環境影響評価制度小委員会(第3回) 議事録

日時

 平成28年3月29日(火)15:00~17:00

場所

 経済産業省別館108・114会議室

議事次第

1.開会

2.議題

  1. (1)報告事項
    •  ①近年の環境影響評価手続状況について
    •  ②風力発電等に係る取組について
    •  ③最近の火力発電所設置事業における手続状況等について
    •  ④小規模火力発電等の環境保全について
    •  ⑤計画段階配慮書の状況について
    •  ⑥その他
  2. (2)その他

3.閉会

配付資料

資料1   事業種別の環境大臣意見提出件数の推移等

資料2   最近の風力発電所設置事業における手続状況等

資料3   洋上風力発電所に係る環境影響評価の基本的考え方の検討

資料4   最近の火力発電所設置事業における手続状況等

資料5-1 小規模火力発電等の環境保全対策

資料5-2 小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン(事例とりまとめ)の改訂

資料6   計画段階配慮書の状況

資料7   アジア地域における環境影響評価に関する国際会議開催概要

参考資料1 中央環境審議会総合政策部会環境影響評価制度小委員会委員名簿

参考資料2 小売参入全面自由化に伴う電気事業類型の見直し

参考資料3 東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ

参考資料4 「電気事業における低炭素社会実行計画」の策定について等

参考資料5 総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会火力発電に係る判断基準ワーキンググループ取りまとめ

参考資料6 地球温暖化対策計画(案)抜粋

参考資料7 赤穂発電所におけるボイラー・燃料設備改造に係る環境影響評価概要書に関する兵庫県知事審査意見書

委員配布  「今後の小規模火力発電等の環境保全について(課題・論点のとりまとめ)」(平成27年12月小規模火力発電等の環境保全に関する検討会)

議事録

午後3時00分 開会

○大森環境影響評価課長 では、定刻となりましたので、これより第3回中央環境審議会総合政策部会環境影響評価制度小委員会を開催いたします。
 本日は、ご多忙中にもかかわりませず、また年度末のお忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、環境省の総合環境政策局の環境影響評価課長の大森でございます。しばらくの間、進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、大塚委員がもうすぐお見えになる予定でございまして、また、田中委員は、ご用務の関係でおくれて出席されるということでございますけれども、それを含めまして、委員と臨時委員の出席が過半数に達していまして、小委員会として成立しているということで、報告させていただきます。
 続きまして、本日出席しております事務局で、前回、第2回から異動があった者のみご紹介をさせていただきます。
 まず、総合環境政策局長の三好信俊でございます。

○三好総合環境政策局長 三好でございます。よろしくお願いいたします。

○大森環境影響評価課長 続きまして、課長補佐が横山貴志子でございます。

○横山課長補佐 よろしくお願いします。

○大森環境影響評価課長 あと、環境影響評価係長の安陪達哉でございます。

○安陪係長 安陪でございます。よろしくお願いいたします。

○大森環境影響評価課長 以上が前回からの異動になった者でございます。
では、まず、小委員会の開催に当たりまして、三好総合環境政策局長から一言ご挨拶をいたします。

○三好総合環境政策局長 改めまして、総合環境政策局長の三好でございます。
 環境影響評価制度小委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
 先生方には、平素より、環境行政の推進に格別のご協力をいただきまして、改めて厚く御礼を申し上げます。また、年度末という大変お忙しい中ご出席をいただきましてありがとうございます。
 先生方ご案内のとおりでございますけれども、昨年12月には、地球温暖化のパリ協定が採択をされました。それを受けまして、我が国におきましては、地球温暖化対策計画案を、今、パブリックコメントに付しているところでございます。温暖化対策をどのようにしていくかという中でございますけれども、環境影響評価制度にも深いかかわりがございまして、本日は、再生可能エネルギーであり、平成24年10月から法対象となっております風力発電が、環境と地元に配慮しつつ、円滑に立地できるよう、環境影響評価に係る幾つかの論点や問題などについてご報告をさせていただきまして、ご意見を賜れればというふうに考えているところでございます。
 また、一方で、増加傾向が続いております石炭火力発電などの火力発電事業に関しまして、その環境影響評価の状況でございますとか動向につきまして、ご報告をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、環境影響評価法固有の課題といたしまして、先生方にお世話になり平成23年に改正され、配慮書手続が導入されたところでございますけれども、その実績も蓄積されつつあるところでございますので、その状況につきましても、ご報告申し上げたいというふうに考えているところでございます。
 ちょっとさまざま課題がございますけれども、全体といたしましては、より質が高く効率的な環境影響評価制度に向けまして、忌憚のないご意見、ご議論を賜りたいというふうに考えているところでございます。先生方のご協力をよろしくお願いを申し上げます。
 簡単でございますけれども、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○大森環境影響評価課長 では、議事に入る前に、本日の配付資料につきましてご確認いただければと思います。

○福嶋課長補佐 それでは、お手元、資料をご覧ください。
 議事次第に配付資料一覧がございますけれども、めくりまして、1枚、座席表がございます。その後、資料1、事業種別の環境大臣意見提出件数の推移等という1枚紙がございます。資料2、最近の風力発電所設置事業における手続状況等。資料3、洋上風力発電所に係る環境影響評価の基本的考え方の検討。資料4、最近の火力発電所設置事業における手続状況等。資料5が2つに分かれてございまして、5-1として小規模火力発電等の環境保全対策、5-2といたしまして小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン(事例とりまとめ)の改訂。資料6といたしまして、計画段階配慮書の状況。資料7といたしまして、これも1枚でございますけれども、アジア地域における環境影響評価に関する国際会議開催概要というものがございます。
 また、参考資料1から7までございます。逐次ご説明いたしませんが、もし抜け、落丁等ございましたらお知らせください。
 また、委員のみですけれども、お手元に、昨年12月に取りまとめました、小規模火力発電等の環境保全についての課題・論点のとりまとめということで、冊子を、委員のお手元限りですけれども、置かせていただいてございます。
 以上でございます。もし抜け等ありましたら、事務局までお知らせください。

○大森環境影響評価課長 では、プレス報道の方々で、もし冒頭のカメラ撮りをされている方は、ここまでということでお願いいたしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、これより先の議事進行については、浅野委員長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○浅野委員長 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 今日は、最近の環境影響評価法の手続状況について、報告を受けるということになっております。アセス法の改正がおこなわれまして、改正法が動き始めておりますから、今の段階では特にここで議決をして何かをしなければならないという状況ではないのですが、制度の運用状況、特に最近の懸案の課題についてご報告を伺い、それらについて、皆様方からのご意見、ご示唆をいただければということでございます。
 では、報告事項がたくさんございますが、最初に資料1と2をまとめて説明をいただくことにいたします。

