中央環境審議会総合環境政策部会 公害防止計画小委員会(第10回)議事録

日時

平成16年9月29日 午前10時00分 

議事内容

午前10時00分 開会

○小林課長補佐 皆様おはようございます。
 議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。まず議事次第でございます。続きまして、資料1、中央環境審議会総合政策部会公害防止計画小委員会委員名簿。資料2、公害防止計画について。資料3、公害防止計画策定の基本方針の概要(案)。資料4、公害防止計画策定の基本方針(案)。仙台湾地域、資料4-1、いわき地域、資料4-2、富山・高岡地域、資料4-3、備後地域、資料4-4、周南地域、資料4-5。資料5としまして、主な環境質の状況。これも同様に資料5-1から5-5までそろえております。
 以上でございますが、足りない資料はございませんでしょうか。
 それでは安原委員長、お願いいたします。

○安原委員長 おはようございます。安原でございます。
 本日は大変皆さんお忙しいところ、ご出席をいただきましてありがとうございます。
 それでは、ただいまから第10回公害防止計画小委員会を開催したいと思います。
 本日は、宮城県、福島県、富山県、岡山県、広島県、山口県の関係の方にご出席をいただいております。遠路ご出席をいただきましてありがとうございました。
 なお、本日の小委員会の終了時刻は12時を予定しておりますので、よろしくご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、議事に入ります前に、環境省総合環境政策局長、田村局長よりごあいさつをお願いいたします。

○田村総合環境政策局長 おはようございます。総合環境政策局長の田村でございます。本日は、お忙しい中を、またご遠路からご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 会議の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 本日ご審議を賜りますのは、仙台湾地域等5地域の公害防止計画の策定指示についてでございます。仙台湾地域等5地域につきましては、平成11年度に策定されました旧公害防止計画に基づきまして、各種の公害防止施策が総合的に講じられてきたところでございます。関係者機関を初め関係者の皆さん方のご尽力によりまして、環境の状況は全体として改善されてきているところでございます。しかし、なお改善を要する問題も残っておりますので、新たな基本方針をお示しして、引き続き公害防止計画の策定を指示しようとするものでございます。
 今回の5地域に関します策定指示につきましては、本日のこの委員会でご了承がいただければ、10月8日に開催を予定しております公害対策会議の議を経まして、公害防止計画の策定を指示する運びとなる予定でございます。  今後とも、皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、私のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○安原委員長 田村局長、どうもありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。仙台湾地域等5地域の公害防止計画の策定指示につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○佐野環境計画課長 おはようございます。担当しております、環境計画課長の佐野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは皆様、相変わらずまだ東京は大変暑うございますので、どうぞ上着をおとりください。
 それでは、資料2それから資料3に沿いまして、今回ご審議をお願いします各県の各地域につきましてご説明をさせていただきます。
 資料2が公害防止計画についてということで、全般的な内容のものでございます。公害防止計画というのはどのようなものであるかというのは、これは各委員におかれましては、もう既に十分ご存じのことと存じますので省略をさせていただきますが、最初にございますように、現在公害防止計画、ピーク時で52地域策定されたものがあるわけでございますが、今回ご審議をお願いする新5地域を含めまして33地域で回転をしているわけでございます。
 そして、これがどういうふうに回っておりますかというのが、5ページに、この表のどんどん右へつながってきておりますが、全体の総括表がついてございまして、本日ご議論をいただきますのは、この一番上の段にございます仙台湾、いわき、富山・高岡、備後、周南、この5地域につきましてご審議をいただくわけでございます。
 ちなみに、昨年はこの一番下の段にございました浜松、福岡の新規策定があったわけでございますが、今回新規にご検討いただくところはございません。
 これらの地域におきましては、平成11年度から15年度までの前回の計画期間が終了いたしましたために、環境の状況について各県にフォローアップを行っていただいております。この総括表が8ページについてございますが、それ以降各地域ごとにまとめたものが9ページから13ページにございますけれども、それぞれいずれの地域におきましても、その複数の項目においてまだ環境基準が達成されていないという状況にございます。
 例えば、一番最初についてございます仙台湾の地域でございますと、例えば大気汚染におきましては、項目によって数値が少ないと良かったり多い方が良かったり、いろいろあるんですが、光化学オキシダントのところ、それから浮遊粒子状物質のところ、下が測定局数、上が環境基準を達成した局数でございますので、全部合格とはなっていないと、まだ未達成の局があるというところでございます。
 それから、あるいは水質について見ますと、仙台湾地域、特に松島湾地域、あるいはこの地域に一部ダム湖のようなものがございまして、こういったところでのCODであったりBODであったりの環境基準がまだ達成されておらない。あるいは、自動車騒音であるとか、飛行場、新幹線の騒音についてもその環境基準を満たしていないという状況にあるわけでございます。
 これらの詳細な状況につきましては、本日はそれぞれの関係県にお見えをいただいておりますので、この後資料5に沿いまして順次ご説明をいただくこととしております。
 そこで、公害防止計画の策定の要件というのが、これも委員の皆様におかれましてはよくご存じのとおり、現に公害が著しいと、あるいは著しくなるおそれがあるという地域で、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難である地域というものであるわけでございますが、この具体的な考え方というか、判断の基準というものにつきましては、平成13年12月に本委員会が中心になって、おまとめをいただきました答申におきまして、大体環境基準が未達成の項目が健康項目で3項目あるような地域であると。それから、健康項目と生活環境項目は大体2対1の重みづけを行って判断をするというような考え方をお示しをいただいているところでございます。
 これに照らしますと、これから順次ご説明をいたしますが、これら5地域におきましては、いずれもこれを超えていると見られる状況にございます。という結果が得られております。したがいまして、私どもといたしましては、これらの5地域それぞれにつきまして引き続き策定指示を行ってはどうかと考えておるわけでございます。
 なお、地域といたしましては5地域が継続ということになるわけでございますが、先ほどの判断は市町村ごとということになっておりますので、市町村ごとに見ますと、環境基準全部達成したというわけではないんですが、未達成の項目が少ないということで、先ほどの基準、目安を満たさないという市町村も生じているわけでございます。
 そういったものは卒業していただくということで、結果を申しますと、この資料2の14ページにございます、例えば仙台湾地域におきましては、柴田町、矢本町、鳴瀬町という太字のところ。備後地域におきましては、尾道市、府中市、神辺町でありますようなところには卒業いただくと。それから、周南地域におきましては、徳山市と新南陽市が今度合併されまして周南市ということになっているようでございますが、こういった整理をいたしまして、策定指示の対象となる市町村としましては、右の欄の太字にあるところを卒業いただきまして、左の欄にございます15市1町というところを対象にしてはどうかというふうに考えております。
 次に、ではこれらの地域につきまして、どういった考え方で計画をつくっていただくかということで、これを策定の基本方針というもので各県にお示しをするわけでございますが、その各地域の基本方針の案というのが、資料4-1から5のそれぞれであるわけでございます。
 それを総括表的に整理をしましたものが資料3に、公害防止計画策定の基本方針の概要、5地域分を1つにまとめたようなものにしてございます。これを少しめくりながらご説明をさせていただきます。
 まず、対象地域をどうするかということにつきましては、ただいま申し上げました15市1町というふうにしてございます。
 それから、この目標をどうするか。目標につきましてはそれぞれの地域におきまして、環境基準が達成されていない項目について、その達成を図るということを目標においているわけでございます。これが2ページに一覧表にしております。これは、環境項目の方から逆引きになってございますのでちょっと見にくいですが、浮遊粒子状物質と光化学オキシダントは、それぞれ5地域で達成されておりませんので、それぞれの地域で目標にしていただく。水質に関しては、健康項目について超えている例が見られる、公共用水域で超えているものが見られるのが仙台湾や富山・高岡。底質で超えているものが富山・高岡。地下水汚染が見られるのが仙台湾やいわき、周南。以下、このようになっているわけでございます。
 ただ、若干これらのものの中には、例えば一部の重金属等について、これはどうも自然由来の汚染であろうというようなものが、県の方で検討の結果そうなったものがございまして、そういったものは一部含んでおりません。
 その中で、特に各地域ごとに重要な課題というふうに考えられるものを主要課題という整理をしておりまして、各地域ごとの課題を3ページの表にまとめてございます。
 自動車により引き起こされております大気汚染でありますとか騒音とかについては5地域すべてについて。下線の水質汚濁、特に恐らく生活系排水によるものについては備後地域。あるいは海域の水質汚濁については仙台湾、富山・高岡、備後、周南。地下水汚染が問題だろうというのがいわき。土壌汚染、底質の汚染というものについては富山・高岡でそれぞれ重点的に取り組んでいただくこととしております。
 それで、その後基本方針の中には、それぞれの計画におきまして盛り込んでいただくべき施策、どういった施策をどういう考え方で盛り込んでいただくべきかということにつきまして、この資料3の総括的な概要の3ページ、4ページに列記しておりますようなものにご配慮いただきたいということをお示ししたいと考えております。これは基本的には各地域共通でございまして、ただ例年とそんなに違ったものではございません。
 なお、この関係におきましては、公害防止計画はともすると、とにかく地域の公害防止に関する施策をひたすら全部行わなければということになるわけでございますけれども、考え方としましては、それぞれの地域の汚染といいますか、環境問題の構造を踏まえまして、その解決に効果のある施策を戦略的に講ずるべきであろうという考え方によりまして、策定方針の目標ごとに、この4-1、2、3、4、5のうち、一番最初にやります仙台湾のところをめくっていただければと思います。
 一番最後のページに、例年でございますと、どの項目を対象にして目標は何であるかと。何であるかというと環境基準であると書いてあるんですが、今年からはここへ備考というものを設けまして、汚染の状況、それぞれの項目の状況につきまして、例えば上から4段目の湖沼のCODであるとかリンであれば、この地域においては生活排水が原因であるということを踏まえて対策をとっていただきたい。それに有効な対策をとっていただきたいというような考え方を注記をすることといたしたものでございます。
 以上が、本日お諮りをさせていただきます5地域の案の概要でございまして、以下各地域の概況につきまして、それぞれの県よりご説明をさせていただきます。

