中央環境審議会循環型社会部会静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会(第11回)
開催日時
令和7年6月19日(木) 10:30~12:30
開催場所
対面会議:AP虎ノ門 Room-A
Web会議:Webex使用
Web会議:Webex使用
議題
① 再資源化事業等⾼度化法の政令・省令(案)の概要について
② その他
② その他
資料一覧
【資料1】委員名簿
【資料2】再資源化事業等⾼度化法の政令・省令(案)の概要について
【資料2】再資源化事業等⾼度化法の政令・省令(案)の概要について
議事録
10時30分 開会
〇松田廃棄物規制課長 定刻になりましたので、ただいまから「第11回静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築に係る小委員会」を開催いたします。
最初に、進行させていただきます廃棄物規制課長の松田と申します。よろしくお願いいたします。また、本小委員会の委員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回も対面及びオンラインでの実施となります。どうぞよろしくお願いいたします。
会議の運営についてのお願いですけれども、会場で御出席の方々は御発言される場合は名札を立てていただき、オンラインで御出席の方々は挙手ボタンでお知らせいただきまして、酒井小委員長からの御指名を受けてから御発言をお願いします。なお御出席者の皆様におかれましては会場、オンラインいずれも発言時のみマイクをオンラインにしていただき、発言後はマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。また会議の模様につきましては事前に公表しておりますYouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは開催に当たりまして、定足数の確認をいたします。本日は委員総数17名のところ、村上委員、末吉委員が御欠席されておりまして、また所委員は30分程度遅れて参加されますが、14名の委員の方に御出席いただきまして小委員会として成立しておりますことを御報告いたします。
また資料の確認ですけれども、お手元の資料につきまして資料が2つございます。委員名簿と高度化法の政令・省令(案)の概要についてとなっております。また資料は事務局にて画面に投影いたしますが、必要に応じてお手元の資料または事前にお送りしたファイルを御覧いただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井小委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 どうも松田課長、承りました。今日の議題は1点です。高度化法の政令・省令(案)の概要についての議論です。まずここまで高度化の認定基準に関しまして、検討ワーキンググループのほうで検討を進めてきていただいておりますが、そこの検討状況の報告を事務局からしていただきます。それに関する御質問、御意見を承る。そして今申し上げた政令・省令(案)の概要という形で議論を進めさせていただきます。
それでは、資料2の説明を事務局のほうから、どうぞよろしくお願いいたします。
〇水島課長補佐 環境省の水島と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、まず資料2の前半部分について御説明させていただければと存じます。資料2は「再資源化事業等高度化法の政令・省令(案)の概要」というタイトルになっていまして、前半部分は先ほど酒井小委員長がおっしゃったとおり、直近の認定制度の概要とワーキンググループの検討状況について御報告し、その後質問等を1回承った後に、政令・省令(案)の概要について御説明できればと考えているところです。
まず、再資源化事業等高度化法の概要について改めて御説明申し上げます。資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律ということで、我々は再資源化事業等高度化法と呼んでいるところですが、こちらは昨年5月29日に公布されまして、今年の11月までに施行することとなっています。
前回も簡単に御説明させていただいたところになりまして、本日も繰り返しの説明になって恐縮ですが、この法律の目的としましては、脱炭素化と再生資源の質と量の確保、同時促進といったものが大きな目的となっているところです。また、この法律の施策につきましては、大きく3つの柱からなっています。
まず1つ目は基本方針の策定ということで、再資源化事業等の高度化を国として促進していくために基本的な方向性を示すということになっています。こちらにつきましては、今年の2月に既に施行されているところです。
2つ目の柱としては再資源化の促進(底上げ)となっているところでして、具体的には主に2つの施策を考えているところです。1つ目は判断基準の策定・公表ということで、全ての廃棄物処分事業者の皆様に再資源化事業等の高度化に向けて取り組んでいただくべき努力水準とも思える判断の基準について策定し公表していくということです。
2つ目の施策としては特に処分量の多い産廃処分業者の方々に、再資源化の実施状況について環境省に報告いただきまして、それを公表していくという制度になっています。これらの施策を通じまして廃棄物処理業界全体の再資源化の高度化に向けた取組の底上げを促進してまいりたいと考えているところです。
最後3つ目の大きな柱としては、再資源化事業等の高度化の促進(引き上げ)となっているところです。こちらは再資源化事業等の高度化に係る取組について、国が一括して計画の認定を行う制度を創設しまして、その計画については、生活環境の保全に支障がないよう措置を講じていただいた上で、廃棄物処理法の処分の業の許可、施設設置の許可等についての各種許可の手続きを不要とする特例を設けているところです。
国が認定する事業計画の類型につきましては、3つの類型を用意しているところです。1つ目が事業形態の高度化ということで、こちらは製品製造等を行う事業者側が必要とする質・量の再生材を安定的に供給する事業を創出することに施策の目的を置いているところです。そのためには広域的な廃棄物の分別収集や合理的な再資源化の事業、または再生材の安定的な供給といった取組が必要になってくると考えているところです。
2つ目の類型といたしましては、分離・回収技術の高度化ということで、再資源化工程において、分離・回収技術の高度化に係る、特に高度な技術を用いて有用な再生材を多く回収するような事業を認定していくことを想定しているところです。
最後、3つ目の類型としては再資源化工程の高度化ということで、既に設置されている再資源化設備において設備のリプレース等に伴って温室効果ガスの削減効果を高めるといった施設の変更について認定していく制度になっているところです。
これらの施策を通じて脱炭素化の促進及び産業競争力の強化、地方創生、経済安全保障への貢献を進めていくといったものが再資源化事業等高度化法になっているところです。
4ページ目のスライドでは、先ほど申し上げた3つの類型の認定制度についてイメージ図をお示ししているところです。繰り返しになって恐縮ですが、類型1つ目の高度再資源化事業につきましては、戦略的な廃棄物の分別・収集から合理的な再資源化及び製造した再生材が、確実に製品製造側に供給されていくことを一体的に計画しているものを国が認定していくことになっています。
類型2つ目の高度分離・回収事業は、再資源化の工程に着目し、その工程において対象となる廃棄物において高度な技術を用いて有用な再生材を多く回収する事業計画を認定していくことになります。
3つ目の再資源化工程の高度化については、既に設置されている施設において、設備のリプレース等に伴ってGHGの特に削減が見込まれる変更を認定していく制度になっているところです。
続きまして5ページ目のスライドです。再資源化事業等高度化法に係る今後のスケジュールです。本日の小委員会の御議論等を踏まえまして、6~7月頃を目途に政令・省令の政府案を作成してまいりたいと考えているところです。その後パブリックコメント等の手続きを経た上で、今年の夏から秋頃にかけて政令・省令等の公布を目指してまいりたいと考えています。
その後、申請事業者等に向けて、施行に向けたマニュアル・ガイドライン・手引きの策定・充実を図った上で、法律に規定されておりますとおり、今年の11月までに法の全体施行を目指しているところです。
以上が再資源化事業等高度化法の概要でございます。
続きまして、再資源化事業等の高度化に関する認定基準検討ワーキンググループの近況の御報告を差し上げたいと考えています。こちらのワーキンググループにおきましては、先ほど御紹介した認定制度においては、幾つか認定の基準が議論されて検討しているところですが、そのうち定量的な評価について指標を用いた考え方を整理すべく、このワーキンググループを設置しているところです。その検討状況について、本日は近況の御報告をできればと考えています。
直近では先月末5月28日に第3回ワーキンググループを開催したところです。この直近のワーキンググループにおいては、定量的指標の基本的な考え方及びその考え方に基づいた類型ごとの指標案について検討・議論をいただいたところです。これまで小委員会またはワーキンググループで様々な意見をいただいたところですが、その意見を踏まえ大きく2つの基本的な考え方をお示ししました。まず1つ目が認定基準として取り扱う定量的指標についての考え方です。指標の考え方については、制度趣旨を踏まえた「あるべき論」、こういった基準まで求めるべきだという「あるべき論」と、一方でデータ不足等によって現段階ではここまでしか確認できないのではないかという「算定実施可能性」、それぞれの意見をこれまでいただいていたところです。
我々としてはどちらの意見も重要な観点だと考えていまして、今後、ワーキンググループにおいては、まず制度開始時点から当面の運用において認定基準として用いる暫定的な指標を示すとともに、今後のデータの充実等に伴って段階的に、その暫定的な指標を改良・進化させていく、そういった方向性を示す将来的な指標の2つを併せて検討・議論いただくこととしてはどうかということをお示ししたところです。
もう1つの基本的な考え方として、それぞれの類型別に資源循環効果を定量的に確認することになっていましたが、その資源循環効果を示す指標について、これまで再生材に係る数量として「再生材供給量」または「再生材使用量」の2つを使うことを検討していたところです。ただ、こちらにつきましては、特に再生材使用量は廃棄物処理業者側からの把握はなかなか難しいという御指摘を小委員会及びワーキンググループにおいていただいたところです。
今回改めて再生材を生成した量の「再生材製造量」と再生材を実際に動脈産業に引き渡した量の「再生材供給量」、また、そちらが製品製造に実際に消費された量ということで「再生材使用量」の3段階があると位置づけた上で、類型ごとに制度趣旨に応じた指標を設定してはどうかということをお示ししたところです。
今御紹介した考え方というものをイメージ図化したものが8ページ目のスライドになっています。こちらは廃棄物の収集から再生材が実際に使われるまでの工程を、あくまでイメージという形でお示ししているものです。各地から回収された廃棄物が中間処分施設(再資源化施設)に搬入された量の総量を廃棄物処理量という全体の分母として捉えた上で、その後、破砕・選別工程等を経て、実際に主目的としている再生材を製造する量、こちらが再生材製造量という位置づけになると考えています。
その後作られた再生材のうち、一部は一時保管や、なかなか需要に届かず実際には使われないものもあろうかと思いますが、そのうち実際に使われた量、動脈産業に引き渡された量というものが、再生材供給量になろうかと考えているところです。
引き渡された後においては、動脈産業の製造プロセスの過程において一時保管されるものもあれば、製品製造に使われる再生材使用量というものがあろうかと考えています。これまでは再生材使用量こそが、動静脈連携の証左になると御提案したところですが、こちらの数量については静脈産業側、廃棄物処理側での把握はなかなか難しい。どれだけ連携体制が取られていても企業機密に係るような部分もございますので、確認することが難しいという御指摘をいただいておりましたので、その意見を踏まえまして、その前の実際に引き渡した量であれば、動静脈双方での確認が可能ということを考えまして、再生材供給量をもって動静脈連携の証左とできるのではないかということを、先ほど基本的な考え方のもとでお示ししたところでございます。
以上のような基本的な考え方を踏まえた上で、ワーキンググループにおいてお示しした類型別の定量的な指標の案が9ページ目のスライドです。こちらも簡単に御紹介させていただきますと、類型①②③それぞれにおいて定量的な指標としては、温室効果ガス及び資源循環効果を確認することを想定しています。それぞれの制度趣旨を踏まえた上でどういった基準にするか、どういった要件にしていくか。また暫定的にはこういった指標において将来的にどのような発展をしていくかということを御検討・御議論いただいたところです。
例えば類型①においては、再生材の大部分がその供給を受ける者(需要者)に対して供給されるという動静脈連携に非常に重きを置いた類型にすることを考えていますので、温室効果ガス、資源循環効果、それぞれを確認することとした上で、特に資源循環効果については、先ほど申し上げた再生材供給量を確認していくことを考えているところです。
またその基準値につきましても、資源循環効果については暫定的には案件別に慎重に評価することとした上で、将来的には基準値x'と書いていますけれども、再生材や再資源化方法別に妥当な目標数量を設定していくことを考えているところです。
また類型②「指定する廃棄物について、回収する再生材の量の割合が通常の再資源化の実施方法に比べて特に高いもの」といった類型においては、温室効果ガス・資源循環効果ともに比較する対象を基準シナリオと書いていますけれども、これを通常の再資源化技術という法の趣旨に準えて設定した上で、通常のリサイクル方法に比べてそれぞれ温室効果ガス・資源循環効果の改善が見込まれることを認定基準の1つにしたいと考えています。
また類型③においては設備のリプレース等によって特に温室効果ガス排出量の削減が見込まれるといったことになっていますので、指標の基準のシナリオとしては、事業実施前の設備というものがベースにはなろうかと考えているところですが、この基準シナリオの考え方につきましては、特にこれまで省エネに取り組んでいた事業者ほど事業変更前後で差が出にくいといったことについて、小委員会・ワーキンググループで御意見をいただいていたところでございますので、もう1つ選択できるシナリオとして、通常の同種類の設備というものも考えて設定しているところです。その上で温室効果ガス削減効果について、一定の基準値を設けてまいりたいと考えています。
以上のような指標案をお示ししまして、その上で第3回ワーキンググループにおいて挙げられた意見の例を11ページ目で紹介しています。全体的には事務局から示した基本的な考え方や類型別指標案については、理解・納得できるというご意見が多かった、概ねの御承諾をいただけたと受け止めています。
その上で各論につきましては御助言・御指摘をいただいています。例えば定量的な指標についてですけれども、GHG削減量に関して、現在は廃棄物処理量1t当たりの削減量を評価として考えているところですが、再生材供給量1t当たりのGHG削減量といった評価も併せて示すことによって、その再生材を使うことによるメリット・環境価値が出てくるのではないかといった様々な波及効果も期待できることから、この認定においては、再生材を使用する側が使うメリットを見出すためにも、併せてそれぞれの評価をさせてはどうかという御助言をいただいたところです。
また2つ目のポツですけれども、類型ごとの工程において、認定の審査の対象範囲とGHG削減量の計算に用いた範囲とが整合していないようなケースもございましたので、そちらについて整合させる必要があるかないかも含めて、ルール化が必要ではないかという御指摘もいただいたところです。
そのほか幾つかございますが、例えば認定に係る審査については、今後、様々な事業者提案・数値が出てこようかと考えられますけれども、やはりどうしても環境省だけでは妥当性を確認することが難しく、有識者の意見も聞くような機会が必要なのではないかということで、どのような審査・認定の仕組み・体制にしていくかについて、具体的な検討が必要ではないかというような御助言もいただいたところです。
こうした意見をいただいているところですが、12ページ目では、今後のワーキンググループの進め方について、事務局のイメージを御紹介できればと思っています。第3回までに示した指標案については、概ね御了承いただけたと受け止めています。そちらを前提に、次回以降はケーススタディの今後の取扱い、そもそもケーススタディをどのように評価していくか、公表していくかという取扱いを検討するとともに、算定方法に係る御指摘を幾つかいただいていましたので、詳細ルールの整備・精査を進めてまいりたいと考えています。またケーススタディについては、これまでGHGの削減効果に重きを置いて試算していたところですが、資源循環効果に関する追加試算等も進めてまいりたいと考えているところです。
以上が直近のワーキンググループの検討状況の御報告になります。
○酒井小委員長 ありがとうございます。ここまでの説明に関して御質問等のある方、名札を立てていただく、あるいは挙手ボタンで発言の意思表示をよろしくお願いいたします。それでは会場の方から指名をしてまいります。最初に粟生木委員、お願いいたします。
〇粟生木委員 御指名ありがとうございます。また御説明ありがとうございました。様々に指標を御検討いただいているということでありがたく思います。
ここでいう再生材の定義というところですけれども、定義についてどのような検討状況になっているかということと、この中で当然プラスチックも対象になっていくかなと思うのですけれども、再生プラスチックということになった場合に、資源有効利用促進法の方で、一定規模の企業さんは再生プラスチックの使用量を報告するということになろうかと思っています。そことの整合性というところに気をつけることが必要ではないかというふうに感じました。
また、再生材の供給量をこの法律では対象としていくというところです。再生材供給量で資源有効利用促進法の再生プラの場合ですけれども、使用量というところのデータのつなぎというか、整合性が取れるような形にしていただけると、今後の政策そのものの評価を行うときに、非常に重要なポイントになってくると思いました。
私は今ほど政策評価と申し上げましたけれども、ここで取れるようなデータを基本的には皆さんの御報告で皆さんの状況がどのように改善されたかということになろうかと思うのですけれども、政策評価にどのように使うかというところにおいても御検討をいただけるとありがたいと思いました。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて三井委員、お願いします。
○三井委員 説明ありがとうございました。私からは直接的な意見ではなくて、間接的な意見という前提で聞いていただければと思います。
事業形態の高度化、分離・回収技術の高度化、再資源化工程の高度化、いずれもですけれども、私の知っている限り肌感で申し上げると日本の機械メーカー、いわゆるプラントメーカーがなかなか育っていないという現実だと認識しています。
何が言いたいかというと、こういった機械をそろえようと思うと海外からとか、あるいは日本のメーカーでも限られたメーカーからしかそういった精度の高いものは買えない。それによってイニシャルコストが異常なくらい価格が上がっているという中で、イニシャルコストを価格転嫁してお客様にこれだけの費用がかかりますといったときに、お客様が要望する値段に合うか、合わないかということを踏まえて、将来的に日本の機械メーカーあるいはプラントメーカーの育成をお願いしたいというように思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインでの御意見、高岡委員、お願いします。
○高岡委員 7ページのところで再生材を動脈産業に引き渡した量を再生材供給量とされるということです。基本的にはコンセプトは分かるのですが、ここで動脈産業といったときに、例えば仲介業者というかそういったものもあり得るのではないかと思いました。その辺り、どのように判断されているのかというところを1点お尋ねしたいと思いました。
もう1つはこうやって指標ができてその目標年度等についても既に御意見が出ているところですけれども、一旦これで要件を決めて認定をして、その後の指標のモニタリングというところもこのワーキンググループで御議論されているのであれば教えていただきたいと思いました。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。引き続いて関口委員、田原委員、お願いします。
○関口委員 再資源化事業等高度化法は、資料3ページで示されたとおり、脱炭素と再生資源の質および量の確保を両立させることが趣旨ですが、適正な廃棄物処理も加えて、これら3点を高いレベルで実現していくことが重要であると考えます。その視点から、3点意見を申し上げます。
1点目は、資料8ページで示された再資源化における工程のイメージ図において、どの事業者が認定の主体となるかお示しいただきたく存じます。中間処分施設(再資源化施設)の枠で囲まれた範囲において、破砕・選別工程から再生材の製造までを一貫で行う事業者は数少なく、各工程を役割分担し共同で事業を進めていくことが現実的ではないかと考えます。共同で事業を進める場合、認定の主体となる事業者をどのように選定するのか、お考えがあれば、お示しいただきたく存じます。
2点目は、資料9ページで示された定量的な指標の例および考え方についてです。再生材の原材料となりうる廃棄物の発生量や発生時期は、通常の生産物と異なり、一定であることが稀な例もあるかと存じます。事業計画を作成しても、計画通りに実現するとは限らず、市況・経済情勢等に左右されるため、その差異をどのように捉えるべきか、お考えがあればお聞かせいただきたく存じます。
また、再生材を製造する立場から申し上げると、リサイクルを進めるために追加のエネルギー投入がどうしても必要となり、再生材の製造拡大と脱炭素がトレードオフになる場合があることも考えられます。どのように基準をクリアしていくべきか、もしお考えがあれば併せてお聞かせいただきたく存じます。
最後に3点目として、再資源化事業等高度化法の認定を受けた場合、現行の廃掃法の規制から緩和された状態で事業を行う点についてです。冒頭に申し上げたとおり、廃棄物の適正管理も行う必要がある中で、過大な目標を作り認定だけを取得するような悪い事例が生じないよう、モニタリング等の仕組み・運用を工夫していただきたく存じます。
○酒井小委員長 関口委員、ありがとうございました。それでは田原委員、お願いいたします。
○田原委員 まずこの指標についてですけれども、上場している大企業でも本当に測定が難しいような、そもそもデータを取るということがとても難しいなと感じています。それは、コスト、金銭的という意味でも人的リソースという意味でも時間もかかりますし、これにチャレンジしようとするとかなりハードルが高くなる可能性があるなと考えています。これから検証なされるということですけれども、データ収集の実現可能性というところについても検証されるべきではないかと考えています。
