中央環境審議会 総合政策部会(第103回)議事録

第103回 中央環境審議会 総合政策部会

令和3年10月25日(月)16:00~18:10

WEB会議システムにより開催

議 事 次 第

1.開 会

  (1)新委員紹介

  (2)新部会長挨拶

  (3)部会長代理指名

2.議 事

  (1)第五次環境基本計画の点検について

  (2)その他

   ・令和4年度環境省重点施策について

   ・環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムについて

   ・地球温暖化対策計画について

   ・パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略について

   ・地域税炭素ロードマップについて

3.閉 会

配 付 資 料 一 覧

【資料】

 資料1   第五次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について

 資料2   令和4年度環境省重点施策(概要)

 資料3   環境省事業SDGsパイロット・プログラムについて

 資料4   地球温暖化対策計画について

 資料5   パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略について

 資料6   地域税炭素ロードマップについて

【参考資料】

 参考資料1   中央環境審議会総合政策部会名簿

 参考資料2   中央環境審議会第102回総合政策部会議事録

 参考資料3   第五次環境基本計画の概要

 参考資料4   第五次環境基本計画(平成30年4月17日閣議決定)

 参考資料5   令和4年度環境省重点施策(本文)

 参考資料6   環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムPDCAサイク

         ルシート

【委員からの事前意見】

 事前意見1   第五次環境基本計画の点検について

 事前意見2   その他

午後 4時00分 開会

○岡村計画官 皆様、定刻になりましたので、ただいまから、中央環境審議会第103回総合政策部会を開催いたします。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大の防止の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくいなど、不具合がございましたら、事務局までお電話、またはWEB会議のチャット機能にてお知らせください。

 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいておりますので、環境省公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っております。

 WEB会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、ライブカメラの映像は各自ご発言冒頭のみとし、原則音声のみの中継といたしますので、あらかじめご了承ください。そのため、委員の皆様方におかれましては、現時点ではカメラ機能はオフにしていただきますよう引き続きお願いいたします。

 また、議事中、マイク機能は部会長及び発言者以外はミュートに設定していただくようお願いいたします。

 ご発言時に関する説明をいたします。ご発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしていただくか、チャット機能にてご発言する旨を参加者全員に向けてお知らせください。挙手アイコンは1度押していただくと挙手した状態になります。ご発言の意思はこの挙手した状態を確認します。

 部会長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、ご発言いただきますようお願いいたします。なお、ご発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、挙手を下げていただくようお願いいたします。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、ご協力よろしくお願いいたします。

 また、通信環境によっては、音声が聞きづらい場合がございます。ご発言の際は、いつもより大きめの声でよろしくお願いいたします。

 議事に入ります前に、事前にメールでご案内いたしました資料のご確認をお願いいたします。議事次第のほか、資料は1から6、参考資料も1から6となっております。

 また、本日は事務局が画面上に資料を掲載し進行させていただきます。

 なお、本日の資料は、環境省ホームページの総合政策部会のページにアップロードしております。

 本日は、委員総数31名のところ、過半数の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし部会として成立していることをご報告いたします。

 本日の総合政策部会は、中央環境審議会委員及び臨時委員の改選後、最初の部会でございます。新任の7名の臨時委員をお時間の都合上、私からお名前を紹介させていただきます。

 淡路睦委員。亀山康子委員。小和田祐子委員。髙橋清委員。林由香里委員。馬奈木俊介委員。山口豊委員。

 以上7名の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 部会長には、中央環境審議会会長の指名によりまして、髙村ゆかり委員にご就任いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、今般、事務局に人事異動がございましたので、私より報告させていただきます。

 大臣官房総合政策課長、福島健彦。大臣官房企画評価・政策プロモーション室長、相澤寛史。大臣官房環境研究技術室長、加藤学。大臣官房環境教育推進室長、民間活動支援室長、岡﨑雄太。大臣官房環境経済課長、波戸本尚。大臣官房環境影響評価課長、西村学。

 以上6名でございます。

 ここで、事務局を代表いたしまして、総合環境政策統括官の和田より挨拶申し上げます。

○和田総合環境政策統括官 総合環境政策統括官の和田でございます。それでは、私のほうから冒頭に一言ご挨拶させていただきたいと思います。

 まずもって、委員長をはじめ、部会の先生方におかれましては、コロナ禍の大変な中、またもう年末もかなり差しかかってきましたけども、大変お忙しい中ご参画賜りまして、誠にありがとうございます。改めて御礼申し上げたいと思います。

 ご承知のとおり、環境省を取り巻く様々な温暖化対策などをはじめとする大きなうねりがあったことは、委員の先生方などなど、ご承知のことかと思います。昨年の前総理のカーボンニュートラルの宣言から始まって、今年の4月には、いわゆる米国主催の気候変動の会合で46%削減のNDCの関係、さらには今般その流れで、NDCと連動してエネルギー基本計画においても、いわゆる脱炭素、さらにはその中での再生可能エネルギーのより一段の導入というところについて言及がなされていて、まさにホットイシュー中のホットイシューという感じかなと思っています。

 そんな中、月末から昨年は開催できなかったCOP26がイギリスのグラスゴーで開催されるという大きな流れになっているところでありまして、このような世界的なトレンドという中にあって、日本のプレゼンスをどのように発揮していくのかというところが望まれるというところかなと思っています。

 プレゼンスの一環というわけではありませんけども、具体的な日本のこのカーボンニュートラルに向けたアクション、実践ということで、地域脱炭素ロードマップという新しいプランニングが今年の6月に出されたところです。「地域の脱炭素を地域のSDGsとともに」という感じで、環境省がどう地方創生とも連動させながら、カーボンニュートラルを実現させていくのかというようなことで、このロードマップを最重要課題としてアクセルを踏むべく、頑張ろうと思っています。

 そんな中で、もちろんこの中には、サーキュラー・エコノミーといった観点、それから自然関係でも30by30と言われるような自然環境の保全の関係などといった大きな環境行政を取り巻くメガトレンドが国内外を問わず動きつつあるところですので、環境省をここまで、まさにこの一、二年の間で大きくハイライトされたところですけども、今度は実践に向けてということで、引き続き部会の先生方からご指導賜りながら、やっぱり口だけじゃない官庁だなと言われるべく、頑張りたいと思っておりますので、何とぞご指導のほどよろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○岡村計画官 それでは、今後の司会進行は、髙村部会長にお願いいたします。

○髙村部会長 ありがとうございます。総合政策部会長を務めます髙村でございます。よろしくお願いいたします。

 今、和田統括官からもございましたけれども、脱炭素社会、資源循環、循環型経済、そして自然共生社会、こうした大きなビジョンを実際にどのように実現をしていくか、統合的、横断的にですね、そうした課題に直面をしているというふうに思います。

 本日、ご議論をいただく環境基本計画もさることながら、地域においてこうした統合的な地域での在り方をどういうふうに実現していくか、どういう政策を実現してそれを可能にしていくか。大変重要な役割を総合政策部会が担う局面にあるというふうに思っております。委員の皆様の幅広いご知見をいただきながら審議を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議事に入ります前に、本年度第1回の、最初のこの総合政策部会です。部会長の代理の指名をしたいと思います。

  中央環境審議会令第6条第5項によりまして、部会長はあらかじめ部会長代理を指名することになっております。つきましては、部会長代理を武内和彦委員にお願いしたいと思っております。

  武内先生、よろしいでしょうか。お願いできますでしょうか。

○武内委員 微力ではございますが、一生懸命やらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、早速議事に入ってまいります。

 まず、一つ目の議事ですけれども、審議事項として、第五次環境基本計画の点検についてでございます。第2回点検報告及び総合政策部会における今後の点検スケジュールについて、事務局からご説明をいたします。

 本日の二つ目の議事、報告事項でございますけれども、令和4年度環境省重点施策、環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラム、そして10月22日に閣議決定されました地球温暖化対策計画、そしてパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略、地域脱炭素ロードマップ、これらについて説明をし、次の第六次環境基本計画の策定に向けた議論の足がかりとして活用していただきたいというふうに考えています。

 それでは、本日も大変盛りだくさんの議事でございます。多くの委員にご発言いただきたいというふうに思っておりますので、時間管理にぜひご協力をお願いできればと思います。

 それでは、一つ目の議事でございます。第五次環境基本計画の点検について、事務局からお願いしたいと思います。

○岡村計画官 事務局から第五次環境基本計画の進捗状況、今後の課題について報告いたします。

 本日の報告内容は、主に3点ございます。

 1点目は、第五次環境基本計画の進捗の点検報告やスケジュールなど概要。

 2点目、総合政策部会が割り振られている点検項目の報告。

 3点目、第五次環境基本計画の基本的方向性である環境・経済・社会の統合的向上の定量的状況について、指標を用いて報告いたします。

 まずは、第五次環境基本計画の点検について、点検方法やスケジュールなどについて、リマインドも兼ねて説明いたします。

 2018年に策定された第五次環境基本計画の概要についてです。

 基本的方向性は、環境・経済・社会の統合的向上を具体化、地域資源を持続可能な形で活用すること、幅広い関係者とのパートナーシップを充実・強化することであり、分野横断的な6つの「重点戦略」、その「重点戦略を支える環境政策」が第五次環境基本計画の主な点検範囲です。

 その点検範囲とスケジュールのうち、分野横断的な6つの「重点戦略」、その「重点戦略を支える環境政策」について記載されている第2部第2章と第3章、第4部を点検範囲とし、この範囲に記載されている内容をそれぞれ、省内の全ての部会別に割り振り、それぞれの部会で点検を行う体制を取っております。また、点検項目全てを毎回行うのではなく、項目全体を二つに分け、2年間で点検の範囲の半分を行い、報告書を取りまとめております。

 その点検のスケジュールですが、8つの部会で点検を行い、2年に1回総合政策部会で提出し、総合点検報告を行います。第1回は、昨年2020年度に行いました。本年度2021年度は、第2回点検の初年に当たります。来年2022年度に第2回点検のまとめを行います。また、第2回点検報告を各部会から提出してもらうときには、次期環境基本計画に向けて、インプットすべき情報を各部会から収集し、第五次環境基本計画の総括と第六次環境基本計画に向けての検討資料といたします。

 その第2回点検分野でございますが、2項目ございます。水色の部分が総合政策部会で割り振られている箇所でございまして、かつ赤で囲まれている箇所が今回の総合政策部会で点検報告を行う項目でございます。次のページもそれになっております。

 点検の視点でございますが、8点ございます。特に下の2つのポツでございますが、昨年加わった環境保全と新型コロナウイルス感染症への対応を有機的に連携できているか。また、2020年12月に開催された前回の総合政策部会で多くの委員によりご指摘いただきました2050年カーボンニュートラル、グリーン社会の実現に向けてどのような取組があり得るかという点についてが、大きく加わったところでございます。

 その点検を行うときに活用する指標の考え方が次のページにございまして、その次のページに指標の表示方法について記載しております。10ページでございます。こちらは、その後の総合政策部会の割り振り分の点検報告でも表示しております。

 それでは、今までは第五次環境基本計画の点検全体まで説明しましたが、こちらのページ、11ページでは、総合政策部会で割り振られている分の第2回点検の進め方について説明いたします。

 総合環境政策統括官グループ内にとどまらず、関係府省も含めて提出された調査票をもって点検を行います。

 二つ目の報告内容になります。こちらが第2回の点検分野でございますが、総合政策部会が割り振られている分のうちの今回の割り振り分の報告を行います。

 重点戦略1、持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築からグリーンな経済システムの基盤となる税制について進捗の報告を行います。

 グリーンな経済システムの基盤となる税制については、税制全体のグリーン化の推進とエネルギー起源CO排出抑制の諸施策の着実な実施を行っております。

 15ページですが、その進捗としては、税制全体のグリーン化推進について検討会で議論中でございます。また、カーボンプライシングについては、環境省・経済産業省において、成長に資するカーボンプライシングを連携して検討するところでございます。エネルギー起源CO排出抑制については、石油石炭税の税率の特例税収を活用して、諸施策を着実に実施しているところでございます。

