産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会 第56回合同会議 議事録

日時

令和3年10月29日(金)10時00分~12時02分

場所

web会議

議題

1.自動車リサイクル法の評価・検討に関する報告書に基づく今後の対応等について

2.自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況等について

3.その他

議事録

○鈴木リサイクル推進室主査  それでは定刻になりましたので、これより産業構造審議会産業技術環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキング及び中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第56回合同会議を開催いたします。

 環境省側事務局のリサイクル推進室鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず開催にあたり事務的な事項を御案内御報告申し上げます。本合同会議は両審議会をあわせまして27名で構成されております。本日は現時点で26名の委員にオンラインにて御出席いただいております。産業構造審議会自動車リサイクルワーキンググループについては15名の委員に御出席いただいており、定足数である過半数に達していることを御報告させていただきます。なお、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては定足数の規定はございません。

 続きまして、委員の構成変更及び出欠について御報告をいたします。まず産業構造審議会、中央環境審議会両審議会において一般社団法人日本鉄リサイクル工業会専務理事の乗田委員に代わりまして常務参与の高井委員が、中央環境審議会におきまして全日本自治団体労働組合副中央執行委員長の高橋委員に代わりまして藤森委員が、それぞれ着任されております。

 また、出欠について御報告をいたします。日本自動車工業会の大津委員から御欠席の御連絡をいただいております。

 続いて事務局側にも変更がございましたので、御紹介をいたします。環境省側におきまして環境再生資源循環局長の室石、同局次長の土居が着任し本日出席しております。続きまして、経済産業省側におきまして製造産業局自動車リサイクル室長の金谷が着任し本日出席をしております。

 それでは事務局を代表いたしまして環境省環境再生資源循環局長室石より一言御挨拶を申し上げます。

○室石環境再生資源循環局局長  室石ですが聞こえていますでしょうか。

○鈴木リサイクル推進室主査  室石局長、聞こえております。

○室石環境再生資源循環局局長  皆様御多忙の中お集まりいただきまして本当にありがとうございます。7月1日付で資源循環局長になりました室石でございます。適正な資源循環の実現に向けまして、土居次長とともに全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。

 自動車リサイクル制度につきましては、昨年、施行から15年が経過いたしまして、本年7月の合同会議において施行状況を確認し、制度のさらなる発展に向けた今後の対応の方向性について報告書として取りまとめていただきました。酒井座長、村上座長を初めとする委員の皆様方にはこの間精力的な議論をいただきましてまことにありがとうございました。

 本日はこの7月を踏まえた今後の対応と、各団体による様々な取組状況につきまして御報告をいただく予定でございます。委員の皆様方におかれましてはぜひ忌憚のない御意見をいただきたいと思います。

 国としては本日の御議論も踏まえまして自動車リサイクル制度のさらなる発展に向けて関係者と協力連携して取り組んでまいる所存でございます。本日はどうかよろしくお願いいたします。

○鈴木リサイクル推進室主査  引き続いて配布資料の確認をいたします。配布資料につきましては事前に御案内させていただいた経産省環境省ホームページに掲載させていただいております。

 資料は1から7、参考資料は1から17までございます。また本日はWebexの審議会となりますが、これまで同様基本的には発言をされる場合を除きマイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしていただければと思いますが、御発言の際にはビデオをオンにして御発言いただければと思います。なお本審議会はオンラインによるライブ配信をさせていただいております。

 それでは早速議事に入らせていただきたいと思います。これ以降の議事進行につきましては酒井座長にお願いいたします。

○酒井座長  ただいま御紹介いただいた酒井でございます。どうぞ今日の議論、よろしくお願いいたします。

 本日の議題ですが、資料1の議事次第のとおり、自動車リサイクルの制度と評価・検討に関する報告書に基づく今後の対応です。これは先ほど室石局長から御紹介があったとおりこの7月の報告書を受けた対応ということになります。それと自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況となっております。

 まず資料の3、4に基づいて事務局より施行状況及び自動車リサイクルの制度の報告書に基づく今後の対応について説明をしていただきます。その後、続けて自動車リサイクル促進センターJARCから取組みを説明いただきまして委員の皆さんから御意見をいただきたいと考えております。

 なお、御発言を希望される際にはWebexのメッセージ機能をお使いいただきまして、お名前を記入していただけますようお願いいたします。発言希望の宣言という趣旨での連絡ということになります。順次指名させていただきます。指名された方はマイクのミュートを解除、ビデオをオンにして御発言いただければと思います。

 それではまず事務局から資料3の説明をよろしくお願いいたします。

○三牧自動車課課長補佐  経済産業省の三牧でございます。それでは私から資料3に基づいて御説明いたします。

 資料3は自動車リサイクル法の施行状況ということで、ポイントをかいつまんで御説明させていただければと考えております。

 2ページ目は概要のページとなってございます。令和2年度の状況といたしましては全体として新型コロナウイルスの影響が表れたという結果が出ているということでございます。まず、(1)①の使用済自動車引取台数につきましてです。こちらは前年度の336万台から315万台に減少しているということでございます。

 ②3品目の引取状況につきましてもそれぞれ270万~280万件ということで、こちらも引取台数と同様前年度から減少しているということでございます。

 ③再資源化状況でございますが、シュレッダーダストは95~97.5%、エアバック類が95~96%ということで、いずれも法令に定められた目標を達成しております。

 (2)事業者の登録許可状況でございます。業者は全体的に減少傾向でございまして、解体業者が4200事業者、破砕業者は1000事業者程度ということでございます。

 (3)リサイクル料金の預託状況でございます。令和2年度の新車時預託が466万台、預託金額が448億円ということで、前年度の504万台、506億円から減少している状況でございます。新車販売減の影響があらわれたということでございます。令和2年度現在の預託台数は8074万台、預託金残高は8600億円になってございます。輸出返還についても中古車輸出の減少の影響により返還台数についても令和元年度の150万台程度から大きく減少し118万台となってございます。

(4)①不法投棄・不適正保管の状況でございます。不法投棄・不適正保管車両は5754台。前年度比で896台の増加になっております。ただ、こちらは新たにこの年に多くの車両が不法投棄をされたということではございませんで、これまでも存在した車両について自治体が新たに不適正保管ということで判断したものが増えたということでございます。例えば青森県で不法投棄対策事業、いわゆるモデル事業を行ったということでございますが、その中で精緻に不適正保管車両を確認する中で数が増えたことでもあり、これも増加した1つの要因でございます。

 ②離島対策支援の実績についても25000台程度ということで、使用済自動車についての離島からの運搬費用の支援を行っているところでございます。

 3ページ目以降はそれぞれの項目について詳細に記載したものでございまして、詳細な説明は割愛させていただきますが、何点か御説明させていただければと思います。

 3ページ目の②自動車の使用年数について毎年伸びているということでございまして、ついに16年を超えたということでございます。

 ③中古車販売台数でございます。新車販売と同様に減少しております。

 ④オークション流通台数も減少しております。

 6ページ目を御覧ください。⑤シュレッダーダストの処理状況でございます。アの表の一番下のASRの再資源化率のところに今回ASRマテリアルリサイクル率と熱回収率も追加させていただきました。マテリアルリサイクル率は27%程度になってございます。

 7ページ目を御覧ください。(エ)に自動車由来の最終処分量がありますが、ASRについて安定的に処理されるようになってきておりまして、③埋立施設への投入は令和2年度に再び0という形になってございます。

 (オ)全部利用による処理状況でございます。令和2年度の認定全部利用は19万台程度という形になってございます。

 12ページ目を御覧ください。リサイクル料金の払渡しの状況でございまして、令和2年度の払渡金額の合計は358億円でございます。

 14ページ目を御覧ください。④特定再資源化預託金等の発生状況でございますが、令和2年度は約19億円になってございます。

 15ページ目でございます。リサイクルシステムの稼働状況を御覧ください。平成30年度以降100%ということで、障害が発生することなく安定的に稼働しております。

 以上、駆け足ではございましたが、資料3の説明とさせていただきます。ありがとうございました。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 それでは引き続きまして報告書に基づく今後の対応についての説明を事務局からお願いいたします。

○福井リサイクル推進室室長補佐  続きまして私のほうから資料4、あとは資料4の別紙に基づきまして報告書を受けた今後の対応について御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、資料4の2ページ目を御覧ください。資料4につきましては7月の報告書の中で最後の第3章で課題と方向性についておまとめいただきましたが、それぞれの柱に沿った形で今後の進め方の整理をさせていただいております。

 2ページ目、(1)ASRの円滑な再資源化につきましては素材回収の促進、あるいは全部再資源化の促進について報告書の中で盛り込まれましたけれども、今後の進め方につきましては資源回収インセンティブワーキングというものを開催しまして全部再資源化での回収も含めた資源回収インセンティブ制度について検討していくことになってございます。詳細は別紙にもございますので後ほど御説明したいと思います。

 (2)リサイクル料金の適切な管理・運用でございます。こちらにつきましてはこれまで自動車製造事業者などから指定法人に対して再資源化の実費分のみを今後請求する方式に変えるというところでございますけれども、実費請求の運用面での課題の整理を行うことと、国においてもリサイクル料金の適正性の担保についてヒアリングなどをしていくことになってございますので、これの進め方について検討することとしております。また、実費請求方式の変更に伴いまして、資金管理法人において余剰が生じる部分がございますので、そこについてはユーザー還元についてもセットで進めていくということでしたので、資金管理料金、情報管理料金の割引についてJARCにおいて準備を進めていくこと、また自動車製造事業者などによるJARCの費用負担の休止に向けてもあわせて準備を進めていくこととしてございます。

 続きまして3ページ目でございます。(3)セーフティネット機能の点検でございますけれども、こちらについては各業界で自主的取組みが進んでおりますけれども、その取組みの状況についてはこの合同会議において取組状況の報告を受け確認することになってございますので、本日も議論後半において各主体から御報告をいただきまして御審議をいただければと思ってございます。

 次に被災自動車の関係でございますけれども、こちらについては国と業界団体で処理実態の調査を行うということになっていますので、その結果を踏まえまして対応事例の紹介や円滑な災害からの復旧につながる支援策を検討するとしてございます。

