、新たに大熊洋二委員が御就任をされております。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、本日ヒアリングをさせていただきますけれども、その関係でおみえになっておられる方々を御紹介させていただきます。
まず、株式会社エアークローゼット代表取締役、天沼聰様でございます。
特定非営利活動法人中部リサイクル運動市民の会代表理事の永田秀和様でございます。
株式会社リコーサステナビリティ推進本部の環境経営推進室長の佐藤多加子様でございます。
株式会社竹中工務店安全環境本部本部長付、笠井賢一様でございます。
同じく株式会社竹中工務店東京本店の安全環境部環境グループ長の高﨑英人様でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局を代表いたしまして、廃棄物・リサイクル対策部長の中井より御挨拶を申し上げます。
○廃棄物・リサイクル対策部長 おはようございます。委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
前回部会におきましては、次期計画の策定に向けた議論の一環といたしまして、多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化をテーマにヒアリングをいたしました。引き続き各主体に対するヒアリングを行わせていただければと思います。今回、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環として、特に上流側や2Rに関する取組につきましてヒアリングを行う予定でございます。本日はエアークローゼットさん、中部リサイクル運動市民の会さん、リコーさん、竹中工務店さんの皆様にお越しいただいております。本日はよろしくお願いいたします。
あわせまして、国の取組につきましても御紹介させていただきますので、次期計画策定に向けました議論をより一層深めていただければと思います。また、ディスカッションの時間も設けておりますので、委員の先生方におかれましては、本日も忌憚のない御意見をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
3時間と長い時間にはなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○企画課長 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。
次に、お手元の配付資料の確認でございます。議事次第の下に資料のリストがございます。本日は資料1から6まででございます。それから、参考資料1、2、3、以上が本日の資料でございます。また、委員の先生方の席上には現行の循環基本計画を配付させていただいておりますが、こちらのほうは終了しましたら、また机の上にそのまま残しておいていただければと思います。資料の不足がございましたら、事務局までお申しつけいただきたく存じます。
さらに、本部会終了後には発言者名を示した議事録を作成し、委員の先生方に御確認、御了解をいただいた上で公開をさせていただきます。
それでは、以降の進行につきましては、酒井部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも承りました。本日の議題、先ほど中井部長から御紹介がございましたとおり、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環、特に上流側や2Rに関する取組をテーマにヒアリングをさせていただきます。
資料1をお配りいただいておりますが、前回は多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化という観点でヒアリングをさせていただいております。それで、本日でございます。あと、今後ですが、第3回で適正な国際資源循環体制の構築、それから、第4回で万全な災害廃棄物処理体制の構築、加えて適正処理のさらなる推進といった形で今後ヒアリングが続きます。という中での本日でございますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
本日の進め方でございますが、エアークローゼットさん、それから、中部リサイクル運動市民の会、リコー、竹中工務店の順にそれぞれ15分程度で御説明をいただきまして、その後、一括して30分程度の質疑時間を設けております。最後に関連する国の取組について紹介をしていただくという順で行わせていただければというふうに考えております。
それでは、早速でございますが、まずエアークローゼットのほうからの説明をよろしくお願いいたしたいと思います。では、どうぞよろしくお願いいたします。
○株式会社エアークローゼット(天沼) 皆様、おはようございます。株式会社エアークローゼットの代表取締役、天沼と申します。よろしくお願いします。このような場にお呼びいただきまして、ありがとうございます。
資料2を御確認ください。
これは環境の中で我々エアークローゼットというサービスが今ちょうど2年ちょっとたっているんですけれども、直接的に例えばリユースですとかリサイクルですとか、そういったところに働きがけができるかというと、私はそうではないかなと思っていまして、どちらかというと、もう少し上流でして、例えば消費者のもの選びで無駄な買い物をしないですとか、無駄な消費をしないというところにつなげていけたらなというふうに考えております。
今日は15分というお時間なので、少し枚数が多いので、ぱらぱらと御説明させていただきますけれども、まず、私自身の背景なんですが、1ページめくっていただきまして、改めて天沼と申します。私は海外の大学を卒業してすぐ日本に帰国して、IT戦略系のコンサルティングファームに10年弱ぐらい従事をしておりまして、その半分が環境省さんも私はクライアントとして働かせていただいたりですとか、中央省庁様に対するシステムですとか、IT関連のコンサルティングをしておりました。その後、楽天株式会社に転職しまして、UI/UX、いわゆるユーザーインターフェースですとかユーザー体験の専門家としてグローバルマネジャーを務めさせていただいて、2014年7月にエアークローゼットという、日本で言ういわゆるベンチャー、スタートアップを起業いたしました。
ページをめくっていただきまして、我々エアークローゼットは何をやっているかというと、ファッションレンタルの企業でございます。国内最大級のファッションレンタルプラットフォームと書かせていただいているんですけれども、こちらはいわゆるファッションレンタルというと、これまでは恐らく思い浮かぶのがウエディングドレスですとか貸衣装ですとか、そういったものがファッションレンタルの中心かと思うんですけれども、我々は日本で初めて普段着にフォーカスをさせていただきまして、レディースに今は特化しているんですが、レディースのファッションレンタルをさせていただいております。
もともと私がこれを始めたきっかけなんですけれども、特に女性のライフスタイル、例えば働く環境の変化ですとか子育てママになって、例えばショッピングに行く機会が減ったりですとか、なかなかゆっくりファッション誌を見る機会がなくなっているですとか、そういった時間の使い方に大きな変化があるんじゃないかなと思いまして、その環境の変化に新しい価値が求められるんじゃないかなと思い、このサービスをスタートしました。特に今後、女性の活躍推進法も含めて、働く女性がより生活の中でファッションを楽しむ時間というのが減ってしまうんじゃないかなと思うので、我々はその部分をできる限り生活リズムを変えるわけではなく、我慢してもらうのではなくて、自然にファッションを楽しむ機会というのをつくっていきたいなと思います。
エアークローゼットと特徴としまして、まずオンラインのサービスでございます。オンラインで登録をするサービスで、かつスタイリストがお洋服を選ばせていただいています。こちらが通常、いわゆるレンタルと少し違うところなんですけれども、お客様がこれを借りたいと思ってレンタルするわけではなくて、我々のスタイリストがそのお客様に合ったお洋服というのを選ばせていただいてお送りさせていただいております。返却期限はなく、送料・クリーニング不要というサービスを月額制でさせていただいておりまして、気に入ったらそのまま購入ができる仕組みにしております。なので、目的はあくまでもレンタルというところにあるわけではなくて、お客様がわくわくする、感動するお洋服との出会い、最適なお洋服との出会いを体験する、そういったサービスになります。
なので、例えばこれまでeコマースが今隆盛してきておりますけれども、まだまだeコマースのEC化率と言われているものは十二、三%にとどまっております。それも今後伸びていくんですが、やっぱりeコマースで買い物をする際の最大の悩みとして、手にとってなかなか例えば質感がわからない、色味が思った色味じゃなかったとか、サイズが違ったので、結局買ったんだけれども、着ないでそのまま廃棄してしまった。年間の今概算ですけれども、国内のお洋服の廃棄量は33億着と言われています。その33億着を我々は両面、2面ですね。1つはお客様のしっかりとしたもの選びをしていただくという観点と、もう一点は我々が集めさせていただいたデータをもとにアパレル業界全体、アパレル産業全体の生産量の最適化に寄与できないかなというふうに考えております。こちらは後ほどもう少しお話できればと思います。
サービスの御紹介なんですが、9ページにステップがありまして、お客様はまずオンラインで御登録をいただきます。スマートフォンですとかPCで御登録いただくんですけれども、好きなファッションスタイルですとかサイズを登録いただきますと、数日後、我々のスタイリストが服を3着選ばせていただいて御自宅に郵送しています。それを好きなだけ楽しんでいただいて、着てからなので、普通のeコマースと違って、御自身が着てサイズもわかった上で買うことができるので、例えばサイズが合わなかったなとか、色味が全然違ったなというような買い物ではなく、しっかり納得をしてくださって買い物をいただけるんじゃないかなと思います。
ステップ4がそのまま返送用伝票が入っているので、ボックスに貼っていただいてお返しいただくと、数日後また別のボックスが届くと。ボックスが行き来するようなシェアリングのサービスでございます。いわゆるCtoCのシェアではなくて、もののシェアなんですけれども、BtoBtoCのシェアとして、我々がしっかりお洋服は管理、メンテナンスさせていただいた上で、皆様、消費者がお洋服をシェアするような形のサービスでございます。
18ページは、我々のお客様はどういったお客様がいるかというところなんですけれども、左下、20代後半から40代もしくは50代と幅広く女性に楽しんでいただいているサービスでして、右下は特徴的ですけれども、働く女性がやはり90%以上、ママさんが40%以上と共通して忙しい女性の方がサービスを楽しんでくださっています。
20ページに会員が少しちょっと数字は古いんですけれども、今、現状12万人強の会員と、ブランドが300ブランドほど入っております。
21ページ、我々企業のスタイルとしてまだ創業3期目に入ったところですので、まだこれからのサービス、会社なんですけれども、いわゆるスタートアップとして資金調達をしっかり実施して、それをサービスに投資して、消費者様によりよいサービスを提供していきたいというふうに考えております。主な資金調達元として、左上にあるTERRADA倉庫様に関しては60年の歴史を持つ倉庫会社様と組ませていただいていたりですとか、左下はお洋服のメンテナンスであるホワイト急便さん、日本最大のクリーニング事業者であるホワイト急便さんと組ませていただいたりですとか、月額制サービスなので、クレディセゾンさんと組ませていただいたりですとか、そういった事業者様と一緒にサービスをつくっております。
23ページ、我々がファッション業界全体にどういった貢献をしていきたいかなんですけれども、ここの左側はブランド様です。これは今現状300ブランド以上が我々のサービスにプラットフォームで参画してくださっています。右側が消費者様なんですけれども、消費者様には新しいお洋服との出会い、それから、購買意欲の向上としっかりとしたもの選びというのを提供したいなと思います。左側のブランド様に対しては、新規顧客開拓ですとかブランド認知度向上というところに寄与させていただいて、いわゆる架け橋に我々がなることでお互い双方が出会うべきして出会う、そんな体験をつくっていきたいなというふうに思います。
24ページに書かせていただいているのは、もう一つの私のもともとバックグランドがITというところもありまして、データを活用して業界全体、産業全体に対して何か寄与できないかというふうに考えているんですが、大きいものとして、我々はレンタルするお洋服3着をボックスに入れてお届けしているんですけれども、それをお貸しさせていただいた後に、実際に着用された感想をフィードバックとして全てアナログではなくデジタルのデータで集めております。これが数十万レコード、数百万レコードとレコードが集まっているんですけれども、その集まった情報を今現状、例えば人工知能の会社さん複数社と共同開発をしたりですとか、あと、データサイエンティストがデータを分析することで何がわかるかというと、今、消費者の分布、例えばサイズの分布ですとか、それだけにとどまらず、例えば消費者のファッション傾向の分布ですとか、いわゆる細かいセグメント、クラスタリングをしたお客様の分布がわかってくると思います。
アパレル業界全体がこれまで少し右肩下がりに消費傾向があったため、何をしたかというと、今特にレディースですけれども、生産に対して効率化を図るという事業者側のある種エゴなのかもしれないですけれども、サイズを絞っていくというところと、ある種、一型ずつの生産量を増やすことで生産効率を上げてきました。ただ、これは消費者様からの目線で見ると、恐らく例えばサイズがなくなってしまったお客様ですとか、デザインが画一化されていっているので、本当はもっとたくさんデザインを楽しみたいんだけれども、なかなかデザインがなかったりですとか、消費者からすると、あまりよい状況じゃないんじゃないかなというふうに考えておりまして、我々は消費者のクラスタリング、セグメンテーションがちゃんとわかると、それに対して生産量を当て込んでいくという生産の効率化じゃなくて最適化ができるんじゃないかなというふうに考えております。それによって、環境に対して、今現状33億着と言われている年間の廃棄されているお洋服の量というのを激減できるんじゃないかなというふうに考えております。
次のページ、25ページが我々のサービスの届けるべき価値なんですけれども、今は情報ですとかものというのが劇的に増えている中で、我々は24時間という限られた時間があります。その差に生まれてくるもの、求められるものは最適な出会いではないかなというふうに考えておりまして、増え続ける情報、ものに対して最適な出会い、ものとの出会いもそうですけれども、例えばグーグルさん、フェイスブックさんはその最適な情報との出会いというのを提供してサービス価値としております。我々は左上に書いておりますように、キュレーションという第三者がお勧めをするという要素と、セレンディピティという突然の出会い、いわゆる消費者の感性の外にあるものと突然よい出会いをつくるという、こういった体験を今つくっております。
次のページはメディアなんですけれども、我々は3年目の会社というところで、広告宣伝費をがっとかけて、このサービスを知ってもらうというところではなくて、消費者様に対してメディア、例えばテレビですとか新聞、ラジオですとか、30ページはWWDさんのようなファッションのメディアに取り上げていただくことで消費者様に少しずつサービスを知っていってくださっております。
31ページが徐々に我々が国内では先駆けだったんですけれども、それ以降も複数のレンタル事業者様というのがアパレルの中で出てきておりまして、そういった特集を組んでいただいたりですとか、32ページはいわゆるベンチャーという角度で、右上にシェアリングと書いてありますけれども、シェアリング、エコノミーのベンチャーの代表格として取り上げていただいたりですとか、33ページ、日経新聞なんですけれども、こちらはようやく私がすごくうれしかったのは、これは錦織圭さんが出ているので、昨年の10月ぐらいに日経新聞の1面で「シェアミレニアル世代」として、この写真は我々のサービスを御利用いただいているお客様の様子なんですけれども、ようやく矢野経済研究所さんとかも含めて、ファッションレンタル普段着に特化したファッションレンタルというものがいわゆる市場として、経済の経済圏として徐々に認められつつあるのかなというふうに感じております。これが広がることによって、私が目指している環境に対する未来として、先ほどお伝えしたしっかりとしたもの選びができる、それから、コーディネートを知ることでお洋服というのを長く楽しむことができる、その最上流の部分で寄与したいという部分と、データがお客様から我々はいただけるので、生産の最適化をしていきたいと、この両面を考えております。
少し最後に34ページ、シェアリングエコノミーに対する考え方と書かせていただいたんですけれども、いわゆる今、シェアリングエコノミーはたくさんのシェアリングエコノミーのサービス、UBERですとかAirbnbを含め出てきておりますけれども、特にさまざまなシェアリングエコノミーがございます。例えば空間のシェア、時間のシェア、もちろんスキルのシェアですとかお金のシェアも含めて、そのシェアがたくさんある中で特にもののシェアに関して我々は考えを持っております。
もののシェアに関しては、一番重要なのはつくり手がいることですね。このつくり手に対して例えば経済的還元もしくは情報等の還元がなければ、例えば35ページにあるとおり、ものをせっかくつくり手が生み出しても、共有のみを行って単に消費を制限してしまうと、つくり手がどんどん疲弊してしまうという、そういうエコノミーになってしまうんじゃないかなというふうに考えていまして、36ページに我々があるべきシェアリングエコノミーの姿として、シェアをする目的が大きくはつくり手にもお金もそうですけれども、経済的にも情報的にも還元をしていく、そんなエコノミーというのを築いていきたいなというふうに思っています。なので、社会貢献の仕方として経済的によいものが生まれるようにつくり手を支援しつつ、最適な人にものが出会って大切にされる社会づくりに我々は貢献していきたいなというふうに考えております。
すみません、ざざっと足早になってしまったんですけれども、エアークローゼットというこれまで日本になかなか恐らく概念としてなかったファッションレンタル、ファッションシェアリングの概念というのをお伝えさせていただきました。ここが直接的に例えば2R、3Rにどれぐらい寄与できるのかというところは議論のもちろん中心になってくるかと思うんですけれども、まずはサービスの御紹介と我々の思いというところをこういった場をおかりして御紹介させていただきました。
ありがとうございます。
○酒井部会長 天沼様、どうも要点を押さえた、ポイントを押さえたプレゼンテーション、ありがとうございました。
それでは、次に進ませていただきます。中部リサイクル運動市民の会より御説明をいただきます。どうぞよろしくお願いします。
○中部リサイクル運動市民の会(永田) 皆さん、おはようございます。NPO法人中部リサイクル運動市民の会代表理事の永田と申します。よろしくお願いします。
