中央環境審議会循環型社会部会太陽光発電設備リサイクル制度小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ 合同会議(第4回)
開催日時
令和6年10月28日(月) 13:00~15:00
開催場所
本小委員会は、WEB会議方式により開催(ライブ配信)し、傍聴者向けにライブ配信を実施します。
Web会議:Webex使用
本小委員会は、動画チャンネルでライブ配信を行います。傍聴希望の方は以下のURLから御覧ください。
【環境省環境再生・資源循環局 YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCVKICL_OG1Nh1GRfhYql8OQ
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議題
(1)関係者ヒアリング
(2)その他
(2)その他
配布資料
議事録
午後1時01分 開会
○日暮新エネルギー課長 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会太陽光発電設備リサイクル制度小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ合同会議の第4回会合を開催します。
私は、事務局を務めます、資源エネルギー庁新エネルギー課長の日暮です。
第4回は、オンライン形式での開催を基本としております。委員及びオブザーバーにおかれましては、マイクとビデオは御発言時のみオンとし、それ以外は、マイクはミュート、ビデオはオフにてお願いいたします。発言御希望の際は挙手ボタンでお知らせいただき、座長の指名を受けてから御発言ください。また、音声が聞こえにくいなど何かございましたら、チャット機能等でお知らせください。
なお、会議の模様は、環境省及び経済産業省のホームページにて、YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは、大和田座長に以後の議事進行をお願いいたします。
○大和田座長 それでは、第4回になりますけれど、ワーキングを開催させていただきたいと思います。
今回と次回、2回にわたっては関係各団体の方々から、色々現状であるだとか、それから課題、そして本委員会への要望等々を含めてヒアリングをさせていただき、委員の皆さんからいろいろ御意見をいただきたいと思っております。
それでは、まず議事に入りたいと思います。事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
配付資料一覧のとおり、議事次第、資料1、これまでの議論について、資料2、公益社団法人全国解体工事業団体連合会説明資料、資料3、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会説明資料、資料4、AGC株式会社説明資料、参考資料として、委員等名簿を御用意しております。資料は、事務局にて画面投影いたしますが、必要に応じ、あらかじめお送りしたファイルを御覧ください。
○大和田座長 それでは、資料1について、各団体からヒアリングを行う前に、事務局から、これまでの議論について御説明をいただきたいと思います。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
私は、事務局を務めます、資源エネルギー庁新エネルギー課長の日暮です。
第4回は、オンライン形式での開催を基本としております。委員及びオブザーバーにおかれましては、マイクとビデオは御発言時のみオンとし、それ以外は、マイクはミュート、ビデオはオフにてお願いいたします。発言御希望の際は挙手ボタンでお知らせいただき、座長の指名を受けてから御発言ください。また、音声が聞こえにくいなど何かございましたら、チャット機能等でお知らせください。
なお、会議の模様は、環境省及び経済産業省のホームページにて、YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは、大和田座長に以後の議事進行をお願いいたします。
○大和田座長 それでは、第4回になりますけれど、ワーキングを開催させていただきたいと思います。
今回と次回、2回にわたっては関係各団体の方々から、色々現状であるだとか、それから課題、そして本委員会への要望等々を含めてヒアリングをさせていただき、委員の皆さんからいろいろ御意見をいただきたいと思っております。
それでは、まず議事に入りたいと思います。事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
配付資料一覧のとおり、議事次第、資料1、これまでの議論について、資料2、公益社団法人全国解体工事業団体連合会説明資料、資料3、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会説明資料、資料4、AGC株式会社説明資料、参考資料として、委員等名簿を御用意しております。資料は、事務局にて画面投影いたしますが、必要に応じ、あらかじめお送りしたファイルを御覧ください。
○大和田座長 それでは、資料1について、各団体からヒアリングを行う前に、事務局から、これまでの議論について御説明をいただきたいと思います。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
資料1において、これまでの議論をまとめてございます。
1ページ目、リユース・リサイクル・埋立処分の全体像ということで、第2回の資料を再掲しております。
また、2ページ目と3ページ目は、第2回のこの委員会にお示しをしております、本審議会で御議論いただきたい論点を改めて配付しております。
資料1の4ページ目、5ページにて、これまでの審議会における主な御意見を整理してまとめてございます。モノに着目した、これまでいただいた御意見として、上から順番に申し上げますと、既に設置されたものも含め、原則全ての太陽光パネルを制度の対象とすべきではないかという御意見。将来を見越してペロブスカイト太陽電池も見据えた制度設計をすべきではないか。また、プラスチック、シリコンについても、資源循環の制度設計は検討していくべきではないか。また、リサイクルに必要となる社会的費用、エネルギーが合理的な範囲に収まるように、一定の場合には再資源化義務の対象から外すなど、今後設置される設備と区分して検討してはどうかという御意見。義務的再資源化の水準設定、高度な再資源化のインセンティブ設定をうまく組み合わせていくべきではないかという御意見。太陽光パネルの廃棄に関わる事業者を登録制にすることや、収集運搬、中間処理、再資源化等においても、それぞれの役割・事業規模に応じた許可制度を検討すべきではないかという御意見。収集運搬における積替えの規制緩和。そして、放置されないようにしっかり管理していく仕組み。発電事業者も一定の責務を負いながら、放置の可能性が高いシナリオを前提に制度を設計していくべきではないか。また、太陽光パネルを一定の場合に自動車リサイクル法のように廃棄物とみなすのはどうかという御意見もいただいております。新たな制度を設けることで、リユースがリサイクルに回ることのないようにすべきではないか。また、排出量を平準化するような施策も必要もではないか。地方自治体も一定の役割を果たすことが必要であるが、制度の運用について負担が生じると。したがって、自治体の役割分担、財政負担について、自治体の意見も踏まえて検討をしていくべきではないか。国内の資源循環体制を確立し、国内外に発信していくことが重要ではないか。また、消費者の資源循環に対する意識の醸成についても御意見をいただいてございます。
また、費用の面については、物理的な対応責任、費用責任を分けた上で、製造事業者等が拡大生産者責任や環境配慮設計を果たせる仕組みを構築すべきではないか。事業終了時、製造事業者等が不存在となる可能性も考慮し、パネルの購入・設置時点で再資源化費用を預託する取扱いとしてはどうかという御意見。解体等費用は発電事業者、再資源化費用は製造業者等が負担することとし、現在必要な費用を現在の事業者から回収する年金のような仕組みにすべきではないかという御意見もいただいております。また、再資源化費用は、環境配慮設計に対し費用を軽減するインセンティブを設定した上で海外に発信すべきではないか。非FIT/非FIPに対してもFITと同様に積立制度を創設し、事業の初期に一括積立てすることが望ましいが、事業規模・資金力、放置の可能性を考慮して例外措置を設けてもよいのではないか。透明性の高い資金管理団体が必要だが、ランニングコストを抑えつつ確実に費用を確保すべきではないか。また、技術的・金銭的な面から再資源化の実態等を具体的に示すべき、算定の際は物価変動、リサイクルの技術を考慮しつつ、技術的・経済面で合理的な範囲の算定とすべきではないかという御意見です。
また、情報の側面からは、非FIT/非FIPを含め、処理責任者、設備所有者の情報を把握することが重要。これから上市されるパネルの情報等が一元的に登録されるデータベースが必要。資金・情報の流れが適切かどうかを確認する組織が必要。また、環境配慮設計の促進のために、リサイクル率などの情報が製造業者に戻ってくるような仕組みが必要ではないか。リサイクル・リユースされた実績が重視されるために、所有者も実績を知ることができるように情報が開示される仕組みが重要ではないか。含有物質によって特別の取扱いが必要となるパネルがどこにどの程度あるのか、シミュレーションすべきではないか。送配電事業者、中間処理事業者、関係プレイヤーの協力により情報を確保する制度、マニフェストにより管理する仕組みも検討すべきではないか。
この三つの側面から、種々御意見をいただいたものを事務局において一定の整理をしたところでございます。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、これより各団体からヒアリングをさせていただきます。
1団体様約10分の持ち時間で御発表いただいて、全て三つの団体からヒアリングをいただきますけれど、全て終わってから質疑応答の時間を設けたいと思います。発表順は、資料2から4の順番のとおりでございまして、まず最初に、公益社団法人全国解体工事業団体連合会、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会、それから、AGC株式会社の順番といたします。
それでは、公益社団法人全国解体工事業団体連合会からよろしくお願いいたします。
○全国解体工事業団体連合会 ただいま御紹介いただきました全国解体工事業団体連合会の高橋です。本日はよろしくお願いします。
それでは、早速始めさせていただきます。
まず、1ページ目、太陽光発電パネルの撤去・リサイクル工事の現状ということで、現状で、まだまだメガソーラーの施設、それに工場・ビルに設置されたパネル、一般家庭の屋根上のパネルなど、撤去数量というのはそれほど多く我々にも報告されていないので、正直、撤去されたものの数、リサイクルされているのか、埋立処分に回っているのかというのを把握するような検証しているデータは今のところありません。
リサイクル関連のスキームというのは、ある程度以上明確になっている部分があるんですが、埋立処分しなければいけない場合というのはどういうことなのかということに関するスキーム的なものはまだ全然不明瞭な点が非常に多いので、我々もそういったケースがあったときにどう説明すればいいのかというのは今からの課題だと思っております。
やはりリサイクルのスキームのほうが非常に分かりやすくて、発注者側からの理解も得られやすいものだと考えているので、今後、リサイクル比率を高めるために何をすべきか、何を考えていくのかというのは重要な課題の一つだと思っております。
次のページ、お願いします。リサイクル比率を高めるためにということで、我々は、撤去、リサイクル、その処理スキームに関するリーフレットを作成、さらに勉強会、説明会などを、大量廃棄時代に向けて、これから色々と行っていくのが非常に重要だと思っていまして、環境省さんや東京都さんも、今はおそらく、太陽光パネルの撤去に関するリーフレットは作っていただいているんですけど、これをもっと色々な種類を作っていただいて、発注者用、施工者用、それに撤去用、運搬処分用など、種類が沢山あったほうがいいと思います。
我々全国解体工事業団体連合会も来年1月に全会員向けに勉強会を開催予定でして、こういう場を設けて、色々な知識を全国の解体屋さんに持っていただきたいと考えております。
現状で現場にて、リサイクルするのか、これはできないのかという判断をする理解度がまだまだ低いという話があると思います。太陽光パネルの撤去手順というのも、かなりまだ知られていない情報なので、この辺も我々が色々なものを説明できる場などをつくって、理解度も含めて、その仕組みを浸透させることで、不適正な工事を減らせると考えております。
次のページをお願いします。太陽光パネルの撤去について、メガソーラーであってもその他の場所に設置されていても、人力以外は考えてはならないというのは、今回のこの話を進める中で、色々なところに強く強調して記載してもらいたいという思いがあります。よく「でき得る限り」とか「することが望ましい」という文章があったりもするんですけれども、太陽光パネルに関しては「人力以外は違反」だというぐらいの強い表現が必要だと思います。実際、環境省さんが作られたガイドラインの第2版では、人力解体でなければ駄目だという記載がないと言われたことがあるんですけど、それは書いてはいないけど、常識で考えて重機では壊さないだろうと言いたいところなんですけど、そのように捉える方もいらっしゃるというのがしようがないところです。我々業界は、とにかく一番おそれている、心配しているのが、ミンチ解体と、それに不法投棄が太陽光パネルで横行するんじゃないかということです。残念なんですけど、発注者にとって解体工事というのは、コストというか費用というよりも出費のほうに考えられることが多くて、出費であれば抑えたいから安いほうがいいという考え方がどうしてもこの建設業、特に解体工事の場合はあるので、ミンチ解体すればもちろん安いです。ただ、ミンチ解体したものを受け取るところは適正な処理をしている処分場ではないので、この機会に、機械で壊しては駄目です、人力以外は駄目ですというのを、色々なところに強調してもらって、で、機械解体に関する罰則のほうもペナルティーとして考えていただければと思っております。
次のページ、お願いします。撤去・リサイクル費用の算出についてなんですが、撤去に関して、このパネルの特性を理解した上で行えば、それほど難しくも危険を伴うものでもないと我々は考えています。高所のものや傾斜地は、また別の安全対策が必要ですが、今回はその件については触れないようにしています。
費用の算出の問題点としてなんですが、前回も少しお話ししたとおり、解体現場、排出現場とリサイクル処理施設の位置関係、それに処理能力が大きな関わりを持つことになります。
Aのパターンはパネル排出枚数が5,000枚で、現場と処理施設の距離は30キロ。ただ、処理能力というのが1日に50枚しかできません。これを排出して処理するだけで100日かかりますと。これがBのパターンで約100キロ。遠いけども、1日の処理能力が200枚ということであれば、処理に関する日数は25日で済む。これで4分の1で済むということになるので、近いけど能力が低いよりも、遠いけど能力が高いほうがコスト低減になるということになります。
次のページ、お願いします。当然、工期が延びるほど現場の管理、仮設、例えば仮囲いとか、色々な工事の人たちが休む詰所とか、これは仮設工事の費用なんですが、それと安全対策費、色々な項目があります。ただ、やはり25日と100日で考えれば、現場・一般、それに安全管理費用というのはその分増加します。我々にとって非常に重要なのが、可能な限り最短の工期を出せる計画を立案するということになります。この場合ですと、やはり処理能力が高い、それでなるべく近いところの処理施設を探す、これが積算するときに非常に大事になると思います。
あとは、その前提になるのは、やはり47都道府県それぞれに一、二か所ぐらいは処理能力が高い施設がある必要があると思います。それと、うちの処理施設ではこういう破損したパネルは受け入れないよというところがありますと、今度は、その破損パネルは別のところに処理してもらおうとなって、そこがまた遠方だと、またその費用の加算につながるので、できましたら47都道府県それぞれに能力が高くて、破損パネルなんかも受け入れてくれる施設があると非常にいいと思います。
色々な観点から、やはりパネルの撤去のリサイクル費用というのを平準化して、積算の歩掛かりのような考え方でまとめていくのは、我々の業界にとっては、これは非常に難しいなと考えております。
次のページ、お願いします。やむを得ずリサイクルできなかった場合の取扱いについてということで、やむを得ずリサイクルできなかった場合については、このリサイクル処理施設の受入れ基準ということになりますので、これはどういったものがあるのかというのは、これはリサイクル処理施設側の問題なので、ここでは言及はしません。ただ、リサイクルNGとなったパネルがどのようなものであっても管理型の埋立処分に搬入するしかないというのが今のスキームなんですが、これも、やはり太陽光パネルというのは直接現場から管理型に持っていくことはできないということで、一度、中間処理施設に持ち込んで、アルミ、ガラス、それにシートの部分に分別する必要があると。ただ、廃プラ等をおおむね15センチ以下に破砕等をしなくてはいけないというルールがあるので、このシートの部分を、剪断のほうが適しているのかなと思うんですが、なかなか破砕というのはできないと思うんですね。剪断したものだけを埋立処分するわけなんですが、この中間処理施設というのが、どれぐらいの数が存在するかというのは今のところ全く分かっていないので、これも現場からの移動距離というのも絡んできますので、どうしても埋立処分しなきゃいけない場合の費用も非常に算定がしづらいです。
次のページ、お願いします。中間処理施設で剪断ができないという場合ですが、これはどういった扱いになるのか。処理期限が終了している高濃度PCBはもう既に、その持ち主が保管をしなきゃいけないとかありますけれども、例えば剪断できないパネルを焼却処分するとか、そういうことは可能なのか。この辺は解体工事業界で判断することではないかなと考えております。
含有成分、その他の理由で、リサイクル処理施設で受入れ拒否されるパネルの枚数というのは全体数量からするとほんの少しでしかないとは思うんですが、1枚でもあれば、その対策を考えておかなければ、そのパネルに対してはリサイクルも管理型埋立処分がなかなか難しいということになってしまうので、本委員会での議論でこの件については明確な定義づけをしていただけることをお願いいたします。
次のページ、お願いします。コストの低減ということなんですが、建設業界の人手不足問題というのは、年々、年を重ねるごとに労務者がどんどん減る、労務賃金も上がる、燃料・資材のリース、全てにおいて高騰する要素しかないので、コストは基本的に下がるということは解体工事業界のほうではなかなかないと思います。
処理能力の高いリサイクル施設や、今日これからAGCさんが説明していただけるような新しいリサイクル技術というのがどんどんできてくれば、このリサイクルのコストとしての低減というのは可能性があるかとは思います。
リサイクル費用が一番安くなるためには、これはリサイクル製品、何でもそうなんですが、精製されたリサイクル製品の販路が拡大することにあると思います。今、アルミ以外はガラスカレット、スラグになるだけで、これは色々なところから出るありふれた商品で特段価値があるものではないと思いますので、これも今後そんなには変わらないのかなと。今回、リサイクルを義務付けるという話の中で、このリサイクル製品をどんどん使うことも義務付けていただけたらと感じております。
今、我々の業界は、現場から出るコンクリートのがらが再生砕石になって、その再生砕石の使い道が本当に少なくなっているので、滞留問題というのが起きているんですが、割とコンクリートがらはリサイクルの優等生と言われるんですけど、循環はしてないものがなぜ優等生なのかという気持ちがあります。これは太陽光パネルとは関係ありません。
最後に、太陽光パネルはその普及が大きく進んでいるわけですが、本来、これだけ売電できるとか電気代が安くなるというものに対して、撤去費用がこれだけかかるという説明はされてはいないと思いますので、このマイナス要素というのも提示すべきだったと感じます。
設置を義務付けする行政も出てきて、今後ますます設置数というのは増えていきますが、再資源・資源循環の土台というのは全く確立できていないのではないでしょうか。
リサイクル費用だけではなく、メンテナンス費用もしっかり計上しなくてはならないと思います。
正直、火事や災害にはかなり弱いもので、ここに書いてある各種実証実験というのも、例えば放置したパネルがどれぐらいの時間で物を燃やす火種になってしまうかとか、感電とか、あとは放置されてぐちゃぐちゃになったパネルは実際、土壌汚染を引き起こすようなことがあるのか。この辺は実証実験の例が全くないので、これを機会に実行してはどうでしょうか。
本件とは分離して考えている話なんですが、蓄電池、それに風力発電設備もこれからはかなり問題になると考えられております。よいものだ、便利だと言われて、最終的には我々の業界も石綿やPCB、ヒ素入りボードというので実際に撤去処分するときに苦労しているんですが、太陽光パネルはそういうことにならないように実効性のある方策を皆さんで議論してほしいと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは続いて、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会から御説明をお願いいたします。
繰り返しになりますけれど、10分程度で御説明をお願いします。
○太陽光パネルリユース・リサイクル協会 それでは、太陽光パネルリユース・リサイクル協会からヒアリングに対するコメントをお話しさせていただきたいと思います。
限られた時間で作った資料なので拙い部分があろうかと思いますが、質疑応答などでフォローさせていただきます。
太陽光パネルリユース・リサイクル協会は、製造業者、発電事業者、解体・撤去事業者から、収集運搬、リサイクル可能な中間処理・リサイクラー、ガラスカレット業者さんであったりとか、銀回収の精錬業者などの、各セクターそれぞれが説明責任を果たせるような連携が取れるということが重要だと考えています。