 次に自動車リサイクル法の適切な執行でございます。自治体支援に関しましては自治体に対するニーズ調査を実施しましたので、特に自治体側からは情報提供関係のニーズ、あるいはJARCのシステム活用の周知等についてニーズがあったところですので、その対応について今年度中に検討を開始することとしております。また、解体業者などが実施している研修会がございますけれども、これについても関連事業者の能力向上という観点から非常に重要だということで、業界団体の取組みの促進を検討するとしてございます。

 4ページ目でございます。(5)情報システム活用に関しましては、2026年1月にJARCのシステム大改造を予定しておりますので、JARCの内部において部会を設けた上で業務効率化、セキュリティ強化、利便性向上という観点から来年度前半までに要件定義を固めるとしてございます。

 (6)普及啓発も報告書の中に幅広い観点からユーザーへの理解促進が重要だとうたわれたところですので、JARCにおいてより一層の情報発信を行うとしてございます。

 5ページ目、2つ目の柱です。3Rの推進・質の向上でございます。(1)再資源化の高度化、(2)有害物質の適切な対応でございますが、まず環境配慮の取組みの促進に関しましてはこちらJ-FARの事業で自動車リサイクル設計事例集の作成をしておりますので、これを解体業者、あるいは自動車製造事業者などにおいて周知を行った上で横展開を行うとしてございます。また、リユース・ビルド部品につきましては解体業者の各団体において在庫情報の連携を実施するとしてございます。再生資源利用の促進及び有害物質の管理でございますが、こちらについては資源回収インセンティブ制度を検討することのほか、環境省でも技術動向の調査、あるいは設備補助を行っておりますので、こうしたものを活用したリユース・リサイクルの高度化、あるいは消費者の選択を促すための必要な施策を推進してまいりたいと考えてございます。

 次に有害物質の関係でございますけれども、こちらはDeca-BDEに関しまして臭素系難燃剤ガイドラインの検討状況を踏まえつつ自動車製造事業者等からのホワイトリストの提供を検討するとしてございます。

 続けて、金属類回収・リサイクルの推進でございますけれども、こちらについては金属類回収・リサイクル設備の導入をすることのほか、アルミニウムの高度リサイクル、あるいは蓄電池のリサイクル技術の技術開発を推進するとしてございます。

 6ページ目でございます。3つめの柱の、変化への対応と発展的要素という項目でございます。(1)カーボンニュートラル実現や電動化・車の使い方の変革の対応でございます。蓄電池に関しましては国において回収・リユース・リサイクルの状況を整理するということで、詳細別紙で御説明をいたします。続けてCFRPなど新しい素材への対応につきましては、J-FARにおいて研究事業を実施している状況でございます。

 電動化の推進、あるいは車の使い方の変革の影響、そして脱炭素化に向けた検討でございますけれども、現在環境省において自動車リサイクルのCO2の排出量の実態把握を実施してございます。また、国において電動化、あるいは車の使い方の変革に伴いまして、関連事業者あるいはその制度に及ぼす影響について整理するとしてございます。そして、こうした調査なども踏まえまして、資源回収インセンティブの検討などもあわせまして脱炭素化に資する取組みの方向性を検討するということで、こちらも別紙で報告をさせていただきます。

 7ページ目でございます。最後は国際貢献のところでございますけれども、タイにおける自動車リサイクル分野の国際協力を推進することと、国、JARC、自工会において国際支援のあり方について検討するとしてございます。

 続きまして資料4の別紙を御説明させていただければと思います。

 まず資源回収インセンティブの関係でございます。2ページ目が制度の目的のところでございますけれども、今回の資源回収のインセンティブというのは政策のアプローチとして供給サイド、あるいは事業サイドの双方がございますけれども、供給サイドでの素材回収のコストの低減のところにインセンティブを効かせることによりまして素材回収量の増加をさせまして、ひいては事業サイドにおける再生材のニーズも増加をさせまして、全体としてASRを削減する。それによって社会・環境コストの低減につなげていくものでございます。環境コストといいますのはASRの量、廃棄物の削減ということですけれども、CO2の削減も念頭に置いているものでございます。

 3ページ目でございます。資源回収インセンティブ制度の具体的な3つのパターンでございますけれども、この図にありますとおり全部で3パターンを想定しておりまして、ASRになる前の使用済自動車由来のプラスチック・ガラスの資源をビフォアシュレッダーとして回収する。あるいは全部利用者向けの車体から回収することが2番目。そして破砕業者の段階で、破砕後にプラスチックを回収するということで3パターンを想定してございます。

 4、5ページ目がこの資源回収インセンティブ制度に対する解体業者あるいは破砕業者に対して行ったアンケート結果になってございまして、4ページ目はプラスチック・ガラスの解体業者の段階での実績を御覧いただきますと、実績ありが全体の約3割という状況になってございます。他方、右側のプラスチック・ガラスの回収の意向のところを見ていただきますと、ビフォアシュレッダーにおける回収の部分の意向だけでなく、全部利用者向車両からの回収につきましても金銭的支援が多少でもあれば実施を検討したい。金銭的支援によりビジネスが成り立つ見込みがあればしたいという回答も多く寄せられている状況でございます。

 5ページ目は破砕業者のアンケート結果になりますけれども、①ビフォアシュレッダーによる回収との関係でございますが、ビフォアシュレッダーでプラスチック・ガラスが回収された廃車ガラについても価格も考慮した上で引き取るところについて前向きな破砕業者が一定程度いるところがまず示されております。破砕後のプラスチックの選別回収の実績につきましては③のグラフにございまして、実績ありというところが現状では4事業所、8%という状況でございます。右側のグラフの選別回収の意向を見ていただくと、金銭的支援が多少でもあれば前向きに検討したいというところが8%、金銭的支援によりビジネスが成り立つ見込みがあれば実施を検討したいというのが59%で、破砕業者の段階でもプラスチックの回収について前向きな意向が示されている状況でございます。

 こうしたアンケート結果も踏まえまして6ページ目にございますが、資源回収インセンティブのポイントとしましては、3パターン、ビフォアシュレッダーにおける回収に加えまして全部利用向け車両からの回収、それと破砕後の回収、それぞれについて、これはASRのリサイクル料金を原資とする形で経済的インセンティブを増やしてはどうかというところで検討していければと考えてございます。

 7ページ目が、では具体的にどうやって検討するかというところですが、国においては制度の趣旨あるいは概要をまとめましたガイドラインを作成することで考えてございます。その上で具体的な検討の仕方については、その下にございます資源回収インセンティブワーキンググループというものと、さらにこれに学識経験者あるいはユーザー代表も含めた形で資源回収インセンティブ検討会というこの2本柱で検討を行っていくということを考えてございます。

 いつから実施していくのかということにつきましては、2026年・令和8年1月に自動車リサイクルシステムの大改造を予定しておりますので、ここでシステム実装をすることを念頭におきまして実証、さらなる検討を行っていければと考えてございます。

 続きまして8ページ目以降が蓄電池の関係でございます。8ページ目がまず国としての全体の戦略でございますけれども、こちらは2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略というものがございまして、これは各産業分野ごとにカーボンニュートラルをどういう形で目指すのかを整理した文章でございますけれども、自動車蓄電池産業という分野の記載がございまして、蓄電池、ニッケル、コバルトなどレアメタルや、大量のエネルギーを使用することからリユース・リサイクルを促進することが重要であると記載をしております。これまで国において既存の補助金がございましたけれども、新たにグリーンイノベーション基金も活用しつつ、技術開発を支援していくこと。また、中古電池については、まだそれほど市場に流通をしていないことがございますので、その排出あるいは流通実態について調査を行いまして、蓄電池のリユース・リサイクルの促進に向けた検討を行っていくことを考えてございます。

 9、10、11ページ目は参考資料という形になっておりますけれども、9ページ目はグリーンイノベーション、こちらは経済産業省さんの部会に出ている資料でございますけれども、欧州でバッテリー規則案の概要というものが公表されておりますので、我が国においても技術力の強化とあわせましてGHGの排出削減、あるいは蓄電池の循環を促す仕組みの検討、欧米への連携が必要だということが議論されてございます。

 10ページ目は技術開発についての資料でございます。特にニッケル、コバルト、リチウムの回収量を高めた形で技術競争力を持った形でリサイクル技術の開発を進めていくところが議論されているところでございます。

 11ページ目は環境省で行う排出実態の調査のところですけれども、排出フローについて調査をしていくことを考えてございまして、こうした調査結果をカーボンニュートラルの調査においても役立つと考えてございます。

 12、13ページ目がカーボンニュートラルの関係の補足資料になってございます。報告書を受けた7月から環境省においてカーボンニュートラルの調査を行っておりまして、2本柱、1つは自動車リサイクルプロセスにおける温室効果ガスの排出量の把握ということで、フロン回収、解体、破砕、ASR再資源化といったリサイクル工程から出るCO2の排出実態の把握・算定を行うとしております。②はそれを踏まえた上で対策検討について検討を行っていくということでございます。

 最後13ページ目になりますが、こちらの調査結果につきましては資源回収インセンティブあるいは循環関係の計画の見直しなども今後予定をしておりますので、そうしたところにインプットしていくということで考えてございます。

 私からの説明は以上になります。

○酒井座長  どうもありがとうございます。報告書の内容を環境省の福井補佐から説明いただきました。

 それでは引き続きまして、JARC・自動車リサイクル促進センターの取組みにつきましてJARCの阿部専務からお願いいたします。

○JARC・阿部氏  JARCの阿部でございます。それでは自動車リサイクル制度の安定化・効率化に関する取組みについて報告をさせていただきます。

 1ページ目はJARCの概要に関しましてはこのページを御参照ください。

 次をお願いします。本日の報告内容は各法人に加えて、その他の活動に関しても報告をさせていただきます。

 まず自動車リサイクル制度の安定化効率化の取組みについてです。資金管理法人の業務におけるリサイクル料金の適切な管理・運用についてですが、2020年度の新車購入時における預託収入は法施行後最も少ない449億円となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大等を背景として新車販売台数が減少したほか、自リ法対象外冷媒を搭載した新車が増加したことなどが背景にございます。また、引取時における預託は年々減少傾向にあります。

