中央環境審議会総合環境政策部会 第2回環境保全活動活性化専門委員会議事録

日時

平成14年6月14日(金)10:00~12:04

場所

環境省2F共用第6会議室

出席委員

14委員

廣野 良吉 委員長
飯田 浩史 委員
岡島 成行 委員
小澤 紀美子  委員
清水 英男 委員
世古 一穂 委員
鳥井 弘之 委員
藤井 絢子 委員
桝井 成夫 委員
三橋 規宏 委員
村上 忠行 委員
村杉 幸子 委員
横山 澄夫 委員
横山 裕道 委員

議題

  1. (1) 環境保全活動の活性化方策についての意見聴取結果について
  2. (2) 主要な論点について
  3. (3) その他

配付資料

資料1 環境保全活動の活性化方策についての意見聴取結果
資料2 環境保全活動の活性化方策のあり方について(主要な論点)
参考資料1 第1回環境保全活動活性化専門委員会議事要旨
参考資料2 パートナーシップによる環境保全活動の事例
参考資料3 NPOとのパートナーシップに関する海外の制度について
参考資料4 NGOの収入構造の調査例

議事内容

午前10時00分開会

○浅野環境教育推進室長 それでは、皆さんおはようございます。定刻となりましたので、まだ一部おそろいでない先生もいらっしゃいますけれども、ただいまから第2回環境保全活動活性化専門委員会を開催させていただきたいと思います。本日は大変お忙しいところをご参集いただきましてありがとうございました。
 それでは、まず初めに、お配りしております資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元に議事次第がございまして、その裏の方に資料の一覧がございまして、右肩に番号がございますが、資料の1、それから資料の2、それから参考資料といたしまして1、2、3、4とお配りしてございます。また、別添といたしまして、これは事前にもお配りしてございますけれども、意見の提出集、地方ヒアリングの提出意見集ということで分厚いのがございます。また、地方ヒアリングで使用しましたヒアリング用の資料、これは印刷したものでございますが、これもお配りしてございます。また、あわせまして第5回環境ビジネス研究会資料ということで、たまたまでございますけれども、一昨日、環境ビジネス研究会というのが開催されまして、その中で岡島先生からこの自然体験が新たなマーケットをつくるということでご提出いただいた資料につきまして、本検討会での討議の参考にもなるのではないかということで、これは事務局の方で参考までに用意させていただいたものでございます。
 また、本日の出席者でございますけれども、私どもの山下副大臣が途中から出席する予定にしておりますので、ご報告したいと思います。
 資料の方はよろしゅうございますでしょうか。何かありましたら事務局の方にお申し出いただきたいと思います。
 それでは、続きまして議事の2の方に入りたいと思います。議事の進行につきましては、廣野委員長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○廣野委員長 どうもありがとうございました。
 おはようございます。時間が12時に終わるということになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、第1番目の議題、皆さんの方お手元にきょうの議題がありますけれども、その議題に沿ってやらせていただきますけれども、それでよろしいでしょうか。

              〔「はい」と呼ぶ者あり〕

○廣野委員長 では、そういうことにさせていただきます。
 まず、第1番目の議題ですが、環境保全活動の活性化方策についての意見聴取結果についてでございます。4月22日に行いました第1回目の本専門委員会の後、約1カ月間くらいにわたりまして地方ヒアリングをいろいろなところでやってまいりました。環境NPOとか、あるいは自治体職員、教育関係者、事業者等、多様な主体の意見を聞いてまいりましたけれども、本日はまず地方ヒアリングについて事務局の方から簡単にご説明よろしくお願いいたします。

○浅野環境教育推進室長 それでは、私の方からご説明申し上げます。
 資料の1をごらんになっていただきたいと思いますが、ここに意見聴取結果を事務局の方でまとめた資料をお配りしてございます。
 めくっていただきまして、3ページ目にその意見聴取結果がまとめてございますが、まず (1)の地方ヒアリングにつきましてご説明申し上げたいと思います。
 これは既に第1回目の専門委員会の方で関係者から広く意見を聴取することが必要だということで、地方ヒアリングの開催につきましてご承認いただきまして、下の方に一覧が書いてございますけれども、大阪、名古屋、福岡、仙台と4カ所で地方ヒアリングを開催したところでございまして、委員の方々には分担といいましょうか、それぞれ四、五名の先生方に出ていただいたということでございます。その中におきましては、意見発表者ということで、広く募集した方々からおおむね7名から8名程度意見の発表をいただいたと。また、あわせまして一般公開したわけでございますが、その意見発表者の発表の後、傍聴席の方々からも時間が許す限り意見をいただいたということでございます。また、その終了後、アンケートも実施いたしまして、その意見につきましてもまとめてございます。
 4ページ目をごらんいただきたいと思いますが、この地方ヒアリングの出席者でございまして、意見発表者と他の出席委員につきましてまとめておるところでございます。このような形で4カ所、幅広い分野の方々から実際の意見を聞く、また、意見交換をさせていただいたということでございます。
 5ページ以下にそれぞれの会場での地方ヒアリングの中身をお配りしてございますが、簡単にご説明させていただきたいと思います。
 5ページの大阪でございますけれども、4名の出席委員ということで、8名の意見発表者から意見をいただきました。
 主な意見につきましては、環境に対する意識と環境教育、体験的な環境が必要でございますとか、NPOや民間団体からの協力、それから、生涯学習としての位置づけ、こういった意見がございました。
 また、2といたしまして市民参画について、済みません、文字がダブっておりますけれども政策決定過程に国民の参加等について意見がございました。
 また、6ページ目にまいりまして、パートナーシップにつきまして具体的なご意見、特に行政とNGOのみならず、NGOとNGOとの主体の横同士の連携も必要だという意見でございます。
 また、4としましては、NPOに対する支援、特にNPO自体の能力の向上が求められている、こんな意見がございました。
 それから、5といたしまして、情報提供について、施策が末端までに浸透されるような配慮が必要だ、こういったような意見があったところでございます。
 続きまして7ページの方に移りますが、7ページが名古屋でのヒアリングのまとめでございます。ここは4人の委員にご出席をいただきまして、8名からご発表いただきました。
 意見の内容といたしましては、まず、地球環境基金についてということでご意見をいただきまして、特に地球環境基金は大変役に立っておりますが、さらに人件費等についても補助してほしい等の意見がございました。
 それから、2番目といたしまして、資格制度についてというような形で、特に環境カウンセラーについての意見がございまして、こういった手法が適当である、そういったような意見がございました。
 それから、3番目には環境教育・環境学習についてということで、これは大学の先生の方からご発表いただきましたけれども、特にしつけというよりは、むしろ子供は親の行動をまねるですとか、また、教育を実施する場が必要である、こういったような意見をいただいたところでございます。8ページにまいりまして、また、環境教育につきましては、特に環境省と文科省の連携、それから、地域の人材が学校の授業に入っていけるようなことが必要ではないかという意見がございました。
 4番目の人材の育成・活用でございますが、特にこれは必要であるという意見に加えまして、全国的な人材バンクですとか、また、人材につきましても、いろいろな人材、具体的には保全活動をリードする、コーディネートする、また、中立的に助言・指導できる人材、そういったような多様な人材の育成が必要だと、こんな意見がございました。
 それから、5番目として、保全活動の促進につきましては、NPOを支援するNPO、こういったものも必要ではないかということがございました。また、保全活動を実施する場が必要である。また、NPOに対する役割付与、こういったような意見があったところでございます。
 それから、続きまして9ページにまいりまして、福岡での議事の概要でございますが、ここは5名の委員にご出席いただきまして、7名から発表をいただきました。
 まず1番目には、環境カウンセラー等に関する発表ということで、これはカウンセラーの方々みずから発表いただいたわけでございますが、もう少し知名度を高めてほしい、また、カウンセラーは実際の指導等におきますノウハウを蓄積しているので、活用を図ることが適当であるということでございます。
 それから、2番目といたしまして、ネットワークの形成につきまして、組むことよりも、特にそれを維持していく方が難しいので、その対応が必要であるということでございます。また、環境教育につきましては、公務員や教師の初任者研修に環境教育を取り入れるべきである。また、次のページにまいりまして、学社融合というような形で、学校と社会教育の融合が必要ではないかというような意見がございました。
 4番目といたしまして、保全活動の促進につきましては、地域振興とセットで行うべきである。また、中心となるのは地域の方々であるべきだということで、週末等のボランティア、ヘルパーとして来ることに頼ることはなかなか長続きはしないということもございました。また、いろいろな活動をコーディネートできる団体が必要である。また、自治会の活用等も必要ではないか、そんな意見がございました。
 それから、5番目といたしまして、活動拠点につきましては必要だという意見がございましたけれども、特にそのためには公設民営と、運営については民間の力を借りることが必要ではないかという話。また、活動拠点をつくってほしいということに加えまして、やはり公民館であっても、その料金についてはNPOについては負担があるので、負担になっているという意見がございました。それから、地球環境基金につきましては、これも他の地域と同様に、人件費の補助等もしてほしいと。また、全般的には全体の増額ということで、支援の強化をしてほしいという意見がございました。また、その他ということで、ほかの観点からの意見もいただいたところでございます。
 それから、続きまして12ページにまいりまして、仙台での発表でございますが、5名の委員にご出席いただきまして、8名の方から発表いただきました。まず、環境教育についてということで、これは現場の先生の方からお話をいただきましたが、小中一貫した--ちょっと「一貫」の「貫」という字が環境省の「環」になっておりますけれども、申しわけございません。そういったような教育が必要であると。また、先生に対する研修の強化と。また、ここも同じようにNPO等の人材を学校の中に取り入れることが有効ではないかと、こんなようなお話がございました。
 次に、2番目のネットワーク化でございますが、ここではやはりこれも同様でございますけれども、拠点づくりが必要であるということで、ここではパートナーシッププラザの地方版、そういったものの設置の要望といったものがございました。また、地方単位で行政とNPOを取りまとめる拠点、体制の整備がございました。
 それから、3番目といたしまして、13ページでございますが、人材の育成ということで、ここも環境カウンセラーの方々からの発表がございましたけれども、やはり専門的な人材の育成が必要であるということに加えまして、活動フィールドの整備、また、環境に関する人材バンク、また、NPOに対する専門性、組織力を高めるための施策、こういったものに対する意見がございました。また、4の情報発信でございますが、これにつきましては、末端まで情報発信ができるような仕組み、また、企業に対する情報提供も必要だと、こういったような意見があったところでございます。
 大変、時間の関係もありまして、かいつまんで説明させていただきましたけれども、地方ヒアリングの概要につきましては以上でございます。

