中央環境審議会第25回総会議事録

日時

平成30年5月16日(水)

場所

JA共済ビル ホールA-E

議事録

午後3時32分開会

○白石総務課長 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第25回総会を開会いたします。

 私は、環境省大臣官房総務課長の白石でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 現在、委員30名のうち、本日は20名の委員の方がご出席されていますので、定足数である過半数を満たしており、総会は成立してございます。

 なお、本日の会議は「中央環境審議会の運営方針について」に基づき公開としております。

 また、委員の交代がありましたのでご報告させていただきます。本日はご欠席となりますが、佐久間総一郎委員にかわりまして、榮敏治委員が4月5日付で任命されております。

 続きまして、議事に先立ちまして、環境省の幹部よりご挨拶を申し上げます。

 まず、中川大臣よりお願いいたします。

○中川大臣 環境大臣の中川でございます。本日はお忙しい中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 中央環境審議会におかれましては、環境保全に関する重要事項を審議する機関として、環境行政の各課題に関し、幅広く、かつ高い見地からご審議いただいておりますことに、深く感謝申し上げます。

 特に、第五次環境基本計画に関しまして、約1年間にわたる総合政策部会でのご審議の上、先月9日に答申をいただいたところでございまして、お陰様で、先月17日に閣議決定させていただくことができました。

 今般の環境基本計画では、SDGsやパリ協定の採択を踏まえ、新たな文明社会を目指していくことや、そのために、環境政策を通じて、経済社会システム、ライフスタイル、技術といった、あらゆる観点からのイノベーションを創出し、経済、社会的課題を同時解決していくことをうたっております。また、持続可能な地域づくりとして、地域循環共生圏の創造を打ち出しました。

 現在、ご審議を進めていただいております「循環基本計画」や、2050年、80%削減に向けた長期戦略などの策定に当たっては、この第五次環境基本計画の方向性に沿ったものとなるよう、環境省としてもしっかりと検討していきたいと考えております。委員各位の皆様からもご貢献を賜りますようよろしくお願いしたいと考えております。

 加えて、昨今の環境行政が抱える課題といたしましては、中間貯蔵施設の整備と除去土壌等の輸送、帰還困難区域における特定復興再生拠点区域の整備、指定廃棄物等の処理や、放射線に係る住民の健康管理、また、国立公園満喫プロジェクト、野生鳥獣の保護・管理、外来種対策、希少種の保全や、生物多様性の確保などの自然との共生の取組、さらに、公害健康被害対策、化学物質対策、大気・水・土壌環境対策、海洋ごみ対策、国内外の資源循環対策や安心・安全の確保と、非常に多岐にわたっておりまして、これらにもしっかり取り組んでいく必要がございます。

 環境行政の推進に向けて、委員の皆様には、一層のご指導、ご鞭撻をいただきますよう心よりお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

○白石総務課長 続きまして、とかしき副大臣より一言ご挨拶を申し上げます。

○とかしき副大臣 皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました、環境副大臣のとかしきなおみでございます。

 本日は、委員の先生方に、多くの皆様はお忙しい中お集まりいただきまして、本当にお礼を申し上げます。ありがとうございます。

 私は、中川大臣のもと、気候変動対策、そして大気・水・自然環境などを担当させていただいております。この仕事になりましてから、今肌で感じているところは、ちょうど今、ターニングポイントに差しかかっているというのを、肌で感じております。

 気候変動対策におきましては、まさに世界では、そして、世界の経済や金融では、脱炭素とか、再エネ、これがだんだん大きく、主流になって舵を切っていて、さらにそれにビジネスをちゃんと乗せていくという、こういう大きな流れが出てきております。ところが、我が国を振り返ってみますと、いまだに脱炭素とか、再エネは社会貢献の一環のような取り扱いで、まだまだビジネスとして採算がとれないのではないかという、そういう呪縛のような思いを抱いている方が、まだたくさんいらっしゃるというのが現状であります。ここをいかに乗り越えていくのか、ここは重要なところではないかと。世界の動きに合わせて、さらに日本としてどうやったら日本の優位さが出せるのか、ここを環境省としては、役割が大きくなってきているのではないかと感じております。

 また、生物多様性につきましては、これは2020年に、中国でCOP15、これが開催をされる予定になっております。ポスト愛知目標、これの採択に向けて動きが出てくるかと思いますが、我が国は、「SATOYAMAイニシアティブ」というものをちゃんと提案して、今、世界に向けて、このジャンルでは、特に生物多様性においては、日本は一目を置かれているわけでありますから、この優位さをどういうふうに出しながら、COPの中で存在感を示していけるのか、ここもしっかり考えていきたいというふうに思います。

 ということで、環境政策はこれから大きく動きが出てくるかと思いますけれども、委員の先生方のお力をかりながら、積極的に前に進めていきたいと思いますので、いろいろご負担をかけることが多いかと思いますけれども、これからも変わりないお支えをいただきますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○白石総務課長 続きまして、笹川政務官より一言ご挨拶を申し上げます。

○笹川政務官 皆さん、こんにちは。ご紹介を賜りました、政務官を務めております笹川博義でございます。今、とかしき副大臣の同様の担務を担当させていただいております。

 常日ごろより、審議会の皆様方にはご尽力を賜りまして、改めて私からも敬意と感謝の誠をささげたいと思います。今後とも引き続いて、環境行政に対するご指導、ご鞭撻を賜りますように心からお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

 今日は、大変お疲れさまでございます。

○白石総務課長 続きまして、武部政務官より一言ご挨拶を申し上げます。

○武部政務官 同じく、環境大臣政務官をしております武部新でございます。委員の先生方、本日は誠にありがとうございます。

 私は、中川大臣、伊藤副大臣のもと、資源、循環政策、除染、中間貯蔵、指定廃棄物などを担当させていただいております。被災地の環境再生の課題もまだございますけれども、先般、ベトナムに出張してまいりまして、目的は、廃棄物処理の、発電も含めた日本の技術の活用の宣伝に行ってまいったのですけれども、もちろん環境技術だけではなくて、ベトナムからは、気候変動に対する知見、情報の共有ですとか、人材育成にも、大変日本に対する期待が表明されました。日本の役割が、環境分野でも大きく期待されていると思います。

 委員の先生方におかれましては、山積している課題につきまして、忌憚のないご意見を、専門的知見からどんどんご発言いただきたいと思います。今後とも、ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○白石総務課長 ありがとうございます。

 伊藤副大臣は、所用により本日は欠席させていただいてございます。

 続きまして、次に、本日出席しております環境省の幹部職員を順番にご紹介させていただきます。

 まず、中央真ん中から、森本環境事務次官でございます。高橋地球環境審議官でございます。鎌形大臣官房長でございます。中井総合環境政策統括官でございます。森下地球環境局長でございます。早水水・大気環境局長でございます。亀澤自然環境局長でございます。縄田環境再生・資源循環局長でございます。梅田環境保健部長でございます。山本環境再生・資源循環局次長でございます。正田大臣官房審議官でございます。米谷大臣官房政策立案総括審議官でございます。小野大臣官房審議官でございます。近藤大臣官房審議官でございます。鳥居大臣官房サイバーセキュリティー・情報化審議官でございます。和田大臣官房審議官でございます。大森大臣官房会計課長でございます。最後に、永島自然環境局総務課長、本日の説明者でございます。最後に私、白石大臣官房総務課長、進行を行います。

 以上でございます。

 なお、大臣、副大臣、大臣政務官、環境省幹部職員につきましては、公務の都合がございまして、途中退席する場合がございますので、あらかじめご了承いただきたく存じます。

 次に資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットの指定フォルダーの中に、資料1、資料2、それから資料3-1から3-7まで、それから、参考資料というものをお配りしてございます。仮に不足がございましたら、事務局までお申しつけください。

 では、取材の方々のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 中川大臣は、公務のため退席されております。

 それでは、以後の議事進行は、武内会長にお願いしたいと存じます。

○武内会長 中央環境審議会会長の武内でございます。この総会というのは、めったに開かれませんので、皆様方には大変ごぶさたをしております。それぞれの部会や委員会でいろいろご議論いただいていることを、会長としてまず感謝申し上げたいと思います。

 今日は、そうしたこれまでの成果について、非常に短い時間ではございますけれども、それぞれ部会長を初め、関連の皆さん方からご報告いただき、ご議論いただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず、議事1、各部会の審議状況等についてでございます。

 審議会議事運営規則第6条によれば、会長の同意を得て審議会の決議とした部会の決議については、会長は、総会に報告するものとされております。前回総会において報告をいたしました、平成29年2月以降から昨日までの中央環境審議会の審議状況を、資料2「中央環境審議会の審議状況等について」に取りまとめておりますので、恐縮ですが、これをもって総会に対する報告とさせていただきます。

 この機会に各部会長より、各部会の審議状況について、各部会、大変恐縮でございますが、それぞれ2、3分程度で簡潔にご報告をお願いできればと存じます。なお、環境保健部会、水環境部会及び土壌農薬部会の岡田部会長につきましては、本日ご欠席のため、代理で委員の方にご報告をいただければというふうに考えております。

 まず、総合政策部会と自然環境部会については、私がこの部会長でございますので、私から報告をさせていただきます。

 先ほど、中川大臣からのお話にもございましたように、昨年2月に、環境基本計画見直しの大臣諮問をいただき、約1年にわたる精力的な審議を行いまして、先月、計画案を取りまとめ、答申をさせていただいたところでございます。

 政府においては、答申を尊重いただき、4月17日に、環境基本計画が閣議決定されております。SDGsを取り込んだ、日本の法定計画としては初めてのものになるというふうに考えております。この計画の内容については、後ほど、資料3-2で改めて説明がございます。

 次に、自然環境部会についてご報告を申し上げたいと存じます。24ページをご覧ください。

 この1年あまりの間に、13件の諮問事項がございました。また、25ページの当部会の審議状況といたしましては、昨年の6月に、阿寒国立公園の公園区域と、公園計画の変更について審議をするとともに、国立公園満喫プロジェクトの取組状況や、種の保存法・カルタヘナ法の法改正の内容などについて報告を受けました。

 続きまして、小委員会ごとの審議状況については、環境省の担当から説明をお願いしたいと思います。

○永島自然環境局総務課長 小委員会ごとの審議状況を申し上げます。

 まず、(2)の自然公園等小委員会は2回開催し、国立公園や国定公園の公園区域や公園計画の変更、公園事業の決定などについて審議を行いました。具体的には、昨年8月には、富士箱根伊豆国立公園や、耶馬日田英彦山国定公園について、本年2月には、富士箱根伊豆国立公園の富士山地域や、三陸復興国立公園などについて審議を行っております。

 次に、(3)の温泉小委員会でございます。昨年4月には、温泉利用施設における硫化水素中毒事故防止策や、地熱発電関係の温泉資源の保護に関するガイドライン等について報告を受けるとともに、本年3月には、「新・湯治推進プラン」実現に向けたロードマップ等について報告を受けました。