 5ページはリサイクル料金の運用状況ですが、左の図に示すようにJARCでは2018年からESG投資を実施しております。それに伴い地方債及び財投機関債の新規取得を再開しております。右の図は運用収益及び資産全体の利回りを示しています。低金利が続いていることから利回りは低下しており、今後も低下傾向が継続すると見込んでおりますが、元本を確保できる運用を行ってまいります。

 6ページをお願いします。特預金の状況ですが、昨年度までの特預金の残高の実績をグラフに示しております。現在は200億円程度の金額で推移しております。2022年度以降の特預金の使途につきましては、これまでの使途に加えて管理料金の割引やJARC運営費負担が想定されております。また、充当に関しましてはメーカーの実費請求に対する残金や、20年時効で発生する金額が想定されております。今後はこれらの開始時期や金額の規模の精査を行い、適宜シミュレーションを実施していく予定でございます。

 7ページをお願いします。次に、指定再資源化機関の業務ですが、国や自再協と連携して、自治体向けの研修会を行っており、これまでに延べ2000人近い参加者を集め高い評価をいただいております。なお、昨年度と本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からZOOMやYouTubeを活用したオンライン方式で研修を行っております。また、本財団では審議会報告であげられた課題を踏まえ、自治体の指導力をより強化するため環境省と合同で支援ニーズの調査を行いました。この結果を踏まえ自治体向けのシステム講習の実施、及び事業者指導事例などの提供情報の拡充、優良事業者の育成会への支援等についても検討してまいります。

 8ページをお願いします。不法投棄・不適正保管事案への対応に苦慮する自治体に対して、国が主体となって不法投棄・不適正保管対策に関する試行的財政支援拡充事業、通称モデル事業ですけれども、こちらを2020年は不適正保管現場の調査等への支援を行いました。今後はここで得られた知見、情報を全国の自治体に展開してまいります。

 9ページをお願いします。システム関連の活動でございますが、自動車リサイクルシステムは2005年から運用され、顕在化した課題の解決や、より利用者の業務効率を向上できるシステムにしていく必要があると認識をしております。これまで議論された計画に基づき、2026年1月をターゲットにシステムの大改造を進めております。自リシステムに関わる事業者の皆様や有識者の方々の意見をヒアリングしながら、業務改革のコンセプトをまとめ、2022年度に実施予定の入札に向けた検討を進めております。

 10ページをお願いします。こちらはシステム改造のコンセプトを示しておりますので後ほど御確認ください。

 11ページをお願いします。広報・理解活動についてですが、情報発信等についてはこれまでの5年間関係者の皆様の御協力を得て様々な取組みを行ってまいりました。この場をお借りして関係者の皆様に御礼申し上げます。ここでのポイントは以下の2点です。1つ目は2016年9月の合同会議での提言に基づき、JARCはユーザーのための理解活動に取り組んできたということ。2つ目は活動に際して新型コロナといった阻害要因はありますが、自動車リサイクルの内外関係者とともに工夫しながらターゲット別に様々な施策を取り組んできたことでございます。

 12ページをお願いします。このような活動の効果を把握するため、年に1度JARCはユーザーを対象とした自動車リサイクルについてのアンケート調査を行っております。結果は御覧のとおり昨年度まで認知度は低下傾向にありましたが、今回75.1%と前年と比べて4ポイント上昇しております。若年層に力点を置いた取組みやターゲットの特性に応じた取組みの効果が出てきているのではないかと見ています。一方で、自動車リサイクルを全く知らないと回答した方が24.9%存在する点や、リサイクル料金が何に使われているか知っている方が32.8%にとどまっている点など自動車リサイクルにおけるユーザーの担うべき役割のさらなる普及啓発が必要だと考えております。また、ユーザーが自動車リサイクルを知った経路については、主として自動車販売店などの事業者をあげる方が最も多いところです。そして、ユーザーは自動車リサイクルについての知識や情報を得るために様々な方法をとっていることも分かりました。引き続きユーザーの特性や関心ごとに応じた効率的な取組みが必要だと考えております。

 13ページをお願いします。こちらのページは今後5年間の取組みの方向性をまとめたものです。詳細は後ほど御確認いただきたいのですが、ポイントは2021年7月の合同会議報告書に基づき、JARCは関係者の御支援、御協力をいただきながら、ユーザーのための理解活動に取り組むこと。これまでの活動を進化させるとともに、新たに販売事業者などの関係主体のユーザー向け情報発信に協力するとともに、リサイクル料金やリサイクル券の受渡しなど、ユーザーと事業者間の取引状況を把握して、ユーザーのための理解活動に役立てていきたいと思います。

 14ページをお願いします。次に自動車リサイクルの高度化、変化への対応についてです。

 15ページをお願いします。情報管理センターとしては2021年より使用済自動車のプラスチックなどの資源回収に対するインセンティブの検討について情報収集を行うとともに、関係者との意見交換を行っております。そして、様々な議論を進めてまいりました。今後、本年11月に発足予定の資源回収インセンティブワーキングの事務局としてシステム大改造を視野に入れた具体的なスキームの検討に参画し、再生材利用の促進を通じた循環型社会の実現への貢献を進めてまいります。

 16ページをお願いします。自動車リサイクルにかかわる情報プラットフォームに関してですが、JARCとしては新たな貢献活動を試行して、事業開発推進室を発足させ2つの取組みをスタートさせています。まず1つ目は循環型社会への取組みにおいて自動車リサイクルの果たすべき役割が大きいと認識して、各情報基盤の整備、人的ネットワークの形成が必要と考え、JARCがハブ機能となって情報プラットフォームの設置準備を進めております。来年度からの本格活動に向けて関係者で議論を進めております。

 17ページをお願いします。2番目の取組みの国際貢献については自動車リサイクル法施行10年の評価に引き続き、15年の評価でも国は我が国の知見を伝えること、対話等を通じた国際協力、官民が協力した検討を課題としています。JARCにおいてもソフト面での支援を中心に、引き続き財団独自業務として国際貢献の取組みを進めていきます。昨年は文献や有識者へのヒアリングを中心に、独自に予備調査を行って、主に途上国の自動車の資源循環に関する実情等を把握して、関係主体と意見交換をして国際協力の機会の創出を模索してきました。こうした活動を通じて、(3)に示します今後の活動の記載のとおり、タイの自動車リサイクル制度実装に向けた経済産業省による協力事業への参画が決定し着手したところです。この取組みをベンチマークに、引き続き国際協力の取組みについても積極的に進めてまいります。

 最後にまとめになります。19ページをお願いします。本財団はこれまでの国の指定法人として安定した活動を継続するとともに、新しい自動車にかかわる社会システムの変化に対応し、真の循環型社会の実現の一翼を担っていくように努めます。今回の報告では令和3年7月に公表された審議会報告書で示された課題に対し、本財団の取組み及び今後の活動予定内容を取りまとめました。法施行15年目を迎え、指定法人業務の安定運用はもちろんのこと、2020年度以降の特預金の使途の検討、システム大改造、新たな取組みとしての国際貢献等、自動車リサイクル制度の中心的役割を担う立場として、様々な事業に取り組んでまいります。報告は以上となります。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 それではここまでの資料の御説明に関しまして御質問、御意見を承りたいと思います。環境省の鈴木さん、挙手機能は私のほうで見られるようになっていますか。

○鈴木リサイクル推進室主査  チャットをこちらで確認させてもらいましょうか。

○酒井座長  もちろんチャットで入れてもらってもいいですが、挙手機能が直接見えるのであれば、挙手機能を使ってもらうこともあり得ると思いますが。

○鈴木リサイクル推進室主査  挙手機能も先生のほうでも御覧いただけると思います。

○酒井座長  それでは委員の方々、挙手機能を使って手をあげていただければ、できるだけ目配りするようにして御指名させていただきます。それでは御質問、御意見のある方はどうぞよろしくお願いします。大塚先生から手があがっているようですので、大塚先生どうぞ御発言ください。

○大塚委員  すみません。最初に発言するほどのことではないのですけれども、資料4でございますが、5ページのところで臭素系難燃剤のガイドラインの検討状況を踏まえつつホワイトリストの提供などを検討するというのがございますけれども、これは既に御対応いただいていると思いますが、臭素系難燃剤を別なものに変えて展開していただいていると思いますが、そちらに関してはどういう状況になっているのかということをもし教えていただけるとありがたいと思います。新しくまた別の問題が発生するようなことがあると、いたちごっこのようなことになってしまう可能性もありますので、企業秘密になってしまうとまずいのですが、可能な範囲で教えていただけるとありがたいと思います。以上です。

○酒井座長  ありがとうございます。

 それではひととおり御質問、御意見をお聞きして後でまとめて事務局からの回答、あるいは適切な委員の方の回答としたいと思います。佐藤委員どうぞ。

○佐藤委員  佐藤でございます。いろいろと御説明ありがとうございました。幾つか質問させていただきます。

 まず資料3でリサイクルの進行状況の中の19ページで、大規模案件100台以上の状況という御報告をいただきました。新しい案件が*印で幾つか出ていて、いずれも結構大きな案件です。北海道と青森、沖縄も新しい案件ですけれども、これは新しく発生したのか、又は以前からあったものが報告されていなかったということなのでしょうか。それからこういう報告を網羅的に促すシステムができているのでしょうか。今後も過去の事例が次々に追加報告されてくるような状況なのでしょうか。それとももうこれで大体御報告が終わってるのかということを伺いたいと思います。

 次に、大規模案件の一部は関係者による撤去中、一部は指導継続中となっています。関係者による撤去中の案件は何年以内に終わる、あるいは1年以内に終わる予定だという状況なのでしょうか。また自治体によって指導継続中の案件については、将来こういう予定があるということなのでしょうか。いずれにしろ、このような状況は早く改善したほうがいいと思います。

 それから資料4の今後の対応ですが、いずれも現在検討されている安定化、効率化の方向性については大変素晴らしい内容だと思っております。ただ、自動車リサイクル法の課題である電池の問題、タイヤの問題は触れられていません。自動車全体にかかるリサイクルが現在の自動車リサイクル法では十分な資金提供ができていない法律の構造になっているわけですけれども、将来的に適正処理を推進するためにはそういう使途の自由化、柔軟化も必要だと思います。その点について何か検討する余地がないかということについても伺いたいと思います。以上です。ありがとうございました。

