中央環境審議会 総合政策部会(第122回)議事録
第122回 中央環境審議会 総合政策部会
令和8年7月31日(金)10:02~12:17
ビジョンセンター新橋 1702号室
(Web会議システム併用)
議 事 次 第
1.開会
2.議事
(1)第六次環境基本計画の進捗状況の点検について
(2)環境研究・環境技術開発の推進戦略について(諮問)
(3)環境影響評価法に関する最近の動きについて(報告)
(4)その他
3.閉会
配付資料一覧
資料1 第六次環境基本計画の点検・モニタリングについて
資料2-1 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(諮問)
資料2-2 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(付議)
資料2-3 環境研究・環境技術開発の推進戦略の改訂について
資料3 環境影響評価法に関する最近の動きについて
参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
参考資料2 中央環境審議会議事運営規則
参考資料3 中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について(抄)
参考資料4 太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会報告書
午前10時02分開会
○黒部室長 おはようございます。お疲れさまでございます。
お暑い中、ご参集いただきましてありがとうございます。
また、オンライン委員で入っていただいている皆様、ありがとうございます。
定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第122回総合政策部会を開会いたします。
大臣官房総合政策課環境計画室長を務めている黒部でございます。よろしくお願いいたします。
まず冒頭、委員総数29名のところ、18名の委員の方にご出席をいただいておりまして、定足数の要件を満たしているということをご報告申し上げます。
本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいております。環境省動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行ってございます。
本日はWeb会議システムとリアルの会議のハイブリッド開催とさせていただいております。Webよりご参加の委員におかれましては、各自ご発言のときのみ、ライブカメラの映像とマイク機能をオンにしていただきますようお願いいたします。いつものことですが、お手数をおかけします。
また、会場の声が聞こえづらい等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせをいただければ対応いたします。
会議資料につきましては、議事次第の下、資料一覧に記載のとおりでございますので、ご確認をいただきまして、もし不足している資料がございましたら事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。
また、本日の資料は環境省Webサイト、総合政策部会のページにもアップロードしているところでございます。
まず、委員及び臨時委員の交代がございますので、これをご報告させていただきます。
井上久美枝委員の後任として、林鉄兵委員にご参加いただいております。
○林委員 林でございます。よろしくお願いします。
○黒部室長 男澤江利子臨時委員の後任として、鈴木真紀江臨時委員にご就任をいただいております。
委員等の交代のご報告は、以上でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、今後の進行は大塚部会長にお願いをいたします。
○大塚部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
最初に、審議事項として、第六次環境基本計画の進捗状況の点検について、事務局から説明をお願いいたします。その後で意見交換を行いたいと思います。
次に、環境研究・環境技術開発の推進戦略について、お諮りいたします。
最後に、報告事項として、環境影響評価法に関する最近の動きについて、環境省大臣官房環境影響評価課から説明をいたします。
それでは、第六次環境基本計画の進捗状況の点検について、事務局から説明をお願いいたします。
○黒部室長 部会長、ありがとうございます。
それでは、お手元の資料1「第六次環境基本計画の点検・モニタリングについて」という横長の資料がございます。こちらの資料に基づいて、総合政策部会が所管しております第六次環境基本計画の点検、今年は3年目ということになりますけれども、その状況についてご説明をさしあげます。
2ページおめくりいただきまして、まずは3ページ、第六次環境基本計画の点検・モニタリングの枠組み及びスケジュールということで、1枚おめくりいただきまして、4ページからご説明をさしあげます。
具体的には、ここの部会も、1年ぶりの開催ということでございまして、昨年夏に確認をした資料から、少し前半戦はこんな議論だったよねということの確認をした後に、直近の状況について議論に入っていきたいと思ってございます。重複する部分はご容赦ください。
4ページでございます。点検・モニタリング枠組みの全体像ということで、第六次環境基本計画、ウェルビーイングを最上位に置いての計画のうち、総合政策部会としては、「ウェルビーイング/高い生活の質」等の点検・モニタリングということを担当しております。具体的には、今後、計画の総合的な進捗状況に関する点検ということで、計画に定められた重点戦略の個別の点検というものを担当する一方で、個別の部会、地球温暖化の部会でありますとか自然環境の部会でありますとか、こういった個別の部会では、それぞれごとに持っております基本戦略等について、点検・モニタリングを行っておりまして、こういった状況もまた随時、我々のほうで取りまとめをしていきたいということを思ってございます。
5ページでございます。第六次環境基本計画の点検・モニタリングの全体スケジュールということでございまして、具体的には6年計画でございます。今年はちょうどその3年目、2026年に当たっているということでございますけれども、まず、環境政策の中にウェルビーイングという概念を持ち込みましたが、それが具体的にどういうものなのかということも、策定当時は少し明らかでない部分がありましたので、それは何なのかということを昨年の夏にもご議論いただいたところでございます。今年の夏も含めて、まず1回「ウェルビーイング/高い生活の質」に向けた把握をどう行っていくのかということについては本日も議論いただきたいと思っておりますし、各重点戦略の進捗状況、6年のうちの3年の現時点で今どういう状況なのかということについては、今後ヒアリングを実施しまして、年度内に中間取りまとめを行いたいと、このように考えているところでございます。
その後、4年目、5年目ということで、残り3年、後半戦を回しながら、計画の見直し、第七次の計画に向けた議論というものも後半戦の3年で進めてまいりたいと考えております。
また、後ほどご紹介しますけれども、大体、国連のほうでも2030年、Beyond SDGsですね、こうした議論も2028年、2029年に進んでくるかと思いますので、国際的な議論ともよく平仄を合わせながら次の計画に向けた議論というものを進めてまいりたいと考えております。
次のページをお願いいたします。ウェルビーイングの指標ということで、更に1枚おめくりいただきまして、第120回部会の振り返りでございます。
8ページでございます。第六次環境基本計画におけるウェルビーイングの定義でございます。既知のこととは思いますが、ご容赦ください。
現在及び将来、ウェルビーイングという言葉の中では今、国内でもいろいろな解釈があるかと思っております。これは各省でも、例えば経済産業省さんであれば健康経営のお話だったり、国土交通省さんであれば二地域居住の話であったりという形で、いろいろな解釈、いろいろな用語というものがあるわけでございますけれども、環境省、環境基本計画における定義といたしましては、「現在及び将来世代のウェルビーイング」、これをきちんと守っていくと。その中で、「国民一人一人の生活の質、幸福度、ウェルビーイング、経済厚生の向上」というものを総体としてウェルビーイングとして捉え、これの向上を目指していくということを書かせていただいております。
この現代における真の「豊かさ」、あるいはそのウェルビーイングの中身としては、市場的な価値と非市場的な価値、更には主観的な幸福感を含むということを環境基本計画の中では書かせていただいているというところでございます。この「将来世代も含む」というところに関してが、ほかの役所のアプローチと我が省との違いかなというところは思ってございます。
次のページをお願いいたします。昨年の夏にも提出させていただいた資料でございますけれども、将来世代ということを視野に入れた場合には、環境、これはずっと将来にわたって様々な我々の未来子孫が影響を受けていくというところもありますし、SDGsのウェディングケーキのモデル、環境(自然資本)が一番下にあって、その上に社会資本があって、経済資本があって、エコノミーがあってということで考えますと、こうしたSDGsのウェディングケーキの構造に基づいて我々としては必要な概念整理を行っていくことが適切ではないかということを、去年の夏も議論させていただいたところでございます。環境(自然資本)が全ての土台であり、もちろん、社会資本も私たちの足元を支える資本として重要でございまして、そうしたものをきちんと捉えていく必要がある。そして、一番重要なところを、そのウェルビーイングを主観的満足度と置くのか、置いてしまってよいのかということも昨夏にご議論いただきました。
現役世代の主観的な満足度を捕捉する方法、あなたは幸せですかと聞いて、幸せですと答えるようなアンケートの手法もあるかと思いますけれども、現役世代のウェルビーイングだけを捉えていくと、将来世代、あるいは先を見通したところに関しての評価軸が甘くなってしまうという部分もあろうかと思いますので、主観的な幸福度、これは非常に重要な要素ではあるのですが、それのみを究極的なゴールと捉えるということは多少避けたほうがよいのではないかということは思っておりまして、そういったご議論もいただいたところで、あくまで全体としてのウェルビーイングの、現在及び将来のウェルビーイングの実現ということでいくと、環境・経済・社会の各資本と主観的満足度というものを、one of themといいますか、全体の一つの指標として取り扱うということが適切ではないかということを考えてございます。
これは各国、昨年夏に、イギリスでありますとかドイツでありますとか、OECDの議論でありますとか、各国のウェルビーイングの指標についてもご紹介さしあげましたけれども、その時も同様に、主観的満足度を取りはするんですけれども、全体のウェルビーイングのダッシュボードというか、構成要素の一つとして取り扱っている海外の事例も多かったですので、これらに準じた整理かなということを思っているところでございます。
次に行きまして、10ページでございます。ウェルビーイングの指標及び重点戦略の指標ということで、ウェディングケーキをイメージしながら、環境政策が環境資本のどの部分を改善し、社会と経済の資本のどの部分に効いてくるのか、こういうことを今後、個別に詰めていきたいということを昨年の夏に議論させていただいたところでございまして、11ページ以降が、現在の国内外のウェルビーイングに関する議論の動向ということで、本日ご紹介をさせていただきます。
12ページをお開きください。国内におけるウェルビーイングに関する議論の動向ということで、この数年分において取りまとめてございます。
2021年6月に経済財政運営と改革の基本方針2021にウェルビーイングの記載というものが登場しておりまして、「政府の各種の基本計画等について、Well-beingに関するKPIを設定する。」という目標は政府全体で共有されているところでございます。また、2021年7月に「Well-beingに関する関係府省庁連絡会議」というものが設定されてございまして、内閣府さんを中心に、各省でWell-beingに取り組む体制というものがつくられているところでございます。
3番目、閣議決定等でも環境基本計画にも載せてございますけれども、それ以外、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」、その他の閣議決定等でも、Well-beingに関する記述というのが今、少しずつ広まってきている状況でございます。ただ、冒頭で触れましたとおり、このウェルビーイングに関する解釈そのものが、各省あるいは政府の中でも、なかなか統一というところに至ってないという部分がありまして、環境省だけが今、将来世代と言っているという状況でございます。
さらに、国外の状況についてが次のページでございます。国外ですね。これは、2024年の9月に国連の未来サミットで「未来のための協定」というものが採択をされておりまして、その中で、GDPを補完し超える、持続的な開発に関する進捗状況を測るための取組(Beyond GDP)という指標の策定を行っていくということがコミットされているところでございます。このBeyond GDPの指標が、2030年以降のBeyond SDGsの議論にもつながるものであるということを聞いておりまして、その中でSDGsの目標達成を促進し、従来のGDPを補完する、人々のウェルビーイングや、それに加えて地球環境の持続可能性などを考慮した包括的な指標をつくっていくという動きになっているというところでございます。
2025年の5月にハイレベル専門家会議が設置され、今年の5月、ハイレベル専門家会議の最終報告書が公表されたところでございます。「A Compass of Progress for People and Planet」ということで、人々と地球の行くべき方向性ということで、「人と地球のウェルビーイング(Well-being of People and Planet)」を中心概念として、具体的には4分野31項目のBeyond GDP指標、指標の詳細については次のページでご紹介をいたしますが、こういったものが提案されているというところでございます。
今後の動きといたしましては、一応、聞いておるところによりますと、2026年9月、国連の総会でBeyond GDPの指標の最終的な方向性が一応決まる予定だということは聞いておりまして、この指標の中身について、現在、各国と調整が進んでいるという状況でございます。
