中央環境審議会総合政策部会 公害防止計画小委員会第11回会合

日時

平成17年3月9日 午後2時00分

議事内容

午後2時00分 開会

○小林環境計画課長補佐 それでは定刻となりましたので、まず資料の確認からさせていただきたいと思います。
 太田委員は少しおくれられるということでございます。
 資料1でございますが、中環審総合政策部会公害防止計画小委員会の委員名簿でございます。資料2でございますが、公害防止計画の概要(案)でございます。資料3、仙台湾地域等5地域の公害防止計画主要課題の施策の概要(案)でございます。資料4でございますが、資料4-1、4-2、4-3、4-4、4-5と、それぞれ5地域の計画の案でございます。黄色い冊子になっております。その下でございますが、資料5-1、環境省関係の補助金の改革(公害防止計画関連)についてという資料でございます。資料5-2、循環型社会形成推進交付金の創設。資料5-3、三位一体改革による公害防止対策事業補助金の変更でございます。その下に参考資料1としまして、公害防止計画策定の基本方針の概要。参考資料2としまして、公害防止計画に関する参考資料という資料をつけさせていただいております。
 以上の資料、皆様のお手元にございますでしょうか。
 それでは、安原委員長、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 安原でございます。
 それでは、ただいまから第11回公害防止計画小委員会を開催いたします。
 本日は大変お忙しいところ、皆様ご出席をいただきましてありがとうございます。
 まず、本小委員会の構成は、今、ありましたように、資料1の名簿のとおりでございます。ご紹介は省略させていただきます。
 本日は、関係の県の宮城県、福島県、富山県、岡山県、広島県、山口県のそれぞれの関係者もご出席をいただいております。大変、今日はありがとうございます。
 なお、本日の小委員会の終了時刻でございますが、16時を予定しておりますので、円滑な審議によろしくご協力をお願いいたします。
 それでは、審議に入ります前に、環境省総合環境政策局長の田村さんからごあいさつをいただきます。よろしく。

○田村総合環境政策局長 総合環境政策局長の田村でございます。
 本日は皆様方におかれましては、大変お忙しい中をご出席いただきましてまことにありがとうございます。会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 本日、ご審議を賜りますのは、今、委員長からもお話もございましたように、仙台湾地域、いわき地域、富山・高岡地域、備後地域、周南地域の5地域の公害防止計画の同意についてでございます。
 これらの5地域におきましては、昨年の10月の8日でございますが、環境大臣から関係県知事に対しまして計画の策定指示が行われております。その後、関係知事は、基本方針に基づきまして、計画を作成し、このたび環境大臣あてに協議申請がありましたので、計画の同意を行おうとするものでございます。なお、仙台湾地域等5地域の同意につきましては、来る3月17日、公害対策会議幹事会の議を経まして、先決処理によりまして、環境大臣から関係県知事に対し、公害防止計画の同意を行う運びとなる予定でございます。委員の皆様方には、どうかよろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
 今後とも皆様方のより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。仙台湾地域等5地域の公害防止計画の同意につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

○佐野環境計画課長 環境計画課長でございます。
 それでは、資料2に沿いまして、本日ご審議をいただきます公害防止計画の案につきまして、概略、私の方からご説明させていただきまして、その後、それぞれの案を作成をされた県の方からご説明をしていただきたいと思います。
 この5地域につきましては、先ほど、局長が申しましたとおり、こちらの審議会としては9月29日に開催をいたしました小委員会にお諮りをしまして、この結果を受けまして、策定指示をいたしました地域でございます。そのときのおさらいということになりますが、どういった地域で、どういったものに配慮してつくっていただくかというところを、その後ろの方へつけてございます。
 資料をめくっていただきまして、4ページに対象の地域が書いてございます。今回、ご審議をいただきますものが、こちらの4ベージにございます5地域、16市町になります。
 それから、それぞれの地域で目標とすべき、したがいまして、これらの環境基準がそれぞれの地域において達成されていないということを示しているわけでございますが、それぞれに当たりますものが、この5ページに示すようなものでございます。
 それで、これに対処するということで各県の方で計画をつくっていただいているわけでございますが、その概要が6ページ、7ページでございます。各地域において、例えば下水道の整備を進めていただく。それから、緩衝緑地があるのは、今回は備後地域と周南地域。あるいは廃棄物、ごみ処理関係の施設でございますと、この地域にそれぞれありますようなもの、あるいは、しゅんせつがありますもの、それから土壌改良、土壌汚染対策がある、というようなものが挙がってございます。
 それで、これらの事業の結果といいますか計画でございますが、8ページに参ります。8ページの上の方は、特にこれらの地域の計画におきまして、重点的に対策を講ずべき問題でございます。こういったところに力を入れてつくっていただいておるはずでございます。
 それから8ページの下段の方で、各地域において、どれだけの事業が予定されておるかということでとりますと、先ほどの6、7ページの表にありましたものを5カ年間の事業費で見ますと、ここにございますような、真ん中の公害対策事業という欄にございますような事業が予定されております。その1つ右の公害関連事業といいますのは、例えば道路関係でバイパスをつくられて、これが地域の公害対策に大いに資するとか、公園の整備をやられるとか、こういった、この前の表に入ってこない公害防止、環境関連の事業といいますと、これだけのものが予定をされておるというものでございます。
 以後、参考資料につきましては、これももう策定の指示のときにお諮りをさせていただきました地域の概要でございますとか、それぞれの環境基準がまだ達成されていないものがこれだけである、というような中身でございます。
 資料が束になってございまして、少し後ろの方に資料3というのがございます。これが各県に案をつくっていただきました、公害防止計画の概要でございまして、順次めくっていただきますと、それぞれの地域において、先ほどの欄にございました、非常に重点的に対処すべき施策について概要が掲げてございます。仙台湾の地域でございますと、自動車交通公害、大気汚染騒音ということになろうかと思いますが、こういったものについて、どういう施策を講じるか。それからもう一つ問題になっております松島湾、これはわが国の中でも有名なところでございますが、こういった生活排水対策、あるいは場所によってはしゅんせつ、覆砂等の事業を行う、あるいは下水道合併浄化槽等の整備を行うというふうな施策をまとめていただいております。
 以降、いわき、富山・高岡、備後、周南というふうにまとめてございます。この概要につきましては、この後、それぞれの県の方からご説明をいただくということにしたいと思います。詳細につきましては、それぞれの地域よりご説明をいたしますので、よろしくご検討のほどをお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、各県から、それぞれの地域のご説明をお願いしたいと思います。
 まず、仙台湾地域につきまして、宮城県からお願いします。

○宮城県 宮城県環境政策課の大内でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、パワーポイントに沿ってご説明したいと思います。
 仙台湾地域公害防止計画は、昭和49年に第1期計画が策定されて以来、6期30年にわたり継続してまいりましたが、今なお、自動車交通公害や海域の水質汚濁等の改善すべき課題が残されております。これらにつきまして、総合的な施策を進めなければ、この改善が難しいことから、昨年の10月、環境大臣から公害防止計画作成の指示を受け、計画案の作成に至ったところであります。
 それでは、具体的に計画についてご説明します。まず、計画を策定する地域ですが、仙台市、石巻市、塩竈市、名取市、岩沼市の5市であります。宮城県のほぼ中央に位置し、仙台湾に面した地域であり、政令指定都市仙台市を中心に、人口や産業が集積し、東北地方の中枢をなしている地域でございます。
 次に、この計画の目標ですが、環境基準の未達成項目につきまして、平成20年度をメドに環境基準が達成されるように努めることとしております。
 計画の主要課題は、第1に自動車交通公害で、大気汚染、騒音の著しい自動車交通公害の防止を図ること。第2は松島湾及び石巻地先海域等のCODにかかる水質汚濁の防止を図ることを掲げております。
 計画期間は、平成16年度から20年度までの5年間。主要課題の第1番目の自動車交通公害のうち大気汚染ですが、当該地域の主要3幹線道路沿道を選定し、重点的に対策を講じます。大気汚染の状況は、浮遊粒子状物質について、自動車排出ガス測定局6局中4局で環境規準を達成しておらず、二酸化窒素について6局中4局が、環境基準のゾーン内にあります。また、自動車交通公害のうち騒音ですが、当該地域の幹線道路を選定し、重点的に対策を講じます。自動車交通騒音の状況ですが、評価対象戸数8万 5,000戸のうち1万 3,000戸、15.6%が環境基準を達成しておりません。これらの要因は交通量が多いこと、及び大型自動車の混入率が高いことであることから、交通量の分散及び削減がもっとも効果的な対策であり、発生交通量低減対策及び交通量対策などを推進して環境基準の達成を図ります。
 主な施策ですが、まず交通発生量低減対策として、物流合理化対策と人流合理化対策に大別し、物流合理化対策として物流拠点整備。具体的には、仙台国際貿易港の整備。仙台港背後地の土地区画整理、石巻港重要港湾改修等を実施します。また、人流対策としましては、公共交通機関利用促進対策として、具体的には交通結節点整備、例えば新駅の設置等。それから交通需要マネジメント施策の推進としまして、例えばバス均一料金の 100円パックの拡大、時差通勤の拡大など、それから、パーク・アンド・ライド整備、これらを実施します。交通流対策として、道路ネットワークの整備、例えば仙台南部道路の整備、交通円滑化のための道路改良、例えば国道4号の道路拡幅や交差点改良、塩竈亘理バイパス整備、そして交通管制システムの高度化などを実施します。さらに、低公害車の普及促進や、沿道対策、普及啓発等を掲げております。これらの対策につきましては、宮城県自動車交通公害防止計画と整合を図ったものとなっております。
 主要課題の2番目の松島湾及び石巻地先海域等の水質汚濁ですが、ここの図にございますように、北側から石巻地先、松島湾、仙台港地先、二の倉地先とあり、その他の全地先海域とあわせて5海域、15水域について類型指定しております。各海域とも沖合のA水域は環境基準を達成しておらず、石巻、二の倉両地先海域では、B水域においても環境基準を達成していない状況にございます。各水域とも、流入する汚濁負荷が環境基準未達成の大きな要因ですが、松島湾にあっては、これに加えて閉鎖性水域による内部生産も一因となっております。これらの対策としましては、流入負荷の削減が効果的であり、発生源対策を主な対策に掲げて環境基準の達成を図ります。
 主な施策ですが、発生源対策として、生活排水対策と事業系排水対策に大別し、生活排水対策としまして、下水道整備をさらに推進し、処理人口について、平成20年度に 118万 9,000人、2万 3,000人増やすこととしております。
 また、浄化槽を新たに 5,500基設置するとともに、農業集落排水及び漁業集落排水の処理施設を整備し、新たに 5,000人の汚水を処理することとしております。また、事業系排水につきましては、法令に基づく規制順守を徹底し、新たに大規模な負荷を排出する事業所については、協定などにより、法令より厳しい基準を義務づけます。
 また、畜産対策として、畜産基盤再編成総合整備事業などを掲げております。
 そのほか、しゅんせつ、覆砂による水質浄化、環境監視体制の整備等を推進してまいります。
 特に、松島湾では、本県が策定しました松島湾リフレッシュ事業マスタープランとの整合を図って各種施策を展開します。簡単に、このプランをご紹介しますと、松島湾の水質や、底質を改善し、良好な生活環境を創造するために、下水道整備を中心とした流入負荷削減のための各種対策、しゅんせつ、覆砂による水質や底質の改善、さくれいによる海水の交換の促進、これらを推進するなどして、総合的に、かつ庁内の各課が組織横断的に各種施策を展開することとしております。
 また、湾内でアカモクという海草を活用した水質浄化能力の向上に関する研究を推進しております。
 以上が主要課題に関する施策です。
 そのほかにも、環境基準を達成していない湖沼の水質、地下水の汚染、航空機騒音、新幹線鉄道騒音、地盤沈下等についても、可能な限り具体的に講ずる施策を示しております。
 本計画の推進に当たっては、国の機関、県の関係部局、関係市と連携し、効果的に実施するとともに、事業者や地域住民との連携も図っていきます。
 本計画は、県全体を対象としました宮城県環境基本計画や、自動車交通公害にかかる宮城県自動車交通公害防止計画、松島湾の水質汚濁にかかる松島湾リフレッシュ事業マスタープランなどの諸計画と整合を図り、それらの施策が的確かつ円滑に実施されるように配慮しております。
 本計画の推進管理につきましては、毎年度、環境質や施策の進捗状況を把握し、中間年度は中間点検、最終年度は目標達成状況や施策の効果を評価分析し、その後の環境防止施策の推進につなげることとしております。
 以上、仙台湾地域公害防止計画の概要について説明させていただきました。よろしくお願いします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは引き続きまして、いわき地域につきまして、福島県からお願いいたします。