 また、(4)の野生生物小委員会につきましては5回開催しました。委員会では、国内希少野生動植物種の指定や削除、生息地等保護区の指定、さらには本年6月より施行されている種の保存法改正法を受けた希少野生動植物種保存基本方針の変更等について審議をしました。

 最後に、(5)の、鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会については、昨年8月に、野生生物小委員会と合同で開催し、オオタカが国内希少野生動植物種から解除されることを踏まえて、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の変更について審議しました。

 これらの審議を踏まえ、答申等は14件行いました。

 以上であります。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは次に、循環型社会部会について、酒井部会長よりご報告をお願いいたします。

○酒井委員 承りました。資料2の6ページのところで、循環型社会部会の審議状況をまとめていただいております。

 この1年間は、大きく循環基本計画に関する審議、それから、廃棄物処理法に基づきます廃棄物処理施設整備計画に関する審議、それと、廃棄物処理制度及び、いわゆるバーゼル法、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の見直しといった点について審議をしてまいりました。

 まず、循環基本計画でございます。循環基本計画は、5年ごとに見直すということにされておりまして、現行計画が、第三次の循環基本計画、平成25年に閣議決定されたものでございます。その点検結果を、昨年5月に、中央環境審議会から環境大臣に報告をさせていただいておりまして、その後昨年10月に、次期循環基本計画策定のための具体的指針について、環境大臣に意見具申をさせていただきました。同月、次期の循環基本計画策定に向けての諮問があったところでございます。

 この循環基本法におきましては、環境基本計画を基本として策定するということで、先ほども説明があったとおりでございます。先月、閣議決定されました環境基本計画を踏まえまして、持続可能な社会づくりとの統合的な取組、これを大きな柱といたしまして、審議を続けてきたところでございます。

 現在、ちょうどこの計画案のパブリックコメントを行っているところで、来月、この計画の取りまとめを行う予定でおります。

 本日も、資料3-3として、第四次の循環基本計画案につきまして、資料を準備いただいておりますので、また後で説明があろうかと思います。

 それからもう一点の、廃棄物処理施設整備計画でございます。これは、廃棄物処理法に基づく現行計画、これは平成29年度までということでございますので、平成30年度以降の5年間を計画期間とする次期計画案を部会で議論を進めてまいりました。この新しい計画案におきましては、これも資料3-7の1、2ページで資料を用意いただいておりますけれども、現在の3R・適正処理の推進の方向性を堅持しつつ、環境基本計画、あるいは循環基本計画案との連動を十分に図りまして、地域に新たな価値を創出する廃棄物処理施設整備という観点を新たに記載しているところです。これも同じく、現在パブリックコメントを行っていただいているところでして、来月、同計画の取りまとめを行う予定です。

 これ以外に、専門委員会で幾つかの制度改正に関わる議論を進めてきていただいておりまして、この資料2の8ページのところの、廃棄物処理制度専門委員会、こちらのほうでは、廃棄物処理制度に関しまして、見直しの方向性を意見具申させていただき、そして電子マニフェストの一部義務化、あるいは有害使用済機器の保管等の規制を盛り込んだ廃棄物処理法の改正がなされております。その政省令の事項に関しても、専門委員会で議論を進めてきていただいておりまして、本年4月から主たる部分が施行されているところでございます。

 それともう一点、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の見直しでございます。これは一昨年、専門委員会を設置いただきまして、規制のあり方について見直しを実施してまいりました。これは、昨年2月に見直しの方向性を環境大臣に意見具申をさせていただきまして、昨年6月に規制対象物の範囲の見直し、あるいは輸出、輸入に関わる認定制度の創設といった点を盛り込んだバーゼル法の改正がなされております。この法改正に基づく政省令事項に関しても、現在、専門委員会で議論をされておりまして、改正法は本年の10月1日に施行される予定ということになっております。

 以上が循環型社会部会でのこの1年間の審議のご報告ということでございます。どうもありがとうございます。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは引き続きまして、環境保健部会と、動物愛護部会について、環境保健部会は新美委員として、それから、動物愛護部会は部会長として説明をお願いいたします。

○新美委員 ありがとうございます。

 それではまずは、岡田部会長の代理といたしまして、環境保健部会の主な審議状況について、ご報告を申し上げます。資料は9ページから12ページまでということになります。

 昨年2月以降、環境大臣から中央環境審議会会長に諮問された3件について、それぞれ答申を取りまとめております。これに加えまして、健康被害の補償に関する法律、いわゆる公健法でございますが、その改正について審議を行っております。まずは、これら4点についてご説明をさせていただきます。

 第1点でございますが、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、いわゆるPOPs条約締約会議で、COP8と言われておりますが、ここにおきまして昨年4月に、新たに廃絶対象物質とすることが決定された2物質群、デカブロモジフェニルエーテル及び短鎖塩素化パラフィンを、化学物質審査規制法の第一種特定化学物質に指定等をした件についてでございます。昨年6月の環境大臣諮問を受けまして、化学物質審査小委員会における審議を経まして、昨年8月に第一次答申、第一種特定化学物質への指定、そして10月に第二次答申、両物質を含む製品の輸入禁止等を取りまとめております。

 第2点でございますが、同じく化学物質審査規制法関係でございますが、第一種特定化学物質に既に指定されております1物質、PFOS、またはその塩についてでございまして、使用実態に合わせて、適用除外用途規定等を見直した件についてでございます。昨年9月の環境大臣諮問を受けまして、化学物質審査小委員会における審議を経まして、昨年10月に答申、これは使用が認められている用途の除外等を取りまとめました。なお、資料12ページの下の答申等には、事務局の手違いで、この10月の答申の記載が抜け落ちておりますことをお詫び申し上げます。

 以上の答申を受け、本年2月に関係政令が改正され、4月から一部施行をされておるところでございます。

 第3点でございます。昨年12月20日の、第39回環境保健部会におきまして、健康被害の補償等に関する法律における、平成30年度以降の自動車に係る費用負担方式について審議を行いました。審議の結果、引き続き、自動車重量税の収入の一部を引き当てる方式によることが適当であると判断をいたしました。これを受けまして、本年3月30日に公健法の一部が改正されました。改正法は、同日付で施行されております。この改正によりまして、平成30年度以降も当分の間、国は自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を、保障給付に関する業務を行っております、独立行政法人環境再生保全機構に交付することができるように措置されたところでございます。

 第4点でございますが、公健法に基づく認定患者の方々に対する補償給付のうち、平成30年度の障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額の改定についてでございます。昨年12月の大臣諮問を受けまして、第39回環境保健部会におきまして、労働者の賃金水準等を勘案した改定内容を了承し、答申を取りまとめております。これを受けまして、本年3月に、関係政令等が改正され、4月から施行されております。

 以上4点のほかに、最後になりますが、環境保健部会の主な小委員会の開催状況について、ご報告させていただきます。

 化学物質審査小委員会につきましては、昨年2月以降12回開催され、化学物質審査規制法の新規化学物質の審査、優先評価化学物質の指定等について審査をいたしました。また、石綿健康被害判定小委員会につきましては、昨年2月1日以降15回開催され、それ以降は、石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく認定の申請に関しまして、医学的安定に係る調査審議をいたしました。

 以上、簡単でございますけれども、環境保健部会における主な審議状況について、ご報告させていただきました。

 それでは続きまして、動物愛護部会につきまして、部会長としてご報告させていただきます。

 資料は28ページをご覧いただきたいと存じます。

 当部会は、昨年2月の総会以降、3月と8月、そして本年の1月と3月、概ね四半期ごとに開催をしてまいりました。

 初めに、本年3月の第47回動物愛護部会におきまして、愛玩動物用飼料の規格の改正について諮問がなされております。内容といたしましては、ペットフード中のヒ素基準値の見直しについて検討がされているところであり、今後、動物愛護部会にペットフード小委員会を設置いたしまして、農林水産省の農業資材審議会飼料分科会と合同で審議を進めていく予定としております。

 また、平成24年に改正されました動物愛護管理法が、平成25年9月に施行されまして、本年で丸5年を迎えます。

 部会では、法改正以降における動物愛護管理法の施行状況の検証や課題につきまして、議論を行うとともに、法の附則に基づく幼齢の犬、猫を親等から引き離す理想的な時期に関する調査検討、それから、販売する犬、猫へのマイクロチップ装着義務化に向けた検討などを行ってまいりました。さらに部会では、今後の動物愛護管理法の改正や、動物愛護管理基本指針の改定も視野に入れて、4回にわたって、動物愛護管理をめぐる主な課題の議論を総括的に重ねてきているところでございます。

 以上が動物愛護部会からのご報告でございます。ありがとうございました。

○武内会長 ありがとうございました。

 それでは次に、地球環境部会について、安井部会長よりご報告をお願いいたします。

○安井委員 それでは、資料2の13ページをおあけください。

諮問事項は特にございませんでした。

 審議状況でございますけれども、地球環境部会そのものを合計4回開催いたしまして、最近の話題は、どちらかといいますと、適応策の方向と、それから、あとは地球温暖化対策計画の進捗状況等に今移っているという状況でございます。

 それから、13ページの一番下のフロン類対策の小委員会でございますが、次のページに移っていただきまして、その検討は、産構審のフロン類対策のワーキンググループと合同開催等が行われております。と申しますのは、モントリオール議定書、本来はフロン類の、どちらかというと、オゾン層破壊云々のほうなのですが、キガリ改正を踏まえまして、HFCの規制が、温暖化の観点からも来たということになってまいりましたので、これのあり方についての検討が一番重要な事項かと思います。現状でございますが、フロン類の廃棄時の回収率、いまだに3割台でございまして、低迷している状況です。今後どんな対応をすべきなのかということ、それから、さらに言うと、今現在存在していますフロンだけで、本当に2029年の壁を乗り越えられるかどうかという、一つの大きな問題があるかと考えております。

 それから、14ページの下のほうでございますけども、気候変動影響評価等の小委員会がございまして、ここでもやはり適応に関して、比較的議論が多うございます。

 次のページにまいりますと、第18回では、気候変動適応を法制化するかといったような方向での検討について、若干議論が行われたということでございます。

 続きまして、9番の長期低炭素ビジョン小委員会でございますが、平成29年3月1日に長期低炭素ビジョンの取りまとめが行われました。それ以降、長期大幅削減の道筋をどのようにとるべきかといった議論がずっと行われてきているという状況でございまして、それで、次の16ページに移りますと、第22回におきまして、長期大幅削減に向けました基本的な考え方というようなことについて、取りまとめが行われ、こういったさまざまな議論が行われたということでございます。

 以上、開催されました委員会等のご報告ですが、五つの小委員会、専門委員会等につきましては開催されておりません。

 以上でございます。ありがとうございました。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、次に、大気・騒音振動部会について、畠山部会長よりご報告をお願いいたします。