次のページをお開きいただけますでしょうか。ハイレベル専門家会議の最終報告書及びBeyond GDP指標のまずコンセプトということで、ご説明をさしあげます。
最終報告書の右側、Beyond GDP指標の概要ということで、TODAYがあってTOMORROWがある。TODAYはCurrent Well-being、この中には個人の主観的なウェルビーイングも含む現状というものに対して、ここは、やはり注目するべきはTOMORROWで、将来世代もきちんと入っているというところです。TOMORROWの下に、Sustainability and resilienceというところで、将来世代に向けたウェルビーイングの確保、その下のところにFOUNDATIONAL PRINCIPLESということで、基本原則ということで、Peace、Human Rights、Respect for the Planetということで、地球への尊敬というものが基本原則の中に入った構成ということになってございます。ちょっと詳細は推しはかるしかないのですけれども、恐らくドーナツ経済というか、その周辺ですね、人間の環境領域みたいな形の図面も見受けられるという状況でございます。
指標の詳細については、次のページをご覧いただきます。ハイレベル専門家会議の最終報告書によるBeyond GDP指標の詳細ということで、現在31指標が一応会議の取りまとめとして設定をされているというところでございます。
基本的原則の中に、平和、人権、地球への配慮、地球への配慮の中に温室効果ガス、更には生物多様性の保全という指標が設定をされる見込みでございます。
現在のウェルビーイングの一番下のところに、環境の質というものが挙がっておりまして、都市における微小粒子状物質の年間平均濃度、安全に管理された飲料水サービスを利用している人口の割合というものも、水と大気ですね、こういう環境の質も入っているほかに、持続可能性とレジリエンスの最後のところに、自然資本という形で、環境資産(土地、水、土壌、地下資源)、環境経済会計システムというものの採用もどうかということで提案がされている状況でございます。
現在、こうした提案書について各国からコメントはありますかという形で関係各省庁にコメントバックが求められている状況でございまして、我々としても必要な照会やコメント出しを対応しているというところでございます。
こうした国際的な動きを受けて、では、環境基本計画のモニタリングにどう反映していくかということについて、次ページよりご説明をさしあげます。
17ページでございます。具体的には、先ほどご覧いただきました、このBeyond GDPの指標、ウェルビーイングを掲げていて、将来世代、あるいはその中に環境というものをきちんと取り込んでいるという構成自体は、我々が今、第六次環境基本計画でこれまで検討してきた中身と非常に親和性が高いのではないかということは感じております。そうした状況も踏まえれば、Beyond GDPの中心概念、「人と地球のウェルビーイング」、更には、「現在及び将来のウェルビーイング」という類似点を踏まえれば、Beyond GDPの指標、これが、最終的に今提案されている指標が国際的にセットされるかどうかということは、まだ今後の政府間調整もありますのではっきりしたことは申し上げられないのですけれども、こうした指標とも、やはりモニタリングのプロセスの中で一定程度、斉一を図っていく必要があるのではないかということは、事務局としては考えております。
それ以外にも、Beyond GDPの指標は非常に限られた指標でございまして、例えば、次のページでもご紹介しますけれども、1枚おめくりいただきまして、OECDのBetter Life Indexという指標項目があるのですけれども、18ページですね。この中の移動・交通とか居住とか、こういったOECDが作っているウェルビーイングの構成要素の概念表、これに先ほど出てきたBeyond GDPの指標を当てはめると19ページのようになるわけなのですけれども、この中で、ぱっと見ると、なるほどなと思わされるのが、例えば居住とか、移動・交通とか、こういったことに関してはBeyond GDPの中に今、指標が見受けられないというところでございまして、国内的に、あるいはその関係各省庁さんからのヒアリングを受けるときの、我々のBeyond GDPの、環境政策におけるウェルビーイングの受け方として、全くその移動・交通とか居住とか、あるいは文化・歴史に関する指標が全くないという状況も、やや片手落ちかなと思われる部分がありまして、各国それぞれ補足的に指標を置いて管理するということは全然あり得ることだと思っておりますし、環境基本計画のモニタリングでも、これに、更に必要に応じて補足的な指標を追加しながら環境政策の進捗を図っていくという運用が適切ではないかと思っているところでございます。
次の20ページでございますけれども、具体的に、我が国の国内で、今現在、経年等も含めた変化の補足が可能であり、なおかつ、このOECDのBetter Life Indexの中で、国内で補足可能な指標ということで数え上げると、すみません、大変多くなってしまって恐縮なのですけど、先ほどの31指標から飛んで全89指標ぐらいが現時点では補足可能ではないかなということは思ってございまして、これを全部やりますかということでは必ずしもないのですけれども、必要とあらば、こういった指標を追加して、環境基本計画の個別政策のモニタリングに生かしていくことはできるかなということは思ってございます。
さらに、今回、次のページです。今後の議論、あるいは今日のディスカッションということでお伺いしたかったテーマということで、22ページでございます。本日は、これまでの議論の振り返り、ウェルビーイングの構造についての議論をこれまでも行ってきたところですけれども、国際的な議論との斉一、Beyond GDP、あるいはウェルビーイング、議論の現状との斉一という観点から、現在世代、将来世代、更には環境、「人と地球のウェルビーイング」という概念で、国際的な議論とも斉一を図りながら議論を進めていくということでよろしいかということについてお諮りをさせていただくとともに、今後、今年の後半戦に関しては、個別の重点政策の細々としたヒアリングになってしまうのですけれども、進捗状況について聴取を行った上で、後半戦、また環境政策、次の基本計画の策定に向けてどういったモニタリングをしていくかということを、残り3年でまた議論を進めてまいりたいと、このように考えております。
私からの基本計画に関する冒頭の説明ということで、以上でございますが、ここまでについて、もし意見、コメント等がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
○大塚部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局から説明がございました第六次環境基本計画の進捗状況の点検について議論を進めたいと思います。
ご発言を希望される方、会場参加の委員は名札を立ててください。Web参加の委員は、ご自身の名前の横にある挙手アイコンを押していただくか、チャット機能でご自身の発言の希望があるということをお知らせいただければと思います。私から指名を受けた委員は、マイクをオンにしてご発言をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。
私からは、少し各論になってしまうのですが、ご意見を申し上げさせていただきたいと思います。
というのは私、実はこの1年弱、会社を休職し、奨学金を得てハーバード大学に留学しておりまして、アメリカの気候変動対策、特に州レベルでのエネルギー転換の実態を調査してまいりました。トランプ政権下でも、州レベルではエネルギー転換が進んでいます。特に今、カリフォルニアでは州内発電量に占める再生可能エネルギーの割合が、2024年は57%、2025年は62%に達しております。その基盤になったのは、2006年に成立しました包括的な地球温暖化対策法(AB32)なんですね。この政策を支えたのは、もちろん行政もあります。そして環境団体もあるのですが、そのほかに、医療界、シリコンバレーを中心とする経済界、ハリウッドなどの文化・メディア関係者、それから超党派の政治家など、社会の様々な主体が横につながって成立させたという背景がありました。つまり、気候変動対策を、環境問題だけではなくて、健康問題、産業雇用政策、社会全体の問題として共有したこと、それが対策を前進させる力になったというふうに感じております。
今の日本の現状について、私からご指摘させていただきたいのですけれども、2024年度の再エネ比率が23.1%、ほとんど伸びなかったですよね。森林を伐採するメガソーラーなど、悪い事例ばかりが大きく取り上げられて、再エネは自然や地域を壊すものだという認識が広がっております。つまり、気候変動対策は、このウェルビーイングを支える重要なパートの一つだと思いますけれども、日本で、じゃあそれが本当に実現できるのか、そちらの方向に具体的に向かっているのかというところは、非常に私はこの1年、停滞している部分もあると思うんですね。
参考資料4のところに、「地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要がある」とございます。もちろん、私も悪い再エネへの規制強化には賛成なのですが、よい再エネをどういうふうに広げていくのかについて、もっとその具体的な施策を展開していただけないかと感じております。
環境省では、「Good Echo」でよい再エネ事例をまとめて紹介しておりますが、社会全体の認識を変えるには、更に大きな展開、施策が必要ではないかと思っております。これは、私がメディアに勤めている立場からの提案なのですけれども、社会の機運を高める一つのきっかけとして、環境省にぜひ旗振り役となっていただいて、官民協働の全国メディアキャンペーンのようなものができないでしょうか。例えば、環境省が地域と共生する再エネを社会全体で応援するという旗を掲げて、民間の力を活用して、メディアと賛同企業が参加する枠組みをつくって、企業の広告出稿を、社会課題を扱う番組づくりにつなげるという仕組みはできないものでしょうか。テレビ局は、もちろん編集権を保ちながら、よい再エネの事例を独自に取材して、番組化して、企画力、伝え方を競います。テレビ局にとっては、視聴率だけではなくて、社会課題の解決に貢献するという新しい番組価値をつくることができます。スポンサー企業にとっても、社会的意義のある番組にCMを出すことで、企業価値の向上にもつながります。さらに、優れた番組や企業の取組を環境省が表彰して、将来的には、省エネなど幅広いテーマにも展開してはいかがでしょうか。
つまり、悪い再エネには厳しく対処する一方で、よい再エネは国を挙げて応援する。この二つを同時に進めて、気候変動対策を支える社会横断的なつながりを、日本でもぜひ広げていただきたいと思っております。
これだけは今日申し上げたくて参りました。よろしくお願いいたします。
○大塚部会長 どうもありがとうございました。
では、馬奈木委員、お願いいたします。
○馬奈木委員 ありがとうございます。
ウェルビーイングを中心にされているのでいいと思うんですね。5月に出ましたBeyond GDPの国連レポートの趣旨は四つの大きな流れがあって、今回のトピックで関係されているところでいえば、その四つのうちの二つですね。一つ目がウェルビーイングで、主観的ウェルビーイング及びウェルビーイングを向上させるであろう案件を入れ込んでいます。
もう一つが、新国富指標を、言葉としては持続可能性及びレジリエンスという言葉に変えて、その中に、四つの下に31あるのですけども、自然資本、人的資本などが入っているんですね。その四つのうちの残り二つは不平等、人権などで、ある種、より網羅的なので、今回、環境省としての指標という意味では、自然資本や、付随する人的や人口資本とウェルビーイングという流れで、すごくつながると思っています。
その中で、今回強調されたのが将来世代かなと思っていまして、現代世代は例えば主観的幸福度、ウェルビーイングなどである程度は図れると。それで、将来世代を考える際に何が大事かというと、予想値としては、年配の方に比べて若い世代が例えば自然保護を大事にするなどの傾向があれば、将来世代はそれを引き延ばせばもっとするだろうという想定などにつながると思うんですね。そういう想定値を出していくことが一つ。
もう一つは、先ほどの四つのうちの一つが、自然資本などが入ったSustainability and resilience指標なので、そちらのストック指標を上げていくことだと思うんですね。将来性での議論というのは、永遠に学術でもされていいますが、結論は出ていないんですね。代替指標というのが、そういうストック指標を上げることで、この瞬間、ストックの、ちょっと上がった程度では世の中に役立たないけど、将来に役立っていくということで、ストックに意味があるんです。それで、自然資本をよくするということは、気候変動や生物多様性だけでなく大気汚染その他も絡んで、例えば大気汚染を改善するということは、東京は例えば、場合によっては街が発展し過ぎているので、大気汚染が出て健康被害も生じたりするわけですね。その健康被害というのは人的資本に悪影響もあり、気候変動の適応をしっかりしていけば、それは物的な資本への貢献にもなるので、自然資本を中心にしながら他の資本も改善し、ウェルビーイングを上げていくという流れの言い方にすると、国連や他国との議論がつながりやすく、他省庁にもつながりやすいのかなと思っています。
国交省であったらグリーンインフラという意味での自然資本ともつながっていますし、経産省だったらサーキュラーエコノミー、農水省だったらみどりの基本計画などがあるので、そういうつながりをしながら議論をすると、将来世代ばかり言わなくても、実質将来世代にもなるので、自然資本メインからのウェルビーイングという言い方をするのがいいかなとは思っています。
それ以外は小さなコメントなんですけど、SDGsのウェディングケーキはあまり言わなくてもいいのかなと思っています。理由は、もう少しでSDGsは終わるので、その次のほうの図を示していったほうがいいかなというのがあります。
最後、これで終わりますけども、今の世の中は、人口予測を含めてすごく詳細に衛星画像を、JAXAなどのデータを使いながら将来まで予測できる技術があるんですね。気候変動もそうです。今、山口委員がメディア発信のことも言われていましたけども、その際に、北海道への発信と沖縄への発信は全く意味が違うんですね。そういう、ピンポイントに、実は詳細なところまで、予測値だけで分かるようにもなってきているので、そういう技術を使いながら、自分に関係あるかのように思う発信をすれば、大ざっぱに気候変動大事ですよとか環境大事ですよというのでなく、ピンポイントに行ける発信がより響きやすいかなと思います。
