中央環境審議会 総合政策部会 公害防止計画小委員会 第14回会合

議事内容

平成18年10月4日 午前10時02分 開会

○明石環境計画課長補佐 おはようございます。
 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日、太田委員におかれましては、ちょっとおくれているようでございます。
  私は、環境計画課の課長補佐をしております明石と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。
 一番上から、本日の議事次第でございます。
 次に、本日の配付資料のリストでございます。
 資料1といたしまして、公害防止計画小委員会の委員名簿でございます。
 資料2といたしまして、公害防止計画についてでございます。
 資料3、公害防止計画策定の基本方針の概要(案)でございます。
 資料4でございますが、各地域の公害防止計画策定の基本方針(案)をつけてございます。資料4-1から4-4ということで、各地域分ついてございますが、まとめて一つのホチキスでとじさせていただいております。
 資料5でございますが、主な環境質の状況ということで、各地域の資料、それぞれ資料5-1から5-4という形になってございます。
 不足の資料等ございませんでしょうか。足りない資料がございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、議事に先立ちまして、環境省におきまして幹部の異動がございましたのでご報告いたします。
 この9月に総合環境政策局長が西尾にかわってございます。

○西尾総合環境政策局長 西尾でございます。よろしくお願い申し上げます。

○明石環境計画課長補佐 次に、審議官の石野でございます。

○石野審議官 石野でございます。よろしくお願いいたします。

○明石環境計画課長補佐 環境計画課長の奥主でございます。

○奥主環境計画課長 奥主です。よろしくお願いいたします。

○明石環境計画課長補佐 本日の議事の進行につきましては、小林委員長にお願いしたいと思います。
 それでは、小林委員長、お願いいたします。

○小林委員長 それでは、ただいまから第14回の公害防止計画小委員会を開催いたします。
 お忙しいところ、ご参加いただきましてありがとうございます。
 本日は終了を12時に予定をしておりますので、議事の進行、よろしくお願いをいたします。
 それでは最初に、環境省の西尾局長からごあいさつをお願いいたします。

○西尾総合環境政策局長 総合環境政策局長の西尾でございます。皆さんおはようございます。
 9月5日から今の総合環境政策局長をさせていただくことになりました。ということで、会の開会に当たりまして、御礼とごあいさつをいたしたいと思っています。
 小委員会の先生方、かねてからいろいろな形で私も本当にご指導いただいておりまして、大変ありがとうございます。本日は、お忙しい中、ご出席いただきまして、この公害防止計画のご議論をしていただけるということで、感謝を申し上げる次第でございます。
 また、各県の関係者の皆様方にも大変お忙しいところをご出席いただきまして、ご苦労さまに存じます。
 本日ご審議を賜りますのは、愛知地域など4地域の公害防止計画の策定指示ということでございます。この地域につきましては、平成13年度に策定された旧公害防止計画に基づきまして各種の施策が総合的に講じられてきたということでございます。関係機関、関係者の皆様のご尽力ということでございまして、環境の状況は全体として改善をされておりますが、なお改善を要する問題も残っております。この点を精査し、新たな基本方針をお示しし、引き続き公害防止計画の策定の指示ということを考えていかなきゃいけない、こういうことでございます。
 今日、環境問題、環境省が直面いたしております問題は、地球温暖化の防止でございます。循環型社会の形成といったような日本社会全体あるいはアジア大、グローバルといったような課題が非常に当面重要な課題として取り組んでおるわけでございますけれども、他方で、昨年のアスベストの問題などもございました。また水俣病の問題、ある面での再燃をいたしました。当然、環境タスクということでは、本当に欠くことのできないそういう事案も出てきております。
 そういうことで考えますならば、地域、地域できちんと環境汚染を防止していくことの重要性ということが再認識される次第でございまして、その意味では、公害防止計画をきちんとやっていく、その成果を上げていく。また、問題の残っているものにつきましては、きちんとした計画をつくって、とにかく仕上げていくということが大変大切になっているのではないかというふうに思います。
 本日、この4地域に関します策定指示につきましてご議論をいただきまして、この委員会でのご議論ということを踏まえまして、公害対策会議の議を経て、また公害防止計画の策定を指示するという運びをきちんと着実にこなしていきたいというふうに思っております。本日、そういう意味でのご審議をよろしくお願いを申し上げます。
 また、今後とものご指導、ご鞭撻ということをお願いいたしまして、あいさつにさせていただきます。ひとつよろしくお願いを申し上げます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 それでは、議事の1、愛知地域等4地域の公害防止計画の策定指示について、事務局からまず説明をお願いいたします。

○奥主環境計画課長 環境計画課長の奥主でございます。
 それでは、概要について説明させていただきます。着席させていただきます。
 それでは、まずお手元の資料2をごらんいただきたいと思います。資料2の5ページ目でございます。
 公害防止計画につきましては、もうご説明を申すまでもありませんが、公害の著しい地域で総合的な対策を必要とする地域ということで、全国さまざまな地域で指定されているところでございます。
 現在の公害防止計画策定状況一覧ということで、5ページの資料に載せさせていただいております。おおむね5年の計画で見直しをしていくということになっております。今回、先生方にご議論いただきたい地域等につきましては、この表の2つ目のマス、平成13年度策定地域でございまして、札幌、松本・諏訪、岐阜・大垣、四日市、愛知の5地域のところでございます。これにつきましては、平成17年度末で計画期間が切れておりますので、改めて新たな計画策定の指示をするかどうかというようなことを今回ご審議いただくということでございます。
 計画を策定するかどうかにつきましては、平成17年度末で計画を終了した時点におきまして、その地域、地域の環境の状況といったものを調査いたしまして、その環境の状況を踏まえまして検討するということになってございます。
 同じ資料2の9ページをお開きいただきたいと思います。
 これは一つの例でございますが、今回、新たな策定指示をしたいというふうに考えております、岡谷市の状況でございます。ここにおきましては環境基準のそれぞれの達成状況といったものをまとめさせていただいております。
 例えば大気汚染につきましては、二酸化窒素におきましては、岡谷市におきましては環境基準を平成16年度測定ポイントでゾーン以下というようなことで、環境基準を達成しているというふうな状況にあるわけでございますけれども、特に水質汚濁のところでございますが、健康項目のところで、地下水のところでございますが、例えば29地点の測定地点でございまして、その13の地点で達成していると。河川でございますが、BODでございますが、平成16年度におきまして測定点2ポイントのところで1ポイントが達成というふうなことで、達成していない点があるというふうな状況等でございます。
 湖沼におきましても、諏訪湖のところでございますが、COD、N・Pともに平成16年度は達成していないというようなことでございますし、騒音のところでございますが、自動車騒音のところでございますが、平成16年度、例えばこれは環境基準のところで特定のポイントと、そのゾーンではかる面的評価をするところとちょっとまだ併存しておりますが、いずれにしても、環境基準には達成していないというふうな状況にある。
 こういったような環境の状況を各地域の市町村ごとに検討していくというふうなことを従来からしておるわけでございます。この環境基準の達成状況の評価の仕方につきましては、本委員会で平成13年に制度の見直しというふうなことをさせていただきまして、それぞれ環境基準の達成状況につきましてポイント制にしているところでございます。
 おおむねの考え方といたしまして、健康項目で超えているところにつきましては、より重みづけをするということで2ポイント、その他、例えば生活環境項目におきましては、1ポイントというふうな点数づけをしていきまして、一定の点数を超えるものにつきまして新たに公害防止計画の策定を指示するというふうなことを考えているところでございます。
 このルールに沿いまして、今回の地域につきまして検討した結果が、同じ資料の13ページをお開きいただきたいと思います。
 ここで平成18年度公害防止計画策定地域(案)と旧計画地域の範囲の対比をさせていただいております。
 札幌地域につきましては、今回、環境状況が改善されていることで、いわゆる卒業というようなことにしたいというように考えております。
 松本・諏訪地域につきましては、そのポイントを評価いたしまして、岡谷市、岐阜・大垣地域につきましては、岐阜市、各務原市の2市、愛知地域につきましては、そこに新地域を書きましたが、9市、四日市につきましては四日市市1市ということで、旧計画が54市町村でございましたが、今回新たな策定指示ということで13市ということを考えたいというふうに考えてございます。
 この地域につきまして新たな策定指示をしたいと考えておりますが、その公害防止計画の基本方針の策定指示の概要でございます。資料3をごらんいただきたいと思います。
 1ページ目でございます。
 公害防止計画の指定地域といたしまして、先ほど資料2でご説明させていただきましたが、表-1に書かれております計画策定地域につきまして新たな策定指示を行いたいというふうに考えております。
 この策定地域につきまして、資料3の次のページでございます。
 表-2、公害防止計画策定に当たっての目標ということでございまして、ここにつきましては、平成13年の制度の見直しでのご議論を踏まえまして、総花的に環境基準の目標達成を図るということではなくて、先ほどそれぞれの地域において環境基準を達成していない項目につきまして目標として掲げ、施策の重点を図るということで、そのいわば星取表という形で掲げさせていただいたものでございます。
 例えば岡谷市につきましては、先ほどご覧いただきましたとおり大気汚染につきましては概ね環境基準を達成しておりますので、目標としては掲げていない。環境基準を達成していない地下水でありますとか、河川のBOD、湖沼のN・P、あるいは自動車騒音といったものを目標として掲げるというような形で目標の重みづけをしているということでございます。
 次のページの3ページでございます。
 4で、公害防止計画の主要課題ということでございます。環境基準を超えているところにつきましては目標として掲げているところでございますけれども、当該地域におきましてさらに重点的にその解決を図っていくべき点といったものも掲げるということにしております。それが公害防止計画の主要課題ということでありますので、岡谷市でありますれば自動車交通公害、湖沼の水質汚濁、あと地下水汚染といったようなものを掲げてありますし、岐阜市におきましては大気汚染でありますとか、自動車交通公害、河川水質汚濁、地下水汚染といったものを掲げさせていただいております。
 5番目の公害防止計画の期間につきましては、平成18年度から平成22年度までの5年間というふうなことでございます。
 それで、そこに主要課題として施策を掲げてございますが、まずその、例えば資料4-3、公害防止計画策定の基本方針(案)、愛知地域ということでございますが、7ページをごらんいただきたいと思います。
 ここで基本方針の別表という形で公害防止計画策定に当たっての目標というような形で一覧表にまとめさせていただいております。
 平成16年度からの計画策定でございますが、備考の欄におきまして、それぞれその対策を講じるに当たって、例えば原因がわかっているものにつきましてはその原因とかを記述しまして、そこの原因に対応するような対策をしっかり講じていくというようなことをしていくために、備考という欄を設けまして、それぞれ掲げさせていただいております。
 例えば、生活環境項目のところでございます。これは、例えば生活環境項目でありますれば、生活排水であることを踏まえて適切な対策を講じるといったようなこと、それに重点的な対策を講じてほしいというようなことを考えさせていただいております。
 このように、公害防止計画策定をするに当たりまして、従来から総花的ではなくて、目標の重点化と、目標を示して、どのような対策を重点に講じていくかといったようなことを引き続きまして基本方針において示したいというふうに考えているところでございます。
 以上が基本方針の今回の概要ということでございます。説明を終わらせていただきます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 全般につきましての考え方の説明がございましたが、この際、確認しておくことはございましょうか。

