中央環境審議会総合政策部会 環境研究・技術開発推進戦略専門委員会(第23回) 会議録

開催日時

令和6年7月19日(金)16:09~17:53

開催場所

ビジョンセンター新橋

議事次第

1.開会
2.議事
(1)新たな「環境研究・環境技術開発の推進戦略」の策定について
(2)今後の予定
3.閉会

配付資料一覧

資料1-1 前回専門委員会における主な指摘事項
資料1-2 環境研究・環境技術開発の推進戦略(案)に対する意見募集の結果について
資料1-3 「環境研究・環境技術開発の推進戦略(案)」の概要
資料1-4 環境研究・環境技術開発の推進戦略(案)
資料2   環境研究・環境技術開発の推進戦略の策定に向けた今後の予定(案)
参考資料1 中央環境審議会環境研究・環境技術開発推進戦略専門委員会名簿
参考資料2 環境研究・環境技術開発の推進戦略(令和元年5月21日環境大臣決定)
参考資料3 第六次環境基本計画(令和6年5月21日閣議決定)
参考資料4 第六次環境基本計画の概要(令和6年5月)

出席者

委員:森俊介委員、浅見真理委員、亀山康子委員、小野田弘士委員
   伊藤裕子委員、古米弘明委員、酒井伸一委員、森田香菜子委員、笠井康子委員

環境省:奥村環境研究技術室室長、永森環境研究技術室室長補佐、相澤環境研究技術室室長補佐、飯田審議官

議事

○奥村室長】 遅くなりまして大変申し訳ありません。ただいまから始めさせていただきます。
 中央環境審議会総合政策部会第23回環境研究技術開発推進戦略専門委員会を開会いたします。
 私は本日の事務局を担当いたします環境省大臣官房総合政策課環境研究所技術室長の奥村と申します。よろしくお願いいたします。
 本日はご多用の中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。委員総数12名のところ、9名の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし、専門委員会として成立していることをご報告いたします。なおご都合により、秋澤委員、竹ケ原委員、広井委員におかれましては、ご欠席とのご連絡を頂戴しております。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づきまして、公開とさせていただいており、環境省公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行ってございます。なお、当初、総合政策課チャンネルでの配信を予定してございましたけれども、諸事情により環境影響評価課のチャンネルからに変更をいただいていることをお断り申し上げます。
 また、本日はウェブ会議システムとのハイブリッド開催とさせていただいております。ウェブよりご参加の委員におかれましては、各自発言時のみ、ライブカメラの映像とマイク機能をオンにしていただきますようお願いいたします。また会場の声が聞こえにくい等ございましたら、チャット機能でお知らせください。
 会議資料については、議事次第の下、配付資料一覧に記載のとおりでございます。ご確認をいただきまして、もし不足等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議題に入らせていただきたいというふうに思います。会場の報道機関の皆様におかれましては、冒頭の撮影はここまでとさせていただきまして、以降は傍聴のみとさせていただきます。
 それでは、進行を森委員長にお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○森委員長】 マイク、入っておりますでしょうか。
 森でございます。本日、大変暑い中、ご多用のところ、委員会に参集いただきまして本当にありがとうございます。それでは時間も限られておりますので、早速議事に入りたいと思います。
 事務局より、既に資料をいただきまして、ご説明のあった3についていろいろとご審議していただくところでございます。また前回の専門委員会以降、パブリックコメントを実施いたしまして、今回はそれらを踏まえ、ご審議いただくということになっております。
 それでは、ここまで取りまとめいただきました議論の経過と資料につきまして、環境研究環境技術開発の推進戦略の専門委員会案につきまして、事務局より、資料1-1、1-2、1-3、1-4のご説明をお願いいただきまして、その後、意見交換に入りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは事務局のほうで、よろしくご説明お願いいたします。
○奥村室長】 はい。それでは事務局よりご説明いたします。
 まずは資料1-1、前回専門委員会における主な指摘事項、こちらをご覧ください。
 こちらについて、各章の部分から例を挙げて、ご指摘とその対応についてご説明させていただきます。
 まず、一番上にあります推進戦略においても重要なポイントを押さえたフレーズがあるとよいというご指摘についてです。ご指摘のとおり、本推進戦略のポイントは、第6次の環境基本計画を踏まえた策定、これにあります。これは、推進戦略が環境基本計画における基盤となる施策の一つであり、目的は環境基本計画と同じく、環境保全を通じた現在及び将来の国民一人一人の生活の質、幸福度、ウェルビーイング、経済厚生の向上、人類福祉への貢献、これにあります。これを改めてしっかり位置づけるためにも、第2章、こちらの冒頭にこの趣旨を記載しつつ、さらに、本戦略の副題として、ウェルビーイング、高い生活の質につながる経済社会システムの実現に向けてとつけさせていただいております。
 次に3章の部分から、5番目にありますご指摘、人材育成や大きなサプライチェーンについては国際的な視点が必要であり、日本の外に目を向けるような記載が望ましいという点についてです。こちらにつきましては、3章の冒頭で記載をしつつ、同じく第3章の重点課題7のほうにも、具体的な記載をしております。
 最後に第4章の部分から一つ。13番目に記載ございます戦略的な国際ルール形成の推進に関して、必要性を訴えるに留まっている印象である。具体的に研究・技術開発の側面から何ができるかを踏み込んで、という記載がございますけれども、こちらにつきましては、第4章2ポツ(1)に、GHG排出量の測定方法論を具体例として追記してございます。
 以上、かいつまんだ説明にはなりましたけれども、資料1-1についての説明でございました。
 続きまして資料1-2についてご説明いたします。
 資料1-2、環境研究・環境技術開発の推進戦略案に対する意見募集の結果について、こちら、冒頭で森委員長より言及いただきましたけれども、前回第22回の専門委員会でいただいたご意見、これを反映した上で、去る6月24日から14日間、パブリックコメントを実施してございます。
 こちらのパブリックコメントで頂戴した意見に基づいて修正を施したものが、お手元にございます専門委員会案ということになってございます。
 パブリックコメントの概要ですけれども、ご意見の総数23件でございました。本戦略に直接関係しない5件を除いた18件について、それぞれいただいたご意見と、これに対する考え方を全て一覧表にまとめてございます。対応させていただいた内容の具体につきましては、この後の資料1-4の説明の中で行っていきたいというふうに思います。
 さらに資料1-3についてでございます。
 「環境研究・環境技術開発の推進戦略(案)」の概要ですが、こちらはご紹介となります。パブリックコメントを実施するに当たりまして、戦略の背景ですとか構造、概要をご理解いただくものとして、事務局のほうで作成いたしました。内容そのものは本文からの抜粋になりますので、本日内容のご説明、こちらは割愛させさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして最後、資料1-4について、担当者変わりましてご説明さしあげたいというふうに思います。
○永森室長補佐】 はい。引き続き資料1-4について、環境省から説明いたします。
 こちら見え消しでご用意しておりまして、パブリックコメントにかけたバージョンからの修正という形となっております。修正理由の種類といたしましては、一つはパブリックコメントによるもの、もう一つは、本日までに委員の皆様からいただいたご意見、もう一つは事務局による修辞上の修正の3種類となっております。
 まず2ページ目のところにつきましては、事務的な修正というところで、削除いたしました。
 続きまして7ページになります。脚注の10番につきましては別のところで丁寧に説明しておりますので、削除をしております。
 続きまして13ページとなります。重点課題の5のところで、統合的なアプローチというのは、ほかのところで別の文脈で使われておりますので、意味合いとして誤解を招いたところがありましたので、いろいろな手段を使って広く進めていくというと意味合いを鑑みまして、総合的アプローチという表現に修正しております。
 続きましてそのページ、13ページの下のところにありますように、国際的な動向としてというところを、こちらは委員コメントを踏まえて入れております。パリ協定ができてから、交渉から実施のフェーズに移ったというところで、都市といった非政府主体による取組が、イニシアティブが非常に増えている背景から委員コメント踏まえて入れております。
 重点課題の1から16のところにおきましては、主に国際の文脈と、もうひとつとして、これまでご指摘いただいた、人文・社会科学の専門家の方々を巻き込むような表現というところを入れさせてもらっております。
 続きまして14ページとなります。また、TCFDや、SBTイニシアティブなどの国際的なイニシアティブにより、民間セクターの脱炭素の取組みも求められているというところで、こちら、委員のコメントを踏まえまして、入れております。