以上です。ありがとうございました。
○大塚部会長 ありがとうございます。
では、堅達委員、お願いします。
○堅達委員 今回のウェルビーイングの指標ということで、全89指標ということで、ものすごく細かいなと思うんですけど、でも正直に言って国民の実感とかけ離れているというか、例えば、今まさに熊本で地震が起きて、この真夏の一番暑いさなかに、避難所で電気もなく断熱も効いていない、そんな場所で、蓄電池も普及していない、太陽光パネルも普及していないところで、人々が苦しんでいる。それはまさに、本当はウェルビーイングの一丁目一番地みたいなことが、何で10年前にも地震があった、その間もたくさん地震があったこの国で実現できていないのか。そういうところの進捗をちゃんと測る指標というのはないんですかみたいな、国民目線でいうと、そういうところはちゃんと測ってくれているんですか。いけているのか、いけていないのか、進捗しているのか、進捗していないのかという、もっと生活実感に伴うようなものもあってもいいのではないかなと思ったのが一つです。
そして例えば、ウェルビーイングと言いますが、実質的には今の円安によって、ものすごく日本人の今の暮らし、クオリティーが落ちています。苦しいです、物価高で。この円安になる理由の一つは、ホルムズ海峡ももちろんありますけれども、化石燃料に依存し過ぎているということ。だって、海外からいっぱい、ただ燃やすためだけにエネルギーを運んで、それで結局為替がどんどんやっぱり安くなっていっているわけですよね、円安方向に。だとすると、ちゃんと化石燃料に依存している度合いが減っているのかというところもしっかり指標で見ていかない限り、本当の意味でのウェルビーイングというのにはつながらないのではないかなと思っております。
先ほど山口委員もおっしゃいましたけど、この1年で、たった0.1ポイントしか再エネが伸びない国というのは異常なわけで、それと、なぜ再エネが伸びることがウェルビーイングとつながるのかという辺り、ここをもうちょっと明快にして、やはり実はエネルギー安全保障、あるいは、もっと言うとこの先、ホルムズ海峡の件で経験したのは食料安全保障ですよね。今回、肥料とかも非常に厳しい輸入の状況になっているというようなこと、あるいは、これからスーパーエルニーニョで食糧危機にもつながるような大干ばつが世界でも起きていくというときに、食糧がちゃんと担保できるのかといった、そういう何か命を守る基本的な、気候安全保障といった安全保障視点での数値というものも、もう少し見えるように測ったほうがいいのではないかなと感じました。89指標ある割には、何かひたひたと日本の私たち市民の暮らしが悪く貧しくなっている部分をカバーできていない気がするので、ぜひご検討をいただきたいし、その指数を見ることで、再エネの普及だったり化石燃料からの脱却がより加速するような、そういう点検のやり方というものをぜひ考えていただきたいなと思います。
以上です。
○大塚部会長 具体的な話をしていただいて、大変ありがとうございました。
では、石田委員、お願いします。
○石田委員 基本的には、ウェルビーイングをベースにするという方向には賛成なのです。しかし、今回提示された点検項目の中には、政策の成果を評価する指標として適切でないものが含まれているのではないかと感じています。
例えば、気候変動に対して発生する災害アラート、日本の降水量、日本の海水面上の温度などは、地球規模の影響により決まる外部要因であり、国内の施策により短期的に改善できるものではありません。これを点検指標として用いると、施策が適切に実施されても「改善していない=施策がうまくいってない」という誤った判断に繋がる可能性があります。
したがって、点検・モニタリングに用いる指標は、国の施策によって改善が可能であり、施策の効果を適切に反映するものを選定すべきだと考えます。
例えば、先ほどの堅達委員の地震が起きたら避難所は対応できているのかと同じかもしれませんが、豪雨が発生した際に被害をどれだけ抑制できたか、避難体制が適切に機能したかといった「対応力」や、国民の環境意識が向上しているかなど、政策によって変化し得る指標が重要です。
また、地域によって気候リスクや社会状況が異なるため、先ほどの山口委員の北海道と沖縄で違う表現が必要だというのとつながるかと思いますが、我々はいかにして気候変動に対して政策を打って、それが成功しているのか。究極的には、恐らく1人当たりの温暖化ガスの排出量に行き着くかもしれませんが、指標の選び方を政策の効果で、成果を反映できるものに選定するべきだと思います。
以上です。
○大塚部会長 豊岡委員、お願いします。
○豊岡委員 ありがとうございます。
89の指標と将来世代も入っていること、そして主観的満足度というような、総合的な満足度という、そういう指標そのものは全然問題はないと思うのですけれども、堅達委員がおっしゃったように、現実とあまりにもかけ離れていることの問題をどう埋めるのかというところのほうが今、私は重要だと非常に思っておりまして、今とても世論、日本はなぜこんなに再エネが進まないのか。地方にいると思うのが、世論の偏った思い込み、情報が蔓延しているというところがあって、太陽光は環境破壊であると。そして、私はいろいろな講演会に出るのですけれども、質問の手を挙げる人が、「それはいいけどクマが出るのは太陽光のせいでしょう」と。五つの会議で5人言われました。というぐらい、もう情報が非常に偏っていて、それを全く打ち消せていないというところが非常に、日本の情報の偏りが、海外へ行くと目が覚めるぐらい、国民が全く温暖化なんか関心がないと。
それと、先ほど山口委員が、報道をもっと、ということをおっしゃっていただいて、非常にありがたく思うのですけれども、気候ニュース、気象庁のニュースとか天気予報、99%が気候変動や温暖化に言及がないという現状ですとか、そういう世論への対応が、環境省としてはもっとここを頑張っていただきたいと。指標の前に、現実を憂えるためにも、もっと国民のマインドを変えないと、これ、ウェルビーイングどころではないのではないかというところが、お願い方々の1点です。
それと、今までと非常に、中東情勢も含めて、日本の置かれている状況は違うと。なので、計画を立てたらそれが実行できるような状況ではないということで、例えば帝国データバンクの2026年上半期企業倒産動向ですけれども、倒産件数は4年連続で増加しています。5,335件、6.6%の増。そして、下半期は更に増加するであろうと。原因は、物価高と人手不足ですね。人手不足、後継者不足、全て最多の倒産であると。そして非常に、中東の情勢を踏まえて、これが改善の兆しが見えないというような言及をされていて、しかも、私もいろいろ医療関係者とも話すのですけれども、孤独死が非常に多いと。尊厳を傷つけられるような状況に置かれていると。生命と安全、尊厳というものが、やはりベースにあって、それが温暖化や日本の政策と非常にクロス、リンクするにもかかわらず、もっと上の崇高なウェルビーイングの、もっと国民の幸福というものを守る以前の問題が非常に大きいと思っていて、それを非常に懸念しています。なので、指標を考えるとともに、今までのやり方で成功したのか、これからもそのやり方を続けていいのかという、もう少し政策に対する反省点、改善点も同時にやっていかないと、スピード感が全然間に合わないなと思っています。
それと、制度、支援の方向性について、今まで自治体の自主性に任せたり、いろいろな脱炭素先行地域なども、いろいろなコレクティブインパクトを狙ってきたと思うのですけれども、ご存じのようにコレクティブインパクトは非常に意思決定が遅いということと、それとリーダーシップが弱いと機能しない。そして、収益性が難しいです。なので、経済性が取れないために、地域のためになっているような事例がなかなか出てこないというようなところがあります。これを、非常に私もヨーロッパを回って感心するのが、ローカルエネルギーシンクタンクのようなところが、プロジェクトの提案や企画、ファイナンス、実装まで、より現場に近い非営利の団体がクロスセクターの橋渡し役として動いてるし機能しているというようなことがないと、これは現場に任せても全然動かないです。なので、もう少し、人材育成の必要性をいろいろ申し上げてきましたけれども、そこの単なる人材ということではなくて、経済性をちゃんと取れる、そしてプロジェクトをしっかりと推進ができる、企画と提案ができるというような、地域に近い形で、地域のポテンシャルにより合った、地域の合意形成により意思決定をできるような、そういうシンクタンクをぜひつくっていただきたい。それがないと、なかなかプロジェクトが進んでいかないと、このままだと時間ばかりかかって失敗の連鎖になっていくのではないかと思っています。
先ほども堅達さんがおっしゃっていただいたように、エアコンのない避難所、いろいろなところに提案をしても、なかなか自治体は、エアコンの設置とか太陽光の設置とかを断られ続けています。これも非常に、自治体任せにすると、とてもじゃないけどこのままでは再エネは進まないなと思っていますので、ぜひ政策や支援の方向性、そこをしっかりと、今までとは違うということを念頭に変えていただきたいと思います。
ウェルビーイングが本当に実現できるように、今のままでは、あまりにも現実とウェルビーイングの実現が遠いと感じていますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○大塚部会長 途中で退席される船越委員のご発言がありますので、船越委員、お願いします。
○船越委員 ありがとうございます。
今、画面にも映っています89指標ですが、指標の数が多いとか、もっと重点化をすべきとか、いろいろな議論が多分あるのだろうと思います。で、その辺、どういう議論がされていくのかというのは、勿論あるのですけれども、各論の一個一個の指標がどうこうということの前に、2020年から始まって2029年という時間軸でいうと、やはりAIの進展なりその動向というのは、こういった議論をするときに切っても切れない話ではないかという気がしています。特にいろいろな社会と人の関係とか、そういったことの中で、AIをどこまで使うのか、使わないのかという選択も含めて、AI社会の中でどういうウェルビーイングを考えていくのかというのは、今、皆さんご認識のとおり、日進月歩でAIの技術なり実装が進んでいく中でいうと、それはそれで置いといてというようなことで、それは別で考えるということにはならないように思っています。それでは具体的にどのようにしたらいいのかということについてまで私にアイデアがあるわけではないのですが、その辺の大きな変化の中で、こういった指標なりウェルビーイングをどう考えていくのかという議論は常に念頭に置いておかなければいけないのではないかなと思っています。その辺り、基本的な捉え方とか考え方について、もし何かあれば教えていただければというのが、質問というか要望であります。
以上です。
○大塚部会長 どうもありがとうございます。
どこかで切らせていただいて、事務局に回答していただこうかと思っていたのですが、もうお願いしてしまってよいですか。
では一旦ここで切らせて、ご回答をお願いします。
○黒部室長 黒部でございます。ありがとうございます。
ご発言、様々いただきましてありがとうございます。
89のまず指標のところ、多過ぎるのではないかという点については、我々もそのように思っております。Beyond GDPの指標だけで捕捉できない部分がありますので、ほかに指標にする候補として幾つかありますよというところは出させていただきましたけれども、今後の重点政策の点検、あるいは環境省、あるいは各省庁がやっている個別政策の点検の中で、必要な指標を随時きちんとブラッシュアップして整理をしていきたいと、このように思っております。
その中で、地球温暖化対策は特にやはりアクションというか、それがまた地球全体の大気循環に戻っていって降水量に戻ってくるというところもありますので、日本国内で必ずしもそのメカニズムが収まらないという政策、ネイチャーポジティブも近いところがあるのですけれども、そういった部分をどう評価するかという難しさはありますので、最終的な私たちの生活となると、大気へ戻ってきて最後の雨の量ということになってしまうのですけれども、その手前の初期的なアウトカムを捕まえるというところもやはり必要だろうというふうには思っておりまして、その辺り、例えば避難所における再エネの導入率とか、こういったものもきちんとフォローしていく必要はあるのだろうということは、ご発言を踏まえて、よく今後の検討に生かしてまいりたいと思ってございます。
あと、そういったところも含めて現実がなかなか追いついていないではないかというところもご指摘ございました。海外の議論も見ながら、このウェルビーイングの数字の更に精緻化、私たちの生活実感に近づけていくような努力が必要だろうということは思ってございます。
一方で、また、大きなテーマとして今、船越委員からいただきましたAIの進捗、この辺をどう見るのかということについては、なかなか環境政策の中でAIそのものを議論する場所というか機会もないわけですけれども、この総合政策部会、省の議論全般として見ておりますので、必要があれば、こういうAIの議論も進めていく必要があるのかなということは、ご示唆を受けて思ったところでございます。
ここから先は私個人の主観も含めてということになってしまうのですけれども、AIに関しては、やはり技術の一つなわけですよね。太陽光パネルも当時は技術の一つでありまして、それによって、再エネも含めて地域の共生がうまくいってよくなる太陽光もあれば、地域の共生がうまくいかない太陽光もある。これは、太陽光という技術がよいとか悪いとかということではなくて、その制度設計であったり使われ方の結果として、そのほかの資本といいますか、地域の自然資本、地域の社会関係資本、あるいは、人的資本はあまり損なわないかもしれないですけれども、地域でその他に大切にされている公益との共生がうまくいかないケースが出てきて、そういったものはやはり一定の制限なり規制が必要だろうという議論につながっているということを考えれば、AIに関しても、AI自体は技術でございますので、AIを進めていく中で、ほかに大切にしなければいけない私たちの公益、社会資本でありますとか自然資本でありますとか人的資本でありますとか、私個人の考えでございますけれども、AIを使えば使うほど皆さんの仲が悪くなり、AIを使えば使うほど、どんどん自然資本が損なわれていき、AIを使えば使うほど、人々が、人的資本が毀損されるようなAIは、やはりどこかで制限なりメカニズムの修正というのがやはり必要になっていく。アメリカの一部の政治家の方には、そういったご主張もお持ちの方がいると承知をしておりますけれども、あくまで技術要素でございます。私たちは、まさに太陽光も、再エネのときはもう東日本大震災があって、とにかく太陽光をどんどん進めろということが、10年たってみると、やっぱりよいものもあれば悪いものもあるよねという結論にたどり着いたのと同じで、AIも、今の時点ではもうどんどん進めろということかもしれないですけれども、これもやっぱり5年たち10年たちの中で、私たちがほかに大切にしなければいけない公益が何かと言われれば、それは社会資本であり自然資本だと思うのですけれども、こういったものとの調和というものが一定程度求められていくのだろうということは考えております。