少し難しい言葉で逆選択という言葉で表現しておりますが、簡単に言うと、「悪貨は良貨を駆逐する」ということで、低いレベルの基準で作られた貨幣が流通すると、良い基準で作られた貨幣ではなく、悪い基準で作られた貨幣が流通するということなので、より望ましい処理が選択されるということが全体的にいいことではないかなと思います。そのために、それぞれのセクターが透明性であるとか、追跡可能性であるとか、説明責任とかというところを担当していくことが重要だと考えております。
その上で、色々とヒアリング項目になっておりますリユース・リサイクルについてお話をさせていただきたいのですが、まず、リユースについてということで、リユース品として使えるかどうかの最終判断、一言で言いますと、リユース事業者の保管場に到着して、そこで洗浄・絶縁等の検査を行ったときに確定します。
発電所からの引取りの場合は、発電所が、稼働している発電所であれば、直前まで動いているところの点検時の発電データといったものを収集して、直前まで動いているわけですから、リユースできる状態にあるかどうかというのは、そのデータから判断するということができます。
発電稼働中ではないけれども、まだ取り外しをしていないということであれば、テスターを当たれば検査はできますので、ストリングごとの検査で、その中に異常なデータがあれば、そのストリングの中に不具合品があるということで、そのストリングの中の不具合品を見つけて、それ以外のものはリユースという判断にしております。
取り外し後は、そういったデータがありませんので、基本的には受入施設で洗浄・外観検査、それに対して絶縁検査・能力検査となって、その上でリユースの可否判断をします。
新古品なんていうものも入ってくることがあります。そういったものは新古品を扱っているメーカーさんのほうでデータを取られることで、それで確認することがあります。
使用済みのものが保管場所で保管されておられる場合は、上の①の3)と同じように洗浄・外観検査・能力検査を行って出荷するという形になっております。
次、お願いします。円滑なマテリアルリサイクルに必要ということで、次はリサイクルの話になります。まず最初に、含有情報、大きくはガラスとセルシートにどういうものが含有されているかということが重要になってまいります。ガラスをマテリアルリサイクルするという上では、溶出の有無ではなく、今は溶出検査のデータが義務付けられておりますけども、含有量、含有検査が重要になってきます。リサイクルする上では含有量が大事です。実際、ガラスの検査、私の会社では一枚一枚検査しているんですけど、ないと思っていたヒ素とか鉛がガラスに含有されていることが実際ありましたので、こういった情報は重要になってきます。セルシートには、ほとんど銀が含有されているので、リサイクルに回るわけなんですけども、銀の有無、含有量が分かればリサイクルしやすいということです。
時間がないので、あとは書いてあるとおりですが、パネルの種類に関しては、現時点では多くのリサイクル業者が薄膜以外の結晶系の処理を中心にやっておりますので、そういったものか、それ以外のものというところが重要になります。
古いものは片面受光が多いですけども、最近は両面受光のダブルガラスというものが増えてきておりますので、今もこのダブルガラスに関してはほとんどのリサイクル事業者が現時点では処理ができないので、そういったものかどうかも処理対象かどうか判断基準になります。
パネルサイズも、ほとんどの事業用が、ここに書かれている短辺が1,050ミリ以下、長辺も2,000ミリ以下ということで設計がされておりますので、それ以下であるかどうかということです。最近は大型化が進んでおりまして、事業用の②というものになると、リサイクルができる業者が限られてくるということです。
逆に、小さ過ぎたり、三角形であったりとか、建材一体型のようなものかどうかというのもリサイクルできるかどうか難しい判断になります。
次、お願いします。ここには先ほどのダブルガラスとか化合物系の太陽光パネルについて少し書いております。時間の関係で次に行きたいと思います。
リサイクル技術の発展・普及により生じ得る変化について説明します。現状、キロワット当たり1万2,000円というところが大体のリサイクル業者さんの中心値になっているかと思います。皆さん、現時点では、ほとんどの設備は稼働率が低いので、どうしてもリサイクル単価が高くなってきますが、今後、処理量が増えてくれば、処理単価当たりの償却コストが減ってきますので、処理コストは低下してくるものと思っています。
今後は、こういった再資源化を支える法律ができれば、さらにガラスとして、セルシートとして、それの有効利用を促進する仕組みができれば、そういったものの資源単価が上がってくると思いますので、処理単価も下がりリサイクルはもっと推進されるのかなと思います。
ガラスについては、アップサイクル、水平リサイクル、カスケードリサイクル、言い換えればダウンリサイクルとそれぞれの処理方式によりリサイクルのレベルが変わります。
セルシートからは、主に銀の評価が一般的ですけども、銀の含有量が新しいものになるものに従って含有量が少し減ってくるので、如何に効率よく資源化するかが課題になります。
現在、シリコンに関してはほとんど評価されておりません。コスト倒れになるので、現在では銀を回収するにとどまっていますが、今後、そういったことも研究の課題になるかなと思っています。
次、お願いします。現時点では、電気工事業者さん、運送業者さんなどもリサイクル事業に参入されております。今後は、適正な競争が増えてくれば、適正なマーケット価格に集約されてくると思います。
現時点では、ほとんどのリサイクラーが先行投資の段階で、1割、2割程度の稼働率しかないので、今後、七、八割の稼働率ができてくれば、投資コストが分散されてコストも下がってくると思っております。
次、お願いします。時間がないのであまり詳しく説明できませんが、私、よくリサイクルには松竹梅があるというようは話をしています。今、我々の業界にも様々な機械処理方式を導入してリサイクルを進めています。今、整理をしているところなんですが、それぞれで出てくる再生資源、ガラスとかセルシートというのもリサイクルしていくわけなんですけれども、それぞれのリサイクル率、そこから生まれてくる付加価値なんかでリサイクルのレベルというのをある程度定量化していく必要があるのかなと思っています。リサイクルレベルをどこでラインを引くかというところが今後の課題になってくるかなと思っています。まだ我々の業界自体も緒に就いたばかりで、今精査をしているというところです。それぞれの方式のいいところ、悪いところというのがありますので、そういったところをこれから整理していこうと思っているところであります。
次、お願いします。先ほども出ましたが、シリコンに関してはほとんど今、リサイクルが進んでおりません。委員の中には研究機関等でそこを研究されているところがあるかと思いますが、そういったところと我々業界が連携して、シリコンリサイクルについても検討をしていければと思っております。
次、お願いします。重量の6割ちょっとがガラスになっていることから、ガラスのリサイクルが重要になってきます。この後、AGCさんもお話されると思いますが、カレットを使うことによってガラス製造におけるCO2の削減ができると思いますので、そういったことを我々のセクターとも連携しながらやっていくことが大切だと思っています。
そうやってできたガラス素材を消費者側に購入する際のインセンティブをつけることによって、メーカーさんも研究が進んでいくんじゃないか期待しております。
次、お願いします。製造業者及びサプライヤー全体として求めることは、ここに書いてあることなんですけども、例えば太陽光パネルに限っては、現在、海外メーカーさんが主に作っておられますので、日本国内で出てきた再生資源を使うことによって、例えば輸入関税が減額されるなどのインセンティブが与えられたら、開発も進んでいくというか、積極的にそういった再生資源を使っていくということになるのかなというふうに思っています。
最後に、例外的なところに、例えば離島などのリサイクル設備がないところということなんですけれど、離島で管理型処分場があれば管理型処分場でもいいんじゃないかなと個人的には思いますけども、大抵、離島に最終処分場もないと思うので、どうせ運ばないといけないのであればリサイクルしたほうがよいかなと思いますし、先ほど全解工連さんもおっしゃいましたとおり、例えば倉庫の屋根に太陽光パネルが載っていて、その倉庫が火事になったとき、とてもじゃないですけど手作業で回収できませんので、重機で回収した場合なんかはやっぱりリサイクル処理ができないのかなと思います。そういったものに関しては、これから検討を進めて、例えば災害などでぐちゃぐちゃに潰れたようなやつは恐らくリサイクル処理ができないと思いますので、シュレッダーをかけて埋立処分というところが合理的かなというふうには思います。
最後に、ちょっときれいごとを書いておりますけれども、我々としては、各セクターがしっかりと情報を共有して、望ましい処理の選択をすることによって、技術の向上を図ってリサイクルが進んでいくということを目指して我々はやっていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いしますということで、少し超過いたしましたが、太陽光パネルリユース・リサイクル協会からの発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、AGC株式会社様、御説明をよろしくお願いいたします。
○AGC株式会社 よろしくお願いします。AGC株式会社から長尾祥浩が報告させていただきます。音声が悪ければ言ってください。
では、次のページをお願いします。AGCの事業ですけれども、2兆円の売上げがありますが、約半分強がガラスの事業に携わっております。
1ページ目、リユース・リサイクル・埋立処分の全体像ということで、第2回の資料を再掲しております。
また、2ページ目と3ページ目は、第2回のこの委員会にお示しをしております、本審議会で御議論いただきたい論点を改めて配付しております。
資料1の4ページ目、5ページにて、これまでの審議会における主な御意見を整理してまとめてございます。モノに着目した、これまでいただいた御意見として、上から順番に申し上げますと、既に設置されたものも含め、原則全ての太陽光パネルを制度の対象とすべきではないかという御意見。将来を見越してペロブスカイト太陽電池も見据えた制度設計をすべきではないか。また、プラスチック、シリコンについても、資源循環の制度設計は検討していくべきではないか。また、リサイクルに必要となる社会的費用、エネルギーが合理的な範囲に収まるように、一定の場合には再資源化義務の対象から外すなど、今後設置される設備と区分して検討してはどうかという御意見。義務的再資源化の水準設定、高度な再資源化のインセンティブ設定をうまく組み合わせていくべきではないかという御意見。太陽光パネルの廃棄に関わる事業者を登録制にすることや、収集運搬、中間処理、再資源化等においても、それぞれの役割・事業規模に応じた許可制度を検討すべきではないかという御意見。収集運搬における積替えの規制緩和。そして、放置されないようにしっかり管理していく仕組み。発電事業者も一定の責務を負いながら、放置の可能性が高いシナリオを前提に制度を設計していくべきではないか。また、太陽光パネルを一定の場合に自動車リサイクル法のように廃棄物とみなすのはどうかという御意見もいただいております。新たな制度を設けることで、リユースがリサイクルに回ることのないようにすべきではないか。また、排出量を平準化するような施策も必要もではないか。地方自治体も一定の役割を果たすことが必要であるが、制度の運用について負担が生じると。したがって、自治体の役割分担、財政負担について、自治体の意見も踏まえて検討をしていくべきではないか。国内の資源循環体制を確立し、国内外に発信していくことが重要ではないか。また、消費者の資源循環に対する意識の醸成についても御意見をいただいてございます。
また、費用の面については、物理的な対応責任、費用責任を分けた上で、製造事業者等が拡大生産者責任や環境配慮設計を果たせる仕組みを構築すべきではないか。事業終了時、製造事業者等が不存在となる可能性も考慮し、パネルの購入・設置時点で再資源化費用を預託する取扱いとしてはどうかという御意見。解体等費用は発電事業者、再資源化費用は製造業者等が負担することとし、現在必要な費用を現在の事業者から回収する年金のような仕組みにすべきではないかという御意見もいただいております。また、再資源化費用は、環境配慮設計に対し費用を軽減するインセンティブを設定した上で海外に発信すべきではないか。非FIT/非FIPに対してもFITと同様に積立制度を創設し、事業の初期に一括積立てすることが望ましいが、事業規模・資金力、放置の可能性を考慮して例外措置を設けてもよいのではないか。透明性の高い資金管理団体が必要だが、ランニングコストを抑えつつ確実に費用を確保すべきではないか。また、技術的・金銭的な面から再資源化の実態等を具体的に示すべき、算定の際は物価変動、リサイクルの技術を考慮しつつ、技術的・経済面で合理的な範囲の算定とすべきではないかという御意見です。
また、情報の側面からは、非FIT/非FIPを含め、処理責任者、設備所有者の情報を把握することが重要。これから上市されるパネルの情報等が一元的に登録されるデータベースが必要。資金・情報の流れが適切かどうかを確認する組織が必要。また、環境配慮設計の促進のために、リサイクル率などの情報が製造業者に戻ってくるような仕組みが必要ではないか。リサイクル・リユースされた実績が重視されるために、所有者も実績を知ることができるように情報が開示される仕組みが重要ではないか。含有物質によって特別の取扱いが必要となるパネルがどこにどの程度あるのか、シミュレーションすべきではないか。送配電事業者、中間処理事業者、関係プレイヤーの協力により情報を確保する制度、マニフェストにより管理する仕組みも検討すべきではないか。
この三つの側面から、種々御意見をいただいたものを事務局において一定の整理をしたところでございます。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、これより各団体からヒアリングをさせていただきます。
1団体様約10分の持ち時間で御発表いただいて、全て三つの団体からヒアリングをいただきますけれど、全て終わってから質疑応答の時間を設けたいと思います。発表順は、資料2から4の順番のとおりでございまして、まず最初に、公益社団法人全国解体工事業団体連合会、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会、それから、AGC株式会社の順番といたします。
それでは、公益社団法人全国解体工事業団体連合会からよろしくお願いいたします。
○全国解体工事業団体連合会 ただいま御紹介いただきました全国解体工事業団体連合会の高橋です。本日はよろしくお願いします。
それでは、早速始めさせていただきます。
まず、1ページ目、太陽光発電パネルの撤去・リサイクル工事の現状ということで、現状で、まだまだメガソーラーの施設、それに工場・ビルに設置されたパネル、一般家庭の屋根上のパネルなど、撤去数量というのはそれほど多く我々にも報告されていないので、正直、撤去されたものの数、リサイクルされているのか、埋立処分に回っているのかというのを把握するような検証しているデータは今のところありません。
リサイクル関連のスキームというのは、ある程度以上明確になっている部分があるんですが、埋立処分しなければいけない場合というのはどういうことなのかということに関するスキーム的なものはまだ全然不明瞭な点が非常に多いので、我々もそういったケースがあったときにどう説明すればいいのかというのは今からの課題だと思っております。
やはりリサイクルのスキームのほうが非常に分かりやすくて、発注者側からの理解も得られやすいものだと考えているので、今後、リサイクル比率を高めるために何をすべきか、何を考えていくのかというのは重要な課題の一つだと思っております。
次のページ、お願いします。リサイクル比率を高めるためにということで、我々は、撤去、リサイクル、その処理スキームに関するリーフレットを作成、さらに勉強会、説明会などを、大量廃棄時代に向けて、これから色々と行っていくのが非常に重要だと思っていまして、環境省さんや東京都さんも、今はおそらく、太陽光パネルの撤去に関するリーフレットは作っていただいているんですけど、これをもっと色々な種類を作っていただいて、発注者用、施工者用、それに撤去用、運搬処分用など、種類が沢山あったほうがいいと思います。
我々全国解体工事業団体連合会も来年1月に全会員向けに勉強会を開催予定でして、こういう場を設けて、色々な知識を全国の解体屋さんに持っていただきたいと考えております。
現状で現場にて、リサイクルするのか、これはできないのかという判断をする理解度がまだまだ低いという話があると思います。太陽光パネルの撤去手順というのも、かなりまだ知られていない情報なので、この辺も我々が色々なものを説明できる場などをつくって、理解度も含めて、その仕組みを浸透させることで、不適正な工事を減らせると考えております。
次のページをお願いします。太陽光パネルの撤去について、メガソーラーであってもその他の場所に設置されていても、人力以外は考えてはならないというのは、今回のこの話を進める中で、色々なところに強く強調して記載してもらいたいという思いがあります。よく「でき得る限り」とか「することが望ましい」という文章があったりもするんですけれども、太陽光パネルに関しては「人力以外は違反」だというぐらいの強い表現が必要だと思います。実際、環境省さんが作られたガイドラインの第2版では、人力解体でなければ駄目だという記載がないと言われたことがあるんですけど、それは書いてはいないけど、常識で考えて重機では壊さないだろうと言いたいところなんですけど、そのように捉える方もいらっしゃるというのがしようがないところです。我々業界は、とにかく一番おそれている、心配しているのが、ミンチ解体と、それに不法投棄が太陽光パネルで横行するんじゃないかということです。残念なんですけど、発注者にとって解体工事というのは、コストというか費用というよりも出費のほうに考えられることが多くて、出費であれば抑えたいから安いほうがいいという考え方がどうしてもこの建設業、特に解体工事の場合はあるので、ミンチ解体すればもちろん安いです。ただ、ミンチ解体したものを受け取るところは適正な処理をしている処分場ではないので、この機会に、機械で壊しては駄目です、人力以外は駄目ですというのを、色々なところに強調してもらって、で、機械解体に関する罰則のほうもペナルティーとして考えていただければと思っております。
次のページ、お願いします。撤去・リサイクル費用の算出についてなんですが、撤去に関して、このパネルの特性を理解した上で行えば、それほど難しくも危険を伴うものでもないと我々は考えています。高所のものや傾斜地は、また別の安全対策が必要ですが、今回はその件については触れないようにしています。
費用の算出の問題点としてなんですが、前回も少しお話ししたとおり、解体現場、排出現場とリサイクル処理施設の位置関係、それに処理能力が大きな関わりを持つことになります。
Aのパターンはパネル排出枚数が5,000枚で、現場と処理施設の距離は30キロ。ただ、処理能力というのが1日に50枚しかできません。これを排出して処理するだけで100日かかりますと。これがBのパターンで約100キロ。遠いけども、1日の処理能力が200枚ということであれば、処理に関する日数は25日で済む。これで4分の1で済むということになるので、近いけど能力が低いよりも、遠いけど能力が高いほうがコスト低減になるということになります。
次のページ、お願いします。当然、工期が延びるほど現場の管理、仮設、例えば仮囲いとか、色々な工事の人たちが休む詰所とか、これは仮設工事の費用なんですが、それと安全対策費、色々な項目があります。ただ、やはり25日と100日で考えれば、現場・一般、それに安全管理費用というのはその分増加します。我々にとって非常に重要なのが、可能な限り最短の工期を出せる計画を立案するということになります。この場合ですと、やはり処理能力が高い、それでなるべく近いところの処理施設を探す、これが積算するときに非常に大事になると思います。
あとは、その前提になるのは、やはり47都道府県それぞれに一、二か所ぐらいは処理能力が高い施設がある必要があると思います。それと、うちの処理施設ではこういう破損したパネルは受け入れないよというところがありますと、今度は、その破損パネルは別のところに処理してもらおうとなって、そこがまた遠方だと、またその費用の加算につながるので、できましたら47都道府県それぞれに能力が高くて、破損パネルなんかも受け入れてくれる施設があると非常にいいと思います。
色々な観点から、やはりパネルの撤去のリサイクル費用というのを平準化して、積算の歩掛かりのような考え方でまとめていくのは、我々の業界にとっては、これは非常に難しいなと考えております。
次のページ、お願いします。やむを得ずリサイクルできなかった場合の取扱いについてということで、やむを得ずリサイクルできなかった場合については、このリサイクル処理施設の受入れ基準ということになりますので、これはどういったものがあるのかというのは、これはリサイクル処理施設側の問題なので、ここでは言及はしません。ただ、リサイクルNGとなったパネルがどのようなものであっても管理型の埋立処分に搬入するしかないというのが今のスキームなんですが、これも、やはり太陽光パネルというのは直接現場から管理型に持っていくことはできないということで、一度、中間処理施設に持ち込んで、アルミ、ガラス、それにシートの部分に分別する必要があると。ただ、廃プラ等をおおむね15センチ以下に破砕等をしなくてはいけないというルールがあるので、このシートの部分を、剪断のほうが適しているのかなと思うんですが、なかなか破砕というのはできないと思うんですね。剪断したものだけを埋立処分するわけなんですが、この中間処理施設というのが、どれぐらいの数が存在するかというのは今のところ全く分かっていないので、これも現場からの移動距離というのも絡んできますので、どうしても埋立処分しなきゃいけない場合の費用も非常に算定がしづらいです。
次のページ、お願いします。中間処理施設で剪断ができないという場合ですが、これはどういった扱いになるのか。処理期限が終了している高濃度PCBはもう既に、その持ち主が保管をしなきゃいけないとかありますけれども、例えば剪断できないパネルを焼却処分するとか、そういうことは可能なのか。この辺は解体工事業界で判断することではないかなと考えております。