これはインパクト投資という段階においては必ず論点になるところです。インパクトとか削減効果を提示したいけれども、そのデータを集められないというところです。ここについても検証が必要かなと思っています。
ジャストアイデアですけれども、例えばインパクトファイナンスということとの掛け合わせによって、この取組をドライブできる可能性もあるなと思っています。いわゆるサステナブルファイナンスでボンドとかと言われるところにおいては、こういったKPIを設定していることがクライテリアになって、そのKPIをクリアしていると銀行からの融資が得やすくなるということもあります。例えば融資を使ってこの高度化法の改革をしていくという事業が増えていくと、双方にとってメリットがあるのではないかと思います。そういった金融庁みたいなところとの連携も視野に入れるといいのではないかなと思いました。
私もモニタリングのところが気になっております。これは一過性のものというかスナップショットだけではないと思っています。結局そこからどの程度削減されていくかという数年単位の削減効果を見ることが必要かなと思っています。モニタリングというところに関してどういった運用体制が取れるのか。それはこちら側の運用体制もそうですし、先方の運用体制も評価対象とするのかどうかというところも確認しておくといいのかなと思います。
申請時はどうにかありもののデータを集めて複数の部門が協力をし合って計算する企業が結構多いと思うのですけれども、その後の運用体制というところです。それを毎年誰が計測しマネジメントしていくのかという運用体制についても要件に課すかどうかというのも論点になるのかなと思いました。
あとは先ほど関口委員の2点目の御指摘について、確かにそうだなと私も思いました。この指標についてLCAの観点をどう組み込むかというのも1つ論点になると思いました。トータルで考えたときにリサイクル、再生材を使用した方がメリットがあるということが言えるようなもの、特にCO2においては先ほどのように、どうしても工程の途中でエネルギーを使うということがありますので、その点についても言及できるといいのかなと考えております。以上です。
○酒井小委員長 田原委員、ありがとうございました。それでは手を挙げていただいた方から御質問、御意見をいただきました。今日御欠席の末吉委員から書面で意見をもらっております。ちょうどこのパートで出していただいたほうがいいかと思いますので、御紹介をお願いします。
〇水島課長補佐 御質問・御意見等ありがとうございます。本日末吉委員から御意見をいただいていますので、この場をお借りして事務局から代読させていただきます。
まず類型①についてです。本類型事業において認定要件となっている「トレーサビリティが確保されると認められること」という項目について、該当する廃棄物を収集して動脈に引き渡すまでの静脈側に求められる要件となるのかという御質問です。
また、この点を含めまして認定の基準について記載されている各項目が動脈・静脈、どのプレイヤーに求められているのかといったことを明確にすべきだという御意見をいただいているところです。その上で本類型の趣旨である動静脈連携促進というものを担保する基準はどこにあるのか、御教示いただきたいという御意見をまず1ついただいているところです。
また類型②について、本類型では、まずは太陽光発電電池、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池が告示で指定される廃棄物として考えておりまして、社会的に必要な廃棄物で今後、廃棄量の増加が見込まれるものも対象になるというふうに資料にございますけれども、今後、告示で指定する廃棄物はどの程度の頻度で見直していくのかといったような御質問をいただいています。
また仮に定期的な見直しを検討している場合においては、社会的に必要な製品や排出量の増加が見込まれるものがその定期的な見直しのタイミングに合わず、速やかな検討が必要になる場合があるかもしれない。そのようなときに、社会的な需要が急騰した場合において、対応方針はあるのかという御質問もいただいています。
3点目ですが、より高度な技術とはどのようなものを想定しているのかということで、既にある技術・設備を少しでも改良し、その結果、生産量が多少なりとも向上していればよいのか、それとも現時点において市場にはない革新的な技術のみを指しているのか、ということです。すなわち、認定基準の事業内容「再資源化の生産性の向上の程度を示す指標が適切に算出されたものであり、かつ当該指標が高度な技術を用いることによってのみ達成が可能であると認められること」の算出指標として、具体的な足切りラインはあるのかという質問です。
最後にということで、「再資源化を対象とした際にリユース目的の選別が当てはまらなくなってしまうように思います。本来資源循環の中の優先度として、回収されたものはリサイクルされる前にリユースが優先されるべきであって、そのための回収及び選別設備の高度化にも活用できる枠組みが求められると考えます。」というような御質問・御意見をいただいているところです。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。今の御意見、この認定基準のところへの関わりが多いと判断してここでの紹介をお願いした次第です。御理解ください。
それではいただいた御意見に関して事務局のほうにマイクをお渡したいと思いますが、すみません。冒頭で申し上げるところ、ワーキングのメンバーの方々のここまでの御議論、あるいは作業に感謝することを忘れておりました。この後も含めて、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは事務局、お願いします。
〇水島課長補佐 御意見・御質問ありがとうございます。順にお答えいたします。
まず粟生木委員からいただきました再生材の定義についてです。再生材の定義はそれぞれの場合によって変わり得ると思いますけれども、今回の認定制度における再生材の定義といたしましては、製品の原材料として用いられるいわゆるプライマリー材の代替として用いられる品質を確保しているものを再生材と位置づけているところです。
またその上で、改正された再資源化有効利用促進法(3R法)等で用いられている数値であるとか、例えば政策評価・政策目的などについては、おっしゃるとおり、動脈側で促進していく3R法の施策と整合するような形でこの認定制度についても考えてまいりたいと思っているところです。
続きまして、三井委員から御質問・御意見をいただきました、廃棄物処理・リサイクルに係る機械等のメーカーについて、国内メーカーがなかなか育成が進んでいなくて、現在海外メーカーの輸入等が多いといった現状についてです。おっしゃるとおり国内の機械メーカー・製品等がより一層促進していくことは非常に重要だと考えています。この高度化法認定制度もそうですし、そのほかの施策等も通じて国内の製造メーカーの育成等につながるような施策につなげてまいりたいと考えています。
続きまして、高岡委員からいただきました、動脈産業において中間業者のようなものをどのように取り扱うかという御質問についてです。基本的には特に類型①に関しては、動脈産業との動静脈連携については、製品製造等に供給した再生材がきちんと使われているのかということを確認してまいりたいと考えています。望ましいのはやはり製品製造を行っている事業者に直接渡されていることが理想ですけれども、一方でおっしゃっていただいているとおり運用面においては、中間紹介業者なども介すこともあろうかと思っております。その際には介入業者というのでしょうか、中間業者に引き渡されただけではなくて、その後どういった製品製造に用いられる予定なのか、といったことの確認をもって認定基準に達するかどうか、適合するかどうかを確認してまいりたいと考えています。
続きまして、認定基準に用いる定量的な指標のモニタリングのあり方についてです。御意見といたしましては、この指標に用いる特に再生材の供給量とかあるいは廃棄物の回収量については、1年単位でも大きく変動することがあるといった御意見だったかと理解していますけれども、おっしゃるとおりだと考えています。
認定審査の段階ではあくまでも計画値という形で定量的な指標をお示しいただきたいと思っていますが、認定後、実際の運用面においては毎年度進捗報告として、定量的な指標を実績でお示しいただくことを考えていますけれども、その際はなかなか計画値どおりうまくいかなかったり、あるいはおっしゃっていただいたように、社会情勢の変化等によって大きな変動がある場合も想定されるというふうに、我々も考えているところです。
単年度の実績などをもって容易に評価とか計画の見直し等を指導するのではなく、ある一定期間等の中長期的な視点を持って計画どおりに進んでいるのかどうかといったことを確認してまいりたいと考えています。その上でなかなか計画どおりにうまく事業が進捗していないようであれば、事業者とも密に相談しながら必要な計画の見直しを図るなどの監督指導を進めてまいりたいと考えています。
続きまして、関口委員から御意見をいただいた項目についてです。この法の目的として、脱炭素化及び再生材の量・質の安定供給に加えて、適切な廃棄物処理が改めて重要だという御指摘についてはまさにおっしゃるとおりです。説明が少し不足していて申し訳ございませんでしたが、再資源化事業等高度化法においても適正な廃棄物の処理を大前提とした上で、先ほど申し上げたような法の目的が重要だと考えているところです。
その上でいただいた御質問ですけれども、8ページ目でお示ししたように、こういった再資源化事業のスキームを考える際に、なかなか一事業者だけで完結することは難しく、幾つかの事業者の連携において全体の廃棄物の適正処理が進められていく中で、認定する範囲をどうするかという御質問でした。こちらについては、それぞれの類型別に認定する計画範囲が異なると考えています。
例えば類型①ですと、廃棄物収集運搬から再生材の供給までを一括して計画されていることを認定対象といたしますので、収集運搬工程に含まれている複数の事業者連携も計画範囲に含んでいただくことが適切だと考えております。また、再生材の製造だけでなく、例えば消費材の製造や処理残渣がどうなるかも、認定の際にはしっかり確認してまいりたいと考えています。
一方で類型②であれば、中間処分に係るような部分のみに着目した上で認定していくことになりますので、基本的には中間処分、その中でも再資源化を行うような部分のみが認定の対象になってくるとは考えています。その上で先ほど来おっしゃっていただいているとおり、適正な廃棄物処理という観点は重要だと考えていますので、その再生材の製造に係る部分以外の廃棄物や残渣がどうなるのかということも、審査段階では必要に応じて確認してまいりたいと考えています。
また類型③においても同様です。設備のリプレース等があくまでも認定範囲になりますが、そもそも廃棄物処理として適正な処理がなされているのか確認する観点で、そのほかの廃棄物とか残渣がどうなっていくかということも併せて確認してまいりたいと考えています。
続きまして廃棄物の発生量が安定しない場合の考え方についてです。こちらにつきましても先ほど高岡委員の御質問に対してお答えしたように、廃棄物の発生量が変動することは大いにあり得ると考えています。1年単位のモニタリングではなくて中長期的な視点や、事業者として今後どのように対応していくかの見込みなども確認しながら、適切な監督指導等を進めてまいりたいと考えています。
また、温室効果ガスの削減効果についてですけれども、高度なリサイクルをする際には追加のエネルギー投入量が増えるという観点は非常に重要だと思っています。そのためワーキンググループにおいても、こちらで書いてある温室効果ガスの削減効果というのは投入するエネルギー量だけでなく、製造する再生材がプライマリー材を代替することによる温室効果ガスの削減効果も合わせて加味することによって、もしリサイクルをするために追加のエネルギー投入量が増えたとしても、その再生材の質・量が上がることによって製品製造のサプライチェーンにおける温室効果ガスが減るのであれば、それらを総合的に判断した上で評価していくということを考えているところです。
続きまして、田原委員からいただいた御意見です。まず1つ目のこういった定量的指標出すことはなかなか難しい。一方で金融面の観点においてはこういった指標等がKPIとして用いられているケースもあってそれらを一体的に促進していくことが必要なのではというような御意見だったと受け止めています。
おっしゃるとおりだと思っております。こちらはあくまでも我々が金融機関等とも意見交換をする際によく言われていることの御紹介になります。金融機関側からはリサイクル再資源化事業が有用なものなのかどうかということを判断しにくいという御意見をいただいているところでございます。今回の認定制度のように、特に定量的な評価のように誰でも分かりやすいような形で示していただくことで、金融機関としても投資判断につなげやすいといった御意見をいただいているところです。そうしたサステナブルファイナンスの観点での動向等も踏まえながら、認定における定量的評価をどのように進めていくかということを考えてまいりたいと思っています。
また、モニタリングのあり方とか、GHGにおいてはLCAの考え方も重要だという御意見についてもおっしゃるとおりだと思います。先ほど御紹介したとおり、中長期的な視点を持った上で再生材が社会全体においての温室効果ガスの削減効果というものを評価できるように、そういった運用を考えてまいりたいと思っています。
本日いただいた御質問については以上です。その上で、末吉委員からいただいた御質問についてお答えさせていただければと考えています。まず1つ目の類型①についての御質問です。こちらは後ほど詳しく御紹介できればと考えていますが、類型①においては要件としてトレーサビリティが確保されているといったことを考えているところです。これは書いていただいているとおり、廃棄物の収集段階から再生材となって動脈側に引き渡されるまでを静脈産業において、今回申請いただく申請事業者側において求めていく要件として設定しているところです。
また、その点を含めて各要件について動脈側、静脈側、どのプレイヤーに求められているのかといったことについてはおっしゃっていただいているとおり、明確にするべきだと考えています。基本的には申請いただく事業者、いわゆる静脈側に求めていく基準になろうかとは考えていますけれども、誰に求められているのかということについては今後政令・省令だけではなく申請事業者向けのガイドライン等を通じて明確にしてまいりたいと考えています。
その上で本類型の趣旨である、動静脈連携促進を担保する基準ということですが、こちらについても後ほど詳しく御説明できればと思っておりますが、今回御質問いただいているトレーサビリティが確保されているかどうかということに加えて、認定の要件として、作った再生材がきちんと使われるということを前提に計画されているかどうかといったことを書面として求めてまいりたいと考えています。
その内容につきましては、本来であれば再生材を供給する契約書とかそういったものが理想的だとは考えていますが、申請の段階において契約書のような法的根拠、拘束力をもった書面の用意はなかなか難しいということも承知しておりますので、例えば事業を実現した後に再生材が本当に動脈側の需要に適合しているかどうかを確認するための、再生材の品質検証を行っている状況とか、あるいは事業連携に向けた協議書・合意書といったものをもって動静脈連携といったものの担保を考えているところです。
続きまして、類型②について、今回想定している対象廃棄物に加えて、今後さらに対象廃棄物を追加していくといったことをお示ししているところですが、どの程度の頻度で見直されるかといったことです。こちらについては、定期的な見直しといったものではなくて、社会的な要請とかあとは技術動向の進展状況などを踏まえて、適宜見直していくことを考えています。その上で、御質問としては仮に定期的な見直しを検討されている場合となっていますが、社会的需要が急騰した場合においては、再資源化事業等高度化法の類型②の制度で担保すべきか、あるいはそのほかの制度で何らか対応ができるものなのかといったことを総合的に判断した上で、必要な措置といったものを環境省として講じてまいりたいと考えています。
また、より高度な技術はどのような想定をされているのかという御質問です。こちらについては、御紹介いただいている、既にある技術設備が少しでも改良された場合と、革新的な場合のどちらなのかという御質問をいただいていますけれども、どちらも想定し得ると考えています。明確に一つ一つこういった場合というものがあるわけではございませんが、先ほど御紹介したような定量的な指標において、廃棄物ごとにどういった再生材を回収すべきかということを個別に設定しまして、その設定基準を満たすものを高度な技術という位置づけにしてまいりたいと考えています。
例えば現時点において想定している太陽光パネルにおいては、幾つかの再生材の回収が見込まれる、想定される中で今回類型②において線引きを行うのであれば、特定の再生材としてはガラス材、その中でもガラスの原材料として水平リサイクルできる品質を持ったガラス材というような位置づけを考えております。ガラスへの水平リサイクルが可能となる基準値以上のガラス材を回収することができる技術を高度な技術という位置づけで考えているところです。
最後もう1つ、御質問をいただいています。再資源化を対象とした際にリユース目的の選別が当てはまらなくなるということで、リユースが重要ではないかという御意見でして、こちらもおっしゃるとおりと考えています。あくまでも再資源化事業等高度化法は廃棄物処理ということで、リサイクルされる部分について認定していく制度にはなっているところですが、実際の事業においてはリサイクルする前にリユースできるものがあれば、廃棄物ではなく有価物として扱って、リユース品となっていくことがあり得ると思っています。認定する特例制度の対象範囲とは別に、実運用の中でリユースになるものも含めて廃棄物回収をするような事業といったものも審査対象になってくると考えています。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それぞれの御指摘に対して、極めて丁寧に発言いただけたと思っております。追加の御指摘ございますでしょうか。
それでは、次の政令・省令の議論とも関係すると思いますので、次の資料説明に入っていただければと思います。お願いします。
〇水島課長補佐 資料2の後半部分について御説明させていただきます。再資源化事業等高度化法において主な政令・省令の案が固まってまいりましたので、本日概要という形で御紹介できればと考えています。
様々な規定がある中で、全体のまとめという形で御紹介できればと思っています。先ほど来御説明しております認定制度における類型①高度再資源化事業についてまとめたものが、14ページ目のスライドです。制度趣旨といたしましては法律でも規定されておりますけれども、合理的な廃棄物の収集、再資源化、再生材の安定供給を行う事業ということになっています。御紹介しておりますとおり、再生材を活用した循環サプライチェーン、動静脈連携の創出といったことに特に重きを置いているところでございます。
この認定制度の特例ですけれども、事業計画に基づいて行う廃棄物の収集運搬、または中間処分の業であるとか、廃棄物処理施設の設置については、本来必要となる廃掃法の許可が不要となっています。特にこれまで広域的な廃棄物の収集運搬等に当たっては、許可権者である都道府県別に業の許可といったものが必要になっていましたけれども、今回はそういったものを国が一括的に認定していく制度となっています。
またもう1つ今回の高度化法類型①における特徴としては、廃棄物処理におけるDXを活用して手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。具体的には再委託に関する情報であるとか、収集運搬車に関する情報の管理、またトレーサビリティシステムなどについて、DXを活用いただくことによって、これまでの手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。
対象となる事業についてもこれまでの小委員会等で様々御意見をいただいていたところだと思っています。まず1つ目ですが、製品等の原材料を代替する再生材を安定して供給する事業ということになっています。
2つ目が国民経済に資する事業に再生材を供給する事業ということで、この国民経済に資する事業というものは、経済安全保障であるとか、あとは国内の産業競争力の強化につながるといったことを考えています。
また3つ目、こちらもこれまで小委員会等で御意見をいただいていたところです。地域との調和であるとか地域振興・地域発展、いわゆる地方創生に資する事業であるべきといったことを考えているところです。
その上で事業に求める要件の例ですけれども、まず1つ目が動脈産業側に再生材の大部分が供給される具体的な事業者が確保されていること、もう1つが取り扱う廃棄物や再生材についてトレーサビリティが確立されていること、また、定量的な指標、こちらについては、先ほどワーキンググループの近況報告で御紹介しましたとおり、GHGの削減貢献量であるとか、あるいは資源循環効果についてきちんと基準値以上の評価がなされているということ、そのほかこの類型①については、複数の企業による連携体制も重要になってくるかと考えています。その責任分界点であるとか、あるいは申請者における管理体制が明確であることなどが重要ではないかと考えているところです。
以上のような全体像を踏まえた上で、今後政令・省令で規定していきたいと考えていることを15ページ以降にお示ししているところです。こちらの資料ですが、15ページ目を例に御説明させていただきますと、まず類型①の高度再資源化事業についての規定です。政令・省令で規定すべきとなっている項目が、こちらの緑の枠で囲っている項目です。例えば15ページ目ですと、高度再資源化事業計画というものを申請の際に提出していただくことが法律に規定されていますが、その中の記載事項について政令・省令で定めることになっています。その案というものを具体的に今回お示ししているということです。そのため幾つか法令用語のような形でお示ししていますけれども、あらかじめお含みおきいただければと考えています。
その上で具体的な今考えている案について黒字で示している部分は、これまでの廃掃法の許可あるいは「○○リサイクル法」における認定制度のように、これまでの廃棄物行政においても同様に求めていた規定に準じる形で考えているものになっています。今回の高度化法において、何か新しい議論をもって設定するというものではないというふうに我々としては考えているところです。
一方で緑の字で示している部分については、今回の高度化法の制度趣旨等を踏まえて新たに規定しているものとか、または先ほど御紹介した手続きのスリム化を図っている部分になっています。本日は特に緑の部分を中心に御説明させていただければと考えています。
その上で15ページ目の御紹介です。まず高度再資源化事業計画の記載事項についての規定です。申請する事業の内容としては、次を含むものというような規定を設けたいと考えています。まず1つ目ですけれども、当然のことですが再資源化を実施する廃棄物の種類とか認定後に再資源化される見込みの廃棄物の種類ごとの重量といったことを、再資源化に重きを置いている施策になりますので確認したいと考えています。
また2つ目、3つ目ですが、先ほど御紹介したとおりこの類型①においては再委託等も通じて複数の企業における協力体制によって行われる事業というものが想定されますので、それぞれの処理における責任の範囲とか、あるいは一連の処理の工程を申請者自身が統括して管理できているかどうかといったものを記載いただきたいと考えています。