 その下の国際展開を見据え進めていく必要があるという記述についてですが、こちら、パブリックコメントのナンバーの8番のコメントを踏まえまして修正しております。こちらは、緩和技術をアジア諸国に広めていくべきというパブリックコメントのご趣旨がありましたので、それを踏まえて修正しております。
 続きまして14ページの下のところとなります。日本は国外から多くの物資、製品等を輸入し、また輸出しているところのパラグラフとなりますけれども、こちら、委員からのコメントを受け、追記いたしております。また、前回、委員のコメントのナンバーの4番目も踏まえまして、日本というのは輸入もしておりますし、輸出もしているというところで、いろいろな相手国がある中での密接な関係があると。そういった影響を考えていくべきだというところで、ロス・ダメであったり、気候難民、気候を原因とする紛争の拡大、気候安全保障、こういったものにも注目していく必要があるというところを記載しております。また、気候安全保障についての脚注についても記載しております。
 続きまして16ページとなります。こちらは委員のコメントをいただきまして追記しております。上記に示した様々な技術やノウハウは、人々の十分な理解によって初めて効果的に機能する。人々の消費者としての行動の中には、製品の購入、消費や管理・維持、廃棄が含まれる。循環型社会に適合した製品を選択する、あるいは食品ロス等の無駄な購入を抑制するなどの意識を醸成するインセンティブに関する研究も並行して実施される必要がある、と追記しております。
 続きまして17ページとなります。こちらは自然共生領域における国際の動向について、委員のコメントを踏まえまして追記しています。
 続きまして19ページとなります。19ページの真ん中のところになりますけれども、委員からのコメントを踏まえまして修正しております。新興国においてはCO₂削減というものではなくて、ローカルの環境問題であったり、エネルギーアクセスの問題、こういったものにも資するようなものに関心が高いというところで、そういった複数の目標を合わせた政策の立案に資する研究が求められるというところを記載しております。
 続きまして20ページとなります。こちらも委員のコメントを踏まえて追記しているところでして、さらに民間企業がバリューチェーンを通じて、気候変動、資源循環、自然共生への対応を統合していく、進めていくために、グローバルなバリューチェーン全体でトレーサビリティの確保と共に、環境保全や人権に関するデータを一貫して収集・共有する仕組みの構築が喫緊の課題となっているというところを追記しております。
 続きまして、26ページとなります。表現の重複があったので削っているというところとなります。
 続きまして、28ページになります。委員のコメントを踏まえまして、戦略的な国際ルールの形成の推進というところで、規制とルール、そういったものを併せて記載しております。
 続きまして、別紙1、35ページになります。こちらは具体的にやっていく、その重点課題ごとの研究・技術開発例というところで記載をしておりますが、飛んで37ページのところに、重点課題⑥のところにアジア等国際的な脱炭素移行支援のための基盤整備事業というところと、⑧の地球温暖化現象の解明・予測・対策評価というところで、温室効果ガスの観測技術衛星等による排出量検証に向けた技術高度化事業というものを入れております。こちらはパブリックコメントで、緩和適応の途上国への貢献に関する記述を入れたほうがいいというご指摘がありまして、反映したものというところとなります。
 また41ページのところに、最後、重点課題16に委員からのご指摘があり、水道水質及び衛生管理に関するための研究を、水道行政への所管の変更に伴った取組ということで追記をしております。
 あと、参考資料2に第6次環境基本計画のスライドを追加しているというところとなります。
 資料1-4の説明については以上となります。
○森委員長】 はい。ありがとうございました。
 それでは、この事務局からご説明いただきました、環境研究・環境技術開発の推進戦略の専門委員会案につきまして、委員の各皆様から、ご意見、ご質問をいただければと思います。一応、これは今回23回目ということでして、かなり多くのご審議、ご意見をいただきましたけれども、今回をもちまして、一応まとめに入りたいと思いますので、今回はこの委員会のこの場でご質問、ご意見をいただいて、その後、いつもこれまででしたら、メールでご意見頂戴しますというふうに来たんですけども、今回そういうわけに参りませんので。できるだけこのご意見、ご質問、この場で頂戴したいというふうに思います。皆様のご意見と様々なパブリックコメントを受けまして、ご意見が反映され、それでも、かつ、事務局のご尽力により、私としては非常に一貫性のある案ができているというふうに思います。けれども、それでもまだ、各委員の皆様は、ご専門の立場から、ちょっとこういうことを少し変えてほしいとか、この趣旨はどうなのかということについて、ご意見、ご質問等あろうかと思いますので、その辺につきまして、ご意見いただければと思います。ご発言を希望される方は、この会場に参加されておられる委員の方々は、名札を立てていただきたいと思います。またウェブ参加の委員の皆様からは、挙手アイコンを押して、またはチャット機能でご発言の希望をお知らせいただければと思います。なお指名を受けました委員の方は、マイクをオンにして、またウェブ参加の方はビデオをオンにして、ご発言いただきたいと思います。
 いかがでございましょうか。どなたからでも結構ですが。この委員会の席上でのご発言、ご意見をいただくのは、一応今回が最後を予定しております。よろしくお願いいたします。はい、それではお願いいたします。
 小野田様、よろしくお願いいたします。マイクをオンにして。マイクのスイッチをお願いいたします。入っていますか。
○小野田委員】 聞こえますかね。早稲田大学の小野田です。どうもありがとうございます。
 ちょっと最初に、あの簡単な指摘を先にさせていただきたい。例えば3ページ、冒頭部分なんですけども。
○森委員長】 すみません、1-4ですね、資料の。
○小野田委員】 そうです。はい。資料の1-4ですね。これ例えば、循環経済(サーキュラーエコノミー)と書き足していただいているんですけど、例えば上のほうを見ると、ネイチャーポジティブ(自然再興)という書き方になっていて、これは、後からサーキュラーエコノミーのところは、全部、循環経済と言っていて、ネイチャーポジティブはネイチャーポジティブと言っているから、こういう順番になっているという理解でいいのか。ちょっと、その、何ですかね、繰り返し出てくる用語の書き方をちょっと見直していただいたほうがいいか。例えば、同じページの下のほうにウェルビーイングとあるんですけど、多様な幸せ、括弧、英語でwell-beingと書いてあるんですけど、右側のページだと、片仮名でウェルビーイングと書いてあって、それでそれが何か繰り返されているところが幾つかあるので。ちょっと例えば、TCFDとかそれも、日本語を書いて(TCFD)とかというのが何回か出てきたりしているので、ちょっとその辺の書き方を統一していただいたほうがいいかなというところが1点と。
 あと同じ資料の22ページ目なんですけども、例えば3の地域での環境分野の、タイトルのところなんですけどね。地域での環境分野の研究や課題解決における課題って、どういう意味ですかね。中を見ると、社会課題とか、地域における地域課題とかという言葉が別のところで出てくるんですけど、ちょっとこの辺の、ちょっと意味が取りづらかったので、ご確認いただければなと思います。
 取りあえず、一旦は以上です。
○森委員長】 ありがとうございます。
 この用語の使い方ですか、ワーディングの統一につきましては、これはあくまでこれは案ですので、最終版に向けていろいろご検討いただければと思いますが、何か統一した基準みたいなものは、何か、ガイドライン的なものはありますでしょうか。
○永森室長補佐】 過去の閣議決定等で使われた文書を参考に、並びを取りたいと思っております。
 もう一つ、ウェルビーイングのところにつきましては、閣議決定の文書によって、例えば、第6期科学技術・イノベの基本計画では英語の表記になっておりまして、閣議決定された第6次環境基本計画では、片仮名で「ウェルビーイング/高い生活の質」ということになっておりまして、正確に引用していきたいと思っております。
 二つ目の、ご指摘いただきましてありがとうございます。地域に関する課題となりますので、それに沿ったタイトルを修正していきたいと思います。
○森委員長】 ありがとうございます。
一応、基準はあるということでして、ウェルビーイングにつきましては脚注の形で、補足が説明がございます。あとほかの箇所でも、もしも、これはちょっと脚注で補足説明を加えたほうがいいというところは、もしご指摘があれば、それは少しご検討いただければと思います。
 確かにこの辺りは、片仮名と日本語の、一体どれを通常の本文中の標準として使うかは、ちょっと議論しては切りがないところではございますが、統一性があれば、それでいいかと思います。はい。ありがとうございます。
 ウェブのほうから、森田委員から挙手があるかと伺っておりますが、よろしいでしょうか。
○森田委員】 はい。ありがとうございます。
 まずは事務局の皆様のご尽力に大変感謝しております。いろいろコメントも反映されていたり、国際や人文・社会科学についても本文にいろいろ記載されたりしていると思います。
