静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会(第5回)

開催日時

令和5年12月13日(水)10:30~12:30

開催場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール15C
Web会議(ZOOM使用)

議題

① 脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)
② 本委員会の今後の進め方及び今後の議論に向けた検討事項
③ その他

資料一覧

【資料1】委員名簿
【資料2】脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)
【資料3】第4回小委員会でいただいた御意見(事務局による要約)と御意見への対応状況
【資料4】今後の進め方/今後の議論に向けて御意見いただきたい事項
【参考資料1】脱炭素に向けた資源循環をとりまく状況(参考資料集)
【参考資料2】今後の方向性(参考資料集)

議事録

午前10時31 開会
○松田廃棄物規制課長 定刻になりましたので、ただいまから第5回静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を開催いたします。
 最初に、進行を務めさせていただきます廃棄物規制課長の松田と申します。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。今回も、前回と同様に、対面とオンラインでの実施となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 会議の運営についてのお願いでございますけども、会場でのご出席者の皆様は、ご発言される場合は名札を立てていただきまして、オンラインでのご出席者の皆様は挙手ボタンでお知らせいただきまして、酒井小委員長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。
 また、会議の模様につきましては、事前に公表しておりますYouTubeでの同時配信により公開しております。
 それでは、開催に当たり、定足数の確認をいたします。本日は委員総数17名のところ、15名の委員の方にご出席いただき、小委員会として成立しておりますことをご報告いたします。
 次に、資料の確認でございます。お手元の資料で確認いただければと思いますが、資料は四つございます。資料1としては委員名簿、資料2に、あり方についての報告書の案ですね。資料3は、これまでのご意見及び反映状況、また、資料4は、本委員会の今後の進め方及び今後の議論に向けた検討事項。さらに参考資料として、参考資料集という構成になっております。資料は事務局にて画面に投影いたしますが、必要に応じてお手元の資料、または事前に委員の皆様方にお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
メディアの皆様は、引き続き傍聴される方を除きましてご退出をお願いします。
 それでは、以降の進行は酒井小委員長にお願いしたいと思います。酒井小委員長、よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 松田課長、ありがとうございます。
○酒井小委員長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 今回の議事、議題の一つ目でございます。
 「脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)」ということで用意をいただいております。前回、第4回の小委員会でご議論いただきました、このシステム構築に向けた具体的な施策のあり方、いただいたご意見を中心に、修正案を今回作成していただいております。
 それでは、修正いただいた点を中心に、事務局から資料の説明をよろしくお願いいたします。その後、議論に参りたいと思います。よろしくお願いします。
○環境省 それでは、資料2と資料3の、資料2からご説明いたします。廃棄物規制課の栗栖と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど小委員長にご指摘いただきましたように、第4回までの議論を踏まえ、前回お出しをした論点整理を、資料2として報告書(案)の形で取りまとました。資料2のうち黄色く着色しているところが、前回の論点整理から追加等させていただいたところです。
 次に進みます。資料3は、第4回の小委員会でいただいたご意見と、その対応状況を整理しています。資料2と3の両方を併せてご覧いただきながら、ご説明したいと思います。基本的には、この資料3にそれぞれ振られたナンバーに沿ってご説明いたします。
 まず、資料3のNo.1のご意見です。大量生産、大量消費、大量リサイクルではなく、きちんと天然資源の投入が減るといったことがより重要だということを改めて認識すべきだというご指摘を頂戴しましたので、資料2の1ページ目の真ん中辺りに、資源循環を取り巻く状況の箇所で記載をしております。
 大事なところといたしましては、物質フローの入口・循環・出口の3断面のいずれも目標を達成するということが大事であるということを追記しています。
 2つ目のご意見です。ネイチャーポジティブなどについても、この資源循環が貢献するとご説明した中で、廃棄物の削減とともに、最終処分量の削減をするということだと改めて認識しましたというコメントを頂戴しました。我々はやはり、この資源循環を進めるときに、それぞれの最終処分量が減ることが大事だと考えていますので、それにつきましても、資料2の5ページ目8行目辺りに、天然資源の消費が抑制され、最終処分量が最小化された循環型社会を実現するという形で追記をさせていただきました。
 3つ目でございます。生活環境の保全も非常に大事であるというご意見、また、時代の変化に対応した社会課題の解決に向けてしっかり協力していきたいというコメントを頂戴しましたので、今回の取りまとめを受け、さらなる政策の具体化を図る際に参考とさせていただきます。
 4つ目ですが、化学物質政策とのリンケージが、これからますます出てくるのではないかというご指摘をいただきました。以前の小委員会の論点整理の中でも、化学物質について記載をさせていただきましたが、改めてこのSAICMの後のICCM5で出てきた、このGlobal Framework Chemicalsといった国際的な化学物質に関する政策動向もありますので、それらも踏まえてリンケージを考えるべきだということだと理解いたしましたので、今後の課題のところ28行目に、化学物質管理等の関係する政策分野との連携も今後の課題として整理いたしました。
 5つ目です。論点整理の中で、経済安全保障と記載していましたが、資源循環を考えたときに、どちらかというと金属中心の記載ぶりにしていましたが、食料、あるいはエネルギー等の観点も大事であるというご指摘を頂戴いたしました。そのため、資料2の3ページ目の経済安全保障のところに、食料や木材、エネルギーといった分野も含めて考えるべきであると記載させていただきました。
 6つ目のご意見ですが、資源循環を進めていく中で、消費者の皆様にご理解をいただきながら進めていく必要があるという点から、情報提供や教育の重要性を改めて強調いただきました。資料2の11ページ目24行目以降、様々な教育・学習や研修の場面を通じて、理解促進に努めていくということを追記いたしました。
 7つ目のご意見です。様々な企業のCMも参照いただきつつ、産業・自治体・消費者といった全員で協力しなくては、資源循環は上手くいかないという指摘を頂戴いたしました。資料2の4ページ目の15行目辺りに、都道府県や市町村、そういったNPO/NGO、それから国民・消費者、こうした方との関係が大事であり、関係者が一丸となって進めていく必要があるということを記載いたしました。
 8つ目のご意見です。報告書全体を通じて国民という記載をしていましたが、特に、その地方創生の文脈の記載では市民のより主体的な関与が必要であるため、それがよく分かるようにしてはどうかというご指摘を頂戴いたしました。そのため、地方創生の関連する部分は、市民という表現で記載しております。
 9つ目の意見です。全体を通じ、国民や消費者という記載をしているものの、やはり生活と特に密接に関連するため、生活者という表現とすることも大事なのではないかというご意見を頂戴しました。我々も、生活者としての国民の皆さんだと思っておりますので、それが分かるように、11ページ目の24行目に、国民・消費者の生活者としてのその主体的な意識変革や行動変容につなげていくという形で反映いたしました。
 1枚おめくりいただき、10番目のコメントです。動静脈連携について色々ご議論を頂戴していますが、その動静脈連携を進めていく際には、対話や相互理解が大事であるということで、逆方向の情報提供や、そうした形で様々な情報を、動脈と静脈それぞれで共有していくことが必要ではないかというご指摘をいただきました。そのため、資料2のページ5の14行目の辺りに、関係者間での対話や相互の理解の必要性について追記しております。
