放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和元年度版、 HTML形式)

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第8章 食品中の放射性物質
8.1 食品中の放射性物質対策

影響を考慮する放射性核種

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この図では、放射性物質の中でも、放射性セシウムについて基準値が設定されている理由が示されています。
東京電力福島第一原子力発電所事故によって放出されたと考えられる核種の中で、半減期が1年以上の全ての核種が考慮されています。つまり、放射性セシウムだけではなく、ストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106といった上記スライドの放射性物質が考慮されています。この基準値は、長期的な状況に対応するものであることから、比較的半減期が長く、長期的な影響を考慮する必要がある核種を対象としており、例えば、放射性ヨウ素には、基準値は設定されていません。放射性セシウム以外の核種を実際に何ベクレル以下といった基準値を設けて、そのまま現場で測定をしようとしても、検査に時間が掛かります。一方、放射性セシウムは容易に測定でき、放射性セシウムの基準値が守られれば、放射性セシウムと放射性セシウム以外の核種から受ける年間の被ばく線量が1ミリシーベルトを超えないように設定しています。
具体的には、放射性セシウム、ストロンチウム90、プルトニウムをはじめとした上記スライドの放射性物質の影響がどれ位あるのかが土壌等を調査して割り出されました。例えば、19歳以上の人の場合は、東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質を含む食品を食べて、そこから受ける影響全体を100としたとき、放射性セシウムからの影響が88くらいになります。一方でそれ以外の核種からの影響が12くらいであると分かりました。こういったデータを基に、放射性セシウム以外の影響についても計算に含めた上で基準値が設定されました。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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