 このグリーンな経済システムの基盤となる税制に関する指標は10ございまして、いずれも上向きの傾向を示しております。16、17ページでございます。

 続いて、18ページ、重点4、健康で心豊かな暮らしの実現についてです。

 こちらでは、(1)環境にやさしく健康で質の高い生活への転換、(2)森・里・川・海とつながるライフスタイルの変革について、点検報告をいたしますが、これらの項目、点検項目が多いため、総括表にて説明させていただきますので、39ページをご覧ください。

 こちらで、まずは、環境にやさしく健康で質の高い生活への転換に関する点検総括を説明いたします。いずれもコロナ禍の急激な社会変化に対応しつつ、脱炭素社会の実現に向けた施策などを推進しております。

 ライフスタイル関係では、国・地方脱炭素実現会議での議論を踏まえ、地域ごとのCO削減ポイントなどを家庭部門の対策を後押し。データとナッジの実装によって、危機意識の醸成とか行動変容の後押しを行い、ESDなどを通じたエシカル消費などの持続可能なライフスタイルを推進しております。

 また、「みんなでおうち快適化チャレンジ」キャンペーンを通じて、住まいの脱炭素化。「ゼロカーボン・ドライブキャンペーン」では、再生可能エネルギーの利用とセットで、EVなどの電動車の導入を支援しております。また、食品ロスの対策も脱炭素につながるライフスタイル各種取組と連携を強化しております。

 また、資源循環関係でございますが、プラスチックについては、リサイクルの質と量を向上させて、プラスチックの資源循環を推進。また、サーキュラー・エコノミー関連ビジネスの市場規模を、2030年までに80兆円以上とする目標を掲げ、脱炭素と循環経済(サーキュラー・エコノミー)の同時達成を目指しております。

 次に、統括的な進捗状況の課題及び今後の取組のところで、徒歩・自転車移動等に関する健康寿命の延伸では、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を推進、また、テレワークなどの働き方改革の推進では、イベントやセミナー等を実施しました。

 続いて、森・里・川・海とつながるライフスタイルの変革について、49ページの総括表で説明いたします。

 まず、自然体験活動、農山漁村体験等の推進について、読書感想文コンクール、自然体験型プログラムや「体験の機会の場」認定制度を運用し、体験の活動の場を提供する企業などに対する働きかけを実施しました。

 森・里・川・海の管理に貢献する地方移住、二地域居住等の促進について、交流・移住の増加に向け、2024年度まで100地域の支援を目指し、また農泊地域の魅力発信と農泊の需要喚起に取り組みます。

 重点分野4、健康で心豊かな暮らしの実現に関しては、16の指標がございますが、時間の関係上、主な動向について説明いたします。

 持続可能なライフスタイルへの転換・森・里・川・海とつながるライフスタイルの変革の視点では、食品ロス発生量は、家庭系、事業系、それぞれ前年度よりも減っておりますので、望ましいダウンとして表しております。また、快適性の向上や健康維持の視点では、ZEH、ZEBの件数がともに上向き傾向でございます。

 総合政策部会割り振り分の点検報告は以上となります。

 最後に、第五次環境基本計画の基本的方向性である環境・経済・社会の統合的向上の定量的状況について、経年別に表したものを紹介いたします。

 青い線は経済関連、緑の線が環境関連、赤い線は社会性関連の指標を表しております。データ取得が概ね可能な2019年時点において、環境産業の市場規模は年々大きくなって伸びております。GDPは僅かな伸びを示しております。

 一方、緑の環境関連指標の温室効果ガス総排出量の減少度合い、天然資源などの投入量、横ばい傾向を鑑みますと、デカップリングが順調に進んでいるとも一概には言い難く、今後も現在のコロナ禍の影響を受けた数値の変化や分析について、引き続き見ていく必要があると考えております。

 以上、これらの報告を踏まえ、本日の部会では、大きく2点について委員の皆様方からご意見を賜りたいと思います。

 一つ目は、今、報告いたしました総合政策部会の割り振り分の点検の内容や今後の点検方法に関して、まずお伺いしたいと思います。

 二つ目は、この点検の後ですが、その他報告事項の報告後に、この点検報告と報告事項の内容をご参考に、第五次環境基本計画の総括や第六次環境基本計画に向けて、ご意見を賜れればと思っております。

 私からの説明は以上になります。

○髙村部会長 ありがとうございました。

 事務局からたくさんの資料を非常にうまく説明をいただきました。さらに、議論の円滑な進行のために、事前に委員の皆様には資料をお渡しして、事前にご意見があればということでいただいております。今、画面で共有をしていただいておりますけれども、既に事前のご意見を委員からいただいております。

 今回、そういう意味では、議論をできるだけ多くの方のご意見をいただくという観点から、ぜひ簡潔にご発言をいただきたいんですが、既に今いただいている事前のご意見は、後でご回答をいたします。したがいまして、補足したい点がある方、あるいはそのほかにご意見のある方、ご質問のある委員の皆様、ご発言をお願いしたいというふうに思っております。

 もう皆さんは慣れていらっしゃると思いますが、挙手アイコン、手挙げ機能を使って教えていただけると、あるいはチャットで教えていただければと思います。それでは、お名前を呼んだ委員の皆様、マイクのミュートを解除してご発言をいただければと思います。

 それでは、最初に浅野委員、お願いできますでしょうか。

○浅野委員 よろしくお願いいたします。

 これまで、第三次環境基本計画は、2年前の2004年に環境と経済の好循環ビジョンというのを発表しました。それから第四次の環境基本計画は、これは少し早い時期ですが、2007年に21世紀環境立国戦略というのをつくりました。第五次の環境基本計画は、2014年のことですが、武内会長の下で、意見具申「低炭素・資源循環・自然共生政策の統合的アプローチによる社会の構築」ということで政策統合が必要であるということを環境大臣に述べていて、これらがそれぞれの環境基本計画のベースになっているわけです。という意味では、第六次の環境基本計画についても同じようなことが必要なのかもしれません。それにしても、第五次計画策定ののちの、直近一、二年の間にかなり大きな状況の変化が生じてきていて、ある意味では第六次計画に盛り込むべき事柄の方向は決まっているような気がいたします。とりわけ、先日決まった改定温対計画の中に「脱炭素社会」、「循環経済」、「分散型社会」への三つの移行、あるいは「自然共生社会への移行」や「労働力の公正な移行」といったようなことが書かれていまして、こういったような考え方はかなり共通してそのほか最近決定された様々な計画や政策文書の中に盛り込まれておりますので、これらのことをしっかり整理をしておくことが、第六次の環境基本計画のために必要であろうかと思います。

 資料1の14~15ページを見ますと、税制の課題が記されております。今、カーボンプライシングについて私も検討のための委員会の司会をさせていただいておりますが、導入に際しての時間軸への配慮や産業への影響などをどう対応すべきかというようなことを含めながら、専門的技術的な議論を進めているところです。

 現在、削減価値の有償取得希望へどう対応するかという観点からのアプローチと炭素価格を正面からどう制度的に明示するかという観点からのアプローチと二つの方向が出ておりまして、これをどう調整するかということがこれからの課題になるかもしれませんが、鋭意、準備を進めていきたいと思っております。

 温対法改正での排出量の算定報告制度が改められたことで、カーボンプライス導入の制度インフラのための基盤整備ができたというようなご指摘もありますので、そういうふうなことを十分に理解していく必要があろうかと思います。淡路委員からコメントをいただきまして、本当にありがとうございます。委員会としても頑張ってやっていきたいと思います。

 資料1の24ページから後に、ライフスタイル転換に関してこんな施策が講じられてきたということが様々に記されておりますが、これを拝見してみますと、これらがどこまで地域での取組として広がっていくのか、推進されていくのだろうか、という感想ももちます。とてもいいメニューが並んでいるので、これをうまく広げていく必要があるかと思います。ですから、地域地球温暖化防止活動推進センターの活動の中に、こういうものをしっかり組み込むというようなこともあってもいいと思うわけで、その辺のところもぜひ検討していかなければならないんではないかと考えます。

 以上です。

○髙村部会長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして武内委員、その後、右田委員、竹ケ原委員とお願いいたします。

 それでは、武内委員、お願いいたします。

○武内委員 武内です。

 事務局からのお問合せの二つのことについて、私が特に関心を持っていることについてお話をさせていただきたいと思います。

 まず、点検分野で色分けがされたところについてでございますけれども、私は、エネルギー、バイオマス、それから地域の自然資源、観光資源、森・里・川・海、等々の議論の中で、今、一番求められているのは、再生可能エネルギーの地域における適正な開発とそれから自然環境の適正な保全というのをどうやってうまく組み合わせていくことがいいのかという、そういうことをやはり早急に考えなきゃいけないなというふうに思っております。

 厚岸霧多布昆布森国定公園というものの策定のために現地調査にお邪魔して、大変すばらしいところであるということは理解できたんですが、その国定公園の周辺地域に、牧場を中心として大規模なソーラーパネルがどんどんと広がりを見せています。こういうふうなことを今後、どういうふうにして考えるのか。言ってみると、温暖化対策と自然環境保全政策の統合というのが本当に現場サイドで求められていると。こういう問題に対して、やっぱり環境省が部局内を横断して、知恵を出して望ましいやり方を考えていくということが必要だったというふうに思います。地熱開発についても同じようなことが言えると思います。

 それから2番目の点として、私がこれからの施策ということで、一番申し上げたいのは、これまでは地球環境問題とそれから個々人の健康や衛生やそういう問題がかなりレベルの違う問題だというふうに捉えられてきたと思うんですが、このコロナの社会の中では、むしろその両方が不可分の関係にあるんではないか。つまり人間の不適切な自然への関わりがこうした人獣共通感染症をもたらし、今後とももたらす危険性が高いと、そういう視点に立って考えていかないということで、第五次環境基本計画では、プラネタリー・バウンダリーという、多少皆さんにもご意見をいただいて、最終的には基本計画の中に盛り込めたわけですけれども、その話と、もう一つは、最近急に注目されるようになりましたプラネタリーヘルスですね、この二つを言わばワンヘルスという大きなくくりの中で考えていく。つまり地球規模の話は地球規模の話、それから地域の話は地域の話、個人の話は個人の話というふうに分断して議論されてきたことをもう一つ統合的に議論をしていくという、これはむしろ階層を越えた統合という意味ですけれども、そういう意味での統合を図る必要があるじゃないかということをぜひご議論いただきたいというふうに思います。

 以上です。

○髙村部会長 ありがとうございました。

 それでは、右田委員、お願いいたします。その後、竹ケ原委員、井田委員と続きます。

 右田委員。

○右田委員 資料1の14ページから15ページにかけて、グリーンな経済システムの基盤となる税制の件について、二つ申し上げたいと思います。

 一つは、既存税制の評価についてであります。地球温暖化対策のための石油石炭税の税率の特例、すなわち温対税を活用したエネルギー起源CO排出量規制策の実施に関する記述がございます。温対税につきましては、毎年度の税収実績、それから、これに対応する具体的な支出額に関する開示がこれまでなされておりませんで、政府統一の定量的な温室効果ガス削減効果の検証などが行われていないのではないかと考えております。環境関連税制等による環境効果について、総合的、体系的に調査分析を行おうとしている以上、温対税の評価を行うに当たっては、これらのデータの開示が必要なのではないかと考えております。これが1点目であります。

 2点目は、成長に資するカーボンプライシングに関してであります。専門的、技術的な検討が行われているカーボンプライシングでありますけれども、成長に資することを大前提にして炭素税や排出権取引のような規制的な制度に限らず、間口を広く取って議論していく必要があると思います。点検を担当する部会が異なるという制約があることについてはもちろん承知しておりますけれども、グリーンな経済システムの基盤となる税制を議論する際には、本来、気候変動対策に積極的に対応する産業の競争力強化に資する政策と税制というのは、本来、パッケージで議論すべきものではないかと考えております。特にEUは国を挙げて大規模な政策リソースを総動員して、まさに産業競争力の維持と気候変動対策をパッケージにした政策を展開しております。我が国においても、グリーンな経済システムの基盤となる税制を考えていく上で、企業による技術的革新の研究開発投資や、その社会実装に向けた設備投資余力をそぐものではなく、むしろ一層促進し、脱炭素化と産業競争力の維持を両立するような仕組みを検討していかなければならないのではないかと考えております。