資料3をご覧ください。今日、私は名古屋から伺いました。私のほうからは市民、企業、行政を巻き込んだリサイクルとリユースの仕組みづくりについて御紹介をさせていただきます。
表紙にある写真ですが、我々が運営しますリユース&リサイクルステーションというスーパーさんの駐車場をお借りしたリユースとリサイクルの仕組みと、エコロジーセンターという我々が運営する施設でのリユース、リサイクルの取組を本日は御紹介させていただきます。
1枚めくってください。
本日御紹介する内容ですが、主に4つございます。1つはリユース&リサイクルステーションの御紹介ということで、既存のリサイクルの仕組みにリユースを追加した仕組みでございます。それと、そこで実施している環境教育の取組。あとは2番目としまして、エコロジーセンターRe☆創庫・Re☆ショップ、こちらは常設のリユース、リサイクルの仕組みでして、チャリティーショップという寄附したものを販売して、その収益を非営利活動に使うというチャリティーショップの御紹介をさせていただきます。3番目は我々の仕組みを活用してフードバンクとの連携の活動の御紹介をさせていただきます。4番目はチャリティーショップにつきまして少し詳しく御紹介をさせていただきます。
まずはリユース&リサイクルステーションという仕組みですが、これは1991年に我々がスタートした、もともとはリサイクルだけの仕組みでした。市民が分別をして、資源を持ってくると。スーパーの駐車場をお借りしまして、買い物のついでに資源を出せるという利便性を兼ね備えた仕組みとして運営をしてきました。2000年、2005年の愛知で言うと万博が起こった時期からリサイクルはかなり定着をしてきていまして、リサイクルだけではなく、やはりその前にあるリユース、リデュースを推進する仕組みを市民としてつくれないかということで、もともとあったリサイクルの仕組み、もともとはこのリサイクルの窓口しかなかったんですが、そこにリユースという窓口を設けました。
非常にシンプルなんですが、今まで資源を持ってくる方に対して、まだ使えるものはリユースをしますので、こちらの窓口に持ってきてくださいという声かけを現地のボランティアの方が、必ずボランティアの方が二、三人常駐していますので、そういう方々が今までのリサイクルの利用者に対してリユースを促す、そういった活動を続けますと、多くの方がこれは誰かに使ってほしいということで、今までリサイクルに持ってきたものをわざわざこっちはリサイクル、こっちはリユースというふうに分けて持ってきていただくということがかなり今そういう方が増えてきまして、もともとはこのリユース&リサイクルステーションの場で寄附してもらったものをそのまま展示して、欲しい方に持っていってもらうという物々交換のような仕組みからスタートしたんですが、リユースの割合が増えてきたものですから、ここではさばき切れなくなったんですね。2010年ぐらいからリユースの販売拠点を持とうということで、エコロジーセンターを立ち上げたという経緯になっております。
次をめくっていただきますと、こちらがリユース&リサイクルステーションの分布図ということになりまして、名古屋市内16区あるんですが、全ての区にこのリユース&リサイクルステーションというのは分布しております。主に会場を提供いただいているスーパーさんは、イオンさんですとか地元の我々で言うとユニーさんですとか、そういったスーパーさんが無償で駐車場を定期的に貸してくださっています。一月当たり大体100開催ぐらいこのリユース&リサイクルステーションを我々は実施しております。
こちらの場所では、先ほども申し上げましたけれども、各拠点にボランティアの方が立っておりまして、その方々が子どもたちに3Rのことを伝えたいということで、環境教育プログラムというのをつくりまして、ボランティアの方々が自分たちの体験をもとに子どもたちに自分たちがつくったプログラムで3Rを伝えるという環境学習のプログラムを実施しております。これは子どもたちの現場体験とボランティアの方のやりがいにつながっています。
次ですが、エコロジーセンターRe☆創庫ですけれども、こちらはリユース&リサイクルステーションをもっと多くの方に利用していただきたいということで、常設の拠点として運営しておりまして、資源回収の拠点と、あとは店舗、こちらで寄附していただいたものを無料で提供するのではなくて、やはり事業を継続するためには収益が必要なものですから、寄附してもらったものを安く販売して、その収益で事業を拡大していくというショップを併設しております。こちらの店舗では、ボランティアの方が寄附されたものを仕分けして、値段をつけて販売するということで協力をしていただいております。
次のページが2016年度の我々のリユース&リサイクル事業の実績になります。特に②番のリユースの寄附者数ですが、年間2万人ほどの方が寄附をしてくださっています。これは年々増えております。リサイクルの資源回収量は年々減少しているんですが、リユースの寄附者ですとか購入者、あとリユース点数は年々増加傾向にあります。あと、こういった場で障害者の方、特に我々は精神障害の方々と連携をしているんですが、そういった方々の就労支援、仕分けの作業ですとかそういった部分で障害者の方にも関わっていただいているということであります。
3番目ですが、フードバンクとの連携活動の御紹介ということで、我々は今まで御説明したように市民との接点を非常にたくさん持っております。フードバンクの活動というのは、企業さんから食品を寄附してもらいますけれども、個人との接点がなかなか持てないという課題がございますので、我々はそういった個人との接点をつくろうと、それによってフードバンクの団体の個人会員を増やして、フードバンク活動の財政的な支援をしていきたいということを考えまして、フードバンクの団体との連携を進めております。我々の仕組みでは、リサイクルとかリユースは寄附をするということに抵抗を感じる市民の方が少ないものですから、不用品だけではなくて食品も寄附するということには非常にスムーズに協力いただける市民がとても多いです。さらに、フードバンクだけではなくて、被災地支援をしている団体とも連携をしまして、支援物資を我々の仕組みで寄附してもらって、それを被災地に届けるという、それぞれの違う活動分野のNPOが連携をすることによって、それぞれの活動を広げていきたいということで連携を進めています。
次のページをめくっていただきますと、チャリティーショップの御紹介ですけれども、基本的には民間のショップと違うのは、無償で寄附してもらったものをボランティアが仕分けをし、一般の市民に販売をして、その利益を社会的な課題の解決に充てるというのを我々はチャリティーショップというふうに呼んでおります。こういった活動をしているNPOは国内に結構あるんですけれども、まだまだ小さな活動ですので、我々は2015年にそういった非営利の団体と連携をしまして、日本チャリティーショップネットワークというのを立ち上げました。ネットワークを立ち上げることで、まだ日本に少ないこのチャリティーショップという仕組みを全国に広げていきたいということと、非営利の団体のファンドレイジングにもなりますので、こういった仕組みを日本国内に広げていきたいという思いがあります。
次のページですけれども、こういったチャリティーショップの仕組みは割と海外では広がっておりまして、イギリスでは一番歴史が古いんですけれども、1万店舗以上こういったチャリティーショップの団体がありまして、年間500億円ぐらいの収益を上げていまして、それが社会的な活動に使われているという実績がございます。
次の下のページですけれども、イギリスにはこういうふうに回収ボックス、寄附をできるボックスがありまして、市民の方々は不用品を自分が支援したい団体のボックスに入れることで地域のそういった活動に寄与できるという仕組みになっています。
また、次のページをめくっていただきますと、税制面での優遇もありまして、寄附した方が登録しますと、その個人の情報がバーコードで管理されまして、その寄附してもらったものをショップで販売して、その販売額の25%が寄附した方に還元されるんですが、多くの場合は、それは寄附した方が拒否しますので、チャリティーショップに25%分の優遇の金額も流れるという仕組みになっております。
チャリティーショップの社会的価値ですけれども、一番我々が大きいと思っているのは、非営利団体のファンドレイジングになるという部分が非常に大きいと思っています。多くのNPOが日本国内にありますけれども、どの団体もやはり資金面で非常に課題を抱えていますので、こういった不用品を寄附して、それが非営利の団体の活動資金になるというような仕組みを日本国内に広げていくということが非常にこれからは重要ではないかというふうに考えています。
以上で私の報告を終わります。
○酒井部会長 永田さん、どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、リコーのほうから御説明をいただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○株式会社リコー(佐藤) 皆様、おはようございます。株式会社リコーサステナビリティ推進本部環境経営推進室の佐藤と申します。本日は、弊社のリコーの循環型社会づくりの取組という活動を紹介させていただきます。このような紹介させていただく場をいただきまして、誠にありがとうございます。
最初に、簡単に弊社のグループ概要ということで2ページほど説明させていただきます。
昨年、創立80周年を迎えまして、2017年4月、今年度から社長が交代しまして、山下良則新社長のもとで経営を行っております。そして、リコーグループの概要として、連結売上高が約2兆円、国内・海外の比率が大体3対7の比率となっております。
次のページへいっていただきまして、事業分野と主な商品・サービスということで、御存じのように主に複写機、複合機、プリンタ、あと、こちらに大きい写真でプロダクションプリンタと言われている印刷機がございますけれども、こういった情報機器を中心に製品の開発、生産、販売、サービス、リサイクルの事業を展開しております。
こちらの次のページ、3ページに示すのは、我々リコーが目指す持続可能な社会、Three Ps Balanceと呼んでおります。3つのP、環境のプラネット、社会のピープル、経済、プロスパリティ、この3つが調和した社会を持続可能な社会と捉えまして、これを目指すというビジョンを掲げております。
次のページをお願いいたします。
こちらが形は彗星が動いていく形に似ているということで、コメットサークルと命名しております。我々の持続可能な社会実現を目指したコンセプトでございます。これは我々社員が非常に重要なコンセプトとして、社員一人一人がリサイクル活動に取り組むということで提唱しているコンセプトでございまして、歴史は古くて、1994年に提唱されております。
こちらは1つの丸自体がそれぞれのパートナー様を表しておりまして、例えば新造品をつくる場合は、右上の原材料供給者から原材料を供給して、材料メーカー、部品メーカー、製品をつくって販売してお客様にお届けする、一番上のラインが通常の製品を販売して対価をいただくというラインになります。そして、お客様のところで使い終わりましたら、下のライン、それが回収されてリサイクルされ、廃棄されていくと。これをできるだけ内側ループに回して持続可能社会ということで、一番いいのはお客様のところでロングユースしていただくこと、メンテナンスを繰り返して一番内側のループを繰り返していく。それができない場合は、回収して使えない部分をまた少し部品を入れかえてリサイクル機として使っていく製品のリユース、それもだめという場合は部品リユース、使言える部品を製品から抜き出して、またそれを新しい製品に入れるとかサービスパーツに入れるということを行っていきます。それもまただめな場合は、複写機から複写機へというクローズドマテリアルリサイクルループ、さらに、そこができない場合はオープンリサイクルということで、我々の複写機がほかの少し公園のベンチにあるとか、そういったものに変わっていくオープンマテリアル制、それがだめならエネルギーリサイクル、ケミカルですとかエネルギーリカバリー、最終的に埋め立てにしていくのを減らしていくということを目指したコンセプトでございます。
そして、新造品の場合は対価をいただけるんですけれども、リサイクルリユースされたものがお金とものの流れが逆になるように、できるだけ価値を高めていくという努力を行っております。
次のページ、5ページ目が我々の持続可能な社会を達成するための目標設定、バックキャスティング、目指すべき社会、Three Ps Balanceを掲げて、それに向かっていくにはどうしたらいいのかという形でバックキャスティング目標という形で立てています。そして、現在、2050年目標、2030年目標、それを実施するために3年単位で環境行動計画というものを設定して、目標達成に対して活動を行っております。
次のページにその環境目標を具体的に御紹介いたします。こちらは先月、4月に新しい環境目標として発表させていただきました。Three Ps Balanceを受けて、新たに環境負荷削減と地球の再生能力向上に取り組み、事業を通じて脱炭素社会、循環型社会を実現するという環境宣言を掲げ、この脱炭素社会に向けて2050年、GHGの排出ゼロを目指すという目標を掲げております。本日は資源に着目しますので、この赤字で書かれております製品の省資源化率というものを2050年に約8分の1、この省資源化率というのは、総投入資源に対する新規投入資源減量の割合を示しております。それを大体約93%、そして、2030年には50%、御存じの方はいらっしゃるかもしれませんが、2020年目標というのをこれまで掲げておりまして、そちらですと大体30%という形で、省資源化率を30%という2020年目標を掲げておりまして、それに向けて環境行動計画というものを立てて、2020年目標、2030年目標達成に向けて活動をしているところでございます。
具体的にどういうことをやっているのかというのを7ページに示しております。主な施策としてはこちらに書いてあります5つに対して活動を行っております。それぞれこの活動は、我々が発売する製品に対してロードマップというのをつくりまして、リユースが何%、小型軽量化何%というものをそれぞれの製品に割り当てて、積み上げて大体2020年の30%が達成するという目処に至っております。
それでは、こちらに書かれております3つの3Rの事例について具体的に御紹介していきます。
まず、リデュースから御紹介いたします。9ページをおあけください。こちらが製品の小型軽量化の事例でして、写真にあります従来機から右にありますMPC6003、こちらは両方とも1分間に60枚のA4のこちらにあるプリントで排出できるそれなりの高速の、オフィスでは高速と呼ばれる機械ですけれども、こちらが重量比で約65%、見ていただくとわかるように、非常にコンパクトになっているというのがわかると思います。こちらをまず小型軽量化として設計しております。
こちらは具体的に主にどんなことをやっているかというのを次のページから御紹介していきます。
まず、複写機というのはやっぱり鉄が多く使われておりまして、大体樹脂と鉄の割合で6対4から7対3という形になりますが、まずは、もともとはものというのはやっぱり4つの足が立ってしっかり地面について、このベースの底面があって4点接地という構造だったもの、これを構造化できるということで、ベースレス、3点接地という形で、これで3分の1ぐらいの鉄を削減すると。これは見ていただくとわかるように、3D-CADの図面なんですけれども、こういった3点にすると、接地がねじれて弱くなってくるというのをどうやって補強することができるかと。あとは耐衝撃性に対してどういうことを補強すればいいのかといったシミュレーションを行って、ベースレス3点接地というのを実現しております。
次のページです。これがわかりやすいので持ってきたんですけれども、モーターが見た目はちょっと同じに見えるんですけれども、500グラムのモーターが大体200グラムから121グラムということで、44%の小型モーターを開発しています。こちらに関しても、回転速度などの精度ですとか騒音とかは同等な形で、かつエネルギー変換効率を上げることができまして、次のページをめくっていただきまして、これがそれぞれ先ほど、ここに今12ページを示しておりますけれども、80枚機、60枚機、それぞれに18個ですとか6個使われているわけですので、このサイズを小さくすることによって軽量化と省エネに貢献しております。また、このシリーズと書いておりますけれども、例えば真ん中のMPC6003シリーズというのは60枚機なんですけれども、これをラインナップとして55枚機、45枚機、35枚機、30枚機ということで、この3つがそれぞれ5シリーズぐらいのラインナップを持っておりまして、低速から高速までをカバーしたものに弊社の主力に対してこのような小型軽量化を行うことによって、リデュースを行うことで我々のコストも削減できますし、特に日本の場合ですと省スペース化ということに貢献できている状況でございます。
次はリユースについて御紹介します。
先ほどコメットサークルのほうでロングユースの次に使えなくなった場合、再生品という形で製品のリユース機をこのような形で提供させていただいております。日本では、工場再生ということで、定格銘版というものもつけかえて、メーカーのほうで保証したリコンディショニング機というものを使っております。大体こちらで新品機の質量比で平均80%同じ部品を使用することができております。さらに、こちらはCO2、ライフサイクル全体の環境負荷も削減するということができております。このような再生品をつくるということでも、回収してくるときにやはりどれだけ歩留りよく回収してくるか、これは1997年からやっておりますので、かなり長年の経験がありますが、やはり回収してきた品が壊れて、せっかく使えるのに使えなくなってしまうといった辺りの歩留り改善ですとか、やはり今もトレーサビリティーという形で市場からの回収製品は、いつ、どのようなものが上がってきて、どれだけ使える品質なのかというのをこちらであらかじめ把握することによって、リコンディショニング機をどのような形で販売するかという販売計画も立てやすい状況になっております。
次のページがCOP21のオフィシャルパートナーということで、こちらはリコンディショニング機と違って、メーカー、工場再生という形ではなく、反射再生という形で、もう少し手離れよく、グリーンラインという名前で呼ばせていただいて、再生機を提供させていただいております。こちらが45枚機のほうをCOP21のビジネスセンターでも無事稼働させていただくことができました。
次のページ、こちらはリコー環境事業開発センターとしまして、昨年の4月15日、2016年4月15日に開所いたしました。こちらは国内で12カ所のリユース・リサイクル拠点をここの御殿場に一つに統合いたしました。そういった形でスケールメリットを出すということができているのと同時に、こちらをこれから国際資源循環というのを目指しておりまして、海外拠点の技術をする基幹の工場という位置づけでもございます。こちらで先ほど言いました製品リユース、部品リユースということで、こちらに書いてある数の生産を行っております。
次は、こちらが2015年から中国で始めました再生複合機ビジネスです。こちらの中国の福州というところに業界としては初めて使用済み複合機を輸入して再生製造の認可を行政からとることができまして、2015年から再生機を製造することをスタートしております。
