食料・農業・農村政策審議会食料産業部会第30回食品リサイクル小委員会 中央環境審議会循環型社会部会第28回食品リサイクル専門委員会 第28回合同会合 議事録

開催日時

令和6年10月11日(金) 15時00分~17時00分

開催場所

農林水産省4階(本467) 第2特別会議室
(〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1)

開催方式

対面及びWEBのハイブリッド方式

議題

今後の食品リサイクル制度のあり方について

議事次第

議事録

午後3時00分 開会
○鈴木室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の第28回合同会合を開催させていただきたいと思います。
 本日、進行を務めさせていただきます、農林水産省の新事業・食品産業部外食・食文化課の鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、委員の皆様方におかれましてはお忙しい中、今日、天気はよかったと思いますけれども、会場に御参加いただきまして、また、ウェブ、オンラインで御参加を頂きまして、どうもありがとうございます。
 本会合の事務局及び議事進行は農林水産省、それから環境省で持ち回りとさせていただいておりまして、今回は農林水産省が事務を務めさせていただきます。
 したがいまして、今回の座長につきましては、従前どおり、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の渡辺座長にお願いいたしたいと思います。
 本日の委員の出席状況でございますが、両審議会の委員数は合わせて20名でありまして、ウェブ参加も含め、うち16名の委員の御出席を頂いております。
 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会では、委員数10名のうちウェブ参加を含め、7名の御出席を頂いております。
 続きまして、中央環境審議会につきまして、環境省からお願いいたします。
○松﨑課長 中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会では、委員数15名のうちウェブ参加を含め12名の御出席を頂いております。
 以上でございます。
○鈴木室長 ありがとうございました。
 それでは、以降の議事進行を渡辺座長にお願い申し上げます。
○渡辺座長 今回議事進行役を務めます渡辺です。よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
○鈴木室長 ありがとうございます。資料の確認をさせていただきます。
 本日は議事次第、委員名簿、座席表、今後の食品リサイクル制度のあり方(案)について、参考資料、鈴木委員からの意見書をお配り申し上げています。不足等ございましたら、事務局まで御連絡ください。
 合同会合終了後には、発言者名を示しました議事録案を作成し、各委員に配付し、内容を御確認いただきまして、その上で公開させていただきたいと思ってございます。
 では、座長に交代します。
○渡辺座長 ありがとうございます。それでは、議事に入ります。
 本日は、前回9月の御議論を踏まえて、今後の食品リサイクル制度のあり方(案)がまとまってきているということです。それについて御議論を頂くというのが中心になります。
 それでは、環境省から説明をお願いいたします。
○村井室長補佐 環境省、村井です。
 今後の食品リサイクル制度のあり方(案)については、2回の審議を通じて明らかにされた食品リサイクル制度の現状と課題を整理し、これらに対する具体的施策を提示するものでございます。
 表紙にあるとおり、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会と中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の連名のクレジットとする報告書として取りまとめるものです。今後、この報告書をよりどころにし、基本方針見直しの告示や省令改正などの措置の内容の具体化を進めてまいりたいと考えております。
 本日は、前回まで合同会合の議論が、本日の資料の「現状と課題」「具体的施策」に適切に反映されているか、また重要な論点や御指摘の抜けがないか、などを中心に御審議をお願いいたします。
 それでは、資料の説明にまいります。
 まず、目次として大きく「はじめに」「現状と課題」「具体的施策」「おわりに」の四つのパートに分かれております。
 まず1ページ目、「はじめに」から御説明させていただきます。
 「はじめに」は、今背景となっている社会的な課題等について御説明させていただいております。
 5年前の定期点検時点は多分なじみが低かった「サーキュラーエコノミー」、「ネット・ゼロ」、「ネイチャーポジティブ」のようなワードが今一般的になりまして、それらの同時達成を実現させることが必要であるとされております。
 また、第五次循環基本計画が今年の8月に閣議決定されたところでございます。
 国際的な動きとしてはSDGsの取組が引き続き進められているということ、また今年の8月には第9回のAPEC食料安全保障担当大臣会合において、食品ロスに関する原則が採択されたという動きもございます。
 ESG投資が活発になっているという動きもあり、─2ページ目をお願いいたします。地域循環共生圏のための取組の促進が進められているという背景もございます。
 また、5年前の点検から大きく変わったこととして、食品リサイクル法の関連法として食品ロスの推進、食品ロス削減推進法が成立したというようなこともございます。
 また、食品ロスの削減及び食品リサイクルの推進は食料・農業政策の観点からも重要であるということがございまして、取組の促進が求められているところでございます。
 また、昨年度の話でございますが、規制改革実施計画などの対応として、この合同会合において御審議いただき、合同会合の報告書を頂きまして、それを踏まえてカーボンニュートラルの実現や食料安全保障の強化の観点から基本方針を改定したというようなことがございます。
 それを踏まえまして今回は、平成31年の結果の取りまとめ報告書を踏まえて、5年めどに定期見直しということで、前回の見直しから5年が経過したということで御審議いただいたということで、3ページ以降、この内容について具体的施策を提示いただく方向性となっております。
 2番の「現状と課題」に移りたいと思います。
 3ページ目、最初に、食リ法の制度についての定期報告だったり、基準発生原単位についての御説明をさせていただきつつ、それの経緯、推移等について書かせていただいております。
 また、2段落目、こちらの発生抑制・再生利用、また適正処理、こちらの両立などを図ると、またより一層促進するということが重要であるというふうに考えております。
 そのうち一つ目、発生抑制についてです。こちらは食品循環資源の有効活用にて最も優先されるべき手法であると考えております。それを踏まえ、後ほども触れさせていただきます目標がございますが、こちらは目標を達成したというような、令和4年度の推計値が公表されました。この達成した要因としては、記載のような様々な取組を、食品関連事業者等の協力を得て取組が進められてきた成果であるというふうに考えております。
 ただ、こちらは引き続き実施を着実にするということが必要でございますので、記載のような3分の1ルールを始めとする商習慣の見直し等の取組など、こちらを判断基準省令に位置付ける必要があるというふうに考えております。
 また、持ち帰りの推進など、そういった取組も進めているところでございます。
 4ページをお願いいたします。
 また、発生抑制には都道府県や地方市町村など、地方公共団体の皆様の取組も重要でございますので、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」、このような形でネットワークに加入して活動されているというようなこともございます。
 ②番、再生利用等についてです。こちらは図1で全体の図を示しておりますが、我が国全体では食品関連事業者が排出する食品廃棄物の約89%が再生利用等をされてございます。4業種別の数値については、図1を御覧ください。
 こちらの目標について、達成しているもの、まだそこの差があるものがございますが、再生利用等が実施されていない理由として、取組意欲が必ずしも高くない食品関連事業者があること、また周辺に再生利用事業者が存在しないため、なかなか再生利用が難しいということ、あと処理料金についてが高いというところで、負担増を回避するということが挙げられております。
 また、目標との差がある外食産業固有の理由としては多種多様な事業者から少量かつ多様な食品廃棄物等が発生するということで、分別が困難であるということが挙げられております。ここは年間100トン以上、100トン未満の食品廃棄物等の量の事業者と比較して、再生利用実施の差があるということが分かってきたところでございます。
 そのうち、最初に申し上げました意識、意欲のところでございますが、これは単純な知識を十分に有していない事業者さんが存在するということも考えられますので、それについては食品リサイクル法や廃棄物処理法といった、そういったことについての周知を図っていくことが重要であると考えています。
 最後の段落については、事業系一般廃棄物については、一般廃棄物の処理は市町村が包括的な責任を有することから、食品廃棄物の排出抑制や再生利用の推進等を位置付けて、施策を処理計画に基づいて推進することが期待されると考えているところでございます。
 5ページ目の真ん中、登録再生利用事業者制度及び再生利用事業計画認定制度についてです。食リ法の制度の大きな二つの柱でございますが、まず登録再生利用事業者制度について登録件数は近年横ばいでございます。うち、飼料化・肥料化が7割以上を占めているというところでございます。こちらは、こういった事業者が、再生利用等実施率の向上にも貢献されているというふうに考えられます。
 ただ、そうした状況の中、課題として、事業者制度のそもそもについての認知度が低いと、食品循環資源が集まらない、再生品の需要が不足していると、そういったことの課題が挙げられてございます。
 再生利用事業計画認定制度、いわゆるリサイクルループ制度について、こちらも認定件数横ばいでございます。肥料化の件数が全体の6割を占めてございます。こちらについては、リサイクル法に基づく認定を受けていないものの、食品関連事業者がリサイクルループを形成している例も見受けられるということが分かっているところでございます。
 今申し上げた数値については、ページ6の図2、3、4に示しているところでございます。
 7ページに移ります。
 排出事業者責任の徹底。適正処理に関係するところでございますが、まず食品循環資源の再生利用等の促進に当たっては、食品廃棄物の適正処理を徹底することが大前提となっております。平成28年には食品廃棄物の不正転売事案が発覚したということもございまして、当時、こちらの合同会合において様々御審議いただき、答申を受け、様々なガイドラインや通知等を発出させていただき、そういった対応をさせていただいたところでございます。
 このように、廃棄物処理に関する排出事業者の責任は極めて重いものであるということについては引き続き認識しつつ、この適正処理をすることが強く求められるということでございますので、地方公共団体や食品関連事業者への周知徹底を継続的に実施していくことが重要となるというふうに考えてございます。
 7ページ、3番、こちらから「具体的施策」にまいりたいと思います。
 初めに、全体に係る事項を記載させていただいております。
 食品循環資源の有効利用の促進として、まず8ページにまいりますが、地域における資源循環性を高め、廃棄物を地域の資源として、できるだけ利用することが必要であるというふうに考えております。
 また、その直後に記載させていただいています定期データの公表においての取組も重要でございます。
 また、食品のサプライチェーン全体での削減、この観点で取り組んでいくことが重要でございまして、その情報提供ということもセットとして、取組の一つとして考えられるということでございます。
 また、様々な周知に努めるということが大事であるということと、昨年度の合同会合の結論にありました、カーボンニュートラルにも貢献することは重要であるということが考えられます。
 8ページ目の下段、(1)定期報告データの事業者毎の公表等についてに移ります。
