中央環境審議会総合政策部会(第15回)議事録
開催日時
平成15年10月21日(火)15:00~17:25
開催場所
中央合同庁舎5号館5階共用第7会議室
出席委員
27委員
森嶌 昭夫 | 部会長 |
---|---|
安原 正 | 部会長代理 |
浅野 直人 | 委員 |
崎田 裕子 | 委員 |
藤井 絢子 | 委員 |
桝本 晃章 | 委員 |
村杉 幸子 | 委員 |
青木 保之 | 委員 |
天野 明弘 | 委員 |
飯田 浩史 | 委員 |
江頭 基子 | 委員 |
佐和 隆光 | 委員 |
塩田 澄夫 | 委員 |
瀬田 重敏 | 委員 |
武田 善行 | 委員 |
田中 充 | 委員 |
筑紫 みずえ | 委員 |
鳥井 弘之 | 委員 |
中野 璋代 | 委員 |
萩原 なつ子 | 委員 |
林 貞行 | 委員 |
星野 進保 | 委員 |
松原 純子 | 委員 |
村上 忠行 | 委員 |
安井 至 | 委員 |
横山 裕道 | 委員 |
渡辺 修 | 委員 |
議事
(1) | 審議事項 | |
環境基本計画の進捗状況の点検について | ||
・ | 点検報告書(素案)について | |
(2) | 報告事項 | |
[1] | 「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」の委員について | |
[2] | 「環境と経済の好循環専門委員会」の委員について |
配付資料
資料1 | 環境基本計画の推進状況の点検結果について(素案) | |
資料2 | 「健全な水循環系構築のための計画づくりに向けて」について | |
資料3 | 外務省環境配慮の方針 | |
資料4 | 文部科学省における環境配慮の方針 | |
資料5 | 法務省「「環境配慮の方針」の点検について」の正誤について | |
資料6 | 環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュール | |
資料7 | 「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」の委員名簿について | |
資料8 | 「環境と経済の好循環専門委員会」の委員名簿について | |
(参考) | ||
1. | 第12回総合政策部会議事録 | |
2. | 第13回総合政策部会議事録 | |
3. | 第14回総合政策部会議事録 | |
4. | 中央環境審議会総合政策部会名簿 |
議事録
午後 3時00分開会
○苦瀬計画官 それでは、議事に入ります前に、お手許の配布資料のご確認をお願いいたします。
資料1 環境基本計画の進捗状況の第2回点検結果について(素案)
資料2「健全な水循環系構築のための計画づくりに向けて」について
資料3 外務省環境配慮の方針
資料4 文部科学省における環境配慮の方針
資料5 法務省「「環境配慮の方針」の点検について」の正誤について
資料6 環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュール
資料7「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」の委員名簿(案)について
資料8「環境と経済の好循環専門委員会」の委員名簿(案)について
それから、参考資料が4点ございまして、
参考1 第12回総合政策部会議事録
参考2 第13回総合政策部会議事録
参考3 第14回総合政策部会議事録
参考4 中央環境審議会総合政策部会名簿
がつけてございます。
以上の資料、足りないものがございましたら、お申し出いただければと思います。
それでは、議事に入っていただきたいと思います。森嶌先生よろしくお願いします。
○森嶌部会長 それでは、ただいまから第15回中央環境審議会総合政策部会を開催させていただきます。
○(1)審議事項
環境基本計画の進捗状況の点検について
・点検報告書(素案)について
○森嶌部会長 本日の議題は、前回に引き続きまして環境基本計画の進捗状況の点検でございますが、この点検につきましては、これまでに各種アンケート調査及び全国3カ所での地方ヒアリングを実施いたしました。前回までに、各府省の自主的点検結果、それから5つの重点点検項目、これは地球温暖化、交通、水循環、生物多様性、社会経済という5つの重点点検項目につきまして審議を行ってまいりました。
そして、報告書をどのように構成するか、また取りまとめをどういう視点から行うかということにつきましては、前々回の部会で、委員の皆様にご了解をいただいたところであります。これらの結果を踏まえまして、点検報告書の素案を事務局に作成をしてもらいまして、私の方でも点検をいたしました。
そして、本日はこれにつきましてご議論をいただければと思います。しかしながら、日程がかなりほかのものも含めまして詰まっておりまして、次回11月18日に開催予定の部会で、この報告書を最終的に決定をしていただきたいというふうに思っております。
そこで、本日はこの素案についてご議論をいただくわけでありますが、自由にご発言をいただきたいというふうに思っております。しかし、きょうの時間内に意見を出せなかったということがございましたら、今週の末、10月24日金曜日までをめどに、きょう議論すべきところで残したところ、あるいは言い足らなかったところがございましたら、事務局までそのご意見をいただければというふうに思っております。そういう予定でおりますので、きょうは十分にご議論いただきたいと思います。
では、事務局から素案につきまして説明をお願いします。
○資料説明
○谷環境計画課長 資料1をごらんください。こちらが、環境基本計画の進捗状況の第2回点検結果について(素案)でございます。
まず、全体の作成方針について申し上げます。
前回の会合で、先生方からのご意見をちょうだいいたしまして、まとめた資料を出させていただきました。圧倒的に多数の先生方から、定量的な分析が必要であるというご意見をちょうだいいたしました。今、使える資料は限られておりますが、この中で最も重要だと思われる数値をグラフ等にいたしまして中に入れました。これは、いただきましたご意見では、例えば環境基本計画の認知状況や国の環境行政に対する満足度が芳しくない、このような厳しい面を意識して点検を行い、記述の中にもアンケート結果など示して反省を書くべきとおっしゃっていただきました。このようなことも踏まえまして、必ずしも望ましいことだけではないことも、アンケートなどを踏まえまして入れさせていただいたつもりでございます。
一方で、これが幅広い国民の皆様にお読みいただけるためには長くなってはならないということで、昨年が全体が14ページでございまして、ことしはグラフを入れまして18ページにとどめ、最も重要なことが何か書くような方針の素案でございます。
まず、1ページ目。「はじめに」のところでございますが、環境基本計画と、そして今回の点検で5分野の重点点検項目があるということ。また、各府省の自主的な点検結果を踏まえるとともに、地球温暖化対策推進大綱及び新・生物多様性国家戦略の点検結果を活用したことが書いてございます。
全体的評価ですが、まず各主体の状況といたしまして、アンケート調査や地方ヒアリングの結果を踏まえて書いてございます。
図の1でございますが、環境保全に重要な役割を担うものとしては、国民というお答えが多くよくあるわけですが、2ページ目をお開きいただきますと、図の2、環境保全に関する行動に積極的に参加したい人の割合が下がっております。今後、このような自主的な参加を促す必要があると書いてございます。
次に、環境情報でございますが、関心は高いにもかかわらず、満足度が低い、情報提供の充実が必要であるとございます。
次に、環境と経済の好循環でございますが、図の4、図の5ともに、大人も子供も環境保全の取り組みを進めることが経済の発展につながる、あるいは環境を守ると生活が豊かになるというお答えが多いということから、今後ともそのような関係を築いていく必要があると書いてございます。
環境ビジネスの関心が高いこと、民間団体が資金、スタッフ、その他の課題を抱えていることが[4][5]にございまして、[6]では、地方ヒアリングで、地方公共団体からのご報告があって、地方公共団体の役割が重要であるということが書いてございます。
3ページの2.各府省の状況でございます。今回、初めて自主的点検結果の報告を受け、各府省で環境保全に対するさまざまな施策が着実に進んでいることが評価できると書いてございますが、一方幾つかの府省ではいまだに環境配慮の方針が策定されていない。これが、策定される必要があると書いてございます。また、施策の効果が定量的に把握されていないことが多い。データの整理が十分でないなども書いてございます。
次に、4ページをお開きいただきますと、各論に移ります。
地球温暖化対策の推進でございますが、図の6にございますように、排出量でございますが、業務その他、家庭、運輸などが依然として増加傾向にあるということがわかるわけでございます。また、ご指摘をいただきましたように、[3]でございます、ことしの夏の気温が平年と大きく異なっていたということも書いてございます。
基本計画は、施策の基本的方向を簡単に書いてございます。
主な取り組み状況が5ページに書いてございまして、6ページが今後の課題でございます。6ページの(4)をごらんください。
まず、来年は、第2ステップへ向けた大綱の評価・見直しの年であり、第1ステップの成果を透明で定量的な評価を行い、第2ステップの対策策定への判断材料を提供すべきとございます。また、[2]は部門別に書いてございまして、[3]ですが、すべての市町村における実行計画の策定を急ぐ。また、地域における市民や事業者の地球温暖化対策への「参加」、環境教育、社会経済システムやライフスタイルの変革を通じて、温室効果ガスの排出削減につなげていくことが重要とございます。また、国際的連携の確保ということで、ロシア、米国、途上国などへの働きかけ、対話などがございまして、すべての国が参加するルールの構築、京都メカニズムの活用が書いてございます。[5]が税、課徴金等の経済的手法でございます。温暖化対策推進大綱に基づき進められている現行対策の評価の結果必要とされた場合に備え、他の政策手法との組み合わせ・比較を検討しながら、環境保全上の効果、マクロ経済、産業競争力等国民経済に与える影響、諸外国における取り組みの現状等の論点について、さまざまな場で引き続き総合的に議論することが必要とございます。
7ページ、2番目の課題、交通でございます。
現状でございますが、大都市地域を中心にして基準の達成が厳しいということが、図の7にございます。首都圏、愛知・三重圏、大阪・兵庫圏が左側でございまして、右側に比べNOxもSPMも達成の数字が低いということでございます。
[2]に二酸化炭素の排出がございます。図の9で、運輸部門の約9割を自動車からの排出が占めているということがわかります。
次のページの図の10は騒音でございまして、幹線道路を中心に依然として厳しいという状況でございます。
基本計画の施策の基本的方向がこちらにございまして、引き続き施策の実施状況がございますが、1つグラフで入れましたのは、図の11、低公害車の普及台数でございます。こちらの台数が平成12年度から14年度にかけて著しくふえているということがございます。
9ページの下、今後の課題でございます。
今後も引き続き、自動車排出ガス規制、次世代低公害車の開発・普及等についても検討を進めるということ。各種の実験的な取組みの成果を着実に積み重ね、環境負荷軽減に効果のある施策の構築や技術基盤整備を行う必要があると書いてございます。また、今まで未規制であった船舶からの排出ガス対策についても、国内法制化、新技術開発・普及を一体的に進める必要があると書いてございます。
[2]です。環境負荷低減にも配慮した土地利用の適切な誘導、経済的手法を活用することによる、環境負荷の少ない交通手段への転換を促進する方策とその実施について、さらなる検討を進める必要があると書いてございます。これは、モーダルシフトなどと呼ばれる対策でございます。対策の実情は、例えば9ページの上[3]に書いてございます。
10ページでございますが、環境保全上健全な水循環の確保にむけた取り組みでございます。
まず、現状でございますが、環境基準が達成されてきたということで、図の12でBODとCODが書いてございます。徐々に、改善の傾向にあるということですが、環境基準の達成率はなお低く、特に湖とか閉鎖的海域で一層努力が必要とございます。
次に、地盤沈下でございます。次の11ページ、図の13ををごらんいただきますと、地盤沈下は沈静化の傾向が見られますけれども、都市部では地下水位が低くなっている。湧水の枯渇などが見られるということで、水源の涵養能力も保全・向上が必要ということがございます。
次、現状の11ページ、[3]でございますが、ことしの3月に開催された第3回の世界水フォーラムについても書いてございます。
主な取り組み状況のところで、1つちょっと触れさせていただきます。[2]でございますが、平成15年10月、ついこの間でございます。これまでの成果を生かし、「健全な水循環系構築のための計画づくりに向けて」というものが策定されました。これは、後ほど申し上げます資料2で本日お配りをしております。
12ページでございます。今後の課題をごらんいただきます。
[1]でございますが、関係省庁連絡会議の調査などで、健全な水循環系の概念などについての共通認識の形成、今後の連携・協力のあり方などについての検討、整理が行われてきましたので、今後は「健全な水循環系構築のための計画づくりに向けて」という、後ほどご説明する資料2ですが、これを参考としつつ、各流域における計画の策定や取り組みを進めていくことが重要と書いてございます。
[3]でございますが、計画の策定に当たって、地方自治体、NPOなどの参加・協力などにも連携してございます。
13ページをご覧いただきますと、生物多様性の保全のための取り組みでございます。
現状をご覧いただきますと、こちらの自然林、二次林、人工林などの別がございまして、[2]でございます、表の1と2、干潟の面積が70年代末から95年ごろまでの変化で、干潟がマイナス10%、自然海岸の延長がマイナス7パーセントとなってございます。
