産業構造審議会産業技術環境分科会資源循環経済小委員会自動車リサイクルWG中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会 第58回合同会議 議事録

開催日時

令和6年1月26日(金)15時02分~17時10分

開催方式

Web会議

議題

  1. 自動車リサイクル法の施行状況について
  2. 自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況について
  3. その他

議事録

○坂口補佐 それでは、定刻になりましたので、これより産業構造審議会産業技術環境分科会資源循環経済小委員会自動車リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第58回合同会議を開催いたします。環境省側事務局のリサイクル推進室の坂口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、開催に当たり、事務的な事項をご案内、ご報告申し上げます。本合同会議は、両審議会を合わせまして、23名の委員及び4名のオブザーバーで構成されております。本日は、21名の委員及び3名のオブザーバーにオンラインにてご出席いただいております。産業構造審議会自動車リサイクルワーキングについては、8名の委員にご出席いただいており、定足数である過半数に達していることを報告いたします。なお、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては、定足数の規定はございません。
 続きまして、委員の構成変更及び出欠について報告いたします。
 まず、産業構造審議会におきまして、東京大学大学院教授の村上座長に代わりまして、東海大学教授の山本座長が着任されております。また、日刊工業新聞社の赤穂委員に代わりまして、同社の鈴木委員が着任されております。また、新たに日本中古自動車販売協会連合会の山内オブザーバーが着任されております。
 中央環境審議会におきまして、川崎市廃棄物指導課長の井上委員に代わりまして入江委員が、全国自治団体労働組合副中央執行委員長の藤森委員に代わりまして木村委員が、三重県廃棄物対策局次長の尾邊委員に代わりまして中島委員がそれぞれ着任されております。また、芝浦工業大学教授の袖野委員、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会環境委員会委員長の根村委員に新たに就任いただいております。
 続いて、出欠についてご報告をいたします。日本自動車工業会の大津委員、日本自動車販売協会連合会の荒居オブザーバー、京都大学の井上委員からご欠席の連絡をいただいております。
 続いて、事務局側にも変更がございますので、ご紹介をいたします。
○角田補佐 製造産業局自動車課自動車リサイクル室長の原が着任し、本日出席をしております。
○坂口補佐 それでは、事務局を代表いたしまして、環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課長の松田より一言ご挨拶を申し上げます。
○松田課長 ただいま紹介に預かりました環境省廃棄物規制課長の松田です。
 本日、委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 資源循環に関連しまして、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組がいろいろな分野で加速化しております。昨年10月に岸田総理から、サーキュラーエコノミーの取組の強化の指示がございまして、現在見直しの議論を行っている循環基本計画においても、循環経済の立法が位置付けられる方向で議論が進んでおります。
 そして、自動車リサイクルに関しての大きな動きとして、昨年7月に欧州で、再生プラスチック最低含有率の義務化などが盛り込まれた自動車設計の循環性要件、廃自動車管理に関する規則案が公表されています。これらの動きは、日本の自動車メーカーにとっても非常に影響の大きな環境変化と認識しております。
 これらの変化に対応するためには、産官学が一体となって取組を進める必要があると考えておりまして、環境省においても経済産業省とともに連携しながら、必要な取組を検討していきたいというふうに思います。
 自動車リサイクル制度につきましては、令和3年7月に法施行15年後の評価・検討に関する報告書を取りまとめていただいております。報告書に示されているとおり、制度としては順調に機能しているところではあるのですけども、今後カーボンニュートラルや車の使い方の変革、海外の動向等への対応、こういった問題に向き合っていく必要があるというふうに考えます。
 本日は、この報告書を踏まえた進捗状況と各団体の皆様による様々な取組について、報告させていただければと思います。委員の皆様には、ぜひ忌憚のないご意見をいただければと思います。
○坂口補佐 引き続いて、配付資料の確認をいたします。
 配付資料につきましては、事前にご案内いたしました経済産業省・環境省ホームページにて掲載しております。資料は1から8、参考資料は1から4がございます。
 また、本日はwebexの審議会となりますが、基本的に発言をされる場合を除きマイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしていただければと思いますが、ご発言の際には、ビデオもオンにしてご発言いただければと思います。なお、本会議はYouTubeによるライブ配信をさせていただいております。
 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
 これ以降の議事進行については、酒井座長にお願いいたします。
○酒井座長 中央環境審議会のほうの自動車リサイクル専門委員会の座長を仰せつかっている酒井でございます。本年度は、環境省側が事務局ということで、本日の進行を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、本日の議題は、資料1の議事次第のとおり、自動車リサイクル法の施行状況について、それから自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況についての報告ということになっております。
 まず、資料の3と4に基づきまして、事務局のほうから自動車リサイクル法の施行状況及び自動車リサイクル制度の各種取組状況についての説明をしていただきます。その後、続けまして公益財団法人自動車リサイクル促進センター、JARCから同センターの取組を説明いただきまして、委員の皆様からご意見をいただきたいと考えております。
 それでは、まず事務局から資料3の説明をどうぞよろしくお願いいたします。
○角田補佐 経済産業省自動車課の角田と申します。まず私から、資料3に基づきまして、自動車リサイクル法の施行状況についてご報告したいと思います。
 最初に、2ページ目をご覧いただければと思います。2ページ目が全体の施行状況の概要になってございます。この資料はかなり長くなりますので、ポイントを絞ってご報告したいと思います。
 まず、(1)の関係でございます。再資源化等の実施状況というところでございまして、令和4年度の使用済自動車の引取台数としましては、274万台ということでして、令和3年度の304万台から比べると、減少しているという状況にございます。
 その下、②のところに3品目の引取状況がございますが、それぞれフロン類、エアバッグ類、ASR、これら3品目の引取状況がございますが、これら3品目に関して、それぞれ約240万件という状況で推移しております。引取台数の減少に伴いまして、こちらも減少傾向にあるという状況でございます。
 続きまして、③再資源化の状況でございます。シュレッダーダストが令和4年度の実績で96.4%から97.4%、エアバッグ類が95%という形になっておりまして、法律で定める目標については達成している状況が続いております。
 その下、(2)法律に基づく事業者の登録・許可の状況でございます。引取業者が減少しまして、全体の登録・許可事業者が約3万8,000社というのが現在の状況となっております。
 その下、(3)リサイクル料金の預託状況のところでございます。まず、登録時の預託台数としましては、約439万台ということになっておりまして、こちらは令和3年度は422万台でありましたので、新車販売台数がやや回復したことなどにより、増加しているというところでございます。預託金額も約450億円ということになっておりまして、こちらも令和3年度は405億円でしたので、増加しているという状況でございます。
 その下の②のところが令和4年度末時点での預託台数と預託金額の残高になっておりますが、全体の預託台数としては約8,096万台、預託金額の残高は約8,567億円という形になってございます。
 その右側、③が輸出返還の状況になってございますが、輸出による返還台数は、約129万台という状況でございます。
 その下、(4)不法投棄、不適正保管、離島対策の状況でございます。
 ①不法投棄・不適正保管の車両ですけれども、4,777台ということで、前年度から504台減少しておりまして、同様に100台以上の大規模案件についても、合計4件、759台ということで、前年度から1,000台以上減少しているという状況でございます。
 その下、②離島対策の実績ですが、ここは離島における使用済自動車の本島への輸送費の支援を行っているところでございますが、令和4年度の実績として、約2万4,000台ということでございまして、令和5年度は、約2万8,000台の処理への支援を計画しているところでございます。
 続きまして、3ページ目に移っていただけますでしょうか。使用済自動車の使用年数自体は、令和4年度は16.5年という形で伸びているという状況でございます。
 続きまして、4ページ目でございます。
 ③中古車の販売台数は、新車販売の回復等により減少、④オークション流通台数は、前年度との比較では、増加しているという状況でございます。
 続きまして、8ページ目をご覧いただけますでしょうか。
 ⑤シュレッダーダストの処理状況等、(ア)ASRの引取状況の推移というところですけれども、一番下のASRの再資源化率というところにおいて、熱回収を除いたASRのマテリアルリサイクル率は、令和4年度の状況としては約30%と、令和3年度と比較して微増の状況でございます。
 次に、9ページ目をご覧いただけますでしょうか。
 (エ)自動車由来の最終処分量ですけれども、ASR自体は定期的に処理されておりまして、③埋立施設に直接投入されたASR重量は、令和4年度においても0件になっております。
 下の(オ)全部利用による処理状況のところですけれども、全部利用の件数としては、約15.2万件という状況になってございます。
 続いて、16ページ目まで進めていただけますでしょうか。
 ④特定再資源化預託金等の発生状況でございますけれども、令和4年度においては約17.6億円という形になっております。
 駆け足での報告になりましたが、全体としての状況としては以上になります。
○酒井座長 それでは、続きまして、資料4のリサイクル制度の各種取組状況についての説明を事務局からよろしくお願いいたします。
○角田補佐 それでは、資料4、自動車リサイクル制度をめぐる各種取組状況について、ご報告いたします。
 資料を1枚おめくりいただきますと、目次のページになりますが、資料4では、この6項目をご報告させていただきます。
 まずは、資料4-1、資源回収インセンティブ制度の検討状況について、経済産業省の角田からご報告させていただきます。
 4ページ目に進んでいただきまして、まずは資源回収インセンティブ制度の概要でございます。資源回収インセンティブ制度では、自動車リサイクル法に基づき預託されたリサイクル料金の一部を原資としまして、解体業者や破砕業者が解体自動車などから樹脂やガラスを回収した場合に、ASR引取重量が減量しますので、その結果、ASRの再資源化に要する費用が減額されることから、減額された分をインセンティブとして事業者に付与する制度でございます。
 次のページに行っていただきます。昨年度の審議会でもご報告させていただきましたが、資源回収インセンティブガイドラインの中間取りまとめというものを令和4年3月に策定いたしました。中間取りまとめでは、制度の取組を円滑に進めるというガイドラインの目的や、国や関連事業者の役割分担、制度の原資や対象資源の基本的な考え方、コンソーシアムのパターンといったことについて、整理をさせていただきました。中身を説明している時間がございませんので、今回は目次のみを抜粋させていただきます。
 次のページに進んでいただきまして、今ご説明した内容は、昨年度の審議会でもご報告させていただいたものになりますが、2023年度の取組としては、自動車メーカー、ASRチーム、自動車リサイクルに関連する業界団体、自動車リサイクル促進センターなどとともに、回収素材の対象範囲やシステム構築のための業務フロー、コンソーシアムの形成方法など詳細なルール設計の検討を行ってまいりました。
