中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会(第8回)議事録

1.日時

 令和3年1月28日(木)8:30~10:30

2.議事次第

(1) 今後のプラスチック資源循環施策のあり方について

(2) その他

3.配布資料

資料0 議事次第

資料1 今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)

参考資料1 パブリックコメント結果概要

参考資料2 サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス(概要)

参考資料3 サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス

参考資料4 バイオプラスチック導入ロードマップ(概要)

参考資料5 バイオプラスチック導入ロードマップ

参考資料6 今後のプラスチック資源循環施策の全体像

参考資料7 プラスチックを取り巻く国内外の状況 <参考資料集>

4.議事録

○横手課長  定刻になりましたので、ただいまから「産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会合同会議」を開会いたします。

 委員の皆様方には、御多忙のところ、また早朝より御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、経済産業省産業技術環境局資源循環経済課長・横手でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、本日の合同会議につきまして、中央環境審議会の委員数8名のうち8名、産業構造審議会の委員数8名のうち、馬場委員御欠席で7名の御出席をいただいており、いずれも定足数である過半数に達しており、両会議とも成立しておりますことを御報告いたします。

 加えまして、プラスチック資源循環戦略の策定省庁からもオブザーバーとして御出席いただいております。

 なお、この会議はオンライン会議で開催し、事前に傍聴希望をいただいた方に同時配信により公開しております。

 また、円滑な議事のため、委員はじめ議論に参加される皆様には、可能な限りカメラをオンにしていただくようお願いしておりますが、通信環境やシステムの関係上、オフにしている場合がございますので、あらかじめ御了承ください。

 次に、資料でございますが、次第、資料1、それから参考資料1から参考資料7の合計9種類の資料を御用意しておりますので、御参照いただければと思います。

 それでは、ここからの議事進行を細田座長にお願いしたいと思います。細田座長、よろしくお願いいたします。

○細田座長  おはようございます。細田でございます。それでは、本日は、第7回にて御議論いただきました今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)ですが、昨年11月26日から12月25日までの間、パブリックコメントを実施しておりますので、主な御意見の概要とそれらに対する考え方などについて、事務局より10分程度で御説明よろしくお願い申し上げます。

○横手課長  ありがとうございます。まず、資料1、今後のプラスチック資源循環施策のあり方について及び参考資料1、パブリックコメント結果概要、この2つの資料に基づき説明させていただきます。

 まず、パブリックコメントの結果概要を簡単に御紹介させていただきます。参考資料1を御覧ください。

 今し方、細田座長からも御紹介ありましたように、11月26日から12月25日までパブリックコメントを実施させていただきまして、合計313件の御意見を頂戴しております。本資料は、主な御意見の概要と、これらに対する考え方をまとめたものであり、本日付で政府のほうで回答として公表済みのものになります。

 全体的に申し上げれば、方向性につきまして大きな異論はなく、その取組の程度というところについてもっと踏み込むべきではないかとか、一方で負担が大きいのではないか等々の両論、幅を持った御意見を頂戴しているというところが全体感かと思ってございます。

 幾つかかいつまんで御紹介いたします。例えば3ページ目を御覧ください。リデュースの徹底の部分、左側に№6と書いているところからでございますが、1ポツ目、衛生目的であっても安易に使い捨てを前提とすべきではない。一方で2つ目、慎重な検討をするべき。3つ目としても、これまでのリデュース等の取組を公正に評価するべき。こういった御意見を頂戴しています。

 №7の1ポツ目、規制的な手法ではなくインセンティブ措置を検討するべき。一方で、3つ目のポツにございますように、国内での販売・製造の禁止を検討するべき。こういった御意見も頂戴しているところでございます。

 また、4ページ目になります。2.(1)リユース・リサイクル可能な製品設計というところになります。№8でございます。1つ目の意見にございますように、再生素材の使用率や再利用率を義務づけるべきといった御意見がある一方で、№9の1つ目のポツ、合理的・効率的な観点に立った実行可能な指針とするべきという御意見。

 さらには、次の5ページ目、一番上の箱の1つ目のポツでございますけれども、一律的な規制はなじまず、自主的に判断できるようにすべき。こういった御意見を頂戴しているところでございます。

 また、次の(2)プラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化につきましても、全体を通しての部分を御紹介しますけれども、№10でございます。1つ目のポツにございますように、特定のステークホルダー、それは市町村、事業者、消費者等の負担が不合理に増加することのないよう配慮すべき。こういう意見をそれぞれの主体から頂戴しているというところでございます。その上で、3ポツ、自治体や事業者がメリットを得られる仕組みを構築すべきということですし、4つ目、必要な支援を行うべき。こういった御意見を、その他、各論の、家庭から排出される、それから事業者から排出される、こういったところについても頂戴しているというところでございます。

 その他全ての項目について多様な御意見を頂戴しているところでございまして、政府としては今後の制度設計、施策展開に当たり、しっかりと考慮して進めていきたいと思っているところでございます。

 パブリックコメントの結果につきましては、概要、そういうことでございまして、本題の資料1のほうに進ませていただければと思ってございます。資料1のほうですけれども、こういった御意見を踏まえまして、若干ではございますが、修正をさせていただいているところでございます。

 まず、1ページ目を御覧ください。2パラ目になりますけれども、3行目のところに再生素材や再生可能資源に適切に切り替えという部分がございます。この再生可能資源につきまして、定義が不明確であるという御意見がございましたので、括弧書きということで、紙、バイオマスプラスチックなどということで追記をさせていただいております。

 続いて、7ページ目を御覧ください。上から2つ目のパラグラフになります。ここは消費者の理解・協力の促進の部分でございまして、リサイクルの見える化等々の話を説明していた部分でございますけれども、代替素材の性能など、環境に配慮した製品の価値を国民に分かりやすく発信するべきといった御意見を頂戴してございます。こうしたことも踏まえまして、少し追記させていただいておりまして、認証等も活用しながら消費者に分かりやすい形でリサイクルの見える化、それは括弧として追記していますけれども、分別された資源がどのようにリサイクルされているかを明らかにするなどということです。あとは代替素材の環境価値の普及啓発・広報、それから環境教育、こういったものについてNGO等とも連携しながら進めていきたいということで追記をさせていただいております。

 続いて、(3)ESG金融による取組の後押しの部分でございまして、ここについても多くのファイナンス関係者に活用してもらえるよう普及を求めたい、こういった御意見を頂戴してございます。こうしたことも踏まえまして、最後の行になりますけれども、ガイダンスやこれに基づく取組を国内外に情報発信し、グローバルに投融資を呼び込める、そのようにしていきたいということを追記させていただいております。

 さらには、(4)政府の率先的・基盤的な取組というところで、政府率先調達につきまして、予見可能性を持った形で水準を引き上げていくのだといったことを記載させていただいておりましたけれども、この予見可能性が具体的にどういうことなのかという御意見を頂戴してございますので、将来的な方向性や目指すべき基準をあらかじめ示すなど、予見可能性を持った形でということで追記させていただいているところでございます。

 修正点は以上でございまして、一部報道にもございましたけれども、両省では、本審議会で御審議いただいているこの方針を具体化するべく、今通常国会への関連法案の提出に向けて準備も進めているところでございます。本日の御議論も踏まえた上で、今後、さらには国会での審議も通じまして、制度の具体化を図っていきたいと思ってございます。

 以上になります。

○細田座長  ありがとうございました。それでは、引き続きまして、参考資料2、3の、サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンスについて、事務局の経済産業省より10分程度で御説明よろしくお願い申し上げます。

○横手課長  ありがとうございます。それでは、参考資料2と3、ございますけれども、本日は参考資料2で御説明をさせていただきたいと思ってございます。

 先ほどの取りまとめにも記載させていただきましたけれども、経済産業省、環境省では先般、サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環に関するサステナブル・ファイナンスを促進するための情報開示・対話のガイダンスを策定、公表させていただいております。ESG投資が拡大しているように、経済活動とSDGsの目標を両立させていく上で、投資家の役割は非常に高まってございます。地球温暖化の分野につきましては、ダイベストメントのような投資家の投資行動も実際に出てきておりますけれども、企業に対し、地球温暖化問題が企業経営、とりわけファイナンスに与える影響を開示することを求めるTCFDガイダンス、タスクフォース・オン・クライメート・リレイテッド・ファイナンシャル・ディスクロージャーズといいますが、こういうガイダンスがグローバルに策定、活用されているところでございます。こうしたアプローチをサーキュラー・エコノミー分野でも適用し、投資家機能を活用してサーキュラー・エコノミーへのトランジションを加速させていきたいと思ってございまして、すなわち企業の情報開示を踏まえた投資評価、対話、エンゲージメントを促すことで、価値の競争、それから経済と環境の好循環を図るべく、今回、本ガイダンスを策定させていただいたところでございます。

 1枚目の策定の趣旨の背景を少し今、追加的に御説明させていただきましたけれども、3ポツなどに書いてございますように、今回のサーキュラー・エコノミーにつきましては、事業の類型化であるとか評価指標、こういった考え方、これは世界の諸機関、例えばWBCSDであるとかEIBであるとか、こういったところからも部分部分では公表されているところではございますが、今回こうしたものも参考とさせていただきながら、1ポツにも記載させていただいているとおり、こうしたものを統合的に取りまとめたガイダンスということでは、少なくとも政府としては世界初のものということで作らせていただいたと思ってございますし、こういう先行事業を含めたグローバルな潮流とも調和的なものとなるよう策定しているところでございます。

 続いて、2ページ目、背景になります。サーキュラー・エコノミーへの転換の必要性につきましては、委員の皆様既に御承知のとおりでございますので、その点は割愛させていただきますけれども、箱の3ポツ目に書いてございますように、サーキュラー・エコノミー分野を対象としたサステナブル・ファイナンスの動きが活発化してございまして、こういった分野を対象としたようなファンドの組成等々も始まっているところでございます。

 我が国は従来より3Rに積極的に取り組んできた3R先進国だと思っております。こうした取組をさらに拡大、深化することによって、またあわせてこれを適切にグローバルに発信することができれば、こうしたサステナブル・ファイナンスを呼び込むだけの十分なポテンシャルがあると思ってございます。ですので、企業、投資家双方に対しまして、本ガイダンスの活用を期待するところでございます。