○安原委員長 佐野課長、どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして各県からそれぞれの地域の状況の説明をお願いしたいと思います。時間の制約がございますので、それぞれ10分程度でお願いしたいと思います。
 それでは、まず仙台湾地域につきましてお願いします。宮城県の方にお願いします。

○宮城県 宮城県環境生活部環境政策課の技術補佐をしております大内と申します。よろしくお願いします。
 それでは、仙台湾地域の環境質の状況についてご説明申し上げます。
 資料は5-1、主な環境質の状況(仙台湾地域)でございますが、この内容をパワーポイントでも準備しておりましたのでスクリーンの方をご覧いただきたいと思います。
 まず、この地域は宮城県のほぼ中央に位置しておりまして、仙台湾に沿って、仙台市、石巻市、塩竈市、名取市、岩沼市、この5市でございます。地域の人口は128万5千人でございまして、県全体の54%を占めております。
 国道4号線、45号、48号、それから高規格幹線道路としまして東北縦貫道、仙台東部道路、三陸縦貫自動車道などが地域内を縦貫してございます。
 当該地域は、県全体の工業生産の44%程度を占めておりまして、工業が集積している地域でありますし、また港湾、空港、運輸、通信等東北一の都市機能を有する地域となってございます。
 今後、安定成熟型都市社会へ向けての対応として環境の保全、環境への負荷の軽減等を念頭に開発整備等が強く求められているところでございます。
 それでは、具体的に環境質の状況についてご説明します。
 まず、これは大気測定局位置でございます。赤丸が一般環境大気測定局、17局ございます。それから、次に出てきます青い△でございますが、これは自動車排出ガス測定局でございます。ごらんのとおり、主に仙台市分が17局あるわけでございますが、仙台市を中心として配置してございます。
 これは、浮遊粒子状物質の環境基準の達成状況でございます。資料では4ページに載っているんですが、これの長期評価でございますが、25測定局で測定してございまして、18測定局で環境基準を超過してございます。
 これは、光化学オキシダントの状況でございますが、これにつきましては平成元年以降、10年度に一度クリアした局がございますが、すべて環境基準を超過している状況でございます。平成12年5月には、これは全地域を含みます地域に光化学スモッグ注意報、これを発令して、工場、事業所に対して燃料使用量の削減等を要請したこともございます。
 これは、海域のCODの状況でございます。資料は12ページになりますが、この地域は5つの水域について、海域環境基準の類型指定がなされてございまして、それぞれA、B、C類型がございますので15水域に分類されてございます。環境基準が超過した水系は、松島湾、今○が入っているところのA類型の部分。次に、仙台港地先海域、これのA水域の部分、続きまして二の倉地先海域、これもA類型の部分でございます。それから石巻地先海域、これはA類型とB類型、その他、全地先海域、今の海域でない部分、これもA水域で環境基準を超過しているということで、6水域で環境基準を超過してございます。
 類型別に見ますと、A水域では全水域が未達成、B水域が5水域中1つの水域が未達成の状況になってございます。地図上の○、×、ちょっと見づらいんですが、環境基準点の位置の状況でございます。
 なお、資料の13ページの方には海域のCODの推移がございますが、数値はわずかに上昇の傾向にございます。
 続きまして、海域における全リン・全窒素でございます。資料は14ページでございます。
 この地域の海域の全リン・全窒素の環境基準の類型指定がなされていますのは松島湾、これはII類型及びIII類型になってございます。外側がII類型、内側、塩釜港に近い部分がIII類型。それから、万石浦、これは石巻市市街地の東側にある閉鎖性水域の部分でございます。松島につきましては、2つの水域ともいずれも全リン・全窒素、環境基準を超過してございます。万石浦は環境基準を15年度は満足してございます。
 資料15ページの方に、全リン・全窒素の推移のグラフがございますが、ここ数年横ばい、やや上昇という傾向がございます。
 続きまして、自動車交通騒音でございますが、資料の方は20ページに入ってございます。
 平成14年度に実施しました自動車交通騒音実態調査等の測定結果を示してございますが、170測定地点中環境基準が超過しておるのは81地点、さらに要請限度を超過という地点が22地点となってございます。地図上の赤マークの部分が要請限度の超過地点で、ほぼ幹線道路に沿った格好になってございます。ちょっと見づらいので申しわけございません。
 続きまして、航空機騒音の状況でございます。資料は22ページでございます。
 石巻市でございますが、この隣接町に具体的には矢本町、鳴瀬町、今回卒業した町2つでございますが、ここに防衛庁の航空自衛隊松島飛行場がございます。ここでは、ブルーインパルスの展示飛行訓練、そのほかの訓練等が行われてございます。それで、環境基準の類型指定は、網かけ部分ということでちょっと見づらいですが、今矢印している部分に網かけ部分があるんですが、そういったところがI類型、それから実線で囲まれた部分、これがII類型でございます。ちなみに、今矢印のあります灰色の部分ですが、それは工業専用地域ということで類型指定から除外してございます。
 石巻市におきましては、この飛行場にかかわる航空機騒音、9測定地点を設けてございますが、そのうち3地点、いずれもII類型のところでございますが、環境基準を超過してございます。
 なお、仙台湾地域にはこのほかにも仙台空港、それから陸上自衛隊の霞目飛行場、こちらがございますが、これは現在のところ環境基準の超過はございません。
 そのほかの環境質の状況をざっとご説明したいと思います。
 大気質におきましては二酸化窒素など、これまでお話ししてこなかった項目につきましては、環境基準は達成してございます。
 水質の健康項目では、資料8、9ページにございますとおり、ほう素、ふっ素、これが超過している地点がございますが、これは海水由来ということになってございます。
 それからダイオキシンが1地点で環境基準を超過してございます。
 また、海域では鉛が2点で環境基準を超過してございます。
 河川のBODにつきましては、すべての水域で環境基準を達成してございます。
 湖沼のCODにつきましては、資料10ページ、11ページにございますけれども、3水域中2水域でCODが超過してございます。リンにつきましては2水域に類型してございますが、2水域で環境基準を超過しているという状況でございます。
 地下水につきましては、資料16から18ページになりますけれども、硝酸性及び亜硝酸性窒素が5地点、テトラクロロエチレンが4地点、砒素が6地点で環境基準を超過してございます。
 それから新幹線騒音、これは21ページにございますけれども、26地点中16地点で環境基準を超過してございます。
 地盤沈下につきましては23ページにございますけれども、7地点で年間20ミリ以上、または5年の累計で100ミリ以上の沈下が認められております。
 以上が仙台湾地域の環境質の状況でございます。この地域は、昭和49年から6期にわたりまして、公害防止計画によりまして各種公害防止施策に取り組んできたところでございますが、依然として未達成ポイントがございまして、改善すべき課題が残されております。今後、当地域におきましては、ますます都市機能が集積され、人口の増加が見込まれますことから、引き続き総合的な公害防止施策を展開していく必要がある状況にございます。
 以上で説明を終わります。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、いわき地域につきまして、福島県の方からお願いいたします。