 こちらは食リ法の制度において、食品廃棄物多量排出事業者からの定期報告を国が受けているところでございまして、こちらについては農林水産省のホームページにおいて毎年公表してございます。ただ、この優良な取組を行う事業者の取組状況を国民が容易に知ることができる状態にはなっていないと考えております。
 そこで、9ページ目に移ります。
 そのため、農水省のホームページに公表するだけではなくて、食品関連事業者自らが情報提供に努める旨を判断基準省令に位置付けることが必要であるというふうに考えております。
 具体的には、これは有価証券報告書やインターネット、その他の方法によって提供することを明記するとともに、いろいろ任意開示に係る統一フォーマットの作成を検討することが必要であるということでございます。
 また、各食品関連事業者の発生抑制等の取組を適正に評価する仕組み、こちらの検討も必要があると考えております。
 その中で最後の段落、事業者ごとに取り扱っている食品の性状等により発生抑制や再生利用の実施のしやすさが異なる点、また優良事業者の公表を基本とする点について配慮することが重要であるということでございます。
 9ページ目の下段の(2)発生抑制の推進施策についてです。
 ①番については、基準発生原単位のことでございまして、基準発生原単位が設定された業種に該当する食品関連事業者は、これを下回るよう努力することが必要であると。また、該当しない業種についても自主的な努力により発生原単位の減少を通じた発生抑制に取り組むことが重要であるというふうに考えております。
 続きまして、10ページに移ります。
 ②番、事業系食品ロスに係る目標についてです。
 こちらは前回の合同会合でいろいろ御議論いただいた部分でございますが、現在、事業系食品廃棄物の半減目標を達成したということから、新たな目標を定める必要があると考えております。
 現行の目標は、食品ロスの発生実績の趨勢を基本とする予測に、業種毎の削減幅の実現可能性等を勘案して設定しており、政策の継続性の観点から新たな目標設定においても同様な手法で設定するのが適当であるというふうに考えております。
 こちらの基準年としては令和12年、2030年までの目標とし、またコロナの影響があると考えられることから、行動変容を加味する必要があると考えております。
 なお、コロナで関連しますと、近年の食品ロスの削減に占める外食産業からの削減が大きいことを留意すべきであるというふうに考えております。
 前回の合同会合でお示ししたグラフのとおり、計算した結果、2030年度までに56%から62%削減するという幅の中で、事業者や国民にとって分かりやすい目標となるよう、今後の議論を経て基本方針において定めることとするとさせていただいております。
 なお、これについては2030年以降の目標の設定、これは今後あり得るかもしれませんが、その場合は国際的な動向を踏まえるとともに、新たな目標設定方法を利用する場合には、その方法の妥当性、データの利用可能性、継続性の可能性を十分検証する必要があるということに留意すべきであると考えています。
 ③番、事業系食品ロスの削減施策のあり方についてでございます。
 この目標を達成するということについてどのような取組があるかということについては、業種ごと、また業種間の協調による取組が重要でございます。
 また、10ページの下段の方に書かせていただいているような様々な取組については、繰り返しになりますが、こちらの政府方針が明らかにされたようなものについては、判断基準省令に具体的に反映されていないということを踏まえ、それを判断基準省令に反映する必要があると考えております。
 また、これらに関連して、今後、食品ロスの削減効果が大きいと見込まれるもの、例えば今検討中の食品寄附ガイドラインや食べ残し持ち帰りガイドライン、またAIによる需要予測の推進、こうしたことの強化が求められているところでございます。
 また、事業系食品ロスの削減の取組の推進に当たっては、業種や取り扱う食品の種類等によって食品ロスの発生要因や食品ロス削減が困難な場合があることに留意しつつ、発生量が多いポイントにおける削減可能性を検討し、それぞれの業種・食品の種類等に応じて効果的と考えられる取組を着実に推進していくことが重要であると考えております。
 11ページの下段、(3)番、再生利用等の推進施策についてです。
 ①番、再生利用等の実施率の目標についてでございますが、先ほどの図でお示ししたとおり、現在、食品製造業及び食品小売業については、令和4年度の段階で97%と61%ということで、それぞれの目標を達成しているところでございます。
 一方で、食品卸業、また外食産業については、それぞれの目標、75%、50%でございますが、達成が見込めない状況にございます。
 12ページに移らせていただきます。
 このような状況の中、それぞれの業種別でございますが、食品製造業は維持向上の観点から95%、食品小売業は65%とし、引き続き再生利用等の取組を着実に推進していくことが期待されます。
 また、直近の実績と令和6年の目標の差が大きい食品卸業と外食産業については、目標を据え置いた上で、再生利用等の促進のために次のような取組を一層推進する必要があると考えております。
 ということについては、ア、イ、ウで示しているような地方公共団体との連携や事例の横展開、また登録再生事業者数の確保、そういったことについて国としても実施する必要があると考えております。
 また、特に外食産業においては、上述の取組に加え、様々な内容を盛り込んだマニュアルの普及だったり、優良事例の研究、他産業との情報交換を含む連携強化、こういった取組の促進を図ることが望まれております。
 12ページの下段、②番、登録再生利用事業者制度の活用促進についてでございます。
 こちら現状については、現状と課題のところで示させていただいたところでございまして、13ページに移りたいと思います。
 現状と課題を踏まえて、今登録再生事業者にアンケートを取らせていただいていまして、その結果を踏まえて、何をするべきかということについては、食品リサイクルの必要性、再生利用の必要性・重要性に関しての普及啓発、制度についての普及啓発、また食品廃棄ゼロエリアの創出含めた取組を、こうした優良事例の整理・見える化と横展開、また事前分別の必要性の普及啓発、登録申請審査の更なる合理化に向けた分析や改善策の検討、こういったことが重要であると考えております。
 なお、登録再生利用事業者による自主的な取組として、登録再生利用事業者の中で優良な事業者を認定する制度の運用が行われているところがございますので、国はこうした自主的な取組の活用の促進に努めることが重要であるというふうに考えております。
 13ページ、③番、再生利用事業計画(リサイクルループ)認定制度の拡大についてです。
 近年、食品関連事業者が食品リサイクル法に基づく認定を受けずにリサイクルループを形成している例も見受けられます。
 その場合において、国においては、認定の有無にかかわらずこうした普及啓発を行うということが重要でございますが、ただ、こうした特定肥飼料等を利用して生産された飼料、又は肥料を更に利用した農畜水産物等を生産した場合においても認定制度の対象としてほしいとの要望を踏まえて、こちらについては制度の目的を満たすことから、省令に位置付けることが適当であるというふうに考えております。
 13ページ、④国による再生利用等の促進についてです。
 こちらは、資源循環の再生利用等についての周知を行うことが重要であるというふうに改めて考えております。
 14ページに移ります。
 周知を行った上で取組が不十分な事業者に対しては、指導・助言等を積極的に行う必要があると考えております。また、事業者の皆様に対して意識付け・事例の横展開についても一層推進する必要があると考えております。
 また、登録再生利用事業者の課題の方で申し上げました、出口側の課題として、特定肥飼料が安定的に利用される必要があるということから、現在やっているエコフィードに係る優良事例の紹介も含めて、こういった施策について引き続き推進することが重要であると考えております。
 また、市町村の先進的な取組事例について、取りまとめて情報発信等を行うことであったり、繰り返しになりますが、食品廃棄ゼロエリアの展開とか、そのモデル事業を通じた知見について、環境省ホームページ等含めて公表するなど、横展開を図っていくことが求められております。
 ⑤番、食品循環資源の再生利用等の促進の観点を踏まえた市町村等の対応についてです。こちらについては、引き続き積極的な市町村において積極的な推進をすることが必要であるということでございます。具体的には、経済的インセンティブを活用した排出抑制、有料化の更なる推進、こういったことがございます。
 また、この際、前回の合同会合の御指摘、審議にもありましたが、市町村による事業系一般廃棄物の処理手数料の設定に当たっては、事業系一般廃棄物については排出事業者が適正処理を行う責任を有していることを鑑み、その処理に係る原価相当の料金とすることが望ましく、その旨、地方公共団体の食品リサイクルや一般廃棄物の担当者に対して、環境省が継続的に周知徹底をする必要があると考えております。
 なお、最近の出来事として、令和6年9月30日付けで、環境省として、記載の「一般廃棄物処理業務における「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」等を踏まえた対応について」という通知を発出させていただきました。こちら中身については、一般廃棄物処理業務における労務費、原材料費、エネルギーコスト等の適切な転嫁のための重要事項を記載しており、これらの内容については説明会等で今までも説明させていただいておりましたが、通知という形で今回発出させていただいておりましたので、こちらを踏まえて、市町村において当該通知を踏まえた必要な措置の実施に努める必要があると考えております。
 15ページに移ります。
 こういった自治体の皆様の取組を支援するために、国としては参考となる情報等を整理し、あらゆる機会を通じて発信を行うこと。
 また、国は地方公共団体や登録再生事業者等の関係者が現状・課題等を共有しながら、再生利用等の促進に向けたコミュニケーションが可能となる場を適宜設けることについて検討するなど、関係者との連携を促す必要があると考えております。
 ⑥番、再生利用手法の優先順位等についてでございます。
 こちらは昨年度の合同会合で御審議いただいた内容を書かせていただいていますが、こちらについて、頂いた結果を踏まえて、基本方針が改定されたこと、こちらを踏まえて引き続き施策を推進することが重要であると考えております。
 ⑦番、適正処理の徹底について。
 食品循環資源の再生利用は、その適正な処理を前提に取り組まれるべきものであり、再生利用のためには、適正処理がおろそかにされることはあってはならないと考えております。また、国においては、適正処理の徹底は現在もなお重要な課題であると改めて認識するということで、継続的な周知徹底を図っていく必要があると考えております。
 16ページに移ります。
 食品関連事業者は、廃棄物処理の根幹的業務を自ら実施していく体制を整備する必要があると考えております。
 また、今後については、国は地方公共団体等や食品関連事業者への周知徹底を行う必要があるため、今後は直接的・定期的な講習会等の開催を実施していくことが求められるというところでございます。
 16ページの(4)番です。事業系食品ロス量の対象とされていない災害時用備蓄食品等に係る取組についてです。
 こちら事業系食品ロス量の対象とされていないものについては、災害時用備蓄品、また生産段階における出荷されない野菜等が挙げられます。国においては、災害時用備蓄食料については、申合せに基づき、原則フードバンク団体等への提供をしていると。また、地方公共団体においても有効利用が行われておりまして、食品関連事業者においても同様に、寄贈等の有効活用が行われているところでございます。
 また、生産段階における出荷されない野菜等については、食用としての活用を含め、一定程度有効利用を行っている事例も見られます。
 特に、昨今の地震や豪雨などによる自然災害の増加に伴い関心も高まっている災害時用の備蓄については、備蓄用品をフードバンク等へ寄附するなど、優良事例の横展開を行うことが望まれます。
 16ページ下段、(5)家庭系食品廃棄物に係る取組についてです。
 家庭系食ロスについては食リ法の対象となっていないところでございますが、食品廃棄物等の量の約半分にも相当する量があるということで重要な取組が必要だということでございます。
 そのため、①番、家庭系食品ロスの削減については、「食の環(わ)プロジェクト」等、消費者への啓発等を実施すると。また、食品ロスの削減に資する民間企業のデジタル技術等や脱炭素の国民運動「デコ活」の活用により、こちらも普及啓発が大事であると考えております。
