静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会(第3回)議事録

開催日時

令和5年10月26日(木) 14:00~16:00

開催場所

対面会議及びWeb会議を併用し実施

議題

① 情報を通じた主体間の連携 等
② その他

資料一覧

【資料1】委員名簿
【資料2】
情報を通じた主体間の連携/国際資源循環

議事録

午後2時00分 開会
○松田廃棄物規制課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会を開催いたします。
 最初に、進行を務めさせていただきます廃棄物規制課長の松田と申します。よろしくお願いします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。今回は前回と同様に、対面とオンラインでの実施となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 会議の運営についてのお願いでございますけども、会場でのご出席者の皆様は、ご発言される場合は名札を立てていただきまして、また、オンラインでのご出席者の方は、挙手ボタンでお知らせいただきまして、小委員長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。
 会議の模様につきましては、事前に公表しておりますとおりYouTubeでの同時配信により公開をしております。
 開催に当たりまして定足数の確認をいたします。本日は委員総数17名のところ、現時点で15名の委員の方にご出席いただいております。小委員会として成立しておりますことをご報告させていただきます。
 次に資料の確認でございますけども、資料につきましてはお手元の議事次第と配付資料1と2ということで二つございます。資料は事務局にて画面に投影しますけども、必要に応じてお手元の資料、または事前にお送りしたファイルをご覧いただければと思います。
 それでは、以降の進行は、酒井小委員長にお願いしたいと思います。
 本日、酒井小委員長はオンラインからの出席ということでありますけども、どうかよろしくお願いしたいと思います。
○酒井小委員長 承りました。
 本日は会場参加の予定でしたがオンライン参加に変更させていただきました。事務局との意思疎通が少々悪くなるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。
 それでは、早速、第3回静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会の議事に入らせていただきたいと思います。
 一つ目の議題、情報を通じた主体間の連携等に入ります。それでは、事務局から説明をいただき、説明終了後に質疑、そして審議を進めさせていただければと思います。よろしくお願いします。
○環境省 環境省廃棄物規制課の栗栖と申します。よろしくお願いいたします。
 資料2に従いご説明いたします。第2回までで脱炭素型の資源循環システムの類型等をお示しましたが、第3回目では、情報を通じた動静脈を含めた主体間の連携、及び国際資源循環についてご説明させていただきます。
 最初は、情報の観点から、事務局として考えております基本的な方向についてのご議論をお願いしたいと思います。
 1ポツに書いておりますとおり、世界的に気候関連情報のニーズがあります。また、欧州での資源循環に係る様々な法規制や、あるいはISOの中でも循環経済というのが取り上げられるといったことを考えると、やはり廃棄物を考えるときにはトレーサビリティが非常に重要であろうと考えられます。そういったトレーサビリティの情報などを通じて、主体間の連携の強化を図る必要があると考えています。
 その情報について考えたときに、こういった情報が今後必要なのではないかという、三つのパターンを準備しております。
 一つ目が、マッチングのための基礎的な情報ということで、下の絵の中にも書いてございますけれども、排出者と静脈産業、それから静脈産業と動脈産業、もちろん場合によっては排出者が動脈産業を担うこともありますが、このような異なる主体間で基本的な情報をやり取りし、これによりマッチングを促すことができると考えています。
 そういったマッチングを経た上で、それでは進めていこうとなったときにバリューチェーンが形成されます。すると、その中ではより詳細な情報が必要となります。さらに、そうして出来上がったバリューチェーン全体で脱炭素や資源循環を達成していこうという目標に対してどういったようなパフォーマンスを上げているかという、全体のパフォーマンスを見る情報が大事になります。
このように、三つに分節化をして整理をしています。
 このページでは、その情報を把握することで可能になることや、狙える効果として考えているものを、お示しをしています。主体間の連携はもとより、パフォーマンスを明らかにすることで、例えば動脈産業なり静脈産業なりの目標設定や、あるいは企業価値の評価や、前回ご議論をいただいた国による取組の認定を考えますと、そういった様々な場面で使えるのではないかと思います。また、このような情報を透明性高く公開することで、事業者の皆さんにとっても、自分たちの事業活動について改めて気づいていただき、排出をする際の分別や、あるいは製品の設計等にも反映することにもつながると思います。さらに、そのような情報があることで、国民の皆さんも、再生材をきちんと選び利用することにつながるのではないかと思います。こういった効果を期待して、情報の活用を進めたいと考えています。
 その際の課題として、ここに二つほど挙げております。ほかにもあるとは思いますけれども、例えばということで挙げております。プレーヤー間の貢献度、後ほどご説明をさせていただくようなプレーヤーでどうやってその貢献を分け合うかといった議論もあると考えておりますし、またバリューチェーンに関連するところですので、機密情報をどう取り扱っていくかといったようなことも非常に重要な検討課題であると思います。
 ここからは、先ほど①、②、③と幾つか文節化をしてご紹介をしましたそれぞれの情報ごとに、こういった方向で今後取組を進めていってはどうかということをご紹介いたします。
 一つ目が、排出者と静脈、あるいは動脈と静脈、そういった異なる主体間でのマッチングのために必要な情報を作るものでございます。例えば電子マニフェストを含めたマニフェストの情報や、既に廃棄物の処理業者さんが作っている帳簿の情報、あるいは既に自治体や処理業者の情報が登録をされているプラットフォーム等も、国で整備をしているものがありますので、そういったものの情報、それから、再生材の需要と供給に関する情報、例えばどういう量で、どういう質のものがあるかといった情報を再整理し、動脈企業がその情報にアクセスすることで、再生材を必要とする動脈企業と静脈企業とのマッチングを促してはどうかということをまず考えてございます。
 それに加えて、そういった情報を出すことで、静脈企業同士の連携にもつなげていってはどうかと考えています。そのための具体的な取組といたしまして、事業者の方の負担を可能な限り軽減しつつするために必要な情報、例えば廃棄物の処理の方法や再生材の供給量といったことを既に整理がされている帳簿の情報や、あるいは電子マニフェストの情報などを活用し、そういった情報を得ることができないかと考えておりますので、こういった既存情報活用によるマッチング支援をやってはどうかと思っております。
 こちらの資料では、例えば既存情報として二つご紹介をしておりますけれども、上に書いている産廃の帳簿、それから電子マニフェストといったものを活用することが可能なのではないかと思っています。
 以上が一つ目の類型の、マッチングに関する情報でございます。
 この7枚目の資料からはバリューチェーンでの情報の流通というのを促すための施策ということで整理しております。
 既に委員の皆様にはご案内のとおり、欧州のほうではデジタル製品パスポートなどの検討が進められていると承知してございますし、また、我が国でも内閣府の総合科学技術イノベーション会議の下でSIP戦略的イノベーション総合プログラムということでサーキュラープログラムを取り上げていただいておりまして、その中で、こうした情報のやり取りについてもご議論をいただいていると承知しています。
 そうした状況を踏まえつつ、生活環境の保全ですとか、あるいは再生材がしっかりと流通していくことを進めて行くことを考えますと、トレーサビリティが非常に重要であるのだろうと考えてございます。このように海外動向やトレーサビリティの重要性等を考えますと、既に先ほどのページにありましたように、70%以上の普及率の電子マニフェスト情報というのは一つの重要な情報源となり得るのではないかと考えております。
 したがいまして、そうしたバリューチェーンでの情報の流通をよりハードルを下げていろんな方にできるようにしていくために、国内外での情報の収集を行い、我々も知見を集め、また、海外の動向などを把握して、手戻りがないようにやっていく必要があると思っておりますけれども、そうした情報の収集を行いつつ、情報の収集の過程で必要な情報の質や量がさらに必要だというふうなことであれば、その高度化とか、あるいはそのシステムを連携していく必要があるということであれば、それをどうやって実現するかという技術的、あるいは制度的な検討をこれから行っていく必要があると考えています。こちらが二つ目の類型となるバリューチェーンでの施策に関してです。
 続いて、パフォーマンス評価と記載しておりますけれども、システム全体の中で、例えばカーボンニュートラルですとか、あるいは資源循環、こういったものにどういった効果があるかというところをきちんと捉えていこうというもの、パフォーマンスを把握していこうという情報でございます。
