静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会(第6回)

開催日時

令和6年1月22日(月)14:00~15:00

開催場所

WEB 会議システムにより開催

議題

① 脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)
② その他

資料一覧

【資料1】委員名簿
【資料2】脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)
【参考資料】「脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)」に関する意見募集に寄せられた御意見の概要及び御意見に対する考え方(案)
 

議事録

午後2時00分 開会
○松田廃棄物規制課長 定刻になりましたので、ただいまから、第6回静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を開催いたします。
 最初に進行を務めさせていただきます環境省の廃棄物規制課長の松田です。よろしくお願いいたします。
 最初に、1月1日に起きました石川県の能登半島の地震によってお亡くなりになりました多くの方々に心からご冥福をお祈り申し上げます。また、今も被災された皆様が現地で、避難所等で生活をされているところ、心からお見舞い申し上げます。環境省としても、この被災地域における生活環境の保全と早期の復旧・復興に向けて、全省的に取り組んでいきたいと考えております。
 それでは、昨年7月から開催させていただいている本小委員会の委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回はオンラインのみでの実施となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、会議の運営についてのお願いでございます。ご発言される場合は、挙手ボタンでお知らせいただきまして、酒井小委員長からのご指名を受けてからご発言をお願いいたします。
 会議の模様につきましては、事前に公表しておりますYouTubeでの同時配信により公開をしております。
 それでは、開催に当たりまして定足数の確認をいたします。本日は、委員総数17名のところ12名の委員の方にご出席いただき、小委員会として成立しておりますことをご報告いたします。
 次に資料の確認です。資料は三つございます。資料1の委員名簿、資料2はこの小委員会での報告案になります、脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方についての案。さらに参考資料として、脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方についての案に対する意見募集で寄せられたご意見の概要と、ご意見に対する事務局が作成した考え方の案という構成になっております。
 資料につきましては、事務局にて画面に投影しますが、必要に応じて事前にお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
 それでは、以降の進行は酒井小委員長にお願いしたいと思います。酒井小委員長、よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 承りました。後の進行を務めさせていただきます。
 それでは、議題の一つ目でございます「脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について」に入らせていただきます。
 前回、第5回のこの小委員会においてまとめていただきましたこのレポートの取りまとめ案でございますが、昨年12月19日から本年1月17日まで、事務局にてパブリックコメントを実施いただきました。本日はそのパブリックコメントの意見の概要をお知らせいただき、そしてそれに対する考え方、そしてパブリックコメントを受けた取りまとめ案としての修正案を示していただきます。
 それでは、その方針の下で、早速修正いただいた点を中心に事務局から資料に沿って説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○環境省 はい、ありがとうございます。それでは事務局から資料2の「脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について」と、参考資料の「「脱炭素型循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)」に関する意見募集に寄せられた御意見の概要及び御意見に対する考え方(案)」に沿ってご説明いたします。