 消費者という観点から、地方公共団体が果たす役割が大きいということで、効率的かつ効果的な削減を促進するための情報発信、こちらを国においてもしっかりやるということが大事でございます。
 そういった取組を行うことで、家庭系食品ロスの削減目標の早期達成に向けた取組を強化することが期待されるということで、事業系の廃棄物にも関連してくる取組について推進していくことが大事であると考えております。
 ②番、家庭系食品廃棄物の再生利用の促進については、一部の市町村では、食品廃棄物の堆肥化に係る取組が進められているというような状況がございます。
 また、家庭系食品廃棄物についての、性状的には、外食産業からの食品廃棄物の性状とか、そういったことに近いところがございますので、質の高い分別を地域で実施できる場合を除き、市町村全体での飼料化や肥料化が困難である場合が多いためメタン化等の促進を図っていくなど、そうした整備、有効活用、再生利用等の促進をすることが大事だと考えております。
 17ページ下段、(6)番についてです。食品ロスの削減、食品循環資源の再生利用等を通じた他の政策目的への貢献についてでございますが、循環経済への移行、こちらの政策目的に限らず、食料安全保障の向上、環境教育や福祉施策の強化、こういった多様な政策目的の達成にも同時に資するものであると考えております。その中でもカーボンニュートラルについては、昨年御議論いただいたとおり重要な施策であるというふうに考えております。
 18ページに移ります。
 最後、「おわりに」でございます。
 以上、御説明したような改善策等について、今回取りまとめにおいて提言を行っていただいたこととしております。これを踏まえ、必要な制度改正や施策の具体化を行い、また関係者間のコミュニケーションを向上するなど、こういった取組が必要であると考えております。
 また、前回の5年前の報告書同様、今回においても、「今回の検討から5年後をめどに、食品リサイクル法の施行状況の点検を行うことが必要である」ということで締めくくらせていただいております。
 続きまして、参考資料の方を御覧ください。
 これは前回の合同会合の資料をベースに、必要な更新や、御指摘を踏まえた、事務局として対応させていただいたスライドの追加をさせていただいたものでございます。御指摘を踏まえた対応ということで、宿題を頂いたものについて簡単に触れさせていただきます。
 参考資料、4ページを御覧ください。
 前回の合同会合で、事業系食ロスの今後の削減可能性の観点から、現在の食品ロスの具体的な内訳に関する情報を提示し、認識を共有する必要があるとの御指摘を頂きました。
 4ページはこの御指摘を踏まえ、令和4年度の事業系食品ロスの発生量について、4業種別・工程別の内訳を推計し、表に整理したものでございます。
 こちら、詳しくはこの表について御覧いただければと思いますが、各工程において、例えば調理ミスの失敗品とか、検査不合格品などの削減が困難なものがあるというふうな調査の結果等が示されているところでございます。
 次に、参考資料9ページを御覧ください。
 前回の合同会合で、事業系食品ロスの削減目標に関して、その目標設定に当たっては、食品産業の合計の数字だけで判断するのではなく、各業種ごとに見ていく必要があるのではと御指摘を頂きました。これに対して9ページは、この御指摘を踏まえ、参考資料の一つとして推計を行ったものでございます。
 具体的には、こちらの4業種別に算出したものを足し合わせたものと、数式になっています。数式については、9ページの上部のところについて記載しておりますので、御覧いただければと思います。
 次に、参考資料10ページを御覧ください。
 前回の合同会合で事業系食品ロスの削減目標の検討に関して、例えば適用された指数関数減少推移、これを2050年まで延ばして将来見通しの試算を行ってはどうか。また、その際に長期的なトレンドに与える影響として、人口動態の要素も加味してはどうかとの御指摘を頂きました。
 10ページはこの御指摘を踏まえ、将来の人口動態を加味し、2050年までの長期のトレンドの大枠を見る観点から、人口動態のみを加味し、人口の変動に比例して食品ロス量が変動すると単純仮定して試算したものとなっております。
 本試算が2030年度以降の削減目標を含め、今後の議論を予断するものではないことに御留意いただければと存じます。
 以上で説明を終わります。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ちょうど、意図してなのかどうか分かりませんけれども、前回の議事録が昨日ぐらいに配付されていまして、それを御覧になっていらっしゃる方もいるかと思いますけれども、前回の議論を踏まえた上で今回のあり方のペーパーが作られ、参考資料の追加が行われているということであります。
 それでは、早速審議に入りたいと思いますが、まず初めに鈴木委員から意見書が提出されています。鈴木委員は移動中と聞いておりますので、御発声できないということですので、事務局より御説明をお願いいたします。
○速見課長補佐 鈴木委員から提出いただきました意見書について、1ページに簡潔にまとめていただいていますので、読み上げさせていただきます。
 「今後の食品リサイクル制度のあり方について(案)」に関する意見。
 第28回合同会合において、「今後の食品リサイクル制度のあり方について(案)」に関して、下記のとおり意見を提出いたします。
 ①事業系食品ロスに係る目標について。
 (B)の56%と(C)の62%の間にて設定するとのことだが、『まずは事実に基づいて算定された「56%」を正式な目標とし、飽くまで努力目標として「62%」の高みに挑戦する』としていただきたい。
 ただし、2022年度の数値はコロナの影響を受けているため、今回、新たな目標値を設定した場合でも、2023年度及び2024年度の数値を踏まえ、農林水産省の指数関数による想定数値と実態が大きく乖離するような状況となる場合には目標値を見直すことを明文化していただきたい。
 ②再生利用等実施率目標について。
 コンビニエンスストア等の食品小売業についても外食産業同様、再生利用事業者の不足、収集運搬費用の負担、分別の複雑化、リサイクル後の肥料・飼料等の需給調整等、食品リサイクルに取り組む上で様々な問題があり、現状以上のリサイクル推進は現実的でない状況にある。
 目標を65%に引き上げた場合、現状のままでは目標値の達成が難しいことから、再生利用事業者の拡充、食品廃棄ロスゼロエリアの創出、再生利用事業計画認定制度の活用拡大、異業種間の協業促進、廃掃法に関する特例制度の拡充等、現状、食品リサイクルがなぜ進まない状況にあるのか、要因分析を詳細に行った上、その課題を解決する取組の早期実現に向け、廃棄物を主管する自治体任せではなく、国としても積極的に取り組んでいただきたい。
 ③定期報告データの事業者毎の公表等について。
 「優良事業者の公表を基本とする」とのことだが、事業者ごとで取扱商品の性状等が異なることを踏まえ、仕組みを検討する際は事業者へのヒアリング等を十分に行った上で、進めていただきたい。
 また、優良事例が水平展開されるような仕組みについても併せて御検討いただきたい。
 以上でございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 それでは、進めます。今回は論点が非常に多岐にわたっておりますので、項目ごとに審議を頂きたいと考えております。
 最初に、ワード文章になっているもの、「あり方について(案)」の「1 はじめに」「2 食品廃棄物等の発生抑制・再生利用等の現状と課題」、ここまでのところにつきまして、まずは御意見、御質問等をお伺いしたいと思います。
 会場にいらっしゃる委員の皆様は、名札を立てていただくようにお願いします。事務局がマイクをお渡ししますので、マイクを通して御発言をお願いいたします。
 ウェブ参加の方はミュートを解除して御発言いただくか、画面上で電子的に挙手のサインをお願いいたします。
 その後ということで、「3 食品廃棄物等の発生抑制・再生利用等を推進するための具体的施策」のうちの(1)についての議論に入っていきますので、まずは1と2の部分、ここについて御意見ある方はお願いいたします。
 堀尾委員、お願いします。
○堀尾委員 質問ですけれども、再生利用等の定義はどこに書いてあるのか、ちょっとまだ読みが足りなくて分かっていないんですが、教えていただければと思います。
○渡辺座長 これはすぐ回答しますか。
 お願いします。
○村井室長補佐 再生利用等については、1ページの一番最後のところです。2ページにまたがってございますが、「食品循環資源の再生利用等(食品循環資源の再生利用及び熱回収並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量)」というところの法的な記載を書かせていただいております。
○堀尾委員 そうすると、メタン発酵は熱回収という扱いということですか。
○村井室長補佐 メタンは再生利用のところに入ります。
○堀尾委員 再生利用等の定義で、熱回収は入るということでしょうか。
○村井室長補佐 「熱回収」と書いてある直前の「再生利用及び」の「再生利用」にメタン発酵は入ります。
○堀尾委員 そうすると、再生利用の定義はどこにあるんですか。
○松﨑課長 すみません、基本方針の中で具体的に記載している部分を今探しているのですが、食リ法の基本方針の中で再生利用に関して記載している部分がございます。今この報告書に書かれているかどうかの確認を並行しておりますが、もし書かれていなければ、「再生利用」という中身についても、この報告書だけ御覧いただいても理解できるように、具体的な定義を書くなど対応していきたいと思います。
○堀尾委員 そうですね。ありがとうございます。
 それからもう一点、今度は更に単純なことです。5ページの16行目、これは単に修文の問題ですが、16行目の「市町村は」というのがございますが、「市町村は─が求められる」。「は」と「が」が混乱しますので、「市町村には」と、「に」を入れるべきだと思います。
 それから、その次の17行目ですけれども、これ私も事前でちょっと申し上げたんですが、ここは何か文章のつながりが悪いなと思っていたんですが、前の文章と次の「市町村が定める」という文章の間に、「そのため」というものを入れた方が読みやすくなると思います。
 以上です。
○松﨑課長 堀尾委員ありがとうございます。日本語として読みやすくなる観点から、今御指摘の点も含めて、記載の適正化、表現の適正化を行いたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ほか、1と2につきまして、いかがでしょうか。
 﨑田委員、お願いします。
○﨑田委員 ありがとうございます。前回お休みをさせていただいたので、皆さんの御発言を伺った後で発言しようかと思ったんですが、一応場所の御指定があったので手を挙げさせていただきました。
 それで、取りあえずこの「はじめに」のところで現在の社会状況とか食品廃棄物の削減だけではなく、発生抑制のところが求められていること、かなり社会状況を書いていただいたんですけれども、一言申し上げると、発生抑制のところへの危機感というか、そういうのをもうちょっと強く書いていただいてもよろしいのではないかなという感じがいたしました。
 どういうことかというと、全体の中の方で食品ロスの話が出てくるときに、社会の関心が高まっている食品ロスはという感じで話が出てくるんです。それはそれで中の方はいいんですけれども、では何で関心が高まっているかという辺りをもう少し明確に書いておいていただいてはいかがかというふうな感じがいたしました。
 それで、どういうことかというと、例えばいわゆる食料安全保障という視点で、今世界で課題になっているということが余り明確に出ていないというふうな印象を持っています。残念ながら、今、世界の人口の10分の1は飢餓で、国連の支援を受けているという状況の中で、世界の生産食料の約3分の1ぐらいは廃棄されているという、その現状。その数字から言えば日本も同じぐらいで、特に日本は輸入している量が大変多いわけですので、日本は世界と同じぐらいだからといって安心していいわけではなくて、もっとみんなで食を大切にしていくという基本が大事だという、何かその辺のところをもう少しきちんと書いておいていただいてもいいのではないかというふうな印象を持ちました。よろしく御検討いただければと思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 お願いします。