○福島県 福島県生活環境部の遠藤と申します。
 いわき地域の公害防止計画の概要につきまして、資料4-2の公害防止計画(案)に基づきましてご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、地域の範囲ですが、計画書(案)の3ページをごらんいただきたいと思います。地域の範囲はいわき市の1市が対象地域となってございます。いわき市は福島県の東南端に位置し、東は太平洋に面して平野が開けておりまして、西は阿武隈高地に囲まれた地形になってございます。面積は 1,231キロ平米で、人口は15年度末現在で36万 1,000人となってございます。
 次に、当地域の主な環境質の状況についてですが、恐れ入りますが1ページをごらんいただきたいと思います。1ページに大気の状況を述べさせていただいておりますが、大気汚染につきましては、平成15年度、この時点で浮遊粒子状物質が2地点、それから光化学オキシダントが9局全地点で環境基準を達成していない状況にあります。
 次に水質汚濁でございますが、2ページをごらんください。同じく平成15年度につきまして、BOD、CODでの指標で見ますと、河川の1水域で環境基準を達成しておりません。また、地下水につきましては、産業廃棄物の不適正保管、これが過去にあった地区におきまして、4地点で環境基準を達成していない状況にございます。
 次に自動車騒音でございますが、平成15年度は9区間で評価を行ってございます。その結果、評価の対象となりました住宅など 1,126戸のうち、184戸で環境基準を達成してございません。超過率16%という状況になってございます。
 このような状況を踏まえまして、恐れ入ります、5ページをごらんいただきたいと思うんですが、5ページに主要課題として自動車交通公害、それと地下水汚染、これを主要課題にしまして、平成20年度までの計画の期間内に環境基準を達成することを目標にして施策を実施するということで計画案をつくってございます。
 次に、この計画の中の主な公害防止施策についてご説明いたします。まず、主要課題であります自動車交通公害の対策についてでございますが、当地域には主要幹線道路といたしまして、南北に一般国道6号、それから常磐自動車道、東西に一般国道49号、それから磐越自動車道が走ってございます。当地域の中核となる幹線道路は一般国道6号でございまして、これの沿線が自動車交通公害の影響を大きく受けているという状況になってございます。
 恐れ入りますが、10ページと11ページをごらんいただきたいと思います。一般国道6号なんですが、市街地を経由している現道に対しまして、延長28キロにわたるバイパスが、平成12年3月に、暫定2車線で供用開始されております。朝夕の通勤・通学時に交通が集中しまして、著しい渋滞状況にございました。近年、このバイパスの4車線化が進められまして、著しい渋滞は解消されましたけれども、暫定2車線部分、あるいは現道部の2車線区間において通勤・通学時に、まだ著しい渋滞が発生してございまして、これらの状況が大気汚染とか、自動車騒音等、これの交通公害の要因になっているというふうに考えてございます。
 このような状況を解消しようということで、前計画までにおきまして、一般国道6号においてバイパスの整備、あるいは4車線化、こういうものの交通流対策というのを実施してまいりました。あるいは防音壁を設置したトンネルの整備、それから低騒音舗装の実施、こういうような道路構造対策を実施してきております。
 また、他の幹線道路も含めまして共通的な施策としましては、12ページに記載してございますが、公共機関への低公害車の導入とか、あるいはトラック・バス事業者等へのディーゼル微粒子の除去装置の装着の支援とか、市民に対する規制速度の順守とか、過積載の防止についての啓発等を行ってきてございます。
 それから、人流対策としましては、13ページに記載してございますが、鉄道利用の利便性を向上させようというような対策を実施するとともに、交通管制システムの高度化、こういうもので交通流の円滑を図ってきたということでございます。
 これらの道路整備とか交通管制システムの高度化、こういう交通流を円滑にした結果、さきにも申し上げましたが、一部渋滞は解消されてございます。ただ、依然として、朝夕の渋滞が著しい区間があり、さらに対策が必要な状況にある。それと低騒音舗装の施工とか、低公害車の導入、こういうものによる対策も、今後さらに推進していく必要があるということで、今後、講ずる施策について14ページに記載してございます。
 まず、達成目標なんですが、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、これにつきましては、環境基準の達成に努めるということを目標にしてございます。
 それから、自動車騒音につきましては、要請限度のレベルを超えている場合につきましては、当面の目標として要請限度レベル以下にすること、それと長期的には自動車騒音の環境基準の達成、これを目標としまして、以下の対策を講じるという計画にしてございます。
 具体的には一般国道6号バイパス、これも2車線区間の早期4車線化、あるいは一般国道6号の平鎌田交差点、こういうものの右折レーンの設置、それから都市計画道路内郷湯本線の整備延伸、こういうものにより交通流の円滑化を図るということと、それから、低騒音舗装、これを引き続き実施していくということにしてございます。
 それから、共通的な施策としましては、15ページから16ページに記載してございますが、今後とも、低公害車の導入を推進していく。それと交通管制システムの高度化、こういうものを図っていくことにしてございます。
 それから、いわき都市圏総合都市交通体系計画というのがいわき地域に設けられてございまして、これに基づき設置された協議会、これを主たる検討組織としまして、市内循環バス、あるいは幹線道路へのバスレーンの導入、そういう公共交通施策、あるいは自家用車通勤者の自転車とか徒歩、それから鉄道とかバスなどの公共交通への転換という、交通需要管理施策、こういうものを推進するということで関係機関と連携しながら、対策を講じていくということにしてございます。
 それから、もう一つの主要課題である地下水汚染についてですが、18ページをごらんいただきたいと思います。地下水汚染地区でありますいわき市の四倉地区、この地区につきましては、過去に産業廃棄物の不適正保管があったということで、平成10年度から、県が原状回復事業を行いまして、その影響調査として、地下水の水質調査を実施してございます。平成11年度からは中核市となったいわき市、これが原状回復事業と水質調査を引き継いでいるという状況になってございますが、平成15年度におきまして、その地下水の鉛、砒素、シス-1,2-ジクロロエチレン、それにベンゼン、こういうものが環境基準を達成していない状況にございます。
 ここの地区の地下水汚染対策としましては、20ページに記載してございますが、平成10年度から11年度にかけまして、行政代執行によりまして地下水汚染の原因となった廃棄物、あるいは汚染土壌、そういうものの撤去を行ってございます。さらには、汚染範囲確認のためのボウリング調査、あるいは汚染水処理施設の設置、それから環境監視用井戸の設置、そういうものをやってございます。また平成12年度には汚染拡散防止対策として、遮水壁の設置、汚染地下水の揚水井戸、揚水ポンプ、こういうものを設置してございます。平成13年度以降は、これらの汚水処理施設、こういうものを適正に運転管理して、地下水の浄化を図るとともに、地下水の継続監視、こういうものを実施してございます。
 これらの対策によりまして、汚染物質の濃度なんですが、21ページから24ページにグラフで示してございますが、おおむね減少傾向にはございます。ただ、先ほど申し上げましたように、依然として環境基準を超過している地点がありますことから、今後もさらに対策を進める必要があると考えてございます。
 今後講ずる施策についてでございますが、これは25ページに記載してございます。計画終了年度、これまでに環境基準を達成するということを目標にしまして、引き続き汚水処理施設とか、揚水施設、これの運転管理を行いまして汚染地下水を浄化する。それとともに浄化対策の効果を確認するということで、汚染修復のモニタリング井戸、これは31カ所ございますが、これについて年4回のモニタリング調査を実施していく。あと、周辺地下水への影響ということで、環境監視用井戸が15カ所ございますが、これにつきまして、年2回から12回のモニタリング、そういうものの調査を実施して、汚染拡散の有無を確認していくということにしてございます。
 それから、その他の公害防止施策でございますが、この地域における公共用水域の水質、これはこれまでの取り組みにより改善傾向にございます。ただ、まだ、環境基準を達成していない水域がございますので、引き続き下水道の整備、それから発生源の指導監視の強化、こういうことによる水質汚濁防止対策を推進するということにしてございます。
 なお、廃棄物対策につきましては、ごみ処理施設とか、し尿処理施設、これを計画的に整備更新していくということを考えてございます。
 以上が、当地域における主な公害防止施策ですけれども、この計画に基づく施策につきましては、77ページから83ページまでに記載してございますが、国、県、市の関係機関、これらと連携して効果的に実施するということと、毎年度の状況調査を始め、適切な進行管理を行っていくということにしてございます。
 簡単ではありますけれども、これで説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、富山・高岡地域につきまして、富山県からお願いいたします。