 まず、今回のパブリックコメントの結果の概要を簡単にご紹介いたします。参考資料をご覧ください。
 昨年12月19日から本年1月17日までパブリックコメントを実施したところ、合計23件のご意見を頂戴しました。この参考資料は、その主なご意見の概要と、それに対する考え方をまとめたものでございます。全体的に申し上げますと、方向性について大きな異論はいただいておらず、この取りまとめでお示しした内容に関して、その業界、あるいは個社としてより具体的な状況、今の取り巻く資源循環の状況などをご説明いただき、今後進めていく上で我々が踏まえておくべき事項などをご意見として頂戴しました。
 パブリックコメントの中でいただいたコメントについて、幾つか簡単にご紹介いたします。
 まず、参考資料の1ページ目の1番です。こちら、リデュースの重要性、報告書における一般市民の方の位置づけ、動脈・静脈という用語に関するご意見を頂戴したものです。
 3ページ目の2番です。二酸化炭素の排出削減や資源循環による価値化の観点から、この取りまとめの基本的な考え方や施策について賛同しますというご意見をいただいています。
 続きまして、報告書案の第Ⅰ部Ⅰ番「我が国の資源循環を取り巻く状況と課題認識」に関するご意見です。
参考資料3ページ目の5番のとおり、静脈産業の競争力の強化のために、循環経済の推進に必要な法規制を統一すべきだというご意見を頂戴しています。
 4ページ目の6番です。今回の委員会の中で取り上げました欧州における規制の動き、そのリサイクルに関するルールやインフラづくり、ケミカルリサイクルの重要性、ASEAN地域の巻き込み、こういったご意見を頂戴しています。
 5ページ目の7番です。カーボンニュートラルは撤回すべきだというご意見を頂戴しました。
 続きまして、二つ目の基本的な考え方と今後の方向性に関してです。5ページ目の8番の意見では、太陽光パネルの国産化を進めるべきというご意見をいただいています。
 6ページ目の9番です。脱炭素、資源循環というのは必ずしも両立しないため、そのトレードオフを考えた上で総合的な対策を進めることが大事だというご意見を頂戴しています。
 7ページ目と8ページ目の10番と11番です。循環型社会形成推進基本法に定められている循環資源の循環的な利用及び処分に関する優先順位を踏まえて、特にリユースに関する記述を追記すべきだというご意見をいただいています。
 9ページ目12番です。包括的な法制度による循環型社会への移行への期待、それから中小企業が取り残されないための施策の立案ついてコメントを頂戴しています。
 続きまして、Ⅲ番の「主な施策」です。
まず13番目の意見として、今回の報告書の中でも言及しております動静脈連携、産官学連携を踏まえた再資源化施設の整備が急務だということを、報告書の中で四つの類型でお示ししたものについて、それぞれコメントをいただいています。
 12ページ目の14番のご意見です。バイオマス系の廃棄物に関してCO2のカウントなどに関するご意見を頂戴しています。それから15番です。こちらは高度化されたリサイクル技術の開発や開発の重要性に関するご意見を頂戴しています。
 13ページ16番です。国民・消費者の方への理解の増進を促進とか、あるいは、それに伴う再生材利用製品の選択を促進すべきだというご意見を頂戴しています。
 14ページ目の17番です。廃棄物データシート、WDS(Waste Data Sheet)と呼んでおりますけれども、WDS(Waste Data Sheet)の活用に関するご意見を頂戴しています。
15ページ目の19番です。静脈産業から動脈産業へ情報をフィードバックをすることの重要性をご意見として賜っております。
 16ページ目の20番です。WBCSD(World Business Council for Sustainable Development)との連携を例示として掲げていただき、よりユーザー負担が少ないグローバルな仕組みというのを情報連携という点でも考えるべきだというご意見をいただいています。
 17ページ目21番です。電子マニフェストに関して、改善などをご提案いただいています。
 18ページ目の22番です。循環経済に関する国際標準化に関する記載を、より充実すべきだというご意見をいただいています。
 19ページ目の23番です。排出事業者責任の重要性、動静脈連携を促進するための情報共有の重要性、先進的な事業に関する財政支援の必要性についてご意見をいただいています。
