中央環境審議会総合政策部会(第34回)議事録

開催日時

平成17年12月1日(木)10:03~12:18

開催場所

経済産業省別館9階 944号会議室

出席委員

鈴木基之部会長、小澤紀美子委員、崎田裕子委員、服部拓也委員、藤井絢子委員、和気洋子委員、青木保之委員、浅野直人委員、石坂匡身委員、江森孝至委員、川上隆朗委員、河野正男委員、塩田澄夫委員、善養寺幸子委員、武田善行委員、鳥井弘之委員、永里善彦委員、長辻象平委員、速水亨委員、福川伸次委員、松原純子委員、渡辺修委員 

議事

第二次環境基本計画の見直しについて

  • ・重点的分野検討結果報告
    (報告分野)
    「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」
    「国際的枠組みやルールの形成への貢献等の国際的取組の推進」

その他

  • ・環境研究・技術開発推進戦略専門委員会の設置について

その他

閉会

配付資料

参考資料

議事録

午前10時03分開会

○苦瀬計画官 それでは、定刻を少々過ぎましたので、まだ何名かお見えでない先生方もいらっしゃいますけれども、資料の確認から始めさせていただきたいと存じます。
 お手元の配付資料でございますが、議事次第の裏に配付資料一覧がついてございます。資料1が第三次環境基本計画における重点分野「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」報告書、資料2が第三次環境基本計画における重点的分野「国際的枠組みやルールの形成への貢献等の国際的取組の推進」報告書、資料3-1が環境・研究技術開発推進戦略専門委員会の設置について(案)、資料3-2が中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について(案)、参考資料1が第三次環境基本計画重点分野の検討方針について(第31回総合政策部会後版)、参考資料2が第三次環境基本計画目次(第31回総合政策部会資料)、参考資料3が中央環境審議会総合政策部会環境研究・技術開発推進戦略専門委員会委員名簿、参考資料4が中央環境審議会総合政策部会委員名簿でございます。
 足りない資料などございましたら事務局の方にお申しつけくださいますようにお願いいたします。
 それでは、議事に入っていただきたいと存じます。
 鈴木先生、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、ただいまから第34回中央環境審議会総合政策部会を開催させていただきます。
 本日は、先ほどございましたように、第二次環境基本計画の見直しにつきましての重点分野の取り組みに関しまして、2件のご報告をいただきます。そして、資料にございました環境研究・技術開発推進戦略専門委員会、この設置につきましては、後ほどお諮りさせていただきたいと思います。
 それでは、まず最初に、第二次環境基本計画の見直しに関しまして、先週6件の重点的分野別検討、このご報告をいただき、ご審議をいただきましたが、本日は、「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」と、それから「国際的枠組みやルールの形成への貢献等の国際的取組の推進」、この2つの分野についてご報告をいただくことになっております。
 それぞれの分野、約1時間程度を予定しておりますので、分野ごとにまず主担当委員の先生から簡単な検討経緯についてご説明いただき、ご報告を15分程度でいただく、その後、委員の方々からいろいろご意見、コメントをいただきたいと思います。そして、個別の修文、文章のいろいろと改正、改訂等々につきましては、先生方のご意見をいただいたものを部会長の方で預からせていただきまして、最終的な案を12月22日の総合政策部会に提案させていただくと、こういう段取りにさせていただきたいと思います。
 それでは、「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」分野につきまして、主担当をお願いいたしました小澤委員からご報告をお願いいたします。

○小澤委員 それでは、ご報告申し上げたいと思います。まず、検討メンバーをご紹介いたしますが、鹿島委員、岸井委員、菅原委員、善養寺委員、荻原委員の他に、その他総合政策部会の委員の方にご参加をいただきました。
 検討会は全部で3回開催いたしましたけれども、9月15日にまず幾つかの団体から当分野にかかわる問題につきましてご意見を伺い、そして午後には第1回の検討会、そこではまずこの分野で取り上げるべき環境問題やその課題について議論をしました。2回目は10月19日で、取り上げるべき論点について議論し、11月11日に報告案について議論を進めてまいりました。この「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」なんですが、第二次報告、お手元にあります報告書の53ページ、56ページが以前のものですけれども、そこでは、現の基本計画ですけれども、環境への負荷の少ない交通に向けた取り組みとなっております。第三次におきましては、「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」となっておりまして、大幅にこれ変わってきたということになるかと思います。これまでの交通分野に加えまして、都市における大気環境に視点を広げたということで、具体的な課題につきましても、交通騒音、大気汚染といったこれまでのものに加えまして、ヒートアイランド現象や地球温暖化問題にも言及しております。
 それでは、お手元に配付されております報告書の内容につきまして、順次ご説明したいと思います。目次は1ページにございますけれども、ここにつきましては割愛させていただきます。
 まず、1の現状と課題につきまして、都市の現状につきましては、我が国は特に都市部における大気環境については、まだまだ多くの課題が残されております。そして我が国は本格的な少子高齢時代を迎え、また高度経済成長期を中心として集中的に形成されましたさまざまな都市基盤が更新の時期を迎えようとしています。人々の生活様式や経済活動にもさまざまな変化が生じてきており、都市や交通の姿が大きく問われようとしております。
 こういう形で、少し文言を順次、私の方で皆様が目で文章を追っていかれるように読み上げてというのか、進めていきたいというふうに思います。
 この都市の現状の中の都市の姿としては、人口や経済活動の都市への集中化の道を進み、そして都市でのエネルギー消費は増加・集中の傾向にあります。またその一方で都市から水面や緑地が減少し、そして郊外立地や郊外居住の増加、移動距離の長距離化や自動車への依存の高まり、こういったことから、必ずしも環境への配慮が十分なものとは言えない状況になっているかと思います。
 交通の姿も、交通量が大都市地域を中心として集中しておりまして、特に大都市におきましては、恒常的な交通渋滞が発生していると思います。
 都市における大気環境問題に関しましては、これまで主として、先ほど申し上げましたように、大気汚染問題、交通問題などを取り扱っておりましたけれども、熱環境の悪化、後ろの3ページにいきますけれども、ヒートアイランド現象も生活環境に影響を及ぼす深刻な問題となっており、都市におけるエネルギー消費の増大は地球温暖化にもつながっていると思います。
 さらに、二酸化窒素、浮遊粒子状物質に係る大気汚染の状況につきましては、局地的な高濃度汚染が解消されていない地域が依然として存在しており、光化学オキシダントにつきましては、全国のほとんど全ての測定局で環境基準が達成されていない状況です。有害大気汚染物質につきましては、多様な化学物質が大気中から検出されており、長期暴露による健康影響が懸念され、さらにアスベストを含有する建材を使用した建築物の解体の作業は、大気環境中への飛散防止の徹底が必要となり、大きな課題となっているかと思います。
 それから、交通騒音につきましても厳しい状態が続き、新幹線鉄道も依然として環境基準が達成されていない箇所が多く見られます。
 それから、地球全体の平均気温は20世紀中に約0.6℃上昇していますが、日本の大都市に限りますと、2℃から3℃も上昇しておりますことから、ヒートアイランド現象の進行は顕著であると言えます。
 こうした温暖化、温室効果ガス総排出量のうち、都市における活動との関わりが深い部門からの二酸化炭素排出量は約半分を占めて、また京都議定書における基準年、90年度の排出量と比べても大幅に増加しております。
 4ページのところにまいりたいと思います。そこで、中長期的な目標としまして、21世紀最初の四半世紀の社会を見通して、健康で快適な都市の生活環境が確保されることを目標としております。この目標に向けまして、環境的に持続可能な都市づくり、環境的に持続可能な交通システムの実現を図るとともに、都市における生活様式や経済活動についても環境的な持続可能なものへと転換を進めることを目標としております。
 具体の施策の基本的な方向としましては、まず都市大気環境対策全体の方向性としまして、都市活動に起因する大気環境問題には、大気汚染、騒音、ヒートアイランド現象、地球温暖化と、現象としては様々です。これら諸問題を改善するための施策としては、都市における大気環境に係る問題が相互に関連するものであることに十分留意し、様々な施策を総合的、計画的に推進するという形です。
 そして、都市における良好な大気環境を確保するために、必要な規制を実施するとともに、自主的な取り組みを推進します。特にエネルギー消費や過度な自動車依存を低減させるような生活様式や事業活動の変革も取り組みたいというふうにまとめております。
 そして、個別の政策の方向ですけれども、5ページのところにいきます。まず、環境負荷の小さい事業活動、生活様式への変革ということで、省エネルギーを意識した行動を呼びかけるとともに、環境負荷の小さい製品・サービスの利用を推進、社会的な理解の醸成や合意の形成を進めるとともに、幅広い関係者による連携を図っていきたいという形でまとめております。
 さらに、環境的に持続可能な都市・交通システムの整備につきましては、都市における自動車交通の適正化、エネルギー消費の低減を実現するために、環状道路等幹線道路ネットワークの整備、自動車交通需要の調整、そして公共交通機関の利用を促進するための都市の基盤整備、あわせて都市における空間の利用に当たりましても、それぞれの推進を図っていきたいという形でまとめております。
 さらに、自動車等の単体対策の推進におきましては、低公害車・低燃費車やクリーンエネルギー自動車の一層の普及を促進するとともに、船舶からの排出を削減する方策についても取り組みたいと思います。
 それから、大気汚染物質の排出削減につきましては、法の着実な施行、揮発性有機化合物につきましても、事業者による自主的な排出削減の取組状況の検証・評価、それからアスベストの飛散防止などの徹底を図っていきたいとまとめております。
 それから、省エネルギーなどの推進により、人間活動に起因して排出される人工排熱を低減、さらに、6ページにまいりますけれども、都市における緑化の推進などの取り組みにより、地表面被覆を改善したいというふうな形でまとめております。
 さらに、経済的手法の活用をすることにより、環境的に持続可能な都市・交通への転換を促進する方策を検討していきます。
 それから、環境負荷低減のための調査・研究の推進ということが大事になりますので、そういった都市における大気環境の現状より的確に把握するために観測・監視体制の整備の推進、それから、一層の科学的知見の収集が必要な課題でありますので、引き続き調査・研究を進めていくという形でまとめております。
 そして、4番目の重点的な取組事項につきましては、まず国民、民間団体の取組といたしましては、国民は日々の暮らしが環境に大きな負荷を与えていることを認識し、環境負荷の小さな製品・サービスの利用を図るとともに、エコドライブ、冷暖房温度の適正化など、自ら環境負荷を軽減する視点から積極的な取り組みを行うことが必要ということで、また民間団体は、国民、事業者、地方公共団体、国の取り組みが進むよう提言、情報発信を行うとともに、地域のコミュニティ活動に向けた取り組みを積極的に支援することが望まれるという形でまとめております。
 そして、2番目に事業者の取り組みとしましては、特に経済活動及び交通の中で大きな役割を事業者は担っておりますので、ますます重要になってくると思います。そこで、7ページにいきますけれども、法令の遵守に止まらず、社会的責務の観点からも、建築物の屋上緑化、壁面、敷地などの緑化のほか、環境負荷低減のための調査研究の推進など、自主的な取り組みを行うことが必要であり、また、事業者相互が連携して取り組むことも重要という形でまとめております。
 そして、3番目に地方公共団体の取り組みとしましても、都市の大気環境改善のためには、地域条件に応じた総合的な計画の策定・実施による地域段階での一層の対策を進めることが効果的ですので、その際には、地域の大気環境を把握するなど、実施状況を点検することにより推進を図っていくということです。進めてもらうということです。そして地域における環境負荷低減の取り組みへの支援、さらに緑地の保全や風の通り道の確保などに向けた水と緑のネットワークの形成、あるいは効果的な配置、公共空間の緑化、公共交通機関の整備など、積極的に取り組むことが望まれるという形でまとめております。
 そして、国の取り組みとしましては、各主体の参加により社会全体として環境への負荷の小さい都市が実現されるよう、全国的な観点から必要な枠組みを構築する。そして全国的な枠組みだけにとどまらず、都道府県域を超える大都市圏の観点からも取り組むべき対策を実施していく。そのためには、コンパクトで環境負荷の小さな都市となるよう空間利用の促進、そして細かいことですけれども、少し飛ばしておりますけれども、花粉症対策なども推進するとともに、アスベストを使用する建築物に係る対策についても取り組んでいくよう対策を立てる。
 そして、交通の観点からは、低公害車、先ほども申し上げておりますけれども、低燃費の車、クリーンエネルギー自動車の一層の開発、さらに、最後のページ、8ページになりますけれども、環状道路などの幹線道路ネットワークの整備、高度道路交通システム、またモーダルシフトなどを実施していくという形でまとめております。
 そして、どういう状況になっているかということで、大気汚染の観測の実施、必要に応じて環境基準や指針値の設定を行い、関連する情報の積極的な提供、それから様々な主体における取り組みが社会的に評価されるような仕組みについても検討していくという形でまとめております。
 最後に、取り組みに向けた指標といたしましては、そこに7つの指標を示しておりますけれども、このような指標を持ちますけれども、都市における良好な大気環境の評価はこれ以外にも多岐にわたる視点が必要であることを留意して、総合的な観点から評価を行うように努めていきたいという形でまとめておりますので、どうぞよろしくご審議をお願いいたしたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関しまして、ご意見、コメント等ございます方は名札をお立ていただけますでしょうか。
 それでは、こちら側から、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
 今回、この大気ということで、交通政策だけではなく、全ての都市政策を入れ込んでということで網羅していただいて、大変すばらしいまとめをつくっていただいたと思います。
 それで、実はこういうのを実際に実現させるためには、かなり長期的な視野での都市政策というか、都市計画づくりというのが大変重要だと考えておりますので、ぜひこういう方向性で地域の各主体と市民とか地域の住民、全てができるだけ早い時期にこういう情報を共有していくような、そういうような積極的な情報交流とか、そういうことも入れ込みながら計画をつくっていっていただくということが大事ではないかというふうに感じております。
 そして、計画をつくる段階では、ぜひこの最後に書いてありますが、きっと国土交通省とか、経済産業省、様々な他省庁との長い時間をかけた連携による計画づくりというのが重要になってくると思いますので、そういうところを強調していただければありがたいなというふうに感じております。
 あと、今回、この交通の中に、エネルギーの話なども出ておりますが、特に私は交通に関するエネルギーがやはりガソリン車の普及率というのが余りにも高い状態で、今エネルギーが大変、エネルギーの環境負荷と価格の高騰とか、いろいろな状況が出てくる中で、もう少し早目に公共交通機関、あるいは他のエネルギー源による低公害車の開発とか、総合的に考えていくということが大変重要ではないかというふうに感じております。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 特に具体的にこういう文章をというようなことがございましたら、またメモででも後ほど。

