中央環境審議会 総合政策部会 公害防止計画小委員会懇談会 議事録

議事内容

午前10時02分 開会

○矢田計画官 それでは、定刻になりましたので、開始させていただきたいと思います。
 本日は、浅野委員、上野委員及び太田委員が御都合により御欠席ということでございます。
 本日御出席していただいております委員と臨時委員は、6名中3名ということでございまして、過半数に届かないために、中央環境審議会議事運営規則第8条第5項の規定に基づきまして、本日は懇談会としての開催ということになります。ただ、議事録等につきましては、小委員会と同様の扱いということで、公開という形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 議事に入ります前に、お手元のほうに配らせていただいております配付資料、確認をさせていただきたいと思います。
 クリップどめの資料を外していただきますと、本日の公害防止小委員会、今、懇談会と申し上げましたけれども、準備の都合上、小委員会という議事次第になっておりますけれども、お詫びさせていただきます。議事次第の裏が委員名簿となっておりますが、その下に資料1「今後の公害防止計画制度の在り方について(要点素案)」というもの、それから資料2「公害の防止に関する施策の実施に係る基本方針(素案)」というもの、それから参考資料1「公害防止制度に係る参考資料」、それから参考資料2といたしまして「公害防止計画制度のあり方に関する検討会報告書」、それから参考資料3ということで「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の期限延長に関する要望」ということでございます。それから、本日御欠席の浅野委員から書面による意見の提出がございまして、これも別途お配りをさせていただいていると思いますので、御確認をいただければと思います。もし足らない資料がございましたら、事務局のほうにお申し出をお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、引き続きまして、新任の委員の御紹介をさせていただきたいと思います。
 昨年、村岡浩爾委員が御退任になりまして、水環境に関する専門家が不在ということになってございましたので、新たに細見正明委員に御就任をいただきました。細見委員でございます。
 ○細見委員 紹介にあずかりました東京農工大学の細見でございます。どうぞよろしくお願いします。
 ○矢田計画官 また、宮下裕委員が御退任になりまして、全国市長会廃棄物処理対策特別委員会委員長の上野正三委員が御就任をいただいておりますけれども、本日は御欠席でございます。
 なお、新任委員の任期につきましては、小委員会委員全員と任期はそろっておりまして、23年1月5日までということになってございます。
 続きまして、環境省のほうの人事異動がございましたので、お知らせを申し上げます。
 おくれてまいる予定でございます、後ほどごあいさつさせていただこうと思いますが、審議官の加藤でございます。
 それから、私の2つ左、環境計画課長の苦瀬でございます。
 それから、私、計画官としてまいりました矢田でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事の進行につきましては、小林委員長のほうにお願いしたいと思います。

○小林委員長 おはようございます。それでは、これから懇談会を開催させていただきます。
 ちょっと、私が座っている位置がどうも座り心地が悪いんですけれども、事務局の配置でございますから、とりあえずこのままさせていただきます。
 本日は、3月に、参考資料2にもありますような報告書を取りまとめていただいた検討会の座長を務めていただいた財団法人ひょうご環境創造協会顧問の小林悦夫さんに御出席をいただくことにしたいと思います。
 小林座長におかれましては、オブザーバーとして、今回の見直し作業、具体的には意見具申をまとめるまでこの委員会の議論に加わっていただきたいと思っておりますが、御出席いただくことについてよろしゅうございましょうか。

(異議なし)

○小林委員長 それでは、これから小林座長にオブザーバーとして御出席いただき、御発言をいただきたいと思います。
 今回は、これまでの委員会、特に前回おおむねのところは委員会としてまとめたわけでございますが、それらを踏まえまして、今後の公害防止計画の在り方について、本小委員会としての考え方を取りまとめるための土台となりますペーパーを事務局に作成をいただきました。特に、公害財特法がどうなるかにつきましては、23年度予算編成に向けて、この秋の政府部内の調整によります部分に大きく依存するわけでございますが、本日は、資料1をもとに公害防止計画の在り方について幅広く御議論をいただき、おおむねの方向づけができればというふうに思っております。
 本日の議論と今後の政府部内での調整状況を踏まえまして、次回の委員会において、できれば意見具申について審議をいただきたいと考えております。
 それでは、資料1、資料2につきまして、今後の在り方の要旨の骨子、要点素案につきまして、事務局から説明をお願いし、あわせて浅野委員からメモが提出されておりますので、その御紹介もお願いをしたいと思います。

