静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会(第4回)

開催日時

令和5年11月22日(水) 10:00~12:00

開催場所

対面会議及びWeb会議を併用し実施

議題

① 脱炭素型資源循環システム構築に向けた論点整理
② その他

資料一覧

【資料1】委員名簿
【資料2】脱炭素型資源循環システム構築に向けた論点整理

議事録

午前10時00 開会
○松田廃棄物規制課長 それでは定刻になりましたので、ただいまから第4回、静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を開催させていただきます。
 最初に、進行を務めさせていただきます廃棄物規制課長の松田と申します。今回もよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。今回は前回と同様に、対面とオンラインでの実施となります。どうかよろしくお願いいたします。
 会議の運営についてのお願いでございますけども、会場でのご出席者の皆様は、ご発言される場合は名札を立てていただきまして、またオンラインでのご出席者の方は挙手ボタンでお知らせいただきまして、小委員長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。
 また、会議の模様につきましては、事前に公表しておりますYouTubeでの同時配信により公開をしております。
 それでは、開催に当たりまして、定足数の確認をいたします。本日は委員総数17名のところ、14名の委員の方にご出席いただき、小委員会として成立しておりますことをご報告いたします。なお、斉藤委員は途中から参加される予定であります。
 次に、資料の確認でございます。資料は二つございます。資料1は委員名簿、また資料2は脱炭素型資源循環システム構築に向けた論点整理という構成になっております。資料は事務局にて画面に投影しますが、必要に応じてお手元の資料、または事前にお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
 それでは、以降の進行は酒井小委員長にお願いしたいと思います。酒井小委員長、よろしくお願いいたします。
 また、メディアの皆様は、引き続き傍聴される方を除きまして、ご退室をお願いいたします。
○酒井小委員長 酒井でございます。
 それでは早速、進行に入らせていただきます。今、松田課長からご説明のあったとおりの手順で、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日の議題ですが、脱炭素型資源循環システム構築に向けた論点整理でございます。早速ですけれども、事務局から資料の説明をお願いいたします。その後に質疑、そしてご意見を聞くという手順で参りたいと思います。よろしくお願いします。
○環境省 廃棄物規制課の栗栖と申します。資料2について、ご説明いたします。
 7月以降、この委員会で様々なご意見をいただいております。これまでのご意見を踏まえ、今回、論点整理ということでお示ししています。
 まず、最初のⅠで、我が国の資源循環を取り巻く状況と課題認識ということで、我々の昨今の状況を整理しております。
 最初の(1)のところで、適正処理の確保ということを記載しています。この委員会の中でも、適正処理がやはり基本であるというご意見をいただいておりますので、適正処理の確保というのをまず掲げさせていただいてございます。
 中身としましては、廃棄物処理に関する法律でございます廃棄物処理法の中身を記載してございます。その目的である生活環境の保全と公衆衛生の向上、そういった目的に沿うべく、一般廃棄物それから産業廃棄物についても様々な規制を適用してまいりました。
 こうした基盤があって、現在、我が国において適正な処理がなされているという状況ではありますが、循環型社会というのを作っていくためには、国、自治体、それから排出事業者あるいは事業者、こういった皆様が適切な役割分担の下で行うことが必要であることを記載しております。
 それから、災害廃棄物の件も、今は災害が頻発しており、やはり非常に重要な課題です。災害廃棄物についても国や自治体、それから処理業者をはじめとする関係者が一丸となって取り組んでおり、こうした平時の備えを含めた対応が必要であることを記載しています。
 17行目以降が資源循環を取り巻く状況でございます。
 資源循環については、循環型社会形成推進基本計画があり、その中で入口、出口、それから循環という、それぞれの断面で目標を設定しております。その見通しとしましては、中長期的には達成が見込まれるものもありますが、やはり短期的には難しいものもございますので、そういった点からも循環利用の促進は必要であることを記載しています。
 そうした状況を踏まえ、昨年の9月に循環経済工程表というのを取りまとめいただいたところでございます。これを踏まえ、今も循環型社会形成推進基本計画の見直しの議論を、親部会の循環部会でご議論いただいている状況でございます。
 その下には、国際関連を記載しています。令和5年4月に札幌で開催されたG7、気候・エネルギー・環境大臣会合の中で、循環経済及び資源効率性原則、CEREPが採択されました。その中では、国内・国際での回収リサイクルの強化や、バリューチェーンにおける循環性の測定、廃棄物分野の脱炭素化に向けた努力の強化、こうしたことも合意されました。また、直近でも海洋プラスチックごみに関する条約交渉に向けた議論が進展していると承知していますので、こうしたことも背景情報として整理しています。
 2ページ目の1行目からは、バーゼル条約の関係となります。
 第1回目の委員会の中でもご説明させていただきましたが、現在、バーゼル条約の改正、対象物の改正の検討がなされているところです。例えば、直近でも非有害なe-wasteも対象とするという改正がなされたところであり、この点についても現在、OECDの中で議論が継続していますので、そうした説明を国際状況の一つとして記載しています。
 (3)は、資源循環の取組からの影響を受ける分野、資源循環からポジティブな影響を与えていく分野として脱炭素化、あるいはネイチャーポジティブ、自然再興への貢献というところもやはり大事な情報ですので、記載しています。
 15行目は、脱炭素に関連しますが、我が国の廃棄物分野からの温室効果ガス(GHG)の排出量が3.2%を占めている状況で少なくない割合を占めていること、それから我が国のGHG排出量のうち、資源循環を実施することでGHGの排出削減に貢献できる分野が36%程度はあるのではという試算もありますので、やはり資源循環は脱炭素の実現に向けて非常に重要な分野であります。
 このような状況を踏まえ、令和3年8月に中長期シナリオとして循環部会のほうでご議論いただいたところであり、その中で資源循環分野が2050年のカーボンニュートラルに貢献していくためにどういった施策が必要か、ご議論いただいたところです。
 また、そのような議論を踏まえ、廃棄物処理法に基づく基本方針や廃棄物処理施設整備計画の中でも脱炭素化、カーボンニュートラルを位置づけております。
 また、ネイチャーポジティブの関係でも、今年の3月に生物多様性国家戦略というのが閣議決定されました。その中では、生物多様性の保全の施策に加え、気候変動あるいは資源循環との連携が大事であるという内容も記載されました。以上が(3)となります。
31行目から、産業競争力強化、それから経済安全保障への資源循環の貢献について情報を整理しています。
 1パラ目は、これまでも掲げさせていただいていましたが、循環経済関連ビジネスの市場規模を80兆円以上にするという目標に向けて、取組を進めているところです。また、グリーントランスフォーメーションの中でも資源循環分野というのが位置づけられていますので、その意味でも産業競争力の強化につながる分野であると考えています。
 国際的という意味でも、まず一つございますのがISO/TC323の中で循環経済に関する国際標準化の議論というのが進められていると承知しています。また標準化の文脈以外でも、特に欧州の中で、循環経済に関する取組が進んでいると承知しています。例えば、幾つか欧州での取組を紹介しますけれども、自動車やバッテリーといったところで取組が進められて、再生材の利用の最低割合を求めるような取組が進められていると認識しています。
 また、途中で記載していますが、12行目で、そうした制度的な取組以外にも、一部の製造業者の中で、自主的に再生材の使用を進めている取組もありますので、こうした状況も把握しておくべきであると考えています。
 こういった全体としての動きがある中で、我が国の企業を含めてそういった動きへの対応をやっていかなければ、グローバルなサプライチェーンの中で対応が取れないという事態になってくると非常に問題であります。そういう意味で再生材の国内での流通を促進するための取組が必要であると考えます。
 18行目からは経済、産業競争力に加え、経済安全保障の観点からも資源循環が大事であるということを記載しています。
 これからカーボンニュートラルが進むと、金属資源をはじめとして、非常に需要が高まる中で供給が逼迫することも当然予想されます。そうした意味からも資源循環を行い、金属資源の自給率を高めることで経済安全保障に貢献することが可能であるとも考えています。
 続きまして、地方の文脈で少し記載してございますのが27行目以降になります。