○福島県 福島県の生活環境部総務企画グループ遠藤と申します。資料5-2に沿って概況をご説明したいと思います。
 最初に地域の概要でございますが、申しわけございません、1ページをご覧いただきたいと思います。当地域はいわき市1市全域が対象となってございまして、いわき市の位置なんですが、福島県の東南端に位置しておりまして、東は太平洋に面して平野が開けております。また、西側は阿武隈高地に囲まれた地形と、こういう状況になっておりまして、ここの市域なんですが、東西に約39キロ、それから南北に約52キロで、面積が1,231平方キロメートルと。15年4月1日に静岡県で静岡市と清水市が合併しましたが、それまでは我が国最大の広域市となってございました。人口は、今年9月1日現在で35万6千人となっておりますがここ数年の人口の推移を見てみますと、横ばいの傾向となってございます。
 また、いわき市は平成11年4月より中核市に移行してございます。
 主要交通の状況なんですが、当地域の交通に関しましては、道路といたしまして幹線道路である国道6号線、それから常磐自動車道、これが市域を南北に走ってございます。また、国道49号線、それから磐越自動車道、これが市域を東西に走っていると、こういう状況になってございます。
 鉄道についても、道路と同様に南北にJRの常磐線、東西に磐越東線と、こういう状況になってございまして、その南東部には重要港湾、それと国際貿易港の指定を受けている小名浜港が位置してございます。
 産業でございますが、当地域ではこの小名浜港を中心としました臨海工業団地、これを核としまして化学工業、それから非鉄金属製造業、それから窯業土石製品製造業という基礎素材型の産業、これを主体として工業の集積が進められてきております。ただ、近年この産業構造の変化に伴いまして、電気機械器具製造業、あるいは輸送機械器具製造業、これのウェートが大きくなりつつあります。
 平成13年度における製造品の出荷額、これは1兆259億円となっておりまして、福島県の約19%を占めており、県内第1位、市でいえば東北第1位の状況になってございます。
 それで、環境質の状況なんですが、恐れ入りますが、2ページ、それから3ページをご覧いただきたいと思います。
 最初に、大気の環境の状況でございますが、資料の2ページ、それから3ページにお示ししてありますが、一般大気環境局、これが丸印で示したものですが、これが16局ございます。それから自動車排出ガス局、これが3ページの図面では△で示してございますが、これが1局。これのほかに、高層気象測定局ということで1局ございまして、18局で測定を行ってございます。この中で浮遊粒子状物質、それと光化学オキシダント、これが環境基準を超過している状況にございます。
 まず、浮遊粒子状物質でありますが、恐れ入ります、4ページと5ページをご覧いただきたいと思います。浮遊粒子状物質につきましては、一般環境局6局、それから自排局1局で測定してございます。この中で、一般環境局2局、それから自排局1局で環境基準を達成しておりません。これも経年変化を5ページに示してございますが、5ページにありますように、1日平均値の2%除外値、これは基準値内にはございますが、1日平均の基準値、これを超えた日が2日間連続してございまして、環境基準が未達成になったものでございます。環境基準超過の要因としましては、工場、事業所のばい煙とか粉じん、さらには自動車排出ガス、そのほかに14年度につきましては黄砂が影響したものと推定してございます。
 次に、光化学オキシダントでありますが、申しわけございません、6ページと7ページをご覧いただきたいと思います。光化学オキシダントにつきましては、一般環境局9局で測定しておりますが、すべての局で環境基準を超過しております。7ページに0.12ppmを超えた日数というのを示してございますが、平成11年度以降、注意報を発令するレベルには至っていない状況にございます。
 引き続きまして、水質汚濁の状況でございますが、資料の8ページから10ページに環境基準の類型指定の状況が示してございます。当地域では、河川で8河川10水域、海域では9海域9水域で環境基準の類型が指定されてございます。また、小名浜港につきましては、平成10年度に閉鎖性が見られるということで、窒素、リンにかかる環境基準が設定されてございます。
 環境基準点につきましては、ちょっと見づらくて申しわけございませんが、11ページにお示ししてございます。河川では基準点が12地点、補助地点が13地点ございます。海域では、基準点が14地点、補助地点が6地点ございまして、常時監視を行っている状況でございまして、水質汚濁に関しましては、健康項目、それからBOD以外の項目、これについては環境基準を達成している状況にございます。
 まず、河川のBODについてでありますが、12ページをご覧いただきたいと思います。
 12ページに、環境基準を超過した位置、それから13ページに経年変化が示してございますが、平成15年度で好間川の夏井川合流前という地点、これはB類型が指定されてございますが、環境基準を超過しております。この水域の経年変化については13ページの上の図に示してございます。ここ数年、この環境基準を超過したり達成したりと、このような状況で推移してございます。ここの汚濁要因は、ほぼ生活排水ではないかと推定されているところでございます。
 次に、海域についてでございますが、13ページの下に小名浜港における全窒素の経年変化を示してございます。小名浜港につきましては、先ほど申し上げましたように、窒素・リンにかかりましてIII類型の環境基準が指定されてございます。平成15年度は環境基準を達成しているわけですけれども、14年度は環境基準を超過していると。このような状況になっておりまして、経年変化を見ますと、ここ数年間暫定目標値が定められておるんですが、この暫定目標値と環境基準値の間で変動しながら推移しているというような状況にございます。
 次に、地下水汚染についてでありますが、地下水の調査地点については14ページにお示ししてございます。平成14年度につきましては、メッシュ調査で4地点、それから有害物質使用工場・事業所周辺調査で5地点、定期モニタリング調査で3地点を行ってございます。このほかに、ここの地域の特徴としまして、過去に産業廃棄物である廃油、これを含んだものの不法投棄等が2か所でございまして、現在も原状回復を行っている現場がございます。これも周辺地下水調査を継続して実施してございます。
 14ページの図でございますと、●とそれから■で示した部分でございます。このうち、■で示した部分、これは産業廃棄物の不適正保管場所、これの原状回復現場でございますが、四倉地区という形で、15ページに拡大図を載せてございます。ここでは、周辺地下水15地点を毎年継続して調査してございますが、このうち上の図に書いてありますNo.1、No.3、それからNo.10の3地点で環境基準を超過しております。
 申しわけございませんが、16ページをお開きいただきたいと思います。ここで、環境基準を超過している項目は、シス-1,2-ジクロロエチレンでございまして、シス-1,2-ジクロロエチレンにつきましては、平成14年度はNo.1とNo.3の2地点、平成15年度はNo.10も加えた3地点で環境基準を超過している状況にございます。
 また、下の図でございますが、ベンゼンにつきましてNo.10の1地点で、平成14年度を除いて環境基準を超過している状況にございます。この四倉地区は、かつて焼却処理を行っていた産業廃棄物の中間処理業者、これが廃油入りのドラム缶を多量に保管して倒産してしまったというところでございまして、平成10年度に福島県が、平成11年度からは中核市に移行したいわき市がドラム缶の撤去処理、それから遮水壁による汚染水の拡散防止工事、それから汚染地下水のくみ上げ浄化処理、こういうことを代執行により行っているところでございます。
 最後に、騒音についてでありますが、平成14年度の自動車交通騒音の測定結果につきまして17ページにお示ししてございます。平成14年度は9地点で点的な調査を実施しておりまして、環境基準が適用される7地点のうち2地点で環境基準を超過してございます。ただ、要請限度は超えていない状況にございました。
 環境基準の超過地点は、19ページにお示ししてございますが、1か所は国道49号線の平バイパスと、それともう1か所は国道6号線の常磐バイパスでありまして、いずれも当該地域の幹線道路で交通量の多い道路になってございます。この資料には載せてございませんが、平成15年度には9地区1,126戸を対象としまして面的評価が行われてございます。そのうち184戸、率にしますと16%で環境基準を達成していない状況になってございます。
 以上で説明を終わらせていただきますが、いわき市の環境質の状況は以上のとおりでございますが、これまでの公害防止計画に基づく施策の推進により、環境質の改善が見られるところではございますが、依然として自動車交通公害、それから地下水汚染の防止など、こういう改善すべき問題が残ってございます。
 今後も、引き続き総合的な公害防止施策、これを講じていく必要があると、そういうふうに考えてございますのでよろしくお願いいたします。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、富山・高岡地域につきまして、富山県の方から説明をお願いします。