また、4ポツ目ですが、トレーサビリティを確保するための仕組みの概要ということで、このトレーサビリティについては廃棄物の種類、数量、性状及びおおよその所在といったものを記録または把握することができるものといったことを考えているところです。
また16ページ目、そのほかの記載事項として再委託をする場合に、幾つか規定を設けたいと考えています。再委託の名称に加えて、特定に資する情報として法人番号を付記するものというような規定を考えています。再委託を認める認定制度というものは、これまでの廃棄物行政においても幾つかあったところですが、今回は再委託先の名称のほかに、変動しない情報として法人番号を付記していただくことを考えています。
またその次に、再委託を行う収集運搬または処分の別については、電子情報処理組織その他の情報通信の技術を利用する方法によって、環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置の有無といったことを付記いただくことを考えています。こちらは少し分かりにくい表現にはなっていますが、電子データ等を通じて環境省が常に再委託者に関する再委託情報を把握できるのかどうかといったことを記載いただきたいと考えています。常に把握できないことをもって認定しないというわけでは、要件としては考えていませんが、もし環境省が常に再委託者の最新情報を把握できるような措置が取られている場合においては、後ほど御説明する幾つかの事務手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。そのスリム化を図れるかどうかという適合性を確認するために記載いただきたいと考えています。
そのほかの記載事項としては処理施設を設置する場合においては、例えば廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画であるとか、あとは処理施設の維持管理に関する計画といったものも政令・省令で規定していくことになりますが、こちらについてはこれまでの廃棄物行政で求めてきた規定に準じる形を考えているところです。
また、申請時において先ほどの事業計画に加えて添付を求める書類についても政令・省令で規定することになっています。おおむねの添付書類については、これまでの廃棄物行政同様に、例えば廃棄物の処分の用に供する施設の構造を明らかにする図面とか、あるいは申請者の情報、性格などを添付書類として求めているところですが、今回類型①において改めて求めている書類としては、再資源化事業実施の効率化の程度を示す指標の算出の根拠を示す書類といったことも設けたいと考えています。こちらについては先ほど御紹介したワーキンググループで御議論いただいております定量的な指標のことを政令・省令での規定では、こういった表現として示しているところです。
また、そのほかにも一番下のポツになりますが、再資源化により得られる再生部品または再生資源、いわゆる再生材が事業者に対して供給されると見込まれることを確認できる書面の写しということです。こちらは先ほど御紹介しましたとおり、動静脈連携の証左ということで確認したいと考えているものです。前回小委員会でも御議論いただきましたとおり、契約書の写しはなかなか難しいということを踏まえた上で、実際の審査の段階においては再生材の品質等を協議する書面であるとか、あるいは事業連携に向けた合意書などをもって確認してまいりたいと考えています。
続きまして18ページ目です。生活環境に及ぼす影響についての調査に関する書類です。いわゆるミニアセスに関する書類ですけれども、こちらについてはこれまでの廃棄物行政等で求めていた調査項目であるとか規定について、引き続き準じる形で規定してまいりたいと考えています。
19ページ目、適正な配慮がなされるべき周辺の施設といったものも、政令・省令で規定することになっています。こちらもこれまでの制度に準じる形の規定を考えています。
また廃棄物処理施設を設置しようとする者の能力の基準ということで、こちらについては、周辺の地域との調和の確保に向けた取組が行えているかどうかということを確認してまいりたいと考えています。周辺地域との調和の具体的事例としては、例えば住民の理解を得るために説明会を行っているとか、あとは地域の都市計画に整合するような施設を考えているといったことが想定されますが、基本的には事業者の取組、提案に委ねたいと考えています。環境省からはガイドラインなどで代表的な例といったものを御紹介できればと考えています。
また縦覧等を要する廃棄物処理施設の規定につきましては、焼却施設といった規定を考えています。こちらはこれまでの制度に準じる形になっているところです。
20ページ目です。認定の基準のうち、高度再資源化事業自体の内容についてです。前提として動静脈連携の創出といった制度趣旨になっていますので、そちらに整合するような認定の基準を幾つか設けていきたいと考えています。
まず1つ目ですが、作った再生材が事業者に対して安定的に供給することができると認められること。2つ目が定量的な指標が適切に算出されたものであって、再生材の大部分が事業者に対して供給される、いわゆる事業者の需要に応じたものであること。
3つ目がこれまでの小委員会でも様々な御意見をいただいていたところですが、収集しようとする廃棄物が通常の保管状況の下で容易に腐敗しまたは揮発するなど、性状が変化することによって、生活環境保全上の支障が生じるおそれがある場合において、その支障を防止するために必要な適切な措置が講じられていること、といった規定を設けたいと考えています。
また、4ポツ目と5ポツ目合わせての御紹介となります。先ほど確認することとして御紹介したとおり、再委託なども今回想定されますので、委託する業務の範囲及びその委託する者の責任の範囲が明確であって、また委託先の監督について当該申請に係る収集、運搬または処分が適正に行われるための必要な措置が講じられていることであるとか、申請者が統括して事業全体を管理する体制が整備されていることといったことも要件として求めてまいりたいと考えています。
少し飛ばしまして、下から3つ目のポツです。地域の環境の保全のための取組並びに地域の振興及び社会の健全な発展に資する措置を併せて行うものであると認められること、といった要件も考えています。こちらがこれまでの小委員会でも御議論いただきました地方創生等に関する取組が実施されているかどうかということも要件として考えています。
またその下ですけれどもトレーサビリティが確保されると認められること、も要件として考えています。
最後になりますけれども、再資源化により得られる再生材が国民経済に寄与する者に供給されるものであることということで、国民経済に寄与する者が意味するところは、前回小委員会でも御議論いただきましたとおり、国内において製品製造を行う者または海外に供給する場合においては、海外において製品製造を行っている日本企業であるものといったことを想定しています。そうしたことを通じて経済安全保障とか国内の産業競争力強化につなげてまいりたいと考えています。
続いて21ページ目です。認定の基準はほかには例えば申請者の能力に関する基準であるとか、あるいは廃棄物の収集運搬の用に供する施設、または処分の用に供する施設といったものについても基準を設けているところです。これらについてはこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じる形を考えています。
22ページ目です。廃棄物処理施設の技術上の基準です。いわゆる廃棄物処理施設に求める構造であるとか設備に求めている基準になります。こちらについては前提としてはこれまでの廃棄物行政に求めていた規定によるという形で準じる形を考えていますが、今回認定する施設は再資源化施設に限られてまいりますので、その上でという形で再生材に求められる規格を満たすための設備または装置が設けられていること、投入された廃棄物に対して効率よく再生材を得られる構造であること、安定的に再生材を供給するために必要な措置が講じられていること、当然といえば当然かもしれませんが、再資源化施設としてしかるべき規定を設けたいと考えています。
続きまして23ページ目です。認定された事業者に対しましては認定証というものを交付することを考えていますので、政令・省令においてその認定証に係る規定を設けたいと考えています。
また、船舶または運搬車を用いて廃棄物を収集運搬する際の表示の基準についてです。まずこれまでの廃棄物行政においては、特に産廃ですけれども、船舶・収集運搬車両について廃棄物を収集・運搬する際には、車体の外側に廃棄物を収集・運搬している旨であるとか許可番号、あとは事業者名等を表示するような規定があったところです。今回の高度化法においても基本的にはこれは守るべき規定として考えています。その上で手続きのスリム化を図れる余地があると考えています。トレーサビリティを常時かつ即時に確保するための仕組みといったものが構成されていて、また先ほど事業計画の際に記載を求めていた、環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置を講じている場合には、この表示の義務といったものは必要ないといった規定を設けたいと考えています。
続いて24ページ目です。認定後の計画について変更が生じた場合には、事前に認定の申請を行っていただく必要がございまして、政令・省令においてはその認定の申請に係る手続きについて規定していくことを考えています。こちらについてはこれまでの認定制度に準じることを考えています。
その上で計画に変更が生じた際に、軽微な変更であれば、事前の認定ではなく届出の手続きで済むという制度になっています。届出で済む軽微な変更の具体的な対象を政令・省令で規定することになっています。
今回の高度化法の類型①においては、再委託先に関する規定にするものであって、先ほど御紹介した環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置を講じている場合には、再委託先の氏名名称の変更であるとか、あるいは廃棄物の収集・運搬を行う者の変更、いわゆる追加や減少のことですけれども、そうした変更であっても常に環境省が確認するような措置が講じられている場合には、軽微な変更ということで届出対象になるという規定を設けたいと考えています。
26ページ目です。なお今回の類型①における届出においては、事業変更の日から事後30日以内、約1か月以内の手続きで足りるという規定を設けたいと考えています。
また、認定後の事業計画の廃止においては、届出をしていただくような規定を設けたいと考えています。
27ページ目です。認定された事業者に対しては、毎年事業の進捗報告をしていただく規定を設けたいと考えています。具体的には毎年6月30日までにお示ししている項目を環境大臣に報告いただきたいと考えています。その中には廃棄物の処理状況とか再資源化の状況といった当然のことも含みますし、また廃棄物処分業者の判断の基準となるべき事項ということで、こちらは高度化法において全ての廃棄物業者において高度化に向けた取組の目標となる判断の基準といったものがございましたが、今回認定される事業ということで、当然のことながら判断の基準に対応する取組がなされていくべきだろうということを前提に、その取組状況についても報告をしていただきたいと考えています。
また一番下ですが、認定審査の際に用いた定量的な指標についても、実績状況を報告いただきたいと考えています。なお、その報告いただいた項目については、先ほど来、各委員から御質問をいただきましたとおり、毎年度報告いただく形にはなりますが、1年単位の報告をもって何らか指導等をするのではなく、全体的な社会情勢等をも踏まえた上で適切な監督指導をしてまいりたいと考えています。
続きまして28ページ、再委託の基準についてです。こちらについてはこれまでの廃棄物行政に準じる形を想定しています。
29ページ目です。産業廃棄物の処理基準について、まず収集・運搬に関することです。廃棄物の適正処理の観点から、これまでの廃棄物行政で求めていたものに準じる形を想定しています。
その上で30ページ目です。保管に関する部分については、今回類型①においては特有の考えを持ちたいと考えています。前回の小委員会でも御紹介したとおり、再生材の安定供給という一面からは保管の数量に関する上限、例えば廃掃法ですと収集・運搬段階における積換え保管施設においては、1日当たりの搬出能力の7日分を超えるような保管を行ってはならないという規定がありますが、今回の類型①においては保管の数量に関する上限は設けないことを考えています。一方で、そのためによって懸念される品質であるとか事故につきましては、それぞれ品質安定化に求める規定、火災事故等の防止に関する規定を設けたいと考えているところです。
続きまして31ページ目、中間処分に関する処理基準です。こちらについても適正処理の観点から、基本的にはこれまでの廃棄物行政の規定に準じる形を考えています。その上で中間処分における保管の上限については、先ほど同様撤廃することを考えています。
以上が類型①に関する政令・省令の規定です。
○酒井小委員長 時間が押していますので、説明をうまく進めてください。
〇水島課長補佐 続きまして類型②についてです。類型②の概要ですが、制度趣旨としましては、特定の廃棄物を指定した上でより高度な技術を用いて有用な再生材を回収するような事業を促進していくということになっています。認定制度の特例としては、中間処分の業、または廃棄物処理施設の設置に関することについての許可を、廃掃法で本来求めていた部分について不要とするような制度になっています。
また加えまして、廃棄物を指定すること、また高度な技術という処理方法が極めて限定されるという観点で、これまでの廃棄物処理法等における廃棄物の処理基準とか施設基準ではなくて、今回想定される事業に特化した合理的な処理基準、施設基準が設定できるのではないかと考えています。
対象となる事業につきましては、今後告示で指定していくことを考えていますが、まず第一段階としては太陽光パネル、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池の3つを考えているところです。指定していく廃棄物については、社会的に必要な製品で今後さらに廃棄物発生量の増加が見込まれるということと、現時点において既に一般的なリサイクル方法が確立されていて、さらにその上で高度と線引きできるようなものがあるといったことを前提に、今後必要に応じて廃棄物の追加を考えてまいりたいと考えています。
事業に求める要件例としては、再生材を回収できる高度な技術であるかどうかということ。あとは周辺生活環境に影響がないことであるとか、定量的指標の評価が適切になされているといったことなどが考えられるところです。その上で、政令・省令で定めるような規定について、33ページ以降で御紹介しています。
まず指定する対象廃棄物については、先ほど御紹介したとおり環境大臣が今後具体的に告示で定めていくことを想定しています。また申請の際に提出いただく事業計画につきましては、基本的には類型①であるとかこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じることとしています。その上で必要に応じて環境大臣が対象廃棄物ごとに告示で定めていくようなことも考えているところです。
34ページです。そのほか廃棄物処理施設を設置する場合における記載事項等については、これまでの廃棄物行政の規定に準じる形を考えています。
35ページ目でございます。申請時に添付を求める書類といたしまして、こちらも類型①と同様、基本的にはこれまでの廃棄物行政での規定に準じる形と考えています。それに加えて定量的指標に関する根拠を示す書類であるとか、そのほか対象廃棄物別に何らか追加の書類が必要だということであれば、環境大臣が別途告示で定められるような規定を考えているところです。
36ページ目でございます。適正な配慮がなされるべき周辺の施設につきましては、これまでの規定に準じる形を考えています。
また廃棄物処理施設を設置しようとする者の能力の基準につきましても、類型①と同様に、周辺地域との調和の確保に向けた取組状況といったものを確認したいと考えています。
37ページです。認定の基準のうち事業の内容についてです。類型①に比べますと動静脈連携の創出といったことには、そこまで重きを置いていない関係であるとか、収集・運搬に関するものが事業計画に含まれないということで、かなりコンパクトにまとまっているところです。
まず1つ目としては定量的な指標が適切に算出されたものということ、あとは4ポツ目ですが、地域の環境の保全の取組とか地方創生に関する措置を併せて行うものとして認められるといったことを考えているところです。
38ページ目、そのほかの基準としまして申請者の能力とか施設の能力については、これまでの廃棄物行政の規定に準じる形を想定しています。
39ページ目、廃棄物処理施設における技術上の基準、構造の基準とか設備の基準です。こちらも基本的にはこれまでの廃棄物処理に関するような規定に準じる形と考えていますが、その上で2つポイントがございます。1つが高度分離・回収事業の実施に資するものであることということで、意味することは高度な技術であるかどうかということです。もう1つがその他対象廃棄物ごとに環境大臣が告示で定める基準ということで、ここが特例のポイントにもなっています。対象廃棄物とか高度な技術というもの、その上で認定していくことになりますので、対象となる施設がおおむね限られることから、それに特化した独自基準というものを今後設定してまいりたいと考えているところです。その基準に適合しているかどうかが、要件の1つになると考えています。
40ページ目においては、認定後の認定証の交付であるとか、認定後の計画の変更の申請については、類型①と同様の規定を考えているところです。
41ページ目、届出に関する手続きとか廃止に関する手続きについても、類型①と同様の規定を考えています。
また42ページ目、認定後の事業者に対して毎年度の実施報告についても、類型①と同様に、毎年6月30日までに定量的な指標とか、判断の基準になるべき事項に関する取組も含め、毎年度事業者に事業の実施報告をいただくことを規定してまいりたいと考えています。
43ページ目、類型②に関する規定の最後です。中間処分に関する廃棄物の処理基準についてです。こちらについても基本的にはこれまでの廃棄物行政の規定をベースとしつつも、最後のポツになりますが、その他対象廃棄物ごとに環境大臣が別途告示で定めることが可能という規定を設けています。これは施設における技術上の基準同様に対象の処理方法などが極めて限られますので、それらに特化した独自基準といったものを設定してまいりたいと考えているところです。以上が類型②になります。
続けて44ページ以降が類型③に関する規定です。そもそもの類型③の全体ですけれども、制度趣旨としては既に設置されている施設において温室効果ガスの排出量の十分な削減が見込まれる設備のリプレース等といったものを促進していくことになっています。特例としましては、処理施設の変更について廃掃法の許可が不要ということになっています。
その上で要件例としてはこれまでの小委員会等でも御議論をいただきましたとおり、定量的な評価に加えて、既に廃棄物処理を実施されている事業者が対象になると想定されますので、これまで廃掃法等で求めていたあるいは推奨していた取組がなされているといったことを求めてまいりたいと考えています。
その上で45ページ目以降が具体的な規定になります。事業計画の記載事項についてはこれまでの廃棄物処理施設における変更の規定に準じる形になっています。
46ページ目、申請時に添付を求める書類につきましても、おおよそこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じる形となっています。
その上で今回の類型③のポイントでもある定量的な指標、温室効果ガスの削減の程度を示す指標についても書類において根拠を求めてまいりたいと考えています。
そのほか47ページ目ですが、先ほど御紹介したとおり既に廃棄物処理事業者であるということが前提となると思っておりますので、必要に応じて優良産廃処分業者であることを証する書類であるとか、多量排出処理計画の写しといったものも求めたいと考えています。
48ページ目、認定の基準についてです。こちらについては温室効果ガスの削減の量が十分な削減が認められるといったことなどを、要件として考えているところです。また施設における技術上の基準については、これまでの廃棄物行政に準じる形を考えています。
49ページ目、申請者の能力の基準です。事業を行うに当たって的確に行うに足りる知識技能とか経理的基礎という当然のことに加えまして、先ほど御紹介したとおり、高度化法における判断の基準に関する取組が行われているかどうかであるとか、あるいは産廃処分業者である場合には優良産廃処分業者であるかどうかといったことを要件としたいと考えています。
そのほか適正な配慮がなされるべき周辺の施設に関する規定とか、あとは50ページ目になりますけれども、認定後の認定証についての規定については、これまでの規定に準じる形を考えています。
そのほか登録調査機関に関する規定とか、飛ばして55ページ目になりますが、再資源化の実施の状況の報告公表に係る規定といったものもございます。この報告については毎年6月30日までに電子情報等を通じて報告いただくことを考えています。
最後57ページ目になります。具体的な施行日については、令和7年11月1日からの施行を考えているところですが、一方で再資源化の状況の報告については、令和9年度以降ということで1年強の経過措置を設けたいと考えているところです。
大変長くなりましたが、以上です。
○酒井小委員長 それでは御意見のある方、発言の意思表示をよろしくお願いいたします。まず高岡委員、12時で御退席と聞いておりますけれども、御意見があればこの段階でまず出してください。
○高岡委員 御説明ありがとうございます。大変よく分かりました。3つございます。1つ目は、類型①ではミニアセスはある意味必要であるということをおっしゃったのですが、類型②はそれをしなくてもよいということでよろしかったでしょうかというのが1点目です。
あとは類型②のところで、太陽光パネルとかいろいろ環境大臣が指定するということで独自の基準を設けられるということですが、これに関しても先ほどの要件のところと同じように、モニタリングをしていくのはやはり重要であろうと思いますので、その点も今後御検討いただければと思います。
同じように類型③のところでも、48ページで温室効果ガスの量の十分な削減が認められることというところで、装置もいろいろなものにもよってくると思いますので、十分というところがどのくらいのものになるのか。また、そのものも状況によって変わってくる可能性もありますので、この辺りのモニタリングもやはり重要ではないかなと思っております。以上3点、私からの意見です。よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 要領よくありがとうございます。もう一方、斉藤委員も退席と聞いています。御意見ございますか。
