中央環境審議会第6回総会議事録

日時

平成17年9月14日(水) 10時00分~11時28分

場所

環境省 22階 第1会議室

出席者

(会長)鈴木 基之  
(委員)浅岡 美恵  池上  詢 岩槻 邦男
大塚  直 加藤 順子 熊谷 洋一
小澤紀美子 櫻井 治彦 崎田 裕子
高橋  滋  武内 和彦  田中  勝
田部井淳子 中島 圭子  新美 春之
林  良博 服部 拓也 藤村  伸
山本 良一
 
(環境省)
小池環境大臣  炭谷環境事務次官
小島地球環境審議官  西尾大臣官房長
由田廃棄物・リサイクル対策部長  田村総合環境政策局長
滝澤環境保健部長  小林地球環境局長
竹本環境管理局長  坪香水環境部長
南川自然環境局長  寺田官房審議官
桜井官房審議官  笹谷官房審議官
黒田官房審議官  小林官房秘書課長
鷺坂官房総務課長  伊藤官房会計課長
谷津官房政策評価広報課長

議事

午前10時00分開会

○西尾大臣官房長 それでは、大変お待たせいたしました。ただいまから第6回中央環境審議会の総会を開催いたします。委員30名のうち、ご出席予定の20名の方がすべて出席されております。定足数を満たしておりますので、総会が成立ということで開始したいと思います。
  私、大臣官房長の西尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  前回の総会以降、委員の交代がありまして、新たに1名の方が新しい委員となられておりますので、ご紹介させていただきたいと思います。服部拓也委員でございます。

○服部委員 服部でございます。よろしくお願いします。

○西尾大臣官房長 それから、環境省の方も7月20日付で幹部に異動がありましたので、異動のありました幹部をご紹介いたします。
  小島地球環境審議官でございます。

○小島地球環境審議官 小島でございます。

○西尾大臣官房長 それから、由田廃棄物・リサイクル対策部長でございます。

○由田廃棄物・リサイクル対策部長 由田でございます。よろしくお願いします。

○西尾大臣官房長 小林地球環境局長でございます。

○小林地球環境局長 小林でございます。よろしくお願いします。

○西尾大臣官房長 竹本環境管理局長でございます。

○竹本環境管理局長 竹本でございます。よろしくどうぞお願いします。

○西尾大臣官房長 坪香水環境部長でございます。

○坪香水環境部長 坪香でございます。

○西尾大臣官房長 南川自然環境局長です。

○南川自然環境局長 どうぞよろしくお願いします。

○西尾大臣官房長 それから、黒田官房審議官。

○黒田大臣官房審議官 黒田でございます。

○西尾大臣官房長 笹谷大臣官房審議官でございます。
  それから、小林秘書課長。

○小林秘書課長 小林でございます。

○西尾大臣官房長 伊藤会計課長。
  谷津政策評価広報課長です。
  以上です。
  以後、すみません、鈴木会長の方でよろしくお願いを申し上げます。

○鈴木会長 それでは、残暑がまだ厳しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。本日の会議は、中央環境審議会の運営方針についてということで、公開をさせていただき、この会議を進めさせていただきたいと思います。
  まず、最初においでいただきました小池環境大臣、選挙の熱がまだ冷めやらぬというところかもしれませんが、ご多忙のところおいでいただきましたので、ごあいさつをお願いいたします。

○小池大臣 皆様、おはようございます。会長、おっしゃるように、本当に今日も9月も半ばだというのに、大変な残暑厳しい折でございます。皆様方、お忙しいところ、この総会にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
  選挙も終わりましたけれども、皆さん、候補者から口々に言われるのは、この夏の暑い選挙のときにクールビズでよかったよと、一言感謝の念が漏れるところでございます。
  本日も皆様方、しっかり定着しているこのクールビズでございますが、10月1日から、今度はウォームビズに切り替えますけれども、どのような形になっていくのか。いずれにしましても、意識を変えるという点と、それから、その意識が、これがクールビズも地球温暖化対策の一環なんだよねと、そこまで、かなりの部分で認識が進んできたのではないかなというふうに思っております。できるだけ、国民の皆様方に共感を呼ぶような、そういった環境行政をこれからも進めてまいりたいと思います。
  前回の開催から約8カ月が経ちましたが、この間地球温暖化問題についても、大きな進展がございました。一つが、2月の京都議定書の発効でございます。それから、それに伴いまして4月にはこの京都議定書の6%削減約束を達成するための目標達成計画が閣議決定されました。
  それから、環境行政のもう一つの柱でございます循環型社会の形成ということでは、廃棄物の3Rを国際的に推進するための第一歩となります3Rイニシアティブ閣僚会合を4月末に東京で開かせていただき、そして、またその成果もG8、グレンイーグルサミットでも、我が国として世界に発信ができたと、このように考えていることでございます。環境行政の2本柱、脱温暖化社会の構築、そして、循環型社会の形成というこの2つは、まさに待ったなしの状況でございますし、また、政府、民間、それから個人一人一人、一体となって取り組んでいかなければならないということで、チーム・マイナス6%を立ち上げたところでございます。今、ホームページからのレジストレーションで、大体11万人、それから企業、団体にしますと、もう数えきれないほど、皆様方にもご協力いただいた形で進めさせていただいております。循環型社会形成のごみの問題、3Rの方も、これもまたお一人お一人に個人の消費者、そして関係の企業の方々、社会全体、自治体の方々、ご協力いただかねばならないと考えております。
  自然の分野でございますけれども、7月に知床が世界3番目の自然遺産として登録がされました。一方で、エコツーリズムの推進ということで、自然と共生する社会の構築ということが、具体的、実践的に必要になってくるのではないかと思います。
  それから、環境管理の面で申し上げますと、ご承知のようにアスベスト問題が静かな爆弾と言われていたのが、全然静かではない。これまでの問題点と、これからの対策と、この両面で真剣に取り組まねばならないと考えております。そして、またこれまでの問題への対応ということを考えてみますと、例えば労働災害とかそういった既存のものだけでは救われない方々も出てくるということで、新規立法の作業をただいま各省庁と連携をしながら進めさせていただいているということも、ご報告しておきたいと思います。それによって被害者救済、規制の強化、モニタリングなど、環境省としても全力を尽くしてまいりたいと考えております。
  それから、現在中央環境審議会でご議論いただいておりますけれども、環境基本計画の見直しを進めまして、さらには将来を見据えた超長期的ビジョンを充実させ、環境行政の新展開を図ってまいりたいと考えております。
  まだ、ちょっとこんなハスキーな声で後遺症が残っておりますけれども、一刻も早く、私を取り巻く環境の方も平時の状況に戻しまして、環境行政は、環境省としても、そして政府全体としても、本当に真剣に取り組んでいるねと言われるよう、また、この環境行政も改革の一角であると、このような位置づけで、今後も努力してまいりたいと思います。委員の先生方におかれましては、これからもますます環境行政、私どもに対しましてのご支援、そしてご協力のほど、よろしくお願いいたしたいと思います。どうも、本日はありがとうございます。

○鈴木会長 どうもありがとうござました。
  小池大臣は、選挙の中で小泉総理大臣から、愛嬌もあるけれども度胸もある、こうお墨付きをもらわれたそうでございまして、これからも環境行政の方に全力を挙げていただけるものと、期待させていただきます。どうも、本当にありがとうございました。
  大臣は、所用がございまして、ここで退席させていただきます。審議の方は、これから進めさせていただこうと思います。