○畠山委員 ありがとうございます。大気・騒音振動部会長の畠山でございます。大気・騒音振動部会での審議状況について報告させていただきます。

 諮問等は特にございませんでした。部会の審議は、一回、昨年5月に開催されました。ここでの審議内容は、主に2点ございます。

1点目は、水銀大気排出対策についてでございます。要排出抑制施設に係る自主的取組の状況のフォローアップのあり方について審議いたしまして、昨年5月に水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について、第二次答申として答申を行ったところでございます。本年4月1日より、水銀大気排出規制を追加した改正大気汚染防止法が施行されていますので、今後、要排出抑制施設に係る自主的取組の状況のフォローアップ等を行ってまいります。

 2点目は、自動車排出ガス低減対策等についてでございます。二輪車の排出ガス低減対策、ガソリン直噴射のPM対策及び燃料蒸発ガス低減対策等について審議いたしまして、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についてということで、第13次答申を取りまとめ、昨年5月に答申を行いました。

 小委員会等は、開催されたもの、開催されていないものがございますが、自動車排出ガス総合対策小委員会は、一昨年の12月に開かれ、自動車NOx・PM総量削減基本方針の中間目標達成状況等の取組について審議いたしました。

 また、微小粒子状物質等専門委員会は、本年3月に開かれまして、大気環境中のPM2.5の状況とか、PM2.5対策に関する取組状況、さらには大気環境中の光化学オキシダント等の状況について審議いたしました。

 大気排出基準専門委員会は、昨年3月に開催いたしまして、水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について審議いたしまして、先ほど申し上げました部会での審議に結びついております。

 有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会は、昨年3回開催いたしまして、主にトリクロロエチレンの大気環境基準の再評価という点について審議をしております。今後も、大気・騒音振動部会の分野のさまざまな課題について十分に審議を尽くしていきたいと考えております。

 以上です。ありがとうございました。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、次に、水環境部会と土壌農薬部会について、白石委員よりご報告をお願いいたします。

○白石委員 岡田部会長がご欠席ということですので、水環境部会、土壌農薬部会について、白石より代理でご報告します。

 まず、水環境部会関連でございますが、資料19から20ページをご覧ください。

 答申が二つございます。まず、水生生物の保全に係る水環境基準については、全亜鉛、ノニルフェノール、LAS、いわゆる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の洗剤ですが、3項が既に設定されており、その水域類型の指定については、水生生物保全環境基準類型指定専門委員会において、専門事項を調査した上、答申は部会で取りまとめております。国が類型して行うこととされております47水域のうち、46水域の類型指定が、第8次答申までに完了しており、残る最後の水域となっておりました有明海につきまして、29年9月8日に第33回専門委員会において取りまとめた報告案について、パブリックコメントの手続を行い、中環審第1006号、水生生物保全に係る水質環境基準の類型指定について(第9次答申)として答申されたものです。

 なお、今回の有明海に関する報告をもちまして、同類型指定専門委員会の役目は終了したことから、答申をもってこの委員会を廃止することとしました。また、諮問を受けております諮問第470号底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について、専門事項を調査するため、水環境部会のもとに、底層溶存酸素量類型指定専門委員会を新たに設置し、検討を進めるということにしたものでございます。

 もう一つの答申、1016号ですか、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型指定の見直しについては、暫定目標の期限を迎えておりました渡良瀬貯水池と荒川貯水池における類型指定と暫定目標の見直しについて取りまとめたもので、荒川貯水池については現行のまま、渡良瀬貯水池の暫定目標については、CODを7.4㎎/Lから5.5㎎/Lに、全窒素を1.3㎎/Lから1.0㎎/Lにすることが適当としたものでございます。

 次に、土壌農薬部会関連の答申ですが、資料の21から23ページにございますように、昨年2月8日から本年5月15日までの間、農薬取締法に基づき、環境大臣が定める農薬登録保留基準の設定に関する八つの諮問について、農薬小委員会において、9回の審議を行い、中環審第968号から1015号までの六つの答申がなされました。

 また、資料23ページにございますように、土壌汚染対策法の一部を改正する法律の第二段階施行関連の事項として、土壌制度小委員会にて5回の審議を経まして、今後の土壌汚染対策の在り方について(第二次答申)が答申されました。この答申を踏まえまして、環境省において、第二段階施行に係る政省令案が作成され、パブリックコメント等を経て、2019年の春を目処に改正法の全面施行がなされるものと伺っております。

 以上でございます。

○武内会長 それでは、これから少し質問がある場合には、お受けしたいと思いますが、質問のある方については、札を立てていただきたいと思います。ご意見については、後ほど一括して承りたいと思いますので、よろしくお願いします。

 いかがでしょうか。

(なし)

○武内会長 それでは、次に、議事の2に移らせていただいて、後ほど質問も含めて、もしございましたらお受けしたいと思います。

 議事2、当面の諸課題についてでございます。

 環境省のほうから、本日ご出席の委員の皆様に共有いただくべく、最近の環境行政について報告をいただきたいと思います。

 それでは、環境省から説明をお願いいたします。

○白石総務課長 それでは、環境省から当面の諸課題につきまして、当面の諸課題として最近の環境行政について報告を順次申し上げます。

 資料3-1から3-7というものにつきまして、順番にご報告させていただきます。

 まず、3-1でございますが、環境省、本年度は、3-1にございます平成30年度環境省重点施策、これを中心に政策課題に取り組むとしてございます。説明は割愛させていただきます。

 本日は、資料3-2の第五次環境基本計画について、これを総合環境政策統括官グループから、資料3-3の第四次循環型社会形成推進基本計画について、これを環境再生資源循環局から、資料3-4の被災地の環境再生に向けた取組等の現状について、これを環境再生資源循環局、環境保健部から、資料3-5、この気候変動対策について、これを地球環境局から、資料3-6の満喫プロジェクトの進捗状況について、これを自然環境局から特にご説明させていただきます。

 なお、資料3-7、各部局の諸課題について、こちらは時間の関係もございますので、資料配付のみとさせていただきますが、昨年度、中央環境審議会の各部会でご議論いただきました課題、それから今通常国会に提出いたしました法案の概要などを盛り込んでございます。

 それでは、まず、資料3-2の第五次環境基本計画についてご説明いたします。

○中井総合環境政策統括官 総合環境政策統括官でございます。座って説明させていただきます。

 資料3-2、第五次環境基本計画についてご説明させていただきます。

 1ページ目でございます。環境基本計画は、環境基本法に基づきまして、政府全体の環境政策の基本的な方向性を定めるものでありまして、6年ごとに見直しを行っております。第五次基本計画につきましては、昨年2月に環境大臣から諮問し、総合政策部会においてご審議をいただきました本年4月に取りまとめていただきました答申を踏まえまして、4月17日に閣議決定をしたところでございます。総合政策部会の先生方におかれましては、約1年間にわたりまして、大局的な観点から、精力的にご審議いただきました。心から御礼申し上げます。

 2ページ目、ご覧いただきたいと思います。我が国が直面している環境・経済・社会の課題は、相互に連関・複雑化してきておりまして、これらの課題を同時に解決していくことが必要でございます。

 3ページ目でございます。世界に目を転じますと、最近SDGs、パリ協定などの国際的合意がなされておりまして、現在まさに時代の転換点であり、従来の発想の延長ではなく、新たな文明社会を目指して、大きく考え方を転換していくパラダイムシフトが今まさに求められているという認識を書いてございます。

 4ページ目でございます。このような流れを踏まえまして、この計画では、目指すものを三つといたしてございます。

一つ目には、地域循環共生圏の創造でございます。このページの右上に概念図がございますが、農山漁村、都市の各地域が自らの地域資源を最大限に活用していく、そのためには地産地消とか再生可能エネルギーの導入を通じまして、エネルギー収集を改善するなど、自立・分散型の社会を形成することを目指します。その上で、健全な森、里、川、海が保たれることによりまして、農山漁村からは、食料や水が都市に供給され、また、森の保水能力によりまして、自然災害に対する強靭性が高まります。一方、エコツーリズムなどを通じまして、自然保全活動に参加することや、地域産品の消費などを通じまして、都市から農山漁村への人と金の流れが発生いたします。これらによりまして、新たなバリューチェーンを生み出し、農山漁村と都市の支え合いの構造であります地域循環共生圏が成立いたします。このような環境対策を行うことによる地域活性化、地方創生を進めていきたいと考えております。

 二つ目には、公害を克服した歴史などを生かしまして、世界の範となる日本の確立でございます。

 三つ目には、人は自然の一部であるとの認識に立ちまして、AI、IoTなどの科学技術も最大限に活用しながら、自然の摂理に沿った新たな文明社会、環境・生命文明社会をつくり上げていくということでございます。

 このためのアプローチといたしまして、このページの下の四角でございますけども、SDGsの考え方を活用し、環境・経済・社会の統合的向上を目指しまして、具体化いたしまして環境政策を契機とし、経済社会システム、ライフスタイル、技術といったあらゆる観点からのイノベーションを創出いたしまして、経済、地域、国際などに関する諸課題の同時解決を目指してまいります。これにより、将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長につなげていくという考え方でございます。

 また、環境で地方を元気にという考え方の政策を展開するとともに、幅広い関係者とのパートナーシップの構築に取り組んでまいります。

 次の5ページ目をご覧いただきたいと思います。具体的な政策の展開といたしまして、経済、国土、地域、暮らし、技術、国際の六つの重点戦略を掲げまして、多様な主体の参加によるパートナーシップのもと、経済社会の課題にも環境政策で切り込み、あらゆる観点からイノベーションを創出してまいります。

 また、6ページ目でございます。重点戦略を支える環境政策といたしましては、政策の根幹となる環境保全の取組は、揺るぎなく着実に推進してまいります。今後は関係省庁などとも連携を図りながら、着実に計画を実行してまいりますけれども、中央環境審議会の各部会における点検、フォローアップも重要な役割を果たします。引き続き先生方におかれましては、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 説明は以上でございます。

○白石総務課長 次に、資料3-3の第四次循環型社会形成推進基本計画についてご説明いたします。

○縄田環境再生・資源循環局長 環境再生・資源循環局長でございます。着座にて失礼いたします。

 資料3-3、2ページをお開きいただきたいと存じます。いわゆる循環基本計画でございます。先ほど酒井部会長から経緯等についてはご報告いただきました。このページの策定スケジュール、下から2行目からでございますが、現在、5月8日から5月28日までのパブリックコメントを実施中でございます。来月循環部会でご審議、答申を経て、閣議決定をする予定でございます。

 内容につきましては、3ページ目でございます。3ページ目、構成でございます。今ほどご説明いたしました環境基本計画と同じ方向、持続可能な社会づくりと統合的な取組、環境、経済、社会を統合的に向上させるという目標を持ちまして、ここの縦に書いてございます五つの柱、地域循環共生圏形成による地域の活性化から循環産業の国際展開まで、これらの施策を柱として盛り込ませていただいております。これらの施策を底上げするために、一番下にございます基盤整備、情報、技術開発、人材育成、これらをそれぞれ進めていくと、こういう構成になってございます。