○矢田計画官 それでは、資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
 資料1、「今後の公害防止計画制度の在り方について(要点素案)」というものをご覧ください。委員の皆様には先週以来、事前にご覧をいただいておりましたけれども、昨日までの調整の結果、事前にご覧いただいたものと若干変わっておりますことをお詫び申し上げます。その点につきましても、随意、適宜触れながら御説明をさせていただきたいと思います。
 この「今後の公害防止計画制度の在り方について(要点素案)」、ただいま委員長のほうからございましたとおり、公害財特法の延長ということにつきまして、今後、年末に向けて政府部内の中で調整、延長の可否についての調整というものが行われるわけでございますので、それに向けて、次回、公害防止計画制度の在り方についての意見具申を本小委員会でおまとめをいただくということを予定しておるわけでございますけれども、それに向けた論点の整理ペーパーという形でつくったものでございます。
 順次、中身について御説明を申し上げます。
 まず、1ページをご覧いただければと思いますが、1.ということで、公害防止計画制度の意義と成果ということで、制度の概要について御紹介をさせていただいております。 既に、繰り返しといいますか、御承知のことも多いかと思いますので、簡単にポイントだけ御説明をさせていただきます。
 まず、最初の段落でございますけれども、公害防止計画制度の概要について簡単に制度の骨子を説明しております。公害防止計画制度は、現に公害が著しく、あるいは著しくなるおそれがあって、公害防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難であると認められる地域につきまして、施策を総合的かつ計画的に実施するための制度的枠組みということでございまして、環境基本法に基づく制度であって、環境大臣が、その地域ごとに、公害防止に関する施策に関する基本方針を示して、都道府県知事に策定の指示をすると。これを受けて関係都道府県知事が計画を策定して環境大臣に協議、同意を得るということになっているわけでございます。また、環境大臣は、計画策定の指示と同意をするに当たっては、あらかじめ、公害対策会議の議を経るということになっているわけでございます。こうした制度の概要について御紹介をさせていただいております。
 次の段落でございますけれども、これまでの状況ということで、昭和45年以来、52地域について策定されてきましたけれども、現在は全国30地域(24都府県)の30地域に策定されておりまして、そのすべての計画が平成22年度を期限としているということを紹介させていただいております。
 その次の段落におきましては、公害防止計画制度の機能ということを3点に分けて御紹介させていただいておりまして、1つ目が、都道府県が計画をつくるわけでございますけれども、計画を策定するに当たりまして、国の関係機関あるいは市町村等の地方公共団体に調整を行った計画に基づいて、国または都道府県、市町村等が、広域的に連携しつつ各種施策を実施することによりまして、環境基準等の達成に向けた施策が効果的に推進されるというのが、1つの機能だというふうに考えております。
 2つ目でございますけれども、これが公害財特法の関係でございますけれども、公害防止計画に基づいて実施されます公害防止対策事業に対しまして、公害財特法に基づく特別措置が講じられることによって、事業の実施が促進されると、これが2つ目の機能ということでございます。
 それから3番目でございますけれども、都市計画法に基づきます都市計画でありますとか、河川法に基づく河川整備計画など土地利用等に関する他の法令に基づく計画につきまして、公害防止計画との適合が法律上規定されておりますので、こうした他の計画の推進に当たっても公害防止対策への配慮がなされると、こうした機能があるということを御紹介をさせていただいております。
 続きまして、2ページをおめくりいただきたいと思いますが、(2)といたしまして、これまでの公害防止計画制度の成果ということで、簡単に御紹介をさせていただいております。
 まず、公害防止計画の対象地域におきましては、浮遊粒子状物質とか、二酸化窒素、河川BOD等につきまして環境基準の達成率が向上してきていると。そして、全国における達成状況との乖離も解消してきていると。また、前回、公害財特法が延長されました平成13年度以降の状況でございますけれども、4地域が全体として策定指示の対象から外れるとともに、それ以外の地域におきましても140市区町村が策定指示の対象から外れるという形で、成果が上がってきているところでございます。
 その背景といたしましては、公害防止計画に基づきまして、発生源等に対する規制、環境影響評価、立地指導、土地利用の適正化等の施策、あるいは公害防止対策事業が計画的に推進されたこと、また公害防止対策事業につきまして特別措置が講じられたことが、こうした改善に寄与しているということが考えられるということで、これまでの成果を2段落に分けまして御紹介をさせていただいております。
 引き続きまして、その一方でということで、残っております課題ということで、閉鎖性水域のCODの問題、光化学オキシダントの問題、それから地下水汚染等による環境基準の超過といったような問題が多く見られるほか、ダイオキシン類による底質汚染の事例等が存在しているということを紹介しております。
 また、自動車による大気汚染・騒音の問題、土壌汚染等についても、一層の取り組みが必要であるというようなことのほか、最近の問題といたしまして、PM2.5 について環境基準が設定されたこと、カドミウムによる農用地の土壊環境基準の強化といったようなこともございますので、引き続き、総合的、計画的に公害防止施策を推進することが必要な状況であるということを、記載をしております。
 以上を踏まえまして、2.のところで現在の公害防止計画制度の課題ということを列記をさせていただいております。
 1つ目が、地域主権改革の観点からの課題ということでございまして、これは今年の6月に閣議決定されました「地域主権戦略大綱」における指摘ということで、公害防止計画について、次の[1][2]に掲げるような改革が必要という指摘がされております。
 まず1つ目でございますけれども、都道府県の公害防止計画の策定に関する規定につきまして、公害防止計画そのものの廃止、または「できる」規定化、または努力義務化ということで、国の指示という現在の形式についての見直しが求められております。
 それから、2つ目でございますけれども、作成をしました公害防止計画につきまして、環境大臣に同意を要する協議ということが求められているわけでございますけれども、計画の内容のうち、財特法による財政上の特別措置に係る部分については同意が残ってもいいわけでございますけれども、それ以外の部分につきましては廃止をするということが求められているということでございます。
 3ページのほうに移りまして、(2)でございますけれども、公害財特法の期限の到来ということで、公害財特法におきましては、ここに書いてございますように、[1]国庫補助金の補助率の嵩上げ、[2]地方債の起債の特例、[3]地方債の元利償還経費につきまして基準財政需要額への算入の特例という支援措置が講じられ、財政措置が、特例措置が講じられているわけでございますけれども、公害財特法の適用期限につきましては、記載のとおり、平成23年3月31日までということになっております。
 続きまして、(3)公害防止計画制度をより効果的かつ効率的な制度にするという観点からの課題ということでございまして、まず、最初の段落についてでございますけれども、現行の公害防止計画制度が網羅的な計画になっているということを記載させていただいております。
 まず、計画策定地域におけます公害防止上の主要課題について記載をした上で、列記してございますように、大気汚染物質、水質汚濁対策、地下水汚染対策等々と典型七公害への対策を網羅的に記載するということが必要とされております。また、公害対策の観点から廃棄物・リサイクル対策とか自然環境対策、地球環境の保全対策についても記載するということで、環境関連の総合的な計画というような形での記載が求められているところでございます。「一方」というところからでございますけれども、地方公共団体におきましては、地域環境基本計画が策定されている。あるいは廃棄物処理計画、地球温暖化対策推進法に基づく地域実行計画というものについての策定義務がありましたり、あるいは生物多様性地域戦略について努力義務が課せられたりということがございます。こうした点を踏まえまして、地方公共団体側からは、行政事務の効率化という観点から、公害すべてを網羅すること、あるいは廃棄物・リサイクル対策や地球温暖化対策、生物多様性保全等に関する記載を見直して、地域において重点的に取り組むべき公害防止上の課題に特化した公害防止計画とすべきというような指摘がされているところでございます。
 3ページの下から2行目、「また」以下でございますけれども、現行の制度運用上につきましては、公害防止計画に基づく公害防止対策事業につきましては、その地域におけます主要課題であるか否かにかかわらず、財特法上の特別措置が適用されるという運用になっておりまして、効果的運用となっていないのではないかという指摘があるところでございます。そうした点を課題として指摘をさせていただいております。
 続きまして4ページ、3.ということで、見直しの方向性ということで、今申し上げました課題それぞれに対応いたします見直しの方向性について記載をさせていただいております。
 まず、(1)が地域主権戦略大綱を踏まえた見直しということでございまして、基本的には公害防止施策を総合的かつ計画的に推進していくということは、現在の状況から見ると引き続き必要ということでございまして、公害防止計画の機能は引き続き維持しつつ、地域主権戦略大綱を踏まえた見直しを行うということが必要ではないかということでございまして、具体的には、[1]環境大臣の指示、公害防止計画の策定に関します環境大臣の指示を廃止いたしまして、策定するかどうかについては知事の自主判断とする。それから、2つ目といたしまして、環境大臣への同意協議につきましては、公害財特法が延長された場合ということはございますけれども、公害防止計画に基づく事業につきまして、国の財政上の特別措置を求めるときのみとするということで、地域主権政略大綱の趣旨に沿った見直しを行うということが必要ではないかということでございます。
 それから、(2)が公害防止計画の内容の重点化ということでございまして、まず、2段落目のところをご覧いただければと思いますけれども、地域環境基本計画、廃棄物処理計画、それから地球温暖化に関する地域実行計画、それから生物多様性の地域戦略等の各種の環境関連計画が策定されるようになってきていることから、役割分担を踏まえまして、公害防止計画の内容については公害防止という本来の役割に立ち戻って考えることが適当ではないか、ということを記載させていただいております。
 また、公害防止計画につきましては、著しい公害への対策ということで策定されるものでございますけれども、そのためには、すべての項目について網羅的に記載するということを必須とする必要はないのではないかと。現に未達成または未達成となるおそれが高い環境基準項目を主要課題ということで設定をいたしまして、その主要課題に特化して取り組んでいくということで、効果的・効率的な取り組みの促進が図られるのではないかと、記載をさせていただいております。
 5ページのほうへめくっていただきまして、延長に関する問題でございます。まず最初の段落でございますけれども、地方公共団体から寄せられた意見について、主として記載をさせていただいております。この公害財特法に基づきます特別措置につきましては、公害防止計画の推進に財政面から大きな役割を果たしてきたと。地方公共団体からは、下水道について地方債の基準財政需要額への算入特例、しゅんせつ・導水に係る国庫補助金の嵩上げ措置、地方債起債の特例、それから農用地の土壌汚染対策事業等を中心といたしまして、引き続き公害財特法による支援が必要という意見が多くいただいているところでございます。
 また、周辺環境、いわゆる周辺の情勢ということについての記載でございますけれども、閉鎖性水域における水質汚濁対策、ダイオキシンの土壌汚染や底質汚染、それからカドミウムの土壌汚染というものをはじめといたしまして、環境基準等の達成に向けて、下水道整備、しゅんせつ・覆砂、土地改良等の費用のかかる公害防止対策事業を効果的かつ迅速に推進していく必要があるという状況でございます。
 一方、公害財特法というものが特別措置という形で時限立法の対象となってきた背景という観点からは、公害防止計画の策定地域におきましても、達成率が向上してきて、環境基準は総体的に達成率が向上してきているという環境基準項目があるということ。あるいは補助金の嵩上げ額についても相当程度減少してきているという状況にあることも事実でございます。こうしたことを踏まえまして、今後、政府部内で国の財政上の特例措置の延長の是非が議論されていくわけでございますけれども、これについては、そういう意味で言うと、年末に向けて政府部内で調整をされるということでございますので、少し現時点では一歩引いた形での記載という形にさせていただいております。
 それから、(4)が基本方針の策定ということで、先ほど(1)のところで述べさせていただきましたとおり、地域主権改革大綱の関係で、公害防止計画の策定に関する規定が見直されるわけでございます。最初の部分におきましては、現在の環境基本法におきましては、環境大臣が、基本方針を地域ごとに定めまして、公害防止計画の策定を都道府県知事に対し指示するということになっているわけでございますけれども、今後は、公害防止計画の策定が自主判断になるということでございます。したがいまして、地域ごとの基本方針を環境大臣が示すということも当然なくなるわけでございますけれども、公害防止計画に基づきます施策あるいは取り組みが促進されるためには、公害防止計画にどういう中身が記載されるのか、あるいはどういう取り組みがなされるべきなのかということについて、環境大臣が統一的な考え方を示す必要があるのではないかということで、書かせていただいております。この基本方針につきましては、括弧の中に掲げさせていただいておりますけれども、技術的助言という性格のものでございます。これにつきましては、資料2として、大まかなイメージというものを考えておりますので、後ほど御説明をさせていただきます。
 それから(5)、ちょっとこの辺は当初お示ししていたものと若干順番が変わっているとこございますけれども、(5)ということで公害財特法が延長された場合の検討課題ということで、少し、延長の有無にかかわらず検討すべき事項と、延長された場合に検討する事項を整理して書かせていただいております。(5)ということで、延長された場合の検討課題ということで整理をされておりまして、1枚めくっていただきまして、6ページからが具体的な中身になっております。
