保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第6回議事録

日時

平成26年5月20日(火)

場所

日本消防会館 5階大会議室

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1)被ばく線量に係る評価について(その4、まとめ)
    (2)ヒアリングについて(その2)
    (3)被ばくと健康影響について(その2)
    (4)その他
  3. 閉会

午後2時58分 開会

  • 桐生参事官 本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻若干前ですけれども、事務局から、まず連絡事項等をさせていただきたいと思います。
     本日の出欠状況でございますけれども、石川委員と宍戸委員と丹羽委員から欠席の連絡をいただいております。また、荒井委員におかれましては、所用のために途中で退席されると伺っております。
     議事に先立ちまして、傍聴者の皆様へ留意事項を申し上げます。
     円滑に議事を進行させるために事務局の指示に従っていただきたいと思います。携帯電話、アラーム等については、音が出ないように設定をお願いいたします。また、傍聴中は、静粛を旨としまして、発言や拍手などについては控えて、議事の進行を妨げるような行為はご遠慮ください。ご質問やご意見等がありましたら、お配りいたしました用紙にお書きいただければと思います。
     その他、お配りした注意事項を守っていただきまして、お守りいただけない場合は、退場していただくことや、また次回から傍聴をお断りさせていただくこともありますので、よろしくご理解をお願いいたします。
     それでは、定刻になりましたので、開催したいと思いますが、まず初めに、井上環境副大臣より、開会のご挨拶を申し上げます。
  • 井上環境副大臣 環境副大臣の井上信治でございます。
     長瀧座長を初めとして、委員の先生方には、本日もお忙しいところ、ご出席をいただきまして感謝を申し上げます。
     さて、本日は、まず一つ目の議題といたしまして、これまで議論を重ねていただいた被ばく線量の評価について、まとめていただきたいと思います。
     本専門家会議として、今回の原発事故による住民の被ばく線量がどのぐらいであったのか、客観的な評価をぜひお願いをいたします。
     この評価結果は、今後、今回の事故による健康影響を科学的に評価していくため、また効果的な健康管理施策を検討していくため、基礎となる極めて重要なものとなります。
     また、二つ目の議題としましては、前回と同様に、有識者からのヒアリングを予定しております。国際放射線防護委員会の委員を務めるなど、放射線防護についての第一人者である、大分県立看護科学大学の甲斐倫明先生、低線量被ばくによる健康影響についての第一人者である放射線影響研究所の小笹晃太郎先生の2名にもお越しをいただいております。感謝を申し上げます。
     三つ目の議題といたしまして、被ばくと健康影響についてもご議論をいただきます。昨今、マンガ「美味しんぼ」により、事故による被ばくにより、疲労感や鼻血といった症状が福島県の多数の住民に現れているのではないかとのご議論が惹起をされ、国民の関心もますます高まっているところであります。
     他方、昨日の福島県県民健康調査検討委員会では、原発事故時に18歳以下であった全県民を対象とした検査により、甲状性がんが確定した人が50人、がんの疑いとされた人が39人いることが確認をされました。この結果につきましては、これまでの科学的知見から、現時点では、原発事故による影響とは考えにくいと評価がなされております。重要なことは、科学的知見に基づいた正確な知識、情報をわかりやすく国民に伝えていくことと考えております。
     今後のスケジュールでございますが、以前からお伝えしておりますとおり、今夏には、本専門家会議としての取りまとめを示していただきたく、改めてご協力をお願いいたします。
     最後になりますが、本日も活発なご議論を期待し、私の挨拶とさせていただきます。
     よろしくお願いいたします。
  • 桐生参事官 それでは、井上副大臣におかれましては、公務多忙により、退席させていただきます。
     続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。
     お配りいたしました資料について、順に確認させていただきますが、まず議事次第と座席表が1枚ずつございます。そして、資料でございますけれども、まずメイン資料といたしまして、資料1-1、1-2、1-3とございます。さらに、メイン資料の2-1、2-2、2-3ございます。そして、資料3、1枚紙でございます。
     続きまして、専門家の提出資料として甲斐先生の資料と、小笹先生の資料とそれぞれ一つずつございます。また、参考資料といたしまして、参考資料の1、2、3、4、5、6と、6種類参考資料がございます。
     以上でございますけれども、過不足等ありましたら、事務局に言っていただければと思います。
  • 前田参事官補佐 すみません。資料のご案内失礼いたしました。資料2と書いておるものの中に、2-1と2-2という形で分けてございまして、資料のつくりが悪くて恐縮でございます。ホチキスどめでいきますと、資料の2と資料の2-3という形でご用意させていただいております。申し訳ございません。
  • 桐生参事官 それでは、これより議事に入りますので、以降の進行については、座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 長瀧座長 それでは、第6回の専門家会議を始めさせていただきます。
     本当にお忙しい中、またお暑い中をありがとうございます。
     今日は、ここの議事に書いてありますように、まず被ばく線量に係る評価、これは今まで5回にわたって議論してきてまいりました、線量に関する評価のまとめに近いものでございます。決して今日で終わりというわけではありません。もし問題があれば続けますが、もうまとめのほうに入っていきたいと思います。それと、ヒアリングあるいは被ばくとその健康影響でございます。ちょっと資料の集まりのまとめ方が具合悪かったようでありますので、そのたびに必要なものを一応申し上げることにいたします。