 4ページ目でございます。資源循環型の社会の全体像に関する指標でございます。入り口に当たります資源生産性、それから出口に当たります最終処分量、それの中間に当たります指標として、入口側の循環利用率、出口側の循環利用率、これをそれぞれ政府のシナリオに、私ども、廃棄物リサイクル施策の目標シナリオを組み合わせまして、2025年に向けた目標を提案させていただいてございます。

 これらを実現するためにということで、5ページ以降を、いわゆる将来像、それからそれを見極めるための指標、国として何に取り組むかということをまとめさせていただいております。

 5ページ目は、全体的な、統合的な取組ということで、指標としましては、例えば経済との統合によりますと、循環ビジネス市場の規模、あるいは社会との統合という面では、食品ロス量、こちらの指標、これらを新たに設けるなど、指標を設定させていただきました。国としては、地域循環共生圏の形成の推進、あるいは食品ロスへの国民運動の展開など、これを支援してまいる、こういうような内容でございます。

 6ページ目に移っていただきまして、こちらは地域循環共生圏による地域の活性化、地域が持っております循環資源、再生可能資源、あるいはストック資源、これを活用した地域の活性化を目指すということでございます。環境基本計画でも提唱しております地域循環共生圏、これの施策を推進していく、課題の掘り起こし、調査の支援あるいは専門家による助言等に基づいて地域の支援をしていく、こういうものを国の取組として盛り込ませていただいております。

 7ページ目、これは徹底的な資源循環ということでございます。ライフサイクル全体での徹底的な資源循環を行う。新たな指標として、国民1人当たりの資源消費量等を追加させていただき、特に国の取組といたしましては、今回は開発設計段階での省資源化等の普及促進に加えまして、それぞれ、プラスチック、バイオマス、金属、土石・建設材料、新たに普及した製品や素材、それぞれ品目ごとに国の取組を掲げさせていただいております。例えばプラスチックでは、自然循環戦略を策定する、あるいは食品ロスに対する取組、金属では、ただいま展開しておりますメダルプロジェクト、さらに新たに普及した製品としては、太陽光発電設備、これらの制度の活用の検討、こういうものも盛り込ませていただいてございます。

 8ページ目でございますが、適正処理の推進、こちらは新しい将来像としても、新しい課題として海洋ごみ問題、あるいは空き家対策などの地域環境の再生等が将来像として見込まれるということでございまして、これら、それぞれに対して、国として、特に地域での新たな価値創出に資する廃棄物処理施設の整備、こういうようなものもこれからも進めてまいりたい。あるいは環境再生の分野からは、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策、空き家対策、東日本大震災の中では未来志向の復興創生、こういうものにも取り組んでまいるということでございます。

 9ページ、災害廃棄物でございます。こちらは、自治体、地域ブロック、それから全国レベルで、それぞれの段階で、いわゆる平時から強靭化を図る、平時での計画、立案、そして準備が必要ということで、新しく大きく項目を立てさせていただいて、こちらを盛り込ませていただいてございます。

 10ページ目、国際関係でございます。これは循環産業の国際展開ということでございます。我が国が持つ優秀なこういう技術あるいはシステムを海外展開する、このためのさまざまな体制の構築、展開の施策を打ち出させていただいてございます。

 最後、基盤整備につきましては、電子マニフェストの各種情報の活用によります情報の整備、あるいはロボット、AI等を駆使した高度選別技術の普及促進、あるいは若年層を中心とした人材育成、こういうものについて掲げさせていただいております。

 資料3-3については以上でございます。

○白石総務課長 続きまして、資料3-4の被災地の環境再生に向けた取組等の現状について、ご説明申し上げます。

○縄田環境再生・資源循環局長 引き続きまして、資料3-4、被災地の環境再生の現状についてご報告させていただきます。

 2ページ目からが進捗状況でございます。いわゆる福島第一原発由来の放射性物質による汚染、除染の進捗状況でございますが、平成30年3月19日までに、帰還困難区域を除きまして、8県100市町村の全てで面的除染をとりあえず完了させていただいています。今フォローアップ等について対応させていただいているところでございます。

 次の3ページ目をご覧いただきまして、これまでに行ってきた除染の規模でございます。これまでに1,650万㎥ほどの土壌、廃棄物を除去させていただいています。そのうち、福島県内が1,600万㎥と、こういう内容になってございます。国直轄、市町村除染、それぞれの内訳は下に掲げてあるとおりでございます。

これらの効果でございますが、4ページ目でございます。これら、除染を行ったことによりまして、除染をしなかった場合に比べまして、4ページの上の四角囲みでございます、約18年早く線量低減を実現したのではないかという、こういう試算をさせていただいております。被災地の復興に貢献しているのではないかということで、データを示させていただいております。

5ページ目以降が、今後行うべく中間貯蔵施設等の見通し、進捗状況でございます。中間貯蔵施設につきましては、除染を行いました、先ほど福島県内1,600万㎥に及ぶ除去土壌等をこちらに一時的に保管する、30年間一時的に保管するという施設でございます。進捗状況につきましては、これが一昨年に提案させていただいた5年の見通し、2017年のところで、昨年度、例えば用地取得が370~830ha取得するという目標について、実績として874ha取得いたしまして、一応見通しの上限に沿って計画が進捗していると。今年は2018年度の欄にございますように、今現在、最新のデータで900haを超える用地を取得しております。これに基づきまして、輸送量も目標の最大値、今年度180万㎥を運び込む、来年度は、2019年度、400万㎥を目指す、こういうことで、今、作業を進めてございます。

6ページ目でございますが、こちらが中間貯蔵施設の稼働状況、昨年、大熊、双葉、それぞれで貯蔵を開始いたしました。こちらはそれぞれの施設の写真でございます。概要でございます。

7ページ目でございます。今年度の施設の輸送の計画でございます。これまでに、このページにございますように、水色で示した市町村につきましては、輸送が完了してございます。21市町村で完了いたしました。残り31市町村につきまして、2018年度以降、輸送を引き続き行うということでございます。

8ページ目、仮置場からの搬出・原状回復の見通し。こちらは8ページ目の四角囲いにございますように、大体全体で、福島県で1,300カ所ほどの仮置場がございます。これを2020年度当初までに、いわゆるオリンピックの直前までに、最大で6割程度、除去土壌を搬出する、4割程度を原状回復する、こういう目標を発表させていただいて、今作業を進めているところでございます。

9ページ目以降が、その後ということでございまして、再生利用の実証事業についてのご報告でございます。今申し上げました除去土壌等を一時的に、双葉、大熊の中間貯蔵施設に搬入いたしますけれども、これは30年以内に最終処分するというお約束になってございます。最終処分をしっかり進めるために、除去した土壌を安全に再生利用するということを進めなければならないということでございます。南相馬市において、土壌等の公共事業への土木資材としての品質確保に関する検討を進めさせていただいております。昨年以来、作業を進めてまいりまして、一応土につきましては、全ての放射性物質について、空間線量等についても、特に大きな変化はなく、浸透水に対しても不検出であるということで、安全性を確認しながら、検討会の中でさらにデータを蓄積していくというふうな方針をいただいております。

10ページ目が、これを受けまして、飯舘村、二本松で、それぞれ再生実証事業を進めようとしているということで、概要を示させていただいております。

11ページ目以降が、いわゆる災害廃棄物でございます。対策地域内の廃棄物につきましては、これまでに190万トン程度既に仮置場へ搬入が終わっております。このうち35万トンは既に焼却処理済、50万トンは再生利用済、700トンが埋立て処分済と、こういうことでございまして、可能な限り再生利用を進めながら焼却処分等を進めております。これまでに仮設焼却施設においてモニタリングを実施した結果、排ガス中の放射性濃度の検出は下限値未満以下と、不検出であるということで、安全性を確認しながら作業を進めてございます。

 次の12ページは、今申し上げました仮設焼却施設、それぞれ市町村ごとに立地させていただいておりますが、立地市町村以外の廃棄物処理も広域的に処理を引き受けていただくということが福島県内では進んでおりまして、それぞれの市町村だけではなくて、周辺の市町村の焼却処理も進めていただいているという実態でございます。

 13ページが、これは福島エコテックセンター、特定廃棄物埋立処分、いわゆる最終処分場の状況でございます。昨年11月から廃棄物の搬入を開始しております。こちらに約6年をかけて指定廃棄物対策地域の廃棄物を運び込むと。こちらで福島県内のものは最終処分をするというような計画でございます。

 14ページ以降が残されました特定復興再生拠点でございます。帰還困難区域のうち六つの町村において、いわゆる特定復興再生拠点区域を定めまして、そのエリアから順番にいわゆる除染、それから復興を始めてございます。若干小さい字で恐縮でございますけども、それぞれが途切れることなく作業を進めさせていただいているという内容でございます。

 15ページ、最後になりますが、福島のさらなる復興ということで、福島復興に当たりましては新しい拠点づくりというものもありますので、ただ単に復旧するだけではなくて、低炭素づくりのまちづくりへの支援、あるいは先進的なリサイクル技術を導入した施設の整備などの新産業の創生の支援、あるいはリスコミ・風評払拭などの支援、それからいわゆる自然資源の活用による福島のグリーン復興プロジェクトなどへの支援、こういうものもあわせて環境省としても実施していくということで、今取り組んでいるところでございます。

 16ページは参考資料でございますので、説明は割愛させていただきます。

 続きまして、環境保健部長からご説明申し上げます。

○梅田環境保健部長 環境保健部長でございます。

 続きまして、原発事故による放射線に係る住民の健康管理・健康不安対策についてご説明申し上げたいと思います。

 資料の18ページをご覧ください。福島県において住民の方々の中長期的な健康管理を行う取組を行っております。その中で代表的なものが、福島県において実施しております県民健康調査事業です。この県民健康調査事業は福島県民兼管理基金を活用して、これについて国は財政的な支援を行い、また、この継続的な調査事業について技術的な支援を行っているところです。

 この「福島県」の右の囲みの中の県民健康調査事業のところをご覧いただければ、まず基本調査と詳細調査、この二つに大きく分かれているということがおわかりいただけると思います。基本調査は全県民約206万人を対象に、原発事故後4カ月間のアンケート調査、どこでどのように過ごしていたかということの情報をお聞きしまして、外部被ばく線量を推計、把握をしているものです。それから、詳細調査は健康状態を定期的にフォローしているものです。その中には、甲状腺検査、健康診査、これは生活習慣病なども含まれます。それから、こころの健康度・生活習慣に関する調査、妊産婦に関する調査などが含まれております。