 14ページですかね、別のところにありましたけれども、本来、国内資源の最大限の活用による国際収支の改善・産業競争力の強化についても、地球環境部会、循環型社会部会で点検することになっておりますけれども、各部会での議論においても、かつ総合政策部会での取りまとめにおいても、こうした政策パッケージの議論の一環として点検が行われるということが重要ではないかと考えております。とりわけ、我が国のエネルギーコストは国際的に見ても極めて高い水準にあります。今後、我が国産業が国際競争力を維持しながらカーボンニュートラルを目指していくためには、この世界的に見ても高いエネルギーコスト、特に仕様ベースの実コストをいかに下げていくかということについて問題を先送りすることなく、国を挙げて議論していくことが必要だと思われます。国民生活の安定、産業競争力強化等に資する気候変動政策パッケージとグリーンな経済システムの基盤となる税制は本来セットで検討されるべきものでありまして、税制だけが単独で議論されるべきものではないと思われます。成長に資するカーボンプライシングというコンセプトも、そうした政策としての整合性を取るということを意味しているものと理解すべきではないかと考えております。

 以上でございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、竹ケ原委員、お願いいたします。

○竹ケ原委員 ご指名、ありがとうございます。

 事前に出した意見については別途またご議論いただくということなので、追加になりますけれども、今、右田委員がおっしゃったお話ともかぶります、14ページのところになります。

 カーボンプライシングについてなんですが、ご案内のとおり、今、サステナブルファイナンスということで世界的に次の成長シーンの奪い合いという、どこにお金をはめるかという議論が進んでいる中で、やっぱりTCFD、気候変動に係る財務情報開示の巧拙、これがかなり影響を事実のデファクトとして与えつつあります。先日、10月14日ですけれども、まさにTCFDが補足文書の改定をやりまして、具体的に産業横断的に開示すべき財務データ、定量データというのを少し具体的に示してきました。その中の一つにインターナルカーボンプライシングの影響みたいなところが明示されております。こうなってきますと、カーボンプライシングを使ってきちんとした開示ができるかどうかがESG投資を呼び寄せられるかどうか、次のイノベーションにつなげる投資まで持っていけるかどうかを左右するようなファクターになりつつありますので、まさにここに書かれているとおりなんですが、成長に資するカーボンプライシングを今ご議論いただいていますので、今、右田委員がおっしゃったように、R&Dですとか、トランジションですとか、環境貢献ですとか、こういった産業界の取組をうまく促すような形のカーボンプライシングのご検討をいただいて、それを使って企業が積極的にTCFDのフレームワークで開示をして投資資金を呼び込むという正しい循環に持っていくように誘導できればなと考えております。

 非常に短いですが、以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、井田委員、その後、河口委員、石田委員とお願いいたします。今、9名の方、ご発言をお待ちです。こちらでこの議事については一度一くくりとしたいと思います。

 それでは、申し訳ありません、井田委員、お願いいたします。

○井田委員 ありがとうございます。最初に54ページのグラフを見せていただいて、デカップリングがまだまだだということをおっしゃったんですが、まず私、これを非常に深刻に受け止めるべきだと思っていて、2030年までに求められるトランスフォーマティブ・チェンジには全くなってないということだと思います。これは深刻に受け止めて、本当に根本的な政策を含めて、社会と経済をつくり直すんだというようなことをここで覚悟を固めておかないと、9年、8年なんていうのはあっという間にたってしまうので、これは非常に大変なことだなという覚悟をもう一回新たにすべきところに来ているというふうに思ったというのが第一印象であります。

 それと、あと、ちょっと点検に関してはいろいろ細かいことを申し上げたいんですけど、ちょっと大ざっぱなことを言わせていただくと、これは今後の点検にも関わることなんですが、いろいろやってきましたというのは書いてあるんですが、私が思うに、これ前も申し上げたんですけども、グローバルスタンダードに照らしてどうかという、日本がやってきたことが、これは前のデカップリングの話にも関わるんですけども、日本がやっていること、いろいろやっていることには進んでいるように見えて、それがグローバルスタンダードに照らしてどうかという視点がいま一つ足りないと。それをやらないと本当のことは見えてこないと思います。確かに46%、非常にやるのは大変なんですけども、私、これが決してグローバルスタンダードに達して、世界第5の排出国、大排出国に求められる削減率に達しているとは思わないんですね。大変だけどもそうだと。だからこそ50%の高みを目指すということがグローバルスタンダードに照らせば重要だと。リサイクル、進んでいるように見えて70%のプラスチックごみを燃やしているような国が、これ、リサイクルが進んでいるというようにはグローバルスタンダードから見たら誰も見てくれないと。炭素税の話がありましたけども、トン当たり298円と1万3,000円を超えるようなスウェーデンというのは炭素税というのはあまりにも大きな差があるじゃないか。また、水産物の認証のことが書いてあって、MEL、マリン・エコラベル・ジャパンのことが書いてあるんですけども、実は私、個人的にはこのMELというのはグローバルスタンダードの水準には達しているものだとは思っていません。本来なら、グローバルスタンダードであるASC認証であるとかMSC認証であるとか、そういうものに合致したものに対する取組、その認証がどれだけ増えたかというのを評価すべきであって、MELが増えましたというようなことをやっても、これ国内的にはいいかもしれないけども、全くグローバルスタンダードから照らしたら評価されないものだというふうに思います。

 ということを、細かいことを言っているといろいろあるんですけども、繰り返しになりますけども、今後の評価においては、我々がやってきたことがグローバルな、特に先進国のグローバルスタンダードから見てどうかというような視点をきちんと取り込んで評価していくべきではないかというふうに思います。

 あと、今後の進め方に関しても今言ったほうがいいんでしょうか。

○髙村部会長 お願いします。

○井田委員 すみません、長くなって恐縮なんですが、1回で済ませたいので、今後の進め方に関して幾つか考えていることがありまして申し上げます。

 武内先生のほうから、個人、国、国際というのを総合的につなげるべきだというようなお話があったと思うんですけども、もう一つ、私が考えるのは、最近、ちょっと気候危機に関する、気候正義に関する原稿なんかを書いたこともあって、やっぱり世代間の公平というのを非常に今後の環境政策を考えていく上でも、基本計画を考えていく上でも考えなければならないと。前、小泉大臣は若者を委員にとか、若者の声を聞くということに非常に熱心であられたんですけども、私、これ非常に高く評価しておりまして、若者の声、これ必ずしも気候変動のことをやっている若者だけではなくて、生物多様性のことをやっている若者組織なんかも芽生えてきているので、これは1回のヒアリングなんかで済ませるべきではなくて、定期的に我々のような立場の人間が若者の声を定期的に聞いて見直しであるとか今後の議論に反映させていくという仕組みをつくったほうがいいんじゃないかなというふうに思います。

 すみません、いろいろ長くなって恐縮なんですが、それと環境基本計画見直しのことを考えると、コロナ、この間に我々が地域循環共生圏と言ってきたことは全く間違いではなかったと思うんですけども、コロナであるとか、カーボンニュートラルとか、フェーズが大きく変わりましたよね。一つ、これが示していたことは、私、この環境基本計画の議論が前回始まったときに最初に申し上げたSDGsのウェディングケーキが重要だというようなことをお話ししたと、指摘させていただいたんですけども、やっぱりコロナとかカーボンニュートラルというのが示したことは、もう環境政策とか環境保全がなければもう社会も経済も何事も立ち行かないというようなことが示されたんじゃないかというふうに思います。フェーズが大きく変わったという中で、いかに地域循環共生圏というものを肉づけしていくかということを考えたら、これ見直し、点検も重要なんですけども、次の基本計画の見直しの議論を早めに進めるとか、だからといって見直しの時期を前倒しでというのは難しいかとも思うんですけども、もうそろそろ大きくフェーズが変わった中で、次の環境基本計画の見直しの議論を常に頭に置いて、そういう形で議論を進めていくことが必要なのではないかというふうに思います。

 すみません、長くなりましたが、以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、河口委員、お願いいたします。

○河口委員 ありがとうございます。河口です。手短に。

 私はちょっと細かいところもお話しさせていただきたいんですが、ページ39と40のところに「環境にやさしく」ということで、ライフスタイルについてのいろいろな表記があるんですけれども、そもそもこの「環境にやさしく」という言葉自体が地球環境問題を間違って捉える言葉だから使うなという話をずっとしていて、何が環境に優しいんだと、事ここに及んでというところがあって、環境省自らがこの「環境にやさしく」という言葉を使い続けるのは、いろいろな意味での変な勘違いを、地球環境と人間の関係の勘違いをさせると。人間のほうが上みたいな形になるので、もうちょっとこういう言い方を今後考えたほうがいいんではないかなと。私も最近、生協で話したりとか、消費者向けにお話をすることがあるんですけど、環境省が言っている、こういう言い方で物を考えると間違えますということをいつも言っているので、ぜひ見直していただきたいなと。

 同じページにMELが突然ぽこっと出て、これ、井田委員と同じなんですけれども、何でここにMELがあるのかなというのが非常に違和感がありました。

 それから、食ロスの問題もあって、これは非常に重要な問題ですので、これは進めていただきたいんですが、何か唐突に食ロスがぽこっとあるんですけれども、海外のいろいろな文献なんかを見ていると、最近は、食のシステムの転換ですとか、先ほど武内委員が言われたように、地球と人間の健康、サステナブルなヘルスというのは人間と地球のどっちの健康も考えようみたいなところで食を考えるという動きがあって、そういった流れがないままに単に食ロスをぽこっというのは非常に何かこう、全体がつながっていないというか、ちょっと場当たり的な感じがするので、こういうお話をされるのであれば、食のシステムをもうサプライチェーンから全部見直そうねという一環としてこういう話があるという、ちょっとそういう書き方にしていただきたいなと。

 それから、49ページの森・里・川・海で、このコンセプトは賛成なんですけれども、こういったものが、例えば農水省に行くと、生物多様性の戦略委員会の委員もやっているんですが、彼らも似たようなことを言っていて、で、彼らの言っているのは、環境省が森・里・川・海とか言っているんだから、こういうのはリンクできないのかと。特に一般の人にリーチするような話なので、できればリンクしていただいて、地方創生ですとか、農水省の生物多様性の農林水産業のとなるべく結びつけるような形で、一般の人に全部がつながっているんだという見せ方をぜひ検討していただきたいのと、いきなり森・里・川・海が読書会ですかというのがあって、本当に森・里・川・海の恵みの下に生きているという、そういう絵を見せた上に、それを認識させるために読書会、あってもいいんですけど、ちょっとこれの優先度合いというのが非常に何というのか軽く見られちゃうので、その辺りの見せ方も工夫していただきたいなと思いました。

 以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、石田委員、その後、藤本委員、三好委員とお願いします。

 石田委員、お願いいたします。

○石田委員 ありがとうございます。石田です。

 細かいことで申し訳ありませんが、16ページの進捗と点検に関してですが、9ページの方針に重点戦略の進捗は指標だけでは測れない側面もある、総合的に判断しなければいけないと書いてありますが、16ページの、例えば資源生産性は第四次の循環基本計画では右側に書いてあるように2020年度の目標は46万円/トンです。これと2015年度の38万円/トンから推定すると、2018年度の目標は42.8万円/トンになります。方向性としては上昇していますが、これがKPIだとすれば少し未達です。このように、KPIが明確なものについてはKPIを明記し、進捗が把握できるように検証したほうが良いと考えられます。各年度のKPIを明記されると分かりやすい。また、このKPIの達成とか未達の要因分析がよく分からないので、どんな施策が効果的であったかが非常に重要で、次の実行につながるような点検方式を取られたほうが良いと思います。