     最初に、議題の1でありますが、被ばく線量に係る評価についてということで、これに関しましては、資料の1-1、それから、その次に1-2と1-3がございます。これの説明と一緒にそのときにまたもう一度入れていただきますが、参考資料の1、2、3~4、までで。その参考資料も一緒に最初に全部ご説明いただきまして、その後、まとめのことを主に議論させていただきます。というのは、その後の参考資料は、全てまとめに関わったものでありますので、最初にその資料を全部説明していただいて、それから、まとめの文章を比較的ワード・バイ・ワードで慎重にご検討いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
     それでは、事務局より、ご説明お願いいたします。
  • 前田参事官補佐 それでは、事務局より、資料のほうを説明させていただきます。
     先ほど、座長からご案内ございましたとおり、資料の1-1、1-2、1-3、参考資料の1、2及び参考資料の3と4も使用して、簡単にご説明をさせていただきたいと存じます。
     資料の1-1でございます。タイトル、住民の被ばく線量把握・評価について(まとめ)の骨子案という形でご用意をさせていただいております。
     これまで第5回までのご議論、前々回、表で少しご提示をさせていただきましたけれども、そういったものも踏まえながら、ご議論いただいたものを文書にまとめ上げたものでございますので、お気づきの点、ご指摘を賜ればという形で考えてございます。
     まず、1番、住民の被ばく線量把握・評価についての基本的な考え方ということで、この専門家会議の中で基本的な考え方としてお示しをいただいたものをまとめてございます。
     一つはでございますが、このまとめにおける住民の被ばく線量把握・評価については、事故による放射線の健康への影響が見込まれる集団の範囲、健康への影響が見込まれる年齢階級でございますとか、負傷・疾病の対象範囲等を検討するうえで、基本とするというものでございまして、全ての住民の方々、お一人お一人の被ばく線量がどうであったかという形を網羅的に評価したものではないという前提があると思っております。
     また、被ばく線量の把握・評価に当たりましては、被ばく線量の実効線量等を実測したデータをBest Dose Dataというふうに考えまして、環境モニタリング等のデータをNext Best Data、大気拡散シミュレーション等に基づくシミュレーションデータをHelpful Dataとして位置づけたうえで、優先順位をつけて検討を行っていただいたと承知してございます。主要なデータや情報については、それらの信頼性や妥当性についても検討を行ったところでございます。
     また、被ばく線量のご評価に当たりましては、大きく三つのカテゴリーに分けてご議論いただいたと承知してございます。
     一つ目、一番時間を割いていただいたと思いますが、事故初期の甲状腺被ばくに関してご議論いただいたと承知しております。その他、外部被ばくでございますとか、内部被ばくそれぞれの被ばく線量についてご議論いただいたと思っておりますし、それぞれにつきましては、福島県内と県外大きく分けますと、その二つに分けてご議論をいただいたと思っております。
     また、被ばく線量については、代表値だけではなくて、やはりその線量分布でございますとか、あるいは、とりわけ高い値がいくらぐらいであったかということもご議論いただいたかと思っております。
     2パラ以降は、事故による住民の被ばく線量把握・評価についてということで、(1)から先ほど申し上げた三つに分けて、それぞれまとめてございます。
     一つ目は、事故初期の甲状腺被ばく線量ということで、福島県内、まず一つ目でございますが、最初のほうの3ポツは、ご議論時間を相当割いていただきました、小児甲状腺簡易測定調査についての概要という形でまとめてございます。1ポツ目が、対象者のどういう考え方で始めたかということ。2番目が、結果でございまして、1,080人のデータの中で全ての子どもでスクリーニングレベルを下回っていたということ、中央値で0μSv/h、90%タイルで0.02μSv/h、最も高い子どもで0.1μSv/hであったという結果でございますが、次のパラにございますとおり、この検査は簡易検査でございまして、一定の不確実性が存在するということで、測定値がゼロということは、被ばくがゼロということではないということで、バックグラウンド値の変動に隠れてしまうため、およそゼロ~10mSvの範囲の被ばく線量に該当するものであるという形で承知をしてございます。
     おめくりいただいて、2ページ目でございます。
     このトレンドにつきましては、浪江町で弘前大の床次先生がご研究をいただいているシンチレーションスペクトロメータ、これもデータをお示しいたしましたが、この甲状腺の線量の実測値ともほぼ同レベルであったということがございます。これら調査につきましては、十分お時間をいただきまして、専門家会議でも十分ご議論をいただきましたけれども、改めて、同調査で対象となった方々に関する限りということでございますが、スクリーニングレベルを超える者はいなかったということはご確認をいただいたと承知をしてございます。
     次のポツでございますが、平成24年度に環境省において、その他の実測、これ1,080人のデータに加えまして、実測データやホールボディカウンターによるセシウムの測定値からのヨウ素・セシウム比を仮定しての推計、放射線各種の空気中濃度データからの推計、大気拡散シミュレーションからの推計等を組み合わせて、ヨウ素等の短半減期核種の吸入による事故初期の甲状腺内部被ばく線量の推計を行ってございます。全体のお示しを以前させていただきましたが、90%タイル値で最大30mSv、これは1歳児の甲状腺線量としてお示ししたもので、以下に示す値は、全て1歳児の推計値という形でお示しをさせていただいております。そういう30mSvの値であったというところで、主にご議論いただいたデータについてお示しをさせていただきました。
     これらデータを踏まえますと、東京電力福島第一原子力発電所に近くて、相対的に高濃度のプルームが流れたと推定され、小児甲状腺簡易測定調査を実施した地域であっても、小児甲状腺簡易測定調査の調査数と、当該地域に居住する小児の数ということを考えますと、90%タイル値で30mSvあるいは10mSvといった値の推計値精度というのは、相当高いというご評価をいただいたかと思います。事故後の行動に特別の仮定を置かない限り、50mSvを超える方はいなかったのではないかというものでございます。
     また、いわきや旧警戒区域、飯館村や川俣町以外の旧計画的避難区域については、実測データの補足割合、当然低くなるのでございますが、環境モニタリング等のデータや大気拡散シミュレーション等に基づくデータを加味いただければ、90%タイル値は10mSv~30mSvとなりまして、こちらに関しましても、特別な仮定を置かない限り、50mSvを超える住民はいなかったというご議論がなされたと承知をしております。