 廃棄物処理はやはり非常に難しい部分があり、排出される廃棄物は性状がいろいろ異なるものや、地域あるいは季節、天候等で影響、変動があるもの、また適切な処理がなければ直ちに国民の生活環境などへの影響があるものもあります。一部は迷惑施設と受け止められがちですので、地元との関係が非常に大事な分野になっていると考えています。
 その点、各地域の事業者が様々な創意工夫をされていると承知しており、地元と共存共栄するような事業を進められている事業者さんも沢山いらっしゃり、それに応じた技術力を磨いていらっしゃる方もたくさんおられると認識しております。さらに、そういった取組への支援は国や地方自治体の中でも進められています。例えば、昔からエコタウンという取組を行っていたり、地域で循環可能な資源はなるべく地域で循環させて、難しいものについてはより広域化することで重層的な循環を形成していくということも考えてもおり、それがさらに昇華し、地域循環共生圏という形で打ち出されてもいます。
 また、最近では脱炭素と地方創生を両立するという点で、環境省では地域脱炭素推進のための交付金で財政支援等を実施しています。その中では資源循環と脱炭素を両立するような、それから地域経済の活性化にもつながるような、そうした事例も複数選定されていますので、その旨を記載しております。
 また、自治体の中でも、廃棄物処理という観点に加えて、地域の活性化という観点から取組を進めておられる自治体があります。資源循環が自治体と民間企業との一つの協力分野になっている事例もあり、地方創生、地方活性化の観点からも資源循環というのはしっかりやっていく必要があると考えています。
 また(6)、14行目からは技術開発の観点で説明しています。
 使用済製品等の解体・破砕、そういったリサイクル技術の高度化は当然必要になっています。そうしたことを行っておりますので、その旨を1パラのところで記載しています。またグリーンイノベーション基金の中でも資源循環を位置づけ、いくつかの技術、COの分離・回収や高効率熱分解処理の技術等についての技術開発を国としても進めています。
 また、SIP、戦略的イノベーション創造プログラムの中でも資源循環を取り上げていただき、プラスチックを対象として、情報共有のためのデジタルプラットフォームの構築に向けた取組も進めています。
 このように産官学が連携しながら、必要な技術開発や実証を進めている状況にあります。また、それを社会に実装していくことが必要であると考えています。
 このような状況や課題を踏まえ、今後の基本的な考え方と方向性を整理しています。
 基本的な考え方として、4ページの34行目以降に記載しているのは、やはり適正処理による生活環境の保全をベースとした上で、国民や、あるいは消費者の皆様のご協力もいただきながら、産官学が連携して資源循環の高度化を進めていく必要があると考えています。それにより、先ほどのIのような状況もあり、資源循環の高度化をすることで脱炭素や自然再興、それから産業競争力や経済安保といった課題への対応、それから地方創生につなげていくことが重要となります。
 そのために、我が国の強みである技術力や廃棄物分野での様々な経験を活用し、高度な資源循環を行い、資源を国内で活用することで循環型社会を作るとともに、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブに貢献していくことを考えています。
 また、資源循環の高度化を行って再生材を量的にも質的にもきちんと確保することで、動脈側では再生材の用途の拡大というメリット、静脈側では再生材を活用することで収益性の向上が見込まれるというメリット、それから国民や消費者の皆様にも新たな価値をそこに見出していただく、こういったようなことが期待できるのではないかと考えています。そういったものが、ひいては産業競争力の強化や経済安全保障、それから地方の活性化に貢献していく、このような考え方で進めていくことが大事であろうと考えています。
 最後のところでは、こうした連携を進めていくためにも、情報を通じた連携が手段として必要かと思いますので、その旨も基本的な考え方のところで記載しています。
 その考え方を踏まえ、今後進めていく方向性として、10行目以降で記載しています。まず、我が国の社会課題の解決に、資源循環も貢献していくことについて幾つか記載しています。
 一つ目に、資源循環の取組そのものを促進していくための方向性として記載しています。14行目の記載のとおり、廃棄物を排出する動脈側、処理を行って再生材を生み出す静脈側、動脈と静脈が連携するためにも、求められる品質や量の再生材を動脈に届け、それを動脈側に活用していただく仕組みが必要であると考えています。
 こうした連携をするときには、この委員会の中でもご議論いただきましたが、関連する事業者の中でネットワーク化、あるいは集積によるメリットも考慮して進めることが望ましいと考えています。
 この推進に当たっては、我が国がこれまで経験している再生利用や広域認定とか、あるいは優良事業認定といった経験も踏まえ、適正処理を前提とした上で制度的な後押しを行っていく必要があります。
 また、これと併せて、国民や消費者の皆様も非常に重要な役割を持っていますので、国民や消費者の皆様の主体的な意識変革や、環境価値というのを見える化することで行動変容につなげるといったことも重要であると認識しています。
 そこでまず、資源循環側の取組はもとより、そこから様々な分野への影響ということで、カーボンニュートラル社会やネイチャーポジティブへの対応について記載しています。
 カーボンニュートラルの観点ですと、廃棄物分野でのGHG削減はもちろんですが、それに加え、サプライチェーン全体でのGHG削減につなげていくことが必要です。また、国が呼び水としての投資支援を行うことで、動脈と静脈の民間投資を引き出していくことも重要であろうと考えています。
 また、循環経済への移行を通じ、化学物質や廃棄物の適正管理を進めることで新たな天然資源の投入量を減らし、生物の多様性とか大気、水、自然環境への影響を減らしていくという観点も大事な事項として、今後の方向性として記載しています。
 31行目以降は産業競争力の強化などについて、資源循環により重要鉱物の安定確保につなげていくことを方向性としてお示ししています。
(b)35行目の地方創生への対応という観点からは、先ほどの状況把握でもお話をさせていただきましたとおり、地域で非常に積極的に取組を進めておられる事業者が沢山あると認識していますが、そうした地域を拡大することが大事であろうと思っています。
 他方、やはり地方では少子高齢化や人口減少等の様々な課題、そして財政的な制約もある中で様々な取組を進められていると承知しています。国民の皆様の協力もいただきながら、関係者が協力し、自治体あるいは事業者等、色々な方が協力して取組を進めていただくことで、それにより地方の活性化や地域課題の解決につなげていく、このようなことを方向性としてお示しています。
 6行目以降は資源循環技術の社会実装ということで、これまでの我が国の蓄積を踏まえ、資源循環技術の高度化が必要となることを見据え、そのための技術開発や実証、その実装を進めていく必要があることを記載しています。
 こうした高度化は、要素技術の開発はもとより、それにとどまらず、システム全体としての分析やビジネス形態の高度化、デジタル技術等、非常に多岐に関係するものですので、様々なご知見をお持ちの産官学がそれぞれ連携しながら進めていく必要があると考えています。
 続きまして、情報からの切り口です。一つ目が循環経済の分野となります。
 資源循環を積極的に進めておられる事業者、あるいは必要な再生材を選びたいというニーズがあると承知していますが、具体的にどうすればいいのかが必ずしも十分明らかになっていないという課題があると認識しています。
 一方で、我が国は電子マニフェストをはじめ、トレーサビリティーの確保等の情報に関する取組を進めていますので、そういったことも踏まえ、今後は動脈と静脈の皆様の資源循環の促進につながるようにするためにも、情報や課題といったものを共有することで、動静脈の連携の強化につなげていく必要があると考えています。
 その際にどのような情報の活用が大事か、そういった整理は必要であると思います。既に中間処理業者をはじめとした事業者が、様々な情報を持たれていることを踏まえて、有益な情報開示を進めていく。そういった情報が、これからの資源循環を高度化していくための基盤となることを目指す必要があります。
 それから、カーボンニュートラルへの影響という観点ですと、GHG排出量は動脈側・静脈側ともに関心が高くなっていますが、静脈側にとっては具体的にどのように算定していいのか分からないといった課題もあります。また、動脈側にとっても何を基準に選んでいけばいいのか分からないという課題があると思います。そのようなGHG削減効果の評価や、あるいはそのための排出量の把握等を進めていく必要があると思っています。そのための技術的な支援も必要であると考えますので、それを方向性として記載しています。
 以上が、基本的な考え方、それから今後の方向性となります。これらを踏まえ、今後目指すべき脱炭素型の資源循環システムのイメージを描いていますのが、こちらの図です。
 動脈、静脈、自治体、それから市民・消費者の皆様、こうした様々な関係者が連携しながら進めていくことが重要であり、それぞれの連携に当たり、押さえるべきポイント、類型があるのではないかと考えています。そういった連携の基盤となるよう、情報共有を進めることと、技術の高度化も進めることが必要であると考えています。そして、それらを総合的に進めることで、脱炭素型の資源循環システムの構築につながると考えています。
