中央環境審議会 総合政策部会(第105回)議事録

第105回 中央環境審議会 総合政策部会

 

令和4年8月2日(火)10:00~12:24

WEB会議システムにより開催

 

議 事 次 第

1.開 会

  (1)新委員紹介

  (2)部会長挨拶

2.議 事

  (1)第五次環境基本計画の点検について

  (2)その他

   ・環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムについて

   ・炭素中立型経済社会変革小委員会について

   ・脱炭素先行地域について

3.閉 会

 

配 付 資 料 一 覧

【資料】

 資料1   第五次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(第105回総合政策部会点検報告書)

 資料2   環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムについて

 資料3   「炭素中立型の経済社会変革に向けて(中間整理)~脱炭素で我が国の競争力強化を~」

 資料4   「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会(2022年5月19日)における岸田総理発言

 資料5   経済財政運営と改革の基本方針2022(環境省関連部分抜粋)

 資料6   GX実行会議について

 資料7   クリーンエネルギー戦略 中間整理

 資料8   「クリーンエネルギー戦略 中間整理(概要)」

 資料9   「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会(2022年5月19日)山口環境大臣提出資料

 資料10   脱炭素先行地域について

 

【委員からの事前意見】

 事前意見1   第五次環境基本計画の点検について

 事前意見2   その他

 

【参考資料】

 参考資料1   中央環境審議会総合政策部会名簿

 参考資料2   中央環境審議会第103回総合政策部会議事録

 参考資料3   第五次環境基本計画の概要

 参考資料4   第五次環境基本計画(平成30年4月17日閣議決定)

 参考資料5   第五次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(第103回総合政策部会点検報告書)

 参考資料6   環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムPDCAサイクルシート

 

 

 

 