     また、福島県内でそういった地域に隣接するところでも同様に10~20mSvで、すみません。この丸の次の2行目に括弧がございますが、この括弧とじのほうは不要でございますので、とらせていただきます。すみません。考えられまして、50mSvを超えるものは存在する可能性についても、先ほど申し上げたような、いわき市あるいは旧警戒区域、旧計画的避難区域よりも低い値であろうと。
     当然そういった隣接するところから、さらに遠くなる地域というところは、実測値というところはない、限られている限りないというものでございますので、大気拡散シミュレーションによる推計に頼らざるを得ないというところがあるとは存じますが、そういった地域で健康リスクをあくまで評価するところが、この専門家会議の目的かと思いますので、そういったところで、線量が比較的高い地域でもシミュレーションでございますので、約9割が10mSv以下という値という推計をしているということを考えると、健康リスクを評価する値としての評価として50mSvを超える ことはないというものでございます。
     このお示ししたデータに基づいてお話をさせていただきましたが、この会議でも1回参加していただいて、UNSCEARの健康評価影響報告書についてご議論を賜りましたが、その中で、事故後1年間の1歳児の甲状腺の吸収線量の推計値、避難指示がなされた地域で最大83mGy、その他地域で52mGy、食事による内部被ばくという形で数値が示されておりまして、これらの推計については、一定の不確実性が存在すると。これは大気拡散シミュレーションモデルの不確実性による過大評価あるいは過小評価、逆にいきますと、食品による内部被ばくによる推計の過大評価の可能性あるいは小児甲状腺簡易検査やホールボディカウンター、これはこの場で丁寧にご議論いただいたものと比較したときに、値が大きかろうという形が影響評価報告書の中にも記載をされておりますので、そういったところの精緻化というところは、今後の甲状腺の評価の上で、まだ継続して必要な着目点かというふうに承知をしてございます。
     また、この報告書の中で1歳児の甲状腺線量と比べて小児や大人の甲状腺の推計結果は、2分の1~4分の1でございます。報告書は全て1歳児で書かせていただいていますので、その他の方々の目安として、そういった数値があるというものでございます。
     推計に当たりましては、ヨウ素131以外も評価に加えさせていただいておりまして、これは実測で1割という値でございますが、1割あるいは近似値では、それにより事故現場に、福島第一原子力発電所に近いところでは、より割合は高くなるという形で推計を行ったものでございます。
     また、外部被ばくに関しましては、これはガンマー線のエネルギー量でございますとか、評価をいたしますと、およそ等価線量が実効線量に比較して1.1倍ということでございますので、基本調査を反映、結果を踏まえますと、99%以上は、外部被ばくによる甲状腺等価線量は、5mSv以下であろうという形で理解をしてございます。
     福島県以外の地域でございますが、これは当然、実測値というものはないか、ほぼないというような状況かと思いますが、当然小児甲状腺簡易測定を実施した地域でございますとか、旧警戒区域やその他計画的避難区域と比べますと、相対的に被ばく線量は低くなるというところではないかと考えてございまして、ヨウ素による1歳児の甲状腺内部被ばくは、WSPEEDIのシミュレーションで安全側に見込んだものでございましても、栃木県全体で5mSv未満と推計されているという結果がございます。これはあくまで約10日弱でございますが、24時間戸外に居続けたと仮定した場合の推計値でございますので、屋内に滞在する遮へい効果等考慮性は、よりリスク低い値になろうかというふうに存じ上げております。
     一まだ議論が残っておるかというふうに承知をしてございますのが、ヨウ素が北西方向だけではなくて、南方向にも流れたということでございまして、こちらにつきましては、後ほど資料1-2でデータをお示しいたしまして、皆様のご議論をいただきまして、改めて文字にしてご相談を差し上げたいというふうに存じ上げております。
     あとUNSCEARの報告書の中で記載しております、福島県外の推計の甲状腺吸収線量、全体の値と内部被ばくによるものの値を簡単にお示ししてございます。
     特に甲状腺の部分について丁寧なご議論がございましたので、こちらも丁寧にご説明をさせていただきましたが、以下、外部被ばくと内部被ばくでございます。福島県内につきましては、県民健康管理調査、4月から県民健康調査でございますが、基本調査として外部被ばく4カ月の推計を行われてございます。その結果は、99.8%が5mSv未満であるというところでございます。 そういった結果のほかについても、外部被ばく線量を推計した調査研究がございますが、各種設定条件とか、パラメータの相違を勘案すれば、基本調査の結果とほぼ則したものではないかというふうにご議論を賜ったかと存じ上げております。
     また、4カ月以外の外部被ばく線量といえば、個人線量計による外部被ばく線量の測定結果でございますが、23年度で9市町村、24年度の17市町村の結果をお示しさせていただきましたので、そちらの数字を記載してございます。
     航空機モニタリングによる空中線量率の測定結果を継時的に評価いたしますと、空間線量率は、漸減傾向でございますので、今後の住民の外部被ばく線量も漸減傾向にはあろうかと思っておりますが、当然個人線量計による測定を継続しまして、実際の動向を確認すること、特に、今後避難指示が解除され、帰還されるというフェーズもございますので、そういったところでは、積極的な測定を勧奨して、測定結果に対するきめ細やかな説明ということが今後も必要かと考えてございます。
     また、こういった外部被ばくのお一人お一人の値ということは、これは当然お一人お一人にお返しをするということも重要でございますし、また、そういったお一人お一人に最終的には還元されます放射線の被ばくによる健康リスクの評価というところでも重要でございますので、国内外の専門家による被ばく線量評価や、あるいは健康リスク評価に資するよう、個人情報にも十分配慮した上で、積極的な情報収集を行うことが非常に必要であると思いますし、今後外部被ばく線量を測定するに当たっても、十分なインフォームドコンセントが必要かというふうに存じております。
     次のポツは、UNSCEARの報告書から引用させていただきました。福島県以外の地域についても同様でございまして、宮城県南部で23年3月14日以降の推計でございますとか、栃木県での推計結果について簡単に記載させていただいております。