○斉藤委員 御説明ありがとうございます。私は1点だけ確認させていただきたい点があります。類型①に関しては動静脈連携を強化していくとか、循環サプライチェーンを構築していくという意味で、非常に重要なところと認識しているところです。一方で今回改めて申請書類等を見ていったときに、動静脈連携を確認できる書面を出すということだったり、国民経済に寄与するものに供給する者であるといった形で、かなりハードルが高いような印象を持っています。これは実際運用するときにどういうふうにしてハードルがそこまで高くないというか、申請をしたいけれどもできないという形の態様にならないように取り組んでいただくことがいいかなと思いますので、その辺どう考えているのかを聞きたいと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。今のお二方の御質問にこの段階で答えていただけますか。
〇水島課長補佐 ありがとうございます。まず、高岡委員からいただいた1つ目の質問、類型②においてミニアセスは必要かということです。すみません。今回資料としては漏れていますけれども、類型②も新たに廃棄物処理施設を新設する場合においては、類型①と同様の規定を考えているところです。
続いて独自の処理基準とか廃棄物処理施設の基準についてモニタリングが必要ではないかという御指摘です。おっしゃるとおりだと思っています。そもそも高度な基準の水準自体も、年々技術の進歩等に伴って変わっていくと考えていますので、必要に応じて適宜見直し等を図ってまいりたいと考えています。
最後、類型③における十分な削減の具体的に意味するところです。こちらについては先ほど御紹介したワーキンググループの定量的評価における基準を満たしているということを考えています。具体的な基準を満たしているかどうかによって、十分な削減ができているかどうかを判断してまいりたいと考えています。
続きまして斉藤委員から御質問をいただいた、類型①における幾つかの要件について、なかなかハードルが高いのではないかということです。何でもかんでも全ての再資源化事業を国が認定するということではないかなと思っております。一定のハードルというか、要件、線引きはさせていただきたいと考えています。具体的にどれくらい事業者としてこういったい要件を満たし得るのかといったことについては、今後も様々な事業者と意見交換を重ねながら適切な運用、審査になるように務めてまいりたいと考えています。以上です。
○酒井小委員長 高岡委員、斉藤委員、よろしいでしょうか。
では了解をいただいたようですので、次に、大塚委員、室石委員、田原委員、所委員、オンラインのほうからよろしくお願いいたします。
○大塚委員 1つはトレーサビリティに関して高度化法の要件にはしないで合理化を受けるための要件として、類型①について出していただいているのは、大変結構だと思います。広域認定に関してトレーサビリティをあまり強調しすぎたために、随分厳し過ぎるのではないかという御不満とかが結構あったと思いますが、今回はそれにある程度対処していただくようなことをこちらのほうでお考えいただいたのかなと思っております。
2つ目です。再資源化によって得られる再生部品及び再生資源を国民経済に寄与するものに供給するという類型①の20ページの一番下のところの要件です。先ほど来御議論がありますが、日本国内で循環するか、あるいは海外の日本企業との関係での循環というところに重点を置くということで、そういう要件ということで対処していただければ割と明確なのではないかと思っておりました。これも私も前から申し上げていたところですけれども、大変重要な要件であるというふうに考えております。
第3に地方創生のところです。地方創生の例としては具体的に、要件を満たすものとしてどういうものを想定しているのか教えていただけるとありがたいと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて室石委員、お願いします。
○室石委員 私のほうからは2つ申し上げたいと思います。1つは48ページの類型③の十分な削減というところです。これは既に先ほどお答えいただいてワーキンググループでやっているということだったのですが、あまりがちがちなものにならないようにぜひお願いしたいと思います。
2点目ですが49ページです。これの3ポツ目のところです。ここで判断の基準に係る取組を行っていること、とあるのですけれども、施行してしばらくはこれから取り組むという状態のところもあると思うので、しっかりと事業計画で今後取り組むというふうに書いていただければ、当面の間はよいのではないか。施行後すぐというわけにはいかないと思うので、行っていること、と既にやっていないと駄目というのでは厳し過ぎるのでないかということで、少し御配慮をお願いできればと思います。以上です。
○酒井小委員長 続いて田原委員、お願いいたします。
○田原委員 私のほうからは1点、20ページの事業者に対して安定的に供給することができるというところです。これはどういうふうに証明するのかという具体的なところについて、もし決まっていることがあればお伺いしたいです。多分具体的には調達の安定性というところと事業者側への供給の安定性という両方が成り立たないと、事業者に対して安定的に供給するということはできないと思います。
これに関して先ほどの指標のところに立ち戻りますと、指標1においては、廃棄物の処理量に対して再生材の供給量が何%かということが資源循環の効果ということでパーセンテージを測ることになっているのですが、この指標といわゆる安定供給というところとの検討のバランスというところも考慮したほうがいいと思っています。
何をいっているかというと、仮に調達の安定性というところが保てずに分母として100を予定していたものが50となったとして、でも事業者への供給というのが変わらず100だった場合にはそのパーセンテージはいいほうに改善したという指標になるのですけれども、それが本当に資源循環としてよいということなのか。あるいは逆に調達の安定性は保てていて分母はしっかり保てているのだけれども、在庫の保管については期限を設けないという条文がありましたので、しっかり安定的に事業者に供給するために在庫をかなり多く抱えている場合というのは、分母は100でなくて安定供給のために150にしたいという事業者もいる可能性もあるかなと思ったときに、そうすると分子は変わらず100というままですと、この数値は悪化してしまうということになるので、この資源循環の効果の指標が安定供給というところを目的としていろいろと事業のサプライチェーンを構築したときにあだとならないようにというか、こちらの数字が悪くならないようにというところの考慮も必要なのかなと思いましたので、この点御意見させていただきます。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。私は1点だけです。登録調査機関のところです。今回LCAなども含めて結構テクニカルな部分もあるので、そういったところをしっかり審査できるような機関というところの条件が必要なのではないかと思っています。
先ほどからモニタリングの話がたびたび委員の先生方からも出ているのですけれども、モニタリングのところの確認です。こういうところをどういうふうな役割で進めていくのかというところ、特に登録調査機関の役割について教えていただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それでは所委員、どうでしょうか。
○所委員 私からは1点、今までも委員からいろいろな意見が出ているのですけれども、何をもって高度とするかというところは非常に重要な議論だというふうに感じています。というのも差分で取ってしまうと、今頑張っているリーディングなところはハードルが上がってしまいます。絶対値で評価するとなれば、この分野の技術やシステムの標準を体系化するような、非常に大きなプロジェクトが必要になるということだと思います。
ただ、昨今当該分野を見ていますと、諸外国のプラントなどをそのまま導入してなかなか使いこなせないであるとか、技術が育っていないという状況も散見されますので、ぜひ独自の技術を高度に使いこなせているというプラントをもって高度な事業者だと、技術立脚型の資源循環企業が育ってきているということに資するような評価の方法、モニタリングの方法というのを、これからになると思いますけれども、考えていただきたいと思っています。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。
それでは会場から高野委員、お願いします。
○高野委員 御説明ありがとうございました。この小委員会ではかねてより、高度化法が申請者にとって非常に活用し易いものにしてほしいと申し上げておりました。本日示された政省令案に関しても、丁寧に整理を進めていただきたいということで、3点申し上げさせていただきます。
1点目は、先ほど議論もされておりましたが、複数の事業者が関わる事業においては、実務的な責務や負担が非常に増える場合がございます。そこで例えば、産廃許可業者が申請を行う場合は、既存の許可の中で確認済みの事項は省略化すべきではないかと考えます。
2点目は、他の委員からも意見のあった、トレーサビリティについてです。複数の工程となり多くの事業者が連携することで、最終的な再生材の使用量や直接消費材の完全な把握が難しくなる可能性もあると考えます。ご説明の中で言及もありましたが、トレーサビリティの確保においては、電子化やデジタル技術を活用することを、引き続き検討いただきたく存じます。
3点目は、前回までの小委員会で私から意見しておりました、容易に腐敗または揮発するような性状の廃棄物の認定可否についてです。今回のご説明では、適切な措置を講じることで認定の対象とするとされており、より多くの事業者が活用できる仕組みになってきていると考えます。今後も、様々な事例や課題事項も表面化されていくと思われるため、それらに対応し得る柔軟な制度となるよう、検討をお願いしたく存じます。
○酒井小委員長 ありがとうございます。粟生木委員どうぞ。
○粟生木委員 御指名ありがとうございます。少し整理し切れていないのですけれども、スライド3に立ち返ると、類型①の目的が質と量を確保ということと広域的な分別収集・再資源化の事業促進ということですが、いただいていたいろいろな記載事項等を見たときに、保管量の上限撤廃というところが量に関わってくるのかなと思うのですけれども、全体としてどのように広域化と質と量というところを担保しているのかが少し分かりにくかったような気がします。
そこで先ほどの田原委員の御意見とも関係するのですけれども、要件として求める定量的指標のところも割合だけなので、その辺りの絶対量とか割合としての指標とか、その辺の設定のバランスも考える必要があろうかと思います。
量という面であれば、認定の件数を増やすということで、当初は認定の件数が目標のお話もあったかなと思います。そこの議論かもしれません。もし認定の量を増やすということであれば、様々な委員の皆様がおっしゃっているような、いろいろな事業者の方が申請しやすい仕組みを作る。トレーサビリティ、DXの活用といったところもありますけれども、そういったところの何らかの支援を強化していくのか、少しやりようがあるのかなと思っていますので、今後広域化と量と質というところで御検討いただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 三井委員、どうぞ。
○三井委員 私からは類型①の中から3点です。17ページの動静脈連携の確認の事業者に対して供給されると見込まれることを確認できる書面の写し、とあるのですけれども、どこまでのエビデンスを求められるのかということを教えていただきたいと思います。
18ページ以降にいろいろな基準が書いてあるのですけれども、見る限りでは維持管理に関する基準が書かれていなくて、多分廃掃法に則ってそれはやられるのだと思いますが、水質はどこを守るとか騒音はどこを守るとかというのは報告を求められると思います。そのときに法律だけでなく県条例が厳しくしていますので、県条例の提出を求めて確認をしていただきたいというのが2点目です。
最後に、31ページの廃棄物の保管を行う場合には、収集・運搬時の保管の例によること、と書かれているのですけれども、廃掃法の中で触れられていない最近のリチウムイオン電池の発火の事故があります。開梱機の周りにそういったプラスチック等を保管しないようにとか、あるいは労働安全規則とか厚生労働省の運用ガイドラインにあるような、フォークリフトの走行幅を確保することというような記入例を丁寧に書いていただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。それでは事務局にマイクをお渡しします。時間が押しておりますので少しうまくご説明ください。
〇水島課長補佐 質問、御意見ありがとうございます。順にかいつまんで御回答をさせていただければと思います。
まず、大塚委員からいただきましたトレーサビリティとかDX等の活用による手続きのスリム化及び再生材の国内循環等についての御意見ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っております。トレーサビリティとかDXの活用によって、これまでの認定制度で不便とか御意見をいただいていた部分について、幾つか適合化のような規定を考えられればと思っているところです。国内循環については、ここは申請事業者向けの手引き等で具体的にこういうことが考えられるといったことを御紹介したいと考えています。
また地方創生の具体的な例として、内容についてですけれども、環境省としてこれは必ずしないといけないというものではなくて、まずは事業者提案に委ねたいとは考えてございます。一例としては地域において既に実施されている再資源化事業者を活用いただくとか、あるいは地域雇用が一定見込まれるとか、そういったことなどが考えられるのかなというところです。
続きまして室石委員からいただいた御意見でございますけれども、まず類型③の十分な削減について、あまり厳しくならないように創意工夫をいただきたいという御意見です。こちらについてもやはり定量的な評価ということにはなりますので、一定量の線引きは必要かなとは思っておりますが、どういった基準が妥当なのかとか、あるいは個別事情によっては、何らか事業者提案のような削減の計算方法もあり得るかなと思っておりますので、そこは丁寧に運用してまいりたいと考えています。
また、判断の基準を要件とすることについて、なかなか申請時段階では難しい部分もあるという御質問でした。おっしゃるとおりの一面はあるかと思っております。そのため認定の申請を通じて判断の基準に適合していくのだという、そういった今回の事業計画がそれに対応していくのだといったことも認めるような形で認定制度を運用してまいりたいと考えています。
続きまして田原委員からいただいた御質問です。類型①において安定的な再生材の供給といったことについて、具体的な判断基準、考え方についてです。こちらについては、何か1つの基準だけをもって判断するのではなくて、おっしゃっていただいたように定量的な指標についてもそうです。また例えば廃棄物の収集運搬とか排出される量の見込みが適切かとか、または廃棄物がなかなか回収できなかった際に何らかの対応策というか代替案があるのかなどを見て、総合的に事業計画として安定的に供給できそうかどうかというものを判断したいと考えているところです。
その上で定量的な指標についてのバランスが重要だということはおっしゃるとおりだと思っておりますので、運用面の中でうまく考えていきたいと思っているところです。
続きまして、橋本委員からの御質問です。定量的評価の可否を基準とすることについてですし、あとはモニタリング時に登録調査機関の役割をどうしていくかという御質問だったかと受け止めています。登録調査機関の運用のあり方については、まず法律時点では定量的な評価に係る認定申請の審査の部分を国の代わりに行うことができると規定されておりますが、それ以上にモニタリングに関しても役割を担っていただくか、についてはどういった事業者が登録されるかなども含めて、また検討させていただければと考えています。
認定の基準の中に定量的な評価を妥当に判断できるかどうかということは、もちろん当然のことながら考えていますので、その上で政令・省令において明確に規定すべきかどうか、また検討してまいりたいと考えています。
続きまして所委員からいただいた御意見です。何をもって高度と考えるべきかということです。おっしゃるとおり、差分だけとか絶対値だけで判断するというものではなくて、やはり事業計画全体をもって総合的に高度に該当するかどうかというものを、個別案件ごとに判断していく運用が適切なのではないかなと考えています。その上で今後としては事業計画とか技術だけではなくて、例えばおっしゃっていただいているように、人材育成なども含めた上で、高度な再資源化事業に取り組む事業者育成にも努めてまいりたいと考えています。
続きまして高野委員からいただいた御意見でございます。複数の様々な事業者の連携での申請が想定される中で、既存の許可等において認められている部分には手続きの簡略化・省略化も可能なのではないかという御質問です。おっしゃるとおりだと思っておりまして、こちらについてはどこまでを省略できるかどうかは別途検討させていただきますが、既に認められている部分については何らかの手続きが簡略化できるような措置も検討したいと考えています。
また電子化・デジタル技術上の基準についても必要に応じて対応してまいりたいと考えています。また、類型①における対象廃棄物において、腐敗性のある廃棄物等々に関し、今回規定として絶対に駄目だというものではなく、必要な措置がなされていないと駄目だという規定を考えたところです。今回類型①において想定しておりますのは、事業系の大量に排出されているような、例えば食品残渣や下水汚泥であり、これらの再資源化も重要だと考えています。この対象廃棄物に限らず、多くの事業者や事業計画に活用いただけるような制度運用に努めてまいりたいと思っています。
続きまして、粟生木委員からいただいた御質問です。広域化とか安定供給に向けての考え方というか、どういうふうに促進していくかということでございます。基本的には今回類型①において、認定を一括化することをもって手続きのスリム化も図れていると思います。また先ほど申し上げたDXの活用を前提にして、例えば収集・運搬車両を柔軟に活用できるだとか、あるいは再委託に関する手続きのスリム化も図れていると思いますので、そういったことを通じて広域的な事業であるとか安定供給ができるような事業計画が促進されやすくなっているのではないかと考えているところです。
また絶対量の考え方、国全体としてどういう再資源化事業を進めていくのかということについてですけれども、現時点においては絶対量というものだけを評価してしまうと、語弊をおそれずに申し上げれば、大企業だけが認定されていくような運用にもなってしまうかなと思っております。必ずしもそうではなくて、それぞれの廃棄物とか再生材ごとに様々な事業範囲もあると思いますから、現時点においてはその絶対量を評価軸としては考えていないところですけれども、おっしゃっていただいたとおり、より多くのそういう合理的な事業の創出というものが重要だと思っておりますので、いろいろな事業者の意見を伺いながら適切な運用がなされるように考えていきたいと思っています。
最後、三井委員からいただいた御意見です。まず類型①において事業者との連携体制をどこまで確認するかということですけれども、こちらについては前回、小委でも御紹介させていただいたとおり、本来であれば契約書のようなものがベストとは思っていますけれども、なかなか難しいということも承知しておりますので、まず現時点で想定しているのはその前段階である事業連携に向けた何らかの文書における合意書、協議書または具体的な供給に向けた意見交換をしているようなものなどをもって確認したいと思っています。必ずこの書類でないと駄目だというような規定を設けるつもりはございません。それぞれの事業者ごとに具体的にこういう状況なのだということが分かるような説明をいただいて、個別に判断してまいりたいと考えています。
また、施設設置の際の維持管理に関することでございます。県条例等で上乗せ規定されていることがあるというのはおっしゃるとおりだと思っています。こちらについては、運用面においてそういったものがある場合には証明するような、県条例の規定などが分かるような書類なども求めていくことも考えていきたいと思っています。また廃棄物の保管において労働基準などで規定されている項目も重要だということは、おっしゃるとおりだと思いますので、こちらも運用面において何か工夫できないかということを考えたいと思っています。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。今日の説明ぶりであれば、時間が倍ほどないと議論は深められないというふうに議事運営上感じていますが、お約束の時間が迫っておりますので、今回のやりとりは1回限りということで御容赦いただければと思います。
時間がないと言いながらですが、2点だけ私のほうから伝えさせてください。
制度モニタリングの充実に向けた御意見、前半でも多くいただきました。そして後半のほうでも橋本委員から登録調査機関の役割、そこでのモニタリングの可能性といったところの意見もいただきました。この部分を今後どう考えていくかということは、相当に事務局で深掘りをしていただく必要がある話かと思います。一方、周りの見方という意味でも徐々に進化させていくような、少し余裕を持った見立ても必要ではないかということを強く感じ始めております。そういう意味で相互理解で進むような展開をぜひ期待したいということで、議事に残しておいていただければということで発言させていただいています。
もう1点は冒頭で三井委員がおっしゃった機械メーカーの観点です。途中で所委員からも高度技術、特に海外プラント導入が使いこなせていない例というところの指摘もございました。そういう状況に今回の高度化法の運用が応えていくというところで機能することを期待していますが、これは法の運用で済むような話ではないかと思います。ぜひ循環局全体の政策としてどうするかということも頭に置きながら、また周りの、これはある意味国力そのものということになるかと思いますので、ぜひいろいろな場面で頭に置いていただければということで、ここも両委員の意見に重ねて希望として申し上げておきます。この2点です。
それでは、事務局にマイクをお返しします。
○松田廃棄物規制課長 それでは事務局からですが、今酒井小委員長から2点お話がございました。モニタリングに関しては、高度化法に基づいた我々の監視というところもございますけれども、しっかりやられているかどうかの確認方法についても、我々も今後施行に向けたマニュアル・ガイドラインを作るプロセスの中で、今の点がしっかり反映できるように我々としても取り組んでいきたいと思います。
加えてもう1つ重要な指摘がありました。私からもお話ししようかなと思ったのですけれども、技術の部分について国内メーカーを育成するということが非常に大事だと思っています。今回の高度化法の施行に当たっては、まずは徐々に進めていこうということで、今後はブロック別会議なども開いて徐々に浸透させていきたいと思います。こういう認定制度で使う設備についての技術、こういったものをもう少し我々としても何らかの認証するような仕組みとか、他省庁がやられている取組なども参考にしながら、この高度化法ができたからこういった仕組みも考えられるということだと思います。その点も今日三井委員や所委員からお話があった点も念頭に、中長期的にぜひ考えていきたいと思います。ありがとうございました。
先ほどスケジュールの話もございましたけれども、政省令案としてお示しさせていただきましたけれども、まさに条文化の検討も今、同時並行で進めているところです。この点の作業を今日の議論も踏まえつつ、今後パブコメ等も行いながら進めていかせていただければと思います。