午前 10時00分 開会

○岡村計画官 皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第105回総合政策部会を開会いたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくい等、不具合がございましたら、事務局までお電話、またはWEB会議のチャット機能にてお知らせください。
 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいておりますので、環境省公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っております。
 WEB会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、ライブカメラの映像は各自ご発言冒頭のみとし、原則音声のみの中継といたしますので、あらかじめご了承ください。そのため、委員の皆様方におかれましては、現時点ではカメラ機能をオフにしていただきますようお願いいたします。
 また、議事中、マイク機能は部会長及び発言者以外はミュートに設定していただくようお願いいたします。
 ご発言時に関する説明をいたします。ご発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックください。挙手アイコンが反応しないなどの不具合等がある場合は、チャット機能にてご発信する旨を参加者全員に向けてお知らせください。挙手アイコンは、一度押していただくと挙手した状態になります。ご発言の意思はこの挙手した状態を確認します。
 部会長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、ご発言いただきますようお願いいたします。なお、ご発言後は挙手アイコンを忘れずクリックし、挙手を下げていただくようお願いします。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、ご協力よろしくお願いいたします。
 また、通信環境によっては音声が聞きづらい場合がございます。ご発言の際は、いつもより大きめの声でよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、事前にメールでご案内した資料のご確認をお願いいたします。議事次第のほか、資料は1から10、参考資料は1から6となっております。事務局が画面上に資料を掲載し、進行させていただきます。
 なお、本日の資料は環境省ホームページの総合政策部会のページにアップロードしております。
 本日は、委員総数31名のところ、過半数の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし部会として成立していることをご報告いたします。
 委員の交代がございましたので、報告させていただきます。藤本貴子委員のご後任として、男澤江利子委員にご就任いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、今般、事務局に人事異動がございましたので、私より報告させていただきます。
 総合環境政策統括官、上田康治。大臣官房審議官、小森繁。大臣官房総合政策課長、西村治彦。大臣官房企画評価・政策プロモーション室長(地域脱炭素企画官)、加藤聖。大臣官房総合政策課環境教育推進室長、河村玲央。大臣官房総合政策課民間活動支援室長(地域政策課地域循環共生圏推進室長)、佐々木真二郎。大臣官房環境影響評価課長(総合政策課政策調整官)、大倉紀彰。大臣官房環境影響評価環境影響審査室長(環境影響評価審査推進調整官)、相澤寛史。大臣官房地域政策課長、松下雄介。大臣官房地域脱炭素事業推進課長、犬丸淳。大臣官房地域脱炭素政策調整担当参事官、木野修宏。地球環境局地球温暖化対策課事業監理官(大臣官房地域政策課地域脱炭素事業監理室長)、伊藤賢利。
 以上でございます。
 なお、大臣官房地域政策課の松下雄介、大臣官房地域脱炭素事業推進課長の犬丸淳は本日欠席させていただきますので、ご承知いただければと思います。
 ここで、総合環境政策統括官の上田及び審議官の小森より、就任のご挨拶を申し上げます。
○上田総合環境政策統括官 ただいま、ご紹介にあずかりました新たに環境政策統括官に着任いたしました上田でございます。委員の皆様、よろしくお願いいたします。
 この総合政策部会、今回点検ということでご議論いただくわけですけども、この第五次環境基本計画もそろそろ終わりが見え始めて、次の第六次環境基本計画というものを見据えながら、最後の点検のプロセスに入っているものかと承知しております。この第五次環境基本計画、これが策定されてから環境行政は本当に大きく変化をして新たなステージに入ったのかなと認識をしております。とりわけ、菅前総理のカーボンニュートラル宣言から、大きく国の政策も目に見える形で舵を切って、一丸となって各省連携をして脱炭素に向けて進んでいこう、そういう中で新たな動きが着実に進み、今、第2ステージということでGXの移行のための会議が官邸で始まり、目標というよりも一体今何をしたらいいのか、中期的な視点、またウクライナ問題等の短期的な視点、そうしたものを見据えながら、賢い、しっかりとした戦略というものを経済、社会と一体となって環境の分野でも作らないといけない、今そういう思いで業務を推進していきたいと思います。
 また、そうした世の中の動き、そうしたものを踏まえながら、今、第五次環境基本計画で定められたもの、それに基づく施策、それについてどのような進捗があったか、また課題があったか、そうしたところを皆様から忌憚のないご意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○岡村計画官 小森審議官、お願いいたします。
○小森審議官 7月1日に大臣官房審議官として総合環境政策統括官グループ、それから地域脱炭素推進審議官グループを担当することになりました小森でございます。統括官からも、今お話があったように、大きく環境政策、変わっているところでございまして、しっかり私もやってまいりたいと思っております。
 ちなみに、私は第一次環境基本計画をつくったときの2年生の一番若手でございましたが、この30年近く関わって、まさに新しい時代に向けて、この環境基本計画が今日のフォローアップ、それから今後の展開と迎えていると思っておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岡村計画官 それでは、今後の進行は髙村部会長にお願いいたします。
○髙村部会長 皆さん、おはようございます。
 もう既に上田統括官、小森審議官からおっしゃったことに尽きるようにも思いますけれども、国の政策もGX、特に環境省の中でも地域の脱炭素化、こうした政策が非常に大きく進み始めていると思っております。脱炭素先行地域をはじめとした、こうしたカーボンニュートラルに向かう動き、政策の動き等の中で同時に環境省の施策を見ますと、循環型経済、あるいは大気・水、あるいは自然、こうした環境政策のほかの領域との連携、横断的な、統合的な政策の策定と実施というのが非常に重要になっているということも、特に、地域の脱炭素化を考えるときに強く感じるものであります。
 第五次環境基本計画の点検を本日行っていただきますけれども、やはり非常に大きな環境政策、あるいはさらに日本、国際社会をめぐる状況の変化がある中で、この環境基本計画の進展をどういうふうに評価をするか、あるいは将来、この先に向けてどのような新しい観点が必要か、どういう施策が必要か、こうした点について、ぜひ本日の議論の中でご意見をいただければと思っております。
 それでは、早速でございますけれども、議事に入ってまいります。
 まず、一つ目の議事でございますが、審議事項として、先ほど申し上げました第五次環境基本計画の点検についてです。第2回点検報告、そして総合政策部会における今後の予定も含めまして、事務局からご説明をこの後お願いいたします。
 二つ目の議事は、報告事項でございますけれども、環境省事業へのSDGsの組み込みパイロット・プログラムについて、今年、本年2月25日から開催されております炭素中立型経済社会変革小委員会について、そして第1回の選定が終わりました、先ほどご紹介しましたが、脱炭素先行地域について、二つ目の議事でご報告をいたします。
 本日の部会の審議につきましては、事務局からの説明が、これは相互に関係しているものですから、全て終わった後でまとめて質疑応答の時間とさせていただければと思います。
 本日も大変盛りだくさんの審議事項、報告事項がございます。多くの委員にご発言をいただきたいと思っておりますので、私も頑張りますけれども、時間管理にご協力をお願いしたいというふうに思います。
 それでは、早速ですけれども、一つ目の議事でございます第五次環境基本計画の点検について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○岡村計画官 事務局でございます。
 第五次環境基本計画の進捗状況、今後の課題について、主に3点報告させていただきます。
 1点目は、第五次環境基本計画の進捗の点検方法やスケジュールなどの概要。2点目に、総合政策部会が割り振られている点検項目の報告。3点目は、第五次環境基本計画の基本的方向性である環境・経済・社会の統合的向上の全体定量的状況について、指標を用いて報告いたします。
 時間の都合上、早口になることを、どうぞご容赦くださいませ。
 まずは、第五次環境基本計画の点検について、点検方法やスケジュールなどについて、リマインドも兼ねて説明させていただきます。
 2018年に策定された第五次環境基本計画の概要についてです。基本的な方向性は、環境・経済・社会の統合的向上を具体化、地域資源を持続可能な形で活用すること、幅広い関係者とのパートナーシップを充実・強化することであります。第五次環境基本計画の施策は分野横断的な6つの「重点戦略」と「重点戦略を支える環境政策」、すなわち環境リスク管理などの環境保全の取組で展開され、これらを主な点検範囲としております。
 その分野横断的な6つの「重点戦略」、その「重点戦略を支える環境政策」の点検の方法、スケジュールなどにつきましては、第99回総合政策部会で承認された方法にのっとって行っております。
 その方法のポイントは二つございます。一つは点検すべき項目数が多いため、毎年全ての項目の点検を行うのではなく、点検項目全体を二つに分け、2年間で点検の範囲の半分の点検を行い、4年間で全ての項目の点検を行うということ、もう一つは、点検項目をそれぞれ省内全ての部会別に割り振り、それぞれの部会で点検を行う体制を取り、2年に1回、各部会は総合政策部会事務局に提出、総合政策部会で各部会の点検結果を報告し、報告書として取りまとめるということでございます。
 次のスライドでは、今、説明をしたことを図解しております。今年度、2022年度は第五次環境基本計画第2回点検の2年目に当たりますので、今年の秋に開催を予定しております総合政策部会でまとめを行います。
 1枚ちょっと割愛させていただきまして、第2回点検分野について説明させていただきます。水色のセルが総合政策部会で割り振られている箇所、かつ、赤で囲まれているところが今回の総合政策部会で点検報告を行う項目でございます。すなわち赤でないところは、去年の秋、点検を終わらせているところでございます。次のスライドも同じようにございます。
 点検の視点でございますが、こちらも第99回総合政策部会で承認された六つの点検の視野に基づいて、それぞれの項目、つまり施策の点検を行っております。他方、2020年以降は、新型コロナ感染症の拡大やカーボンニュートラル宣言などによって、社会情勢が変わったことを踏まえ、昨年、2021年秋の総合政策部会で、新型コロナウイルス感染症への対応やカーボンニュートラル社会の実現に向けての二つの視点を加えました。さらに、前回の総合政策部会の点検報告時に、委員の皆様からいただいたご意見を踏まえ、ライフスタイルの転換につながる取組と、Well-beingや幸福度の向上につながる取組の二つの視点を追加しました。
 点検を行うときに活用する指標の考え方についてですが、今、お示ししているところと次のところで、定量的な指標の表示方法について記載しております。
 この後の総合政策部会、割り振り分の点検報告においても、重点戦略別にこの指標のほうを表示していきたいと思っております。
 次のスライドでは、今まで第五次環境基本計画点検全体について説明しておりましたが、今度は総合政策部会で割り振られている分の第2回の点検の進め方についてでございます。ポイントは二つでございます。
 一つは、総合政策地域脱炭素推進グループ内にとどまらず、関係府省も含めて提出された調査票をもって点検を行います。
 もう一つは、新型コロナウイルス感染症の拡大や、ウクライナ情勢等の社会影響を踏まえて、次の環境基本計画を見据えた今後の環境政策の在り方について、点検報告のもとに意見交換をいただきたいと思っております。
 そこで、本日の総合政策部会でご議論、お願いしたいことを申し上げます。これから報告します点検報告が、8ページにあるような点検の視点に基づいているかについて、ご意見を賜りたく思います。特に、今回の点検は項目別としては最後となります。次の総合政策部会で第2回点検報告の取りまとめを行い、来年度は環境基本計画の見直しというスケジュールでございます。つまり、第六次環境基本計画策定のプロセスの中にあるということを踏まえた論点整理ができるようにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、点検報告に入らせていただきます。ここからもスライドの枚数とお時間の兼ね合いから、割愛しながらポイントを絞って説明させていただきます。
 最初は、重点戦略3の地域資源を活用した持続可能な地域づくりでございます。
 まずは、環境基本計画に記載されており、かつ点検対象になっている項目とその取組について、重点戦略3(1)地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用についてはご覧のとおりになっております。
 次のスライドで総括でございます。総括としては、意欲的な脱炭素の取組を行う地方公共団体等に対して、「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」による支援等を行っている旨、着実に実施しております。
 また、次のページ、重点戦略3(2)地域の自然資源・観光資源の最大限の活用について、点検対象になっている項目とその取組についてはご覧のとおりになっております。
 総括といたしましては、次のスライドにございます。着実に実施してきました。なお、今後は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う観光インバウンドの需要回復とともに、2025年大阪・関西万博に向けての取組を実施いたします。
 ここからのスライドは、個々の取組についての具体的な報告なので、時間の制約上、説明を割愛させていただき、恐れ入ります、35ページに進めさせていただきます。
 35ページに進みまして、重点戦略3、地域資源を活用した持続可能な地域づくり、全体に係る指標の動向について、国立公園利用者は下降しましたが、再生可能エネルギー導入については着実に伸びております。
 次に重点戦略5の持続可能性を支える技術の開発・普及についてでございます。次のスライドでは、環境基本計画に記載されており、かつ点検対象になっている項目、その取組について、重点戦略5(1)持続可能な社会の実現を支える最先端の技術の開発については、ご覧のとおりとなっております。
 次のスライドで総括をしております。AIやIoTなどのICTの活用について、地域資源を活用した再生可能エネルギーの活用や、生物多様性の保全等について解説をされております。さらに、次の環境研究・技術開発の推進戦略の策定を目指しております。
 次のスライドも総括でございます。物流の効率化や省力化を図ることによって、低炭素化を着実に推進しました。
 重点戦略5(2)生物・自然の摂理を応用する技術の開発については、点検対象となっている項目と、その取組についてはご覧のとおりになっております。
 そして、次のスライドで総括させていただいております。環境研究・技術開発の推進戦略に基づいて着実に実施しております。
 次のスライドは重点戦略5(3)持続可能な社会の実現に向けた技術の早期の社会実装の推進について、点検対象になっている項目とその取組についてはご覧のとおりになっております。
 次のスライドで総括でございます。環境影響評価に係る技術的手法の普及への取組についてのガイドラインの検討や、次のスライドで、技術実証と同時に実現のためのツール整理・整備等を着実に行いました。
 次からのスライドも時間の制約上、57ページに進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 57ページ、重点戦略5、持続可能性を支える技術の開発・普及の全体に係る指標の動向について、環境研究総合推進費において、SからA評価の研究課題数について上昇、環境分野の科学技術研究費は、2020年度に関しては下降しました。
 次に、進みます。重点戦略を支える環境政策の展開からの点検報告でございます。
 二つ目、進みまして、重点戦略を支える環境政策5の各種施策の基盤となる施策(1)、(2)の点検対象となっている項目と、その取組についてはご覧のとおりになっております。
 次のスライドが総括になっておりまして、環境影響評価の総括として、戦略的環境アセスメントを着実に行いつつ、今後は地球温暖化対策計画や規制改革実施計画に基づいて、洋上風力発電の特性を踏まえた最適な在り方の検討を議論し、地域で再生可能エネルギーを作るための合意形成の促進をさらに努めてまいります。
 次のページも総括でございます。また、科学的知見に基づく政策の決定の基盤となる研究開発の推進の総括としては、国立環境研究所の活動支援や環境研究総合推進費の推進戦略に基づき、着実に行っております。
 次のスライド、引き続き、重点戦略を支える環境政策5のうち(3)、(4)の点検対象になっている項目とその取組については、ご覧のとおりになっております。
 総括については次のスライドになります。環境教育・環境学習等の推進の総括として、教職員を対象とした研修を通じた環境教育の深化や企業等における環境人材育成の促進、ESD活動の高度化を図り、着実に行いました。
 次のスライド、また、環境情報の整備・提供の総括として、自治体や民間事業者による統計データの利活用を着実に行いました。
 次からのスライドも時間の制約上、83ページに進めさせていただきます。
 最後に、第五次環境基本計画の基本的方向性である環境・経済・社会の統合的向上の定量的状況について経年別で表したものを紹介いたします。
 グラフのほう、青い線は経済の指標で、上から環境産業市場規模、雇用規模とGDPを表しております。緑の線は、環境の指標で、上から温室効果ガス総排出量、天然資源等投入量、エコロジカル・フットプリントを表しております。
 なお、黄緑の丸印、エコロジカル・フットプリントの参考としているグローバルフットプリントネットワークのデータの最新値が2018年であること、赤の四角、人間開発指数の現時点の最新値が2019年であることについては、ご承知おきいただきたいと思っております。2020年は青の経済指標と緑の温室効果ガス排出量が、2019年に比べて下降しています。これは、新型コロナウイルス感染症拡大により、産業活動が停滞したからではないかと考えております。
 一方、下のほうの赤の三角で表している幸福度でございますが、僅かに上昇しております。この幸福度の調査方法について補足いたしますと、無作為に選択した電話番号にかけてインタビューを行う方式を採っております。インタビュー内容としては、現在の生活はゼロから10のどの位置かとか、この1か月間に慈善団体に寄附したか、この国において政府全体に汚職が蔓延しているか、昨日たくさん笑ったかなど、主観的な質問に対する調査結果ではございます。この結果を踏まえて、幸福度については今後、より検討していくべき点だと思っております。
 次のスライドをお願いいたします。地域循環共生圏の実現に関する指標でございます。地域循環共生圏の取組は、着実に広がっております。
 点検報告、以上となります。改めて掲載いたしますが、本日は点検報告が点検の視点に基づいているかについて、今後の点検報告書の取りまとめと次の計画につながる観点からご意見を賜りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からの説明は以上となります。
○髙村部会長 岡村さん、どうもありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、二つ目の議事、報告事項についても、この環境基本計画の進捗に関わってまいりますので、まとめて審議とさせていただきます。
