食料・農業・農村政策審議会食料産業部会第29回食品リサイクル小委員会 中央環境審議会循環型社会部会第27回食品リサイクル専門委員会 第27回合同会合 議事録

開催日時

令和6年9月17日(火) 13時00分~15時00分

開催方式

対面及びWEBのハイブリッド方式
AP虎ノ門
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階 会議室A)

議題

 食品リサイクル法に基づく基本方針等の見直しについて

議事次第

議事録

午後1時00分 開会
 
〇松﨑課長 それでは定刻になりましたので、ただ今から食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会、および中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の第27回合同会合を開催させていただきます。私、環境省環境再生資源循環局廃棄物適正処理推進課課長の松﨑と申します。よろしくお願いいたします。
 委員の皆さまにおかれましては、お忙しい中、会場へのご参加、Webでのご参加をいただきまして誠にありがとうございます。
 本合同会合の事務局、および議事進行は、農林水産省と環境省で持ち回りとさせていただいております。今回は環境省が事務局を務めさせていただきます。したがいまして、今回の座長につきましては、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の石川座長にお願いいたします。
 ここで交代のありました委員の方をご紹介させていただきます。一般社団法人食品産業センター環境委員会 出口委員でございます。
 
〇出口委員 食品産業センターから来ました。所属はハウス食品グループ本社となります。出口と申します。よろしくお願いします。
 
〇松﨑課長 ありがとうございます。また、農林水産省の事務局も4月に交代いたしましたので、あわせてご紹介いたします。農林水産省大臣官房新事業食品産業部外食食文化課食品ロスリサイクル対策室 鈴木室長です。
 
○鈴木室長 鈴木でございます。よろしくお願いします。
 
○松﨑課長 続きまして、本日の委員の出席状況でございます。両審議会の委員数は、合計20名のうちWeb参加を含め17名の委員のご出席をいただいております。中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会では、委員数15名のうちWeb参加を含め13名のご出席でございます。続きまして、食料・農業・農村政策審議会について農林水産省からお願いいたします。
 
○鈴木室長 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会では、委員数10名のうちWeb参加を含め8名のご出席をいただいております。
 
○松﨑課長 ありがとうございます。なお、本日ご出席予定ということで今の人数をご紹介いたしましたが、うち、五十嵐委員、高木委員におかれましては、少し遅れての参加となります。五十嵐委員は対面で、高木委員はWebでとなりますことを申し添えておきます。
 それでは、以降の議事進行を石川座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 
○石川座長 皆さん、お忙しいところ、ご参加いただきましてありがとうございます。それでは早速議事に入りたいと思いますが、まず資料の確認をお願いしたいと思います。これは事務局からお願いします。
 
○松﨑課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は議事次第、委員名簿、資料1、崎田委員からの意見書、全国清掃事業連合会からの意見書につきまして、PC端末にお送りしてございます。不足等ございましたら事務局までご連絡いただきますよう、お願いいたします。よろしいでしょうか。資料は、会議の進行に合わせ画面に投影させていただきます。なお、本日の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきます。また、合同会合終了後には、発言者名を示した議事録を作成し、各委員に配布、ご確認いただきました上で公開をさせていただきたいと思います。以上でございます。
 
○石川座長 ありがとうございました。それでは本日は食品リサイクル法に基づく基本方針等の見直しについてご議論いただく予定になっています。それでは資料の説明を、これは農林水産省からお願いします。
 
〇速見補佐 それでは農林水産省から資料前半の説明をさせていただきます。後半部分は環境省からのご説明となりますので、途中でバトンタッチをいたします。
 まず表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。「食品リサイクル法基本方針等の見直しに係る考え方」ということで、前回も6項目の議題について当合同委員会でご審議をいただきましたけれども、前回のご意見を踏まえまして、今回特にご審議いただきたい項目を赤字で強調しております。こちらを中心に説明資料も構成をしております。次から本体の説明に移らせていただきます。
 おめくりいただきまして2ページ目でございます。「事業系食品ロス削減目標の背景・意義」ということで、前回、現行の半減目標の達成を踏まえて新しい目標設定のご議論をいただきましたけれども、あらためまして今回の資料として、現行目標の背景ですとか意義とかについてまとめてございます。ご案内のとおり、SDGsにおいて2030年までに小売・消費レベルの食料の廃棄を半減させるとしたことを受けまして、当時議論がありまして、2030年度を目標年度として、2000年度比で半減するという目標を策定しております。当時の議論におきまして、業種間がきっちり協調して取り組むこと、それから食品の話でございますので、消費者の理解も得ながら取り組むといった、社会全体の機運醸成が重要である。それから、もろもろ行動変革ですとか技術開発等がこの間、起きることなどを前提として目標を設定したということとなっております。
 前回ご意見いただきましたコロナの捉え方について、当然ながら目標を設定した段階ではそういった経済社会情勢の大きな変化というのは想定をしておりませんでした。3ページをご覧ください。
 前回、業種ごとに数字を見ていくべきであるということで、こちらについては4業種、それから4業種全てを合計したものについて折れ線グラフで表示をしております。全体的に減少傾向で、特に外食産業は大幅に減少をしたというところでございます。
 4ページでございます。これまで食品ロスの削減に向けてどういった取組を行ってきて、そしてどういった効果があったのかという点でございます。取組、いろいろとございますので、左に並べた形になっておりますけれども、小売事業者の納品期限の緩和に伴って、食品製造者、食品製造段階ですとか食品卸売段階、そして小売の段階でもある程度食品ロス削減の効果があったのではないかということで、○印のほうを付けております。以下同様に、取組の内容と効果があった段階ということで整理をしております。なかなかこの点、定量的にこの取組によってどれだけの量が削減されたというのはお示しするのが難しいということで、こういった星取表の形で取組がどの段階で発現したかというところを、これまでの取組について整理をしております。
 5ページでございます。先ほど見ましたこれまでの取組に比べて、今後、食品ロス削減に向けて新たな取組で効果が期待できるものを、4つほど挙げております。整理の考え方としては先ほどと同様でございますけれども、例えば、事業者の取組が見える化が進むことで底上げがなされていって、全ての段階において食品ロス削減の効果が出ると見込んでおります。また、現在、消費者庁において官民協議会で議論をされておりますけれども、未利用食品の寄附促進に向けたガイドラインの策定ですとか、そういったマッチング等が進むことで、食品寄附量が増加して結果的に食品ロス量が減ることなど、今後の新たな取組として位置付けております。あと、下の部分、引き続き消費者の食品ロス削減への理解や取組が大切ということで書いておりますけれども、現行目標を設定した際もそういった認識でありましたけれども、やはり食品、サプライチェーンを通じて消費者に届けられるものということで、こうした消費者の理解、取組というのは引き続き非常に重要だと考えております。
 6ページでございます。「コロナ禍をきっかけに起こった国民の行動変容」ということで、これもコロナの捉え方に関係をしますけれども、単純に、左下のグラフを見ていただくと、やはりグレーの外食のグラフのところが非常に下にガクッと下がっておりまして、市場という意味では、やはりコロナの与えた影響というのが大きかったということがご覧いただけるかと思います。中ほど、下のグラフのほうでも、外食産業における利用客数の推移ということで、同じようにパブレストラン・居酒屋といったところが非常に下方に大きく振れており、こういった感染症の流行に伴う外形的な変化というのもあったんですけれども、その期間に同時に国民の行動変容というのも生じていたということでコロナを位置づけようと考えております。
 具体的な例として、例えばテレワーク等が普及しまして、在宅機会、在宅時間が増加したことで、外食から内食に移行したこと。それから、ファストフード等々を中心に、デリバリーですとかテイクアウトというのも非常に定着をしたと考えておりまして、そういった変化というのが一定程度コロナの後にも残っていると、事務局のほうで考えております。
 7ページでございます。こうした考え方を踏まえまして、新たな目標の設定についてご提案をさせていただいているのがこのスライドでございます。グラフのところをご覧いただきますと、青い線と赤い線、2本の線を引いております。あとグレー点線で横に入っておりますのが現行の目標である半減目標で、参考でお示しをしております。
 まず青い線のほうですね。こちらは、コロナの影響が大きかったと見込まれる2020年から22年までの数値を除いて、過去の推計の実績値を基にトレンドで引っ張ったものでございます。端的に2030年度の数字で見ますと、2000年度比で56%減というところに至るトレンドラインとなっております。それに対しまして赤い線のほうですね、こちらはコロナの間の2020年から2022年の実績も踏まえて、同じようにトレンドを指数関数で線を引いたものでございます。こちら、2030年度の到達点というのが2000年度比で62%減ということで、これが、先ほど申し上げたコロナによる行動変容を全く定着しないことを前提とした趨勢と、逆に最大限行動変容を取り込んだ趨勢となるというふうに考えておりまして、新たな目標値について、こうした国民の行動変容が今後も一部継続することを考慮して、この青いBの線と、赤いCの線との間で設定することが妥当ではないかということで、事務局からご提案をさせていただきます。
 これにつきましては、7月2日に開催された食品ロス削減推進会議において、岸田総理の指示というのが出ておりまして、目標達成は喜ばしいという中で、本年度末までに新たな目標について結論を得るべく議論を進めてくださいということで指示をいただいていることを申し添えます。
 8ページをお願いいたします。前回の議論の中で災害時用の備蓄食品、それから、後で出てきますけれども、出荷をされずにほ場で廃棄される野菜についての捉え方についてもご議論がございました。まず災害時用備蓄食品でございますけれども、食品リサイクル法、それから食品リサイクル法に基づく基本方針ということで、基本的に事業者の皆さまからの食品ロス、それから食品廃棄物というのを対象に捉えておりますので、そちらの射程からはちょっとずれるのかなと思ってございます。ただ一方で、何もしていないということではなくて、消費者庁の所管しております食品ロスの削減の推進に関する法律の基本方針にも有効活用について明記をされておりまして、それに基づいてさまざまな取組が行われているところでございます。
 9ページは事業者の皆さんが備蓄食品を有効活用している事例のご紹介でございます。明治ホールディングスとローソンの事例をご紹介させていただいております。
 10ページは、国における備蓄食品の有効活用の取組ということで、関係省庁、申し合わせに基づきまして、災害時用備蓄食品の入れ替えの際にフードバンク等に情報提供をしまして、ホームページ掲載、それからメールによるお知らせをした上で、有効活用したいという手が挙がった場合にフードバンク等に提供しているという事例でございます。
 11ページは「地方公共団体における備蓄食品の有効活用の取組」でございます。消費者庁が自治体に対してアンケートを行っておりまして、こうした掲載しておりますような形で、優良事例ということでホームページに公表しております。こういった横展開を図っているとともに、次の12ページにございますのは、環境省のほうで実施をしたアンケートの結果について記載をしてございます。令和4年度にアンケートを実施しておりまして、全国の市区町村にアンケート調査を実施しております。ちょっとグラフ、細かいところが多いのですけれども、食品の品種ごとに、どれだけ活用されているかとか、活用されている割合についての回答を、左のグラフ、右のグラフでお示しをしております。右下の青いところ、備蓄量のほぼ全てを活用しているという回答内容になっておりまして、大体6割以上は全てが活用されているというところになっております。その一方で、一部まだ活用されていないところもありますので、そういったところ、引き続き向上していくように働きかけていくというところかと思います。
 13ページをお願いいたします。「生産段階における出荷されない野菜の扱いについて」ということでございます。こちらも先ほど同様、事業活動に伴い生ずる食品廃棄物を食品リサイクル法の事業系食品ロス量としては対象としておりますので、事業者に出荷されていない野菜というのは、そこの目標の対象外であるというふうに捉えてはおります。ただ、出荷されない野菜につきましても、カテゴリーを3つ資料のほうでお示しをしておりますけれども、ほ場において病害ですとか食害を受けた野菜が現場で廃棄をされている。それから、食用として自家消費であるとか、あとは隣近所にお配りをしたり、あと加工用として活用されている事例。それから非食用としての活用ということで、種として活用したり、あとは野菜の飼料化をして、家畜に給餌している事例等ございます。なかなか出荷されないものとなりますと、数字を個別に把握するのは難しいという状況でございますけれども、ただ、生産者段階のさまざまな取組によって、出荷されない農産物についても有効活用が図られているというところでございます。
 14ページはまた事例となっております。最近報道もされましたけれども、モスフードサービスが規格外でハンバーガーに使えないトマトをジューススタンドで有効活用されている事例が14ページでございます。また、次の15ページを見ていただきますと、社員食堂等の運営をされていますエームサービス、こちらにつきましては、大雨とかで土が付いてしまった野菜について食堂のほうで引取をして、ゴーヤレスキュー、カボチャレスキューといった名称を付けて活用されている事例でございます。次の16ページは、こちらは国産というよりは輸入してきたバナナですけれども、流通過程で規格外となってしまったバナナを、ホテルのほうでSDGsのイベントということで活用している事例をご紹介させていただきます。
 17ページをお願いいたします。議題、大きく変わりまして、次は「再生利用等の実施率に係る目標」でございます。前回、上の部分ですね、5年前の基本方針見直しの際の算定方法に基づくとこうなりますというところで、次の目標のところについては空欄という形でご審議をいただきました。その中で食品卸売業、それから外食産業の乖離の要因等についてきっちり分析すべきであるというご指摘をいただいておりまして、今回、後ろのほうにスライドでご準備をしております。ちなみに再生利用等実施率のところでよく勘違いをされやすいところにつきましては、発生抑制、そもそもごみとして出ないようにするといった取組も再生利用等実施率のところでは評価をしているということで、右下の算定式のほうを記載しております。
 18ページをお願いいたします。乖離の要因ということで、4業種共通の要因で触れておりますけれども、まず事業者のほうで、なかなか再生利用など意識せず、手近な焼却・埋立を行う業者に依頼しているというような意識面での話がございます。それから実態として、再生利用事業者に依頼すると、処分費用がその分高くなるということで、なかなか再生利用に取り組めないというお声がございます。③で、実際に再生利用事業者がそもそも近隣にないということで、再生利用に取り組めないというお話などが聞かれております。なおかつ、年間の食品廃棄物等の量が100t未満の事業者において再生利用等実施率が低いということで、数字の上でも明らかになっておりますので、そこをどう引き上げていくかというところが課題になってくるかと思っております。各業種における食品廃棄物等の発生量ということで棒グラフのほうでお示しをしておりますけれども、特に食品卸売業、それから外食産業において、100t未満のこの青い部分から発生している食品廃棄物等の量が比較的多いということになっております。ただ、ここに実際の事業者数を勘案しますと、外食産業ですと、例えば100t未満のところは、もう40万超の事業者がその中に含まれていて、一方100t以上のほうは大体数百社、500社ぐらいといったオーダーの数ということで、そういった状況となっております。
 19ページをお願いいたします。こうした乖離の要因を踏まえまして、食品卸売業ですとか外食産業において再生利用等の促進のために以下の取組を行うことで、100t未満における再生利用の取組を推進して、全体として引き上げていきたいという風に考えてございます。取組として、今度、右に並んでいますけれども、自治体等の連携ですとか、事業者に対する意識付け、それから優良事例の横展開、そして、後で出てきますけれども登録再生利用事業者数の確保をすることで、近隣に再生利用が行える事業者がいる状態というのを推進していきたいと考えております。こうした取組を進めつつ、5年前の見直しの際の目標設定の方法により、2029年度までの再生利用等実施率目標につきましては、食品製造業95%、食品卸売業75%、食品小売業は5%引き上げの65%、外食産業につきましては据え置きの50%で今回設定してはどうかということで、提案をさせていただいております。長くなりましたがこちらで環境省にバトンタッチをさせていただきます。
 