そういった社会資本であったり自然資本が何なのかという議論も、我々が今ここで提案しているBeyond GDPの指標であったりとか、それを補足するような指標との調和、公益という点から、よい太陽光、あるいは、もしかするとAIを直接的に評価するところにたどり着くかどうかは分からないですけれども、守るべき他の公益はこれであるというところはしっかり環境政策の中でも持っていく必要があるのではないかと、このように考えているところでございます。
ありがとうございます。
○大塚部会長 AIに関しては、SNSの未成年者に対する利用等、もう少し具体的な話もありますので、ここで扱うべきことかどうかは分かりませんけども、具体的な問題は、実際には結構たくさん出てきているかと思います。
では、亀山委員、どうぞお願いします。
○亀山委員 ありがとうございます。
私もほかの委員がおっしゃっているのと同様で、現在及び将来のウェルビーイング、あるいは人と地球のウェルビーイングというのを最上位に置いて構成していくという進め方には賛同いたします。
一方、今日表示いただいた89指標を拝見しますと、あまり環境省さんの施策に関係が薄そうなものも含まれているように見受けられまして、これを選ぶのであれば、何かもう少しほかのものがあるのではないかなという気もいたしましたので、今後、取捨選択されるのだろうと考えております。
そこで、私が一つできれば入れていただきたいなと思っているのは、主観なのですけども、今ここに書かれている満足度とはまた違う主観をできれば計測的に測っていただいて、モニタリングしたらいいのではないかなと思います。やはり、人々の意識なんですね。
何でこういうことを申し上げるかというと、私、研究の一環として、もう10年以上前から各国に同じ質問、アンケートをして、その回答を国際比較するようなタイプの研究の論文とか報告書に目を通すようにしています。そうすると、もうご案内のとおりだと思うのですけれども、日本人の回答の特徴として、気候変動で今大変なことになっているという危機感については大体平均なんですよ、世界の。だから、大体みんな危機感は持っている。だけれども、では、温暖化を解決するために私は行動しますとか、あるいは、本当に環境にいい買物をしますだとか、自分が何か対応しますかという質問になると、ほぼ最低のところにいくんですよね。
日本人のこのギャップは何なんだろうというのがいつも疑問になっていて、せっかくみんな危機感は持っているのだから、危機感を解決するために、自分の行動を変えることが何か役に立つという、皆さんが無力感を持たないような社会に変えていくためにはどうすればいいのかということを、この指標の中に入れるべきだと考えています。なので、もしかしたら毎年同じようなアンケートを取って、皆さんがどのぐらい行動変容しているのかということを測っていくだとか、自分の行動によって社会を変えていけると思っている人の割合だとか、その辺りを計測してみたらどうかなと考えます。
類似のことは企業の行動にも言えて、日本の企業さんは一般の方よりもかなり先進的に、既に動かれているところが多くて、やはり情報開示のこととかもあるので対応しなければいけないような状態になっていますので、動かれているのですけども、やはりそれが、大企業は動いているけども中小はまだ動けてないというようなこともございますので、類似の調査をして、これだけの開示ができている企業の割合だとか、そういうものを計測できるようになるといいなと思いながら、この指標を拝見しておりました。
私からは以上です。
○大塚部会長 有村委員、お願いします。
○有村委員 ありがとうございます。早稲田の有村です。
環境省での取組が、方向性として国連のBeyond GDPと同じような方向を向いているということ自体は、非常に国際的な動きと連携していてすばらしい取組だというふうに拝聴しておりました。
その上で、何点か意見を申し上げたいと思います。
一つは、Beyond GDPということでいいますと、これは私が多分、学生時代から、GDPは、その頃はGNPですかね、問題があるということは指摘されていて、主婦の家庭での仕事が反映されていない、公害問題、医療費が増えればGDPは増えるみたいなことは指摘されていました。既に、いろいろな研究者がいろいろな取組をしてきていて、それでもGDPが強くて、それ以外の指標は広まらなかったという事実があると思うんですね。なので、このBeyond GDPというか、新しい指標を考えるときには、結局これが今後普及していく、継続性があるようなものになるべき、どういうふうに取り組んでいくかという視点を持ちながらやっていくことがとても大事ではないかと思っています。
私にアイデアがあるかというと、ないのですけども、経済学者なので、GDPという概念が、経済学の理論で非常に根拠が明確にあって、それで、しかも国際的に使われているので強く普及しているので、それを超えて新たな指標を生み出すということの難しさというのは非常に感じているところです。先ほどから、多くの委員から、項目はいっぱいあるけど生活感と結びつかないというようなご指摘がありましたけども、この分野の第一人者である馬奈木先生の前でいうのは本当に恐縮なのですけども、それぞれの項目が理論的にどういうふうに位置づけられるかという根拠みたいなものがまずあるのかというところと、学者としては非常に興味深く思います。こういう様々な情報をたくさん集めて、資料、データをつくっていくこと自体には非常に興味があるのですけども、理論的な根拠はどうなのかというところが多分、分かりにくいなというのがあるかと思いました。そういった意味では、もう一つの視点としては、先ほど石田委員がおっしゃられていたのですけども、この指標が政策にどんなふうに影響を及ぼし得るのかといった視点で考えていくというのも、環境省の取り組まれるものとしてはとても大事なのかなと考えます。この指標があることによって、何かの施策の進捗状況が確認できるかどうかというようなところが、もう一つの視点かと思いました。
それと関連して、堅達委員をはじめ多くの委員がおっしゃられたことで、ウェルビーイングを図るときに、今、日本では地震というものが結構頻繁に起きていて、かつ気候変動と関連しているであろうかもしれない、この洪水被害とか集中豪雨とか、そういったものと、災害を受けるということがかなり日常的になってきているような面もあります。ですので、非常に過酷な状況での人々のウェルビーイングというものを底上げしていくようなことが捉えられるような指標みたいなものもあってもいいのではないのかなと。というか、必要なのではないのかなと思いました。
この点は、実は国際展開した上で、国際的に共通な指標をつくろうという意味では、もしかすると難しい点なのかもしれません。自然災害は日本に特に多いのかもしれませんけれども、日本の施策という意味ではやっぱりそこのところの何かを入れていくというのはとても大事なのかなと思いました。
それから、もう一つは、このご報告を通じて将来世代というご指摘があって、これはやはり環境省が主張されるのにはとても大事な視点ではないかなと思いました。日本の社会を見ていて、今の亀山委員のご指摘で、危機感はあるけどあまりそれに対策を取らないみたいなことも含めて、割と人々が、経済学的に言うと、近視眼的というか、今のことにすごく重きを置いて、将来のことを考えにくくなっているような世の中なのかなと思います。環境だけではなくて、もう全てにおいてそういう傾向があると思います。
そういった意味では、将来世代の重要性というのを環境省が指摘していくということは、大事なのではないかなと感じております。
それから、最後になりますけれども、山口委員がおっしゃられた、よい取組を紹介するプロジェクトというのはとてもすばらしいのではないのかなと思いました。私自身も、かつてちょっとジャーナリスト志望だったこともあって、テレビ報道とか新聞報道とか、大好きでたくさん見るのですけども、そうすると、やっぱり社会の問題をメディアが指摘してくれると、こんな問題があるんだということで気づきがあって、それではどう解決したらいいのだろうかというようなことを考えさせるのが、ジャーナリズムの役割というのがまずあると思います。しかし、そうすると、再エネに関して言うと悪いことばかり出てきて、いい再エネもあるのですが、それが注目されなくて、一般の人にネガティブなところだけ伝わってしまうというようなところがあると思います。これはメディア全般に結構そういう傾向があると思うのですけども、よい取組をご紹介していただけるというのがあると、人々の再エネ認識というのはまた変わっていって、気候変動、それから化石燃料への依存の削減といったことにおいてもプラスになるのではないのかなと思いました。
以上です。
○大塚部会長 具体的な話もしていただいて、ありがとうございます。
林委員、どうぞお願いします。
○林委員 ありがとうございます。
主には、この20ページの指標のことを申し上げようと思うのですが、ウェルビーイングは、なかなか省庁さんによっても違うし、定義が分かりにくいというか、伝わりにくいなと思っていましたので、今回、指標を立てて数値で確認していく、それから、施策をそれに向けて打っていくということは大事なんだろうと思っています。
先ほど来、生活実感とか政策への反映という話がありましたので、そういう観点に若干近いかなと思いながら、4点申し上げたいと思っています。
連合労働組合ですので、働くというようなことを中心に据えていますので、特に働くことを軸にした安心社会というのを掲げていまして、労働者、働く者が仕事を含めた生活全体の中で幸福を実感できているのか、できるのかというようなことに、関心があると思っています。
その観点からは、経済のところに失業率とか1人当たりGDPとか、正規・非正規、これは、そのことが駄目とかということはないのですが、例えば、現場を見れば、労働災害の発生やメンタル不調の休職者がとても増えていまして、そういうこととか、あるいは、豊かな生活というようなことでいくとやはり時間の問題もあると思うので、労働時間とか、休暇の取得がやはり日本はすごく少ないので、そういう観点も何か1個ぐらい、89は多いという話なので、何か落としていただいても全然いいと思うのですけど、少し何かそういう、働くといったときに、これ以外にもう少し、まさに生活実感の観点からあるのではないかというのが一つです。
それから、二つ目も生活に近いところで、食べるという、食事ですが、確かに汚染のところでダイオキシンの1日摂取量とありますが、単にカロリーが摂取できたらいいというのではなくて、自分が好きなものを自分が食べられるか、そこの気候、風土に合ったものを食べられるかのようなこともウェルビーイングとか幸せに近いのかなと思っています。この環境に引きつけて考えると、気候変動で農作物が取れなくなったり、取れるものが暑いところに対応したやつに変わっていくとか、あるいは魚がなかなか取れてないとかということは多分、皆さんも生活実感の中であると思っていまして、緩和策や適応策とも関連づけて、分析もできると思うし、施策への反映というのも若干余地はあるのではないかなと思っているので、2点目は食べるということです。
三つ目は、既に指摘がありましたけど、雨です。降水量が多かったらいいというふうに聞こえてはなかったですけども、確かに農業とかを考えたときに、雪や雨が降らないというのは大変だと思うので、要るというのは間違いないと思っています。そこは共有するのですけど、やはり、極端な豪雨とか、極端な降雪、どか雪もそうですね、あるいは干ばつとか渇水というようなことが、振れ幅が大きいと、生きている人にとってはすごく大変な状況というのはご指摘のとおりだと思うので、少し指標として、この降水量だけでいいんでしょうかという、その極端な例のほうが、極端な実態のほうの数をつかむほうが、ウェルビーイングとか、日本の社会にとって、影響としては指標として見るべきなんじゃないかというのが3点目でございます。
最後は生物多様性のところで、国立公園の利用者数というのがありまして、これは環境省さんらしいなと思っていますが、確かにそういう、自然の中において環境に配慮した行動をしていくみたいなことも多分つながっていくという意味でいいかなと思いますが、それだけではなく、例えば自然との接点という意味でいくと、余暇という意味かもしれませんが、スキーやキャンプやダイビングなど、何かアクティビティに関するような、そういう指標もあり得るのではないかなと思い、国立公園だけではないのではないかなと思います。
いずれも、生活実感や政策への反映という観点から、先ほど既に事務局から、ブラッシュアップを更にこれからしていきますというふうにありましたので、様々な観点でご検討賜れるといいかなと思います。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。
では、淡路委員、お願いします。
○淡路委員 ありがとうございます。2点あります。
1点は、山口委員のおっしゃった、再エネのよい取組を広めるということは大変共感いたしました。直接的に再生可能エネルギー事業に参入しておりまして、何度か苦労した経験がございます。やはり、今の環境を変えたくない、何も困ってないというような住民の方のお気持ちが根本的にありますと、何か新しいことに取り組もうとするときに、まず反対から入るというようなものがございます。それは人間の心理としてあることなのかなとも思うので、やはりそこでもう一歩、相手の再生可能エネルギーに取り組もうとしている事業者をどう理解するかということに、そのよい取組を広げていくということが進むのではないかというような感情を持ってお伺いしたところでございます。
また二つ目が、指標の件なのですけれども、今この89の指標の中で、企業の行動が直接的に変わるような指標にどれが結びついているかなという気持ちで丸をつけていたのですけれども、そもそも男女賃金格差みたいなものは開示しなくてはいけないことになっていますが、あとは通勤時間、これは通勤時間を短くしたほうが恐らくいいのだろうけれども、じゃあ実際、短くするというのは本当に難しいことです。そして、仕事の活動のところで見ますと、家事・介護労働、あるいは子育てとありますが、企業でいえば、こういったことと働いていくことをどうやって両立するかというのを様々、企業は悩みながらいろいろなチャレンジをして両立できるような、そして仕事を辞めないで続けていけるような状況をつくり出そうと努力していますが、これがいったいどのように施策の効果につながっていくのだろうか。また、社会活動への参加というのも、企業ではどんどんしていきましょうということで進めておりますけれども、じゃあこれがどういうふうに施策の効果につながるのかということが、見えてくると、企業の行動が変わるようになるのではないかと思います。