資源循環は様々なパターンがありますが、類型を四つに分類して、お示ししています。
 まず一つ目として、動脈企業と静脈企業が目標を共有しながら、素材とか物品とかの性質に応じた必要な循環の輪を形成し、動静脈が連携するパターンを類型①としています。
 二つ目の類型②は、自治体が主導し、自分の地域の将来像や廃棄物の特性等を踏まえ、あるいは国民や消費者の皆様の行動も踏まえながら、一部、民間の活力も活用し、官民が連携するというパターンを類型②として整理しています。
 類型③は、廃棄物処理業などでの脱炭素化、カーボンニュートラル化ということで、省エネ型の廃棄物処理設備の導入や改修を進めていく必要があるということが類型③です。
 類型④として、これから世界全体としてカーボンニュートラルを進めていくに当たり、高度な分離と再資源化が必要になると考えています。特にこれから増えるようなものに対する循環を促進するというパターンです。
 こうした幾つかの類型を整理しています。それぞれの分野でプレイヤーも異なりますので、プレイヤーの取組を国が認定などを行うことで、廃棄物処理法の各種手続の迅速化の実施や、あるいはグリーントランスフォーメーションの実現に向けた設備導入支援をはじめとする各種投資支援策等の措置により、脱炭素型の資源循環システムの高度化を進めていく必要があると考えています。
 以降、それぞれの類型の考え方を整理したものが16行目以降となります。
 類型①の動静脈連携は、動脈企業と静脈企業が連携して、求められる品質の再生材を動脈側に届け、きちんと活用していただくことで循環の輪を作ることを考えています。これにより、天然資源投入量の削減や温室効果ガス排出量の削減、必要な再生材の確保等につながることを期待しています。
 こういった取組の実施に当たり、再生材の利用に関する目標設定や、環境配慮設計、再生材でいかに品質確保していくか、といったことがどのように担保されているかをきちんと確認した上で、類型①として動静脈が連携するパターンと考えるのが適切だと考えます。
 続きまして、類型②の官民連携システムの確立ですが、問題意識としては、一つの自治体ではなかなか十分な資源循環のための量の確保が困難であることにあります。そのような際に自治体が主導し、廃棄物処理の地域での担い手の状況や、廃棄物のそもそもの発生状況、あるいは再生資源の利用先といった地域それぞれ固有の事情に応じ、それを踏まえた上で資源循環を推進することが大事であると考えています。
 この場合、自治体や地域のいろんな事業者がきちんと活躍することで、地方の活性化や地域資源の活用、地域課題の解決につながることが考えられます。これにより、地域での資源循環が促進されることになりますが、実施に当たっては、地方自治体の一般廃棄物の処理において民間事業者と具体的にどのように連携するのかといったことや、あるいは地域課題の解決や地域の暮らしの向上にどのようにつながるのか、あるいは事業の継続性といったことを確認する必要があると考えます。
 続きまして、12行目からが類型③の静脈産業のカーボンニュートラル化です。
 現在、技術開発等も進めているCO分離回収技術、あるいは省エネ技術等を積極的に導入することでカーボンニュートラルに貢献していくというものです。これにより、製品のライフサイクル全体での脱炭素化に貢献するのみならず、その際には同種の設備と比較してGHGの排出量がきちんと減っているか、あるいは生活環境への影響が従前のものと比べて同等以下になっているか、COの場合でいうと、分離回収した際に具体にどのように活用されているか、きちんと確認していく必要があると考えています。
 続きまして、類型④がカーボンニュートラルに対応する資源循環技術の高度化です。カーボンニュートラルを進めていくと、再エネ設備やリチウムイオン電池等が今後大量に使用されます。それらのリサイクルを進めていくために、必要な技術開発や技術の実装を行うことで、重要な資源の確保につなげていくことを目指すものとなります。そのときには、循環資源がきちんと計画的に利用されているのか、技術開発や技術の革新性といったことが大事であると考えています。
 以上、脱炭素型の資源循環システムの構築に向けた幾つかの類型ということで整理しています。25行目以降は、もう一つの大きな柱として情報活用について記載しています。
 1ポツ、最初の冒頭でも述べたように、欧州やISOでの様々な議論を踏まえると、やはり主体間での情報の連携というのが必要で、そういった情報には幾つかのパターン、類型があると考えています。一つがマッチングのための基礎的な情報、それからバリューチェーンでのより詳細な情報、さらにシステム全体としてのパフォーマンスを評価するための情報、こうしたものが考えられます。
 これらの情報を把握していただくことで、そもそもの目的である主体間の連携はもちろん、資源循環のパフォーマンス等は、事業者の目標設定に使っていただけると考えています。ほかにも、資源循環を進めるに当たっては分別が非常に大事であり、あるいは原料の変更や製品の設計、処理方法の変更等、こういったところにも影響を与えるという意味で、それぞれの事業者にとって自らの事業活動を振り返るうえでも、情報というのはお使いいただけるのではないかと思います。また、国民や消費者の皆様にとっても、資源循環に関する理解を深めていただくことや、再生材を利用している製品を選んでもらうためにも、こうした情報を活用することでつながるのではないかと考えています。
 そういった情報を把握していくには、様々な関係者が関与する取組ですので、各関係者の取組が適切に評価されることが大事になります。そのためにも、資源循環とかGHGの削減に関する効果の評価の考え方についても、やはり一定の考え方の整理が必要になります。
こうした検討に当たっては、先ほど述べたような貢献、あるいは機密情報の取扱等が課題として挙げられるのではないかと想定しております。
 3行目以降は、それぞれの類型パターンにつきまして、こういった取組を進めていってはどうかということで素案をお示ししてございます。
 まず、マッチングの促進に関してですが、既に廃棄物処理の流れの把握を可能とするように、マニフェスト情報が存在しています。また、処理業者さんの中では帳簿の情報も整理して、自らの処理の状況を把握いただいています。国では、自治体や、協力しながら処理業者の様々な情報が登録されているプラットフォームを作っています。これから再生材の需要が増えることを考えると、再生材の需要と供給に関する質と量を含めた情報の再整理、マッチングが重要となります。情報に動脈企業の皆さんがアクセスすることで、動脈と静脈のマッチングがより促進される仕組みが必要であると考えています。
 また、そういった情報に加え、例えば危険物や有害物質の含有情報も、静脈企業にとっては非常に重要な情報です。そういった情報が、動脈企業から静脈企業にスムーズに伝達される必要があります。
 こうした情報は、動脈と静脈の連携に加えて、自治体、あるいは地域で処理を行っている事業者、それから静脈企業同士等、多様な関係者の連携にも資すると考えています。そして、そういったマッチングを促進するための組織やプラットフォームも併せて必要となります。
 このような取組を進めることは重要ですが、その際には必要な情報、例えば廃棄物の処理方法、再生材の供給量といった情報を収集するためには、事業者の皆様の負担を可能な限り軽減する意味でも、集約化が進んでいない帳簿の情報や普及がかなり進んでいる電子マニフェストの情報などの既存情報を、どのように活用するか検討を進める必要があります。
 以上が、マッチングに関する情報でございます。
 続きまして、バリューチェーン全体での情報流通を促進するための施策を記載しています。
 先に述べたように、欧州でのデジタル製品パスポート、こういったようなものがある中で、我が国でもSIPの中でいろいろ取組が進められておりますので、こういった状況への対応というのはきちんとやっていく必要があるということを、まず考えてございます。
 その際に、既に電子マニフェストというのが広く普及しているというふうな状況でございますので、電子マニフェストがそういったバリューチェーンでの情報流通に当たって重要な情報源となる可能性があると考えてございます。
 したがいまして、そういったバリューチェーンでの情報流通という観点からも、電子マニフェストと、そういった情報流通の仕組みとの連携とか活用方策について、技術的あるいは制度的な検討を進めていく必要があるというふうに考えてございます。
 もちろん、こういったバリューチェーンでの情報というのは、電子マニフェストでの情報では十分でないようなところもあると思いますので、何が必要であって、どの辺を補う必要があるのか、そういった部分の検討も併せておこなう必要があると考えています。
 また、そういった検討に当たっては、委員会の中で様々なご指摘いただきましたが、廃棄物・資源の種類をまず特定して、先行したケースをまず活用して取り組んでみる、こういったアプローチも重要なのではないかと考えています。
 また、実際にそういった連携を進めていく際には、どのように情報を取るのか、あるいは情報の流通に当たって特に留意して進めていく必要がある点は何か、こういった考え方も整理しながら進める必要があると思いますので、そういった検討も併せて行う必要があるということをまとめております。
 28行目からは、パフォーマンス評価のための施策をまとめています。