 11番目のコメントです。再生材を取り巻く、昨今のヨーロッパをはじめとする施策動向なども踏まえ、今後その再生材のルートが広がるのではないか、そういったその動向を見据えながら、動静脈連携を進めていきたいというコメントを頂戴いたしました。まさに我々が考えているところと同じでありますので、ご意見を踏まえながら、これから我々も施策の具体化を進めるに当たって、ご意見頂戴し、参考にしながら進めていきたいと考えています。
 12番目のご意見ですが、四つの類型について、資料2の7ページ目の記載のような、類型①から④は、いずれも大事であるというご意見かと思います。我々も、こうした類型①から④を考えながら、今後の具体の政策に生かしていきたいとを考えています。
 資料3の13番目と14番目の意見は共通する部分が多くあります。13番目では鹿児島の大崎町の事例から自治体が取り組む重要性をお伝えいただき、14個目は秋田の事例を引用いただきながら、市町村だけではなく都道府県もしっかり関与することで成功事例につながったのではないかというコメントを頂戴いたしました。そのため、資料2のページ4の15行目に、都道府県や市町村という形で、改めて都道府県も明示をする形で記載をしています。
 それから15番目です。公益認定の様々な例から、認定は受けているものの実績がゼロといった事例もあるので、そうしたことのないよう、認定制度の信用性の観点からも整理が必要であるとご指摘いただきました。我々も制度が実効的なものである必要があると思いますので、今後の具体化に向けて、実効的なものとなるようにつなげていきたいという考えの下、11枚目の17行目辺りに、その対応が実効的なものとなるようにと記載をしております。
 16番目です。今回、小委員会の中でお示しをした手続の迅速化のようなことについてもご説明させていただきましたが、それとともに、厳しく規制する部分との区別も必要であるというご指摘を頂戴しました。こうした点につきましても、今後、制度の具体化の中で、きちんと考えながら進めてまいります。
 17番目のご意見です。7ページ目の四つの類型それぞれに、幾つかコメント、意見を頂戴しました。これらは、いずれも今後我々が制度の具体化の検討を進めるに当たってのご指摘かと思いますので、そのようにさせていただきたいと思っています。また、中でも類型②で広域化も重要であるというコメントを頂戴しました。それにつきましては、資料2の8ページ目の13行目に、改めてその広域化・効率化という形で追記しています。
 18番目です。スピード感を持って今後の施策の検討というのを進めてほしいというご意見でした。その背景には、この資源循環を取り巻く状況が色々と変わってきていることがあるかと考えますので、スピード感を持ってさせていただくという思いを込め、11ページ目の16行目に、この脱炭素型資源循環システムの構築は急務だと、その実現に向けて、制度的・予算的な対応というのを総合的、速やかに講じていくべきだという形でまとめております。
 19番目ですが、認定制度今後の詳細設計に当たっては、これまで事業者が地元でいろいろ経験を積み上げてきた知見の活用も考慮すると良いというコメントをいただきましたので、今後の我々の施策の具体化に活用していきたいと思っております。
 続きまして、1枚おめくりいただき、資料3の20番目のコメントです。素材や分別・選別、有害物質の考え方といった部分も特に関連して、技術開発も継続して進める必要があるというご指摘をいただきました。技術開発の重要性については、資料2の11枚目21行目辺りに、システムの開発や社会実装を引き続き進めることの重要性も、改めて追記をさせていただきました。
 21番目です。実際の廃棄物処理において今後の資源循環を考えると、やはり相応の費用負担が発生するため、資源循環がより進むように支援を検討してほしいというご意見をいただいております。これも制度化あるいは予算を検討していく上で、参考とさせていただきます。
 22番目です。災害廃棄物に関して、民間事業も含めて災害時に力を発揮できるようにすることが大事であるとご指摘いただきました。前回の論点整理の中から、資料2の1ページ目13行目辺りに、関係者一丸となり災害廃棄物に当たるということは記載をさせていただいておりましたので、それを改めて確認をさせていただきました。
 23番目ですが、教育の重要性ということを改めてコメントをいただきました。処理業者、国民や消費者の皆様のみならず、廃棄物処理業者、あるいは、動脈側の環境部門の方、そうした人材の育成も大事であるというコメントを頂戴いたしました。それも込みで、資料2の11枚目26行目辺りに、教育や研修といったことの重要性を改めて追記いたしました。
 24番目です。情報の幾つか類型を前回お示ししてございまして、マッチングのための情報、サプライチェーンでの情報、パフォーマンスの評価等について具体例を幾つか挙げたら良いのではというご指摘でした。こちらも、幾つか例示をさせていただき、より詳細な検討は、今後①から、マッチング、バリューチェーン、パフォーマンス評価といった類型ごとに、より詳細に検討をする中で、具体化を図っていきたいと考えております。
 25番目です。電子マニフェスト、あるいは電子化というコメントを頂戴し、なるべく電子化を推奨することがベースとして必要であるというご指摘を頂戴しておりましたので、資料9ページ目の26行目に、電子マニフェストなどのデジタル化の推進を追加いたしました。
 同じく情報の関係で、既に経産省の成長志向型の資源自律経済戦略の中でも、こうしたデジタルに関する情報プラットフォームというような意見が出ています。そうしたものとの連携、調整が必要であるというご指摘をいただきました。我々もそのように考えており、11ページ目の28行目に、今後、関係省庁とも連携をしながら、こういった施策の具体化を進めていくことという記載を追記させていただきました。
 28番目のご意見ですが、前回の論点整理では、危険有害物質のその含有情報を、動脈側から静脈側にスムーズに情報が移るようにという記載でしたが、やはり今後再生材が重要だとすると、静脈側から動脈側にも、そうした情報が必要であろうというご指摘をいただきました。
 そうした重要な情報は、やはり動脈・静脈相互で共有をすることが大事だと考えておりますので、資料の9ページ目の13行目辺りに、この必要な情報の共有が関係者でスムーズに行われると追記いたしました。
 29番目のご意見です。様々なリサイクルがある中で、どのようなリサイクルを進めるのがいいのかという情報を、より出してほしいというコメントをいただきました。リサイクルを進めるための情報は、例えば、パフォーマンス評価といったものとも非常に密接にリンクしますので、資源循環の実現のためのパフォーマンス評価といった検討を進める中で、様々な情報も取りまとめて発信したいと考えています。
 パフォーマンス評価の指標に関しては、30番目のコメントにもあるように、様々な既存の制度とのリンケージも考えられるのではないかというコメントを頂戴いたしました。これも、パフォーマンス評価の具体化の中で、どういうところに今後活用できるのか検討していきたいと思います。
 31番目のご意見です。パフォーマンス評価の中で、やはり有害物質等の評価も大事であるというご指摘をいただきました。これにつきましても、10ページ目の25行目辺りに、元々記載させていただいておりましたが、この有害物質等への配慮も、環境負荷物質の削減の観点からのパフォーマンス評価という点では重要だと改めて認識をさせていただいたところです。
資料3の32番目のご意見です。国際の文脈の中で、日本の優れた技術やノウハウ等を主にPRし、ASEANの諸国の皆様が、自分たちではなかなか処理が難しいが日本に安心して任せられるという機運をつくってはどうかと、つくるようにいろいろ取組を進めてほしいというご意見を頂戴いたしました。こうした点は我々も、今回の報告書の中でも、日本のリサイクルハブの確立という形で方向性として示しておりますので、そうしたことを実現すべく、関係省庁、あるいは関係する政策分野とも連携しながら進めていきたいと考えています。
 33番目のご意見は、タイムラインを示してほしいというご意見でした。こちらも、やはり背景には、先ほどのヨーロッパをはじめとする様々な動向があるという状況があろうかと思いますので、11ページ目の16行目に、速やかにやっていくという形で記載しております。
 34番目のご意見には、「ユースケース」と記載させていただいたところです。我々がやろうと思っていることとしては、このバリューチェーンでの情報流通に当たり、先行して優良な事例を特定してやっていくということが、よりスピード感を持つという意味では重要であり、トライアンドエラー的になる部分もあるかと思いますが、そのようなシミュレーション的な部分も含めて進める必要があると考えますので、先行する優良事例として活用するアプローチも有効という形で記載をまとめております。
 35番目のご意見です。再生材の国内での確保がやはり大事であるということを、改めて強調してご指摘をいただきました。それについては、資料3ページ目の19行目に、再生材を国内で確保し、その国内流通を促進するための取組ということで、国内での確保を改めて強調しています。