 続いて、めくっていただきまして3ページ目でございます。3ページ目以降が具体的なガイダンスの中身の説明ということになります。改めまして、本ガイダンス策定に当たっては、金融系、環境系の学識経験者の方々、それから投資家、金融機関、さらには事業者、こういった方々にお集まりいただきまして、昨年5月より半年以上かけて議論を重ねてまいりまして、下に書いていますけれども、大きく6項目から構成されるガイダンスという形で作らせていただきました。

 ポイントは大きく2つだと思ってございます。まず、ちょっと青のボックスを濃くしておりますけれども、価値観、ビジネスモデル、こういった点に着目したというのが1つ目のポイントだと思ってございます。既存のフレームワークでは、リスクと機会、戦略、指標と目標、ガバナンス、この薄くしている部分でございますけれども、こうした4項目を中心に構成されているところでございます。例えばTCFDガイダンスでは、温暖化というリスクに対しまして、どうファイナンシャルの影響を評価して、それに対処していくのか。さらにそれをCO2排出量という共通指標を持って、どうその評価をし、PDCAを回していくのか、こういう点に焦点が当たっているところでございます。

 他方で、サーキュラー・エコノミーにつきましては、事業活動の在り方そのものをどう転換していくのかという課題だと捉えております。また、幅広い素材、製品、サービスに関わる多様な取組が貢献し得るものだと思っているところでございます。

 また、評価軸となる指標も、業種、業態によっても、そしてサプライチェーンのどこに位置するのか、こういった点によっても大きく異なると思ってございます。ですので、上の箱の2つ目のところに書いていますけれども、こうした特徴を念頭に置きまして、我々、そもそも企業としてサーキュラー・エコノミーをどのように捉えて、それをどういうビジネスモデルの中で実現していくのかという点から解きほぐしまして、部分的な取組ではなくて、企業全体としてのサーキュラー・エコノミーへのトランジションについての取組姿勢、一貫したストーリー、こういったところを問うているというところ。これが今回のガイダンスのポイントの1つ目だと思ってございます。

 あと、2つ目として、まさに価値創造ストーリーと今申し上げましたけれども、サーキュラー・エコノミーの転換というところを、単に明確なリスクへの対処という点で捉えるというよりも、むしろ将来に向けた機会であると捉えた取組、もしくは投資評価、こういったものを促していきたいというところ、ここに焦点を当てたガイダンスということにしてございます。まさに一貫した価値創造ストーリーという言葉でございますけれども、事業活動の在り方そのものを循環型に展開することで将来の企業価値の向上につなげていく、こういうポジティブな側面からESG投資を呼び込んでいく、こういうことを期待したガイダンスとなってございます。

 4ページ目につきましては、詳細な説明を割愛させていただきますけれども、個々の6項目の関係性を整理したものでございまして、企業において価値創造ストーリーを検討する際に、思考の順番というところも含めて、検討の一助になる資料かなと思ってございます。

 めくっていただいた次の最後、5ページ目と6ページ目、一部ちょっと、項目の中のリスクと機会、指標というところにつきまして簡単に御紹介させていただきます。またお時間があればガイダンス本体をお目通しいただければと思いますが、ガイダンスの中では、第2章というところでサーキュラー・エコノミー全体を念頭に、先ほど来御説明させていただいた6項目の開示項目について、あらゆる分野共通の考え方として整理をさせていただいております。その上で、次の章、第3章というところで、個別分野を位置づけていくという前提で今、プラスチック資源循環に特化した内容を個別分野の1つとしてまとめさせていただいているという構成になってございます。

 本日の概要資料で申し上げれば、5ページ目がサーキュラー・エコノミー全体共通の考え方として整理したもの、それから6ページ目は、そのうちプラスチック資源循環に特化して整理したものになります。もちろんこれは実は本文のほうでは、ここに挙げられているリスクを機会に転換する可能性、さらにはそれを評価する指標ということで、実はもっと詳細にいろいろ例を書かせていただいているところでございますけれども、これは概要説明資料ということで、主立ったものを書かせていただいてございます。

 詳細な説明は割愛させていただきますけれども、5ページ目の指標であるとか、例えば6ページ目の指標の部分を御覧いただくと、プラスチック使用量、リサイクル率であるとか、3つ目にありますように、再生材及びバイオマス由来成分の割合であるとか、プラスチック容器包装使用量、こういった、どちらかというとマテリアルフロー的な指標が中心となっています。これは先行的な開示事例等を参考にまとめたものということではありますけれども、まだまだそういうファイナンシャルな情報とひもづけたような指標というところはごくごく限られているというところでございまして、この辺りはさらに発展をさせていく必要があろうと思ってございます。

 ただ、本体のほうでは幾つか例を紹介してございますけれども、例えば全売上げに占めるエコ製品の割合であるとか、あとは売上げに対してどれぐらいバージンの原材料を投入しているのか、こういった指標を導入しているような企業もございまして、こうした事例も本文のほうでは御紹介をさせていただいているところであります。各企業におきましては、こうした開示指標についても、個々の事業者の事情を踏まえながら、うまく使いやすい指標を検討していただいて、発信をしていただくというところが重要かなと思ってございます。

 ガイダンスの説明は以上になりますけれども、改めて、サーキュラー・エコノミーへのトランジションに向けて、企業、投資家双方に本ガイダンスを活用いただくべく、両省でもさらなる情報発信等に努めてまいりたいと思ってございます。

 以上になります。

○細田座長  どうもありがとうございました。それでは、続きまして、参考資料4、5、バイオプラスチック導入ロードマップについて、事務局、環境省より10分程度で御説明よろしくお願い申し上げます。

○平尾室長  ありがとうございます。環境省でございます。それでは、バイオプラスチックの導入ロードマップを参考資料4と5を使いまして説明申し上げますけれども、初めに参考資料4を御覧になっていただければと思います。

 最初のポイントのところでございますけれども、全ての始まりになっているプラスチック資源循環戦略のほうで3R+Renewableという基本原則を定めていただきまして、より持続可能性が高いバイオプラスチックへの転換ということでバイオプラスチック導入ロードマップを策定するといったことが決まってございました。あわせて、プラ戦略のほうではバイオプラスチック導入200万トン、2030年という非常に高い野心的な目標が定められていたところでございます。

 それで、環境省のほうで東北大学の吉岡先生に座長をお願いしまして検討会を開催した経緯がございますので、私のほうから説明させていただいておりますけれども、検討については関係省庁一緒になってやっていたところでして、この火曜日に策定ということで公表させていただいておりますが、環境省、経産省、農水省、文科省の連名のプロジェクトで発表させていただいております。

 バイオプラスチック導入ロードマップの概要の一番上のポイントのところでございますけれども、いろいろな主体がございますし、課題も様々ございます。その課題ごとに導入の基本方針をお示ししたということ。あと、バイオプラスチックと一口に申しましても、植物由来のバイオマスプラスチックと生分解性プラスチックと、いろいろな分類がございまして、それに応じて適した分野といったものが変わってくるという実情がございます。それに応じて、プラスチック製品領域ごとの導入に適したバイオプラスチックといったものをお示しして、さらにそういった導入に適したバイオプラスチックが進んでいくように政府の施策を定めさせていただいているというものが大まかな内容でございます。

 参考資料4の①導入の基本方針という中で、原料、供給コスト、使用時の機能、使用後のフロー、環境・社会的側面といった6つの論点を示してございます。これはそのままそれぞれに課題があるということで、現状と課題を整理した上で導入の基本方針を定めたということでございます。

 個々の論点に入る前にですが、プラスチックの審議会の全体の議論でもありますけれども、3R+Renewableということで、回避可能なプラスチックの使用の合理化、あるいは無駄に使われる資源は徹底的に削減すること。

 あるいは、先ほど申し上げました分類、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの双方の環境負荷低減効果の価値を最大限生かしていくといったことを基本として、それぞれの基本方針を定めてございます。

 原料についても輸入のバイオ原料に頼るのみではなくて、国内バイオマスの原料利用の幅を拡大していくこと、あるいは食料競合等の持続可能性にしっかりと配慮していくといったことを定めてございます。

 供給面でも、国内外、供給拡大を進めていくということはございますけれども、国内製造の拡大も当然重要になってくるといったことを書いてございます。

 それから、特にコスト面です。関係主体と連携、協働によりコストの最適化を目指すと。まだまだ高い現状がございますので、そういったところで環境価値をどうやって訴求していけるかといったところの利用促進についての基本方針の視点を定めてございます。

 使用時の機能についても、先ほどのバイオマスプラスチックと生分解性のプラスチックで、使用時の機能でいろいろと求められる機能にも幅がございますし、環境負荷低減効果についても得意不得意がございますので、そういったところの幅広い製品群の対応ができていくのではないかということ。

 使用後のフローについても、特にリサイクルということを、既存のリサイクルシステム、あるいは環境中にある程度拡散しても差し支えないような場面とか、いろいろなことがございますので、そういったところでリサイクルの調和性が高いプラスチックを導入していくこと。

 特に環境・社会的側面ということで、ライフサイクル全体の持続可能性を拡大していくといったことを基本方針としてございまして、導入イメージということで右側の図でバイオマスプラスチックと生分解性プラスチック、いろいろございますけれども、双方の適した分野に合わさって拡大していくさまをイメージとして図示させていただいております。

 それで、領域の適したバイオプラスチックは2ページ目になりますので、ちょっと順番は逆ですが、先に施策のほうを申し上げますと、利用の促進策として、導入目標集の策定、ビジネスマッチングの促進であるとか、あるいはグリーン購入の判断基準等に盛り込んでいくといったような内容も加えてございますし、生分解機能についても、国際標準化に向けた検討が進んでございますので、そういったところへの参画をしっかりやっていくということ。

 それから、特に消費者への訴求として、分かりやすく普及を図っていって、何が何だか分からないということのないように、そこはしっかりとバイオプラの環境価値を訴えかけるといったところ。

 あるいは研究開発の場面で、いろいろな実証実験だったり、環境省のほうで予算も確保しましたけれども、製造設備の導入支援であるとか、いろいろなことがございますので、そういったところもマッピングしてございます。

