保健・化学物質対策

平成27年度第4回(通算第6回)水俣条約対応技術的事項検討会 議事録

日時

平成28年1月29日(金)14時00分~16時00分

場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール2D

出席者

出席委員    

大塚直(共同座長)、東海明宏(共同座長)、蒲生昌志、崎田裕子、高岡昌輝、高村ゆかり、田村暢宏

政府出席

環境省環境保健部、経済産業省製造産業局化学物質管理課

政府傍聴

環境省、経済産業省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、防衛省

議題

(1)製品表示等の情報提供の方法に関するガイドライン骨子案について

(2)特定水銀使用製品に関する市場監視調査の実施方法について

(3)その他

議事録

(1)第3回検討会の指摘事項と対応案について

(参考資料2、参考資料4について事務局より説明。)

崎田委員:参考資料4のアンケート結果によれば、水銀使用製品の分別回収にあたって、自治体担当者が表示を重要視していることが明らかになったということだが、もう少し詳細に、どういう製品に関してどういう表示が必要と考えているかといった分析があると良かった。2ページに記載されている具体的な要望については、今後の検討の参考とさせていただきたい。静岡県内の自治体における廃棄物減量指導員の総会に出席した際に、水銀使用廃製品の適切な回収を徹底するようにという通達が国から出されたことを踏まえ、地域レベルでの回収を徹底していきたいと考えている、という話を伺った。このように、国による水銀対策の検討が、地域における回収システムの強化に繋がることに期待する。

大塚座長:参考資料2の3ページで、日本照明工業会の回答として「蛍光管を製造してから回収するまで10年程かかるため、表示がある蛍光管と表示の無い蛍光管が10年近く混在してしまうことになる」とある。家電リサイクル法の検討でも聞かれたような話だが、こういった事情は表示をしない理由にはならない。表示等の情報提供は、いつかは始めなければならないため、事業者にしっかり役割を果たしていただく必要がある。また、10年後までに蛍光管が製造されない可能性もあるという回答もあるが、10年後に製造されている可能性もあるため、あまり確定的なことは言えないのではないか。

(2)製品表示等の情報提供の方法に関するガイドライン骨子案について

(資料1について環境省より説明)

高岡委員:情報提供の開始時期について「個別の製品等の版の更新時期に合わせて順次実施していく」ということは、新しく製造される製品に関してはそのとおりである。ただし、現在使用中の製品が今後排出されることを踏まえると、例えば業界団体のウェブサイト等を活用し、製品の水銀含有量等の情報を周知するといった取り組みは、すぐに始めていただいたほうがよいのではないか。過去に製造された製品に関しても、こうした情報提供を行っていただきたい。

高村委員:事業者による表示については、新規に製造される製品に表示がなされ、それによって廃製品が適正に回収されるということが、水銀汚染防止法(以下「法」という。)第18条の趣旨を鑑みても重要である。他方で、既に市中に存在する退蔵品等の適正回収という課題もある。新規製品に関する情報提供と退蔵品に関する情報提供を区別し、ガイドラインの内容を整理していく必要がある。特に退蔵品の適正回収は事業者による情報提供だけでは解決できない課題であり、循環型社会部会で検討されるべき課題でもあるが、この点をきちんと検討しなければ片手落ちになってしまう。両方の課題が見える形でガイドラインを整理していただきたい。具体的には、2ページの考慮事項について、新規製品に関する記述と、退蔵品に関する記述を区別して整理したほうがよい。事業者によって対応が異なると消費者の混乱を招く可能性があるため、原則をしっかりと明示する必要がある。また、大塚座長からも御指摘があったが、新規製品の表示を検討する場合には、退蔵品の状況を考慮する必要は無いのではないか。また、考慮事項が多すぎるため、事業者にとって判断しづらい内容になっているのではないか。

大塚座長:2ページに示されている原則は中央環境審議会の答申にも記載されており、これを明示することが重要である。また、2ページの下から3行目の「使用者が多数である」ということは、カタログ・パンフレットを用いた情報提供のほうが効果的であるということには結びつかない。表示以外の情報提供だけを用いた対応は、製品本体に表示ができない場合に、仕方なく行うということである。もちろん、表示と表示以外の情報提供の両方を実施する分には、そのほうがよい。また、2ページの4行目以降の考慮事項が多すぎるため、事業者は何をやればよいか分からなくなるのではないか。また退蔵品について、ウェブサイトを活用した情報提供は有効と考えるため、是非実施していただきたい。前回、蒲生委員からご指摘のあったLEDのパッケージに蛍光管に関する情報提供を含めるという方法は、退蔵品の回収を促進するアイデアとしては良いと考えており、法の目的からは外れていると理解するが、個人的には賛成である。また、資料1「4.情報提供のあり方」には組込製品に関する記載がない。商品の選択という観点、分別回収の観点からも重要な事項であるため、追加していただきたい。