○廣野委員長 どうもありがとうございました。
 地方ヒアリングの方、いろいろと参加なされた方、委員の皆さん方、どうもありがとうございました。そこでたくさんの委員の方が参加してくださったんですが、特に各ヒアリングで座長をお務めになった方から、もし何か一言つけ加える点があればよろしくお願いしたいと思います。
 ということで、まず最初に大阪と名古屋は私がたまたまやったものですから、ちょっと二、三だけ、これはつけ加えるというより強調したい点です。3点ぐらいずつ申し上げます。
 第1点は、やはり地方ヒアリングのやり方の問題です。やはり地方ヒアリング、今回13時から17時なんていう、そんな時間で大阪でやりまして、それから、名古屋も実は13時から17時。この時間というのは、皆さん方は働いている時間です、いろいろな方々が。特に企業とか学校とかそういうところです。だから、もうちょっと本当は時間をずらして、もうちょっと後の時間でやると、案外もっといろいろな方が参加できたかなという、そういう問題点を私は指摘したいと思います。
 それから、2番目は、やはりここで4時間ばかりちゃんとつくったんですが、やはり一般の参加者から時間が少ないなと、もうちょっと討議する時間がほしいなという、こういうことがありまして、やはり今度こういうことをやるときにはもうちょっと時間をとるような、これは大変難しいことだと思いますけれども、その点も考えていただく。あるいは、例えばどこかで発表者の方の説明の時間を2時間にするとかというような格好で、何らかの格好で私は一般の参加者の方は討論に大いに期待するものですから、そこらがどうかなと。
 なお、各議事の要旨のところ、それから、当日もそうでしたけれども、傍聴者という呼び方をしているんです。僕は傍聴者という言い方に非常に抵抗を感じまして、だから、僕は傍聴者という言葉は使わずに「一般参加者の皆様方」と言ったんですが、やはり傍聴者というとちょっと抵抗を感じるんです。やはり皆さん方熱心だから来ているわけだから、傍聴というと何となく単に聞いているという、やはり言葉の使い方をもうちょっと気をつけてやった方がいいかなと。やはり発表者がいて、それから委員の方がいるんですが、やはりそこにおられるほかの方々は非常に重要な方ですので、傍聴者というよりは一般参加者とか、そういう言葉を使った方がずっと皆さん方ある意味でオーナーシップを持ってくれるというか、お互いに1つの問題点をみんなで一緒に議論しているんだという気持ちになるのではないかということで、そこらあたりの言葉の使い方なんか、これが第1点です。あくまでもやり方の問題です。
 それから、2番目の問題ですけれども、これは内容の方ですが、大阪、それから名古屋と続いて私が感じたことですが、やはりお呼びした方々ができるだけそれぞれの主体を代表するようにということでお呼びしたものですから、それぞれの主体を代表した格好でお話があったことはもちろんよかったんですが、若干、僕から見ると、そう言うと大変失礼な言い方ですけれども、甘えがあるかなという感じかしました。甘えがあるというのはどういうことかというと、それぞれこうやった方がいい、ああやった方がいいといういろいろなお話が出てきたんですけれども、やはり僕が非常に期待したのは、自分たちはこうしたいと、こうすると、だから行政もこうしてくれという、何かもうちょっと主体的な発言があったらよかったかなと。余りにもこうしてほしい、ああしてほしいという。やはりもうちょっと自分たちはこうするから行政もこうしてくれという、あるいは企業その他もこうしてくれ、ほかの主体も一緒にパートナーシップを組んでやってくれというような、自分たちがどうしたいからという主体的な発言がもうちょっとほしかったなという、内容として、そう感じました。
 それから、3番目、最後ですが、これはいろいろなところで出ていましたけれども、特に私は地球環境基金のこれに関心を持っているものですから、やはりどこでも、名古屋でも大阪でも感じましたけれども、やはりどうも事業に対する補助ということだけでなくて、NGOそのものはまだ本体は弱いものですから、そういう本体に対する補助という、そういうものは何とかできないかなというのがどこからも出ていました。これはほかの会場からもどうも出たようですけれども、これはアメリカなんかの国会でご存じのように、議会でもってこの法律が通ったんですけれども、例えば最初の数年間はそういう弱い、まだまだ失敗して間もない、そういうNGOに対しては、やはりある程度本体を支援するような、そういうような仕組みもつくると。永久にやることは、これは国民の税金ですからできませんけれども。何かそういう格好で、少なくともスタートのときには、もうちょっと支援してあげるという、そういうようなシステムをつくる。あとは、やはり自分たちの力でやってほしいと。特に会員をふやすとか、そういうことでやってほしいものですから、そんなところの仕組みの問題も重要かなという点を感じました。
 以上、大阪と名古屋についてです。
 あと、福岡について、岡島先生どうぞ。

○岡島委員 運営については、廣野先生のおっしゃったとおりで、時間とかそういうのが悪くて、山本さんでしたか、市町村長会の会長さんが怒っていました。きょう来てくれるのは熱心な人ばかりなので、普通の人にもうんと聞かせたいんだと。だから、みんなが来れる時間にしなければいけないと。土曜とか日曜とか、そうしなければいけないと怒っていました。それから、広報がちょっと余りよくなかったのではないかというご意見もかなりありまして、この手の話だったら、もっともっとたくさんの人があふれて聞きたいというはずなのに、来れないんだと。それから、知らなかったというようなことで、その2点がちょっと問題になっておりました、運営の面で。
 それから、それ以外では、皆さん熱心にいろいろ議論いただいて、九州、熊本の人が随分いたこともあって、いろいろ福岡だ熊本だといって、お国自慢も入ってなかなかおもしろかったんですけれども、力を結集すれば物すごく大きな力になるのではないかなという感じがしました。ですので、あれだけいろいろな方がいろいろ活動しているので、九州のネットワークみたいのができたりすると、強力に動き出すのではないかなと。ちょうど各地でいろいろな団体が出てきて、芽吹き始めているような感じで、ですから、言葉なんかも多少みんな違っていたりして、片方ではボランティアと言ったり、片方ではNGO職員のことをボランティアというような言い方をしてみたり、あちこちで言葉もかなり変わっているので、意見が若干かみ合わないようなところもあったんですけれども、そういうようなこともある意味ではちょうどみんなが立ち上がってきている時期なので、整理するといいのではなだろうか。特に、地方何とかプラザ、西宮さんのところでやっているあのプラザの地方版がほしいというような声も強くて、ぜひ熊本になんていうことを非常に強く熊本の人なんかは言っていました。
 いずれにしろ、全国のそういうまだグラスルーツというようなレベルで 100人とか 200人とか、多くても 500人くらいの会員を用意しているようなNGOの中で、やりたいんだという意思を持っているのがかなりあるんですけれども、それが世古さんもおっしゃっていましたけれども、ネットワークといいますか、お互いがお互いを結びつけたりしていく過程なのかなとも思うんですけれども。いずれにしろ、そういうようなものと、今回こういう形でやったのをもう少し続けたらどうかなとちょっと思ったんですけれども。整理できないで誤解があったり、いろいろなことがいろいろ重なっているんですけれども、それをもうちょっとみんなで議論していくと、かなり全国にこういうことをいろいろやってみたいんだという人がたくさんいらっしゃるということが、もうちょっと明確になるのではないかと思うんです。そういう期待感もちょっとあったんですけれども。
 それから、あと、国や地方自治体については、やはりみんなはそうは言っていませんでしたけれども、邪魔をしないでほしいということではないかと思うんです。やりにくい制度ばかりあるわけです。税制が最たるものですけれども。寄付しようと思ってもできないとか、そういうふうに民間の活動がいろいろなことをしたいというときに、結果的なんですけれども、それを阻害するような規制とか制度がたくさんあるので、それを外すという方がむしろ援助するということもそうですけれども、そっちの方に国家や自治体が若干心を砕けば、お金をやったりしなくたって、民間が民間に寄付したりする制度がどんどん動いていくわけですので、その辺のところ、福岡の皆さんはそうだとは言わないんですけれども、言っている中では、その言っていることを総合化するとそういうところではないかなと。NGO、NPOの方々が訴えているのは、そういう部分もかなりあるのではないかなというような感じを受けました。
 以上です。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 では、仙台について、三橋先生お願いいたします。

○三橋委員 1つは、参加者がどのぐらい来るかということで、仙台の場合も全4回のヒアリングのうちの最後だったわけです。それで、名古屋30人とか大阪60人とかということで、仙台はもっと小さな町なので、どのぐらい集まるかというのが事前に参加した我々の話題になっていたんだけれども、 120人も集まったわけです。これはだから、みんな同じ時間帯でやっているわけですから、呼びかけの仕方とか何かに対して、とにかくヒアリングをやっておけばいいのではないかというようなことがもしかしたら、非常に失礼な言い方だけれども、関係省側にあってこういうことになってしまったのかなというような感じもちょっとします。例えば、こういうことをやるのに、参加者が名古屋の30人というのは考えられないです。本当にまじめに呼びかけをやったのかというような感じもします。だから、仙台はどういうやり方をしたんでしょうか、こんなに集まったというのは。

○岡島委員 自治体が結構頑張っていたと思います。自治体の差が……

○藤井委員 宮城の萩原さんは相当動いたと伺いました。

○三橋委員 やはりそういう地元でこういうことを引き受けてやってくれるような人をつかまえて、頑張ってもらうというようなことが必要なんでしょうね。そういうことは非常に感じました。
 それから、京都会議以降、私は何回かこのヒアリングをやっているんだけれども、やはり足元から環境保全活動へ取り組む地方の意欲というのは、やはり相当強まっていると思うんです。だから、環境への取り組みというのも、非常に総論段階から各論段階にはっきり移ってきているなという印象を感じています。そうすると、各論段階での問題というのは、非常に個別的で多岐にわたるわけです。だけれども、そういうものを整理してみると、1つよく役所の間の縦割り行政を批判しますけれども、やはり我々の実際の日常の生活、経済社会活動というものも、実は大変な縦割りになっているんです。だから、本当はすぐ隣にある団体が運動していく上において必要なキーパーソンみたいなものが存在しているわけです。しかし、それをたまたま縦割りでやるために知らないわけです。そういう形で、その地域にさまざまな人材がいるわけですけれども、それを横に結びつけるということが現実社会でも縦割りになっていてできないんです。その辺の1つ工夫が必要なのではないかなというような感じがしました。
 やはり地元にいる専門家を使っていく、そういうためには、やはりそれぞれの、特に自治体がやらざるを得ないのかなと思うんだけれども、人材バンクみたいなものを用意しておくというようなことは必要なのではないかなと。例えば、植生の話、あるいは野鳥の話なんかを知りたいなんていうと、すぐそばに専門家というのは結構いるわけです。だから、そのための情報の提供の仕方とか、ネットワークの組み方というものは、各論段階になってくると非常に重要になってくるのではないかなというふうに思います。
 その点でいえば、国や地方自治体のコーディネーター能力というものがますます重要になってくるような感じがします。特に、最近は地方自治体で環境問題なんかを担当しているセクションというのは、ほとんど土日返上ですよね。NGO、NPOのさまざまなイベントというのは土日に集中しますから。そういうことで、ある意味では、これは横山さんなんかからも後で伺いたいと思うんだけれども、地方自治体の環境セクションは土日返上で1週間休みなしみたいな形で、ウイークデーはウイークデーとしての別の仕事もあるなんていうんで、やや疲労気味な感じもあるんです。しかし、その役割を例えば環境カウンセラーにある程度肩がわりしてもらうとかというようなことなんかも考えられると思うんですけれども。仙台でも、環境カウンセラーというのは、名前はもらったんだけれども、一向にこういうことをやってくれとか、そういう役割についての要望がないというんだけれども、だから、その辺は地方自治体のコーディネーター役を補強するという意味でも、環境カウンセラーをせっかくつくったんだから、そういうものを有効に活用していくとか、そういう形で紹介していくことが必要なのではないかなという感じを非常に持ちました。
 そういうことで、各論段階への対応の仕方ということをこれからさまざまな形で考えていく必要があるのではないかと思うんです。地域によっても違うし、団体によっても違うし、その要求も違う。そういうものを弾力的に受けて、こういうことはこういうグループと連絡をとってやったらどうですかとかという、そういうコーディネーターの役割というのは、環境保全活動を地域で活性化していくために非常に必要なんだなというような感じを持ちました。
 以上です。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 いろいろな委員の方々とご一緒しましたので、何か追加するコメントとかご質問があったら、どうぞこの時間に。

○飯田委員 私、仙台に行ったんですが、非常に率直というか正直な学校の先生が出られたんです。伺ったら、学校というのは今給食を中心に回っているんです。ですから、午前と午後と分かれるような実体験の校外活動なんてできないんです。一たん学校に帰ってきて給食を食べなければいけない。それが事実なんです。それで、一日どこかあけて行くとすると、その日の給食はどこかへ振り分けなければいけない。だから、学校というのは一体何をやっているんだと。だから、僕は給食なんてやめてしまえと書いたんですよ、一回。そうしたら、すごい反響があって、反響というのは反対が。こんなに来ました。全部同じ文面で。これは給食の働いている人たち。それから、給食で食っている政治家ですよ。たがら、僕は、岡島さんもそうだけれども、実体験が一番子供には必要だと思うんですよ。その実体験をやる場がない、やる時間がない。それが一番感じました。
 それからもう1つは、白神山地のボランティアの方がいろいろ集まってくださるんだけれども、万が一事故があったとき、例えばあそこには害虫がいますよね。それから、マムシはどうか知らんけれども、そういった人間に非常に危険な動植物がある。これに対する補償はないんだというんです。だから、それだけが心配ですと。ボランティアはいっぱい集まってくださるけれども、だけれども、そういうことがあったときはどうしようと。これは何か制度として補償できるようなものがないかということを一番感じました。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 ほかにどうぞ。