次のページが製品の回収、再生をこのような形で、日本、欧州、米州、アジアパシフィック、中国で展開中でございまして、今、回収機で年間使用済みのコピー機が約30万台ほど回収しまして、約6万台を販売、再生すると。先ほど言いました国際資源循環ということで、今日本と中国のパイプが太いんですけれども、やはり今、中国での売れ筋の商品というのが日本では賄い切れないということになっておりますので、そういった余剰のものがどうしても出てくるので、欧州や米州からも中国の福州のほうに持っていくということを少しずつですが、始めております。
最後にリサイクルについて御紹介いたします。
まず、先ほどまで紹介していたそういった製品を長く使うですとか、リユースとして使うというためには、やはりもとの製品がどれだけそういうことを考えてつくっていくということが大事になってきますので、これも我々は始めているんですけれども、なかなかいろいろな失敗を繰り返して、93年からリサイクル対応設計方針ガイドというのをつくって、それを日々バージョンアップしているところでございますが、例えば簡単な例ですと、リサイクルセンターでやはり複写機とか製品はラベルとかそういうのが多くついてくるので、のり残りなんかをはがすような素材を開発したり、こちらの右上のほうに簡単な穴があいていると、作業者の方がドライバーでぽんと押すと、ぱんとはがれるようになるとか、あと、やはり戻ってきたものを洗浄するんですけれども、そこの洗浄して乾燥させる工程に一番最適なカーブというかアールをつけて、深さもあまり深くても洗浄できませんと、そういう形の規定を決めてこれまでそれを積み上げてリサイクル設計、今もいろいろな課題がありますので、そういったことをリサイクル設計ガイドに反映して対応している状況でございます。
そして、再生材料の活用ということで、こちらは樹脂と鉄というのを再生材料として活用して、コメットサークルのリユースの外側ですね。クローズドマテリアルリサイクルループ、オープンマテリアルリサイクルループということで、それをまたさらに複写機に搭載するということで行っている取組です。
次のページがこれは、前のページがすみません、オープンマテリアルリサイクルで、こちらのページが複写機から戻ってきた樹脂をまた複写機に戻すというクローズドリサイクルで、やはり同じ製品から同じものに戻すのが一番グレード高くできるので、回収材としても高い率で配合することができております。このような形で、弊社では3Rの取組を大きな環境の柱として進めているんですけれども、先ほどのリデュースとかリユースと違いまして、特にリサイクルに関しては、リサイクル材というものをやはりバージン材と比べると価格というものの課題、あと、量の確保の課題というものがありまして、あと、資源循環している、省資源しているからお客様に「これリユース部品が入っているのね。じゃあ買うわ」と、そういうことは全くございませんで、そういったところをもちろん大手のお客様ですとか行政の方は、その資源循環に配慮した製品をぜひ使っていきたいというお声もいただいているんですけれども、そういった省エネと違って、お客様が目で見てわかる効果というものをわかりにくいところがありますので、それを課題として、お客様からの評価が得られるように持続可能な取組として進めていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、最後に竹中工務店のほうから御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○株式会社竹中工務店(笠井) 改めまして、竹中工務店の笠井と申します。建設業の3Rの取組ということで、私のほうからはまず建設業全体について、それから、弊社の具体的な取組について高﨑のほうから説明をしたいと思います。
それでは、早速ですが、1ページ目、「建設業とは」というところですが、もう御存じだと思いますけれども、建設業というのは、建築工事と土木工事に大きく分かれます。しかも、発注者様は民間、いわゆる一般の民間の会社あるいは国とか自治体の公共の工事に分かれます。私どもの会社は、表紙の写真にも載せていますけれども、もともとは宮大工が起源であり、建築を専業とするゼネコンです。
2ページ目ですけれども、建設業というのは非常に多くの会社がございまして、全国で48万社、おおよそ50万社近くあると言われています。それに就業する人数も500万人近くいると言われいます。建設業の業界団体、さまざまありますが、例えば日本建設業連合会ですと、現在139社が加入しています。全体の20%ぐらいの受注のシェアを占めている会社が集まっていますが、それでも48万社の中の139社が加入している程度です。非常に裾野の広い業界で、しかも、建設業というのは地場産業ですので、業界全体のさまざまな取組とか環境に対する意識というものの周知とか徹底は、非常に難しい面も持ち合わせている業界です。
3ページ目ですが、建設業というのは御存じのとおり、お客様からお仕事をいただいて、お客様の土地で建物を建てる、あるいは公共の場所で道路やトンネルをつくっていくという一品生産をする業態です。したがいまして、製造業のように製造された商品を店頭に並べて売るという形態とはかなり性格が異なります。しかも、全てが屋外での作業になりますので、自然や環境を相手にしながら仕事をしていきます。私どもが所属している会社はゼネコンとか総合建設業と言われますけれども、我々自身が型枠大工の仕事をしたり鉄筋を組んだりするということではなくて、それぞれの専門工事業者があり、それらの複数の専門工事会社をコントロールしながら建物を建てていく性格の業界です。建物を企画してから完成するまでに非常に長い時間がかかりますし、建物を引き渡してからお客様が使われる期間も非常に長い時間にわたります。30年、50年あるいはそれ以上使うものを提供している業界です。建設の企画から施工、建物を使用する期間には、非常にたくさんの人が関わることになります。
産業廃棄物については、施工段階で発生した建設廃棄物は全て元請け会社である私どもが排出事業者として責任を負っています。
それでは、4ページ目に移りまして、建設業は今までどんなことをやってきたのかですが、環境への取組の事例ですけれども、ここに書いてあるような資源循環、低炭素、自然共生というカテゴリーで分けますと、このような取り組みをしてきました。戦後、経済成長の中で私どもはスクラップ・アンド・ビルドと言いまして、建てては壊し、壊しては建てるということをずっと続けてきましたが、環境というキーワードが出てきてからは、それではいけないということで、かなり見直しを図りながら、できるだけ建物を長く使う工夫をしているところです。
この資料の中で、赤い字でBIMと書いていますけれども、次のページから簡単に説明しますと、ビルディング・インフォメーション・モデリングという頭文字をとってBIM(ビム)と呼んでいます。この考え方はそんなに新しいものではありませんが、IT技術が随分と進化してきている昨今、非常にたくさんの業種が混在して一つの建物を建設しますので、膨大な量の図面を作成しながら工事を進める中で、工事間の整合性をIT技術を使って3次元でモデリングをすることによって、建設工事を管理する手法として、かなり急速に進んできました。国土交通省も2014年にガイドラインを出しています。今まで建物の図面は二次元の世界で表現していましたが、それを3D化して、できるだけ目で見てわかるように、また、建物には、大きく分けると、骨組みとなる構造があって、空調・給排水・衛生等の設備があって、内外装の仕上げがありますが、その3つの工事間において干渉する部分が少なからず出てきますので、それを事前に3Dのモデルを使って、できるだけ手直しとか無駄をなくす取組の一つとして活用するようになってきています。
このBIMを使いますと、企画の段階から建物を引き渡すまで、あるいはお客様に建物を引き渡した後このモデルを使ってメンテナンスをしたり、あるいは従業員の教育にも使え、一貫性のある取組になっているということです。
7ページ目ですが、具体的な例としてこれはもう施工段階の話になりますけれども、この資料の左上にありますような空間を3Dで表現し、それぞれの部材がどういう形で納まるかを見まして、例えば、その部材を工場でカットして持ってくれば、現場で加工したり、あるいは加工することによって出てくる騒音や振動を削減できることにもつながります。基本的には、設計段階でのメリットが非常に大きいのですが、先ほどリコー様の機械でもありましたけれども、事前に建物のシミュレーションをしていく訳です。
BIMで期待できること、施工段階では、例えば、廃棄物の削減であったり、加工の効率化あるいは手戻りや手直し、やり直しがかなり削減できるだろうと期待しています。あるいは、既存の建物に使われている材料を3Dで表すことによって、この材料であれば新しい建物のこの部分に使えるのではないかというようなシミュレーションも簡単にできる可能性が高まってきますし、設備配管はどうしても建物には欠かせないものですが、ダクティングとかパイピングも予めシミュレーションすることで、工場で事前に組んでくることで現場では建物にはめ込んでいくだけというような取組もされるようになってきていります。
それでは、引き続きまして、高﨑のほうから具体的な例を紹介させていただきます。
○株式会社竹中工務店(高﨑) 建設業の廃棄物につきましては、非常に特徴的でして、大量の廃棄物が発生する業種と言われています。資料9番の左側の円グラフにあるように、日本の産業界の中で20%ほどの割合を占めている業界です。ただ、その排出される廃棄物につきましては、リサイクルも非常に進んでいまして、右側の棒グラフにあるように、リサイクル率90%以上をここ数年は維持しているという状態です。ただ一方で、最終処分量も非常に多くて、30万トン前後を埋め立て処分、要は使わずに捨てられているという状況ですので、引き続き3Rに取り組まなければいけないという業界になっております。
建設業は、資料10番に表すように3種類の工事に分類されます。まず、一番目は建物を建てる「新築工事」です。それから、二番目が、30年から50年ぐらい使いまして、建物を壊す「解体工事」、その長い期間で設備等の機械が壊れたり、あるいは間取りを変えたりと一部撤去してつくりかえる「改修工事」、大体この3つに分けられます。それぞれの中で3Rを行う上での特徴としましては、新築工事ではリデュース、リユースより分別リサイクルのほうが盛んに行われております。それから、解体工事では建物を全て壊して撤去しますので、非常に多くの廃棄物が発生するという特徴があります。その期中で行われる改修工事では、古くなったり破損した材料や設備を撤去してまた新たな材料や設備を取りつけることですので、新築工事と解体工事の特徴を兼ね備えていますが、ただ、引き続き建物を使うという意味では、全てを撤去せずに使えるものは補修したり汚れたところをクリーニングしたりして、もう一度使うというリユース提案がしやすいという特徴があります。
資料11番にありますように、工事現場(弊社では作業所と呼んでいます)で行われている3Rの活動を紹介したいと思います。
リデュース、リユース、リサイクルの優先度は、御存じのとおり、この言葉の通りの、リデュース、リユース、リサイクルの順番ですが、現実にはリサイクル活動が非常に多くの作業所で取り組まれており、リデュース、リユースはリサイクル活動と比較すると少し停滞気味です。活発的に行われているリサイクル活動につきましては、資料12番にお示ししています。リサイクルするためには、左上の写真のように何でもかんでもミックス(混合して)で排出すると、なかなかリサイクルは進みませんが、通常は資料の右の写真のように、品目ごとに分けられる分別ボックスというのを設置しまして、細かく分別をしております。建設現場からは非常に多くの多種多様な廃棄物が発生し、また、建物ごとに廃棄物の種類が異なります。ですので、それを実際に分ける作業員のみなさんが覚えにくいということで、その分別ミスをなくすためにいろいろなツールを各会社が工夫してつくっています。弊社の場合は、資料12番右側にあるように分別品目表と称して、細かくどの品目の廃棄物をどこの箱に入れてくださいという表をつくって貼り出しています。それから、箱ごとに資料にある写真のような分別看板を写真入りで作り、何を入れる箱かというのを作業所ごとに作業所にあった廃棄物の品目に合わせ少し貼りかえながら行っています。
それから、事前に予習ができたり、その場で調べられるように、今お手元に配っている、分別手帳を作成し、作業員に配りまして、これにも写真入りで、しかも、裏側には索引がついていまして、五十音順で調べられるような工夫をしています。
さらには、我々の作業所の社員だけではなくて、産廃処理会社と連携しながら分別パトロールをしたり、あるいは正しい分別の方法を指導する分別教育というのも定期的に行ったりし、高いリサイクル率を維持しています。
ただ、リサイクルにも限界が見えてきまして、資料13番に少し課題を書いております。特に最近、大きな解体工事が発生した際に、リサイクルが難しいものが出てきました。単品では、ALCやグラスウールなど、あるいは、材料が貼りついて使われている複合材、それから、今は使われることはありませんが、以前に使われているもので処理が難しい有害物質、こういったものの処理が非常に難しくなっております。これにつきましては、我々だけではなくて、メーカー側とも協力しながらリサイクルの道筋をたどる必要があると考えます。
次に、リデュース・リユースです。
これにつきまして事例を紹介しますと、資料14番にあるように、これは既存の建物をうまく活かしながら新しく再生した事例になります。既存の建物の仕上げの中で非常に特徴的な部分は、クリーニングや再塗装することでそのまま使いましたし、また、下の写真のように表面のタイルを一部使わなくなった部分をうまくはがして、また張り直すという技術を開発しまして、外観の印象を損ねることなく再生した事例になっています。
リデュース・リユースの課題も幾つかありまして、資料15番に書き出しております。リデュース・リユースにつきましては、当然リユースをすることでリデュース、廃材の発生抑制につながると考えていますが、ただ、それは意識的に計画的に行わないとなかなか進まないのが現状です。そのために、設計者、それから、建物を発注する発注者側がお互いそういう意識を持って、少しでもリユースするということで、企画段階から設計を進めていくことで問題の解決が図れるのではないかと考えています。
また、建材につきましては、まだまだ使える材料があっても解体して廃棄されることが多いのですが、そうしたものを改善するためにリユース市場のようなものがあれば、自分の建物だけでなく他社物件でもそれが生かせる可能性が高まるので、さらにリユースの道筋が広がるのではないかと考えています。
また、こういったリデュース、リユース、リサイクルの活動を評価する仕組みが多くあればあるほど社会に認められて、それに取り組む企業が増えてくると考えております。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明への質疑の時間に入りたいと思います。この後、基本計画の策定に向けた御意見は別途伺う時間を設けておりますので、まずは今日のヒアリングとしての御説明への質疑ということにしていただければと思っております。回答いただく際も、時間も限られておりますので、まず一通り質問を出していただきますので、関連の質問はまとめて適宜答えていただくという方法をとっていただいても結構かと思っております。
それと、今日は高村委員、佐久間委員、大石委員、途中退席というふうに聞いておりますので、まず最初はお三方のほうから質問を出していただきまして、それへのお答えをいただく。その後、あとの委員からの質問をお受けするというちょっと順番で回させていただきたいと思いますので、それでは、まず高村委員のほうから御質問がございましたらお願いいたします。
○高村委員 ありがとうございます。
前回のヒアリングに参加しておりませんので、ひょっとしたらそれまでも議論があったかもしれませんけれども、本日4つの会社あるいは団体からお話を伺いまして、幾つか計画の上で大事なポイントを指摘いただいているように思っております。特にやはりリコーさんと、それから、竹中工務店さのところのお話を聞いて、いわゆる部品も含めた製品の開発、設計段階というのがリサイクルで、恐らくリデュースもだと思うんですけれども、非常に重要な局面であるという点が1つであります。それから、もう一つはやはりサプライチェーン全体を意識した取組、これは今の製品開発、設計というところとも関わっていますけれども、それを意識した取組というのが大変印象的でございました。
私は2つ質問がございまして、リコーさんと竹中工務店さんに同じ共通した質問をさせていただきたいと思いますが、1つはいずれも資源の省資源あるいは循環型社会の中での貢献と、もう一つは脱炭素、低炭素、CO2の問題を意識して取り組んでいらっしゃると思うんですが、特にこの資源循環という観点から幾つかそれが両方ともいい方向での例えば小型部品のリコーさんの開発というのはその典型だと思いますが、この2つがうまくいく断面といかない断面もあるように思いまして、特に国際的な資源循環というふうに循環の範囲を広くすると、CO2の負荷の問題も同時に生じてくるような感覚も持っております。
そういう意味では、この2つをどうやって統合的に評価し、CO2の負荷とよりよい資源循環をどうやって実現、どういうふうに取組の評価をされて、どういう悩みを抱えていらっしゃるのかというのが1つ伺いたいところであります。
それから、もう一つは竹中工務店さんが一番最後に書かれているところ、スライドの15枚目ですね。これは同じくやはりリコーさんと竹中工務店さんに伺いたいのは、共通した悩みというふうに私は理解をいたしました。必ずしも3Rを追求していったときに、顧客がそれを適切に選択してくれるかどうかというところに一種の悩ましさを感じていらっしゃるように思っていまして、具体的に例えばこうした法律や仕組みというのがあったらよいのではないかという具体的なお考えがございましたら、御示唆いただけると大変ありがたいと思っております。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員 ありがとうございます。
ただいま皆様のお話を聞いて、大変精力的に循環型社会の実現に向けて努力されていることがよくわかりました。その中で、今の高村委員の御質問にも若干関連するんですけれども、リコーさんと竹中さんのお話について共通する質問ということで、省資源というのは非常に重要なことなんですけれども、今、高村委員がおっしゃったように、省資源、リサイクル率を高めるということで、かえってCO2を地球規模では出すことになるという場合も多々あるわけだと思うんです。その点で、この両者の方々が省資源というときにCO2を出さないということを最終的な基準とされておられるのかどうか。なかなかそれを図るということが非常に難しいという現実があるかと思いますので、その辺の実際のお悩みも含めてお伺いできればと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、大石委員、どうぞ。
○大石委員 ありがとうございました。それぞれの発表なされた方に1つずつ質問をさせていただきたいと思います。