〇村井補佐 環境省でございます。次の20ページ以降についてご説明をさせていただきます。まず具体的な取組について、自治体との連携等についてのスライドでございます。こちらは前回の合同会合において自治体の役割が重要であるということのご指摘をいただいたところでございます。こちらはご指摘のとおりかと思いまして、かつ、食品リサイクル法においては、この審査において自治体の皆さまが直接審査をされる立て付けになっていない部分がございまして、この情報提供をどう国として行うかということが課題というふうに考えております。
 そのため、①として、そこら辺の情報をわかりやすく取りまとめる形の手引きという形でとりまとめて、必要な知見の整理等を、基礎情報であったり、基本方針のポイントだったり、また優良事例の取りまとめということを行いたいと考えております。また、②において、どのように発信するかということについては、環境省から自治体の皆さまにいろいろ情報発信をする場を幾つか記載しておりますが、こちらも含めあらゆる機会を通じて、どういった情報が必要かということも考えながら、周知・説明等を実施させていただければと考えております。
 続いて処理料金等について、こちらも前回の合同会合においてもいろいろご意見いただいたところでございます。こちらの議論については、10年前からいろいろご審議いただいているところでございまして、この基本方針においても③に記載のとおりの文言がございます。後半部分については、食品循環資源の再生利用等の促進の観点も踏まえつつ、その処理に係る原価相当の料金を徴収することが望ましいとされておりますので、こちらの、前回の合同会合でも申し上げましたが、上記を踏まえた価格を設定するための周知を継続的に行いたいというふうに考えております。加えて、自治体側の処理料金もございますが、再生利用事業者の皆さまにも、こちらの促進等を通じて、食品循環資源の需要を高めて、再生利用に関する健全な市場・ビジネス拡大を促すということもあわせてやっていきたいなと考えております。
 21ページをお願いいたします。続いて「年間の食品廃棄物等量が100t未満の事業者に対する再生利用等の意識付け」については、こちらは取組を収集しまして、優良事例として横展開をしていくということを考えております。このスライドにおいては2つ、具体的な事例を記載しておりますが、それぞれその地域の特色などを生かした事例でございますので、小規模であってもできるということについてのやり方を積極的に発信していきたいなと考えております。
 22ページをお願いいたします。また、あわせて環境省の「食品廃棄ゼロエリア創出」ということを支援させていただいております。こちらは、まずは食品ロスの削減をした上で、どうしても出るものについてはリサイクルをして食品廃棄ゼロ、焼却・埋立ゼロというのを目指すというような取組でございます。こちら、モデル事業等を実施して具体的な事業を支援しておりますので、今後、横展開だけでなく、具体的な直接的な支援もしていきたいと考えております。
 23ページをお願いいたします。続きまして「登録再生利用事業者制度の活用促進について」、こちらは前回の合同会合の資料の再掲となりますが、前回、再生利用事業者制度の認知度を高めるということと、優良事例の見える化とその横展開についてご議論いただいたところでございます。
 24ページをお願いいたします。この議論を深掘りする形で、アンケート調査の結果をこちらに掲載させていただきました。こちらは登録再生利用事業者に対して、今何が課題かという話と、事業を拡大するにあたって何が課題になり得るかということについてお伺いさせていただきました。その結果がこちらの真ん中のグラフのとおりでございまして、上にいけばいくほど課題だというふうに認識している割合が多いものでございます。そのため、こちらの課題をどういった形で解決するための支援をすることが可能かということについて、次の25ページにまとめさせていただきました。
 これだけではないと思いますが、主な課題と改善の方向性ということで、それを掲載させていただきました。1つ目が、一番重要な再生利用に関する必要性や重要性、また制度に関する認知度が低いということでございまして、こちらは人材不足や、周辺住民の理解が得られにくいといったところにつながるかなと思います。こちらの改善のやり方としては、まず周知徹底と普及啓発ということが軸になるかなと思っておりまして、そのやり方の一つとして、右側の2ポツにございますが、優良事例の整理・見える化ということを行いたいと書いております。こちらは26ページから30ページに具体的な優良事例を掲載しておりますが、このような形で、具体的にどういった技術があるとかいう形を掲載して、あらゆる形で発信していきたいなと思っております。
 2つ目については、食品循環資源に異物などが混入しているということについては、それがリサイクルの阻害要因になるということをあわせて発信していきたいなと思っています。
 3つ目の価格については、先ほどお示ししたとおりで割愛させていただきます。
 4つ目、食品循環資源が集まらないということについては、これは地域的なものなのか、具体的なこういう性状のものが集まらないかということによって対応が変わってくるかと思いますので、そこら辺をもう少しヒアリング等で分析を進めたいなと思っております。また、加えて、全国的にこの食品循環資源が増えれば、そこら辺の課題もある程度解決する部分があるかなと思っておりますので、その点についても並行してやっていきたいと思っております。
 5つ目の再生品の需要が不足しているということについては、右に記載のとおり、出口側の戦略があるということが重要かと思いますので、今実施しておりますエコフィード等の優良事例の紹介などを含めて、引き続き推進していきたいと考えております。
 また6つ目については、前回の合同会合でもご指摘がございました、審査が効率的に行われていないのではないかということについては、まず国側としてこれが実施できていないということであれば、その制度的な具体的な書類が多いのか、制度的なものなのか、もしくは運営上の何か課題があるかということを含めて、いろいろ引き続きヒアリング等を行いまして、どういう解決方法があるかということについて対応していきたいと考えております。
 ページを飛んで31ページ以降のスライドについてご紹介いたしますが、こちら、31、32、33は前回の合同会合資料の再掲となっております。前回ご審議いただきましたので、今回特にご審議いただきたい事項等としてあげておりませんが、こちらについても引き続きご指摘がございましたら、ご意見いただければと思っております。
 最後、34ページ目については今後のスケジュールについてです。前回の合同会合資料から大きな流れは変わっておりませんが、今回ご審議いただいた後、また10月上中旬に、これは報告書という形で取りまとめさせていただきますので、そちらについてご意見等いただければと思っています。パブコメを経た上で、今度は基本方針や省令等の形に落とし込みまして、こちらについてまたご議論いただいた上で、年度内に省令の改正・告示、制定・公布等を目指したいなと考えております。
 参考資料については、簡単にご紹介しますと、昨年度の改定の背景・経緯であったりとか、また前回の合同会合後に成立しました新たな循環型社会推進基本計画についてのスライドを掲載したり、また、農水省、環境省の予算資料について掲載しておりますので、ご覧いただければと思います。以上となります。
 
〇石川座長 どうもありがとうございました。ただ今、資料をご説明いただきましたので、質問・ご意見、これからいただきたいと思います。それに先立ちまして、今回は意見書を崎田委員と山田委員からいただいておりますので、崎田委員はご欠席ですので、これは事務局のほうからご紹介いただいて、続いて山田委員から、意見書に基づいて、簡潔にご意見を述べて説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
○村井補佐 まず崎田委員の意見書についてご説明いたします。対面でご参加をされている方についてはお配りしておりまして、あと、ホームページにもこちら、掲載させていただいております。崎田委員、今回ご欠席ということで、意見書において、事業系食品ロスの削減に関する目標について、2つ目、災害備蓄食品の有効活用と出荷前野菜の活用について、3つ目、再生利用等の実施率に係る目標と、100t未満の排出事業者への意識付けに関しての、3つご意見をいただいております。こちら、内容についてはご覧いただければと思いますが、事業系食品ロスの削減に関する目標設定の仕方については賛同いたします。あと、再生利用等の実施率の目標についてそういうことも同意いたしますということもいただいておりますが、加えて、今後2030年以降の目標についてもいろいろ、日本の政府も世界に議論を積極的にすることを期待しますというご意見であったりとか、また、事業者、市民、自治体との連携について、情報共有を進めていただければという話であったり、またその重要性について記載いただいておりますので、こちらを踏まえてまたご審議いただければと思います。以上です。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。それでは続いて山田委員からお願いいたします。
 