○藤井委員 今の仙台会場ですが、今学校の給食と同時に、先生が環境の専門家にならなければと話し合ったんですが、むしろそうではなくて、地域のNPOなんかがもっともっと取り組めという話をしたんです。ところが、学校は1年間のタイムスケジュールが決まってしまっているから、やたらに学校に入ってこられると、またその授業の組みかえが大変だというお話になって、今、この時代になってまだそんなことを言っているのかなという気がしました。だから、給食とNPOとの相互乗り入れのところに非常に問題があるなというふうに感じました。

○廣野委員長 岡さんも大阪会場でもまったく同じようなことを言っていました。

○世古委員 私は大阪と九州に言ったんですけれども、この地方ヒアリングは一体何を目的にするのかというのをきちっと考えた方がいいかなと思って、先ほどおっしゃったネットワークをこれからつくっていく可能性があると、もちろんそうなんです。そうすると、この地方ヒアリングを通してネットワークをつくろうというわけではないわけです。これは政策を提言してもらおうという会と、やはり2つ分ける必要があるのではないかなと思うんです。要するに、どうしてもどの会場に行っても要望型、要求型のものが非常に多かったんです。先ほど廣野先生もおっしゃったけれども、この活性化方策についてコメントをしていくということについての基本的な意見というのは余りなかったんです。そういう議論をしたかったというのはあります。そういう意味では、そういう議論をする場だということの設定の仕方と、あとは地方でのいろいろなネットワークを醸成して、それをもう少し強化していく、そのための取り組みについてのというのはまた別の方法論だと思うんです。
 三橋さんがおっしゃったのもそうなんだけれども、私は地方自治体を国がコーディネートするというのではなくて、NPO、NGOはそれぞれが自主的なネットワークをつくって、それと地方自治体と国とパートナーシップを結ぶということが必要で、NPO、NGOのコーディネーターをできるようなNGO、NPOを地域でつくっていく仕組みをつくる、それをつくることではないというふうに思うんです。だから、地方ヒアリングで、なるほどこういう活動もあるのかと聞くためのヒアリングではなくて、こういう政策に対して、では地方からはどういう意見でやっていくのかというような、そういう議論をする場の設定の仕方に変えていく必要があるかと思います。
 そのためには、そういう議論をやれる人にきちっと来てもらう仕掛けをつくらなければいけない。それには余りにも十何日の間でとりあえずやるというのでは、やはり地方ヒアリングはアリバイ的になっていると思うんですけれども。もう少し、それであればネットワークをつくっていくようなための会議の方法と、それから本当に政策について提言やそれに対するアドボカシーというものについてやれる人とじっくり話せるような、そういう本質的な転換の仕方をもう1回考えてみる必要があるのではないかなというふうには思いました。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○横山(裕)委員 私はヒアリングで1人1人非常におもしろくて、みんなよくやっているんだなと、むしろ自分たちの方がよほど知らないことが多いなというのがよくわかってありがたかったんですが、1つ、3月に岩手で行った環境基本計画のレビューのヒアリングと、今回の環境保全活動活性化のヒアリングで、目的が全く違うヒアリングが同じような印象なんです。だから、多分今回は何についてのヒアリングなんですよというのが十分に伝わっていないのではないかという感じがしました。せっかくあれだけ意欲を持っている人たちの話を聞くのに、全般的な話とか、求めていることに対する答えになっていない、失礼な言い方をすると--ところもあって、私もやはりこれはこういう場ですと、せっかく提言の中身が出てきたら、それがこの指針に沿っているかどうかということを申しわけないけれどもやらないと、せっかくのヒアリングが生きてこないのではないかなと。ただし、1人1人は本当にいろいろなことをやって、そういう声を吸い上げる場というのは今後とも必要になると思いますけれども、やり方をすこし考えていただけたらなというふうに思います。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 ちょっと今の点ですが、やはり僕も2つ出ていて思ったのは、今おっしゃった目的をはっきりさせて、その目的に従って大いにそれに集中して議論する、それも全く賛成なんですが、ただ、もう1つは違う側面があって、やはりなかなか地方のいろいろなNGOの方々がそういう場で発言するチャンスが余りないんです。だから、このときとばかりにいろいろなことを言いたいことをいろいろ言うという、こういうのもあるんです。だから、それはまた別個にそういう場を設けてやればいいかなとい感じがしました、私は。

○村杉委員 今の横山委員や世古委員を受けて私が感じたことですが、やはり今回の場合は圧倒的にヒアリングを告知してからヒアリングまでの時間が短過ぎたと思うんです。私は初めからこれで大丈夫なんだろうかということを感じました。やはりせっかくやるんですから、あと1カ月くらいの時間のゆとりをとって、その間に地方でしっかり準備をしていただかないと、もったない。
 今回は私も福岡に行っていまして、その前の基本計画見直しの関係で宮崎に行って、たまたま九州は2回だったんですけれども、同じ方が同じような発言をしているんです。部分的にはちょっと違いますけれども。そういうことでは本当にちゃんと人集めをしたのか、集まった人に対して目的や話す内容をしっかり伝えていただいたのかというのは大変疑問でした。やはり私どもが聞きたいご意見を十分に聞けなかったと思いました。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 岡島さんとか三橋さんもその場で座長をやられて、全く僕も同じような感じを持ったと思うんですが、やはりそれはまさにおっしゃとおり、我々の目的があるんですが、やはり言いたいことをいろいろ持っている方がたくさんいることもあるんです。だから、やはりその方々をとめてしまってあなた方はだめですと、これが目的ですからそんな発言はしないでくださいと言うことはこれまたできないんです。だから、まさにおっしゃるように、できるだけ目的そのものについてブリーフィングを先によくやっておいて、おっしゃるように準備期間をもうちょっと長く置いてやっていくと、より意味のあるあれができたでしょうね。どうもありがとうございました。
 どうぞ。

○村上委員 私は地方ヒアリングに4回ぐらい実は参加してきているんですが、いろいろな違うテーマで。ただ、地方ヒアリングというのは、地方の人たちの意見を聞く場だと思っているんですが、どうも我が委員の方が説教を始めるんです。そんな考え方はだめですとかいけませんとか。やはり私はヒアリングで意見開陳に来ている人に失礼だと思うんです。やはりそこはヒアリングの趣旨を我々委員側もきっちり踏まえてやらないと、それは向こうだって専門的ではなくNPOなんかでやっている人たちは大変なんですよ。それを我々がそれはおかしいとかへったくれだというのは、私はヒアリングの趣旨に反するということで、我々委員側は大いに反省するべきです。これは何度も前から私は申し上げているんだけれども直らないです。
 以上です。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 いろいろなコメントがありましたけれども、ほかに何かよろしいですか。
 ちょっと飯田さんがおっしゃった点に関連すると、私はきょうも先ほど浅野さんの方に申し上げたんですけれども、きのう西宮さんにも申し上げたんですが、確かに環境教育というのは実体験ですよね。たまたま私の孫が武蔵野なんですが、孫が一週間かけて環境教育、これは学校の5年生になると武蔵野市は全員強制的に環境教育で長野に行ってしまうんです。それで長野に行ってみっちり一週間、月曜日から日曜日まで全部含めてですけれども、徹底的に環境教育のプログラムができでいまして、実際に各家庭に住み込んで、まさにそこでやっていることを自分もやるという。同時に新潟の地引き網にまでつれていかれて、新潟で地引き網をやったり、そういう物すごい幅広い活動をやって、おまけに毎日報告書を書かせるんです、5年生の子供に。それで、徹底してそれをまた議論するという、そういうことを実は武蔵野市はやっているんです。一週間ですけれども、5年生全員を強制でやるわけですから。やはりそういうようなプログラムがもっともっと日本の各地で行われて、おっしゃったまさに体験教育、これが特に環境についてそれが本当に必要ですので、ぜひ何とかみんなやってほしいなという気持ちが、私はたまたまおじいちゃんとして思いました。

○岡島委員 1つだけ、ちょっと。武蔵野は日本で一番金持ちなんです。それで、1億円寄付があるんです。市から小学校に出てきているんです。だから、よその市はなかなかまねができないというのが現実なんです。

○廣野委員長 親は1万 2,000円払いました。あとは全額市が負担です。

○清水委員 このヒアリングについてなんですが、発言者の方、フロアの方、いろいろな発言をされて、私なんか大変参考になったんですけれども、例えばこれをどう受けとめたらいいのか、個人の意見としてのお話、例えば今委員長さんもお話なされた学校教育の問題を学校教育は給食があったりNPOの参加の乗り入れとか、プログラムが決まっているから入れないんだというふうに断定していいのかどうか。それぞれ年間計画はもちろん立てていますが、そういう中で環境教育とかいろいろなプログラムを組んであるわけです。それに新しく入るということはなかなか難しい。だけれども、前の段階、例えば来年度の計画を決める段階ではいろいろな参画ができるわけです。そういうことが学校教育以外の分野でもいろいろなNPO、NGOの方の発言の中にも、我々その発言がすべてなんだという考え方をすると危ないと思うんです。ですから、参考意見としてとらえていった方がいいのではないかという気がするんです。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 では、そういうことで、次に地方ヒアリング・パブリックコメント等を聴取しまして意見がたくさんありますので、事務局の方で分類・整理していただいたということで、事務局の方から簡単にこの点もご説明よろしくお願いします。