 そういった資源循環システムの、ここではカーボンニュートラルをまず一つ目として取り上げさせていただいておりますけれども、もちろんGHGの排出量とか削減量とか、そういった情報は非常に重要だと思ってございまして、また動脈企業のほうからもSCOPE3対応ということで非常にニーズも高いというふうに思ってございます。
 このような算定を行うためには、バウンダリの確定が必要であることや、パフォーマンス評価を今後目標や国による認定などに使う際には、どういう目標を作るか、削減量なのか、あるいは原単位目標なのかといったことも整理が必要と考えます。あるいは削減貢献量といったものありますので、そういうものをどのように算定するかという考え方を整理することが大事であると考えています。
 下の図はイメージですが、排出量と削減量のそれぞれの出し方のイメージを記載しております。こうしたベーシックな情報から、きちんとルールを決め、このパフォーマンスがどれだけ達成されたのか、見ていただくことが大事であると思っております。
 そういったCOの排出量につきまして、既に様々な場面で国・自治体、それから廃棄物処理業者が算出しています。。例えば、温暖化対策推進法の算定報告制度の中でも、温室効果ガスの排出量を出していただいたりしていますので、こういった既存のものを我々としての出発点として、どのような算定をするのが良いか考えてまいりたいと思います。
 そうしたときに一つ課題となることとして、貢献の分け合いといったことについて、これから議論を深めていかなければならないと思ってございます。
 一つ目の上に書いてあるように、資源循環の取組を進めるとなると、事業者の視点で見た時には、例えば新たな設備導入を行うといったことになりますので、GHGの排出量が増えることも当然想定されます。
 他方で、サプライチェーン・バリューチェーン全体で見た時にCOが削減されることを、我々としても目指しておりますので、そういったサプライチェーン全体での効果をどのように把握をしていくかを考え、きちんと決めなくてはいけないと思っております。
 その際には、当然、自社のデータだけでは情報が不足しますので、バリューチェーンの中で様々なデータをやり取りし、サプライチェーン全体、あるいは個社でのそれぞれの削減といった状況を把握していくことが重要となります。
 このような話は、スライドの下にも記載しておりますが、既に温室効果ガスの分野では先行して議論を進められていると承知しております。リサイクルプロセスにおけるサプライチェーン、再生材も含めてどう評価していくかということの基本的なガイドラインは、既に出されておりますので、こういったものも参考にしながら、例えば今回、我々の認定で使ったり、あるいは各事業者が目標設定に使っていただいたりする指標を作っていただくために、有効な考え方をお示しする必要があると考えております。
 これはご参考ですが、本小委員会の親部会の循環部会の中でも、以前もこういった資源循環による環境貢献を評価できる指標設定が課題として残っておりましたので、そういったものに対応するものと考えております。
 続きまして、パフォーマンス評価の温室効果ガスとは別に、資源循環への貢献もやはり把握をしていく必要があると思いますので、それに関してご説明をさせていただきます。
 こういった資源循環に関する指標につきましては、既に今年のG7の環境大臣会合の中でも、CEREP「循環経済及び資源効率性原則」が承認・採択をされております。その中で、太字で書かせていただいているような、バリューチェーン全体での循環性や資源効率性の進捗を、特定された関連指標に基づいてモニタリングし把握するといったことが、この原則によって定められているという状況です。
 国レベルでは、ご案内のとおり、既に右の表で書いておりますような国全体のマテリアルフローを考えまして、入り口と出口、それから循環といったことで指標化されているという状況がございます。
 したがいまして、こういった国全体での指標や考え方ももちろん踏まえつつ、資源循環の貢献をどうやって定量的に評価するかということを整理していく必要があると思っています。その際には、今、議論をされている循環経済に関するISOの議論というのも参考にしながら、こういった循環度を計る指標というものを考え、企業の皆さんの目標設定や、あるいは国による認定といったものに活用していくことが大事であると思っております。
 そういった指標は、先ほどのISOのみならず、民間の団体でも既に走っておられるものもあります。WBCSDが作るCTI、「Circular Transition Indicators」といったものもございます。具体的には16ページのようなマテリアル・サーキュラリティや水のサーキュラリティ、あるいは自然のインパクトまで、様々な指標がございますので、こういったものも参考に考えていく必要があると思っております。
 同じくエレン・マッカーサー財団も、同じようなサーキュラーエコノミーに関する指標というのも作られています。こちらは、8月31日以降、新しい提出は受け付けられていないと承知をしてございますが、その考え方を含めて、参考となるところはあると思いますので、ここに18ページのような指標も参考にしながら、資源循環に関するパフォーマンスを示すような指標を考え、それを出していただくことを進めていってはどうかと考えております。
 そうした指標を考える際にも、温室効果ガスの場合と同様に、循環度の高まりに対する貢献を、どうやってバリューチェーンの中で分け合うかという話はやはり発生すると思われます。我々の問題意識という形で記載しておりますけれども、下のようなケース、例えば左のような中間処理業者が選別と破砕をして、それを60トンと40トンに分け、さらに破砕して出たものについて、最終処分なり、あるいは動脈企業に返すようなフローを考えたとき、動脈企業に渡すのは②の事業者ですが、①の事業者も何もやっていないわけではないので、そういった貢献具合をどのように評価すべきか、考え方が必要だと思います。そういった問題意識はGHGと共通するところあろうかと思いますので、GHGの検討状況を見ながら、こういった取組の評価をどうするか引き続き考え、それを認定などに活用してまいりたいと思ってございます。
 最後、まとめですけれども、マッチング、バリューチェーンでの情報流通、それからパフォーマンス、それぞれ今ご説明させていただいたようなことを書いておりますが、簡単に申し上げると、1番のマッチングについては、いろんな情報を出していただき、再生材の需給のマッチングや個々の企業間のマッチング、あるいはそれを通じた案件形成といったものにつなげていく仕組みや場が必要であると思っております。そういった取組を進めていきたいと思います。
 それから、バリューチェーン全体ですと、電子マニフェストや帳簿の情報等もありますので、そういった既存の情報をできるだけ活用しながら、どのようにバリューチェーンでの情報連携を強化していくか、考えなければならないと思います。また、パフォーマンス評価についても、様々な考え方の整理、そもそもの算定方法から、それをどのように配分していくのか、こういった議論はやはり引き続き行っていく必要があると考えてございます。
 以上が情報に関するご説明です。
 次からは国際資源循環というところで、国際関連のお話をさせていただきたいと思います。
 22枚目のスライドは、もうご承知のとおりですので簡単に説明申し上げますが、EUでは重要原材料法案や、バッテリー、あるいはELV等々、様々な取組が進められています。こういった循環経済に関するEU内でのルール形成が、我々にも影響してくることは当然考えられますので、対応が必要であると考えています。
 EUだけではなくて、バーゼル法、バーゼル条約の中での対応が発生している状況があります。有害性にかかわらず、e-wasteの輸出入について手続を必要とするような、こういったような改正もされたという状況ですので、こういったEUなり、バーゼルでの条約なり、そういったものも踏まえて、我々の今後の対応を考えていく必要があると考えています。
 今後の対応といたしまして、1枚にまとめております。まず、バーゼルのe-waste改正につきましては、今後、改正のe-wasteエントリーというものを省令の中にきちんと反映することですとか、あるいは規制対象の判断の基準となるようなガイドラインを作るとか、また、水際では税関との連携を強化していくとか、こういった体制をこれから進めていく必要があると思います。
 それから、国内への輸入促進という点から考えますと、これは、経済安保といったものを考えての話になりますが、我が国と結びつきの強いASEAN各国からのe-waste等の国際リサイクルを進めていく必要があります。そういったASEAN各国でのキャパ・ビル、制度構築支援、能力強化といったことは引き続き実施していく必要があると思っておりますし、制度的な対応としても、バーゼル法の認定制度を活用する等により、よりスムーズな輸入手続とすること、あるいは電子化を進めるように検討する等の取組を進めていきたいと考えています。
 最後、再生材のところも、先ほどEUの状況を申し上げましたが、やはり再生材のニーズが非常に高まっていますので、再生材を我が国でもきちんと供給できる体制をつくることが大事であると思っておりますので、しっかりやりたいと思ってございます。
 駆け足でしたけれども、私のほうからの説明は以上でございます。
○酒井小委員長 栗栖補佐、どうもありがとうございました。
 それでは、ここまでの説明に関しまして、ご質問、ご意見を承りたいと思います。先ほどご紹介がございましたけど、会場の方々は名札を立てていただく、そしてオンラインの方は挙手ボタンでの意思表示をよろしくお願いいたします。
 まず、室石委員、お願いいたします。