 続いて、二つ目の議事であります報告事項でございます。まず、環境省事業へのSDGsの組み込みパイロット・プログラムについて、環境省の加藤企画評価・政策プロモーション室長から、7分程度で概要をご説明いただきます。その後、地球環境局の小笠原総務課長から炭素中立型経済社会変革小委員会について、8分程度で概要をご説明いただきます。さらに、脱炭素先行地域について、地域脱炭素事業推進課の髙橋課長補佐から5分程度で概要をご説明いただきます。
 それでは、加藤室長、ご説明をお願いできますでしょうか。
○加藤企画評価・政策プロモーション室長 企画評価・政策プロモーション室長の加藤でございます。私からは、資料2に基づきまして、SDGsパイロット・プログラムについてご説明させていただきます。
 1ページ目をご覧ください。プログラムの趣旨でございます。各府省のSDGsの取組が現状、各府省の設置目的に関連する主目的に集中をしているということがございますが、本来SDGsは相互に関連がございますので、他の目的とのシナジー、これを最大化していくこと、もしくはトレードオフを最小化していくことが重要となります。こうした問題意識から、主目的のみならず副次的なSDGsの項目につきましても、目標を設定してPDCAサイクルを構築する。主要施策については、関連するSDGs目標のアイコンを表示する。こういう取組を令和2年から開始しているものでございます。
 次のページをご覧ください。期待される効果でございます。多様なゴールへの意識づけと、これを通じたSDGsに大きく貢献する施策の立案及び実施、こうした取組により得られた知見を他の主体に発信すること、そして協力を深めていくことで、国連SDGs2030アジェンダに貢献できるというふうに考えております。
 次、ご覧ください。本プロジェクトの現状のフェーズということでございます。昨年度同様、令和3年度に設定いたしました各SDGs項目に関する目標につきまして、フォローアップをいたしまして、令和4年度の新たな目標を設定したということでございます。この結果を別途開催いたしました環境省の政策評価委員会や、本日の中央環境審議会総政部会の場でご報告させていただきまして、アドバイスを頂戴し、さらに改善をしていきたいと考えております。
 次のページ、ご覧ください。本PDCAサイクルの対象としている12の事業でございます。昨年度より変更ございません。多様な事業要素を含んで継続性のある事業ということで選定しているものでございます。
 次、ご覧ください。PDCAサイクルを用いて実施した事業の評価の例ということでございます。地球環境局が行っております気候変動適応推進事業について、PDCAサイクルを回したものとなっております。令和3年度に設定しました目標は、一番左のAction/Planの欄に記載されてございます。本年度に行いましたのは、黄色に着色しております部分でございまして、Doの欄とCheckの欄で設定した目標の達成に向け、昨年度どのような取組を行っていたのかということを把握し、目標の達成度について自己評価、改善すべき点はなかったのかということについて点検をいたしました。
 これらの点検を踏まえまして、一番右の欄でございますが、Action/Planの欄で、今年度新たな目標を設定したということでございます。本事業以外のPDCAサイクルシートにつきましても、参考資料6として提出しておりますので、ご確認をいただければと思います。
 次のページをご覧ください。対象の12事業に関する点検結果をまとめたものでございます。全体といたしましては、昨年度に引き続き、主目的のみならず副次的効果に関する項目についての意識づけが行われ、事業の実施により多様なSDGs項目への貢献が行われたと考えております。
 具体的な貢献といたしましては、例えばゴール2につきましては、フードドライブを通じた生活困窮者の間接的な支援、ゴール4につきましては、食品ロス、水俣病、熱中症などをテーマとした教育機会の提供、ゴール17につきましては、事業を通じた様々な関係主体とのパートナーシップの構築というような貢献が確認されております。
 今年度も多様なSDGs項目に貢献する意識をより高めつつ、事業を実施していきたいと考えてございます。また、担当部局の業務負荷、負担感の大きいという話もございますので、どのようにすれば、効果的に小さい業務負担でSDGsへの貢献の意識づけができるかという点についても、引き続き検討していきたいと考えております。
 最後のページ、ご覧ください。主要施策のSDGsアイコンの表示についてのご紹介でございます。こちらは、PDCAサイクルの12事業とは別途行っている取組ということになります。このページに記載しておりますのは、今年度の予算事業について、どのSDGs項目に貢献ができるかというものを昨年度に整理したものとなってございます。
 本年度も来年度の予算につきまして、同様の取組を行っていく所存でございます。PDCAサイクルによる点検と、こうした取組を通じまして、施策や事業の立案、実施に当たりまして、多様なSDGs項目へ貢献することへの意識づけ、これを高めていきたいというふうに考えているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○髙村部会長 加藤室長、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、小笠原地球環境局総務課長からご説明をお願いいたします。
○小笠原地球環境局総務課長 地球環境局総務課長の小笠原です。
 私からは、炭素中立型経済社会変革小委員会の中間整理についてご報告をいたします。地球部会、総政部会合同で設置いただいた小委員会でございます。資料3の2ページ目をお開きいただければと思います。経緯としては、設置のときにご紹介したとおりでございますが、岸田総理から、1月にクリーンエネルギー戦略を取りまとめるように指示が出まして、環境省に対しては、地域、暮らしという観点から具体策の検討をという指示があったところでございます。これを受けて、中環審に小委員会を設置して議論を行ってきたところでございます。以下、大部にわたりますので、報告書のポイントでございます。
 11ページをお願いいたします。まず、目指すところの経済社会の姿、社会像として、真ん中の辺りで、「サステナブルな経済社会の実現、そこでの人の幸福」というのをゴールというふうに置いております。
 12ページをお願いいたします。それに向けて将来の経済社会像を左右する重要な要素といたしまして、投資拡大、人材育成、DX、それから国土、土地利用という四つの方向性をコンパスというふうに名づけて方向性を示しております。
 次、17ページをお願いいたします。環境省としての取組の方向性でございますが、地域とライフスタイルというところがお題として与えられています。地域とライフスタイル、真ん中辺りのオレンジの部分でございますけれども、地域とライフスタイルという観点から、民生部門を中心として運輸部門に取り組んでいくと。そういった取組は、さらに上流の産業部門、経済社会全体へ大きく影響を与えていくことを目指す、そういった取組のアプローチでございます。
 続きまして、22ページをお願いいたします。まず、具体的な取組の一つ目の柱でございますが、地域脱炭素でございます。何をやっていくかというところ、一つ目、①のところは、まずもって脱炭素先行地域の深化・加速化ということで、この後も報告があるとおり、まず、26か所を選定して、少なくとも2030年度までに100か所実現という、これをしっかりとやっていくというのがまず第一歩でございます。
 それから、23ページにいきまして、脱炭素先行地域のみならず、地域と連携しながら、自治体と連携しながら炭素中立型の地域づくりを全国で加速化していくということ。このために一つ目のところにあるとおり、都道府県、市町村の連携による自治体主導の脱炭素移行の加速化ということ。それから、地域金融機関との連携による地域脱炭素投資の加速化ということ、さらには、地域企業の脱炭素化移行の支援といったことにも取り組んでいくという方向性を書いております。
 続きまして、25ページですが、今度はライフスタイルの観点でございます。消費ベースで見ると、我が国のライフサイクル温室効果ガス排出量の6割が家計に由来をしているということから、家計の選択というのが経済社会全体に大きな影響を及ぼすという観点に立って、住宅・電動車等の設備面への対策、それから、消費者の意識・行動変容を促す施策を両輪にやっていくことによって、脱炭素化と経済社会の好循環を実現することを目指すといったストーリー立てで書いております。
 27ページ、お願いします。消費者の意識・行動面の取組としては、四つのアプローチ、一つ目としては、具体的な行動の選択肢、何をしたらいいのかというのをゼロカーボンアクションという名の下で、具体的な選択肢を分かりやすく示す。それから②として、グリーンライフポイントとかといった予算事業も活用しながら取り組むインセンティブを促進していく。③として、ナッジ手法や製品・サービスのCOの見える化といった消費者に対する分かりやすい情報提供を通じて、消費者の取組意欲を喚起していくといったこと。それから四つ目として、多様な主体・媒体、BtoC企業による国民に身近なところでの情報提供なんかも含めた多様な主体による情報提供、そんな方向性を打ち出しております。
 それから30ページでございますが、ライフスタイルの設備面の取組として、住宅設備については省エネ基準義務化と引上げを行っていくとともに、既存住宅の断熱リフォームについても、補助金を使いやすくすること等によって促進していくといったことを記載しております。
 続きまして、33ページをお願いします。今度は国際面ということで、世界の脱炭素移行と強靱化への貢献ということで、基本的には各国の途上国の脱炭素化に向けた長期戦略、ビジョンの策定、支援、そういった取組をJCMといったことで、資金も含めて支援をしていくということ。それから、日本の都市の経験を都市間連携によって途上国に移していくことによって、途上国の都市の脱炭素化、強靱化を進めていくといったこと。それから、COの削減、フロンなんかの削減も進めていくといった、そういったアプローチでもって途上国の脱炭素化、世界の脱炭素化に貢献していくということがこの後、何ページにもわたって記載をしております。
 それから47ページですかね、国内の話に戻って、脱炭素化に向けた金融ということで、これは環境省、経済産業省、金融庁、それぞれのツールでもって、みんなで協力しながら進めている世界ですけれども、環境省でいうと、例えばグリーンボンドのガイドライン等の国内ルールの整備であるとか、それから地域金融機関の営業力を活用して、金融機関によるコンサル機能と金融機能の両面からの支援を推進していくであるとか、それから金融機関による顧客への脱炭素化支援に関する資格制度の検討といったことを通じて、地域金融機関と連携をしながら、脱炭素を進めていく、そういったアプローチを記載しております。
 それから49ページ、今度は事業会社経営、脱炭素経営の促進ということで、TCFD等が進む中で、各社の排出量の算定等をScope3、サプライチェーン全体を通じた排出量の算定が求められ、そこの負担があるという中で、排出量の算定、共有のためのプラットフォームの整備であるとか、中小企業への排出量算定のノウハウ提供であるといったこと、それから、サプライヤーと連携した排出削減の取組のモデル構築といったことに取り組んでいくといったことが記載をされております。
 それから52ページ、カーボンプライシングについては、カーボンプライシング小委員会への取りまとめをベースとしながら記載をしております。
 それから、あとは54ページ辺りには、資源循環と炭素中立型の経済社会を同時に推し進めていくといったこと、それから、56ページ辺りでは、生物多様性と炭素中立型の経済社会を同時に推し進めていくといったことが記載をしております。
 そして、こういった府省の取組内容については、クリーンエネルギー戦略の有識者懇談会に報告をしているところでございます。その関係でいくと、資料4をお願いいたします。
 資料4は「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会における資料です。5月19日のクリーンエネルギー戦略懇談会に、環境省のほうからこのレポートを、それから経済産業省からは、クリーンエネルギー戦略の概要について報告をしたところでございますが、そのときに、総理からはグリーントランスフォーメーション、GX投資のための10年ロードマップの策定、それから今後10年間に150兆円の投資を実現するために、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化する中で、20兆円とも言われている必要な政府資金をGX経済移行債で先行して調達して、投資支援に回していくことも検討していくと。そのために、本年夏に官邸に新たに「GX実行会議」を設置して検討していくといった指示が出されたところでございます。
 これを受けて、資料6、GX実行会議というのが7月27日に設置をされまして、総政部会の委員である淡路委員も委員に加わっていただいているところでございますが、検討が進められているところです。
 GX会議の検討事項については、その次の2ページ目をお開きいただくと、GX経済移行債の創設、ここの中には、カーボンプライシング構想の具体化ということも含めてですね。それから規制・支援一体型投資促進策、GXリーグの段階的発展・活用、新たな金融手法の活用、アジア・ゼロエミッション共同体など国際展開戦略ということで、こういったことについて検討を進めていくということになっております。
 環境省としても、4ページ目、第1回のGX実行会議に、環境省としてはこういうことに取り組んでいますということを、方向性を資料でもって環境大臣のほうから意見表明しているところでございます。
 私のほうからの説明は以上でございます。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 炭素中立型経済社会小委員は、この部会からも大塚委員が小委員会の委員長として、そして淡路委員、竹ケ原委員、馬奈木委員も小委員会へご参加をいただいています。ありがとうございました。
 続いて、地域脱炭素事業推進課、髙橋課長補佐からご説明をお願いします。
○髙橋地域脱炭素事業推進課課長補佐 ありがとうございます。地域脱炭素推進審議官グループの地域脱炭素事業推進課課長補佐の髙橋でございます。私のほうから、脱炭素先行地域についてご説明させていただきます。
 まず、当課ですけれども、7月に環境省組織再編がありまして、今まで環境計画課が担当していた事業につきまして、新たに地域脱炭素推進審議官グループに二つの課と一参事官室を置きまして、これから地域の脱炭素をますます支援していくために、体制を強化させていただいております。本日は、この地域脱炭素事業推進課のほうから、脱炭素先行地域についてご説明させていただきます。
 脱炭素先行地域でございますけれども、地域脱炭素ロードマップ、こちらは昨年の6月に取りまとめていただきまして、こちらに基づきまして、少なくとも100か所の脱炭素先行地域で、2025年までに取組の実施の道筋をつけまして、2030年度までに実行しようというものでございます。
 こちらの脱炭素先行地域でございますが、これまでもご説明がありました民生部門の取組の強化が今求められているところでございまして、こちらの電力消費に伴うCO排出の実質ゼロを実現と、またそれ以外の部門、運輸部門であるとか熱利用、こういったものについても地域の特性に応じて排出削減を実施するということで、この式にありますとおり、できる限り電力需要量については省エネをさせていただいて、その上で残りのエネルギーは再エネ等で補うということで、実質ゼロを達成するということでございます。言うなれば、2050年にカーボンニュートラルを目指すことにしていますが、その20年の前倒しということで、モデル的に取り組んでいただこうというものでございます。
 この先行地域でございますが、類型というものを我々は考えておりまして、やはり2050年のカーボンニュートラルを見据えて、様々な類型があったほうがよかろうということで、農山漁村や離島、都市部の街区といったこういったところで地域の課題を解決していただき、住民の暮らしの質の向上も実現しながら脱炭素をしていただこうということで、第1回の選定につきましては、1月25日から2月21日まで募集をしておりまして、その選定結果を4月26日に公表したところでございます。
 2ページ目をお願いいたします。お陰様で共同提案も含めまして、日本全国の102の地方公共団体から79の計画提案をいただいたところでありまして、この中から26の脱炭素先行地域を選定させていただきました。この表にありますのがその26提案でございます。今回、また先週の7月26日から1か月間、第2回の募集を行っているところでございまして、2025年までには少なくとも100か所を選定していこうということで、2025年まで年2回程度、募集と選定を実施する予定としてございます。
 幾つか取組をご紹介させていただきます。3ページ目をご覧ください。例えばこの左側、北海道上士幌町でございます。こちらは26提案の中で唯一、町全体を脱炭素先行地域としてご提案いただきました。地域の課題としましては、産業廃棄物として畜産ふん尿がございまして、こういったものからエネルギーを取り出して、それを家庭や業務ビルなどの電力に供給していこうということで、地域の課題と脱炭素を一挙に解決していこうという取組でございます。
 また、右側は神奈川県横浜市のみなとみらい地区を脱炭素先行地域としてご提案いただきました。やはり大都市ということで、大規模に電力の需要があるわけでございますが、そうしたところでいかに再エネの電気を調達してくるかということで、様々な手法にチャレンジいただこうということで、脱炭素と都市間の競争力の向上を目指している取組でございます。
 次のページ、お願いいたします。左上は長野県の松本市でございます。こちらは国立公園を活用しまして、様々、再生可能エネルギーを導入して、脱炭素を進めていこうということで、地域のビジネスなどの事業化も進めていこうというものでございます。
 その右側は、滋賀県の米原市と滋賀県との共同提案でございます。こちらは、脱炭素と農業の活性化ということで、耕作放棄地にソーラーシェアリングなどをしていただきまして、さらに得られたエネルギーを農業にも活用していただこうというものでございます。
 それから、左下は兵庫県の姫路市でございます。姫路市、姫路城、国宝でございますけれども、こういったところで脱炭素と観光というものを一緒に取り組もうというものでございます。
 それから右下は、鹿児島県の知名町と和泊町ということで、沖永良部島でございまして、離島特有のエネルギーの課題というものがございまして、こういったところで再エネを自立分散型の電源として確保することによって、島の課題と、それから脱炭素とを両方解決していこうという取組の提案でございます。
 最後のページ、お願いいたします。この先行地域の選定に当たりましては、有識者でなる委員会を立ち上げまして、ご意見をいただいているところでございまして、総政部会の委員であります諸富先生に委員長をお願いしております。そこで、第1回の選定につきまして、総評をいただいているのでご紹介いたします。
 まず全体的に、やはりなかなか我々も要綱などを示すのに時間がかかりまして、各自治体、提案まで時間がなかったと思うのですが、79ものご提案をいただきまして、これまではゼロカーボンシティの宣言であるとか、こういった機運は高まってまいりましたが、それが実行段階に移行しつつあるということを、改めて有識者の委員にもご確認いただいたところでございます。今回選ばれました脱炭素先行地域が地方創生も実施していただきまして、「脱炭素ドミノ」の起点になっていただくことを強く期待するということでございます。
 それから提案に対する評価といたしまして、まず、提案については一定の広がりであるとか規模を確保することが必要ですし、また真ん中、確実に実施する体制の構築であるとか、関係者との合意形成、連携体制、あるいは事業性とか資金の確保とか、こういったところがある提案が評価されたということでございます。それから右側でございますが、やはり先進性・モデル性といったところで、脱炭素だけではなくて地域経済の循環、あるいは地域課題の解決、住民の暮らしの質の向上と、こういったところとつながることで先進的な取組が数多く見られたということで、こういったところが地域への展開も期待できるようなモデル性のある取組ではないかということでございます。
 それから、今後に向けてということで、第2回以降に向けたご示唆もいただきまして、これから我々もまた、100以上ということで選考を進めてまいりたいと思っています。より多くの自治体さんから提案がいただけることを期待しているということでございます。
 説明は以上でございます。
○髙村部会長 髙橋さん、どうもありがとうございました。
 それでは、これから審議に移ってまいります。
 本日、ご欠席の委員を含めて事前に資料、事務局から少し早めに皆様方にお送りしていると思います。この内容について、事前にご意見をいただいているものがございます。今、画面に映していただいていますが、石田委員、それから田中充委員からいただいております。これらの意見については、もう既に先生方に、委員の皆様には資料としてお送りしておりますけれども、提出されたご意見について補足説明等を希望される場合、あるいはこの場でご意見がある委員の先生方、ご発言をお願いしたいと思います。