○山田委員 私のほうからは、「食品リサイクル法基本方針の見直しに対する意見書」ということで、皆さんのお手元に資料があると思いますので、若干読みながら説明してまいります。
 1.6月28日、第26回合同会合で示された「食品リサイクル法に基づく基本方針等の見直しについて」の事務局案について。今回の事務局案についての意見を述べる前に、本合同会合に出席されている全ての関係者の方々にまずもって共有していただきたい情報があります。それは本意見書に添付した資料1です。これはすでにご承知の方も多いかと存じますが、昨年7月23日に国連本部において現下の気候変動の実態について記者会見されたアントニオ・グテーレス国連事務総長の発言全文です。私たちは、今、いかなる現実の中で、この合同会合を行っているか。ロシアによるウクライナ侵略もイスラエルによるガザ侵攻も、そして世界中で生起している内戦や紛争も終息の気配すらなくますます悪化し、SDGsも風前の灯化する中、今年の我が国の夏は「地球沸騰化」といわれた昨年よりもさらにヒートアップしています。環境省におかれては、平成30年策定の第五次環境基本計画において我が国の国民に対して「パラダイムシフトが求められる」「フォアキャスティングからバックキャスティングへの発想の転換が求められる」等々の提起をされましたが、私ども全清連としましては、その後、この要請を意識しつつ、そういった考え方で進めなきゃいけないということ等を考えながら事業活動への取組を求められると考えており、今般の事務局案についてもその観点から受け止めております。
 以上の観点から見て、事務局案にあるⅠ.発生抑制に関する3項目、Ⅱ.再生利用等に関する3項目ともに時代状況に踏まえた提案となっており、基本的に賛成いたします。しかしながら、食品ロス量の削減目標、食品関連事業者の取組の見える化、判断基準省令等の改正、再生利用等の実施率に係る目標値についての事務局提案は、我が国を取り巻くさまざまな状況からして、また2050カーボンニュートラルの達成という目標からして、まだ十分とは言えないという認識を持っていただく必要があります。添付資料2を見ていただきますと消費者庁においても食品ロス削減推進法の基本方針策定に向けての議論を始めており、バックキャスティングの発想で、さらに一層、食品ロス削減を進めるだけでなく、再生利用等の実施率についても、食品関連事業者の方々には、企業の社会的責任を踏まえたチャレンジをしていただく必要があると存じます。特に中小零細事業者が圧倒的に多く存在する我が国の経済構造において、100t未満はもとよりせめて年間30t(1日100kg×25日×12カ月)以上の食品廃棄物を排出する事業者に対する規制を良しとする考えに立たなければ、食品リサイクルの大きな前進はないと存じます。事務局案10ページに実際の実施率が目標値との乖離が大きい要因として、食品卸売業、外食産業の食品関連事業者の「再生利用など意識せず、手近な焼却・埋立を行う業者に依頼。再生利用事業者に依頼すると処分料が高い」などという意見を紹介していますが、事務局はこの食品リサイクル法の目的趣意を真っ向から否定する意見を容認しているのでしょうか。再生利用を意識しないで良しとする考え方と再生利用料金が高いという意識を改善する取組が本食品リサイクル合同会合に課せられているにもかかわらず、その具体的実態調査データもなしに「やらない理由」を肯定するような表記をするのはなぜでしょうか。
 具体的実態調査とは、全国の市町村の処分料金、全国の産廃処分料金と全国の再生利用料金および廃棄物管理業者の介在の如何を明らかにし、中小零細企業といわれる食品関連事業者にとって、現行の標準的な再生利用料金が経営を圧迫するものかどうかを客観的に調査すること。例として、東京多摩地区の市町村処分料金は40円/kgですが、この料金設定で現在当該地区の食品関連事業者に何らかの不都合が生じているのかということも正確に調べていただきたい。これはですね、今、食品リサイクル連合の皆さんに聞くと、平均の処分料金が大体30円/kg前後になっているわけですね。これが高いと。先ほどの、処分料が高いからそういう処理をしないんだというようなことになってしまうけれど、果たして本当にその食品関連事業者にとって、40円/kgぐらいのリサイクル料金が経営を圧迫し企業破綻をもたらすものなのかどうかと、そういうことをきっちり客観的に調べていただきたいということでございます。
 2.廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について。①第26回合同会合における(一社)全国食品リサイクル連合会の問題提起8で、「廃棄物管理業の問題について」が取り上げられていますが、この問題は極めて深刻です。当該の問題提起では「再生利用事業者は直接、排出事業者と面談や話し合いができないなど、廃棄物処理法上の二者契約の原則が正しく履行できない状態にある」との指摘がされましたが、私ども全清連において承知している限りで申しますと、食品廃棄物を排出する企業の多くで「廃棄物管理の一元管理」を廃棄物管理業者、いわゆる廃棄物ブローカーに委託しているとのことです。環境省におかれては、平成29年2月の中央環境審議会の意見具申において「排出事業者が自らの責任で主体的に行うべき適正な処理事業者の選定や処理料金の確認・支払い等の根幹的業務を、規制権限の及ばない第三者に委ねることにより、排出事業者として意識が希薄化し、適正処理の確保に支障をきたすことのないよう、都道府県、市町村、排出事業者等に対して、排出事業者の責任の徹底についてあらためて周知を図るべき」とされたことを受け、平成29年3月21日に廃棄物対策課長・産業廃棄物課長の連名で通知を発出されましたが、今日現在に至るまで、全くの野放し状態であり、ダイコー事件の教訓が何も生かされていません。このダイコー事件の総括を、中央環境審議会において行って、その意見具申の中に、この規制権限の及ばない第三者に委ねることは問題だと、だからダイコー事件のようなものが起きてくるということになったのですけれども、そこでまた、そこのダイコー事件に、いわゆる食品廃棄物を委託していた非常に多くの、テレビなんかでも有名な企業がほとんどだったのですね。大企業であり有名な企業がほとんど。なぜそういった方々が、そんなダイコーなんかに委託してしまったのか。というところを掘り下げる中で、この廃棄物管理業者の問題が浮かび上がったわけですから、にもかかわらず現在もほとんどの、先ほどの食品リサイクル連合会のご指摘もあるように、廃棄物ブローカーが、いわゆる主体的に行うべき適正な根幹的業務が、本業には向かないということで、管理業者が横行しているということなのです。
 そこで今回、廃棄物管理業者、いわゆる廃棄物ブローカーが排出事業者に対して、どのようなプレゼンテーションをしているのかを添付資料3で紹介して、排出事業者が重宝する理由を知っていただき、その上でもう一度、添付資料4「平成29年3月21日通知」を確認していただきたいと思います。そして、改めて、(一社)全国食品リサイクル連合の問題提起8について考えていただきたいと存じます。
 ②私ども全清連としましては、今般の食品リサイクル法の基本方針等の見直しに係る次期目標年度は2025年から2029年と設定され、2030年度に向け、さらなる食品ロス削減を図るため、発生抑制の強化にも力点を置くとともに、発生した食品循環資源の再生利用等を促進する見直しとするとの考え方が本当に実を結ぶかどうかの分岐点は、第一に食品関連事業者の再生利用等実施の対象を、中小零細規模といわれる30t/年以上の排出者に拡大すること。第二は「規制権限の及ばない第三者」である廃棄物管理業者いわゆる廃棄物ブローカー問題にどう対処するかにかかっているのではないか。食品リサイクルの前進の成否はそこにあるのではないかと存じますので、是非とも、本合同会合として改めてご議論いただきますようお願いいたします。以上です。
 
○石川座長 どうもありがとうございます。今回の課題に絡んで非常に重要な問題をご指摘いただきました。さらに廃掃法全体にもかかわる話もありますので、おそらく主務省としてもリプライをお考えだと思いますが、取りあえず何名かの方から質問だとかご意見を伺って、まとめてリプライしていただくと。それを何回か回すというようなスタイルでやりたいと思います。
 まず対面でご参加の方はご発言ございます場合は、名札を立てていただければ、私が見つけた範囲内で順番にお願いいたします。さらにリモートで参加されている方は挙手ボタンで、ひょっとして私が気がつかないかもしれないので、その場合はミュートを外していただいて、ご発言で注意喚起していただければと思います。いかがでしょうか、皆さん。ご意見ございませんでしょうか。松岡委員、どうぞお願いいたします。
 
○松岡委員 今、全清連の山田委員のほうから当団体の提言書に補足するような形で強く主張していただいたところではありますが、まず排出事業者の皆さまに申し上げたいのは、食品リサイクル法は廃棄物処理法の管理下に置かれて、制度として運用されているということですよね。ですので、廃棄物処理法、まずは順法があって、その上に再生利用が乗っかってくるというお考えに立っていただきたいというのが1点です。
 2つ目に、排出事業者責任とは何かということです。排出事業者責任は、自ら排出した廃棄物を自らで処理することなんですね。これを排出事業者責任といいます。しかしその実態はというと、自前で施設をつくって処理をしている排出事業者というのは非常に少ない。第三者に委託をして、その処理をお願いしていると。したがって我々登録再生利用事業者というのは、皆さまの排出事業者責任を代行して行っているという大切な仕事をしておるわけでございます。それじゃあ先ほど山田専務がおっしゃっている、1kg当たり、例えば東京三多摩地区の平均では40円が高いのか、それでどれぐらい企業がひっ迫しているのか、出す側がですね、それを調べてくれというのは、まさにもし皆さんが自分で土地を買って施設を建てたらいったい何億の設備、どれぐらいの人を雇い、どうやって自分の出したものを製造業のように再生利用できるのかというものを試算していただくと、いかに今まで安く登録再生利用事業者に委託してきたか。それは市町村の焼却単価が、東京都23区では15.5円/kg、相模原市でも26円/kgです。それは住民税の税金が入っての値段です。それはなぜかというと、極めて公共性が高いからです。したがって我々登録再生利用事業者というのは、単なる民間のリサイクラーだけではなく、その社会的責任というのは極めて公共性が高い仕事を行っているということを、まずご理解していただきたいんですね。
 それから、ブローカーの話がありました。したがいまして、このリサイクル料金を低減してコスト削減サービス事業というのが展開されるわけですね。そうすると、今の私の申し上げた話でいきますと、よりコストを削減するから安い業者に委託しますよと、その業者切りを私どもがやりますというような方たちが、いわゆるここで言うブローカー通知に当たる方たちのビジネスモデルを注意喚起している内容だと思うんですよね。したがいまして、先ほど山田委員がおっしゃいましたように、環境省としましては、以前、この5年前の審議会のときに、環境省のほうで全国の焼却単価のアンケート調査とか、それから再生利用事業者の再生利用料金が幾らなのかと、そういったようなアンケート調査を行った過去があったと思います。そこら辺のデータが、まだ山田委員がおっしゃったようにまだ公表されていないかと思いますので、その辺の正確なデータを足した上でこの問題を論ずるということが、とても大切なことではないかと思っております。以上でございます。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。山田委員からの意見書を踏まえた上でのご意見というふうに思いました。まずこの点に関して、何か関連するご質問とかご意見のある委員の方がいらっしゃったらご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ひととおりお二方から意見が出ているので、これに関してご意見をいただいた上で、主務省からリプライしていただきたいと思います。いかがですか。よろしいですか。よろしいようでしたら、まずこれ、環境省からでしょうか。
 
〇酒井委員 石川先生。
 
〇石川座長 酒井委員から。酒井委員、お願いします。
 
○酒井委員 この段階で質問事項を2点確認させていただきます。
 まず再生利用等実施率、100t以上というところを、今回、30t/年以上ということでの山田委員からのご提案がございました。客観情報として、年間100t以上、30t以上、30t未満で、それぞれの排出事業者の者の数はどの程度になるのかというところを、ご紹介いただけませんか。先ほど外食のところで、100t以上が500社、100t未満が40万社という説明がございましたが、その数字だけでは少し粗過ぎますので、もう少し30tを境界値として持った場合にどういう数になるかということをまずご紹介いただきたいというのが1点目の質問です。
 それと今回は、この食品リサイクル法の基本方針の見直しということでの議論というふうに聞いておりますけれども、今回の資料の1ページ目で、今回の議論の対象は主に発生抑制と再生利用ということで、①から⑦までの論点を提示いただいています。今回、山田委員、あるいは松岡委員から提起いただいている廃棄物管理業の問題、これも非常に大切な問題というふうに認識をしておりますけれども、この議論をこの基本方針の見直しの中でやる意思というのを事務局が持っておられるかどうかということも、質問として提出したいと思います。よろしくお願いします。
 
〇石川座長 事務局からリプライをお願いいたします。
 
〇松﨑課長 環境省です。山田委員からの資料に基づくご説明、そして松岡委員からのコメント、酒井委員からのコメント、大変ありがとうございます。まず、先ほど山田委員のほうからご紹介いただきました内容に関して、特に前回、中央環境審議会の意見具申の中でダイコーの件を踏まえてご紹介いただきました。それを踏まえて環境省のほうで通知を出させていただいております。その件については山田委員のおっしゃるとおりの経緯でございます。環境省としてはこの事案を踏まえて、あらためて排出事業者責任の重要性について、より関係の皆さまに理解いただきたいという観点から、平成29年の3月に通知のほうを発出させていただきました。その中では、排出事業者は適正に処理しなければならないという重要な責任を有していること、また排出事業者は、委託する処理事業者を自らの責任で決定し、処理委託内容の根幹的内容は排出事業者と処理委託事業者の間で決定するものであり、排出事業者として自らの責任を果たす観点から、これらの決定を第三者に委ねるべきではないなどとする内容でございます。この内容につきましては、山田委員からの資料に添付されております。ありがとうございます。この場をあらためて踏まえまして、この通知の内容について、ぜひ排出事業者の皆さま、食品関連事業者の皆さまにあらためてご認識いただければと考えております。
 環境省では、毎年開催される全国廃棄物リサイクル行政主管課長会議での説明、また、Webサイトページでの掲載などを通じて周知を図っておりますが、この問題は山田委員からのご指摘にあるように、現在もなお非常に重要な課題であると考えております。環境省としては、自治体等への周知徹底、これからもあらゆる機会を捉えて周知徹底のほう図ってまいりたいと考えております。
 また、今回の事務局からの資料の中で、「再生利用など意識せず」という記載がございます。これについては、我々としてもそれ自体が適切であるとはいうふうには考えておりません。再生利用の重要性・必要性については、これから食品リサイクルの再生利用を進めていく上では、このご認識をこれまで以上に持っていただくことが重要であると考えております。この点、あらためて申し添えさせていただきたいと思います。
 ということで、先ほど、この20ページの事務局案の件でございますけれども、我々として、この資料も含めて、次のページも含めて申し上げたいところは、この食品リサイクル法についての問題認識、また再生利用の重要性・必要性についてあらためてご認識いただくために、我々として今後どういうふうに取り組むべきかという点について、事務局案として今回お示ししたものでございます。この点についてご審議いただければというふうに考えております。
 また、単価の調査についてもご指摘いただきました。先ほど松岡委員からもご指摘いただきましたが、これに関しましては、我々事務局のほうでどのような形でお示しできるかということにつきまして、こちらで検討し、対応していきたいと考えております。まず環境省のほうから以上でございます。
 