○相澤室長補佐 それでは、資料1と2についてご説明させていただきます。
 まず、資料1のほうをご覧いただければと思います。グラフになっております、事業種別の環境大臣意見提出件数の推移というものでございます。
 平成27年度の状況をご説明しますと、昨年も大分増えてきておりますと、50件ございましたという状況ですが、また増えてきておりまして、全部で59件、環境大臣意見の提出をする見込みでございます。内訳としましては、道路、鉄道、飛行場といったものが幾つかというものと、昨年同様の傾向としまして、火力がある程度多くて、さらに風力が40件程度多いというところでございます。またちょっと変わったところで、昨年度もありましたが、地熱が2件出てきておりまして、地熱も順調に案件が出てきている状態でございます。
 おめくりいただきまして、後ろのほうに書いてございますのは、このそれぞれについて、配慮書と準備書の内訳でございます。やはり、計画段階の配慮書というものが、どちらかといえば多い傾向にございます。
 以上が資料1の概要でございまして、続きまして、資料2のほうをご説明させていただければと思います。
件数が多い風力につきまして、特にどのような状況にあるのかといった点ですとか、迅速化の努力について、ご説明させていただきます。
 まず、おめくりいただきまして、風力の導入状況といたしまして、昨年7月にエネルギーミックスというものが経済産業省のほうで決定されておりますが、そこに書いてある導入目標量と比べたら、今、どんな状況にあるのかというところをざっと推計したものを、この資料としてご用意させていただいております。
 見ていただきますと、2030年に、大体、設備容量ベースで1,000万kWぐらいあればエネルギーミックスの容量が達成できるかなというところが推計値で出てくるのですが、そこに比べまして、2015年のアセスの実績を足し合わせていくと、順調にいけば、恐らくもうかなりいいところまで来ているのではないかというような状況がございます。ただし、アセスをした風力発電設備が全部建設されるとか、そういうわけでもございませんので、あくまで推計であるというところをご了解いただければと思っております。
 続きまして、2ページ目のほうで、こうしたアセス案件に環境大臣がどのような意見を出しているかというところでございます。
 項目としましては、騒音ですとか、いわゆるシャドーフリッカーと呼ばれている風車の影、動物、植物、景観、また、その他といたしまして、風力発電施設は結構近接することが多いので、近接した場合に、累積的な影響というものに言及する場合がございます。これは、昨年、ある程度お示しした配慮書、準備書の傾向と余り大きく変わってはございませんが、配慮書の場合は、大きく、その環境影響をいかに回避、低減するかということを言及しております。準備書のほうは、より具体的に、環境保全措置の中身ですとか、風力発電設備の配置ですとか、そういったところに言及をさせていただいているというところでございます。ただし、これらは例でございますので、案件に応じていろいろ変わっているところがございます。
 続きまして、配慮書の特徴的な例ということで、近年の配慮書の傾向をご説明させていただきます。
地域で分けますと、東北、北海道が、風況がいいということもあって、事業傾向が集中する傾向にございます。最近、配慮書の特徴的なものとして2つのケースがございまして、一つは、同一区域で事業が重複するケースでございます。こちらは、イメージとして、北海道の北西部ですとか、あるいは東北地方の例で、マーカーで線を引いたようなところがございますが、そういったところをごらんいただくと、これは違う事業者さんが同じような場所をに重複して風力発電設備を立てる、つまり、事業区域が重なっている事例が最近増えてきております。これ自身は、事業者さんが計画をつくって、まさに、どこに再生可能エネルギーを導入するかという競争をされているんだと思いますが、ただ、アセスという面から見れば、その区域内で複数事業を同時に実施するということは考えにくいというような事案もございまして、そういう場合には、せっかくやった環境影響評価が、どちらかの風力発電設備が立たないとか、場所が変わるとかすると、適切に予測・評価されないおそれがあったり、そういったアセス当初に意見を出した関係者の意見が適切に反映されないおそれですとか、あるいは、同一地域について、アセスが重複してしまうということによる時間がかかるですとか、あるいは、事業者さん自身がほかの事業者さんと調整して、風車の配置とかを考えて、アセスで影響を計算し直したりすると、調査・予測・評価のやり直しによる迅速化への影響ですとか、そういった可能性もございます。
 もう一つのケースが、区域を広範に設定するケースでございます。これも、ものすごい事業計画の早い段階で、とても広いエリアを大きく四角でくくって、その中に、どういう地域が、住居があるというようなところとかもかぶせてしまって、この中のどこかで事業を実施していこうと思っていますというような配慮書が出てくる場合がございます。広くとることで、柔軟性がある状態だと理解しているんですが、他方で、情報収集が不十分となって、環境影響への重大性の回避、低減ですとか、そういったところについて、十分な検討が行い切れていない場合があるのではないかというところがございます。こういった話は、ゾーニングというものが一つの鍵になるのではないかと思っておりまして、後ほどご説明いたします。
 次に、環境影響アセスメントの迅速化の状況についてご説明申し上げます。
 これについては、政府を挙げて、再生可能エネルギーの早期の導入を図るということで、迅速化というものを進めておりまして、平成24年11月の手続短縮のための具体的方策をまとめた中間報告というものを、経産省と環境省で公表しております。迅速化は、平成25年6月の規制改革実施計画ですとか日本再興戦略にも位置付けられておりまして、何が書いてあるかというと、最終的なゴールは、風力・地熱発電所について、通常3~4年かかるアセスをおおむね半減するというところを目指しまして、各種、施策というか、対策を講じていくというものでございまして、一つとしましては、左側の大きな四角にありますように、審査期間の短縮と。国のほうで審査期間をいかに短くするかというような努力をするというようなことを行う。もう一つは、事業者のほうの調査期間を短縮するために、環境省と経済産業省で、それぞれモデル事業というものを行ったり、早期実施実証事業というものを行ってございます。
 そのほか、環境省のほうでは、これからご説明しますが、立地のときの先行利用者との調整をスムーズに進めるための合意形成を早くし、適地を抽出する手法というものの検討を行ってございます。
 今の実績を簡単にご説明するために、次のスライドをご覧いただければと思います。
 今のところ、配慮書から評価書まで、まだ到達したケースがございませんので、全体を通してどれぐらいというところがまだ言える状態ではないんですが、準備書まで到達しているグループはございます。そうしたものをごらんいただければと思っておりまして、この準備書というのが一番時間がかかる段階でございますので、これについては、例えば国の審査期間を短くして、全体で270日なのを200日に審査期間を短くするというようなことを行っているんですが、これについてはおおむね実現していると。実際、平均値を見ると、163日ということで、大分短くしているところでございます。
 こうした状況にございます。もちろん案件によってちょっと時間かかっているものですとか、とても短くなっているものがございまして、一例をこの下に3つほど例を挙げさせていただいているところでございます。
 このように、国の審査を短くするということのほかに、事業者さんの背中を押すという意味で、次のページ、6ページにございますような環境アセスメント基礎情報整備モデル事業というものを行ってきておりまして、データを整理して、事業者のほうに使っていただくという事業でございます。
 こちらについては、7ページのほうに、どれぐらい地域が拡大してきているかという実績を書かせていただいております。平成27年度に、また事業地、洋上が、最近は多い傾向にございますけれども、ここに書いてあるような、茨城県、千葉県、長崎県の洋上を追加して、また新たに調査をしているところでございます。こうしたデータは、データベースに掲載しまして、事業者にご活用いただくようにしているところでございます。
ただし、こうした努力をしているんですが、どうしても、アセスメント期間が長期化する事例が最近ございます。準備書段階に、期間が長期化している事例がございますので、それを8ページのほうで、一例ではございますが、ご説明させていただいております。
 こちらについては、どうしてこの短縮化がうまくできなかったのかというところなんですが、一言で申しますと、方法書に応じた調査がうまく行われなかったということで、再調査を行うということで、再調査に時間がかかってしまった事例がございます。
 ここに書いてあるのは鳥類の例ですけれども、方法書の経産大臣勧告でオジロワシ及び白鳥に対する調査・評価についての記載というものがあったんですが、それが不十分であったということで、準備書の意見で、さらに追加調査を求められてしまいまして、その結果、時間が延びてしまったというような事例がございます。これが全てというわけではないんですが、延びてしまう事例というのはこういうパターンがあるというところでございます。
 こうした事例が起こるというのは、この事例に関して言いましても、経産大臣勧告で言われていましたりとか、都道府県知事の意見でも言われているものですので、関係者の意見というものが適切に反映していけば、こういうことは解決できるのかなというところもございまして、9ページのほうにございますように、環境省のほうでは、地域主導型の戦略的適地抽出手法の構築事業というものを昨年度から行っております。これは、関係者の合意形成を助けると、それをいかに上手に合意形成をしていくのかという、そのノウハウをガイドにしていくというものを目指しているところでございます。
 来年度、新しい点としましては、地熱発電というものを加えて、このガイドをつくっていこうということで、実質、地熱発電についても、手を挙げていただいて、やっていただける自治体さんができていますので、そこで事例を、ノウハウを積み上げていくということになりました、というところでございます。それが、具体的に言いますと、10ページにございますが、大きな色塗りのひし形の四角、北海道で2カ所、地熱の場所が選ばれまして、こういったところで新たな地熱についての合意形成をどう図っていくかというものを実際に、実事例をもとにノウハウをためていってガイドにしていくというようなことを進めていこうと思っております。
 また、風力も1件、追加をしまして、ここにありますように、全7自治体で、実際、モデル事業を進めていこうと思っております。
 最後に、ゾーニング計画というところについてご説明させていただきます。
 先ほど申し上げましたとおり、同じ地域で計画が立ち上がって、バッティングしてしまうんじゃないかというような例もございます。そもそも再生可能エネルギーを早く、うまく導入していくためにどうしたらいいかというところで、ほかの外国の事例でも、ゾーニングという、いわば前さばきをすることによって、効率的に、ここで導入していくのが望ましいんじゃないか、あるいは、こういうところは危ないのではじめから避けたほうがいいんじゃないかということが、わかりやすくなっていることによって、そこに事業者が早く入っていけるようになるというようなこともございますので、そういったゾーニングというものを今後検討していこうと思っております。
 まず最初に行うこととしましては、先行事例の分析を行いながら、環境と地元に配慮した再生可能エネルギーの導入に向けた、日本に適した形のゾーニング手法についてモデル地域を選定して検討をしていくということを考えております。
 これらは環境省が行っていこうと思っているような話でございまして、最後に、ご参考にご説明させていただきたいのは、日本風力発電協会様からの規制改革のご提案が来ておりまして、こういったところも政府としては議論をしておりますので、ご紹介させていただきます。
 ご提案内容が2つございまして、一つが、規模要件を見直して、規模要件を5万kW以上に設定するというお話でございます。こちらについては、風力についての規模要件というものも、騒音・低周波音ですとか、動植物への環境影響というものの実態を、それこそ審議会のほうでもご議論いただきまして決めているものでございまして、こういったものについて、アセス法に基づいて、環境配慮を求めているような実態でございますということをお答えさせていただいているところでございます。
 ご提案の②のほうにつきましては、迅速化、今ご説明してまいりました、この手続の迅速化ということを図るために、アセスの参考項目と呼ばれている、アセスする項目の絞り込みを行っていただきたいというご提案でございます。こちらについては、アセスはそもそも事業者様が実際に項目を選んで、事案事案に応じて項目を選んでアセスをしていくものでございますので、そこは、そういった仕組みになっておりますということをお答えさせていただいているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、重要なのは、こういう環境影響の実態把握ですとか、実際の迅速化というものの、取組を進めていくことだと思いますので、環境と地元に配慮しながら風力発電の立地が進められるよう、環境省、経産省でちゃんと検討してまいりたいと思っております。
 以上、資料2のご説明でございます。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の報告事項の①と②の前半ということになりますが、風力発電の取組について、半分ほど、ご説明をいただきました。ただいままでのご説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお出しいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 ありがとうございます。
 風力発電に関して、やはりアセスメントが、風力発電の発展とかに障害になると問題があるという意見もございますので、このようにご努力いただいて、大変ありがたいと思っておりますし、ぜひ、さらに進めていっていただければと思っています。
 一つちょっと気になっているのは、11ページのゾーニング計画ですが、これは非常にいいことだと思いますし、廃棄物処分場でもこういうことを前に検討したことがあって、結局余り進んでいないと思うんですけども、アセスとの関係で、風力発電との関係でこういうことをやっていただくのは、大変いいことだと思いますが、これは、将来的には、法制度とかにする可能性もないわけではないんじゃないかなと思っていまして、せっかくつくっていただいても、守っていただけないと困るので、ただ、当面は自主的にやっていただくという感じで、情報提供して、自主的に下げていただくということで、私もいいと思っていますが、おいおいということだと思うんですけども、法制度にすることも考えていってもいいと思います。
 非常によくやっていただいていて、ありがたいですが、やはりアセスがあまり時間かかってしまうと、問題がないわけではないものですから、よろしくお願いします。

○浅野委員長 ということで、ただいまのは半分お褒めの言葉でしたから、お答えは要らないかと思います。
 崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 私も、意見というか、コメントなんですけれども、この風力発電の資料の3ページを拝見して、事業者さんから申請が出てくる中で、近い地域でかぶっているものがあるとか、かなりゾーンが大き過ぎるというようなことも見えてきたというご報告がありました。やはりこういうところで近い将来、地域の関係を失うようなトラブルに発展するなどそういうことがあったら困りますので、そういうことが起こらないようにするのが、このアセスの制度なので、本当に地域とのコミュニケーションをしっかりとる、そして、信頼を築く制度なんだということで、このアセスをうまく活用していただければうれしいと強く思いました。
 なお、少し関連でもあるんですが、今、大塚委員がお話しされた11ページのゾーニングのところなんですが、私も、こういうゾーニングという視点でしっかりと考えていくというのは大事だと思いますが、ここの11ページの上の四角の一番最後の行に、地方公共団体と協力して検討を行うとありますが、やはり地域のことですので、地元の地方公共団体としっかり連携をしながら、できれば自治体だけではなく地元の方の声も入れながらというようなことが、信頼関係づくりには大変効果があると思いますので、事業者さんだけの開発というものを想定するのではなくて、自治体や地域の方も入るような、そういう事業の取組方もあるという、そういうことも想定しながら、こういうゾーニング計画を進めていただければありがたいという感じがいたしました。よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 田中委員。それから、鷲谷委員おねがいいたします。

○田中委員 気になりましたのが、この資料の2ページに環境大臣意見というのがございまして、その中にも配慮書、あるいは準備書の段階で、その他のところに、累積的な影響を予測、評価する。恐らくこれは、隣接する、または近隣の事業でしょうか、風力発電事業に対して、相互の関係を見ながらと予測評価する、こういうことだと思います。
 それから、同じような意味合いで、次のページ、3ページには、同一区域で事業計画が重複するケース、あるいは非常に密接に接するケースというのがある、こういう事例の紹介もあります。
 そこでこれからは、国として考えておいたほうがいいと思いますのは、累積的影響の評価のあり方というのをどう考えるかという点です。一つの方法は、ゾーニングのように、ある区域において、キャパシティーというんですか、容量を考えていく。そういう意味での累積的影響の評価という考え方があります。それから、もう一つは、今のお話にありますような、隣接する、あるいは、非常に近接する事業に対して、事業者自身が相互の影響をどう見ていくのか。こういう点については、事業者同士で話し合いをするといっても、互いの手のうちを明かすことが非常に難しい側面もあるようで、ある種のルールをつくるなり、こうした場合の考え方を整理したほうがよろしいのかな、という感じがいたしました。これは、累積的影響の評価を本格的に検討するべしとすると、そういう手法を考えておいたほうがよろしい。
 ゾーニングのほうは、これは後段のほうで、適地選定の中でこういう知見を積み上げていくということですので、そういう形で今後、整理をしていく、ということが必要かなと思いました。
 以上でございます。