併せてマニュアル・ガイドラインも検討を今進めているところです。さらに高度化法の施行が、せっかくできたものでありますので、3年で100件認定していくという目標がございますので、いろいろな地域で浸透できるように我々も説明会等をしっかり行っていきたいと思います。ということで、まずは事務局としての今後の取組をお話しさせていただいたところです。
次回の小委員会につきましては、事務局から改めて連絡させていただきます。以上でこの小委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
最初に、進行させていただきます廃棄物規制課長の松田と申します。よろしくお願いいたします。また、本小委員会の委員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回も対面及びオンラインでの実施となります。どうぞよろしくお願いいたします。
会議の運営についてのお願いですけれども、会場で御出席の方々は御発言される場合は名札を立てていただき、オンラインで御出席の方々は挙手ボタンでお知らせいただきまして、酒井小委員長からの御指名を受けてから御発言をお願いします。なお御出席者の皆様におかれましては会場、オンラインいずれも発言時のみマイクをオンラインにしていただき、発言後はマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。また会議の模様につきましては事前に公表しておりますYouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは開催に当たりまして、定足数の確認をいたします。本日は委員総数17名のところ、村上委員、末吉委員が御欠席されておりまして、また所委員は30分程度遅れて参加されますが、14名の委員の方に御出席いただきまして小委員会として成立しておりますことを御報告いたします。
また資料の確認ですけれども、お手元の資料につきまして資料が2つございます。委員名簿と高度化法の政令・省令(案)の概要についてとなっております。また資料は事務局にて画面に投影いたしますが、必要に応じてお手元の資料または事前にお送りしたファイルを御覧いただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井小委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 どうも松田課長、承りました。今日の議題は1点です。高度化法の政令・省令(案)の概要についての議論です。まずここまで高度化の認定基準に関しまして、検討ワーキンググループのほうで検討を進めてきていただいておりますが、そこの検討状況の報告を事務局からしていただきます。それに関する御質問、御意見を承る。そして今申し上げた政令・省令(案)の概要という形で議論を進めさせていただきます。
それでは、資料2の説明を事務局のほうから、どうぞよろしくお願いいたします。
〇水島課長補佐 環境省の水島と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、まず資料2の前半部分について御説明させていただければと存じます。資料2は「再資源化事業等高度化法の政令・省令(案)の概要」というタイトルになっていまして、前半部分は先ほど酒井小委員長がおっしゃったとおり、直近の認定制度の概要とワーキンググループの検討状況について御報告し、その後質問等を1回承った後に、政令・省令(案)の概要について御説明できればと考えているところです。
まず、再資源化事業等高度化法の概要について改めて御説明申し上げます。資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律ということで、我々は再資源化事業等高度化法と呼んでいるところですが、こちらは昨年5月29日に公布されまして、今年の11月までに施行することとなっています。
前回も簡単に御説明させていただいたところになりまして、本日も繰り返しの説明になって恐縮ですが、この法律の目的としましては、脱炭素化と再生資源の質と量の確保、同時促進といったものが大きな目的となっているところです。また、この法律の施策につきましては、大きく3つの柱からなっています。
まず1つ目は基本方針の策定ということで、再資源化事業等の高度化を国として促進していくために基本的な方向性を示すということになっています。こちらにつきましては、今年の2月に既に施行されているところです。
2つ目の柱としては再資源化の促進(底上げ)となっているところでして、具体的には主に2つの施策を考えているところです。1つ目は判断基準の策定・公表ということで、全ての廃棄物処分事業者の皆様に再資源化事業等の高度化に向けて取り組んでいただくべき努力水準とも思える判断の基準について策定し公表していくということです。
2つ目の施策としては特に処分量の多い産廃処分業者の方々に、再資源化の実施状況について環境省に報告いただきまして、それを公表していくという制度になっています。これらの施策を通じまして廃棄物処理業界全体の再資源化の高度化に向けた取組の底上げを促進してまいりたいと考えているところです。
最後3つ目の大きな柱としては、再資源化事業等の高度化の促進(引き上げ)となっているところです。こちらは再資源化事業等の高度化に係る取組について、国が一括して計画の認定を行う制度を創設しまして、その計画については、生活環境の保全に支障がないよう措置を講じていただいた上で、廃棄物処理法の処分の業の許可、施設設置の許可等についての各種許可の手続きを不要とする特例を設けているところです。
国が認定する事業計画の類型につきましては、3つの類型を用意しているところです。1つ目が事業形態の高度化ということで、こちらは製品製造等を行う事業者側が必要とする質・量の再生材を安定的に供給する事業を創出することに施策の目的を置いているところです。そのためには広域的な廃棄物の分別収集や合理的な再資源化の事業、または再生材の安定的な供給といった取組が必要になってくると考えているところです。
2つ目の類型といたしましては、分離・回収技術の高度化ということで、再資源化工程において、分離・回収技術の高度化に係る、特に高度な技術を用いて有用な再生材を多く回収するような事業を認定していくことを想定しているところです。
最後、3つ目の類型としては再資源化工程の高度化ということで、既に設置されている再資源化設備において設備のリプレース等に伴って温室効果ガスの削減効果を高めるといった施設の変更について認定していく制度になっているところです。
これらの施策を通じて脱炭素化の促進及び産業競争力の強化、地方創生、経済安全保障への貢献を進めていくといったものが再資源化事業等高度化法になっているところです。
4ページ目のスライドでは、先ほど申し上げた3つの類型の認定制度についてイメージ図をお示ししているところです。繰り返しになって恐縮ですが、類型1つ目の高度再資源化事業につきましては、戦略的な廃棄物の分別・収集から合理的な再資源化及び製造した再生材が、確実に製品製造側に供給されていくことを一体的に計画しているものを国が認定していくことになっています。
類型2つ目の高度分離・回収事業は、再資源化の工程に着目し、その工程において対象となる廃棄物において高度な技術を用いて有用な再生材を多く回収する事業計画を認定していくことになります。
3つ目の再資源化工程の高度化については、既に設置されている施設において、設備のリプレース等に伴ってGHGの特に削減が見込まれる変更を認定していく制度になっているところです。
続きまして5ページ目のスライドです。再資源化事業等高度化法に係る今後のスケジュールです。本日の小委員会の御議論等を踏まえまして、6~7月頃を目途に政令・省令の政府案を作成してまいりたいと考えているところです。その後パブリックコメント等の手続きを経た上で、今年の夏から秋頃にかけて政令・省令等の公布を目指してまいりたいと考えています。
その後、申請事業者等に向けて、施行に向けたマニュアル・ガイドライン・手引きの策定・充実を図った上で、法律に規定されておりますとおり、今年の11月までに法の全体施行を目指しているところです。
以上が再資源化事業等高度化法の概要でございます。
続きまして、再資源化事業等の高度化に関する認定基準検討ワーキンググループの近況の御報告を差し上げたいと考えています。こちらのワーキンググループにおきましては、先ほど御紹介した認定制度においては、幾つか認定の基準が議論されて検討しているところですが、そのうち定量的な評価について指標を用いた考え方を整理すべく、このワーキンググループを設置しているところです。その検討状況について、本日は近況の御報告をできればと考えています。
直近では先月末5月28日に第3回ワーキンググループを開催したところです。この直近のワーキンググループにおいては、定量的指標の基本的な考え方及びその考え方に基づいた類型ごとの指標案について検討・議論をいただいたところです。これまで小委員会またはワーキンググループで様々な意見をいただいたところですが、その意見を踏まえ大きく2つの基本的な考え方をお示ししました。まず1つ目が認定基準として取り扱う定量的指標についての考え方です。指標の考え方については、制度趣旨を踏まえた「あるべき論」、こういった基準まで求めるべきだという「あるべき論」と、一方でデータ不足等によって現段階ではここまでしか確認できないのではないかという「算定実施可能性」、それぞれの意見をこれまでいただいていたところです。
我々としてはどちらの意見も重要な観点だと考えていまして、今後、ワーキンググループにおいては、まず制度開始時点から当面の運用において認定基準として用いる暫定的な指標を示すとともに、今後のデータの充実等に伴って段階的に、その暫定的な指標を改良・進化させていく、そういった方向性を示す将来的な指標の2つを併せて検討・議論いただくこととしてはどうかということをお示ししたところです。
もう1つの基本的な考え方として、それぞれの類型別に資源循環効果を定量的に確認することになっていましたが、その資源循環効果を示す指標について、これまで再生材に係る数量として「再生材供給量」または「再生材使用量」の2つを使うことを検討していたところです。ただ、こちらにつきましては、特に再生材使用量は廃棄物処理業者側からの把握はなかなか難しいという御指摘を小委員会及びワーキンググループにおいていただいたところです。
今回改めて再生材を生成した量の「再生材製造量」と再生材を実際に動脈産業に引き渡した量の「再生材供給量」、また、そちらが製品製造に実際に消費された量ということで「再生材使用量」の3段階があると位置づけた上で、類型ごとに制度趣旨に応じた指標を設定してはどうかということをお示ししたところです。
今御紹介した考え方というものをイメージ図化したものが8ページ目のスライドになっています。こちらは廃棄物の収集から再生材が実際に使われるまでの工程を、あくまでイメージという形でお示ししているものです。各地から回収された廃棄物が中間処分施設(再資源化施設)に搬入された量の総量を廃棄物処理量という全体の分母として捉えた上で、その後、破砕・選別工程等を経て、実際に主目的としている再生材を製造する量、こちらが再生材製造量という位置づけになると考えています。
その後作られた再生材のうち、一部は一時保管や、なかなか需要に届かず実際には使われないものもあろうかと思いますが、そのうち実際に使われた量、動脈産業に引き渡された量というものが、再生材供給量になろうかと考えているところです。
引き渡された後においては、動脈産業の製造プロセスの過程において一時保管されるものもあれば、製品製造に使われる再生材使用量というものがあろうかと考えています。これまでは再生材使用量こそが、動静脈連携の証左になると御提案したところですが、こちらの数量については静脈産業側、廃棄物処理側での把握はなかなか難しい。どれだけ連携体制が取られていても企業機密に係るような部分もございますので、確認することが難しいという御指摘をいただいておりましたので、その意見を踏まえまして、その前の実際に引き渡した量であれば、動静脈双方での確認が可能ということを考えまして、再生材供給量をもって動静脈連携の証左とできるのではないかということを、先ほど基本的な考え方のもとでお示ししたところでございます。
以上のような基本的な考え方を踏まえた上で、ワーキンググループにおいてお示しした類型別の定量的な指標の案が9ページ目のスライドです。こちらも簡単に御紹介させていただきますと、類型①②③それぞれにおいて定量的な指標としては、温室効果ガス及び資源循環効果を確認することを想定しています。それぞれの制度趣旨を踏まえた上でどういった基準にするか、どういった要件にしていくか。また暫定的にはこういった指標において将来的にどのような発展をしていくかということを御検討・御議論いただいたところです。
例えば類型①においては、再生材の大部分がその供給を受ける者(需要者)に対して供給されるという動静脈連携に非常に重きを置いた類型にすることを考えていますので、温室効果ガス、資源循環効果、それぞれを確認することとした上で、特に資源循環効果については、先ほど申し上げた再生材供給量を確認していくことを考えているところです。
またその基準値につきましても、資源循環効果については暫定的には案件別に慎重に評価することとした上で、将来的には基準値x'と書いていますけれども、再生材や再資源化方法別に妥当な目標数量を設定していくことを考えているところです。
また類型②「指定する廃棄物について、回収する再生材の量の割合が通常の再資源化の実施方法に比べて特に高いもの」といった類型においては、温室効果ガス・資源循環効果ともに比較する対象を基準シナリオと書いていますけれども、これを通常の再資源化技術という法の趣旨に準えて設定した上で、通常のリサイクル方法に比べてそれぞれ温室効果ガス・資源循環効果の改善が見込まれることを認定基準の1つにしたいと考えています。
また類型③においては設備のリプレース等によって特に温室効果ガス排出量の削減が見込まれるといったことになっていますので、指標の基準のシナリオとしては、事業実施前の設備というものがベースにはなろうかと考えているところですが、この基準シナリオの考え方につきましては、特にこれまで省エネに取り組んでいた事業者ほど事業変更前後で差が出にくいといったことについて、小委員会・ワーキンググループで御意見をいただいていたところでございますので、もう1つ選択できるシナリオとして、通常の同種類の設備というものも考えて設定しているところです。その上で温室効果ガス削減効果について、一定の基準値を設けてまいりたいと考えています。
以上のような指標案をお示ししまして、その上で第3回ワーキンググループにおいて挙げられた意見の例を11ページ目で紹介しています。全体的には事務局から示した基本的な考え方や類型別指標案については、理解・納得できるというご意見が多かった、概ねの御承諾をいただけたと受け止めています。
その上で各論につきましては御助言・御指摘をいただいています。例えば定量的な指標についてですけれども、GHG削減量に関して、現在は廃棄物処理量1t当たりの削減量を評価として考えているところですが、再生材供給量1t当たりのGHG削減量といった評価も併せて示すことによって、その再生材を使うことによるメリット・環境価値が出てくるのではないかといった様々な波及効果も期待できることから、この認定においては、再生材を使用する側が使うメリットを見出すためにも、併せてそれぞれの評価をさせてはどうかという御助言をいただいたところです。
また2つ目のポツですけれども、類型ごとの工程において、認定の審査の対象範囲とGHG削減量の計算に用いた範囲とが整合していないようなケースもございましたので、そちらについて整合させる必要があるかないかも含めて、ルール化が必要ではないかという御指摘もいただいたところです。
そのほか幾つかございますが、例えば認定に係る審査については、今後、様々な事業者提案・数値が出てこようかと考えられますけれども、やはりどうしても環境省だけでは妥当性を確認することが難しく、有識者の意見も聞くような機会が必要なのではないかということで、どのような審査・認定の仕組み・体制にしていくかについて、具体的な検討が必要ではないかというような御助言もいただいたところです。
こうした意見をいただいているところですが、12ページ目では、今後のワーキンググループの進め方について、事務局のイメージを御紹介できればと思っています。第3回までに示した指標案については、概ね御了承いただけたと受け止めています。そちらを前提に、次回以降はケーススタディの今後の取扱い、そもそもケーススタディをどのように評価していくか、公表していくかという取扱いを検討するとともに、算定方法に係る御指摘を幾つかいただいていましたので、詳細ルールの整備・精査を進めてまいりたいと考えています。またケーススタディについては、これまでGHGの削減効果に重きを置いて試算していたところですが、資源循環効果に関する追加試算等も進めてまいりたいと考えているところです。
以上が直近のワーキンググループの検討状況の御報告になります。
○酒井小委員長 ありがとうございます。ここまでの説明に関して御質問等のある方、名札を立てていただく、あるいは挙手ボタンで発言の意思表示をよろしくお願いいたします。それでは会場の方から指名をしてまいります。最初に粟生木委員、お願いいたします。
〇粟生木委員 御指名ありがとうございます。また御説明ありがとうございました。様々に指標を御検討いただいているということでありがたく思います。
ここでいう再生材の定義というところですけれども、定義についてどのような検討状況になっているかということと、この中で当然プラスチックも対象になっていくかなと思うのですけれども、再生プラスチックということになった場合に、資源有効利用促進法の方で、一定規模の企業さんは再生プラスチックの使用量を報告するということになろうかと思っています。そことの整合性というところに気をつけることが必要ではないかというふうに感じました。
また、再生材の供給量をこの法律では対象としていくというところです。再生材供給量で資源有効利用促進法の再生プラの場合ですけれども、使用量というところのデータのつなぎというか、整合性が取れるような形にしていただけると、今後の政策そのものの評価を行うときに、非常に重要なポイントになってくると思いました。
私は今ほど政策評価と申し上げましたけれども、ここで取れるようなデータを基本的には皆さんの御報告で皆さんの状況がどのように改善されたかということになろうかと思うのですけれども、政策評価にどのように使うかというところにおいても御検討をいただけるとありがたいと思いました。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて三井委員、お願いします。
○三井委員 説明ありがとうございました。私からは直接的な意見ではなくて、間接的な意見という前提で聞いていただければと思います。
事業形態の高度化、分離・回収技術の高度化、再資源化工程の高度化、いずれもですけれども、私の知っている限り肌感で申し上げると日本の機械メーカー、いわゆるプラントメーカーがなかなか育っていないという現実だと認識しています。
何が言いたいかというと、こういった機械をそろえようと思うと海外からとか、あるいは日本のメーカーでも限られたメーカーからしかそういった精度の高いものは買えない。それによってイニシャルコストが異常なくらい価格が上がっているという中で、イニシャルコストを価格転嫁してお客様にこれだけの費用がかかりますといったときに、お客様が要望する値段に合うか、合わないかということを踏まえて、将来的に日本の機械メーカーあるいはプラントメーカーの育成をお願いしたいというように思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインでの御意見、高岡委員、お願いします。
○高岡委員 7ページのところで再生材を動脈産業に引き渡した量を再生材供給量とされるということです。基本的にはコンセプトは分かるのですが、ここで動脈産業といったときに、例えば仲介業者というかそういったものもあり得るのではないかと思いました。その辺り、どのように判断されているのかというところを1点お尋ねしたいと思いました。
もう1つはこうやって指標ができてその目標年度等についても既に御意見が出ているところですけれども、一旦これで要件を決めて認定をして、その後の指標のモニタリングというところもこのワーキンググループで御議論されているのであれば教えていただきたいと思いました。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。引き続いて関口委員、田原委員、お願いします。
○関口委員 再資源化事業等高度化法は、資料3ページで示されたとおり、脱炭素と再生資源の質および量の確保を両立させることが趣旨ですが、適正な廃棄物処理も加えて、これら3点を高いレベルで実現していくことが重要であると考えます。その視点から、3点意見を申し上げます。
1点目は、資料8ページで示された再資源化における工程のイメージ図において、どの事業者が認定の主体となるかお示しいただきたく存じます。中間処分施設(再資源化施設)の枠で囲まれた範囲において、破砕・選別工程から再生材の製造までを一貫で行う事業者は数少なく、各工程を役割分担し共同で事業を進めていくことが現実的ではないかと考えます。共同で事業を進める場合、認定の主体となる事業者をどのように選定するのか、お考えがあれば、お示しいただきたく存じます。
2点目は、資料9ページで示された定量的な指標の例および考え方についてです。再生材の原材料となりうる廃棄物の発生量や発生時期は、通常の生産物と異なり、一定であることが稀な例もあるかと存じます。事業計画を作成しても、計画通りに実現するとは限らず、市況・経済情勢等に左右されるため、その差異をどのように捉えるべきか、お考えがあればお聞かせいただきたく存じます。
また、再生材を製造する立場から申し上げると、リサイクルを進めるために追加のエネルギー投入がどうしても必要となり、再生材の製造拡大と脱炭素がトレードオフになる場合があることも考えられます。どのように基準をクリアしていくべきか、もしお考えがあれば併せてお聞かせいただきたく存じます。
最後に3点目として、再資源化事業等高度化法の認定を受けた場合、現行の廃掃法の規制から緩和された状態で事業を行う点についてです。冒頭に申し上げたとおり、廃棄物の適正管理も行う必要がある中で、過大な目標を作り認定だけを取得するような悪い事例が生じないよう、モニタリング等の仕組み・運用を工夫していただきたく存じます。
○酒井小委員長 関口委員、ありがとうございました。それでは田原委員、お願いいたします。
○田原委員 まずこの指標についてですけれども、上場している大企業でも本当に測定が難しいような、そもそもデータを取るということがとても難しいなと感じています。それは、コスト、金銭的という意味でも人的リソースという意味でも時間もかかりますし、これにチャレンジしようとするとかなりハードルが高くなる可能性があるなと考えています。これから検証なされるということですけれども、データ収集の実現可能性というところについても検証されるべきではないかと考えています。
これはインパクト投資という段階においては必ず論点になるところです。インパクトとか削減効果を提示したいけれども、そのデータを集められないというところです。ここについても検証が必要かなと思っています。