含有成分、その他の理由で、リサイクル処理施設で受入れ拒否されるパネルの枚数というのは全体数量からするとほんの少しでしかないとは思うんですが、1枚でもあれば、その対策を考えておかなければ、そのパネルに対してはリサイクルも管理型埋立処分がなかなか難しいということになってしまうので、本委員会での議論でこの件については明確な定義づけをしていただけることをお願いいたします。
次のページ、お願いします。コストの低減ということなんですが、建設業界の人手不足問題というのは、年々、年を重ねるごとに労務者がどんどん減る、労務賃金も上がる、燃料・資材のリース、全てにおいて高騰する要素しかないので、コストは基本的に下がるということは解体工事業界のほうではなかなかないと思います。
処理能力の高いリサイクル施設や、今日これからAGCさんが説明していただけるような新しいリサイクル技術というのがどんどんできてくれば、このリサイクルのコストとしての低減というのは可能性があるかとは思います。
リサイクル費用が一番安くなるためには、これはリサイクル製品、何でもそうなんですが、精製されたリサイクル製品の販路が拡大することにあると思います。今、アルミ以外はガラスカレット、スラグになるだけで、これは色々なところから出るありふれた商品で特段価値があるものではないと思いますので、これも今後そんなには変わらないのかなと。今回、リサイクルを義務付けるという話の中で、このリサイクル製品をどんどん使うことも義務付けていただけたらと感じております。
今、我々の業界は、現場から出るコンクリートのがらが再生砕石になって、その再生砕石の使い道が本当に少なくなっているので、滞留問題というのが起きているんですが、割とコンクリートがらはリサイクルの優等生と言われるんですけど、循環はしてないものがなぜ優等生なのかという気持ちがあります。これは太陽光パネルとは関係ありません。
最後に、太陽光パネルはその普及が大きく進んでいるわけですが、本来、これだけ売電できるとか電気代が安くなるというものに対して、撤去費用がこれだけかかるという説明はされてはいないと思いますので、このマイナス要素というのも提示すべきだったと感じます。
設置を義務付けする行政も出てきて、今後ますます設置数というのは増えていきますが、再資源・資源循環の土台というのは全く確立できていないのではないでしょうか。
リサイクル費用だけではなく、メンテナンス費用もしっかり計上しなくてはならないと思います。
正直、火事や災害にはかなり弱いもので、ここに書いてある各種実証実験というのも、例えば放置したパネルがどれぐらいの時間で物を燃やす火種になってしまうかとか、感電とか、あとは放置されてぐちゃぐちゃになったパネルは実際、土壌汚染を引き起こすようなことがあるのか。この辺は実証実験の例が全くないので、これを機会に実行してはどうでしょうか。
本件とは分離して考えている話なんですが、蓄電池、それに風力発電設備もこれからはかなり問題になると考えられております。よいものだ、便利だと言われて、最終的には我々の業界も石綿やPCB、ヒ素入りボードというので実際に撤去処分するときに苦労しているんですが、太陽光パネルはそういうことにならないように実効性のある方策を皆さんで議論してほしいと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは続いて、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会から御説明をお願いいたします。
繰り返しになりますけれど、10分程度で御説明をお願いします。
○太陽光パネルリユース・リサイクル協会 それでは、太陽光パネルリユース・リサイクル協会からヒアリングに対するコメントをお話しさせていただきたいと思います。
限られた時間で作った資料なので拙い部分があろうかと思いますが、質疑応答などでフォローさせていただきます。
太陽光パネルリユース・リサイクル協会は、製造業者、発電事業者、解体・撤去事業者から、収集運搬、リサイクル可能な中間処理・リサイクラー、ガラスカレット業者さんであったりとか、銀回収の精錬業者などの、各セクターそれぞれが説明責任を果たせるような連携が取れるということが重要だと考えています。
少し難しい言葉で逆選択という言葉で表現しておりますが、簡単に言うと、「悪貨は良貨を駆逐する」ということで、低いレベルの基準で作られた貨幣が流通すると、良い基準で作られた貨幣ではなく、悪い基準で作られた貨幣が流通するということなので、より望ましい処理が選択されるということが全体的にいいことではないかなと思います。そのために、それぞれのセクターが透明性であるとか、追跡可能性であるとか、説明責任とかというところを担当していくことが重要だと考えております。
その上で、色々とヒアリング項目になっておりますリユース・リサイクルについてお話をさせていただきたいのですが、まず、リユースについてということで、リユース品として使えるかどうかの最終判断、一言で言いますと、リユース事業者の保管場に到着して、そこで洗浄・絶縁等の検査を行ったときに確定します。
発電所からの引取りの場合は、発電所が、稼働している発電所であれば、直前まで動いているところの点検時の発電データといったものを収集して、直前まで動いているわけですから、リユースできる状態にあるかどうかというのは、そのデータから判断するということができます。
発電稼働中ではないけれども、まだ取り外しをしていないということであれば、テスターを当たれば検査はできますので、ストリングごとの検査で、その中に異常なデータがあれば、そのストリングの中に不具合品があるということで、そのストリングの中の不具合品を見つけて、それ以外のものはリユースという判断にしております。
取り外し後は、そういったデータがありませんので、基本的には受入施設で洗浄・外観検査、それに対して絶縁検査・能力検査となって、その上でリユースの可否判断をします。
新古品なんていうものも入ってくることがあります。そういったものは新古品を扱っているメーカーさんのほうでデータを取られることで、それで確認することがあります。
使用済みのものが保管場所で保管されておられる場合は、上の①の3)と同じように洗浄・外観検査・能力検査を行って出荷するという形になっております。
次、お願いします。円滑なマテリアルリサイクルに必要ということで、次はリサイクルの話になります。まず最初に、含有情報、大きくはガラスとセルシートにどういうものが含有されているかということが重要になってまいります。ガラスをマテリアルリサイクルするという上では、溶出の有無ではなく、今は溶出検査のデータが義務付けられておりますけども、含有量、含有検査が重要になってきます。リサイクルする上では含有量が大事です。実際、ガラスの検査、私の会社では一枚一枚検査しているんですけど、ないと思っていたヒ素とか鉛がガラスに含有されていることが実際ありましたので、こういった情報は重要になってきます。セルシートには、ほとんど銀が含有されているので、リサイクルに回るわけなんですけども、銀の有無、含有量が分かればリサイクルしやすいということです。
時間がないので、あとは書いてあるとおりですが、パネルの種類に関しては、現時点では多くのリサイクル業者が薄膜以外の結晶系の処理を中心にやっておりますので、そういったものか、それ以外のものというところが重要になります。
古いものは片面受光が多いですけども、最近は両面受光のダブルガラスというものが増えてきておりますので、今もこのダブルガラスに関してはほとんどのリサイクル事業者が現時点では処理ができないので、そういったものかどうかも処理対象かどうか判断基準になります。
パネルサイズも、ほとんどの事業用が、ここに書かれている短辺が1,050ミリ以下、長辺も2,000ミリ以下ということで設計がされておりますので、それ以下であるかどうかということです。最近は大型化が進んでおりまして、事業用の②というものになると、リサイクルができる業者が限られてくるということです。
逆に、小さ過ぎたり、三角形であったりとか、建材一体型のようなものかどうかというのもリサイクルできるかどうか難しい判断になります。
次、お願いします。ここには先ほどのダブルガラスとか化合物系の太陽光パネルについて少し書いております。時間の関係で次に行きたいと思います。
リサイクル技術の発展・普及により生じ得る変化について説明します。現状、キロワット当たり1万2,000円というところが大体のリサイクル業者さんの中心値になっているかと思います。皆さん、現時点では、ほとんどの設備は稼働率が低いので、どうしてもリサイクル単価が高くなってきますが、今後、処理量が増えてくれば、処理単価当たりの償却コストが減ってきますので、処理コストは低下してくるものと思っています。
今後は、こういった再資源化を支える法律ができれば、さらにガラスとして、セルシートとして、それの有効利用を促進する仕組みができれば、そういったものの資源単価が上がってくると思いますので、処理単価も下がりリサイクルはもっと推進されるのかなと思います。
ガラスについては、アップサイクル、水平リサイクル、カスケードリサイクル、言い換えればダウンリサイクルとそれぞれの処理方式によりリサイクルのレベルが変わります。
セルシートからは、主に銀の評価が一般的ですけども、銀の含有量が新しいものになるものに従って含有量が少し減ってくるので、如何に効率よく資源化するかが課題になります。
現在、シリコンに関してはほとんど評価されておりません。コスト倒れになるので、現在では銀を回収するにとどまっていますが、今後、そういったことも研究の課題になるかなと思っています。
次、お願いします。現時点では、電気工事業者さん、運送業者さんなどもリサイクル事業に参入されております。今後は、適正な競争が増えてくれば、適正なマーケット価格に集約されてくると思います。
現時点では、ほとんどのリサイクラーが先行投資の段階で、1割、2割程度の稼働率しかないので、今後、七、八割の稼働率ができてくれば、投資コストが分散されてコストも下がってくると思っております。
次、お願いします。時間がないのであまり詳しく説明できませんが、私、よくリサイクルには松竹梅があるというようは話をしています。今、我々の業界にも様々な機械処理方式を導入してリサイクルを進めています。今、整理をしているところなんですが、それぞれで出てくる再生資源、ガラスとかセルシートというのもリサイクルしていくわけなんですけれども、それぞれのリサイクル率、そこから生まれてくる付加価値なんかでリサイクルのレベルというのをある程度定量化していく必要があるのかなと思っています。リサイクルレベルをどこでラインを引くかというところが今後の課題になってくるかなと思っています。まだ我々の業界自体も緒に就いたばかりで、今精査をしているというところです。それぞれの方式のいいところ、悪いところというのがありますので、そういったところをこれから整理していこうと思っているところであります。
次、お願いします。先ほども出ましたが、シリコンに関してはほとんど今、リサイクルが進んでおりません。委員の中には研究機関等でそこを研究されているところがあるかと思いますが、そういったところと我々業界が連携して、シリコンリサイクルについても検討をしていければと思っております。
次、お願いします。重量の6割ちょっとがガラスになっていることから、ガラスのリサイクルが重要になってきます。この後、AGCさんもお話されると思いますが、カレットを使うことによってガラス製造におけるCO2の削減ができると思いますので、そういったことを我々のセクターとも連携しながらやっていくことが大切だと思っています。
そうやってできたガラス素材を消費者側に購入する際のインセンティブをつけることによって、メーカーさんも研究が進んでいくんじゃないか期待しております。
次、お願いします。製造業者及びサプライヤー全体として求めることは、ここに書いてあることなんですけども、例えば太陽光パネルに限っては、現在、海外メーカーさんが主に作っておられますので、日本国内で出てきた再生資源を使うことによって、例えば輸入関税が減額されるなどのインセンティブが与えられたら、開発も進んでいくというか、積極的にそういった再生資源を使っていくということになるのかなというふうに思っています。
最後に、例外的なところに、例えば離島などのリサイクル設備がないところということなんですけれど、離島で管理型処分場があれば管理型処分場でもいいんじゃないかなと個人的には思いますけども、大抵、離島に最終処分場もないと思うので、どうせ運ばないといけないのであればリサイクルしたほうがよいかなと思いますし、先ほど全解工連さんもおっしゃいましたとおり、例えば倉庫の屋根に太陽光パネルが載っていて、その倉庫が火事になったとき、とてもじゃないですけど手作業で回収できませんので、重機で回収した場合なんかはやっぱりリサイクル処理ができないのかなと思います。そういったものに関しては、これから検討を進めて、例えば災害などでぐちゃぐちゃに潰れたようなやつは恐らくリサイクル処理ができないと思いますので、シュレッダーをかけて埋立処分というところが合理的かなというふうには思います。
最後に、ちょっときれいごとを書いておりますけれども、我々としては、各セクターがしっかりと情報を共有して、望ましい処理の選択をすることによって、技術の向上を図ってリサイクルが進んでいくということを目指して我々はやっていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いしますということで、少し超過いたしましたが、太陽光パネルリユース・リサイクル協会からの発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、AGC株式会社様、御説明をよろしくお願いいたします。
○AGC株式会社 よろしくお願いします。AGC株式会社から長尾祥浩が報告させていただきます。音声が悪ければ言ってください。
では、次のページをお願いします。AGCの事業ですけれども、2兆円の売上げがありますが、約半分強がガラスの事業に携わっております。
AGCですが、現在は太陽光パネルのカバーガラスの生産は行っておりません。
次のページ、お願いします。まず、左側に弊社のガラス溶解窯がどこにあるのかというのを日本地図に記載させていただいております。左側に描いてある、この四つの窯が建築用、自動車用のガラス溶解窯が存在します。なので、ここで太陽光パネルのカバーガラスがリサイクルされたものが消費される候補の窯になります。
日本以外にも全世界で26窯、窯が存在します。右側がオーソドックスなフロート法という製造工程を示しています。左側が上流、右側が下流となっていて、左側から原料を投入して、「溶解槽」と書いていますが、この溶解する部分で、バーナーでガスとか重油を燃やして温度を1,600度ぐらいに上げて、溶けたガラスを形作っていくという、そういった大きな設備になっております。
このガラス製造工程では、原料、燃料から主にCO2が発生するということを御理解いただければと思います。
また、ガラスが原料で全て100%製品になるという状況ではなくて、何%かは製品にはならず、カレット化されて、再び原料として戻るという工程であります。なので、太陽光パネルも同じように、そういった原料の一部として入るということを御理解いただければと思います。
では、次、お願いします。ガラスリサイクルの意義ですが、1トン、この廃ガラス、我々はカレットと呼んでいますが、これが原料として投入される、リサイクルされるとどういった効果があるかを簡単に示しています。
三つあります。一つは、原料を新たに使わなくていいというところで、天然資源の削減が1.2トン。また、GHG、CO2の排出量を削減できるという効果がScope1から、1、2、3合わせて0.6トンあります。また、現状、ガラス、太陽光パネルだけでなく、建築の分野での解体のガラスも最終処分場に埋め立てされているという現状ですので、リサイクルされるとそれが1トン分減るという、この三つの効果があります。詳しく、次のページから述べていきたいと思います。
次のページをお願いします。GHGの削減効果が0.6トン、600キロ、1トンリサイクルするとあるというのは何かというのを説明します。一つは、砂とかを溶かす場合に、原料の一つが砂なんですが、砂からガラスを作るときにすごく大量のエネルギーが要るというのがありますが、一度ガラス化されてしまうと簡単に溶けるという性質があるので、ガラス化した太陽光パネルを入れると簡単に溶けますというところで燃料が削減されるというところが一つの効果、もう一つは、原料自体にソーダ灰という炭酸塩、名前のとおり溶けるとCO2を出す原料を原料として入れているので、それを使わなくてよくなりますというところ、この二つから0.6トンのCO2を削減できるということが言えます。
次、お願いします。現在、ガラスの原料は主に海外から輸入しているというところが多いです。そういったところからも、現在、ストックとして太陽光パネルを原料として板ガラスの原料に使えると、こういった資源の依存というのも減らせるので、経済安全保障上も非常に意味があると思いますし、繰り返しになりますが、右上のような資源を採掘するということも減らせる。なおかつ、埋立処分場は将来太陽光パネルが一気に排出されると逼迫します。そういった中でこれが資源として使われれば埋立ての処分の減容にもつながるという大きな効果があるということを繰り返させていただきました。
次、お願いいたします。ここで、まだ太陽光パネルの話に行かないんですが、板ガラスの製造方法が主に二つあるということを御理解いただきたいです。
左側は弊社の横浜にある窯の生産方法で、溶けたガラスをロールアウトマシンという、この二つのロールで挟み込んで成形するというのがロールアウト法と呼んでいる左側の方法です。
右側はフロート法といって、溶けたガラスを溶けた金属のすずの上に流し込んで、表面張力で平らにするという方法で大規模生産に向いている、これが弊社の鹿島工場になります。右側の方法が世界中に主に存在する方法と思っていただいたらいいです。
太陽光パネルを作る方法は、左側のロールアウト法で作られるものということを御理解いただければと思います。フロート法でできない理由としては、太陽光パネルの中に含まれるアンチモンという成分が影響を与えるということによります。
では、次のページをお願いします。それ以外に、ガラスの原料として受け入れるカレットには品質面で気にしているところがあって、それが不純物の混入です。有機物だと20ppm以下であったりとか、砂利だったら10ppm以下、金属の鉄とかは10ppm以下とか、ないこととか、そういった基準を設けているので、太陽光パネルをリサイクルする際にも、こういった不純物の混入というものをしっかりと対策を打っていただく必要があるということを認識いただきたいというところで進めさせていただきました。
次、お願いします。これが実際に太陽光パネルを熱分解以外で処理した方法で、拡大で写真を撮りました。左側の写真、遠目に見ると、きれいだねと思われるかもしれませんが、実際拡大してみると不純物は右の写真のようにたくさん混入しているというところで、見た目がきれいだから行けるんじゃないのと思っていただくと、そうではなくて、こうやって調べていくと不純物が混ざっているということがあります。
次、お願いします。昨年、弊社で初めてロールアウト方式の横浜の窯で太陽光パネルのリサイクル、原料として消費するということをやりました。このガラスは、新菱様で処理していただいたガラスになります。この実証試験の結果、熱分解技術はパネルから高品質のガラスが得られる有望な技術であるということが明らかになったかと思います。実証試験と、ちょっと言い過ぎで、まだ全然テストなんでしょという印象を持たれる方が多いですけども、弊社は常に消費可能状態になっています。実際、原料を入れたときにできたガラス製品は製品として出荷できておりますので、実証と書いていますが、もう常にちゃんと来れば消費できるという状態になっております。
次、お願いします。これは今年の3月にトクヤマさんで処理していただいた方式になっています。昨年は型板をロールアウト法の原料として使いましたが、今年は鹿島工場、フロート法、大規模生産のところで原料として消費いたしました。フロート法でアンチモンが入るということは、難しいというか、そもそも不可能じゃないかと言われてきたんですが、技術側で色々確認を取って、ある程度、消費できるだろうという判断をしてテストしたというところになります。これも実際投入している最中の出てきた製品は製品として出荷できているというものになります。
というところで、両方の窯でしっかりと消費できるというところが見えていて、今の段階でも数千トンのオーダーというのは間違いなく消費できると思っていて、数万トンも可能と思っております。
次、お願いします。英語で申し訳ないんですけれども、弊社は世界に、26か国といいましたけれども、ヨーロッパはAGCヨーロッパという支社がございまして、そこがROSIという会社と戦略的なパートナーシップを締結したというプレスリリースになります。先週も日本のヘッドクォーターとしてもプレスリリースを出しています。そういうところで、ROSIという会社はシリコンも商用ベースでリサイクルしているやに聞いておりまして、そういったところはグローバルでちゃんと協力しながら太陽光パネルリサイクルを進めているというものです。
次、お願いします。今後、大量廃棄が2030年後半とかに20万トン、30万トンという量が出てくると言われていますが、そういった場合に、アンチモンが鍵、限界を決めるものになっております。左側がカバーガラスの組成を示していて、黄色でハッチングしているものがアンチモンの量で、0.2%とか入っているというところなんですが、中盤で申し上げたガラスの製造方法のフロート法というのが右側に漫画のように書いていますが、ここで還元させる気体を投入していて、それとアンチモンが反応してしまうというところです。こういったところから、幾らでも消費できるというわけじゃなくて、ある程度の限界があるだろうと言っていて、ただ、こういったところでアンチモンがちゃんとコントロールできるような方法とか、そういったものをこれから技術開発していく必要があると思っています。
次、お願いします。これは雑多なスライドになってしまっていますが、今後、大量に増えた場合に、気にしなければいけないことを書いております。一つは、言わずもがなですが、リユース・リサイクルが促進される仕組みが必要で、コストだけを考えてしまうと、埋立てのほうに流れていってしまうということを書いています。
二つ目は、太陽光パネルのシリコンをちゃんと高純度のシリコンとして使われるであったりとか、太陽光パネルのカバーガラスが板ガラスとして水平リサイクルされる、そういったことが行える、今のところ、熱分解は証明されておりますが、そういったものが投入される必要があるかなと思っております。
三つ目は、先ほど申し上げましたが、アンチモンが今後大量廃棄になった場合に、もっと許容量を増やす必要が出てくるので、そういった技術開発が必要かなというふうに思っています。