 20ページ目の24番、25番、26番です。都道府県別の対応の差異を是正すべきだというご意見や、民間委託を推進すべきだというご意見、あるいは、いわゆる自区内処理の原則を是正してほしいというご意見を頂戴しています。
 21ページ目の27番です。循環型社会へ貢献することでGHGの排出が増加してしまうということに対して一定の配慮を行うということはどうかというご意見を頂戴しています。
22ページ目の28番です。脱炭素やその資源循環に積極的な事業者の方への適切な評価制度を導入してはどうかというご意見をいただいています。
 22ページ目の29番です。電子マニフェストの活用義務化というご意見を頂戴しています。
 23ページ目の30番です。欧州の各種規制を踏まえた関係国との対話の必要性、あるいは、シンプルな情報伝達のルール整備の必要性、輸出入国間での資源の移動のルールの制定に関するご意見を頂戴しています。
 31番です。情報連携の実現のためには電子マニフェストに加えて廃棄物と情報の一体管理が必要であることや、少量利用者や作業員、リサイクラーも想定した簡易性・利便性の向上等、昨日と構造の改革が必要というご意見を頂戴しています。
 26ページ目の32番です。リサイクルペレットの品質の高度化に関して、国内の市場価値が追いついていないので早急な取組が必要というご意見をいただいています。
27ページ目の33番目です。産官学の力を合わせた資源循環型社会に協力をしていきますというご意見を頂戴しています。
 以上のようなご意見を皆様から頂戴したところです。それぞれご意見に対する考え方というのは右の列に記載してございますけれども、今後の施策の検討に当たってはしっかりと考慮して進めさせていただきたいと考えています。
 以上がパブリックコメントの結果の概要でございまして、本題の資料2に移らせていただければと思います。
 資料2ですけれども、先ほどご覧いただいた意見を踏まえ、若干ですが修正をさせていただいています。資料中、黄色く着色しているところが変わったところです。申し訳ございませんが、細々としたものも含めて黄色で着色していますので、ご説明はかいつまんでさせていただきたいと思います。
 3ページ目の上から9行目、そのスコープは持続可能な開発への貢献を最大化するためで始まっている文章ですが、循環経済に関する国際標準化の議論についてより記載を充実させるべきだというご意見をいただいておりますので、今TC323で五つのワーキングに分かれて議論をしていますと、現在の状況として追記しました。
 続きまして、資料の5ページ目の12行目、Ⅱ、基本的考え方と今後の方向性の下の辺りです。リデュースがやはり大事だというご意見や、リユースが大事だというご意見をいただいており、もちろん我々も認識していますので、循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則を踏まえということをこの基本的な考え方のところで追記しています。
 3行下の我が国の強みのところ、こちらもリユースに関する取組ということでご意見をいただきましたが、リユースのみならず3R全般でいろんな取組をしておりますので、3Rの取組ということで例示を挙げています。
 そこから少し飛んでいただき、11ページ目の上から4行目です。欧州のELVなどの動向やリサイクルに関するルールづくりが重要であるというご意見や、欧州やASEANといった関係国との国際的な連携も必要であるというご意見を頂戴しましたので、4行目に記載のとおり、国際機関や関係国とも連携し、国際的なルールづくりに積極的に貢献していくべきだということを追記しています。
 最後になりますが、11ページ目の下から4行目、先進的な事業の推進の必要性や、バリューチェーン全体でのGHGの削減が大事であるというコメントをいただきましたので、先進的な資源循環投資を促進してバリューチェーン全体での排出削減やGX移行に必要な革新的な製品の原材料を供給していくことも重要だということを今後の課題として追記しました。
 以上、大きな修正点5点です。本日、この本案につきましてご議論いただきまして、取りまとめをお願いできればと考えてございます。
私からの説明は以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。
 ここまでのご説明に関してご質問、ご意見等がある方は挙手ボタンでの意思表示をお願いいたします。順番にご指名してまいります。
 パブコメの意見も相当数寄せられ、また、内容に踏み込んだコメントも頂戴しており、個別の意見の考え方は、今回の参考資料において主にどういう意見があったかを説明いただき、それに対する考え方も丁寧に整理をしていただいています。