○崎田委員 具体的に申し上げると、7ページの(3)の地方公共団体の取り組みというようなときに、やはり地域の各主体と連携するとか、そういうようなことを少し文言の中に入れ込んでいただいた方が、現実に地域社会の中でこういう計画をするときに早目にそういう輪が起こっていくのではないかと思っております。
 今、環境省の方が計画されているモデル事業、いわゆる大規模緑地の熱環境改善というようなモデル事業、一緒に新宿御苑を中心にやらせていただいておりますが、そういうところでもできるだけ早目に地域社会の方々との連携を掘り起こしていくということが、計画を現実に移すということに大変重要だというふうに感じております。そういう意味でよろしくお願いしたいと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、服部委員。

○服部委員 ありがとうございます。
 全般的には、非常に網羅的に記述をされておりまして、現行の計画に比べて大変読みやすくなっているのではないかというふうに評価をいたしたいと思います。
 1点だけちょっと確認をしたいんですけれども、現行のものにも入っているんですけれども、基本的な、全体の方向性ということで4ページのところで、必要な規制、あるいは自主的な取り組みというような言葉を、この辺はこういうことだと思うんですけれども、そういうものを受けて、次の施策別の方向性というものの中で、6ページの(2)の(カ)というところがあります。経済的手法の活用、これは現行のものにも入っているんですけれども、具体的にどういうことをお考えなのかということについて、ちょっとこれ質問といいますか、確認をしたいので、どういうことを考えておられるのかということについて確認いたしたいということであります。私からは以上でございます。

○鈴木部会長 これについては今、お答えになりますか。

○森谷水・大気環境局総務課長 6ページ目の(カ)の経済的手法のところでありますが、例えば低公害車におけるグリーン税制といいますか、より環境性能のいいものについては税を軽くする、そうでないものについては一部重くするというようなことを実践されてきておりますけれども、そういうことを踏まえて、現状を踏まえた今後の検討ということで書かせていただいたと事務局は思っておる次第でございます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。また後ほど、いろいろありましたら。
 浅野委員、お願いいたします。

○浅野委員 実は服部委員と全く同じ部分について気になっておりました。現行の計画で「市場を通じて内部化し」と書いてあるわけですが、これはどちらかというと自動車交通を意識しているので、こういう表現もその趣旨がわかるのですが、今回は対象を広げて考えようということですから、前の言葉をそっくりそのまま丸写しにということは失礼かもしれませんが、どのように吟味して内部化という言葉が使われているのでしょうか。経済的手法というものにはそういう面もあると同時に、例えばそれによるインセンティブ効果とか色々なことが議論されているわけです。多分この分野の対象を広げて考えようとするときには、単にPPP的な考え方、外部費用の内部化というような議論だけではおさまらないような気がします。ここはもう少し丁寧に検討して、この領域に固有の課題をどういう手法で実現しようとするかということをまともにここに書くことは格別、やっぱりきちっとしたイメージを頭の中に浮かべてそれを抽象化した表現をするときはどういう表現がいいかというのを、再吟味した方がいいのではないか。これだけでは内部化という表現では非常にイメージが湧きにくかったり、あるいは場合によっては手足を縛られるというような感じがします。
 例えばロードプライシングというのもこれかもしれないですと。果たして本当にそういうようなものが環境の負荷に伴う費用の内部化という概念でくくれるかというような疑問も出てくるわけですね。ですからちょっとこれは荒っぽいという気がするんで、経済の専門家にお聞きすると、余り学問的で難しくなり過ぎるから、そこまで聞く必要はないので、素人がわかる程度のところで少し整理をして考える必要がある。今、ちょっと私自身もとっさにこの場では今、アイデアが出ませんが、ちょっと考えさせていただいて、整理ができたら私なりのメモを出します。
 それから、もう一つは、これは無い物ねだりなので、聞き流していただいてもいいんですが、やっぱり交通システムというところがずっと20年この方、同じパターンで論じられてきて、余り新しいイメージがないですね。何となくハードを整備し、ソフトの社会システム整備をし、それで解決できるものはとっくの昔に解決できているはずなのに何も解決できていないというのは、どこか根本的に問題があって、書くかどうかは別ですけれども、例えば東京都みたいに強権発動で乗り入れ規制みたいなことをやると、意外と効いてきてしまったりということがあるわけですが、そういうようなことが現実に起こっているのに、ある意味ではまったく無視するような形で従前どおりの自動車交通対策がずらっと列挙されているというのはちょっと寂しいなと。これは無い物ねだりだと言いました。というのは、京都議定書目標達成計画も同じことをやっていますから、言えば天に向かって唾吐きするようなところがあるので、これは無い物ねだりということで聞いておいてください。
 それから、もう一つ最後なんですが、指標です。指標のところについては、最後の2つ、3つぐらいのところは、新しいものを入れてくださっているんですが、ほぼ前半のところが環境基準の達成というような形で、余りにも今あるデータで物が言えるということだけにこだわっているような気がするんです。もちろん目標を立てるというようなことをやる場合には、今確実に確保できて加工できる情報でなければどうにもなりませんから、制約があるわけですが、これはこの分野に限らず、他の分野もそうなんですけれども、指標という議論をやるときには、将来こういうデータをきっちりとっていけばこんなことができるのではないか、というようなことにチャレンジをしていかなくてはいけないのではないかという気がするんですが、ちょっとその意味ではチャレンジ精神に乏しいなと。水よりはましですけれども、大気の方もややチャレンジ精神に欠けると。
 それで、ちなみに現行計画で、ちょっとご覧いただきたいのですが、現行計画は、参考資料のところで、既存の目標等というようなものを挙げていると同時に、特に142ページをちょっとご覧いただくとよろしいんですが、大気環境についても、我が国の環境をめぐる状況というところでは、指標的に、インデックス的に引っ張っているのは、NOx応対、特定地域におけるNOxと粒子状物質というようなものを挙げているわけですね。これはやっぱりある意味があって、べたっと全部環境基準を並べて比較してもしようがないと。例えば環境基準ということでいうと、145ページをご覧になったらわかるように、COなんていうのがあるわけですね。これはかつて自動車からCOが出て大変問題になった時代があって、その時点でいくと環境基準が今100%達成できているわけです。あるいはSO2にしてもほとんど達成できてしまっているんですね。そんなものも水の場合も全く同じことが言えるんですが、ずらっと並べてみても何のインパクトもないし、結局達成率が高いといって何となく安心させるという意味しかないことになるのではないかと。やっぱり今、喫緊の課題でこれが問題なんだ、あるいは将来的にここをやらなければいけないんだ、そういうところについてしっかりわかるようにインデックスを示していかないと、ただ単に環境基準の達成率というような言い方では、何も言っていないことになりかねないなという心配がありますから、これは書くのは書くでいいんですけれども、実際にこれを次の点検作業で使うときには、もうちょっとメリハリをつけて絞り込むべきでしょうから、そういうようなことはニュアンスとしても計画の中にある程度書いておいて、既に100%達成されているようなものは格別というような書き方でもしておいていただく方が、はるかに素直に受けとめられるなという気がします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 先ほどの内部化の問題は、やはりここでは相手としているのが都市ですから、都市域の大気環境の確保に向けてどういう施策をとっていくのかという、そこのところがもう一つ何かあるといいですね。指標については全く私、同じような感想を持っているんです。
 それでは、江森委員。

○江森委員 最近の温暖化の影響もあると思うんですけれども、異常気象と異常災害が非常に増えてきていると思うんです。やはりこれから都市の災害というのが今後とも増えていくのではないかということを想定すると、都市政策全般に広げるという観点から、災害に強い都市づくりの一環として、都市の緑化というものをもう少し積極的に位置づけてもいいのではないかなというふうに思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 水のところでも洪水等々への対応などは今回は組み込まれることになると思います。ちょっとお考えいただいて。
 それでは、河野委員。

○河野委員 ありがとうございます。
 幾つかの視点から報告書の大筋について賛成といいますか、評価しています。それから個別でいえばヒートアイランドのことを取り上げたということは、全面に出したということは良いことではないかというふうに思っています。
 大筋ということでいいますと、中長期の目標の中で良好な大気環境を確保する、それから施策の基本的な方向性の中でも良好な大気環境の実現というようなことで、自然環境の質といいますか、自然資産の状態、あるいはストックと前から言っているんですが、そういう質の向上を意味するようなキーワードがきちんと書かれていて、それも含めて取り組みか書かれ、それからさらにその取り組み結果を状態の指標、ここに出ている指標はほとんど状態の指標だと思いますが、ステイトといいますか、これもフローを削減するというような指標でなくて、今、状態がどうなっているか、取り組み結果がどうなったかという指標を書かれたというのは首尾一貫していて良いのではないかというふうに思っています。
 一つだけ要望があるんですが、今のヒートアイランドに関わってのことなんですが、ヨーロッパの自治体で持続可能性に向けての国際自治体連合(IULA)という団体がありますが、それがエコバジェットといって、物量によって都市環境を管理していこうという手法を開発しています。そこでもヒートアイランドのことは取り上げられておりまして、その指標の中に、このレポートに出されているのと同じ指標があるんですが、そこではヒートアイランド現象下にある住民数とか、あるいはその面積ということも上げられています。自治体がこういう問題に取り組んで日数とかをチェックするということであれば、ひょっとして可能かなと思いまして、ご検討いただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、塩田委員。