 2026年4月以降の制度の本格実施に向けて、今後、資源回収インセンティブワーキンググループを開催しまして、インセンティブガイドラインの最終取りまとめ案を2024年度の第1四半期を目途に策定する予定でございます。なお、その際には、中間取りまとめで宿題となっておりましたカーボンニュートラルの観点についても、追記する予定でございます。
 また、事業者が参画しやすい制度とすることが重要でありますので、関係者と連携しまして、自動車リサイクル業者や地方自治体に対しても制度内容の周知を行い、参画事業者の拡大に努めていく予定でございます。
 そのほかインセンティブ制度の根幹となる自動車リサイクルシステムにおけるシステム設計や、円滑な回収スキームの土台となるコンソーシアムの形成・契約に係る手続、制度をさらに良いものとするためのトライアルの実施に向けて、関係者とさらに連携して取組を進めていく予定でございます。
 以上が資料4-1のご報告になります。
○坂口補佐 続きまして、資料の4-2から4-4につきましては、環境省の坂口からご報告させていただきます。
 資料の8ページになりますけれども、自動車リサイクルのカーボンニュートラル及び3Rの推進・質の向上に向けた検討についてになります。自動車リサイクルにおけるカーボンニュートラルの取組については、令和3年度に取りまとめられた評価・検討報告書で、解体・破砕段階で回収される部品・素材等を含め、自動車リサイクルにおける排出実態を把握し、排出削減対策等の施策を講じるよう提言をいただいております。
 環境省では、令和3年度より調査・検討を開始いたしまして、令和4年度からは、有識者、自動車製造・輸入業界、自動車リサイクル関係業界、市民代表の方を含む自動車リサイクルのカーボンニュートラル及び3Rの推進・質の向上に向けた検討会を設置しまして、ASRの削減や資源循環、GHG排出量の削減の観点を踏まえ、調査・検討を行っているところでございます。
 次のページのほうに移らせていただきますが、これまでの取組としまして、令和3年度に自動車リサイクルにおける排出量の算定モデルを暫定的に構築いたしまして、前回の合同会議においてご報告したところです。
 令和4年度からは、関係事業者へのヒアリング調査等を実施いたしまして、解体工程、破砕工程、ASR再資源化工程の温室効果ガス排出量の算定の精緻化を進めるほか、再利用可能部品・素材を再利用・リサイクルした場合における削減効果の試算等を進めているところです。今後、これらの検討結果を踏まえ、自動車リサイクルにおける温室効果ガス排出量削減に向けた方策等の検討について進める予定としております。
 次に、10ページにお示しするのは、これまでに検討を進めてきました自動車リサイクル分野全体の温室効果ガス排出量の試算結果になります。試算結果は、前回の合同会議でお示ししたものと全体的な傾向は変わっておりませんが、令和4年度の使用済自動車の発生量を基にしたところ、約146万トンとなっております。ASR再資源化工程や解体や廃油・廃液などの処理の工程による発生を示します事前選別処理工程による排出が多いと試算をされております。
 なお、本日お示しした試算結果につきましては、検討会において、前提条件であったり試算方法の妥当性について引き続き検討を進める予定としておりまして、今後の検討により変更となる可能性がございますが、このような試算を進めた上で、自動車リサイクルにおける温室効果ガス排出量削減に向けた方策の検討を進める予定としております。
 続きまして、11ページになります。こちらは資源回収インセンティブ制度になります。後ほどご説明いたしますが、欧州におきまして、自動車の再生プラスチック最低含有量の義務化が盛り込まれた新たな規則案が提案されたところでございます。
 国内の自動車リサイクル分野においては、ASRの発生量の削減、再生材の回収量増加、再生材の供給量を増やすという目的で、資源回収インセンティブ制度について検討を進めてきたところです。
 本制度については、先ほど説明がありましたように、中間取りまとめをしてきたところですけれども、先ほどのページでご説明したとおり、自動車リサイクルにおけるカーボンニュートラルへの取組が求められているところ、ガイドラインの取りまとめに当たっては、新たにカーボンニュートラルへの貢献という観点も加えることとしております。
 続きまして、再生材利用拡大に向けた取組でございます。
 昨年7月、欧州において自動車設計の循環性要件及び廃自動車管理に関する規則案が発表されました。規則案には、自動車製造に当たって再生プラスチックの使用を義務付ける内容、具体的には、再生材を25%使用することが含まれているなど、日本の自動車業界への影響が懸念されているところです。
 そのため、本日の参考資料の4にあるとおり、環境省では、経済産業省との連携事業としまして、自動車リサイクルにおける再生材利用拡大に向けた産官学連携推進事業を令和5年度の補正予算により実施しているところでございます。この事業では、今お示ししている画面の赤字の部分を取り組む予定としておりまして、具体的には、欧州の動向を初めとした国際環境やルール形成の状況の調査、自動車部品に利用可能な再生材の供給量を増やすために、再利用可能な廃プラの発生源、量等を把握するための業界横断的なマテリアルフローの調査を実施することを予定しております。
 また、再生材の供給を増やす観点から、高度な自動車部品解体プロセス等に対する技術実証、自動車に使用されている臭素系難燃剤に代表されるPOPs物質除去対策のためのプラスチック選別の技術実証を行うこととしています。
 さらに、これらの成果を踏まえつつ、動静脈幅広い関係者の方を含めた産官学のコンソーシアムを立ち上げ、今後の自動車分野におけるプラスチックの再生材について、制度等の見極めの議論をすることを予定しております。環境省としましては、記載の補助事業や基盤整備を通じて、再生材利用拡大に向けて取り組んでいくこととしております。
 続きまして、資料の14ページ以降になりまして、こちらのほうでは、関係機関が連携しました自治体における不適正保管・不法投棄事案対策につきまして、ご説明させていただきます。
 こちらにつきましては、全体の評価・検討報告書のほか、合同会議におきましても、対策に対するご意見をいただいているところでございます。
 不適正保管・不法投棄事案対策のさらなる解消に向けては、不適正保管・不法投棄対策に関するモデル事業を実施してきたところです。このモデル事業においては、調査費などに対しても支援を実施したものではございますけれども、最終的に不適正保管が解消されることに至りました。
 その要因を分析してみますと、保管していた自動車による資源価格が高かったことにより、その売却益により撤去費用を賄うことができたことが分かりました。そのため、環境省において、JARC殿とも連携し、撤去に当たっての解体業界、破砕業界の関係団体の協力をいただくことができたことから、自治体に対して得られた知見や協力体制のスキームを説明の上、改めて原因者に対する指導を依頼しているところです。環境省においては、引き続き自治体に対して事案解消に向けた働きかけを実施していく予定でございます。
○角田補佐 続きまして、資料4-5と4-6について、経済産業省の角田からご報告いたします。
 資料4-5、自動車製造業者等が設定するリサイクル料金の適正性についてですが、自動車製造業者や輸入業者が設定します自動車リサイクル料金は、将来のフロン類、エアバッグ類、ASRの再資源化に要する費用や自社費用等を予測した上で、自社ごとに設定されてございます。
 自動車が使用済自動車となりリサイクル処理がされた後に、自動車製造業者等は再資源化費用を請求しますが、15年目報告書においては、自動車製造業者等が再資源化費用の払い戻しを請求する際に、料金の全額を請求するのではなく、再資源化の実費分のみを請求する方式、いわゆる実費請求方式の検討について盛り込まれたところでございます。
 これに伴いまして、自動車製造業者または輸入業者が将来の赤字を避けるためにリサイクル料金を高めに設定することがないよう留意することについても提言がなされたことを受けまして、今回、実費請求方式の導入前に料金設定の適正性を確認するため、18社に対して料金設定に係る調査を実施したところでございます。
 本調査においては、フロン類、エアバッグ類、ASRの処理にかかる費用を設定する上で、基本的な考え方や自社のシステム費用などについて確認を行いまして、現状異常な設定を行っている業者がないことを確認したところでございます。
 なお、リサイクル料金については、各社のホームページなどで公表されてございますが、自動車リサイクル法においては、リサイクル料金は、適正な原価を上回るものでなく、かつ著しく不足しないものと規定されてございます。ただし、将来の再資源化に要する費用を正確に予測することは困難であることから、その収支は中長期的に均衡が図られるべきというのが基本的な考え方でございます。この考え方に沿って、実費請求方式導入後も料金の適正性が確保されるよう、料金設定について注視してまいりたいと考えております。
 続きまして、資料4-6、特預金の使途に関する検討結果について報告いたします。
 経済産業省、環境省では、15年目報告書における特預金が毎年積み上がることを踏まえ、資金管理料金、情報管理料金の一部割引きなど、特預金の使途に関して検討するという提言を受けまして、自動車リサイクル促進センターが行った自動車製造業者等のリサイクル収支及び特預金残高に係るシミュレーション結果を基に、次の検証を行いました。
 まず、自動車製造業者等のリサイクル収支についてですが、15年目報告書では、2019年度の収支実績が記載されておりまして、約41億円の黒字が発生しているということが記述されていますが、その後の実績として、2020年度には約23億円、2021年度には約18億円、2022年度約11億円と徐々に減少していることが明らかになってまいりました。現状のまま減少していくと、実費請求方式の導入を予定している2026年には、ほぼ黒字分が発生せず、リサイクル収支は中長期的に収支均衡となることが予想されるため、実費請求方式による特預金は積み上がっていかない可能性があるということが分かりました。
 また、2026年のシステム大改造、新車時預託の減少、フロンガスの新冷媒への移行、事故車の減少等により、JARCの既存の特預金の残高も長期的に減少する見込みがあること、さらには、将来のシステム大改造に備えた必要な資金も確保する必要があること、こうした事情を踏まえて、自動車リサイクル法の指定法人であるJARCの持続的かつ健全な財務運営を維持するためには、一定額の特預金の残高が必要であるということも分かってまいりました。
 以上の2点を踏まえて、資金管理料金、情報管理料金の一部を割り引くことについては、実施しないことと判断いたしました。ただし、国としては、JARCの財務状況と特預金の残高状況については、今後も引き続き注視してまいりたいと考えてございます。
 以上が資料4のご報告になります。
○酒井座長 それでは、続きまして、自動車リサイクル促進センター、JARCの取組についての説明を、同センターの永井専務理事からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○永井専務理事 自動車リサイクル促進センターの永井と申します。お願いします。資料5に基づきまして、当センターの実績、今後の取組を報告いたします。
 2ページ、お願いします。報告内容は、当センターが取り組んでいる活動が6項目になります。
 3ページ、お願いします。最初に、自動車リサイクルの制度の安定化と効率化の取組、4項目を報告いたします。
 4ページ、お願いします。まずは、リサイクル料金の適切な管理・運用についてです。2022年度の新車購入時における預託収入は450億円でした。半導体や部品の供給不足が徐々に解消されて、新車の販売台数が増加に転じまして、前年度比104%となりました。
 5ページ、お願いします。左側の円グラフが自動車ユーザー様からお預かりしているリサイクル料金の債権投資の状況を示すポートフォリオです。2022年度末は、額面ベースで8,543億円の債権を保有し、内訳は、国債や政府保証債などの安全性の高い債券が中心となっております。
 右のグラフは、直近10年間の運用収益の額と資産全体の利回りの推移を示しておりますが、低金利の環境下にて、減少傾向が継続しております。
 6ページをご覧ください。こちらから4ページにわたって、2021年7月にまとめられた合同会議の報告書で提言されましたユーザー様への還元策、具体的には、資金及び情報管理料金の割引策の対応状況について報告いたします。
 合同会議の報告書では、料金の割引の財源として、自動車メーカー等のリサイクル収支の黒字分を充てることが提言されておりましたが、こちらのグラフに示す収支黒字額の年度推移を見ますと、2019年度以降、徐々に黒字が減少しており、今後も収支が適正、すなわち収支均衡との見通しになりました。これにより、収支の黒字を充てた料金の割引によるユーザー還元は、現実的な施策ではなくなったことが確認できます。
