中央環境審議会 総合政策部会(第109回)議事録

 

第109回 中央環境審議会 総合政策部会

 

令和5年8月2日(水)15:30~18:07
神田カンファレンス・ルーム
(Web会議システム併用)

 
議 事 次 第
1.開会
2.議事
  (1)  第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)について
  (2)  その他
3.閉会
 
配付資料一覧
【資料】
 資料1   第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)
 資料2-1 SDGsパイロット・プログラム
 資料2-2 SDGsパイロット・プログラム(参考)

【事前意見】
 事前意見
 
【参考資料】
 参考資料1  中央環境審議会総合政策部会名簿
 参考資料2  論点整理
 参考資料3  補足資料
 参考資料4  計画策定スケジュール

午後 3時30分 開会
○東岡計画官 私、大臣官房総合政策課の計画官を7月から務めております東岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、委員総数31名のところ22名の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし部会として成立していることをご報告いたします。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいておりますので、環境省公開動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っております。
 本日は、WEB会議システムとのハイブリッド開催とさせていただいております。
 WEBよりご参加の委員におきましては、各自発言時のみライブカメラの映像とマイク機能をオンにしていただきますようお願いいたします。
 会議資料につきましては、議事次第に書いておりますが、配付資料一覧のとおり資料1から2-1、2-2、事前意見がございまして、その後、参考資料の1から4がございます。なお、本日の資料は環境省のホームページ、総合政策部会のページにアップロードさせていただいております。
 まず、今般、事務局に人事異動がございましたのでご紹介をさせていただきます。まず、総合環境政策統括官の鑓水洋、大臣官房審議官の堀上勝、大臣官房総合政策課長の小笠原靖、大臣官房環境政策評価課環境影響審査室長の加藤聖、あとオンラインで参加になりますが大臣官房企画評価・施策プロモーション室長の清水延彦、大臣官房総合政策課環境研究技術室長の奥村暢夫、大臣官房環境経済課長の平尾禎秀、大臣官房地球政策課長の細川真宏、以上でございます。
 ここで総合環境政策統括官の鑓水より、ご挨拶を申し上げます。
○鑓水統括官 委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、また大変暑い中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。今ご紹介いただきました7月1日付で総合環境政策統括官を拝命いたしました鑓水でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私、前職は2年間、官房長をさせていただいておりました。その前は財務省で勤務いたしてございました。財務省の勤務の中で、もう10年ちょっと前になりますが、東日本大震災の当時、環境省の予算も担当していたことがございましたけれども、その頃に比べまして、こちらで実際に勤務させていただいて、社会政策あるいは経済政策を考える上で今やもう環境というファクターが不可欠になっているということを肌感覚として実感しているところでございます。
 そうしたことをぜひ国民一人一人に意識として共有していただいて、また行動を実践していただくということが今、まさに求められているのだろうと思っております。このタイミングで環境基本計画の見直しを行って、そうしたメッセージを力強く発信していくこと、これが求められているんだろうというふうに思っておりまして、まさしくいいタイミングだろうと思っております。
 本日の部会におきましては、前回でのご議論を踏まえまして第六次環境基本計画の根幹となります環境・経済・社会における現状認識と課題、それから今後の環境政策の基本的な考え方を示す中間取りまとめの案について、ご議論をお願いしたいと考えております。
 2050年を見据えつつ、環境・経済・社会の統合的向上の次のステップや勝負の2030年に向けた基本的な考えをお示しするものになると考えてございますので、ぜひご活発なご審議、よろしくお願い申し上げて冒頭のご挨拶とさせていただきます。
 本日はよろしくお願い申し上げます。
○東岡計画官 それでは、今後の進行は高村部会長にお願いをいたします。
○高村部会長 皆様、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 早速、議事に入ってまいります。
 最初に審議事項として、第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)について事務局から説明をしていただきます。その後、委員の皆様方に意見交換をお願いしたいと思います。
 なお、中間取りまとめ(案)でありますけれども、2回に分けて議論をしたいと思っております。すなわち本日の総合政策部会では、環境基本計画の第1部及び第2部第1章についてご議論をいただきたいということです。2回に分けてと言いました2回目というのが次回の8月30日開催予定の第110回の総合政策部会におきまして、それ以降、第2部第2章を中心にご議論をいただく予定でございます。
 あわせて報告事項としてSDGsパイロット・プログラムについて、環境省大臣官房企画評価・政策プロモーション室より説明をいただきます。
 本日の議論ですけれども、できるだけ複数回、委員にご発言をいただきたい、インタラクティブに議論を進めたいというふうに思っておりまして、大変恐縮ですけれども発言の時間につきましては1回3分を限度にお願いをしたいと思います。高村、大変気が弱いものですから止められないので、ぜひご協力を自発的にお願いしたいというふうに思っております。
 会場にいらっしゃる委員の皆様には、会場にモニターをつけていただいておりまして、同時にオンラインで参加されている皆様にも画面上、残り時間が表示される形になっております。ぜひ3分以内のご発言にご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、早速ですけれども、第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)について事務局からご説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○大倉課長 事務局の大倉でございます。画面共有されていますでしょうか。
 今、高村座長からお話があったように、中間取りまとめ、2回に分けて議論させていただきますけれども、8月30日の議論を経た後、パブコメ、あと団体ヒアリングということで各種の意見を聞いていくことになります。なので、今回審議会でオーソライズしていただいたものが、さらに変更になるということで、ある種たたき台をオーソライズしていただくということになりますが、いずれにしても政府部内で中間取りまとめ、ある種ビジョン部分を作っていただきますが、それに基づく具体的な政策を立案するための指針になるかなと思っていますので、そういった目で見ていただければと思います。
 さっき座長からあったように、今日はたっぷり委員の皆様の時間を取りたいので、私の説明は15分以内で収めたいと思っています。なので、かなり高速で走ると思いますので、よろしくお願いいたします。構造を中心にご説明いたします。
 まず、お手元3ページ、第1部第1章でございます。まさに環境・経済・社会の現状と課題認識というところでございます。94年に第一次計画ができまして、ちょうど30年の節目になる六次計画でございます。なので、過去30年ぐらいの振り返りもしつつ現状、課題認識を書いてございます。
 1、最初に環境面の振り返りでございますが、前2回の審議会でかなり危機感についてのご意見をいただきました。なので、そこからスタートしておりまして、五次計画で「プラネタリー・バウンダリー」という言葉がキーワードとして入りましたけど、日本語として今回は「地球の環境収容力」という言葉を入れてございます。これは1995年の白書でも使われておりまして、環境収容力を超えて滅びてしまった文明の特集をやった白書があるのですが、そういったものもちょっと想起して書いてございます。
 いずれにしても、今、地球は今も本当に暑いですけれども危機的な状況であり、28行目のほうに書いていますが、G7の広島サミットでいわゆるトリプルクライシス、気候変動、生物多様性損失、あと汚染という三つの危機に直面しているという事態になってございます。
 そういう意味で、現代文明は持続可能ではなく、転換は不可避である、4ページ目に入ってございます。そういった意味で、2030年までにしっかりと対策をしないといけない勝負の10年ということが特に気候変動の分野で言われています。岸田総理もCOP26でおっしゃいました。
 そういった意味で2030年というのは非常に大事なんですが、実は、この六次計画は2024年に策定予定でありますが、計画期間が大体6年ぐらいということを考えると大体2030年が計画の終期ということになります。そういった意味で、この六次計画に掲げられる政策の実施次第で結局長い将来が決まるかもしれないという、そういった計画というところを認識として書いてございます。
 そういった危機については50年前から言われておりましたというのが、この(2)でございます。ストックホルム会議や「成長の限界」の話があります。
 そういった危機を踏まえて次の5ページ目であります。80年代に我が国の提案でできたブルントラント委員会で「持続可能な開発」という概念がつきましたが、それを達成するために様々な国際枠組みができてきたというのが5ページ目の世界でございまして、今、直近の話で言うと6ページ目になりますが、SDG、パリ協定の話になってきているというところでございます。
 パリ協定でネット・ゼロの概念が出てきましたけれども、7ページ目に行きますが、2018年のIPCCの特別報告書以来、やっぱり1.5度を目指すんだというような雰囲気になってきております。まさに7ページ目の17行目になりますけれども、G7でもそれが再度オーソライズされておりますし、2019年比で2035年までに約60%減らさなきゃいけないという必要性も盛り込まれてございます。
 これが気候変動ですけれども、生物多様性分野についても7ページ目から8ページ目に書いていますが、昨年、昆明・モントリオール生物多様性枠組ができていまして、ネイチャーポジティブの概念なんかも入ってきてございます。
 ここまでが地球環境の振り返りでありますけれども、(5)であります、いわゆる開発と環境の概念でございますが、かつてのいわゆる全総と言われる時代から国土開発が進み、失われた自然も多くて、結果、生態系サービスも低下してきているわけでありますが、つい先週閣議決定された国土形成計画においては自然環境等の保全というのをしっかり盛り込んでいきましょうというのも書かれてございます。
 その次に10ページ目でございます。トリプルクライシスの汚染の部分でありますが、旧公害系、すみません、激甚な公害はある意味、大分落ち着いたということもありますが、まだまだ引き続き重要な課題があります。マイクロプラスチックもそうですし、窒素、化学物質、最近のPFOS、PFAS、そういった問題があります。加えて良好な環境の創出という課題も出てきているということを書いてございます。
 (7)からは、次の11ページですけれども、個別環境政策の話ではなくて横断的事項になりますが、各政策について横断的にシナジーをもってやらなきゃいけないという流れができているということで、最近のG7でも聞いていますし、この基本計画だと第四次計画からそういう形になってございます。
 (8)、12ページ目でありますが、科学的知見の重要性というのを書いてございます。オゾンホールの発見なんかも大切な話でありましたが、我が国の南極観測隊が見つけたという事実も改めて書いてございます。加えて真鍋先生、ノーベル賞を取られた真鍋先生のIPCC第一次報告書に載ったシミュレーションというのが実は今の気候変動の様子をかなり的確に当てていまして、そのときそのときの科学的知見をちゃんと使うということが大切だということも書いてございます。
 (9)が環境と経済との関係でありまして、ご案内のとおり昔は経済調和条項に代表されるように対立の関係でしたけれども、そこから開発の概念が生まれ、最近はいわゆるSDGsのウェディングモデルケーキのように環境がやっぱり基盤であって、環境が損なわれると経済社会活動にも悪影響を及ぼすとの認識が、世界的にも定着してまいりました。そういった意味で地域SDGsがかなり発展しているわけですが、加えて欧米の動き、我が国のGXもそうですけれども、まさに環境が経済成長の源泉という発想の政策もどんどん出てきている状況でございます。グローバルサプライチェーンにおける環境の位置づけも相当高まっているということも書いてございます。
 地域においても、いわゆる地域課題に対して環境を使うという地域脱炭素の発想なんかも浸透しています。
 (10)、13ページのところですが、国民意識の変遷でありますが、Z世代といわれる若い人たちの国民意識、高まっておりますが、我が国、これは前回も議論になりましたけれども、諸外国と比べてまだまだちょっとあまり高くないという実態があるのも書いてございます。
 (11)、東日本大震災の話でございますが、決して忘れてはいけない重要な教訓であるという意味で書いてございます。
 2ですね。経済・社会面の話であります。ちょっと駆け足ですみませんが、まずは人口減少、地域の課題ということでありますが、本格的な人口減少社会に突入しております。他方、東京一極集中はまだ止まらず、地域の疲弊も止まらないという実態になってございます。
 その次が経済の長期停滞ということでございます。15ページ目ですが、この30年は「失われた30年」ということがございますが、原因として16ページ目のほうに書いていますけれども、いわゆる未来への国内の投資であるとか人件費の抑制というところが、ある意味、「合成の誤謬」を呼んでしまったという内閣府の見解のほうを載せてございます。加えて、前回ご議論になりましたけれども、イノベーションで大切な経済的競争能力投資みたいなところも日本は他の先進国と比べてかなり減っているということです。
 こういう経済的な社会の動きですけれども、外交・国際分野でございます。国際分野、ウクライナ戦争がありますけれども、世界が分断されている状況でございますが、そういう中で食糧、水、エネルギー、金属資源等の安全保障問題が高まっていますし、「気候安全保障」という言葉に代表されるように環境そのものが安全保障ファクターになってきたというところでありまして、いわゆる環境が外交安全保障分野のかなり真ん中のほうに入ってきたということを書いてございます。そういった意味で、最後に書いていますけれども、いわゆる分断・対立の中で協調を導くという意味での環境分野が大切じゃないかということも書いてございます。
 3、総括でございます。国民が将来に希望を持てる環境・経済・社会の統合的向上の次なるステップというところを書いてございますが、今、申し上げてきたとおり環境の位置づけというのがかなり高まってきたということでありますけれども、二次計画以来、環境・経済・社会の統合的向上というのを言ってきました。他方で、環境がベースであるというところが浸透してきましたので、環境を中心とした、すみません、ちょっと画面が映っていませんけれども、環境を中心とした経済・社会の統合的向上のステップアップにつなげていくべきではないかということを書いてございます。
 これが現状と課題認識でございまして、それを踏まえて第2部になります。目指すべき持続可能な社会の姿ということでございます。
○東岡計画官 すみません。ちょっと今YouTube配信にトラブルがございまして、音声が聞こえないため、作業のために画面を切り替えさせていただいておりますので、YouTubeをご覧の方はご了承いただければと思います。申し訳ございません。
○大倉課長 ちょっと残り時間が見えなくなってきたので、急ぎます。