○塩田委員 浅野委員から内容の修正についてのご指摘がありましたので、それで私も発言する気になったんですが、5ページの(イ)のところの環境的に持続可能な都市・交通システムの整備、この部分の施策は、この中央環境審議会の色々な分野で今まで相当長い期間にわたって議論されてきたことなんです。それで、ここにこういうふうに書かれたことについては、私は内容については妥当なことが書かれていると思うんです。ただ、先ほど浅野委員が言われた最近、特に京都議定書の目標達成計画の中にも盛り込まれているような新しい動きが交通の分野では2つ、3つあるわけです。具体的に申し上げますと、グリーン物流のシステム、それから通勤交通の改善のシステム、それからもう一つは、任意の地方公共団体のイニシアティブによる持続可能な交通改善計画の実験的な試み、いずれもCO2抑制に大きな効果を期待しうる包括的な取り組みが行われているわけです。私は今この時点で、アップトゥデイトな形でここに書き込む方が、政策の実態を反映して良いのではないかと思います。もしここを修正するのであれば、地球温暖化防止計画の記述も変えないとおかしいのではないかと思います。手間はかかるんですが、書き込む気になれば書けるのではないかと思いますけれども。この部会の方針に従って、もしそういうものをまとめてみろというのであれば、検討できると思います。
 それから、もう一つ、指標の点についてですが、先ほどこの交通騒音の報告書の案が小澤委員からご紹介がありましたが、その中でも交通騒音についてのここに一つの指標が出るということでした。その指標の意味というのはどういうものかということの記述が全くなしに、ただそこの3つの道路、鉄道、それから航空というものの指標だけがここに突然並んでくるというのはいかがなものかなと思います。これが国民全体から見て、どんな意味があることがここに並べられているのかなということに全く言及がないのはどういうものかなという気がちょっといたしますが、環境基準の測定地点における達成度としては事実なんですから、私もこれでお決めになるということであれば、特に異存はございません。
 以上です。

○鈴木部会長 やはりこれは京都議定書目標達成計画の1年後にこれがつくられていることもありますから、そういうところはやはりある程度アップデイトさせていただいても全く問題はないのではないかと私自身思いますので、少し検討をいただいて。
 それでは、善養寺委員。

○善養寺委員 同じ5ページの(イ)のところなんですが、道路の交通網のところとあわせて都市のデザイン的な部分等がこの中に一緒に書いてあるんですが、信号機の高度化、交通安全の施策制度、交通流の、という交通の話の後に、エネルギーの面的な利用、新エネルギーの活用、燃料電池の利用、そしてまた公共交通の機関の利用を促進するなどという、ここで都市の道路のデザインの中に都市のエネルギーのデザインもミックスされているんです。都市基盤整備を進めますということが、これはインフラのことも含めて言っているのか、エネルギーのインフラとか、水のインフラとか、そういう都市形態とインフラの仕様とライフスタイルのソフトがごっちゃになっている。それで最後に都市計画制度の活用の推進などを図りますとなっている。都市計画制度の活用の推進なのか、それとも都市計画制度なども活用し、コンパクトシティの推進を図るのか、都市計画制度というのが突然出てきて、それの活用の推進などを図りますという。それだけでは、この最初に言われている負荷の小さな都市構築、交通網だけではないエネルギーインフラなども含めた部分が、都市計画制度だけではできないと思うんですね。そうすると、ここの゛活用を推進する″というのではない、違う書き方が良いと思います。都市計画制度だけではない政策が必要だと思われるので、制度の活用というより、都市計画を推進しますの方がまだ全体的に含めていると思われました。

○鈴木部会長 都市における交通システムとまさに都市のグランドデザインという話とが、ある意味でちょっと階層的に違う話が一つここにまとまっているということで、場合によっては2つに分けるか、何か少し整備をしていただいて、交通の方に例えば自動車単体も含めてしまうとか、何か色々な切り分け方はあろうかと思います。それはこちらの方にお任せいただければと思います。ありがとうございました。
 武田委員。

○武田委員 ヒートアイランド現象の実効性のある施策について申し上げたいと思います。都市の大気環境という観点からいえば、ヒートアイランドというのは非常に大きな問題だと思います。これはこういう取り扱いで結構なんですが、ここにも書いておりますように、日本の大都市と書いておりますが、日本の中でも東京と宮崎を比べると平均気温が1.4度違う。東京とアテネでは2.1度違うというふうに聞いておるんですが、とにかく異常なヒートアイランド現象ということがあるわけで、地球全体の問題もさることながら、都市における対策を実効性のある施策を早急にやるというのは非常に大事なことだと思うんですね。ここに書かれている対策は、5ページの下の方にありますが、一つは省エネルギーによって云々と書いているのと、一番最後の行から次のページにいっているのは、都市における緑化の推進等の取り組みによりと、こう書いてあって、さらに具体的には、7ページの下の方に、公共空間における緑化や水辺づくり云々と書いてあるんですね。それを受けて、最後の指標のところに都市域における水と緑の公的空間確保と、こうなっているわけです。最後の指標は結果、ウオッチですから、対策ではないですね、30℃の問題は。
 それで、もう少し省エネは省エネでもちろんやるんですが、公的空間以外にもっとやる必要があるし、それをやらないと実効性ある施策はできないのではないかと思うわけですね。ちょうど東京が、例えば丸の内で見ますと、明治以来約50年から60年のサイクルで今、大改造時期に入っているわけですね。こういうビルの高層化、例えば最近できたビルでも近隣の建物の空中圏を移転して容積率をアップするということが非常に行われていますね。この事業者にとっては容積率をいかに高めるかというのは一番大事なポイントなわけです。したがって、ビルの超高層化を行うときに、一つは緑地を確保する。コンクリートの空間でなくて、緑地を確保する。もう一つは、地域、その地域での冷暖房システムを集中冷暖房システムを推進するということを行う事業者に対して容積率をプラスアルファ割増容認するとか、そういうことで一般の都市改造、民間の力を使ってヒートアイランド解消に実効ある制度にするというようなことが行われる必要があるのではないかと思うんですね。もちろん民間でも地域集中冷暖房は一部行っておりますが、これはこれでイニシャルコストを多大にかけて長い期間に渡ってランニングで回収しようということなので、なかなか難しい面もあるわけですね。こういう点で、容積率を割増することによる民間の力を使うということは非常に大事だと思うんですね。もしそういうことが行われれば、指標においてもそういう民間の施策による進捗状況の指標ということをつけ加えてやっていくというようなことが行われるかと思うんですが、一部お考えになって、ないしは一部やっているのがあるのかもしれませんが、もしあるのならなおさら指標としてそういうものをウオッチすべきだと思うんですが、一部質問と意見、両方入っていますけれども、以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 先ほどと関連する都市のやはり全体としての大きなデザインに関わる問題で、この辺はいろいろシミュレーションをされているんでしょうかね、今まで。大変いいご指摘をいただいたのではないかと思いますので、どういう形でここへ書き込むかというのはちょっと検討させていただければと思います。
 それでは、鳥井委員。

○鳥井委員 2つご意見と、1つ質問をさせていただきます。
 環境基本計画というのは、誰を規定するのかということをこの文章を読んでいると疑いを持つわけであります。例えば語尾なんですが、「必要です」、「重要です」、「望まれます」というような表現がされているんですね。これは計画で使う文章ではないと思うんですね。こうします、「支援します」とか、だからこれから基本計画にいくときにそれが変えられるということなのかという気もいたしますが、もっと誰を規定しているのかということを意識した言葉使いをする必要があるというのが第一点の意見であります。
 それから、第二点、これを読んでいて、そんなこと言ったってと思う点が多々出てきます。例えば地方公共団体に取り組みなさいよと、こういっているわけですが、一方で財源の地方移譲というのが今一生懸命起こっているわけですね。そうすると、地方へ行ってみれば、何も環境より先に取り組むべき課題はいっぱいあって、地方移譲なんかしてしまったら環境なんか取り組まれないかもしれないという感じがある。いやいや環境の問題だから、ちゃんと国が補助金でやりますというふうに、どういうふうに決着するのか私知らないんですが。
 それから、もう一つ、都市での車の利用を減らしますよといっても、一方で都市における商店街というのはどんどん壊れていっているんですよね。ですから歩いて買い物に行こう、自転車で買い物に行こうといったって、もうないんですよ。結局、車で郊外のお店に行かなくてはいけない。これはどういうことが起こっているかというと、やはり店舗の自由化というようなことで。ですから、この話と違う政策がよそでさんざんとられている。それについて言及をしないでいいのかという感じが……。これは本当は国としてのあれだったら言及すべきなんですが、今の日本は縦割りですから、言及できないとおっしゃるのかもしれないけれども、これを読むと非常に違和感があるんですね。車でないと買い物に行けない状態ができているんです。そこで、車を低減しますと言われたって、何を言っているのという話になりかねないという、ここは少しお考えをいただきたいというのが二番目です。
 三番目なんですが、ちょっとおもしろいなと思ったのは、船舶の排ガスの話が出ていたので、都市の交通で船舶の排ガスというのは、そんな大きな問題になっているんでしょうか。私、今週の初めにちょっと大洗に行きまして、漁協だとか色々なところで話を聞いて、確かにあそこでは問題になっているんですけれども、右としては問題にならないような気がするんですね。これは特別取り上げられた理由があるんでしょうかというのが質問であります。
 以上であります。

○鈴木部会長 先ほどの一番最初の「します」と書いてあるのは国に関してが「します」と書いてあると思うんですが、あと、ほかの主体に関しては「希望します」。

○鳥居委員 そうしましたら、それを推進するような施策をとりますと、こう書くべきであって、「望まれます」と書いたのでは足りないんだと思うんです。
 計画なんですから、計画は「やります」ということを書くのであって、それが「望まれます」とか、「必要です」とか……

○鈴木部会長 しかしながら、それぞれの主体が、一体自分たちがどういう関わり方ができるのかということをここに求めている点がありまして、それに対して「希望します」、「望まれます」と書く以上は、国もその覚悟をしているということは、その背景にはもちろんなくてはいけないというか、その具体的にどういうそれを……

○浅野委員 その点は全部に通じることですから、全体の中で調整をして、つじつまを合わせておかないとだめです。あるところはこういう、ここはこういうではだめだと思います。ご指摘はよくわかります。全部を通じての流れ、どっちかにやはり合わせる。

○鈴木部会長 郊外の商店街の問題はまさにおっしゃるとおりなんですけれどもね。

○垣下水・大気環境局自動車環境対策課課長補佐 今、船舶の話がありましたけれども、例えば関東地方における窒素酸化物の発生源別の割合を見てみますと、実は船舶からの排出が7%ほどあるというふうに推計されてございます。これは関東でいけば東京湾、東京港、横浜港、こうした港湾の存在というものがかなり大きなウエイトを占めているというところから船舶についても何らかの一定の対応が必要であろうという認識に基づくものとして、事務局の側で整理をさせていただいたところでございます。