○松﨑課長 﨑田委員、どうもありがとうございます。この食料安全保障の件、御指摘の一つにございましたが、その点につきましては、昨年の合同会合の中でも食料安全保障について基本方針にワンパラグラフを使って新たに追記させていただいたという経緯もございまして、委員の御指摘はごもっともだと思っております。
 今回の報告書の中で今御指摘いただいた危機意識、あとは食料安全保障、その他御指摘いただいた点をこの中に、読みやすい形で何らか盛り込んでいくということとしたいと思います。具体的な書きぶりは、また事務局で検討対応したいと思います。御指摘ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。前回の基本方針改正で取り入れた部分というのがこちらのあり方の方にも反映されるような整合性を取れるといいのかなというふうに、今お二人の御発言を聞いていて思いました。
 それでは、犬伏委員お願いいたします。
○犬伏委員 ありがとうございます。リサイクルループを完成させる上で、使い方というところがちょっと弱いかなと。5ページ目の下からで、26行目ぐらいから、「登録再生利用事業者からは」でずっと続いているんですけれども、「などがあげられている」ということは「などの問題点があげられている」ということでしょうか。その最後のところで、「再生品の需要が不足している」だけではなくて、実は再生品の使い方というか、情報がまだ十分行き渡っていないんじゃないかなということもちょっと懸念されるわけです。
 それから、あと関連して13ページ目。これは次のところでまたちょっと言いたいと思いますので、取りあえずここまでで止めて。
 リサイクルループは大きくなると相手が見えなくなるので、どういうふうに使っていいのか分からない。小さいところだと、ある程度その情報が行き渡るのでうまく回るというようなこともあると思います。そこら辺のところをうまく盛り込んでいただければと思います。いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○渡辺座長 ありがとうございます。お願いします。
○松﨑課長 犬伏委員、ありがとうございます。今の5ページ目の点に関して、最終段落のところ、もう少し丁寧にという点と、再生品の需要不足という状況になっている背景として、使い方、情報が十分に行き渡っていないのではないかというところ、あとは見えやすい点と見えにくい点。今の御指摘の点をこのリサイクルループのパラの中で読みやすく簡潔に盛り込めるように、事務局の方で文言を整理していきたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ウェブ参加の方は特に大丈夫ですか。
 では、一通り御意見頂きましたので、次のパートに進みたいと思います。「3 食品廃棄物等の発生抑制・再生利用等を推進するための具体的施策」のうち「(1)定期報告データの事業者毎の公表等について」、この部分です。(1)の部分について御意見、御質問等をお伺いしたいと思います。
 小山委員、お願いいたします。
○小山委員 ありがとうございます。日本チェーンストア協会の小山です。
 9ページの16行目、17行目です。「発生抑制の取組を適正に評価する仕組み」というところなんですけれども、今現在、定期報告データの、それに関する算出方法というのが各企業で違いがございます。計量機で全量を計測しているという企業から、ごく一部のサンプルで報告しているといった企業もある中で、これを評価するというところの適正化、公平性がなかなか担保できないんじゃないかというふうに考えます。消費者に正しい情報を送るはずのものが誤った情報提供にもなりかねないということが懸念されるかなと思います。
 以前、議論があった省エネ法については検針ですとかスマートメーターなどはっきりした数字が出せるので、横比較が可能だと思うんですけれども、もし本当に数値化ということにしようとすると、計量機を全部導入するとか、そういったことにもなろうかと思いますので、その辺りを。ちょっと時期尚早ではないかなと。
 ただ、優良事例の横展開という、共有ということは是非やっていただきたいと思いますので、意見させていただきました。よろしくお願いします。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 この点につきましては、事務局からお願いします。
○五十嵐課長 小山委員、御指摘ありがとうございます。算出方法がそれぞれ各企業が違う中、同じ土俵で評価をするのは公平なことではないということは、御指摘のとおりだと思います。
 このため、省エネ法は参考としつつ、これを食品関連事業者の発生抑制等の取組状況の評価について全くそのまま同じような形であてはめるというのは当然できませんので、今後どういった方法が公平なのか、適切なのかなども含めて、複数年かけて検討していきたいと思っています。
 その際に、「適正に評価」と言う言葉の意味を強くとらえられてしまっているかもしれませんが、このクラス分け制度においては、取組が進んでいない企業を公表するというより、取組が進んでいる企業の活動を外部からより一層見える化をして、それを消費者なり投資家等に評価をしてもらうということを狙いとしております。制度の詳細については、事業者の皆様とか、あとは消費者の方からも話をよく伺いながら今後検討していきたいと思っております。当然、優良事例の横展開というのは併せて行っていきたいと思っております。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 それでは、酒井委員お願いいたします。
○酒井委員 今、小山委員が意見をされたところ、全く同じところで申し上げます。どう測るか、どう測定するかという観点での適正に評価する仕組み、ここはしっかりと考えたいということ、これには同意をいたします。
 その一方、発生抑制等の取組を適正に評価する仕組みというのは、もっと広い考え方が背景にあるように思っております。この法律との関係でいくと、特に基準発生原単位との関係です。数十の業種に対して基準発生原単位を設け、そして適宜それを見直しておられるということは今回のあり方ペーパーの中でも盛んに書いておられるところですが、この部分が国民・市民から見えているかというと、極めて見えない形のまま政策的、行政的に運用されているというところがあります。ここを適正に評価する仕組みということは、もう少し丁寧に考えなければならないところかと思います。
 そういった意味では、この文章はいろいろな観点があるということをちゃんと頭に置いて、もう少し丁寧に書くなら書く、あるいはそういう複数の観点があるということであれば、そこを念頭に置いて施策を進めていかれるべきということで意見を申し上げます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 こちらについて事務局からお願いいたします。
○五十嵐課長 酒井先生、御指摘ありがとうございます。基準発生原単位について、とても分かりにくく、なかなか国民の皆様には理解していただけるような形になっていないといったことは、先生おっしゃるとおりだと思います。
 ちょっと繰り返しになるんですが、今後、数年かけて発生抑制の取組等、企業のそういった取組全体を見える化を行っていくということなので、基準発生原単位の話も含めて、総合的に時間をかけて、しっかりと取り組まれている方が評価されるといったことを目指してやっていきたいと思っております。
○渡辺座長 お願いします。
○酒井委員 すみません、重ねてちょっといいですか。五十嵐課長、今の数年かけてという点ですが、少し濃淡があっていいのかなというふうに思います。先ほどの計量の方の話は、モデル事業を含めて結構時間が掛かる話というふうに理解はしますが、基準発生原単位のところは過去こう定めた、そして今回こう改正した。その背景は何か。こういう効果があったからこう見直したというところの情報の整理というのは、そんなに時間の掛かる話ではないでしょう。こういうことこそ、もう少しスピード感を持ってしっかりと国民、市民に伝えるべきという点でいくと、何もかも数年というふうにおっしゃられるのはちょっといかがなものかということで御意見申し上げます。
 何よりこの基準発生原単位、これは恐らくは日本が取り組んでいる、世界的にも極めてまれな例のはずです。それをもっと国際的にも訴えていただいていいはずですし、そのための広報の材料をしっかりと英文で用意されるということもあっていいはずです。そういうことでいくと、全てを数年というふうにくくらない方がいいということは、あえて追加で意見申し上げます。
○渡辺座長 ありがとうございます。事務局からお願いします。
○五十嵐課長 ありがとうございました。クラス分け制度の仕組みの検討について数年と申しておりました。失礼しました。基準発生原単位の方は、委員おっしゃるとおり、情報発信の仕方等について、もうちょっと分かりやすくというのは、すぐ取り組めると思いますので、早くできるものについては早く取り組んでいきたいと思っております。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 他はいかがでしょうか。
 﨑田委員、お願いします。
○﨑田委員 ありがとうございます。今の関連ですけれども、ここのところ、いろいろな事業者の皆さん、食品ロス削減に関して、非常に熱心に取り組んでおられるところも増えており、その辺非常に濃淡ができてきているなという感じがしております。
 それで、食品ロス削減にしろ、リサイクルにしろ、非常に熱心にやっておられるところがどんどん地域との連携を実現し、他の事業者や自治体、団体などいろいろな主体との連携で非常に、ああ、こういう連携の仕方があったんだというふうないろいろな事例が出てきていますので、できるだけそういう事例を早く皆さんに発信をして、それぞれの皆さんが身近に活用できるような情報が広がるのはすばらしいことだと思っていますので、みんなが共有できるようなプラスの情報に関しては、できるだけ早めに整備していただくのが大変うれしいというふうに私も感じました。よろしくお願いいたします。
○渡辺座長 ありがとうございます。これも事務局お願いします。
○五十嵐課長 﨑田委員、ありがとうございます。先ほどと同じ回答になるのですけれども、良いものとか、なるべくすぐ取り組めるもの、要するに早く皆さんに共有することによって取組がさらに進むようなものというのは早く進めて行きたいと思っております。ありがとうございました。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ウェブからも特にないということですので、次に進んでよろしいでしょうか。
 それでは、3ポツの「(2)発生抑制の推進施策について」に入ります。こちらにつきまして御意見、御質問等ございますでしょうか。
 酒井委員、お願いいたします。
○酒井委員 今回の9ページから10ページにかけては、前回のこの会合で相当に時間をかけ、また私もオンラインでしたが、盛んに口を挟んだところです。
今回、ここの関連の資料として、参考資料の方の先ほどの4ページのところで、4業種別・工程別のロスの発生量、その構成比といったところを整理頂いたということです。ここをぐっと拝見することで今後の事業系食品ロスの目標をどの辺りに設定していいかというところ、あるいは達成可能性というところが見られるようになってきているのではないかという気がいたします。
 そういう意味で、この表からその次の一歩のスタディ、解析が必要で、恐らくこれをまとめるまでには是非事務局としても、あるいはまた事務局とそれぞれのステークホルダーの方々との議論を重ねていただいて、その達成可能性ということを見通しながら、良いところの目標に落ち着くということを願っております。ここの作業が見えてきたということで、テクニカルなトレンド設定としての解析的な裏付けを持ちつつ、かつ実態として裏付けのある見通しの立つ目標ということに到達できるような気がいたします。是非ここの作業をうまく進めていっていただきたいと思います。
 やはり業種的に見てまいりますと、これまでも外食の方で相当ロスを減らしてきていただいたということは言えると思いますし、それに加えて、まだ現状での発生量という意味では製造業の方も再生利用率の方は極めて高いにしても、この発生量という意味では結構大きな負荷であるということも事実ですから、そういった中でどこがどう見通しが立ちそうかということの議論を重ねていければと思います。
 もし今日の段階で両省の方から、今ざっとこんな相場観でこの数字を見ていますというようなところで御発言いただけるところがあればお願いをしたいということを申し上げたいと思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 では、環境省からお願いします。