左下は太陽光パネルのリサイクル技術が日本全国で色々な方式が出ているというところですが、ホットナイフ式でも表面に汚れというか、付着物がまだ残るという状況ですが、そこにまた追加の処理があれば、弊社の窯でも消費することが可能じゃないかなとは思っております。
右側はいろんなガラスの受入先がありますが、板ガラスを受け入れることが一番埋立てが減るとか、そういったところで意味があると思っております。
次のページ、お願いします。リサイクルの仕組みのあり方というのを改めて記載していますが、左側が解体とか所有者の方で、真ん中がリサイクラーさん、一番右が弊社と書きましたが、太陽光パネルを持たれている方から太陽光パネルを処理するリサイクラーさんに渡すところ、こういったところでは、いろんな補助が出ているのかなと思いますが、太陽光パネルのリサイクラーさんから弊社に行く段階でのカレットの評価であったりとか、それをするトライアルの費用であったりとか、はたまた輸送費用とかの効率化に対しての補助とか支援は今ないというのが我々の認識なので、そういったところに支援があったりとかすると、もっと加速するんじゃないのかなと思っているところです。
カレットの評価のところなんですが、アンチモンとかヒ素って、全然入っていないですよというコメントをもらうときもあるんですが、ただ、それは適切な検査設備が導入されているのかというのは懸念しているところで、そもそも精度が足りていない。だから検出されなくて、入っていないという判断がされている場合もあったりしますので、適切な検出の分析装置が導入されていること、また、分析装置がちゃんと検定とか更新がされているとか、そういった仕組みが必要じゃないのかなというのは思っているところです。
次のページ、お願いします。ここはカレットの用途と期待される効果、解決すべき課題というのを分かりやすく書いてきたつもりなんですが、上が板ガラス、下が板ガラス以外のガラス繊維であったりとか、路盤材とを分けて書いていますが、板ガラス向けにリサイクルされると、板ガラスなので半永久的に何度もリサイクルすることができる。一度、窯に溶かしたら、また新品のガラスが出来上がるというところで、非常に意味があるリサイクルだと思っておりますが、課題として混入物の管理が必要ということが挙げられます。
下側はガラス繊維とかありますけれども、ここは品質面では若干許容度が高いのかなと思いますが、一度ここで使用されると、次がない、再度リサイクルできないというのが私の認識です。
今後、半永久的に循環社会を目指すべきなので、板ガラスでのリサイクルというのが非常に意味があるということを言いたいスライドになります。
次、お願いします。最後になりますが、総括として書いていますが、我々、板ガラス向けに利用すると、太陽光パネルのカバーガラスの受入れが数万トン以上じゃないかなというのが、今の見立てで、非常にポテンシャルが大きいと思っております。
また、前のページで申し上げましたが、板ガラスから板ガラスにされることで半永久的にリサイクルされるというのは、素材価値を維持できると思っています。
また、GHG削減効果が高いですし、ガラス原料の調達において海外依存度を下げられることが経済安全保障につながると思っております。
以上になります。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、これから各委員との質疑応答に移りたいと思います。御発言の希望のある方は挙手ボタンにてお知らせください。
なお、今、既に予定の時間を大分超過しておりますので、各委員とも3分以内ということでお願いいたします。
では、いかがでしょうか。
飯田委員、お願いいたします。
○飯田委員 東京大学の飯田です。
皆さん、御説明、ありがとうございました。全員にお伺いしたい点は、費用負担の在り方で、どこで、どうあれば、きちんと回収できそうかというのが、もしお考えがあれば教えていただきたいというのが一つと、解体工事業の高橋さんのスライド3のところに、確かに現場で把握することは難しいなと感じておりまして、それは事前に確認する必要があるなと感じました。
また、次のスライドなんですけども、輸送費用とか輸送効率にコストの点は言わないかなと思って聞いていたんですけど、この辺の前提というか、実際、こういうものなのかどうかというのも含めて、御経験なのか、試算なのかというところを教えていただければと思います。
あと、リサイクル協会の方で、スライド6のところに、判断ができるのは実際どういう方々を想定されているのかというところで、今のお話と関係するんですけども、リサイクル協会さんはそういうのが可能なのか、もしくは会員さんでそういう判断、処理作業ができる企業さんがいらっしゃって、紹介できるという形なのか、教えていただければなと思います。
あと、スライド15のところに、国内由来でリサイクルをしやすいというのが、ちょっとよく分からなかったんですけども、そういう取組が実際あるのか、国内のそういう材料を使えばリサイクルが可能なものになるのかというのが、もし補足があったら教えていただければと思います。
あと、旭硝子の長尾さんから、こちらも一緒なんですけども、スライド15のところの分析で、仮にメーカーから詳細な提出があったとしてもこの評価というのは必要だとお考えかどうかというところを教えていただきたいのと、高品質のガラスが出来上がるというお話だったので、リサイクル処理されたものが費用回収の一部に使えるのかどうかという点を教えていただければと思います。
以上です。座長、ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
それでは、各委員からの御質問を全部受けてから、それぞれの三つの団体の方にお答えいただきたいと思います。続きまして、吉田委員、青木委員、大塚委員、所委員の順でお願いいたします。
まず、吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 吉田です。二つ質問がありまして、一つ目が全解工連の高橋様になのですが、4ページ目のスライド、費用について、なぜ工期が短くなると、コスト低減なのか、よく分からなかったのですが、一遍に運べないので、少しずつ運んで処理するので、工期が長くなるからということなのか、例えば、中間集積場のようなところに、取りあえず運ぶ、全部運べるようなところがほかであれば、問題はないのかどうかというところをお聞きしたいと思いました。
二つ目は、リユース・リサイクル協会様なのですが、破損してしまったパネルについて、埋立ても認めてほしいというお話だったんですけれども、通常の小型家電などで使われているふるい選別、渦電流選別とかでガラス、アルミ、樹脂に分けられると思うんですが、なぜそういった分別とリサイクルではなくて、埋立ても認めてほしいとおっしゃっているのかが理解できませんでしたので、教えていただければと思います。
以上です。ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
青木委員、お願いいたします。青木委員、どうぞ。
○青木委員 本日、3社の皆様には様々な有益な情報提供をいただきまして、大変勉強になりました。まず、感謝申し上げます。
その上で2点質問させていただきたいと思っております。
まず、リサイクル協会様ですけれども、リサイクルには松竹梅があるというお話でしたけれども、路盤材ですとか、そういったリサイクルではない、今後、高度なリサイクルというものを実現するために、必要なものというのは、まず技術なんだとは思いますけれども、そのほかにそういう高度なリサイクルを目指すために必要な要因というのはどういったことをお考えになっていらっしゃるのかということ。それを、まずお聞きできればと思っております。
もう一つは、AGC様ですけれども、ガラスのリサイクルにつきましては、既に商材として流通ができているというお話でしたけれども、これが大量廃棄を迎えた際に、ガラスのリサイクルを処理するための大量廃棄に向けた課題というところで、現時点でどういう見通しを持たれていらっしゃるのか、そして、ガラスリサイクルについて、採算ベースに現時点で乗られていらっしゃるのか、それとも、そうではないのかというところを御質問させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 ありがとうございます。
2点ないし3点ほどあるんですけども、3社の方々全てにお伺いしたいんですけども、前回の審議会の議論でも出てきていたように、日本の今の例えば家電リサイクル法のように、メーカーさん自身がリサイクルに携わるというようなことにはなりそうにないものですから、今回、海外の製品が多いものですから、なりそうにないので、そこがいろんな意味で影響を受けるかなという気はしていますが、生産者に対してこういうことをしたらリサイクルしやすくなるとか、有害物質の含有が少なくていいというのは、なかなか言うのは難しいのかもしれませんが、そういう情報をリサイクルに関わっている方々から出していただくことは結構重要じゃないかと思っているんですけども、もし、そういうものがあったらお話しいただけると大変ありがたいと思います。それが全体のリサイクルに関する費用を低減していくとかというようなことに結びつくというようなことになるかと思います。
それから、AGCさんでしたっけ、AGCさんがおっしゃったスライドの15で言われた輸送費用の支援とかというのは、これは例えば、拡大生産者責任の中に入れることは不可能ではないと思いますので、これも再資源化に関わる費用だということだと、拡大生産者責任の中で対処することもできるんではないかと、これは意見として申し上げますが、何かコメントがあればお願いします。
それから、第3点ですけれども、リユース・リサイクル協会さんですが、15ページのところで、日本から国内資源を輸出するときの関税の話とかが出てきているんですけども、これはどのぐらい考える必要があるのか、私は、あまり今のところよく分かりませんが、輸出をするに、CO2も出るので、海外で作られたときに海外の国の中で対応したほうがコストが少なくて済むというふうに考えるのが割と一般なんじゃないかなという気もするので、これはどのぐらい考える必要があるのかというのが、必ずしも、よく分からなかったものですから、その辺について何かコメントいただけるとありがたいということで、以上3点でございます。
ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、所委員、お願いします。
○所委員 本日は色々なお話を聞かせていただきまして、大変勉強になりました。
私からはAGCさんに御質問申し上げたいんですけれども、ロールアウト法だけじゃなくてフロート法でリサイクルの方法を確立されつつあるということ、大変感銘を受けて、すばらしい取組だと思って聞かせていただきました。
現状では、新菱さんとかトクヤマさんとか、言わば優等生的なリサイクル方法、前処理方法をお持ちになっているところとの連携で、もちろん、まず実証してみるというところでは非常に大事だと思うんですけれども、これからこれを拡大していくためには、そうなるための色々な前処理が新たに必要になるということも認識しておりまして、コストをできるだけ下げるために、トレーサビリティーであったりとか、情報がしっかりと安心・安全に流れていくことが非常に大事だと思っているんですけど、その上での質問です。
まず、フロート法よりも、まだロールアウト法のほうが不純物が多少は入っても大丈夫なんじゃないかという感覚を持っていたんですけれども、アンチモン以外にそういう考え方でよろしいのかということが1点です。
もう一点は、ここで色々なものを最大限リサイクルしていくために、アンチモンに対する言及はありましたけれども、ほかにもどういった不純物の情報がしっかりと担保されて提供されれば、確実にということはないですけれども、よりリサイクルされやすくなっていくのかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、大関委員、お願いいたします。
○大関委員 皆さん、御説明、どうもありがとうございます。
二、三点ずつお聞きさせていただければと思います。
全解工連の方、一つ目はコメントですけれども、理解度を深めるとか、例外措置の定義とか、非常に重要な御指摘をいただいて、どうもありがとうございました。今後、検討が必要だなと思いました。
質問は、一つ目は、丁寧に扱ってほしいというようなガラスが割れないようにという観点ですけども、こういったものを解体業者に求めることが果たしてできるのかというところでコメントいただければと思います。例えば、契約でそういうのが担保できるのかとか、そういったものを教えていただければと思います。
二つ目はコストですけども、運搬のところがあったと思うのですが、撤去する作業と運搬で、どちらのほうが費用がかかるのかという観点を少しコメントいただければと思います。
次に太陽光パネルリユース・リサイクル協会さんですけども、一つ目はガラスの含有量についてなんですが、新規で導入されるものはあらかじめ情報を取るというような仕組みをこれからつくるというのは、確かにできるのかもしれないですけども、既に入っているものというのは、非常に難しいかなと思っています。今後、中間処理段階でガラスの含有量を評価するということも、リサイクラー側でやられるのではないかと想定しているのですけども、それらの情報を中間処理業者同士でシェアすることに関して障壁があるかというのを教えていただければと思います。
二つ目は、関連しますけども、リサイクルの業者の認定等の仕組みが必要かどうかというところについてコメントをいただければと思います。
三つ目は、現状あまりされていないと思うのですけども、PFASの規制との関係もあると思うのですが、既に入っている太陽電池のバックシートが中心にフッ素入りのものもあると思うのですが、現状そういうものに対しての処理について何か特別なことを考えていらっしゃったら教えていただければと思います。
最後はAGCさんですけども、一つ目はコメントですけども、カーボンフットプリントとか、そういったことも含めて、ガラスを購入する人も包含したサプライチェーンの中で、どういうふうにコストアップを許容できるかとか、その観点で再資源化費用をどのぐらい持たなきゃいけないかというところは議論が必要かなと思いました。
質問は、一つ目、11ページ目ですけども、アンチモンの関係ですが、現状は100%太陽光でということではないと思いますけども、何%ぐらいまで混ぜるというのが現状技術的には可能なのか、それは品質的なことかもしれませんけども、着色、黄色くなるみたいなものを許容できるのかという点を教えていただければと思います。
15ページ目ですけども、ガラスの成分評価、あとほかのコンタミも含めてですけども、これの役割分担として、リサイクル業者がやるのか、AGCさんがやるのかというところが考え方としては一応あるんじゃないかと思っています。それに関連して、建物系とか自動車のガラスも同じようにリサイクルすると思うのですが、それについては、どういうような役割分担を、今、やっているか、ないしは将来想定しているかというのを教えていただければと思います。
以上になります。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、神山委員、お願いいたします。
○神山委員 神山でございます。
御質問させていただきます。3者様に2点、御質問させてください。
1点目は、皆様、大変現場で御苦労されている様子というのがうかがえるところですが、例えば、全国解体工事業団体連合会様の8ページ等ですと、やはりコスト低減というところが課題になってくるかと思います。
それで、他方でなんですが、技術の発展というものも見込まれまして、処理費用低減というものも期待できると思います。そうした推奨すべき変化を取り入れていく必要があると思っておりまして、つまり、法律というのは、ある程度、法的安定性というのを基本とするのですが、例えば、容リ法等を例としますと、撤去、リサイクル事業者さんの判断の基準となるべき事項として、「合理化の状況、(太陽光パネルそのものの)使用の合理化に関する技術水準その他の事情を勘案して(第7条の4第3項)」という部分があります。このように、新規技術を適切に取り入れていくということが、おそらく責務として求められてくるだろうなと考えております。こうした場合に、現場として、そういう新規技術を適切に取り入れるということに関しての御要望等が何かあればお聞かせいただければと思います。
2点目でございます。これは3者様に御事情が許せばお聞かせいただきたいと思っているところなんですが、前回までのお話で、大塚委員からおっしゃっていただいた「安くて質のよいリサイクルに向かうこと」というのが重要であろうと思います。そのためにも村上委員がおっしゃってくださった製造事業者と排出者だけではなくて、間にいらっしゃる皆さんのような撤去、リサイクル事業者の方による、リユース・リサイクル協会様もおっしゃっていただいたんですが、「望ましい処理の選択」という表現を用いていただいたんですけれども、柔軟な選択肢、柔軟性の部分というのが重要となってくると思います。どこまで義務化されるべきで、義務化もペナルティーつきのものとそうでないものというのもあるんですけれども、どこから柔軟性も認めた選択肢とするかというところが、かなり問われてくると思うんです。こうしたラインというもの、線引きというものを、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
また、こう決めると、こういう点が懸念されるというようなことがもしもあれば、お聞かせいただければありがたいと思います。
よろしくお願いいたします。以上でございます。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
そのほかの委員、いかがでしょうか。
圓尾委員、お願いいたします。
○圓尾委員 御説明、ありがとうございました。大変勉強になりました。
私からAGCさんに1点だけ質問です。現段階で考えても、今、お持ちの窯で使えるということで、技術的には確立されているのだと理解しました。
同じ原材料コストだとするならば、GHGの削減などのメリットがあって、こういったものを積極的に使う企業としてのインセンティブがあるのだと感じました。現状での事業採算性がどうなのかを伺いたいです。実験的にやっているだけで、実は採算が合わないのか。現状でも、御指摘いただいたような、含有情報がしっかりそろっていれば、採算に乗る状況なのか、現断面を教えていただきたい。それから、今後、数万トンとか数十万トンとか、処理量が増えてきたときに採算性が変化する、いいほうでも悪いほうでも、何か懸念材料とかリスクとか、きっかけみたいなものを、この辺、注意しなきゃと思っているところがあれば、教えていただきたいです。
以上です。よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、桑原委員、池田委員、中川委員の順でお願いいたします。
○桑原委員 各資料について御説明をありがとうございました。私も大変勉強になりました。
資料2と資料4について質問させていただきます。
まず、資料2について、撤去・リサイクル費用の算出について、こちらの資料を拝見すると、解体現場とリサイクル処理施設の位置関係や処理能力などに大きく左右されるので、撤去・リサイクル費用の算出というのはなかなか難しいということなのか、あるいは一定の仮定のものでの算出は可能なのかという点について、もし御見解があればお聞きできればと思います。
それから、資料4について、AGC様へ2点、御質問をさせていただければと思います。
御説明をお聞きして、板ガラス向けのリサイクルは非常に有益だと思いました。AGC様の熱分解技術による実証実験の結果、有望な技術であるということが分かったということですが、この技術は、特許やノウハウで保護されているものか、言い換えるとAGC様以外の事業者にもリサイクルへの参画を期待できるようなものなのか、差し障りのない範囲で教えていただけないでしょうか。
それから、もう一つ、15ページのリサイクルの仕組みのあり方で、1点目にカレットの受入れ、カレットの品質保証が出てきます。この点に関して、品質保証をするというところでコスト面が関係してくるとは思いますが、品質保証されたカレットを使うということに関しては、それ以外にコスト要因として考えるべきことはないか、つまり、品質保証されたカレットであれば、その後の再利用に際して大きくコストがかさむような要素があるのかないのか、カレットの引取価格の設定等での考慮要素があるのであれば、御教示をいただければと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございます。
それでは、池田委員、お願いいたします。
○池田委員 池田でございます。皆様、御説明ありがとうございます。大変勉強になりました。
第一に、AGC様におかれましては、「板ガラスto板ガラス」といった水平リサイクルも視野に入れて、画期的なリサイクル技術の研究開発に成功しつつあるということで、大変心強く思います。
ただ、他の委員からも御指摘がありましたように、費用面が気になるところで、その辺り、補足的な御説明をお願いいたします。
加えて、大量に処理を行うに当たっては、アンチモン発色の防止など、まだ技術的な課題もあるということでございますので、引き続き課題解決に向けて取り組んでいただければと思います。
第二に、全解工連様、それから太陽光パネルリユース・リサイクル協会様からも御指摘がございましたように、太陽光パネルのリサイクルの問題では、不法投棄をしない、させないことが極めて重要です。また、できる限り社会的費用を低減するためにも、効果的・効率的なリサイクル体制を構築することが重要です。
そのため、カーボンニュートラルの実現に向けて必要な、社会的インフラの一つである太陽光パネルに関して、デジタル・AI等を活用しながら、製造、輸入から使用、リユース、リサイクル、廃棄にわたるデータが、一覧性の高い形で把握されている必要があるように思います。
経団連では、去る10月15日に「産業データスペースの構築に向けて」と題する提言を取りまとめました。産業データスペースを構築する選択肢の一つとして、太陽光パネルのリサイクル・廃棄問題を掲げて、検討を進めてはどうかとも思います。本日の御発表者の方、環境省・経産省の皆様が、どのようにお考えになるか、お聞かせいただければと思います。
第三に、効率的・効果的なリサイクル体制の構築に向けては、適切な能力や資質等を有する中間処理業者や処理業者が、全国に適切な数、配置されることが重要と思います。その際、本年5月に公布された「再資源化事業等高度化法」の大臣認定の制度を活用して、例えば、地域ブロックごとに回収、輸送、管理、処理の面で効率的な処理体制をつくることができれば、社会全体での効率性の面で意義があると考えます。