 36番目です。再生材の定義の難しさ、様々なことを考えなければならないというコメントを頂戴しました。実際に資源循環の実態を見ると、考えなければならない点が多くあるというご指摘かと思いますので、再生材の定義も含め、パフォーマンス評価の指標の検討に当たっては、検討すべきことだと思いますので、再生材の定義というところを10ページ目の6行目に追記しました。
 37番目のご意見です。静脈の主な仕事は再生材の製造、販売、供給であって、活用はどちらかというと動脈の話なので、文言を整理する必要があるというご指摘をいただきました。少し煩雑になっているところもありますので、資料9ページ目の辺りで記載を、2050年カーボンニュートラル社会や、2032年ネイチャーポジティブの実現に貢献するとともに、再生材の質・量の確保を通じ、再生材の用途拡大、再生材利用による新たな価値の創出につなげて、産業競争力の強化に貢献するという形で、簡略化する形で基本的な考え方を記載しました。
 38番目は、6ページ目で、技術の社会実装といったことを本文で記載していましたが、要素技術だけではなく、資源循環システムの全体の分析やシステム構築、あるいはビジネス形態という様々な分野での技術開発・社会実装が必要であることを記載していましたので、中身に合わせ、6ページ目の13行目に「システム」という言葉を追加しました。
 以上、資料3と、この資料2を合わせた対応の状況をご説明させていただきました。
 再度資料2に戻り、改めてご覧いただきますと、先ほど資料3に沿ってご説明しましたが、それ以外に追加した部分として、5ページ目27行目辺りに、前回に限らず、1回目から4回目までのご意見をお伺いし、事務局としてこうかなと考えたものですが、こうした資源循環を力強く進めていくためには、静脈企業の成長と底上げが大事であると考えましたので、そのことを、今後の方向性の箇所で追記しております。
 それに呼応し、7ページ目では、主な政策の脱炭素型資源循環システムの中でも、こうした高度な脱炭素型の資源循環システムの担い手として、静脈産業全体の底上げを進めるべきだということを追記しました。
 今後の課題として残るところもございますので、11行目に、この静脈産業全体の底上げに向けた具体策について、さらに検討するということを追加させていただきました。また、18行目のような、質と量の両面での資源循環の高度化を進めていくことも記載しました。
 以上が、前回の論点整理から今回の取りまとめの報告書(案)に向けて追記を施した箇所です。資料2と資料3についての説明でしたが、お手元の参考資料1と2も添付しております。
こちら、これまでの小委員会での議論の中で、幾つかの議論用につけた資料を2種類に分け、この取りまとめの参考資料として整理をしたいと考えています。
 時間もございますので、細かくは説明を省かせていただきますが、参考資料1、脱炭素に向けた資源循環をとりまく状況ということで、1枚おめくりいただいたような資源循環の状況から、資源循環が経済成長や地域活性化にどのように貢献していくか、あるいは、我が国の資源循環の法制度、動静脈連携の必要性、それから資源循環や脱炭素に進めるに当たっての情報の活用の必要性、新たに脱炭素化を社会として進めていく中で出てくる様々な新製品や素材の資源循環の重要性と、こういったものに関連する資料を、幾つか抜粋しています。あくまで参考資料として整理をさせていただきました。
 参考資料の2では、今後の方向性について取りまとめています。報告書の中で、脱炭素型の資源循環システムのイメージ等を幾つかお示ししていますので、そのイメージを様々な方に持っていただけるように、小委員会での議論を踏まえ、参考資料として付けせていただきました。
 情報に関しても、参考資料として、幾つかイメージ図を準備しています。
 以上で資料2、3、それから参考資料1と2についてのご説明を終了いたします。
○酒井小委員長 説明ありがとうございました。それでは、ここまでの説明に関して、ご質問、ご意見のある方、会場の方は名札を立てていただくようお願いいたします。また、オンラインの方は挙手ボタンでの意思表示をお願いいたします。
 それでは、まず会場のほうから、そして、その後にオンラインの参加の方に順番に指名させていただきます。崎田委員からお願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。丁寧にご説明いただきましたが、これまで発言してきたことを非常に丁寧に考えて、取り入れていただいたと思います。ありがとうございます。
 私自身は、企業や消費者、自治体の連携や、地域での都道府県も関与した循環の輪のつくり方、そしてマニフェストの活用や化学物質に関する配慮などを発言しましたが、様々な方の発言も含めて、非常に丁寧に追記していただいていると考えます。
 今二点だけ申し上げます。類型の四つに分けていただいている2番目の8ページ(b)の官民の連携処理システムの確立について、タイトルだけ追ったときに、ここが地域の輪をしっかりつくり地域の活力につなげていくというニュアンスが伝わりづらい。例えば、地域での官民の連携処理システムの確立というように、この小見出しに地域という言葉を入れたほうがいいでのはないかというのが、今回全体を通して見た私の意見です。
 もう一点、化学物質に関して、この9月に世界的にまとまったGFCの状況を見ましたが、化学物質と化学物質由来の廃棄物のリスク低減のためにということが、総合的なタイトルにしっかり出てきています。化学物質由来の廃棄物に対する管理を徹底することが世界的にも課題になってきていることを非常に強く感じました。
 今回の文章の中にも、一番最後の課題の項目に、「化学物質管理等の関係する政策分野とも連携しながら」と一文入っています。その辺の話をもう少し丁寧に入れておかなくてよいのか気になりました。なぜかというと、静脈と動脈の様々な情報をつないでいく際、資源や再生資源の情報だけではなく、化学物質情報などもきちんと入れることが大事です。その辺の話がどこかに入っていたかと思い、もう一度発言をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 ありがとうございます。末吉委員、どうぞ。
○末吉委員 ありがとうございます。今まで申し上げてきた意見に対して真摯にご対応いただき、本当にありがとうございます。
 私から、類型①と②に関して意見を申し上げます。
 類型①も②も、どちらも市民、生活者の関わりが大事になります。類型①の部分で言えば、動脈企業と静脈企業が情報や目標を共有しつつ連携していくことはとても重要であると考えていますが、現時点では情報の非対称性は極めて高いものになっています。この両者が連携をすることで情報が共有され、より透明性をもって分かるということがあると思いますが、企業間のみ、動脈、静脈の企業間のみで分かるだけではなく、生活者、消費者、市民にも透明性をもって見せることが大変重要です。再生材を使った製品やリサイクルされた製品を消費者が購入する際に、その背景が分からないと不安で選ぼうとしないかもしれないという懸念もあると思います。一般の消費者、あるいは生活者にとって分かるような言葉で置き換えて社会に語っていく、それを静脈の中でどのように語っていくべきか、検討する必要があります。
 循環型社会への移行が、生活の質をよくすると実感ができる目標設定も考える価値はあると思います。政策として、サーキュラリティーだけの目標ではなく、生活の質がよいと実感できるためにはどういうKPIを設けるのか、これは要検討ですが、例えば、今までは高くて手に入らないものがリサイクル品になったことで手にすることができたとか、長く使えて、愛着が湧く製品を手にできたといった、アベイラビリティーとかアフォーダビリティー、クオリティー、コストといった観点から、KPIを設けていく可能性もあると思います。
 いつも申し上げていることですが、特に類型①に関してはぜひとも、経産省の資源循環経済小委員会で協議をしている内容と環境省で議論しているものが融合し、有機的につながっていけるように連携を取りながら進めていってほしいと考えています。
 類型②に関してです。私の前回の意見に対して、生活者としての行動を付け加えてくださっていますので、7ページ目類型②の「市民・消費者の行動等を踏まえつつ」という表現も、「市民・消費者の生活者としての行動等を踏まえつつ」と変更するのはどうだろうかと思いました。以上になります。
○酒井小委員長 三井委員、どうぞ。
○三井委員 非常に丁寧にまとめていただいてありがとうございます。これまでも、本小委員会において申し上げてきたことと重複する点もございますが、改めて4類型のあり方についてコメントいたします。
 昨今、普及が進み、廃棄物処理工程において大きな問題になっているものとして、リチウムイオン電池を含む製品があります。例えば、モバイルバッテリーや加熱式のたばこ等が該当しますが、市町村の中間処理施設や、我々プラスチックのリサイクラーにとって入り口で来ると弊害となるものは、製品の製造者が、その責任において集めて処理するというサイクルができるのが望ましいと思います。また、特定の製品を念頭に置き、特化して集められるものの広域認定や再生利用認定のような特例制度を使うことによって、資源循環に貢献することは大いに結構なことだと思います。