○松﨑課長 酒井先生、どうもありがとうございました。参考資料の4ページ目を今回出させていただきましたが、委員の御指摘、それと前回の御議論踏まえて事務局で、両省でいろいろ検討しながら、この表に行き着いたわけですけれども、委員御指摘のとおり、実際の削減を2030年度の目標の数字の達成可能性、あとは達成のいろいろな方策、これをより具体的に、今回かつ業種ごとで見るということは、この参考資料のいろいろなスライドで書いていましたけれども、工程に目を移していくということで、これも前回の合同会合で別の委員の方のコメントあったと思うんですが、それぞれによって減らしやすさ、減りにくさがあるということが、これでより具体的にイメージできたということで大変ありがたいと思っております。
 例えば業種ごとのいろいろな数字ありますけれども、右側の合計で言うと、それぞれの食品ロス量とその構成比ということで、多いものと少ないものございます。今回の2030年度の事務局が提示させていただいているものからすると、2022年度比であとどの程度削減する必要があるのかと考えた場合は、実はそれぞれの工程で、もうちょっと別の言い方で言うと、それぞれの業種で量が多い点がございますので、この点がまず少なくとも量的に余地が大きいというふうに受け止めています。
 例えば今回、外食産業の方でこの数年削減が進んだというところは、ここで言うと、お客様の食べ残しというのもあるんですけれども、作り置きというのも、パーセントは少ないですけれども、少しございます。これらのところが今回削減に寄与したんだと思いますので、例えば外食で言うとこういう点が削減の余地として候補として挙げられるんじゃないかというふうに思います。
 今例として申し上げましたけれども、ただ、食べ残しに関しては、両方の側面があると思います。外食産業の方々がお客様にサービスとして提供するからには、足りなくなるということはなかなか難しいというのがある一方で、家庭の消費者の方からすると、食べ切るという、むしろどちらかというと事業者側の努力というよりも個人個人の取組、リテラシーも含めてあると思いますので、この辺は共同作業になるんだと思います。その点で言いますと、外食産業の事業者の観点からの取組というのもある一方で、今回の報告書にも入れていますけれども、食べ残し持ち帰りというのを消費者の観点から見たときに、環境省としても数年前から取り組んでいる、「mottECO」というキャッチフレーズでやっていますけれども、今、草の根的に取組が少しずつ増えてきているということもありますので、例えばここの項目を減らすにしても、事業者側の取組と家庭側・消費者側の取組、両方の側面があるんだよという点も、特に小売と外食に関しては両面があるということを我々環境省としてもよく認識していますので、削減の対策を考える際には、そういう意味ではこのテーブルが、この表が重要な側面を占めるかなというふうに思います。
 ちょっと長くなりましたけれども、こういう整理していく中で削減の可能性というのは、すみません、一個人の考えになると思いますけれども、目標の達成の可能性というのはもちろん十分余地があるんじゃないかなと。それだけ2030年目標に取り組むだけの、チャレンジングではありますけれども、取り組むだけの価値はあるかなというふうに思っています。
 農水省さんの方からコメントありましたら、お願いします。
○鈴木室長 酒井先生、ありがとうございます。この表、いろいろな情報が入っていて、分析に幅広い観点も考えられると思っています。今環境省の松﨑課長から発言があったとおり、工程別、業種別もありますけれども、加えて、恐らくこれはスナップショットなので、経年での取組を業種別、工程別で分析することによって、過去どういった取組に効果があって、現状がどうあるか、そういったようなことができないかなとは思っております。ただ、ここは今スナップショットしかないんですけれども、こういったものをしっかりと、これからの2030年に向けての取組、それからどういった形でこういうデータを活用して分析して使えるかということを年末までの短期間ではなくて腰据えて、中長期的な形でやっていくというのが必要だと思っていまして、そういう意味で先生方の御知見を今後とも拝借いただければと思っております。
○酒井委員 すみません、もう一言。
 今鈴木室長、非常に良いところ答えていただいたので、重ねて申し上げますが、ここまで50%削減をされたという過去の分析、どういう主体のどういう行動でどう効果がもたらされたかというところが恐らく、今スナップショットではなく時系列的に把握することで分かるのではないか。これは正におっしゃるとおりだと思いますので、是非50%削減の背景とか理由とかというところを少し深掘りをされた上で、この次の56から62%削減というところに行かれるのを是非お勧めをしたいなというふうに思いますが。
 50%達成、これは大変なことですので、是非そこの分析はしていただきたいということはあえて申し上げます。
 それから、その前に松﨑課長、個人的な意見というふうには申されましたけれども、先ほどおっしゃった両側面見るというのは全く同感です、これは、市民のあるいは国民の協調で初めてできる話だと思いますので、そこは打ち出していただいていいと思いますし、それがある限りは今回の56%ないし62%というのは十分達成可能な数字だろうというふうに思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。私自身はサプライチェーンにおける食品ロス削減の研究をずっとやってきた者なんですけれども、この表は3年置きにずっと見てきたもので、この経年変化というのもある程度実感としては、分析をしてきていますし、農水省さんや経産省さんのサプライチェーン扱っている省庁の研究会などでもよく使われているものです。
 そこで、一義的にこれをやったからこれが、成果がというのはなかなか出しづらいんですけれども、多分こういったことがこういうふうに効いているんだろうという、ざっくりした因果関係は出せるのかなという、そんな理解でいます。
 余り過剰に期待されても、この数字自体がかなりゼロがいっぱい並んでいたり、0.1とか何とかとありますけれども、集められた数字の正確性という意味では、そこまで正確というものではないので、これを全体の傾向として捉えたときに、今例えば食品小売業ですと販売期限切れの商品のところに5割近くの、50%近くの数字が立っていますけれども、それがほかのところにあったものが減ってくることによって、ここが目立ってきていると。では、ここなのかなとか、そういうような判断はできるとは思います。
 すみません、司会でありながら余計なことをしゃべりました。
 堀尾委員、お願いします。
○堀尾委員 前回出ていなかったし、また農林水産省の報告書を見ていないものですから教えていただきたいんですが、各産業、特に心配しているのが外食産業、非常に小さい中小が多いというところで、この数字はどれだけをカバーしている数字だというふうに理解しておいたらいいんでしょうか。
○渡辺座長 事務局からお願いします。
○速見課長補佐 細かい数字は具体的な報告書の方を確認した上でお答えさせていただきますけれども、この調査の手法としましては、細かく分けた75業種の方々にアンケート調査という形で実施しておりまして、その中で得られた回答というものをまとめた結果ということでこの表の内訳、構成比のところができているという状況でございます。そのカバーという意味では、業としてはカバーしているわけですけれども、サンプルでのアンケート調査というところで、細かいカバー率の数字についてはちょっと確認をした上でと考えております。
 以上です。
○堀尾委員 そうしますと、一応この万トンで出ている絶対値はかなりそのものを表して、現状を表しているというふうに理解しておいていいのか。それとも、これは例えば大体8割ぐらいをカバーしているんだろうとか、ざっくりとどういう理解をしておいたらいいのかなというのが私の質問です。
○速見課長補佐 ごめんなさい、御質問の趣旨をちょっと違う捉え方をしてお答えをしておりました。
 調査報告書において構成比という割合の部分がアンケート調査によって導き出されているというのは、先ほど申し上げたとおりでございます。そこの報告書をベースにしまして、令和4年度の業種ごとの食品ロス量というものが今もう出ておりますので、構成比に業種ごとの食品ロス量を掛け算をする形で計算をしております。ただ、アンケート調査の結果でございますので、構成比の部分、完全に精緻なものではないということだけは御承知おきいただければと思います。
 以上です。
○堀尾委員 ありがとうございます。
○渡辺座長 量は積み上げではなくて全体からの推計値で、構成比についてはアンケート調査から出てきているものという理解だと思います。
○堀尾委員 ありがとうございます。
○渡辺座長 﨑田委員、お願いいたします。
○﨑田委員 ありがとうございます。申し訳ありません、私も前回の議論に参加できなかったので、ちょっと的がずれているかもしれないですが、この削減目標を考えるに当たって、今なぜうまく事業系の食品ロスが減って、目標を達成しているのか、その要因をちゃんと分析をして、その上で納得して次の目標を立てていかなければいけないのではないかという、酒井先生の今の御発言自体は非常に的を射たというものとして伺っておりました。
 それで、うまく減った要因というのを是非定量的に分析していただければありがたいと思いますが、コロナの段階の前のところで、実は既にかなり小売業とか外食も、大手の皆さんは2015年にSDGsを国連が採択したころから急激に関心を持っておられて、様々な施策を打ち始めて効果が出始めた時期なんではないかなという思いもしております。そういう小売や外食の皆さんの、いわゆる調達のときの予測精度というのがすごく高くなっています。私が申し上げるよりも、そういう業界の方がいらっしゃるので、是非後ほど情報提供していただければと思いますが、私がいろいろな方に伺った状況では、本当に予測精度が高まって、調達の段階でのロスをかなり減らせるようになったと、大手の方ですけれども、おっしゃっていたのが印象的な取材がありました。その後、食品ロスで、いわゆるコロナという社会状況の中で大きな変化があって、それ以上のいろいろな変化が起こってきたわけですが、そういうコロナの前からの流れというのも少しきちんと見た上で要因分析をして、それが継続していけばどのくらいの可能性があるのかというのをしっかり出していただければというふうに思います。
 もちろん、事業者さんの中ではまだまだ、全部がうまくいっているという話ではないはずですけれども、そういう先進的な動きというのは十分出ておりましたので、そういうところを見た上で要因分析して、今後の発展の中でどのくらいの削減をみんなでしていこうという、そういうような積極的な目標値をみんなで出していけるように、共有していけるようにできたらいいなというふうに思っています。よろしくお願いします。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 では、先に小山委員からお願いします。
○小山委員 ありがとうございます。今、﨑田委員からお話があった事業系食品ロスというところですけれども、おっしゃるとおり、恐らく2018年、19年ぐらいから小売スーパーでは需要予測、AI発注とかAI製造等々入れて─まあ、もともと売り切るというのが利益に直結するのでやっていたところなんですけれども、そういう苦労が報われたのであれば非常に喜ばしいなと思っておりましたが、ただ、今コロナの、この10ページの13・14行目ですか、「その変容はコロナ収束後の現在においても継続していることから」と記載がありますけれども、小売にとって、今中食ニーズというのが非常に広がっていて、品ぞろえを広げて、お客様のニーズに応えているというところがございます。売り切る努力はするものの、相手がお客様なので非常に不確定要素が多いといった部分がございます。この需要の大きさに応えるためにそういう取組をしている中で、廃棄ロス率が若干増えるといったことも出てきているところでございますので、この目標感を定められる、検討される際には、今年に入ってからコロナ禍後の日常に戻っていると思いますので、本当にコロナによる行動変容が継続しているのかどうなのかというところを、コロナで急減した外食さんであったり、小売さんにヒアリングなり確認をしていただければなというふうに思います。