ほかにも、企業の行動が変わるような指標、分かりやすい指標があると行動が変わっていくのではないかと思います。やはり、大企業だけではなくて中小企業も、地域に貢献したいという気持ちはどんな経営者でも持っています。その気持ちを引き出すことが、私たち金融機関の一つの役割であるのではないかと思って、様々な金融商品を通して、そういった皆さんの意識を少しでも環境に対して持っていただくような活動をしているつもりでおりますけれども、じゃあいったい何に貢献できるのかということが分かりやすくなれば、更に企業の行動も変わっていくと思います。企業や自治体は目の前の問題に対処することで精一杯というような実感を持っております。その方たちが少しでも将来のほうに目を向けるような、行動が変わる、意識が少しでも変わるような指標にまずすれば、将来に向かっての政策、施策というのも出てくるのではないかなというふうに思いました。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。
では、オンラインのほうに移っていきます。井田委員、お願いします。
○井田委員 僕はめったにほめないんですけども、このウェルビーイングを早めに政府の中でも非常に先駆けていったというのは非常に重要なことだと思っておりまして、よかったなと思います。
幾つか今後の議論に関して言いたいことがあるのですけれども、国際的にも、こうしたSDGsというのは恐らく、ウェルビーイングゴールズのようなものになるということで、繰り返しになりますけども、いち早く位置づけたのは非常によかったかなと思います。
ウェディングケーキのお話があって、これは私が委員になったときからこれが重要だと言っているのですが、馬奈木先生のお話にもあったのですけれども、これはSDGsと一緒に終わらせてしまってはいけない概念なので、これは、今後もこういう考え方を広めていく、基本に据えていくということが重要かなと思います。自然資本の話とか、将来世代の進展であるとか、非常に評価できると思います。多いという話もあるのですけども、点検項目というのは非常にいいと思います。
ただ、議論を見ていてちょっと懸念を持っているのは、いろいろな国内でウェルビーイングの議論が言われる中で、Beyond GDPとのリンクというのは必ずしも一般的にはなっていない、これは重要な視点なので、これを強調していく必要があると思います。あと、将来世代の視点を入れたというのは非常にいいことだと思うのですけども、もう一つ落ちているのは、地域間の不公平の視点ですよね。グローバルサウスとグローバルノースの関係をどう見ていくのかという視点が基本計画にも入っていないので、これは今後の点検においても、グローバルサウスの視点というのは非常に重要ではないかなと思います。
指標の関係なのですけれども、石田さんのおっしゃったように、必ずしも政策とリンクした視点というのは少ないというのはおっしゃるとおりだと思うのですけども、状態記述の視点としては、もっともっと多いほうが、多くなければいけないと思うのです。ダイオキシン、非常にまだ重要だと思うのですけども、農薬とかPFASとかはどうするかとか、生物多様性に関しても、先日の熊本サミットの議論等でも、ネイチャー・ポジティブ・イニシアチブの指標など、どんどん出てくるので、足りないかもしれない。もっと多いほうがいいと思うんです。
ただ、それを政策点検にしていくというのは、また別の話であると思っていて、何を申し上げたいかというと、ここで我々が議論してきたウェルビーイングの議論を点検だけで終わらせないようにしなければいけない、せっかく始めた議論を、環境省が中心になって、政府内であるとか国際交渉の中での議論をリードしていくということが重要だと思っておりまして、そこで指標の話や、先ほどのグローバルサウスの話などをぜひしていただきたいんですよね。
というのは、このウェルビーイングの議論を環境基本計画の点検だけに終わらせないような仕組みというのが必要だと思っていて、ひょっとしたら、この部会の中でももう少しウェルビーイングというものの議論を点検とは別に深めていくというような取組が必要かなと、今日の話を伺っていて思った次第であります。
すみません、以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。
これで5名になりましたので、この辺でご回答をお願いしていいですか。
○黒部室長 各委員からのコメント、ありがとうございます。
後半戦のコメントの中でいろいろとまたご示唆いただきまして、ありがとうございました。
亀山委員から、行動、私たちが、意識変容だけではなくて、ちゃんと行動に結びついているか、それは日本としてちょっと弱い数字ではないかというところについてご示唆をいただきました。私、環境計画の担当室長でもあるのですけど、同時に環境教育の室長でもありまして、行動変容に関しては、毎年ではないのですけれども、昨年、世論調査をいたしまして、多少数字を取ってございますので、この場でご紹介をさしあげられればと思います。
環境の知識という面でいくと、環境学習について学習したことがないと回答した人は1割未満でございまして、9割以上の方は学習されている状況でございます。環境に配慮した生活習慣や行動について、我々も多少意識しておりまして、デイリーのアクションですね、ごみを分けるとか分別するとか節電するとか、こういうデイリーのアクションと、消費者としてのアクション、あるいは、社会的な主体として周りを巻き込んで何かのアクションを生んでいくところをちょっと分けて聞いていまして、デイリーのアクションに関して言うと7割ぐらいの方が何かやっている、心がけているという状況なのですけれども、環境ラベル製品や環境負荷低減の農作物の購入、環境保全活動や環境に関するイベントの参加、こういったものとか、あるいは周りを巻き込んで何かの勉強会、あるいは、投票行動も含めた何かのアクションに反映させていると答えていただいた方は全体の1割にとどまるというのが足元の状況でございまして、やはり日本の状況としては、デイリーなアクションを学んでデイリーのアクションに反映すると、我慢ともったいない、江守正多先生の表現を借りればそうなってしまうのですが、我慢ともったいないのアクションは非常に皆さん頑張ってやっていただいているのですが、なかなかその先につながっていないという状況を我々としても把握はしておりまして、今後の行動変容に関してどのような打ち手ができるかと、より高次の行動変容に関してどういった打ち手ができるかということは、政策課題としては重く受け止めております。
一方で、こういった調査が、世論調査のタイミングに乗っかってしか今できないという状況でもございますので、もう少し定例化する必要があるのではないかということについてはご指摘として受け止めさせていただければと思ってございます。
また、林委員含めて、指標のものについてはもっとブラッシュアップするべきというご指摘もいただきました。あと、政策のアウトカムとどうつながっていくのかということについて、非常に、Beyond GDPとかウェルビーイングの指標自体は大きい、本当にアウトカムオブアウトカムというか、最後のほうの指標でございますので、それとは斉一を図りつつも、政策の出口としての短期的なアウトカムをどう見るかということもあるかと思いますので、平べったく並べてしまっておりますけれども、一次的なアウトカム、中長期的なアウトカムというものの接続も踏まえて、政策のゴールとBeyond SDGsとの斉一をよく図っていく方向で、指標については引き続き、我々のほうでも議論を深めてまいりたいと考えてございます。
あと、有村先生からご指摘をいただいたBeyond SDGsの今後というか、はやるかどうかも含めてどうお考えかというご指摘がありました。私も、むしろこの点に関しては馬奈木先生より全然情報が浅いもので、もし補足があればもっと補足いただければと思います。Beyond GDPに関して言うと、指標数を絞っている背景事情としては、最後にこれを合成するようなこともおそらく、国連のほうで少しディスカッションがされているという情勢もあり、ダッシュボード形式だと、どうしてもなかなか恰当に解釈しづらいというところもあるので、1個の数字にまとめたほうがよいのではないかということで、そういった議論も国際的には、1個にまとめているというようなことも、まとめたほうが分かりやすいのではないか、1個の数字にまとめて上がったり下がったりを表現したほうが分かりやすいのではないかということで、合成も含めて議論しているし、その合成の種になる数字はなるべく絞られたものがよいであろうということで、数の項目を絞っているのではないかというお話を聞いているところでございます。けれども、合成したらしたで、この重みづけをどうするのかなど、そちらのほうが、もちろんはやりやすい数字にはなっていくのでしょうけれども、この辺りはむしろ、国際的に今後どういった議論がなされるかということは、我々もよく注視をして、見ていきたいと思っております。
あと、GDPとBeyond GDPの違いは、恐らくGDPは金融政策などで、これは本当に個人の所感ですけれども、いじれることがある程度、政策経済の手法としてできている一方で、Beyond GDPとか社会数字とかは、なかなか操作というか、よいアクションを及ぼすことが難しい数字というところもあるので、私も学生時代からずっとGDPの議論があるのは承知しておりますけれども、政策の操縦との対の存在としてのGDPというのは、ある程度、揺るがない地位は持っているのだろうなということは、さっきコメントを拝聴しながら思ったところでございます。
すみません、単に感想めいたコメントになってしまうのですけれども、よろしくお願いいたします。
○大塚部会長 ちょっと途中ですけど、今のご回答と関係しますので、どうぞ有村委員、お願いします。
○有村委員 私は、Beyond GDPがはやるかどうかという、言い方はおそらくしてないと思うんですね。
○黒部室長 失礼しました、はい。
○有村委員 むしろGDPを超えた、GDPが補足できない社会の側面、環境の側面を新たな指標で捉えたものが、どうしたらそれが定着するのかと、そういう視点というのも一つ大事だろうと思います。
というのは、今、黒部さんもおっしゃったように、多くの研究者、学者がたくさん取り組んできて、もう多分、何十年もやっていて、学術的には馬奈木さんがたくさん成果も出されていて、それが今度、官庁を中心にした、あるいは、ほかの国でもいいのですけども、代替指標というか、あるいは補完指標として安定的に使われるというような事態になかなかならないと。なので、今回の取組も、今回やったけどもそこで終わるというようなことでは、とても残念だと思うので、それが何らかの形で定着していく、あるいは政策に影響するみたいなところがあったらいいのではないかというのが、ちょっと私の趣旨です。
○大塚部会長 グリーンGDPやNNWなど、いろいろございました。経済学者の方にぜひ頑張っていただく必要があります。
馬奈木委員、どうぞ。関連しますので、恐れ入ります。
○馬奈木委員 関係なのでコメントしますと、先ほど有村さんたちがおっしゃられたように、ノーベル賞経済学者の実際4人ぐらいが関わって、ずっと積み上げたものが、ずっと学術的に出てきて、成果も出てきて、最初は14か国程度しか計算できなかったのが、今160か国ぐらい計算できるんですね。それで、国連は200か国ちょっとなので、200全部は計算できないんですけども、やる土俵ができたというのが、今の現状があります。
そういう理論と実証の両方が伴ったので、腰が重い国連であっても報告書を出し始めたのが2014年。私は2014年から代表になりまして、毎回、UNEPだけでなく、ワールドバンクやUNDPなど、いろいろな機関及び各国と話しながら進めていったというのがあります。それを別の、アマルティア・センなど別の方法のグループで、Beyond GDPというので報告書を中心にまとめてというふうになったので、違うグループであってもこういう指標が入り込んだというのが、ある意味大きな、学術側からの国連への成果かなと思っています。
その上で、では定着するか、やる意味があるかとなったときに、一つの方向が、Beyond GDPの流れはBeyond SDGsにつながるんですね。SDGsはよかった、環境エネルギーに対する指標は多かったんですけど、コロナで分かったように健康面はあまりなかったんですね。なので、指標というのは、やっぱりもう少し意味がある指標を入れないといけないというので、多過ぎたけども、もう少し環境だけではなく健康もといった流れはあります。
途中、これも有村さんがおっしゃったように、ウェルビーイングなどの議論のときに、それを上げたところでウェルビーイングに貢献するんだろうかみたいな議論があり、恐らくはあるものとないものがあるんですね。例えば今回挙げられた89の指標だと、世界全体の平均が上がっても、別に個々人の、個人的なウェルビーイングは上がらないと。ここの駅前、新橋駅の気温が上がれば、新橋に住んでいる人はものすごく嫌になるので。なので、ローカル色が強いその地域の特徴を入れる必要があると。オゾン層も話が大き過ぎるので関係ないというので、将来世代という話を広げることによって自然資本という言い方だったらまとまるという形で、二つ見ながらやるので、この89指標のうちの恐らく半分以上は、主観的なウェルビーイングにはプラスに寄与するけども、あまり関係ないけども、じゃあそれを将来世代と言い切って、やっぱり大事だから残すかの議論は必要かなと思います。
話を戻して、こういう流れがBeyond GDPで定着していくかは、各国の政策がこれからできるかどうかで、自然資本という言葉を我々が使い始めて、今、各国が使うようになってきたので、そこはすごい変化かなと思っています。前は、資本という言葉を言うことで行政側から抵抗があったんですね。産業界からは、生物多様性じゃなくて資本と言ってくれたほうがありがたいというのでよかったので、それを行政側が言い始めたのが最近なので、そういう意味では、遅いと言われれば遅いんですけども、10年がかりで進歩している状況かなと思っています。なので、自然資本の計測化を、これから基礎自治体を含めてやるとか、それは学術側がサポートして国の発信にしていただくとか。それで、企業側の取組のインパクトファイナンスなどのインパクトの計測が、自然資本が10億円分改善しましたよとか、その際に、人的資源も、改悪ではなくて少しよくなったとか、そういうふうなインパクト評価に入り込むことで、もっと民間側も行政側も進んでいくのかなと思います。
