中央環境審議会総合政策部会(第55回)議事録
開催日時
平成22年8月4日(水)14:00~15:51
開催場所
三田共用会議所 4階・第4特別会議室
議事次第
- 開会
- 議事
- (一)第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について
- (二)その他
- 閉会
配付資料一覧
【資料】
資料1 | 第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について(素案) |
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【参考資料】
参考資料1 | 中央環境審議会総合政策部会名簿 |
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参考資料2 | 第三次環境基本計画の進捗状況の第4回点検の今後のスケジュール |
参考資料3 | 第三次環境基本計画の進捗状況の第4回点検の進め方について |
参考資料4 | 指標による状況の把握 |
参考資料5 | 環境配慮の方針の運用状況等に係る調査結果について |
参考資料6 | 「化学物質の環境リスクの低減に向けた取組」の進捗状況 |
参考資料7 | 環境情報戦略工程表 |
議事録
午後2時00分 開会
○正田環境計画課長 定刻でございますので、ただいまから第55回総合政策部会を開会いたします。
議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
お手元配付資料一覧でございますが、資料といたしまして、資料1、第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について(素案)、参考資料といたしまして、参考資料1、中央環境審議会総合政策部会名簿、参考資料2、第三次環境基本計画の進捗状況の第4回点検の今後のスケジュール、参考資料3、第三次環境基本計画の進捗状況の第4回点検の進め方について、参考資料4、指標による状況の把握、参考資料5、環境配慮の方針の運用状況等に係る調査結果について、参考資料6、「化学物質の環境リスクの低減に向けた取組」の進捗状況、参考資料7、環境情報戦略工程表、以上の資料でございます。不足の資料がございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。
また、マイクをお使いいただきます際には、スタンドにありますスイッチを押してからご発言をお願いいたします。同時に4本までしか使用できませんので、ご発言が終わりましたら、随時スイッチを切っていただくよう、ご協力をお願い申し上げます。
本部会にご所属いただいている委員、臨時委員につきましては、参考資料1のとおりとなっております。今般、委員の変更がございましたので、ご紹介をいたします。
猪野博行委員が退任され、日本経済団体連合会環境安全委員会地球環境部会長の相澤善吾委員が新たに就任されております。
また、先般、全国市長会における改選に伴い、宮下裕委員が退任されましたが、北広島市長の上野正三委員が新たに就任されております。
なお、本日は両委員ともご都合によりご欠席となっております。
また、小見山満臨時委員が退任され、日本公認会計士協会常務理事の市村清臨時委員が新たに就任されております。
○市村委員 市村でございます。よろしくお願いいたします。
○正田環境計画課長 よろしくお願いいたします。
続きまして、今般、事務局に人事異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。環境計画課・計画官でございますが、矢田真司でございます。
○矢田計画官 矢田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○正田環境計画課長 それでは、今後の進行は鈴木部会長にお願いいたします。
○鈴木部会長 大変暑い中をお集まりいただきましてありがとうございます。早速議事に入らせていただきたいと思います。
第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について、これをまとめていく段階に入っております。もう繰り返すこともないと思いますが、本年度は第三次環境基本計画の重点分野政策プログラムが10ございますが、そのうちの5つ、地球温暖化問題に対する取組、物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組、化学物質の環境リスクの低減に向けた取組、そして生物多様性の保全のための取組、さらに環境保全の人づくり・地域づくりの推進、この5つのプログラムにつきまして検討を行うことになっております。これまでもそれぞれのテーマにつきましては、それぞれの点検小委員会、あるいは関連する部会等を中心にまとめていただいてきているわけでございます。これが全体として提言という形でまとめられた案が資料1として、ここに提出していただいております。
これにつきまして、まず総合政策部会での審議を経て、最終的に点検報告ということになるわけでございますので、この素案につきまして、まず事務局のほうから説明をしていただきたいと思います。
○正田環境計画課長 それでは、資料の説明に先立ちまして、先ほど申し遅れましたが、本日の部会には現時点で全46名中24人の委員にご出席いただいておりまして、定足数の要件である過半数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
それでは資料1に基づきまして、ご説明をさせていただきます。
本資料は、6月4日及び7月26日の点検小委員会、6月16日の総合政策部会におきまして提出いたしました資料、またその際に委員の皆様からいただきました意見をもとに事務局として報告書の素案として取りまとめたものでございます。
資料1をご覧ください。
まず、表紙と目次をめくっていただきまして、1ページ、<1>「はじめに」とございますが、ここは第三次環境基本計画の本年度の点検についての概括的説明でございます。
続きまして2ページでございますが、点検の具体的な進め方についてでございますが、下方の表にございますとおり、先ほど部会長からもお話がございましたが、本年度は地球温暖化問題に対する取組、物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組、化学物質の環境リスクの低減に向けた取組、生物多様性の保全のための取組、環境保全の人づくり・地域づくりの推進、以上5項目について点検を行っているところでございます。
3ページの全般的評価でございます。
ここでまず1といたしまして、最近の環境政策の動向につきまして、昨年の第3回点検以降の取組を中心に主な動きを紹介してございます。
4ページでございますが、環境保全施策の実効性の確保に資するよう、点検に当たりましては、総合的な環境指標を活用しているということを述べてございます。
続きまして5ページ、環境の各分野の概況でございます。ここでは、総合的環境指標等を用いまして、環境の各分野の概況を整理させていただいております。ポイントのみ申し上げます。
まず[1]、地球温暖化問題に対する取組の概況でございますが、我が国の温室効果ガスの平成20年度の年間総排出量は、基準年でございます平成2年度の総排出量を1.6%上回っているところでございます。
続きまして6ページでございます。
[2]の物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組の概況でございます。資源生産性、循環利用率及び最終処分量、ともに達成目標に向けて順調に推移しているところでございます。
続きまして7ページでございます。
都市における良好な大気環境の確保に関する取組の概況につきましては、環境基準の達成率は概ね高い値となっておりますが、光化学オキシダントについては、平成20年度の環境基準達成率は0.1%でございまして、依然として低い水準となっておるところでございます。
9ページをご覧ください。
環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組の概況につきましては、環境基準の達成率は概ね高い値となっております。一方、湖沼及び海域に係るCODの達成率並びに全窒素及び全燐の達成率について見ると、近年、海域では8割程度、湖沼では5割程度で推移しているところでございます。
10ページをご覧ください。
[5]化学物質の環境リスクの低減に向けた取組の概況でございますが、PRTR対象物質のうち、環境基準・指針値が設定されております物質等の排出量は減少傾向にございます。
11ページでございますが、[6]生物多様性の保全のための取組の概況につきましては、これは昨年来と同様でございます。絶滅のおそれがある種類の評価対象種類に対する割合は上昇しておるところでございます。
なお、今申し上げました環境指標の数値等につきましては、詳しくは参考資料4に掲載してございますので、後ほどご覧いただければと思います。
引き続きまして、<3>、重点点検分野の点検について、ご報告申し上げます。
全体の構成につきましては、お戻りをいただきまして資料1の冒頭の表紙をめくっていただいたところに目次がございます。そちらをまずご覧いただければと存じます。
今回点検いたしました5つの重点分野ごとに重点調査事項を設定し、これら調査事項ごとに主な取組状況と今後の政策に向けた提言について、今回の素案として取りまとめておるところでございます。
本日は時間の関係上、今後の政策に向けた提言の部分を中心にご説明申し上げます。
まず、12ページをご覧ください。
地球温暖化問題に対する取組でございます。重点調査事項の[1]、京都議定書の6%削減約束の確実な達成のための取組でございます。京都議定書目標達成状況、自主行動計画の進捗状況等について調査を実施いたしました。
今後の政策に向けた提言につきましては、16ページをご覧ください。
2点ございます。1点目は、現時点では京都議定書の目標達成が可能なレベルとなっているものの、今後さらに気を緩めることなく対策を着実に実施していくべきこと。2点目といたしまして、京都メカニズムについて、引き続き、補足性の原則を踏まえつつクレジット取得を進めるとともに、既契約案件について、グリーニング等を確実に実施すべきこと、これらを提言内容としてございます。
17ページでございます。
重点調査事項[2]、温室効果ガスの濃度の安定化に向けた中長期的継続的な排出削減等のための取組でございます。今後の政策に向けた提言につきまして、24ページをご覧ください。
1点目は、80%削減という長期目標に向けて、直ちに取組を始め、中期目標が設定されるまでの間においても、排出量取引、税、固定価格買取制度等の基本的施策を積極的に講ずること。また、25%削減目標に向けた具体的な対策については、幅広く意見を聴取し、基本計画等の形で具体化すること。
2点目は、国内排出量取引制度、3点目は地球温暖化対策のための税、4点目といたしまして、再生可能エネルギーの全量価格買取制度、5点目といたしまして、再生可能エネルギーの導入拡大に向けての関連規制の見直し、6点目にカーボン・オフセットの展開としているところでございます。