○小池大臣 よろしくお願いいたします。どうぞ、皆様方、今後ともよろしくお願いいたします。

○鈴木会長 ただいま大臣がおっしゃいましたように、環境行政に関しましては、非常に多くの政策が、今、動きつつありまして、このお集まりの委員の先生方も、各部会におきまして、いろいろと審議にかかわっていただいております。大きな問題は、先ほどございましたように、やはり環境基本計画を今年度のうちにまとめていくというような問題。そして、またちょうど来年の予算の問題も、今、財務省の方とのいろいろな折衝が行われている時期だろうと思います。
  それぞれの委員の方々、部会でご協力いただくながら、やはり全体像を見ていただこうというようなこともありまして、この中央環境審議会の第6回の総会を、大変暑いときではございましたが、企画させていただいたわけでございますので、ぜひ、きょう11時半までという予定をしております。11時ぐらいまで、それぞれの重要な事項につきましてのご説明をいただき、30分ぐらい委員の方々からご質問、ご討論をいただこうと、こういう計画にいたしております。
  それでは、審議に入りたいと思いますが、その前に事務局から本日の資料の確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○事務局 官房総務課でございますが、本日の席に配付させていただきました資料のご確認をお願いしたいと思います。
  資料1といたしまして、中央環境審議会委員名簿。資料の2として、中央環境審議会の審議状況等について。資料3として、容器包装リサイクル制度の見直しについて。資料4-1、第二次環境基本計画の見直しについて。資料4-2、環境税の検討状況について。資料5、化学物質対策について。資料6、地球温暖化対策をめぐる最近の動き。資料7、今後のアスベスト対策について。資料8、今後の水環境保全対策について。資料9、外来生物法の施行について。資料10、平成18年度環境省重点施策。
  それから、その後に参考資料といたしまして、3Rイニシアティブ閣僚会合の結果について。それから、水俣病対策等について。「今後の国際環境協力の在り方について(答申)」の概要。今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について(諮問)。ラムサール条約湿地の大幅増加について。それから、「知床」の世界自然遺産登録について。それから、よくわかる京都メカニズムと、それから黄砂のリーフレットを配付させていただいております。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 よろしいでしょうか。何かございましたら、事務局の方にお申しつけいただきたいと思います。
  中央環境審議会の議事運営規則によりますと、会長は、会長が同意して審議会の決議とした部会の決議について総会に報告することとされております。
  本年1月の総会開催以降の中央環境審議会の審議状況は、資料2にまとめられております。ごらんいただきますと、非常に数多くの諮問に対しまして、20件ぐらいでしょうか、答申が出されております。まだ審議中のものも数件ございます。こういうような状況であると。審議状況につきましても、その後の方にまとめておりますので、これをもちまして、総会に対する報告とさせていただきたいと存じます。
  それでは、次に各局、部から当面の諸問題につきましてのご報告を、順次いただきたいと思います。それぞれご説明をいただきまして、一括して後にご質問、ご討論、お願いしたいと思います。
  まず、それでは環境保健部の方から、ご報告をお願いしたいと思いますが、滝澤環境保健部長、お願いします。

○滝澤環境保健部長 環境保健部でございます。資料の5をごらんいただきたいと存じます。化学物質対策でございます。3点ほど挙げさせていただいております。
  まず1点目が、既存化学物質の安全情報等の関係でございますが、背景といたしましては、化審法の制定時、それから、〇の3つ目にございますが、15年に、最近としては化審法を改正しておりますが、そのときの附帯決議におきましても、既存化学物質対策を官民連携できちっと対応すべしという宿題をいただいているわけでございます。そこで、〇の4つ目でございますが、本年6月に関係省庁がいろいろと協議いたしまして、環境省、厚生労働省、経済産業省でございますが、Japanチャレンジプログラムという既存化学物質安全情報収集の関係の行動計画を策定いたしました。その内容が(2)に書いてございますが、そういった安全情報の国民への発信でありますとか、あるいは、リスクの観点からの優先度の高い物質から情報を収集をしていこうということでありますとか、もろもろの内容が合意といいますか、連携内容として記載されてございます。
  具体的な進め方についても、(3)に書いてございますが、優先度の高い対象物質、約700物質ほどを想定しておりますが、そういった既存化学物質の安全情報等を収集して情報を発信していくということで、少し期間としては長うございますけれども、既存化学物質、非常にボリュームの多い分野でございますので、優先度の高いものについて情報収集をきちっとしていこうという中間評価も実施していこうという計画でございます。
  2ページには、今申し上げたプログラムの実施体制等のシェーマが記載されておりますが、ごらんおきいただきたいと思います。
  2点目が、残留性有機汚染物質の関係。POPsというふうに通称言っておりますが、この関係の条約が2001年5月に採択されました。我が国は2002年8月に締結をしております。昨年5月に、全体その条約としての発効の状況になったわけでありまして、約1年かかりましたが、この国内実施計画というのを(2)に書いてございますが、今年の6月24日に関係閣僚会議ということでご了承をいただきまして、具体的な国内実施計画を今後推進していこうということになったわけでございます。
  4ページをごらんいただきますと、実際の国内実施計画の概要について、幾つかシェーマといいますか、箱が並んでおりますが、実際、関係閣僚会議に使用された資料の一部でございます。ここに書いてありますような実施計画を、今後とも推進していこうという状況になっております。
  それから、5ページ、3点目でございますが、内分泌かく乱作用の関係、いわゆる環境ホルモンと通称呼んでおりますが、その関係でございますが、98年に通称「SPEED'98」ということで、戦略計画をつくりまして、この5カ年間実績をそれなりに上げてまいりました。5カ年を経過したということで、それを全面的に改定といいますか、考え方も含めまして、今後の5年間を「ExTEND2005」ということで、実施計画をまとめさせていただきました。本年3月でございます。
  その基本的な考え方はそこに書いてございますが、化学物質のさまざまな作用の一面、あるいはその他生態への作用等を組み合わされたものとして評価していくことが必要。
  (3)のところに7点ほど並べてございますが、特に野生生物の観察ということでありますとか、生態系への実際的な影響というものを、きちっと掌握していこうというような観点も盛り込まれておりまして、以下、[1]、[2]と具体的にかみ砕いて説明がございますが、そうしたことも含めまして、従前の「SPEED'98」は、六十数物質の環境ホルモンと疑われた化学物質をリストアップいたしまして、いわば名指しをして、それでいろんな基礎情報、影響、リスク評価をしていくという手順を示したわけですが、今回の「ExTEND2005」は、約千数百の物質をエントリー、その中から優先度の高いものを議論して煮詰めて、それで内分泌かく乱作用について精査をしていこうというのが、この基本的な見直しのポイントでございます。7点ほど書いてある各事項に沿いまして、それぞれの物質について分析を進めていこうという考え方でございます。
  以下、私どもの関係では、資料5は以上でございますけれども、参考資料の2という形で、水俣病対策、それから、毒ガスに関係する対策について、配付させていただいております。
  以上でございます。ありがとうございました。

○鈴木会長 ありがとうございました。大変、要領よくまとめていただいたと思います。
  では次に、廃棄物・リサイクル対策部の方から、由田廃棄物・リサイクル対策部長にお願いします。