 まず、1つ目が国の財政上の特別措置を一層効果的・効率的なものとするための見直しということでございまして、国の財政上の特別措置を、現に未達成または未達成となるおそれが高い環境基準項目であって、それを主要課題として設定した場合に、それへの対策として有効な公害防止対策事業に限ることが適当ではないか、ということを記載させていただいております。
 それから、同意協議についてでございますけれども、環境大臣が同意を行うのは、当該公害防止計画における主要課題への対策として有効な公害防止対策事業に限ることが適当ではないか、ということを記載させていただいております。
 それから、2つ目が廃棄物処理施設の設置事業についてでございますけれども、御承知のとおり、廃棄物処理施設の設置事業につきましては、今から5年前の公害防止計画小委員会におきまして、この点線の枠で囲みました[1]から[3]までの3つの理由で、補助率嵩上げを講ずるまでの理由はないというふうに整理をされておりまして、既に現行制度上も平成17年度までに定められた公害防止計画に基づく事業については経過的措置的に対応をしておりますけれども、18年度以降の公害防止計画につきましては、補助率嵩上げ措置は既に講じられていないというところでございます。
 その理由といたしましては、ここに掲げてございますように3点ございまして、既に廃棄物処理施設を整備することと公害防止計画上の課題、主として大気汚染だと思いますけれども、関連性が希薄になっていること。それから、重要課題でございましたダイオキシン類の排出の削減についても、平成17年当時で既に相当の成果を上げていたこと。それから、循環型社会形成に向けた取り組みというのは、公害防止計画地域に限らず全国的に展開する必要があるということ。こうしたことから、18年度以降は既に補助率の嵩上げを行っていないということでございます。
 こうしたことを踏まえまして、6ページの一番下の段落、「また」のところからでございますけれども、公害防止計画上の主要課題に有効な対策事業に限定するということになるわけでございますので、既に公害防止計画上の課題との関連性は希薄と整理をされております廃棄物処理施設設置事業はなかなか特別措置の対象となることが想定されないのではないかと。したがいまして、廃棄物処理施設設置事業につきましては公害防止対策事業に含めないことが適当ではないか、というふうに記載をさせていただいております。
 6ページの最後から、「ただし」ということで、既に発行した地方債の元利償還金については経過措置的な対応が必要ではないか、ということを念のために記載をさせていただいているところでございます。
 最後でございますけれども、同意の基準でございます。環境大臣への同意協議につきましては、地方自治法第250条の2という規定がございまして、同意するかどうかの判断基準を定めまして、基本的に公表すべきということが定められております。この同意の基準につきましては、基本的には法律の規定、あるいは策定をする予定の基本方針を踏まえたものであるということが必要になると考えられますけれども、若干の例示をさせていただきますと、[1]ということで、環境基本法に定める地域で実施される事業であること。具体的には、著しい公害が発生またはその発生するおそれがあるというような地域であるということ。
 それから、[2]といたしまして環境基準等が未達成、または未達成となる可能性が高い環境基準について、主要課題として設定され、それに対する対策として実施される事業であって、その環境基準の達成に資すると認められるものであること。
 それから、[3]といたしまして事業の実施場所、実施期間、要する費用の概算が示されているということが基本となるのではないかということで、整理をさせていただいております。
 以上が資料1でございまして、この資料1の中で、こういうことをつくるべきではないかという基本方針につきまして、少しイメージがあったほうが資料1の議論の参考になるのではないかということで、素案という形で示させていただいているのが資料2ということでございます。
 主として、意見具申という中身は資料1になるわけでございますので、資料2につきましては、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 これは、今回の公害防止計画制度の見直しを踏まえまして、環境基本法等について主要の改正がなされたときに、統一的な基本方針を環境大臣が定めるとした場合のイメージということでご覧いただければと思います。
 まず1つ目が、公害防止計画策定地域ということで、法律上の規定をそのまま引用する形で規定をしておりまして、環境基本法第17条第1項第1号の規定、現に公害が著しく公害の防止に関する施行を総合的に講じなければ公害防止を図ることが著しく困難であると認められる地域、第2号が、人口・産業の急速な集中云々の事情により公害が著しくなるおそれがありまして、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難になると認められる地域ということで、これが法律上の策定地域の要件でございます。
 これらの要件の該当につきましては、別紙ということでございまして、その2枚後に、これは現行の策定指示に関する要件をそのまま引き写した形になっておりますけれども、点数を大気汚染、水域、それから底質、それから土壌等々につきまして、評価点方式で公害が著しいかどうかという判断基準を示しているものでございます。
 これにつきましても、平成13年に策定をしたものでございまして、今回の公害防止計画の見直しに伴いまして、中身についても若干御意見があるというふうに承知をしておりますけれども、現時点での策定地域の要件を示したものということで、ここに別紙という形でつけさせていただいております。
 1ページのほうに戻っていただきまして、2.といたしまして策定地域の環境の概況ということで、公害防止計画を策定する場合に環境基準の達成状況につきまして、公害防止計画の中で記載をしてほしいということが書いてございます。
 続きまして、3番でございますけれども、重点的に解決を図るべき主要課題ということで、2番のところで環境の概況について網羅的に見た後で、重点的に解決を図るべき主要課題というものを公害防止計画の中で設定、記載をしていただきたいということでございまして、主要課題としては、現に未達成、または未達成となるおそれが高い環境基準ということでございます。
 1ページの下から第4番でございますが、公害防止計画の目標ということでございまして、3で設定いたしました主要課題のそれぞれについて、公害防止計画の期間内において達成すべき環境を設定するということが記載をしております。
 5番が公害防止計画の期間でございまして、基本的には5年以内程度を目安として策定をするということで、目安ということで5年以内程度という数字をお示ししております。ただし、財特法に基づく特別措置の対象となることを求める場合にあっては、財特法の期限内に限られるという形で記載をさせていただいております。
 6番が公害防止施策につきまして、どういう記載をするかという際の留意事項を大きく4点記載をさせていただいておりまして、地域における公害状況についての分析評価を行うこと。それから2つ目といたしまして、施策の実施状況、効果、問題点等の分析評価を行うこと。そしてこの[1][2]を踏まえまして、目標を達成するために、計画期間内に講じる総合的な施策を具体的に記載すると。その際には、規制等の制度的対応、自主的な取り組み含む幅広い施策が、公害防止対策事業と連携する形で講じられるように、各課題に対応する施策の最適な組み合わせを記載するようにすること。そして、公害防止施策の実効性を高めるために、施策・事業の実施場所、実施期間、それから当該施策・事業自体の達成目標についても、可能な限り記載すること。それから、[4]といたしまして公害防止計画に記載する公害防止施策としては、都道府県が実施するものに限らず、国あるいは市町村等の地方公共団体の実施するものも含まれ得るわけでございますけれども、実効性を高めるために、こうした他の主体との調整を図って施策を立案し、連携体制を設けること、ということが望ましいことを記載させていただいております。
 7番が、国の財政上の特別措置を講ずるために環境大臣の同意を求める公害防止対策事業ということで、6.のところで重点的な解決を図るべき主要な課題に関する公害防止施策のうち、財特法に基づく特別措置を受けるというために、環境大臣の同意を求めるものについては、その旨を計画の中に明記をしつつ、公害防止計画の中でまとめて記載をするようにしてくださいと。その際に、環境基準、事業の実施場所、期間、事業費の見込みについても記載をするということを記載させていただいております。
 それから、8番目が環境に関連する施策とか、あるいは他の環境関連施策との整合性の確保の話でございまして、公害防止施策の実施に当たっては、二次公害、自然環境保全上の支障等環境への悪影響を及ぼすことがないように配慮を徹底すべきこと。
 それから3ページのほうに移りまして、「また」以下のところでは、環境基本計画を基本としつつ、他の環境保全に関する計画との整合性が図られるように配慮すること。また、地域環境基本計画の一部として公害防止計画を定めることも可能であること、というようなことを記載させていただいております。
 9.は環境以外の他の諸計画との関連ということでございまして、2行目のところから、当該地域における開発、環境整備、土地、水資源の利用等に関する諸計画について、公害防止に関連して、公害防止計画との調和が図られることが重要であり、関連諸計画との連携の確保に配慮すると。そして、これらの諸計画が公害防止計画と連携を図りつつ策定・推進されるように配慮すると。要はお互いに配慮しあうということを記載をさせていただいております。
 最後は進行管理・分析評価でございまして、計画期間中につきましては、連携のもとに推進体制を整備すること。そして、モニタリング体制の充実等によって、環境状況の把握に努め、公害防止施策について、達成目標との関連において適切な進行管理を行って、計画の効果的かつ着実な実施が図られるよう努めること。
 計画の終了時点につきましては、「また」以下に書いてございまして、施策全体の進行と効果を整理して、計画期間内の施策の達成状況についての分析評価を実施するように努めること。その際に、環境基準の達成状況のみではなく、施策の実施率や負荷削減量の推計等さまざまな尺度での分析評価を行うべきこと。
 というような形で、非常に抽象的ではありますけれども、基本方針をイメージしたらこんなものになるのではないかということをお示しさせていただいております。
 資料1、2について若干補足をさせていただきますと、今回の資料1につきましては、現在、議論となっております公害防止計画制度そのものの見直しでありますとか、それから公害財特法の延長の是非といったところに焦点を当てて素案ということでまとめさせていただいておりますので、なかなかこれまでいただいた委員会での御意見の中で、例えば公害防止計画を自主化した後、公害防止について国がどういう役割を果たすべきなのかというようなところについては、なかなか踏み込めておりません。この点につきましては、またどういう形で最終的な意見具申に盛り込んでいくのか、あるいは環境基本計画の改定等にどうつなげていくのかというようなことについても検討させていただきたいと考えておりますので、御了解をいただきたいと思います。
 そして、最後に、浅野委員から意見書をいただいておりますので、簡単にポイントだけ御紹介をさせていただきます。
 お手元のほうに浅野委員の提出資料があるかと思います。簡単な1枚紙でございますので、読み上げて御説明にかえさせていただきたいと思います。「記」以下のところだけ読みます。
 「公害は過去の問題、との認識もあるが、伊勢湾、大阪湾など、閉鎖性海域におけるCOD環境基準の達成状況は未だ不十分である。光化学オキシダントに至ってはほとんどの測定局が環境基準を達成していない上に、平成21年の注意報発令は全国25都府県、延べ144日に及び、被害届も910人に及ぶ。さらに、PM2.5についても環境基準設定を踏まえ効果的な対策を講じていく必要があるなど、今後新たに生じるであろう公害事象にも取り組む必要がある。
 したがって、今後とも、公害防止計画に基づき公害防止対策を実施するとともに、国は公害財特法によりこれを強力にバックアップしていく必要があることはいうまでもない。
 特に、海域のCODについては、内部生産分の寄与度が大きく、これに対処するためには窒素やリンの除去ができるような高度処理の下水道の整備を進める必要がある。底質のダイオキシンやヘドロへの対策として除去や覆土といった措置を講じるためには、多額の費用がかかる。農用地のカドミウム汚染についても指定要件の強化に伴い、土地改良事業が必要となる区域が増加する可能性は高い。また、光化学オキシダントやPM2.5の対策は、多様な負荷源を考慮にいれつつ広域的な連携のもとに多様な主体の協力のもとに進められる必要があり、公害対策を計画的に着実に実施し、国民の健康と生活環境を守っていくべきである。また、今後とも、公害防止対策事業への国の財政支援の必要性が強調されるべきである。
 また、分権改革の結果としての環境大臣による公害防止計画の策定指示の廃止後も、閉鎖性海域における水質汚濁といった複数都道府県にまたがる公害の場合など、その改善に向け、環境省がリーダーシップを発揮することが必要な場合が引き続き生ずることが想定される。環境基本法第40条では「国及び地方公共団体は、環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする」とされており、こうした協力の一環として、必要な場合には、環境省が関係地方公共団体に対し公害防止計画を策定するよう要請することも望まれる。」 以上でございます。
 ちょっと長くなりましたけれども、私からの説明は以上でございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 長い内容でございますので、資料1と資料2に分けまして、まず資料1について検討したいと思います。
 浅野委員から提出されました意見につきましては、ここはどうもおかしいという部分がない感じでございますので、このメモを受けまして、要点素案に反映をする、あるいはその上で欠席の方も含めまして新しい要点素案について確認をいただくと、こういう扱いにしたいと思います。
 それでは、資料1の要点素案につきまして、お聞きをいただいて、確認をすべき点、あるいはお気づきの点ございましたら、お願いをいたします。
 はい、どうぞ。