○富山県 富山県環境政策課長の油本でございます。富山・高岡地区の公害防止計画地域内の環境の状況と申しますか、公害の状況について、資料5-3の主な環境質の状況でご説明させていただきます。
 まず、1ページをお開きください。策定地域でございますけれども、ちょっと図が見づらくて申しわけございませんが、今回策定しようとするところは、富山市、高岡市、新湊市、そして婦中町の3市1町でございます。この真ん中の方にちょっと白く抜けているところが小杉町、大門町、大島町、下村ということで、以前はこの公害防止計画地域内に入っていましたが、そこについては卒業した町村でございます。
 この3市1町の面積は460キロ平米でございまして、全県の10.8%を占めてございます。平成14年10月の人口は56万7千人と、全県比の51%を占めております。
 また、製造品出荷額につきましては1兆6,766億円ということで、やはり51%を占めておりまして、本県の経済の中枢地域となっております。
 本県では、水力発電を背景に、電力が廉価だったということから、この地域には古くから鉄鋼業や化学工業が進出しておりまして、新産都市にも指定されております。
 また、臨海部を中心に工業地帯が形成されており、現在も紙パック製造業や鉄鋼業、そして金属製品製造業等の事業所が立地しているところでございます。
 また、交通体系でございますけれども、この下の方に北陸自動車道が走っております。高速道路です。それから、中間の方には国道8号線、それから県道富山県高岡線などが東西に中央部を走っておりまして、ここのところを南北に大河川が走っております。例えば、神通川、庄川、小矢部川といった1級河川が南北に走ってございます。そのほか、呉羽丘陵というのが富山市と高岡市、新湊市を分断するような形で東西に走っておりまして、交通の渋滞が発生しやすい地理的条件でございます。
 また、この婦中町につきましては、富山市のベッドタウンということで、県内でも最も人口増加率の高い地域となっており、だんだん都市型公害の進展が懸念されるところでございます。
 それでは、2ページから環境の汚染の状況についてご説明したいと思います。
 大気汚染でございますが、大気汚染の測定はここにもありますように、一般環境測定局14局、そして自動車排ガス局4局において観測しており、テレメータシステムを利用して常時監視を実施しております。配置図につきましては3ページに載せてあるとおりであります。○が一般環境局であり、△が自動車排出ガス局でございます。
 それでは、環境基準を超えている項目について説明したいと思います。
 4ページでございます。浮遊粒子状物質でございますけれども、全局で環境基準が未達成となっておりまして、これにつきましては工場、事業所からの排出ガスに加え、年々台数が増加している自動車排ガスの影響も大きいのではないかというふうに考えております。
 浮遊粒子状物質の経年変化については5ページの方に書いております。
 それから、6ページには光化学オキシダントについて詳細に載せております。光化学オキシダントにつきましては、本年2回にわたり注意報を発令したところでございまして、7ページに書いておりますけれども、光化学オキシダントの発令状況ですね。これについては平成7年度以降発令しておりませんでしたが、この6月5日に出ました注意報につきましては0.133ということで過去最高値を出しております。ということで、我々としてもこのように光化学オキシダントがどのような状態で最高値になったのかということについては、今後も注視していかなければいけないというふうに思っております。
 それから、8ページでございますけれども、水質汚濁について説明させていただきたいと思います。8ページのように、環境基準の類型のあてはめをしております。9ページの地点でそれぞれ測定をしておりまして、河川の8水系、21水域、それから2海域の7水域で水質調査を実施しております。
 10ページが底質環境の調査の実施状況でございます。この地域には、先ほどもお話ししましたが4大河川が流れてきておりまして、この4大河川を活用するような形で、多量の河川水や工業用水を利用するパルプ工場や、薬品の中間体を製造する製薬工場等がこの地域に立地してございます。その関係からも排水が極めて多く、また河川を通じて海域にも流れていっているというふうな状況でございます。
 それでは、11ページの基準をオーバーしている状況についてご説明したいと思います。
 まず、ダイオキシン類についてでございますが、11ページの表3でございますが、アの河川の水質でございます。小矢部川につきましては、14年度に環境基準の超過が見られましたけれども、その原因となった工場に対して改善を指導したところ、15年度にはその環境基準を達成しておりますが、下から4番目の富岩運河でございますが、これについては14年度に環境基準をオーバーしておりまして、やはり15年度にも依然として環境基準をオーバーしているということでございます。これにつきましては後で申しますが、この富岩運河の底質に多量のダイオキシンがあるということで、そのような問題からこのダイオキシンが依然としてオーバーしているということでございます。
 それから、底質についてですが、12ページでございます。底質の河川でございますが、下から4番目の段でございますが、富岩運河につきまして、千原崎地内の水路橋のところで、14年度に640pg-TEQ/gという数値が環境基準をオーバーしたような数値で出ております。これにつきましては、参考の表を見ていただきたいと思いますが、これは富山市が平成13年度に実施した調査結果でございますけれども、やはり河川水、さらには河川底質において環境基準をオーバーしている状況が見られます。特に、河川底質には6,500pg-TEQ/gというふうなことで、環境基準をゆうにオーバーしている状況でございます。
 それから、このほかに実はこの富岩運河の方から、富山新港の東埋立地にしゅんせつされた土砂が約8万8千立米堆積されております。この底質及び土壌の環境基準を超える2,600pg-TEQ/gのダイオキシンがここでも検出されているというふうな状況でございます。
 次に、13ページでございますが、海域のCODでございますが、いろいろ環境基準をオーバーしている原因について、いろいろ調査してきたわけですけれども、汚濁の原因と考えられる窒素・リンについて県独自の水質目標を設定し、開発事業者と協力して窒素・リンの削減対策に取り組んだところ、環境基準の達成率につきましては、平成11年度の32%から平成14年度には84%と、一応達成率の向上は見られていたんですけれども、やはり当地域においては依然として1水域で環境基準を達成できない状況でございます。これにつきましても、閉鎖性水域ではないところでございますので、いろいろ県独自の調査研究をしながら対策を行っているところでございます。
 それから、次に15ページの方の地下水でございます。ご存じのように、富山県はずいぶん地下水の豊富なところでございまして、県の重要な環境資源というふうに考えておりますけれども、その汚染状況でございますが、6地点で揮発性の有機塩素系化合物やほう素、砒素による汚染が確認されております。このほう素、砒素につきましては自然由来というふうに思っておりますけれども、これらも含めまして、現在継続モニタリングも実施しているところでございます。
 それでは、次に16ページにございます騒音につきましてです。自動車騒音につきましては、70地点で測定をしておりますけれども、そこには環境基準を超えております23地点の状況について載せております。すべてが幹線道路沿いということでございます。
 それから、No.1の地点でございますけれども、交通量の多い国道8号線沿いでは公安委員会への要請限度も超過しているということでございます。
 また、面的評価につきましては、評価の対象とした76戸中18戸、超過率としては24%でございますが、環境基準を達成していない状況でございます。
 次に、土壌汚染について18ページから述べさせていただきたいと思います。
 皆様方ご存じのように、富山県にはイタイイタイ病が発生しまして、その原因として、岐阜県の三井鉱山からということですが、神通川流域において農用地がカドミウムによって汚染されているということで、これについての対策をずっとやってきているわけですけれども、現在もその土壌汚染の状況が見られるわけでございます。そこには、当時測定した土壌と玄米中のカドミウムの濃度を載せておりますけれども、表7のように、農用地の土壌汚染対策地域を指定しておりまして、これについて対策をしているところでございます。約1,500ヘクタールを対策地域として指定して、計画的に対策工事を実施しておりまして、まだ392ヘクタールが残っているという状況でございます。その対策地域の部類につきましては、富山市、そして婦中町にまたがっているということでございます。
 このほか、20ページからですけれども、婦中町においては河川の改修工事に伴い鉛、砒素、カドミウムなどの汚染土壌が判明してきております。現在、河川管理者である県と原因者である化学工場が連携して、汚染物質の流出防止対策や継続的なモニタリングも実施しているというところでございます。
 このほか、22ページでございますけれども、高岡市でございますけれども、県道の予定地において、鉱さい等を地盤改良剤として利用したことによる六価クロムの土壌汚染が平成15年度に判明してきております。この地域につきましては、先ほども言いましたけれども、早くから重化学工業が発達していた地域であり、また吉久ぜんそくということでぜんそく等も発生したところでございますが、こういうところの再開発等に伴って、共通な土壌汚染対策法に基づく地域指定等を行うような場所が出てきております。
 今後も必要な対策を実施していかなければいけないというふうに思っておりますけれども、これからやはり鉄鋼業や化学工業の操業停止等によって、遊休地の多用途への転用が進むということで、今後も土壌汚染問題が後から顕在してくるのではないかなということで懸念しております。
 以上で、富山・高岡地域の主な汚染の状況について説明させていただきました。第6次までこのように計画をしながら対策を行ってきたわけですけれども、今述べましたように、いまだ汚染の状況、さらには過去の負の遺産としてのものが現在顕在化しつつあるというふうな状況でございます。県としては、この富山・高岡地域におけるこれらの公害問題の解決に向けて、総合的な対策を講じていくということにしておりまして、ぜひこの公害防止計画の策定指示をいただき、関係機関と連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。
 特に、富岩運河のダイオキシン類汚染につきましては、県民の関心も高くて、早急に解決しなければいけない問題でございまして、今回の案では主要課題として追加されておりますのでよろしくお願いいたします。
 以上で説明を終わります。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして備後地域につきまして、岡山、広島県の方からご説明をお願いいたします。

