放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和元年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.1 被ばくの経路

様々な被ばく形態

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人体が放射線を受けたことにより、身体に影響を及ぼすかどうかは、どこに、どれだけ放射線を受けたかによって異なります。
全身に放射線を受けることを全身被ばく、部分的に受ける場合を局所被ばくと呼びます。
全身被ばくでは全ての臓器・組織で放射線の影響が現れる可能性がありますが、局所被ばくでは、原則として被ばくした臓器・組織のみに影響が現れます。被ばくした部位に免疫系や内分泌系の器官が含まれる場合には、離れた臓器・組織に間接的に影響が現れることがあり得ますが、基本的には被ばくした臓器・組織の影響が問題となります。
また、臓器によって放射線に対する感受性が異なります。このため、局所被ばくでは、被ばくした箇所に放射線感受性の高い臓器が含まれているかどうかで、影響の生じ方が大きく異なります。
内部被ばくの場合、放射性物質が蓄積しやすい臓器・組織では被ばく線量が高くなります。この蓄積しやすい臓器・組織の放射線感受性が高い場合、放射線による影響が出る可能性が高くなります。チェルノブイリ原発事故の後、ベラルーシやウクライナでは、子供の甲状腺がんの発症数が増加しましたが、これは、放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積しやすいこと、子供の甲状腺が大人より放射線感受性が高いことの両方の原因によります。
(関連ページ:上巻P4「被ばくの種類」

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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