○浅野委員長 鷲谷委員、どうぞ。

○鷲谷委員 ゾーニングは、迅速化に寄与するものとして、確かに大変有効なのではないかと思いますが、ゾーニングというのは、今の説明だと、適地を選ぶという考え方ですが、裏返せば、不適地をしっかり把握していく。それは、オジロワシが、今、シンボルのようになっていますが、生物多様性保全という視点から見て、脆弱性のある地域というのを明確にしておくと。ヨーロッパなどでも、脆弱性マップづくりなど、保護団体などがかなり積極的な役割を果たしながら進められていると思うんですけれども、その際、保全上重要な生物種というものが指標になって地図化が行われるといいのではないかと思いますが、適切な空間的なスケールというものを考えることが重要なのではないかと思います。脆弱性マップ、センシティブマップと言われていて、イギリスではアイルランドに関しては、もうできているように思います。
 陸上に関しては、保護上、大変重要な場所は何らかの保護区、国立公園の特別地域とかになっていたりするんですけど、これから話題になるかもしれませんが、海域については、今、そういうものがないので、より必要性が高いのではないかと思うんですね。今、こちらで進めていらっしゃるモデルという考え方だと、ある特定の地域だけに目配りをするような形になるように思うんですけれども、もうちょっと広域的に捉える、粗い脆弱性のマップと、それから、これから事業が集中しそうな地域で、モデルで、より細かく不適地をしっかり把握しておくという、スケールからいえば、そのぐらいの異なるスケールでの検討が必要なのではないかと感じました。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございます。大事なご指摘をいただいたと思います。適地というと、いかにも一つだけの情報になってしまう。だから、両方あっていい、脆弱性はこうです。それから、これは余り問題ないですと。ダブっているので、もし脆弱性があるところでやれば、それだけより多くの調査をしなきゃいけないことになりますからおわかりいただけますね、という情報提供をするということですね。単一の項目にしてしまうと、あとの場所では何をやってもいいというメッセージになってしまうのは、大変心配だよというご指摘だと思います。よくわかります。
 それから、そもそも根本的な問題は、田中委員がご指摘になった点からさらに発展させると、およそこの国には、いわゆる戦略的なアセスというのが存在しないことが問題なのでしょう。事業者が事業段階でアセスを行うという仕組みしかないものだから、3ページにあるように、地域が重なってもどうにもしようがないということが起こってしまうわけです。
 だから、今、一生懸命努力されていることは、言ってみれば、戦略アセスがないために、それをどうカバーするかということをやっておられるということなのですが、それにしても本来、戦略アセスというものは、事業者が個別事業ごとに行うものじゃないはずですね。公的セクターがちゃんとそれをやっておいて、ここはいい、悪いということを言ってあげるというのが、本来の戦略アセスだろうと思います。大昔に、資源エネ庁の担当者の方々と非公式に議論したことがありますが、この点では全く意見が一致しました。こんなものは事業者に個々にやってもらう話じゃないですねということは、皆さん、よくわかっていらっしゃったことを想い起こします。
 だから、今やっていることは、多分に、戦略アセスの考え方の前さばきのようなものだというふうに考えてもいいかもしれないという気さえします。
 3ページの事業計画が重複するケースの例というのは、各事業者がアセスをやる限りは、こうならざるを得ない。しようがないことですよね。しかも、これまでのように、例えば関西電力しか発電所をつくらないのであれば、社内でちゃんと調整されるからこんなことは起こりませんけど、誰でもやってもよろしいという時代になってくると、幾らでもこういうことが起こりますね。
 特に、風力の場合には、1機1機の規模はそんなに大きくないから、入り乱れてつくっても全然おかしくないということが起こるので、こういう新たに生まれてきた状況の中で新たに考えなくてはいけないことがあるという先生方からのご指摘ではなかったかと思います。
 村山委員、いかがでしょう。どうぞ。

○村山委員 浅野委員長がおっしゃったように、ゾーニングにはいろいろな意味があって、おそらくポジティブなリストとネガティブなリストの両方があると思うんですね。今のところ、それらが混在しているようなイメージがあって、どちらに力点を置くのかということを少し明確にした上で、来年度の事業を進めていかれるといいのではないかと思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 石田委員、いかがでしょう。

○石田委員 関連したことですが、ゾーニングをするときのスケールが、恐らく指標によって違ってくるので、そういったことも配慮しながら進めると、浅野先生がおっしゃった、前さばきとして非常に有効になるのではないかと思いました。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 河上委員、何かございましたらどうぞ。

○河上委員 ありがとうございます。ゾーニングの話ではないんですが、アセスメントの迅速化について、いろいろご努力いただいていて大変ありがたいんですけれども、実際には、2ページの大臣意見を見ても、いろいろと環境保全上の問題は出ているということですから、その保全をしっかりした上で迅速化があるということという意味では、風力の場合は、割と環境アセスの歴史が基本的に浅いのではないかと思いますので、そういう意味で、調査手法や評価指標をしっかり確立していくこともポイントかと思いますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、このテーマはこのくらいにしておきましょうか。
 私、もう一点だけ申し上げますと、大臣意見についても報告書のまとめ方がちょっと気になります。「重要な眺望点からの主要な眺望対象の景観を回避・低減するために、環境保全措置を講じること」などというような大臣意見が出たとは思えないのです。景観を回避・低減とは何なんですか。こういうわからない表現はおやめいただきたい。
 さらに言えば、もともと、回避・低減というのは公害を中心にだされてきた発想で、景観については、景観影響を回避・低減という概念がそもそも成り立つのでしょうか。景観はほとんどの場合大なり小なり変わるのですが、変わったことがいいか悪いかを評価するのがアセスの役割ではないでしょうか。回避・低減じゃなきゃいけないということは、事業をやるなと言っていることにもなりかねない。この辺は考え方に根本的な問題があるのではないか。景観というものの扱いは公害防止の問題とは違うはずなんです。
 それでは、続きまして、報告事項の②の後半部分についてご説明をお願いいたします。

○横山課長補佐 それでは、資料3のほうをごらんください。洋上風力発電所に係る環境影響評価の基本的な考え方の検討について、ご報告させていただきたいと思います。
 それでは、ページをめくっていただきまして、1ページの検討状況ということで、おまとめさせていただいてございます。
 まず、1ポツ、環境影響評価制度の現状ということでございますけれども、こちら、平成24年10月から、環境影響評価法の中に、風力発電所、風力発電事業が対象となったところなんですけれども、その際の検討会報告書の中で、沖合に設置される場合を含む洋上風力発電の取り扱いについては、適切な対応を検討すべきというふうに、今後の課題とされたところでございます。本検討をした当時は、国内で導入されているものといたしまして、護岸でございますとか、あるいは防波堤、そういったところで建設されている着床式が主だったものですから、こういうふうな今後の課題という扱いになったところでございまして、現状、洋上風力の環境影響評価につきまして、法の対象になったというところなんですけれども、案件数もまだ少なくございまして、海洋生物への影響など陸上の風力とは異なる環境影響があるということでございます。また、海域の環境につきましては未解明な部分も多いというところでございますけれども、一方で、港湾だけではなくて一般海域におきましても、洋上風力の計画が進められているというふうなことを踏まえまして、洋上風力発電の環境影響評価のあり方について、基本的な考え方に係る検討を進めておく必要があるということで、検討を進めているところでございます。
 2ポツ目の検討事項の部分でございますけれども、洋上風力発電における環境影響につきまして、一部陸上の風力発電所とも共通する部分はあるんですけれども、海域特有の要素というものがございますので、こういった項目の選定でございますとか、あるいは調査・予測・評価の手法、環境保全措置、こういったものについてしっかりと検討を進めていこうということで、平成27年度より検討を開始したところでございます。
 続きまして、ページをおめくりいただきまして、2ページ目、洋上風力発電の関連設備ということでおまとめしてございます。
 まず、洋上風力発電を設計する際には、風力の発電機、そしてそれに伴いまして、変電所、気象観測塔、維持管理設備、海底ケーブル、こういったものが設置されるというところでございまして、もちろん、陸域からの距離に応じて、変電所も陸上に設置されるか、洋上に設置されるかとか、そういったところはございますけれども、こういったものは一連の設備として設置されるというところでございます。
 続きまして、またページをおめくりいただきまして、3ページ目でございますけれども、洋上風力発電機を設置する際には、基礎と呼ばれる海底に固定したりする部分につきまして、幾つか形式がございます。大きく分けまして、着床式と浮体式というものがあると。この着床式につきましては、今、ここに主なものとして4つ挙げてございますけれども、どの形式を使うかによって、くい打ち作業が必要だったり、整地作業が必要じゃなかったりということで、いろいろな工事の特性があるというところでございます。
 浮体式のほうは、主なものとして、こちらに3つ挙げさせていただいてございますけれども、こちらにつきましては、アンカーチェーンで海底のほうに固定するというふうな方式がいずれにおいてもとられておりまして、それぞれ浮体の形がいろいろと異なっているというところでございます。
 続きまして、4ページ目でございます。こちらの風力発電所に係る環境影響評価の参考項目ということでございまして、こちら、発電所のアセス省令というものの中で設定されております参考項目というものを下表に示してございます。こちらも、もちろん陸域、洋上、両方含まれるというところでございます。
 続きまして、5ページ目でございますけれども、こちら、国内外における洋上風力発電所での評価項目の選定例ということで、洋上風力における基本的な考え方を整理するに当たりまして、国内外における知見というものを整理したところでございます。縦軸に環境要素で、横軸のほうに、すみません、表のほうに「環境要因の区分」と書いておりますけれども、こちらのそれぞれの事例について書かせていただいておりまして、こちらの表を見ていただきますと、国内外、こちらのほうで取り上げました全ての事例において調査されている項目といたしまして、水中音、それから陸域、海域の動物、景観というものが挙げられております。国内においては、さらに水の濁り、それから海域植物、こういったものが共通して設定されているところでございます。
続きまして、6ページ目のほうに、動植物・生態系について、それぞれの事例でどういったものが選定されているかというふうな例をお示ししてございます。まず、動物につきましては、陸域では鳥類、それから海域では海生哺乳類、魚類、底生動物、こういったものが国内外の事例において、全て選定されてございました。
また、植物につきまして、日本の事例の中では、海域の海草草類というものが選定されているということになってございます。
 続きまして、7ページ目でございます。7ページ目に、こういった国内外の事例でございますとか、知見といったものに基づきまして、検討した結果の概要というものをおまとめしてございます。
 まず、1つ目の丸でございますが、ここは洋上風力発電所に特有の事業特性、それから海域の環境の特徴、こういったものに着目した検討を行ってきたというところでございまして、2つ目の丸でございます、項目選定の検討におきましては、大気環境の分野といったところでは、陸域への生活環境への影響、それから、水環境分野では海洋生物の生息環境等への間接的な影響、動植物分野では、重要な生息・生育環境への影響、こういったものが想定される場合等には、環境影響評価の対象とすることが適当ではないかというふうに整理されました。
 また、続いての丸でございますけれども、調査・予測・評価手法につきましては、従来の手法が適用可能な場合もあるということでございますとか、あるいは、既存の類似の事業における手法が参考になる場合があるということがある一方で、やはり海域のほうにつきましての事業になりますので、引き続き知見の蓄積が必要な場合があるということが整理されてございます。
 次の丸のほうに書いてございますけれども、特に沖合におきましては、環境の基礎的な情報が不足しているというふうな状況でございますので、適切な環境影響評価に向けた知見の蓄積を図っていくことが必要であるというふうなご指摘をいただいてございます。
 こういった、今年度の検討結果を踏まえまして、引き続き検討を行いまして、平成28年度のほうには、何らかの基本的な考え方をとりまとめたいと考えているところでございます。
 一番最後に、参考といたしまして、総合海洋政策本部参与会議での議論というものをつけさせていただいてございますが、こちらは政府全体における海洋施策の推進において、今年度の提言がございまして、その中に環境影響評価につきましての言及がございましたので、そういったことについておまとめさせていただいてございます。
 以上でございます。

