中央環境審議会総合政策部会(第1回)会議録

日時

平成13年4月23日(月)16:00~18:00日

場所

三田共用会議所第4特別会議室

出席者

(部会長) 森嶌 昭夫
(部会長代理) 安原 正
(委員) 浅野 直人 加賀美 幸子 幸田 シャーミン
小澤 紀美子 小早川 光郎 佐和 隆光
杉浦 正行 鈴木 継美 寺門 良二
藤井 絢子 桝井 成夫 村杉 幸子
和気 洋子
(臨時委員) 青木 保之 天野 明弘 飯田 浩史
井手 久登 江頭 基子 大瀧 達彦
北野 大 河野 正男 塩田 澄夫
瀬田 重敏 武田 善行 筑紫 みずえ
鳥井 弘之 永利 新一 中野 璋代
波多野 敬 雄原 ひろ子 福川 伸次
藤田 正憲 星野 進保 細田 衛士
松川 隆志 松原 純子 三浦 慎吾
三橋 規宏 宮本 一 村上 忠行
甕 滋 安井 至 山本 良一
湯川 れい子 横山 裕道
(環境省) 中川総合環境政策局長  山田大臣官房審議官
青山総務課長  松井環境研究技術室長後藤調査官
鷺坂環境計画課長  奥主計画官小木津企画官
三好環境経済課長  浅野環境教育推進室長
市原民間活動支援室長
小林環境影響評価課長  森谷環境影響審査室長
上杉評価技術調整官
寺田地球環境局総務課長

議事

【青山総務課長】 定刻となりましたので、ただ今から、第1回中央環境審議会総合政策部会を開催いたします。会議に先立ちまして、総合環境政策局長からご挨拶申し上げます。

【中川総合環境政策局長】 総合環境政策局長の中川でございます。ご列席の先生方におかれましては、今般、総合政策部会の委員をお引き受けいただき、また、本日はご多忙の中この会議にご出席いただき、誠にありがとうございます。
私どもは、本年1月6日から、環境省として新たなスタートを切ったわけですが、それと同時に、審議会につきましても5つの審議会が統合され、新たな中央環境審議会が発足いたしました。
新中環審に設置された13部会の中で、この「総合政策部会」は、環境基本計画に関すること、環境の保全に係る重要事項で他の部会の所掌以外に関することを所掌することとされ、主として、私ども総合環境政策局の担当行政分野について、今後、ご指導、ご意見をいただくこととなりました。
本日、その第1回目を開催するに当たりまして、私から、総合環境政策局が取り組んでおります主な行政課題について、若干ご紹介したいと存じます。
昨年の12月に、新たな環境基本計画を取りまとめることができましたが、その前文にもありますとおり、高度経済成長に伴う産業公害を第一の環境の危機とすれば、現在、私たちは地球温暖化問題、廃棄物問題、交通公害など様々な問題が複雑に絡み合う第二の環境の危機に直面していると言えます。
この第二の環境の危機の原因となっておりますのは、我々のごく普通の日常生活や事業活動そのものでございまして、これを見直すことなしに解決はあり得ないというように考えております。地球温暖化問題等の各分野を横断的に見渡し、あらゆる場面に環境配慮を折り込んで21世紀を環境の世紀としていくことが総合環境政策局の使命であると考えております。
具体的な政策課題といたしましては、大きく三つに分けて考えることができるのではないかと思います。
第一は、国民、事業者、地方公共団体、もちろん国も含めましたあらゆる主体の参加でございます。社会を構成するあらゆる主体が環境に対する自らの責任を自覚し、環境保全に関し担うべき役割と参加する意義を理解することが必要でございます。このため各主体間のパートナーシップの確立、環境教育、環境学習の推進に力を入れてまいります。
第二といたしましては、いわゆる社会経済システムのグリーン化でございます。資源の採取から生産、消費、廃棄に至る社会経済システムの各段階で関係主体が環境配慮を行う機会を意思決定過程に適切に組み込んでいかなければなりません。このためには、環境報告書、環境会計などの普及、促進、それから戦略的環境アセスメントの手法の検討など課題は山積しております。さらに税財政や金融のシステムにつきましても、環境の観点からの見直し、検討が必要となってくると考えているところでございます。
第三に、これらを支える基盤整備でございます。社会資本につきましては、その整備過程における環境配慮の重要性とともに、環境保全を目的とした社会資本の整備を推進する必要があると考えているところでございます。また本日の議題ともなっております環境研究や環境技術開発等も、これからの社会に必要な環境インフラであるというふうに考えております。
さて、今回の総合政策部会におきましては、これから担当課室長からご説明いたしますが、公害防止計画制度の運用の見直し、環境研究、環境技術開発の推進方策について、それぞれ小委員会、専門委員会を設置いたしまして審議をお願いするほか、環境基本計画の点検についてご議論いただきたいというように考えております。
今後の委員の先生方のご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

【青山総務課長】 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思っております。お手元に第1回中央環境審議会総合政策部会という議事次第がございます。それをおめくりいただきまして配付資料一覧がございます。資料1でございますが、「中央環境審議会総合政策部会委員名簿」でございます。資料2でございますが、「総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について」でございます。それから資料3でございますが、「総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について」でございます。続きまして資料4-1でございますが、「環境研究・環境技術開発の推進方策について(諮問)」でございます。資料4-2でございますが、「環境研究・環境技術開発の推進方策について」でございます。それから資料5-1でございますが、「公害防止計画制度の運用の見直しについて」、これは(諮問)でございます。さらにその次でございますが資料5-2、「公害防止計画制度の運用の見直しについて」というところでございます。その後でございますが資料5-3、「公害防止計画制度に関する参考資料」でございます。それから最後になりますが資料6、「環境基本計画の点検について」というものでございます。さらに、参考資料1といたしまして、審議会の議事運営規則、それから参考資料2といたしまして、審議会の運営方針についてという、この2点がつけられてございます。もし足りない点がございましたら、事務局の方にお申し出いただければ幸いでございます。
なお、またお手元に今回これらに加えまして、環境省のパンフレット、あるいはその他の最近総合環境政策局で発表した資料等を置かせていただいておりますので、ご参考にしていただければというふうに思います。
引き続きまして本日の部会でございますが、新しい中央環境審議会におきます総合政策部会の第1回目の会議でごさいまして、本部会にご所属いただきます委員、臨時委員につきましては、資料1のとおりとなってございます。部会長におきましては、中環審会長でいらっしゃいます森嶌先生にご就任いただきました。よろしくお願いいたしたいと思っております。
続きまして、事務局であります当省の総合環境政策局の幹部職員をご紹介申し上げたいと思っております。
ただいま挨拶いたしました、中川局長でございますが、その横が山田審議官でございます。鷺坂環境計画課長でございます。三好環境経済課長でございます。浅野環境教育推進室長でございます。寺田地球環境局総務課長でございます。ちょっと遅れております。奥主計画官でございます。小木津企画官でございます。市原民間活動支援室長でございます。あと申し遅れましたが、司会をやっております総務課長の青山でございます。よろしくお願いいたします。
向かいまして、私のこちらの方でございますが、松井環境研究技術室長でございます。小林環境影響評価課長でございます。森谷環境影響審査室長でございます。上杉評価技術調整官でございます。後藤調査官でございます。
それでは議事に入らせていただきたいと思います。
それでは、今後の進行でございますが森嶌部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 総合政策部会長を務めさせていただきます森嶌でございます。
総合政策部会は中環審のいわば中心となる審議を行いまして、従来、企画政策部会でやっておりました環境基本計画を中心に基本的には総合的に中環審の全体をということになっておりますが、従来、企画政策部会が議論をしておりました地球環境問題であるとか、あるいは循環型社会の問題についてはそれぞれ部会ができました。
考え方としては総合政策部会において環境基本計画を中心にしまして総合的に審議するということでございますので、必要があればこれらの他の部会とも共同部会を開くなどいたしまして、ぜひ先生方のお力をお借りしたいと思っております。
どうぞよろしくお願いをいたします。
なお、中央環境審議会令というものがございますが、その審議会令の6条第5項に基づきまして部会長はあらかじめ部会長代理を指名するということになっておりまして、つきましては、今回の部会長代理を安原委員にお願いをしたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきますが、まず第一の議題は、「総合政策部会の運営について」ということでございますが、事務局の方からご説明をお願いいたします。

