中央環境審議会総合環境政策部会 公害防止計画小委員会(第7回)議事録

日時

平成15年2月19日(水)10:00~12:04

場所

環境省第1会議

出席委員

安原 正
 
小委員長
飯田 浩史 委員
太田 勝敏 委員
香川 順 委員
小林 康彦 委員
佐竹 五六 委員
猿田 勝美 委員
遠目塚 昭三 委員
福井 経一 委員
村杉 幸子 委員
山下 充康

議題

  1. (1)鹿島地域等12地区の公害防止計画の同意について
  2. (2)その他

配付資料

資料1   中央環境審議会 総合政策部会 公害防止計画小委員会 委員名簿
資料2   公害防止計画の概要(案)(平成14年度策定地域)
資料3   鹿島地域等12地域の公害防止計画主要課題施策の概要(案)
資料4-1   鹿島地域公害防止計画(案)
資料4-2   埼玉地域公害防止計画(案)
資料4-3   千葉地域公害防止計画(案)
資料4-4   東京地域公害防止計画(案)
資料4-5   神奈川地域公害防止計画(案)
資料4-6   京都地域公害防止計画(案)
資料4-7   大阪地域公害防止計画(案)
資料4-8   兵庫地域公害防止計画(案)
資料4-9   奈良地域公害防止計画(案)
資料4-10   和歌山地域公害防止計画(案)
資料4-11   北九州地域公害防止計画(案)
資料4-12   大分地域公害防止計画(案)
資料5   第7次東京地域公害防止計画(案)について
参考資料1 公害防止計画策定の基本方針の概要
参考資料2   公害防止計画に関する参考資料
その他   議事次第

議事内容

午前 10時00分開会

○三橋課長補佐 それでは、そろそろ時間となりましたので、ただいまから第7回公害防止計画小委員会を開催させていただきたいと思います。
 それでは、安原委員長に議事の進行をよろしくお願いいたします。

○安原委員長 皆さん、おはようございます。
 本日は、大変お忙しいところご出席をいただきましてありがとうございます。また、東京都からもご担当の方がご出席いただいております。後ほどご説明をいただく予定になっております。
 それでは、議事に入ります前に、炭谷総合環境政策局長よりごあいさつをいただきたいと思います。お願いいたします。

○炭谷総合環境政策局長 総合環境政策局長の炭谷でございます。
 本日は、お忙しい中、この会議にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 本日、ご審議を賜わります案件は、「鹿島地区等の12地域の公害防止計画の同意について」でございます。これらの12地域におきましては、去年6月28日に環境大臣から関係都道府県に対して、計画の策定指示が行われ、その後、関係知事の方々におかれましては、基本方針に基づき計画を作成し、このたび、環境大臣あてに協議申請がございましたので、計画の同意を行おうとするものでございます。
 なお、今回の計画は一昨年、この小委員会でご審議をいただき、おまとめいただきました公害防止計画制度の運用の見直しの答申を加えまして、各地域の課題に対応した公害防止計画を策定されたものでございます。
 この計画の同意につきましては、来たる2月24日、公害対策会議幹事会の議を経まして、専決処理により、環境大臣から関係都道府県知事に対し、公害防止計画の同意を行う運びという予定を立てております。委員の皆様方におかれましては、どうかよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜わりますことをお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。

○安原委員長 どうも炭谷局長、ありがとうございました。
 それでは、本日配布されております資料につきまして、事務局から説明があります。

○三橋課長補佐 本日の小委員会は、12時までとさせていただきます。
 次に配布資料の確認をさせていただきます。お手元に資料がございますが、最初に議事次第、それから配布資料一覧とありまして、その次から資料1といたしまして、小委員会の委員の名簿、それから資料2といたしまして、公害防止計画の概要(案)、それから資料3といたしまして、鹿島地域等12地域の公害防止計画主要課題の施策の概要(案)がございます。それから、資料4といたしまして、この青い冊子になりますが、今回の12地域の公害防止計画の案でございます。それから資料5といたしまして、今回お越しになっておられます東京地域さんの資料といたしまして、第7次東京地域公害防止計画(案)についてという一枚紙と、それからパンフレットが2部続きまして、白い紙が1枚。それから高速道路整備のあり方というパンフレットが一部、それから次に東京都における市街地土壌汚染対策についてという資料、これを合わせて資料5になります。それから、参考資料の1番としまして、公害防止計画策定の基本方針の概要でございます。参考資料2番としまして、公害防止計画に関する参考資料。以上でございます。お確かめいただきたいと思います。
 本日、大変資料が多くなってございますので、委員会の終わりの際にはどうぞ机の上に置いていただきまして、後ほどご郵送させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、資料の確認をいただきまして、もし足りない資料がございましたら、事務局までお申し出いただきたいと思います。
 それでは、これから議事に入りたいと思います。議事の第1でございますが、「鹿島地域等12地域の公害防止計画の同意について」でございます。これにつきまして事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

○鷺坂環境計画課長 それでは、私の方から、最初の概要等について説明いたしまして、細かい点につきましては担当者の方から説明するという段取りでお願いしたいと思います。初めに資料2の方をごらんいただきたいと思います。
 資料2、公害防止計画の概要(案)ということでございまして、1枚おめくりいただきまして、1ページ、公害防止計画の概要(案)ということになっております。「はじめに」のところにございますように、先ほど局長からのあいさつにもございましたが、今回の公害防止計画でございますけれども、昨年の6月28日付で環境大臣から関係都道府県知事に対しまして、計画の策定が指示されたということでございまして、これに基づき、各都道府県知事の方で計画案をつくってきたものについてご審議いただくということでございます。
 2のところでございますが、計画の策定地域でございますけれども、鹿島地域以下12地域ということになっておりまして、この地域はいずれも平成9年度から13年度にかけての公害防止計画を有していた地域ということでございまして、今回、なお新たな公害防止計画策定の必要性が認められるという地域になっております。
 それから、3のところでございますが、計画の目標でございますけれども、ちょっと資料4ページをおめくりいただきたいと思います。この表-2のところに「公害防止計画策定に当たっての目標」ということで、それぞれ項目について目標ということになっております。ご留意いただきたいんですけれども、この地域のところでございますが、これまでの公害防止計画につきましては、ともすれば例えば大気、水質等々につきましては、基本的に全地域を対象としていくというようなことでございましたが、今回の公害防止計画(案)につきましては、中環審の答申の見直しを踏まえまして、課題対応型ということで、特に問題のある地域についてのみ、この目標を掲げるということになっております。したがいまして、例えば大気の浮遊粒子状物質のところでございますけれども、全地域ということではなくて、11地域が記載されております。和歌山地域については、特に浮遊粒子状物質は環境基準を達成しているということで掲げていないというようなことになっているところでございます。
 また、前の1ページにお戻りいただきまして、そういったことで、計画の目標がそのような形で掲げられているということでございます。そして、この目標につきましては、各種公害施策の推進によりまして、全体として計画期間を目途に達成されるよう努めるものという形になっているところでございます。
 それから、4番目の計画の期間でございますが、これも従前どおり、本計画の実施期間は平成14年度から18年度までの5年間ということになっております。
 それから、5番目の公害防止に関する施策というところでございますけれども、事業者、地方公共団体の施策等々について記載するということになっておりまして、特に重点的に解決を図るべき主要課題につきましては、改善の目標とその達成のために講ずべき公害防止施策を重点的に記述するということでございまして、この点につきましても、今回、この中環審の運用の見直しの答申を受けまして、記述を重点的にしていくということでございまして、特にこの重点的な記述ということになりますと、例えば自動車交通公害に関しては個別の路線を記載するでありますとか、あるいは水質汚濁につきましても、個別の河川であるとか、海域、湖沼等につきまして、そういった個別のものにつきまして過去の施策、分析評価、今後の施策の目標を明記するようにしているところでございます。細かい点につきましては、また後ほどご説明申し上げたいと思います。
 それから、6番目でございますが、経費の概要ということで、ページ数でいきますと、9ページになりますけれども、表-4ということで、公害防止施策に要する経費の見込み額ということで、今回も事業者、それから地方公共団体の公害対策事業と、それに関連する公害関連事業ということで、掲げているところでございます。
 それで、この概要には記述されておりませんけれども、今回、また後ほど細かい点につきましてはご説明申し上げますが、全体を通しまして、答申にありましたように、公害防止計画に定めた施策が適切に進捗されているかどうかといったことにつきまして、都道府県知事がその進行管理、分析評価をするということも、今回新しく記述されているということでございます。
 それから、あと11ページ以下は参考資料でございまして、13ページが今回の公害防止計画策定地域の概要、13、14ページ。それから15ページ以下がそれぞれの地域における大気の状況、環境基準を超えている地域がどのくらいあるかとか、そういった状況でございます。
 それから18ページ以下が12地域における主要な水域の水質の状況ということで、それぞれデータ等を掲げているということでございます。
 それから、23ページ以下が公害防止計画が策定されている主要な環境質の5年ごとの変化の状況ということで、おおむね、今回新たに12地域を指定しておりますけれども、個別のデータ的には改善が見られているものがかなりあるということでございます。
 それから、最後に27ページにこの全地域、32地域の計画の一覧表というものがつけてありますのでご参照いただきたいと思います。
 それでは、引き続き担当の補佐の方から若干細かい点につきましてご説明申し上げたいと思います。