そこで、環境省にお伺いいたしますが、太陽光パネルのリサイクル問題解決に向けて、「再資源化事業等高度化法」をどのように活用していくか、もしお考えがあれば御教示いただければと思います。
私からは以上です。よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、続いて、中川委員、お願いいたします。
○中川委員 本日は色々なお話、非常に勉強になりました。どうもありがとうございました。
中でも、全国解体工事業団体連合会の高橋様から御説明をいただいた内容は、廃棄物行政に携わる者として、非常に共感するものが多く、お伺いすることができました。
まず、最初に作るときに、廃棄費用についても施主さんのほうに説明をするようにというお話がありまして、その点、今後、まだ太陽光発電設備とかたくさん出てくると思いますので、そういったことをすればよかったではなくて、これからでも進めていくということが大切なことなのかと思いました。
また、今回、解体の関係で、かなり幅広い・裾野の広い事業者さんが太陽光発電設備の解体に携わるという前提で、連合会様から、こうしたらいいのではないかというようなお話を幾つかいただいております。
その中で、建設リサイクル法とかなり絡みが出てくると思いますが、例えば、こうしたほうがいいとかだけでなく、もう少し厳しい言い方で解体の方法等を規定したらよいのではないかというようなお話もありました。建設リサイクル法で届出の対象となる解体と、そうでないものとがあるということで、建設リサイクル法も絡めて、所管の国交省さんとかなり関係があるところもあると思うので、省庁で連携をしていただく中で、解体の方法をどの程度細かく作るのか、そして、それに対して罰則を持たせたような裏づけのある実効性を高める整備とするのかということも、よく御検討をいただければと思います。
やはり、行政の立場からしますと、できるだけ優良な事業者さんが、しっかりと決められたことに基づいて解体を進めていくということが、それから先の処理がうまくいくとか、不法投棄の未然防止になるということで、重要と考えております。解体の手法については、建設リサイクル法によるものとよらないものがあり、建設リサイクル法の中で解体の方法とかが細かく決まっているものではないと思いますので、国交省さんとよく連携をしていただく中で、法整備を進めていただければと、これは国に対するお願いとなりますけれども、御検討をいただければと考えました。
ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。特になければ、次へ進んでいきますが、よろしいですか。
それでは、オブザーバーで参加していただいています太陽光発電協会さん、何かありましたら、どうぞ。
○太陽光発電協会 太陽光発電協会の増川でございます。今日、皆様には大変興味深いお話をいただきまして誠に感謝申し上げます。
私のほうからは、大きく3点、質問がございます。
まず、太陽光パネルリユース・リサイクル協会様の資料3でございますけれども、10ページにリサイクルの技術の発展・普及により生じうる変化ということで記載いただきました。
ここの下の四角の中に、リサイクルのコストは人件費+設備費用+土地建物が大半を占めると書いてございますけれども、これは基本固定費ですので、例えば、1設備当たりの年間処理量が増えれば、単位重量当たり、単位枚数当たりの処理コストは、大きく下がるのかなと認識しております。
それで、上のほうの処理コストの変化ということで、現状、kW当たり1万2,000円ということですけれども、これはどのぐらいの1日当たりの稼働率を想定されて、こういう計算になったのか教えていただければありがたいと思いました。
なお、ここにkW当たりと書いてございますけれども、FITが始まった当初から比べると、現状、変換効率が倍ぐらいに増えておりますので、kWで換算しますと、1枚当たりの発電量が増えていますので、重量当たりにすると、処理費用は相当下がって半分ぐらい減っているのかなと思いますが、その辺のことに関してもコメントいただければと思います。
それから、同じ下のほうの四角に書いてございます、リサイクル素材をいかに高付加価値化できるかがリサイクルコスト低減につながると。これは、まさにそのとおりと思っております。私どもの認識では、特にガラスにつきましては、グラスウールとか、場合によっては路盤材とか、ダウンリサイクルというのが通常行われているのかなと。これはアップサイクルは難しいかもしれませんけども、水平リサイクル、板ガラス、先ほど、AGCさんからお話もありました、水平リサイクルができるようになれば、場合によっては、ある程度の価値がついて引き取ってもらえるということで、リサイクルのコストも下がるように認識しておりますけれども、その理解でよろしいか、御回答いただければと思います。
続きまして、資料4のAGCさんにつきまして、御質問がございます。
資料の4ページのところで、大変分かりやすくガラスリサイクルの意義をまとめていただいておりますけれども、1トンの廃ガラスのリサイクルでCO2を約0.6トン削減、これは大変大きな数字だなというふうに理解いたしました。それで、例えば、欧州の排出量取引では、今、足元の取引価格が1トン当たり60から70ユーロというふうに理解しておりますので、日本円に換算して1万円近くという大変価値があるわけですけれども、例えば、そのぐらいのクレジットがついてくる、あるいは、場合によると、逆にコストがかかるかもしれませんけれども、というふうに将来なってくると、かなり廃ガラスのリサイクルを使うことのインセンティブが非常に大きくなるのではないかなと理解しておりますけれども、その辺のお考えをお聞かせいただければありがたく思います。
私からは以上でございます。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、私から一つだけ、個人的に質問させてください。
AGCさんですけれど、先ほど、所委員とそれから大関委員からもありましたけれども、加えて、今回、実証で行ったフロート法、ロールアウト法でPVガラスをどの程度入れられたのか、そして、今後の可能性はどうなのかということについても、ぜひ、お答えいただければと思います。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ただいま非常に多くの質問をいただいて、各団体と3団体の皆さん、お答えになるのは大変と思いますけれども、1団体当たり5分でお答えいただければと思います。
それでは、まずは全国解体工事業団体連合会さん、よろしくお願いいたします。
○全国解体工事業団体連合会 今、色々な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
まず、飯田委員の費用の負担の在り方についてなんですが、これはやはり搬出事業者というのを、企業と考えたときと一般の家屋の家庭の方と考えると、かなり違うと思うので、一般家庭の場合、やはりこれは補助金制度等の導入で、費用負担というのを減らしてあげるというのが必要なのかなと思っております。輸送費の判断については、これもやっぱり企業と一般はかなり違うんですが、一般家庭の場合ほとんど15枚から20枚なので、4トンダンプ1台に100枚から120枚くらいのパネルを積めるんですが、そうすると15枚、20枚しか積まないと、ほぼドライブしているような感じになってしまうので、費用だけがとてもかかってしまうということで、これもやはり補助金等の対象になるべきかと思っております。
次に吉田委員のコストの話なんですが、これは例えば、処分場のほうで処理能力以前の問題で、何枚ぐらいのパネルを受入れ態勢として持っているのか。処理能力は200枚ですけど、例えばストックできる場所が全然ないからとなると、200枚の処理というのもちょっと話が狂ってくるので、処理能力、それに処理場のストックヤードの能力、それに生成したリサイクル品をストックしておく場所というのが、この三つを考えて判断しないと、なかなかそれは難しいと思います。
次に大塚委員のお話で、我々の業界は生産業界の方々とコンタクトする機会というのが全くないとも言えるので、やっぱり我々は施工者、持ち主の方からの御依頼ということで、メーカーとお話しするという今回のようなAGCさんのお話を聞かせていただくような感じにとどまるのかなというところでございます。
大関委員からのお話で、ガラスの取扱いについては、これは先ほども人力のみを強調したんですが、我々の業界でパネルを割ったりしたら、良質なリサイクル製品はできないと。なので、これを絶対に人力でやるというのに加えて、割らないとか、扱い方には最大限の注意を払うべきことだと思います。例えば、人力で乱暴に扱ったときに、パネルが割れて手指の破損をしたとか、電気の感電の取扱いの知識を持っていなくて、現場の人間が感電したと。太陽光パネルの撤去が始まれば、これに起因した労働災害というのは確実に出てくるはずなので、この辺の知識を持って作業する、その上で割ってはいけないものだという、割ることで労働災害が起きる可能性が出てくるというのは、これはすごく重要なところだと思うので、我々の業界でもとにかくここは大事なことだと思って、勉強会とか説明をしていきたいと思います。
運搬費と撤去費の比重なんですけど、これ、先ほど桑原委員からも一般家屋の場合でどうだという話があったんですが、一般家屋の場合に、やっぱり枚数が少ないので撤去自体は、ほぼ一日で終えます。二人ぐらいで上に上がって、受け取るのが下で一人とか二人。だから一日で4人ぐらいしかかからないとなれば、どう考えてもやっぱり運搬費用、それにリサイクル費用のほうが高くなってしまうので、ここについては基本的には運搬費用、リサイクル費用のほうが高くなると思います。これはどんなパターンでも同じだと思います。
あと、神山委員の処理効率を上げるという話なんですが、これに関しては新技術の開発とか、処理施設がそこにはないからそれができるまでという話とか、リサイクル効率を上げるために、これは必要な私の提案なんですが、今、太陽光パネルというのは積替保管をできる場所がないんですね。積替保管というのは、処理品目ごとに許可をもらって、これをストックヤードというか、一度現場から積替保管をする許可を持っているところがあれば、そこの中で例えばそこに大量のパネルをストックしておいて、自分たちの近いところに施設ができるまで、新しい技術ができるまで、そこに積替保管をしておくことは十分可能だと思うんですね。今、この部分というのは、なかなか新しく許可を取るのが大変な部分なので、これは施設に対しての積替保管の許可を与える規制緩和的なところで、太陽光パネル専用の積替保管の場所ができてくれば、色々な面でメリットがあるんじゃないかと考えております。
中川委員のお話なんですが、建設リサイクル法との絡みというのは非常に重要なことだと思います。建設リサイクル法で今はコンクリートとか木くずとかをリサイクル品の対象としているんですが、やはりアンチモンとかいろんなものが入っているというものでもありますが、建設リサイクル法の中にこれを入れるとすごくいいことというのが、要は年間、どれだけの建物で太陽光パネルを使って、それを撤去してどれぐらいの排出量があるかというのが、この法の中の届出の中に対象になるだけで、全部データとして残るようになるので、これはこういう中に入ったときに、これが5年、10年のデータとなれば、大体の傾向がこれで分かるということにもなるので、建設リサイクル法の中にこれを対象とするということは、非常に重要なことで、我々のほうからもぜひお願いしていくことだと思います。
以上だと思います。
○大和田座長 どうもありがとうございました。
それでは、太陽光パネルリユース・リサイクル協会、よろしくお願いいたします。
次のページ、お願いします。まず、左側に弊社のガラス溶解窯がどこにあるのかというのを日本地図に記載させていただいております。左側に描いてある、この四つの窯が建築用、自動車用のガラス溶解窯が存在します。なので、ここで太陽光パネルのカバーガラスがリサイクルされたものが消費される候補の窯になります。
日本以外にも全世界で26窯、窯が存在します。右側がオーソドックスなフロート法という製造工程を示しています。左側が上流、右側が下流となっていて、左側から原料を投入して、「溶解槽」と書いていますが、この溶解する部分で、バーナーでガスとか重油を燃やして温度を1,600度ぐらいに上げて、溶けたガラスを形作っていくという、そういった大きな設備になっております。
このガラス製造工程では、原料、燃料から主にCO2が発生するということを御理解いただければと思います。
また、ガラスが原料で全て100%製品になるという状況ではなくて、何%かは製品にはならず、カレット化されて、再び原料として戻るという工程であります。なので、太陽光パネルも同じように、そういった原料の一部として入るということを御理解いただければと思います。
では、次、お願いします。ガラスリサイクルの意義ですが、1トン、この廃ガラス、我々はカレットと呼んでいますが、これが原料として投入される、リサイクルされるとどういった効果があるかを簡単に示しています。
三つあります。一つは、原料を新たに使わなくていいというところで、天然資源の削減が1.2トン。また、GHG、CO2の排出量を削減できるという効果がScope1から、1、2、3合わせて0.6トンあります。また、現状、ガラス、太陽光パネルだけでなく、建築の分野での解体のガラスも最終処分場に埋め立てされているという現状ですので、リサイクルされるとそれが1トン分減るという、この三つの効果があります。詳しく、次のページから述べていきたいと思います。
次のページをお願いします。GHGの削減効果が0.6トン、600キロ、1トンリサイクルするとあるというのは何かというのを説明します。一つは、砂とかを溶かす場合に、原料の一つが砂なんですが、砂からガラスを作るときにすごく大量のエネルギーが要るというのがありますが、一度ガラス化されてしまうと簡単に溶けるという性質があるので、ガラス化した太陽光パネルを入れると簡単に溶けますというところで燃料が削減されるというところが一つの効果、もう一つは、原料自体にソーダ灰という炭酸塩、名前のとおり溶けるとCO2を出す原料を原料として入れているので、それを使わなくてよくなりますというところ、この二つから0.6トンのCO2を削減できるということが言えます。
次、お願いします。現在、ガラスの原料は主に海外から輸入しているというところが多いです。そういったところからも、現在、ストックとして太陽光パネルを原料として板ガラスの原料に使えると、こういった資源の依存というのも減らせるので、経済安全保障上も非常に意味があると思いますし、繰り返しになりますが、右上のような資源を採掘するということも減らせる。なおかつ、埋立処分場は将来太陽光パネルが一気に排出されると逼迫します。そういった中でこれが資源として使われれば埋立ての処分の減容にもつながるという大きな効果があるということを繰り返させていただきました。
次、お願いいたします。ここで、まだ太陽光パネルの話に行かないんですが、板ガラスの製造方法が主に二つあるということを御理解いただきたいです。
左側は弊社の横浜にある窯の生産方法で、溶けたガラスをロールアウトマシンという、この二つのロールで挟み込んで成形するというのがロールアウト法と呼んでいる左側の方法です。
右側はフロート法といって、溶けたガラスを溶けた金属のすずの上に流し込んで、表面張力で平らにするという方法で大規模生産に向いている、これが弊社の鹿島工場になります。右側の方法が世界中に主に存在する方法と思っていただいたらいいです。
太陽光パネルを作る方法は、左側のロールアウト法で作られるものということを御理解いただければと思います。フロート法でできない理由としては、太陽光パネルの中に含まれるアンチモンという成分が影響を与えるということによります。
では、次のページをお願いします。それ以外に、ガラスの原料として受け入れるカレットには品質面で気にしているところがあって、それが不純物の混入です。有機物だと20ppm以下であったりとか、砂利だったら10ppm以下、金属の鉄とかは10ppm以下とか、ないこととか、そういった基準を設けているので、太陽光パネルをリサイクルする際にも、こういった不純物の混入というものをしっかりと対策を打っていただく必要があるということを認識いただきたいというところで進めさせていただきました。
次、お願いします。これが実際に太陽光パネルを熱分解以外で処理した方法で、拡大で写真を撮りました。左側の写真、遠目に見ると、きれいだねと思われるかもしれませんが、実際拡大してみると不純物は右の写真のようにたくさん混入しているというところで、見た目がきれいだから行けるんじゃないのと思っていただくと、そうではなくて、こうやって調べていくと不純物が混ざっているということがあります。
次、お願いします。昨年、弊社で初めてロールアウト方式の横浜の窯で太陽光パネルのリサイクル、原料として消費するということをやりました。このガラスは、新菱様で処理していただいたガラスになります。この実証試験の結果、熱分解技術はパネルから高品質のガラスが得られる有望な技術であるということが明らかになったかと思います。実証試験と、ちょっと言い過ぎで、まだ全然テストなんでしょという印象を持たれる方が多いですけども、弊社は常に消費可能状態になっています。実際、原料を入れたときにできたガラス製品は製品として出荷できておりますので、実証と書いていますが、もう常にちゃんと来れば消費できるという状態になっております。
次、お願いします。これは今年の3月にトクヤマさんで処理していただいた方式になっています。昨年は型板をロールアウト法の原料として使いましたが、今年は鹿島工場、フロート法、大規模生産のところで原料として消費いたしました。フロート法でアンチモンが入るということは、難しいというか、そもそも不可能じゃないかと言われてきたんですが、技術側で色々確認を取って、ある程度、消費できるだろうという判断をしてテストしたというところになります。これも実際投入している最中の出てきた製品は製品として出荷できているというものになります。
というところで、両方の窯でしっかりと消費できるというところが見えていて、今の段階でも数千トンのオーダーというのは間違いなく消費できると思っていて、数万トンも可能と思っております。
次、お願いします。英語で申し訳ないんですけれども、弊社は世界に、26か国といいましたけれども、ヨーロッパはAGCヨーロッパという支社がございまして、そこがROSIという会社と戦略的なパートナーシップを締結したというプレスリリースになります。先週も日本のヘッドクォーターとしてもプレスリリースを出しています。そういうところで、ROSIという会社はシリコンも商用ベースでリサイクルしているやに聞いておりまして、そういったところはグローバルでちゃんと協力しながら太陽光パネルリサイクルを進めているというものです。
次、お願いします。今後、大量廃棄が2030年後半とかに20万トン、30万トンという量が出てくると言われていますが、そういった場合に、アンチモンが鍵、限界を決めるものになっております。左側がカバーガラスの組成を示していて、黄色でハッチングしているものがアンチモンの量で、0.2%とか入っているというところなんですが、中盤で申し上げたガラスの製造方法のフロート法というのが右側に漫画のように書いていますが、ここで還元させる気体を投入していて、それとアンチモンが反応してしまうというところです。こういったところから、幾らでも消費できるというわけじゃなくて、ある程度の限界があるだろうと言っていて、ただ、こういったところでアンチモンがちゃんとコントロールできるような方法とか、そういったものをこれから技術開発していく必要があると思っています。
次、お願いします。これは雑多なスライドになってしまっていますが、今後、大量に増えた場合に、気にしなければいけないことを書いております。一つは、言わずもがなですが、リユース・リサイクルが促進される仕組みが必要で、コストだけを考えてしまうと、埋立てのほうに流れていってしまうということを書いています。
二つ目は、太陽光パネルのシリコンをちゃんと高純度のシリコンとして使われるであったりとか、太陽光パネルのカバーガラスが板ガラスとして水平リサイクルされる、そういったことが行える、今のところ、熱分解は証明されておりますが、そういったものが投入される必要があるかなと思っております。
三つ目は、先ほど申し上げましたが、アンチモンが今後大量廃棄になった場合に、もっと許容量を増やす必要が出てくるので、そういった技術開発が必要かなというふうに思っています。
左下は太陽光パネルのリサイクル技術が日本全国で色々な方式が出ているというところですが、ホットナイフ式でも表面に汚れというか、付着物がまだ残るという状況ですが、そこにまた追加の処理があれば、弊社の窯でも消費することが可能じゃないかなとは思っております。
右側はいろんなガラスの受入先がありますが、板ガラスを受け入れることが一番埋立てが減るとか、そういったところで意味があると思っております。
次のページ、お願いします。リサイクルの仕組みのあり方というのを改めて記載していますが、左側が解体とか所有者の方で、真ん中がリサイクラーさん、一番右が弊社と書きましたが、太陽光パネルを持たれている方から太陽光パネルを処理するリサイクラーさんに渡すところ、こういったところでは、いろんな補助が出ているのかなと思いますが、太陽光パネルのリサイクラーさんから弊社に行く段階でのカレットの評価であったりとか、それをするトライアルの費用であったりとか、はたまた輸送費用とかの効率化に対しての補助とか支援は今ないというのが我々の認識なので、そういったところに支援があったりとかすると、もっと加速するんじゃないのかなと思っているところです。
カレットの評価のところなんですが、アンチモンとかヒ素って、全然入っていないですよというコメントをもらうときもあるんですが、ただ、それは適切な検査設備が導入されているのかというのは懸念しているところで、そもそも精度が足りていない。だから検出されなくて、入っていないという判断がされている場合もあったりしますので、適切な検出の分析装置が導入されていること、また、分析装置がちゃんと検定とか更新がされているとか、そういった仕組みが必要じゃないのかなというのは思っているところです。
次のページ、お願いします。ここはカレットの用途と期待される効果、解決すべき課題というのを分かりやすく書いてきたつもりなんですが、上が板ガラス、下が板ガラス以外のガラス繊維であったりとか、路盤材とを分けて書いていますが、板ガラス向けにリサイクルされると、板ガラスなので半永久的に何度もリサイクルすることができる。一度、窯に溶かしたら、また新品のガラスが出来上がるというところで、非常に意味があるリサイクルだと思っておりますが、課題として混入物の管理が必要ということが挙げられます。
