内部被ばくの実効線量を求める方法も、基本は外部被ばくの場合と同じです。ただし臓器や組織の吸収線量の求め方が異なります。
放射性物質が体のどの部分に蓄積するのかは放射性物質ごとに異なります。また呼吸により呼吸器経由で放射性物質が体内に入った場合と、飲食物と一緒に消化管経由で体内に入った場合では、同じ放射性物質であっても体の中での代謝や蓄積といった挙動が違います。さらに、大人か、子供か、赤ちゃんかによっても、放射性物質がどれだけ体の中にとどまっているかが違います。
こうした条件の違いごとに、数理モデル計算を行い、どのくらいの放射性物質を摂取したら、各臓器や組織がどれだけの吸収線量を受けるかを求めます。次に、外部被ばくの被ばく線量計算と同様に、放射線の種類や臓器による感受性の違いを考慮します。こうして算出した内部被ばくの被ばく線量を、預託実効線量(単位はシーベルト)と呼びます(上巻P56「預託実効線量」)。
実際には、摂取量(単位はベクレル)に預託実効線量係数を乗じることで、内部被ばく線量を求めることができます。預託実効線量係数は、放射性核種の種類や年齢ごとに細かく定められています(上巻P57「実効線量への換算係数」) 。
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2019年3月31日