 1点すみません。別紙1について、ぎりぎりにコメントをお送りしたので、反映はされていなかったのですが、ここの別紙1は結構研究者が今後、研究課題を考える上でも大事なポイントが書かれているところだと思います。実際に、今、行われている研究プロジェクトと、今後必要になってくる研究というのが、恐らく、同時に書かれているのではないかと思っております。必要になる研究課題を、少し分けて書いてもいいのかもしれないと思いました。必要になる研究課題としましては、例えば、少し国際の観点や、少しスコープの広いものから先に書いたほうが、位置づけや、どういうスコープで研究を行うのかということが分かりやすいと思います。例えば、重点課題1のライフスタイルのイノベーションというのは、需要側の対策の一部でしかないような気もしますし、キーワードも、もう少し盛り込めるだろうなと思っており、プラネタリーヘルスだけでなくて、今、ワンヘルスに関する研究も行われていますので、そういったところも入れていったほうがよいのではないかと思います。ローカルの話になったり、国際的な話になったりが、結構ばらばらにある状態なので、そこを研究ニーズのところで少し整理したほうが、研究者なども、取り組みやすいのではないかなと思います。
 あとは盛り込んだほうがよいなと思ったのは、別紙1の重点課題のグローバルのところで、グローバルサプライチェーンや脱炭素化だけの話をしているところに、生物多様性の話も一緒に書くことや、その後の感染症と生態系の関係もワンヘルスに関係するものなので、そういったキーワードをしっかり含んでおくことなどです。
 あとは途上国との関係もこれから重要になってくると思いますので、適応策の関係でも、例えばロス&ダメージの話が本文にも書かれていますが、その関連の研究の可能性というものも、今まだあまりないですけれども、そういったこともここに入れてもよいのではないかなと思います。
 ほかにも、生物多様性に関しても、本文の中でも出てくる社会科学的な要素を含む研究の必要性も高まっていますが、研究例が従来の研究に引っ張られたものも多いということがありますので、社会-生態システムの変革に向けた研究であったり、ネイチャー・ベースド・ソリューションを推進するような経済的インセンティブを含むような政策研究であったりなど、そういったこれから必要な研究というものも、もう少し書いたほうがよいのではないかなと思いました。
 以上です。
○森委員長】 ありがとうございます。
 この別紙1は、例えば来年度から実施する課題というよりは、あくまで一つこういう例があるよということですから、この黒丸の順番につきましては、やや空間的な位置づけとか、分野的な位置づけについて、順番を、あまり、順番をもう少し整理する余地はあろうかとは思いますけれども。ご指摘いただいた今後の課題という点では、ここにありますのは、終わった課題とか進行中の課題で、まだ未解決の課題群が並んでいるというふうな解釈ではないかと思うんですけれどもね。
○森田委員】 今、行われている研究でも、もう少し何か、国際や社会科学的なものもあるのではないかなと思いましたので。
○森委員長】 そうですね。
○森田委員】 すみません。どういう基準で選ばれていたのか、私がよく理解できていなかったのですけれど、もう少し、ここを整理する余地があるかなと思いました。
○森委員長】 どうしてもこの課題を入れてほしいというものがもしあれば、ご意見いただけますか。この場で。
○森田委員】 はい。では、事務局にも先日お送りしたものを、またお送りできればと思います。
○森委員長】 はい。この課題は、確かにいろいろと、各委員の皆様、いろんなご専門の立場から、これをやらなきゃいけない、やるべきだというようなご意見、いろいろとお持ちかと思いますけれども、これはあくまで研究課題の例であって、これを最終案というわけではございません。研究課題の募集要項等と違いますので。その辺はいろいろと整理して、また範囲も広い狭い、いろいろあろうかと思いますけれども、その辺は、どこかで少し、あくまで例という形で考えていただければと思います。
 ほかにご意見はございますでしょうか。また、今回はできるだけご発言の、ご指摘の時間を取りたいと思いますので、この会合、この会議が終わるまでに、この課題をぜひともここに入れてほしいというものが気づきであれば、チャット機能もございますので、事務局のほうにお寄せいただければと思います。
 ご意見ほかにいかがでございましょうか。ではウェブのほうから酒井委員から挙手が挙がっているということですので、よろしくお願いいたします。
○酒井委員】 どうもありがとうございます。
 先ほどの説明の中で、水道行政の所管変更で、重点課題の16に一つ、水道水質及び衛生管理に資するための研究ということで、追記をいただいたと。ここはいいご判断をしていただいたなと思っているんですが。
 質問が一つと、ちょっと、コメントが一つございます。質問は、ここはこれは、請負調査費で進めると、請負ということで、括弧書きで、「請」が入っているわけですけど、これは今年の運用として、こういう方針だということでの記述ということで理解をしておるんですけれども、こういう研究事業的なものをずっと請負調査費でお進めになられるのか、あるいは、少し長い目で見た場合は、また別の予算枠でということもあり得るのかということについて、ちょっと事務局のほうから説明をお願いしたい。追加説明をお願いしたいと思います。
 それから、これに関してなんですけれども、本文のほうの重点課題の16のところの書きぶりで、何ページなのか。ちょっと、ページの番号ちょっとずれていますので、私のほうが正確かどうか分からないですが、前のほうの18ページか19ページかその辺りだと思うんですけれども、重点課題のずっと説明を、パラグラフずつ提示されているところなんですが。ちょっとここの部分で、どれですか、省庁再編等でちょっと起こっていることが、一文、これは書いていただいているんですかね。すみません。16ですね。そのもうちょっと下。安全のところの。16。16そのままですね。いわゆる、体制変更に伴っての研究テーマ再編的な、統合的展開の必要性というところは、ちょっとここに少し書き込んでおいたほうがいいのかなと思っているというのがコメントでございます。例えば、この水質や衛生的視点、あるいは研究の財政的視点などからの統合性を念頭に置いた推計、環境研究展開を求められるとか、こういうような背景としての省庁再編の趣旨を、少し一文加えたほうがいいかなというふうには思いました。ということを、これをコメントとして発言しておきます。
 この今日の委員の中にも、水の関係のご研究に造詣の深い先生もおられますので、その辺の先生のご意見も聞きながら、最終、決めていただければということで発言いたします。
 以上でございます。
○森委員長】 ありがとうございます。
 今、実はキーワードでいただきました、統合かあるいは総合的アプローチというのは、この今回の推進戦略案の全体を貫く一つのキーワードにもなっておるわけでして、私自身もこの統合化、総合化と、どっちが、使い分けが必要なんです。特に分野間のトレードオフやシナジーを考慮した総合的なアプローチの必要性、それから空間的な総合化という意味では、地域と国内及び世界との関係の総合的な、相互矛盾のない一貫性のある視点からのアプローチ。また世代間という意味で申しますと、人材育成というキーワードもある意味では時間軸での人材的な総合化ということでして、この様々な軸から、部分的な最適ではなくて、総合的な視点から環境政策、環境研究、開発のあるべきだというトーンが、これは全体の基調であるかのように思います。
 そういう意味では、その総合化への視点というのは、いろんな箇所でまた恐らく出てくるかと思いますし、また第1章とか第2章のどこかで、やはりこういうこともあるから総合化は大事だよと。いろんな視点から問題意識を指摘されておられますけれども、だから総合化の視点は大事だよというのをどこか入れておいていただくと、背景にある基調的な流れとして、その視点で研究、技術開発のやり方を議論しているんだというのは強調できるかなというふうな印象は、私もございました。
 恐らく今、課題16についてご指摘いただきましたけれども、それ以外の重点領域、1から15に関しましても、総合的な視点の重要性というのは共通して現れる言葉かと思いますので、既に幾つかは、総合的な、総合化とか統合化という言葉はキーワードは入っておりますけれども、またちょっとさらに強調したいというふうなご意見をいただけましたら、それは改めてご意見として頂戴したいかと思う次第です。
 国際化に関しましても、人材育成に関しましても、部分的な解決ではないというところを、全体の基調のトーンとして強調したいというところがございます。この辺はちょっと、私もコメントをして感じておりました。
○酒井委員】 森委員長、ちょっと酒井でございますが、追加でよろしいでしょうか。
○森委員長】 はい。
○酒井委員】 今、森委員長がおっしゃっていただいた統合化の視点、国や空間、世代等、様々な観点からの統合化、総合化ということ、全く異論はございません。私のほうから申し上げたのは、その背景として、たまたま今年、環境省の大きな体制変更があったということでの研究戦略、あるいは技術開発戦略というところと密接に関わる部分は、一つ追記が足りないんじゃないかという趣旨で申し上げておりますので、重点16に限って申し上げたのはそういう趣旨でございます。
○森委員長】 はい。ありがとうございました。
 この点は、私もそこの点まではちょっと目が行き届いておりませんでしたので、その点については、お考えいただければと思います。何か事務局のほうから、今のご意見に対しまして、何かレスポンスがございますですか。
○永森室長補佐】 ありがとうございます。森委員長、ありがとうございます。
 重点課題16のところにつきましては、酒井先生のコメントを踏まえて、省庁再編を踏まえた統合的なアプローチというところの趣旨について追記する方向で、少し考えさせていただきたいと思います。
 あと、もう一つ、ご質問ありました、41ページのところ、請負調査のところですけれども、今のところは請負調査で進めているというところで、今後のところについては、特段の方向性については確認できておりませんが、本日いただいた酒井先生のコメントについては、関係部局にしっかり伝えていきたいと思います。
○酒井委員】 どうもありがとうございました。
○森委員長】 ありがとうございました。
 ほか何かご意見ございますか。ウェブのほうから、浅見委員から挙手がございましたので、お願いいたします。