 資源循環のためのパフォーマンス評価という観点で申しますと、G7でまとめられたCEREPの中でも、コーポレートレベルでの情報開示のほか、バリューチェーン全体での取組を進めるということが定められています。
 こういった循環に関する指標は、冒頭に申し上げましたような循環基本計画の中でも、入り口、出口、循環と、こういったマクロな分析というのは国レベルで行っているところですが、そうした考え方も参考にしながら、CEREPの状況も踏まえて、バリューチェーン全体での評価を今後進めていく必要があるのだと思います。
 さらに、そうした指標は、同じようなバリューチェーンでの相互比較が可能になるものにしていく必要がありますし、廃棄物とか資源循環の流れは、素材や製品の特性によって非常に多様ですので、そういう意味で、いろんな考え方の整理が必要であると考えています。
 また、そうしたバリューチェーンに加え、個々のコーポレートレベルでの情報開示も、ISOや民間団体での議論がありますので、そのような取組も参考としながら考えていく必要があります。このような分野も非常に国際的な議論が進んでいますので、国際機関とも連携しながら議論を深めていくということを記載しています。
 加えて、資源循環を進めることで、環境負荷物質の削減にもつながるので、このような点もパフォーマンス評価の対象になり得るのではないかと考えています。
GHG排出量をはじめとする環境負荷の物質の情報も重要性がますます高まっており、カーボンニュートラルに向け、GHGの排出量の把握や算定対象範囲、あるいは目標をどう決めていくか、こうした考え方の整理を進める必要があるだろうと考えています。その際には、温暖化対策推進法に基づく算定・報告制度や様々なガイドライン等の、既存の取組も参考として検討する必要があります。
 また、バリューチェーン全体の中での取組も今進んでいるところです。GHGの分野でもバリューチェーン全体での評価というのを進めていく必要がありますし、そのために必要な考え方の整理を、これから進めていく必要があると考えています。
 そのほか、量的には多くないですが、廃棄物の適正処理に当たって非常に重要な有害物質等に関しても、そういったものの情報に関する配慮が必要であると考えていますので、こういったテーマを今後の検討に含めていくことが大事であると思います。
 続きまして、24行目以降、国際的な取組についてまとめています。
 前段でお話したように、資源需給の逼迫や、調達競争の激化、あるいは様々なルールづくりの観点から、バーゼル条約への対応、それから我が国のリサイクルハブとしての機能の確立と輸出入の適正化・迅速化、こういった国際的な取組を進めていく必要があると考えています。
 まず、一つ目のバーゼル条約対応という観点で申し上げます。今般のe-waste、非有害なe-wasteに関しても対象に追加するという改正を踏まえ、必要な関係省令に反映していくことが大事であると認識しています。また、そういったものの不適正輸出への対応の強化のための税関等とのさらなる連携や、必要なガイドラインといったものも決めていく必要があるということを記載しています。
 続いて、(b)ですが、我が国のリサイクルハブとしての機能の確立に関して、国際的に様々な情報がありますので、そういったものは追い風にできると考えてもいます。国際的な資源循環を加速していくという点からも、環境保全上、適切で高度なリサイクルができる我が国の施設をリサイクルハブとして活用することで、ASEAN各国からe-waste等を持ってきてリサイクルを進めるといったことが大事であると考えています。
 そのためには、ASEAN各国等でのe-wasteに関する制度構築や、キャパシティービルディングといったものも進めていく必要がありますので、我が国としても貢献していくことができると思います。また、制度的にもバーゼル法の認定制度等の活用による迅速な輸入手続の実現や、あるいは二国間、あるいはアジア地域での働きかけを積極的に進めることで、輸出入手続を迅速化し、我が国のリサイクルハブとしての機能を高めていくことが大事であります。
 また、そのほかにも、必要な手続の電子化や、円滑な輸出入に関する国際的な議論もリードしていく必要があります。
 以上、大きく三つの柱に分けて、今後の主な施策として整理いたしました。積み残した課題もありますので、そういったものは今後の課題として整理しております。
 まず一つ目、こうした施策の在り方を踏まえ、制度的・予算的な対応を総合的かつ速やかに検討、それから実施していくべきだと考えており、その旨を記載しています。
 また、そうした検討に当たり、資源循環の実際の担い手である静脈産業の直近の足下の状況も踏まえ、資源循環を高度化していくために必要な対応の具体化や、あるいは体制の整備を進めていく必要があると認識しています。さらに、人材確保や人材育成に対する検討も進める必要があります。
 さらに、我が国の中でも再生材の市場創出を行うことが、我が国の資源循環を持続可能な形で進めていく上で非常に重要になってまいります。そうした取組についても継続して検討を進めることが重要となります。
 また、情報の観点から、様々な検討の方向性をお示しし、施策を幾つかお示ししましたが、やはりそれだけでは十分ではなく、さらなる具体化を進める必要がある旨を記載しています。
 19行目からの最後の2行になりますが、この分野は各方面で進捗がありますので、そのような状況を踏まえ、適宜、必要な情報の整理や、あるいは施策の評価などを行い、PDCAを回すことで、追加的な施策が必要か検討を進めていく必要があると考えますので、その旨を最後に記載しています。
 論点整理として掲げさせていただいたものは以上でございます。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。論点整理ペーパーの説明をいただきました。
 それでは、ここまでの説明に対して質問、ご意見を承りたいと思います。会場の方は名札を立てていただく、そしてオンラインの方は挙手ボタンでの意思表示をお願いいたします。会場のほうから、そしてオンラインの方という順番で指名してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、末吉委員からお願いできますでしょうか。
○末吉委員 ご説明どうもありがとうございました。
 取りまとめ、ありがとうございました。概ね、この方向性で私も賛同しているところではありますけれども、少し意見を言わせていただきます。
 まず、循環やサーキュラリティを語るときに、やはり入り口と出口の利用率ですとか循環率だけを見ていくと危険だと思っています。一番大事なのは、循環の輪が巨大に早く回っていくことより、新しい投入量を減らしていきながら、ゆっくりと輪を回していくということであると思います。よって、最初の1ページ目の25行目、(2)資源循環を取り巻く状況のパートの25行目、「循環利用の取組については今後さらなる取組が必要な状況である」の後に、例えばですけれども、次のような一文などが入ればいいなと思った次第です。
 「既存の経済産業システムを前提としつつ、資源循環率だけを指標に据えた場合、大量の資源投入が是正されないままの大量循環という活動が繰り返される懸念も指摘される。あくまでも政策目標は絶対量としての天然資源の消費抑制による環境配慮であることを再認識することが欠かせない。」
 このような記述が入ればよいのではないかと思います。
 それから、あと数点ございます。
 地方創生の部分で非常に細かく書いていただきありがたいのですが、先日、環境省の方々が実施された循環型社会形成推進基本計画の策定に向けたワークショップに参加したとき、鹿児島県大崎町の町長の方から細かくご発表いただきまして、非常に感銘を受けました。その中で、自分たちの町がサーキュラリティを実現していくことで、雇用が生まれ、今まで焼却にかかってきたお金を、福祉や教育などに回すことができたというようなことをおっしゃっていました。地方自治体が循環経済に取り組むことでこのような効果も生まれる、ということも大事なことだと認識しています。
 また、5ページ目の20行、21行目に、「国民・消費者の主体的な意識変革や環境価値の可視化」といった一文を付け加えてくださってありがとうございます。
 国民・消費者が主体的な意識変革をしていくことを求めるのであれば、国民・市民・消費者がそれを何のためにやらなくてはいけないのか、地球や自然のためだけではなく、自分たちの暮らしそのものを持続可能にしていくことにつながるということを理解するために、やはり情報提供や教育が必要となると思います。例えばですが、今後の課題のところにぜひとも、教育や情報提供が必要であることを明記していただけたらありがたいです。
それから、細かいことなんですけれども、6ページ目の3行目、それから7ページ目の7行目に、両方「国民」という言葉が使われているんですけれども、ここでは地方創生の地域での話をしているので、国民というと、主体性がどこにあるのか分からなくなってしまうように思いましたので、ここの部分は「市民」に変えたほうがいいのではないかと考えます。