○太田委員 ご説明の中で、それぞれの環境質の項目について重みをつけてというのがございましたが、具体的に、先ほどのご説明は生活環境項目と健康項目に分けて倍にしたというようなご説明なんですが、資料2の9ページ、こういうところでいいますと、生活環境項目のどこまでが入っているかという、ちょっとその辺の、多少細かいことを確認させていただきたいことと、それから、今回対象にならないところとなったところでどの程度の差で合計点といいますか、その辺の分布とか、データにしないとどこが本当に適切な境目かとよくわからなかったんですが、追加的に教えていただければと思います。

○奥主環境計画課長 お答えいたします。
 重みづけをするということにつきましては、平成13年の見直しのときに、例えば健康項目につきましては、生活環境項目の2倍というようなことで考えていくというようなことをご指摘いただきまして、それに基づいてございます。ここで、例えば岡谷市、9ページでございますと、ここで水質汚濁の健康項目といったものにつきまして、もし基準を達成していないということであれば、そこでポイントを2点とか、そういうような形でつけていく。ですから、生活環境項目のところでこういう点につきましては例えば1点というような形で、点数、ポイントの評価の重みづけをしているというふうに考えてございます。

○太田委員 例えば大気汚染とか騒音についてはどういう取り扱いなんでしょうか。

○奥主環境計画課長 大気汚染につきましては、二酸化硫黄、一酸化炭素、NOx、SPM等につきましては健康項目ということでございますので、二酸化硫黄、一酸化炭素、SPM、二酸化窒素等につきましては健康項目のところで評価点2というふうな形で重みづけをする。今回の岡谷市の場合は達成しておりますので、これについては評価をされていないというような形でございます。

○太田委員 騒音とかは、いろいろな地域を全部でオーバーしてますので、この辺の取り方というか、いずれにしても0、1で超えたか超えないかだけでやっていて、超えるレベルは、それを3倍、4倍とか、そういうことは考えていないということですか。

○奥主環境計画課長 騒音等につきましては、環境基準を越えたものにつきましては1ポイントというような形で考えております。例えば自動車騒音で要請限度を越えてしまっているとか、要するにそういうものにつきまして重みづけをする。例えばその表では環境基準を越えているとしか、ここに16分の9ということで出ておりますが、これは1点要請限度を越えているポイントがございますものですから、それにつきましては環境がより悪いというふうな形で評価させていただいております。

○小林委員長 事務局で会議中に平成13年のポイント制の一覧表というか、それを配付することはできますか。13年ですから、委員の皆さんが必ずしもそのときにいない。もし準備できるのでしたら、途中で配付をしていただいて、後半で議論を続けたいと思います。

○奥主環境計画課長 わかりました。配付させていただきます。

○小林委員長 それでは、4地域の状況についての説明を受けたいと思います。本日は、長野県、岐阜県、愛知県、三重県から関係の方々のご出席をいただいております。4地域通しまして説明を聞きまして、質疑、意見はその後行いたいと思いますのでお願いをいたします。
 それでは、最初に岡谷地域についてお願いをいたします。

○長野県(小平) 長野県生活環境部地球環境チームの小平でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料5-1に基づきまして、長野県岡谷地域の環境の状況につきましてご説明をさせていただきます。
 まず1ページをお開きください。
 今回の策定範囲でございます。前回計画の4市1町から、今回は岡谷市1市について計画の策定をするものでございます。岡谷市は長野県のほぼ中央、諏訪湖の西岸に位置しておりまして、人口は5万4,600名、面積は85.19平方キロメートルで、東西7.3キロメートル、南北16.7キロメートルに広がっております。諏訪湖につきましては、標高759メートル、周囲15.9キロメートル、面積13.3平方キロメートルの長野県で最大の湖でございまして、河川では、諏訪湖から流出する唯一の河川である天竜川のほか、諏訪湖へ流入河川としての横河川、それから地図の中央に市役所がございますけれども、その西側を流れております塚間川という川がございますが、ここに流れております。
 交通の状況といたしまして、岡谷市は各種交通の要衝となっておりまして、高速自動車道では中央道と長野自動車道が岡谷ジャンクションにおいて分岐しておりまして、首都圏、中京圏、北陸圏を結んでおります。
 鉄道では、JR東日本の中央本線とJR東海の飯田線が岡谷駅で分岐しております。また、幹線道路といたしまして、国道20号、主要地方道岡谷茅野線、主要地方道下諏訪辰野線などが走っております。
 産業といたしましては、第2次産業が主力を占めておりまして、戦前は製糸業、生糸の関係です。戦後は精密工業が発達いたしまして、近年は、情報機器を中心とした高度技術の集積都市として発展をしております。
 次ページをお願いいたします。
 2ページには、水質汚濁の関係について記載をしてございます。河川の類型地指定につきましては、天竜川がB類型の指定を受けておりまして、釜口水門、天白橋の2地点。横河川においてはA類型の指定を受けておりまして、よこかわ橋1地点で測定を行っております。
 湖沼につきましては、諏訪湖がA類型、窒素、りんはIV類型の指定を受け、湖心、塚間川沖200メートル、初島西の3地点で測定を行っております。
 これらの各環境点の位置につきましては、次の3ページにお示しをしてございます。
 3ページの6、初島西につきましては、この行政区域は岡谷市ではなくて、諏訪市に位置しております。1つの湖沼に複数の測定地点がある場合におきましては、すべての測定地点のデータによりまして湖沼としての環境基準達成の判断をしておりますので、ここに記載をさせていただいております。
 4ページをお願いいたします。
 河川のBODの関係につきまして、平成16年度に環境基準を達成している地点を

