中央環境審議会 総合政策部会 公害防止計画小委員会 第18回会合

議事内容

平成20年3月7日 午後 2時28分 開会

○弥元環境計画課長 そろそろ時間でございます。香川先生はまだお見えでないですけれども、始めさせていただきたいと思います。それから、予定では、厚地委員もいらっしゃる予定だったんですが、ご欠席というふうに聞いております。
 議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 資料1は、この小委員会の委員名簿でございます。それから資料2、公害防止計画の概要、それから資料3、12地域の施策の概要、それから資料4は、12地域分、資料の4-1から4-12まで、たくさんございますけれども、12の種類でございます。それから、資料5、20年度の計画策定についてと、あと参考資料ということでございます。
 足りない資料はございませんでしょうか。もし、足りない資料がございましたら、途中でもおっしゃっていただければと思います。
 それでは、小林委員長、よろしくお願いいたします。

○小林委員長 それでは、ただいまから第18回の公害防止計画小委員会を開催いたします。本日は、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
 本日の議題は、環境大臣の計画同意に先立ちまして、本委員会の意見を聞きたいという要請に基づくものでございます。本日は、12地域の関係者の皆さんにご出席をいただいております。大変ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 鹿島地域等12地域の公害防止計画の同意について、まず事務局から説明をお願いいたします。

○弥元環境計画課長 それでは、資料2に基づきまして、今回、12地域の公害防止計画の策定を行うわけですが、その概要の案についてご説明させていただきたいと思います。
 このあと、各都府県からそれぞれ計画案につきまして内容を説明させていただきたいと思います。
 それでは、資料2をごらんいただきたいと思います。
 今回の公害防止計画は、環境基本法の第17条に基づきまして、平成19年10月5日付で環境大臣から関係都府県知事に対しまして計画の策定が指示されたことを受けて、その際に示された策定の基本方針に基づいて策定されたものでございます。
 2ページに表1というのがありますが、これが今回計画を策定いたします対象地域の一覧でございます。
 昨年小委員会で審議をいただきまして、公害対策会議の議を経まして、環境大臣から策定指示をした地域の一覧でございます。
 4ページをごらんいただけますでしょうか、表2でございますけれども、平成18年度の各地域におきます環境基準等の超過状況の一覧でございます。
 9ページ、表の3でございますが、公害防止計画策定に当たっての目標といたしまして、基本的には先ほどの表の2と表の3、これが表裏一体の関係ということになるわけですけれども、環境基準等の達成状況等を踏まえまして、この表3にありますような目標を掲げまして、その達成に向けて具体的な計画の案を各都府県でご検討いただいたところでございます。
 11ページの表の4でございます。公害防止対策事業として位置づけられているものにつきまして、ずっと各地域分につきまして載せたものでございます。
 今回の計画の案が策定されました計画に盛り込まれている今後4年間に実施予定の公害防止対策事業の一覧でございます。なお、表の4は、平成22年度までの計画期間内において講じようとする主な公害防止対策事業の内容について掲示をしたものでございまして、公害財特法の特例負担の運用、適用、非適用の区別はしておりませんので、例えば廃棄物処理施設整備には平成17年度以前に着工した補助事業のほか、平成18年度以降に着工した交付金事業も含まれているという形になっております。途中で補助金から交付金に変わりましたが、それも含まれているという形になっております。また、地方公共団体の単独事業も含まれている内容になっております。
 15ページの表の5をごらんいただきたいと思います。
 公害防止計画の主要課題ということで挙げさせていただいております。特に、重点を置くべき項目につきましては、基本方針の際に指示するということになっております。この表は、今回の12地域につきまして昨年の基本方針の指示の際に示しました課題の一覧を掲げたものでございます。
 これを踏まえて、各都府県のほうで、計画を策定していただいたというものでございます。
 17ページの表の6でございます。
 公害防止施策に要する経費の見込額を一覧表として取りまとめたものでございます。
 なお、表の6の地方公共団体が講ずる施策と書いてありますけれども、これは、国が実施主体のものを除きました対策事業費について計上したものでございます。
 以上、概要ということで説明いたしましたが、今回、ご審議いただきます12の計画の概要一覧でございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 それでは、各都府県からそれぞれの地域の説明をお願いをしたいと思います。時間も限られておりますので、1つの地域で6分間、限られた時間でございますが、よろしくお願いいたします。
 12地域の説明が終わりましてから、委員からの質問、あるいは意見を一括していただきたいと思います。
 それでは、最初に鹿島地域について、お願いいたします。

○茨城県 茨城県環境対策課の須藤と申します。鹿島地域公害防止計画(案)の概要についてご説明いたします。
 初めに、鹿島地域の概況等について簡単にご説明した後、主要課題についてご説明いたします。
 資料ナンバーの4-1、鹿島地域公害防止計画(案)の1ページをごらんいただきたいと思います。
 鹿島地域は茨城県の南東部にある鹿嶋市と神栖市の2市から構成されておりまして、東京からは約80キロメートルの範囲に位置しております。昭和39年に工業整備特別地域に指定されて以来、鹿島港を中心とする大規模な臨海工業団地の造成が行われ、鉄鋼、電力、化学、石油製品等の基幹産業が立地しております。
 当地域の人口は、平成18年10月1日現在で、約15万7,000人。本県の総人口の約5%を占めております。
 また、平成17年の工業出荷額は約2兆3,000億円で、県全体の工業出荷額の約22%を占めており、本県最大の工業集積を有する地域となっております。
 当地域の環境質の概況でございますが、公害防止に関する施策の推進により、全般的に改善の方向にあるものの、浮遊粒子状物質や光化学オキシダント、河川、湖沼の生活環境項目等について、依然として改善すべき問題が残されております。そういうことから、今後も引き続き総合的な公害防止施策を講じていく必要がございます。
 以上のことから、当地域の主要課題といたしまして、鹿島コンビナート周辺における大気汚染、北浦及び常陸利根川の水質汚濁を考え、平成19年度から22年度までの4年間を計画期間といたしまして、第8次の公害防止計画を策定するものでございます。
 続きまして、これら主要課題の施策の概要についてご説明いたします。
 計画案の9ページ及び資料3の1ページをごらんいただきたいと思います。
 まず、鹿島コンビナート周辺における大気汚染でございますが、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントについて、固定発生源対策や移動発生源対策を講じようとするものでございます。
 これまでも法令や公害防止協定に基づく排出基準の遵守設定、新規事業所に対する事前指導、円滑な交通の流れを形成するための信号機の高度化や道路整備など対策を講じてきております。
 しかしながら、平成18年度の測定結果を見てみますと、光化学オキシダントにおきましては、10測定局中、全局で環境基準が未達成であります。
 また、浮遊粒子状物質につきましては、19局中3局で環境基準を達成していないという状況にございます。このため、主な施策にありますように引き続き固定発生源対策といたしましては、法令に基づく工場事業場に対する立入検査、協定等に基づく排出量の遵守徹底、新規施設に対する事前指導などを行います。
 移動発生源対策といたしましては、車両の定期点検励行の指導、過積載車両等の取締りの徹底を図ります。また、バイパス等の道路整備や信号機の高度化による交通の円滑化を図るほか、低公害車の普及促進やエコドライブの普及啓発を図ってまいります。
 続きまして、北浦及び常陸利根川の水質汚濁対策についてでございます。
 計画案の21ページをごらんいただければと思います。
 県では、昭和61年に北浦及び常陸利根川を含めた霞ヶ浦にかかる湖沼水質保全計画を策定しまして、各種の浄化対策を行ってまいりましたが、霞ヶ浦を含め、北浦及び常陸利根川の水質はCOD、全窒素、全りんともに依然として環境基準が達成できない状況にございます。
 水質が大幅に改善されない理由といたしましては、流域対策、特に生活排水対策や農地、市街地対策などの負荷対策が十分でないこと、これまでに流入した汚濁物質が湖内に蓄積されていることなどが要因と考えられております。
 一方で、湖沼の水質改善には、流域住民をはじめとしました関係者の長期にわたる持続的な取組みが必要であり、長期的な展望をもったところで実現可能な短期目標を設定し、着実に行うことが重要であります。
 このため、平成19年3月に策定しました第5期の湖沼水質保全計画では、泳げる霞ヶ浦、遊べる河川という長期ビジョンのもと、段階的に水質の改善を図るため、COD、全窒素、全りんについて平成20年度までに達成すべき目標を掲げまして、着実な水質の改善を図るということにしております。
 また、計画の施策を実効あるものにするために、平成19年度には霞ヶ浦富栄養化防止条例を霞ヶ浦水質保全条例に全面改正しまして、窒素及びりんにかかる排水基準の適用引き下げを行っております。また、高度処理浄化槽の設置の義務付けをしまして、規制の強化を図っております。
 こうした状況から、本計画におきましても、短期目標の達成に向けまして、点源対策といたしましては、工場・事業場の排水対策、生活排水対策としての下水道整備、浄化槽の整備を行うことにしております。
 また、環境の負荷を少なくするためのライフスタイルの普及啓発も進めることにしております。
 このほか、畜産業にかかる汚濁負荷対策も推進いたします。
 また、面源対策といたしましては、水田等への施肥量の削減、肥料成分の流出抑制などの農地対策、そのほか道路、汚水排水の清掃を図るなど、市街地からの汚濁物質の流出抑制に努めます。
 以上が、当地域の主要課題ですが、このほかの課題といたしましては、河川の水質汚濁、地下水汚染、自動車騒音がございます。
 以上で鹿島地域公害防止計画の概要についてご説明をいたしました。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続いて、埼玉地域についてお願いいたします。