○浅野環境教育推進室長 それでは、また先ほどの資料1の3ページをお開きいただきたいと思います。
 地方ヒアリングにつきましては今ご説明したとおりでございますが、また3ページの1の (2)でございますが、あわせましてパブリックコメントを4月23日から1カ月ほどこの方策についての論点整理について意見を求めまして、下の方にございますように、18名から意見をいただいております。総意見総数といたしましては、地方ヒアリングとあわせまして 291名ということでございます。また、それにつきましては、お配りしておりますこの厚い「地方ヒアリング提出意見集」という中にそれぞれの意見そのものを、これは事務局の方でワープロ打ちをしたものでございますけれども。これが意見でございます。また、会場ごとにつづっておりますけれども、最後の方にパブリックコメントでいただいた意見ということで、18人の方々からいただいた意見につきましてもそのものをつけております。また、一番最後のページでございますけれども、ヒアリングが終わった後にアンケートをお願いいたしまして、いただいた方の中の意見を簡単にまとめたというのもつけてございます。
 これにつきましては、大変ボリュームもございまして、説明する時間もございませんが、事前にお配りさせていただいておりましたので、そちらは目はお通しいただいているかと思いますので、本日はその後の資料でございますが、23ページをまずお開きいただきたいと思います。それぞれいただいた資料につきまして、小さい字の23ページ以降の資料でございますが、事務局の方でその意見を大変数多い意見でございますので、これを切り分けたといいますか、複数の意見についてはそれぞれに分けまして、後ほど議題2の方で説明する主要な論点整理、そこでの項目ごとに個々のご意見を分類いたしまして、ここにまとめたものでございます。具体的にはこのような形で性別、所属、それから意見概要、どこのご発言か、こういうのをまとめたものでございます。これにつきましても大変ボリュームがございまして、大変な数がございますので、これもまたお目通しいただければと思いますけれども、本日はその前に戻りまして、さらに事務局の方で15ページになりますけれども、主要な意見集約集ということで、さらに事務局の方で整理させていただきました。これにつきましてご説明申し上げたいと思います。
 今申し上げましたように、主要な論点の議題の2の方の項目に沿って分類したということでございます。まず、基本的な考え方といたしましては、このような2件ほどの意見がございました。
 また、次の (1)の総合理解の促進と役割分担の明確化という中では、NPOの位置づけ、また、パートナーシップの定義、理念の明確化、役割分担の明確化、このような意見がございました。
  (2)の参加と協働のための基盤整備につきましては、市民及びNPOが政策決定に参画できるシステム、こういったような意見もございます。
  (4)の地域からの環境創造立国につきましては、各省の連携と、また、地域振興とのセット、こういった意見があったところでございます。
 また、 (4)の協働のためのルールづくりにつきましては、次の16ページの方にありますけれども、特に活動の評価と検証、そのための手法、指標の開発、こういった意見が4件ほどございました。
 また、 (5)としては参加人口の拡大についての意見でございます。
 ただいまのが2で、次の3の具体的な施策の方につきまして、まず (1)の活動計画づくりにつきましては、3点ほどの意見がございました。
 次の[2]の組織体の設立につきましては、特にパートナーシップに基づく透明性の高い運営を行うため、各主体と連携調整のできる中間支援組織、先ほどもお話もございましたけれども、それが重要であり、強化策も必要であるといったような意見、その他の意見がございました。
 また、[3]の活動拠点の確保につきましては、その整備が必要だという意見以外に、特に新設というよりも既存施設の活用、これが重要ではないか、こういった意見がございました。それから、17ページにまいりまして、ここも同じように拠点の中でもNPO等の交流、それから議論のできる場が必要ではないか。また、そういった施設については公設で民営ということでございます。
 それから続きまして、 (2)の人材の育成の方ですが、[1]の幅広い人材の育成につきましては、人材の育成を施策としても評価することが必要だという意見が大変多うございましたけれども、中でもカウンセラーの活用ですとか、また、その人材につきましても、リードできる人材、また、コーディネートできる人材、指導・助言ができる人材等、大変一言で人材といいましても多様な人材が必要ではないか、こういったような意見がございました。
 次に、18ページにまいりまして、[2]のNPOを支える人材ということで、これはNPOの方の意見も大変多かったものですから区別したものでございますが、特にNPO等につきましては、その自主性、自立性を促すための研修がやはり必要ではないか。また、民間や行政との人事交流、また学生の受け入れ、こういったものも必要ではないか等、たくさんのご意見をいただいたところでございます。
 環境教育・環境学習の推進につきましては、これもたくさんのご意見をいただいておりますが、18ページの方では実施する場の創出が必要だと。それから、指導者の育成。それから、19ページの方にまいりまして、学校教育・社会教育との明確な位置づけ、さらには環境省、文科省の連携というような話がございました。また、大変具体的に環境教育推進のためには、例えばカリキュラムづくりですとか、横の連携の強化ですとか、また、人材に関する学校への具体的な派遣方法、また、さらには入試制度等も研究されるような大変多角的な観点からの意見がございました。
 それから、 (4)の地球環境基金につきましては、先ほどと重複しますけれども、特に立ち上げ時期の資金援助、また、一方で自主性・独立性を阻害しない形での助成が望ましいとの意見があったところでございます。それから、20ページの方にまいりまして、ソフト事業ですとか管理費、また、同じように中間支援組織、それから、施策提言分野、こういったような、これまで助成の対象となっていない分野についての助成も検討すべきだというのがございました。
 それから、 (5)の情報提供機能の強化でございますが、やはりブロックごとの国の拠点整備、さらには一方的な情報伝達に限らず、対話ですとか交流、こういったための場が必要ではないかという意見がございました。
  (6)の支える制度でございますが、これはNPOの自主性・独立性を阻害しない形での税制優遇措置と。一方で、みなし寄付金制度の要望もございましたけれども、これは慎重な議論が必要だという意見もございました。
 それから、その他といたしまして、次のページにかけましていろいろな意見がございましたけれども、この中では環境保全活動全般についていろいろな意見がございまして、その中に環境税の導入でございますとか、ごみの減量化など、環境行政全般に対するこうしたらいいのではないかといったような意見もいただいたところでございます。
 私どもで分類して21ページにかけてまとめたものでございますけれども、大変多くの意見をいただいたところでございます。時間も限られておりますので、大変要点だけをかいつまんだ説明で恐縮でございましたけれども、一応事務局の用意した資料は以上でございますので、またお目通しいただければと思います。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 スケジュールではもうそろそろ次の論点に入らなければいけないんですが、何かここでもし特に、15ページから21ページの間にまとめていただきましたので、この点に関連して何か特にご質問とか何かありましたらどうぞ。
 実はこの点については、後の論点整理の中で項目が大体そうなっていますので、そこでも大いに議論できますので、もしよろしければもう論点整理に入りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
              〔「はい」と呼ぶ者あり〕

○廣野委員長 では、続きまして2番目の議題、きょうの特に重要な議題ですが、主要な論点について、こういうことで審議したいと思います。
 たまたま今山下副大臣がお見えになりましたので、どうもありがとうございます。
 事務局の方でこれまでのいろいろな議論をまとめていただきまして、主要な論点ができ上がりましたけれども、これは中間のまとめにかけての努力でございました。ありがとうございました。早速これについて事務局の方からまず簡単にご説明していただくと。それから十分に議論したいと思いますので、よろしくお願いします。

○上杉評価技術調整官 それでは、資料2、「環境保全活動の活性化方策のあり方について(主要な論点)」という資料について簡単にご説明させていただきます。
 これにつきましては、第1回委員会に出しました論点整理という紙をベースに、そこに各ヒアリング等で出ました主な意見がどこに該当しているかというのをはめ込みまして、さらに一部文章を整理しました上で、こちらとして論点として議論を深めていただくべき点について整理をしたという資料になってございます。前回の論点整理で出しましたうち、背景を説明している部分については省略をさせていただいております。
 1番目が環境保全活動活性化の基本的考え方ということでございまして、これはほとんどいじっておりません。
 3ページに行きまして、環境保全活動を促進する上での課題という部分でございますが、これについても前回の論点整理とほぼ同様の整理のままでございます。
 6ページ、具体的施策の考え方というところでございます。これは先に参考資料の2の方を少し見ていただきたいと思います。今回の1つの主要な目的が環境保全活動の活性化をするということでございますが、その際にパートナーシップを用いていろいろな取り組みをしている事例について少し集めてみた資料でございます。この中で、活動分野と、それから空間の規模、例えば全国ベースなのか広域的なベースなのか、地域的なベースなのか、あるいは海外の事例ということで整理をしてございます。
 例えばこの中では、NPOが中心となりまして国民ですとか事業者、あるいは地方公共団体を巻き込んでパートナーシップを形成しながらいろいろな活動をしている例ということで、幾つか拾い上げた例でございますけれども、例えば、全国各地でのいろいろな里地里山の保全を目的として、さまざまな現場での活動を支えている例としての里地里山保全活動支援、里地ネットワークというふうな例ですとか、あるいは広域レベルで廃棄物の減量化ですとか、あるいはリサイクルの意識向上を通じて最終処分場の大幅減量、あるいは資源リサイクルの促進の一端を担っているような例、例えばDの3、地域のところのリサイクルステーション、中部リサイクル運動市民の会で活動しているような例ですとか、あるいは自治体単位で中小企業でも少ない負担で運用可能な独自の環境マネジメントシステムを開発しまして、その普及に取り組んでいる、そういった例としまして、E、地球温暖化防止の2、広域、KESと書いてある京のアジェンダフォーラムというような取り組み、このような例があるかと思います。また、環境保全に特化しているというわけではございませんけれども、一般的なNPOの支援の仕方としまして、Hのところの2番、サポート資源提供システムということで、例えばNPOが企業等から物品を集めてきて、それをNPOに配るというような中間介在的な活動をしているような例というふうなものがあるかと思います。
 資料2の主要な論点の方に戻っていただきまして、こういったいろいろな活動について、もともとそういう各主体の意識の高まりですとか、環境保全を活性していこうという使命感ということが具体的な行動として発現をしてきているということでございまして、環境保全活動の活性化というものはこういう各主体の発意、あるいは熱意ということを生み出し、あるいは育てていくための基盤をいかにつくっていくか、これが重要ではないかということでございます。
 以下、論点整理とほぼ同様の整理でございますが、何点か変更点がございますので、それを中心にご説明したいと思います。
  (1)番、地域からの活動の促進でございますが、その[1]としまして7ページの活動計画づくりでございます。活動計画につきましては、いろいろな活動をばらばらに実施されるのではなくて、多くの主体が一体となって参画をして実施をしていくという際に、その参画、協働できる機会をつくり出す上で非常に重要ではないかということでございます。
 論点といたしましては、こうした計画づくりということについて、どういう範囲で、例えば地域のレベルが町内会的な非常に狭い範囲から、市町村、都道府県、あるいは広域レベル、流域といったような広がりがあるかと思いますけれども、そういうどの範囲のものを考えていけばいいのか。あるいは行政区画ということの関係をどう考えていくか。あるいは計画の策定主体というのはどのように考えたらいいのか。特に行政はそこにどのように関与していけばいいのか。国の役割は何かといったようなことが論点になるかというふうに考えてございます。
 それから、[2]番、そういう地域の活動の中核となるような組織体でございます。これについては、文章についてはほとんどいじってございませんけれども、次の8ページの方に論点といたしまして、こうした組織体というのが、先ほどの計画と同様でございますけれども、どの程度の地域的な広がりをもとに考えていったらいいのか。あるいは組織体の構成員、運営体制、あるいは財源をどう考えていけばいいのか。それから、地球温暖化対策地域協議会というふうな、法律に基づいて設立されるような組織が既にございますけれども、こういった組織との関係をどのように考えていけばいいのかという点。それから、この組織体に国がどのように関与していけばいいのかというふうな点が論点として考えられるところでございます。
 それから、[3]地域活動拠点の確保でございます。これにつきましては、次のページに移っていただきまして、論点といたしまして、既存施設の活用についても積極的に考えられるということでございますけれども、そういった施設そのもの、場そのものの設置主体、あるいは運営主体、財源をどう考えていくのか。それから、いろいろな場が、それぞれ拠点があるわけですけれども、その横の関係をどう考えていくのか。それから、行政はどういうふうにかかわっていけばいいのか。また、国は特にその中でどういう役割を果たしていけばいいのかという点が論点として考えられる点でございます。
 それから、 (2)多様な人材の育成、確保でございます。
 ここにつきましては、前回の論点整理では1つの項目として書いてございましたが、大きく2つに分けまして、[1]幅広いレベルの人材の育成・確保、それからこれは11ページの方になってしまいますけれども、[2]といたしましてNPO活動を支える人材の育成、確保ということで、人材面、2つに一応分けて整理をしてございます。
 幅広い人材の育成・確保でございますけれども、これは環境保全活動に対して助言・指導を行えるような人材、各種活動をコーディネートできるような人材、リーダー的な人材、それから、現場で実際の活動を行う人材など、非常に幅広い、いろいろなレベルの人材を確保していく必要性があるのではないかということでございまして、10ページの下の方に論点ということで整理をしてございまして、学生、主婦、社会人、退職者、高齢者など、非常に幅広い立場でいろいろな活動ができるということで、こういった人たちを体系的に育成・確保するための研修制度等についてどのように考えていくべきかという点。それから、確保された人材についてどういう能力を有しているのかということについて、世の中にわかるような形、対外的な能力の証明を行うような仕組みということを考える必要性はないのかということ。それから、こうした人材はどのぐらいの人数というのと、どの程度の地域的な広がりの中で配置を考えていったらいいのかというふうな点。それから、これも地球温暖化防止活動推進員等、既存の制度がございまして、そういった既存制度で委嘱されている人たち、人材との関係をどう考えていくのかという点が1つの論点でございます。
 それから、11ページに移りまして、NPO活動を支える人材の育成、確保ということでございまして、NPOの特に運営面、それから、いろいろな環境保全活動に関する専門的な知識といった面からの人材の育成ということも非常に重要でございます。
 論点といたしましては、そういうNPOを支える人材の体系的な研修のあり方はどのように考えていくのか。国はこうした研修にどのようにかかわっていけばいいのか。それから、ヒアリング等の意見にもございましたけれども、企業退職者等のいろいろな形での人材の活用ということも考えられていくのではないかということで、それはどのように考えていくかという点でございます。
 それから、11ページの下、 (3)環境教育・環境学習の推進でございます。これ、ちょっと誤植でございまして、 (3)というのが片括弧になってございます。
 これにつきましては、13ページの方に論点ということで整理をさせていただきまして、環境教育のための人材の確保やその活用方策はどうすればよいのか。あるいは、環境学習のための活動の拠点というものがどのようにあるべきかとか、それから、環境教育・環境学習を進めるための場ですとか、あるいは機会の提供ということが重要でございますけれども、これについて国としてはどこまでかかわっていくのかという点。それから、プログラムの整備、あるいは情報提供の効率的なあり方というのはどのようなやり方があるのかということでございます。
 それから、 (4)地球環境基金の目標の明確化、重点化でございます。
 ここにつきましては、現在の状況といたしまして、昨年12月に出されました「特殊法人等整理合理化計画」の中で地球環境基金事業について記述されている点をここに再度整理をして記述をしたところでございます。
 論点といたしましては、14ページにございますように、現行の活動資金のみの助成対象と、その助成対象の範囲をどう考えていくのか。それから、中間支援組織に対する助成をどう考えていけばいいのか。それから、同一団体への継続した助成というのが一部見られるわけでございまして、それをどう考えていけばいいのか。それから、ほかからの助成との併用についてどう考えていくのか。それから、海外活動への助成のあり方というものをどう考えていけばいいのかというふうな論点があるかと思います。
 それから、 (5)番、情報提供機能の強化でございます。これも申しわけございません。片括弧になってしまっておりますが、両括弧でございます。
 これは前回の論点整理にはなかった項目でございまして、いろいろな意見の中でも、情報が隅々まで行き渡るような取り組みが非常に重要であるという指摘がございます。そういうことでここに新たに1つ項を起こしまして、情報提供機能の強化ということについて記述をしてございます。例えば、今環境省では地球環境パートナーシッププラザを設けまして、民間団体の行うさまざまな活動との接点ということで情報提供等の機能を果たしているわけでございますが、そういう情報発信機能を強化する点でどういうことが必要かということでございます。
 論点でございますけれども、情報提供機能を果たすための仕組みというものをどう考えていけばいいのか。それから、今現在設置されております地球環境パートナーシッププラザの機能をどのように考えていけばいいのか。それから、地方における情報収集、あるいは情報の発信機能というものはどのように強化をしていけばいいのかという点でございます。
 それから、 (6)環境保全活動の活性化を支える制度の整備ということでございます。
 これも論点整理の紙の方ではその他として、税制措置等について記述をしてございましたが、 (6)としてこういう形で整理をしてございます。
 論点でございますけれども、NPO法人に対する税制優遇措置は実施をされているわけでございますが、認定要件が厳しいということもございまして、今、優遇措置の対象になっている団体が5団体、その中に環境保全活動を実施している団体はないという状況でございますけれども、こうした認定要件の緩和のあり方ということはどのように考えられるのか。NPO支援税制を使いやすくするためにはどうしていったらいいのか。また、地球環境基金のところでも出てまいりました中間支援組織というところに対する支援税制はどのように考えられるのか。それから、個人がNPOに寄付を行いやすくすると。お金の面でこういった全体の活動を支えるという意味での個人の立場からどのような形で寄付を行いやすくできるようなことが考えられるのかという点が論点でございます。
 以上が資料2、主要な論点でございます。
 あと、参考資料3と4についてでございますが、前回の委員会でアメリカの包括補助金ですとか、あるいはイギリスのコンパクトの例についてご指摘がございましたので、それを調べてみた資料でございます。それから、参考資料4の方につきましては、NGOの収入構造について調査例がないかというご指摘がございましたので、これも文献の資料から持ってきたものでございますが、内容については省略させていただきます。