【青山総務課長】 まず、お手元の資料のうち参考資料1についてご説明いたします。省庁再編に伴いまして、新たな中央環境審議会が設置されたわけでございますが、その議事運営規則が総会で決定されております。会長や専門委員についての規定がございまして、第4条に部会の規定、13の部会を置くとなっております。具体的な所掌事務は別表がついております。第6条は、部会の決議でありまして、会長の同意を得て審議会の決議とすることができるとされております。第8条は、小委員会についての規定であります。小委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は部会長が指名すること、小委員会の委員長は部会長が指名すること、小委員会の決議は部会の定めるところにより部会長の同意を得て部会の決議とすることとされております。第9条は専門委員会についての規定であります。部会は必要に応じ専門の事項を調査するため専門委員会を置くことができること、専門委員会の委員長は部会長が指名することとされております。その他、第10条として総会、部会、小委員会及び専門委員会については会議録を調整しなければならないことが規定されております。
次に参考資料2でありますが、中央環境審議会の運営方針についてであります。1として会議の公開及び出席者についてでありますが、部会は原則として公開とするものとし、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合等にについては非公開とすることができるとされております。また、委員の方の代理出席は認めないこととなっております。
2は会議録等についてであります。会議録は発言内容を精確に記載すること、その調製に当たっては、会議に出席した委員の了承を得るものとすること、公開した会議の会議録は公開するものとすること、全ての部会について議事要旨を公開するということでございます。会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び閲覧窓口への備え付けにより行うこととなっております。
3は一般の意見の反映についてでございます。一般の意見をよく聴くよう努めること、その実施方法はそれぞれの会議で定めることとなっております。
4は総会と部会との関係について、5は委員等及び専門委員の構成等についてであります。会長は、委員等の構成について、必要に応じ、環境大臣に対して意見を具申することとされております。あと部会長でございますが、当該部会に属するべき委員等の構成につきまして、必要に応じ会長に対して意見を具申するということでございます。それから小委員長及び専門委員長は、当該小委員会及び専門委員会に属すべき委員等の構成について、必要に応じ部会長に意見を具申するということになってございます。また、審議案件と直接的な利害関係を有します企業に属する方々におきましては、当該案件を調査審議する小委員会及び専門委員会には属さないことを原則とするというところでございまして、その他、必要な事項につきましては会長または部会長が定める、こんな規定になっているわけでございまして、これにつきましては、もう1月15日でございますが、総会で決定されたということになってございます。
以上、簡単でございますが参考資料1、2の説明を終わらせていただきます。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
部会の運営規則につきましては、これは審議会自体の運営規則というのがございまして、基本的にはオープン、透明性を高めるという点から公開原則、そしてまた議事録につきましても、これを公表すると。一定の制約がございますけれども、というようなことでございまして、前の中央環境審議会が発足をする際に、こういうルールを定めまして、新しい環境省になってからの中央環境審議会のルールもそういう考え方で続けていこうということでございますが、何かご質問あるいはご意見ございましょうか。
よろしければ、今日は割合盛りだくさんなので、どこでどういう議論が噴出するかもわかりませんので、先へ進ませていただきます。
よろしゅうございますか。
それでは、次の議題にまいりまして、小委員会及び専門委員会の運営方針についてということでございますが、これも基本的には先ほどの話の続きのようなところでございます。
はい、どうぞ。

【青山総務課長】 お手元の資料2でございます。縦長のこういう表でございますけれども、これに基づきましてちょっと案ということでご説明させていただきたいと思います。
中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針についてというところでございます。会議の公開及び出席者でございます。基本的には先ほど申し上げたとおりでございます。小委員会及び専門委員会でございますが、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい影響を及ぼすことがある場合、または特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれのある場合には非公開とし、それ以外の場合は原則公開ということでございます。この公開または非公開の取り扱いでございますが、当該小委員長または専門委員長が決めるということでございまして、あと入室人数の制限、その他必要な制限を委員長は課すことができるというところでございます。
それから2番目でございますが、代理出席は認めないという形でございます。
それから大きな2でございます、会議録等でございますが、発言内容を正確に記載するということでございますが、会議録の調整に当たりましては、当該会議に出席した委員等の了承を得るという形でございます。それからあと会議録の配布の規定がございます。それからあと、会議録及び議事要旨の公開でございますが、これは公開ということでございまして、先ほど申し上げましたようなホームページの掲載とあわせまして閲覧窓口への備え付けにより行うと。さらに運営に関し必要な事項でございますが、小委員長または専門委員長が定めるということでいかがかというふうに考えているわけでございます。
以上でございます。

【森嶌部会長】 それでは、ただいまのご説明につきまして、先ほど申しましたけれども、基本的には総会、それから部会、それから小委員会、専門委員会それぞれ基本的には同じ考え方でございます。ご質問ご意見等ございましょうか。
それでは、本件につきましては部会長決定ということでこれをご了承をいただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
(異議なし)

【森嶌部会長】 それでは、議題の3番目でございますけれども、環境研究・環境技術開発の推進方策についてという議題に移らせていただきます。
この件につきましては、18日付で環境大臣より諮問がなされまして、19日付で当部会に付議されております。諮問の内容、その背景等につきましての説明をまた事務局からお願いをします。