○埼玉県 埼玉県環境政策課の宮原でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料番号4-2、埼玉地域公害防止計画(案)につきまして、ご説明させていただきます。
 埼玉地域におきましては、昭和47年度から7期にわたりまして公害防止計画を策定してまいりまして、公害の防止に関する施策を推進してまいったところでございます。
 前回の計画では、対象市町が46ございましたが、地域の環境質の改善が進みましたことから、今回は半減しまして、23市町を対象といたしまして計画案を作成いたしました。
 資料の4ページをお開きいただきますと、本計画の策定地域を図示したものがございますが、対象となります市町は県の中央部から東部を中心とした地域に所在しておりまして、埼玉県の中心的な地域が該当しております。
 それでは、お戻りいただきまして1ページをお開きいただきたいと存じます。
 平成18年度における環境質の状況でございます。まずは大気汚染でございますが、光化学オキシダント以外につきましては、概ね環境基準を達成しておりますが、光化学オキシダントにつきまして、38測定局中全局におきまして環境基準を達成していない状況でございます。
 次に2の水質汚濁でございますが、河川のBODの指標で見ますと、27水域中3水域におきまして、環境基準を達成しておりません。
 ダイオキシン類につきましては、28測定地点中9地点において環境基準を達成しておりません。
 また、河川底質のダイオキシンにつきましても27測定地点中1地点において環境基準を達成していない状況でございます。
 次に2ページをお開きいただきたいと存じます。
 3の騒音でございますが、騒音につきましては自動車、航空機、新幹線、鉄道とも環境基準を達成していない状況でございます。
 次に、第3節になりまして、本計画の目標でございますが、汚染物質等の環境基準の達成を目標としておりまして、内容につきましては5ページ以降の表1-3-1に記載してありますとおりでございます。各種の公害防止施策の推進によりまして、平成22年度末を目途に基準が達成できるように進めてまいります。
 次に、本計画において重点的に解決を図るべき主要課題でございますが、3点ございます。
 まず、1点目でございますけれども、2ページの第4節のところに記載がございますが、自動車交通公害でございまして、大気汚染及び騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止を図ることでございます。
 2点目が、都市地域の大気汚染でございまして、光化学オキシダントにかかる大気汚染の防止を図ることでございます。
 3点目が河川の水質汚濁でございまして、ダイオキシン類及びBODにかかる水質汚濁の防止を図ることでございます。
 以下主要課題とその対策を中心にご説明させていただきます。
 9ページをお開きいただきたいと存じます。
 まず、自動車交通公害対策につきましてご説明させていただきます。
 県内を縦に縦断しております国道17号、それから横断しております国道16号という主要国道の沿道にかかる大気汚染対策及び騒音対策を主要課題としております。
 大気汚染につきましては、全般的に改善傾向が見られるんですが、浮遊粒子状物質や二酸化窒素が安定的に環境基準を達成するまでには至っておりません。
 また、騒音につきましても沿道には住居が多く、環境基準を満たすような住居が多いと予想されます。
 次に、今後の対策でございますが、まず16ページをお開きいただきたいと存じます。
 16ページのエのところにありますが、今後国道17号の対策としましては、さいたま市内の大宮バイパスの宮前ICから桶川市内の圏央道の結節点まで延長約11キロメートルにわたりましてバイパスを整備することにより交通量の分散を図ってまいります。
 次に23ページをお開きいただきたいと存じます。
 国道16号の対策としましては、同国道におきまして県内で唯一2車線のままとなっております入間市から狭山市にまたがる区間、ここにつきまして早期に4車線化を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして飛びますが、34ページをお開きいただきたいと存じます。
 主要課題の2点目になりますが、都市地域における大気汚染対策につきましてご説明させていただきます。
 本地域におきましては、これまでの対策によりまして、大気の環境質につきまして、改善の傾向を示しております。しかし、光化学オキシダントにつきましてはすべての測定局で環境基準を達成していない状況です。
 38ページをごらんいただきたいと存じます。
 達成目標としましては、光化学オキシダントの原因物質であります揮発性有機化合物対策を進めまして、環境基準、超過及び注意報の発令基準以上となる日数の低減を図ってまいります。
 次に、個別政策でございますが、発生源対策としましては、揮発性有機化合物につきまして引き続き工場、事業所に対する規制を行ってまいります。
 また、緊急時対策としましては、緊急時通報によりまして県民への周知を行うとともに、工場へばい煙等の削減を要請しまして、被害の未然防止に努めてまいります。
 続きまして、40ページをお開きいただきたいと存じます。
 主要課題の3点目の河川の水質汚濁につきましてご説明させていただきます。
 BODに関しましては、環境基準を達成したことがない水域としまして、福川、それから鴨川、ダイオキシンに関しましては、水質の環境基準を超過しております綾瀬川、古綾瀬川、それから新方川の計5河川を対象といたしました。
 43ページをお開きいただきたいと存じます。そのうちのBOD関係で、福川でございますけれども、福川は主に生活排水による汚濁が著しい河川でございますので、水質汚濁対策としましては、下水道の面整備を進めるとともに合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の整備を推進してまいります。
 また、立入検査等の実施によりまして、排水規制基準の遵守徹底を図ってまいります。
 次に、46ページをお開きいただきたいと存じます。
 鴨川でございますけれども、鴨川も福川と同様に生活排水による汚濁が著しい河川でございますので、下水道の面整備等を進めるとともに、立入検査等を実施してまいりたいと考えております。
 続きまして、48ページをお開きいただきたいと存じます。
 ここからダイオキシンの関係になりますが、まず綾瀬川でございますけれども、綾瀬川におきましては、複数の地点でダイオキシン類の環境基準超過が見られますので、今後関係機関と連携しまして、情報収集を図るとともに、引き続き重点的な監視を行ってまいります。
 続きまして、51ページをお開きいただきたいと存じます。
 古綾瀬川でございますけれども、古綾瀬川におきましては水質及び底質におきましてダイオキシン類の環境基準超過が見られますので、対策としまして重点的な監視を継続しますとともに、治水上、支障のない手法によりまして対策手法を今後考えております。
 また、工場、事業場につきましては、立入検査を継続して実施してまいります。
 続きまして、52ページをお開きいただきたいと存じます。
 新方川でございますけれども、新方川では水質におきましてダイオキシンの基準超過が見られますので、対策としまして今後重点的な監視を継続するとともに、工場、事業場に対しまして、立入検査等により継続して指導してまいりたいと考えております。
 以上、主要課題の対策を中心に埼玉地域公害防止計画の概要を説明させていただきました。
 今後、本計画に基づきまして、総合的に施策を講じてまいります。したがって、環境質の改善を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 続いて、千葉地域についてお願いをいたします。

○千葉県 千葉県環境政策課の生駒と申します。よろしくお願いいたします。
 私のほうからは、資料4-3、千葉地域公害防止計画(案)について簡単にご説明させていただきます。
 案の1ページ目をお開きください。
 計画策定の趣旨というところがございますけれども、昭和45年度に千葉市原地域、そして47年度に江戸川流域の公害防止計画を策定しております。
 さらに、昭和49年度に両計画を統合した千葉臨海地域公害防止計画を策定しまして、その後、平成7年度には名称を千葉地域公害防止計画として、各種の公害防止施策を推進してきたところでございます。
 現況についてですけれども、1ページ、2ページに記載してございますが、各種公害施策の実施による効果により前回計画策定時の基準年である平成13年度と比較しますと、全体的に改善は進んでおりますが、依然として取り組むべき課題、光化学オキシダント、水質、自動車騒音など、そういったところがございます。
 大気汚染では、8項目中3項目は、平成18年度は未達成の状況でございます。
 また、水質汚濁では、湖沼のCODで4水域すべてで環境基準が未達成。さらに、海域のCODにつきましては、11水域中4水域で環境基準が未達成。また、地下水については、一部地域で環境基準が未達成です。
 さらに、自動車騒音については評価対象家屋のうち約18%が未達成と、そういった状況にございます。今後も引き続き総合的な公害防止施策を講じていく必要があるというふうに考えております。
 3ページをお開きください。
 3ページには、千葉地域公害防止計画策定地域ということで、当地域の策定地域を図示してございます。
 この図の中で、東京湾の湾岸の部分で357号線という幹線道路が走ってございます。また、松戸から我孫子に向かって、国道6号線が幹線道路として走ってございます。また、野田から千葉に向かって、国道16号、千葉を縦断するような形で16号線が走っております。そういった状況にございます。
 続きまして、策定地域としては千葉市以下合計21市が対象となっております。
 次に、7ページをお開きください。そういった状況、現況を踏まえまして、今回の計画の主要課題として大きく4点、1つは自動車交通公害、それから2番目としては、なかなか水質の改善が進んでいない印旛沼、手賀沼の水質汚濁。それから、3番目としては、東京湾の水質汚濁。さらには、4番目としては、地下水汚染。以上、4点をこの計画の主要課題としてございます。
 9ページをお開きください。
 9ページ以降につきましては、公害防止施策ということで、特に主要課題について簡単にご説明したいと思います。
 9ページの第1節で主要課題への対応ということで、まず1点目は、自動車交通公害対策、先ほども申し上げましたように、県内の主要幹線であります国道6号。それから、国道16号、国道357号の3路線につきましては、依然として環境基準が達成されてない状況が継続しておりますので、大気汚染対策、騒音対策を実施していきたいと考えております。
 以下、それぞれの6号、16号、357号線の対策について、個別の施策、共通施策について記述させていただいております。
 15ページをお開きください。
 これが、国道6号の個別政策。それから、共通施策を書いてある部分でございます。
 個別政策としては、交通流・交通量対策、交差点対応、それから関連道路の整備など、そういった対策をとっていきたいというふうに考えています。
 また、Bのところでは道路の構造対策ということで、低騒音舗装を順次施工したり、また遮音壁や低層遮音壁、そういったものを設置したいというふうに考えております。
 共通施策としては、発生源対策、交通需要の調整、低減など、そういったことを考えてございます。
 体系図が21ページにございますが、後ほどごらんいただければと思います。
 37ページをお開きください。
 37ページが印旛沼、手賀沼の水質汚濁対策ということで、ここの部分は現況が書かれてございます。
 印旛沼につきましては、環境基準3mg/lで、基準が設定されておりますけれども、これを大きく上回っていること、また、手賀沼についても平成14年度以降かなり改善しておりますけれども、依然として環境基準を大きく上回っている、そういった状況でございます。
 推移については、38、39ページに図示してございますが、1つの大きな要因として、この37ページにもございますように、自然系由来の負荷量が多いと。いわゆる市街地の農地等からの排出負荷量の割合が多くなっているというような状況にございます。
 43ページをお開きください。
 そういったことを踏まえまして、今後講ずる施策それから達成目標として43ページの下のほうに記載してございます。
 平成19年3月に策定しました第5期の湖沼水質保全計画に基づいて、下水道の整備、それから合併処理浄化槽の整備等の推進を引き続き図っていきたいというふうに考えています。
 また、その目標の数値としては、平成22年度は印旛沼でCODで8.9、また手賀沼については8.5ということで、それを目標としております。
 また、平成22年度以降につきましては、平成42年までに達成すべき長期ビジョンということで掲げております。
 湖沼水質保全計画、今回の特徴として、先ほどの課題にもありました流水対策、市街地、農地から排水対策を重点として新たに盛り込んでございます。流水対策として重点的に対策を実施するということを盛り込んでございます。
 こちらのほうの施策の体系は60ページに記載してございますので、後ほどごらんいただければと思います。
 61ページをお開きください。
 3項目目として、東京湾の水質汚濁対策がございます。現況としては、CODについては長期的に見ますと改善の傾向にありますが、最近の5年間では概ね横ばいの傾向にあります。
 また、全窒素、全りんについても、CODと同様で、最近5年間では概ね横ばいの傾向にございます。
 この推移につきましては、62ページ、63ページに推移を図示してございます。
 71ページをお開きください。
 そういったことを踏まえまして、今後講ずるべき施策と達成目標として、平成19年6月に第6次総量削減計画を策定しておりますが、これに基づきまして、COD等の汚濁負荷への計画的な削減を図ることとしております。
 CODにつきましては、表2-1-46にございますように、平成16年度42トンだったものを平成21年度は36トンに減らそうということでございます。
 総量削減計画の当県の特徴として、県民が主体となって取り組める内容を盛り込んだ推進計画も総量削減計画の下に位置づけていこうということで推進計画も検討してございます。
 こちらの施策の体系は、77ページに例示してございますので、こちらのほうもご参考にしていただければと思います。
 78ページをお開きください。
 地下水汚染対策ということで、平成18年度、県下の概況調査272本のうち43本の井戸で環境基準を超過しております。千葉県では市町村が地下水汚染対策事業を円滑に推進できるように実質的な指導を行ってきておりますけれども、昭和63年度からは市区町村が実施する地下水汚染調査と浄化対策に助成してきております。
 こういった助成により汚染範囲を数多く確認しておりますが、汚染機構解明調査や浄化対策は経費と時間を要することから、調査中や浄化対策中の事例が多いという状況にございます。
 特に、重点的に解決を図る必要があると市長が判断した地区11地区を県が選定して、今回主要課題として記載しております。
 以下、(1)から(11)までその地区の概要を記載してございます。
 この地区で、超過している項目は、四塩化炭素、トリクロテトラなど揮発性の有機化合物、そういったものが超過している状況にございます。
 汚染機構解明調査を実施して、汚染範囲、そういった原因の特定を行った上で、浄化施設、揚水曝気等の対策を講じていきたいというふうに考えております。
 以下、一般課題として85ページ以降に大気汚染、水質汚濁、地下水汚染、騒音・振動、地盤沈下対策など、また自主的な取組みや計画の効果的な実施について記述してございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続いて、東京地域についてお願いをいたします。