○廣野委員長 どうもありがとうございました。
 では、きょうの私たちの議論の中心課題ですけれども、この論点の問題について、主な論点ということで幾つか上がってまいりました。先ほどの説明にありましたように、大半は以前に配ったものに沿ってやっております。それから、同時に皆さん方のお手元に配布してあります地方ヒアリングのところの先ほど浅野さんの方からご説明があった15ページから21ページ、それもかなりこの中に入れて反映するという格好でやってありますので、そこでぜひ皆さん方のコメントを活発によろしくお願いいたします。大体11時50分くらいまで時間があると思いますから、その間、よろしくお願いいたします。
 どなたでも結構です。どこからでも結構です。どうぞ。いかがでしょうか。

○岡島委員 この資料の中で、NGO活動をやっている人たちから見るとどうでもいいことというか、大きなお世話だというようなことがたくさん書かれていると思うんです。それは、だけれども、例えば日本においてまだ混乱しているところもあるんでしょうけれども、国家の役割と自治体の役割、それからNGOの役割など、ちゃんと明確化した方がいい。そのことについて、例えば今回のこの主要な論点というものは、ちょっと2つの目的を追いかけていてやりにくいのではないか。1つは、例えば廣野レポートみたいに、ここでみんなが議論して、本来あるべき姿というのは、きちっと整理する役割が1個と。しかし、今は関係省さん側が求めているのは、もっと早く具体的な政策論みたいなのを出してほしいということです。この2つは矛盾するというわけではないけれども、時間的なラグがあるんです。だから、廣野先生を中心とするこのグループでもうちょっとじっくり詰める部分が1個必要だと。それから、それはやりながら、今地球環境基金を中心とした政策論について当面早めにきっちりやるということは、2つ違うので、当面は政策論をやって、しかし、私はできたらこのグループでもうちょっと長く、あるべき姿をそれで一応レポートを出して国民の批判を仰いで、それで国内における国の役割などをきちっとしていくというのは、今年度ぐらいかかってやるべき作業だと思うんです。
 その違う2つを整理して考えた方がいいということと、そこで具体的論になると、私は今国というのはやはり基盤整備みたいなところに力を入れておいて、例えば野球をするにもグラウンドがなければできないわけだし、グラウンドとまでは言わないまでも、ある程度の運動場が必要だし、いろいろなそういうような意味での民間のNGOは--要するに国は見えないところで力を出しておいて、いろいろやるのは民間がその基盤の上に、きちんと基盤があった上でやろうということで、国の方の役割はどちらかというと基盤の方に出ていて、黒子といえば黒子、そういうようなところにいて、要するに個々のNGOだとなかなか財政的なことなんかでやりにくいような作業、そういったような作業、例えば人を育てるとか指導者を養成するとか、そういう作業というのはなかなか手にしないわけです。そういうものを単独のNGOや地域のNGOではできないようなところを例えば国がある程度助けるというか、つくって、もう1個大事なことは、基盤整備的な事業をやるということと、できたら、もうこれからの世の中だから、官設民営とか、官設だけれども、例えば地方にプラザみたいなものをつくっていって環境省が管理するとなると、これはもうNGOの管理になってしまうわけだから、絶対によくないわけです。でなければ、つくっても皆さんやってくださいというふうに投げてやってもらうと、そのようなスタイルを思い切って役所の方が考えてやるという作業が必要ではないかと。そういうことで、この地球環境基金という絶好の1つの母体があるわけだから、それの運営の仕方と管理のやり方について、それをある種核にした政策を今回展開すればいいのではないかなという気がしております。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。

○村杉委員 今の岡島委員のお考えに賛成です。ただ、地球環境基金をベースにというところで、これは政策論として今やるべきことではないのかと思いますけれども、本来、環境省の予算だけで地球環境基金をつくるのではなくて、もっと基金の受け皿を大きくする意味では、環境保全活動は地球との、いろいろなことに関係のある活動ですから、本来でしたら各省庁の予算をそれぞれ集めて、プールして、その資金を効果的に運用する。それこそこれも縦割りの1つの解消方策になるわけですので、そんなことができないものかと常々考えています。ここではあくまで環境省の予算として、地球環境基金をベースにしか考えられないのでしょうが。

○廣野委員長 先ほど岡島さんがおっしゃった国が基盤整備をぜひ徹底してやってほしいと。その基盤整備なんかには当然ルールも入りますよね。そうですね。やはりルールって物すごい重要になりますよね。それから、野球で変なルールになっては困るから、やはりちゃんとしたルールがないと困りますね。

○岡島委員 ネットワークなんかはなかなかつくりにくいんですよね。ネットワークというのは、だれも得するようで得しないところがあって、やる方が自腹を切って全部やらなければいけないというところがあるから、そういうどうしてもNGOの資金繰りがまずいと思うようなところをうまくサポートできないか。例えば、NGOが民間の銀行から借金できないわけです。つなぎの資金もなかなか借りられない、そういうようなことがたくさんあるわけですから、そういうようなところでいろいろな仕組みができるのではないかと思うんですけれども。

○廣野委員長 ほかにいかがでしょうか。

○横山(澄)委員 現場から見ますと、こういうNPO、NGO、そういう団体の活力をどう上げるかという話の一方で、要は国民というとらえ方ではなくて、地域住民1人1人の面的広がりという活力のとらえ方というものも非常に重要ではないかなというふうに思うんですが。そのときに、大阪会場でもそういう意見が出ましたけれども、地域住民1人1人は、国が県が市が何をやっていくべきかということを見せてくれないではないかというところを言っているんです。僕らも県のレベルですけれども、いろいろな行政施策を打っていくときに、恐らく国の熱き思いとか、そういうものは今市町村の行政ではほとんど気がついていないのではないかと思うんです。
 ところが、今静岡県の場合は74市町村あるんですが、それではいけないということで、どういうふうにして打っていくかといいますと、まず、市町村の基本条例をつくりなさい。それで、市町村の環境の将来構造を描きなさいという指導をしてきているわけです。たまたま静岡県の場合ですと15市町村がつくってくれたと。そういうところは既にこういう視点でやってくれているんです。ところが、それ以外の市町村というのは全くそれが生まれてきていないということなものですから、例えば7ページの環境保全行動計画ということは、恐らくこれは国レベル、我々レベル、この議論のレベルは、環境基本計画という映像は既にあるものだというふうにしてスタートしているのではないかという感じかしておりまして、そうすると、その前の段階をどうするかということをやっていかないと、これは恐らく流れてしまうかなという感じが1つしているんです。それと、どうしても県が地域住民に映像を見せるためには、面的にはいきませんので、モデル的にしかやることはできません。今回はどこどこの地区をモデルにやりますよというだけの話なんです。それを面的にやるには、やはり市町村の力というのは非常に大事だと。それが1つ。
 それから、また学校教育の話も出ましたけれども、教育委員会の流れというのは、県の教育委員会、市町村の教育委員会があります。それで、小学校、中学校は市町村の教育委員会なんです。それで、市町村の教育委員会をいかに動かすかといういと、これはやはり首長の政策でしかないんです。そうすると、首長のものの考え方というのは、例えば地域の環境基本計画とか、そういうものを示した中で動かさないと、結果的に行き当たりばったりで意欲のある校長先生が来るとそのときだけばっとやる。だけれども続かないというのが実態かなと。したがって、まず市町村のレベルアップする仕組みというものをどういうふうに構築していくかというのが1つです。
 もう1つ、大阪会場で実は企業の方からの話もありましたんですけれども、ここの中に企業という言葉はちょっと案外薄いのかなと思いますけれども、その後、僕も本田製作所とか、ヤマハの方と話をしまして、そのときに、やはり本田さんもヤマハさんも何で企業を使わないのという話なんです。そして、我々の従業員は 2,000人いると。それと、子供、親兄弟まで入れますとその4倍になってしまいますよ。そして、そういうところは、自分たちの企業の職員だから、今回、富士山でこういう取り組みがあるから、保全活動があるから行くんだよということになると、みんな行ってしまうというんです。そういう中で、例えば本田さんの場合には、 200社の企業と関連を持っていると。そうすると、その 200社の関連を持っている企業の家庭まで入れると、うちだけで20万人いってしまうんですよと言うんです。そうすると、静岡県は 370万人なもので、我々のこういう取り組みを活用すれば、10社か20社あれば 370万人いってしまいますという話もございまして、そうすると、企業のそういう前向きな活力も使うという仕組みを入れていくと非常に面的にもいいのかなという感じがして。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 今回、この主要な論点という格好で事務局の方で整理していただいたものですから、そこに二重の括弧になっているところがまさに論点ですので、こういう論点を中心にきょうは大いに議論しながら、実はあと来週と再来週しかないものですから、かなりこういう点について、自主的にこんな点が重要だという点を出しておかないと、来週、再来週までに事務局にまたいろいろやっておかなければいけないものですから、きょうは大いにこの論点のところで特にこういう意見があるということで、こういう意見を出していただくという格好でやっていただきたいですね。お願いします。