【松井環境技術研究室長】 環境技術研究室長の松井でございます。資料4-1をごらんいただきたいと思います。
ただいま部会長からご案内のありました諮問でございます。環境技術開発の推進方策について(諮問)。環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、次のとおり諮問する。「環境研究及び環境技術開発の推進を重点的・戦略的に行うための方策は、いかにあるべきか」。
諮問理由、21世紀を迎えた今、地球温暖化、廃棄物の大量発生、不適正処理の増加、化学物質による人の健康や生態系への影響、生物多様性の減少など、複雑化・深刻化する環境問題を解決するために、将来を見通した環境研究及び環境技術開発を重点的・戦略的に推進していくことが求められている。
環境研究及び環境技術開発については、平成11年7月の環境研究技術基本計画(環境庁長官決定)及び平成12年12月の環境基本計画(閣議決定)において、その推進方策をまとめたところであるが、これをさらに重点的・戦略的に推進していく必要がある。
このため「環境研究及び環境技術開発の推進を重点的・戦略的に行うための方策は、いかにあるべきか」について、貴審議会の意見を求める。
次に資料4-2をごらんいただきたいと思います。
まずこの諮問の背景でございますが、今の諮問文の中にもございました環境庁、それから中央環境審議会での取り組みでございます。[1]が環境研究技術基本計画、平成10年10月から検討を始めまして、平成11年7月に中央環境審議会の答申・環境庁長官決定となっております。もう1枚お開きいただきまして、3ページをごらんいただきたいと思います。ここに平成11年7月にまとめました環境技術基本計画の概要が記述されております。このページと、次のページの4章構成になっておりまして、第1章は計画策定の背景と意義と。一番最初の○ですが、環境研究や環境技術開発は21世紀における我が国の最も重要な知的資産の一つを構成するものであり、エコビジネスの新たな事業や雇用の創出に貢献すると。4つ目の○のところでございます、環境研究技術基本計画は、今後10年程度を見通した今後5年間の環境研究及び環境技術開発の推進政策を具体化するものとして策定するものと。
第2章におきまして、環境研究技術の基本的方向とキーワードをここに掲げてございます。一番上の○のところでございますが、環境問題の解決に貢献するという明確な目的を持ち、環境政策との密接な連携のもとに推進。2つ目のところは、迅速かつ柔軟に対応して推進すると。3つ目のところでございます、体系的・総合的な視点を一層重視する。次は各主体間の連携・交流を促進。次のところは、国際研究ネットワークとの連携を促進し、世界に向けて成果を発信。また地域の特性を踏まえた環境研究開発を推進。それから国などによる適切な環境づくりや支援体制の整備の推進。環境ビジネスの振興と。このようなことを基本的方向として掲げてございます。
第3章に、環境研究技術の重点課題といたしまして、環境変化の機構解明、環境影響の把握、環境保全対策とこの三つの柱ごとにそれぞれ重点と考えられるものを掲げてございます。例えば、環境変化の機構解明のところでは、ダイオキシン・内分泌かく乱化学物質、環境中での挙動の解明と、このようなものを重点課題として掲げてございます。
次のページでございますが、第4章といたしまして、環境研究技術の推進方策、(1)のところは環境研究及び環境技術開発の推進の基本的枠組み、4つに分類いたしまして的確な制度の構築と運用に向けた施策を展開していくというような記述を行っております。(2)で横断的・共通的に推進すべき施策ということで、環境研究及び環境技術開発の総合的な推進でありますとか、連携と協同、それから研究開発基盤の整備、人材の養成及び確保といったようなこと、研究資金の確保、情報基盤の整備、普及啓発活動の促進。それから(3)といたしまして、各主体の役割といったものを記述しております。
それでは、またもとに戻っていただきまして、1ページ目の(1)の[2]でございますが、環境基本計画でございます。12年12月に中央環境審議会の答申、これを受けて閣議決定したものでございまして、環境研究、環境技術につきましては、第2部及び第3部にそれぞれ関係のところで記述がございます。例えば第2部でございますけれども、第2節の3のここは「あらゆる政策手段の活用と適切な組み合わせ」の(4)の科学技術という項でございますが、ここでは環境研究、環境技術の振興とそのための基盤整備といったようなことを記述しております。それから第3部の第1章が戦略的プログラムの展開になっておりまして、ここのところで関連する研究や技術開発の推進について記述しております。またさらに、第3部の第2章第2節のところで、これは調査研究、監視・観測等の充実、適正な技術の振興等と、ここでどのようなことをやるかという課題を例示しております。5ページでございますが、今ご説明申し上げましたことが、このような形で記述されております。1のところが第2部第2節のところの科学技術でございます。それから2のところが戦略的プログラムで関連するところで、このような記述がなされております。それから次のページでございますが、6ページでございますけれども、環境研究、環境技術開発を総合的に推進するための重点課題といたしまして、例えば調査研究のところでは、廃棄物の排出などにかかる環境への負荷及びその原因となる社会経済活動の総合的把握に関する課題、こういったことを進めると、そのような記述が環境基本計画にはなされております。
それでは、また1ページ目に戻っていただきまして、以上が環境研究技術基本計画と環境基本計画における関連の記述でございますが、(2)が総合科学技術会議等における検討でございます。[1]科学技術基本計画、これは去る3月に総合科学技術会議の議を経て、閣議決定したものでございます。この中で国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化を図るべき分野の一つに環境を指定いたしまして、重点的・優先的に研究開発資源を配分することが規定されております。また次でございますが、重点分野においては、総合科学技術開発会議において重点領域、当該領域における研究開発の目標及び推進方策の基本的事項を定めた推進戦略を作成し、内閣総理大臣及び関係大臣に意見を述べることとなっております。
次のページでございますが、[2]でございます。総合科学技術会議に専門調査会を設置し、4月中旬より検討が既に開始されております。重点分野推進戦略専門調査会というものが設置されておりまして、4月10日に第1回の会合が開かれております。また、その下に専門家によるワーキンググループといたしまして、環境プロジェクト、これは都のものもできておりますが、この環境プロジェクトというワーキンググループにおきまして、環境分野の推進戦略を検討することとなっております。
ちょっと2、3枚めくっていただきますと、カラー印刷のものがあるかと思いますが、科学技術基本計画のポイントでございます。(別紙3)となっておりますが、1枚目の青のところ、これは第1章の基本理念でございます。ちょっと関係するところですが、一番下のところですが、政府の投資の拡充と効果的・効率的な資源配分。○といたしまして政府開発投資の総額244兆円と、これは前回の第一の科学技術基本計画では17兆円となっておりました。これを24兆円に伸ばすということが決められております。
それから赤の部分が重要政策第2章でございますが、ここの科学技術の戦略的重点化と、二つ目の箱に国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化とございます。ここに四つの分野が挙げられておりまして、一つがライフサイエンス、情報通信、そして環境、ナノテクノロジー・材料と四つの分野が国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化を図ると、そのような規定となっております。
一番下のところ、黄色でございますけれども、総合科学技術会議の使命といたしまして、科学技術基本計画を実行するに当たっての総合科学技術会議の使命といたしまして、総理のリーダーシップのもと、科学技術政策推進の司令塔となると。その右になりますけれども、重点分野、環境はその重点分野になっておりますが、重点分野における研究開発の推進、資源配分の方針といったようなものを決めるということでございます。
今、簡単にご説明したことにつきましては、次の8ページのところ、ここが環境分野についての記述でございます。そして2といたしまして、重点分野における研究開発の推進ということで、総合科学技術会議が基本計画が定める重点化戦略に基づき、各重点分野において重点領域並びに当該領域における研究開発の目標及び推進方策の基本的事項を定めた推進戦略を作成し、内閣総理大臣及び関係大臣に意見を述べると。特に重要な領域については、必要に応じ専門調査会を設けるなどの方法により戦略を作成すると。この規定に基づきまして、既に総合科学技術会議の方で対応がとられているところでございます。 またもとに戻っていただきまして、2ページ目でございますが、このような動きを踏まえて、今回諮問をさせていただいたわけでございますが、2の今後の中環審における検討内容でございます。まず(1)としまして専門委員会の設置と、総合政策部会の下に環境研究技術専門委員会を設置。さらに専門委員会のもとに分科会を設置して検討したいと考えております。分科会の構成案等は別紙4ということで、後ろの9ページ、10ページが専門委員会となっております。実は、その後、11ページ以降に分科会となっておりまして、循環・廃棄物、それから地球環境、そして科学物質、環境管理、自然環境分科会と、この五つの分科会でございますが、この人選につきましては、各局等とも相談させていただきまして、このようなリストにさせていただき、森嶌部会長にご相談させていただきました。この委員につきましては部会長のご指名ということになろうかと思います。
それで、また2ページ目でございますが、このように専門委員会、分科会、さらにその分科会を設けまして検討を進めていくことでございます。
ちなみに、環境研究技術専門委員会につきましては、前回、平成11年度の環境研究技術基本計画のときにも部会のもとに専門委員会を設けて検討いたしております。
(2)の検討事項でございますが、主な検討事項につきましては、[1]としまして環境研究・環境技術開発の方向性と。先ほど環境研究技術基本計画の第2章につきまして簡単に触れさせていただきましたが、これの必要な見直し等を行いたいと考えております。[2]が今後の推進分野、地球的規模の環境問題でありますとか、循環型社会・廃棄物管理、化学物質環境リスク管理などの推進分野別に今後の取り組みを検討したいと。そして、さらにそれらのうち特に重点的・戦略的に取り組むプロジェクトについて、重点戦略プロジェクトということで検討を進めていきたいと考えております。この[2]と[3]につきましては、前回の環境研究技術基本計画でそれほど突っ込んだ議論までいっておりませんので、前回の基本計画を受けて、この[2][3]について分科会を中心に検討を進めたいと。それを専門委員会において、さらにご検討いただき、総合政策部会にお諮りするという段取りをとりたいと思っております。
また[4]といたしまして、環境研究・環境技術開発の体制整備と。これも既に環境研究技術基本計画の第4章で検討がなされておりますが、これを基本にいたしまして、充実・強化とか、新たに取り組む必要のある体制整備にかかる課題について検討を進めたいと考えております。
(3)の検討スケジュールでございますが、総合科学技術会議におきまして、先ほどの専門調査会、さらに環境につきましては環境プロジェクトというワーキンググループが結成されて動いておりますので、ここにおける検討に十分反映できるように、6月中旬を目途に中間報告、これは専門委員会の中間報告というようなことでつくりまして、早目に総合科学技術会議の方にご提示申し上げると、そのような形で進めていきたいと思っております。中間報告につきましては、部会にもご報告させていただき、委員の皆様方のご意見を伺い、最終的には答申としては秋をめどに取りまとめたいと、そのような進め方で行っていきたいと考えております。
以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
今のご説明にもございましたように、私が任命権というのはあるわけではないんですけれども、一応、専門委員会の委員長につきましては、部会長が指名をするということになっておりまして、本専門委員会につきましては、鈴木委員に委員長をお願いをしたいというふうに思っております。
なお、委員につきましては、私はご相談を受けましたけれども、必ずしもすべての方を存じ上げているわけではありませんので、一応ご相談をした上で今ここにございますようなメンバーでお願いをしたいというふうに思っております。全体として、今のご説明でおわかりいただけたと思うんですが、ただ、私自身はちょっと総合科学技術会議との関係というようなのが、必ずしもまだ私自身ははっきりと飲み込めていないところもございますけれども、一応今のご説明に関連しましてご質問等がございましたら、あるいはご意見がございましたら、どうぞよろしくお願いをいたします。
鈴木委員、何かございますか。

【鈴木委員】 専門委員長をお引き受けすることになりましたが、今、森嶌部会長が言われましたように総合科学技術会議の中で環境を扱う部分と、この中央環境審議会の中で環境研究をどうするかと考えるのとは、ある種のすり合わせがいるんだろうと思いますが、それにつきましてはおいおい考えていかなければいけないかなと、そんなふうに思っております。
それからもう一つ、ちょっと伺っておきたいんですが、今日いろいろな専門委員会の分科会名簿が出ていますけれど、これはまだ確定したものではないと理解しておいてよろしいんですか。

【松井環境研究技術室長】 一応これでできれば確定をしたいと考えておりますが。

【鈴木委員】 そうですか。また後で。

【松井環境研究技術室長】 実は6月中旬となりますと、かなりスケジュール的にタイトになっておりまして、分科会できれば2回ほど開催したいと思っております。そうしますと5月のスケジュールも実は先生方もほとんどかなり埋まっておりまして、その中でどうやってやりくりするかということで、まず最初に日程の確保を急いでやりたいと考えております。

【森嶌部会長】 逆に、ここに入っていないけれど、自分はこれに関心があるし識見もあるので、加えてほしいという。こういう形のあれは、まだその意味では確定をしているわけではありませんが、何せ、スケジュールから申しまして、しかも先ほど出てまいりました総合科学技術会議の審議が終わった後に、のんびりと出ていくというのではあまり意味がないだろうということでございますので、とりあえず、こういう形で決めてお願いをして、日程を取っていただくという。そういうことでございまして、その意味でともかくこれでいきたいという事務局の意向でございます。
はい、どうぞ鳥井委員。

【鳥井委員】 2点ほど申し上げたいと思います。1点目は、社会科学的な課題というんでしょうか。つまりこの環境の問題というのは社会科学と自然科学技術との接点で起こっているような問題が大変多いわけであります。ところが、これを見ますとあまり社会科学的な方というのは研究対象にあまりはなっていないという感じがするんで、ここをきちんと強化をしないと、非常に問題があるというのが第1点であります。
それから第2点なんですが、これは総合科学技術会議の例の科学技術基本計画の方でも議論のあったところなんですが、ボトムアップでやる研究というのと、トップダウンでやる研究というのがあるだろうと思うんです。ボトムアップでやる研究というのは何かというと、ある研究資金があって、そこにこういう研究をやりたいという応募があって、それでこれはいいねということで選んでそこに研究資金をつけるという、いわゆる競争的資金というものによる研究というのがあって、もう一方、そういうことをやっていますと、地図が全部埋まらないことがあるわけです。ですから、ここはやらなければだめだよというふうに政策的に考える研究というのがあって、この研究を考えるときにこの二つを上手に使い分けるということが極めて大事だという感じがするんで、その辺を上手に中間報告に盛り込まないと、総合科学技術会議の方は今は競争的資金、競争的環境で研究をやるんだということを非常に重視していますんで、そこを上手に利用することを考えるべきだと。【森嶌部会長】 ご意見ありがとうございました。他にございましょうか。