また、7点目でございますが、2013年以降の次期枠組みの構築に向け、リーダーシップを発揮すべきこと、さらに低炭素技術、製品の普及を通じた日本の貢献を目標達成への反映を図る新たな仕組みを構築し、世界に貢献すべきこと、これらの内容を提言内容とさせていただいているところでございます。
続きまして、26ページをご覧ください。
重点調査事項3、地球温暖化による避けられない影響への適応のための取組でございます。途上国における支援、我が国における調査研究の推進等について調査を実施しております。
29ページにこの調査事項につきましての今後の政策に向けた提言をまとめております。
1点目といたしまして、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のデータの利用促進、2点目は自治体が活用できるような温暖化影響モニタリング手法等の開発や適応政策ガイドラインの作成、3点目といたしまして、関係府省の協力により、自治体の意識の向上を図り、適応策の実施を支援していくべきこと。
さらに、4点目以降でございますが、アジア太平洋地域の途上国を対象としたモニタリング・影響評価の促進、地球温暖化対策としていわゆるジオ・エンジニアリングの世界的動向等についての情報収集、また地球温暖化に伴う影響の定量的評価、適応策立案手法等の開発、さらにはODAにおける環境への十分な配慮、こういったことを提言内容としてまとめさせていただいておるところでございます。
続きまして、30ページでございます。
2つ目の点検分野でございますが、物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組についてでございます。
まず、重点調査事項の[1]でございますが、自然の物質循環と社会経済システムの物質循環の両方を視野に入れた適正な循環の確保でございます。3Rの一層の推進に関する取組等について、調査を実施いたしました。
35ページをご覧ください。
今後の政策に向けた提言をまとめております。
第二次循環型社会形成推進基本計画に基づき、3Rの一層の推進が重要であることに加えまして、循環型社会と低炭素社会の統合的な取組という点からは、持続的な廃棄物発電のあり方の検討等、これらの相乗効果を最大限活用すること。循環型社会と自然共生社会の統合的な取組につきましては、バイオマス利活用に加えまして、それ以外の分野にも取組を進めること。さらには、地域循環圏を踏まえた循環型社会づくりについて、地域活性化につながるような地域計画の策定による基盤の整備と循環資源の性質別の地域循環圏の構築が必要であること、これらを提言としてまとめておるところでございます。
37ページをご覧ください。
重点調査事項[2]、関係主体の連携や国際的な取組による施策の総合的かつ計画的な推進でございます。環境負荷の低いライフスタイルへの変革のための国民運動や情報提供の推進等について調査を実施いたしました。
今後の政策に向けた提言につきましては、42ページにまとめてございます。
関係主体の連携と、こういう観点からは、環境教育の一層の推進、国民運動の展開、製品のライフサイクルを通じた循環資源の一層の利用促進等が必要であること、また、国際的な視点からは、アジア3R推進フォーラムのもとで、それぞれの取組、具体的なプロジェクトの推進をしていくべきこと、日中間での取組を例として、今後国際的な協力をさらに推進すべきこと、廃棄物の不法な輸出入防止の取組については国内監視体制やアジア各国での取組強化が一層重要であること、こういったことをご指摘いただいたところでございます。
続きまして、44ページでございます。
重点調査事項の3、物質フロー等に関するデータの迅速かつ的確な把握、分析と公表でございます。廃棄物等の定量情報の拡充等について調査を実施いたしました。
今後の政策に向けた提言につきましては、46ページをご覧ください。
物質フロー指標と取組指標の分析を進めること、廃棄物統計の一層の早期化・速報化と精度向上を進めていくこと、さらには長期的な視点に立った新しい循環型社会の姿について検討を進めていくことなどが盛り込まれているところでございます。
続きまして、48ページをご覧ください。
調査分野の3番目の化学物質の環境リスクの低減に向けた取組についてでございます。
重点調査事項[1]、科学的な環境リスク評価の推進でございます。この調査事項は今回の点検で新たに設定した項目でございます。化学物質の安全性情報の収集・発信に係る取組状況等について調査を実施しております。
今後の政策に向けた提言につきましては、55ページでございます。
1点目は化学物質対策の全体像を国民にわかりやすく示していくべきこと、2点目といたしまして、各種調査の実施に当たり、関係省のさらなる連携・協力が必要であること、3点目は化学物質のランク付けを行い、化学物質のリスク評価の取組の進捗状況を明らかにした上で着実に進めていくべきこと、4点目は環境リスク低減の取組の進捗状況、可能な限り定量的な指標により示すべきこと、5点目は社会的に関心の高い分野における調査やリスク評価について、関係省の連携と国民への情報提供を進めるべきこと、6点目といたしまして、生物多様性、温暖化対策等、他分野との関連性に配慮すべきこと、7点目といたしまして、関係主体が連携して効果的・効率的に取組を進めていく仕組みを検討すべきこと。
以上を提言内容とさせていただいております。
続きまして、57ページ、重点調査事項の2でございます。化学物質の環境リスク管理とリスクコミュニケーションの推進でございます。PRTR制度の運用状況と課題等について調査を実施しております。
62ページに、今後の政策に向けた提言をまとめてございます。ご覧ください。
1点目は、先ほどの再掲でございますが、化学物質対策の全体像を国民にわかりやすく示していくべきこと、2点目は関係府省の取組について、相互の連携強化をすべきこと、3点目といたしまして、リスク管理が必要とされた化学物質について、調査、施策の進捗状況を明らかにして、着実にリスク管理を進めていくべきこと、4点目といたしまして、環境リスク低減の取組の進捗状況、可能な限り定量的な指標により示し、取組を進めていくべきこと、5点目といたしまして、生物多様性、温暖化対策等、他分野との関連性に配慮すべきこと、6点目といたしまして、関係主体が互いに協力しながら取り組んでいく方策のあり方や効果的・効率的な取組推進の仕組みを検討すべきこと、これらを提言内容としてまとめておるところでございます。
63ページをご覧ください。
重点調査事項[3]、国際的な観点に立った化学物質管理の取組でございます。SAICMに沿った化学物質管理の取組等について、調査を実施しております。
今後の政策に向けた提言につきましては、68ページをご覧ください。
1点目は、我が国の優れた政策・技術の知見を活かした技術協力を行い、目標達成に向けてリーダーシップを発揮すべきこと、2点目といたしまして、東アジアにおけるPOPs等による汚染について、各国と連携したデータの集積等に取り組んでいくこと、3点目といたしまして、生物多様性、温暖化対策等、他分野との関連性に配慮すべきこととしております。
なお、これまでの提言の中にもございました化学物質施策の進捗状況につきまして、詳細は参考資料6として、今回整理させていただいておるところでございます。後ほどご覧いただければと思います。
続きまして、69ページをご覧ください。
4番目の調査分野でございます生物多様性の保全のための取組についてでございます。
重点調査事項[1]、生物多様性を社会に浸透させる取組でございます。
生物多様性に関する取組促進や概念の普及啓発等について調査を実施しております。
71ページ以降に、今後の政策に向けた提言を取りまとめております。ご覧いただければと思います。
国民に広く生物多様性についての認識を深めていただくための取組でありますとか、さらには企業活動の中で生物多様性の保全を織り込んでいくための取組、また地方公共団体による地域戦略の策定、これらの取組を推進すべきことの提言としてまとめさせていただいているところでございます。
続きまして、74ページをご覧ください。
重点調査事項[2]、地域における人と自然の関係を再構築する取組でございます。
中長期ビジョンの検討、里地里山の保全・再生に関する取組等について調査を実施いたしました。
78ページ以降に、今後の政策に向けた提言をまとめてございます。ご覧いただければと思います。
提言の中身でございますが、中長期ビジョンを達成するための手法の検討、利用や管理の手法を十分検討して、多様な主体に参加を促していくなど、里地里山の保全・再生に関する取組、農林水産業施策において、生物多様性の保全をより重視した視点を取り入れた農業、林業、水産業の推進、種の保存、外来種対策等につきましては、種の保存法の施行状況の評価を踏まえ、効果的な対策を講じていくことや、保全上重要な地域、いわゆるホットスポットを特定して、優先的に検討を進めること、これらを提言内容として盛り込んでいるところでございます。
81ページでございます。
重点調査事項[3]、森・里・川・海のつながりを確保する取組でございます。
生態系ネットワークの形成に関する取組等について、調査を実施しております。
83ページをご覧ください。
今後の政策に向けた提言でございますが、生態系ネットワークの計画手法や実現手法の検討を深めること、生態系ネットワークが分断されている場所における生態的回廊の確保、さらには自然再生の推進、こういったことを提言の内容としておるところでございます。
84ページをご覧ください。
重点調査事項4、地球規模の視野を持って行動する取組でございます。
生物多様性の保全に関する日本の国際的な貢献等について調査を実施しております。
88ページ以降、今後の政策に向けた提言でございます。
COP10におけるリーダーシップの発揮と、これを契機とする国際的なパートナーシップの設立、国際的な生物多様性のモニタリング、評価等への貢献、また経済評価に関する研究の推進、これらを提言内容としてまとめさせていただいております。
91ページをご覧ください。
環境保全の人づくり・地域づくりの推進についてでございます。
その重点調査事項[1]、環境保全のために行動する人づくりと組織・ネットワークづくりのための取組でございます。
環境教育・環境学習等の取組状況等について、調査を実施いたしました。
96ページに、今後の政策に向けた提言をまとめてございます。
1点目は、環境教育・学習の一層の充実等に向けまして、各府省等における連携を一層進めるべきこと、2点目といたしまして、環境保全の組織やネットワークづくりを強化するため、NPO等の各主体の参画を推進すべきこと、3点目といたしまして、あらゆる主体が環境保全のために行動できるような人づくりに係る取組を推進すべきことでございます。
97ページをご覧ください。
重点調査事項[2]でございます。
環境資源の保全と有効活用の実施を統合的に進める、それぞれの持つ資源や特徴を生かした地域づくりのための取組でございます。
地域資源を生かした持続可能な地域づくりに向けた施策等について、調査を実施しております。
今後の政策に向けた提言につきましては101ページでございます。ご覧いただければと思います。