 持続可能な社会の姿ということでございますが、これはまず環境行政のミッションの見直しと、いわゆる再整理ということでご議論いただきましたWell-beingと高い生活の質を目指すというところを最上位に置きたいと思ってございます。
 そういった意味で、環境・経済・社会の統合的向上が必要だというところを改めて強調したいわけですけれども、そういった姿というのは一次計画以来の思想を引き継いでいますけれども、循環共生型社会という形を改めて提示をさせていただくと。そういう意味で、循環という点で言うと、環境収容力を守るために地域間の健全な物質の循環を維持すると。そうするために循環を基調とする経済社会システムをちゃんとつくるんだ、そのためには地上資源主体の循環型社会をつくるんだということを書いてございます。
 共生については、日本古来の伝統もありますけれども、最近でいうとプラネタリー・ヘルスということで地球と人間の健康は一体だという思想もありますので、そういう概念も重要ということで入れてございます。
 いずれにしても、こういった循環共生型社会が環境収容力を守って環境の質を上げると、そういうことを通じて経済社会が成長・発展することを目指すというところを書いてございます。
 そういった社会を目指すにおいて重要な切り口、環境政策が果たすべき役割というところを書いてございます。これは前回、前々回とご議論いただいた、まさに新たな成長のところの考え方を文字に起こしているものでございます。「成長」という言葉に対してちょっといろいろな解釈があるかもしれませんが、第五次計画において、23ページ、31行目のほうになりますけれども、将来にわたって高い生活の質をもたらす「新たな成長」というところでございまして、これを今回も引き継ぎたいと思ってございます。
 その新たな成長でございますが、達成するためには、長期経済に代表されるように変わらなかった社会というのが結構ありますので、考え方を変えるという視点が大事だということもご議論いただいたところでありますけれども、そういった意味で最上位の概念として国民の幸福、Well-beingとか高い生活の質を置くと。そういった意味で、市場的価値と非市場的価値の合算、相乗効果を目指すというところが大事なポイントかなと思っています。
 そういったことを考える上で大事な視点というのを六つぐらい掲げておりますけれども、フローじゃなくてストックであるとか、長期的な視点が大事だとか、本質的な国民のニーズをつかむのが大事だとか、次が4番目で物質的な量より質の向上、環境価値を代表とした無形資産の活用みたいなもの、あとは⑤でございますけれどもソーシャル・キャピタルとかコミュニティみたいなものが大事だとか、それから(6)がまさに自立分散型社会が大事だということを掲げておりまして、そういうものを達成された姿がある種、審議会の資料ではポンチ絵で掲げさせていただいていますけれども、自然資本が中心にあって、自然資本をよくするための人工の資本、システムを充実させることによって国民のWell-being、高い生活の質の向上につながるという形を文章で書かせていただいてございます。
 こういうストックの向上に対して多大な投資が必要となりますので、それが結局のところ、いわゆるフローの経済活動、GDPにもいい影響を与えるんじゃないかということを書いてございます。
 最後、すみません、3番目でありますが、環境政策の展開の基本的考え方ということで、今まで述べた環境・経済・社会の統合的向上が必要であるとか、個別環境政策のシナジーが必要であるとか、そういうことも書いてございます。
 内外の最新の情勢、特にグローバルなバリューチェーンなんかの対応が大事だということを書いてございます。
 駆け足で申し訳ありませんが、パートナーシップの充実・強化、国民参加が大事だということも書いてございます。
 それで、地域循環共生圏でございます。まさに今回、循環共生型社会は地域で体現するもの、目標として掲げてございます。さっき申し上げた新たな成長であるとか各政策間のシナジーというところも、しっかりと地域循環共生圏で実践・実装するという趣旨のことを書いてございます。
 こういったビジョンを実現するための重点戦略というものの考え方を次回、中心に議論していただきますが、いわゆる個別環境政策が共通して持つべき目的というところでありますが、六つの戦略を今回立案したいと思っていまして(1)から(6)に書いてございます。マクロ経済、国土、地域、暮らし、あと科学技術・イノベーション、国際という6本柱を考えてございまして、具体的な中身については次回提示したいと思っています。
 すみません。ちょっと駆け足で恐縮ですけれども、以上でございます。
○高村部会長 ご説明、どうもありがとうございました。
 ただいま事務局からご説明をいただきましたとおり、前回までの部会におけるご意見を踏まえて今回、中間取りまとめ(案)を示していただきました。今回のこの総合政策部会では、今回の素案について全般的にご意見をいただければと思います。
 それでは早速ですけれども、ご発言を希望される委員の皆様、会場参加の委員は名札を立てていただければと思います。オンラインで参加の委員は挙手アイコンを押していただくか、あるいは挙手アイコンがうまく立たない場合にはチャット機能でご発言の希望を教えていただければと思います。
 先ほどお願いをいたしましたけれども、複数回、インタラクティブに発言をできるようにしたいと今日は思っておりますので、時間の厳守をお願いしたいと思います。
 それでは、まず会場のほうから、発言の希望をいただいておりますので、順次お願いをしようと思います。それでは、いつも1番にお願いしていますけど、よろしいでしょうか。
○石上委員 ありがとうございます。
 ただいまご説明いただいた案ですけれども、今までの、現況から現在に至る議論を踏まえてよくまとめていただいているというふうに思いました。18ページのほうに「環境の主流化が必要になる」というところ、そして22ページにも「環境政策を起点として、経済・社会的な様々な課題をカップリングして解決」というふうにあります。
 産業分野も含めまして環境問題を考える、そして行動するということ、これが必要になっている、そして、そういうことを行わなければ市場や社会からやはり認めてもらえないという、こういう空気というのが大事だというふうに思っております。
 さらに、これを地域循環共生圏への流れに持っていくということであれば、政府や自治体において環境行政がやはり中心となってイニシアチブを発揮し進めていくということが大事だと思います。
 GX、地域脱炭素、そして治水や災害対応など官民で進める事柄は多くなっております。特にGXでは、民間に対してはGX移行債などの投資、金融セクターによって伴走型支援の拡大などが見込まれていますけれども、自治体、そして地方の中心となるべきところ、公共財、公共サービスなどへの投資、その拡大も必要だというふうに思います。やはり地方において環境問題を考える人材、それをどう育てていくのか。そして自治体の能力を高めていくということがなければ、この地域循環共生圏というものは実現しないんだろうというふうに思っております。
 さらにパートナーシップ、26ページに記載のパートナーシップは、これまでも環境基本計画に掲げられてきました。今後、より深く進めていくためには各地域での社会対話というものが重要だと。そこの中心もやはり人であり人材というもの、そういったもの、そういった人たちをどう育てていくのかということをこの中でもやはりしっかり強化していく必要があるというふうに思っております。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 ありがとうございます。
 3点、申し上げたいと思います。とてもよくまとめていただいて、今までの各先生方のご発言も含めて、十分取り入れていただいていると思っております。非常に感謝したいと思っております。
 その上で3点ほど申し上げていきたいと思いますけれども、第1点は10ページ、11ページの辺りだと思うんですけど、化学物質の記述を増やしてくださいという話を、私も発言した一人で、増やしていただいたんですけど、ちょっと増やすことというか、順番とかに関して、私としても一部と思っています。環境省さんのご意見、ご見解があると思いますので、そのとおりになるとは思っていませんが、しかし、意見として一応申します。
 まず、我が国の土壌の環境汚染で最初にマイクロプラスチックが上がってくるのは、これは国内の話がたくさん残っているのにちょっとどうかというふうに私自身は思います。これはハードルの違いかもしれません。「我が国においては」という最後の11ページのやつのほうが先に来るのがいいかなという気がしますが、これは私の意見の別にあるかもしれません。
 それから、保健部からどういうふうに発言、あれが出てきて、ちょっと判断に困るのですけれど、10ページの下から二つ目のヨハネスブルグサミットの話はSAICMの話と直結しますので、SAICMの話はここのところでむしろしていただく必要があり、生物多様性の話のところでSAICMの話が出てくるというのはかなり変わっていますので、保健部のほうがご指摘なさっているかちょっと分かりませんが、SAICMのほうを先に出していただく必要があるのではないかと。だから、10ページの下から二つ目の丸の後に書かないとまずいんじゃないかというふうに私は思っています。こっちのほうは課としてでも、私の趣味の問題ではないんじゃないかと思っていますが。
 それから、もう一つ。これは、どこかに書くことかどうか分からないんですけれども、意見として申し上げておきたいのは、ESGがやっぱり今回の10年とかにおいて非常に大きな役割を果たしてきて、産業界の方々がとても前向きになっていただけて、大変いいと思っているところがあるんですけれども、ESGに関しての様々な環境関係の情報に関しての指標づくり、基準づくりに関して、中環審がもう少し関われないかなという気がしていまして。
 ちょうど、今日もお見えになっていらっしゃる方々がたくさんいらっしゃって、大変よくやっていただいていると思いますけど、中環審も何かそれについてお役に立つことができないのかなということで考えていますので、それは環境省がどういうふうにお考えなのか分かりませんが、意見として申し上げさせていただければと思います。
 科学的な知見で何かお役に立つことがあるんじゃないかというふうな趣旨で思っているんですけど、中環審でそういうことを議論したことが今まで一度もないと思うので、そこは、環境省の方が関わっていらっしゃいますけど、委員長とか環境省とかお世話になっていましたので、何か関わることがあってもいいんじゃないかと、お役に立つことがあるんじゃないかという気がしています。
 それから、最後に3番目ですけれども、新たな成長のところの話は私はこれは書いておいていただいていいと思っていまして、脱炭素の議論があることはあるのですが、それは前の会議でも検討したところでありますけど、Well-beingを求めるということ自体については、現在世代も将来世代もWell-beingを求めるということ自体は多分共通の理解があると思うので、必要な環境になってございますけれども、Well-beingを向上させるためには、成長と無関係のWell-beingもあるとともに成長と密接に関係するWell-beingもあるものですから、そういう意味では新たな成長というのは十分あり得る考え方なんじゃないかなというふうに私は思っています。
 さらに、私どもの日本が失われた20年なり30年なりを経験してしまい、国民の多数が成長に関して必要性を認めているところがあると思っています。
 以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、武内委員、お願いいたします。
○武内委員 ありがとうございます。
 大塚委員の発言とも少し関係すると思うんですが、海洋プラスチックについての記述を初めとする資源循環の議論というのは、もうちょっと前のほうにあったほうがいいんじゃないかなというのが私の意見です。
 プラネタリー・バウンダリーの議論もどんどん進化していまして、今般、新しいプラネタリー・バウンダリーの中では人為的な化学物質というのが非常に突出しているというような、そういう報告がされ、恐らく近い将来、それにまつわる新しい論文が公表されるということになると思いますけれども、そういうふうな位置づけをむしろ最初にしておいた上でいろいろな個別の議論に進んでいくのではないかというふうに。
 何となく、これだとアントロポセン(人新世)で気候変動と生物多様性だけを対象にしているようなところがあるので、そこを何とかしていただくといいんじゃないかというふうに思います。
 また、シナジーについての議論が国際的に進んでおり、来年4月くらいにWGの報告書が取りまとめられようとしている。意味がある内容になると思うので、そうしたことも記載してはどうかと思います。そして、前回の基本計画との違いとして挙げられるのはDXの観点ですが、Well-beingとの関係性の記述が不十分ではないかと思います。地域循環共生圏におけるDXの側面をもう少ししっかりと書き込んではどうでしょうか。また、地域循環共生圏と脱炭素先行地域の統合を実現することも重要だと思います。それから、残された課題の一つが、環境情報を全然使っていないということなんですね、ちゃんと。これはSDGsの指標もそうですし、やっぱりきちっと。環境基本計画を策定した結果としてこういうふうに進展したとか、あるいは進展しなかったというのがエバリュエーション(評価)としてとても大事なのに、環境情報については何か別グループが独自の戦いをしているみたいな扱い方がずっとされてきて、私は今もそれが解消されていないというふうに思うので。
 今回の重点戦略をうまくいったか、いかないかということをフォローするために環境指標というのがあるんだとか、あるいはSDGsとつなげるために環境指標というのがあるんだというふうに、もう少し環境指標を高いところで位置づけてもらいたいというのが私のお願いです。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。一時、オンラインでご出席の委員の皆様に音が切れたようです。
 今、武内委員から、海洋プラスチックをはじめ資源循環についてプラネタリー・バウンダリーの観点からも非常に注目といいましょうか、ハイライトされているので、もう少し前に言及してはどうか。それから、シナジーについて国連の報告書の策定も進んでいると、ここをしっかり盛り込んだらどうか。それから、地域循環共生圏についてDXの側面、もう少ししっかり書き込んだらどうかと。最後のところは多分、皆様に聞こえていると思います。ありがとうございました。
 それでは、続きまして豊岡委員、お願いいたします。
○豊岡委員 はい。3分でですね。
 NDCについて、2030年までの計画と認識しておりますけれども、さらに先を見るということと、それと先ほど鑓水総合環境政策統括官のほうからもお話があったように、時代がすごく早く動いていく中で、・・・(音声中断)この間に既に立てた計画とか内容が陳腐化してしまうというところを踏まえて計画を立てないと、ただただ46%、50%を目指してやるというふうにフィックスしてしまうと、非常にこれはよくないのではないかというふうに思っていて。
 さらに、欧州のクライメート・アクション・トラッカーによると、これすらも1.5度を達成するには不十分というような評価もいただいているところを考えると、非常に頑張って立てた目標でございますけれども、これが陳腐化してしまうという可能性も含めて考えないといけないのではないかというのが1点です。
 それと、時代認識として我が国はエネルギーが、すごく低成長でエネルギーの自給率が11%でというふうにあって、国民の意識はそれなのに非常に低下し始めているということとか、ボランティアの参加率も減っているということが書かれてあります。
 非常に、それなのに2030年にエネルギーミックスとして再エネが36~38%はやらなければならないわけですけれども、ここを現状認識として付け加えていただきたいのが、私たち現場で事業をやっておりますと、国産の太陽光とか風力の機器がゼロ、ほとんどゼロ、バイオマスも含めて国産というのがほとんどゼロの状況で、円安が進むと世界情勢が非常に厳しい中で調達が非常に難しくなっているということも含めて、非常に困難という状況が進んできているということもぜひ加筆していただきたいと。もう実際に事業に差し障りが出て、私たちも太陽光をやるのに8か月待ちのような状況もございますので、そういうところもぜひ加味していただきたいんですね。時間がないですけれども。