環境省:経済産業省とも相談の上で、御指摘のあった点について整理したい。

田村委員:産業界の立場から申し上げる。情報提供のあり方は、個々の製品によってだいぶ異なるだろう。新規製品に関して、例えばランプでは「この製品には水銀が含まれています」と書くよりも「蛍光ランプには水銀が含まれています」と書いたほうが、混乱が少ない。電池についても同様で、各自治体の分別回収状況と齟齬が無いようにするには「各自治体の取り決めに従って廃棄してください」といった書き方が適切である。消費者に情報を周知するという観点で、文言をしっかりと検討する必要がある。また、情報提供の開始時期に関連して、日本照明工業会では既にカタログやウェブサイトを用いた情報提供を行っていることを申し上げておきたい。なお、表示以外の情報提供に関しては、消費者の目に最も触れるのは自治体のごみ分別チラシであるため、ここに記載していただければ一番効果が高いだろう。ご検討いただきたい。

蒲生委員:2ページの冒頭で情報提供の基本的な方針が示されているが、現状の案では表示に関する優先順位が示されているものの、前置きがない。表示と表示以外の情報提供の役割について明示した上で、表示の在り方に関する優先順位を記載したほうがよいのではないか。また、表示の統一感という点に関しては、業界をまたいだ統一感ということではなく、電池なら電池業界で、というように製品ごとに統一感をもたせるという意図だと理解したが、念のため確認したい。また、3ページの情報提供の開始時期について、法の施行時期以降という記述があるが、現状、情報提供が何もなされていないわけではなく、また法の施行をあえて待つ必要があるわけでもないという点を踏まえ、開始時期の「~以降」といった記載について、実態に即した表現を検討していただきたい。

崎田委員:製品ごとにサイズの違い等の異なる状況があるものの、製品本体に表示がなされ、パッケージや取扱説明書にも記載がなされることが基本であり、優先されるべき取り組みである。消費者が製品を選択する際、或いはそれを処分する際に、分かりやすい情報提供を行うべきである。家電リサイクル法やフロン回収等の環境分野で様々な表示が実施されているが、これらにおいても製品本体への表示が基本となっていることを踏まえ、事業者に検討していただく必要がある。前回の検討会で、蛍光管について表示のあるものとないものが混在して混乱するという事業者の回答もあったが、表示に関する取り組みを開始する際にマスコミ等を通じた情報発信を実施することによって、相乗効果のあるような形で取り組みを応援していければ良いと考えている。

田村委員:日本照明工業会や電池工業会等の業界とも話し合ったが、情報提供に関しては製品ごとに状況が異なる。特に2ページに記載のある表示の優先順位については、例えばテレビのような製品では、パッケージは廃棄され取扱説明書だけが残るため、パッケージに表示することにはあまり意味がない。また、水銀の使用箇所は、大きな組込製品を想定した項目だと思うが、蛍光ランプには関係が無い。本ガイドラインを踏まえ、各業界が今後独自にガイドラインを作成していくと考えられるため、本ガイドラインでは考え方の大枠のみを示し、細かい内容は各業界に委ねたほうがよいのではないか。

大塚座長:5ページの⑨に関連して、法では輸入品についても情報提供を求めているため、輸入品だからといって何もしなくてよいということにはならない。輸入品であっても、国内製造品と状況が異なるわけではない。法第18条の趣旨を踏まえ、どのような取り組みが必要か検討していただく必要がある。水銀体温計に関しては、パッケージへの表示がありうるのではないか。また、5ページの*の文言は意味がよく分からない。事業者向けの製品に関しては、排出事業者が廃棄物処理法上適正に処理する義務を負っていて、それなりに知識のあるユーザーであるため、排出事業者側に対処してほしいという内容に読めるが、産廃処理施設からの水銀排出量が相当量あることを踏まえると、事業者用の製品だからといって区別すべきではないのではないか。水銀使用製品が焼却されると、大気汚染に繋がるため、分別排出が非常に重要となる。