○由田廃棄物・リサイクル対策部長 由田でございます。よろしくお願いいたします。
  私の方からは、先ほど大臣の方からのお話もありましたように、3Rを進めていくと、こういう立場から、まず国内の3Rの体制をきちんと整えていくということをうたいまして、市町村が行っておりますいわゆる廃棄物処理の現場のさまざまな仕事を、まさしく循環型社会へ転換していくという国の一定の役割と並びまして、このシステムとして大きな柱を担っておりますのが、容器包装リサイクル法であります。この容器包装リサイクル法につきましては、ちょうど施行から10年を迎えるということになりまして、この制度を見直しますために、審議会の廃棄物・リサイクル部会の方に通常の委員の方々の先生に加えまして、市民団体とか産業界の関係者を委員として加えまして、この容器包装リサイクル法の制度に関します拡大審議というものを行っていただいております。
  これは、昨年の7月から議論を開始をしていただきまして、一方、容器包装リサイクル法に関しましては、もう一方、経済産業省の方が担当しております産業構造審議会の方でも議論が同時に開始されておりまして、これらの産業構造審議会の容器包装リサイクルワーキンググループと、この中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会が合同で議論をさせていただくことも含めまして、18回の議論を昨年から1年間やらせていただいておりまして、この7月に制度の見直しにかかります中間的な取りまとめというものを公表させていただいておりまして、これを7月4日から8月4日まで、パブリックコメントに付させていただきました。現在、取りまとめ中でありまして、これを踏まえまして、実は明日9月15日から、この審議を再開をさせていただきたいというふうに思っておりまして、今年中を目途に最終案を取りまとめさせていただきたいなと、このように思っております。
  検討の状況に関しましては、1ページのところに7月21日以降、中間取りまとめにある審議の状況を記載しております。中間取りまとめの状況に関しましては、お手元の資料3の2ページ、3ページをお開き願えたらと思います。
  まず、この中間取りまとめの概要でありますが、まず現在の容器包装リサイクル法の評価と課題。何を視点に置いて見直すのかということでありますが、まず、この現在の容器包装リサイクル法の分別収集、リサイクルということがうまくいっているかどうかということでありますが、こういう制度を導入しているような国々、ドイツ、フランスなど同様の、少し我が国より早い時期に導入したところを加えましても、見劣りがしない水準にあると、高い水準にあるということで、国際的に見ても見劣りはしないと、こういうまずは順調に進んでいるのではないかということであります。
  課題としましては、ただそうだと言いましても、廃棄物の搬出抑制といいますか、こういう根本的なものが入っていないではないかという、リサイクルはどんどん進んでいるんですが、そもそも容器包装そのものの量が、排出量が減っていないというふうなことが指摘されております。
  容器包装リサイクル法に関しましては、その後循環型社会基本法という施行後に基本法ができております。こういう3Rの推進の基本原則に沿いましたこの新たな視点から、見直しが必要ではないかということから、具体的な施策が中間的な取りまとめで提案がなされておるということであります。
  3ページの2のところに、具体的な施策の案というものを2点ほど挙げてあります。一つは、先ほど根っこのところのごみの排出抑制、発生抑制というものが問題となるわけでありますが、ここを推進していくということで、1点目はレジ袋などの無料配布というようなことに関連しまして、この対策をどう進めていくかということであります。これは、レジ袋に関しましては、年間300億枚ぐらいが使用されているということであります。家庭から出ますプラスチック製の容器包装の中でも15%を含んでおるという、それなりの量も占めておるわけであります。これらを、法的措置も含めて何らかの形を講じるべきではないかと、検討をしていくべきだと、こういうことであります。
  2点目は、この発生利用とか、このリデュース、リユースに係る問題といたしまして、各事業者が自主的に取り組む取組みも促進すべきではないかということも提案をされております。
  それから、大きな議論の論点となっておりますのは、2番目の分別収集・選別保管、市町村が担っているわけでありますが、ここに関しまして、その市町村が市町村だけで役割を担うだけではなくて、その一部を事業者にも役割を担っていただいたらどうかと、こういう議論であります。ここのところも、その分別収集そのものは、引き続いて市町村が役割を担うということでありますが、この事業者の一定の責任を果たすことが適切ではないかということで、その費用の一部を負担することが考えられるのではないかという提案がございます。
  それから、同様に、市町村が分別収集しているこういうコストが相当かかっているということでありますが、これらの費用がかかっている状況はなかなか一般の国民から見えにくいということで、効率化とか透明化を一層進めるべきではないかと、このようなことが提案をされております。
  そのほか、現状の法律の運用に対しましても、フリーライダーの防止でありますとか、あるいはこの容リ法の見直しに際して、プラスチックなどの再商品化の方法、このままでよいかとか、このような議論も行われているところであります。
  以上が、容器包装リサイクル法の見直しに関する進捗でございまして、繰り返しになりますが、年末へ向けて取りまとめていただけたらということで、幾つか審議に入っていただくということであります。
  それから、これ国内の問題でありますが、これらを国際的に先ほど大臣が申し上げましたように、3Rイニシアティブの閣僚会合をやりまして、今後もフォローしていくということに関しまして、参考資料の1のところに、資料として配付させていただいておりますので、皆さん、後ほどごらんになっていただければと思います。
  以上でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 ありがとうございました。大変、精力的に見直しを進めていただいているということでございます。
  それでは、次に総合環境政策局から、田村局長、お願いします。

○田村総合環境政策局長 総合環境政策局長の田村でございます。よろしくお願いいたします。
  私からは、第二次環境基本計画の見直し及び環境税の検討状況につきまして、お手元の資料に沿ってご説明させていただきます。
  まず、資料の4-1でございますが、第二次環境基本計画の見直しについてということでございます。その背景はございますように、環境基本計画、現在の環境基本法の15条に、環境の保全に関する基本的な計画を定めるということとされておりまして、平成6年12月でございますが、スタートいたしております。「循環」・「共生」・「参加」・「国際的取組」と、この4つのキーワードといいますか、長期的目標というもとに第一次計画策定されました。そして、その実施状況踏まえまして、第二次計画が、平成12年12月に閣議決定されたところでございます。
  この基本計画におきましても、およそ5年程度をめどに見直しを行うということにされておりますので、本年17年、いわばその見直しの時期を迎えているわけでございます。この間に環境をめぐる問題も大きく変化をいたしておりますので、それらを踏まえまして、今、第三次の基本計画に向けまして作業を進めているところでございます。本年の2月に、この中環審におきまして、環境基本計画見直しの諮問がされました。総合政策部会において、今、精力的に見直し作業を行っているところでございまして、7月にはいわば中間取りまとめと申しますか、考え方を公表いたしました。そして、夏以降、各種団体、地方公共団体を初めといたしまして産業界、あるいはNGO、あるいは各省庁もさまざまな数十にわたる団体と、今、それぞれのいわば各論別に意見交換、ヒアリングを行っているところでございまして、総論的事項、個別的事項を検討しております。何とか、この年内におよその原案を取りまとめまして、その後のパブリックコメント等を経まして、年度内3月ぐらいまでには閣議決定に進めていきたいと、そのように考えているところでございます。
  この資料の4ページ以降に、7月に取りまとめました中間取りまとめの原文を入れさせていただいておりますが、ちょっと原文大部にわたりますものですから、この2ページ目、3ページ目におよそその概要ということで、ご紹介をさせていただいております。この基本計画のいわば基本的な考え方、総論の部分に当たる部分でございますけれども、もちろん、これ今後見直しをしてまとめてまいるわけでございます。
  7月に取りまとめたものは、この2ページ目の例えば三.今後の環境政策の展開の方向といたしまして、およそ6つぐらいの政策を掲げさせていただいております。
  1番目が、環境、経済、社会、これらの3つの側面を統合的に向上させていこうという観点、これは第一次、第二次基本計画には必ずしも明示的にはされていません。今回はこれを正面から打ち出しまして、環境、経済、社会の統合というようなことで、よりよい環境のための経済、そして、よりよい経済のための環境、よりよい環境のための社会、よりよい社会のための環境というような観点から、環境、経済、社会側面を総合的に向上させる、統合的に向上させる。例えば、そういうライフスタイルの転換とか、そういうことについての視野を紹介をいたしております。
  2番目には、国土形成の観点、持続可能な国土自然の形成という観点。
  3番目は、何と言いましても技術開発・研究の充実、あるいは不確実性というものを踏まえた取組の必要性。
  4番目は各主体、国、地方公共団体、国民、さまざまなステークホルダーのそれぞれの役割の参加・協働、そういったものの推進。
  5番目は、国際的な戦略の重要性。
  6番目は、先ほど冒頭大臣がお触れになりましたけれども、長期的な視野。特に超長期、50年といったような大きな視野の中での政策形成と。超長期の問題につきましては、実は、来年度の予算要求においても、超長期ビジョンをつくるのでという要求を今しておるところでございます。およそしっかりしたものをつくるためには、2年ぐらいかかると思いますけれども、今この方向性だけでも何とかこの基本計画に取れ入れられないかと思っておりまして、そういう視野も入れて、総論をまとめていくことになろうかと思います。
  四番目には、その持続可能な社会に向けた重点的な取組といたしまして、その四の3、4、3ページの下の部分でございますが、個別的分野、それぞれの各論、地球温暖化対策という大事な課題、あるいは物質循環の確保と循環型社会の構築、あるいは都市における良好な大気環境の確保、あるいは健全な水循環の確保、化学物質の環境リスクの低減、生物多様性の保全といった、いわばそれぞれの分野別の問題。
  そして、4番目が横断的な分野といたしまして、領域を横断した問題として、市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくりの問題とか、あるいは人づくり、地域づくりの問題とか、あるいは、今、申し上げた技術開発の推進と長期的な視野を持った手法の整備とか、あるいは国際的枠組み、ルールの形成への貢献といったおよそ10分野を中心に、この秋、精力的に取りまとめていきたいと、そのように考えている次第でございます。
  もう1点、環境税の方でございますが、これ資料4-2でございますが、環境税の検討状況につきましては、この中環審の施策総合企画小委員会、森嶌委員長のもとで、平成15年12月から1年間にわたりまして、およそ17回以上にわたる活発な審議を行っていただきました。環境税とこれに関連する施策について、総合的な検討が行われました。昨年の12月でございますが、「温暖化対策税制とこれに関連する施策に関する論点についてのとりまとめ」ということで、環境税を考える場合のさまざまな留意点等についての総合的な取りまとめを公表していただきました。
  そして、本年に入りましてこの7月から8月にかけまして、全国6カ所、京都から始まって札幌に至るまで6カ所におきまして、いわば「草の根対話」と題しまして、各地方、地域におきまして、ヒアリングを開催いたしました。委員会の委員の方々にも、それぞれ分担して参加をしていただきました。国民各界、各層から、環境税についての課題とか問題点は何か、あるいは導入するとすればどのような点に留意すればよいのか、賛成、反対議論、さまざまな議論を伺ったところでございまして、このヒアリングにおける貴重な御意見について、今後の検討に活用する予定でございまして、これもこのような意見が特に多かったと、こういうことが大事だというようなことも、この何とか9月末の施策総合企画小委員会におきまして、議論をしていただきたいと思っておるところでございます。
  そして、第2点目が、環境税の分析等に関する専門委員会ということで、このいわば施策総合企画小委員会と並行いたしまして、技術的、専門的な見地からの環境税の経済的分析調査を行うために、環境税の経済分析等に関する専門委員会というのが、設置をいたしております。
  2の(1)には、17年3月に中環審におきまして、この「地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しを踏まえた新たな地球温暖化対策の方向性について」という第2次答申をいただいたわけでございますが、この第2次答申の中で、環境税につきましては、国民経済・産業に与える影響や、既存のエネルギー関係諸税との関係等の諸課題に十分留意しながら、その具体的な姿・仕組みについて、早急に検討していく必要があるという答申をいただいております。
  また、これも大臣から触れましたように、4月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきましても、環境税というものがはっきりと位置づけられまして、そして、今後国民経済や産業の国際競争力に与える影響や、諸外国における取組の現状などを踏まえて、真摯に総合的な検討を進めていくべき課題であるということが、はっきりと明記されたわけでございます。ここのところ踏まえまして、特に技術的・専門的な見地からの環境税の経済的分析という観点から、神野委員長のもとで専門委員会を設置いたしまして、特に環境税の効果、あるいは国際競争力に与える影響、価格転嫁等について、主として経済モデル等も活用しながら、技術的・専門的な観点からの調査を行っておりまして、審議の整理も公表いたしてところでございます。
  2ページ目、裏のところでございますが、今、申し上げた京都議定書目標達成計画、その中では、横断的施策の一つとして、環境税というものが位置づけられておりまして、ポリシーミックスの活用という部分の中で、経済的手法と並びまして、環境税といたしまして、ここに書いてあるようなことがございます。繰り返しになりますが、その最後の2行目でございますが、後ろから2行、国民、事業者などの理解と協力を得るように努めながら、真摯に総合的な検討を進めていくべき課題であると。このような位置づけがされたところでございます。
  参考2にございますのは、18年度、来年度の環境省の税制改正要望でございます。環境省ではただいま省内におきまして、大臣をヘッドといたしまして、地球局長を事務局長といたしまして、この京都議定書の目標達成計画の推進、そして、環境税の推進ということに関する本部をつくりまして、今、精力的に検討を進めているところでございまして、環境税につきましては、8月末に予算の概算要求と合わせて、税制改正を要求するというのは、手続としてございますので、この税制改正手続に合わせまして、環境税につきまして、そこにある文章読ませていただきますと、環境税の創設について、京都議定書目標達成計画を踏まえ、国民、事業者などの理解と協力を得るように努めながら、真摯に総合的な検討を進め、平成18年度税制改正において適切に対応することということで、環境税の創設要望を出しております。
  もちろん、これは定性的なものにまだとどまっているわけでございますけれども、現在、これまでのさまざまな議論をいただいておりますそういうものを踏まえまして、その具体案を検討中のところでございます。これから、政府の税制調査会、あるいは与党税調等のさまざまな税制改正検討スケジュール、まだ定かではございませんけれども、そういうものも一方で踏まえながら、今後提案をしていきたいと、そのように考えております。
 