○浅野委員長 それでは、ただいま洋上風力について、検討を始めているという報告でございまして、次年度も引き続き検討をして、基本的な考え方の取りまとめをしたいということでございます。今日の報告は、中間報告ということでお聞きをいただきたいと思いますが、ちょっと1点だけ、誤解を与えそうなので、6ページの動物のところで、「陸域」と書いてあるのは、洋上風力をつくるときに、鳥も取り扱うということを言っているだけであって、陸域の鳥をじゃなくて、要するに、単なる仕分けです。ここで陸域、海域というのは、場所を意味するわけじゃないのです。誤解をなさいませんようにお願いいたします。鳥も、海を飛んでいる鳥を問題にしますし、コウモリも、海を飛んでいるコウモリが問題だということです。
 何かご質問、ご意見がございますか。
 鷲谷委員から、先ほど、洋上についてはとりわけ情報をしっかり集めようというお話がございました。これは検討会でも、情報ないねとみんなが言っているところで、大変困っているのですが、何かコメントをいただけましたら幸いです。

○鷲谷委員 鳥類に関しては、比較的情報が蓄積していると思いますし、鳥類の影響がでる状況として、構造物が魚礁のような役割を果たしてしまって、魚がそこに集まってしまって、餌をとる鳥類への影響というようなものまで含めて、世界的に見ればかなり情報があると思います。
 水の中の生物にとって、実は、人間だと音ですけれども、音というのは言いにくいようなものというのを、感覚としてすごく重要な意味を持っているんですね。それで、かつて、タコは耳が聞こえないみたいな話があったんですけど、聴覚的があると、とても重要なことがわかってきたりして、ヨーロッパでは、こういうアセスメントに当たって、代表としてのタコだと思いますが、影響などを調べる実験が、イタリアで実施されたということもあるようですし、少しずつ情報は蓄積していると思いますが、そういうものを踏まえた上での検討が必要でしょう。ただ、海はつながっているから、ヨーロッパと日本は同じかというと、日本はとても複雑な海岸線を持っていて、海の生物多様性ということから見たら、世界随一と言っていいぐらい、本来は多様で複雑な沿岸域の海域の自然を持っているんですね。それにふさわしいアセスメントのあり方を検討していかなければいけません。これまでの知見を踏まえた上で、保護をするという立場から情報を集めている方たちもいらっしゃると思いますので、そういうところとも連携をして、しっかりした情報のもとに、推奨できるアセスとか、まずは大まかなゾーニングから始める必要があるのではないかと思います。それができると、個別のアセスに時間がかかり過ぎるということもなくなるのではないかと思いました。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 ヨーロッパで洋上が非常に盛んに行われている北海は、どちらかというと水深が浅いんですね。日本とまるっきり海域の状況が違うということもわかっていますので、そこでの知見が使えるものと使えないものがあるというのはご指摘のとおりだろうと思います。どうもありがとうございました。
 ほかに何かご指摘いただくことはございますでしょうか。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 質問で恐縮ですが、さっき聞き漏らしている可能性もありますが、5ページのところで、着床式に関して、窒素酸化物、粉じん、それから浮体式に関して有害物質が底質のところがあるんですけど、これはどういうものを評価されようとされているのか、教えてください。
 それから、もう一つですが、これはアセスの話では多分ないと思うんですけど、どこかで検討していただきたいのは、これはむしろ海洋汚染防止法の話になってしまうと思いますが、洋上風力がもしたくさんできるようなことが今後あった場合に、建設から20年、30年経った後の撤去の問題というのが多分出てくると思いますので、そのときに廃棄物の話は、多分、ここの廃棄物には入っていないと思いますが、環境省とどこかでご検討いただく必要があると思いますので、ちょっと別の問題ですが、申し上げておきます。

○浅野委員長 最後の点は、多分、タワーは撤去されないであろうと考えています。羽根は多分運びだされるんだろうなという感じですね。
 これまでの例についてのご質問でしたが、事務局から何かお答がえありますか。

○横山課長補佐 大気環境の大気質の部分で調査項目が選定されているというところなんですけれども、こちらにつきましては、船等で資材を運んだり、そういったときに排出されるものでございますとか、底質のほうにつきましては、有害物質を含んでいるようなもの、底質が巻き上がったり、そういうことが工事中等に起こるのではないかというふうなことで選定されているということになってございます。

○崎田委員 今、資材を運ぶときのお話があって、少し安心したんですが、2ページで、洋上風力発電の関連設備というのを拝見していたときに、例えば建設のための港湾の基地が必要と思います。それもかなり大きな面積が必要になるのではないかと思いますので、そういうところはどういうふうにアセスの場合で扱うのかというのもあるのではないかと思います。
 2年前に、デンマークの洋上風力発電の建設基地を視察したことがあるんですが、余りの大きさにびっくりしました。日本では、そういう過程をどう進めるかがまだ決まっていないのかもしれませんが、きちんと考えていただければありがたいと思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、次に、報告事項の③に移りたいと思います。最近の火力発電所の設置事業での手続状況について、資料4に基づいてのご説明をいただきます。

○神谷環境影響審査室長 資料4をご説明いたします。
 火力発電所のアセスの案件について、最近の動向をご紹介したいと思います。
 資料を1枚めくっていただきまして、1ページ目のところでございますけれども、これは、平成25年4月に、経産省と環境省の局長級会議の取りまとめとして出ている、火力の対策の大方針でございまして、今後の温暖化対策について、実効性を確保するためにということで、最初の1ポツのところの5項目、国の計画と整合的な目標が定められていること等が必要であるということに合意をしております。
 2番目のアセスにおけるCO2の扱いということでございまして、大きく2つのポイントがございます。一つは、BATを導入していること。2番目は、国の目標・計画との整合性のある事業であること。この2つをもってどうかということを合理的な範囲で審査をするということになっておりまして、特に2番目の点につきましては、中期目標との関係、枠組に参加をして、CO2削減に取り組んでいくとしている場合には整合性を確保することと。それから、枠組ができるまでの間については、事業者が自主的な保全措置を講じていることとしているか等を審査すると。
 もう一つは、2050年目標との関係ということで、国における動向も踏まえながら、今後の対応についても継続的に検討していくということにしております。
 それで、こうしたことで、個々の案件の審査を行っていくということでしてきておるわけでございますけれども、具体の審査案件については、2ページ目以降にございます。石炭火力の一覧表が2ページの一覧でございまして、この局長級取りまとめの以降、常陸那珂ほかの各事業についてのアセスの手続が始まっているというところでございます。それぞれの手続が、その常陸那珂から始まって、配慮書が進んできておりまして、その全体としては、日本の約束草案が出た、この西沖の山発電所以降のところについて、武豊、それから袖ヶ浦、市原、秋田等々については、特に、いわゆる是認することができないという意見を述べてきているという経緯がございます。
 それで、この赤色の部分は、その後の、今現在、準備書の手続が始まっているものでございまして、準備書の公告縦覧が始まってから270日以内に経産大臣勧告が出るということで、審査のプロセスに乗って、間もなく環境大臣もこの準備書に対して意見を言うという事業が、この常陸那珂をはじめ4事業あると、こういう状況でございます。
 次が、3ページのところでございますが、ガス火力発電についての計画も同様に整理を行っております。これも、局長級取りまとめ以降の事業についての整理でございまして、青いものは既にアセスの手続が終わったものでございます。それで、オレンジと赤のものについては手続中でございまして、このJFEの事業について言いますと、準備書の公告縦覧が始まっておりまして、これも間もなく環境大臣の意見を言うという形の事業でございます。
 それで、このアセスについての今後の対応を考えていく上で、最近の動向の紹介でございますけど、4ページのところでございます。これは、エネルギーミックス、昨年決められましたものでございますけれども、そこにおける電源構成のご説明でございます。2030年度の電源構成というところを見ていただきますと、再エネ原子力で44%。それから、そのほかの56%のうち、LNGと石炭が大体1対1ぐらいの割合でということでエネルギーミックスが決定をされておりまして、日本の約束草案なり温対計画における電力のCO2目標というのも、この電源構成に基づいて目標が定められてきているという状況でございます。
 1枚めくっていただきまして、先ほど局長級取りまとめに出てまいりました電力業界の自主的枠組についてということでございますけれども、この枠組ができたという発表は、昨年の7月に電力業界からございまして、現在のところ、10電力ほか、新電力の方も含めて、35社の方が参加しておられるということでございます。
 この枠組の中で、目標としまして、エネルギーミックスから算出した2030年における温室効果ガスの排出係数0.37kg-CO2/kWh程度を目指すという大目標が定められております。それで、それぞれ各社の取組を毎年フォローアップをしまして、結果を翌年度等の取組に反映をする。さらに、実効的な仕組みを充実できるよう、参加者間でさらに協議をするといった形での発表がなされております。
 今、発表された、この協議会の仕組みとPDCAの仕組みというのが、この次の6ページのところにございまして、会員各事業者の方々がPDCAを回し、それを協議会の中でチェックを行い、さらに第三者による評価ということで、経団連ですとか、産構審のワーキンググループ等に報告して、取組をチェックしていくという仕組みをつくっていただいております。
 次の7ページのところでございますが、こうした動きも踏まえながら、経済産業省と環境省の両大臣の間で、電気事業分野における地球温暖化対策についての合意というのが、去る2月9日になされたところでございます。
 少し前の対応を振り返ってまいりますと、この2のところでございますが、「自主的枠組み」が昨年の7月にできたという公表があったわけでございますけれども、その後のアセス配慮書において、環境大臣の意見としては、「自主的枠組み」については、実効性の観点から、詰めるべき課題があるということで、こうした課題をきちっと詰めていただく必要があるという宿題を出す形の意見をずっと述べてまいったわけでございます。
 これに対して、28年2月8日に、業界による電気事業低炭素社会協議会の設立ということで、さきに紹介したPDCA等を含む「自主的枠組み」の内容というのを固めていただいたというプロセスがございます。
これにあわせて、両大臣の合意というのが、次の3番のところでなされたわけでございます。その内容はここにあるとおりでございまして、まずは電力業界に対して、引き続き、実効性・透明性の向上や加入社の拡大等に取り組むことを促すと。それから、経済産業省におかれて、省エネ法に基づく新設時・運転時の発電効率の基準やエネルギー供給構造高度化法に基づく非化石電源の割合の基準を新設・強化し、勧告命令を含めて適切に運用し、エネルギーミックス達成に向け責任をもって取り組んでいただくと。
 次のポツのところでは、小売事業者における排出係数について、その公表ですとか報告について、より透明性を高める取組を行っていただくと。
 それから、次のポツでございますけど、環境省における進捗状況の評価の検討をするために、毎年、経産省から環境省に対して、発電施設の設備容量とか省エネ法のベンチマーク指標に関する取組状況の資料を提供いただくと。
 こうした取組によって、電力業界全体の取組の実効性を確保することとしながら、毎年進捗状況を、レビューを行いまして、この省エネ法、高度化法等に基づく概要について指導・勧告等も活用していただきながら、実施状況を評価しまして、0.37kgの目標が達成できないと判断される場合には、施策の見直し等について検討すると。こういうパッケージの合意がなされたわけでございます。
 この0.37kgをどう達成するかというところの仕組みの解説が、次の8ページでございます。これは結局、エネルギーミックスの、先ほどご紹介した数字をどう達成するかということを、この省エネ法、高度化法を駆使して達成を促していくということでございます。
 ③のところに、「高度化法によるルール整備」というところがありますけれども、ここで、小売事業者における、2030年度における非化石電源の割合44%というところを規定をするというのが1つ目のポイントでございまして、2つ目のポイントとして、この化石燃料のほうが、この②の省エネ法によるルール整備という部分でございまして、ここは2つポイントがございます。一つは、新設時における設備単位での効率基準を設定するということで、これは石炭も、LNGもBAT水準のものを新設時に必ず入れてくださいという指標でございまして、もう一つが既設を含めた事業者単位の効率基準を設定ということで、ここで、石炭火力の最新のものとLNGの最新のものとを、おおむね1対1程度に入れることによって達成できる発電効率というものを規定することによって、発電事業者単位で、このエネルギーミックスに貢献するような電源構成を実現していただく仕組みをつくると、こういうものでございます。
 それで、こうしたことを2月9日に発表させていただいております。
 さらに加えてということでございますが、9ページですけれども、温対計画でございまして、今、まとまっております案の中で、中期目標において、2030年度において温室効果ガスの排出量を26%減にすること。あるいは、長期目標を見据えまして、2050年度までに80%の温室効果ガス排出削減を目指すこと等々をまとめております。
 さらに、火力分野の高効率化等ということで、自主的枠組みの実効性・透明性の向上を目指すこと。それから、今申し上げました省エネ法の取組、毎年の進捗評価といった内容を、温対計画にも概略を盛り込むことによって着実に実施していくということにしております。
 最後のところ、10ページですが、これは、昨年5月のこの委員会の中で話題になりました、火力アセスの課題というところの中で、過去に省議アセスを終了した事案への対応という提起をさせていただいておりまして、その後の状況のご報告でございます。
 その場でも取り上げておりましたけれども、東北電力の能代3号機について、省議アセスを行ったまま、この3号機未着工という状況がずっと続いてきて、それに対して事業を再開するということになったわけでございますけれども、その場での対応ということでございまして、結果としましては、その事業者さんが自主的な環境アセスを行いまして、大気環境影響ですとか温室効果ガス等について、この下にございますような予測評価対策をまとめていただきまして、公表をされたということでございます。意見聴取等のプロセスはなかったということでございますが、こうしたものを自主的に公表されたという対応がございました。
 これについては、燃料転換からの話題もございまして、後からご報告がございますので、そこであわせてご議論いただければと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関連することとして、電気事業者の協議会等について、河上委員から補足的にご発言をお願いいたします。