 皆様慣れてらっしゃると思いますけれども、挙手アイコンを押していただくか、挙手アイコンがうまく機能しない、作用しない場合には、チャット機能でご発言の希望をお知らせいただければと思います。
 私のほうから指名をさせていただきますので、指名を申し上げました委員におかれましては、マイクのミュート機能を解除してご発言をいただければと思っております。全体の議論の時間とご出席の委員の数を考えますと、大変申し訳ないんですけど、非常に、恐らく二、三分というのが平均割りでいくとそうなります。したがいまして、できるだけ多くの委員にご発言をいただきたいと思っておりますので、できるだけ簡潔にご発言をお願いしたいというふうに思います。
 それでは、ご発言、ご希望の方は手を挙げて教えていただけますでしょうか。
 それでは、順番に指名をさせていただきます。まず、馬奈木委員、ご発言をお願いいたします。
○馬奈木委員 はい、馬奈木です。ありがとうございます。
 説明も簡潔に非常にありがとうございました。資料ごとにコメントを言わせていただきます。
 まず、資料1に関してなんですけども、経済・社会・統合的な指標の向上ということで、非常に多様な指標が同時に載っているんですけども、簡潔化のためにはもう少しシンプルに、例えばアメリカ、イギリス、中国でも使われているような自然資本が減少している、こういうのが少し大きな問題というのを明確に言われて、それ以外の人への投資や物への投資は増えているという言い方をされたほうがいいのかと思いました。ちなみに、日本の場合は、過去2年では、今度の秋の国連で報告書が出るんですけども、人的資本も減少になりますので少し悪い結果であります。幸福度の話をされておりましたけど、環境に特化しながら話されるとよいかと思いました。例えば、科学的なエビデンスとして、環境意識が高いことが寄附行動を促して、その寄附行動をすること自体が幸福度を上げるなどがございます。その中で、実際どういうところが今後のこういう取組として上向きになるかで、ボランタリーな炭素市場を活用して、農地所有でありますとか植林をすることのCO取引をすることは、CO削減ではなくIPBES的な自然の価値も上げることにもつながるのでいいかと思いました。
 次に、資料2に関してであります。資料2に関しまして、環境意識づけの効果をどう見るかということがございました。これは、今現時点では、ちょうど技術も出だしたばかりですけども、今後の検討として、ぜひブロックチェーン活用をされて、個人の反応がどう行動で現れたかを、その後に統計分析をするということができれば、簡易化をされるので担当者の方々の労力を減らすことが可能だと思います。
 次に、資料3、炭素中立に関するところであります。ここも、GX掛けるDXなどの表現をされておりますけども、GXとして国土利用などの言葉も入っておりますけども、比較的シンプルにGXが必要な理由がまず自然資本が減っているということに特化しながら、DXのほうが人的資本、人工資本などの、ほかがうまくいっている中で効率化を図るという、差別化をやることで自然をうまく活用することがDXでさらによくなるというふうなことを見せればいいのかと思いました。
 その途中で、首相を含めた専門家、懇親会のことを触れられておりました。その中でのGX移行債の話がございました。最後のこの首相の骨太の計画の中で、少し漏れた記述でグリーンGDP(仮称)というものがございます。これは昭和55年程度で国内でストッカー計測の会計を諦めたので漏れたらしいんですけども、ぜひ移行債などをするときには、このグリーンGDPというのが実質GDPプラス自然資本の変動分なんですね。そういう自然資本、または自然の価値へのインパクトがどうあるかということを、ぜひ大事にしていただきたいと思います。
 最後に、資料10、時間がなくなりましたので、資料10、短く終わります。脱炭素先行地域は提案の評価の議論がございました。個別の成功事例がどううまくいってよいかではなく、補助がなくなっても回る仕組みを内部にどう担保しているかを評価基準にしていただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは続きまして、山極委員、お願いいたします。
○山極委員 ありがとうございます。これまでのご努力にまず感謝したいと思います。
 私は、地域循環共生圏の推進について、ほかの省庁との連携というのがどうなっているのか、少しお聞きしたいんです。といいますのは、国土交通省が2045年へ向けて立てた計画の中で、過疎地域の扱いについて、中都市へ集中させてサービスを向上させるというような目的を上げていて、これが環境省とミスマッチを起こしているような気がいたします。
 それから、今、森林の管理については、日本では森林が投資対象になっていて、管理義務が課されていないということが、森林の放置につながっている。これを、各地域では既に森林の所有者と管理者、そして地元住民、3者の間で合同協議をするような試みが、今もくろまれておりますけれども、こういったことを推進することを新たに取り上げてもいいのではないか。先ほど統括官がおっしゃいましたように、新型コロナによって随分情勢が変わりました。関係人口、流動人口というものを含めて、過疎地域をどう活性化させるかということが課題になっています。空き家を修理して二地域居住、複数居住を推進するとかいう形で、地域の活性化を目指すというようなことを新たに取り上げてもいいのではないかと思います。
 それから最後に、国際指標に関しましては、小笠原さんの説明で大分分かったんですけれども、最初のご説明で6つの重点戦略で唯一抜けていた点です。国際指標に関してはJCMを取り上げましたけども、カーボン・クレジットだとかそういったことを、具体の数値目標を立てて推進してこられたのか、その辺りをもう少し明確にしたほうが分かりやすいのではないかと思いました。
 以上でございます。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 いただきましたご質問等につきまして、あるいは、事務局からの追加的な説明については、委員の先生方、ご発言が終わりました後で、まとめて事務局から発言をお願いしたいと思います。
 それでは、武内委員、お願いいたします。
○武内委員 武内です。端的に申し上げます。まず、環境基本計画の点検に際して、最近特に注目されているプラネタリーヘルスという考え方がどのように位置づくかということを考えていくということが、次の第六次の環境基本計画にとって大変大きな意味を持つというふうに思います。感染症の拡大といった状況の中で、環境とそういう問題をどううまくつなげるのか。プラネタリー・バウンダリーという概念は第五次で提唱いたしましたけれども、それに引き続いたプラネタリーヘルスの考え方、これが重要ではないかと思います。
 2番目に、最近、国連大学で環境省が中心になって気候変動枠組条約と、それから、国連の社会経済局と合同で、気候変動とSDGsのシナジーに関する国際会議というのをやってまいりました。私ども、地域循環共生圏を言っておりましたけれども、まさにこれが国際的な場で議論されるようになったということであります。したがって、私どもが単独でやっているのではなくて、そういう大きな国際的な流れの中でこの地域循環共生圏を位置づけるというふうな捉え方も必要ではないかというふうに思います。
 それから、今日の資料の中で、脱炭素については、地域の脱炭素については総政部会、それから、地域の自然資源の活用については自然環境部会というふうになっております。私も自然環境部会長ではありますけれども、一つ大きな問題は、例えば、ソーラーパネルや風力発電が国立公園の景観や環境を阻害するといった問題、これは現実に生じております。そういう意味で、二つの部会がばらばらにやるのではなくて、これが一緒になってその問題を統合的に捉えるという観点が必要なのではないかというふうに思います。
 それから、4番目としては、環境基本計画、環境基本法に基づいてやっているわけですけれども、だんだんと扱う領域が広くなって、環境という言葉でくくってしまうには、もはや限界である、まさに環境のバウンダリーに達しているということで、むしろ持続社会基本計画のようなものに向けた取組、これは環境基本法の改正も含めて、あるいは、場合によっては環境省の設立目的も関わってくるかもしれませんけれども、そういうところからの考え方というのをぜひ検討し始めるべきではないかというふうに思います。先日、和田事務次官とお話しした際にも、和田事務次官もそういう問題意識は持っているというふうなことでございました。
 最後に、途上国の脱炭素化について技術移転というお話がございましたけれども、私は基本的には、この脱炭素の技術の交流というのは、単なる日本から途上国への技術移転というふうな視点だけでやっていくべきではないと思っています。お互いが共に利益を共有しながら、お互いが成長していくという、私たちはこれをコ・イノベーションというふうに言っておりますけれども、やはりそういう視点を持って取り組んでいくということが重要なのではないか。特にJCMが、今後、例えばインドをはじめとして展開が期待されているわけで、そういうふうな点ではなおのこと、言わば謙虚な姿勢で臨んでいくというのが重要じゃないかと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、浅野委員、お願いいたします。その後、小和田委員、崎田委員とお願いいたします。
 それでは、浅野委員、お願いいたします。
○浅野委員 ありがとうございます。
 武内先生から環境基本法についてのお話がありました。確かに環境基本法それ自体をもう一度見直していくということが、そろそろ時期的にも、必要になってきていると思います。ただ、いまの環境基本法は環境の定義を置かなかったということが、かえってよかったんだろうと思われる。つまり、どんどん対象領域が広がっていくということが、これである程度のところまでカバーができているというふうに思いますので、そのことを前提に置きながら、特に、世界各国で特に手続き的環境権について憲法の中に入れるというような動きもあるようですし、そういったことを踏まえた検討が、今後ますます必要になってくるんだろうと思います。
 2点ほどございまして、まずはアセスについて、54ページ、それから、61ページ以下に各論が出ております。この中で、特にアセスの技術手法の開発が必要であるという指摘はそのとおりですが、そのために現行法ではどうも制約的になってしまっているフォローアップ手続きですが、これをもっと広く行うことができるように制度をいじるということが必要だろうと思います。
 それから、さらに、今ちょっと申しましたが、手続き的環境権という考え方がもう世界では主流になっているということがありますので、取りあえずやっぱりアセスの中でのこの面からの寄与というのは十分可能性がありますから、これらを踏まえた制度の見直しが、アセス制度についても出てくるのではないかと思います。
 もう一点は、あまり大きな問題ではないかもしれませんけれども、18ページ以下のところに、文化的資源の活用ということが環境基本計画の中にも出ているようでありますが、これについて、どうも、何となく文化財保護的なものを中心に、それをどう利用するかみたいな発想になってしまっているような気がするのですが、例えば、太宰府市では市民遺産という概念を最初から使っていまして、ある市民遺産の対象となることについては、ある種の物語があるんだろう、物語を具体化できるような物とか事とかいうものがあるので、それを捉えて、しかもそれをしっかり市民がサポートするための活動ができているというものを市民遺産という呼び方をして守っていこうというような考え方が取られているわけです。文化「財」保護といっても、ものだけではなくて、市民がそれを活用するということを踏まえた取組でなければ意味がないような気がするわけですね。環境政策の部分から考えるときには、そういったような観点をぜひしっかり入れていく必要があると、この点検報告を見ながら思った次第でした。
 以上です。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、小和田委員、お願いいたします。その後、崎田委員、田中里沙委員と続きます。
 小和田委員、お願いいたします。
○小和田委員 ありがとうございます。
 私のほうからは資料1について3点コメントさせていただきます。
 まず、8ページ目の点検の視点でございますけれども、今回、「Well-beingの向上につながる取組かどうか」ということを視点として取り入れていただいていますが、これは「第六次環境基本計画」に向けても非常に重要な視点であり、賛同いたします。
 20ページに詳細が幾つか紹介されていますが、脱炭素への取組と合わせて災害への備えは地域のレジリエンス向上に資するものであり、そこに暮らす人々の健康で安全な暮らし、すなわちWell-being向上につながるものだと考えております。この点から、再生可能エネルギーと合わせて、地域の既存インフラを活用した高効率な分散型エネルギーシステム活用やエネルギーを融通し合う各主体の連携など、地域のレジリエンス強化につながる取組をぜひ推進していただきたいと考えてございます。
 2点目が、19ページの重点戦略3の進捗状況についてでございます。今回、脱炭素先行地域における「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」など、カーボンニュートラル実現に向け意欲的な地域に対して支援していただいていておりまして、この点について、まず感謝申し上げたいと思います。日本商工会議所では、5月に発出した意見書でも申し上げておりますが、自治体、企業、住民、これらが連携してカーボンニュートラル実現に向けて、賢く考え、地域社会を優しく変え、そして、地域創生へとつなげていく、この取組が不可欠だと考えてございます。再エネやバイオマス、それだけにとどまらずに、既存のインフラ、あるいは、人材、技術、こうした様々な地域の資源をいかにうまく活用していくかということが鍵となってまいりますし、また、カーボンニュートラルと合わせて、地域経済の活性化、これが図られるよう、ぜひ地方環境事務所、あるいは、地方自治体の皆さまにリーダーシップを取っていただきたいと思っております。また、商工会議所としても、地元の企業として、重要な主体として関わってまいりたいと考えております。
 最後に3点目ですが、指標についてです。84ページに、環境・経済・社会の統合性向上ということで、これらの基本的な指標は取り上げていくべきだと思っております。ここに書かれてありますように、長期的に日本のGDPは停滞を続けております。カーボンニュートラルへの挑戦すなわち地域資源の活用による地方創生や、あるいは技術開発と社会実装、さらにはこれを実現することによって持続可能なライフスタイルの変革が新たな経済成長、あるいは幸福度向上につながるような施策をぜひ期待したいと思っております。温室効果ガス削減と経済成長のデカップリングが実現していくよう、環境省のみならず、ほかの省庁様とも政策を有機的に連携しながら、総合的に環境政策を推進していただきたい、そのようにコメントさせていただきます。
 私からは以上です。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 崎田です。よろしくお願いいたします。私からも3点ほどお話をさせていただきたいと思います。
 1点目は、まず、第五次の環境基本計画の点検なんですけれども、これに関しては、最初のお話にあったように、第五次の実施の途中で日本がゼロカーボンを宣言した、そして、いろいろな内容をより強化していくという段階に入ってきたという、そういう中でご苦労されて取り組んできていただいたものというふうに評価させていただきたいというふうに思っています。この状況の中で強化してきたということは、評価したいんですけれども、実は、現実にそれがどういうふうに進んでいるのかということを考えると、例えば、様々な支援施策、補助金であるとか支援施策が、現実に当初よりも強化されるような条件設定になっているのか、それに現実が対応しているのか、そういうことを丁寧に見ていただければありがたいというふうに思います。いろんな制度の審査などに関わらせていただいていて、例えば、電気自動車をちゃんと導入するというところが、その電気自動車の電気を再生可能エネルギーに本当にしているのかどうかとか、次の段階が求められていると思うんですが、なかなか今までの第五次から第六次に移る途中で、そこがきちんと動き切れていないという、そういうものも現実にあるのではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 2番目なんですけれども、やはり点検の中の、今回、環境教育のことがかなり出ています。人材育成というか、私たちの暮らしを変えていく、そのものが大変重要なので、強化していただくのは重要だと思うんですが、その中に教育委員会というか、教職員の研修のものとSDGsの推進のネットワーク、この二つを大きくしてくださっておりますが、現実に環境学習センターの運営などをしている実感から言うと、今、社会で本当に企業の皆さんが自分たちの経験やスキルを基に、次の世代にどう伝えたらいいかとか、かなり熱心に考えておられるような動きが増えてまいりましたので、そういう動きを地域がどういうふうに一緒になって次の世代に伝え、生かしていくか、あるいは、そこから親の世代に持っていくかとか、新たな戦略も必要なのではないかというふうに考えました。よろしくお願いします。
 3点目、最後なんですけれども、この後、いろいろなゼロカーボンの地域づくりの様々なお話がありました。それに関して総合的に一つ申し上げたいんですが、私は今、暮らし、地域の視点で持続可能な地域づくりに取り組んでおりますが、今、東京23区のゼロカーボンを、特に23区が連携してやる施策はどこにあるのかという研究をしております。そこの研究チームのリーダーをしているんですけれども、その中で、やはり先ほど来出ている民生部門がありますが、民生の中の中小事業者さんにどう変わっていただくか、そこを環境・経済・社会の視点で一緒に取り組んでいくかというところで、中小企業庁さんとか経済産業省、あるいは、先ほどの商工会議所さんとか、様々な分野との連携とか、金融との連携とか、本当に大事になってくるというところがありますので、やはりそういうことがどこでもやりやすいような形に情報をブレイクダウンしていくというところを一緒に考えていただければありがたいなというふうに強く思います。
 最後に、そういう中で、地域でもどれだけ一生懸命やっても、最終的に森林吸収源をしっかりと育成していくということが重要になってくると思いますので、日本全体でどういうふうに支え合っていくかという、地域循環共生圏を少し大きく見たような将来構想を作っていただくのもいいのではないかというふうな感じもしております。どうぞよろしくお願いいたします。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、田中里沙委員、お願いいたします。その後、石上委員、河口委員と続きます。
 田中里沙委員、お願いいたします。
○田中(里)委員 田中です。貴重な資料のまとめと丁寧なご説明をありがとうございました。私から2点ほどお話しさせてください。
 一つ目は資料1の指標についてです。今、国を挙げて、地域・組織を挙げて脱炭素への道に向けて取り組み、指標と点検を各省庁でも行っていると思いますけれども、環境省ならではの視点が浮き彫りにできると良いと考えます。自然・文化・暮らしの伝承も含んで、多面的に脱炭素社会というのを地域循環共生圏において検討がなされている知見もありますので、その現状の姿を改めて強調されたいと思います。その際に、効率や削減効果に加えて、自然に恵まれた多様な文化資源の活用と、その適切な保護がどうあるべきか、具体的な事象として示されて、持続可能な地域社会づくりにつながっていくことを明確化できればと思います。また、それを行うに際して、技術の開発や工夫が生まれますので、それ自体にも持続可能な成長が担保されているかという視点も大事だと思っております。また、環境に資するような質の高い生活を指向する中では、里山、海、川の自然に親しむライフスタイルや、ここから派生するワーケーションの促進、地域と都市部との交流、そこからWell-beingな生活など、この辺は具体的な定性評価で見せていくということが有効なのだろうと想像します。
 もう一点、資料10に関しましては、脱炭素の先行地域が、既に特徴と個性ある事例が創出されそうな地域から手が挙がっていますので、期待をするところです。民生部門に注力する中で、累計は生活圏の視点からということになりますけれども、人口規模も様々ですし、この先行事例をこの先26から100にする過程の中でも、自分自身の地域に今後応用・活用できるようなアイデア、成果をどう見るか、ということが明確になるようなスタンスで取組を見ていければと思いますし、そこの中での創意工夫を際立たせていただきたいと思います。