ジャストアイデアですけれども、例えばインパクトファイナンスということとの掛け合わせによって、この取組をドライブできる可能性もあるなと思っています。いわゆるサステナブルファイナンスでボンドとかと言われるところにおいては、こういったKPIを設定していることがクライテリアになって、そのKPIをクリアしていると銀行からの融資が得やすくなるということもあります。例えば融資を使ってこの高度化法の改革をしていくという事業が増えていくと、双方にとってメリットがあるのではないかと思います。そういった金融庁みたいなところとの連携も視野に入れるといいのではないかなと思いました。
私もモニタリングのところが気になっております。これは一過性のものというかスナップショットだけではないと思っています。結局そこからどの程度削減されていくかという数年単位の削減効果を見ることが必要かなと思っています。モニタリングというところに関してどういった運用体制が取れるのか。それはこちら側の運用体制もそうですし、先方の運用体制も評価対象とするのかどうかというところも確認しておくといいのかなと思います。
申請時はどうにかありもののデータを集めて複数の部門が協力をし合って計算する企業が結構多いと思うのですけれども、その後の運用体制というところです。それを毎年誰が計測しマネジメントしていくのかという運用体制についても要件に課すかどうかというのも論点になるのかなと思いました。
あとは先ほど関口委員の2点目の御指摘について、確かにそうだなと私も思いました。この指標についてLCAの観点をどう組み込むかというのも1つ論点になると思いました。トータルで考えたときにリサイクル、再生材を使用した方がメリットがあるということが言えるようなもの、特にCO2においては先ほどのように、どうしても工程の途中でエネルギーを使うということがありますので、その点についても言及できるといいのかなと考えております。以上です。
○酒井小委員長 田原委員、ありがとうございました。それでは手を挙げていただいた方から御質問、御意見をいただきました。今日御欠席の末吉委員から書面で意見をもらっております。ちょうどこのパートで出していただいたほうがいいかと思いますので、御紹介をお願いします。
〇水島課長補佐 御質問・御意見等ありがとうございます。本日末吉委員から御意見をいただいていますので、この場をお借りして事務局から代読させていただきます。
まず類型①についてです。本類型事業において認定要件となっている「トレーサビリティが確保されると認められること」という項目について、該当する廃棄物を収集して動脈に引き渡すまでの静脈側に求められる要件となるのかという御質問です。
また、この点を含めまして認定の基準について記載されている各項目が動脈・静脈、どのプレイヤーに求められているのかといったことを明確にすべきだという御意見をいただいているところです。その上で本類型の趣旨である動静脈連携促進というものを担保する基準はどこにあるのか、御教示いただきたいという御意見をまず1ついただいているところです。
また類型②について、本類型では、まずは太陽光発電電池、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池が告示で指定される廃棄物として考えておりまして、社会的に必要な廃棄物で今後、廃棄量の増加が見込まれるものも対象になるというふうに資料にございますけれども、今後、告示で指定する廃棄物はどの程度の頻度で見直していくのかといったような御質問をいただいています。
また仮に定期的な見直しを検討している場合においては、社会的に必要な製品や排出量の増加が見込まれるものがその定期的な見直しのタイミングに合わず、速やかな検討が必要になる場合があるかもしれない。そのようなときに、社会的な需要が急騰した場合において、対応方針はあるのかという御質問もいただいています。
3点目ですが、より高度な技術とはどのようなものを想定しているのかということで、既にある技術・設備を少しでも改良し、その結果、生産量が多少なりとも向上していればよいのか、それとも現時点において市場にはない革新的な技術のみを指しているのか、ということです。すなわち、認定基準の事業内容「再資源化の生産性の向上の程度を示す指標が適切に算出されたものであり、かつ当該指標が高度な技術を用いることによってのみ達成が可能であると認められること」の算出指標として、具体的な足切りラインはあるのかという質問です。
最後にということで、「再資源化を対象とした際にリユース目的の選別が当てはまらなくなってしまうように思います。本来資源循環の中の優先度として、回収されたものはリサイクルされる前にリユースが優先されるべきであって、そのための回収及び選別設備の高度化にも活用できる枠組みが求められると考えます。」というような御質問・御意見をいただいているところです。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。今の御意見、この認定基準のところへの関わりが多いと判断してここでの紹介をお願いした次第です。御理解ください。
それではいただいた御意見に関して事務局のほうにマイクをお渡したいと思いますが、すみません。冒頭で申し上げるところ、ワーキングのメンバーの方々のここまでの御議論、あるいは作業に感謝することを忘れておりました。この後も含めて、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは事務局、お願いします。
〇水島課長補佐 御意見・御質問ありがとうございます。順にお答えいたします。
まず粟生木委員からいただきました再生材の定義についてです。再生材の定義はそれぞれの場合によって変わり得ると思いますけれども、今回の認定制度における再生材の定義といたしましては、製品の原材料として用いられるいわゆるプライマリー材の代替として用いられる品質を確保しているものを再生材と位置づけているところです。
またその上で、改正された再資源化有効利用促進法(3R法)等で用いられている数値であるとか、例えば政策評価・政策目的などについては、おっしゃるとおり、動脈側で促進していく3R法の施策と整合するような形でこの認定制度についても考えてまいりたいと思っているところです。
続きまして、三井委員から御質問・御意見をいただきました、廃棄物処理・リサイクルに係る機械等のメーカーについて、国内メーカーがなかなか育成が進んでいなくて、現在海外メーカーの輸入等が多いといった現状についてです。おっしゃるとおり国内の機械メーカー・製品等がより一層促進していくことは非常に重要だと考えています。この高度化法認定制度もそうですし、そのほかの施策等も通じて国内の製造メーカーの育成等につながるような施策につなげてまいりたいと考えています。
続きまして、高岡委員からいただきました、動脈産業において中間業者のようなものをどのように取り扱うかという御質問についてです。基本的には特に類型①に関しては、動脈産業との動静脈連携については、製品製造等に供給した再生材がきちんと使われているのかということを確認してまいりたいと考えています。望ましいのはやはり製品製造を行っている事業者に直接渡されていることが理想ですけれども、一方でおっしゃっていただいているとおり運用面においては、中間紹介業者なども介すこともあろうかと思っております。その際には介入業者というのでしょうか、中間業者に引き渡されただけではなくて、その後どういった製品製造に用いられる予定なのか、といったことの確認をもって認定基準に達するかどうか、適合するかどうかを確認してまいりたいと考えています。
続きまして、認定基準に用いる定量的な指標のモニタリングのあり方についてです。御意見といたしましては、この指標に用いる特に再生材の供給量とかあるいは廃棄物の回収量については、1年単位でも大きく変動することがあるといった御意見だったかと理解していますけれども、おっしゃるとおりだと考えています。
認定審査の段階ではあくまでも計画値という形で定量的な指標をお示しいただきたいと思っていますが、認定後、実際の運用面においては毎年度進捗報告として、定量的な指標を実績でお示しいただくことを考えていますけれども、その際はなかなか計画値どおりうまくいかなかったり、あるいはおっしゃっていただいたように、社会情勢の変化等によって大きな変動がある場合も想定されるというふうに、我々も考えているところです。
単年度の実績などをもって容易に評価とか計画の見直し等を指導するのではなく、ある一定期間等の中長期的な視点を持って計画どおりに進んでいるのかどうかといったことを確認してまいりたいと考えています。その上でなかなか計画どおりにうまく事業が進捗していないようであれば、事業者とも密に相談しながら必要な計画の見直しを図るなどの監督指導を進めてまいりたいと考えています。
続きまして、関口委員から御意見をいただいた項目についてです。この法の目的として、脱炭素化及び再生材の量・質の安定供給に加えて、適切な廃棄物処理が改めて重要だという御指摘についてはまさにおっしゃるとおりです。説明が少し不足していて申し訳ございませんでしたが、再資源化事業等高度化法においても適正な廃棄物の処理を大前提とした上で、先ほど申し上げたような法の目的が重要だと考えているところです。
その上でいただいた御質問ですけれども、8ページ目でお示ししたように、こういった再資源化事業のスキームを考える際に、なかなか一事業者だけで完結することは難しく、幾つかの事業者の連携において全体の廃棄物の適正処理が進められていく中で、認定する範囲をどうするかという御質問でした。こちらについては、それぞれの類型別に認定する計画範囲が異なると考えています。
例えば類型①ですと、廃棄物収集運搬から再生材の供給までを一括して計画されていることを認定対象といたしますので、収集運搬工程に含まれている複数の事業者連携も計画範囲に含んでいただくことが適切だと考えております。また、再生材の製造だけでなく、例えば消費材の製造や処理残渣がどうなるかも、認定の際にはしっかり確認してまいりたいと考えています。
一方で類型②であれば、中間処分に係るような部分のみに着目した上で認定していくことになりますので、基本的には中間処分、その中でも再資源化を行うような部分のみが認定の対象になってくるとは考えています。その上で先ほど来おっしゃっていただいているとおり、適正な廃棄物処理という観点は重要だと考えていますので、その再生材の製造に係る部分以外の廃棄物や残渣がどうなるのかということも、審査段階では必要に応じて確認してまいりたいと考えています。
また類型③においても同様です。設備のリプレース等があくまでも認定範囲になりますが、そもそも廃棄物処理として適正な処理がなされているのか確認する観点で、そのほかの廃棄物とか残渣がどうなっていくかということも併せて確認してまいりたいと考えています。
続きまして廃棄物の発生量が安定しない場合の考え方についてです。こちらにつきましても先ほど高岡委員の御質問に対してお答えしたように、廃棄物の発生量が変動することは大いにあり得ると考えています。1年単位のモニタリングではなくて中長期的な視点や、事業者として今後どのように対応していくかの見込みなども確認しながら、適切な監督指導等を進めてまいりたいと考えています。
また、温室効果ガスの削減効果についてですけれども、高度なリサイクルをする際には追加のエネルギー投入量が増えるという観点は非常に重要だと思っています。そのためワーキンググループにおいても、こちらで書いてある温室効果ガスの削減効果というのは投入するエネルギー量だけでなく、製造する再生材がプライマリー材を代替することによる温室効果ガスの削減効果も合わせて加味することによって、もしリサイクルをするために追加のエネルギー投入量が増えたとしても、その再生材の質・量が上がることによって製品製造のサプライチェーンにおける温室効果ガスが減るのであれば、それらを総合的に判断した上で評価していくということを考えているところです。
続きまして、田原委員からいただいた御意見です。まず1つ目のこういった定量的指標出すことはなかなか難しい。一方で金融面の観点においてはこういった指標等がKPIとして用いられているケースもあってそれらを一体的に促進していくことが必要なのではというような御意見だったと受け止めています。
おっしゃるとおりだと思っております。こちらはあくまでも我々が金融機関等とも意見交換をする際によく言われていることの御紹介になります。金融機関側からはリサイクル再資源化事業が有用なものなのかどうかということを判断しにくいという御意見をいただいているところでございます。今回の認定制度のように、特に定量的な評価のように誰でも分かりやすいような形で示していただくことで、金融機関としても投資判断につなげやすいといった御意見をいただいているところです。そうしたサステナブルファイナンスの観点での動向等も踏まえながら、認定における定量的評価をどのように進めていくかということを考えてまいりたいと思っています。
また、モニタリングのあり方とか、GHGにおいてはLCAの考え方も重要だという御意見についてもおっしゃるとおりだと思います。先ほど御紹介したとおり、中長期的な視点を持った上で再生材が社会全体においての温室効果ガスの削減効果というものを評価できるように、そういった運用を考えてまいりたいと思っています。
本日いただいた御質問については以上です。その上で、末吉委員からいただいた御質問についてお答えさせていただければと考えています。まず1つ目の類型①についての御質問です。こちらは後ほど詳しく御紹介できればと考えていますが、類型①においては要件としてトレーサビリティが確保されているといったことを考えているところです。これは書いていただいているとおり、廃棄物の収集段階から再生材となって動脈側に引き渡されるまでを静脈産業において、今回申請いただく申請事業者側において求めていく要件として設定しているところです。
また、その点を含めて各要件について動脈側、静脈側、どのプレイヤーに求められているのかといったことについてはおっしゃっていただいているとおり、明確にするべきだと考えています。基本的には申請いただく事業者、いわゆる静脈側に求めていく基準になろうかとは考えていますけれども、誰に求められているのかということについては今後政令・省令だけではなく申請事業者向けのガイドライン等を通じて明確にしてまいりたいと考えています。
その上で本類型の趣旨である、動静脈連携促進を担保する基準ということですが、こちらについても後ほど詳しく御説明できればと思っておりますが、今回御質問いただいているトレーサビリティが確保されているかどうかということに加えて、認定の要件として、作った再生材がきちんと使われるということを前提に計画されているかどうかといったことを書面として求めてまいりたいと考えています。
その内容につきましては、本来であれば再生材を供給する契約書とかそういったものが理想的だとは考えていますが、申請の段階において契約書のような法的根拠、拘束力をもった書面の用意はなかなか難しいということも承知しておりますので、例えば事業を実現した後に再生材が本当に動脈側の需要に適合しているかどうかを確認するための、再生材の品質検証を行っている状況とか、あるいは事業連携に向けた協議書・合意書といったものをもって動静脈連携といったものの担保を考えているところです。
続きまして、類型②について、今回想定している対象廃棄物に加えて、今後さらに対象廃棄物を追加していくといったことをお示ししているところですが、どの程度の頻度で見直されるかといったことです。こちらについては、定期的な見直しといったものではなくて、社会的な要請とかあとは技術動向の進展状況などを踏まえて、適宜見直していくことを考えています。その上で、御質問としては仮に定期的な見直しを検討されている場合となっていますが、社会的需要が急騰した場合においては、再資源化事業等高度化法の類型②の制度で担保すべきか、あるいはそのほかの制度で何らか対応ができるものなのかといったことを総合的に判断した上で、必要な措置といったものを環境省として講じてまいりたいと考えています。
また、より高度な技術はどのような想定をされているのかという御質問です。こちらについては、御紹介いただいている、既にある技術設備が少しでも改良された場合と、革新的な場合のどちらなのかという御質問をいただいていますけれども、どちらも想定し得ると考えています。明確に一つ一つこういった場合というものがあるわけではございませんが、先ほど御紹介したような定量的な指標において、廃棄物ごとにどういった再生材を回収すべきかということを個別に設定しまして、その設定基準を満たすものを高度な技術という位置づけにしてまいりたいと考えています。
例えば現時点において想定している太陽光パネルにおいては、幾つかの再生材の回収が見込まれる、想定される中で今回類型②において線引きを行うのであれば、特定の再生材としてはガラス材、その中でもガラスの原材料として水平リサイクルできる品質を持ったガラス材というような位置づけを考えております。ガラスへの水平リサイクルが可能となる基準値以上のガラス材を回収することができる技術を高度な技術という位置づけで考えているところです。
最後もう1つ、御質問をいただいています。再資源化を対象とした際にリユース目的の選別が当てはまらなくなるということで、リユースが重要ではないかという御意見でして、こちらもおっしゃるとおりと考えています。あくまでも再資源化事業等高度化法は廃棄物処理ということで、リサイクルされる部分について認定していく制度にはなっているところですが、実際の事業においてはリサイクルする前にリユースできるものがあれば、廃棄物ではなく有価物として扱って、リユース品となっていくことがあり得ると思っています。認定する特例制度の対象範囲とは別に、実運用の中でリユースになるものも含めて廃棄物回収をするような事業といったものも審査対象になってくると考えています。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それぞれの御指摘に対して、極めて丁寧に発言いただけたと思っております。追加の御指摘ございますでしょうか。
それでは、次の政令・省令の議論とも関係すると思いますので、次の資料説明に入っていただければと思います。お願いします。
〇水島課長補佐 資料2の後半部分について御説明させていただきます。再資源化事業等高度化法において主な政令・省令の案が固まってまいりましたので、本日概要という形で御紹介できればと考えています。
様々な規定がある中で、全体のまとめという形で御紹介できればと思っています。先ほど来御説明しております認定制度における類型①高度再資源化事業についてまとめたものが、14ページ目のスライドです。制度趣旨といたしましては法律でも規定されておりますけれども、合理的な廃棄物の収集、再資源化、再生材の安定供給を行う事業ということになっています。御紹介しておりますとおり、再生材を活用した循環サプライチェーン、動静脈連携の創出といったことに特に重きを置いているところでございます。
この認定制度の特例ですけれども、事業計画に基づいて行う廃棄物の収集運搬、または中間処分の業であるとか、廃棄物処理施設の設置については、本来必要となる廃掃法の許可が不要となっています。特にこれまで広域的な廃棄物の収集運搬等に当たっては、許可権者である都道府県別に業の許可といったものが必要になっていましたけれども、今回はそういったものを国が一括的に認定していく制度となっています。
またもう1つ今回の高度化法類型①における特徴としては、廃棄物処理におけるDXを活用して手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。具体的には再委託に関する情報であるとか、収集運搬車に関する情報の管理、またトレーサビリティシステムなどについて、DXを活用いただくことによって、これまでの手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。
対象となる事業についてもこれまでの小委員会等で様々御意見をいただいていたところだと思っています。まず1つ目ですが、製品等の原材料を代替する再生材を安定して供給する事業ということになっています。
2つ目が国民経済に資する事業に再生材を供給する事業ということで、この国民経済に資する事業というものは、経済安全保障であるとか、あとは国内の産業競争力の強化につながるといったことを考えています。
また3つ目、こちらもこれまで小委員会等で御意見をいただいていたところです。地域との調和であるとか地域振興・地域発展、いわゆる地方創生に資する事業であるべきといったことを考えているところです。
その上で事業に求める要件の例ですけれども、まず1つ目が動脈産業側に再生材の大部分が供給される具体的な事業者が確保されていること、もう1つが取り扱う廃棄物や再生材についてトレーサビリティが確立されていること、また、定量的な指標、こちらについては、先ほどワーキンググループの近況報告で御紹介しましたとおり、GHGの削減貢献量であるとか、あるいは資源循環効果についてきちんと基準値以上の評価がなされているということ、そのほかこの類型①については、複数の企業による連携体制も重要になってくるかと考えています。その責任分界点であるとか、あるいは申請者における管理体制が明確であることなどが重要ではないかと考えているところです。
以上のような全体像を踏まえた上で、今後政令・省令で規定していきたいと考えていることを15ページ以降にお示ししているところです。こちらの資料ですが、15ページ目を例に御説明させていただきますと、まず類型①の高度再資源化事業についての規定です。政令・省令で規定すべきとなっている項目が、こちらの緑の枠で囲っている項目です。例えば15ページ目ですと、高度再資源化事業計画というものを申請の際に提出していただくことが法律に規定されていますが、その中の記載事項について政令・省令で定めることになっています。その案というものを具体的に今回お示ししているということです。そのため幾つか法令用語のような形でお示ししていますけれども、あらかじめお含みおきいただければと考えています。
その上で具体的な今考えている案について黒字で示している部分は、これまでの廃掃法の許可あるいは「○○リサイクル法」における認定制度のように、これまでの廃棄物行政においても同様に求めていた規定に準じる形で考えているものになっています。今回の高度化法において、何か新しい議論をもって設定するというものではないというふうに我々としては考えているところです。
一方で緑の字で示している部分については、今回の高度化法の制度趣旨等を踏まえて新たに規定しているものとか、または先ほど御紹介した手続きのスリム化を図っている部分になっています。本日は特に緑の部分を中心に御説明させていただければと考えています。
その上で15ページ目の御紹介です。まず高度再資源化事業計画の記載事項についての規定です。申請する事業の内容としては、次を含むものというような規定を設けたいと考えています。まず1つ目ですけれども、当然のことですが再資源化を実施する廃棄物の種類とか認定後に再資源化される見込みの廃棄物の種類ごとの重量といったことを、再資源化に重きを置いている施策になりますので確認したいと考えています。
また2つ目、3つ目ですが、先ほど御紹介したとおりこの類型①においては再委託等も通じて複数の企業における協力体制によって行われる事業というものが想定されますので、それぞれの処理における責任の範囲とか、あるいは一連の処理の工程を申請者自身が統括して管理できているかどうかといったものを記載いただきたいと考えています。
また、4ポツ目ですが、トレーサビリティを確保するための仕組みの概要ということで、このトレーサビリティについては廃棄物の種類、数量、性状及びおおよその所在といったものを記録または把握することができるものといったことを考えているところです。