図の15でございますが、絶滅のおそれのある種に分類されている脊椎動物で 246という状況でございます。
次のページ、14ページをご覧いただきますと、こちらが保護地域の箇所数と国土面積に占める割合が書いてございます。これら全部、国立公園と国定公園を合わせていただきますと、平成12年3月と15年3月がございますが、いずれも大体国土の9%ということですけれども、[4]の文の最後をご覧いただきますと、開発行為に対して規制力のある特別保護区については、国土の約
0.7%にとどまっているという現状がございます。
基本的方向と主な取り組み状況がございまして、15ページの今後の課題をごらんいただきたいと思います。
今後の課題でございますけれども、まずその上の[11]からご覧いただきたいと思います。[11]、これは、取り組みの現状の最後のところでございますが、環境省が行っている「自然環境保全基礎調査」、「モニタリングサイト1000」、国土交通省が行っている「河川水辺の国勢調査」、農林水産省が行っている「森林資源モニタリング調査」、「田んぼの生きもの調査」等、各省庁の自然環境調査への取り組みが進展しつつあるという状況ではあるんですが、今後の課題の[1]でございますが、それぞれの進展を踏まえて、このような調査の間の十分な連携が図られるように、調査データの相互利用の検討を行う枠組みが整備される必要があるとございます。
[2]、生物調査は水質等との調査の連携も重要でございまして、また[3]でございます調査のやり方について、関係省庁で工夫を行うことも重要です。
[4]と[6]でございますけれども、国民の間で生物多様性についての理解が得られるように、例えば[6]にございますのは、「なぜ生物多様性が重要か」ということなどわかりやすく説明できるように、生物多様性の理念についての深化を図る必要があると書いてございます。
このようなことも踏まえて[5]、日常的なさまざまな事業、取り組みについても生物多様性の観点を盛り込むことが重要とございます。
16ページでございますが、社会経済の環境配慮のための仕組みの構築に向けた取り組みでございます。
まず、現状でございます。図の16、環境報告書を作成した企業はどんどんふえております。
また、図の17にございますように、環境マネジメントへの取り組みも進んできております。
このような中で、17ページをごらんいただきますと、さまざまな取組みが行われております。この中で、一つ申し上げますと、先ほど地球温暖化のところでも同じ表現がございましたが、主な取り組み状況、[1]平成13年10月に設置した中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会の地球温暖化対策税制専門委員会では、温暖化対策税制の制度的論点についての検討を行ってきたところであり、平成15年8月に「温暖化対策税制の具体的な制度の案~国民による検討・議論のための提案~(報告)」を取りまとめ公表しましたとございます。
このほか、環境報告書ガイドライン、その他について取り組み状況がございまして、(4)今後の課題でございます。
[1]税、課徴金等の経済的手法については、温暖化対策推進大綱に基づき進められている現行対策の評価の結果、必要とされた場合に備え、他の政策手法との組み合わせ・比較を検討しながら、環境保全上の効果、マクロ経済、産業競争力等国民経済に与える影響、諸外国における取り組みの現状等の論点について、さまざまな場で引き続き総合的に議論することが必要ですと、先ほどの温暖化でもございましたけれども、こちらの項目でも書いてございます。
[2]「循環型社会形成推進基本計画」に掲げられた環境報告書の普及目標等を踏まえ、さまざまな規模、業種を含め、幅広い事業者に環境報告書の作成と公表の取り組みを広げていくため、ガイドラインの改訂、普及や表彰制度、データベースの提供などを通じた取り組み支援を引き続き行うことが必要ですとございます。
[3]も環境報告書でございます。普及促進と情報内容の充実など環境報告書の質の面での向上の同時達成を図るため、比較可能性や信頼性を向上するための手法としての環境報告書の第三者レビュー推進に向けた検討を引き続き進めることが必要ですとございます。
[4]ライフサイクル・アセスメント、環境ラベリング等の手法について、検討、普及・啓発がございます。
環境会計が[5]でございまして、[6]ではISO14001等の環境マネジメントシステムでございますが、中小規模の事業者などの取り組みがされてございます。
[7]ですが、今後は国民などの情報の受け手の側が環境報告書や環境会計など、これらの情報をより適切に活用できるような方策についての検討も必要ですとございます。
アセスメントの分野として2つございます。
1つは、戦略的環境アセスメントでございます。こちらは、上位計画や政策における環境配慮のあり方については、関係省庁や地方公共団体とも情報交換しつつ、事例を積み重ねるとともに、必要に応じて制度化の検討を進める必要がありますとございます。
環境影響評価でございますけれども、こちら引き続き技術手法のレビュー、開発及び提供が必要ですとございます。また、環境影響評価項目等選定指針などの基本的事項について、環境影響評価の実施状況や科学的知見の蓄積を踏まえ、点検を行い、その結果を公表することが必要です。さらに、環境影響評価手続の中の方法書手続の機能が十分に発揮されるよう、事業者と国民の円滑なコミュニケーションを進めるための手法や、国民にとって利用しやすい形での情報提供のあり方について検討を進める必要がありますとございます。
あと、資料2は、先ほど申し上げました健全な水循環系の計画づくりに向けての発表例でございます。
資料3は、外務省が最近おつくりいただきました環境配慮の方針。
資料4は、文部科学省の同じくおつくりになりました環境配慮の方針でございます。
資料5は、法務省の正誤表でございます。
以上でございます。
○森嶌部会長 どうもありがとうございます。
大変急いで概括的なご報告をいただいたわけですが、これから約 100分ご議論をいただきまして、先ほど申しましたように、今日議論をできるだけ出していただきたいというふうに考えております。全体が、はじめにと全般的評価とまとめまして、あと5つあるものですから、6つありまして、単純計算をしますと、大体15分くらいで90分になりますので、多少伸びるものもあるかもしれませんので、大体15分ぐらいをめどに、最初はどこからでもどうぞとしようということに思ったんですけれども、総論が出てきますと、議論があっちいったりこっちいったりしますので、最初にはじめにと全般的評価、つまりページ数でいきますと、3ページまでについてどうぞ。
天野委員。
○天野委員 数値データをいろいろ入れていただきまして、これは非常にわかりやすくなったというので評価をしたいと思うんですが。しかし、ある変化が起こっている原因は何かという分析がありませんので、それは若干改善の要があるのかなというふうに思います。例えば、2ページの上ですけれども、図の2で積極的に参加したい人の割合が減ったと。これどうして減ったのか、非常に関心があるんですけれども、そういうことに疑問を持たれないというのはちょっと困りますので、アンケートをとるときに、付随的なデータを一緒にとれば、なぜ減ったかということがわかりますから、ただ関心があるかないかだけを聞くのではなくて、結果を分析できるようなことはあらかじめ、むしろ附属部分の方が大きいぐらいの調査をされるといいのではないかというふうに思います。それが1点です。
それから、3ページの各府省の状況で、これは前から何度も言われていることですけれども、データと数値情報が非常に欠けていて、十分整理されていないし、あってもなかなか分析ができないという状況ですが、これはこういうことを何度も言うだけではなくて、例えばほかの国ですと、そういう場合には必要なデータをどういうふうにつくったらいいかというふうなガイドラインとか、あるいはモデルをつくって、そういうものを各府省に配布して、このとおりやってくださいというふうにするのが効果的ではないかと思うんですが、これはガイドラインといっても、データの集め方だけではなくて分析をするフレームのようなこと、あるいはツールのようなことを、大学の先生とか研究者レベルの人たちの助けをかりて、わかりやすいものをつくって、それで提出をしてもらうというふうなことをしているところもありますので、これはぜひ環境省の場合には、ほかの省庁でなかなか準備したり分析したりしにくいようなデータを要求しているわけですから、そういうふうなことも有効ではないかなというふうに思います。
以上です。
○森嶌部会長 ありがとうございました。
前回も、天野委員からご指摘があったものですから、今の時点で分析をしろといってもなかなかあれですので、来年に向けて天野委員を委員長として、少人数のエキスパートによるどういうふうにして統計をとるかということについて、ちゃんとほかからの批判にたえる手法を開発しようということで言っておりまして、そのうちにお願いに上がりますので、ぜひ言い出しっぺということもありますので、よろしくお願いいたします。
それでは、桝本委員どうぞ。
○桝本委員 委員長から3ページまでというご指定ですなものですから、その次に関係をいたしますが、とりあえず3ページまでということで、まずこのアンケート調査全体、大変わかりやすくおまとめいただいたわけで、ありがたいと思います。
ただ、この文言の読み方をどういうふうに読むか。例えば、2ページ目の上の方の横の棒グラフが幾つも並んでいるところ、これは、大変国民社会の状況を写していると思います。要は、国民は非常にこの環境問題について関心をもち、情報がほしいと思っている。しかし、満足を得るような情報がないと言っているわけです。
これは、どういうことかという解釈について、私はこう解釈するわけです。要は、我々、あるいは環境省、政府は国民の期待にこたえていないということです。そのこたえていないがゆえに、積極的に行動し、参加したい人の割合が残念ながら減ってきた。だから、これはまさに第1ステップでやるべき国民へのキャンペーン、情報提供、そうしたことが的確に行われていないということを、国民はこういう形で私は意見を言っているんだというふうに受けとめるべきだと思います。
このことは、実は後ほど森嶌先生からくぎを刺されてしまいましたので、後ほど主な取り組みで、例えば5ページの[10]でさらっと展開されましたと書いてあります。これは、こんなものでは私はないと思う。国民は口をあけておなかがすいて待っているわけです。ですから、的確な情報があれば、参画し、行動しようと思っているんです。
例えば、企業で社会的な不祥事を起こしたところについては、国民や消費者は不買運動ということをして自分たちの意思を表明するわけです。しかし、国がやることは逆に国民には的確に反応していないというふうに考えると、私はここで[10]は、こうしたようなさらっとしたことではなくて、むしろ一番最初にくるべき最も重要なことであり、かつここに足りない部分が意味されているというふうに思います。
さらに、6ページにいって、今後の課題のところの書き方も、来年になったら3年生になる。だから、3年生になるための準備をしましょうと書いてある。私は、全く違うと思います。2年生、1年生の間にやらなくてはいけないことをちゃんとやりましょうということを書くべきで、こういった場合は、この[5]に至るといきなり税、課徴金の話が出てくる。私は、今後の課題についての書き方を変えていただいて、まずやるべきは国民が必要とする情報の提供、国民が運動し、参加し得るようなキャンペーン、こうしたものをきちんとやるということが第1でありまして、ここで今後の課題で上げてある[1]、[2]、[5]は反対ではありませんけれども、順序が全く逆ではないかというふうに存じます。
○森嶌部会長 ありがとうございました。
安原委員。
○安原部会長代理 3ページの各府省状況のところで、環境配慮方針の策定状況が説明されておりますが、これ自体は結構なんですが、そこの表現のところでちょっと引っかかるような感じがいたしますのは、第2パラグラフの最後から2行目から3行目にかけてですが、環境配慮の方針が見策定の府省は、中央環境審議会が効果的に点検を行うことができるようという、そういう趣旨が書いてあるんですが、もちろんそれもあるんですけれども、この基本計画の
138ページとか 139ページをごらんいただきますと、その点の説明があるわけですけれども、結局環境基本法を着実に実施に移していくために、各府省がそれぞれ実施計画的なものをつくるのが先決ではないかと。それが、いわゆる環境配慮の方針なんです。ですから、そういう着実な実施を進める、あるいは推進していく手法としてこの環境配慮の方針を策定しましょうということで、それが策定されれば、毎年策定方針に照らして実施状況を点検すると。そういう各府省の網羅的な点検があれば、中央環境審議会としてはできる作業は限られておりますから、それを踏まえて重点的に点検をやるということではないかと思うんです。
ですから、目的が中央審議会の点検をやりやすいように策定してもらおうというような表現になっておりますので、ちょっとここのところは工夫をしていただければどうかと思います。
○森嶌部会長 ほかにございますでしょうか。崎田委員。
○崎田委員 1ページ目、2ページ目の各主体の状況のところ、先ほど来ご意見いろいろ出ていますが、私もやはり国民が重要な役割を担うものと自ら認識しているけれども、積極的に参加する人の割合が減っている、あるいは具体的な情報が的確に届いていない。この辺はやはり大変大きなポイントの提示だと思っています。ただし、これは私たち国民の心がどういうふうに育っていくか、いわゆる自分の暮らしの中でどういうふうに取り組むかという、その辺も環境教育とか環境学習、市民自身の市民参加で主体的な気持ちを起こすとか、総合的な取り組みの問題と関連してくると思いますので、やはりその辺の全体像に関して少しきちんとした書き込みが後半きちんとなされないと、その辺の問題提起と現状の分析などのバランスがとれないのではないかなということを、私も感じております。