○鈴木会長 ありがとうございました。非常に多様な面から、まさに総合的な環境政策につきまして、精力的に進めていただいているところでございます。
  それでは、次に地球環境局関係につきまして、小林局長の方からお願いいたします。

○小林地球環境局長 地球環境局でございます。大変、日ごろからお世話になっておりまして、この9カ月に先ほど資料にもございましたけれども、地球部会を5回開いていただきました。また、今、総合政策局の方から紹介ございました環境税を中心といたしまして、総合政策部会と地球環境部会の合同部会ということで、こちらも大変精力的にご審議を賜わっております。厚く御礼申し上げます。本日、この議事次第の4番、当面の諸問題の中で、地球温暖化対策ということでございます。資料の6、少し大部になりますけれども、これが、現在の取組の進捗状況と今後の課題というようなことになろうかと思います。多少はしょった説明になるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
  まず第1点でございますが、京都議定書の目標達成計画につきまして、先ほど大臣からごあいさつ申し上げましたように、これが4月に閣議決定をされてございます。私ども、これ4ページ、5ページあたりが、特に中心になろうかと思いますが、この地球環境部会のご承認を得まして、政府部内の合意形成をし、今、こういった解決をしているわけでございますけれども、目標の現状の・技術の進捗状況等踏まえまして精査いたしまして、従前の大綱等変更させていただいておりますし、さらに一番肝心のエネルギー使用に伴う二酸化炭素につきましても、各部門の目安としての目標といったようなことを積み上げ、さらに6ページにございますように、いろんな政策でこれを裏打ちしていくということで、かなり定量的な仕組みというものができてきたわけでございます。今後の課題といたしましては、それを実行していくということになっていくわけでございます。
  一例といたしまして、例えばフロン、これも強力な温室効果を有するわけでありますが、その破壊が思ったほど進んでいないというような問題もあるわけでございまして、早速、参考資料の3-2にもございますけれども、今後のフロン対策をもっと強めるための対策をどうしていったらいいのかというようなことで、審議会にもご諮問をさせていただきまして、現在、ご審議を賜わっているところでございます。そういったあんばいで、この政策に定められました政策を実行に移してというのが、今後の課題だというふうに認識をしてございます。
  それから、2番目にこの4月にあわせて政府としての、政府も温室効果ガスの排出者でございますので、それを抑制するための実行計画というものを閣議決定してございます。このエッセンスは10ページあたりがポイントだと思いますけれども、今までも政府として一生懸命やってきましたけれども、この10ページの下の方に点線で囲ってあります部分が新しいことといえば、新しいことでございます。一つは、この官庁街をモデルとなるオフィスビル街とするというようなことで、それぞれこの民生業務部門、対策大変なわけでございますけれども、模範となる取組をしていきたい、ハードの取組を含めて庁舎の改造といったようなことをやっていきたいというふうに考えてございます。
  また、関係府省ごとにそれぞれ計画をつくるということでございまして、環境省もみずからきょうはお配りしなくて恐縮でございますが、排出の規制抑制施策というものを立ててございます。例えば、燃料電池をモデル的に入れてみるとか、これは既に稼働してございます。また、近々窓の断熱化をさらに強化をしようというようなこと、あるいは、環境省が結びますところのいろんな契約について、グリーン契約にしていくといったような、かなり画期的なことが環境省の計画において含まれてございます。今後その実行といったことが課題になるんかなというふうに考えてございます。
  それから、1ページに戻りますけれども、3番の進捗状況、そして今後の課題ということになりますと、今国会といいますか、今年の国会で成立をさせていただきました「地球温暖化対策推進法の改正法」に基づきまして、「温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度」というものを動かしていく必要がございます。第一の排出者がみずから自分の排出量を認識をし、公表をする。それを通じましてその排出削減の動機づけ、そして、合理的な排出削減の選択ということを進めていこうと、こういうことに相なるわけでございます。これも、きのう現在、それを動かすための具体的な政省令の作成ということが課題になっているところでございます。
  なかなかこまごまとしたいろんな課題が実はございますけれども、そういったこと並べまして政省令にまとめていきたいというふうに考えてございます。
  それから、2ページ目でございます。時間の関係で先を急いで恐縮でございますけれども、地球温暖化防止国民運動の展開ということを、これも熱心に進めてございます。大臣のあいさつの方でも申し上げたところでございますけれども、国民皆さんが自分の問題として、この問題に取り組んでいる。そして、2008年には温暖化対策というものが、日常の行動として自然にできるようにしていきたいなというふうに思っておりまして、どこでも「チーム・マイナス6%」とか、クールビズとかそういったようなことに、メッセージに国民が接しられるような怒濤のといいますか、非常にこれが大きな広報活動というのを続けてございます。
  19ページになりますが、いろいろカラーコピーがありますけれども、現状での成果ということでございます。大臣のあいさつの方でも、少し披露させていただきましたが、例えばクールビズにつきましては、いろんなアンケートでもう圧倒的な認知度ということで、知らない人はほとんどいないというようなことでございます。この成果も十分出ているようでございます。さらに、削る使用はむしろ冬の方が多いわけでございまして、冬の暖房温度の引き下げといったようなことに向けてのこの支援が得られるように、あるいは先ほども廃棄物の話ありましたが、マイバックみたいなものを使って廃棄物を減らしていくことといったようなことで、順次2008年に向けて具体的な行動を訴えていきたいというふうに考えてございます。
  それから2ページ目に戻りますけれども、国際的な動向でございます。これは息の長い話でございますが、京都議定書のまた次のステップというようなことも、既に国際的にいろいろ議論になりつつあるということでございまして、この中央環境審議会におきましても、国際的な枠組みづくりに、あるいは、国際的な戦略づくりに、日本としても取り組むという答申をいただいているわけでございますが、それを煮詰めまして私どもとしてもそれに取り組んでいるということでございます。課題、大変途上国を巻き込むこと、そしてアメリカ等々も対策を一生懸命やっていただくことということで、大変課題も重いわけでありますが、いろんな取組がなされております。
  一例を挙げますと、28ページあたりに、これはグレンイーグルズサミットの成果ということでございまして、評価が書かれております。評価(1)のところは、3点にわたって書いてございますが、アメリカも含めまして、科学についての認識が共有されたとか、あるいは具体的な行動についても合意が、これは十分ご満足をいただけるものはどうかは別といたしまして、計画ができたというようなこと。そして、新興経済諸国、あるいは途上国含めてうまく「対話」の動きが出てきた。こういったようなことが、直接このサミットの成果かなというふうに思ってございます。
  ということで、地道な国家的な取組というのを続けていく。これも大きな課題だと認識してございます。
  以上、大変はしょった説明でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。非常に重要な問題、またそれが実際に実行計画をどういうふうに具体化していくか、そしてまた2010年、2013年以降を見据えて長期的にどう考えていくか、非常に大事な問題でございます。
  それでは、時間もございますので、次に環境管理局の方からご報告をお願いしたいと思います。竹本局長。