1点目といたしまして、環境負荷の少ない持続可能な地域づくりの効果的な推進のため、各府省間等における連携を進めるべきこと、2点目といたしまして、多様な主体が活動を展開できるよう、情報提供や情報収集に係る支援を推進すべきこととさせていただいております。
102ページをご覧ください。
重点調査事項[3]でございます。多様な主体の連携・協力によって、より良い環境、より良い地域をつくるための地域全体としての意識・能力を向上させる取組でございます。
本調査事項につきましては、今回の点検で新たに設定した項目でございます。
地域環境力の向上に資する国や地域の取組等について調査を実施いたしました。今後の政策に向けた提言につきましては108ページをご覧ください。
1点目は「地域環境力」の発現・向上のために、「基盤」、「主体の力」、「主体間の関係の力」、これらそれぞれの向上に資する支援を進めるとともに、「人づくりと組織・ネットワークづくり」、また「地域づくり」の双方の視点から施策を推進すること、2点目といたしまして、それぞれの地域が、「地域環境力」の発現・向上に資する取組を強化すること、提言内容としてまとめさせていただいております。
引き続きまして、109ページでございます。
各府省における環境配慮の方針に係る取組状況でございますが、内容は昨年と同様でございます。詳細につきましては参考資料5にまとめてございますので、後ほどご覧いただければと思います。
110ページ以下でございますが、国民及び地方公共団体に対するアンケート調査結果の概要でございます。この調査結果の概要につきましては、6月4日の点検小委員会においてご説明をさせていただいた内容と同様でございます。本日は、説明を省略させていただきます。
続きまして、124ページ以下、予防的な取組方法の考え方に基づく施策のフォローアップ、また環境情報戦略に基づく施策のフォローアップにつきましては、後ほど企画調査室長よりご説明を申し上げます。
最後に152ページ、「おわりに」でございます。
1点目でございますが、国レベルで充実が図られてまいりました基本的な枠組みの下、今後は地域レベルでの各施策の基本的枠組みの充実や、地球レベルでの施策の戦略的な展開も進めるべきこと。
2点目といたしまして、各主体の観点からは、分野相互間の連携も視野に入れながら、環境基本計画を基本とした施策の基本的枠組みの下、当該枠組みの中で設定された目標を念頭に置いて取組を進めるべきこと。
3点目といたしまして、各分野でいまだ大きく課題がある状況下では、今回の点検結果で示した内容を各界各層に広く周知するとともに、環境基本計画の目標達成に向けて、具体的施策に反映する。引き続き着実に環境施策を進めていくべきこと。さらには、今後予定されている基本計画の見直しにおいて、これまでの点検結果を適切に反映させるとしているところでございます。
以上で私からの説明を終えまして、引き続き企画調査室長からご説明申し上げます。
○川上企画調査室長 それでは、予防的な取組方法の考え方に基づく施策のフォローアップ及び環境情報戦略に基づく施策のフォローアップでございます。
資料の124ページにお戻りをいただければと思います。
まず、予防的な取組方法の考え方に基づく施策のフォローアップでございます。今回は、平成21年12月以降の施策を中心にフォローアップを行ってございます。
その結果、例えば地球温暖化対策に係る中長期ロードマップでございますとか、新成長戦略、あるいは化学物質の安全性情報基盤整備、有害大気汚染物質に係るリストの見直しなど、環境行政の各分野において予防的な取組方法の考え方に基づく施策が進められているということでございます。今後も引き続き関係施策を推進するべきでございます。また、第四次環境基本計画の策定を見据えつつ、予防的な取組方法の考え方に基づく施策の推進方法等につきまして、必要な検討を行うことが求められるということでございます。
以下、構成といたしまして、環境基本計画における予防的な取組方法の考え方に基づく施策の記述、予防的取組を実施しないことによる被害の大きさ、各施策の概要、そして施策の進捗状況等という4点になってございますけれども、初めの2点はほぼ同じようなことでございます。したがいまして、施策の進捗状況というところで、ポイントのみご説明を申し上げたいと思います。
まず、地球温暖化問題に関しまして、126ページ、施策の進捗状況というところがございますけれども、COP15及びCOP/MOP5におきます内閣総理大臣、環境大臣による排出削減目標の表明、あるいは鳩山イニシアティブの発表、こういったことで交渉の進展に弾みをつけるとともに、我が国としても排出削減目標を条約事務局に1月に提出をしたところでございます。その達成のための各種施策の検討などが着実に進められているというところでございます。
3月に出されましたいわゆる中長期ロードマップに関しましては、その対策、施策の具体的な姿の精査を今いただいているところであると認識してございます。
また、排出量取引制度につきましては、幅広い観点から論点の整理などを行っていただいているという状況かと思います。
また、127ページにまいりますと、新成長戦略、6月に閣議決定されてございますけれども、7つの成長分野の一つとしてグリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国戦略が位置づけられてございます。さらに、研究の分野、あるいは農林水産分野、河川環境に係る分野におきましても、一定の進捗が見られているところでございます。
オゾン層保護対策につきましては128ページ中ほどにございますけれども、オゾン層破壊物質等の大気中濃度等の監視結果に関する年次報告の取りまとめ、公表、フロンなどの生産、輸出入規制、こういったものが行われてございます。
酸性雨対策といたしまして、129ページの上のほうにございますけれども、越境大気汚染・酸性雨長期モニタリング計画に基づくモニタリングの確実な実施、またこのモニタリング結果につきましてはデータ評価を経て公表されているというところでございます。
大気環境の関係でございますと、例えば環境基準を5物質について、指針値7物質について設定をされる等々の進捗が見られているところでございます。
130ページ、廃棄物・リサイクル対策でございます。予防的な取組につきましては、国際的なルール・枠組みづくりへの貢献という文脈で記述をされてございまして、ここにありますように、アジア各国のバーゼル条約担当官を集めたワークショップの開催、あるいはコンピュータ機器等の適正な管理のためのプロジェクトの実施など、廃棄物の適正な輸出入及び管理に向けた取組が実施をされているところでございます。
化学物質の環境リスクの評価・管理に係る施策でございます。
132ページの中ほどから施策の進捗状況がございます。化審法に基づく対策、あるいは化審法改正を受けて、既存化学物質に対する取組の強化がなされたり、あるいは優先評価化学物質に指定することなどによって、予防的取組の考え方に留意した化学物質管理措置が講じられるということでございます。
このほか、133ページにございますけれども、PRTRデータの集計・公表、化学物質の内分泌攪乱作用につきましては、今後5年間の対応の方向性を示したEXTEND2010の取りまとめ、さらにはいわゆるエコチル調査の実施でありますとか、134ページにまいりますと、工業用ナノ材料のばく露に関するもの、社会全体における化学物質の最適管理の実現、化学物質の総合的評価、農薬の飛散リスクの低減、関連条約の関係施策、こういったところで進捗をしているところでございます。
136ページにまいりますと、自然環境保全の観点から、生物多様性の保全のための取組でございます。いわゆるモニタリングサイト1000において、全国で継続的に調査が実施をされてございます。さらに、カルタヘナ法に基づく生物多様性影響評価の実施、あるいは外来生物法に基づく特定外来生物及び未判定外来生物の指定等の施策が進展をしているところでございます。
各種の施策の基盤となる施策でございます。この施策、科学技術の基盤の整備及び各種調査研究にあっては、ここにありますような取組について、関係府省庁への施策の反映に資するよう、総合的に推進するとしてございます。
137ページにございますように、競争的研究資金による研究でありますとか、あるいは戦略的研究プロジェクトによります研究、さらには衛星・地上統合観測システムの構築でありますとか、地球地図第2版の整備、こういったものが進められているというところでございます。
国際的取組に係る施策といたしまして、138ページにございますように、クリーンアジア・イニシアティブとして協力事業が推進されていたり、あるいはハイレベルセミナーの開催、また日中韓三カ国環境大臣会合など、さまざまな場を通じた施策が進んでいるというところでございます。
引き続きまして、環境情報戦略に基づく施策のフォローアップでございます。
まず、環境情報戦略の策定経緯、若干のおさらいになろうかと思いますけれども、平成18年の第三次環境基本計画によりまして、環境情報戦略の策定が位置づけられてございます。総合政策部会に環境情報専門委員会を設置いただきまして、そこで検討いただいてございます。21年の3月に環境基本計画推進関係府省会議環境情報戦略連絡会におきまして、この環境情報戦略が決定され、平成22年度から概ね隔年でこの進行管理に必要な調査を実施するというふうになってございます。これに基づく、今回初めての調査ということになろうかと思います。
環境情報戦略につきましては、基本方針として、情報基盤の構築、利用者のニーズに応じた情報の提供、この2つが大きく基本方針として定めてございます。
これを受けまして、具体的には2つの観点がございますが、情報立脚型の環境行政の実現のための情報整備、さらに利用者のニーズに応じた情報提供、この観点から、当面優先して取り組む施策、それぞれ8つ定められてございます。キーワードだけ拾いますが、情報立脚型の関係では、環境と経済社会活動に関する情報収集強化、自然環境に関する情報収集強化、情報アーカイブの構築、標準的フォーマットによる情報提供、関係府省及び地方公共団体等との連携協力、質の向上、国際協力ネットワークの強化・構築、ITの活用でございます。
また、同様に利用者のニーズに応じた情報提供の部分でも、やはり8つの観点から定められてございます。
こちらの進捗状況につきましては、7月28日に環境情報専門委員会におきましてご審議を賜ったところでございます。
140ページの中ほどから4つほど丸がございますけれども、環境情報の収集、整理に関する国際協力ネットワークについて、あるいは環境と経済社会活動等に関する情報の提供強化、環境政策情報に関するポータルサイト、海外に対する情報発信、こういったところで進展から見られるということでございます。
他方で、今後取組の強化が必要なものといたしまして、標準的フォーマットによる情報提供の信頼性・正確性の確保、環境省と地方公共団体等との連携協力、関係団体との連携協力、こういったところが指摘をされてございます。
さらに、今後の課題といたしまして、優先順位の明確化、情報ユーザーの利用状況や要望の反映、こういったところがご指摘をされているところでございます。
今回行ったフォローアップの調査結果を関係省庁と共有しつつ、引き続き施策の推進の必要性を言われまして、また、23年度におきましても、臨時的に第四次環境基本計画の検討に資するということで、本調査を実施することが必要であるということをいただいてございます。