【横山委員】 質問なんですが、たまたま環境については一番関心があるわけですけれども、この科学技術基本計画で他のライフサイエンスとか情報通信、それからナノテクですね。これはどうなっているのか、これは総合科学技術会議で聞いた方がいいのかわかりませんけれど、そっちの関係がわかると中環審と総合科学技術会議の関係がわかると思うんですが、いかがなんでしょうか。

【松井環境研究技術室長】 よろしゅうございますでしょうか。2ページ目の[2]のところの専門調査会でございますが、その下にワーキンググループとして環境ができておるんですけれども、これと同じようにナノテクノロジーとか、そういった4分野のうちの他の3分野につきましてもワーキンググループ、プロジェクトといっているようでございますが、それを形成して同じような検討を進めております。

【横山委員】 他のライフサイエンスとか情報については、中環審のような対応そのものではないわけですね。

【松井環境研究技術室長】 それは他の省庁でそれぞれお考えいただけているのかなと思いますが、例えば、ライフサイエンス等につきましては例えば厚生労働省でありますとか、それから農林水産省でありますとか、そういう所管のところで考えておられると思います。

【森嶌部会長】 ほかにございませんか。

【幸田委員】 例えばITと環境などは、ここでは入ってくるんでしょうか。

【森嶌部会長】 入れるかどうかというのは、これは専門委員会が考えることではありますけれど、少なくとも視野には入るというふうに考えます。
他によろしゅうございましょうか。
それでは、これからいかにあるべきかと、重点的・戦略的に行うための方策はいかにあるべきかということで、先ほどの事務局のお話からも大変日程的に詰まった状況でご審議をいただくことになりますけれども、この9ページ以下に委員、それから各分科会の委員の名簿がございますが、ぜひとも、このメンバーそれぞれの分科会でご審議をよろしくお願いをいたします。
それでは、よろしいでしょうか。
それでは、次に移りたいと思います。議題の4番目でございますが、公害防止計画制度の運用の見直しについてに移らせていただきます。
この点につきましては、以前にいつだったかちょっと覚えておりませんけれども、公害防止計画小委員会からご報告がありまして、今までの延長線上ではなくて、もう少し基本的なところを見直していくべきだというご指摘が、中環審の考え方としてそれは答申のいわば一種の附帯的な文章に入っております。この点につきまして18日付で環境大臣より諮問がございまして、先ほどと同じように19日付で当部会に付議をされております。そこで、その諮問の内容等につきまして事務局からよろしくお願いいたします。

【鷺坂環境計画課長】 環境計画課長でございますけれども、資料5に従いましてご説明申し上げたいと思います。
まず資料5-1でございます。諮問文でございます。公害防止計画制度の運用の見直しについて(諮問)と。環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、公害防止計画制度の運用の見直しについて、貴審議会の意見を求める。
諮問理由、公害防止計画制度創設当時の激甚な産業型公害は解消されつつあるものの、大都市部を中心とする都市交通公害や閉鎖性水域における水質汚濁等の問題はいまだ解消されておらず、今後とも公害防止計画制度を適切に運用し、引き続き環境質の改善を図っていく必要がある。
しかしながら、産業型公害から都市生活型公害へと公害の対応が大きく変化する中で、平成12年12月1日の中央環境審議会の意見具申においてさまざまな問題点が指摘されてきたところである。
このため、同意見具申の方向性を踏まえ、真に対策が必要な地域を指定し、地域の課題を明確にして重点的・効果的な対策が講じられるよう、公害防止計画制度の運用の見直しを行い、地域の公害防止に努める必要がある。
以上のことから、公害防止計画制度の運用の見直しについて、貴審議会の意見を求めるものであるということでございまして、その内容でございますけれども、次の資料5-2以下をごらんいただきたいと思いますが、直接にはこちらにちょっと書いておりませんけれども、今回、公害防止計画制度と一体となって進めてまいりました、公害防止事業にかかります国の財政上の特別措置に関する法律につきまして、これが12年度末で期限が切れることになっていたわけでございますけれども、中央環境審議会のご意見もいただきまして、今回、10年延長されたところでございます。
そのときの中央環境審議会におきまして、さまざまな問題点が指摘されたところでございますが、資料5-2を1枚おめくりいただいた後に、平成12年12月1日の中央環境審議会の意見具申がございます。その4ページをごらんいただきたいと思いますけれども、4ページの3の公害防止計画制度の見直しの方向性と、このような意見をいただいたわけでございます。ポイントでございますけれども、[1]から[4]までございますけれども、[1]といたしまして、策定指示の要件を明確化し、公表すること。[2]といたしまして、公害防止計画制度をより課題に即し、課題を適切に解決し得るものにしていくということ。それから[3]といたしまして、公害防止計画に掲げた目標を達成するために、必要ないろいろな施策のパッケージを形成し、施策の相乗効果を発揮させるということ。それから右側の5ページの[4]といたしまして、計画期間中における適切な進行管理を実施するとともに、計画終了時点における施策の効果と目標の達成状況の評価を実施することと。このような意見の見直しの方向性と申しますか、そういったご意見をいただいたわけでございまして、そういったことを踏まえまして、資料5-2でございますけれども、真に対策が必要な地域を指定し、地域の課題を明確にして重点的・効果的な対策が講じられるような運用の見直しを図っていく必要があるということでございまして、今回、諮問ということになったわけでございます。
この諮問につきましての具体的な審議でございますけれども、資料5-2の2のところにございますが、中央環境審議会総合政策部会公害防止計画小委員会で行うということでお願いしたいと思います。
そして、3でございますが審議のスケジュールでございますけれども、若干事務的な調査等がございますので、平成13年でございますが、13年6月ごろに第1回の小委員会を開催予定でございまして、9月を目途に中間の取りまとめを行い、年内に答申をいただければということでございます。
資料5-2の裏側に先ほどと同じように公害防止計画小委員会の委員名簿案ということで、一応の案をつけさせていただいております。
なお、資料の意見具申の後ろの方に資料5-3というところで、公害防止計画制度に関する参考資料というものをつけさせていただいております。公害防止計画制度の内容につきましては、また後ほどごらんいただければと思っているところでございますが、今回、計画の見直しとともに、ここに3ページをごらんいただきたいと思いますけれども、公害防止計画の策定状況、計画の策定状況の中で、一番上の段落にありますが、平成12年度で地域が終了するところが7地域ございまして、今後、小委員会におきましてまた13年度の見直し地域の点につきましても、よろしくお願いしたいということでございます。 以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
ただいまご説明のようなことでございますけれども、この委員会に公害防止計画小委員会につきましては、委員長を安原委員にお願いをしたいと思っております。そして委員の名簿は先ほどございましたけれども、この見直しについての2枚目のところについてございます。この点につきましては、昨年の議論のときにもかなり中環審の企画政策部会でもご意見があったところだと覚えておりますけれども、何かご意見ご質問等ございましょうか。
安原委員、何かございますか。

【安原委員】 安原でございます。小委員長を仰せつかりましたので、皆様のご協力を得まして円滑な小委員会の運営に努めたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
今、担当課長からご説明がありましたとおりで、前の中央環境審議会の小委員会で議論を進めまして、ここの資料にございますような意見具申をまとめております。その中の先ほどございました4項目ほどが検討課題でございますので、これを踏まえていろいろな問題をもうちょっとブレークダウンして、具体的に何を取り上げたらいいかを議論していきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 ほかに、どうぞご意見ご質問等ございましょうか。よろしゅうございますか。
それでは、この総合政策部会の果たすべき役割の最大の柱でございます、環境基本計画の点検ということでございますが、これはもう新環境基本計画、この間つくったばっかりなんですけれども、では、なぜ今ごろからかという話も含めまして、事務局の方からご説明いただきたいと思います。