その点からいきますと、3ページ目のところの各府省の状況の下の方に、環境教育・環境学習の推進の分野で制定されたという話が出てきますけれども、この辺の問題、あるいは市民の主体的な活動を起こしていくこと、やはりここが重点だということが、少しこの辺でもきちんと書き込みがあった方が、全体のバランスとしてよろしいのではないかなという印象がいたしました。
あと、別な要素なんですけれども、この3ページの各府省の状況のところで、重点的な取り組みの中に化学物質対策のことが、今年度の5項目には入っていませんでしたけれども、ことしの大変重要なこととして、やはり法律、PRTRによるいろいろな新しい情報の発表とか、いろいろありました。化審法の改正とかありましたので、その辺の問題も化学物質対策に対しての関心が高まって対策が広まっているというふうなこともここに入れてはいかがというふうに感じます。
よろしくお願いいたします。
○森嶌部会長 それでは、この項目でご発言になりたい方、先に挙げていただけませんでしょうか。そうすると、前に話している人は自分はどのぐらい話していいのかというのかわかりますので、どうぞ。
ほかにありませんですか。
○中野委員 3ページ目の一番上の[4]のところ、環境ビジネスに関する記述なんですけれども、環境ビジネスが、事業者のみならず今NPO、行政、あるいは企業、その3者のパートナーシップによる国民的ビジネスの進行なんていうのもかなり進みつつありますので、そのあたりも含めて、NPOのかかわり方、あるいはパートナーシップでの国民性ビジネスの振興について、少し書き込んでいただければなというふうに思いました。
以上です。
○森嶌部会長 ありがとうございました。
それでは、また最後に少し時間がありましたら、全体的に言い落としたところということで伺いますので、先へ進ませていただきたいと思います。
それでは、次の地球温暖化の問題ですが、4ページから6ページにかけてであります。
浅野委員。
○浅野委員 先ほど、桝本委員から今後の課題のところの並べ方についてご意見が出ました。桝本委員のご意見も含めて並べ方を考えなければいけないかとも思うわけですが、とりあえず今ここに並んでいるものについて見ますと、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]とありますが、このうちの[4]に書かれているもののかなり部分は、次の第2約束期間にかかわる話なんですけれども、[5]の話は、第1約束期間にも十分に考えなければいけないことが並んでおりますので、並べ方としては、[4]と[5]の順番も変える方がどうもいいような気がいたしました。
それから、京都メカニズムの活用に必要な制度のあり方の検討を進めることが必要という、この部分はどちらかというと、[5]の文脈の中に一緒に入れておいて、第1約束期間にもこのことは十分に考えなければいけませんので、[4]の整理の仕方が少し十分でないということに今気がつきましたので、[4]と[5]をひっくり返していただければと思います。
来年は、第2ステップへ向けての見直しの年であるというのが真っ先に出てくることがいかがなものかという、先ほどの桝本委員のご意見がございました。これについては、確かに政策課題として、非常に重要な課題であるという認識があって、これが真っ先に出てきているということがあるわけですが、確かに温暖化対策そのものをどうするかということを考えますと、今の排出量の趨勢等から見ても、業務その他の部門や家庭部門のところの取り組みが非常に重要であるということを再度確認する必要があるかもしれませんので、この点については、必ずしもこの順番でなければならないとは思いませんから、少し検討する余地があるのではないかと考える次第でございます。
それから、もう一つこの[4]の中のすべての国が参加するルールの構築にというのは、既に京都議定書ができているわけでありますから、京都議定書を否定するということがここで言われているわけではありませんので、第2約束期間においては、あるいは次の約束期間においては、すべての国が参加するような構築に努力する必要があるという表現の方が理解しやすいのではないかと思いますので、この点も最終的には検討していただいたらいいのではないかと思います。
○森嶌部会長 では、天野委員どうぞ。
○天野委員 私も6ページの今後の課題の部分ですが、[3]がありまして、例えば社会経済システムやライフスタイルの変革を通じてという書き方があるんですけれども、これは一般的に言えばこういうことなんでしょうが、具体的にどういうふうにしてこれを進めるのかということがなかなか見えてこないので、少し具体的な施策といいますか、そういうものも含めてお書きいただければいいのではないかなと思います。どういうふうにして、一般の人たちのライフスタイルの変革を実現するのかというのは大変難しい話で、こういうふうに書くのは簡単でしょうけれども、社会経済システムについても同じことですので、もう少し詳しく方向がわかるような記述がいいのではないかと思います。
それから[5]ですが、これは温暖化対策での検討が進んでいるわけですけれども、ほかにもいろいろな重要な手法、あるいは施策というのがあると思うんです。それを、他の政策手法との組み合わせ・比較を検討しながら引き続き総合的に議論すると、こういうふうにさらっと書いてあるんですが、私はやっぱり幾つかの重要な手法については、少し名前を上げるなりして、そういうことを今後検討する必要があるというふうにお書きいただくのがいいのではないかと思います。つまり、温暖化対策税の場合にも、制度的な論点を検討したというふうに書いてありまして、ほかの手法についてもそういった制度的な論点、あるいは経済的な影響、そういうものを議論しなければいけないという段階に来ているのではないかと思いますので、税制だけでやるのではありませんということもわかる意味で、そういうことをお書きいただければいいかというふうに思います。
○森嶌部会長 なるべく短くといってもだんだん長くなりそうですけれども、ご趣旨はよくわかります。
塩田委員。
○塩田委員 私も6ページの今後の課題に関して一、二質問と意見を言いたいと思います。
[1]と[2]に関しては、透明で定量的な評価を行って、商業部門、家庭部門、運輸部門等の部門について、定量的な評価を踏まえた必要な対策を強化する必要がある、こういうふうに指摘しているわけですけれども、伺いたいのは、これから、第1ステップの評価というのは、タイミング的にあと1年しかないのか2年あるのか、その辺で今我々が利用できる定量的なデータというのはどのくらいあって、それで本当にこれから定量的な評価ができるんだろうかどうかというような点について、どんなお見通しなのかという面について伺いたいと思います。
それから、[4]については先ほども活発にあって、次の約束期間に関する問題ということであれば、これでよろしいかと思います。
それから、最後の[5]については、これからの検討の進め方について、どういう論点から検討を進めるかということについて、産業競争力等国民経済に与える影響、諸外国における取り組みの現状、このほかに国民生活に及ぼす影響という面が必要なのではないかと。これを聞いておきます。
○森嶌部会長 私も、今の塩田委員の最初の部分、2004年までがファーストステップということになっていますけれども、2005年からセカンドステップに入るので、点検を早くからやらなければいけないのではないかというのはわかるんですけれども、延びておりますが、いずれにしても政府はそれによって何らかの新しい方策などを考えるとすれば、2004年の前半ぐらいにやっておかないと、実際には間に合わないのではないかという感じはしておりますけれども、そのほかにデータがどのくらい詰まっているんだということについてはお答えいただけますか。
○清水地球温暖化対策課長 データの検討は来年の1月からということで、中環審の地球環境部会、浅野部会長のもとで検討をお願いしたいというふうに思っております。
データにつきまして、実は今2001年度のデータがことしの8月に出ておりますが、来年に2002年度のデータを出す。それから速報値、あるいは推定値という形で、なるべく早い機会に2003年のデータも見ながら、その上に各それぞれの対策分野における削減量というような議論もありますので、そこで量的に評価しながら検討を行っていきたいと、このように考えております。
○森嶌部会長 大変なあれだと思います。清水さんだから頑張るとは思いますけれども、ぜひよろしくお願いします。
それでは、桝本委員、それから藤井委員、瀬田委員お願いします。
○桝本委員 6ページの[5]は、天野先生、塩田先生、私も全く同じ意見でございます。この[4]、それから5ページの先ほどお話しした環の国くらし会議云々、ここを見て私が思いますに、言葉を変える、あるいはもう一つ深めるということをここでしていただく必要があると思います。
ライフスタイルの変革、これはそのとおりです。ではそのために、何をしたらいいかということを、ここで書き込むなり考えるということが必要でありまして、ライフスタイルの変革といい、環の国くらし会議をやっただけでは、全く十分ではない、そこをぜひお考えいただきたいと思います。
○森嶌部会長 それでは、藤井委員。
○藤井委員 主な取り組み状況のところで5ページの[5]のところで、ちょっと意見を申し上げたいと思います。
ここに、RPS法について書かれております。電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特措法ですが、実際には現状では電力会社から民間が主体的にやっているところを契約しながら新エネルギーのパーセントをあてていくという形が行われているのにとどまっているといっては桝本委員に怒られるかもしれませんが、それでは間に合わないということで、中国電力なんかは独自にようやくバイオマスとか、それからブイを入れていって、電力会社自体がどういうふうにしていくかということが、ようやく出てきていると思います。ここの表現ぶりですと、電気事業者によって新エネルギーの市場拡大が図られているということが随分進展しているように見えますので、本当にこの書き方でいいのかどうか、少し問題があると思います。
○森嶌部会長 それでは瀬田委員。
○瀬田委員 温暖化問題については、CO2のどれだけの削減によって、温暖化がどれだけかとまるということが前提にあると思います。そうした学問的なバックグラウンドという部分になると、当然ながら程度見切りでスタートしているところもあろうかと思います。その、前提がその後、世界的にどういうふうに進歩し、シミュレーションとしては、どの程度より正確なシミュレーションができるようになったが、その状況のレビューもしくは、検証を添付資料で結構でございますので、入れていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○森嶌部会長 それでは、安原委員、それから筑紫委員、それから横山委員の順でお願いします。
○安原部会長代理 5ページの主な取り組み状況の[2]の産業部門のところでございますが、ここでは自主行動計画のフォローアップが行われたというだけの記述なんですが、フォローアップが毎年行われるのは当然のことでございますので、特に特記するとすれば、むしろフォローアップの結果の中身で、ここで特にメンションしておくような内容があれば書くという方がいいのではないかと思います。
それから、6ページの今後の課題のところでございますが、浅野委員の方から順番を変えるというふうな話がありました。それは、それで結構だと思いますが、最低限このぐらいの表現で、今後の課題をメンションするのは必要だと思います。
以上です。
○森嶌部会長 筑紫委員。
○筑紫委員 9ページの[4]ですけれども、公共交通機関の整備やサービス・利便性の向上、さらに自家用自動車から公共交通機関への利用転換を促進するという、交通需要マネジメント施策の推進が図られていますとあるんですけれども、これはちょっと私が知らないだけかもしれませんが、ロードプライシングとか、いわゆる渋滞税というような形で、シンガポールですとかノルウェーのオスロ、それからロンドンが2003年の2月からやっている渋滞税をかけるというようなことなんですが、それは日本の方で具体的にやる可能性とかその辺のシミュレーション、事業費の一部として、こういったものの有効性が見込まれるものについて一部が補助されているとあるんですが、東京都がロードプランシングというのは考えていらっしゃるようなんですけれども、これは実際に積極的にやっていく方法なのか、ちょっと伺いたいと思います。
○鷺坂総務課長 ロードプライシングの問題につきましては、現在首都高と、それから阪神高速公団の中で、特に環境汚染の状況がひどい、公害訴訟等が起こっているところにつきまして、できるだけ車を湾岸の方に移動させようというような形で、逆に料金を安くするというような、そういった社会的な実験というものが行われております。東京都の方で、いろいろ私どもも報道を通じまして検討されているという話は聞いておりますけれども、まだちょっと具体的にどこまでかという、もう一歩進んだものにつきましては、ちょっと今情報を持ち合わせておりません。
○筑紫委員 私どもの方でたまたま社員がロンドンに出張いたしまして、特徴は非常に自転車がふえていると。それから、ロンドン市にとっては、これで公共交通機関の方に人がシフトすると、真ん中の21?について、入るときに必ず
950円払わなければいけないということになっていて、見た感じでは非常に効果的であったと。それで、自転車がふえていると。ロンドン市民にとっては、年間
150万ポンドの収入があるということで、非常に効果的ではないかというような印象があったということなので、ぜひご検討いただきたいと思いました。
以上です。
○森嶌部会長 それでは、横山委員。
○横山委員 2点指摘したいと思います。
4ページの現状の[3]ですが、ことしの夏は、日本は低温、欧州は高温と云々と、前の案では全くなかったことが書かれて、それはそれで非常に私としてはいいんですけれども、やっぱりこの書き方は渋々書いているという感じで、委員からご指摘があったから、この項目を入れるという感じがどうしても抜け切れないんです。それで、じゃどうするかというのがきちんとしたことではないんですが、例えば地球温暖化が進行するとというところに、このまま有効な対策を打てずに進行するととか、それから異常気象が増加ということが指摘されていますというところも、異常気象が増加して世界の人々の生活に大きな影響を与えることがあるとか、もう少し深刻な様相を深めているんだというようなことをぜひ入れていただきたいというふうに思います。