 例えばこの妊産婦調査では、福島県で出産された妊婦さん、里帰りで出産された方も含め、早産や低出生体重児の割合それから奇形や先天異常の発生率は、全国的なデータと比較しても一般的な割合と変わりがなかったということがこれまでにわかっております。

 それから、甲状腺検査について、次の19ページをご覧ください。この甲状腺検査を行ったきっかけは、チェルノブイリの原発事故で事故後に小児甲状腺がんが発生をしたということが報告されましたので、子どもたちの甲状腺への放射線の影響に対しての不安が、住民の方々からも非常に不安が言われておりまして、子どもたちの甲状腺の状態を把握し、健康を長期に見守るということで開始されたものです。対象者は平成23年3月11日発災時に18歳以下だった全県民約37万人と、その後、事故当時、被災時お母さんのおなかの中におられた子どもさんも加えて、38万人の方々が対象となっております。この方々に超音波の検査で非常に性能の高い、ミリ単位で甲状腺の中にあるしこりを見つけられる、そのような詳細な検査を行っております。その結果は次のページで表にまとめております。

 先行検査として、まず一巡目で平成23年度からスタートしております、ここで対象となった方、36万人以上の方々を対象に実際に一次検査を受けた方はその8割以上、30万人の方が受けておられますが、その判定結果が表になっております。横に見ていただきまして、本格検査(二巡目)とありますのは、先行検査は、まずベースラインとなる甲状腺の状態を把握しようということを主眼として行い、その後、この検査は2年ごとに継続していくことになっておりますので、検査を受けた方々を中心に、その二巡目として27万人の方が受けておられる。三巡目も今続いておりまして、これはまだ現在進行形で数字がまだこれから変動がございますが、その後も3回目を受けていらっしゃる方々のデータがここに記載しております。

 そしてその結果がどうであったかということなんですが、これは甲状腺の超音波の検査で、5mm以下のしこりや20mm以下ののう胞、または何もなかったという方々は異常なしということで、また2年後にもう一度検査を受けていただければ大丈夫ですということになります。それ以外の方々は二次検査を受けていただくことになりまして、二次検査の結果、さらに超音波の検査をして、異常がなかったという方々もおられますが、詳細な調査の結果、がんないしがん疑いとなった方は、この表の一番下の行になりますが、一巡目の先行検査では116名、二巡目は71名、本格検査(三巡目)10名、これまでで累計すると197名、その中で手術をしてがんという確定診断がついた方は、これまで101、52、7と、トータルで116名の方々ががんという確定診断がされているということです。

 この検査の結果につきましては、国内外の専門家の方々による検討が行われております。この特に先行検査一巡目のデータなどを中心として評価されていることは、住民の被ばく線量がチェルノブイリ事故時の線量よりもはるかに低いことなどを理由に、放射線の影響とは考えにくいと。これまで発見された甲状腺がんについて、放射線の影響とは考えにくいという評価がされているところでございます。一方で、この検査の目的は、子どもたちの健康を見守るということで、今後も継続中でございます。そしてまた、二巡目のデータの解析は、現在、福島県の県民健康調査検討委員会、甲状腺評価部会で解析がされているところですので、引き続きその動向を継続して見守っていくということになっております。

 それから、次のページ、21ページをご覧ください。健康不安対策ということでは、放射線に係る健康影響に関するリスクコミュニケーションでさまざまな事業を行っております。放射線の住民の健康の不安や悩み相談に対応する人材を育成するさまざまな研修を行ったり、住民の方々に直接セミナーや車座集会を開催したり、また、ホームページなど、ポータルサイトなどさまざまな媒体で情報発信を行ったり、住民の方々の暮らしの手引きという生活のヒント集を作成したり、実際に線量を測定してみて、そのデータをもとに不安軽減のためのアドバイスをするような線量把握事業を行ったり、そして相談員支援センターとして、住民を身近で支える活動をされておられる相談員という方々が地域におられます。その方々をさらに専門的な助言を行うための放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターをいわき市に設置しておりまして、相談員の方々の支援を行っております。今、福島で相談員の方々が、住民の方々から寄せられる不安というのはなかなか内容が多様化、複雑化しておりまして、放射線そのものに対する質問というのはむしろ減っていて、漠然とした不安の中に放射線の不安が隠れているというふうな状況がございます。そのような多様な不安感や相談に応じられるように相談員間の連携が課題となっておりますので、相談員の方々の合同ワークショップを開催するなどして、好事例の応用展開などを図っているという状況でございます。

 私からの説明は以上です。

○白石総務課長 次に、資料3-5の気候変動対策についてご説明申し上げます。

○森下地球環境局長 地球環境局長でございます。

 資料3-5をご覧ください。ちょっと大部の資料になってございますので、恐縮ながら、ご説明はポイントになるところ、動きのあるところに絞らせていただきたいと思っております。

 まず、5ページを見ていただけますでしょうか。こちら、1.地球温暖化の現状と科学的知見というところに書かせていただいている、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」、GOSATのシリーズの関係でございます。環境省、それからJAXA、それから国立環境研究所が共同開発をしてきてございますけれども、現行機の「いぶき」ですが、既に打ち上げから9年を経過して、設計寿命を5年も過ぎているということで、後継機「いぶき2号」の開発を進めてまいりましたけれども、これを2018年度打ち上げに向けて開発準備中ということでございます。それから、さらにその後継となります「いぶき3号」につきまして、2018年度中の開発着手を目指しているという状況でございます。

 次の6ページに、2.パリ協定と世界の動向というパートがございます。こちらではパリ協定の概要ですとかアメリカの動向などについてご紹介をさせていただいておりますが、COP23の、若干旧聞になりますがご紹介したいと思います。13ページをご覧いただけますでしょうか。ここは日本からの発信ということでございまして、中川環境大臣が日本政府代表団のトップとしてご参加されまして、代表ステートメントを行ってございます。その中で「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017」というものを発表いたしております。さらには、途上国の取組についての透明性の向上を支援するための透明性パートナーシップ、いわゆる見える化パートナーシップ、これを立ち上げたということと、それから、透明性のための能力開発イニシアティブ、CBITと通称されてございますけれども、JEFのイニシアティブに対しまして500万ドルの拠出、さらにはこの先ほど申し上げました「いぶき2号」の打ち上げについて発表し、大きな支援を、支持を得たというところでございます。

 ちなみに本年4月30日から5月10日にかけまして、このCOP23に引き続きます事務レベル会合がドイツのボンで開催をされております。本年、COP24でパリ協定を動かすための実施指針を策定するということに向けまして、今、交渉が非常にヒートアップをしてきてございます。この事務レベル会合でも着実な進展が見られた一方で、まだまだこの指針を採択するための作業、山積みの状況になってございまして、ここにちょっと、最新の情報ですので紙には書いてございませんけれども、その結果として、一つは今年の9月3日から8日にかけまして、タイのバンコクにおきまして、この事務レベル会合の追加会合を開くと。したがいまして、今度9月にタイでさらに事務レベル会合をやりまして、COP24、12月のポーランドの会合に向かって流れていくという状況になってございます。

 3.以降が国際連携・協力の推進というところでございますけれども、こちらのほうは17ページをご覧いただければと思います。最近、私ども環境省でも、環境インフラの海外展開につきまして非常に力を入れてきているというところでございます。昨年7月25日に環境インフラの海外展開戦略というものを環境省として策定をいたしまして、それに基づいて今施策を展開していると。

 主に四つの内容から成っておりまして、一つは二国間政策対話、地域内フォーラム等を活用したトップセールスの実施ということで、武部政務官からもご紹介がございましたけれども、例えばベトナムに政務にご出張いただきまして、ジャパンウイークというようなことを設定して、ジャパン環境ウイークというようなことをやって、途上国との関係をさらに強めていって、日本のその質の高い環境インフラを海外に展開しようということをやってございます。さらにそのやり方として、制度、ソフトのインフラ、つまり制度面、これは地方自治体とも一緒に取り組んでまいりますけれども、技術、そしてファイナンスまで、例えばJBICさん、JICAさん、外務省さん、経産省さん、NEDOさん、いろんなところと協力をしながら、経済・社会的効果、いろいろパッケージで支援を進めていこうということをやっております。その際、3.になりますが、民間企業、自治体、さまざまな機関の皆様方と連携をしていくということでございまして、4.にありますような各分野別に今後アクションをしっかりと起こしていくということでございます。

 18ページにその具体的な事例が書かれてございますけれども、日ASEANの関係協力イニシアティブということを、昨年11月にASEAN首脳会議、日ASEAN首脳会議の場で安倍総理から打ち出していただいたというようなこと。あるいは一応右の下になりますけれども、環境省の中で組織も拡充をいたしました。国際協力・環境インフラ戦略室というのを新たに設置いたしまして、戦略的に進めていきたいというふうに考えてございます。

 それから二国間クレジット制度、JCMにつきましても順調に展開をいたしておりまして、パートナー国が17カ国、JCMのプロジェクト数122件に今まで上ってきているということで、これも我が国のすぐれた技術、そういったものを海外に展開をしていって、どんどん導入していって、さらには途上国でもCO2の削減もしていただいて、両者がハッピーな、そういった結果をつくっていきたいというふうに思ってございます。

 続きまして、4.で日本の中長期目標とその達成のための施策ということで、温室効果ガスの排出量のトレンドを21ページにまとめさせていただいております。つい先般、2016年度の確報値を発表させていただきました。総排出量が13億700万トンということで、2013年度比で比べますと7.3%の減少ということになっております。過去3年間も連続をして減少傾向ということでございまして、一方で経済は成長しておりますので、もう経済とその環境ということでは、デカップリングということが確実にここで見てとれるということがございます。

 次に、4.日本に入らせていただきます。25ページになりますが、日本の中長期目標とその達成のための施策として、エネ特を活用した温暖化対策についてご紹介をさせていただいているところがございますが、ここではまず28ページをご覧いただきますと、私ども、国民運動として「COOL CHOICE」というものを推進しております。賢い選択を国民の一人一人の皆様方にしていただきたいということで、「COOL CHOICE」を官民連携で推進をしてきているということでございます。特に、例えば最近は低炭素物流ということで、出来るだけ1回で受け取りませんかキャンペーン、つまり宅配の再配達をなくしていこうと、減らしていこうという運動などにも取り組んでおります。

 29ページは再エネ関連でございまして、今年の3月に公表いたしておりますが、再エネ加速化・最大化促進プログラムというものを発表いたしております。ここで、環境省の立ち位置をしっかりとお示しした上で、今後どういうアプローチをとっていくかということをお示しして、企業の皆様方、自治体の皆様方、さまざまな皆様方と一緒に連携して進めていこうということでございまして、一言で申しますと、環境省は再エネに取り組むプレイヤーの数を増やしていこう、特にそれを地方あるいは需要側、そういった観点から環境省の取組をさらにさらに広げていこうというのがポイントの一つであるということでございます。その内容は30ページ、31ページにまた示させていただいておりますが、ここではちょっと説明は割愛をさせていただきます。