○鳥居委員 それは書いていきましょう。せっかくそういう数字で船舶という話が出ているんだから、ちょっと書かれたら。

○浅野委員 東京だけではなくて、大阪、博多湾でも結構出てくるので、飛行機を合わせたらかなりの量なんですね。

○鳥居委員 それ書いておきましょうよ。

○鈴木部会長 脚注か何らかの形でわかるようにしておくということですね。そうすると、大分脚注をつけなければいけないことが多くなるかもしれませんけれども、検討させていただきます。
 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 全般的に非常に妥当な報告書で、それを踏まえた上で2点だけ申し上げます。
 6ページの(カ)、経済的手法の活用につきましては、これは3行しか書いていないんですけれども、もう少し書き込みが必要でしょうし、書き込まれたらそれ対する意見も言えるのですけれども、もう時間が残されていませんので、浅野委員の目配りのきいた意見書を楽しみにし、期待したいと思っております。
 それから、もう一点、6ページからの事業者の取り組みで、7ページの方にいきまして上から3行目、共同輸配送の活用等による物流の効率化ということについてですけれども、このとおりなんですが、例えばある企業の巨大な物流センターを活用する共同物流なんていうのは非常に有効なんですけれども、こういうときに、公取の理解が必要だということを指摘しておきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 すみません、共同輸配送の活用による物流の効率化……

○永里委員 、これが運用されるときに、公取の方から非常に厳しいチェックが入ってまいりますので、実際は実現しなかったという例があるんです。

○鈴木部会長 それでは、長辻委員。

○長辻委員 先ほど武田委員の方が随分ヒートアイランドの話についてしてくださったので、私は余りつけ加えることはないんですが、私も実はヒートアイランドが非常に重要だと思っておりまして、何故かというと、現代の都市における大気の問題というのが、この現象に集約して表れていると思うんですね。都市域のヒートアイランド現象は面積が非常に限られたところにもってきて、少し集中的にやられるので、現象が非常に過激になりますよね。集中豪雨、今年なんかも非常に多くありましたし、そして死者が熱中症で随分出ていますよね。こういうことを考えると、都市における大気の環境問題、1.(2)(ウ)にありますけれども、これをもっと上に上げてもいいのではないかと、そういうふうに思ったりもしております。
 以上です。

○鈴木部会長 速水委員。

○速水委員 先ほど善養寺委員、あるいは武田委員がおっしゃられた中にも含まれてくると思うんですけれども、ここでは建物、ビルを含めた建物というものに対して特記したような部分というのがバラバラに入っているような気がするんですね。都市というのは、ある意味では一つのビルの中にたくさんの人が集中して、あるいは商業施設なんかでも集中するというのが都市の一つの特徴だと思うので、建物が都市の大気環境だとかに影響するのはわかっていて、いろいろ緑地の問題だとか、省エネルギーの冷暖房の問題だとか、散らばって入っているんですけれども、読む方としては、まとまって書いてもらった方がわかりやすいところがあるのではないかというふうに感じます。
 例えば5ページの(オ)のところなんかでも、かなりこれ建物に対しての話だと思うんですね、一番下のところ。あるいは6ページからつながっている文章の下の方、エコ改修のところだとか、建物の屋上緑化、壁面、敷地緑化、こういう部分、あるいは7ページの下の方の国の取り組みのところで、ここは余り関係ないのかな。都市の景観、環境改善、都市景観の緑化というのは、結構建物との関連というのがあるんですけれども、それをできれば少し特記していただいて、どこかわかりやすく建物でまとめていただくという感じが大事ではないかなと思います。
 東京の場合は、比較的、公共交通機関、それなりに整備されて、どこに建物が建ってもそれに対応するぐらいの公共交通機関というのはそれなりに整備されているような気がするんですけれども、地方の場合は、あるところにちょっと建物を出すと、突然そこに行くには車しかないというふうなことが起きてくる。本来、それはその建物がもう少し公共交通機関とうまく連携をとったような考え方で場所を設定するとかというようなことも含めた都市計画よりももう少し小さい話なんですけれども、建物というものをもう少し出した方が理解をしやすいのではないかなと、そんな感じがしました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。これは検討をさせていただければと思います。
 あと、松原委員。

○松原委員 国の取組というのが7ページの(4)にありますが、ここで国は環境への負荷の小さい都市が実現されるように、全国的観点及び大都市圏の観点から必要な枠組みを構築する、そして取り組むべき対策を実施するというふうに、非常にはっきりと環境への負荷の小さい都市の実現がされるようある種の対策を実施するとここで書いているわけです。具体的にはということでその後、省エネの導入とか、いろいろ緑地の保全とか、書いてあるわけですね。これ大変重要なことなんですけれども、環境への負荷の小さいということが実はこの報告書の色々なところに書いてあります。例えば5ページの上から3行目にも書いてありますし、つまり色々な生活様式を変えていくためにこういうものをつくってほしいといようなこととか、色々なところに6ページにも書いてあると思います。そういうようなことで、このことは大事なんですけれども、国民として具体的に環境への負荷の小さい都市にするために何をしたら良いかと考えると、自分自身ではすぐにはそんな製品を開発することもできないし、そういう製品はどこにあるんだろうかというふうに考えてみると、身近なものとしては廃棄物になっている包装に使われているもの、そういうようなものが非常に過剰包装なので、都市圏ではごみとして毎日たくさん出されていて、負荷を与えているだろうというようなことは想像がつくわけですね。そういう観点から言いますと、ここに出てくる幾つかの施策の中で、エコドライブとか緑化とかに加えて、主体が参加できるように廃棄物の減少化ということもやはり廃棄物は結局は焼却場に行って燃えて、莫大なお金を使ってダイオキシン等除去して大気に出しているわけですので、やはりここは廃棄物に関係ないんだということで書かないのではなくて、廃棄物の減少化等の言葉も取り組みのところに一言入れたらいかがかと思います。
 それからまた、6ページの(キ)のところ、環境負荷低減のための調査・研究の推進とございますけれども、この調査・研究というのは、もちろんこれが一番重要なわけなんですが、これがただ大気の環境を観測、監視整備する、これは今までもずっとやってきて、かなり改善している物質となかなか改善しにくい物質があることはわかっているわけですけれども、これを推進し続けるだけではなくて、やはりこの中で何が人との健康で一番大事かというと、今まではご承知のように、NOx、SOxとか、ダイオキシン等であったわけなんですけれども、オキシダントもそうだと思うんですけれども、そういうようなものの動きをきちっと調べるだけではなく、その動きを減らすために人がどんなふうな協力をしたのか、廃棄物がどのように関わっているのかというような、そういった大気環境因子の動性に関係した人間行動とか、社会的対策との関連とか、そういったこともぜひ調査、これから必要な調査、研究として調査に加えていただきたいなと思いましたので、意見を申し上げました。

○鈴木部会長 調査・研究のところは、若干文言をご検討していただければと思います。
 廃棄物の減少化のあたりが環境負荷の小さい製品サービスの利用とか、こういうところだけでカバーできるのかどうかもちょっと明示的にいたした方がいいということです。ありがとうございました。
 そのほか、善養寺委員。

○善養寺委員 先ほどの公的緑地等、水辺の話が出たんですけれども、都市における大規模緑地の中に、私的な屋敷林というものが結構あると思うんですね。それが遺産相続でマンション化してしまうという問題があって、そうすると公開空地などを求めるよりも、はるかに屋敷林をそのままにしておいた方がヒートアイランド防止の観点からしても環境保全の観点からしても重要だと思うのです。そういう個人が持っている大規模緑地をそのまま保全ができるような社会制度というものも必要なのではないかと思われます。それと先ほど容積緩和の話が出ておりましたが、現実に公開空地による容積緩和というのに、総合設計による容積緩和があります。敷地をなるべく緑地にしなさいというふうにしても、結果的に汐留のような、建物が風道をふさぎ、ヒートアイランドを助長したという現状もございます。そして建築面が大きくなることで、人工の蓄熱も大きくなってしまうという、壁面が増えるということで、ビル単体では省エネルギー、ビル郡全体では環境負荷を上げるというようなことが現状ではあります。そういう意味で、公開空地の緑化を求めても、農大の先生から言われているのは、日照時間が5時間以上ないと、緑の基盤を維持管理することができないと。そうなりますと、空地空けてもビルの谷間であれば木はまともに育たない。効果がないということも言われております。
 この6ページの調査という項目では、大気汚染の問題、交通の方の汚染等の問題だけが書かれています。そろそろ都市のデザインをするときの緑地のあり方、風道のあり方、それと地域、熱供給システムがどれだけか地域エリアに与える環境負荷を軽減するか等、そういうものを調査、研究をして都市のデザイン自身も理想的にはこういうインフラを踏まえてこういう形態というものが必要なのではないかというような研究をこの中に盛り込んで、道路の問題等、都市のデザインの問題を調査・研究していくということを考えていってもいいのではないか。突然何もないところにビル群ができて交通が悪くなってしまうなど、事前に研究していれば把握できたかもしれないことが、できていないために勝手な開発が進んでいってしまうということがあるんだとすれば、この調査・研究の中に都市デザインを入れていくということも重要なのではないかと思いました。

○鈴木部会長 その都市の大きなデザインをしていく上で、今までの観点でやったり、あるいは経済産業省の方でもやったり、国土交通省もやっていると思うので、そういう一応のシミュレーションみたいなことはやられてはいても、こういう環境面に特化したきちんとしたシミュレーションというか、いろいろな予測をする手法というものをもっていないといけないということで、それをここへ書き込んでいけるかどうかということですね。まさに屋敷林なんかどんどん減っていって、そのかわりに震度5で倒れるマンションができるなんていうのはやはり最悪ですから、そこの哲学をつくっていくというところに環境側から寄与できるということが必要なんだろうと思います。
 いかがでしょうか、よろしいですか、小澤先生何か、それでは最後に。

○小澤委員 いろいろとありがとうございました。
 基本的に大都市の問題と地方の中核都市が少し整理が、議論している途中ではやっていったつもりです。それから都市の空間的なデザインをどうするかというのはやはり大きな議論としてあったかと思いますし、それからヒートアイランドと、地球温暖化問題、やはりある程度の模擬的な図で我々も勉強しながら、そういう中から都市の緑化ということがうたわれてきて、そしてコンパクトな都市という形の概念も書き込んだつもりですけれども、しかし、議論のベースには、日本の土地に対する財産制度の大きな財務省の問題も関わっているかなと、そこをどこまで書くのかなという問題は、これは一応これ議論しているときには国交省の方も参加してというのか、傍聴していただきながら詰めてきたつもりですけれども、ご指摘あったところはもう少し入り込ませられるようにしていきたいと思います。特に経済的な手法につきましては、もう一度検討させていただきたいと思いますが、委員会はちょっともうないので、事務局とお諮りしていきたいと思います。
 それから、指標については幾つかご指摘がありましたので、少し検討していくことが新たな指標に対してどういうふうな形で書き込んで、将来的な検討、そこもまた先ほどのご指摘いただいた調査と関わってくるかもしれません。
 それから、都市の特にヒートアイランド、省エネと公的空間での対応というあたりは、少し5ページのところ、書き方をちょっとあれしないと、ずっと書いておりますので、わかりづらくなっているかなと思います。
 ということで、入れられるところはなるべく入れていきたいという形にしたいと思いますけれども、私自身この都市の構造については専門に近いところであるので、ちょっと言いづらいところもあるので、しかしこれ制度的な縦割りの中では限界があるかなという。ですからこの基本計画自体が一つの柱が幾つかあって、そこに横断的なという、それがまた国の部局の今度は縦と横断のをどうやっていくかというとても難しい哲学のところにきている問題を都市におけるということが表題に、分野にしたがために、物すごい、でも大事な、とても今まで議論されていないところが入ってきているなという思いで三度ぐらいの議論ではなかなか難しいところがあったなという思いがしますので、また事務局と相談させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 もう本当に議論が尽きないところなんですが、ちょっと時間も予定をオーバーいたしております。まだきょうご発言いただけなかった面がございましたら、事務局の方にファクス、もしくはメールでご提出いただければと思います。大体来週の初め、12月5日ぐらいを目途にお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、国際的枠組みやルール形成、ルールの形成への貢献等の国際的取組の推進につきましてご報告をお願いしたいと思います。
 和気委員、お願いいたします。

