中央環境審議会第33回総会議事録
日時
令和7年2月12日(水)10:00~12:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンター 12階会議室
議事録
○小笠原総務課長 お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第33回総会を開会いたします。
環境省大臣官房総務課長の小笠原でございます。よろしくお願いいたします。
現在、委員30名のうち、Webでのリモート参加の方を含めて23名の委員に出席いただいておりますので、定足数である過半数を満たしており、総会は成立しております。
リモート参加の委員におかれましては、音声等で不都合がありましたら、システムのチャット機能でお知らせいただくか、事務局までお電話願います。なお、差し支えない範囲で結構ですので、ビデオボタンは常時オンにし、先生方のお顔が見られる状態にしていただければと思います。マイクは発言時を除きミュート設定にしていただければと思います。
また、中央環境審議会の運営方針として、総会は原則公開としており、インターネット上で同時配信しております。
それでは、議事に先立ちまして、環境省の政務三役からご挨拶を申し上げます。
まず、小林副大臣、お願いいたします。
○小林副大臣 皆様おはようございます。環境副大臣を務めております衆議院議員の小林史明です。
まずは、大変お忙しい中、委員の皆さん、ご参集をいただきまして、ありがとうございます。そしてオンラインからもご参加をいただいて本当にありがとうございます。日頃から環境省一同大変お世話になっておりますことを改めてお礼を申し上げたいと思います。そして新たにメンバーに加わっていただいた方もいらっしゃれば、これまでもご指導いただいている皆さんもいらっしゃると思います。
環境省としては、やはり地球の未来を守り、人の命を守るということで、これまでどおりしっかり政策に取り組んでいきたいと思いますが、かなり状況が変わってきていると思っています。一つは人口減少ということで、人の住む地域と自然との境界線というのは多分変わってくるのだろうと思っています。それに対してどう対応していくのかということが必要になってくるのだろうと。そして物価上昇であります。新しいものを作るよりも既存の資源をうまく活用したほうが価値が出やすい社会になってきた。これは我々にとってチャンスだと思っています。三つ目に外交、経済安全保障の環境が変化したことによって、やはり資源を持たない国がリサイクルで資源を獲得する、そういう戦略が重要になってきた。これも日本にとっては潮目が変わってプラスになる材料だと思っています。そこにさらに加えていきたいのは、やはりテクノロジーの進展をどうやって取り入れていくか。そこは日本も素材やケミカル、様々な分野で強みがあります。これからの環境行政をより大きく前に進めるために、もちろん制度や個人の行動変容も重要だと思っていますが、そこにテクノロジーによるイノベーションをうまく活かしていく。それによって成長をつくっていくという観点も必要だろうというふうに思っています。その点では、各分野の専門家の皆さん、お集まりをいただいていますので、この環境の変化を我々としてはしっかりチャンスと捉えて、日本の成長につながる環境行政をしっかり取り組んでいきたいと思いますので、今後ともご指導をお願いいたします。
以上でございます。
○小笠原総務課長 続きまして、五十嵐政務官、お願いします。
○五十嵐大臣政務官 環境大臣政務官の五十嵐清です。
今日は委員の皆様、お忙しい中、ご参集、誠にありがとうございます。私は浅尾大臣、そして小林副大臣の下、主に総合環境政策、気候変動対策、地域脱炭素、自然環境を担当しております。今通常国会では、環境省としてクマ等の銃猟に関する制度を創設する鳥獣保護管理法の一部を改正する法律案、既存事業と実施区域等が大きく変わらない建替事業の環境影響評価手続を見直す環境影響評価法の一部を改正する法律案を提出する予定でございます。委員の皆様の活発な議論をよろしくお願いいたします。
○小笠原総務課長 勝目政務官、お願いします。
○勝目大臣政務官 おはようございます。環境大臣政務官を拝命しております勝目康です。地元は京都議定書発行の地、京都の1区でございます。委員の皆様には、平素大変環境省がお世話になっておりまして、誠にありがとうございます。私は、いずれも今日は参議院の本会議で欠席させていただいておりますけれども、浅尾大臣、そして中田副大臣とともに、この震災復興、そして資源循環、環境保健、水・大気環境などを担当いたしております。資源循環につきましては、昨年8月に閣議決定をいたしました第五次循環型社会形成推進基本計画、あるいは年末に循環経済に関する関係閣僚会議で決定をいたしました循環経済への移行加速化パッケージを踏まえまして、国家戦略として循環経済への移行に取り組んでまいります。
今ほど小林副大臣からもございましたように、経済安全保障の関係は、非常に重要になってきており、また担い手としても、資本、人材、テクノロジー、これをより生かす必要もあり、付加価値の高い産業政策という面も出てきていると考えております。加えまして、太陽光パネルでありますけれども、FIT導入以降急速に普及が進んでおりますが、この適正な廃棄、そしてリサイクル、これによってガラス、銅、銀、そしてアルミが取れるわけでありますけれども、これを確実に行うための制度的対応、現在法案の提出を検討しているところであります。
そしてPFASにつきましては、水質基準化、これはまさに義務づけになるわけでありますが、こうしたことも念頭に、今、最終的な調整を進めているところであります。委員の皆様にはご専門のご知見を生かしていただきまして、忌憚のないご意見を頂戴できればと思います。よろしくお願い申し上げます。
○小笠原総務課長 浅尾大臣、中田副大臣は勝目政務官からもありましたとおり、国会用務により本日は欠席でございます。
冒頭の取材はここまでとさせていただきます。
次に、任期満了に伴う委員改選が行われ、本審議会委員の全員が2月8日付で新たに任命されております。ご所属等の詳細は資料1をご覧いただければと存じますが、本日出席されている委員の方の紹介をさせていただきます。
会場参加されている方から五十音順に粟生木千佳委員、有村俊秀委員、井上久美枝委員、大塚直委員、小泉透委員、小西委員は少し遅れられているようです。それから坂本慎一委員、勢一智子委員、田中里沙委員、中川めぐみ委員、西村亮平委員、藤田香委員、古米弘明委員、村上進亮委員。続きまして、リモートで参加されている浅見真理委員、枝廣淳子委員、大原利眞委員、奥真美委員、亀山康子委員、下田吉之委員、豊岡和美委員、豊岡委員もちょっと遅れていますかね。それから中村太士委員、松本吉郎委員、山神真紀子委員、山野博哉委員、また船越弘文委員は遅れて参加される予定です。なお、末吉里花委員、関口明委員、髙橋勝浩委員、諸富徹委員につきましては、所用のためご欠席と伺っております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
続いて、本日この場に出席している環境省の幹部職員をご紹介いたします。鑓水環境事務次官、松澤地球環境審議官、上田大臣官房長、泰総合環境政策統括官、土居地球環境局長、松本水・大気環境局長、植田自然環境局長、角倉環境再生・資源循環局次長、前田環境保健部長、大森地域脱炭素推進審議官、中尾大臣官房政策立案総括審議官、熊谷大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官、小川特別交渉官でございます。なお、公務のため途中退席する場合がありますことをあらかじめご承知おきいただければと思います。
それでは、議事の一つ目の会長の互選に移らせていただければと思います。
中央環境審議会令においては、会長は委員の互選によってこれを定めることとされております。つきましては、会長の候補者についてご意見のある方はいらっしゃいませんでしょうか。
古米さん、お願いいたします。
○古米委員 古米です。
環境保健部会と地球環境部会の部会長をされておられますし、環境省の多くの委員会の委員をなされておられます大塚直委員にお願いしてはと考えております。
○小笠原総務課長 ありがとうございます。ほかにご意見はございませんでしょうか。
それでは、大塚委員に会長をお願いするということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○小笠原総務課長 ご異議ありませんようですので、大塚委員が会長に選任されました。
それでは、大塚会長におかれましては会長席にお移りいただき、一言ご挨拶をお願いいたします。
(大塚委員 会長席に移動)
○大塚会長 座ってご挨拶をさせていただきます。
歴史のある中央環境審議会の第8代目の会長を拝命するに当たり、一言申し上げたいと思います。
まず何といっても審議会を通じて前任者の高村会長を受けて、第六次の環境基本計画の推進に努めたいと思います。第六次環境基本計画では、「ウェルビーイング/高い生活の質」を最上位の目標としつつ、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブとともに、G7にもある汚染対策の同時達成が目指されています。また、環境政策を起点として、地域脱炭素政策、地域循環共生圏、ESG、グリーントランスフォーメーションなどの推進の下、環境、経済、社会の統合的な向上を図ることがうたわれています。その際3点ほど指摘しておきたいのは、第1に、ウェルビーイングとは、現在の国民だけではなく、将来の国民のウェルビーイングも含むことでございます。第2に、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブとともに、それだけではなく汚染対策も環境省の原点として重要な対策であることでございます。第3に、環境、経済、社会の統合的向上に関しましては、シナジーに注目することが極めて重要であるとともに、トレードオフも少しはございますので、その調整も必要となることでございます。
さらに、近時の環境法政策との関係で気になっていることを2点挙げておきたいと思います。第1は、環境情報の公表・公開の充実を一般化する必要があることでございます。アセス図書の継続的公開、環境配慮設計をした製品の表示などがその例でございます。この点、我が国の環境法の骨格の多くが諸外国よりも早く、1970年代までに形成されたことが関連しています。そのためにかえって利用宣言以降の世界の動きから若干遅れているような面もございます。第2に、カーボンニュートラルとの関係では、公正な移行が極めて重要でございますが、さらに公正な移行だけでなく、日本全体としていかに賢明な移行をしていくかが重要になっていると思われることでございます。
中央環境審議会におきましては、委員の方々に今まで以上に活発なご議論を賜り、この審議会が日本や世界の環境政策を推進していく原動力となることをお願いして、私の挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○小笠原総務課長 ありがとうございました。
では、以後の進行は大塚会長にお願いしたいと思います。
なお、環境省の政務三役は、公務のためここで退席となります。
(退席)
○大塚会長 それでは、議事を進めさせていただきます。