○三橋課長補佐 それでは、私の方から資料3、施策の概要(案)、それから資料4、これは計画書本体になりますけれども、これらに基づきましてご説明させていただきたいと思います。
 今回は運用見直し後、初めての計画書の策定ということになっておりまして、対策を策定されます都府県さんに対しましては、策定指示に基づきまして、見直しを反映させた形で、計画書を作成していただくように、個別にお願いをしてまいりました。
 今回、非常に地域数も多いことですから、各地域の個別の環境質の状況等は私の方からは特段細かくご説明はいたしませんけれども、本日は横断的に見まして、この見直しによって、どういう点が変わったかというところをポイントを挙げてご説明をさせていただきたいと思っております。
 それから本日は、先ほど紹介しましたけれども、東京都さんにお見えになっていただいておりまして、特に東京地域についてどういうふうな施策をこれから行っていかれるかという点について、後ほどご説明をしていただきたいと思っております。
 それでは、資料3、資料4に基づいてでございますが、資料4の計画書のまず大阪地域をごらんいただきながら、全体を共通項といたしまして、今回の見直しについてご説明したいと思います。
 まず大阪地域の計画書、この中で一番厚い、真ん中辺に入っているものなんですけれども、目次をまず開いていただきたいと思います。
 計画書の形式、構成につきましては、以前見直しの際の小委員会でご議論いただいた構成に基づいて、今回ほぼそれに沿った形で構成をされております。まず大阪地域の目次をごらんいただきたいんですけれども、最初に第1章としまして、「序説」とございます。ここではごく最小限の記述といたしまして、地域の範囲、それから計画の目標、それから主要課題、計画の期間といった形でまとめてございます。
 それから、第2章、「公害防止施策」と、これが本体になるわけですけれども、従来、この中で環境質の現況について、すべて一くくりでまず最初に書かれておりまして、その後にまたその対策が大気、水質、全部まとめて書かれているというふうに、現況の状況分析とそれから今後の対策が分かれた形で記述がされていたんですけれども、今回は主要課題の中でも、特に物質等ごとにまとめまして、現在の状況と分析、それから対策というふうにそれぞれ連携がとれる形でまとめていただいております。
 それから、第3章、4章、5章となりますが、「自然環境及び地球環境の保全」ということも、環境基本計画に基づきまして、記述はされておりますが、むしろ課題対応という意味ではこれはある意味、2次的に達成されていくものだろうということで、最小限の記述となっております。
 それから、特に第5章で計画の効果的な実施というところにわりあい今回力を入れていただいておりまして、各主体との連携でございますとか、それから他の計画との整合でありますとか、それから一番最後になりますけれども、以前はなかったんですけれども、進捗状況の評価とか進行管理という点を今回は明記していただいているという構成になっております。
 それでは、公害防止施策の中身のご説明をしたいと思いますが、まず4ページを開いていただきまして、最初の序説に当たる部分をごらんいただきたいと思います。
 4ページを開いていただきますと、「計画の目標」というふうにございます。これは策定指示の際の国からの基本方針がそのまま明記してありまして、まず入口のところになりますが、一番冒頭に目標が平成18年度を目途に達成されるよう努めるものとして策定すると書かれております。
 5ページになりますと、目標といたしまして、各環境質ごとに環境基準等が書かれているわけですが、これにつきましては、実は従来まではすべての環境基準が網羅して書かれていたわけですが、今回はその地域で環境基準を超過している物質等のみについて目標を掲げてございます。例えば大阪地域でいいますと、一番最初、大気のうちの二酸化硫黄とか一酸化炭素等はもう達成しておりますので、この目標の中には含まれておりません。それから、例えばその下の公共用水域及び地下水の健康項目になりますけれども、26項目のうち、超過している項目だけをここは拾い上げて、一覧表になっております。そうしたことで、今回課題対応ということで、その地域のこの物質について頑張るんですよという構成になっております。
 それでは、引き続きまして、9ページになりますが、公害防止対策になります。ここではまず主要課題としてまとめてございますが、大阪地域では自動車交通公害対策というのがまた一つ大きく挙がっておりまして、この中でごらんいただきますように、大阪地域におきましては、全体に幅広く道路等ございますけれども、特に地域内で環境基準が超過している路線のうち16路線を抽出しまして、主要課題としてまとめていただいております。
 めくって、10ページになりますが、その16路線のうち、最初に(1)-1とありますが、「府道大阪中央環状線沿道の自動車排出ガスに係る大気汚染及び騒音対策」ということで、その16のうち、1つの路線について、以下現況、それから11ページに行きまして、要因分析。ここでは例えばトラックターミナル等が非常に集中しているとか、そういった現況について、その路線について詳しく要因分析をしていただきながら、12ページに行きまして、過去の施策の実施状況ということで、先ほどの環状線の沿道のこれまでの実施状況を、例えば低騒音舗装をこの地区について行ったとか、モノレール等を並行して整備したとか、そういったところを詳細に記述していただいております。
 この1つの路線につきまして16ページ以降になりますが、過去の施策の評価・分析ということで記述がございまして、ここでは従来はさらっと書かれていたところでございますけれども、例えばなかなか進まなかった施策につきましても、反省を含めて、例えばディーゼル貨物車からの排出ガスの削減がなかなか進まない点もあったとか、17ページに行きまして、天然ガス自動車等、低公害車も目標まではなかなか行かなかったとか、そういった記述もしながら、これまでの施策の評価・分析をしていただいております。
 それから、17ページの一番下になりますが、いわゆる大阪中央環状線についての今後講じる施策及び達成目標というところでございます。これにつきましては、ここにありますように、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準が達成されるように努めると。それから自動車騒音につきましては、これらの施策を講じることにより、要請限度を超過している地点が解消され、さらに騒音の低減が図られるように努める。今までは環境基準を達成するというふうに明記してあったわけですが、ここはこうしたいろいろな状況を勘案し、また他の、NOx法等の整備計画の目標等も参考にしながら、目標を設定して、以下の施策をやりますという記述になっております。大気の場合、ダブルスタンダードが難しいところがございまして、なかなか何PPMを下げるとかいうところが出しにくいところがあるんですが、大気についてはこういった形の記述になっております。
 18ページ以降、この環状線に対しての個別の施策が記述されてございます。これにつきましては、ここでまとめてございますが、20ページ以降に表として今後の鉄道、モノレール等の事業計画でありますとか、駅前広場の整備でありますとか、バイパスの整備、立体交差等につきまして23ページまで対策が記述されてございます。
 23ページ以降につきましては、16路線のうち2つ目になりますけれども、国道26号沿道の対策という形で、同様に現状分析、それから要因の分析、今後の対策と目標という形で16路線をこのようにまとめていただくという形になってございます。
 以上、大気、自動車交通公害に対して、大阪地域を事例にごらんいただきましたが、次に水質汚濁対策についても同様にごらんいただけたらと思います。これにつきましては、次の埼玉地域をごらんいただけるとわかりやすいかと思いますので、埼玉地域をごらんいただきたいと思います。
 埼玉地域も同様な構成となっておりますけれども、やはり同じ主要課題のうちの河川の水質汚濁対策ということで、35ページからごらんいただきたいと思います。埼玉地域では実は9つの河川で環境基準が超過しておりますが、そのうち不老川、綾瀬川、鴨川という、特に市街地にありまして汚濁が著しい河川を主要課題として選定してございます。これは以前でいいますと、水質汚濁といえば、地域内にある河川のすべてが主要課題に入っていたんですけれども、今回はそのうち抽出した3河川について主要課題としたということでございます。
 ここでまず不老川について、(1)としまして、不老川のBODにかかる水質汚濁対策というところで、先ほどの道路と同じように、不老川に関しての要因分析、それからこれまでの施策の評価という形で記述がされておりまして、39ページになりますけれども、不老川についての今後の施策、それから達成目標という記述がございます。ここにありますように、不老川につきましてはE類型になっておりますので、もともと目標が10ミリグラムでございますけれども、これにつきまして達成目標どおり、18年度末までに環境基準どおり、10mg/lを達成するという目標をここでは挙げてございます。特に、その中でも生活系排水を中心に流域全体の対策を推進して、負荷の削減を図るという記述になってございます。
 以下ありますように、特に不老川に対する施策といたしまして、流域の下水道の面的な整備を進めるとともに、その支川の林川からの汚濁負荷を低減させるために、合流点の地点に浄化施設を導入する等、個別の施策を挙げて、不老川について抜本的に施策を行っていくという形の記述になっております。
 その下になりますが、2つ目の河川でございますが、綾瀬川のダイオキシンに係る水質汚濁対策でございます。ここにつきましても、ダイオキシンは実は平成10年度以降の測定で検出がされておりまして、それにつきましても、今後要因分析しながら、この原因の解明を図りながらしゅんせつ等を行い、対策を行っていくという形になってございます。
 それから43ページになりますが、次にさいたま市に流れている小さな河川でございますけれども、鴨川のBOD、ダイオキシンに係る水質汚濁対策というところで、同様に現状分析をしながら、46ページになりますが、今後の目標を達成すると。ここも同じ10mg/lになっておりますが、達成を図っていくということでございます。ほかの地域も同様にまとめてございまして、場合によっては、D類型でありましても、とりあえず当面は5年以内にE類型達成を図るとか、そういった意味で多少、今後の施策によって達成可能な目標値を明確に示されているところも中にはございます。
 また、構成について引き続き申し上げますと、今、前半は主要課題になっておりますが、後半の方は一般課題というところになっておりまして、同じ埼玉地域の83ページになりますが、これは水質汚濁対策というところで、先ほどの3河川以外の河川につきまして環境基準が超過しているところのみになりますけれども、今後の施策について、また別途まとめておられるという構成になっております。
 以上、自動車交通公害対策、それから水質汚濁対策というところをピックアップしましてご説明いたしましたが、全地域におきまして、同様に従来は全体として大気、水質全部が主要課題に入っていたのが、一部分を抽出しながら、各路線、各河川ごとに分析しながら記述をしているという形で、大きな今回の違いとなっております。
 都府県さんの担当者さんにいろいろお話をお聞きしておりますけれども、こうして、計画書を作成することによりまして、その都府県内の各セクションといいますか、各部局、それからさらに、こういった施策を実施される国の機関、それから市町村、担当部局等の中で、これからやっていくその施策について、非常に細かいコンセンサスが得られたというふうに聞いておりまして、ある意味で課題対応の一つの意味の効果も、担当者レベルでもかなりあったと聞いております。
 引き続きまして、さらに今回の計画書の改正点でございますけれども、従来、主要課題の一つでございました廃棄物リサイクル対策でございますが、今回は主要課題という中には入れませんけれども、大気、水質、そういった環境基準達成を図っていく中ので対策の一つとして廃棄物リサイクル対策についても引き続き取り組んでいくという形の構成になっております。
 同じ埼玉地域でごらんいただきたいと思いますが、119ページに第10節としまして、廃棄物・リサイクル対策という形でまとめてございます。この中で、120ページに今後の廃棄物処理施設等のリサイクルも含めまして、いろんな施設整備計画が従来同様、強調して掲げられておりますが、今回ちょっと違いますのは、表の一番右の欄に「対象となる対策」というところが明記されてございます。すなわち廃棄物処理施設の整備そのものが課題ではなくて、こうした対象となる、例えば河川でありますとか、大気汚染対策でありますとか、そうしたものを解決していくための対策として、ここでは掲げられているんですよという整理になってございます。
 それから、最後になりますが、計画の効果的な実施というところをまたごらんいただきたいと思いますが、埼玉地域でいいますと、133ページになります。第5章、計画の効果的な実施でございます。関係機関との連携という点も最初にありますが、以下、県政を越えるいろんな組織でございますとか、それから事業者等との連携、住民の連携、そして138ページになりますが、各種計画との連携といたしまして、地域に関係いたします環境保全に関する諸計画の概要がここに挙げてございます。ここにございますように、備考としまして、いろんなそれぞれの計画の目標年次がございまして、今回それらとすべて照らし合わせながら、相まって一緒に目標を将来的に達成していくという形で今回整合をとって記述がされてございます。
 それから、最後になりますが、140ページに計画の進捗状況の点検でございます。この点につきましては、前回の答申の中でも、今後はそこをしっかり記述して進めていくようにという形でいただいておりまして、全地域におきまして、今後どういうふうに進行管理をしていくのか、中間点検等を進めながら、最終的にも何かフォローアップをして、また次なる施策に反映させていくという形でまとめていただいて、今後これに基づきまして、各都府県さんにおきましては、各年次ごとにフォローアップをされていかれると聞いております。
 以上、新しい構成となりました今回の計画のポイントについて、概略でありますけれども、ご説明いたしました。個々の計画につきましては、この資料3の施策の概要、それから本体はそのときにごらんいただくといたしまして、きょうお見えになっておられますが、東京都さんの方に東京地域につきまして、多少詳しくご説明をしていただきたいと思っております。こちら側からご紹介いたしますが、向かって右から東京都環境局の自動車公害対策部の計画課長の平林課長さんです。