○酒井座長  はい。どうもありがとうございました。

 引き続いて鬼沢委員どうぞ。

○鬼沢委員  ありがとうございます。私も資料3と資料5のJARCの資料でも少し触れていました不法投棄・不適正保管の部分ですけれども、これは前々から存在していた青森の奥入瀬の部分がようやく動き始めたということだと思いますけれど、JARCからかなりの働きかけがあってようやくこういうふうになったのだと思います。それはとても良かったことだと思います。それで、こういった案件が日本全国まだまだたくさんあると思います。表に出ていないけれど実際には不法投棄・不適正保管がされているものがたくさんあると思いますので、JARCはどのような働きかけをして今回こういった形になったのか、そのノウハウを生かして今後も早急に掘り起こしをしていかなければいけないのではないかと思いますので、今後に向けてどんなことを検討されているのかということをお聞きしたいと思います。

 それから、もう1点は全部利用が19万台ということでしたが、ずっと見ているとあまり増えているという感じがないのですけれども、ASRの削減にはやはり全部利用がもう少し増えていってもいいのではないかと思うのですが、一方で最近スライドドアの車がかなり増えていて全部利用するには銅の割合をかなりしっかり減らしておかないと全部利用で引き取っていただけないというのがありますので、その辺が困難になっているから増えないのか、困難な車体が増えていっているのではないかという心配がありますが、そのあたりはいかがなのでしょうか。以上です。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 引き続いて酒井康雄委員どうぞ。

○酒井委員  自動車リサイクル機構の酒井です。ありがとうございます。報告書に基づいて今後の対応についてということで御説明ありがとうございました。

 私のほうから、資料3の中で、現状で解体業者が徐々に減っていますという御説明をいただいたのですが、業界の肌感覚としての補足みたいな格好になりますけれども、実際は新規に入ってくる業者とそれから業許可を更新しない業者の引き算で、その結果マイナスのほうが大きいので業者が減っているということですが、例えば私は千葉県で事業をやっているんですが、新規に入ってくる業者はほとんど外国人経営の解体業者です。そういう状況ですから、全国的にもだんだん外国人経営の事業者が割合としては増えてきている実態があるところは委員の皆さんに感覚を共有していただきたいと思ってお話ししました。

 それと資料4ですが、1で、今の話と関係しますけれども、(4)で法の適切な執行という部分で、やはり外国人経営の解体業者、ヤードが増加しているところから、適正処理であるとか、そういうものの促進とか、リサイクルを高度化していくとか、そういう観点からもその対策といいますか、それについてはかなり具体的なものをとっていかないといけないのではないかと考えております。

 2で、3Rの推進と質の向上の部分がありますが、これは以前から3Rのうちのリデュース・リユースという順番で大事ですよということを我々は言われているところですが、リユースの部分、資料の中には業界の中ではリユース部品の在庫情報の共有を進めていますと取り上げていただいていて、確かに我々は双方向性で取り組んでおりますが、1つの車の大きな流れとして、新技術がどんどん取り入れられて自動化の部分、新素材の部分、そういうことでリユースをするための技術的な困難さというのか、そういうものを将来的に我々は非常に考えて不安視をしておりまして、カーボンニュートラルみたいなことを考えていくにあたっては、LCAという観点からリユースは非常に有効ではないかと考えていますが、ただ我々のリユース部品を扱う人間としては技術的な部分が障害になってきたりということを考えていますので、そういうことへの対応も考えていただきたい、検討いただきたいところがあります。

 3に変化への対応と発展的要素とありますが、報告書の中には将来に向けた留意事項とともに、カーボンニュートラル実現へ向けて基本的、制度の見直しも含めて、5年に1度にとらわれないで議論を進めることと表現されたと理解していますが、これが今回リサイクル料金の実費請求方式とか、JARCの大改修の実施、素材回収のインセンティブ制度の設計とか、私どもから前回の会議でも提案させていただきましたけれども、中古車輸出時のリサイクル料金の返還制度の見直しなども含めまして、今はまさに法の改正、制度の改正について検討すべき、検討を始めるべきタイミングではないかと思っておりますので、この辺のところも今年からは念頭に置いて議論を進めていただきたいと考えております。

 資料5でJARC阿部専務から御説明いただいた中ですが、6ページ目で特預金についての御説明がありまして、既に阿部専務から20年時効に関して触れられていましたけれども、要は我々の業界の中では、これも前回の審議会でも申し上げましたけれども、違法に処理をされてしまって、要はきちんとリサイクルシステムに乗せずに違法解体されてしまったような車が、かなり相当数あるだろうということで、その数が、具体的に数値が分かっているわけではないのですが、その車の分のリサイクル料金が特預金として20年たった以降、2026年からということですか。一気に表面化してくると考えていますので、その辺のところも今からどの程度の数、どの程度の金額が見込まれて、特預金をどのように使っていくのかということを情報収集をしてシミュレーションをするという、既に計画をされていますが、そういう内容も当然含まれていると思いますが、一応そういうところを申し上げておきたいと思います。以上です。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 引き続きお聞きしていきたいと思いますが、発言が少し長くなってきていますので、すみませんが要点を押さえた御発言をお願いいたします。

 続いて井岡委員、お願いいたします。

○井岡委員  井岡でございます。お世話になります。私から2点お願いいたします。

 まず資料3の先ほどからお話が出ている不法投棄・不適正保管車両の状況についてですが、先ほど三牧さんから実態の御説明はございましたが、どうもこの数字を見ていると下げ止まりというか、下の②の表では1件解消したが、新たに5件追加ということになっておりますので、これを何とかさらに進めて減らしていっていただきたいと思います。

 JARCさんも大変な御苦労で、自治体さんと協力をして進めていっていらっしゃると思いますが、いろいろな自治体への情報共有と研修をさらに進めて、例えば成功例などがありましたら御紹介をしていくなどで、そこの情報共有をお願いしたいと思います。ゆくゆくは結局これは消費者1人1人の意識も高めていくことが大事なのかなとも、私は感じました。

 2点目、資料4の5ページのところ再資源化の高度化についてです。これからEV車が増加していき、車の環境が大分変わり、リサイクル環境も大分変わってくると思います。特に私が気になるのは蓄電池の回収、リユース、リサイクルについてですが、車の蓄電池は耐用年数はどれくらいなのでしょうか。それとEV車に変わっていくと今は車の使用年数は先ほど16年を超えたという御説明がありましたが、EV車に変化していくと耐用年数に増減の変化はあるのでしょうか。そこが私としては知りたいと思います。そうするとますます製造業者さんと解体業者さんの情報交換をさらに密に進めて、さらに一層の高いレベルのリサイクルをお願いしたいと思います。以上です。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 引き続いて松八重委員、お願いします。

○松八重委員  ありがとうございます。資料4の3の変化への対応と発展的要素、6ページ、7ページあたりのところで少しコメントさせていただきます。自動車リサイクルにおいて、金属類の回収リサイクルの推進を行っていただくのは非常に重要だと思います。次のページでカーボンニュートラルの実現というところでコメントございますが、確かに自動車自体がカーボンニュートラルということで様々な金属資源を含まれるようになってきておりますので、そうしたものの適正再資源化は重要だと考えます。ただ、一方で自動車リサイクルそのものの脱炭素化という話になってきますと、またここの部分は恐らく精緻な解体再資源化を行う場合は解体においても、精錬においても多くのエネルギーを消費して丁寧な再資源化を行うことになると思いますので、何となく予想するに丁寧な再資源化を行う場合は炭素の排出は増えるのではないかと予想されます。現状、自動車リサイクルにおけるCO2輩出の実態調査を実施しているということで、確かに使う重機等については脱炭素、あるいはエネルギー負荷の低い用具などを使うという、そういったシフトは好ましいことだと思うんですけれども、先ほど酒井委員からも御発言がありましたように、LCA的に見て適切な技術の選択を行う必要があろうかと思います。炭素ばかりが必ずしもLCAで見ているものでございませんので、稀少な資源を回収することによって向こう側で発生する土地改変ですとか、様々な不都合な環境社会への負の影響を削減しているということを明確にしつつ、炭素の議論にあまり再資源化ですとか、リサイクルの技術選択が引っ張られないほうがよろしいのではないかと感じます。コメントは以上です。

○酒井座長  松八重委員、どうもありがとうございました。

 引き続いて藤森委員、お願いいたします。

○藤森委員  ありがとうございます。自治労の藤森と申します。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 私のほうから大きく2点。1つは資料3、自動車リサイクル法の施行状況の関係の、先ほどからほかの委員も触れていただいております不法投棄・不適正保管の関係についてであります。特に資料の中で出していただいています③大規模案件に関して不適正保管状況の是正を自治体において指導を継続中とされているものにつきまして、原因者に対する是正措置が強力に進められるように自治体の権限強化について検討が必要ではないかということが1点です。それに絡めて不法投棄対策一般についてですけれども、特に撤去費用にJARCの特預金からの支援がある一方で、やはり現場で取り組んでいる自治体に対しての財政的、あるいは人的な面での、さらなる財政的な支援の拡充、あるいはマンパワーへの支援を進めていただきたいということです。

 もう1点、これは資料の4、今後の対応についての部分です。自動車リサイクル制度の安定化、効率化の中の情報システム活用を通じた効率化について。将来的にということではありますけれども、自動車の登録あるいは流通リサイクル等の手続きについての簡素化、効率化、あるいはトレーサビリティのさらなる向上ということについての必要があるのではないかという部分がありまして、その部分についてどのように御検討いただいているのかというところがあれば教えていただければと思います。ありがとうございます。以上です。

○酒井座長  藤森委員、どうもありがとうございました。

 続きまして、根村委員、お願いします。

○根村委員  ありがとうございます。NACS根村でございます。私のほうから1点申し上げたいと思います。電池に関しては私どもが特に注目しているところですけれども、中古EV車におきましては電池の劣化が非常に気になるという声が出ている中で、先日新聞にEV関連の国際団体である「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(MOBI、モビ)」が車載電池の劣化状況を把握し数値化するシステムを開発した。それを2022年には企業や団体が使えるようにするという記事が載っておりました。それが中古電池を取引する際の国際標準になる可能性が高いというようなことも書かれていたのですけれども、日本において進捗というのはどのような状況になっているのか、ぜひお話しいただきたいと思います。以上です。よろしくお願いいたします。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 引き続いて、織委員お願いいたします。挙手は拝見しておりました。両方使いながら。