○印で、達成していない地点を×印で示してございます。横河川では環境基準を達成しておりますが、天竜川については2地点、釜口水門、天白橋、いずれも未達成という状況でございます。
 5ページをお願いいたします。
 各地点のBOD濃度の75%値の推移をグラフでお示ししてございます。
 上段の天竜川につきましては、平成15年度に釜口水門におきまして環境基準を達成いたしましたが、それ以外はすべて超過しておりまして、上流部にある諏訪湖の水質の影響と考えられております。
 横河川につきましては、昭和50年代までは環境基準超過が続いておりましたが、下水道の整備など、生活排水対策を着実に進めました結果、近年は環境基準を大きく下回るまでに水質が改善しております。
 続きまして、6ページでは、平成16年度における諏訪湖のCODについての環境基準の達成状況をお示ししておりますが、3地点、初島西、湖心、塚間川沖200メートル、いずれも未達成という状況でございます。
 7ページをお願いいたします。
 7ページでは、諏訪湖のCOD濃度の75%値の推移を示しておりますが、諏訪湖としての環境基準の達成状況を見るために、年度ごとに3地点のうち最も高いデータをプロットしております。
 また、参考といたしまして、下表におきましては、各地点ごとの推移についてお示しをしております。長期的に見ますと徐々に改善傾向にはございますが、依然として環境基準を達成できない状況が続いております。
 8ページをお願いいたします。
 8ページにおきましては、平成16年度におけます諏訪湖の全窒素・全りんの環境基準の達成状況をお示ししております。3地点ともいずれも未達成という状況でございます。
 9ページをお願いいたします。
 9ページにおきましては、諏訪湖の全窒素及び全りん濃度につきまして、3地点の平均値の推移をお示ししております。
 全窒素につきましては、長期的には改善傾向にございますが、環境基準未達成の状況が続いております。
 全りんにつきましては、ここ数年は環境基準を達成するまでに改善が見られました。しかしながら、平成16年度はわずかに基準を超過する結果となっております。
 諏訪湖の水質保全は長野県としても大きな県政課題となっておりまして、これまで下水道の整備、底泥のしゅんせつの実施、工場、事業所の排出・排水監視など、継続的に取り組んでまいりました。その結果、諏訪湖の水質は徐々に改善する傾向にはございます。植物プランクトンの異常増殖によるアオコの発生も減少してきております。今後はさらなる水質の保全対策といたしまして、市街地、農地等から降雨に伴って排出される汚濁負荷、いわゆる非特定汚染源対策を推進することとしております。
 10ページをお願いいたします。
 地下水汚染の状況につきましてご説明を申し上げます。
 過去の調査によりまして基準超過が判明いたしましたために、継続的に調査を行っている定期モニタリング地点における平成16年度の調査結果を示してございます。先ほどもご説明ございましたけれども、29地点のうち16地点で基準超過となっておりまして、そのうち、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど、揮発性有機塩素化合物によります汚染が15地点ございます。また、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による汚染が1地点となってございます。
 11ページでございます。
 ただいま申し上げました環境基準を達成している地点を図であらわしたものでございまして、環境基準の達成を

○印、達成していない地点を×でお示ししてございます。左側に8番というものがございますけれども、この8番の地点のみ硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による基準超過でございまして、その他の地点は揮発性有機塩素化合物による基準超過となっております。ごらんのように、市内の幅広い範囲で地下水が汚染されていることがおわかりいただけるかと思いますけれども、岡谷市におきましては精密機械部品関連の中小企業が多ございまして、部品洗浄などに用いました有機塩素系溶剤につきましては、平成元年の地下水浸透規制以前におきまして不適正な処理として、その地下浸透をしたことが原因と考えられますけれども、汚染源が非常に多ございまして、広範囲に及んでいるために原因の特定が困難な状況にございます。
 12ページをお願いいたします。
 12ページでは、自動車騒音につきまして記載をしてございます。
 平成16年度末までに面的評価を実施した調査結果を取りまとめたものをお示ししてございまして、面的評価を実施しました住居2,951戸のうち、昼夜とも環境基準を達成しているところは2,390戸、達成率は81%となってございます。残りの561個は昼夜ともに、あるいは昼または夜のいずれかで環境基準を超過している状況にございます。
 また、下表では、平成16年度に面的評価を実施した区間の調査結果をお示ししてございます。
 13ページ、参考でございますけれども、点的評価による調査結果を示しております。
 基準超過をしている地点が16地点中7地点、要請限度を超過している地点が15地点中2地点となってございます。高速自動車道を対象とした調査では、すべて環境基準を達成しておりますが、国道20号、また主要地方道岡谷茅野線、主要地方道下諏訪辰野線などの幹線道路において環境基準を超過している状況でございます。
 14ページでございます。
 ただいま申し上げました環境基準を達成している地点を

○印、環境基準は超過しておりますけれども、要請限度は超過していない地点を△、要請限度を超過している地点を×印でお示ししてございます。
 要請限度を超過しているのは右上の国道20号線沿いの4番の地点でございます。また、右下の主要地方道岡谷茅野線、県道16号でございますが、1番の地点となっておりまして、いずれもこれは幹線道路でございまして、交通量が多い状況にございます。
 以上で、長野県岡谷地域の環境の状況につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。ありがとうございました。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続きまして、岐阜地域、お願いをいたします。

○岐阜県(浅野) 岐阜県の地球環境課、浅野と申します。よろしくお願いいたします。
 資料5-2の岐阜地域の主な環境質の状況でございます。
 1ページをお開きいただきます。
 策定予定の地域図でございますけれども、この地域は名古屋市のおおむね30キロほど北部に位置いたしまして、地域内人口がおおむね58万人、面積が約290平方キロメートルでございます。
 主な影響を与えます要素といたしましては、右下の方になりますけれども、各務原市航空自衛隊岐阜基地と書いてございますけれども、ここに航空自衛隊の飛行場がございます。それから、東西を国道21号線が横断しております。鉄道は、左下あたりになりますけれども、JR岐阜駅を経由いたしまして、東海道本線、左下の方に名古屋に向かって伸びております。同じく、JR岐阜駅から右の方、東の方に向かいまして、JR高山線が伸びております。東の方へまいりますと、ややしばらくしてから北の方へ向かいまして高山市の方へ向かうということでございます。あと、国道156号線がほぼ中央を北東部へ向かいまして伸びておりまして、ここをさらに進みますと、郡上八幡、現在郡上市でございますけれども、そちらの方へ続いております。
 河川の状況でございますけれども、ほぼ地域の中央を北東部から南西部に向けて長良川が横断しております。それから、南の愛知県とのおおむね境でございますけれども、木曽川が東の方から南西部に向けて愛知県境を流れております。
 次に、2ページでございます。
 大気汚染の測定局の整備状況でございますけれども、予定地域内には5ポイント、5地点で測定を行っております。測定項目につきましては表のとおりでございます。
 3ページ、お願いいたします。
 それぞれの地点は図のようになっております。
 4ページをお願いいたします。
 光化学オキシダントの測定ポイントでございますけれども、先ほどの図と同じようなものでございますけれども、このようなところで測定しておりまして、1ポイントで環境基準から注意報レベルというところがございますけれども、その他の地点におきましてはいずれも環境基準が満たされておりません。
 あと、5ページ、6ページでございますけれども、光化学オキシタントが0.06ppm、または0.12ppmを超えた日数でございます。かなり変動がありますけれども、必ずしも改善傾向にあるとは言えない。むしろ、0.06ppmを超えた日数におきましてはやや増加傾向にあるというような感じがございます。
 次に、水質でございますけれども、7ページをお願いいたします。
 水域類型の指定状況はこの表のとおりでございます。残念ながら、まだDランクの河川が予定地域内に2河川ございます。順次見直しを行っておりますけれども、まだこのような状況でございます。
 8ページをお願いいたします。
 これが先ほどの表の位置図でございます。いずれも長良川及び木曽川の支川というような位置づけでございます。
 BODの環境基準の達成状況でございますけれども、9ページをお願いいたします。
 10ポイント中1ポイントにおきまして環境基準が達成されておりません。具体的に申しますと、各務原市の新境川上流、東泉橋と申しますけれども、その地点で環境基準が達成されておりません。原因といたしましては、この地域に下水道が整備されていないということと、地形等の状況によりまして水量が大変少のうございまして、生活排水の影響が直接あらわれておるというような状況でございます。
 10ページをお願いいたします。
 河川の類型ごとにBODの経年変化を示してございます。一番上のグラフでございますが、Aランクでございます。これはいずれも環境基準が達成されております。傾向的には良好な状態を維持している。または改善傾向にあるということが言えるかと思います。
 その次がBランクでございます。ここは、先ほどの環境基準未達成という新境川上流がございますが、やや改善傾向にはあるということでございますけれども、残念ながら平成16年度は環境基準が達成できなかったということでございます。
 その次がCランクでございます。2河川とも環境基準を達成しておるような状況でございます。このいずれの河川もやはり改善傾向にあるということが言えると思います。
 その下がDランクでございます。いずれも環境基準を達成しております。傾向もやや改善傾向にあるというふうに理解しております。
 11ページをお願いいたします。
 平成16年度のBODのデータでございます。先ほど申しましたように、新境川上流の東泉橋というところで環境基準が達成されておりません。
 12ページをお願いいたします。
 地下水の汚染状況でございますけれども、大きく分けまして、現在、特に問題になっておりますのが岐阜市の北部のテトラクロロエチレン、それから、各務原市の四塩化炭素、同じく各務原市の硝酸性窒素でございます。原因につきましては、県、市で調査しておるわけでございますけれども、岐阜市のテトラクロロエチレンにつきましては、山県市にも一部汚染区域、北になりますけれども、山県市にも一部汚染区域がかかっておりまして、かなり広範になっておるわけでございますけれども、残念ながら原因は不明でございます。付近に例えば該当しそうなクリーニング所とか工場とかがないということで、原因は判明しておりません。
 それから、各務原市の四塩化炭素でございますけれども、ここにつきましても残念ながら原因不明でございます。特に、四塩化炭素でございますので、テトラクロロエチレン等と異なりまして、使用範囲といいますか、やや珍しい項目でございます。調査しておりますけれども、原因は不明でございます。
 それから、同じく各務原市の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素でございますけれども、これは、かなり昔からこういう汚染があるということは言われておりまして、これは原因がわかっております。この地域はニンジン栽培が盛んでして、そのために過剰な肥料を施肥しておるというような状況が過去から続いておりまして、しばらく前にそれが原因であるということが判明いたしました。当初はいろいろ、それを原因とすることに対して反発もあったわけでございますけれども、いろいろ調査を重ね、また実際に肥料をそこまで今までどおりに使わなくてもニンジンの収量に余り影響がないということがわかってまいりましたので、しばらく前からは肥料を減らして、したがいまして、地下水の汚染ももう改善傾向にはあるということでございます。
 ここ以外のほかの場所も原因は不明ですけれども、いずれも改善傾向にはあるということが言えます。
 13ページはその数値でございます。
 14ページをお願いいたします。
 自動車騒音についてでございますけれども、面的評価について述べておりますので、これは岐阜市のデータでございます。残念ながら、まだ昼夜とも基準以下のところが80%程度、まだ環境基準を超過しておるところが多々あるということでございます。
 15ページはそのグラフでございます。
 最後に、航空機騒音でございますけれども、最初に申しましたように、各務原市に航空自衛隊岐阜基地がございまして、騒音が問題になっておるわけでございますけれども、平成16年度は10ポイントのうち環境基準が達成されたのは3カ所であるということでございます。
 17ページを見ていただきますと、環境基準達成・未達成のポイントが示してございますけれども、風の都合だと思うんですけれども、航空機は東から西に向かって離陸するということでございます。着陸の場合も同じでございます。東から西に向かって着陸するということでございます。したがいまして、7のポイントと10のポイントにおいてはエンジンを絞って着陸するわけでございますので、比較的騒音は問題にならないということでございます。反対に、東から西へ離陸いたしますので、飛行場の西側におきましてはおおむね環境基準が達成できないという状況でございます。
 ただ、航空機は離陸いたしましてやや北方向へ方向を変えるということでございますので、北部の方に向かって環境基準未達成のポイントがございますが、真西に向かっては航空機の経路から外れてございますので、5番のポイントにおいては環境基準を達成しておるというふうに考えられます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続きまして、愛知地域、お願いをいたします。