○平林課長 平林でございます。よろしくお願いいたします。

○三橋課長補佐 それから、同じく環境局の環境改善部有害化学物質担当課の宮川副参事。

○宮川副参事 宮川でございます。よろしくお願いいたします。

○三橋課長補佐 それから、一番左端になりますが、同じく環境局の総務部の企画課の杉山係長でございます。

○杉山係長 杉山でございます。よろしくお願いします。

○三橋課長補佐 それでは、東京地域につきまして東京都さんの方からご説明の方をよろしくお願いいたします。

○杉山係長 第7次東京地域公害防止計画(案)につきまして、ご説明をさせていただきます。
 今年度は大都市圏を含みます12地域が改定という中で、策定に従事されました他県さんのご担当者の方も傍聴にお見えになっていると思いますけれども、東京都が例示的にご説明をさせていただきますことをよろしくお願いいたします。
 お手元にお配りしてありますレジュメなんですけれども、項目立てで書いてあります簡単なものですけれども、「第7次東京地域公害防止計画(案)について」というものですが、これに従ってご説明をさせていただきます。おおむね30分程度ご説明をさせていただきますが、全般的には私の方からご説明させていただきまして、自動車公害対策につきましては平林課長の方から、それから市街地土壌汚染、地下水汚染につきまして、中心的には市街地土壌汚染なんですけれども、宮川副参事の方からご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず東京地域の主な環境の状況なんですけれども、自動車公害による大気汚染は依然として厳しい状況にございます。計画書の11ページをごらんいただければと思いますけれども、そこに自排局の位置図がございますけれども、主要な環状線、それから放射線状に測定局を設置しておりますが、都内の自排局における二酸化窒素の環境基準の達成率は3割にとどまっております。浮遊粒子状物質につきましては、13年度ですけれども、自排局34局すべてで環境基準が未達成の状態になっております。光化学オキシダントにつきましても、全局で環境基準を達成していないという状況にございます。水質汚濁につきましては、これまでの施策の効果が出まして改善傾向にありますが、都内の7河川、東京湾のCOD、全窒素、全りんにつきましても環境基準を達成しておりません。赤潮の発生率につきましては100日を超えているという状況が、ここ二、三年続いております。
 また市街地土壌汚染につきましては、略称で環境確保条例という条例を平成12年度に改正いたしまして、土壌汚染の対策も盛り込んだわけなんですけれども、この条例の施行に伴いまして、土地の改変に際して土壌汚染が判明することが多くなっております。これらの状況から環境基準の達成を目指しまして、一層公害防止に関する諸施策に積極的に取り組む必要がありますので、計画策定を行っております。
 主要課題に関する施策の方向性ですけれども、東京地域は4つの主要課題を設けまして、自動車公害を初めとする大気汚染及び自動車交通騒音、河川の水質汚濁、東京湾の水質汚濁、それから市街地土壌汚染及び地下水汚染でございますが、まずこの自動車公害をはじめとする大気汚染及び自動車交通騒音でございますけれども、この「はじめとする」というのは、大気汚染を改善するためには、自動車公害を克服することが目下の課題でありますけれども、光化学オキシダント等によります固定発生源からの対策もおろそかにできませんので、「はじめとする」というのは固定発生源も含んでいるという意味を込めまして、「はじめとする」としております。
 先ほど、環境省からご説明がありましたけれども、今回の計画につきましては、主要課題と財特法の適用事業につきましては、より具体的に記述するということが指示されております。その中で、より具体的というのはどういうことかということで、各路線ごととか、各河川ごとに記述するということになっておりますけれども、ただ東京地域の場合は交通量の多い道路が密に錯綜しておりまして、特定の道路と大気汚染との関係が明確でありません。したがいまして、汚染原因を特定の道路に限定することが困難な状況になっております。
 当地域の大気汚染対策は特定の道路の対策を行えばよいというものではありませんで、条例によるディーゼル車の走行規制などのほか、都内全域の道路ネットワーク等による交通量対策により解決を図る必要がございます。ディーゼル車の対策につきまして、平林課長の方からご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○平林課長 それでは引き続きまして、ディーゼル車関係を説明させていただきます。皆様には東京都の自動車公害対策について日ごろからご指導いただきまして、もう今さらご説明をするのもという方もいらっしゃるんですが、まずは条例の概要、そしてNOx・PM法との関係を素描いたしまして、その後、対応策、事業者はどういうふうに対応しているのか。そして東京都は支援策を今どう打っているのかという直近の情報を交えて、お話をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料は3点ございますが、その中でピンクのチラシがあると思います。これが事業者向けに出しているもので、一目でわかりやすいので、これをごらんいただきたいと思うんですが、東京都におきましては12年の12月に環境確保条例を制定いたしました。この中で、15年10月、ことしの10月からディーゼル車規制を行うということにしております。ご存じのようにディーゼル車から排出される排気ガスの中には粒子状物質、PMと呼んでいるものが大量に含まれておりまして、これが発がん性、呼吸器系の疾患といった直接都民の命と健康にかかわる問題を引き起こすと言われております。したがって、東京都はこのPM対策ということに当面的を絞って、強力な対策を進めているところなわけです。
 このディーゼル車についてですけれども、一定の基準を満たさないもの、これについては後ほどまたご説明させていただきますが、10月から都内の走行を禁止するという関係になっております。これは自動車NOx・PM法が登録を禁止するという、手段としては非常に強固な手段ではありますけれども、そのかわり、地域外からの流入車という意味では地域の住民にとってみては構造的な問題があるという部分がございますので、条例としては都内の走行禁止という措置に出ているわけです。地域といたしましては、都内全域ということになっておりまして、軽油を燃料とするディーゼル車について、トラック、バスその改造車を対象としております。
 この動きは近県にも広まっておりまして、埼玉県、千葉県、神奈川県が相次いで同様の条例を制定いたしました。昨年11月にはこの1都3県と、3政令市が集まりました7都県市首脳会議というのを開きまして、その段階でこの10月に向けて、1年間でございますけれども、7都県市で協力して対策をやっていこうということで、ディーゼル車推進対策本部というのを設置いたしまして、取り組みを深めているところでございます。
 それでは、続きましてこの青い方の、表に車検証のコピーのついているペーパーをごらんいただきたいと思います。実は条例は比較的簡単な構造になっております。15年10月から現在売っている車はいいんですが、それよりも前の車は走行禁止にしようという関係でございます。ただ、自動車NOx・PM法の関係がございまして、今事業者の方にこういうペーパーをお配りしながら、ごらんいただいています。どういうところを見れば車検証でポイントがわかるかというのは頭のところに書いてあるわけです。例えば、車検証のところの[1]というのが赤で入っておりますが、ここで種別があって、ナンバープレートの番号が出てきます。そうすると、自分の車が入っているかどうかというのがここでわかってくるという形になります。また、初度登録が何年か。初めてこの車を登録したのは何年かというのが[2]に書いている。あるいはそのときの新車の規制値。どういう規制に当たっていたのかというのが[3]でわかりますということになっています。
 1枚めくっていただきまして、真ん中を見ていただきたいと思います。皆様、よくご案内だと思いますが、素描する意味で、対策との関係も含めましてご説明をさせていただきますが、右側の図、グラフのところにありますものが粒子状物質の規制値でございます。上の方に書いてあるのがPMの規制でございまして、この灰色の部分がいわゆる平成元年規制。これは普通トラックの普通貨物の場合をとっておりますが、元年規制であります。このときは粒子状物質の規制値がございませんでした。新車をつくるときに、それを意識せずにつくっていたという形になります。
 平成6年から、この新車の規制値が始まりまして、これがkWh当たり0.7gという平均値をとっております。現在、これは0.25gとなっております。また、先般のお話でおわかりのように0.18g、0.0297gというふうに平成17年以降は大変厳しくなって、ヨーロッパ並みになってくるということが決まっておるわけでございます。
 ただ、これはすべて新車の規制値ですから、現在の厳しい大気汚染を改善するために、新車の販売によって、すべて変わっていくのを待っているわけにはいかないということから、東京都は使用過程車対策として、条例で今まで走っている車についてKC以上ですね。平成6年規制より前のものについて規制をかけるということにいたしました。したがって、現在売られている車(10年規制車)より前のものは、7年間の経過措置は認めますが、それ以外は15年10月以降走れなくなるということになります。また、新車の規制値が17年以降厳しくなることを想定いたしまして、その段階ではさらにもう一段厳しくするということも条例上うたっているわけです。
 これとNOx・PM法との関係でございますが、それが下に書いてございます。NOx・PM法は当然PM以外、NOxも入っているということで、現在の技術ではNOxもPMも落とす装置というのは認められてございません。そういう意味からいいまして、このNOx・PM法の期限が来たときが車検登録ができなくなる時期であるわけです。
 ごらんいただくとわかりますが平成元年規制、短期規制とありまして、その年に買った一番上の例で行きますと、元年規制について元年に買った車がいつまで使えるかというのが出ているわけですが、13年7月に法律ができまして、8月にパブリック・コメントに出された環境省の案では、15年の5月から16年の4月にかけて、1年車検ですから、1年間の中で車検が切れてございますが、その中で、例えばこの元年に登録された車というのは車検切れを迎えるということになっておりました。同じ構造が実は平成6年まで同じようになっている。そうしますと、普通トラックの場合には、条例の施行の15年10月を境にして、前後半年の間に必ず期限が来るというということで、非常にわかりやすく、これは買いかえしかないなということになっておったわけです。
 それが経過措置というか、適用時期が伸びまして、最大2年半で、半年から2年半というふうに伸びました。これが今事業者にとって大変難しい問題をはらんでおります。当然私どもは使用過程車対策でNOx・PM法を強化するわけですから、使用過程の規制というのは規制値とともに、いつから規制するかという、初めの時期というのは非常に重要だと思っておりました。そういう意味で、最大2年半伸びたことに関しては一貫して東京都は抗議をしております。
 では、この伸びた中で、どう対応するかということでございます。事業者の側からすると、1回1年間、あるいは2回2年間有効な車検がある。であるならば使いたい。であるならば、どうしたらいいか。ところが、初めに申しました灰色の部分というのはPMの規制がなかったころの車です。ちょうど石原知事が真っ黒なペットボトルを振っておりますけれども、あれをまさにもくもくと出している車がこれであります。あれを落とすために、今の基準維持のためには相当大掛かりな高い装置をつけなければいけません。これがいわゆるDPF、ディーゼル・パティキュレート・フィルターと言われているものです。3.5トンか8トンぐらいのもので80万から100万ぐらいいたします。それでも当初の実験で行われていた300万から500万という値段にすると相当安くはなりましたけれども、やはりそれだけの値段はかかります。短ければ、あと半年であれば安い装置で済ませたいというのは事業者にとって切実な願いでありますけれども、ものの道理として、古いもの、それだけ大量のものは高いということになるわけです。
 反面、この6年規制ということになりますと、やはり規制値があがりますと、日本のメーカーはきちんとつくっておりますので、使用過程車でもかなりいい数字を出しております。研究に研究を重ねて各メーカーにご努力いただいた結果、現在は酸化触媒といいまして、フィルターのないタイプで対応することが可能になりました。この平成6年規制はほとんどそれで対応できます。現在のところ3.5トンか8トンまでの車ですと、大体30万ぐらい。それから8トン超えでも40万程度でこれについては対応できる。そして、この層は下を見ていただくとわかりますが、猶予期間が平成15年10月から見ると、3年近くございました。したがって、この層が酸化触媒をつけるということが今対応策として進められているところでございます。
 元年規制につきましては、古くて余り使えないので買いかえというのが主力になると思いますが、トラックというのは架装といいまして、大変改造する例が多うございます。また、その付加価値が高い場合があります。冷蔵冷凍車ですとか、そういった改造をしている。ないしは東京都のような場合ですと、消防関係の車両は1両で1億近い車両がざらにございます。そういった部分から、私どもはDPFについてもあらゆるものが対応できるように、ラインアップをそろえております。本日も指定をしておりますが、これにつきましては、7都県市と共同して指定をしておりまして、本日の段階でDPFが14車、18型式、酸化触媒が9車、30型式、全部で48型式という指定をしております。これを普及していきたいと考えております。
 この対応でございますが、もう一つございます。現在売っている車について、東京都はもう一段厳しい規制をするということから、今売っている車を買っても将来規制がひっかかるのではないかというご指摘がよくございました。私どもは酸化触媒につきまして、これを新車販売時に工場ないしは販売店のオプションでつけるということを今対応しておりまして、事業者の方が長期規制車に使うということでご希望になれば、それが対応可能なようにメーカーさんにお願いをして、今、供給をさせていただいているところでございます。
 これについての支援策でございますが、一番最後の裏面にございます。DPFないし酸化触媒につきましては、東京都は3.5トンを超えるすべての車両に対しまして、補助金を支出することとしております。装置、付属品、工賃の2分の1、ただしそれにはDPFの場合、大型40万等の上限がございますが、これで支援をしております。
 また融資あっせん制度につきましては、実は別刷りでお持ちいたしましたが、新しい制度を私どもは立ち上げました。これは現在、新車を買いかえる際に中小事業者の方がこの状況でございますので、商売はできるんだけれども、あるいは場合によっては無借金なんだけれども、新しく銀行から借りるということができないという、大変金融事情が厳しい状況にございます。そこで、今まではなかなかなかったんですけれども、車というのはすぐ事故を起こしたり、中古車は価値がなかったので、余りなかったのですが、販売する車自体を担保にとって、また銀行だけではなく、信販会社等にお願いいたしまして、中小企業の方に信用の保証をしていただくということから、今までよりもよりリスクをとる融資というものを編み出しまして、15年予算、そしてまたこの補正予算から対応していこうと考えております。
 仕組みとしてはここに書いてあるとおりでございまして、3月3日からということです。条件といたしましては、この裏になりますけれども、一企業当たり3,000万。融資利率は長期プライムに若干乗せまして、ここでは1月23日と書いてありますが、2月末の時点ですと、これがさらに安くなって、2.9%になります。信用保証料は4.5ということで、東京都としては、利息の半分、2分の1を補助。信用保証料の3分の2を補助という形で考えております。この事業につきましては2万台の規模ということで考えております。
 このほかにも政府系金融機関を活用した融資ですとか、従来から行っております制度融資というのを合わせまして、買いかえだけで5万台の予算規模を現在対応していこうと思っております。また補助金につきましては、3万弱、28,200台分の補助金を確保して普及に努めていきたいと考えております。特に、PM減少装置の補助金につきましては、従来国土交通省さんが緑ナンバー、運送事業車の方の8トン超えの車に対してだけ出していただいておったんですが、平成15年度からこれを白ナンバーも含めてすべてと、それからNOx・PM法対象地域だけでなく、全国でというふうに拡大されるのは大変喜ばしいことだと考えております。これに必要な低硫黄軽油につきましては、平成16年12月からというのを東京都の要請もありまして石油連盟さんが大幅に前倒ししていただきまして、ことしの4月からは全国で供給されるということになっております。そういった民間の方、ないしは近隣の自治体のご協力をいただきながら、強力にこれからディーゼル車対策を推進していこうと考えております。以上でございます。