○河上委員 ありがとうございます。
 私どもといたしましては、今、ご説明いただいたとおりなんですけれども、電気事業低炭素社会協議会という、6ページに、このPDCAの仕組みをつくっておりますけれども、しっかりと全体として、我々の低炭素社会協議会としての国の目標と整合的な0.37、これに向かって進んでいけるようにPDCAをしっかり回し、そして、この協議会といたしましては、その絵にもありますように、個社ごとの取組計画を、左下のActionのところに書いていますが、見直し要求ができるといったようなルールになっておりまして、調整力のある仕組みをつくっております。これをしっかりPDCAを毎年回しながら、0.37に向かっていこうというところであります。
 これだけでしっかりやっていけると思っているんですが、さらに、国のほうからも、今もご説明がありました省エネ法と高度化法で下支えしていただくと、そういった改正ももうすぐなるというところでございますから、当然、個別の事業者は、この省エネ法、高度化法をしっかり、達成に向けて取り組んでいくと。あわせて、0.37を達成するというふうなことで、今度、今、パブコメ中ではございますが、これもご説明ございましたけども、温暖化対策計画のほうにも位置づけていただけるということでありますので、しっかりやってまいりたいと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、以上の報告につきまして、ご意見、ご質問がございましたらお出しください。
 それでは、田中委員。どうぞ。

○田中委員 それでは、3点ばかりお伺いしたいと思います。一つは、まさに今、ご説明があった6ページのところのフローというか、PDCAサイクルです。
 個社、会員事業者が取組計画をつくる、それを実施し、それを評価していくと、こういうPDCA、これとてもいい仕組みだと思うんですが、その場合、個別の事業、例えば3ページ、あるいは2ページあたりには、たくさんな石炭火力や、火力発電事業が出ていますが、この個別の事業におけるアセスメントというのは、この中のPDCAのどの段階につけられるのかということについて、もし整理ができていれば教えていただきたい。これが1点目です。
 それから、2点目は、8ページに、2つの支える仕組みがあるということです。省エネ法によるルール整備と高度化によるルール整備、これは、両方から、入り口と出口ということになるかと思うんですが、その場合、②の省エネ法のほうの高効率化という概念が使われて、効率基準というのが使われていますが、この場合の効率化、あるいは効率基準というのは何を指しているのか。効率という意味合いを教えてください、というのが二つ目です。
 それから、3つ目が、今度、高度化、③のほうに2030年度に省エネ法とあわせて0.37、これは排出係数ですね。これを2030年の目標にしているというのが、結局、この仕組みの目標だと思うんですが、現時点、2015年度で、これからあと15年をかけて0.37を実現するということですが、できなかった場合どうするかというのは、また後で書いてあるんですけれども、つまり、何かすごく長期的な目標なので、中間的なチェック、あるいは中間目標的なものを置いて、もう少し進捗管理をちゃんとしていく必要があるのかなというのを思いました。
 これは、そういうことが可能かどうかということも含めて、お尋ねをしたいということです。
 以上、3点です。

○浅野委員長 それでは、この点についてお答えをいただけるようでしたら、お願いいたします。
 まず河上委員からお答えいただけますなら、どうぞ。

○河上委員 まず、ちょっと一つ目の質問の趣旨がもうひとつわからなかったんですけど、個別のアセスメントは、この会員事業者が、このPDCAのどこに入っているかとおっしゃった……。

○田中委員 個別の事業者が、例えば石炭火力なりを計画されますね。そうすると、その取組計画というプランのところに入るのか、あるいは、取組計画の実施レベルの話なのか。つまり、見直し要求が、例えば協議会として出てきても、ある程度アセスメントが進んでいってしまうと、うまくタイミングが合わないのではないかと。つまり、計画そのものが進行していきますので、ということです。

○浅野委員長 多分、ちょっと誤解があるのではないか。個社の取組計画というのは、設備計画という意味じゃないですよね。田中先生はそういうふうに受け取っておられるようなので。

○河上委員 設備計画そのものは全く否定するものじゃないんですが、CO2削減のために、事業者の形態に応じて、どういったことをやれるか。発電所の高効率化であったりとか、原子力をちゃんと再稼働させていくとか、そういう計画を出してもらう。そして、どうしても個社ごとではなく、CO2の問題は釈迦に説法になりますけれども、0.37の達成のためには、国全体としてどうであるか、再エネがどう入ってくるかとか、それから省エネ、これは需要に関係しますので、全体で見なきゃいけませんので、トータルとして見るとやはり大きいほうのPDCAですね。協議会のPDCAのほうで、これをきっちり回すときに見ていくと。その中で、0.37達成に向けて、まだ不十分だという判断になってきたときには、この原因をきっちりどの辺ができていないかを見きわめて、そして、必要ならば会員事業者のほうにフィードバックしていくと、こういったことを考えていると。

○浅野委員長 ついでに、今、田中委員のご質問の3点目ですね。15年も先のことなんだから、途中経過はどうするんだろうというご質問でしたが、これについて何か今の段階でお考えがございますか。

○河上委員 現時点で中間目標的なものはないんですが、これは少し国の政策も含めて、原子力の再稼働だとか再エネとか、そういったものの進捗を見ながら、国のエネルギーミックスがどうなっていくかということを見きわめる段階でございますので、現時点においては、ちょっとそこまでは考えておりませんが、将来必要になればというところですね。

○浅野委員長 それでは、事務局のほうからお答えください。

○神谷環境影響審査室長 効率の目標がどのようなものかということですね。ちょっと長いんですけど、参考資料5に省エネ法のワーキングの取りまとめ資料ということで、経産省の資料をお借りしておりまして、効率は、2つ、主なものがございます。
 18ページを見ていただきますと、火力発電効率のA指標というものがまずございまして、ここで、新設をされる各燃料種毎の発電所の発電効率の目標値というのが出てまいっております。これを現状、どのぐらいの技術水準になるかというのを、燃料種毎に評価をして、その運転時の、すみません、9ページのところが、新設基準ということでございまして……。

○浅野委員長 わかりました。要するに、その資料があるということがとりあえずわかりましたので、後でまた読ませていただきます。
 鷲谷委員どうぞ。

○鷲谷委員 二酸化炭素の取り扱いに関して、考慮すべき排出の範囲について確認させていただきたい点があるんですが、発電所での排出に限らず、燃料、混焼するバイオマス燃料も含めてですけれども、燃料の生産とか、採掘とかから、運搬なども含めたライフサイクルで二酸化炭素の排出というのを評価すべきではないかと思うんですけれども、その点はどういうふうに扱われているのかをお教えいただければと思います。

○浅野委員長 この点は今のところ残念ながら、一つの話を全部一貫して話をつくるという仕掛けになっていなくて、運輸は運輸、何は何という形で切っちゃっていますから、だから、そちらのほうはそれで……。

○鷲谷委員 具体的な発電所で、これから使う燃料というのがはっきりしていますね。混焼する場合だったらバイオマスがありますね。それに関してです。それの生産時から、遠くで生産されたものであれば、日本に運んでくるに当たっても二酸化炭素で排出されるので、ライフサイクルアセスメントのような形になっているかどうか。

○浅野委員長 わかりました。河上委員、今、質問されているのかは、そういうLCA的な分析で議論をしているかという質問だと思うのですが。

○河上委員 これは、国のエネルギーミックスから計算をした数字になっておりまして、その点で、発電所だけで計算していると思います。

○鷲谷委員 発電所の中……。

○崎田委員 関連で一言、コメントさせていただきたいんですが、私は今回、省エネ法によるルール整備で火力発電の高効率化を進めるための制度見直しの委員会に参加をしていました。それで、やはり多くの火力発電、特に石炭火力の事業者さんが、バイオマス混焼でCO2排出係数を下げるという、そういうような提案をされておられました。やはりそれをどう担保するのかということと、その質を高めるかということが大きな話題になりました。
 そのときに、国内産のバイオマスではなくて、大量に安定的に購入できる海外のバイオマスを購入するというような企業が大変多いと予想されているということで、実は、その段階から全体のCO2を評価してほしいという提案をして、意見交換をしてまいりました。ただし、省エネ法がそこの原材料の調達まで問うていないということで、最終的にそこを明確に規制の内容の中に入れるということはかなわなかったんですが、事務局も業界と交渉していただいたんだと思いますけれども、報告書を毎年きちんと出すこと。そして、その報告書に、どこのバイオマスを活用したか、できるだけ情報を明示するようにということで、かなり後追いができるような状況に向けて、半歩前に進めたかという感じで考えております。ただ、お話のように、大幅には進んではいないのですが、そういう状況で、と考えています。

○鷲谷委員 バイオマス以外も燃料によって重みが違うと思うんですね。ライフサイクルで考えたら。それで、というかそれが一番適切、そんなに多くのデータが必要なわけではないので。

○浅野委員長 それは、ちょっと今日のアセスの委員会のテーマを超えているようにも思われますが……。

○鷲谷委員 いえ、アセスにおいて排出量を論じるときに、それが必要なんじゃないかという意見なんです。

○浅野委員長 わかりました。ご意見として承っておきましょう。 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 枠組みがつくられたことと、省エネ法と、それからエネルギー供給構造高度化法で支えをつくっていただいたことは大変よかったと思っているんですけれども、実際には、この省エネ法の運用がどういうふうになされていくかというのが、極めて注目されるんだろうと思います。
 基準達成のために、ベンチマークの指標がどういうふうに達成されていくかという取組状況がどうなるかというのは、非常に重要だと思いますし、さらに、純粋な効率の向上に加えて、共同取組とか、さっきのバイオマス混焼とか、コージェネレーションとかという方法をとるという手法について記載されていますが、これはどういうふうにとっていただくかということは、アセスの計画段階から、ぜひ、きっちりやっていただきたいというふうに考えております。
 さらに、2050年、80%削減という問題もありますので、長期目標との整合性のこともぜひ考慮していただきたいということがございますので、引き続きアセスに関しても、そのような観点は非常に重要になってくるのではないかということを、申し上げておきたいと思います。
 さらに、国との関係では、今後、CCSとの関係とか、BATとかの関係について、最新情報を提供していっていただく必要があると思いますし、事業者の方ともご相談しながら、そういうものをぜひ提供していっていただけるとよろしいかと思います。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 CCSについては、本格導入ということであれば、いろいろな法的な整備、あるいは環境面からの問題とか、結構多くの問題をまだ抱えていると思うんですね。その辺は、アセス課としては、今のところ何か用意がありますか。