 7ページをご覧ください。こちらがJARCにおける特預金残高の見通しになります。グラフは、2050年までの長期シミュレーションとなります。
 シミュレーションの結果として、2050年度までJARC運営に最低必要な資金を特預金残高で確保できることは見通しが立ちましたが、ただし、料金の割引の原資を捻出することは困難であるという見通し結果になっております。
 8ページをご覧ください。こちらのページには、先ほどの長期シミュレーションの主な前提条件を列挙しております。ご参照いただければと思います。
 9ページ、お願いします。こちら、まとめのページになります。先ほどの6ページと7ページで示しました内容を踏まえて両省さんと検討した結果、料金の割引については、現段階における実施は、時期尚早と判断して見送りたいと考えております。
 同内容は、昨年の9月26日に開催されました第102回資金管理業務諮問委員会にて諮問し、原案のとおり承認されております。
 次、お願いいたします。続いて、指定再資源化機関の実績になります。10ページ、自動車リサイクル法の適切な執行をご覧ください。不法投棄・不適正保管等に関する自治体への情報・知見の提供ですが、JARCでは、国や自再協と連携して自動車リサイクルに関する自治体及び研修会を行っております。座学の基礎知識研修では、これまで延べ2,600名を超える自治体の担当者に参加いただき、現場研修を解体事業者の協力の下、年4回実施しております。研修内容には高い評価をいただいております。
 JARCでは、自治体指導力の強化と事業者の適正化に向けた新たな支援策として、事業者の自リ制度に関する理解度向上を目的とした研修会を自治体や業界団体と連携して展開いたします。事業者の一層の適正化が進むことで、自治体の負担低減も図れますので、しっかり意見交換を行って進めてまいります。
 11ページをご覧ください。不法投棄・不適正保管事案の解消のための自治体との連携を核として、国が主体となり実施した青森県事案での不法投棄・不適正保管対策に関するモデル事業で得られた知見を継続的に全国の自治体に展開するとともに、解体・破砕業者の協力・連携を進める等、早期の撤去を促すスキームを構築し、事案の解決に貢献してまいります。
 続いて、情報システム活用を通じた効率化について報告します。次、お願いします。2026年1月稼働を目標とした情報システム大改造については、22年12月に入札を実施し、23年3月に委託先を決定いたしました。23年度は、開発の第一段階である設計の1年と位置づけ、ステークホルダーとともに、要件確認、基本設計に取り組んでまいりました。現在のところ、遅れなく順調に進捗しております。
 13ページをご覧ください。資料の真ん中の拡張性の項目に、外部システムとの接続によるデータ連携がございます。本件は、国土交通省の提供している車検証閲覧アプリと連携し、そのアプリでリサイクル料金が照会できるようにするものでありまして、現在、国土交通省と最終的な調整を進めております。
 次の14ページは、昨年の資料のリマインドとなりますので、後ほど、ご確認をいただければ幸いです。
 続いて、関係主体と取り組むユーザー向け情報発信になります。合同会議の提言及び自動車リサイクル制度における指定法人の役割を踏まえて、幅広い観点からユーザーの普及啓発に取り組んでおります。資料では、ご覧のとおり、取組例1、地域イベントから、取組例3、学習支援、作品コンクールの3点を紹介しております。これらのほかにも、関係者の皆様の協力を得て、様々な取組を行っております。この場を借りて関係者の皆様に御礼を申し上げます。
 16ページをご覧ください。年に一度、定点観測として、ユーザーを対象としたアンケート調査を行っています。ユーザーの自動車リサイクルへの認知度は76%で、一定水準で推移をしています。ただし、30歳未満の若年層の認知度が低いことから、小学生向けや、免許取得者に対する情報発信に力を入れており、その結果、若年層の認知度も少しずつ上昇しております。
 自動車リサイクルの制度の一層の安定化に向けて、ユーザー様の理解が重要になりますので、今後も小学校、運転免許センター・試験場や高速道路サービスエリアなどを組み合わせて認知度向上を図ってまいります。
 次、お願いします。次は、自動車リサイクルの高度化、変化への対応について、2項目報告いたします。
 18ページ、お願いします。1点目は、資源回収インセンティブ制度の検討状況です。資源回収インセンティブ制度の事務局としてJARCがワーキングを運営し、関係者で進め方を合意の上、義務者・ASRチーム・団体・事務局の実務者にて、資料左に記載の三つのテーマについて論点整理し、業務フローの整理と情報システムの実装に向けた詳細仕様の検討をいたしました。
 19ページ、お願いします。こちらは日程になりますが、今後は各論点の整理結果を踏まえて、両省さんがまとめる資源回収インセンティブガイドライン最終報告を支援し、制度周知を実施いたします。
 続いて、20ページ、お願いします。こちらは自動車資源循環情報プラットフォームと国際貢献事業の取組についてです。
 まずは、自動車資源循環情報プラットフォーム、ARCIPに関してです。ARCIPは、世界的な循環経済に関する動向を含め、広く自動車の資源循環をテーマに情報の発信、人的交流を促進する機能として設置したものです。基礎的な統計情報などを提供するほか、有識者による寄稿の連載や自動車リサイクル会議や特定の課題を論議するワーキンググループを開催してまいりました。
 21ページをご覧ください。昨年12月に開催した第2回自動車リサイクル会議は、業界を代表する方々の講演とパネルディスカッション、交流会を行い、オンラインを含め500名の方々が参加されました。また、ワーキンググループでは、昨年度に引き続き、自動車リサイクルシステムが保有しているデータの利活用をテーマに検討を重ね、2024年度は、自治体ニーズに基づく活用ケースづくりを実施する計画です。
 続いて、22ページ、お願いします。こちらは国際貢献に関する説明です。JARCは、主に新興国政府関係者に向けて、自動車リサイクル制度の構築・運用を中心にノウハウを提供する支援を行っております。タイ王国における自動車リサイクル制度の検討につきましては、支援チームに参加して、昨年の2月に検討に要するフレームワークの提案を行っています。自動車リサイクル制度の本格的な検討は、JICAの技術協力チームに専門家として参画し実施いたします。
 また、その他の新興国についても、公的機関の要請に対応する形で、研修等を通じて知見を提供してきました。引き続き国際協力の取組についても積極的に進めてまいります。
 24ページのまとめの記載のとおり、本財団は、今後もリサイクル制度の中心的役割を担う立場として、様々な事業に取り組んでまいります。
 以上をもちまして、JARCからの報告とさせていただきます。ありがとうございました。
○酒井座長 どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、経産省、環境省、そして自動車リサイクル促進センターからのご説明に対しまして、委員の皆様からご質問、ご意見をいただきたいと思います。発言を希望される方は、webexの挙手機能で宣言をしていただければと思います。順次指名させていただきますので、指名された方はマイクのミュートを解除、そしてビデオをオンにしてご発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速手を挙げていただいておりますので、鈴木真央委員からお願いいたします。
○鈴木委員 聞こえますでしょうか。
○酒井座長 はい、聞こえております。よろしくお願いします。
○鈴木委員 よろしくお願いします。鈴木です、質問させていただきます。
○酒井座長 どうぞ。
○鈴木委員 大丈夫ですか。
 資源回収インセンティブ制度についてなのですが、実効性の高い制度だと承知しております。その上で、中小の事業者をいかに巻き込むかがポイントになるかと思いますが、改めて、その中小事業者に対する訴求方法を含め、考え方を教えていただけますか。
○酒井座長 鈴木委員、その1件でよろしいでしょうか。
○鈴木委員 はい、大丈夫です。
○酒井座長 どうもありがとうございます。
 では、一通りご質問、ご意見をお聞きしたいと思います。
 引き続いて、鬼沢委員、お願いいたします。
○鬼沢委員 鬼沢です、ありがとうございます。
 今まで100台以上の大規模の不法投棄・不適正保管の案件についても、今回、数が少なくなっているというのは、すごく良かったなと思います。それに加えて、今回50台以上のものについても、自治体と連携して処分・処理したところ、非常にうまくいったという報告でしたけれども、うまくいった理由と、それを今後どのように展開されていくのか、お願いいたします。
 以上です。
○酒井座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、JAERAの酒井委員、お願いします。
○酒井委員 JAERAの酒井です、ありがとうございます。
 資料3と資料4に関してなのですが、二つずつ資料の内容の我々からの補足というのでしょうかね、そういうものと意見を述べさせてください。
 まず、資料3なのですが、ちょっとご説明にはなかったページなのですが、10ページ目に解体業者の業者数の推移がありまして、過去何年間か比べてみると、ほとんど幾つかの動きがないというか、若干微増している程度の動きというような資料になっているのですが、これ、実際は、内容としては中小零細の既存の業者が廃業していて、外国人事業者が新しく許可を取得してきているというようなところが結構目立っております。もちろん外国人事業者だから駄目という話ではないのですが、JAERAの調べで、全国で多分これ、1,000社ぐらいが外国人事業者の許可業者というふうに思われます。不適正処理という部分とか、それから今後の資源回収というか、そういうことを国内循環ということを考えますと、先ほど言いましたように、外国人は駄目ですというつもりはないのですが、実際、現場でいうと、問題が多いのも事実です。ですから、ここについては、やはり対応を強化するというようなことが必要だというふうに問題として提起したいと思います。
 それから、同じく資料3の15ページ目、ここもちょっと説明にはないページですが、これも以前からお話というか、提案させていただいている点ですが、輸出返還制度ですが、この③のほうの注意書きのほうにもあるように、リサイクル料金の輸出返還というのは、輸出されるときまでの利息も含めて返還されるというような制度になっているのですが、事実上は、輸出直前に購入した輸出業者が全額リサイクル料金の返還を利息を含めて受けるというようなことになっておりまして、もともとの返還の意味合いというのでしょうかね、それとちょっと離れているのではないかというところを前回からも提案というか、意見させていただいていますが、ここについては、やはり廃止していく方向で議論をしていただきたいということが資料3に関しての2点です。
 それから、資料4-1、資源回収インセンティブ制度に関して、先ほど鈴木委員から、中小零細みたいなところはどういうふうに考えていられますかに対して、JAERAとして取組をしようと思っていることがあったものですから。JAERAとしては、やはり大手ではない中小零細の会社、会員さんはたくさんいますので、そこをまとめて、共同して一つのコンソーシアムを組成できるような、そういう仕組みを何とか工夫して、中小であろうと、やる気のある、意思のある人たちが参加できるスキームをぜひつくりたいというふうに考えているということを言わせていただきます。
 それから、4-5、リサイクル料金の設定に関してなのですけれども、フロン類、エアバッグ類の料金は、調査の結果、概ね問題ないというようなお話はあったのですが、それも前回の会議でも申し上げておりますが、やはり実際は、コストはいろいろな面でもどんどん上がってきておりますので、この辺ももうちょっとフレキシブルに見直していただけるようなことはできないのかどうか。その中でいうと、その上のほうにあります実費請求方式ですか、これが取り入れられていく方向で検討されているというのは、今までの非常に固定的なものとは違って、前進ではないかなと思うのですが、現状の自車充当方式から他車充当方式、いわゆる年金方式というようなところの議論にぜひつなげていただきたいなということを望んでいます。これで、他車充当方式ということを考えるという輸出返還制度や、それとかマテリアルリサイクル、今後のことをいろいろ考えても、いろいろフレキシブルな運用が可能になるのではないかというふうに考えていますので、ぜひここは議論を進めていっていただきたいというふうに考えております。
 ありがとうございます。以上です。
○酒井座長 どうも酒井委員、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、鉄リサイクル工業会の名前で登録されております高井委員ですか、お願いいたします。
○高井委員 日本鉄リサイクル工業会の高井です。聞こえますでしょうか。
○酒井座長 はい、聞こえております。よろしくお願いします。