○愛知県(宇津木) 愛知県環境部環境政策課の宇津木でございます。それでは、失礼して座って説明させていただきます。
 それでは、1ページをごらんください。
 愛知地域として今考えられておりますのが、ここに示してございます9つの市でございます。北からまいりまして、小牧市、瀬戸市、名古屋市、そして、名古屋市の南、東海市、それから、その南にあります碧南市、安城市、岡崎市、蒲郡市、豊橋市が今新たな策定地域として考えられております。
 この地域は名神、東名高速道路、中央自動車道、こういう道路の交通網の要衝となっておりまして、鉄道も東海道新幹線、JR等走っております。飛行場につきましては、ご存じのとおり、従来、名古屋空港、小牧の空港だけでしたが、2005年2月に中部国際空港が開港しております。
 この地域は、ご存じのように、製造品出荷額28年連続全国1位ということで、非常に産業が活発なところでもございます。
 それで、この9つの市の合計面積は1,200平方キロメートルあたりで、県全域の約4分の1でございまして、人口は約360万人で、県全域の約半分を占めております。
 具体的な環境の状況について説明させていただきます。
 2ページと3ページをごらんください。
 まず、大気の状況でございますが、ここに大気汚染測定局の場所を示しております。3ページが具体的な測定場所で、全部でこの地域で59カ所で測定しております。
 個々に項目別に見てみますと、4ページをごらんいただけますでしょうか。
 まず、二酸化窒素の測定局の位置図が4ページに書いてございまして、少し見にくいかもしれませんが、58測定しているうちペケと書いてあります。吹き出しがあります小牧と名古屋の元塩、岡崎、この3カ所で環境基準を超えてございます。これは主に自動車による影響ということで、すべて3局とも自排局でございます。
 それから、5ページにまいりまして、浮遊粒子状物質でございます。
 これは57カ所で測定しておりますが、1カ所、岡崎の測定局で、これも自排局でございますが、環境基準を超えております。
 それから、6ページにまいりまして、光化学オキシダントでございます。
 これは34局すべて超過しております。さらに、注意報レベルも超過しているのが9局でございます。
 個々具体的に環境基準を超過した測定局の経年変化を見てみますと、7ページから示しておりますが、二酸化窒素の3局の年間98%値の推移でございます。依然として改善が進んでいない状況にあります。
 その下が浮遊粒子状物質でございますが、岡崎市の測定局でございますが、これも改善が進んでおりません。
 その次に、8ページから9ページにかけて、光化学オキシダントの環境基準の超過地点でございますが、8ページ、9ページをごらんいただいても、なかなか改善されていない状況で推移しております。
 続きまして、10ページ、水質汚濁の関係でございます。
 まず健康項目でございますが、この地域内65地点で健康項目を測定しておりますが、1地点、名古屋市内の荒子川のところで1、2─ジクロロエタンが超過しております。
 それから、次に生活環境項目にまいりますが、11ページでございます。
 生活環境項目については、河川の水域類型を全部で32水域指定しております。
 それから、12ページにまいりまして、湖沼、これは油ヶ淵ですが、1つ類型指定をしております。
 それから、海域。CODが7水域、伊勢湾、渥美湾、衣浦湾の中で7水域類指定がございます。
 それから、全窒素・全りんでございますが、これも伊勢湾、三河湾で4水域類型指定がございます。
 環境基準の達成状況につきましては、13ページから図とともに示しております。
 13ページが河川のBOD、湖沼のCODでございますが、これもちょっとわかりにくいかもしれませんが、河川のBODでは矢田川の23番のところ、それから、少し南の方に行きまして、稗田川のところ、それから、半場川、鹿乗川、それから、豊橋の近くで佐奈川、5つのところで超過しておりまして、湖沼は油ヶ淵、ちょうど碧南のところにあります、その湖沼が環境基準CODを超過しております。
 それから、1枚はねていただきまして、14ページでございます。
 ここでは、海域のそこに示す7水域、名古屋港の部分と常滑地先海域、三河湾を区分したところで7水域類型指定がございますが、7水域のうち3つで環境基準を満たしていないという状況にございます。
 それから、さらに、全窒素・全りんの方も15ページをごらんいただきますと、右上の表にございますように、全窒素では2カ所、三河湾(ロ)、三河湾(ハ)で達成しておりませんし、全りんでも三河湾すべてにおいて達成しておりません。
 これら海域のCODのN・P、先ほどの河川のBODもやはり主たる要因は生活排水でございまして、私ども県生活排水対策の推進というものを今後進めていくべきということで、下水道の整備とか合併処理浄化槽の設置等に鋭意努力しております。
 それで、具体的に16ページから個々の環境基準を超過した地点における、例えば16ページでいうと、河川のBODの推移でございますが、ややBODについては改善傾向があるものの、まだまだ十分な改善が見られませんし、湖沼の油ヶ淵も高い濃度、COD10mg/l前後で推移しております。
 また、17ページにまいりますが、海域もなかなか一時的にはよくなった時期もございますが、まだまだCOD濃度、それから18ページにまいりまして、NPの濃度も改善されない状況にございます。
 それから、19ページにまいりまして、地下水の汚染でございます。
 これは、この地域で142地点測定しておりますが、ここに示しておりますように、44地点で基準を超過しております。その原因につきましては、19ページの表の右から2番目に原因と書いてございますが、なかなかその原因を特定することができないもの、それから、その地域の地層とか地質に由来するものということでございまして、先ほどから話がありますように、原因の特定というのは、一部だけ特定しているところはありますが、なかなか難しい状況となっております。
 超過した地点における汚染濃度の経年変化が20ページ、21ページにございますが、なかなかこれも改善されていない状況がございますので、こうした推移をしっかり監視するとともに、原因の特定に向けて今努力している次第でございます。
 それで、地下水汚染の測定地点の位置関係は、ちょっと前後して申しわけないですけれども、23ページのとおりとなっておりまして、名古屋市内、安城、岡崎、豊橋、こういった地点で汚染が見られている状況でございます。これはすべて