○香川委員 資料1の3ページのところの下から4行目のところです。「当該地域において重点的に取り組むべき公害防止上の課題に特化した公害防止計画とすべきとの指摘も多い」と、これはまさにそうだと思うのですが、そうなったときに、資料2の一番最後のところについていた、この点数制で、今までは、この評価点で点数がある程度、9点とかになったときに行っていたわけですが、そうじゃなくて、この「特化した」となりますと、この別紙についている要件との関連はどうなるのでしょうか。要件はなくするのでしょうか。

○矢田計画官 まず、3ページの(3)のところは、むしろ地方公共団体から寄せられている意見ということで記述をさせていただいておりまして、基本的には、これまでの公害防止計画につきましては、その上のところに記載しておりますように、典型七公害すべてについてどういう対策を講じるかということを網羅的に書けとか、あるいは廃棄物・リサイクル、自然環境・地球環境の保全等々についても盛り込めということになっていたわけでございます。
 これに対しまして、地域の中で重点的に取り組むもの、例えば水質と大気についてやるんだとか、土壌と地下水についてやるんだとか、そういうような特定の部分についてやるんだということであれば、その部分に特化した公害そのものについてのみ公害防止計画を定めればいいのではないかというふうに、地方公共団体から意見をいただいているということでございます。
 一方、策定地域の要件というのは、御承知のとおり、これまでは国のほうで策定を指示するということになっておりましたので、その際に公害が著しいかどうかというものの判断基準として、ここにあるような一応配点をして、原則9点以上、あるいは指定地域については原則7点以上というような、この原則でございますが、 これはなかなか相当苦労してつくっていると、10年前につくっていると聞いております。ただ、御指摘のように、今回の意見具申の方向として、ある程度絞った計画も認めるというふうになったときに、じゃあ、この項目の中で、例えば一定の環境基準値をどのぐらい超えたかと、あるいはどのぐらいの広域的に汚染が見られるかということによって評価点を変えることができるのかどうかとか、あるいはその9点というものを一律に引き下げることがいいのかどうかというようなことは、いろいろ御議論があろうかというふうには思います。そういう意味で言うと、この別紙の環境基準についてもさまざまな御意見があろうかとは思いますけれども、そういう意味で言うと、この策定地域の要件につきましては、13年当時に公害が著しいかどうかというものの判断基準の1つの、非常にケース・バイ・ケースで判断する余地が非常に大きいというものの中で、現行の策定地域の要件としてはこういう形になっているということでございます。
 なかなか、直ちに見直すとか、何とかいうことはなかなか今回の議論と若干こうずれている部分がありますので、今すぐなかなか難しいところがございますけれども、今のこのペーパーとしてはそういう性格のものであるということで、ちょっとそういう意味でずれている部分があるということは、御説明させていただきたいと思います。