 これに基づいて5点の修正というご紹介でしたが、今見えている今後の課題の修正も含めて追記いただいています。いかがでしょうか。
 これまでも多くのご意見を頂戴してきており、それらの対応を都度進めてきておりますが、ほぼ最終案に近づいておりますので、ご意見ございましたらお願いします。
 それでは、崎田委員からお願いします。
○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。今回、多くのパブコメのご意見をいただき、5点の修正をいただいたということで、全体に関しては賛成したいと思います。
 特に、前回の最後にISOや国際的な標準化に対する日本の貢献などがどういう状況かという委員長のお話もある中で、今回、3ページに国際標準化が進んでいる様子などをしっかりと入れていただいたのは大変有意義であると思います。今後、このような状況の中で、日本がどのように提案や意見交換をしながら進んでいるのかというようなことも、社会全体で関心を持っていければよいと感じました。
 それ以外に私が一つコメントさせていただきたいのは、今回のパブコメのご意見の中で、そもそもの3Rの発生抑制や、リデュース、リユースを明確に表記したらどうかといった、消費者の役割が重要だという根本的なご意見をお寄せいただいた方が大変多く、かなり熱心にご意見をいただいたように感じるということです。
 今後、いろいろな制度化が進むと思います。それは大抵事業者の方か自治体に関係することが多いと思いますが、消費者がどう動いたらいいのかということが、非常に重要になると思いますので、今後これをシステムとして定着させるときに、国民がどのような役割を担うのか、国民にどのように情報を伝えたらよいのかということを、様々な方がすぐ分かるようなガイドラインやガイドブックといった、消費者向けを意識したものをきちんと整備してはいかがかなと思いました。そこだけ今後の進め方の中でご検討いただければありがたいなと思います。よろしくお願いします。
○酒井小委員長 崎田委員、ありがとうございました。
 それでは続いて、末吉委員、お願いします。
○末吉委員 どうもありがとうございます。たくさんのパブコメを頂戴し、そして修正点も、私も概ね賛成です。それを踏まえた上で少し意見を申し上げます。
 パブコメに来ていた意見1と2については私も賛成でありまして、改めて市民・消費者の役割が非常に重要であることを認識いたしました。意見2で市民・消費者の役割や求める協力内容、意識向上や行動変容のための方策等について明確になった提言が必要ということに関しても、非常に重要であると考えています。
 以前も申し上げましたが、世界の多くの方たちは環境対策は生活の質を良くすると考えている一方、日本人は生活の質を脅かすと考えている人たちが6割近くいると。こういった意識から脱却しない限り持続可能な社会変革というのは実現できないと思いますので、先ほど崎田委員もおっしゃっていましたけれども、市民・消費者の役割がもう少し明確に示すべきだと感じました。
 同時に、生活者としての視点がすごく必要だと感じました。減らすことや分別することはもちろん大事ですが、それらは全て消費者としての受動的な活動でもあります。そのため、そもそも廃棄物になりやすいものは買わないですとか、再生素材、製品を購入するなど生活者自身の生活環境を自ら最適化するような能動的な活動を促していく表現や文言を加えてもいいのかなと。あるいは、そうしたことを促すガイドラインのようなものがあったら良いのではないかと思いました。
 2点目が、リユースへの期待が多いということも改めてパブコメを見て感じたところでして、リデュースが最優先であることはもちろん理解しているのですが、消費者、それから産業としても、着手しやすい施策としてリユースがあることは確かだと思います。そのため、普及啓発だけではなく、例えばメルカリさんのような仕組みに対する安全性担保の促進等といった、リユースに対する政策支援の拡大の余地は大きいと感じました。
 3点目、意見16に関してです。企業がサーキュラーエコノミーの取組をおこなって損をしない仕組みというのは極めて大事で、政府調達などでのサーキュラーエコノミーへの優遇など、具体的な施策を期待したいと思います。
 さらに、パブコメの中であった、多少品質が劣っていても許容される用途があるということも大事な視点だと思います、やはり日本の消費者の品質への過剰な要求がある中で、生まれてきた問題というのもあるのではないかと。過剰なリコールや過剰な廃棄、オーバースペック、価格による競争劣位等々あると思うので、品質を再定義する施策が必要だと感じました。