○竹本環境管理局長 環境管理局でございます。お手元の資料の7、今後のアスベスト対策についてご説明申し上げます。
  先ほど冒頭大臣からのごあいさつの中でございましたとおり、アスベスト問題について、社会的に大変大きな関心が寄せられているところでございまして、政府におきましても、この問題、真剣に取り上げるということで、今年の7月、8月、2回にわたりまして関係閣僚会合を開催いたしました。そこで、「アスベスト問題への当面の対応」というものを取りまとめたところでございます。その中で、環境省の行政に関連する主な対応事項について、以下の3点まとめておりますが、まず第1に、周辺住民への対応関係ということで、保健所等に相談の窓口を開設し、情報収集を行うこととしました。
  また、アスベストの健康影響に関する検討会を開催しておるところでございます。
  更に、兵庫県・尼崎市などにおきます健康被害の実態調査、あわせて実施をしておるところであります。
  2点目は、大気汚染対策関係でございますが、大気中のアスベスト濃度の実測調査を緊急に実施をするということといたしまして、この秋から実施をしてまいりたいと思っております。
  それから、大気汚染防止法で規制対象となっております事業所の名称・場所についても、集計し公表したところでございます。
  更に、大気汚染防止法の規制対象となります解体・補修作業の規模要件を撤廃いたしまして、来年の2月までに施行令の改正を行いたいと考えておるところでございまして、既に検討に入ったところであります。
  3点目が廃棄物処理関係であります。廃アスベストなど直近の排出量調査を実施中でございまして、10月までに結果の公表を考えてございます。
  それから、都道府県等に対しましても、廃アスベスト等の適正処理を確保するために、立入検査の強化でありますとか、不適性処理事例への迅速な対策の指示を行ったところでございます。
  裏のページに参りまして、今後の主な検討事項でございますが、2つございます。まず第1は先ほど申し上げました解体・補修作業の規模要件等の撤廃ということで、現在検討会におきまして検討中でございますが、最終的には施行令の改正に至るわけでございますが、現在開催中の検討会におきます検討結果を中央環境審議会大気環境部会の方にも御報告をしたいと考えております。
  2点目は、関係閣僚会議のとりまとめの中での救済に係る部分でございますが、この中で「労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民への被害への対応については、救済のための新たな法的措置を講ずる」ということにしておりまして、現在環境省及び厚生労働省を含めました関係省庁におきまして、検討を精力的に行っておるところでございます。
  以上が、アスベスト問題に係ります政府として、とりわけ環境省に関係する対応の状況についてのご報告いたしました。

○鈴木会長 ありがとうございました。環境管理局は、もちろんアスベスト以外にもいろいろな問題を取り扱っておられるわけですが、それでは、次に水環境部の方から、ご報告をお願いしたいと思います。坪香水環境部長。

○坪香水環境部長 それでは、今後の水環境保全対策につきまして、資料8をもとにいたしまして、説明させていただきます。内容的に非常に網羅的でございますが、ごく簡単に説明をさせていただきます。
  まず第1番目でございますが、改正湖沼法の円滑な施行でございます。本年1月に当中央環境審議会から「湖沼環境保全制度の在り方について」の答申をいただきました。これをもとに法律を改正いたしまして、この6月22日に公布しております。この1年以内に施行へ向けまして基本方針の見直しと、それから、政省令の改正を進めているところでございます。改正の内容については、後ほどごく簡単に説明をさせていただきます。
  2番目でございますが、水生生物保全の環境基準類型指定と排水規制でございます。
  水生生物の保全の観点から、その一環といたしまして、全亜鉛につきまして、現在各水系への類型の当てはめ等についての基本的な考え方を、水環境部会の専門委員会におきまして、ご審議をいただいているところでございます。
  またあわせまして、水濁法に基づきます排水基準につきましても、専門委員会を設けましてご審議をいただいているところでございます。
  それから、3つ目でございますが、閉鎖性海域の水質保全対策でございます。
  2点ございまして、1点目は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の総量規制の課題でございます。第6次水質総量規制の総量規制基準の設定につきまして、現在専門委員会におきまして、ご審議いただいております。本年中に報告書の取りまとめという予定でございます。
  もう一つ、有明海、八代海に関するものでございますが、特別措置法に基づきまして、環境省におきまして、「有明海・八代海総合調査評価委員会」が設置されてございます。現在15回にわたる審議をいただいておりまして、本年中に中間報告、来年度中に最終報告取りまとめという予定でございます。
  次のページを見ていただきたいと思います。4つ目でございますが、土壌汚染対策でございます。これにつきましては、本年6月に土壌農薬部会におきまして、土壌環境モニタリングに関するご審議をいただいております。これをもとにして、環境モニタリングプランを取りまとめ公表しております。そのほか、土壌汚染対策といたしましては、土壌の油対策、それから、食品中のカドミウム濃度基準の見直し、あるいはまた射撃場等の鉛対策等につきまして、必要なガイドラインの策定並びに技術指針の検討等を継続して行っているところでございます。
  5番目として、農薬による環境汚染防止に向けた取組ということでございます。農薬によります生態系への悪影響の未然防止の取組の強化並びに国際的な動向を踏まえまして、登録保留基準が見直し、ないし改正されるところでございます。つきましては、土壌農薬部会農薬小委員会におきまして、ご審議をいただくこともあると思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
  最後に、国際的な水問題への対応でございます。第3回の世界水フォーラムを契機にいたしまて、アジア水環境パートナーシップの推進並びに来年3月にメキシコで開催されます第4回の世界水フォーラムにおいても、積極的に出席し、国際貢献並びに日本の水政策の情報発信を図りたいというふうに思います。
  この国際的な貢献と並行いたしまして、国内におきましては、水にできるだけ親しむということで、啓蒙・啓発活動についても積極的に取り組んでいるところでございます。
  以上が内容でございますが、最後3ページで改正いたしました湖沼法の内容について、ご説明させていただきます。
  従来から、そこにございますように、工場・事業所に対する負荷量規制が中心の湖沼法でございましたが、これに加えまして、下の四角で囲ってございますが、1から3までの対応が今回改正によって付加されたわけでございます。従来の特定施設からの汚染だけではなくて、農地とか市街地とか森林等から流出するいわゆる面源負荷に対しても、そこに1番にございますように流出水対策地区を指定いたしまして、その対策推進計画を策定し、流出水対策を推進するというのが明記されています。
  それから、もう一つは、工場・事業場の負荷量規制につきましても、従来の新増設の施設だけではなくて、既設事業場に対しても適用ということで、適用の範囲を広げてございます。
  それから、2番目といたしまして、湖辺におきます環境の適正な保護によりまして、その水辺の改善並びに水質の保全に資するということから、湖辺環境保護地区を指定することによりまして、その保全を図ろうということでございます。
  これらの政策を推進するためには、関係住民のご意見等積極的な参加が必要でございます。3といたしまして、これら策定に向けては、関係住民のご意見を位置付けるということが明記されてございます。
  以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。それでは、続きまして、自然環境局の方から外来生物法ですか、南川局長、お願いします。