○小林委員長 資料2の別紙につきましては、地域の指定をどうするか、その範囲をどうするかということと、著しいという判断をどうするかと、この2つの要素で多分つくられた別紙だろうと思います。今回、特化という手法に切りかえるといたしますと、ちょっと別紙そのものの性格をもう一回見直して、特化に当たっての要件という観点で少し整理をする必要があるかなと、こういう感じがございます。
 まだ、少し時間ございますので、そういう問題点があるということで、伺っておきたいと思います。
 ほかのポイントございましょうか。

○石坂委員 制度を変えて移ったときにどういう基準でやるかということについては、見直しが必要だと思います。

○小笠原課長補佐 そういう意味でいきますと、まず3ページのほうの重点的に取り組むべき公害防止の課題に特化したという、重点的に取り組む公害防止の課題というのをよりストレートに、やはり要は、地域によって環境基準が未達成、または未達成となる可能性が非常に高いと。具体的には、3ページでいうところの、どういうのに特化するという基準は、環境基準に未達成かどうかということかというふうに思います。
 それから、公害防止計画の策定地域の要件に、どういうところが公害が著しく、または著しくなるおそれがありという、第17条第1項の要件に該当するかにつきましては、そこの判断基準については、この提案としては、平成13年に策定したものを、基準としては個々の環境基準なんですけれども、それを総体的に点数化したものをつくった平成13年の基準を引き続き使うこととしたらどうかという、そういう提案でございます。

○石坂委員 それはわかります。今度新しい制度になったときには、計画のつくり方が変わるわけですから、この評価の基準そのものはいいです。だけれども、9点でなければいけないとか、いいのだとかということは、それはまた検討しなければいけないのではないですか。

○小林委員長 お話のとおり、前提そのものが大きく変わるわけでございますから、新しい前提に沿ってこの評価というか、対策のポイントを整理し直すと、こういう目で、この別紙そのものを引き続き採用するか、あるいは新しく考えをまとめるか。ここはちょっと自由な立場で今回は残して、さらに検討するということでどうでしょうか。

○石坂委員 この基準表そのものは、異論はないのです。計画を採択するときに、9点を一つのめどにしていたという話は変わってくるのではないかと思うのです。そこをやはり見直していかなければいけないのではないでしょうか。

○石川委員 今の点に関しての提案なのですけれども、従来は、要するに総合的ということが頭にあるわけですから、水質だとか大気だとか、いろいろなものを複合的にとらえて点数をつけていたわけですよね。今度は、網羅的ではなくて特化したものについてやると。だから、必要なものをやりますということですから、例えば水質だけとか、大気だけとか、土壌汚染だけとかというものでも取り上げるべきだということになると思うのですよね。体操でいうと、鉄棒だけが得意な人、跳馬だけが得意な人、そういう人は通常はなかなか総合点では優勝できないのですけれども、この場合はそういう得意種目だけ、得意種目というか悪い種目ですね、悪いものだけでも対象にし得るのだということになるはずなので。
 だから、今度の評価のつけ方については、そういうふうなことを取り入れるんだということを考えますと言ってくれればそれでいいと思うのですけれども。

○小林委員長 ありがとうございます。

○杉原委員 知事会でございますが、質問と意見ということでお願いします。
 まず質問ですが、資料1の3ページの「また」以下のところから、4ページの頭にかけてのところなのですが、「公害防止上の主要課題であるか否かに関わらず、公害財特法による国の財政上の特別措置となる運用となっており、効果的な運用とはなっていないとの指摘がある」となっておりますが、このことは検討会か何かに報告があったのかどうか。あるいは、客観的にそういった指摘があるのかどうかということを、まずお聞きしたいということでございます。
 それと…。

○小林委員長 1回そこで切っていただけましょうか。

○小笠原課長補佐 3月の検討会でそこまで具体的に記載はされてはいないとは思いますけれども、財務当局含め、一般的にこういった指摘。例えば、制度上大気汚染が課題であっても、下水道の嵩上げが可能な制度になっているといった、そういった指摘はございます。

○杉原委員 それは財政当局の指摘ということでしょうか、それとも地方団体の中でそういう意見があるということでしょうか。

○小笠原課長補佐 地方団体側からの指摘ではございません。

○杉原委員 それに関連しますけれども、この中でかなり財特法の関係が出ておりまして、今のものも含んでおりますが、例えば、5ページの真ん中付近のところに(3)の財特法特別措置の延長の是非のところがございます。この最後のほうに、客観的事実としてでございましょうが、嵩上げの額が具体的に明示されていたり、次の6ページの廃棄物処理事業のところでは、前回の委員会の答申等から引っ張ってあったりして、何となく財特法については、もう縮小、あるいは廃止のような感じが、かなり強くなっているような気がするのですけれども、そのあたり今後の見通しといいますか、どうお考えなのかということをお聞きしたいと思います。

○矢田計画官 財特法の見通しということでございますけれども、今後まさに延長するか否かについて政府内で検討が行われるということでございます。
 一応、法律所管の総務省、それから環境省、それから主要事業を実施する国交省、農水省等の各事業官庁側からは延長してほしいという要望がございます。
 ただ一方で、非常に財政が厳しい状況でございますし、財政当局側から、ここにありますように、必要性そのものが低下しているのではないかという指摘があったりとか、あるいは、まさに今杉原委員のほうからも御指摘があったようなところも含めて、効率的でないような運営をされている部分もあるのではないかというような指摘もありますので、当然のことながら、延長を要望する上では、必要な見直しは行っていく必要があるのではないかというようなことも議論としてはあるわけでございまして、こういったことを踏まえて、12月に向けてまさに調整が行われるということでございます。
 非常に財政が厳しいので、単純に延長できるというような明るい見通しを我々としても持っているわけでありませんけれども、この委員会を始めとして、延長すべきだという意見を非常に多くいただいておりますので、我々としてはその意に対して、財政当局との調整に当たっていきたいというふうに思いますけれども、非常に厳しいものはあるということは申し上げておきたいと思います。