下側はガラス繊維とかありますけれども、ここは品質面では若干許容度が高いのかなと思いますが、一度ここで使用されると、次がない、再度リサイクルできないというのが私の認識です。
今後、半永久的に循環社会を目指すべきなので、板ガラスでのリサイクルというのが非常に意味があるということを言いたいスライドになります。
次、お願いします。最後になりますが、総括として書いていますが、我々、板ガラス向けに利用すると、太陽光パネルのカバーガラスの受入れが数万トン以上じゃないかなというのが、今の見立てで、非常にポテンシャルが大きいと思っております。
また、前のページで申し上げましたが、板ガラスから板ガラスにされることで半永久的にリサイクルされるというのは、素材価値を維持できると思っています。
また、GHG削減効果が高いですし、ガラス原料の調達において海外依存度を下げられることが経済安全保障につながると思っております。
以上になります。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、これから各委員との質疑応答に移りたいと思います。御発言の希望のある方は挙手ボタンにてお知らせください。
なお、今、既に予定の時間を大分超過しておりますので、各委員とも3分以内ということでお願いいたします。
では、いかがでしょうか。
飯田委員、お願いいたします。
○飯田委員 東京大学の飯田です。
皆さん、御説明、ありがとうございました。全員にお伺いしたい点は、費用負担の在り方で、どこで、どうあれば、きちんと回収できそうかというのが、もしお考えがあれば教えていただきたいというのが一つと、解体工事業の高橋さんのスライド3のところに、確かに現場で把握することは難しいなと感じておりまして、それは事前に確認する必要があるなと感じました。
また、次のスライドなんですけども、輸送費用とか輸送効率にコストの点は言わないかなと思って聞いていたんですけど、この辺の前提というか、実際、こういうものなのかどうかというのも含めて、御経験なのか、試算なのかというところを教えていただければと思います。
あと、リサイクル協会の方で、スライド6のところに、判断ができるのは実際どういう方々を想定されているのかというところで、今のお話と関係するんですけども、リサイクル協会さんはそういうのが可能なのか、もしくは会員さんでそういう判断、処理作業ができる企業さんがいらっしゃって、紹介できるという形なのか、教えていただければなと思います。
あと、スライド15のところに、国内由来でリサイクルをしやすいというのが、ちょっとよく分からなかったんですけども、そういう取組が実際あるのか、国内のそういう材料を使えばリサイクルが可能なものになるのかというのが、もし補足があったら教えていただければと思います。
あと、旭硝子の長尾さんから、こちらも一緒なんですけども、スライド15のところの分析で、仮にメーカーから詳細な提出があったとしてもこの評価というのは必要だとお考えかどうかというところを教えていただきたいのと、高品質のガラスが出来上がるというお話だったので、リサイクル処理されたものが費用回収の一部に使えるのかどうかという点を教えていただければと思います。
以上です。座長、ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
それでは、各委員からの御質問を全部受けてから、それぞれの三つの団体の方にお答えいただきたいと思います。続きまして、吉田委員、青木委員、大塚委員、所委員の順でお願いいたします。
まず、吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 吉田です。二つ質問がありまして、一つ目が全解工連の高橋様になのですが、4ページ目のスライド、費用について、なぜ工期が短くなると、コスト低減なのか、よく分からなかったのですが、一遍に運べないので、少しずつ運んで処理するので、工期が長くなるからということなのか、例えば、中間集積場のようなところに、取りあえず運ぶ、全部運べるようなところがほかであれば、問題はないのかどうかというところをお聞きしたいと思いました。
二つ目は、リユース・リサイクル協会様なのですが、破損してしまったパネルについて、埋立ても認めてほしいというお話だったんですけれども、通常の小型家電などで使われているふるい選別、渦電流選別とかでガラス、アルミ、樹脂に分けられると思うんですが、なぜそういった分別とリサイクルではなくて、埋立ても認めてほしいとおっしゃっているのかが理解できませんでしたので、教えていただければと思います。
以上です。ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
青木委員、お願いいたします。青木委員、どうぞ。
○青木委員 本日、3社の皆様には様々な有益な情報提供をいただきまして、大変勉強になりました。まず、感謝申し上げます。
その上で2点質問させていただきたいと思っております。
まず、リサイクル協会様ですけれども、リサイクルには松竹梅があるというお話でしたけれども、路盤材ですとか、そういったリサイクルではない、今後、高度なリサイクルというものを実現するために、必要なものというのは、まず技術なんだとは思いますけれども、そのほかにそういう高度なリサイクルを目指すために必要な要因というのはどういったことをお考えになっていらっしゃるのかということ。それを、まずお聞きできればと思っております。
もう一つは、AGC様ですけれども、ガラスのリサイクルにつきましては、既に商材として流通ができているというお話でしたけれども、これが大量廃棄を迎えた際に、ガラスのリサイクルを処理するための大量廃棄に向けた課題というところで、現時点でどういう見通しを持たれていらっしゃるのか、そして、ガラスリサイクルについて、採算ベースに現時点で乗られていらっしゃるのか、それとも、そうではないのかというところを御質問させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 ありがとうございます。
2点ないし3点ほどあるんですけども、3社の方々全てにお伺いしたいんですけども、前回の審議会の議論でも出てきていたように、日本の今の例えば家電リサイクル法のように、メーカーさん自身がリサイクルに携わるというようなことにはなりそうにないものですから、今回、海外の製品が多いものですから、なりそうにないので、そこがいろんな意味で影響を受けるかなという気はしていますが、生産者に対してこういうことをしたらリサイクルしやすくなるとか、有害物質の含有が少なくていいというのは、なかなか言うのは難しいのかもしれませんが、そういう情報をリサイクルに関わっている方々から出していただくことは結構重要じゃないかと思っているんですけども、もし、そういうものがあったらお話しいただけると大変ありがたいと思います。それが全体のリサイクルに関する費用を低減していくとかというようなことに結びつくというようなことになるかと思います。
それから、AGCさんでしたっけ、AGCさんがおっしゃったスライドの15で言われた輸送費用の支援とかというのは、これは例えば、拡大生産者責任の中に入れることは不可能ではないと思いますので、これも再資源化に関わる費用だということだと、拡大生産者責任の中で対処することもできるんではないかと、これは意見として申し上げますが、何かコメントがあればお願いします。
それから、第3点ですけれども、リユース・リサイクル協会さんですが、15ページのところで、日本から国内資源を輸出するときの関税の話とかが出てきているんですけども、これはどのぐらい考える必要があるのか、私は、あまり今のところよく分かりませんが、輸出をするに、CO2も出るので、海外で作られたときに海外の国の中で対応したほうがコストが少なくて済むというふうに考えるのが割と一般なんじゃないかなという気もするので、これはどのぐらい考える必要があるのかというのが、必ずしも、よく分からなかったものですから、その辺について何かコメントいただけるとありがたいということで、以上3点でございます。
ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、所委員、お願いします。
○所委員 本日は色々なお話を聞かせていただきまして、大変勉強になりました。
私からはAGCさんに御質問申し上げたいんですけれども、ロールアウト法だけじゃなくてフロート法でリサイクルの方法を確立されつつあるということ、大変感銘を受けて、すばらしい取組だと思って聞かせていただきました。
現状では、新菱さんとかトクヤマさんとか、言わば優等生的なリサイクル方法、前処理方法をお持ちになっているところとの連携で、もちろん、まず実証してみるというところでは非常に大事だと思うんですけれども、これからこれを拡大していくためには、そうなるための色々な前処理が新たに必要になるということも認識しておりまして、コストをできるだけ下げるために、トレーサビリティーであったりとか、情報がしっかりと安心・安全に流れていくことが非常に大事だと思っているんですけど、その上での質問です。
まず、フロート法よりも、まだロールアウト法のほうが不純物が多少は入っても大丈夫なんじゃないかという感覚を持っていたんですけれども、アンチモン以外にそういう考え方でよろしいのかということが1点です。
もう一点は、ここで色々なものを最大限リサイクルしていくために、アンチモンに対する言及はありましたけれども、ほかにもどういった不純物の情報がしっかりと担保されて提供されれば、確実にということはないですけれども、よりリサイクルされやすくなっていくのかということをお尋ねしたいと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、大関委員、お願いいたします。
○大関委員 皆さん、御説明、どうもありがとうございます。
二、三点ずつお聞きさせていただければと思います。
全解工連の方、一つ目はコメントですけれども、理解度を深めるとか、例外措置の定義とか、非常に重要な御指摘をいただいて、どうもありがとうございました。今後、検討が必要だなと思いました。
質問は、一つ目は、丁寧に扱ってほしいというようなガラスが割れないようにという観点ですけども、こういったものを解体業者に求めることが果たしてできるのかというところでコメントいただければと思います。例えば、契約でそういうのが担保できるのかとか、そういったものを教えていただければと思います。
二つ目はコストですけども、運搬のところがあったと思うのですが、撤去する作業と運搬で、どちらのほうが費用がかかるのかという観点を少しコメントいただければと思います。
次に太陽光パネルリユース・リサイクル協会さんですけども、一つ目はガラスの含有量についてなんですが、新規で導入されるものはあらかじめ情報を取るというような仕組みをこれからつくるというのは、確かにできるのかもしれないですけども、既に入っているものというのは、非常に難しいかなと思っています。今後、中間処理段階でガラスの含有量を評価するということも、リサイクラー側でやられるのではないかと想定しているのですけども、それらの情報を中間処理業者同士でシェアすることに関して障壁があるかというのを教えていただければと思います。
二つ目は、関連しますけども、リサイクルの業者の認定等の仕組みが必要かどうかというところについてコメントをいただければと思います。
三つ目は、現状あまりされていないと思うのですけども、PFASの規制との関係もあると思うのですが、既に入っている太陽電池のバックシートが中心にフッ素入りのものもあると思うのですが、現状そういうものに対しての処理について何か特別なことを考えていらっしゃったら教えていただければと思います。
最後はAGCさんですけども、一つ目はコメントですけども、カーボンフットプリントとか、そういったことも含めて、ガラスを購入する人も包含したサプライチェーンの中で、どういうふうにコストアップを許容できるかとか、その観点で再資源化費用をどのぐらい持たなきゃいけないかというところは議論が必要かなと思いました。
質問は、一つ目、11ページ目ですけども、アンチモンの関係ですが、現状は100%太陽光でということではないと思いますけども、何%ぐらいまで混ぜるというのが現状技術的には可能なのか、それは品質的なことかもしれませんけども、着色、黄色くなるみたいなものを許容できるのかという点を教えていただければと思います。
15ページ目ですけども、ガラスの成分評価、あとほかのコンタミも含めてですけども、これの役割分担として、リサイクル業者がやるのか、AGCさんがやるのかというところが考え方としては一応あるんじゃないかと思っています。それに関連して、建物系とか自動車のガラスも同じようにリサイクルすると思うのですが、それについては、どういうような役割分担を、今、やっているか、ないしは将来想定しているかというのを教えていただければと思います。
以上になります。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、神山委員、お願いいたします。
○神山委員 神山でございます。
御質問させていただきます。3者様に2点、御質問させてください。
1点目は、皆様、大変現場で御苦労されている様子というのがうかがえるところですが、例えば、全国解体工事業団体連合会様の8ページ等ですと、やはりコスト低減というところが課題になってくるかと思います。
それで、他方でなんですが、技術の発展というものも見込まれまして、処理費用低減というものも期待できると思います。そうした推奨すべき変化を取り入れていく必要があると思っておりまして、つまり、法律というのは、ある程度、法的安定性というのを基本とするのですが、例えば、容リ法等を例としますと、撤去、リサイクル事業者さんの判断の基準となるべき事項として、「合理化の状況、(太陽光パネルそのものの)使用の合理化に関する技術水準その他の事情を勘案して(第7条の4第3項)」という部分があります。このように、新規技術を適切に取り入れていくということが、おそらく責務として求められてくるだろうなと考えております。こうした場合に、現場として、そういう新規技術を適切に取り入れるということに関しての御要望等が何かあればお聞かせいただければと思います。
2点目でございます。これは3者様に御事情が許せばお聞かせいただきたいと思っているところなんですが、前回までのお話で、大塚委員からおっしゃっていただいた「安くて質のよいリサイクルに向かうこと」というのが重要であろうと思います。そのためにも村上委員がおっしゃってくださった製造事業者と排出者だけではなくて、間にいらっしゃる皆さんのような撤去、リサイクル事業者の方による、リユース・リサイクル協会様もおっしゃっていただいたんですが、「望ましい処理の選択」という表現を用いていただいたんですけれども、柔軟な選択肢、柔軟性の部分というのが重要となってくると思います。どこまで義務化されるべきで、義務化もペナルティーつきのものとそうでないものというのもあるんですけれども、どこから柔軟性も認めた選択肢とするかというところが、かなり問われてくると思うんです。こうしたラインというもの、線引きというものを、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
また、こう決めると、こういう点が懸念されるというようなことがもしもあれば、お聞かせいただければありがたいと思います。
よろしくお願いいたします。以上でございます。ありがとうございました。
○大和田座長 ありがとうございました。
そのほかの委員、いかがでしょうか。
圓尾委員、お願いいたします。
○圓尾委員 御説明、ありがとうございました。大変勉強になりました。
私からAGCさんに1点だけ質問です。現段階で考えても、今、お持ちの窯で使えるということで、技術的には確立されているのだと理解しました。
同じ原材料コストだとするならば、GHGの削減などのメリットがあって、こういったものを積極的に使う企業としてのインセンティブがあるのだと感じました。現状での事業採算性がどうなのかを伺いたいです。実験的にやっているだけで、実は採算が合わないのか。現状でも、御指摘いただいたような、含有情報がしっかりそろっていれば、採算に乗る状況なのか、現断面を教えていただきたい。それから、今後、数万トンとか数十万トンとか、処理量が増えてきたときに採算性が変化する、いいほうでも悪いほうでも、何か懸念材料とかリスクとか、きっかけみたいなものを、この辺、注意しなきゃと思っているところがあれば、教えていただきたいです。
以上です。よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、桑原委員、池田委員、中川委員の順でお願いいたします。
○桑原委員 各資料について御説明をありがとうございました。私も大変勉強になりました。
資料2と資料4について質問させていただきます。
まず、資料2について、撤去・リサイクル費用の算出について、こちらの資料を拝見すると、解体現場とリサイクル処理施設の位置関係や処理能力などに大きく左右されるので、撤去・リサイクル費用の算出というのはなかなか難しいということなのか、あるいは一定の仮定のものでの算出は可能なのかという点について、もし御見解があればお聞きできればと思います。
それから、資料4について、AGC様へ2点、御質問をさせていただければと思います。
御説明をお聞きして、板ガラス向けのリサイクルは非常に有益だと思いました。AGC様の熱分解技術による実証実験の結果、有望な技術であるということが分かったということですが、この技術は、特許やノウハウで保護されているものか、言い換えるとAGC様以外の事業者にもリサイクルへの参画を期待できるようなものなのか、差し障りのない範囲で教えていただけないでしょうか。
それから、もう一つ、15ページのリサイクルの仕組みのあり方で、1点目にカレットの受入れ、カレットの品質保証が出てきます。この点に関して、品質保証をするというところでコスト面が関係してくるとは思いますが、品質保証されたカレットを使うということに関しては、それ以外にコスト要因として考えるべきことはないか、つまり、品質保証されたカレットであれば、その後の再利用に際して大きくコストがかさむような要素があるのかないのか、カレットの引取価格の設定等での考慮要素があるのであれば、御教示をいただければと思います。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございます。
それでは、池田委員、お願いいたします。
○池田委員 池田でございます。皆様、御説明ありがとうございます。大変勉強になりました。
第一に、AGC様におかれましては、「板ガラスto板ガラス」といった水平リサイクルも視野に入れて、画期的なリサイクル技術の研究開発に成功しつつあるということで、大変心強く思います。
ただ、他の委員からも御指摘がありましたように、費用面が気になるところで、その辺り、補足的な御説明をお願いいたします。
加えて、大量に処理を行うに当たっては、アンチモン発色の防止など、まだ技術的な課題もあるということでございますので、引き続き課題解決に向けて取り組んでいただければと思います。
第二に、全解工連様、それから太陽光パネルリユース・リサイクル協会様からも御指摘がございましたように、太陽光パネルのリサイクルの問題では、不法投棄をしない、させないことが極めて重要です。また、できる限り社会的費用を低減するためにも、効果的・効率的なリサイクル体制を構築することが重要です。
そのため、カーボンニュートラルの実現に向けて必要な、社会的インフラの一つである太陽光パネルに関して、デジタル・AI等を活用しながら、製造、輸入から使用、リユース、リサイクル、廃棄にわたるデータが、一覧性の高い形で把握されている必要があるように思います。
経団連では、去る10月15日に「産業データスペースの構築に向けて」と題する提言を取りまとめました。産業データスペースを構築する選択肢の一つとして、太陽光パネルのリサイクル・廃棄問題を掲げて、検討を進めてはどうかとも思います。本日の御発表者の方、環境省・経産省の皆様が、どのようにお考えになるか、お聞かせいただければと思います。
第三に、効率的・効果的なリサイクル体制の構築に向けては、適切な能力や資質等を有する中間処理業者や処理業者が、全国に適切な数、配置されることが重要と思います。その際、本年5月に公布された「再資源化事業等高度化法」の大臣認定の制度を活用して、例えば、地域ブロックごとに回収、輸送、管理、処理の面で効率的な処理体制をつくることができれば、社会全体での効率性の面で意義があると考えます。
そこで、環境省にお伺いいたしますが、太陽光パネルのリサイクル問題解決に向けて、「再資源化事業等高度化法」をどのように活用していくか、もしお考えがあれば御教示いただければと思います。
私からは以上です。よろしくお願いいたします。
○大和田座長 ありがとうございました。
では、続いて、中川委員、お願いいたします。
○中川委員 本日は色々なお話、非常に勉強になりました。どうもありがとうございました。
中でも、全国解体工事業団体連合会の高橋様から御説明をいただいた内容は、廃棄物行政に携わる者として、非常に共感するものが多く、お伺いすることができました。
まず、最初に作るときに、廃棄費用についても施主さんのほうに説明をするようにというお話がありまして、その点、今後、まだ太陽光発電設備とかたくさん出てくると思いますので、そういったことをすればよかったではなくて、これからでも進めていくということが大切なことなのかと思いました。
また、今回、解体の関係で、かなり幅広い・裾野の広い事業者さんが太陽光発電設備の解体に携わるという前提で、連合会様から、こうしたらいいのではないかというようなお話を幾つかいただいております。
その中で、建設リサイクル法とかなり絡みが出てくると思いますが、例えば、こうしたほうがいいとかだけでなく、もう少し厳しい言い方で解体の方法等を規定したらよいのではないかというようなお話もありました。建設リサイクル法で届出の対象となる解体と、そうでないものとがあるということで、建設リサイクル法も絡めて、所管の国交省さんとかなり関係があるところもあると思うので、省庁で連携をしていただく中で、解体の方法をどの程度細かく作るのか、そして、それに対して罰則を持たせたような裏づけのある実効性を高める整備とするのかということも、よく御検討をいただければと思います。