○神谷環境影響審査室長 ただいまの点、CCSは、CCS-Readyについての検討というのを課として行っておりまして、その考え方をまとめつつあるところでございますが、個別のアセスの意見については……。

○浅野委員長 いや、個別のアセスじゃなくて、将来、CCSということが本格的に動き始めたときのアセスとしての取り扱いがどうなるか。だから、今の話ではないのですが。
 考えておいてくださいということでいいと思います。
 崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 この資料の部分についての意見なんですけれども、電気事業者さんが、やはり0.37という数字に向けて、しっかり自主的に取り組むと決めていただいたのは、大変大事なことだったと思っております。問題は、それを実行していただくというところで、その実行していただいていることを国民が納得するというか、情報をいただいて、信頼感を得るということがすごく大事だと思っておりますので、資料の8ページのところの最後のほうにいろいろ書いてありますが、「支える仕組み(市場設計)」なんていうのもありますが、やはり省エネ法のところと高度化法、ここがきちんと回っているかどうかというのを、業界内の第三者評価だけではなく、国もきちんと見ていただく。経済産業省のほうの委員会で発表いただくということですが、地球温暖化は全国的な関心事でもありますから、できれば、地球温暖化対策の合同委員会にもそれを報告していただいて、わかりやすくお話しいただくとか、何かそういうことに努力していただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。

○浅野委員長 
村山委員、どうぞ。

○村山委員 一つ教えていただきたいと思います。不勉強ですけど、35社全体として0.37ということですが、現在はどれぐらいなのかということが一つです。

○浅野委員長 河上委員、どうぞ。

○河上委員 正確に把握していませんが、0.5幾つだったと思います、今後、原子力が少し稼働してこないと、下がってきません。

○村山委員 わかりました。それで、6ページのPDCAのサイクルを回していただくというのは大変結構だと思うのですが、結果として、2つのサイクルが回っていて、報告や公表がなされるのは、35社全体の情報が出てくるのであり、個別企業の結果は出てこないという理解でよろしいでしょうか。

○河上委員 はい、その理解で。

○村山委員 ですので、共同実施で、達成できない場合は共同責任という、そのような考え方ということですね。

○河上委員 それぞれ事業形態が大分違いますので、それぞれが、その事業形態に合わせてやっていくということで、あくまで、全体として、業界として目指すと、こういう考え方になっております。その中で、また、達成が危ういとかいうような状況になってきたときには、分析をして、このあたりをしっかりやってくれということでは、先ほど申し上げたように、場合によっては、それに対して、取組の見直しを要求することもあるという、そういったことになっております。

○浅野委員長 よろしゅうございましょうか。
 どうぞ、河上委員。

○河上委員 1点だけ、先ほどもちょっと申し上げたようなことの繰り返しになるんですが、アセスメントとCO2の取組とのかかわりでございますが、やはりCO2の場合は、先ほど申し上げたエネルギーミックスの達成のために、原子力だとか再エネだとか、あるいは省エネ、要するに需要ですね、これがどうなっているかということを、国全体として見た上で評価していかなきゃいけない、チェックしていかなきゃいけないという、これは自明の理だと思いますので、したがって、今、崎田先生からあったお話は、また勘案いたしますけれども、今あります、経団連の第三者評価委員会だとか、産構審の資源エネルギーワーキングで、この全体のPDCAとしてチェックをかけていくということ。また、国の法律のほうについては、当然、国のほうには年に1回、省エネ法だったら報告をするわけでございまして、そこでチェックがかかるということでございますから、個別のプロジェクトを、そこの環境保全対策を見るアセスの中で全体の話をするというのは難しいかと思っておりますので、その点、ご認識をよろしくお願いいたします。

○大塚委員 先ほど申し上げたことと関係するんですけど、共同実施でやられるかとか、バイオマス混焼をどうされるかとか、コージェネレーションをどうされるかということ、つまり、どういう方法で0.37を達成されるかというのは、やはり個別のプロジェクトについても関係があると思います。全体とも関係あるし、個別のほうでも関係があると思いますが、恐らく両方でやっていただく必要があるのではないかと思います。

○河上委員 個別のチェックとしては、やはり局長級合意にもありましたようなBATがきっちり入っているかとか、それから、もう一つは枠組みですね、ここに、もちろんちゃんと入ってもらっているのかといったようなところのチェックは当然あろうかと思います。

○浅野委員長 アセスの考え方は、要するに可能な限り環境負荷を低減する対策をどう講じているかということを、個別事業については見ていくことになりますから、だから、より多くの対策が考えられている、手法が考えられているというのであれば、高い評価を受けるし、考えてなければ低い評価を受けると、それだけのことだと思います。だから、全体の数字と個別の事業の寄与度がはっきり自明であれば、すぱっと計算できるんだけど、そういかないのであれば、やっぱり限りなく温暖化対策をしっかり考えているかどうかということを、その目で見て、可能な限りまだできるんじゃないですかとか、これはもう目一杯やっておられますねとか、そういうようなことが多分アセスでの発言になってくるのだろうと思います。
 だから、明らかにできるはずなのに何もやっていないところについては、相当厳しく言われるということが起こるだろうと、私はそういう理解です。
 それでは、次に、関連することですが、小規模の石炭火力が結構問題になっておりますので、これについて事務局からご説明をいただきたいと思います。