○浅見委員】 ありがとうございます。
 今、酒井先生からもご指摘をいただきまして、私どもも、移管の影響があるところではございますが。今のように、水が、水道もそうですし、環境水と、それから大気を経由するものですとか、そういった媒体を経由するもの、それから、過去の廃棄物から滲出をするようなものとか、そういった他媒体と時空を超えたという、おっしゃったようなものに関しましても、統合的に管理をする必要があるのではないかと思うのですけれども。ちょっと、今、ご指摘をいただきましたように、それが安全確保なのか、統合なのか、即座に分かりかねるところもあるのですが、例えば統合領域の中に、ライフサイクルアセスメント、環境ライフサイクルアセスメントがあるところは、海洋資源のみが書かれておりまして、そういった媒体間と全体の社会との統合的な向上という意味で、ほかの部分に関しましても、環境ライフサイクルアセスメント的な視点ですとか、あと統合的なマネジメントというところは重要になるのではないかなと思ったところでございます。
 例えば、見え消しのと、ちょっと見え消しじゃないのとでページが違うんですが、環境を軸とした経済社会への影響分析とか、環境ライフサイクルアセスメントとあるところが、どのように、もう少し広い意味で、化学物質の管理ですとか、統合といったところにつながるような表現にしていただいたほうがいいのかなと思ったところでございます。すみません。ちょっと十分そしゃくできているか分からないんですけれど。酒井先生のご意見、ありがたく承りました。よろしくお願いいたします。
○森委員長】 今の点は、具体的にどのように文章に反映させればいいか、ちょっと私も判断がつきかねているんですけれども、何かアイデアとか、何かご提案があれば、お伺いしたいと思いますが。何か、少しまた後で、何かそういうご意見をいただけますでしょうか。どこにどう反映すればいいか、ちょっと私も判断がつきかねているんですが。
○浅見委員】 はい、申し訳ありません。この重点課題2のところが、人文・社会科学的なことのみなのか、それとも、材料ですとか、そういう化学物質の管理のところまで含めてよいのかに、ちょっと依存するところがあると思うんですけれども。もしそれが可能であれば、ちょっと重点課題の2のところに、どなたか、後ほど、またご提案させていただければと思います。
○森委員長】 はい。ありがとうございます。
 これは、そのものずばりということではないんですが、総合的向上という中に、恐らく、趣旨としては恐らく入っていたのかなと思いますが、文言としてはそういう自然科学、技術という言い方は直接は出てきては、確かにおりませんですね。①の最初に研究・技術開発というキーワードありますけれども、総合知の活用に資する技術開発というよりも、技術と資源と、要するに自然と社会の相互影響に関する評価という言葉にはなっておりませんけれども、趣旨としてはそれが入っていたかと思いますが、何かそういう言葉を考えたいところではあるかと思います。その辺は少し、研究課題の趣旨としては、異分野というんですか、広範な範囲の総合化というアプローチも重要性というのは、これも底流でございますので、何かちょっと文言に工夫の余地はあるかもしれないと私も思いました。少しそれは、この委員会が終わるまで、何かいい文言をご検討いただければと思います。
 小野田先生から手が挙がっておりますね。よろしくお願いいたします。
○小野田委員】 小野田でございます。
 21ページの31行目です。下のほうなんですけども、環境スタートアップあってと、ちょっとここの文は練り直していただいたほうがいいと思います。具体的に申し上げますと、例えば、ちょっと読みませんが、「環境スタートアップは」と始まって、「といった」、「といった」、というのが2回続いているというのが、ちょっと基本的なところと、あとは、前半の文章を拝見すると、環境保全に関する特定の課題を解決する手段としての素材などの具体的な技術や情報といったというのが、ちょっとこれだけだと、何を意味するのかがよく分からないと。だから、素材というのは、例えば、革新的な素材開発とか、あとちょっと後ろのほうに、幾つか具体的なスタートアップの事例が、水循環システムとかそういったものが出てきているので、もうちょっとそれを素直に表現するワーディングにしたほうがいいなというふうに思っているというのが、ちょっと前半の分と。あと後半の、また、以降の文なんですが、ちょっと一番最後の、既存の価値基準に基づき構築されているビジネスモデルを壊すインパクトを与え得るというのは、言いたいことは分かるんですけど、ちょっと強過ぎるなと思います。というのは、その後の文に、大規模なサプライチェーンに支配力を有する大企業とはという話があって、結局、その見方によってはちょっと矛盾していることを言っているように見える。既存のビジネスをやっているのが、例えばそれが大企業だとすると、それを壊す、でも、大企業と連携できないのが課題だと言っているところがあるので、例えば、ビジネスモデルを壊すのほうというのは、別に、今まで想定しなかったようなイノベーションを起こすポテンシャルがあるぐらいの表現にとどめておいて、ただ実際には、やっぱりスタートアップみたいに、例えば特許みたいなものをベースにしたスタートアップの場合には、既存の例えばメーカーさんにライセンスをすることによって、もうちょっと相乗効果を出す仕組みづくりが必要だということが、全体として言いたいことだと思いますので、ちょっとそれを意識した文脈にしていただいたほうがいいかなというふうに思いました。
 以上でございます。
○森委員長】 ありがとうございます。
 確かに、この文章は工夫の余地がありますね。結局、環境スタートアップには課題が多いということを、いろんな課題があるということを言いたいのか、環境スタートアップにはどうしても既存のビジネスモデルの枠組みが、これが障壁になっているということを主張したいのか、必ずしもそうでもないというような言い方も形もできてですね。これは、現在のビジネスモデルといいますか、既存のビジネスモデルと環境スタートアップの実装において、どういう問題があるのか。もうちょっと具体的に、文章を考えていただいたほうが、確かに筋は通りやすいかと思いますですね。後半のほうも趣旨としては、多分、既存のビジネスモデルとどうやって調整して折り合いをつけていくかということが大事だよということが、多分論点だと思うんですけれども。新しいものを入れてくるのは、結構それなりに大変なんだということを言いたいんだと思うんです。そういう趣旨がもっとすっきりと伝わるように、工夫いただければと思います。
 このような具体例から、あとはいろんな制度の改良とか、場合によっては規制緩和であったり、あるいは支援策での検討であったりを導いてくるわけで、その方法のための研究課題というものも出てくるということでしょうね。
 さっき、これもご指摘いただきました3番目の課題解決における課題というのも、意味はよく分かるんですけどね。これを障壁と書いてしまうと、ちょっと強過ぎる。恐らく課題とされたんだと思いますけれども。単にこれは、解決のための課題ぐらいにしておけば無難だったのかもしれませんね。
 文章に関しましてはいろいろといただいております。後でというわけに参りませんので、できるだけこの席上でコメントいただきまして、最終的な調整は、また事務局と私のほうの責任で行いますけれども、ご意見はぜひとも頂戴したいと思います。また何かご提案をいただければ、よりベターなんですが。
 ご指摘、ご質疑とそれからご提案、ご回答もいただいておりますけれども、さらに追加でのご意見等いただきたいと思います。けれども、今回は何度も申し上げますが、一応、この委員会としては最終回ですので、できるだけ委員の皆様全員から、コメント、ご意見を頂戴できればと思う次第ですし、ぜひとも、ちょっと各委員の皆様の専門分野から見て、これはもっと強く書いていいんじゃないかというのをいただければ、大変ありがたいかと思います。
 それでは、各委員の皆様から順番にお願いしたいと思うんですけれども、ちょっと私のほうから振らせていただきたいと思います。
 例えば、亀山先生いかがですか。何か、書き方について。
○亀山委員】 ありがとうございます。後回しでいいですよ。ありがとうございます。
 はい、ありがとうございます。
 社会科学系の研究について、幾つか具体的に入れさせていただいたので、私のほうは今のところ、いろいろ探しているんですけどあらが見つからず。また後ほど、必要であれば発言させていただきます。ありがとうございます。
○森委員長】 ありがとうございます。
 では古米先生、お願いいたします。
○古米委員】 どうもありがとうございます。
 私もコメントを反映していただいている内容を確認させていただきました。今日の議論の中で、酒井委員と浅見委員が言われたことに関連して発言すると、安全確保領域の重点課題16に、「水道」というキーワードが入っても悪くはないかなと思いました。別紙1に整理いただいている研究・技術開発例に、「水道水源から蛇口まで、水に関する一体的なリスク管理の研究」があります。40ページですけれども。さらに水道水質及び衛生管理という言葉が出ています。やはり本文の重点課題の説明の部分と、別紙の研究・技術開発例のリストにおけるキーワードは連携させるとよいかと。言い換えると、課題の中で繰り返し出てくるような言葉は、本文のほうの重点課題の説明の中に出すか、あるいは安全確保領域全体の説明で出すか、どこかで出ているとバランスがいいかなと思っています。したがって、水道なり衛生というキーワードが、安全確保領域の本文のどこかに入っていたほうがいいかなというように思いました。
 そういう気持ちで改めて、本文の重点課題の説明と別紙1を見始めていたんですけれども、例えば、別紙1の重点課題の1のところにプラネタリーヘルスがあるんだけど、実はそのキーワードは本文の重点課題の2に入っているなどがありました。全部チェックしていないんですけれども、やはり統合領域以降、別紙1にある具体的な研究・技術開発例のキーワードが本文のほうに対応して出ているかどうか、何か抜けていないかとか、足りないものはないか、ご確認いただけるといいんじゃないかなと思います。