○富山県 富山県環境政策課の元平と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元にお配りいたしました計画案の概要という14ページの資料に基づきましてご説明いたします。
 この資料では策定の地域図と4つの主要課題についてまとめております。
 資料の1ページでございますけれども、策定地域図でございます。富山・高岡地区につきましては、富山市、高岡市、新湊市、婦中町の3市1町を対象としております。面積は 460平方キロ、10月1日時点の人口は56万 8,000人で、県の51%。本地域は、臨海部を中心に工業地帯を形成しておりまして、本県の経済の中心的な地域を占めております。
 2ページ以降、主要課題についてご説明いたします。最初が自動車交通公害対策でございます。浮遊粒子状物質の状況につきまして、図2で測定局ごとの環境基準の達成状況について示しておりますが、全局で環境基準を未達成となっております。
 次に3ページでございますけれども、光化学オキシダントの状況でございます。図3で、各測定局ごとの環境基準の達成状況を示しておりますけれども、これにつきましても全局で未達成という状況になっております。
 資料4ページの参考の表1で、光化学オキシダントに係る注意報の発令状況を書いておりますけれども、平成16年度には9年ぶりに注意報を発令したという状況になっております。
 次に資料5ページ、騒音の状況でございます。図5で、自動車交通騒音の環境基準超過地点を示しておりますが、幹線道路を中心に21地点で環境基準を超過しているという状況でございます。下の方から要因分析を書いておりますけれども、まず要因の1つとしましては、自動車が増加しているということでございます。本県は1世帯当たりの自動車の所有数が全国一ということで、自動車の依存度が高いということから、公共交通機関への転換が進んでいないという状況でございます。
 資料の6ページに行きまして、2番目の理由といたしまして、幹線道路を分断する形で大きな川が流れている。これらの橋の付近に交通流が集中するため、渋滞が発生する。また、同じように幹線道路を分断する形で、丘陵があるということで、トンネルとか切通し付近で渋滞が発生する。こういったことから、自動車交通による環境への影響を受けやすいという状況でございます。
 対策といたしまして、まず、発生源対策では、排出ガス及び騒音規制等の徹底を図る、また低公害車の導入促進を図るといったことなどを行うこととしております。
 交通流、交通量対策といたしましては、公共交通機関の利用促進などを図ることとしております。
 道路構造対策としましては、低騒音舗装とか、遮音壁の整備等を図ることとしております。
 調査研究といたしまして、大気汚染状況の観測体制の整備等を図ることとしております。
 あと、個別対策としまして、特に重点的に進める必要がある幹線道路につきましては、交通量、交通流対策として一般国道8号の立体交差事業の推進とか、あとバイパス道の道路整備、交通管制システムの高度化などを図ることとしております。
 続きまして、資料7ページでございます。2番目の主要課題でございます富山湾海域の水質汚濁対策でございます。まずCODの状況でございますけれども、8ページの表2で、海域の環境基準点における水質測定結果を載せております。一番右端の方にCODの状況、適否○×を書いておりますけれども、3カ所でCODの基準を超過しているといった状況でございます。
 資料の9ページでございますけれども、表3で当該海域における環境基準達成状況の推移をあらわしております。富山湾全体でございますけれども、平成6年度ごろから、悪化傾向がございまして、平成11年度には環境基準の達成率が32%というふうに最も悪くなっておりますけれども、近年、改善傾向にございます。
 要因といたしましては、海域に流入する窒素、燐を栄養としてプランクトン等が増殖するといったことによってCODが高くなるということが判明しております。
 今後の対策といたしまして、まず生活排水対策としましては、下水道の整備促進など。産業排水対策といたしましては、排水規制の徹底など。あと調査研究といたしまして、常時監視の実施などを行うこととしております。
 次は資料の10ページでございます。3番目の主要課題でございますが、神通川流域の農用地土壌汚染対策でございます。ここはカドミウムによる土壌汚染の状況でございまして、図10が農用地土壌汚染対策地域をあらわしております。
 資料の11ページをごらんいただきたいと思います。表5に当該地域の状況を書いております。対策地域として指定しておりますのが、[1]としてございます 1,500.6ヘクタールでございます。対策をとって指定解除したところが 1,108.2ヘクタール、73.9%が既に対策を終わっており、残る指定地域が 392.4ヘクタールということで、26.1%がまだ残っているという状況でございます。
 要因といたしましては、岐阜県の神岡鉱業株式会社から排出されたカドミウムが神通川水系下流地域の水田土壌中に流入蓄積したということが判明しております。
 対策といたしまして、12ページでございますけれども、復元事業の推進を図るということを行います。平成20年度には終了する予定になっております。
 最後に、4番目の富岩運河等のダイオキシン類対策でございます。資料の13ページでございます。平成12年度の水質調査で、富岩運河に環境基準を超えるダイオキシン類が測定されております。あと、下の枠囲みにもございますように、このほか富山新港東埋立地(新湊市)においても、この富岩運河からしゅんせつされた底質が盛土として利用されておりまして、ここからもダイオキシン類が検出されているという状況でございます。
 この要因でございますけれども、過去に農薬を製造していた化学工場が有力な汚染原因の1つとして推定されております。県におきましては、検討委員会を設けまして、汚染状況や汚染原因に関する詳細調査を実施しているところでございます。
 対策といたしましては、資料の14ページでございますけれども、汚染状況の実態把握、あと汚染源究明調査の実施、対策手法について継続的な検討を行うこととしております。
 主要課題は以上でございまして、この富山・高岡地域では、これらの主要課題以外にも、地下水汚染や土壌汚染等の問題が存在しておりまして、早急な対策が求められているところでございます。
 県といたしましては、これらの公害問題の解決に向けて総合的な施策を講じることとしておりまして、新たに策定する公害防止計画に基づいて、国や市町村、事業者など関係機関と連携して取り組みを進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、次は備後地域につきまして、岡山・広島両県からお願いいたします。