 1枚めくっていただいて、プラスチック製品領域ごとの導入が適したバイオプラスチックでございますけれども、類型を幾つか定めまして、バイオプラスチックのうちリサイクルしていくものについて、植物由来のバイオマスプラスチックでリサイクルの機能が損なわれないものを類型:1に定めました。

 あるいは、リサイクル前提にしない分野がございます。可燃用のごみ袋が典型でございますけれども、そういったものについては植物由来という性能を生かしてバイオマスプラスチックを導入していくこと。

 環境中への放出がある程度見込まれるといったところについては、分解環境に適した生分解機能を持っていくといったところで類型:3ということで定めまして、個々、細々いろいろな用途がございますけれども、容器包装であったり、あるいは可燃ごみ袋であったり、農業用マルチということで土壌にすき込む場合とか、漁具等の場合で回収リサイクルを前提としている場合、耐久性が求められない場合といったところで、バイオマスプラスチックあるいは生分解性プラスチックの導入を適した場面に応じてやっていくといったことを示してございます。

 以上が概要でございますけれども、参考資料5では、こういった今申し上げた内容を細々書いてございます。1つ御紹介として、PDFでいうと5ページ目で、ページ番号の1ページ目の前のページでございますけれども、先ほど申し上げましたバイオプラスチックの定義を図示して、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックがあるといったことを分かりやすく示させていただいておりますし、先ほど導入の基本方針で申し上げました6つの課題、現状と課題の整理を冒頭の11ページほどでしてございます。それを受けて基本方針なりを定めていっているという構成になってございます。

 それで、検討会の議論でも、これを定めて今後のフローが大事だといった御指摘もございました。検討会でも併せて導入目標集であるとか事例集であるとか、機動的に充実化を図っていくことといった御指摘ももらっておりますので、回避可能なプラスチックは回避すべきという前提はもちろん踏まえつつ、バイオプラスチックの利点を生かしていけるところは今後もいろいろとあろうかと思いますので、このロードマップに従って、関係者一体となって取組を推進していきたいと考えてございます。

 説明は以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。一応これで説明は終わりましたか。

 それでは、今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)、そしてサーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス、バイオプラスチック導入ロードマップについて事務局から御説明がございました。これを踏まえて委員の皆様方より御意見などを賜れればと存じます。御発言を希望される方はSkype会議のチャット機能で発言の意思表示を行っていただきたいと思います。御発言につきましては私から指名させていただきますので、指名された後に御発言いただきたいと存じます。では、チャットを使って発言の意思をお示しいただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、お手を挙げられた順に、私から指名させていただきます。まず、石川委員、よろしくお願い申し上げます。

○石川委員  どうもありがとうございます。パブリックコメントの御説明、バイオプラスチックの御説明、ありがとうございました。パブリックコメントの内容を伺って、賛成から反対まで、個別の政策ポイントについて大変幅広い御意見があるのだというのがよく分かりました。これを見てもよく分かるとおり、プラスチックは非常に多様な領域で、状況も違うところで使われているので、それが非常に大きな特徴になっているのだろうと思います。今これはまとまった戦略を、形ある成果を出すという段階だと思いますので、どういうところが成果を出す上で重要かという観点でコメントさせていただきたいと思います。

 まず、用途が非常に多様で、また状況も多種多様で、これは政府レベルであらかじめこういうのがいいと一つに決めてもなかなかうまくいかないと思います。ですから、そういう状況が一番よく分かっている関係する事業者であるとか自治体が、こういうことがうまくいくのではないかということをトライアルしてもらうということが非常に大事な状況になっていると私は思います。そういう意味では、関係する自治体、もしくは事業者が新しい試みにこれは今までの試みだとうまくいかないから今日の状況があるわけで、新しいことをやらないといけない。そういうことをやりたくなるような動機づけをするというレベルが政府レベルで一番大事なことだろうと思います。

 一方で、全く新しいことをたくさんやってほしいわけですが、こういうのは前例がないということになりますので、既存の法律の体系などから見て問題があるかないか判断に非常に迷ったりすることがあるのではないかと思います。特に廃棄物が絡みますから、自治体の判断になりまして、実際に一定以上の地域的広がりを持った試みをやろうとすると複数の自治体にまたがります。そのときに複数の自治体がそもそも同じ問題に対して判断が異なるというのはまずいことでありますし、実際対策を実施していく中で大きな障害となったり、時間が遅れたりすることになると思います。そういうことが起きないようにするというのは、恐らくこれは個別の自治体では無理ですから、国の判断、国の仕事なのだろうと思います。まず、個別の自治体が前例のないような試みに対して出てきたときに、判断を迷わないようにする。出てきた判断が国全体でちゃんと説明ができて、透明な判断であるということが迅速に普及するような、みんなで共有できるようなことを工夫していただきたいと思います。

 それから、動機づけの点からいうと、これは早くやりたいと思うというのが1つ動機でしょうし、もう一つは、やらないとまずいことになるというようなことになって、全体がいろいろなことを始める、もしくは、よいと思われる試みが広がっていくというような構造が大事だと思いますので、今回御説明いただいたESG投資に対する対話のガイドラインなどは有力なツールとして働くのだろうと期待しています。また、国としてはグリーン購入の再活用というとおかしいですね。グリーン購入法をさらに強化して使うというようなことも十分考えられるだろうと思います。さらにほかにもっと工夫して動機づけを強めていただくことを考えていただくのが一番大事ではないかと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○細田座長  ありがとうございました。議事の進め方ですけれども、4人ぐらいの委員の方々に御質問、御意見を賜った後に事務局より答えていただいて、またその後、御質問、御意見を賜りたいと思います。

 ということで、次は大塚委員、坂田委員、佐藤委員の順番で参ります。その後、事務局にお答えいただきます。それでは、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員  今回のプラスチック資源循環施策のあり方についてでございますけれども、今、石川委員もおっしゃいましたが、いろいろな事業者、関係者がまとまった形で全体的に協力していけるような仕組みができていくのではないかということで、大変よいことだと思っております。動機づけの点、今、石川先生もお話しになりましたが、特にESGとの関係も非常に重要で、今回のサーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンスというのも大変時宜を得たよいものだと思っております。1つお伺いしておきたいのは、この開示・対話ガイダンスをするときに、出てくる情報が正確なもの、あまりリジットに言わないにしても、ある程度正確なものである必要があると思いますが、今回のガイダンスに関して、その辺に関してはどういう配慮をなさっているかについてお伺いしたいというのが1点ございます。

 それから、今般の資源循環施策のあり方についても、法律との関係での対応をなさることになるのではないかと思いますけれども、既存の容器包装リサイクル法等の法律もございますので、それとの関係を分かりやすくしていただくことが国民との関係でも非常に重要になってくると思います。そこがちょっと分かりにくくなるといろいろな方が対応に困る可能性も全くないわけではないので、ぜひ御注意いただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございます。

○細田座長  非常に簡潔におまとめいただきまして、ありがとうございました。引き続きまして、坂田委員、よろしくお願い申し上げます。

○坂田委員  日本化学工業協会の坂田でございます。

 本日、今後のプラスチック資源循環施策のあり方について、これにつきましては、再生可能資源、それから、御説明いただきましたバイオプラスチックの導入についての御説明で、代替素材等の環境価値の話などもあったかと思います。

 また、御説明いただきましたサーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンスにつきましてのガイダンス、ESG金融について投資家と企業の対話の支援などの記載も追加されまして、循環経済への転換をさらに進める内容となったと理解しております。この案に同意しますとともに、このあり方についての具体化に向けて取組を進めることが重要であると考えております。

 日本化学工業協会では、ケミカルリサイクルの社会実装に向けた取組を進めておりまして、ケミカルリサイクルの課題と実現のための方策を検討しまして、2020年12月には、検討の結果として廃プラスチックのケミカルリサイクルに対する化学産業のあるべき姿を策定して公開しております。

 この廃プラスチックのケミカルリサイクルに対する化学産業のあるべき姿は、廃プラスチックを貴重な国産資源として、プラスチックを品質劣化させることなく、何度でも繰り返して有効利用できるケミカルリサイクルが真の循環型社会の構築に重要な役割を担うといった認識の下で、廃プラスチックのケミカルリサイクルの社会実装の本格拡大のための長期戦略を定めたものでございます。

 この廃プラスチックのケミカルリサイクルに対する化学産業のあるべき姿では、ケミカルリサイクルの技術の姿に加えまして、ケミカルリサイクル社会実装後の姿では、廃プラスチックの循環利用拡大につきまして、2030年には150万トン/年、そして2050年には250万トン/年という数値目標も定めてございます。これらの目標を達成しますには事業規模の確立が必須でございまして、原料の廃プラスチックの調達については、広く関係事業者の皆様とイコールパートナーシップの下で連携して進めていきたいと考えております。

 さらに、経済性、市場の確立の実現に向けて、社会におけるリサイクル材の受入れ、それからリサイクル材、製品の認証や価値の可視化、持続性のあるビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。

 バイオプラスチックへの代替促進では、本日御説明いただきました参考資料の4、バイオプラスチック導入ロードマップ(概要)にございますとおり、企業ごとのバイオプラスチック製造、販売目標を取りまとめましたバイオプラスチック導入目標が策定されております。このような導入目標をリサイクルプラスチックにつきましても社会全体で積極的に導入し、そしてリサイクルプラスチックの市場が拡大するよう関係事業者の連携を進めるなど、引き続き行政の御支援をお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。それでは、佐藤委員、よろしくお願い申し上げます。

○佐藤委員  佐藤でございます。

 今回のプラスチック戦略は、今までのリサイクル法とは全く違うと思うのです。というのは、業界あるいは製品にとらわれずに、素材という観点から横断的な取組をするということで、私も非常に高く評価したいと思います。今回のパブリックコメントでも様々な期待と不安が寄せられていると思います。私としては、例えば14番の自主的な回収を推進するという制度が欲しいとか、16番のサプライチェーンを通じた取組を促進するということを支援してほしいという御希望、それから31番、手続的な簡素化を求めるというような、様々な意見があると思います。それぞれ大変貴重な意見だと思います。特に手続的に難しいと絵に描いた餅になってしまいますので、様々な対応を使って手続的に可能な自主的取組を進めていただきたいと希望いたします。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、ここで一旦、事務局よりお答えできるものについてお答えいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○横手課長  ありがとうございます。経済産業省資源循環経済課長・横手でございます。