それから、2点目は6ページの今後の課題で、先ほど浅野委員が指摘したことなんですけれども、すべての国が参加するルールの構築に努力する必要がありますと。浅野委員は、京都議定書の枠内だというふうにお読みになって、そのままおっしゃっていましたけれども、私は何かこれを読むと、読み過ぎかもわかりませんけれども、京都議定書ではアメリカが入ってこないから、第1約束期間が終わったら、そうではない別の枠組みを考えるんだというように何となくとれるんです。というのは、前の地球環境部会だったと思うんですが、そのときも明確な答えがなくて、情勢の変化によっては京都議定書ではなくて、全く新しい枠組みを考えるんだというようなことも指摘されておりましたので、やっぱりここは京都議定書の枠内でやるんだと。すべての国が参加するような構築をするんだということをぜひ入れていただきたいと思います。アメリカが入れるように、新たな枠組みをつくるとかいうようなことはやめて、やっていただきたいというふうに思います。
以上です。
○森嶌部会長 これは、私がこういうのを申し上げるのもあれですけれども、これは、政府の中の検討もありますので、今のあれは十分は承った上で、またどういうふうに訂正するかについては、横山委員と相談しますけれども、にわかにすぐさま入るかどうかについては、今安請け合いしない方がいいように思いますので、ご意見はご意見として伺います。
ほかに。
○青木委員 先ほどの議論のちょっと蒸し返しになって申しわけありませんけれども、ライフスタイルの変革に関しまして、私前に書面でご意見は提出してあるんですが、特に本心から言えば、政府部門の広報活動というのがもっと必要ではないかと。環の国会議も、私は他省庁に比べれば非常によくやっていただいていると思うんですけれども、それだけでは一般国民の、特に無関心層、特に家庭部門に関しまして、無関心層をいかに地球温暖化対策に仕向けていくかということが一番大事だと思うんです。その無関心層に働きかけるためには、政府みずからが相当力を入れて広報活動をやっていただかなければいけないというふうに感じております。
従来の政府、私どももそうでしたけれども、記者クラブで発表した後はマスコミにお任せと、マスコミがやるのが責任だと、こういう考え方では、特に地球温暖化の問題に関しては、一人一人が発生源でもありますので、それではいけないんだ、新しい広報活動をしていくべきだというふうに考えておるわけでございますけれども、この辺はまだ中身いろいろご議論しなければなりませんので、それに固執するわけではありませんが、現段階では今後の課題の中の[3]につきまして、1つのご提案ですけれども、環境教育をさらに進めというところの前に、必要な情報の提供というような言葉を入れていただければ、ライフスタイルの変革といったところにも、必要な情報の提供による地域社会経済システムやライフスタイルの変革というふうにつながっていくのではないかというようなことで感じますので、ご提案したいと思います。
○鳥井委員 今のお話、それから初めの方の議論と絡んで申し上げたいと思いますが、本当に情報を提供していないのかというと、必ずしもそうではないというケースが多いんだろうと思うんです。なぜ、情報提供しても届いていないのか。それは、相手が全然読む気がないのかもしれないわけです。そこのところの評価というのを具体的に今後の課題としてやる必要があるという感じがしていると思うんです。随分、脳の研究なんかも進んできていますので、パンフレットなんかを見たときに、どういう相手にインパクトを与えているかというようなことはわかって、それは全面的にそこのところ全部やれなんていうつもりは全然ないわけですけれども、どういうふうな形のものをつくったらいいかとか、そういうことはいまやある程度わかるんですよね。そういうことを少しやって、情報提供している情報の評価というか、そういうことを少しちゃんとやるということを考えないと、私はギャップはいつまでたっても解消しないというふうに思います。
○森嶌部会長 先ほどの統計についての天野委員ではありませんけれども、鳥井委員とか横山委員は、情報産業で生きてこられた方ですので、ぜひいいアイデアがありましたら教えていただきたいです。後でこれを全部出したあと、一応中環審としての国民に対するアピールというのを出すんですが、前から出して、そうすると新聞社はほとんど書いてくれないというときにどうするかというようなことがありますので、また後で何を考えているのかとちょっとお話ししますけれども、ぜひその点問題がありますので、もちろんジャーナリスト以外の人に資格がないわけではありませんけれども、せめてジャーナリストは、ぜひその点貢献していただきたいと思います。
それでは、崎田委員。
○崎田委員 今の流れにちょっと関連したことで申し上げたかったんですが、実は最初の2ページの方をぱっと見ていただくと、先ほど来の情報の話なんですけれども、実は環境問題は大変だという情報がかなり届いているんです。ところが、実際にそれに関して今産業界ではどういう取り組みをしている、あるいは国が法律をしている、市民はどんなことをしなければいけないかという、何か実際に動いている情報というのが余り届いていないというか、そういうふうに読み取れる。ほかの調査でも同じような傾向を感じとったことがあるんです。やはりそういう、今おっしゃったような、情報をどういうふうに発信するか、あるいはその辺が国民全体の信頼感にもつながってくるというか、本当に自分も行動しようという信頼感につながってくることだと思いますので、情報を的確に伝えて、環境負荷の低減行動につなぐということは、全く新しい一項目を立ててもいいという、今後の展開のことだと私も感じております。よろしくお願いいたします。
○桝本委員 基本的に崎田先生おっしゃったこと、7割ぐらい私の言いたいことでございます。ぜひ、ここで今先生が示された2のこのグラフをごらんいただくと、国民の関心はあるんです。多くの場合、受け手の情報、受け手の国民がいけないと考えがちですが、私は実は全く違うと思います。多くの場合、情報の出し方の方に問題があるんです。情報の出し方は、極めて多様にあります。ぜひ、そこを今、崎田先生がおっしゃったとおり、国民は何をやったらいいんだというふうに問いかけているんだと、私はこのグラフを見て思います。そして、決して国民を軽んじないでいただきたい。やっぱり情報を的確に出せば動いてくれる余地が非常に強いというふうに私は信じているだけに、そこをぜひよろしくお願い申し上げます。
○森嶌部会長 これも、情報の出し方についての小委員会でも設けてやってもらいますかね。
浅野委員。
○浅野委員 検討のプロセスを申し上げますと、おっしゃるようなことは確かに最初の草案には全くなかったものですから、せめてということで環の国会議だけがすべてではない。それに近いものは自治体の方に山のようにあるんだから、ちゃんとそれを入れてくださいとお願いしまして、大分ここで自治体の役割を強調していただきました。先ほどの青木委員の必要な情報というのではなくて、今までも出しているわけですから、それをもっとという表現にちゃんと変えなければいけませんし、それから情報の出し方についての工夫が必要です。とにかく国で立派なパンフレットをつくっても、全然下に流れていかないわけで、非常にもったいない。それよりは自治体に資金を配分し、自治体でつくっていただいた方がよほど効果が大きいのではないかと思うことがあるわけです。そんなようなことも、今後の展開の中でぜひ考えなくてはいけないということで、少し手直しをしたつもりだったのですが、なお不十分であると思われます。事務局、あとはよろしくお願いいたします。
○森嶌部会長 それでは、次にまいりたいと思います。
交通、7ページから9ページのところです。
天野委員。
○天野委員 9ページに図の11というのがあるんですけれども、低公害車は確かに普及率は上がってきておりますが、自動車全体の台数に占める割合が本当に上がっているのかどうか。それから、もう少し言えば低公害車以外の高公害車というのかどうかわかりませんが、負荷の大きい自動車の割合がふえているのではないか。そんなデータも一緒に上げておくのが全体像が見えるのかなというふうに思います。
○森嶌部会長 低公害車というのが何を意味するのか、ここで必ずしもよく……
○天野委員 それは、前の方にちょっと書いてありますけれども。
○森嶌部会長 だけれども、その辺のところが、人によっては低公害車に入れないようなものも入っている可能性もあります。 500万台というのはかなりの台数ですけれども、これもある程度……ごめんなさい。
○天野委員 これは、先ほど筑紫委員がおっしゃったことと関係があるんですが、今後の課題の[2]で、経済的手法を活用することによるというふうに書いて、いつもこれが出てくるんですが、どういう経済的手法を使うのかということがわかりませんので、先ほどロードプライシングの話が出ましたが、これも価格差が小さいと、実施していても余り効果がないということがあって、その辺の効果の点検も含めて現状どうなっているのか、今後どういうことをする必要があるのかということもお書きいただければと思います。
それから、ロードプライシングが1つですが、それ以外にいろいろなタイプの差別課税というのを行って、例えば交通手段別に税率が違うとか、あるいは自動車ですと重量別に差別課税をするとか、あるいは環境負荷に応じた税率を変えるというようなそういう手段もありますので、少し具体的な手法の記述を含めて、もし実際に行われているものがあれば、それの点検も含めてちょっとお書きいただければというふうに思います。
○森嶌部会長 塩田委員。
○塩田委員 質問ですけれども、現状の[1]に交通渋滞が著しい大都市地域を中心に問題があるということが書いてありますね。大気に関してはそういうふうに書いてあります。[3]に、騒音に関しては、幹線道路に面する地域を中心に厳しい状況だということが書いてあります。これに対して[4]ですけれども、私が質問するのは[4]の記述なんですが、[4]のところは対策が書いてあると思うんですが、何をやるかということに関して、自動車単体対策の強化と、それから自動車交通需要の調整というようなことが書いてあるんですが、私は、この問題は大都市地域と大都市地域以外の、特に地方の地域などにおいては対策の内容が違うんだろうと思うんです。自動車単体対策の強化というのはすべてに関係するのではないかと思うんです。それで、この書き方か問題に対して必ずしもジャストミートしていないのではないか、もう少しきめ細かく対策を書いた方がわかりやすいのではないか。前から申し上げていることなんですけれども。
○森嶌部会長 鳥井委員、どうぞ。
○鳥井委員 8ページの主な取り組みの[2]の下から五、六行目のところですが、排ガスがゼロかゼロに近く云々というふうに書いてあるんですが、いつも思うんですが、燃料電池自動車というか電気自動車というのか、排ガスでの自動車だけでいえばそうですが、やっぱりここのところはそういうふうに考えると、こういう記述を余りしますと、若干誤解を与える可能性が強いのではないかなという気が。やっぱりトータルシステムとして考えないと環境問題というのはだめなわけですから、少しその辺をトータルに見た記述になっている方がいいというふうに思います。
○森嶌部会長 それは極端なことを言えば、水素電池で走るときに、その水素をつくるのに天然ガスか何かでつくっていると、そもそもトータルとして行っている活動と考えた方がいいのか、そういうご質問ですか。
○鳥井井委員 そういうことをしっかり踏まえて書かないと、ミスリーディングになると思います。
○森嶌部会長 ほかにございましょうか。
それではとりあえず先へ進ませていただきます。また必要あれば戻ってまいります。
それでは、水ですが10ページから12ページ。
藤井委員。
○藤井委員 10ページの[1]の頭のところです。健康項目のところのカドミウムですが、カドミウムなどについて、これは全国的にほぼ環境基準が達成されている良好な状態というふうに書かれておりますが、これは多分後者の有機汚濁と比べるというところがあるのかもしれません。実際これは環境省の範囲ではないよという問題かもしれませんが、実は滋賀県の中でもカドミウムが今かなり問題になっていまして、それは土壌汚染なのか地下水なのか、いずれにしても公害の時点の中で鉱山を含めてさまざまなカドミウムがあると思いますが、全国的にこのカドミウムの問題がNGOの中では、かなりフィールドをやっております。ここで、これは良好な状態にありますと言い切れるかどうか、少し気になります。
それから、4段目のところですが、BODとCODを同じレベルで語っています。琵琶湖について言えば、BODは回復していくんですがCODが回復していかない。これは、琵琶湖だけの問題なのか、閉鎖水域だけに起きる問題なのか、今まではBODが回復するというのとCODの回復は大体パラレルだったんですが、どうもそうではない状況が起きているので、この同列に書くことでいいのかどうか、少しご検討いただけたらと思います。
○森嶌部会長 この点について何か今の時点でありますか。
○安藤水環境管理課長 最初のカドミウム汚染の問題につきましては、ここでは水問題ということで、ある程度水環境に即して書いておりますので、その点について別段触れておりません。
それから、2点目のBODとCODを併記して書いてありますが、ここは河川の評価としてはBOD、湖沼とか閉鎖性水域はCODということで、そういう意味で併記してあるということでございまして、琵琶湖の例がございましたけれども、確かにCOD、難分解性物質の問題もございまして、確かにBODは下がっているがCODは下がらないというふうな状況は我々も認識しております。
以上でございます。
○森嶌部会長 何か今のことについて。大変、優等生のお答えだから、お答えになったのかどうかというのがわからないんですけれども。