 既存の広域認定や再生利用認定制度の中で、既に認定制度を受けた実績が公表されておりますが、特例制度たる認定を受けつつ、その活用が十分なされていない事例も見受けられます。特例制度たる認定を受ける以上はその制度を活用していただかないと、認定制度の信頼性に関わるのではないかと危惧しますので、認定制度をつくって終わりにするのではなく、制度の運用にも十分目配りただく必要があると思います。
 リサイクル施設については、廃棄物によって、輸送距離を勘案しながらの広域処理が必要であると思います。市町村が一定規模の設備容量を確保したほうが効率的な処理が可能となりますし、市町村が処理施設を持つ場合、特にプラに関しては負担が大き過ぎます。また、市町村が集めた廃棄物について、市町村が地域の収集・処分業者と連携して取り組むことにより、資源循環の可能性が広がる場合があると思います。私は現在、プラ促進法に関する取組を、一定規模の広域処理を前提に、複数の市町村に説明にあがっておりますが、プラ以外でも同様に、複数の市町村から廃棄物を集めることで、さらに高度な資源循環を達成し得る可能性があると思います。以上です。
○酒井小委員長 三井委員、ありがとうございました。
 それでは、オンラインの委員の方に移りたいと思います。岡村委員、どうぞご発言ください。
○岡村委員 ご指名ありがとうございます。岡村でございます。
 ここまでの取りまとめについて、事務局のご尽力に感謝いたします。資料2には、循環経済の取組促進やカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブへの貢献等を新たな社会課題と位置づけ、制度的な後押し、予算的な対応を行うことなどが盛り込まれており、非常によい内容だと考えています。国が特に推進すべき四つの類型や、廃棄物処理法に基づく各種手続の迅速化、様々な支援策の方向性等が示されており、また、静脈産業全体の底上げという考え方が今回追記されたことは、非常に前向きに評価すべきであると思います。
 以前から申し上げていますが、四つの類型に関する新しい取組を推進していくためには、経済合理性が確保されることが非常に重要です。四つの類型の中でも、特に③と④について重要性が高いと思います。技術開発に対する支援に加え、事業化の促進という意味で、設備投資に対する支援だけでなく、そのオペレーションコストの部分についても、支援策をお考えいただけたらと思います。
 また、既存の製品サービスに対して、競争力を確保する上で、カーボンプライシングは一つの重要な要素になるかと思います。その一方、あまりに過剰な値つけ、プライシングをすることは、逆に企業の体力を奪うことにもつながりかねないので、適切な対応をお願いできたらと考えています。
 最後になりますが、今回示された新しい施策を実効あるものとするために、事業者のニーズを踏まえながら進めていただきたいと思います。そして、意義のある取組を適切に支援できるようにするため、間口を広げ、受け入れやすい制度にしていただきたいと考えています。
○酒井小委員長 岡村委員、ありがとうございました。続いて金澤委員、お願いいたします。
○金澤委員 ありがとうございます。
 まずは全体として、これまでの委員会での議論を網羅していただいたことに感謝を申し上げます。特に、資料2の11ページ24行目、国民・消費者の生活者としての主体的な意識変革や行動変容、動静脈企業それぞれの資源循環に係る取組の強化につなげていくために必要な情報が分かりやすく提供される、様々な教育・学習や研修の場面を通じて、その理解促進に努めていくことが必要という追記は、非常に私たちも強く賛同することでございます。消費者、生活者、国民や市民、いろんな表現がありますが、何よりこういった事業をしっかりと行っていくためには、国民の理解と協力、そして後押しが重要ですので、しっかりと取り組んでいく必要があると思います。これまでのご苦労、どうもありがとうございました。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。
 ここまでいただいたご質問やご意見に、事務局からご回答をお願いいたします。
○松田廃棄物規制課長 ご発言いただいた委員の皆様方、ご指摘いただきまして誠にありがとうございます。
 まず、崎田委員から、大きく二つのご意見があったかと思います。
 最初に、類型②の官民連携の部分で、もう少し地域の活力を念頭に置いた表現ができないかという話がありました。タイトルに「地域における」といったように、この類型②は地域活性化を念頭に置いていますので、このタイトルを少し追加するなりして、崎田委員からご指摘を受けた形にしていくというのが、一つのアイデアとしてあると思いました。
 二つ目は化学物質に関するご指摘でした。この委員会でも、これまで複数の委員の方からもお話がございましたが、もし入れるとすれば、10ページ目のパフォーマンス評価のための施策のⅱ)環境負荷物質の削減で、今は温室効果ガスを中心に、有害物質等への配慮も必要であると書いていますが、これまでもずっと、別の廃棄物処理法の見直しのときの議論の際も、事業者の方が、廃棄物処理業者さんに化学物質の情報を提供すべきではないかということが指摘されていますので、その点の追記を1行ほど追加することも考えたいと思います。
 末吉委員からのご指摘も非常に理解をするところです。生活者目線での指摘のところも、どういった形で追記をすべきか少し考えたいと思います。加えて類型①の動静脈連携に関してのご指摘はまさにごもっともでございまして、資源循環産業の部分と製造事業者サイドの部分がもう少しマッチングし、より資源循環の輪がつながる形での政策を進めていかなければいけないと。動脈企業側の取組について、今、経済産業省で審議会を通じて議論を進めていることも承知していますので、こちらとの連携について、今後の課題も示すべきかどうかというところもあり、何らかの記載をしていくことも考えていきたいと思います。また、生活者の行動に関する記載も、どういった表現ができ得るか考えていきたいと思います。
 三井委員からご指摘がございました。こちらについても、前回までの三井委員からのご指摘を受けて、我々事務局としても非常に理解をしているところです。制度を運用する際に、認定制度の実績をずっとフォローしていくということも必要であると理解をしています。例えばどのような制度設計するか。更新制度を設け、使用実績の有無の確認をしていくということも、ほかの制度でもあると思いますので、そういった点を見るのも一つのアイデアとしてあると思います。
 先ほどお話のあった、特に第②類型の部分にありますが、プラの部分が先行して進んでいる中で、それ以外の様々な不燃物を別途資源循環していくことも今後大事であると思います。制度の施行に当たっては、今のご指摘を参考に取り組んでいきたいとに思います。
 岡村委員からも幾つかご指摘をいただいております。この点について、まさに制度の施行の中で、間口を広げた上での取組を進めてほしいということですので、この点も、資源循環の輪を広げる一方で適正処理も確保をしながら、どういう取組が必要か考えてまいります。
 カーボンプライシングについてのご指摘も、資源循環だけの話ではなく、非常に広い政策でのご指摘だと思います。この点も受け止め、政府全体で考えなければいけない話だと思います。
 金澤委員からのご指摘もしっかり受け止めながら、取り組んでいきたいと思います。
○酒井小委員長 松田課長、ありがとうございました。いただいたご意見、今後、前向きに捉えていただく点も含めて、的確にご発言いただけたかと拝聴いたしました。
 それでは、ここまでの審議を聞いていただき、改めて追加の発言を希望される委員の方がおられましたら、意思表示をお願いできますでしょうか。よろしいでしょうか。
―意見なし―
 それでは、この段階で私からも一言、お礼を含めて発言させていただきたいと思います。
 これまでの小委員会、事務局提案で努力をいただいたこともございますが、委員からのご意見、大半が前向きで、かつ建設的なご意見を頂戴できたと思っております。そういったことがありますので、事務局のほうは丁寧に、このあり方のペーパーに反映をするという作業を行ってくれたのだと思います。事務局それから委員の方々共々、深く御礼申し上げたいと思います。
 今回この施策のあり方(案)は、ここまでの議論調整で、大きな方向性についてほぼ合意されつつあると認識・理解をしております。今日皆様方からいただきましたご意見、ご議論に基づき、今回の施策のあり方(案)を事務局と調整をしてまいりたいと思います。案の修正は松田課長にお答えいただいたとおりの方向でよいと思いますので、具体的な内容に関してご一任いただければありがたいと思っております。
 その上で、パブリックコメントの実施に進みたいと思いますが、この方針に関してご了承いただけますでしょうか。
―異議無しの声―
 会場の方からは異議なしというご発言をいただいておりますけれども、オンライン参加の方でご異議のある方おられたら、意思表示をお願いいたします。
―意見なし―
 特に無いようですので、今の方針で今後、パブリックコメントを進めること、ご了承いただけたと整理させていただきます。合意いただけたことに深く感謝申し上げたいと思います。