 32ページからは石炭の関係でございます。こちらについては35ページに世界の潮流をまとめさせていただいておりますけれども、非常に石炭火力につきましては厳しい、そして政府の取組もかなり廃止ですとかあるいはフェードアウトだとか、さまざまな施策がいろいろさまざまな国から出てきているという状況でございます。一方、日本の状況を見てみますと、もう既にエネルギーミックスで想定する容量を超えているという現状がございます。このまま全てがつくられて、そしてCO2を排出するということになりますと、石炭自身は天然ガスと比べると同じ熱量をとるのに2倍のCO2を発生するということがございまして、そのパリ協定の目標、26%削減を達成するには、非常に困難な状況を迎えてしまうという認識でございまして、38ページ以降に、環境大臣も厳しい姿勢を示しているということで、資料としてご紹介をさせていただいております。

 電気事業分野における地球温暖化対策の進捗のレビューというのをやってございます。これ、40ページになりますけれども、本年が2回目ということになります。ちょうど2年前、平成28年2月に環境大臣、経産大臣との合意に基づいてレビューを行うということをやっておりまして、現在のところ電力業界は自主的に取り組まれておりますけれども、自主的枠組の実効性に対して疑問が出てきていると。あるいはさまざまな課題が、特にそのベンチマーク指標に基づく取組の課題について課題が顕在化しているというようなことをここで指摘をしているというところでございます。

 5.がカーボンプライシングでございますけれども、こちらにつきましては44ページでございますが、カーボンプライシングのあり方に関する検討会というものを、昨年6月から有識者から構成される検討会として設置をいたしまして、ご検討をしてきていただいてございます。その結論をまとめたのが45ページということでございまして、2050年80%削減は、現行施策の延長線上では実現は困難と。気候変動問題と経済・社会課題の同時解決に向けた視点が重要。そのためには社会の隅々で経済社会システムと技術のイノベーションを起こしていくと。脱炭素社会に向けて円滑に誘導していくためにはカーボンプライシングが有効だということで、内容が取りまとめられているという状況でございます。

 6.は長期戦略の策定に向けた取組、46ページになりますが、こちらについては48ページでございますけれども、本年3月に中央環境審議会でもご意見をいただいて、ご審議をいただいておりました長期大幅削減に向けた基本的考え方というものを環境省と考え方として公表させていただいております。その中で、49ページになりますけれども、日本国内での大幅削減、プラス世界全体での排出削減に最大限貢献して、経済成長と気候変動対策の両立をリードしていくと。そういった考え方について既に総理がご答弁でいただいておりまして、そういった内容を踏まえたものをご用意させていただいているということでございます。

 51ページ、ご覧になっていただきますと、ここでは今後の国内と国際のさまざまなエポックメーキングになるようなことを記載させていただいておりますけれども、左側の国際のところを見ていただきますと、本年9月にIPCCより1.5℃特別報告書が出てくると。それから11月から12月にかけてG20があり、また12月はCOP24があると。さらには来年になりますと、まだ時期は未定でございますが、軽井沢でG20環境エネルギー大臣会合を開催するというようなことも発表させていただいているというところでございます。

 53ページに、先ほどのその長期大幅削減に向けた基本的な考え方というものの概要を掲げさせていただいておりまして、脱炭素化に向けて揺るぎなく取組を進めていく。その鍵はイノベーションだということを書かせていただいております。

 7.がフロン対策でございますが、こちらにつきましては部会長からもご紹介がございましたとおり、58ページになりますけれども、現在、産業構造審議会との合同審議会においてのフロン対策について、フォローアップ、そして、どう対策をさらに強化していったらいいのかということについてご議論いただいているという状況でございます。

 8.最後になりますが、こちらは気候変動の適応への対応でございます。本年2月20日に閣議決定をいたしておりまして、その法案について現在審議をいただいているということでございます。その内容につきましては、67ページに概要を掲げさせていただいておりまして、適応に対する取組を国全体で進めていくためのフレームワークをしっかりこの法律で整備をし、さらに実施をしていきたいというふうに考えてございます。参考として、長期大幅削減に向けた基本的考え等の資料を後ろにつけさせていただいております。概要版でございます。

 以上でございます。

○白石総務課長 最後に、資料3-6の満喫プロジェクトの進捗状況についてご説明申し上げます。

○亀澤自然環境局長 自然環境局長でございます。資料3-6に基づいて説明をいたします。

 表紙の次の2ページで全体像を示しておりますが、国立公園満喫プロジェクトは、政府全体の観光ビジョンに基づいて、2年前、2016年より実施をしております。世界水準のナショナルパークとありますけども、ナショナルパークというと世界的にもネームバリューがあることから、世界中の人たちに日本の国立公園を旅先として選んでもらえるようにしたいという趣旨でございます。そのためには、「最大の魅力は自然そのもの」とありますように、国立公園のすぐれた景観や自然をしっかり保全することを前提としつつ、より多くの方々に楽しんでいただきたいと考えております。

 一番上の右側にありますように国立公園のインバウンドを、2015年490万人だったものを2020年に1,000万人にという目標を掲げておりまして、2017年には600万人と増えてきておりますが、さらなる取組強化が必要と考えております。

 全国で34ある国立公園のうち先行的に取組を進める8公園を選定いたしまして、それぞれの地域協議会がつくるステップアッププログラムに沿って取組を推進中でございます。上から2段目の右のほうにありますが、昨年11月には先行8公園の成果をそれ以外の公園に水平展開する事業を開始しております。さらに今年は全体の中間評価を夏までに行い、年内には各公園のステップアッププログラムを改訂予定でございます。

 主な取組は、左側オレンジ色の枠内ですけども、より幅広い層を呼び込むための上質な宿泊施設の誘致、ビジターセンターをカフェなどに開放すること、利用料等を保全に還元する仕組みを導入、廃屋撤去など景観の磨き上げ、体験プログラムの充実等を推進中でございます。また、右側、情報発信として、青枠のようにオフィシャルパートナー企業による発信、SNSでの発信、さらには旅行業界と連携したツーリズムEXPOへの参加等を実施しております。

 次の3ページにまいりまして、幾つか具体例を紹介しております。環境省のビジターセンターなど、国立公園の施設にはゆっくりコーヒーを飲むところもないというような声もありまして、阿寒摩周とか日光でもカフェの導入を進めておりますが、このページであります伊勢志摩では、英虞湾を一望できる直轄の展望台を再整備いたしまして、この8月には民間カフェがオープン予定でございます。

 次の4ページ、これは景観改善の例でございますが、大山隠岐では、大山登山の拠点の大山寺地区で、大山町が内閣府の交付金を使って廃屋を撤去し、跡地には民間のカフェや地元産品を置く店が明後日18日にオープン予定でございます。

 続いて5ページ、これは同じく大山寺地区ですけども、環境省、鳥取県、大山町がこれまで重複感もあったそれぞれの施設の機能を分担する形で、改装等リニューアルを行っております。

 続いて6ページですが、インバウンド向けも念頭に置いた情報提供について、これは阿寒摩周の例でございます。川湯エコミュージアムセンターというところでWi-Fiを導入したほか、地区全体の解説文について、日本語の機械的な翻訳ではなくて、外国人の方が理解しやすい内容に書きおろすような多言語化を進めております。Wi-Fiは全国の直轄ビジターセンターでの整備を完了しておりまして、多言語化のほうも2020年までに先行8公園の主な利用拠点で順次実施予定でございます。

 7ページにまいりまして、こちらは利用者負担による保全の仕組みづくりです。大山隠岐では、オオサンショウウオの保全活動に貢献するプログラムを、地元住民や保護団体の協力を得て研究者とも連携して、この4月から開始しております。発信機をつけたオオサンショウウオの生態調査にイギリス人ガイドと同行するものでありまして、1人2万円からという料金の一部は識別チップの購入等に還元される仕組みとなっております。

 続いて8ページ、国立公園を楽しんでいただくプログラムの充実に関してですけども、旅行会社等との情報交換会、外国人ライターによる紹介、そして具体的な旅行商品のテスト販売などを推進しております。

 続いて9ページにまいりまして、これは国内外の発信ですけども、SNSでの発信に関連して、先日のゴールデンウイークには、渋谷ヒカリエの来場者6万人の写真イベントで国立公園のPRを行ったほか、JNTO(日本政府観光局)のサイトに国立公園のページを作成すべく調整中であります。また、JALとかANA、サントリーなど、オフィシャルパートナーとの連携も進めているところでございます。

 説明は以上でございますけども、インバウンドに限らずたくさんの方々に国立公園に来ていただいて、そのすばらしさ、大切さを理解してもらうことで、国立公園を次の世代にしっかり引き継いでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 いままでのご報告に関しましてご質問、ご意見のある方は、札を立てていただきたいと思います。時間が30分弱ということでございますので、恐縮ですがご発言は手短にお願いしたいと思います。

 それじゃ、三村委員。

○三村委員 はい。どうもありがとうございました。

 気候変動の適応の関係について、一つ質問、二つほど意見を申し上げたいと思います。

 一つは、4月に私も衆議院の環境委員会で意見陳述のほうをさせていただいて、熱心な審議がされているのはよくわかったのですが、法案の状況というか見通しというか、それがどうなっているかを教えていただきたいのが質問です。

 意見の一つ目、2番目の点は、その法案が通りますと、各自治体が気候変動の適応の計画をつくらなきゃいけなくなると。そうすると、国内で1,800も自治体があるので、法案の中では環境研で科学的なサポートや技術的なサポートをするというような形になっていると思いますが、とても一つの団体だけではなかなかできそうにないと。そういう幅広い自治体に対する支援を地方の研究所とかあるいは大学とかそういうものも使って幅広くサポートするような体制が必要なのではないかというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。

 3点目は、国際的な支援についても途上国のほうでも同様に広いニーズがあると思うので、どのようにお考えか、その点をお伺いしたいと思います。

○武内会長 ありがとうございました。

 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。全体の様子が大変よくわかりまして、どうもありがとうございます。3点ほどコメントと質問などをさせていただきたいと思います。

 一つ目なのですが、今実施中のエネルギーの基本計画の審議のほうにも参加をさせていただいておりまして、ちょうどこの委員会の前にあったところでかなりまとまってきまして、2030年はしっかりと今までの流れで積み上げていく。それと同時に2050年のCO2マイナス80%を視野に入れながらきちんとイノベーションしていくという、そういうような流れで大きな方向性は見えてきたかなという感じがしております。

 そういうことを踏まえると、質問の一番目なのですけれども、日本は今、2050年のマイナス80%削減に関する国としての長期ビジョンを2020年までに発表を求められているわけです、世界的には。それがまだ今、環境省の長期ビジョンづくりには参加をいたしましたけれども、やはり経済産業省と、あるいは各省庁と合同で国のビジョンとしてつくっていくという作業があると思いますが、これをできるだけ早目に実施していただいて、やはり日本としてしっかり取り組むんだという大きなメッセージを発信しながら国の中の取組も進めていただければありがたいというふうに思います。