 そして、ページ22ページに行きましてインセンティブの付与、マーケットをつくる、雇用とか率先垂範とかがあるわけですけれども、汚染者負担の原則、これはもうそのとおりだと思いますけれども、プラス「公(おおやけ)」を率先垂範の中に加えてほしいということです。
 地方自治体として、地方自治体は、いまだに時間が止まったかのようになかなか進んでいくことが難しい。人も少ないということも含めて、これは、促進区域の不参加ということで非常に表れているかと思います。促進区域を出せといっても努力義務ということであって、まだ10か所程度しか出ていないというふうに仄聞しております。これも含めて、これを義務化しない限りは地方自治体がしっかりと取り組むことはないのではないかと私たちは地方に住んでいて思います。
 これは理念は非常に正しくて、いろいろなことを網羅してくださっていると思うんですけれども、現場におりますと非常にもっともっと厳しい、実際はもっともっと厳しいと。まるでWell-beingと聞いても、なかなか過疎の地域にいますと戦場で世界平和がうたわれているような、それぐらいの気分になってしまうというか、ほとんど実現の可能性が見えないというような希望のない状況の中でやっておりますので、ぜひ危機感をもう少し盛り込んでいただきたいと。
 それと、もう一つ。次の多分課題だと思うんですけれども、支援策、補助金とか環境省の部分です。「変え方を変える」という文言もこの中に出てきましたけれども、非常に使いづらいので、本当にもっとシンプルにインセンティブの付与。もう脱炭素した者には与える。そして、汚染者の負担をしっかりと。ここからお金を調達して回していかないと、できることはないと思います。いろいろなメニューをつくっても、調達を待っている間に単年度予算の中で達成が難しいとか、そういうことではなくて、もう脱炭素すればちゃんと付与するみたいな、もう少しシンプルな支援に変えていかないと無理なのではないかと。そしてカーボンプライシングもしっかりと取っていかないと、これは進んでいかないのではないかというふうに思っております。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。大変恐縮ですけど、3分の時間厳守でお願いいたします。
 石田委員、お願いいたします。
○石田委員 事前意見書を出していますので、簡単に説明させていただきます。
 当初から緊迫感がないという意見がありましたが、今回のまとめの資料を見させていただいても、過去からの流れの説明と現在を客観的に分析していますが、やはりまだ不十分です。現在の気候変動の被害は、先週、国連のグテーレス事務総長が地球沸騰化の時代だと発言したように、山火事とか大型台風とか豪雨とかを毎日ニュースで見るわけです。それだけでP3,18行目の空欄になっているところに書かなくてはいけないことが数ページあるかもしれません。
 さらに必要なのは、このまま気候変動を止められなければ、将来、もっとひどいことになることが書いていません。このままでは我々の子供や孫の世代には幸せな暮らしは得られないことを明確に書いていただいて、もっと必要性を訴えていただきたいと思います。
 次に、P12の17行目に科学的知見の重要性が示されていますが、これは非常に重要だと思っています。政策方針は声の大きな産業界の意見や感情論ではなく、やはり科学的根拠に基づいて決定されるべきではないかと考えています。したがって、この部分の記載は、より強い表現を使って記載していただいてもいいと思います。
 P18の2行目にあるように、我々企業はまさにグローバルスタンダードに沿って事業を行っております。その中で、環境分野ではバリューチェーン全体で脱炭素化を推進することが求められています。これに対応するためには、まず電力の脱炭素化が重要な課題です。安い脱炭素電力の供給が重要な課題であると分かるように明記をしていただきたい。
 P25の34行目以降に環境・経済・社会の各側面で我が国の複合性を有するものも少なからず有するとありますが、先ほど鑓水統括官のご挨拶にもありましたが、今の時代は全ての政策が環境要素は必要不可欠だということですから、気候変動対策は各省庁の縦割りを打破した横断的な取組が必要であって、政府一丸となった対応や環境省のリーダーシップをお願いしたい。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございました。
 それでは、井田委員、お願いいたします。
○井田委員 はい、頑張ります。
 私も資料を出したので、それを読んでいただければと思って、大まかなことだと申し上げるんですけれども、豊岡委員も石田委員も皆さんポライトでして、おっしゃることもあるのかなと思ったんですけど、私も現状認識、これ非常に甘くて、危機感、切迫感が感じられないという点では正直申し上げて失格だと思います。
 厳しい現状認識の一つは、最初に申し上げましたけれども環境政策、日本の環境政策が30年間停滞してきて、電力の脱炭素化は遅れるは、資源の再生利用も環境アセスメントの高度化も進んでいないと。1kW、400gを超えているのは今、G7の中で日本だけなんですよね。日本の電力、これだけ「汚い」と言うと怒られちゃうんで、「きれいになっていない」というのを30年間看過してきたということは、これは大きな環境政策の問題だと思います。失われた30年というのは経済だけじゃなくて、環境政策も失われたんだということをまずきちんと明記する、それが国内情勢です。
 国際的には、NDCを守ったところで2.4度とか2.3度とかという状況ですよね。そんなこと、全然書いていないですよね。2年遅れでできた昆明・モントリオール枠組みも、これも立派なことを言っているんだけれども全然達成のめどが立っていない。SDGsに関しては、進捗状況、ここ2年連続でマイナスになっている、多くの目標が達成できないと、そういうことを何も書いていないというのはいけないことだと思います。危機感も現状認識も全く不十分だというふうに思います。
 もう一つ申し上げたいのは、その中でいろいろな国際的な議論をする中で最大、最重要なキーワードは、2030年までにTransformative Change(根本的な社会改革)を実現しなければならないということなんですけれども、よく見てみると、この中でTransformative Changeという言葉が出てくるのは生物多様性のところでちょっと書いてあるだけだと。SDGsは「17 Goals to Transform Our World」というのがキーワードなはずです。全てのところでTransformative Change、根本的な社会変革を実現するんだということが書いていないんだったら、私はこれは失格だと思います。もっと、それを明確にするべきだと。
 もう一つ、これも最初に申し上げたんですけれども、12ページにはウェディングケーキのことがあり、26ページにはソーシャル・バウンダリーだとかプラネタリー・バウンダリーだとか書いてあるんですが、これは第五次計画と全く同じで、読むと「こういうことが言われています」、「研究成果があります」という現状認識だけですよね。そうじゃなくて、これは単なる一研究じゃなくて世界の常識になっているんだから、今後の環境政策はそれにのっとってやりますということを明確にしなければならない。現状認識だけじゃなくて、それを政策に反映させるんだということを明確にしなければならない。
 26ページで「SDGsの活用」と書いてあるんです。これはおかしいですよね。環境省が「SDGs活用マニュアル」というおかしなものを出しているのを私は知っているんですけれども、SDGsは活用するものじゃなく達成するものです。ここに書くんだったら、「トランスフォーマティブ・チェンジを求めるSDGsの考え方にのっとって」と書くべきだというふうに思います。
 すみません。10秒超えてしまいました。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、河口委員、お願いいたします。
○河口委員 ありがとうございます。すみません。ちょっと遅れて参加になります。
 私も簡単に意見を述べさせていただいたので、それの繰り返しにもなるかと思うんですが、今までの委員の先生方とほぼ同じで意識がなさ過ぎると。この7月は史上最高に暑かったと今日、気象庁が言っていたというようなことですとか、急速に加速度的に悪化しているので、1か月前の状況が今の状況ではないよということを前提にというふうな書き方の基準というのをぜひしていただきたいなと思います。
 それで、例えば、14ページにあった国民意識が低いなみたいな、のんびりした感じ。「何で低いの」みたいなので、誰の責任なのかなと。もうちょっと、「低いですね」みたいな、その書き方はないだろうとか、ちょっと人ごとっぽい書き方が多いです。
 それから、18ページの下のほう、30行目とか、いろいろな分野で環境が主流化してきたということがよいことのように書いてあるんですが、環境問題がひどいから、そういうことに関心のない人も考えざるを得なくなったというふうな。本来だったら、そんなのは気にしなくても経済だけやっていた人が気にするようになってきたということで、それはいいことではなくて悪いからこうなっているということと、努力もあるんでしょうけれども、そういう現状認識じゃないと。現状認識が、頑張ったから増えたと、それを喜んでいる感じに書いてありますけど、そうじゃないというようなトーンで書かないと本当ではないと思います。
 申し上げているんですが、23ページの第3次基本計画に使っちゃっているからしようがないとはいえ、今の地球環境派、成長どころか、どうやってSurviveするのかのような現状になってきているわけです。食糧問題にしてもエネルギー問題にしても改善する度合いはなくて、今年は多分もっとひどくなるであろうということを考えると、もう、このときはWell-beingとかきれいごとを言っていたけど急速に違ってきているんだと。成長という発想よりは踏み込んで、どう生き延びるのかみたいなトーンに、これはぜひつくり変えていただかないとまずいのではないかと思います。
 じゃあ、私は、あと1分近く残して、次の方にお譲りしたいと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 私も、もう皆さんおっしゃるとおり、本当に前回、前々回と述べてきましたが、危機感がやはり薄いと思います。この文章の中に「ティッピングポイント」という言葉が、私がざっと読んだだけでは入っていない気がするんですけれども、今、まさに世界は本当に地球沸騰化で、このままだと1.5度目標を超えてしまうかもしれない、あるいはティッピング、幾つかのティッピングは越えてしまうかもしれないという、その危機感が、全く非常事態であることが感じられないので、そこの書きぶりはしっかりもっと強めていただきたい。異常気象が新たな日常になってしまっている、あるいは海水温が本当に異常な数値を示して氷も溶けまくっている、その危機感をぜひちゃんと認識してほしい。
 それがないから、4ページに2030年までの10年とか書いていますけど、10年あるわけないですよね。今でも7年で、もうあと、これが出る24年では6年なんです。そのことをしっかりと、スピード感を持ってやっていただきたい。ちょっとコミットメントとか決意の書きぶりが弱いというのは同じ意見です。
 迅速な温室効果ガス排出削減を継続的に進めていくことが重要とかという6ページの書きぶりも弱いと思います。そんな悠長に計画的に進めていってこの目標を達成できるような状況じゃないので、本当に、Transformative Changeと井田さんも言われましたが、一刻も早い化石燃料文明からの脱却。今、33.5兆円も輸入に頼っていると。これを本当に一刻も早く脱却して分散型の循環型社会に変えないと、エネルギーと食料の地産地消、これがもう生き残りの道なんだという書きぶりをやっぱり強化していただきたいというのが、まず第1のポイントです。
 もう一つは、「気候正義」という言葉が全く入っていない。これは、やっぱり若者世代、本当にこれから異常気象、暑さ、我々が経験したことがないような熱波や大雨に、これから生まれてもいない子供たちが遭遇しなきゃいけないかもしれない。この概念がどこにも入っていないのはいかがなものかと思いますし、あと、気候正義でいうと若い世代や途上国、あるいは先進国問わず脆弱な地域に暮らす人々、MAPA=Most Affected People and Areas、「最も影響を受ける人々と地域」という言葉がありますが、しわ寄せが来る弱い立場の人々への視点が弱いのではないかと思います。
 何となくなんですけど、環境と人権、これはもう基本的な生存権なんだということの書きぶりが弱い。ここはちょっと余談ですけど、平気で大阪万博をやるために暑さの中でパビリオン建設を、何というか、突貫工事でさせようという言葉が平気で出てきてしまう、どこか、この国の今、哲学は大丈夫かということを思います。
 そのためには、「新たな成長」、今、議論になっていますけれども、私はこの言葉を云々というよりも、それをはかる物差しをちゃんと変えるんだということがもっと明記されるべきで、イギリスであればダスグプタレビューで「包括的な富」というのを指標にするということがこういった類いの報告書でびしっと書いてあるわけですが、じゃあ、やっぱり今、人的資本を大切にする部分、自然資本、ネイチャーポジティブは一応書いてありますけど、そういったところを大事にする部分も含めて、包括的な富といったような考え方、ここをもっと強調する書きぶりはないかなと。
 最後に申し上げたいのは、インセンティブということもありましたけど、やっぱりスピードとスケールを実現できる、そのためにはルールメイキングが必要なんですね。その決意が足りないのではないかということを申し上げて、おしまいにしたいと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、竹ケ原委員、お願いいたします。
○竹ケ原委員 ありがとうございます。
 ちょっと視点が変わりますが、前回の議論では、第五次までと今回の基本計画の間に大きな変化があることを強調したいという意向があったように思います。事実、どう変えるかという要素が多く提示され、その整理が難しいなと感じたのですが、今回頂いたドラフトはこの辺がかなり整理されたなというのが、第一印象です。
具体的にはまず、先ほどから出ている「主流化」とか「統合」というのが重要なコンセプトになっており、全ての活動は自然資本の基盤の上で展開されていることが随所で強調されている点。
 もう一つは、統合した後がどうなるかを新たな成長というカテゴリーの中で見せていこうという姿勢です。24ページで、新たな成長の中身が書き出されているところに注目をしました。「Well-being」という言葉がキーワードになっていますが、これを①から⑥まで書き連ねたことで新たな成長のイメージが何となく浮かび上がる気がします。
 つまり、変えたい要素の体系化が進んだというのが読後の感想です。
 一つお願いしたいのは、①から⑥まで列挙したのであれば、アクターが誰かというのをもう少し明確に書いても良いのではないでしょうか。例えば、①は、多分、国でしょうし、②は国民に対する呼びかけのような気もします。③のイノベーションは、これは伝統的なイノベーションの担い手という意味では既存企業であり、そのジレンマに付け込んで破壊的なイノベーションをもたらすという意味では、これから登場してくるスタートアップ企業です
 ④の無形資産の活用というのは、これに関する価値創造を情報開示する産業界の話でもあると同時に利用する金融界・ESGの話でもある。⑤は地域社会だし、⑥はまた国ですかね。ちょっと入れ子みたいになっていますが、要は、誰がやるのか、誰が担うのかということをもう少し書き込むことで、結局、「いろいろやっているけど国民の意識がついてこない」という嘆きは、国民に対して当事者意識を持ってもらう呼びかけの弱さにも原因があることが分かり、これから新たな成長を志向する上で、あなたたち自身にもやることがあるんだよということを明確に示すことにもつながるように思います。
 加えて、この6つの活動について、それぞれKPIみたいなものがあって進捗が測っていけると、本当に計画らしくなっていいなという気がいたします。
 私が申し上げたいのは以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、山戸委員、お願いいたします。
○山戸委員 ありがとうございます。
 危機感につきましては各委員の皆様からもご指摘がありましたので、ぜひご検討いただきたいと思います。また、今回、気候変動、生物多様性の損失及び汚染といった課題に統合的に取り組み、シナジーを活用するというご指摘も盛り込んでいただいております。