○室石委員 室石です。今回、最初のページ3辺りですが、情報開示については、静脈側だけではなく排出者側や動脈側等、みんなが開示していくという概念図になっており一安心しました。静脈側としては、製品の原材料、その配合割合、廃棄物の基礎情報や、どのような再生資材を欲しているか等、いろんなものを知りたいというのがございます。そのような情報が融通されてこそ、動静脈の連携もうまくいくだろうと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 また8ページの辺りですが、SCOPE3への対応等、今後必須と思っている静脈側の業者も非常に増えており、その算定方法や業者のDX化対応、SBT認証の対応等、いろんなことへの技術的・財政的な支援をお願いしたいと思います。
 また、プレーヤーの貢献度という単語もございましたけれども、資源循環もそうですし、GHGの排出も評価していくということで、様々な物の流れというのは非常に複雑なケースも多いので、そういった複雑な流れをしっかりと想定して、評価のやり方を考えていただきたいと思います。
 最後ですけども、優良事業者制度というのをせっかくつくっていただいているので、こういう情報公開の場面でも、優良事業者に何かメリットがあるような制度構築をお願いできればと思いました。以上です。
○酒井小委員長 室石委員、ありがとうございます。
 それでは、オンラインで、あと関口委員、岡村委員まで進めさせていただき、その後、一旦会場の委員からご意見をもらい、オンラインの委員の方のご意見という順番で行きたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、関口委員、どうぞよろしくお願いします。
○関口委員 大きな方向性としては全く異論ございませんが、情報連携と国際資源循環に関して、留意すべきと考える点を申し上げたいと思います。
 1点目の情報連携についてです。本日の資料の中でも一部触れられておりますとおり、循環の裾野を広げていくほど、各企業において、技術的・営業的な機密情報に抵触するような場面が出てくるかと思います。機密情報の取扱いという非常にセンシティブな問題が関わってきますので、一概に情報を公開していくことは非常に問題があります。機密情報の取扱いについて、十分留意していただきたいと思います。
 あわせて、パフォーマンス評価、資源循環への貢献度評価について、例えば19ページに示されているように、一番分かりやすいのは物量の評価だということは理解できますけれども、マテリアルリサイクルが非常に難しい素材は多く存在します。物量だけではなく、マテリアルリサイクルに関する技術的な難易度をどのように捉えていくかは、一つの視点として欠かすわけにはいかないと思います。
 続いて、2点目の国際資源循環についてです。資料に記載のとおり、バーゼル条約への対応が第一義かと思いますが、国内に限らず、東アジア、東南アジアとの連携が、今後、非常に大事になってくると思います。国際連携の中での適正かつ円滑な資源循環という視点を中心に据え、ぜひ他国との協議を進めていただきたいと思います。最終的には、経済安全保障の観点から、希少鉱物、希少資源の獲得手段の多様化に結びつければ望ましいと考えております。
 以上でございます。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 岡村でございます。ありがとうございます。
 私も資料20ページに記載されている今後の検討の方向性について、基本的に大きな異存はございません。
 その上で、本日のメインテーマの一つとして示された「情報を通じた主体間の連携」につきましては、サーキュラーエコノミーの実現に向けて不可欠だと考えております。その際、動静脈の連携とともに、静脈と静脈の連携も重要です。静脈同士が得意な分野を活かしながら、効率的な役割分担を進めるという視点も大事にしていただければと思います。
 また、資源循環における温室効果ガスの排出量や、排出量削減効果の考え方をきちんと整理することも、やはり非常に重要です。再生材の利用などを通じて、どのようにSCOPE3の削減効果が上がっているのか、適正な評価が確立されることが非常に大事だと思います。社会全体でどの程度のGHGが削減され、静脈産業がどの程度貢献しているか、見えるようにすることで、サーキュラーエコノミーを通じたカーボンニュートラルの達成について、一般の方々からの理解も進むと考えます。
 最後になりますが、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルの実現のためには、資源循環がきちんと付加価値であると位置づけられ、製品・サービスの価格に転嫁できるようにすることが不可欠です。関わった事業者が、社会から適切な評価を受けて利益を得られることが非常に重要なポイントだと思いますので、ここは改めて申し述べさせていただきます。私からは以上です。
○酒井小委員長 岡村委員、どうもありがとうございました。武本委員、お願いいたします。
○武本委員 はい、ありがとうございます。
 まず、3ページのところで、情報を開示するのは良いと思いますが、現在、静脈産業が開示している情報が、果たして動脈産業が求めている情報を網羅しているかというと、足りていないと思います。優良事業者認定もありますが、やはりそこだけでは足りないと考えております。
 その指標の話も出てきていますが、それを一体数値で評価するものか、それとも、分析できる要素をどのようにしていくのか、特に非財務的な情報はどう評価するかという部分において、今後、どのような形で指標を作っていくのかも課題かと思います。
 4ページ目の共通の課題部分の機密情報の取扱については、動脈産業においてはブランド力の維持や、企業理念によるものの弊害が、結構大きい問題であるというのは感じております。
 あと、「さんぱいくん」や優良事業者認定もですが、現在あるのは会社情報とか許可内容、財務状況だけの情報なので、それが果たして動脈、例えばESG投資等、そういうものの影響を受ける際に、大手がほとんどだと思うんですけども、人権や安全性、職場環境の安全性などのリスクにおいての情報が全く網羅されていないことは見直す必要があると思います。
 再生材に関しては、情報公開されている部分もありますが、全体的にばくっとしたものでしかないので、例えば紙マニフェスト・電子マニフェストであれ、マニフェストの情報から得られる再生材の情報というのは金属くずが何トン、廃プラスチックが何トンというような情報しか公開されていませんので、それが果たして動脈産業側がどう判断して、再生材として利用していくかというところが少し足りないと思います。
 つぎに、パフォーマンス評価についてです。原料投入量は経産省の管轄でしか管理はされていません。環境省の範囲になると、廃棄量とか排出量になりますが、このようなつながっていない情報をどのように連携するかも、今後、ルールやガイドラインが必要であると思います。
 排出量等に関してですが、現在は、大手の企業しかデータを集めていないという現状があります。日本の9割が中小企業であり、やはり動静脈連携を進めていく上で、そういった中小企業に対してどう進めていくかというのは大きな課題と思います。
 また、コーポレートレベルで数値を管理できたとしても、現在、各事業者単位でしか公開はされていません。そのため、全事業から公開するということになれば、環境省としても、国レベルとしても、その情報をどう把握していくかという点では、現在エコアクションのような制度が環境省にはありますので、それをうまく活用していくのも一つかなと思います。
 各自治体の入札要件について、加点方式の中で、ISOのほうがどうしても加点が大きいところが多いのですが、エコアクションの場合、SCOPE2までが要求事項になっておりまして、それを活用することで、中小・零細も含めて、SCOPE1、2、3の把握が、今後新しい指標も作り加えながらとなりますが、負担なくできるようになると思います。
 ただ、エコアクションですら、マッチングに関して動脈産業が求めるレベルではないとは思います。ESGの観点から、環境に対しての数値といったものは把握できるとは思いますが、それだけでは足りないものもたくさんあるので、エコアクションの場合、2017年度版から更新されていないガイドラインも見直していく必要があると思います。
 また、一廃・産廃の話にはなりますが、一般廃棄物になると、地域性というものが関わってくるので、自治体との連携が必要になると思いますし、産廃の場合は、動脈も静脈もやはり全国チェーンの事業者や、広域処理が可能な事業者というようなものも入ってくるので、そこをどのように管理するかというところにもなると思います。
 最後に、国際資源循環ですが、輸出に関しては今もバーゼル法で厳しく規制されているものの、やはり抜け道というのはたくさんあります。そういったものをどう規制していくのか、逆に輸入に関しては、国内の処理フローに乗せるものをどう輸入していくかという点も気にしていかなければならないと思います。
 再生材の場合、日本で国内循環する上で、これから非常に大事になってくると思いますが、やはり中国等、海外に取られる可能性も現場としては危惧しています。そのため、経済性の保障はどうするか、どうしても国内で流通させるよりも海外に輸出したほうが高く取引がされるという場合は、事業者としては経済性を優先する可能性があり、国内で循環できるものも海外に出してしまう可能性もありますので、どう考えていくのかという課題もあると考えます。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○酒井小委員長 武本委員、ありがとうございました。所委員、お願いいたします。
○所委員 ありがとうございます。
 以前よりも今日の資料は非常に具体的になってきていますし、基本的な方向性には賛成です。