○杉山係長 引き続きまして、大気汚染の関係の交通量対策についてご説明させていただきます。ここでは道路ネットワーク等の観点からご説明させていただきますけれども、ネットワークにつきましては、現在、都内におきまして首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道、東京外かく環状道路、外環道、首都高速道路中央環状線の3環状道路、それから環六、環八等の区部の環状道路、多摩の南北道路等を中心に整備しております。
 位置関係につきましては、圏央道、外環道、首都高中央環状線につきましては、こちらお配りしておりますパンフレット「首都圏における高速道路整備のあり方」をお開きいただきたいと思いますけれども、その中ほどに「現況」と「計画」という地図がございます。こちらの計画のところをごらんいただければと思いますけれども、圏央道ですけれども、一番外側に首都圏中央連絡自動車道と記載されていますけれども、この道路の整備計画でございますが、青梅のインターチェンジから日の出インターチェンジが平成14年3月に開通いたしまして、日の出インターチェンジからあきるのインターチェンジにつきましては、平成15年中に供用の予定でございます。
 東京外かく環状道路、中ほどにありますけれども、この外環道につきましては現在、関越自動車道から東名自動車道までの区間につきまして、住民等の参加を得ながら、地元と調整をしていると聞いております。中央環状線につきましては、王子線が14年12月に開通いたしまして、新宿線が計画期間であります18年度開通予定となっております。このように、都心部の渋滞、交通流対策のために周辺の3環状線を中心とした道路整備を着々と進めてまいります。
 次に自動車交通騒音対策でございますが、計画書の39ページ等をお開きいただければと思いますが、ここに優先的対策道路区間の一覧表がございますけれども、自動車騒音対策につきましては、優先的対策道路区間を選定しまして、都道5区間、国道10区間、首都高3区間につきまして、低騒音舗装の施工などの道路構造対策、沿道法によります沿道の住宅に防音工事助成等を施します道路沿道対策等を推進していきます。
 ただ、道路構造対策につきましては道路補修計画などとの整合を図る必要がありますことや、沿道整備道路の指定につきましては、関係機関との調整等に日時を要することから、引き続き強力に調整を図っていき、計画の実施に努めてまいります。ただしここに掲げてございます優先的対策道路区間につきましては、もともと道路交通騒音値が非常に高く、これらの対策を講じた場合でも、要請限度や環境基準を満たさない区間を生じているのが実態となっております。
 次に河川の水質汚濁、東京湾の水質汚濁の関係でございます。河川の水質汚濁対策につきまして、計画書の83ページをお開きいただければと思います。都内7河川におきまして、環境基準を超過しているお話をしましたけれども、ここでは区の墨田川と市部、多摩地域の城山川を中心に簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 83ページの(イ)の当該地域に係る要因分析のところの記述ですけれども、墨田川は流域に6つの下水処理場がありまして、河川水に占める下水処理場からの排水量の割合がおおむね70%と、かなり高率になっております。また全川にわたりまして、勾配が緩く塩の干潮の影響を受けまして、河川水が停滞しやすく、したがって、汚泥が蓄積しやすいという河川でございます。対策としましては、84ページになりますけれども、(エ)の「講じる施策及び達成目標」のところに記載してございますが、流入する新河岸川の汚濁対策として、新河岸東下水処理場の増設を行うとともに、下水処理水の高度処理の導入や、合流式下水道の雨水時排水対策などの水質管理を進めてまいります。また、支流の新河岸川、神田川におきまして、汚泥のしゅんせつや浮遊ごみの清掃、また荒川からの導水などを実施いたしまして、浄化に努めてまいります。
 90ページをお開きいただきたいと思います。城山川につきましての水質汚濁対策でございます。多摩地域の河川で都内の環境基準未達成河川のうち、測定結果の値が最も高い城山川はA類型でございますけれども、平成8年度、類型指定をして以降ですが、測定後環境基準は達成されておりません。その状況なんですけれども、流域は住宅団地の造成などで人口が増加しておりまして、BOD汚濁負荷量の発生源別割合のうち、生活系が9割を超えているという実態がございます。
 対策としましては、八王子市の施策によるところが大きいわけですけれども、八王子市では城山川に流入する支川の1つであります大沢川の下水道整備を18年度までに完了させる予定でございます。その他の支川につきましても、平成20年度までに八王子市流域全体の汚水処理整備を完了させる予定でございます。
 公共下水の敷設が経済的に見合わない地域、つまり市街化調整区域などで宅地が散在している地域につきましては、合併処理浄化漕の設置を推進すると聞いておりますが、八王子市では市が設置管理を行い、住民からは下水道料金のような、いわゆる使用料を徴収して運営をしていく予定であると聞いております。
 東京湾の対策としましては、COD、窒素、りん含有量に係る総量削減計画に基づく施策を実施するとともに、海域の浮遊ごみの清掃、流出油対策、海上公園の整備による砂浜、干潟の整備に努めてまいります。
 都における下水道の現状と対策について触れさせていただきたいと思いますけれども、都の下水道の普及率は区部で100%、多摩地域で93%、平均で98%という状況にありまして、環境基準達成率も85%とかなり改善してきております。今後は残された未普及地域の解消に努めますとともに、東京湾の富栄養化対策である窒素、りんの除去を対象とした高度処理を推進してまいります。
 一方で、早くから整備が推し進められてきた東京の下水道は老朽化という問題が進行しておりまして、適切に維持管理を行わなければ、下水道の機能が発揮されないという状況もございます。10年後の東京都における下水道建設投資に占める老朽化対策事業費の割合は50%を超すと見込まれております。老朽化対策への投資額が増加する維持更新の時代に突入するといえます。この維持更新費のシェアが拡大した場合に、水質改善に資する実際の投資額との乖離が大きくなっていくということが見込まれております。
 続きまして、市街地土壌汚染及び地下水汚染対策等につきまして、宮川副参事からご説明させていただきます。