東海座長:原案としては、基本的には知識のある代理店等が介在しているため、相当な効果が見込めるだろうという点を踏まえた内容ではないかと推測する。

大塚座長:資料1の別添参考の位置付けを確認したい。冒頭に記載のあるとおり、製造事業者へのヒアリング内容を整理したもので、原案ではなく、ガイドライン骨子案とは位置付けが異なると理解している。

環境省:大塚座長のおっしゃるとおりで、別添参考の部分は、事業者へのヒアリング内容を整理したものである。

田村委員:事業者用の水銀使用廃製品の処理等の取り扱いに関しては、循環型社会部会を踏まえて今後環境省令で定められる事項であるため、現時点では明確にせず、原案の内容でよいのではないか。

崎田委員:事業者向けの製品は知識のある事業者が使用するということになっているが、例えば東京都では年に数回、清掃工場において高い水銀濃度が検知され、焼却炉が停止するという事故が起きている。一廃と産廃の両方が投入されるため一概には言えないが、ある程度まとまった量の水銀を含む廃棄物が混入しなければ、炉が停止するほどの水銀濃度にはならないのではないか。事業者による努力は既に行われていると思うが、事業者向けの製品も同様に検討していくという国の姿勢は、崩さないほうがよいのではないか。

田村委員:東京都の清掃工場の事故は、確かに問題である。ただし、量とリスクという観点では、例えば水銀血圧計であれば数台混入しただけで停止しうるが、蛍光管の場合は数万本が混入しなければそのような事故には至らず、そうした事態は考えにくい。血圧計に関しては、取扱説明書への注意事項の記載や、自治体における適正回収といった方法で混入が防げるのではないか。それ以外では、水銀を含む古い農薬に注意が必要で、廃棄時の注意事項をしっかりと周知していく必要がある。一生懸命表示しても、結局ご指摘のような事故の回数が減らないのでは意味が無い。

大塚座長:製品ごとに様々な状況があるものの、法第18条では事業者向けの製品を区別しているわけではなく、事業系だからといって除外してよいということにはならない。事業者にも様々な者がいるため、必ずしも十分な知識があるとは言い切れないのではないか。

東海座長:参考別添の文言の定義にも関係する議論だが、事務局で整理していただきたい。

高村委員:新規製品と退蔵品でガイドラインの内容を整理すべきという点は指摘したとおりだが、市町村等によって水銀使用製品の回収・処理の措置が異なるという点については、表示の方法や表示場所に関する検討には影響がなく、そうした状況の違いがあるのであれば、むしろ製品本体に表示すべきということになるだろう。他方で、提供すべき情報の内容について検討する際には、各自治体の状況や廃棄物処理法下の事業者の取り組みについて考慮する必要があるだろう。また、参考別添についても、新規製品と退蔵品で区別して整理していただきたい。退蔵品に関しても、適正回収を促進できるような情報提供が必要である。

崎田委員:本ガイドライン骨子案には、組込製品に関する記載がない。3ページ4.(3)その他の部分に追加するような形で、組込製品に関する記載と、輸入品に対する配慮についても記載していただくのがよいのではないか。また、4ページの②電池に関して、業界全体が努力して無水銀表示を行っているということだが、無水銀表示が100%徹底されているというわけではない。製品に引き続き水銀が含有されていくものがあるという点や、水銀含有表示は消費者による適正排出に資するという点も踏まえ、水銀含有表示の実施についても検討していただきたい。

田村委員:組込製品に関して、電池やランプのように取り外して交換が可能な製品については、十分に考慮していただく必要がある。例えばリモコンの場合、リモコン本体に表示を行っても、電池が交換されてしまえば意味がない。水銀使用製品が取り外せない組込製品のみ表示の対象とする必要がある。また、高村委員より御指摘のあった自治体における措置の違いに関して、例えばある自治体では無水銀電池と水銀含有電池の両方を区別なく回収している。そのような場合に、水銀含有品のみに分別してください、とは書きにくい。LEDについても、ランプという分類で、蛍光管と一緒に回収している自治体もあり、割れたランプは燃えないゴミとして回収している自治体もある。こうした場合には、自治体の指示に従ってください、としか書けないだろう。

大塚座長:田村委員の御指摘に関しては、おっしゃるとおり「自治体の指示に従ってください」と表示していただければ良いと考える。また組込製品に関しては、確かに電池のように取り外して交換可能な例もあるが、その場合には電池本体への水銀含有表示を徹底していただきたい。特に、輸入品の組込製品が気になるところである。また、電池の無水銀表示も確かに重要な取り組みではあるものの、法第18条は水銀含有表示に関して規定しているため、無水銀表示とは別に検討する必要がある。