 同じく、16ページに、TCFDの賛同組織というのが世界一になりとあり、また、プライム市場ではTCFDに基づく開示が義務化になりました。これは良いことですが、事前に行われた小和田委員の指摘にもあるように、中小企業は脱炭素社会に対してどのように取り組むべきか分からない企業が多いということですし、実際、TCFDは企業の脱炭素社会にたいする取組を検討するものですから、中小企業もTCFDに取り組むような施策が必要だと思います。

 50ページにZEHの実数把握があります。2030年度のCO排出削減の目標における家庭用のCO排出66%削減は非常にハードルが高いので、ZEHだけでは恐らく家庭用のCO排出削減目標を達成できないので、家庭用CO排出の削減目標自体をKPIにするとか、先ほど和田統括官からもあったように、再生可能エネルギーのより一層の強化という意味では、ZEHよりもハードルの低い住宅の太陽光発電の設置割合も目標とする必要があるのではないかと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、藤本委員、その後、三好委員、田中委員とお願いいたします。

 藤本委員、お願いいたします。

○藤本委員 藤本です。ご指名いただきまして、ありがとうございます。

 私からも2点、既にほかの委員の皆様もコメントされていた点になりますが、コメントさせていただきます。

 まず、昨今のコロナ禍も踏まえまして、また、2050年のゼロカーボン達成という大きな目標も出てきた中で、私もこの資料を拝見しまして、この目標をどうやってこの基本計画で達成するのだろうかということが一番気になったところです。今回の点検項目ももちろんよい方向に向かっていますし、最後のほうでお取りまとめいただいた54ページのところも、概ね改善の方向に向かっていると理解はしておりますが、このスピードでは到底かなわないのではないかなと考えています。ですので、その点検項目もそうですし、この54ページの全体的な取組の方向性については、やはり最終的なゴール、マイルストーンというのをもう少し近いところで設けて、そこに向けて今どれぐらいの進捗度が達成できているのかということも含めて点検をしていただけるとよいのではないかなと思っています。もともとこの第五次環境基本計画のスタートラインのところには、まだゼロカーボンということを明確に政府としてコメントがされていたわけではございませんので、それは仕方ないところではございますが、既にそういう方向性に向いているということで、計画を少し、点検の方法を見直すということもあってもいいのではないかなと思いますので、この点についてはぜひご検討いただきたいなと思っています。

 あと、2点目は、こちらもほかの委員の皆様もコメントされていた点ですが、情報開示の重要性というものはあるのだろうと思っています。この目標達成は非常に高いところにありますので、カーボンプライシングやグリーン化に向けた税制の議論というものは仕組みづくりとして非常に重要だと認識しておりますので、この議論は積極的に進めていただくのがよろしいかなと思いますけれども、やはり結果としてそれが数字に反映できるのかというところは、話も出ていますTCFDの開示ですとか、この情報開示は上場企業にかかわらず、どのような団体でも同様に定量化をして説明責任を持って対応いただくことが重要なのではないかなと思っています。ですので、やはりデータの開示の重要性ということをもう少し考えた上で次の総括や計画に反映していただけるとよいのではないかなという点と、まさに国からの資金の提供だけではなくて、民間からの資金というものも非常に重要だと考えておりますので、グリーンファイナンスを積極的に進めて成長させていくためには、まさに情報開示が重要であると認識をしておりますので、この辺りも計画の中に織り込んでいただけるとよろしいのではないかなと考えております。

 私からは以上でございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、三好委員、お願いいたします。

○三好委員 ありがとうございます。ちょっと時間もあれなので、ちょっと大まかな次に向けての全体的なことを言いたいなと思うんですけど、皆さんおっしゃるように、コロナもあって、やっぱりフェーズが変わってきたと思います。変わったと思います。グローバルスタンダード化するということも賛成なんですけど、ちょっとやっぱり加速していく必要があるかなというふうに思いますので、ちょっとこう、アプローチを全体的なアプローチに変えていくことがこれから必要なんじゃないかなというふうに思いました。例えば見える化とか、あと、どうやってコミュニケーションを取るのか。先ほどどなたかありましたけども、例えばほかの省庁と同じようなことを言っているんですけど、言葉が若干違ったりするので、言葉をそろえるだとか、全ての健康が一つであるということを「環境にやさしい」みたいな言葉ではなくて、「我々の環境」とか、そういう言葉にしていくとか、そういうアプローチが包括的で、それからそろえていくということが必要かなと思います。

 それから、評価をするときに、ピンポイント、ピンポイントではなくて、例えばSDGsも何番やっていますということ、じゃないと思うんですね。本来的には一つのことをやると全てのことに関わるというのがサステナビリティを実現していくアプローチだと思うので、そのような評価の方法にしていくとか、先ほど、どなたかありましたけれども、例えばソーラーパネルをどんどん広げているんだけど、森林を切ってそれをやっているとかですね。それはやっぱりアンバランスなんですよね。だから、そういうことがないように、そういうことが加速しないように総合的な評価の軸を持っていくということが非常にこれから大事かなというふうに思いました。

 それから、例えば脱炭素も、COだけじゃないと思うので、ほかのことも測る、それから測る手法を整える、それからそのデータを見える化するということを評価していったらいいのではないかなというふうに、次の計画に向けてもしていったらいいのではないかというふうに思いました。

 以上です。ありがとうございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 この後、田中委員、お願いしたいと思いますが、今、崎田委員まで手が挙がっております。こちらで、あと、こちらにいらっしゃる大塚委員で終わりとしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、田中委員、その後、馬奈木委員、お願いいたします。

○田中委員 田中です。どうも発言の機会をありがとうございます。

 私は、点検方法についてちょっと中心にお願いいたします。今後の点検方針についてのページには、有機的な連携というワードが頻出しますので重視をしているということだと考えるのですけれども、例えば環境にやさしく健康で質の高い生活への転換ですとか、ライフスタイルの変革というところは、技術革新や環境分野のイノベーションと一体化するものでなくてはというふうに思いますし、先ほど武内和彦先生がご指摘されたように、全てはつながっているというふうな思想をベースに各論チェックをしていく必要があるんだろうなというふうに思っています。

 この調査項目を設定されているので、まず、これに沿った回答が上がると思うんですけれども、チェックリスト的になりますと、大きな発展が見込めないのではという面もちょっと懸念します。関心の高い人たちや先進的な企業の工夫も高まっていますので、想定されなかった有機的な連携の成果ですとか、具体的に事例をリストして、そこからデータ分析もかけて、掛け算の成果を直ちに迅速に共有して成果を高める動きが取れればというふうに思います。二地域居住とかワーケーションとか、地域でのテレワークの場において、例えば環境教育を組み込むにはどうしたらいいかとか、そういうふうなことも現場の工夫では出ているかというふうに思いますので、そういうものをどういうふうに点検の中で生かしていくかという視点もあるといいのかなと思います。

 また、別の視点からは、今、企業や経営の現場ではサステナビリティということを日常用語にしているんですけれども、その分、身近で自分事と言えば自分事なんですけれども、目標や成果にコミットしないものも散見されるかなというふうに感じています。また、中小企業は何から着手すればよいのかとか、また、取組がどう国や地域の政策とリンクするのかということが結びついていないという面もありますので、各社のサステナブル経営というものの独自性や特徴というのは生かしつつ、この部分でも有機的な連携は何かというのを明確に理解できて、次の行動が取れるような情報の在り方、情報開示の在り方もセットできたらというふうに思います。

 以上、よろしくお願いします。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、馬奈木委員、その後、豊岡委員、山口委員とお願いいたします。

 それでは、馬奈木委員、お願いいたします。

○馬奈木委員 ありがとうございます。

 私は、第六次環境基本計画の策定に向けての内容に関しコメントをしたいと思います。今回、多様な指標であるとか、または指標になってなくても多くの取組を列挙されたり、目標値があったりするんですけども、ぜひ第六次環境基本計画の策定に向かうべき方向として、各個人としてのそれぞれの多くの方が、自然または環境に関連する環境省ですので、その環境の面がどのように個人のWell-being、幸福度に関係するかに関するリンクを明確にしていただいて、その上に関連する製品、サービスをつくるのが企業ですので、企業ですと、今のこの瞬間ですと、ESGに関連する投資に関係することで、それぞれが社会課題を解決することが企業の利益につながる、そして、そこから受ける影響としてWell-beingにつながると思うんですね。その上での地域、国としての大きな方向性ということで、社会の豊かさをどのように増やしていくかということで連携を取れるような第六次環境基本計画にしていただけたらと思います。そうすることが指標として最終的に、自然が近いところがWell-beingを上げますといったときに、先ほどの武内委員がおっしゃっていましたように、地方のほうで土地代が安いですから、そこで太陽光ができてしまうことに対して、太陽光もほかの多くの石炭火力その他と同じ、廃棄物処分場と同じようにNIMBY問題というのが数値上存在します。そういった問題を解決できますし、また、社会課題が解決すること自体が新たな利益を生むような仕組みにもつながりますので、ある種の指標はつなぐんですけども、最終的に個人と企業と地域全部につながるような見え方がするようなものに持っていっていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、豊岡委員、その後、山口委員、崎田委員とお願いいたします。

○豊岡委員 ありがとうございます。簡潔に行きたいと思います。私どもは、もう日々、自治体さんや企業から具体的に何をするのかというような相談を受けていて、今、一番多いのがサーキュラー・エコノミーというワードがございましたけれども、木質の廃棄物に関して、これを有効活用したいというようなご相談が多いです。それが廃棄物、ご存じのとおり、一般廃棄物は自治体さん、そして、産業廃棄物は県、市町村、都道府県ということで管轄が分かれていて、非常に扱いを、これを燃料とするときに、どうやればそれが廃棄物ではなく未利用材、それとも燃料として使えるかというような、非常に議論が多くて、自治体によって、また、場所によって解釈が違うという、厳しさも全然違うというようなばらつきがございます。そして、廃棄物から未利用材、公園の支障木とか、そういうものを含めると、相当量の燃料が取れるということで、千葉市なんかは先行して、去年だけでも3万8,000トンの未利用材を回収していて、これを燃料に替えていくというような、もうプラントが建設されて、今からそれを使っていこうというようなところもあれば、今から検討をしたい、けれども、全然それが廃棄物から使ってはいけないというような許可が下りないというようなところまでばらつきが非常に激しいので、これを国がガイドラインをもう少し設定していただけないかというような、積極的に使っていくというようなことも含めて、非常にこれは有効な資源となってまいりますので、今は自治体さんなんかは、処分費を払って、それもばらつきがあるんですけれども、高いところでは1トン5万円ぐらいの処分費を払って、これを廃棄しております。これを有効に使うと、逆に地域の資源となって地域に経済が生まれていくというような大きなポテンシャルがございます。ここの整理も必要かなというふうに考えています。

 さらに、もう一つ相談が多いのが、今、放置されている広葉樹林ですね。ほとんどまきとか薪炭林に使われていたものが、そのまま放置されていて、燃料として利用がされていないけれども、これをやりたいというような、このポテンシャルも非常に大きくて、一から自治体が調べると、どれくらいのことができるのかという、この調査だけでも、もう本当に1年、2年、3年かかってしまいますので、これは国のほうにデータがあるので、使えるこういうポテンシャルをぜひとも開示というかガイドをしていただいて、使える自治体の広葉樹の資源量、そういうものを逆に積極的に教えていくというようなことがあれば、両方を含めると相当量のバイオマスの燃料だったり、発電用でも熱利用用でもいいんですけれども、そういうものになっていくなというふうに思っておりますので、ぜひともそういうご検討もしていただきたいと思っています。