この後ろに別表がついてございます。環境情報戦略に基づきます個々の個別の戦略、29ほどございますけれども、お示ししておりますのが別表1でございます。この中で、特に公的統計の整備に関する基本計画に基づく施策というものがございます。これについては、別表2のほうで状況をご説明してございます。公的統計の整備のほうでは、例えば気象統計を活用した科学分析でございますとか、各世帯ごとのエネルギー消費の実態、こういったものがわかるようなデータ作成などなど、8つの観点からのご指摘を受け、所要の施策が講じられているというところでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
○鈴木部会長 ただいま事務局のほうからご説明いただきましたが、特に企画調査室長川上さんのほうからご紹介いただきました2つの部分につきましては、あまりこれまで十分な議論はされていないところかと思います。そのほか、前半といいますか、そこは大部を占めるわけですが、ここにつきましては、それぞれの今後の政策に向けた提言があります。これは若干その箇所によって精粗がございますが、これがやはり重要なところでございますので、この辺を今日は全体としてこれでよろしいか、あるいはどういうところをつけ加えていかなくてはいけないか、あるいは問題点はどこにあるというようなことをご議論いただくと、そういうようなことで、これを修正いたしまして、パブリックコメントにかけ、そして9月の後半、先ほどの予定ですと24日の総合政策部会でこれを最終的にまとめさせていただくと、こういうようなスケジュールでございます。
それでは、このご説明、その他に関しまして、委員の方々からご意見、ご質問等ございましたら、例によりましてネームプレートを立てていただきたいと思います。
現時点で14名の方が発言を希望されておりますので、3分、4分という時間でお願いしたいと思います。
それでは、私のほうから見て右側、三浦委員のほうからお願いできますでしょうか。
○三浦委員 ありがとうございます。
口火を切らせていただきますので、短く質問、感想を述べたいと思います。
前半のほうは割ときめ細かく提言がまとめられているような印象ですが、91ページ目からの「環境保全の人づくり・地域づくりの推進」のところからまとめられている今後の政策に向けた提言が印象としてあまりにも雑駁で雑ではないかなという印象を受けました。
1つには、今後地方公共団体と連携を深めていくというところですが、どういう連携が必要なのか、あるいは地方公共団体の中でも広域連携が必要な部分もございますので、もう少しきめの細かい政策に向けた提言の記述というものが必要だと考えました。ですから、96ページ、101ページ、108ページというあたりはもう少し見直されたらいかがでしょうか。
それともう一つは、各指標で調査をされているのですけれども、時系列による比較、例えばこれが増えました、減りました、横ばい状態ですというだけではなくて、それぞれがどういうことに起因しているのかという考察が必要ではないかなという印象を全体的に受けております。
以上です。
○鈴木部会長 では、藤井委員。
○藤井委員 提言そのものよりも、ちょっと細部の質問で大変恐縮でございますが、2カ所あります。6ページ、この循環図の中で、ここの項目自体は資源生産性、循環利用率及び最終処分量は順調に推移しているということの中でこの循環図が出ておりますが、一番下が循環利用量の2億4,300万トンのところで、これは全部このままだと国内循環でいけているように見えてしまいますので、国際的にかなりいろいろな資源が動いていると思われるので、ここを国内循環分と国際循環分に相手のことは大変だと思いますので、そこのバランスというか、そういう数値が出ると大変ありがたいです。どのぐらいが国際循環の中で動き、そして国内循環で動いているかということが1カ所です。
それからもう一つは、これは34ページの年度ごとのいろいろな資料のとり方があると思いますが、一番上のところ、できればできるだけ新しい情報を載せたらどうかというふうに思われます。1つは、たまたまバイオマス・ニッポンに関わってきた経緯でバイオマスタウンが1月末現在で225となっていますが、つい最近の発表でも284とかになっていると思いますので、そのあたりの新しい情報をできるだけ取り込んでいただきたいということと、同じページの中で例えば下水汚泥について言えば、その次のところで平成19年度の指標になっていたり、比較する場合の情報をできるだけ近い年度で統一していただけたらというふうに思います。
以上です。
○鈴木部会長 では、福川委員。
○福川委員 まず24ページの今後の政策に向けた提言のところでございますが、最初のところでは中長期的継続的な排出削減のための取組として以下の取組を進めるべきですと書いて、それで[1]では内閣総理大臣のリーダーシップの下、積極的に講ずると、かなり明確に書いてあります。[2]でも、基本計画の形に具体化することと書いてありますが、そしてその次の丸ではキャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引については云々と書いてあって、温暖化対策基本法の施行後1年以内を目途に成案を得ることとなっておりと書いてあって、あといろいろな施策については、ここでは検討を進めるべきですと書いてあります。これは、最初のほうの[1]のところとちょっとトーンが違うわけです。温暖化対策基本法、これがどういうふうに取り扱うかですが、これは一応廃案になって成立しているわけではありませんので、ここで温暖化対策基本法の施行後1年以内にというのは、案がそうなっているというだけのことであろうと思います。ですから、ここの2番目の丸のところで、例えば今の法案がそのまま提出されて成立すれば1年以内と、こういうことになっておって、まだ内閣の取り扱いもきちんとしていないので、ここはもう少し条件をきちんと書いたほうがいいように思います。
その上の丸のところに戻りますが、そうだとすると、ここで国内排出量取引とか税だとか全量買取制度は内閣総理大臣のリーダーシップの下、積極的に講ずることという言葉で、ここで皆さんの合意ができるのかどうか、ここはもう少し検討してみる必要があるのではないかという気がいたします。
それから、96ページに今三浦委員からもご指摘があったところですが、ここは私ももう少し詳しく書いたほうがいいと思います。同時に、ここに「新しい公共」の観点を踏まえつつと書いてあって、新しい公共というのは、確かに鳩山内閣以来議論にはなっておりますが、どういうことから「新しい公共」という概念をここへ持ってきて書かないといけないのかどうか、まだ「新しい公共」の概念も必ずしも熟しているものではなく、一応提案はありますが、いろいろ議論があるのも事実ですし、今ここで言わないと書けないのかどうか、疑問に感ずるので、もう少しここを詳しく書くときに、この「新しい公共」という言葉が適切かどうか、ご検討を煩わせたいと思います。
以上です。
○鈴木部会長 では中野委員。
○中野委員 106ページの「地域環境力」の向上ということを書いておりますけれども、大変大切なことだと思います。それと同時に、私たち県民が地域でいろいろ活動する中で、環境教育、環境学習も大切なことだと思いますけれども、それと同時に、今一番欠乏しているのは親学というんですか、親のそういうところの環境に対するいろいろな考え方が不足していると思いますので、何かその中で子どもだけではなくて、親がいろいろな勉強をするというようなことをちょっと書き足していただけたらなと、このように思います。ありがとうございます。
○鈴木部会長 長辻委員。
○長辻委員 消防庁のまとめですと、7月の熱中症による死者は94人で、搬送された人は1万7,680人と膨大な数に上っております。いただいた素案の111ページを見ますと、環境悪化を国民が実感する上位3位の理由の一つに「都市中心部での気温が高くなるヒートアイランド現象が増加しているから」という国民の認識が示されております。それに対して、8ページのほうでは、東京都の年間30℃超高温時間数、それから熱帯夜の日数が紹介されております。しかし、この丸のところの説明を見ますと、30℃を超える時間数、熱帯夜の日数は近年減少傾向にあるものの、年によって大きな変動が見られるということを書かれておりまして、これは実際に進行している熱中症、それによって発生する死者の数、それから不調に陥る人々の数を考えるとちょっと軽い書き方じゃないかと思います。熱中症に関しては提言の中のどこかに出てきているのかもしれませんが、明確に出てくるぐらいの取り扱いがなされてしかるべきではないかと思います。熱中症はなぜか軽く見られがちなのですが、これだけの死者が仮に熱線でなくて放射線で出たとしたら、これは国中大騒ぎになりますし、感染症で出たとしてもこれはパニックになります。それぐらいの重みを持った人数であると思いますので、それ相当の目配りがされてよいのではないかと思います。
以上です。
○鈴木部会長 中杉委員。
○中杉委員 2点あります。1点は先ほど人づくり・地域づくりのところで政策提言が軽過ぎるというお話がありましたが、化学物質リスクのところも同様な感じがいたします。もう少し丁寧に書き込んだほうがいいなというのが1つ。
それからもう一つ、細かいところですけれども、9ページの一番下の部分ですけれども、地下水の環境基準の達成率が9割を超えているという表現ですが、これあたかも非常にいいように思いますが、逆の見方をすると、1割弱の井戸というのは飲用に適さない、むしろそちらのほうをメッセージとして出さなきゃいけないんだろうと思います。この書き方は逆転しているのではないか。有害物質の話ですから、BOD・CODの生活環境項目の話ではないので、そういう表現にしておいたほうが適切であろうというふうに思います。
○鈴木部会長 永里委員。
○永里委員 ありがとうございます。時間の関係で1つだけ申し上げます。
24ページの今後の政策についての提言の一番上のほうの[1]ですが、排出量取引制度、それから炭素税、それから固定価格買取制度等の基本的施策において、総理大臣のリーダーシップの下、積極的に講ずると書いてあります。この文章を読みますと、この表現ではそれぞれが独立して個別に検討され、実施されるという懸念があります。
次の[2]の下の丸ですね、キャップ・アンド・トレードにより国内排出量取引制度についての項では、最後の文章で地球温暖化対策基本法案の規定を踏まえ、具体的な制度設計案の提示に向けて検討を進めるべきですと、ここで「検討」という言葉になっているわけですから、この一番最初の文章、[1]の文章は、総理大臣の強力なリーダーシップの下、排出量取引制度、炭素税、固定価格取引制度それぞれを個別に検討するのではなく、グローバルな視点で総合的、統合的にワンパッケージで検討すべきであるというような表現にしたほうがいいと思います。
以上です。
○鈴木部会長 櫻井委員。
○櫻井委員 ありがとうございます。
今後の政策に向けた提言の記述ぶりを見ると「検討を進めるべきです」とか、「講ずるべきです」とか、平板といいますか、どこに重点を置くべきかということがあまり出ていないような気がいたします。この点検の中で進んでいない部分について、もっと取組を加速すべきとか、あるいはもちろん、進んでいないこと自体は今の必要性からすればそれでいいんだという判断であればそれでいいかと思いますが、何かそういった分野ごとの今後の施策に向けた提言の中でもう少しめり張りがあってもいいのかなという感じがいたします。