【鷺坂環境計画課長】 それでは資料6にありますように、環境基本計画の点検についてというところをごらんいただきたいと思いますが、資料6のペーパーの真ん中あたりに環境基本計画第4部、計画の効果的実施というところを抜粋してございます。
第4部の第1節には、ここにありますように各主体の連携と推進体制の強化ということで、関係府省、政府の関係府省でございますけれども、関係府省は、環境基本計画を踏まえながら自主的に環境配慮の方針を明らかにするとともに、その推進を図るため政府は率先して自主的に環境管理システムの導入に向けた検討を進めますというのが第1節にございます。
それから第5節でございますけれども、計画の進捗状況の点検及び計画の見直しというところで、環境基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会は国民各界、各層の意見を聞きながら、環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じその後の施策の方向について政府に報告します。中央環境審議会の点検は、環境府省の自主的な点検結果を踏まえて実施しますと。このように新しい環境基本計画の第4部で書かれているところでございます。
したがいまして、この第4部の文言に従いますと、中央環境審議会の点検につきましては、関係府省の自主的な点検結果を踏まえて実施ということでございまして、そのため、私ども環境省におきましては、つい先日、4月20日でございますけれども環境基本計画推進関係府省会議ということで、各府省の環境関係の窓口の方にお集まりいただきまして、4月20日の段階では設立の準備会合ということで、一応そこで小会議を設置ということになったわけでございますが、その会議を設置したところでございます。
今後、この環境基本計画推進関係府省会議を活用いたしまして、関係府省それぞれの府省が明らかにすることとされています環境配慮の方針、環境基本計画のときにもご議論があったかと思いますけれども、全体の基本計画とともに政府の各府省がそれぞれの方針を明らかにするということになっておりますので、そういった環境配慮の方針と、それとともに今後の政府における環境管理システム、こういった事柄についての検討を開始したところでございます。
したがいまして、この環境基本計画の点検につきましては、現在まだ事務的にそういった会議で検討しているということでございますので、ここに一番上のところに13年中とございますが、13年末ぐらいをめどということで事務的には思っておりますけれども、そういった時点で点検の方法等につきまして、またこの中央環境審議会のご意見を伺いながら点検を開始したしいと、こう考えている次第でございます。
なお、前回の第1次の環境基本計画の点検の開始時点でございますけれども、その下の1ページの下の参考の欄にございますように、第1次の環境基本計画につきましても同じように平成6年12月に閣議決定をしておりまして、1年後の平成7年12月の企画政策部会から、この基本計画の点検の方法等についてご議論を始めていただいていると。このような過去の状況があるということでございまして、また第1次の環境基本計画につきましては、郵送、ファクス等における意見を受け付けたり、あるいは区民各界、各層の意見をお伺いしたりとか、またそれぞれの役所からとか、いろいろな作業が行われまして、その次の年の夏ごろ、7月ぐらいに閣議に報告しているということでございます。
一応、点検のスケジュール等につきましては以上でございますが、引き続きまして経済課長の方から。

【三好環境経済課長】 環境経済課長の三好でございます。2枚目以降の環境基本計画の「戦略的プログラム」と題しました資料につきまして、前半部分を私の方から簡単にご説明を差し上げたいと思います。
ご案内のとおりでございますけれども、環境基本計画におきましては11の戦略分野ということで、ここの点線の四角で囲んでございます分野につきまして、それぞれ個別に記述していただいたわけでございます。もちろん中央環境審議会の点検ということでは環境基本計画全体が対象になるわけでございますけれども、本日は私ども総合環境政策局の業務にかかわっております分野、具体的には二つ目の◆のところにございます、環境教育・環境学習の推進でありますとか、社会経済の環境配慮のための仕組みの構築に向けた取り組みという政策手段にかかわる戦略的プログラムの部分につきまして、簡単に現時点までの最近の動向をご報告させていただきたいと思います。
まず1番目に、環境教育・環境学習の推進でございます。私ども従来からこの分野につきましていろいろな施策を進めてまいっておりまして、戦略的プログラムの柱に沿って申し上げれば、人材の育成ということでは環境カウンセラー制度というものを導入いたしております。平成12年度には新規に358名をご登録いただきまして、現時点で2,565名ということでございます。それからイのプログラムの整備というところでは、これは教育自体の見直しということで、総合的な学習の時間ということが導入されるということを受けまして、そこで活用していただけるような体系的な環境教育・環境学習のプログラムの整備ということに着手いたしております。11年度は廃棄物あるいは循環ということで作成し、12年度は水問題に着目して作成をいたしたところでございます。それからウの環境活動・学習情報基盤整備事業ということでございますけれども、青山にあります国連大学の敷地におきまして地球環境パートナーシッププラザというものを開設させていただいておりますけれども、そちらに新たに環境活動・学習情報基盤データベースを整備してインターネットで公開するということを着手いたしました。それからエの環境教育・環境学習の場や機会の拡大ということで、こどもエコクラブ事業というものをやっております。平成7年度は1,900クラブ、約2万8,000人のご参加でスタートいたしましたが、平成12年度、昨年度の実績ではクラブ数が4,300、参加人員7万5,000人ということで2倍以上の伸びとなっております。それ以外に、この項目におきましては地方公共団体が行う環境教育や環境学習施設の整備に対する補助事業を新たに始めたところでございます。それからオの各主体の連携ということで、環境事業団に地球環境基金というものを設けましてNGOの活動に対する支援を実施してきておりまして、平成13年度は循環型社会形成のための特別枠を新設したところでございます。カの事業者等の取り組みに関しましては、後ほど触れるところがございますので省略させていただきます。キの国際協力でございますけれども、日中韓の3カ国で環境大臣会合を毎年開催いたしており、その中の一つの共通のテーマといたしまして環境教育をいかに進めていくかということがございます。ワークショップを昨年日本で開催したところでございまして、その場で環境教育関係団体の共通データベース作成ということを合意をし、それにつきまして先月調査等が行われたところでございます。
続きまして、次のページでございますけれども、先ほどの戦略的プログラムの中では社会経済の環境配慮のための仕組みの構築というところに該当いたしまして、その中でさまざまな手法につきましてご提示をいただいております。
まず最初に、経済的手法と言われています経済的措置にかかわるものでございますけれども、国内におきましては、まず国におきまして政府税調におきまして検討が進められまして、昨年の7月に中期答申といたしまして、我が国の税制の現状と課題ということで中期答申がまとめられてございます。
中央環境審議会におきましては、「地球温暖化防止対策のあり方の検討にかかる小委員会」が報告書をまとめられたところでございます。この中では経済的措置だけではございませんで、それ以外のものも含めまして温暖化対策としての政策のパッケージという考え方について提言されたところでございます。
それを受けまして改組されました中央環境審議会の地球環境部会におきまして、国内制度のあり方について引き続きご審議をいただいているところでございます。
それから同じく政府部内の検討ということで、主に地方税の関連でございますけれども、まず総務省に旧自治省ということで、地方における環境関連税制のあり方に関する検討会というものが設置されておりまして、地方課税の手法等について検討を進められております。2月には環境関連税制に関する課税自主権の取り組み状況の取りまとめをされたところでございまして、引き続き検討されるというふうに伺っているところでございます。
その他、経済産業省におかれましても、エネルギーの分野でございますとか、あるいは温暖化の分野でありますとか、あるいは国土交通省におかれても交通体系の持続可能な交通体系という課題で、あるいは林野庁におかれましても森林整備に関する新たな国民支援の推進手法というような課題でそれぞれ検討を進められているところでございます。
それから、地方公共団体における状況でございますけれども、地方分権一括法が平成12年4月に施行されまして、法定外目的税制度などが新設されましたことなど、課税自主権の強化が図られたところでございまして、環境保全のための税の導入を検討する動きが広がっているところでございます。検討の中には、主に廃棄物の排出量と環境負荷に着目したものが多数見られるところでございます。
また昨年の年末に取りまとめました平成13年度税制改正、これは今国会で認められたものでございますけれども、この経済的措置の観点から申し上げますと、排出ガスと燃費に関して性能のよい自動車についての自動車税を軽くして、悪い自動車については重くする自動車税のいわゆるグリーン化というものにつきまして、実施をしたところでございます。それ以外にも最新規制適合車や、あるいは再商品化設備に対する税制上の優遇措置が講じられたところでございます。
それから海外の状況でございますけれども、地球温暖化対策のための税につきましては、ヨーロッパ等の国におきまして導入されつつあるところでございます。また、イのOECDにおける取り組みということで、5月16日から17日にかけまして閣僚理事会がございまして、そこに向けまして経済的手法の重要性に言及するような幾つかの文書が取りまとめられ公表されつつあるところでございます。OECDの持続可能な開発、政策レポートのテーマの一つといたしましては、持続可能な開発のための市場機能の活用等が盛り込まれていることになっております。
それから3番の環境報告書の普及のための取り組みでございますが、これは先ほどの戦略的分野の区分で申し上げれば情報的手法ということで区分されているものでございます。この環境報告書と申しますのは主に事業者が企業が自らの環境負荷と環境パフォーマンスにかかる現状や将来目標を取りまとめて報告書として公表するということでございまして、それを企業の自主的な環境保全活動の進展という観点から、私どもとしても推進してきているところでございます。具体的な最近の状況でございますけれども、環境報告書のガイドラインを発行いたしました。具体的には中ほどの段落でございますけれども、後ほど簡単にご説明させていただきます国際的な検討が進められておりますGRIというところがございますけれども、そちらのガイドラインの発行等の新しい状況の変化を踏まえまして、環境報告書の作成に当たりましての原則でありますとか、信頼性確保の仕組み等を盛り込んだガイドラインを2月に発行させていただいたところでございます。
その中にもございます環境パフォーマンスということでございますけれども、イの環境パフォーマンス評価指標の開発ということで、進めております。環境報告書の中にはいろいろな取り組みを記述していただくわけでございますけれども、具体的にどのような環境負荷に着目したらいいのか、あるいはどういう行為を報告書の中に盛り込んだらいいのかというようなことにつきまして、わかりにくいという声もございましたので、こういうところはそもそも環境報告書を作成する事業者自らの創意工夫が非常に重要な分野ではございますけれども、他方で、相互に比較、評価するために項目や算定方法の共通化を図るということも大事ではないかということで、同じく昨年度検討を進めまして2月に事業者の環境パフォーマンス指標として公表させていただいたところでございます。この内容は、先ほど申し上げました環境報告書のガイドラインの中に反映させていただいたところでございます。
それ以外に環境報告書を推進するという観点から、ウの環境レポート大賞ということで優秀なものにつきまして環境大臣賞を授与いたしましたりとか、あるいは環境報告書を推進していくという観点で、幅広い事業者、NGO、学識経験者等からなります自主的なネットワーク組織でございます環境報告書ネットワークというものが平成10年に設立されておりまして、そちらとの連携を図っております。
それから、先ほどちょっと触れさせていただきました世界共通のガイドラインという動きもございまして、グローバル・レポーティング・イニシアティブ、略称はGRIというところでございますけれども、そちらの検討も進んでいるところでございまして、そちらの検討に私どもとしても積極的に参画しているところでございます。
それから4の環境負荷の低減に資する製品の普及促進というものがございます。これも同じく情報的手法に分類されているものでございます。この分野では昨年の5月にいわゆるグリーン購入法という法律が議員立法で成立いたしまして、これは国と特殊法人等が毎年度調達方針を作成いたしまして、グリーン購入を進めることを義務づけているところでございまして、同じく同法で地方公共団体にも努力義務を課しているところでございます。この中で環境物品等に関する適切な情報提供の推進ということも定められているところでございます。この法律に基づきまして、2月には環境物品等の調達の推進に関する基本方針というものを閣議決定させていただきまして、基本的な方向性とともに国が重点的に調達を推進すべき特定調達品目として14分野、101品目を定めたところでございます。それに関しまして判断基準を設定したところでございます。この法律は4月から全面的に施行されておりまして、各省庁の各機関ごとに基本方針に即しまして調達方針を作成することになっておりまして、私ども環境省のものにつきましては4月4日に調達方針を作成し公表したところでございます。
それから情報提供というところで、環境ラベリング等の製品等にかかる情報提供の推進ということで、今申し上げましたグリーン購入法の中にも事業者や第三者の機関が適切な情報提供に努めるべきことと、それから国がそれら事業者、第三者機関等が提供している情報提供の状況について、整理・分析して情報提供するということなどが定められてございます。それに関しましての状況でございますけれども、まずアといたしまして、環境ラベル制度の推進ということで、我が国ではISOの国際規格にのっとったタイプIの環境ラベルといいますと、第三者が認証するというものでございますけれども、これはエコマーク制度というものが実施されておりまして、それにつきまして環境省としても指導を行ってきているところでございます。それから[2]といたしまして、ここには省エネのことが書いてございますけれども、ある特定の分野の環境側面に着目いたしましたラベル制度も推進されてきているところでございます。それから先ほどのISOの国際規格の分類で申し上げれば、タイプIIの環境ラベルというものがございまして、これは企業の自己宣言ということでございますけれども、これもグリーン購入法の制定を受けまして各企業自ら自己宣言するという取り組みが進みつつあるところでございます。それからタイプIIIの環境ラベルといたしまして、製品のLCA、ライフサイクルアセスメントを行いまして、定量的な環境情報を提示するという動きがございまして、これに関しましては経済産業省におかれましてその検討が進められているところでございます。また環境側面についての情報を提供するというデータ集といたしまして、グリーン購入ネットワークという自主的なネットワーク団体がございますけれども、そちらで作成、提供されているところでございまして、そこと私ども環境省は連携をしてきているところでございます。
それから最後にイの各種環境ラベル等の情報の整理・提供ということでございますけれども、先ほどのグリーン購入法にございますように、いろいろな自主的な情報提供がございますので、それを整理して提供するということが大事だということで、情報源情報の提供ということで環境省のホームページにおきまして情報提供する事業、環境物品情報包括提供事業を先日から開始したところでございます。
私からは以上でございます。