 それと、もう一つ、ZEB、ZEHのお話ございまして、地域もそれを進めたいんですけれども、バイオマスがZEBとかZEHにカウントされないというようなことを言われまして大変困っております。これも先に向けては積極的に入れていくべきと思っております。廃棄物、広葉樹を含めると、短期的に脱炭素をするためのバイオマスの燃料というものが非常に有効に出てくる。ポテンシャル、私たちもざっと調べてみたんですけれども、大体5%ぐらいの全体のエネルギーもここから取れるんではないかというふうに考えておりまして、しかも短期的にできる大きな資源ではないかというふうに考えていて、これがなかなか共有されていないというところが非常にじくじたる思いを日々抱いておりますので、ぜひともご検討いただきたいということを申し上げて、今日、発言を終わります。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、山口委員、崎田委員、そして、最後に大塚委員、お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○山口委員 髙村先生、ありがとうございます。よろしくお願いします。

 まずは今回、地球温暖化対策計画が閣議決定されたのは本当によかったと思っているんですね。そのタイミングとして、ようやくコロナの収束も見えてきたんではないかということも言えると思うんです。コロナによって、大体これは2年近く停滞する時期が続いてきたと思うんですが、ようやくこれからがコロナからのグリーンリカバリー、ここに向かって動いていけるチャンスなんではないかなというふうに私は思っております。その意味で、今日、2点申し上げたいんですけれども、まず、この資料1の14ページのグリーンな経済システムの基盤となる税制についてなんですが、このカーボンプライシングですね。当然、今、コロナで経済は傷んでいますから、今すぐ導入というのはとても難しいと思っております。ただ、ヨーロッパなどの成功事例の分析ですね。経済成長と温室効果ガスの排出量の削減の両立に成功していることについて、さらに分かりやすく幅広く広報すること。そして、例えば消費税との違い、消費マインドを冷え込ませるような税制ではなくて、COを減らして、それを成長分野に投資したり、国によっては所得税とか法人税減税に使ったりする、そういうプラスの面があるんだということをさらに大きく広く知っていただいて、国民的な議論を始めていくということは今すごく重要なんではないかというふうに思っております。

 それから、2点目なんですが、健康で心豊かな暮らしの実現というテーマなんですけれども、やっぱりこれ、国民の参加意識をカーボンニュートラルに向けて高めていく必要があると思うんですね。特に消費ベースで温室効果ガス排出の6割を占めるとされる家計部門ですよね。ここへの働きかけが社会の機運を盛り上げていくことにつながってくると思うんです。例えば資料2で頂いたんですけれども、グリーンライフポイントなどです。こういう施策、つまり家計にとってお得にもなるんですよという施策はもっと分かりやすく積極的に打っていく必要があると思うんですね。それから、再エネ電気への切替えなど、その選択が環境にもいいし、家計の財布にも優しい、そして、それを国が後押ししているんだという安心感を訴えていくことも大事ではないかと思っております。

 それから、最後に国民的な参加という意味で申し上げますと、脱炭素先行地域への支援もとても大事だと思います。地方創生での波及効果も非常に大きいですよね。そういう意味では、今、先ほどいろんな委員の方からお話がありました。例えばメガソーラーが山を切り開いて土砂崩れを起こして、地域の方から反発を受けるという事例も相次いでいます。だけど、そういう地域で耕作放棄地もどんどん増えているわけですよね。耕作放棄地を生かしたソーラーシェアリングなど、その地域のためになる、地域にお金を生んで、地域を豊かにする、人が集まってくる、そういう施策をコロナから立ち直るチャンスを迎えた今こそ打ち出して、国民的な議論、これを深めていくことが大事だと思っております。

 以上です。ありがとうございました。

○髙村部会長 ありがとうございました。

 それでは、崎田委員、その後、大塚委員、お願いいたします。

 まだご発言ご希望の皆様、いらっしゃるかと思いますけれども、後半の議事も関わってくることもあるかと思います。あるいは、改めてご意見を文書で提出いただければと思います。申し訳ありません。

 それでは、崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員 ありがとうございます。遅くなりました。

 私、確認に3点ほどお話をしたいと思います。今回、持続可能な地域社会づくりという地域循環共生圏という視点を重視してスタートいたしましたけれども、やはりご意見があるように、2050年脱炭素という、この大きな時期に合わせて、今のこの施策が脱炭素社会づくりにどういうふうに効果があるのかということがもう少し分かるような形で示し、私たちはこれから取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに強く思いました。例えば二地域居住のこととか、再生可能エネルギーの活用とか、ZEH、ZEB化のこと、あと次世代自動車のこと、水素社会づくりのこととか、それぞれは出てくるんですが、少し総合的な形で私たちは考えていくということが必要なんだと思います。

 なお、今回拝見して新しい施策がすごくたくさん出てきて、いろいろ各省庁、頑張っておられるということが分かるのですが、各省庁が取り組んでいることが全体に一つの分野でつなぐとどういうふうな相乗効果があるのかが、もう少し見えるような形がありがたいというふうに感じました。具体的に言うと33ページで、うちの郷土料理という、これは農林水産省の皆さんの政策かと思いますが、こういう暮らしや地域にとって身近なところからスタートして、今世界的に大切な課題となっている食料システム全体のことが共有できると思うので、例えばそういうような配慮をしながら政策を紹介していただき、展開していただくことが大事なのではないかなと思います。

 最後に簡単に申しますが、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の調達ルールに関して、29ページの辺りから数ページ出てきます。この調達ルールだけではなく、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は持続可能性に関して脱炭素の実現や資源管理とか生物多様性など、多様な目標をつくって取り組んできました。開会式のスタッフ用のお弁当の食品ロス問題のようにうまくいかずに開催中に改良を重ねたことなどもありますが、それぞれどういう成果で、かつ反省点があるのか、少ししっかりヒアリングしていただいていいんではないかというふうに思いました。今年の末に数値的なことも踏まえて報告書が出てきますが、報告書が出ると、組織委員会はほとんど解散をするという状況ですので、少し早い段階で総合的にヒアリングしていただき、次の時代にレガシーとして活用するという、そういう流れをつくっていただければありがたいというふうに思いました。よろしくお願いいたします。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、大塚委員、お願いいたします。お待たせいたしました。

○大塚委員 最初におっしゃったところと関係しますが、平成26年に中央環境審議会の意見具申というのを総合政策部会で出しておりまして、これが第五次の環境基本計画につながったわけですけども、今回、第六次の環境基本計画に向けて検討する際にも、この意見具申のようなものを出していくということは非常に重要なのではないかと思います。第六次の環境基本計画に向けて、環境省なりのビジョンをまとめていただけると大変よいのではないかということを第一に申し上げておきたいと思います。

 それから、第2でございますけれども、2017年にフランスのマクロン大統領が、世界環境憲章の草案というのを国連の首脳級の会合で提案をし、そのままの形では実現しそうにはないですけれども、何らかのものがUNEPのほうで検討されているということでございます。コロナのせいで少し遅れてはいますけども、近く、その結果が出てくるというような状況がございます。環境の基本原則自体は国際的なものでもあり、国内でもあるわけですけども、今回の第六次環境基本計画に向けた意見具申とかを考えていく際にも結構重要なものではないかと思います。例えばIPCCのAR6のワーキンググループの1の報告を受けて、現在、その気候変動の問題というのは、もはや予防原則とか予防的アプローチの問題ではなく、人為的な危険によって発生している、人為的な原因によって発生している、危険だということがはっきりしてきているところがございまして、まさに未然防止原則の問題になったということが言えるわけでございますけれども、それを踏まえた上での気候変動対策というのをぜひ検討していくべきだということがございます。

 それから、先ほど井田委員がおっしゃった将来世代と現在世代との公平の問題というのも、環境の基本原則の大問題の一つでもございまして、パリ協定を踏まえた長期戦略のほうには、10ページに入れていただきましたけれども、これは今後、第六次の環境基本計画を考えていく上でも重要な視点であると思います。

 さらに、先ほど右田委員のほうからだと思いますけども、カーボンプライシングに関して成長に資するということをおっしゃっていただきましたが、まさにそれは大事な点だと思いますけれども、EUの環境政策を踏まえた成長戦略におきましても、この環境法の基本原則を踏まえているということが当然の前提になっておりますので、そのような視点は我が国でも重要ではないかと思います。

 それから、最近、これも温暖化に関してですけども、特に世界的に言われるようになっているのは、最新最良の科学に基づく環境行政の推進という観点でございまして、これは別に環境の基本原則というほどのものでもなく、ある意味、当たり前のはずですが、この点はパリ協定を踏まえた長期戦略にも大々的に書いていただいていますけれども、この最新最良の科学に基づく環境行政というところも非常に重要な点であると思いまして、これも第六次環境基本計画と関係してくる点ではないかと思います。

 それから、ちょっとあと、やや細かくなりますが、第3に、ESGが今回の、今般の環境政策において極めて重要になってきていて、社会におけるいろいろなアクター、特に企業さんを含めて環境政策のほうに向いていただくことのために、この金融機関系の問題とか投資の問題が非常に重要になってきていることは明らかでございます。先ほど藤本委員がおっしゃった情報開示というのは非常に重要でございますが、TCFDのほうでこれを基本的に行っていただく、義務かどうかはちょっと、法的な義務ではないんでしょうけど、行っていただく方向に検討が進められていると思いますけども、これは金融機関が融資とか、あるいは投資とかをするときに、どういう情報を得て判断していただくかというのは実は極めて重要ですし、極めて難しいと思います、その項目に関しては。今出ているものは、かなりラフな形での開示を求めているようなところがあり、もちろん企業さんによっては非常に細かくやっていただいているところもあると思いますけれども、環境省としても、既に関わっておられるとは思いますけども、この項目の設定に関して、ぜひ環境政策としての視点を入れていただけるとありがたいと思います。金融関係の方はもちろん非常に優秀な方が多いと思いますけれども、やはり今まで環境政策をやってこられた観点からそのような知見を入れていくというのは極めて重要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 第4でちょっと細かいですが、今回、関係省庁のヒアリングはしていただいてないんですけども、先ほど崎田委員がおっしゃったように、各省庁の施策が環境関係の施策も結構してくださっているので、全体として分かるということは極めて重要ではあると思います。環境基本計画の最後のところに実は出ているんですけど、これは第一次の環境基本計画から出ているんですけども、各省庁に、関係省庁に対して環境省からお願いができるような文言も入っていますので、ぜひその、ヒアリングをするかどうかはともかくとして、この文言はぜひ活用していただいて、国全体の環境政策と統合的にやっていっていただけると大変ありがたいと思います。

 以上が今後のことですけれども、今回、第五次環境基本計画の点検との関係につきましては、意見を提出させていただきました。ちょっと遅くなって申し訳ありませんでしたが。2ページのところに書いておいたように、一つ目の地域循環共生圏は今回、第五次環境基本計画でも非常に重要なものでございますけれども、残念ながら環境省の政策というふうに思われている節があるので、他省庁からですけども、他省庁を巻き込んだ施策の展開が極めて重要だと思いますけれども、この点に関して環境省はどういうふうにお考えかということをちょっとお伺いしたいということがございます。

 それから、地域循環共生圏の下での指標というのは既に検討されていて、見ていると思いますけど、その全体を示すような指標、全体の進展を示すような指標というのもぜひお考えいただけないかということがございまして、これは私、現在、日本が地方の消失というような状況にあって、非常に危機的な状況にある中で極めて重要な政策だと思いますので、そのような全体の指標というのを考えることが重要ではないかということを申し上げておきたいと思います。

 それから、二つ目の点は、さっきの54ページのところで、GDPとGHGの排出量は、デカップリングは残念ながら進んでいるとはちょっと言えないと。日本のGDPの一人当たりのものは、アジアでは韓国にも抜かれて、購買力平価では何と30位という状況なので、これ気をつけないと日本が途上国になってしまうんじゃないかという気もしないでもないですが、ちょっとカーボンプライシングを導入した国のほうが、むしろGDPの伸びはずっと大きいということと比較して、日本の今までの環境政策、産業政策がどうだったのかという検証が非常に重要になってきていると思いますが、経済産業省さんの関係の方もお聞きになっている方がいらっしゃるかどうかちょっと分かりませんが、ぜひご検証いただけるとありがたいと思います。