また、今先進的な地域として該当している地域の中でも、さらに参加できる企業や人や組織があると思います。まだ、取り残されると言ったら申し訳ないんですけれども、参加し切れていないところ、ただ、独自には脱炭素に向けて取り組もうと志向されるところもありますので、ぜひ情報をタイムリーに共有いただきたい。そこのボトルネックは、やはり情報であり、情報格差かと思いますので、市町村と地元企業、あるいは、自治体からの情報発信がさらに一工夫されるような後押しができればと思います。
 以上、よろしくお願いいたします。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、石上委員、お願いいたします。
○石上委員 ありがとうございます。連合の石上です。
 連合としては、GX実行会議にも会長の芳野が参加をして、第1回の会議でも発言をさせていただいておりますが、このGX実行会議の中の議論においても、この間主張させていただいた公正な移行の視点をしっかりこのロードマップ、そして、新たな投資、そういう中での考え方の中にしっかり埋め込んでいただきたいというような主張をさせていただいております。その意味で言うと、このGXを進める、そして、カーボンニュートラルを進めるという中で、失われる労働なり、失われる企業なりというものを抱えている地域、そういった人たちが脱炭素に参加できるという前提は、やはりこの公正な移行の考え方をしっかり政策なり、そして、その分析なりをする、そういうことが必要なんだというふうに思っておりまして、新たなものをつくり出す地域の人たちは、簡単に参加はできるんですけれども、今抱えているものが失われるという、そういう人たち、その人たちに対しての、その地域に対しての具体的な政策、そして、その政策が実際に効果があるのかどうかということを分析する、そういったものを組み立てていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、次の計画においても、やはりそういった視点を明確に、そして具体的に入れていく、そういうことが必要なのではないかというふうに思っております。我々としては、今後もこの発言をさせていただいて、議論させていただきたいと思っていますが、GX実行会議においても、その視点で引き続き発言をさせていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、河口委員、お願いいたします。その後、少し早めにご退席と聞いております田中充委員にお願いをしようと思っております。
 では、河口委員、お願いいたします。
○河口委員 ありがとうございます。
 私は、主に二つの資料の点で2点ご指摘させていただきたいんですけれども、一つ目は重点課題の一つ目の資料ですね。そこのページの、ページ15から17のところなんですけれども、地域資源を活用した持続可能な地域づくりということで、重点戦略3というところになっているんですが、それの16ページのところに、地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用とあります。これは再生可能エネルギーを地域で促進していくということで、これはとてもいいことだと思います。それで、17ページに地域の自然資源・観光資源の最大限の活用というふうに書いてあります。何が言いたいかといいますと、この二つというのは、これだけ取ってみるととってもいいことなんですけれども、最近、地域で起きていることは、風車を建てようとしていて、それは地域のこの環境資源を破壊するじゃないかとか、放っておくと耕作放棄地にどんどん太陽パネルが貼られてしまって、もうどんどん景観を悪くしていって、これは観光資源にはマイナスになるというようなお話を地域の方から非常に多く聞くようになっていて、この重点戦略がそれぞれ走っていると、ここの整合性というかここのバランスというのが物すごく大事になると思うんですが、それをどうやって、誰がどうやってコントロールするのかなという仕組みがないよねというところで、それぞれ担当の人が一生懸命頑張ると、ここのコンフリクトが大きくなってくるのと、特に地域の方たちは、再生可能エネルギーと言っているけれども、分かりやすい太陽光パネルがずっと山の斜面を覆っているですとか、風車が目の前にあって景観が悪くなるですとか、そちらのデメリットのほうを大きく感じているので、こういう政策をやる場合ですと、それをどう整合させるのかというような観点を、これからぜひ入れていただきたいなと思います。
 もう一点は、資料の3番目の、炭素中立型の資料なんですけれども、そこの17ページには、いろいろとやるべきことというのが一覧表になっております。これを全部見ていると、基本的にエネルギーの話なんですが、今やネイチャーポジティブとかグラスゴー会議もそうですけれども、森林ですとか、あと土壌ですね、農業に使う土壌についてのCOの削減能力みたいなところにフォーカスしていて、そういうふうに考えていきますと、これはあまりにもエネルギーだけに偏っていると。一方で、ライフスタイルと言っていて、ライフスタイルで電気を使うところというのはこれでいいんですけれども、食料ですとか、それ以外部分というのが全く書いていないので、これからこれを進めていく中で、土壌ですとか、森林、森林は多少ありますけれども、こういった部分に関してもきちっと書いていったほうがいいのではないかなということです。
 私のご指摘は以上です、2点。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは、田中充委員、お願いいたします。その後、竹ケ原委員、堅達委員と続きます。
 田中充委員、お願いいたします。
○田中(充)委員 ありがとうございます。少し早めていただきまして、ありがとうございました。
 私は、既に先行してコメントを出しておりますので、回答内容について拝見させていただきました。その内容で、ぜひ進めていただければと思います。その上で、追加で脱炭素の取組について少し強調しておきたいと思いますので、幾つか新しい提案も含めてさせていただきたいと思います。
 この地域脱炭素先行地域の取組は、言わば日本の脱炭素社会を先取りする、地域から実現していくというとてもいい取組ですし、ぜひこの取組を加速し、また拡大してほしいというふうに思います。
 その上で、具体的にぜひお願いをしたいというのは、一つは情報公開であります。先ほどもどなたかの委員がおっしゃいましたけれども、こうした自治体の取組が往々にしてブラックボックス化して、事業が終わらないと関連情報が公開されないということがしばしばあるんですが、これは、場合によっては進行中であっても情報公開をして、他の自治体にそうした先行取組を、言うならば波及させていくという、そういうことが期待できないだろうかと思います。そういう点では、情報公開をぜひお願いをしたいと。これが1点目です。
 それから、2点目は、一つは脱炭素というキーワードでゼロカーボンを目指すんですが、同時に地域のレジリエンス、言うなれば気候変動適応ですね、そこにもつながるような、そうした気候変動影響の備えを強化する、そういう視点を組み込んだ取組を、ぜひ高く評価していただければというふうに思っております。言うならば、脱炭素と気候変動影響適応の、マルチベネフィットということになるかと思いますが、そういう取組です。
 3点目は、こうした脱炭素の取組を通じて、地域で、例えばゼロカーボン計画をつくったり、あるいは、具体的な成果を上げた自治体に、国から、言うならばインセンティブを必ず出していける仕組みができないだろうかと。つまり国全体として、そうした社会が脱炭素に向かう、特に地域社会のイニシアチブで向かうことについて後押しをするということが必要で、今は、この脱炭素先行地域は、いわゆるモデル性のあるものを100自治体ほど選ぶということですが、1,800の自治体が日本にありますので、そういう中で、ぜひ脱炭素に取り組んでいる自治体を応援するという仕組みをつくっていただければありがたいなと思います。
 最後に、気候変動適応のほうは、国立環境研究所に全国の気候変動適応の取組を、アドバイスをしたり、情報プラットフォームとなるような適応センター、ナショナルセンターがあります。これから地域の脱炭素が、こうした様々な形で出てくるときに、そうした専門的な機関がそこを応援したり、アドバイスをしたり、あるいは情報を収集したり、評価をしたり、そういうセンターをつくってはどうかというのを考えております。まだアイデアレベルの話なんですけれども、ぜひご検討いただければありがたいと思います。
 以上、何点か申し上げました。よろしくお願いいたします。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、竹ケ原委員、お願いいたします。その後、堅達委員、豊岡委員と続きます。
 お願いいたします。
○竹ケ原委員 ご指名ありがとうございます。
 まず、何よりは詳細なレビューをどうもありがとうございました。
 資料1の8ページ、点検の視点に関してコメントさせていただきたいと思うんですが、お題、問いかけにあります全体を俯瞰しているかとか、他の保全効果へのシナジーであるとか、経済・社会面での効果、これはいずれの視点についてもしっかり持てていると感じました。
 その上で、先ほどの小和田委員と重なるんですが、この赤線で囲まれた部分、特にWell-beingとか幸福度という視点を入れてきたというのが、今回ちょっと新しいなと思いまして、この視点でちょっと見ると、ちょっと見え方も変わっていくような印象を感じたところです。先ほど来、先生のお話にもありましたけど、いいというもののバウンダリーが明らかに変わりつつある、逆に言うとこの視点を見せることで、これは環境の、金融でもそうなんですけど、ESGというフレームワークで見ようとすると、どうしても総合的になってきて、Eだけを切り出すとなかなか議論が進まなかったりするところがあるんですけども、今回も恐らくこの視点を入れることで、Eを起点にSの視点を加えることで、環境政策のアウトカムといいますか、インパクトの見せ方が少し立体的になるというか、充実するんだろうなというのを感じたところです。その観点で、今回の分野を見たときに一つ質問と二つコメントをさせていただければと思います。
 一つは質問なんですけども、重点戦略3の持続可能な地域づくりで、先ほど来、議論に出ております脱炭素の地域の選定であります、22ページに事例を紹介いただいていますが、非常に大きな関心を寄せていて、非常にすばらしいなと思うんですけども、これは当然、脱炭素ドミノを先行する地域をセレクトするというお立場ですから、恐らくあまたある取組の中で、比較的効果が大きくて実効性があるものが多分優先的に選ばれるということだと思うんですけども、資料にも随所に書いてありますが、そういったプロジェクトが持つ地域への裨益性といいますか、付随する効果についてはどんなふうに計測をされていかれるおつもりなのかというのが、もしお時間があれば聞きたいと思います。例えば、資料の中では、そもそもこういう事業自体がもたらす地域への雇用効果であるとか、高齢者の見守り事業なんかをセットにすることによる効果なんていうのが記載されていますし、先ほどの資料10のご説明でも、先進性・モデル性というところで、こういう点を見ていますよというご説明があったので、しっかり評価の対象に加えてらっしゃるとは思うんですけども、こういった脱炭素ドミノを進める過程で、実はWell-beingの効果も上がっているんだという見せ方もできるような気がしますので、この辺りの先々の計測の方法みたいなもの、もしお考えがあればお聞かせいただきたい、これが1点目であります。
 2点はコメントになります。
 重点戦略5の技術の開発・普及のところについては、多面的にICTとの組合せ、DX掛けるまさにGXで効率性の改善が語られていて、もうこれ自体が環境政策として極めて大きな価値を持つと思うんですけども、これもやっぱり同時に、特に物流のところの社会実装のところが顕著なんですが、自動運転が実用化されることによるモビリティーの提供であるとか、あるいは、ドローン物流が社会実装されることで買物弱者といいますか買物困難者のサービスが向上するとか、この辺はまさにWell-beingに直結するような素材も入っていますので、この施策の効果としても、このSの側面というのを見ていくというのはすごく意味があるんじゃないかと考えるところです。
 最後、基盤のところになります。基盤のところは、今回の対象ではない、金融みたいな話もすごく重要だと思うんですけど、今回注目したのは環境教育・環境学習の部分であります。これ自体、教育ですから、Eももちろんそうなんですけど、Sの効果として社会にもたらすアウトカムというかインパクト、すごく大きいわけですし、ESDの長い蓄積、歴史がありますから当然のことなんですけども、やっぱり教育現場に近い部分、まさに教育に力点が置かれていると思うんですけども、これを恐らく延伸していくと、教育段階を終えた後のリカレントみたいな話といいますか、もうちょっと広い意味での人的投資にもつなげていけるのはこの分野ではないかなという気がしました。これをもし人への投資とかインパクトとしてのWell-beingへの貢献みたいな形で整理できると、この分野の施策の効果としてもSの色彩がかなり強まるんじゃないかなという感じがしました。
 以上です。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは、堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 ありがとうございます。NHKエンタープライズ、堅達です。
 今回、2年前からカーボンニュートラル、そして今、脱炭素先行地域が進み始めていることも含めて、とても歓迎したいというふうに思っております。3点、ちょっとコメントさせていただきます。
 一つ目は、ページ35ですね。点検のほうの。そちらのほうで、例えば、再エネ、増えていますと。矢印で上向きとだけ。でも、こういうラフなことで本当にいいのだろうかと。実際問題、河口委員もおっしゃったように、量だけではなく質の問題というのもあるかとは思うんですけれども、量に関しても、私は全然足りているというふうに思っておりません。ここで、やっぱり世界とのずれが、非常にこのところ日本は顕著になっているというふうに感じておりまして、実は1.5度目標と日本の政策は本当に整合しているのだろうかというところを、やっぱり点検のときにしっかり見詰める必要があると思います。それは、端的に申し上げますと、去年のCOP26の合意文書にも書かれている、石炭火力のフェーズダウンの道筋を、日本が先進国であるにもかかわらずしっかり示せていない。本来でしたらフェーズアウト、これを先進国としては見せなきゃいけないところが全くできていないということ。それに対して技術開発とかにお金を投じる、150兆とかも、いろいろ出ておりますが、こうした分野でも、アンモニアに対する期待というのが、ちょっと偏り過ぎているのではないかなという危機感を持っております。石田委員からのご指摘にもありましたが、ライフサイクルアセスメント的に言って、アンモニアが寄与できるCO削減効果というのは極めて少なく、特に2030年まで、20%程度の混焼を少しできたとしても、4%ぐらいしかCOは減らないといったようなデータもございます。こういった辺りをどのように環境省として考えておられるのかというところを、ここをしっかり点検していく必要があるというふうに思います。
 2番目は、カーボンプライシング、こちらがやはりこれも世界とずれがある。これはやっぱりGXリーグが立ち上がりましたけど、希望者のみ、一部のところだけで参加しているという状況が長々と続くのは、やはり国民運動としてこの脱炭素が広がるということに悪影響があるというふうに感じています。環境省としては力を入れている分野にライフスタイルチェンジというところがあるんだと思いますけれども、つい最近の調査でボストンコンサルティングとか、あるいは、アメックスなんかがやった調査でも、日本の消費者の環境意識というのが極めて低い。例えば、ボストンコンサルティングの調査では、中国とかロシアなども含んでいる、そういう10か国のうち最下位だというような、そういうデータが出ております。ここは、実は、やはりCOを減らした者が得をする、あるいは、COを減らせないところは駄目なんだ、そういう環境に配慮した商品を消費者も選んでいくんだというところの屋台骨であるカーボンプライシングの問題が弱いのではないかなというふうに感じているので、これは第六次へのつなぎとしても、ぜひとももう一度改めてしっかり点検していただきたいなというふうに思います。
 最後、3点目ですが、やはり何人かの委員がおっしゃっておられたとおり、グリーンGDPとか、新しい資本主義における物差しというか、幸せも含めた価値観の計り方というところをもっとしっかりと見詰める必要があると思います。ダスグプタ・レビューという生物多様性の経済学というのがございますが、そういうところで言っている包括的富とか、あるいは、そこに占めている自然資本の役割、今回も、30by30とかNbS、Nature-based solutions的なことがごく一部に書かれていますが、もっとこれは環境省が所轄している部分として、もっと重要な政策提言として主流化させていくべきではないかと感じています。
 以上、お伝えいたしました。ありがとうございます。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは、豊岡委員、お願いいたします。その後、淡路委員、三好委員と続きます。
 豊岡委員、お願いします。
○豊岡委員 はい、ありがとうございます。
 重点戦略の見直しということで、3点申し上げたいと思います。たくさんの先生方も言ってらっしゃったんですが、脱炭素先行地域とかで、地域循環共生圏という言葉が非常にメジャーになって、大分進んで、本当にありがたいことであると全体的には思います。ただ、次につなげるための試みとして、物足りないもの、変えていただきたいものというところを中心に申し上げたいです。
 1点目は、重点戦略の俯瞰です。これは、方向性はできたというふうに感じましたが、中身については本当にまだまだだなというふうに感じました。それが何人かの先生方も言ってらっしゃったような再エネが増えているよといって、その量が足りているのか、質は大丈夫なのかというところも物足りないというところの1点目です。そして、先ほど山極先生もおっしゃったように、国土交通省との絡みもあって、地域のポテンシャルを本当に理解していますかというところです。地域のポテンシャルといって、それが環境省自体で本当に理解しているのというような大きな疑問を感じることがあります。なので、生かせるポテンシャルがどこにあって、そのポテンシャルでどんなことができるのかというような、もっと具体的に踏み込んだ課題解決の、正解とかヒントを探らないと、過疎にするのか、それとももう畳んで合理的に寄せちゃうのかというところも、全く答えが出ないわけです。地域にポテンシャルがあるのであれば、それを生かして、ちゃんと持続可能な地域をここではつくれるよというような、そういう生かし方のようなものが全く把握できていない。どこにどのぐらいあって、どんな地域で何が問題になっていて、それは解決につながるのかとかのようなポテンシャルの把握です。例えば、バイオマス一つにしても、どれぐらいの未利用材があって、どれぐらい利用ができて、そして、公園とかも含めて、どのぐらいのCOを排出するのかというようなものも全く出てこないというようなこともあって、地域の方々がそれに迷いに迷っているというような現状があると思います。
 それと、もう一つが、ノウハウが確立されていないです。そのポテンシャルを次にどのように活用したら発電なのか、新電力なのか、熱利用なのか、ミックスなのかみたいに、ノウハウが分かってない中、皆様、非常に時間をかけて手探りにやってしまっているということで、もう少しノウハウをしっかりと示すべき、やり方を示すべきというふうに思います。
 そして、三つ目、そのポテンシャルとノウハウを生かした、先ほどもその事業は一体続くのかというようなことをおっしゃっていました委員の先生がいらっしゃいましたけれども、経済性と地域効果ですね。地域効果、進めたいんだけれども反対住民とのあつれきも生むような、河口委員からのお話もありました。まさにこれが地域の問題で、デメリットをどう吸収して生かしていくのかというような、合意形成も含めた経済性と地域効果、それの検証も足りない。この三つが徹底的に足りないので、再エネが地域できっちりと根づかないんだなというふうに思っています。これは次の課題としてつなげていただきたいというふうに思います。