 それでは議題1に関しては、以上で終了となります。次は議題の2でございます。本委員会の今後の進め方及び今後の議論に向けた検討事項について事務局から説明をお願いいたします。
○環境省 それでは資料4につきましてご説明いたします。
 まず1枚おめくりいただき、今後の小委員会の進め方を紹介しています。先ほど小委員長からもコメントいただきましたとおり、今回の議論を踏まえ、パブリックコメントを今後1か月程度実施したいと思います。
 パブリックコメントの内容への対応を踏まえ、年明け1月か2月頃に、第6回の小委員会を開催し、最終的に意見具申をこの小委員会の取りまとめとする形で、今後進めたいと思いますので、ご承知おきいただければと思います。
 2枚目です。今後の議論に向けてご意見いただきたい事項と記載しております。先ほどの資料2の議論の中でのとおり、今回幾つお示しした類型の具体化のための我々の検討に当たって、こういった点に留意しておくべきだとか、具体的にこうしたらいいといったご意見があれば、頂戴したく思います。また、それに限らず、今後この資源循環施策を進めるに当たり、期待や、特に団体の皆様等であれば、今後その資源循環にこういうことをやっていくといったものがあればご意見を賜れればと思います。
あまり資料等が充実しておらず、今後に向けてご議論をという形で恐縮ですけれども、いろいろなご意見を賜れればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 資料が充実していないとおっしゃいましたけれども、今回の今後の方向性にというところの資料、相当ポイントを押さえたいい資料になりつつあると拝見しております。それぞれの①から④の類型の期待される効果や、この実施に当たって確認すべき事項、この辺り極めて今後の議論で重要な点が提示され始めていると思いますので、説明いただけませんか。
○環境省 大変失礼いたしました。参考資料2について少しご説明させていただきます。恐縮でございます。
 参考資料2の今後の方向性という資料をご覧いただきますと、四つの類型について幾つかお示しをしています。3ページ目に先ほどコメントをいただいた類型の考え方を記載していますが、4ページ目以降で、それぞれのイメージとともに、この動静脈連携や官民の連携システム等について、それぞれ期待される効果や、確認すべき事項を記載しております。
 資料4ページ目です。動静脈連携の構築に関しては、効果としては、末吉委員からもいただいている天然資源の投入を見ていくことになると思います。そういった施策を進めていくときに確認すべき項目として、再生材の利用率の目標設定や妥当性、あるいは環境配慮設計がなされているか、ライフサイクル全体として見込まれる温室効果ガスがどれだけ削減されるか、あるいはトレーサビリティがこの動脈と静脈でちゃんと確立をしているか、そして、データにトレーサビリティや有害物質を含めた情報が連携されているかといったことを、きちんと確認をしていくことが、動静脈連携の構築のパターンに該当するものであると、現時点では事務局として考えています。
 5、6ページ目は、我々の検討に当たってのイメージを追加しています。既に幾つか、動脈静脈が連携をしたような取組がありますが、それを議論用の参考としてお付けしています。
 1枚おめくりいただき7ページ目。先ほど、もう少し地域での活性化に向けてということを分かるようにというご指摘をいただきましたが、こういった官民の連携処理システムというものもございます。
 こうしたことを考える際に、我々が確認すべき事項を右下に整理をしています。自治体の一般廃棄物処理と民間の事業の具体的な連携をどのように図るか、あるいはその地域の課題にどのように貢献していくか、先ほどの末吉委員とのコメントとも関連しますが、その暮らしの質にどう貢献していくかをきっちり見ていくということと、あとは、特に民間を活用する場合、その事業の継続性等も見るということ、そしてGHGはライフサイクルで見るということかと思います。このような点を確認しながら、この官民連携処理のパターンを形作るのがよいのではないかと考えております。
 以降8、9、10ページ目も同様のイメージを議論用につけています。
 11枚目です。静脈産業のカーボンニュートラル化ということで、焼却施設へのCO分離回収設備の付加や設備の省エネ化を進めていく中で確認すべき事項として、右下に書いておりますような、同種の設備と比較したGHGの削減効果やその生活環境への影響が従前と比べて同等以下かどうかという点、あるいは分離回収したCOが実際にどこに行くのかといったポイントは押さえながら、そのパターンを考えていくということであると思っています。
 13枚目ですが、先ほどの三井委員のコメントとも関連いたしますけれども、今後カーボンニュートラルが進む際の対応を、資源循環を高度化することで達成していくということもありますが、例えば右下のような、循環資源の計画的な利用や、非常に新しい技術を用いる場面も出てくるかと思います。その意味で、技術革新性の有無や確実性等を検討する必要があると思います。こうした類型について、現時点では、事務局としてこのような確認事項を考えています。幾つかお示ししましたが、特にこうした類型を考えるときに押さえておくべきポイントなどあれば、意見を賜りたいと思います。 
 情報も一連のものですので説明いたします。振り返りになりますが、16枚目から17枚目に、マッチングとバリューチェーンとパフォーマンス、それぞれの情報を類型化し、お示ししています。
 18枚目で、情報連携で期待される効果や、小委員会の中でもご議論いただきましたけれども、どのように関係者の貢献を見るのかという点、そして機密情報の取り扱い、こうしたことは当然留意しながら進める必要があります。
 19枚目です。具体的にそのマッチング促進のための施策の中で、我々も様々に今後やっていきたいと思っています。例えば、様々な情報、マニフェスト等の情報の活用や、あるいは既存の資源循環や産廃に関する情報もございますので、そういったプラットフォームの中で、連携を考えていくことが大事だろうと思っております。そうしたマッチングを促進するためのアイデアもあろうかと思いますので、そういった点ももし何かあれば、ご知見賜れればと考えています。
 バリューチェーンでの情報流通ということでは、欧州でのデジタルプロダクトパスポートの情報も見ながら、この動静脈での情報の連携をしっかりすることが、トレーサビリティ確保の観点からも大事であると考えます。こうした動静脈での情報の、より精緻で密な情報のやり取りを考えていくに当たり、大事なポイントや検討すべき点があれば、ご知見を今の段階ですけれども賜れればと思います。
 最後、22ページ目のパフォーマンス評価です。先ほど末吉委員からいただきました国民の皆様への情報発信という点とも関連しますが、今回お示ししているように、資源循環と環境負荷物質削減と切り口を設けて、様々なサーキュラリティーやGHGの排出量等のパフォーマンス評価に資するような情報を出していくということが重要かと思います。このような検討を進めるに当たっての留意点や、国際的な動向にお詳しい専門の先生方もいらっしゃいますので、国際的にご活躍いただいている中でのその検討を踏まえ、今後特に留意をすべき点等があれば共有いただき、今後の検討作業の参考とさせていただきたいと考えています。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 今後、制度を具体化していっていただくに当たって、あるいは運用をイメージしてのご意見、あるいはご提案という趣旨になろうかと思います。大部の参考資料の中から今後の検討に向けてポイントを抽出して、今後の方向性ということで参考資料2としていただきましたので、今の説明で大分、再度イメージが湧いてきたのではないかと認識をしております。
 それではご意見ある方、同じようにまた名札を立てていただく、あるいは挙手ボタンでの表示をよろしくお願いいたします。高岡委員、どうぞ。
○高岡委員 ありがとうございます。先ほどの参考資料は非常にいい資料で、普通の資料にしていただいたらよかったのではないかと思うぐらいでした。
 私から1点だけ、やはり再生材は、動静脈連携のところあるいは情報のところにも絡むと思います。再生材の認証制度のようなものが今後必要になってくると思います。国内の流通においての認証も必要ですし、既に取組のあるEUや、日本の製品がアジアに行く、あるいは逆に再生材の供給を受けることを考えれば、国際的な相互認証とも含め、非常に重要になると思います。その辺りの情報を収集し、今後これからの制度等に入れていただきたいと思います。
○酒井小委員長 高岡委員、どうもありがとうございます。室石委員、お願いいたします。
○室石委員 ありがとうございます。
 四つの類型ですが、実施に当たっての確認事項については、先ほどの資料のほうにも書いてあったとおりで、注意すべき項目としてはそこに挙がっていたようなものが妥当だと思いますが、これが国の認定条件になるとすると、いたずらにそのハードルを高くし過ぎることがないよう、さじ加減をうまくお願いします。あるいは認定を受けた優良産廃業者にはハードルを低くするといった対応もあっていいのではないかとも思いました。