次の議事の2、部会長等の指名でございますけれども、最初に会長代理を指名させていただきます。審議会令では、会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職を代理すると規定されております。私としては、古米委員に会長代理をお願いしたいと思います。古米委員、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○大塚会長 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
続いて、部会長の指名に移ります。審議会令では、部会に属すべき委員は会長が指名することになっておりまして、また、部会長は会長の指名する委員がこれに当たることになっております。循環型社会の部会長は村上進亮委員に、地球環境部会の部会長は下田吉之委員に、大気・騒音振動部会の部会長は大原利眞委員に、水環境・土壌農薬部会の部会長は、古米弘明委員に、自然環境部会の部会長は中村太士委員、動物愛護部会の部会長は西村亮平委員にそれぞれお願いしたいと思います。総合政策部会の部会長と環境保健部会の部会長は当方で担当させていただきたいと思います。 それでは、各部会長の方々に簡単に抱負など、一言ご挨拶をいただければと思います。
まず、循環型社会部会長の村上委員から、よろしくお願いいたします。
○村上委員 ただいま循環部会の部会長を拝命いたしました東京大学の村上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭の政務官のご挨拶にもあったところで、循環基本計画がまとまって、これから個別の細かい案件を粛々と進めていくところかなと思ってございますが、微力ながら務めさせていただければと思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大塚会長 どうぞよろしくお願いいたします。
では、次に地球環境部会の部会長の下田吉之委員、オンラインでございますけれども、よろしくお願いいたします。 ○ 下田委員 下田でございます。よろしくお願いいたします。
私、以前からフォローアップの委員会を務めさせていただいておりまして、2030年、46%という目標年がもう近づいてきております。いかにここにちゃんと着地させていくかということが大事なポイントだと思っておりますので、微力ながら努力いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○大塚会長 よろしくお願いいたします。
次に、大気・騒音振動部会の部会長の大原利眞委員、お願いします。
○大原委員 ありがとうございます。大気・騒音振動部会長に引き続きご指名いただきました大原でございます。 本部会は大気環境・騒音振動を所掌しております。このうち大気環境につきましては、いまだ光化学オキシダント、有害大気汚染物質等、多くの問題を抱えており、先ほどの会長のご挨拶にありましたように、汚染防止の観点からまだまだやるべき課題がたくさんあると思っています。一方、IPCCでのSLCF、短寿命気候強制因子の排出インベントリ報告書の作成が開始されるなど、大気環境問題と気候変動問題との統合的解決、あるいは窒素管理、有害化学物質のような他分野との横断的な視点がますます重要になっていると認識しております。このような状況を踏まえまして、本部会では水環境・土壌農薬部会と合同で、令和5年6月に今後の水・大気環境行政の在り方を取りまとめました。今後ほかの部会と連携しつつ、大気・騒音振動に関する諸課題について審議を尽くしてまいりたいと考えておりますので、皆様よろしくお願いいたします。
○大塚会長 どうぞよろしくお願いいたします。
では、水環境・土壌農薬部会の部会長の古米弘明委員、よろしくお願いいたします。
○古米委員 古米でございます。
環境省に水道水質基準の関連が移管されましたので、PFASの基準化に関わる検討が進めていると認識しております。さらにネイチャーポジティブ関連では、生態系の保全、特に海域においては、きれいだけではない豊かな海といった観点からの水環境管理をしっかりと進めていくことが求められていると考えております。先ほど大気汚染関連でもお話があったように、水と大気と土壌というのは深く関わっております。クロスメディアにおける汚染の現状と、それに対して有効な対策を推進していくという視点についてもしっかりと議論を進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○大塚会長 よろしくお願いいたします。
では、自然環境部会の部会長の中村太士委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 北海道大学の中村です。
今回、自然環境部会の部会長を拝命しました。2年間よろしくお願いいたします。
私自身が一番気になっているのは、気候変動対策と自然環境の保全の問題で、再生エネルギー、大事な今後の日本の施策ではあるんですが、それがきちんと自然環境の保全と調和するように、そんな方向性を見ていきたいと思っています。2年間よろしくお願いいたします。
○大塚会長 どうぞよろしくお願いいたします。
では、動物愛護部会の部会長の西村亮平委員、よろしくお願いいたします。
○西村委員 動物愛護部会の部会長を拝命しました西村でございます。
人の、ヒューマンのウェルビーイングとアニマルウェルフェア、それから環境保全というのも三位一体であるという、ワンウェルフェアという考え方が最近非常に強くなっております。そういう観点に立ちまして、動物愛護部会でもしっかりディスカッションを重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○大塚会長 よろしくお願いいたします。
各部会長の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、各委員に所属いただく部会につきましては、私のほうで指名し、追って事務的に連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、議事の3、中央環境審議会の審議状況等についてに進みます。
審議会規則では、会長の同意を得て審議会の決議とした部会の決議については、会長は総会に報告するものとされております。資料2は、令和6年9月の総会以降先月までの中央環境審議会の審議状況を取りまとめております。具体的には、Ⅰとして、令和6年9月の総会以降の答申などを時系列に整理し、Ⅱでは、各部会の審議状況として、部会ごとの諮問や審議状況をまとめております。この資料配付をもって総会に対する報告とさせていただきますので、どうぞご了承いただきますようお願いいたします。
続いて、議事の4、当面の諸課題についてに進みます。
資料3-⑥と⑦は、資料配付のみと伺っておりますので、①から⑤について、環境省から続けて報告をお願いいたします。①からよろしくお願いいたします。
○秦総合環境政策統括官 統括官、泰でございます。
資料3-①でございますけれども、環境影響評価制度の在り方についての検討状況についてご報告をさせていただきます。
資料は2枚ございます。1枚目、経緯編です。環境影響評価法ですけれども、平成9年に成立した後、11年に施行されまして、25年に改正法が施行されたと。それから10年経過したということで、施行の状況について検討を加えているというところでございます。
またその下、陸上風力についてなんですけれども、風力発電事業がややほかの事業と異なっているところが性質上ありますので、それについての考え方についてもご議論いただいているというところでございます。洋上風力については一定の取りまとめを受けまして、再エネ海域利用法、この改正法案の提出を目指しているところであります。併せて陸上風力についても検討を進めるべしということで、下半分にございますように、小委員会のほうでこの秋からご議論をいただいているところでございます。
2枚目に移ります。今現在の検討状況、答申案の内容でございますけれども、とりわけ②のところから陸上風力について記述がございます。風力発電の性質上、立地場所や配置による影響のほうが規模より大きいんじゃないかということがだんだん分かってきていると。そういった状況を受けまして、二つ目のポツでございますけれども、風力発電事業については、たとえ小さい事業でも影響を及ぼし得るということで、第二種事業の規模要件を引き下げて、環境影響の程度が著しいものについては法の対象にすべきじゃないかといったご提言をいただいています。また、施行後25年経過しているということで、建替事業についても何らか措置が必要なんじゃないかというご指摘をいただいています。 それから、下の③でございますけれども、これも長らくご指摘いただいておったんですが、評価書関係の図書を継続的に公開するべきなんじゃないかと。そういったものは、その二つ下です。累積的な環境影響、こういったところにもしっかり反映させるべきなんじゃないだろうかと。
それから、これも長年ご議論いただいていますが、二つ目の丸です。戦略的環境影響評価、これについても引き続き議論すべきといったご提言をいただいてございます。
私からは以上です。
○大森地域脱炭素推進審議官 続きまして、資料3-②に基づきまして、地域脱炭素政策の進捗状況についてご説明いたします。スライドの3枚目をご覧いただけますでしょうか。
地域脱炭素につきましては、地方公共団体が地域の様々なステークホルダー、例えば金融機関、中核企業、住民といった方々と連携して行うものでございますが、ポイントといたしましては、地域脱炭素の取組に加えて、地域課題との同時解決を目指すこと、それによって地方創生にも資するといったところが大きなポイントとなっております。
資料4枚目をご覧いただきますと、令和3年に定められました地域脱炭素ロードマップに基づきまして、二つの事業、一つが脱炭素先行地域の事業、それから重点対策加速化事業の2本柱で実施しているところでございます。脱炭素先行地域は、先進的なモデルとなるような地域を2025年度までに少なくとも100か所選定し、2030年度までに実施する。また、重点対策加速化事業につきましては、全国で太陽光発電やZWB、ZEH、EVなどを集中的に導入するという事業でございます。
資料5枚目をご覧いただきますと、地域脱炭素ロードマップの進捗状況でございますが、先行地域につきましては、これまで6回募集を行いまして、6回目については今選定中でございますが、5回目までの選定で81地域を選定しております。こういったものについて基盤を構築して横展開をしていくということを目指しております。選定に当たりましては、先進性、モデル性を見るとともに、事業性、それから関係者の合意などにより、実施可能性などもよく注意して選定をしていただいているところでございます。フォローアップにつきましては、毎年度フォローアップを行いまして、特筆すべき取組事例や課題克服事例を発信するとともに、事業開始後3年を目処に中間評価も実施いたしまして進捗を確認するという仕組みになっております。
また、(2)の重点事業につきましては、これまで148地方公共団体を選定しております。こういった事業につきまして、環境省の支援に加えまして、関係府省の主な支援ツールなどを公表して、それによって支援しております。また、地方自治体の単独事業に関しましては、脱炭素推進事業債を総務省で創設されまして、こういったものによる支援も行っております。
(3)で、そこに加えまして人材面での支援として、脱炭素まちづくりアドバイザー制度などにより支援するとともに、脱炭素投資に対する資金供給ということで、官民ファンドでございます脱炭素化支援機構を2022年につくりまして、それによる投融資、また、地方自治体が無利子融資を行うふるさと融資の特例などで金融面からも支援していると、このような状況でございます。