○印で書いてあるのが超過地点でございます。
 それから、24ページにまいりまして、ダイオキシン類の汚染でございます。
 これは、31地点測っている中で3地点ダイオキシン類濃度の超過が見られるということでございまして、油ヶ淵とそこに流れる河川が汚染されております。
 次に、自動車騒音にまいります。
 25ページから27ページにかけまして、52区間で面的評価を行っております。私どもの地域は自動車が多ございますので、自動車の保有台数が全国一、約500万台近くございますが、そういう影響もありまして、環境基準達成状況がなかなかよくないということでございまして、27ページの一番下のところに全体の取りまとめとして環境基準達成率、27ページの合計の一番右端なんですけれども、昼間の達成状況が78.1、夜間が65.3、昼夜合わせて64.9ということで、3分の2ぐらいは達成しているけれども、3分の1は達成していないという状況でございます。
 それから、続きまして、28ページの新幹線、航空機騒音の関係ですが、新幹線につきましては、地点数で25メートルと50メートルの地点でやっているものですから、全部数えますとこれは36地点になりまして、36地点のうち18地点で環境基準を超過しているという状況でございます。
 それから、最後にまいりまして、29ページ、航空機騒音の調査結果でございます。
 これは、冒頭に申しましたとおり、私ども、2005年2月に中部国際空港が開港しましたので、開港してからの小牧の県営名古屋空港の騒音結果でございますが、9つ測定しているうち2回超過しているという状況になっております。これについては、3月の時点では国際線はすべて中部国際空港の方にいっておりますので、国内線の一部と自衛隊機が発着していますが、測定地点によっては、離陸の影響がございますので、どうしてもまだ高い状況も出てくるということでございます。
 それで、一番最後の30ページに新幹線、航空機騒音の測定地点の位置図を示してございます。
 以上でございまして、まだ私どもは環境の改善が十分でございませんので、こうした9市の環境対策につきまして対策地域に指定していただきまして、大気、水質、さまざまな取り組みを鋭意進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 引き続きまして、四日市地域、お願いをいたします。

○三重県(西寺) 三重県の地球温暖化対策室の西寺と申します。よろしくお願いいたします。失礼ですが、座って説明させていただきます。
 資料5-4でございます。
 1枚めくっていただきまして、1ページの策定地域図をもとに四日市市の概要について説明いたします。
 四日市地域の公害防止計画地域は、前回の第7次までは地図中央の旧四日市市、それと南部の旧三重郡楠町、北部の三重郡川越町の1市2町が計画地域でございました。今回の第8次計画から川越町が外れまして、平成17年2月に旧四日市市と旧楠町が合併いたしまして、今回、第8次で四日市市が対象地域となっております。
 四日市市は、名古屋市の50キロメートル圏内に位置し、近畿、中部両圏を結ぶ幹線交通の要衝でございまして、四日市市港を核として石油化学のコンビナートが形成されております。
 本地域の面積は213平方キロメートルで、三重県の県土の3.7%を占めてございます。人口は約30万人で、現在中核市を目指して準備を進めております。人口密度は平成18年8月現在でございますが、1平方キロメートルあたり1,485人、三重県では人口増加の著しい地域でございます。産業については、第2次産業、第3次産業が大きく占めてございまして、石油化学産業の占める割合が高いのが特徴でございます。
 また、四日市地域は商業集積や都市化が三重県で最も進んでいる地域でございまして、第2名神自動車道、北勢バイパスなどの道路整備や流域下水道の整備などの事業が進められております。現在の石油化学のコンビナートは老朽化が進み、かつてのような元気はございませんが、あらゆる面で大きなウエートを占めてございます。四日市市公害で名をはせました当地域も、現在では美しい空が戻ってきております。工場を原因とする環境汚染は改善されつつあると考えられますが、都市化の進展や道路交通量の増大による汚染物質の排出量の増加があり、この面での環境の悪化が懸念されてございます。
 まず、大気汚染について、2ページをごらんいただきたいと思います。
 2ページに示しましたとおり、大気汚染測定局は地域内に9カ所ございまして、一般局が7局、自排局が2局ございます。そのうち、今回、平成16年度に環境基準を超過した測定項目は光化学オキシダントのみでございます。
 1つめくっていただきまして、4ページをごらんいただきたいと思います。
 光化学オキシダントにつきましては、先ほどの9カ所のうち6局で測定をしておりますが、いすずれも環境基準を達成できませんでした。また、平成16年度の四日市地域において、光化学スモッグ注意報を発令した日数は1日でございます。近年、発令回数は減少傾向でございまして、平成12年が7回、平成13年が3回、14年、15年は0回でございまして、減少傾向にございます。
 次の5ページから6ページにかけてのグラフをごらんください。
 1時間値が0.06ppmを超えた日数や、注意報を発令する濃度である0.12ppmを超えたものがこのグラフに示してございます。日数の推移でございますが、この6地点でいずれの地域も近年この変動が大きいものの、増加している傾向にあるということが言えます。光化学オキシダント環境基準の未達成はこの地域に限ったことではございませんが、引き続き対策を講じていく必要がございます。ことしの春から始まったVOC対策に期待が寄せられておるところでございます。
 次、7ページでございますが、水質汚濁でございます。
 水質汚濁に関しまして、観測地点は、河川につきましては四日市市内の朝明川、海蔵川、三滝川、鈴鹿川、内部川の流域で9カ所。海域につきましては、四日市港及び周辺海域で4カ所でございます。
 まず、河川の水質でございますが、9ページをごらんいただきたいと思います。
 河川の水質について、BODの基準を達成できなかったのは朝明川の1カ所のみでございます。朝明川に関しまして、下流につきましては達成をいたしましたものの、上流では達成いたしませんでした。10ページのグラフで示させていただいております。
 上流の発生負荷量は生活系のものが一番高くございます。この水域では、昭和63年度から四日市市の公共下水道が、また、平成4年度からは北勢沿岸流域下水道の北部処理区が順次供用開始されておりまして、生活排水からの負荷は順次減少していくと考えられております。
 次に、海域のCODでございます。11ページをごらんいただきたいと思います。
 海域の環境基準点は四日市港が1カ所、四日市港の外周を取り巻く水域、これを四日市・鈴鹿地先海域(甲)と呼んでおりますが、2カ所、さらに、その外域でございます水域、四日市・鈴鹿地先海域(乙)と呼んでおりますが、1カ所でございます。
 なお、四日市港内のSt2という観測地点がございましたが、水面埋め立てで水域の大部分が滅失したため、測定を中止しているのが現状でございます。
 海域の達成の状況でございますが、12ページをごらんいただきたいと思います。
 海域では、四日市港のC類型地点でCOD環境基準を達成いたしておりますが、ほかの3地点、B類型が2地点、A類型1地点でございますが、環境基準を超過しております。うち四日市・鈴鹿地先水域(甲)、B類型でございますけれども、環境基準前後で、このグラフで示しますように推移しておりますが、平成13年度以降、基準を超過しておる状況でございます。
 また、四日市・鈴鹿地先海域(乙)、A類型、下のグラフでございますが、環境基準を超過するレベルで推移してございます。
 次に、地下水汚染でございます。次の13ページ、14ページをごらんいただきたいと思います。
 本地域では、市内全体を15区域に区分いたしまして、3年周期で5地域ごとに概況調査をしております。平成16年度では、13ページに示してございますように、5地点で調査をした中で1地点、和無田地区でございますが、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が環境基準を超過いたしました。原因につきましてでございますが、周辺が農地でございまして、さらに、この地域も西部の丘陵地域、伊勢茶の主要産地ということから、肥料の影響が原因というふうに考えております。
 最後に、15ページの自動車騒音でございますが、この15ページの四日市地域の7測定地域のうち要請限度を超過した地点が国道23号線沿いの1地点ございました。番号でいきますと4番でございます。そのうち昼、夜とも基準値を超過している戸数は108戸あり、地域の全214戸のうち50%強に相当いたします。
 また、環境基準ということで見てまいりますと、環境基準を超過した地点が4地点ございます。この地域では、臨海部のコンビナートを中心に、電力、製油精製、石油化学等の企業が集中して立地している箇所でございまして、これらの流通を担う大型貨物自動車の走行が多いことに加えまして、地域の自動車保有台数が年々増加しておりまして、交通量が増加しております。対策といたしまして、バイパス等の道路網の整備、道路構造対策等、道路交通を分散、円滑化するとともに、信号機の高度化、交通情報装置の設置等により交通混雑を緩和し、環境負荷の低減を促進する必要があると考えられます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○小林委員長 ありがとうございます。
 4地域の環境の状況、推移についての説明がございましたが、宿題で残しておりましたポイント制につきまして、追加で説明をお願いいたします。