○織委員  ありがとうございます。すみません。申しわけありません。ちょっと自信がなくなってきてしまって…。

 私、経済産業省から先ほど御説明があった別添資料で、蓄電池の関係で根村さんが先ほどおっしゃいました、これから電気自動車が急激に拡大していくことはカーボン戦略のもとで想定されると、やはり蓄電池のリサイクル・リユースをどうしていくかというのは大きな課題だと思いますが、その前に蓄電池、セルの品質を確保していくために検査、それから検査を経た上で寿命が来ているものを修理・交換する制度が重要になってくるのかなと思っています。ところが、今のところを修理、品質の検査とか、そうした制度についての検討がどれくらい行われているのか、またリサイクルにしてもリユースにしても回収システムをどのようにつくっていくのか。ヨーロッパの中の電池指令の規則のように拡大生産者責任を含めた回収システムをつくっていかなければ、蓄電池のリサイクル・リユースはなかなか難しいと思うのですけれども、その辺の検討状況はどうなっているのか。品質保証のための検査と、それからEPRを含めた回収システムについての御検討状況を教えていただければと思います。以上です。ありがとうございます。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 続いて、赤穂委員お願いいたします。

○赤穂委員  赤穂です。ありがとうございます。私は資料4の別紙のASRの再資源化について述べたいと思います。先日、高度化財団さんが報告会をオンラインでされて私もそれを傍聴させていただきました。そこで解体業者さんが樹脂やガラスなどの回収について意欲を持ちつつも困難さがあるということを詳細にお話しいただいて、とても参考になりました。ただ、意欲はとても感じましたので、今後インセンティブの仕組みが適切に入っていけばさらに取組みが進むと実感しております。

 ただ、インセンティブ頼みということでは今後、将来のリサイクルの仕組みの健全さという点では問題かと思います。そういう意味で今後のインセンティブの仕組みづくりにおいてはやはり質の向上、将来的にコストを低減することにインセンティブが向かうような仕組みをぜひ考えていただきたいと思っております。

 さらに高度化財団の報告会の中で、日本自動車リサイクル機構さんが自動車メーカーと解体業者さんにヒアリングをした内容が報告されていたのですが、それがとても興味深いと思いました。自動車メーカーさんが解体のしやすさを意識した環境配慮設計をかなり前から取り組まれていますが、それが解体業者さんに十分伝わっていなかったり、またメーカーさんがよかれと思って取り組んでいたものが、解体業者さんにとってはさほど役に立つ取組みではなかったことがあったということです。要するに双方のコミュニケーションが今まで十分にとられていなかったことが分かったという報告がありました。今ごろ?とちょっと驚いたりもしたのですが、この実態が分かったということはとても大きいと思います。今後、双方でコミュニケーションをより充実させて、より設計と解体を実施していこうという機運ができたと思いますので、これはぜひ進めていただいてリサイクルの質の向上とコストの低減に向かっていただければと思います。

 あと、蓄電池についてもほかの委員の方からも御指摘ありましたけれど、海外でルールメイキングがどんどん先行していくと日本はおくれをとるということになりますので、しっかりと回収の仕組み、評価の仕組みなど日本としてルールをしっかりとつくって世界に発信していく取組みをしていただきたいと思います。以上です。

○酒井座長  赤穂委員、どうもありがとうございました。

 それでは委員からの御質問、御意見をひととおり聞けたかと思います。この後、経産省、環境省、そしてJARCの順番で、まず関連部分の回答あるいは発言をお願いしたいと思います。それでは経産省、どうぞ。

○三牧自動車課課長補佐  経済産業省の三牧でございます。御質問ありがとうございました。私のほうから幾つか御質問に答えさせていただきたいと思います。

 佐藤委員から使途の柔軟化についてどのように考えているのかというお話をいただきました。リサイクル料金の使途については、法律上3品目の処理費用ということでいただいておりまして、その範囲で原則は使っていくものと理解してございます。ただ、法律上可能な範囲で柔軟に使っていくことは考えていきたいと思っておりまして、今回、実費請求方式とか、資源回収インセンティブとか、そうした形で検討しているように、今後も検討していきたいと思います。

 鬼沢委員から、全部利用について、銅を減らすことが困難になってきていることが障害ではないかという御質問をいただいたかと思います。今、私たちはそういう話は具体的には聞いておりませんでして、従前から銅を回収する精緻解体が必要ということはございますけれども、量が増えていない1つの理由は受入れ先の方でも無制限に受け入れられるわけではないといったことがあると思っております。また、事業者の中では銅の回収を効率的に行うような取組みも検討しているので、そういった取組みも進めながら、また資源回収インセンティブの中でも、全部利用の車台からの資源の回収も進めながら全部利用を進めていきたいと考えております。

 あとは酒井代表から、新技術・新素材のところの困難さも理解して対応いただきたいというお話があったと思います。こちらは今後やはり課題になってくることだと考えておりますので、しっかりとどのような形で自動車が変わってくるのか、そういったところを見据えて対応を検討していきたいと考えてございます。

 輸出返還の話も含めた大きな話も検討を始めるべきではないかという御質問、御意見をいただきましたけれども、そちらのほうは審議会の今年、15年目の評価検討の議論の中でもいろいろ議論させていただきましたけれども、今後、自動車が大きく変革していく中で制度をしっかりと考えていかないといけないということだというふうに理解をしております。そういった影響を検討、整理しようとしているところでございまして、制度全体の議論とあわせて検討させていただければと考えてございます。

 赤穂委員から、資源回収インセンティブの仕組みについて、将来的にコスト低減とか、質の向上に向かうような仕組みにしていただきたいというお話がございました。こちら御意見をしっかりと受け止めて資源回収インセンティブの検討の中でよく考えていきたいと思いますし、そのような制度づくりを進めてまいりたいと思います。

 環境配慮設計のところで解体業者への情報提供のところについても御意見をいただきました。こちらもしっかりとコミュニケーションできるように、国としても双方と意見交換もしながら、相互のコミュニケーションが進むように進めてまいりたいと思います。

 電池は電池の担当から答えてもらおうと思います。

○酒井座長  電池に関して今答えられますか。

○齋藤自動車課課長補佐  はい。経産省自動車課の齋藤と申します。電池についてまとめて、私から対応させていただければと思います。

 まず、電池の耐用年数のお話がありましたけれども、電池については技術開発を研究機関も含めて各OEMや電池メーカーが開発を進めているところでありまして、航続距離を伸ばしたり、電池の高寿命化に取り組んでいるところでございます。現状、耐用年数といいますか、保証年数といいますか、各社・各車種によってばらばらというところはありますが、今後技術開発を進めていくことで、より高寿命化していくのではないかと思います。

 蓄電池、LIBのリサイクルについては大きく技術面と制度面とその両輪があるかなと思っておりまして、技術面で言いますと資源リスクへの対応や、サスティナビリティの向上であったり、金属のより高い収率を目指した技術開発みたいなものが、グリーンイノベーション基金のような形でも支援をさせていただいておりますし、制度のところは議論が若干おくれているかもしれませんが、秋以降、研究会などを立ち上げて蓄電池周りのサスティナビリティの向上であったり、そうしたところについて議論を深めようということでございます。また、ルール整備、標準化の話もございましたけれども、そちらについては経済産業省の基準認証政策課であったり、国際標準化と関係各課が連携し、また、BASC・電池サプライチェーン協議会の中でも標準化タスクフォースも立ち上がっておりまして、我々はそうしたところとも議論を進めながらリサイクル・リユースの標準化については議論を深めているところであります。今この瞬間なかなか進んでいない部分もありますけれども、今後、委員の皆様の御意見をしっかり受け止めまして検討を進めていければと思っております。以上です。

○酒井座長  齋藤さん、どうもありがとうございました。丁寧に御説明いただきまして感謝申し上げます。

 引き続きまして環境省から回答お願いいたします。

○福井リサイクル推進室室長補佐  引き続きまして環境省のほうから回答させていただきたいと思います。

 まず、大塚委員から御指摘がありました有害物質、Deca-BDEの難燃剤の関係ですけれども、環境省として把握しているところとしては現在、新車についてはDeca-BDEについては使われていないというところですが、代替物質は同じ臭素系の難燃剤、あるいはリン系の難燃剤を使っているということで、Deca-BDEのような現在規制をされている物質については使っていないと聞いてございます。状況については引き続き注視をして適切に対応してまいりたいと考えてございます。

 次に、不法投棄の関係、佐藤委員、鬼沢委員、あるいは井岡委員、藤森委員と数多くの委員の方々から御指摘いただきました。まず、全体的な状況といたしましては、不法投棄・不適正保管の調査はJARCのほうで実施をしているというものでございまして、各都道府県あるいは保健所設置市から各年度における報告を集計したものということでございますので、実際に不適正保管・不法投棄が起こったところと、数字として表れるのは少し時間的な差はあるというものでございます。

 私どものほうで聞いている話としては、近年新たに不法投棄・不適正保管が起こっているというよりは既に現場としては不法投棄・不適正保管されていたものが集計上あがってきているというふうに聞いております。引き続き、自治体の関係の皆様ともよく連携をして対応をしてまいりたいと考えております。

 この不法投棄と関連しまして、外国人事業者の対応あるいは自治体支援についてもしっかり検討をという御指摘もありました。これについては自治体支援という意味では自治体様のほうにどういうニーズが必要なのかという調査も行っておりますけれども、そこでの要望としては特に外国人事業者対応というところで、マニュアルの多言語化、翻訳ツールの提供、あるいはシステム上引取、破砕、ASR処理で遅延が生じた場合はJARCのシステム上遅延報告を受けるという形になりますが、そのシステムの使い方に関するニーズと、こういうものが多かったものですので、自治体のニーズをよく踏まえた形で現場において適切な不法投棄・不適正処理への対応ができるように引き続き関係者と議論をしながら環境省として支援をしてまいりたいと考えてございます。