ちょっとスライド38枚目にお移りいただきまして、実施していく中でいろいろな課題が明らかになっておりまして、その課題を踏まえた今後の在り方に関する有識者の検討会を昨年行いまして、それの取りまとめが38枚目にまとめられております。
大きな課題として三つ挙げておりますけれども、一つ目が、やはり小規模な地方公共団体や中小企業による人材・人員不足や財源不足。それから二つ目が、再エネ導入に伴う地域トラブルの増加を踏まえて、地域共生型・地域裨益型の再エネ導入の必要性。それから系統負荷の観点から、再エネの地産地消がますます重要といった視点がございます。こういったものを踏まえまして、またペロブスカイトの新しい技術も踏まえまして、今後、その先行地域などで得られた知見の横展開、普遍化、関係者の役割分担の明確化、連携の強化、情報、人材、資金の支援強化、再エネの立地誘導を適正な場所に立地誘導するような対応のさらなる検討といったことを行いまして、下にありますような2026年度以降、2030年までの5年間を新たに実行集中期間といたしまして、地域特性に応じて、地域に裨益するような形で創意工夫ある地域脱炭素の取組を展開していくべきということを指摘いただきましたので、これに伴って政策の対応を進めていきたいと考えております。
ご説明としては以上でございます。
○土居地球環境局長 続きまして、資料3-③に基づきまして、気候変動政策を巡る動向についてご説明いたします。 まずは国際的な動向ということで、2ページ目でございます。昨年11月にアゼルバイジャンにおきまして開催されましたCOP29の概要でございます。COP決定のポイントとしまして大きく三つございますけれども、一つ目は、気候資金に関する新たな数値目標についての合意でございます。2035年までに少なくとも年間3,000億ドルの途上国支援を目標にするということが決まるとともに、全てのアクターに対して公的、民間資金から途上国向けの気候変動に関する資金を2035年までに年間1.3兆ドル以上に拡大するという行動について定めができたというものでございます。
二つ目が、パリ協定の6条、市場メカニズムに関してです。これまで完全運用に必要な詳細につきましてまだ残っている部分がございましたが、今回のCOP29におきまして全てが整ったということで、完全運用が実現できるようになったというものでございます。
三つ目といたしましては、日本が訴えておりますネットゼロ・サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブのシナジーアプローチが重要だということを呼びかけ、共同行動のイニシアチブとして発信をしたというものでございます。
続きまして、3ページ目でございます。米国トランプ政権の動向ということでございますけれども、1月20日発足とともに様々な大統領令が発出されましたが、その中でも環境関係でいきますとパリ協定からの脱退に関する命令が出たというものでございます。
左の部分にその大統領令のポイントを記載してございますが、まず下から二つ目の黒丸のところでございます。パリ協定からの脱退について速やかに手続をするということを訴えており、また下の赤字で書いてございますが、協定上は正式通知から1年以降にその効力が生じるということでございますので、来年の1月27日が正式脱退とはなるものの、先ほどの記述の後ろにあるとおり、この通知をもってアメリカとしては脱退しているということを宣言しているというものであります。それに伴いまして、一番下の黒丸でございますが、国連気候変動枠組条約の下で米国が行った資金コミットメントについては直ちに停止、取り消すということが記載をされております。この影響につきましては、各国とともに情報交換しながら、分析を深めていきたいというふうに思っておりますが、その上から二つ目のところをご覧いただきますと、一方で、アメリカは同時に経済成長をさせ、労働者の賃金を引き上げた上で、温室効果ガスの排出を削減してきたということも明記しておりますので、こういう行動自体を完全に否定しているわけではないようにも見えるということです。アメリカへの対応につきましては深掘りをしていきたいというふうに考えております。
続きまして、国内の動向といたしまして緩和の関係でございます。5ページ目をご覧いただきますと、昨年、地球温暖化対策計画の案を政府内で議論し、パブコメを行ったものでございまして、まず、次期削減目標につきましては、2050年ネットゼロと2030年目標を結んで直線的な経路を緩まず着実に進むことによりまして、中長期的な予見可能性を高めつつ、脱炭素、経済成長の同時実現をしていくという案をご提示したものでございます。
具体的な中身につきましては6ページ目以降でございますが、様々な分野におきまして全ての対応を行っていくということでございますが、特に特色的なのが6ページ目の右下でございます。先ほどもご紹介しましたが、シナジー効果ということで、サーキュラーエコノミーとのシナジー、また一番右下にありますけども、日本の技術を使ってAZECなどの枠組みの中JCMなどで世界全体での削減にも貢献するということを明記したところでございます。
7ページ目でございますが、これと連動させまして、政府実行計画の案もお示ししたところでございます。特色的なのは、中ほどにございますけれども、資源制約が少ないペロブスカイト太陽電池につきましては、率先導入を政府がすることによりまして引っ張っていくということを明示してございます。
8ページ目につきましては、GXにより産業構造を転換していくという中でも、GX製品・サービスの需要をつくっていくことが重要だということで、こちらにつきましては、高断熱の窓であるとか、ペロブスカイトについての需要を高めるための様々な取組を行っていきたいというふうに考えております。
9ページ目につきましては、先ほど申し上げました循環経済への移行ということで、プラスチック、金属、e-scrapなどの先進的な技術を導入していくことなども記述をしてございます。
10ページ目につきましては、先ほどお話がございましたが、地方での課題解決と同時に達成するための脱炭素先行地域も温暖化他作計画案の中にも明記をしているところでございます。
12ページ目でございますが、こちらは中堅・中小企業でのGXを進めるための仕組みでございますが、バリューチェーン全体で企業の脱炭素経営を図っていくという取組と、地方の金融機関、商工会議所、地方公共団体とも連携をし、地域ぐるみで支援体制をつくってGX化していくというモデル事業も行っているというものでございます。
13ページ目が、AZECを通じたアジアなどとの連携ということで、特にJCMを活用しながらクリーンで脱炭素型の廃棄物処理、廃棄物発電プロジェクトを推進することなどをAZECの重要なプロジェクトとして位置づけながら前に進めていきたいというふうに考えております。
14ページ目以降が適応関係でございますが、15ページ目に第3次の気候変動影響評価ということで枠組みが記載されておりますが、右下にあります分野別のワーキンググループなどでの議論を深めていただいているという段階でございます。
今後のスケジュールでございますけれども、16ページ目でございますが、右の令和8年度には気候変動適応計画の改定を行いたいというふうに考えておりまして、それに先立ちまして、25年度、令和7年度につきましては、秋から冬にかけまして審議会におきまして答申をいただき、計画の改定につなげていきたいというふうに考えておりまして、今年の初めにつきましては各ワーキンググループでの議論を深めてまいりたいというふうに考えております。
気候変動に関しましては以上でございます。
○松本水・大気環境局長 では、引き続きまして、資料3-④でございます。PFASに関する取組状況につきましてご説明をさせていただきます。水・大気局の松本と申します。よろしくお願いします。
では、資料3-④、1ページをお開きいただきたいと思います。PFAS対策の基本的方向性ということでございます。まず、上の段に書かれていますけれども、PFAS対策につきましては、科学的知見に基づいて客観性かつ透明性を持って取り組んでまいりたいと考えております。具体的には関係省庁とも密に連携しながら四つの柱で取組を推進すると。 その下に四つの柱が出ていますが、まず1点目の柱が「作らない・出さない」ということでございます。これ、国際的にPOPs条約、ストックホルム条約において廃絶対象となったPFOS、PFOA、PFHxS、これらにつきまして国内的には化審法に基づいて製造・輸入の禁止という取組をしておりますし、三つ目のポツでございますけども、市中に出ているPFOS含有泡消火薬剤など、市中にも在庫が出ているものにつきましては、その調査をする、管理をしっかりする、代替を促進する、そういう取組をしております。
2点目は「広めない」という取組でございます。これも市中に広まったものに対してですが、環境モニタリング、自治体とともに強化してまいりますとともに、2ポツですけども、環境中の濃度低減のための対策技術に関する調査を進めているところでございます。
3点目の柱は、右側ですけども「摂取しない」ということでございます。人の健康影響の未然防止ということで、特に経口摂取、PFOS、PFOA等については口からの摂取を防止することが肝要でございますので、飲料水、食品の対応が重要でございます。環境省におきましては、先ほどお話がありましたとおり、水道水質を所管しましたので、その水道水質の目標値をどうするか、今春を目処に方向性の取りまとめをしているところでございまして、後ほどご説明を申し上げます。
4点目の柱が、下の枠でございますが「正しく知る」、リスクコミュニケーションの推進でございます。住民の不安に寄り添って、透明性高く、適切な情報発信をしていきたいと考えておりまして、国民向けのQ&A集、さらに特に分かりやすいようにリーフレットも作っておりまして、ホームページから情報発信をしているところでございます。さらに自治体の職員が市民の不安、問合せに答えられるように、行政官向けのハンドブックも今作成中でございます。いずれにしましても、分かりやすい情報発信、これを今後拡充してまいりたいと考えております。
2ページ目をお開きいただきたいと思います。水道水の件でございます。水道水におけるPFOS、PFOAの検討状況でございます。枠にございますとおり、令和2年に水質管理目標設定項目ということで暫定目標値50ng/Lというものが設定されました。この水質管理目標設定項目とは何ぞといいますと、下に参考のピラミッドみたいな図がありますけども、この黄色の部分でございまして、右側のところに書いていますけども、努力義務ということでございます。検査も遵守も努力義務というのが現状でございました。
それを踏まえてですけれども、矢印の下、2ページ目の中段になりますけども、昨年6月に内閣府食品安全委員会、こちらがPFOS、PFOAの健康評価を出しました。それを踏まえて、昨年7月から有識者会議で議論をいただいております。さらに、後述しますけども、全国調査、国土交通省とやりましたので、その結果も踏まえまして、昨年末には専門家における検討会におきまして方針を議論いたしまして、その下に書いてあります方針案の内容、今まで努力義務だった暫定目標値、それを水質基準へと引き上げる。つまり検査、遵守義務が生じる水質基準に引き上げるということ。また基準値は合算で50ngということは引き続き。そして一定の基準遵守に向けた対応を考慮しまして、施行時期については4月1日でどうかということで今検討を進めております。これにつきましては、先週、中環審の合同小委員会におきましてもご議論賜りまして、概ねその方向で了承をいただいていました。今後はパブコメを踏まえ、今春を目途に水質基準の引上げに関する方向性を取りまとめてまいりたいと考えてございます。