 以上です。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。
 これは重要なご指摘と思いますので、もう少しこれは文案を、案を少し検討したいかと思います。
 小野田先生にはすでにご発言いただきましたが、改めてお願いできますか、何かありましたら。
○小野田委員】 小野田でございます。
 それでは29ページですね、見え消し版の。ちょっとどう整理するかはお任せするという前提で、ちょっとコメントに近い話なんですけども、ここの上のほうに、「地域」「暮らし」に密着した社会実装と書いてあるんですけれども、ちょっとそれがあまり伝わってこないというのが正直な印象です。特に最初の二つですね。窒化ガリウムの話と革新的触媒の話というのは、ちょっと何か、それで地域、暮らしをイメージさせるんだったら、もっとその地域とか暮らしのどこに貢献するのかというのを最初に書いた上で、窒化ガリウムとか触媒の話をしたほうがいいというふうに思いました。
 あとちょっと、3、4はちょっと私も関わっているので、そういう観点で申し上げるんですけども、少し、特にこの水素のほうですね。何か書いてあることが、どちらかというと水素施策の一般論みたいな話になってしまっていて、もうちょっと、環境省としてはこういう観点に注力しているという話が、出してもいいんではないかなというふうに思っています。だからちょっと3のところは、あれかな、多分ここで言いたいのは、多分その普通の自動車とか、そういうものも含めてだと思うんですけども、もうちょっとローカルの交通の話とかもされていると思いますし、あと、4のほうというのは、だからいわゆるグローバルの水素ではなくて、むしろそのローカルに使うという話をちょっと注力しながら、ただその最後の2行ぐらいにちょろっと書いてあるだけになってしまっているんですけども、むしろ、こういうのを中心に書いていただいたほうがいいのかなというふうに思いました。
 だから繰り返しますが、書いてある内容が間違っているという指摘ではないということが前提でございます。あとだから、このあれですね。さっきの話で行くと、この5のフェーズフリーのところで、ちょっとさっきのスタートアップと関連するような話とかが出てきますので、だからちょっとこの辺のイメージと、さっき指摘したポイントのところがちょっとあまりつながった印象が見えないというのが、先ほどのところでございました。
 はい。私からは以上でございます。
○森委員長】 はい。ありがとうございます。
 ここで、タイトルに地域という言葉が前のほうに出てきているのは、そういう地域の課題、地域の暮らし、そういう視点からの技術開発というような、多分そういう趣旨かというふうに思います。ちょっとその辺も、この地域に根差したというよりも、地域と暮らしと密着した視点からの技術開発が大事だということを言いたいわけだと思いますので、少し書きぶりの工夫を考えたいかと思います。
 この辺りは、やはり経済産業省とか国土交通省とか、少し違う視点が、多分、環境省としての技術開発の視点がここに反映されることになるかと思います。
 それから、次に、引き続きですが、今度はウェブのほうで参加いただいている酒井先生から、もう一度改めて、ちょっとご意見を頂戴したいと思いますが、よろしいでしょうか。
○酒井委員】 はい、どうもありがとうございます。酒井でございます。
 先ほどは、ちょっと環境省の構造的な変革に伴って、今回、触れておいたほうがいいかなと思う点の意見を申し上げただけですが。ちょっと幅広に拝見すると、今回、29ページですか。国際ルール形成の推進というところを、一つ、一項目立てて、相当突っ込んで書いてはいただいておりますので。この方向、言うのは易しいんですけれど、なかなかどう実行するかが本当大変な分野だろうなということで、ぜひ、これが実現していく方向を期待をしたいと思うんですが。
 1点、申し上げますのは、一番戦略的な国際ルール形成の推進ということの、最終のパラグラフなんですけれども、分野、テーマによって若干違うけども、基本的には国際ルールや国際標準の戦略で活用を図っていくという、こういう姿勢で書いていただいているんですね。それはそれで結構なんですけれども、恐らくこれは活用に前に、国際ルールや国際標準への戦略的な関与、そして貢献、そして活用を図っていくというような、こういう話は、やっぱり手順を踏んだ展開が多分必要になっていくんだろうと思いますので、これは特に修文を期待するというところまでは申し上げませんので、いずれにしてもここに触れていただいたということは、非常に結構なことだと思うのですが、結構重いところを指摘いただいたわけで、これをどう具体化していくかということは、また、今後、省を上げて検討いただければと思っているところでございます。
 以上です。
○森委員長】 はい。ありがとうございます。
 国際的な標準、それからアピールというのは、社会貢献、あるいは社会実装という点では非常に大きな課題になってまいりますし、そこに本来行き着くはずの、行き着くべきものがという、大きな大目標といいますかね。これたしか、森田先生からのコメントあったかと思いますけれども、そういう場でちゃんと発言できる人材育成、それから影響を及ぼすための裏づけするだけの研究成果、様々なものが必要になってきて、ただ、研究論文を書くことよりも、さらにその先の視点まで含めた研究開発、そういう方向も考えましょうという、壮大なものであることは確かだというふうに思います。
どうやって実装するかは私がご指摘のとおり、またこれからこうすればいいと簡単に結論が出るものではございませんし、できることでもありませんので、とにかくやっていただくということになるかと思います。
これまでいろんな実績もあろうかと思いますので、それをどうやって広げていくかですね。ありがとうございます。
それでは、浅見先生、お願いできますか。
○浅見委員】 ありがとうございます。先ほどちょっと発言の機会をいただきまして、重点課題の2のところに、例えば、このような視点がもう少しあってもいいのではないかということで入れさせていただきました。
ちょっと長文になりますので、チャットのほうにもお入れさせていただいたんですけれども、この中に統合的向上とあるんですが、化学物質ですとか、微生物等の個別の別のものに関してのその媒体移動ですとか、衛生管理制度と汚水処理、廃棄物土壌回復等を含むような統合的な管理というのが、ちょっとほかのところとも見合わせましても、制度上のことを検討するところというのがこちらではないかと思いますので、制度とか社会経済的な観点、それから、今後どのような管理ですとか、戦略的な製品の開発とか、推進が必要ではないかということを研究するようなテーマとしましては、ここの分野でもう少し広め
のものというのも必要なのではないかなと思ったところでございます。
ちょっと書きかけなところもあって恐縮なんですけれども、重点課題ごとの開発例及び、関連の本文でどこか必要があれば、そういった視点も入れていただいて、制度的な提案に、特に社会科学系の先生ですとか、理系の実験的なところが融合して当たっていただくような課題になるといいのではないかと思いました。
以上です。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。これ別紙1の技術開発例だけではなくて、先ほど古米先生からもご指摘いただきましたけど、重要なキーワードは本文にも反映させるべきと、この話と整合するかと思います。
何かコメントございますか、事務局のほうから。どうぞ。
○相澤補佐】 浅見先生、ありがとうございます。技術室の相澤です。
重点課題2に加えていただいたんですけれども、一応、重点課題2は統合領域の課題になるということで、仮にこの例に当てはまる、例を見て研究者が応募される際に、その課題は一応統合領域で審査されるということで趣旨と合っていますでしょうかというのをちょっと確認させていただきたくて、安全確保領域で審査するのと、どちらがマッチしているかというところを、ちょっと確認させていただきたくてコメントさせていただきました。
○浅見委員】 はい。非常にそこの区分が難しいところだと思うんですけれども、統合的な部分においても媒体の検討が必要なのではないかというところと、あと、先ほど酒井先生からもご指摘いただきまして、個別の媒体に関しても安全確保のほうに入れていただいたかなと思っておりますので、それに関しては個人的にはちょっと統合的な観点のところの中でも、もう少し具体のものが入ってもいいのかなと思ったところでございます。それはお任せします。
○相澤補佐】 ありがとうございます。
○森委員長】 ありがとうございます。確かに、こういう研究課題の場合には、できるだけ閉じないようにしたほうがいいということでは、水に関する課題が統合領域のほうで扱われるということも、そのメッセージになる可能性はあります。それは考えたいと、こちらのほうでもご検討をいただければと思います。
 続きまして、伊藤先生いかがでしょうか。
○伊藤委員】 はい、ありがとうございます。実は少し気になっているところがありまして、でもどうしようかなと思っていたのですが、この際、言わせていただきますと、第3章です。第3章の最初の部分の、赤で書かれた国際的な~のところです。
この、「国際的な専門家会合等の場に我が国は研究者が立っていることが求められる」というところですが、ここはもう少し強い表現でよいのではないかと思いまして。また、研究者がルールメイキングの場に立っている、つまり参加している、強いコミットメントをしたとしても、それだけではルールメイキングできませんでして、基本的にはやはり行政官の参加なりなんなり、国のバックアップが必要ですので、何かもう少しこの部分に言葉を補っていただけたほうが、より現実的かなと思いました。
以上です。
○森委員長】 この部分の文章表現ですね。