それと、具体の話としましては、24ページに今後の中長期の排出削減等のための取組の中の提言では、いきなり80%、25%、それからそこの中の施策の排出量取引とか税の話が出てきていますが、やはり一番総括的には低炭素社会づくりを加速すべきだというような総論的な部分が頭にあっていいのではないかという気がいたします。その前の22ページあたりには低炭素社会づくりに関してどういうことをやってきたということが書いてあるんですが、24ページにはそういう低炭素社会づくりを加速するんだという一番重要な基本姿勢が書いてないような気がするので、そこをご検討いただけたらと思います。
以上です。
○鈴木部会長 河野委員。
○河野委員 2点ございます。やはり24ページに絡んだことでありますが、提言のところの丸の2つ目であります。地球温暖化対策のための税は2020年25%、2050年80%削減目標を達成する上で重要な基本となる政策でありとありますが、これを素直に読めば、この削減目標を達成するのに相当のお金がかかることが予想されます。炭素税というのは、というか、温暖化対策税というのは一方では財源獲得の手段としての税金ということでありますけれども、他方では企業が温室効果ガスの排出量を節約するために手段ということでもあります。ここでは前者に読めます。その温暖化対策の資金獲得のために税金をかけるということであれば、やはり国民にどれぐらいの負担がかかるのかというような議論が必要であろうかと思うんです。そこで国民の負担といいますか、現政権では政策のコストも示すような方向のことを言っておりますので、将来にわたって国民に負担を求めるということであれば、温暖化対策のコストに関わる記述があっていいのではないか、金銭的負担に関わる記述があっていいのではないかということが1点であります。
それから、35ページの循環型社会に向けての提言でありますが、ここの提言を拝見していますと、廃棄物の排出抑制、再使用、再利用、あるいは熱回収とか、さらには静脈物流システムの構築とか、いわば物といいますか、物の流れでいいますと、川下を中心に議論がされています。今までずっとそういう議論だったと思います。廃棄物になる前の物といいますと、作業くずのようなものを除けば、製品だろうと思います。製品については企画設計、それから製造、使用、廃棄というような4段階ぐらいが考えられます。企業の研究調査では、企画設計段階で将来にわたって発生する製品コストの80%以上がほぼ決まるということでありますので、廃棄物段階だけで対策を講じても、なかなか資源の有効利用といいますか、飛躍的な有効利用が図れないのではないかというふうに考えられます。そろそろ企画設計段階といいますか、川上段階で廃棄物の削減、再利用、再使用等を、こういうことを考慮に入れるというような川上段階の議論といいますか、強調した記述を入れてはどうかという提案であります。
以上です。
○鈴木部会長 では、川上委員。
○川上委員 私も地球温暖化問題で先ほどから24ページの話が出ていましたが、私はどっちかというと25ページのほうの今後の交渉に関わる記述の仕方の問題についてコメントがあるんですけれども、一番最後のマル、平成25年以降の次期枠組みについてコペンハーゲン合意を基礎として、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な国際枠組みが構築され、意欲的な目標が合意されるようリーダーシップを発揮すべきですと。これはさらっと読めばごく当たり前のことを書いてあるにすぎないと思いますけれども、実際大事なのは、私の考えでは国民の今後の最大の関心の一つだと思いますけれども、もう少し現状認識をきちんと書き込んで提示すべきではないかという気がいたします。そういう意味で、次期枠組みづくりの交渉というのがなかなか大変だというニュアンスが一切ここに出てきていないというのが問題なので、少なくともコペンハーゲン「合意」なるものも「合意」とは言え、単にみんなに留意されただけだという事実もあるわけで、その辺については何の記述も前のほうにも出てきませんし、やはりそこはもっと砕いて、合意というものが今はまだ全然できていないと、リーダーシップを発揮するといってもどういうふうに発揮してどういう進んでいくのかということについての方向性がこれでは国民には一切わからないという感じになってしまっています。1つには名前を書くかどうかは別として、中国等が非常に激しく反対して、新興国の反対があってなかなか交渉が大変だったというような記述がやはりあるべきだと思うし、もう一つは最近またモーメンタムが世界的に見て低下してきているのではないか。モーメンタムというのは、新しい合意をつくる交渉自体のモーメンタムですね。これはご承知のようにアメリカでは、特に景気の低迷ということがございますから、なかなかオバマ大統領も苦労しておられると。ヨーロッパでは排出権の問題は、カーボン価格の低下というような問題もあって、価格変動が大きいといったような問題もあって、なかなか排出権取引へのこれまでの熱意があったのが薄れてきているといったような問題もあるわけですね。ですから、こういうことで全体として交渉自体が頓挫とは言いませんけれども、かなり停滞し始めているという中で、我々はいかなる認識を持って本件に本腰を入れて対処すべきなんだろうかと。だから、先進国としてはこうあるべきだと。日本としてはこうあるべきだといったような、少なくとも方向性をもうちょっと書き込むべきではないかというのが私のコメントの第1点でございます。それが一番大きなもの。
あと細かい点、2点だけですけれども、29ページの今後のこれも政策に向けた提言というところの一番最後のODAの立案・実施にあたっては、環境への十分な配慮を行うべきです。これは一体何でしょうか。当たり前のことですね。ずっと今までもやってきているし、いろいろなことをやってきていますね。これで足りないなら、足りないところをちゃんと書くべきであって、しかもこの1行の記述というのは極めて唐突に出てくる。前のほうには一切記述がないと。少なくとも私が読んだ限りではないということなんで、書くんならもう少し中身を入れて書くべきだという。時間がありませんので、簡単に言いますけれども、それがもう一つのコメントです。
あと最後のコメントですけれども、15ページ、これは今後の政策のところではないんですが、補足性の原則を踏まえた京都メカニズムのクレジット取得の話です。これは一番最後に15ページの今の項目の一番最後に総契約量が随分大きくなりましたよということが書いてあるわけですが、これは私の理解する限りは、問題は総契約量じゃないんであって、実際は国連にオーケーをとった、最終的に日本として認めてもらった量が問題なのであって、その辺についての記述がないと、これはミスリーディングですね、少なくとも。ですので、その辺について、きちんと国民に対して情報開示の観点から書き込むべきであるということです。
以上、3点申し上げます。
○鈴木部会長 では、太田委員。
○太田委員 ありがとうございます。交通とか、まちづくりの視点から見ているんですけれども、やはり温室効果ガスの排出量削減に関する記述で22ページ、ここにございますが、書いてあることはどっちかといいますと、技術とかハード的な面で、実は最近、ごくソフト面でいろいろな進展があって、しかも相当盛り上がっているという重要な施策が書いていないんではないかと思います。これはいわゆるTDM、交通需要マネジメントであるとか、今モビリティ・マネジメント、MMという言い方で、これは国交省、環境省も相当深く関与して、全国的に進んでいるという。これは、結局「気づき」ですね、意識改革を通して車をすぐ使ってしまうというような態度を変えていく、自発的に行動を変えていくというような新しいマーケッティングの手法を使っているというもので、それなりに効果を上げている。特に費用対効果という面では非常に高いと考えております。これからの対応として、ライフスタイルを変えるとか、そういうときの一つの出発点としてこの種のソフト対策が交通分野では始まっていますけれども、こういう生活者、あるいは国民というようなところの環境教育の一環というとらえ方もあろうかと思いますけれども、ぜひそういった分野を追加していただければと思います。
○鈴木部会長 岩村委員。
○岩村委員 ありがとうございます。
私も地球温暖化の関係で29ページの国際的な取組といいますか、国際協力について質問と意見があります。この話は、私は以前、小委員会のほうでも話をして、こういうものが必要ですねということは申し上げました。ただ、ドラフトでは「新たな仕組みを構築し」とだけ書いてあるんですが、具体的に例えば今中国は石炭火力なんか毎年のようにたくさんつくっておるわけですね。すると、具体的に中国と日本との間でその視点でのバイの協議というのはしたことがあるのか。
それからまたもう一つ、日本の最先端だと私は思っていますけれども、最先端の技術というものが国際的な最低基準になっているのか、いわゆるトップランナーになっているのかどうか。そこら辺を明らかにしていかないと、単に言いぱなしになると思うんですね。特に、中国は2割超えて、さらに増えようとしている。アメリカも同じだと思いますが、そしてまた石炭火力、それから製鉄所も次々つくられていますよね。そういう中で、そこのところをもう少し砕くか、具体的にもうやっているのであれば、そのことをどこかに記しておくべきかなと。いわゆるバイの協議がどうなっているかというのを教えてほしいのと、もしやっているのであれば、具体的にこういうふうに進んでいますというのを記述されてはどうかというふうに思います。ありがとうございました。
○鈴木部会長 では、佐和委員。
○佐和委員 2点あるんですが、まず4ページの真ん中あたりに第三次環境基本計画における総合的環境指標の種類と役割についてと書かれて、これゴシックで示されているわけですが、ここが何を書いてあるのかさっぱりわからないんですね。そして、一番最後の文章で総合的環境指標等によると、環境の各分野の概況は、次のとおりとなっています。
そして、次のページから見ますと、ある意味ではどこででも見るようなグラフが書いてあるだけなんですね。ですから、例えば総合的環境指標の[1]で各重点分野に掲げたここの指標を全体として用いた指標群、より詳細な情報をもとにした理解を重視する、こういうことの意味が一体どのようなことなのか、そこで[1]、[2]、[3]というのがどこがどう違うのかよくわからないし、これで左端のところの縦書きで「総合的環境指標」と書いているということは、[1]、[2]、[3]という、こういう指標を統合したようなものをつくろうというような意図なのかということもよくわからないし、ですから、この図は普通、我々が読んでも理解できないので、多少の工夫を凝らしていただきたいということが1つ。
もう一点ですけれども、まずちょっとこの辺がある意味では非常に構成がややこしくなっているわけですけれども、23ページに平成25年以降の新たな枠組みの構築等に向けた国際交渉におけるリーダーシップの発揮ということで、その中に[3]として、今後の政策に向けた提言として、幾つかのことが書かれていると。