 既に委員からご意見があったものもありますが、私から3点、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目、データについてです。戦略的にデータを集めて、それを質のいいデータとして整備することで力をつけなければいけないというのは、この分野だけではなく、世界的に様々な分野で重要ですので、これは急いでデジタル化を進めなければならないと考えています。
 そういった意味では、電子マニフェストのデジタル化が77%というデータをどこかで見た気がするのですが、これは上げていく必要があります。また、その分母は影響の大きいマスに対して、、枚数当たりとお伺いしていたのですが、、枚数が大事なのではなく物量が大事だと思いますので、物量当たりのデジタル化の値が上がっていくように、急がなくてはいけないと思っています。
 その上で、データをどう整備し、活用していくかということですが、今までご意見が出ているとおり、適切な処理をきちんとしているということを確認するためのデータと、さらに、そこから戦略的にリサイクルからリソーシングへ戦略的に拡大していく、つまり、日本がこの分野で再生材の動脈産業となっていくためのデータは全然違うと思います。同じプラットフォームを使いながらも、オープンとクローズとをどう切り分けるのか、規制や義務の部分とそれ以外の部分を、戦略的にどう切り分けてどう活用していくのか、なおかつ、それがダブルスタンダードや、それぞれの目的が違うとやり方も違うということにならないように、手間ばかりかからないように、できるだけ共通したデータのプラットフォームが使える仕組みづくりが求められていると思います。これが1点です。
 2点目は、循環の評価についてです。やはり歴史的な、入り口、出口、循環の三つで評価するというところに立ち返り、もう一回考え直すことには賛成です。特に循環率をどう定義するか、これから状況に応じてよく考えていかなければならないと思います。そうしないと、COの削減、あるいは量の削減だけでは、正しい方向性を見誤る可能性があると思います。
 それから、3点目、国際資源循環に関してです。先ほどもお話がありましたが、国内でしっかりと循環すべきものは国内で循環しながら、国内で必要なものはアジア全域で戦略的に循環を考えることが非常に大事だと思います。そのときには、これから水際対策も含め、こういった物量のものを取り扱うとなると、ハブとなるデータセンターや港のようなものがこれから必要になっていくのではないかと考えており、今後、検討する必要がある気もしています。
 私からは以上です。
○酒井小委員長 所委員、どうもありがとうございました。末吉委員、お願いします。
○末吉委員 どうもありがとうございます。
 私からは、消費者に関する情報の活用について意見を申し上げます。
 3ページ目に書いてある排出者というのは、恐らく消費者もここに入ると思いますが、要はサーキュラーエコノミーを実現していくためには、消費者の手元にあるものをどう回収していくかということが非常に大きな鍵になると考えます。
 また、消費者にとっては、製品を使い終わった後に、どうリサイクル資源として出せばいいのか分からないものが多いということがあります。消費者に届ける情報として分かりやすくし、簡単に消費者が資源を出せるような仕組み、情報が必要であると考えています。
 それから、現時点では、サーキュラーを実現しているような商品かどうか、消費者が判断できる情報がほとんどありません。例えば、サーキュラーのものや、エシカルなものを価値として考えるような若い人たちが増えていると感じています。そんな中、若い人たちだけではなく消費者からの声として、そういった製品の選択肢がまだまだ少ないですとか、あるいはエシカルな製品かどうか、サーキュラーな製品かどうか、判断する情報がほとんどないといった声もよく聞きます。このため、情報の開示や、簡単に消費者が判断できるようなラベルというのも、今後必要だと感じています。
 当然、製品の背景を知りたいと感じている人たちの要求に、情報開示や、ラベルなどで応えていく必要はあると思いますが、多くの一般の消費者にとっては、例えばサーキュラリティの定量的なCOの削減効果などを知ることや、そういうリテラシーを持って買物をするというのは難しいと感じています。つまり、多くの人たちに細かい情報を全て知ってもらい、それを知ってもらった上で行動に移してもらうというのは、正直、全ての人にはというのはなかなか難しいところだと思いますので、そういったことも考えると、簡単にその判断ができるようなラベルが、やはり必要になると考えます。
 当然、我々も消費者教育を通じて消費者のリテラシーを上げて、意識や行動変容を促し、消費者の需要づくりを進めることが非常に大事ではあるとは思っていますが、全て消費者の肩に責任を乗せるのは限界があると考えていますので、やはり動脈と静脈がつながっていき、製造や流通の段階でサーキュラーの高いサプライチェーンを実現していくということが大きなインパクトを与えると考えております。
 最後に、武本委員がおっしゃっていましたけれども、やはり環境省と経産省の連携は非常に重要になると思いますので、情報の共有なども含めてぜひとも積極的に進めていっていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○酒井小委員長 末吉委員、ありがとうございました。粟生木委員、お願いします。
○粟生木委員 ご指名、ありがとうございます。
 私自身も、ここでご提示いただいた方向性に違和感等はございません。賛成です。その上でコメントと質問をさせていただきます。
 まず1点目として、国際資源循環のところで国内への輸入促進という議論がありました。これと、前半で議論した情報を通じた主体間の連携は少し関わってくると思います。やはりASEAN中心にサプライチェーンとしての関係が非常に深く、また、アジア中心に拡大生産者責任のスキームを使ったリサイクル制度等が整いつつありますので、こういったハード的な国際協力が廃棄物分野では盛んと理解していますが、この情報という観点でのソフト的な国際協力も、今後必要になると感じました。
 2点目としましては、情報連携で静脈側から動脈に渡すデータについて、どういったデータを取るかというデータの種類だけではなく、データの取り方とか、データを取るための手法にも注意が必要であると思います。
 静脈側には中小企業が多いという武本委員のご意見もありましたので、その中でどうやってデータを取るかという支援を、標準化やガイダンス等の様々な方法があると思いますが、考える必要があると思いました。
 最後に、全体的にリサイクル材、再生材を中心とした議論でしたが、例えば部品の循環再製造など、その辺に再生材の確保競争を回避できるような新たなビジネスモデルがあるとは思うのですけれども、そこの主体に対しては、どのような施策を今後考えられるのかなというところが一つ疑問に思ったというところです。
 製品のサービス化等もそういった再生材の確保競争の回避というところにつながるんですけども、ちょっとまたここにはなじまないのかなと思いましたので、部品の循環ですとか、再製造の点、お聞かせいただければと思います。
○酒井小委員長 粟生木委員、ありがとうございます。三井委員、お願いいたします。
○三井委員 ありがとうございます。廃棄物処理、リサイクルを行う立場から申し上げますと、3~5ページに書かれています動静脈連携では、製品の素材等の情報は、可能な限り開示をしていただきたいと思います。
 あわせて、我々、静脈側、リサイクル事業者側の情報も、もっと細かくどういったものをリサイクルしているかとか、その後、どういうふうなものに流れているかとか、処理能力は幾らぐらいあるのかとか、そういったことも含めて情報共有できるシステムを作っていただければと思います。
 前提に、一定の評価を受けた業者がそこに入ってくるということを必ずやった方がいいということを付け加えさせていただきます。要するに安心してお互いに情報共有できるシステムにしていただきたいと思います。
 2点目に、プラ原料の再生、製造という立場から申し上げます。再生材の活用の拡大ということが触れられております。このことは、私どもにとって非常に重要な部分であります。これが進むことで、私たちが日々作っている再生材の市場価値が上がっていくという意味で、私たちも積極的に参加していきたいと思っております。
 併せて、日々、再生材に適したものと再生には向かないものを目の当たりに現場で見ております。それを明確に、正確に、皆さんに情報を伝えながら、どうしてそのようなことになっているかという理由も含めて理解を求めながら、現場では、私たちはそれを見極める立場ということの責任を全うしてまいりたいと思います。
 3点目は、情報の整理というところです。先ほど動静脈連携の三つの連携がありましたが、私の立場から言いますと、ここに市民、行政、リサイクル事業者の三つの情報の整理や情報の開示が必要だと思っております。
 これをなぜ申し上げるかと言いますと、私は現在、8月から10月にかけて広島県内の10の市・町、山口県内の5の市・町の担当の行政の方と、プラ促進法についての取組を説明に上がっております。これからもまた続けてまいりますが、そういった中で、市民の方、あるいは行政の方に、例えば廃棄物をごみ発電・単純焼却・埋立てをするよりは、プラを材料リサイクルに変えるということが、どれだけCO削減に貢献しているのかという明確なデータは、なかなかありません。そういった内容もきちんと説明した上で、どうしてプラスチックをリサイクルに回すのかという大義名分が、当然必要になってきます。このため、ある程度市民の方が分かりやすい、こういう方法で計算した結果、これだけ排出量が減るんですという情報があれば、そのような情報は整理していただきたいと思います。