また16ページ目、そのほかの記載事項として再委託をする場合に、幾つか規定を設けたいと考えています。再委託の名称に加えて、特定に資する情報として法人番号を付記するものというような規定を考えています。再委託を認める認定制度というものは、これまでの廃棄物行政においても幾つかあったところですが、今回は再委託先の名称のほかに、変動しない情報として法人番号を付記していただくことを考えています。
またその次に、再委託を行う収集運搬または処分の別については、電子情報処理組織その他の情報通信の技術を利用する方法によって、環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置の有無といったことを付記いただくことを考えています。こちらは少し分かりにくい表現にはなっていますが、電子データ等を通じて環境省が常に再委託者に関する再委託情報を把握できるのかどうかといったことを記載いただきたいと考えています。常に把握できないことをもって認定しないというわけでは、要件としては考えていませんが、もし環境省が常に再委託者の最新情報を把握できるような措置が取られている場合においては、後ほど御説明する幾つかの事務手続きのスリム化を図れるのではないかと考えています。そのスリム化を図れるかどうかという適合性を確認するために記載いただきたいと考えています。
そのほかの記載事項としては処理施設を設置する場合においては、例えば廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画であるとか、あとは処理施設の維持管理に関する計画といったものも政令・省令で規定していくことになりますが、こちらについてはこれまでの廃棄物行政で求めてきた規定に準じる形を考えているところです。
また、申請時において先ほどの事業計画に加えて添付を求める書類についても政令・省令で規定することになっています。おおむねの添付書類については、これまでの廃棄物行政同様に、例えば廃棄物の処分の用に供する施設の構造を明らかにする図面とか、あるいは申請者の情報、性格などを添付書類として求めているところですが、今回類型①において改めて求めている書類としては、再資源化事業実施の効率化の程度を示す指標の算出の根拠を示す書類といったことも設けたいと考えています。こちらについては先ほど御紹介したワーキンググループで御議論いただいております定量的な指標のことを政令・省令での規定では、こういった表現として示しているところです。
また、そのほかにも一番下のポツになりますが、再資源化により得られる再生部品または再生資源、いわゆる再生材が事業者に対して供給されると見込まれることを確認できる書面の写しということです。こちらは先ほど御紹介しましたとおり、動静脈連携の証左ということで確認したいと考えているものです。前回小委員会でも御議論いただきましたとおり、契約書の写しはなかなか難しいということを踏まえた上で、実際の審査の段階においては再生材の品質等を協議する書面であるとか、あるいは事業連携に向けた合意書などをもって確認してまいりたいと考えています。
続きまして18ページ目です。生活環境に及ぼす影響についての調査に関する書類です。いわゆるミニアセスに関する書類ですけれども、こちらについてはこれまでの廃棄物行政等で求めていた調査項目であるとか規定について、引き続き準じる形で規定してまいりたいと考えています。
19ページ目、適正な配慮がなされるべき周辺の施設といったものも、政令・省令で規定することになっています。こちらもこれまでの制度に準じる形の規定を考えています。
また廃棄物処理施設を設置しようとする者の能力の基準ということで、こちらについては、周辺の地域との調和の確保に向けた取組が行えているかどうかということを確認してまいりたいと考えています。周辺地域との調和の具体的事例としては、例えば住民の理解を得るために説明会を行っているとか、あとは地域の都市計画に整合するような施設を考えているといったことが想定されますが、基本的には事業者の取組、提案に委ねたいと考えています。環境省からはガイドラインなどで代表的な例といったものを御紹介できればと考えています。
また縦覧等を要する廃棄物処理施設の規定につきましては、焼却施設といった規定を考えています。こちらはこれまでの制度に準じる形になっているところです。
20ページ目です。認定の基準のうち、高度再資源化事業自体の内容についてです。前提として動静脈連携の創出といった制度趣旨になっていますので、そちらに整合するような認定の基準を幾つか設けていきたいと考えています。
まず1つ目ですが、作った再生材が事業者に対して安定的に供給することができると認められること。2つ目が定量的な指標が適切に算出されたものであって、再生材の大部分が事業者に対して供給される、いわゆる事業者の需要に応じたものであること。
3つ目がこれまでの小委員会でも様々な御意見をいただいていたところですが、収集しようとする廃棄物が通常の保管状況の下で容易に腐敗しまたは揮発するなど、性状が変化することによって、生活環境保全上の支障が生じるおそれがある場合において、その支障を防止するために必要な適切な措置が講じられていること、といった規定を設けたいと考えています。
また、4ポツ目と5ポツ目合わせての御紹介となります。先ほど確認することとして御紹介したとおり、再委託なども今回想定されますので、委託する業務の範囲及びその委託する者の責任の範囲が明確であって、また委託先の監督について当該申請に係る収集、運搬または処分が適正に行われるための必要な措置が講じられていることであるとか、申請者が統括して事業全体を管理する体制が整備されていることといったことも要件として求めてまいりたいと考えています。
少し飛ばしまして、下から3つ目のポツです。地域の環境の保全のための取組並びに地域の振興及び社会の健全な発展に資する措置を併せて行うものであると認められること、といった要件も考えています。こちらがこれまでの小委員会でも御議論いただきました地方創生等に関する取組が実施されているかどうかということも要件として考えています。
またその下ですけれどもトレーサビリティが確保されると認められること、も要件として考えています。
最後になりますけれども、再資源化により得られる再生材が国民経済に寄与する者に供給されるものであることということで、国民経済に寄与する者が意味するところは、前回小委員会でも御議論いただきましたとおり、国内において製品製造を行う者または海外に供給する場合においては、海外において製品製造を行っている日本企業であるものといったことを想定しています。そうしたことを通じて経済安全保障とか国内の産業競争力強化につなげてまいりたいと考えています。
続いて21ページ目です。認定の基準はほかには例えば申請者の能力に関する基準であるとか、あるいは廃棄物の収集運搬の用に供する施設、または処分の用に供する施設といったものについても基準を設けているところです。これらについてはこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じる形を考えています。
22ページ目です。廃棄物処理施設の技術上の基準です。いわゆる廃棄物処理施設に求める構造であるとか設備に求めている基準になります。こちらについては前提としてはこれまでの廃棄物行政に求めていた規定によるという形で準じる形を考えていますが、今回認定する施設は再資源化施設に限られてまいりますので、その上でという形で再生材に求められる規格を満たすための設備または装置が設けられていること、投入された廃棄物に対して効率よく再生材を得られる構造であること、安定的に再生材を供給するために必要な措置が講じられていること、当然といえば当然かもしれませんが、再資源化施設としてしかるべき規定を設けたいと考えています。
続きまして23ページ目です。認定された事業者に対しましては認定証というものを交付することを考えていますので、政令・省令においてその認定証に係る規定を設けたいと考えています。
また、船舶または運搬車を用いて廃棄物を収集運搬する際の表示の基準についてです。まずこれまでの廃棄物行政においては、特に産廃ですけれども、船舶・収集運搬車両について廃棄物を収集・運搬する際には、車体の外側に廃棄物を収集・運搬している旨であるとか許可番号、あとは事業者名等を表示するような規定があったところです。今回の高度化法においても基本的にはこれは守るべき規定として考えています。その上で手続きのスリム化を図れる余地があると考えています。トレーサビリティを常時かつ即時に確保するための仕組みといったものが構成されていて、また先ほど事業計画の際に記載を求めていた、環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置を講じている場合には、この表示の義務といったものは必要ないといった規定を設けたいと考えています。
続いて24ページ目です。認定後の計画について変更が生じた場合には、事前に認定の申請を行っていただく必要がございまして、政令・省令においてはその認定の申請に係る手続きについて規定していくことを考えています。こちらについてはこれまでの認定制度に準じることを考えています。
その上で計画に変更が生じた際に、軽微な変更であれば、事前の認定ではなく届出の手続きで済むという制度になっています。届出で済む軽微な変更の具体的な対象を政令・省令で規定することになっています。
今回の高度化法の類型①においては、再委託先に関する規定にするものであって、先ほど御紹介した環境大臣が再委託先に関する情報を直ちに確認することができる措置を講じている場合には、再委託先の氏名名称の変更であるとか、あるいは廃棄物の収集・運搬を行う者の変更、いわゆる追加や減少のことですけれども、そうした変更であっても常に環境省が確認するような措置が講じられている場合には、軽微な変更ということで届出対象になるという規定を設けたいと考えています。
26ページ目です。なお今回の類型①における届出においては、事業変更の日から事後30日以内、約1か月以内の手続きで足りるという規定を設けたいと考えています。
また、認定後の事業計画の廃止においては、届出をしていただくような規定を設けたいと考えています。
27ページ目です。認定された事業者に対しては、毎年事業の進捗報告をしていただく規定を設けたいと考えています。具体的には毎年6月30日までにお示ししている項目を環境大臣に報告いただきたいと考えています。その中には廃棄物の処理状況とか再資源化の状況といった当然のことも含みますし、また廃棄物処分業者の判断の基準となるべき事項ということで、こちらは高度化法において全ての廃棄物業者において高度化に向けた取組の目標となる判断の基準といったものがございましたが、今回認定される事業ということで、当然のことながら判断の基準に対応する取組がなされていくべきだろうということを前提に、その取組状況についても報告をしていただきたいと考えています。
また一番下ですが、認定審査の際に用いた定量的な指標についても、実績状況を報告いただきたいと考えています。なお、その報告いただいた項目については、先ほど来、各委員から御質問をいただきましたとおり、毎年度報告いただく形にはなりますが、1年単位の報告をもって何らか指導等をするのではなく、全体的な社会情勢等をも踏まえた上で適切な監督指導をしてまいりたいと考えています。
続きまして28ページ、再委託の基準についてです。こちらについてはこれまでの廃棄物行政に準じる形を想定しています。
29ページ目です。産業廃棄物の処理基準について、まず収集・運搬に関することです。廃棄物の適正処理の観点から、これまでの廃棄物行政で求めていたものに準じる形を想定しています。
その上で30ページ目です。保管に関する部分については、今回類型①においては特有の考えを持ちたいと考えています。前回の小委員会でも御紹介したとおり、再生材の安定供給という一面からは保管の数量に関する上限、例えば廃掃法ですと収集・運搬段階における積換え保管施設においては、1日当たりの搬出能力の7日分を超えるような保管を行ってはならないという規定がありますが、今回の類型①においては保管の数量に関する上限は設けないことを考えています。一方で、そのためによって懸念される品質であるとか事故につきましては、それぞれ品質安定化に求める規定、火災事故等の防止に関する規定を設けたいと考えているところです。
続きまして31ページ目、中間処分に関する処理基準です。こちらについても適正処理の観点から、基本的にはこれまでの廃棄物行政の規定に準じる形を考えています。その上で中間処分における保管の上限については、先ほど同様撤廃することを考えています。
以上が類型①に関する政令・省令の規定です。
○酒井小委員長 時間が押していますので、説明をうまく進めてください。
〇水島課長補佐 続きまして類型②についてです。類型②の概要ですが、制度趣旨としましては、特定の廃棄物を指定した上でより高度な技術を用いて有用な再生材を回収するような事業を促進していくということになっています。認定制度の特例としては、中間処分の業、または廃棄物処理施設の設置に関することについての許可を、廃掃法で本来求めていた部分について不要とするような制度になっています。
また加えまして、廃棄物を指定すること、また高度な技術という処理方法が極めて限定されるという観点で、これまでの廃棄物処理法等における廃棄物の処理基準とか施設基準ではなくて、今回想定される事業に特化した合理的な処理基準、施設基準が設定できるのではないかと考えています。
対象となる事業につきましては、今後告示で指定していくことを考えていますが、まず第一段階としては太陽光パネル、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池の3つを考えているところです。指定していく廃棄物については、社会的に必要な製品で今後さらに廃棄物発生量の増加が見込まれるということと、現時点において既に一般的なリサイクル方法が確立されていて、さらにその上で高度と線引きできるようなものがあるといったことを前提に、今後必要に応じて廃棄物の追加を考えてまいりたいと考えています。
事業に求める要件例としては、再生材を回収できる高度な技術であるかどうかということ。あとは周辺生活環境に影響がないことであるとか、定量的指標の評価が適切になされているといったことなどが考えられるところです。その上で、政令・省令で定めるような規定について、33ページ以降で御紹介しています。
まず指定する対象廃棄物については、先ほど御紹介したとおり環境大臣が今後具体的に告示で定めていくことを想定しています。また申請の際に提出いただく事業計画につきましては、基本的には類型①であるとかこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じることとしています。その上で必要に応じて環境大臣が対象廃棄物ごとに告示で定めていくようなことも考えているところです。
34ページです。そのほか廃棄物処理施設を設置する場合における記載事項等については、これまでの廃棄物行政の規定に準じる形を考えています。
35ページ目でございます。申請時に添付を求める書類といたしまして、こちらも類型①と同様、基本的にはこれまでの廃棄物行政での規定に準じる形と考えています。それに加えて定量的指標に関する根拠を示す書類であるとか、そのほか対象廃棄物別に何らか追加の書類が必要だということであれば、環境大臣が別途告示で定められるような規定を考えているところです。
36ページ目でございます。適正な配慮がなされるべき周辺の施設につきましては、これまでの規定に準じる形を考えています。
また廃棄物処理施設を設置しようとする者の能力の基準につきましても、類型①と同様に、周辺地域との調和の確保に向けた取組状況といったものを確認したいと考えています。
37ページです。認定の基準のうち事業の内容についてです。類型①に比べますと動静脈連携の創出といったことには、そこまで重きを置いていない関係であるとか、収集・運搬に関するものが事業計画に含まれないということで、かなりコンパクトにまとまっているところです。
まず1つ目としては定量的な指標が適切に算出されたものということ、あとは4ポツ目ですが、地域の環境の保全の取組とか地方創生に関する措置を併せて行うものとして認められるといったことを考えているところです。
38ページ目、そのほかの基準としまして申請者の能力とか施設の能力については、これまでの廃棄物行政の規定に準じる形を想定しています。
39ページ目、廃棄物処理施設における技術上の基準、構造の基準とか設備の基準です。こちらも基本的にはこれまでの廃棄物処理に関するような規定に準じる形と考えていますが、その上で2つポイントがございます。1つが高度分離・回収事業の実施に資するものであることということで、意味することは高度な技術であるかどうかということです。もう1つがその他対象廃棄物ごとに環境大臣が告示で定める基準ということで、ここが特例のポイントにもなっています。対象廃棄物とか高度な技術というもの、その上で認定していくことになりますので、対象となる施設がおおむね限られることから、それに特化した独自基準というものを今後設定してまいりたいと考えているところです。その基準に適合しているかどうかが、要件の1つになると考えています。
40ページ目においては、認定後の認定証の交付であるとか、認定後の計画の変更の申請については、類型①と同様の規定を考えているところです。
41ページ目、届出に関する手続きとか廃止に関する手続きについても、類型①と同様の規定を考えています。
また42ページ目、認定後の事業者に対して毎年度の実施報告についても、類型①と同様に、毎年6月30日までに定量的な指標とか、判断の基準になるべき事項に関する取組も含め、毎年度事業者に事業の実施報告をいただくことを規定してまいりたいと考えています。
43ページ目、類型②に関する規定の最後です。中間処分に関する廃棄物の処理基準についてです。こちらについても基本的にはこれまでの廃棄物行政の規定をベースとしつつも、最後のポツになりますが、その他対象廃棄物ごとに環境大臣が別途告示で定めることが可能という規定を設けています。これは施設における技術上の基準同様に対象の処理方法などが極めて限られますので、それらに特化した独自基準といったものを設定してまいりたいと考えているところです。以上が類型②になります。
続けて44ページ以降が類型③に関する規定です。そもそもの類型③の全体ですけれども、制度趣旨としては既に設置されている施設において温室効果ガスの排出量の十分な削減が見込まれる設備のリプレース等といったものを促進していくことになっています。特例としましては、処理施設の変更について廃掃法の許可が不要ということになっています。
その上で要件例としてはこれまでの小委員会等でも御議論をいただきましたとおり、定量的な評価に加えて、既に廃棄物処理を実施されている事業者が対象になると想定されますので、これまで廃掃法等で求めていたあるいは推奨していた取組がなされているといったことを求めてまいりたいと考えています。
その上で45ページ目以降が具体的な規定になります。事業計画の記載事項についてはこれまでの廃棄物処理施設における変更の規定に準じる形になっています。
46ページ目、申請時に添付を求める書類につきましても、おおよそこれまでの廃棄物行政で求めていた規定に準じる形となっています。
その上で今回の類型③のポイントでもある定量的な指標、温室効果ガスの削減の程度を示す指標についても書類において根拠を求めてまいりたいと考えています。
そのほか47ページ目ですが、先ほど御紹介したとおり既に廃棄物処理事業者であるということが前提となると思っておりますので、必要に応じて優良産廃処分業者であることを証する書類であるとか、多量排出処理計画の写しといったものも求めたいと考えています。
48ページ目、認定の基準についてです。こちらについては温室効果ガスの削減の量が十分な削減が認められるといったことなどを、要件として考えているところです。また施設における技術上の基準については、これまでの廃棄物行政に準じる形を考えています。
49ページ目、申請者の能力の基準です。事業を行うに当たって的確に行うに足りる知識技能とか経理的基礎という当然のことに加えまして、先ほど御紹介したとおり、高度化法における判断の基準に関する取組が行われているかどうかであるとか、あるいは産廃処分業者である場合には優良産廃処分業者であるかどうかといったことを要件としたいと考えています。
そのほか適正な配慮がなされるべき周辺の施設に関する規定とか、あとは50ページ目になりますけれども、認定後の認定証についての規定については、これまでの規定に準じる形を考えています。
そのほか登録調査機関に関する規定とか、飛ばして55ページ目になりますが、再資源化の実施の状況の報告公表に係る規定といったものもございます。この報告については毎年6月30日までに電子情報等を通じて報告いただくことを考えています。
最後57ページ目になります。具体的な施行日については、令和7年11月1日からの施行を考えているところですが、一方で再資源化の状況の報告については、令和9年度以降ということで1年強の経過措置を設けたいと考えているところです。
大変長くなりましたが、以上です。
○酒井小委員長 それでは御意見のある方、発言の意思表示をよろしくお願いいたします。まず高岡委員、12時で御退席と聞いておりますけれども、御意見があればこの段階でまず出してください。
○高岡委員 御説明ありがとうございます。大変よく分かりました。3つございます。1つ目は、類型①ではミニアセスはある意味必要であるということをおっしゃったのですが、類型②はそれをしなくてもよいということでよろしかったでしょうかというのが1点目です。
あとは類型②のところで、太陽光パネルとかいろいろ環境大臣が指定するということで独自の基準を設けられるということですが、これに関しても先ほどの要件のところと同じように、モニタリングをしていくのはやはり重要であろうと思いますので、その点も今後御検討いただければと思います。
同じように類型③のところでも、48ページで温室効果ガスの量の十分な削減が認められることというところで、装置もいろいろなものにもよってくると思いますので、十分というところがどのくらいのものになるのか。また、そのものも状況によって変わってくる可能性もありますので、この辺りのモニタリングもやはり重要ではないかなと思っております。以上3点、私からの意見です。よろしくお願いいたします。
○酒井小委員長 要領よくありがとうございます。もう一方、斉藤委員も退席と聞いています。御意見ございますか。
○斉藤委員 御説明ありがとうございます。私は1点だけ確認させていただきたい点があります。類型①に関しては動静脈連携を強化していくとか、循環サプライチェーンを構築していくという意味で、非常に重要なところと認識しているところです。一方で今回改めて申請書類等を見ていったときに、動静脈連携を確認できる書面を出すということだったり、国民経済に寄与するものに供給する者であるといった形で、かなりハードルが高いような印象を持っています。これは実際運用するときにどういうふうにしてハードルがそこまで高くないというか、申請をしたいけれどもできないという形の態様にならないように取り組んでいただくことがいいかなと思いますので、その辺どう考えているのかを聞きたいと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。今のお二方の御質問にこの段階で答えていただけますか。