3ページ目でございますが、全国調査の結果をまとめてございます。水道事業といいますと大きく二つ、いわゆる水道事業及び水道用水供給事業といった、いわゆる大手事業者と、あと本当に零細、小規模にやっている専用水道という大きく二つ、もともと細かく言うともっと細かいんですけども、それらに対して調査をいたしました。調査結果の概要が下半分、枠に書かれているところでございます。基本的に水道事業及び水道用水供給事業につきましては、検査は約60%実施していただいておりますけれども、まだまだ40%が努力義務なのでされていないということ。とはいっても、検査したところでいいますと、令和6年度段階で超過したところはゼロというふうになっているというのが現状でございます。
他方、下ですけども、専用水道につきましてですけども、専用水道につきましては、検査がまだ24%程度だということでございます。また超過したところが42ということでございますので、超過したところにつきましては、水道水への切替えを対応していただいたり、とにかく飲用しないということをやっていただいておりまして、まだまだ足りないところにつきましては引き続き指導をしているということでございます。こういうところにつきましては、やっぱりまずは検査をしっかりやっていただくと。超過したらしっかり対応していただくということで、一定の施行日までの経過措置を取らせていただいておるところでございます。
最後に、4ページ、5ページ、6ページ目につきましては、今年度補正予算と来年度予算案につきまして掲げさせていただきました。いずれにしましても、1ページの基本的方向性を具現化するための事業として取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
私からの説明は以上です。
○角倉環境再生・資源循環局次長 続きまして、資料3-⑤に基づきまして、循環経済への移行加速化パッケージにつきまして、環境再生・資源循環局からご説明申し上げます。
資料の1枚目の上のほうをご覧いただけますでしょうか。今回の政策パッケージにつきましては、昨年12月27日に開催されました循環経済に関する関係閣僚会議で取りまとめたものでございます。この取りまとめの背景でございますけれども、環境制約、資源制約の高まりの中で、EUのみならず世界レベルで循環経済への移行が加速化しております。再生材への需要が増加し、素材・製品産業の競争力が品質と価格に加えて再生材にもシフトしている状況でございます。
一方、日本国内を見ますと、日本の廃棄物処理・リサイクル業は小規模分散な形で存在しておりまして、製造業者との間で再生材の質・量ともに需給ギャップがあることにより、リサイクル原料の多くが焼却、埋立て、海外に輸出されている状況でございます。こうした中で、循環経済への移行は産業競争力強化、経済安全保障、さらには地方創生等の観点からも我が国の国家戦略として取り組むことが急務であると私どもとして考えております。
また、環境政策の観点から見ても、この下に書いてございますが、UNEPの国際資源パネルにおきましては、温室効果ガス排出量の要因の55%以上、また生物多様性関係の要因の90%以上を資源循環関係が占めているという状況でございます。こうした中で、我が国として循環経済への移行を国家戦略として進めるために、昨年の8月に第五次循環型社会形成推進基本計画を取りまとめ、その中で明確に循環経済への移行を国家戦略として位置づけたところでございます。今回の政策パッケージは、この循環基本計画に基づく具体的な取組を推進するため関係各省の取組を取りまとめたものという整理になってございます。
2ページをご覧いただけますでしょうか。今回の政策パッケージの基本的な考え方でございます。まず第1に、循環経済への移行は、廃棄物等を資源として最大限活用し、付加価値を生み出し、新たな成長につながるもの。そして次でございますけれども、気候変動や生物多様性の保全といった環境面に加えて、地方創生や質の高い暮らしの実現、産業競争力の強化、経済安全保障の確保にも貢献する。こういう認識の下で循環型社会形成推進基本計画に基づき国家戦略として政府一体となって推進すると、こういうものでございます。
3ページをご覧いただけますでしょうか。今回の移行加速化パッケージの概要でございます。大きく2本柱、さらに下のほうに書いてあるものも含めますと3本柱でございます。まず、左上でございますけれども、地域の資源循環を生かした豊かな暮らしと地域の実現に関する取組を盛り込んでございます。またその次に、国内外一体の高度な資源循環ネットワークの構築、こうした柱立てに関する各種の取組を盛り込んだところでございます。さらにその下でございますけれども、資源循環市場の創出拡大に向けた国内外のルール形成も日本として進めていくということを書かせていただいております。そしてこれらの政策パッケージに基づき、全国各地で発生する廃棄物を循環資源として活用し、さらに、海外で発生する循環資源も取り込むことで、新たな成長を生み出し、目標といたしましては、2030年までに関連ビジネスの市場規模を80兆円に拡大するという目標を掲げているところでございます。今後、循環基本計画、さらには今回の施策パッケージに基づき、関係各省一体となって取組をさらに前に進めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。
○大塚会長 はい、ありがとうございました。
では、ただいまのご説明と配付資料につきまして、ご意見などがございましたらお願いしたいと思います。ご発言のある委員におかれましてはネームプレートを立ててください。Web参加の方は挙手のボタンを表示していただくようにお願いいたします。なお、本日多くの委員に参加していただいておりますので、できるだけ多くの方からのご意見を賜るために、ご発言は一人1分から2分で簡潔にまとめていただきますようによろしくお願いいたします。議事進行へのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、リモートでご参加の亀山委員と山野委員におかれましては、所用により11時に退席されると伺っておりますので、ご意見などございましたら最初に指名させていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山野委員 すみません、山野です。ありがとうございます。
私からは、よく理解できましたのでコメントはございません。ありがとうございます。
○大塚会長 はい。亀山委員はいかがでしょうか。
○亀山委員 私も丁寧なご説明をいただきまして感謝申し上げております。特に質問はございません。
○大塚会長 はい。分かりました。どうもどうもありがとうございます。
では、ほかの委員の方々もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ、粟生木委員から、じゃあお願いします。
○粟生木委員 ご指名ありがとうございます。また、ご説明ありがとうございました。
環境基本計画に掲げられました脱炭素、生物多様性、そして循環経済の統合的なアプローチ、またそれによるウェルビーイングの向上というところで、様々な政策、確実に取り組まれている様子が拝見できました。感謝申し上げます。 その上で、今回、私も専門にしております循環経済についての政策パッケージに関連して、私から質問というよりはコメント、お願いですけれども、大塚会長からも環境情報の公開ですとか、賢明な移行というお話があったかと思います。循環経済、まさに気候変動のところでも言及がありましたけれども、地域課題ですとか地方創生に加えて、市場経済も大きく関わってくると思います。ご提示いただいた循環経済パッケージでも様々な省庁から様々なパッケージが示されているのですけれども、私も循環基本計画の評価にも携わっておりますが、こういった循環経済政策パッケージ、他の政策との関連も含めて、よりよい適切な評価を行うために、環境統計やデータの在り方が重要ではないかなと思います。現行でも産業連関表等やリサイクルの環境情報統計を使った評価もしておりますけれども、なかなか各省庁の統計などを用いつつ、循環経済と脱炭素及び経済政策との関連性を見るに当たり統計上難しい場面に遭遇する場合もあります。そういった観点から、今回この循環経済への移行政策パッケージ、関係閣僚会議の結果ということですので、各省庁それぞれ政策がどのような関連性を持って、どういった効果を上げているのか適切な評価を行う点において、政府全体で統計の在り方や統計の互換性であるとか、産連表や国民経済計算等も関わってくると思いますので、データの過不足といったところを改めて見ていただけるとありがたいかと思います。
以上です。
○大塚会長 はい、ありがとうございます。
では、有村委員、お願いします。
○有村委員 ありがとうございます。早稲田の有村です。久しぶりに対面で皆さんのお顔も拝見できて、お話も伺えて、非常に情報がよく伝わるなと感じました。全体像のご説明、よく分かって非常に勉強なりました。
その上で、私、専門が脱炭素、カーボンプライシングをやっておりますので、その点で申し上げたいと思いますが、資料3-③の12ページにある中堅・中小企業のGXというのをご説明いただきましたけれども、この辺はとても今後重要になっていくのではないかなと思っております。大手の企業さんはGX推進のいろんな動きの中でかなり対応を迫られてきて、もう積極的に動いてきていると。一方、やっぱり中堅・中小のほうは、ややそこに関してはまだ話についていっていけない部分も多いと思うので、このトピックを非常に環境省で推進していくということはとても重要で有効な施策ではないかと思いました。
それから、ページ8のほうで、グリーン調達のお話があったと思うんですけれども、環境省は以前からグリーン調達というのを勧められていて、公共部門での調達を推奨されております。これは脱炭素とかサーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブも含めて、そういったものに関する企業活動を後押しするという意味で需要をつくり出していくというところでとても重要な施策であろうと思っております。ご承知のように、都道府県や政令指定都市は義務化されておりますが、一般的な市区町村はこれを義務化されておりませんので、まだ徹底されていないところもあると思いますし、あと、出発点として多分廃棄物を減らしていくというところがグリーン調達の出発点で、そういった理解をされて、面だけで理解されているところがあるので、脱炭素とかネイチャーポジティブとか、そういったものに関係するような視点というのは多分現場でも弱いのではないのかなと思いますので、その辺も進められるといいのではないかなと思いました。
以上です。
○大塚会長 はい、ありがとうございます。
では、勢一委員、お願いします。
○勢一委員 ありがとうございます。西南学院大学の勢一です。私は法律が専門なものですから、個別の分野というわけではないのですが、全体的な点で若干コメントをさせていただければと思います。
まず、今回これからのタイミングでは、環境分野は追い風でありまして、いろいろな国家政策とつながってきています。先ほどの副大臣さんのお話でも、経済安全保障、これはまさに資源安全保障でして、エネルギーとかサーキュラーエコノミーとか、国家政策の要に環境政策があるという局面になってきています。また、環境省の原点というところ、大塚会長からもご指摘がありましたけれども、この原点に立ち返る汚染対策というところでも、その延長線上に福島の環境再生もあります。これもまさに国家政策です。そういう意味では、やはり環境政策が担うものが非常に大きくなってきていると実感しております。そういう点で3点ほど意見を申し上げたいと思います。