○東京都 東京都環境部環境政策課の村本と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料4-4の東京地域公害防止計画(案)について簡潔にご説明をさせていただきます。
 まずこの度の計画策定地域図につきましては、3ページをごらんください。
 今回の計画では、21特別区と5市となっておりまして、前回の計画であります23特別区、23市1町から大幅に減少しております。この要因につきましては、主としてSPMの改善と考えております。
 区部のうち中野と杉並の2区がこの度策定地域からはずれておりますが、これは先ほどのSPMの改善に加えまして、二酸化窒素が環境基準を達成したということが要因でございます。
 また、多摩地域におきましては、八王子、昭島、町田、日野、福生の5市が引き続き今回も対象地域となっておりますが、これは航空機騒音及び河川のBODで基準を超過しているという地域特性が反映された結果と考えております。
 続きまして、東京地域の4つの主要課題に対する施策の方向についてご説明申し上げます。
 まず、自動車公害を初めとする大気汚染及び道路交通騒音対策についてでありますが、これにつきましては、9ページをごらんください。
 現在の環境の状況でございますが、大気汚染物質の年平均濃度の推移につきましては、光化学オキシダントを除きまして、低減もしくは横ばいの傾向にございまして、長期的には改善傾向にあります。
 二酸化硫黄、一酸化炭素につきましてはすべての一般局及び自排局ともに環境基準をクリアしておりまして、二酸化窒素につきましては、国道4号や246号など一部の幹線道路沿いの地域におきましては、関係基準が達成していないという関係で、自排局での基準達成率は4割程度となっておりますが、一般局ではすべて基準を達成しております。SPMについては、ほぼ100パーセント基準を達成しております。
 当地域は、交通量の多い道路が密に錯綜しておりますため、汚染原因を特定の道路に限定するということは困難な場合が非常に多いということから、今後の施策の方向といたしましては、移動発生源対策、固定発生源対策のほか、交通量の円滑化対策による解決を図る必要があると考えております。
 詳しい施策の体系図は、37ページに掲載しておりますが、移動発生源対策といたしまして、ディーゼル車の排ガス規制の指導、低公害車の普及促進などを進めまして、固定発生源対策では工場及び事業所に対する指導や地域冷暖房の推進などを展開してまいります。
 また、交通量対策といたしましては、道路構造対策、交通幹線システムの高度化、立体交差等の整備などを推進してまいります。
 なお、代表的な路線につきましては、38ページ以降に対策等を記述しております。
 続きまして河川の水質汚濁対策でございますが、41ページをごらんください。
 現在の環境質でございますが、都内の2河川、城山川と鶴見川でBODの環境基準を超過していますが、工場や事業場に対する規制指導や下水道の普及、生活排水対策などによりまして、平成18年BODの環境基準達成値は96%になるなど、長期的には全体的として改善傾向を示しております。
 今後の施策といたしましては、58ページに記載しております達成目標をクリアすべく合流式下水道の改善、汚泥のしゅんせつ、河川の緑化などを推進してまいります。
 また、施策の体系につきましては、60ページをごらんいただければと思います。
 また、環境基準超過河川であります城山川、鶴見川につきましては特に61ページから63ページに個別対策を記載しておりますので、あわせてご高覧いただければと思います。
 続きして、東京湾の水質汚濁対策でございますが、66ページをごらんください。
 東京湾の流域には日本の人口の約2割の人々が生活している関係で、最終的にはこの流域の河川が東京湾に流入してくるということもありまして、非常に環境負荷が多いということになっております。
 こうした背景もございまして、東京湾の現在の環境の状況に関しましては、CODにつきましては4所中3カ所で環境基準を達成しておりません。また、全窒素、全りんについては地域全体の平均では基準達成をしていますものの都内の基準点では基準値を超過しております。
 今後の施策に関しましては、76ページに記載しております達成目標に基づきまして、生活排水対策として窒素及びりんの高度処理施設の導入や合流式下水道の改善等、また産業排水対策といたしましては、規制基準の遵守の徹底及び適正な排水処理に関する普及啓発の実施など、そのほかの対策といたしましては、汚泥のしゅんせつや覆土の継続的実施を行ってまいります。
 最後に市街地土壌汚染及び地下水汚染対策でございますが、81ページ以降をごらんください。
 土壌汚染につきましては、工場跡地の改変や工場等の廃止の際に、都の環境確保条例で定められた状況調査によって判明することが多ございまして、今回の計画策定区域内におきましては、平成13年10月の環境確保条例の施行以降、19年3月までに1,779件の報告があります。うち817件で汚染が判明しております。
 また、地下水汚染につきましては、平成18年度の水質測定結果では、71地点中4地点で基準を超過しております。
 基準達成率は94%でございましたが、これは平成17年度の90%という達成率に比べれば、向上しているといえます。今後の施策につきましては、87ページに記載しております達成目標に基づきまして、区市と連携しつつ、新たな汚染の防止に努めるとともに、土壌汚染処理技術フォーラムの開催など、中小企業支援策も継続してまいりたいと思っております。
 また、北区豊島5丁目地域、ダイオキシン類の土壌汚染の対策につきましては、今年度に北区が工事を実施いたしまして、北区、都、都市再生機構の3者でリスク協議会を開催するなど適切なリスク管理を進めてまいります。
 東京都からの説明は以上で終わります。

○小林委員長 ありがとうございます。
 続きまして、神奈川地域でお願いをいたします。

○神奈川県 神奈川県環境計画課の五十嵐と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは資料4-5に基づきまして、神奈川地域公害防止計画(案)の説明をいたします。
 当地域でございますが、昭和47年以来、35年間にわたり作成をしてまいりまして、今回が第8次の計画ということになります。
 策定地域でございますが、3ページをお開きいただきたいと思います。
 申し訳ございません。ページが消えておりますけれども、図1-1-1という地図でございます。
 網掛けをしている地域が策定地域でございまして、具体的な地名で申し上げますと横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市の4市でございます。
 前計画では、14市2町が策定地域でございまして、この地図で申しますと、県のちょうど中央に相模川という川が流れておりますが、この両岸、それより東側がほぼすっぽり策定地域となっておりましたが、これにつきましては、環境質の改善ということにより今計画では、縮小ということになりました。
 地域の状況でございますが、当地域につきましては、北側を東京都に接しておりまして、首都圏の一角を形成しております。
 東側の東京湾岸部でございますが、ここでは重化学工業を中心とした京浜工業地帯がございまして、またその南側には県内一の商業集積地、横浜がございます。産業の中心地となっております。
 それから、東海道新幹線、東名高速、横浜港、それにこれは東京都でございますけれども、隣接した地域に羽田空港がございまして、各種交通機関の大幹線でありますとか路線が集中しておりまして、交通の要所となっております。
 また、内陸部につきましては、東京、それから横浜都心部のベットタウン化としておりまして、人口の集中が見られます。
 もう1つ、当地域の特徴といたしまして、策定地域のうち、2市が政令指定都市、残る2市が中核市となっておりまして、その2市のうち相模原市が平成22年に政令指定都市に移行する予定となっておりまして、市の権限が非常に強い地域でございます。
 したがいまして、地方自治の事務のうち、ほとんどが市で完結してしまうという地域でございまして、例えば典型7公害の権限はすべて市の権限となっております。
 続きまして、環境質の状況について説明いたします。
 1ページに戻っていただきまして説明させていただきます。
 まず、大気でございますが、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、二酸化窒素、ベンゼンについて環境基準が超過しております。経年的に見ますと、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、ベンゼンについては改善傾向が見られますが、光化学オキシダントについては改善の傾向が見られません。
 次に、水質についてでございますが、健康項目につきましては、河川でほう素の超過が見られます。ただし、これは、海水の影響というふうに判断しております。
 1枚おめくりいただきたいと思います。
 河川のBODでございますけれども、一水域で超過が見られます。全体的には改善傾向でございます。
 また、海域につきましては、COD、全窒素、全りん、すべて超過しておりまして、特に、東京湾岸側につきましては、改善の傾向がほとんど見られません。地下水につきましては一部有害物質の汚染が認められます。
 騒音につきましては、自動車、新幹線、航空、航空というのはこれは羽田ではなくて、厚木の米軍基地でございます。すべて超過しております。
 自動車騒音について申し上げますと、数値的には改善傾向が見られますが、達成率としては約75%と低い状況になっております。
 振動、悪臭については苦情がございます。
 主要課題につきましては、自動車交通公害、東京湾の水質汚濁、それに地下水汚染を取り上げてございます。これにつきましては、前計画と全く同じでございます。
 主要課題についての個別の説明に移らせていただきます。
 8ページをごらんいただきたいと思います。
 まず、自動車交通公害ですが、大気と騒音、2種類ございますけれども、大気につきましては、自排局20局のうち環境基準超過が二酸化窒素、浮遊粒子状物質、ともに5局ございます。
 ここでは、重点的に取り上げる地域としまして、川崎南部を選定いたしましたけれども、これにつきましては、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、ともに高濃度の2局を含んでおりまして、県内のワーストワン、ツーという状況になっております。
 この地域におきます自排局の環境質の状況ですが、9ページにグラフを載せております。経年的に見ると改善傾向にございます。
 対策につきましてですけれども、15ページ以下に掲載しております。
 この地域は、かつて川崎公害訴訟というのが争われた地域でございまして、自動車関係につきましては平成11年にこの和解しているわけですけれども、和解に先立ちまして国土交通省、首都高速道路株式会社、それに川崎市が川崎南部の沿道改善のための道路整備の方針についてというものを発表しております。これが後に和解条項に盛り込まれて、これを着実に実行することとされております。
 このうち多くは終了しているわけですけれども、まだ残っているものがございまして、引き続き着実に実施していくことになっておりまして、例えば川崎縦貫道の整備につきまして計画に盛り込ませていただきました。
 その他、共通的な対策でございますけれども、まず自動車単体の対策としまして、行政によるディーゼル規制、電気自動車の普及促進、エコドライブ、低公害車の普及、このようなものを計画に載せてございます。
 次に、交通量対策でございますけれども、物流、合理化、マイカー抑制の普及啓発等について記載してございます。
 次に、道路環境整備でございますけれども、道路のネットワーク整備、ボトルネック対策、これらについて掲載してございます。
 続きまして、騒音関係でございますが、17ページ以下に記載してございます。
 騒音についてですけれども、面評価では24.2%で環境基準を超過しておりまして、達成状況が17ページから19ページにかけて表になっておりますが、全地域的に未達成という形になっております。
 したがいまして、大気汚染と違いまして、地域、あるいは路線の限定をせずに、一般的な形で記載をさせていただきました。
 対策についてですけれども、23ページ以下に掲載しております。
 ただいま説明申し上げました大気汚染の対策につきましては、そのまま騒音の対策にもなるということで、プラスアルファという部分のみ載せてございます。
 内容につきましてですが、まずは騒音規制等、それとともに道路構造対策としまして、遮音壁の設置。それから、低騒音舗装の敷設を中心に記載をしてございます。
 続きまして、東京湾の水質汚濁についてご説明申し上げます。
 31ページをごらんいただきたいと思います。
 今まで5次にわたり、総量削減計画を策定し、実施してまいりました。その結果、流入負荷量については、着実に減少しております。
 ただし、34ページ、35ページに、各測定項目の環境基準達成状況、それから測定値の経年変化を載せてございますが、正直申し上げてあまり効果があらわれているとは言えないという状況になっております。
 36ページにその原因を載せておりますけれども、主に二次汚濁が原因であると。陸からのCODは約3分の1に過ぎないというシミュレーション結果になっておりまして、二次汚濁対策というのが課題になっております。
 対策としましては、37ページ以下に記載してございます。
 第6次総量削減計画をこれはもう既に19年6月に策定いたしました。主に、その内容について、記載をしておりますが、先ほど申し上げましたように、汚濁負荷量対策につきましては、ほぼ頭打ちになっておりまして、5次計画からの位置づけでございますが、窒素、りん対策に力を入れる形になっております。
 具体的な施策ですけれども、まず生活排水につきましては、当然下水道が中心になるわけでございますが、ただ当地域につきましては、既に普及率が99%までいっておりまして、普及率の推進、つまり量的な改善ではもう水質の改善が望めないだろうということで、高度処理という方法を打ち出しております。
 産業排水対策につきましては、新たな規制基準を設けまして、それを着実に実施していくことにしております。
 また、東京湾につきましては、広域的な連携が必要ということで、東京、千葉、埼玉等の連携、普及啓発等になろうかと思いますけれども、こういったことにも言及させていただいております。
 最後に、地下水汚染について説明申し上げます。
 42ページをごらんいただきたいと思います。
 地下水汚染の状況ですが、43ページ、44ページに測定結果を地図に落としたもの、それからは44ページ以下は表にまとめたものを掲載してございます。
 45ページの表、大変申し訳ございません。ここ一部誤りがございまして、表の真ん中から少し右側、検出率というところがございますけれども、これはパーセンテージで書くつもりでおりましたけれども、これはパーセンテージになっておりません。最終的には、これはパーセンテージに直させていただいて、修正をさせていただきたいと思っております。
 この網掛けした部分は、環境基準超過項目でございまして、内容的には2つ、揮発性有機化合物とそれから硝酸性窒素等が超過しております。
 原因ですけれども、揮発性有機物質につきましては、かつて神奈川地域、内陸性の工業地帯ということがございまして、事業所系のメッキ工場等による過去の汚染というふうに判断しております。
 また、テトラクロロエチレンにつきましては、クリーニング屋等の影響もあると考えております。
 硝酸性窒素等につきましては、これは原因ははっきりよくわからないわけですけれども、考えられることとしましては、農業、畜産系、それに生活系が原因かと考えております。
 特に、揮発性有機化合物につきましては、法規制以前の蓄積が原因ということで、新規のものにつきましては、法等によりまして規制が進んでいるという形になっております。
 対策につきましては、49ページ以下に記載しております。
 まずは調査ということで、メッシュ調査、定点調査、定期モニタリング調査、その他の周辺移動調査につきまして実施をいたしまして、県内の状況を明らかにしてまいります。
 また、発生源対策としましては、法令、条例による立入検査により有機化合物その他の管理を徹底してまいります。
 さらに、既に汚染が起きてしまっている地域につきましては、原因を特定いたしまして、この後でございますが、地下水汚染対策協議会というのを主に行政機関ですけれども、設置いたしまして工場に対する指導を徹底してまいります。
 それから、硝酸性窒素等でございますけれども、これにつきましては地下水汚染独自の対策というのはございませんけれども、発生源対策として水質汚濁対策の一環として実施してまいります。
 神奈川地域からの説明は以上でございます。