じゃあ、それが個人個人の国民に広がるかという別の側面だと、資本だとあくまで面的で広がらないので、なのでウェルビーイングなんですね。それで、一番伝わりやすいのが、主観的だと計測しやすいので、取りあえずだけど、これでまず見ましょうよということで。それで、聞き方はちゃんと統一を図って、あまり大ざっぱに聞かないように、雨の日だと個人的ウェルビーイングというのは下がるので、そういう統計的な嘘をつかない。ちなみに火曜日が一番悪いんですけど。月曜日は意外にみんな気合が入って、土日休んだから頑張ろう。だけど、火曜になったらちょっと気が沈むので、火曜日の雨の日に聞くと支持率が下がるとか、そういう嘘をつかない統計的な手法を使いながら、ちゃんと結果を発信していけばいいのかなと思います。
長くなりましたけど、以上です。ありがとうございます。
○大塚部会長 どうもありがとうございました。
では、オンラインのほうに、ちょっと戻らせていただきます。
山本智美委員、お願いできますか。
○山本委員 ご指名ありがとうございます。
他の委員の方々と重なる部分もありますが、3点、端的にコメントさせていただきます。
1点目は、指標の重点化についてです。
点検・モニタリングを指標の管理や測定自体を目的化するのではなく、その分析結果をしっかりと政策や施策につなげていくことが重要であると考えています。そのために、施策の優先順位や効果を適切に評価できる実効性の高い指標に重点化し、PDCAを着実に回していただければと考えております。
2点目が、調査・報告の仕組みについてです。
指標の測定や収集に当たっては、既存の公的統計や制度などを最大限に活用していただきたいと思います。事業者に新たな調査や報告を求める場合には、その必要性を十分に精査した上で、過度な事務負担やコストが生じない仕組みとしていただくようお願いいたします。
最後、3点目は、地域や中小企業の実態を反映した指標についてです。
今回提示された指標案は数が多いため重点化が必要ですが、一方で、地域の実情や中小企業を取り巻く環境を反映する視点については、より充実させる余地があるのではないかと考えています。
例えば、昨今の国際情勢の変化を踏まえますと、地域経済や国民生活の基盤となる食料やエネルギーについては、自給率だけでなく、安定供給や安定確保の観点からも状況を把握できる手法を検討いただきたいと考えております。
以上、3点申し上げましたが、環境指標だけではなく、地域経済や企業活動への影響も併せて把握できる指標とすることで、環境・経済・社会の統合的な評価につながるものと考えております。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。
では、三好委員、お願いします。
○三好委員 ありがとうございます。三好です。よろしくお願いします。
基本計画が制定されて3年目に入って今、Beyond SDGsが見えてくる中で、国際的な流れにも沿っているということで、すばらしい計画になっていると思います。今後も、これが国全体の方針としてリードしていってほしいなという思いがありまして、環境基本計画が、ほかの計画、ほかの政策に対してどう貢献できているのかということが問われてくるかと思います。それが我々が見ていくべきポイントなのではないかと考えています。ウェルビーイングが中心になってきて、これがあることで全体が見えやすくなってくる、統合性が高まってくるというふうに理解していますけれども、この持続可能性、サステナビリティ、地球問題が人間問題ですということがウェルビーイングによって明らかになって、これからヒューマニティーとか人間らしく生きる、幸せに生きるということが中心の課題に問われてくると思います。
この見直しを、今3年経って、あと3年なのですけれども、反映できるようにスピードを早めていくことが、昨今変化のスピードがすごく速くなってきていて、AIの進化もありますし、見直した内容をどうやって反映していくのかなというのが今、疑問に思っているところというのが私の一つ疑問です。
あと2点あるのですけれども、皆さんから指標が多過ぎるというご意見もありますけれども、私は、継続していろいろな指標を見ていくこと、見える化することが非常に重要だと思っておりまして、何人か先生たち、おっしゃられていましたけれども、それを継続的に測ることによって見えてくる、把握できることということがまず大事だと思っています。堅達委員はじめ、多くの方からご発言がありましたが、例えばこの20ページの中にも災害ですね、地震もそうですし、気候危機は関係なくやってくる。特に日本においては、我々、数十年、日本に生きてきた中で何回も何回も災害を経験をしていて、災害は非常事態ではあるんですけれども、もう通常化していますよね。大雨だとか台風だとか。それを考えると、もう災害は通常であるという前提で、日本としては、この指標なり評価なりに入れていく必要がある時期に来ているのではないかと感じています。
例えば危機管理、それからレジリエンスですね。災害があった後、その最中もそうですけれども、あった後、どのように我々が社会として回復していくか。当然いろいろな災害があると、平和状態ではなくなりますよね。人の資本もそうですし、自然資本も失われるということで、ウェルビーイングの視点で見ると、この表の中に大きく抜け落ちているのではないかなというふうに感じたので、コメントとして申し上げたいと思います。
あと、もう一つ、林委員等、コメントがありましたが、私も第一次産業の皆さんと活動することが多い中で、労働環境ですね。賃金のこととかそういうことも大事なんですけれども、暑過ぎるなど非常に過酷な中で働くことを余儀なくされている方たちがとても増えてきているという現状がある中で、指標の中に労働環境、それから、フィジカルだけでなくてメンタルですね、病んでいかれる方が多い。どなたかおっしゃっていましたけれども、やりがいとか気持ちよさとかコミュニティー、人権とかもそうなのですが、その辺りが実は、よりウェルビーイングに近い指標なのではないかなと思いましたので、付け加えていただけたらなと思います。
あと、最後、AIの件について言及がありまして、黒部さんからも回答がありましたけれども、AIだけではなくて、AIを含めて、技術は使い方が問題になってくると私も理解をしているので、政策として何を守り、そのために何を規制し、何を軸に国として進めていくかということが重要だと思います。そのベースに、このウェルビーイング、質を高めていくということが軸になっていくということは賛成ですし、それを見極めていく、そして、それを見えるような指標にしていくことが大事だと思います。将来世代の話もありましたけれども、やはり個人的ではなくて、国の施策で6年ごとに見直していって、もっと先を見ながらですから、やっぱり将来世代のことを考える、この中に入れていくということは、私は賛成です。政策として、先を見すえながら入れていくべきだと思っております。
以上になります。ありがとうございます。
○大塚部会長 どうもありがとうございました。
では、末吉委員、お願いします。
○末吉委員 ありがとうございます。
ウェルビーイングを最上位の目的として位置づけて、GDPだけでは捉えられない豊かさを測ろうとする方向性には賛同いたします。
一方で、今回示された指標案については、指標と呼ばれているものの階層ですとか性格がかなり異なっているなというのが少し気になりました。
例えば、生活満足度や健康寿命のような最終的な成果を示すもの、CO2排出量やPM2.5の濃度のような、環境の状態や負荷を表すもの、住宅の断熱化率とか公共交通分担率のような社会実装を示すもの、それから3Rへの意識や気候変動への危機感のような国民の意識を示すもの。更に言えば、熱中症警戒アラートの発表回数や災害発生件数のようなインシデントを示すようなものが同じレベルで並んでいるので、このままだと数字が改善、悪化した際に、それが政策の成果なのか、環境の変化なのか、国民の意識の変化なのかが判断しにくくて、政策評価ですとか政策の見直しにつながりにくいのではないかなと考えています。なので、先ほど何名かの委員もおっしゃっていましたけれども、指標を並べるだけではモニタリングであって政策評価にならないので、現在案では指標候補とか更新頻度は示されているんですけれども、少なくとも資料上ではどの方向に動けばいいのか、いつまでにどこまで改善させるのか、どの水準を下回ると危険なのか、悪化した場合に何を見直すのかが明確でないと思いました。
あとは、現在及び将来のウェルビーイングと、将来を含めたというところは私もとても共感するところです。日頃、私は若い人たちと一緒に活動することが非常に多いのですけれども、最近よく言われるのが、大人たちのせいでこのような地球になってしまったと。将来について不安を感じている子どもたちが非常に多いです。そのような意見を子どもたちから言われる機会も増えているんですね。なので、将来のことについてもこの中に入れていただいているのは非常に良いと思いますが、現在の生活満足度と将来世代が利用できる自然資本は同じ方法では測れないと思っています。
将来については、主観的な満足度だけではなくて、自然資本のストックですとか、不可逆的な損失とか環境収容量とか科学的閾値とか災害へのレジリエンス、将来世代に引き継ぐ負債とか便益を重視する必要があると思っていて、現在の満足度が高くても、自然資本を取り崩して実現したものであれば、やはり将来のウェルビーイングとは両立しないので、現在の成果と将来のストックを分けて評価するべきだと考えます。
それから、あとエシカル消費の観点から言いますと、国民の意識だけで測るというのは不十分でありまして、環境に配慮した選択をしたいと思っても、価格が高いとか、近くに選択肢がないとか情報が分からないとか、そういうような状況があります。なので、国民が持続可能な選択をしたいと思っているかだけではなくて、実際に選択できる環境が整っているかということを測る指標を重視していただきたいと思います。
あと、全国平均だけでは、低所得世帯ですとか子育て世代、高齢者、障害のある方とか、あとは地方の居住者などが直面している環境上の不利益が見えないというのが少し気になっていまして、誰のウェルビーイングが向上したのか、誰に負担が集中しているのかという分配面を、全ての主要指標に横断的に取り込む必要があるかなと思っています。
最後、2点あります。今回、指標の議論ではあるんですけれども、指標はあくまでもビジョンを達成するための手段であって、手段が目的化するということは避けなければならないと思っています。そもそもウェルビーイングを目指すことは、国民がどんな状態になっていることであり、地球環境がどうなっていることが望ましいのかという、ナラティブで具体的なビジョンをもっと明確に打ち出す必要があると思っています。先ほども皆様の中でお話がありましたけれども、気候変動対策というのは生活の質を高めることにつながる、これはポジティブなことですので、そういったポジティブなナラティブを環境省さんにリードして作っていっていただきたいと思っています。ナラティブが国全体に浸透し、当たり前の感覚になっていくのには非常に時間がかかるとは思っているんですけれども、冒頭で山口委員もおっしゃったように、いい取組を皆さんに知ってもらって広げていくというようなことから始めていくのもひとつの方法ではないかと考えます。
以上です。ありがとうございます。
○大塚部会長 だんだん時間がなくなってきました。すみません。
高村委員、恐れ入ります。お願いします。
○高村委員 ありがとうございます。大塚先生。
もう多くの委員が実はご発言になったことと重なるので、できるだけ短くお話ししたいと思いますけれども、特に末吉委員も先ほどおっしゃったところに関わるのですが、指標の自己目的化にならないようにというのは本当に私も思います。データに基づいて政策、施策を評価するという意味で指標は重要なんですけれども、やっぱりそれが前半の議論でも皆さんありましたけど、具体的に、環境省の施策の追加なり実効性の向上、それは国民の行動の変化、意識の変化を生み出す施策につながっていってこその意味があると思いますので、その点については、この後、恐らく各部会で各分野の施策のモニタリングもなされると思いますので、一つ前提として申し上げておきたいと思います。
二つ目は、これも何人かの委員からありましたけれども、今出されている指標について申し上げると、一定の指標の構造化が必要だと思っております。これはもう既に、事務局の黒部さんも回答の中でお話しされていたと思うのですが、いわゆるウェルビーイングの向上、これはどの委員も全く異論なく、こうした環境基本計画の大きな究極的な目的ですよね、その実現に向けてどう進捗をしていくか、そういう構図を持った計画に対しての支持を皆さん表明していただいていると思うんですが、究極の最終的な目指すところがどこまで達成されたかというものと同時に、施策の評価、これは先ほど言いました、実際に環境省が所管をしている施策の実効性なり追加的な施策の必要性に結びつく、そうした評価につながる指標と、多分、二つのものがあると。少なくとも今、大きく分けても二つあると思います。
そういう意味で、そこは少し整理をしたほうがいいだろうなというのは、これはもう既に先ほど黒部さんのご回答の中でお話がありましたので後追いはしませんけれども、全く同感です。
それと、もう一つは、これも多くの委員がおっしゃった点ですけど、国際的な指標はもちろん参考になるのですが、やはり日本の置かれている状況、日本にとっての重点がどこにあるのかということに照らして、やはり指標の選択なり指標を検討する必要があるということかと思います。既に、私も申し上げようと思ったのが、多くの委員がおっしゃったんですが、やっぱりエネルギー供給、この中東危機以降、本当に顕著になっているエネルギーですとか素材の供給構造の転換というのが、やはり日本の社会、産業のレジリエンスの強化のためにも非常に重要だと思います。ここには当然、エネルギーですから地球局の施策もありますし、資源という意味でいくと循環局の施策も関わってこようかと思います。
さらに、もう少し言うと、山口委員はじめ、これも何人かの委員がおっしゃいましたけれども、やはり食料生産、農業などの第一次産業に与えている影響が、ホルムズ危機の中でも、エネルギーコストや肥料のコストの高騰など、日本の国民にとってやっぱり非常に不可欠な食料の供給をどうしていくかというところは、やはり日本の文脈でいくと、非常に大きな、エネルギーと並ぶ重要な課題なんだと思います。