 情報に関係しますが、環境負荷物質の削減も記述されていたと思います。各類型におけるGHG排出削減効果の算定方法や、評価方法は早めに方向性を決めていただくことが大事かなと。
―通信切断のため発言中止―
○酒井小委員長 それでは室石委員のご発言が途切れましたので、後で接続を再開できればあらためてご発言いただきたいと思います。引き続いて関口委員、お願いできますでしょうか。
○関口委員 ありがとうございます。事業者としての視点から申し上げますと、今後、ビジネスとしての経済合理性の確保とビジネスの社会的価値の向上の2つを追求する必要があると思っています。社会的価値を毀損しないためには、適切な規制のあり方が必要になりますし、経済合理性の確保に関しては、例えば、再生材を高く買ってもらうだけではないと思います。再生材を高く買っていただくのはありがたいことですが、それにより日本の国際競争力が落ちてしまっては良くないと考えています。今後の規制と支援のあり方に関し、特に支援については、設備投資への補助金といった単発の支援も大変ありがたいのですが、継続的な支援の仕組みも検討が必要だと考えます。環境省の所管ではないのかもしれませんが、そのような視点も持ち、今後の施策に反映していただきたいと思います。
○酒井小委員長 関口委員、ありがとうございました。大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 今、関口委員がおっしゃってくださったことと関係しますが、今回大規模な改革をすることになると思いますが、背景にはGXの官民合わせて150兆円とか2兆円という話が関係していると思います。それはそれで十分やっていただければと思う一方で、その後のことも踏まえた長期的な戦略も、環境省としてはぜひ立てていただきたいと思います。この政策を持続可能なものとしていくこと常にお考えいただけるとありがたいと思います。
 その内容としては、関口委員がおっしゃった規制や経済的な視点等についても総合的に考えていただく必要があると思います。支援に関しても、めり張りをつけながら持続可能かどうかということを考えながらご検討いただけると大変ありがたいと思います。
 その内容としては、EU発ですぐに対応しなくてはいけない再生材に関しての問題や、ミニマムリサイクルコンテンツのようなものもありますので、何に特に協調してめり張りをつけていくか、環境省としてはぜひお考えいただけるとありがたいと思っているところです。
 サーキュラリティーに関しての指標はこれからつくるものと思いますが、この循環のところの指標とDesign for Environment的な指標との関係がおそらく問題になります。経済産業省はこのサーキュラリティーを多分非常に強調されると思いますが、環境省としては、やはりそのDesign for Environment的な指標も重要になってくると思うので、その辺は両方とも大事だということを申し上げたいと思います。
 最後に、FRPに関して14ページに出ていましたが、風力発電のブレード等がこれから出てきますので、特にしっかり対応していただく必要があります。産廃の保管基準の緩和もこの点では関連してくるということを申し上げておきたいと思います。以上です。
○酒井小委員長 大塚委員、ありがとうございました。それでは橋本委員、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。
 1点目は先ほど高岡先生がおっしゃったこととも関連しますが、主に類型①に関わって、どういう情報を流通させてその信頼性を担保していくかという点が非常に重要であると思います。その点、どのような情報を流通させるのかという検討を、早めに進める必要があると思います。
 さらに、その中で廃棄物の質をどのようにどの程度分類し、示すことで流通を促進するのかというところを検討していく必要があると思います。
 2点目は、主に類型②、③に関連するところもありますが、これから人口も減り、リサイクルを進める中で燃やすゴミ等も減り、さらに③のCCS等も絡めると、そういう施設の集約化、あるいは広域的な輸送が必要になると思います。その少し先を見据えた中で、この施設でのエネルギー利用や集約化していく方向の手引き、さらにそこにエネルギー利用を行ってエネルギー効率を高めていくという内容をセットにした手引きみたいなものを作る必要があると思います。自治体の方にもそういった方向性について検討していくことをお願いできればと思います。
 その中で、収集運搬を広域で輸送するとなると、遠方からの輸送が課題になりますので、それをどのように、例えば集約して処理するところでの費用を均等に負担してもらうということも含め、どのように進めていくかということを含めた手引きのようなものができればと思っておりますので、ご検討いただければありがたいです。
○酒井小委員長 橋本委員、どうもありがとうございました。
 それでは、会場のご意見をいただきたいと思います。粟生木委員からお願いします。
○粟生木委員 ご指名ありがとうございます。改めて資料の取りまとめありがとうございました。私から類型の①と情報に関連したポイントで一つ、あともう一つお話ししたいと思います。
 先ほど橋本委員からもどういう情報を載せるかというお話がありました。動脈側が必要としている情報と、現状の電子マニフェストや「さんぱいくん」等で静脈側から提供できる情報との、需給ギャップをきちんと見ていく必要があると考えます。もしそのギャップが大きかったときに、どのような支援を行って情報を取れるようにするのかといった検討があるとありがたいと思います。
 それは人的スキルという問題だけではなく、静脈産業に限らず、基底を支える例えば情報システムの企業の方にどういったツールを作っていただくのかとか、その辺りの検討が必要なのではないかと思いましたし、そういった新たな静脈側の産業が情報を取る上で必要になる初期投資なり将来コストのような社会経済的インパクトの評価の分析等も、今後必要になると思います。
 2点目です。日本と国際の文脈のところで、リサイクルハブを作っていくというお話をいただきました。国際と日本をつなぐというお話もそうですし、あと広域化のコンテクストのところで、日本にも幾つか小さいハブがこれからできてくるといったところで橋本先生からも収集運搬のお話をいただいていましたが、どのように廃棄物を運ぶのか、また廃棄物から再生資源になったものをどう運ぶのかという、日本の中のハブ同士のネットワークをどのように効率化し、場合によってその収集運搬だけではない新たなモーダルシフトや海上運搬等の低炭素的な運搬方法を検討することが必要であると思います。
 また、プラや廃油も、広域的なものが望まれる場合と、例えばコンポストやバイオメタンのように、それぞれの最適なレベルがあるかと思います。そういったところでいろんなガイダンスができていくといいのかなと思いました。
○酒井小委員長 粟生木委員、ありがとうございます。では引き続いて崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。私もそれぞれに一つずつお話をしていきたいと思います。
 まず動静脈連携ですが、実は2014年にEUの静脈産業がどのような新しい動きをしているのかを、NPOのメンバーたちと視察に回ったことがあり、その際にEUの自動車産業に再生の廃プラスチックを提供している再生事業者というか中間処理事業者が、「動脈としっかり連携しながらきちんと必要とされる素材を作っているので、自分たちのところの製品は非常に需要が高くうまくいっている。」と言ってにこにことお話ししてくださったのが、大変印象に残っています。やはり使える資源にして、そこを早くつなぎ価値を高めていくことが、再資源化事業者あるいは中間処理事業者の、収入・評価アップに非常につながっていると強く感じました。
 そういうことを考えれば、今の日本の静脈の皆さんが、どうしたら自分たちも強くできるのか考えていくことが、社会がうまく回る大事なところであると感じます。
 そのつながりで、ご説明いただいた参考資料2の20ページのところの既存制度の状況があります。電子マニフェストの話などがありますが、現在既に産業廃棄物の処理の事業者では、この図を拝見してもかなり細かくデータを取って保管する流れができています。この情報欄上に焼却や破砕と書いてありますが、それだけではなく、もう少し細かくその破砕がどういう破砕でそれがどのような資源になっているのかといった情報を、きっと事業者は持っておられると思いますし、もう少しきちんとデータを持つようにという新しい指示が回れば、そんなに大変ではなく、収集が可能なのではないかと感じています。
 今、電子マニフェストを管理しているJWセンターでは、どのような可能性があるかという研究をしているとお話を伺ったことがありますので、そういった情報をまず調べていただき、今ある制度をより活用していく方向性を探っていただきたいと思いました。
 2番目の官民連携のところで、地域連携についてですが、前回のときに既に発言いたしましたけれども、今地方自治体の中には、少子高齢化で非常に勢いが弱くなっている自治体もあって、そうした自治体がどのように他の地域と連携しながら地域に根差した循環の輪をつくるのかというのは大きく課題になっています。前回のほかの委員のご発言で広域連携というようなキーワードも入りましたので、都道府県もしっかりと関心を持ちながら、こういう地域連携をつくっていくということを大事にしてほしいと思っています。