○宮川副参事 環境局で土壌汚染対策を担当させていただいておる宮川でございます。
 それでは私の方からお手元の2枚ございますが、これでご説明させていただきます。計画書の(案)の方でございますと、114ページから市街地土壌汚染対策について記載がございます。ご承知のとおり、東京都における市街地土壌汚染や地下水汚染問題の経緯ということでございますけれども、昭和40年代の後半に江東地区で六価クロムの問題が発生いたしまして、今日に至るまで対策をずっと続けてきたところでございまして、ほぼ対策は完了しているところでございます。
 その後、昭和50年代の後半になりまして、東京の多摩地域でいわゆる有機塩素系の化合物による地下水汚染が顕在化いたしました。そして近年は、工場跡地等で市街地の土壌汚染問題が顕在化しているところでございます。こうした中で私ども東京都は平成12年12月に従来の公害防止条例を改正いたしまして、環境確保条例を制定いたしました。その中で、新たに土壌地下水汚染対策の規程も規定したところでございます。
 今申し上げた土壌地下水汚染対策の規定につきましては、一昨年の平成13年の10月1日から施行させていただいておりまして、今日まで約1年半施行させていただいたところでございます。そして、先月2月15日に土壌汚染対策法が施行されました。この結果、私ども東京都といたしましては今後、条例と法を一体的に運用いたしまして、市街地土壌汚染対策等を進めさせていただきたいと考えております。
 お手数でございますが、次の2ページをお開きいただきたいと思います。ここで私ども、条例に基づきます土壌汚染対策につきまして簡単にご紹介させていただきます。2ページの1番目から4番目ということで、規制対象となる事業者等について規定がございますので、ご説明させていただきます。まず条例の規制対象とされる事業者でございますけれども、私どもは有害物質の取扱事業者と土地の改変者の2つを規定しております。
 まず1点目の有害物質の取り扱い事業者と申しますのは、条例で規定いたします工場等を設置なさっている方で、かつそこで有害物質を取り扱っていたり、また過去に取り扱った方を有害物質取扱事業者と規定しております。また、もう一点の土地改変者については敷地の面積が3,000平方メートル以上の敷地内で、いわゆる土地の改変行為、土地の切り盛り、掘削等の土地改変を行う方を土地改変者として定義しております。
 2点目でございますが、規制の対象となる行為でございますが、まず有害物質取扱事業者の場合は3点ございます。1つは土壌汚染によりまして、大気汚染とか、地下水汚染が発生して、現に人の健康の被害が生じたり、生じるおそれがある場合で、条例の114条でございます。それから2つ目が、例えば私どもの地下水のモニタリング調査の結果等で、ある地域で地下水汚染があったということで原因者と考えられる方に、地下水の調査の要請をするような規定でございます。これが115条ということです。ただ114条、115条につきましては、今のところ実績はございません。そして、3つ目が、事業者の方が工場等を廃止なさる場合に調査を義務づけているところでございます。これが条例でいいますと、116条という規定でございます。
 そして、もう一つの対象でございます土地改変につきましては条例の117条で、先ほど申し上げましたような土地の改変行為を行う場合に調査の義務を課しております。
 では、次に具体的な調査の中身となりますが、まず工場等の廃止時では、直に調査をしていただきます。一方、土地の改変の場合は、まずその土地で過去に有害物質の取り扱い等があったかどうか、すなわち、その土地で土壌汚染のおそれがあるかにつきまして、土地の利用の履歴の調査をしていただきます。その結果、汚染のおそれがかなり高いとか、おそれがあるという場合は、土壌汚染調査に入っていただくような規定になっております。
 4点目でございますが、それらの調査の結果、汚染が判明した場合でございますが、この場合は対策の計画を策定していただいて、対策を実施していただいて、そして最後に対策が完了した時点で、私どもの方に完了の届出をいただくという仕組みになっております。
 それから3ページの方には東京都の土壌汚染対策指針ということが記載されておりますけれども、これは調査・対策に係る実務的な指針でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたような調査・対策につきましてはこの土壌汚染対策指針に基づいて実施していただくところでございます。
 この囲み枠の後段、なお書きで書いてございますが、先ほど申し上げましたように、2月15日に法が施行されるということに伴いまして、私どもでは条例の中の規則の基準並びに、今申し上げました調査・対策の方法が法と整合をとっておりませんと事業者の方に大変なご迷惑をおかけすることにもなるかと思いますので、2月14日に告示させていただきましたが、基準の改正、それから指針の改正等も図ったところでございます。
 下の6番目で、今申し上げました条例に基づくフローをお示ししているところでございますが、一番上の方が先ほど申し上げました条例の規制の対象となる事業者でございます。左側が有害物質の取扱事業者。そして右側が土地の改変者でございます。左側から114条の健康にリスクがあるような場合、それから地下水の汚染が認められる地域で調査をしていたというケースにつきましては、先ほど申し上げた実績はございませんが、次の左側から3点目の116条につきましては、このような形でこういった工場等の廃止の場合には調査をしていただいて、基準に照らし合わせて適合しないということであれば、対策を講じていただくということでございます。
 そして、一番右側が、繰り返しになりますが、3,000平方メートル以上の土地の改変を行う場合は土地利用の地歴の調査をしていただいて、汚染のおそれがあったりまたおそれが高い場合につきましては調査をしていただいて、その結果汚染が判明した場合には対策を講じていただくということでございます。
 そして、このフローの一番下に書いてございますが、条例の118条ではこうした調査・対策の結果の記録につきましては、しっかりと保管していただいて、仮に土地の譲渡等が行われる場合は譲渡を受けた方に承継していただくということを規定しているところでございます。
 次に4ページでございますが、先ほど申し上げました法の施行を踏まえたということで、規則、指針を改正したということでございますが、法が施行されたということで繰り返しになる点でございますけれども、一体的に運用して土壌汚染対策を進めようということで、これらにつきましては2月14日に告示させていただきました。
 具体的に規則の方で基準を定めております。平成13年の3月末にふっ素、ほう素が土壌環境基準に追加されたところですが、それらについては基準項目にしておりませんでしたので、今回の改正の中で、まず基準項目にふっ素、ほう素を追加させていただきました。 それから土壌汚染対策法の方で新たに含有量に係る基準が設定されましたので、同様にカドミウム等の9項目につきまして含有量基準を設定させていただきました。
 また、指針については、大変詳細な中身でございますので割愛させていただきますが、
先ほど申し上げましたように、調査・対策の方法を法の施行規則で規定されております調査・対策の方法と整合を図ったところでございます。
 下の方にちょうど条例が施行されてから半年間の実績をお示ししてございますが、上の段の条例116条は、左側から3つ目の汚染土壌の状況調査をまずしていただくわけでございますけれども、昨年の3月末の時点で報告のあった43件のうち、22件で汚染が判明したようなことでございまして、こういった汚染があったものにつきましては、この時点では17件が対策の計画が出て、半年間で、既に3月末時点で完了したのが6件ございました。なお、昨年の9月末の施行から約1年で見ますと、汚染状況の報告は145件の届出がございました。
 それから、下の土地改変時でございますけれども、半年間では193件の土地利用の履歴の報告がございました。この半年間の3月末で、このうち汚染のおそれがあるということで、汚染状況の報告があったうちの50件の中では34件が汚染が判明し、その後、対策の計画を出していた27件、さらに完了したものは11件ございました。なお、施行から1年間の実績で見ますと、土地の利用履歴等調査の実績は約500件に達しているところでございます。
 このような形で、私ども法も施行されたということでございますので、これまでの条例の施行実績等を踏まえて、条例と法で一体的に土壌汚染対策、地下水汚染対策を進めさせていただきたいと考えております。今後も土壌汚染対策につきましては土壌汚染対策の33条の中でも国の支援というのがうたわれているところでございますので、ぜひ土壌汚染対策の推進のために国のなお一層のご支援をお願いしたいと思います。以上でございます。

○杉山係長 東京都からの説明は以上でございます。

○安原委員長 東京都の平林課長、それから宮川副参事、杉山係長さん、どうも詳細なご説明をいただきまして、ありがとうございました。東京都の方でディーゼル車対策、あるいは土地土壌汚染対策につきまして、強力な方策を打ち出しておられることはよく理解できました。また、環境省の方からは公害防止計画の運用の見直しを反映して、いろいろ改善の努力をしていただいた概要につきましてご説明をいただきました。ありがとうございました。
 それでは、ただいままでの説明につきまして、ご質問、あるいはご意見がございましたら、どうぞ活発にご発言を願えれば幸いでございます。どなたからでも結構です。どうぞ、山下委員。

○山下委員 私は騒音の方なので、余り専門じゃないんで申しわけないんですけれども、ちょうど東京都さんが来ておられるので伺いたいんだけれども、事業の継続性というんでしょうか、何かを展開していくときに事業者が届ける形になっていますよね。そのときに、事業者が変わることがありますでしょう。そこらのビルをぶっ壊して、ぶっ壊す人はぶっ壊す人、それからその次に建設する人は建設する人。事業者が変わりますね。そういうときの今ご説明のあった例えば土壌汚染とか、それから大気にアスベストが飛び回るとか、そんなのはちゃんと継続性はあるんですか。僕はよく知らないんだけれども、仕組みの話なんですよ、理解できないのは。

○安原委員長 せっかく東京都から見えていただいていますので、具体的な事例に即してご説明いただける範囲内でどうぞよろしくお願いします。

○宮川副参事 今、お話のように、例えば工場等で、それを解体して引き続きその土地で開発行為を伴うというような場合につきましては、まず当然壊す段階では、もちろん既に売却しているケースもあるかと思いますが、通常は現在の持ち主の方が解体工事等を行って、その中では当然条例等を守っていただいて、解体等、工事を行っていただく。引き続き、その土地で開発行為が行われる場合につきましては、当然3,000平方超えましたらば、私どもの条例の対象になって、適切な届出等が行われて、またそれに基づいて、適正な対策を講じながら、事業を進めていただくという流れになって、今までもそういうふうにさせていただいておりますし、今後そのような指導をさせていただくと考えておりますが。

○猿田委員 結局これを壊していって、ここに何か再開発したいという事業者がいるわけですよね。その方が解体業者に普通これを委託するわけですよね。解体業者だけが自分でここを壊しましょうというのはめったにないわけであって、何かやはり事業者がそれを壊した後につくりましょうということで、そういう計画を持っている事業者がいるわけですね。

○山下委員 そう思っていたんですけれども、例えば大蔵が持っていた土地、防衛施設庁の跡を考えましょうか。赤坂9丁目ですか。あれは何か防衛庁の前は毛利家が持っていて、麻布三連隊が入って、それから米軍が接収しているわけです。えたいのしれないものが入っているところをぶっ壊したの。それは大蔵の土地なわけ。国有地なの。それを今度三井不動産が買って、ガチャガチャと何かつくるらしいんですよ。そうすると、事業者は三井不動産なんです。固有名詞がパンパン出てきちゃまずいのかな。例としてね。東京都のアセスなんかで三井不動産は景観がどうだとか、日照がどうだとか、騒音がどうだなんて出るんだけれども、じゃ壊すときにどうだったのというのは話は別なんですね。つまり、壊し屋さんは大蔵が発注しているんです、国が。

○猿田委員 それの監督責任は大蔵ですよ。

○佐竹委員 土壌汚染防止法でそれが問題になったわけでしょう。いろいろ問題はあったけれども、結局、現在の所有者に調査の義務を課したわけですよね、環境省の英断だと思います。いろいろ意見はあるんだけれども、責任者が明確になったという意味ではよかったというべきでしょう。

○山下委員 いえ、いろんな争いがあって。

○猿田委員 土壌汚染については今おっしゃるとおりです。

○佐竹委員 土壌汚染については、つまり、何ら自己の責任のないことについて所有者であるがゆえに責任を追及されるというわけです。

○山下委員 法的なあいまいさはなくなったと。ただ、現実問題として残っている課題は多いんじゃないか。

○佐竹委員 それはもう、特に中小企業者の方なんかは大変だろうと思いますね。

○山下委員 すみません、質問をさせていただきたかっただけで。ありがとうございました。

○佐竹委員 三橋さん、さっきご報告の中で、計画をつくる過程で関係行政機関の間にコンセンサスができるようになったことは、非常に進歩である、とのことでした。それは例のこの見直しをやったときに参画をした者としては大変うれしいんですけれども、あのとき一つ問題になったと思うのは、自治体の責任外の、つまりああいうふうにきちっとやっていくと、自治体がコントロールできない部分ができてくると思うんです。通過交通なんていうのは一番その典型であろうと思うんですが。そういうことについて、僕らとしては、逆に国の方につけを回すと。これはむしろ国できちっとやってくださいというようなつけを回してもらう。それを環境省が各省庁につなぐというのが、新しい計画をつくることの大きな意味ではないかと思ったんですが、その点はいかがでしょうか。