○高井委員 よろしくお願いします。私からは2点ほどご報告ということで、させていただきます。
 一つ目は、私ども、破砕業者を代表しておりまして、全国に鉄リサイクル業者、700社ぐらいが集まる業界団体なのですけども、その中に使用済自動車の破砕業者さんが多く含まれています。当然のことながら、資源回収インセンティブ制度に一番興味・関心がございまして、先ほど中小零細企業への説明というご質問ありましたけども、破砕業者に関しましては、過去に全国行脚して説明したことがございます。ただ、それも1年以上前のことなので、今後制度の詳細がもう少し見えてきたときに、また全国に説明会を開こうと思っております。その際は、私どもだけではなく、関係者のご協力が必要だと思うのですけども。この資源回収インセンティブ制度に関しましては、関係各社の間の信頼関係というのが一番重要だと考えております。したがって、皆様のご協力、特にJAERAさん、JARCさん、ART・THチームさんに今後お世話になると思いますので、この場を借りて、ぜひともよろしくお願いしたいということをお願い申し上げる次第でございます。
 二つ目の意見、ご報告ですけども、先ほど、資料4-4に不適正保管がございました。これに関連しますご報告をしますと、私ども一般の鉄リサイクル業者、これ、鉄を回収して、加工して製鉄メーカーに納める業者の間に不適正な操業が一部存在しており、私ども鉄リサイクル工業会では、適正ヤード推進委員会というのを設置しました。鉄鋼関係の業界誌等ではよく報道されているのですけども、そこでいろいろ議論を進めております。その中で、使用済自動車に関しましては、自動車リサイクル法に乗せない違法なリサイクル、特に盗難とかございまして、私ども適正ヤード推進委員会では、警察庁、それから経産省殿も参加していただいておりますけど、アドバイスをいただきながら議論も行っておりまして、今後そういったものの改善を期待したいと思っています。
 二つほどご報告でございました。以上です。
○酒井座長 どうも高井委員、ありがとうございました。
 続きまして、井岡委員、お願いいたします。井岡委員、いかがでしょうか。
○井岡委員 消費科学センターの井岡と申します。お世話になります。
 私からは、先ほどの鬼沢さんとほとんど同じような内容なのですけれども、不法投棄・不適正保管の数字のところで、当初から見ると劇的に減っているわけなのですが、コロナのところで、あまり減り方の動きが少ないのかなと思いまして、今後、コロナ禍も5類になりましたので、今後さらにご努力をいただいて、減らしていっていただきたいと思っております。青森の事例なんかのお話も聞いておりましたので、本当にいろいろなご苦労があるとお知らせいただきましたが、今後も自治体と協力体制で、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○酒井座長 ありがとうございます。
 では、続けて袖野委員、お願いします。
○袖野委員 ありがとうございます。本日の会議より参加させていただいております袖野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、スライド11、13ですね、自動車リサイクルのカーボンニュートラル及び3Rに関連しまして、2点お伺いさせていただければと思います。
 再生プラの利用拡大というところについては、欧州の動きに合わせて日本でもということなのですけれども、環境配慮設計ですね、リサイクルをしながら、そのフィードバックを設計のほうに返していくというところで、今回、リサイクルのプロセスのところでのインセンティブ制度というお話を伺うことはできたのですけれども、製造側ですね、よりリサイクルが進むような製品の製造というところへのインセンティブというのは、どういったことが考えられるのかお伺いしたいと思います。
 2点目は、外部環境が大きく変わっていく中で、カーボンニュートラルというところでは、EV車の拡大であったり、カーシェアリングというような話も進んでいくかと思うのですけれども、こうした環境の変化がリサイクルのプロセスに与える影響ですね、リサイクルのやり方も変わってくるでしょうし、今回、自動車の解体の実証試験なども行われるということなのですが、EV車が今後、使用済ということで出てくるというのは、もう出てきていると思いますので、そういったことの影響などもしっかり調査されるといいのではないかなというふうに思いましたので、コメントさせていただきます。
 以上です。
○酒井座長 ありがとうございます。
 続いて、根村委員、お願いします。
○根村委員 根村でございます。
 1点、JARCさんにお伺いしたいことがございます。シート13のシステム大改造の中にデータの利活用というお話が書かれていたかと思うのですが、誰がデータを利活用すると想定していらっしゃるのかというところをちょっと聞きそびれてしまったような気がするので、もし教えていただけたらと思って、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
○酒井座長 ありがとうございます。
 それでは、続いて織委員、お願いいたします。
○織委員 はい、聞こえますでしょうか。織です。
○酒井座長 よろしくお願いします。
○織委員 ありがとうございます。2点あります。
 まず、資料4のカーボンニュートラルについてなのですけれども、こちら、すごく重要な取組だと思っております。日本全国、環境省の法政策の中で、経産省も併せて、ゼロカーボンに向けて頑張っていくところなのですが、問題は、数値の信頼性をどこまで確保できるのか。緻密化については、どこまで考えていらっしゃるのか。これからワーキングということなのですけれども、具体的にそこら辺はどういうような計算、あるいはデータを使ってやっていくのかということを教えていただければと思います。
 もう一点は、再生材の利用拡大ということなのですけれども、EUの規制が日本において非常に大きな影響を及ぼすと思うのですけれども、そのときに集めてくる再生材というのは、いわゆる自動車のルートの中で考えていくのか、あるいは、例えばプラ新法なんかも含め、広く一般的なプラスチックも含めて考えていらっしゃるのか。そのときに、品質とコストと供給の問題というのがあると思うのですけれども、安全性と関わる品質については、このプラスチックの部品として使用する場合に、どこまで品質をある程度歩み寄りながら、むしろ量を確保するということにいくのか、その辺がちょっとイメージが分かりにくいのですね。よくメーカーの方が、安全性確保の観点から、再生材利用については慎重にいきたいというようなことをおっしゃっているのですけれども、例えば再生材を使うことによって、具体的にどういう問題が起こり得るのかどうかということを、その辺、品質と供給量確保とのバランスどういうふうに取っていかれるつもりなのかということをちょっと教えていただければと思います。
 以上です。
○酒井座長 どうもありがとうございます。
 続いて、大塚委員、お願いします。
○大塚委員 どうもありがとうございます。
 4点ほどあるのですけども、今、織委員がおっしゃったこととの関係で、再生材のプラに関して、どういう仕組みでこれから回収していくのかというのは、特に、自動車以外のところからも回収しなくてはいけないということを考えると、ぜひ検討を進めていただく必要があるのかなと思っています。今、まだマテリアルフローを考えるような状況だと思うので、これから考えるということになると思いますけども、自主的取組だけでうまくいくのか、例えば自動車メーカー以外のところで、今までプラスチックを再生材として使っておられた割と先進的なメーカーさんが自動車のほうに持っていかれるので、コストが上がってしまって困るという話も聞いていますので、いろいろな影響が多分、自動車以外のところも出てくるのかなと思っていまして、そういう制度設計はどこかで考えなければいけないのではないかということが一つあると思います。
 それから、それに関連して二つ目ですけども、今回EUのほうの自動車リサイクル関係の規則が、再生材を一定割合使わなければいけないという義務を課してきたので、Car to Carのものも結構あるわけですけども、それに対して対応しなければいけなくなっていて、ある意味きりきり舞いさせられているような状況で、自動車業界の方々にも大変ご苦労いただいているのだと思います。当面はこれに対応するだけでいいと思うのですけども、経済産業省さんとか環境省さんとしては、将来このEUのやり方に引っかき回されているような状況をずっと続けていくのか、何か国内で考えたほうがいいのかということは、どこかでご検討いただくのがいいかなと思ってはおります。ただ、何もしないほうがいいのだという考えもあると思いますので、それはそれでもいいのですけども、検討ぐらいはしておかないといけないのではないか。日本国内でも何か対応する必要があるかどうかということは、今すぐでなくてもいいのかもしれませんが、EU対応で日本のメーカーが皆さん対応するようになってきたときに、国内でも、特にEU以外の国との関係で、法制化したほうがいいようなことが出てくるかもしれませんので、その辺も含めて、アンテナを張っておいていただく必要があるかなということを申し上げておきたいと思います。
 それから、三つ目ですけども、先ほど袖野委員がおっしゃったのも、私は全く賛成ですけども、現在、自動車リサイクル法は、数少ない拡大生産者責任の規定になっていますので、製造者に対してのDesign for Environmentに配慮する制度になっていますが、自車充当をやめてしまうと、それが崩れますので、自車充当をやめるというのは、そういう意味があるということは、よくご考慮いただいた上で慎重に検討していただく必要があるということを一言申し上げておきたいと思います。
 それから、四つ目ですけども、電気自動車があまり日本では広がっておらず、それはいろいろな意味があると思いますけども、温暖化対策としては良くないわけですが、それに関連してリチウムイオン電池の回収とかが日本はあまり進んでいないという状況があり、どこかのタイミングでそれを始める必要があると思いますし、それをもしやるのであれば、現在3品目のうち、フロン類はだんだん減っていっているという先ほどのお話もありましたけども、代わりにそこにリチウムイオン電池を入れるなどということも考えていく必要が出てくるかと思います。その際には、それぞれメーカーも含めて回収していただくということを考えることになりますけども、あまり議題に載ってきていないと思いますけども、ぜひその点についてもご検討いただければありがたいと思います。
 以上でございます。
○酒井座長 どうもありがとうございます。幅広い意見をいただきました。
 では次、町野委員、お願いいたします。
○町野委員 ありがとうございます。資源回収インセンティブ制度について、1点お伺いしたいと思います。この中間取りまとめを拝見しますと、マテリアルリサイクルについて、率を公表するような制度にするということで、最後のほうに書かれているのですけれども。具体的にこのリサイクル率の目標値みたいなものを政府で設定するのか、あるいは各社で設定するということに任せるのかということと。あと、仮に目標値みたいなものを設定した場合に、達成状況みたいなものをフォローアップするような仕組みというのは検討されているのかということについて、お聞きしたいと思います。
 以上です。
○酒井座長 どうもありがとうございます。
 多くの質問、ご意見をいただきました。今後の論点提示的なご意見もございましたので、両省からは質問事項的なご発言を中心にコメントをいただき、今後の方向についても、もし両省から見解があればということで。それから、JARCのほうにも一、二点ありましたので、その後に回したいと思います。
 では、まず角田さんのほうからいきましょうか。インセンティブの話が多いですから。
○角田補佐 鈴木委員、高井委員、町野委員、酒井委員からインセンティブに関してご質問いただきました。
 まず、中小の事業者を巻き込む対策というところでいきますと、まず、今後ガイドラインの最終取りまとめであったり、コンソーシアムの具体的なマニュアルみたいなものも業界のほうで作っておりますので、そちらをもって、まず中小事業者、小規模事業者も含めて、希望する事業者が幅広く参画できるものとなるよう、まず制度の周知を進めていきたいと思っております。その点については、自工会なりJARCなり、関連するリサイクル業者と協力して周知活動に取り組んでいきたいと思っております。
 また、先ほど酒井委員からもありましたとおり、JAERAでもコンソーシアムを形成するための実証みたいなものもお考えになっていると伺っておりますので、そういったところも含めて、幅広く参画できるものとなるよう、これから取り組んでまいりたいと考えております。
 それと、町野委員からございました、マテリアルリサイクル率の公表というところでございますが、現状、まだリサイクル率をどのように公表するかというところは検討中ではあるのですが、目標値を設定することについてはなかなか難しい部分があると思いますので、そこは慎重に検討させていただきたいなと考えております。
 インセンティブ関係では以上になります。