 また、その中で市町村さんのところへ行きますと、良いことだとは分かっているが、ごみ焼却にかかる経費と、材料リサイクルに回した場合の経費の、価格面の比較をされます。至極当然と言えば当然なのですが、価格面という比較の中で私が申し上げているのが、この際、家庭ごみの処理の適正な有料化をやっていただきたいと。これには当然、行政側のかかっている経費の情報を開示しなければいけません。これだけ経費がかかっているが、そのうちのキロ何円分は皆さんに負担を願いますということを、丁寧に説明する必要性があると私は思っております。そうしないと、このプラ新法は進みません。はっきり申し上げます。絵に描いた餅で終わってはいけないという思いがあり、そういうことも一つの要因としては必要だと私は思っております。
 さらに、家庭ごみが有料となることで、リデュース・発生抑制にもつながり、その中で様々なことに市民の方が納得して入っていただくことが非常にこれから大事になってくると思っています。
 一般廃棄物のうち約400万トンが一般廃棄物に由来するプラスチックと言われています。これをどうリサイクルへ回すかは、市民の方、行政の方の取組と協力がなければできません。そういった方向になるように情報を整理し、市民の方が納得できる情報をどんどん出していただき、情報整理や情報開示していただきたいと思います。
○酒井小委員長 三井委員、どうもありがとうございました。それでは、会場のほうからのご意見は一通りお聞きできたかと思います。オンラインに戻らせていただきます。
 高岡委員、お願いします。
○高岡委員 はい、ありがとうございます。
 最初に、基本的な方向性は私も賛同したいと思います。
 その上で、3ページのところで書かれていますような、いわゆる排出者、静脈産業、動脈産業、こういった大きな枠組みでのいわゆるグランドデザインを作らないといけないとは思いますが、やはりスピードも求められるので、ある程度廃棄物を絞り、それに対する要件定義を決めて、比較的やりやすい廃棄物に対して循環を回すことがやはり重要であると思います。
 そのようなことを繰り返す中で、やはり何が問題であるか、何が課題であるかというのが見えてくるのではないかなと思います。
 それから、静脈側を少し代弁するようですけども、機密情報はやはり機密情報として扱わないといけないと思いますが、一方で有害物質が循環するようでは困りますので、そこは暗号化技術等も用いて、しっかりとそのような情報も回していただきたいと思います。
 以上になります。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それでは橋本委員、お願いします。
○橋本委員 ありがとうございます。私のほうから1点ですけども、電子マニフェストの活用は非常に重要だと思います。既にあるシステムにどのような情報を付加するのかという点では、排出側の方向から見たときに必要な情報と、再生材の需要者から見たときに必要な情報という、両方の情報があると思います。その情報をしっかり整理をして、乗せられるものから乗せて回していくということを、ぜひ進めていただければと思います。
 また、排出側ではなく、需要側から見たときにどのように情報を接続するのかというところも具体的に考えなくてはなりません。そういった観点で検討を進めていただければと思います。
 以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。マニフェストの進化系をご発言いただきました。
 大塚委員、お願いします。
○大塚委員 どうもありがとうございます。
 私も全体の方向はこれでとてもいいことだと思っていますが、幾つかちょっと細かい話をしたいと思います。バリューチェーンについて、生活環境を挙げていただいているのは、今までの廃棄物との関係で非常に重要だと思いますので、とてもよかったと思っています。
 また、高岡委員がおっしゃったことと似てきますが、一度にこれら全部をするというわけにはいかないと思います。ヨーロッパとの関係で、今すぐにやらなければならないのは車のプラスチックの話と、リチウムイオン電池の話であり、EUとの関係でやらざるを得なくなるところがあると思うので、そういうものに関しては義務的なことも考えたほうが良いと思います。   
もちろん、任意の情報で出していただくことは考えていただいても良いと思います。ですが、本当にマッチング的なもので再生材を回そうと思ったら、義務的にしないと使えないということになります。例えば廃プラの話ですけれど、プラスチックの難燃材がどうなっているかということが分からないと、そのプラスチックは使えないということになりますので、そういう意味では、義務的なものも入れることを考えないといけないと思います。
 関連してプラスチックについて申し上げます。先ほど三井委員がおっしゃっていたことをさらに追加する話になりますが、廃プラに関して、どのように分別をして使える原料にするかということは、おそらく非常に重要になると思います。今日の話に直結はしないかもしれませんが、前からPPやPEを分けないと使い物にならないという話もあり、その辺はプラスチックのほうでお考えになってくださると思いますが、この再生材のプラスチックとしての活用を考えるときには、そこも含めてやらなくてはならないと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 また、機密情報との関係は、動脈さんにとっては結構大事なことだと私も思っています。PRTRや温対法に企業秘密の規定がありますので、その辺を参考とすることとなると思います。PRTRに関しては、推測されるところだと、企業秘密をあまり問題にせず対処していることになっていますが、逆に、本当に秘密のものについては企業の方はお出しになってないのではないかという意見もある状況になっています。国の制度として設計するときには、そのような情報も出てこないと困ることになります。原料が市場に出てこなくなってしまう、あるいはデータとして出てこなくなってしまうと困るので、結構よく考えなければならない問題が実はあるということを申し上げておきたいと思います。
 最後の国際資源循環のところの観点です。輸入の話やバーゼルとの関係で、非有害のe-wasteに関しても、輸出入されていたe-wasteについて新たに規制対象に追加するということで、手続を強化しています。これはEUに、資源の囲い込みをしたいという発想があると思いますが、そういうのは本音でしか言えない話だと思うので、有害ではないのに輸入に関しても手続を強化する理由はどこにあるのか、教えていただければと思います。日本はむしろ手続を緩和するという話がこちらに出てくるので、関連する話として教えてください。
 経済安全保障との関係では、原材料の法案がEUでも出ています。日本でも経済安全保障に対応していますし、もともとレアメタルの問題を日本もやらなくてはならないため、まさにリサイクルを進めることが非常に重要になると思います。経済安全保障との関係をあまり声高に言い過ぎると、中国が国外への輸出を制限する等と既に言い始めているので、気をつけて対応しなくてはなりませんが、資源の少ない日本でやれることはリサイクルぐらいしかないので、そこはまさに強化していく必要があります。国としても、あまり声高に叫び過ぎると、逆に対応されてしまうところもありますが、リサイクルとの関係ではきっちり対応するという法制化が非常に重要でもあり、メリハリをつけてやっていただきたいと思います。
○酒井小委員長 大塚委員、ありがとうございました。崎田委員、お願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。崎田です。
 私も今回の全体の方向性に賛成したいと思いますが、幾つか発言をさせていただきます。
 特に今回、情報をつなぐというところで、電子マニフェストのことが既存制度の活用として出ていますが、やはりこれまでの制度をしっかり活用しながらよりよくしていくというのは、大変重要であると思います。
 6ページの表を拝見すると、投入量と最終的にどのくらい排出し埋め立てたかという数字だけなので、その間にある、例えばどのようなリサイクルをしたか、焼却やサーマルリサイクル、埋立てといった、幾つか3,4ポイントに分けて記入していただくといった形に持っていくという、まずは電子マニフェストを中心にするということと、記載事項を増やすということをしっかりとやって、検討していただいたらどうかと思います。
 そうすると、今、多くの企業で、SCOPE3の計算や見える化は大変重要になっていますので、そういう情報が出てくれば、かなり数字が出しやすくなるのではないかと思います。
さらに、それだけでは、より質のいい再生資源を作り、それを動脈が活用する形にはなりにくいと思いますので、そういったマッチングのプラットフォーム、先ほどマッチングのお話などもいろいろページが出ていましたけれども、政府主導か、あるいは産業界主導といった、きちんとしたプラットフォームを機能させることがとても大事だと思います。
 私も七、八年前に、EUの再生プラスチック工場視察をしたことがありますが、そのときに、やはりメーカーが欲する内容の再生資源にして質高く販売をしているので、非常にWIN・WINになっているということを、プライドを持ってお話をされていたのがとても印象に残っています。そういうような、企業が必要とするオーダーメイド型の資源を作るとか、そのくらいのところまで行くようにできる出会いのプラットフォームを、しっかり作っていくというのは大事なことではないかなと思います。
 なお、このようなサーキュラーの流れに関連し、先ほどからいろいろお話が出ていますが、私は消費者がそれをすばらしいものだというふうなことで購入をするとか、再生資源を活用した資源を社会が高く評価し、費用も高く取れるという形になるのが大変重要だと思いますので、消費者のマインドの変化も、やはり産業と行政と消費者がきちんと共にこの輪を作っていくことが大変重要だと思っています。