○広島県 広島県環境対策室の石友と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、時間も限られておりますので、主要課題とその対策を中心に説明させていただきます。
 まず資料の3ページをお開きください。この計画の範囲でございますけれども、地図の左上にございますように、この地域は広島県の東部、それから岡山県の西部ということで、具体的には下の大きな地図の西にあります三原市、福山市、そのお隣の岡山県の笠岡市、以上3市からなっております。従前の計画では、三原市と福山市の間にあります尾道市、福山市の北にあります府中市、それから福山市と笠岡市の間にあります広島県の神辺町が入っておりましたが、今回は環境が改善されたということで、今回の計画からは外れております。
 次に、1ページにお戻りください。当該地域の産業につきましては、昭和39年の備後地区工業整備特別地域として指定をされたことを契機にいたしまして発展してきた地域でございます。大きな企業としましてJFE、三菱重工、シャープを初めとしまして、鉄鋼、化学、電機、機械等の重化学工業が多く立地しております。
 次に環境質の状況ですが、環境基準を超えた主なものについてでございます。まず、大気関係では浮遊粒子状物質が15の測定局中1局、それから、光化学オキシダントについては、10局全部で環境基準を超過しております。
 水質関係につきましては、河川のBODが17水域中4水域で、それから海域のCODにつきましては、3水域中2水域で関係基準を超過しております。
 それから、地下水につきましては、1地点で環境基準を超過しております。これは岡山県の笠岡市で、物質はフッ素となっております。
 次に騒音でございますけれども、自動車騒音については19地点中14地点で、さらに新幹線鉄道騒音につきましては、9地点中2地点で環境基準を超過しております。
 続きまして、7ページをお開きください。計画の主要課題でございます。3点ございます。まず第1点目は、自動車交通公害対策として、大気汚染、騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止を図ること。2点目として河川の水質汚濁。水質汚濁の著しい河川のBODに係る水質汚濁の防止を図ること。3点目が、箕島町地先海域及び備讃瀬戸の水質汚濁対策といたしまして、箕島町地先海域及び備讃瀬戸のCODに係る水質汚濁の防止を図ること。以上の3点でございます。
 続きまして、9ページをお開きください。第2章の公害防止施策でございます。まず第1節の主要課題への対応ということで、1点目の自動車交通公害対策でございますけれども、対象路線といたしまして、一般国道2号でございますけれども、国道2号につきましては、当地域の幹線道路の中でも最も交通量が多く、また対象地域の3市すべての市街地を通っておりまして、当地にとっては欠くことのできない中核となる幹線道路でございます。国道2号は大阪と九州を結ぶ大動脈でして、夜間の交通量も非常に多く、また大型車の割合も非常に高くなっております。そのため、渋滞や騒音がひどくなっております。
 国道2号沿道での環境基準の超過状況ですが、10ページをお開きください。この地図、道路沿道では岡山県の大磯局で光化学オキシダントを測定しております。この経年変化につきましては、11ページのとおりでございます。
 それから、次の12ページをお開きください。騒音の状況でございます。国道2号沿道では7測定点すべてで環境基準を超過しております。
 また、次に14ページをお開きいただきたいと思います。こちらでは三原市の騒音の面的評価をあらわしたデータでございます。約3割の住居がいずれかの時間帯で環境基準を超過しておるという状況にございます。
 主な対策でございますが、22ページをお開きください。まず個別施策でございますけれども、表2-1-11、それから表2-1-12にありますように、国道2号におけるバイパス整備や遮音壁の設置を計画しております。それから、国道2号以外につきましては、表2-1-13のとおり、県の事業といたしまして道路拡幅や、バイパス整備の事業を計画しております。こういうことで地域の交通量の円滑化を図っていきたいというふうに考えております。
 これらの事業の位置図につきましては、24ページにお示ししております。
 続きまして、共通施策でございますが、25ページをごらんください。まず発生源対策といたしまして、広島県では平成15年度に広島県生活環境の保全等に関する条例を、そして岡山県では平成14年度に岡山県環境への負荷の低減に関する条例を制定いたしまして、これらの条例に基づきまして、新たにアイドリング・ストップの義務づけとか、低公害車の普及促進等を図っていくこととしております。詳細な内容については、表のとおりでございます。
 次に26ページをごらんください。交通流円滑化対策といたしまして、表2-1-17のとおり、交通管制システムとか、信号機の高度化を計画しております。その他にも整備不良車両とか、駐車違反車両の取り締まりを強化していくこととしております。また当地域では、三原市におきまして、三原都市圏総合都市交通計画、また福山市におきましては、福山都市圏交通円滑化総合計画を策定いたしておりまして、これらの計画に基づきます施策の推進を図ることといたしております。
 それから、27ページにありますように、各種協議会での総合的な自動車交通対策の検討、監視体制の整備、さらには調査研究や普及啓発を図っていくこととしております。
 これらの自動車交通公害対策の体系図につきましては、28ページのとおりでございます。
 次に30ページをお開きください。2つ目の主要課題の河川の水質汚濁対策でございます。平成15年度の河川のBODの環境基準達成状況は30ページの表、さらには31ページの図のとおりでございます。主要課題の対象河川といたしましては、環境基準を超過しております芦田川中流(二)、芦田川下流、それから芦田下流の支川になりますけれども、高屋川下流、それから瀬戸川下流の3河川4水域。これとは別に、仏通寺川という河川がございます。31ページの地図を見ていただければと思いますけれども、一番左の方、西の端になりますけれども、三原市に仏通寺川という川がございます。この仏通寺川は、平成15年度には環境基準を達成いたしましたけれども、降水量等の影響で、毎年の測定値にかなりのばらつきがございます。安定的に改善したとはいえないという状況にあるかと思います。そういう意味で、仏通寺川を含めまして4河川5水域を対象河川として計画をつくっております。この4河川5水域のBODの濃度の推移は、32ページ、33ページのとおりでございます。
 これらの河川では、発生負荷の中で生活系が非常に大きな割合を示しております。特に芦田川下流では8割近くを占めております。これらの河川は、三原市と福山市に位置しておりますが、2市の下水道の普及率につきましては、35ページに示しておりますけれども、平成15年度末で三原市では20.3%と非常に低い状況でございます。また福山市では65.6%と、そこそこではありますが、とはいっても、まだ不十分な状況ということが言えるのではないかなと思います。
 次に主な対策でございますが、37ページをごらんください。先ほど申しましたように、対象河川が三原市と福山市のみにあるということで、三原市と福山市における施策を記載しております。まず、個別施策のうち排水処理施設の整備といたしまして、37ページから38ページの表に示しておりますように、下水道整備、農業集落排水施設整備、浄化槽の整備を計画しております。下水道の普及率は2市合計で、平成15年度末に58.1%から20年度末では63.1%と、5%の増加を目指しております。
 それから、38ページの下にございますけれども、浄化対策といたしまして、芦田川の支川でございますけれども、瀬戸川という川に、接触酸化方式の浄化施設を設置しておりますけれども、これの維持管理、それから、河川清掃や美化活動なとの取り組みに対しての支援を推進していくこととしております。
 個別の施策につきましては、体系図を39ページに示しております。
 次に共通施策でございますけれども、39ページから40ページにありますように、法令等に基づいた工場・事業場対策、それから生活排水対策、畜産排水対策、農業用排水対策、監視体制の整備、環境教育等を計画しております。これら共通施策の体系につきましては、40ページの図に示しておるとおりであります。
 次に42ページをごらんください。主要課題の3つ目の箕島町地先海域及び備讃瀬戸のCODに係る水質汚濁対策でございます。平成15年度の海域のCODの環境基準達成状況は42ページの表、さらには43ページの図で示しているとおりであります。
 これらの結果からわかりますように、この両海域では、すべての測定点でCODが環境基準を超過しております。備讃瀬戸海域では発生負荷のうち生活系が56%、一方、箕島町地先海域では工業地域の中にあるということで産業系が65%を占めております。
 主な対策でございますけれども、まず排水処理施設の整備といたしまして49ページから50ページに記載しておりますように下水道整備、農業集落排水施設の整備、漁業集落排水施設の整備、それから浄化槽の整備ということでございます。
 下水道の普及について、福山市と笠岡市につきましては、2市で平成15年度末の下水道普及率が61.6%という現状でございますけれども、平成20年度末では67.7%と、6%の増加を目指しておるところでございます。
 その他の施策につきましては、先ほど申し述べました河川の水質汚濁の対策と同様でございます。
 主要課題に対する対策は以上のとおりでございます。従前のような産業型公害から自動車交通公害とか、生活排水による汚濁という、いわゆる都市生活型公害に変化しております。こういう今日の環境問題といいますか、公害問題を克服していくためには、行政とか事業者だけの努力では非常に難しい面もございます。そういう意味で環境学習とか環境教育とか、そういうことも進めまして、県民、事業者、行政が一体となっていくような取り組みをしまして、備後地域公害防止計画の主要施策を推進していきたいと考えております。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、ほかの方から補足はございませんですか。
 それでは、次は周南地域につきまして、山口県からお願いいたします。

○山口県 山口県環境政策課の松田と申します。よろしくお願いいたします。
 資料4-5でご説明いたします。まず、3ページをお開きいただけたらと思います。ここに公害防止計画策定地域図を掲げております。当地域は山口県の瀬戸内海沿岸の中央部に位置し、範囲は周南市、防府市及び下松市の3市をもって構成され、面積が 934平方キロメートル、県全体の15.3%、人口は約33万人で県全体の20%弱を占めております。
 当地域には臨海部を中心とした化学、石油、鉄鋼などの基礎素材型工業及び輸送用機械器具製造業などの加工組立型工業が立地しており、平成14年度の製造品出荷額は2兆 2,372億円で、県全体の約45%を占めている状況です。主要な企業は日立製作所、出光興産、帝人ファイバー、トクヤマ、東ソー、協和発酵工業、マツダ等があります。また、交通網につきましては、高速自動車国道の山陽自動車道、一般国道の国道2号線、鉄道は西日本旅客鉄道の山陽新幹線及び山陽本線が東西に貫通しております。
 このような中、大気汚染、水質汚濁や騒音等の環境汚染が顕在化し、この間、公害防止に関する諸施策を推進してきました。その結果、河川の水質など、一定の改善効果が見られたところですけれども、資料の1ページ、それから2ページにかけて現況を示しておりますけれども、なお、騒音などの自動車交通公害、それから海域における水質汚濁など、改善すべき課題が依然として存在していることから、引き続き諸施策を講じることとして、第7次公害防止計画を策定することとなりました。
 主要課題でございますけれども、資料の4ページを開けていただけますか。主要課題は4ページに記載されてありますように、当地区において、特に重点的に解決を図るべき課題として、大気汚染、騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止と、三田尻湾・防府海域等のCODにかかる水質汚濁の防止が挙げられております。以下、これらの課題と計画策定に当たっての目標に関連して、今後、講ずる公害防止施策を中心にご説明いたします。
 まず、自動車交通公害対策でございますが、大気汚染の状況に関しましては、8ページをごらんいただけたらと思います。8ページの図2-1-1は二酸化窒素濃度の推移ですが、自動車排出ガス測定局については増加傾向であり、平成15年度は環境基準を超過しております。
 また、騒音の状況に関しましては、資料の11ページをごらんいただけたらと思います。11ページの表にございますけれども、このうち、国道2号沿道で調査した住宅等 891戸の約47%、 423戸が昼間のみ、または夜間のみ、あるいは昼夜間を通じて環境基準を超過しております。国道2号は、関西と九州を結ぶ交通の要衝となっており、地域内外からの物流や事業活動に欠くことのできない道路で、交通量が多く、資料の13ページを見ていただきますと、図2-1-5に示しておりますけれども、こういった地点では、朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生しており、これらの状況が原因として考えられています。
 今後の自動車交通公害対策でございますが、資料の18ページ以降に記述しておりますように、交通流の円滑化を図るために、19ページに示しております表2-1-7に掲げる交通情報提供装置の整備、信号機の高度化、効果的な交通規制を推進いたします。交通流道路構造に関する対策としましては、同じページの表2-1-8に掲げるバイパス等の整備、それから、同じページの表2-1-9に掲げる国道2号と国道 489号との交差点の改良を推進しますとともに、21ページを開けていただきますとわかりますけれども、21ページに記述しておりますように、道路の低騒音舗装についても維持補修に努めることとしております。そのほかに、適正な土地利用の誘導、関係機関と連携しての整備不良車両、過積載車両、速度超過等に対する指導取締の強化を引き続き実施することとしております。
 次に、海域の水質汚濁対策でございます。再び3ページの図に戻っていただけたらと思います。この図を見ていただきますとわかりますように、当地域には三田尻湾・防府海域、笠戸湾・光海域、徳山湾海域、中関・大海の4海域がございます。いずれの海域も近年のCOD濃度の推移は横ばいであり、徳山湾海域において、AB類型の水域で環境基準を達成していないほか、残りの3海域は、A累計の水域のみで環境基準を達成しておりません。CODの負荷量は中関・大海海域が生活系の割合が高く、残りの3海域は産業系の割合が94%から71%と高くなっております。また、三田尻湾・防府海域、笠戸湾・光海域、徳山湾海域は閉鎖性が高いことから、陸域からの汚濁負荷の影響を受けやすくなっております。各海域ごとの個別の対策は、中関・大海海域が下水道の整備促進等による生活系汚濁負荷量の削減を、残りの3海域は、総量削減計画に基づく産業系汚濁負荷量の削減、下水道の整備促進等による生活系汚濁負荷量の削減を図ることとしております。
 こういった海域の対策等につきましては、資料の24ページから41ページにかけて記述しているところでございます。この海域の共通の施策でございますけれども、資料の38ページから各海域における共通の対策を示しております。1つは、排水規制の徹底、それから総量削減計画に基づく総量規制基準順守の徹底など、工場・事業場対策を講じていきます。
 また、下水道の整備、農業集落排水処理施設の整備、し尿処理施設の整備等や浄化槽の普及促進等による生活排水対策を講じていきます。さらに、畜産排水対策などの関連する対策を推進していくこととしています。
 次に大気汚染対策でございます。大気汚染の一般的な課題としまして、44ページ以降に掲げております。まず、44ページ以降に示しております窒素酸化物対策、それから浮遊粒子状物質対策及び光化学オキシダント対策を挙げております。
 まず、45ページに窒素酸化物の対策を掲げておりますけれども、固定発生源対策として工場・事業場に対する監視指導等により、排出量の低減を図ることとしております。移動発生源対策は、主要課題でも述べました交通流の円滑化を推進するための対策などを実施することとしております。
 次に、49ページでございます。浮遊粒子状物質の対策につきましては、固定発生源対策として工場・事業場に対する監視指導等により低減を図る計画で、移動発生源対策としては主要課題でも述べた対策を講じることとしております。
 光化学オキシダントの対策につきましては、資料の53ページの図2-2-9に体系図を示しておりますけれども、原因物質と考えられている窒素酸化物及び炭化水素類にかかる対策を始めとした総合的な対策を講じることとしております。
 水質汚濁の一般課題としまして、54ページ以降に示しておりますけれども、計画策定の目標であります湖沼の水質汚濁対策、それから地下水汚染対策をご説明いたします。
 湖沼につきましては、当地域には菅野湖、菊川湖、高瀬湖及び米泉湖の4湖沼がございます。
 資料の72ページをごらんください。72ページの下の方でございますけれども、この4湖沼、CODあるいは窒素や燐について、環境基準が未達成となっており、その対策として、排水規制の徹底、総量削減計画に基づく総量規制基準の順守の徹底などの工場・事業場対策を講じております。また、下水道の整備、農業集落排水処理施設の整備、し尿処理施設の整備等や浄化槽の普及促進等による生活排水対策や、特に畜産排水対策などの関連する対策を推進していくこととしております。
 地下水汚染対策についてでございますが、周南地域におきますテトラククロエチレン等による地下水汚染は、76ページの図2-4-1に示しております。「▲」で示したところが環境基準を超過した地点です。対策といたしましては、有害物質使用事業場に対する監視指導を今後とも実施して、井戸水等の利用者に対する衛生思想の普及啓発、地下水汚染の動向監視するための定期モニタリング調査を継続していくこととしております。
 新幹線鉄道騒音につきましては、防府市の1地点で環境基準を達成していないことから、資料の83ページの図2-6-1に示す対策につきまして、JR西日本に対し、発生源対策等の推進を働きかけるとともに、適切な沿線土地利用の誘導などを推進していくこととしております。
 以上、第2章の公害対策より後、 100ページからの第3章は、自然環境及び地球環境の保全、 114ページからの第4章は、各主体の取り組み、それから 117ページからの第5章は計画の効果的実施について示しております。
 以上で、計画の概要の説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 これをもちまして、5地域の公害防止計画の概要、それから、それぞれの計画の内容につきましてご説明をいただきました。これまでの説明に対しまして、ご質問とか、ご意見がありましたら、どうぞよろしくお願いします。――はい、浅野委員。