○横山(裕)委員 ちょっとばらばらで申しわけないんですけれども、質問を含めて、例えば補助金とかで人件費はだめだと、活動資金だけだと。それが具体的にどうなって、ネックは何なのか。今の法律というか体制の中ではそれは変えられないのか、変えるにはどうしたらいいのかというようなことをちょっと示していただければと思います。
 それから、官設民営ということは、私もそういう方向で進めればいいと思うんですが、それもどういうネックがあるのか、多分大丈夫なのではないかと思うんですけれども、そこの辺を示していただきたいと。
 それから、3点目は税制、これはなかなかいろいろな問題で、日本の税制は問題があると言われているわけですが、NPO支援税制、個人がNPOに寄付等を行いやすくするためには何がネックになっていて、現状でやはりだめなのかどうかとか、その辺をちょっともう少し明らかにしていただければと思いますけれども。

○浅野環境教育推進室長 事務局の方からよろしゅうございますか。
 地球環境基金の人件費等の支援の話ですけれども、現在でもアルバイトの方の人件費ですね、アルバイト代ですとかそういったものは認められているんですが、NPOの役員の方の人件費、これは認められておりません。

○廣野委員長 専従職員ですね。

○浅野環境教育推進室長 専従職員、はい。それから、事務所の経費等につきましても認めていないということでございますけれども、これは一方でどこまでNPO等の自主性・独立性を尊重するか、尊重する上で事業に対して支援するというもともとの考えからスタートしておりまして、役員の方等の人件費まで助成することになりますと、団体のよしあし、事業のよしあしではなくて団体のよしあしまで判断して、経理内容等に立ち入るとか、そういったことまで判断せざるを得ないので、そこまでは実施していないということでございます。また、一方で限られた予算の中でそこまで助成すれば、また助成団体自体は減らさなければならないと、こういった予算的な制約ももちろんあるかと思います。そんなことで今まではやっているということでご理解いただければと思います。
 次に、官設民営につきましては、近年は自治体等においてもこういった例はふえてきていると思いまして、制度的には決して不可能ではないと思われます。ただ、一方で問題点としてやはり国の税金でもってNPOに委託する場合には、例がふえてきておりますけれども、きちんとした会計的な処理が必要だという中で、なかなか公共団体の求める書類として会計処理がきちんとできないと、こういった例。それから、運営について公平性が保てるのかと、どこのNPOに委託するかという問題もあるかと思いますけれども、なかなかNPOといってもいろいろな団体がありますので、その選考方法ですとか、運営の公平性をどうやって確保するか、この辺がまだまだ整理ができていないというのが問題点にあるのかというふうに考えられます。
 税制につきましては、税制そのものといいますか、ここにも触れてありますけれども、NPOに対する税制につきましては、かなり優遇措置もできてはおりますけれども、1つは認定要件の方がかなり厳しくて、現在、5件しかNPO法人の税制優遇を受けられる認定、これは国税庁長からの認定が必要なんですけれども、それがなかなか認定要件が厳しくて、制度ができても実際に受けられる団体がふえていないということでございますが、特にパブリックサポートといいますか、広くいろいろな方から寄付金を集める、そういう意味で、いろいろな方から支えられているという条件をクリアするというところが特に何か厳しいというようなことも私どもでは承知しております。

○岡島委員 今の人件費の問題でも、そうは言ったってNGOの人、今役員、役員と言っていたけれども、役員ではないんですよ、職員です。職員の普通の人が例えば事業をやるでしょう、請け負って。その人の給料はどこかから持ってこなければいけない。だから、事業をすればするほどその人の人件費が膨らんでくるわけ。複数になってくれば。そのお金がかさんでくるからできなくなるということはありますよね。だから、これは経団連自然保護基金でもどこでも、それから外国のそういう助成金はすべて入っています。それは今言ったような事情はあるかもしれないけれども、やはりそこは考えてもらわないといけないのではないかと思います。全体量が少ないから云々なんていうのは、それは計算の問題で、やっているところはやっているわけだし、それはものの考え方の問題ですので、現状では、なかなか人件費がないと非常にやりにくいというのがNGO側の大きな意見だと思うんです。ですから、地球環境基金はありがたいんだけれども、非常に使いにくいというのは、私の知っているNGOはみんなそう言っているわけです。それの一番大きいのは人件費だということが1つです。
 それから、官設民営のことでもお話が今ありましたけれども、随分いろいろなところでもうやっています。私の知っているような団体なんかでかんでいるところにも、例えば広島県の少年自然の家を全部統合して、それを全部NGOにやってもらうと、そのような話はいっぱい出てきております。そういう中で、今おっしゃったような会計処理とか、それがうまくいかない、いろいろ公平性の問題、地域でやっているところはもうクリアしています。ですから、それは入札したりみんなでやったり、いろいろなことをやっています。それで公平性を期しているし。それで、会計の処理ができないなんて、これは幾らNGOだって許されることではないわけで、こんなものはやらなければだめですよね。これができないようなところには仕事は渡さないということであって、ですから、今、室長がおっしゃったようなマイナス要件というのは、なかなか私はよくわからないんですけれども。
 ですから、ただ、問題はやらせようとするのかどうかという意思の方問題であって、やらせようと思うと手間暇かかって役所は大変だけれども、そう思うかどうかの話ではないかなという、ちょっとそういう感じもするんですけれども。確かに税金を使うということで非常に慎重にならなければいけないと思うんです。ですから、それはおっしゃるとおりだと思いますけれども、やってやれないことはないのではないかなという感じがちょっとしています。

○世古委員 今の件に絡んで言えば、要するに、先ほど岡島さんがおっしゃったNPO、NGOをセクターとしてどう位置づけるかという話だと思うんです。要するに、やらせてやろうというのではなくて、社会資源である税をどういうふうに再配分するかという発想に立たないと、要するにこれは行政改革をきちっとしないとできない問題なんです。NPO、NGOをセクターとして位置づけないで、ずっとやはり行政の下請的な形として位置づけていると、やらせよう、やらせてあげようという形になるので、そうではなくて、新しい公共の担い手として位置づけて、そのセクターが基本的にきちっと育つことが、日本の市民社会をつくっていくことがこれからの新しい社会をつくる必要なことだというふうに位置づけて、そこにどういうふうに社会資源である税とか、それから情報とか、それを基本的に再配分をするやり方をどう持つかという発想がないと、やはりお上の庇護のもとにという発想から抜け出られないと思うんです。
 そのためには、やはりこの論点の整理で問題なのは、新しくつくるものと変えるもの、その整理をもう1回する必要がある。3つあります。セクターとしての位置づけをきちっとすること。セクターとしての位置づけをするところでは新しい公共事業の担い手としてのNPO、NGOということをきちんと定義すること。それは今のボランティアの延長にあるようなNPOだけを見て、会計処理ができないとか、そういうレベルではなくて、どういうものにしたいのかという発想でものをつくっていかないと、人も情報もお金も回ってこないと思うんです。
 それから、2番目は、この発想のときに、欠けているのは規制緩和というところがやはり欠けていると思うんです。今ある規制を緩和して、NPOやNGOが参入できるようにすれば、新しいマーケットが広がるわけで、例えばそれは介護保険なんかを見ればまさにそうなんです。介護保険市場ができたときに、新しくきちっと参入したNPOは会計処理ができないようなNPOは参入しません。事業者として参入できるところが基本的に新しいガバナンスをつくって参入してくる。そういう意味では、規制緩和をきちっとすること。岡島さんがおっしゃったように、今はNPO、NGOが銀行からお金を借りようと思っても借りられないんです。中小企業制度融資みたいなものをNPO、NGOの枠に広げればいいんですけれども、それは従来の古い商法によって、法律によってやられているので、もともとNPO、NGOが入っていないためにその枠を使えないと。そういうものを全部、例えば環境省なんかは今持っているいろいろなものの規制を緩和したらどうなるかというのが、この論点の中にないというのがあるので、変えるもの、それから新しくつくるもの、そのときに必ず規制緩和と行政改革、まさにいわば市民セクターにどう分権するのかという発想がないと、いつまでたってもやはりやらせよう、やらせてあげよう、要するに支援の枠組みという話からは出ていかないのではないのかなというふうに思います。
 そういう意味では、公平性を保てるのかというあたりは、まさに公益の判断をどこがするのかという論点にかかわってくると思うんです。そういう意味では、具体的な論点を整理してくいときに、もう一度新しくつくるものと変えるものの議論というものと、新しい公共の担い手をどう位置づけるかという議論をするべきだというふうに思っています。
 そういう意味では、先ほど官設民営とおっしゃいましたけれども、私は公設公営だと思うんです。官から公へという流れだと思うんです。やはり公共というものの担い手として行政もあるし市民社会もあるんだという位置づけにしないといけない。今私はNPO支援センターの関係で、さまざまなサポートセンターをよく知っておりますけれども、今、地方自治体ではNPOを支援するNPOというんですか、サポートセンターをつくって支援センターをNPOに運営させる方式というのは、もう当たり前になっているんです。ただし、そこにすごい問題があります。行政がNPOをつくらせる、ネットワークをつくってつくらせるという形にすると、まさにそれは官営のNPOづくりでしかないんです。そこは非常に問題があるんです。そういう意味では、NPOが施設の管理運営というのには不向きです、もともと。本当の施設管理ではなく、事業の運営と施設の管理を分けないと、これはいろいろ各地でNPO支援センターもそうですし、環境の支援センターも問題が起きています。
 だから、漠とした形で官設民営がいいという話は私は同意できなくて、もう少しきちんとした議論をすべきだろうと思います。公設公営、官から公への流れをつくって、公設公営でやるときの公共の担い手というものにどういったNPO、NGOのネットワークなり各団体が参入するのか。それから、いろいろなところで公設民営になったところも民のところの競争関係が全くないんです。1回つくったらそこが次のところへ変わるということがないというのは問題だというふうにも思っているので、そのあたりも余り単純に官設民営がいいというふうに私は思っていませんし、三重県なんかの例を見れば、直営でやった方がよっぽどいいサポートができているところもあるんです。
 そういう意味では、1つずつの議論を煮詰めていくときに、セクターとしての位置づけ、それから新しい公共の担い手としてどういうふうに考えるのか、それぞれのところで行政改革や分権の議論の流れの中で社会資源をどう配分するのかという、先ほど岡島さんがおっしゃった最初の議論をしっかりやらないと、直接的な政策というか、実際にやることばかりに走ると、何か間違ってしまうのではないか。いわゆる日本の今までのお上があって民があるみたいな関係の中から、また新しいNPOを行政の下請にしてしまう構造が今かなり進行しているのではないかというふうに私は考えております。

○廣野委員長 今のご議論はかなり全般にわたるような議論で、大抵、1つには今おっしゃったような中での今回の私たちのこれに反映できる部分と、それから、先ほど岡島さんがおっしゃったように、もうちょっと長期的に考えてやらなければいけない部分と両方あると思いますので、そこらはまたよく整理していきたいと思います。