まず、エアークローゼットさん、発想の転換といいますか、衣服を持っているのが当たり前の時代から借りるということで、すごく大きな発想の転換だとは思うんですが、発表の中でもおっしゃっていらっしゃったように、これが本当に2Rにつながるのかというところで、ファストファッションのような安いものを消費者が使い捨てていくのに比べれば、確かに全体の量としては減らせるのかもしれないけれども、でも、そういう好みのものをたくさん消費者に送るためには、逆に製造事業者にとってはうれしいかもしれないけれども、製造自体というのはある程度上げなければいけないし、それから、配送のためのいろんな負荷というのもかかってくるだろうといったときに、そこら辺をどのように課題として捉えていらっしゃるかということを1つお聞きしたいということです。
それから、中部さんのほうは、もう本当に地域の住民の方たちと今仕組みをどんどん立ち上げていらっしゃるんですけれども、さらにこれを地域の外にも広げていくというようなお考えがおありなのか。もしそれをするならば、そのときの課題というようなものをもしお持ちであればお聞きしたいなというふうに思いました。
それから、リコーさんの場合、これは製品のうちのリースとかレンタルの割合というのはどのくらいのものなのか。やはり多分今の時代なので、ほとんどリース、レンタルではないかなと思うんですけれども、それによってかなり資源を実際に自分のところでコントロールできるかどうかというのが違ってくると思いますので、それもちょっとお聞きしてみたいなと思いました。
それから、竹中工務店さん、こういう建物をつくるというのはすごくたくさんの資源を使うわけで、やっぱり長寿命というのが一番大事だと思うんですけれども、一方、例えば今オリンピックの建物をつくるように、もう既にある程度使ったら壊さなきゃいけないものとかというものもたくさんあるわけですよね。そういう既にライフサイクルが短いということがわかっているものをつくるときのリデュース、リユースの考え方みたいなものが何かありましたらお聞きしたいと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、今のお三方の委員からの御質問にそれぞれお答えいただければと思います。
それでは、エアークローゼットのほうから順番にお願いいたします。
○株式会社エアークローゼット(天沼) 御質問ありがとうございます。エアークローゼットの天沼です。
御質問いただいたやっぱり全体の配送等も含めたCO2の負荷に関しては、我々はすごく正直なお答えですと、まだ全体のCO2削減量というところでの見方をしていないのが現状です。ただ一方で、理由としては大きく難しいなと考えているのは、消費者行動も含めて、そうすると全体削減を考えていく必要があるなと思っておりまして、例えばショッピングに出かけて帰ってくるまでの移動コストもCO2の一部に入ってきますので、その配送との比較を一義的にどこでしていくのかというところがまだ正直なところ結論が出ていないというところでございます。
ただ、全体のお洋服の量に関しては、先ほどもお伝えさせていただいたとおり、シェアをすることで圧倒的にお客様がある種、勝っては捨ててという繰り返しをするのに比較すると削減できるというふうに考えているというのが現状です。なので、まだ事業として成り立たせていくというところに注力をして、全体の削減に関しては、おっしゃるとおりこれから課題かなというふうに感じています。ありがとうございます。
○中部リサイクル運動市民の会(永田) 中部リサイクルの永田です。
御質問いただいた地域の外に広げていくかどうかという点ですけれども、もちろん我々はもう少し活動を広げていきたいという思いはあるんですが、やはり地域性というのがかなりありますので、我々の仕組みを我々がほかの地域に行ってやりましょうと言っても、なかなかやっぱりそれは受け入れられないというふうに思いますので、我々の活動のノウハウをその地域の方々で主体的にやりたいという団体に提供して、それを支援していくという形で地域の外に広げていきたいというふうに考えておりますし、実際にそういう形で、その地域の方々が主体となって同じような仕組みを運営しているという例もありますので、我々のスタンスとしては、そういう形で地域の外にどんどん積極的に広げていきたいというふうに考えております。
以上です。
○株式会社リコー(佐藤) まずは省資源と省エネの相反するところと相乗効果というところでは、高村先生からもおっしゃっていただきましたように、小型軽量化することで調達資源を減らすというところでCO2削減などですとか、あとはやっぱり物量で省スペース・小型化になることで、そういった物流のCO2を減らせるという相乗効果はございますが、やはり御指摘されたように、例えば今電炉の鉄を使っておりますが、日本でしか手に入らないので、それを我々が生産するのはタイとか中国になりますので、電炉鉄ももし入れていきたいとしたら、それをわざわざ中国とかタイに運ぶというと物量が生じますし、先ほど御指摘がありました国際資源循環で、中国のほうで欲しい機械をアメリカとか欧州から持ってくるというトランスポーテーションのCO2が増えてしまうということが実際に生じます。
こちらは6ページのほうに新しい環境目標設定ということで説明させていただいておりますが、まず、CO2という意味で佐久間様がおっしゃいましたような難しいところはあるんですけれども、目標としてはバリューチェーン全体でCO2ゼロというのを目指しておりまして、今間接排出と直接排出という形で2つに分けて目標設定をCO2はしております。したがいまして、一番難しいのはやっぱり間接物流を手のひらに乗せていく、このスコープ3と書いてあるところです。ここが一応我々としては大きく調達と使用と物流というスコープ3のCO2を入れておりますけれども、こちらがやはり我々は省エネということで、CO2を非常に下げて製品のTEC値というエネルギースターで求められている基準があるんですけれども、そういったものでCO2を削減していって、削減貢献量という形でスコープ3を減らすということを目指しております。という形で、実質ゼロという形ではないんですけれども、バリューチェーン全体で捉えてCO2を削減するということを目指しております。
それと、もう本当に我々としても課題の省資源というのは、我々のコストダウンということで企業として強くなる部分もあるんですけれども、やっぱりそれが企業としてお客様に販売、売れていかなければならないというところに関してここが難しいんですけれども、例えば日本でしたら、我々の業界ですと、環境ラベルのエコマークですとか、ドイツのブルーエンジェルマークというのがございますし、あと、グリーン購入法とかで環境に配慮されたものを優先調達となるんですけれども、やはり結構各社それぞれ得意な分野がある中で、やっぱりある程度4社、5社がそろって同じことができないと、なかなか政策に入れていくというのが難しい中、弊社では電炉鋼板が強いし、キャノンさんではここが強いとかそれぞれがなる中で、なかなか業界で統一して、例えば今でしたらリサイクル材が何%入っていたら基準化してほしいという企業さんもいれば、それをやるより我々はリユースが強いのでリユースというところで、そういった企業の取組が優先調達につながるような政策ができると非常にありがたいんですけれども、そこのやはりどういった形でそれを実現していくのか非常に難しいなと思っているところでございます。
あと、大石様から御質問がありました。おっしゃるとおり、ほとんどがリースで販売して、複写機、複合機はパフォーマンスチャージというシステムがございまして、ひもづいているので、非常に9割近い形で戻ってきますし、特に日本では、あと循環センターというのをGBMIのほうで運用しておりまして、他社機を引き取った場合、置く場所がありまして、そこに行くと自社の機械をまたとりにいけるということで、非常にその点では、日本では資源を有効に使える仕組みが整っているんですけれども、プロジェクターですとかプリンタとか、そういったシステムでひもづいていないので、やはり回収率が三、四割という形で、複写機に比べるとぐっと落ちてくるという現状はございますし、あと、中国なんかは一度ものにしたら最後までしゃぶり尽くしていくような形で、やっぱり戻ってくるというのは非常に難しい状況ですが、そういったところ、やはり欧州なんかのWEEEというシステムで、そういった形で戻ってくるという形が整っていますけれども、そういったインフラに関しても政策的なものが入っていくといいのかなと思っております。
○株式会社竹中工務店(笠井) 御質問いただきました件、CO2に関しましては、建物のライフサイクルで考えると、建物をお渡ししてからお客様が使い続ける、この部分のCO2の削減というのが全体から占める割合で言うと非常に大きいです。したがいまして、我々としましては、建物を使っている間のCO2をいかに削減できるかということを計画段階から考慮し設計します。それは例えば省燃費等の機能を備えた空調機等の設備であったりとか、例えば、ここの部屋にある照明も人がいないときは消えるといった機能を持つ人感センサーを使うとか、あるいは自然の風や自然光を入れたりするような設計をすることでエネルギー負荷を低減していこうという努力はしています。ただ、施工段階ということになりますと、これは非常に我々も悩みの多いところですが、ただ、施工段階で発生するCO2の発生量は全体から言うと非常に少ない。
もちろん、そうは言っても何もしないわけにはいかないので、例えば重機でありますと、低騒音とか省燃費化を図った重機を使うとか、あるいは運転の効率を上げることによって燃費を下げてCO2の排出量を下げる取組をしております。
それから、御指摘にあったように、資源を循環させていくという切り口で言いますと、やはりお客様の御理解がまずはないとなかなか進んでいけない。それから、工事をする段階で少なくとも計画段階である程度の検討する時間がないと、改修工事等で、この建物のここの部分を壊すのに、ではどれを使ってどれを壊そうかという検討をするのにやはり時間がかかるし、その検討するにおいても、ある程度専門的な知識を持った人間が入らないとうまくいかない事例もあります。
それから、ご質問の主旨からすると仮設の建物についてのご質問だと思いますが、建物を立てた後、短い間に壊してしまう場合はこれに当たります。例えば、オリンピックの施設でも恒久的な建物とたぶん仮設的な建物がありますが、仮設的な建物に関して言いますと、これは1つ事例がありまして、高﨑のほうから説明しますが、洞爺湖サミットがあったときに、会場となった建物の一つに、これは全て壊したときにはリユース、リサイクルしようということで計画した事例があります。ただ、これもなかなかコンセプトはいいのですが、では、いざ「リユース品をどこに持っていくんだ、誰が買ってくれるんだ」ということになると非常に難しい課題がありまして、その苦労話は高﨑のほうから説明します。
○株式会社竹中工務店(高﨑) 2008年だったと思いますけれども、洞爺湖サミットのプレスセンターといいまして、記者が集う場所がありました。そこの設計・施工を当社が請け負いましたが、この工事の工事期間が約半年間で、実際に使うのが2カ月間ぐらいでしたので、最初からできるだけリユースしようということで計画が持ち上がっていました。したがって、初期の段階からそういう計画を盛り込むことができました。実際にリユースを計画したのは、多くは仮設材に対してでした。工事現場へ行くと、よく単管パイプという金属の棒がありますが、それを利用した階段の手すりだとか、そういったリユースしやすい仮設資材等を非常に多く使って、数字で言いますと、74%ぐらいリユースが出来、非常にこれは高い数字であり、なかなか実現できない数字になっています。その残りの20数%もできるだけリサイクルに回し、トータルで99%がそこに使われた資材をリユースあるいはリサイクルしたという結果になりました。
ただ、リユースにつきましては、その持っていき先を見つけるのが非常に難しくて、先ほど説明しましたけれども、そういう市場がないものですから、自分たちの足で使い先を見つけて交渉して契約するということをしました。非常に短い期間でそれをやるのがかなり難しかったというのが実感です。ですので、そういったものの流通ルートや市場があればもう少しこういった取り組みも進むのではないかと思います。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。お三方の委員、よろしいでしょうか。
特に3Rの顧客選択に向けた具体的な提案というところで高村委員のほうから御質問ございましたが、佐藤さん、先ほどの御趣旨は基本的にエコマークとやはり横並びになってしまいがちだと。それをもう少し特徴ある取組を評価できるような枠組みを社会で用意してくれないか、そういう趣旨と理解してよろしいでしょうか、先ほどはちょっとわかりにくかったものですから。
○株式会社リコー(佐藤) すみません。今、現時点でちょっと2つ言わせていただきますと、1つは資源の取組として今具体的に我々の業界でリユースされた製品とかリサイクル材を多く使ったものというものの優先的な基準というのは、具体的には配慮ではあるんですけれども、マストではございません。なので、そういったものを今一番我々の業界では北米のEPEATという政府調達の基準がございまして、その中でリサイクル材を5%以上入れるというのがそれもオプションという形で入っております。
それであと、ドイツのほうでそれを入れるか入れないかということを昨今議論したんですけれども、やはりまだ社会でそういったものをインフラ整備ですとか、できていない企業さんもいらっしゃるということで、次回の4年後に持ち越しましょうといった話にはなっております。なので、そういった形で特に我々の業界ですと、コニカミノルタさんとか東芝さんとかレックスマーク、HPとかが成功してそういったことをやっているんですけれども、我々もやってみてコストがかかるということは非常にわかっていることに対して、かなりそこを製造段階でのコストに圧迫されているという状況はあります。
ただし、先ほど言いましたように、それを一律何%以上とやるというのも一つ、私としてもジレンマなので、そういった基準ができれば今我々もやっているので優先調達できるんですけれども、それぞれ企業さんで得意な分野が技術的に違う場合があります。なので、それを一律に何%で、リサイクル材、何でリユース、リデュース、リサイクルの順なのにまずリサイクル材のほうの基準が先にできちゃうのかですとか、リデュースが優先だと思って進めている会社さんもいれば、でも、やっぱりできるところから始めましょうということでリサイクル材を多く使っている会社さんもいると。そういったところに一律の基準をつくるのも難しいなと思っている、ちょっと提案がすっきりできなくて申し訳ございません。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ほかの委員の方から御質問をおありの方はちょっと名札を立てていただけませんでしょうか。あと30分弱時間を確保しておりますので、それで質疑全体ということにしたいと思いますので、若干時間に関しては御配慮いただけたら幸いでございます。
では、今日は森口委員のほうから回してまいりたいと思います。
○森口委員 発言順について御配慮いただきまして、ありがとうございます。なるべく共通したところで、全てお答えいただかなくても結構なんですけれども、1つ気になっておりましたのは、特にリユースということになりますと、かなり分散したところから供給されて、それが需要されるということで、やはりそこのロジスティックスの部分が環境負荷という点が気になっておりましたが、今日はそれはもう既に御質問がありまして、天沼様のほうからもお答えがございましたので、繰り返すことは避けますが、やはりそこの部分がどうしても引っかかって、本当にそれが環境にいいんだろうかというやや懐疑的な目で見られる可能性があるかと思いますので、ぜひ定量的なところを詰めていただければありがたいなと思います。
そういう意味で、中部リサイクル運動市民の会さんは、これは比較的地域に根差した活動なので、比較的近距離でリユースが成り立っているとすれば、それはより望ましい形もあり得るかと思いますので、その辺りもぜひ定量的なところを明らかにしていただければありがたいなと思います。
リコーさんはさまざまな場で取組を伺う機会がございまして、非常に熱心に取り組んでおられることにいつも感銘を受けておるんですけれども、ちょっとテクニカルな質問になってしまうんですけれども、6ページに省資源化率という話が今回出てまいります。これは国の循環基本計画でもそうなんですけれども、資源のこういう率をどうやってはかるのか、重さでいいのかどうかといった議論が既にあるかと思いますし、それから、重量としてはそれほど高くないんだけれども、資源的価値が高いものをどうやって換算するのかと、こういう議論があるかと思いますけれども、この目標が定められるに当たって、そういった議論があったのかどうかということをもし御紹介いただければと思います。
竹中さんはリユースのお話が今日ありまして、なかなか需給がまだ情報が十分に行っていない部分があるので、こういったものについてある種情報の流通、お互いに需要と供給に関する情報のやりとりができるようになれば、実際にリユースの取組というのが進む可能性があるのか。当然施工の現場でのリユース、足場であるとか、あるいはコンクリートの型枠であるとか、こういったところはかなりもう既にやられていると思うんですけれども、建設部材そのもののリユースということになると、非常に難しい部分もあるかなと思います。一方で、輸送費込みで逆有償にならないようにということになると、どうしても重くて輸送コストがかかりがちなものになるので、そこのところは障壁があるという話はよくわかるんですけれども、そういったところに何らかの制度的な支援があれば、実際に部材そのもののリユースに関して技術的な可能性が開けてくるものかどうか、その辺りをもしお教えいただければと思います。
長くなって恐縮ですが、以上です。
○見山委員 ありがとうございます。
エアークローゼットさんに質問させていただきます。本当にこの場でベンチャー企業の話が聞けるというのは非常に斬新で、これからこういう機会はぜひ増やしていただければなと思うんですが、ちょっと直観として将来的に環境とか循環型社会に寄与するというところ、まだ現状課題はあるということは御認識されていると思うんですけれども、その部分は私も共感をします。あと、シェアリングエコノミーということが言われているんですけれども、ややもすれば、それは目的化してしまうところもあるんですが、それをしっかり手段として捉えられているところも大変共感をしたところでございます。
コメントと質問なんですけれども、これは消費者の行動変容とか新たな選択肢を提示するという意味で非常に価値があって、AIを活用してデータの分析なんかをすることによって、消費者の嗜好を本人が認識したり、あるいはそれがメーカー側に行くと、製造の最適化にもつながるというところ、大変よくできた仕組みかなと思います。
質問は2つあるんですけれども、ブランド側として、確かにこれを試すことによって購買意欲というところにつながる可能性もある一方、新たなライフスタイルを提案することによって、場合によっては服が売れなくなってしまうというメーカー内におけるカニバリゼーションみたいなのが起こる可能性があるんじゃないかということがあります。この部分はブランドとどのような議論をしているかということをお聞きしたいのが1つ。
あと、本会でぜひこういったベンチャー企業の下支えもできればなと思っているんですが、ぜひ国に対する要望とか期待なんかがあれば、せっかくの機会なのでお話しいただければなと思います。
以上です。