その次に、28ページから29ページのところですけれども、我が国における気候変動の影響に関する情報収集や調査研究等の推進で、むしろ「[3]」と大きな字で書いているところが、いわば我が国の云々のいわば部分なのかどうかというのがよくわからないですけれども、いずれにせよ、[3]のところに書かれていることの大部分は、温暖化の影響の評価と、それから適応策のことについて書いているわけですね。ところが、私が問題にしたいと思うのは、下から3つ目のところに地球温暖化対策としてのいわゆるジオ・エンジニアリングの世界的動向や、海洋酸性化に対する取組について、我が国も情報を収集すべきですと書いていますが、たしか前回か前々回の総合政策部会で山本委員がジオ・エンジニアリングということをこの場でおっしゃったと思うんですね。ジオ・エンジニアリングをやるということは、例えばSO2のような、いわゆるエアロゾルを大気中にぶち上げて、それで寒冷効果があるから、CO2の濃度が上がっても、そっちのほうで中和させようとか、それからCCSというのも、このジオ・エンジニアリングの一種かもしれません。それだとか、海に鉄を散布して、そして植物性プランクトンを増やすとか、そういうかなり危ないものばかりなんですね。それで、例のマイクロソフト社のビル・ゲイツがそういう研究に対して異常な関心を持って、それで原子力推進とジオ・エンジニアリングに莫大な研究費を今出しているというようなことなんですけれども、ここに突然持ってくるのは、これは要するに温暖化の影響と適応のことを書いているわけでしょう。そこのところに突然情報を収集すべきであるというだけで、日本でもやるべきだとまでは書いていないからまだいいんですけれども、こういうのが何の脈略もなくここで突然登場させ、ここに書き込んだのはどういう意図なのかということを教えていただきたいと思います。
以上です。
○鈴木部会長 崎田委員。
○崎田委員 ありがとうございます。
予防的な取組のところを重点的にという話があって、126ページ前後あたりの意見を申し上げたいなと思ったんですけれども。実はここのところ、いわゆるCO2削減の将来目標値を厳しくするとか、盛んにいろいろな動きの中で、例えばエネルギー基本計画が大幅に見直されて、いろいろな施策の検討が急激に進んだりしていると思います。そういう中で検討が進むのはいいんですけれども、あまりにも急激にいろいろな検討が進むので、その途中で今まで大事にしてきたことが、急にばっさりと止まりかねないような文言が入っている、かなりきちんとした検討をしていかなければいけないことも多いと思うのです。そういうところを例えば環境省なりでしっかり見据えていただいて、農林水産省とか、国土交通省とか、いろいろな省庁とも連携しながら、うまく調整していただくのが大変重要ではないかというふうにここのところ感じています。
何を申し上げているかというと、具体的に申し上げると、1つは、再生可能エネルギーの全量買取制度の方向性が先日まとまったんですけれども、それの文言などを見ると、バイオマスに関して、かなりざっくり書いてあります。例えば地域の方にとって、新エネルギーは地域エネルギーという印象がすごくあるんですけれども、あまりそういう視点がなく、焼却発電のことが数字として書いてあると、森林をきちんとまず木材として活用するということがかなり崩れていくんじゃないかという動揺が、地域の方に走ったりしています。そういうことはきちんと説明すれば解決する問題もあれば、政策形成のところで考えていただくことも大事なことがありますけれども、大きな変革期だからこそきめの細かい配慮というのがこれからしばらく大変重要なんじゃないかというふうに思っています。
なお、文中に政策手法の検討の中でいろいろな状況も出ていますけれども、例えば今環境税や国内排出量取引とか、さまざまな税制優遇制度、いろいろなものの検討の中で、どういう部分をどの制度でどのくらい改善して、日本全体像でどう2050年の80%マイナスに持っていくのかという、ポリシーミックスの細かい制度設計みたいなことの情報というか、検討がどういうふうに進んでいるのか。あるいはそれに対する研究がどう進んでいるのかが、きちんと国民にもわかってくるということが大変重要なんじゃないか思っています。
循環型社会についても、やはり3Rの精神で限りある資源をまず大事にするというのが優先順位の先にあるというのはもうわかってスタートしていますけれども、ここのところ、温暖化対策が重要という中で、コストやエネルギーを使うリサイクルよりも、サーマルリサイクル、いわゆる熱回収のほうがやっぱりいいねという議論がいろいろなところで出てきています。非常にここのところ、何か一つの情報があると流れていくような、そんな感じもしますので、循環型社会をどういうふうにつくっていくのがこれからの現状を見据えてかなり抜本的な話し合いがこの次の循環基本計画の見直しには必要なのかなという感じもしております。そういう意味で、最終処分場が一般廃棄物はあと15年と言われているわけですけれども、それだったらば2025年に日本がゼロエミッション化するためにどういう施策が必要なのかという明確なビジョンをつくって、バックキャスティングするということも大事にするとか、次はかなりしっかりとした方向性を予防的に、総合的に持っていくということが大事なんじゃないかというふうにここのところ感じています。よろしくお願いいたします。
本当はあと1つあるんですが、今度浅野先生に任せます。人づくり・地域づくりのところで、よろしくお願いします。
○鈴木部会長 大塚委員。
○大塚委員 簡単に3点申し上げたいと思います。
1つは24ページのところで、先ほど来ご指摘がございますが、後ろのほうの予防的な取組方法のところでは、その書き方がしてあるんですけれども、もし、基本法案と書くだけでは十分でないとすれば閣議決定のことをお書きになったほうがよろしいのではと思いました。この3つの政策手法に関してはあまり閣議決定のことは書いていないので、閣議決定のことをお書きになったほうが、あるいは少なくともそれも書かれたほうがよろしいのではないかと思います。
それから、予防的取組方法のところは、割ときれいにまとまっていると思いますけれども、結局、これが他省庁の政策も入れて書いていただいているということで、将来的には省庁間のガイドラインのようなものになっていくというふうに考えられるところだと思います。
それからもう一点でございますけれども、140ページのところで、環境情報戦略に関してですけれども、140ページの下から3行目あたりに書いてありますが、環境省と地方公共団体との連携・協力というのが恐らく非常に必要で、これから分権の推進がますます進んでいくとすると、国のほうにあまり情報が集まってこないことが出てくるかと思いますので、モニタリング等々いろいろな問題があるんですけれども、少なくとも自治体では持っているけれども、国のほうに集まってこないということが出てくると思いますので、環境省だけではなくて、国と地方公共団体との連携というのは非常に重要となってくると思いまして、ちょっと書き方が少ないのかなと。もうちょっとここは重点を置いて検討する必要があるのかなというふうに思いました。
以上でございます。
○鈴木部会長 では、浅野委員。
○浅野委員 私がお答えをする立場にあるわけではありませんけれども、少し気がついたことを申し上げたいと思います。
まず、提言の内容に精粗があるというご指摘が何人かの委員から出ていましたが、これは誠にごもっともと思われます。ただ、地球温暖化対策、あるいは循環型社会形成、また生物多様性保全に関しては、別にリポートが出ているものを要約していますので、若干要約の仕方に統一性がないというのか、やや要領を得ない面があって、やたらと長いという印象を与えてしまうので、場合によっては、すこし長目の提言を刈り込んで、調子をそろえるほうがいいかもしれません。というのは、そのほかの事項については本部会の小委員会で議論をしたうえでとりまとめられていて、これ以上、事務局にもっと書き足せと言われても書き足すことが難しい状況にあることは事実ですから、これはむしろ入れるべきだということを部会の委員の先生方からペーパーでお出しいただいて、それをもう一度事務局見て検討させていただくという方法でもとらない限り、これをもっと書き足してくださいと言われても、これまでに、かなりいろいろ議論して、まぁ、これでも抽象的でしようがないなと小委員会でみんなが不満を持ちながらも、まあまあしようがないなということで今日の部会の案になっているということをご理解いただきたいと思います。
ただ、福川委員、あるいは永里委員から、これで合意が得られるだろうかというご指摘もありますし、それから、それはそれとしてこの地球温暖化対策の部分は、実は当部会でまともに議論をしていなくて、ほかのところで検討されたものをそのままもらってきているという感じになっています。しかし、ご注意いただきたい点は、今大塚委員も指摘されましたけれども、予防的取組についての点検報告の部分は地球環境局とは別の部局が書いてきていて、同じように温暖化のことについて取り上げているのに、かなり表現ぶりが違います。そうなると、一つの報告として、当総合政策部会でまとめて出している点検報告書であるにも関わらず、前半の地球環境局がとりまとめた部分の書きぶりと、他の局が書いている予防的取組に関する部分で同じようなことを書いているのにいささかトーンが違うということは、これはいかにもおかしいと思います。ですから、この点は少なくとももうちょっとよく調整をして、表現をそろえるとか、トーンをそろえるとかということにしなくてはいけませんし、それにあわせて大塚委員が言われたように、法案ならいいんですけれども、法律がまだできていないわけですから、その点もご指摘のとおりですし、その辺の内容を含めた書き直しは、これは事務局にお願いをしなければいけないのではないかと思います。
それから、長辻委員がおっしゃった今年の熱中症は大変増大しているにも関わらず、熱帯夜は減っていますみたいなことを平然と書いていいのかと言われたのですが、これも誠にそのとおりだと思います。ですから、これは今入手できる昨年までのデータで言う限りこうなるだけのことであって、現実に今の問題と誤解されてしまうことは防ぐ必要があると思います。
長辻委員がご指摘の点は、むしろ「適応」という項目を特に今回掲げて、そこを強調して書いておりますので、適応という項目の中に、既に環境省の施策として熱中症マニュアルのようなものについて改訂版も出して、かなり学校教育現場などに配ったりしているという取組が現実にあります。こういう情報が、きちんと国民の皆さん、ご高齢の方々に徹底すれば、かなり熱中症被害も防げるだろうと思われるのですが、それがうまくいっていないということが現実だと思いますので、それはこれを含めて、適応のところに委員ご指摘の熱中症の問題については書き込む余地があると思います。
それから、河野委員のご指摘の点ですが、今回の点検項目としては、やや項目がむしろ絞り込まれた形で点検を行っていたという関係があって、ご指摘のような文言が要約の中には入り込んでいないことは事実ですが、今回の点検は、むしろ低炭素社会、循環型社会、生物共生社会を同時に実現するというために循環型社会形成の中で何ができるんだという観点からしっかり点検しようということでやっており、その文脈の中で議論をしてきているということがございます。ですからおっしゃることはもっともだと思うので、ちょっとここはお許しいただけるなら工夫して、そういうようなことがわかるような表現を入れることはすべきだろうと思いますけれども、この点検テーマの構造から言うと、ちょっとなかなか入れにくかったということは、ご理解をいただければと思います。