○小林委員長 ただいまの御発言の、5ページのちょうど真ん中でございますが、小委員会としては、財特法の延長を図るべきであると、こういう方向で合意といいましょうか、意見がほぼまとまっているところでございます。
 ただ、それを明確に書きますと、いろいろ今後の動きに足かせになる心配があるというので、事務局としてはこういう案を出されたというふうに承知をしております。多少、私どもとしては物足りない表現でございますが、そういう事情は考慮しなければいけないかなと、こんな感じでございます。

○石川委員 事前のレクのときは、確かに財政措置について適切な措置が講じられる必要はあるのではないかという、非常に前向きな記述だったのですけれども、今回は是非について検討する必要があるのではないかというところで、少しトーンダウンしたなというのは、私も気になっているのですけれども。
 今委員長のおっしゃるように、小委員会としては、適切な措置を講じてほしいという意見があるわけですから、これを小委員会の意見具申として用意するのであれば、やはりそのようなトーンで書いていただきたいなというふうに思うのです。
 なぜかというと、公共団体のアンケート調査のときに、公防計画の存続の必要性、あるいはもう要らないのかというようなものの答えの大半が、やはり財政措置が切られるのは困るので、公防計画は続けてほしいというのが多かったわけで、要するに公防計画と国の財政支援というのは表裏一体になっていると思うんですよね。だから、その片方が崩れるのであれば、財政措置のほうが崩れるのであれば、公防計画ももう要らないのではないかという話に必ずなってしまうと思うので、そこはぜひ頑張っていただきたいなというふうに思います。

○矢田計画官 今申し上げましたとおり、延長の是非について検討する必要があるのではないかというのは、この9月7日時点ということで、こういう書きぶりをさせていただいておりますので、いずれにしても最初に申し上げましたように、12月上旬ぐらいに向けて意見具申という形でまとめていきますので、その際にはその時点での状況を踏まえて、よりはっきりした形で記載をするように調整をしていきたいと思っておりますので、そういうものだというふうに御理解をいただければと思います。

○小林委員長 よろしゅうございましょうか。はい、どうぞ。

○石坂委員 今の御説明ちょっと納得できませんね。
 この委員会としてどういう意見があったかということを集約してまとめていただくというのが委員会レポートではないのでしょうか。存続の是非ではなくて、存続してほしいとこの小委員会は総意として言っているわけです。ですから、是非についてというのはおかしいのではないですか。

○矢田計画官 事務局としては、12月の意見具申の際には、その小委員会の意見が反映できる意見具申の文案ができるように努力したいと思います。

○石坂委員 ということは、このペーパーの性格は何ですか。

○矢田計画官 現時点での状況を踏まえて、事務局が整理をしたものでございます。これを12月の時点で小委員会の総意に沿った意見具申案としてできるように、関係方面との調整をして御提案できるように努力したいというふうに思います。

○石坂委員 ちょっと別の話ですけれども、いいですか。
 4ページの3の(2)のところに公害防止計画の内容の重点化というくだりがありますけれども、下から9行目、段落の前ですね、「公害防止計画の内容は、公害防止というその本来の役割に立ち戻って考えることが適当ではないか」、これはそのとおりなのですね。ですから、公害防止計画はこういう役割に立ち戻って考えてもらいたいと思いますが、そういう意味でいって、この小委員会の意見として、財特法もそのために必要だ。したがって、延長してほしいと。そういうスタンスであるということで、私もその意見に賛成をしております。
 そこで、この地方の樹立する公害防止計画ということだけではなくて、その基本といいましょうか、先ほどこの基本方針みたいなものをつくっておられますけれども、国はいったい公害防止についてどう考えるのだと、どういう計画を持っているのだと、どういう目標数値を持っているのだと。もちろん環境基準というのはあります。いろいろな形でもって、そういうふうな努力をしていることはわかるのですけれども、そういう国の公害防止計画という、そういう名前がいいのかは別ですけれども、公害問題に対する取り組みというものは、今、環境基本計画の中にもちろん書いてあるわけです。ですけれども、そこをもう少し意識をして、はっきりと書く必要があるのではないかなという気がします。国として、公害防止をどう進めていくのだと。典型七公害だけではなくて、新しい公害がたくさん出てきています。化学物質の問題もありますし、いろいろな問題が出てきているわけです。公害の解決のために大きな金額がかかるような問題も出てきていますし、地域をまたがるようなものも出てきている。そうしたものに対して、国がどうかかわっていくんだ、どういうふうにやっていくんだという事柄が、一つ一つ起きた事象については確かにあるのですけれども、全体として、例えば環境基本計画なら5年間の計画として、こういう問題をこういうふうに処理するんだというところが、ちょっと私は今現在において少し欠けているのではないかなと、不足しているのではないかなという気がするのです。
 そこからもう少し先に行きますと、これはこの小委員会のテーマではないのですけれども、環境基本計画は、この中にも書いてありますけれども、地球温暖化は別途の計画がある、生物多様性も別途の計画がある、循環もあるというふうな形で、従来、かつては全部環境基本計画がカバーしていたものが、ほかの計画として独立していってしまっているのですね。したがって、環境基本計画とはいうものの、残っているのは何かというと、まさに公害部分なのです。そういう独立していったものを除いてしまって残っている部分は。そういうふうに見ていくと、ちょっともう少し充実した計画である必要があるのではないかなという気がするのです。
 公害についてのそういう計画というものを独立してつくったらどうかというふうな発想もあり得ると思うのです。そうすると、環境基本計画というのは全部分化してなくなってしまって、哲学みたいなものしか残らないということになるわけですけれども、そういうふうにして公害というものを今一度取り上げていったほうがいいのではないかという考え方も一つあると思いますし、環境基本計画の中で、ほかのは全部いってしまっているのですけれども、その部分だけをもう少し充実して書くというやり方もあると思います。あるいは環境基本計画が哲学だけの部分になってしまって、哲学部分だけだったら環境基本法に書いてあるから、環境基本計画なるものを定めなくてもいいのではないかという議論だってないとは言えないと思うのです。別に退歩するという意味ではないのです。進化していくという、そういうとらえ方の中において。
 国の公害防止をどういうふうに考えるかということについてまで頭を及ぼした上で、このレポートを最終的には作成していただきたいと思います。

○小林委員長 ありがとうございます。公害防止について、国の総合的、あるいは基本的な方向、計画をどうするかということで、御指摘にありましたのは、環境基本法において基本計画でもっと公害関係に力を入れた取り組みをなすべきだという一つの選択と、もう一つは、この公害防止計画の制度の改定に当たって、その前段として、国としての取り組みを明記といいましょうか、はっきりさせるべきだと、こういう二つの選択肢をお示しいただいたかと思います。
 今までの公害防止計画の流れからいきますと、国として公害防止計画全般について、この制度の中で取り組むというのはなかなか苦しいところはありまして、環境基本法で力を入れてほしいという要望のほうが現実的かという感じがいたしますが、今の点について御意見がありましたらお願いいたします。