○奥主環境計画課長 それでは、説明させていただきます。
 今、お手元に公害防止計画の策定指示の要件についてという、ちょっと字が小さくて申しわけございませんが、お配りさせていただいたところでございます。それにつきまして説明させていただきます。
 平成13年に公害防止計画制度の運用の見直しということで、当方といたしまして、公害防止計画の策定指示、1つのポイントといたしまして、公害防止計画の策定指示を必要とする地域の指定要件を明確にするというようなことで意見具申をいただいたわけでございます。そこのところにおきまして、まず、先ほどちょっと私のポイント制というようなところでご説明させていただきましたが、その下段部分に表を掲げさせていただいております。環境項目といたしまして、大気関係でいいますと、二酸化硫黄、二酸化窒素、あと、水質、土壌、河川の関係、騒音の関係というような形で書いてあります。
 まず、平成13年の答申におきまして、各環境項目の環境基準の超過項目の評価に際しましては、健康項目と生活環境項目の2つが環境基準となるわけでございますけれども、健康項目の、まさに人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準ということで、それを超過しているということはより環境政策の面から重いというようなことで重みづけを、例えば2対1にすると、健康項目をより重視することとしたらどうかというふうなご意見をいただきましたものですから、その点を踏まえまして、健康項目につきましては評価点2、その他、例えば公共用水域の水質汚濁とか生活環境項目につきましては評価点1というような形で、環境省の方でまず評価点の重みづけをさせていただいたということになって、さらに、全国的に幅広く生じている汚染または環境項目相互の関連性が特に高い汚染等が過大に評価されないよう考慮することが重要であるというようなことをいただきまして、これは光化学オキシダントでありますとか、自動車の環境騒音ということは全国で、環境省としては非常に問題でありますけれども、幅広く起こっているというような状況を踏まえまして、単に基準を超えているということだけで同じように評価するのではなくて、例えば光化学オキシダントにおきましては注意報が発令されているとか、あるいは自動車騒音につきましては要請限度を超えているとか、より重要なものにつきましては評価も必要という、その趣旨を踏まえまして、評価に重み乗せをすることを踏まえまして、光化学オキシダントが注意報レベルを超えていれば2、自動車騒音要請限度を超えていれば2というふうな形で差別化を図っているというふうなことにさせていただいたところでございます。
 このように、環境基準の項目ごとにこのようなポイント制を踏まえた上で、それでは、これを策定指示の上でどのように評価させていただくかというようなことを考える必要があるわけでございます。
 そこで、見直しをさせていただいたところで、具体的な策定指示の要件のあり方というふうなことで、これから公害防止計画の策定地域の要件の一つといたしまして、法律上は、現に公害が著しく、かつ公害の防止に関しては総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難だと認められる地域というふうに規定されております。それを具体的にどう判断していくかということでございまして、その場合に、公害防止計画小委員会で当時ご議論いただきまして、大都市地域に典型的に見られるような多様な都市生活型の汚染等が集中している状況を念頭に置いた判断基準を持つことが妥当であるというふうなことでございました。
 これらの地域で、こちらの方でも調査をさせていただきまして、環境基準に照らして、未達成の項目が少なくとも健康項目で4項目を超えているような地域が多いという状況にあった。こうした著しい公害のある大都市地域、またそれと同等以上の公害が発生している地域におきまして、いろいろ施策の必要性とかを考慮して地域指定の必要性を判断することが適当であるというような意見をいただいたところでございます。
 そこで、まず事務局といたしまして、新規の地域指定をするときに、これは未達成の項目が少なくとも健康項目で4項目を超えている地域が多い。それと同等の地域ということがございますので、先ほどの評価のポイント制でいいますと、健康項目が4項目ということでありますと8ポイントでございます。それを超えているということで、新規の地域指定におきまして評価をして9点以上の地域があれば、新たな公害防止策定地域を行おうというようなことでまず基準とさせていただくということでございます。それは、今、別紙4で説明、記のところの第1パラグラフでその評価点数の合計額の9点以上の場合には、汚染等の広がりや被害の程度等、地域の実情を勘案し判断することとするということで決めさせていただいたところが背景でございます。
 次に、既存地域についてどうするかということでございます。その点につきましては、同じく平成13年の見直しの際、既指定地域におきましては、一応公害防止計画として策定されておりますけれども、卒業をさせる場合には、ある程度環境の状況が十分かつ安定的に改善されたことをもって要するに、一時的な改善ではなくて、安定的に改善されたことをもって公害の環境状況は改善されたと見るべきであるというふうなことをご指摘いただきました。
 では、具体的にどういうふうに判断するかということ、これは一つの例示ということでございますけれども、小委員会の方でご議論いただきました。例えば、環境基準が未達成、いまだ環境基準が達成されない等の課題が残る場合にあっては、例えば環境基準を未達成の項目が健康項目で3項目を超える程度見られる場合については、そういう場合がある部分については、総合的な施策の必要性等を勘案して必要があると判断して、継続して地区指定を行った方が妥当であるというふうなご意見をいただきました。
 環境省の方でその趣旨を踏まえまして、健康項目に3項目を超える程度ということでありますと、先ほどのポイント制でいいますと6点というようなことでございます。それを踏まえまして、7点以上点数がある場合については継続して地域指定を行うことが妥当であるというふうなことが意見具申の趣旨を踏まえたものであるのではないかということで、継続地域につきましては、原則7点以上の場合について汚染等の広がりや被害の程度と地域の実情を判断して引き続き継続して策定しようかという基準にしたいということでスタートしたところでございます
 このような基準を踏まえまして、今回それぞれの地域、各市町村ごとにそれぞれの基準ごとに評価づけ、ポイントをつけまして、その結果、原則、この場合だと7点ということでございましたけれども、7点以上のポイントになった市町村につきまして計画策定を行いたいということを考えまして、今回基本方針として、策定地域として案をご提示したというところでございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 それでは、審議を2つに分けまして、前半は4地域について個別の質問、ご意見。それから、後半は今のポイント制を含めて、全般について留意すべきことという区分でいきたいと思います。お願いいたします。

○浅野委員 ちょっと区分しづらい発言になってしまうかもしれませんが、今の奥主課長のご説明を補足しますと、評価点をつける場合、当該項目について何カ所超えているかということは余り関係ない。1カ所でもいいとしている理由は、地域によって測定のポイントの数が違いますから、たくさんはかっているところが高得点になるということはおかしいということでます。
 それから、なぜこんな方式を採用したのかというと、一遍指定されたら既得権的に指定が継続されてなかなか卒業しないという傾向が強かったものですから、それはおかしいんじゃないかということです。また、場合によっては新規参入ということがあってもいいのではないかということと、その両方を考えて、客観的な基準が必要であろうという考えにもとづいて定めたわけです。さて、それで質問というより意見になりますが、まず岡谷地域です。これはどちらかというと県にお聞きするのはやや気の毒かなという気はしますし、こういう基準をつくった我々の責任でもあるわけですが、関係する市町村で評価点のポイントを計算していくとどうしても今度は岡谷市だけが指定地域ということになってしまうというわけです。諏訪湖のように多くの自治体にまたがる湖沼の水質保全を考えた場合には、この初島西という測定ポイントでも環境基準を超えているわけだし、実際、諏訪湖全体に流れ込む河川は岡谷市内の河川ばかりでもないだろうという気もするわけです。そうしますと、なまじこういう形で環境の公害防止計画の指定地域が今度は岡谷市だけと決めてしまうと、諏訪市や下諏訪町はもう自分のところは関係ない、責任がないんだと考えることになりかねない。この点は別途また湖沼の水質改善という観点から別に考えるということはあるのかもしれませんけれども、やはりちょっと公防計画から外れたということが誤解を与えるおそれがあるという心配がございます。
 そういうことを考えると、ちょうどNOx・PMで地域指定をするときに、必ずしもその自治体では基準は超えていないけれども、連続している地域はやはり一括して考えないとまずいという考え方で指定したという先例もあるのだけれども、それに似た考え方をとっておかないとまずいのかもしれない。かつてのように、大量に公防計画地域があった時代はある程度割り切りも必要だったんですが、このように次々に指定からはずれる地域が出ていくと、それ自体は喜ばしいことであるが、そうすると、逆に取りこぼしということが起こるおそれもあるので、この辺を継続課題として、さらに引き続き検討しなければならないのではないかと考えます。
 ところで、岐阜地域でございますけれども、硝酸性窒素が問題であるということは前からこの地域は言われていたわけですが、別表の公防計画策定に当たっての目標では、地下水のうち硝酸性窒素については明示で落とされているんですけれども、これはどうして落としたのか、解決のめどが立ったから落としたということなのか、ご質問申し上げたい。
 それから、もう一点、岐阜地域で、県としてのお考えもお聞きしたいと考えるのは、河川の環境基準のあり方についてですけれども、境川では上流、下流について完全に逆転現象が起こってしまっていて、上流の方が汚いんですね。下流の方が水質がきれいなわけですが、これは一体どうしてかということと、それから、既に現在基準をクリアできているとはいうものの、Dランクでクリアできているという水域について、実際に内容を拝見しますとCランクでもよさそうだというような水質状態の水域がDのまま環境基準をクリアできているということになっている。これは、あまり合理的であるとは思えないんですね。特にこの河川が水質の面から見たら非常に重要な長良川とか木曽3川に流入する支川でありますから、ここがDランクのままで残っているということはいささか解せないわけです。環境基準の達成が多ければ多いほど行政としてはいいんでしょうけれども、もっとここは基準を、類型をランクアップするというお考えはないかどうかお聞かせいただきたいと思います。
 例えば新境川の上流も×になっていますけれども、これはたまたまBの類型になったから×になっているので、これが仮にCだったらクリアできてしまうわけですから、そういう類型のあてはめ方によってクリアした、クリアしていないというような話が結果として起こるのはやむを得ないとしても、どうも整合性に欠けるような気がいたします。この点はどういうお考えを持っておられるかをお聞かせください。
 それから……