それから、同じようなことですが、さっき佐和委員がご指摘の点ですが、これは確かに報告書のつくり方、それ自体が前からこれでやってきているために、我々はすっかり慣れてしまっていて、こんなもんだと思って当然のように眺めていたのですが、重点調査項目事項というのがあって、それを受ける形で[1]、[2]、[3]というのが出てくるわけですね。[2]の中にはいろいろな項目がかぎ括弧つきで出ていて、それらを受ける形で[3]が出てくるものですから、特にご指摘のあった適応の部分は、主に適応だけを議論するというつもりで書いているのに、なぜかその中にちょっと適応から外れるようなことまで入っているものですから、すっと読んでいくときには誤解を受けてしまうという危険性があることは事実です。しかし、構造的には[3]というのは[2]の最後のかぎ括弧だけ受けているわけではなくて、全部受けるということになっているわけです。そこがちょっとわかりにくいことは事実ですから、表記の上の工夫は必要だろうと思います。
それから佐和委員から、同じく4ページのこのパワーポイント資料の貼りつけは何かとのご指摘がありましたが、これも誠にご指摘のとおりだと思います。前から総合指標についてはこういう形で説明をしてきて、コンパクトにこのようになっているものを慣例に従ってそのまま貼りつけたということなのでわかりにくいだろうと思いますけれども、この内容はもともと環境基本計画の本体に参考資料として掲載されております上、本日の配付資料にも、参考資料4があり、この中にこのことが出ていて、それぞれがどういう内容のものかも全部ここに出ているわけです。参考資料としてこういうものがあるのだということが前のほうでは全く出てこないものですから、わかりにくいということと、それから5ページから後の項目については、第三次計画の点検では、要するにここで言うならば、各環境分野を代表的に表す指標の組み合わせということで、ヘッドライン指標ということを使いましょうと言うことにして、これまでずっと点検してきており、前年、あるいは前々年もずっとこのやり方を踏襲してきているわけです。ですから、突然今回に限ってわかりにくくなったわけではないのですけれども、この点検報告書を初めて見る方が結構いらっしゃるということを考えると、漫然と同じ表記を続けるのはいいとは思いませんし、4ページについてはこの表を必ずしも入れる必要はないと思いますし、もっと丁寧に砕いた文章にして、しかも後のほうに参考資料で具体的な内容があるんだということは書いておいたほうがわかりやすいと思いますので、ご指摘のように直すことはかまわないだろうと思いました。
あと岩村委員のご指摘についても、29ページでは適応についての議論をやっていますので、国際交渉に関しては25ページのほうがいいのではないかと思いますが、その点をご了解いただければ、ご指摘のようなことを考えて直すことはありうるだろうと思います。
人づくり・地域づくりについては、提言が非常に薄いと言われるとそのとおりなんですけれども、実はこの問題はトップダウンで国が何か言った、あれやこれやというテーマじゃないという認識がどちらかというと強いわけです。本来、地域でしっかりやっていただくために、どこまで国が情報を提供したり、サポートできるかということが大事じゃないかという基本的な認識があったものですから、国がやるべきことと言って麗々しくいろいろ書くのはないといって済ませてしまった面がありますけれども、確かにちょっとこれでは寂しい、というご指摘もありますから、もう少しここは工夫をして書き足すことができるならば、今言いましたように、地域が中心になってやらないと全然進みませんというようなことがわかるような書きぶりに直していく必要はあろうかと思います。
ちょっと長くしゃべり過ぎました。どうも失礼いたしました。
○鈴木部会長 では、森嶌先生。
○森嶌委員 最初に挙げなかったのは、あまりにも言うことが多過ぎるものですから、一通り伺ってからと思ったんですが。今、浅野委員が全部刈りとられたということがわかったものですから、また言うと、またいろいろ角が立ちそうですけれども。
1つだけというか、全体的なことを申しますと、今後の政策に向けた提言というんですが、これは今後の政策というのは国の政策なんですね。提言と呼んでいるわけですから、この審議会が政策、つまり環境省を初めとする国の機関に対して、省庁に対して提言をするわけです。これを言いますと、最初に読ませていただいて、提言というのは、こういうことをおやりなさいというわけですから、受け取ったほうが何をするかわからなければ、先ほど川上委員がおっしゃいましたけれども、「もっとも」と。先ほどのODAの立案・実施に関しては、環境への十分な配慮を行うべきだと。受け取ったほうは、ああ、それは当たり前ですよねと言ったら、提言にならないんですね。そうではなくて、どういうことをおやりなさいということを受け取る側に対して、仮にそれが多少細かいことであれ、先ほどほかの委員もおっしゃいましたけれども、例えば温暖化でも2国間なら2国間の交渉をおやりなさいと、石炭に関してとか。そういうことを国の機関に対して具体的な政策を、それをわかるように書かなければいけないと思うんす。それを書かなければいけないんですけれども、これを見ますと、先ほどの温暖化のところは、国が既に閣議を含めて言ったことをエンドースしていて、この間廃案になった法案をずらっと並べて、それをおやりなさい、おやりなさいと書いて、ところが、本体のほうはもう廃案になっているわけですから、先ほどから皆さんが言っておられるように、何とも間の抜けた話になっているということです。
それから、ほかのところもたくさんあるんですけれども、例えば88ページのところですと、実現を目指しますとか、主導的な役割を果たしますと、こっちは提言じゃなくて、これは役所のほうは覚悟のほどをみんなに宣言しているので、これはこっちが提言しているんじゃなくて、役所が提言しているんですから、もうちょっと審議会が役所に対して物申すのでしたら、書き方ぐらい工夫しないといけないと思うんです。
長くなりますから、いつものように鈴木部会長から言われる前にまとめますと、この今後の政策に向けた提言というのですから、国の機関が政策を立てるに当たって、審議会からこういうことをしなさいと。受け取ったほうが具体的にこういうことをやらなきゃならないんだなということがわかるようなことをこちらから提言するというのがこの項目じゃないかと思うんですけれども、すべての項目でその目的には合致しないことが書いてありますから、これをパブコメにかけたら、この審議会の見識のほどが疑われますので、私は最初に言うとすれば、これをパブコメにかけるのは中環審の権威とは言いませんけれども、見識においておやめになったほうがどうですかと言いたかったんですけれども、それを最初に言ったのではあれですので、最初に挙げないで申し上げました。
いいですか。
○鈴木部会長 もう大体おわかりでしょうから。
善養寺委員と、それから小澤委員に。鷲谷委員。
○善養寺委員 熱帯夜の話なんですけれども、ただ下がっているだけで30℃以上よりも人間の人体に影響してくるのは、今年に入ると34℃とか35℃とか超えたときに、えらく影響するんじゃないかということと、35℃というのは昼間の温度ですね。夜に至っては、熱帯夜の25℃ですと全然快適なわけですね。そうすると、28℃を超えてくると、やはり人体に影響してくると。特に、人間の体なんですけれども、昼間冷房使っている方が夜寝るとき消して寝られたりするんですけれども、昼間も使わないような人は割と夜に多少環境が悪くても平気なんですが、昼間使う人は、夜急激に環境が悪くなると体が当然対応できないとかというのもありますので、私が最近少し不安に思っているのは、東京の中である一定以上温度が上がったときに、急激に冷房をかける人たちが増えて、高温化に拍車がかかってはいないかなというのが懸念を感じているところで、であれば、30℃だけで従来指標を出してきたんであれば、35℃を超える日があったのか、それと熱帯夜としては28℃なりを超える日が何日なのかということが、実は、この19、20、21の中で違う傾向が見えやしないかなというふうに思えたり、あと、センセーショナルなものとすれば死者数ですよね。死者数が増加がもしあるんだとすれば、その年の熱中症で亡くなった死者数みたいなものを明確に出して、環境影響を考えたほうがいいということをしないと、何となくこの表と実態にギャップがあるんだとすれば、具体的な影響を示したほうがいいんではないかなと。意識すると思われるので、それをちょっと。気象庁の数字ですからとれるんであれば、それを入れたほうがいいんじゃないかなというふうに思いました。
○鈴木部会長 では、小澤委員。
○小澤委員 ありがとうございます。
細かいところは幾つかありますが、それは時間がないので申し上げません。もともとこの環境基本計画の中で第5章の環境保全の人づくり・地域づくりは、事象横断的な重点分野政策ですね。そういった書きぶりがなくて、事象面で分けた重点分野、1から4までは事象別なんですね。そして、この5章は縦にくし刺しするというんでしょうか、そういう視点がどこかにないと、みんな同じ領域で見てしまうのではないかと危惧しますので、そこのところだけは少し書き加えていただきたいのと、構造が見えないんですね。何をやっている、これをやっているという。ただ、並べてあるだけなんですね。
それともう一つわからないのは、私も関わっていた環境教育推進法ですね、5年ごとに見直すとなっているんですが、見直している最中に政権がかわて、二度も廃案になってしまうというような状況が環境教育推進法にはあって、環境政策としては努力していると思いますので、実態が伴っていかないところはどう書くのか、ちょっとその辺わからないんですが、何か努力しているけれどもというところが記述されていても良いかなと思います。一般から見ると、5年たったのにまだ改定作業していないと受け取られがちになるかなと思います。
以上です。
○鈴木部会長 鷲谷委員。
○鷲谷委員 広範な分野の政策に関して計画の進捗状況を評価して、今後の提言までするという大変難しい意欲的な文章なんだろうと思うんですが、文体といいますか、文章のスタイルについて、今までご意見もありましたけれども、少し検討をしたほうがいいんではないかという印象を持っています。一文が短いものというのは簡潔でメッセージが伝わりやすい一面、誤解も招く可能性があります。先ほどの佐和委員のご指摘がございましたけれども、ジオ・エンジニアリングの情報収集について、山本委員は推進すべきという、そのために情報を集めるようにという発言をされたのではないと思います。部会では。そうではなくて、そのことに関していろいろ問題があるということで、その検討が欧米では始まっているので、そのリスクなどを認識するために情報収集すべきだという内容だったと思います。山本委員は、そのような検討をする研究会を立ち上げたりもされていますので、きっとそういう観点なんじゃないかと思うんですが、今の書き方だと、推進のために情報を収集すべきだという印象になります。先ほども出てきた「環境に配慮すべき」という、それだけではメッセージが伝わらなくて、きっと適応策として進められることで、時にほかの分野の環境の何らかの政策とバッティングしたりする可能性があるところもあるので、そういう可能性も考えるときめ細かい配慮が必要だということだと思います。そのためには具体的な内容がイメージできるぐらいの記述がないと、やはり誤解もされてしまうのではないでしょうか。非常に説明が丁寧なところと簡潔なところとあって、整理が必要だというご意見、先ほどありましたけれども、簡潔にしていく場合にも、どちらにもとれるというような記述だと、「提言」として混乱を招く可能性があると思いますので、そこだけは読み手が間違わないような丁寧さを加えた説明にするべきではないかと思います。