〇山田委員 その前に一言いいですか。
 
〇石川座長 では、30t以上の企業数について今、調べているところですので、その間、山田委員から。
 
○山田委員 酒井先生からありましたけれども、このブローカー問題は重要な問題だけど、今回の食品リサイクル法の基本方針の見直しの中では妥当かという話は、僕は酒井先生の意見と全く一緒なんですね。ただ、環境省の方々にお願いする機会がなかったので、この機会を使わせていただいたんですけど、今、松﨑課長からお話があったんですけれども、全国食品リサイクル連合会の方々も我々も言っているのは、食品関連事業者の方に直接なぜこの通知をちゃんと伝えないのかということを言っているわけです。そういう場は、例えば幾らでもあるはずですから。スーパー、チェーンの会でも行って、「こういう事件があって、こういうことであるから、この規制権限の及ばない第三者に委託することはまずいんですよ」ということを丁寧に丁寧に話してくれればいいんだけれども、この場で言われて、例えば全国廃棄物リサイクル主管課長会議で話したって、そこには全国の都道府県の担当主査とか、担当職員が来るだけで、別に排出事業者に行くわけじゃないんですよ。それも課長会議の資料は、全てインターネットでとか配信されるだけで、それを都道府県の職員が本当に徹底的にきちんと理解するかということもよくわからない。
 したがって、それとの関係で僕が言うのは、先ほど環境省のほうからの説明で、20ページで「処理料金等について」というところで、「また、自治体との連携や、登録再生利用事業者制度の活用促進等を通じて、食品循環資源の需要を高め、再生利用に関する健全な市場・ビジネス拡大を促すことにより、再生利用を促進する」と、きれいごとを書いてあるけれども、ちっともやられていないということなんですよ。だから、全国食品リサイクル連合会の方々も、もっと食品関連事業者に、僕ら、例えば業者が、仕事をいただくところにそんなきつい話なんかできないできっこないわけですよね。で、結局仕事をいただくほうだから、泣く泣く、いろんな値段の問題にしても、ブローカーの問題にしても、泣く泣くそれを黙っているという状態なんですよ。それをやっていただくのは環境省しかいないから、環境省が何らかの形でいろんな機会を通じて食品関連事業者の方々の本当の、例えば代表者だとか、キーパーソンの人に伝えていただかないと、これは全然きれいごとで終わってしまうので、ぜひともその辺をよろしくお願いします。酒井先生がおっしゃるとおりですから、この議論は環境省への宿題ということでやっていただいて結構ですから、よろしくお願いします。
 
○松﨑課長 環境省です。山田委員、ありがとうございます。この通知については、山田委員のおっしゃるとおり、自治体への周知徹底というのはもちろんですけれども、食品関連事業者の方々、イコール排出事業者ですから、その方々への周知も、むしろそちらのほうが重要であるというご指摘をいただきました。この点につきましては、どういう形で周知徹底を図っていくかということについて、農水省ともよくやりとりさせていただきたいと思いますが、この内容が食品関連事業者、排出事業者の方々にしっかり周知できるように、環境省としてもこの周知徹底に関しまして取り組んでいきたいと思います。山田委員、どうもありがとうございました。
 
○石川座長 それでは、先ほどの酒井委員からのもう一つの質問に対してお願いします。
 
○鈴木室長 はい。鈴木でございます。農林水産省のほうで数字のほう、お答えさせていただきます。食品関連事業者の推計値、これは令和4年の数字でございます。30t未満の上と下ということでは数字がないのですけれども、今持っている数字で申し上げます。20t未満が、合計は約70万事業者数です。20~100tが約1万事業者、100t以上が約4,000事業者でございます。
 
○石川座長 ありがとうございます。これに関連して、時間のあるときでいいんですけど、それぞれで、量で言うとどのぐらいカバーしているかっていうのをちょっと教えていただけるとありがたいかなと思います。今、手元にありますか。じゃあ、それは後ほどもし時間があればということで結構です。ありがとうございます。酒井委員、これで質疑としてよろしいですか。
 
○酒井委員 この数字をお聞きしてどう考えるかというのを共通認識として、今の4,000社を、2万社を対象にすることの大変さがどの程度、あるいはそこを対象にすることの効果がどの程度ということを考えていかねばならないということを、まずは共通認識にさせていただければと思います。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。じゃあ、どうぞ。
 
○五十嵐課長 ご指摘ありがとうございます。農水省です。今、細かな数字のほうは計算をさせていただいており、それはまた計算でき次第、ご報告いたします。ただ、ざっくりと言うと、令和4年度の実績だと、年間食品廃棄物発生量が100t以上の事業者で全体の9割以上を占めていて、100t未満の事業者の発生量というのは残りの1割未満を占めているというところでございます。
 
〇石川座長 はい、ありがとうございます。それでは、この点に関して関連する何かご意見とかご質問はございますでしょうか。五十嵐委員、どうぞ。
 
〇五十嵐委員 はい、ありがとうございます。
 関連の内容でございますけれども、肥料でも飼料でも、できた肥料・飼料を農家にどうやって売っていくかと。この市場開拓と継続的な利用、ここが回らないと、いつか、ふん詰まりという言い方は変なんですけれども、回らなくなってしまうということで、つくった肥料・飼料の出口問題というものを、どこでどうやって解決していくのかなと。
 私はちょうど23年前に残飯で肥料をつくり始めましたけれども、工場の臭いを消す、例えば600℃の筒を通って蒸発するように、外に出たときは、もうほとんど無臭になっている仕組み。それから振動、後からワンルームマンションがすぐ後ろにできちゃったものですから、振動が伝わらないように全ての柱にゴムパッキングを付けた。それから騒音については、夜間の50db以下にするために防音材を付けたと。そういうテクニカルな部分はコストがかかりますけど、かければどうにか収まるんですが、できた肥料・飼料をどうやって売るかというものに、ものすごく苦労していらっしゃる方がいらっしゃるんじゃないかなと。そこを、日本の食品リサイクルをもっと進めていくには、その出口問題にもう少し力を入れていく必要があるのかなというふうに思っております。ですから、例えば生ごみで肥料をつくった、その肥料を使った場合に、農家に幾らか、例えば補助金が出るとか、農家がもっと積極的に使っていただけるような仕組み、そういうものがあると、もっと日本の食品リサイクルが進むのではないかなと。
 で、私どもがさせていただいたのは、できた肥料を、もう担いで、農協とかいろいろなところに回って、「これ、使ってみてください」と言うと必ず言われるのが、「五十嵐さん、この肥料を畑にまいて、うちの畑が駄目になったらどうなんだ、どう保障してくれるんだ」というところからスタートをし、「じゃあここの一画でいいですから無料のテストまきをさせてください」と。で、「無料のテストまきをして、作物がよければ次からお買い上げいただければいいです」というふうに、大変時間のかかるようなところから始めて、少しずつ、少しずつ使っていただいたというような状態でございますので、肥料をつくったからって、すぐ買っていただくというところに結び付いてないというのが現状でございますので、これ、出口問題というのは、これ、何かもし工夫ができれば、ご検討いただくとありがたいと思っております。以上でございます。
 
〇石川座長 はい、ありがとうございます。今、五十嵐委員から、再資源化したというんですかね、つくったものの需要が大事だと。確かに極めて大事な話だと思います。その前に、30tまで下げるかどうかという問題意識に関して、データをベースに議論しましょうという話になりました。今、ちょうどデータがある程度まとまったそうですので、お願いいたします。
 
○鈴木室長 はい、お待たせいたしました。先ほど申し上げた区分ですね、20t未満と、20t~100t、それから100t以上という区分け、それぞれについて廃棄物量等の量ですけれども、一番最初の20t未満が約53万t、次が40万t、最後の100t以上の区分が1,400万tということでございます。以上です。
 
○山田委員 すみません、それにちょっと異論があるんですけれども。
 
〇石川座長 どうぞ。
 
○山田委員 資料の18ページを読むと、「特に食品卸売業と外食産業は、食品製造業及び食品小売業と比較して『100t未満の事業者からの食品廃棄物等の量の合計』が、『100t以上の事業者からの食品廃棄物等の量の合計』より多いため、再生利用等実施率が低くなる傾向にある」と、「多いため」と書いてあるんですけれども、これ、違うんですか。
 
○鈴木室長 ありがとうございます。今申し上げましたのは、全部、食品製造、卸、小売、外食全部入れた数字を申し上げたのですけれども、この資料に書いてございますのは、食品卸と外食産業について。
 
○山田委員 でしょう。結局、僕らはそれを問題にしているわけだから、トータルの量で10%って言ったら話が違うんです。要するに外食産業の量をどうするかという話をしているんですよ。いわゆる食品再生利用実施率の問題で、外食産業の問題と、全部、製造業の100%も全部くっ付けて、10%なんていう話はどこもしていないじゃないですか。それはすり替えですよ。全産業に占めると言ったら、食品製造業はめちゃくちゃ大きいから、だから分母がめちゃくちゃ大きくなるじゃないですか。それじゃなくて、そういうところを除いて、外食産業における人たちがうまく再生利用できるように。そもそも問題になったのは、食品卸業と外食産業の人たちが、再生利用などを意識せずとか、再生利用事業者に出すと処分量が高いと言っているわけでしょう。そこを問題にしているわけですよ。食品製造業の皆さんとかそういったところは、もう再生利用率95%~100%いっているわけでしょう。だからそこが問題じゃなくて、どうもここの、何ていうんですか、「4業種共通の要因」とかいっても、外食産業と食品卸売業ではこういうことを言っているけど、そんなことはおかしいんじゃないかっていうところから議論が始まっているわけでしょう。
 
 
〇石川座長 山田委員、どうもありがとうございます。ただ、横で聞いていると、なんか議論がちょっと複雑で混乱しているなあというところもあります。それからもう一つは、現状でデータの制限がかなりある。こちらですぐ計算ができるのは20tで切れているので、それで30tが判断できるかという問題と、それから業種別にそれが分解できるか。今、農水省から途中でご報告いただいたのは4業種全部足したものですから、おっしゃるとおり、製造業の大きなところがすごく大きな影響があるので、これは分解した数字を出してみないとわからないと。
 今、お手元の資料で参考になるのは、何ページでしょうね、2-1の「再生利用等の実施率に係る目標」、18ページの棒グラフが4種類出ているところの外食産業のところですか。
 
○山田委員 そうです。
 
○石川座長 そうですね。これ、100t以上と100t以下で大体半分ずつ、量で半分ということですね。
 
○山田委員 そうです。
 
○石川座長 そうするとやっぱり、どう評価するかですが、100t以上のところでまあ半分はおさえているということですよね。個人的に思うのは、半分おさえていて、おそらく実際再生利用等の実施率は一定高いんだけれども、外食ですから、100に近いということはないんだろうと思うんですね。で、ちょっと話が複雑になりますけれども、ここで出ているのは管理目標なので、これがミートしなくても、どこの会社も別に誰が悪いという話にならないんですよね。ここで全体としてどのぐらいうまくいっているか、いないかを判断するためのもので、そういう意味では、外食産業についてはまだまだだなというふうな形なんだと思います。そこまではいいと思うんです。
 で、次にじゃあそれをどうするかといったときには、ここの数字じゃなくて、個社として、昨年度の実施率がどのぐらいかによって、翌年何パーセント上げるべきか、2か1かで現状維持向上ですけれども、これが決まっている。これが法律で決まっている話で、ここは義務がかかっていますよね。これは法律をよく読むと、何ですかね、私は専門じゃないんですけれども、指導とか、命令があったかどうかわかりませんが、何かそういう順番があって、ある種の罰がかかるというふうな形になっているはずなんですね。
 そういう意味では、それが全体として管理目標というのは、これ、全社がそれを守れば達成できる目標という考え方で設定しているので、それができていないということは、おそらくできていない会社が多数だと。その中でこの量を見ると、報告義務があるのにできてない会社が、報告しているけれどもできていない会社が少なからずあるんじゃないかと思われます。で、報告義務がないところはもっとある。そうすると、対策ということからいくと、100t以上と以下に分けたときに、まず最初に議論されたのは数がすごく多い。そうすると、これを下げると、出す側の手間もものすごく大きくなりますし、一方で受け取る側もすごいんですよね。すごいデータを受けて、じゃあどうするかっていう話になったときに、相手の数がもう桁違いに増えちゃうんです。
 ここからは私の個人的な意見としては、大きなところに対する対策も、まだ十分ではないんではないですかという気もするんですね。しかも報告されているわけだから、過去何度も見直しがあって、そのたびに報告しているということは、今後こうしますという計画も含めて報告されているんですよ。にもかかわらず全体として未達なんですね。ということは、かなりのところが報告しているけれどもできていないという状況を認めざるを得ない。
 そうすると、そこに対して、今まではあまり特別なことは何も考えてなかったんですけど、ここでやっぱりそれはもう少し考えたほうがいいんじゃないか。これは既に情報はありますし、手間としては追加的に何をやるかなんですけれども、それはいろいろ考え得ると思います。直接全社に対して指導だなんだというのは、いきなりは難しいかもしれないけれども、程度問題があるでしょうから、それは優先順位を付けて、法律に書いてあるようにやるというのもありますし、それから、これは思いつきで、山田委員の意見書を読んでいて思いついたというか、気がついたんですけれども、そういう未達のものを何度も出してきているということは、こういうこと関する意識が低い、法人としての意識がたぶん低い、取組ができてないということですから。そういうところには、多量排出者だから、割と大きな企業なので、次回からの報告には、産廃か何かの講習があるじゃないですか、いろんな。あれを受けた人のはんこを押さないと駄目だとかね。これはできるかどうか知りませんよ。法律の専門家じゃないので。例えばそういう形で、そういう会社の管理レベルが上がるような、実効的な、皆さんの手間がなるべく少なくてできるような工夫が何かないかなというのを、ちょっと思いつきました。
 ちょっと長く、司会者がこんなことしゃべっていいのかと思うんですけど、申し訳ないですが。整理すると、これは、そもそもこれ、4業種というのは管理目標として議論している話なので、ここにいきなり対策というと、ちょっと別なフェーズの話になりますから、このぐらいにしたらどうかなと。それから、その間にデータを調べていただいて、30t以上以下で、業種に分けて、事業者の数と量に関して整理していただくと、たぶん皆さん、判断が割としやすくなるかなというふうに思います。
 それから、本日の目標というのはもう一つ、過去の食品ロスの発生量の目標、これをどう考えるかというのがポイントですので、もしこの点に関して何か、私、だいぶしゃべっちゃいましたけれども、ご意見がございましたらいただきまして、ある程度まとまったところで次の話題に。五十嵐委員から需要の確保が大事だというご意見をいただきましたから、それに関する話題に移りたいと思います。じゃあ渡辺先生、お願いします。
 