○小林座長 オブザーバーでございますが、ちょっと意見を申し上げたいと思います。
 いわゆるこの検討会で議論をされた中で出てきました、今、石坂委員に御指摘いただいた部分が大変中心的な議論でございました。一つは、やはりこれからの環境対策について、国の役割がだんだん見えなくなってきた。特に地方分権という言葉のもとに、地方にも責任をおっかぶせるという雰囲気が強くなってきたということで、地方ではそれに対する反発が結構大きいということで、それまでいわゆるこの公害防止計画そのものがもう要らないという意見が、地方自治体には結構多かったのですが、最近、そうではないよねという議論が出てきています。
 もう一つ大きな問題は、各地方自治体がつくっている地域の環境基本計画、これは条例に基づいてつくっているものでございまして、そこの県とかそこの自治体にしか影響しない。他府県に対しての影響が全く出ませんし、もう一つ大きな問題は、国の直轄事業には全く関与しないという問題がございます。そういう意味で、やはり国の制度に基づく公害防止計画が必要ではないかというのが出てまいりました。
 それからもう一点、先ほどから御指摘があります、いわゆる公害防止計画そのものを総合的に評価するという、前回のときからも議論が出たわけでございます。この辺、地方自治体にとっては大変困っている部分がございます。理由は、いわゆる地域の環境基本計画と同じようなものになってしまっている。それからもう一つは、先ほど御指摘があった環境問題を特化する、公害問題を特化するというところが薄れてしまったという問題がございました。もう一度原点に戻って、環境問題を特化した形でやってほしいと。
 後ほど別のほうの議題になりますが、ですからこの制定要件についてもやはり意見があるということでございます。

○小林委員長 ただいまの件につきまして、さらに御意見ありましょうか。

○細見委員 いろいろな環境問題にかかわってまいりましたけれども、現実に環境基準を達成できていなくて、まだずっと残されている問題が幾つかあって、その中でも代表的なのがやはりストックの線だと思うのですね。フローの線に関しては、例えば大気とか、幾つか対策が講じられて、その効果が見られてきているわけですけれども、ダイオキシンの底質汚染だとか、あるいは土壌汚染だとか、あるいは閉鎖性水域のCODの問題だとかというのは、もう、1回たまってしまったものに関して、なかなか環境基準を十分達成できていないところがあって、しかも環境基準を超えると何らかの対策を講じなければいけないという仕組みもありますので、そういう問題については、従来の取り組みよりはある程度もっと強化する、あるいは特化するというのが必要になってくるのだろうと。そういう意味で、浅野先生も言われているように、あるいは今の小林さんが言われましたように、国が重点的に特化する、あるいは重きを置くということをある程度示すことが今回求められている。それは恐らく財特法の延長を申し出るときに、従来どおり申し出ても多分無理だと思いますので、やはり何らかの特化する戦略というのを示す方法が必要なのではないかと。その際に、全部今までのように総合的に、総花的にやるということは、恐らくこれからの財源が限られている中では難しいと思いますので、その点ではみずからが順位づけというか、そういうものをどこかでうたわざるを得ないのではないかと。そういう意味で、特化すべき項目について、従来できなかったところをなぜできないのか。それから新たな問題について特化するのだというようなところがもう少しこの中で、並列で書くのではなくて、順位づけの書き方ができれば訴えられるのではないかというふうに思いました。以上でございます。

○小林委員長 具体的には、特化に当たっての状況ですとか、どういうものに特化していくかという、もう少し具体的な例示も入れながらという、御意見として伺っておきたい。もう少し事務局で練ってください。
 石坂委員の公害に関する全般的、あるいは総合的、基本的な方向づけについて、さらに御意見ございましょうか。
 この公害防止計画のこの制度に入れるといたしますと、かなり大きな変更となる事柄でございますので、御意見があったらいただきたいと思います。
 そうしましたら、まとめまでもう少し時間がありそうでございますから、そういう御意見があったということで、どうするかについては少し材料を整理して、次回に改めて議論をいただくと、こういうことにしたいと思います。
 ほかの点で、資料2も含めまして、御指摘、あるいは御質問ございましょうか。

○香川委員 資料2の3ページの10、一番最後のところですけれども、これ欧米ではアカウンタビリティ、いわゆる説明責任、お金を使って、どういう効果があったかということをきちんと評価するという制度が進められていますが、今回の場合も、多分、この3ページの10のところは、そのことを言っているのだと思います。これは地方に移されていってしまいますと、国としてこういったお金を使ったときにどういう効果があるかということの評価も地方任せにしてしまうとよくないのではないかと思うのですが。ですから、先ほどの議論も含めて、国の役割として、このお金を使ってどういう効果があったか。これは環境基準がどの程度達成されたかとか、いろいろなことから評価されておりますけれども、ただそれだけではなくて、いろいろな地方でなされた施策が、全体として見たときにどういう効果があったか、それをまた地方に還元するという、そういった役割をきちんとするということが私は非常に大事だと思うのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
 地方にいろいろなものを移したときに、どこかで国が総まとめしないといけないと思うのですけれども。

○小林委員長 ありがとうございます。資料2の3ページの最後でございますが、この部分は地方が立てた個別の計画についての経済的、あるいは効果についての評価という理解だろうと思います。
 それに対しまして、御指摘のありましたのは、その手法、やり方については国としてもっと積極的に研究して取り組むべきではないかと。
 それからもう一点は、地方でやりました評価をまとめて次に生かすという、そういう集約的な機能を果たすべきである。
 この2点でございますが、公害防止計画制度の中で、この分析、手法まで入るか、あるいは典型七公害のそれぞれのところで取り組んでいただくか、ここもちょっと選択肢があるわけでございますが、事務局で少しコメントありますか。

○小笠原課長補佐 まず、現行の制度においては、国が策定を指示するものですので、公防計画の実施の状況がどうかということは調査を行って、把握をするということを行っているところでございます。
 それで、今後につきましては、二つの世界があり得て、完全に自主化されて国の財政措置もない世界で、自主的にやられる世界と、それから国の財政でこれ受けるために国の同意を受けて、それで財政特例を受け入れるという二つの世界があり得て、まず今の財政特例のお話でいくと、国の財政特例を受けた場合については国とやりとりがあるので、その中で何らかの情報をいただくということは可能だろうと思います。
 あとはさらに自主的に自治体の判断で、国との協議なしに作成された部分につきましては、本当の自主になってしまうので、法律上の関係は国との関係はなくなってしまうのですけれども、そこについては何かそういうことを記されればお願いベースで情報提供をお願いいただく、情報を出していただくということになろうかと思います。

○小林座長 今の御指摘の件なのですが、やはり今、環境省のほうからお返事いただいたように、財特法の対象になったものについては、財政も含めた進行管理というものは必要だと思うのですが、自主的にやった部分の財政についての進行管理というのは、そこの自治体が責任を持ってやるべきだというふうに理解しています。
 ただ、最近特に問題になっているのは、地方自治体でも、やはり県民、府民に対する責任ということで、結構データ公表をされていますので、現実に私がいます兵庫県でも環境基本計画に基づく執行内容、どういう対策をその年やったか、その結果、どういう費用がかかって、どういうふうな効果が出てきたかについては、毎年1回検証というものをやっております。これは公表しておりますので、これが各県ともやられるのではないかなというふうに理解しています。そういう方向で御議論いただいたらと思います。
 それからもう一点お願いしたいのは、環境省としてぜひやっていただきたいのは、最近、地方自治体間の情報交換が大変疎遠になっています。そのためによその自治体がやられた対策、それの効果についての評価がほとんどほかの府県には伝わっていきません。そういう意味で、環境省で、これはここの問題ではないと思うのですが、環境省全体として、そういう情報交換の場、または情報交換のシステムをお考えいただければというふうに思います。
 これはほかのところの議論でも出てきております。情報がなかなか手に入らないというのがありますので、ぜひその辺はよろしくお願いしたいと思います。