○広島県 広島県環境対策室事業調整監の石友と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、パワーポイントを使って説明させていただきます。
 まず、計画の範囲でございますけれども、広島県の福山市、そして三原市、岡山県の笠岡市、以上3市からなっておりまして、この地域は、広島県の東部から岡山県西部にまたがった地域でございます。
 次に、この対象地域の人口でございますけれども、地域全体では54万6千人、県全体に占める割合につきましては、広島県で16.9%、岡山県で3.0%となっております。また、面積は771平方キロメートルで、県全体に占める割合は広島県で7.5%、それから岡山県で1.9%というふうになっております。
 この地域を流れる河川につきましては、1級河川の芦田川、それと2級河川ではございますけれども、広島県で流域面積が一番大きい沼田川、それ以外にも中小河川が幾つかございます。
 また、南側は瀬戸内海に面しておりまして、気候温暖な地域となっております。
 次に、産業についてでございますが、この地域は昭和39年の備後地区工業整備特別地域としての指定を契機に、我が国でも有数の工業地域、また広島・岡山両県にまたがる瀬戸内海地域の中核的な工業地域として発展してまいりました。製造品出荷額等につきましては、鉄鋼業が非常に高い割合を示しておりまして、電気機械器具製造業、一般機械器具製造業がそれに続く形となっております。
 また、3市の中の割合でございますけれども、製造品出荷額等につきましては福山市が73%を占めております。
 次に、交通の状況でございますけれども、まず道路につきましては東西を走ります高速道路の山陽自動車道、それから国道2号線、その他鳥取県とか岡山県とを結ぶ国道、それとこのたび指定地域から外れましたけれども、尾道市から瀬戸内しまなみ海道、そして今計画されておりますのが島根県の松江と尾道を結ぶ高速道路でございます。こういう高速道路がすべて開通いたしますと、この地域全体といたしまして、東西南北の交通の拠点ということでその機能の発揮が期待されているところでございます。さらに、笠岡バイパス、福山道路、三原バイパスということで、2号線は特に渋滞する地域でございますので、こういう道路の計画がなされておるところでございます。
 次に、鉄道についてでございますけれども、JRの山陽新幹線、それから山陽本線、そのほか呉線、福塩線がございます。
 次に、港湾のことを申し上げますけれども、この地域の重要港湾といたしまして、尾道糸崎港と福山港の2つの港がございます。尾道糸崎港は、地域交通としてフェリー貨物の占める割合が大きく、島嶼部や四国との連絡拠点としての性格が強い港でございます。また、輸入原木の取り扱い量が多く、外国貿易全体の91%を占めております。
 また、福山港は鉄鋼業などの産業を支える港として発展しておりまして、取扱い貨物量は広島県内でもトップとなっております。特に、輸入貨物は県内全体の70%を占めておりまして、主な取扱いの貨物は鉄鉱石とか石炭ということになっております。
 それでは、次に環境質の説明に入りたいと思います。
 まず、大気環境の説明でございます。平成14年度の測定結果で見ますと、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、ベンゼン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、それからジクロロメタンにつきましては、すべての測定局において環境基準を達成しております。しかし、浮遊粒子状物質と光化学オキシダントについては、環境基準を達成していない局もございます。そのうち、浮遊粒子状物質でございますけれども、一般局で13局、自排局で3局、計16局で測定しております。そのうち、10局で環境基準を超過しております。この10局ですけれども、1日平均値の2%除外値は達成しておりますけれども、基準値超過日が2日以上連続したということで、長期的な評価を達成していない状況にございます。
 原因といたしましては、固定発生源だけではなく、自動車排出ガスの影響が多いかというふうに考えております。
 また、対策としていわゆる法律に基づく立ち入り検査はもとより、バイパスの整備とか、交通幹線システムの整備というようなことを行ってまいりました。さらには、岡山県では平成13年度に岡山県環境への負荷の低減に関する条例を、また広島県では平成15年度に広島県生活環境保全条例を制定いたしまして、アイドリングストップを義務づけるとか、また低公害車の導入促進等にも力を入れております。
 次に、光化学オキシダントでございます。一般局10局、それから自排局1局、計11局で測定をしております。すべての局において環境基準を超過しております。そのうち8局なんですが、ここの赤い○をつけているところでございますが、これは注意報のレベルを超えた測定局でございます。
 また、交通量の増加というような状況もございまして、近年は注意報の発令日数も増えております。平成14年度の注意報発令日数は、トータルで17日ということで、最近では増加傾向にあるということになっております。
 それでは、次に水質の説明をいたします。健康項目につきましては、河川、海域とも21測定点すべてにおいて環境基準を達成しております。
 次に、河川のBODについてでございます。河川のBODについては17水域、20地点で測定を行っております。この中で、左の方から見ますと、仏通寺川、それから芦田川、高屋川、それから瀬戸川、この4水域、5地点でBODの環境基準を超過しております。
 ちなみに、芦田川という川は、31年連続で中国地方の1級河川の中でも水質ワースト1という不名誉な記録を更新し続けておるという状況にございます。もともと芦田川という河川については、この地域は非常に降水量が少ないということで、河川の水量が少ないということが1つの汚濁の原因になっているものというふうに考えております。さらには、工業用水を確保するために芦田川の河口に河口堰を設置しております。河口で水が停滞するということで、特に下流での水質汚濁が著しい状況になっております。
 このように、水質の問題が結構あるんですけれども、そういう河川の改良がなかなかされていないという要因でございますけれども、各水域とも発生源別の汚濁負荷量で見ますと、いずれの河川におきましても、生活系による負荷が5割以上というような状況になっておりまして、その対策が急務というような状況になっております。
 こちらのパワーポイントにありますように、これは下水道の普及率を示したものでございます。福山市では66%ということで、この中では高い方なんですけれども、また背後の地域については、下水道の普及率が非常に低いということで、今後ともこの生活排水の処理ということで、下水道だけではなくて、浄化槽の普及とかということに努めていく必要があろうかなというふうに考えております。
 また、先ほど申しました芦田川ですけれども、いろいろな取り組みがされておりまして、国土交通省の方では、芦田川の支流でございますけれども、高屋川という川がございます。ここで、河川の浄化施設などを設置して、また最近ではいろいろな主体が集まって、いろいろな取り組みをするというような枠組みもつくられまして、ハード、ソフト両面からの対策が講じられているところでございます。
 しかし、平成14年度の基準を評価した5点でございますけれども、いろいろな対策を講じている割にはなかなか改善傾向にはなっていないという状況でございます。
 次に、海域の状況でございます。この地域には、環境基準の類型指定の海域が3海域ございます。左側の燧灘北西部海域につきましては、環境基準を達成しております。3海域のうち残り2つ、箕島町地先海域、さらには備讃瀬戸海域につきましては、海域のCODの環境基準が未達成ということになっております。
 窒素及びリンにつきましては、すべての海域で達成しております。
 CODの超過要因でございますけれども、先ほど申しました河川からの汚濁水の流入、さらには箕島町地先につきましては、生活系というよりもどちらかというと産業系の排水の割合が高く、工場排水の影響も考えられるところでございます。
 それでは、次は地下水の状況でございます。この地域の中で1か所だけ環境基準を達成されていないところがございます。笠岡市で1か所、ふっ素が環境基準を超過しております。ただ、今のところまだ原因の特定には至っておらず、引き続き定期的なモニタリング調査を行っていくということにいたしております。
 次に、騒音関係でございます。自動車交通騒音については39の地点で測定を行っております。そのうち12地点で環境基準を超過し、そのうち6地点で要請限度を超過しております。特に交通量の多い国道2号線沿線に超過の地点が集中しているところでございます。
 対策といたしまして、先ほど大気のところで申し上げましたように、バイパスの整備とか交通幹線システムの整備というようなことによりまして、交通流の分散化を図るとともに、低騒音舗装とか遮音壁の設置などを行っておるところでございます。
 最後に、新幹線騒音のことでございます。現在9地点で測定を行っております。そのうち、福山市の1か所、それから笠岡市の1か所、計2地点で環境基準を超過しております。今後とも、騒音の状況の把握に努めるとともに、必要に応じまして、JR西日本に音源対策等の推進を働きかけていくこととしております。
 以上、ざっと環境の状況を説明いたしました。
 以前に比べたら、全般的に環境の改善は見られるところでございますけれども、先ほど申しましたように、河川の水質汚濁、それからまた2号線を中心とした自動車交通による環境問題などの課題は大きいものと認識しております。今後とも、そういう課題に対して積極的に取り組んでまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 以上で説明を終わります。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが、周南地域につきまして、山口県の方からご説明をお願いいたします。