○福嶋課長補佐 それでは、資料5-1、5-2をご覧ください。
 ちょっと時間も押していると思いますので、少しスピードを上げてご説明させていただきたいと思います。
 資料5-1、おめくりいただきまして、これは過去にもご覧いただいていることがあるかもしれませんけれども、震災以降、火力発電所の設置の事業計画状況を、規模別に、また件数で見させていただいたときに、アセスの法対象の1種、2種の要件がございますけれども、その下限、「11.25万kWをわずかに下回る範囲に集中していることがわかる」というふうに赤い四角囲みでございますけれども、この赤字の部分が震災以降、計画としてあるものですので、100万kW以上のところもかなり計画があるわけですけれども、この10万以上から11.25万未満のところにもかなり計画が出てきているということがわかるかと思います。肌色は震災の前ということでございます。
 次のページ、この内訳的な部分でございますけれども、この11.25万をわずかに下回るというところで、2ページ目、発電所の計画の燃料種ごとに少し見てございます。上から、石炭、バイオマス混焼もございますけれども、右側、「規模」と書いてございますところにありますとおり、11.2万というものが並んでございます。その後、バイオマスということで、石油コークス、天然ガス等がございます。こちらの資料は、事業者の皆様が何らかの方法でプレスリリースであるとか、条例アセスの情報であるとかで、公表されているものから作成させていただいてございます。
 次のページ、3ページ目でございますけれども、こういった点がございますので、では、その環境面から、どういった対応が求められるのかといったあたりを少し検討していく必要があるのではないかということで、昨年、検討会を実施させていただきました。夏から行いまして、3回ほど検討会を開催させていただきましたけれども、委員としては、今日もお越しいただいておりますけれども、田中先生に座長をお願いいたしまして、大塚先生にもご参加をいただいております。また、本小委員会のメンバーでもいらっしゃった、井上元委員にもご参加をいただいてございます。
 また、スケジュールとしては、ここに書いているとおりなんでございますけれども、ここに書いていないことといたしまして、それぞれ2回ほど現地の視察ですとか、関係団体等からヒアリングを実施させていただいております。
 次のページ、4ページ目でございますけれども、検討会の中で指摘があった点、大きく3点ほどございます。1点目、温室効果ガスに関してでございますけれども、現在明らかになっている小規模火力発電所の設置等の事業・計画、これによって、試算では約1,100万t-CO2の年間温室効果ガスの排出が見込まれるということ。また、小規模については、一般的に大規模のものよりも、CO2の排出係数で比べますと、1割程度大きくなるということ。また、国全体で温暖化対策については対策を進めてございますので、火力発電所については、出力規模に応じて、それぞれに発電効率を確保していく必要があるのではないかといったような指摘もございました。
 続いて、大気環境保全の関係でございますけれども、10万kW前後の案件では、アセス対象のものよりも排出ガスの濃度が高いという傾向が見られたということでございます。また、環境影響評価法の第2種事業、要するに11.25万kWよりも上回るものから15万kW未満のものですけれども、累積的影響、これはそれぞれ場所が近いところに建設が計画されるといったようなものが少し散見されたわけなんですけれども、そういった場合、通常第2種事業、11.25万kWの上であれば、これは第1種事業に相当するとしてアセス法の対象となるという事例が幾つか見られたということでございます。つまり、これは一つ一つの計画が11.25を少し下回っているので、法アセスの対象とはなっていないということでございます。
 3点目、よりよい環境保全のための意見聴取・情報交流関係でございますけれども、環境アセスメントの対象外の小規模火力発電所の設置に当たっては、有識者・専門家への意見聴取事例は一部に限られるなど、よりよい環境保全のために意見を聴くという事例は少なく、その範囲は法対象事例よりも狭いという傾向が、調査の結果、明らかになってございます。
 また、一方で、条例に基づくアセスや事業者自らの対応において、地域の実情に応じて適切に対応しているといったご意見もございました。
 次のページでございますけれども、5ページ目、こちらは今現在、環境アセスに関する条例を各自治体でお持ちのところがございますけれども、そういった状況を少し表で整理してございます。
 上の緑のバーが法対象の規模でございますけれども、これで左側ケースA、B、Cとございますのは、同じようなアセスの条例をお持ちの自治体を、例えばケースBでしたら3件、ケースCでしたら4件ということでまとめてございます。これが、赤い星印がついておりますところが、2種のすそ切れが国と同じ、要するに11.25万kWというものが下限となっておりますので、こういった自治体において、発電所、小規模の火力発電所が計画されますと、条例のアセスの対象にもならないということがこの表から見てとれるかと思います。
次のページ、6ページ目でございますけれども、こういったような状況を踏まえまして、現在、実施、あるいは検討されている対応策といたしまして、温室効果ガスの観点でいいますと、これは2月8日、先ほど来ご議論いただいておりますけれども、電力業界による「自主的枠組み」というものがございますし、また、2月9日の大臣合意、先ほどもございましたが、また4月1日から施行を目指して、本日も公表されているようでございますけれども、省エネ法における火力発電に係る判断基準というものがこれまでご議論されてきております。
 また、大気環境等の保全につきましては、これまで、条例に基づくアセスメントや公害防止協定等で対応されているところがあるかと思います。
 また、次、自主的な環境アセスメントということで、よりよい環境保全のための意見聴取等につきましても、対応されている事業者もいらっしゃるということでございます。
 2つ目、2ポツでございますけれども、これらの検討を現在されている、あるいは実施されている対応策に加えて、追加的な対応策が何か必要になるのではないかというご議論が検討会でもございました。
 3点ほど大きくございましたけれども、一つ目、環境影響評価法の対象規模の見直しという案につきましては、検討会の中では、環境保全上の効果に鑑み、環境影響評価法の対象規模を見直すことを検討するべきではないかというご指摘がありました。その際には、小規模火力発電の事業が、大規模火力に比べますと、同様の項目、手法で調査、予測、評価が求められますと、相対的に過大な負担とならないかとか、質が高く、効率的な環境アセスメントの在り方について検討すべきではないかという指摘が多くございました。
 また、一方で、小規模火力発電所について、現行の環境影響評価法で定められた手続を変えることなく、新たに対象事業に追加することにつきましては、環境影響上の必然性がなく、期間、費用が事業者の負担になること等から反対であり、計画のみではなく、実際の建設・運用実態も見きわめて、改めて検討すべき等のご指摘もございました。
 また、②のガイドライン(事例とりまとめ)の充実及びフォローアップの継続(自主的な環境アセスメントの奨励)ということにつきましては、こちらについては、検討会の中では、事例集であり、拘束力はないということでございましたけれども、実際に、この自主的な環境アセスメントを奨励する場合には、やはり確実に自主的な取組に全てのプレーヤーが参加してくれるように誘導するといったことが重要ではないかといったような指摘がございました。
 ③につきまして、これは地球環境局の取組でございますけれども、こういった指針についても策定していく必要があるのではないかというご指摘がございました。
 また、参考といたしまして、12月、報告書をとりまとめて以降、環境省のほうで、引き続き関係者の声を幅広く聞いていくべきだという検討会でのご意見を受けまして、意見交換会を複数回実施してございます。産業会等、関係の皆様からご意見を伺ってきたところでございます。
 次のページ、7ページ目でございますけれども、検討会の中では、燃料転換といった論点についてもご議論いただいております。
 環境影響評価法において、タービン・発電機は交換せず、ボイラーの交換又は改造と共に燃料種の転換を行う「燃料転換」につきましては、現在、対象となっていないところでございます。
 我々の行いました調査では、認可出力が11.25万kW以上の発電所を有する事業者の中で、昭和52年7月以降、52事例ほど、また平成以降のものでは28事例ほど、燃料転換をされた実績があったということでございます。
 また、今後、燃料転換を実施する計画があるという回答が9事例、そのうち重油・石油から石炭等への転換が6、LNG等への転換が3ということが、調査の結果、明らかになってございます。
 下は、その点の表でございます。
 次のページ、8ページ目でございますけれども、燃料転換の前後で環境負荷がどう変わるのかということを、調査の結果からまとめた表になってございます。SO、NOx、ばいじん、CO2について比べてございますけれども、右側の表の見方といたしましては、斜めに線が入っておりますけれども、斜めの線から左上に行けば増加、悪化していると。右側に行けば減少、環境影響的にはよくなっているというものでございます。
 大まかにSOx、NOx、ばいじんを見ていただきますと、大体がよくなっている、減少していると。幾つか悪化しているものも見られると。また、二酸化炭素につきましては、悪化しているもののほうが幾つか多く見られるといった状況でございます。
 最後のページ、9ページ目でございますけれども、燃料転換における自主的な環境アセスメントの事例ということで、本審議会でも、前回以前にもご議論がございましたけれども、関西電力で赤穂火力発電所の燃料転換の計画におきまして、現在、条例アセスに準じた手続を自主的な環境アセスメントとして行われているということでございます。実際のプロセスにつきましては、ここの真ん中あたりにある表がございまして、住民の意見、あるいは市長意見、知事意見を複数回聞いていただくような丁寧なプロセスになっているかと思います。
 また、これらにつきまして、概要書に対する知事意見ということで、参考資料7のほうに、知事意見の全体をおつけさせていただいておりますけれども、1点、温暖化対策につきまして、実際、赤穂火力の計画の中で検討されている発電効率はSCで、知事意見としてご指摘もございます。実際の計画値、予測値等につきましては、下の表のとおりでございます。
 駆け足で申しわけありませんが、続きまして、資料5-2のほうをご覧いただけますでしょうか。
 一昨年10月3日に、我々環境省のほうで、小規模火力発電に関する環境保全対策のガイドライン、先進事例とりまとめということで、小規模火力発電を考えていらっしゃる事業者の皆様、あるいは自治体の皆様に対して、参考となるような資料ということでとりまとめたものでございます。
 実際の小規模火力発電所の特徴ですとか環境影響、環境保全対策などについて記載をさせていただきまして、主に、とりわけ二酸化炭素、あるいは大気環境保全対策などに着目してとりまとめてございます。
 次のページ、2ページ目でございますけれども、このガイドラインにつきましては、規制改革会議などからも、年度内に改訂を行っていくべきだというご意見もいただいておるところでもございまして、さきにご紹介させていただきました検討会の中でもご議論をいただきました。
 大きく5点ほど書かせていただいておりますけども、改訂案の概要ということで、1点目でございますけれども、地域環境との調和、コミュニケーション形成の事例の掲載ということで、実施時期や方法等を具体的に示すことで新規事業者の皆様の参考になるようにということで事例を掲載していきたいというふうに考えてございます。
 また、2点目ですけれども、電源の種類に応じた燃料種・発電方式・指標の追記ということで、発電効率に蒸気条件等を追記するですとか、再エネの導入時の出力調整能力の必要性の追記ですとか、コジェネ・バイオマスの混焼の記載の充実といったことを考えてございます。
 3点目でございますけれども、施設の運転時の留意事項についても記載してはどうかというご意見がございましたので、特に留意すべきものにつきまして追記を考えてございます。
 4点目、対策技術と環境影響の関係ということで、排出濃度削減以外の対策についても追記を検討してございます。
 5点目、優良事例について一定の幅を持った記載ということで、調査結果から把握いたしました「運転中又は計画中の事例」として、地域や事業の特性に応じた規制・協定等に対応した場合の値を併記することを考えてございます。
 次のページは、改訂案を踏まえました目次でございまして、赤字のところに追記、修正を加えていきたいというふうに考えてございます。
 最後のページ、4ページ目でございますけれども、以上、ご説明させていただきました内容を踏まえまして、今後の小規模火力発電の環境保全に関する対応ということで、1点目でございますけれども、小規模なものを含めた火力発電の温暖化対策につきましては、先ほどご説明させていただいております2月9日に環境大臣・経済産業大臣が公表したとおり、自主的枠組みの目標達成に向けた取組を促すため、省エネ法・高度化法等に基づく政策的対応を行うことにより、電力業界全体の取組の実効性を確保していくということとしております。
 また、今、ご説明させていただきましたように、小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン、こちらについては、平成27度中に改訂していくという方向性で考えてございます。
 その次、平成28年度におきましては、4月1日から電力システム改革の関係で、発電事業者の届出が開始されるということがございますので、それも踏まえまして、環境影響評価法対象規模未満の小規模火力発電事業者に対しまして、今後、住民向け説明等の優良事例の周知について、これは経済産業省さんの協力も得つつ行っていきたいということでございます。
 他方、検討会のとりまとめにおきまして、小規模火力発電につきましては、累積的な大気環境への影響ですとか、あるいは、よりよい環境保全のために意見を聴くことが重要であるといった指摘がございましたので、事業者への環境配慮の取組を促していくことがやはり望ましいであろうということがございますので、以上の観点を踏まえまして、早急的な対応といたしまして、事業者による自主的な環境配慮の取組を促していくため、今、先ほどご説明させていただきましたガイドライン、事例とりまとめで収集した知見を含めまして、事業者の自主的な環境アセスの参考となるような「望ましい自主的な環境アセスメントの実務集」、仮称でございますけれども、これを作成いたしまして、事業者向けセミナーや地方公共団体の担当者会議等を通じて、周知していきたいというふうに考えてございます。
 掲載する項目例といたしまして、案でございますけど、3つばかり書かせていただいておりますが、例えばメリハリある調査・予測・評価の手法、あるいは、自主的な環境アセスメントに資する先進技術に関する情報、あるいは、地域住民等のよりよい環境保全のための意見聴取の手順、地方公共団体との連携方法等ということで、もちろん、ほかにもあるかとは思いますけれども、こういったことを現時点で考えてございます。
 また、引き続き、小規模火力発電の計画状況の把握や、温暖化対策に関する毎年度の進捗状況の評価を踏まえ、今後の動向を見定めながら、必要に応じて施策の見直し等について検討していきたいというふうに考えてございます。
 資料の説明は以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、検討会の座長を務めてくださった田中委員に、補足のご説明をお願いいたします。

○田中委員 ありがとうございます。資料5-1、5-2、これがおおよそ検討会で検討した範囲ということになろうかと思います。
 資料5-1の1ページ、2ページあたりを開いていただきますとおわかりですように、非常に、震災の後、小規模火力発電というのが急増した。こういう事態にどう備えたらいいかということで、特に環境保全の面から、どう備えたらいいかということが、この検討会の主たる目的でございます。
 目的的には3つほどありまして、一つは、そうした小規模火力発電の実態がどうであるか、どのぐらいの、実際、負荷であったり、あるいは大気汚染物質を出しているのか、また環境保全措置はどのぐらいとられているのかという取り組み実態の把握、こういう観点が一つです。
 その上で、では実態を踏まえて、どういう環境保全対策を講じたらいいのか。場合によっては、それはアセスメント制度の対象ということも含めて考えたらどうだろうか。そういう、ある意味での環境保全対策のあり方ですね。これを整理しようというものです。
 最終的には、3番目には、今、既に先行してつくられているガイドラインであるとか、燃料転換のような、少し周辺的な課題として取り組まれていることについてどう整理し、対応したらいいか。こういう考え方で検討会をさせていただきました。
 今年度は3回という検討会ですが、実際に現場調査を行ったり、事業者からのヒアリングをさせていただいたりしまして、相当程度、実態としてわかってきたと思います。ということで、結論的には、資料5-2の最後のページにまとめられておりますが、同時並行で検討されていました経産省の検討会のほうでも、火力発電の問題について対応を急がれるということで、例えば省エネ法、あるいは高度化法に基づく発電効率の向上であるとか、まさに今、ご議論いただいたようなことが取り組まれていることですが、これはこれとして、ぜひ、その効果を上げていただくということを見守っていくということが必要かなと思います。
 加えて、小規模火力発電、個々の火力発電の問題について、もし問題があるとすれば、やっぱり何らかの対応が必要だろうということで、アセスメント実務集のような、実務的な手引きをつくって、事業者の皆さんにぜひ活用していただく。そういう形で、実態として環境保全措置の実を取っていくと、こういうことがいいのかなということで、ひとまずここまでは整理がされたということかと思います。
 一つの成果だと思いますが、さらに引き続き残された課題があるという理解でございます。
 以上です。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告につきまして、ご質問やご意見がございましたらお出しいただけませんでしょうか。
 それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 すみません、ありがとうございます。この小規模火力がこれだけ出てきたという背景はもちろん、原子力が急に全部運転を休止し、火力発電に頼っているという現実とか、あるいは、再生可能エネルギーの導入量が多くなって、そのバックアップ電源が必要になるとか、理由はあります。けれども、これだけ急に計画が出てきて、それがほとんど全部アセス対象の規模以下というのが、やはり非常に社会との信頼関係構築には大変難しかったというふうに思いますので、こういう委員会で、きちんとそれに関して検討していただいたというのは大変重要だと思っております。
 それで、今回、田中委員のお話にあったように、ガイドラインで好事例をきちんと出していくとか、そういうような形にしていただくということがすごく大事だと思っております。なぜかといえば、やはりCO2削減とか、ばいじんが周辺影響しないかなど、本当に地域の方たちはいろんな関心を持っておられるわけですので、コミュニケーションの機会をつくっていくということを徹底して伝えていくというのは大事だと思っております。
 なお、この2つ目にご報告いただいたガイドラインに、どんなことを載せていくかという中に、4ページのところにいろんな事例が3つ書いてありますけれども、先ほど、意見交換の中でかなり関心が高かった、バイオマス混焼をした場合に、どういうふうに取り組むとどうなるとか、そういう事例もぜひ入れていただいて、より事業者さんが積極的にCO2の削減に向けた取組をしていただけるように進めていただければありがたいと思いました。よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 村山委員、何かございますか。どうぞ。