 あと、酒井委員からあったとおり、外国人事業者への対応というところについては、自動車リサイクル促進センターのほうで、様々な言語のパンフレットを作成したり、業の許可を取得するときに事業者への制度概要の説明会というものも行っていたりしていますので、そのような取組の中で、まず外国人事業者に自動車リサイクル制度を適切に理解していただくということが大事になってくるのではないかと思いますので、引き続きそうした取組で対応してまいりたいと考えております。
 あと、輸出返還と自車充当方式の話もございましたが、こちらは15年目報告書の議論の時にありましたとおり、自車充当方式にする場合、今預かっている預託金の8,500億円の取扱いも検討する必要がありますし、自動車リサイクル制度は順調に機能しているところもございますので、輸出返還も含めて現状見直しというのはないのですけれども、今後必要に応じて検討していくということかと思います。
○酒井座長 一旦その辺にして、坂口さん、どうぞ。
○坂口補佐 まず、鬼沢委員と井岡委員のほうから、不適正保管・不法投棄対策について、ご意見、ご質問いただいたところでございます。
 うまくいった理由としましては、やはりモデル事業で実際、資源価格との関係で、原因者の関係する方が現に実現できたというか、回収に至った実績があったというのが非常に大きいのかなというふうに思っております。それで、その内容というのをやはり自治体の方、現に指導されていただく方に情報を伝えることによって、各現場における実現性のある指導であるとか、そういったところにつながっていくというふうに考えているところでございます。引き続き、これまでこの審議会のほうで、100台以上ということでご報告させていただいた中、本年度は、50台以上の案件を抱えていただいている自治体にも同様に情報提供させていただいているところでございまして、引き続き自治体の方に対して、お困り事も含めて、支援させていただければなというふうに思っております。
 また、酒井委員から解体業者の増減に関してご意見いただいているところでございます。その中で、不適正なところがあるのではないのかというようなご指摘いただいたというふうに思ってございます。そこにつきましても、特に、言語的な問題であるというところも承知しているところがございまして、その辺りにつきましては、JARCのほうで多言語のパンフレットとかを作っていただいているような状況でございます。それにまた加えて、自治体向けに対しての不適正事案に対応する指導力強化につながるような研修等を引き続き実施できればというふうに考えているところでございます。
 続きまして、織委員からカーボンニュートラルの関係でご指摘いただいたところがございます。本日、試算という形で、自動車リサイクルにおける排出実態につきまして、お示しをさせていただいたところでございます。まさにご指摘いただいたとおり、検討会におきましても、こちらのそもそもの評価方法であるとか計算方法、そういったところの妥当性、信頼性はどうなのかというようなご意見をいただいているところでございます。引き続き検討会の各委員のご意見もいただきながら、いかにレビューをしていくのか。さらに、最終的には排出削減方策につなげるというふうに考えているところでございますので、その信頼性、粒度につきましても、引き続き検討会での委員の皆様からご意見いただきながら進めさせていただければというふうに考えているところでございます。
 あと、袖野委員から再生プラスチック利用拡大の中での環境配慮設計であるとかに関してご意見いただいているところでございます。あと、大塚委員からもEPRの関係で、DfEの部分につきましてご指摘いただいたというところと理解をしてございます。その中で、現状、まずリサイクルのほうでのインセンティブ制度も検討させていただいているところでございます。ご指摘のとおり、制度のところにいかにインセンティブを与えていくかというところにつきましては、原資の部分も含めまして、引き続き検討が必要というふうに考えておりますので、検討できればというふうに思っております。
○酒井座長 よろしいですか。
○湯山補佐 あと1点、リチウムイオン電池の回収の話も、大塚委員からいただいていたかと思います。確かに、今後この排出量というのが増えていくかと思いますので、こういったところも恐らく今後の課題として、この審議会の中でも追々ご議論いただくことになろうかなと思いますので、そこはちょっと、また改めて検討してまいりたいと思います。
○酒井座長 では、この後JARCのほうから、システム大改造について質問ございましたので、お願いします。
○永井専務理事 システムのデータにつきましてですが、JARCのシステムには非常に自動車リサイクルの大きなデータが格納されております。このデータというのは、リサイクルのいろいろなデータがありまして、ビッグデータになっておりますので、その活用を今、自治体さん、学会の方等も含めて、活用の検討をしております。一部、法の制約もございますので、公開に基づき不利益が生じないように考慮もしつつ、このデータを活用していくということを検討しておりまして、今現在、先ほど申したとおり、自治体、学会、あと事業者の方を含め、その活用についての調整をして、まとめたいと思っているところになります。
 以上になります。
○酒井座長 ありがとうございます。
 委員のほうから、少し制度的見解に関わるようなご意見もいただいておりますけれども、松田課長、原室長、どうしましょう。何かお話しいただけることがあれば、していただくのが望ましいかとは思いますが。あるいは、この後の自工会とか輸入組合のほうからも資料説明いただきますので、その説明をいただいて、その後ということにいたしましょうか。若干時間置いて、やらせていただければと思います。
 それでは、この後、資料6で日本自動車工業会の取組について、資料を準備いただいております。この説明を自工会の嶋村委員からお願いをできればというふうに思っております。よろしくお願いします。
○嶋村委員 自動車工業会の嶋村でございます。
 それでは、自動車メーカーの取組についてということで、ご説明をさせていただきたいと思います。
 次のページ、お願いします。目次でございまして、これは毎年同様でございますが、本日、特にⅢ、Ⅳのところを中心にご説明をさせていただきます。
 次のページ、お願いいたします。自工会の取組の考え方は、毎年ご説明をさせていただいておりますが、法施行前から現在に至るまで、中心的な役割を果たすという、こういう基本方針の下に、真ん中の目的のところに書いてございますような、こういったことを達成するために各種取組を実施しているというところでございます。近年、1)、2)、ここを中心に取組を進めておるということでございます。
 次のページ、お願いいたします。次のページからは、具体的な取組についてということで、過去の取組も含めまして、自工会の取組をまとめております。本日、詳細にご説明いたしませんが、またご一読いただければと思います。本日、右側にページ数を打っております、次のページも打っておりますが、ここの項目についてご説明をさせていただきたいと存じます。
 それでは、7ページ目まで飛んでいただきまして、LiBリサイクルの取組状況についてということで、ご説明をいたします。
 8ページ目をお願いいたします。これまでの自工会の取組のまとめでございます。2015年にこの審議会の報告書で、リサイクル体制整備の必要性というのが言及されまして、セーフティネットとして自工会は、このシステムを検討開始いたしました。17年から21年までいろいろありましたが、22年、一昨年ですね、自工会としての中長期取組方針というのを策定しております。これはまだオープンな場であまり詳細にご説明はしておりませんが、それを本日ご報告させていただきます。
 次のページ、お願いいたします。次のページのほうは、これも毎年お見せしておりますが、こういった回収システムで、自工会のほうではリチウムイオンバッテリーを2018年から回収をしておるという絵でございます。
 次のページ、お願いいたします。中長期方針を考えていくに当たって、重要な三つのポイントがあります。前提でございますが、これは委員の皆様はよくご承知かと思いますが、まず、前提の一つ目、廃車の発生台数というのは、新車販売の60%程度で、中古車として4割ぐらい輸出されております。従いまして、LiBの発生母数も60%になるということが一つ目。
 二つ目が、新車が廃車になるのは、平均16年後ということになります。従いまして、左側のグラフがありますが、縦軸が台数で横軸は年でございますが、2035年に仮に電動車100%ということで、500万台レベルの電動車を作ろうといったときに、リチウムイオンバッテリーのリサイクル材と言われても、2020年のときに電動車は幾ら売っていたかというと、140万台前後ということになります。それの60%という話になりますので、なかなかちょっと2035年時点でリサイクル云々というのは間に合わない。では、いつぐらいになるのかというと、2035年以降、徐々に増え出して、本格的には40年以降というようなことかなと一つは想定しております。
 前提の③ですが、自工会へのLiBの回収・リサイクルシステムの現状の引渡率でございますが、先ほど大塚委員のほうからも少しお話ありましたが、これは今20%程度でございます。こちらの方は、先ほども申し上げましたとおり、セーフティネットということでやっておりますので、不法投棄をするのであれば、こちらに無償で結構ですので、引き取りますよ、ということでやっておりますので20%。残りの80%に関しましては、経産省さんの調査結果も後ほど少しご説明いたしますが、リユース、リビルト等で活用をされておるということで、ある意味サーキュラーエコノミーというところではございます。そういう面で、素材のリサイクルに関して、ではどうしていくかというところで、一つのポイントは、この三つの線の一番左側の青い線、2035年まで急激に電動車の生産・販売が伸びます。これに合わせて、日本にある電池の工場では、工程内の端材というものがどうしても出てまいります。ですので、ここの部分をまずしっかりリサイクルをしながら、2035年、40年につないでいくというところが重要なのかなというところでございます。
 次のページ、お願いいたします。そういった中で、自工会の取組の大方針ということで、自工会各社、各カーメーカーはリサイクル素材の活用の促進、これをしっかりやっていくというところが一つと、二つ目には、先ほどのサーキュラーエコノミーの話でもありますが、リビルト、こちらもしっかりやっていこうと。三つ目がトレサビ確保ということで、COとリサイクル率、これをしっかり把握していこうということで、取組を進めてまいります。自工会といたしましては、その取組を進めるに当たっての基盤づくりということで、下の三つの基盤づくりを進めてまいろうというふうに考えておるところでございます。
 次のページ、お願いいたします。次のページは、これを年表でまとめたものになります。大体30年前後から、一部20年代の半ばから始めるものもございますが、30年以降、本格化されるであろうというところで、線を取りあえず引いております。
 次のページ、お願いいたします。まず、素材リサイクルの検討状況でございます。これは、実は公表しておりませんでしたが、自工会で電池のリサイクラー、素材メーカーさん、ちょっと社名は機密の関係で申し上げられませんが、電池to電池の共同研究を既に実施中でございます。具体的には、図の左下にございますとおり、ニッケル、コバルトのリッチな電池粉、ブラックマスと通称呼ばれておりますが、これを取り出して、右上の②のところにございますが、セルと書いてありますが、ボタン電池みたいなコインセルを作ってみて、その性能を評価するというような取組を素材メーカー、リサイクラーさんと一緒になって実は進めてございます。
 結果としては、この絵で描いてある方式においては、ほぼ新品と同等品で問題なかったという結果を得られております。
 今後とも、こういう国内のリサイクラーさんから要請があれば、積極的に自工会としては共同研究を検討していきたいと考えておるところでございます。
 続きまして、次のページ、リビルト対応のところでございますが、こちらは、この回収システムと同じシステムで左下、差配先のところですね、ラストワンマイルになるかどうか分かりませんが、差配先をリサイクル施設ではなくてリビルト施設のほうに振り向けるというような形で、共同運送もするというところでございます。先ほど、セーフティネットということで、無償回収と申し上げておりましたが、リビルト製品になりますので、こちらで言えば、商品代を支払って買い取ると、そういうしつらえもできるようにいたしました。商品代を払って中古品を買い取るということで、そういう面で言うと、古物商の関係で警察庁さんにもいろいろご相談をさせていただきまして、こういうネット上というか、こういうシステム上でうまくちゃんとご本人の確認等もした上で買い取れるような、そういったフォーマットもこちらのシステムで作っておりますので、こちらを利用すれば、リビルトをしようとするメーカーさんがより簡単に利用できるということでございます。