 2点目、それを体現する脱炭素先行地域づくり事業ですね。これは非常にありがたい第五次環境基本計画が生み出した施策だとは思います。そして、今26地域ですか、出てきているんですけれども、この点を面にしていく、ドミノになるかどうかの分析を早くもっとしていただきたい。というのが、点として優れているものと、面になるものというのは事例は違います。商流になったり普及モデルになっていくものと、独自のモデルとして優れているものというものは違います。今の段階ではそれがしようがないと思うんですけれども、非常に曖昧です。なので、それが真似ができるものなのか、自分たちでやったらどのようなやり方で効果が出るのかというようなところが検証されていないということがあるので、ぜひほかの地域の商流や普及モデルになるものについては、積極的に切り分けてやる。独自でできるものとしっかりと分けて、GX社会の主軸になる、切り札となるようなモデルを磨いていただきたいというふうに思います。ぜひ、何をやったかではなくて、変化を顕著にもたらすモデルは何なのかというところに、次の第六次についてはもっと具体的な検証をしていただきたい。そうでなくては、非常に地域には迷いが多くて、ただですらなかなか人材も、経済的にも不利な条件にございますので、過疎地が、どんどん残っていけないところにおいては、せっかくのポテンシャルを生かし切れていないというふうに非常に感じますので、この点をよろしくお願いいたします。
 それと、三つ目、環境省さんに対して、非常に全体としては進めていただいているんですけれども、指定の省庁だったということもあって、レビューに関しては、まだまだ見直しが進んでいないというふうに感じます。例えば、廃棄物であったり、国立公園の規制であったり、ポテンシャルを生かしたいと思っても、それの壁が非常に高くて利用ができない、みすみすもったいないというような事例も散見されますので、破壊なき創造はございませんので、そこも次の第六次につなげていただきたい。まだまだ破壊がされていないなというふうにも感じますので、この3点、よろしくお願いをいたします。
 以上です。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 時間が大分押してきていまして、大変恐縮でございますけれども、ご発言をできるだけ簡潔に、ポイントを絞ってお願いをできればと思います。
 それでは、続きまして、淡路委員、その後、三好委員、亀山委員とお願いいたします。
○淡路委員 千葉銀行の淡路でございます。1点だけ申し上げたいと思います。全体を通してですけど、特に点検結果についてもそうなんですが、どんなことをやってきたかという、そして進捗していますというようなご報告だったと思いますが、何が問題なのか、何が課題なのかというところにもっと焦点を当ててはどうかなと。その理由は、そこに焦点を当てることによって、非常に今後、自分たちがどうして動いていったらいいのかというヒントになるのではないかと思います。
 私は地域金融機関ですので、地域の方々と一緒に活動するということをしているんですけれども、その際に何か問題にぶつかったときに、こんな解決方法があるんじゃないかというようなヒントが欲しいなといつも思っているんですが、今回の点検結果を見る範囲ではなかなかそのヒントが見つけられないなという気持ちがしております。
 この活動を多くの地域に共有させていくということを考えるのであれば、具体性が必要であり、その具体性というのは、先ほど私が申し上げた課題や、うまくいかないところというところに着目することではないかと思います。GX実行会議にも参加いたしましたが、何人かの委員の方が、波及させていくには分かりやすさが必要だというふうにおっしゃっていましたので、そのうまくいかない、ボトルネックになっているところというのが最も共感を呼ぶのではないかと思います。
 以上でございます。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、三好委員、お願いします。
○三好委員 ありがとうございます。なるべく簡潔に聞きたいと思います。まず、取りまとめ、どうもありがとうございます。それで、幾つか考え方、いいなと思うところもありまして、今の淡路委員とちょっとかぶるんですけれども、SDGs、パイロット・プログラムの一つのSDGsのゴールだけじゃなくて、たくさん波及するような形、それはやっぱりシステムで考えて根本的な課題を見定めて、それで解決と提案・提示していくということだと思うんですよね。この考え方は、これから基本になると思いますので、このような考え方で全てに、次の、特に第六次環境基本計画にも取り組んでいただきたいなというのが一つと。
 あとは、今回の点検で、できるところはできているなという感じですが、できているんですけども、次のステージに進むべきもの、それからもうちょっと深化するものということが、かなり多くあったかなと思いますので、長期的目線、特に教育とか、そういうところはすぐには結果が出にくいので、続けて断続的に、継続的にフォローアップしていくことが非常に重要ではないかなと思うところが幾つかありました。第六次環境基本計画までも、今やっていること、どうやって広がったのか、どのようなインパクトを次の段階で出せたのかという必要もあります。
 もう一つは、脱炭素先行地域など、地域で取り組むものなんですけれども、やっぱりドミノ式にしようとすると、この情報格差的なものをなくさなくてはいけないというのも私は思っております。自治体同士の情報共有できるようなプラットフォームだとか、セミナーだとか、マッチング的なことというのを、環境省のほうでしていただけたら、ちょっと出遅れているようなところ、もしくはどうしていいのか分からないような自治体等も助かるし、次につながっていけるのではないかなというふうに思いましたので、その点はコメントさせていただきます。
 最後になるんですけれども、今、例えば脱炭素ということで、炭素、エミッションを減らすというような方向なんですけども、やはり再生型というか、やっぱり今減らしているだけでは持続可能にならないと思いますので、どうやったら、例えば森林の話だとか、農業、土壌の話もありましたけれども、どうやったらよりよくしていけるのか、それが本当の持続可能な社会、もしくは環境のつくり方だと思うので、そういう指標というか、そういう考え方、評価の仕方というのも、次、ぜひ取り入れていただけたらなというふうに思いました。
 以上です。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 それでは、亀山委員、お願いいたします。その後、大塚委員、髙橋委員と続きます。
 亀山委員、お願いいたします。
○亀山委員 丁寧なご説明、ありがとうございます。簡潔に2点、コメントさせていただきます。
 一つ目は、資料1の74から79ページ、環境教育・環境学習についてです。ここまで教育のリーダー育成に多くの尽力を割いていただいて、その成果が出ているというふうに受け止めました。しかし、世の中の声を伺いますと、それでもまだ間に合っていないということをよく耳にいたします。二つ課題があると思っております。
 課題の一つ目は、人材を育成するだけではなく、その育成プログラムに参加できない一般の先生方にも使っていただけるような、例えばコンテンツ動画を一つにまとめたホームページを立ち上げるとか、言ってみれば、リーダーじゃない人たちまで全体の底上げということは今後必要ではないかと思っております。国立環境研究所にもそういうニーズの声は聞こえてくるんですけども、研究者自身がそういったプログラムまで作っていくことができずに、やはりそれはそれなりのプロの方々にやっていただくというのが重要ではないかと思っております。
 課題の二つ目は、教育の場での持続可能性の主流化でございます。何を申し上げたいかといいますと、子どもたちに話を聞きますと、小学校や中学校で1時間みっちり環境のことを勉強します。温暖化の話を聞きます。すごく大切な問題だという意識が生まれます。しかし、その授業が終わったら、もう全然持続可能と関係ない日常が待っているんですね。例えば、お昼の給食の食べ残しを全部残飯として捨てるとか、あるいは今、夏で暑いからではあるんですけれども、非常にエアコンを効かせるらしくて、この暑いのに膝かけとか上着とかを皆さん持っていかれるんですよね。そういった形で環境教育、ピンポイントだけが環境によくても駄目で、学校全体がどうやったら持続可能な形で、子どもたちも腑に落ちるような形で運営できるのかというところまで足を踏み込んでいただきたいと思っております。それが1点目です。
 2点目が、今度、資料3のページ、56から57、ここでは、自然資本と炭素中立型の経済社会について書かれております。それで、ここはとても難しいところだと思いますけれども、一方では、炭素中立を目指すために、今後、吸収量を増やすような林業、健全な林業体系といいますか、もう育ってしまった木を切って木材利用して、また新しい苗木を植えて吸収させていくということが必要だと思うんですけども、また一方では、この30by30の動きがあって、できるだけ地域ごとの形で守っていきましょうというような政策が打ってあります。それで、やっぱり実際に森林をお持ちの方にしてみると、これ、どちらの話を聞いて森林経営すればいいのというような疑問が出てくるんですよね。ですので、ぜひ、この二つの考え方をどういうふうに整合性を取るのかということ、例えばゾーニングをして、ここの地域はやっぱり30by30で守るべきなんですよ、ここの地域はむしろ吸収源対策として積極的に森林経営すべきなんですよとか、そういった分かりやすい情報の出し方ということをしていただけると大変ありがたいんじゃないかなと思っております。
 以上でございます。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、大塚委員、お願いいたします。
 その後、髙橋勝浩稲城市長、お願いいたします。
○大塚委員 どうも恐れ入ります。4点、ささっと話をさせていただきたいと思います。
 一つは、環境・経済・社会の統合的向上のところでございますけども、特に地域循環共生圏の問題はやはり重要であると思います。地域循環共生圏特有の指標、あるいは脱炭素社会の先行地域のほうも、まさに同じような問題だと思いますけれども、3点ほどあると思いまして、一つは補助金がなくなっても持続性があるかどうかという点。それから、地域への受益があるかどうかという点。それから、ほかの地域との連携がうまくいっているかという、その3点ぐらいが特に重要だと思いますので、今後、どうぞご検討いただければと思います。
 それから、この環境・経済・社会の統合的向上のところで、前もちょっと申し上げたことがありますが、この20年、30年にわたって、ほかの欧州を中心としてカーボンプライシングが入った国が多いのに、日本は必ずしも本格的なものは入っていませんけども、1人当たりの国民所得はほとんど変わっていないという問題がありますので、経済社会との関係では、特にその点は触れておく必要があるかなと思います。
 あと、点検の仕方に関しては、淡路委員がおっしゃったのに私も賛成で、進捗がうまくいっているのは大変結構だと思いますけども、今後のヒントになるようなことをぜひ挙げていただきたいと思います。
 それから第2点ですが、アセスとの関係では、環境法の基本原則に関して、先日、UNEPのほうで政治宣言になってしまいましたけれども、未然防止原則とその環境アセスメントの関係というのは重要で、日本のアセスの段階は残念ながら、国際的な、国際条約が締結されているようなものとの関係で、必ずしも十分なものにはなっておりません。アセスの義務づけの対象についても、あと戦略的環境アセスメントに関してもそうでございますので、ちょっとここはぜひ注意していただく必要があるかなと思います。
 それから、先ほど、武内先生がおっしゃった再エネと自然とか地域紛争との関係の問題は重要な問題になってきておりますが、温対法の改正とかももちろん関係するんですけども、再エネに関して、アセス法が大規模開発の事業を対象にしてきたわけですけども、再エネは非常にそういうものに比べれば規模は小さいので、再エネ特有のアセスというのをちょっと考える必要があるんじゃないかという問題がございます。規模よりも立地のほうが特に問題だとか、事後評価のモニタリングが重要だとかいうところもありますので、今後、そういうものはぜひご検討いただければと思います。
 それから、炭素中立小委のほうは、委員長を務めさせていただきましたが、11ページのところで、次世代を尊重という言葉がありますが、これも本当は将来世代との公平と書きたかったところなんですけども、ちょっと分かりにくい表現になってしまっていますが、この点は武内先生も前から非常に重視されているところだと思いますけれども、あと、若者に対する重視もありまして、これは第六次環境基本計画でもぜひご検討いただきたい点でございます。
 それから、この小委に関してはいろいろ申し上げることがありますが、あと1点だけ申しますが、GXの経済公債が入って非常にいいことだと思いますけれども、この資金をどこから回収するかという問題がございまして、これは将来世代との公平との関係でもまさに重要な問題になりますので、52ページに出てくるカーボンプライシングが関係しますけれども、ぜひここは検討すべき課題であって、GX経済移行債を計画すればそれで済む問題では、必ずしもないところがあるということはちょっと申し上げておく必要があると思います。
 最後に、第4点ですけど、これも武内先生がおっしゃったJCMに関して、コ・イノベーションというところも非常に重要でございまして、今後はアジアの国々との共同という問題になりますので、これはアジアのゼロエミッション共同体構想でもぜひ重要な視点になってくると思います。
 すみません、長くなりました。以上です。恐れ入ります。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 チャットで、三好委員がご発言といいましょうか、追加のご意見をいただいております。チャットボックスにいただいている意見も、事務局のほうで拾って記録したいと思いますので、もし追加のご発言、意見がおありの委員がございましたら、そちらに入れていただければと思います。
 お待たせいたしました。髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋(勝)委員 稲城市の髙橋でございます。私からは2点コメントをさせていただきます。
 一つは脱炭素宣言、カーボンニュートラル宣言についてでございます。こちらは宣言を出すことが一つの機運醸成になって、施策に結びつけば大変いいことだと思うんですが、残念ながら、なかなか宣言のみで具体的な施策に結びついていないということも困難な事例もあるのかなと思います。そこで先ほどのお話の中で、宣言について具体的な施策、効果について点検をする、こういうことも必要なのではないかなというご意見がありましたが、これについては大変いいことではないかなと思っております。当市についてはまだ宣言が発出されていないんですけども、ぜひ来年度に向けてはカーボンニュートラルのロードマップ、あるいは具体的な計画をつくって、どのような施策ができるかをベースに宣言を発出したいなというふうに考えています。
 その上でなんですけども、やはり都市部についてはカーボンニュートラル、脱炭素についての施策が非常に具体策については、幅が狭められている難しい部分があります。太陽光パネル設置、あるいは小水力発電、さらにはこうしたゴミ発電、自己託送の問題など、様々な規制があって困難な事例があります。ぜひ、都市部の自治体についても取り組みやすいように、より一層の、いわゆる規制改革、こういったものも取組をお願いしたいなと思っております。
 2点目は、森林環境譲与税に関することなんですが、これまでカーボンニュートラル、脱炭素については、COそのものの排出削減、あるいはこれを回収して有効活用、特に最近では有効だなと思いますのは、COを回収して、それを地下に埋設するだけではなくて、回収したCOと水素を反応させて合成メタンを作って、これを都市ガスに活用しようと。このようなこともあるわけでありますが、もちろんCOの削減、あるいは回収して有効活用、これも大切な視点でありますけども、一方で、国全体として日本の資源であります森林で、これを吸収していこうと、こういったことも大切な視点かなと。その上で今、森林環境譲与税については多くの市で有効な活用がされていないというようなことでご批判も受けているわけでありますけども、ぜひ、この森林環境譲与税全体の使い道、これを国を挙げて森林を活性化して吸収を増やす、そして、できればこういった森林環境税の譲与をするに当たっての割り振りなども現時点のやり方でいいのかどうか、さらに再検討しながら有効活用できるような形を検討していただければありがたいなと思っております。2点、よろしくお願いいたします。
○髙村部会長 ありがとうございました。髙橋市長からのカーボンニュートラルのロードマップ、計画、そして目標の表明に向けた取組、大変心強く伺いました。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、井田委員、その後、石田委員、山口委員、こちらでご発言希望の委員、以上かと思います。
 それでは、井田委員、よろしくお願いいたします。
○井田委員 すみません、聞こえますか。
○髙村部会長 はい、聞こえております。
○井田委員 時間がないので、三つだけ質問があるので、簡単に済ませたいんですが。
 一つは、既に、さっきも議論があったんですけども、炭素と自然のネクサスというか、相互関係を環境省として、自然局等もいろいろ持っているのは環境省なので、点検とか、第六次の基本計画づくりに向けて、どのような形で総合的に進めていくというふうにお考えかというのを伺いたいと思います。自然部会、地球環境部会と分けていていいのかという議論があったんですけど、私もそのとおりだと思いますので、今後の議論、政策転換、審議会だけでなくて、どうしていくのかというのを伺いたいというのが1点。
 2点目は、公正な移行、これも既にご指摘はあったんですが、今回いただいた資料の中には、私、公正な移行という言葉が極めて少なくて、非常に危機感を持っているんですが、これ、絶対進みませんよね。公正な移行というものの在り方を一本柱を立てて、それもやはり温暖化だけでなく自然とか、資源循環とか、プラまで含めて考えていかなければならないと思うんですが、環境省として公正な移行というのに正面から取り組むんだという姿勢が見えないんですが、今後、それをどういうふうに進めていくのかというのを伺いたいというふうに思います。
 時間がないので、それ2点だけなんですが、特に自然に関して申し上げるというか、自然と気候変動のネクサスに関して申し上げると、既にご指摘がありましたけども、アンモニアなんていうのはこれだけ窒素循環、人間がめちゃくちゃにしている中で、大量の大気からもう一回アンモニアを固定して自然環境にばらまくというのは、私、決していいことではないと思うのですが、そういう1例を挙げても、再エネに対する反発なんていうのも出ているということに関しても、これは真剣にやっていかなければならないというふうに思うので、ぜひ、今後の進め方に関する決意というか、お考えをこの場で伺いたいと思います。
 3点目なんですが、これも環境省がやるべきかどうか、ほかがやらないから環境省もやれと私、前に申し上げたんですが、今回のコンパスというものの中に出ている国土づくりの話なんですが、そろそろ脱炭素とか、ネイチャーポジティブとかというのが見えてきた中で、国としての国土利用のグランドデザインみたいなものをもう一回考え直さなければならない。それをほかがやらないなら環境省がやってはどうかというような話を、昔申し上げたんですが、それに関するお考えも伺いたいと思います。
 以上、質問3点でございます。よろしくお願いします。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、石田委員、お願いいたします。
○石田委員 ありがとうございます。もう既に事前質問もさせていただいているので、簡単に三つほど意見を出させていただきます。
 1点目は、P31に、2030年に46%削減目標達成と、2050年、脱炭素社会実現に向けてと記載がありますが、現在の環境基本計画とNDCの関係は明確ではないように思います。NDCは世界に対する日本政府の約束ですので、環境基本計画のKPIも、NDCと当然リンクすべきだと考えられます。したがって、今後はNDCの貢献の定量的な評価の視点を点検に入れ込む必要があると思います。
 2点目は、これは21ページにあるように、小さい問題ですが、環境省が進めている脱炭素先行地域づくりの事業は、民生部門に限られるということがあります。これは、経済産業省との関係があると思いますが、地域には民生用だけではなく、工場などの産業用も含まれるので、民生用とは限定せずに地域全体の脱炭素化としていただけると、もう少し進めやすいのではないかと思います。
 最後に、多くの地域は脱炭素宣言をしていますが、脱炭素先行地域づくりを行うに当たり、地域住民が脱炭素宣言を自分の住んでいる自治体がしているかということを知らないのではないかと思います。例えば、私は東京に住んでいますが、私の家族は東京都が脱炭素宣言をしているのを知りません。これは、その人の責任だと言えばそうなんですが、PRが不足しているように思われるので、脱炭素地域の住民の認知度向上も必要だと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 それでは、最後でございますけれども、山口委員、お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。短めに申し上げます。