1点目が、付加価値の高い環境政策ということで、環境が経済の価値であったり、経済と結びつくことで環境の価値が上がるということ。それに加えてSDGsです。政策決定とそれを担う組織におけるジェンダー・多様性というところも環境政策に非常に重要だと考えておりますが、日本では全体で遅れていますので、ここは環境政策が牽引していくという、そういう意識も必要かなと思います。
2点目としましては、政策統合、既にコメントがございましたけれども、これが非常に大事だと考えています。これを政策スローガンで終わらせるのではなくて、法制度間、あるいは法定計画間でのシナジー、トレードオフの解消を進めること。場合によっては法制度の改正を行うことも必要かと思います。典型的な分野としては、再エネの導入で、どこに再エネ施設を設置するかということが、例えば地域の生活環境との両立を求められ、これは温対法のゾーニングという仕組みがあります。あるいは生物多様性の分野とは、希少種の保護の区域であるとか自然共生サイトなどと制度的に政策統合をしてシナジー、トレードオフの解消を目指すことが非常に重要であろうと思います。それを担う意味では、開発事業の環境影響を事前に配慮する環境アセスメントの役割は重要ですけれども、こうした法制度間の連携が担保されていない課題がありますので、こういうところは変えていくことが必要だと思います。
最後3点目は、こちらもご指摘がありましたけれども、環境情報の取扱いというのはこれから肝になると思います。諸外国ではオーフス条約の下、環境情報への国民のアクセスが保障されていますが、日本はこれが課題です。DX、デジタル化の世界ですから、ぜひ社会で環境情報を共有して多様なアクターが環境価値を重視した判断・活動ができる。これは環境政策が国家政策の要であるからこそ必要な環境整備だと思いますので、この辺りはしっかり私も考えてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大塚会長 はい、どうもありがとうございます。
では、田中里沙委員、お願いします。
○田中委員 田中です。
本日は、貴重な資料のご提供とご説明をありがとうございました。
私は、広報ブランディングの仕事を長く担い研究をしてきましたので、環境分野におきましても、情報発信、合意形成、機運醸成、共感や行動促進というふうなことが起きるように工夫を重ねて行きたいと思っています。
また、昨今は地域資源を生かした新事業やイノベーションやスタートアップということに関心があり、いろんな各地の取組を取材をしたり事例研究をしたり、共同の連携活動を行ったりしていますけれども、やはり環境や自然を生かした事業というものでないと世界に勝負できませんし、持続可能でもないということで、ここが今日の資料の中でも大いに応援していただけるような取組であり、環境省の基盤、というか、活動環境をも整えていただいていると思った次第です。
今日、資料を拝見して説明を伺って、三つほど企業と個人の行動変容および地域という観点でコメントをさせていただければと思います。
まず、企業におきましては、中央環境審議会でも積極的な情報発信をされて、このところ上場企業等が特にCO2削減に向けて不断の取組をされて、スコープ3まで行ってサプライチェーンの連携力なども発動して、その成果が期待をされる中でしたけれども、ここで勢いが低迷すると大変もったいないというところでございます。今日の主題でもありましたサーキュラーエコノミーの視点、環境と経済の両立ということがさらに強く認識されるように、企業のある地域、工場のある地域、そういうところででも、サーキュラーエコノミーで非財務で取り組むところが財務情報にも効いてくるんだという一定の成果、さらなる透明性と評価の出し方などへの工夫を凝らしてよりよい事例が出てきましたならば、それが市場、マーケットでも共有されて、他の企業にも好影響が出る動きが取られるとよいと思います。 また、次に個人の行動変容におきましては、米国のトランプ政権の下でアメリカの動きやニュースが報道がされる中、昨今、積み重ねてきた環境に関する活動の取組が踊り場でストップしないように、事例や取組の魅力・価値を発信し続けるような努力をさらに高めたいと思います。
今日この場でお隣の席の中川さんに初めてお会いしたのですけども、若手で、そして漁業支援をやっていらっしゃると伺いました。地域では多彩な取組の連携が今、加速して、環境の分野からも多くのスターの方々が出ているところです。
将来のウェルビーイングに関して、大塚会長が最初に言及されましたけれども、主役の軸は若い世代で、そのサポーター世代も充実をして工夫をしてきて発展してきた、このサステナブルなライフスタイル、健康志向の生活がさらに進んでいくように、日本ならではの取組というのを世界にも発信し続けることができるとよいと期待します。
最後に、地域におきましては、地産地消のエネルギーが、防災やレジリエンスという観点で支援も入り、進むところですけれども、防災の面でもフェーズフリーの考えが高まっていて、日常も非日常も同時に考えるということで、まちづくりや環境を整えていこうという流れが強化されています。普段から地域の中小企業や行政の中にも本当にキラリと光る研究やアイデアがありますので、地産地消でサステナブルな地域づくりが、ESG投資はじめ金融、地銀の力なども入りながら、その促進として環境をベースにした意識が醸成されて、地域の共創という、共に創る共創というのが発展する体制が取れればよい思います。
一つだけ質問をさせてください。カーボンクレジットの分野で新しいイノベーションやベンチャー、スタートアップが生まれているんですけれども、ビジネスモデルがまだ明確化していないところもあるかというふうに思いますので、この部分において環境省からの期待ですとか、注目される視点がありましたら教えていただければと思います。
長くなりましたが、以上、よろしくお願いいたします。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、藤田委員、お願いします。
○藤田委員 ありがとうございます。
幅広い環境政策のご説明、大変ありがとうございます。
私は、主にネイチャーポジティブを見ているので、そちらの視点も絡めてちょっとお話しできればと思います。 先ほど来シナジーということをいろんな方が強調されていて、その大切さというのは認識されていると思います。 大企業のほうは、TCFDもTNFDも両方開示しなきゃいけないとか、CDPの統合質問書があるということで、シナジーだとかトレードオフというのを非常に意識し始めてはいますけど、一方で、自然資本が豊かな地方に、私もいろいろな地方に関わっているんですけども、地方自治体はその自然資本が豊かであるにもかかわらず、どうしても国の政策が地域脱炭素、今日もそちらの説明が多かったですけれども、が強調されていて地域の自然資本のもっとそこで価値向上ということが少し遅れぎみかなというふうに思っております。
例えば、先ほど中村委員からもちょっとご説明がありましたけども、大規模なメガソーラー、遊休荒廃地とか、森林を切り開いてのメガソーラー、もちろん環境アセスに従って進めてはいらっしゃるとは思うんですけども、風況とか、メガソーラーであれば太陽光のほうですけれども、そういったことは重視していても、例えば生態系サービス、水源保全とか、洪水防止の機能とか、土砂崩れの防止とか、観光資源としての生態系サービスの価値というものとのシナジーを見た上での立地になってきたのかなというところで、少しいろいろもっと自然資本生態系サービスを熟慮していただけるような施策を取っていただきたいなと思っております。
これはちょっと要望であり質問でもあるんですけれども、そのシナジー、両立をするための指針であったりとか、あるいは科学的に適地を洗い出すようなツールの開発みたいなものを国としても提供していただけたりとか、あるいはそんなものを既にやっていらっしゃるのかということをお聞きしたいというのが1点です。以上は、リスクの観点からです。
一方で、成長につなげたいという小林副大臣のお話もありました。そちらの視点もすごく重要だと思っておりまして、地方自治体が例えばゼロカーボンシティ宣言とか、ネイチャーポジティブ宣言とか結構ばらばらに動いているという気がしておりまして、自然でどうやって価値を創出して、チャンスに結びつけていくのかということももっと考えなきゃいけないと思っています。
現在、自然共生サイトの認定なんかはもう始まっていますけど、先ほどの委員からも質問があったように、森林由来のカーボンクレジットとかブルーカーボン、今、インベントリにも入ってきたりとか、東証カーボンクレジット市場でももう取引されるようになってきて、ここでもうちょっと地域の自然資本を価値向上に結びつけて、何でしょう、地域のもうけに結びつけるというんですかね。そういう政策を積極的にもっと打ち出していただければというふうに思っております。
私からは以上です。
○大塚会長 どうもありがとうございました。
では、小西委員、どうぞお願いします。
○小西委員 ありがとうございます。手短に4点、お話しさせていただければと思います。
地域脱炭素が着実に進んでいるのは本当にすばらしいことだと思っております。私も今、福島の地方創生に関わっておりますので、ぜひ政策の使わせていただく側の立場としてもいろいろと勉強させていただければと思っております。 2点目が、NDCのものなんですけれども、これは暮れに非常に議論がNDC小委でなされまして、まさに大塚会長が委員長で、事務局も含めて土壇場になってではありますけれども、非常に議論が尽くされる形の審議プロセスになったことは大変よかったなと思っております。
結論がどういうふうに落ち着くかというのは、結果次第なのですけれども、やっぱり審議会のプロセスとして、本当にこの議論が尽くされて、特に意見が分かれるようなものは、ああいった形でやっていける、公開されて、しかも非常に包括的にいろいろな意見を聞きながら、かつ、今日は時間的に制限がありますけれども、委員の発言に時間の制限もなくという形で非常に尽くされたのはよい前例だなと思っております。
これからも、審議会で実質的なああいうふうな議論ができるような、そういったプロセスになるといいなと思っております。
あと、質問なんですけど、これ、その後どうなるんでしょうか。これでもう終わる、議論の機会はないのかどうかということをちょっとお聞きさせていただければと思っております。
3点目が、先ほど有村委員もおっしゃった、このカーボンプライシングなんですけれども、これからGXで2026年からいよいよ始まっていくと理解しております。環境省の側ではこれに対する何か正式な議論の場というものは、今後はどうなるのかということをお聞きさせていただければと思います。
4点目、トランプ政権のこの情報も入れていただいてありがとうございます。もちろん、これは政策ですので政権の動向が重要なんですけれども、今、本当にノンステートアクターの時代ですので、やっぱりAmerica is all inなどでアメリカの人口の63%、アメリカのGDPの74%を超える、いわゆる自治体州政府が、前のバイデン政権の政策のときに決められたNDCを目指してやっていくみたいな表明も明示しているので、そういった情報も、自治体の動きが、日本でも自治体の動きがこれだけ重要視されていますので、一言コラムとして入ってもいいかなと思っております。
以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
中川委員、どうぞお願いします。