 最後になりますが、今回の脱炭素型資源循環システムの構築において、脱炭素やネイチャーポジティブはとても大事であると思いますが、市民の生活環境の保全や持続可能な暮らしの実現を踏まえた上での検討なので、全ての人が自分たちの生活や暮らしに関わる話なのだと、主体性をもって意識が持てるように、私もさんざん今まで消費者という言葉を使ってきましたが、ここでは「生活者」という言葉を使うほうが、もしかしたら皆さんにとって身近に感じられるかもしれないと思いました。「消費者」というと、消費を前提とする消費者だけに括れてしまかもしれないので、広い意味の「生活者」とするほうが、どんな人にとっても自分ごととして捉えてもらえるようになるかもしれないと思いました。ただ、今まで「消費者」という言葉を使ってきましたので、これに関しては環境省の皆様に委ねたいと思います。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。多くのご意見いただきました。
 崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。
 末吉委員のご発言と重なる部分がありますが、私の意見としてもお話をさせていただきます。
 この委員会に参加し、静動脈をつないで、脱炭素型の循環を実現するというこの話合いで、どのように具体的にまとめていくのか、かなり気になっていました。今回、類型の①から④とまとめていただき、それぞれの立場の方がどのように関わるのか考える上で、非常に分かりやすい類型として示していただいたと考えます。
 特に、1番目は産業廃棄物を対象にした類型で、2番目は地域循環共生圏の創造や地域活性化につなげるという一般廃棄物を対象にした類型。3番が廃棄物の脱炭素化で、4番が新たな技術革新などで循環を高度化させるという建付けであると私は認識しました。
 それらをうまく回すときには、国民、市民の意識改革が非常に重要であると思います。静動脈の脱炭素化は、産業と自治体と消費者とみんなで一緒につくっていくことを明確にし、どこかに一文、そういう場があってもいいくらいの形でまとめていただきたいと思いました。
 このためにも、再生資源を活用した商品の使用・選択をしっかりと意識をすることや、自分が物を消費した者としてしっかり分別に参加するといったことを、そういうところで書くことが大事であると思います。さらに、どのようにそれを実現するかというときに、自治体だけでなく、NGOとか環境団体、そして企業といった主体が連携することが大事であると考えます。
 最近、テレビで飲料メーカーが自販機の横の回収ボックスに飲み終わったペットボトルを入れていただくときに、周りを取って、潰して入れていただくとうれしいんですよといったことをCMの中で言及している。そうしたことを企業の方もやっていただく時代になりつつありますので、企業とも一緒に創っていくと良いのではと思いました。
 あと2点ほどお話をします。今回、類型②の自治体との連携に関連して、10月に3R活動推進フォーラムの全国大会を、環境省に応援していただきながら秋田にて開催した際に、パネルディスカッションを実施しました。その中で秋田県の方が、それぞれの市町村はどんどん人口減少で力が弱くなってきて、それぞれの自治体の中で仕組みをつくることが非常に難しくなっているので、一般廃棄物をどのようにしっかりと地域活性化につなげて回していくのかということに関心を持っており、地域の自治体の先行事例をつくって提案をし、それを実施して、地域の中につくっていくような貢献していきたいと発言されていました。
自治体と一言で書いても様々な形がありますので、一般廃棄物といっても、基礎自治体だけではなく、都道府県にしっかり関心を持っていただくことが、これから大事なんではないかと、非常に印象深く思いました。
 最後に、1点なのですが、今回、動静脈をつなぐときに、情報をきちんと整備するという点で、日本ではマニフェストが産業の中で定着しているという話がありました。以前の資料に電子マニフェストの活用率が77%ぐらいになっているというデータがありましたが、それはかなり高い数字になっていると思います。できるだけ電子化を推奨し、データを集約しやすいような情報にして、その途中の処分方法については、データを持っている処分事業者・処理業者のほうで処分方法、処処分法ごとの処分量といった情報を追加していただくといった、今ある仕組みを活用しながら、新しい流れをつくっていくという方法もあるのではないかと感じました。 
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。オンサイトのほうは挙手順でご指名しております。オンラインを含めて、ほぼ全員手が挙がっておりますので、要点を押さえてご発言いただければ幸いでございます。
 岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 ご指名、ありがとうございます。
 私も、今日ご説明いただいた内容は、これまでの議論を踏まえて適切に論点整理されていると感じております。ご対応ありがとうございます。
 今日お聞きした中で注目するのは、崎田委員からもお話がありました7ページの四つの類型です。ここが非常に大事であると考えております。この類型から、廃棄物処理法に基づく各種の手続の迅速化や設備導入支援等、様々な支援策を考えていかれるということだと思いますので、具体的にどのように進むのか非常に注目しています。
お願いしたいのは、この類型の文言を厳格に捉え過ぎ、有効な取組や価値ある取組が対象から外れないよう、フレキシブルな形で運用していただきたいという点です。
例えば、類型①で、動脈と静脈という言葉が使われています。動脈と静脈も兼ねている分野や産業もありますし、動脈でも上流から下流まで、静脈にも様々な種類がありますので、幅広く許容できる形にしていただければと思います。
次に、類型②についてです。主語は地方自治体になりますが、収集について、より広域化させていくことも非常に重要だと思います。自治体の境をまたいだ物の移動しやすさ等が気になる部分です。
また、類型③ですが、産業廃棄物処理業との記載があります。廃棄物だけが制度の対象になるのか、副産物も対象になるのか気になりますので、ご検討よろしくお願いしたく思います。
最後にもう一点、輸入の件です。資料に記載がございましたが、廃棄物を輸入して国内の高度な技術で資源として循環させるケースも非常に重要な取組になると思います。お示しいただいたとおり、適正処理を前提にバーゼル法上の手続負担軽減も検討いただければと思います。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
 私もこれまでの議論を、非常に網羅的に反映していただいて、大筋に賛同いたします。
 その上で幾つか、まず、末吉委員の削減の視点について私も賛同いたします。また、崎田委員や岡村委員からありました広域化の視点についても、私も同じような思いを持っております。
 加えて、適正処理とネイチャーポジティブというところを見て思い出したのですが、廃棄物量の削減と最終処分量の削減が重要な要素だというところに改めて思いに至りました。つまり、最終処分量の削減により新たな埋立地を造ることを避けること等が一つの方向性として考えられると思います。
 次に、情報と動静脈連携のところですが、比較的、情報をどのように動かすか、どのような情報を乗せるかというところに、文章の焦点があると思います。これ自体は私も賛同していますが、その前に、例えば動脈と静脈側の対話や相互理解をいかに促すかというところに、一つの重要なポイントがあると思っております。
 静脈側からの「こういうデザインであれば、より質のいい再生材を作れる」といったアプローチや、逆側のデザインガイドラインといったことを促す取組も必要ではないかと思います。
 最後に少し細かい点ですが、6ページ目の(c)、文章の中ではシステムに触れていただいていますが、タイトルも、技術によらずにシステム全体のことを考えていただくことのほうが重要であると思います。技術だけではなく、先ほど私が申し上げたような、何らかの相互理解を促進する仕組みや、何らかの仕組みを転換していくことも、今後、重要になると思いますし、それが循環のコストを下げることにもつながるのではないかと思っております。
 8ページ目ですが、28から30ぐらいの情報の類型を挙げていただいていますが、例えば、どのような情報なのか分かるとありがたいと思いました。
 最後に、この論点整理の位置づけにも関わると思いますが、挙げていただいた取組のタイムラインを示していただけると大変ありがたく思います。工程表でも30年までに市場を大きくするといったところで、製品別、素材別、その他分野別のタイムラインのような図をいただいていましたが、それをより具体化していくというところで、PDCAのお話もありましたが、スピード感が求められる分野でもありますので、どういったタイムラインでこういった取組をなされていくのかというところがあると、関わる主体の行動予見性という意味でも、ありがたいと思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それでは、武本委員、お願いします。
○武本委員 ありがとうございます。
 3回の委員会を通じて私の意見も全てうまくまとめていただき、ありがとうございます。
 私からは3点、情報活用についてなんですけども、現在、産業廃棄物処理業者の情報をまとめている「さんぱいくん」や、電子マニフェストを管轄している業界団体同士の情報があるにもかかわらず全て連携されていない現状があることを、まずは皆さんに知っていただきたいともいます。そのため、新しい組織をつくるとしても、情報活用に関して、その辺の連携をどうしていくのかが今後の課題の一つとなると考えています。