○村山委員 ありがとうございます。1ページにある基準値以下の規模で急増しているということですが、これは5ページにある、条例アセスでも対象にならない地域で増えているのかどうかということなんですけども、これについてはいかがでしょうか。

○浅野委員長 事務局、お願いいたします。

○福嶋課長補佐 それにつきましては、すみません、5ページ目のほうで、実際にプロットしておりませんので、わかりにくいところがございますけれども、実態といたしましては、条例アセスの中で対象となるものもある、また、ならないものもあるというのが実態でございます。

○浅野委員長 傾向として、条例のないところに多いのではないかという質問ですが、この点どうですか。

○福嶋課長補佐 傾向といたしますと、そういった傾向が読み取れるというところもございますけれども、他方で、我々、事業者からヒアリングをさせていただきまして明らかになってきましたことは、アセスがあるかないかと、条例アセスも含めてですけれども、それは一つの立地に対する考え方としてはあるけれども、それだけで考えるということではないと。さまざまインフラが整っているかどうかとか、そういったことも含めて、立地について考えていくという点が、事業者のヒアリングで明らかでございますので、必ずしもアセスがないからといって、それだけでそういった自治体が、地域が選ばれるということでもないこともわかってきております。

○浅野委員長 わかりました。
 石田委員、何かご質問ございますか。よろしいですか。
 鷲谷委員はいかがでしょうか。よろしいですか。
 河上委員、何かコメントありましたら、どうぞ。

○河上委員 ありがとうございます。1点だけ。今度、そういう実務集のようなものをおまとめになるということでございますが、自主的な環境アセスメントのよいところという意味では、事業規模だとか、工事範囲というのは、11万2,500以下でさまざまでございますので、また、地域の状況というところも含めますと、適切なアセスメントなり、環境保全協定等を結んだりですね、対応の仕方というのはいろいろあろうかと思いますので、そういう意味で、適切なものを柔軟に選べるようにということでございますから、あくまで実務集は規制的なといいますか、やらなきゃならないみたいにならないように、お願いしたいと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 田中委員、どうぞ。

○田中委員 ありがとうございます。経産省でつくられている省エネ法の基準であるとか、あるいは0.37という、こういう目標で、これで一つ質が確保できると、質というんですかね、排出量の水準が確保できると思うんですが、同時にやっぱりアセスメントというのは、それ以外に例えばばいじんであるとか、大気汚染物質とか、地域とのコミュニケーション、これは崎田委員が先ほどお話されました、こういうことも大事ですので、アセスメントというのは、総合的に事業の環境面を考え、かつ、地域とのコミュニケーションを進める、こういう側面がありますので、その点を少し強調したいというのがここでの考え方になります。
 以上です。

○浅野委員長 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 田中委員が言われたので、私も追加して申し上げますが、4ページのところに出てきていたように、大気汚染との関係での累積的影響というのは、小規模の石炭火力についても問題があることはあり、さらに、CO2の関係では、省エネ法の新設の基準は、計画段階のものは入りませんので、その2つの点で、特に問題がないわけではありません。
 住民意見との関係では、ガイドラインのほうでお書きになっていただくということで、今の2点については問題がないわけではないんですけども、とりあえず、ガイドラインでぜひ対応していっていただければありがたいということでございます。

○浅野委員長 風力のアセスのときの経験では、確かに自主的なアセスは行われていたんですね。アセス法で取り扱わなくても、ちゃんと風力の自主アセスはあったわけです。しかし、それで本当に紛争などを全く起こさないでうまくいっているかといったら、全然うまくいっていなかったのです。
 つまり、自主アセスというものにも、いろんなやり方があって、第三者のチェックがかかる。第三者が、その内容についての信頼性があるよと言ってくれ仕組みをもっているかどうかという点は、重要な点です。そこを間違ってしまって、「やればいいんでしょう」というだけだったら、結局のところ、また前の風力と同じことになって、結局はやっぱりアセス法が顔を出すよということになりますから、アセス法に顔を出してほしくなければ、第三者の客観的な目が通された信頼性の高い自主アセスをおやりになる以外にないということだと思うのです。
 ですから、ガイドラインというのは、多分どんなことになるのかよくわかりませんけども、別に規制を決めているわけでも何でもないわけですが、しかし、限りなく公的な機関が定めたガイドラインに沿ってやっていけば、文句を言われなくて済む可能性が高くなるということは言えるのでしょうね。そういう効用はあるんだろうなという気がいたします。
 さて、もうあと2つございます。時間がなくなってまいりましたので、計画段階の配慮書の状況について、これは結構重要な報告だと思うのですが、少し経験を重ねてきたので、こんなことになりましたということで報告をいただくことになっておりました。時間がありませんので、3分間でこの点の報告をいただきたいと思います。
 それから、資料7で、国際会議を考えているということで、これは2分でお願いして、村山委員に、さらにIAIAの大会についてのコメントを2分でお願いするということにいたします。

○安陪係長 それでは、時間がありませんので、資料6、計画段階配慮書の状況について、簡単にご説明いたします。
 冒頭、局長からもございましたように、23年改正で入ったということで、現状の報告でございます。
 おめくりいただきまして、1ページ目でございますけれども、配慮書の重要なポイントとしまして、複数案ということがございます。これにつきましては、事業種の特性に応じまして、主務省令で定められてございまして、真ん中のところ、発電所については、形態については構造・配置又は位置・規模について。道路などにつきましては、位置又は規模について、複数案を設定するということで示されてございます。
2ページ目でございますけれども、それでは、その主務省令を踏まえたそれぞれの事業種ごとの状況についてでございます。
 風力発電所につきましては、2つ目のポツをごらんいただきますと、「位置」に係る複数案が大半を占めるということになってございます。また、先ほど資料2でもございましたけれども、事業実施想定区域を広く設定して、その中で環境影響を整理して、区域を絞り込んでいくというような設定の仕方が多いという状況でございます。
 次に、火力発電所でございますけれども、2ポツ目をごらんいただきますと、「構造・配置」に係る複数案が大半を占めるという状況でございます。具体的には、「煙突の高さ」の複数案を設定するというケースが最も多い状況でございます。
 次の道路事業でございますけれども、2ポツ目でございますが、公共事業の計画段階評価手続等、PIプロセスといった経験もございましたので、「ルートの位置」に係る複数案を全ての案件が設定しているということが現状でございます。
 次に、おめくりいただきまして、3ページ目でございます。配慮書の効果といたしまして、ティアリングということが挙げられたところでございます。2つ目のポツでございますけれども、実際の現状といたしましては、配慮書手続を踏まえ、重要な保全対象への影響に配慮した区域の設定や、設備の配置・構造等を検討して、一定程度回避・低減しているというような具体例もございます。例えば道路事業ですと、複数案を比較して影響の小さいルートを採用しているといった事例、次の風力発電につきましては、重要な自然環境のまとまりの場を除外するような事例、火力発電所につきましては、環境影響の小さい煙突を採用するような事例といったものも具体的に出てきているところでございます。
 次のポツ、一方でございますけれども、配慮書手続の意見を踏まえた配置等の検討が十分に行われず、次の方法書、準備書といった段階でも、環境影響への回避・低減が適切に図られていないケースもあるといったことでございます。具体的には、いずれも風力発電でございますけれども、騒音や風車の影の影響、渡り鳥のルートなどについて配慮がなされず、風車の配置などをされているというような事例、あるいは、渡り鳥に関する調査が十分でなく、累積影響が予測・評価されたような事例、あるいは、他の事業と重複し、実行可能な事業内容が検討されていない、これは資料2でもご紹介したところでございます。
 現状といたしましては、こういう状況でございますけれども、引き続き、環境省といたしましては、一連の環境影響評価の手続による環境影響の回避・低減の状況について、事例や知見を蓄積して、今後の検討に資するようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上が、資料6のほうの説明となっております。
 次に、資料7のご説明を引き続きさせていただきます。
 アジア地域における環境影響評価に関する国際会議ということで、平成26年度から環境影響評価課のほうでは、環境影響評価のアジアへの展開ということで進めてございまして、その報告となってございます。
 昨年の2月には、専門家によるワークショップを東京で開催いたしまして、アジア地域のネットワークを形成したところでございます。今年5月では、これを発展させまして、将来的な政策ビジョンの形成も含めた、こういったものをアジア地域で図っていきたいというふうに考えてございます。
 3ポツで、日時・場所と書いてございますけれども、今年5月10日に名古屋市のほうで開催いたしまして、5ポツに書いてございますけども、参加予定者ということで、アジア地域の代表を含めた、総勢約120名程度を招聘いたしまして、こういったアジアでの環境影響評価の推進について議論してまいりたいというふうに考えてございます。
 この結果につきましては、一番下の※でございますけれども、IAIA16において報告をしたいというふうに考えてございます。

○浅野委員長 それでは、その裏のページにあるIAIA16について、村山委員が事務局長でいらっしゃいますので、お願いいたします。

○村山委員 ありがとうございます。参考の資料で、「IAIA16」というのがございます。これは、「国際影響評価学会」と日本で呼んでいますが、1980年に設立され、36回目の大会を日本で初めて開くというものです。幾つかの特徴があるのですが、「テーマ」を見ていただくと、いわゆる環境アセスメントだけではなくて、気候変動、生態系サービス、あるいは、外国でHIAと呼んでいる健康影響、あるいは社会影響など、非常に多様なテーマを扱う点が上げられます。
 それから、もう一つの特徴としては、会員数のところに書いているように、「世界120カ国」のメンバーがいます。アフリカ、あるいはラテンアメリカからもかなりの参加者がおり、これも一つの特徴です。
 あと、もう一つ、参加者の属性も多様で、かなり実務の方がいらっしゃる。それから、各国の行政関係の方もいらっしゃって、非常に多様な参加者ということで、現在、600名程度の申し込みをいただいています。現在、プログラムを組んでいまして、120ぐらいのセッションを、この4日間でこなすということになっております。4月の中旬が最終的な参加の申し込み締め切りとなっておりますので、ご関心のおありの方は、ぜひお申し込みをいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 残念ながら、時間がなくなってしまいましたので、このご報告についての質疑はちょっとできませんので、個別に、ご質問がある方は、どうぞ事務局にお尋ねをいただければと思います。配慮書は実務的にあちらこちらで、どうしたらいいのかというような議論があったのですが、ようやく定着をしてきたと思いますし、これから先は、多分、2つの事業を1つの配慮書で扱うというような例が出てくるだろうというふうに思っています。同一の場所でも事業手法が違うと、法的には別事業になってしまうんですが、全く無駄なことですから、配慮書段階では、同一の配慮書で片づけるということができるというような、そういう柔軟な運用が可能だなと思っていますので、これはさらに発展させていくことが可能ではないかと思っています。
 それでは、事務局から何かございましたら、どうぞお願いいたします。

○大森環境影響評価課長 本日は活発なご議論を大変ありがとうございました。各項目につきまして、非常に重要なご指摘をいただいたところでございまして、こういったご指摘を踏まえまして、今後、またアセス制度の適切な活用というのをやっていきたいと思います。
 本日の議事録につきましては、原案を作成しまして、委員の皆様にご確認をいただいた後に、環境省のホームページに掲載する予定ですので、また原案ができましたらご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○浅野委員長 それでは、どうもありがとうございました。
本日は、これで閉会いたします。

午後5時00分 閉会