やはり、行政の立場からしますと、できるだけ優良な事業者さんが、しっかりと決められたことに基づいて解体を進めていくということが、それから先の処理がうまくいくとか、不法投棄の未然防止になるということで、重要と考えております。解体の手法については、建設リサイクル法によるものとよらないものがあり、建設リサイクル法の中で解体の方法とかが細かく決まっているものではないと思いますので、国交省さんとよく連携をしていただく中で、法整備を進めていただければと、これは国に対するお願いとなりますけれども、御検討をいただければと考えました。
ありがとうございます。
○大和田座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。特になければ、次へ進んでいきますが、よろしいですか。
それでは、オブザーバーで参加していただいています太陽光発電協会さん、何かありましたら、どうぞ。
○太陽光発電協会 太陽光発電協会の増川でございます。今日、皆様には大変興味深いお話をいただきまして誠に感謝申し上げます。
私のほうからは、大きく3点、質問がございます。
まず、太陽光パネルリユース・リサイクル協会様の資料3でございますけれども、10ページにリサイクルの技術の発展・普及により生じうる変化ということで記載いただきました。
ここの下の四角の中に、リサイクルのコストは人件費+設備費用+土地建物が大半を占めると書いてございますけれども、これは基本固定費ですので、例えば、1設備当たりの年間処理量が増えれば、単位重量当たり、単位枚数当たりの処理コストは、大きく下がるのかなと認識しております。
それで、上のほうの処理コストの変化ということで、現状、kW当たり1万2,000円ということですけれども、これはどのぐらいの1日当たりの稼働率を想定されて、こういう計算になったのか教えていただければありがたいと思いました。
なお、ここにkW当たりと書いてございますけれども、FITが始まった当初から比べると、現状、変換効率が倍ぐらいに増えておりますので、kWで換算しますと、1枚当たりの発電量が増えていますので、重量当たりにすると、処理費用は相当下がって半分ぐらい減っているのかなと思いますが、その辺のことに関してもコメントいただければと思います。
それから、同じ下のほうの四角に書いてございます、リサイクル素材をいかに高付加価値化できるかがリサイクルコスト低減につながると。これは、まさにそのとおりと思っております。私どもの認識では、特にガラスにつきましては、グラスウールとか、場合によっては路盤材とか、ダウンリサイクルというのが通常行われているのかなと。これはアップサイクルは難しいかもしれませんけども、水平リサイクル、板ガラス、先ほど、AGCさんからお話もありました、水平リサイクルができるようになれば、場合によっては、ある程度の価値がついて引き取ってもらえるということで、リサイクルのコストも下がるように認識しておりますけれども、その理解でよろしいか、御回答いただければと思います。
続きまして、資料4のAGCさんにつきまして、御質問がございます。
資料の4ページのところで、大変分かりやすくガラスリサイクルの意義をまとめていただいておりますけれども、1トンの廃ガラスのリサイクルでCO2を約0.6トン削減、これは大変大きな数字だなというふうに理解いたしました。それで、例えば、欧州の排出量取引では、今、足元の取引価格が1トン当たり60から70ユーロというふうに理解しておりますので、日本円に換算して1万円近くという大変価値があるわけですけれども、例えば、そのぐらいのクレジットがついてくる、あるいは、場合によると、逆にコストがかかるかもしれませんけれども、というふうに将来なってくると、かなり廃ガラスのリサイクルを使うことのインセンティブが非常に大きくなるのではないかなと理解しておりますけれども、その辺のお考えをお聞かせいただければありがたく思います。
私からは以上でございます。
○大和田座長 ありがとうございました。
それでは、私から一つだけ、個人的に質問させてください。
AGCさんですけれど、先ほど、所委員とそれから大関委員からもありましたけれども、加えて、今回、実証で行ったフロート法、ロールアウト法でPVガラスをどの程度入れられたのか、そして、今後の可能性はどうなのかということについても、ぜひ、お答えいただければと思います。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ただいま非常に多くの質問をいただいて、各団体と3団体の皆さん、お答えになるのは大変と思いますけれども、1団体当たり5分でお答えいただければと思います。
それでは、まずは全国解体工事業団体連合会さん、よろしくお願いいたします。
○全国解体工事業団体連合会 今、色々な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
まず、飯田委員の費用の負担の在り方についてなんですが、これはやはり搬出事業者というのを、企業と考えたときと一般の家屋の家庭の方と考えると、かなり違うと思うので、一般家庭の場合、やはりこれは補助金制度等の導入で、費用負担というのを減らしてあげるというのが必要なのかなと思っております。輸送費の判断については、これもやっぱり企業と一般はかなり違うんですが、一般家庭の場合ほとんど15枚から20枚なので、4トンダンプ1台に100枚から120枚くらいのパネルを積めるんですが、そうすると15枚、20枚しか積まないと、ほぼドライブしているような感じになってしまうので、費用だけがとてもかかってしまうということで、これもやはり補助金等の対象になるべきかと思っております。
次に吉田委員のコストの話なんですが、これは例えば、処分場のほうで処理能力以前の問題で、何枚ぐらいのパネルを受入れ態勢として持っているのか。処理能力は200枚ですけど、例えばストックできる場所が全然ないからとなると、200枚の処理というのもちょっと話が狂ってくるので、処理能力、それに処理場のストックヤードの能力、それに生成したリサイクル品をストックしておく場所というのが、この三つを考えて判断しないと、なかなかそれは難しいと思います。
次に大塚委員のお話で、我々の業界は生産業界の方々とコンタクトする機会というのが全くないとも言えるので、やっぱり我々は施工者、持ち主の方からの御依頼ということで、メーカーとお話しするという今回のようなAGCさんのお話を聞かせていただくような感じにとどまるのかなというところでございます。
大関委員からのお話で、ガラスの取扱いについては、これは先ほども人力のみを強調したんですが、我々の業界でパネルを割ったりしたら、良質なリサイクル製品はできないと。なので、これを絶対に人力でやるというのに加えて、割らないとか、扱い方には最大限の注意を払うべきことだと思います。例えば、人力で乱暴に扱ったときに、パネルが割れて手指の破損をしたとか、電気の感電の取扱いの知識を持っていなくて、現場の人間が感電したと。太陽光パネルの撤去が始まれば、これに起因した労働災害というのは確実に出てくるはずなので、この辺の知識を持って作業する、その上で割ってはいけないものだという、割ることで労働災害が起きる可能性が出てくるというのは、これはすごく重要なところだと思うので、我々の業界でもとにかくここは大事なことだと思って、勉強会とか説明をしていきたいと思います。
運搬費と撤去費の比重なんですけど、これ、先ほど桑原委員からも一般家屋の場合でどうだという話があったんですが、一般家屋の場合に、やっぱり枚数が少ないので撤去自体は、ほぼ一日で終えます。二人ぐらいで上に上がって、受け取るのが下で一人とか二人。だから一日で4人ぐらいしかかからないとなれば、どう考えてもやっぱり運搬費用、それにリサイクル費用のほうが高くなってしまうので、ここについては基本的には運搬費用、リサイクル費用のほうが高くなると思います。これはどんなパターンでも同じだと思います。
あと、神山委員の処理効率を上げるという話なんですが、これに関しては新技術の開発とか、処理施設がそこにはないからそれができるまでという話とか、リサイクル効率を上げるために、これは必要な私の提案なんですが、今、太陽光パネルというのは積替保管をできる場所がないんですね。積替保管というのは、処理品目ごとに許可をもらって、これをストックヤードというか、一度現場から積替保管をする許可を持っているところがあれば、そこの中で例えばそこに大量のパネルをストックしておいて、自分たちの近いところに施設ができるまで、新しい技術ができるまで、そこに積替保管をしておくことは十分可能だと思うんですね。今、この部分というのは、なかなか新しく許可を取るのが大変な部分なので、これは施設に対しての積替保管の許可を与える規制緩和的なところで、太陽光パネル専用の積替保管の場所ができてくれば、色々な面でメリットがあるんじゃないかと考えております。
中川委員のお話なんですが、建設リサイクル法との絡みというのは非常に重要なことだと思います。建設リサイクル法で今はコンクリートとか木くずとかをリサイクル品の対象としているんですが、やはりアンチモンとかいろんなものが入っているというものでもありますが、建設リサイクル法の中にこれを入れるとすごくいいことというのが、要は年間、どれだけの建物で太陽光パネルを使って、それを撤去してどれぐらいの排出量があるかというのが、この法の中の届出の中に対象になるだけで、全部データとして残るようになるので、これはこういう中に入ったときに、これが5年、10年のデータとなれば、大体の傾向がこれで分かるということにもなるので、建設リサイクル法の中にこれを対象とするということは、非常に重要なことで、我々のほうからもぜひお願いしていくことだと思います。
以上だと思います。
○大和田座長 どうもありがとうございました。
それでは、太陽光パネルリユース・リサイクル協会、よろしくお願いいたします。
○太陽光パネルリユース・リサイクル協会 それでは、太陽光パネルリユース・リサイクル協会のほうから質問への回答をさせていただきます。
回答するに当たって、協会の代表としてお話しする部分と、一リサイクル業者としてお話しする部分と、混在しながらお話しさせていただくことになると思います。
私ども株式会社浜田は、ページ12でいくと、ホットナイフ分離法とハンマー破砕の機械をもって処理をしていますので、私が個社として知っている範囲の話と、協会として分かっている話と混在しながらお話しします。
まず最初に、飯田委員からの質問だったと思うんですが、費用負担の在り方というところで、我々では難しいところではありますが、EPRというお話もあって、製造者に費用負担を負ってもらうというのは、もしかしたら理想的かもしれませんけども、既に大量のものが導入済みで、なおかつ海外からのものが多いということもありまして、発電事業者からもらうのが現実的なのかなと思います。我々としてはいずれかから処理費をいただいてリサイクルを進めていかないといけませんので、この委員会の中で最適解を求めていくということじゃないかなと思いますので、協会としての回答は、これ以上のことは申し上げられないかと思います。
P6のリユースの判断ですね。我々、協会の加盟企業の中では2社が新品のパネルの精度評価をするための測定装置を持っていまして、その2社に業務委託をしている会社を含めて数社が測定をすることができます。
吉田委員から、破損パネルについては埋立てを認めてほしいという発言がありましたが、認めてほしいという立場ではなく、顧客的に埋め立てすることも、やむを得ないかなと意見としてお答えさせていただきました。
当然、埋立基準に合うためには、一度破砕して埋立基準に合うようにしなければなりませんので、現実的には車のシュレッダー、小型家電の破砕機でいけるかどうか分からないですけれども、車のシュレッダー業者さんで処理した後の埋立てになるかと思います。
そうした場合、当然非鉄金属などを分別するための過流選別機や、その後の手選別の工程があるはずなので、ある程度のものはリサイクルされるのではないかなと予測しております。
青木委員から、松竹梅について路盤材以外に高度なリサイクルを実現するために、技術以外で何か要因があるかということなんですけれども、協会としては、やはり出てきた主にガラスやセルシートというものがある一定量集まらないと、リサイクル資源として原料供給するのは難しいと思いますので、そういった部分を協会を通じて品質をそろえてメーカーさんと連携して、一定量、協会として供給できるような体制を整えていくということが大事かなと思います。
大塚委員からは、家電リサイクルはメーカーが責任を負わない場合、供給は生産者に対して、どうしたらリサイクルしやすくなるかということなんですけども、そもそも太陽光パネルの性能を上げるためにいろんな工夫をメーカーさんもされているんですが、アンチモンもその一つなんですね。何か発電効率がよくなるということでアンチモンが入れられていたりするんですけども、例えばアメリカのファースト・ソーラー社のカバーガラスはアンチモンを不含有としています。また同社では、自分たちでリサイクルするところまで責任を持って、自社のリサイクル工場でリサイクルしています。あとは両面ガラスを今のところリサイクル処理できる会社や、パネルの大型化が進んでいる一方、大型パネルを処理できる会社が少ないので、そういったものもあまり出してほしくないというのが我々の本音です。今後は、ペロブスカイトみたいなものが出てくると、またそれはそれで検証しないといけないので、新しいものがどんどん出てくる、これはいたちごっこかなと思いながらやっているんですけども、そういったことも含めて、リサイクルしやすい製品、どこまで性能の向上に走っていくかというところじゃなくて、リサイクルをしやすくするという観点でのものづくりを考えていただければありがたいと思います。
あともう一つ、関税の点についてちょっと御指摘をいただいたんですけど、おっしゃるとおりで、例えの例で、自動車リサイクルで見ますと、EUのほうでは自動車由来のプラスチックを25%以上使って部品を作りなさいといった、そういったレギュレーションのようなものを作ったらいいんじゃないですかということが言いたかったです。輸出とかを考えると、それに伴うCO2の排出量とか効率を考えると御指摘のとおりかなと思っております。
大関委員からはガラスの含有量について既に入っているものの情報を取るのは難しいということで、実際そうではあります。我々協会の中で廃棄の太陽光パネルの分析をするのが、私どもの株式会社浜田、今のところ1社しかないと思うんですけども、ガラス1枚1枚、X線の分析機があって、検査をしております。全然誰かに求められたわけではないんですけども、どういったものが入っているのか知りたかったということで、当然それにはコストがかかりますし、時間も1枚当たり1分近くかかりますので、処理能力を落としてしまうんですけども、研究的にそうやっていますので、そういった会社が業界の中に数社いれば、どのメーカーの何年式のどの型式のやつはガラスの組成がどうかというのを記録できる仕組みが作れるかと思っていますので、そういったことは協会としてやっていくべきかと思っております。
あと、フッ素の話が出ていたと思うんですけども、確かにバックシートの部分にフッ素があります。今のところ銀精錬の中で熱処理をかけているので、多少そこで悪さはするとは思うんですけども、許容範囲ということでフローの中でも回っておりますが、今後我々がシリコンをリサイクルする上で、そういったものが邪魔するようであればバックシートを事前に除去してからということも検討しないといけないと思います。
優良な業者、認定は必要だと思っておりますが、後の質問にもあるんですけれども、松竹梅と我々は書いていますけれども、どこで線を引くかということを言っております。ページ12にもありますとおり、高度なリサイクルをやろうと思えば当然導入コストは高くなりますので、そうなりますと単価が上がりますので、そこをどこで折り合いをつけるか。どこまでリサイクルとして認めて、どこからが駄目かというのは今後決まっていくと思いますし、我々は引かれた線にのっとってビジネスを展開していくということかと思います。
神山委員の御質問で、コスト低減が課題ではあるが、技術の発展、処理効率の発展について推奨すべき効果を合理的コストの範囲で安くてよいリサイクルに向かうこと。これも線引きの話ですよね。さっき言ったとおりP12で当然高度なリサイクルであると思えば、それなりにコストが高くなるということで、どこで線を引くか。悪い言い方をするとどこで削減するかということです。
あとオブザーバーのJPEAの増川さんからの質問ですね。今の12,000円/kwの計算根拠はというところなんですが、ここは我々が計算したわけではなくて、環境省さんが前回の資料で出されていた12,000円/kwというのが、確かに今の中心値だと思いますので、計算したわけではありません。今の皆さんが受けておられる価格がこれぐらいということです。
実際に身内で試算、株式会社浜田として試算しているのは、今の状況であればkW当たり半分はちょっと厳しいですけども7,000円とか8,000円は一応今後は、見えているかなというところではあります。当然この先の質問にもありましたけども、ガラスの買取価格にどれだけプレミアムがつくかということで、ここも変わっていきますので、ここでは我々のセクターだけではなくて、社会全体としてどういう形になっていくかというところで決まっていくかなと。当然出口の部分でプレミアムをつけて買い取っていただければ、コスト自体は下がっていくというふうに思っております。
以上ですかね。
○大和田座長 ありがとうございます。たくさんの質問に丁寧に答えていただきまして、ありがとうございます。
それでは、最後ですが、AGCさん、よろしくお願いいたします。
○AGC株式会社 時間がないことを理解しておりますので、質問が19個あったので、併せて答えますが、一つ目はメーカーから分析結果が出ていたというのを自分たちというか、追加の分析が必要ですかというところですが、これは必要と思っております。ロットでも日によってガラスの組成って一定でなくて結構ばらつきもありますし、信頼性もどうなのかというのもありますので、確認が必要と思っています。特に過去のものに関しては、開示もしてもらえないとか、そういったことも聞きますので、必要でありますが、今後ちゃんと測定するとか、ちゃんとした装置で測定されるということが行われれば必要がなくなってくるかもしれません。
二つ目、リサイクル処理されたものは費用回収の一つに使えるのか、ここの意味が理解し切れていませんが、現状埋立てに行っている、埋立処分費用を払っているというところと比較して、我々がガラスを原料として購入するという、マイナスがプラスに変わるというところが大きなところかなと思っております。
ただ、この太陽光パネルのガラスを作ったから、このガラスはすばらしいガラスになるとか、そういったことはなくて、通常のガラスのままであるのでプレミアがつくとか、そういったことはないです。
三つ目が、今後大量廃棄を迎えたときの課題は何か、どういう見通しかですが、大量廃棄が来ると、チャンスというか、まだ全然稼働が上がっていない処理設備が多いと伺っていますので、効率化とかが進んでいって、コストが削減されて弊社により適切な価格で来るとうれしいなというところはございます。
あとは、現在採算ベースに乗っているのかですが、新菱さんとかの場合は、商用ベースでやっていらっしゃるので、それで新菱さんがやれるという判断をされているのであれば、やれるという答えになるのかなと思いますが、やはり輸送のところは大きく影響すると思っていますので、確認が必要と思っています。炭素税とかが導入されたりするとまた話が変わってくるかとは思いますが。
五つ目は、家電リサイクル法などにならないから、生産者に対して何を依頼すればいい、組成情報とか、という質問については、生産者に何を依頼するかは、ヒ素を入れないでくださいとか、アンチモンの濃度をもうちょっと下げられるようなところとかが必要だったりとか、あとは、冒頭にあった組成情報ですね、そういったものもちゃんと出してもらうとかかと思いました。
六つ目、輸送費用の支援のところは、これはコメントだったので、意見は特にございません。そこがキーだと思っております。
所先生のところでは、ロールアウト法のほうが不純物が入ってもいいんじゃないのというお話でしたが、多少は緩和する余地はございます。ただ、用途としては建築物の用途には変わりございませんので、建築物に求められる基準は満たさなければいけないと。何でも入ってオーケーかというと、全然そういう話ではございません。そこは理解いただければと思います。
あと、アンチモン以外にほかにどんな不純物の対策が必要かですが、ヒ素とか鉛とかですよね。こういったものは確認が必要で、弊社の溶解窯での排ガスの処理設備であったりとか、排水とか、そういったところの確認が必要なのかなと思いますし、そもそも懸念をそこまでする必要がないのかもしれませんし、そういったところの確認をこれから取っていく必要があるなと思っております。
大関さんの質問で、再資源化の費用はどのくらい持たないといけないのか、コストアップを許容できるのか。炭素税が入ってくればその分の可能性はあるのかなと思います。これをリサイクルすることで炭素税が削減されるのであれば。ただ、そこぐらいかなと思っています。
9個目、アンチモンはどこまで可能か。これはちょっと答えづらいところですが、現状、全然量がまだ集まっていません。なので我々が限界と見極められる量まで入れられていないから、まだその答えが出せないというのが現状です。まだまだ可能と思っています。
あとはコンタミの評価はリサイクル業者がやるのか、AGCがやるのか。今はどうなのかというところですが、今はカレット業者さんが品質を保証して我々に導入してくれています。我々の設備内にも、コンタミを除去する設備はついておりますが、100%ではないので、やはり品質保証は求めざるを得ないというところがありますが、我々自身もそういったコンタミを除去する研究開発は続けております。
次、新規技術を取り入れる場合の要望は、やはり補助といったものが必要なのかなと思いますし、ランニングとかそういった、我々、生産中に投入とかをするので、リスクは非常に大きいと思っていて、そういったリスクに対する何か補助とかあるといいのかなとか、そんなことを思ったりします。一旦ガラスが取れなくなって、数日間取れないと莫大な損害が出るというところで、慎重にやらなければいけないという背景があります。
あとは、望ましい処理の選択、柔軟性とかですね。まずは、埋立てはやめるべきといったそういったところが義務化されるといいのかなと思います。リサイクルといっても路盤材に行くのもあればウール向け、板ガラス向けとあるんですけれども、どれも同じようにリサイクルと言われてしまうので、やっぱり高純度なリサイクルは評価されるべきだと思っています。
あとは、採算性ですね。採算性をまた聞かれましたが、新菱さんは九州ですけれども成り立っているんじゃないのかと思っています。あとは、北海道のトクヤマさんも来たりしましたが、我々は北海道からカレットを持ってきたりとかもしているので、そういったところを考えると、遠いから無理というわけでもなくて輸送の関係で、何とか乗り越えられることもあると思います。