○三浦委員 すばらしい報告、ありがとうございます。
リコーさんに質問がございます。非常によく取り組まれていると思いますが、5ページ、6ページの目標設定についてお聞きしたいことがございます。2050年を目標にしてバックキャストされたとのことですが、2050年時点でのバリューチェーン全体をどのように設定されたのでしょうか。現在のバリューチェーンからゼロにするという考えであれば理解できるのですが、2050年を見通すことは容易ではないと考えます。どのような議論をされてどのような目標を設定して、バックキャストで取り組んでいくかということを教えていただきたいと思います。
次に、竹中工務店さんの取組みについてですが、13ページに単品のALCやグラスウールに関して、単品でメーカーのリサイクル責任範囲を拡大するとあります。これはメーカーと使う側の2つの立場があり、どちらかが一方に押しつけても問題があると思います。これに関してはどのようにしてウイン・ウインになるように解決していこうとお考えなのかをお聞きしたいといます。また、確かにリユースは非常に大事だと思いますが、現状ではコストという問題は必ずつきまといます。コストが高くなるとなかなか採用していただけないというのが現状だと思いますが、この問題についてどのように解決されていこうとお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○酒井部会長 高岡委員、お願いします。
○高岡委員 ありがとうございます。
私からは中部リサイクルの永田様にお尋ねしたいんですけれども、この活動自体はボランティアで動かされているということですので、そのボランティア人材が今後比較的高齢というか、シニアの方から若手まで広がっていっているのかというような人材の状況を一つお聞きしたいのと、チャリティーショップのところで不用品を寄附で受け付けられてといった場合に、何らかのいわゆる基準というか、新品でないといけないとか、あるいは中古品でもいいとか、そういうような基準を持たれているのか、あるいはあまりに売れないものだと逆に次のリサイクルというか、廃棄物になってしまうようなこともあり得ると思いますので、その辺りはどのように運用されているのかというのをお聞きしたいと思います。
以上です。
○杉山委員 それぞれに大変興味深いお話、ありがとうございました。
まず最初にエアークローゼットさんにお聞きしたいんですが、洋服の流れとお金の流れと情報の流れというふうに考えたときに、もう一つよくわからなかったのは、メーカーさんとエアークローゼットさんの間で、ものはメーカーさんから無償で提供される、そのかわりに情報をお返しするということなんでしょうか。そこでお金のやりとりがあるのかどうかというところをビジネスモデルとしてちょっと教えていただければと思います。
それから、次に中部リサイクル運動市民の会さんは、以前より飯の食える市民活動というようなことでいろいろやっていらっしゃいますので、今回のファンドレイジングというお話も大変興味深くお聞きしました。チャリティーショップについてお聞きしたいのは、最近いろいろなリサイクルショップですとか、あるいはちょっと固有名詞でなんですけれども、メルカリさんみたいに個人でもいろいろリユースのものを売買できる、そういう仕組みがある中で、いわゆる人の善意、チャリティーに根差したチャリティーショップというのがその辺はうまくすみ分けができると思われるのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいと思いました。
それから、リコーさんにつきましては、先ほどおっしゃったリユースしてある部品が使われているので、ぜひ買いたいというお客様がなかなか少ないというお話だったんですが、多分その理由は、どうしてもリユース品だとちょっと弱いのではないかとか、耐久性がどうかというような、そういう御心配もあるのではないかと思うんですが、その辺りのリユースされるときの基準というんでしょうか、社内基準なのか、あるいは何か別に業界での基準があるのかわかりませんが、その辺り、新品同等なんだということをどういうふうに確認していらっしゃるかというのを教えていただければと思います。
すみません、竹中工務店さんについては、リユースとかリサイクルを考えるときにトレーサビリティーと言うんでしょうか、例えばICチップを入れ込んで、先々これはこんな素材が使われているとか、何かそういうものがわかるようにとか、もしその辺りでお考えになっていらっしゃる、あるいは実施していらっしゃることがあればぜひお聞きしたいと思います。
すみません、よろしくお願いします。
○酒井部会長 白石委員、お願いいたします。
○白石委員 御紹介ありがとうございました。
私からは1点、リコーさんと竹中工務店さんにお伺いしたいんですけれども、常々リサイクルを阻害しないように環境配慮設計とかをやることが重要だと思っているんですけれども、その中でリコーさんはリサイクル対応設計方針というのを定めて、リサイクルに対していろんな設計をされているということなので、非常に興味深いなんですけれども、その中で御紹介にはならなかったんですけれども、リコーさんですから、多分多くの専担的な物質を使われて、その中で多分有害物質になろうというものもあると思うんですけれども、そういったものの情報とか管理の方法について何か独自の工夫があれば、それを教えていただきたいということと、国のほうでもそういったものの情報を集めて管理しましょうという何か方針があるようですので、国に対して何かそういった方面で要望があればお伺いしたいということです。
同様に竹中工務店さんも何かリサイクルできないような素材があると。例えばアスベストとか、昔使ったPCBとかがあると思うんですけれども、BIMですか、そこで何かさまざまな設計をされているようなんですが、そのときにこのようなリサイクル対応設計方針とか、リサイクルを目指したような、そういった方面の取組があるかどうかについてお伺いしたい。
○酒井部会長 では、崎田委員、お願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。どちらの団体も2Rに本当に挑戦されておられるお話で、勇気づけられました。ありがとうございます。特にそれをビジネスあるいは社会貢献ビジネスにきちんと成り立たせておられるというところが大事なところだというふうに思って伺いました。
そういうことに関連して質問させていただきたいんですけれども、まずエアークローゼットの天沼さんなんですが、ああ、こういうビジネスは成り立つんだとちょっと非常に新鮮に伺いましたが、例えば今、服飾に関してはリサイクルすらまだ定着していない分野ですので、そこでリユースをされることは非常に可能性があると思っています。御社だけではなく、今後いろいろなところが増えてくる傾向があるという話もありましたので、業界としての可能性、33億枚がどのくらいのところで落ちつくというふうに皆様は今考えておられるのか、そこを少し明確に伺えればありがたいというふうに思います。そういうようなところで成長していくときのこのシステムの課題はどこにあるのか、そこを少しちゃんとお話しいただければうれしいと思います。
あと、永田さんなんですが、中部リサイクル、本当にいつも、さっき飯の食える活動、本当にそういう先端を行っていただいてありがとうございます。伺いたいのは、リユースをしっかりと分けて集めるというのは大事だと思うんですが、それを集めていると在庫を抱えるというところに本当に来てしまって、日本チャリティーショップネットワークだけでは抱え切れないのではないかという感じがいたします。なぜかというと、今、家庭ごみ有料化をどんどん進めていますので、そっちに出すよりは有料になっちゃうごみよりはリユースしたいと安易に考える市民も増える可能性があるということで、その辺の課題を普段どういうふうに、いわゆるリユース品としてのチェックとか、そういうことをされているのか、その辺の課題解決の仕方をどう考えておられるのか教えてほしい。その辺に関して、あと、自治体とどういうふうに連携したり話し合っているのか、その辺も教えていただきたいと思います。
リコーさんなんですが、ありがとうございます。私も実は最後、リサイクル部品だから買うわという社会じゃないというのがすごくやはり気になっておりまして、私は、では先ほどちらっと出た再生プラスチック使用マークとかリユースマークみたいな何か元気のいいマークをこれから開発するとか、やはりそういうことをしっかりしていったほうがいいのか、ちょっと制度的な提案をその辺に関して教えていただきたいというふうに思います。
竹中工務店さんなんですが、いろいろありがとうございます。それで、例えば建築するときの建設するための資材、建物が建ったときに取り外す建設資材もあると思うんですが、そういうもののリユースというのが例えばセメントの型枠であるとか、いろんなそういうものに関してもリユースというのが随分言われ始めていますが、そういうもののリユースについて様子を教えていただきたいと思います。それとあと、洞爺湖サミットのときのリユースに努力されたお話を伺いましたけれども、近々やはりメガイベントが控えている日本ですので、そういうときの仮設の建物あるいは重機のリユースに関するリユース市場を日本がどういうふうにこれからつくったらいいのか、その辺、ちょっと提言をいただければありがたいなというふうに思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 小林委員、お願いいたします。
○小林委員 御説明ありがとうございました。興味深く聞かせていただきました。
もう何人かの委員の方々からお話があったのですが、リユース、いわゆる使えるものはとことん使うことによって省資源や省エネ、省CO2を達成するということは重要であると思っておりまして、特に建物のストックの取り扱いをいかにするかによって、その影響度が大きいと思っております。一方で、やはり日本人特有なのかもしれませんけれども、中古への抵抗感というのが、国民性なのかわかりませんが、かなり強いと思っておりまして、消費者もしくは発注者との意見交換会や対話など、また、業界独自の評価手法の確立か何かで動いていらっしゃるか、ということをお聞きしたいというのが1点目でございます。
もう一つは、リコーさんに御質問なのですが、このようなコメットサークルの取組は非常に良い取組だと思っております。ただ、自社以外にも協力企業さんも巻き込んだ幅広い形があって初めて成立すると思っておりまして、この協力企業さんとの協力体制をどう確立しているのか、というようなところを教えていただきたいと思います。例えば、物を買う購買の時に、こういう考え方・こういう条件の中で購買をされているなど。あと、三浦委員からの御質問にも重なりますが、ましてや30年、50年先を見たときに、その取組をどう御理解いただいて仲間に入っていただくか、そのような工夫について今どうお考えになっているか、お聞かせ願えればと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 竹中工務店さんにまずお伺いしたいんですけれども、13ページのところで製造者責任の話が出ていますが、これはこれで大変興味深いと思いましたけれども、挙げていらっしゃる処理困難物が非常に多いので、建設の場合、大変なんだろうというふうに思いますけれども、ですから、これはもし何か制度化をしていくときに例えば複合品についても全部というわけに多分いかないと思うので、特にどれが大事かとかいろんなことを考えなくちゃいけないと思うんですけれども、あと、現場でいろんなものが出てきているわけだから非常に大変だと思いますけれども、もし制度設計に関して何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
それから、リコーさんについてはちょっと2つお伺いしたいんですけれども、1つは先ほど酒井先生もお聞きになったことと関係すると思いますけれども、ミニマムコンテントみたいな製品をつくるときに再生品のパーセントをどうするか、どのぐらいにするかみたいな基準をつくるかどうかという問題に関しては、ちょっと否定的でいらっしゃったと思ったんですが、各企業でどれが得意かというのはいろいろあるからということで、あまり御支持はなさっていなかったような気はしますが、ただ、そういう基準をある程度決めることによって、頑張っておられるリコーさんみたいなところが競争上有利に、販売競争のときに有利になられる可能性が私はあると思っているので、それは基準の決め方によって何か変わってくるのかなとも思うものですから、何かこういう基準の決め方だったら各社競争して頑張るようなことになるというようなことのもしお考えがあったら教えていただきたいということです。
それからもう一つは、ちょっと聞き漏らしたんですけれども、複写機のほうが回収率が高くてほかのものは低いという話でしたけれども、この理由が何かということと、小型家電リサイクル法の話はほとんど出てこなかったんですけれども、小型家電リサイクル法がどういうふうに機能しているかという辺りをちょっと教えていただければと思います。
それから、エアークローゼットさんについては、まさに環境と経済の好循環の話になっていて、そういう意味で大変興味深かったんですが、先ほど来、大石さんのほうから御質問があったところとも関係しますけれども、これが2Rにどういうふうに関係するかというところがここでは一応問題にはなるものですから、そのときに返却期限なしという、決めていないということなので、これはちょっと何か企業秘密にかかるかもしれないですけれども、値段の決め方ですよね。どういうふうにしていらっしゃるのかなというのがちょっと2Rとの関係も含めてお聞きしたいところでございます。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
まず、天沼さんのエアークローゼットさんのほうでちょっと私の純粋な疑問もあるんですが、本来、我々は欲求と、それから、それを所有するコストとのバランスの中で割と欲求を抑えている場面もあると思うんですが、それをシェアリングということも含めて、逆に今のスキームだと欲求を拡大させている部分があるんじゃないかと。それは購買層といいますか、それの対象にもよるとは思うんですけれども、そういう意味で先ほど来出ている2Rに本当につながっているのかというところがちょっと疑問に思ったところでした。
それから、所有意識でこれはちょっと質問なんですけれども、シェアリングを阻害するような、服飾に限ってでいいんですけれども、所有意識に影響する要因というのは何なのかと。例えば衛生意識だとか、そういったものの中でどういうように何か要因を分析されているかというところをもしあればお聞きしたいということです。
それから、中部リサイクルの永田さんのほうは、チャリティーとかフードバンクとかということが逆に先ほど崎田委員からも若干関連の質問が出ましたけれども、それが免罪符となってしまうということで、決してそれが発生抑制、消費者から見ると2Rの行動につながっていないんじゃないかというところもあって、そういう意味では、チャリティーとして寄附いただく際に、発生抑制ということに対する意識啓発ということをどのようにメッセージとして伝えるのかというところが何か取組をされていれば教えていただきたいと思います。
それから、竹中工務店、笠井さんから御紹介のあった件で、ちょっとこれは今日のお話の中には出てこなかった話なんですけれども、低層の建築物に関して、木材とか再生可能資源の利用の拡大というものは低炭素化も含めていろいろと取組が期待されるところなんですが、そういったものへの今の状況等を教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 大熊委員、どうぞ。
○大熊委員 すみません、3点ほどお聞きさせていただきたいと思います。
エアークローゼットの天沼さんですけれども、非常に個人的には高齢化だとか過疎化だとか、そういうところの広がりがこれからやっぱり人間の幸せというか、幸福ということにも寄与するのかなと思ったんですけれども、一つ、最終的にリユースをしていった中で使わなくなると、使ってもらう人がいなくなると、それを処分なり、さらにリサイクルというところになっていくんだと思うんですけれども、その最終的な部分のところはどのように今されているのかなということであります。
もう一つは中部リサイクルの永田さんなんですけれども、やはり先ほどもお話があったんですけれども、自治体サイドでもリユースとかリサイクル、収集をやっている中で、私はやっぱりこれからは民間のベースで、永田さんのようなNPOなりそういった組織でもあれば、どこの自治体も非常に財政が厳しいわけでありまして、直接収集を自らやるということになると非常にコストもかかりますので、その連携が非常に大切になってくると思うんですね。ただ、そうは言ったものの、やはり初期段階では行政からの補助なんかも必要な部分もありまして、自治体では例えば集団回収なんかに奨励金ということでキロ幾らという形でコストを直接収集よりも少ないですけれども、かけているわけなんですけれども、そういった形で自治体から補助なり何なりそういったものがあるのかどうかということをお聞きできればと思っています。
あと、リコーさんなんですけれども、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、恐らく事業系で全部回っていて回収されてということなんですけれども、いわゆる不法投棄の中にこういった機器が出てくる可能性が今システムとしてあり得るのかどうかということ、その3点をお聞きしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 では、最後に枝廣委員、お願いいたします。
○枝廣委員 ありがとうございます。
エアークローゼットさん、お話ありがとうございました。皆さんほかの方が言っていらっしゃるように環境影響についてぜひ数値化をできたら本当にすばらしいなと思います。月額制ということなので、実際に企業秘密に当たらないレベルでいいのですが、上限があるのでしょうか。つまり月額制ということは都度払うのではないので、頻度に対するドライブがかかると思うので。ですので、平均的に月何回ぐらいこのメンバーの方が利用されているのか。頻度のドライブがかかると、どうしても宅配のところの負荷が大きくなると思っています。
あともう一つ、33億着という話だったのですが、このトレンドがどうなのかということで、例えばもうそのものが減ってきているのか、若い人たちの意識も変わってきていますし、それともまだまだ増えているのか、その辺りも少し教えてください。
それから、リコーさん、ほかの先生の御質問とも重なるのですが、コメットサークルのどのサークルで回っているか、例えば割合や効果、変化など、もしその辺りがわかるとありがたいなと思います。
もう一つは、例えばリユース品とか再製造品もしくはリコンディショニング品に対して、新品と同じような保証をつけているのか。あと、新品製品と比べての価格がどうなのか。価格は安くて同じ保証がついていても、それでも日本の人たちは使いませんということなのか、買うときの要因として教えてください。