     それらの結果を踏まえますと、事故後1年間の追加被ばく線量は、5mSvを下回るものと推計してございます。
     最後のポツは、UNSCEARの報告書でございます。
     また、県外の5ページ目の上側でございますが、これもモニタリングの空間線量率を考えますと、漸減傾向ということがございますので、当然今後も下がっていくというものでございますが、やはり汚染状況重点調査地域なんかでおきますと、モニタリングのデータが中心のデータになるというところもございますので、これは一度実測をさせていただいて、どういった線量分布になるかということを今年度調査させていただきたいというふうに存じております。
     最後、内部被ばくでございますが、これは福島県内と県外を分けるというところよりも、データはそれぞれ県内、県外ございますが、あわせて記載をさせていただいてございます。ホールボディカウンターによる内部被ばく検査の結果、あるいは福島県内の陰膳調査でございますとか、あるいはマーケット・バスケット調査による食材による調査結果でございますと、1年間の摂取でも預託実効線量で0.01mSvとされていること、福島県以外でも同様の調査をされておりまして、内部被ばく線量は1mSv以下ということ、こういったデータが出ているということと、こういったデータ、当然外部被ばくと同様、今後の健康リスクの評価にも資するものでございますので、こういったデータをやはり丁寧に今後も集めていくということが必要かと思います。これまでについても、今後計画するにしても、十分な説明・同意ということで、そういった評価が必要かということは存じております。
     最後、UNSCEARでも同様に評価をしてございますので、そちらの数値について記載をしてございます。
     1-2以降、具体的なデータについてお示しをさせていただきます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     後でここの部分が一番今日の議論の中心になるわけでありますけども、これに関係した部分として、続いて、ご説明していただきます。
  • 桐生参事官 続きまして、事務局より資料の1-2と1-3、またそれに関係する参考資料についてご説明させていただきたいと思います。
     まず、資料の1-2をご覧になっていただきたいと思います。
     先ほどの資料の1-1を補足するような形で、3点ほどですね、事務局側で整理させていただきました。1-2の1枚目にございますけれども、まず、1点目は、福島県の南部もしくは、より南、もしくは茨城県の特に北部の甲状腺の被ばく線量の推計についてでございます。これは前々回ちょっと課題として残されていたということで、事務局の資料を用意させていただきました。
     あと1-2-2は、県民健康管理調査の基本調査と、あと環境省の事業で評価した飯舘村の事業、具体的には京都大学の今中先生による調査でございますが、それについて、改めて、データや報告書をいただきましたので、簡単に提示させていただきます。
     1-2-3は、母乳の測定データについての解釈ということで、放射線医学総合研究所、明石委員に資料を提出していただきましたので、それについての説明をしていただきたいと思っております。
     順に、1-2-1から説明させていただきたいと思います。
     1枚めくっていただきまして、横表でございますけれども、ページにしますと3ページでございます。
     茨城県のデータ等については、データに限りがあるところもございますけれども、事務局のほうで調べた、集めた資料の一覧を簡単にまとめさせていただいているところでございます。
     出典というところにそれぞれの報告をした著者なり、UNSCEARの報告書を書いてございまして、その下に、甲状腺の被ばく線量ということで、それぞれの報告書で記載されている、報告されている線量を書いております。これは、基本的には1歳児の線量を報告書の中から抜き出しております。4番目のもの以外は、1歳児になっております。場所等に依存しますので、測定や推計を行った場所についてその下に書いてございます。また、被ばく経路として、吸入かどうかといった経路について書いております。その下には、その計算をしたときの測定や推計方法、また条件、各種の計算した条件やパラメータがございますけれども、簡単に左側の古田他から4番目のPriestの文献までは、空気中のRI(放射性物質)の濃度から各種のパラメータを使って吸入の摂取量を推計しているということでございます。
     右側のUNSCEARのデータ、これは茨城県の推計と、参考として福島県いわき市のデータを解析、分析、評価結果を載せてございますけれども、これについては吸入プラス外部の甲状腺線量と経口の線量をそれぞれ推計しているということでございまして、分けて数字が出ているところでございます。
     これが事務局のほうで用意させていただいた資料でございます。
     それにあわせて、参考資料の1をご覧になっていただきたいと思います。茨城県の甲状腺被ばく関係の参考資料ということで、一覧にまとめさせていただいております、1ポツ~7までです。7ポツまで一覧に添えさせていただいておりまして、今までの会議で既に出させていただいたものについては、第何回目の何番の資料ということで添えさせていただいて、あと公開の許可がいただけなかった資料については、ホームページに公開されているものは、そのURLを書いてございます。それ以外に、今回公開の許可をいただいたような資料について、ここに添えさせていただいておりますけれども、参考資料の1-1で示させていただいたものは、水道水における放射性物質対策の中間取りまとめというのが、厚生労働省の水道課のほうでまとめたものがございまして、これを参考に添えさせていただいております。
     詳細については、ここでは触れませんが、こういう資料があるということで添えさせていただきます。
     ページをめくっていただきまして、49ページ、これは参考資料の1-2でございますけれども、当時の食品、茨城県内の食品の規制の状況について、簡単に事務局でまとめたものでございます。
     51ページ、資料1-3は、これは事故当初の3月の茨城県内の体表面のスクリーニング結果を提示させていただいております。
     あと次のページの53ページ、参考資料の1-4は、UNSCEARの報告書の中から福島県近隣県や、福島、それ以外の県、他県の被ばく線量の推計の一覧表でございます。
     以上が茨城県の被ばく関係でございます。
     また、戻っていただきまして、資料1-2でございます。それの2点目の基本調査の関係でございます。資料1-2の2枚めくっていただきまして、資料1-2-2をご覧になっていただきたいと思います。