○山口県 山口県の環境政策課の室長をしております大田と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料に沿いまして、周南地域の状況をご説明いたします。資料5-5でございます。
 1ページをお開けください。地域の概況でございますが、周南地域は山口県の瀬戸内海沿岸の中央部でございます。範囲は、周南市、防府市及び下松市の3市でございます。周南市につきましては、昨年徳山市と新南陽市、周辺の熊毛町と鹿野町の2市2町が合併したものでございます。新たな対策地域となりますのが周南市でございますけれども、この資料の中では旧の徳山市、新南陽市という表現でされております。
 地域の面積でございますが934平方キロ、県全体の15%程度でございます。
 また、人口が32万8千人、県全体の21%程度でございます。
 交通網につきましては、山陽自動車道、国道2号線、また鉄道がJR西日本の山陽新幹線、山陽本線がこの地域を東西に横断しております。飛行場としましては、防府市に航空自衛隊の初等訓練基地であります防府飛行場が市街地の近くにあるという状況でございます。
 当地域の産業でございますが、出光興産の製油所を中心としました石油コンビナートが形成されておりまして、臨海部を中心とした化学、石油、鉄鋼、セメントなどの基礎素材型、また輸送用機械器具などの加工組み立て型の工場が立地しております。
 また、この地域はセメント工場を中心としましたリサイクル事業も盛んでございまして、廃タイヤとか下水道汚泥、石炭灰、焼却灰、廃プラ等を原料としてリサイクルされております。特に、県下のごみ焼却炉の焼却灰につきましては、年間約3万トンがセメント原料にされております。
 14年度の製造品出荷額は2兆2千億程度でございまして、県全体の約45%。主要企業としましては、東から日立製作所、東洋鋼鈑、また帝人ファイバー、これはペットボトルのリサイクル工場でございます。出光興産徳山、また日新製鋼等々、防府市には協和発酵、マツダ等の工場がございます。
 大気汚染の方の状況にまいりたいと思います。2ページを開けてください。
 大気汚染の測定局は2ページの一覧表のとおりでございますが、一般測定局13、自動車排出ガス測定局1局となっております。
 3ページに測定局の位置を記載しております。工業地帯が臨海に沿っておりますので、測定局も臨海地域に沿って配置しております。
 環境基準が未達成の項目でございます。4ページをご覧ください。浮遊粒子状物質につきましては、右側のグラフの方では基準値内でございますけれども、基準超過日が2日以上連続したということで旧新南陽市、防府市、下松市で未達成となっております。
 主な原因でございますけれども、黄砂などの自然的要因も考えられますが、今後もばい煙発生施設、粉じん発生施設等の立ち入りの徹底、基準遵守の徹底等を図っていきたいと思っております。
 次に、7ページでございますけれども、光化学オキシダントでございます。4局で測定を行っておりまして、すべて環境基準を達成しておりません。防府市の1局では、昨年度注意報レベルを超過しておりまして、注意報を発令しております。
 次のページに超過日数の推移等を示しております。今後の対応としましては、窒素酸化物等の排煙脱硝装置の指導、また自動車の指導等をしてまいりたいと思っております。
 次に、水質汚濁の状況でございます。9ページから13ページまでに類型指定の状況、県下の基準点等の一覧表を示しております。
 14ページをご覧いただきたいと思います。
 類型指定の状況の位置図でございます。当地域では、主要河川としまして一番西側に1級河川の佐波川というのがございます。2級河川としましては、夜市川等7つの河川を類型指定しております。
 湖沼につきましては、いずれもダム湖の人造湖でございますけれども、菅野湖など4つの湖沼、また海域としましては、徳山湾海域など4海域を類型指定しております。
 15ページの方でございますが、健康項目でございます。湖沼の高瀬湖において砒素が環境基準を超過しております。これは、自然由来と考えております。その他の健康項目につきましては、すべて環境基準を達成しております。
 次に、16ページでございますが、湖沼のCODにつきまして高瀬湖、米泉湖の2湖沼で環境基準未達成となっております。CODの経年変化のグラフが下についておりますけれども、菅野湖につきまして、最近達成しているわけでございます。これは錦帯橋で有名な岩国市の方へ流れていく川の上流でございまして、周南地区の水がめということになっております。ここでは、平成8、9年度から湖沼内に循環曝気装置というのを6基つけております。そういうものをつけたおかげかと思っておりますけれども、最近は達成しております。米泉湖はまだ達成しておりませんけれども、これにつきましても直接浄化の方法等を今検討中でございます。
 17ページの方でございますけれども、湖沼の窒素でございます。菊川湖のみの類型指定でございますが、これも未達成でございます。
 18ページをごらんください。湖沼のリンでございます。リンにつきましては、3湖沼について類型指定しております。いずれも未達成でございますけれども、暫定目標を設定しておりまして、菅野湖は一応暫定目標値を達成しております。
 19ページでございますが、海域のCODでございます。笠戸湾・光海域、徳山湾海域、及び三田尻湾・防府の3海域のA類型で環境基準がまだ未達成でございます。
 19ページから20ページにグラフで示しておりますけれども、COD濃度というのは長期的に見ますと徐々に改善されつつあります。ただ、この地域は、工場地域でございまして 産業系の発生率が大変多いところでございます。今後ともそういう規制基準の遵守とか、監視・指導を徹底していきたいと思っております。
 また、生活排水につきましては公共下水道の整備、促進、それと合併浄化槽等の整備、家庭での浄化実践活動、そういうことをやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
 21ページでございますが、地下水汚染でございます。汚染地区が8地区この地域にございまして、いずれも物質はテトラクロロエチレンによるものでございます。1地点だけシス-1,2-ジクロロエチレン、これは分解生成物といわれておりますけれども、これが基準を超えております。この地区の対策でございますが、飲料用水対策としての上水道の敷設はすべて完了いたしております。
 また、汚染源が判明したものにつきましては、汚染土壌の掘削乾燥処理というものをやっております。また、それができないところにつきましては地下水のくみ上げ曝気処理等を実施しておるところでございます。原因の事業所はクリーニング店、アスファルトプラント、及び金属の表面処理などの中小の事業所でございます。しかしながら、まだ3市5地区11地点で環境基準が未達成となっております。
 22ページから25ページに代表的な地点の経年変化を示しておりますが、全般的には低下減少している傾向になっております。
 次に、26ページの方をご覧いただきたいと思います。自動車騒音の調査結果を示しております。当地域の自動車騒音の状況は、交通量の増加と、また自動車の大型化、特に工場地帯でございますので、大型車の混入率が4割近いところがございます。そういう状況でございまして、幹線道路の沿線18地点のうち9地点で環境基準が未達成でございます。そのうちの2地点で要請限度を超えております。
 なお、環境基準の達成状況の評価結果としましては、住居等979戸のうち141戸、14%が環境基準を達成しておらないという状況でございます。
 最後でございますけれども、新幹線騒音でございます。28ページに示しておりますけれども、1地点測量で1地点環境基準を達成していないという状況でございます。この地域では、昭和40年代ですか、水銀汚染等いろいろ深刻な公害問題がございました。企業、行政、民間の努力でかなり改善されてきておりますけれども、さらにもう一歩努力してよりよい環境を目指して公害問題に対応していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 大分長くなりましたが、これで5地域の説明をいただきました。それでは、ただいままでのご説明に対しまして、何かご意見とかご質問がございましたらどうですか。
 浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 まず、全般的なことです。前から気になっていたことですが、公害防止計画は5年で見直しをしていくわけですが、そうすると5年たって、それで本来なら次の計画の初年度に当たる年に策定指示が出て、ほとんどその年度の終わりぐらいに計画が承認される。それで、その年を含めて5年間で計画を達成するということをやっているわけですが、これでは事実上無理な予算執行を強いられたり、あるいは初年度が事実上穴あき状態になるということになると思われます。このような事態がずっと今まで続いてきているわけですが、事務局として、これをどうやってこのような問題について対応するのか。本気で考えなければいけないのではないかと思います。
 ただ、問題は5年間の計画が達成できたかどうか、さらに継続する必要があるかどうかということは、5年の成果を見なければいけないのですが、前年のモニタリング結果が出てくるのは、3月は無理であって、どうしても春先以降です。そうすると、次にどうするかという議論も夏からしか始められない。その結果、結局今の時期にこの策定計画、計画をつくるかどうかの議論をやることになるわけで、ほとんど次の年の3月直前ぐらいのところで決定となるわけです。そこで結果的に、さっき言ったように1年間丸ごと空くわけです。だから、4年間で5年分の計画内容を実施せよということにもなるわけで、どうもおかしいわけです。
 そこで、私は、結果を見なければわからないという事情もよく理解できるので、今すぐどうしろということは言えないんですが、ぜひ事務局で検討してほしいわけです。例えば、計画期間終了後にしっかり成果を検討しなさいということになっていますけれども、中間点検みたいなものをもっときちっとやって、4年目がすぎるところ位でちゃんと点検をし、もうあと1年でどこまで達成できるのかと検討しておけば、もっと早い時期にどの地域は卒業させるか、どこを続けるかと答えが出てくるんだろうと思うんです。それをやっていないから、結局いつも不思議に思いながらこういう検討につき合っているわけです。これでは現場も困るだろうし、予算執行上も困ると思います。何とかしなければいけないのではないか。
 ちなみに、研究補助費関係の補助金は非常に厳しくて、中間点検を徹底的にやるわけです。こういうやり方では、県はお困りかもしれませんけれども、きちんと報告を受けてどうなっているのか調べることは必要であろうと思う。研究費の場合には成績が悪かったから次からは予算をつけないということもやっているわけです。せめて、3年目ぐらいか4年目ぐらいに徹底して点検をして、この穴あき状態が起こらないようにシステムを改善するという工夫が必要ではないか。これは全般的なことについての意見です。
 個々の地域についてですが、率直に言わせていただきますと、かなり無理して継続というところと、当然楽々継続というところがあるなという感じがいたします。というのは、例えば光化学オキシダントは、全国的に見てどこも徹底的に達成されていないわけですから、それでも達成されていなければワンポイントになるわけですから、甚だアンフェアですね。そういうものも全部集めてやっと基準クリアというところと、それから、そんなものは入れなくたって悠々クリアというところがあるわけです。どことは言いませんけれども、相当これはもうちょっと頑張ればすぐ卒業できそうな地域があるという感じがします。
 それよりも、これは総合政策局から環境管理局の方にしっかり言わなければいけないと思うんですけれども、光化学オキシダントに関して、本当に全国的にどうするのか、こんなに達成されていないものについてはどうなったのか。つまり、メカニズムについてもいろいろ、原課では勉強もしているし検討もしているわけですけれども、その辺の原課の勉強の結果が、余り現場の自治体にまで降りていないような気がいたします。
 さっきのお話を聞いていると、これもどことは言いませんけれども、光化学オキシダントが達成できていないから、さらに脱硝装置をつけさせるというようなお話ですけれども、こんなことはさんざんやってきて達成できていないのに、さらにまた産業界に脱硝装置をもっとつけろというようなことが、公防計画の実施の手段であるとなったら、これは恐らく産業界もだまっていないと思うんです。そういうようないい加減なとは申しませんけれども、安直にそういう光化学オキシダント対策ができるなんていう、そんなぐらいの発想で自治体が取り組まれては困る。それは、やっぱりもっとこの問題について国としての責任をもってやらなければいけない。そのための調整部局としての総政局なんですから、そういう点はきっちり言うべきだろうと思います。
 具体的な地域名を挙げて申し上げるのは、例示のようなものだと思って聞いていただきたいんですが、備後地域に関しては先程のご説明は非常によくわかったのですが、芦田川が問題であって、その原因も実によく分析しておられるわけです。であるならば、最終の計画の段階では、主要課題の記述に関してきっちりそういう地名も入れて、主要課題にしていただきたいということを希望します。
 これから先は、単なる感想に過ぎませんけれども、因果関係がかなり明確で河口堰がかなり水質悪化の原因になっているということであるならば、例えばそれについての費用負担というのは、工業用水利用者に負担させるという根拠があるはずだろうという気がするんです。これは、公防計画の範囲を超えますけれども、そこら辺までしっかり因果関係がわかるように手当てをしていって、それで生活用水系ももちろん負荷をかけているけれども、河口堰があるから水質が改善できないというんだったら、工業用水が必要だから河口を止めているのなら、水質改善の努力はそちらでも負担をしてもよいのではないかという話になっていいはずと思われます。
 それから、もう1つは備後地域だけではなくてほかの地域にもあるんですが、特に備後地域が目立ったので申し上げたいんですが、2号線沿いに要請限度を超えた地点がいっぱいあります。しかし、国土交通省をはじめとする道路管理者は要請限度を超えている沿道の騒音の重点的な改善を戦略として掲げているはずですから、しっかりそういう対策をこういう計画で重点的にとり上げてもらうことによってかなり状況が改善されるだろうと思われます。同様なことは仙台湾地域でも国道沿いのところに点々とあるわけですから、こういうところこそまさに公防計画の真骨頂なので、自治体だけでやるのではなくて、直轄のところはちゃんと国にしっかりやってもらうということを言わないといけない。その辺のところはぜひ検討していただきたいという希望です。
 それから、周南地域について、これを見ていますと、徳山のところも結構水質で海域では×がついているんですが、主要課題のところになりますと、なぜか三田尻湾になってしまって、徳山が主要課題から落ちてしまっているんですが、これはなぜかということを是非お聞きしたい。どうして三田尻湾だけが主要課題に上がるのかということです。
 それから、もう1点は若干疑問なんですが、私も福岡にいるので山陽新幹線のことはよくわかっているつもりですが、周南地域の新幹線はほんの一部分だけ、ちょこちょこっと、走るといっても30秒ぐらい、3か所ぐらい地上に頭を出すだけで、あとは全部トンネルです。これで環境基準を超えていると思ったら、ちょっと頭を出すのは防府のあたりですから、こんなところが環境基準を超えるというんだったら、防音壁をつくればすぐに片づくのではないのかと思うんですが、なぜこれがいつまでも放ったらかしになっているのか。もしかするとここはそんなに住宅もなくて、何も対策を講じる必要がないから放ったらかしになってきたとしか思えません。だとしたら、そんなところが環境基準を超えているということが公防計画で大々的に問題になるのかよく理解できない。この2点は、ぜひ山口県に答えていただきたいと思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の件につきまして事務局から何かコメントありますか。

○佐野環境計画課長 まず、全体の見直しのサイクルをどうすべきかというところは、浅野先生にまさにご指摘いただいた事情というか、お答えもしていただいたようなものなんですけれども、一体5年間の計画期間でフォローアップをやるときに、いつのデータまで見て、どこで判断するかというのは、5年間フルに見るに越したことはないわけで、非常に難しいところなのでございます。
 現在でも、最終年度にフォローアップをする。今年ですと15年度にフォローアップをする。そうすると、15年度にフォローアップをするためには、14年度のデータが15年度の春ごろ出てきますので、それを見てやるということになっているんですが、それが国なり県なりの作業がおくれて、今ごろになると15年度もあるだろうと、15年度も見ればいいではないかというような議論も今年の場合は特にあったわけでございまして、逆に毎年夏にかけて前年度のデータが取りまとまるところですぐに作業を始めれば、いずれにせよ一番新しいところまででできるので、なるべく無為に待っている期間がなくて、なるべく新しいデータを使って判断ができるように、ただ、では今年でいうと14年度までをやるのか15年度までをやるのかというのを決める問題だと思いますので、ちょっとそれで考えてみたいと思います。