 最後です。意見17から22、30、これらは情報公開、発信に関してのことだと思いますが、消費者、生活者としての能動的な活動を促すように、単に一次素材の専門的な情報を明示するのみではなく、特定の認定を受けているとか、再生素材利用率が何%であるとか、生活者、消費者の目線で理解して応援しやすい二次情報、加工情報へアクセスできるようにする必要があると思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○酒井小委員長 末吉委員、どうもありがとうございます。
 それでは続きまして、岡村委員お願いします。
○岡村委員 ご指名ありがとうございます。
 今回の資料2の案文について、特に意見はありませんが、参考資料に掲載されている、パブコメで寄せられた意見については、非常に共感するところが多くあります。施策の詳細を構築していかれる上では、ぜひ、これらの意見をしっかり取り上げていただきたいと思います。
 例えば、13番のご意見では、一企業の取組ではなく、ビジネスとして成り立つような連携スキームの構築や、その推進のための法的措置、経済的インセンティブについて言及されています。これは非常に重要なことだと思います。また、資源循環の対象物は、生産工程等の産業活動、消費活動の都合で発生してくる一方、再生材の需要は、それとは関わりなく出てくるので、需給のギャップを埋めることが非常に大事だというご意見も出ています。ギャップを埋めるためには、当然、置場や貯蔵設備が必要になりますが、多大なコストがかかるため、いかに効率的に運営していくかは非常に重要なことだと思います。   
さらに、事業性を担保するためには物量の確保が非常に重要だというご意見がございます。これはまさにご指摘のとおりで、処理の広域化に関する今後の議論につながると思います。26番目のご意見で、自区内処理の原則がまだ残っているとのご指摘や、24番のご意見で、地域ごとの判断基準に差がある等のご指摘がございます。これらのご意見も踏まえ、国が、処理を広域化するに当たっての統一的な基準を示すことが求められていると思います。25番のご意見にて示されている、公設の運営ではなく民間の力をフレキシブルに活用していくという視点も大事だと思います。
また、崎田委員も触れておられましたが、国民の理解度を上げる、理解を増進することが重要だという16番のご意見も非常に重要だと感じます。
 最後に、電子マニフェストの活用は、今回の一つの重要な検討項目だと思いますが、肯定的なご意見と、若干課題があるのではないかという、どちらかといえば否定的なご意見があるように思います。今後のプラットフォームの構築に当たっては、どのようにあるべきか、しっかりと検討いただくことが必要だと思います。
 私からは以上です。
○酒井小委員長 岡村委員、ありがとうございました。
 それでは続いて、粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ご指名ありがとうございます。私も本文については、非常にこれまでの意見を反映していただいて感謝申し上げます。パブリックコメントについて、少し気がついたことがあったのでコメントさせていただきます。
1点目です。既に岡村委員からも触れていただきましたが、物流網については私も以前から少し気になっておりまして、ご意見の中で港湾という言葉もありましたが、低炭素という観点からは、鉄道などの活用も今後検討していくべきだと思っております。
 2点目は電子マニフェストについてですが、様々なご意見があった中で、現場の感覚としてはまだまだ紙が多いということと、中小零細企業の方へのご支援が必要というところで、さらに電子化をしていく際に、各種静脈産業の支援が必要であることが予想されるため、そうした支援もお願いできればなと思います。
 最後ですけれども、電子マニフェストの中で、有価物や対象外のものがあるというご意見がありました。私自身もその電子マニフェストの範囲に入らないものについてはどうするのかという観点は少し気になっています。今後このような情報システムを検討していくに当たり、日本全体で面的に循環経済への移行や、リサイクル材の確保を念頭に検討いただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 粟生木委員、ありがとうございます。
 それでは、 大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 はい。パブリックコメントがたくさん出てきて大変よかったと思っており、それに対しても十分に対応していただいてありがたいと思いますが、それとの関係で少し読んだときに分かりにくくなったと思うところが1か所だけあります。