○中川委員 ありがとうございます。株式会社ウオーの中川と申します。
私、普段は水産業に携わる者でして、いろいろな現場にお邪魔してお話を伺ったりですとか、逆にこういったところのお話を現場へお届けするお仕事もさせていただいております。
今回1点だけ、ちょっと気になった点というか要望したい点がございます。具体的には、資料3-⑤の2ページ目になるんですが、サーキュラーエコノミーへの移行加速化パッケージの基本的な考え方の下にある図についてです。専門的な人間ではないので、とんちんかんなことを言ったら申し訳ないんですけれども、この三つの団体、製造業や自治体、リサイクル業者さんというのがある中に、国民・消費者といったプレイヤーを追加するというのは違和感があるのでしょうか。
というのが、業者さんや製造業の会社、自治体さんが大きな取り組みを実際にするというところはあると思うんですけれども、今日いろいろなお話を聞かせていただく中でも、国民・消費者の方ともっとコミュニケーションを取りたい、巻き込みたいというお話がありました。こちらの図の観点についても、例えばものを集める際や、サーキュラーエコノミーの後にできたサービスや物を選ぶ、購入するというのは、やはり国民消費者で、そういった方たち一人一人が、一人一人は小さなもちろん力なんですけれども、意識を持ってちゃんと自分が主体的に動くものだというのをこういった資料とかにも加えてもらうことで、私たち国民も認識できますし、国で今後政策を具体的に進めていただく中でも、こういった図の中に国民というのが入っていることによって、それをより強く認識していただいた政策ができるのではというふうに感じました。
自分自体も、例えば漁師さんとお話しさせていただく中で、循環型として例えば海ごみや不要になった漁具の回収・リサイクルについて、彼ら自体があんまり主体的ではない、何かちょっと人ごと感みたいにやっぱりまだ感じることもあります。もっと主役なんだよ、一緒にやろうよというふうに主体性を持ってもらうという意味でも、もしも可能であれば入れていただけたらうれしいなと感じました。
以上です。
○大塚会長 どうも重要な視点、ありがとうございます。
古米委員、どうぞ、お願いします。
○古米委員 古米です。
今日、資料3-②と③をご説明いただいて、地域の脱炭素政策であるとか、要は緩和策については非常に積極的であり、非常に具体的に動いているのに比べて、適応に関しては環境報告をするという内容、環境省の、国環研のほうにはA-PLATということで、いろいろと適応策について紹介するようなところがございますけども、地域で実際に適応策を推進するというところを後押しするような力が若干弱いように感じております。
例えば、地域における適応策というのが実際問題として、地球温暖化対策計画の1章に入っているだけであって、適応策を計画しているというところが非常に遅れているように、私、認識しておりますので、いわゆる温暖化対策プラス適応計画という形で地域にしっかりと根差すような方向性を打ち出していただきたいように考えております。
以上です。
○大塚会長 ありがとうございました。
では、オンラインのほうに移らせていただきます。
中村太士委員、お願いします。
○中村委員 ありがとうございます。 質問なんですが、資料3-②で、地域脱炭素について議論されていて、大変、今の現状はよく分かったんですが、38ページの今後の在り方のところに、検討会で議論された内容の中に、再エネ導入に伴う地域トラブルの増加を踏まえとあるんですね。ただ、この地域トラブルがどんなものなのかというのがちょっと見えないので、そこを教えていただければと思います。
藤田委員もおっしゃっていたような、北海道もそうなんですが、自然環境の保全、ネイチャーポジティブとうまく調和しない再エネ導入が地域の中であるんじゃないかなと思っていて、もしトラブルの多くがそういった問題であるならば、都道府県や自治体に任せるだけではなくて、国としての関与も必要なんじゃないかなと思ったからです。
トラブルの内容を教えていただければありがたいです。よろしくお願いします。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、豊岡委員、お願いします。
○豊岡委員 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○大塚会長 はい、聞こえます。ありがとうございます。
○豊岡委員 ありがとうございます。3点お願いいたします。
地域の視点から、先行地域重点対策をたくさんやってきてくださったんですけれども、終盤になって、より地域の裨益型に移行するというお話で、本当にありがたいと思っております。
ただ、さらに今までは先進性というものにすごく何かこだわったところがあって、それよりも普及をもう少し普及可能なモデルだったり、合意形成がしっかりされているであるとか、もちろん地域に裨益があるとか、地域のサーキュラーエコノミーに資する資源が循環されているかどうかみたいな加点とか、より地域視点でメリットのあるような取組にしていきたいというのが1点でございます。
2点目ですけれども、サーキュラーエコノミーが国家戦略になるということで、一方、日本のリサイクルはまだ焼却とか埋立てとか、海外へ行っているものが多いという現実を踏まえて、我々もバイオマスの地域の廃棄物となるものを、それをバイオマスの燃料にしたいということで取り組んでおりますけれども、許認可が市町村であるがゆえに基準も全然明確ではなく、なかなかばらばらで、それが廃棄物なのか有価物として資源になるのかという明確な基準がないし、後ろ向きな市町村はもうやめてくれみたいな取組に差が出てきてしまうというような、実際私どももやり始めて、造園組合のようなところと、それを有価物として買い取って、それをバイオマス燃料に今しているんですけども、丸々3年かかってしまいました。
始めてみると、非常に大量の捨てていた、償却していたものが、それがちゃんと循環をして、周辺の住民の方々もまきだったり燃料として非常に喜んでいるというような取組になりまして、これ、もったいないなと思っております。 というのも、里山とか街路樹は戦後80年が過ぎて、もう老化が始まっていて、これを更新する時期に来ています。今後、大量の街路樹の更新とか、里山に手を入れていくとすると、大量にここからバイオマスというものも出てきて、それが廃棄物となると非常に地域の負担にもなるし、なかなか資源循環にならないということで、ここはしっかりと基準などを何でもいいというわけではないので、しっかりと国のほうから市町村に対して有価物になる、資源となる基準というもののガイドラインを持つとか、指導するとかという手続が必要なのではないかと思っております。
3点目です。太陽光とか、新しい技術が増えてきて、今、私どももやっているのが随分軽量化されてきて、ペロブスカイトもどんどん本当に実用化になってきましたし、それと垂直型みたいなものも出てきております。
これをもっと導入するということで、REPOSの見直しが必要なのではないかというふうにちょっと考えます。現実に即していないなというふうになってきておりますので、それと農地とかの手続が煩雑でなかなか使えないとかいう問題もありますので、これはしっかりと省庁間を超えて資源がどこに再エネのポテンシャルがあるか、基準をもっと緩和する方向はどうしたらいいのかというところも含めて、環境省のほうで頑張っていただきたいなと思っております。 以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、大原委員、お願いします。
○大原委員 ありがとうございます。
先ほどの環境省の資料説明にはありませんでしたが、会長の冒頭発言にありました汚染防止という視点の中の、大気環境、大気汚染に関わる立場から1点、発言したいと思います。
皆さん分かっていることと思いますけれども、環境のモニタリングですね。これは環境行政を進めるための基本であり基礎であり、環境省としても今後も継続的かつ的確に実施すべき課題であろうと考えております。一方、予算の制約等が大きくなりつつあること、モニタリングに関する技術の進歩が著しいことから、モニタリングの在り方を科学的な視点も含めまして検討していくということが非常に重要な課題と考えています。
昨今、非常に残念なことに、大気モニタリングの弱体化が確実に進んできています。一方、別な面としまして、有害化学物質あるいは気候変動とのリンケージする部分ですとか、窒素管理といったような新しい側面、さらには技術的にはGOSAT等の衛星観測の利用等、いかに視野を広げるかということも重要な課題となってきていると思います。
このような状況を踏まえまして、環境省にはぜひ私たちが常に吸っている空気の状態を把握することによって、冒頭の副大臣のご発言にもありましたように、人の命を守るという役割をしっかり担う立場で、今後の大気モニタリングの戦略を取りまとめて、それを踏まえて適切な予算措置に尽力していただきたいと考えております。
以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、枝廣委員、お願いします。
○枝廣委員 ありがとうございます。枝廣です。
全容のご説明、ありがとうございました。非常に勉強になりました。
その上で、2点コメントと質問をさせていただきたいと思います。
一つは地球温暖化対策について、グローバルな傾向として当然ながら排出回避・排出削減から吸収固定化に重点がシフトしていると理解しています。これは、排出回避・削減は当然のことだということと、たとえ世界からの排出がゼロになったとしても、既に出てしまっているCO2を回収、除去しないといけないということです。
次期NDCの達成に向けてというスライドでも、ほとんどのところが排出回避・削減に重点が置かれているように見受けられました。
極めて小さく「森林」「ブルーカーボン」と書いてありましたが、少し時間軸を持った形で結構ですので、この辺りを環境省としてどう位置づけていくのか。特に排出回避・削減に関しては省エネや再エネ等々、補助金やさまざまな支援メニューがありますし、森林に関しても林野庁の様々な支援があります。しかしブルーカーボンについては今、支援がほとんどありません。私も熱海で取り組んでいますが、自ら費用を負担して取り組んでいるのが各地の現状です。 この辺り、ブルーカーボンの取組を国としてどのように位置づけて進められていくのかということをご質問させていただきたいと思います。
もう一点は、それともつながってくるのですが、シナジーで言うと、先ほど豊岡さんからもお話がありました、バイオマス資源をどう活用していくかというところです。循環経済の移行加速化パッケージの中でも、農山漁村のバイオマス資源の徹底活用ということを挙げられています。竹・もみ殻・間伐材等、あと都市部も剪定した枝というバイオマス資源のほとんどは重油をかけて燃やしているのが現状ではないかと思います。それをエネルギー・燃料として使っていく以外に使い切れない部分もたくさんあるので、炭化して、バイオ炭にして地中に埋め戻していくことで、大気中のCO2濃度を下げていくことができます。他の国でも今非常に力を入れて進めているところです。
環境省として、実際に吸収していくだけではなくて固定化していく炭化等の技術について、どのようにこれから位置づけて進められていくのか教えていただければと思います。
私からは以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、奥委員、お願いします。
○奥委員 ありがとうございます。