○安原委員長 それから、もう一つ光化学オキシダントの……

○浅野委員 それは要望ですから結構です。

○安原委員長 それでは、個別の問題として周南地域につきましてお答えいただけますか。

○山口県 山口県でございます。
 新幹線の騒音でございますけれども、私は直接担当ではございませんので詳しくございませんけれども、従前からソニックブームといいますか、トンネルの出口での苦情が多うございまして、いろいろ対策はしていただきました。それでも、まだ苦情が残っております。住宅地の中を走っているわけではございませんけれども、そういう苦情対策としてはまだまだやっていかなければいけないという部分があるというところでございます。
 それと、三田尻湾でございますが、周南地域、徳山、三田尻、それから笠戸湾とずっと続いているわけでございますけれども、全体的に他よりは負荷量が多いところでございます。特に、三田尻湾につきましては、閉鎖性が高い湾内でございまして、大変負荷量の高い工場もございます。また、そういうところの対策を今後やっていかなければいけないかなというふうに考えております。よろしゅうございましょうか。

○浅野委員 わかりました。

○安原委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、ほかに。香川委員。

○香川委員 ちょっと教えていただきたいんですけれども、気になるのが健康影響にかかわることなんですけれども、まず富山・高岡地区で吉久ぜんそくというのが話題になったというんですけれども、これに関していつどこで、どういう状況で、その後どういう経過になっているのか。富山の公害防止計画の中でそういう健康影響らしきものが話題になったというのは、少し気になるので教えていただきたい。
 それから、周南地域で水銀汚染が問題になったと。これも新聞記事で記憶があるんですけれども、いつどこで、どこが汚染源になって、健康影響があったのかないのか、その後の経過、わかる範囲で教えてください。

○富山県 富山県でございます。  ちょっと私の説明が足りなかったかと思うんですけれども、この土壌汚染が見られている地域、吉久というところなんですけれども、かつて昭和40年代に、この地域には電炉工場がずいぶんたくさんありました。それは、先ほども説明しましたけれども、戦前から富山県は水力が多いものですから、電力が安いということで、この地域に電炉工場がずいぶんありました。そういう関係から、昭和40年代において、吉久ぜんそくというものが一部見られたということでございます。これにつきましては、公害等の規制が厳しくなりまして、その後環境基準はもちろんのこと、そのようなぜんそく患者等もいないというか、見られない。健康等にも影響がないというような状況でございますので、今現在は問題は一切ありませんので、申しわけございませんでした。過去の問題をちょっと、今土壌汚染にあらわれているということをちょっと説明したかったので、吉久ぜんそくの話を持ち出したんですけれども、今現在はそういうことはないということで説明させていただきます。

○香川委員 これは、先ほどの吉久地区の六価クロムに関連しての吉久ぜんそくではないんですね。

○富山県 ではありません。

○安原委員長 それでは、周南地域につきまして山口県の方から。

○山口県 周南地域の水銀汚染の問題というのは、水俣の後に発覚した問題でございまして、周南地域に苛性ソーダの製造工場がトクヤマと東ソーというのがございます。水銀電解法によりまして苛性ソーダを製造しておりましたけれども、昭和40年代の後半に底質の汚染がわかりまして、除去基準を設定しまして、水銀に汚染された海域の底質ですとか、それの封じ込め作業を50年代の初頭にかけてやっております。水銀電解法につきましてはすべてもう廃止しまして、今は隔膜法で苛性ソーダをつくっております。ですから、50年代の前半には大体解決しております。
 健康被害でございますけれども、周辺の漁民の方を中心に健康調査を実施いたしました。健康被害の方はいらっしゃらないという結論でございます。大変、昔のことでございまして、私の知っている範囲でそういう状況でございます。

○安原委員長 それでは、小林委員。

○小林委員 資料2の15ページ以降に旧計画の主要課題がございまして、その全体に廃棄物・リサイクル対策というのが掲載されておりますけれども、今回共通してはずされていますので、その背景というのを1つ。
 2点目は、公害防止計画を進める上で財政措置が大変有効に働いてきたと私は思っているのでございます。現在、補助金をめぐる議論がございますので、ぜひその辺は十分念頭に置いて取り組んでいただきたい。この場所で議論するのは余り適当でない話かもしれませんが、希望といたします。
 3点目は、富山・高岡地区の農用地の汚染、残っているのが392ヘクタールということでございますが、これはいつまでに完了するというテンポで進んでおられるのか。今回の公害防止計画、ぜひピッチを上げて取り組まれることを期待したいと思います。
 以上です。

○佐野環境計画課長 まず、重点課題のつくり方でございますが、この辺のつくりにつきましても、実は平成13年に答申をいただきましたところで、ある種モデルチェンジをやっておりまして、旧計画はそれより前にできた計画ということになるわけでございます。
 ご説明にもちょこちょこと出ていましたんですが、基本的な方向として、とにかく地域の公害対策を何でもかんでも並べるのではなくて、目標は環境基準なんだから環境基準が達成されていないのは何かというものをちゃんと明らかにして、かつそれを達成するために合理的な施策をちゃんと計画に上げるというような考え方でだんだん整理するようになっておりまして、ポイントとなりました廃棄物のところも、廃棄物そのものを重点課題というのではなくて、それはそれなりに環境基準を達成していない項目というのが課題としてあるのであって、その対策として廃棄物関係、例えば生活排水であればし尿処理施設みたいなものが入ってくるかと思いますが、そういうものを重要な対策として講じるんだというふうに整理をしようということにいたしまして、あの答申以降の計画からは廃棄物を直接重要課題に掲げるということをしないようにしております。
 それから、ご指摘をいただきまして、まさにご指摘のとおり、実はこの公害防止計画にはご存じのとおり公防財特法という制度に基づく行政措置が出されておりまして、実際のところ資料2の1ページの下に財政措置の状況が書いてございまして、例えば平成14年度の全国33地域におきます公害防止計画に挙げられた事業の総事業費で5,700億円ほどあるんですが、それによる公防財特法によるかさ上げ措置がされたのが283億円。このうちの大宗を廃棄物処理施設関係が占めておる。何でそうなるかというと、ほかの施設の多くが他の法令による制度の対象になっているということなんです。
 ということがございまして、現在されておりますいわゆる三位一体改革によります補助金措置がどうなるかということによっては、確かに甚大な影響を受けるところでございまして、私どもも大変その行方を注視しているところでございます。
 一方、市町村レベルになりますと、廃棄物対策、廃棄物処理施設というのは、ほとんど何年に一遍に非常に大きな財政需要ができるというものでございますから、該当の計画を持っているところで公害防止計画を考えておるところから、非常に強い要望があるというのが、今の実態でございます。

○安原委員長 どうぞ、富山県の方から。

○富山県 富山県でございます。  この婦中町で神通川流域のカドミウム汚染につきましては、昭和40年代から対策等を進めてきておりまして、現在のところ平成20年に復元事業を完了する計画になっております。今回の公害防止計画が策定されれば、公害防止事業として円滑にこの対策を実施して、20年には完了したいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 福井委員、その後村杉委員。

○福井委員 全体的なものとして海域の水質汚濁というのは、どこでもなかなか環境基準が達成できないような状況にあるように思えるわけで、今回の仙台湾、富山県、広島県、あるいは周南地区、こういうふうに全部重点的に上がっております。その中で、ちょっと気がついたところなんですが、富山・高岡地区、それなりの対策を講じておられまして、ずいぶん水質はよくなっているようにに見受けられるんですが、14ページを見ますと、最近また、ここ数年といいますか、七、八年、何となく悪化しているように見受けられるんですが、こういう傾向は今後まだしばらく続くのか、あるいはまたそれなりの対策が講じられ、改善することが期待できるのか。この富山県と広島県の17ページも似たようなふうになっているんですが、その辺ご説明願えればありがたいと思います。

○安原委員長 広島県の方からどうぞ。

○広島県 ご承知のように、瀬戸内海全体が閉鎖性海域ということで、その中でもまた奥まったところが特に閉鎖性が高いということで、瀬戸内海だけではございませんけれども、水質の総量規制、今第5次まで総量規制が行われておりまして、例えば工場排水の規制というのは非常に厳しくなっておりまして、特に産業系の負荷は全体的には下がってきております。
 そういう中で、今瀬戸内海の問題で言われているのが、いわゆるそういう陸上部からの負荷だけじゃなくて、要は海底にたまったヘドロとか、またプランクトンの死骸とか、いわゆる内部生産というようなことが非常に言われていると思います。なかなか、陸上部からの負荷を下げただけでは水質がよくならないというようなものでございます。ただ、近年また若干上昇しつつあるというところの因果関係というのが、まだなかなか十分に解析できていないということがございます。