○和気委員 ありがとうございます。
 それでは、私の方からこの分野の検討の経緯と報告書のポイントをご説明させていただきたいと思います。
 この分野については、私とそれから浅野委員と加藤久和国際環境協力専門委員と協力して3名で基本的には検討させていただきました。
 検討に当たりましては、昨年の11月、環境大臣の諮問を受けて、中央環境審議会地球環境部会に設置された国際環境協力専門委員会において議論をし、そこでまとめられましたのが、ことし7月の答申で今後の国際環境協力のあり方についてという報告書を提出し、それをもとに今回のご報告に向けて作業を進めさせていただいたという経緯でございます。
 作業した結果については、11月4日の地球環境部会でご説明いたしまして、議論をいただいたという経緯でございます。総合政策部会からは浅野委員を初めとして、地球環境部会と総合政策部会と委員を兼任されている委員の先生方のほかに、ご指摘いただいた武田委員と善養寺委員と崎田委員にもご参加いただいて、いろいろ議論させていただいたという経緯でございます。
 その11月4日の地球環境部会のご報告の中では、幾つかの大変貴重なご議論をいただいて、例えば西岡委員からは、各地域の人たちが自分たちで状況を把握して、自分たちでプランをつくっていくということが大切だということをもっと強調すべきだというようなご意見とか、あるいは川上委員から、これまで既に実績として中国とか、タイといったポイントとなる国では既に環境管理センターなどをつくって実績を上げてきているわけで、そのことをもっと記載すべきだというようなご意見とか、あるいは天野委員からは、国内の環境政策とWTO協定の整合性の問題があることなどについてきちんと触れるべきだ、などの貴重なご意見をいただきました。
 そこでその他関連したご意見を踏まえて、総じて好意的な意見だというふうに私たちは思っておるんですけれども、このいただいたご意見を踏まえて修正したのが本日ご提出申し上げた報告書ということになります。
 この分野の重要なポイントはおよそ3つございまして、それについては中長期目標のこの中のキーワードとして既に記述しているんですけれども、まず一つは、表題にもなっていますけれども、環境保全に関する国際的な枠組みづくりへ貢献するというところでございます。地球環境保全と、持続可能な開発の実現に向けて、各国が協調して具体的な行動を進めるためには、世界的な枠組みづくりの進展とか、強化が重要であるということは言うまでもありません。我が国としてもこの枠組みづくりに力を入れて貢献していくと、そういう姿勢を明確にしたという点がこの報告書の第一のポイントだというふうに理解しております。
 それから、第二のポイントは、環境管理の仕組みを改善するという点でございます。これは、ハードインフラを中心とした取り組みだけではなくて、各国の様々な主体が自立的に環境の管理に取り組むというためのいわゆるソフトインフラ、その仕組みを構築し、強化していくということに貢献するという点が第二のポイントだと考えております。
 それから、第三に今回の報告書のポイントは、東アジア地域を中心に取り組むという点を強調した点でございます。これは我が国と東アジア地域との社会的、経済的、地理的な関係、また欧州及び北米の先進国による国際環境協力との相互補完という観点から、そういったものを踏まえて今回のご報告は、まずは東アジア地域に焦点を絞って取り組みを進めるということを強調しております。その後、この地域での取り組みを突破口として、アジア太平洋、あるいは全世界への取り組みを進めていくということに繋げていこうという姿勢を強調した点でございます。
 さらに、この3つのポイントを中心にして、幾つかの具体的な指標を挙げております。ただこの分野は非常に横断的でありますし、また当然相手のあることで、国際的な取り組みという性質上、いろいろ幅広くどんな指標がよいか検討はしたのですが、データが持っている代表性とか、入手可能性などから今回のようなご報告の中で示された幾つかの指標に絞られたという経緯がございます。この計画上の指標はこれはこれとして今回のご報告書に使いますが、実際の取り組みを進めるときには、もっと広くデータを集めて検証しつつ取り組むということを私ども強く期待したいし、そのように要望したいと考えております。
 それから、各主体に期待される取り組みという点については、この分野は何度も申し上げるように、性格上、国際的な枠組みになりますので、国の政策、施策が中心にならざるを得ないという点がございますが、それぞれの主体ができることもたくさんございますので、主に主体間の連携という点が重要だというふうに考えておりますし、その点がこのご報告書の中では示されているというふうに理解しております。
 それでは、報告書の詳細については、事務局の方からご説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○清水地球環境局総務課長 地球局の総務課長の清水です。それでは資料2に従いまして、少し読み込むような形でご説明したいと思います。
 まず、タイトルでございますが、「国際的枠組みやルールの形成への貢献等の国際的取組の推進」ということで、これは多様な主体の取り組みも含めておりますので、この委員会、部会で示されたものより少し広げた形にしております。
 現状と課題ということで、これは経済のグローバル化、あるいは経済活動水準の向上、貧困の進行、あるいは人口の急増と集中などを背景としながら、地球温暖化、廃棄物の増加、熱帯雨林の減少、生活環境の悪化などの環境問題が激化していると。特に開発途上国におきまして、自然資源に生計を依存する人々が更なる貧困に陥るというような悪循環が生じているということを指摘しております。
 こういった状況に対しまして、国連におきましては、2015年までに達成すべき数値目標でありますミレニアム開発目標を定めており、あるいは2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」におきまして、「ヨハネスブルグ実施計画」などを採択しているということであります。こういう持続可能な開発の具体化に向けまして、先進国、途上国という軸だけではなく、地域や国に応じた対応が重要になってきているという認識を示しております。
 こういった状況の中で、ここでは以下の4つの局面で現状と課題を捉えております。
 まず、第一に、国際的な連携の確保や枠組みづくりの分野ということで、まずは世界的な枠組みづくりということで、そういう国際的な枠組みの重要性をまず指摘しておりまして、世界的な枠組みに関してということで下の方に書いてございますが、ここの中では事例といたしまして、地球温暖化対策の取り組み、あるいは「3Rイニシアティブ」などの廃棄物の取り組み、さらには「全球地球観測システム10年実施計画」などの例を挙げております。
 次の2ページの方にまいりまして、現在既存の多国間環境条約、地域的なものまで含めますと500以上にも上っておりますので、こういった条約間の連携強化であるとか、あるいは途上国における実施するための能力向上が課題となっております。
 さらに、新しい問題としましてWTOなどで貿易と環境の問題が取り上げられてきております。経済の国際化の進展に伴い、ある国で環境保全上問題となったものが他の国に流入したり、あるいは国内の環境政策であっても貿易や他国の経済活動に影響を及ぼし得るということでありますので、より適切な国際ルールの形成が重要になっているという認識があると思います。特に我が国の貿易や経済活動、環境政策が他の国々の環境に影響を及ぼす可能性があることも踏まえながら、積極的な貢献と行動が必要になってきているということであります。
 それから、(イ)として、アジア地域を拠点とした地域的な枠組みづくりを項目に立てております。我が国を含む東アジア地域は、世界経済に占める割合が増大しております。ここでは酸性雨、黄砂、大気汚染、海洋汚染などの現象が国境を越えて広がっているということを書いてございますが、この地域の適切な環境保全を進めることが世界全体の持続可能な社会の実現のために不可欠ということで、我が国はこれまでに日中韓三ヵ国環境大臣会合、あるいはASEAN+3環境大臣会合など、政策対話を様々な形で実施してきていますが、これらを土台としまして、アジア地域での環境管理の仕組みの改善に取り組んでいくことが課題となっております。それから、貿易と環境の話、前の方にしましたが、地域的な経済連携の枠組みといたしまして、経済連携協定(EPA)、あるいは自由貿易協定(FTA)などが進行しておりますので、こういった動きの中で環境分野における配慮についても議論していく必要があるというふうにしております。
 それから、(2)としまして、開発途上国の環境保全のための支援の分野でございます。ODAにおきまして、環境問題を含む地球的規模の問題の取り組みが重要課題になっております。この中で、我が国は2002年8月に持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ(EcoISD)を定めております。これに基づいて積極的に協力を進めてきております。これまでも中国、タイ、チリ、エジプトなど、6カ国におきまして、「環境センター」を設置しております。こういったところで途上国の開発問題の対処能力の向上を支援してきております。またODAにおける環境社会配慮のガイドラインを策定しており、その適用を徹底していくことを求められております。
 アジア等の国におきましては、環境管理の強化というのが重要になっておりますし、次の3ページにまいりますと、アフリカなどの後発開発途上国におきましては、ミレニアム目標の達成でありますとか、あるいは貧困対策をも念頭においた支援を行う必要があるということで記述しております。
 それから、(3)としまして、国際環境観測・研究の分野を特記しております。環境の変化を早い段階で感知検出し、未然防止をとっていくことが大変重要になっております。ここで我が国の提案により進められております「GEOSS10年実施計画」、あるいは東アジア酸性雨モニタリングネットワークなどを好例として上げ、これらの枠組みを強化・充実していくことが重要になっているということで認識を述べております。
 それから、最後の4番目になりますが、国際的取組のための基盤の強化の分野ということで、特に民間の役割が国際環境協力の分野でも増大してきております。この中で、国のみならず、政府系機関、地方公共団体、事業者、NPO、学術研究機関など、様々な主体が連携・協働する仕組みや場を構築することが課題となっております。さらに国際機関や国際的な共同研究など、日本人の人材が圧倒的に不足しているということで、その要請は緊急の課題として挙げられております。
 それから、2にまいりまして、中期的な目標ということで、地球環境の保全は当然持続可能な開発を達成するため不可欠な要素になっております。長期的には地球環境の保全のために、各国の様々な主体が自立的に状況を把握した上で必要な計画を立て、環境の管理に取り組む仕組みを構築、強化することを目指したいと考えております。
 このため、これは答申の中でも議論されておりますが、「地球環境の保全と持続可能な開発を考えた環境管理の有効な仕組みを東アジア地域を中心に普及すること」を中期的な目標として施策を講じていきたいとしております。
 3番目に施策の基本的方向でございます。まず第一に、世界的な枠組みづくりの重要性を指摘しております。
 次の4ページにまいりまして、こういった場合、特に多国間での枠組みの交渉のみならず、二国間、あるいはアジア、東アジア地域といった地域レベルでの政策対話にも積極的に取り組むことが重要であると。
 それから、8行目になりますが、特に重点的に取り組む地域としまして、我が国と東アジアの社会的、経済的、地理的な関係、また欧州、北米の先進国による環境協力との相互補完の観点も踏まえ、日本のイニシアティブとしては「東アジア地域」における環境管理の仕組みの改善を進めるということで、東アジアに重点を置いた姿勢を明確にしております。
 こういった各国に働きかける場合に、政府のみならず事業者、市民、国際機関と、様々な主体とのパートナーシップの下で取り組んでいくということを挙げております。
 また、東アジアの国々、特に地球温暖化など世界的な取り組みが求められている課題に積極的に取り組めるように、我が国としてリーダーシップを発揮していきたいということを考えております。さらにこういったアジア地域の取り組みを突破口として、アジア太平洋、全世界での取り組みを進めていくということで、東アジア地域を重点地域として選ぶ戦略についても触れているわけでございます。
 それから、4番目から重点取組分野ということであります。
 一番目が国際的な枠組みの構築・強化、まず国際的な約束が相当程度形成されている分野につきましては、この実施を行い、更に一層取り組むことはもとより、その枠組みの更なる活用でありますとか、枠組み相互間の連携の強化を進めていきたい。それからその他の分野につきましては、政策対話、あるいは共同の調査研究などから段階的に進めていきたいということで書いております。
 それから、2番目が貿易と環境に関する世界的な枠組みということでございますが、世界的な貿易協定の中で、貿易と環境の相互支持性の確保に対する議論に参加していく。それから特にEPA/FTAなどに伴って、貿易自由化に伴って生じる環境面のプラスの影響を最大化し、マイナスの影響を防止するよう努めていくということを記述しております。
 それから、4ページ目の一番下でありますけれども、環境保全に関する我が国の進んだ技術なノウハウを国際的に生かしていく。その際、5ページ目になりますが、国際標準の形成において主要な役割を果たしたいということで、ここでは国際電気標準会議などの例を挙げております。
 それから、アジアの国や地域単位での政策対話、それから個別分野のネットワークを通じまして、共通の目標や計画の策定、共同で実施するプログラムの策定、実施などの国際協力を進めていきたい。ここでは「ゴミゼロ国際行動計画」など、東アジアの循環型社会ビジョンの策定を例として挙げております。
 それから、(2)で、開発途上国の環境保全のための支援ということであります。これはアジア地域のみならず、アフリカ等の開発ということについても支援を進めるという意味で、まず関係者の能力を高めるための人づくり、あるいは制度構築、機材整備などの協力ということ、特に開発途上国みずからの能力向上を目指した様々な活動、特に教育、あるいは環境意識の向上などをここでは指摘しております。
 それから、(3)で、国際環境観測・研究の推進ということでございます。科学的知見を充実し、それから共通認識を形成し、合意形成を推進して政策形成を進めるという意味で、研究に大変重要になっております。そのため我が国、まず国内で、国際環境研究の成果の充実・強化を図っていく。
 さらに、関係諸国と共同で、環境情報データのネットワークづくりを進めていくということで、ここでは「アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)」、あるいは3Rの研究ネットワークなどの例を挙げております。
 それから、6ページにまいりまして、(4)で、多様な主体による取り組みの推進ということでございます。国際環境協力を推進するにあたりまして、国のみならず、多様な主体が出てきております。そのネットワークを活用して積極的に取り組むことを期待しております。地方公共団体におきまして、各国との地方公共団体との協力関係を構築する。あるいはこれまで蓄積された環境管理に関する経験やノウハウを生かした人材育成、協力プロジェクトを進めていく。あるいはNGO/NPOにおきましては、社会の環境意識の向上、コミュニティによる身近な環境活動を行う。あるいはアジア太平洋地域のNPO/NGOのネットワークに積極的に参加していく。事業者におきましては、自身の情報の公開のみならず、相手国の産業団体との交流を行うことなどが望まれるということで、こういった期待されることに対して、国として連携の機会を拡大する方策を検討していきたい。さらに様々な情報の提供、環境教育のプログラムなどを推進していきたいということで書いております。
 それから、(5)で、最後、体制の整備や基盤の強化ということで、これも情報基盤の整備とそれから人材の基盤という2つの面で書いております。情報基盤の強化につきましては、有用かつタイムリーな情報を提供し、また情報発信をしていくということが重要ということで書いております。
 それから、人材基盤につきましては、特に若い世代の方々が国際機関や国際協力の現場を体験できるような仕組みを考えたい。それから日本国の人材の活用ということで、国際機関に人材の派遣を図ったり、あるいは環境関連の専門家の雇用を働きかけたいということで書いております。
 最後に指標でありますが、6つ指標を書いております。条約・議定書の締結数とその施行状況、それから2番目に競争的資金の額、あるいは課題など、それから代表的な国際機関で勤務する日本人職員の数、さらに研修の受け入れ人数、国際的取組を行っているNGO/NPOの数、あるいはISO14001の登録件数などを指標としてここで挙げております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関しまして、ご意見等、ございますでしょうか。
 それでは、そちらの方から、福川委員の方からお願いします。