 経団連も環境分野におきましては、サステナビリティの確保に向けてGX、サーキュラー・エコノミー、ネイチャーポジティブを三位一体で統合的に向上しようと活動を開始したところですので、政府の方針と足並みがそろっていると考えております。
 こうした環境政策の実施に当たりましては、科学的知見と根拠を十分に踏まえた運用が欠かせない点も指摘させていただきたいと思います。予防の観点も重要でございますが、各種環境リスクに関するデータの収集・分析を一層充実させ政策判断に適切に反映することを前提とすべきであると考えています。その上で2点、申し上げさせていただきます。
 1点目は国民意識の向上です。第1章の(9)、国民意識の変遷では、国民の環境意識は国際的には決して高いと言えず、現状に対する危機感が弱いとの指摘がございました。環境省は脱炭素に関する国民運動を展開していただいておりますが、国民意識の向上はどの分野の環境政策を推進する上でも必須であると考えております。そこで第2章の(4)パートナーシップの充実・強化とも関係いたしますが、環境政策への国民意識をより向上させていく観点から、環境保全は全員参加で取り組んでいかなければならないというメッセージを次期環境基本計画の前面に打ち出していただきたいと思っております。
 2点目はグローバルなバリューチェーンについてです。企業のサプライチェーンは、国境を越えて複雑化した現代におきまして、一企業や一国を越えてバリューチェーン全体でLCAの観点から環境負荷を見える化し、負荷低減の取組を進めていくことが重要であると考えております。そのためには、特に海外の素材を提供していただいている国々におけるサプライチェーンのトレーサビリティーの確保、ベーシックな法規制の適切な執行等が基礎となると思っております。日本と関係の深いASEAN等から、そうした基礎を着実に整えていただきたいと思っております。
 民間だけではなかなか進まない根の深い課題でございますので、ぜひ一緒に考えていただきたいと思っております。そして、グローバルなバリューチェーン全体で環境負荷低減に取り組んでいる企業の努力が適切に評価されるよう、こうした点についても記載をご検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○高村部会長 どうもありがとうございます。
 すみません。こちらで今、手を挙げていただいていた会場の委員、全てご発言をいただきました。これから、オンラインでご出席の委員にお願いをしたいと思います。先ほど、すみません、事務局の方とご相談をしたんですけど、挙手をしていただいた順番にご発言をお願いしようというふうに思っております。
 まず、最初に棚橋委員からお願いできますでしょうか。その後、奥委員、船越委員と続きます。棚橋委員、お願いいたします。
○棚橋委員 ありがとうございます。
 大変な時間とご苦労をされて環境省の方々が考えた文章だということはよく分かりますが、参加されている皆さんがおっしゃるように危機感というものがやっぱり薄い、それから現状認識が甘いと感じます。
 今回の環境基本計画を例えば国民の方々がご覧になったときに、今は「エコ不安」とかという言葉もありますけれども、どうしてもネガティブになってしまう気持ちを奮い立たせて何とか向かっていこうと、頑張ろうと、みんなでやろうよという、そういうふうな気持ちになるような、そういう計画であるべきだと思います。その中で一番抜けているところがやはり脱炭素という一番大きな問題だと思います。
 先生方もおっしゃっていましたけれども、科学的な知見が重要だと、そういう視点を例えばIPCCのAR6を引き合いに出すとするならば、もっと書きぶりが変わるはずです。
 また、21ページの目指すべき持続可能な社会の姿、のページに脱炭素という言葉が10か所ぐらいしかありません。今、一番みんなが心配しているのは、気候変動ですから。このことについて、ちゃんと捉えていますよとは読み取れません。
 むしろ、24ページには1ページかけてWell-beingのことが書かれています。Well-beingはとても重要ですし、でも大きな概念ですから、このことを表に出してもなかなか「じゃあ、やろう」と、「こうすればいいんだね」という具体策にはなかなか通じません。むしろ、この1ページ分を脱炭素に向けた方針とか取組とかという、そういったことに使っていただいて、ぜひ国民の皆さんが支えになるような、指針になるようなものにしていただきたいというふうに思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、奥委員、お願いいたします。
○奥委員 ありがとうございます。
 何点かあるのですが、まず13ページから14ページにかけて書いていただいている国民意識の変遷の部分ですけれども、ここは、まず最初の丸のところで工場から排出される煙を地域の繁栄の象徴として捉えていたということで、二つの自治体の市歌とか校歌を脚注で明記しているわけですが、むしろ、これ、全国的にそういった風潮があったということで、何かもう少し客観的にそういう傾向があったことを示せるような、そういう情報が、もしあればですけれども、それを持ってきていただくほうがいいのではないかと思います。
 何か特定の自治体だけ上げて、それでこういう傾向があったことが証明できたかというと、そういうことにはならないと思うので、なかなか世論調査などをこの時点でやっていたわけではないかもしれませんけれども、もう少し別の情報でこういった傾向をしっかりと示すということが必要かなと思います。
 それから、同じ部分の14ページのほうに行きまして二つ目の丸、「しかしながら」ですけれども、こちらは最近の調査結果から諸外国に比べて国民意識の低さというのが数字として出てきているということはあるのですけれども、その後の「また」の文章は、これ最初の文章と全くつながらないので、何か鎖国をやめれば外国の方たちがたくさん入ってきて、それで日本人の意識が多様化するなんて、そんな単純な状況では今はないので。
 現在、DXだとか様々なITだとかネット上の情報などもありますし、それから身をもって最近の激甚化する自然災害ですね、気候変動に伴うような様々な影響なども人々が感じている中で、市民の意識、国民の意識も多様化というのか危機感も高まっていくであろうということだろうと思いますので、もう少し全体的に国民意識の変遷の部分はしっかりとした根拠に基づいて内容的に充実させていただく必要があるかなというふうに思います。そこが1点目です。
 それから、15ページの二つ目の丸ですけれども、若年層を中心に云々というところで、大都市圏と比べて地方圏の住民の満足度が低いというふうになっていまして、人口規模が小さいほど自治体の満足度が低い傾向があるというふうに書かれているので、これは何を根拠にこのように表現しているのか、出典を明記していただく必要があるというふうに思っております。
 それから、最後ですけれども、コミュニティという言葉の使い方なのですが、コミュニティという言葉は非常に概念としては多義的でして、例えば、24ページですか、24ページの⑤のところの文章に「国家、市場、コミュニティのバランスを図り」というふうにあるんですが、コミュニティと、ここで言っているのは、どの、地域コミュニティを言っているのか、コミュニティといっても、それこそ多義的なので。しかも、この三つが並べられるような関係性にあるものなのかというところも疑問に思うところです。
 同様に31ページにもコミュニティという言葉がありまして、31ページの(3)ですかね、にもございますが、こちらについてもコミュニティの基盤である地域、何を言っているのかちょっと分からないんですね。地域コミュニティを指そうとしているのか。むしろコミュニティでここで表現すべきなのは人々のつながり、それは地域の内外を問わず、つながっていくということでコミュニティを形成していくということだろうと思うので、もう少し意味内容がしっかり伝わるように言葉をしっかりと使い分けていただくなり説明を加えていただくなりすることが必要かなと思いました。
 取りあえず以上にしておきます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 今、すみません、チャットでページをめくる音がどうしても入って、オンライン参加の皆さんのところ、雑音が入っているように聞こえるそうでして、会場の皆様には注意していただいているんですけれども、今、速記の担当の方がフォローしていただいてありがとうございます。かなり高い性能のよいマイクを使っていただいていまして、集音がそちらに向いているようです。会場のほうも気をつけますけれども、オンラインの先生方も誠に申し訳ありませんがご理解いただければと思います。
 それでは、続きまして船越委員、お願いできますでしょうか。その後、小屋委員、田中委員と続きます。船越委員、よろしくお願いいたします。
○船越委員 すみません。ちょっと画面の調子が悪くて顔は出せませんけれども、顔を出す必要は基本なかろうと思いますので声のほうだけで勘弁してください。
 先ほど何人かの先生からも危機感が足りないみたいな話がありましたけれども、どのように書いても地球環境問題が何にも増して優先すべき課題であるということは論をまたないわけで、特に、カーボンニュートラルについては特にそうです。
 そういう中で、環境と経済の共進化という、ある種チャレンジングな目指すべき方向を出されているということは非常にすばらしいと思います。誰も異論がないと思います。
 但し、環境と経済が共進、同時に共に進んでいけるかというところは非常に大きなポイントであろうというふうに思います。自分のところの鉄の話のみならず、電力もそうだと思いますけれども、色々な方策で脱炭素を進めていく中で当然に様々な投資が生まれる。投資をすることが成長に繋がるというようなことはもちろんあるわけですけれども、投資をするということは、それだけコストがかかるということになります。CAPEXがかかるということになる。
 それと併せて、オペレーションコストという意味でいうと、最終的には電力と水素がいかに安く手に入るかということになろうと思います。アンモニアだってしょせん水素ですので、その辺がどう安く手に入るかですが、今の時点では電力も水素も今のカーボンベースと比べると非常に高くつくということですので、一旦は非常にコストがかかり、その結果、物の値段が上がるというような経過を生むということになると思います。
 したがって、環境と経済の共進化というのは当然に目指すべき方向ですが、その途中においてはコストが上がり物の値段が上がっていくということを受け入れるということ、即ち、脱炭素なり地球環境問題ということは、コストがかかり物の値段が上がることになるという事実をまず受け入れて、そこからイノベーション等が生まれていくという少し現実的な分かりやすい、ある種の共進化の実現のためのステップなり道筋というものをコストなり物の値段といったようなことで分かりやすく訴えていくというような内容があると、よりこのレポートが意味があるものになるのではないかと思っています。くどいですけれども、環境と経済の共進化というのは絶対に目指すべき方向ですけれども、これが黙っていてすぐに来るわけじゃないという、このあたりの難しさをよく強調すべきではないかなというふうに思っております。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、小屋委員、お願いいたします。
○小屋委員 ありがとうございます。
 船越委員の環境と経済の共進が重要であるというご発言に少し関連しますが、今、問題なのは国が目指す姿と現状の間に大きなギャップがある点だと思います。国が目指す姿を実現するためには、このギャップを埋めるための時間軸を意識した施策が不可欠であり、足元の実態を踏まえたトランジションの視点が必要と考えます。その上で、意見書に記載した内容とは別に3点申し上げます。
 第1部の第1章の現状と課題認識について、初めから環境面と経済・社会面を切り分けて整理されていることから、それぞれが別の課題として扱われている印象を与えます。将来に向けては環境・経済・社会の統合的向上の視点が挙げられていますが、過去に関しても複合的に振り返りや課題の認識を行い、環境・経済・社会の3点を統合的に扱うことを前提として捉えるべきだと思います。
 2点目は、14ページ、東日本大震災に関連してエネルギーの確保、安定供給の重要性です。最近では台風や集中豪雨などによる被害も増えており、事業活動の継続性も重要課題となっています。多様なエネルギー源と多様なパスによるカーボンニュートラルの達成とエネルギーレジリエンスの確保について、エネルギー検討の視点として記載をお願いします。
3点目は、27ページ目11行目のグローバル企業に関わる記載についてです。プラネタリー・バウンダリングやプラネタリー・ヘルスという言葉にもあるとおり、企業は、まさに国境を越えて地球規模で環境諸課題の解決に取り組んでいます。その一方で、国内政策、制度は国内の寄与を評価する傾向にあります。企業がこれをチャンスとして捉え積極的に取り組めるよう、国際ルールも見据えつつ、日本の特有の事情を踏まえた上で日本企業が世界に先行して取り組める制度支援をぜひお願いします。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして田中委員、お願いいたします。その後、三好委員、亀山委員と続きます。田中委員、よろしくお願いします。
○田中委員 ありがとうございます。
 各論を幾つかコメントさせてください。まず、13ページ、16ページにあります関連関係の特許の意図を理解して、知財を生かして国内のみならず海外も含むプラネタリー・ヘルスに日本の知財が貢献をしている現実を訴求すべきと考えます。知財に基づくビジョンも描けると思いますし、例えば、大学の保有する環境関連の知財が地域の中小企業やスタートアップにも活用される流れが加速するとよいのではというふうに思っており、その辺りが書き込めるのであれば検討ください。
 二つ目は同じページの(10)の国民意識の変遷に関して、ここではZ世代の環境意識の高さが触れられていますが、これは、例えば、この期間の環境教育の充実があるのかをはっきりさせることが今後にもつながると想像します、環境教育の課題も新たに出ているとは思いますけれども、環境省が主導して近年行ってきた、小さなお子さんから高等教育機関までの丁寧かつきめ細かな環境教育の情報提供とその成果にも触れてもよいのではと思います。
 また、26ページの(2)の辺りで、SDGsの考え方においてバックキャスティング的な考え方に重きが置かれて書かれていますけれども、そこは割と周知のところと考えます。よって、自社の各事業をSDGsの視点で見直してイノベーションを起こしたり、SDGsを軸に持続可能な新事業を起こすというところまで明示できると有効ではないかと考えます。
 全般を通して皆様もおっしゃっているように、危機感をまずは実感をしてもらう必要があるということが今回のメッセージであって、中間取りまとめの案の本気度が伝わるにはどうしたらよいかと、思案しています。読んでいくと本当に精緻に役立つ話がたくさん出てくるのですが、目次の見出しのところで工夫の余地があるかと感じています。
 第1部で第1章と同じような文言が続きますので、最初のところに危機感が共有されるメッセージ性のあるような、気づきを高めるようなつかみの言葉が入るとよいのかなと思っております。
 以上、よろしくお願いいたします。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、三好委員、お願いいたします。
○三好委員 ありがとうございます。聞こえますか。聞こえていますかね。はい。よろしくお願いします。
 私からは2点、大きく2点です。まず、Well-beingのところなんですけれども、大きな方向性としてやっぱりこれ、すごく重要になってくるなというふうに思います。24ページ目で②のところで利他的な視点が必要ですよねというふうに書いていただいているんですけれども、私の何となく感じるところでは、利他的というのはちょっと偽善的に聞こえるというか。先ほどから危機感がないという論点もあるんですけれども、もう少し自分的な視点とか、例えば、包括的視点とか広い視野を持つということも付け加えていただいたらどうかなというふうに思います。より他人ごとではなくて自分ごとなんですよというメッセージを全体的に強くしていただけたらいいんじゃないかなというふうに思います。