 あと2点ございます。10ページ、「事業系食品ロス削減施策のあり方について」ということで、商慣習の見直しというところを判断基準省令に明記するというところがございますけれども、ここは確認でございます。各企業とも3分の1ルールの見直し等々進めてはいますけれども、こちらの対象範囲は飽くまでも賞味期限の180日の加工食品の範疇であるのかというところを確認させていただきたいと思います。
○渡辺座長 では、ここまでのところで事務局からお願いいたします。
○鈴木室長 ありがとうございます。私からは酒井委員と﨑田委員の御発言、御意見について一部お答えできればなと思っております。
 1点目は、いろいろな要素、いろいろな情報があって、それがどういうふうな形で食品ロス削減に結び付いてきたか。ここは重要だと分析して、把握して、その次にどういった施策に反映させるのかということが重要だという御意見だったと思います。
 これはすごく重要で、我々もできるだけのデータを分析したいと思いますが、これはアベイラブルな情報と、それからどういうふうな形で分析するのか。それから、我々のスタッフのリソースもありますので、その点をよく考えながら、どういった手法が適当なのかと分析する。そういったところがいろいろあると思いますので、そういった点に関してはあり方案のペーパー、10ページの22から25行目にございますけれども、新たな目標、今後中長期的な形で検討するに当たっては、その方法の妥当性とか、データの利用可能性、継続性の可能性とか、こういったところをしっかりと勘案しながらやっていくことが大変必要だと思っております。その意味で今般提案されている56から62といった点については、なかなか今すぐにそういったところを検討できる状況にはない状況でありますので、ただ、とはいえ、そこに関してはある程度テクニカルトレンドを設定するということの妥当性は評価していただいているのかなと思っておりますので、2030年の目標については56%から62%という形で進めつつも、一方でいろいろな情報をどういった形で施策に反映するのか、それから更に将来の目標設定にあたりどういった形で利用できるのかということに関しては、このようないろいろな方法の妥当性とかデータの利用可能性、その方法がその後も継続して利用できるのか、現実的なことを考えながらやられることが重要だと考えております。
 そういう意味で、先生方の御意見をいろいろ伺いながら、中長期的なこととして考えていきたいと考えてございます。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。農水省さんがやっている「食品廃棄物等の発生抑制に向けた取組の情報連絡会」、これは食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチームなどをはじめとして産業界の方々を巻き込んで食品ロス削減に向けた取り組みの情報共有を行う会議体ですが、あの辺の議論も御紹介いただくと、サプライチェーンにおける食品ロス削減の取り組み状況が分かりやすくなるんじゃないかなというふうに、聞いていて思いました。
○五十嵐課長 ありがとうございます。補足ですが、定量的な数字で出ればいいのですが、先ほど堀尾委員に確認いただいたように、これが現時点で存在する数値としてお示しできるベストなデータということで、今回4ページのものを示させていただきました。これはサンプルでのアンケート調査ということで精緻なものではありません。このため、前回の議論の繰り返しになってしまいますが、5ページ、6ページにあるような定性的な形で、何が効果的だったのかということは、これは役所の方で分析して、お示ししています。また、今後まだこういうのが必要であるというものも6ページで分析をさせていただきました。委員ご指摘の通り、最終的には数字で出てくるというのが望ましい形だとは思いますが、先ほど鈴木からもあったように、これは今後の課題としてしっかりと受け止めていきたいと思っております。
 あわせて、先ほど座長からご紹介頂きましたが、今農水省の方で製造業者、流通業者、小売業者、それから消費者の方々を構成員として食品廃棄物等の発生抑制に向けた情報連絡会を行っています。そこで、発生抑制に向けたそれぞれの企業が抱えている課題とか、優良な事例等共有をしながらサプライチェーン全体で取り組みを進めています。こういった場も活用しながら、しっかりと取組を進めていきたいと思います。
○渡辺座長 お願いします。
○松﨑課長 環境省です。今の農水省さんの御説明にちょっと補足です。これはほかの行政課題もそうですけれども、いろいろな施策をやったときの効果を、定性的には言えるけれども、定量的にどう評価するかというところは、何か永遠の課題で難しいところはあるんですけれども、例えば我々の方でモデル事業ということで、何か定量的なエビデンスとか、効果を数値で、一つの例でもいいので、何かできないかというときに、モデル事業という形でやらせていただきます。その際にモデル事業を実施して、これまではまずやってこなかった取組をやるだけで、それはすばらしいことなので、とにかく事例を増やすことが重要だというのがまずファーストステージになります。そこから先は、やったことによってどういう定量的な効果が得られたかという点について、一つの事例でもいいので数値化を試みるということは、我々環境省としても大事だと思っています。モデル事業を実施する際には、そういう点も意識して取り組み、その結果も、こういうことをやって、こういう取組をしました、よかったという定性的情報に加えて、いかに定量的な情報を付加して、それを皆さんが御覧いただけるように公表して、それを御覧いただく方々も定性的な情報だけよりも定量的な情報の方がより具体性を持って、では自分たちはこれをまねてやったときに、どれだけ定量的に減らせるかという、定量的な意識付けにもなるかと思います。モデル事業を進めていくに当たってはそういう点も意識して進めていきたいなと、今の御議論を踏まえて感じましたので、その点はこれまで以上に意識して取り組んでいきたいと思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ほかに。
 事務局からお願いします。
○鈴木室長 ありがとうございます。小山委員の、まずコロナが今後継続していくか、今中食ニーズが増えていて、これがずっと続くのか、そういったところに関しての御意見があったところに関してです。この点は、ヒアリングを行ってコロナによる行動変容が食品ロスの量に影響していて、それがどのような継続をするのか、引き続きモニターしていきたいと考えてございます。
 もう一点、3分の1ルールを始めとする商慣習の見直し、この点でございます。その対象範囲については、いわゆる今までは中心に取り組まれていたところが、加工食品が中心になる形でやっているところでありますけれども、とはいえ、必ずしもそこに限られたものではないとは考えてございます。他方で、この問題というのは、食品ロスだけの問題、食品ロス削減を目的とする問題だけではなくて、もっと大きく、物流やサプライチェーン全体の問題だと捉えることができると思っていますので、そういった観点からもしっかりと引き続き捉えていきたいと考えております。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ウェブも特になしですか。
 﨑田委員、お願いします。
○﨑田委員 11ページの真ん中辺で、「事業系食品ロス削減施策のあり方について」の真ん中辺で、ちょうどここに、いわゆるフードバンクなどの「食品寄付ガイドラインの作成」とか「AIによる需要予測」の次に、「食べ残し持ち帰りガイドラインの策定を通じた食べ残し持ち帰りの強化」とあります。フードバンクなどをしっかりと多くの事業者の方に利用していただく、活用していただくのはすごく大事なんですが、今例えば善意で寄附したものが何かトラブルを起こしたとき、安全上のトラブルを起こしたときにどう判断するか、法的にどう判断するかというものの明確な形が今日本の中でできていないので、なかなか難しいということで、今検討していただいている最中だというふうに理解しております。
 その辺のことをもう少し分かりやすく書いていただいた方が事業者、食品関連事業者さんは安心されるのではないかなという感じがしますので、この「食品寄附ガイドラインの作成」と「食べ残し持ち帰りガイドラインの策定」というのが何を意味するのかと、その辺をもう少し言葉を増やしておいていただくといいのではないかという感じがいたします。よろしくお願いいたします。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 事務局からお願いします。
○五十嵐課長 﨑田委員、ありがとうございます。正におっしゃるとおりで、読み手からすると、何が問題で、何をしようとしているか書かないと、とても分かりにくいと思いますので、こちらはちょっと分かりやすい形で修正をしていきたいと思います。
○﨑田委員 ありがとうございます。
○渡辺座長 寄附の「附」の字も消費者庁は違いますね。食品寄附等ガイドラインの検討は並行して進んでいるものなので、ちょっと書き方は難しいかと思いますが、是非御検討ください。
 小山委員、お願いします。
○小山委員 ありがとうございます。先ほど鈴木室長に御質問に答えていただいたんですけれども、日配品ですとか生鮮品など消費期限が短いものになります。我々もお客様に提供するために新鮮なものをという視点でやっていますので、もちろんサプライチェーン全体の最適化というところの視点では協力体制でおりますが、全体感でその辺、また事前に議論等々できればと思います。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。さきほどの小山委員の御質問は、もともと180日以上の賞味期限が設定されているものを対象にしていたのが、すべての賞味期限の加工食品を対象にすることになったのかという御質問だったと思うんですけれども。つまり賞味期限180日以上の加工食品を対象にするということで、この3分の1ルールの話というのは進んできているんですが、180日未満のものもここでは含めているのか。賞味期限180日という基準を省略して書いているだけなのかということだと思うんですけれども。
○五十嵐課長 失礼しました。今省令の方で追加しようと検討しているのは、商慣習の見直しということで、賞味期限表示の延長だったりとか、発注から納品までの期間の延長という話に加えて、3分の1ルール、すなわち納品期限の緩和等です。ですので、180日以上のものに加えて、180日未満のようなもの、生鮮食品、日配品も含まれていくこととなります。
○渡辺座長 いかがですか。よろしいですか。
 それでは、ほかはよろしいでしょうか。
 では、続きまして、ここのところでは前回議論になったところで言うと、今の部分では食品ロス削減目標が56%から62%削減という幅でという、そこが記述されたところが今終わったということです。
 続きまして、「(3)再生利用等の推進施策について」というところでお願いいたします。
 田村委員が挙手されていますので、お願いいたします。
○田村委員 ありがとうございます。
 外食として再生利用実施率を上げていく内容(案)について、ご紹介をさせていただきます。外食企業の皆さんに食品リサイクル率を上げていくにはどうしたらいいかと伺いますと、いろいろな意見が出てまいります。多様多彩な事業者が存在しますし、業種・業態が様々で、企業規模の格差も非常に乖離しています。したがって、1年間に100トン以上排出している外食事業者と、そうでない企業が存在をしていると思います。
 また、100トン以上排出している企業の中で再生利用実施率が50%を達成したといっても、これはあくまで平均ですので、実際に100トンを排出されている企業でもリサイクル率を50%達していない、排出量が100トン未満の企業であってもそれを達成しているところもあります。SDGsの話で申し上げますと、需要予測も、大手の外食チェーンの中では既にもう導入されているところもございます。また、中小企業の外食事業者の中には専属の環境担当者が配置されていない場合もございます。従って、協会では、兼務で構わないので、是非企業の中に担当者を作ってほしいといったことも発信もしております。
 今後の取組みとしては、一つは外食事業者の優良事業の研究をして、それを普及啓発していくということが必要だろうと思います。食品廃棄物のリサイクルの導入手順さえ分からない事業者もあり、廃棄物の分別をする、計量する、組成調査をする、そして発生抑制をに繋げていくといったことを事例研究する、勉強会が必要だろうと思います。
 また、外食事業者単独ではできないこともありますので、スーパーやコンビニエンスストア、収集運搬の業界団体の方々とも連携を図り、情報交換を密にしていかないといけないだろうというようなことも考えております。