○浅野委員 計画案をまとめていただきまして、大変ご苦労さまでございました。この計画案を承認をするということについては、特に異存はありませんが、まず、すべての地域の県にお聞きしたいことがございます。これで5年たったら、ちゃんと目標達成するということについての確たる自信があるというふうに、ここで明言していただけますか。
 それから、いわきについては非常に気になる点があります。これは策定の指示の段階の問題でもあるので、今さら言ってもしようがないんですが、どうもちょっと、本当に公防計画の課題なのかなと思われるものが強調されている。要するに、あるサイトの汚染の問題の対策が、公防計画として挙がってきて、それでそのことのゆえに補助金の嵩上げを受けるというのは、何かフェアじゃないような気がする。相当無理をしているという感じがします。ですから、これは今後はもう卒業でいいのではないか。重点課題としては1つぐらいしかないんじゃないかという気がしてしようがない。
 次に1地域1自治体である、いわきのことについては余りいろいろ言う気はないんですが、その他の地域についてはさっき、「本当にこれで達成する自信がありますか」とお聞きしたその心は、公害防止計画というせっかくの土俵をつくっているのに、その公防計画という土俵の使い方が、実に下手くそな気がいたします。つまり、この制度は国と県と市が連携して、ある目的で何か一斉にやりましょうということになっているわけですから、計画の実現に向けて、どうやって実施をするのか、実施体制を見るとはなはだ心もとない。特に連絡協議体制という部分を、複数の自治体がかかわりを持っていると思われる宮城、富山、広島・岡山及び山口と、4つについて全部、今、拝見したんですが、全部ばらばらですね。項目ごとに連絡協議会がございますと書いてあるだけで、せっかくこういう公防計画の仕掛けがあるのなら、例えばそれだけ全部集って、公害防止計画推進協議会をつくるとか、そういう発想がどうして出てこないのか不思議でしようがない。これは少なくとも国の機関を引きずり込んだものすごくいい制度なのに、全然そういう意味での制度の生かし方がうまくないという気がします。
 個別の地域についても、私は市町村アカデミーの講師をしていますから、市の段階の担当者から生の声を伺っているのですけれども、県との連携が必ずしも上手くいっていると思えないという感じがするわけです。やはり県が責任を持って、公防計画の取りまとめをするという以上、県のイニシアティブというのは非常に大事な時期に来ていると思われるんですが、本当に県が責任を持ってやっているのだろうか、ということについての疑問があるものですから、さっきのようなお尋ねをしました。
 それから、国道2号線について、広島・岡山及び山口両方とも、域内を通過する幹線道路であり、夜間の交通量も多いということを言っておられて、ほとんど同じ問題状況を抱えておられるわけです。しかし、その割には非常に計画のつくり方にばらつきがあるという感じがします。広島・岡山については、どうも域内対策しか考えておられないし、山口にいたっては、一体何を考えているんだろうかという感じがするんですね。
 岡山県・広島県、山口県にお答えいただきたいんですけれども、公防計画地域内において、域内発生の国道2号に対する発生量と、域外からの発生量、どのくらいの割合なのかということを、ちゃんと調べておられますか。域内発生が非常に多いのであれば、域内の土地利用の誘導とかいうようなことで問題は解決すると思うんですけれども、域外から来る車両については、幾らそんなことやっても解決できないはずだと思われます。だから、域内の土地利用の誘導をすることによって問題が解決するという以上は、域内発生がかなりのウエートを占めているという確信があるからですか。その点、山口県など非常に心配なんですけれども、どうもちょっとそうも思えないのに、ただそういうことが、ばらっと書いてあるわけです。だから、これはちゃんと事実に基づいて計画をつくっておられるのかどうかということになりますね。
 それにしても、土地利用のことについて、山口県を、今、指摘いたしましたけれども、土地利用対策ということで書いてある部分をみると、山口県が一番具体的に書かれていて、わかりやすいわけです。他の地域については、土地利用対策といっても非常に抽象的で、これで一体本当に誘導ができるのだろうかという書き振りですから、決して山口県だけを責めているわけではありません。具体的に考えていることは評価しますが、事、重点プログラムの問題に結びつけたときに、本当にそれが生きてくるかどうかということです。
 そして、特に夜間の大型車が大きな問題であることはよくわかるわけですが、結局のところは、有料道路は、今の経済情勢ですと、トラック業者は金を払うのが嫌だから、そこに行かなくて、広島でも、あそこの2号線の片側1車線しかないところに大型車が物すごく走るわけですね。そういうような問題については、まさに公防計画だからこそできるような国との協議の中でとか、あるいは、できるかどうかは別としても、発想法として考えられるのは、夜間の有料道路の大型車に対する大幅な割引をするとか、というようなことを考えて、そっちに誘導して、この区間だけでも通さないとか、そんなことについては国土交通省を通じて交渉するとか、いろいろなことを考る余地があるのではないかと思われるんですが、そういうご検討があったのでしょうかということです。
 ちょっといろいろ厳しいことを言いましたが、以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 では、浅野委員からたくさんの問題提起が一度にございましたので、該当する問題について、順次ご説明いただけますか。

○宮城県 宮城県につきましては、ここに掲げられている施策でもって、平成20年度までに目標が達成できるかという問いかけをいただいたというふうに認識してございます。本県としましては、本計画をもちまして、この目標を達成するために、最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。

○福島県 福島県ですが、この計画期間内での環境基準達成がどうなのか、というおただしだったかと思うんですけれども、ご指摘のとおり、具体的な地域の地下水汚染がございまして、それが公防計画の課題かどうかというのは、また別にしても、そこについては、目標年度を立てて、何とかクリアするということで、具体的な施策を組んでいるわけですけれども、光化学オキシダント、それから浮遊粒子物質、いろいろ施策としては挙げてございますが、努力するということしか、今のところは言えない段階でございます。正直なところ、そういうことでございます。

○富山県 富山県でございます。4つ課題がありますけれども、1つの自動車交通公害につきましては、これは道路整備とかということで努力するとしか言いようがないと思っています。
 あと、富山湾海域につきましては、逐次改善しておるところで、よくなってきているものと考えております。
 あと、神通川流域の農用地土壌汚染につきましては、順次復元して、20年度までには多分終わるであろう。
 ダイオキシンについては、今、調査中でございまして、これからという状況でございます。
 以上です。

○岡山県 岡山県です。先ほど、この計画に基づいて、計画目標が達成可能かということなんですけれども、この計画書に記載された公害防止施策を中心に推進していきまして、最大限平成20年度までに達成できるように努力していきたいと思っております。