 やっぱりほかの委員も言われていたんですけれども、気候正義、Climate Justiceというか、この今日8月2日でアースオーバーシュートデー、明日から前借りをして、未来の世代から借りて暮らしていく我々としては、やっぱりこの50年何をしてこなかったのかなというふうに思うんですよね。それは、やっぱり我々の生存権への国の責任ということが問われると思っていまして、脆弱な人、私は日本人は入ると思うんですね。これだけ台風が来て、そして経済的にも弱ってきている現状で、日本人は脆弱な人たちに入るという認識から本当に次の世代、日本人、次の世代、世界のほかの人たちも含めた次の世代の人たちへの責任ということも全体的に読めてきてもいいんじゃないかな。ここに書かれてもいいんじゃないかなというふうに思いました。
 あともう一つ、ビジネスの件で、先ほど船越委員とか田中委員とかがおっしゃられていたことで、一つ私も同感と、あともう一つは、今求められないビジネスは消えていくと思うんです。環境ビジネスとか、ソーシャルビジネス、新しい変革を起こすビジネスが求められてきていて、そのことがやっぱり経済をリードしていく。やっぱり人材がもっと必要ですし、その点についてあまり記載がないのかな。もう少し強く次はこの環境とか、社会とか人権ソーシャルのことを解決していく、転換を起こしていくビジネスが求められるし、それが価値をもって社会を新しい経済をつくっていくんですという記載があってもいいのかなというふうに思いました。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、続きまして亀山委員、お願いいたします。その後、淡路委員、それから稲城市長の髙橋委員、お願いしたいと思います。
 では、亀山委員、お願いいたします。
○亀山委員 ありがとうございます。丁寧なご説明をありがとうございます。3点申し上げたいと思います。
 1点目は、もうほかの委員がほとんど皆さんがおっしゃられている現状認識のところで、私も全く同じように感じましたので、ぜひご検討いただきたいと思います。私の一つ前の三好委員からの利他的という言葉について、私も同じように感じましたので、それも併せて、やっぱり現状認識を自分事として考えられるような記載というものをご検討いただければと思います。
 2点目が、ページ13にある国民意識の変遷のところ、こちらについても既に何人かの委員の方々から意見がありましたけれども、国民意識が低いという書きぶりがあったり、本当に低いのかとか、そういうことはさておき、低いと何が問題なのかというのも幾つかあると思うんですよね。
 一つは、国民というのがイコール消費者であるということです。やっぱり最近企業の方々もサステナビリティの観点から企業のやり方を変えていったり、あるいは、より環境にやさしい経営に向かおうという努力をされています。しかし、企業が幾ら努力したところで、消費者がその企業の商品を買わなかったり、企業を評価しなければ、やはりそこは先ほどから話題となっている環境と経済との両立ということがより困難になると思います。そういった意味でも、やっぱり国民の意識というものがきちんと上がっていくということが、この環境基本計画を実現する上でも一番大切な部分なんじゃないかなというふうに私は思います。
 その意味では、今日の資料の一番最後の31、32ページ目辺りにある戦略をどう推進していくかという記載のところで、六つぐらい箇条書きになっていますけれども、これを横串を通すような形で、やはり日本の一人一人がきちんとこの問題の現状を認識し、それで、それが自分たちの問題であるということを理解し、そして行動に移すというようなことができるような計画にすべきだということを明記すべきだというふうに思います。これが2点目です。
 最後、3点目は、これもまた31、32ページ目を見ながら感じたことなんですけれども、科学技術の役割ですね。技術については、ここの記載にあるように、すみません、具体的には、31ページ目の(5)とかを見ているんですけれども、科学技術の役割として、経済、国土、地域、暮らしを支えると書いてあるんですよね。それで、研究って何かもう少し広いんじゃないかなというふうに思っていまして、例えば、その次のところで、外交・安全保障・ビジネス等の分野における国際的な協調の文書があります。
 それで、研究などは、やっぱりグローバルなところで環境問題がどうなっているのかということの情報を収集して、それをまた国際社会に発信していくような、そういった研究の役割、それが日本の研究者が国際社会への貢献というような形で示すこともできるわけでして、そういった形でより広い、国際的に貢献できる研究を環境研究として、環境省が担っていただくというような視点で書いていただけると大変ありがたいと思います。以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、淡路委員、お願いいたします。
○淡路委員 ありがとうございます。淡路です。私もちょっと経済の活動のことについて触れたいと思います。何人もの方がおっしゃっておりまして、重複するかもしれません。
 まず、23ページにインセンティブの付与という言葉があります。インセンティブというのは、行動を変えるために付与するものじゃないかと思います。あるいは意識を変える。インセンティブの付与の仕方が非常に重要だと思います。
 関連して、次の24ページの②のところにも未来に向けた積極的な投資、長期的視点の行動というふうにありますので、やはりそれなりのインセンティブがないと、こういった行動に移せないでしょうし、そのインセンティブの与え方も短期的なものではなくて、長期的な視点に立った行動の変容が起きるようなインセンティブの立て方が必要なんじゃないかと思います。
 脱炭素が中心になるかと思いますが、企業も行動を変えていかなくてはいけないんですけれども、もうちょっと具体的な内容として、恐らく棚橋委員がおっしゃっていたと思いますが、脱炭素への取組みたいなものをきちんと入れてもいいんじゃないかなというふうに私は思っています。
 ちょっと今のところで、②のところですけれども、100年時代、100年企業という言葉もあるんですが、100年企業が多く存在する今日において、目先重視に陥って問題を先送りしたり、短期的な収益のみを追い求める。ここの文章のつながりがあまりしっくりこないような気がいたします。100年企業は、100年継続しているということなので、今までその環境の変化に対応し、ともすれば、自分の利益を棚上げしても地域に尽くすということもしてきたからこそ100年続いている企業であるというふうに思うので、ちょっとここの順番をもう一度ご検討いただければと思います。
 次の25ページでは、官民が協力した巨大な投資が必要等と書かれておりまして、投資が必要ということはコストがかかるということで、みんなが少しずつコストを負担しなくてはいけない、あるいは、率先してコストを負担した人には、それなりのメリットがないといけないということでもあるのではないかと思います。少しずつコストを負担しなくちゃいけないというような書き方がこの中に入っているべきではないかなと思います。
 最後に、26ページのところの上段ですけれども、「特定の施策が複数の異なる課題も統合的に解決するような相互に関連し合う横断的かつ重点的な枠組を戦略的に設定」というふうに書いてあります。ここは、まさしく縦割り行政を超えて、もしかすると環境省の皆さんが音頭を取ってくださるのか分かりませんが、縦割りを解消して、みんなで協力して政策を前に推し進めていくということももしかすると次回の議論の中に入ってくるのではないかと思いますが、そこを要望したいと思います。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、稲城市長の髙橋市長、お願いできますでしょうか。
 市長、ミュートになっておりますでしょうか。申し訳ありません。ちょっとマイクで音がこちらのほうに聞こえておりませんで、事務局から連絡をしていただけますか。
○髙橋委員 この声は入っていますか。
○高村部会長 今、聞こえました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○髙橋委員 すみません、お手間をかけました。私から2点ですが、1点目は、皆さん共通でおっしゃっていることですが、やはり総論において環境問題に対する危機感の記載が薄いと感じました。危機感の共有ということで、もう少し書きぶりを強めていただきたいと思います。一方で、あまり感情論であおることも良くないと思いますので、科学的な知見をもとに正しい危機感を持つことが大切ではないかと思います。科学的な知見については、記載の分量も非常に少なく、足りないと思いますので、もう少し色々な観点で詳しく書いていただきたいと思いました。
 そして、2点目は、環境と経済の両立、共進ですが、政策を打つには、ヒト・モノ・カネといったコストがかかります。全体を通じて、政策を打つに当たってのコストを誰が負担するのかという観点での記載が非常に薄いと思います。役割分担がはっきりしない状況では、ややもすると、基礎的自治体、市がコストを負担することになってしまいます。今後、各論の議論において入ってくると思いますが、様々な政策を打つに当たって、主な役割分担は誰がすべきか、また、そのコストを誰が負担するのかをある程度は明示すべきではないかと思っております。
 以上、2点です。よろしくお願いします。
○高村部会長 ありがとうございます。以上で、1巡、ご発言をご希望の委員からご発言をいただいたかと思います。
 髙村先生の、申し訳ありません、ありがとうございます。失礼しました。髙村先生、お願いいたします。
○髙村委員 すみません、いつもぎりぎりで申し訳ありません。自然資本のことを沢山書いていただいたことはよかったんですが、自然資本を支えている生物多様性が危機的な状況であって、ネイチャーポジティブですからそれを回復させていかないといけないと。それで、科学者から見ますと、やれば回復できることはたくさんあるけれども、予算の問題とか、人手の問題とか、どこがネックになっているのかという解析が不十分です。また、こういった問題は地域の方がよくご存じで、どこが駄目になってきているか、例えば外来生物の侵入の問題では、人手をかければ、回復させることができるのが、なかなかできないような現状があります。
 それで、25ページ、「自然資本を維持・回復・充実させる資本・システム」と何回か書かれているんですが、具体的にどういうようにやっていこうとお考えになっているのかがこれを読んだだけでは分かりづらいように思います。
 それで、これから具体的な展開に入っていくと思うので、より具体的に書き込んでいただければありがたいと思います。
 生物多様性国家戦略も作成されたのですが、ここの文書を読ませていただいたら、30by30という言葉ぐらいしか出てこなくて、具体的な方策はあまり出てきませんでした。
 それと、地域循環共生圏は、前の計画から進めていただいていますが、この中に自然環境の保全や、生物多様性の保全をどう組み込んでいくかというのが、不十分だったような印象を受けています。特に、研究面でも、研究されている方が社会工学系の方ですと、なかなか生物多様性のところが入り込んでいけないようなところもありますので、分野横断的に考え、地域循環共生圏も新たに自然資本の回復ができるようなしくみを入れ込んでいただきたいと思います。以上です。
○高村部会長 ありがとうございました。ほかにまだご発言になっていない委員で、ご発言希望の方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ご協力をいただきまして、かなり時間が残っております。ありがとうございます。
 基本的には、いただいたご意見について、最後にどうこの取りまとめの案に反映させるかということを事務局に検討していただこうと思いますけれども、今の時点で事務局から何かお答えなり、コメントはございますか。2巡目に入る前に。
○大倉課長 2巡目をやってもらっていいです。
○高村部会長 いいですか。はい、分かりました。ありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしましたけれども、2巡目に入っていきたいと思います。先生方のご意見を伺っていて、幾つかそれぞれ大変貴重なご指摘をいただいていると思いますけれども、幾つか共通してご指摘をいただいた点があるように思います。
 これは、一つは、多くの委員がご指摘になったのは、今の環境をめぐる状況に対する危機感というものをもう少ししっかりと書き込んではどうかというところは多くの委員がご指摘になったと思います。随分書き込んで努力をしていただいていると思うんですけれども、具体的なご提案も中に入っておりましたが、その点は一つあったかと思います。
 それから、二つ目は、やはり第5次と比べても大きな変化が起きていて、実際に状況についても、そして対応のほうにも変化があると。それがうまくこれに反映されているかというところは、もう一つ大きなご質問としては、傾向としてはあったかなというふうに思います。
 そして、3点目、ご指摘いただいたところでは、すみません、これは2点目のところで同時に新たな課題、例えば、武内委員からあったいわゆる新規物質、プラネタリー・バウンダリーの文脈ですね。新規化学物質の課題というのが数年前の知見と比べても非常に切迫した重要な問題となっているというご指摘がありましたが、ほかにもございましたけれども、変化、この第五次環境基本計画からの変化の中で新たな課題というのも出てきているということも含めての変化でございます。
 3点目が、これはある意味大変重要な点だと思いましたのは、企業、あるいは環境と経済の共進化という内容についてのポジティブに評価をしていきながら、もう少し書き込んでいただきたいというご意見だったと思います。
 これはいいことだと思いましたのは、環境と経済の共進化、あるいは環境と経済の同時実現とか、統合という、こうした点についてより具体的に環境行政、環境政策が何ができるのかということを問うていただいているように思っていまして、これは冒頭に石上委員が環境行政の役割、あるいはイニシアチブということをご指摘になったんですけれども、おそらくそれに通じる典型的な問いをいただいているんだというふうに思っております。
 その中で、同時に国際ルール形成、グローバルな経済活動、あるいはグローバルなバリューチェーンにおける国際的なルール形成の重要性という点も特に経済界の代表する委員からご指摘いただいた点は印象的に思っております。
 今、すみません、非常に雑駁な私自身が印象に残ったところを申し上げましたけれども、先生方のご意見を踏まえて、改めて追加的なコメント、あるいは、場合によっては反論、ご意見をいただければというふうに思っております。ご発言希望の方は、同じようにネームプレートを上げていただいて、そして同時にオンラインの先生方は手挙げ機能で教えていただければと思います。3分でできれば守っていただけると大変ありがたいです。
 では、すみません、順番が若干異なりますが、河口委員からお願いしてもよろしいでしょうか。
○河口委員 ありがとうございます。2回目の機会をいただき、非常に感謝しております。まず一つは、グローバルな展開ということでいえば、環境権というのは重要な人権であるということは昨年、国連で決まっているので、これはちゃんと明示していただいて、何人かの、脆弱な人々のというお話もあったんですけど、これはベースであるということをちょっと書いていただきたいなと。
 それから、ざっと見たところであまり出てこなかったんですが、土壌に対しての意識というのもこれから非常に必要になってくると思います。次世代型の農業を2030年までに半分、世界の量の半分にするという議論もありまして、そのほうがカーボン削減効果が非常に大きいと。土壌に関しては、分からないことだらけなんですけど、急速にヨーロッパでは動いていますし、土壌改良法という新しい法律も森林デューディリジェンスの次に計画しているようなので、これは将来課題として、土壌に対しての対策というキーワードとして入れていくと。
 あと3点あるんですが、もう一つは、環境対策を考える上でのトレードオフというのはどうしてもあると。最近ですと、太陽光パネルを山に貼ったら、山が崩れてしまって、CO2削減にはなるけれどもみたいな。こういった場合に、どのような交通整理というか、優先順位というか、考え方で対処すべきなのか。
 ポジティブ・インパクト・ファイナンスなんかでは、一つのポジティブがあっても、ほかのネガティブがあってはいけないので、ネガティブをいかに小さくするかみたいなルールづくりになっていると思うので、こういった全体のバランスをとる発想がなければいけない。一つカーボンニュートラルだからいいじゃないかという議論にはならないという言い方を入れていただきたいです。