田村委員:電池の水銀含有表示を行う場合に、海外メーカーがきちんと追従してくれるのかという点を、国内事業者は懸念している。海外メーカーが追従しない場合に、国内製造品には水銀含有表示があり、海外製造品には表示がない状況となり、水銀含有量の多い海外製品が増えてしまう懸念がある。こうした点を踏まえ、電池工業会に状況把握をしっかりと行っていただき、対応を委ねたほうが良いのではないかと考える。

大塚座長:田村委員から御指摘のあったような状況になることを望んでいるわけではないため、電池工業会にきちんと介入していただく必要はあると考えている。海外から表示のない電池が輸入されるという問題に関しては、税関、環境省、経済産業省等がきちんと監視することが必要ではないか。ご検討いただきたい。

蒲生委員:ある製品に関して、表示の方法や内容がガイドラインに準拠しているかどうか、判断する仕組みやフェーズは検討されているのか。

経済産業省:大塚座長からも御指摘のあったとおり、本ガイドラインに関する検討は法第18条の規定に基づき、事業者に適切に責務を果たしていただく目安として、ガイドラインをお示しするものである。そうした意味では、ガイドラインで提示する表示等情報提供は厳密な義務ではなく、水銀使用製品が可能な限り分別されるよう、国や自治体と連携して、努めていこうという一つの目安である。それがどの程度できているかということについては、環境省と今後確認していくことになるだろう。

東海座長:ガイドラインの枠組みについて、自治体が担う役割と、メーカー側が担う役割は不可分であって、片方が決まっても、もう片方が自動的に決まるというものでもない。また、産業界によって情報提供が実施されてきた歴史も尊重する必要がある。自治体との役割分担を踏まえ、どのような情報提供が必要かという点について、優先順位をつけて整理すべきである。製品の分別回収にはコストがかかるが、回収側が負担する範囲、事業者が負担する範囲、消費者が負担する範囲を整理する必要がある。情報提供ガイドラインでは、大枠の原則を明確に示し、それ以降の詳細な内容については各業界が考えていくほうが、これまでの取り組みとも齟齬のない内容になるのではないかと考える。退蔵品については、これまでの事業者による努力も鑑みて、ガイドラインがこれまでの取組の背中を押すような形となればよい。表示それ自体が自己目的化することのないよう、枠組みレベルで整理を行い、あまり縛り付けずに、各業界がカスタマイズしたもので対応できるような内容とすることが大事なのではないかと感じた。

業界に加盟していない事業者の取組は、試買調査で確認していくことになるだろう。ガイドラインに関する議論は、次の議題の市場監視調査とも不可分な点があるため、引き続きそちらの議論に移りたい。

(3)特定水銀使用製品に関する市場監視調査の実施方法について

(資料2について事務局より説明。)

崎田委員:水銀使用製品の試買調査を通じた定期的な状況把握が重要である。3ページ、表5で「1品当たりの検体数をなるべく抑え、試買数を可能な限り多くする」とあるが、全体の状況がある程度把握されるまでは、調査に十分な予算を付けていただきたい。

田村委員:まずは1製品あたりの検体数を抑えて調査を実施し、水銀含有量が基準値付近となった製品のみ検体数を増やすという方法をとれば、予算との両立も可能だろう。分析手法に関しては、検討にあたって電池工業会及び日本照明工業会に協力していただいており、業界による努力が行われているという点は申し上げておきたい。

大塚座長:試買調査で製造等規制に違反している製品が見つかった場合には、どのような措置をとることを想定しているか、事務局に確認したい。

経済産業省:水銀使用製品の製造等が規制されるのは、法施行後であるため、法施行前に行う調査は、状況把握のための予備調査という位置付けである。法施行後に製造等規制の水銀含有量基準を超える製品が見つかった場合でも、規制対象である製造・輸入の時期と、流通・販売の時期にタイムラグがあることを考慮する必要がある。違反が確実となった場合には、それなりの対応をしていくことになるだろう。

大塚座長:このようなサンプリング調査では、違反はあまり見つからないのが通例であるため、違反が見つかった場合には、厳格な対応をしていただいたほうが、効果があるのではないか。特に輸入品に関して懸念している。