○南川自然環境局長 南川でございます。よろしくお願いします。自然環境局関係、自然環境部会、あるいは動物愛護部会で様々な御審議いただいておりますけれども、特に一つの課題に絞ってということでございますので、資料9にございますように、外来生物法の施行について、御報告申し上げます。
  外来生物法、既に今年の6月から施行されております。これは、そもそもはリオサミットで提案のあった生物多様性条約に基づきまして、必要な措置を各国がとるという中で、本来の分布域ではない場所に連れて来られた生き物が、新しい地へ定着して子孫を残す場合があるということで、この場合には、人間生活や生態系に大きな影響を及ぼす恐れがあるということから、このような生き物による悪影響をなくそうというためのものでございます。
  そのため、この法律の中では1つには悪影響を及ぼし得る外来生物を日本に入れない。2つ目には、飼っている外来生物を野外に捨てない。3つ目は、野外にいる外来生物を他地域に広げないと。短く申しますと、入れない、捨てない、広げないと、そういう3原則を実施することによって、影響を最小限に食い止めようというものでございます。
  1ページの(1)の[1]にございますように、第一次指定の特定外来生物につきましては、アライグマ、オオクチバス等の37種類を指定して、必要な規制を行っているところでございます。ただし、1ページの(2)にございますように、既にこの中でも相当程度日本に入っているものがございます。これにつきましては、防除が必要でございますので、ジャワマングース、アライグマ、オオクチバス等につきまして、防除対策を実施しているところでございます。
  4ページをご覧いただきたいと思います。ここに37種類の第一次特定外来生物のリストが載っております。
  それから、最後の6ページをご覧いただきたいと思います。6ページには特定外来生物の第二次選定ということでございまして、42種類のその候補が載っているところでございます。これにつきましては、現在パブコメなどを行っておりまして、年内に指定をしたいと思っております。
  なお、幾つか課題が残っております。法面などの緑化植物の問題を含めまして、大型外来クワガタ問題等の幾つかの課題がございます。これにつきましては、下の説明にございますようなことで、現在その検討を進めているところでございます。
  以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
  それでは、続きまして議事次第の5にございます平成18年度重点施策について、西尾官房長の方からご説明をお願いします。

○西尾大臣官房長 資料の10に平成18年度環境省施策という資料を差し上げております。これで、ごく骨格だけご説明したいと思います。
  1ページ開いていただきまして、ポンチ絵のような形で重点施策の柱を書いております。1番目が地球温暖化問題、京都議定書の削減約束達成と地球環境保全に向けたリーダーシップ。2番目は3Rの推進、不法投棄の撲滅。3番目は、環境を軸とした経済社会。4番目が生物多様性、自然共生。それから、5番目は安心安全な生活の保全。6番目、国民のニーズ、地域の実情に合わせた展開と、こう書いておりまして、基本的な柱は変わっておるわけでございませんが、やはり脱温暖化社会に向けた、あるいは循環型社会に向けた2大社会改革というのが、1番、2番でございます。この点につきましては、議定書の発効とその目標達成計画、あるいは3Rイニシアティブの国際的展開ということを、より現実かつ緊急の課題になっていると思っております。3、4、5、それぞれの課題ございます。6番目に国民のニーズ、地域の実情ということで、この10月から環境省に地方支分部局である地方環境事務所ということが発足いたします。そういう面では、このラインにありますように、地球、社会、一方では地域の社会がより一層の展開を図っていきたいと思っております。
  もう1枚お開きいただきまして、1ページが総括表でございます。総額の要求総額が書かせていただいております。一般会計のところが、2,645億円。13.1%増でございます。それから、石油特会が251億円ございます。この繰入等を差し引きいたしまして、下の合計額が2,661億円、13.5%の増額ということに相なっております。
  2ページ以下は、それぞれの具体的な主要な柱を書いております。ご説明の時間の関係がございますので、ぱらぱらと見ていただく程度と、こういうことでまずごらんいただきまして、2ページ、3ページが京都議定書の関係、左側が特に京都議定書目標達成計画の実施の関係でございまして、その主要な予算はア)のところにありますような、ソーラーの普及でありますとか、あるいは京都メカニズムのクレジットの取得でありますとか、それからイ)のところにございますように、この国会でできました排出量の算定報告公表制度でございます。国民運動と、こういうものが書かれております。
  3ページの方は地球環境、さらに長期的な削減に向けました対話などの施策が書かれております。
  4ページ、5ページでございますが、これは3Rと廃棄物の関係でございます。左側の(1)は、特に来年に向けました容器包装リサイクル法の見直しという問題がございます。(2)は、3Rのイニシアティブ、国際的に展開していくということでございます。(3)は基本的なインフラの整備でございますけれども、昨年、三位一体の議論の中で、新たに循環型社会形成推進交付金という制度になりました。地方公共団体からも歓迎されたと思っておりますので、これを推進していきたいということでございます。
  6ページ、7ページが、環境を軸とした豊かな経済社会ということでございまして、(1)は基本計画の策定、それから、さらに次の超長期ビジョンと、こういうことがあるということでございます。
  以下、経済のグリーン化、3番目に研究、技術の問題、それから教育、それから地域のパートナーシップ、こういうことを掲げております。
  8ページ、9ページは、自然の関係でございます。左側が面的なものでありますけれども、トピックスは知床が世界自然遺産に登録されたということでございまして、そのきちんとした管理整備をやっていくということでございます。
  右側が、代替生物の関係でございます。外来生物の対策等々の予算を掲げているところでございます。
  10ページ、11ページが、汚染、あるいは化学物質ということでございます。(1)にありますように、ヒートアイランド対策といったもの、それから(2)のアスベスト対策につきましては、差し当たりは予算のところにございますように、健康調査とかモニタリングといった予算を掲げております。過去の被害に対する対応につきましては、今後の政府部内の検討を踏まえて適切に対処していくということでございます。
  それから、12ページ、水俣病等の対策の問題。それから、13ページに至りまして、先ほど申し上げました地方事務所をきちんとやっていくということを掲げている次第でございます。
  以下、15ページには、財政投融資の関係を掲げておるところでございまして、それから、16ページ以下は税制の要求でございます。税制は、1の(1)環境税は先ほど総合環境政策局長からお話しをしたとおりのものを要求をしております。(2)自動車のグリーン税制などの継続等々の要求をさせていただいているんです。ごく骨格だけご説明させていただいた次第でございます。

○鈴木会長 非常に短時間で多くの内容をお話しいただいて、大変先生方もフォローされるのが大変だったかと思いますが、それでは、一応その各部局からの、各部、各局からのご報告が終了いたしましたので、以上のご報告につきまして、残りの時間、委員の方々からのご意見、ご質問いただきたいと思いますが、各部会等で詰めた議論をしていただけるものは除きまして、できましたら全体に関しまして各先生方からご質問があればということで伺いたいと思います。時間が非常に限られておりますので、どうしてもという方に限らせていただきたいと思うんですが、お1人、かつできましたら2分ぐらいでお願いしたい。ご意見、ご質問のおありの方は、ちょっと名札を立てていただけますでしょうか。
  4名の方に限ってよろしいですか。
  それでは、今、名札を立てておられる方に限って、とりあえずのご質問、ご意見を伺いたいと思います。向こうの方からお願いしましょうか。崎田委員。

