放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和元年度版、 HTML形式)

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第3章 放射線による健康影響
3.4 リスク

相対リスクと寄与リスク

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相対リスクとは、ある原因により、それを受けた個人のリスクが何倍高まるか、ということを表したリスクです。疫学で普通にリスクといった際には、「相対リスク」のことを指すことが多いです。また、相対リスクから1を引いた値を「過剰相対リスク」と呼び、リスク因子にさらされていない集団と比べたときのリスクの増加分を表します。これ以外にも、寄与リスクという考え方があります。寄与リスクとは、ある原因により、集団の罹患率や死亡率がどのくらい増えるかということを表しています。
例えば、一方の集団が何かしらのリスク因子にさらされている、もう一方の集団はさらされていないとします。さらされていない集団では、ある疾患の患者が、100万人に2人出るのに対し、さらされている集団では100万人中3人患者が出るとします。
相対リスクというのは、どれだけ疾患になりやすくなるかという観点のリスクですので、患者が2人から3人に増加した、つまり、リスクは1.5倍になったと評価します。
一方寄与リスクでは、集団内でどれだけ患者が増えたかを考えますので、100万人中の1人、つまりは10-6リスクが増加したと考えます。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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