     ページにすると、資料1-2の5ページでございます。基本調査と、あと環境省の事業の京都大学の今中先生を中心に調査していただいたものと並べたものでございます。これも以前に、一度提示させていただいて、その後、丹羽委員から前々回だったと思いますけど、基本調査を再集計したところ、屋外の滞在時間が平均1.いくつかということを発言されておりましたけれども、今回福島医大からデータをいただきまして、中ほどにある屋外滞在時間1.75時間ということでしたので、それを加えさせていただいたところでございます。また、前回の資料に比べて空間線量のマップが、県民健康調査では、2Kmメッシュで、今中先生らの調査では、各家屋ごとに線量を出しているというような違いを提示させていただいております。
     これに関連して、その資料でございますけれども、参考資料の2をご覧になっていただきたいと思います。参考資料の2-1、1枚めくっていただいて、2-1でございますが、これが3月に報告いただきました、今中先生からの線量評価の研究の報告書でございますので、添えさせていただいております。
     また、ページをめくっていただいて、参考資料の2-2というのがございますけれども、この資料が県民健康調査の飯舘村の回答者の調査で、屋外の滞在時間が平均1.75時間ということについていただいたレポートでございます。これについての詳細は省略させていただきたいと思います。
     また、資料の1-2に戻っていただければと思いますけれども、資料の1-2の7ページでございます。資料1-2-3になりますが、福島の事故後の母乳測定データの解析ということでございます。これは明石委員にご説明いただければと思います。
  • 明石委員 放医研の明石でございます。
     それでは、資料に基づいてご説明させていただきます。
     これは、はじめにというところに書いてございますように、事故後の母乳の測定データが存在して、これを厚労省が発表しています。4月24日~5月31日に、母乳の中の放射性物質の測定をしておりまして、119の授乳婦の中から120サンプルデータがあり、そのうち7人から放射性のヨウ素131を検出しております。二、三週間後に再測定しておりますが、もうこのときには出ていないということがあります。
     それから、英文誌にも一つ論文が出ておりまして、実はこれらについて線量評価は今までされていなかったということで、これらのデータを用いて線量を評価させていただきました。
     次の表ですが、母乳のデータ、これはいわき市、常陸大宮市、水戸、下妻、笠間、それから千葉と、全て福島原子力発電所より南側にある部分にある地域の母乳からの測定値で、ヨウ素131がここに書いてありますように、1回目の測定で検出をされておりますが、2回目では測定されておりません。
     どうやって線量を評価したかということですが、次にICRPのPubl.95でも採用されております、放射性ヨウ素の母乳の移行モデルというのを使って解析をいたしました。これは経口された放射性ヨウ素が胃・腸から循環血液中に入り、それから、お母さんの乳房に入り、母乳に移行するという、こういう仮定に基づいた計算法でございます。
     次の図に、経口摂取時の体内動態ということで、これは単位当たり、例えば1Bqの放射性ヨウ素を食べた場合に、何日後にどこの臓器にどれぐらいの割合で移行するかということが示されたものでございます。
     これに基づいて計算をいたしました。
     次に、授乳婦の線量、これは急性摂取ということで、まず3月15日に全ての放射性ヨウ素を経口から摂取したという前提で計算をしております。左側に図がございますが、これは母乳を1日に800cc飲んでいるということで計算しております。その横にちょっと最終日というところで、ちょっと訂正していただきたいのですが、これは最終日4月25日頃1Bq摂取した場合と書いてありますが、これはちょっと書き方に誤りがありまして、これは母乳の採取日が4月25日頃で、1Bq摂取した、約40日後に母乳の放射性濃度が7.97×10-6Bq/Lになるという、こういう計算から濃度を求めております。
     線量を求める際に、公衆成人の実効線量と、それから公衆成人の甲状腺量の等価線量という数字を使っております。それを使いますと、この下に書いてありますように、測定者A~Gまでで、実効線量で大体一番高い人で22mSv、それからお母さんの甲状腺の等価線量で、これは急性吸入摂取と考えて、吸入では摂取と考えますと、432mSvという計算値になります。
     この計算値が本当に正しいかどうかということで、次の図に書いてありますように、これは他の計算コードと書いてありますのは、これは我々放射性医学総合研究所か計算を開発した、モンダールというのを使って計算したものとの比較でございます。
     赤で書いてあるのが、他のコードで、いわゆるモンダールで計算したものですが、計算コードは変えても線量にはほとんど変わりないということでございます。
     それでは、実際に1回の急性の経口摂取だけで本当にいいのかということで、実は三つのシナリオを考えております。
     一つは、先ほど紹介しました、3月15日、1回に経口から摂取した者、それから、真ん中に書いてございますのは、これは3月15日に環境中に全て放出されたと考えて、それが物理学的半減期に従って、これは物理学的半減期だけを考えております。
     だんだん減ってきて、減少に応じて摂取した、つまり3月15日に一番多く摂取し、14、13、12とどんどん時間がたつに従って、毎日口から入ってくる量は減ってきているという、こういう前提に成り立ったものでございます。
     それから、三つ目の慢性経口摂取は、毎日少しずつ経口摂取して、実際測定した日のデータになったと、こういう計算値でございます。
     その次に、今お話をいたしました、三つのシナリオが図に書いてございます。1番目の経口摂取、一番左でございますが、上側に母乳の濃度、それから下側に乳児の積算摂取量が書いてございます。これは真ん中に、これは先ほどお話をいたしました半減期に依存した経口摂取が書いてありまして、一番右側に慢性経口摂取したものが書いてございます。
     この一番下に、実際乳児の甲状腺等価線量を書いてございますが、急性摂取ですと、350~1,200mSvですが、恐らく、2番目がもしかしたら現実的に近いのかなと思われる半減期依存性の経口摂取ですと、2~8mSv、それから慢性の経口摂取ですと、0.25~1mSvと、こういう計算になってございます。
     それでは、ほかにデータがないのかということを見たものが、この日本産婦人科学会というものに書かれてございます。