○小林委員長 ちょっとそこでとめて、後で続けていただく。今、3点ご発言がございましたので、最初の地域指定について追加のご意見ありましょうか。ちょっと順序を狂わせますけれども。
 ご発言がありましたように、閉鎖性水域ですとか新幹線ですとかいう点でいきますと、市町村単位でポイント制で入れるか入れないかというと、対策コミの場合が非常に不自然といいますか、対策が組みにくいどうも制度でないかと、こういう印象は否定し得ないわけです。平成13年にセットした方針ですから、今回それでいくにしても、今回の計画に当たってもそうした面的・線的に連続している地域にあっては、指定区域以外のところも県として対策を十分念頭に置きながら、落ちこぼれのないように計画を進めてほしいと、こういう要望にしておきたいと思います。
 2点目は、硝酸性窒素でございますが、これは説明ございましょうか。これは環境省の方に質問がいっているんですが。

○浅野委員 一応解決のめどが立ったというようなご説明ではあったんで、それで落ちたのかなとは思ったんですが。

○岐阜県(浅野) 岐阜県でございます。
 改善傾向には確かにございますけれども、もちろん先生おっしゃるように問題がなくなったというわけではございませんので、まだ問題意識は当然持っておるわけでございますが。

○小林委員長 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、3点目に、愛知地域の……

○岐阜県(浅野) ランクによる適否でございますけれども、定期的に私どもは、正直申しまして、実績がクリアできたところからと申し上げるんですけれども、そのようなところからランクアップを図っておるわけでございますけれども、確かにまだその点不十分な点がございます。今後とも、あくまでこれは目標なんですけれども、ランクアップについては当然見直していくべきだというふうに考えております。

○小林委員長 ありがとうございます。
 環境基準に当てはめのレベルアップという課題を残していることでございます。
 次、浅野委員、引き続いて。

○浅野委員 今の点、境川下流は基準が8ですけれども、既に3.8まで来ているわけですから、この後は5にしても全然問題ないわけですね。

○岐阜県(浅野) おっしゃるとおりで、今後ともこのあたりはランクアップをしていくべきだと考えております。

○浅野委員 それと、上下流の逆転現象というのは、下水道整備の関係ですか。

○岐阜県(浅野) 下水道とか、あと流入河川とか、そのあたりかと思うんですけれども。

○浅野委員 では、次は愛知地域についておたずねします。
 愛知地域では、主要課題の設定の仕方なんですが、三重県との関係でのお話、あるいはそういう地域であるということからいうと、伊勢湾を外すわけにはいかないというのはわかるんですが、さっきのお話ですと、三河湾の水質がめちゃくちゃ悪いですね。それなのに、重点項目として三河湾の地名が明示には入れられていないというのはどういう理由なんでしょうか。環境基準の水域も違うでしょう、これは理由は。

○愛知県(宇津木) それは、4-3、基本方針のところで、伊勢湾の水質汚濁というふうに書いているということですよね。

○浅野委員 そうですね。

○愛知県(宇津木) これはちょっと説明不足で、私ども伊勢湾という場合には、広義と狭義がございまして、ここでいう伊勢湾の水質汚濁は三河湾も含む広義の伊勢湾の水質汚濁というふうに私どもは考えております。環境基準の類型とか、基準の適否のことでは細かく伊勢湾のどことか三河湾のどこというのですけれども、大まかに政策として、伊勢湾の水質汚濁について言った場合に、広義の伊勢湾ということで、三河湾も含めておりまして、もちろん三河湾の水質汚濁というのは非常に問題があるというように考えておりますので、ということでよろしくお願いしたいんですが。

○浅野委員 わかりましたが、わかりにくいですね。結構です。

○小林委員長 ほかに。
 山下委員、お願いします。

○山下委員 すみません、余り難しい話じゃないんですけれども、事務局の方にお願いしておきたいのは、実は、私は何回か前に横並びでこの環境要素を見られるというのは非常にありがたいんだけれども、書式は統一してほしいとお願いしたんですね。大分整理されてきているのはありがたいことなんですけれども、いまだに各項目について表示が結構ばらばらなんですね。環境基準との比べ方とか要請限度との対応とか、そういったことはちょっと事務局で各地域に注文というか、お願いするときに、フォーマットまではいかなくてもいいんですが、一応そろえていただくと私どもがここで拝見してわかりやすいというか、環境要素をこうやって眺めていくことは大変ありがたいというか、私どもは大変役立つことだと思うんですね、この会議の趣旨に。ただ、やはりちぐはぐなのは混乱するので、よくわかっていればいいんでしょうけれども、ここでぱっと見てどうだというのは理解しにくい。これはお願いできることでよろしいでしょうか。

○奥主環境計画課長 こちらの方で各県にフォーマットを示して、それは恐らくこちらの責任になるわけでございますけれども、フォーマットを示す際に統一をするように今後修正していきたいと思います。
〇山下委員 ありがとうございます。
 それともう一つ、続いてよろしいですか。

○小林委員長 今の点につきましては、共通的にというのは非常にいい、もっともでございますが、それぞれの地域の個性とか、特色というのは殺さないように、そういう配慮もぜひお願いしたい。
 では、引き続いてどうぞ。

○山下委員 すみません、今、委員長の言われたことにも関係するんですけれども、いわゆる地域性ということに私どもは大変興味はあるんですけれども、地域性に注目しますと、どうしても苦情という要素が一つ入ってくるんですよ。これは別の話ですか。

○奥主環境計画課長 苦情につきましては、昔の公害防止計画をやったときは苦情とかもいろいろあったんでございますが、ただ、こちらで客観的な基準というふうに照らして判断していこうというときに、苦情の件数が一体、中身が全国比較できるものであるかはなかなか難しいところがございます。そういう意味では、この地域指定をする際に苦情というのを大きな要素として考えるということはなかなか難しいのかなということで考えてございます。

○山下委員 ありがとうございました。

○小林委員長 ほかに。
 どうぞ、福井委員、お願いします。

○福井委員 私は、今回の内容を見せていただきまして、卒業した箇所が非常に多かったのは、それなりに公害防止計画も随分達成できる地域がふえてきたのかなと、改めて感激しているところなんです。これまで見ていると、これだけ卒業した地域は余りなかったものですから、特に今回そう思ったわけなんですが、ただ、相変わらず、この中を見せていただきますと、特に水質の関係、湖沼とか海域とかいう水質汚濁が依然として解消されていないですね。これは全国的に言える話で、決してここばかりが悪いとか、そういう意味じゃないんですが、先ほどちょっとお話がありましたが、環境基準の設定がどうだったかなというのがあるかどうかわからない。いずれにしましても、目標は達成されていない。特に、岡谷市、諏訪湖なんですが、諏訪湖自身が周囲の流入河川が原因か、あるいはまた、直接汚水が入ってくるのか、原因がちょっとわかりにくいんですが、ここは下水道で諏訪湖に汚水が入らないように周囲をぐるっと取り巻いて下水道整備をするというふうに私は理解していたんですが、そこは全部できているのかどうか。それが全部できていると流入河川だけの問題になってくるじゃないかと、思うんですね。ただ、そうはいっても下水道の整備というのはなかなか進みにくい。特に昨今、公共事業全体が何となく、年々減少傾向にある。また、地方公共団体が裏負担も大変だということで、一般的に下水道整備も一時期から見るとかなりダウンしている。
 あとはお願いになるんですが、そういった中で、整備が遅れているのかどうか、今度ここの5年後の整備地域というのが出てくるんだろうと思うんですが、各地域とも、どんな整備計画をつくるか、あるいはどのように優先度を上げるか、その辺の努力を、是非ともよろしくお願い申し上げたい、このように思っています。