 続きまして、カーボンニュートラル、脱炭素化の調査の関係につきまして、松八重委員から特にエネルギー利用という面においてはLCA的に見て、技術の選択の余地を残すために、あまり脱炭素の議論に引っ張られないようにという御指摘もございました。私どもは調査を進めていく中で、特にエネルギー利用のところについてはバウンダリーをどう設定するのかというところで非常に重要な御指摘かなと受け止めておりまして、他方でASRは廃棄物という形で見ますと、エネルギー起源だけでなく、非エネルギー起源でのCO2、これ自体排出されるときにどう対処していくかという課題もございまして、環境省で今年8月に廃棄物資源循環分野の脱炭素化に向けた中長期シナリオというものも示しているところでございまして、その中では特に非エネルギー起源でプラスチックとか、廃油の対策が非常に重要だという方向性も出されているわけですので、私どもとしてはまずは自動車リサイクルプロセスの中の、特に非エネルギー起源の部分も丁寧に見ていきながら、どういう形で自動車リサイクルのシステムとして脱炭素化を目指していくのか。これはしっかり検討したいなというふうに考えてございます。

 それと蓄電池の関係については経済産業省さんからお答えがありましたけれども、環境省のほうでも少し御紹介をしましたけれども、実証事業の形で例えばリユース・リサイクルの仕分けにかかる電池の劣化診断の部分ですとか、LIBの放電、あるいは解体の自動化、熱処理した後に破砕選別に関する有価物の回収のところの技術開発の支援を行っておりまして、これから先の大量排出については必ず見込まれることになりますので、カーボンニュートラルの調査の中でも自分を含めてものの流れについてはよくCO2の部分も把握しまして、適切に対応できるように技術支援、あるいはCO2の排出実態の調査を通じまして、実態をよく把握しまして、検討を進めてまいりたいと考えてございます。

 環境省からの回答としては以上になります。

○酒井座長  どうもありがとうございます。

 引き続いてJARCからございましたら、お願いいたします。

○JARC・阿部氏 JARCの阿部です。

 まず、鬼沢委員からございましたモデル事業の件です。こちらはいろいろ募集はしたのですが、しばらく応募はなくて、その中で青森県のほうでやはりPCBの処理が難しいとの話があり、時期が来ていることもあって、そういうものが見つかったということからスタートしております。ただし、車も非常に多数ありまして、そちらの方はJARCとしまして県と一緒になって、適宜情報交換、もしくは現場立会いを通じて適切に対応することと、あとは再資源化検討委員会の委員の方から青森県に対していろいろな意見をおっしゃっていただいて、そういう動きによって進んできたと思っております。

 直近では今、鉄相場が非常にいい状況ですので、要はスクラップ、自動車の鉄が高く売れることから処理の環境が非常に良くなっていることがございます。ですので、こういう青森県、今は相場との関係がありますけれども、好事例として各種検討会、研修会で鉄相場がいい時期にできるだけやったほうがよいのではないかという提案等を環境省と一緒になって進めていきたいと考えております。

 また、未然防止としてパソコンを使ったいろいろなシステム開発しておりますので、こちらもいろいろな自治体さんで活用してもらえるように推進していきたいと考えております。

 あと、酒井委員からありました20年時効、こちらは今後出てくると思われますが、約5億円程度年間出てくるだろうと見込んでおりますので、こちらのほうはきちっと精査していきたいと思います。JARCからは以上です。

○酒井座長  はい。どうもありがとうございます。

 前半いただいた意見、ほぼうまく御回答あるいは御発言いただけたのではないかと思いますので、この後2つの議題に移らせていただきます。現時点で不足している観点等ございましたら、またその後発言の機会を設けますのでお願いいたします。

 資料6、7の順番で自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況ということで御説明をいただきます。まず最初に日本自動車工業会の取組みについて、嶋村委員からお願いしたいと思います。資料6をお願いします。

○嶋村委員  はい。自動車工業会、嶋村でございます。聞こえていますでしょうか。

○酒井座長  はい。聞こえています。

○嶋村委員  それでは資料の御説明をさせていただきます。

 2ページ目、まず自工会の取組みの考え方でございますが、これは昨年12月にも少し御説明をさせていただいた資料とほぼ同じものになります。基本的には真ん中のフロー図にもありますように、自工会としては中心的な役割を果たすという基本方針のもと取組領域を定めて目的を明確化した上でその目的達成の手段である各種取組を推進していくという考え方で取組みを進めております。

 この目的のところに書いております1)、2)、赤字にしておりますところが、下のところに少し書いておりまして、例えばということでリチウムイオンバッテリーだったり、CFRP、あと樹脂リサイクル、新フロンへの切替えといったものに特に重点を入れて取組みを進めているところでございます。

 次の3ページ目でございますが、こちらのほうから個々の取組項目について昨年度の取組実績というものを赤字のオレンジ色の帯のところで御説明をさせていただいております。取組みは非常に多岐に渡っておりますので、また御確認いただければと思いますが、こちらのページがリサイクル実務の適正実施・高度化という側面でございます。

 次の4ページ目は続きで、上にありますリサイクル等の高度化、カーボンニュートラルの達成ということで昨年の12月から加えたところがカーボンニュートラルというワードを入れております。右側のカーボンニュートラル、CNを目指したASRマテリアルリサイクル促進に向けた取組みということで、後ほど少し御説明をさせていただきますが、資源回収インセンティブ制度構築へ協力中ということで、ここの部分でも自工会として積極的に取組みを進めているところでございます。

 5ページ目がバックヤードサイドの話で、主に促進センターさんへの御協力でございます。このページ一番下のところに海外と書いておりますが、先ほど国のほうからも促進センターさんからもありましたが、海外政府でリサイクル等を検討されていらっしゃる国に対して経産省さん、環境省さんとともにレクをしたりということで、海外の支援にも積極的に取り組んでいるところでございます。

 それでは次の6ページから個別項目について御説明をさせていただきます。

 7ページ目を御覧ください。御承知のとおり自動車工業会でメーカー共同回収システムを立ち上げておりまして、これの回収実績でございます。2020年度で3648台という結果になっております。

 8ページ目がその仕組みでございます。少し御説明させていただきますが、左上、車両がありまして、それが使用済車となって引取業者さんに渡ります。これは解体業者さんというパターンも基本多いのですが、排出事業者さんになる解体業者さん、あと修理交換の場合もありますので自動車販売店や整備事業者さんというところから引取依頼を自動車再資源化協力機構で受けまして、それに基づきまして回収を輸送会社、電池リサイクル施設へ連絡して、輸送会社が回収してリサイクル施設に運ぶ。こうした回収スキームを2018年から立ち上げて運用をしております。これは業界全体のセーフティネットという位置づけで、これを採用しています。先ほど来リユースの話が出ておりましたが、この回収システムを使ってリユース・リビルドをされたい企業があれば、このルートを使って活用して回収をしてリビルド施設に持っていく。持って行先の差配を変えればいいだけの話ですので、こうしたシステムをつくることによって、社会でのリサイクルの促進とリビルドの促進にもつながっていくということで、18年から取組みを進めております。

 次の9ページは、解体業者さん向けのリサイクルマニュアル、主に取り外しのマニュアルというものも、これはトヨタ自動車の1997年12月のプリウス発売当時からこうしたものを解体業者さんに情報提供を続けております。

 次の10ページは先ほどの回収システムですが、自動車再資源化協力機構で運営しておりますが、一番下のところに準会員と書いてございます。これはセーフティネットということで、自再協の会員、国内メーカー10社くらいと輸入組合さんになりますが、それ以外の例えばベンチャー企業のEVメーカーさんといった企業が出てきたとしても準会員ということで門戸を閉ざすことなく幅広く受け付けるということで、システムを構築させていただいております。

 現在の会員状況ですが、昨年と比較しまして、一番下のところで輸入車メーカーさんも一部御参加をいただけているところでございます。

 次の12ページは電池リサイクル施設ですが、昨年同様12施設ということで、ここについては変更ございません。

 13ページは、この構築しましたシステム、環境省さんの広域認定をいただいておりますので、しっかりと監査も事務局のほうでさせていただいている内容でございます。

 次の14ページが始動用LIBへの対応について、駆動用電池以外にも、今は始動用には鉛電池が使われておりますが、今後は始動用もLIBに、リチウムイオンバッテリーに変わる可能性があるということで、それへの対応もできるように今年度よりやっております。それとあわせて、こちらは既に環境省さんのほうでいろいろ御尽力をいただいておりますが、一般廃棄物扱いのものも今後発生する可能性がございますので、規制緩和等のお願いも実施しているところでございます。あわせて将来的にはどうなるか分かりませんが、例えば自動車用品店みたいなところで鉛バッテリーがそうですが、バッテリーが売っている、交換バッテリーを売っている一般の用品店でも売っている可能性がありますので、広域認定上、対象電池を明確にしなければいけないところがありますので、右下に書いてある独自マーク、こうしたものもつくって貼るようにすることにしております。

 ということでリチウムイオンバッテリー関係の御説明を少し丁寧にさせていただきましたが、以上でございます。

 次の15ページからCFRPの取組みについてということで、こちらは専門家の自工会の堂坂副部会長から御説明いただきます。

○自工会・堂坂氏  今御紹介をいただきました堂坂でございます。

 まず我々の考え方でございますが、経済合理性を勘案してCFRPは非常に処理が難しいところがございますので、サーマルリサイクルの確立が急務であるということでスタートしております。

 17ページです。目的と目標でございますが、今後自動車においてCFRPの適用拡大が予定されております。特にFCVです。燃料電池車の水素タンク等に使われてくることが想定されておりますので、CFの適切な処理、そのための基礎研究、それから実際の処理設備での適正処理の方向性を設定する目的で進めてございます。

 次の18ページです。研究コンソーシアムの体制でございますが、自工会を中心としまして日本化学繊維協会様、JFEテクノリサーチ様、それから矢野経済研究者様、東レリサーチセンター様と協力して研究を進めてございます。

 次の19ページです。イメージですけれども、実際はtオーダーで処理をしますが、まずは基礎研究ということでミリグラムオーダーの小さなところから、キログラムオーダーの実証まで進めて、実世界を想定していくという考え方で進めております。