資料3-④、PFASに関する取組状況についてご説明いただきまして、どうもありがとうございました。こちらの1ページで、PFAS対策の基本的方向性として四つの柱が示されておりまして、これはいずれも重要な柱で、これらが徹底されていくということが肝要なところではあるのですけれども、この③の中にあります健康影響の未然防止、こちらについては先ほどご説明がありましたように、水道水質については暫定目標値から水質基準に引き上げるということで、それがなされると水道事業者による基準の遵守ということが徹底されていくということで、それは一つ前進かと思います。
④のリスクコミュニケーションの推進の中の最初のポツにありますように、既に水道水源以外においても、高濃度のPFASが検出されている事例、もしくはそういった潜在的な事例というものが存在しているということがありまして、その場合に住民の不安に寄り添い、透明性を確保しながら適切な情報発信が必要というのはそのとおりなのですけれども、実際にやはり住民等の声を受けて、対応を求められるのは地方公共団体、特に基礎自治体が、対応に当たらなければいけないという状況がある中で、どういった形で住民の不安に寄り添うということになるのか、どういった取組、対策を講じればそのニーズに応えるということになるのか非常に現場では苦慮しているという状況がございます。
国として、しっかりとした政策枠組みやその仕組みを構築して基準値を設定していくといったようなことも重要なのですけれども、それが現場や基礎自治体にしっかりと落とし込まれていくといいますか、具体的な取組につながっていくような、効果的な現場での対応につながっていくようなところについても、留意をしていく必要があるかなというふうに思っておりまして、そこはぜひ環境省のほうでもお考えいただければというふうに思っています。
特に、民間の事業者や個人が所有している井戸の検査を地方公共団体が要望を受けてやったところ、やはり高濃度のPFASが検出されたというような、そういったケースも出てきておりまして、その場合、自治体としてその後どういった対応をすればいいのか、調査はしたけどその先のところがなかなか見えてこないという現状がありますので、そういったこともしっかり考えていく必要があるかなというふうに思っております。ぜひご検討をお願いいたします。
以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、山神委員、お願いします。
○山神委員 山神です。
私は、大気汚染が専門ですので、その点で発言させていただきます。
先ほど、大原委員からも発言がありましたけれども、私も大気モニタリングの弱体化が進んでいると感じております。
光化学オキシダントは、現在、国内のほとんどの地点で環境基準を超えておりますけれども、この物質は越境汚染の影響を受けることも分かっております。国が設置している測定局の中には、越境汚染の監視を目的としている地点も多くあります。
その光化学オキシダントを測定する装置が故障したまま予算がなくてデータが長期間出ていない測定局が多くあるということに非常に驚きました。環境基準を超えている物質については、きちんと予算措置を取っていただきたいと思っております。
また、大気モニタリングについて予算を取りにくくなっている理由の一つとして、光化学オキシダント以外の物質については、ほとんどの地点で環境基準をクリアしていることがあると思います。
ですけれども、この環境基準は設定されてから見直しがされておらず、基準値は高いままとなっています。高い基準値をクリアしているからといって、安心できる状況かどうかというのは分かりませんので、またさらにWHOは最近また幾つかの大気汚染物質について、目標値の引下げを行いました。それに合わせて、諸外国では環境基準の引下げが行われております。
我が国では、光化学オキシダントについては環境基準の見直しが検討されておりますけれども、そのほかの大気汚染物質については見直しは行われておりません。ぜひ早急に、最新の知見を基にした環境基準の見直しを検討してほしいと思っております。
以上です。
○大塚会長 ありがとうございます。
委員の先生方におかれましては、一通りお伺いしたと思いますけども、よろしいでしょうか。
(はい)
○大塚会長 では、環境省のほうからのご回答をお願いしたいと思います。幾つか質問もございましたので、適宜ご回答いただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
○秦総合環境政策統括官 多様なご質問、ご意見を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
まず、統括官グループでございますけれども、勢一委員、それから藤田委員からあったと思いますけれども、各種施策のシナジーの部分ですね、これをどう追求していくのかと。シナジーだけじゃなくトレードオフもあるといったようなことで、ここは正直、我々も試行錯誤というところがあるんですけれども、例えば本日ご紹介させていただきまして、環境アセスメントの制度におきましては、トレードオフの代表例とされる風力発電と、それから鳥の関係とか、そういったものも念頭に置きつつ、制度の見直しを図っていくというような方向で進めております。
あと、これも勢一先生からだったんですけれども、環境情報に対する国民のアクセス、これをもっと強化していくべきというところでは、同じく環境影響評価制度におきまして、アセス関係の書類の公開というのを今回、制度的に位置づけてまいりたいということで、少しずつ善処をさせていきたいと考えてございます。
それから、田中委員からスタートアップにつきまして、注目すべきようなビジネスモデルというのはあるんですか、あるいはそういう視点があるんですかといったご質問を頂戴いたしました。
近年、スタートアップ事業は大変盛んになっておりまして、環境分野だけで言いますと正直あまり大きなお金がなくて、そんな大きな支援ができているわけじゃないんですけれども、他省庁の取組を見てみますと、かなりネイティブに環境関係のものが副次的効果として入っているものが見られます。特に、農業分野とか水産分野にそういうのが多くなっていまして、そういったところと我々も内閣府を通じまして連携をさせていただいています。
そういったところで、かなり広くいろんな分野で環境というのは、かなり何ていいますか、主流化しているというのを実感しておるところでございます。我々もそういった取組を参考にしながら進めてまいりたいと思ってございます。 以上です。
○大塚会長 では、地域脱炭素政策の進捗状況のところで、ご回答いただけますでしょうか。
○大森地域脱炭素推進審議官 ありがとうございます。
中村先生から、まず、ご質問をいただいていましたけれども、地域トラブルということでございます。再エネに関するトラブルということで、ご指摘いただいたようないろんな野生生物との関係、野生生物の生息環境に再エネ施設が悪影響を与えているのではないかというようなトラブルもございます。
それから、例えば太陽光発電を傾斜地に設置されたということで、災害リスクとの関係、そのほかいろんな再エネ設備について、景観の悪化などについても懸念が表明されている事例がいろいろございます。
こういったことで、やはりその再エネ発電をどちらかというと、環境上、それからいろんな景観、その他の影響の少ないような地域に立地すべく、いわゆるゾーニングということで温対法に基づく再エネ促進区域制度がございますけれども、これをさらに使いやすく、それから効果のあるようなものにしたいということで、再エネ施設の立地誘導などに関しては、さらにその制度的な検討も進めていきたいと考えているところでございます。
また、先ほどいただきましたご意見として、田中先生のほうから再エネと防災、地域レジリエンスの観点からのコメントもいただいています。環境省では、例えば避難所に太陽光発電と蓄電池のセットを設置する際の支援を行うなど、そういった防災面での再エネの活用ということについても力を入れているところでございます。
また、再エネ施設との生態系の関係のデータベースということでございますと、これは環境省のほうで環境アセスメントの関係になりますけれども、いろんな環境情報をまとめたデータベースをEADASという形で提供しておりまして、再エネの開発をされる事業者さんに対して、どこが適地なのかを検討いただく材料ということで、提供させていただいているところでございます。
それから、豊岡先生からご意見がありまして、先行地域について、普及可能性や合意形成、地域によってメリットになるような事例を選定していくべきというようなご意見もいただいております。まさに、地域の合意をうまく取って、それがどういうふうな形で地域の合意が取れたかと。それから先進性などについても、いろんな先行地域をやっていく中での得られた知見やノウハウなどをぜひうまく普及させていきたいと考えているところでございます。
地域脱炭素の関係からのご説明としては以上でございます。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、気候変動政策の進捗について、たくさんございましたけど、恐れ入ります。よろしくお願いします。
○土居地球環境局長 ありがとうございます。
まず、有村委員からいただきました中小企業との対応でございますが、我々といたしましては、GX産業、またGX地域に移行していくというためには、中小企業の取組は非常に重要だというふうに考えております。
大きく分けますと、二つのアプローチをさらに深めていきたいというふうに考えておりまして、一つがこの地域ぐるみという形でスタートしておりますけれども、中小企業の方々と日頃ビジネスでお付き合いのある金融機関、また保険やリースなど、様々な方々と連携しながらどのような対策が必要なのかということをぜひお伝えしていきたいというふうに考えております。
また、その際には、各中小企業の方々にどのような裨益があるのかということを明確にお示ししていく必要もあるかと考えておりまして、当然のことながらCO2削減はありますが、例えば人手不足であるとか、生産性向上であるとか、資材やエネルギー価格が高騰しているなど、様々なお困り事があると思いますので、それらが同時達成できるような施策につきましてご紹介をさせていただきつつ、全体で前に進めていきたいというふうに考えてございます。
また、田中委員からございましたが、カーボンクレジットを取り扱う様々な工夫が出てきているということでございます。我々も各地でそのような取組が前に進んでいるというふうに見ておりまして、例えば農業分野との連携でいきますと、バイオ炭を固定化し飼料であるとか土壌改良材としても活用していくというような取組もございますので、こちらにつきましても、どのような効果があるのかということを、ぜひ明示をしてその取組が進むようにしていきたいというふうに考えてございます。
あと、小西委員からございましたが、次期NDC、また温対計画の見直しに関しましてでございますが、現在パブリックコメントを行ってコメントを多数いただいております。
こちらにつきましては、内容を精査し国民の権利・利益の保護の観点からどのような話があるのかということも精査をしております。
また、ご指摘いただきましたように計9回にわたりまして、中央環境審議会、産業構造審議会の合同会議におきまして幅広いご議論をいただいたわけでございますが、そこの中で議論いただいた様々な論点、カバーしてきた観点を超えるような新たな視点があるかどうかにつきましても確認をさせていただいておるところでございまして、最終的に政府として決定していきたいというふうに考えております。