 それから、環境と経済の共進化のような考え方。問題は、環境影響はよく分からないけれどお金になりやすいみたいなところから先に取り組みがすすむので、環境影響があっても、経済的にうまくいかない事象は後回しになる。しかし、でも分かりやすいところだけやっていても「やっている」と言えてしまう。本質的に、経済的には分からないけど環境的にとても大事そうということが後回しにならないような共進化の仕組みというのも考えていかなきゃいけないというところです。
 それから、あと今はESG投資ですとか、SDGsみんな知っているんですけれども、本質的な意味を理解している人は非常に少ないと。今日も午前中も新しく社内でビジネスを起こしたい若手向けに勉強会でお話をしたんですが、意外と分かっているようで分かっていない。カーボンニュートラルと言われているから、帳簿上CO2の排出を2050年までに0にしておけばいいんじゃないという理解だったりする。なぜゼロにしないといけないのか、その手前の議論が分からずにそこだけ分かっている人が多いので、本質のことを理解させるような教育というか、何か本当に重要なのかということ、それを企業でもそうですし、国民全体に対して、どうせ教育するんだったらば、そこまできちっと伝わるような工夫というのもしていただければと思います。
以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、井田委員、お願いいたします。その後、豊岡委員、お願いします。
○井田委員 今の議論を聞いていたというか、私は取材の上で国際的な先進国の環境政策のトレンドなんかを考える上で、やっぱりこの計画、この原案というか、中間とりまとめは失格だなと思うことの一つは、企業の責任というのが明確にされていないということです。TNFD、TCFDの世界の中、企業がリスクをちゃんと把握して、ディスクロージャーをすると。その責任というのをTNFD、TCFDの議論が進んでいるにもかかわらず、この中に何も書いていない。ほとんど何も書いていないですよね。消費者の行動変容とか言いますけど、そういうものが提供されない限り、国際認証が非常に日本は遅れているということがありますけども、そういう責任を果たす、企業が責任を果たしてくれて、ディスクローズしてくれない限り、消費者は選択の余地がないと。そういうところに関する記述がないというのが、一つ決定的に欠けているところだと思います。
 もう一つは、企業が外部性に責任を持つんだということが重要だよという議論もない。これは、EPRの原則になると思うんですけども、最近ではドイツ、欧州の話をすると、extended producer responsibility、拡大生産者責任とまで言われるという中で、拡大生産者責任とかという言葉が一つもないですよね、この中に。企業も責任というのをきちんと果たすような仕組みになっていなかったというのが、日本の30年間の環境政策の失敗の一つだと思います。
 インセンティブの議論はあるんですけれども、当然グッドはインセンティブだけど、バッドに関しては課税でなければならない。そういう精神がきちんと30年間を振り返るんだったら、これからの環境基本計画にはきちんと明記されるべきであろうというのが、この今の中間とりまとめに関する私の不満の一つであります。
 もう一つの不満は、堅達さんがおっしゃいましたけどアメリカ、バイデン政権でも、環境正義の視点というのが全然ここに欠けている、世代間の衡平と、地域間の衡平というものに関する言葉、記述が全然ないですよね。
 コスト、コストと言いましたけども、環境正義の原則に立って考えていれば、これは未来への投資であると。あるいは、30年間か、50年間我々が積み重ねてきてしまった環境負債のペイバックをするというだけの投資行為であるというのが、これはコストがかかります、コストがかかりますという議論を環境正義という観点から見ると全然違うものが見えてくるはずなのですけども、私はおっしゃるとおりだとは思うんですけども、経済学の方がおっしゃるとおりだと思うんだけれども、コストがかかります、コストがかかりますと言って、そのつけを次世代に回してしまっているという、そのコストの議論をするんだったら、環境負債のペイバックをするというような行為なんだよという、未来への投資であるということもきちんと計画の中に位置付けて、社会、経済、消費者の理解を得られるものにしなければならないというふうに思います。
 以上、2点が議論を聞いていて、国際的な動向を見ていて、私がこの中間とりまとめに非常に欠けている点二つかなというふうに思った点になります。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、豊岡委員、お願いいたします。
○豊岡委員 危機感が足りないという皆様のご意見、非常に何というか、勇気をもって、ちょっと言いにくいことも申し上げたいと思います。
 このままでは、2030年エネルギーミックスの再エネ36~38%というのはできないと思います。できる要素がない。地方にいると、さらに地方が主体的に循環共生圏とか、そういうことで主体的にこれに取り組んでいくということもないと思います。なので、そこをはっきり、じゃあどうやったらやれるかというところのフェーズを変えないと達成できないまま計画だけで終わると思います。
 企業の責任ということも含めて、今まで規制をほとんどかけずに、なので再エネの産業が育ってこなかった。なので、再エネに対するビジネスが今生まれない、遅れてしまった、機会を損失してしまったという認識がないので、いやコストがかかると、今いろんな企業の方は多分おっしゃると思うし、そのとおりだとは思うんですけれども、これはみんなの責任で、非常に甘く捉えてきた。環境を甘く捉えてきたつけがここに来て、企業も育たなかったし、急にやろうとするとコストがかかってしまう。これは、今まで怠惰であった我々の責任だと思いますので、企業は史上最高の内部留保をため込んでいるわけですから、ここでフェーズを変えない限りは、いつまでもそういうことを言っていても、私たちは変われないんだろうなというふうに思います。なので、しっかりとそこの責任を、今まで私たちがやってこなかった責任をしっかりと把握して、これをやっていくと。
 地方自治体もです。地方自治体はお金がない、人がない、それはそうなんですけれども、ただただ自律的にそこを自主財源化するような産業や取組、特に再エネ、ESGとか、そういうところを育ててこなかったから、仕事にならないから人が流出してしまうわけです。太陽光なんかも、それこそミチゲーションが必要だということもありましたけれども、なぜそういうふうに植民地のような太陽光みたいなものが進んでしまうかというと、自治の意識がないというところ、努力が足りないというところに帰結すると思います。
 我々は、その30年、失われた30年という議論がありましたけれども、みんなの努力が足りなかったということをもうしっかりと把握して、痛みを持った変化をしない限りは、これは変わっていかないし、この36%、38%、これでも低いと思いますけれども、できないと。ドイツが私たちは取引先ですけれども、なぜデカップリングができているのかなというと、本当に厳しい規制、ある日突然、新宿にはバスの引き込みは禁止ですよとか、車の乗り入れは禁止ですよというふうに言うし、そうすると、すごくパニックにならないですかと言ったら、パニックになったってやらなければならないものはしようがないんだというような責任の取り方を決めている、決定もしているし、市民もそれで再エネに投資を必死で再エネ企業はやるというような流れをつくっているということで、努力なしにはこれを達成するということはないと思いますので、もう私どもの責任ですので、次の世代への本当に負荷ばかりかけてしまったというところ、ここで変われないと多分もう間に合わないというふうに思いますので、ちょっと本当に生意気なお話ですけれども、このままでは36%、38%できないと。できる要素が全くないです。地域にもないです。ということを申し上げて、危機感を持ってぜひ取り組んでいきたいし、いっていただきたいなと思います。
 環境省さんには、非常に厳しい局面ですけれども、覚悟を持っていただきたいというふうに思います。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 いろいろと厳しい意見をいただいて、私も共感することが多いんですが、ちょっと環境省がどういうふうにお答えになるか分からないところもありますけども、まず環境権とか、汚染者負担原則とか気候正義とかの話は環境法の影響、第3章のところで扱うつもりで環境省さんはいらっしゃるとは思います。
 ただ、さっきの井田さんがおっしゃってくださったディスクロージャーの話とかは、前に出してもいいんじゃないかという議論は多分あったと思うし、先ほど亀山さんがおっしゃってくださった消費者の意識、国民の意識が低いということは、消費者の意識が低いということで、船越さんがおっしゃってくださったことも関係しますけど、値段が高くなる、コストが高くなることを消費者が受け入れるかというところは、消費者のどうしても国民の意識と大いに関係するものですから、そこは直結する話なんですけども、それが特に外部性に関して、事業者の方は責任を負わなくてはいけないという話は、ある種セットのような話でもあるので、もし前に書く必要があるのであれば、ちょっと今、前倒しをするという話もなくはないのかなとは思いました。
 ESGとの関係で、そのディスクロージャーが大事だという話であれば、ESGのほうは前のほうに書いてあったので、そこでちょっと書くという手もあるのかなと思います。
 Well-beingの話は私もちょっと関わらせていただいていたので、重要性が高いとは思っていますし、これが少し前に比べれば減っているとも言えなくもないので、あまり減っていると私は言わないほうの立場でありますが、多少は減っているので、新しいものを出したいというのは、多分環境省もお考えのことだと思うので、Well-beingというのは大事だと思っていますけど、先ほどの結構厳しいご意見のほうを伺っていると、むしろ何か生存権としての環境権みたいな話をしてくださっていて、特に地球の温暖化との関係、気候変動との関係が強かったかと思いますけども、Well-beingとかそんなのんきなことは言ってられないというように、ちょっと私には聞こえましたが、ただWell-beingが最終的な、究極の目的としては大事なので、残していただければと思っていますけども、生存権としての環境権みたいな話も書くつもりでいるんだと思いますけども、ちょっとWell-beingと一緒に追加の立場から書いてもいいかもしれませんね。
 ちょっとそういう非常に危機感が強いご指摘をいただいたので、そういう意味では、Well-beingはちょっとのんきなことを言っているかと言われているような気が、私は持ってしまいましたが、私はWell-being派でもあるんですけど、ちょっとそういうことであれば、少しそこは追加するというのもあるかなと思いました。
 Well-beingに関しては、利他的というのか、ちょっと偽善的とまで言われてしまいましたが、これはWell-beingの論者の先生方はいらっしゃって、利他的なことに喜びを見出すのが、まさにWell-beingだということをおっしゃるので、ちょっと私もそうじゃない人もいるかもしれないなと思って議論をさせていただいたということもあるので。
 偽善的と言われてしまう意識は分からないではないですが、Well-being論者の先生方というのはそういう発想です。利他的なことに喜びを見出すことこそがWell-beingだということを結構強くおっしゃるので、それは本とかを読んでいただくと、Well-beingの本とかを読んでいただくと、そういう発想で書いているので、ここはそれに従って書いているので、Well-beingに論一般からすると、割と普通のことが書いてあるだけなんですね。偽善的でも何でもないつもりで書いてはいるんですけど、そういうふうに思われてしまうとちょっとあれですかね。少し書き方を気にしたほうがいいのかもしれないかなと。
 あと環境正義との関係で、将来施策のこれについては、これも原則のところで書くつもりでいると思いますが、原則のところに書けばいいと思いますけども、前倒しをするかどうかというのはちょっと考えてもいいかもしれませんね。
 あと、細かいこと二つだけ質問がありますが、山戸委員がおっしゃった科学的知見の充実が今後とも大事だというのは、それはそのとおりで、これは、今期、水との関係で、別の会議のほうで議論していることでもあるんですけど、国環研が協調するその種の有害物質等に関する、あと生物多様性ももちろんそうなんですけれど、生物多様性のほうは今後とも維持されていくと私は思っていますけど、ひょっとすると、有害物質のほうは今よりも人材が減っていく可能性もちょっとなくはないと思うので、そういう意味では、科学的知見のため、充実のための人材、後継者の育成というのは、引き続き重要であるというのはどこかに書いていただいたほうがいいかなという気もしました。
 それから、もう一つ、縦割り行政の干渉の話も環境省さんがやってくださるんですねという話があって、そう私も期待したいですけど、ぜひ環境省の環境に関する総合調整権限を活用していただければというふうに思っていまして、これは第3部のところに関係してくると思うので、これはまた次回の検討だと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、堅達委員、その後、竹ケ原委員で、今オンラインで船越委員に手を挙げていただいているかと思います。それから、三好委員からチャットをいただいていまして、その後オンラインの委員もお話をいただこうと思います。
 では、堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 今回の環境基本計画はやっぱり、日本は再び環境先進国と言われるようになるのかという、非常に重大な岐路に立っていると思うんですね。32ページに、外交、環境を軸とした国益と人類の福祉に貢献する戦略的な外交・国際協調の推進ということで、その志を述べているんですが、これは今の日本の政策が1.5度目標との整合性がないというだけで、全然他国からG7をはじめ、途上国からもリスペクトされなくて、到底リーダーシップをとれるというふうにはやっぱり言えないという厳しい現状があると思います。
 カーボンニュートラルとネイチャーポジティブを車の両輪にして、推進していくときに1.5度目標との整合性という大事な物差しを、やっぱりこの基本計画でも明確に示すべきだというのが1点です。
 そのときに、先ほどからやはりコストの問題というのが出てきて、これはもちろん重要な問題なんですけれども、昨日、東京大学とそれから国立環境研究所などの発表された、気候変動の総費用、生物多様性や人間健康などの非市場価値と2℃目標、ここでは2℃目標になっていますが、具体的に緩和するための対策費用と、今後受ける経済被害や健康被害、生物多様性の損失というのが、どれくらい数値化されて、やっぱり今対策をとったほうが圧倒的に損失は少ないんだよという当たり前のことですけど、そういうことがしっかりと科学的エビデンスに基づいて、国民に知らされるようにならないと、物事は変わっていかないかなというふうに思っています。
 あともう1点は、河口委員も言われましたが、今やっぱり、人間が減らすこのカーボンニュートラル、CO削減大作戦だけでは1.5度目標なんか達成できないので、もっと自然に吸収してもらわなきゃいけないんですけど、土壌やブルーカーボン、農業、食料システム、OECMを通じた地域の活性化とか、こういった辺りの観点がちょっと何となくぬるっとしていて弱いかなと思いますし、これって結局、コモンズという考え方、これがしっかりと明記されているか、何かコモンズという言葉も1個も出てきていないような気もしますので、先ほどからこれは実はやっぱり環境基本計画というのは、哲学を問うということだと思うので、そういった重要なワードはぜひ織り込んでいただきたいなと。
 その上で、こういう非常に厳しいロス&ダメージが実際に先進国でも出ているという時代になっていますから、まさにIPCCも言っている「気候にレジリエントな開発」という言葉は載せていただいているんですけど、そこが非常に重要になってきて、防災とそれから適応、ここがまさに縦割りを超えて、しっかりとアピールできるような計画にしていただければなと思います。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。では、すみません、お待たせしました。竹ケ原委員、お願いします。