○村上委員 最後の今の発言は、私はNPO側の問題であって、NPOは市民の自立した活動だと思っていますから、官のところへ組み込まれるというのは、私はある意味で別に一緒に仕事をする範囲であればいいと思っていますが。実質ではなくなるというのは僕はNPOの問題ですから、それはやり方の問題で、ただ決め方を余りかんじがらめに法律的に決めるのではなく、ある程度幅を持って物事を決めておけば、その中でいろいろなやり方ができていくんだろうと思うんです。これでなければいかんと決めてしまうと、上下関係になったり、いろいろな関係になっていきますから、それはそういうふうにならないようにある程度幅を持たせて物事をつくっていくということが必要だと思っています。
 それから、お聞きしたいんですけれども、環境カウンセラーというのは、私は勉強が足らなくてよくわからない部分があるんですが、この人たちは食えていけるんですか、この環境カウンセラーで。大体どういう仕事をしてどのぐらいのことになっているのか。それから、また環境カウンセラーのネットワークというのはどんな実態になっているのか、その辺のことをちょっと教えていただきたい。
 それから、環境教育のところで非常に気になっているのは、いわゆる先ほど飯田さんのお話がありましたが、環境省と文部科学省との関係、どんな話し合いになっているのか。確かに教育というのは、文部科学省があって都道府県の教育委員会があって市町村の教育委員会があって、それぞれが自主的にいろいろなことをやる形になっていますが、基本的には、そうはいっても大体文部科学省の考え方がずっと上から下まで浸透するような上下の関係があるわけです、実態上は。だから、文部科学省と環境省との環境教育問題についての話し合いというんでしょうか、どんな協議になっているんだろうかと。
 それから、私も1回帰って調べたいと思うんですが、私どもの組合の中に給食をやっている人たちもおられますから、もしそういうことで物事が実施されているというのは、僕は本末転倒だと思いますから、そういうかたくななところがないとは言えないかもしれないけれども、そういうことならば給食って何のためにあるのと。これは学校教育の一環として給食というのはつくられたわけです。私も給食反対派なんですけれども。そこはちょっと私も帰って調べますけれども、どうもそういうことというのは、私からすればつくられた経過があって信じられないんですけれども。ただ、どうしても何か変な力関係というんでしょうか、ちょっとした考え方で変則的な運営がなされているとすれば、それは結構と思っていますから、ちょっと私も関係の組合と話し合いをしていきたいと思いますけれども。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 今、2つばかりご質問がありましたので、どうぞ、そちらの方から。

○浅野環境教育推進室長 まず、カウンセラーのお話ですけれども、現在のカウンセラーは平成8年度から開始した事業なんですが、 3,000名の方が認定といいますか、登録されておりまして、うち、毎年大体 300人、 400人程度の割合で増加しているところでございます。基本的にはボランティアということで、自主的に活動していただくという制度でございまして、それに足り得る能力、資質を持った方であるということを環境省の方で認定しておりまして、それを環境省の方でリストをつくって一般に公開していると、こういう制度でございますが。事業者部門と市民部門というのがありまして、事業者部門の方々は企業等に対する専門的な指導、それから、市民部門の方々は、いろいろな自然観察会を自分から企画されるとか、そういった活動を自主的にお願いしているというシステムでございます。現在、各都道府県単位ごとにカウンセラーの方々が自主的に協議会等を設置しておりまして、現在40の地域でカウンセラー協議会というような自主的な集まりがつくられておりまして、昨年度、全国連合会という全国的な組織もつくられたところでございます。
 それから、文部科学省との関係がというお話でしたけれども、これはなかなか説明しづらいんですけれども、確かに連携といいますか、共同事業、例えば子供パークレンジャー事業ということで、子供たちに国立公園のレンジャーの事業を体験させようとか、そういった事業で連携している例はございます。環境省の子供エコクラブ事業等、これは7割が学校のクラス単位ということで、もちろん子供たちが相手ですので、学校に関連することが多いんですけれども、そういうことで、学校での環境教育を推進できるような施策を文科省とも相談しながらやっていると。そういったことで連携している点がございます。また、個々のいろいろな共同のプロジェクトみたいな形で連携している点はございますけれども、現在の文科省との行政上の仕組みといいますか、それはそういった中でいろいろ実際の事業をやる場合にご相談しながら事業を進めていると。そういったところでございます。

○村上委員 指導要領なんかには入っていないんですか、環境教育というのは。

○浅野環境教育推進室長 はい。

○清水委員 私、実際に現場で経験しましたので、お話ししたいと思うんですが、これは都道府県レベルの話ですけれども、かつての文部省と環境庁ですけれども、その連携というのは、よその省庁に比べてよくやっているという感じがしました。文部省の方でも生涯学習審議会というのがありまして、その答申の中で現代的課題という、今解決しなければならない大切な課題という意味ですが、「その解決のための学習活動を充実しなさい。」というのがあるんです。その現代的課題の中にも環境問題とか環境教育、環境学習の重要性が出ております。それから、ちょっと古い話で平成11年だと思うんですけれども、文部科学省が市町村に「地域社会教育活動総合事業」という補助をしています。その補助を受けた市町村の中で環境教育、環境学習の取り組みを行ったのが6割を超しているんです。そういうことで、文部科学省も環境教育、環境学習が非常に重要だということで、進めているようです。
 同時に、学習指導要領の中には、例えば社会であるとか理科であるとか、いろいろなところで環境教育を実践する、あるいはさまざまな場面で学習活動が展開されているわけです。特に、小学1、2年生の生活科というのは、社会科と理科がドッキングしたものですが、そういう科目の中での取り組みだとか、あるいは本年度から進められる「総合的な学習の時間」の中には、その例示としても環境が挙がっているわけです。そういう意味で、かなり連携がいい方だろうと思っていました。
 ただ、都道府県とか市町村レベルでの環境教育、環境学習を推進するために、まだ地方自治体の方の努力は、必ずしも十分ではないような気がするんです。それは、例えば、ほとんど都道府県に、これも3年ぐらい前のデータで恐縮なんですが、生涯学習推進本部というのがつくられているんです。生涯学習の総合的な推進体制が。本部長は知事さんです。それで副本部長が教育長さんとかそういう形で、教育・学習というのを総合行政としてとらえているんです。例えば、栃木県ですと、その本部長のもとに推進本部員等がいるんですが、それは全部の部局長、行政セクションでは48課、警察本部を含めて、そういうセクションの人たちが集まって施策をつくっていくわけです。その施策をつくっていく中で、重点施策として、例えば、知事さんとか市町村長さんが、住民の代表との協議などにより、環境問題は政策課題ということになりますと、それを中心にして学習機会や様々な施策を展開します。それらを家庭教育ではどうすべきなのか、それから、学校教育ではどうすべきなのか、社会教育ではどうすべきなのか、また、その人材養成はどうすべきなのか、そういうのを政策課題として取り組みますから、当然ながら教育・学習のそれぞれの分野で責任をもって取り組むようなシステムがつくられているわけです。
 ほとんどの都道府県はそういう推進体制ができているんですけれども、市町村は、これも3年前のデータなんですが、約5割弱ぐらいがつくられているんです。こういうものをフルに活用し活動を展開できるようになりますと、住民レベルでの環境保全活動が充実してくるのではないかと思うんです。このような先進的な取り組みが行われているんです。ですから、意外と連携はよくやっているという気がしています。

○岡島委員 今の件ですけれども、何かやっている、やっているというのは、それはそうかもしれないけれども、本質的なところで文部科学省と環境省と環境教育についてそろそろ話し合いをきっちりこれはもう炭谷局長とかレベルかもしれないけれども、そろそろやったらどうかと思います。やはり両方で牽制しているんだと僕は思うんです。だから、初中局でもいいです。どこかきちっとした学校のところと環境とを本格的に省と省で少し話し合ったらどうかと。そういう時期にもう来ているのではないかと思います。

○廣野委員長 全くそのとおりであれですが、この前小杉さんとたまたまバリで一緒だったものだから、彼と話して、彼はたまたま文部大臣をやっていましたよね。そのときに、彼はもちろん自民党の中では環境族でしたから、一生懸命環境のことをやろうということで、環境学習、教育を彼が文部大臣のときに徹底させてたいということでいろいろやったらしいんですが、本人いわく全然文部省は動かなかったということで、結局本人から見ると、コスギさんの見方から見たやはり環境教育とか環境学習というのは、政治家が言ってもなかなか大成したものは動かないという、がっちり固まっていて、本当に環境教育に対して関心がないというのを嘆いておりました。やはり岡島さんがおっしゃるように、何とかして環境省はやはり環境教育ということに物すごく関心を持ってやっておられますので、ぜひ何らかのコンタクトポイントをもっと深めてもらって、文部科学省とのまさに協働をやっていただきたいなという感じは持ちます、個人的に。

○藤井委員 省庁の連携の前に、環境省の中でも今までやった議論が全く生かされていなくて、環境基本計画の中の環境教育・学習のところでは、小澤委員長のもとに詰めてやったんです。今と同質というか、それをずっとやってきて、村杉委員も一緒でしたが、あれだけやった議論が全く生かされてなくて、同じ議論をここでやっていると、どういうふうに参加したらいいかわからないぐらい戸惑いがあります。ですから、そこの中でも文科省との連携だけではなくて、例えば水辺の楽校では今でいう国土交通省も入ってくるとか、各省庁連携の話も随分そこで出たんです。ならば海外はどうか、そして先進事例はどうか、それが地域学習と環境学習、学校とが連携しておもしろいケースはどうかというのを随分やったつもりなんですが、それがどうして生きないのかなと。逆にいうと、蓄積の中でどこに隠れてしまっているのかなという、そういう戸惑いがあります。

○廣野委員長 それはお答えはわかっているんでしょう、はっきりと。

○藤井委員 わかっているんですが、わかっていて。やっていた側では非常にむなしいですね。

○小澤委員 連携をということは、多分環境教育という科目を設定せよということになってくるんだろうと思うんです、最終的なところは。しかし、私はちょっとそれには反対する立場なんです。今の日本の教育が、どうしても知識を注入するようなやり方なんです、文化として。だから、NPO、NGOの活動でも子供たちがついていかれないところもあるわけです。先生たちも今の子供たちに求められる能力をつけようとすると、知識注入型では困るところがあるわけです。それは文化の問題でもあると思うんです。この環境教育の施設をつくる、場をつくったとしても、いろいろな施設があります。しかし、博物館等々を欧米のと比較しても、本当に日本はこれだけ知識を伝えるだけなのかという、もっと子供たちがみずから問題解決できるような、そういう博物館になっていないので、そうすると、私は教科を新しくつくるということより、今の態勢でいいだろうというのが私の考え方。
 実際には、現場では連携はとれているんです。進めるNPOの方たちは、ちゃんと自分たちがプレゼンテーションを持っていって、そして学校で授業をもらっているわけです。余り学校に入り込めないといっている人たちは、自分たちでプレゼンテーションしていないんだろうと思うんです。やはり企業活動だって、自分たちでこういうことができますのでここで協力し合えないかということを企業活動であれば、私も民間にいましたけれども、「センミツ」という言葉があるわけです。 1,000プレゼンテーションしても3つしかできないという、そういう努力がまだ足りないのではないかと思うんです。しかし、実際には地域で学校自体も全部先生でやることは大変なんです。ところが、きちんとそういう先生がちょっとつぶやいたことがお母さんたちから広まり、そして地域の専門家の方たちも対応している事例がふえていますので、今のところ私はそれで少し様子を見た方がいいのかなというのが私の考え方です。
 といいますのは、うちの大学も学部に環境教育コースをつくりましたけれども、結局今いる先生がやろうとすると、理科と社会科なんです。もっと多元的だと思います。ですから、余り理科と社会科に特化するのでは困ってしまうなと思う側面があります。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○鳥井委員 きょうのご議論をずっと聞いていたんですが、環境NPOという言葉が結構たくさん出てきたんです。NPOはわかるんです。環境が頭につくと、それがどういう定義になるのかというのが1つ。環境といっても、本当によく考えると物すごく幅広くて、みんな周りと足を伸ばしているわけです。
 それの絡みで言いますと、今ちょっとお話にも出たんですが、全国に科学館と称するものがやたらたくさんあるんです。電力会社がつくっているようなものから自治体がつくっているようなものまで物すごくあるので、何も改めて環境の拠点なんていうのは新たにつくらなくても、そういうところも出し物がなくて困っているんです。だから、しょっちゅうみんな環境の話をやっているわけです。
 そういうこととの連携というのをよく考えるべきだし、もう1つ考えますと、大学が市民講座を随分たくさんやるようになってきていて、この中でも環境の話って結構たくさん出ているんですよね。そういうこともいかに--これはNPOでは明らかにないですよね、大学というのは。どうやって取り込んでいくか、巻き込んでいくかということを考えて、これは大学について考えるんだったら文部省は余り動かなくても大学の判断で結構やれるわけですから、そういうところの協力関係をどうとっていくかというのは、すごく大事で、そのほかにも例えば消費者団体があるし、保健所みたいなものも本来結構あるわけです。そういうところとの関係というのをどう考えていくかということがすごく大事なような気がするんですが。