○三橋課長補佐 おっしゃるとおりだと思いますね。今回も、やはり計画書の中で当然、国の機関が行う事業も含まれておりまして、そういう意味では国の機関とも今回かなり詰めて施策を記述している面もございまして、この部分、国としても地域の環境改善のために頑張っていくんだよという意味で、かなり重点的に記述された部分も中にはございますので、その点、今後いろいろと我々もフィードバックしながら中央の方でも加減しながらやっていきたいと思っています。

○佐竹委員 たしか、最高裁判決のあった例の43号線でしたか、あのときに兵庫県が問題を取り上げて、国の関係出先機関、地建の事務所にお話を持っていったり、運輸省の港湾管理事務所に行ったら、全然問題意識がなかったというお話をあのとき伺ったと思うんですが、そういうことは改善されてきていると考えていいんですね。

○三橋課長補佐 そうですね。特に兵庫につきましては、平成9年ぐらいでしたか、たしかもう国、市町村全部、県も合わせて協議会をつくりまして、抜本的にかなり対策も進んでいる面もございまして、その中で若干改善もここ二、三年ぐらいしている面もございますので、今後とも引き続き、関係者でやっていくという形をしっかり、兵庫地域も今回書いてありますので、その点は進んできていると思います。

○佐竹委員 くどいようですけれども、あれは裁判所から行政に対する不信を突きつけられたわけですね。差しとめをほとんど認めかねないような。あれは非常に問題だと思うんです。ですから、それだけ今おっしゃったように進んだと思うんですが、ほかの問題地区についても、そういうことをぜひ積極的に環境省でも取り上げて、各関係省庁につないでいくところに環境省の大きな役割があるんじゃないかと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

○飯田委員 せっかく東京都の方がお見えになっているので、これは教えていただきたいんですが、流入禁止ということはどこかに関所でも設けるんですか。

○平林課長 ディーゼル規制ですね。

○飯田委員 ディーゼルでも、それからほかの公害車の。ほとんどディーゼルだろうとは思いますが。

○平林課長 今回はディーゼル車規制ということで貨物、バスの関係でございます。お話のように、東京都の区域の中に入ってくる車というのは相当数ございますので、それをまさに都圏境で全員で各車をとめるのかという話になってくると思うんですね。もちろん、警察等と連携をしてそういうこともいたしますけれども、一番重要なのは我々は摘発することよりも、それ以前に周知をして、条例に対する対応をとっていただく。車を買いかえたり、あるいは装置をつけたりということをまず主眼にしたいと思っています。スピード違反のような運転手さんを罰するものではありませんので、必ず何らかの契約だとか、そういう行為が間に入りますので、そういうことがまず重要だと思っています。
 その観点からいいますと、1都3県が同じ条例を持ったというのは非常に大きなことなんです。首都圏が一つの経済圏、一つの産業圏の中で同じ規制が行われると。正直言いまして、NOx・PM法の対象地域より広いわけですから、この地域で同一の規制が行われる。この地域内を動いている車両というのは非常に多いです。ですから、まず自分の都県の中にある車というのはみんな押さえておりますので、そういう意味でお願いをして、支援策を打ち出して対応してきた。これをまず第一にするだけで相当変わると思います。
 それから、続いて7都県市では700の全国団体ないしは県別の団体に要請をいたしまして、情報提供をする。それから荷主の義務というのを課していまして、発注すると必ず運送事業車の方とか、そういう方が受けていくわけですが、荷主の方にもそういう守らせる義務を負わせるということによって、例えば大量に地方の工場と本社との間、販売店との関係が恒常的にあるという会社がほとんどなんですけれども、そこについて押さえていくということから、あるいは大量にサービスエリアとか、集まるところで押さえていくということによって、主力、主要な流入車というのは対応できるだろうと考えております。そういうものをベースにしながら、流入車対策をやっていくと。
 技術的には、例えばカメラですとか、そういうもので撮ると。ナンバープレートを把握したりとか、そういうことは今非常に容易になっておりますので、やろうと思えば幾らでもできるんですけれども、そういう取り締まりというよりはこの大気の状況をご理解をいただいて、率先して守っていただくということを主力にする形であります。

○飯田委員 ついでに伺います。佐竹さんがおっしゃったように、これは全国的にやったらもっと効果があるんじゃないかと思うんですね。ですから、全国は無理にしても近畿圏と、それから関東圏だけでも。その間は余り関係ないですから。でもそれを満たしていないと東京へは行けないんだ、埼玉へは行けないんだということになれば、二大地域を同じような条例をつくってもらえばいいんじゃないかなと思うんです。ただ、他県について、それを東京都が言うわけにもいかないでしょうけれども、これは環境省としても、もう踏み切ってもいいんじゃないかなという気がするんですが、いかがでしょうか、局長。

○平林課長 もちろん、きょうは遠目塚委員もいるのであれなんですが、この自動車の関係というのは非常に特異な分野だと思っております。ほかの行政ですと、必ず国が法律をつくって、都道府県が出先として許認可や何か、その枠組みを守って、市町村が事業をやるという構造になるわけですけれども、自動車に関しては国が型式を含めて、全部権限を持っていて、陸運という直接の事務所を持っていて、都道府県というのはほとんど権限がないんです。そういう意味からいいますと、新車の規制についても、使用過程車の規制についても、何をどうするかというのは第一にやっぱり国の責任であろうと。国の規制の権限だろうと思います。
 また、先ほどもちょっと申し上げましたが、NOx・PM法の地域の中で、それをどう守るのかというときに、登録でしかやらないという決定を下されたのも国なわけです。その決定がもし全国であったりとか、あるいは現実に被害を受ける地域の住民の方の濃度といったものに着目したものであるならば、全く違ったものになっただろうと。それができないがゆえに、都民の直接の健康を守るために、都はどうしてもこういう規制をやらなければならないなということになります。
 したがって、今の時点ではあるいは国が動かないんであれば、今のやり方しかないだろうと考えておりますけれども、これはやはり第一にはこういうことを地方自治体がやらずに済むような施策というのを国がやっていただくのが一番だと思っております。

○飯田委員 ありがとうございました。

○佐竹委員 関連でよろしいですか。この資料2の公害防止計画の概要を見まして、表-4で公害防止施策に要する経費の見込み額が出ておりますが、事業者が講ずる措置と地方公共団体等が講ずる措置に分かれておりまして、東京都の場合は事業者の負担が飛び抜けて高くなっているわけですね。これは今の大気汚染防止対策に伴うディーゼル車の買いかえのために事業者が負担する負担、あるいは土壌汚染防止のために事業者が要する負担等が関係しているのかどうか。というのは、この事業者の負担の大きさがちょっと半端じゃないんですね。

○杉山係長 この数値は環境省さんのご指示によりまして、主要な企業にアンケート方式で実質的な計画の予定を立ててもらおうということで考えていたんですけれども、そうしますと、進行管理もまたいろいろ今後の問題で企業側も負担が大変かかる。そこで5年前の資料とこの数値の導き方をちょっとひもときましたら、国の財政機関(日本政策投資銀行)と、あとは今の経産省の方で統計数値を出しております。その一定の計算式をもとに導き出した数値ですので、それは東京都がこの計画のためにアンケートをして積み上げた数字ではありません。ですから、他県さんの導き出し方と異なっているために、飛び抜けた数字があらわれている可能性はあります。

○佐竹委員 これは計画課長さん、都道府県の間でやっぱりあまり数字が振れるというのはちょっとおかしいような気もするんですね。本来、国と地方公共団体、事業者のこの種の対策に要する経費の負担割合というのはバランスがあってしかるべきな話で、例えば奈良県を見ると、事業者の負担が3億で、合計額は3,119億。それに対して、東京地域は3兆4,000億のうち、事業者の負担が1兆4,000億となっているというのは、やっぱりちょっとこの種の責任の負担割合というのは一定の考え方に基づいて整理されるべきであって、もちろんピタッと負担割合が合わなきゃならないという性質の問題ではないと思いますけれども、余り大きい差が出るのは何かちょっとおかしな感じがするんですが、いかがでしょうか。

○鷺坂環境計画課長 今、ちょっとご説明がありましたけれども、なかなか東京地球の場合に、今後5年間のいろんな機材を買ったりとか、環境対策のための環境投資の見込みが、個別の実現は難しいということで、推計してというお話でありますけれども、そういったことで地域になりますと、地域によっては実際に積み上げ方式でやっているという部分はあって、ただ事業者のやる割合と庁絡みの施策が、かなり事業者が進んできて、特に奈良地域の場合は実は環境の状況もかなりよくなってきているといった面もあるのではないかということですので、必ずしも同じ割合でなければいけないということではないのではないかと。

○佐竹委員 ではないんですけれども、こう極端に差がつくというのは何かちょっと首をかしげるところがあるものですから、今後、ご検討いただければ。

○三橋課長補佐 基本的に公表されたところですべてアンケート調査が基づいた数字になっておりまして、実は企業さんの方に全部調べたものを積み上げる形になっております。
 奈良の方は、実は奈良地域は今回、大気はオキシダントのみが超過で、ほとんど水質汚濁対策が奈良県は主体になっておりますので、そういう意味で公共事業の割合が減ってきますでの、かなり事業者の負担が少ないという形になっています。

○太田委員 今の関連で、こういったものもし外に公表する、当然これされますよね。とすれば、やっぱり公害防止計画としての対象事業だけに限っているのかどうか、その中のどういう項目かという、やっぱり内容を知らないと、今のようないろんな理解がばらばらになってしまいますよね。その辺、積み合わせもやっぱり確かに地域が違うと思いますから、私は特にモニタリングとの関係で、最終的にこの防止計画という中でどこが特別なかさ上げで、対象としてプラスになっていて、それに対して効果はどうかということは必ず明記しなきゃまずいと思いますね。そのほか、関連対策として、公害防止の対策が重点施策になって、関連して都なら都がやっていますけれども、それは必ずしもこちらからお金は出ていない。ある程度、全体として、これだけやっていますということを区別できるような表にしていただけないかというのが1点です。
 意見と質問と一緒になりますが、あわせて、こういったモニタリングの仕方みたいなこと、今度は一応記述として入っておりますが、それぞれより簡単な記述しかぱっと見たところないような感じなんですね。具体的にどういう指標については必ずしてくださいとか、これはこの次の計画に対する参考にしてほしいということなんですが。何か具体的に記述すべき項目は今のような予算のインプットの話なのか、アウトプットの話なのか、それともう一つアウトカムとしての事業について当然やらないといけないですね。それをだんだん体系的に、具体的にこれについて5年間でというのを必ず記述してほしいという、そのことをぜひ、この次のときには考えていかなきゃいけないのかなというのが1点です。
 それからもう一つ、防止計画は現に公害が著しいという、それが主体ですね。それから、あと5年間で著しくなると予想されるものというのがございますね。ちょっと気になりましたのは、それぞれの計画の中で、この先の5年間の展望的なのが余り記述がなくて、すぐ対策へばっと行っちゃうというような感じがして、現状の課題があって、これまでなかなかこういう問題を解決できませんでしたというのはよくわかるんですが、この5年が、実は東京なんか再開発がわっと続いて、また新しい問題が起きそうな感じがしますね。ところがほかのところでは人口がもう停滞して、黙っていても解決してしまうとかということであれば、とにかくそういうマクロの展望はやっぱりどこかにきちんとやっておいていただいた上で、個別の対策の意味づけ、そんな形をぜひこの次のときには、環境対策の担当部局がどう認識されて、これを考えているのかという。5年間という、もうちょっと先のことを認識して、この5年間は少なくともこういう問題について、悪くなるのか、黙っていても改善されるのか、そういうのがあって対策に入ると。何かその辺をぜひ記述を継ぎ足していただければと思います。
 あと、ちょっと関連して一緒によろしいでしょうか。質問にもなるんですが、東京都の方の高速関係は私どももいろいろ東京都のお手伝いをしておりますので、かなり明確にこういう形でまとめていただいたふうに思いますが、やはり交通流対策等でパンフレット等を見ますと、随分明確にいろんな評価のことが書いてありますし、パンフレットの一部には予測交通量と開通後の交通量の乖離が東京の場合はたまたまなかったという、大変いいあれが出ている。ちょっと気になりますのは、こういった問題に対して、特に今いろんな環境サイドで我々が気にしていますのは、やはり誘発交通の問題なんです。当然、こういう大規模なものをやれば、新たな交通が発生しますから、その辺について環境サイドとして、こういった相互連携の中でぜひともチェックする、そういう記述をして、個別の路線だけでやってもだめで、それによって、全体としてまた車がふえてくるおそれがあると。それに対して東京あたりが聞いてみる、施策であり、道路対策であると思いますが、一応歯どめをかけるということは別途やっていますので、何かその辺を含めた形の記述がよりいいのではないかということです。
 感想というか、これからやり方についての意見です。以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 今のご発言につきまして、事務局で何か発言していただくことがございましたら。