 石川委員、大塚委員、坂田委員、佐藤委員より御意見を頂戴しまして、ありがとうございます。

 まず、石川委員、また大塚委員からも、やりたくなるような動機づけというお話を頂戴いたしました。まさにその中でガイダンスであるとか、グリーン購入の再活用、こういったことを進めるべきという御意見であったと思ってございまして、しっかりと両省でこういったところ、ガイダンスの普及のみならずグリーン購入の活用等々も含めて、その他予算的な支援策も含めて、しっかりと動機づけになるような支援策を考えていきたいと思ってございます。

 その上で、大塚委員からは、ガイダンスの開示情報の正確性というお話がございました。そもそもこの開示というのはアニュアルレポートであるとか統合報告書であるとか、そういった非常に重要性の高い文書の中で開示をする話になってきますので、もちろんそんな虚偽の情報であるとかそういったことは会社の倫理上できない話だと思ってございます。

 また、これはまさに企業と投資家の対話を円滑に進めるためのものだと思っています。単に開示するだけではなくて、開示する情報をどのように開示していこうかとか、それを踏まえてどういうさらなる目標、指標を立てていくのかとか、こういったところもまさに企業と投資家との間でコミュニケーションをしながら、だんだんとつくり上げていくものだと思っています。ですので、基本的には虚偽の報告をするような位置づけの開示にはならないということ、さらには、もちろんまずはできるところから開示をしていく。先ほど申し上げたようにマテリアルな関係の情報からまずは開示をしていくのだろうと思いますけれども、さらに、どうやったらファイナンスとひもづけた指標になっていくのか等々含めて、ぜひここはコミュニケーションの中で発展させていくということが非常に重要かなと思ってございます。

 それから、石川委員、佐藤委員から、廃棄物処理法を含めて、既存の法令との関係でしっかりと国が統一的に判断をして事業が円滑に進むようにというところの御指摘を頂戴したと思ってございます。まさに今回取りまとめいただいた文書の中でもそういったところを意識して書かせていただいている部分だと思ってございます。今後の制度設計の中で、しっかりとそこは実現していきたいと思ってございます。

 それから、大塚委員から国民との関係を分かりやすくという御意見がございました。まさにそのとおりだと思ってございまして、我々自身も一消費者でもあります。そういう視点を持って、しっかりと国民に分かりやすく、今回の施策を御理解いただいて、分別排出等々への御協力をお願いしていきたいと思ってございます。

 あと、坂田委員から、日化協、化学産業としてケミカルリサイクルに取り組むという意思表示をいただいたと理解してございます。我々としても、12月に取りまとめいただいたあるべき姿につきましては、本当に力強く思っているところでございます。貴重な国産資源としてというコメントもございましたけれども、まさにそのとおりでございまして、この貴重な国産資源をマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、こういった形でしっかりと再生材として再活用していく。その際に、認証、価値づけを通じて市場で適正に評価されるようにしていく、こういったところを国としても業界と一緒に連携しながら進めていきたいと思ってございます。

 以上になります。

○細田座長  ありがとうございました。環境省さんのほうはいかがでしょう。

○平尾室長  環境省からも回答させていただきますが、石川先生及び大塚先生から法律の関係で自治体がその判断を迷わないようにという御指摘、あと、容リ法含め既存法との整合を分かりやすくというような観点がございました。また、佐藤委員からも素材で横断したものになるだろうというコメントもありましたけれども、だからこそというか、大塚先生の御指摘にもつながっているかと思いますが、既存法体系との整理は若干複雑になる可能性もありますので、そこのところは分かりやすく説明をして、何法は何法で、何法は何法でとかそういう縦割りではなくて、実際に行動を起こそうという方にとってやってみたくなる動機づけという話もありました。これならやってみようと思っていただけるような制度にしたいと思っておりますし、そのための説明も縦割りではなくて、しっかりとやっていきたいと思っております。判断を添えるべきところ、あるいは自主性を尊重すべきところ、様々な場面があると思いますので、そういったものもうまくバランスを取っていきたいと思います。

 それから、ESGの関係で、動機づけ、あるいはグリーン購入法での活用ということもありましたけれども、今、横手課長からもありましたように、正確性やコンプライアンスは当然の話だと思います。さらに、石川先生、過去の審議会で社会が評価するというような御指摘もあったかと思いますけれども、そういった方向に持っていきたいと思っておりますし、国としても率先調達をしていく場面というのはしっかり配慮していくというようなものに何とかしていきたいと考えてございます。

 それから、坂田委員から、リサイクルあるいはバイオプラといった取組の中で、パートナーシップという言葉もございましたけれども、先ほどいろいろな話を申し上げましたが、事業者ごとの連携がどの分野でも必要になってくることだと思っておりますので、そういったところが進むような取組も、国としても、あるいは自治体、消費者を巻き込んだ取組も必要になってこようかと考えてございます。

 佐藤委員から、自主回収、サプライチェーンや手続の簡素化についてもいろいろ御意見がありましたけれども、そういったことも踏まえた制度設計もしっかり経産省さんと一緒になって取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。

○細田座長  ありがとうございました。1点、先ほど情報開示の重要な指摘が大塚委員からございました。念のためにと思いますけれども、虚偽情報のほかに、情報の出し手が正しく出したと思っても、受け手のほうでそれが必ずしも正確に受け取れていないという非意図的な情報の不完全性の問題もありまして、その辺についても今後より一層深く議論していただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、続きまして、またお四方、崎田委員、柳田委員、森口委員、湊元委員の順番で参りたいと思います。崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員  ありがとうございます。崎田です。

 今回、私、3点簡単にコメントをさせていただきたいと思っております。昨年の暮れに政府のほうも脱炭素を2050年に実現すると明確に発信されました。それ以降、特にこのプラスチックに関していろいろなところで御質問を受けることも増えて、関心は高まっていると思っています。今回のパブリックコメントも大変多くの方からたくさんの御意見をいただいたということは、勇気をいただいていると感じます。ぜひ、今後の様々……

○細田座長  すみません、ちょっと回線が切れてしまったようです。崎田委員、聞こえますでしょうか。それでは、すみません、ちょっと時間ももったいのうございますので、先に柳田委員に御発言を求めます。その後、崎田委員に参りたいと思います。柳田委員、どうぞ。

○柳田委員  よろしくお願いいたします。CLOMAの柳田です。

今般の報告は、論点、課題が広範に及ぶ中で上手にまとめていただきました。ありがとうございました。また、パブコメも非常に多くて、注目されているということが実感できております。前回の繰り返しの部分もございますけれども、重要と考えているところでございますので、改めて発言させていただきます。

 考え方の冒頭におきまして、プラスチック資源循環戦略を引き継ぐ形でSDGs、海洋ごみ問題、気候変動、サーキュラー・エコノミーとそれに係る経済成長と雇用等のところの視点を明確にして、国内課題を解決する日本モデルを構築するとともに、グローバルに貢献していくという基本姿勢を改めて書かれているのは大変分かりやすいと思っております。

 そこで、プラスチックの有用性と課題というのは、今までそれに関わる事業者だとか専門家の方々が幾度となく指摘されたことでございますけれども、なかなか利用者とか消費者がそれをクリアに実感したり、あるいは切実に考えさせられたりするということが少なかったように感じておりました。今般の新型コロナ禍においてこういったところがあぶり出されてきたのだと思っております。

 そういった流れの中で、今回まとめられたあり方では、プラスチックの衛生性やエッセンシャルユースとしての有用性、あるいは重要性を明記するとともに、資源循環、ごみ問題解決のために3Rや技術開発を進めていくこと、加えてライフスタイルのイノベーションなど、今までにも増して取組を強化していく必要があるという決意というか、軸がぶれることのない意思表示をしてきたのは大変よいと思っております。この基本的な考え方の下、政府、自治体、企業、消費者が役目をしっかり果たし、さらに連携してバランスよく全体最適的に効果を上げることが大変重要になってくると思います。

 項目2、項目3の施策の方向性はうまくまとめていただきましたし、それに続く項目4の分野的な施策等も非常に重要になってくると思います。消費者の理解と何より協力をどう得るか。それから、企業、自治体の新しい取組のチャレンジをどのように推進していくか。それから、ESG投資のところが出ておりますけれども、これの活用による企業価値の正当な評価による後押しをどのようにしていくかなどをしっかり実行していくことが重要だと思っております。

 我々企業アライアンスのほうも今後具体的な提案を積極的に行っていきたいと考えておりますので、ぜひ環境整備だとかインセンティブといったあたりで御支援等もよろしくお願いしたいと考えております。ありがとうございました。

○細田座長  ありがとうございました。それでは、先ほど回線が切れてしまいましたが、崎田委員、聞こえますでしょうか。

○崎田委員  先ほどは大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

 先ほど3点お話しすると申し上げました。1点目は、やはりパブリックコメントを今後しっかりと生かしていただきたいということ。2点目は、今回、ビジネススタイルとライフスタイルの変革、そして自治体が全員参加、協力し合うということが大変重要なわけですけれども、そういう基盤として消費者がどのように行動するか、消費者にきちんとした情報を伝えるということが重要ということをかなり話し合いました。

 今回のあり方の文面の7ページで、かなり詳細な内容で消費者への情報提供の重要性を書き込んでいただいたということは大変ありがたいと思っております。お世話になりました。今後、バイオマスプラスチックの情報とかバイオプラスチックの情報なども含めて積極的に情報提供いただければありがたいと思います。

 最後、3点目なのですが、今後制度化するということですが、今までの法体系といろいろなところで関わってくると思いますが、今回ぜひ促進型の法体系にして、先進的に取り組む意思のある企業の皆さんや自治体が積極的に連携をして取り組めるような内容にしていただければありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○細田座長  どうもありがとうございました。回線がつながって本当によかったです。