採算性は、飛ばします。ほかのAGC以外に参入可能かというのは可能です。使っていただければいいと思います。新菱の熱分解の、ちょっと混同されているかなと思いましたので、そこは新菱さんのリサイクルを、ライセンスを受け取る必要があるのかなと思います。
あとは、カレットを一旦受け入れたらコストはかさむのかというのは、基本的にはそんなにかさむことはございませんが、例えば荷姿でフレコンとかに入ってきてしまうと、そこを解体する費用とか、そういったものが出ます。
あとは費用面は割愛して、欧州のクレジットのところも、炭素税がついたらその分の上乗せというのは可能かと思いますが、日本で炭素税は導入されていませんので、今は厳しいなというところです。
最後の質問で、どれぐらいカレットを入れたかというのは、新菱さんが24トン、トクヤマが5トンで30トンくらい入れていますが、これ以外にももう既に色々投入していて、もう50トン以上投入しているという現状にあります。
以上です。
○大和田座長 簡潔にお答えいただきまして、ありがとうございました。
それでは、環境省さんに御質問もありました。経産省さん、何か御回答いただけることがあれば、お願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 経済産業省です。経済産業省から、経団連から産業材のデータベースについて御意見いただきました。経産省でも産業を超えたデータ連携基盤を検討しております。今回、情報システムを検討しておりますけれども、この情報システムの性格や趣旨などを踏まえて、どういう連携基盤を作ればいいのか、関連部局ともよく連携しながら、よく精査をして検討していきたいと考えております。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございます。
環境省さん、いかがですか。
○岡﨑制度企画室長 環境省でございます。
ヒアリングで御発表いただいた皆様、委員の皆様、御意見をいただきまして、ありがとうございます。
まず、全国解体工事業団体連合会様から、太陽光パネルの解体を手作業で行う必要があるという点について、周知を図るべきとの御意見をいただきました。今後新たな制度の創設に合わせまして、環境省のガイドラインなども見直しをしまして、しっかりと周知を図っていきたいと思っています。
また、積替保管の規制緩和につきましては、この審議会の中で委員の方からも御意見をいただいておりますので、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
また、中川委員と全解工連様から、建設リサイクル法を所管する国交省との連携をしっかり進めるべきという御意見を頂戴いたしました。建設リサイクル法は、現在も環境省が一部を共同で所管しているところでありますけれども、太陽光パネルの解体撤去につきましては、現行の建設リサイクル法で対応できる部分と、新たな制度で対応していく部分が出てくると思いますので、新たな制度の設計ですとか、施行に当たりましては密接に連携をしてまいりたいと考えております。
最後に、池田委員から5月に成立した再資源化事業等高度化法の活用について、御提案いただきました。この制度は、再資源化等の高度化に係る事業につきまして、国が一括をして認定を行う制度を創設する予定としております。太陽光発電設備につきましても対象としまして、効率的な処理体制の構築に活用していく考えでございます。
今後、この法律の施行に向けて、認定基準などについて審議会でも別途議論を進めていただいているところでありますけれども、本日いただいた御意見も踏まえながら、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
以上です。
○大和田座長 どうもありがとうございました。本日、三つの団体から非常に貴重なお話を伺って、また色々、大変有意義な議論ができたかと思います。私も非常に勉強になりました。
最後に、まとめてみようと思ったんですけれど、皆さんの貴重な時間もございますので、ここは事務局に後ほどしっかりまとめていただくということにして、今回の議論は、終了したいと思います。
それでは次回の予定について、事務局からお願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
次回の合同会議は明日10月29日15時より、引き続き関係団体からヒアリングを行うこととしております。詳細は経産省、環境省のホームページでお知らせしております。
以上です。
○大和田座長 どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして本日の会合を閉会といたします。本日、 皆様御多忙のところ、長時間にわたって熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。
回答するに当たって、協会の代表としてお話しする部分と、一リサイクル業者としてお話しする部分と、混在しながらお話しさせていただくことになると思います。
私ども株式会社浜田は、ページ12でいくと、ホットナイフ分離法とハンマー破砕の機械をもって処理をしていますので、私が個社として知っている範囲の話と、協会として分かっている話と混在しながらお話しします。
まず最初に、飯田委員からの質問だったと思うんですが、費用負担の在り方というところで、我々では難しいところではありますが、EPRというお話もあって、製造者に費用負担を負ってもらうというのは、もしかしたら理想的かもしれませんけども、既に大量のものが導入済みで、なおかつ海外からのものが多いということもありまして、発電事業者からもらうのが現実的なのかなと思います。我々としてはいずれかから処理費をいただいてリサイクルを進めていかないといけませんので、この委員会の中で最適解を求めていくということじゃないかなと思いますので、協会としての回答は、これ以上のことは申し上げられないかと思います。
P6のリユースの判断ですね。我々、協会の加盟企業の中では2社が新品のパネルの精度評価をするための測定装置を持っていまして、その2社に業務委託をしている会社を含めて数社が測定をすることができます。
吉田委員から、破損パネルについては埋立てを認めてほしいという発言がありましたが、認めてほしいという立場ではなく、顧客的に埋め立てすることも、やむを得ないかなと意見としてお答えさせていただきました。
当然、埋立基準に合うためには、一度破砕して埋立基準に合うようにしなければなりませんので、現実的には車のシュレッダー、小型家電の破砕機でいけるかどうか分からないですけれども、車のシュレッダー業者さんで処理した後の埋立てになるかと思います。
そうした場合、当然非鉄金属などを分別するための過流選別機や、その後の手選別の工程があるはずなので、ある程度のものはリサイクルされるのではないかなと予測しております。
青木委員から、松竹梅について路盤材以外に高度なリサイクルを実現するために、技術以外で何か要因があるかということなんですけれども、協会としては、やはり出てきた主にガラスやセルシートというものがある一定量集まらないと、リサイクル資源として原料供給するのは難しいと思いますので、そういった部分を協会を通じて品質をそろえてメーカーさんと連携して、一定量、協会として供給できるような体制を整えていくということが大事かなと思います。
大塚委員からは、家電リサイクルはメーカーが責任を負わない場合、供給は生産者に対して、どうしたらリサイクルしやすくなるかということなんですけども、そもそも太陽光パネルの性能を上げるためにいろんな工夫をメーカーさんもされているんですが、アンチモンもその一つなんですね。何か発電効率がよくなるということでアンチモンが入れられていたりするんですけども、例えばアメリカのファースト・ソーラー社のカバーガラスはアンチモンを不含有としています。また同社では、自分たちでリサイクルするところまで責任を持って、自社のリサイクル工場でリサイクルしています。あとは両面ガラスを今のところリサイクル処理できる会社や、パネルの大型化が進んでいる一方、大型パネルを処理できる会社が少ないので、そういったものもあまり出してほしくないというのが我々の本音です。今後は、ペロブスカイトみたいなものが出てくると、またそれはそれで検証しないといけないので、新しいものがどんどん出てくる、これはいたちごっこかなと思いながらやっているんですけども、そういったことも含めて、リサイクルしやすい製品、どこまで性能の向上に走っていくかというところじゃなくて、リサイクルをしやすくするという観点でのものづくりを考えていただければありがたいと思います。
あともう一つ、関税の点についてちょっと御指摘をいただいたんですけど、おっしゃるとおりで、例えの例で、自動車リサイクルで見ますと、EUのほうでは自動車由来のプラスチックを25%以上使って部品を作りなさいといった、そういったレギュレーションのようなものを作ったらいいんじゃないですかということが言いたかったです。輸出とかを考えると、それに伴うCO2の排出量とか効率を考えると御指摘のとおりかなと思っております。
大関委員からはガラスの含有量について既に入っているものの情報を取るのは難しいということで、実際そうではあります。我々協会の中で廃棄の太陽光パネルの分析をするのが、私どもの株式会社浜田、今のところ1社しかないと思うんですけども、ガラス1枚1枚、X線の分析機があって、検査をしております。全然誰かに求められたわけではないんですけども、どういったものが入っているのか知りたかったということで、当然それにはコストがかかりますし、時間も1枚当たり1分近くかかりますので、処理能力を落としてしまうんですけども、研究的にそうやっていますので、そういった会社が業界の中に数社いれば、どのメーカーの何年式のどの型式のやつはガラスの組成がどうかというのを記録できる仕組みが作れるかと思っていますので、そういったことは協会としてやっていくべきかと思っております。
あと、フッ素の話が出ていたと思うんですけども、確かにバックシートの部分にフッ素があります。今のところ銀精錬の中で熱処理をかけているので、多少そこで悪さはするとは思うんですけども、許容範囲ということでフローの中でも回っておりますが、今後我々がシリコンをリサイクルする上で、そういったものが邪魔するようであればバックシートを事前に除去してからということも検討しないといけないと思います。
優良な業者、認定は必要だと思っておりますが、後の質問にもあるんですけれども、松竹梅と我々は書いていますけれども、どこで線を引くかということを言っております。ページ12にもありますとおり、高度なリサイクルをやろうと思えば当然導入コストは高くなりますので、そうなりますと単価が上がりますので、そこをどこで折り合いをつけるか。どこまでリサイクルとして認めて、どこからが駄目かというのは今後決まっていくと思いますし、我々は引かれた線にのっとってビジネスを展開していくということかと思います。
神山委員の御質問で、コスト低減が課題ではあるが、技術の発展、処理効率の発展について推奨すべき効果を合理的コストの範囲で安くてよいリサイクルに向かうこと。これも線引きの話ですよね。さっき言ったとおりP12で当然高度なリサイクルであると思えば、それなりにコストが高くなるということで、どこで線を引くか。悪い言い方をするとどこで削減するかということです。
あとオブザーバーのJPEAの増川さんからの質問ですね。今の12,000円/kwの計算根拠はというところなんですが、ここは我々が計算したわけではなくて、環境省さんが前回の資料で出されていた12,000円/kwというのが、確かに今の中心値だと思いますので、計算したわけではありません。今の皆さんが受けておられる価格がこれぐらいということです。
実際に身内で試算、株式会社浜田として試算しているのは、今の状況であればkW当たり半分はちょっと厳しいですけども7,000円とか8,000円は一応今後は、見えているかなというところではあります。当然この先の質問にもありましたけども、ガラスの買取価格にどれだけプレミアムがつくかということで、ここも変わっていきますので、ここでは我々のセクターだけではなくて、社会全体としてどういう形になっていくかというところで決まっていくかなと。当然出口の部分でプレミアムをつけて買い取っていただければ、コスト自体は下がっていくというふうに思っております。
以上ですかね。
○大和田座長 ありがとうございます。たくさんの質問に丁寧に答えていただきまして、ありがとうございます。
それでは、最後ですが、AGCさん、よろしくお願いいたします。
○AGC株式会社 時間がないことを理解しておりますので、質問が19個あったので、併せて答えますが、一つ目はメーカーから分析結果が出ていたというのを自分たちというか、追加の分析が必要ですかというところですが、これは必要と思っております。ロットでも日によってガラスの組成って一定でなくて結構ばらつきもありますし、信頼性もどうなのかというのもありますので、確認が必要と思っています。特に過去のものに関しては、開示もしてもらえないとか、そういったことも聞きますので、必要でありますが、今後ちゃんと測定するとか、ちゃんとした装置で測定されるということが行われれば必要がなくなってくるかもしれません。
二つ目、リサイクル処理されたものは費用回収の一つに使えるのか、ここの意味が理解し切れていませんが、現状埋立てに行っている、埋立処分費用を払っているというところと比較して、我々がガラスを原料として購入するという、マイナスがプラスに変わるというところが大きなところかなと思っております。
ただ、この太陽光パネルのガラスを作ったから、このガラスはすばらしいガラスになるとか、そういったことはなくて、通常のガラスのままであるのでプレミアがつくとか、そういったことはないです。
三つ目が、今後大量廃棄を迎えたときの課題は何か、どういう見通しかですが、大量廃棄が来ると、チャンスというか、まだ全然稼働が上がっていない処理設備が多いと伺っていますので、効率化とかが進んでいって、コストが削減されて弊社により適切な価格で来るとうれしいなというところはございます。
あとは、現在採算ベースに乗っているのかですが、新菱さんとかの場合は、商用ベースでやっていらっしゃるので、それで新菱さんがやれるという判断をされているのであれば、やれるという答えになるのかなと思いますが、やはり輸送のところは大きく影響すると思っていますので、確認が必要と思っています。炭素税とかが導入されたりするとまた話が変わってくるかとは思いますが。
五つ目は、家電リサイクル法などにならないから、生産者に対して何を依頼すればいい、組成情報とか、という質問については、生産者に何を依頼するかは、ヒ素を入れないでくださいとか、アンチモンの濃度をもうちょっと下げられるようなところとかが必要だったりとか、あとは、冒頭にあった組成情報ですね、そういったものもちゃんと出してもらうとかかと思いました。
六つ目、輸送費用の支援のところは、これはコメントだったので、意見は特にございません。そこがキーだと思っております。
所先生のところでは、ロールアウト法のほうが不純物が入ってもいいんじゃないのというお話でしたが、多少は緩和する余地はございます。ただ、用途としては建築物の用途には変わりございませんので、建築物に求められる基準は満たさなければいけないと。何でも入ってオーケーかというと、全然そういう話ではございません。そこは理解いただければと思います。
あと、アンチモン以外にほかにどんな不純物の対策が必要かですが、ヒ素とか鉛とかですよね。こういったものは確認が必要で、弊社の溶解窯での排ガスの処理設備であったりとか、排水とか、そういったところの確認が必要なのかなと思いますし、そもそも懸念をそこまでする必要がないのかもしれませんし、そういったところの確認をこれから取っていく必要があるなと思っております。
大関さんの質問で、再資源化の費用はどのくらい持たないといけないのか、コストアップを許容できるのか。炭素税が入ってくればその分の可能性はあるのかなと思います。これをリサイクルすることで炭素税が削減されるのであれば。ただ、そこぐらいかなと思っています。
9個目、アンチモンはどこまで可能か。これはちょっと答えづらいところですが、現状、全然量がまだ集まっていません。なので我々が限界と見極められる量まで入れられていないから、まだその答えが出せないというのが現状です。まだまだ可能と思っています。
あとはコンタミの評価はリサイクル業者がやるのか、AGCがやるのか。今はどうなのかというところですが、今はカレット業者さんが品質を保証して我々に導入してくれています。我々の設備内にも、コンタミを除去する設備はついておりますが、100%ではないので、やはり品質保証は求めざるを得ないというところがありますが、我々自身もそういったコンタミを除去する研究開発は続けております。
次、新規技術を取り入れる場合の要望は、やはり補助といったものが必要なのかなと思いますし、ランニングとかそういった、我々、生産中に投入とかをするので、リスクは非常に大きいと思っていて、そういったリスクに対する何か補助とかあるといいのかなとか、そんなことを思ったりします。一旦ガラスが取れなくなって、数日間取れないと莫大な損害が出るというところで、慎重にやらなければいけないという背景があります。
あとは、望ましい処理の選択、柔軟性とかですね。まずは、埋立てはやめるべきといったそういったところが義務化されるといいのかなと思います。リサイクルといっても路盤材に行くのもあればウール向け、板ガラス向けとあるんですけれども、どれも同じようにリサイクルと言われてしまうので、やっぱり高純度なリサイクルは評価されるべきだと思っています。
あとは、採算性ですね。採算性をまた聞かれましたが、新菱さんは九州ですけれども成り立っているんじゃないのかと思っています。あとは、北海道のトクヤマさんも来たりしましたが、我々は北海道からカレットを持ってきたりとかもしているので、そういったところを考えると、遠いから無理というわけでもなくて輸送の関係で、何とか乗り越えられることもあると思います。
採算性は、飛ばします。ほかのAGC以外に参入可能かというのは可能です。使っていただければいいと思います。新菱の熱分解の、ちょっと混同されているかなと思いましたので、そこは新菱さんのリサイクルを、ライセンスを受け取る必要があるのかなと思います。
あとは、カレットを一旦受け入れたらコストはかさむのかというのは、基本的にはそんなにかさむことはございませんが、例えば荷姿でフレコンとかに入ってきてしまうと、そこを解体する費用とか、そういったものが出ます。
あとは費用面は割愛して、欧州のクレジットのところも、炭素税がついたらその分の上乗せというのは可能かと思いますが、日本で炭素税は導入されていませんので、今は厳しいなというところです。
最後の質問で、どれぐらいカレットを入れたかというのは、新菱さんが24トン、トクヤマが5トンで30トンくらい入れていますが、これ以外にももう既に色々投入していて、もう50トン以上投入しているという現状にあります。
以上です。
○大和田座長 簡潔にお答えいただきまして、ありがとうございました。
それでは、環境省さんに御質問もありました。経産省さん、何か御回答いただけることがあれば、お願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 経済産業省です。経済産業省から、経団連から産業材のデータベースについて御意見いただきました。経産省でも産業を超えたデータ連携基盤を検討しております。今回、情報システムを検討しておりますけれども、この情報システムの性格や趣旨などを踏まえて、どういう連携基盤を作ればいいのか、関連部局ともよく連携しながら、よく精査をして検討していきたいと考えております。
以上です。
○大和田座長 ありがとうございます。
環境省さん、いかがですか。
○岡﨑制度企画室長 環境省でございます。
ヒアリングで御発表いただいた皆様、委員の皆様、御意見をいただきまして、ありがとうございます。
まず、全国解体工事業団体連合会様から、太陽光パネルの解体を手作業で行う必要があるという点について、周知を図るべきとの御意見をいただきました。今後新たな制度の創設に合わせまして、環境省のガイドラインなども見直しをしまして、しっかりと周知を図っていきたいと思っています。
また、積替保管の規制緩和につきましては、この審議会の中で委員の方からも御意見をいただいておりますので、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
また、中川委員と全解工連様から、建設リサイクル法を所管する国交省との連携をしっかり進めるべきという御意見を頂戴いたしました。建設リサイクル法は、現在も環境省が一部を共同で所管しているところでありますけれども、太陽光パネルの解体撤去につきましては、現行の建設リサイクル法で対応できる部分と、新たな制度で対応していく部分が出てくると思いますので、新たな制度の設計ですとか、施行に当たりましては密接に連携をしてまいりたいと考えております。
最後に、池田委員から5月に成立した再資源化事業等高度化法の活用について、御提案いただきました。この制度は、再資源化等の高度化に係る事業につきまして、国が一括をして認定を行う制度を創設する予定としております。太陽光発電設備につきましても対象としまして、効率的な処理体制の構築に活用していく考えでございます。
今後、この法律の施行に向けて、認定基準などについて審議会でも別途議論を進めていただいているところでありますけれども、本日いただいた御意見も踏まえながら、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
以上です。
○大和田座長 どうもありがとうございました。本日、三つの団体から非常に貴重なお話を伺って、また色々、大変有意義な議論ができたかと思います。私も非常に勉強になりました。
最後に、まとめてみようと思ったんですけれど、皆さんの貴重な時間もございますので、ここは事務局に後ほどしっかりまとめていただくということにして、今回の議論は、終了したいと思います。
それでは次回の予定について、事務局からお願いいたします。
○日暮新エネルギー課長 事務局です。
次回の合同会議は明日10月29日15時より、引き続き関係団体からヒアリングを行うこととしております。詳細は経産省、環境省のホームページでお知らせしております。
以上です。
○大和田座長 どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして本日の会合を閉会といたします。本日、 皆様御多忙のところ、長時間にわたって熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。
午後3時00分 閉会