〇渡辺委員 専修大学の渡辺です。発言の機会をいただきましてありがとうございます。今の再生利用等実施率に関連してということで、意見を2点申し上げます。1点目ですけれども、4業種の違いで規模のことがよく議論をされていて、製造業とそれ以外で規模構造が結構違うよという議論はあるのですけれども、それと同時に、立地構造というのですか、空間的な分散構造というのが違っています。食品廃棄物の発生する場所が、製造業はかなり特定されているのに対して、卸、小売、外食ぐらいの順番だと思うのですけれども、立地構造の違いから、発生する場所が全国各地に分散的に存在している。そういう分散的な構造と集中的な立地の中でリサイクルをどうしていくのか、食品リサイクルをどうしていくのかといった問題を前提にして、さらに100tから30tとかに下げるという議論になりますと、ますます分散の程度が強くなって、発生したものをどうやって集めて、どこに出していったらいいのかというのが非常に大きな問題になっていくのではないかということが、大変心配されます。
 特に次の、今の18ページのグラフの次に19ページに課題点を掲げられていて、取組を行うということで掲げられていますけれども、再生利用事業者が近隣にいないというところに〇が付いていますけれども、やはり小売、卸、外食といったときに、出すよりも捨てちゃうほうがコストが安いという現状は、本当に問題だと思います。だけれども、リサイクルをやりたいのだけれども出すところがないという状況がもしあるのでしたら、そこはしっかり調べて対策を打っていく必要があるのじゃないでしょうか。しかも、もし100tからもっと下げるという議論になるなら、ますますこの問題は大きくなっていくので、どういう形で実際に処理ができているのか、実態を、山田委員も先ほどからずっとおっしゃっているように、実態を把握して、本当に捨てるほうが安いから捨てちゃうなんていうようなことが起きているのかどうか、どれだけのコストの差があるのか、実際にリサイクルの受け取る場所、受け取ってリサイクルができるような環境があるのかどうか、そこを丁寧に見ていかないと、小売については上げるという目標が出ていますけれども、目標を上げたり、対象を広げたりというのは、ちょっと危ない議論にならないかなと。もう少し慎重に実態把握を行う必要があるのではないかと思います。
 もう1点なんですけれども、これ、山田委員が矛を収めたところをまた蒸し返すようなことになっちゃうのですが、発生事業者とリサイクルを行う再生利用事業者の間にブローカーが活躍するというか、暗躍するというか、そういう状況というのは本当によくない、ダイコー事件なんかが起きた背景にこういうのがあるというのはよくわかります。ただ、そういうものが発生する余地がなぜ生まれるかというと、やはり情報が非対称であって、出す側が情報を集めにくい、集めるのにコストがかかるという状況があって、双方で実態がよくわからないので、よくわからないままリサイクルをやるんだったら、いろいろ斡旋してくるブローカーについ出しちゃうみたいなところがあると思います。けれども、そういうやり方というのは本当に大きな問題が発生しかねないというのは本当にわかることですので、その情報の非対称性、不透明性をなくしていく、これもやっぱり実際に調査をすることが必要であります。透明化していくというのは、ブローカーっていう言い方をするとすごい悪いイメージになるのですけれども、マッチングするっていう、情報のマッチングっていうと途端にいいイメージに変わっちゃうのですけれども、そういうマッチングができるような、出す側の方と受け取るリサイクルをする方とのマッチングが透明な状況で、コストを比較しながら、どこに出したらどういうことになるんだということがわかるような仕組みをつくることがすごく大事なんじゃないかと思いました。以上です。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございました。山田委員、どうぞ。
 
○山田委員 石川先生の意見は、私、賛成でございまして、実際に100t以上でもね、まだ十分やってないというところが多いというご指摘は正しいと思うんですね。で、それがここに出ているわけですね。再生利用など意識せず、手近な焼却を行う業者に依頼って。で、ぬけぬけといわれるわけですから、再生利用事業者に依頼すると処分量が高いと、これもぬけぬけと言われているわけですね。で、これは容器包装、いや、食品リサイクル法上の100t以上の方は、法律的に食品リサイクルをしなければいけないという義務があるのに、こういうことを言われるっていうことに対して、これをきちんとしなきゃいけないというところがまず第一で、石川先生のおっしゃったとおりなんです。それは一つよろしくお願いしますということと、今日の意見書の中で僕はあえて数字を入れたのは、1日100kg出すというのは多いんです。地域の中で100kg出す事業者は、例えば10万都市、30万都市で調べると簡単なんですね。ですから、規制をかけやすい、かけにくいという話で言うと、30t以上の排出事業者で1日100kg以上の食品廃棄物を出すところに対する規制もしやすいし、かつ、こういった再生利用事業者の方が営業するのも別に難しくはないという状況があることだけはわかっておいていただきたい。以上です。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。この点に関していかがでしょうか。じゃあ、小山委員。
 
○小山委員 日本チェーンストア協会からまいっております小山と申します。発言の機会をいただきましてありがとうございます。皆さまからいろいろなご視点でのご議論で非常に勉強になります。ありがとうございます。
 私のほうからは、渡辺委員がおっしゃった、再生利用の実施率に係る目標についてという部分なんですけれども、我々食品小売業としては、24年までの目標は60%のところ、直近では61%ということで、各会員企業が非常に努力しているということを聞いております。会員の企業にアンケートを取っており、それについて3点ございます。
 再生利用率をさらに引き上げるには、地域によって、リサイクル施設の有無によって、実施率が左右されてしまうという懸念点でございます。お店の位置する場所によっては、再生利用事業者がないエリアがあったり、再資源化を行う業者がなくて、また、あったとしても大幅なコスト増となるといったところが、実際としてはこういうことが起きてしまっているところでございます。食品リサイクルにつきましては、先ほど環境省からのご説明もありましたけれども、自治体の皆さんとも一緒に地域循環をするべく、環境整備についても、国としても進めていただきたくことを同時に行っていただきたいと思っております。
 それにかかわる点として、ベンチマーク制度についても、同様のことから懸念をしているところでございます。所在によって環境が違うものに対してクラス分けということになるところで、会員企業からは懸念が多くございました。また、評価基準ですとか原単位、算出基準の明確化というところが、まだわからない中なのですけれども、不公平感が生じてしまうのではないかといった不安の声が上がっておりますので、その辺、また議論を深めながら進めていっていただきたいというふうに思っております。
 最後に、事業系食品ロスの削減に係る目標についてということで、6ページの部分で、今回大幅に目標を達成したというお話がございました、すごく喜ばしいことではあると思うんですけれども、我々小売業では、中食というニーズが、非常にお客さまもニーズが高くなっているというのを実感しており、弁当や惣菜などの品ぞろえを強化しております。需要予測や発注精度を上げるなど食品ロス削減には取り組んでいるものの、やはりその分、食品ロスのリプレース化が起きないようにというところで、コロナの行動変容で本当に今後も継続して食品ロスが削減されるのか、その辺も懸念点として挙げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。それでは会場でお二方、挙がっているので、私ちょっと順番をよく見てなかったんですけれども、鈴木委員、出口委員の順でお願いします。
 
○鈴木委員 日本フランチャイズチェーン協会の鈴木と申します。よろしくお願いします。先ほどの再生利用については金額の話、それから100t以上、100t未満等ありますが、日本フランチャイズチェーン協会に加盟のコンビニエンスストアでは食品リサイクル率が約60%となり、ローソンでは、61%になっております。我々はフランチャイズチェーンですので、オーナーたちの集まりがチェーンとなっております。1店1店のオーナーたち、個社個社が集まって1つのチェーンをつくり上げているというところもございますので、その辺も配慮しながら進めているところでありますが、金額が高い低いというのは、需給のバランスによって決まってくるかと思います。そのため、エリアごとに外食や小売、卸等、その集まりが日本ですので、全体の課題として解決すべく、我々排出事業者と、リサイクルされる方々とのマッチングが一番重要であると理解しております。その辺で、環境省、それから自治体と一緒に腹を割って、このエリアをしっかり取り組んでいこうというところを1つでも2つでも増やしていくということが一番良いのではないかと思っております。その辺が我々も胸襟を開いてどこまでやれるかというところであり、本当は食べられるものは食べられるように消費するというのが一番だと思いますが、どうしても出てしまうものは、エリアごとにやっていく必要があるのではないかと聞いておりましたので、1つでも2つでもエリアの課題が解決できていくような取組を、業種を超えてやる必要があると感じたところでございます。そちらがリサイクルの話です。
 先ほど小山委員からもございましたが、7ページについては、小山委員と同じ意見で、やはりコロナの影響が入っていないとこうですよ、入っているとこうですよだと思いますが、コロナが終わってリベンジ消費等もあり、それからインバウンドも増えているため、2023年度の状況について、すでに2024年の9月ですので、サンプル等で推計する必要があるのではないかと見ておりました。様々な要素が変わってきていると思いますので、そこをしっかり踏まえた上で、見直しを進めていただくのが良いのではないかと思いながら聞いておりました。
 また、31ページのベンチマークのところも、クラス分けの前に、やはり優良事例を積み重ねていくことが重要ではないかと、前回も発言しておりますが、まずはクラス分けよりも、優良事例の見える化、それから型にしていき、それを、一事業者の一人一人が聞いて、「これをうちに応用できるな」と横展開できるよう、もう少し前広に研修会なり勉強会なりをしていただいて、先に優良事例を少しひも解いていって、こういうことが重要だとわかるような形にて推し進めていただくことが良いのではないかと思いながら聞いておりました。
 それから、最後に直接のかかわりがあるかどうかわかりませんが、食品ロスの数字の472万tの中には、おそらく政府系・自治体系の災害を含めた備蓄関連商品は含まないと理解しておりますが、先ほど説明があったとおり、基本的方針に記載があるとおり、寄附や防災訓練等で有効活用されている事例も多くあると聞いておりますので、有効活用された数字をぜひ参考数値として、足し込んでいければ良いのではないかと感じたところでございます。以上でございます。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございました。現場の細かい話になってくると、現実がわからないと議論が実のあるものになりませんから、大変ありがたいご意見かなと思いました。
 では、出口委員、それから田村委員の順番でお願いします。
 
○出口委員 食品産業センターの出口でございます。私からは2点ございます。1点目は、再生利用等の実施率に係る目標の設定についてでございます。各業種とか業態、品目ごとに、発生状況や削減実態を分析した上での提案ということで思ってやっておりますけれども、今後の削減可能性ということも加味して定めていくべきかなと思います。そのためにも、再生利用等の優先順位は原則として維持されつつも、包装容器等との混在を分別することが非常に困難であったり、熱回収に適した対象物など、エネルギー利用の推進の観点から、個別のケースに対して対象物の特性や処理工程を加味した影響評価により、メタン化や熱回収等の判断基準の明確化が必要かなというふうに思います。
 もう1点、2点目でございます。事業系食品ロスの削減に係る目標についてです。前回の会議でも、私の前任の髙取委員から発言がありましたけれども、目標の設定にあたっては、食品産業の合計の数字だけで判断するということではなくて、各業種内の構造の変化や、構成要素ごとの削減進捗度を分析した上で、今後の削減可能性を合理的な根拠に基づき設定されるようにということでお願いいたします。具体的には資料の3ページ、ならびに6ページに示されたように、業種ごとに市場変化と削減の状況が異なりますので、それぞれの要因と今後の見通しを整理することが、まずもって必要かなというふうに考えます。以上となります。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。それでは田村委員、お願いします。
 
〇田村委員 日本フードサービス協会の田村です。今回再生利用等実施率の中で、100t以上と100t未満のパーセンテージが示されたことは、業界としては助かります。外食は、平均すると1日10kg~15kgぐらい排出量があるかと思います。従って、約30店舗を持つ外食企業が100t以上を排出するボーダーラインになるのではないかと思います。また、ファストフードでの発生の仕方と、それから居酒屋チェーンの場合では、メニュー数も違いますし、扱っている食材も違いますので、一律に100t以上、100t未満ということで切ることは非常に困難で、100t未満の外食事業者の場合は再生利用等実施率が進んでいないのではないかと思います。今後外食としてやらなければいけないことは、例えば100t以上の大手のチェーンの方々がリーダーになって、小規模事業者の外食チェーンの方に、再生利用、リサイクルがあらためて大事かということについては、普及啓発等をしていかなければいけないということを思いました。先ほどの石川先生のお話も非常に参考になりましたので、あらためて外食の中でのすそ野を拡大していくという取り組みが必要であると思いました。
 