 次の20ページでございます。展開計画ですが、2019年度から3カ年間のスケジュールで進めておりまして、本日御紹介するのは昨年度、ちょうど真ん中の年になりますが、2年目の結果になります。

続いて、研究成果でございます。これは1年目の結果の再掲でございますが、基礎研究の段階ですけれどもCFの種類、原料がピッチ系であるか、PAN系であるかというところで燃焼の違いがあるようだというところが見えてきてございますが、基本的には燃えやすさ、燃えにくさの傾向はあるライン上に乗ってくるところも見えてきております。

 次の22ページは昨年度の成果でございますけれども、基礎燃焼試験の結果を実際のキログラムオーダー、実証炉で見ていくということで、ピンクでお示ししている実際に燃焼する炉とサイクロンが2基ついていますが、燃焼炉と一つ目のサイクロンの中でCFをぐるぐる回して燃焼させていくというところで実証を行おうとしております。

 次の23ページでございます。これが実際の実証炉の作成状況でございますが、JFE様の川崎の事業所に設置をさせていただいておりまして、真ん中の写真になりますけれども、高さが10メートルほどの大きな炉をつくりまして今まさに実証の試験を始めたところでございます。

 昨年度のまとめと課題でございますが、基本的なデータ、基礎データをとり終えたということで、実証炉の設計も終えたところで順調に推移していることでございます。

 今年度の計画でございますが、白抜きのところが今進めているところで、来年度のこの結果について御報告したいと思います。以上でございます。

○嶋村委員  はい。続きまして樹脂リサイクル高度化への取組状況…。

○酒井座長  嶋村さん、ちょっと長くなっておりますので、手短にお願いできますか。

○嶋村委員  かしこまりました。27ページ目は自工会の中に新たに分科会を立ち上げましたと書いてございます。

 28ページはその組織図で割愛させていただきます。

 29ページ目は資源回収インセンティブ制度について自工会のほうでも積極的に取り組んでおりますということで下の枠囲みにありますうに具体的な仕組みの基本的な考え方みたいなものを御提示させていただいたり、30ページ目に具体的な仕組みのイメージということで御提示させていただいて、これは基本的には資源回収インセンティブ、解体業者さんや破砕業者さん向けのインセンティブということでみんなが関係するというわけでは必ずしもないのですが、ただASRから料金をお支払いする部分もありますし、全体、中心的な役割というところも踏まえて、こうした中身の仕組みを積極的に御提案させていただいておるところでございます。

 最後に新冷媒への切替え状況というところで、31ページ目でございます。

 32ページ目に切替え状況を書いてございます。23年までに粛々と切り替えていくということで取組みを進めております。国産62モデル、輸入車については115モデルと聞いてございます。長くなりましたが、御説明は以上でございます。ありがとうございました。

○酒井座長  どうも急いでいただいてすみませんでした。

 続きまして一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会大澤専務から資料7-1の説明をお願いします。

○鉛蓄電池再資源化協会・大澤氏  SBRAの大澤でございます。聞こえますでしょうか。

○酒井座長  聞こえております。お願いいたします。

○鉛蓄電池再資源化協会・大澤氏  よろしくお願いします。手短に申し上げます。

 1ページ目を御覧ください。先ほど来話がありました自動車用のバッテリーの中で特にエンジンの始動用に使われますコンベンショナルな鉛のバッテリーです。オートバイ用、農業機械用等も含みますけれども、その回収リサイクル、特に不法投棄されるバッテリーが問題になったこともありますので、特にそういったことを防止するセーフティネットとして当方で国内の電池メーカー4社、それから輸入事業者3社が協力をして立ち上げたシステムでございます。広域認定を取得しましてちょうど今年度10年目ということです。1年前の報告と変わらず、極めて順調にシステムが回っておりまして、雑駁に申し上げて市場流通、今のところ鉛が国際価格が非常に高いこともあって、そもそもビジネスとして有償で取引されている割合が95%、残り約5%が無償でSBRAのスキームを使って回収されています。合計でほぼ国内流通の100%が適正にリサイクルに回されてくるという現状認識でございます。

 次の2ページを御覧ください。1年前と比べまして排出事業者は800件ほど増えておりますけれども、大量に排出される大口の事業者、いわゆる甲の事業者は既に登録をされておりますので、排出の分量としてはさほど大きな変化はないという状況でございます。内訳は業種別の登録数を御覧いただきたいと思いますけれども、量販店がやはり中心になります。

 次の3ページを御覧ください。こちらは実績でございます。処理量として年間ほぼ1万トン、前年度に比べて1500トンほど増えておりますけれども、大体この内外で推移してきている評価でございます。次のページは棒グラフを御覧いただくと、その推移が御理解いただけると思います。

 最後のページです。申し上げましたとおり、セーフティネットとしては極めてうまく回って、安定して回ってきているのではないかと評価しているところでございます。とりあえず以上です。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 引き続いて、日本保安炎筒工業会から市川事務局長よろしくお願いします。

○日本保安炎筒工業会・市川氏  発炎筒メーカー2社が実施する廃発炎筒処理システムについて、主に周知広報面で協力している日本保安炎筒工業会より御報告いたします。

 本処理システムは資料2ページに記載のとおり、廃発炎筒の排出者である解体業者、破砕業者、整備事業者等の排出しやすさを考え、発炎筒メーカー2社が2社間の競争を阻害しないように配慮しつつ、廃発炎筒の回収から処理再資源化までの仕組みを共通化させたものです。当会はこの2社が行うシステムに協力し、廃発炎筒セーフティマネジメントプログラム、略称SMaPとして関係事業者に対する安全のための周知広報活動、実績取りまとめ等を行っております。

 本システムの概要は資料3~6ページに記載しております。

 3ページ目は廃発炎筒処理システムの概要。

 4ページ目は指定引取場所、焼却施設の配置図。

 5ページ目は焼却施設での処理フロー。

 6ページ目は再資源化について記載しております。

 2013年1月のシステム開始時より大きな流れに変更はありませんが、運搬時の事故防止、外装容器マテリアルリサイクルへの取組みの結果、近年は専用箱の設計変更、マテリアルリサイクル実施施設の設置等を行っております。

 それでは資料7ページ、2020年度の実績を御覧ください。2020年度の取引総本数は約694万本、うち使用済自動車処理段階からの引取本数は約101万本でした。処理総重量は約686トンでした。引取後の処理再資源化では外装容器のマテリアルリサイクルが約29トン、焼却残渣の再生利用が約47トンでした。処理に伴う熱回収量は約1億800万キロカロリーでした。周知広報活動としては使用済自動車処理段階からの排出者を対象に、関係団体を通じてチラシを配付しました。

 次に資料8ページの課題及び取組みについて御報告いたします。課題1として事故防止を挙げております。2019年4月に廃発炎筒運搬過程において発火事故が発生しました。発火原因はケースが外れた状態で廃発炎筒が廃発炎筒専用箱に梱包され何らかの衝撃を受けたためと考えています。幸い、人的被害、物損等はありませんでしたが、廃発炎筒専用箱に水ゲルを同梱することで万が一箱内で発火した場合にも消火できる仕組みとしました。また、廃発炎筒専用箱に発炎筒の正しい梱包方法を分かりやすく記載しました。この事故を踏まえ、今後の取組みとして事故防止を第一としました。水ゲルを備えた廃棄専用箱の利用、新規利用者の事前審査、適切な排出方法周知のための排出事業者訪問活動、及び不適切な廃棄があった場合の排出者の個別連絡等を通じ、引き続き安全な排出方法の徹底を図ってまいります。

 課題2は全国での分散処理及び再生利用の維持です。全国に配置した処分施設を活用しつつ、再生利用率の維持に努めます。外装容器再資源化を実施できる委託先施設は限定的ですので、再生利用を優先する場合、施設の利用が一部に偏りがちですが、事故防止の観点から運搬距離短縮化にも留意し、全国に配置した処分施設の活用を継続します。また、処理が適正に実施されているか確認するため引き続き処理業者への定期的な監査訪問等を実施いたします。

 課題3は使用済自動車処理段階からの廃発炎筒回収促進です。2020年度はシステムを利用する事業者が前年度比31社増の291社でしたが、さらに周知を図ることで利用社数を増加させたいと考えております。周知活動において自治体等の御協力が得られればありがたく存じます。

 最後となりますが、資料9、10ページに本システムの費用構造が抱える課題を掲載しております。幸いにして現在のところ納入先の御理解を得ており大きな問題は生じておりません。ご清聴ありがとうございました。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 最後になると思いますが、日本自動車タイヤ協会の赤松環境部長から御説明をお願いいたします。

○日本自動車タイヤ協会・赤松氏  タイヤ協会の赤松と申します。よろしくお願いいたします。

 まず2ページです。タイヤ業界、我々日本自動車タイヤ協会はタイヤメーカーの団体でして、業界活動の一環として廃タイヤの適正処理にも取り組んでおります。会員企業はここにありますように正会員4社、準会員2社で構成されております。主な活動内容としましては廃タイヤ適正処理の推進、廃タイヤ引取りを実施しているタイヤ販売店を対象とした研修会の実施、それから廃タイヤの処理状況についての調査と公表を行っております。3点目として不法投棄のタイヤの撤去を推進するために原状回復支援制度という業界独自の支援システムを運用しております。この3つが主な活動内容になります。

 時間も押し迫っておりますので、次は4ページを御覧ください。これが廃タイヤの処理回収ルートの基本的な図になっております。ここで御覧いただきたいのは左上の一般ユーザーの廃タイヤにつきましては、これは廃棄物処理法に基づく自治体からの協力要請を受けて、タイヤ販売店が引き取る形になっておりまして、ここのところがありますので引取りを行っている販売店に対し研修会等を行って、不適正処理が起きないような教育啓発活動を行っていることが先ほどのお話に関連する部分になります。

 続いて5ページ目ですが、こちらは細かい数字になりますので、次のページからそれぞれを説明させていただきます。まず廃タイヤの発生量とリサイクル率ですが、ここにございますように毎年廃タイヤの発生量は大体100万トンくらい発生しておりまして、リサイクル率としては9割以上を維持している状況になっております。