 なお、このシステムに関しましては、サードパーティーの企業さんにも開放、門戸を開こうと考えてございます。サードパーティーの企業さんには、その対象となる自動車メーカーと製品安全面での、特にリビルトバッテリー、製品の安全性というところが非常に重要になりますので、そこら辺をしっかり協議・合意をいただいた上でこのシステムを活用いただくことで、さらなるサーキュラーエコノミー、リビルトの促進に貢献してまいりたいと考えてございます。
 次のページ、お願いいたします。次のページがCO、リサイクル率の見える化構想ということで、こちらも経産省さんからご支援をいただいて、2021年、3年前からこういったことを考えて取り組んでまいりました。簡単に申し上げますと、引取依頼が来ましたら、図の左下にございますとおり、QRコード、こちらを振りまして、あらかじめ設定しました運搬事業者、リサイクル施設等の原単位を運搬事業者がこのQRコードを読み取れば、自動的に算出されて、集計がだーっとされていくというような、そういったシステムでございます。こういったシステムを実は今年の4月からリリースして、集積が可能になるというところでございます。
 ということで、自工会としては、こういった三つの基盤をしっかり作ることで、カーメーカーが今いろいろ対応しようとしておるところの少しでもコストが安くなるように、円滑に運営できるようにということで対応していこうというところでございます。
 加えまして、話が少し変わりますが、次のページ、お願いいたします。不適正荷姿輸出への対応の必要性ということで、先ほど少し、後からというふうに申し上げましたが、左下に経産省さん、蓄電池のサステナビリティ研究会の資料を挙げておりますが、海外リユース向けに出荷、20%というところがございます。この海外リユース向けに出荷なのですが、実はリチウムイオンバッテリーですね、船舶輸送には梱包規定というものが国連勧告で定められておりまして、日本において、海外向けの輸出バイヤーさんがまだ発生量が少ないので、それほど大きな事故等も聞いておりませんが、無梱包でコンテナ詰めされれば、右側に写真がちょっとございますが、これ、実は鉛バッテリーですら、家電と一緒に運ぼうとしたときに、コンテナ火災ということで、これは環境省さんの報告書なのですが、年間数件散見されるというようなところでございます。これがリチウムイオンバッテリーになりますと、被害はもっと大きくなる可能性があるということで、自工会のほうで、実は昨年度から、右下にございますとおり、注意喚起文書というものを日本語、英語、ロシア語、アラビア語、ウルドゥー語で作成をしまして、解体事業者さんに配布して、外人バイヤーさんに注意喚起をお願いしておるところでございます。ただ、これは水際チェックが不十分であれば、やはり火災リスクというのは大きいというところもありますので、水際対策強化のご検討をぜひお願いしたいというところでございます。
 次のページからは、毎年のデータメンテナンスのところでございます。回収実績、2022年度7,000個、2023年度は約1万個を若干超えるぐらいかなと思ってございます。
 続きまして、ページを飛びまして、20ページ目をお願いいたします。現在の会員の状況でございます。下の2段目から昨年度の審議会報告から増えた、これ輸入車さんでございますが、メーカーさんということで、国内メーカーはほぼ全てということで。輸入車メーカーさんも大体のところは、まだ入っていらっしゃらない会社さんもあるかとは思いますが、大体入っていらっしゃるというような状況でございます。
 ということで、電池のほうは以上でございます。
 25ページまで飛んでいただきまして、樹脂リサイクル高度化への取組についてということで、ご説明をさせていただきます。
 26ページ目をお願いいたします。今年度は、樹脂リサイクルの課題と対応方策というところを中心に自工会で整理をさせていただきましたので、そのご説明をさせていただきます。樹脂リサイクル促進の課題につきましては、もう大きく品質、コスト、供給、この三つというところでございます。先ほど少しご質問がございましたが、まず品質面という面では、需要家側と供給者側の品質合致ゾーンの拡大が課題ということで、需要家側のほうは、今まで品質が安定していた新材を使っておりましたので、若干異物があったりとか、そういったリサイクル材、この供給者というのは、樹脂リサイクラーということになります。そういったものを需要家側はどうやって使いこなしていくかという使いこなし技術と、供給者側、リサイクラーさんのほうは異物選別技術の高度化という、それを両方から努力をしていって、この品質合致ゾーンを拡大させていくということが非常に重要だと思っております。メーカーの使いこなし技術というのは、簡単にイメージで申し上げますと、本当はもっと全然複雑なのですが、成型したときに色むらとか、そういうのが若干出ても問題なさそうな部品はどこかというところをまず探して、ここで強度は大丈夫かとか、弾力性は大丈夫かという試験をして、それも大丈夫であったら、それを成型するのに、型に流してみて新材と同じような形で、同じような時間でちゃんと作れるかというような、そういう実験を延々やらないといけないと。ものを変える場合は。というところを、この部品は使えるか、この部品は使えるか、この部品は使えるかということで、使いこなし技術として、こういったものをしっかり検討していくというところを、自動車メーカー各社、今すごい勢いでやっておるというところでございます。自動車メーカーのほうは、そういった形でやればいいのですが、供給者側、リサイクラーさん側のほうの技術開発なのですが、やはりなかなか樹脂リサイクラーさん、大企業さんがやはりまだ少ないというところもありまして、技術開発余力等が不足している場合も多いということで、各種支援方策の検討が必要と書いてございます。こちらに関しましては、もう経産省さんも環境省さんも同じ問題意識、危機感をお持ちいただいておりまして、そういう面で、方策の例の2)に書いてございますが、制度自体は大体確保いただいておると思いますので、なかなか申請をするのがまた敷居が高いという側面もありますので、そういった事業者さんのサポートを自工会としてもしていこうと考えてございます。
 続いて、次のページ、コスト面でございますが、リサイクラーのコスト面は、もう母材仕入、輸送、加工。加工においては、粉砕、選別、ペレット化という、こういう工程でございます。リサイクラーさんの母材仕入のところは、今回の資源回収インセンティブ制度、これはコンソーシアムを作って、樹脂リサイクラーさんが、解体業者さんで回収していただいたら、その買上げコストとは別に、解体業者さんに直接インセンティブがプラス20円とか30円とか、それぐらいの金額が行くということで。これはコンソーシアムを作っていただくことが前提になりますので、このコンソーシアムづくりによって、安定調達に少しは寄与可能ではないかなと思っておるところでございます。
 次のページ、お願いいたします。コスト面、輸送ですが、これはバンパーを想像していただければお分かりのとおり、輸送効率、極めてプラチックは軽いので、悪いです。もうそこの部分は大手の解体事業者さんになるかもしれませんが、発生元で粗破砕設備等を入れていただいて、粉砕して輸送効率を高めてコスト低減を図るというところが必要になろうかと思いますので、ここへの国のほうからの補助金制度等、各種サポートをいただければということで、もうこれも制度もあると思いますので、この制度を使ってこれをやっていくということかなと思います。
 あと、加工の面で申しますと、大企業が少ないというところから、設備投資余力もなかなか十分ではないというところで、工場の大規模化の支援とか、あと輸送費、これ、横持ちの距離をかけてもあまり意味ないので、できれば工場分散化等の支援、これはCO低減にもつながりますので、こういったところも国ともども、自工会も併せて支援をしていければな、と考えてございます。
 次のページ、お願いいたします。最後に供給面なのですが、供給面でいいますと、基本的には、先ほど申し上げましたインセンティブ、図の左側、資源回収インセンティブ、これで解体業者さん、破砕業者さんから数万トンいけるかどうかというところかなと。一番多く発生するのは、やはりASRでございまして、これが50万トン、うち半分ぐらいは硬質系のプラスチックと見ておりますので、ここからどれぐらい持ってこれるかと。選別して、なるべく異物の少ない形で、自動車にも使えるようなもので持ってこれるかというところかと思います。樹脂リサイクラー、10万トンレベルと書いてございますが、これ、1万トンレベルでも100万トンレベルでもなく、10万トンレベルということで、これ、10万トン、20万トン、30万トン、40万トンという、そういうレベル感を表してございます。もう自動車メーカーは幾らでも欲しいというのが今の状況でございますので、もう足りなくてしようがないというところになっておりますので、ここの供給の部分をいかにつけていくかというところで、さっきの話と同じになりますが、大規模施設の増強と供給能力をアップさせるというところが非常に重要で、国のご支援もいただきながら、自工会のほうでしっかり支援していきたいなと考えてございます。
 ということで、樹脂リサイクルの、次のページでございますが、今、方策等、課題と併せて申し上げましたが、こういったところを自工会としてはしっかりサポートをしながら、需要と供給がマッチしていくように、品質、コスト、供給面でマッチしていくようにしてまいりたいと考えてございます。
 一方で、次のページ、お願いいたします。COの観点も考えることが重要と考えてございます。左側の円グラフでございますが、これ、ガソリン車のライフサイクルのCO排出量なのですが、リサイクル段階、実は2%でございます。この2%、ただ、走行時の排出量がなくなれば、相当数大きくなるというところはございます。この2%と少ないように見えるかもしれませんが、ここの2%をしっかりやはり減らしていくということが非常に重要と自工会では考えておりまして、その中身は一体何なのだと考えますと、やはりASRのサーマルリサイクル、この部分がやはり60%ぐらいを占めるという状況でございます。これはCN検討会で分かったものというところでございます。
 ですので、ここの部分を2%とはいえしっかりやっていくということで、次のページ、お願いいたします。こちらのほうは、もう国の目標というのが2050年カーボンニュートラルで、2030年、46%マイナスというところで決まっております。ですので、この目標に合わせて、もうしっかりやっていくということしかないと考えてございます。
 次のページ、お願いいたします。では、何をすればいいかということなのですが、三つの方策ということで、ASRのやはりサーマルを一番減らすのが効くというところもありますので、まずASRになる発生量自体をもう減らしていくと。資源回収インセンティブで、解体事業者さんでなるべく、先ほど来、中小の解体事業者さんのお話もありましたが、中小の解体事業者さんも含めて、なるべくASRになるようなプラスチックとか、そこら辺をしっかり外していただく。破砕業者さんも同様でございますというのが一つ。
 二つ目は、ASRのリサイクル事業者さんで、なるべく再エネ等を使って、そもそもの発生COを減らしていただくというところと、ASRリサイクルの、これをサーマルからマテリアルのほうに、最後は、どうしてもサーマルというところは出てくるのかもしれませんが、極力マテリアルに変えていくというようなところかなと思ってございます。いずれにしましても、解体業者さん、破砕業者さん、ASRリサイクル事業者さん、各関係事業者がやはり各々の領域で2030年、46%という国への目標に向かって取り組むことが重要と考えておりますので、自動車メーカー、自工会としても前面に立って進めてまいりますが、こういった目標を共有できればいいかなと思っております。
 それでは、最後に35ページ目、新冷媒への切替状況というところでございます。
 次のページ、お願いいたします。23年12月末で概ね終わっております。あともう少し残っておりますが、順調にいっておりますので、15年後、2038年、2040年前後になれば、もう大分廃車の中でフロンを積んでいるというものはほとんどないかなというふうな状況かなというふうに思っております。
 すみません、長くなりましたが、自工会からのご説明、以上でございます。
○酒井座長 嶋村さん、ありがとうございました。少し丁寧に説明いただいたところがあって、時間が押しておりますので、この後もちょっと多くの報告をいただきますので、ご配慮いただければ幸いです。
 引き続きまして、日本自動車輸入組合の対応状況につきまして、入野専務理事からお願いいたします。よろしくお願いします。
○入野委員 日本自動車輸入組合の入野でございます。資料のほう、7の1枚目に基づいて、ご説明を行いたいと思います。上の囲みと下の囲みございます。上は、毎年ご報告させていただいている内容と同じでございますが、重金属、4物質等の削減、使用廃止に関する輸入車の対応状況で、下は、輸入車の六価クロムの使用削減に関する対応状況でございます。