そして、これも三好委員や堅達委員からもありましたけれども、レジリエンスの強化という観点で、日本にとって非常にやはり重要な、こうした今でも直面をしている課題にどう環境施策が貢献をしているのかということを示していくということは、私はやはり、国民や事業者がその施策についてしっかり理解をしてもらって、更に共感をもって行動を促していく上で非常に重要だと思います。
そういう意味で、今出ている指標に加えて、やはり実際に直面をしている日本の課題に対してどういうプラスの効果を環境施策が生んでいるのかということを、できるだけ見える化をしていただきたいなということを希望いたします。
指標について、もう一つ。主観的満足度の取扱いについては、事務局のご提案のとおりで私は結構だと思います。これは、環境基本計画を議論しているときから、そういう議論をいただいたと思いますが、やはり参考にする情報ではあるんですけれども、やっぱり地域や世代による満足度の違いとかというのをどういうふうに取り扱うのかということも含めて、扱い方については留意が必要だと思っています。
最後ですけれども、これは井田委員ほかがご指摘になった点ですが、これは東京都の議論でもあるんですけれども、恐らく指標というか施策の評価の中に、日本が例えば大きく海外から輸入をして消費をしている、この国外へのインパクト、これは東京都でいくと都市の文脈なんですけれども、都市が消費をしていることの都市外へのインパクトについてどういうふうに評価をしていくかということは一つ、やはり考える課題、先ほど末吉委員は分配の問題として発言をされたと思いますけれども、そこをやはりどう見ていくか。さっき、主観的満足度にも少し関係するコメントをいたしましたが、そこはやはり見ていく必要があるんじゃないかなというふうに思っている次第です。
すみません、以上です。ありがとうございました。
○大塚部会長 どうもありがとうございます。
では、鈴木委員、お願いします。
○鈴木(真)委員 公認会計士の鈴木でございます。ご説明ありがとうございました。
私からは1点だけ発言させていただきます。
既に実施されていることも多いかと思いますけれども、ぜひ他の省庁との協調というのを、より進めていただければと思います。
例えば再生エネルギーの進捗に関しましても、洋上風力については現在多くの、幾つか大きな企業が撤退しているという状況があり、進みにくくなっている。これはコストがかかるからという要因になっております。そういったことも経産省とぜひ、今も進めているのかもしれませんけれども、ぜひいろいろ協調して進んでいくような形を取っていただければと思います。
また、洪水、豪雨対策ですね。雨の量も関係するかと思いますけれども、土壌の状況というのも関係するのではないかと思います。これも、国交省などで調査をされているのではないかと思いますので、そういったところとも連携しながら、この指標が達成できるような施策を考えていただければと思いました。
私からは以上でございます。
○大塚部会長 どうもありがとうございました。
私からも一言、申し訳ありません。
とても有益なご議論をいただいていると思いますが、大きく二つだけ申し上げます。一つは政策に反映できるようなものを指標にすべきだというご議論があり、私もそのとおりだとは思いますが、ただ、多分それだけにはしにくいかと思うので、指標の種類を、分けるようなことを考えたほうがいいんじゃないかなと思っていて、末吉委員が幾つかおっしゃったことと関係していると思いますけども、政策に反映できないものを全く挙げないというわけにもいかないかもしれませんが、政策に反映できる指標とできない指標を区別して対応していくということがあり得ると思います。
それから二つ目は、具体的な指標の話として、災害時のウェルビーイングの話や、PFASの話、労働環境やAIとの関係、例えば無限スクロールの問題等、いろいろ実際には問題が出てきているわけですよね。既に具体的な話として重要なものが出てきていますので、ぜひ加えていただけるとありがたいと思います。あと、あまり出てこなかったのが、先ほどのクマの話があったのですが、人と動物の関係の話で、人間のいるところの範囲が後退してきているので動物の領域が広くなっていると思いますけども、そういう意味で環境とまさに関係しますので、その点についても何か指標があったほうがいいと思われます。
あと、育児・介護のところがやはり少ないですね。少子高齢化と地方の人口減少による非常に大きな問題が発生している地域間格差の問題というのはもう少し入れないと、これは日本の問題としては結構大事な問題なので、指標としては少し足りないと思いました。例えば、子どもや高齢者の自殺率とかいうのは、ネガティブな話になってしまうのでこれがいいかどうかは分からないですけども、一つの指標にはなるかと思います。
では、もう一人、山戸委員、お願いします。
○山戸委員 今回提示いただいた指標につきましては、国民一人一人の生活の質に着目し、経済、社会、環境、自然資本、主観的な満足度など、幅広く網羅していると認識しております。また、気候変動や生物多様性、循環資源、現在及び将来世代のウェルビーイングとの関連で評価しようとする方向性にも賛同いたします。
一方で、クリーンなエネルギーを国民や企業が安定的かつ無理のないコストで利用できるか、また、重要資源の供給体制が十分に強靱であるか、更には、循環資源が実際に市場で機能する仕組みが整っているか。こうした点までは今回の指標案に含まれていないと思われます。企業が良質な雇用や収益を確保し、環境への投資を継続しながら国民生活と将来世代のウェルビーイングを支える基盤づくりに貢献できているか、という観点からこうした点を測る指標の追加について、更にご検討いただければと存じます。
また、グローバルサプライチェーンのトレーサビリティ確保のための情報基盤整備についても企業にとって喫緊の課題でございます。この進捗を測る指標についてもご検討いただければと思います。
最後に、少し異なる視点から意見を述べさせていただきます。国連、OECDなどの指標を用いることは国際比較の観点から大変重要であると考えます。他方で、日本におけるウェルビーイングを評価する上で、日本ならではの視点、あるいは、日本人がこれまで大切にし、その中で幸せや喜びを感じ取れたことについても指標化できないかと考えております。具体的な指標まではご提案できないのですが、生活や、場合によっては防災にも深く結びついてきた、「自然との共生」や、いわゆる「もったいない精神」で物を大切に長く使い循環させてきたことなどを、日本独自の視点に立つ指標として補足的に加えていただければ大変ありがたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○大塚部会長 では、事務局、お願いいたします。すみません。
○黒部室長 事務局でございます。
コメントといたしましては、先ほど個別の指標も含めて、構造化も含めて、引き続き真摯に検討してまいりたいということを申し述べさせていただきましたし、それ以上ございませんので、引き続き努力してまいります。
いただいた指摘については全て持ち帰らせていただきます。我々にて、また精査して、次回の部会でご示唆いただければと思います。ありがとうございます。
○大塚部会長 はい。時間が押し迫っておりまして、私の不手際で申し訳ありません。
では、続きまして、環境研究・環境技術開発の推進戦略につきまして、大臣官房総合政策課環境研究技術室の中村室長からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中村室長 環境研究技術室の中村でございます。
環境研究・環境技術開発の推進戦略の改訂につきまして、資料2-1から2-3をご覧ください。
資料2-1でございますが、7月10日付で環境大臣から中央環境審議会の会長宛てに諮問させていただきまして、続いて資料2-2でございますけれども、7月16日付で中央環境審議会会長から総合政策部会の部会長に対して、諮問に係る付議をしていただいております。こちらの諮問、付議を受けまして、本日は資料2-3で、この推進戦略の改訂について、ご説明をさせていただきます。
まず2ページ目、推進戦略の概要でございますけれども、本戦略は、環境基本計画ですとか科学技術・イノベーション基本計画などを踏まえまして、環境分野の研究・技術開発の方向性を示すものでございます。
今後5年程度の間で重点的に取り組むべき方向性を設定するものといたしまして、直近では令和6年の8月に中央環境審議会より答申をいただきまして、環境大臣決定として現行の戦略を策定したところでございます。
続いて、3ページ目をご覧ください。次に、推進戦略の位置づけと策定後の変化でございますが、今申し上げましたように、環境基本計画でありますとか科学技術・イノベーション基本計画を踏まえて推進戦略を策定しておりますけれども、このうち科学技術・イノベーション基本計画につきましては、現行の戦略を策定した段階で第6期のものがございましたけれども、本年3月に第7期計画が新たに策定されたところでございます。
こちらの第7期計画につきまして、次の4ページでポイントをご紹介しておりますけれども、一番左上をご覧いただきますと、基礎研究から社会実装までの加速度的短縮であるとか、破壊的技術をめぐる実装競争の激化、あるいは4点目、AIと科学の融合というようなことが強調されておりまして、こうした変化を踏まえまして、下のほう、基本計画の方針というところですけれども、科学研究と社会実装の一体的推進ですとか研究セキュリティーの確保といった形で、政府の科学技術・イノベーション政策の方向性にも大分変化が見られているというような状況でございます。
こうした状況を踏まえまして、今後の検討について、5ページをご覧ください。こういった変化を踏まえまして、現行の推進戦略の策定から、今まだ2年がたったところではございますが、新たに示された科学技術・イノベーション政策の方向性を適時適切に環境政策のほうに反映していくという観点で今般、推進戦略の見直しを行いたいと考えております。
推進戦略の見直しの考え方ですけれども、引き続き、第六次環境基本計画との整合性は保ちつつ、第7期科学技術基本計画のほうで新たに掲げられた観点を踏まえて、今後の環境分野の研究・技術開発の在り方を整理いただきたいと存じます。
最後に、今後の進め方でございますけれども、下半分をご覧いただきますと分かりますように、総合政策部会のほうで、環境研究・技術開発を重点的に推進するための戦略の在り方に関する調査を行うという位置づけで、「環境研究・技術開発推進戦略専門委員会」を設置していただいておりますので、こちらの専門委員会のほうで検討いただきまして、本年度内を目途に改訂案をお取りまとめいただきたいと考えております。
これまでの改訂のほうでも、専門委員会でご検討、取りまとめをいただいておりましたので、同様にお願いできればと存じます。
簡単ですが、ご説明は以上となります。
○大塚部会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明につきまして、コメントがございましたらお願いしたいと思います。
井田委員、お願いします。
○井田委員 すみません。
事務局に伺いたいのですが、イノベーション、イノベーションはいいんですけれども、ぼろぼろになっていると僕は思っている基礎データの充実とか、基礎研究というのをどれだけ進めていくかというふうにこの中で議論するのかというのを、初めの段階として伺いたいと思います。
例えば、国環研に冷凍サンプルがいっぱいあるんですけど、過去の生物のサンプルとかいっぱいあるんですけども、お金がなくて、冷凍庫のお金もかかるし電力もかかるし、捨てなければならないとかですね、そういうことがあっていいのかと私は常々思っておるのですけれども、イノベーションとは全く無縁とも思えるような基礎研究であるとかデータサンプルの保存であるとか基礎的なデータ集めというのを、この計画、戦略の中でどういうふうにお考えになっているかというのを伺いたいです。
○大塚部会長 ほかにはいかがでしょうか。
よろしいですか。
では、ただいまのご質問につきまして、ご回答をお願いできますか。
○中村室長 ありがとうございます。
まず、基礎研究の充実という点につきましては、環境分野に特化してということではありませんけれども、科学技術・イノベーション基本計画の最新の第7期計画の中でも、基礎研究をちゃんと力を入れていきましょうということはうたわれております。また、国環研のサンプルがたくさん保管されているのをどこまで維持していけるかというようなお話でしたけれども、こちらについては、国環研の現行の中長期計画の中でもそういった基盤の充実ということはうたわれておりまして、そのために必要な運営費交付金の確保などについては、引き続き努力を続けたいというふうに考えております。
○大塚部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。
(なし)
○大塚部会長 ありがとうございました。
よろしければ、こちらの諮問事項につきまして、中央環境審議会議事運営規則第9条第1項の規定に基づきまして決定された「中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について」に基づきまして、環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略の在り方に関する調査を行う環境研究・技術開発推進戦略専門委員会におきまして検討いただくということにしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。こちらの専門委員会のほうに検討いただくということでよろしいでしょうか。
(了承)
○大塚部会長 お認めいただいたということで、どうもありがとうございます。
では、報告事項のほうに移りたいと思います。
環境影響評価法に関する最近の動きにつきまして、環境省大臣官房環境影響評価課の山本課長から概要をご説明いただきます。よろしくお願いいたします。
○山本課長 環境影響評価課長の山本でございます。
資料3を1枚おめくりいただきまして、一つ目の大規模太陽光発電事業、いわゆるメガソーラーへの対応についてご紹介をさせていただきます。
一部のメガソーラーの環境への影響や地域とのあつれきが報道等で大きく取り上げられる中で、昨年12月に関係閣僚会議で大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージが取りまとめられております。パッケージにおきまして、環境影響評価につきましては、法に基づく環境影響評価の対象となる太陽光発電事業の規模を見直し、事業者における環境配慮の促進を図るとされまして、これを受けまして検討会でご議論いただいて、検討、報告をまとめていただきました。大塚部会長に座長を務めていただきました。
5回の検討会を経て報告書をまとめておりまして、それを参考資料4としてお配りしておりますので、関心があればご確認いただければと思います。