○伊藤委員】 そうです。
○森委員長】 これはちょっと後ほど森田先生のコメントも頂戴できればと思うところなんですが、私の知ってる範囲ですと、例えばIPCCなんかでは、研究者が国際的ルールメイキングのほうにいろんな形で参加して、日本からも貢献があったというふうに思っていますし、ほかにも例えば情報系なんかでも、そのようなデータセンターの基準の中にもそういう場があったということを承知しておるんですけれども、これ文章化するとどんなふうな書き方になるんですかね。
○伊藤委員】 そうですね、今、先生がおっしゃられたように、既に結構いろいろ研究者が参加しているという、そういう実績があります。ですので、それをもっとルールメーキングにつなげていくということを打ち出すのであれば、もう少し強い言葉を入れないと、新しさが出ないのではと思ったところでございます。
言葉で言うとなかなか難しいですけれども、「立っている」というよりも、「発言権を持って議論を先導していく」とか、「強い貢献」とか。少しそのようなニュアンスを入れていただくとともに、国がそういうところもバックアップするという、企業を含めてですけれども。これは研究者だけではうまく成り立たないと思いますので、「日本全体として」という言い方かもしれないですが、「バックアップする」というところも含めて、入れたほうがいいのかなと思っております。
○森委員長】 ただ立ってるだけではなくて、コミットするぐらいの言葉が必要だと、こういうことかと思いますが。
○伊藤委員】 そういうことです。ありがとうございます。
○森委員長】 これは何かここの表現、どうなると。何かご意見はありますか。
○飯田審議官】 研究者の方が再交渉の場に出るに当たって、その政府からの委任と言いましょうか。きちんとかみ合った方向性で交渉していくというところの裏付けの部分がないと、強く出にくいところが実態としてあるところがあるというところだと思いますので、そういったところの。実態はその政府代表団としていろんなケースもあるか思いますので、いろんなフェーズと言いましょうか、いろんな会議のレイヤーがあるかと思うんですけれども、そういった中でも、その政府とのコミットメントといいましょうか、方向性をしっかり把握して確認して強く進めていくということかと思います。ちょっと、文言としてどう書くかというところは、先生と相談したいと思います。
○森委員長】 日本の研究者がそういうルールづくりにも積極的に参加できるようになるべきであるという、そういうコメントかと思います。確かに、これをどう書くかはまた難しいというのは確かにございます。
いや、これ、ここまで行くと実務的な領域に入ってきてしまうので、周辺の状況はいっぱい差が出てまいります。
浅見先生から挙手があるようですが、何かコメントいただけますか。
○浅見委員】 恐れ入ります。当方でも、例えばWHOの会議等に参加させていただいているんですけれども、参加だけではなくて発言すると、主導的な立場で参加するというような表現にしていただけると、ありがたいと思います。
いわゆる、コミットメントだとか、貢献だけだと、もう少し弱くなって解釈されてしまいますので、そのようなことを入れていただければと思うんですが、行政官の方々もぜひ一緒にというところ重要なんですが、行政官の方々はやはり異動等もございますので、研究的な視点と行政的な視点というのも融合できるように、今後とも計画的に行っていく必要があるのではないかなと思います。
例えば、レギュレーションを作る場合には、やはり行政官の参画は非常に重要でございますし、研究者のほうで長く見ているところで、また海外の場合ですと、行政官がドクターを持って発言をされるという形もたくさんあると思いますので、そういったところとゴーしていくためには、計画的に進める必要があるのではないかなと思います。
以上です。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。ここは本当、どこまでの参加と役割を果たすべきかということですね。そういう場でも役割を果たせるようにする、それは重要なことは間違いないのですが。
この辺はあくまでこの3章のタイトルは、世界実証・実装に係る課題の中で、そういう国際的なルールづくりの場に、同レベルまで、それを目標とするべきなのか、行動目標とするべきなのか、あるいは緊急課題を目標の中に入れるべきなのか、あるいは、最低これだけは満たしてくれという話にするかでも、それも大分ニュアンスが変わってまいりますので、その辺の書きぶりにつきましては、この場の意見を踏まえまして少し検討させていただければと思います。
 よろしければ、笠井先生お願いできますか。
○笠井委員】 笠井でございます。すみません、ミュートになっておりました。
まず事務局とか環境省、委員の皆様、ここまで大きなものをまとめていただきまして、ありがとうございます。深く御礼申し上げます。
全体として抽象的でございますが、議論を重ねるときに、どんどん統一的となって、また、全体を網羅しつつ明確なメッセージが出ているようなまとまり方になってきたと感じております。
皆さんおっしゃってる、その重要なキーワードは本文にもというのは、そういう意味で明確なメッセージを出すという意味でも大事かと思いました。
 私のほうは、別紙のところでずっと気になってたことがあるので、この機会に申し上げたいと思うのですが、この領域ですね。統合領域、気候変動領域、資源循環領域、自然共生領域、安全確保領域とございますが、この領域の中、はそれぞれすごくよくまとまっているんですけれども、領域にまたがるようなところ、非常に難しいのですが、どう入れたらいいのかなというところがございまして、例えば、今は国際的にも、実際に地球の中でも、もうグローバルの大気汚染というのは問題になっておりますし、どんどん森林火災なども増えていますし、経済の向上に伴ってその国が出したSOが隣の国を汚染しているみたいな、そういうこともございます。
そういった、例えば火災が出てくるエアロゾルは、雨にもつながってまいりますし、そういったところ、グローバルな大気汚染というところを考えると、例えば統合領域に入るところではないですし、気候変動領域は今は温暖温室効果ですね、だから、GOSATをバックアップするようなところ。今度GOSATにNOが入りますが、やはり気候変動としてサポートしているというところがございます。
この、大気汚染と申しますと、やはり(5)の安全確保領域に入ってくると思うんですけれども、やはりこれは個々の人間の地域的な、いわゆる公害を対象とされているというところで、(5)の問題をグローバル化したところ、(2)の視点がどういったところあたりが今後どのようにまとめていくのかというところが気になっております。
長いんですが、以上でございます。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。地球規模のグローバルな問題を実際に現実の社会実装で解決しようと思いますと、どうしても研究そのものは重点課題で行きますと7番とか8番から始まっても、最終的には重点課題2に入りませんと実装できませんから、そんな意味では、どこに入れるかというよりは、どの分野のいろんな分野の参加が必要だと、そのような視点から研究課題に入っていただく、研究活動に入っていただくことは大いに歓迎すべきだというふうに考えられますし、そういう意味ではこの別紙1の件の研究課題に重複したキーワードがあっても、違うところが出てきても構わないと思うんですね。それは、ただ実際の研究活動としては当然どこに重きを置くか重点の置き方とか、方法論も違うでしょう。けれども、課題としては、できるだけいろんな分野から共有することが本来大事だということで、統合化というキーワードが出てきているんだと考えますと、どこでやるかということをあまりここで厳密に線分けしなくてもいいと思うんですね。ここでもこのキーワードがあるということでも別に構わないんじゃないかと個人的には思うんです。
○笠井委員】 考え方としてはそれでよいと思いますが、実際に動かすときに担当課室がないですとか、いやちょっと分野が違いますねというふうになっていくんですよね。だからこそ、国がそうやって新たな分野を作っていかなければいけないと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○森委員長】 その点は全く私は個人的には同感いたします。どうしてもこの研究領域と担当領域というものがぴったり重なるというのは難しいということもございますし、それは実際に行っていくには、研究を行うときには、ある程度区分けしていかないと深くなりませんけれども、実装する際には、広げていかないと現在実装できないという、重複しても相反する面が、この研究活動と社会実装とでは両方どうしてもできてしまうので、そこをどうするかというのが、今回の課題というよりは、永遠の課題のような気はいたします。けれども、この中では、あくまで研究課題としてはどの分野に、いろんな複数の分野で現れる共通課題であることは許容していただくほうがいいかなというふうに思いますが。
○笠井委員】 おっしゃるとおりだと思います。そういう課題があるということを認識して進めていくのと、この中できっちりやりましょうというのでは、次への反映も違うと思いますので、そのような視点で進んでいただけると、とてもよいと思いました。
以上です。
○森委員長】 ありがとうございます。課題が具体的になれば、行政の担当部署との切り分けもかなりきっちりできるんだと思うんですけれどもね、なかなか、そうなってしまえば、企業からの参加も比較的分かりやすくなるんでしょうが、まずは将来に向けては、この課題、この環境研究に関しましては、環境分野に関しましては、複数分野からの参加と検討が必要だというトーンで、まずは今回は進められたらなというふうな気がいたします。
ちょっとこの辺りはオープンクエスチョン的なところがありますので、いろんな委員の皆様からご意見をいただきたいというふうに思いますが、まずは森田先生から、順番に行くと最後になりますが、コメントを頂戴できますか。
