放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.3 放射線の単位

様々な係数

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国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に発表した勧告では、新たな放射線加重係数組織加重係数が提示されています。その中では、α(アルファ)線は、同じ吸収線量のγ(ガンマ)線やβ(ベータ)線に比べ、人体に及ぼす影響は20倍に及ぶとされています。また中性子線の放射線加重係数も高く、エネルギーによってγ線やβ線の2.5~21倍もの人体影響を見込んでいます(上巻P37「グレイからシーベルトへの換算」)。
原爆被爆者の健康影響調査の結果、放射線により発がん影響が大きく出る臓器や組織が明らかになっています(上巻P114「放射線感受性の高い組織・臓器」)。こうした組織には、組織加重係数として大きな数値が割り当てられています。
また、原爆被爆者の二世、三世についても健康影響が調査されていますが、遺伝性影響は観察されていません(上巻P109「被爆二世における染色体異常」)。そのため、1990年勧告で発表された生殖腺の組織加重係数(0.2)に比べ、2007年勧告では値が引き下げられています(0.08)。このように実効線量を算出するために使われる係数は、新たな知見が得られれば見直しが行われています。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2015年3月31日

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