それから、最後の3つ目の質問はリコーさんと竹中工務店さんの両方にお聞きしたいのですが、先日、サーキュラー・エコノミーの勉強会をしたときに、欧州では再生材に対する需要が非常に増えてきていて、市場価格もきちんとやっていける価格になっているという話を聞きました。日本はなかなかそうではないというお話をあちこちで聞いているのですが、その差は何から生まれているのかということをぜひ教えていただければと。あと、欧州のサーキュラー・エコノミーの動きは、1社とか1業種でやるというよりも、他社とか他業種と組んで全体的にやっていくという動きが今は大きくなってきていると思います。その辺りが日本の中で、それぞれの個社がやっていらっしゃるのはよくわかるのですが、もしくは自分の関連の再生業者だけではなくて、もう少し業界を超えてなど、そういった動きについてはどのようにお考えか、もしくは起こっているのか。
もう一つ、個社を超えてリユースもしくはリサイクルをしようとしたときに、先ほど先生の御質問にもありましたが、素材などが違う人の手に渡ったとしてもわからないと、有害物質もしくは最初の素材ですね。例えばヨーロッパなどでやっているようなプロダクト・パスポートみたいに、素材が何かということをプロダクトにつけて、どの手を渡ってどの人の手に渡ったとしても最終的にはそれがわかって、安全かどうか、どうやってリサイクルすればいいかわかると、そういう情報をタグとしてつけてと、そういう動きがあると思うのですが、そういった動きが日本であるのか、もしくはそういった動きがあれば役に立つのか、その辺り、個社を超えて日本全体として、もしくはもう少しグローバルでやるときに必要な課題について教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、この後は4者の方から御回答あるいは追加説明いただける部分はお願いしたいと思います。今、委員から出なかった質問として、追加させてもらいます。エアークローゼットのほうには海外はどのような動きかというところをちょっと簡単に類似の取組についてちょっと触れていただければというふうに思います。
それから、竹中工務店のほうには、資料の中にアスベストの建材に対する補助金制度云々という言葉がちょっと出ておりましたが、ちょっとここは具体的にどういうことを期待されているのか御発言いただければと思います。
では、すみません。天沼さんのほうからよろしくお願いいたします。
○株式会社エアークローゼット(天沼) ありがとうございます。ちょっと抜けたら最後、補足させてください。ちょっとこういった全部まとめてというところはなかなか、普段は一問一答なので、すみません、忘れがちなので、ちょっと鳥頭なので、すみません。
1つずつ御回答させていただきますと、森口委員からいただいたやっぱりロジスティックスが引っかかるという部分は先ほども御質問いただいたとおりで、我々もこれからの課題かなと。その全体感でどう捉えていくのかというところはこれからの課題だなと思っているので、データから見る消費者の行動変容がどれぐらいあるのかというところも含めて見ていきたいなと思っているので、コメントとして、その定量的な指標というのは今後出していきたいなと思います。ありがとうございます。
それから、先ほどももう一点御質問があった行動変容と国に対する要望や期待というところに関しては、行動変容に関してはおっしゃるとおりで、やっぱり大きく消費者の行動というのは変わる中で、一方でブランド側としての新しいライフスタイルを提案することでお洋服が売れなくなるんじゃないかという御質問に関しては、メディアで大きくよくシェアリングエコノミーというのは、特にもののシェアに関しては買うから借りるに変わることでものが売れなくなるのではないかというふうに言われるんですけれども、すごくどちらかというと大げさかなというふうに思っていまして、物事の捉え方として、当面の間はそうならないというふうに考えています。
理由としては、eコマースも10年以上たった今、EC化率は、当時はメディアがeコマースが出てきたことで路面店が全部なくなるんじゃないかとか、そういった書き上げ方をされていたんですけれども、今現状、10年以上たった今でもまだEC化率は十数%にとどまっているので、いわゆる消費者の行動変容というのはゼロイチではなくて、どちらかというと、比率で考えていくべきなのかなというふうに私は捉えています。とはいえ、将来的に例えばロボティックスですとかAI等によって、衣服の原材料とか生産コストが限りなくゼロに近づいていく、数十年後には近づいていくと思うんですけれども、そういった際には、おっしゃるとおりやっぱり行動変容として買うという行動から借りるに近づくというのはあり得るかなというふうに考えています。
今現状なんですけれども、現状はブランド様もメーカー様も含めて300以上参画しているというところからも、協力体制というところが見ていただけるかなと思うんですけれども、基本的には我々、後ほどの杉山委員からの御質問にもお答えする形にはなるんですけれども、我々は基本的には現状今ほとんど買っています。仕入れを我々がさせていただいて、その仕入れたものを売っているので、小売の一つの販売チャネルの違いみたいな捉え方をしていただければなと思うんですけれども、ここはベンチャーの考え方かもしれないんですけれども、無料での取引とか、そういったことを作戦としては考えているんですけれども、それを交渉している時間よりも、まず実際に実施をしてみて消費者がどう行動するのかというのを見たほうが早いと思っていまして、それを見るためにお金で解決できるのであれば、それを他者さんから資金調達をしたお金ですけれども、お金を使っての解決、スピードをとるというほうを意識して持っています。なので、今現状は仕入れを行った上で販売チャネルを増やすという考え方で洋服自体のライフサイクルの最適化を行っているというふうに捉えていただければなと思います。なので、ブランド様、メーカー様からは非常に好意的に見ていただいていまして、レンタルを目的とした事業の場合は、消費者がこれを借りたいといって選ぶ場合というのはまた別になってくるかもしれないんですけれども、我々はスタイリストが選ぶ形でお届けをしているので、ブランドやメーカーからとっても、これまで出会ったことのないようなお客様に出会っていただくですとか、そういった機会が多いというふうに捉えていただく場面が多いです。
具体的に例えば昨年も大手セレクトショップのビームスさんと我々がコラボレーションさせていただいて、そのキャンペーンを複数回打たせていただいたりですとか、ブランドやメーカー様にとっては新しいプロモーション、新しい販売チャネル、新しい顧客との出会い方の一つというふうに好意的に捉えていただいています。昨年も日本で最大級のファッションとエンターテインメントの祭典でガールズアワードというものがあるんですけれども、そこのランウェイにも日本で初めてファッションレンタルの企業としてブランド様、メーカー様と横並びに我々はランウェイに出させていただいたんですけれども、そこも恐らく業界が好意的に我々の活動を見てくださっているという一つの証拠になるのかなというふうに思います。
もう一点、ベンチャーとして参加させていただいて、すみません、こういった場に参加できることは非常にうれしいなと思うんですけれども、私自身もともとベンチャーというよりはどちらかというとコンサルタントとして中央省庁様がクライアントだったので、こういう場には参加をしていたんですけれども、ベンチャー企業のいわゆるスタートアップの起業家という立場は初めてだなという中で少し緊張しているんですけれども、ベンチャーの特徴として、やっぱりいわゆる企業が必要としている企業の資源である人・もの・金・情報、全部が欠けているんですよね。スピード感があるとか、そういう組織の強みというのはあるんですけれども、資源としては欠けていると思っているので、それぞれを国から支援をいただけたらなというふうに考えています。
ちょっと支援の要望というのを整理してお出しするというのはなかなかないんですけれども、例えば具体的には、ベンチャー企業は、これからは必ずデータ、情報、ITを生かした発展というのが間違いなく起きていく中で、例えばデータサイエンティストですとか、人工知能の研究者ですとか、その研究機関が物的なのか人的なのか両面かもしれないんですけれども、研究に対しての支援、例えば我々はデータを幾らでも持っているんですけれども、なかなか例えば1人当たりのデータサイエンティストですとか人工知能の学者様にお願いを何かしたときに単価が非常に高いと。なので、例えばなかなか数千万すぐに出せと言われてもベンチャー企業は難しい部分があるので、そういった研究ですとかサポート、人的・物的サポートがいただけると、今後日本国自体の発展に寄与できるんじゃないかなというふうに考えています。
もう一つ、人・もの・金・情報のものの部分に関しては、例えばこれから我々はまだ活動を行っていないんですけれども、レンタルをするお洋服自体を集めていくというリサイクルに向けた活動をもし行っていくのであれば、もしかしたら場所ですとかそういった部分の御支援ですとか、あとは人・もの・金・情報の金の部分は恐らく助成金等々の支援と、あと、情報という部分で崎田委員からも先ほどありましたけれども、ベンチャーが何か取得できるような環境に対するマークみたいなものですとか、ベンチャー企業はなかなか信頼を国からいただくような機会がないので、そういう簡易的なのかもしれないんですけれども、マークみたいなものをベンチャーに対して独自に発行していただいて、ベンチャー企業がそこに賛同することで国からも支援をしていただいているような、いわゆる見える化になるかもしれないんですけれども、消費者に安心感を与えるという部分ができるとうれしいなというふうに考えております。
御質問は先ほどメーカーと我々の杉山委員からの御質問に関しては、先ほどお伝えしたとおり、実際には我々がほとんど仕入れをさせていただいているので、お金が発生しています。我々が仕入れる形をとっているというふうに捉えていただければなと思います。
崎田委員からの御質問に関して、今現状、リサイクルが定着をなかなかもちろんしていない中リユースをしていくというところは、我々は可能性を感じていて、具体的には33億着の落ちつく先に関しては、まだ明確な数字というのは出していないんですけれども、私が今、日本国全体の衣服のリユース、リサイクルというのを考えたときに、おおよそ今リユース、リサイクル率、これ間違っていたらあれなんですけれども、大体多分11%ぐらいというふうに言われていまして、ドイツでは70%ぐらいですね。先進国のドイツでは衣服に関するリユース、リサイクルは70%ぐらいの数字なので、ここからざっと算出すると、33億着を10億着ぐらいにまで削減することというのが目下、目指していけたらいいなというふうに、すみません、これは個人的な見解なので全くアパレル業界の声ではないんですけれども、天沼という一人の人間の声として捉えていただければなと思うんですけれども、ざっと考えたときにやっぱりその数字というのは日本国が目指すべき数字になるんじゃないかなというふうに考えています。
課題に関してはやっぱり大きく幾つかあるんですけれども、1つはやっぱりリサイクルを行っていくというふうに考えると、当然回収していく、先ほどもありますけれども、ロジの部分ですね。運搬費ですとか、あと、億着となるとやっぱり数が多くなってくるので、保管費用の部分、倉庫代の部分と、あと、仕分けをやっぱり細かくしていく必要があるので、仕分けと、リユースもそこに絡めていくと、我々は倉庫のほうでも作業をやっているんですけれども、検品をする費用、この辺りが大きくやっぱりかかってくるので、ここをどう補塡していくのかというのがシステム全体での課題になってくるかなと思います。
あとは、やっぱり枝廣委員からも先ほどコメントがありましたけれども、我々1社でやっていても、アパレル業界全体で何かが起きるかというと、本当に微々たるものだと思っているので、今後は個社を超えた仕組みづくりというのがこのアパレル、ファッションの業界全体でも課題なのかなというふうに考えています。個社が今幾つかリサイクルボックスとかを店頭に例えば私が時々ららぽーととかを見ていてもあるんですけれども、その活動自体はすばらしいと思うんですけれども、それがより全体でされることのほうが大きく意味が出てくると思うので、そういった大きい取組をできるようになっていきたいなというふうに考えています。
すみません、ちょっと長くなっちゃうんですけれども、大塚委員から御質問いただきました値段の決め方なんですが、これに関しては月額会費に関してなんですけれども、ここは後ほど少しお答えする回数、枝廣委員からの多分御質問で回数に関するお答えにもなってくるんですけれども、今現状、月額会員の方が大体月平均二、三回転しています。最大頑張っていると言ったらおかしいんですけれども、返していただいて我々がすぐに送り返しているので、一番多い方で四、五回回転しています。四、五回回転する方お一人お一人を見ると、我々は赤字になってしまうので、全体平均で見る二、三回というところが落としどころなんだなというふうに捉えていただければなと思うんですけれども、その二、三回返ってきた際の事業計画上の数字で我々の月額会費というのを決めています。
それから、大迫委員からの御質問で、いわゆる欲求と消費、所有するときのバランスの部分に関して、欲求を拡大されるんじゃないかという御質問をいただきましたけれども、一部あるかと思います。今我々の考え方として、購買意欲というのが固定概念にとらわれてしまっていて、同じようなお洋服を買ってしまうんじゃないかという課題に対して、日々新しいお洋服に出会っていただくことで、その方にとってよりよいものとの出会いというのをつくっていこうという考え方を持っているので、いわゆる出会ったときに欲しくなるという欲求というのは拡大するんじゃないかなというふうに考えています。
なので、一番最初の御質問にお答えすることになるかもしれないんですけれども、実際に2R、3Rにどれぐらいつながるのかというのはこれから考えていきたいなと思っているところです。ただ、全体感で言うと、やっぱり無駄な出会いというのを減らすというところが一番私の求めている大きい部分で、かつ全体生産量自体を抑えるためにお客様からのデータを集めるというところが、私が一番ある種見ていきたい領域だというふうに捉えていただければなと思います。
それから、大熊委員からの御質問で、最終的にリユースしていく中でどこに行きつくのかというすごいいい質問だなと思ったんですけれども、現状大きく道は2つです。1つは途中で購入をされる場面と、そのまま我々弊社で廃棄をしていく道というのがあります。もう一つの道としては、廃棄をする前に我々は二次流通のいわゆるユーズドの市場に流させていただいているので、いわゆるユーズドの市場にはそのまま流れていくという意味では、全体最適の意味ではすごく価値があるのかなというふうに捉えています。
具体的には、我々の二次流通もしくは廃棄の場合は、通常やっぱりお一人のお客様、消費者がお洋服を買った場合は数回しか着なかったりですとかというのが多々だと思うんですけれども、そういったお洋服を多くの方にシェアさせていただくことで、数十回着用した上で二次流通に流れていく、もしくは廃棄されていくという効率的なお洋服自体の利用の活用につながるんじゃないかなというふうに考えています。実際に我々のお客様は、十数回我々がレンタルをさせていただいた後にお洋服を購入されるお客様というのも多くいらっしゃるので、もののライフサイクルの最適化というところにはつながっているんじゃないかなというふうに考えています。
それから、御質問として先ほど利用回数に関しては二、三回というところを捉えていただければなと思うんですけれども、33億着のトレンドに関しては、まだまだ増加傾向にあると思っています。これはグラムで見るとどうかというのはあるんですけれども、着数に関しては増加傾向にあるというふうに一般的に業界の中では言われています。これは明確な理由として先ほども挙がりましたけれども、ファストファッションの隆盛によって、すごくものの回転が早くなりつつあるというところで、廃棄量というのが増えているという傾向になります。ただ一方で、やっぱり先ほども挙がりましたけれども、ロジとか物流面を含めて全体のCO2にどこが一番いい落としどころなのかというのはこれから議論すべきポイントなのかなというふうに感じております。
会長から最後に御質問いただいた海外の事例に関しては、すみません、ちょっと長くなって御回答してしまうんですけれども、海外の事例に関しては、特にアメリカの事例が一番先進的で、ファッションレンタルに関しては先進的かなと思います。ニューヨークにあるレント・ザ・ランウェイというサービスに関しては、ドレスレンタルからスタートして、我々のような普段着のレンタルも今現状スタートしているんですけれども、会員数が500万人を超えているようなサービスになっております。もう一方でロサンゼルスのほうでルトートというサービス、これもレンタルサービスなんですけれども、ここも普段着のレンタルというのが動いていまして、市場としてはかなり拡大傾向にあるというふうに感じております。ただ、アメリカでそれが環境に対してどう捉えられているのかという議論は私もちょっとレポートを探してみたんですけれども、なかなかなかったので、恐らくシェアリングエコノミーですとかサーキュラー・エコノミーの一部として環境面では捉えられているのかなというふうに感じております。
すみません、ちょっと長く、ばらばらと御回答になってしまったんですけれども、ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、永田さん、お願いいたします。
○中部リサイクル運動市民の会(永田) 中部リサイクルの永田です。
先ほどから飯の食えるというキーワードをいただいていますが、発足当初から食える市民運動、正式には食える市民運動を目指すということで、もうすぐ2020年で発足から40年たつんですが、今まだ目指して頑張っています。
先ほどの質問ですが、ボランティアの人材につきましては、ボランティアの方と会う度に、もうすぐ私たちは引退するわよというふうに脅されながらまだやっているんですが、平均65ぐらいの方々がボランティア登録していただいていまして、100名弱ぐらいの方がボランティアで協力いただいているんですが、非常に課題として、まさに今直面していまして、若手をどういうふうに引き込むかというのがまだできていない部分でございます。
チャリティーショップの寄附品の基準があるかという御質問につきましては、お配りした別添の青い資料が我々のリユース&リサイクルステーションの折込チラシでして、これは中日新聞さんがつくっていただいているんですが、裏面に品目がございまして、リユース品の寄附方法とリサイクル資源の出し方というふうにございます。左側のリユース品の寄附方法の部分につきましては、一応リユース品に関しては未使用か使用感の少ないものということで一応うたっております。もともとこういった基準はなかったんですけれども、やはり先ほども在庫とかやっぱり大きな課題がありまして、愛着があるものですので、皆さん使っていたものは。自分にとっては非常に価値があって、まだ使える、きれいでしょうというふうに持ってこられるんですが、やはり他人から見ると、これはないよなというのが結構まじってくるんですね。そういった部分で、やはり統一的に未使用か使用感の少ないものという一応くくりを設けて現在はやっておる次第でございます。