田村委員:欧州ではRoHS指令下で試買調査を実施しており、規制物質の濃度が例えば基準値の数十倍・数百倍の場合は回収命令が出されることがある。水銀含有量分析を行うにあたって、例えば基準値を1%上回ったからといって回収命令等の厳しい措置をとるのは、対費用効果という点でも、回収によって廃棄物が増えるという点でも、適切ではない。

大塚座長:田村委員のご指摘とは別の点で、懸念があった。

蒲生委員:資料2では、調査の目的や内容に関する記載はあるが、「水銀含有量分析」のような調査項目が明示されていない。また、資料1の「7.今後の検討」でも「試買調査等を通じた情報提供の実施状況を踏まえ」といった記載があることを踏まえると、「表示の状態」といった調査項目を設けてもよいのではないか。また、資料2で「品種」「1品あたり」「試買数」「検体数」といった言葉がそれぞれ何を意味するのか分かりづらいため、整理していただきたい。

高岡委員:3ページ、表4で「水銀含有量等の分析法について、製造事業者等の協力も得ながら知見を蓄積し、信頼できる分析手法を確立する」とあるが、どの程度一般的な方法として確立するつもりか。国内で1社しか分析できないという状況では困る。ランプや電池は参考となる既存の方法があるようだが、スイッチ・リレーも調査対象に含まれている。手法の検討には時間がかかることが想定されるため、注意が必要である。

東海座長:3ページ「3.その他」で、調査結果をマテリアルフローの精緻化等に活用するとあるが、その場合には中古品(セカンドハンド)市場についても考慮する必要がある。循環型社会部会における検討とも関連する部分であり、データ収集が必要となるかもしれない。

東海座長:資料2の内容を踏まえ、表示等情報提供のガイドライン骨子案に関して、あらためて御意見を伺いたい。

高村委員:個別具体的な製品に関する表示等情報提供の在り方については、ある程度業界に判断していただかざるをえないと考えているが、そのためには、適切な判断がなされるよう、情報提供に関する原則を明確に示す必要がある。業界が判断してせっかく実施した取り組みが、政府の方針と齟齬があったということになれば、最終的に困るのは事業者側である。業界団体に入っていない事業者に対しては、政府が直接対応しなければならない。また、廃棄物の分別など、表示等情報提供が法第18条の趣旨に沿ったものとなっているかどうか、フォローアップしていく必要がある。市場監視調査は、その1つの方法である。資料1、3ページ「7.今後の検討」に、ガイドラインの見直しについて記載がある。新規製品及び退蔵品の適正な管理には、自治体や産業廃棄物処理事業者を含む様々な関係者が係ってくることを踏まえ、法第18条の趣旨に沿った情報提供となっているかどうか、単にガイドラインを見直すだけでなく、定期的に確認することが重要ではないか。

東海座長:高村委員の御発言の主旨は、情報提供の状況についても、モニタリングの対象とすべきということでよいか。

高村委員:義務ではなく、事業者による努力規定であるため、「モニタリング」と呼ぶのが適切かどうか分からないが、自治体が水銀使用製品の回収を実施する際に、困っている状況がないかどうかを確認しておく必要があるのではないか、という意味である。自治体と製造等事業者との交流の場も必要ではないか。

崎田委員:東海座長より指摘のあったとおり、自治体やメーカーが担うべき役割を踏まえ、水銀使用製品の適正管理に係る社会的費用を削減することも重要だが、実際に商品を選択し、分別排出する消費者の行動を踏まえた検討を行うことが基本である。また、小売店が果たす役割も大きいと考える。どういった商品を仕入れるかという点が関係するほか、廃製品の店頭回収や、自治体による回収拠点の店頭設置といった事例が存在する。小売店にも関心を持っていただくとともに、良い事例について今後も活用していくことが重要である。

田村委員:ガイドライン案に関しては、責務として努めてほしいという発言が経済産業省及び東海座長からもあったところで、原則を明示しなければならないのはそのとおりだが、あまりに厳しい原則を設定しても、意味のないものになってしまう。例えば、鳥居に表示をするのか、ということ。情報提供にかかるコストは、最終的には消費者が負担することになるため、なるべく意味のあるものについて、しっかりと取り組んでいくことが重要である。

東海座長:事務局は、本日いただいた御意見を踏まえ、製品表示等の情報提供の方法に関するガイドライン案の内容を検討してください。また市場監視調査に関しても、タスクベースで方法を整理していただきたい。

事務局:本日の議題に関して追加の御意見がある場合、2月5日(金)までに事務局にお送りいただきたい。次回検討会は3月3日(木)14-16時、本日と同じ会場で開催する。

以上