〇水島課長補佐 ありがとうございます。まず、高岡委員からいただいた1つ目の質問、類型②においてミニアセスは必要かということです。すみません。今回資料としては漏れていますけれども、類型②も新たに廃棄物処理施設を新設する場合においては、類型①と同様の規定を考えているところです。
続いて独自の処理基準とか廃棄物処理施設の基準についてモニタリングが必要ではないかという御指摘です。おっしゃるとおりだと思っています。そもそも高度な基準の水準自体も、年々技術の進歩等に伴って変わっていくと考えていますので、必要に応じて適宜見直し等を図ってまいりたいと考えています。
最後、類型③における十分な削減の具体的に意味するところです。こちらについては先ほど御紹介したワーキンググループの定量的評価における基準を満たしているということを考えています。具体的な基準を満たしているかどうかによって、十分な削減ができているかどうかを判断してまいりたいと考えています。
続きまして斉藤委員から御質問をいただいた、類型①における幾つかの要件について、なかなかハードルが高いのではないかということです。何でもかんでも全ての再資源化事業を国が認定するということではないかなと思っております。一定のハードルというか、要件、線引きはさせていただきたいと考えています。具体的にどれくらい事業者としてこういったい要件を満たし得るのかといったことについては、今後も様々な事業者と意見交換を重ねながら適切な運用、審査になるように務めてまいりたいと考えています。以上です。
○酒井小委員長 高岡委員、斉藤委員、よろしいでしょうか。
では了解をいただいたようですので、次に、大塚委員、室石委員、田原委員、所委員、オンラインのほうからよろしくお願いいたします。
○大塚委員 1つはトレーサビリティに関して高度化法の要件にはしないで合理化を受けるための要件として、類型①について出していただいているのは、大変結構だと思います。広域認定に関してトレーサビリティをあまり強調しすぎたために、随分厳し過ぎるのではないかという御不満とかが結構あったと思いますが、今回はそれにある程度対処していただくようなことをこちらのほうでお考えいただいたのかなと思っております。
2つ目です。再資源化によって得られる再生部品及び再生資源を国民経済に寄与するものに供給するという類型①の20ページの一番下のところの要件です。先ほど来御議論がありますが、日本国内で循環するか、あるいは海外の日本企業との関係での循環というところに重点を置くということで、そういう要件ということで対処していただければ割と明確なのではないかと思っておりました。これも私も前から申し上げていたところですけれども、大変重要な要件であるというふうに考えております。
第3に地方創生のところです。地方創生の例としては具体的に、要件を満たすものとしてどういうものを想定しているのか教えていただけるとありがたいと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて室石委員、お願いします。
○室石委員 私のほうからは2つ申し上げたいと思います。1つは48ページの類型③の十分な削減というところです。これは既に先ほどお答えいただいてワーキンググループでやっているということだったのですが、あまりがちがちなものにならないようにぜひお願いしたいと思います。
2点目ですが49ページです。これの3ポツ目のところです。ここで判断の基準に係る取組を行っていること、とあるのですけれども、施行してしばらくはこれから取り組むという状態のところもあると思うので、しっかりと事業計画で今後取り組むというふうに書いていただければ、当面の間はよいのではないか。施行後すぐというわけにはいかないと思うので、行っていること、と既にやっていないと駄目というのでは厳し過ぎるのでないかということで、少し御配慮をお願いできればと思います。以上です。
○酒井小委員長 続いて田原委員、お願いいたします。
○田原委員 私のほうからは1点、20ページの事業者に対して安定的に供給することができるというところです。これはどういうふうに証明するのかという具体的なところについて、もし決まっていることがあればお伺いしたいです。多分具体的には調達の安定性というところと事業者側への供給の安定性という両方が成り立たないと、事業者に対して安定的に供給するということはできないと思います。
これに関して先ほどの指標のところに立ち戻りますと、指標1においては、廃棄物の処理量に対して再生材の供給量が何%かということが資源循環の効果ということでパーセンテージを測ることになっているのですが、この指標といわゆる安定供給というところとの検討のバランスというところも考慮したほうがいいと思っています。
何をいっているかというと、仮に調達の安定性というところが保てずに分母として100を予定していたものが50となったとして、でも事業者への供給というのが変わらず100だった場合にはそのパーセンテージはいいほうに改善したという指標になるのですけれども、それが本当に資源循環としてよいということなのか。あるいは逆に調達の安定性は保てていて分母はしっかり保てているのだけれども、在庫の保管については期限を設けないという条文がありましたので、しっかり安定的に事業者に供給するために在庫をかなり多く抱えている場合というのは、分母は100でなくて安定供給のために150にしたいという事業者もいる可能性もあるかなと思ったときに、そうすると分子は変わらず100というままですと、この数値は悪化してしまうということになるので、この資源循環の効果の指標が安定供給というところを目的としていろいろと事業のサプライチェーンを構築したときにあだとならないようにというか、こちらの数字が悪くならないようにというところの考慮も必要なのかなと思いましたので、この点御意見させていただきます。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。続いて橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 ありがとうございます。私は1点だけです。登録調査機関のところです。今回LCAなども含めて結構テクニカルな部分もあるので、そういったところをしっかり審査できるような機関というところの条件が必要なのではないかと思っています。
先ほどからモニタリングの話がたびたび委員の先生方からも出ているのですけれども、モニタリングのところの確認です。こういうところをどういうふうな役割で進めていくのかというところ、特に登録調査機関の役割について教えていただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。それでは所委員、どうでしょうか。
○所委員 私からは1点、今までも委員からいろいろな意見が出ているのですけれども、何をもって高度とするかというところは非常に重要な議論だというふうに感じています。というのも差分で取ってしまうと、今頑張っているリーディングなところはハードルが上がってしまいます。絶対値で評価するとなれば、この分野の技術やシステムの標準を体系化するような、非常に大きなプロジェクトが必要になるということだと思います。
ただ、昨今当該分野を見ていますと、諸外国のプラントなどをそのまま導入してなかなか使いこなせないであるとか、技術が育っていないという状況も散見されますので、ぜひ独自の技術を高度に使いこなせているというプラントをもって高度な事業者だと、技術立脚型の資源循環企業が育ってきているということに資するような評価の方法、モニタリングの方法というのを、これからになると思いますけれども、考えていただきたいと思っています。以上です。
○酒井小委員長 ありがとうございます。
それでは会場から高野委員、お願いします。
○高野委員 御説明ありがとうございました。この小委員会ではかねてより、高度化法が申請者にとって非常に活用し易いものにしてほしいと申し上げておりました。本日示された政省令案に関しても、丁寧に整理を進めていただきたいということで、3点申し上げさせていただきます。
1点目は、先ほど議論もされておりましたが、複数の事業者が関わる事業においては、実務的な責務や負担が非常に増える場合がございます。そこで例えば、産廃許可業者が申請を行う場合は、既存の許可の中で確認済みの事項は省略化すべきではないかと考えます。
2点目は、他の委員からも意見のあった、トレーサビリティについてです。複数の工程となり多くの事業者が連携することで、最終的な再生材の使用量や直接消費材の完全な把握が難しくなる可能性もあると考えます。ご説明の中で言及もありましたが、トレーサビリティの確保においては、電子化やデジタル技術を活用することを、引き続き検討いただきたく存じます。
3点目は、前回までの小委員会で私から意見しておりました、容易に腐敗または揮発するような性状の廃棄物の認定可否についてです。今回のご説明では、適切な措置を講じることで認定の対象とするとされており、より多くの事業者が活用できる仕組みになってきていると考えます。今後も、様々な事例や課題事項も表面化されていくと思われるため、それらに対応し得る柔軟な制度となるよう、検討をお願いしたく存じます。
○酒井小委員長 ありがとうございます。粟生木委員どうぞ。
○粟生木委員 御指名ありがとうございます。少し整理し切れていないのですけれども、スライド3に立ち返ると、類型①の目的が質と量を確保ということと広域的な分別収集・再資源化の事業促進ということですが、いただいていたいろいろな記載事項等を見たときに、保管量の上限撤廃というところが量に関わってくるのかなと思うのですけれども、全体としてどのように広域化と質と量というところを担保しているのかが少し分かりにくかったような気がします。
そこで先ほどの田原委員の御意見とも関係するのですけれども、要件として求める定量的指標のところも割合だけなので、その辺りの絶対量とか割合としての指標とか、その辺の設定のバランスも考える必要があろうかと思います。
量という面であれば、認定の件数を増やすということで、当初は認定の件数が目標のお話もあったかなと思います。そこの議論かもしれません。もし認定の量を増やすということであれば、様々な委員の皆様がおっしゃっているような、いろいろな事業者の方が申請しやすい仕組みを作る。トレーサビリティ、DXの活用といったところもありますけれども、そういったところの何らかの支援を強化していくのか、少しやりようがあるのかなと思っていますので、今後広域化と量と質というところで御検討いただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 三井委員、どうぞ。
○三井委員 私からは類型①の中から3点です。17ページの動静脈連携の確認の事業者に対して供給されると見込まれることを確認できる書面の写し、とあるのですけれども、どこまでのエビデンスを求められるのかということを教えていただきたいと思います。
18ページ以降にいろいろな基準が書いてあるのですけれども、見る限りでは維持管理に関する基準が書かれていなくて、多分廃掃法に則ってそれはやられるのだと思いますが、水質はどこを守るとか騒音はどこを守るとかというのは報告を求められると思います。そのときに法律だけでなく県条例が厳しくしていますので、県条例の提出を求めて確認をしていただきたいというのが2点目です。
最後に、31ページの廃棄物の保管を行う場合には、収集・運搬時の保管の例によること、と書かれているのですけれども、廃掃法の中で触れられていない最近のリチウムイオン電池の発火の事故があります。開梱機の周りにそういったプラスチック等を保管しないようにとか、あるいは労働安全規則とか厚生労働省の運用ガイドラインにあるような、フォークリフトの走行幅を確保することというような記入例を丁寧に書いていただければと思います。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。それでは事務局にマイクをお渡しします。時間が押しておりますので少しうまくご説明ください。
〇水島課長補佐 質問、御意見ありがとうございます。順にかいつまんで御回答をさせていただければと思います。
まず、大塚委員からいただきましたトレーサビリティとかDX等の活用による手続きのスリム化及び再生材の国内循環等についての御意見ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っております。トレーサビリティとかDXの活用によって、これまでの認定制度で不便とか御意見をいただいていた部分について、幾つか適合化のような規定を考えられればと思っているところです。国内循環については、ここは申請事業者向けの手引き等で具体的にこういうことが考えられるといったことを御紹介したいと考えています。
また地方創生の具体的な例として、内容についてですけれども、環境省としてこれは必ずしないといけないというものではなくて、まずは事業者提案に委ねたいとは考えてございます。一例としては地域において既に実施されている再資源化事業者を活用いただくとか、あるいは地域雇用が一定見込まれるとか、そういったことなどが考えられるのかなというところです。
続きまして室石委員からいただいた御意見でございますけれども、まず類型③の十分な削減について、あまり厳しくならないように創意工夫をいただきたいという御意見です。こちらについてもやはり定量的な評価ということにはなりますので、一定量の線引きは必要かなとは思っておりますが、どういった基準が妥当なのかとか、あるいは個別事情によっては、何らか事業者提案のような削減の計算方法もあり得るかなと思っておりますので、そこは丁寧に運用してまいりたいと考えています。
また、判断の基準を要件とすることについて、なかなか申請時段階では難しい部分もあるという御質問でした。おっしゃるとおりの一面はあるかと思っております。そのため認定の申請を通じて判断の基準に適合していくのだという、そういった今回の事業計画がそれに対応していくのだといったことも認めるような形で認定制度を運用してまいりたいと考えています。
続きまして田原委員からいただいた御質問です。類型①において安定的な再生材の供給といったことについて、具体的な判断基準、考え方についてです。こちらについては、何か1つの基準だけをもって判断するのではなくて、おっしゃっていただいたように定量的な指標についてもそうです。また例えば廃棄物の収集運搬とか排出される量の見込みが適切かとか、または廃棄物がなかなか回収できなかった際に何らかの対応策というか代替案があるのかなどを見て、総合的に事業計画として安定的に供給できそうかどうかというものを判断したいと考えているところです。
その上で定量的な指標についてのバランスが重要だということはおっしゃるとおりだと思っておりますので、運用面の中でうまく考えていきたいと思っているところです。
続きまして、橋本委員からの御質問です。定量的評価の可否を基準とすることについてですし、あとはモニタリング時に登録調査機関の役割をどうしていくかという御質問だったかと受け止めています。登録調査機関の運用のあり方については、まず法律時点では定量的な評価に係る認定申請の審査の部分を国の代わりに行うことができると規定されておりますが、それ以上にモニタリングに関しても役割を担っていただくか、についてはどういった事業者が登録されるかなども含めて、また検討させていただければと考えています。
認定の基準の中に定量的な評価を妥当に判断できるかどうかということは、もちろん当然のことながら考えていますので、その上で政令・省令において明確に規定すべきかどうか、また検討してまいりたいと考えています。
続きまして所委員からいただいた御意見です。何をもって高度と考えるべきかということです。おっしゃるとおり、差分だけとか絶対値だけで判断するというものではなくて、やはり事業計画全体をもって総合的に高度に該当するかどうかというものを、個別案件ごとに判断していく運用が適切なのではないかなと考えています。その上で今後としては事業計画とか技術だけではなくて、例えばおっしゃっていただいているように、人材育成なども含めた上で、高度な再資源化事業に取り組む事業者育成にも努めてまいりたいと考えています。
続きまして高野委員からいただいた御意見でございます。複数の様々な事業者の連携での申請が想定される中で、既存の許可等において認められている部分には手続きの簡略化・省略化も可能なのではないかという御質問です。おっしゃるとおりだと思っておりまして、こちらについてはどこまでを省略できるかどうかは別途検討させていただきますが、既に認められている部分については何らかの手続きが簡略化できるような措置も検討したいと考えています。
また電子化・デジタル技術上の基準についても必要に応じて対応してまいりたいと考えています。また、類型①における対象廃棄物において、腐敗性のある廃棄物等々に関し、今回規定として絶対に駄目だというものではなく、必要な措置がなされていないと駄目だという規定を考えたところです。今回類型①において想定しておりますのは、事業系の大量に排出されているような、例えば食品残渣や下水汚泥であり、これらの再資源化も重要だと考えています。この対象廃棄物に限らず、多くの事業者や事業計画に活用いただけるような制度運用に努めてまいりたいと思っています。
続きまして、粟生木委員からいただいた御質問です。広域化とか安定供給に向けての考え方というか、どういうふうに促進していくかということでございます。基本的には今回類型①において、認定を一括化することをもって手続きのスリム化も図れていると思います。また先ほど申し上げたDXの活用を前提にして、例えば収集・運搬車両を柔軟に活用できるだとか、あるいは再委託に関する手続きのスリム化も図れていると思いますので、そういったことを通じて広域的な事業であるとか安定供給ができるような事業計画が促進されやすくなっているのではないかと考えているところです。
また絶対量の考え方、国全体としてどういう再資源化事業を進めていくのかということについてですけれども、現時点においては絶対量というものだけを評価してしまうと、語弊をおそれずに申し上げれば、大企業だけが認定されていくような運用にもなってしまうかなと思っております。必ずしもそうではなくて、それぞれの廃棄物とか再生材ごとに様々な事業範囲もあると思いますから、現時点においてはその絶対量を評価軸としては考えていないところですけれども、おっしゃっていただいたとおり、より多くのそういう合理的な事業の創出というものが重要だと思っておりますので、いろいろな事業者の意見を伺いながら適切な運用がなされるように考えていきたいと思っています。
最後、三井委員からいただいた御意見です。まず類型①において事業者との連携体制をどこまで確認するかということですけれども、こちらについては前回、小委でも御紹介させていただいたとおり、本来であれば契約書のようなものがベストとは思っていますけれども、なかなか難しいということも承知しておりますので、まず現時点で想定しているのはその前段階である事業連携に向けた何らかの文書における合意書、協議書または具体的な供給に向けた意見交換をしているようなものなどをもって確認したいと思っています。必ずこの書類でないと駄目だというような規定を設けるつもりはございません。それぞれの事業者ごとに具体的にこういう状況なのだということが分かるような説明をいただいて、個別に判断してまいりたいと考えています。
また、施設設置の際の維持管理に関することでございます。県条例等で上乗せ規定されていることがあるというのはおっしゃるとおりだと思っています。こちらについては、運用面においてそういったものがある場合には証明するような、県条例の規定などが分かるような書類なども求めていくことも考えていきたいと思っています。また廃棄物の保管において労働基準などで規定されている項目も重要だということは、おっしゃるとおりだと思いますので、こちらも運用面において何か工夫できないかということを考えたいと思っています。以上です。
○酒井小委員長 どうもありがとうございます。今日の説明ぶりであれば、時間が倍ほどないと議論は深められないというふうに議事運営上感じていますが、お約束の時間が迫っておりますので、今回のやりとりは1回限りということで御容赦いただければと思います。
時間がないと言いながらですが、2点だけ私のほうから伝えさせてください。
制度モニタリングの充実に向けた御意見、前半でも多くいただきました。そして後半のほうでも橋本委員から登録調査機関の役割、そこでのモニタリングの可能性といったところの意見もいただきました。この部分を今後どう考えていくかということは、相当に事務局で深掘りをしていただく必要がある話かと思います。一方、周りの見方という意味でも徐々に進化させていくような、少し余裕を持った見立ても必要ではないかということを強く感じ始めております。そういう意味で相互理解で進むような展開をぜひ期待したいということで、議事に残しておいていただければということで発言させていただいています。
もう1点は冒頭で三井委員がおっしゃった機械メーカーの観点です。途中で所委員からも高度技術、特に海外プラント導入が使いこなせていない例というところの指摘もございました。そういう状況に今回の高度化法の運用が応えていくというところで機能することを期待していますが、これは法の運用で済むような話ではないかと思います。ぜひ循環局全体の政策としてどうするかということも頭に置きながら、また周りの、これはある意味国力そのものということになるかと思いますので、ぜひいろいろな場面で頭に置いていただければということで、ここも両委員の意見に重ねて希望として申し上げておきます。この2点です。
それでは、事務局にマイクをお返しします。
○松田廃棄物規制課長 それでは事務局からですが、今酒井小委員長から2点お話がございました。モニタリングに関しては、高度化法に基づいた我々の監視というところもございますけれども、しっかりやられているかどうかの確認方法についても、我々も今後施行に向けたマニュアル・ガイドラインを作るプロセスの中で、今の点がしっかり反映できるように我々としても取り組んでいきたいと思います。
加えてもう1つ重要な指摘がありました。私からもお話ししようかなと思ったのですけれども、技術の部分について国内メーカーを育成するということが非常に大事だと思っています。今回の高度化法の施行に当たっては、まずは徐々に進めていこうということで、今後はブロック別会議なども開いて徐々に浸透させていきたいと思います。こういう認定制度で使う設備についての技術、こういったものをもう少し我々としても何らかの認証するような仕組みとか、他省庁がやられている取組なども参考にしながら、この高度化法ができたからこういった仕組みも考えられるということだと思います。その点も今日三井委員や所委員からお話があった点も念頭に、中長期的にぜひ考えていきたいと思います。ありがとうございました。
先ほどスケジュールの話もございましたけれども、政省令案としてお示しさせていただきましたけれども、まさに条文化の検討も今、同時並行で進めているところです。この点の作業を今日の議論も踏まえつつ、今後パブコメ等も行いながら進めていかせていただければと思います。
併せてマニュアル・ガイドラインも検討を今進めているところです。さらに高度化法の施行が、せっかくできたものでありますので、3年で100件認定していくという目標がございますので、いろいろな地域で浸透できるように我々も説明会等をしっかり行っていきたいと思います。ということで、まずは事務局としての今後の取組をお話しさせていただいたところです。
次回の小委員会につきましては、事務局から改めて連絡させていただきます。以上でこの小委員会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
12時32分 閉会