○藤井委員 そうご認識いただいた後、この表現で、もう少し言いようがありませんか。私もちょっと考えてみますが、このままでは少し問題があると思います。琵琶湖に特化した問題ではなくて、多分全国の水域で琵琶湖のようなことが起きているとすれば、こういう表記でいいかどうかです。
○森嶌部会長 その点もまたご意見がおありでしたら事務局の方にお出しください。
では、天野委員どうぞ。
○天野委員 簡単な質問なんですが、10ページから11ページにかけまして、地盤沈下が沈静化の傾向にあると。グラフもそうなっているんですけれども、これはフラットの状態でいいという判断なんでしょうか。私はおかしいなというふうに思いますが、どう考えればいいですか。
○安藤水環境管理課長 確かに、関東平野を例にとってみましても、明治時代、大正時代あたりから比べますと4メートルということで、かなり下がっておりまして、そういう意味では海抜ゼロメートルというんですか、それも下がっているというふうなことで、そのままにしてはいけないということで、防潮対策をとっております。現在はそういった状況の中で地盤沈下は見られないということになっておりますので、全体的に地形的な状況といいますか、それは現在としては落ちついた状況になっておりますので、それをもとに、例えば、4メートル下がったのを4メートルもとに戻すというのは、かなり非現実的といいますか、なかなか困難ではないかなということで、いろいろ申しましたが、端的には今は落ちついた状態になっておりますので、現時点では問題になるという状況ではないと認識しております。
○天野委員 今の文章の続きで、都市部等では地下水位がひどくなっており、湧水の枯渇等が見られることから、涵養能力の保全、向上が必要とされています。この部分をもっと言う必要があるのではないかというのが、私の質問の趣旨なんですが。つまり、護岸工事をするよりは、水位が下がっていることが問題で、それがどうして下がったかというと、多分上流でいろいろな破壊が起こっているわけです。そういうこととの関係でどういう対策が必要なのかということを書くべきではないかというのが私の質問です。
○安藤水環境管理課長 若干補足させていただいてよろしいでしょうか。これ1つの事例なんですけれども、東京で言いますと特に西部地域ですね。地下水汚水というよりは、浸透機能が失われたと。要するに表面がコンクリート化して、それで地下水涵養ができなくなって、その結果地下水位が下がってきてというのが結構大きな原因になっております。地下水採取につきましては、工業用水等法規制がかかっておりまして、それによる原因というよりは、そういった浸透機能が落ちたということで、その対策をこれからやっていくという必要は感じております。そういう施策も自治体レベルでも取り組んでおりますし、私どもわずかですが、そういった地下水涵養に対する補助といいますか、そういったことも行っております。
○浅野委員 今のお答えであったような気もするんですが、水循環が問題なんだということは、基本計画の中でもかなり深刻に認識をしていて、いろいろな山間部とか何とかって、都市部とかっていっぱい並べてやっていましたよね。その認識が、ちょっとこの現状認識のところで欠けているのではないかというのが、天野委員のご指摘だと思うんです。ですから、地盤沈下と結びつけて地下水が低くなってといようなとり方になっては困るから、ここをもっとちゃんと別の書き方で書きなさいというご指摘だと思うので、ぜひ検討していただきたいと思います。だから今、おっしゃったように、地下浸透とか健全な水循環が乱れているので、こういうようなことが起こっているのかということが大事だと。そうすると、後の方の課題とのつながりがいいのではないかということです。
それで、今後の課題のところについて、計画をつくるというのがこの水循環についてはいつも言われるわけですが、計画をつくる最大の目的は、この問題は要するに土地利用も含めた全体的な取り組みがなければいけないので、水だけ幾ら見たってどうにもなりませんという認識が背景にあるわけです。だから、NGOもいる自治体もいる、いろいろな人が入って計画をつくりますではだめなので、その先では土地利用計画どうなるんだ、これをどうするんだという、総合的な施策に結びつくような形で、この計画をつくることが大事であるということをぜひ今後の課題のところに入れていく必要があります。幸いにも、まだ6行ぐらい余白がありますから、何とかなるのではないでしょうか。
○森嶌部会長 そろそろ事務局、そういうところやったほうがいいのではないかと思います(笑)。どうぞほかに、ご質問、ご意見。
よろしゅうございますか。あともっと出てくると思ったので、打ち切ってしまったんですが、よろしゅうございましょうか。
それでは、生物多様性、13ページから15ページまでです。
○村杉委員 幾つかあるんですが、15ページ[11]のところで、いろいろな省庁が自然環境調査への取り組みが行われていますということが書かれていますので、できましたらこの辺で少し定量的なもので、なるべく新しいデータを少し見せていただけたらはっきりするんです。干潟のデータが10年前のものしか上がっていないというのは、何かちょっと寂しい感じがいたしますが、これは無理でしょうか。その辺なるべく新しいデータ、例えば「田んぼの生きもの調査」あたりで、これだけ変化がありますよというのを入れると、もう少し一般の認識が強くなる感じがいたします。
それを受けて、先ほど課長さんは省庁がばらばらに行っているのがいけないので、今後の課題として、それらが十分な連携が図られるように、[1]として課題を掲げましたというご説明、当然のことだと思います。
この、十分な連携という意味で、[3]を私が読んだときにこれがあまりよくわからないんです。生物調査のやり方等について、関係省庁で工夫を行うことが重要ですという意味が、関係省庁それぞれが工夫をするというふうに読むのか、関係省庁が協力して工夫をするというふうに読むのかによって全然違うと思います。それぞれが、工夫を行うことが重要ですという意味であれば、何となく縦割りを奨励しているような意味合いにとれないかということが気になりました。工夫を行った上で、地方や情報の共有化という言葉がつながれば、少しはそこも縦割りの認識が消えるかもしれませんけれども、そのあたりが工夫を行うという程度で、私にはばらばらに行うのか、みんなが一緒に工夫するのか、その辺がちょっと読めなかったということです。書き込みをお願いしたいと思います。
それから、ちょっと上にいきますが、[2]の長期的には、という言葉は、本当に要るんでしょうか。これはすぐにでも連携を図ることが必要だと私自身思っておりますので、長期的にという言葉はない方がいいのではないかと考えます。
それから、今後の課題のところで、移入種について触れなくていいかということ。移入種問題は、上の[10]では国立公園内における移入種対策が書かれておりますけれども、国立公園外にもいろんな移入種の問題があるわけで、なるべく幅広い取り組みとして、移入種対策を、今後の課題として認識してほしいと思います。
そのほか、例えば地球温暖化の問題とかかわることで、先ほど情報の出し方のことが出てまいりましたが、ここでも大変情報は求められているんですが、むしろ情報の出し方というよりも、教育のあり方という方が基本ではないかと感じます。例えば、普及啓発ですとか、生物多様性の理念についての深化を図るというような文面がありますが、深化を図るだけではだめで、行動にどうそれが結びつくかというあたりのところまでをねらうことが必要ですので、やはり教育のあり方がベースだと思います。その辺はほかのところにも関係しますので、何か全体的なところでまとめて文が入るといいのではないかと思いました。
以上です。
○森嶌部会長 次、星野委員、それから藤井委員ですけれども、その前に黒田課長何かありますか。
○黒田自然環境計画課長 生物多様性に関しては、前回の部会でいろいろご説明させていただきましたが、前回の部会の後、10月3日にこの中央環境審議会の自然環境部会と野生生物部会との合同部会の第2回目を開催させていただきまして、非常にご意見をたくさん出していただいて、その中で基本的な一致点として、今後の課題を含めてこういう形でアウトプットを出していただいたものを、同じものをこの報告書の中に掲載していくという経過がございます。
その上でということになりますが、各省庁の調査につきましては、「田んぼの生きもの調査」なども割合最近始まったということで、まだ田んぼにメダカがいるかという魚類の調査、あるいはカエルの調査と非常に限られているので、まだ年次的な比較ができる段階ではありません。林野庁の調査につきましても、森林を全国1万
6,000ポイントで調べるということですが、これもまだ一巡していないということです。現段階では、残念ながら10年前のデータとの比較とかいうのは難しいところですが、そういう定量的に把握して変化を見ていくということは各省一緒になってやりましょうということで、合同部会でのご指摘もありましたので、その後各省庁で連携する、担当部課の検討する枠組みといいますか、場をつくりましょうということで合意をして、これから具体的にできるだけ早く進めていきたいというふうに考えております。
それと、[3]のところで関係省庁の工夫というのがばらばらになるのではないかというご懸念ですが、それぞれでやるという部分もございましょうが、基本的には連携してやるという趣旨でございまして、一緒に今申し上げた連携の場などを通じて意見交換してきちんとやっていって、特に手法としては、市民参加型の調査というようなことをできるだけ取り入れていけないかというようなことを考えておるところでございます。
それから、水質の調査に関しての長期的にはというのは、なかなかこれはすぐに実行するのが難しいという実態もございまして、今後こういうものにも取り組んでいきたいと考えているので、このような表現にさせていただいております。
それから、移入種とかほかの課題について触れなくてもよいかということなんですが、ここはほかの分野とちょっと違う構造をとりまして、この環境基本計画の中での施策の基本方向の下といいますか、それと横並びのような形で生物多様性国家戦略にかなり具体的に書き込んでございまして、移入種などはそこに書き込んである方向で現在取り組んでいるということで、合同部会でも、現在の方向に関して特に今後の課題として特記すべきというご意見をいただかなかったということもございまして、私どもといたしましては、今申し上げた国家戦略に掲げてあるものは全部今後の課題であると、このように考えておりまして、そういうものには着実に取り組んでいきたいということで、今回の点検というレベルでの今後の課題という中では、逆に言いますと、移入種については、ある意味で本当はよくないかもしれませんが、ここに書くというレベルよりはもっと高い大きな課題、こういうふうに認識しているところでございます。
○森嶌部会長 今のお答えに対してまたご注文がおありになれば、後で書いてお届きたいと思います。
それでは、星野委員、どうぞ。
○星野委員 今のご発言、ご質問に関係すると思いますが、生物多様性についての沿岸域が大変おくれているのではないかというのが、私の一番基本にある発想でございまして、環境省では今まで里地というような言葉を使って、里山の方をやってこられたんですが、例えば海についても里海といって概念をもって、我が日本は海の国ですから、里、沿岸浜域をどうやってこれからちゃんと生物多様性を確保していくかということが、これから恐らく21世紀になって非常に重要なことだと思います。
つまり文化の問題だと思うんです。地震だと東海地震だとか、南海地震というので、すぐ予測の装置をいっぱいつけるわけです。ところが、生物多様性については何もないんです。今度やっと、モニタリングサイト1000というのは、これは地上ですよね。海は、ほんの干潟かどこかを少しやるぐらいでしょう。それから、前のページで、さっき水循環が出まして、環境学習をよくやっていますよね。12ページあたりの・のついているところをずっと見ていると、最近の河川行政なんていうのは、実によく生物との関係をやっているんですが、それでは海について海岸保全だかと、たまには港湾もやっているようですけれども、そういったところは自然保護局と自然環境局とが一緒になってやるようなことをやっているのかというとやっていないのではないでしょうか。これは焦眉の問題だと思うんです。恐らく、海から何が上がるのかわからないところですから、磯焼けするとか、焼けているけれども、10年もたてば直るでしょうといっているような話をしているとしたら大間違いだと思うんです。
そこで、今のご質問に関係していえば、今後の課題[2]について生物調査についてはと、生物調査と書いてありますから、これは動物と植物ですよね。恐らく、魚と海草といった方がいいかもしれませんね。長期的にはというのは、私も長期的にはというのは何を言っているのかという気がします。
水質等の調査との連携を図ることも重要ですけれども、あえて勝手なこと言わせていただければ、沿岸域を含め、水質等の調査との連携を早急に図ることが重要ですというような文章にぜひ変えていただければと思います。ただ、自然環境局のキャパシティからいうと、沖合いまでやるほど人員がいなければ予算もない。このことが恐らく長期的という言葉でやらせたんだと思うんですけれども、それは行政の勝手なのでありまして、日本国の問題としては実に重要な問題ということで、せっかくモニタリングを最後にやったんですから、モニタリングを次は2000にして、今年やれというわけではなくて、来年なり再来年までまた勉強会をやって、ぜひ今度は沿岸域を各省庁と、各省庁非常に分厚い調査でなんかやっているわけですし、予算も持っているわけですから、その中で一緒にこれからやっていくとか、そういう工夫をされて、ここはぜひ今申し上げたように、長期的にはなんて言っていないで、沿岸域という言葉をぜひ出してもらいたいと思うんです。
もちろん、環境基本計画の点検ですから、環境基本計画のところが水循環と生物多様性が分けてありますから、新たなことをここで書けというのも無理だというんならそれはしようがなんですけれども、ぜひ入れていただけるものなら入れていただきたいというのが私の願いでございます。ありがとうございました。