○広島県 広島県でございます。非常に大きな課題で、水質、特に海の課題でございますが、これは広島県だけではなくて、瀬戸内海全体の問題として、陸上からの負荷量は総量削減計画に基づいて、順次減らす方向で、さらには下水道整備とか、そういう生活排水処理施設の整備がかなり進んできましたけれども、なかなか陸上からの負荷を下げても、現実に海の水質が変わらないという現状がございます。非常に大きな課題だと受けとめております。
 また、大気関係につきましては、本県だけではなくて、全国的に光化学オキシダント等達成率ほぼゼロ%だという状況の中で、今後、大気汚染防止法の改正等がありまして、いわゆるVOC対策で、オキシダントとか、SPMの対策を講じる、新たな施策も入ってまいりますので、達成できるかどうかと言われると、非常につらいところはあるんですけれども、新たな施策をも含めて、鋭意努力していきたいと考えております。

○山口県 山口県でございます。本周南地域では、今まで6期にわたりまして公害防止計画をやっておるところでございます。その間、大気関係では、硫黄酸化物あるいは河川の水質汚濁などの改善、それから地域的には従前は入っていた光市が策定地域から外れる、こういった成果も上がってきております。
 今後につきましては、今、記述しておるような対策を推進しまして、環境基準の達成を目指したいというふうに考えておるところでございます。
 それから、国道2号線の域内発生、それから域外発生を調べておるかというご質問でございますけれども、山口県では、今回策定する場合に、そこまではよく検討しておりません。ただ、資料の 123ページに、計画の進行管理の流れというのがございます。この中で、いろいろ問題点の見直しであるとか、そういったことも掲げておるところでございますので、今後、そういった域内発生あるいは域外発生量というような、先生ご指摘の点につきましても検討してまいりたいと考えておるところでございます。

○広島県 広島県ですけれども、広島県も同様に、今の2号線の域内発生とか、域外からの、ということについては調べてございません。先生がおっしゃいましたように、いろいろな枠組みで、特定の問題については、そういう協議会をつくって進めておりますけれども、そういう幅広い、公防計画という観点からの協議会が、現実にないことから、個別対応だけになってきたのかなという大きな課題はあると思っております。
 県内でも、山陽自動車道の夜間料金を割り引いてという実験は、既に国土交通省の関係でやられております。そういう中で、それでは、そこに県が絡んでおるのかと言われたときには、まあ、実際、県は絡んでなくて、というような問題がございます。ちょっと今後の我々の勉強課題として、その辺も踏まえながら、今後対応を図っていきたいと考えております。

○安原委員長 よろしいですか。
 それでは、ほかの点、どうぞ、福井委員。

○福井委員 今の5地域全部が、このとおりいったら環境基準達成できるかどうか、皆さん努力しますと、こういうお話なんですが、この中に、特に水質汚濁というのがほとんどの地域で入っているわけなんですね。で、下水道整備というのはそれぞれ入っているわけなんですよ。ところが、下水道整備そのものが、今回、今後の5年間というのは、こういうふうに計画ができ上がっているんですが、これまでの5年間に、本当に計画したものができたかどうか、その辺もひとつ問題があると思うのです。昨今の下水道事業費というのは、ここにきて、数年来、下水道事業は前年比5%減と、ほかの公共事業に比べて減が激しいわけなんです。ですから、ここに書いてある数字が、計画されているわけですが、今、地方はかなり財政難の時代で、このとおりできるかどうかわからないんではないか。せめて、私、お願いしたいのは、ここで、せっかくこのようにご計画を組まれたわけですから、この計画に沿って、是非とも実施していただきたい。それだけの事業をやっていただければ、とりあえずは最小限度として計画通りになるのではないかというふうに思いますので、ひとつ是非とも皆様方よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、さっき浅野先生、下水道の補助率の差額というのを言われたんですが、下水道については、ほとんどの事業が公防計画の補助率以上にありますので、公防計画の中で下水道計画についてほとんどの事業が、補助率はかさ上げの対象にはなっておりません。

○安原委員長 ただいまの福井委員の発言に対しまして、何か県側でコメントございますか。どなたか……。富山県、いかがですか。
 それでは、それ以外の、何かご質問、ご意見がございましたら。――どうぞ、石上委員。

○石上委員 細かくなって申しわけないんですが、富山・高岡地域の計画案の中で、否定するわけじゃないんですが、特にダイオキシンの関係で、61ページあたりに富岩運河がありますが、どうも概要のところからちょっと説明を聞いて、対策が非常に抽象的といいましょうか、具体的でないという印象を受け、それでこの冊子の方の案を見たんですが、余り具体的な対策がない。ここらあたりは、もう少し本当ならば、対策ですから、具体策があったらいいのではないかな、そういう感じを受けました。

○安原委員長 どうぞ、小林委員。

○小林委員 ただいまの富山・高岡のダイオキシンにつきましては、ここでは、いわば調査で、「対策については検討をする」で終わっているんですね。状況として、その程度のテンポでいいものか、緊急性という点で、この計画で妥当なのかという疑問を持っております。

○村岡委員 関連してよろしいですか。
 やはり、同じダイオキシンのことなんですけれども、底泥から高濃度のダイオキシンが出てきたということのほかに、過去にしゅんせつしたものを埋め立てて、その埋立地からまたダイオキシンが出ておる。こういった場合、いつ埋め立てたかということにもよりますけれども、埋め立てた土というのは、確かに底泥には違いないわけですよね。しかし、対策をとるときに、それは土壌として扱うのか、あるいはもとに戻って底泥として扱うのか。つまり、底泥と土壌との環境基準が違うわけですよ。だから、そういうふうな、埋め立ててしまって、現在は土として使っておるような、そういう汚染土壌というのは、どのような見解で扱うことになるんでしょうか。

○富山県 富山県でございます。ダイオキシンの関係でございますが、発生がわかったのは12年でございまして、現在、16、17年度で原因の調査をやっているところでございます。あわせて、どのように対策をとるかということについても、現在検討をしているところでございまして、緊急性についても、お話がありましたが、現在のところダイオキシンによって身体とか、魚とか、何かあるかというと、今のところそういった状況は起きていない。そういうこともございまして、どういうふうに対策をとるかということから、今、検討をやっているという状況でございます。
 対策について、まだ具体的にどうするということが決まっていないものですから、公害防止計画という計画についても、ご指摘のとおり、まだ具体的に記載できていないという状況でございます。
 あと、底泥なのか、土として扱うのかということにつきましては、担当の方から説明させます。

○富山県 富山県の九澤と申します。よろしくお願いいたします。
 今ほど、緊急性のお話がございましたけれども、私どもは、人の健康への影響があるかどうかということが一番大切な問題で、これは周辺の状況調査であるとかをやりまして、まず人への健康のリスクが、そんなにはないだろうということを確認しております。
 それと、応急対策としまして、例えば埋め立てをしているようなものについては、飛散流出防止対策などを早急に実施しております。
 そういうことで、先生方から見れば、恒久対策ということはおくれているように見えるかもしれませんけれども、とりあえず人へのリスクは小さい状況になっていることは確認しています。
 それで、恒久対策につきましては、当然原因者の負担とか、そういったことも考えていかなければいけないものですから、これは慎重に原因究明を行う必要があるということで、現在その調査をやっているところでございまして、その結果を見て具体的な対策の内容であるとか、そういったことを検討していくということにしております。
 それから、どのような基準で対策をするかということでございますが、実際に対策をする際には国の方とも相談をしなければいけないと思うんですけれども、要は対策をした後の土をどう使うかということにかかってくると思います。当然、対策をした後の土が、一般の土壌としてみなせるということになれば、土壌環境基準をにらんでいかなければいけないんじゃないかなというふうに考えておりますが、これも対策した後のリスクがどうなるかということを踏まえて、国の方と相談して決めていきたいというふうに考えております。
 ただ、できるだけ低いに越したことはないので、そういう方向ではやっていきたいというふうには考えております。以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。どうぞ、香川委員。

○香川委員 先ほど、浅野先生がおっしゃっていたことと関係があるのかもわかりませんけれども、どのレポートを見ても、各県に環境審議会が置かれていますが、ここで議論される前に、各県でこういうものを環境審議会にかけて、県としては、どこが問題で、どういうプライオリティーを立ててこういうものを実施していくかということを審議して、ここへ上げてきているのか。また、ここで議論したことは、戻って県でまた環境審議会にかけて具体化するのか、各県での環境審議会と、ここでディスカッションされていることと、どういう関係があるのか教えて頂きたい。

○浅野委員 県によってやり方がいろいろあるでしょうね。事前に審議会に報告して意見を求めてまとめるというところもあるだろうし、できましたといって報告をしちゃうところもあるでしょうから、ばらばらだと思います。どっちですか。福岡市の場合は、先に審議会に報告して、意見を聞いてから計画策定を行いますけれども。

○佐野環境計画課長 ひとつは地方分権の関係で、国の制度で県に審議会を必ず置けとか、県の審議会に必ずかけよという制度を、原則として設けないことにしています。

○浅野委員 「審議会を置け」は基本法に規定があるから、置けとは言えるのだけれども、公防計画を予め審議会にかけろというのは言えないということですね。

○佐野環境計画課長 ええ。ということで、昔そういう制度があったところもあるんですけれども、今は、制度上置けよという格好にしているものは少ないと思います。

○安原委員長 実際の各県の取り扱いはどうなんですか。事前にかけることがあるのかないのか、事後報告なのか。

○浅野委員 決まりましたといって報告するのですか。

○広島県 広島県ですけれども、かけておりません。

○安原委員長 山口県はいかがですか。

○山口県 事後報告です。

○岡山県 岡山県も紙の審査には計画書について諮っておりません。

○富山県 富山県は事後報告です。

○福島県 福島県も同じくかけておりません。

○宮城県 宮城県は事前はかけていません。事後も今のところは予定してございません。

○安原委員長 まちまちですね。大体事後報告のところが多いということですか。では、よろしゅうございますか。

○浅野委員 はい。

○安原委員長 どうぞ、太田委員。

○太田委員 関連するかと思いますけれども、自動車交通公害対策が、いずれにしましても、どこでも環境基準達成が非常に困難な側面が幾つかございますよね。こういうことは公防計画の中に入れるということで、特別なメリットが何か、特別な補助制度等はないというふうに聞いておりますし、今のような事後報告で済ませているとすれば、計画を出さなければいけないから、しようがない、今までのをかき集めてここに提出しているというふうにも聞こえるんですが、そうだとすると、むしろこの公防計画を生かす、何かやり方がもっとないのかということで、少なくとも現状で公防計画の対象地域について、県の公害対策の中で、特別な県としての独自な、そこを重点地域にするとか、そういうことをやっておられないということでよろしいんでしょうか。何かちょっとその辺が確認したい。そうだとすると、公防計画のあり方、制度そのものを次の見直しといいますか、そこで十分その辺を検討すべき課題かなというふうに感じたんですが。