〇石川座長 はい、ありがとうございます。渡辺委員、どうぞ。
 
〇渡辺委員 先ほど7ページのところについて、食品ロス削減目標についてはあえて述べませんでしたので、ここで述べさせていただきます。削減目標として、こういう形でコロナの状況を鑑みて、従来よりもさらに下げつつも、ちょっと穏当な下げ方で考えるというような感じで設定をされようとしているのかなと思うのですけれども、何人かの方がおっしゃったように、コロナの影響をどう捉えるかが非常に重要なところだというのは誰しも思うところです。令和3年から4年にかけて下がっているのは43万tですかね。この43万tのうちの外食の寄与率、外食が20万t下がっていて、寄与率が46.5%で、小売を合わせると76.7%、この2つの業種で下がった分の4分の3を占めるということがわかります。そこの部分というのは、消費者の生活の変容というところで説明されようとしているのですけれども、確かに消費者が外食だとか小売りで消費をする仕方が変わった。それで、それは家庭に持ち帰って家庭系のごみとしての排出に跳ね返る可能性があったのですが、家庭系はあまり変わらずということだったので、全体として下がりました。ただし、外食や小売でのロス量の発生というのは、家庭との付け替えの部分というのがどうしても出てくるので、そこをどういうふうに考えるか。家庭系と事業系であわせて考えないと、なかなかここの目標設定というのは難しいないかと、特にコロナの影響を考えたときに難しいのではないかと思っています。目標として高い目標を掲げるのは非常に素晴らしいこと、いいことだと思うのですけれども、そこの影響というものを考えて、あまり固定的に目標を定めて、無理な目標を定めてできなくなるよりは、そういう状況を踏まえた上で、必要に応じて見直していくというのか、家庭系と事業系と全体のバランスの中で食品ロス削減の目標値を考えていくべきなんじゃないかなというふうに考えています。以上です。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。7ページの、これ事務局から、ブルーのラインと赤いライン、どういうふうに引いたかと、それから事務局提案としてはこれの間ぐらいで考えたいというふうなご提案がありました。これに関して、できれば結論をこの場で出したいというふうに思っておりますが。渡辺委員からご発言あったとおり、皆さん、そうお考えだと思うんですけれども、コロナの影響というよりは、それはもうデータになっているんですね。で、昨年から明らかにコロナの影響というのが外れてきている。で、消費金額、これは直近のデータまでわかるんですが、これはかなり下がったものが戻ってきているけれども、元の水準まで戻っていないというのが、業種別に程度の差はありますが、そういうことだろうと思います。
 それから、渡辺委員から問題提起というか、示されたんですけれども、事業系から家庭系への付け替え、法律の違いがありますけれども、それも確かにたぶんある可能性は。ただ、これになると、ちょっと定量的には、これ以上のデータはおそらくないという状況かと思います。
 それから、皆さんにご意見いただきたいんですが、事務局提案は2つありまして、1つは、このトレンドライン、指数関数でトレンドを引いております。結構長いトレンドですけれども。これで直近のコロナの影響ありなしで2本引いていると。前の目標はそういうふうに決めたんですね。今回も同じ考え方で決めたいというのは、分解すると提案1だと思うんですね。今回コロナの影響もあるので、コロナの影響のある年を入れたラインと入れてないライン、これの間ぐらいでいかがでしょうかというのが提案の2になると思います。
 皆さんのご指摘はたぶん、コロナの影響の緑のところ、この3つの年が4にならないか、4つ目の直近のデータを見て判断したいというご意見も何人かの方からあったと思います。で、これはですね、最初のこれ、トレンドラインで決めてどうでしょうという話で、もしこれを受け入れるとすれば、直近のデータが入っても定量的にはほとんど動かないと思います。去年のデータが、この緑のグラフよりも大幅に上に出るとか下に行くという話はたぶんあまり起こりそうもないような気が私はするんですね。もしそうだとすれば、入れても入れなくてもこのライン自体は定量的には変わりません。計算結果は多少変わりますが、ほぼ変わらないだろうと思います。そこのところについてご意見を伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 まず最初、決め方として、過去のトレンドで延ばしていく。これはもっとメカニズムを分析したほうがいいというご趣旨のご意見がありましたけれども、それは現実的には非常に難しいだろうなと思います。作業として大変だということもありますが、定量的にここまで信頼できるような予測に行きつかないだろうと私は思うんですね。細かく分析していっても。一部の部分的な論文は書けますが、結果としてこのグラフをどうすべきだという結論は、はっきり言って難しいだろうと思います。そこのところをどう考えるかですね。ですから、それなら別の引き方をするべきだとか、別の考え方をするべきだということであれば、ご提案いただいて議論すればいいかと思います。この点に関して、いかがでしょうか。酒井委員のほうが挙手されていますが、酒井先生、お願いします。
 
○酒井委員 石川先生、ありがとうございます。過去のトレンドを指数関数的に2030年の目標というやり方、それも一つだと思うんですが、こういうフォアキャスト的な定め方で食品ロス目標がなじむのかという、ちょっと本質的なところもあって、前回、災害備蓄という発生不可避な食品ロスを考えてはどうか、と申し上げました。今日も意見がありましたが、災害備蓄でもしっかりリサイクルしている側面はあるから、それを考慮して、いったいどの程度の量かということを組み込むべきだというご意見は全くそのとおりだと思います。やはり発生不可避な要因を考慮したバックキャスト的な定め方、そことの統合的な目標になっていったほうがいいのではないかと思います。過去のトレンドはこうだからこういう目標という、それで済むかというところが、この目標における本質のような気がします。少し災害備蓄以外のエッセンシャルな要因があるんであれば、それを積み上げて、それでその量までは認めるとして、目標はこういうレベルで本来あっていいよねという考え方はあるでしょう。そこにどうしても一人一人の行動の開きから発生を社会として認めねばならない量というものを見て、どの辺かというようなことにしていくのはいかがかというふうに思います。BとCの間で設定ということで、今回そういう形で決めていいかということに関しては、もしまだ時間があるのであれば、もう少し考えたほうがいいんじゃないかというのが意見です。
 
○石川座長 どうもありがとうございます。酒井先生、その1点だけということでよろしいですか。
 
○酒井委員 はい、結構です。
 
○石川座長 はい、わかりました。ほかの方で、関連するご意見はございますでしょうか。特にご意見は。話がちょっと、かなり難しいところに行っちゃったかもしれないんですけど。私のほうから申し上げさせていただくと、酒井先生のおっしゃることは非常によくわかるんですね。私もエンジニア、工学出身で経済学をやったので、エッセンシャルなものとか積み上げられるだけ積み上げて、それは別にしたほうがいいというのは、それは私、非常によく理解します。ただ一方で、この指数関数もいいんだという方向の意見も述べさせていただくと、まず第一には、エッセンシャルな発生量、これは積み上げること自体、一大大仕事になりまして、今回のスケジュールに間に合わないだろうなというのが、これは極めてプラクティカルな意見です。ただ、それは間に合わなくても、そっちの方向で考えるべきだと。特にバックキャスティングで考えるべきだというのは、非常に重要な視点で、これは大事だと思います。
 もう一つは、指数関数というのはメカニズムがないからいい加減であるということは確かにあるんですけれども、これ、リニア関数にしていないというところに意味があって、指数関数というのはだんだん傾きが緩くなっていくんですよね。一定の比率で下がるというモデルになっているんです。これはある意味では、減らせば減らすほどだんだん難しくなるから減り方が減っていくんだと、量的には減るんだという考え方を内包しているんですね。その意味では、ある時点でエッセンシャルになっているのはこれ、絶対減らせない。で、ほかに減らし方がというのを連続的に減らしやすさが非常に難しいものもあって優しいものもあって、優しいものから減らしていくから、だんだん減る量が減っていくと考えているという解釈もできるんですね。そういう意味では、現実的な積み上げはやっていませんけれども、過去の現実、やってきた努力としてこういうことができている。ですからこれはフォアキャスティングなので、それに対する批判は全く答えることはできませんけれども、ある程度エッセンシャルな発生量みたいなものを考えていると、言えないことはないというのが、私からのちょっと、言い訳がましいですが、意見です。酒井先生、いかがですか。
 
○酒井委員 はい。ここはどう言うんですかね、合意できる完全な方法というのはたぶんなくて、今、石川先生がおっしゃられたように、実際に積み上げができる、そういう時間的なことも考えどうしていくかということでありますが、このBとCの間で目標を設定するということを今日決めるということであれば、ちょっとそれは拙速ではないかということで、主に申し上げている意見ということです。
 
○石川座長 わかりました。じゃあBとCの間で今日決めるのはちょっと早急ではないかというご意見がありました。そういうご意見があったんですが、ほかに、賛成でも反対でもこの件に関してご意見をいただきたいと思いますがいかがでしょうか。小林先生、お願いします。
 
○小林委員 石川先生、ありがとうございます。ちょっと私からは、ちょっと、別の視点じゃないですけど、まずは賛成か反対かということで言うと、やはりちょっと今日決めるのは本当に私もちょっと拙速だなあという印象を持ちますので、酒井先生のご意見に賛成したいと思います。で、指数関数でいくのか、そうでないのかということについては、ちょっと私もこの場ですっと結論が出ていないんですけれども、ちょっとこの考え方として、目標値をより厳しくしていくということにあたっては、冒頭に100t以上の食リ法の対象というのが30t以上というふうに何か厳しくするというような議論がちょっとありましたけれども、そことセットで考えていかないと。ちょっとこの、例えばCなんかは、個人的にはちょっとかなり厳しいんじゃないかなという感じがしているので、例えば62%減ということを実現する、それなりの追加的な施策みたいなものをちょっとセットで考えて、それができるのかどうかというような、そういう考え方をぜひしていただけないかなというふうに思います。
 1点ちょっとエッセンシャルなものということに関して言うと、災害備蓄については私も非常に重要視すべきだというふうに思っているんですけれども、念のための確認ですけれども、食品事業者以外の災害備蓄というのはここから離れる、この目標値からは、そもそも対象外になっているし、家庭系の災害備蓄も同じく対象外になっている。なので、ちょっと先の話になるかもしれませんけれども、この食リ法の対象についても、今後ディスカッションしていく必要があるのかなというふうに思いました。以上です。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございます。ちょっとですね、座長の時間コントロールがうまくいっておりませんで、だいぶ時間が押してきております。ただ、非常に重要なお話をいただいていると思いますので、もし途中で当初の時間でご退席の方は何かご意見をいただきたいと思いますが。その前にまず、酒井委員と小林委員から今日決めるのは拙速ではないかというご意見をいただきました。これに関して、今ちょっと事務局と相談したというか、状況を聞いたんですけれども、最後の結論を出さなければいけない、基本方針はこういうふうにしますというふうな案をつくるというスケジュールからいきますと、これ、資料の中にもありますけれども、現実的にかなり厳しい状況になっています。ですから、もし今日決めないということであるならば、じゃあ次回にもう一遍に議論して決めないといけないということになります。そういう意味では、どういうことを調べて、どういう方式で、どういうふうに決めるべきかということを、ご提案いただけないかというお願いです。今日決めないということだけを決めてしまうと、それはできますけれども、次回のときに、予定では、じゃあ仮にですよ、事務局提案どおり、この間でいいですかというのを今日決めて、じゃあ次回はこの間のどの辺がよろしいですかということを議論するというのが、まあ予定だったわけですけれども、それを遅らせるということであれば、次回にどういうデータをベースにどういう方式で決めて幾つにしますということを議論したいんですね。そこで決めたいという話になります、スケジュールどおりからいくと。そういう意味では、今日決めないのであれば、どういう考え方でどういうデータを集めて、どういう形で決めるべきかということを具体的にご提案いただけると大変ありがたいというふうに思います。すみませんが、この点に関して、酒井先生、ご意見いただけますでしょうか。
 
〇酒井委員 はい。今の石川先生は極めて難しいことをおっしゃっているので、今すぐ発言することは極めて難しいんですけれども、あえて、若干思いつきレベルになりますが、まずこの指数関数減少を2030年で止めずに、例えば2050年あたりまで見てどうなのかということのシミュレーションをする。それから、エッセンシャルな廃棄というのは積み上げで、本当にどの程度の量になるんだということを、概数でもやっぱりみんな知った上で、そことの差を見て決めていく。まあこういうところ。その両者を見ていく中で、2030年、途中段階としては、こういうレベルのところを目標にしていいんじゃないですかねみたいな、こんな感じですかね。ちょっとあまり難しいことを今おっしゃられたので、ちょっと発言に戸惑っていますけれども、思いついたのはそのあたりです。
 
〇石川座長 ありがとうございます。大変申し訳ない。わかっていて聞いているんですけれども、スケジュールは私が決めているわけではないので、それはもう外から与えられているとご理解いただくしかないです。
 今のお話は誠に納得できる話で、2050年まで延ばすのは、これはもう極めて簡単です。すぐできる。ポイントは、エッセンシャルな発生量とは何か、エッセンシャルとは何かというところを、それさえ決めれば、ベストアベイラブルなデータを集めるということは可能かなあというふうに思います。それは結構な手間がかかるかもしれませんが。災害備蓄食料のデータがどのぐらいの精度で集まるかはわかりませんが、ある程度はあるかもしれないですね。
 