冒頭、最初に山口委員からも触れていただきましたけれども、検討会では、再エネを推進するためにも環境配慮や地域とのコミュニケーションが重要ということを基本的な認識としてご検討いただいたと思ってございます。
具体的な内容でございます。規模要件については左下の図をご参照ください。現行では、アセス必須の第1種事業が4万kW、これは40メガですけれども、スクリーニングで必要性を判断する第2種事業が3万kW以上となってございます。これを、法目的ですとか、ほかの面的事業の規模要件ですとか、実際に地域で紛争が生じている太陽光発電事業の規模を勘案しまして、第1種事業を半分の2万kW以上、第2種事業につきましても半分で1.5万kW以上とすることとしてございます。この変更につきましては、パブリックコメントを経て7月17日に閣議決定を行いました。来年の4月の施行予定でございます。
右側に行っていただきまして、規模要件以外にも、第2種事業のスクリーニング基準についてもご議論いただいて、太陽光発電事業の特徴を踏まえた観点、森林開発ですとか切土、盛土という観点を追加することとして、こちらは経済産業省令として検討が進められてございます。
そのほか、実効性の強化を進めることですとか、さらに、法対象とならない規模の事業について条例の範囲を広げる自治体もあると思われることから、自治体としっかりコミュニケーションをとっていくということとしてございます。
次のページです。アセス図書の公開についてでございます。
昨年の中環審の答申を受けまして、環境影響評価法の改正を行いましたけれども、そのうちのアセス図書の公開については1年以内に施行するということになっておりましたので、今年4月1日に施行を行っております。
施行令においては、アセス図書の公開期間を30年と定めました。アセス図書、地域の環境情報ですとか環境影響評価の結果が集約された非常に有用な文書でございますので、事業者のご理解を得て、同意を得ていくことを努力していきたいと考えてございます。
現在、4月1日の施行後に公表された図書の所有事業者に対して同意のお願いを進めておりまして、現時点で4件の同意が得られているところでございます。
駆け足で恐縮ですけれども、報告は以上でございます。
○大塚部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告に関しまして、コメントがございましたらお願いしたいと思います。
三好委員、どうぞお願いします。
○三好委員 ありがとうございます。
長らく、先ほど来、発言もありましたけれども、このソーラーがいいのか悪いのか、悪い影響を与えている実例があるということで、この大きな一歩があることがすごくよかったなと思っています。
この内容に対してではないのですけれども、今まで基本計画の話をしてきた中で、アセスメントをするときの評価、例えば産業廃棄物の処理場ですとか、首都圏CCSの構想とか、全体的に見て、本当に環境にいいのか少し疑問に思うような事業も実際に進められていて問題になっているという中で、このアセスメントの評価をもう少し広い範囲で、例えば先ほどクマの話もありましたけど、明らかに、キョンとかイノシシのすみかになっているソーラーがあったりとか、あと、1か所だけじゃなくて総合的に見たときに、やはり森林がかなり減っていたりだとか、断層の近くを穴を掘ったりするだとか、そういうことがまだまだ不十分。見ないといけない範囲が広がる中で不十分になってきていると感じているので、コメントまでですが申し上げたいと思います。
以上です。
○大塚部会長 ほかにはいかがですか。
どうぞ、豊岡委員。
○豊岡委員 アセスについて厳しくしていくというような世論もあって、それもいいと思います。大変、環境措置としては必要だと思うんですけれども、一方、スペインとかを見ていると、気候変動のエネルギー移行法の中に地域条項のようなものがあって、メガソーラーとか風力発電が地域に来たときにエネルギー費用の低減を図れるような、優先的なアクセス権を持つような地域メリットをつけるであるとか、一定規模以上は直接還元を地域にすると、そしてそれの使い道を地域で決められるというような便益についてもしっかりと守られていて、それが反対、対立を激化させないというようなところに、非常に一役買っているように思います。日本の場合、そういうことが全くなく、ある日突然大きな開発がやってくるという、知らされていない、アセスさえ満たせていればいいんだろうというような場面も散見されますので、もう少し地域条項のようなものがしっかりあるといいなと、これは環境省の、法律の点で環境省のお考えなのか、ちょっと分かりませんけれども、こういうところも考えていただけないと、やはり対立が続く一方、規制は厳しくするしかないというふうに働いて、なかなか再エネについて打つ手がないという状況が打破できないと思いますので、こういうところもおそれずに、もう少し踏み込んでいただきたいと思っております。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。
どうぞ、馬奈木委員。
○馬奈木委員 時間が過ぎていますので、短めで。
AIや画像を使えば、このアセスの簡略化というのもできると思うんですね。その一方で、我々の調査だと、見えないところに建てる太陽光、メガソーラーであってもマイナス度合いは少ないので、見えるところにあるから非常にマイナスというのも、自然資本上、マイナスなんです。そういう意味での場を考えるのも一つかなと思います。
あとは、条件を事後的に付与して、変な開発にならないように、メンテ的に見る仕組みも必要かと思います。
以上です。
○堅達委員 すみません、私も短く。
○大塚部会長 堅達委員、どうぞ。
○堅達委員 ソーラーシェアリングがこれからとても大事になってくるんですけれども、これを省庁の壁で、あれは農林水産省の案件だからといって見過ごさずに、連携をちゃんとやって、いいソーラーシェアリングを増やすという、もちろん農林水産省側も規制を強めている部分もあるんですけど、やや私はそこが、規制が強化過ぎるかなとちょっと見ているところもありまして、総合的な知見から、やはり地域に役立つものは増やすとか、その辺りに環境省もしっかりやっていただければと思います。
以上です。
○大塚部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 短めに。私も全く豊岡委員と堅達委員と同じ意見なんです。私もスコットランドを去年見てきて、やっぱりコミュニティーベネフィットという仕組みを取り入れて、地域に売電収入などの一部を還元する、そのルールができているんですよね。強制ではないんですけど。
それと、例えばネス湖周辺に風力発電があるんですが、絶対にネス湖から見えない位置に置いているんです。ですから、環境に配慮して、景観にも配慮して、しかも地域再生を意識している。そういうルールづくりをこの機会に、規制をすることがまず大前提なんですが、規制だけで終わらせずに、地域の振興につながる仕組みを作る。日本は人口減少で地方が今疲弊しているんですが、そこを必ず配慮に入れて、対策を前向きに考えていただきたいと思います。
○大塚部会長 オンラインで高村委員、すみません、遅くなりまして。よろしくお願いします。○高村委員 すみません。簡潔に申し上げます。ありがとうございます。
ご報告いただいた太陽光のアセス規律については異論はありません。ただ、これは恐らく皆さんおっしゃっていた、前の議論からもありましたけれども、別のところに私、ペーパーを出させていただいたんですが、実際に再生可能エネルギー事業を組み合わせた農業者の営農の努力というのがかなり、大変農業を支えるという意味でも広がっていて、そういう良好事例を広げていただきたいという、これも既にほかの委員からあったと思いますけれども、これ、実際、脱炭素先行地域に環境省が選んでくださっている千葉県の匝瑳市の取組が本当に典型的な例だと私は思っておりますけれども、そういう意味で、脱炭素先行地域の教訓というのを広げるということにもつながるかなと思います。
すみません、もう一つ。こちらのほうが大事なんですけれども、先ほど船越委員がおっしゃったように思いますが、非常に重要だという、インフラであるということを理解しつつ、データセンターが地域の環境に与える影響について、自治体や住民から、やはり、かなり様々な声を伺っております。エネルギー消費、それから騒音、それから水使用の影響ですね。東京都はガイドラインをつくっていると伺っていますけれども、特にデータセンターが与える環境負荷がかなり、やはり地域の環境に与える影響が大きいようにも思いまして、この辺りについて、やはり検討する必要がないだろうかということを申し上げたいと思います。
以上です。
○大塚部会長 重要な点をありがとうございます。
どうぞ。課長、お願いします。
○井上課長 総合政策課長をしております井上でございます。ご意見ありがとうございます。
時間もないので簡潔にと思います。今回のアセスの対象の拡大というところで、もちろん規律を強化するということでございますけども、やはり再エネを地域で安心して使っていただくという意味で非常に重要な施策だと思っております。加えまして、最初からいろいろなところで議論がありましたけども、やはり再エネを今後どう伸ばしていくかというのは非常に大事だということで、その認識は共通しております。
事例を幾つか、やっていることを申し上げますと、一つは優良事例ということで、1か月、2か月前ぐらいから環境省のホームページで、優良事例ということのウェブサイト、そういったものを載せております。恐らく匝瑳市なども入っておるかと思いますけども、様々、地域と共生しながらやってきている再エネ、そういった優良事例をウェブサイトで公開しております。今後、山口様からお話がありましたように、マスメディアも含めて、更に展開していくことが我々としても検討課題だと思っております。
あともう一つ、非常に大事なのは、再エネというのは、やはり地域に裨益する部分というのはものすごく大事な視点だと思っております。
そういった中で、今年春から環境大臣のイニシアティブとして、脱炭素先行地域が100か所ということで一段落ついたところで、その検証も踏まえてというところで、更に今後、地域の裨益も考えまして、三つのモデル事業ということで展開していこうと思っております。一つが防災レジリエンスというところの強化という部分。もう一つはバイオマスを含めました国内資源の活用モデルというもの。あと、3番目として地域経済活性化モデルということで、今後、予算も含めて、この大臣イニシアティブのことについて検討してまいりますし、あともう一点でございますけども、経済産業省と、GXの絡みで地域戦略ということで進めております。ここの一つの大きなポイントは、いかに再エネの立地したところにお金を落としていくかというところで、PPAを含めまして、寄附もあるかもしれません。そういった様々な取組をされているところに、より多く補助というか支援をしていく、そういったスキームで今、経済産業省と連携して取り組んでおりますので、そういったことも含めまして地域と共生する、さらに、地域のほうに裨益するような再エネの推進ということが再エネを伸ばす一番の近道だと思っておりますので、今後ともご指導いただければと思っております。
以上でございます。
○大塚部会長 ありがとうございます。
どうぞ、白石統括官、よろしくお願いいたします。
○白石統括官 すみません、補足です。
山口委員や豊岡委員などのおっしゃるとおり、再エネに関しては、地域裨益の観点がとても重要だと思っています。昨年の夏秋頃から、北海道の釧路地域で非常に振る舞いが乱暴な特定の事業者の案件に過剰にフォーカスが当たっている原因の一つも、やはり、事業による地域への裨益が全くないという点が、地域社会との間で事態を悪化させた大きな遠因の一つだったろうと思っております。ただいま課長が申し上げましたように、いろいろな予算事業や経産省と作っているモデル的な取組も支援はしているところですが、正直に申し上げれば、本当に再エネが地域社会や地域経済に貢献していると言いうる事例は、そうでないものに比べてそれほど多くないのが実態だろうと思います。
この状況の遠因の一つには、税制の問題もあると思っております。簡単に説明申し上げますと、例えば、太陽光発電パネルを置いても地元には固定資産税しか納税されないわけです。常駐している従業員がいない場合には、税法上の「事業所」には該当しないため、地方収益課税という点では、あれだけ広大な土地や自然資源を利用しているのも関わらず、立地自治体には
税収が配分されないという点は、やはり税制上のゆがみと言いうるのではないのかという議論を部内ではしておりまして、そこに関しては、何ができるのか、まだ方向性は分かりませんけれども、要は従業員が全然常駐していないような太陽光発電所であるとか風力発電所のようなところにも、やはり地元に一定の裨益があるような地方法人課税のあり方について国でも議論を十分に尽くして、もう少し再エネが地域裨益するような施設にしていくべきではないかという議論を展開していく必要があるだろうと思っております。
それから、高村先生からデータセンターについてご指摘がございまして、アメリカなどではものすごく問題になっていると聞いております。例えば、特に水の利用などを巡って議論されていると聞いているのですが、翻って、日本国内で、水を大量に使っているデータセンターは、現時点ではないとみておりまして、データセンターについて、本当に環境上の問題なのか、そこも含めて、各省庁との間で、いろいろ議論はしています。いずれにしても、大きく問題視されるような議論を国会でもされており、政府部内で何か検討体のようなものが必要ではないかという議論にはなっていますので、また引き続きその辺りも踏まえて、環境省は環境省で生活環境への影響ということもありますから、騒音、あるいは、よく話題になる排熱、そういったものも含めて、状況は注視していかなければならないと考えております。
以上です。
○大塚部会長 よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。私の不手際で時間がオーバーしてしまって誠に申し訳ありません。
以上をもちまして、本日の審議は終了となります。
最後に事務局から、ご連絡事項をお願いいたします。
○黒部室長 皆様、長い時間にわたり、ご参加いただきましてありがとうございました。
本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載をさせていただきます。
今後の総合政策部会の予定ですが、また日程等が決まりましたらご連絡をさしあげたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
午後12時17分 閉会