 5ページで、循環基本法の基本原則を書いていただき大変よかったと思いますが、ここで3Rの話が出てきます。4ページでも3R+Renewableの話が(6)の技術開発・研究開発の状況との関係で出ており、循環工程表ではこれを明確に出しているので、記載内容は良いのですが、国民が読んだときに3R+Renewableが先に出てきて、循環基本法の3Rの話が後から出てきているので、少し関係が分かりにくくなっています。循環基本法の循環型社会が3Rだけで、Renewableがないといった特徴があるわけではないと思いますが、循環基本法の基本原則には3Rだけが載っていることも事実ですので、その関係が分かるようにはしておいたほうが良いと思います。いずれにしても同じようなものを目標としていることには違いないですが、やはり再生材を活用するというところは3Renewableのところに出てくる話ですので、この二つの用語の関係については分かるようにしておいていただくとよろしいかなと思いました。
 以上です。
○酒井小委員長 大塚先生、ありがとうございます。
 それでは、橋本先生、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。私も本体についての意見ではありませんが、今回沢山パブリックコメントをいただき、重要なご指摘が沢山あるなと思って拝見させていただきました。
 その中で3点。一つ目は岡村委員のコメントとも関連しますが、全国で統一的な自治体での廃棄物の取扱いや、広域化していく話、そのための補完の話は、今後人口も減少していきますし、脱炭素化に向けて集約的な処理が非常に重要になってくると思いますので、この点をぜひ進めていく方向でご検討いただければと思います。
 2点目は、末吉委員からもご指摘がありましたリユースについてです。今回のコメントの中でシェアリング等は出てきていませんが、こうしたところが資源を効率的に利用する上で、あるいは、その後の循環利用ということを考えても非常に重要だと思いますので、この点の政策的サポートも非常に重要であると思います。
 3点目は、情報流通の前提として廃棄物データシートの活用についてコメントがあり、ご指摘を拝見して、そのとおりだと思いました。そこの部分を情報流通の前提として、しっかり強化していくことが非常に重要であると思いましたので、それを推進するための施策の検討も検討いただければなと思います。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 本日も委員から多数コメントを頂戴しました。それでは、今いただいたご意見について、事務局としての回答をよろしくお願いします。
○環境省 委員の皆様におかれましては、様々なコメントを賜りましてありがとうございます。幾つか回答できるところを回答させていただきます。
 まず、崎田委員と末吉委員からいただきました、改めて市民とか消費者の方の重要性を認識せよということと、それに関連する施策を充実させていくべきだというご意見は、我々も十分足りていないと認識しています。どのようなものであれば、市民の方にその再生材を選んでいただくことができ、ビジネスにつながるのかという意味で非常に大事だと認識を持っていますので、どのようにして市民、あるいは国民の方の行動を変えるか、検討をさせていただきます。
 岡村委員、それから粟生木委員からも色々とご指摘をいただいた効率化、そして橋本委員からもご指摘をいただきました、今後人口減少の進む中で、広域化や、どのようにすると効率的に進められるか考えるべきだという点は、非常に重要なご指摘であると思います。今回取りまとめの中で四つ類型をお示し、その中で国が認定などを行うことを考えていますので、その中でそうしたものが拾えるように、より政策の具体化を進めさせていただきたいと思います。
 情報の観点で申しますと、橋本委員からのWDS(Waste Data Sheet)の活用が大事であるというご意見や、岡村委員、粟生木委員からは、電子マニフェストについてご意見をいただきました。電子マニフェストも、回答として幾つか書かせていただきましたが、その法律に基づいたしっかりとした制度であるということと、既に非常に多くの皆様にご利用いただいているということが強みだと思いますが、今後の情報の流通という点から、その最適化という点で、今後検討が必要なところもあろうかと思いますので、今日委員の先生からいただきましたご意見や、パブリックコメントのプロセスの中で頂戴したご意見を踏まえ、電子マニフェストとこのような情報の流通がどのようにリンクできるのかという点について、引き続き検討させていただきたいと思います。