 現在の対応状況というのがございますが、これは乗用車でございますが、当組合は、組合員が国内に輸入する乗用車がELV、これはend of life vehicleでございますが、指令に要求しております鉛、六価クロム、水銀、カドミウムの4物質に関する削減量や使用廃止などの要件に従っていることを確認しております。
 また、過去に自動車構成部品や材料の難燃剤として使用されておりましたdeca-BDEについても完全撤廃しており、新車への使用はございません。こちらは、例年どおりのご報告でございます。
 下段のほうでございますが、続きまして、六価クロムに関する対応について、ご説明させていただきます。昨年の2月に大型車の輸入車の部品に六価クロムが使用されているという報道がございました。
 当該報道を受けまして、経済産業省及び環境省からご要請ございまして、大型車を輸入する当組合の会員4社、大型バスを輸入するインポーター2社と、大型トラックを輸入するインポーター2社、合計4社でございますが、六価クロムの使用実態を調査させていただきました。
 調査の結果、当該大型4社につきましては、六価クロムの使用廃止に向けての自主的な取組をしていることを確認しております。
 なお、EU ELV指令におきましては、大型バスや大型トラックは、現在、規制対象外とされているところでございます。
 また、先ほどもご説明させていただきましたが、輸入乗用車につきましては、当該組合が輸入する全ての乗用車がEU ELV指令に合致していることを確認しております。
 当組合は、引き続き各社の六価クロム使用状況をフォローいたしまして、お客様の安心と安全に努めてまいりたいと思っています。
 私らの説明は、簡単でございますが、以上でございます。
○酒井座長 続きまして、各種自主的取組について、ご報告いただきます。一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会の大澤専務理事からお願いいたします。
○大澤専務理事 SBRAの大澤でございます。
 自動車用鉛バッテリーの不法投棄を防止するためのセーフティネットとして、メーカーやインポーターの自主的取組として、2012年度より活動をしております。時間もありませんので、この1年のアップデートを中心にご説明申し上げます。
 まず、昨年度の処理実績になりますけれども、国際的な鉛相場は、依然として高止まりしていることもあって、日本国内でも、廃バッテリーが鉛リサイクルの原材料として高値で取引されていまして、これまで自動車整備工場等の事業者から廃棄物として排出されていた廃バッテリーが有価物として買い取られる場面が増えています。そのため、当協会が回収するバッテリーの取扱量は、2022年度も引き続き減少傾向になったということです。資料の左下の図になりますけれども、処理件数、処理量が2022年度減少しているのは、そうした背景によるものでございます。こうした傾向は2020年度から顕在化しておりまして、現在も続いている状況ということです。
 そうした状況を踏まえまして、セーフティネットとしての役割を着実に我々維持していく上で、幾つかの課題に今直面しているところでございます。
 一つは、昨年度のこの合同会議でもご説明しました回収網、特に中小零細が多い回収事業者の高齢化ですとか、後継者不足の問題ですけれども、これは事業継続性の管理という形で、万一の場合の代替事業者を普段から手当をしておくということで、何とか今しのいでいるところでございます。
 それから、もう一つが、これもまた、先ほど同じような話がございましたけれども、遵法意識の乏しい外国系解体事業者が増加していることでございます。自治体も把握できていない解体ヤードが既に全国各地に作られていまして、不適正なバッテリーの解体による環境汚染の懸念、あるいは巣鉛と呼ばれる鉛くずですね。これ、廃バッテリーの解体の結果生まれる鉛くずなのですけれども、これを偽装して不正に輸出している事業者、これはバーゼル法違反になりますけれども、こうした外国系事業者による高値買取によって、結果的に当協会の回収量が減少していまして、その結果、経営が著しく圧迫される回収事業者も出てきているような現状がありますということでございます。
 こうした問題への対応については、当方でもなるべく個別の懸念事業者等に関する情報を収集いたしまして、これ、国や自治体とも密に共有をさせていただきながら、例えば自治体による不適正な解体ヤードの指導や輸出税関による水際取締り等もお願いさせていただいているような状況ではございますけれども、いかんせん、もぐらたたき的なところもありまして、資源の国内循環という観点からも、なかなか頭の痛い状況が続いているというところでございます。
 私からは以上です。
○酒井座長 大澤専務理事、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、保安炎筒工業会の市川事務局長からお願いいたします。
○市川事務局長 発炎筒メーカー2社が実施する廃発炎筒処理システムについて、主に周知・広報面で協力している日本保安炎筒工業会よりご報告いたします。
 本処理システムは、資料に記載のとおり、廃発炎筒の排出者である解体業者、破砕業者、整備事業者等の排出しやすさを考え、発炎筒メーカー2社が、2社間の競争を阻害しないよう配慮しつつ、廃発炎筒の回収から処理、再資源化までの仕組みを共通化させたものです。
 当会は、この2社が行うシステムに協力し、廃発炎筒セーフティ・マネジメント・プログラム、略称SMaPとして、関係事業者に対する安全のための周知・広報活動、実績取りまとめ等を行っております。
 資料中の2022年度の実績をご覧ください。2022年度の引取総本数は約809万本、うち使用済自動車処理段階からの引取本数は約130.5万本でした。処理総重量は約799.5トンでした。引取後の処理、再資源化は、外装容器のマテリアルリサイクルが約20.5トン、焼却残さの再生利用が約37.8トンでした。処理に伴う熱回収量は約9,300万キロカロリーでした。
 周知広報活動としては、使用済自動車処理段階からの排出者を対象に、関係団体様を通じてチラシを配布しました。また、環境負荷低減の取組として、一部の処理施設にて外装容器をペレット化し、プラスチック製品への再資源化を実施しております。
 資料下部に本システムの費用構造が抱える課題を掲載しております。幸いにして現在のところ、納入先のご理解を得ており、大きな問題は生じておりませんが、今後、発炎筒の販売状況に大きな変化が生じた場合、本システムの維持運営に支障が生じることがあるため、販売状況については、引き続き注視してまいります。
 日本保安炎筒工業会からの報告は以上となります。ご清聴ありがとうございました。
○酒井座長 市川事務局長、どうもありがとうございました。
 続きまして、一般社団法人日本自動車タイヤ協会の時田環境部兼技術部の課長さんからお願いいたします。
○時田課長 日本自動車タイヤ協会の時田と申します。
 私のほうから、タイヤ業界におけるリサイクルの取組について、ご説明をいたします。
 我々タイヤ協会は、タイヤメーカー6社からなる団体でございまして、廃タイヤの適正処理とリサイクルの推進に取り組んでおります。
 主な活動としましては、廃タイヤの適正処理の推進、廃タイヤ処理状況の確認、不法投棄タイヤの撤去推進を行っております。本日は、時間の都合もございますので、1の廃タイヤ適正処理の推進と2の廃タイヤ処理状況についてと、それからカーボンニュートラルの取組についてのご説明をしたいと思います。
 一つ目の廃タイヤ適正処理の推進活動についてでございますが、資料で廃タイヤの処理ルートを示しておりますが、ここに書いておりますとおり、タイヤは市町村では処理が難しい適正処理困難物に指定されております。行政側からタイヤ業界に処理の協力要請が1994年に行われまして、タイヤ業界は、その要請に応える形で、タイヤ販売店が販売の際に発生した廃タイヤを引き取って、それを処理業者に引き渡すということをしております。このタイヤ販売店で不適正処理が起きないように、我々タイヤ協会は、廃棄物処理法の内容等に関する研修会を行っているところでございます。
 二つ目の処理状況の確認についてですが、廃タイヤのリサイクル状況の調査と不法投棄の調査をしております。廃タイヤのリサイクル状況については、廃タイヤは毎年およそ100万トン程度発生しておりまして、その9割以上がリサイクルされている状況が近年続いております。近年の2022年のリサイクル率は98%でした。廃タイヤのリサイクルは、熱利用がメインでありまして、6割以上を占めている状況です。廃タイヤのCO排出係数は、重油や石炭よりも低く設定されておりますので、化石燃料の代替としてとても需要が高い状況にあります。ですので、現在は廃タイヤの不法投棄など、問題が起こる状況にはないものと認識しております。
 最後に、カーボンニュートラルの取組について、ご説明をいたします。当会の正会員であるタイヤメーカー4社は、日本ゴム工業会の一員として、経団連カーボンニュートラル行動計画に参加をしております。生産段階のCO排出量を2050年までに実質ゼロにするという目標を掲げておりまして、コジェネシステムの稼働ですとか、燃料転換を図ることによって、生産段階のCO削減に取り組んでおります。
 ほか、タイヤの転がり抵抗の低減を進めることで、車の燃費の向上に貢献するなど、ライフサイクル全体で削減に向けた取組をしております。
 また、使用済タイヤを原材料として利用する資源循環の取組も、タイヤメーカー5社で研究開発を進めているところでございます。
 私からの説明は以上になります。
○酒井座長 どうもありがとうございました。ここまで多くのご報告をいただきました。ここまでの説明にご質問がある委員の方は、また挙手機能で意思表示をいただければと思います。先ほど、前半の議論のところで、制度的課題といったような点も委員のほうから結構発言いただいたものですから、両省の課長、室長さんのほうにご発言をということで、少しお願いをしておりました。ちょっと時間も押しておりますけども、この段階で、それぞれご発言ございましたらいただく。その上で委員のほうからの質問に入ると、そんな手順でやらせていただければと思います。ちょうど5時までのお約束でございますので、まずそういう方針で。
 では、松田課長からいきましょうか。
○松田課長 様々な委員の皆さんからご指摘をいただいておりますけども、大きいのはやはり、EUでの取組に対して、日本はどう進めていくのかというところです。ここはもちろん経産省さんや自動車工業会さんともよくしっかり連携しながら対応を考えていかなければいけないところではあるのですけども。いずれにしても、カーボンニュートラルの時代を受けて、資源循環の高度化を進めていかなければいけないと。そうすると、先ほど自工会の方からもお話ございましたけども、できるだけリチウムイオン電池だったり、またプラスチックの材料だったり、こういったものについて、もっと資源循環も高度化しなければいけないというところは、これはもう間違いないことでもありますので、環境省のほうでも、今こういう脱炭素型社会に向けた資源循環の高度化についての制度的な検討というのを進めていまして、別途、酒井委員長のほうもこちらの会で取りまとめていただいたばかりではありますので、こういった方向の政策としっかり連携して、自動車のリサイクルをもっと進めていくように、我々取り組んでいきたいというふうに思います。それが一つと。
 あとは、先ほど自工会さんや、あと鉛蓄電池再資源化協会さんからお話がありましたけど、輸出の部分について、いろいろ水際の輸出防止みたいなものを強化すべきではないかという話がございました。この点についても、税関との連携強化等、いろいろ水際強化方策も我々も考えていきたいと思いますので、また引き続きよろしくお願いします。
○酒井座長 どうもありがとうございました。
 では、原室長、お願いいたします。
○原室長 経済産業省の原です。
 時間の関係上、ご意見いただいたものについて全てお答えできていない点は大変申し訳ございませんが、貴重なご意見として拝聴させていただいております。
 本日、議題や資料で取り上げていない点にもご意見いただきました。電動車の普及については、特に電池のリサイクルが課題となりますけれども、当省の関係部署において技術開発や制度など全体的な検討を行っておりますので、それらを踏まえまして、本日ご意見いただきました点について考えてまいりたいと思います。現在、制度は順調にまわっておりますが、制度設計にかかわる点についてもご意見がございました。法制度上の難しい論点がいろいろございますけれども、いずれにせよ、本日のご意見の内容については承知いたしました。
 日本自動車リサイクル機構様、日本鉄リサイクル工業会様より、資源回収インセンティブ制度で既にお取り組みになられていることや考えていらっしゃることについて、ご紹介がございました。関係事業者とのネットワークや知見をたくさんお持ちであると思いますので関係団体の皆様と連携した上で、本制度の周知をしながらより良いものにしていく必要性をあらためて認識させていただいた次第でございます。また、日本自動車工業会様においては様々な取組を率先して進めていただいており、本日ご説明いただいたところでございます。なかでも、多くの議論がございましたプラスチック等の再生材の利活用の推進につきましては、関係する業界・事業者の皆様との連携推進が大変重要でございますので、こうした点にも留意しながら、環境省とともに検討を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○酒井座長 どうもありがとうございます。