 河口委員、堅達委員、豊岡委員から出ていたとおりで、私もいろいろな再生可能エネルギーの現場を取材しているんですが、もちろんこの地域循環共生圏の考えは非常に正しくて時代に合っていると思います。ただ、これが恐らく徹底できていない現場が多数あるのではないかと思います。それは、つまり地域内でちゃんとお金が循環するような、地域にお金が落ちるような仕組みが本当に確立しているのかというところが、まだまだなのではないでしょうか。つまり地域が巻き込んで、地域が豊かになるような、そういう再エネであれば、恐らく見方も変わってくると思うんですね。最近のメガソーラーで森が破壊して、それから風力に反対運動が起きているということもありますが、一方でそこがちゃんと確立して、地域が豊かになるという地元住民の合意ができた上で、これ、再エネを増やすということが進められれば、反対運動というのは大分減るんじゃないかと思っております。ですので、再エネを増やすということは非常にこれから正しいと思うんですが、地域住民の裨益ということが、そこに利益が落ちるのが第一だということを前提に進めていただければというふうに思っております。ありがとうございました。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 多くの委員から大変貴重なご意見をいただいたと思います。また、ご質問も、環境省に対してあったかと思います。時間の制約があります。全てのご意見にお答えをするということではなく、基本的には点検や、あるいはご報告について、しっかりご意見を踏まえて今後の対策、取組、あるいは点検を進めていくということだというふうに理解しておりますけれども、とはいえ、非常に重要なご意見、ご質問をいただいておりますので、事務局のほうから、時間の制約がありますけれども、できる限りお答えをいただければというように思います。
 それではよろしくお願いします。
○岡村計画官 非常にたくさんの意見、ご質問、ありがとうございました。皆様からいただいた貴重なご意見について、説明させていただきます。
 最初に、統括官の上田から、そして私、岡村から、環境影響評価課の大倉課長、総務課長の小笠原課長、そし地域脱炭素事業推進課 髙橋課長補佐、民間活動支援室 佐々木室長、環境教育推進室 河村室長、環境経済課 竹谷課長補佐の順でお願いいたします。
○上田総合環境政策統括官 まず冒頭、統括官の上田から一言だけお話しさせていただきます。
 武内先生をはじめ、多くの方から、私の挨拶の関係もあったせいか、第六次環境基本計画に向けたご意見、多数いただきました。これらについては、今回いろいろご指摘いただいたものをちゃんと記録として生かして、また、秋に全体の点検がありますけれども、そこでも似たようなご意見があるかと思いますが、そうしたものも集約して次の計画の策定プロセスに生かしていきたいというふうに思っております。また、それらを中で、まず環境省のスタッフで今いろいろ議論しておりますが、そうしたものにも活用させていただきたいと思います。その上で、幾つか指摘をいただいたもので言いますと、例えば今はもう環境という、環境基本法の枠を超えてSDGs的な社会、ソーシャルと経済、この三つのところも施策範囲に入ってきている。そうしたところのバウンダリーをどうするのか、また、プラネタリーヘルスみたいなご意見もございました。これらについてもまずしっかりと、今、施策自体はその方向で、例えば地域脱炭素を取ってみても、地域の課題を解決する、社会経済のものを一つのコンセプトとしていますので、施策が動いている以上、枠組みとしてどういうふうにするのか、これもしっかり議論をしていきたいと思っております。
 また、それらを評価する指標についても、馬奈木委員ほか、指標について、Well-beingの視点とか、また再生可能エネルギーというのも再エネの量だけでいいのかとかありました。そうしたものも、今後の議論ということで必要かと思います。とりわけ、やっぱり役所のほうから一旦評価をまとめて報告書を出すと、いろんな課題というのはなかなか正直に書きづらいところもあるし、実際にやったことをしっかりアピールしたいとなると、その課題が何かというのを引き出していく一つのツールとして指標があり、また、それぞれ皆さんからいただくコメント、指摘、これが計画の点検の肝かと思っていますので、指標についても工夫できるところはないか、次期の計画の議論の中で活用していきたいと思います。
 あと、個別についてですが、ちょっと意見が出そうになかったなと、横断的なのは、自然と創生の総合部門、アンモニアの循環とかありましたけど、どうするつもりかと。今、環境省の施策、また来年度の予算、ちょうど概算要求についてまとめておりますけども、やはり脱炭素って、この大きな変革というのが環境省のあらゆる施策に及んでいるということで、自然も循環も脱炭素という視点で見れば、社会を変えるにはどうしたらいいのかというのは欠かせない意見かと思います。そうした視点で施策を進めていますが、このアンモニアについてはどうかというのは、また個別に、例えばそれについての科学的、研究的な共有なコンセンサスはあるのか、施策としてどこまで進んでいるのかという中で、新しい計画や方向性というのは議論が出てくるものと思います。
 以上、ちょっと包括的なところだけ、冒頭、言わせていただきました。
○岡村計画官 岡村からは点検等について申し上げます。点検の方法と次の長期的な視点のご意見についてありがとうございます。今回の第五次基本計画の点検につきましては、課題とかそういったことにつきまして、今、上田からも申し上げましたが、課題を引き出していく、そんな形で次の秋の全体点検にしっかり出していけたらと思っております。
 それと、いろんな価値の指標がございました。やはり特に、ここ数年は社会の動きが物すごく変わっております。その中で様々な考え方が出てきておりまして、それに対して今の環境基本計画でどこまで対応できるか、そして次はどうなるべきかというのは、これから議論していくところでございますので、いろいろなWell-beingの自然資本の話、それから地域循環共生圏に関する指標、様々な価値に対して、それからどうしたらよりよくしていけるかといった視点、そういったものも次の計画のときには網羅していきたいと思っておりますので、検討材料として活用していきたいと思っております。
 あとは国土利用、再エネ、炭素、自然共生、こういったことについても、部会だけじゃなくて、関係省庁と連携して検討したりとか、今後の六次計画にも参考にさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、次、大倉課長、お願いいたします。
○大倉環境影響評価課長 環境影響評価課長の大倉です。併任で、総合政策課の政策調整官も拝命していまして、第六次環境基本計画の策定を支援していくので、本日、皆さんに頂いた御意見を省内の検討にぜひ生かして、また相談をさせていただきたいと思います。
 環境影響評価課に関する質問、幾つか頂きましたが、浅野先生から、手続き的環境権とアセスの関係というような話もありました。ご案内のとおり、情報アクセスであるとか、公衆参加というようなところはアセスの肝でもありますが、他方、大塚先生からもお話がありましたが、国際的というか、他国のアセス法令と比べて、必ずしも同じじゃないというところもありますので、今後の検討で、どういう制度があるべきかというのは中長期的な視点も含めてしっかりと考えていきたいと思います。
 また、大塚先生から、再エネ特有の特性を踏まえた制度をつくるべきだというお話がありましたが、風力発電については、規制改革実施計画において令和4年度中に結論を得るというようなことも閣議決定されていますので、経済産業省さんなどとも密に連携して、どういう制度が必要なのかというのはしっかり考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○岡村計画官 ありがとうございます。
 小笠原課長、お願いいたします。
○小笠原地球環境局総務課長 地球局の小笠原です。炭素中立関係についてお答えをします。
 山極委員から、カーボン・クレジットの数値目標というお話を、ご意見をいただきました。この資料には書いてございませんが、温対計画において2030年までに1億トンのクレジット取得というところを目標として設定しております。
 それから、武内委員から、JCMの実施に当たって、単なる技術移転でなくコ・イノベーションというご指摘、大塚委員からもいただきました、おっしゃるとおりだと思います。そういうことを旨として取り組んでいきたいと思います。
 それから、河口委員から、炭素中立小委の17ページの表について、森林、土壌、食料とかそういうことが書いてないのかというご指摘をいただきました。この資料自体は、地域、暮らしというお題を総理からいただいたので、そのアプローチを図にしたものでございます。おっしゃるとおり、森林、土壌等による吸収といったこと、それから食料生産における取組といったことは非常に重要でございますので、農林水産省等と連携しながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 それから、亀山委員から、森林の経営と例えば30by30のような自然保護等の取組との、同じ方向になる場合と、具体的に調整しようとすると、やろうとすると調整が必要になる部分、ケース・バイ・ケースでいろんなことがあるんだと思います。ご指摘を踏まえながら取り組んでいきたいと思います。
 それから、大塚委員から、GX移行債の検討に当たって、資金をどこから回収するかということの重要性のご指摘がありました。おっしゃるとおりと思います。しっかり検討してまいりたいと思います。
 それから、髙橋委員から、森林の活用について、森林環境譲与税の活用についてのご指摘をいただきました。農林水産省がメインの話でございますけれども、ご指摘を踏まえてまいりたいと思います。
 それから、井田委員から、公正な移行への取組についてご指摘がございました。非常に公正な移行というのは一人一人の幸福にとっても、それから日本経済にとっても、非常に重要な課題であるというふうに思います。もちろん経済産業省、厚生労働省の施策という意味合いも濃いわけですけれども、環境省としても、例えば地域からのアプローチであるとか、教育といったアプローチも含めて、何ができるか検討していきたいというふうに思います。
 それから、井田委員から、国土利用のグランドデザインが必要ではないかというご指摘をいただきました。人口が減っていく、その中でカーボンニュートラルの取組も必要という中で、国土利用をどうしていくかというのは、おっしゃるとおり重要な課題であります。現段階で、まだそこにしっかりと手はついてないという認識で、重要な課題であるというふうに認識しております。
 私のほうからは以上です。
○岡村計画官 ありがとうございます。
 次に、髙橋課長補佐、お願いいたします。
○髙橋地域脱炭素事業推進課長補佐 地域脱炭素事業推進課の髙橋でございます。脱炭素先行地域につきまして、たくさんのご意見をいただきましてありがとうございます。
 まず、馬奈木委員からいただきましたご意見で、補助金がなくなっても回る仕組みをということでございます。どうしても脱炭素先行地域、20年前倒しでカーボンニュートラル実現ということで、そのイニシャルコストには地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を使っていただくこととしていますけれども、金融機関からの資金調達であるとか、そういった事業の継続性、しっかりと評価のポイントとして加えておりまして、そういったところ、しっかりフォローアップしていきたいというふうに考えております。
 また、小和田委員からも、事務所のリーダーシップについてご意見をいただきました。地方環境事務所に4月から地域脱炭素創生室を設置し体制を拡充しておりますので、こういったところでしっかりとリーダーシップ、あるいは先行地域のフォローアップもしっかりと行いまして、2030年までにしっかりとまずは走り切るということで取り組んでいきたいと考えております。
 それから、田中里沙委員からいただきましたご意見で、まず先行地域の中でしっかりと仲間を増やしていくというようなところでございますが、今の先行地域も、実はまだ合意形成がこれからというところで野心的に広げていくということがございますので、こういったところで、まずは自分のところが脱炭素先行地域に取り組んでいるということをしっかり情報発信していただくということも大事だと考えております。環境省でも例えばSNSを使いまして、ツイッターで26提案を全てツイートさせていただきまして、こういったところもうまく自治体に使っていただきたいと、そういったところを考えているところでございます。
 また、同様に田中充委員から情報公開をしっかりすべきと御意見をいただきました。我々のほうで計画の提案書もこれから公表していきますし、また、今、我々も自治体に伺ったところでは、26地域にほかの自治体やマスコミからどんどん取材が来ているそうでありまして、こういったところは情報公開の大事さ、我々も非常に理解しているつもりでございまして、しっかり取り組んでいきたいと思います。
 あと、レジリエンスとかマルチベネフィットというご指摘でありまして、まさにおっしゃるとおりでありまして、このご紹介させていただきました沖永良部の取組、こういったところもまさに離島の抱える課題として、レジリエンスの強化というところもございますので、こういった取組をしっかりと拾い上げていきたいというふうに考えております。
 それから、脱炭素先行地域以外の脱炭素に取り組んでいただくところのインセンティブというところで、我々もこの交付金につきましては、先行地域だけではなくて重点対策加速化事業といって、ほかの脱炭素の取組にも複数年度で取り組んでいただけるような形にしておりまして、先行地域の横展開ということもあるかと思いますけど、こういったところにもしっかりと取り組んでいただくように支援していきたいというふうに考えております。
 それから、竹ケ原委員からいただきました、地域の裨益性という話でありまして、我々、脱炭素も大事なんですけれども、同様に地域課題の解決も非常に力点を置いて評価しております。ここにKPIなどを設定していただきまして、そのKPIをしっかりとフォローアップしていくことで、地域の裨益性を評価していきたいというふうに考えております。
 それから、豊岡委員からいただきました、商流になるようなモデルのある取組と独自の取組ということで、これもご紹介させていただきました、例えば姫路市の例、姫路城は世界遺産で、かつ国宝ということで、姫路城は一つしかありません。そういうところは独自なんですけども、一方、なかなか特別史跡指定区域といったところで開発ができないというところにどうやって脱炭素、再エネを入れていくかというのは、ある意味モデル的な取組なのかなと思っております。しっかりと我々も情報発信するときに気をつけていきたいというふうに考えております。
 それから、最後に、石田委員からいただきましたご指摘で、民生部門に取組が限られているのではないかということでありますが、もちろん民生部門が一番大事でして、カーボンニュートラルにしていただくということではありますけれども、ほかの運輸部門であるとか、産業部門であるとか、熱利用、こういった取組も地域の特性に応じて取り組んでいただく、あるいはこういったところについては、環境省の守備範囲だけではなくて、例えば他省庁の補助金を使って取り組んでいただくとか、そういったところもしっかりと評価して、脱炭素の取組を全体的に進めていただきたいというふうに考えているところでございます。
 以上、すみません、駆け足で失礼いたしました。
○岡村計画官 ありがとうございます。
 それでは時間が押していますので、最後、環境教育推進室の河村室長、お願いいたします。
○河村環境教育推進室長 環境教育推進室の河村でございます。幾つか環境教育に関するご質問をいただきました。順次回答させていただきます。
 まず、崎田委員から環境教育について、新たな戦略が必要というご指摘を頂戴いたしました。今、環境教育につきましては、2018年に環境教育法に基づく基本指針が定められているところでございますが、ご指摘のとおりESDについても様々な動きがございまして、さらにはこの基本方針、5年を目処に見直すということとされておりまして、ちょうどその見直し時期がまさに迫っているというところでございます。今、取組につきましては資料1の64ページ等に書いているとおりでございますけれども、いただいたご意見、現場の状況を踏まえて、今の基本方針の見直しに生かしていきたいというふうに思っております。ご指摘ありがとうございます。
 その点でも、竹ケ原委員からも環境教育、アウトカムが大きいと、リカレントにつなげていくということが重要であるというご指摘を頂戴いたしました。環境教育の部分と、それから社会人向けのリカレントに生かしていくところ、これ実は、今でも社会人向けの幾つかの人材育成のプログラムというのが、環境教育室の担当ではないんですけれども、幾つか既に実施されているものがございます。そういうところも含めて総合的に見ていく必要があるかなというふうに思っております。
 それに関連しまして、亀山委員から環境教育につきまして、参加できない先生にも届くようなコンテンツ動画というのがございました。実は、こちらの環境省のウェブサイトの中に、脱炭素教材を載せているページがあるんですけれども、ちょっとあれですね、環境省環境学習STATIONというページがあるんですけれども、そこにまさしく小学校、中学校向けの脱炭素教材を載せております。ぜひ、これをご活用いただきたいというふうに思っておりまして、この際、宣伝をさせていただければというふうに思っております。
 それから、授業の外に出ると、せっかく勉強したことが全く現実の世界ではそうなっていないというようなお話が、ご指摘も頂戴したところでございます。これは正直申し上げまして、学校側の設備のキャパとか、そういうところにも結構影響されているのかなと思いますけれども、環境教育は今、世界的にはESD、まさしく持続可能な教育ということで、持続可能な教育ESDの本旨というのは、まさに教育の現場だけではなくて、教育の授業の外にも変革をもたらしていくような人材を育てるというようなことが理念の一つとして掲げられているところでございますので、先ほどの新しい基本方針の見直しの際にも、いただいたご指摘を踏まえて検討させていただければと思います。
 それから、山極先生からも体験の機会の場についてのご指摘を頂戴いたしました。いただいた意見を踏まえて新しい基本方針などの見直しに生かしていきたいと思います。ありがとうございます。
○髙村部会長 ありがとうございました。
 委員の皆様から多くの意見をいただいて、今、事務局からお答えをいただきました。十分お答えがなかったところについても、本日の審議、議論の結果を今後の点検、施策の展開に生かしていただければと思います。
 今日は共通して、やはり議論になっていたと思っておりますのは、環境政策が何を目指して、何を実現するのかということを改めて問うご意見というものが多くあったように思います。環境分野間、環境の施策の間の統合的な施策の策定や実施もそうですけれども、経済や、あるいは社会課題との連結、武内先生は持続社会基本計画というものの、より大きな、そうした変化を踏まえた計画策定といったような話もなさいましたけれども、それを図る指標も含めて、改めて検討する必要がある課題について指摘をいただいたと思います。それを合わせて省内、それから他省庁も含めた政府内の連携ということもまたご指摘があったと思いますし、国と地域の間の連携というものについてもご指摘があったところというふうに思います。
 今日は、チャットでも実は多くの意見、ご発言がなかった髙村典子委員からもいただいていまして、こちら、先ほど言いましたように、事務局のほうで記録をして、こちら、審議の中に記録として入れておきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、以上で予定していた議事が終わりました。少し予定時間を超えて誠に申し訳ありませんでした。本日の審議は以上、終了としたいと思います。
 それでは、事務局から連絡事項、お願いいたします。
○岡村計画官 皆様、長い時間にわたりご参加いただきましてありがとうございました。チャットの内容も含めまして、議事録として記録させていただきます。そして、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様にはご確認をいただきました後、環境省ホームページに掲載させていただきます。
 最後に、今後の総合政策部会の予定でございますが、正確な日程等が決まりましたらご連絡させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○髙村部会長 ありがとうございます。
 白石委員からもチャットでご意見いただきました。どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして本日の総合政策部会を終了としたいと思います。お忙しい中、そして大変お暑い中、本日はどうもありがとうございました。
 