○竹ケ原委員 ありがとうございます。珍しく2周目が回ってきたので、1周目の議論も踏まえたコメントとさせていただきたいと思います。今回、共進化とか、同期化というのがテーマとして設定されましたが、それは言うはやすしで、実際コストの問題はどうするんだという問いかけがなされているというふうに理解をしました。
 この問題は、言うなれば、古くて新しい外部不経済の内部化の話かなという気がしています。かつての産業公害の時代のように原因者がはっきりしていれば、固定排出源に対して規制をかけ、コストを負担させて、その回収は頑張れ、場合によってはグラントで補てんするよ的な展開だと思うのですが、時代が変わり、気候変動の話というのは、我々は被害者でもあれば、加害者でもあるので、因果関係が相対化している。固定排出源に何か規制をかけて、特定の人に負担をさせるという話ではなくて、全員が負担しなきゃいけないという話になる。だから、せっかくカーボンに値付けが必要になってきて、カーボンプライシングをちゃんと合理的な範囲で入れようねというのは、もう既にコンセンサスになっていると思う訳です。
 基本的には、特定のHard-to-Abateと言われているようなセクターにだけ負担がどっと寄って、そこが一生懸命頑張ってどう投資回収するかを考えなければいけないという話ではなくて、その投資はみんなが負担しなきゃいけない訳だから、カーボンプライシングという形で、みんなで費用負担するという話です。一方でこのGXスキームが導入されるのは結構先なので、ちょっと時間がかかる。具体的な制度設計に関しては、競争力を阻害しないとか、成長と阻害しないカーボンプライシングのあり方の検討って別のテーマになってくると思うんですけど、とにかく、そういうコンセンサスができているんだとするならば、あとはイノベーションが社会実装されるまでの、どなたかおっしゃっていたトランジションという時間軸がすごく大事になってきます。今すぐ立米10円のグリーン水素は手に入らない。トランジションの段階に応じた対応が必要です。この前提を無視したら、幾らカーボンプライシングが合理的な手法だとしても、いきなりとんでもない負担が全員に及ぶことになる。
 やはりイノベーションが実装できるタイミングを見据えながら、段階に応じてきちんとカーボンプライシングを含めて入れていく、多分そこの部分、時間軸をちゃんと入れた上で、変な言い訳という意味ではないトランジションをしっかり位置付けて、そことカーボンプライシングをひも付けていく中で、外部不経済の内部化の話が特定のセクターの負担にもならず、結局価格が急にぽんと上がって、一時的に需要が減退して、経済が冷えるみたいな話も回避できると思います。こういうメカニズムの話を少しちゃんと入れていって整理をしていくことは必要なんだろうなと。ただ、これは環境基本計画ですので、どこまでその手のテクニカルな話を入れるのかについては、議論の余地があるかなとも感じたところであります。以上です。ありがとうございました。
○高村部会長 ありがとうございます。それでは、オンラインのほうでご発言希望の委員にお願いしようと思います。
 船越委員、お手を挙げていただいているかと思いますが、お声は出ますでしょうか。
○船越委員 はい。聞こえていますでしょうか。
○高村部会長 はい、聞こえております。よろしくお願いします。
○船越委員 すみません。今、おっしゃられた、お名前がちょっと聞こえづらかったんですけど、おっしゃられたことに非常に尽きると思っています。私の先ほどの意見は誤解はされていないと思いますけど、コストがかかるから脱炭素をやらないと言っているわけではなくて、我々特にHard-to-Abate産業はやらないといけないと覚悟していますし、やる算段を具体的に考えている。したがって、それはコストがかかることになるという現実を申し上げています。その分担をどうしましょうかという話なので、コストがかかるからやらないというように言っているつもりは毛頭なくて、逆に、これは危機意識を持つとか、そういう言葉の問題ではなくて、実際に我々はやらなきゃいけないし、やるので現実的なそういう話をしているということであります。
 それと、さっき過去の環境負荷の何か弁済みたいなことをおっしゃられた方がいらっしゃったと思いますけども、逆に言えば、コンビニエントな価格、要するに安く手に入るもので、今までの経済を謳歌してきたという部分があるわけなので、今後はそれを環境価値が大事なので、その価値を実現するために、逆に、安かったものが高くなってしまうという事実をしっかり認識していこうねということを申し上げています。
 分担はどうしていくかというのは、先ほどのカーボンプライスの意見も含めて、またトランジションの件も含めて、各論として議論していけばいいということだと思うんですけども、若干誤解があってはいけないなと思ったので、コストがかかるからやらないと言っているつもりは毛頭ないということだけはちょっと付言しておきたいと思います。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、三好委員、チャットで丁寧なご意見をいただいておりますけれども、もしよろしければ、ご発言をお願いできますでしょうか。もし、声が出なければ、代わりに読み上げますけれども。
○三好委員 大丈夫です。すみません。
○高村部会長 お願いいたします。
○三好委員 ありがとうございます。時間削減と思って書いたんですけれども、もう既に多分議論されているところなんですけど、今、船越さんがおっしゃったように、もうやることは決まっていると思うんですよね。
 それで、やっぱりみんなに責任があるので、企業にもあるし、やっぱり消費者にもあるし、この先をどういう形の方向性にするのか、やっぱりそういう転換をすることを、コストがかかるけど、こっちにいきましょうということが、やっぱり政策だと思いますし、それをやっぱり今スピードアップさせなきゃいけないと思うんです。
 なので、スピードアップするには、もちろん大企業ですらそういう状況なので、中小企業も何を取り組めばいいか分からないし、そのコストをまずかける余裕がないような方たちに対して、どういうサポートができて、これをスピードアップしなきゃいけないか。私はスピードアップが非常に大事だと思いますので、それが政策に反映されていくといいのかなというふうに思います。
 あと、もう一つ、先ほど利他でちょっときつかったかもしれないですけど、すみません。やっぱり利他って、一番上なんですよね。それが最高の幸福だというのも理解しているし、そのことがとても国民の幸福度を高めるということも大事だと思うんですけれども、私が言いたかったポイントは、今気候危機だったりとか、人権の問題とかそういうことで脅かされて、生活が脅かされているような人たちにとっては、そこまでいけないというような現状があるのではないかなという視点でありました。Well-beingが私は方向性として、環境基本計画でこの言葉があるということは非常に大事なことだと思うので、それは残していただきたいなという意見です。ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。淡路委員からも三好委員のご意見は同感ですというふうにチャットで意見をいただいております。ありがとうございます。
 それでは、すみません。お待たせいたしました。亀山委員、お願いいたします。
○亀山委員 再度の発言の機会をいただきありがとうございます。先ほど3分以内におさめるために、国民意識の変遷の部分で国民は消費者でもあるということだけを申し上げたんですけど、もう一つの視点として、国民の中には、やっぱり企業の意識というのも含まれるということも申し上げたくて、今回もう一度手を挙げさせていただきました。
 最近、私は研究の一環として、全国の中小企業の方を中心にアンケート調査をしまして、それで、移行リスク、物理的リスクに相当するようなリスクについて、どのようにお考えかということを調査しました。これはまだできたばかりなので、分析もできていませんし、論文にもできていないんですけれども、特に移行リスクについては、大体3割ぐらいの企業が考えたこともないというところに丸をしておりました。
 ですので、今後エネルギー価格が上がっていく、あるいは脱炭素に向けて今から対策をとっておくことが、むしろ企業の持続的な経営にとってプラスであるというようなことを、そういう考えが世の中にあるということさえ、情報が得られていない中小企業の方がそれだけ多くいらっしゃるということが改めて分かりました。
 そういうことを考えますと、同じ企業といっても、大企業の方々はTCFD、TNFD、それから国際的な動向がどうなっているのかということをもう把握されていて、それに合わせて対応を始めていますけれども、国内の多くの中小と呼ばれる企業の方々は、やっぱりそういう考え方があるということからまず知っていただくことが重要だなというふうに考えております。
 企業の責任というようなご発言もありましたけれども、何で変わっていく必要があるのかということを理解できなければ、何で自分たちに責任があるんだということにもなってしまいかねないというふうに考えますので、やはりそこの意識の向上ということも重要だというふうに思います。
 ですので、ぜひ本当に幅広い意味での国民の方々が、きちんと最新の情報を入手し、理解するというような、そのための施策というものもぜひ今回の基本計画の中にきちんと位置付けていただきたいというふうに考える次第でございます。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 第2巡も皆様方のご協力で若干時間が残っておりますけれども、まだご発言でない、とりわけ2回目ご発言でない委員、もしご発言のご希望がございましたら、お願いできればと思いますけれどもいかがでしょうか。あるいは、どうしてもこれだけはという、おありでしたら、お願いしたいと思いますが。
 それでは、河口委員、お願いいたします。
○河口委員 Well-beingに関して、私はこれは書いていることは理想としてはいいんですけど、何かこの書き方がWell-beingではと書いていたら、それがいかにも達成できるような、この書き方はいかがか。
 実際はそのWell-beingに相当して、それはみんなの共通課題、理想として持ってもらうのはいいんだけど、足元の地面が割れているじゃないかという、だから、その理想を達成するためには、もっと大変だよみたいなほうにしないと、何からこれだとちょっと無責任に、それを言っていたら勝手にそっちになれるように私には読めたので、そこはちょっと考えていただいて、この理想の足元をどうするのということが分かるような書きぶりにしていただければなと思っておりますので、Well-beingに関しては、以上のことを申し添えたいと存じます。
○高村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 今、多分事務局がどう答えようか考えています。あと、もしご発言ご希望の委員がありましたら。
 では、大塚委員、お願いいたします。
○大塚委員 一言だけですけど、先ほど堅達委員から環境先進国であり続けるにはという話が出てきて、私もそれはどこかで書いてもらってもいいかなという気はしましたけど、私のところにも結構留学生が来ているので、私のところの留学生じゃなくて、理工学部のほうに来ている留学生とか、日本は何か環境政策は大丈夫ですかみたいなことを言われたりすることもあって。日本の環境政策、環境法に関して言うと外国、英語にして出す計画をして、ほとんどできているぐらいなんですけども、あまりリーダーシップみたいな感じに、国際的なリーダーシップみたいな感じのことはなかなか書きにくくなってきているなというのが、現状であるとは思うので、もしそういう視点がちょっとでも入れられたら、それはそれでありがたいなとは思います。
○高村部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
○堅達委員 今の話に短く追加すると、やっぱりもう途上国だ、先進国だというのを言っていられない時代があって、特に新しいEVも含めて、脱炭素に資する、あるいはそういうテクノロジーに関しては、リープフロッグ的に途上国がぐっと産業界を席巻してしまうという現状が今既に起きていると思うんですね。
 そのスピード感の中で、あっという間に途上国に日本が抜かれてしまう可能性もあって、その危機感、さっきからスピードアップ、スピードアップと言っていますけれども、そこのところがしっかりと共有されていないと、これは環境の危機だけではなく、産業の危機にもなってしまうという、まさに環境先進国と言われないだけじゃなくて、本物の先進国からも脱落してしまうおそれがあるというぐらい重要な問題だということを改めて共通認識にして書いていただければ、今は有事対応が必要な、大手術が必要なときなんだということが分かればなと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
○井田委員 一ついいですか。一言だけ。
 遅れているんです。なぜそういうふうになってしまったかということまで深めて考えないといけない。EPRなんてもう昔から言われていることなんですけど、日本のプラごみ政策なんか全く位置付けられていないですよね。
 1992年のリオ原則を予防原則とか、アセスとかいいことを書いてあるんだけど、それはどれだけ今までの環境行政の中で実現されてきましたかって。我々、豊岡さんがおっしゃったけども、我々がやってこなかった、できなかったことというのを30年振り返るんだったら、きちんとしない限り、失敗から学ばない限り次もできないので、危機感もないですけれども、失敗に対する危機感というか、反省というのも僕はこの中間報告で全然感じられないので。
 そこら辺から、失敗から学ぶという姿勢をぜひ盛り込んで、それじゃないと、勝負の10年で何ができるのかというのは見えないんじゃないか。先ほど申し上げた企業の責任であるとかも深くそういうのに関わっていると考えます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 すみません、オンラインの委員の先生方もよろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございます。大変忌憚のない、率直なご意見をいただいていると思いますけれども、後半の議論を私は伺って、大変やっぱり参考になる、この取りまとめに向けて参考になる議論をいただいたなというふうに思います。
 私は、共通していたのは、やっぱり将来目指すものとして、環境負荷、言い換えると、環境の価値がしっかり市場の中に組み込まれた、そういう市場経済、市場あるいは経済をつくっていくというところは、誰もご異論がないというふうに思います。
 ただ、多分そこで議論があったところで、私自身重要だと思いましたのは、それをそこに向けてどういうふうに、これは竹ケ原さんもおっしゃっていたと思いますし、あるいは、第1巡目のところで、小屋さんもおっしゃっていたと思いますけれども、どういうふうにじゃあ社会的に公正な移行の仕方が実現できるのかという、かなり目指すところが何かということと同時に、そこに向かってどうやって変わっていくかという具体的な道筋と戦略もしてくださいということをおっしゃっているんだと思います。
 それは、コストをどう配分するか、コストを誰が負担するか、どういう考え方でコストを、それはいろんなご意見がありましたけれども、それも含めて、どういうルールを、どういう考え方でそれをやっていくかということが提供されているというふうに思います。
 それは、同時に環境行政にとっても非常に重要なチャレンジというか、期待を出していただいていると思っていて、トランジションって、これは当然環境の危機に対応するトランジションでもあるわけですから、その皆さんが危機感とおっしゃった、その対応のスケールと速度がそれに合ったものなのかというのは、これは多分環境省が環境行政、環境政策の中でやっぱりしっかりと役割を果たすべきものであろうというふうに思います。
 そういう意味で、大変おもしろいと言いましょうか、おもしろいと言っちゃいけませんが、大変刺激的なご議論をいただいたと思っております。
 加えて申し訳ありません。Well-beingについても議論がありましたが、このWell-beingを消してほしいということではなくて、やはりその概念をしっかりと深掘りしてほしいというのが、一つ大きなご意見で、特にやはり危機的な状況において、このWell-beingって目指すあり方について、どういうふうにその危機的な状況への対応なり、権利の保護との関係をしっかり明確にしてほしいというご意見だったかなと思います。