 それでは、後半説明いただいたところへの質問、4名の委員から挙手をいただいております。活発な議論いただいていることもありまして、予定の時間、5時若干延長することはお認めいただけますでしょうか。10分程度の延長をお願いできれば幸いでございます。
 それでは、その方針でちょっと進めさせていただきますので、後半の質問、一人増えましたね、5名の委員から手が挙がりました。
 では、鬼沢委員からお願いいたします。
○鬼沢委員 ありがとうございます。鬼沢です。
 自工会さんの発表の中にありましたけども、資源回収インセンティブ制度においてのコンソーシアムの形成について、一言コメントを言わせていただきます。
 前半でも、中小零細の事業者の参加ができるようにという委員の方の何人かのご意見があったように、このコンソーシアムが、いろいろなパターンのコンソーシアムがあったほうがより参加しやすくなるのではないかなと、障壁を少なくしていくのではないかなと思いますので、ぜひその辺を検討していただきたいし、それに自工会さんがアドバイスをしたり、サポートをすることで、より実質に合ったものができていくのではないかなと思っております。結果的には資源回収量を増やすことになり、ASRの削減につながると思いますので、ぜひそこは30枚目のスライドにも、サポートするというふうにしっかり明記いただいておりますけれども、力を発揮していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○酒井座長 ありがとうございます。
 根村委員、どうぞ。
○根村委員 ありがとうございます。
 自工会さんのシートの16に不適正荷姿輸出の話が出ていたかと思うのですけれども、船舶において火事が発生しているというような報告を非常に衝撃をもって拝聴いたしました。11月には東京都のごみ焼却場が火事になってしまって、やはり電池が原因ではないかというように聞いています。こういったことが起こると、いろいろなところに影響が及んでいくかと思いますので、防ぐにはどうしていったらいいのかを連携して進めていっていただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
○酒井座長 ありがとうございます。
 大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 ありがとうございます。
 もう経済産業省さんとか環境省さんにお話しいただいてしまったのですけど、さっき自工会にお話しいただいて、さすがだなと思いましたけども、特に自工会さん、国のことも考えていただいているようなところもありますので、現在の状況で最善のことをやっていらっしゃる感じはします。ただ、ご案内のように、ブラックマスが日本の近隣国に出ていってしまっているという状況があり、その理由は、わが国では、中国とか韓国などに比べて電気自動車の導入が遅いので、国内での循環があまりうまくいかず、輸出されてしまうという状況が発生しています。これは経済安全保障の点からも結構大きな問題でして、経済産業省さんも多分気にしていらっしゃることだと思いますが、具体的には、ブラックマスの湿式精錬工場が今日本にないので、それをいつの段階で作るかというのが結構大問題になると思いますけども、ぜひそのタイミングを逃さないようにしていただきたいと思います。ずっとブラックマスが輸出されてしまうような状況が続いてしまうと、循環の輪が閉じないし、経済安全保障的にも問題だと思いますので、既によくご案内のことかと思いますけども、申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○酒井座長 大塚委員、どうもありがとうございました。
 では、松八重委員、お願いします。
○松八重委員 ありがとうございます。
 今、大塚委員もお話をいただきましたし、既に経産省のほうでもご検討いただいているかと思うのですけれども、EUの取組ですね、クリティカルローマテリアルですとか、その辺りのところをうまく接続といいますか、そこに対応が遅れないようにしていただければと思います。確かにカーボンニュートラルの話は、もちろん最重要の話ではありますが、それ以外のビヨンドカーボンといいますか、次のカーボン以外のところでの環境負荷軽減というところも恐らく貢献が求められているかと思います。恐らく自動車だけでとどまるものではないと思いますので、リサイクルの高度化という話は、こちらの審議会の中でも長らく、言葉としては出てきているのですけれども、やはり国として全体の資源循環の高度化というふうなところで、特にクリティカルな金属資源の循環に関しましては、自動車にとどまらないところでぜひご検討いただければと思います。
 電池材料に関しましては、特出しで恐らくご検討いただいているかと思うのですけれども、電池材料だけではない銅ですとか亜鉛ですとか、そういったところの循環に関しましても、ぜひご検討いただければというふうに思っております。
 以上です。
○酒井座長 松八重先生、どうもありがとうございました。
 次に木村委員お願いします。
○木村委員 すみません、最後に申し訳ございません。
 私からは労働組合、労働者の立場から、リチウムイオン電池のリサイクルの適正な管理・運用について、1点要請をさせていただきたいと思います。
 今ほど自工会の方から、リチウムイオン電池のリサイクルやコスト面についてご説明をいただきました。自工会さんにということではございませんけども、先ほど、少し遡って申し訳ございません。資料の4の17ページだったと思いますけども、自動車のリサイクル料金について、自車費用等を予測した上で設定されるというような記載があったかと思います。今後、自動車、電動車などの様々な形態の自動車の普及によりまして、現場の労働者の対応が複雑化されるということが予測されると思います。リチウムイオン電池への対応を初めとしまして、リサイクルプロセスにおいて、追加的に発生するコストがリサイクル料金に適切に反映をされる必要があるというふうにも思いますし、リサイクル料金の適正性を検討するに当たっては、そこで働く労働者の賃金や良好な労働安全衛生環境整備も観点に含めていただけるように、1点要請をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○酒井座長 労働者の観点から、どうもありがとうございました。
 それでは、最後に井岡委員、お願いいたします。井岡委員、どうでしょう。
○井岡委員 短くいたしますので。よろしいでしょうか。
○酒井座長 どうぞ。
○井岡委員 2点なのですが、自工会さんの発表の中で、LiBの不適正な輸出ということで、コンテナの不適正使用というのが気になっております。別件でも、コンテナの中に隠して不適正な輸出があったということなので、これは関係省庁さんも含めて、いろいろと対策を考えていただきたいと思います。
 もう一つは、これは消費者団体として考えていることなのですが、やはりLiB、リチウムイオン電池についての正しい理解や扱いについて、消費者団体として、もう少し消費者の理解の底上げが必要と考えておりますので、これは私どものこれからの課題と考えております。
 以上です。ありがとうございます。
○酒井座長 どうも井岡委員、短くしていただき、ありがとうございます。
 後半のほうでいただいたご意見は、専らコメントということで、それぞれの発言者、あるいはこの問題を考える事務局全体へのコメントということで取り扱わせていただきたいというふうに思います。これ、時間の制約だけが理由でございますので、ご了承いただければと思います。
 それでは、今日全体で多くご意見を頂戴しましたが、ここで産業構造審議会のほうの自動車のリサイクルの関係の座長を務めておられます山本先生のほうから、全体を通じてのコメントをいただければと思います。お願いします。
○山本座長 ありがとうございます。本年度から座長をさせていただきます山本でございます。よろしくお願いいたします。
 既に議論はたくさん出されていますので、私のほうから特に追加でお話しすることは無いのですが、自リ法、うまくいっているというご発言ありました。今日のような見直しですね、こういうファインチューニング的なものを繰り返しながら、これまで成果を上げてきたのだと思います。
 一方で、皆様ご指摘のように、法制度がなされたとき想定していなかったような大きな変化、例えばEV車の件もそうだと思いますし、世界的な不安定な状況における資源リスクの顕在化といったものですね。そういった点から、適正処理だけではなくて、経済安全保障的な役割が出てきたという意味で、大きな変化もあるのだと思っています。うまくいっているところはそのままうまく活用しつつ、我々のこの議論の資源を大胆な対応が必要なほうに攻めていくところにうまく使っていければなというふうに思っております。そのためには、今後も関係の皆様のご協力、不可欠だと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○酒井座長 山本座長、どうもありがとうございました。
 うまく最後まとめていただきましたので、ここに追加すること、ほとんどございません。基本的にはこの自動車リサイクル制度、しっかりと設計をいただき、そしてしっかりと運営いただいているというところは、この毎年の報告でうまく伝わってきているかと認識をしております。構造的な対応が必要な課題というところをどう検討して、そしてどう形にしていくかというところが今後重要なところだと思いますので、ぜひ両事務局とは、しっかりとまた議論を進めてまいりたいというふうに思っております。対象は言うまでもなく、再生材、樹脂再生材、あるいはリチウムイオン電池が含まれるでしょう。そして、途中でもご意見ございましたが、環境配慮設計との関わりもでてくる新たな負荷物質に対しての対応、出てきた段階に加えてどうするかという辺りも大きな課題ということになってきているのだろうと思います。
 いずれにしても、非常に力のある方々が中心のこの審議会の合同部会を構成していただいていると認識をしておりますので、引き続き様々ないい活動を期待したいということで、今日のところは終わらせていただければと思っております。
 では、最後に、事務局から議事の取扱い等についての説明をよろしくお願いします。
○坂口補佐 本日は予定時間を超えまして、多くのご議論、ご意見いただきまして、ありがとうございました。
 本日の資料につきましては、既にWebサイトにて公開させていただいております。また、本日の議事録につきましては、後日、各委員にご確認いただいた上で、Webサイトにて公開させていただきますので、ご了承ください。
 最後に、事務局を代表して経済産業省製造産業局自動車課長の清水より一言ご挨拶を申し上げます。
○清水課長 清水でございます。聞こえていますでしょうか。
○酒井座長 はい、聞こえています。
○清水課長 経済産業省自動車課長の清水でございます。事務局を代表して一言ご挨拶申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中、合同会議へのご参加、それから、長時間にわたり貴重なご意見頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
 本日ご議論いただきましたとおり、自動車リサイクル制度としては、順調に機能しているということで、これも本当にひとえに審議会の委員の皆様方からの貴重なご示唆、ご意見ということと、現場の皆様方のご努力ということで、適切に運営できているのではないかということで、改めて感謝を申し上げます。
 一方で、様々な社会的な要請、カーボンニュートラルですとかサーキュラーエコノミーという対応の中で、本日もご議論いただきましたとおり、制度として回っているというところを超えて、やはりこの制度を高度化していく、よりベターなものにしていくという質的な改善ということについて、かなりいろいろなご要請、それから、やはりチャレンジというものが改めて出てきているのではないかというふうに思っておりまして、この時代の変化の中で、リサイクル制度の課題にしっかり対応できるような形に改善・運営していくということが重要かなというふうに思っております。環境省とも連携しながら、本日もご議論いただきました内容も踏まえまして、資源回収インセンティブ制度の実装、それから再生利用可能な資源の確保ということに向けた技術実証ですとか、コンソーシアムの立ち上げといったことで、より一層取組を進めていければと思っております。
 本日は時間も超えてしまって恐縮でございますが、長時間にわたりましてご審議いただきまして、誠にありがとうございました。
 以上でございます。
○坂口補佐 それでは、本日の会議は、これにて終了させていただきます。ご議論いただきまして、ありがとうございました。