 以上でございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 非常に多岐にわたるご意見をいただいたと思います。特に多くの方から、この環境基本計画を策定した後の非常に大きな変化をどういうふうに踏まえて反映させるのか、あるいはそれを踏まえてどういうふうに改めてその進捗を評価するのかというご意見。それから、最後、大塚委員からもありましたけれども、一つのキーワードは統合的な実施あるいは政策の策定。それから、個人、国、地球といった水準、あるいは地域で展開をしていくときに施策をいかに統合的に推進するか。そういう統合的な施策の進捗をどう図るかといったような点、ご指摘をいただいたと思います。いただいた意見に全てお答えするだけの時間的な余裕は、事務局は準備されているんですけれども、余裕が残念ながらないと思いますので、事務局のほうから幾つかポイントを絞ってお答えをいただきたいというふうに思っています。基本的にいただいた意見を踏まえて今後の見直し、改めて検討いただくということと理解をしております。

 それから、もう一つは、後半、この後、ご報告の時間がありますので、そこでお答えいただけるところはお答えいただこうと思います。

 それでは、事務局にお願いいたします。

○岡村計画官 事務局です。

 どうも、先生の皆さん、非常にたくさんの意見、ご示唆、ありがとうございました。本当に今、髙村先生もおっしゃったとおり、第五次環境基本計画が策定されてから、もう大きな変化、フェーズが変わっておりますので、それを踏まえて、点検や次期環境基本計画について、たくさんのご意見、ご示唆について踏まえて検討していきたいと思っております。ですので、ここで回答させていただくのは、総合政策グループとして地域循環共生圏に関してだけ1点、大臣官房環境計画課の佐々木から回答をさせていただきます。お願いいたします。

○佐々木大臣官房環境計画課企画調査室長 環境計画課の佐々木です。回答をさせていただきます。

 大塚委員からありました共生圏の進展を示す総合的な指標という話がございました。こちらのほうは、我々事務局も非常に難しい指標だなというふうに日々悩んでいるところでもございます。共生圏づくりの最終的なゴールが、共生圏づくりに取り組んだ地域が自立した地域になっているというようなことを測定するのは、一体何をもって測定できるのかというのは非常に悩ましいところで、多岐にわたる指標というものが考えられるというのもありますし、何かそこを分かりやすく捉えることができる指標というのはないのだろうかというのも悩んでいるところです。例えば一つ例を挙げますと、ローカルSDGsプラットフォームというプラットフォームがありまして、SDGsの17のゴール、169個の項目について、スコアリングし、自治体ごとに出すようなサイトもございます。このようなプラットフォームのスコア化というものをもって一つ共生圏づくりの進捗状況を把握するということはできるのかもしれないと思っております。

 また、地域循環共生圏をつくっていくという過程が非常に連続的に地域が発展していくという、動的に変化していくものであったりとか、共生圏を担う人材の質とか量というものが、実は共生圏を構成していくために非常に本質的な根幹を担っているような部分であると考えております。なので、こういった人材というものをどう捉えていくのかというのも一つ課題なのかなというふうに思っております。

 これは参考ですが、共生圏づくりのプラットフォームでは、実践地域登録制度というものを設けていて、その地域数というものは把握することができるようになっておりまして、今のところは99団体が登録をしているというふうな状況になっております。

 それから、2点目で他省庁を巻き込んだ政策展開の必要性というものについてご示唆、ご意見いただきました。もちろん他省庁との連携は非常に重要だと考えております。我々、環境省で共生圏のプラットフォームづくりをしている中で、当然、地域をいろいろメンタリングをして支援するときに、他省庁の様々な政策を紹介して活用を促すというふうなことをやっています。これは、単にホームページ上に情報を載せておくというだけではなくて、実際にその対話を通じたやり取りの中での紹介とか、そういったことをやっていくということで連携を取る。結果として、地域では、環境省のモデル事業をやりながら、他省庁の予算も並行して獲得して、役割分担をしながら事業を立ち上げていくようなことをやっていたりもします。

 また、今後、フォーラムなんかも開催していくんですが、その中でも他省庁と連携して、政策を紹介し合ったりとか、また、一つ分科会を立ち上げて、例えば企業のふるさと納税の活用を促していくような取組を進めたりとか、そういった連携も今進めているところでございます。

 それから、石田委員からありました、多様なセクターを巻き込んでいくことということの重要性についてご指摘をいただいております。地域でやっぱり様々な主体が連携していくというのは、イノベーションを起こしていく上でも非常に重要だと思っております。SDGsの事業を地域で生み出していくことが、やっぱりこういう多様な主体が連携することで初めて実現するというのはこれまでも分かってきているところでして、地域循環共生圏に取り組むときに、私たちはステークホルダーリストというものを各地域に作成するようにお願いをしております。このリストを作成することでどのようなセクターが不足しているのかが見える化されて、地域の中での環境省の議論や外部の支援者とのメンタリングの際に、これを見ながら、どういったステークホルダーを今後巻き込んでいく必要があるのかといったことを議論するのに活用したりしています。こういったものは、地域循環共生圏が創造の手引というものを取りまとめる中で、その作り方や活用の仕方も含めて掲載して、地域の方々に参考にしていただけるようにしているところです。

 私のほうからは以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 あと、最後に1点、浅野先生、石田先生、竹ケ原先生、山口先生、大塚先生、非常に多くの先生方からカーボンプライシング、グリーン税制、ESG金融についてのご意見、ご示唆がございました。経済課のほうで、この場で何かお答えすべきもの、ございますでしょうか。

○安田大臣官房環境経済課課長補佐 ありがとうございます。環境経済課で課長補佐をしております、安田でございます。

 カーボンプライシングにつきましては、事前にいただいたご意見でも、淡路委員や小和田委員、諸富委員からご意見をいただきました。また、本日ご出席の委員の皆様からも、右田委員、竹ケ原委員、それから山口委員や大塚委員からご意見をいただきました。今、地球環境部会のカーボンプライシングの活用に関する小委員会の下で、浅野先生に委員長を務めていただいて議論しているところでございます。一度、この夏に中間整理という形でまとめさせていただきましたけれども、その中でも様々な論点というのは残っておりまして、例えば右田委員からご指摘いただきました、気候変動に積極的に取り組む企業がメリットを受けられるような仕組みにするべきですとか、税という一つの手法だけにかかわらず、ポリシーミックスというふうに我々は言っていますけれども、そういった視点で議論をすべきといったようなご意見もいただいているところでございますので、引き続きこのカーボンプライシングの活用に関する小委員会でしっかりと成長に資するカーボンプライシングの在り方について、議論を進めていきたいと考えております。

 また、ESG金融も、非常に投資額も大きくなってきて、非常に大きな盛り上がりを見せておりますので、第六次の環境基本計画の策定に当たっては、こういったESG金融の動き、それから、カーボンプライシングの関わりについても、しっかりと議論を深めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 大変多くの意見をいただきまして、事務局のほうで全てお答えできていないところもあるかと思いますけれども、いただいたご意見、これからの見直し、あるいは、今後の環境基本計画の実施に活かしていくということで対応させていただきたいと思います。

 追加で、もしご意見などありましたら、事務局宛にいただければと思います。

 若干時間が押しておりまして、この後の進行について、ご協力いただければと思います。

 次に、二つ目の議事に移ってまいります。

 令和4年度の環境省重点施策、それから、環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムについて、大臣官房総合政策課の相澤企画評価・政策プロモーション室長から概要をご説明いただきます。その後、地球環境局総務課の井上課長補佐から、地球温暖化対策計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略について、概要をご説明いただきます。そして、地域脱炭素ロードマップについて、大臣官房環境計画課の飯野課長補佐から、問題をご説明いただきます。その後で、まとめてご質問いただこうというふうに思っております。

 それでは、相澤室長、お願いできますでしょうか。

○相澤大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室長 ありがとうございます。相澤です。

 それでは、ちょっとお時間も押しておりますので、なるべく短めにご説明したいと思います。

 資料2をご覧いただければと思います。来年度の重点施策、概算要求ですとか政策の目玉をまとめた資料でございます。

 2つのコア・ミッションと書いてあります。環境省の大きなミッションとして、時代の要請への対応。今、喫緊の課題としていろいろやらなければいけない話というのと、昔から変わらずやらなければいけない不変の原点の追求と、二つに政策を大きく分けて書かせていただいております。

 時代の要請への対応の大きなポイントは、その下のほうに書いてある脱炭素社会、循環経済、分散型社会への三つの移行を推進というところでございます。これを推進すると地域循環共生圏になっていくだろうということで、環境省が掲げているものでございます。

 次のページをご覧いただきまして、若干歴史から入らせていただきますと、とりわけ昨年の

カーボンニュートラルの宣言以降、急速にいろいろな政策、あるいは、ステークホルダーの皆様方が動いていただいております。12月には、カーボンプライシングの検討指示が総理から出て、今年の2月には、ゼロカーボンシティが1億人を突破して、その下にありますように、企業さんも動いていただいて、TCFDの賛同企業は世界一と。政策面でもいろいろ動いておりまして、温暖化対策の改正法が成立。この後ご説明のあります、脱炭素ロードマップが出たというようなことがありまして、いろいろ動いてきているのですけれども、ポイントは、一番下にあります、いろいろ各プレイヤー、政策、動きが出ていますけれども、これを束ねる社会全体の行動変容を起こしていくということが今大事ですと。とりわけ今、大分ライフスタイルも、特に若い人中心に変わってきていますが、ライフスタイルを変えていって、さらに社会を変えていくということが必要というのが今の状況だろうということで書かせていただいております。

 次のページをご覧いただきますと、社会全体を行動変容していくためには、やはり、政策もそれに見合って総動員していかなければいけないだろうということで、先ほど、経済課の安田から説明があったカーボンプライシングの検討というのは、もちろん目玉でございますけれども、こちらをしっかりと関係者と皆様のご理解いただきながら議論していくというのはもちろんですけれども、それ以外の制度面ですとか予算事業、さらには、それらを執行していくための環境省自身の体制の強化といったことを全部総動員していかなければいけないというようなことをまず掲げております。

 次の不変の追求は、これまでも取り組んできたものをちゃんと変わらずやっていくというところでございますので、飛ばせていただいて、この次は、環境省の幾つかの目玉の予算のご説明になります。

 一つは、ロードマップに掲げております脱炭素先行地域というのに取り組む地方自治体を応援するための支援。これは交付金というふうに書かれておりますけれども、そういった自治体がちゃんと使っていただいて、頑張っていただけるような資金的な応援をするというところ。

 二つ目は、中小企業向け支援事業と書いてありますけど、簡単に申し上げますと、COを減らせば減らすほど補助が上がっていくような仕組みで中小企業は支援できないかと。削減の努力が報われる形での中小企業支援をしていきましょうという予算。

 続きまして、先ほどからも話題に出ていますグリーンライフポイントというもの。こちらも掲げさせていただいております。環境配慮行動にポイント発行して、ライフスタイルを変えていく。当然こちら、先ほどから話題が出ていますけど、食ですとかファッションですとか、そういったいろいろなものが入って、ライフスタイル分野でターゲットとしております。当然、農水省さんとか消費者庁ですとか、そういったところには話をしながら、今つくっているものでございますので、各省全て巻き込みながら、こういったものを考えていきたいと思っています。

 最後は、サーキュラー・エコノミーを掲げているということですので、エアコンですとかEVというのをまず筆頭に、サブスクリプション、シェアリングというのを促進していこうというふうに思っているというのが最後の予算でございます。これらの予算についても、ご意見いろいろいただいて、書面のご意見、先ほどのご意見などもございますけれども、実際の執行の細かい点については、これから詰めていくというものでございますので、大きなポイントとしては、使いやすくというようなことをご意見いただいていると思いますので、そこをしっかり受け止めながら考えていきたいと思っております。