 また、末吉委員もおっしゃっていたように消費者・生活者に対しての教育が必要であると同時に、私は、産業廃棄物処理業者や、動脈側の環境部署を担う人材の教育も必要だと思います。この資料の論点整理で紹介されている産業廃棄物処理業者の中には、そんなに意識の高くない、まだまだこういった地方創生とか、将来、自分たちの処理したものが再生材に使われる、原料調達の部分で使われる意識がない業者もいます。そのため、このような人たちに対しての教育や、確保ではなく育成を進めていく上でも、地方創生に関するコミュニケーション、情報発信がこれからますます必要になるという点で、教育が重要であると思います。それによって、動静脈連携はますます進んでいくと考えています。
 最後に、その支援についてですが、技術支援などのハード面の支援だけではなく、人を育てるという部分や、自治体・動脈との連携をサポートする人材を雇うといった、そういった人材にサポートしてもらうときのコストというのも、これからは静脈側の業界にとっては課題となってくるものであると思うので、そういったところの支援も一つ考えていただけたらなというふうに思います。
○酒井小委員長 武本委員、ありがとうございました。三井委員、お願いします。
○三井委員 ありがとうございます。
 全体的な感想ですけど、私も概ねこの論点でよいと思っています。
 私は、初めてネイチャーポジティブ、自然再興という言葉を目にしました。現代を生きる我々大人の責任の重さを感じされられたところでございます。
 適正処理の確保ということを前提として、初めて循環型社会が存立し得るものであるということを明記していただき、誠にありがとうございます。その中で、再生利用や広域的な資源循環の推進という制度的投資を行う必要があると書かれています。ここについても、例えば、モバイルバッテリーや、今既に認定されています加熱式のたばこ等、いわゆる市町村の中間処理の施設や私達のようなリサイクラーに入り口で来るとまずいもの、単一素材として集められるもの、このようなものに、広域認定や再生利用認定を使うことは大いに結構なことだと思います。
その制度の中で、既に認定制度を受けた実績が公表されていますが、認定は受けているが実績がゼロとか、年間何トンしかしていない、こういう品目等々が数多く見受けられますので、その辺は認定制度の信憑性、信用性の在り方から整理したほうが良いと思います。
 次に、地方創生への貢献ということで、私たちのような施設は迷惑施設と昔から言われております。私も十何年前にそういう苦労をしました。しかし、そのようなときがあって今があります。地元と共存共栄がなければ、このような施設は成り立ちませんし、地元の雇用の創出は生まれません。これを私は身をもって体験してきました。ですから、私たちが丁寧に市民の方にきちっと説明をしていけば、いずれこのような施設はきちんと成り立つものだと思います。
 その中で、恐らく、これから様々な許可を簡素化・迅速化するという議論が出てくると思います。簡素化する部分と厳しくする部分のすみ分けを求めたいと思います。
 次に、動静脈連携についてですが、EUの自動車の再生プラスチック最低含有率の義務化などは私たちにとって非常に刺激的な内容です。容リ・製品プラの再生材、これは今は中小企業が大体の取引相手ですが、ここに自動車産業、大手企業が入ってくるとなると、どこまでのレベルの品質を要求されるのか、あるいは、どこまでをコンパウンドして品質を上げたり安定化させれば自動車部品に使っていただけるのか、また、自動車の広域部品の規制が障害になるといくことであれば、その規制をどうするのかという、具体的な話を進めていただければ、再生材のルートは非常に広がるのではないかと思いますので、動静脈連携を推進していただきたいと考えております。
 また、パフォーマンスや情報活用についてですが、前回も言及しましたが、材料リサイクル、ケミカル、セメント原・燃料、RPF、サーマルリカバリー、いろんなプラスチックの処理方法があります。そういった中のどれをやれば、どれだけの温室効果ガスが減るのかということを、現状と比較した上で、構図を作っていただきたいと思います。
これは産廃も同じです。産廃でいうと、プラスチック加工工場、建築現場、解体現場、引っ越しごみに伴って出てくるもの等、プラスチックと呼ばれているものは様々に出てきます。それが材料に向くものなのか、ケミカルに向くものなのか、セメント原・燃料がいいのか、RPFがいいか、いや、これはどうしようもないねということでサーマルリカバリーに行くという構図を作っていけば、おのおのプラスチックの行き先が見えてきます。そういった情報が必要ですので、その情報をまた取りまとめていただきたく思います。
最後に、財政的支援について言及していただき、ありがとうございます。昨今、人件費はもとより、資材、電気代、相当高騰しております。廃棄物処理施設の整備には、これまで以上に費用がかかる状況にあります。加えて、これまでやってこなかった先進的な事業はどうしてもリスクが大きく、製品プラについての委託費の見積りが難しい傾向にあります。
市町村の方の製品プラの取引が加速していくには、初期の段階で結構ですので、特に環境保全上の支障がないよう、運転のために必要不可欠な環境に配慮した設備が適正に整備されるように支援の内容を検討していただけると、幸いと思っています。
○酒井小委員長 ありがとうございました。オンサイトでの参加の委員からのご意見は一通り聞くことができました。オンライン参加の委員のほうに移りたいと思います。室石委員からお願いします。
○室石委員 論点整理について、本当によくまとめていただき、ありがとうございます。基本的に賛成でございます。適正処理の確保が前提であることも、しっかり書いていただき、ありがとうございます。
 1点だけ申し上げたいと思いますが、これまであまり議論がありませんでしたけれども、災害は本当に頻発化、大規模化しています。一廃である災害廃棄物について、現実としては委託を受けた産廃業者が活躍しているという事実もあります。しっかり、一廃・産廃問わずに、民間業者が災害時に力を発揮できるように様々な手当や準備をしていくことが必要だという点については言及させていただきたいと思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて橋本委員、お願いします。
○橋本委員 重要な点についておまとめいただきありがとうございます。
 2点ほどコメントいたします。9ページ目の情報のところの(b)の中で、電子マニフェスト情報を使ったこと、(a)でも電子マニフェストの話を記載いただいています。(b)にも記載のある、内閣府で検討されている「サーキュラーエコノミーシステムの構築」でなされていることや、経産省の「成長志向型の資源自律経済戦略」で検討が始められているサーキュラーエコノミーの情報流通プラットフォームの構築といった並行しているものと、うまく連携・調整を図りながら、進めていただきたいと思います。それが1点目です。
 2点目です。(c)パフォーマンス評価のための施策ですが、EURO認定へうまく反映できる形でつくり込んでいけると非常良いと思うので、この方向で検討いただきたいと思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。高岡委員、お願いします。
○高岡委員 私も全体のこの方向性は賛同したいと思います。おまとめいただきありがとうございます。私からは3点あります。
1点目は3ページのところの17行目、いわゆる再生材の確保というのは既にその前で言及されていますが、17行目に「このため、再生材の国内流通を促進するための取組が必要である」とあり、その前に国内での確保を改めて書いていただきたいと思います。
 次は5ページ目の3行目です。「動脈側における再生材の用途拡大、静脈側における再生材活用による収益向上」と記載がありますが、静脈側のまず仕事は再生材の製造・販売、あるいは供給だと思います。活用は静脈側もやるかもしれませんが、どちらかというと動脈側の話ですので、ここも少し文言等をお考えいただきたく思います。
 最後です。9ページの7行目、8行目辺りで、いわゆる「このほか、危険・有害物質の含有情報等の必要な情報が動脈側から静脈側にスムーズに伝達される必要がある」とありますが、これはもちろん当然していただきたいのですが、今後、逆に静脈側から再生材のところが重要になると思いますので、そこを認識するために「静脈側から動脈側へも」と書いていただくと良いと思いました。
 以上3点でございます。お願いいたします。
○酒井小委員長 ありがとうございます。関口委員、お願いいたします。
○関口委員 ありがとうございます。
 私も大筋として、今回の論点整理には賛同したいと思います。特に脱炭素型資源循環システムの構築に向けて、産業側としても、様々な取組が展開できるようにビジネス環境の整備が非常に重要だと考えております。今後の課題にも記載されておりますとおり、制度的・予算的な対応についての具体化を、ぜひスピード感を持って進めていただきたいと思います。また、先ほど崎田委員がおっしゃったことと重複しますが、今後の人口減少を見据えた中で、地方自治体による広域連携の強化は、ビジネス環境を整えるという視点からも極めて重要だと考えます。
 自治体の負担軽減とビジネス環境の整備は、十分に両立するテーマだと思いますので、環境省におかれても、関係省庁等の連携を深め、ぜひ具体的な施策の検討を進めていただきたいと思います。
 その上で、個別の論点になりますが、3点ほど意見を述べさせていただきます。