あと、多様な民間の仕組みとのすみ分けという点に関しましては、もともと名古屋ではコメ兵といって、割とブランドのもののリユースの市場が非常にありまして、売れるものは民間の企業でリユースされますが、我々はもともとノンブランドのもので、もともとリサイクルに出されてしまっていたようなものをいかにリユースにより多く流すのかというのを課題にしておりますので、そういった部分ですみ分けをこれまでしてきておりますし、今後はお金に変えたいという方と地域貢献をしたいという方が多分2つのニーズがあるというふうに感じています。ただ、地域貢献をしたいという方にはやはり共感できるような情報発信、ではこれを寄附するとどういう活動に使われるのかという共感の部分が非常に重要だと思っていまして、まだまだそこは我々も弱い部分でありますので、そこの情報発信ですとか、そういった共感できる活動をどういうふうに生み出していくかというのが今後の課題かなというふうに考えております。
在庫に関しましては、やはり今もかなり増えてきておりまして、それをどうするかというのが非常に大きな課題で、リユースの品目もどんどん増やしておりますので、やはり廃棄をしなければいけない部分が増えておりまして、コストもかかりますし、非常にボランティアの方々からしてみると、せっかく寄附してもらったものを廃棄してしまうのはもったいないということで、どうしても廃棄に回さずに在庫をどんどんためてしまう。いつかリユースできるだろうというふうにどんどんとためてしまいますので、そこは今まさに直面している課題でして、そこのルート、できるだけ廃棄ではなくリサイクルできるようなルートをどうつくっていくかということが非常に大きなこれからの課題かなというふうに考えております。
リデュースの意識啓発、免罪符になっていないかという課題に関しましては、そもそもリサイクルとリユースの明確な違いすら市民の方々はわかっていなかったというのがこれまでの活動でありまして、まず、リサイクルはどういうことか、リユースはどういうことかということを我々は現場でお伝えしながら、リサイクルだけではなくて、やはりリユースということはこういうことですよと。より環境に優しいんですよということを伝えながら意識啓発をしています。
民間ベース、自治体からの補助金があるか、集団回収の助成金があるかということに関しましては、リサイクルの資源回収に関しましては、集団回収と同じような助成金をいただいておりまして、年々減っているんですが、いただいております。それに頼らない仕組みをどうつくっていくかというのが今進めているところであります。
以上であります。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
佐藤さん、お願いします。
○株式会社リコー(佐藤) 今、私が認識している中で13個質問をいただいているんですけれども、時間が今押しているということで、すみません、個々の回答は事務局から回答させていただく形として、ちょっと主なものに関して回答させていただきます。また、私の発言が本当にわかりにくくて、大塚様から御質問がありました競争原理のところなんですけれども、もちろん企業としてこの資源循環に取り組んでリサイクル材ですとかそういったものを使ったものを優先調達する流れというものをつくっていただきたいというのは、もう批判的ではございません、ぜひお願いしたいところでございます。
そちらに関して、あと、我々として非常に難しいなと思っているのが欧州の市場の価格のプラスチックは安いんですよというお話がありまして、多分それは汎用プラスチックで、日本であればPET材とかですと非常に安価に、これは我々企業の課題でもあるんですけれども、我々というのは中に熱源を持っていますので、外側を難燃剤を入れたプラスチックで囲わなければいけないということで、やっぱり汎用的なプラスチックは使えないと。そういった中で、あるポリスチレンとかABSとかの材料は決まっているんですけれども、そういったものをやっぱり家電さんが多く使っているポリプロピレンですとかPET材とか、そういったものへの技術開発も必要かなと思っております。
それと、2050年ビジョンのところなんですけれども、今目標で掲げているのは、重量としてカウントして総量を下げていく、新規投入資源を下げていきますけれども、おっしゃっていただきましたように、我々としてもその当時、2005年にこれを考えたときにやっぱり可採年数の低い希少金属とかそういったものに関しても、やはり取り組んでいくということで、今ちょっとウエブには挙がっていると思いますが、そういったものを考えてやっていくと。ただし、やはり先ほどコメットサークルを回していくのに、ものとお金の流れが逆になっていくようにするということでは、高付加価値の高い部品をリユースするというのを優先的にやっていく必要がありまして、そうすると、必然的にそういった可採年数の少ない物質を使った部品をできるだけ多くリサイクルする、そういったような配慮が進んでおります。
あと、なかなか私がまたリサイクル、リユース部品を使われたものが消費者に受けないんじゃないかという御質問がありまして、リサイクルマークですとかそういったマークもございますけれども、なかなかBtoB、BtoCという売り方の考えで、一般消費者向けにはなかなかリユースされたものとかリサイクル材が入っているというものが受け入れにくいという現状はありますから、やはりそこのところは我々としても循環型社会をサーキュラー・エコノミーを応援しているメジャーアカウント、脱炭素とか循環型社会を応援するそういった方々の優先調達という形が進むことを期待しております。
残りの質問は後ほど事務局経由で回答させていただきます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
お願いいたします。
○株式会社竹中工務店(笠井) たくさん御質問いただきまして、ありがとうございます。
まさしく私たちが悩んでいるポイントで逆にお聞きしたい質問が多いのですけれども、まず生産者責任というところでちょっと言葉に引っかかった部分があるかもしれませんが、我々は決してメーカーに責任を押しつけようという思いでこれを書いたわけではなくて、やはり我々は調達をして、その部品、部品を組み立てていくわけですので、調達先のメーカーと一緒になって、リサイクルなりリユースなり、あるいはどうすれば環境に優しい材料になっていくのかということを一緒に研究していきたい、あるいは考えていきたいという意味で申し上げています。
それを踏まえて、建材にICチップを埋め込んではどうかという話もありましたが、やはり単品、単品でつくっていくものですので、ICチップを入れるのはなかなか難しく、解体した途端にICチップも多分壊れてしまう状況になるし、建物はかなり長い年月を使いますので、アイデアとしては我々も持っていましたが、それをどのように活かしていけばいいのか非常に悩ましい課題だと思っています。
例えば、コンクリートにICチップを入れたとしても壊れるリスクが高く、したがって、むしろ、我々としては解体した建物のコンクリート塊から、再生砕石としてもう一度骨材をつくることに取り組んでいますし、そういった意味でのリサイクルは非常に高まってきていると考えています。
リユース品につきましては、これはもうかなり限定されています。先ほどお話がありましたけれども、この人には価値があるからいいけれども、ではほかの人はどうなのといったときに同じように価値観を持つかという問題が出てきます。ただ、例としましては、先ほど言いましたように、内装材として使っていた石あるいはドアノブ、あるいは昔製造技術が未熟な時代に製造されたガラスの風合いがいいんだというお客さんがいて、それを丁寧に取り外して、新たな建物に再度使うことはあります。ただ、それも同じお客さんの中ですので、そういう市場がないので、たとえいいものでも次の建物では使い切れないときには廃棄せざるを得ない状況になりますので、何かリユースするための市場形成ができるとうまいなとは思います。
制度的な話で言うと、やっぱり建築というものは投資額が大きいですから、やはり新たな建設工事をするときの担当者はイニシャルコストをすごく意識されます。そうすると、どうしても環境にいいから値段が上がってもいいよという話にはなかなかならないですから、幾らランニングコストは下がりますと言っても、投資額を少しでも押さえるために、こだわるのはイニシャルの部分なので、そこのところは非常に我々としては悩ましいところですが、それを補うというと言い方は適切ではないかもしれませんが、やはり環境に優しいものを採用すれば何かインセンティブがあると、お客さんはそのメリットのために取り組みますし、我々もそれに対して応えることができると思っています。
建築主への税制面なのかわかりませんけれども、インセンティブがあると非常にいいなと思います。これは、ヨーロッパではすでに建築主にインセンティブがあるので、建築主側からぜひとも環境に優しい空調設備などの機械を入れなさいということで設計の段階から言われますので、そういう制度があるといいのではないかと思います。加えて、建材のメーカーであったり施工会社にも環境に配慮した何らかの活動をしたときには、何かインセンティブがあると、我々も非常に動きやすくなるだろうという思いでいます。
ご質問の中に、木質建築の話がありましたけれども、今まさに木質建築というのがブームになってきています。ただ、耐火性能が必要であるとかの法基準をクリアしないといけないので、何度もかんでも木を使えばいいのかというと、そうはいかない部分もあります。それと、見える部分で木を使うと、いかにも木質建築だなということなりますが、発想的には充分理解できますが、構造体あるいは仕上げに使う以外にも木というものの特質を生かしたさまざまな使い方があるのではないか等、我々に与えられた課題があり、そうこともこれからさらに研究していかないと、見かけだけの木質建築になってしまうという心配があります。いずれにしましても、木質建築については、技術開発をしながら耐火性能を備えたものをつくっていこうという動きにはなってきています。
我々ゼネコンはさまざまな業種を使いながらやっていると当初に申し上げましたけれども、さまざまな業種の会社とコラボレーションを組んでやっていく、再生の難しいものについても、そういうところと組んで、ではどうしていけばいいのか、あるいは、ゼネコン同士が一緒になって研究開発していくというソリューションもあるのではないかという課題が我々に残っています。
時間の関係で、全ての質問に答えていないとは思いますけれども、簡単ですけれども、以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。本日は事業者の皆様、丁寧に質疑におつき合いいただきまして、どうもありがとうございました。深く御礼申し上げます。
それでは、次に関連する国の取組について説明をお願いいたします。その後、今後の基本計画の見直しにつきましてのディスカッションの時間ということにしたいと思います。よろしくお願いします。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) それでは、資料6をご覧いただければと思います。
本日の資料では時間の制約もございますので、まず最初に2Rについてというところで、環境配慮設計や各主体へのリユースを促す情報発信に絞って御説明させていただきます。
2ページ目の環境配慮設計についてでございます。
循環基本法におきましては、事業者の皆様に対しまして、製品、容器等の設計の工夫あるいは材料、成分の表示など循環的な利用を促進し、適正な処理が困難とならないような措置を講ずる責務を規定し、各種リサイクル法においても同様の責務規定を置かせていただいております。例えば家電業界あるいは自動車業界におきましては、3~4ページにございますように環境配慮設計ガイドラインを策定いただき、易解体性ですとか、あるいは処理の安全性などの取組を進めていただいております。また、5ページにございますように、太陽光発電モジュールにつきましても、一昨年、環境省と経産省が公表させていただきましたロードマップを受けまして、昨年10月に業界で環境配慮設計のガイドラインを作成いただき、取組を進めていただいているところでございます。
続きまして、6ページからが情報発信でございます。
まず、リユースにつきまして、初心者の方の取組を促すためのリユース読本あるいは次のページにございますように、消費者の皆さんのリユースへの取組、リユースショップの活用についてのチラシ、あるいは9ページにございますようにリユース、リデュースの各種の取組事例集を作成しております。また、10ページにございますように、市町村向けのリユースの取組についての手引、それから、11ページからリユース業者の皆様宛てに環境の関連法令のパンフレットを作成したり、あるいは13ページ、オフィス等から発生する使用済み製品のリユースの手引を作成したり、あるいは14ページでございますが、さまざまな主体の基礎情報となるようなデータブックを公表したり、あるいは15ページにございますように、食品ロスを含むリデュース、それから、リユース、リサイクルについての41の行動について、その取組によって廃棄物、CO2、水など環境負荷がどれだけ減るかを一瞬でエクセルで計算するような見える化ツールなどの公表をいたしております。
16ページからが素材別リサイクルの調査・検討の状況でございます。
17ページをご覧いただければと思います。第三次循環基本計画でリサイクルの質の向上の方針を受けて、この4年間、個別リサイクル法の見直しの中で質の向上の仕掛けに取り組んでいるところでございます。一方で、今回の点検でも明らかになったとおり、三大フロー指標のうちの循環利用率につきましては、平成22年度以降約15%で横ばいとなっております。個別リサイクル法での部分最適としての取組に加えまして、循環利用率向上のためにも全体最適を上げていかないといけないんじゃないかということが、富山物質循環フレームワークの共通ビジョン達成のためにも不可欠と考えております。
そこで、黄色に書かせていただいたように、3Rのさらなる高度化に向けまして、各種リサイクル法における個別製品単位にとどまらない素材別に見た調査・検討について今回の点検の中でも御指摘をいただいたかと考えております。今回は4つの素材につきまして、具体的には温室効果ガス削減ポテンシャルが高いと見込まれるプラスチック、最終処分量削減ポテンシャルが高いと見込まれるガラス、非鉄金属のうち消費量が1番目と2番目に多いアルミと銅につきまして、マテリアルフローを精査し、現状の課題を取りまとめました。
18ページからがプラスチックでございます。左のブルーのボックスの中にございますように、国内樹脂生産製品消費966万トンに対しまして、黄色のように総排出量940万トン、このうち青にもございますように、個別リサイクル法ルートの収集実績が139万トン、点々で囲んでおりますように799万トンは例えば産業用などの容器包装あるいは未回収の小電あるいは産業用機械、あるいは製品プラスチックなど家庭から出るものなどにつきましては、個別リサイクル法の対象外になっております。これら全体につきまして、赤字にございますように約6割がサーマルリカバリー、そして、黒字にございますように約2割が単純焼却または埋め立てでございますので、緑字にございますようにリサイクルされているものは25%にとどまっているということでございます。
19ページにございますように、右下のところで排出1,815万トンCO2がプラスチックを燃やしたり、あるいはリサイクル過程でも出てくるエネルギーなどのCO2排出量でございます。我が国の廃棄物部門からの非エネルギー起源CO2の約6割に相当いたします。上から2つ目の棒にございますように、容器包装のPETボトル以外の容器の青でございますように、サーマルリカバリーに伴うCO2あるいは単純焼却によるCO2が多い、あるいはその他のところ、電子機器、家庭用品、建材などのCO2が多くなってございます。
また、29ページにございますように、5ミリ以下のマイクロプラスチック、これが化学物質を吸着し、食物連鎖で生態系に影響を及ぼすことが懸念されており、G7の首脳宣言などでも大きな問題として指摘されております。洗顔、歯磨き等のスクラブ等にある一次マイクロプラスチックあるいはそれよりさらに量が多いと言われている大きなプラスチックが波や熱で細分化されて二次マイクロプラスチックになるような点が課題となっております。
また、21ページにございますように、バイオマス由来のプラスチック、カーボンニュートラルでございますが、これを増やすということが地球温暖化対策計画の対策評価、指標と書いてあります。2013年度7万トンに対して2020年度では79万トン、2030年度197万トンというのが国の計画の中に盛り込まれているところでございます。
また、22ページ、ガラスにつきましては、黄色のボックスにございますように、使用済製品として排出される270万トンのうちリサイクル法ルートでは95万トンが回収されております。結果として緑のボックスにございますように125万トンが、使用済製品の排出に占める45%がリサイクルされております。しかしながら、例えば3つ目の黄色の丸に書かせていただいたように、自動車や建築の板ガラスについてはほとんどリサイクルされていない。あるいは将来的には太陽光パネルの排出で多くのガラスが出てきてしまうというような課題を抱えているところでございます。
また、24ページでございます。電気の固まりと言われているアルミ二ウムにつきましては、真ん中の赤の字で書かせていただいたように210万トンが排出されておりますうちに溶かして国内でリサイクルされている原料は90万トン、残りの約半分が右の欄の下のほうに点々で書かれているような焼却・埋め立てあるいは雑品スクラップなどリサイクルされていない状況でございます。黄色の中の3つ目の丸に書かせていただいているように、伸ばした板である圧延品を増やしていく加工スクラップ36万トンをどう増やしていくか、あるいは雑品スクラップで輸出されているものが課題として考えられると思います。
また、26ページ、銅でございます。真ん中の赤字で書いてございますように、119万トンの排出に対しまして国内リサイクル向けが87万トンにとどまっております。黄色のボックスの3つ目に書かせていただいたような高度な分別技術の導入、あるいはその下に書かせていただいたような高度な選別技術の導入、あるいは雑品スクラップ対策などが課題というふうに考えております。
短い時間でございますが、私からの説明は以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題2、第三次の循環基本計画の見直しにつきまして議論に入らせていただきたいと思います。本日の議論を踏まえまして、指針策定に向けた御意見を御自由に出していただければというふうに思います。本日は主にこのライフサイクル全体での徹底的な資源循環ということを主たるテーマとしておりますが、前回、多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化という点で御意見をいただきましたが、前回若干時間の制約がございましたので、その点について触れていただいても結構でございます。
それでは、御意見のある方はまた同じように名札をお立ていただけませんでしょうか。
それでは、今度は逆に大迫委員のほうから回してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○大迫委員 まず、今、環境省のほうから国の取組としてお示しいただいたものなんですけれども、素材別の分析がなされていて、今後を見通す上で大変示唆に富む情報が提供されているというふうに思います。その中で特に金属の辺りなんですが、銅とアルミに関しては情報提供いただいたわけですけれども、やはりインパクトの大きさという意味では、ぜひ鉄のフロートいいますか、取組を整理いただくということも今後御検討いただきたいというふうに思っております。