〇五十嵐課長 エッセンシャルなものが何かという関係で、一点明確にさせて下さい。小林委員の発言にもありましたが、食品事業者以外の災害備蓄用食品というのは、この食リ法の事業系食品ロスの削減目標の対象外となっていますので、エッセンシャルなものには入りません。
事実関係だけクラリファイさせて頂きました。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。酒井委員、何かリプライございますか。
 
○酒井委員 はい、今の説明ようにエッセンシャル候補であった災害備蓄用食品を食リ法の事業系食品ロスの削減目標の対象外とされるのであれば、そもそもここの議論を最初から制約を持って議題にするべきでした。この段階で今、事業系食品ロスとしては災害備蓄用は対象外ですということであれば、もう前回この議論が出たときにおっしゃっていただきたかったところだと思います。あえて申し上げるならば、今回の13ページのところで、生産段階における出荷されない野菜の扱い、これを食品ロスと呼ぶかどうかということも含めてこれを幅広に考えれば、これは食品全体で野菜だけでなくてというようなところ、これがそういう意味でエッセンシャルだということの一つの対象になるのではないかと思いますが、少し違和感を持って先ほどのクラリファイのコメントに関しては聞かせていただきました。
 
○五十嵐課長 ちょっと接続が悪くてよく聞き取れなかったのですけれども、もともと食品関連事業者以外の災害用備蓄食品と、それから規格外のほ場における野菜の話というのは、食リ法における事業系食品ロスの対象外ということで、事前のご説明とか今回冒頭の説明でご説明しましたが、うまく伝わっていなかったとしたら、申し訳ありませんでした。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございました。このあたり、ちょっと厄介ですね。災害備蓄食品以外のエッセンシャルな発生量というのが、私はちょっとすぐには、これを調べればいいというのが思いつかないので、実際問題として、宿題としていただいても作業ができるかなという心配が私のほうにはあるんですけれども。どういうものを、仮に次回議論するとしてですよ、どういうデータを集めればよろしいですかね。
 
○酒井委員 石川先生、今のこの236万tですか、この事業系の食品ロスの中身がいったい何かというのは、みんなで認識は共有できていますか。だんだんわからなくなってきているんですけれども。
 
○石川座長 業種別、法律としては規定されているものであるというところまでは共有されているんじゃないかとは思うんですけれども。
 
○酒井委員 具体の発生として何かということの現状を共有できているかという、そういう意味です。
 
〇石川座長 それはちょっと私は、皆さんの頭の中に介入してお答えできる話ではないので。
 
〇酒井委員 ですから、そういうレベルのところでね、この目標を決めようかということはどんなものかということを申し上げています。今日はしゃべり過ぎましたね。この辺にしておきます。
 
〇石川座長 はい、どうもありがとうございます。おっしゃることはわかる気がするんですけれども、そこまで戻って、「これ、わかっているのか」という話になると、そもそも論から勉強を始めないといけないので。まあ、今与えられているスケジュールどころの騒ぎではないのではないかと。見直しを1年遅らせるという話になるのかなあという感じになります。じゃあ、取りあえずまた札が上がっていますが、五十嵐委員、鈴木委員の順でお願いします。

○五十嵐委員 はい、ありがとうございます。経験談で一つお話をさせていただきます。今、この8ページから12ページで災害用備蓄食料の取組がいろいろ載っていますんですけれども、私は8ページの中ごろに書いてあります、「災害用備蓄食料を更新される際には、食品ロス削減の観点から、備蓄食料の有効活用についてご検討いただきますようお願い申し上げます」と書いてあるんですけれども、これは私は賛成でございまして、弊社では備蓄用の食料を廃棄する仕事をときどき請け負っております。先日も缶詰2,000個を缶切りで開けて中身を出すということの作業もあったんですけれども、来週もですね、何ていうんですかね、パックに詰めてお湯を入れるとおかゆになるというのをですね、ひと箱に30袋入っているを50箱廃棄するということで作業させていただくんですけれども、このコスト、作業員のコスト、それから労力・時間、もうちょっと早く出せばフードバンクに出せたのになあ、イベントで配られたのになあ、これがやはり食品ロス削減につながったのに、なんでこんな過ぎちゃってから廃棄するんだろうという、そういう疑問が起こることが再三ありますので、まあ備蓄品にしては有効活用して、消費期限・賞味期限の前に配ると、それで食べ切っちゃうということを大きく宣伝していただいていいのかなと。で、来週もそういう廃棄をやるんですけれども、作業員が5人から10人とか、1日がかりとか、ものすごいコストですよ、それ。そのコストの無駄もやはり考えていかないといけない。
 
○石川座長 ありがとうございます。じゃあ鈴木委員、お願いします。
 
○鈴木委員 先ほどの目標のところについて、素人考えですけれども、やはり各業種のサンプル推計をするというのが良いのではないかということと、さらに素人考えで申し訳ないのですが、例えば食品リサイクルに回したものは、食品ロスの数値からは削減する等、何か要件がプラスされ、有効的な努力が報われるような目標設定にしていきたいという思いでおります。その辺がまだわかっていなくてすみません。もしかしたら私が間違っているかもしれません。
 
○石川座長 間違っているというか、法律的にそういう解釈がそもそもできるかという、食品ロスとは何かという話になりますので、ちょっと難しいかもしれないなと思います。
 
○鈴木委員 以上です。
 
○石川座長 何かありますか。じゃあ速見さん、どうぞ。
 
○速見補佐 速見でございます。食品ロスの数量的な捉え方のところは、発生した食品廃棄物の量に、まだ食べられるものということで調査をしている可食部率をそれぞれ掛けるという計算方法になっているので、出てしまったものを再生利用するという考え方とは切り離されていまして、食品ロスのところは出たものという捉え方になっています。再生利用されたとしても、引き算したりということにはなっていないということを、まず申し上げさせていただきます。
 で、あとご議論いただいているエッセンシャルな発生量のところなんですけれども、備蓄みたいな話は、先ほど五十嵐から申し上げたとおりですね、外れているという前提で、あとは食品企業の皆さんの取引の中で不可避的に出てしまうものということには、概念的にはなるわけですけれども、ただそれを数量的に捉えるというのは、なかなか今の時点で具体的なアイデアがないと、頭の中にあるという状況ではないというところを申し上げさせていただきます。
 
○石川座長 今お答えいただきましたが、それでよろしいですか。
 
○鈴木委員 はい、入らないことはわかりました。残念ながら。
 
○石川座長 すみません、概念がちょっと違うということです。
 で、いかがでしょうね。まず、ちょっと戻って、7ページの「事業系食品ロス量の削減目標の設定」のところなんですけれども、これはなかなかスケジュールまで考えるとすごい大変な話になっています。考え方として、酒井委員からの問題提起は、まずエッセンシャルなものもあるでしょうと。それから、それと削減可能なところというのを分けずに議論するのはラフではないかと。フォアキャスティングという形で表現されていました。それと、過去のデータで表現されている部分も、解釈としてはあり得るんですね。それは指数関数で当てはめるという形でやっているんですけれども、この考え方。それから、エッセンシャルなニーズでいくと、これは積み上げていって、それぞれのデータカテゴリーごとに、これはエッセンシャルなのか、どの程度削減可能性があるのかということを分類して全量積み上げということをやらないといけなくなります。
 今、速見補佐からご説明がありましたとおり、食品ロスの事業系から出ている分については、これは発生量に可食部率というサンプリングしてデータを取ったもの、これ、業種業態別にありますが、それを掛け算したもので、可食部であるはずだというところを掛け算しているんですね。ですから、動物だと、骨とか皮とか、明らかにこれは食べないというところを外したものであるということになっています。そういう意味では、それがエッセンシャルなのかどうかというのは、実は次のステップを考えなきゃいけない。何か調理するときにどうしてもロスが出るというのをエッセンシャルと言うかという、技術進歩すれば減らせる余地があるかもしれないとか、そういう議論を実態に応じて全部やらなきゃいけないんじゃないかなというのが私の予想でして、これは非常に大事なことだとは思うんですが、現在の時間制約から考えて、予定時間内にそれができますかというと、かなり限られたことしかできないだろうなという感じがします。そうなってくると、たぶん宿題としてエッセンシャルなものを計算せよと言われたら、言われた側はかなり困るんじゃないかなというのが私の予想なんですね。
 そういう意味では、もしこれは今回、過去のデータを参照して、例えば指数関数で決めるというふうな形でないんだとすると、これは方法から最初、合意をつくっていかないといけないということですので、できれば何か具体的な、こういう試算をしてほしいという形で言っていただけると、次回、まとめた議論の可能性はあるのかなと思います。
 この点でいかがでしょうね。こと細かく、これを調べてこいというところまではいかなくて結構なんですけれども、今のところだとちょっと、事務局としてもどういう作業をすればいいのかというところでまいっちゃうんじゃないかなというのが私の心配なんですが、酒井先生と小林先生はいかがでしょうか。
 
○酒井委員 すみません、私からのお答えでは、特に申し上げられることはございません。
 
〇小林委員 私、ちょっと1点だけよろしいですか。
 
○石川座長 どうぞ、小林先生。
 
○小林委員 ちょっと私から1点だけ、もし仮にですけど、2050年までの予測みたいな話になったときには、是非人口動態というのをちょっと入れてほしいなと思います。日本国民全員を扶養するという、食事を提供するというような、やっぱり人口減少の部分をどういうふうに入れ込むのかというのは長期トレンドではすごい大事なのかなというふうに思いました。取りあえず私からは以上です。
 
〇石川座長 はい、ありがとうございます。それはたぶん、人口予測はあるので、考え方をきっちりと整理すればできるかなと思いますので、それはお願いします。
 それでは、ちょっと酒井先生と議論になっちゃったんですけれども、私の理解では、過去のトレンドをベースに決めると、一つの案が指数関数なんですけれども、それに酒井先生のアイデアというのは、それにそもそも足りないデータがあるからエッセンシャルな排出量みたいなものを推計すべきであると。それを参照して議論してはどうかと。そのときに、2050年までまず延ばした上で、推計されたエッセンシャルな排出量みたいなものがどのぐらいの量になっているのかというのを知りたいというご提案だったと思います。
 これに関しては、私自身は考え方は全く同意しているんですけれども、プラティカルにそのデータを次回までに用意できるかというところがかなり心配でありまして、こういうデータを用意せよということであれば、調べてわかるものであれば作業可能だと思いますので、それはこの会議の後ででも、これは参考になるからこれを調べよということがございましたら、ご提案いただけば調べてもらうようにしたいと思いますし、それから2050年まで延ばすシミュレーション、これはそんなに困難な話ではありません。それから人口動態も、これも予測がありますから、それをどういうふうに入れるかというのを、これ、一人当たりで推計して人口を掛けてみるということだと思いますけれども、たぶん年齢分布の違いまではなかなか、分布の違いによる発生原単位がたぶんないと思うので難しいかもしれませんが、単純に人口を反映させるだけなら可能かなと思います。で、これは今回ご議論いただいて、もう時間を過ぎていますので、私の理解なんですけれども、過去のデータに、それから調べて実際得られるような限りのデータは次回ご用意させていただいて、それをベースに決めると。次回はですから結構大変になります。決め方はこれでいいですかと、それから、次回苦労される方が発言を。
 
〇渡辺委員 ありがとうございます。そうなんです。次回のことがあるので、ちょっと発言しづらかったのですけれども。2050年までに延ばすというのは、確かにそれによってどういうふうになるかというのを知りたいというのは私もそう思うんですけれども、不確定要素があまりにも多くなって、人口動態はわかるんですけれども、インバウンドが増えたり、外食はどうなるのか。だから延ばして、2050年にこういうふうにしたいというところからバックキャスティングするのであれば、そこは大きな議論として別の機会にやるべきだと思います。今回はシミュレーションとしてはこういう感じですよねと、参考データが得られる程度なのかなという感じがしています。
 また、先ほどから石川座長がおっしゃっているように、指数関数をあてはめて漸減的にだんだん減少幅が減りながら減っていくというシミュレーションを示すのは、技術革新の度合い、食品ロスを減らすというのは製造段階においても、外食・小売・卸の段階においてもさまざまな、商慣習の問題もありますけれども、技術的なトライで減らしてきていることをあらわしていると思います。その挑戦がなかなか効かなくなっていくということから、指数関数で捉えるというのは、石川座長がおっしゃるように私も賛成です。そこがエッセンシャルな食品ロスとして残っている部分がどう減っていくか、その中身というのは、たぶんここに参加されている委員の方々は製造業、うちはこういう努力をしているけれどもこれ以上なかなか減らせないよねとか、小売の方だったらこうだよね、ここまでやっているけどなかなか減らせない部分ってあるんだよねと、そこの部分はそれぞれの理解されているところだと思いますので、それを延ばせば延ばすほど、やっぱり減り幅がグイっと大きくなるというのはなかなか難しい。だから指数関数でというのは、よく理解できるところです。
 もう1点は、私、先ほど消費者、家庭系のごみとの付け替えというのを言いましたけれども、付け戻しというのもたぶんあると思うので、家庭系とのやりとりというのをどう考えるのかというのはぜひ、この外食が減った部分が、また家庭系から揺り戻しでまた戻ってくるのか、こないのかという議論も必要なような気がするところです。
 そういうこともあって、不確定要素が非常にあるので、この指数関数でこれを延ばしていって、中間地点で設定するというのは、それはそれで一つの見識だと私は思います。だけども、それを固定的なものとして捉えないでいただきたい。もう一段、やっぱり皆さん、もう一段様子を見たいと、コロナ明けの状況を見たいというのをおっしゃっているので、これは暫定というと、たぶん事務局の方はすごく困っちゃうと思うんですけれども、いったん決めるにしても、コロナ明けの状況を見ながら柔軟に見直していくというような、そういう姿勢があると受け入れられやすいのかなと。で、本来的な議論は、バックキャスティングでいつまでに何にしようとか、2050年までにゼロにするとかっていうのがあってしかるべきだと思うんですけど、今、この次の会合で決めなければいけないという中では、そこまでたぶんできないと思いますので、いずれそういう議論はバックキャスティングでやるのが正論だというのは確認した上で、今回の議論の詰めとしてはそのぐらいで、何かもうちょっと柔軟性を持たせた設定にしていただけないかなというふうに私は思います。以上です。
 