 なお、コロナの前ですが、富山県内の地域で、アルミ箔付き紙パックなどアルミ廃材を地域で回収するシステムをつくり、それで水素を生産するという技術を開発した地域の事業者さんたちが、回収ネットワークをつくってこれから取り組みたいと会合を開いたことがありました。私もそのときに呼ばれて水素の状況に関してお話をさせていただいたことがあります。そういう新しい動きもありますので、これまでの容器包装の回り方や、プラスチックの回り方だけではない新しい可能性もあり得ると、情報を集めていただければありがたく思います。
 3番目のゼロカーボンに向けてのところです。例えば最終的には活用できないものはCCUSでしっかりとCOとして資源化することが、今後の施設整備では非常に大事になると思います。そうした施設整備との関係を明確に入れていただいたほうが、自治体や静脈の皆さんは、10年、20年前といったかなり早い段階から改修方針など悩み始めておられると思いますので、施設整備計画などとうまくつながるような、最終的なゼロカーボンの実現の仕方を示していただけるとうれしく思います。
 なぜかというと、これまでいわゆる迷惑施設ということで郊外に設置した施設を、最近は街の中にボンと作って、エネルギーセンターとして電気や熱を活用してプールにしたり、体育館にしたりして、市民等が活用する取組も行われていますが、最近は、臨海部の工業地帯で、様々な事業者と連携しながら最終的にCO2を活用するCCUSをつくるという動きも出ていますので、それぞれの状況の中でどのように判断するのか、ぜひいろんな例示をしていただければありがたいなと思いました。
 なお、バイオガス化施設なども、実際には飼料化、肥料化、バイオガス化といった食品リサイクルの順序は守る流れになっています。それを判断するときに地域で、この地域なら最終的にはバイオガス化の施設があるから使ったほうがいいといった判断を早くしないと、なかなか地域の産業が回っていかないという現実もあると思いますので、ここは大事だと思いました。
 最後です。4番目のイノベーションは、小型家電のリサイクルが円滑に回ってることも重要と思うのですが、東京オリンピック・パラリンピックのときに環境省にかなり資金援助もしていただいて、全国の自治体に小型家電のリサイクルポストもできていますので、そうしたものもしっかりと活用していただければありがたいと思いました。
○酒井小委員長 ありがとうございました。それでは、末吉委員どうぞ。
○末吉委員 ありがとうございます。追加で申し上げたいことが2点ありましたので、発言させていただきます。
 まず1点目ですけれども、類型①のところの動脈と静脈の連携ですが、動脈側は、今後法規制の対象になっていく中で、それらをモニタリングして取り締まるような社会的なインフラのためのリソースが用意されていないと考えています。その辺りは廃棄物行政、静脈との連携を通じてモニタリングなどの共同範囲を拡張していくことというのも可能なのではと思います。
 もう一点、消費者、生活者の家に眠っているスマホや家電、洋服など、まだ色々と沢山あり明らかにされていない、滞留している資源がたくさんあります。スマホに関して言えば、多くの生活者が昔使っていたスマホがまだ家に残っているという状況があります。ある統計によると、個人情報がその中に含まれているので家に置いたままだという消費者が、去年の調査結果によると約34%いたということです。個人情報の取扱いへの対応が分からない消費者も少なくないということもありますので、このように生活者が手元に持っているものをどう回収するか、生活者が簡単に気軽に、この循環の輪の中に加われるシステムが必要です。そういったことも踏まえて考えていくのがよいと思いました。
○酒井小委員長 ありがとうございます。武本委員、お願いします。
○武本委員 ありがとうございます。私から、具体的に講じるべき措置に焦点を当て、簡単に申し上げたいと思います。
 まず類型①に関してです。静脈連携するに当たり、動脈側・静脈側の情報共有はもちろん大事ですが、中小規模の事業者に対する定期的なヒアリングを、業界団体を通じ、都道府県とも連携しながら行うべきだと考えます。というのは、業界団体でも産業廃棄物に関する事業者向けのアンケートを実施していますが、事業規模が比較的大きい事業者ばかりのデータしか出ていないような気がしています。この今回の議論は全員参加型の静脈連携ということを考えると、業界団体と自治体が連携をして消費者を巻き込むという意味では、中小の規模の企業に対しても、定期的なヒアリングを実施していくべきだと思います。そうしないと、その人たちが抱えている課題感が分からず、上で方針や方向性を決めても空振りするような気がします。
 類型②に関して、官民連携処理システムの確立についてです。市民や消費者に対して、今「デコ活」の推進を進めていますが、これは自治体の意識にもかかってくるものだと思います。自治体が環境に対しての貢献度を上げていかないと脱炭素化も進まない所では、市町村と、消費者、市民団体、教育機関等を連携して何かを進めていく。都道府県は、大学や業界団体、企業と連携して何か考えていくといった、規模によるすみ分けが必要になると思います。
 類型3、静脈産業のカーボンニュートラル化についてです。ここは仕組み化と情報発信のところになりますが、類型④も含め、静脈産業の底上げと成長が肝になるため、業界団体がもう少し主体的に動くべきかもしれないと思います。
 その主体的に動く具体的な方法ですが、類型④に関しては、数年後に新たな環境社会課題を生まないような方策、政策というのが必要かと思います。また、類型③に関しては、大手企業やマンパワーが十分にある企業は自社の中で調査やプランニングができると思います。しかし、規模の小さい事業者だと、コンサルタントに丸投げという形になる可能性もあります。せっかく国が金銭的な部分でも政策の部分でも支援しても、全てそういったコンサル等に吸い上げられてしまい、結局静脈産業の成長とか底上げに響いてこない、影響してこないということにならないように、規制やルールをしっかり考えていただきたいと思います。
 そのため、先ほど高岡委員からもお話がありましたが、再生材の認証制度やサスティナブル認定等が進んでいますが、そうした優良事業者認定だけではなく、いかに企業として、事業者として社会的価値、経済的価値の高い活動をしながら、脱炭素化資源循環に向けてどのような社会課題を解決していく意思があるのか、覚悟があるのかというところを数値化するといった、言葉だけではなく数値化するという見せ方も大事だと思います。そのため、ただのパフォーマンスで終わらせず、実践、実装化して初めて評価されるべきものを、きちんと考えて整備していく必要があると思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。村上委員、お待たせしました。お願いします。
○村上委員 ありがとうございます。高度化のところで一つと、あとはその情報絡みで評価と合わせて二つお話しさせていただければと思います。
 まず高度化です。いろんな事例を挙げていただきましたが、やはりまだまだ色々な力が必要だと思います。特にAIの話が色々出てきているのを拝見すると、AIそのものをやっている人材は今多分若手にとてもたくさんいる一方で、そういった人材にこの辺のどういう社会課題があるのかがおそらく見えていません。
 そのため何で困っているのかを発信すると、そこに食いついて起業したいという若者がおそらく沢山いるはずであり、我々大学としても起業家教育を行っているので、そういう人はいると思います。
 また、今はそうしたことばかりに興味がある学生達だけではなく、技術的な研究をして自分で起業したいという学生も沢山いるので、どこに向けて発信するのかということを、少し今までとは違うところを狙っていただけると、世の中が変わるのではないかと思います。アプリを探しているAIの学生は多分たくさんいます。我々教員はもう年取っているので、どっちかというと教員ではなく学生を狙ってほしいと割と真面目に思います。これがイノベーションの部分です。
 もう一つは、情報の活用と評価みたいな話ですが、何人かの委員の方から、認証の話も含めてという意見がありました。その辺に関しては、基本的にそれをやるプレイヤーが足りていないと思います。カーボンの話はここだけで閉じる話ではないですが、そのカーボンだって多分個々の認証をやろうと思うと、認証する人と評価する人が同じという状況が散見されることとなるような気が既にしています。そのため、おそらくプレイヤーを増やさなくてはいけない。特に循環周りのフットプリントの計算は結構面倒くさいですよね。そこは少し強化する術を考えるべきで、それをすることが仕事にならないといけません。
 現状でも、そこに十分付加価値があれば放っておいても人は参入すると思いますが、もしそれが起きていないのだとすれば、やはり何かの仕掛けは必要です。そこを少し考えていただくと良いとおもいます。
 例えば環境省で様々な事業をする際に、この評価をマストにしてしまうならば当然仕事が発生します。義務化する方向は個人的にあまり好きではないですし、ほかの手があればやればいいと思いますが、その点もお考えいただくとよいと思います。