○黒田自然環境計画課長 今、ご指摘がありました海の話につきましては、お話のとおり非常に情報量というか調査の手が行き届いておりません。やはりそこのところが非常に問題が大きな課題であるというふうに認識しておりまして、人間活動の影響を一番受けやすい浅海域、干潟だけではなくて、護岸・干潟・サンゴ礁というのを一くくりにしておりますが、現在はその中の干潟などを対象にして生物層の調査等を昨年度から実施をしておるところでございます。これもまた、各省連携で実施できないかということで、現在検討しておりますし、ご指摘のモニタリングされた点では、護岸・干潟・サンゴ礁というものも、森林だけに偏ることなく、こういうものもさらに今後、考えていきたいと思います。あるいは、重要な生物として、例えば海棲哺乳類であるとか、それからウミガメ、こういうような象徴的なと言いますか、大型の海洋生態系での位置づけというのがかなり上位に位置するものにつきまして、ちゃんと指定をして、そういうものの調査に取り組んでいる、そういうような努力は、今後とも力を入れていきたいと思っておりますが、海の関係で実は一番大きな課題は、専門家の数が非常に限られているということでございまして、そういう意味ではできるだけ早く進めるべきというのは私どもも認識としては持っているんですが、現実を考えますと、そこは非常に悩む結果、こういうこともご理解いただきたいと思います。
○森嶌部会長 なお、ご質問があれば直接にまたおっしゃっていただきたいと思います。
それでは、藤井委員、それから浅野委員。
○藤井委員 遺伝子組み換え作物のところでご質問させていただきます。15ページの[10]の下段です。
一昨年来、モンサントによる遺伝子組み換えダイズの作付けが行われているわけですが、今年たまたまというか、去年も今年も滋賀県の地域の中で作付けになったことで、全国の遺伝子組み換え作物に対する不安がこんなに大きいのかということが非常によくわかりました。今回のここの書き込み、一応カルタヘナ議定書についても書いてあるんですが、遺伝子組み換えを扱うに当たって逡巡があるのか、例えば書き方で言えば、カルタヘナ議定書の国内担保法である遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律がというふうにあるんですが非常にわかりにくい。ここは、どういう意味合いで、公布されたということだけを載せるのか、それともここについてはどうするのかという、遺伝子組み換えについての判断は、他の省庁との関係もあって載せられないと思うんですが。ただ、もう少しカルタヘナ議定書が非常に重要な意味を持ってくると思いますので、最後の2行のところの書き換えというか、少なくともこの等、等というのを外してわかりやすい文言にならないでしょうか。
このままですか、法律。訳したら。
○森嶌部会長 すみません、法律家としては大変申しわけないんですが。
○藤井委員 そうですか。なんてわかりにくい……わかりました。法律についてはわかりました。
遺伝子組み換えのところの、ただ公布されていますだけで、それ以上は踏み込めないんですね。実際の国民感情といろいろなところで言えば、遺伝子組み換えについては随分公布されたということだけでいいのかなという思いがあるんですが、印象だけを課長、よろしくお願いします。カルタヘナ条約に対する強化が……
○黒田自然環境計画課長 法律の作業は、現在まだ進行中でございまして、法律の公布はしているんですが、具体的な政省令の調整を今しておりまして、現在パブコメにかけております。そういうことで、実際はまだ我が国はカルタヘナ議定書に関しては締結をしておりませんで、恐らく来月末ぐらいに締結をして、そこから90日後に国内で発効する、すなわち2月の下旬ぐらいで議定書が国内発効し、と同時にこの長いご指摘のこれ一つの法律名なんですが、カルタヘナ法と略称しておりますが、カルタヘナ法の全面施行も議定書の国内発行と同時ということで、2月には国内で適用になるということでございますので、次の点検のときには、その辺のところを記述できるかというふうに考えております。
○森嶌部会長 ほかの法律名はどういうふうに書いているかわかりませんが、もしあれでしたらカルタヘナ法として括弧して法令名を……
○浅野委員 括弧書きをして、法令名であることがわかるようにしておかないと、今のような誤解は確かに生じます。
○森嶌部会長 法律家としては大変申しわけないんですけれども、そういうことで我々は商売をしておりますので、よろしくお願いします。
青木委員。
○青木委員 今後の課題の[6]なんですけれども、私が間違っていたら固執いたしませんけれども、表現がわざともって回ったような感じなんですが、実は昨日私の関係する団体の関係で、ミズーリ植物園のレーブン博士のお話を伺ったんです。この方は、生物多様性の理念を一番初めの段階で発表されたお方の一人なんですけれども、お話を伺っていますと、生物多様性の理念の中身というのは、最終的には人間活動に至る、非常に深い内容を持っているように伺ったわけでございますけれども、この[6]の表現ですと、生物多様性の理念についてわかりやすく説明できるように、さらに深化を図る、こういうことが書いてあるんだけれども、どういうふうに深化を図るのか、ちょっとよくわからないんですが、むしろ生物多様性の理念について議論を深めて、生物多様性の重要性を国民にわかりやすく理解を深め説明しなさいと、こういう趣旨で書くべきではないかというふうに感じるんですが、いかがでございましょうか。
○森嶌部会長 今の点で、そういう方向で努力いただくと。それでよろしゅうございましょうか。
それでは、横山委員、それから瀬田委員。
○横山委員 現状の書き方について、ちょっと意見があるんですが、これそのまま見ると単純化すると、[1]で森林の現状、それから[2]で干潟とか自然海岸が減っていますよと。[3]で突如として日本で確認されている種のうち2割前後が絶滅危惧種に選定されていますと。[4]になると、今度は国立公園の話が出てくるんです。ポイントは[3]のどれだけ生物多様性が損なわれているかということで、それを開発とか自然破壊とか、あるいは移入種の問題、それから今後は温暖化とかオゾン層の破壊がきいてくるわけで、少なくとも[3]を最後に持っていって、なぜこういうことになったんだというふうにしないと、生物多様性保全の取り組みの現状としてはちょっと弱いような気がしますので、その辺少し気を遣っていただけるかなと思います。
○森嶌部会長 それでは、瀬田委員どうぞ。
○瀬田委員 まず、1つは質問です。休耕田とか、あるいは森林の手入れが人的資源の減退によって減ってくるということは、生物多様性にはどちらに向くと理解するのでしょうか。
2つ目は今後の課題、[1]から[6]までをずっと見てみますと、いずれも調査と啓発と連携の3つのどれかに入ると思われます。先ほど海の専門家の問題が出ましたが、専門家の育成は、日本は歴史的に立ち遅れているというふうに言われておりますし、そこをどう考えているのかこのままでは、わかりにくいという気がいたします。
○森嶌部会長 今の時点で何かお答えありますか。
○黒田自然環境計画課長 休耕田とか中山間地域の現状に関しましては、前回少しご説明をさせていただきましたが、生物多様性国家戦略の中での現状認識として3つの危機があるということで整理をして、その2番目に、人間が自然にかかわる度合いというのが減ってきたことによる危機というのがあります。それは一つは、例えば里地里山で人間と自然との間に1つのバランスがあって保たれてきた自然があって、そういうところには実は絶滅のおそれのある種というものがかなりの率で、そういうところに生育している。そういうものがさらに脅かされているということです。
もう一つは例えば休耕田が藪になることによって、そこにはイノシシがいっぱい生息して、それがさらにそこから打って出るというような問題が生じているということで、そこをすべて生活様式まで全部昔に戻すということは難しいでしょうが、昔の里山と人間との関係というものをできるだけ取り戻す、そういうような形でここは持っていく必要がある、このように認識しております。
○森嶌部会長 それでは、次へ進ませていただいて、言い残したことがありましたら最後にもう一回伺いますので、一応5番目の、これは最後になりますが、社会経済の環境配慮、16ページから最後までです。
佐和委員。
○佐和委員 まず、現状のところの[1]で、着実な増加を見せていますと書いていますね。ところがこのグラフのニュアンスは、パーセントのグラフを見ますと、完全にロジスティック曲線の格好になっているわけです。ということは、過去の趨勢として予測すれば、23~24%どまりということになるわけです。つまり、着実な増加を見せているのではなくて、かなり飽和状態に達しているというふうにむしろ見えるんです。ですから、どうもこのグラフを見せて、着実な増加を見せていますというと、私のように統計学をちゃんとやった人間から見ると、どうもそれがおかしいのではないかという感じがするということが1つです。
それから、やっぱりとにかくこういう環境報告書を作成する企業が少なくとも増加の趨勢にあるということは一体なぜなのかというと、結局消費者が物を買うときに、その企業の環境配慮というのを、レベル、水準というのを品質の一部にカウントすると。そして、例えば自動車を買うときに、単に燃費効率がいい悪いということではなくて、自動車メーカーがどれだけ生産とか経営の中で、十分な環境を配慮しているかということを、いわば品質の一部にカウントすると。そういうのがあるからこそ、企業の方も、利潤の追求といっていいかと思うんですが、利潤追求の企業の行動様式と環境配慮というのは決して矛盾するものではないというようなこと。
つまり、そういう意味では、消費者がそこに対する教育といいますか、消費者がそういうふうにいわば成熟化した消費者になるということが、政府があれこれやるということ以上に重要なことなので、そういうことも今後の課題の中に一つ盛り込んでいただければというふうに思います。
それから、今後の課題の[1]ですけれども、これはちょっと表現上おかしいと思うのは、まず、一つはマクロ経済、産業競争力等国民経済に与える影響と書いていますね。普通、この国民経済というのが、ほぼマクロ経済という意味なんです。ですから、これ例えばマクロ経済で担租税をかければ、10年後といいますか、GDPが例えば
0.何%、つまり何もしなかったときを 100とすれば、それが 0.3%ぐらい下がるとか、ある意味でどうでもいいことなんです。あるいはGDPというのは、人間が勝手につくったコンセプトですから、それのわずかな差なんていうことを云々したって、余り仕方がなくて、もっと重要なことはミクロ経済的な影響なわけです。つまり、どういう産業が結果としてルーザーになり、どういう産業がウィナーになるのかということなんです。ルーザーインダストリーに対してどういう配慮を払う必要があるかというふうなことを、むしろミクロ的な影響というものをもっと真剣に考えるべきだと思うんです。
それから、産業競争力というのが何のことかよくわからなくて、恐らくこれは産業の国際競争力という意味で使っていらっしゃると思うんです。ただ、少なくともここは、例えばマクロ経済というところを消費者行動、産業の国際競争力などの経済影響というふうに書いた方がいいですね。
以上です。
○森嶌部会長 それでは、せっかく塩田委員が挙げられましたけれども、後で挙げられたので、先に武田委員、それから中野委員、それからこちらへ戻ってきます。
○武田委員 今の佐和先生のお話にも若干関係するのでございますけれども、先ほどいろいろ議論のありました国民の意識と行動というところに関係するわけですけれども、先ほどアンケートにもいろいろございましたが、これをどう読むかというのは非常に難しいんですが、意識はあるけれども、実践に結びついていないということがいえようかと思うんです。結局、この地球環境問題というのは、都市公害と違いまして、事業者が何かすれば解決する問題でもございませんし、全員が全国民がやらなければいけない。そのときに、実践の仕方がわからないというのか、いろいろ人によって状況が違うと思いますが、私は日本の現在のCO2の状況がこの程度でとまっているというのは、経済のこの10年、残念ながら不況の中にあるということも非常に大きく影響していると思います。各方面の努力もあるんですが、これが、だんだんと底を打って景気がよくなってくると、エネルギーもCO2もふえてくるということは予想されることです。したがって、その段階で全体の京都議定書を守るためには、本当に何をしなければいけないのか、本当にやるとすれば。これは、国民一人一人がその気になって実践しなければいけない。要するに要求するのではなくて実践するということを一人一人がやるような気持ちになって実践するにはどうすればいいのかということを真剣に考えて実践できないと、これはなかなか難しいと思うんです。では、どうするのかということなんですけれども、情報を出して意識を喚起するということも基本的に大事なことなんですが、やはり人間の行動というのは1つインセンティブが働かないと、なかなか具体的行動には結びつかないということだと思います。ですから、具体的な消費活動においてインセンティブが働くような制度をどうやって入れるのかということができるのかできないのかということが、私は非常に大事なことではないかと思います。
現実に、自動車でグリーン税制というのがございますが、例えばいろいろな消費者が購買するものについて、すべてとは申しませんが、それぞれの製品のエネルギー、消費量の問題とかCO2排出量の問題ということを必ず表示すると。ある一定基準よりもいいものについては、例えば価格の10%安くなります、悪いものは10%高くなりますよとか、そういうインセンティブが与えられない限り、なかなか具体的行動に結びつかないのが現実ではないかと思うんです。
余り先走って申し上げても何でございますが、専門委員会の温暖化対策税制については、上流の課税という案になっているわけでございますが、こういう上流課税では、実際の消費活動におけるエネルギーの節約というふうにはなかなか結びつかないと思うんです。最終的なところで、何らかのインセンティブがある。そういう制度をどうやってつくるのかということ、それができるのかできないのか。この辺を本当に考えられないと、実際に京都議定書を守るというのは非常に難しいのではないかという感じがいたします。