○小林委員長 ありがとうございました。
 引き続いて、京都地域、お願いをいたします。

○京都府 京都府自然・環境保全室の山田でございます。よろしくお願いいたします。
 資料4-6に基づきましてご説明申し上げます。
 まず、資料の3ページでございます。
 今回、策定します地域につきましては京都府南部の5市2町でございます。この地域につきましては昭和40年代以降に工場立地、住宅開発が進みまして、面積は京都府の20%強でございますが、人口でいいますと、平成19年3月末で180万人、京都府人口の約7割が集積するような地域になっております。
 また、4ページの地図にお示ししてありますとおり主要幹線国道、あるいは国道が集中しておりまして、現在も整備が進められている地域でございます。今後とも交通の増加が予測されているという地域でございます。
 資料の1ページに戻っていただきまして、18年度の環境質でございますが、大気関係につきましては光化学オキシダント以外はすべて環境基準に達成しております。光化学オキシダントにつきましては計画地域内の17測定地域内すべてで環境基準を達成しておりません。二酸化窒素については、25局すべてで達成しておりますが、0.04から0.06のゾーンにあるものが11局ございます。
 水質関係でございますが、河川水質につきましては、生活環境項目もすべて環境基準に達成しております。
 地下水につきましては、京都市の3地点で砒素、宇治市、八幡市の各1地点で総水銀、京都市の3地点、宇治市の3地点、長岡京市の1地点、計7地点でテトラクロロエチレン、京都市の5地点、宇治市の1地点の計6地点で硝酸性・亜硝酸性窒素、八幡市の1地点でほう素がそれぞれ環境基準の超過が確認されています。
 土壌汚染につきましては、2件が発生しております。
 次に、2ページでございますが、自動車騒音のうち点的評価につきましては、測定を行いました87地点中、昼間につきましては32地点、夜間につきましては34地点で環境基準を達成しておりません。
 また、面的評価につきましては、70の測定区間におきまして昼間は90%、夜間は86%で環境基準を達成しております。新幹線騒音につきましては、30の測定点のうち5地点で環境基準を達成しておりません。
 悪臭につきましては、アンモニア等の悪臭にかかる苦情件数が260件となっておりまして、近年増加傾向にございます。
 このように、当該地域につきましては、改善傾向であるものの依然として解決すべき課題が残されておりますので、引き続き公害防止対策を展開していきたいというふうに考えているところでございます。
 3ページに移ります。計画の目標でございます。
 環境基準達成項目につきまして、平成22年度末を目途に達成することを目標にしておりまして、計画の主要課題につきましては、従前の計画から変わっておりませんが、大気汚染及び騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止を図ること。また、大阪湾に流入するCOD汚濁負荷量の削減、窒素、りんによる富栄養化の防止を図ることとしております。
 次に、7ページでございますが、主要課題への対応でございますが、自動車交通対策のうち大気汚染対策につきましては、具体的には10ページ以降にございますが、当該地域には主要自動車道西宮線、いわゆる名神高速道路でございます。国道1号線、それから山陰地方への幹線でございます国道9号線。それから、奈良、和歌山への国道24号線。阪神、山陽地方への国道171号線が通過しております。
 全体的に平均交通量、大型車の混入率につきましては、概ね横ばいの傾向でございますが、旅行速度につきましては減少している地点が多く、交通の円滑化による渋滞緩和や速度の改善等の施策を推進することが重要と考えております。
 したがいまして過去には交通量対策として、11ページの2-1-3に示すバイパスや環状道路の整備、12ページの交通管制システムの整備、あるいは公共車両優先システムの整備、14ページからの道路構造対策、17ページの沿道対策などを進めてまいりました。
 19年度以降につきましては、21ページ以降にまとめておりますけれども、表2-1-13のとおりバイパス、環状道路等の整備を引き続き推進いたしますとともに、表2-1-15のとおり新しい交通管理システムをさらに進めることにしております。そのほかにも23ページの右折レーンの整備、立体交差事業等の道路構造対策、24ページの緑化による沿道対策、発生源対策等を進めることとしております。
 26ページ以降、騒音対策につきましても大気汚染対策の共通事項のほか、33、34ページに示すとおり遮音壁の設置、低騒音型舗装の実施等を行うこととしております。
 次に、38ページをごらんください。
 水質汚濁対策でございますが、当地域の河川は、淀川を通じまして大阪湾に流入しております。大阪湾、瀬戸内海の水質のために水質総量規制制度が設けられておりまして、昭和54年度以来、5次にわたりまして化学的酸素要求量を対象に、また第5次からは窒素、りんも対象にいたしまして総量規制を実施してまいりました。これまでの5次に及ぶ総量削減計画の削減目標などにおける排出負荷量の実績は、表の2-1-17のとおりでございますが、事業場の削減努力とそれから下水道等の処理施設の整備促進により、いずれも削減目標量を上回って達成してまいりました。
 しかしながら、大阪湾におきましては、水質が改善された水域があるものの、COD、窒素、りんの環境基準達成率の改善が十分でない状況もございますので、第6次総量削減計画、諸計画との整合を図りながら公害防止計画によりまして、下水道やその他の生活排水処理の整備や発生源の対策をする一方で、事業場排水の監視指導の徹底を図ることといたしております。
 次に、46ページ以降に主な項目別の対策でございます。
 大気汚染につきましては、平成18年度におきまして環境基準に達成していない光化学オキシダントにかかる状況の改善につきまして、53ページにお示ししておりますが、固定発生源にかかる窒素酸化物や炭化水素対策といたしまして、関係法令に基づきます規制基準の遵守の徹底を引き続き実施するとともに、揮発性有機化合物の排出抑制に対する取組みの促進など、他の計画との連携を図りながら、総合的に計画的に施策を推進してまいりたいとしております。
 それから、次に地下水汚染対策につきましては、56ページ以降でございます。
 汚染井戸所有者に対しましては水道水への転換等の指導はもとより、発生源対策といたしましては、テトラクロロエチレン等の使用事業場に対しまして調査の実施を指導をいたしますとともに、地下水汚染が確認された事業場に対しましては、浄化対策の実施を指導いたしまして、さらに計画的な立入検査によりまして、地下浸透禁止の遵守状況及び浄化対策の進捗状況の監視を徹底することといたしております。
 それから、土壌汚染対策につきましては、有害物質使用事業所への指導徹底による事前防止、汚染判明時におきましては、土地所有者等に対するリスク管理指導の実施をしております。
 新幹線騒音につきましては、66ページ以降でございますが、沿道の土地利用対策の適正化に努めますとともに、新幹線鉄道騒音振動を継続的に監視しまして、その結果を踏まえまして、必要な発生源対策の実施、あるいは障害防止対策の推進に努めるように、関係機関に働きかけて、新幹線鉄道騒音の環境基準の達成率の向上に引き続き努めてまいりたいと考えております。
 そのほか、72ページの地盤沈下対策につきましては、地下水の適正な採取と合理的な利用を図ることに努めております。
 あるいは悪臭対策につきましては、工場立地地の事前指導及び適切な土地利用の確保、あるいは関連事業所への立入検査、監視指導の実施などを行ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上、京都地域の公害防止計画の概要でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございました。
 それでは、7番目、大阪地域について、お願いをいたします。

○大阪府 大阪府環境管理室の谷垣と申します。よろしくお願いいたします。
 資料4-7に基づきまして、大阪地域公害防止計画(案)についてご説明申し上げます。
 まず、策定地域の範囲ですけれども、3ページの地域図をごらんいただきたいと思います。
 全体の計画では、37市町が対象でございましたけれども、環境の改善により対象地域が減りまして、網掛けの12市町村を除く31市町が対象となっております。
 1ページに戻っていただきまして、平成18年度の大阪地域の環境質の状況につきまして、これにつきましては長期的には改善傾向ではございますけれども、環境基準の未達成な項目を中心にご説明させていただきたいと思います。
 まず、二酸化窒素ですけれども、101測定中、自動車排ガス局5局で環境基準を達成しておりません。
 また、浮遊粒子状物質は、98測定局中、一般環境測定局1局、自動車排出ガス測定局2局で環境基準を達成しておりませんでしたが、これらは2日連続超過によるものでございます。
 光化学オキシダントは、全測定局で環境基準が未達成で、ベンゼンにつきましては、沿道局2地点で未達成でございました。
 次に、水質汚濁につきましては、健康項目につきまして、自然由来のものを除きますと、鉛が1地点で未達成でございました。また、ダイオキシン類につきましては、水質では8地点、底質では2地点で達成しておりません。
 河川のBODは、68水域中、20水域、約3割で環境基準を達成しておりません。また、海域につきましては、8水域中4水域で達成していない状況でございます。
 窒素、りんにつきましては、すべての水域で達成いたしました。
 2ページにまいりまして、地下水は概況調査の5地点、定期モニタリング調査の49地点で達成しておりません。騒音につきましては、自動車騒音の面的評価による環境基準の達成率は85%、新幹線鉄道騒音は17地点中12地点で達成しておりません。航空機騒音は、13測定地点中10地点で達成していない状況でございます。
 次に4ページにまいりまして、今回の計画の主要課題を掲げておりまして、大気汚染や騒音による自動車交通公害、BODやダイオキシン類による河川の水質汚濁、CODや窒素、りんによる大阪湾の水質汚濁、トリクロロエチレン等による地下水汚染の4点でございます。
 それでは、主要課題につきまして、施策を中心に説明させていただきます。
 まず、自動車交通公害対策としましては、11ページに記載しておりますとおり、区域の大部分が自動車NOx・PM法の対象地域となっておりまして、平成15年7月に策定した「大阪府自動車NOx・PM総量削減計画」に基づきまして、一定期間を過ぎると使用できなくなる車種規制や低公害な車の普及促進などの発生源対策、鉄道などの公共交通機関の整備、バイパス道路の整備などの交通対策、エコドライブ推進やアイドリング停止などの啓発活動を進めておるところでございます。
 平成17年度に実施しました「自動車NOx・PM総量削減計画」の中間評価におきましては、計画の着実な実施が確認されましたが、一方で車種規制適合車への代替が遅れている対策地域外からの非適合車が対策地域へ流入し、負荷が増大している状況にございます。
 このため、15ページに記載しておりますけれども、計画目標の早期かつ着実な達成のため、昨年10月に府条例を改正いたしまして、流入車規制を実施することといたしました。
 対策の内容は、府域の対策地域内を発着する対象自動車の運行を行う者への適合車の使用の義務付け、また荷主や旅行業者等が運送を委託する場合に、委託業者に適合車の使用を求めることなどでありまして、平成21年1月の規制開始を予定しております。
 また、自動車騒音につきましては、45ページから記載しておりますけれども、自動車騒音が深刻な地域につきましては、大阪府道路環境対策連絡会議によりまして、関係諸機関と連携を図りながら遮音壁の設置や低騒音舗装の敷設を初めとした沿道環境改善のための対策を進めております。
 続きまして、河川の水質汚濁でございますが、50ページから記載しております。
 河川の水質汚濁の約8割が生活排水によるものとなっておりますので、平成15年に策定いたしました大阪府生活排水処理実施計画に基づきまして、下水道と浄化槽などを適切に組み合わせて、効率的で経済的な処理施設の整備が進みますように、市町村が生活排水処理計画の策定、または見直しを進めるなど、生活排水対策を推進しているところでございます。
 また、汚濁の著しい代表的な河川といたしましては、大和川水系の東除川、西除川におきまして63ページから記載しております。
 特徴といたしましては、自己水量が少なく、自浄作用が低いということがございまして、生活排水対策に加えまして、薄層流浄化施設の設置、あるいは下水道の高度処理水を浄化用水として導水するなどの対策を行います。
 また、大和川水系におきましては、平成18年度に「Cプロジェクト計画2006」を国、奈良県関係市町とともに策定しておりまして、地域住民とも連携して、流域全体の環境改善に取り組んでまいります。
 河川のダイオキシン類につきましては、77ページから記載しておりますけれども、環境基準を達成していない地点におきまして、汚染原因調査を実施いたしますとともに、底質につきましては、水質への影響を低減させるため、汚染範囲を確定し、しゅんせつ除去等の対策を講じることとしております。
 次に、閉鎖性海域であります大阪湾の水質汚濁につきまして、83ページから記載しております。昨年6月に策定いたしました第6次の水質総量削減計画を推進いたしまして、COD、窒素、りんの発生の削減を図りますとともに、関係自治体、関係機関と連携いたしまして一斉水質調査、クリーン作戦などを行うということで、大阪湾の再生に向けて取り組みを進めてまいります。
 地下水汚染につきましては、96ページですけれども、概況調査による状況把握を行いますとともに、汚染井戸周辺地区調査による汚染原因調査によりまして、原因が判明した場合には浄化対策指導を行います。また、継続して監視が必要な場合には、定期モニタリング調査を実施しております。
 さらに、本府では、震災等の際に、生活用水を確保するために、平成17年度から災害時協力井戸の登録制度を運用しておりまして、その際に水質検査を行い汚染が判明した場合には、概況調査と同様に汚染井戸周辺地区調査を実施しております。
 以上、4つの主要課題に対する対策を説明させていただきました。よろしくお願いします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続いて、兵庫地域、説明お願いいたします。