 大塚委員から3Rと3R+Renewableの件で分かりにくくなったというご指摘もありがとうございます。おっしゃるとおり、3R+Renewableということで進めてきているという状況がございますので、その点が分かるように、また、その関係も分かるようにさせていただきたく考えています。
私からは以上でございます。
○酒井小委員長 ありがとうございます。今日いただいたご意見には、今、栗栖さんからご回答いただいたと思いますが、ご発言いただいた方々、今のご回答でよろしいでしょうか。
―異議なし―
 ありがとうございます。
 それでは、毎回のことながら闊達なご意見、どうもありがとうございます。このあり方案でございますが、今日の議論を受けまして、大塚委員から頂戴した3Rと3R+Renewableの関係性について配慮をしたほうが良いというご指摘は、栗栖さんからも対応したいというご発言もございましたので、この点に関しては、事務局と私で、相談をして微修正させていただくということで臨ませていただければと思います。その上で、今日、本案の内容をベースに脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方についての案として最終セットをしてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
―異議なし―
○酒井小委員長 ありがとうございます。ご異論のある方があれば挙手をお願いします。
―異議なし―
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、3R、3R+Renewableの点の最終確認をした上で、あり方案としてセットしてまいりたいと思っております。どうもありがとうございました。
 それでは、本日は議題1についてはこれで終了とさせていただきます。
 それでは、議題の2その他について、事務局からよろしくお願いいたします。
○松田廃棄物規制課長 その他につきましては、特にございません。
○酒井小委員長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事は以上となります。進行を事務局にお返ししたいと思います。
○松田廃棄物規制課長 ありがとうございます。本日も非常に活発なご議論をいただきまして、本当にありがとうございます。
 先ほど酒井小委員長からもありましたとおり、この施策のあり方につきましては、一部修正をするところがございますけれども、この内容でセットさせていただきたいと思います。今回の方針を踏まえまして、必要な対応についてしっかりと政策に具体化していきたいと思っております。
 また、この小委員会の取りまとめにつきましては、今後、中央環境審議会の循環型社会部会に報告させていただきたいと考えておりますので、ご承知おきいただければと思います。これまで6回にわたるご議論のほど、誠にありがとうございます。
 最後に皆様に環境省の角倉次長からご挨拶申し上げたいと思います。
○角倉環境再生・資源循環局次長 ただいまご紹介にあずかりました環境省環境再生・資源循環局で次長を務めております角倉でございます。
 まずもって、委員の皆様方にお礼申し上げたいと存じます。昨年の7月以来、合計6回にわたる小委員会において、委員の皆様方の大変ご熱心なご議論をいただき、おかげさまで大変いい形で案を取りまとめていただいたと考えております。改めまして、本日、小委員会報告を取りまとめていただきましたことについて感謝申し上げるとともに、環境省事務局といたしましては、今回のご議論を踏まえ、環境大臣への意見具申などの必要な手続を取ってまいりたいと考えております。
 今回取りまとめていただいたとおり、資源循環の推進は我が国にとって喫緊の課題であり、廃棄物・リサイクル業や製造業、地方自治体、国民・消費者の皆様方の多くの関係者の方々と一緒につくり上げていき、対応していかなければならない課題だと認識しております。資源循環を通じてカーボンニュートラルやネイチャーポジティブはもとより、産業競争力の強化や地方創生などにつなげてまいりたいと考えております。今回取りまとめていただきました内容を踏まえまして、環境省といたしましては、速やかに制度的かつ予算的な対応を進めてまいりたいと考えております。
 今回の小委員会での議論は、これで一旦、取りまとめを行ったという形になりますけれども、引き続き小委員会の皆様方からは様々な場面でご指導を賜れればと考えておりますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
○松田廃棄物規制課長 それでは、以上をもちまして閉会いたします。ありがとうございました。
午後2時48分 閉会