○廣野委員長 ありがとうございました。
 この主な論点の中でも、既存の施設とか既存のプログラムを大いに利用しなさいということが書いてありますよね。非常におっしゃるとおり重要な点ですね。
 ほかにいかがでしょうか。

○三橋委員 ちょっとまた振り出しに戻してしまうと、余計なことで気が引けるとは思っていたんですけれども、あれですかね、これは13ページですけれども、この地球環境基金が、今度は公害健康被害補償予防協会等の業務を継承する形で独立行政法人になりますということからこの問題が出てきているとすると、地球環境基金でできることは何かという、割と矮小化した議論になってしまうかもわからないですよね。環境省としては本当はそこがねらいなんだけれども、そこだけに絞り込むとちょっと具合が悪いということで、環境保全活動活性化というような形の議論の取り上げ方をしているとなると、ちょっと取り組み方が違ってきてしまうんです。一般的に、全般的に環境保全活動活性化のために何をすべきか、1、2、3、4があってそのうちの1つぐらいが地球環境基金の有効活用というような置き方なのか、要するに、地球環境基金をとにかく最大限利用してできる環境保全活動活性化のために何ができるかという問題のとらえ方とでは大分違うと思うんです。この辺が恐らく専門委員の皆さんも何となく感じている議論のちょっとぎくしゃくのあれがあるわけ。先ほど、例えば岡島さんが言ったみたいに、彼なんかよく知っているから地球環境基金を中心としたというようなことをさっきおっしゃっていたでしょう。それはもうそういう問題意識なわけですよね。ほかの人は必ずしもそうじゃないような部分もある、その辺はちょっとはっきりさせた議論がほしいですね。

○廣野委員長 局長の方から一言どうぞ。

○炭谷総合環境政策局長 まず、三橋先生のご疑問にお答えいたしますと、私どもとしては、決して地球環境基金だけに限定して議論をお願いしていないつもりでございまして、言うまでもありませんけれども、日本において環境行政を推進するためには、やはり環境保全活動というのは環境基本法にもしっかり書いてあるわけですから、それの施策についてこれまで余り進んでいないという問題意識のもとに、指定視野としては幅広くとらえていまして、いわば地球環境基金というのは、私の認識としては1割ぐらいのイメージかなというふうに意識しておりますので。
 それから、藤井委員がおっしゃったように、以前も小澤委員会でこの分野は結構やられていまして、それがなかなか報告書だけつくっただけで余り使われていないのではないかというふうなご批判をいただいたんですけれども、まさにそれが問題だと思うんです。ですから、この委員会でやられたことは確実にやはり環境省のみならず、全国的にも必ず具体化するということがポイントだろうと思います。そのためには、やはり私としては一番重要なのは制度化といいますか、こういうものが動くというのは、やはり1つの制度に組み込むとか、予算が伴うとか、制度で一番いいのはやはり法律だろうと思うんですけれども、やはりそういう法的な体系とか、予算上の手当てとか、そういうものが裏にないと余り全国に具体化しないというふうに思っています。そういう観点で考えております。
 それから、先ほど文部省との関係ですけれども、この委員会を立ち上げる際にも文部省にも十分ご連絡をいたしまして、文部省ともこれから協力をしていきたいというふうに思っております。確かに私自身もかつて教育委員会で働いておりましたので、文部省に怒りを抱えるというのは十分認識しておりますけれども、文科省の方にも十分ご理解いただいております、さらに協力していきたいと思います。

○廣野委員長 今の点で、皆さん方にもう一度確認という意味で申し上げますけれども、この環境保全活動の活性化ということで、全般を眺めると。あくまでも地球環境基金の問題というのは、単なるそのうちの今おっしゃる10%、1割ですね。実際1割なのか、あるいは 0.5%なのか知りませんけれども、要はそれはワンオブゼムだということですね。あくまでもここに書いてあります環境保全活動の活性化方策と、これが中心だということです。そのためには当然税制の問題も入ってまいりますし、あるいは法整備の問題も入ってくるでしょうし、それから、いろいろな制度化の問題が入ってくるでしょう。それから、いわゆる地方との分権の問題も入ってくるでしょうし、大変多様にわたることは事実です。しかし、そういう中で先ほど一番最初に岡島さんがおっしゃったように、やはり長期的に考えなければいけない問題と、今すぐ何らかの形で政策に反映させなくてはいけない問題と2つありますので、やはり私たちはその両方を常に両にらみしながらこの委員会でもってやっていかなければいけないなと思います。
 ほかに何かご意見ありますか。ちょうど今12時になりましたので。
 どうぞ。

○世古委員 そういうレベルでいえば、具体的施策の考え方に私はすべて、例えば「地域の活動の核であり運営態勢を担う組織体の設立」と書かずに、「設立を支援する仕組み」とか、そういう観点が必要だと思うんです。それが先ほど申し上げたこととつながると思うんです。確保するとか、全部そういう形になっているのをそれを支援する仕組みとか、基盤整備という形に考えていけば広がると思います。

○廣野委員長 今のおっしゃる点は基本的な点ですね。国の役割とここに今の論点のところにありますけれども、まさに国の役割は何かっていったら支援なんだという、そういうところに中心を置くという、そういうことですね、今おっしゃったのは。
 まだいろいろと議論があると思いますけれども、一応時間が来てしまったものですから、ここでもって今回の第2の議題については一応終わりたいと思います。
 それで、次にその他ですけれども、できればご意見がもしあったら、来週の月曜日までに事務局に提出していただきたいと。来週の月曜までに事務局に提出いただけると、そこでもって事務局の方でそれをまとめるということをおっしゃっております。皆さん方お忙しいですから、どの程度それが可能かどうか知りませんが、できるだけこの主な論点に従って、ご自分の意見がありましたらそれを事務局の方に提出いただくということをぜひよくお願いします。そうしないと、来週の金曜日に出てくるものが皆さん方委員の考え方を反映しない格好で出てくるといけませんので、やはり委員の方々の意見が反映されるような格好にするためには、委員の皆さん方からどんどん意見を出していただくということが重要ですので、その点をお願いいたします。
 では、最後にその他のところで浅野さん、ちょっとお願いします。

○浅野環境教育推進室長 次回の委員会のスケジュールでございますけれども、1回目の委員会でご了解いただきましたとおりに、来週3回目の委員会を金曜日でございますけれども、21日に同じ10時から予定をしております。また、第4回目につきましては、28日、再来週の同じ金曜日ということで予定しているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

○廣野委員長 では、本日の議論に基づいて事務方の方で中間の取りまとめをやっていただきますので、皆さん方、その素案の作成にできるだけご協力よくお願いいたします。
 何かほかに議論ありますでしょうか。
 もしなければ、以上でもって本日の審議事項を終了いたします。どうもありがとうございました。

○浅野環境教育推進室長 では最後になりましたけれども、山下副大臣の方にご出席いただいておりますので、ごあいさつをいただきたいと思います。

○山下環境副大臣 どうも、委員の皆さん、廣野座長初めありがとうございました。
 私は、地方ヒアリング、大阪と仙台に行かせていただいて大変勉強させていただきました。その関係できょうもぜひと思いまして出席させていただきました。私自身、きょうの会合でまさに環境教育というか、啓発を受けさせていただいた次第です。
 この環境教育のことでちょっと文部科学省との話、若干お話申し上げたいと思いますけれども、パートナーシップというのは、私はすごく大事な世の中になっていると思いまして、世の中分断社会ですので、つなげていくということがすべてにわたって大事な時代になってきていると思っています。特に、役所の場合は、このつなげるということが非常にやりにくい世界であるということを私自身感じているわけですけれども、文部科学省と環境省との本格的な連携は今までやったことがないということを文部科学省の方に聞きまして、具体的に何をするか、予算をどうするかという以前に、同じテーブルについて顔を合わせて話をすると、そこからやろうということで、来週いよい村井副大臣、政務官、それから、局長、そこから始めることに--ちょっと時間がかかったんですけれども、やっとやろうということでたどりつきまして、その方向で今進みつつあるわけでございます。
 ただ、小澤先生おっしゃりましたように、それによって中央集権の環境教育では困るという、私もまさにそのとおりと思っておりまして、地域という言葉より、私は郷土という言葉がいいと思っているんですけれども、郷土に根ざしたさまざまな生活密着型の、環境というのは、おっしゃったように全般のことですので、非常に私はこれがきちっと郷土で定着すれば、地域コミュニティの復活、また、心の復活、場合によっては倫理観が向上してくるのではないかなという、環境に配慮する人が出てくるという、そういうことになっていくのではないかと考えておりまして、いずれにしても、そういうことを始めようとしておりますので、またさまざまなアドバイスをよくお願い申し上げたいと思います。

 したがいまして、指導要領の中に環境を入れるとか、そういうことよりも、できるだけ環境というのはこういういろいろなメニューがございますよという、メニューの提示ぐらいはできるだうと。だけれども、それを実際に採用し決定するのはやはり郷土だという考え方で私はいきたいと思っているんですけれども。文部省はどう言うかわかりませんが。そういう考え方でございます。
 それから、2点目にNPOの件ですけれども、これは今公益法人改革というのが行革本部の中で非常に今目立っておりませんけれども、特殊法人を中心にやってまいりましたけれども、一方で、公益法人改革部門というのが厳然とございまして、さまざまなヒアリングに僕も大分かかわりましたけれどもやってまいりました。私は根本的には税制の問題であるというふうに思っているんですけれども、だから、税金をどう配分するかということももちろん一方でやらなければいけませんけれども、自立できるような気風の観点とか、税の優遇とかということを大事にしないと育たないという意識を私自身は持っているんですけれども、これは時間がかかるように物すごく感じております。国会議員でも意識の高い人と低い人、物すごい差がありますし、こういう議論はなかなか進まないというふうな面が--だけれども、これは本当の意味の行政改革であり、市民意識の向上につながるというふうに思っているんですけれども、これは物すごく大変な課題であるというふうに思っていまして、6月中に何とか行革本部の方では、民法34条改正の1つの方向性を出す方向で今進んでいるということをご報告したいと思います。
 3点目に、環境分野の専門性なんですけれども、これは人の育成ということで、私も拠点を新しくつくるというよりも人がかぎを握っていると。人の専門性を、環境の観点は非常に幅広いですから、それをどういう形で分野をもう少しきめ細かく、どんな専門性があるのかという、そういう細部と対応する部門から温暖化とかさまざまな分野を含めての、そういう分野をもうちょっときめ細かく考える。その専門性をどう育成し、認定しというようなことを考える必要があるのではないかということと、コーディネーター能力とか組織の運営能力というのはまた別の観点だという面もありますので、それはそれとして、やはりそういう人の育成も大事だなというふうなことを別の意味で感じているんです。
 いずれにしても、この環境分野の専門性を--やはり実際現場にはたくさん優れた方が、公務員ではない方でものすごくたくさんいらっしゃる気がしますし、関心もどんどん高まっているので、ニーズも高まっていると同時に、かかわっている方もたくさんいらっしゃると。それがきちっと機能していないというか、それぞれ勝手にやっているようなことがあるような気がしまして、それは大変もったいないことだと。それをいかに国民参加型にしていけるかということは、人の養成という観点できちっとここでやっていく必要があるのではないかというようなことを感じております。
 以上、3点でございますけれども、ともどもどうぞよくお願いいたします。

○廣野委員長 どうもありがとうございました。

午後12時04分閉会