 さらには、食品リサイクルの施設見学を通じて、収集運搬とリサイクル過程で様々な苦労があることを肌感覚として知っていただくということも必要です。中小の外食事業者は地方に多く点在している場合も多いことから、農水省、各自治体の方が指導、役割を発揮していただいた勉強会の実施も必要かも知れません。食品リサイクルに関するアンケート調査も検討していく必要もあります。事務局として、現在考えられる取り組みについて述べさせていただきました。食品リサイクル率の向上についてはまだまだ実施すべき課題もございますので、こういった取り組みを通しながら底上げを図っていきたいと考えております。
○渡辺座長 ありがとうございます。犬伏委員からお願いします。
○犬伏委員 ありがとうございます。13ページの23・24行目辺りで、認定制度のところなんですけれども、特定肥飼料等を生産して、できたものを更にうまく消費者にも分かってもらうための認定制度ということで、補足資料の29ページのところにはエコフィードのマークが出ていますけれども、食品に関しては何かもう一つ統一感がないというか、農水大臣もホームページで見える化、いろいろ強調されているんですけれども、そこら辺のところにうまく、食品リサイクルで使ったものがうまく消費者に訴えられるような、そういうようなものがあってはどうかということで、このところに書き足していただければと思います。
 それから、もう一つ続けてよろしいでしょうか。
○渡辺座長 はい。
○犬伏委員 再生利用の優先順位について15ページのところにありますけれども、これで先ほども申し上げた肥料化、飼料化は優等生ですけれども、一方で炭化というのが図の2ですか、1%にも及ばないというところで、これも補足資料の31ページのところに兵庫県の例が出ていますけれども、こういうものをうまく活用して、例えば農水省が推されているバイオ炭ですよね。正にそういうような形でカーボンネガティブに、炭素貯留として土に炭素を戻す働きとしてもできるので、燃料としてここは燃やしてしまう、また燃やしてしまうというふうに書いているんですが、4パーミル運動にもつながるという、国際的な貢献も期待されるので、是非この1%を何とかして少しでも食品産業のリサイクルの中でもアピールできないかというところ、一つ指摘しておきたいと思います。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 続いて、堀尾委員お願いします。
○堀尾委員 堀尾でございます。先ほど田村委員の方からおっしゃっていただいた、12ページの20行目から外食産業の記述なんですけれども、この文章だけを読むと、その辺を誰が、特に100トン未満、あるいは小規模経営の方々がどういうイニシアチブの下にやられるのかというのが何となく見えないので、自治体のイニシアチブというのをある程度期待するような書かれ方をした方がいいのではないかと思いました。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 では、小山委員お願いします。
○小山委員 ありがとうございます。再生利用の実施率についてですけれども、小売は60%の目標、61%というところで達成しているというところの次のステップとして、65%というふうに記載がございます。
 現実問題としてリサイクル施設がないエリアがあったり、施設があってもキャパシティがいっぱいで受け入れてもらえないということも結構な頻度で聞いております。そうすると、何が起きるかというと、地理的に遠くの施設に持っていかざるを得ないと。そうすると、懸念事項としてリサイクル率の目標に到達するために、リサイクル率を上げれば上げるほどCOの排出量が増えてしまうということが起こり得るということです。ですので、このリサイクル率を国として上げていこうという方針でやってきたことが、結果的にCO排出量増加という、環境に悪いことにならないかというのが懸念されます。
 この取りまとめの冒頭に、ネット・ゼロ、サーキュラーエコノミーというところの全体感の進むべき方向性というのをお示しいただいていると思いますので、全体を俯瞰した施策を是非考えていただきたいなというふうに思います。
 だとするならば、遠くに持っていくにも、では頻度を下げるとか、減容するとか、そういった方法があるかと思いますので、例えば店舗の敷地内に置ける生ごみの減容処理機とか、そういうところのやり方もあると思いますし、あとは自治体がリサイクラーと組んで施設を造ると。例えば福岡県がバイオガス発電施設を造ったという事例もあるかと思いますけれども、そういった部分にも、できましたら国の方で、さっきの生ごみ処理機の減容化とかも含めて、国の補助というところも御検討がいただければなというふうに思います。
 これまでは自治体のごみ処理の施設、熱回収というところが公共インフラだったというところだと思いますけれども、循環経済社会を国が目指すのであれば、自治体含めてリサイクル施設というのが公共インフラの同義かなというふうに思いますので、是非御検討のほどお願いいたします。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 松岡委員、お願いします。
○松岡委員 事前説明ではいろいろと登録再生利用事業者の現状などお話を聞いていただき、本当にありがとうございました。書きぶりにつきましても本当によくまとめていただきまして、感謝を申し上げます。私としましてはこちらで申し分ございませんので、どうもありがとうございました。あとはここに書かれている内容を具体的にこれから実行していただくことに期待いたします。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 幾つか質問が重なりましたので、ここで事務局から。どちらからいきますか。環境省からお願いします。
○松﨑課長 いろいろな御指摘、御意見ありがとうございます。
 まず環境省の方からは、堀尾委員の件です。12ページ目の20行目から26行目の外食産業の件、先ほど御紹介いただきました件ですが、自治体のイニシアチブという点で御指摘があったかと思います。それは委員の御指摘のとおり、地域の行政サービスを担っているのは自治体であり、地域によって特徴、産業の集積の具合も全然違いますので、自治体がキーパーソンというか、キーとなるセクターだというのはおっしゃるとおりだと思います。
 実はほかのところにも記載しているんですけれども、一方でいろいろな議論をしていくと、自治体が情報発信をするというだけでは、持っている情報が限られています。かつ事業者の視点もよく踏まえてということになるので、ほかのところでも記載しているのですが、自治体、食品関連事業者(食品廃棄物を出される方)、そしてあとは、先ほど小山委員の方からもリサイクラーの話があったと思いますが、その3者が、もちろん毎回3者がずっと集まるという必要は私はないと思いますが、そういう場というのは必要かなと思います。
 そういう点で、この外食産業の、今の御指摘の点の箇所もそうですけれども、ほかの箇所も含めて、プレーヤーとして具体的にどういう方々が参加するのが良いのかということも念頭に置いた上で、この報告書の該当部分の記載に関しては考えたいなというふうに思います。
 ○堀尾委員 ありがとうございます。今お聞きしていて思ったんですけれども、いわゆる大きい市などは別として、中小の町村ですと商工会辺りが非常に重要な中間組織になるんじゃないかと思うんです。意外と、いわゆる役場よりはそちらの方が自由度があって、役場の方はもうほとんど業務に追われていて、意外と商工会さんの方はまだ余裕があるという感じがしますので、その辺も何か記述ができる範囲でしていただいたらいいんじゃないかという気がします。
○松﨑課長 ありがとうございます。先ほど田村委員からこの該当部分を御紹介いただきましたが、12ページ目のここの箇所については田村委員とも、肌感覚も含めて、この書きぶりを考えていきたいと思います。堀尾委員おっしゃるとおり、先ほど私から「自治体キーパーソン」と申し上げたのですが、現実には町村レベルになると自治体の職員の方も非常に少ないということで、それを補うセクターとして、今おっしゃっていただいた、例えば商工会というのもあると思います。あとはこれもなかなか行き届く、きめ細かくて難しいとは思うんですが、都道府県とか、100%な組織というのはなかなか難しいと思いますが、そういう点も意識して、ここに記載するときにはどういうセクターの方を例示として挙げるかを考えて盛り込みたいと思います。ありがとうございます。
 あと、小山委員の方からお話しいただきました点、実は12ページ目のところにも、ア、イ、ウの中のウで登録再生利用事業者数の確保という点と、その下の②は、これは登録者数にかかわらず登録再生利用事業者の活動度を高める活用促進ですけれども、数を増やすというのと活動度を高める、両方あろうかと思います。その点が食品関連事業者、特に小売、あとは外食、それぞれのセクターの方の再生利用等実施率を上げるためのポイントかと思っておりますので、この点は今回報告書に記載していますが、それをより意識して我々としても施策展開していきたいと思います。
 補助の件も頂きました。我々としても、いつも予算要求をするときに、財政当局ともコミュニケーションを取りながらやっており、限られた予算の中でも何かできるところを増やしていきたいと思いながら、今もそういう折衝をやっています。限られた予算ではありますが、その中で、先ほどモデル事業と申し上げましたが、何らかそういう先進的、若しくは積極的に取り組まれる地域にフォーカスをして、もちろん全部補助することは現実的に不可能ですが、その中でもどういう支援が可能なのかということを環境省としてもいろいろな予算事業を展開する際に意識して、できるだけレバレッジ効果が高い、つまり横展開を意識してモデル事業をやっていかないといけないと思っています。その点も念頭に置きながら我々として、できる限り対応していきたいと思います。ありがとうございます。
○渡辺座長 農水省側からお願いします。
○鈴木室長 ありがとうございます。まず1点目ですが、犬伏委員から頂きましたエコフィードの認定とか、もうちょっと統一感を持った形で消費者に訴えることができないかということで、重要な問題だと考えておりまして、どういった方法が、どういうふうに統一性を持っていくのか、それからどのように発信していくのか、いろいろなメディアのやり方もあると思うんで、そういうところをどうすると消費者に一番アピールできるのか、効率的に、効果的に、その辺りを考えてやることが重要だと思っていますので、引き続き検討してまいりたいと思います。
 それからもう一点、そもそも冒頭、田村委員から御発言いただいた点について、環境研修会の開催に関して御発言を頂きました。こういった前向きな取組については我々農林水産省もしっかりと御協力させていただきたいと考えております。ありがとうございます。各自治体の取組ということもございますので、その点については環境省とも一緒に連携して取り組んでいくべきものと考えております。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。入江委員、お願いします。
○入江委員 すみません、私の方からさっき犬伏先生がおっしゃったところに本当に重なりますけれども、13ページの23・24行目のところなんですけれども、農水の方で令和3年に取られた、農業分野の地球温暖化緩和策に関する、消費者とかいろいろな方に対して取った意識調査の結果がありまして、それを見ると、今のこういうものをリサイクルして使うというのは本当に温室効果ガスの、さっきのカーボンストックのこととかに全くつながっているものですけれども、そういうことに対する認知度というのがとっても、自治体の方、市町村とかの方が7割ぐらいで高くて、でも農家は35%とか、消費者が最も低い、4分の1ぐらいしか知らないということで、そうであれば物が売っていても、どんなラベルがあっても買わないと思うんです。そうすると、こんなに事業者の方とかが、排出者の方とかリサイクラーの方とかが努力されても、その人が人の4倍買うということはできないので、これが令和3年ですので、ここに届いていないというのが最も大きな課題ではないかなと思っています。
 そういうことがあると、農家があえて使う、例えば堆肥を使うのは化学肥料よりもとても重いし、農家もいろいろな使い方すればいいと思いますけれども、進んで使えるような状態なのかなというと、消費者を、さっきありましたけれども、出てくるものに対して排出する、物を減らすという行動は小売とか外食で積極的に両者がやらなければできないという分野で、そこはとても大きいということでしたけれども、そこに消費者がどうやって関わっていこうとか、関わっていくだけの意義がとてもあるんだということが届いていない。