○森嶌部会長 それでは中野委員。
○中野委員 ページ18の[7]の2行目の今後は、国民など情報の受け手の側がこれらの情報をより適切に活用できるような方策についての検討も必要ですと書いているんですけれども、この検討もというのは、私たちにとりまして大変弱く感じます。ページ6の[3]にも、すべての市町村における実行計画の策定ということも出ておりましたが、例えば私たち国民がいろいろな情報を受けて、それを行動したいときに、もう一歩踏み出すためにも、市町村がこれを後押ししていただけるような、そういうこと。例えば、行政と国民とのパートナーシップということが大変大切ではないかなと、そのように思いますので、どうしたらいいか。ここの審議会に出ていてくださる方たちは、そんなことはないかもわかりませんけれども、本当の末端の国民側にいたしますと、自分たちがいろいろな情報を受けて、それをどうしようと皆さん思っておられる、そこをもう一歩、各市町村の行政がちょっと後押しできるような施策というものがぜひとも大切ではないかなと、そのように思います。よろしくお願いいたします。
○森嶌部会長 ありがとうございます。
それでは、浅野委員、それから崎田委員、桝本委員、それから天野委員、最後に塩田委員。
○浅野委員 18ページの[8]のアセスメント分野についての課題というところですが、戦略アセスメントについての表現があります。現段階では、この表現でもしようがないのかなと思いつつ、実はこれは環境基本計画の文章そのままです。つまり2000年から2002年まで、全く何も動いていないということになってしまうんですが、しようがないかなと言いましたのは、これは環境基本計画がこういう表現をとった理由は何であったかということをもう一度確認しておきたいわけです。それは、いきなり戦略アセスメントの法律をつくるとか、制度をつくるというところから議論を始めたら、少なくとも上位計画や政策決定とかいろいろなやり方があるのでそううまくはいきません。だから、経験を積み重ねた上で、どこか共通項ができたら、そこでちゃんと制度化していくという方向が出るでしょう。そのために、まずは経験を積むことが先で、抽象的、一般的に戦略アセスメントが必要であるから法律をつくるという議論をやっても無意味だということで、この環境基本計画ができたわけです。
それで、ではこの点検でどういうことになったかというと幾つか動きがありましたねというぐらいのところですから、現段階ではしようがないわけですが、私は必要に応じてというのが、次の点検のときには消えることを期待したいと思います。
今のところは、どうも必要に応じてというのがちょっと弱いような気がするんですけれども、現状ではやむを得ないかなと思いながら、いつまでも基本計画と同じ表現が点検報告に並ぶのはやめたいと思います。
○崎田委員 16ページの現状のところの表の話なんですが、この表で環境報告書の作成件数が多いというようなお話があって、先ほど佐和先生から興味深いお話があったんですが、私はこれだけではなくて、例えば今、生活者の視点で考えると、例えばかなり熱心な企業は取り組んでくださっているけれども、まだ関心のない企業、あるいは中小規模の企業の方でまだまだ環境配慮を取り入れられない、あるいは関心がまだいっていないというような企業が大変多くて、その格差が非常に広がっているのではないかなという印象があるんです。そういう意味で、この表だけ、あるいはこれプラス環境報告書とかマネジメントシステムを取り入れている企業がどのくらいの規模なのかとか、そういう状況がわかった方が、今社会が抱えている本当の現状というか課題が見えてくるのでないかなという感じがいたします。
そういうことで考えれば、次のページの主な取り組み状況のところで、実は中小規模の事業者が積極的に取り組んでいただくような取り組みに関してはかなり書いてあるんです。例えば、ISOのような形だけではなくて、中小企業でもできるようなエコアクションなどとか、そういうできるだけ身近な企業がしっかり取り組んでいただくような方策も、かなりこの中に入っていますので、なぜこういうところをやっているかという理由が、前の現状のところがもう少しきちんと出ていると、はっきりわかってくるのではないかなという感じがいたします。
そういうふうになってくれば、消費者にもよりいろいろな環境を考えた消費選択とかいろいろなことがもっと近づいてくるという、そういうことにもつながるのではないかと思っております。
18ページのところなんですが、そういう視点で考えると、例えば[4]の環境ラベリングとか、そういうことで、一応できるだけ消費者の消費選択、あるいは先ほど来お話があった賢い消費者になるような仕掛けというのは、かなりお話の中に出てくるんです。そういうことをもう少し書いていただくときに、消費者の消費選択につながるような方策とか、それと事業者の活動がつながるような方策を目指して、こういうことを進める必要があるというふうに書いていただくと、より明確にわかってくるのではないかなというふうに感じます。
あと[7]、先ほど中野委員が既におっしゃいましたが、やはりここのところの国民など情報の受け手という、ここが非常に問題になってくると思いますので、例えば情報の受け手側がこういう環境報告書などの情報をどういうふうに活用するか。例えば消費選択に活用する、あるいはいわゆる筑紫委員のご専門のエコファンドのようなところで活用するとか、そういうようなところに活用できるような方策を検討する。少し具体的なことを入れていただくと、より今の状況が鮮明に見えてくるのではないかというふうに感じました。
○桝本委員 まず、この17ページの一番上の税の話、そして一番下の税並びに課徴金、これは二度同じことを言うことをちょっとお許しいただきたいんですが、2回か3回ほど前に、私はこの中環審、あるいはそのほかの部会で税の審議がしっかりされていないということを、私の若干個人的な思いも含めて、強く抗議をしたつもりです。その状況が変わっていないのに、ここにこういうふうに入っていること自体、私個人的には大変に不満が残ります。これは、私の個人的な思いでもありますからやむを得ないと思います。ただ、ここでいう環境配慮のための社会的な仕組みという場合には、税課徴金はワンオブゼムであることは、もう既に何人かの先生方がおっしゃられるとおりで、しかも温暖化問題もいわば環境の一部重要な問題である、廃棄物の問題もあるというような状況を考えますと、主な取り組み状況の1と、今後の課題の1に、まず税と課徴金が来てしまうこと自体、私は大変に軽重、あるいは現状という意味でちょっと違うのではないかというふうに感じます。
書くこと自体反対をするわけではありませんけれども、やはりこれまでこれを一生懸命やってきた、ほかのことはやらなかった、だからしようがない、ここの一番最初にこれを書くよというふうに、こういうふうに私には、若干いじわるな理解ですが思えてしようがありません。もし、温暖化対策ということであれば、省エネ促進型の社会的な環境配慮のための仕組みというのは多々あるわけでございますから、それがそういう目で現在の取り組み状況を、経済産業省や国土交通省でおやりになっていることも含めてお書きになるべきではないか。そして、今後の課題でも同様な視点をとるべきではないかというふうに思います。
それから、先ほど崎田先生がおっしゃったように、私も産業、そして国民というようなことを考えますと、国民の参加型の仕組みというものをもっと考えられてしかるべきで、ここにも幾つかアイデアは入っています。エコラベルなんていうのは一つの代表でありますけれども、これなども必要がありますと書かれているだけで、もうちょっとちゃんとやるということを、そして消費者へ的確な情報を提供し、教育をするということを今後の課題として書くべきではないかというふうに存じます。くれぐれも、何か前々から私らは環境税ありきで議論が進んでいるという指摘をさせていただいていますが、そのところをひとつ取り払うようにしてまとめていただきたいというふうに思います。
○森嶌部会長 天野委員。
○天野委員 幾つかあります。まず、16ページ一番上で環境報告書の話が出ております。最近は、環境報告書と合わせて、社会的な側面を含めて持続可能性報告書という方向に変わりつつありまして、いつまでも環境報告書と言っていると、その部分をどうするのかということが起こりますので、そこは環境報告書及び持続可能性報告書の作成というふうにお書きになる方がいいのではないかと思います。
それから、18ページに移りますが、環境省が出しております環境報告書並びに環境会計のガイドラインというのは非常に有効に働いて、これによって発行企業の数がふえたというのも私ども調べておりますが、そういう意味ではガイドラインは効果的なんですが、17から18にかけて[2]と[3]の2つがあります。[3]の方で、比較可能性や信頼性向上するための手法ということで、第三者レビュー推進というのがあるんですけれども、実はガイドラインを改訂する際にも、こういう方向を含めて改訂するのがいいのではないかというのが、我々の方の研究者の意見ですので、[2]と[3]というのをある程度連携させて、お書きいただく必要があるのではないかというふうに思います。
それから、ここには書いていなんですけれども、環境報告書等を出している企業というのは、かなりの企業が製造業に限られていて、特に金融部門、銀行、証券、保険、こういうところが必ずしも製造業ほどは充実していない。しかし、筑紫さんいらっしゃるんですけれども、金融部門の循環型社会の貢献と非常に重要な役割を持っておりますので、そのあたりをもっと力を入れていただきたいというふうに思います。
それから、[7]に書いてあります国民がどういうふうにこの報告書の情報を受けるかということですが、もともと環境報告書をつくっている企業の側からすれば、一般の人たちに理解していただくように部分もないことはないんですけれども、主たる点は、企業が、その企業のステークホルダーどういうふうに見られるかということを意識してつくりまので、だから大部分の報告書の場合には、まさに専門家に向けて書くわけですね。そういうものを一般の人が受け取ってもほとんどわからないわけです。現在の環境報告書はそういう形をとっておりますので、もし[7]のようなことを充実させるのであれば、特別の形のものをつくるか、あるいは環境報告書の説明会を開かせるようにするか、何かそういうことをしないと、報告書そのものでは、私はこれはいくら言ってもできないというふうに思います。
それから、もう一つ、例えば金融部門についてのこういう取り組みを推進するような仕組みを環境省でお考えていただきたいと申しましたが、もう一つ有害物質とか化学薬品とか、あるいは特に家電、電子・電気部門ですね。こういうところでヨーロッパが最近ですけれども、取り組みをどんどん進めてきて、日本の企業がそれに対応するようなことをやっておりますので、17ページの主な取り組み状況の[3]というところで、そういうことをやっていますというふうに書いてあるんですけれども、今私が言いましたような事態に適切に対応できるのかどうか、それとは別に、欧州での事態の進行にまた対応しなければいけないようなことになていないかどうか、その辺もちょっとお調べいただいて、もし不足であればお加えいただくというふうにお願いしたいと思います。
○森嶌部会長 お待たせしました。塩田委員。
○塩田委員 先ほど、佐和委員がご発言になったことに関連して手を挙げたんですけれども、(3)の[1]と(4)の[1]に関して、温暖化対策税制の具体的な制度の案については、この部会、あるいは地球環境部会でも、まだこの具体的な案については、一度もこれを主とした議題として議論したことはないと理解しておりますが、そこで今後の検討の方向づけについて、どういう問題に重点をおいて検討するかということが、項目だけここに書いて、先ほど申し上げたんですが、環境保全上の効果、マクロ経済、産業競争力等国民経済に与える影響、それから諸外国における取り組みの現状、4つ書いて、等とありますが、これ例示なんでしょうけれども、この4つが出てきたという理由がちょっとよく理解できないと思います。私は、この項目の中で、特に諸外国における取り組みの現状というのは参考にすることなのではないかということであります。
それから、ここに幾つか挙げてあるリストの中にもう一つ国民生活に及ぼす影響というものを入れるべきではないかと思います。
それから、これらの問題を議論することが必要だという、その議論する観点ですけれども、まず、それについて私はこういう表現が追加されることが望ましいと思います。まず、2行目の「他の政策手法との組合せ・比較を検討しながら」の前あたりに、まず地球温暖化現象に大きな影響を与えている原因を除去する効果に重点をおいてというような検討の進め方についても言及した方がいいのではないかというのが意見です。
この税制の問題はそれぞれの分野について、どういう影響があるかということについては、まだ議論も始まっていないわけですから、これからの議論を待つべきだと思いますけれども、交通・運輸部門については、国民一人一人の状況というのは、その人の置かれている状況によって随分違うと思うんです。一律に論じるということが果たしてできるのか。特に、大都市圏においては、交通というのはご承知のように、たくさんの交通手段があるから選択の余地があるわけです。ところが、地方の過疎地域などにおいては選択の余地もないわけです。ですから、それが一番いい例ですけれども、いろいろこの施策によって影響を受ける国民が、その状況においてどんな影響を受けるかということもやっぱり考えていかなければならないのではないかという観点からこの意見を申し上げました。
○森嶌部会長 この問題につきましては、この間も申しましたけれども、別に小委員会を設けまして、そこで検討課題も含めて、ご議論いただいて、それを中間報告という形で、この部会へ出してまいります。点検はことしじゅうに出してしまわなければならないということもありますけれども、税の問題、その他のどういう施策をとるべきかということにつきましては、総合的に検討して、先ほどの話ではありませんけれども2004年の検討、全体のなんかで申しますと、2004年のファーストステップの検討のところに、いわばその一環としてというふうに考えております。