 2番目なのですが、第五次の環境基本計画の見直しにも参加をさせていただきましたが、今のお話のように環境・経済・社会の統合的な取組と新しいエネルギーの分散化など、いろいろな状況を踏まえてしっかりと地域循環共生圏という視点で地域で実現させていくという、その辺は非常に明快にできていますので、ここが本当に実現すればいいなというふうに期待をしております。

 この変化をやはり多くの自治体の皆さんが地域計画づくりなどで生かしていただくのが大事なわけですので、そこをしっかりとフォローして見据えていただければありがたいと思っております。

 それに関して一つ意見なのですけれども、地域の話とは別なのですけれども、今、オリンピック・パラリンピックの持続可能性に関する運営計画づくりに外部専門家として参加をして検討しております。ここの小西委員もそこに入っていただいておりますけれども、そういう中で今、すごく感じているのは、これは都市型地域循環共生圏の一つの大きな典型をつくっている作業なのだというふうに思っております。一つのイベントをやるというだけではなくて、ここでやはりできたことをレガシーとしてきちんと持続可能な将来づくりにつなげていくという、今、そういうような気持ちで意見交換に参加をさせていただいています。具体的な目標を示した運営計画第二版がほぼできて、6月上旬に発表という段階ですけれども、それを見てもやはりもうほぼ具体化の段階に入ってきているわけですので、ベースはしっかりと取り組むために計画をつくっていますが、それだけではなくて社会に発信力の強い取り組みをつくっていくということで、今、環境省のほうでは都市鉱山メダルプロジェクトなども支援していただいていますけれども、この後、低炭素・脱炭素分野のところでも今、どういうふうに最後の最後、ゼロカーボンに向けてカーボンオフセットなどを国民参加型で実施するなど質の高いカーボンオフセットができないかとか、いろいろな検討をしている真っ最中ですので、そういうところの仕組みづくりなども積極的に参加をしていただきながら取り組んでいただければありがたいというふうに思っております。

 こういうような流れでやっておりますので、ぜひオリンピック・パラリンピックも東京都の話というだけではなく、持続可能な社会への一つの重要な通過点として考えていただければ大変ありがたいというふうに思っております。ありがとうございます。

○武内会長 それでは、小西委員、お願いいたします。

○小西委員 ありがとうございます。今まさに三村委員とそして崎田委員がもうおっしゃっていただいたのですけれども、2点ございます。私も昨日、衆議院のほうでこの適応法案についての意見陳述をさせていただいたのですが、その中で、やはり本来は温暖化対策の基本法があって、その中でこの適応法が位置づけられるといいと思っております。ですので、この適応法案が今回、成立する方向に行ってほしいと強く思っているのですけれども、その中において、やっぱり緩和の対策を徹底していくということがこれからぜひ進んでいく方向であってほしいと思っております。そのことについての見通しについて、一つ伺わせていただければと思います。

 あともう一つ適応法案についてが、やはり三村委員もおっしゃっておられた国際協力がどうなっているかと思っております。

二つ目が長期戦略についてなのですけれども、今、長期戦略が来年のG20を見据えて話が進んでいく方向だというニュアンスが非常に今、伺えたのですけれども、どのような場でどのような形でいつ開始されて、そしていつまで期限を切って長期戦略がこれから話し合われていくかということを今、わかる範囲で結構ですので具体的に教えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○武内会長 ありがとうございました。大塚委員、お願いします。

○大塚委員 ありがとうございます。幾つかございますが、まず気候変動のところでございますけれども、フロンに関しては回収のところのパーセンテージがちょっと問題があるというところは先ほど安井先生からもおっしゃっていただいたところでございますが、現在、合同の会議のほうで検討はされているのですけれども、これについての取組に関しては、ちょっとストップがかかっているようなところがあるかと思いますけども、それについて何かコメントをいただければありがたいということがございます。

 それから、やはりフロンに関しては、日本だけで回収をしていてもなかなか難しいところがございますので、二国間クレジットのようなJCMのような仕組みの中でも対応して、このパートナーの国と対応していく必要があると思いますけれども、その点に関しては現在、どういう状況になっているかを教えていただければと思います。

 それから、被災地のところの最後で出てきました放射線のリスクコミュニケーションに関して、相談員の支援のシステムをつくっておられるのは大変いいことだと思いますけれども、これは継続していく必要があると思うので、法的な位置づけはどうなっているかに関してちょっと教えていただければと思います。

 第三点ですけども、循環型社会形成推進基本計画については大変意欲的な指標、数値目標を出しているわけでございますが、これに関して点検に関しては今後、どういうふうに取り組んでいくつもりかについて教えていただければと思います。

 以上です。

○武内会長 ありがとうございました。それでは、石井委員、お願いします。

○石井委員 ありがとうございます。私のほうからは生物多様性分野から三つほど質問させていただきたいと思います。

 亀澤局長から国立公園の満喫プロジェクトについてのご説明がありました。国立公園の中で新しくやんばる国立公園というのができたわけですけれども、これについては先日、武内部会長も含めて視察に行かせていただきました。

 それで心配していることが一つありまして、先日、琉球列島、奄美大島も含めてですけども、自然遺産登録についてIUCNから少しコメントが入ったと。かなり厳しいコメントで、登録の延期というような指摘だったということなのですが、具体的にどんなような問題点が指摘されたかということと、対応可能なのかということです。やんばる国立公園の視察のときに、かなり現地の環境省の方々もご苦労されてきたということで、それが実らないというのはちょっと残念なことと思います。

 2点目でございますけれども、重点施策にもあるヒアリの対策でございます。ストップ・ザ・ヒアリということで、このアリが入るとかなり日本の生物多様性は危ないところがあると。健康被害もあるということですね。また農林被害というのもあるのだろうというふうに予測されているわけですけれども、昨年、かなり西日本で港湾地域で中国から主に入ってきた貨物とともに入ってきたらしいということで対策がなされました。冬を迎えて少し終息しているんだと思うんですけれども、これから暖かくなるに従ってまたかなり出てくる可能性もあるのではないかと。ご質問については、この対策は万全かということなのですね。

 3点目ですけれども、冒頭のとかしき副大臣から力強い言葉で、COP15について日本の存在感を示してまいりたいということでございましたけれども、その一方で、国民の中で生物多様性についての理解というのは進んでいるのだろうかということが心配事でございます。私の地元大阪で調べたところ、昨年の9月段階でアンケートではたった3割しか生物多様性って知らなかったということで愕然としているのですけれども、日本国民全体ではどんな感じになっているかということと、どんなような対応をされているかということをお聞きしたいと思います。

 ちょっとおまけが4点目なのですけど、今、このタブレットで見させていただいている資料はいただけるのかというところをお聞きしたいと思います。

○武内会長 それでは、事務局から順次お答えをいただきたいと思いますが、資料だけは最初に。

○白石総務課長 順番にご説明いたします。

 まず最初に、三村委員からご質問のございました適応法案でございます。当審議会におきます三村委員及び小西委員、参考人質疑でお越しいただきました。現在、気候変動適応法案につきましては衆議院の環境委員会におきまして質疑が行われています。今まで参考人質疑が4月24日及び5月15日の2回、それから対政府質疑につきまして5月11日、5月15日の2回行われてございます。これはあくまでも我々の見立てではございますが、5月18日に委員会として対政府質疑を行いまして、採決がなされる。そして来週には参議院に送付されるのではないかというふうに見ております。今国会中に円滑に成立いただきたいなというふうに考えてございます。

 それから、石井委員から質問がございました資料、ご要望がございます委員に関しましては資料を後ほど郵送させていただきますので、郵送のご希望のある方は我々に後ほどその旨をお伝えいただければと思います。

○石井委員 できたらデジタルでいただけるとありがたいです。

○白石総務課長 メールでお送りすることも可能でございますので、ご要望がございましたら後ほど事務方にご連絡いただければと思います。

○中井総合環境政策統括官 崎田委員から地域循環共生圏についてのご指摘がございました。環境基本計画におきまして、2030年、2050年の社会を見据えてという位置づけでこの地域循環共生圏ということが位置づけられてございまして、いわば今後の80%の長期戦略とも絡む、SDGsを踏まえまして環境・経済・社会が統合された形で80%が減っているのだと、これを環境省としてはコミットしたという概念でございまして、これを地域でやるのだということで極めて重要でございまして、これを地方にいろいろ計画に取り入れていただくということは極めて重要だと思っていまして、いろいろ地方の市町村会、県を含めましてキャンペーンも今、始まっております。これは地方で具現化していただく、計画に反映していただくということを、今もいろいろ問い合わせが非常に来ている状況で、いろんな形で説明会をやってくれということも個別にも来ていまして、今、我々も手分けして動き始めていますので、これを根づかせたいと思います。

 東京オリンピック2020年を見据えまして、このオリンピック・パラリンピックでの取組というのがいわば地域循環共生圏の都市型の一つのモデルになるのではないかという、そういう視点で我々も考えようと思いますので、ぜひまた引き続き、今、持続可能性の第二版の方向も決まるというところなのですけども、環境省としても一緒にまた先生のいろいろお力もいただいて、いろいろ反映できるものは反映したいと思いますので、よろしくお願いします。

○森下地球環境局長 それでは、適応に関していただいた質問についてはまとめてお答えをしたいと思います。三村先生からいただきました各自治体、これからみんな計画をつくっていくことになるのだけれども、どういうサポートをしていくのかということでございます。特にこちらについては、まず計画をしっかり自治体でつくっていただくことが非常に重要だと思っております。国でもこの法律を踏まえて、法定計画として適応計画を策定してまいりますけれども、自治体の皆様方にも地域、地域の取組というのが本当に適応については気候変動の影響が出てくる出方も違ってまいります。地域の中長期的な発展を確実に進めていくためにも、中長期的な観点も含めて自治体でお取組を進めていただきたいと思っておりまして、そのための中核になるものが計画だというふうに思っております。私どももさまざまなサポート、例えば計画をつくっていくやり方、あるいはノウハウのご提供、そして実際、計画がないところには出張っていってご説明をするとか、さまざまな説明会なども開かせていただき、さまざまな汗をかかせていただいて、まず計画をつくっていただくということを進めていきたいと思っております。

 さらに、計画をつくってそれを実施していくためには技術的な知見というのが非常に重要でございますので、これについては国立環境研究所が核となりまして、そのためのサポートをさせていただくということになってございます。これは法律の中で、研究、これまでの国立環境研究所の役割は研究をして、その情報を発信していくということでございましたけれども、さらに今回の法案では、自治体の皆様方などに対しまして技術的な助言をしていくということも国立環境研究所の本来業務として加えさせていただくということになっておりまして、そういったところもうまく連携をしながらというふうに思っております。