     これは市民団体が公表されたデータを含めて母乳中の濃度の変化を推計しております。これはどういう推計の仕方をしているかというと、実際の測定値とそれから水道水の中に入っている放射性のヨウ素がどれぐらい減ってくるかということから、先ほど紹介させていただきました、半減期依存性にちょっと似た形で推定していますが、これを4月25日までの乳児の積算摂取量と経口を計算してみますと、大体400Bqというふうに評価ができます。
     その下に、先ほど私どもが計算いたしましたものをもう少し詳しく書いてございますが、これは40日後までに半減期依存と仮定した場合、乳児の積算の放射能量は、約900Bqでありますし、急性摂取というふうに考えると、140kBqと、これだけ大きな差が出てくる。ただ、産婦人科学会の評価が大体400Bqですから、恐らく、実際に起きた摂取は、急性ではないのではないかというふうな考えができると思います。
     最後に課題でございますが、今日お示ししましたデータのように、やはりシナリオ、それから、コードは、食べているものによっても多少違うと。ただ、モデルの適用できるものとしては、恐らく、ここに書いてあるようなモデルが適用できるものの、多少モデルの違いであるとか、それから、授乳の開始時期の違いとかいうのも考えなければいけないということでございます。それから、個人差に関するのも多少考えなければいけないのかということが書いてございますが、やはり評価する線量のレベルに応じて、やはり適当な考え方をしていくべきだろうというのが結論でございます。
     以上でございます。
  • 桐生参事官 ありがとうございました。
     あと補足的に参考資料の2について、補足で説明させていただきたいと思います。
     参考資料の2は、タイトルにございますように、茨城県の甲状腺被ばく以外の線量評価関係の資料を一覧にしたものでございます。その中で、今までに出していなくて、配付の了解をいただいた資料を何点か添えさせていただきますので、ちょっと飛びますけれども、参考資料の2-7をご覧になっていただきたいと思います。
     2-7でございます。ページが打っていなくて恐縮でございます。参考資料の2-7、委員の皆様方には、出版社から送付されているのではないかと思いますけれども、岩波書店の、「初期の小児甲状腺被ばく調査の再評価のために」という論文が参考資料の2-7でございます。
     事務局なりに簡単に説明いたしますと、この会議でも集中的に議論いただいた、1,080人の甲状腺のスクリーニング調査について、三つの条件で測定、評価し直したというものでございます。
     一つは、バックグラウンドの値を個別のパックグラウンドではなくて、空間のバックグラウンドを使って行ったと、また、この論文の中では、そちらのほうが適切ではないかというような考察をしております。
     もう一つは、摂取シナリオでございますけれども、当初の原子力安全委員会の事故当初は状況がわからなかったということもあって、連続摂取シナリオ、慢性摂取シナリオでやっておりましたけれども、平成24年度の環境省の事業の評価の中では、15日1回摂取シナリオと、連続摂取シナリオの間ぐらいが適切ではないかというような評価をしております。
     岩波のこの論文の中では、北西方向については、15日1回摂取シナリオにして、南方向のいわきについては、15日と21日だったと思いますけど、その2回の摂取というシナリオをベースに推計しております。
     また、3番目のパラメータですけれども、スクリーニングのレベルが0.2mμSv/hという設定ですけれども、これは検査する時間とともにスクリーニングレベルが下がってくるのではないかということで、その補正をして計算し直したということでございます。その結果が、資料、簡単に説明すると、410ページというところに図6がございますけれども、これが川俣町の年齢別の線量の分布のものでございますし、次のページをめくっていただいた411ページについては、いわき市で同様に計算したときの線量の分布ということで提示しております。これが簡単でございますけど、参考資料の2-7の概要というふうに理解しております。
     また、1枚めくっていただいた参考資料の2-8でございますけれども、同じ岩波の科学からの論文でございまして、これについては体表面スクリーニングの結果との対比ということで解析をしているものというふうになってございます。これは詳細については、省略させていただきたいと思います。
     それ以外の資料として、参考資料の2-9からは、簡単にストロンチウムとプルトニウムについて、環境中のモニタリングデータを提示させていただいております。食べ物や海水、また福島沖の魚の濃度等を提示させていただいておりますけれども、セシウムに比べて低い値ということが見てとれるかというふうに思います。あと土壌についても、示させていただいております。
     参考資料の、2-13をご覧になっていただきたいと思います。これは環境省の平成25年度の委託事業でやったものに二つ提示させていただいておりますけど、その1点が、この2-13でございます。これは遠藤委員からも紹介いただきましたけど、日本人はヨウ素の取り込み率が低いということでございますけれども、昨年度の事業で、環境省の事業で、15名の成人についてヨウ素取り込み率を、甲状腺への取り込み率を調べたところでございます。簡単にはこの1ページにサマリーがございますけれども、投与後24時間までの甲状腺への蓄積量が平均16.1%、標準偏差は±5.4%というような結果でございます。そういった報告をいただいております。
     また、ちょっとめくっていただきまして、2-14という資料がございます。これが環境省の昨年度の事業のもう一本の事業でございますけれども、事故初期の経口摂取、食品の経口摂取による被ばくの状況についての調査ということでございますけれども、事故当時の避難された方がどういった食べ物を食べていたとかですね、そういった調査を行っているところでございます。
     例えば、19ページをご覧になっていただければと思うのですけれども、19ページの中で、牛乳の調査をしておりまして、そこでは、牛乳の集荷メーカーが、当初事故当時は、地震のためにストップしていて、それで、18日から集荷を、19日から原乳、生乳の受け入れを開始していたけれども、その直後に川俣町の原乳の出荷、自粛要請がなされて、当時は牛乳については、出荷がされなかったとか、そういったデータが調査をしたところでございます。
     以上、資料1-2、1-3と、参考資料1-1、1-2の説明でございました。
     続きまして、関連の資料ということで、参考資料の3についてご説明させていただきます。
     失礼しました。メイン資料の1-3について、ご覧になっていただきたいと思います。