○小林委員長 諏訪湖周辺の下水道について。

○長野県(小平) それでは、長野県からお答え申し上げます。
 諏訪湖周辺の下水道事業につきまして、昭和46年から平成23年度までの計画で進めておりまして、現在普及率が96.0%ということで、昔の非常に汚れていた諏訪湖から見ますと、非常に水質については向上してございます。そのほか、周辺に農地がございまして、その辺の非特定汚染源対策につきましても検討して、関係省庁とともに取り組んでいる次第でございます。
 以上です。

○小林委員長 ありがとうございます。
 ほかに。
 どうぞ、石上委員。

○石上委員 岐阜の今説明いただいた資料の中の5ページのグラフなんですが、これは大気の汚染の状況を年度別に調べたものだと思うんですが、これを見ていると、51年からとられていますが、54年にぐっと下がって、平成5年までぐらいが非常に低く推移しておりますよね。そして、6年から一気に高くなってきている。これは何かいろいろな背景があるのでは、分析すればわかるんじゃないかと思うんですが、わかれば教えていただきたい。

○岐阜県(浅野) 大変難しいんですけれども、担当が申しますには、例えばほかの国の影響とか、必ずしも岐阜地域だけの影響ではないというふうに言っておるわけですけれども、理由はわかりません。

○石上委員 そうすると、対策を講じた結果こうなったというわけではない。

○岐阜県(浅野) ええ。

○石上委員 このあたりは環境省さんに分析を、周辺も含めてお願いしたい。かなりの期間、10年以上の期間非常に低く推移しているわけですから、何かの原因があるのではないかと思われるんですね。ですから、このあたりはできれば深く環境省で追究して検討していただければありがたいと思いますが。

○奥主環境計画課長 大気汚染の状況については毎年やって、非常に分析しているんでございますけれども、オキシダントにつきましては大変全国的に非常に達成状況が悪いというふうな状況がございます、この地域に限らず。そういう点で全国的にどういう原因があるのかというのはちょっと関係庁さんと相談をしながら分析していきたいと思います。

○石上委員 もう一ついいですか。

○小林委員長 どうぞ。

○石上委員 これは方針の方ともかかわるんですが、先ほど従来ちょっと原因不明の説明があるんですね。特に岡谷なんかの諏訪湖の原因がちょっとつかめないという。河川をとらえれば、一応下水道整備等で河川の水質はよくなっているというふうに説明がありましたけれども、今回の計画を策定するに当たりまして、原因不明について計画で対策が立てられるのかなというふうにまず考える。関係することで言えば、この基本方針の中にはそういうことに触れていないんですね。数量的に悪いという結果はあるわけですが、対策が立てられない計画ということでいいのかというのが一つ、ちょっと私思いました。
 これは岡谷だけじゃなくて、岐阜のページでいうと12ページかな、地下水、水質汚染汚濁のところもたしかあったように思います。だから、でき得れば、まずこの公害防止計画の策定というのに原因不明のものを立てられるのかどうかということなんですね。立てられなくちゃいけないとは思うんですが、そのときに、もしそうであるならば、そういうものの対策をひとつ今までの経緯・経験から何か専門家なりに聞いて、こういう方法で分析したらいいのではないかみたいなものを環境省から指示する必要がありますね。そうしていくことが計画になるのではないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

○浅野委員 ちょっとそれに関連することで、同じことを私もちょっと気になっていたんですが、地下水で岡谷の場合には、とにかくノンポイント的にかなり汚染が過去の蓄積で広がっているんだろうという想像はつくわけですね。そうしますと、どういうレベルでどういう対策を講じるのかということは腹を決めておかないと、ある意味ではどうにもならないという面がありそう。土壌汚染と同じように考えられないというのが地下水汚染についての基本的な政策の考え方ではあるわけですね。土壌は場所が動きませんから、それはリスクマネジメントのレベルでいいといっていますけれども、地下水は流れて公共用水域に行くという可能性があるから、放っておくわけにいかんというものにこれほど広範に環境基準未達成のモニタリングの地点が出てくるということになりますと、簡単なことでは解決ができないだろうと思うわけですね。ですから、この目標と書いてあるところでは実態の把握に努めて、現時点で可能な対策を講じるとともに、抜本的な地下水保全対策の検討を行うと書いてあるのが、多分僕の言っているようなことを意味するんだと解釈はしてあげたいんだけれども、本当に環境省は抜本的な保全対策というのはどの辺を着陸点とするというふうに考えて、現時点でこんなことを書いておられるか。これは長野県に聞くより環境省に聞いた方がいいわけだから、課長としてこの考えを述べてください。

○小林委員長 ちょっと追加して一言。
 4地域とも地下水汚染が大変深刻で、特に岡谷については日本でも初期の時代の汚染事例の場所であるんですけれども、それぞれの地域で因果関係あるいは対策というのはまとめかねているというのが現状だろうと思います。この点についてはぜひ環境省で積極的に因果関係の把握の仕方、有効な対策について開発的に取り組んでいただきたいというのが希望でございます。そんなのも含めましてコメントがございましたらお願いいたします。

○奥主環境計画課長 お答えいたします。
 先生方ご指摘のところは非常に難しいんでございます。ただ、環境省といたしましては、まず環境汚染があるという実態はあるわけでございますので、そこを何もしないというわけにはいかない。その計画の中で対策を記述していただきまして、それに基づいて対策を講じていただくことが必要になるわけでございますけれども、確かにまずは原因不明というふうなことであれば、実態把握をまずしていただく。その中で必要な、もし必要があれば、あるいは適切な対策というようなことが見つかるのであれば、この計画の策定までに何か記述していただきたいというふうに。ただ、もしそれがなかなかできないということであれば、まずはモニタリングをしていって、その計画遂行の中にモニタリングしていきながら必要な対策はその計画期間内でできるものは講じていくというような形で県の方でも計画はつくっていただきたいというふうに考えております。
 ですから、現段階では環境省として抜本的な対策はどういうものか具体的に示せと言われましても、ちょっとそこは今の段階ではすみませんが、ということでございます。

○浅野委員 やはりもとは土壌汚染なんじゃないかなという気がします。だから、地下水だけを見て、井戸水を調べて対策をたてている限りは、結局現象の一番端っこのところをつかまえて議論しているだけではないかと思われる。もっと根元のところを追っかけていかなきゃいけないんだろうと思いますね。どこかに何か汚染源の大きな塊があって、それから出てくるならこんな状態にならないだろうと思うから、相当広範囲にちまちましたかつての不適正処理があるんだろうと想像されます。その辺の実態から押さえていかないとどうにもならないんじゃないかと思われますね。

○石上委員 したがって、追加して言わせていただくと、前回もちょっと申し上げたんだけれども、この備考欄をつくっていただいたのは先ほど評価されておったんですが、この書き方として少し、これは県がつくったということでしたか。いや、基本方針は国がつくったものでしたよね。

○奥主環境計画課長 環境省です。

○石上委員 そうですよね。まさにこの前も言ったんですが、抜本的な地下水保全対策の検討を行うという、非常にある意味抽象的だったところもあるんですね。したがって、そういうところを少し知恵を出していただいて、課長に説明いただきましたけれども、そういうようなことを少し加えていただくともう少し変わってくると思うんですね。県も取り組みやすいと思うので、少しより具体的に書けるなら書いていただきたいという希望です。

○小林委員長 どうぞ。

○奥主環境計画課長 これを踏まえまして、これから計画をつくっていただくことになるわけでございまして、その計画の文案の具体的な中でどこまで、これは計画でございますので、具体的、実行し得るものでなければしようがないんですが、計画をつくっていく中でどこまでできるかどうか検討していきたい。県とも相談していきながら進めていきたいと思います。

○小林委員長 よろしゅうございましょうか。
 それでは、いろいろご意見をいただきましたが、4つの地域につきまして、本日のメインの議題は資料4でございますが、資料4の基本方針(案)、これに沿って国が指示をされる、こういう方針を了解したいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○小林委員長 それでは、基本方針につきましてはここまでの議事にいたします。ただいま、大変環境省に対する注文でございますとか、計画を立てるに当たっての要望がございましたので、可能な限りそれを取り入れて計画に反映させていただきたい。それから、課題として少し残っている課題があるような印象でございますので、それについても今後どう取り組むかご検討いただきたいところでございます。
 それでは、議事はそこまでにいたしまして、今後の予定等につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○明石環境計画課長補佐 今回の公害防止計画の基本方針の策定指示につきましては、来週12日に公害対策会議幹事会の方がありまして、13日に公害対策会議が開かれる予定でございまして、それをもちまして正式に決定で策定指示をしたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

○小林委員長 ありがとうございます。
 委員会を閉じるに当たりまして、その前に特にご発言があれば伺いたいと思います。
 山下委員、最後の機会ですが、何かご発言ございますか。

○山下委員 結構です。

○小林委員長 それでは、これをもちまして第14回の小委員会の議事を終了させていただきます。
 どうもありがとうございます。

午前11時53分 閉会