○兵庫県 兵庫県環境影響評価課の森本でございます。
 私のほうからは、資料4-8に基づきまして兵庫地域公害防止計画(案)についてご説明申し上げます。
 4ページをお願いいたします。
 当地域は、兵庫県の南東部に位置しております。今回の策定地域は、神戸市など7市でございまして、前回の計画では12市町が今回は7市ということで、着実に環境質の改善に努めてきたところでございます。
 私からは、8ページにありますように、この計画の主要課題として掲げました、交通公害、大阪湾の水質汚濁の2つの主要課題を中心にご説明申し上げたいと存じます。なお、主要課題についても環境質の改善が進んだことから、前回の計画の4つから河川の水質汚濁と地下水汚染がなくなり、2つに減少しております。
 1つ目の交通公害でございますが、10ページをお願いいたします。
 まず、大気汚染については、国道43号線等阪神地域の主要3幹線道路沿道では、自動車排ガス局7局において測定を実施しております。
 浮遊粒子状物質については環境基準を達成しておりますが、二酸化窒素については7局中3局が環境基準未達成となっております。
 また、自動車騒音については、評価対象の住宅等1万1,492戸のうち、1,785戸、約16%が環境基準を超過しております。
 28ページをお願いします。
 そのような状況を踏まえまして、今後講じてまいります施策について説明させていただきます。
 当地域は、自動車NOx・PM法の対象地域であり、兵庫県自動車NOx・PM総量削減計画が平成15年8月に策定されるとともに、同法に基づく車種規制が実施されております。さらに、阪神東南部地域では、平成16年10月から「環境の保全と創造に関する条例」に基づきディーゼル自動車等運行規制を実施しており、今後もその制度の的確な運用を図ることとしております。
 また、低公害車や低排出ガス車の普及促進、物流の効率化や新交通管理システムの推進等、交通需要の調整低減、交通円滑化のための道路改良等交通流対策の推進など、総合的な自動車公害対策を実施することとしており、その体系は32ページに掲載させていただいております。
 続きまして、34ページをお願いいたします。
 新幹線鉄道騒音ですが、当地域では、山陽新幹線が延長約51キロ通過しております。県が実施した結果では、5カ所、15地点のうち2地点が環境基準を超過しております。
 40ページをお願いいたします。
 今後とも、西日本旅客鉄道株式会社において車両対策や防音壁の新設等、発生源対策を実施していただくとともに、41ページに掲げる施策を講じることとしております。
 42ページをお願いいたします。
 2つめの主要課題である大阪湾の水質汚濁についてでございます。
 大阪湾では、CODにつきましては、6水域中3水域で環境基準を超過しております。全窒素、全りんにつきましては、3水域中すべての水域で環境基準を達成しておりますが、全りんについては、前年の17年度では1水域で環境基準超過の状況であり、安定的な環境基準達成とはいえない状況でございます。
 この大阪湾は、流入する汚濁負荷量が多く、また外洋水との交換が悪い閉鎖性海域であることから水質改善が進まない現状であります。この水質改善を図るために、これまで5次にわたりまして、総量削減計画を策定し、対策を実施しております。
 昨年6月に第6次総量削減計画を策定いたしまして、引き続き下水道や浄化槽等生活排水処理施設の整備、工場、事業場での総量規制遵守の徹底の指導を行うこととしております。
 さらに、失われた藻場、干潟の回復や創造を目指すなど、瀬戸内海再生の取組みを行ってまいりたいと考えております。
 54ページ以降に、大気汚染等その他の施策について記載しております。
 私からの説明は、以上でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 次に、奈良地域、お願いをいたします。

○奈良県 奈良県環境政策課の岡本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうからは資料4-9に基づきましてご説明させていただきます。
 奈良地域公害防止計画についてのご説明でございます。
 奈良県では、昭和47年度より大和川の水質汚濁防止対策を課題とする公害防止計画を策定してまいりました。全計画を含めまして一定の成果をあげてきたところでございます。
 しかしながら、1ページをごらんになっていただきたいのですが、平成18年度における環境質の状況につきましてですが、大気汚染につきまして、中段にございますが、光化学オキシダントにつきましては、5測定局中、全局において環境基準を達成しておりません。
 さらに、2ページでございますが、河川水質汚濁につきましても18水域中9水域、CODにつきましても、2水域中1水域というふうなところで環境基準の未達成がございます。
 騒音につきましてもそういったところで達成ができていないというふうな現状にございます。したがいまして、今後も引き続き騒音対策を講ずる必要があるというふうな認識でございます。
 続きまして、資料4ページをごらんになっていただきたいと思います。
 4ページには、計画の目標を掲げてございます。当地域におきます環境基準の達成項目につきまして、平成22年度を目途に達成されるように努めるものとして本計画を策定しているものでございます。
 次に、7ページをごらんになっていただきたいと思います。
 計画の主要課題について掲げさせていただいております。
 本県では、先に述べましたように、自動車交通公害対策、騒音、光化学オキシダント、さらには河川の水質汚濁の達成でございます。こういったことが本県地域における主要課題ということでございます。
 次に8ページをごらんになっていただきたいと思います。
 ここでは、そういった課題に対します公害防止の施策について記述をさせていただいておりまして、まず主要課題としまして交通公害対策並びにちょっと飛びますけれども、19ページに河川の水質汚濁対策を記載させていただいております。
 この2点、自動車交通公害対策と19ページの河川の水質汚濁対策を主要課題への対応ということで提示をさせていただいております。
 初めに、自動車交通公害対策につきましては、全体的な体系としましては、18ページに記載しておりますが、そこに国道24号線、本県の南北を縦断する幹線道路でございますが、その対応としまして、交通流対策、そういったことを中心にこちらのほうに記載させていただいておりまして、そういったことへの取組みを図ってまいりたいというふうに考えております。
 12ページのところに記載しておりますが、過去の施策の強化、分析ということですけれども、これまで大和御所道路の部分供用になったことによりまして、郡山ICより南側につきましては、相当な交通量の分散が図られ、交通の改善が図られたところでございます。
 一方、国道308号線につきましても13ページ以降、対策を講じまして、将来的にはそういう高規格な道路の建設をすることによって更なる交通量対策を図っていけるものというふうに考えているところでございます。
 体系的なところでは、18ページに記載しておりますが、その中でもパークアンドライド、高度道路交通システムの導入といったところで対応を図っていこうというふうな計画にさせていただいております。
 次に、19ページでございますが、大和川を中心とする河川の水質汚濁の対策について掲げてございます。
 初めに21ページをちょっとごらんになっていただきたいんですが、これが大和川の支川も合わせた流域図でございます。
 左の端の王寺町というところに1番というところがございまして、これが奈良県側から大阪府への最下流地点でございまして、この左の表の一番上の地点に当たります。そこからずっと矢印が東のほうに伸びておりまして、葛城市と書いてある右下あたりから大和川の支流があるんですが、この本川に多数の支川が流入するというふうな特徴を持った河川の形態を示してございます。
 したがいまして、この大和盆地に県の人口の大方8割が住んでおりまして、多くのそういった生活排水がその河川の中に流入するという特色を持ってございます。
 したがいまして、対策としましては下水道整備、最も効果的というところで、その23ページをごらんになっていただきたいんですが、藤井というところに河川のBODの変遷が載っております。平成7年度ごろをピークに、最近では5.9ということで、相当数値改善が図られましたが、環境基準の5までは達成しておりませんが、相当改善が図られてきております。
 しかしながら、常々、全国ワーストナンバーということで、ランクインしておりまして、これからさらになお一層の生活排水対策の取組みが必要というところでございます。
 次に、27ページをごらんになっていただきたいと思います。
 あとは水質汚濁の要因分析でございます。
 生活系が84%というところで、下水道の普及率につきましてはおかげさまで80%というところで相当普及も進んでいるんですけれども、大和高田市、生駒市におきましては、いずれも50%を下回り、下水道整備は立ち遅れているというふうな状況でございます。
 したがいまして、37ページに河川の水質汚濁対策にかかる共通施策の体系を示しているんですが、特に、生活排水対策での取組みが重要と認識しているところでございます。このほかにも対策を総合的、継続的に実施し、本県環境基準の達成を計画としております。
 また、40ページ以下には、大気汚染、水質汚濁、地下水、騒音、廃棄物といった一般対策について記述してございます。
 奈良県からは以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございました。
 引き続きまして、和歌山地域についてお願いいたします。

○和歌県 和歌山県環境生活の宮坂と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料4-10に基づきまして、和歌山地域公害防止計画(案)についてご説明申し上げます。
 まず、計画の範囲ですが、3ページの図1-2-1をごらんください。公害防止計画を策定する地域は和歌山県の区域のうち、和歌山市の1地域となってございます。
 次に、和歌山地域における平成18年度の環境基準未達成項目についてご説明申し上げます。
 大気汚染ですが、光化学オキシダントについては、7測定局中、すべてにおいて環境基準が未達成となっております。
 また、浮遊粒子状物質について、8測定局中2局において環境基準が未達成になっておりますが、これは大陸由来の黄砂による影響と考えております。
 続きまして、水質汚濁ですが、健康項目につきまして、39測定地点中、1地点でフッ素が、6地点でほう素が環境基準値を超えておりますが、これにつきましては、海水の影響によるものであると考えております。
 生活環境項目では、河川のBODについて、10水域中3水域において環境基準を達成しておりません。
 地下水につきましては、定期モニタリング調査におきまして、1地点、環境基準を達成しておりません。
 自動車騒音につきましては、評価の対象といたしました住居1万873戸のうち1,443戸、13.3%が環境基準を達成していない状況でございます。
 計画の目標でございますが、5ページ、6ページに示しておりますとおり、今ご説明申し上げました環境基準未達成項目につきまして、平成22年度末を目処に環境基準が達成されるよう努めることとしております。
 お戻りいただきまして、4ページをごらんください。本計画において特に重点的に解決を図るべき主要課題が2点ございます。
 1点目といたしまして、自動車交通公害ということで、騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止を図ることでございます。2点目といたしまして、河川の水質汚濁ということで、水質汚濁が著しいBODにかかる水質汚濁の防止を図ることでございます。
 以下、これらの主要課題について、今後講じる施策を中心にご説明申し上げます。
 まず、自動車交通公害対策ですが、10ページをごらんください。
 当該課題にかかる要因分析でございます。
 当地域は県内外の幹線道路や鉄道の結節点であり、また関西空港が近く、特定重要港湾下津港を擁するなど、陸、海、空の交通ネットワークの拠点となるべき地域でもございます。
 また、表2-1-5で示しておりますとおり県内の自動車保有台数が年々増加傾向にあるとともに、11ページの図2-1-2で示していますとおり、自動車依存率が平成17年度95.8%と全国と比較して高くなっている状況であり、交通流対策、発生源対策が必要であると考えております。
 今後の対策ですが、16ページ以降にお示ししてございます。
 交通流を分散させ、沿道における交通騒音の軽減を図るため、一般国道24号和歌山バイパスの4車線化を初めとしたバイパス道路の整備や立体交差の整備、交通管制システムの拡充等を実施することとしております。
 また、発生源対策といたしまして、ノーマイカーデー運動やパークアンドライド促進のための駐車場の整備などにより公共交通機関の利用促進を図るとともに、平成19年9月に施行いたしました和歌山県地球温暖化防止条例に基づきまして、低公害車への転換、エコドライブやアイドリングストップの取組みを促進することとしております。
 次に、河川の水質汚濁ですが、31ページをごらんください。
 当該課題にかかる要因分析ですが、下の図2-1-12に示しますとおり、すべての河川におきまして汚濁原因として生活排水が占める割合が大きく、河川汚濁の主な原因が生活排水であると考えられます。
 32ページをごらんください。
 今後の対策についてですが、流入負荷量を下げるということを基本に、生活排水対策等を進めてまいりたいと考えております。
 まず、下水道の整備促進でございますが、表2-1-25に示していますとおり、現状の普及率は29.2%とかなり低い水準となってございます。
 平成22年度までに、約2万人分の下水道人口を増やし、普及率を34.6%にすることとしてございます。
 このほか、漁業集落排水処理施設を整備するとともに、供用済みの農業集落排水施設の接続率を上げていくこととしております。
 また、説明会の実施や啓発用のパンフレットの配布等、生活排水対策に関する啓発活動により県民の方々の意識の高揚を図ることとしております。
 さらに、水質の浄化を図るため、河川のしゅんせつを水野川・大門川で実施するとともに、和田川等への導水を実施することとしております。
 工場事業所の対策といたしましては、平成3年に施行されました「和歌山市排出水の色等規制条例」等における対象工場、事業場に立入調査を行い、排出基準の適合状況を監視するとともに、特定施設や排水処理施設の維持管理の徹底を指導することにより、排水の管理をしていくこととしております。
 以上が、主要課題に対する対策でございます。
 そのほか、主な対策といたしまして、大気汚染のうち光化学オキシダントにつきましては、固定発生源対策として、排出基準遵守のための立入検査、大規模工場の新増設に対する環境評価を行うよう指導することとしております。
 また、地下水の汚染対策につきましては、耕地での施肥の影響が大きいと推測されるため、調査を実施するとともに、耕地での肥料、農薬の適正使用等をうながすこととしております。
 最後になりましたが、当地域におきましては、以前に比べると環境の改善が図られてきておりますが、環境基準に達成していない項目がある状況でございます。
 関係機関等と連携いたしまして、環境基準達成に向け施策を講じていきたいと考えております。
 以上、和歌山地域公害防止計画の概要でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続きまして、北九州地域につきましてお願いいたします。