○佐和委員 僕が誤解したんではなくて、実は数カ月前に参議院のある委員会で公聴会に出席したんですね、私も山本先生も。そのとき原子力とジオ・エンジニアリングであるということを明確におっしゃっていて、それで、ジオ・エンジニアリングというのは、今回の中でいろいろ書かれているような再生可能エネルギーとか、省エネルギーとか、そういうことは全く必要ないと。要するに、燃やし続けると。CO2を幾ら出したって、それはジオ・エンジニアリングを使って中和させてしまうと。そういうことを明確におっしゃっていた。
○鷲谷委員 そうですか。
○鈴木部会長 いろいろとご意見いただきまして、今日は実はそれぞれの今後に対する提言などを執筆された原局のほうから、総政局以外に地球環境局、廃棄物・リサイクル対策部、環境保健部、それから自然環境局と、それぞれおいでいただいています。いろいろなご意見をお聞きいただいて、これについて対応をお願いしたいと思います。よくおわかりになったと思うのですが、この第三次環境基本計画をこれは10のプログラムを2年に分けて5つずつやっておりまして、特に今年の分は3つの部門、すなわち、地球温暖化、それから循環、そして生物多様性の保全、この3つの担当分がそれぞれの基本計画、あるいは国家戦略に基づいて点検をしておられる。その部分をここへ持ってきて、それが資料をご覧いただきますと、今後の政策に向けた提言の太字で書いてある部分がそれに当たっているんですね。それが今ホッチキスでとじられてきているということで、全体としての整合性というようなものについては、まさにここでいろいろご覧いただいて、すぐに修正できるという程度を超えている面もございますが、全体としての調整をとって今後の進捗状況、それから今後の政策に向けた提言について、こういうものにしていかなくてはいけないと。こういう大変ある意味では差し迫った、しかも大変な作業を伴うことであり、それぞれの方に対応していただかなくてはいけないわけです。
今後の提言というのも、実はしばらく前まではそういう書きぶりではなくて、何となくまとめみたいなものだったものを3年ぐらい前からでしたでしょうか。今後の提言という形で書き直していただくということで、今のような形になっておりますが、ご覧いただきますと、何とかを推進しますとか、まさに森嶌先生がご心配になったことがここに書き連ねられております。ですから、それを提言ですので、どこに対する提言なのか。やはりヒアリングの段階でも各省からおいでいただいて、関連の部門からおいでいただいて、そこでも大分いろいろ申し上げました。例えば、外務省の場合ですと、環境に関連するODAはぜひ環境省の側ときっちりと連携をとって、環境に対する外交戦略をしっかり持ってやらなくてはいけないというようなことは、何年か前から申し上げているところでもありますし、そういうような形での各省に対するメッセージ、それから場合によっては内閣に対するメッセージをここにきっちりと書いていくという、そういうような形の点検になっていかなくてはいけないと思います。
そういうようなことを含めて、素案とここにありますので、これをまた次の案の段階にブラッシュアップをしていただいて、そうしてパブコメにかける、こういうことになろうかと思います。
先ほど小澤委員からもありましたように、例えば環境教育というようなことも廃棄物のところに書き込まれていたり、いろいろなところに書き込まれているんですが、これはクロスカッティングなテーマである、人づくりでどういう取り上げ方をするか。というようなことは、ここでも少し明確にしなくてはいけないと思いますし、そういうような全体の構造がわかるようなもの。そして、また前回、昨年度のこの点検とセットで10部門が点検されていると。そういうようなことがわかるような形にしておく。これが大事だろうと思います。そして、なおかつ我々自身に対する提言としては、次の第四次基本計画に向けて何を考えなくてはいけないのか。これをきっちりと点検、報告書の中に何らかの形で残しておくと。そういうようなことが必要なのかなと思って伺っていました。
個別の問題についてはいろいろあろうと思います。どういうふうにいたしましょうか。正田さんのほうで仕切っていただけますか。
○正田環境計画課長 まずは全体。
ただいま部会長、また浅野先生のほうから総括的なコメントをいただきました。また、各委員からいろいろご指摘いただいております。そういう面で、私ども本日のご指摘を踏まえまして、まず個別のことは今日答えられる範囲で、担当の部局が出席しておりますのでお答えします。それ以外の部分については、本日のご指摘を踏まえて、どういうふうな形で素案としてまとめてパブコメにかけていくか、必要に応じまして、個別にご説明等に伺いながらまとめていきたいと思っております。
また、特に提言部分につきまして、粗密であるとのお話がございました。特に人づくり・地域づくりのところにつきましては、どういった形か工夫をしていく話でございますとか、また中身について、全体構造がわかるようにというようなご指摘がございましたので、その辺は事務局としてまとめていきたいと思っております。
あと個別に、本日のご質問について、ご説明できるところがあれば、よろしくお願いします。
○白石局長 大変恐れ入りますが、今、正田のほうから申し上げたように、個別の記述をどう直したらいいかということは、先生方のご意見いただきましたので、よく調整をさせていただいて、また部会長、浅野委員とも相談して進めさせていただきますが、本日のところはその上でご質問という形のお話がありましたので、その部分については今答えられる限り順次答えさせていただきます。
○岡本環境教育推進室長 それでは、環境教育推進室長でございます。
福川委員から新しい公共での書きぶりについて、ご質問、ご意見半々といったところがございました。確かに新しい公共につきましては定義というのがはっきりとしているわけではございませんので、そういった、どういったことを新しい公共ということでとらえられているかという中身を少し記すのか。そういう例示的に書くか、そこは調整をさせていただきたいと思います。
環境教育としての質問としては以上でございます。
○高橋地球温暖化対策課長 ご意見たくさんございましたけれども、質問についてだけということでございますので、1つは岩村委員からバイの協議等やっているかということでございますけれども、これまでもいろいろな政府レベル、あるいは産業界レベルで日本の技術を生かすべく、中国を初め、インド等いろいろなところと協議をしています。ただ、新しい仕組みについての協議という意味では、これはまだ明確に文章に書くというところではないと思いますけれども、いろいろな形でやってございますし、中環審でも2国間での取組、2国間でのこういう新たなメカニズムについても検討を始めているところでございます。
それから、佐和委員からジオ・エンジニアリングを書いた趣旨ということでございますが、これは山本先生のご指摘を踏まえてでございますけれども、事務局の認識といたしましては、ジオ・エンジニアリングについては、現段階ではIPCC、これまでの報告書においても効果が明確でないとか、未知の副作用の危険があるとか、コストもよくわからないということで、かなり否定的に取り上げられていると認識しております。ただ、今次期のAR5についての議論が進んでおりますけれども、そういう中でジオ・エンジニアリングについてもいろいろ議論があるということも事実でございますので、そういう意味で注意深く情報収集をしていくという趣旨で書いたつもりでございます。
それから、川上委員から京メカニズムのクレジットについてご指摘ございましたけれども、ご指摘のとおり、契約はしてございますけれども、今後きちんとクレジットが日本の口座に入ってくるかどうかというところについては、しっかり確認が必要ですし、特に、チェコ、ウクライナから買っておりますGISについては、日本の払った代金がきちんと各国で環境目的に使われているかと、いわゆるグリーニングについてきちんと確認をしていくという必要があるというふうに認識してございます。
以上でございます。
○大森循環型社会推進室長 では続きまして、循環部分でございますけれども、藤井委員からご指摘のありました6ページの我が国の物質フローについての一番下の循環利用量については、これは我が国の物の流れということでございまして、国内で循環利用されている量を表していると。海外に回っている分はここには含まれていないということでございます。
あと34ページのほうで、年次がそれぞればらばらではないかというご指摘につきましては、制度的なもので、法の執行状況などについては最新の数字ということで21年度末ということを考えておりますが、量の、廃棄物量に係るようなデータについては、19年度が最新のデータになっています。ここはまだ廃棄物の速報化ということを今取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
○早水環境安全課長 環境保健部環境安全課長ですが、1点長辻委員からご指摘のあった熱中症の件について、ここに全く記述がございませんので、若干補足説明させていただきます。環境省では水・大気局のヒートアイランド担当の方で熱中度指数のような情報の提供をしており、それから環境安全課の方でマニュアルとか、対処方法や予防の取組などを書いたカードとかをつくりまして、老人福祉施設とか学校などに提供しています。また、関係省庁連絡会議も年に1回開催しておりまして、先日開催いたしましたが、消防庁、それから文部科学省、厚生労働省、気象庁、それぞれ関係のところで情報提供なり、必要な対策の徹底をしているところでございます。そういった形の対応をここに書き足すことはできるかと思っております。
以上でございます。
○鳥居生物多様性地球戦略企画室長 自然環境局でございます。
生物多様性の記述でございますけれども、森嶌委員からご指摘のございましたように、提言部分につきましての文末の書きぶりについては、これはおっしゃるとおりでございますので修正をさせていただきたいと思います。
○正田環境計画課長 取り急ぎ、本日、お時間の関係でご質問いただいた点につきまして、今お答えをさせていただきました。また、本日のご指摘を踏まえまして、短期間ではございますが、私どもこれを受け止めて必要な修正等いたしまして、部会長を初め、必要に応じてお伺いし、ご説明等させていただきたいと思っておりますので、引き続きご指導いただきますようお願いいたします。
○鈴木部会長 それでは、本日は以上をもちまして、総政部会を終了させていただきたいと思います。
午後3時51分 閉会