【小林環境影響評価課長】 続きまして、環境影響評価課長の小林でございますが、環境影響評価の関係につきまして、最近の状況をご報告申し上げます。
手続的な手法ということで、環境基本計画に位置づけられているものでございます。資料の8ページからご説明いたします。
(1)でございますが、事業の実施段階で行われます環境アセスメントにつきましては、平成9年に環境影響評価法が制定されまして、11年6月から全面施行されております。現在おおむね2年ほど経過したということでございます。アセスメントは手続に1年あるいは2年かかりますので、数え方が難しいんでございますが、法律のもとで手続が終わりましたもの、あるいは進行中のものを含めまして97件が法対象になった、あるいはなりつつあるということでございます。環境影響評価法では手続の最後の方で環境大臣が審査をし意見を言うということが位置づけられてございますが、既に53件について意見を申し述べております。ただ、新しい環境影響評価法では11年6月以降は旧制度にのっとって手続が始まりましたものも対象としておりますので、ほとんどは旧制度から移行してきたものについて意見を申し上げたということでございます。そういう意味で、法律で新しく手続が始まりました案件で、環境省が審査をするところまで至りましたものは現在9件ということでございまして、これからいよいよ本格的に法制度のもとで動きました手続について制度が動いていくと、こういう認識でおります。
今後とも制度の適正な運営、また、特に科学的な根拠に基づきました厳正な環境大臣の意見というものを申し上げたいきたいと思っているところでございます。
(2)でございますが、新しい制度になりましてより信頼性の高いアセスメントを行うということは期待が高いわけでございますが、新しい制度で幾つか新しい考え方を取り入れております。例えば、スコーピングといっておりますが、従来のアセスメントですと技術指針に基づきまして、いわば事業に応じて画一的に特定の項目について一定の手法でアセスメントをやっておったわけでございますが、新制度では、事業あるいはその地域の特性に応じて一番ふさわしいやり方でアセスメントをやろうということで、アセスメントのやり方について一度公表いたしまして、いろいろな方の意見を取り入れてやり方自体を決めていくと、こういうような方式をとっているわけでございます。
また環境影響評価につきましても、従来ですと環境基準に照らして合格かどうかというような一律のやり方をしておった嫌いがございますが、新しい制度では環境影響をより低減する、あるいは回避するために最大限どういったことを尽くしているかということを見ていこうというような考え方をとっております。こうした考え方を定着させるということは非常に重要なんでございますが、特にその前提といたしまして、環境影響の調査、あるいは予測評価について、どういう手法があるのか、最新の方法としてはどんなものが使えるか、対策技術につきましても、ケースに応じてどういう方法をとればよろしいか。こういうような科学的な知見が整理をされていて、みんなが選択が可能であると、こういうことが重要なわけでございます。そういうことで、平成10年から検討会を設けまして、[1]のところは大気・水・環境負荷といっておりますのは廃棄物とか温室効果ガスのような排出自体を減らしていくような必要があるものでございます、こういったもの。それから[2]で、生態系を含めました生物の多様性の分野、それから[3]で景観、あるいはレクリエーションなども含めました意味の自然とのふれあい、こういう大きな3分野についてかなり大勢の専門家の方にお集まりをいただきまして、こういった技術の現状がどういうところにあるかと、どういう考え方をとっていけばいいかというような検討を進めているところでございます。成果につきましては年々発表しておりますが、引き続きこういった検討を深めてまいりまして、いずれは法律に基づきます基本的事項とか技術指針にも反映できるようにしてまいりたいというように考えております。
(3)は情報提供・人材育成でございますが、環境アセスメントでは非常に多くの主体がかかわってまいります。事業者、一般の住民の方、地方公共団体、またその事業者を支えるコンサル業者、こういった方々が情報が共有できるというようなことが重要でございますし、それぞれの資質の向上というようなことも重要な課題と思っております。そのための研修なども実施しておりますし、特に情報を共有できるようにということで、環境省のホームページの中に環境影響評価情報支援ネットワークということで、インターネットを通じた情報提供にも力を入れているところでございます。機会がありましたらごらんいただければ幸いでございます。
以上が、事業段階のアセスメントでございますが、6番の戦略的環境アセスメントでございます。これは事業実施段階に先立ちます上位の計画、あるいはもっと早い場合には政策などの段階で、環境配慮を有効に組み込むということでございます。より早い段階でアセスメントを行おうということでございます。これにつきましては、昨年末の環境基本計画の改定作業の中でもいろいろご議論いただきまして、その重要性を位置づけていただいたところでございます。そもそも環境影響評価法を制定されます際の附帯決議の宿題にもなっております。また諸外国でもかなり検討が急でございますので、環境省としても関係省庁、あるいは自治体と相談をしながら検討を進めているところでございます。
法制定後、これまでの間に基本的な考え方、あるいはどういう原則に基づいてやっていけばよろしいかというようなことにつきましては検討を行いまして、その成果につきましては環境基本計画制定の際の議論のときにはご報告をさせていただいたわけでございます。今後の取組、二つ目の○のところでございますが、さまざまな政策分野がございますので、個別の分野を想定しながら、念頭に置きながら、具体的にどういう段階でどんなプロセスを経てアセスメントをやっていけばいいかというようなことにつきまして議論を深めてまいりたいと思っております。
また事業段階に比べますと、いろいろなことがまだ決まっていない未熟な段階での検討ということになりますので、どういった技術手法が使えるのか、またどういった情報、データベースなどが使えるか、こういったことについても明らかにしてまいりたいと思っております。
地方公共団体でも大分関心が強うございまして、いろいろな検討が進んでおりますので、こういった検討状況、また諸外国の動向などもよく見極めながら検討を進めまして、いい形で導入が進むようにやってまいりたいと思っております。
なお書き以下のところには、最近の各方面の検討状況をご紹介しておりまして、実質的には早い段階での環境配慮ということはもうさまざまな省庁、自治体でやっていただいているわけでございますが、明示的にやっていただいた例ということで、国土交通省の中で首都機能移転、新首都をつくります際に戦略的なアセスメントの考え方を導入してはどうかというような研究成果が出されております。また地方公共団体におきましては、東京都、埼玉県などを初めといたしまして、制度化の具体的な検討も進められておりますし、もう少し幅広い形で事前に環境配慮はどういうように組み込んでいったらいいかというようなことにつきましては、かなりの自治体で検討が進んでおります。
こういったことも参考にいたしながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
環境基本計画の点検につきましては、旧環境基本計画におきましても計画をつくっただけであとがどう動いているのかということを知らないでと申しましょうか、ほっておくということでは環境基本計画は実際に実施されないのではないかと。しかし他方で中環審、それから当時の環境庁もほかの省庁に比べましてうんと力があるというわけでもございませんので、そこで一つの環境基本計画の実施の一つの手法として手段として、点検ということを旧環境基本計画のときに考えまして、点検を毎年1回行うということで始めたわけでございまして、実際に点検をやってみますと、当初は各省庁必ずしも積極的に協力をしていただけなかったわけでありますが、例えば地方公共団体であるとかNGOなど、あるいは産業界もそうでありましたけれども、かなり積極的に応じていただいたと。そしてまた、各省庁もヒアリングということではございましたけれども、点検のプロセスの中でだんだんと点検の作業に協力をしてこられました。その結果、各省庁、別に強制的ではありません。それから産業界もそうでありますけれども、強制的ではないわけですが、点検をしていかれる過程で、次第にそれぞれのセクターで環境基本計画をどのようにして実現をしていくかというような動きが出てきたように思います。それでも旧環境基本計画におきましては、そもそも計画自身がゴールをきちんと、少なくとも数量的な数字的なゴールを設けていないということ。それからその計画の中で、どの施策にプライオリティーを置くかというようなことは、必ずしも明確にされていない。当時の中環審としては最大限やったつもりですけれども、そういうことでありまして、有機的な連携がとれていないではないかというような点検の結果出てまいりまして、新環境基本計画をつくるときには、その点検の成果がかなり入っているというふうに思っております。そしてまた、点検の過程で実際に環境基本計画が少しずつ動き出したように思います。
今度の新環境基本計画においては、各省庁がいわば自主的に点検をすると、つまり自分のところでどうやっているかということを点検をした上で、それをこちらへ持ってきてもらうと。前はどうなっていますかというのをこちらから調査票といいましょうか、小票を出しまして、それに書いてきてもらって、ここで報告をしてもらうということでしたけれども、今度は各省庁は主体的にやっていただく。それから企業も従来そうはなっておりませんでしたけれども、そういうことをこちらからお願いしたわけではありませんけれども、かなり主体的にやっておられて、ご承知の経団連の自主的取り組みなどをここで報告をしていただいたりしたわけでありまして、その意味では点検というと何かただ点検しているようですが、かなり環境基本計画が動いていく上で点検というのは直接的ではありませんけれども、かなり有力な実施のための道具だというふうに考えております。
そこで、今回も今、事務局の方でご説明がありました。また事務局は総合政策局に関連するところだけ、つまり手法の部分も今日ご報告いただいたわけですが、地球環境部などそのほかの戦略的プログラムの中のそれぞれについて、各関係局で今日なさったような報告を含めてまたやっていただきたいと思います。
いずれにしましても、どのようにして点検を進めていくかということは、非常に私としては重要なことだと思いますし、総合政策部会の主要な役割でございますので、今日こういうことで第1回でございますけれども、点検ということを私どもはやるんですよと。それについては、少しずつ進んではおりますけれども、役所でも取り組み始めましたよと。そして私どもも今年の終わりから来年ぐらいにかけて、ぼつぼつと第1回の点検作業に入るわけですけれども、ただぽかんと点検というわけにはまいりませんので、おいおいといろいろな形で勉強会をやったり、あるいは場合によっては小委員会とか、そういうものも場合によってはこしらえまして点検を意味のあるもの、また実効性のあるものにしていきたいというふうに考えているので、今日のところはちょっと新環境基本計画ができたばかりですし、まだ実際にどれぐらい動いているかということもはっきりわかっていない状況ですけれども、事務局にこういう形でまとめていただきまして、今後の私どもの作業の参考にしていただいたわけですが、この時点で何かご意見等ございましょうか。