 続きまして7ページが内訳になります。リサイクルの内訳は6割以上が熱利用ということで、これは主に石炭のかわりに廃タイヤを燃料として使う利用先によって熱利用・サーマルリサイクルが行われている状況を示しております。この状況は従来から10年以上変わっておりません。

 次の8ページは、一方で廃タイヤは国内において石炭のかわりに使うという利用先が多くございまして、ここにございますように2007年以降海外からわざわざ廃タイヤを廃棄物としてではなく燃料にするために有価物として輸入しており昨年度の場合で約10万トンあまりを海外から買い入れて使っている状況が示されております。

 これらを総合したものが次の9ページになります。2020年のリサイクル状況について、それぞれの用途で当ててみますと左側の廃タイヤの発生量が93万7000トンに対して原形加工利用、熱利用、海外輸出、そこに対して外から入ってきた約10万トンの輸入量を足しますと、発生量の93万7000トンに対して国内でリサイクル用途になったものは101万2000トンということで、需要が上回っている状況です。廃タイヤについてここ10年以上の間発生量を需要量が上回っている状況が続いておりますので、不法投棄等が新たに発生した状況にはなっていないと認識をしております。

 次が10ページです。これが不法投棄の年度別推移です。件数、それから発生量というか、不法投棄の重量も減少傾向にございます。

 11ページです。こちらがタイヤ業界が独自に運営しております原状回復支援制度ということで、これは自治体による廃タイヤの撤去に対して支援を行っているもので、2005年から運用を行っております。

 12ページは今までの全ての支援実績ですが、支援費用としましては支援費3億6000万円あまりを今まで支援しております。最近なかったのですが、今1件申請相談がございまして、今年度か来年度にはまた新たに支援した案件についての御報告ができるかなという予定でございます。

 最後に参考としておつけしております自治体の認識調査結果は前回か前々回に委員の方から、自治体が何でそんなに撤去しないのだろう?という御質問をいただきましたので、それについて調べた結果になっております。上側の自治体の対応の状況ですが、これは今調査していますとか、これから調べますとか、そういう状況ですが、下側が撤去するのに関する意識の確認になりますが、やはり現時点では撤去する生活環境上の支障がないので法律の趣旨に則って行為者に撤去を求めている状況で、安易に撤去することに対してはあまり乗り気ではない状況でした。一方で、ここにはございませんが前々回に委員の方から指摘を受けましたように、支援費がもっと多ければ、今3分の2を支援しておりますが、もっと8割とか9割支援すれば進むのではないかという御意見もいただきましたので、そういうことに対する反応も投げかけてみましたが、いやそういうことではないという話でした。何件かの自治体によるとタイヤについて、例えば全部タイヤ協会が負担して撤去したとしても、ほかの廃タイヤではないものが山になっていると、うちのところは片づけてくれないという住民の苦情が出てしまうので、なかなかその扱いが難しい。タイヤだけ片づけたらタイヤがあったところの住民は喜ぶけれど、タイヤでないものがあるところの住民が何でうちは片づけてくれないのかと苦情が殺到してしまうので、住民に対する公平性という意味でもなかなかタイヤだけ片づけるということは厳しいというお話をいただいておりましたことが、かなり印象に残った状況にございます。以上です。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 それでは各種取組状況を御報告いただきました。今日のお約束の時間はであと10分弱ということになっています。前半部分を丁寧に意見をいただきましたので時間が押しておりますけれども、後半でどうしても御質問、御意見がある方はおられましたら手をあげてください。それでは佐藤委員どうぞ。

○佐藤委員  佐藤でございます。今お話の最後にあった、タイヤ以外の雑多なものが含まれているので対応しにくいというのは本当にそうだと思います。不法投棄の現場は家電、タイヤ、自動車、建設廃材などが雑多に含まれることが多くあります。1つの廃棄物があるとほかの人がみんな持ってくる、廃棄物まがいのものを集める性癖のある人がいる、などの状況だと思います。そうすると、自治体としてはタイヤや自動車だけ撤去しても、あとが残るとか、不法投棄の撤去費用は総額で何千万、何億円かかる中で、タイヤはわずかだから、支援金では解決できない、というのが現状ではないかと思います。

 これについて環境省、あるいは経産省が、全体的な問題をとらえて解決しなければ、タイヤの不法投棄はなかなか解決できなくて、しかもそこにタイヤ以外のもの、あるいは自動車以外のものを持ち込まれるという悪循環が続きます。廃棄物処理法全体の問題ですが、この検討会だけではなく共通認識として考えていかないと解決できないのではないかと思います。以上です。

○酒井座長  佐藤委員、ありがとうございました。あと、織委員は挙手でしょうか。残像でしょうか。

○織委員  私も今の佐藤委員と全く同じコメントだったのです。結局タイヤだけとってもしようがないので、業界全体というか、全体で統一的にそうしたものをやっていく協力体制をせっかくタイヤがこうやってやっている中でやっていかないと進まないのではないか。その辺の協力体制も含めて現場で考えていかなければいけないのではないか。そういったコメントです。ありがとうございます。

○酒井座長  どうもありがとうございます。それではこのお二方の挙手までということにさせていただきます。今のお2人の委員に事務局はお答えになられますか。課題として認識したと、そういう扱いにいたしましょうか。福井さんどうぞ。

○福井リサイクル推進室室長補佐  佐藤委員、織委員、御意見いただきましてありがとうございました。いただいた御意見をしっかりと受け止めさせていただきます。

 御指摘そのものはタイヤの不法投棄というよりも、不法投棄全般の対応としてしっかり関係者と連携して現場からの撤去、あるいは不適正保管がないようにしっかり対応していくようにということですので、環境省のほうとしましてはまずは現場を所管する自治体のほうでの対応が第一ということになってございますけれども、個別の事案についても私ども環境省としては個別に対応の御相談にのっている形になりますので、全体としての不法投棄として自治体あるいは関係団体ともよく連携して現場の実情を見ながら対応を考えてまいりたいと思います。どうもありがとうございます。

○酒井座長  どうもありがとうございました。

 それではどうも活発な御討論をいただきましてどうもありがとうございました。終了の時間が近づいておりますが、ここで産構審側の村上座長から御意見がございましたらお願いしたいと思います。

○村上座長  ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。

○酒井座長  聞こえています。

○村上座長  時間も押していますので至極簡単にしたいと思いますが、カーボンの件であったり、それが自リ法の枠の外まで考えなければいけないという話であったり、もう1つ前半でいうとLIBの話は大きかったのだと思いますが、LIBについては産業政策促進的な意味であったり、資源政策的な側面がたとえリサイクルの話であっても無視できないとか、その辺で情報の連携の話とかが出てきますと、どうしてもサプライチェーン全体の話になったり、割と視野を広く持たなければいけない案件が増えてきている状態なのかなというふうに思いながらお伺いしておりました。個々の委員の御意見はほとんどそのとおりだと思いながら拝聴しておりましたので特に繰り返しませんが、ひどく視野の広い話で全てつまびらかになるものでもないと思っておりますので、ぜひ両省には必要な調査等々をお進めいただいた中で適宜オープンにできるものは積極的にお示しいただきながら適切に対応いただければと思います。

 今日は非常に短い時間の中で皆さんから貴重な御意見をいただけたと思っております。どうもありがとうございます。以上です。

○酒井座長  村上先生、どうもありがとうございました。

 それでは今日の議論どうもありがとうございました。一言だけ私から御礼を含めて申し上げたいと思います。

 不適正保管の部分でありますが、基本的にもう多くは存在しないと思っていたわけですけれども、まだ存在するということで基本的にはゼロにはならない、そういう現実を見てどうするかということになろうかと思います。委員からも自治体の支援への要請といった御意見もございましたので、この点引き続き検討課題ということで事務局に考えていただければと思います。

 それから今、村上先生から視野を広く持たなければならない課題としてカーボン、そしてリチウム電池の話の御指摘あったと思います。そのとおりだと思います。特にカーボンニュートラルに関しては、何をどこまでどう進めるかという構想段階かと思います。そうした中では今日議論のあった資源回収インセンティブとの接合は相当に大事な話になりましょうし、それから電池の話も極めて重要な話になっていくのだろうと思います。電池に関しては経産省から電池の技術開発なり、制度なり検討中という御紹介がございましたが、LIB電池だけでなく、今日、取組状況報告のあった鉛蓄電池も現実に相当量使われているわけで、そこもあわせて検討していくことが大事なのだろうと認識をしております。そうした意味で今まさに次世代の利用や処理対応システムの構想段階ということになろうかと思いますので、それぞれの議論、両省がうまく協調して検討が進むことを願っております。

 ということで、今日のまとめとさせていただきたいと思います。本日は大変有意義な御意見をたくさんいただきましてありがとうございました。最後に事務局から議事の取扱いについての説明をよろしくお願いいたします。

○鈴木リサイクル推進室主査  酒井座長、議事進行ありがとうございました。本日はお忙しいところ闊達な御議論及び円滑な進行に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。本日の資料につきましては既にwebサイトにて公開をさせていただいております。また、本日の議事録につきましては後日各委員の御確認をいただいた上で、webサイトにて公開をさせていただきますので、御了承ください。

 次回の審議会につきましては追って事務局より御連絡をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

 最後に事務局を代表して、経済産業省製造産業局自動車課の吉村課長より一言御挨拶を申し上げます。

○吉村自動車課課長  経済産業省自動車課長の吉村でございます。本日は貴重な御意見をたくさん頂戴しましてまことにありがとうございました。

 まず昨年8月以降、1年間大変御支援いただいて自動車リサイクル法施行15年目の評価検討をまとめていただきましてありがとうございます。今日はその状況報告をさせていただきましたけれども、今後ともグリーンイノベーション基金等において、しっかりリサイクルを含めて取り組んでまいります。また両委員長からもお話しいただいた電池、それからカーボンニュートラルについては戦略的に自動車産業全体の課題として取り組んでまいります。この点でも次回以降タイミングを見て御報告をさせていただけるようにしたいと思っております。

 本日は長時間に渡りまして御審議いただきましてありがとうございました。

○鈴木リサイクル推進室主査  それでは本日の会議はこれにて終了とさせていただきます。活発な御議論いただきどうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

○一同  ありがとうございました。失礼いたします。

(了)