 ただ、当然、マンパワーの問題もございますし、あるいは効率的に取組を進めていただくということも非常に重要だと思っておりますので、よいところの取組をさらにそれを情報共有して横展開をしていくといった、さまざまな工夫をして取組を進めていきたいと思っております。そのために重要なのが、法律の中でもまた位置づけておりますけれども、地域にセンターをしっかり位置づけていただきまして、そこが情報の受け手あるいは送り手となって地域の適応の取組の後押しをする中核的な存在になっていただきたいというふうに考えているということでございます。

 それから国際的な支援ということでございますが、これも法律の条項の中に加えさせていただいておりますけれども、私どもは2020年におきまして、アジア太平洋地域を対象にした適応情報プラットフォーム、APプラットフォームというのをつくりたいと、2020年までに立ち上げたいというふうに考えてございます。こちらはアジア太平洋地域にしっかりと適応の取組を進めていくための核となる仕組みをということで考えておりまして、これにつきましてはCOP22の折に、当時の山本環境大臣から発表させていただきまして、非常に途上国からご好評をいただいたという内容でございます。既にインドネシアやフィリピンから協力の依頼が来てございます。インドネシアは非常にお米がお好きなお国柄でございまして、日本に対しまして将来、インドネシアのお米の収量がどう変化していくのか、これをシミュレーションするお手伝いをしてくれないかということでご依頼が来ていまして、協力を既に開始しております。

 それからフィリピンに関しましては、洪水の将来予測をしたいのだが手伝ってくれないかということをおっしゃっておられます。フィリピンのある地域の3D地理情報とそれから気候変動の温度上昇のシナリオを掛け合わせまして、その地域のどういったところに脆弱な洪水による影響が起こりやすいエリアがあるのか、そういうところを特定したいのだというお話でございまして、これについても既に協力を開始させていただいているということでございます。

 それから、国際協力は小西先生からのご質問とも関係してくるところがございます。それから、長期戦略あるいはエネルギー基本計画の話がございました。こちらについては今日、お配りをした、崎田先生からもいただいておりますが、ご説明した資料であまりちょっと時間があてられませんでしたが48ページ、資料3-5の48ページに、環境・エネルギー政策の検討状況も踏まえ、今年度の早い段階で、長期戦略の策定に向けた政府としての検討を開始できるよう、政府部内で必要な調整を進める予定ということでお示しをさせていただいております。経済産業省さんともこういった点で合意もさせていただいておりまして、現在、どういった議論の場をつくっていくのかということを関係省庁ともご相談させていただきながら議論を進めているという状況でございます。長期戦略につきましては、2020年に十分先立って策定をするということを伊勢志摩サミットで約束を、コミットを総理がされておりますので、しっかりと取組を進めていきたいというふうに思っているということでございます。

 すみません、適応に関して一つ、小西先生のご指摘の中で、緩和対策の徹底についてどう考えるのかということでご指摘をいただいております。緩和の取組をしっかり進めていくことは非常に重要だと私どもも当然考えてございます。緩和の取組もしっかり進める、適応の取組もしっかり進める、これは車の両輪として進めるということが非常に重要であるというふうに考えてございます。最近の温室効果ガスの排出量の動向につきましては、今言ったように3年連続で下がってきているということをご紹介させていただきましたけれども、これに関しては、進捗はしてはおりますけれども全く楽観はできないという状況だと思っております。地球温暖化対策推進法に基づきまして策定されております地球温暖化対策計画に基づいて現在、取組を進めているわけでございますけれども、これについても定期的に毎年レビューもしておりますし、それから必要に応じて3年ごとにその見直しをしていくという規定もございますので、将来の26%、これを確実に達成するためにしっかりとそのプロセスを、PDCAを回していきたいというふうに考えてございます。

 それからフロンの関係で大塚先生から2点ご質問をいただいております。フロンにつきましては安井部会長からもご指摘がございましたとおり、排出フロンの廃棄時の回収量が依然として低迷しているという現状がございます。一定の向上は見られるものの、ここ10年以上にわたりまして3割台で低迷しているということでございまして、温対計画では2020年度で50%、2030年度で70%に持っていこうということで掲げてございますので、さらなる対策の強化が私どもも必要だというふうに考えております。

 これにつきましては、現在、ファクトファインディングの調査をやらせていただいております。と申しますのも、これまでの調査結果に基づきますと、機器は集まってきている、その割合は増えてきているんですけれども、一方で、回収をされるフロンの量が伸びていないというファクトが出てきておりまして、こういったところをしっかりと踏まえた上で効果的な対策を講じていきたいというふうに思っておりまして、現在、自治体の皆様方、そして業界の関係の皆様方のご協力をいただいて調査を実施しております。この結果を踏まえてしっかりと適切な取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 それから、二国間クレジットパートナー国との関係でどうなのだ、JCMとの関係でフロンの取り扱いはどうなのだということでご質問をいただきました。ちょっと今、具体的にデータが手元に見つからないところがあるのですけれども、フロンの回収をアジア太平洋地域などで進めていくのは非常に重要だと思っております。これらにつきましては、JCM大規模案件形成可能性調査事業というのを今、実施させていただいているところであります。具体的には3カ国、タイと確かマレーシアとだったと思うのですが、タイとマレーシアとインドネシアですね、この3カ国を対象に非常にフロンを回収・破壊することで温暖化対策としては非常に高価的な事業ができるというふうに考えておりますので、こういったものを展開していきたいと思っておりますが、なかなか目に見えないものをどう回収していくのかというのは途上国でなかなか大きな課題でもあるということで、うまくこれを展開していくようなことを今後も考えていきたいというふうに思ってございます。

 ご質問については以上でございますけども、1点ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。インフラ輸出戦略のところで、私はジャパン環境ウイークをベトナムで第1回の開催をしたと申しましたが、ミャンマーの誤りでございまして、今年の1月に開催をしております。伊藤副大臣がトップとしてご参加されて、ミャンマーで開催をされています。お詫び申し上げます。

 以上でございます。

○亀澤自然環境局長 自然局関係で石井委員から3点質問いただきました。まず、沖縄、奄美の世界自然遺産の登録の関係ですけども、先日、IUCNから延期の勧告が出ました。その主な理由としては、大きく2点ありまして、一つは沖縄、やんばるの北部訓練場の既に返還されたところ、ここが重要な位置づけにあるにもかかわらず、政府からの推薦地に含まれていないということ。もう一点は、それぞれ四つの島の中で分断された小規模な区域が幾つかあるということで、これはこの際、削除したほうがいいのではないかというような指摘をいただいています。これは具体的にこういうような修正をすれば遺産としての価値は十分あるというふうにも受け止めておりまして、北部訓練場の返還地につきましては、この7月にも国立公園に指定をする予定にしておりましたので、我々としては追加で登録を考えていたのですけども、それをあわせて推薦してこいということでありますが、そういう対応は可能であるというふうに考えておりますし、小規模な区域についても具体的に削除も含めて対応を考えていきたいというふうに考えております。

 今後の具体的な手順については地元にも勧告の内容等を説明した上で決めていきたいというふうに思っております。

 それから、ヒアリの関係は、昨年、全国で26の事例が確認されておりますが、いずれも港湾のエリア、あるいは港湾から運ばれた先の事業所の中で確認をされておりまして、いわゆる港湾エリアの中におさまっていると認識をしております。これから暖かくなって、また今年も出る可能性は十分にあると思っておりますが、全国68港湾での調査、あるいは発見された場合の周辺2キロの調査はしっかりしていきたいと思いますし、自治体向けの対応マニュアルを昨年末までにつくっておりまして、今年2月、3月、自治体向けの講習会もしております。それから、積み込み時の対策も重要であると考えておりまして、これについては中国にとっても外来種でありますので、中国とも協力して対応を検討してまいりたいというふうに思っております。

 それから、生物多様性のCOP15、2020年に中国で開かれますけども、それに向けて生物多様性の理解が進んでいないのではないかということですが、実際、この主流化の取組はいろいろやってはいるのですけども、なかなか即効性のある対策がないというのが実情ではありますけども、企業の活動が大きく関係してくるというようなこともありまして、企業活動の中での生物多様性あるいは持続可能な利用に対する考え方、対応をどうするかというガイドラインをこれまでもつくっておりましたけども、それを改訂したところでもありますし、そういうようなこれまでの取組をさらに強化をし、今年の秋のCOP14ではポスト愛知目標の議論も始まりますので、そういうことをきっかけに一般向けの広報も含めていろいろな取組をこれから強化してまいりたいと思います。

 以上です。

○縄田環境再生・資源循環局長 環境再生・資源循環局でございます。循環基本計画の指標の関係でございますけれども、データの制約がないものに限りましては、毎年、しっかりとフォローさせていただいておりますので、ただこれを点検する内容あるいは時期については部会にまたお諮りしながら適宜やってまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○梅田環境保健部長 大塚委員からリスクコミュニケーションについてご質問をいただきました。私どもが福島県いわき市に設置しております放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター、これは予算を確保して事業として運営しているものですので、法的な位置づけがあるというものではございません。

 ただ一方で、リスクコミュニケーションに関しましては昨年12月に風評払拭リスクコミュニケーション強化戦略、これは復興庁、復興大臣を中心として関係府省庁が集まって策定されたリスクコミュニケーションに関する強化戦略なのですが、そこで取組ということの重要性が策定されて、政府全体の戦略のもとで各府省庁が連携して統一的に取り組むべきということが記されています。その中に相談員支援センターということも明記されておりまして、相談員支援センターにおいて関係府省庁が連携して相談支援センターを中心に相談員が住民の方のニーズに基づいてわかりやすい形での情報提供を効果的に行うということが記されております。ということで、今後も継続的にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○武内会長 時間も過ぎましたので、この質疑応答については以上で終了させていただきたいと思います。大変、有益なご意見をたくさんいただきまして、どうもありがとうございました。

 それでは、これで終了させていただきたいと思いますが、事務局のほうから何かございましたらお願いいたします。

○白石総務課長 すみません、先ほど石井委員よりお問い合わせのありました資料の送付の件でございますが、デジタルデータにつきましては環境省のホームページに掲載しておりますが、メールで送付いたしますとデータ量が多くなりますので、後ほどホームページのURLを各委員にあらかじめ登録いただいておりますメールアドレスに送付をさせていただきます。そちらをリンクで見ていただきまして、必要なものをダウンロードいただければというふうに存じ上げます。

 それから、本日の議事録につきましては、本日、ご出席の委員の方々にお送りして、ご確認をいただいた後でホームページにて公開させていただきます。よろしくお願いいたします。

 以上をもちまして、終了ということでよろしくお願いします。本日はお忙しいところご出席いただきましてありがとうございました。

○武内会長 次回はまた大分先になるかもしれませんが、またそのときはどうぞよろしくお願いしたいと思います。これにて散会させていただきます。

午後5時34分閉会