 以上が資料2でございます。

 続きまして、資料3のご説明に移らせていただきます。SDGsパイロット・プログラムでございます。

 こちら、プログラムの趣旨というページをご覧いただければと思いますけれども、大きなポイントは一番下です。令和2年度から他府省に先駆けて、一つはSDGs推進のためのPDCAサイクルというのを構築していくというもの。もう一つは、各主要施策にSDGsアイコンで表示をしてみようということをしております。それらを1年間行ってきた結果というのを今日、ご報告させていただきます。

 おめくりいただきまして、次のページご覧いただければと思います。

 SDGs自体は、マルチゴールを目指していきましょうというもので、それをちゃんと事業ごとにやっていきますということを目指していますというのが次の資料ですので、もう先に進めていただいて、①PDCAサイクルの構築というところをご覧いただければと思います。

 昨年、目標を設定しまして1年試行をしましたので、事後の結果を把握して、今、この階段の④というところにある来年度の新しい目標をつくりましょうという段階に来ております。

 対象になっている事業というのを次のページに書いております。12事業、ここに掲げておりますような事業を対象にPDCAサイクルを回してみましたというものでございまして、その次のページに、ちょっと字がすごく細かいですけれども、PDCAサイクルを回してみましたと。SDGsのゴールごとにどういう目標を立てたのか、それがどういう自己点検結果になったのか、そして、来年度はそれを踏まえて、どう目標を変えていくのかというのを表にしたものがこちらでございます。事業ごとにこういったシートを作っていただいて、これ、参考資料につけてありますけれども、PDCAサイクルを回してみましたという状況です。

 次のページをご覧いただきますと、大きなざっくりとした結果のところで申し上げますと、一つはやはり、SDGsをちゃんと考えてPDCAサイクルを回していますので、相当、事業に対しての意識というのは上がったと思います。ただ他方で、シートを見ていただくと分かるのですけれども、事業ごとにやはり、記載のノウハウというか、ばらつきがあったりですとか、あるいは、表を作るのに結構な労力がかかっておりまして、実際、実務を担っている者からは、結構大変ですというところも、率直なところ、意見が聞かれているところでございます。

 もう一つのほうのSDGsアイコン表示のほうの結果のほうについて、次のスライドでご説明します。こちらも、この下の図のほうに書いてありますとおり、各予算について、自分たちの事業はSDGsの何番と何番と何番に貢献するものですというのを予算のところで表示するようにしております。こちらもやはり、自分たちのところ、何番に関係するのだろうかというのを考えるということを行っていますので、一定程度、自分たち、脱炭素だけが目的ではないよねと、ほかにもいろいろ目標があるよねということが、アイコン表示を考えていくに当たって意識がされたというところでございます。

 ざっくり申し上げましたけれども、資料3、SDGs推進パイロット・プログラムについては以上でございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 説明、非常に簡潔にまとめていただいて感謝いたします。

 それでは、続きまして、地球環境局総務課の井上課長補佐からご説明をお願いできればと思います。

○井上地球環境局総務課課長補佐 井上でございます。

 資料4、資料5の温暖化計画、長期戦略につきまして、ごく簡潔にご説明させていただきます。

 まず、温暖化対策計画でございますけれども、先週、10月22日に閣議決定されたものでございまして、2030年度、46%削減、そして50%の高みに向けて挑戦を続けていくといった、この目標を決定したものでございます。その内訳が、下にございますような削減、46%の内訳というものは、エネルギー起源のCO、それ以外、そういったところで個別の内訳を出したものでございます。

 また、その対策といたしまして、次のページでございますけれども、2ページのほうご覧いただきますと、主なものとして、再エネ、省エネ、これを徹底していく。産業・運輸部門での対策、そして、分野横断的な取組で、後ほどご説明ありますような地域脱炭素ロードマップに基づくような先行地域、その他の取組というものを掲げているところでございます。

 続きまして、資料5をお開きいただきますと、こちらは2030年の今のご説明でございましたが、2050年のカーボンニュートラルに向けた基本的な考え、ビジョンを示すパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略でございます。従来は80%のところをカーボンニュートラル、ここまで持っていこうという中身でございまして、下に掲げてございます、エネルギーから始まる各分野でのビジョン、施策の方向性というものを示してございます。

 さらに、次のページご覧いただきますと、分野横断的な取組といたしまして、イノベーションの推進、その他の対策というところを列挙しているところでございます。

 以上の2030年の温対計画、2050年の長期戦略、ここを先週取りまとめましたので、この内容をNDCもしくは長期戦略という形で取りまとめして、国連のほうに提出をいたしまして、今週の末から開催されますCOP26のほうに臨んでいきたいと考えております。

 以上でございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。時間に協力いただいて感謝いたします。

 続きまして、大臣官房環境計画課の飯野課長補佐からご説明をお願いいたします。

○飯野大臣官房環境計画課課長補佐 環境省環境計画課課長補佐の飯野と申します。

 資料6をご覧ください。地域脱炭素ロードマップでございます。

 元の背景としましては、2050年排出ゼロを表明する自治体が非常に増えているということを受けて、地域の脱炭素の実現方策というものを考えていこうということで、国と地方で協力して脱炭素の実現方策を考える関係会議を立ち上げまして、昨年来、議論をしまして、本年6月9日に地域脱炭素ロードマップを決定したものであります。一番我々が重視しているキーメッセージとしましては、地域脱炭素というのは、その過程で様々な地域のリソースを活用することで地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させる地方創生に貢献するのだということで、数字だけではなくて、魅力と質の向上ということを最重視しております。具体的に、一番大きなリソースというのは、やはり再生エネルギーで、左側は市町村別のエネルギー収支、右側が再エネ導入のポテンシャルで、見事にエネルギー収支が赤字なところほど再エネ導入のポテンシャルが高いということで、再生可能エネルギーの導入ポテンシャルを最大限活かすことで、市町村別のエネルギー収支を半減させ経済循環をつくっていこうと、こういうロードマップになっております。

 次のページお願いします。ロードマップの内容として、一つの柱が100か所のモデル的な先行地域をつくると。この先行地域をつくることによって、脱炭素というのは魅力があるということをお示ししていくというのが大きな一つです。地域単位で脱炭素、カーボンニュートラルというのがなかなか難しくても、重点対策として、自家消費太陽光のように直ちにできるものを絞ってやっていただくという重点対策もお願いしたいということでございます。

 次のページお願いします。この先行地域なのですけれども、これ、一つのイメージのサンプルとしておつけをしておりますが、例えば、観光とか交通とか農業とか、こういう様々な地域で行われている経済活動ですとか人間活動の脱炭素ということで、人間主役という形で進めていければと思っております。

 もう一つサンプルで、次のページに都市をつけているのですけど飛ばしまして、次のページお願いします。8ページに重点対策ということで一覧に掲げております。これは、一言で申しますと、再生エネルギーの中でも屋根置き、それから地域裨益型というように、議論の余地なく直ちに進めていただくべきものということで、特に自家消費太陽光などについては、低圧については系統電力よりも安くなりつつあるということで、公共施設については、2030年50%、2040年100%を目指すということで進めてまいります。

 次のページお願いします。これらの対策についてロードマップに書いたので、あとは現場でお願いしますというのは、地域で地方自治体や金融機関が中心となって、円陣のような形ですね、円盤のところが中心になって、その周りに多様なステークホルダーが参加をしていくと。そこに国の地方支部局が縦割りを排して水平連携で支援をデリバーしていくと、こういう構造を掲げています。では、そのデリバーする支援というのは一体何なのだということが、次のページの10ページなのですけれども、いわゆるヒト・モノ・カネということで、人材については、特に内閣府や総務省の既存の制度の中にエネルギー、温暖化特化型の人材の制度を拡充してということを今進めていただいています。資金については、先ほど相澤室長からもご紹介のあった重点施策の中に盛り込んだ交付金、それから、新しい出資制度ということで、今、環境省で進めているところです。関係省庁の予算と一体となって進めていければと考えています。

 それから、次のページが地域というときに重要な一つのキーワードとして、国民の皆さんに率先的に実行していくためのCO排出の可視化ですとか、次のページがインセンティブをつけるためのグリーンポイント。そして、その次の最後にページに、全てのステークホルダーに対策を広げていくための、これ、再生エネルギー中心になりますけれども、制度的なアプローチということで、先般改正した温対法の施行をはじめとする制度的なアプローチをしっかり進めていければと考えています。

 長くなりまして、すみません。以上です。

○髙村部会長 ありがとうございました。

 それでは、こちらも事前に事務局から、資料についてご意見をいただいたものについて、今画面で共有をしております。これらの意見はいただいておりますので、もし補足してご発言を希望がございましたら、あるいは質問、ご意見おありの場合には、ご発言をお願いしたいと思います。既に前半の議論でご発言をいただいているもの、かなりあるようにも思っておりますけれども、もしご意見がございましたら、いただければと思います。

 それでは、まず堅達委員、それからその後、亀山委員、お願いいたします。

○堅達委員 NHKエンタープライズの堅達です。

 ご説明ありがとうございます。地域の脱炭素を目指すとか、方向性としては、とてもすばらしい計画を練っておられるというふうに感じております。

 しかしながら、方向性はいいのだけど、スピードといわゆるスケール、これが十分かというと、残念ながら、やはり足りていないというふうに思います。どうしても環境省の施策というのは、経産省さんがある種エネルギーの本丸をやるとすると、消費者の行動変容を促す、あるいは、地域から変えていくというところが主眼だと思うのですが、消費者とか地域は、申し訳ないのですけど、ボランタリーで掛け声だけで変わったりとか絶対しないですよね。やはり、きっちりルールが整っていたり、あるいは、これは本当に優先順位の高い重要なことなのだということが身にしみて分からない限り、なかなかスピードとスケールをもって対応するということができないということで言うと、率直に言って、間もなくCOP26も始まって、私も現地に取材に行きますが、これは本当にもう、石炭とか化石燃料とおさらばしないと駄目なんだというメッセージがまだ浸透していないのではないかと思います。それは、相変わらず石炭政策が、日本の場合、新たな石炭火力があったり、いろいろなことが続いているわけですから、国民の間に脱炭素というキーワードが、これは革命を起こすようなことなのだというふうに、まだ浸透していないと思います。

 ドイツは、今回の総選挙で政権交代が起きたということですけど、今、連立政権を組む中で、2038年の石炭からの脱却を2030年に早めるとか、やはり、ものすごく明確なメッセージを国民に対して送っています。国民のニーズ、要望もあるのでやっているわけですけれども、ここをまず変えていくという、もう少しシャープなメッセージを打ち出さないと、今いいことはいっぱい言っているのだけれども、現実には動かないという、残念ながら、そういう局面ではないかと感じられました。

 そのためには、やはり、先ほどから話題に出ているカーボンプライシング、これはもうマストなことなので、とにかく早く決めていく必要があると思います。今、ゆったりと構えて長期的に議論と言っているのですけど、正直、ずっと棚ざらしになってきたわけですから、今こそ、もっとスピード感を持って決めていかなければいけないと。

 もう一点は、さっきの資料とかにも出ていましたけど「見える化」を、これをいかに消費者に分かるようにしていくのかということなのですけど、今、皆さん困っておられるのは、可視化したいのだけどデータがない、あるいは、これが煩雑で、見える化をする統一的な、そういういわゆる基盤整備がなされていないというところで、各企業さんとか消費者側も困っている。ここで圧倒的にヨーロッパとかと遅れが出ているというのが現状だと思います。この遅れの原因には、実は情報公開とDX、デジタル化が遅れているという部分が致命的にコロナでも浮かび上がっているのですけど。ここの部分をもっと強化するという政策を取っていくべきだし、そのDXの部分と、実は地域循環共生圏的なEVを使った新しい地域づくりを考えていくときの送電網の問題、デジタル化されたエネルギーのインターネットという言葉がありますが、デジタル化されたエネルギーのインターネット的なものを整備していく部分とのリンケージというのが一番大事ではないかなと思います。