 1点目は、この資料の中に再生材という言葉が散見されますが、実業を担っている立場とすると、再生材の定義は意外に難しいというのが実感です。卑近な例を引いて恐縮ですが、我々、非鉄金属製錬業の場合、天然資源とともに、リサイクル原料と称しております再生原料の両方を処理してメタルを精製しています。
 受入側では、天然資源とリサイクル原料との分別はきっちり行いますので、品質、物量面の情報は把握していますが、できるだけ均質な原料を処理しなければいけないという生産上の制約がありますので、天然資源とリサイクル原料を混合して、処理をするというのが実態です。これは日本の製錬会社だけはなくて、世界中のほぼ全ての製錬会社が同じように操業をしております。
 したがって、非常に厳密にトレーサビリティーを追求していくと、何が再生材になるのか疑問が生じます。例えば、ある工場から出てくるメタルの15%はリサイクル原料由来であるということは言えますが、実際に特定のメタル自体が100%リサイクル原料由来であるということは言い切れない事態も生じます。このような現実があることを踏まえ、再生材の利用促進というキャンペーンを張る場合には、十分留意をしていただきたいと思います。
 2点目、資料中に記載もございますが、パフォーマンス評価の中で、今後、資源循環を進めれば進めるほど廃棄物の総量は減る一方、非常に取り扱いの難しい有害廃棄物の割合は増えてくることが予想されます。このため、循環経済促進の反面として、自然環境の保全という観点から、有害物質の制御に関するパフォーマンス評価も、温室効果ガスの排出量と同様、あるいは、それ以上に重視されるべきであると思います。
 最後に3点目、国際的取組の中で書かれておりますが、不適切な処理を前提とするために、リサイクル原料の経済的価値が上がって国外に流出してしまっているという事例が見られます。既に日本の場合は非常に優れた技術、設備、ノウハウを有していますので、ぜひ大いにPRをしていただき、ASEAN諸国等が日本をより信用して、日本に任せようといった機運を醸成する取組を、外交交渉を含めて進めていただきたいと思います。これはお願いでございます。
○酒井小委員長 関口委員、ありがとうございました。大塚委員、お願いします。
○大塚委員 3点ほど申し上げたいと思います。
 私もこれについては基本的に賛成です。どうもありがとうございます。
 今までの委員のご指摘の中で、粟生木委員がおっしゃった取組のタイムラインを示していただきたいと思いました。また、高岡委員がおっしゃった再生材の国内確保も大賛成なので、ぜひ入れていただければと思います。
 私自身の追加的な意見ですが、一つは分別も大事になるという話を8ページの下から5行目に入れていただいき、とてもありがたかったのですが、プラスチックに関して、今後どのようにしていくべきか、今回はこれ以上書いていただくことではないかもしれませんが、環境省は何かもしお考えがあればお示しいただけるとありがたいです。再生のプラスチックを、今後自動車をはじめとして再生材としていろいろ使うことがEUとの関係で既に求められています。分別にも影響すると思いますが、昔からPPとかPEとかPSとかというふうに分けないといけないかという議論もしていましたし、工学的にソーティングセンターとかで分けられなくはないかと思いますが、環境省で何かお考えになっていることがおありでしたら、教えていただければとありがたいというのが第1点です。
 それから、第2点です。四つの類型は、私もどれも大事だと思いますし、大変よろしいかと思います。特に1番のものは、今、EUとの関係も含め、産業界でも焦眉の急となっているので、動静脈連携は極めて重要であり、動脈で何を使うかを考えて、その関係で静脈のほうで対応するという姿勢が重要になっています。既に書いていただいていますが、強調しておきます。
 第4の高度な分離・再資源化技術も極めて重要なので、これも今後こういった体制を進めていくことが非常に重要だと思っています。
 もう一つだけ申し上げておくと、非鉄金属との関係でご指摘いただいたことは、私もそのとおりだと思います。今回、ネイチャーポジティブや脱炭素化との関係での指摘が多いですが、
化学物質政策との関連は必ずしも多くはないということがあります。昨日の総会でもお話ししましたが、9月にICCM5という化学物質関係の国際会議で、SAICMの後継であるGlobal Framework Chemicalsから、GFCという枠組みが出ました。そこで安全で健康的かつ持続可能な未来のために化学物質や廃棄物による悪影響から解放された地球というのが掲げられていまして、化学物質政策とも大いに関連しますので、その手の記述はどこかに入れていただくと良いことを申し上げておきます。
つまり、脱炭素化及びネイチャーポジティブとの関係の記載は多いですが、化学物質政策との関係が薄いような気がしますので、そこは政策間の連携も極めて重要だということを申し上げます。
内容については賛成でございます。ありがとうございました。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、ほぼ全員からご意見をいただけたかと思います。この後、一回、環境省のほうにマイクをお渡ししたいと思いますが、その中で、委員の中で意見として出てこなかった観点だけ一つだけ私も質問いたします。
 背景の経済安全保障、3ページのところなんですけれども、重要鉱物の観点で整理いただいていますが、経済安全保障という意味では、食料やエネルギーという観点は今後非常に日本にとって重要になると思いますので、今回の制度に直接は関係するところはあまり強くないかもしれませんが、3ページの経済安全保障というパラを立てて設備する限りは、少し幅広にここはまとめておいたほうがよいと思いますので、あえて発言させていただきました。
 すみません。お一方、指名を滞っておりました。曽根川委員、お願いいたします。
○曽根川委員 曽根川でございます。
今回で4回目でございますが、毎回たくさんの資料のおまとめをされ、準備、整備していただきまして、御省のご担当者様のご労苦に対しまして厚く御礼感謝申し上げます。いつもありがとうございます。
 また特に今回、適正処理の重要性について記載していただきましてありがとうございました。
 私どもとしましても、廃棄物を取り扱うに当たりまして、適正処理の確保を通じた生活環境上の保全、公衆衛生の確保が最重要な視点であると思っております。加えまして、一般廃棄物処理は、その公共性から継続的かつ安定的な適正処理の確保が極めて重要でございます。
 私どもは地域に根差した専門企業集団として、環境への負荷の低減、資源循環、脱炭素を図るために、食品リサイクル事業、容器包装プラスチック資源循環促進等、各種リサイクル事業に積極的に取り組んで、地域の環境保全の地域創生に一層の貢献をしてまいりました。
 日本が直面する人口減少や高齢化、都市への人口集中、地方の衰退などの構造的な問題、課題と向き合いまして、社会の要請にしっかりと応えるという観点から、今後の課題として、今回整理されました点については、私どもとしましても、時代の変化に対応した社会課題の解決に向け、しっかりと協力させていただきたいと思いますし、賛成でございます。
 脱炭素型の資源循環システムのイメージにつきましては、特に官民の連携処理システムの事例を挙げていただきましたように、私どもの目指す地域の環境の保全と地域創生という思いの下で、これまで全国津々浦々で市町村行政に積極的に協力いたしまして、ごみ、し尿、生活排水の適正な処理について地域の最前線で、住民の安全・安心で清潔、快適な生活基盤の確保に奮闘してまいりましたので、そういったまさに現場を含めた経験を踏まえまして多々活躍できる場面がございますのではないかと考えております。
 皆様が今回のことで力を合わせ協力して、未来の子どもたちのために、さらによりよい環境を残していただく努力が大人の責任であると感じております。
 重ねてのお願いでございますが、私どもの会員の中にも、これまで各種リサイクル事業を営みまして、志の高い処理を行い、再生資材を生み出すノウハウを持つ会社も数多くございます。検討されている国における認定の詳細な制度改定設定に当たりましては、そういったこれまでの成功している取組の中で、誠実に真面目な既存の事業者の活用をぜひご考慮いただき、検討を進めていただければと思っております。
○酒井小委員長 曽根川委員、どうもありがとうございました。
 それでは環境省にマイクを回します。お願いします。
○松田廃棄物規制課長 委員の皆様から概ね賛同していただいて、大変ありがたく思います。まだ論点整理ということで、まだまだ不十分な部分もございますので、本日各委員からご指摘があった点については、しっかり我々も受け止めて、取りまとめの案をさらに作っていきたいということを、まず述べさせていただきます。
 最初に、追記についての具体的なご指摘が末吉委員や崎田委員、高岡委員、また酒井委員長からもお話がございました。この点は、まさにご指摘、ごもっともなのかなと思いますので、今日いただいたご意見を踏まえ、具体的なレポーティングを進めていきたいと思います。
 また、いろいろな論点についてご意見をいただきましたが、まずは資源循環システムについて、非常に数多くのご意見をいただきました。岡村委員や関口委員からもお話がございましたが、できるだけ使い勝手のいい制度にというご指摘もあれば、三井委員や曽根川委員からの適正処理をしっかり確保した仕組みをという意見もございました。
今までの廃棄物処理法に基づく規制という部分について、これまでも広域認定制度なり再生利用認定制度等がありましたが、こうしたものも参考とし、適正処理を進めるという部分で必要な規制は適用した上で、手続の迅速化できるような仕組みをしっかり考えてまいります。