○小林委員長 ありがとうございます。ただいまの3ページの10のところにつきましては、国としての取り組み、あるいは国としての技術的援助の拡充をしておりませんので、もう少し積極的に乗り出してもらってもいいのではないかという気持ちで見直せるかどうかと。
 それでは、そのほかございましょうか。

○小笠原課長補佐 先ほど冒頭最初に石坂委員からいただいた御意見の中に、回答が不十分だった面がございました。
 資料2の別紙の位置づけでございますけれども、すみませんちょっと全体の説明が私もあれだったのですけれども、これも公害財特法のところがどうなるかによって、この位置づけが全く変わってくるものでございますので、それによって議論も全く変わってくるかと思います。極端な話、公害財特法がない世界であれば、完全に自主の世界ですので、全くの、これを参考にそれぞれの自治体が判断されるということにその場合はなるわけですけれども、公害財特法がある場合につきましては、国の同意に際して、この要件に合致しているかどうかということを国としても見た上で、これに合致していないということであれば同意はしませんよという、同意の基準にも入ってくる世界ですので、それによって位置づけが変わってくるということも踏まえて、御議論いただければという、そういう趣旨での提案でございます。

○小林委員長 よろしゅうございましょうか。

○小林座長 これ現在、今やられているこの小委員会の中で、いわゆる財特法が延長するということが内容的に決まった場合、この今言われていた財特法に基づく要件というこの別紙の部分は、今回の小委員会の中でいわゆる意見具申の中に入るでしょうか。それともこれは別途、以後の議論としてやられるのでしょうか。

○小林委員長 意見具申につきましては、この別紙までの詳しい話は私は必要がないだろうというふうに思っております。ですから、基本的な方向につきまして意見具申をして、予算を含めて制度として方向が決まれば、引き続いて検討していただくと。ここでもってこの別紙まで結論づけるというのはちょっと行き過ぎといいますか、そこまでやる必要はないという感じがしております。よろしゅうございましょうか。

○矢田計画官 12月の時点での意見具申としては、基本的には資料1のところがベースになるというふうに思っております。

○苦瀬課長 答えの趣旨、同様ではございますが、本日も御指摘いただいたように、今回の見直しの方向の重点化といったようなことと非常に密接にかかわっている大変重要な部分でありますし、現時点で13年のものを今使っているということで、これは経緯もあって大事なものではあるのですが、それをこれだけで決めるというにはちょっとまだ検討が必要な部分があるというふうに思っております。

○小林委員長 ありがとうございます。御議論をいただきまして、資料1の5ページのちょうど真ん中、この部分につきまして、現段階では小委員会としては、国の財政上の特別措置の延長が望ましい、あるいは必要であるという、そういう気持ちであると。表現につきましてはいろいろ折衝事項があるみたいですから、多少配慮するにいたしましても、小委員会としての気持ちは、特別措置の延長によってさらに支援を継続すべきだという含みということで、本日のところはまとめておきたいと思います。
 ほかに全般につきまして、御意見、お気づきの点、ありましょうか。

○山下委員 書きぶりの問題なのですけれども、典型七公害というのは環境省用語のいい言葉なので、これは好きなのだけれども、それが3ページぐらいまでずっと登場してこないでしょう。もうちょっと前に出てくるとうれしいなと。何か読みやすくなると思います。典型七公害という言葉は、環境庁時代にああだこうだ言いながらつくり上げた、非常に歴史のある用語だと思うのです。それで、これは公害防止計画小委員会という委員会であるだけに、公害という言葉がもっと前に出てきて、典型七公害というのを先に出せないでしょうか。すみません、書き直すときに。

○矢田計画官 御指摘を踏まえて工夫させていただきたいと思います。

○小林委員長 ありがとうございます。

○香川委員 冒頭に公害が著しくという言葉が何回か出てくるので、公害が著しいかどうかについては、この別紙の環境基準の超過状況を踏まえて判断するという、それだけで公害が著しいかどうかを今後も判定していくつもりなのでしょうか。もしこれで延長されたときに、公害が著しいということが基本条件みたいになっていますね。これに関しては、この別紙で、公害が著しいかどうかについては環境基準等の超過状況をということで定義されていますが、今後もこれを維持していくのでしょうか。
 これは平成13年に決められたそうですが、例えば大気汚染に関しては、公害が著しいかどうかというのは、例の公害健康被害補償予防法で環境基準の2倍以上、そしてその地域で慢性気管支炎とか気管支ぜんそくとか肺気腫の有症率、実際は慢性気管支炎の基本的な症状の持続性せき・たん症状の有症率が空気のきれいなところに比べて倍以上あるところを地域指定している。これは公害が著しいという一つの目安として決められていたわけですけれども、これ延長されたときもやはり公害が著しいという言葉はそのまま生きて、かつ公害が著しいかどうかは環境基準等の超過状況で判定するという、ここは一番基本的なところは変わらないままでいくのでしょうか。

○小笠原課長補佐 そもそも公害防止計画というものがどういうものかという定義のところから変える議論というのもあり得るとは思うのですけれども、一応今、事務局サイドとしては、公害防止計画は公害の激しいところに対する対策を行うものだという前提で資料を作成しております。その上で、公害が激しいという、この第17条1項、2項の要件をどういうふうに判断するというところにつきましては、非常にサイエンティフィックな判断と、極めてポリティカルというか下世話なというか、いろいろな要素の判断があり得て、ここでお示しというか、一つの案としてでございますが、別紙としてのものは、結局公害財特法、つまるところ公害財特法への入り口の要件としてどう考えるかという、そういった国の財政上の特例措置を講ずるものとしての入り口要件、それだけではない自主の世界もあるのですけれども、入り口要件として、どういうふうにするのかということも含めた入り口要件であるという意味があるということもちょっとお含みおきいただけると、というように考えております。

○小林委員長 ありがとうございます。制度といたしましては、法律にありますように、公害が著しい、あるいはそのおそれのある地域での計画と、ここのスタート点は今回踏襲をすると。具体的な運用、理解につきましては、さらに引き続いて検討する。こういうことで、スタート点そのものを見直してというところまでは今回入らないという理解で今まで来ておったわけでございます。
 運用、あるいは理解につきましては、さらに引き続いてということで、お願いをしたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。大変積極的な御意見をいただきまして、本日の議論はここまでといたします。
 本日は、要点素案をおおむねまとめました。ただ、これは積極的に表に出すという性格のものではありませんで、小委員会としての腹づもりといいましょうか、こういう内容で、かつ予算編成、その他の状況も加えまして、予定としましては12月に意見具申まで持っていければということでございます。
 予定としては、12月上旬に開けそうでございますので、事務局で日程調整をしていただきたいと思います。
 また、来る9月24日に中央環境審議会の総合政策部会が開かれまして、本小委員会におきます公害防止計画の制度の在り方に関する議論の状況の報告を求められているところでございます。私が出席をいたしまして、本日の資料をベースとして素材を提供し、部会の御議論にしたいというふうに思っております。
 それでは、以上をもちまして小委員会の懇談会は閉会とさせていただきます。どうも大変ありがとうございました。
 あと事務連絡、その他ありますか。

○矢田計画官 審議官が新任ですので、一言。最初に御紹介できませんでしたので。

○加藤審議官 去る10日付で国土交通省から環境省のほうにお世話になることになりました加藤でございます。どちらかというと公害を出すほうの役所から参りまして、ただいま修行の身でございますが、お役に立てるように精進したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○矢田計画官 どうもありがとうございました。これで閉会させていただきます。

午前11時34分 閉会