○鷺坂環境計画課長 最初のまず公害防止施策に要する経費の見込み額のところでございますけれども、まず、財特法の対象も含むことになりますが、地方公共団体の事業ということでありまして、このうち公害対策事業のところに財特のかさ上げの部分があるということになります。
 あと、事業者、工場施設の中にいろんな一般対策みたいな補助金とか、当然入っている可能性があるんですけれども、そこらのところはちょっと今は区別していないということで、例えば東京都さんのように推計を用いてやりますと、なかなか分析するのは難しいというのがあろうかなと。ただ、ご指摘がございましたので、ちょっと勉強させていただきたいと思います。
 それから、モニタリングの方法等につきましてですが、確かに今回初めての記述ということでございまして、今までそういった中間的な分析評価とか、あるいは進捗状況がどうかという点検ということがなかったわけでございますが、今回、そういった形でやるということでございます。このやり方について、今回が初めてでございますので、どういったやり方があるのか。私どもの方で、例えば環境基本計画の点検でいろいろ点検手法も持っておりますので、そういったものを踏まえて、各県さんとまた話し合っていきたいと思っています。
 それから、5年以内にどうするんだという方向性ということでございますけれども、基本的に今回、課題対応型ということで、現在、発生している問題点についてどうするかというような考え方で整理させていただいておりまして、前回のこの委員会の答申に基づきましてやっているところでございまして、そういった意味では今までのように総花的に書くというよりも、かなり問題点をクリアにして、一応5年後の目標ということで、なかなかどこまでかという具体的数値を盛り込みなさいという話ではありましたが、大気になりますと、なかなか環境基準を何PPM減らすとか、そこまでは今回は難しかったという事情はありますが、例えば水質では5年以内に環境基準ですけれども、例えば次類型のものまでは少なくともやりましょうよとかいったような目標が出ておりますので、確かに今後の事業展開も含めてということはありますが、そういった目標に向かってこの計画を進めていければと考えているところでございます。
 それから、あとはどうでしょう。交通流対策と最後の質問に……。

○平林課長 先生のご意見を踏まえましてこれからも検討させていただきます。

○安原委員長 よろしいですか。どうぞ、猿田さん。

○猿田委員 これは東京都に伺った方がいいのか、事務局なのか。先ほどのご説明で、水質汚濁で都内7河川の云々、これは東京都の責任として問題はありますよね。ただ、東京湾の赤潮が発生して云々というのもございましたね。お話もちょっとあったわけです。これはたまたま千葉、埼玉、神奈川、全部一緒ですよね。ですから、その辺での、先ほど7都県市というお話があったけれども、そういう広域的な対応は十分この中で盛り込まれているわけね。赤潮対策。いわゆる窒素、りん対策という。

○三橋課長補佐 基本的に総量削減計画が平成14年に東京湾においても、つい1年ぐらい前に策定されております。その中でも、もう既にずっと東京湾として一体的に各都府県さんがやられておりまして、この中でもそれに基づいて、整合をとりながら記述されているという整理になっております。

○猿田委員 これも自動車問題と同じで、広域的な対応が必要になってくる。大阪湾、瀬戸内も同じですけれどもね。そういう問題はあります。
 それから、資料の2で概要がございますね。それの4ページの表-2ですけれども、これで東京都さんに逆にちょっと伺いたい。土壌汚染でダイオキシン類に係る環境基準、ここで東京だけなんですけれども、これは何か今までの廃棄物の処理、最終処分場か何かの問題なんですか。

○宮川副参事 この件につきましては、都内の大田区大森南の化学工場の跡地でPCBに起因するダイオキシンの汚染問題がございまして、既にダイオキシン対策特別措置法に基づく指定地域の指定をしており、現在、対策事業として汚染土壌の掘削除去工事を進めており、来月で完了する予定でございます。その関係でこのような記述になっております。

○猿田委員 これだけ見ると、えらくこれは大変だなと思っちゃうけれども、そこまで進んでおられるんじゃあれです。

○安原委員長 村杉委員。

○村杉委員 たしか私の記憶ではこの計画書を新しくするときに、今までの古いものはそれぞれの施策、例えば大気汚染なり、土壌汚染なりの防止計画と自然環境が非常に分離しているというようなことを申し上げたと思います。今後はそれぞれの施策のところで、自然環境の保全をどう生かしてきたか、その辺の合体が必要じゃないかということを申し上げた記憶があるんですが、新しい計画案もやはり相変わらず自然環境の部分、環境保全の部分というのは第3章にまとめて書いてあって、実際にそれぞれの事業が行った公害防止対策で、その自然環境の保全がどう配慮されたかというのはこれでは見えてこないように思うんです。
 この点については新しくなったこれも、自然環境のところを読みますと、相変わらずお題目が並んでいる。しかも総花的で、これからの5年間、何をどう具体的にするのかというのが明確にされていない。全部見ていないけれども、多分どの計画書も同じだと思うんです。その辺の環境省のご指導というのはどういうふうになさったのか。

○三橋課長補佐 確かに分離というご表現でお聞きいただいたんですけれども、今回施策を記述していく中で、各項目すべてに、ではそれについてどういうふうに環境に配慮していくかと、なかなかそこまで書き込むとかなり分厚くなってしまうものですから、そういう意味で全般を通して環境に配慮していくんだよというところをまとめて、後ろの方に記載したという処理になっております。
 確かに、この計画書の上ではなかなか自然環境に配慮が全く全般の施策の中に具体的には書かれていない話にはなっているんですけれども、実際やっぱり今特に現場等へ行きますと、自然環境に配慮せずに全く住民との対話もせずに事業をしているということは、むしろ今ではかなりまれになっておりまして、そういう意味では特にこの事業を行っている自治体の中では着実に自然環境に対する配慮が進んでいると思っておりまして、それは今回、こういう計画書の中で個別には書かれてはいなんですけれども、適宜、しっかりやってくださいというお話はさせていただいております。

○村杉委員 おっしゃることもごもっともだと思うんですけれども、すべてのものにそうするという意味ではなくて、やはり事業者の方々、または行政の方々に、今まで50年間、自然環境を配慮せずに、開発事業をずっとしてきた結果が今日なわけですから、そういう意味ではなるべくそのことを配慮していただくという仕掛けをつくっていただかないと、相変わらず公害防止は公害防止だけで、つい自然環境はそっちのけになってしまうと、危惧していることが一つあります。
 もちろんこれは公害防止計画ですから、典型の7公害を中心に記述することは大事なところですけれども、せっかく重点的にというふうに書きかえられたのであれば、自然環境の部分も、総花的にお題目を並べるのではなく、このあたりも重点的な書き方ができないだろうかと思っています。
 それからもう一つは、せっかく東京都さんがいらっしゃるので、ほかもそうだはと思うんですけれども、例えば地球温暖化防止のこと一つをとりましても、ここ(P189)に6%削減する目標を掲げて、平成22年には20ポイントの削減が必要となるとか、事業活動の省エネ化を推進するということが並んでいますが、これらはどれもお題目なんですね。それは大事な基本なんだけれども、その結果、どこまでをどうやりたいのかという、ちょうどディーゼル車規制と同じようにもう少しその辺の数値目標とか、または過去何年かやってきた間に何%かエネルギーが省力できたとすれば、グラフができるはずです。そういう重点的なものだけでも、具体的に書けないだろうか。
 ディーゼル車の走行をこういうふうに規制した。その結果二酸化炭素の排出がどうなったというのは、具体的に世間に言っていただきたい部分だと思うんです。そのあたりのご配慮をぜひ、お願いしたいと考えます。ご指導もよろしく。

○安原委員長 東京都の方、何かご発言ございますか。

○杉山係長 自然環境の保全と地球環境、地球温暖化防止策につきましては、東京都としましても、平成13年度末に東京都環境基本計画を改定いたしまして、その中に重点的に記述をしております。先生も先ほどご発言なさいましたけれども、公害防止計画ですので、その辺の記述についてはウエートを基本計画と同じにしてしまいますと、そちらとの整理が余りできないといいますか、公害防止に関して重点的に記述することを主眼に置いて書いておりますので。
 ただ、記述はこうなっておりますけれども、東京都として、対策をないがしろにしているわけではなくて、この地球温暖化対策につきましても、ディーゼル車で組み立てたほぼ同じような手法を使いまして、多くの都民の方や事業者の方の意見を聞きつつ、規制まで踏み込むようなことがどこまでできるかを見据えるための対策を着々と今進めております。

○村杉委員 それは、それぞれの自治体で環境基本計画をしっかりつくってやられていることは十分承知しているんですけれども、その具体的な部分、この公害防止計画にかかわる内容だけでいいんですが、具体的なものがもう少し見えるような書き方はできないのかな、それができないなら、こういうところから外すしかないと思いますけれども。

○佐竹委員 村杉先生のご意見で、確かにいろいろ議論されました。例えば、今東京都の都内で湧水がどんどん枯れています。特に野川沿いの湧水、ああいうものを守るなら守るということ。ただ、僕はそれについてはこれは自治体が決めるべき問題であって、我々は何とも言えないと思うんですが、書いた以上はやっぱり開発許可基準の運用にそれを反映させるとか、それから農地の転用許可はあまりないと思いますけれども、そういうものに反映させるとか。させないと意味がないわけですから、やはり書かれる以上はそういうふうにしないと、ほかの部分は確かに非常に具体的になって、話が書いてあるだけというものは少なくなりましたけれども、確かにここだけ見ると、相変わらずだなという村杉先生がおっしゃるのもわかるような感じがいたしますので、それはどういうふうに扱うか、これは私は受けた印象として、村杉先生がおっしゃるとおりだと思うんです。ですから、やるならば、例えば湧水地を守るなら守るというような具体的な……。