○安原委員長 それでは、富山県。

○富山県 富山県でございます。14ページのことについてご説明いたしたいと思います。
 委員のおっしゃられたのは、昭和50年代においては、水質が悪かったものは全部改善してきたという状況なのですが、平成7年ぐらいからまた悪化してきていると。環境基準達成率が悪くなっているということについての説明を求められているんだろうと思います。これにつきましては、まず昭和50年代のこの基準をオーバーしていた原因というのは、工場排水によるものが大河川を通じて、直接海域に流入していたという状況でございまして、それらを公害規制をすることによって、排水規制をすることによって、改善がなされてきたものというふうに思っております。
 ところが、平成7年ぐらいからまた悪化の状況というか、達成しない状況になってきた。これにつきましては、県としてはリンとか窒素というものとか、それから海水温とか海流の変化、それから下水道等の整備によって無機塩類が直接海域に流入するというふうなこととか、農薬によるとか製品による変化とか、そういう県民の生活様式の変化によって、そういうリンとか窒素が流れていって、その結果、それを栄養源としてクロロフィルを含む藻類や植物プランクトンが光合成により増殖し、有機物の指標であるCODにカウントされることがわかってきた。実はここまでわかるまでも、ずいぶん県の方としても調査し、研究しながら、大体その原因としてはリン・窒素が直接海域に流れていっているものによるものではないかというふうに推測されましたので、リン・窒素の、特に窒素の削減対策というものを進めてまいりました。近年、14年度にはまた改善の方向が若干見えてきているというふうな状況でございます。よろしいでございましょうか。

○安原委員長 ありがとうございました。それでは、村杉委員。そのあと、石上委員。

○村杉委員 どうもありがとうございました。平成13年度の答申以来モデルチェンジをしていただいて、今回拝見したこのいろいろな資料は大変見やすく、ポイントをはっきりさせてお示しいただいたのはよかったと思っております。このモデルチェンジを、もうちょっとモデルチェンジをしていただくと、私どもはありがたいなというふうに感じているわけです。
 例えば、ここに資料2ですか、後半にそれぞれ地域名がございまして、地域名ごとの主要課題が旧計画と並列で書かれております。せめて、この主要課題についてのもう少し詳しい内容といいましょうか、例えば自動車公害の防止を図るという主要課題をもう少し落としたもの、具体的なものを何か、例えば各県の資料4に関する部分か何かに書いていただけないだろうかと思います。
 と申しますのは、この資料4の関係をずっと見ますと、初めの方の部分は具体的に水質汚濁なり大気汚染なりで一部書かれているわけですが、どこも同じなので、例えば私がたまたま広げた備後地域でいきますと、4ページ(1)今後講ずべき施策というあたりからは、どの地域もみんなほとんど同じです。基本方針だからといってしまえばそれまでなんですが、例えばそういう意味で伺っていますと、例えば備後地域あたりで自動車騒音対策でバイパスの整備をこれからするとちらりとおっしゃっていられる。けれども、それが果たしてここに書かれている環境保全上の指標と環境に悪影響を及ぼすことがないようというこの文面と、本当にそれがどう具体的にやられているのか、私たちにはわからない。
 そんなこともありますので、せめて主要課題については、もう少し具体性のあるものをどこかに基本方針の段階でも何でもいいですけれども、書いていただけるとわかりやすいし、それから今後それをチェックする上でも、多分その書いた部分について基本的にきちっとフォローアップをしながらやっていただけると思っておりますので、もうちょっとのモデルチェンジをしていただけると助かるなと思います。

○安原委員長 ありがとうございます。伺っておきまして、石上委員。

○石上委員 最初に、事務局の方にお尋ねしたいんですが、課長の説明の中で、最初にこの地域指定の中から、自然に由来するというものについては外したという説明があったように思いますが、もし間違っていなければお答えしていただきたいと思いますが、その場合、これはどういう形でだれが判断したのかということ。それと、今までは人体と環境等に影響があるだろうという前提に立っていたものが外されてしまうということになると、今後どのような対策を講じていくことになるのか。どこの所管で対応していくのか、あとどういうフォローをしていくことになるのかということをお聞きしたい。
 それから、もう1つは今日ご説明になった県の皆さんにちょっとお聞きしたいんですけれども、特に水質汚濁のことにつきまして、工場排水に起因するという説明が幾つかあったかと思いますが、そういった場合に新たに計画を見直すという観点から、企業側に新たな工場施設といいましょうか、そういった設備みたいなものの整備を求める、または国に対して何か求めるということはないのかどうかという点をお聞きしたいと思います。
 以上です。

○佐野環境計画課長 村杉委員のご指摘にも合わせて、私どももなるべくそういうふうな方法を具体的にということを考えておりまして、実は先ほども申しました各計画、基本方針の末尾についております表の備考欄というのは、実は今回からつけたものでございまして、ここでなるべくそれぞれの地域の状況に応じまして、それぞれよく見ていただくと、地域ごと項目ごとに微妙に書きぶりが違うのにお気づきになると思うんですが。例えば、河川であれば生活排水でここが原因であると思われるところは生活排水対策を重点にやっていただきたいと。あるいは工場排水であるというところは工場排水を重点にやっていただきたいというようなものをなるべく書き込むようにしたところでありますが、やはりこの時点でもうそういう決め打ちができるものと、なかなか決め打ちは難しいというものが地域の実情においてございます。
 それから、ある種これを余りやりますと、計画の策定、中身そのものの先取りみたいになってしまいますので、そこはある範囲のところは計画の策定過程で策定者である県にご検討いただき、また関係方面とご調整をいただきたいという面があるものでございますから、絞れるものは絞り、絞りきれないものは絞りきれないということで今度計画の策定過程で考えていただくというふうに、ただなるべく具体的なという方向で改善は進めているつもりでございます。
 それから、今石上委員からご指摘がありました自然由来のものがあるというのは、外すというところの意味が、実はちょっと私の説明足らずだったのかもしれませんが、公害防止計画の策定を指示すべきだという判断基準に応じて勘定に加えるかどうかという意味でございまして、さすがに自然由来の汚染があるというところをもって、汚染があるから公害防止計画において対策をを打つのかと。実際に、その対策が自然由来ですと、対症療法的な対策はあり得るんですけれども、汚染源に対して対策をとるということが事実上できませんので、そういう汚染があるということをもって公害防止対策をやるのかという勘定に加えるかというのは、これはちょっと違うであろうと。そういうものはカウントには加えないという意味で申し上げたわけでございます。
 多くのもので、そういうのは地下水汚染が多いんですが、環境基準が特に一部の物質について最近厳しくなりまして、そういう自然由来のものでも結構引っかかってまいるということが起こってきているものでございますから。現場では例えばそういうものであれば、実は飲料には使わないようにするという対応はされていて、健康に対する影響はそういうことによって避けられているわけでありますけれども、実質では原因の対策をどうとるかということになるとやりようがないというものでございますから、そういうものをもって公害防止対策計画の策定の要件にすると、策定の考慮要素にするということはしないでおこうという意味でございます。

○安原委員長 ほかにございますか。予定の時間がちょうどまいっておりますので。

○石上委員 もう1点、各県の対処を伺っているんですが。

○安原委員長 どなたか、では石上委員の質問に。

○山口県 水の負荷の削減ということだと思いますけれども、我々は瀬戸内海で総量削減計画というのを立てて、県内の瀬戸内海区域のCODの総量を削減するという形で総量規制をやっているわけです。大気の場合は環境容量を出して、その地区を幾らにしたら環境基準が達成できるよという形で大気の総量規制というのをやられておるわけでございますけれども、瀬戸内海の閉鎖性水域につきましては、環境容量が幾らだから、そこを幾らにしたら達成するよという方法ではないわけです。
 それで、負荷量の削減につきましては、生活系の下水道整備等による削減を計算した上で産業系は幾らですよと。それで、実施可能な範囲で削減してくださいという表現になっております。5年間で実施可能な範囲はどこまででしょうかということで、我が県の場合はやっております。

○安原委員長 よろしゅうございますか。ほかにありますか。

○山下委員 簡単なことで。備後のところでわからないデータがあるので、これ教えてくれないかな。
 5-4の19ページで、夜の方がやかましくなっているんだよね、県道沿いで測った数値が。5デシベル高いでしょう。県道55号線、昼間60で夜65に上がっているんだよね。これなんだろうか。交通量はすごく少なくなっている。だから、こういうデータがまかり通ってしまうというのは、何か数字が出ればいいのではないかという感じになってしまうのが怖い。資料では県道55号線の昼間が60デシベルなんですって。夜になると65デシベルになっています。つまり夜間に5デシベル上がるというのは夜になるとうるさくなるということになる。私は騒音関係者だから気になる。ここで交通量を見ると、がんと減っています。不合理なデータです。わかったら教えてもらいたいし、何だろうか。

○広島県 即答しかねますので後日調べて回答します。

○安原委員長 事務局、わかりましたら山下委員にご連絡してください。

○山下委員 教えてください。何か気持ち悪いから。

○安原委員長 そのほか、もし後でお気づきの点がございましたら事務局の方に連絡をいただければと思います。
 お時間がまいりましたので、質疑はこの程度にいたしまして、この今取り上げております5地域の公害防止計画の策定指示につきましては了承したいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」との声あり)

○安原委員長 ありがとうございます。それでは了承することにいたします。
 今、いろいろ委員の皆様から貴重なご意見をいただきましたので、可能な限り公害防止計画の策定の過程で十分配慮していただくようにお願いする次第でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは今後の予定につきましては、冒頭田村局長から言及ありましたが、もう一度念のためお願いしたいと思います。

○佐野環境計画課長 大変ありがとうございました。長い時間お疲れさまでございました。いろいろ長いご審議ありがとうございました。
 今後の進め方でございますが、局長よりも申し上げましたとおり、本日ご了承賜りましたこの5地域の策定指示につきましては、10月8日金曜日でございますが、環境基本法上の公害対策会議、閣僚の会議でございます公害対策会議の議を経るという手続を済ませまして、その後早急に環境大臣より策定の指示をするということにさせていただきたいと思います。

○安原委員長 そういうことでございますのでお含みおきいただきたいと思います。
 それでは、大変熱心な討議をいただきましてありがとうございました。第10回公害防止計画小委員会はこれをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後12時05分 閉会