午後 0時24分 閉会

<チャットでいただいた御意見>
 
○三好委員 Well-beingや幸福度の環境省としての指標や定義を示す必要があるように思いました。新しい技術に対して倫理的議論が足りていない場合もあると思いますので、俯瞰して幸福度や生物多様性なども加味した技術の利用(開発)を進めてほしいと思います。
 
○山極委員 Well-being、幸福度の指標をやはり立てる必要があるのではないでしょうか。
「体験の機会の場」の認定が知事に降ろされているのはいいことだと思いますが、インセンティブを付ける必要があると思います。
日本博2.0への環境省の関わり方をそろそろ具体的に示す必要があるのではないでしょうか。
 
○堅達委員 IPCCのAR6を受けて、2025年までに排出量をピークアウトしないと1.5度目標の達成は難しいという厳しい科学者からの警告がなされています。1.5度上昇までのカーボンバジェットを示すクライメートクロックも7年を切ったものもあります。この夏の世界的猛暑で、グリーンランドの氷も想像を超えるスピードで溶けています。ウクライナ危機もあり、短期的な揺り戻しもある中で、こういう危機意識の共有がやはり、日本ではとても弱いですし、この部会でもそういう意識を共有した上で、点検と六次に向けての議論を進めていただきたいと思います。
 
○髙村(典)委員 再エネ開発(風力発電など)が、Nature Positiveや生物多様性保全に逆行している現状が起きている、それを防ぐ事も含め、その課題を自然環境局とともに、現段階で課題を整理して、早急に次に繋げていただきたいと思います。
 
○白石委員 環境基本計画で初めて提言された地域循環共生圏という概念は、脱炭素化という時代の変化を先取りした提言であったと思います。具体的な施策として脱炭素先行地域の取り組みは評価できる。今年度、26件が選定されたと報告があったが、落選が53件と多く、その理由と計画改善への指導など、環境省側からの能動的な支援、リーダーシップが必要であるように感じられる。選考過程の情報公開、選考地域での情報公開も必要だが、環境省側でも脱炭素先行地域の進行状況を収集し、他の地域にドミノになるように発信をお願いしたい。
 
○山戸委員
(資料1「第五次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」)
・第五次環境基本計画が目指す「環境・経済・社会の統合的向上」の具体化に関して、一点申し上げる。
・資料1の85ページにあるように、新型コロナウイルスの流行というイレギュラーな要因の影響はみられるものの、長期的には、市場規模・雇用規模が拡大する中で、温室効果ガス排出量や天然資源投入量が減少するという傾向(デカップリング)が続いており、いわゆる「経済と環境の好循環」として、一定の評価ができる。
・我々民間企業としても、優れた製品・サービスを開発し、社会に提供していくことで、「環境・経済・社会の統合的向上」が具体化し、活力ある経済社会・国民生活の実現に貢献できるよう、全力で取り組んでいく。
・引き続き、政府には、今回の点検結果も踏まえつつ、こうした民間企業の取組みを最大限促すための強力なご支援をお願いしたい。
 

以上