【村上委員】 一つ要望しておきたいわけですが、点検は大いにしなければいけないと思っておりますが、点検して、それが果たしてどれぐらい効果を上げているかどうかは、さまざまな統計を見なければわからない部分があるわけですね。今までのいろいろな審議の段階でも環境に関するさまざまな統計が非常におくれてしまうと。これを何とかしてもらわないと、ある意味で今スピードが求められている時代ですから、やはりやったことで結果どうなった。それでまだ何をしなければならないかと。こういうようなものに持っていくためには、やはり実態がどうなったかということが必要だと思うんです。ところが割合、今までのいろいろなところの部会の話を聞いていても、環境に関する統計を早急に迅速化できるようにやろうよという意見がどこでも出ていない。これについて、やはりどこかで早急に迅速化できるようにしないと、いろいろなことをやるにしても、やった結果どうなった。それであとの政策をどう考えるか。こういうことに結びついていかないんではないかと。また、実態に合った議論がなかなかできないということになってくるのではないかと、こう思っていますので、これについてご配慮いただきたいと思います。

【森嶌部会長】 ありがとうございます。例えば温暖化でも、2年前の統計なんかが出てくるので、今までもそういうご議論がありまして、ともかく数字を早く出すと。出てこないと、それをどう評価するかということにもならないわけですので、村上委員のご意見ありがとうございました。何か事務局の方で自己反省だけではなくて、何かありますか。【三好環境経済課長】 確かに統計の議論は、私ども勉強不足の面もございます。
ただ、例えば温暖化の議論でありますと、ごみの統計がなかなか遅いとかいうような話もありますので、ちょっと中でまたいろいろ検討させていただきます。

【森嶌部会長】 どうぞ。

【筑紫委員】 こちらの環境基本計画の中に、グリーン購入法等による環境負荷の低減に資する製品の普及促進という中に、グリーン金融商品というようなものが入っておりませんけれども、諸外国におきましてグリーニングメインストリームファイナンスという言い方で金融の流れを環境にやさしい投資、融資に向かわせることによって、循環型社会を促進しようという流れがありますのが、こちらの方に全く入っておりません。
最近、例えば1月26日付でドイツは環境にやさしい投資に関する小冊子というものを発行したり、あるいは法律をつくりまして、民間の年金商品の提供者に対して、例えば年金の積立金が運用される場合、株式あるいは社債、国債等に投資をされるわけですけれども、投資先の環境配慮ですとか、そういったことをきちんとチェックすると。そのような情報を求めるというような法律が可決されております。
それからイギリスにおける年金大臣は、イギリスのすべての年金について同じような情報の提供を要求しております。日本の方でも、このようなものがあるべきだと思います。
それからもう一つは、こちらの中でGRIの環境報告書、ガイドライン。これにつきまして世界共通のガイドラインづくりに目指しているGRIに環境省として注目していると。それからこちらのガイドラインを参考にということなんですけれども、GRIそのものについてきちんと調査をされたのでしょうか。GRIというのはアメリカのNGOだと思いますけれども、例えばこちらに対してフォード財団を初めとして幾つかの財団が資金を提供しております。この資金の性格ですとか、そういったことをきちんとチェックしているのでしょうか。国際指標づくり、世界共通のガイドラインづくりを目指しているのはGRIだけではありません。世界にたくさんのこういう試みがあるわけなんですけれども、その中であえて一国の環境省がNGOのガイドラインづくりの方に、いわば相乗りをするというふうになさった根拠は何でしょうか。これをちょっと伺いたいと思います。

【森嶌部会長】 環境投資の面と、それから今のGRIについて、いかがでしょうか。

【三好環境経済課長】 まず1点目の環境投資ということでございますけれども、まず環境基本計画上の取り扱いとしては、第9節の環境投資の推進という中で、例えば社会的責任投資の考え方についての記述がございますので、そういう意味で環境基本計画の中にも触れられておりますし、私どもといたしましても、製品のグリーン化ということは今ご説明申し上げたわけでございますが、金融のグリーン化ということにつきましても、少し勉強したいというふうに考えているところでございます。
それからGRIの方でございますけれども、私どもGRI以外にもいろいろなところでガイドラインづくりをというものが進められていることは承知しておりますし、それから最近ではISOの方におきましても検討するという動きがございまして、ISOにも私どもや経済産業省の方でもその検討に参画するということで、GRIのみに着目しているというわけではございませんが、私どもの理解するところではGRIはUNEPが深くかかわっておりまして、またこれまで既存のガイドラインをできるだけ総合化しようという取り組みとして注目し、その考え方を生かしたガイドラインを作成したということでございます。
とりあえず、私の方からは以上です。