 次世代という話も出ていますが、環境学習、環境教育を長くやってきた立場から見ても、今、そういった環境学習を踏まえて大人になってきた世代が増えていますので、適切な情報や行動の情報があれば本当にライフスタイルが変わる世代は増えているのではないかと思います。
 最後に1点、今回の資料もやはり産業廃棄物をイメージした資料であると感じましたけれども、私は、地域にとっては、地域の資源をうまくつないでいくということが地域循環共生圏の実現や地域活性化につながる大事なところだと思っています。今、検討されている循環基本計画の中では、この動静脈連携と地域活性化、地域循環共生圏づくりというのは大変重要なポイントになっていると思いますので、一般廃棄物に関連するわけですが、地域の資源を地域で回していくという形を、しっかり作っていきたいと思っています。市町村だと、やはりどんどん人口が減少しているようなところでは情報をつなぎにくいということもあると思いますが、ある程度、県がこういう一般廃棄物の分野にも関心を持って、うまくモデル事業を作り、多くの市町村に取組を広域的に広げていくような、何かそういう視点があってもよいと思います。
 昨日、秋田で3R推進全国大会が開催され、環境省の皆さんにもご参加いただきましたが、その中で、秋田県の皆さんが、市町村のためにいろいろなモデル的な事業を実施し、その情報をうまく生かして、その後も地域の広域的なネットワーク作りに貢献できないかということを始めようとされていて、大変いい傾向だと思いましたので、今、最後に発言をさせていただきました。どうもありがとうございます。
○酒井小委員長 崎田委員、ありがとうございます。続いて曽根川委員、お願いいたします。
○曽根川委員 ありがとうございます。日本環境保全協会の曽根川でございます。
 いつもいろいろ多くの資料を今回もご準備いただきまして、誠にありがとうございます。このたびの情報を通じた主体間の連携に関しましては、ご説明のありました温室効果ガスの排出量・削減量の評価、資源循環の取組が適正に評価されることにより、各社の努力が正当に報われることとなりますので、私どもとしても必要な協力をし、しっかり対応していきたいと思います。その際には、私どもも取り組めるよう、評価方法などの技術面でのご支援をいただきたく思います。
 また、私どもは環境への負荷の低減、資源循環、脱炭素を図るために容器包装プラスチック資源循環促進、食品リサイクル事業等、各種リサイクル事業に積極的に取り組むとともに、これまで行政と緊密に連携し、市民の皆様に接する仕事をしてまいりました。具体的な現場を知っております。
 さらに温室効果ガスの削減効果や、再生材の利用を通じた資源循環の効果を、市民の方にも分かりやすい形でお示しすることができれば、また、同時に、学校やご家庭で将来を担う子どもたちにも少しずつ伝わり理解が進めば、地域の生活環境保全だけでなく教育としても、未来の温室効果ガス削減や資源循環への貢献を明らかにすることにもつながる事となりますので、私どもにとって大変ありがたいものです。
 また、今後、本日ご議論いただいた方向で、注意点も注視し、詳細な検討が進むものと思います。その過程で、検討のお役に立てることがあれば、是非お申しつけいただければと思います。私どもは常に適正処理が基本であり、事業方針でもございますので、よろしくお願い申し上げます。
○酒井小委員長 曽根川委員、ありがとうございます。それでは村上委員、お願いいたします。
○村上委員 はい、どうもありがとうございます。
 まず、大前提として基本的に大きな方針には全くもって賛成ですというのをお伝えさせていただいた上で、細かいところを少し指摘いたします。
 先ほど来、「消費者」のような言葉が何回か出てきていたかと思いますが、端的にユーザーみたいな視点でも、プレーヤーの持っている役割が少し軽く書かれている気がします。
 例えば、どこまでがSCOPEの中かという話にもよりますが、シェアリングやリユースともここでの議論の範疇に入っているのだとすると、リユース製品が循環しやすくなるためには、それのクオリティや利用履歴の情報は、ユーザーが積極的に買いに行くことの足しになります。そういう意味では、例えばサービス提供事業者が動脈なのか静脈なのかはよく分からないですが、そういったところも含めた情報が、もう一段階あってもいいかなと。情報のコンテンツとしても、使用中の情報といった話は、一見静脈には関係なく動脈のような気もしますが、循環経済的な文脈で非常に重要な情報であり、切り離すと、後からその分析をしたりするときに、なぜ変わったのかが分からなくなると考えます。
 情報の話は総じて良い方向だと思っています。途中で静脈・静脈連携とおっしゃっていた委員がおられましたが、非常に重要な問題だと思います。つまり大きなプレーヤーが情報を欲しがったときに、バリューチェーン上の小さいプレーヤーも出さざるを得なくなるので、そういった意味で、やはり誰にとっても高付加価値な情報となり、みんながやるインセンティブが湧かないと、情報は集まりません。
そのような前提から、情報の高付加価値化はどこかで考えておく必要があり、それがうまく働くようにというので、例えばカーボンと循環の話では、カーボンのほうが必須の情報ならば一緒にしておけばついていくところがありますので、少し意識してご検討いただければと思います。
 あと二つ、評価の話が途中に入っていたと思います。評価指標に絡むところでも、それがまたここのスコープかというのは際どいなと思いながら聞いていましたが、循環性評価という言い方をすると、どうしても製品の長寿命化とか耐久性、耐久消費材系のサーキュラリティの指標は大体、デュラビリティと言いながら、使用年数が入っていますが、その点は資源投入や循環に影響を与えてしまう一つのパラメータとしては少なくとも必要で、それが先ほどの使用履歴のような話とつながるところだと思いますので、どこかで軽くメモしていただいてもいいのかなと思いました。
 最後になりますが、国際循環ですけれども、粟生木委員から近いようなご指摘がありましたが、情報連携やそれにまつわるシステム・制度といったソフトの支援のような形で、ほかの国に日本がやりたいシステムを持っていき一緒に使ってみてもらうことで、結果的に望ましい国際資源循環を達成するところにつながるみたいな絵姿が描けると非常に美しいと思います。私が承知している範囲でも、他国がそういう形で途上国に出ていっている例が既にかなりあって、パイロットプロジェクト等々でも入り込んでいる国が結構あるように理解をしているので、その辺はぜひ、ご検討いただければ幸いです。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 事務局の説明に多くのご意見をいただきました。事務局の松田課長にマイクをお渡しします。
○松田廃棄物規制課長 酒井小委員長、分かりました。
委員の皆様方から、本日の議題について、マッチングやバリューチェーン、パフォーマンス評価、国際的な循環に対する様々なご意見を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
各委員からいただいたものについて、まず私から少しお話をさせていただきます。
 情報開示につきまして、今回、電子マニフェストや帳簿の情報を活用し、静脈産業からの情報を取ってはどうかという案も提出させていただきました。資源循環の情報をもっと充実すべきというご指摘もございましたので、しっかり中身を考えていきたいと思います。
 加えて、武本委員からもお話がありましたけど、産廃業者も様々な事業者がおられますので、どういった配慮が必要なのか、併せて考えたいと思います。
 また、動静脈連携だけではなく、静脈企業同士の連携も必要であるというご指摘がございました。それはまさにごもっともで、必ずしも一つの静脈企業だけで回るということではありませんので、留意をしながら検討を進めてまいります。
 CO削減についてのご指摘もいただいています。こちらについては、資源循環の取組を通じてどれだけのものが排出されるのか、できるだけ分かりやすく示すことが必要と考えております。環境省でも様々な業種を対象にしたガイドラインを作っていますけども、こういう形で資源循環分野が非常にクローズアップされていますので、我々としても資源循環分野に特化した中身で、事業者も分かりやすく、消費者もその効果が見えるものを作らなければと思います。
 こうした取組を通じて、サーキュラーエコノミーの取組が社会の皆様方から評価され、市場作りができるようにしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 プラットフォームやマッチングについても様々なご意見がございました。動脈企業側と静脈企業側の様々な産業に応じたニーズがあると思います。こういった様々なニーズに応じた形で静脈企業側と動脈企業側がそれぞれに必要なものについて、情報をすり合わせしながら、マッチングする機能をもっと充実する仕組みを考えていきたいと思います。
 その際、特に動脈企業側の情報について、秘匿情報の扱いも含め、中身をしっかり検討しながら動脈企業の必要な情報がなかなか出てこないという静脈産業側のお話もいろいろ聞こえましたけれども、そういった部分の配慮もしていきたいと思います。
 また、評価方法について、循環率についての話もございました。この点についても、国際的な議論も見ながら、どのような評価の仕方がいいのか、しっかり考えていきたいと思います。
 加えて、消費者側のお話も色々ございましたけども、やはり必ずしも動脈企業と静脈企業だけはなく、当然、消費者側の部分が非常に大事であると思います。末吉委員からもお話がありましたけど、どういった形で動脈側の、動静脈の連携の部分の取組がなされているか、もう少ししっかり外にも説明していくためにどのような取組ができるか、我々も考えていきたいと思います。