○森田委員】 はい、ありがとうございます。それでは3点ほどコメントさせていただきます。
1点目が、先ほどの専門家の会合などに研究者が参加するようにして、ルールメイキングにも関わるみたいなところは、本当に問題意識としましては、IPCCやIPBESなど、そういった科学的なアセスメント以外にも、国際機関の関係でも専門家を集めて特定のトピックについて議論するような場に、日本人が果たしてしっかり呼ばれるようになっているかというところが、心配になっている部分もあります。日本の行政のニーズに応えるための研究と、そういった国際的な議論に呼ばれるのに必要な研究や知識というのは、必ずしも一致していない部分もあり、そういった意味で国内の研究ももちろん大事なのですけれども、国際的な文脈を広く理解していること、また日本だけでなく、ほかの国との関係も理解していることというのが必要で、研究も含めて若い世代でもそういった知識がないと、どんどん呼ばれなくなってしまうのではないかと思っています。ここは新しい話ではないかもしれないですが、最近アジアでもほかの国々で国際的な議論に関わっている研究者が増えている中で、日本に対してすごく危機感があってコメントしています。そういった意味で、ここを何か強い表現でしていただけるのであれば、とてもありがたいと思っております。
2点目は、ちょっと細かい話なのですけれど、17ページのところの言葉のトーンを合わせるところで、人文・社会学と書いてある部分がありました。社会学になると一つの学問になってしまうので、社会科学ということで統一していただければと思います。
3点目は、先ほど一番初めに話した別紙との関係なのですけれど、ほかの先生方からもいろいろお話がありましたが、キーワードで何かしっかりイメージしやすい、別紙1に出てくるキーワードが少し本文にも紹介してあると分かりやすいなと思いました。
ネイチャー・ベースド・ソリューションや、先ほど言ったワンヘルス、そういったものも国際的な議論の場でかなり重要なキーワードとして統合的なトピックとして扱われていますので、それが本文にも少し紹介してあると、その研究との関連性というのが分かりやすいと思いました。
ここについてはまだやはり加筆したい部分があるのと、少し違和感があるなと思っていた理由として、おそらく、既に行われている研究、具体的な研究プロジェクト例の中で、あえて推進費のプロジェクトを外してあるからなのではないかなと思いました。推進費で過去に統合的に取り組もうとしていた研究は結構あったので、そこを土台にして、いろいろな統合的な研究は進められると思うので、何かもしこれまでの研究ですとか、今行われている研究を書くのであれば、推進費の研究も含めて書いたほうが、違和感がないかなと思いました。本文との整合性も取れるのかなと思いました。
以上です。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。ちょっと私個人的には、社会学と社会科学を統一するのはちょっと無理がある気がしまして、社会学は人文科学に入れても結構なんですが、社会学と社会科学はちょっと違うんじゃないかなという気がするんですよ。
○森田委員】 そうです。違うので、社会科学に統一したらいいのではないかというのがコメントでした。
○森委員長】 でも、ちょっとそこは検討させてください。ちょっと個人的には、社会科学の文脈と社会学、あるいは、人文科学の文脈は必ずしも同じではないように思うんですよ。ここで言っているのは、むしろ社会学という言葉をあえて使ったのは、もっと広い人文科学、そうすると例えば、例えば歴史学なんかも含めたような、そういう視点まで含めての話というふうに私は解釈していたので、ちょっと社会学に統一すると狭くなる気がします。
○森田委員】 ほかでも全部人文・社会科学と書いてあるので、ここだけ人文・社会学になっていたので、全部を人文・社会科学に直したらいいのではないかというのがコメントでした。
○森委員長】 そういうことか。分かりました。これ私の誤解です。失礼いたしました。
推進研究のほうの扱いに関しましては、これはちょっと事務局のほうに確認したいんですが、これは何か森田委員からのご指摘についてご回答をいただけますか。
○相澤補佐】 技術室の相澤です。
推進費の既に実施している研究課題名を書いてはどうかというご指摘に対してなんですけども、おっしゃるとおり、あえて特定の課題名は書いていないです。というのも意図としては、ここの例のところは、推進費の公募をするときに、各領域、特に重点課題に迷ったときに、自分は1かな、安全確保かなと迷ったときに、どういった研究のほうがどっちの領域かというのを、ちょっと判断するときに使ってもらえるようにという例で載せるというところがあるんですけども、そのときに具体的な研究課題名を、選考しているのを例として載せてしまってよいのかというところがあって載せていないという……。
○森田委員】 課題名を、そのままを書くというよりは、そこから出てくる研究のエッセンスをここに反映していたほうが説明が分かりやすいのではないかなと思いました。
○相澤補佐】 なるほど。
○森田委員】 例えば、環境を軸とした経済社会への影響分析は、よく分からなかったので、例えばもう既に走ってる推進費でイメージしているものがあるのであれば、こういった研究というのが、何か分かるものがあれば分かりやすいです。
 例えば、ここで抜けている私が先ほど説明した社会-生態システムの変革とかの研究も、大きな推進費のプロジェクトの中では行っていたと思うので、そういったエッセンスをもう少しここに何か入れる。それを全部排除してしまうとすごく特定の研究プロジェクトと、それ以外の何か思いついた研究課題みたいなものが羅列してある感じになってしまい、網羅性という観点もあまりなく、そこからどういう新しい研究が必要なのかということもイメージしにくいなと思っていたので、研究課題そのものでかったとしても、何かエッセンスみたいなものを入れられるのではないかなというふうに思いました。
○相澤補佐】 ありがとうございます。ちょっとエッセンスが入れられるように検討させていただきます。
○森委員長】 何かいいキーワードがあれば、追加をご検討ください。
各委員の皆様からいろいろご意見いただきましたけれども、それに対してさらに補足のコメントなど、ご意見があれば今お願いしたいと思いますが。では、古米先生。
○古米委員】 先ほどから重点課題のところを読み直してたんですけれども、11ページの重点課題の2のところで気づいた点です。この部分の先頭に、以前は地域循環共生圏に関するパラグラフが入っていたのですが、それをそのまま後ろにもってきているようです。重点課題はこういう背景の中でこういう問題があるから、後半にこういう研究だとか技術開発が求められているとか、必要であるとか、そういう流れの中で説明する形式化と思います。この部分では最後に地域循環共生圏はこういうものですよというのが入っています。バランスが悪そうなので、重要な概念ですが地域循環共生圏を説明するような文章ではなくて、そこに存在している課題を統合的に解決する必要があるなどと書かないといけないのかなと。このままだと、この部分は備考に入れるとよさそうな書きぶりになっているように感じました。
 以上です。
○森委員長】 見え消しでいきますと、前に冒頭にあった文を後ろに移動しているんですね。そういう意味では、これはこの前の推進戦略では重要なキーワードだったわけだから、あえて後ろに持っていくという必要はなかったかなということではあります。
○永森室長補佐】 委員のコメント踏まえてですので、戻す方向でよろしければもとに戻しますが、プラネタリーヘルスといった概念的なところを先に持ってくるという考え方もあるかと思います。
○古米委員】 それで後ろに……
○永森室長補佐】 ただ、省いて捉えたほうが、逆にご指摘のとおり、最後、これで、実践する場であるというふうに終わるところも、というところがありますので。
○古米委員】 今のスタイルであっても、後ろのところで、こういう課題があってこのような研究が必要であるで終わってくれればいいのかも。
○永森室長補佐】 もしこの場で、やはり戻すというところでしっくりくるというところであれば、そのように対応いたします。
○森委員長】 配置は前でも後ろでも、要するにプラネタリーヘルスという考え方は非常に広く見てるわけですから、広い話を持ってきて、これを地域で具体化すれば、地域循環共生圏として記述できるとか、何かですね、そのように視野がもっと空間的に絞って具体化すれば、地域循環共生圏になるんだというか、あるいは、逆に地域循環共生圏の考え方を地球全体に広げればプラネタリーヘルスに至るというか、何かそういう拡大があるといいですね。つなげるところとかがあればいいのではないですかね。
○永森室長補佐】 はい、そのつながりのところを工夫いたします。
○森委員長】 酒井先生から手が挙がっております。
○酒井委員】 今のこの統合の重点課題の2のところなんですけれども、環境経済社会の総合的向上ですが、浅見先生からの提案、チャットの文章を含めて拝見していたんですけれども、この内容を重点の2に入れるのはちょっと無理があるかなというか。分かりますし、最終的にはこの具体的な課題、ソーラーとか、いわゆるPFASとか、こういうところが、そういう統合的なアプローチに昇華されて行かないと解決がないという思いで書いておられているということはよく理解させてもらったんですが、けど、やっぱり後のほうの安全の、重点の14には、化学物質の包括的リスク評価管理の推進ということで建てられていますけれども、個々を包括的なリスク評価と、水・大気等の多媒体統合管理というような形にこちらを少し持って行って、今この書いていただいている内容を本文のほうの重点の14の説明で追記するというような方向が、恐らくこのご意見を反映させる一番いいやり方かなというふうに思いました。