また、トランプ政権につきまして速報という形でお示しをしましたが、お話があったとおり、例えば州政府での独自の取組もございますし、また、アメリカの企業につきましても、日本の会社も参加しながら様々具体的なプロジェクトも進められている最中でございますので、これらがどうなるのかということも重要な内容になってまいりますので、様々なルートを通じて情報を取り、それらを共有しながら温暖化対策を前に進めていきたいというふうに考えております。
あと、古米委員からご指摘がありました適応の取組に関しまして、地域での取組を後押しするツールを強化すべきではないかというご指摘でございましたが、ご指摘のとおりであると考えておりまして、特に緩和につきましては、様々地域の工夫であるとか地域課題での同時解決など工夫を凝らしてきているところでございますので、適応に関しましても、これらの取組を活用しながら、あとを押していくということのステージに入ってきているというふうに考えておりますので、計画の見直しの議論の中でも具体化をしていきたいというふうに考えております。
あと、枝廣委員からご指摘がございました、吸収固定化の対策の重要性につきましてあります。
ご指摘のとおり、これら吸収固定化の取組につきましては、極めて重要だというふうに考えておりまして、記述につきましてはブルーカーボンという形で書いてございますが、こちらにつきましては各自治体また企業、漁業者など具体的な取組が始まっておるところだと理解しておりまして、これらをいかに地域課題の解決ともシナジーを持たせながら前に進めていくかということが、知恵出しが必要だと考えておりますので、ぜひご一緒させていただきたいと思いますし、また、各省庁とも関係する部分と考えておりますので、それらの連携が深まるような仕組みにしていきたいというふうに考えています。
また、最終的にはクレジット化などをしていくに当たりましては、算定の国際ルールをきちんと定めていくということが重要だと考えておりますので、ぜひ日本としましてもこの国際ルールの確立につきましては、先導して取組をしていきたいというふうに考えています。
あと、バイオ炭に関しましても、極めて重要な取組だと考えておりまして、現時点で行きますとJクレジット化されているという理解だとは思いますけれども、原料となるものにつきましては、まだ限られているということなどございますので、この取組も農林水産省とも連携しながら前に進めていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
○大塚会長 ありがとうございます。
では、水・大気局、お願いします。PFAS以外にも大気のモニタリングなどもございました。よろしくお願いします。
○松本水・大気環境局長 ありがとうございます。
水・大気局、2点でございまして、一つは、大気環境モニタリングについて、大原部会長、そして山神委員のほうからお話がございました。それについて、まず申し上げます。
大気環境モニタリングについては、各自治体予算制約、そして昨今の著しい技術革新という中で複数の自治体から合理化すべきだ、効率化すべきだという要望が出てきております。これは、地方分権推進委員会という場でそういう要望が出てきております。
そうした要望も踏まえながら、我々としては、やはり人の生命・健康を守るという環境省の原点、これはしっかり守りながら、また山神先生からご意見がありましたけども、WHOとか諸外国の基準の状況、これを収集しながら対応策を考えていきたいと、その際に当たりましては、ぜひ有識者の方々からもご意見、ご貢献を賜りながら、検討を進めてまいりたいと思いますので、ご指導をよろしくお願いできればと考えております。よろしくお願いします。
もう一点は、PFASの件で、奥委員からお話がございました。特に、自治体に対する支援はどうなっているのかということでございます。
環境省で令和2年だったと思いますが、令和2年にPFOS、PFOAの対応の手引きというものをまとめており、昨年夏にも改訂をいたしました。それに基づいて、自治体に対してはこういう場合にはこういう対応をしてくださいねというものをまとめておりますので、それをまず、ご覧いただくというのが1点。
そして、技術的助言をしながらですけれども、さらに自治体からニーズが上がってくれば、例えば国環研等、専門家の方々をご紹介して派遣させていただくという形で、きめ細かな自治体サポートに努めているところでございます。 ご不明な点とかいろいろあったら我々のほうにも問合せが来ていますので、そういう形で自治体が困らないように対応していきたいと考えております。
2点目、奥先生からあったのは、井戸とかで検出された場合がありますよねということでございます。そうした場合には、もちろん自治体を通じてですけども、まずは水道水、井戸じゃなくて水道水に切り替えませんかという指導をする。また2点目としては、PFASが今、除去できる浄水器がございますので、そうした浄水器の導入などをしませんかというような形で、自治体から井戸を持っている方々には、そういう働きかけをされているところでございます。
私からは以上2点でございます。
○大塚会長 ありがとうございました。
では、循環経済のほう、よろしくお願いいたします。
○角倉環境再生・資源循環局次長 お答え申し上げます。
まず、粟生木委員からご指摘がありました、政策パッケージのフォローアップに当たって、統計データもしっかり活用して定量的にどのようにやっていくのか、これをしっかり考えるべきだというお話をいただきました。
まず、今回の政策パッケージのフォローアップにつきましては、第五次循環基本計画のフォローアップの中で、この政策パッケージの取組を含めて政府全体の取組をしっかりフォローアップさせていただく予定としております。
その上で、循環基本計画で各種の指標も設けているところでございまして、そうした指標に基づいて取組の進捗状況については、しっかり定量的にも評価をしたいと考えております。
その際に、本日ご指摘いただいた点も踏まえまして、各種政府の統計データはどういうふうに有効活用できるのか、これはしっかり考えていきたいと思いますので、引き続きご指導いただけますようお願いいたします。
また、田中委員からご指摘いただきました、サーキュラーエコノミーの面での情報開示、これについてもしっかり進めるべきであると、こういう点につきましては、サーキュラーエコノミーの分野につきましては、気候変動のTCFD、それから自然環境・生物多様性におけるTNFDのような確立した国際的な情報開示のスタンダードはまだない状況でございます。
現在、この国際的なスタンダードづくりに向けて、特に環境省におきましては、WBCSDと連携協力しながら新たな指標づくりについて国際的な議論をリードしていこうという心構えで現在、取組を進めているところでございます。 これにつきましては、日本国内の各種企業の方にも一緒にお入りいただいて検討を進めているところでございますので、本日のご指摘も踏まえてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
また、中川委員からご指摘いただきました、図表の中に国民・消費者が書いてないじゃないかと、こういうご指摘をいただきました。そのご指摘に関しましては、私も全くそのとおりだなと思いました。
ご指摘を踏まえまして、この点については、今後、資料を作成する際には見直して、また、本日ご指摘いただいた点も踏まえて取組を進めたいと考えております。
なお、政策パッケージ本体そのものには、ご指摘いただいた視点はしっかり入っておりますので、今後そうした点が分かるように説明に当たっては気をつけていきたいと思います。ご指摘ありがとうございます。
最後、豊岡委員からご指摘いただきました、バイオマス発電用燃料について廃棄物該当性判断のところで、なかなか市町村等から許認可をいただく際に手続に時間がかかると、これについて何らかのガイドライン、判断基準等を示すべきではないかと、こういうご指摘をいただいた点につきましては、実は私ども環境省で、令和4年にバイオマス発電燃料等に関する廃棄物該当性の判断基準の判断の事例集を公表させていただいているところでございます。
ただ、この事例集を公表しただけで、まだなかなかうまくいっていない部分も多いということかと思いますので、これにつきましては事例集について、さらにしっかり普及啓発に努めるとともに、個別の事例で特にお困りの点等がございましたら、また個別に教えていただきましたら、私どもとしても対応を検討させていただきたいと思いますので、引き続きお気づきの点等がありましたら、よろしくお願いいたします。
資源循環関係につきましては以上でございます。
○大塚会長 一通りご回答いただいたと思いますけど、漏れはないでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○秦総合環境政策統括官 すみません、有村委員から、GX調達について、これは重要じゃないかと、どうやっていくんだというご指摘を頂戴しておりました。失礼しました。 GX製品については、ペロブスカイトですとか、あるいは断熱窓、それから商用車や船と、こういったものについてはGX移行債を用いた支援をさせていただいています。これらの製品については、割と組立て加工系のものなので、ロットが集まっていけば価格も下がっていって一般に普及するだろうというところが想定されるわけなのです。
一方で、素材系のものですね、例えばグリーン鉄のようなものですね。こういったものについては、やはり調達というところでしっかり義務とまでは言いませんけれども、しっかり、特に公共においては調達してもらうということを意図的に仕組んでいく必要があるだろうということで、まずは物品につきましてグリーン調達の基本方針の中に取り込むべき作業を今、行っております。
国は、それで調達しなさいという話になるんですが、自治体のほうは努力義務になっておりますので、この辺はやや将来的な話かもしれませんが、いずれスコープ3でいろんなものを見える化していかなきゃいけないという時代が来ると思いますので、そういったところに備えて、あらかじめどんどん手を打っていくということを強力に働きかけていくということを、まずはやっていくのかなというふうに思っております。ここはなかなか難しいところなので、ぜひともいろんなお知恵を頂戴できればと思っております。
以上でございます。
○大塚会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
気候変動に関する、あるいはサーキュラーエコノミーとか、ネイチャーポジティブに関する極めて現代的な課題とともに、大気モニタリングとかPFASとかの汚染の問題とかも含めて様々な問題についてお話しいただき、ご質問、回答いただいたものと思っております。
そろそろ時間が参りましたので、これにて審議を終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
環境省におかれましては、本日の皆様方からのご意見などを参考に、今後の環境施策に反映させていただきたいと思います。
皆様のご協力の結果として、時間内に終わることができますことを大変ありがたく思っております。
では、事務局にお返しいたします。
○小笠原総務課長 活発なご議論、ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、本日ご出席の委員の方々にお送りしてご確認をいただいた後に、ホームページにて公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上をもちまして、本日の総会を終了いたします。
本日は、お忙しいところご出席、ご意見を賜りましてありがとうございました。
○大塚会長 ありがとうございました。