○崎田委員 最初にやらせていただきまして、申しわけございません。私は質問というよりも、意見を一言申し上げたいと思って手を挙げました。
  今、全体を拝見いたしまして、最初のいろいろなご報告、本当に暮らしや地域を改善し、そして、きちんとした国土をつくっていくというイメージが非常に明確に、それぞれの施策から出ているというふうに感じました。そして、今度の予算要求に関しても、そういう流れが非常に出てきておりまして、私は、こういうふうにきちんと意思を持っていくような雰囲気がきちんと進んでいるのは大変すばらしく思いますが、それに関しては、こういう状態なんだということが、国民にしっかりとそういう意思が浸透していくこと。そして、産業界もそういう流れをきちんと受け止めて、国民との信頼関係の中できちんと社会をつくっていくという、やはりそういう雰囲気をつくっていくということが大変重要だというふうに感じています。
  そのために、そういうふうに社会の定着ということを考えると、産業界と市民がきちんと実践していくということを考えると、先ほどの化学物質であったり、循環型社会に対する容器包装リサイクル法、あと環境基本計画見直し、環境税の問題、温暖化対策、アスベストや水環境、自然環境、こういうこと全部ある程度定着させるために、市民の自発的な参加だけではなくて、ある程度経済的インセンティブをきちんとつけていくということが、今、求められているんだと思います。
  そういうところで、いろんな提案が出ていましたけれども、国民自身も自分たちの暮らしの中で払うものは払う、コストはきちんと払う、あるいは責任はきちんととっていくということを認めていく時代になってきていますし、そういうことに関する普及啓発もきちんとしていただいて、そういうふうな市民と産業界が一体となったような経済的なインセンティブをつけていくような社会をつくっていく、その辺を明確に出していくことが必要なんだというふうに思っております。
  その点に関して1つだけお願いは、例えば私いろんな分野にかかわらせていただいておりますので、個別には余り申し上げませんが、例えば循環型社会づくりの持続可能な国土であれば、環境省だけではなくて、農林水産省や国土交通省、経済産業省と本当に循環の視点で一緒の政策を組むことが大事ですし、今、新エネルギーのことを考えても、こういう循環のことに関して非常にバイオマスのこととか重要になってきております。こういう意味で、政府全体が本当にきちんと連携しながら持続可能な国土をつくる、そして、世界の環境づくりに貢献するということを明確に示していただきたいと思いますし、それをつなげる役割を環境省がぜひ、今もやっていただいておりますが、積極的に担っていただけるとありがたいというふうに思っております。それだけです。

○鈴木会長 一通りご意見を伺ってから、もし後ほど環境省の側でお答えいただけるようでしたらお願いしたいと思います。
  では、大塚委員。

○大塚委員 1点、アスベストについてだけ、ちょっと意見と質問させていただきたいと思います。
  今回のアスベストの事件というのは、一つ予防原則との関係もあって、従来のその化学物質対策についての一つの警鐘を鳴らしているのではないかという感じがいたしております。
  化学物質について、一定のものについては禁止をし、特にいろんなものについては禁止はするわけにはいきませんので、管理をしながら使っていくしかないということが当然あるわけでございますけれども、管理をしながら使っていくという場合に、管理が本当にできるかということが、かなり重要な問題だということを改めて認識させているのではないかというふうに思っております。そういう意味で、今後の化学物質対策について、一つの大きな警鐘を鳴らしているのではないかと思っております。
  水俣病のケースとかもありますので、ぜひ短期間に長引かないような対応ができるようなことは望みたいと思っておりますが、1点質問させていただきたいのは、やや細かい話になってしまうかもしれませんけれども、肺がんの扱いの問題があると思います。中皮腫については、かなり特異性のものだということになりますけれども、肺がんについては、ほかの病因というのも結構ありますので、この辺が議論していく上でかなり重要なポイントになってくるのではないかと思いますけれども、どのようにお考えになっているか、お答えいただければ幸いでございます。
  以上です。

○鈴木会長 岩槻委員。

○岩槻委員 環境基本計画の見直し、この基本的な問題に関しては、このラインで全然問題ないと思うんですけれども、そのことについて2点ほどもう一歩突っ込んだことを申し上げたいと思います。
  1つは17ページの4で、国、地方公共団体、国民の新たな役割と参加・協働の推進という点で、環境省がNGO、NPOとの協働なんかを含めて、この問題で非常にほかの省庁と比べて前向きの取組をなさっているということは、もう常々見せていただいているんですけれども、しかし、まだ意識の低い一般市民と協働するということは、環境行政にとっては一番重要なことだと思うんですよね。
  それで、私は一つの政策として意識の低い市民と一緒に考えるという、そういうことが取り組まれてもいいんではないかと。いろんな部局が、その部局の専門的な施策を通じて広報とか普及とかをやるというのは、これは非常に重要なことなんですけれども、広報、普及というような上意下達だけではなくて、むしろ外務省には報道官という役職があるそうですけれども、部局長クラスの報道官のようなものをつくって、報道官付というような環境省全体で一般市民に対する協働を働きかけるという、そういうのが重要な施策の一つとしてあっていいんではないかというふうに思うんですけれども、ぜひそういうことをその後検討いただきたいということが1点と、それからもう1点は、ちょっとそれと比べるとマイナーな話になるんですけれども、16ページに政策決定における最大限の科学的知見の追求というのがあるんですけれども、私、環境省のいろんな委員会なんかに出入りしていますと、出入りする研究者というのは、同じような顔触ればっかりなんですよね。私自身も実は環境問題の専門家でもないにもかかわらず、自分の専門分野の知見が多少お役に立つんだと思ってお手伝いしているんですけれども、日本の科学者の中で、もっともっと環境行政に貢献しないといけない人がたくさんある、そういう人を環境省のいろんな委員会やなんかに巻き込むことによって、この部門というのは、より充実するんではないかと思いますので、そういうことも積極的にお考えいただきたいということ、その2点です。

○鈴木会長 ありがとうございました。
  それでは、浅岡委員。

○浅岡委員 1つは、この環境基本計画の案内の中で、3ページ、その4のところで、国、地方公共団体、国民の新たな役割と参加・協働の推進という点を強調いただくと、大変いいことだと思うんですが、特にやはり地方公共団体の役割といいますか、地域で取り組めるための仕組みとか位置づけ、そのためのお金の回る仕組み、計画、財政、18年度の要請のところもありますけれども、そこは国としてもしっかり考える必要があるだろうと思います。
  特に国民の新たな役割という点は、環境基本法自身が国民の役割非常に貧弱にしか今まだ書いていませんので、それ自身を変えていただくことも必要だと思いますが、既に現場でいろいろ動いてきている部分、特に私、温暖化の関係などでかかわらせていただくと、大きく変化してきている部分というものが、これがシステム的にも全体ベースである。さらに、それがより推進できるような形というので、現場はかなり動いていっているんです。けれども、さらにそれをしっかり全体に広げていけるような基盤となる計画にしていただきたいなと思っております。先ほど、岩槻先生がおっしゃられたこととも関連すると思います。
  もう一つ、アスベストについて、私も大変関心があるので、お願いをしたいところでありますけれども、今から遅きに失するところはある面はありますけれども、やはり工場内、あるいは換気の状況についてのモニタリングといいましょうか、綿密な環境状況の把握、それから労働者、元労働者、地域住民であった人、ある人も含めて、しっかりした健康調査ということをなさらないと、それがしっかりした形で、後で役に立たない検診ではなくて本当に役に立つ検診をなさらないと、水俣病の繰り返しになるということを懸念をいたしますので、お願いしたいと思います。
  もう一つ、新規立法で実際に動こうとしているというところは歓迎すべきことでありますけれども、ここで労災補償が得られない方の制度というので、補償、救済のレベルというのを、どのようなものでお考えなのかと。例えば、薬品副作用基金的なことで考えているのか、もっと実損害補償に近い形というものをお考えになっているのか、労災並みというふうにしているのか、少しお聞かせいただければと思っております。