○福川委員 ありがとうございます。
 以前に、幾つか申し上げたわけですので、その点についてちょっとお尋ねしたいんですが、まずこの環境ODAとか、グリーンエイドプランとか、幾つか今までこれまで環境政策をやってきたわけですが、これが今、国際的にどう評価されているか、あるいは受入国がどう評価をしているかという、いわゆる今までの施策の評価をした上で新しい政策を考えるべきではないかということを申し上げましたが、その辺の作業がどうなったかということが質問の1です。
 質問の第2は、いろいろ政策ツールを考えるときに、やっぱりODAというものが非常に大事になりますが、中国に対するODA問題をどういうふうにするかという点は、これは非常に政治的に難しい問題がありますが、この環境という観点からいうと、一つの政策ツールとして私は考えるべきだと思っておりますが、その辺のいわゆるODAと東アジアとの環境協力の点がどうかというのが質問の2番目でございます。
 それから、意見を2つ申し上げたいと思いますが、ここでいろいろ東アジア等の間を連携を強化するということが言われておりますが、この現実がどうかということなんですけれども、11月の初めに私北京で、中国とインドとアメリカと日本の大気汚染とそれから地球温暖化の問題についての議論を、いろいろ研究機関、シンクタンク等で、民間ですがおこなってまいりましたけれども、インドも中国も制度的には大変進んでおります。ただエンフォースメントはいろいろ問題はありますけれども、まさに日本と同じくらい制度的には整備が進んでおります。
 それで、そのときの制度の見方が、大体EUの制度をまねております。非常にEU向きで中国もインドも環境政策が展開をされているわけでして、日本で技術などで使いたいものは欲しいということではあるんですが、環境政策がどうも日本が向いていない。中国もインドも私の限られた経験ですので、すべてを推し量るわけにはいきませんが、実態は、実はそういうことになっている。ここでいろいろ文章は確かにつくっていらっしゃっているんだけれども、中国とかインドとか、その他のアジア諸国の環境政策の形成にどこまで入れるかということになると、結局、人の問題というか、ソフトパワーの問題になってくるわけです。この辺をもっと強化をしないとここに書いてあるようなものは実践できないと思うんですね。言ってみれば、環境外交のキャパシティビルディングをもう一回やるぐらいなつもりでやらないと、なかなか日本を向いてくれないのではないかという気がいたします。これは私は批判するのではなくて応援をする意味で申し上げたいんですけれども、是非この書いてあることを実現するために、もっと環境外交のあり方を強化をするということで、是非環境省を応援をしたい、頑張っていただきたいと思いますので、それが意見の第1です。
 意見の第2は、どうしてもアメリカをどう取り込むかということがポスト京都議定書で問題になりますが、ここでは技術開発、研究開発の取り上げ方がどうも弱いような気がするわけでありまして、5ページ目の(3)では国際環境観測と研究の推進ということに入っておりますが、今大事なのは技術開発、特に基礎研究を革新してやっていく。例えば、水素エネルギーの利用とか、あるいは燃料電池だとか、あるいは二酸化炭素の固定化だとか、アメリカが音頭をとって国際チームをつくってやっている研究プロジェクトが幾つもあるわけですから、もっとそういうことに日本は積極的に協力する。例えば先ほどの3Rだとか、あるいは東アジアを含む循環社会の形成とかというなら、何が大事かというのを日本がイニシアティブをとって提案するぐらいなことをする。技術開発、研究開発は私はここで観測と並べていますが、もっと独立するぐらい強化をしないと、私は環境外交は引っ張っていけないだろうというふうに思うわけです。ですので、ここの技術開発をもっと強調するということができないかという気がするわけであります。
 この取り組みの指標の中でも、我が国の競争的研究資金の累積予算額とそのうちの個別評価が期待どおり、または期待以上の研究成果を上げた課題数を指標に取り上げておりますが、もっと環境関係の技術開発の支出そのものを指標として取り上げてもいいのではないか。例えば、国際研究協力にどう使っているかというのを入れてもいいんではないかというふうに思います。
 その一環で、これも意見ですが、民間と政府の協力ということを非常に強調されているのは、これは私も大変大賛成でございまして、環境外交、環境政策はPPP、パブリック・プライベート・パートナーシップという趣旨をここに書いていらっしゃいますが、これは是非これで実践をしていくということが大事だというふうに思っております。
 2つ質問と2つ意見です。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変重要なところを指摘していただいたんですが、今お答えになりますか。

○清水地球環境局総務課長 まず、過去の評価ということでございます。
 確かに、ここの文章自体には明確になっていないかもしれませんが、これのもとになりました先ほど和気委員からもご紹介がありました今後の国際協力のあり方についての答申の中では、十分議論しておりまして、この中では環境分野のODAについては、非常に着実に成果を上げてきているけれども、特に技術移転とかインフラ整備の支援に比べまして、政策立案でありますとか、あるいは実施、評価に係る能力の向上の支援に重点を置かれることが少ないということで、むしろソフト的な面に重点を置いて行うべきではないかというご指摘がありまして、それを受けた形でこの中でもハードな支援というよりは、むしろソフトな支援に一つの重点を置くことを考えております。特に中国などのお話で、制度化のご議論がありましたが、まさに我が国として制度を各国に輸出するなり、移転するというのが大変重要だという問題意識はあります。
 その中で、例えばここの資料の中で言いますと、1つは国際標準の形成みたいなことも挙げております。グローバルスタンダードというようなことで、日本がある種リードをとるということから、そういうところからまた制度を広げていくのも一つのやり方ではないかという、そういう問題意識はここに書いておりますが、ご意見を踏まえて少しまた考えたいというふうに思います。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 なかなか環境ODAというのが環境省が本当にきちんと総合的にそれを見られているかというと、残念ながら環境というキーワードを使われてODAが動いてきて、結果としてどうなっているか、非常にそういう意味で問題を起こしているところであると思うんですが、今後は環境省はそういう意味では外務省の方とも連携を密にとらなきゃいけないと思いますし、外務省にもそれを多分求めていかなくてはいけないんじゃないかと思います。いろいろご指摘いただいたところは大変重要なところだと思います。
 それでは、速水委員。

○速水委員 ありがとうございます。
 最初の現状と課題のところで、上から5行目の終わりの方から、「自然資源に生計を依存する人々が更なる貧困に陥る悪循環が生じています」という現状認識がここに出ているんですが、そういう自然資源をどうしていくかというところの協力の考え方というのが何か4ページの下から4行目ぐらいのところに、「マイナスの影響(天然資源の過剰利用による枯渇等)」というふうなところが出ているぐらいで、色々な技術協力だとか国際協力の中にそういうことが多分本当は入っているんだろうと思うんですが、ここに現状認識でそう「ぽん」と書いてあって、書いてある割には、そういうことに関係したものがこうだよというところが出てきていないような気がするんですよね。それをもう少し何か入っているんだったら、少しちらほら見えるような表現なり何かを使った方が最初に出したという意味が繋がるのではないか、そんな気がいたします。
 以上です。

○鈴木部会長 この最初の部分は、どちらかというと国連的な発想で貧困対応なんですよね。ちょっと文章の方を少しひねっていただければと思います。
 では、永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 一つエールを送りたいと思いますが、6ページの(5)体制の整備や基盤の強化というところで、真ん中の行ですが、「人的基盤については、特に若い世代が国際機関や国際協力の現場を体験し経験を積んで、長期的に従事できるような仕組みを整えます」と、この文章は非常に重要でして、例えばオゾン層保護のためのフロン問題で国際機関で国際的に活躍する人々たちを見ていますと、長期的に居座っていて、その道の専門家で一目置かれるようになっています。そういう意味では、この文章が書かれているということは非常に重いのでして、ぜひこういう仕組みができるように考えてほしいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、鳥井委員。