○石川座長 はい、ありがとうございます。柔軟性を持たせた議論ができるかどうかというのは、今回締め切りが一定あって目標をつくれという話と、それから見直しは5~6年に1回ぐらいでやってきたということ、今度は5~6年に1回やってきたことを来年すぐもう一回やれというご提案に近いので、これもまたできる、できない問題があるので、ちょっと事務局から説明していただきたいと思います。
 
○五十嵐課長 いろいろなご指摘、どうもありがとうございます。座長からのご発言にもあった通り、締切をご留意頂けるとありがたいと思います。今般、食品事業者皆さんのご努力のもと事業系食品ロスの削減目標を達成できました。これについてはすごく評価をされて、とてもポジティブな方向で、循環型社会に向けて、総理から、「本年度末までにまた新たな目標を設定するように」という指示があったところです。
 また、石川座長にもおっしゃっていただいたとおり、これまで5年に1度基本方針を見直している中で、審議会の意見を伺った上で国がいったん決めたことを、1年様子を見てまた変えますというのは、難しいところであります。今回提示させていただいた削減目標は、2008年からですかね、結構長いトレンドで見ているので、仮に来年1年間で数字がとても上がったとしても、長いトレンドで見ているので、それはおそらくさほど影響がないのではないかと思われます。先ほどどなたかがおっしゃっていましたが、食ロス削減の問題は、事業系だけでなくて家庭系食ロスの両方で解決する必要があって、現行の目標もこの両方で2030年度までとされているので、今回ご検討頂いている新たな目標は家庭系とも合わせて2030年度までといったことで設定したいと思います。こういった中で、仮に事業系食ロスの来年1年間の数字が上がったとしても、事業系だけ変えるというのは変な話で、家庭系食ロスの進捗状況も見ながら、そこはまた2030年度以降の目標設定の中で、家庭系食ロスとあわせて検討をしていくといったことだと思います。
 それから指数関数に関しては、先ほど石川座長がおっしゃっていた、だんだん傾きが緩くなっていって、一定の比率で下がるというモデルである、すなわち初めのほうは食ロス削減の取組もまだ進んでいなくて勢いよく食ロス量は下がっていくけれども、そこからだんだん鈍くなるというのは、経験則上、おそらく皆さんの感覚的なものとしてもあると思います。事業系食ロス量の削減目標については、一生懸命取り組んでくださっている食品事業者さんに無理あるものを押し付けないというようなことも念頭に置きながら、現実的な指数関数というものを採用させていただいたところであります。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございます。
 
○鈴木室長 皆さま、どうもありがとうございます。1点だけここで確認させていただきたいことがございます。今回設定する目標年度でございます。現行もそうなんですけれども、目標年度を2030年として、この新たな目標を設定するということに関して、ここで確認したいと思います。資料の2ページ目にありますように、SDGs、国連の定めている目標も2030年で半減ということになっておりまして、これに準ずるという形で、そのSDGsのほうも、さらに先のゴールはないと、バックキャストしようにも、そこはなかなか参考にするものもないということですので、ここで確認させていただきたいのは、2030年を目標年度にするということでよろしいかということを、念のため確認させていただきたいと思います。
 
○石川座長 この点、いかがでしょうか。目標年度を2030年ということで見直したいという、それを確認する必要があるというご意見がありました。会場では、対面のところでは異議は出ておりませんが、リモートの方、いかがでしょうか。ちょっと時間を過ぎてしまっているので大変申し訳ないんですけれども。
 
○酒井委員 石川先生、ちょっと今の点。酒井です。2030年目標で今回設定することに関しては、その方向でいいと思います。ただ、参考値として指数関数モデルを立てて見るのであれば、この流れでいけば2050年はどの程度の数字になるかということは見ておいたほうがいいという、そういう趣旨で先ほど発言したということと、もう一つ、変動要因、不確定要素の話を発言された委員の方がおられましたけれども、いろんな要素は当然あると思います。で、おそらく一番大事なポイントは、今後の食糧危機をどう見るかということで、そういう状況を念頭におけば、今言っている食品ロスというのは、基本的にはやっぱりゼロを目指すべきではないかというところに行きつくような、やっぱり気はするんです。ただ、それが現実を考えたときに、その間をつなぐ考え方として、一つエッセンシャルという概念は提示させていただいたんですが、これは今回の食リ法とはなじまないと、こういう整理ということであれば、次回までにうんぬんとおっしゃっているところは、おそらくは今発生している236万tという総量、これが今後の削減可能性から見て、どんな仕分けにその中身がなっているのかということの一定の情報が提示されることというのは、あっていいかなと思います。ここをこれだけこう減らせば次のロスの削減は見通せるはずだと。それが指数関数予測とほぼマッチするのか、いやいやもうちょっといけるのかといったことは、2030年目標ということを考えるのであればやったほうがいいというふうに申し上げたいと思います。
 
○石川座長 よくわかりました。今おっしゃっていただいたようなことであれば、一定程度、データの制約とかそういうことはあるかもしれませんけれども、できる限り調べて、次回情報提示するということは可能かなと思います。
 それから酒井委員から問題提起された大事な点は、今のご発言にもありましたけれども、そもそも食糧危機とかそういうことを考えると、べき論で言うとゼロを目指すべきだという話がありまして、指数関数でも遠い将来はゼロに近づいていくんですけれども、いつごろというふうな話になったときに、べき論としてバックキャスティングで考えるというのは、そもそもこの目標の考え方自体が、決め方自体が変わってくるんですよね。それを踏まえた上で、現実的可能性は、中身を、実態をよく見て、その困難さの分布を調べるべきだというご指摘は全く、そういうことで議論した上で決めるというのは、私は同意しているんです。ただ、時間的制約がありますので、そういうことがどの程度どこまでできるかということに関しては、次の見直しのときまでに準備するというふうなことでどうかなと、私自身はちょっと考えます。
 で、次回のこの合同会合までの間に、現在の事業系食品ロスのデータの分解と、さらなる情報提示、特に削減可能性の順位ですかね。できる、できないとか、どの程度という話はなかなか難しいかもしれませんが、それが理解できるような情報を準備していただくということは、まあ可能ではないかなと、座長個人的には思っておりますが、実際にできるかどうかは事務局のほうで考えさせていただいて、できる限り対応するということかなと思います。事務局で何かございますか。
 
○鈴木室長 ありがとうございます。ご意見・ご示唆ありがとうございます。今、石川座長がおっしゃったとおり、我々としても現実的な作業を進めたいと考えています。まず方法論、やり方そのものは、おそらくそのもの自体も大きな議論になるところであります。それから方法論があったとしても、データのアベイラビリティ、これも重要なことだと考えます。それを踏まえて、今ご指摘・ご示唆があったところを、できるかどうかも含めて、事務局で考えさせていただきたいと考えております。
 この後の議論であると思いますけれども、次回予定されている会議は約3週間後でありますので、そういった時間的な制約についても、我々事務局としてしっかりと考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございました。それでは環境省側からも松﨑さん、お願いします。
 
〇松﨑課長 環境省でございます。後半部分での目標値の設定の議論につきましては、委員の皆さまからさまざまな観点からご意見・ご指摘・ご提案をいただきました。まず、この活発なご議論に大変感謝申し上げます。この目標値の設定については、それだけ今後の、将来に向けて、皆さんの関心が特に高いという中で、スケジュールの制約の中でどこまでできるかというところ、我々事務局のほうにぶつけていただいたというふうに理解しております。先ほど農水省のほうからもありましたが、いろいろな制約の中でどのような対応が可能かについて、事務局のほうで検討して対応していきたいというふうに思います。
 また、家庭系の件、何人かの先生からご指摘いただきました。今回、事業系を対象にしたご議論ということでございますが、家庭系に関しましても、徐々に減ってはいて、その中で2030年目標にはまだもう少し、達成には約20万tということでございます。こちらについても食品ロスの推進会議の中で総理のほうからご指示があって、その早期達成に向けてということで、さまざまな対応を取るようにというご指示をいただきました。この家庭系についても、少しでもその削減が進むように、しっかり環境省とも連携して取り組んでいきたいと考えております。私からは以上です。
 
〇石川座長 はい、どうもありがとうございます。もう1件、農水省からもう1件コメントがあるということです。お願いします。
 
〇五十嵐課長 いろいろご指摘・ご意見、どうもありがとうございました。議論の中でお答えできなかった点が、2つありますので、それについて簡単にご説明させていただければと思います。
 クラス分け制度についてご意見があったと思います。31ページの資料は、前回の合同会合でご説明させていただいたものですが、これは総理指示も踏まえ、食品関連事業者が食品ロス削減に向けていろいろな取組をされているということで、それのわかりやすい見える化を進めるといった趣旨のもと今後検討して行くということです。すぐにクラス分け制度を導入するという趣旨ではなくて、経産省の省エネのベンチマーク制度も導入には5年程度かかっておりますから、数年かけて検討をして仕組みを作っていきたいと思っています。食ロス削減に向けていろいろなことやられている事業者の取組を、わかりやすい形で公表して、それがどれぐらいよいかというのを評価できるような仕組みを考えていく、その検討を来年度から始めたいということです。当然、調査をしたらこれでということで決めるつもりはなくて、複数年かけて、事業者の方ともコミュニケーションを十分取りながら、また先のことになりますが、場合によっては検討会といったような形で進めていければと思っているところです。
 それから、五十嵐委員から、再生利用品の需要を促進してほしいといった話がありました。これについては、参考資料の一番後ろのほうに国産飼料増産対策事業や、肥料の国産化安定供給事業をご紹介しておりますが、これらの事業で、個別の農家に対しての支援というのはちょっと予算の仕組み上、なかなか難しいのですが、国産飼料の利用を推進するために、検討会やその普及の取組の支援を行っております。農水省としても、エコフィードなど、皆さんにどんどん普及して使ってもらいたいと思っているので、このような事業を活用しつつ推進をしていきたいと思っております。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございます。まあ座長が問題でして、時間を大幅に超過しております。で、このあたりで今日の議論を締めたいと思いますけれども、特に言い残した大事な点がということがございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○五十嵐課長 今、山田委員のお顔を見て思い出しました。大変失礼しました。先ほど山田委員からご指摘があった点です。まず、食品廃棄物等を大量に出している100t以上の事業者については、報告義務がかかっていてある意味、見える化されています。その上で、この法律の仕組み上ですね、必要な場合には、国が事業者に報告徴収を求めたり、立ち入り検査をすることができます。そういった形でよほどひどいところにはある意味監視といったような手段もありますので、今後、いただいた視点を十分踏まえながら、どのようなことができるかというところを検討していきたいと思っております。
 
○石川座長 はい、どうもありがとうございます。いろいろありますけれども、いかがでしょうか、何か、ぜひこの場で発言が必要であるとお考えの方がいらっしゃいましたらご発言いただければと思います。よろしいですか。
 はい、どうもありがとうございます。それではここで事務局にお返ししたいと思います。
 
○松﨑課長 本日は予定の時間、超過いたしましたが、皆さまから熱心なご意見・ご議論いただきまして大変ありがとうございます。本日いただきましたご意見を踏まえまして、精査の上、次回会合につきましては、ご議論いただいた上での基本方針の改定案の策定に向けて、この議論をさせていただければというふうに考えております。
 今後の進め方ですけれども、来月10月中に次回の合同会合を開催できればというふうに考えております。そこでは、本合同会合の報告案等について、今回いろいろご指摘、ご議論いただきました点も踏まえまして、事務局として案を提示させていただき、ご審議いただければと考えております。その後のスケジュールにつきましては決まり次第お知らせしたいと思います。
 今後の進め方について、何かご質問等ございますでしょうか。ありがとうございます。もしほかに何もなければ、長時間大変ありがとうございました。これで本日の合同会合を終了したいと思います。皆さま、どうもありがとうございました。
午後3時36分 閉会

 

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