○崎田委員  ありがとうございました。

○細田座長  それでは、森口委員、どうぞ。

○森口委員  ありがとうございます。既に多くの委員が御指摘されているように、多くのパブリックコメントを寄せられたということは、この問題に対する関心の高さだと思います。また、意見を参考にさせていただきますというような素っ気ない対応ではなくて、非常に丁寧に両省から考え方をお示しいただいたのは大変結構かと思います。事務局から御説明があったとおり、同じ論点に対して相反する御意見もあるということで、本文のほうをなかなか修正しづらかったということはよく分かりますけれども、これは多くの委員が御指摘になっているように、具体的に施策を実施していくに当たってベストなバランスを見つけていかなければいけないということで、実施段階を丁寧にしていくということの必要性を改めて申し上げておきたいと思います。

 その相反する意見に関わるところで私の専門に近いところを少し具体的にコメントしておきますと、これはいつも容リ法なんかでも出てきたところですけれども、3番目のところで熱回収の是非というところがございます。それから、18番のところでベストなリサイクル手法は何なのかといった議論がございます。これは大変難しい議論でありますけれども、1点、これも既にほかの委員のコメントでありましたが、2050年ネットゼロに向けてCO2排出を長期的にゼロに近づけていくということになりますと、CO2の削減効果という面で見ても、従来と少し変わってくる可能性があるかなと思います。これは今日御説明の対象にはなっていないかもしれませんが、参考資料7の中にもそういった試算が示されていたかと思いますけれども、従来のケミカルリサイクルの中でCO2削減効果が非常に高いとされていたものは主に石炭代替になるようなものが多かったかなと思います。ケミカルリサイクル手法は非常に多様なものがある中で、先ほど化学産業さんから、繰り返し利用できる、プラスチックを再びプラスチックに戻すタイプのケミカルリサイクルに対して、ある種強い決意表明を伺ったと感じておりますし、非常に心強く思っておりますけれども、CO2の削減効果という面で見ても、これからほかの代替対象もどんどん低炭素化していく、脱炭素化していくということを念頭に置いた上でのベストな方向を見ていかなければいけないかなと思います。ESG投資の中でも中長期的なという言葉が再三出てまいります。目下の技術で考えればこうだけれども、中長期的な周辺状況の変遷なども勘案しながら、何がベストかということを考えていくことが必要であるということ。このことを申し上げておきたいと思います。

 2点目、これもやや各論ですけれども、先ほど縦割りを廃してという話がございました。家庭から排出されるプラスチックに関していえば、市町村による分別回収、事業者による自主回収ということで項目が立てられているわけですけれども、消費者の側から見れば、どこへ持っていけばいいのか、同じものであっても、市町村も回収してくれるし事業者も回収してくれる。これは両方あって構わないのだと思います。市町村は市町村が何をやっているということだけ広報され、事業者は事業者が何をやっているということだけ広報されるかもしれませんが、消費者により分かりやすく届けるためには、そういったところはある種の相乗りといいますか、全体として何がやられているかということをしっかりお伝えいただくということが必要かなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 3点目、バイオプラスチックに関してでございます。さきの会合でバイオマス原料のプラスチックと生分解性プラスチックをバイオプラスチックと総称しているけれども、似て非なるものであるので、しっかりと分けていただきたいということを申し上げておりましたが、今回の文書の中でその辺りを非常にしっかりと書き分けていただいているかなと思います。特に目下の感染症の状況下で、どうしてもワンウエーにせざるを得ないものなどがあるかと思いますけれども、こういったところに関してのバイオマスプラスチックの利用に関して議論があったのかどうか、そういったものであればむしろ積極的に焼却、熱回収に持っていったほうがいいというケースもあろうかと思いますので、そういった各論について議論があったのかどうか。どこまで中長期的にこの議論をしなければいけないのかどうかというのはもちろんありますけれども、常にエッセンシャルユース的なものは感染症拡大下でなくても存在するかと思いますので、そういった議論が具体的にあったかどうかという点、お教えいただければと思います。

 以上、主立った点、3点でございます。ありがとうございました。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、湊元委員からお願いいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○湊元委員  今回提示された今後のプラスチック資源循環施策のあり方についての内容について異論はありません。以前から申し上げておりますが、今後の具体的な制度設計に際しては、事業者や関係機関、特に容リ法とリサイクルに携わる関係者等との連携を密にしていただいて、情報共有を十分に図りながら、納得性を高める形で丁寧に進めていただきたいと思います。そして、全体のシステムが分かりやすくスムーズに流れるように設計していただきたいと思っております。一部報道では法制定に関する記事も散見されていますが、このワーキンググループのメンバーにも随時必要な情報は御提供いただければありがたいと思っております。

 また、現在、新型コロナウイルスの影響によって、大企業も中小企業も、企業の経営環境は依然として非常に厳しく、業種によっては事業継続が見通せないような状況もあります。特に深刻な状況にある飲食業等にとっては、テイクアウトに活路を見いだすようなこともあり、かえってプラスチック製品のニーズが高まっているような状況もあります。他方、このプラスチック資源循環戦略の重要性も当然理解しておりますので、新たな制度の開始に当たりましては、中小企業にも丁寧に説明、御理解いただくようにしていただいて、現場に支障、混乱が生じないことを十分に確認した上で運用を始めるなど、拙速に進めるのではなく、十分な周知期間を置いていただきたいと思います。関係者間の理解醸成を図りながら、施策効果を十分に予見できる段階でスタートすることが重要であると思いますので、御配慮をよろしくお願いいたします。

 以上であります。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、ここで一旦切らせていただいて、事務局より御回答がもし何かあればよろしくお願い申し上げます。まず、経済産業省、どうぞ。

○横手課長  ありがとうございます。柳田委員、崎田委員、森口委員、湊元委員、本当にありがとうございます。

 まず、柳田委員のほうから、これはもう考え方のところに書いている方向性、方針、この意思表示はありがたいという前提で、CLOMAとしてもしっかりと取り組んでいくというお話だったと思ってございます。我々も事業者の皆様の先進的な取組がしっかりと進むように、制度面、それから予算的な支援等々、しっかりと考えていきたいと思ってございます。

 また、崎田委員、それから森口委員からも、パブコメをしっかりと生かして、今後の実施段階で丁寧にそれを取り込んでいってほしいという御指摘だったと思います。そこはしっかりやっていきたいと思ってございます。

 あと、まさに消費者にきちんと情報を伝える、とりわけ市町村回収と自主回収といろいろなルートがあること、これが消費者にしっかりと分かるように伝わるようにということ、縦割りにならないようにという御指摘があったかと思います。こういったところもしっかりと工夫しながら、消費者の皆様にしっかり御理解いただける仕組みとして、スムーズに流れる仕組みにしていきたいと思ってございます。

 それから、崎田委員から3点目として、促進型の法体系としてというお話をいただきました。非常にありがたいお話だと思ってございます。まさに湊元委員から最後、中小企業の今置かれている状況というお話もございました。また、既存の容リ法等々との関係もございます。こういったところとうまくしっかりと連携してスムーズにつながるような仕組みとしつつ、こういう事業者、自治体、消費者の先進的な取組がどんどん加速していくような促進型の仕組みとして、しっかりと考えていきたいと思ってございます。

 それから、森口委員から、まさに熱回収のところでも賛否両論の御意見はあるよねという御指摘だったと思います。2050年ネットゼロというところを見据えながら、またその中で、廃プラで代替される元の素材というところも脱炭素が進んでいく。そういう中でCO2削減効果といったところもまた状況が変わってくるというのも勘案しながらというお話だったと思います。おっしゃるとおりだと思っていまして、2050年に向けて様々な諸環境が変わってくるということだと思いますし、プラ循環にしても、サーキュラー・エコノミーにしても、一足飛びに理想の姿になっていく世界ではございません。あくまでやはりトランジションだと思っていますし、そのトランジションの過程でいろいろな諸条件が変わってくる中で、適時適切に見直しながら、最適なベストミックスというところをしっかりと我々としても考えていきたいと思ってございます。

 私からは以上になります。

○細田座長  ありがとうございました。では、続いて、環境省・平尾さん、どうでしょぅか。

○平尾室長  御説明申し上げます。崎田委員から、制度化で先進的な取組がしっかり進むようにという話、今、横手課長からもコメントがありましたけれども、柳田委員の話にもありましたように先進的な取組をやろうという動きがたくさんございます。そういった取組が進むような仕組みをしっかりと構築していきたいと考えておりますし、その中にありましては、森口先生や崎田委員からもありましたように、パブコメをしっかり生かすといったことは当然必要になってくると考えてございます。その中で、消費者への理解の促進といったこと、これは森口委員の縦割りにならないように分かりやすく発信していくということにもつながっていると思いますけれども、実際にやる方が迷わないようにといった視点を持ってしっかりとやっていきたいと思っております。

 森口委員から指摘があった分別収集の、あるいは事業者の自主回収のところについては、分別回収と事業者の自主回収を一体的に推進するという方向性もうたっていただいておりますので、そういったことが進むようにしっかりと配慮してまいりたいと思います。

 あるいは、今申し上げた分別収集の局面、巨大な現場が動いておりますし、湊元委員からも現場の配慮をしっかりというようなことでございまして、まさに現場の動きをしっかりと進めていく。横手課長からトランジションという話がありましたけれども、そういった巨大な現場をトランジションさせていく視点を持って、着実に足元の動きが進むようにと考えてございます。

 その中で、森口委員から1つ具体的な御質問がございまして、バイオマスプラスチックの熱回収との関係もありますけれども、衛生利用との関係でございます。これは参考資料5についているロードマップの、ちょっと具体的に申し上げますと14ページの上のほうのところでまさしくその点を議論したところでございまして、バイオマスプラスチックを焼却した際に排出される温室効果ガスはカーボンニュートラルが期待されるというところで、エッセンシャルなところを含めて、燃やさざるを得ない用途に対して積極的にバイオマスプラスチックを導入していくといった方向性を示させていただいているところでございます。トランジションの話と森口委員から御指摘のあった長期的な方向性も、それぞれの状況の変化に応じて、あらかじめ先を見越した取組が進むように政府としても取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、次に参りたいと思います。髙村委員、いかがでございましょう。