○浅野委員 私も太田委員と同じような関心があったので、せっかくあるお座敷を、どうして上手に使わないんだろうと思って申し上げたんです。

○安原委員長 それでは、今の点はいかがですか。――宮城県。

○宮城県 既存の組織では、なかなか宮城県全体の話ですと、まな板に乗るのでございますが、宮城県、70前後の市町村のうちの5つだけということになりますと、既存の組織ではなかなか乗せることが難しいことがありますので、今後、何らかの推進体制のようなものは考えていかなければならないかなというふうに、私、今ここでは感じております。具体的には、既存のベースではございません。

○福島県 福島県も同じで、特に県で特別な地域を指定して、重点地域的なものを指定してということは、今のところやってございません。
 また、浅野先生の方からのご指摘に戻る部分もあるんですけれども、特にここの地域、いわき地域1市域、特に中核市だということもございまして、県がどこまで関与すべきなのかというのは、実際のところは非常に悩ましいところではございます。

○富山県 富山県でございますけれども、公防計画としてさらに重点地域を設ける必要性については、特段ないのかなと思っております。ただ、環境基準を超えているところが現にあるということで、実際は道路につきましては、国道といいますか、国の所管の部分が多いといったことで、国道の改善等について、こういう環境基準を騒音が超えているといったことから改善をさらに要望していくといったような観点では、これは使えるのかなというふうに考えております。以上です。

○岡山県 岡山県ですけれども、岡山県も同様に重点的に地域を指定したりしているようなことは、ちょっと今は行っておりません。今後につきましては、ちょっとこの場でお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

○広島県 広島県でございます。よその県さんとほぼ同様なんですけれども、特に国道ということになると、どちらかというと国が主体ということもあって、先ほど説明の中でもお話ししましたけれども、要は国土交通省の関係が中心になりまして、三原とか福山におきましては、それぞれの圏域の都市交通計画なるものをいろんな枠組の中でつくっております。これは国主体でありますけれども、県とか、また鉄道事業者とかいうのを含めて施策を推進しておるところでございます。
 そういう意味で、どちらかというと、国主体での動きということで、県独自でもって、県が中心になってやるといったような、今までのところのそういう枠組みというものはございません。そういう状況でございます。

○山口県 広島県と同様でございます。特にそういったものを指定しているとか、そういうことはございません。

○太田委員 わかりました。環境部局としては、環境政策、せっかくこういうものがあるんですから、国交省、あるいは直接自分のできる事項が限られたとしても、少なくとも都市交通のマスタープランをつくるとき、そこに対して、公防区域の対象地域になっているのだということを主張して、そこに対しては優先的にやるとか、重点的にやるというような、そういう主張が、もう少しそれぞれの環境部局の内部にも、ちょっとそういう意識が希薄じゃないかと、ちょっとびっくりしたという感じもするのですが、国からのインセンティブがないからとしても、環境部局としての姿勢としては、もう少しその辺、頑張っていただきたいというふうに思います。

○安原委員長 ありがとうございます。
 それでは、ほかにご意見、ご質問ございませんですか。――どうぞ、山下委員。

○山下委員 ちょっと質問なんですけれども、とっても大事なご説明を、今日いただいているんですが、国道2号線と例えば山陽道というのは岡山と広島、山口までつながっているでしょう。岡山の方ではご説明に山陽道は出てきていないんですよね。せっかくテーブルに乗った事業展開をされているので、できたらそいつを並びでやっていただきたい。つながっているんです。岡山エリアから広島エリアを抜けて山口エリアに、山陽道も2号線も平行して突っ走っていますね。これは先生方のご議論にもあったんですけれども、ある程度シミュレートしていただけないだろうか。定性的に、例えば高機能舗装にしますよとか、遮音壁を建てますよというところまではいいんですけれど、では何戸それで助かるんだとか、戸数でもデシベルでも何でもいいですけれども、メトリックスとして、どうなるんだという話を、どこかに出していただかないと、どうもピンとこないというか抽象論に終わっていきそうな気がする。これは先生方のご質問の答えの一部がそれだと思うんですよね。具体的にどういう政策がとられて、どれだけの効果が期待できるんじゃと。できねえものならできねえでいいですけれどもね。そんなお願いです。

○浅野委員 今のはご意見ということで、さっき山口県が実施の段階で中間点検をして、手直しをしていくとおっしゃったから、それに期待をしましょう。今のような具体的なことを考えてほしいというのが公防計画であることをお忘れなく。つくればそれでいいというものじゃないよということです。公防計画の制度運用を変えたときに、ちゃんと進み方のチェックをする。極論すれば、最後には点数をつけるというようなつもりでいたわけですので、その辺は十分に認識しておかないといけないという、当審議会からの比較的厳しい意見が出た、ということにしておいたらいかがでしょうか。

○安原委員長 よろしゅうございますか。
 それでは、ほかにご意見、ご質問等がないようでございますので、5地域の公害防止計画について了承したいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)

○安原委員長 それでは了承することにいたします。
 ただ、今、いろいろ貴重なご意見をいただきましたので、その意見につきましては、可能な限り、公害防止計画の実施の過程で、十分配慮をしていただきますようにお願いしておきたいと思います。
 それでは、この公害防止計画小委員会の今後の予定につきまして、事務局からご説明願います。

○佐野環境計画課長 今までいろいろ貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。
 冒頭にも局長より申し上げましたとおり、これら5地域の公害防止計画につきましては、3月17日に開催を予定しております公害対策幹事会の議を経まして、環境大臣より同意をいたすということにさせていただきたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございます。
 あともう1件残っておりますのでお願いしたいと思います。
 今般、いわゆる三位一体の地方改革によりまして、公害防止計画の補助制度にも変更が生じることになったようでございますが、このことにつきましては、事務局から説明をお願いいたします。

○佐野環境計画課長 ただいまも公害防止計画の基本的な枠組みに当たるようなご指摘をいただいたところでございますが、実は、いわゆる三位一体改革によりまして、この公害防止計画制度の後ろにそれぞれくっついておりますような公害対策事業の補助制度についても、いろいろ変更が生じたわけでございます。これは公害防止計画のあり方というものにも大分影響が及んでくるようでございますので、まず、担当の廃棄物・リサイクル部より、顛末のご説明をさせていただきたいと存じます。