○福岡県 福岡県環境保全課の堀家と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料4-11、北九州地域公害防止計画(案)に沿って説明させていただきます。
 北九州地域は、九州の最北端に位置しまして、本州と九州の接点であるとともに、中国や東南アジアと我が国とを結ぶ国際航路上に位置し、古くから鉄鋼業、化学工業等が盛んな地域として発展してまいりました。産業の発展とともに、大気汚染や水質汚濁などの公害が深刻化し、昭和47年度から公害防止計画を策定し、改善に努めてきたところでございます。
 3ページをお開き願います。
 当地域の計画策定範囲は、北九州市1市となっております。今回、策定指示がありました主要課題は、自動車交通公害対策と洞海湾の水質汚濁対策の2点でございます。
 資料の9ページをお開き願います。
 まず、自動車交通公害対策についてでございますが、当地域は、本州とつながる国道2号のほか、市内を東西に走る国道3号や大分方面に伸びる国道10号の基点となっており、交通の要衝となっております。
 大気汚染の状況ですが、二酸化窒素につきましては、19測定局中1局、自排局の黒崎測定所で環境基準を超過しております。
 また、ベンゼンについては、5測定局中1局、自排局の西本町測定所で超過しており、いずれの測定局も国道3号沿道にございます。
 浮遊粒子状物質については、平成18年度は環境基準を達成しておりますが、西本町測定所では、他局に比べ、年平均値が高い状況が続いております。
 国道3号は、本州と九州各県とを結ぶ主要道路でございまして、特に、八幡西区西本町、八幡東区の皇后崎区間は特に交通量が多く、大型車の混入率も高い状況となっております。
 このことから、本計画では、特に国道3号の西本町~皇后崎間の自動車排出ガスにかかる大気汚染対策を重点に施策を講じることといたしております。
 これまでに不正改造車両の排除運動や公用車への低公害車の導入等、発生源対策を進めますとともに、交通流の分散を図るため、国道3号に平行する前田熊手線の整備を図ってまいりました。
 この結果、西本町近くの春の町5丁目観測地点では交通量が減少するなど、一部効果が出始めているものの黒崎では依然としまして交通量の増加が見られるところでございます。
 西本町~皇后崎間は、平野部が細長く、北九州市内の東西を結ぶ幹線道路が少なく、通勤時間帯には国道3号に交通が集中し、激しい交通渋滞を招いている状況でございます。
 今回の計画では、主な対策としまして、国道3号の黒崎バイパスの整備や立体交差などにより交差部の改良、交通管制システムの整備により交通量、交通流の対策を実施していくこととしております。
 続きまして、資料23ページをお開き願います。
 自動車騒音でございますが、測定地点、28地点中、13地点で環境基準を超過しております。本計画では、住居環境に大きな影響を与えていることとして、騒音規制法第17条第1項の環境省令でかんがみる限度を超過した地域につきまして、低騒音舗装等の実施による対策を図っていくこととしております。
 28ページをごらんいただきたいと思います。
 また、国道3号につきましては、北九州国道事務所においても、自動車騒音測定を実施しており、夜間70デシベルを超過する地域について所要の施策を取ることといたしております。
 総合的な施策としまして、引き続き公用車への低公害車等の導入などの発生源対策、都心循環交通利用やパークアンドライド等、交通マネジメントの推進による交通流、交通量対策、船舶輸送の促進を図るための物流対策、啓発活動を実施していくことといたしております。
 2点目としまして、洞海湾の水質汚濁対策でございます。
 資料46ページをお開きいただきたいと思います。
 洞海湾は閉鎖性海域でございまして、その沿岸部は、製鉄、化学工場等が数多く立地しておりまして、当地域におきまして、工場の集積率が高い地域となっております。
 水質の状況でございますが、COD、窒素、りん、いずれも環境基準を達成しておりますが、窒素につきましては環境基準を水域内の測定地点の平均で評価することから、環境基準は達成していますものの洞海湾の細長い形状から湾の奥部は依然として窒素が基準値を超える状況が続いております。
 資料の47ページの図2-1-11をごらんいただきたいと思います。
 湾奥部のD6では、平成18年度の窒素濃度は1.6mg/lであり、依然として環境基準値を超過した状態が続いております。
 また、洞海湾に対する全窒素を見ますと、産業系が73%、生活系が24%と産業系の割合が最も大きくなっております。
 これまでに水質汚濁防止法に基づく総量削減計画を策定しまして、事業場への排出量、削減の指導、事業場の生産工程の見直し等により改善されてきましたが、今後とも引き続き平成19年度から施行されました第6次総量削減計画に基づき、総量規制基準の遵守の徹底を図ることといたしております。
 また、生活排水対策として、合流式下水道の改善や浄化槽の普及に努めますとともに、住民への啓発活動や住民と協働した環境整備を図っていくことといたしております。
 以上、主要課題を中心に説明させていただきました。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、大分地域について、お願いいたします。

○大分県 大分県の生活環境部の加藤です。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料4-12でございます。
 初めに、3ページをお開きいただきたいと思います。
 大分地域につきましては、策定区域につきまして、1市の計画というふうになっております。
 資料1ページに戻っていただきまして、計画案についてご説明いたします。
 大分地域ですが、大分県の中央部に位置しておりまして、鉄鋼と石油化学工業を基幹といたします大分石油コンビナートを初めといたしまして、非鉄金属や半導体の工場等が立地をしており、商工業都市として発展をしております。東九州の交通の要衝にもなっております。
 現在の人口は47万人となっております。大分地域につきましては昭和47年に1次の公害防止計画を策定いたしまして、以後、平成14年に定めました7次計画に至るまで、さまざまな公害対策を進めてまいりました。
 この結果、大分地域の環境につきましては、概ね良好な状態を保っておりますけれども、光化学オキシダント、ベンゼン、騒音などにつきまして環境基準が未達成でありますことから本地域におきます環境状況の一層の改善を図るため、策定指示を受け、引き続き第8次計画を策定するものでございます。
 資料4ページをお願いいたします。
 計画の目標につきましては、18年度の環境基準の未達成項目につきまして22年度末を目途に環境基準が達成されるように努めることとしております。
 次に、8ページをお願いいたします。
 本計画における大分地域における主要課題については2点であります。1点目が工業地域における大気汚染。2点目が自動車交通公害対策でありまして、環境基準が未達成の大気中の光化学オキシダント、ベンゼンと自動車騒音の改善に向けた取組みを行うこととしております。
 なお、この中に降下ばいじんが入っております。これについては環境基準が定められておりませんが、9ページの後半の部分に記載しておりますように、大分地域につきましては、現に生活環境に影響を及ぼしておりますことから、あわせて取り組むこととしております。
 主要課題の対応についてご説明をしたいと思います。
 9ページの最初からですが、1点目の工業地域における大気汚染につきましては、先ほどもご説明しましたように、光化学オキシダントにつきまして、測定地点の6測定局すべてにおいて環境基準が未達成の状況です。
 なお、ベンゼンにつきましては、大分市内の5測定地点で測定をしております。比較的高濃度の状態になっておりますけれども、環境基準の未達成の地点については、自動車排ガスの測定局2局でありますことから、ベンゼン対策につきましては18ページ以降の自動車交通対策の項で記載をしております。
 光化学オキシダントの状況ですけれども、11ページにグラフがございますけれども、この地域については、環境基準であります0.06ppmを超えた日数はほぼ横ばいで推移をしております。
 19年度につきましては、私どもの県では昭和47年度からずっと観測を進めてまいったんですけれども、光化学オキシダントについて注意報を発令しておりまして、大分地域についても注意報の前の段階であります予報を発令しております。
 今後の対策としましては、14ページをお開きいただきたいんですが、原因物質であります窒素酸化物、それから炭化水素、揮発性の有機化合物を排出する事業場に対しまして、公害防止対策等に基づいて排出量の削減を指導してまいりたいと思います。また本地域については、発生源テレメーターシステムがございますので、工場から排出される窒素酸化物等の汚染物質の濃度につきまして、常時監視を行いますとともに、被害発生を未然防止するために緊急時の対策についても徹底をしてまいりたいと思います。
 次に16ページに、降下ばいじん対策を記載しておりますけれども、これまでも関係の企業に対しまして、公害防止協定等に基づきまして、粉じんの防止のための防塵ネットの設置等の対策を継続して指導してまいりました。今後とも17ページの降下ばいじん対策の体系に従いまして、施設・設備の密閉化、高性能の集じん機能の導入等を計画的に行うよう指導してまいりたいと思っております。
 次に、18ページをお願いいたします。
 2点目の自動車交通公害対策ですが、まず自動車排ガス対策につきましては、大分地域の幹線道路であります国道10号、210号線に自動車排ガス測定局を設置しておりまして、二酸化窒素や浮遊粒子状物質につきましては環境基準を達成しておりますけれども、ベンゼンについては、移動性排ガス局の2局とも基準が未達成となっております。
 また、先ほどもご説明をしましたけれども、ほかの一般局についても比較的高濃度にあります。大分地域は石油コンビナート、BTXの製造施設もありますので、そういう固定発生源の影響も受けているものと考えられますので、講じる対策につきましては22ページですけれども、自動車排ガス対策としましては交通流の円滑化を図るための道路の拡幅、信号機の高度化や自転車の利用促進を図ってまいります。固定発生源対策としましては、ベンゼンを排出する事業場に対しまして、設備等の徹底化や排ガス処理施設の設置等の排出抑制対策を指導してまいります。
 次に、自動車騒音対策ですけれども、25ページをお開きください。
 25ページの中で、騒音の環境基準の達成率を表にしていますけれども、面的評価でも国道10号と210号、それから市道下郡宮崎大通り線におきまして環境基準の達成率が低くなっておりますので、この3つの路線の対策に騒音対策を講じることにより、騒音の環境基準達成を目標にいたしております。
 個別対策につきましては、30ページをお開きください。
 まず、交通流・交通量対策につきましては、円滑な交通流を確保するため、中心市街地であります大分駅周辺の連続立体交差事業を現在実施しておりますので、更に対策を進めていきますとともに、国道10号を初めとする主要幹線道路におきまして、道路拡幅の計画的な実施や、信号機の系統化等により交通流の配分誘導を進めてまいります。
 また、道路構造対策につきましては、31ページですが、騒音対策としまして国道10号など交通量が多い地域から低騒音舗装を実施してまいりたいと考えております。
 その他、水質汚濁対策や、地下水汚染対策等について記載をしております。
 以上、主要課題の対策を中心として、大分地域の公害防止計画の概要を説明いたしました。今後本計画に基づきまして、総合的に環境保全対策を講じてまいりたいと思っております。以上です。よろしくお願いします。