 やり方に関連してです。どのような情報を流通させるとよいのかを検討するというご意見もありましたが、それ自体に私はすごく賛成ですが、ぜひ机上検討ではなくて最初からやってしまってほしいと思います。遅いので、どうしても日本からケーススタディが出てこない。そのため、我々の発言力が低くなる。やはり実例を持ち出して話されると戦えないので、その辺をぜひやっていただきたいと思います。
 最後、評価の中身についてです。一つは大塚先生からおっしゃっていただいていたDesign for Environmentは、例えばそのデュラビリティーといった話がプロダクトにはあると思います。今回の資源循環システムが使用済みになったものを回すところだけを見ているのか、使用のフェーズも入っているのかが分からないまま来ていますが、それが長期使用のような話でその市民の話にもつながると理解をしているので、いずれにせよ、最終的にはその使用のフェーズに貢献する何かも評価せざるを得ないので、それも見なくてはいけません。
 もしかすると、リサイクルアビリティのような話とは相反する話が出るかもしれないので、結局まとめて総合的に評価しておかないと、おかしな偏微分をしているようになってしまう。それは多分やめたほうがいいと考えます。ただ、ひたすらにそこをすると駄目なのでという話になると、今度はパフォーマンスのような話になり難しい評価となりますが、その点は、微力ながら学者も少しは働こうと思います。
 最後にもう一つ。再生材利用率の話が前の報告書のコメントに入っていました。今ISOをしているところで一つ引っかかるのは、少し細かい話となり恐縮ですが、マスバランスの話とトレーサビリティの話は表裏で、もう欧州はマスバランスで再生原料の話等も走ってしまう。日本もカーボンに関してマスバランスの話で大分動いてしまっており、止められる動きではないとは思います。そのため、その辺も含めたケーススタディをきちんとしていただけるといいと思います。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。一通りご意見いただくことができました。事務局に再度マイクを渡したいと思いますが、村上先生、最後にISOの話、日本の決裁が出ないとご紹介いただきましたが、これは出ないのは日本にケーススタディがないのか、それとも日本の方々が出し方が分からないのか、その辺を含めてどうすればいいか、追加の発言をお願いできませんか。
○村上委員 場所的にどこまでしゃべるか悩ましいところですが、まず第一にケーススタディが少ないというのはあると思います。途中でお話しした人材の話も引っかかっておられるのだと思いますが、その評価認証を業としている人がそもそも少ないので、そういう人がいれば営業しに行って企業と先行ケースをつくり、それを持って、ISO等に対して、ある種の自分の利益なので戦いになるというのが一連の流れで出てくるところです。日本はそういったプレイヤーが足りないので、先行ケースをつくりませんかと唆しに行く人も、先行例を持ってISOの場に来る人もおらず、私のように学が副業で参入しています。キャパ的にも足りていないこともあり、悪いループに入ってると感じてますので、その人材を厚くすることが結構な鍵となります。そして、そこに付加価値をつけるという組合せだと思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。
 途中で接続が切断されましたが室石委員、ご発言可能ですか。お願いします。
○室石委員 ありがとうございます。GHGの排出削減効果の算定方法といった辺りで切れたのでそこからです。その算定方法とその評価方法については早期に検討をお願いしたいということと、バリューチェーンでの評価方法の検討や、中間処理業者の貢献に係る考え方の整理をぜひ積極的に進めていただきたいということを申し上げました。
 業界側も中間処理業者の貢献などについて非常に関心が高いところですので、ぜひ進めていただけるようにお願いしたいと思います。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。それでは今日の議題の2について、多くの意見をいただいておりますが、今日ここで結論をという話でもございませんので、全体をお聞きいただいた上で、方針的なところでご発言いただくことが可能でしたら、松田課長、お願いいたします。
○松田廃棄物規制課長 委員の皆様、ありがとうございます。
 まず中間取りまとめを受けてどういった制度的対応ができるか、また、支援制度をどう充実させるかというところがあります。委員の皆様方から出てきたご意見について整理をしながら、まずは制度的対応について我々環境省として、今後この取りまとめを受けたどのような対応ができるか、それらをいつ頃実現できるかという検討を、しっかり進めてまいります。その中で、仮に国の認定制度が新たに四類型できるのであればその認定制度の認定基準をどうするか。先ほど言われた指摘に対して対応することを考えていきますが、基準のハードルを高くすれば、当然ピカピカの案件しか出てこなくなります。しかし、基準のレベルを低過ぎると皆誰でも手を挙げられる。つまり、ハードルが高過ぎるとピカピカなもので良いのだが誰も手を挙げられなくなり、ハードルが低いと、そんなものを国が認定していいのかというところがあります。どういった形で認定基準をつくっていくか、そのバランスが一つ課題になります。委員の皆様方からいただいたご意見等から、認定基準の中に反映していくものを考えていきたいと思います。
 こうして認定制度の検討を進めていく中で、先ほど温室効果ガスの話もありました、業界の方や事業者の方々が利用可能な材料、技術的なマニュアルというものを、揃えなくてはなりませんので、その点も今日の議論を受けてしっかり考えていきたいと思います。
 さらに、こうした環境省の政策だけでなく、むしろ経済産業省が進めようとする動脈企業側の政策との連携に関連するご指摘も多々ありました。今後、我々が取り組もうとする制度設計と経産省が考えている制度設計を、しっかり両輪で、資源循環の輪が回るような形で進めていければと思いますので、今日ご指摘があった点についても考えながら進めてまいります。
 加えて資源循環行政全体に関しても、規制と支援のあり方等、広い意味でのご指摘も多々ありました。この点も我々受け止めながら、まずは今回この委員会でまとまった事項を受けた形で進めたいと思います。長期的には設備投資や資源循環の動きを様々な地域でつくっていこうじゃないかということで、まず一歩目として、今まで循環経済工程表に示されているビジョンを実現するための政策支援ツールをどうしたらよいか検討を進めてまいりました。この政策支援ツールが実現した後に、実際にどう進めていくかという話もしっかり見ながら、先ほど大塚委員からもう少し戦略的にどう考えるのかという話がありましたが、まさに一歩踏み出してみて、それで動きがどうなるかを見ながら、今後どういう政策を打っていけばよいか考えていきたいと思います。
 それぞれの委員の皆様方のご意見について一つ一つお答えするのは難しい部分もあり、雑駁ですが大きな方向として、当面対応すべきものと中長期的に考えるべきものがありますので、しっかり整理をして今後我々の政策展開に参考にさせていただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○酒井小委員長 松田課長、ありがとうございました。
 今日ご提示いただいた参考資料4では、今後の方向性での確認すべき事項を挙げていただいています。これらはある意味全て大事であり、すぐに全部に取り組むわけにもいかない中で、大塚委員からはメリハリが必要だというご指摘もいただきました。
 その意味で優先性という言い方はよくないとは思いますので、そうした確認事項の順序設定を上手く行う中で、松田課長に言っていただいた当面の対応と中長期対応に切り分け、参考資料の整理、それと今日いただいたご意見の内容を考えていくということかと思います。
 委員のご発言の中では、相当深刻なご意見も発言いただいていると認識はしています。やはり日本が持ち得る力を、十分に自己認識をしながら、前向きに取り組むことが必要かと。特に情報間の関係の認証やフットプリント算定といったところは、今回の制度展開も非常に密接に関わります。チャレンジングなところにいけそうなところと、中長期で相当手を打たねばならないところ、そこで何ができるか十分見極めながら、ここの見極めはある意味一番難しいのでしょうが、今後やらねばならないというところであると思います。
 議題の2についてはこの辺りにさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、議題3について何かございますか。
○松田廃棄物規制課長 特にございません。
○酒井小委員長 それでは、本日の議事は以上ということにさせていただきたいと思います。事務局に進行をお返しいたします。
○松田廃棄物規制課長 ありがとうございました。次回の小委員会は、事務局から改めてご連絡させていただきます。
 以上で、本日の小委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
午後0時30分 閉会