○髙村委員  ありがとうございます。まず、取りまとめについては、パブコメを踏まえてまとめていただいた内容に異論はございません。パブコメに非常に貴重な御意見をいただいていると思っていまして、これから戦略を具体化していく際にこれらの意見を踏まえて進めていただきたいと思っております。

 その上で、これから次期通常国会向けに法令の用意もというお話も今出ておりましたので、そうした作業の中でぜひ御検討いただきたい点、強調したい点を申し上げたいと思います。

 1つは、2050年カーボンニュートラルという目標を掲げられた後、12月にグリーン成長戦略が出されているかと思います。その中でも資源循環関連の実行計画についても言及、位置づけられていると理解をしていまして、石油起源のプラスチックに関してもそこでは当然対象になってくるという理解をしております。それも踏まえて、グリーン成長戦略は非常に重要だと思っていますのは、やはりこうした気候変動、あるいは環境対策を積極的に取ることで、日本の産業構造や社会の変革をもたらし、次の世代の産業構造、経済構造をつくっていくという考え方が非常に明確に示されている点だと思います。その中でも書かれているように、そういう新しい産業や経済をつくっていく、それをリードする民間企業をしっかり政府が応援する、そして、その応援というのはチャレンジをする民間企業がチャレンジしやすい、あるいはチャレンジが報われる市場環境、制度を作っていくということが重要だと思っております。

 その観点から、恐らくサステナブル・ファイナンス、今日御紹介いただいた対話ガイダンスも作られていると思います。その意味で、こうしたガイダンスが広まっていくことを期待しております。

 さらに、今回の戦略の中で、ぜひ民間企業が挑戦しやすく、挑戦が報われる環境という点でいきますと、やはりこうした挑戦をする、つまり石油起源のプラスチックから転換していく、そうした取組をしっかり支えるグリーン需要の市場をつくっていくということが非常に大事だと思っております。これは政府調達、公共調達が1つの方策として示されておりますけれども、今回の戦略の中にも明確に位置づけてくださっている、やはり環境配慮設計を明確に示して、そうした製品が市場でしっかり評価をされる基盤というのを国でつくっていただくということが非常に重要だと思っております。

 2点目は、バイオマスプラスチックの導入ロードマップについて、これは前回だと思いますけれども、非常に期待をしているゆえに、それがしっかりとした環境社会配慮を反映するものであっていただきたいということを申し上げたかと思います。今回、ロードマップの中に、やはり様々な観点から持続可能性を確認したバイオマスプラスチックということを明確に打ち出していただいているのは大変ありがたいと思っております。これはこうした分野にやはり民間の投融資がしっかり誘導されるという観点からも重要だと思っております。

 といいますのは、サステナブル・ファイナンスの分野で今、グリーンボンドなどの原則を策定している国際資本市場協会、ICMAのほうから、クライメート・トランジション・ファイナンスのガイダンス、ハンドブックが出ておりますけれども、その中では当然、気候変動の分野でのトランジションの方策と方向性、施策と方策と共に、関連する負の外部効果ですとかSDGsに寄与するような戦略の開示、あるいは社会的側面についてもしっかり盛り込んで開示をするということが望ましい方向性として示されています。これは国際的な方向、1つの大きなガイダンスと考えておりまして、その意味でも今回のロードマップの中にしっかり入れ込まれているということが重要だと思います。

 他方で、これを実際にどう確認し確保していくかというところについても、さらに国のほうでの検討をお願いしたいと思っております。燃料に関しては既に経産省さん、資源エネ庁さんのところで議論がございますし、バイオマスの航空燃料に関しても、国際的に国交省さんが所管されている国際民間航空機関のところでもございます。その意味で、持続可能なバイオマス利用についてしっかりどう定義、評価し確保するか。省庁間の連携の中でより明確な方向性と確保する方策について議論をいただきたいと思っております。

 最後は、先ほどありました次期通常国会に向けて法令を検討されているということでありました。大塚委員からもありましたように、既存法との関係については明快、明瞭なものにしていただきたいとともに、今申し上げましたグリーン需要創出の方策、あるいは環境社会配慮といったものを踏まえた代替素材の促進といった点については、法令の準備とともに並行して作業を進めていただきたいと希望いたします。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。次、大熊委員、宮澤委員、長谷川委員の順番で参りたいと思います。大熊委員、どうぞ。

○大熊委員  ありがとうございます。大熊でございます。よろしくお願いいたします。

 私からは、このあり方の中で製品プラの一括回収について位置づけをされたということで、これは非常に重要なことだと思っております。自治体としてもこれは取り組んでいく重点項目だと思ってございます。これによってリサイクルの量も増えますし、環境負荷の低減につながるものだと思っております。

 そこの中で、これに関連して3点ほどコメントさせていただきます。1点目が、中間処理の一体化によりまして合理化を図るということが明示されておりますけれども、前回も申し上げましたが、各市町村内にリサイクラーがあるといった市町村はほとんどございません。そうなりますと、中継施設を設置しなければいけないということが必要になってきます。また、その中でも、輸送のためにこれを合理化するためには、減量化のための結束という作業も必要になってございます。さらには、回収量も増えてまいりますので、そういった中継施設も増設する必要があるといったことで、やはり中間処理がなくなっても中継処理施設が必要でありますし、維持管理するための費用もばかにならない、相当かかると認識しておりますので、国におかれましてはその点の配慮をお願いしたいということが1点目。

 2点目は、焼却に関する発電に関してでございますけれども、燃やすごみから非常にカロリーの高いプラスチックが分別回収によってどんどん抜けてくるということになりますと、当然発電量も低下いたします。そうしますと、売電量も低下することによって、都市によっては年間で数億から十数億の減収となるというような試算をしている都市もございます。そういった意味では、分別収集を進めることによって財政的に非常に厳しくなるといったような現象も当然予想されることでございますので、これについてもやはり配慮をお願いしたいということであります。

 もう一点目は、それに関連して自治体がこの分別回収を進めるに当たっては、やはりLCA的な評価、CO2の削減効果が分別リサイクルを進めることによって大きくなるという数字的な根拠が必要なので、お示しを願いたいということで、この間お願いしていましたけれども、説明はなかったのですが、資料7の23、24ページに、今回LCAの評価ということで分別収集と焼却による発電の比較をしていただきました。これによって数字的にも分別リサイクルしていくことがCO2の削減効果が非常に高いということが示されております。ただ、この内容をよく見てみますと、やはり全国平均という数字を使ったりしていますので、今非常に発電の効率なども高くなってきています。それぞれの自治体でこの数字に当てはまるかというと、そうでないところもあると思います。考え方はこれでいいと思うのですけれども、市民啓発に使っていく肝の数字だと思いますので、ぜひ自治体や市民に分かりやすく説明をお願いしたいと思っております。

 私からは以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。それでは、宮澤委員、よろしくお願い申し上げます。

○宮澤委員  東京都・宮澤でございます。よろしくお願いいたします。

 最終取りまとめ案でお示しいただきました施策の方向性につきましては賛同するものでございますが、3点につきまして発言させていただきます。

 まず1点目は、リデュース、リユースについてでございます。環境配慮設計の指針ですとか容器包装、製品の使用の合理化などが盛り込まれましたけれども、今後につきましては、2050年カーボンニュートラルに向けまして、プラスチック以外の素材も含めて、リデュース、リユースの推進が極めて重要になってくると考えております。引き続き実効性ある対策の強化をお願い申し上げます。

 2点目は、区市町村、事業者による分別回収についてでございます。プラスチック資源の循環利用に向けましては、事業者、自治体、消費者など関係者の連携が重要との見解はそのとおりだと考えておりまして、とりわけ自治体の取組と住民の理解、協力が欠かせないと考えております。今回、自治体の取組状況に応じたインセンティブといたしまして、循環型社会形成推進交付金の要件とするということが初めて、パブリックコメントの回答でお示しいただきました。一方、いまだプラ製容器包装の分別収集ですとか家庭ごみの有料化の導入を検討中の自治体もあるというのが現状だと思います。そこで、プラ製容器包装、製品は、プラスチック資源として分別回収をし、適正にリサイクルすることが2050年CO2実質ゼロの実現やSDGsの推進に寄与する自治体の資源循環分野の施策として不可欠であるというメッセージを明確に示すことが有効と考えております。また、循環交付金の新たな仕組みの導入に当たりましては、一定の検討期間をいただきつつも、こうした自治体が導入を検討する際の分かりやすい目安ともなりますよう、できるだけ早く要綱などの御提示をお願いできればと考えております。

 3点目、最後でございます。7ページに、動脈から静脈にわたる幅広いリサイクル・資源循環関連産業の高度化に向けました資源循環関連技術の開発ですとか、優れた技術の社会実装に向けたインフラの整備等を支援すると書き込んでいただきましたこと、大変重要と考えております。関係する業界団体からは、プラスチックの一括回収等高度リサイクルを視野に入れた新たな施設整備の可能性につきまして検討を開始している中間処理またはリサイクル事業者が相当数おられると伺っております。コロナ禍後の社会経済情勢ですとかバーゼル条約発効後の輸出状況などの市場動向を見ながらの検討が必要とは考えますけれども、東京都といたしましても、都内でのリサイクル、廃棄物処理インフラの整備ですとか、各方面で開発が進められております様々な革新的リサイクル技術の実装に向けて、幅広い分野の企業の皆様と連携しながら議論を深めていきたいと考えております。取りまとめの中で既に言及いただいておりますが、先進的な技術の導入や施設整備に向けまして、事業者に対する支援をぜひともお願い申し上げたいと思います。

 以上3点でございます。ありがとうございました。

○細田座長  どうもありがとうございました。それでは、長谷川委員、よろしくお願い申し上げます。

○長谷川委員  まず、「今後のプラスチック循環施策のあり方」に関して、これまでの議論やパブリックコメントを踏まえた取りまとめをいただきまして、酒井委員長、細田座長、事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。取りまとめの案は今後の施策の方向性を示すものとして大変よく整理されていると理解しております。本取りまとめをベースに、経済界としても実効あるプラスチック資源循環に取り組んでまいりたいと考えております。

 今後の政省令をはじめとする詳細の制度設計につきましては、この取りまとめを基に検討されると承知しております。事業者から排出されるプラスチック資源の回収、リサイクルの取組に関しましては、引き続き各社が自主的な取組を一層推進できるよう、事業者の意見にも御配慮いただきながら実効ある制度設計をお願いしたいと考えております。