○小林委員長 ありがとうございました。
 12地域の担当の皆さん、短い時間で苦労して発表していただきましてありがとうございました。
 それでは、委員の皆さんから質問、あるいは意見をいただきたいと思います。
 該当する地域の場合には、最初に地域名を指摘してご発言をいただきたいと思います。
 時間があまりありませんので、ポイントを絞ってご発言をいただければありがたいと思います。
 まず、浅野委員。

○浅野委員 大変各都府県、ご苦労さまでございますという感じです。これだけ計画を見ていきますと、随分準備に手間をかけておられますし、どういう状況であるかとよくわかるわけであります。こういう総合的な計画の持っている効用というのは、依然としてなくならないということを感じるわけでございます。
 さて、この段階で直せとか、これは駄目だとか言えるものでもありませんので、余りやりたくはないのですが少し評論家的な言い方をさせていただきます。
 まず、光化学オキシダント対策を取り上げているというか、ほかにあまりテーマがないのでそれに行ったというのが正直なところのような気がするんですが、鹿島地域、あるいは埼玉地域では光化学オキシダントが表に出ています。それから、大分地域も、光化学オキシダントがとりあげられているわけですが、本当のところ光化学オキシダントの対策で、これから4年間でちゃんと環境基準が達成できるということになるということについては、正直、中央環境審議会委員としてはほとんど確信が持てないわけです。一体これからどうしたらいいのかということが、この計画の中からは、正直読み取れない。
 つくった方も大変苦労しておられるのはわかっておりますので、どうしろ、こうしろとは言えませんが、これでいいのだろうか。むしろ光化学オキシダント対策については、もっと国にちゃんと考えてくれというようなことを言っておかないと、各都府県の対策で解決できるのだろうかと心配に思います。
 環境基準があるにもかかわらず、これまでのところ全く達成できていない。0.何パーセント達成率で、全国どこも同じです。これは、県の責任ということにならないと思います。あるいはそもそも環境基準のつくり方が根本的に間違っているかもしれない。こんなに達成できない、努力して金をかけても達成できていないというのは、どうしたらいいんだろうということを本当は声をあげていかなければいけないのではないかと思われます。この小委員会では無理かもしれませんけれども、もう少ししっかりとものが言えるように、材料を揃えられたらいかがでしょうか。色々と声があがれば、審議会としても考えざるを得ないということが起こってくるだろうという気がいたします。
 このことについて、関係地域のご担当の方から何か感想なり、コメントをいただければいただきたいと思います。
 大分地域については、これは逆に光化学オキシダント対策といっておられますけれども、果たして本当にあそこにあるコンビナート群の工場対策をすれば、光化学オキシダントについて環境基準が達成できることになるのですか。ちょっと怪しいような気がいたします。全部工場の責任にしてしまえば問題が解決するというのはおかしいような気がする。大分県の担当者はどう考えておられるのか聞きたいという気がします。
 それから、自動車排出ガスもあるでしょうし、越境汚染の影響もあるかもしれない、そういう状況の中で起こっているのではないかという気がするんですけれども、それを工業地帯の責任にするというような書きぶりは安易でないのか。
 ところで、今回は、東京湾、大阪湾が関係する複数の地域での計画策定ということになるわけです。そこで、それぞれの書きぶりを比較して見させていただくと、これはとても勉強になるんですけれども、東京湾に関していうと、どうもみんな通り一遍の書き方かなという感じで、どの地域を見ても、本当にこれで東京湾が何とかなるのかしらというような、そういうような点での書きぶりがよくわからない、そういう感じがしてしようがないです。
 それに対して、大阪湾のほうについて見ると、これは、地域によっての取組み姿勢の濃淡が極めて明瞭に出ているという印象があります。申し訳ないんですけれども、兵庫県はとても真面目に書いておられますが、大阪府はお膝元であるのに、極めて通り一遍の書き方しかしてないんです。一体、これで大阪湾が何とかなるのかしらと心配になります。
 奈良県にいたっては、大和川がまほろばの奈良県の川であるから、だから何とか計画で奈良県を美しくする計画の中でしかとらえておられないように見受けられます。しかし、大和川は結局大阪湾に流れ込んでいるわけですから、県民に対してそういうことをきちんと啓発するということがあまりできてないのではないかと思われても仕方がないのではないか、という気がいたします。
 和歌山県も奈良県もどちらともそうなんですけれども、要するに、都市の雑排水系が河川汚染の原因であるということになるわけですから、それを下水道整備というハードだけで全部解決するというのは、もともと無茶なことであって、本来やはり家庭での行動、ライフスタイル、そんなところまで全部考え直さなければいけない。そのときに奈良県もちろん奈良県内を美しくするというのはいいんだけれども、最後、日本の宝であります瀬戸内海に行くんです。そういうPRの仕方をすべきだろうと思います。それをやっておられるなら、むしろ公防計画だからと遠慮しないで書けばいいんです。それが何となくインフラ整備の計画しか書けないと思い込んでしまっているところに、やはり公防計画の空洞化といわれるものがあるのではないかと思います。
 だから、奈良県は本当に取り組んでおられる環境の施策でやっておられることをきちんとこの中に書いていただければいいわけです。兵庫県は、実に見事に書いておられるんですよ。ちょっとほめて悪いけれども、たまたま比較してみると明確にその違いが出ています。ですから、その辺のところが気になりました。
 各県1つずつというわけにいきませんけれども、やはり幹線道路のここが問題なんだということを主要課題で取り上げるなら、やはりそれぞれの場所ごとにどういう対策をさせたらいいか。その地域ごとのきめ細かな対策があるはずではないかと思います。
 京都府の計画を拝見していますと、実によく書いてあるわけですね。これは、たまたま京都府は条件がよくて地域が狭くて、集中的になっていてそこで何とかなるという立地条件のよさがあるんですけれども明確です。
 ところが、東京都の場合には、河川の場合には実にクリアに各論が出てくるのに、道路になると全然各論になってないですね。
 もっとも、東京の場合は、むしろ全体のネットワークの問題だと思うので、各論が書けないという事情はわかるんだけれども、やはりその辺は、他の自治体の場合には一生懸命頑張って書いておられるところがあるんですが、あまりにも抽象的な言葉で終わってしまって、どうも河川との比較をしてみるとメリハリが不足であることが気になるなという感じがします。
 最後になりましたけれども、大分地域に関して、さらに注文をつけて申し訳ないんですが、前回の会議で私が強く言い過ぎたものですから、無理にこうなったんだということがわかってはいますけれども、ベンゼンの話です。自動車のところに出てくるんですけれども、施策体系というのを見ると、自動車のことは何も書いてないんですね。
 23ページの図の2-1-13を見ると、ベンゼン対策では、結局これは工場が悪いというふうになっているわけです。
 それで、道路のところに書いてあるのに道路のことについては何を書いてあるかと言ったら、サラッと書いてあるだけですね。だけど明らかに19ページの図2-1-10を見ると、ポイントを見たら、東大分小学校、あのあたりのポイントではベンゼンはクリアできているわけでしょう。
 性格から見て、ベンゼンが固定発生源であるなら、この辺で基準を超えるはずではないのでしょうか。たとえば、北九州市の場合、西本町あたりはベンゼンが道路起因ばかりではなく高濃度です。ここでは、固定発生源と移動発生源が競合して高濃度の数字が出てくる。
 それと比べてみると大分地域は、工場近傍の東大分あたりのところで高濃度が出てくるならわかるけれどもあまり出てこない。宮崎でベンゼン濃度が高くなっているということになりますと、やはり固定発生源の影響はなしとは言わないけれども、もっと移動発生源の問題が大きく出てくるはずです。
 ついでに言うと、大分の場合にはどこが自動車の交通流のボトルネックだと極めて明瞭なので、国土交通省の委員会では、どことどこで対策をやればどうなるというのはかなり良くわかってやっているわけです。
 同じようなことが県の管理する道路とか市の管理する道路でやろうと思ったらできるだろうと思うので、そういったようなことをきちんと結びつけて、このベンゼン対策というのは書くべきであって、無責任にみんな工場のせいにして、全体に大分の計画を見ると、30年前の公防計画と同じパターンで、工場さえしっかりやれば何とかなりますというトーンが強すぎるのではないか。
 現在の公害問題とか、環境問題に対応する新しい公防計画のスタイルに合ってなという気がします。これは、大分県が悪いというよりも環境省がどういう指導をしたんですかと、弥元課長にちゃんと説明してもらわないと、という気がするわけです。そういうところきちんと目を通さなければ駄目なのではないかと思います。
 さっき私が言ったように、比較して並べるチャンスがあるのは環境省しかないわけですから、各県はそれぞれ自分の地域だけを考えて計画をつくらざるを得ない。出てきたものを並べて最後に成果物を横並びにして、しっかりご相談をするということも環境省の仕事になると思います。環境省が本来やるべき仕事をやってないのではないかという気さえします。
 ○小林委員長 ありがとうございました。
 数多くの指摘をいただきまして、都府県の皆さんからお気づきの点があれば発言いただきたいと思いますが、委員の中で、この機会にご発言があったらまずいただいて、あわせて都府県の皆さんとお話をしたいと思います。
 村岡先生。

○村岡委員 私が評論的なことをやっても浅野先生ほど上手に言えませんので、すべてその点については浅野先生のご意見にもう大賛成でございます。
 それ以外で、水質汚濁に関しまして、どうしてもちょっと聞いておきたいことが2、3ありますので、質問させていただきます。
 1つは、ダイオキシンです。埼玉県のほうで河川の28件のうち9点出てきたと。これは大変なことかなと思います。
 河川のダイオキシンの汚染というのは、底質と水ですが、底質は堆積型、蓄積型なんですが、河川の水質のほうは、これは一過性なので、一過性でこれだけ出てくるというのは、何か原因があるのかなと思います。
 一方、そのダイオキシンの発生量からしますと、今の段階では燃えるほう、そっちのほうからはほとんどないということで、ということは残留しているそういったものとか、あるいは農薬系のものだと思うんですけれども、この埼玉県の場合は、これはダイオキシンの組成分析、あるいは土壌自体を分析しますと土地に起因することはないはずなので、どういうふうになっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 大阪府も若干高いというふうに思いました。
 それから、もう1つ、湖沼のCODで、千葉県のほうで、相変わらず印旛沼と手賀沼のCODが高いということですけれども、これはわかるわけなんですが、その原因として、自然系の発生の負荷量が大きいとか、おっしゃっていると思うんですが、自然系はやはり自然系であって、早急に増えるものではないと思います。ということは、何か特別の原因があって自然系があるのか。こういうことなのかどうか。その辺もちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 それから、土壌汚染に関しまして、東京が1,779件中817ですか。これだけ超過したということですが、これは例の土壌対策汚染法という法に基づいた市街地系の汚染ですけれども、そういったもの等によるものとそれから自主的に調査するものとあるんですけれども、恐らく自主的に調べられたものが多いだろうと思いますけれども、その辺、どのくらいの割合になっていて、その原因は何だろうかと。また、その自主的に汚染を報告されたものに対しまして、都としてどういうふうな指導をされているのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○小林委員長 石坂委員。

○石坂委員 ずっと伺っていまして、いずれにしても地域も絞られてきておりますし、問題も絞られてきているなと感じました。
 しかし、絞られてきているだけに、残っている問題というのはなかなか困難な問題も多いと思います。
 光化学オキシダント、地下水とか、自動車騒音とか、これはすべての地域に共通しています。ということは、これは今残っている地域だけではなくて、既に卒業した地域にもまだまだあるのではないかなという気もいたしますが、それはさておき、そういうなかなか困難な問題が残っていると、それに対して各地域の方々が計画を立ててアプローチしていかれるということで、大変結構なことだと思うんですけれども、さっき両委員がご指摘になりましたように、力の入れ方に差があるような感じもいたします。
 せっかくこういう場でいろいろ発表を各県交えてしていらっしゃるわけで、ぜひほかの県でとっているような対策も取り入れながら、対応を考えていっていただきたいなと思います。
 基準未達成なり、あるいは規制基準を超過しているとか、そういうふうな項目に対して計画を出しておられるわけですから、出していらっしゃる計画の実行を確実にしていただきたいと思います。

○小林委員長 ありがとうございます。
 それでは、逐次ポイントを挙げていきますので、ご発言があればいただきたいと思います。
 まず、全地域に共通します光化学オキシダントにつきまして、もっと積極的に国に対する注文なり、書いたほうがいい、こういうご指摘がございましたら、この部分、光化学オキシダントについて都府県の皆さんからお気づきの点がありましょうか。
 それでは、環境省のほうにも回っていっているようですので、お願いをいたします。