○村杉委員 点検でできるような気がするんです、ここも総花じゃなくてね。

○三橋課長補佐 多分、細かく見ていけば、関連する自然環境に対する比較も出てくると思うんです。それをもうちょっと今一度詰めながら、なるべく書き込んでいくようにしたいと思っております。

○猿田委員 その公害防止計画という中で、どこまで取り入れるのか、地球温暖化が公害かというと、これはまた別の話で、地球規模ですからね。やはりこちらには入れられないでしょうから。その辺をどう整理するかの問題だと。

○三橋課長補佐 あくまでも目標という中ではなくて、その対策をやっていく中でどういうふうにやっていくかというところで、多分もっと書けるところがたくさんあるんじゃないかと思いますので。

○猿田委員 付随的に減りますよというのは、それはそれで書くことはできるんでしょうけれども、項目として挙げて、それに主題を置いて整理するというのは、地球規模のところをまた整理しなきゃいかんわけです。

○小林委員 水質保全の対策として、下水道の整備、合併浄化槽の整備、あるいは農村集落排水の整備という、個別的には羅列をされているんですけれども、合流式の下水道の雨水対策ですとか、それから単独浄化漕の合併化とかそれらを含めて、そろそろ時代からしますと、全体としての環境に出している負荷がどうで、それぞれがどう分担していくかの視点が要るような感じがする。この計画の途中のレビューの段階で、そうした総合的な考察というのもぜひ期待をしたいところです。

○安原委員長 ありがとうございます。どうぞ。

○香川委員 今の総合的なことに関連するんですけれども、この資料の2の4ページを見ますと、対象地域は埼玉県と東京はほとんど該当しているわけです。ということは、これらの地域は環境及び、そこに住んでいる住民に対しても多くの問題を抱えている地域ということになるわけで、そういう多くの問題を抱えている地域に対して、環境省はもっと何か重点的な総合的な対策を考えておられるのか、今のお話はみんな個別になっているわけですね。
 また東京都が来られておりますのでお伺いしたいのですが、東京都の場合は大気汚染も、水質汚濁も、土壌汚染も、騒音もみんな問題を抱えているわけです。多くの問題を抱えている地域はそこの環境及びそこに住んでいる人に対しても、それだけ大きな影響を与えるわけですから、そういった地域にはもっと総合的な対策をしていくという視点はあるんでしょうか。この報告書で見る限り、個別のは書いてあるんですけれども。

○鷺坂環境計画課長 多分、どこの地域でもこの公害防止計画をつくってやるということ自体が、個々の事業はもちろん個別の事業になるわけですけれども、相互連携をさせるということで、恐らく土木の関係部局とか、あるいは農林の関係部局とか、そういった部局が一緒になって計画をつくってきておりますので、それはちょっと書き方の問題があるかもしれませんけれども、各地域においての総合的にこの地域をやっていこうということの計画でこれまで来ていると思うんです。
 ただ、そういた形で、総花的にやる計画というものが、最近各都道府県で環境基本計画というのがどんどんできてきておりまして、そういったものに基本的にはゆだねるべきではないか。公害防止計画の方は地域の課題に対応する計画にすべきではないかという、そうした流れの議論で、今回課題対応型ということにしているわけです。ただ、先生がご指摘のように、東京地域とか、埼玉地域は課題対応といいながらも、すべて課題に挙がってきているという状況でありますが、そういった意味で、この公害防止計画の位置づけといいますか、重要性といいますか、そういったものがまだ我々としてはあるんではないかと思っております。

○福井委員 先ほど来、東京湾の赤潮の話なんかもいろいろ出ておるようなんですが、赤潮はいろんな原因があるかと思いますが、やっぱり大きな原因は、窒素・りんの除去とか、それからあえて言うなら、合流式下水道の改善なんかもその中の一つじゃないかと思うんです。
 東京都の場合はどんなことをやったかというのは全部書いてある。だけど、一番最後の109ページを見ますと、上の方の下水道整備というのはどんなふうにやるかというのは細かく書いてあるんですが、合流式の改善というのは漠然と書いてある。高度処理なんかも本来、どこかあってもいいんじゃないかと思うんですが、ちょっと見当たらないんです。どこかにあると思うんですが、お願いしたいのは、そういった高度処理とか、合流式の改善をもう少し重点的にやるようにということを環境省がよくほかの場所も含めて、十分にご指導願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 東京都は何かお話がございますか。

○平林課長 地域につきましては、先ほどもちょっとありましたけれども、例えば騒音ですと、優先対策区域といったものを設けて対応するようにしております。非常に残念なことに東京の場合にはご説明がありましたように、ほぼ全域でといっていいぐらい環境基準を超過している所があります。。やっぱりこれだけの環境負荷に対して、そこにどうしても住み続けるということになりますと、どこかで折り合いをつけていくという部分がありまして、非常に厳しい状況に置かれております。そういった意味から、どちらかというと、今東京のスタンスというのは、本来であれば国がやるような部分まで含めて、単体規制ですとか、あるいは全体のことにまで問題提起をせざるを得ないようになっております。
 あと、区ですとか、市の方と調整させていただいて、ある程度個別にはまちづくりの中で、あるいは道路などの構造改造したりとか、そういう中で個別にはまた重点的に対応するということです。

○安原委員長 ありがとうございました。それでは、今までいろんな貴重な意見をいただきましたが、今回は公害防止計画の運用の見直しをやって、それを反映させた形での最初の公害防止計画の案が出てきたわけでございますが、これにつきましてはかなりいろいろ努力して、反映していただいていると思いますが、その点について、特に注文はないと考えてよろしゅうございますね。
(「はい」の声)

○安原委員長 大変、改善努力をしていただきまして、評価させていただきたいと思います。
 1点、ちょっと念のため確認しておきたいんですが、今までは補助率のかさ上げは廃棄物処理施設について自主的にかかってきていた。それをほとんどごみ処理施設の緊要性にかんがみて、主要課題に挙がっていたのを今度はそれは主要課題に挙げないで、主要課題に関連するごみ処理施設の具体的な整備についてはかさ上げ対象にするというような格好で、少し限定して、重点的に対応するということになったという理解でいいわけですね。結果として、ここの資料の2の5ページ以下、各地域の主な公害対策ということで、まず廃棄物の具体的な処理施設がずっと並んでおりますが、全部についてあるわけですけれども、それは直接関連するごみ処理施設の整備があるということで、これはかさ上げになりますというものとして例示されているわけですね。そういう理解でいいんですね。

○鷺坂環境計画課長 そういうことです。

○安原委員長 そういう理解でいいんですね。わかりました。
 一応全部終わりました。

○三橋課長補佐 主要課題に限らず、一般の課題を含めて、基準を超過している課題について整理をしてございます。

○安原委員長 わかりました。それでは、あと東京都の方からご説明をいろいろいただいたんですが、特にディーゼル車対策、あるいは土壌汚染対策につきまして、さらにご質問はよろしゅうございますか。それでは一言簡潔に、何かございましたら。

○山下委員 これは車検証を見なきゃわからないわけ。

○平林課長 実は車検証を見ますと、備考欄のところにNOx・PM法でいつまでかというのが出ています。それは確実に見ないとわかりません。

○山下委員 と申し上げたのは、建設工事、低騒音型をやりましたよね。国交省のやつ。低騒音型の建設機械がでっかいにこにこマークのステッカーみたいなのを張るわけ。そういう、これは対策しているから胸を張って走れやということをやらないと、これは普及しないと思うんだな。車検証を見て、あれは金がかかるよ。車検証に書いてあるじゃないかって、これはだれも見ないもん。交通違反でもしない限り。

○平林課長 申しわけありません。今ご説明いたしましたのは、大変ありがたいご指摘なんですが、実は今説明しましたのは、事業者の方がさて自分が車を買いかえた方がいいか、あるいは装置をつけた方がいいかというときには、いつまで本当に使えるかというのが非常に微妙な問題なので、これはきちんと確認をしながらということで申し上げたんです。
 実は、粒子状物質の減少装置につきましては、つけますと全国どこでつけてもこういうステッカー、今これは東京都から7都県市になったものもありますけれども、これが張られることになりました。また車検証と同じように装着証明書というのもつくようになっておりますし、それから、それらのデータが必ず全国どこでつけても東京都の方にはがきが郵送になるように、もう既に1万5,000ほど来ているんですけれども、そういうことで車検の方のデータとつき合わせて、我々は車がどうなっているかというのがわかると。

○山下委員 どこに張るの。

○平林課長 これは実は2枚あるんですけれども、一般的にはトラックの運転者側の席がございますね、ドアが。あの外側と、それから荷台の後ろの部分、そこに張るようになりました。したがって、それがチェックするときに横から見えるし、また車を運転されている方は前の車がそうかどうかわかるということで、一種の広告塔になっていただきまして、ディーゼル規制を推進したいと。

○山下委員 もっとでかい方がいいな。

○平林課長 これは実は国土交通省さん関係の20トン超えのマークよりもでかいので、およそ法的なもので張られている中で一番大きいんです。ちょっとごらんください。ちなみに参考ですが、50PPMの低硫黄軽油につきましては、こういうのを石連さん、あるいは自動車メーカーさんと連携してつくらせていただきました。よろしくお願いします。

○山下委員 余計なことを言いました。いや、いいなと思って。

○安原委員長 東京都の場合、この計画書の199ページに計画の進行管理のことが書いてあるんですが、非常に抽象的に書いてあるんですけれども、特にこれだけたくさんの施策があるので、なかなか具体的には書けないということだろうと思うんですけれども、何か特にこういう点はこれから進行管理をしていく場合、特に配慮してやるよとか、特徴的なことが何か二、三ございますか。

○杉山係長 環境省さんからの資料としては、資料3の主要課題の施策の概要がありまして、この5年間でそれぞれ計画されている数値目標といいますか、数値で入ってございます。こちらを進行管理の指標として用いまして、その事業がどれだけ進捗しているか、その進捗状況によりまして、その要因、またなかなか進捗が思わしくなければ、その要因分析等もあわせてしていきたいと思っております。
 この一覧表的なものは今年度中に新たに私どもの課の方では用意したいと思っております。

○安原委員長 じゃ、特にほかに意見もないようでございますし、予定の時間もまいりましたので、議論はこの程度で終えたいと思います。
 鹿島地域等12地域の公害防止計画につきまして、当委員会として了承するということでよろしゅうございましょうか。
(「結構です」の声)

○安原委員長 それでは、了承ということで取り扱わせていただきます。
 今回の会合で、いろいろ皆さんから貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。可能な限り、今後の公害防止計画の実施の過程で十分配慮していただきますようにお願いしておきたいと思います。
 それでは、今後の予定につきまして、事務局の方から何かございますか。

○鷺坂環境計画課長 この公害防止計画の案につきましては、来週2月24日に開催を予定されています。各府省の事務次官等で構成します公害対策会議幹事会の議を経まして、環境大臣が同意するという予定になっておりますので、ご理解賜わりたいと思います。

○安原委員長 それでは、これをもちまして、公害防止計画小委員会を閉会とさせていただきます。長時間にわたりまして、熱心なご討議ありがとうございました。
 東京都の皆さん、どうもありがとうございました。

午後12時04分閉会