 こうした動脈側の取組と静脈側の取組は、環境省だけではできる部分とできない部分がありますので、経済産業省ともしっかり連携を取りながら、少し動脈企業側でやっていかなければいけない部分、この点については大塚委員からマッチングについての義務化も必要ではないかというお話がございましたけども、そういった動脈側のほうの深掘りがどこまでできるのか、経産省とも相談しながら進めていきたいと思います。
 国際的な連携については今、特に金属資源が中心となり、非鉄産業で熱心に取り組んできているところですが、適正かつ円滑な資源循環を進めるべく、我々も必要な制度的な対応を進めていきたいと思いますし、また、お話のあった特に東南アジアを中心とした国際的な資源循環を一層進めるための政策に関するソフト的な支援が必要ではないかという点について、我々も留意しながら進めていきたいと思います。
 e-wasteについては、後ほど事実関係について事務局からお話いたします。
 一般廃棄物についてのご指摘は、三井委員からもございましたし、崎田委員からは地域的な資源利用というのを進めるべきだというお話がございました。この点について、家庭ごみの適正な有料化は今までも進めてきているところですが、さらに深掘りを進めつつ、より一層のプラスチックのリサイクルにむけた取組は、今まさに進めていただいているところですけど、そういった取組が、もっと進められるような形を考えていきたいと思います。加えて、地域循環共生圏づくりは政府全体で進めていく話ですが、こういった一般廃棄物を中心とした地域での資源循環が、地域循環共生圏の中に、どのような形でより根づくことができるかということについて、我々も省内でもしっかり連携を深めて取り組んでいきたいと思います。
 今、私が話をした内容は、委員の皆様からご指摘があった点について、しっかり答えられていない部分がありますので、事務局のほうから適宜、補強いたします。。
○環境省 事務局から、ご質問のありましたバーゼル条約に関連しまして、非有害なe-wasteの規制強化の理由について回答いたします。
 バーゼル条約は、ご存じのとおり、基本的に有害な廃棄物の越境移動について手続規制を課す枠組みです。今回の改正では、途上国、特に処理能力が限られている国について、非有害なe-wasteについても、その処理能力を勘案して手続規制の対象とすべきという考え方の下で規制が導入されたというのが、国際的なルールの背景でございます。
 この点については、やはり日本国内の処理能力を考えたときに、輸出される廃棄物と輸入される廃棄物で対応を分けて考えたほうがいいと考えており、特に非有害の廃棄物を国内に輸入する場合、適正な処理をできる施設が国内にもありますので、手続規制を厳しくするより、そういった事業者が引き続き適正な処理をできるようにするという観点から対応を実施していきたいと考えております。
 国際的な廃棄物のルールに関しましては、バーゼル条約と、あともう一つ、日本にとってOECD理事会決定もルールとしてございまして、OECD理事会決定は、このバーゼル条約で決まったe-wasteのルール改正を踏まえてどのような対応にするか、今、議論が進んでいる状況でございます。
 そのため、最終的にはそちらでの結論も踏まえ、輸出についてはバーゼル条約上手続が必要な点や対象が拡大されたというところも考慮して、条約締約国としての必要な対応を実施し、殊、日本国内に入ってくる輸入については、特に、適正な処理が確立され循環経済にも大きな貢献を果たしている廃棄物の輸入について、その手続迅速化という観点から対応していきたいと考えている次第でございます。
○環境省 続きまして、粟生木委員からご指摘いただきましたリマニファクチャリングや、部品のリサイクル等の話です。ちょっと現時点で回答を持っているわけではないですが、これから循環度といったことを考える際に、やはりこういった要素をきちんと考えなければならないと改めて思いました。
 また、村上委員ご指摘の高耐久性といった話も踏まえ、どのようにして指標を作り、考えていくのがよいか、もう少し我々も勉強させていただきながら、考えていきたいとい思いますし、先ほど松田からも申し上げましたように、やはり環境省、それから経産省が一緒になって考えていくのがよいと思います。
 十分な回答になっておらず申し訳ございませんが、私からは以上です。
○環境省 続きまして、機密情報の点について複数の委員からご指摘をいただいております。当然、再生資材を作るにあたり、どういったものが含まれていて、それが次に引き渡したときにどういう影響があるのかというところは、非常に機密になる部分も含めて、情報として貴重なものと思います。
 高岡委員からご指摘いただいた有害物質について、何から何まで全て開示するのはなかなか厳しいというところはもちろんあるかと思います。そのため、どのような再生資材を使うのかによって、必ず必要になる情報は何か峻別しながら検討を進めることが必要だと思いました。
 また、三井委員のほうから、プラスチックに関する様々な取組をご紹介していただき、費用の点についてもご指摘をいただきました。家庭ごみの有料化については、環境省でもマニュアルをつくり自治体の皆さんに呼びかけていますけれども、引き続き、そういった取組が進む施策についても検討していければと思います。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。
 委員からの多くの意見に対しまして、事務局の松田課長から総括と、そして担当の方から質問への回答を含めて、ほぼ委員のご指摘、質問事項には対応していただいたものと思います。
 残り時間が20分ほどになっておりますので、私から追加的なコメントを少し話させていただいた後、追加的な第2ラウンドの検討をしようという点があれば承るという、そういう流れで進めさせていただければと思います。
 村上委員、あるいは末吉委員、崎田委員等から、消費者の観点からご意見をいただいております。松田課長から一般廃棄物との関係も説明がありましたが、一般廃棄物という観点に加えて、背景として、やはりユーザーという観点での役割・機能というような趣旨があるように思っております。
 そういった意味で、末吉委員の、消費者の手元からの回収も重要という御発言かと思いますし、全ての人々への情報価値になっていくことが、今回の情報連携というのをもっと機能させていくという意味での村上委員のご発言であったと思います。
 加えて、様々な次世代型の手法、シェアリング、リユース、サブスク等が出てきていますが、この議論の中でどこにどう位置づけていくことができるのかということや、議論の進め方に関して、事務局と相談しながら考えたいと思います。重要な観点として、今日、発言があったと理解しました。
 それからもう一つ、大事な議論をしているんだけども、一気には進まないじゃないかという点のご指摘です。大塚委員、高岡委員から指摘のあったところかと思います。
 具体的で先行的に進めねばならないものは現実的に見えてくるはずなので、そこを自主的指標、場合によっては義務的なことも含めて考えてはどうかというご意見をいただきました。この点は、どのように今回の制度の議論をメリハリつけて展開していくかという話になると思います。ぜひどういう工夫ができるのか、ここは考えていただければというふうに思いました。
 そのためにも、今日、情報連携の基本的な考え方をうまく整理をいただいたわけですが、より情報の具体的な内容について、多くの国際機関での具体的な指標の紹介もなされているので、こういったところから、より具体的な情報の内容を見定め、少し予行演習的、あるいは頭の体操的な準備を始めたほうが良いと思い始めています。
 このパフォーマンスに対する評価のための情報は、日本全体、あるいはシステム全体としての評価という側面も重要です。また、各主体、個社レベルの評価という観点も出てきますから、情報の具体的内容の準備は急いだほうがいいと思いました。
 追加のコメントをさせていただきました。
 それで、あと15分強ですので、第2ラウンドで発言を求められる方がございましたら、挙手をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○松田廃棄物規制課長 会場から司会を代行で、粟生木委員、お願いします。
○粟生木委員 ありがとうございます。
 酒井小委員長からお話しいただきました先行的にやるものと、予行演習的なことについて、今、プラスチックの国際約束に関する議論が進んでいますが、その中でも化学物質の指摘や循環性に関する条約をという話も出ていますので、この点、両にらみで見ながら議論を進めていただければと思います。
○酒井小委員長 粟生木委員、ありがとうございます。予行演習的な対象として、プラや化学物質に関して、その循環性について、大塚委員からも車のプラとリチウムイオン電池を具体的に挙げていただきました。今、やはり強く関心を持たれていることでもあると思いますので、ぜひ、今のご意見を大事にしていただきたいと思いました。
 武本委員、どうぞ。
○武本委員 ありがとうございます。
 複数の委員が、電子マニフェストの情報をもっと充実させるべきだという意見をおっしゃられていたのですが、大前提として、電子マニフェストだけではなくて紙マニフェストも流通しています。
 その紙マニフェストについては、各自治体で交付状況等報告書を提出するように法律で定められているものの、それは別に罰則があるわけでもなく、排出事業者側が出すべきものですが、出ていない状況も見受けられることから、電子マニフェストが全てではないということが一つ。
 また、電子マニフェストというのは適正処理を保証するものです。所委員もおっしゃいましが、適正処理とリソーシングですね。再生材活用、利活用という部分の情報公開、情報提供とは、別物として考えたほうが良いと思います。