○弥元環境計画課長 光化学オキシダントにつきましては、昨年の夏にこれまでの歴史上、初めて注意報を出したという地域もございました。
 特に、九州地域からは環境担当の局長さんの集まりの場で、これは国に要望を出さなければいかんと、原因解明とそれから対策についてしっかり国のほうでやってくれという要望をいただきました。
 来年20年度予算をとって、中国、アジアのほうに目を広げて、原因究明を一生懸命やり、対策に結びつけていくということで動き始めるということになっております。
 ですから、私どもとしましてもどんどんこれは国に要望すべきだというお考えのことはどんどん要望として挙げていただければというふうに思います。

○小林委員長 ありがとうございます。
 次に、道路につきまして、幹線道路について東京地域、各論にもっと踏み込むべきではないかというご指摘がありましたけれども、どうでしょうか。

○東京都 先生ご指摘はまさにおっしゃるとおりだと思っております。今回につきましては、先ほどのお話にもあったように、ネットワーク、東京の場合は、そういう地域的な要因が非常に大きいということで、河川の場合は特にもう完全に数が指定されておりまして、2河川だからというのもあるんですが、東京の場合、各論を書き始めるとものすごい量になってしまうというのもございまして、ちょっとこういった形で記載をさせていただくということでご了承いただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 次に、河川につきまして、埼玉地域のダイオキシンについてもう少し状況を明確にならないかというお話、それから千葉地域の印旛沼の自然系というのはどんなものだろうかと、こういうご質問がありましたが、この2点お願いいたします。

○埼玉県 埼玉県でございます。
 ダイオキシンの関係でございますけれども、これは調査した記録によりますと、一番大きな割合を占めておりますのが、河川周辺にございます工場等の焼却によるもの、これが割合的に多くなっております。それから、除草剤等の農薬系のもの。これもそれぞれの結果、確認されております。あとはPCB関係、この辺が調査結果では該当するものとしてデータ上、出ております。以上でございます。

○村岡委員 発生源はわかっているんですけれども、原因は。

○埼玉県 具体的に発生源の特定はできておりません。

○千葉県 千葉県でございます。印旛沼、手賀沼の自然系の割合が多くなっているのではないかということですけれども、計画案の地域公害防止計画案の37ページに図がございまして、先ほども若干触れましたけれども、平成17年、18年度では、印旛沼では自然系が71%、それから手賀沼では自然系が59%というような割合になっております。
 実は、生活系、産業系、それぞれ対策によりましてこちらの負荷量がだんだん少なくなってきまして、全体的に自然系の割合が多くなってきていると、そういうような状況かと思います。

○小林委員長 ありがとうございます。
 次に、海域につきまして、東京湾及び大阪湾での対策に、書きぶり、あるいは力の入れ方に差があるのではないかという、こういうご指摘がございましたが、東京湾、大阪湾につきまして、担当の方から補足的な説明が何かございましょうか。

○大阪府 大阪府でございます。大阪府は計画の中で、一応トーン合わせをしたということで、他県との比較ということは非常にちょっと難しいところがあるんですけれども、大阪湾につきましては、大阪湾再生推進会議でございますとか、大阪湾環境保全協議会というような関係の国、そして自治体ということで協議会を持っておりまして、そういう中で対策を進めているという状況でございます。
 特に、先生がおっしゃいました啓発ということにつきましては、大阪湾のアピールポイントということで、見学会を催したり、啓発事業をやっているというところでございますので、決してトーンダウンしているということではなくて、対策は着実に他県と手を携えて進めていきたいと思っております。

○小林委員長 ありがとうございます。
 次に、大分地区につきまして、ベンゼンにつきまして、浅野先生から指摘がございますが。

○大分県 先生のほうから2点指摘をいただきまして、光化学オキシダントにつきましてもお話しさせていただきたいと思うんですけれども、基本的に光化学オキシダントは難しい問題だなというふうに思っておりまして、特に私どもの県は19年度になってからなんですけれども、広域的な汚染、中国大陸の汚染というような影響が出てまいりました。そこで九州地方知事会でも連携して対応を進めております。
 それから、国にも必要な対応を早急にお願いするということでやってきたわけですけれども、大分地域の状況を見ますと、確かに広域的な汚染もあるんですけれども、地域の汚染に広域的な汚染がげたをはいて注意報の発令がされるという状況にありますので、地域レベルでできることで言えば、発生源対策ということになりますので、基本的に発生源対策について記載をさせていただいております。
 それから、2つ目のベンゼン対策ですけれども、基本的に私どもは固定発生源対策をメインとは考えておりません。自動車排ガス測定局で2点とも環境基準を超えておりますので、自動車排ガス対策がメインですけれども、地域内の他の測定点も比較的高濃度なものですから、自動車排ガス対策に加えて、固定発生源対策のほうも必要だということで記載をいたしております。

○小林委員長 東京地域の土壌汚染について、村岡先生からご発言がありましたが、補足がございましょうか。

○東京都 先生のご質問の中に、まず土壌汚染対策法に基づく件数につきましては、19年3月末までに59の区域ということになっております。
 それと都の環境確保条例、こちらにつきましては、先ほどご説明させていただいたとおり、今回の対象地域においては1,779、うち817で汚染が判明していると。
 これは、自主的な方向なのか義務なのかという話がございましたが、これは基本的には、自主的な方向ではなくて、条例に記載されてある義務ということで、土壌汚染状況調査報告書の提出を義務づけられておりますのが116条と117条というのがありまして、具体的には工場または指定作業場の廃止とか、建物の除去のときにやらなければいけない義務というものと、土地の改変時における改変者の義務ということで報告が入ってございます。以上です。

○小林委員長 ありがとうございます。
 委員の皆さんで、今までのやり取り、あるいは新しいご指摘のポイントがございましたらお願いいたします。

○山下委員 東京都にお聞きしますが、調布の飛行場というのは入ってなくていいんですか。極めて単純な質問ですけれども。航空機騒音が羅列されていますよね。その中に調布が抜けています。

○東京都 調布は、今度は策定地域外です。

○小林委員長 ありがとうございました。

○山下委員 続いて、大分のほうの議論で策定のイデオロギーというのは表になっていますね。大気汚染にしろ、水にしろ、騒音、振動に関しては個別に解説はされているけれども、図にはなってないんですよね。対策の体系です。しておいていただけるとわかりやすいなと思うんですが、やりにくいですか。

○大分県 この部分については、図にはしておりません。文章表現でさせていただきました。

○山下委員 細かい議論をされているので、つくりにくいのかなと思って拝聴していたんですけれども。
 続けていいですか。大分ではないんですけれども。

○小林委員長 どうぞ。

○山下委員 対策の体系というご説明を賜ったんですが、根幹的にいわゆるエデュケーショナルな環境に対する騒音の問題ですけれども、交通流を何とかせいとか、立体交差をどうのうこうのうという話とはまた別に、もっと根幹的に音に対する教育というのがあっていいのではないかと思います。
 役所の論議としては、エデュケーショナルな部分を、つまり私自身も走り回るんですけれども、ガソリンが高くなってからいい運転をするんですよ。急発進とか急ブレーキを避けるようになってきた、騒音が低下する。
 バイパスの整理とか、遮音壁の低いのがつくられるというのは、それはハードな問題とはまた別に意識として役所であおってみたらどうかという気がいたしました。

○小林委員長 ありがとうございました。
 全地域に共通する指摘ということで。

○山下委員 そうです。

○小林委員長 ほかにご発言ございましょうか。

○香川委員 別の課題でもよろしいですか。

○小林委員長 結構ですよ。

○香川委員 自動車騒音に関しては、沿道の騒音に関連して沿道住民の血圧が上がったり、心臓血管系の疾患が増えるというようなことが言われていたんですけれども、最近、欧米の調査で沿道住民に心臓血管系の疾患、特に心筋梗塞の有病率が高くなるということで、それは騒音と多分自動車排気ガスとの相互作用で起こっているのではないかと思いますが、我が国では主に騒音で起こっているというふうに従来言われておりまして、一部の地域で訴訟も起こってきています。
 それで、私、先ほどからバイパスをつくるとか、それから低騒音舗装をしますとか、皆さん共通して言われているのですけれども、バイパスとかそれから低騒音舗装をすることによって、どのくらいの効果が上がっているのかというのをきちんと出してほしいんですね。
 バイパスをつくったら、また新しいバイパスによってそこにまた騒音問題が起こってきたり、いろいろありますから、従来の道路の大気汚染と騒音を緩和するためにバイパスをつくったら従来の道路の大気汚染と騒音がどのくらい減少して、片方で新しいバイパスをつくることによってどのぐらいの騒音と大気汚染が新たに出てきたかということをぜひ評価できるような形で出していただきたいと思います。
 それから、低騒音道路舗装をしたらどのくらい効果があったのかということも出してほしいと思います。
 それとできれば、どのぐらいの費用をかけたらどのぐらいの効果があるか。費用効果がわかるような形でも出していただけたらいいのではないかと思います。以上です。

○小林委員長 ありがとうございます。
 12地域の方々には、公害防止計画の評価の段階で念頭に置いて、取り組んでいただければと思います。それから、半分くらいは環境省に宿題として扱っていただく案件でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まだご意見があるかと思いますが、この小委員会といたしましては、12地域の計画案について、了承するということでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」という者あり)

○小林委員長 それでは、そう扱わせさていただきます。
 ただいま、各委員からいろいろなご指摘がございました。特定の地域に関すること、あるいは共通的なことでございますが、公害防止計画の実施の過程で十分配慮していただくよう、委員会としてもお願いをしたいと思います。
 公害防止計画につきましては、ここまでといたしまして、来年度の計画策定について事務局から提案があるようでございますのでお願いをいたします。

○弥元環境計画課長 資料の5番、2ページものがございますが、1枚めくっていただきますといつも見慣れた横長の表が出てまいりますけれども、今回の策定地域が上から2つ目の箱でございました。上から3つ目の箱以下、真ん中から下でございますけれども、来年度以降、策定指示の時期を迎えるであろう地域でございますけれども、例えば、岡山、倉敷、19年度末、今年度末で計画終了いたします。来年度いわゆる地域の卒業判定をやった上で、まだ策定しなければならないと考えられる地域に対しては策定指示を行うことを考えているわけですけれども、3年間の計画を策定しなさいという策定指示をしようかと思っております。
 つまり後ろを全部22年度末で揃えようかというふうに考えておるわけでございます。
 次の仙台湾地域等の5地域、それから新潟地域等の5地域も同様でございまして、これは来年度におきまして、まだ計画の終了が来ていない途中の段階にこの地域について当たるわけですけれども、その時点で延長をしなさいということで、2年間延長、1年間延長というのを来年度におきまして、半年ぐらい先の時期でございますけれども、2年間の計画を策定せよ、1年間の計画を策定せよというのは、ちょっと作業量と効果が釣り合わないと思われますので、いわゆる卒業判定などを考えた上で、延長を指示するという形で対応しようかというふうに今の時点で考えておるところでございます。
 こういった方向で、今後来年度に入って、秋ぐらいに向けて作業していきたいというふうに思っておりますけれども、いかがでございましょうか。

○小林委員長 15年度の策定地域、16年度の策定地域、17年度の策定地域のこれからの扱いの提案でございますが、委員の皆さん、ご意見はございますか。

○浅野委員 現実的な提案ですから、これを認めることが適当であると考えます。

○小林委員長 よろしゅうございましょうか。それでは、この資料5にございますような扱いで、今後3つのグループでしょうか、扱っていくということで委員会として了承したいと思います。
 今後の予定等について、事務局からお話がございましょうか。

○弥元環境計画課長 本日、ご了承いただきました鹿島地域と12地域の公害防止計画の環境大臣同意につきましては、予定といたしまして3月17日、再来週の月曜日でございますけれども、公害対策会議の幹事会が開催予定でございます。ここの議を経まして、環境大臣が同意という形をとらせていただきたいというふうに思っております。
 それから、この次回の小委員会でございますけれども、3月末でございます、26日水曜日に三田の供用会議所で開催したいと考えております。議題は、公害防止計画制度に関する論点整理の2回目ということでございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 以上で、本日の予定すべて終了いたしました。この機会に委員の皆さんからご発言はありましょうか。
 特にご発言がありませんので、これをもちまして小委員会の議事を終了することにいたします。
 どうもありがとうございます。

午後 5時02分 閉会