 また、事業者のみならず、自治体や消費者が一体となった新たな取組といたしまして、プラスチック製容器包装とその他プラスチック製品の一括回収、リサイクルや選別工程の一体的な運用が予定されていると考えております。コストの低減とリサイクルの質の担保がなされた形で制度の運用がなされることを期待したいと考えております。

 それから、御説明のありました開示・対話ガイダンスでございますけれども、このガイダンスの作成に当たりましては、検討会のメンバーとして議論に参加させていただきました。横手課長から御説明がありましたように、事業者の取組が非常に多様な中で、サーキュラー・エコノミーへの移行に伴うリスクのみならず機会もうまく捉えていただいて取りまとめをしていただいたことに感謝申し上げたいと思っております。発行体と投資家が対話を通じて、より高い水準の取組を行っていくということは非常に重要だと思っておりまして、幅広い企業へのガイダンスの普及に向けまして、経団連としても協力させていただきたいと思っております。また、サーキュラー・エコノミーは世界的な潮流ということでございまして、日本企業の取組がグローバルに適切に評価されますよう、内外の投資家、機関投資家、金融機関に向けて積極的な発信をお願いできればと思っております。

 サーキュラー・エコノミーに関しましては先般、小泉大臣と経団連の幹部が会談を行いまして、循環経済の一層の取組に向けまして、官民連携による循環経済パートナーシップの立ち上げに合意したところでございます。環境省、経産省と連携しながら、経団連としても一層の取組を推進していきたいと考えております。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。次に、青野委員、御発言よろしくお願い申し上げます。

○青野委員  大阪市の青野でございます。お世話になっております。

 最後になりますけれども、私から、特に内容についてということではございません。関係者の方々の御協力によりまして、非常に幅広い観点から取りまとめをいただいたことにお礼を申し上げたいと思っております。自治体といたしましても、この内容に沿った、実効性の上がるような取組を精力的に進めてまいりたいと思っておりますので、引き続き、関係者の皆様方の御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。

 それでは、ここで一旦、大体一巡しましたか。事務局より御回答をよろしくお願い申し上げます。まず、経済産業省・横手さん、よろしくお願いします。

○横手課長  ありがとうございます。髙村委員、大熊委員、宮澤委員、長谷川委員、青野委員、本当にありがとうございました。本当に事業者の方々、自治体の方々から今回の取りまとめについて御評価いただくとともに、しっかりと取り組んでいきたいというお言葉もいただいたということで、我々も大変心強く思ってございます。

 その上で、髙村委員から、まさに事業者がチャレンジしやすい、そして報われる環境整備ということで、グリーン需要の市場づくりという御指摘がございました。まさにここ、昔からの難しい問題ではありますけれども、課題として存在している部分でございます。今回、修正ポイントとして「認証等も活用しながら」などもあり方の紙に追記させていただきましたけれども、そういったものもしっかりと考えていきながら、こういう環境配慮型の製品が評価されるような環境を経産省としてもしっかりと環境省と一緒につくり上げていきたいと思ってございます。

 それから、今後の制度設計に当たって、既存法との関係をしっかりと明確にと、そのとおりだと思っていますし、並行的にやれることは進めてねというところも御指摘のとおりだと思います。しっかりとやっていきたいと思ってございます。

 大熊委員から御指摘のありました自治体関係のお話は、環境省さんから御回答があるかなと思ってございますが、LCAのところ、すみません、参考資料の追加した部分は説明を割愛させていただきましたけれども、今回、これはJaIMEさんがまとめられたデータです。自治体の発電焼却のみならず、様々なマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、それから様々な熱回収、こういったものを総合的にそれぞれ評価してデータ化しているものでございます。ただ、これについても先ほど森口委員から御指摘がありましたように、今後の状況次第ではそれぞれのCO2削減効果というのも変わってくると思っていますので、こういったものも順次、JaIMEさんなどともまた連携しながらアップデートしながら、ぜひ自治体、それから消費者の皆様にも分かりやすく発信していけるように、我々としても考えていきたいと思ってございます。

 宮澤委員から、まず1点目として、プラスチック以外もしっかりとリデュース、リユースを進めて、2050年カーボンニュートラルにつながるように取り組んでほしいと。まさにそのとおりだと思ってございます。我々も循環経済ビジョンを取りまとめましたけれども、やはりそうした中で、プラスチック以外の素材についてもまだまだ課題はあると思っておりますので、そういったものについても今後しっかりと具体化していきたいと思ってございます。それから、技術、インフラの整備というところも環境省と連携してしっかりとやっていきたいと思ってございます。

 長谷川委員から、今後の制度設計に当たって、事業者からの意見をしっかり聞いて、取り組みやすい実効的なものにしてほしいという点、それから一括回収に当たって、ちゃんと質が確保される形でやってほしいという御指摘がございました。しっかりこういったところも配慮しながら進めていきたいと思ってございます。

 それから、ガイダンスに関しまして、経団連としても普及に努めていただけるというところ、本当にありがたく思ってございます。日本の3R、それから循環の取組は決して世界に負けていないと思ってございます。これがしっかりとグローバルに評価されるように、我々としても情報発信を一緒にやっていきたいと思ってございます。

 以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。それでは、環境省・平尾さん、どうでしょう。

○平尾室長  続いて、環境省から御説明申し上げます。髙村委員から、グリーン成長戦略も御紹介いただきながら、環境の投資が進んでいく基盤の整備の重要性を御指摘いただきました。まさしくそのとおりだと思っておりまして、巨大な投資が要る分野だと思っておりますし、だからこそファイナンスのガイダンスを作っていったというようなところもお見込みのとおりでございますので、そういったものをしっかりと活用して、民間の投資が進むように予見可能性を持ってというところもあります。横手課長からも言及がありましたように、認証の話もございますけれども、市場でしっかりと評価されていく基盤をしっかりと優遇していきたいと考えてございます。

 それから、バイオの関係で、燃料の状況も御紹介いただきながら、持続可能性のところの御指摘をいただきました。ライフサイクル全体の持続可能性といったところはまさしく非常に重要なところだと考えておりまして、バイオマス燃料の持続可能性に関する検討状況といったものも参考にしながら、確認方法を原料のほうもしっかり検討していきたいと考えてございます。

 それから、既存法との関係をしっかり整理していくといったところも非常に重要だと考えてございます。

 大熊委員から、一括回収のところに関係して、中継地点の御指摘がございましたけれども、そういった立地の関係、地域の特性、いろいろあると承知もしておりますので、これまでどおり引き続きしっかりと施設整備の支援を考えていきたいと考えてございます。

 あるいは、民間に委託するような場合に、民間に対する補助金も予算措置として用意してございますので、そういったものもしっかり活用いただければと考えてございます。

 それから、LCA的な話として、今、横手課長からも言及がありましたし、先ほど森口先生からも言及がありましたけれども、今回、参考資料の23ページのほうに示させていただいております。いろいろな場合がございますけれども、リサイクルのルートということで、ざっと2倍以上といったところをお示しさせていただいております。発電効率の話もございましたけれども、これもまた森口委員の指摘にもございますが、長期的に考えてみると、再生可能エネルギーの導入が進んでいくと、焼却発電のCO2削減効果が下がっていくといったところもございます。そういったところも加味して長期的に取組が進むようにといったところは間違えないようにしたいというようなメッセージも込めて、しっかり説明していきたいと考えてございます。

 他方で、焼却発電の関係で売電収入の話がございましたけれども、それもリアリティーとしてあると考えてございますので、そういったリアリティーにしっかり対応できるように、分別収集をやっていくところがしっかりと取り組んでいけるといったところの取組は、引き続き一緒になって考えていきたいと思っておりますし、一緒になって進めていきたいと考えてございます。

 それから、宮澤委員からも同様に、特に交付金の関係で御指摘がございました。これは先ほど申し上げた長期的な視点がまさしく必要になる分野ですので、こういった方向性を出させていただいております。導入に当たっては丁寧な説明をしっかりやっていきたいと思いますし、地域の実情、これまで積み上げてきた計画との関係、周知期間等々いろいろございますので、そこは丁寧にやっていきたいと思ってございます。

 それから、リデュースやリユースの取組、あるいはその技術、インフラの整備といったところもまた先進的な取組を生かしていくといったことに関わってこようかと思います。長谷川委員からも御指摘がございましたけれども、環境省と経団連さんで循環経済のパートナーシップというのを結ばせていただいたのも、そういう観点も入れたものでございまして、当然、オン・ザ・グラウンドの取組として、自治体、あるいは一消費者の取組も非常に重要になってこようかと考えてございます。そういったいろいろなレベルの取組があっていいと思っていますし、むしろあるべきだと考えてございます。国際的な発信、世界経済フォーラムとの関係もございますので、いろいろな機会を生かして、しっかりと運営をしていきたい、あるいはアピールをしていきたいと考えてございます。これがESGの試行ということを考えますと、アピールポイントにもなっていくかなと考えてございます。

 それから、詳細な制度設計を今後しっかりとというような御指摘も長谷川委員からございました。そのとおりだと思っておりますので、実施段階で丁寧にやっていく、パブコメの意見を丁寧に踏まえるといった御指摘もございました。そういったところを踏まえてやっていきたいと思っております。青野委員からも、実際の取組の実効性が上がるようにという御指摘がございました。宮澤委員からもありましたけれども、そういったところを全部踏まえた、実施に向けた取組も丁寧に考えていきたいと思います。ありがとうございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 これでどうでしょう、一通り皆様から発言を頂戴して、時間も大分たってまいりましたが、よろしゅうございますか。それでは、一巡いただきましたので、酒井委員長より御発言を賜りたいと思いますが、酒井先生、いかがでございましょう。

○酒井委員長  細田先生、どうもありがとうございます。今日、聞かせていただきまして、細田座長とこのあり方を取りまとめることが仮にできますれば、今後、政府としての着実な制度設計、そして政策展開をお願いしたいと思っています。今日、特に参考資料6の全体像というところについての異論も出てまいりませんでしたので、この方向でしっかりとした制度設計をしていただけるのではないかと理解をしております。