 一方で、三井委員からもお話があったように、既存の認定制度では認定することが目的になっており、実際使われていないという指摘は、正直なところあるのかなと思うところもありますので、この点、既存の制度の運用も見ながら、どういった制度設計をしていくべきか、今後しっかり考えていかなければならないと思った次第です。
 また、情報についても非常に多くの委員の皆様からご指摘がございました。この点について、崎田委員からも、情報の連携において電子マニフェストの活用についてご指摘がございました。この点についても、既存のシステムについて、どのような仕組みに変えていけば、より今回の提言案を踏まえた中身にできるか、我々も考えていきたいと思います。一方で、既存の帳簿の情報の活用というものもありますので、この点について事業者の負担も考えながら、中身について考えていきたいと思います。
 加えまして、武本委員より、「さんぱいくん」や電子マニフェストシステムについての連携がまだまだ不十分ではないかというご指摘もありました。この点については、我々もこれまでも改良は続けてきているところではありますが、ご指摘は我々も理解いたします。今回、パフォーマンスの評価という部分の中で、まさにこのような情報が非常に重要となりますので、どのような連携ができるか、先ほどの制度設計と併せてしっかり考えていきたいと思います。
 人材についてのご指摘もございました。この点については、まさに市民の皆様、消費者の皆様、あと生活者というふうな形にするかどうかというところは、我々も言葉の定義はよく考えていきたいとは思います。そういった方々への、分別の徹底、再生品の活用、こういったものについての普及をしていくという部分での人材の教育、といったことも進めていかなければいけないと思います。また、肝心な処理業者への教育といった点についての全体の底上げや、動脈企業と静脈企業の連携をしていく中核的な企業を育てるための人材育成、これらはいずれにしても必要であろうと思いますので、業界団体の皆様と、どのような人材育成ができ得るか、考えていきたいと思います。この点も今後の課題の中にしっかりメンションしてまいります。
 また、COの削減の部分の記載や有害物質の記載についてのお話もございました。COについても、この点についても評価をできるような仕組みをしっかり考えていきたいですし、有害物質についての記載も、今回記載をしている部分については、動脈側から静脈側に対して有害物質についての情報提供を記載しているにとどまっていますので、その点について、再生材の中に含み得るものについての情報の共有をどうしていくか、中身を考えてまいりたいと思います。併せて、政策的に言えば、こういった有害物質を含む廃棄物については、適正処理を進めていかなければいけませんから、その点をどこに記載をするか、我々もよく考えていきたいと思います。適正処理の過去の中で有害物質の規制、適正な処理を進めていくということ、あとは最終処分量についてはこれから減っていきますが、そういった有害物質を含むものを適正に最終的に処分するには、最終処分場が必要な基盤になりますので、そういったことも含めた形の記載というのをどこかにしなければならないと思います。
 廃棄物の輸出についての記載のご意見もございました。この点について、我々もしっかり受け止めて、今後、例えばASEAN地域からの日本への資源循環を進める政策も考えていきたいと思います。
加えて、動脈側の取組という部分について、現在経産省でも様々な議論を進めておりますし、経産省と環境省で連携して、パートナーシップの創設もやっていますので、そういった連携について、今後の課題に触れるような形にしていきたいと思います。
 今後の取組と、タイムラインという話もございました。この点については、基本的には循環経済工程表に書かれているタイムラインが大きなフレームでとなります。その中で政策ツールが実現できそうなものになったら、そこから実行するのだということで、我々としてはできるだけ速やかに、今回の委員会での提言を受けた内容について、例えば、制度的な対応や予算、その他の様々な政策ツールが用意できたら、そこから実行していくという腹積もりで進めていきたいと考えております。
 文言としては、まだまだ練れていないところがあり、例えば、動脈産業や静脈産業など、少し乱発ぎみに書いているところがございます。この点、それぞれに関わる企業の方にも配慮をしつつ、どのような用語の使い方をしたらいいかを考え、修正させていただければと思います。
 ひとまず私から概括的にお話しさせていただきました。
○環境省 事務局でございます。
ご指摘いただいたところでは、大塚委員より、環境省はプラの関係では何をしているのかというご指摘をいただいております。弊省では、プラ新法に基づきマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを進めるために取組を実施しており、必要な設備導入支援等を行っております、そうしたことは今後も引き続き重要であると思いますし、今後、動静脈連携が大事なところだとも思いますので、どのような連携の仕方があり得るか、引き続きプラの文脈でも考えていく必要があります。
 末吉委員からいただいた活性化の雇用の話や、粟生木先生からいただいたネイチャーポジティブを見据えた話等は、これから追加させていただきます。
今回、論点整理の中で抽象的なところもございますので、効果や具体的な指標があるのか等個別にご指摘いただいたところについては、記載を充実させていただいて、次回に臨ませていただきます。
 私のほうからは以上です。
○環境省 続きまして、事務局でございます。
 岡村委員からいただきました四つの類型ですが、この中の基本的な方向性というのは、今回の論点整理の中でお示ししたようなところになります。もちろん、その中身を今後検討する中で、柔軟に記載を踏まえた検討としていきたいと思います。
 具体的に三井委員から、例えば、単一素材であって、自治体で処理が難しい廃棄物等を対象に考えるべきではないかとか。曽根川委員からは、これまでのリサイクル法に基づく処理をされているような方々、こういった方々の知見も生かせるのではというお話もいただきました。具体化する中で、皆様のご意見もお伺いしながら、検討を進めてまいりたいと思います。
 また、関口委員からいただいた再生材の定義は、ご指摘のとおり大変難しいと思いますけれども、再生材の定義は物によってかなり考え方も変わると思います。金属系はそうですし、またプラスチックも同様の状況があると思います。どういったものを対象にし、また、今回のパフォーマンス評価の中でも、このような循環性をどう考えていくかという中で、再生材の定義の問題と同じような問題に当たると思いますので、この辺りを場合分けしながら考えていく必要があると思います。
 また、大塚委員からいただいたプラスチックの今後に関するお話ですが、三井委員からも自動車が先行し、そのプラをどのように回していくのかという話がございます。3Rの優先順位に基づき対応する中で、どういった需要があって、その需要をどう応えていくのか、また、そこから漏れたものをどうカスケード的に利用していくのかという検討も、より関係省庁とも連携しながら考えていく必要があります。この辺りも具体化をする中で関係者の皆様のご意見を聞きながら進めていきたいと思います。
○酒井小委員長 多くの意見に対して、環境省の松田課長を含め3名の担当から的確にほぼお答えいただいていると思います。これをお聞きして、どうしてもという方があれば、ご意見を聞きたいと思います、どなたかございますでしょうか。
(意見なし)
○酒井小委員長 先ほど、松田課長のほうからタイムラインに対して速やかに実行、制度、予算を含めてという非常に心強いご発言がございましたので、ぜひその方向で期待をしたいと思います。
今回、その辺りに関しては、ユースケースとして活用というアプローチ、若干言葉としてもまだ分かりにくいところもありますから、ある意味、先行実施のような頭の体操的なシミュレーションが相当重要なフェーズが出てくるかと思いますので、ぜひ、速やかに実行という方向に行っていただければと思います。
それは特に、大塚委員から話のあったプラの選別、分別といったところでの現在にも関係しますが、素材ごとの分別や選別、あるいはその中で有害物質をどう考えるか、技術開発的にも、今後同時進行で進めていかねばならない課題というのが相当含まれていると思います。
そうした点を含め、相当チャレンジングな課題ということで、環境省、そして政府は取り組んでいっていただける、そういう場面に徐々になってくるのかなと思いますので、今後期待をしたいと思います。
今日いただいたご意見を踏まえまして、取りまとめの論点整理の報告書の作成に向けて、事務局内で引き続き検討を深めていただければというふうに期待をしております。
それでは、今日の用意いただいた議題の1については終了したいと思います。
議題2、その他、何かございますでしょうか。
○松田廃棄物規制課長 特にございません。
○酒井小委員長 それでは、本日の議事は以上といたします。進行を事務局にお返しいたします。
○松田廃棄物規制課長 皆様、ご審議、ありがとうございました。
 次回の小委員会につきましては、事務局から改めてご連絡させていただきます。
 以上で本日の小委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
午前11時59分 閉会