 あと、もう一点は、サーキュラー・エコノミーについても、個別の細かい政策は出されているのは、これはそれぞれ役に立つ政策もあると思うのですけど、まだ、いわゆるヨーロッパが、EUが出したようなサーキュラー・エコノミーの戦略パッケージというふうに、国民にすぐに分かるようなものになっていない。これに今後、第六次の環境基本計画との問題とも絡むのですが、ぜひもっと力を入れていただきたいなと思います。

 あと、最後にスピードという意味では、ほかの委員の方からもご指摘あったとおり、IPCCのAR6が非常に厳しい現状を、危機を科学の声として示しているわけで、これが今度、2月、3月にAR6のワーキンググループ2と3が出てまいります。ますます影響にしても緩和策についても、いかに我々がぎりぎりかということが示されるのではないかと想定されます。ですから、やはり、そういったフェーズが変わった時代における政策を、改めて若者も巻き込んでつくっていっていただきたいと思いますし、そのときには、結局物差しを変えなければいけないという、事前のご意見にもありましたが、ダスグプタ・レビューみたいな資本主義のGDPでは計れない物差しで、これから計っていかなければいけないのではないか、包括的な富とか、イギリス財務省の指示でレポートがつくられましたから、そういう考え方も積極的に政策に、これから取り組んでいくというようなことを財務省側も言っていますが、日本でも、政策にそういう考え方を織り込んで、パラダイムシフトというものを本気で目指していただければなと思います。

 ぜひ方向性としては、やろうとしている気持ちはとてもよく伝わってきていると思いますので、さらなるご努力をお願いしたいと思います。ありがとうございます。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 大変申し訳ないのですけれども、残り時間がかなり押しておりますので、申し訳ありませんけれども、この後ご発言につきまして、できましたら簡潔にお願いをできればと思います。今、亀山委員、右田委員、井田委員、淡路委員、大塚委員から手が挙がっておりますね。ここまでとさせていただきます。

 それでは、亀山委員、お願いいたします。

○亀山委員 国立環境研究所の亀山です。今日は丁寧なご説明と丁寧な資料づくり、本当にありがとうございます。非常に全般的に環境省さんがよくやられているということを改めて認識させていただいて、ありがとうございます。

 簡潔に二つ意見させてください。この意見は、いずれも今日の前半の議論、次期の環境基本計画に何を盛り込むべきかにも関連する意見でございます。

 1点目は、若い人たちの意見を吸い上げるプロセスを積極的に入れていただきたいということであります。それは、前半の井田委員からのご意見にもあったように、世代間の公平性という観点からももちろん必要なのですけれども、それ以外の点として、例えばシェアリングの話なんか、車をシェアするとか、あるいは、フードロスをどうやって減らしていくかというようなときに、やはり、スマホを活用する便利なシステムがあれば、そういうのをどんどん使っていく人が増えると思うのですよね。やはり、若い世代ほどスマホを使った情報アプリの活用とか、非常にいろいろなアイデアも持っていますし、非常にそういったものに対するハードルも低いですので、そういった若い人たちに使いやすいと思っていただけるようなアプリはどうやったら開発できるのか、そういった点も含めて、若い人たちの意見を積極的に取り込んでいただくのがいいのではないかと考えております。これが1点目です。

 それから、二つ目には、市民会議という考え方を取り込みたいと思っております。これは地域脱炭素ロードマップと関連してくるのですけれども、気候市民会議といって、市民の中でどうやって脱炭素をすればいいかというような話合いがイギリスなどで進んでいるみたいな話はありますけれども、これもまた、どうやったら脱炭素をするのかという話だけに限った市民会議のことを申し上げているわけではなく、全般的にどういうまちづくりをしていったらいいのかという点も含めた上で、地域循環共生圏というものが行政担当者の方たちだけが使う言葉なのではなくて、一般の市民の方々が自分事として理解していただけるような話合いの場をつくるということに対して、環境省さんが予算をつけるというようなことができればいいのではないかなと思っております。特に、私も幾つかの自治体の環境関連の審議会に出ておりまして感じますのは、このロードマップもそうなのですけれども、再生可能エネルギーなど、ものを購入することに対する補助金はつくのですけれども、自治体の方々、そのほかにもすごくいろいろなアイデアもお持ちで、例えば、週に1回、目抜き通りを歩行者天国にしてしまって、もう自動車は通れないような、そういった交通システムにしたらどうかとか、そういう案もあるのですよね。なので、再生可能エネルギー、大量導入ということではなくて、うまくソフトでもって人々の行動の仕方を変えることに対して補助金を与えるというような、そういった、多様なアイデアに対して環境省さんのご支援というのがあるといいのではないかなというふうに思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 この後、右田委員にお願いしようと思っておりましたけれども、大塚委員が先に退席をされる可能性ございますので、大塚委員、まずお願いできればと思います。

○大塚委員 6時にちょっと退席しますので、申し訳ありません。

 一言だけ環境省さんに、先ほどとの関係もございますし、今の亀山委員の話とも関係しますが、地域循環共生圏についてですけど、全体の進展、進捗に関して、指標のようなものが欲しいという話をしましたところ、先ほど、ローカルSDGsとの関係での指標をおっしゃっていただいたのですけども、ローカルSDGsはもちろん、それはそれで進めていただきたいと、私ももちろん思っていますが、地域循環共生圏とかなりずれるところがあるということは、ちょっとここでご理解いただくとありがたいと思っています。実は、武内先生に別のところで講演していただいて、そこでもおっしゃっていただいたのですけど、まず人口減少というのは、全然SDGsには入っていない。高齢化も入っていません。それから、もちろん地域消失とか地域のようなものも入っていませんで、むしろ人口増加をどうするかというあたりのほうを気にしているのが普通の国際的な感覚になってしまっていますので。ちょっと日本特有の問題がローカルSDGsには必ずしも入っていないということはぜひご認識いただいて、ご対応いただけるとありがたいということで、一言だけ申し上げさせていただこうと思いました。申し訳ありません。ありがとうございました。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました、右田委員、お願いいたします。

○右田委員 温暖化対策計画と長期戦略について、ちょっと手短に産業界としての意見を言わせていただければと思います。

 パブコメでも同様のことを申し上げましたけれども、イノベーションを通じて2050年カーボンニュートラルを目指すという大きな方向性が堅持されているという点は、評価したいと思います。その上で、政府には長期的な展望と戦略に基づいて、産業競争力維持や雇用基盤の確保等の観点も踏まえて、EUなど諸外国に劣後しない規模及び内容を伴う政策を実行していくことについて、積極的かつ明確にコミットをお願いしたいと思います。

 例えば、今般、10年間で2兆円のグリーンイノベーション基金の運用が開始されたということは、こうした観点から、経済界としても歓迎しております。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、ヨーロッパ、EUや中国の先行事例と比較いたしますと、全く十分な規模とは言えないと考えております。研究開発のみならず、社会実装までを視野に入れた大胆な追加予算の検討も必要と考えております。

 また、真の意味で2050年カーボンニュートラルを実現していくとすれば、エネルギー政策については、もう一段踏み込んでいく必要があろうかと思います。原子力の果たす役割ということについても、もう一歩踏み込んでいく必要があろうと思います。原子力は、原子力発電所のリプレース、新増設というオプションについても、ロードマップを伴った形で示していくべきではないかと考えております。

 以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 それでは、井田委員、お願いいたします。

○井田委員 すみません。2回目になってしまうので手短に。

 3点申し上げたいのですが、一つは46%、先ほども申し上げましたけども、46%の上に、さらに50%の高みを目指すのだというようなことがついているというのを忘れないで、もっともっと野心的な取組を進めていただきたいというふうに思います。

 それと2点目は、私は、エネルギーにしてもプラにしても、牛肉の代替にしても、全てが森とか自然に代替品が押しつけられているという。押しつけられているというと、ちょっと言葉が悪いですけれども、向かっているということに非常に危機感を持っておりまして、地域のエネルギーを考えることは重要なのですけども、そのときに、ではプラ代替をどうするのとか、地域資源を使って廃棄物を減らすとか、使い捨てを減らすとか、食の絡みであるとか、自然資源であるとか、そういう総合的な視点というのをぜひ忘れないでいただきたいというふうに思っているというのが2点目です。

 3点目は、ちょっと今後の議論の進め方にもよるのですけれども、地域で個別の仕組みを進めていくことは重要なのですけども、たしか私、前回の審議会か何かでも申し上げたと思うのですけど、今重要なことは、国土をどうエネルギーに使い、自然保護にはここ、エネルギーの場所として使うのはこういうところとか、新たな視点での防災に使うのはこういうところとかいう国土のグランドデザインを書かなければいけないところに来ていると思っておりまして、それをどこでやると言ったらば、地域循環共生圏と環境基本計画というのをキーにして、環境省がやってもいいのではないかと思っておりまして、地域の経験を細かい地域の取組だけに終わらせないで、国土のグランドデザインというようなものに生かしていくのだというような視点をぜひ持っていただきたいし、これ、我々と議論を、総合政策部会としても、これからそういう議論をしていくべきなのではないかと。ひょっとして、そういうことをやらないと、もう環境省は要らないと言われるよというように、私思っているぐらいでありまして、ぜひこの点を忘れずに議論を進めていきたいと思うし、政策も進めていっていただきたいと思います。

 すみません。長くなりましたが、以上3点です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 淡路委員、それでは、お願いいたします。

○淡路委員 千葉銀行の淡路でございます。提出いたしました意見に補足で申し上げます。

 交付金や補助金の配分方法についてなのですけれども、特に、補助金のほうは企業向けでありまして、企業の大多数を占めるのが中小企業という現実で、中小企業の行動変容をどう起こしていくのかというのが非常にキーになるのではないかと思っております。そこに伴走できるのが地域金融機関であるというふうに認識しております。これまでの補助金の使いづらさというのが、いつもお客様からお話しいただくことが多くて、例えば、関連する設備投資をする場合に、補助金の交付が決まってからでないと発注できないというような順序がありまして、多くの事業所は、設備投資をするのが決まったら、手付金を払って着工しまして、最終的に代金を払うという流れなのですけれども、補助金の交付が決まるまでに1か月ぐらいかかってしまうようですと、補助金を受けることすら諦めてしまうというような場合がございます。今後、新しく関連する補助金の設計がなされるとすれば、そういったことが少なくなるように、できるだけ地域の事業者が使いやすいような補助金の設計をお願いしたいというふうに思います。

 以上です。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 大変貴重なご意見をいただきました。チャットでも三好委員から、特に自治体へのサポート強化というのは非常に重要ではないかというご意見、それから、豊岡委員から、井田委員のご発言にあった国土のグランドデザインの重要性についてもご指摘をいただいています。どうもありがとうございます。

 すみません。私の時間の、会議の取り回しが悪くて、少し時間を超えておりますけど、事務局のほうからお答えをいただけるところ、簡潔にとなりますが、お願いできますでしょうか。

○岡村計画官 はい。かしこまりました。

 様々なご意見、ご指摘、ありがとうございます。今の報告事項でいただいた意見、全て次期の環境基本計画につながっていくところだと思いますので、しっかり受け止めて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○髙村部会長 井上課長補佐、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

○井上地球環境局総務課課長補佐 高村先生、こちらからは大丈夫でございます。ありがとうございます、振っていただきまして。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 本日いただきましたご意見ですけれども、これは、先ほど岡村計画官からもありましたように、前半の環境基本計画の見直し、あるいは今後の対応にも関わってくるところだというふうに思っております。全体含めて、いただいた意見を反映していきたいというふうに思っております。

 以上で、予定をしておりました議事が全て終わったかと思います。実に闊達な様々なご意見をいただきましたこと、改めてお礼を申し上げます。

 それでは、事務局から連絡事項お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○岡村計画官 事務局から連絡です。本日の議事録につきましては、取りまとめはこちらで行って、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省のホームページに掲載させていただきます。

 あと、今後の総合政策部会の予定ですが、正式な日程等が決まりましたらご連絡させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○髙村部会長 ありがとうございます。

 改めて大変闊達なご議論をいただきましたこと、お礼申し上げます。

 以上をもちまして、本日の総合政策部会を終了としたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。

午後6時10分 閉会