 あとは野菜とか─まあ、野菜でなくてもいいんですけれども、商品のラベルのことはさっき、どんな表示の仕方にするかというのはもう本当に大きな課題で、JAS化、何かとか、GGAPか、JGAPかとかいっぱいあって分からない。実際、「温室効果ガスの排出量の少ない農作物があったときに、あなた買いますか」という、その問いの中では「買いたい」と、「絶対値段に関係なく買いたい」と言った消費者は7%ということなので、むしろ安くないと買いたいという人もとっても少ないという状態ですので、これは情報不足というか、いかに─消費者が寄与できる割合がとても高いので、皆さんに責任がありますとか、みんなができますよとか、やりましょうということへの届きが少ないということだと思いますので、この辺りをどんなに努力していても、最終的に買う人への情報が届いていないので、ここは何か積極的な働き掛けとか、とっても分かりやすくするとか、そういうことを思っております。
 以上です。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 農水省の方からお願いします。
○五十嵐課長 入江委員から重要な御指摘がありました。せっかく環境により負荷を与えないよい物を作っても、それが消費者に評価されて売れないと、結局作られなくなるということはおっしゃるとおりです。一方で、以前に比べるとSDGsへの取組に対する評価は、消費者の方にもだんだん浸透して受け入れられて来ているといったこともありますので、ラベルも含めてどういった情報発信が効果的か等について、関係部局とも一緒に考えていきたいと思います。
○渡辺座長 それでは、ウェブで御参加の稲吉委員、お願いします。
○稲吉委員 ありがとうございます。畜産分野からなんですけれども、エコフィードに関してですが、いわゆるエコフィードというと、認証もあるんですけれども、認証のない食品残渣を利用した飼料原料です。各排出事業者さんから収集運搬事業者、加工業者が集めて加工されたものもかなりあると思うんです。そういうものが、そういう認証だとかを受けずに流通されているものも結構あると思いますので、その辺をもうちょっと認証を進めるとか、認証の基準を多少緩めるとかということをしていった方がいいと思います。
 また、先ほど御意見あったように、生産物の方にも、そういうエコフィードを使った生産物ですよとか、エコな肥料を使った生産物ですよというような例えばシールを貼るとか、そういう制度があるといいなと思います。
 以上です。
○渡辺座長 ありがとうございます。これは農水省ですか。
○五十嵐課長 ありがとうございます。御指摘の点、重要だと思います。我々としてもエコフィードを畜産部局と一緒に進めておりますので、そことも連携しながら、今後、御指摘の点も含めて検討していきたいと思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 﨑田委員お願いします。ちょっと時間が押しているんで、手短にお願いいたします。
○﨑田委員 すみません。
 エコフィードのお話、いろいろ出ていまして、今そこから作られた生産品のことなんですけれども、ある程度の表示をちゃんとしていくということは最低限大事だと思いますので、それをしっかりやっていただくのと、今、温暖化対策としても、いわゆるサーキュラーエコノミーでの再生製品が非常に重要になっていますので、これからそういうものが増えてくると思いますので、そういう情報と一緒に発信していくというのが大事なんではないかなというふうに思います。
 なお、そういう様々なことを踏まえて、このまとめの最後の「おわり」の前辺りに消費者の役割という項目を一つ入れてもいいのではないかなという感じがいたしました。よろしくお願いします。
 なお、先ほど、自治体の役割で、自治体は忙しくて大変ではないかという御意見がありまして、現実そうなんですけれども、自治体の方が地域の100トン未満の小規模の事業者さんの食品リサイクルの仕組みづくりに関わっていただくということがすごく大事ではないかと私は思いますので、そこをうまく伝えていくということは大事だと思っています。ですから、そういういろいろな、自分たち自治体が直接やるだけではなくて、コーディネーターとしてきちんと関わるということ、そういう視点もしっかりと入れ込むことが大事なんではないかなというふうに思っています。
 最後の部分、もうないですよね。
○渡辺座長 この後で時間とります。
○﨑田委員 まだ。では、最後の部分は後ほどにいたします。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 事務局からは何かありますか。一言ありますか。
○五十嵐課長 時間も押してますのでちょっと簡単に。この取組を推進するためには、消費者の理解がとても重要というところもあると思いますので、記載場所はまた工夫させていただきますけれども、消費者の役割というのはきちんと位置付けさせていただきたいと思っております。
 それから、現在農水省では、エコフィードだけでなく、温室効果ガスの削減をした農家さんの商品の見える化というのをモデル事業でやっております。そういった動きも参考に何ができるかというのは検討していきたいと思っております。
○松﨑課長 環境省です。サーキュラーエコノミーの件、ありがとうございます。品目によらずサーキュラーエコノミーに全部つながるということですので、ここは今五十嵐課長からお話しいただきましたが、連携しながらやっていくことによって、それぞれ発信がばらばらになるとまた混乱するので、食品という観点で表示の統一とか普及啓発を連携してやってくるというのをやりつつ、サーキュラーエコノミーについては、それぞれの品目の取組が進んでいく中でサーキュラーエコノミー全体を見たときにどうするかというのもちょっと念頭に置きながらやっていきたいと思います。ありがとうございます。
○渡辺座長 ありがとうございます。進行の不手際で時間が回ってしまいました。17時を過ぎておりますので、もし、この後の予定がおありの方は御退室いただければと思います。
 では、最後の部分に入ります。「(4)災害時用備蓄食品等」「(5)家庭系の食品廃棄物」「(6)食品ロスの削減、食品循環資源の再生利用等を通じた他の政策目的への貢献」「おわりに」まで、ここの部分での御意見をお願いいたします。
 﨑田委員、お願いいたします。
○﨑田委員 ありがとうございます。今回、最後に家庭系の食品廃棄物のところまで言及していただいたのは、現実どう対応するかというときには大変重要なことですので、私は感謝申し上げたいと思っています。
 なお、家庭系の食品ロスを地域で削減するときに、事業者の皆さんが売り方などに協力してくださることで家庭系が減るということもありますし、消費者の購入行動とか食べきり行動とか、そういうことが事業者さんのロスを減らすということもありますので、私は現実、地域でいろいろ普及啓発するときに消費者と事業者の連携で地域の食品ロスを減らしましょうということを強調します。そのコーディネーターとして自治体に、しっかりとそこをつなぎましょうというようなことを言うようにしています。
 そういう意味で、地域の食品ロスを削減するときの事業者と家庭の連携のような視点というのも一言表現を入れておいていただいた方が現実感とつながるかなという感じがいたします。よろしくお願いします。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 環境省からお願いします。
○松﨑課長 環境省です。﨑田委員ありがとうございます。私どもも全く同じ認識を持っていまして、地域の取組、家庭系食ロスの削減に関しては、特に小売と外食は家庭系食ロスと事業系食ロスがリンケージしており、そこをつなぐのが消費者であるということを認識するとともに、それが地域で行われているということで、自治体だと捉えております。今の点は報告書に何らかの形で、自治体だけ、事業者だけじゃなくて連携してやっていくというのは盛り込んでいきたいと思いますし、家庭系の取組はそういう形で我々も最近はよく意識して取り組んでいます。ですので、モデル事業をやるときも、複数のステークホルダーの方が参画するということで、その効果がそれぞれ、どういう効果があったかというのをできる限り定量化するようなモデル事業の仕立てを今後やっていきたいと思います。ありがとうございます。
○渡辺座長 堀尾委員、お願いします。
○堀尾委員 ありがとうございます。
 (4)の18行目からのところですけれども、「自然災害の増加等に伴い」というところです。災害時備蓄食品についての言及だけなんですが、実際にはこれから、去年も今年も、また恐らく来年も相当厳しい被害、いわゆる被災農産物の発生が考えられるわけです。ですから、その辺についても単に─まあ、被災者はほとんどそういうリサイクルという視点で考えられないと思いますので、自治体等が被災農産物の有効利用なんかについても、肥料化、あるいは飼料化も可能かもしれないし、その他、かなり優良なものを作っておられるところが、もうその基準に合わないと全部もう捨ててしまうというような気分になってしまっていらっしゃると思うんですけれども、それも我々の食卓の上にはまだ十分乗せられるかもしれませんし、そういう意味でその辺の視点もまた書き込んでいただけるといいのかなと思いました。
 以上です。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 農水省からですか。お願いします。
○五十嵐課長 堀尾先生ありがとうございました。実はそのような取り組みを既に行って下さっている事業者がありまして、参考資料の18ページを御覧いただければと思います。
 給食事業者の方でそういった野菜を活用している事例もあります。こういった流れが広がるように、表現ぶりはまた工夫させていただければと思いますけれども、こういった視点も記載させていただければと思います。
○渡辺座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 ウェブはよろしいでしょうか。
 時間が押してしまって大変申し訳ありません。
 それでは、あり方のペーパーについての検討は、以上で一通りしていただいたということになります。
 それでは、今後のことについて、頂いた御意見の中で文言修正の検討をするというふうに事務局側で答えたものにつきましては修正をして、事務局からの提案を踏まえて両座長一任という形で確認させていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○渡辺座長 ありがとうございます。
 それでは、審議は以上です。本日も非常に熱心な御議論をありがとうございました。
 今後の進め方について、事務局に説明をお願いいたします。
○鈴木室長 ありがとうございます。参考資料の方の37ページに今後のスケジュールが載ってございます。
 本日御審議いただきました「今後の食品リサイクル制度のあり方」については今後パブリックコメントを行い、広く国民からの意見を募集し、そのパブリックコメントで意見を出された場合には両座長と相談の上、対応を決定し、委員の皆様にはメールで御連絡申し上げます。
 次回、合同会合として御参集いただきますのは、12月頃を予定してございます。その日は「今後の食品リサイクル制度のあり方」を踏まえた食品リサイクル法に基づく基本方針の改定案、それに食品リサイクル法の判断基準省令の改正に関しお示し、これを御審議いただく予定にしております。
 その後、食料産業部会及び循環型社会部会で審議し、両者の審議会で答申、基本方針案の改定、公布といった段取りで考えてございます。
 次回の会議の開催に係る詳細については、また追って御連絡申し上げ、何もないようでありましたら、御連絡申し上げます。
 事務局から今後の進め方について、以上でございます。
○渡辺座長 今後の進め方について、何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ありがとうございます。また次回、よろしくお願いいたします。これで終了させていただきます。
○鈴木室長 委員の先生方、皆様、本当にありがとうございました。
 それから、今日は環境省、農水省もこのように前で発言した者だけではなくて、後ろに控えているスタッフ、この会合のため皆頑張って働いてやって参りました。その尽力等、貢献に感謝しこれを今後とも続けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
午後5時09分 閉会

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