○鈴木会長 ありがとうございました。
  どういたしましょうか、アスベストに関するご質問につきましては。
  はい、どうぞ。

○寺田大臣官房審議官 アスベスト問題関係させていただいております大臣官房審議官の寺田でございます。
  ただいまアスベストにつきまして、幾つかご質問並びにご要望をちょうだいいたしました。アスベスト問題につきましては、ご存じのとおり政府全体として、今、取り組みをしておりまして、実は8月26日に政府全体としての取組について取りまとめを関係閣僚会議で行ったところであります。そこでは、まず被害救済の問題について申し上げますと、その文書、そのまま今、読ませていただきますと、基本的な考え方といたしまして、現行の労災保険法と法外健康被害補償法の枠組みでは救済できないものが存在すること。かつ、潜伏期間が非常に長期にわたり、曝露に係る特定が困難であること等を踏まえ、新たな法的措置により救済の仕組みを構築するというふうに述べられているわけでございます。
  正直申し上げまして、これから政府挙げて検討するわけでございますので、今現在私、こういうことでやりますと答えられる何物も持っていないわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、基本的な制度をなぜつくるのかという点が、労災でありますとか、あるいは通常のその民対民の損害賠償保障とか、そういうものでは救いきれない。では、放っておいていいのかというと、それは大体40年にも潜伏期間が及ぶというこのアスベストの特殊な状況からして、なかなか社会的に放置するわけにいかないと。したがって、細かい因果関係は問えないけれども、幅広くすき間のないように被害者の方を救済しようというのは、これは制度の基本的な趣旨であろうと理解しております。
  ということから考えますと、そういうふうな制度の基本的な性格から、恐らく今後、例えば給付の内容レベルも決定されるのであろうというふうには思います。
  それから、非常に具体的なお話として肺がんの取り扱いの問題をちょうだいいたしました。ご存じの方も多いかと思いますけれども、今、話題になっている疾病といたしましては、中皮腫と肺がんというのがございます。中皮腫については、専門家の間では恐らく8割から9割がアスベスト起因だろうと言われておりますけれども、肺がんというのはご存じのとおり非常にいろんな原因、特にたばこの原因も非常に多いだろうと、こう言われているようなものであります。
  ここは、やはり基本的には先ほどの制度の性格を踏まえた上で、私どもは一つは非常に医学的な問題なのではないかというふうに思います。すなわち、肺がんというものを全部アスベスト起因だとみなすというようなことは、これ到底合理的ではないということは、当然わかる話でございますので、制度の内容として、アスベスト起因の肺がんというものを明瞭に区分できるような合理的な基準ができるのかどうかと、そういうあたりの医学的な判断というのが非常にこれからの対象疾病を議論するときのポイントになるのではないかと思っているということでございます。
  以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。いずれにしましても、このアスベストに関しては、今後の検討に期待するということですが、中環審としては、大気環境部会にいろいろと随時ご報告をいただく、こういうふうに考えてよろしいですか。

○寺田大臣官房審議官 アスベスト問題につきましては、環境行政非常に幅広いところにかかわりございます。現時点でも、例えば被害救済ということになれば、今の役割分担では、環境保健部会ということになりましょうし、大気汚染防止対策ということは大気部会、さらに言えば廃棄物問題というような、これから解体等々によって生じてきますから、そういうふうな観点ですから、問題ごとに必要に応じご報告させていただくということになろうかと思っております。

○鈴木会長 ありがとうございました。
  もう一つ、やはり国民に対する啓発といいますか、特に岩槻先生は意識の低いと言ったら問題があるかもしれませんが、そういう一般国民とどうやって歩調を合わせていくか、一緒に考えていくか。崎田委員の方からは、それに向けた例えば経済的なインセンティブ的なものも含めて、いろいろ仕組みづくりを考えてはどうか。浅岡委員の方かちは、地方公共団体等もいろいろそういう意味では共同歩調をとっていくための仕組みづくりのようなお話もございました。環境省全体として、広報をどう考えていくかといったら、非常に重要な問題なんですが、これは広報課長がいらっしゃるようなんですが、一体環境省の中ではどこですか。
  では、谷津課長、お願いいたします。

○谷津政策評価広報課長 官房の政策評価広報課長でございます。
  今のご指摘の点でございますが、環境省では、非常に広報が重要だということで、今年のクールビズをはじめといたしまして、国民の意識の変革をどう行動に結びつけていくのかといったあたりが非常に重要だろうというふうに思っております。
  また、温暖化の問題、あるいは循環型社会づくりの問題、基本のところで共通する要素もございますので、そういった観点から戦略的な広報ということに努めているところでございます。
  またあわせまして、環境政策のツールでは、環境学習、教育、あるいは、環境カウンセラーといったような手法との組み合わせも重要です。それと、10月1日から地方支分部局をオープンいたしますが、各拠点となる地域ごとに地域版のパートナーシッププラザといったようなものも整備させていただきながら、きめの細かい広報普及、または実地での活動、こういうものに取り組んでいきたいと思っております。

○鈴木会長 先ほど、官房長の方からもありましたが、その地方の支分局というようなものが、今後広がっていくことになりますので、それも含めてどういう戦略的な広報を考えていただくか。また、いろいろと委員の方々からお知恵をお借りすることも必要かと思いますので、そういうところも含めてよろしくお願いしたいと思います。
  岩槻委員の方から、もう少し環境研究者、科学者を広く動員してはどうかと。これは、またいろいろ関連学会等とのヒアリング等においても、そういうところをいろんな意味でのつながりを深めていくということに役に立つ、かもしれませんが、具体的にはどうしたらよろしいでしょうね。

○岩槻委員 やっぱりいろんな委員会なんかにコミットするようになると、いろいろ考えたりすることがあると思うんですけれども、手始めはそういうところで、環境省の仕事に今まで関係していない科学者をいろいろ巻き込まれるという、そういうのは手始めとしていいんではないかと思うんですけれども。

○鈴木会長 そういう意味での広がりを積極的に進めると、そういうようなことかと思います。また、いろいろお考えいただければと思いますが、あと、まだ少し時間がございますので、コメント、ご質問等おありでしたら、第2ラウンドいかがでしょうか。お2人ぐらいお願いできるかと思いますが、よろしいですか。お1人でよろしいですか。
  では、高橋委員、お願いします。

○高橋委員 今、たびたび議論になっております地方環境事務所の件ですが、非常にこういう地方環境事務所、地域支分部局をつくるというのは、地域に根ざした環境行政をつくるという点では、非常に大きな到達点だと思いますが、今後、どういうふうにこの事務所を充実、発展させていくのかというその辺のご方針というか、そういったようなものがあれば、お教えいただきたいというふうに思っております。

○鈴木会長 では、谷津課長。

○谷津政策評価広報課長 地方支分部局の担当をしております政策評価広報課でございます。
  先ほどのお尋ねでございますが、環境政策は今年の重点でも、地域へ、そして世界へということで、地域に軸足を置いた対策が非常に重要でございます。当面の活動の柱は、一つは不法投棄、廃棄物問題、これを環境省としてしっかり地域と連携をとりながら対策を進めていく。これを仕事の一つ目の柱にしてございます。さらに、環境教育も含めまして、温暖化対策。これも地域での活動が非常に重要でございますので、それを2つ目の柱としてございます。あわせまして、地域のさまざまな市民団体、あるいは地方公共団体、産業界、これらとの連携が大事でございますので、そういった横のつながりも重点的に取り組んでいきたいということでございます。
  当面、7事務所で369名の体制でスタートいたします。これを近い将来なるべく関係省庁のご協力もいただきながら、拡充をしていきたいということを考えてございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
  時間がかかることかと思いますが、ぜひ、この地方の活動を広げて活発化していくことが重要かと思います。
  よろしいでしょうか。
  それでは、あとまたいろいろなご意見がございましたら、それぞれで、ぜひ中環審の検討等に反映していただければと思います。また、いろいろと激励をいただいたような点につきましては、環境省の方でそれを推進に役立てていただければと思います。
  それでは、時間もまいりましたので、これで質疑応答も含めまして、本日の総会を終了させていただきたいと思います。どうもお忙しいところをご出席いただきまして、ありがとうございました。

午前11時28分閉会