 さらに、資料19ページのフローの中で、中間処理後の廃棄物処理業者②の後の動脈企業ですが、廃棄物処理業者で処理された再生材が直接製造業者に原料調達に供給されるわけではなく、精錬メーカーで原料化されたものが製造メーカー等に行くフローになっています。やはりこの二つの問題意識だけではなく、もう少し丁寧な問題意識を提示し考えたほうが良いと思います。
 そのため、このフローもよく分かりますが、こんな単純な話ではないことを皆さん認識した上で、これから資源循環のパフォーマンスの評価、取組の評価を考えていくべきだと思います。
○酒井小委員長 それでは、あと、オンラインのほうから、大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 どうもありがとうございます。
 酒井先生がおっしゃってくださったように、先行してまずやるべきものと、全体的にやっていかなきゃいけないものの二つに分けられると思っています。先ほどの車のプラスチックの話や、リチウムイオン電池は喫緊の課題になっていて、関係者の方は焦っている状況がありますので、そういうものは義務的にしていかないといけないですが、あまり支障がないものもあり、静脈産業も義務的になるのがどうかという問題もありますが、規模等も考えた上で、義務的にするのはあり得る気はします。
 また、粟生木委員がプラスチックの話をしてくださいましたけど、太陽光パネルも、別の検討会で恐らく似たような話が出てくると思います。これは別の検討会なので、環境省は審議会間の連携をしていただけるとありがたいと思いました。
 もう一つ、先ほどの機密情報の話です。有害物をどうするかとか、環境省は個別的に考えているかもしれませんが、PRTR法とか、温対法でも機密情報は取り扱っており、その基は情報公開法か不正競争防止法ですので、そういった既にあるものを参照しながら考えていただかく必要があります。白紙からお考えになるともし思っていらっしゃると、そういうことではありませんので、一言申し上げておきます。ありがとうございます。
○酒井小委員長 ありがとうございます。もうお一方、崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 先ほど酒井小委員長から、例えばシェアリングやサブスクというものをどう位置づけるのかというご発言がありました。その点に関して、私は、例えばメーカーや販売側がものを販売した際にそのまま売り切ってしまうとかそういうものではなく、もう一度自分のところに戻ってくるというビジネスの流れを構築しているものは、考え方として同じような視点と考えます。そういった情報をきちんと把握して、排出者と静脈と動脈という図のどこかに位置づけたほうがいいかと。そのほうが、基本的にはみんなで何を目指すのかというのが分かりやすいと思いました。
 例えば、いろんな企業が一緒に容器を作ってループでやっていく取組や、コピーの会社が自分たちで作ったものは必ず自分たちで回収する仕組みで売る取組、日本で最大のトレーメーカーは約30%を自己回収してトレーToトレーを実施しているといった、先進的な取組もあります。ヒアリング等で話を聞くことで、そのようなビジネススタイルも把握しておくのは大事であると感じました。
○酒井小委員長 崎田委員、ありがとうございました。末吉委員、お願いします。
○末吉委員 ありがとうございます。
 先ほど、酒井小委員会がリペア、サブスクなどについてお話をしてくださいました。経産省では、成長志向型の資源自律経済戦略の中でシェアリング、サブスク、リペア、二次流通仲介などはリコマースという言葉で説明をされて、リユースの深堀りとして出ています。このリコマースというのは、リユースするか否かというのは決定権がその材の提供者ではなく所有者にあることから、所有の実態や処理状況の把握が極めて困難であり、特にBtoCのビジネスにおいてこの傾向は顕著だと思います。製品の適切な長期利用を促進する産業の、今後の育成や支援措置というのはすごく大事になると思いますし、当然、ここには情報の管理・整理が含まれてきます。よって、このリコマースの位置づけをどのようにするかというのは、改めて今後も検討していきたいと思っております。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。
○大塚委員 酒井先生、ちょっと一言よろしいですか。
○酒井小委員長 はい、どうぞ。
○大塚委員 電子マニフェスト的なマニフェストの情報とリソースの資源の循環のための情報が違うというお話もありました。確かに違うところは多いとは思いますが、関係者の方が二つのシステムを別々に対応するのも手間がかかって面倒だということもあります。せっかく今までの電子マニフェストのシステムがあるので、私としては一つにつなげていくのは結構良いと思います。
 そうすると、結局、動脈と静脈が完全につながることになるので、そういう意味で、リソースの循環の話と廃棄物の適正処理の話が、一つの話として完全に情報がつながるのが理想的であると思います。
○酒井小委員長 ありがとうございます。大事な点だと思います。それでは、事務局にまたマイクを渡したいと思います。
 このリコマース、あるいはシェアリング、リユースといった、シェアリング、サブスクといった売り方が変わるシステムの認定的なアプローチがあるかどうかで、この今回の検討の中で取り扱うことが可能かどうかが決まってくるのかと思いますが、若干踏み込み過ぎていれば、そこはそこで事務局から指摘いただければいいと思います。
○松田廃棄物規制課長 委員の皆様、酒井先生、ありがとうございます。
 今の酒井小委員長からお話のあった、特に末吉委員のリコマースの件ですけれども、脱炭素型資源循環システム構築という点では、当然、その中にリコマースも含めて入るということには概念上なりますので、広義の意味では入ることになります。
ただ、動脈企業と静脈企業を実際どのように連携を深めていくかという部分の中で、このリコマースをどう進めていくかという部分は、関係者が広がり過ぎることもあり、概念上は対象になりますが、どこまでの制度的な対応を取るか等は、環境省だけでなく経産省とも相談しながら進めていく部分があろうかと思います。その点、どのような書きぶりに今後していくかということも含めて、我々も中で考えていきたいと思いますし、その中で色合いを少し変えていくということはあると思います。これが一つ目になります。
 次に、電子マニフェストの取扱について、第1ラウンドと第2ラウンドで議論いただいたところですが、確かに武本委員の言うとおり、今までの電子マニフェスト情報というのは適正処理の観点で進めてきたというのは歴史的経過である一方で、大塚委員の言うとおり、せっかく今ある情報を使わずに、別のものを使うというところもどうかという指摘も理解できます。
 いずれにせよ、情報について、今の中間処理業者さんは帳簿の記載をして自分のところに情報を持っている場合もありますし、また、電子マニフェストで出している情報もあります。電子マニフェストを使うと、その排出事業者の皆さんが委託をした業者さんが行う処理をトレースできるという大きなメリットがあります。帳簿の記載はもちろん、こういったものを活用して、どういった業者さんがどのような資源循環の取組を一生懸命されているかというのが分かるという点で非常に良いですが、この点についてのメリットや、それぞれ対象にしていくことによるデメリットも見ながら、どのような制度的な対応が考え得るかというところについて、我々も考えていきたいと思います。
 さらに、大塚委員からもお話がありましたけど、特に大事なものについてまずは特化してやるべきかどうかという点について、概念上、広い意味であらゆるものを進めていくべきではありますが、やはり制度的な対応を考えていくのであれば、ある程度、最初は特に進めていかなきゃいけないものや、できるものから進めていくというところは、我々も正直あるのかなと思います。その点、どういった書きぶりをしていくかということは、今後考えていきたいと思います。
 それに関連して、太陽光パネルについても、環境省だけではなく政府全体として非常に大きい問題だと受け止めております。各地でいろいろな自然が破壊されているという問題もありますし、太陽光パネルのリサイクルが本当に進むのかという課題もありますけれども、我々の小委員会では、こういった太陽光パネルも含めた形での資源循環をどのように進めていくかという制度的な検討を進めるものでありまして、別の環境省の委員会にて太陽光パネルの回収等についてどのように進めるかといった検討を行い、両輪で検討を進めていますので、その点はしっかり連携しております。
 最後、有害物質についても、もともと環境省の中央環境審議会の制度の小委員会でWSD等について充実すべきだという点の提言をいただいているところです。今回、こういった形で議論をいただいていますので、その点も含め、例えばPRTRで対象になっているようなものについて、委託契約時の状況提供等について、我々も考えてまいりたいと思います。
 以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、議題1は、このあたりにしたいと思います。
 次に、議題2 その他について、事務局からお願いいたします。
○松田廃棄物規制課長 特にございません。
○酒井小委員長 どうもありがとうございました。本日の議事は以上でございます。進行を事務局にお返しいたします。
○松田廃棄物規制課長 皆さん、お疲れさまでした。次回の小委員会につきましては、事務局から改めてご連絡いたします。
 以上で本日の小委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
午後4時00分 閉会