○鳥井委員 先ほどの福川さんのご意見と重複する意見でありますが、和気先生には大変ちょっと変な言葉遣いをして申しわけないんですが、これは見ますと、ちゃんとおつき合いします、そういう印象の感じがするんであります。外交というのは、もっと我田引水なんじゃないかという気がするんですよね。こうやると日本の市場が開けますとか、相手国に対して影響力が持てますとか、排出権取引が簡単になりますとか、CDMのチャンスが増えますとか、何かそういう視点で外交をするから相手も信用してくれるんじゃないかという感じがするんです。皆さんのためですよなんていってにこにこしてやってきたら、こいつは何考えているんだろうと相手の国は思うというのが国際的な相場というような気がして、やりますと言っていることは多分これでいいんだと思うんですよ。その位置づけをもう少し日本のため、広い意味での国益の概念から何か書くと説得力が出てくるかなという感じがするのであります。
 以上です。

○鈴木部会長 これも大変重要なところなんですが、日本の外交そのものにかかわってくるので。

○和気委員 まさしくおっしゃるように、大変よくわかって、そういうことも踏まえて、各主体が個々のある種の合理性なり、あるいは主体的な目的の中でこういう国際的な枠組みに参加するという中で、個々が何らかの利益誘導ではないですけれども、表沙汰にできないですけれども、そういうものがあるからこそ、ただ単に国と国とのインターガバメントな枠組みの政策協調だけではなくて、いろいろな主体が事業者も含めて、学術研究者も含めて関与すると、そこの中からそのチャンネルからそれぞれの個々の利益が、あるいは貢献があるんじゃないかという意味合いも実は込めて、各主体の参画というのは非常に出しているつもりだったんですけれども、もしもうちょっと必要ということであれば検討させていただいて、修文が可能であればやらせていただければ、検討させていただきたいと思います。

○鈴木部会長 では、武田委員。

○武田委員 ありがとうございます。
 ここで東アジアを重点的に取り上げられたということは、非常にいいことだと思います。これは素晴らしいと思っています。いろいろ先ほどご指摘の困難もあろうかと思いますけれども、ぜひ実践的に進めるということをやっていく必要があると思うんですね。CO2でも大気汚染でも国境がないので、この立地上、東アジアの問題を解決しないと日本もやっていけないわけで、そういう目で是非お願いしたいと思うんですが、それと同時にというか、ここに並行して全体のいわゆる温暖化問題、京都議定書の問題、ポスト京都議定書ということも大事なことですね。
 この京都議定書については、1ページの後段のところに「京都議定書の発効によって」云々ということと、「将来枠組みにおいては、開発途上国を含むすべての国が」云々と書いてあるわけですね。確かに、理想的でそのとおりなんですが、実際はそう簡単にはいかないわけですね。まさに、今ポスト京都議定書の議論が行われようというか、もう始まっているわけですが、その段階にあるにもかかわらず、ここに書いているだけで後段の取り組みのところには全く出てこないんですね、ポスト京都の問題というのは。それで、あえて避けたのか、ちょっと理由がよくわからないんですけれども、この問題はヨーロッパが言っているような方向性ではアメリカも中国も乗ってこないだろうということは容易に想像できるわけで、仮にブッシュ政権が代わっても、上院の決議からして米国が今のようなものに乗ってくる可能性は極めて少ないと思います。
 じゃ、置いていっていいのかとなると、現在の京都議定書の締約国の排出量は全体の30%しかないと。アメリカと中国だけ40%、更にこれが増えていくという状況があるわけで、アメリカ、中国を置いてポスト京都をやっても、かなり意味は薄い。むしろそんなものに日本は入るべきかどうか、疑問があると私は思うわけですね。
 それでは、どうやってアメリカと中国を入れるのかという問題は、これは非常に難しい、今まさにこれからやろうとしていることなんですが、日本としてどういう方向をとろうしているのか、これは省庁によって意見が違うのかもしれませんけれども、ただ先ほど福川委員からもお話がありましたように、技術的な開発による対応という面でエネルギー効率を向上させるとか、GDP対比のCO2排出量をどのようにコントロールするかとか、そういうものについてはアメリカも多分中国も可能性はあるのかもしれないですね。国ごとの総枠云々だけじゃなくて、そういうアプローチであればですね。
 そういう中で、日本がどのようにアプローチして、まさにここにあるような国際貢献をしていくのかということは非常に大事なことだと思います。今まさに渦中にあるから、書けないから書かなかったのか、ポイントが違うとおっしゃっているのか、よくわからないんですが、その辺が私にとってはちょっとよくわからないところでございますので、何かそれに対するお答えがあったらぜひお願いを申し上げたいと思います。

○鈴木部会長 何かありますか。

○清水地球環境局総務課長 1つは、温暖化対策は別の重点分野になっておりますので、そことの書きぶりの連携をどうするかという問題かと思いますので、それぞれの分野間の調整ということで、調整できるものがあれば調整したいというふうに思います。

○鈴木部会長 この時期の基本計画ですから、京都議定書の目達の後のことをある程度将来、中長期的な目標として、何らかの形で記載していくというのは、これは絶対必要だろうと思いますので、他のものといいますか、もう一つの地球温暖化のところの重点分野とすり合わせをその辺はさせていただくと。

○浅野委員 ちょっとよろしいですか、前回も既に温暖化のところで、その点については、現段階で書けることを書き込んでご了承いただいていると思っています。ただ、そのときにちょっと言い忘れたんですが、カナダで会議がありますし、環境基本計画が最終的に表に出てくるまでの間に、特にパブコメ後に状況の変化があると思いますから、その時点での状況を踏まえた時点修正はしなきゃいけないというふうに思っておりますので、その辺のところも踏まえて、今のご意見を多分こっちに書くよりは、温暖化の方にきちっと書かなきゃいけないことだと思いますが、そちらの方のペーパーももう一度ごらんいただいて、ご意見があればまたお寄せください。

○武田委員 分野ごとに分けるのはそれで結構なんですが、ただこのタイトルからいって、「国際的枠組みやルールの形成への貢献等の国際的取組の推進」という大きなテーマを掲げている中に、京都議定書ということが具体的に項目で入ってこないということは、いかに温暖化の方で実質的にやるとしても、国際ルールに対する取組というところに、それは向こうでやるからいいんだというのは、どうもいかがなものかなという感じがいたします。

○鈴木部会長 むしろダブって出てきてもいいでしょうが、何かお互いに矛盾されては困るので、そこはきちんと考えておかなくてはいけない。ポスト京都をどういう形でというのは、まさに今モントリオールでもそのことが始まっているわけですし、アジアパシフィックという枠組みも提案されていますので、それは少し長期的に考えていくということだろうと思います。
 では、善養寺委員。

○善養寺委員 現状と課題の中での2ページなんですが、我が国の話をしているところで、「我が国の貿易や経済活動、環境政策が他の国々の環境に影響を及ぼす可能性がある」というふうになっているんですが、現状と課題ですので、我が国の貿易や経済活動は既に他国に影響を与えていますので、可能性があるということではなくて、反省を踏まえて、他国には影響を与えており、もしこれからいろいろとられる政策が他の国々の環境に影響を及ぼす可能性があることを踏まえてという表現が良いのでは。何か可能性があるという書き方は、現状ではない感じにとれる。貿易と経済活動に関しては既に影響を与えているというところと、これから何かつくられるものに関しては、与える可能性があるというふうな書き方をしないと、まるっきり今まで何も与えてないみたいに「我が国」のところでとれるので、少しそこを分けて、今に関しては与えていると、未来に関しては与える可能性があるというふうにちょっと足してもらえたらなと思います。

○和気委員 ありがとうございます。
 この可能性というのは、未来に対してむしろそういう側面があるという意味で使われているので、多分我が国の貿易や経済活動が他の国の環境に影響を及ぼす側面を踏まえというような、そういう部分の修文も可能かなと思っています。ですから、この可能性という言葉は未来への可能性ということでは、そういう意図では書かれていませんので、修文させていただきたいと。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 では、河野委員。

○河野委員 ありがとうございます。
 2つ意見がございます。
 先ほど出ておりましたが、1ページの自然資源に関わることですが、4ページには天然資源となっていますが、これは言葉の統一かなと思います。
 この自然資源といいますか、これについて国際的に配慮するということで、5ページの方も国際的な「ゴミゼロ国際化行動計画」について触れられています。これについて、何か指標がつくられれば、その努力した結果、こういうので見ますというようなことで、例えば資源生産性と、ちょっと出てこないんですけれども、国際的なごみのリサイクルについて何かつかめる数字があればですが、指標があればいいかなと思います。
 それから、もう一つは国際的な取組の推進について記述といいますか、書かれておりますので、地方自治体というか、特定の経済主体について余り書き込めないんですが、6ページの(4)でもう少し地方自治体について何か書き込めればいいのかなと。
 その上で指標の方ですが、地方自治体について特に指標がないように思います。NPO等についてはあるんですけれども、7ページの人材育成支援のための研修計画というのは、これは国、地方自治体、事業者、全部あわせたものなんでしょうかね。そうすると、例えばNPOに合わせれば、国際的取組を行っている地方自治体の数とか、あるいは地方自治体が行っている国際的取組の数とか、これはご検討の上ですが、そういうものも指標としてお考えいただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。 
 では、川上委員。

○川上委員 ありがとうございます。
 私も紙のポイントの中心である東アジアをこれからやりましょうと、しかしアフリカも忘れていませんよと。アフリカは特にミレニアム開発目標の関係で、世界のむしろ関心の中心はそちらの方にあるということなんですが、我々がつくるペーパーとしては、重点の置きどころとしては、やはりこのくらいのバランスになるのかなということで、私は今までもそれについては賛成してまいりました。
 ただ、東アジアについてですけれども、あちらこちらに東アジアをやるんだということで、これは項目立ての問題なのかもしれないですが、割とちょっと読みにくいところがあるんですね。それぞれの項目立てで東アジアというのは何カ所か出てきて、それは重点ですからそれでいいんですけれども、若干整理できないかなという気がいたします。これは、今これをこうしたらどうかという意見を申し上げるわけではないんですけれども、ちょっとそういう観点から見直された方がいいんじゃないかなと、ちょっと全体として読みにくいと。
 項目立てが例えば1と4というのは非常に大きな項目立てで、いろいろなことが書いてあります。2と3というのは中期的な目標で、それから3は施策の基本的方向と。施策の基本的方向のところに極めて重要なことが先ほど和気委員も指摘されたような東アジアの話が出てくるわけですね。ですけれども、それがあちこちに分散されて出てくる、課題のところにも出てくるしというようなことで、若干読みにくいという、これは単なる印象ですけれども、申し上げておきたいと思います。
 それから、もう一つやや具体的に、これは地球環境部会でも私は申し上げたんですけれども、今まで先ほどからちょっと話が出てきていますが、日本のODAの環境面での実績として、詳しく申し上げれば切りがないんですが、実に色々なことをやっていて、それが成果が上がっているということは私も何十年かやってきて、自分が担当しておりましたものですから、言い訳ではありませんが、実績があるんですね。ただ、方向としては先ほど申しましたように、ハードの面というのがやや勝って、ソフト面での人づくり、あるいはキャパシティービルディングといったような観点がもうちょっとあってもいい、これからはもっともっとそこに力を入れるべきだということについては、私も同感です。
 これは一般論ですけれども、そういうことを申し上げた上で、この前も申し上げたんですが、東アジアというのは今後も中心でいいんですけれども、今までそれでは中心じゃなかったのかというと、今までも中心だったんですね。日本の環境外交といいますか、その中でも非常に重要な部分を東アジアが占めていて、例えば中国の環境センターなんていうのは、中国の環境政策の今や基本となって、非常に立派な機能を果たしているというようなことを申し上げていいと思いますし、それから別にそういうハコモノをつくっただけではなくて、それをベースにしてもう10年以上になるわけですけれども、非常に積極的に技術協力、専門家の派遣だとか研修生を受け入れたり、いろいろな形の援助をやってきたということがあるんですね。
 ですから、そういうことも踏まえて、先般申し上げたのは、これまでも特に3.の施策の中心になるところの書き方なんですけれども、「重点的に取り組む地域としては」というところの項目の中に、これまで中国、タイ、インドネシア、これは東アジアの中心になる国です。この3つの国に実は環境管理センターというのをつくって、技術協力してきたということはありますので、そういうものを設置したり、ソフト面での技術協力を長年にわたって支援をやってきたと、そういう経験を踏まえて、そういう経験にも照らして、今後も援助をやっていくんだと、支援をしていくんだというところに続けていくと。つまり主文である日本のイニシアティブとして、東アジア地域における環境管理の仕組みの改善を進めます。これは初めてやるような書き方になっているので、そこはちょっと今までもやってきたというニュアンスが出てしかるべきなんじゃないかなと思います。
 その意見を恐らく2ページのところのこれまで中国、タイ、チリ、エジプト、6カ国における環境センターの設置をやってきましたと書いてありますが、ここのところの記述は実は非常に平板であって、しかもそれがEcoISDの後に出てきますので、EcoISDの後にやったのごとくに見えますけれども、それより遙か前からこういうセンターというのはあるわけで、どうも文章としても続きませんので、今までの実績の記述というのは私は要らないんじゃないかなと、あってももちろん差し支えはありませんけれども、東アジアに中心を当てて、さっきのところに書いた方がいいんじゃないかなという意見です。若干の一般論と印象と具体的なコメントを申し上げました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。修文の段階で検討させていただきます。
 それでは、藤井委員。