○由田廃棄物対策課長 廃棄物対策課長の由田でございます。本日、貴重な時間にご説明させていただく機会をいただきますことを感謝申し上げたいと思います。
 ご案内のとおり、三位一体の改革ということで、今年度予算をめぐりましては、昨年補助金の問題、1兆円程度ということを目標に改革が行われたわけでありますが、来年度と再来年度、平成17年度、18年度の改革というふうなことで、昨年来、三位一体の改革の議論がなされてきて決着を見たわけであります。
 この関係で、廃棄物処理の関係というのがどうなったかということの顛末を、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。資料5-1、5-2を使ってご説明させていただきます。
 その前に、簡単に経緯でございますが、この平成17年度、18年度の2年度の改革ということで、昨年、議論がなされました。この最初の部分に関しましては、昨年4月26日だったと思いますが、経済財政諮問会議の場におきまして、総務大臣からのペーパーということで、いろいろ改革の方向性が提示されたわけであります。
 このときに、実は、国の予算というのは、いわゆる公共事業というものと非公共事業というものがあるわけでありますが、主として非公共事業についての改革に関して具体的に言及なされまして、公共事業に関しましても、一部のものを一般の公共事業と別に取り上げる、あるいは建設国債を発行しているものというふうなグループがつくられまして、そのときに学校の校舎、公営住宅、それから福祉施設と並びまして、最後に廃棄物処理施設整備費を廃止・税源委譲すべきではないかという、そういう提案がなされたわけであります。
 こうした提案がなされたわけでありますけれども、その後、6月の頭に経済財政諮問会議におきましての議論を経まして、いわゆる「骨太の方針2004」というものが閣議決定されました。このときに、平成17年、18年の2カ年にわたる改革としまして、補助金につきましては、おおむね3兆円の改革を行う、それから、税源委譲に関しては3兆円程度を目指す、あるいは交付税の改革との三位一体の改革が書かれまして、そのときに総理の発言があったというふうに伺っておりますが、補助金改革については、地方の自治体の方で決めてもらおう、選んでもらおうということが提案され、地方6団体の、今日、石上先生もご出席されておりますが、この提案を踏まえまして、自治体の中で真摯な議論が行われた結果、8月20日――政府そのものに報告された24日というふうに伺っておりますが――に、地方6団体の提案というものが政府側に出されたわけであります。
 このとき、廃棄物処理施設整備に限定して、今後、話を続けさせていただきますと、私どもの所掌しております廃棄物の処理施設といいますのは、かつては公衆衛生の観点から衛生的な処理をきちんとしていこうということ、その後の流れとして、公害対策の万全を期しようというふうな観点から、市町村に対します補助制度、ごみ処理施設とし尿処理施設を中心とする補助制度というものを、かなり長らく行ってきたわけであります。
 廃棄物処理施設といいますのは、先ほど申し上げました、特に学校、住宅、福祉施設というような、いわゆる箱物というふうに当時一部の関係者から呼ばれたわけでありますが、どうも箱物の一連のものの中にカウントされてしまったわけであります。箱物といいますのは、補助金をつけるとどんどんと自治体の皆さんがつくっていく。当然補助金以外に借金をいたしますから、借金がかさんでいくというふうなことで、一定の問題があるというふうに指摘されておりますが、そういうふうな流れの第4番目に組まれたわけでありまして、そういうものではないのではないかという、いろいろな反論も、私ども、それなりにさせていただいたという経緯もございます。
 特に廃棄物処理施設に関しましては、どうしてもつくることが必要だけれども、どこにつくるかということに対しては、当該立地の地域の住民の賛成が、必ずしも十分に、直ちに得られるものではないということから、国の支援も使いながら、地元の方々に理解を求めてきたという実態もあること、あるいは20年の一度の大事業であるというふうなことから、一時にお金がかさむということで、地方債という地財措置だけで本当に大丈夫かというふうなこともございまして、廃棄物処理施設整備費の補助というのは必要ではないかということを、私どもとしまして、特に市町村中心に自治体の方でご検討されている間に、関係者に対しまして、特にかなりの数の市長さん方、あるいは市町村長さん、あるいは全国都市清掃会議などを通じまして、市町村の関係者にお話をしてまいりました。
 私どもとしましては、それなりに廃棄物処理施設の国の補助制度は必要性が理解されたのではないかと、8月半ばぐらいには思っておったわけでありますが、8月20日に出されたペーパーの中では、先ほど申し上げました4つの箱物と言われましたジャンルの中では、4番目に書いてあったのが一番バッターに登場しまして、廃止すべき補助金の第1番ということに、地方の方からの提案がなされたということであります。
 冒頭に申し上げました公衆衛生、あるいは公害防止という観点からの補助というものは、それなりに必要ということは、私ども環境省としましても、それなりの思いはあったといった方が正確かもしれませんが、いわゆる地方からは、そこの指摘、提案がなされたということであります。
 この地方の6団体の提案に関しては真摯に受けとめるようにという指示も、官邸の方からもございました。そういうことも踏まえまして、公衆衛生、公害防止という観点からの廃棄物処理施設の整備の補助制度というものは、ご提案どおり廃止せざるを得ないという判断をいたしましたが、一方、廃棄物処理ということに関連をいたしまして、国として、今の時代、もはや予算面ですべきことはないのであろうかということを、環境省としましても真摯に検討をさせていただきました。
 改めて考えますと、循環型社会形成推進基本法というものが平成12年に立てられ、平成15年3月に初めて我が国では循環型社会形成推進基本計画というものが、この基本法に基づきまして策定をされたわけであります。いよいよもって我が国は循環型社会へ向けて走り出そうとしている。折しも昨年の、三位一体議論の直前でありますが、総理がサミットに参加されまして、我が国としては、ただ1つ提案をされたものが、我が国において、来年、今になりますと今年でありますが、3Rイニシアティブという国際閣僚会議を開催したいという提案をさせていただいたということでありまして、ブッシュさん以下、サミットのメンバーもこれに合意をされたということで、この4月28、29、30日ということで、東京におきまして3Rイニシアティブの閣僚会議を開催するということで、我が国としましても、3Rを推進する循環型社会の形成を目指していく、国家づくりを標榜をいたしておるわけであります。この流れも緒についたばかりということでありまして、我が国として環境問題として、脱温暖化社会を目指していくということと並んで、循環型社会を目指して、こういう国家づくりを進めていくべきではないかというふうな観点に立ちまして、改めて、このような国家づくりを進めていくということで、10月26日だったと思いますが、小池環境大臣の方から、地方と国の協議会というものがございまして、関係の閣僚と地方と6団体の代表の方が出ておる場面でありますが、ここにおいて、循環型社会をつくっていくための、新たな交付金の創設をしたいという提案をさせていただきました。
 その後、11月末の政府与党の合意で、廃棄物処理施設の整備費については、新たに循環型社会の交付金というものを創設していくということを決めていただきまして、年末にかけまして予算措置を図らせていただいたという経緯でございます。
 したがいまして、廃棄物処理施設の補助金というものは、いわゆる公害防止計画との関連でありますと、公害財特法の中で、補助に関しましては嵩上げという措置が講じられているわけでありますが、これは現在、既に着手しておるような事業に関しまして、引き続いて補助金ということでやっていくという部分に関しましては残るわけでありますが、新たに循環型社会をつくっていくという部分に関しましては、新しい交付金という制度のもとに進めていく、このようにさせていただいているということであります。
 概要でございますが、まず、資料5-1のところには、絵姿をかいておりまして、結果としてどういうものが廃止されて、どういうものが新しい形で残っているかという絵が1枚かいてございます。具体的な循環型社会の交付金に関しまして、どういうものかということでありますが、目的のところから簡単にご説明いたしますと、目標は3Rを総合的に推進する。3Rといいますのは、リデュース・リユース・リサイクル、これを総合的に推進するために、市町村の自主性と創意工夫を生かしながら、ということで、ここは交付金化ということであります。広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進することにより、循環型社会の形成を図ることを目的とする、ということであります。
 したがいまして、これまでは補助金の時代には、一つ一つ補助ということですから、例えば焼却施設、最終処分場、ストックヤード、し尿処理施設、あるいは浄化槽というふうなもの、一つ一つの施設の整備計画あるいは申請書が国の方に出てまいりまして、それを一つ一つお金の面、技術面をチェックいたしまして、補助をするというふうな構成で補助金というものは動いてきたわけでありますが、それは基本的に今後は廃止されまして、新しい交付金の中では、まずはこういう全体の地域の計画をつくっていただく、2の概要のところにございますが、地元の市町村が広域的な地域をつくってもらいまして、循環型社会形成推進地域計画という、おおむね5カ年計画というものをつくっていただく。この中に進めていくべき施策を書き込んでいただく。こういうものをつくっていただきまして、これに基づきまして、中に位置づけられる、こういうさまざまな施設について、施設をそれぞれ当該年度にまとめて交付金を交付させていただくという制度であります。
 地域計画というのはどういうことかといいますと、[1]のところにございますように、いわゆる市町村がベースにはなりますが、国と都道府県も入れまして、国と地方が意見交換をやる。特に国の立場としましては、国際的な面でアジア、あるいはアジアを超えた地球的な規模でのことを視野に入れつつ、循環型社会の国家づくりをしていくという立場から、この地域の計画づくりのときにも参加して、意見交換をさせていただきたい。
 それから、当然、市町村はごみ処理の主体でありますから、ベースになるわけでありまして、都道府県も参加していただきまして、構想段階からともに議論をしていく、意見交換を十分していくというふうなことをしながら、3R推進のための目標を設定するということであります。
 この目標は注のところにも書いてございますが、減量化でありますとか、リデュース・リユース・リサイクルのような、あるいは最終処分量の抑制というふうなことが目標になるわけであります。現在、循環型社会形成推進基本計画という国の計画に沿いまして計画をつくっていただくというようなことになるわけであります。
 交付金の交付に関しましては、それにはまっているものを年度ごとに交付していくということであります。事後評価のようなことをやるということであります。
 次のページでありますが、対象地域としましては、原則は人口5万人以上、あるいは面積 400平米以上という広域的な地域ということでありますが、注のところにありますように、沖縄、離島、過疎等々の例外のところをつくってもらっております。
 対象施設はここに書いてあるようなものがあるわけであります。
 交付金の額の算定に関しましては、すべて一律、この処理施設の部分は3分の1ということで計算をさせていただく。ただし、循環型社会をリードいたします施設、モデルとして設定しておりますのは、高効率原燃料回収施設といいますのは、メタンを回収いたしまして、これで原料とか燃料にするような施設、これは2分の1ということで計算をさせていただくということで、合算しまして、当該年度にこれらに要する経費を一括して交付するという、新しい制度であります。
 循環型社会交付金の特徴は、次の3ページ目の1、地方の自主・裁量性が極めて高い制度ということで、施設間流用とか年度間流用が効くということ。それから、戦略的な目標設定と事後評価を重視するということ。国と地方が構想段階から協働して、循環型社会づくりを目指すというふうな形をとらせていただきたいということであります。
 したがいまして、公害防止計画との関係では、これまで、特に公衆衛生あるいは公害防止対策ということで、補助という制度を運用してきまして、地方への補助というものは、財特法によりまして2分の1に嵩上げするということでありましたが、今年度までやっているようなものに関しましては、継続として補助金ということでやるわけでありますが、新たに交付金でやっていくというふうな部分に関しましては、今ご説明しましたものに移行していくというふうなことであります。したがって、改めて公害防止ということとは直接的リンクせず、循環型社会を形成する、新たな政策によって進めていくというふうなことになるということであります。
 以上が、新しいものとして交付金制度になった三位一体の経緯であります。以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。

○佐野環境計画課長 いろいろ非常に大きな議論がされてのことでございますので、担当の課長よりご説明させていただきましたが、資料5-1の下にあります環境監視調査、いわゆる大気水質の測定機器関係の補助金でございますが、これもあわせて廃止ということになりまして、皆さんご存じのとおり、公害防止計画を策定いたしますと、資料5-3にあります公害防止財特法の制度があったわけでございますが、これを構成する補助制度にも大きな変更があったということで、私どもとしても、今後、公害防止計画、本日、計画の性格にわたるようなご指摘がございましたが、どうしたらいいかということを、今、自治体の都道府県とも意見を聞きながら相談をしておりまして、それによりましては、また委員の先生方にご相談をさせていただくということもあろうかと思いますので、どうかそのときにはよろしくお願いをいたしたいと存じます。

○安原委員長 ありがとうございます。
 ご質問がございますか。では、小林さんだけ、簡潔にお願いします。

○小林委員 地方の創意工夫を生かして柔軟に事業を実施するという交付金が、公防計画の実施にとっても、大変新しいプラスの方向だろうと思うんです。そうすれば、財特法においても狭い補助ということでなくて、交付金対象事業まで、従来の嵩上げと同じ措置を、ぜひ講じていただいてもいいのではないかと、こういう希望を私は持っておるのでございますが。
 以上。

○由田廃棄物対策課長 もともと現在の補助制度というものが、残念ながら否定されたことを踏まえて、新たな循環型の社会をつくっていくということで、こういう措置を講じております。したがいまして、新たな施策に関しましては、あくまで循環型社会づくりに特化をするという判断を、既にいたしておるということでご理解をいただけたらと思います。

○安原委員長 ほかに発言がないようでございましたら、予定しました議事を、これですべて終了しましたので、この会を閉会といたしたいと思います。
 大変皆さんご協力をいただきましてありがとうございました。熱心な討議に対して御礼を申し上げます。
 県の皆さんも、どうもありがとうございました。

○佐野環境計画課長 ありがとうございました。

午後12時05分 閉会