【筑紫委員】 私の質問の中で、それではGRIに資金提供している財団とか、その辺の性格とかお調べになったのでしょうかということにお答えいただきたいんですが。

【三好環境経済課長】 ちょっとそういう観点は全く承知しておりませんので、調べさせていただきたいと思います。

【筑紫委員】 それからもう一つは、むしろ日本の環境省のガイドラインを世界のデファクトスタンダードになさるというようなお気持ちはないのでしょうか。

【三好環境経済課長】 私どもデファクトスタンダートといいますか、環境報告書のガイドラインをつくらせていただきましたので、世界的にこれを日本の取り組みとして説明できるところがあれば説明し、できるだけ接触を図っていきたいという気持ちでございますので、それは先ほどちょっと触れさせていただいた、例えば、ISOでの検討におきましても私どものガイドラインを検討の材料として提供するというようなことを進めていきたいというふうに考えております。

【森嶌部会長】 ほかに、どうぞ。

【塩田委員】 今の資料で資料6でご説明いただいた内容について質問したいんですけれど、4ページに国内の状況、国における経済的措置に関する国における検討状況に関して、政府税調の方針というのはPPPの原則に立って引き続き幅広い観点から検討を行っていくという方向性が示されたということなんですが、私もこの意味があまりよくわからないので、もう少し説明していただけないかということが1点。
それから、その一番下のところに平成13年度税制改正に関して自動車税のグリーン化が行われたという記述がありますが、これについては一定の税制措置が講じられた。当然今の政府税調のお決めになったことですから、この方針と合っているんだと思うんですけれど、これはこれでもうこの件は終わったという認識であるか、あるいは今後さらにこういう措置を強化していくというような考えがあるかないか。そこは中立であってもいいんですけれど、その点についてお伺いしたいと思います。
それからもう一つ、8ページの情報提供、人材育成ですけれど、これは先ほど森嶌部会長から、こういうテーマいろいろこれからの環境問題についてのアプローチ、各省がそれぞれやっていくんだというご指摘がありましたけれど、どういう問題について情報提供を重点的にやっていくかという、そういうことは全部それぞれの省庁のイニシアティブでやっていくということを意味しているのか。やはり重点的に環境基本計画で非常に重要だと思われることに関しては、できるだけ情報提供を集中的にやっていくと、重点的、集中的にやっていくというようなお考えはないのか。この3点お伺いしたいと思います。

【三好環境経済課長】 最初の2点につきましてご説明を申し上げます。
政府税制調査会の中間答申の中では、若干その点に触れさせていただきますと、税制面のまず環境施策全体の中での税制の位置づけが明確にされることが必要であるということで、他の手法の活用に加えて税制の活用の必要性について、十分な議論が求められるというふうにされた上で、税制面の検討に際して幾つかの点を踏まえることが必要だということで、その中の一つといたしましてPPP、汚染者負担の原則の考え方を踏まえ、環境負荷の原因者を広く対象とすることを基本に検討することが必要であるというふうに整理されております。それ以外に、エネルギー関係諸税と既存税制との関係を整理する必要性でございますとか、税収の使途を目的税的にするのかどうかというような点、その他につきまして触れられております。
そういうことで、先ほどの私どもの資料はちょっと言葉足らずであったかもしれませんが、関連するところといたしまして、税制調査会の方では国、地方、環境施策全体の中での税制の具体的な位置づけを踏まえながら、国内外における議論の進展を注視しつつPPPの原則に立って、引き続き幅広い観点から検討を行っていくというふうにされておりますところを、やや要約して整理させていただいたと、こういうことでございます。
それから私どもの資料で、税制改正はこういうことが実現いたしましたということでご報告いたしましたけれども、既存税制のグリーン化自体というのは引き続き重要な課題というふうに考えておりまして、引き続き検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

【小林環境影響評価課長】 続きまして8ページの情報提供、人材育成につきましてでございますが、ちょっとご説明がわかりにくかったかもわかりませんが、ここは環境影響評価についての情報提供、人材育成ということでご紹介をさせていただきました。
環境省では、一応アセスメントは関係省庁、いろいろな事業にまたがるわけでございますが、網羅的に情報提供ができるように、また人材育成もできるようにということで取り組んでございます。ただ関係省庁でも、もちろんホームページなどを通じましてさまざまな情報提供、あるいは研修活動などが行われてございます。また、ちょっとここでは全体の整理ができておりませんが、アセスメント以外につきましても環境行政全般にわたりまして情報提供、あるいは研修というようなことは前向きに心がけているところでございます。
以上でございます。

【森嶌部会長】 第1回ということでもあり、これからどんどんといろいろ議論が出てくると思いますが、時間が迫っておりますけれど、もう一方ぐらい。はい、どうぞ。

【杉浦委員】 2ページでございますが、環境教育と環境学習ですね。これはご案内のように2002年から新学習指導要領が導入されまして、教育の内容が相当変わっていくわけです。ここにありますように総合学習ですね。これの導入が図られるわけなんですが、それぞれの学校はこれから、総合学習の組み立てをどうするかというふうなことで、今年1年が勝負だろうと思います。
そこで、ここにありますように、特に私ども地域でも環境に対して総合学習の主体的な取り組みをやろうという幾つかのこれまでの試行的な学習が進んでおりまして、したがって、そういういい機会がありますので、環境省はもっと全面的に総合学習の支援を特に環境の問題についてフォローしてもらうと、地域への連携的な取り組みが形成されるのではないかと思います。
さらに教科書の内容も相当大幅に改訂されまして、報道では歴史的な教科書の部面だけしか報道されておりませんが、環境省として、この教科書の改訂の中で環境問題について、どのような文部科学省に対して提言をされてきたのか。あるいは今後その学習の一つの柱づけをどのような方向でしていくのか、その辺の検討はこれまでされてきたかどうか。これは私は大変重要なことだろうというふうに思いますので、ぜひ、学校教育の中で環境という問題が主体的に取り上げられるように、ぜひご推進をお願いしたいと思うんですが、その2点お伺いします。

【浅野環境教育推進室長】 環境教育推進室長でございます。
ただいま2点お尋ねがございまして、まず1点目の来年度からご承知のとおり総合的な学習の時間というのが全国の小中学校等で導入されるということが決まっておりますけれども、それに対しまして環境省といたしましても、ここに書いてございますとおりに、これまでもこどもエコクラブ事業ですとか、またいろいろな私どもの環境省のホームページ、こういったものを使いまして、それにかかわるいろいろな情報提供も行ってございます。実際の小中学校の現場におきましては、もちろん学校の先生が主体的に授業に当たりまして総合的な学習を実施するわけですが、環境省といたしましても、今申し上げましたような側面からの支援、それから情報提供、こういったものをさらに積極的に拡大いたしまして、具体的な総合学習の時間の導入に当たりまして、それが円滑かつ積極的に進みますように、特に都道府県の教育委員会と、さらに私どもを通じた都道府県の環境部局と、こういったものの連携の強化も一層図りまして、来年度の総合学習の時間の導入に向けた積極的な展開に資したいと、このように考えているところでございます。
またもう一つのお尋ねの教科書の改訂に当たって、環境関係の記述についてどのような対応をされているかというようなご質問だったかと思いますけれども、教科書の内容につきましては、現在、別な観点でも国際的な問題になっているというふうにもお聞きしておりますけれども、中身につきまして環境省として具体的にご意見を申し上げるという機会は特にございません。それでは環境省としてどのような対応をしているかということでございますが、一段低いといいましょうか、先生方の教科書を教える際の資料ですね、これの作成に当たりまして文部科学省と連携をとりまして、特にこの環境分野に関して、どのような学習の進め方が適当かと、こういった内容につきまして環境省としても文部科学省と一緒になって、その資料の作成に当たっていると、こういったような状況でございます。
今後も、そういったことで文部科学省と連携を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。

【森嶌部会長】 ほかによろしゅうございましょうか。
そういたしますと、その他というのが残っておりますけれども、事務局、その他、何かありますか。

【青山総務課長】 その他でございますけれども、特にございません。
次回の予定なんでございますが、本日、諮問させていただきました件につきまして、それぞれ各小委員会なり、あるいは専門委員会でご審議いただくということになってございます。小委員会の方につきましては、公害防止計画の小委員会につきまして、これは6月ということでございますが、技術関係の専門委員会でございますが、これは5月に早速分科会を立ち上げるということでございますので、専門委員会、それからあと、この部会への報告という手続があると思いますので、そこら辺は審議の経過を見つつ日程を調整させていただきたいというふうに思っております。
以上でございます。

【森嶌部会長】 今の事務局の話のとおりでございまして、少し時間を置いた途端に、いろいろなことが急速に展開をいたしますので、ぜひよろしくご協力いただきたいと思います。
今日は長時間にわたりましてありがとうございました。
これで閉会にいたします。