 ちょっとこれ、重点2でここに入れたら、実際この後5年間運用をするときには非常に混乱するのではないかなという気がしたということで、あえて発言させていただきました。
 ちょっと失礼な言い方だったらすみません。
○森委員長】 これ、ちょっと全体のバランスの中で、どこにどう入れるかを考えさせて、事務局サイドとしても考えさせていただけませんでしょうか。これ、いただいた趣旨、入れたいという気持ちはよく分かりますし、また実際に入れたらどうなるかということは、ちょっと全体を通してまとめてみないと見えないところもございますので、これはこちらのほうでいただいたコメントを検討させていただけますでしょうか。
○酒井委員】 私は委員長の方針で結構ですので、よろしくお願いします。
○森委員長】 はい。
○浅見委員】 大変申し訳ありません。現段階でというのの、こちらも気になっておりますので、事務局でお任せさせていただきたいと思います。
14も統括的なというふうに書いてはいただいているんですけれども、全体的な制度ですとか、廃棄物のところとかといいますと、やっぱり課が違うので、結構そこの整合が難しいなと、主管課さんがやはりいろいろなところにまたがっていることを、どうやって見ていくことが必要かというような観点でございましたので、ご判断お任せいたします。よろしくお願いします。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。
これ何か、はい、どうぞ。
○相澤補佐】 補足させていただきます。重点課題と各課室担当課室が完全にひもづいているわけではないので、例えば研究課題の内容次第で担当する課室が割り振られますので、その辺はご安心いただければと思います。
○森委員長】 はい、ありがとうございます。
では、そのことも踏まえまして、ちょっと文案のほうはこちらのほうで考えさせていただけますでしょうか。
実は結構時間来てまいりましたのですが、そろそろ終わりが見えてまいりましたので、このいただいたご意見を踏まえまして、本戦略の専門委員会案を修正して報告書として作成して、取りまとめさせていただきたいと思います。その後、これを総合政策部会にて答申案としてご審議いただくことになります。
いろいろご意見いただきましたけれども、今この場で全てを取りまとめることはちょっと難しかったので、いただきましたご意見は、この専門委員会の取りまとめについて、私のほうにちょっとお任せいただきたいと思いますけれども、ご了承いただけますでしょうか。
(異議なし)
○森委員長】 もうかなりまとまっておりますけども、いろいろとございます。
それではちょっと時間も迫ってきましたので、議題2の「環境研究・環境技術開発の推進戦略」の策定に向けた今後の予定について、これ資料2ですか、ご説明いただけますでしょうか。
○奥村室長】 はい。それでは事務局より資料2ご説明いたします。
先ほど森委員長よりご説明いただきましたけれども、専門委員会案として取りまとめをしてまいります本戦略、こちらを統合政策部会にてご審議いただきまして、答申案としていただく予定でございます。
この答申を尊重いたしまして、環境省の戦略とすべく早期に環境大臣決定を目指してまいりたいと、こういうふうに思ってございます。
今後の進め方についての説明は以上になります。
○森委員長】 この辺りの進め方につきまして、何かご質問とかご意見はございますでしょうか。
 繰り返しますが、この本委員会は一応今回が最終になりますので、ご質問ありましたらよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。ご質問、ウェブからもよろしいですか。
(はい)
○森委員長】 それでは、一応、こちらといたしました議題の審議は以上で決めて、終了いたします。
よろしければ、これをもちまして、本日のこの委員会での審議は終了とさせていただきたいと思います。
最後に、事務局からの連絡事項をお願いいたします。
○奥村室長】 はい、再び事務局です。
本日、長時間にわたりご審議いただきまして、ありがとうございました。ここで大臣官房審議官の飯田より、ご挨拶申し上げさせていただきたいというふうに思います。
○飯田審議官】 統括官グループ担当審議官の飯田でございます。
本日も長時間にわたり活発なご議論をありがとうございました。また、今年度3回にわたりまして、推進戦略の取りまとめにご尽力いただきました森委員長をはじめ、委員各位の方、皆さんにおかれましては、改めて環境省として感謝を申し上げたいと思います。
今回の推進戦略の取りまとめに当たりましては、今年度取りまとめられました環境基本計画との連関といいますか、環境基本計画で打ち出されたコンセプトをいかに具体化して文書に落とし込んでいくかという重要なミッションがあったと思うんですけども、それがうまく非常にいい形でまとめていただいたのではないかなというふうに思っています。
環境基本計画の中でウェルビーイング、高い生活の質を実感できる安全かつ健康で心豊かな暮らしの実現というコンセプトを、非常に上位的な概念として打ち出したわけですけれども、それが非常に具体的な文言として記載をされているのかなというふうに思いますので、我々としてもこれを受け止めて、しっかり検討技術開発の推進に生かしていきたいというふうに思っています。
中身について、私のほうからこのタイミングでコメントをするものではないですけれども、推進戦略を受けて、幾つか横断的な事項として注意しながら進めていきたいというふうに考えている点がございまして、各省連携でございまして、テーマについて非常に縦割りに切っていくのが難しいというのは、今日の議論で非常に明確だったわけですけれども、役所間でしっかり連携していかないと、そういうクロスカッティングなテーマにしっかり対応できないということかと思いますので、例えば内閣府でSIPとかBRIDGEとか、そういった制度がございますので、そういうものもしっかり環境省として、貪欲に活用して各所としっかり連携していきたいというふうに思っています。
あと、スタートアップについては、環境省としても予算の制約はありながらも、これもしっかり進めていく分野だと思っていまして、テーマの水循環システム、少し言及がございましたけれども、こういった成功事例ですね、水循環システムの環境省支援が能登半島地震のときに実際に社会実装として役に立ったという実例もございますので、そういった実例をもっと増やしていくようにしっかりやっていきたいというふうに思っています。
あと、環境の機能強化、これ環境に限りませんけれども、研究機関としての機能強化というのが非常に意識されているかと思いますので、研究成果もさることながら、彼らが持つデータですね、そういったものがしっかり広範のステークホルダー、ユーザーに共有されるような形になるようなデータ基盤の整備というのをしっかり進めていく必要があるかなというように考えております。
今後とも推進戦略を取りまとめられた後も、委員の皆様にはいろんな局面で大変にお世話になるかと思いますので、引き続きご指導をお願いしたいと思います。
事務局としましても、森委員長のこれから最終局面の取りまとめのご尽力に対して、最大限サポートをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。
以上でございます。
○奥村室長】 はい、ありがとうございました。事務局から最後です。
本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様に内容をご確認いただきました後に、環境省ホームページに掲載させていただきます。
また総合政策部会につきましては、決まり次第、環境省ホームページに掲示をさせていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
○森委員長】 それでは、本委員会はこれで終了となります。ちょっと最後に私から皆様に改めて御礼とご挨拶いたしたいと思います。
この環境研究・環境技術開発は非常に重要かつ幅が非常に広くて、いろんな分野の方々、専門家の委員の先生方にご参加いただいて議論いただいたわけですが、それでも共通して認識しておられる研究開発の在り方、その課題については、共有するところが非常に多かったなというふうに考えております。
やはり皆さんとも、いずれの皆様もですね、横断的と申しますか、隣接あるいは異分野領域との相互関係を念頭に置いて進めていかなければ、将来の技術開発がうまくいかないだろうということを、いろんな形で共有しておられたように思います。その結果、そういうご意見を踏まえてできましたこの委員会案は、どの分野の委員の方がご覧になっても、賛同いただける趣旨のトーンで統一されてきたものができたように感じております。
これ委員の皆様のご尽力と同時に、恐らく各分野の、シニアなと言うと失礼かもしれませんが、経験のある先生方から恐らく若手の先生方まで、現場の研究者の方まで、共通して持っておられて、また今後共有すべき問題認識だったように思いますし、そこに形としてまとめられたことは、今後大いにもっと若い世代に広がってつながっていくものだというふうに思います。
個人的には私も、最近は少なくなりましたけど国際学会なんかに行きますと、日本はいつも同じような自分と同じ世代の人間がたくさんいるのに、外国から若い人がどんどん来てるなと、世代交代が進んでいるなということを感じるというのもございまして、どうやって次の世代に引き継いでいって、かつ世界で発信できるかというのは、重要な課題になってきているというふうに思います。この推進戦略の方向性の下に、次の世代にこれが引き継がれていくことを願いたいと思います。
改めて、委員の皆様、環境省の皆様、事務局の皆様に感謝申し上げて、私の最後のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
以上をもちまして、第23回環境研究・技術開発推進戦略専門委員会を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。