     資料の1-3、これは前々回に提示させていただきました、今までの議論の表にした形のまとめでございますけれども、初めの3枚は、溶け込ましたものでございまして、2枚めくったところですから赤字で見え消しになってございます。前々回から加筆した分を赤字にしたものがこの資料でございます。基本的には、前回ご指摘いただいたものを修正しているのと、若干いくつか事務局で調べた資料データ等を追加しているものでございます。
     内容については、資料の1-1と重複するところもございますので、各自でご確認いただければと思います。
     続きまして、参考資料の3と4をご覧になっていただきたいと思います。
     参考資料の3が、UNSCEARの影響評価報告書でございますけれども、これは前回、放医研の酒井先生からご説明をいただきましたけれども、役所のほうで報告書の概要をまとめたものでございます。重複になりますので、詳細については省略いたします。1ページ、簡単に今回の議論に関係する住民の被ばくということでいきますと、2ページ目の表1のところにございますような甲状腺の吸収線量の推計値というのを地域別、または成人と乳児でそれぞれ算出して推計しているところでございます。
     また、それらを踏まえて、3ページの中ほどの4、健康への影響というところで、それぞれのがん、甲状腺がん等のリスクの評価をしているところでございます。
     日本人の生涯にわたる自然発生によるがんの罹患リスクと比べて小さ過ぎて検出できないと考えられる等の評価をしているところでございます。
     参考資料の4でございますけれども、これはWHOの行ったリスク評価の専門家会合報告書でございます。これも事故当初の限られたデータをもとにしてございますけれども、1枚めくっていただきまして、2ページ、1枚目の裏でございますけれども、一般住民の被ばく線量推計について、やはり地域や年齢、また臓器に分けて線量を推計してございます。また、それをもとに3ページ目が、それぞれのがん、具体的には、固形がん、乳がん、白血病、甲状腺癌それぞれの生涯寄与リスクという形で計算しているところでございます。これが参考資料の4でございます。
     以上、線量評価関係の資料について説明させていただきました。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     非常にご苦労されて、いろいろとお集めいただいたのですが、もう時間が5分しかなくなって、残りがなくなってしまって、討論をどうするのか迷っておりますが、結局は資料の1-1をどうまとめるかということでありまして、恐らく、今日これ全部できるところまでいかないのではないかと思うので、どうしましょうか。これを1号ずつ、せっかくこれだけご説明いただきましたので、資料の1-1を1ページずつ、一つのラインずつというよりは1ページずつご意見を伺って、これでいいかどうかということで、少しずつまとめの方向にいきたいと思いますが、最初に1ページのところで、基本的な考え、それから、事故による事故後の甲状腺の被ばく線量の福島県内のお話につきまして、何かございませんでしょうか。
     ここでの考え方は、Best Dose Data、それから、Nextと、それからHelpfulというふうに分けて、Bestについてできるだけ議論をすると、しかし、Helpfulなものも含めて、今後も常に資料を集めていくということは、基本的な姿勢であるということであります。
     どうぞ。
  • 春日委員 確かに、この点には、基本的な考え方でありまして、最初にデータのタイプをこの委員会にご提示いただいたときの位置づけとしては、こういうBestあるいはNextとか、Helpfulだったということは、それは確かにそうなのですけれども、まとめとして、こういうふうに表記されてしまいますと、やはりそれぞれのデータの解釈が、ベストなのだという誤解を与えかねないと思います。
     それらにつきましては、これ以降に書いてありますように、それぞれのデータの強みと、それから限界とを科学的にこちらで評価したものですので、決してその結果としてこれがベストであるという結論を導いたとは理解しておりません。ですので、ここのまとめの表記としましては、淡々とですね、実測データ、環境モニタリングのデータ、シミュレーションに基づくデータというふうに書いていただくだけのほうが、より科学的な文書になるのではないかというふうに思います。
  • 長瀧座長 そうすると、Bestだとか、Helpfulという言葉自体が何か表現に関係するように見えるから、具体的な言葉としてあらわすということですね。
  • 春日委員 はい。その英語の部分は削除していただいたほうがよろしいと思います。
  • 長瀧座長 はい。それはよろしいですね。
     どうぞ。
  • 本間委員 私は今のご意見に反対です。線量再構成の基本的な考え方というのは、やはりベストなデータは実測データに基づくというのが基本だと思います。
     今先生がおっしゃったように、それぞれのいいところ・悪いところというのはありますけれども、それは実測データにかなうものはありません。不確実さの大きさから言っても、今回ここの文書の中には、最初にこういう位置づけを書いていても、福島の場合、実測データが非常に足りなかった。ですから、かなりシミュレーションで補足していく部分がありますけれども、それを使っている部分がかなりある、そういう意味で、不確実さが大きいことはもう明らかだと思うんですね。
     ですから、実測データとシミュレーションも比べて、それはもちろん実測データにだってその変動、検出誤差、そういうのもありますけれども、基本的なスタンスとしてこういう表現というのは、線量再構成では、もう基本だと私は思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     これももともとは、これはアメリカの友達作戦の中からとったんですね。ほとんど言葉自身はですね、それは疫学的にもうまさに線量の型では、常識として存在するものですけど、春日委員のほうは、ちょっとそれに対して抵抗を感じるということでしたので、いかがでしょうか、ここのところ、全体として、WHOの報告、それからUNSCEARも出てきましたけど、少しずついわゆる保守的なものから、もっと具体的な、なるべく幅の狭い確実なものを求めようというような方向にはあるし、さらに、もう3年たった今、同じような不確実なものだけを集めるというのではなくて、その中から、より確実なものを専門家としてピックアップしていこうという時期であろうと思うので、そういう意味で何かほかにご意見ございましたら、どうぞ。
     どうぞ、遠藤先生。