○藤井委員 NGO/NPO関係でご意見申し上げたいと思います。
 先月の初めに、バンコクのチュラロンコン大学でバイオマスエネルギーをめぐるシンポジウムをやったんですが、そこで集まった人たちの話題はODAによるダム開発だったり、大規模な発電所の問題であったりということで、先ほど善養寺委員からもありましたが、これまでに日本は相当ダメージを与えているわけで、1ページの頭の5行目のところに、「工業化や貧困に起因する環境破壊により」というふうにありますが、農業地域のプランテーション化であったり、マングローブのところであったりという、そういうところを含めると、このようにさらっと言えるのかなというのが一つ。
 それから、6ページの(4)の「NPO/NGOにおいては、社会の環境意識の向上やコミュニティによる身近な環境活動を行う」、そういうのが頭に来ていますが、もはやそういう会議の中でNGOが話題になるのは、当該地域のサステナビリティが壊されていると、そういうことが非常に大きなテーマになっているので、身近な環境活動というのは遙かに超えているなというイメージがあります。
 それから、度々「環境保全」という言葉が出てきていて、特に5ページの(2)が大変気になりますが、「環境保全のための支援」ではなくて、環境再生の「再生」という言葉が一度も出てきていません。何とかもう少しポジティブに、日本のこれまでのありようと、それからこれからを考えたときに、少なくともここは環境再生のための支援ではないかというのが一つ。
 それから、先ほど福川委員の方からお話が出ましたが、ODAの分析の中で、まさに開発と再生、そういうところに分けられるかどうかわかりませんが、少しそこら辺も指標で入らないかというのが一つ、それから7ページの下から丸ぽつ2つのところの「国際的取組を行っているNGO/NPOの数」とありますが、これは数ではなくて、多分ここの数の中にテーマと地域も入っていると信じますが、その質の議論をしないと、これは全くだめだなという、そういう思いがいたします。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 ぜひその辺のことはご留意いただきたい。
 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
 まず、全体的に国際的にきちんと貢献していくという視点を示すということは大変すばらしいことだと思っています。
 それで、この1番の下の方に3Rイニシアティブのことが書いてあるんですが、今これを受けた国際資源循環の委員会に参加させていただいている立場から申し上げまして、もう少し前向きな書き方をされてもいいのではないかなという感じがいたしました。どうしてかというと、廃棄物からの3Rの取組を国際的に広げるというようなニュアンスだけではなくて、国際的な資源循環型社会への構築に向けたリーダーシップをとっていこうという、そういう気持ちで取り組んでいる、あるいはG8サミットで日本側が提言し、3Rイニシアティブ閣僚会合を日本で開いてきた。そして、今後もそれをきちんと伝えていこうという、そういう姿勢でやっていらっしゃると思うので、もう少し前向きな形で書かれてもよろしいのではないかという感じがいたしました。
 そして、それに関してなんですが、廃棄物の3Rと書いてありますが、実際の委員会というか、7月の閣僚会合などでは、資源の有効利用とか適切な消費選択とか、消費や循環利用、廃棄、そういうような社会を構築するという、そういうことが各国がかなりきちんと話し合われているわけですので、廃棄物の3Rというよりも資源の有効利用と循環利用と廃棄とか、もう少し循環型社会というイメージを明確に出した方がよろしいのではないかという感じがいたしました。
 それと、その後NGO/NPOのお話などがきちんと出ていて、私自身はこういう外国との交流に関して、市民もきちんと参画するという、あるいは事業者も参画するという、そういうことがきちんと位置づけられているということは大変すばらしいことだと思って歓迎しております。
 それで、ただし6ページの上の方、先ほど市民がコミュニティのような身近な活動のレベルではなく、もうちょっと広くというようなご意見がありました。これに関して、私は以前の委員会でこういう意見を申し上げた者としてきちっと申し上げたいのは、今東南アジア、ここのところはベトナムとかタイで活動をさせていただく機会が増えているんですが、そういうことを見ると、いわゆる日本が経験してきた公害のような特定の環境負荷の排出源に対する問題と私たちの大量生産型の生活がアジアにもきちんと伝わってしまったという、そういうことから起こっているごみ問題、あるいはそれを解決するためのライフスタイルの転換とか、様々な私たちの持っている地球環境に対する市民もともに活動していくというような部分も増えている、そういう意味で公害型の問題と地球環境問題とが一緒くたに来ているという感じがあるんですね。ですから、今市民社会の方では単に誰かにやってもらうという批判型の活動だけではなくて、自ら活動するという市民参加型の活動を早く起こしていくような、そういう場もつくっていかなきゃいけない。今、アジアの中の市民活動というのは、そういう意味で非常に大きな重要なところに来ているんだというふうに感じています。
 そういう意味で、これからの日本とアジアのつき合いの中での市民の役割というのは、できるだけ例えば日本の国内でのそういう参加型の活動の体験を持っているような市民がきちんと外国と経験交流をするような、そういうような意味合いも大変重要なのではないかというふうに感じて、前回のときに意見を言わせていただきました。ですから、そういう経験交流を通して、主体的な参加の市民参加の形を伝えていく、あるいは環境学習や教育、ライフスタイルの見直しという感覚を伝えていくような、そしてパートナーシップで課題を解決していくようなところを伝えていくという、そういう総合的な視点が必要なんじゃないかと思いますので、そういうことが読み取れるような形でちょっと書いていただければありがたいなというふうに感じました。
 あともう1点、これはルールの中に入るかどうか、皆さんに後でご意見をいただきたいんですが、最近「もったいない」という言葉をケニアのマータイさんが使っていただいたおかげで、いろいろそういうもったいない通信とか、日本の文化のよさ、物を自然の恵みに感謝するような文化、それで環境にもう一回貢献していくようなことも非常に伝わっていき始めていると思うんです。そういう意味で、日本の持っている文化もきちんと伝えていくような、そういう意味の人的交流ということもあるのではないか、そんな側面に関して何か香るような視点の持ち方はないかなという感じがいたしました。
 よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変いろいろ貴重なご意見をいただいたと思います。まだまだご意見がおありかと思いますが、繰り返し申しますが、来週の初めぐらいまで事務局の方にファクス、あるいはメールでお寄せいただければ、今後の修正、修文の過程で反映させていただきたいと思います。

○浅野委員 もとの答申というのがあって、それをベースに書いたということがございますので、多少さっき武田委員からご指摘があった点はもとの答申のところでも目達計画との関係があって、正直言うと逃げている面があることは率直に申し上げます。ですから、さっき言いましたように、今後の状況を見ながら、さらにということは考えられると思います。
 それから、全体に東アジアということについて、川上委員からのご指摘の点は書きぶりがややちょっと後の方に書いてしまったので、むしろ前にご指摘のような意味で書いた方がいいかもしれませんし、それがある意味ではこれまでもやってきた、これからもこの分野でかなり重要な戦略的な取り組みというような位置づけを鮮明に出していきたいわけですが、これは実際その答申のパブコメなんかをやったときにも、なかなか議論がありまして、特定の地域だけなのかというような話が必ず一方から出てくるものですから、そこら辺は余り極端に強調できないという面もあって、やや答申がトーンダウンしている面もあったんですけれども、ここはもう少し今日のご意見を踏まえて、多くの方からご賛成をいただけましたから、できるだけ強調できるだろうと思います。
 それから、NPOについてのお話は、実は原文の答申には別に身近なとそんなに必ずしも強調しているわけではなくて、コミュニティとさらっと書いていますから、それがちょっとこれは書き直すときに身近になっちゃったのは、ややまずかったと思いますね。そういう書き方を元々してなかったつもりなので、ここは元の表現に戻していきたいと思います。
 研究開発についても、元々の答申の中では東アジアの中で日本がリーダーシップをとってということを書いていると同時に、アジア太平洋地域という書き方をしていますから、その中では福川委員がおっしゃったようなことは十分読み取れるんだろうと思っておりますので、もう一度答申の中に書いていることをよく読んで、おっしゃったようなことが反映できるような形にしていきたいと思います。これは、また後ほど主担当委員とご相談して直していきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、この国際的枠組みに関しましては、以上までにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 あと実はもう一つ資料3-1と3-2が準備されておりますが、研究開発技術開発推進戦略専門委員会の設置について、これは全体会でしたか、この総合政策部会でお諮りしていただいて、そしてご出席の委員の数が定足数に足りていないということがあって、ご出席の委員には書面でご通知をしてご賛同をいただきました。その結果、45名中40名ぐらいのご賛同を得まして、それをもとに部会長の方でこれが承認されたものとして、この委員会を設置させていただく。しかしながら、きちんとこの部会が成立したときに、ここでまた改めてご報告をさせていだたいて、ご了承をいただくという趣旨のことを法律学者の浅野先生からご指摘をいただきまして、実はきょう本来ですと26名のご出席を得て成立するはずだったんですが、23名おられると成立するところ、残念ながら今22名しかいらっしゃらないということで、本日の段階ではこの委員会がそういう形で説明されて、動いているということをご報告だけさせていただくことにいたしまして、また成立した段階で改めてご報告し、了承を得ると、こういう形にさせていただきたいと思います。ぜひ次回ここにいらっしゃる先生方のご出席をいただけるようにお願いしたいと思います。
 それでは、34回の総合政策部会、これで終了させていただきたいと思いますが、事務局の方から。

○佐野環境計画課長 今、部会長からもございましたように、多数回への参加で大変心苦しゅうございますが、何とぞよろしくご参加のほど、お願いしたいと存じます。
 次回でございますが、次回は12月9日、来週の金曜日でございます。時間はまた前回までに戻りまして14時から17時まで、部屋はこの部屋でございます。次回は重点分野の最後としまして、物質循環、循環型社会のブロックと科学技術の推進、手法、情報とこの2つのブロック、残っております2つと、それからその分野別の議論の上に乗っかります総論の部分、中間取りまとめで相当ご議論いただいた部分でございますが、これをお諮りをさせていただきたいと存じます。
 よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、どうもありがとうございました。

午後12時18分閉会