それでは、瀬田委員、どうぞ。
○瀬田委員 先ほどエコマーク、あるいは賢い消費者というお話が出ました。私どもの印象でこういった一種のラベルで効果が最もあったのは、古い話ですけれども、ウールマークではないかと思います。あれは、まさに消費者の意識と、それからメーカーサイドの意識、その両方ででき上がっていったものであり、しかも、それは業界の自主的なものだったと思います。最近ではエコ冷媒が冷蔵庫等に、はりつけられていますが、最も印象的に残るのはやっぱりウールマークのような気がいたします。したがって是非こういうものを参考にして、考えていただきたい。特に、規制というよりも、まず最初にそういう自主ということで、相当のところまでいけるのではないかと私は思っています。
○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
1つだけ、これについて環境報告書と環境会計いうのが一緒になっていますけれども、環境会計というのは、先ほど天野委員がおっしゃったように、ステークホルダーというふうに株主に、投資する人に向けて、一体自分のところは環境を入れることによって、もうかるのかもうからないのかどうなのかということですが、環境報告書は、これはちょっと天野先生と私とは受けとめ方が違いますけれども、今多く出ているのは、ほとんど株主向けではなくて、一般社会向け、あるいは販売業者の場合ですと、実際に店に来てくれるお客向けに自分たちがどう考えて、どういうふうにやっていますかということを出すためでありまして、少なくとも環境報告書と環境会計とは、少しファンクションが違って、あるいは少なくとも相手が違っているということと、先ほど佐和委員からご指摘がありましたように、だんだん環境報告書を出すところは出している、余り大変なところは出さないということで、だんだんと先が見えてきているところに、いろんなこういうことを出せ、それから第三者レビューをするという形で、むしろ今の段階では私はもっと中小企業も含めていろいろなところで、自分たちは何をやっているかということを、一つは従業員とか、あるいはお客に向けてアピールするという、そういう環境報告書の機能とか、それをもう少し大事にした上で、環境会計と結びつくものなら結びつけないと、全く動機づけが違っているものを同じように環境省をつかまえているということについて、私はちょっと現実と違うのではないか。この22%でとまっているのが、さらにとまってしまう。あるいは、場合によっては、いろいろなことをやらないとそこまでやらないということで、今は大きな会社でも、かつてはたくさん出したものを、みんなにわかってもらう、重要なものだけ出すので非常に短くしつつあります。
枡本委員の会社も、そういった視点では、かつては、非常に大量なものが出されたけれども、今はある意味では一般の人が見るには非常に見やすくなっているというところがありますので、その辺の特徴もよく考えてやらないと、結局今の時点で余り細かくああだという利点ばかりやっていると、結果的には国民に対する、広い環境への意識の普及とか教育とか、そういうものがかえって結果的にはおくれることになるのではないかという。これは今環境報告書について申し上げましたけれども、全般にこういったやはり環境報告書が一生懸命やっていることは僕は十分認めるんですけれども、その一生懸命やることの効果がどうなのかということも考えていかなければならないし、それは環境教育をどうするかとか、みんなへのアピールをどうするかという、いろいろな委員がほかのところでもおっしゃったこととも関連、連携しているわけですので、ぜひその点も考えていただきたいというふうに思います。
それでは、ほかに。
○松原委員 私のコメントは、17、18に、今後の課題ということで、何か条か書いてございますけれども、一つ一つの項目を読んでまいりますと、それぞれの実施主体というか主語が違っておりまして、その主語が必ずしも明確でないんですが、よく読んでみますと、例えば[1]とか[2]とか、それから[4]等は恐らく行政庁の施策に関することであり、18ページの[3]とか[5]とか[6]、これは事業者が行うことなんです。そういう意味で、課題をしっかり書く場合には、主語ごとに順番を変えて表現された方がよりパンチのあるものになると思います。
一番最後の[8]なんですが、アセスメント分野について今後の課題ですというふうに書いてあって、いろいろ記述がございますが、これについては全く主語がないんですが、実際、現実は行政庁だけではなく、やっぱり環境影響評価ということについては、より学際的な論議を巻き起こす必要が今後ともあるわけですので、ちょっとこの書き方だけですと、主語や主体が全くわからないので、余りにも客観的な書き方になっておりますので、多少実施主体も考えた表現にしていただくと、より実効性が高いのではないかという印象を持ちました。
○森嶌部会長 ありがとうございました。
冒頭にも申し上げましたように、きょういろいろ問題を出していただいて、これをもう一度事務局の方で取りまとめますが、先ほども申しましたように、後で考えてあれを言っておいた方がよかったというのが出てくるかもしれませんので、今週末までに事務局の方にご連絡ください。そして、事務局の方でそれを取りまとめまして、次回が始まる前に各委員にお送りしまして、そして自分の発言がどういうふうに言っているのかということも確認していただけたらやるようにしたいと思っておりますし、いつもそうなんですけれども、最終日に紛糾しますと、やめられなくなるということもありますので、できるだけその前に意見を寄せていただいて、反映できるものは反映いたしまして、11月18日のときには、もちろん全く修正をしないということではありませんが、できるだけ根本的なところで右に行ったり左に行ったりしないようにさせていただきたいと思いますので、ぜひご協力をお願いいたします。
それでは、今ちょっと私の方で先走りました。では、スケジュールにいきましょうか。
○谷環境計画課長 資料6をあけていただけますでしょうか。
資料6、環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュールとございます。本日のご議論を踏まえまして検討いたしますが、きょうお配りしました素案で、明日からパブリックコメントを実施いたします。2週間でパブリックコメントをちょうだいいたします。審議会のご意見、パブリックコメントの結果を踏まえた修正をいたしまして、11月18日午後2時から3時にご審議をいただきまして、点検報告書のご決定をいただきますと、11月の下旬に森嶌会長から小池環境大臣へ報告書を手渡しいただきまして、その後閣議報告を予定しております。
以上でございます。
○森嶌部会長 と申しましたが、今事務局の方からお話がありましたが、次回は1時間ということでございますので、その前に十分にご意見をちょうだいできればというふうに思っております。
先ほども、申しましたけれども、まとめの途中に入り、日程的にこちらの方は全部終わってからではパブコメなくて、素案でパブコメにいきますけれども、その結果も含めて、各委員からの意見も含めて事務局で案をつくりまして、事前にご送付申し上げて準備して、その前にこの前言ったことがちっとも入っていないではないかみたいなことがありましたら、私ども事務局に言っていただければと思いますが、次回11月18日に取りまとめてというふうに考えております。
先ほどもちょっと申しましたけれども、毎回ではありませんけれども、ほとんどこの点検をいたしましたあと、こういうことは国民に考えていただきたい、あるいはこういうふうになっていますということをなるべく簡単にまとめまして、国民へのアピールという形で、今まで出してまいりました。記者クラブなんかにもあれすると、アピールはどうやってみんなが知るんですかとか、あなた方が報道してくださいというんですけれども、なかなか報道してもらえないという問題はありますけれども、最近は以前と違いましてウェブサイトなんかもありますので、できるだけわかりやすい、細かいことはこちらに置いていただくことにしまして、できるだけ何が問題になっているかわかりやすい形で国民にアピールをいたしたいというふうに考えています。これも、まだ皆さんのこのご議論を伺った上で、きょうも大分いろいろなご意見が出てまいりましたので、伺った上で原案をつくりまして、これも、余り複雑なものではありませんから、多分複雑なものではありませんので、当日にお見せをして、そしてそれをとりあえずはまず記者発表をするというふうな形でやってまいりたいというふうに思っておりますので、ご了承いただきたいと思います。
今までもやってまいりまして、どれだけ効果があったかについては、出さないよりはあっただろうということは確かですけれども、余り自信はないんですが、こういうメッセージを出すということについていかがでしょうか。
○鳥井委員 アピールをまとめるに当たって、ひとつ考えていただきたいことがあるんです。環境について、国民にどう行動させようというような視野で、物事の考え方でそういうアピールを出してもだめだと思うんです。あちこちで、例えば科学技術についてよく知ってもらおうというのは、みんな我田引水の動機で、国民に何かやらせようという発想なんです。そうではなくて、こういうことをやるとあなたはこういう得をしますとか、こんなライフスタイルを送れますとか、こんないいことがありますというような、受け取る側の身になってアピールをまとめるということが極めて大事だろうと思うので、その辺をぜひご注意ください。
○森嶌部会長 今まで、きょうのご議論もそうですけれども、きょうのご議論の中からピックアップして、あなたこれやったらこれだけもうかりますよというのは一つもないと思うんですけれども、鳥井委員にもご相談します。どうやればそういうことになるかですね。例年、こういうことをやれとか何とかではなくて、こういうことが今問題になっていますよ、我々はこういうことを考えようではないですかというのが今までのやり方ですけれども、これも鳥井委員にまたご相談をするかもしれませんけれども、いずれにしても、今後そういう出し方について、ぜひ小さな委員会というかむしろ研究会でもつくってやっていただいて、天野委員にはちゃんと統計の方をやっていただくということで、いずれもよろしくお願いをいたしますが、今の鳥井委員のご提案も含めてできるだけ考えますけれども、メッセージを出すということについてはよろしゅうございましょうか。次回見ていただくということになりますけれども。
○桝本委員 メッセージの出し方、出す対象についてお願いがございます。新聞を今読んでいるのは、どうやら国民の6割ぐらいしかいない。ここに大勢いらっしゃいますが、ぜひ主婦、あるいは一般の人たちが読んでいる生活誌、いろいろございます。出して待って、記者クラブにただ発表する、ウェブサイトに載せるだけではなくて、ぜひどういう雑誌があるか、固有の名前は別にしまして生活誌がありますから、そこへぜひこのメッセージが通じるような形でお出しいただきたいということをお願いします。
○森嶌部会長 わかりました。前から大分いろいろ工夫しているんですけれども、なかなかだれかが死んだとか何とかっていうと新聞にもテレビにも出るんですけれども、なかなか皆さんこうしましょうというのは、確かに桝本委員がおっしゃるように、むしろ対象は普通の人で、普段は何も見ないであろう人たちにということを考えてはいるんですけれども、なかなかうまくいきませんが、ぜひ桝本委員の意見を入れて工夫はいたしますので、また次回に何かご意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
○(2)報告事項
[1]「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」の委員について
[2]「環境と経済の好循環専門委員会」の委員について
○森嶌部会長 それでは、次に報告事項でございますが、前にこういう委員会をつくりたいということで申し上げましたが、資料7と8、いちいち読み上げませんけれども、前回の委員会で設置をしていただくということで決まりました。環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会と環境と経済の好循環専門委員会の2つにつきまして人選をいたしましたので、先ほど申しましたように、いちいち読みませんけれどもごらんいただきたいと思います。
前回、設置をご了解いただきました総合政策部会と地球環境部会の合同部会で、これもまた名前だけ見たら何をやるのかよくわからないんですが、施策総合企画小委員会というのがございまして、ここではこの間も申しましたように、環境税も含めて今後どういう施策の組み合わせをしていかなければならないかということをご議論いただきたいと思いますが、いろいろな方のご意見を聞けるような会にしようと思っておりますが、人数が非常にふえてしまって、それならここでやってもいいではないかということになりそうな感じですが、現在人選中でございますので、この委員会につきましては、なるべく決まり次第、委員の方にこういう人になりましたというご通知をさせていただきます。きょうの部会にはちょっと間に合わなかったものですから、この環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会と環境と経済の好循環専門委員会の2つにつきまして、私の方で指名をさせていただいた名簿にご了承いただきたいというふうに思っております。
それでは、ほかに何か特にございませんでしょうか。
それでは、本日の議題は終了いたします。
この部会にしては、珍しく5分前ということで、いつもは大体終わらせるつもりなんですけれども、終わらないんですが、どうも長時間にわたりまして、大変ご熱心なご議論をありがとうございました。
事務局に宿題がたくさん残って、ちょっと事務局は気の毒な感じがいたしますけれども、事務局の方もぜひきょうのご意見に基づいて、整理をお願いいたします。
それでは、本日の総合政策部会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
午後 5時25分 閉会