 最後に、個人的に大変重要だと思ったのが、河口委員がおっしゃった点で、トレードオフに得てしてなり得るようなところにどういう形で調整をしていくかと。これは、大塚先生が総合調整とおっしゃったところにも関わるんですけれども、これは恐らく多分具体的に、統合的に進めていくときに、今後この計画の中でどういう考え方なのかということは問われる局面が出てくるように思っていまして、もし検討いただけるといいなと個人的には思った点です。
 いずれにしても、まとめではなく、これはあと事務局がこれだけの多様な意見について、どう反映させるか考えていただくんだと思いますけれども、今の時点でお答えいただけることがありましたら、お願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○大倉課長 長時間にわたり、多方面の忌憚のないご意見をいただきまして、大変ありがとうございます。一つ一つのご意見を、後で議事録をちゃんと見直して、真摯にまず対応したいと思っております。それが総論の話でございます。
 それで、ちょっと今回、お見せできているものがちょっと部分的なものになってしまっていて、そこが申し訳ないかなという気がいたします。そもそも中間とりまとめが第一部と第二部の本当の前半部分だけということでして、先ほど井田委員もおっしゃっていた、拡大生産者責任の話は、今、大塚先生もちょっとコメントをいただきましたけれども、実は、今回お出しできていないというか、年末にお出しする部分に出てくるところとしていますので、そういったところがあるので、ちょっと全体の中で入っていないんじゃないかというような印象を持たれたとしたら、年末に向けて全体を書く中で対処していきますというところかなと思います。
 特に、先ほど縦割りを打破すべしとか、各所を巻き込んでやるべきとか、あと誰がどういう役割分担をするのかと、やっぱりまさに個別の政策論の中で議論していく話になりますので、次回の重点戦略の基本的な方針の中でできるものはできるかもしれませんし、年末に向けて、個別の政策の議論の中でやっていくものもあると思いますので、それも追って、順次ご相談していきたいなと思ってございます。
 それで、今日のご議論で多分一番多かったのが、危機感の話でございまして、ちょっと我々はまさにちょっと最初のところで、現下の本当にこの夏の状況を踏まえて書かなきゃいけないかなと思っていますが、今時点でまだ書けておりません。今時点で書けることも限られてもうちょっと時間がたったときに総括的に今日の議論も踏まえて書こうと思います。30年の環境ベースの総括というところも足りない話もおっしゃっていたと思いますけども、環境基本計画という全部の環境問題を扱い、且つ分量もそれなりに圧縮しながらどこまで書けるのかということを、高村座長と相談しながら考えていきたいと思います。加えてですね、先ほど座長もおっしゃっていましたが、目指すべき方向については基本的には大きくご意見に差異はなかったと認識しております。ただ、足下の現状認識であるとか、そこに至る道筋のありかたはさまざまご意見があると思っております。その中の1つが危機感だと思っておりますので、そういったところは吟味していきたいところです。加えてですけども、環境基本計画は温対計画、循環計画と違って環境・・・一番抽象的な哲学的なところを書くところもあります。対象とする人もですね、環境行政の中でも最も広い、多いことになります。なので、危機感を訴える人もいらっしゃれば、身近な自分の利益を考える方もいらっしゃる。そういうことも考えて、まさにWell-beingをですね、まさにこの30年1人当たりGDPが下がっている・・・。一応パフォーマンスとしての・・・はありますけど、そういう人たちに向けて環境と経済の共進化・・・、そういったことが環境をやることで、本当に今ある皆さんの生活が良くなりますというメッセージを出して行きたいと思います。あとはいろいろな国民の皆さんがいることも前提で考えていこうと思います。あと、哲学的な話で・・・出てましたけど、実は昨年度の検討会で新たな成長の概念図を書くというですね、国民のWell-beingと自然資本と自然資本を支える資本のシステムの組み合わせの話はですね、委員の方から「世界的共通資本の発想だ」というご発言があったんですけども、底流としてはそういうのが我々としては含まれている認識として思っております。ただ、政府の計画として、・・・整理は必要であると思ってますので、・・・いずれにしても今日頂いた意見をしっかりと踏まえて相談をして、次回、場合によっては年末の議論に反映できるかを考えていきたいと思っております。今日はすいません、忌憚ないご意見いただきありがとうございました。
○高村部会長 大丈夫でしょうか。
 すみません、オンラインでご出席の皆様、声が聞こえますでしょうか。
 ありがとうございます。すみません。トラブルで今、一時中断をいたしました。誠に申し訳ありません。
 それでは、今、事務局から今日いただいたご意見を踏まえて、改めてその内容を検討していただくということでご回答いただきました。
 最後、残りました報告事項についてお願いをしたいと、ご報告をお願いしたいと思います。失礼しました。
 SDGsパイロット・プログラムについて、環境省大臣官房企画評価・政策プロモーション室の清水室長から内容をご説明いただけますでしょうか、お願いいたします。
○清水室長 政策プロモーション室の清水と申します。カメラをオフにして説明させていただきます。ただいまより資料を共有させていただきます。
○高村部会長 お願いします。
○清水室長 見えておりますでしょうか。こちらは、令和2年度から実施しておりますSDGsパイロット・プログラムというものでございます。
 時間もなんですから、ポイントだけご紹介させていただきます。毎年度、こちら本部会に定期的に報告をさせていただいておりました。今回ですけれども、これまでのまずプログラムの趣旨から説明させていただきますと、本来、各省でやっています事業というのは、それぞれ主目的となっているSDGs項目を中心として、評価などをしてございます。しかしながら、SDGsの本来の性質を踏まえると、その他の目標の副次的な効果とかも考慮した上で、それを最大化していくということも考えなければいけないと。そのためにこのパイロット・プログラムというもので、副次的効果が期待される複数の項目について目標を設定して、そしてそれを把握・点検、そして次年度に生かしていくという、そういうことを取り組んでございました。
 そして、令和2年度から各省に先駆けてやっていまして、今申し上げたようなPDCAサイクルを構築するとともに、関連する主要施策にこれがどのようなSDGsの目標に寄与するのかというアイコン表示をするといったことに取り組んでまいりました。令和2年度からこれまでずっと継続してやってございます。
 対象としていましたのは、これはパイロットですので、当初全12事業でやってございまして、一つは、昨年度まで対象となっていた地域脱炭素投資促進ファンド事業というのがございましたけれども、こちらは、法改正に伴って、脱炭素支援機構に事業が移されたということに伴って、これは対象から除外してございまして、現状11事業でやってございます。
 その成果なんですけれども、令和5年の成果としてでは、事業の主目的のみならず、副次的効果は様々確認されました。簡単に紹介させていただきますと、例えば、ゴール4の事例を紹介させていただきますと、食品ロスの削減等の推進事業なんですけれども、学校給食を題材とした食育の活動というものもこの事業の中には含まれていまして、副次的効果として、この質の高い教育にも該当するというふうに評価できます。
 このような形で、それぞれの当該事業における副次的効果としてどのようなものが達成されたのかというのが整理されてございます。
 さらに、主要施策について、アイコン表示をするという取組に関してもこのように整理をしてございまして、これまで様々なPR資料などに付してまいりました。本プログラムの成果として、こちらに二つばかりに事例を掲げてございますけれども、令和2年度に最初に始めたときに比べますと、令和4年度のSDGsの目標設定が非常に深掘りされているのが見てとれるかと思います。
 このように、これまで一定のパイロット事業としての成果を確認できましたけれども、一方で、それなりのペーパーワークも発生するということで、これはどうにかこの成果を政策全体に波及させるとともに、作業量も考えていかなければいけないと考えてございまして、今後は取りまとめた成果を踏まえて、個々の予算事業単位ではなく、政策評価単位でSDGs目標との関係を記載していく。すなわち、政策評価シートの中に項目を設けて、そこの中に書いていってもらおうということを考えてございます。
 そうすることによって、これまでモデル事業として、11事業についてやってございましたけれども、今後は政策評価と一体化させることによって、全体的にSDGs目標のシナジー効果を全体的に見てまいりたいと考えてございます。
 まとめは、これまでの重複になりますので割愛させていただきたいと思います。
 手短でしたけれども、説明は以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございました。
 それでは、こちらは報告事項でございますけれども、ただいまの報告について、ご質問などがありましたらお願いできればと思いますが、同じようにご発言希望をお示しいただければと思います。いかがでしょうか。
 では、武内委員、お願いいたします。その後、井田委員、お願いいたします。
○武内委員 環境政策の中で、SDGsの推進を統合的に取り組んでいくということそのものは大変いいことだと思います。しかし、今私が認識している現状では、このSDGsに対する取組と、脱炭素のそれぞれの地域の先行地域の取組というのは、これはばらばらに議論されていて、その二つの間に本質的な関係があるにもかかわらず、事業としてはばらばらになっているというところは、私は非常に気になっています。
 今、環境省のほうにもそういうことを申し上げているんですけれども、ぜひその点を考慮に入れた上で、このパイロット・プログラムというのを展開していただければと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、井田委員、お願いいたします。
○井田委員 私も武内先生と同じことを申し上げようと思っていて、ばらばらにやっているんじゃなくて、これはこういうのをやってみたら副次的な効果がありましたというんじゃなくて、そもそも最初から統合的に計画を立てなきゃいけない問題ですよね。
 もしかしたら、これは調べていないけども、トレードオフでマイナスの効果があったかもしれないじゃないですか。それは調べていないですよね。
 いいところばかり、こんな副次的効果がありましたというのは、僕は間違いだと思っていて、なぜそういうことになるかというと、最初の段階で可能な限り横断的な目標、17個全てとは、17個、169個全てとは言いませんけども、最初の段階の計画で、武内先生が今おっしゃったように、脱炭素も生物多様性もプラも教育もというようなものを考えるんだという枠組みにしないと、SDGsの本旨には、私は合致しないものだなというふうに思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 オンラインでご出席の先生方からは今手は挙がっていないかと思いますけれども、ほかにご発言ご希望の委員はいらっしゃいますでしょうか。
 堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 質問ですが、8ページの生物多様性保全推進支援事業で、関連するSDGsアイコンが働きがいも経済成長もというのが1個だけになっているというのは、今一つ理解に苦しむというか、少なくとも陸の豊かさも守ろうとか、当たり前の生物多様性の目標が最初からそれこそあれば、当然それによって地域が活性するから何かそういう持続可能な目標と分かるんですけど、本当に制度設計上、そういう全体を見渡す視野がちゃんとあって設計されているのかがすごく疑問なのですが、これはどうして関連するSDGsアイコンが8番になっているんでしょうか。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、清水室長、もし可能なところでご回答いただくことはできますでしょうか。
○清水室長 最後のご質問につきまして、こちらはすみません、スライド上の簡潔にまとめるために1例だけ紹介させていただいていたので、この働きがいも経済成長もというアイコンを例にさせていただいていますけども、この生物多様性事業に関しては、六つのアイコンが全体で整理されています。
 主目的のほかに五つのアイコンが、すみません、失礼いたしました。主目的二つと、そのほかに四つのアイコンが副次的効果として整理されているんですが、すみません、こちらはあくまで整理上の分かりやすく紹介するために、このアイコンだけを例示にさせていただいているもので、ちょっと誤解させてしまったかと思いました。失礼いたしました。
 そのために、全体的には考えられる副次的効果などをフォローする形で取組をやってございました。詳細は、参考資料でフォローアップのエクセル表のようなものを配付資料の中に入れてございます。そちらを見ていただければと思います。
 あわせて、ほかのご意見に関しましても、大変、おっしゃるとおりだなと思います。私どもの、先ほど申し上げました政策評価と一体化して、今後このパイロット・プログラムを踏まえて展開していきたいと思ってございますので、その際にもご意見を賜って、取組を進めてまいりたいと思います。
 以上で回答になってございますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○高村部会長 ありがとうございます。こうしたパイロット・プログラム、今ご紹介いただきましたけれども、ご指摘をいただいたのは、それを実際の政策形成にどう生かすか。あるいは、政策評価の今日も指標のような議論も、KPIの話がありましたけれども、どういうふうに生かしていくかという、多分課題についてご指摘をいただいたと思います。
 こちらの基本計画にも関わると思いますけれども、政策全般に関わるところかと思いますので、また、ここから得られた知見をどうやって生かすかというところを検討いただければと思います。
 ほかにもし全体を通してご発言がなければ、でありますけれども、本日の審議並びに報告事項を終了としたいと思います。
 すみません、1点だけ私は申し上げるのを忘れていました。チャットで、申し訳ありません、三好委員から先ほどの議論のところでご意見をいただいていまして、読み上げさせていただきます。
 次回以降かもしれませんけれども、基本計画の中で、第3章にかかるかと思いますが、基本計画を実施していくに当たって、政策が現状変容のドライバーになるような全体的な「実施に関する戦略」が見えてくるといいと思いますというご意見をいただいております。
 すみません、私から失礼いたしました。
 それでは、以上で、本日の審議、報告事項の議論については終了としたいと思います。
 事務局におかれましては、本日いただいた意見に基づいて、中間とりまとめの参考にしていただいて、ご検討いただきたいと思います。
 それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
○東岡計画官 皆様、長時間にわたりましてご審議いただきましてありがとうございました。また、オンラインで参加された方におかれましては、配信のトラブルがございましたが、申し訳ございませんでした。
 本日の議事録につきましては、配信のトラブルで聞こえなかった部分も含めて、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省のホームぺージに掲載をさせていただきます。
 また、今後の総政部会の予定でございますが、第110回は、8月30日の16時からで決定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 本日、大変貴重なご意見をいただきました。あわせて、2巡、3巡とインタラクティブに議論させていただいて、大変ありがたかったと、ご協力をいただいたことを改めてお礼申し上げます。
 それでは、以上をもちまして、本日の総合政策部会を終了としたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
午後 6時7分 閉会