それから、セメント産業なんですが、ここでは素材としてのその部分が今日は御紹介がなかったわけですが、やはり廃棄物副産物を受け入れているリサイクルのハブ役を担っているという面においては、このセメント産業、セメントの需要という面ではいろいろと見通しもあるかもしれませんけれども、今後セメントが果たす役割も含めて、セメント産業を中心とした資源のフローみたいなものも分析していただくと有用かなというふうに思います。
これはちょっと今後のライフサイクル全体を見通したというところの意見とも関わるかもしれませんが、まだ頭はちょっと整理し切れていないですけれども、やはり今、素材別の議論を整理いただきましたが、1つの素材だけでもいろんなセクターが関わっているというふうに思います。土石系なり、それから、金属の資源なり、こういったものに関しても、今申し上げたような非鉄から鉄から、あるいはセメントから、それが今もそれぞれのセクターがネットワークを組んでいろんな資源リサイクルを行っていると。さらに、そのネットワーク化をさらに強固にといいますか、高度化していくということも一つのライフサイクルを見通したということの中で重要な視点かなというふうに思っております。
それから、前回の地域循環というところもありますけれども、いろんな市民から、いろんな産業界から、行政のコーディネート役から、いろんなセクター、ステークホルダーが関わる中での連携というものがやはりいろんな社会の効率化を生んでいる、あるいは持続可能性を生んでいるというような側面があったかなというふうに思っておりますので、やはり連携という言葉は昔から使われているんですが、改めてその意味をきちっと循環型社会形成の中で考えていくということが重要かなというふうに思っています。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 特にこの資源に関してマテリアルフローがプラスチックとかガラスとかいろいろなものについて、アルミも含めてですけれども、全体の量を出していただいて大変よかったと思います。これに関して、今回の循環の計画の中でどのぐらい書けるかという問題はありますけれども、一つやはり問題になってくるのは、廃棄物からの卒業というところについて検討していくということが重要になってくると思いますけれども、計画の中ですぐに書けるとは私もあまり思っていないので、何かその頭出しだけでもできるといいかなということが1つございます。
それからもう一つ、マイクロプラスチックの問題は大問題で、今日も何かシンポジウムがありますけれども、ここのところのちょっと論理をちゃんとしておくことが必要かなというふうに思っていまして、マイクロプラスチックの最大問題はやっぱり散乱ごみの防止でもあり、やっぱり性分解性のプラスチックにしていくということが将来的には多分非常に重要になってくるということだと思いますが、そのリサイクルを推進していくことがマイクロプラスチック対策になるんだというところの論理をちょっともう少し詰めないと、私も何か薄い関係はあるかなと思ってはいるんですけれども、ちょっと説得力を増したほうがいいかなと思っているので、私も考えなくちゃいけないと、自分も考えなくちゃいけないと思っていますけれども、ちょっとそこは大事かなと思いました。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
小林委員、お願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。
本日の事例も踏まえて、3Rの循環型社会の事業運営や行動を促進する大きなポイントとしては、自主性を促すということが鍵であるのではないかなという認識を持っております。長期にわたる持続性や、どの主体の方々も自然に取り組むような馴染みを持たせる、という意味でも、規制的な措置ではなく、環境省の資料にもありましたが、読本やパンフレット、手引等のような自主性を促すことへの機会提供や仕組みづくり等の国の御支援を、今後もぜひともお願いしたいということと同時に、このような有益なツールがあることの認知度を高めるという意味での取組の工夫もすべきかなと思っております。
また、環境保全や経済成長の両立を図るという意味で、ものだけに着目した循環型社会というわけではなく、「わくわく」という話も今日はございましたけれども、人間の心理学的なところや、IoT、AI等のデジタル的なところも重要なことだと考えておりまして、その辺も含めた国の広い御支援をお願いしたいなと思っております。
以上、2点です。
○酒井部会長 崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 すみません、簡単に申し上げます。
これまで2Rが大事だというふうにずっと言われてきましたけれども、リサイクルのところはいろいろな法制度とか制度化が入っているけれども、特にリデュース、リユースのところに関しては、普及啓発とかそういうふうに頑張りましょうと、そういうようなところでとどまっていたというところが今まで定着してこなかった最大のところだというふうに思っています。そういう意味では、今回の見直しでは、そこにどういうふうに社会システムであるとか制度化、そして、規制的な措置あるいは経済的なインセンティブ政策、そういうのを全面的に入れるというのが大変重要だと思っております。
そういうことを考えると、今日の4つの団体の御発表というのは大変示唆に富むところだというふうに思っております。そういうような流れで、一つ大きく変化を起こせるなと思うことは、調達のところにいかにそういうシステムを入れていくかということが大変重要なのではないかと思っています。製品なりいろいろなシステムのライフサイクル全体の後ろのほうにだけ関わってくると、なかなか社会は動きにくいですので、調達とかそういうところのBtoBあるいはBtoC、全ての段階でそこにいろいろな制度を入れていくというところをしっかり考えていくのが重要なのではないかというふうなことが今日、私の印象として大変強くあります。
詳細な制度に関しては、またじっくりと意見交換の中で詰めていければと思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
杉山委員、どうぞ。
○杉山委員 ありがとうございます。
素材別リサイクルの調査について今後議論をする上で大変重要だと思います。興味深く拝見しました。先ほど大迫委員から鉄についてもというお話がありましたが、今日いろいろと話題になった衣類ですとか、その他の品目についても可能な限りこういうマテリアルフローを見せていただくと、有効な議論につながっていくのではないかと思います。
その際にできればお願いしたいことですが、やはり現状、廃棄物として出されたものは一廃のルートなのか産廃のルートなのか全く別に処理されていくわけですので、可能な限り、どちらのルートに乗って処理されたものかということをわかる範囲で教えていただければと思います。今後の課題を考える上で、産廃としての処理に問題があるのか、一廃としての流れに問題があるのか、その辺ができるだけわかるようにしていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
古尾谷委員、どうぞお願いします。
○古尾谷委員 今日お話しいただいた4団体は本当にすばらしい先進的、先端的取組だと思うんですけれども、先日のヒアリングの際も地域循環圏のお話がありました。それで、私も先日来、すごい悩ましいなと思っているんですけれども、こうした個々の団体や企業の御努力、そうしたものが個々に分断されて存在しているような印象が非常にあるんですね。
それで、今回の基本計画の中で地域循環圏あるいは共生圏という言い方で一つのまとめをしようとしているんですが、最初から気になっているのは、例えば一町村の中の一地域の絵柄があったり、あるいは大きな郡単位とか、あるいはもっと大きな県単位があったり、何を目標にしているのかがよく見えないです。日本全体を環境共生圏にしていきますよというのが最終目標なんでしょうけれども、だけれども、行政は恐らくそれでは困っちゃうと思うんですね。今の廃掃法の基本的理念である一般廃棄物は基礎的自治体である市町村、産廃中間処理施設は都道府県、全体的な法律の整備と資源循環の推進は国という枠組みそれぞれがトレードオフになっちゃっているような印象が非常にあるので、何をしたらいいのかというのを自治体は非常に困ると思います。補助金を欲しいとか、あるいはインセンティブというのは全ての団体から言われますし、全ての事業者から言われます。ただ、現実として環境省が持っているお金はなかなかないでしょうし、今ちょうど内閣府のやっている地方創生の中に地方創生交付金というのがありますけれども、私どもはそういう面でこの地域循環圏が地方創生の中で、そういう地域循環を確立した地域が地方創生のためのそういうものを使っていけるのだというような、お互いの資金の中の融通ができるような形、仕組みが出れば、少ない金も有効に使えていくんじゃないか、そういうことを立派に打ち出す市町村あるいは県やその他の地域があれば、日本の中で冠たる環境圏になるんじゃないか。
循環圏は非常にいい発想だと思いますので、ぜひその実現のためには、そこら辺の知恵を出し合わないと、言いっぱなし、個々の努力で、竹中工務店さんのやっていることはすばらしいと思いますし、リコーさんのお陰で私どもは建物をつくるときにコピー質をつくらなくなったんですね、機械が小さくなりましたから。昔は大きかったのでコピー室をわざわざ用意しなきゃならなかった。今はみんなPCにしても、そういうコピー機にしても非常に小さくなってきたので、そういうOA機器を置く場所をあまり考えなくてもいいようになってきたんですよ。これは大きな変化だと思います。
ですから、そういったことで、もうちょっと私どもも努力しなきゃいけないものは物すごくあるんですけれども、そこがちょっと気になっておりますので、以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
見山委員、どうぞ。
○見山委員 ありがとうございます。
ライフサイクル全体ということで考えると、やっぱり今の時代はIoTの時代なので、このIoTのデータとどうやって向き合っていくかということも戦略的に考えていく必要があるかなと思います。去年、電子マニフェストのときにも電子マニフェストで集まったデータをどうやって利活用するかということが議論になったと思うんですけれども、あと、今日の天沼さんのお話にもあるように、民間のデータなんかもどうやって連携して活用していくかということは、かなりいろんなヒントがあるかと思うんですね。どうしても政策とか制度というのは、実態の後追いになりがちなんですけれども、ちょっと先回りすることも今後こういったAIなんかを導入することによって可能になってくると思うので、IoTとどういうふうに向き合っていくかということも一つ検討項目として入れていただくのもいいかなというふうに思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
森口委員、どうぞ。
○森口委員 参考資料1に見直しに関する意見、これまでの意見をまとめていただいているんですが、今日の主たる議題であるライフサイクル全体での徹底的な資源循環、ここに各論としてはいろいろもちろん書かれているんですけれども、今日の前半のヒアリングでも少し話題に出ていたんですが、日本の事情と、それから、今欧州などで動いている状況のやはりある種の違いがあるわけですね。やはり日本は従来からの廃棄物政策から循環型社会政策に来たという、今はここの中で少しずつ拡張はしてきているわけですけれども、御存じのように欧州の資源効率性であるとか循環経済というのは少しその枠を超えて、産業政策であったり経済政策というところに入ってきているんだと思います。
そういう意味でいえば、例えばリニアエコノミーと言われる、とにかく資源をとってものをつくって捨てるというところから、循環経済で新しい経済に持っていこうと、そういう意味では、今日ベンチャーさんの新しいこういうビジネスの御紹介をいただいたのは非常に貴重な機会だったと思うんですね。いろいろ私自身も少し本当に大丈夫なのかと、環境面からチェックをしなきゃと、そういうところはあるんですが、やっぱりいろいろ新しいところに展開していかないと少し閉塞感というか、行き詰まり感がどうしてもあるんだと思いますね。
だから、そういうことでいうと、従来の延長だけではなくて、かなり産業政策、経済政策に関わってくるところもありますし、それから、前回の地域循環共生圏ということになると、これは前にも申し上げたんですが、環境政策とか循環型社会政策の枠内じゃなくて、その高齢化なり過疎化なりが進む地域をどうしていくのかというより広い政策の中で、それに対処していく中でこういう循環型社会にも寄与する部分というのは出てくるんだと思います。
そういう意味で、これは大変この政府の計画づくりの中で一番難しいところで、ここで言っていてもなかなかうまくいかない部分があるんですけれども、どうしても環境省の中だけで手に負えない部分というのはたくさんあるんだと思います。それをまた面と向かって、ではどこどこ省とやりましょうと言って、なかなかそれがうまくいくものでもないと思うんですけれども、いかにほかの施策分野との協調を図っていくか。そういったところで主体、企業さんであるとか地域の活動の主体であるとかが新しい方向に行きやすくするのかというところをそれぞれの柱の中にちょっと書き切れていないところがあるような気がいたしますので、それをぜひ次期循環基本計画の議論の中で少し場合によっては関係省庁とつくる段階で、早い段階から少し意見交換をしていただくようなことも含めて考えていただければなと思います。非常に曖昧とした提案で恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 では、枝廣委員、どうぞ。
○枝廣委員 ありがとうございます。
今回からの出席なので、これまでに話が出ていたら申し訳ないのですが、今回4種類のマテリアルフローを出していただいて、他国との比較やその辺りも知りたいということ、あと、今回新しく見直しをするときに、今、森口先生がおっしゃったこととも一部重なるのですが、前回からの社会的・経済的な変化をどれぐらい盛り込んでいくのか。例えばライフスタイルとか価値観もそうですし、世界のサーキュラー・エコノミーの潮流も今、森口先生がおっしゃったように産業政策、雇用政策としての位置づけで行われている。本来であれば国としてのビジョンがあって、それに対して環境政策として、もしくは産業政策としてそれぞれの省庁が連携できればいいと思うのですが、そういったつながりを打ち出していけたらなと思っています。
もう一つ、前半に御説明いただいたコミュニケーションについてなのですが、環境省のほうでコミュニケーションの委員もさせていただいたことがあって、いつも思うのは、どうしても同じ関心のある大人向けのコミュニケーションを繰り返し打ち続けると。それをどうやって超えたらいいのだろうかということで、例えば小学校から高校まで教科書でどういうふうにこの辺りのことが扱われているのだろうかとか、あとは、今日はエアークローゼットさんのお話がとてもおもしろかったのですが、そういうユーザーとかネット上のフリマのユーザーは別にリユースをしているとはきっと思っていなくて、知らずにそういう活動に参加している人たちに何らかのそういう位置づけをすると、自分の行動をさらに位置づけ直してほかにも広がるとか、いつも関心のあるこういうウエブに見に来る、環境省のウエブを見に来る人だけではないところに対するコミュニケーションにかなり力を入れていかないといけないのかなというふうに思っています。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、国の取組あるいは本日の4団体からの御意見を踏まえまして、一通り委員の方々から御意見をいただきました。それぞれにお答えいただくという性格でもないと思いますが、事務局のほうからこれはということでお伝えいただくべきことがございましたら、どうぞ事務局、御発言ください。
○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) ありがとうございます。
フローの今回手の届かなかったところにつきまして、御指摘いただきました鉄とか、あるいはセメントなども取り組んでまいりたいと思います。衣類のところについては、バイオマス系はどうやって出していけばいいのかまさに悩んでいる最中なんですけれども、研究させていただきます。
それから、大塚先生からいただきました海ごみ、マイクロプラスチックの件につきましては、次回のヒアリングでも対象とさせていただきます。
それから、小林委員から御指摘いただいたところでございます。昨年のG7富山環境大臣会合で後に総理レベルでもエンドースされました、物質循環フレームワークでございますが、産業界を含む多様な関係者のポテンシャルを最大化するということで、規制的措置に加えて透明性や説明責任を確保しつつ、事業者による自主的な行動や情報的措置等の適切な政策措置を最大限活用するというふうにG7でも握っているところなので、適切なポリシーミックスが重要であるというふうに考えております。
それから、枝廣委員から御指摘いただいた他国との比較でございますが、この富山物質循環フレームワークのほうでも特に目標の比較というのが非常に定義とかが違って難しいので、比較可能性を高めようということではG7で合意しているんですけれども、かなり四苦八苦しております。一方でこのフローでございますが、今年欧州委員会とその間で、彼らが今年プラスチック戦略をつくるということなのでどうなっているのかと意見交換する中で、日本もプラスチックのフローを去年つくって、こういうふうなものと出したときにすごくびっくりされて、どうやってつくったんだと。イングリッシュ化して情報提供してくれということで、フローのほうは多分日本のほうが進んでいるんじゃないかなと思いますので、外国のフローの紹介というのはかなり難しいと思います。
私からは以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。今の御発言を受けて、あと追加の御意見ございますでしょうか。
それでは、次回の部会におきましても、引き続き各主体のヒアリングを続けさせていただきながら、指針策定に向けた検討を進めていきたいと思っております。そのためにお願いがございます。指針策定に向けた議論のために事務局のほうにおかれましては、今回の参考資料1、計画見直しに向けた主な意見、それと第3回の点検結果を提供いただいておりますので、この点、それと前回、本日の議論を踏まえまして指針策定に関する論点を整理した資料の作成ということに入っていただけませんでしょうか。それを含めて次回以降、議論を進めさせていただきたいと思います。この点どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうにお返しいたします。何かございましたらお願いいたします。
○企画課長 長時間、どうもありがとうございました。
次回の部会の日程、場所でございますが、6月6日、もう来週ということでございますけれども、15時から18時に同じ場所での開催を予定しております。詳細については、また改めて開催通知を送らせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
どうも本日は長時間、ありがとうございました。
午後0時59分 閉会