 その中で、本日の多くの委員の意見の中で、貴重なパブコメ意見を相当多くいただいたという印象を発言いただいております。全く同感でして、その中でも森口委員からは、パブコメに対する意見に対する考え方ということで、両省、今回相当丁寧に書き込んでおられるという見解もありました。ここも全く同感でして、今後の制度展開の中で、採用できる意見も相当数あると意識しています。ぜひこの辺を十分に頭に置きながら、今後検討を進めていただきたいと思っております。

 今後も何より実装、実現が重要ですが、今日いただいた御意見の中では、特に日化協の坂田委員からは具体的目標も含めて宣言がございました。また、経団連からは小泉大臣との意見交換の中でパートナーシップ立ち上げという御紹介もございました。また、本日、東京都の宮澤委員、そして大阪市の青野委員からは、自治体としての力強い意思表明もございました。こういったところでの今後の実現、そして実装を非常に期待しているところでございます。

 さて、今回の議論を8回お付き合いさせていただきまして、最近よく耳にいたしますのが、世界経済フォーラムという話もございましたが、グレートリセットという展開の言葉がよく掲げられております。個人的には、今回の議論はある意味、素材のグレートリセットという側面を持っていると認識しています。これは日本のみならず世界共通の課題になってきているとの理解もあります。そういった方向の中で、今回の取りまとめは、そういう意味で極めて大きなシステムで、かつ多様な用途を念頭に置き、そして今後の時系列的な対応の難しさも抱えた問題と思っています。そうした意味では、このグレートリセット後、やはり様々な揺らぎは起こり得る、そういう課題であろうという認識でおります。そういう揺らぎをしっかりと乗り越えていける、ある意味基本原則ということでの3R+Renewableというところは、変わらず念頭に置くことができると思いますので、ぜひ共に進めさせていただければと思っております。

 8回の審議、それに加えて委員間の議論も相当多くさせていただきました。その点について、環境省側の座長として深く御礼申し上げます。細田座長、どうもありがとうございました。

○細田座長  酒井委員長、どうもありがとうございました。それでは、私から、これで最後ということで、まとめさせて、私なりの意見をここで若干述べさせていただきます。

 本当にパブリックコメントでは、もちろん意見の違ったコメントがあるのは当然のことで、我々はこの多様性をやはり大事にしたいなと思っております。いろいろな多様な意見があるので、先ほどどなたかからありましたけれども、これからやはり状況が変わるので、その多様性を大事にしながら、いろいろな意見をこれから集約して生かしていくということが大事だと思います。それで、それを考えながら、3点簡単に申し上げたいと思います。

 1番目は、佐藤委員からも御指摘、前々から石川委員も御指摘がありましたけれども、プラスチックという、従来の使用済み製品とは異なって、サプライチェーンを縦方向に追っていけばつながるというものではなくて、いろいろなところに横断的に入り込んでいる。これをどうやって発生を回避し、ないしリユース、リサイクル、3Rに持っていくかということが非常に難しいとともに、非常に柔軟な取組を必要としているということだと思います。

 そして、これは皆さんから御指摘がありましたけれども、事業者間、事業者と自治体、あるいはNGOが入ってもいいと思うのですが、いろいろな方々のパートナーシップ――SDGsの17番目ですね――これをやはり形成していく必要がある。市場経済だけではできないものを補完する機能をやはり連携、協力というところに持っていきたい。そのときには、これは皆さんから御指摘がありましたけれども、健全な動機づけ、これは単にファイナンシャルだけではなくて、制度的な面、あるいは政府、自治体からの省令とか、いろいろな形のものがあっていいと思うのです。それの全体をまとめた制度設計という言葉を酒井委員長からいただきました。この制度設計を行う案を受けて、きっちり進めていくということが、本当に本質的なことになるのだと思います。

 2点目は、制度設計をするときにとても重要になるのは、これも皆さんから御指摘があった、情報の受発信をなるべく正確にしていく。なかなか情報というのは非常に難しい。分かりやすい必要があります。ただし、あまりにも分かりやすくしてしまうと、それが人々の行動を誤りに導いて、実はそれをやったって、ミクロ的にはいいかもしれないけれども、経済全体、社会全体では、それって玉突きで悪くなってしまうのではないのということもあると思うのです。脱プラということを進めていって、それでは、容器を重いものにして、結局輸送運搬でCO2の排出が増えてしまったということでは意味がないわけです。だから、その場合、情報をどうやってつかんでいくか、情報をどうやって受発信するか。分かりやすさは必要だけれども、それがまた人々の行動を間違えないように、うまく発信していくということが重要だと思います。

 それで、その問題と関連して、今回はプラスチックの資源循環の問題でしたが、やはりこれは日本の、あるいは世界の資源循環の全体の問題になると思うのです。プラスチックは減らしたけれどもほかのものが増えてしまったとか、また違った素材が出てしまって、別ルートで収集運搬をやらなければならない。結局コストがかかってしまったということになっても困ります。また、今の状況の中でコロナ、今度アフターコロナになっていくと思いますけれども、全体的に見た中で、何をどう減らしていくのか。プラスチックの役割は一体何なのかということを全体で見ていく。そのときに、アフターコロナを言い訳にしてはいけないと思います。コロナだから仕方がないのではなくて、アフターコロナでも、アフターコロナにもかかわらず、コロナがあっても、やはり廃棄物の処理の優先順位、一番初めは発生回避、そしてリユース、あるいはリユースの準備、それからリサイクル、これをマテリアル、ケミカル、熱回収、そして、しようがない場合は適正処理という順番を、コロナにもかかわらずしっかり守っていくという方向で制度設計をぜひ進めていただきたいと思います。これが私のコメントでございます。

 それで、本日は、関係者の皆様方から貴重な御意見と活発な御議論を賜りました。今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)でございますが、本日、皆様方の御意見を賜った場合、これからどうするか、制度設計、あるいは運用をどうするか、動機づけをどうするか、連携、協力をどうするかということで、この案を基にして進めていくという方向の議論であったと承っておりますので、本案の内容で今後のプラスチック資源循環施策のあり方についてセットしてまいりたいと思いますが、それでよろしゅうございますでしょうか。

     (「異議なし」の声あり)

 どうもありがとうございました。それでは、そのような方向で進めさせていただきます。ありがとうございました。

 それでは、時間も参りましたので、事務局にお返しいたしたいと思います。事務局のほう、よろしくお願い申し上げます。

○横手課長  ありがとうございます。本日は、大変有意義かつ活発な御議論をいただきまして、本当にありがとうございました。今し方、細田座長からもありましたとおり、この施策のあり方につきましては、本案の内容でセットとさせていただきたいと思います。今回の方針を踏まえまして、通常国会の法案提出も含めて、必要な対応をしっかりと具体化してまいりたいと思っております。

 また、本日の議事録は、委員の皆様に御確認いただいた後、両省のウェブサイトに掲載する予定ですので、また御確認のほうよろしくお願いします。

 それでは、これまで8回にわたる御議論のほど、誠にありがとうございました。最後に、両省から皆様に御挨拶を申し上げたいと思います。まず、経済産業省から          申し上げたいと思います。

○矢作審議官  経済産業省で環境問題担当の審議官をしています矢作でございます。

 プラスチック資源循環戦略の具体化に向けまして、昨年の5月から8回にわたって精力的に御審議をいただき、施策のあり方について取りまとめていただきました。細田先生、酒井先生をはじめといたしまして、委員の皆様方には改めて感謝申し上げたいと思います。

 プラスチック資源循環の問題は、多様な関係者が全員野球で取り組んでいかなければいけない問題だと考えております。この点、産業界や自治体をはじめとして、様々なステークホルダーによりまして率先した取組が着実に進んでいるということは大変心強いと思ってございます。今回お示しいただきました方向性に沿って、速やかに制度として具体化を進めていくということで、こうした取組を一層後押ししていきたいと考えてございます。

 また、今、世界では気候変動問題にも関連しまして、サーキュラー・エコノミーの議論というのは大変高まりを見せているわけでございます。プラスチック資源循環の推進は、我が国のサーキュラー・エコノミーに向けた第一歩といたしまして、環境省とか関係省庁と連携して、しっかりと実践していきたいと考えてございます。

 また、今日の議論で委員の方からグリーン成長戦略についても御発言がございましたけれども、そういったことも含めまして、経済産業省としてもしっかりと成長と環境の好循環を実現していきたいと思ってございます。本日は本当にありがとうございました。

○横手課長  続きまして、環境省より松澤次長、お願いいたします。

○松澤次長  環境省の再生・資源循環局次長の松澤でございます。

 環境審議会、産業構造審議会の委員の皆様、環境省からも、皆様の審議でいろいろ積極的に御意見を出していただきまして、取りまとめに至れたわけでございますので、誠にありがとうございました。また、ウェブ形式となった中で初めての試みだったように思いますが、酒井委員、細田委員、両座長、取りまとめの御指導、誠にありがとうございました。この取りまとめを基に、私ども環境省も経済産業省と一緒にこの通常国会に法案を提出できるように準備を進めてまいりたいと思います。また、その後、プラスチック資源循環戦略を実際に世の中に実装していくという段階を今後10年間、あるいはその先の10年間ということで取り組んでいく必要があると思いますので、それに当たっては、今日、委員の皆様がほぼ言っておられたかと思いますが、パブリックコメントで出てきた様々な多様な御意見、知恵といったところをしっかり踏まえていきたいと思います。

 また、何人かの先生方からパートナーシップ、あるいはこれまでプラスチックリサイクルに取り組んできた、それぞれのプレーヤーの皆さんとの連携といいますか、製造、流通、自治体、消費者、それからリサイクル事業者、再生材の利用事業者、こういう方々が今、プラスチックのリサイクルのインフラをつくっていただいています。これをしっかり今後、3R+Renewableという基本理念の下で、世界の潮流に、ぶれることなく、サーキュラー・エコノミーですとかカーボンニュートラル、こういうものに向かってしっかり拡大をしていきたいと思っておりますので、引き続き両審議会の委員の皆様方には御指導を賜れればと思っております。本日も誠にありがとうございました。

○横手課長  それでは、以上をもちまして本合同会議を閉会いたします。ありがとうございました。

(了)