  • 遠藤委員 本間先生がおっしゃるように、実測データのほうが、もちろんやっぱりベストだと思います。例えば、ご紹介ありましたけども、今日初めてデータを見たのですけど、参考資料の2-13ですね、これは環境省の委託事業で行われたので、27ページの図5ですね。それを見ましたら、甲状腺のヨウ素摂取率のデータが、最高で25%程度ですが、低い人ですと4%ぐらいですね、結局食事中のヨウ素量によって、甲状腺の摂取率が数倍変わってくるわけですね。シミュレーションでやった場合は、これは全部一律にするものですから、最高値としてはいいんですけども、平均の日本人と福島県の住民の方の摂取率は、それよりやっぱり低くなります。従って、シミュレーションでなく、やはり実測値でやるのが、ベストじゃないかと思います。
  • 長瀧座長 私自身もそういう主張でおりますけども、特に日本の場合ですね、1回昆布のおつゆを飲むと、もうそれでその日は完全にモデルの計算と合わなくなるということが起こり得るので、やはり実測値のウエートは少し違うのではないかというふうなことは。
     中村先生、どうぞ。
  • 中村委員 私も本間委員の意見に賛成で、放射線測定を実際にやっている立場からすると、実測値にかなうものはないと思います。計算というのは、あくまでもシミュレーションで、いろんな仮定が入ってまいりますので、実測値を一番精度の高いものとして重点を置くというのは、これはもう科学の基本だと思います。それから、岩波科学に空間線量をバックラウンドとするというのは、私は良くないと思います。甲状腺の被ばく線量をはかっているわけですから、甲状腺以外の体の部位と比べて甲状腺のところがどれだけ増えているかという測定をするというのが、測定の基本であると思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     今のお話では、どうも春日先生、ベストの。
  • 春日委員 もうちょっと補足させていただけるでしょうか。もちろんデータの種類としての教科書的な解釈は、本間先生おっしゃるとおりなのですけれども、今回、福島県に関連して得られている実際のデータにつきましては、実測データはやはり数もまた地域も限られているという限界があります。それなりに不確実性があります。それに対してデータの種類という、定性的な比較で言えば、不確実性が大きいシミュレーションのデータについては、より広い範囲、また時間的にもいろいろな時間、時系列をカバーすることができます。
     ですので、簡単に、今回対象としたデータの中でどちらがベターか、ワーストかということを簡単には判断できないというふうに思います。
     ですけれども、こう書かれてしまいますと、今回扱ったデータの順位づけとしてのBestあるいはNextという誤解が生じてしまうと思うので、今回のまとめについては、書かないほうがいいというのが私の主張です。
     ですので、もう一回申し上げますが、教科書的に実測データがベストだというふうに位置づけられているという、そのことについては、本間先生のご意見に反対するものではありません。
  • 長瀧座長 さて、これはどうまとめるかは難しい。
  • 長瀧座長 今、3人の本当に放射線の専門家の先生が常識的なお話で、実測値にまさるものはないというお話がございまして、やはりこの会議としても、それは専門家の意見として受け取るべきではないかと思いますので、ただ言葉をBestかどうかというのは、また事務局で考えてもらうとして、やはりウエートとしては、実際にはかると。モデルというのは、実測値があって初めてモデルが証明されることになるわけですから、そこの考え方はもう放射線の影響と、摂取ということからいって、もう常識として存在する、科学的に存在することであるということは、この会議でやっぱり受け止めたほうがいいと思いますので、そこは言葉はどうするか、後でぜひともその考え方だけは、基本的なところは受け取ることでいきたいと思います。
     ほかに何かご意見ございましたら、どうぞ。
  • 遠藤委員 茨城県のデータが全部シミュレート、茨城県に実測値のデータがもしあれば、随分参考になってありがたいのですけども、茨城県で実測値はないというふうに考えていいんですか。
  • 長瀧座長 それは事務局、どうぞ。
  • 桐生参事官 すみません。実測値というのが2種類、まずありまして、甲状腺の線量の実測値と、あと環境のモニタリングの実測値とあって、提示させていただいているのは、後者の環境のモニタリングのデータという意味での実測値という意味では、こちらの資料1でいくと、Helpful Dataじゃなくて、Next Best Dataになります。それで、Best Dose Dataに相当する甲状腺の線量の実測値、これは非常に限られておりまして、JAEAの職員で3名の方について測定したという実測値がありまして、東海村のデータということでございます。それについては、参考資料に添えさせていただきましたけれども、
     メイン資料の1-3でございます。3名ということで、これも実測値といえども参考的でございますけど、1-3の右上に福島県外の現状・事実というところを見ていただければと思うのですが、その一番下のポツでございまして、東海村在住のJAEA職員3名の預託実効線量0.05mSvということでございます。
  • 長瀧座長 それから、その甲状腺のことに関しまして、今問題として上がりましたが、一つは岩波からかなり細かく質問がございまして、これもやはり専門家会議として正式にお答えしたほうがいいと思うのですが、先ほど挙げた問題点三つについて、着衣の汚染の問題あるいは計算式、被ばくシナリオの問題、それともう一つは、日にちですか、0.2と決めた日にちと測定した日にちと、その三つについて何かご意見ございましたら。
     これは今、事務局の説明としては、そういう質問はあったけれども、もうここで実際に新山先生に来ていただいて、いろいろと議論しましたよね。ですから、あとはもう考え方として15日、1日摂取にするか、毎日摂取にするかの違い、それはもう当然あり得るだろうということと、ただ、その中で、連日摂取のほうをここでとったというか、両方考えてもこの範囲だということの理解にするということでいいですね、むしろね。
  • 桐生参事官 その辺はご議論。
  • 長瀧座長 もう少し、これは明石先生。
  • 明石委員 放医研の明石でございます。
     確かにご指摘のように、1回だけしか吸入しないというのは、現実的に環境中に出たものをその日しか食べない、吸入しないというのは、特別のところにその日に行ってしまった特例以外にしか成り立つ原理ではないので、現実的には、恐らく、その土地にいた場合、複数回摂取していると考えるのが現実的でありますし、先ほど、私も母乳からの線量評価でいくつかの例を紹介させていただきましたけど、3月15日だけに140kBqの放射性ヨウ素を食べるというのは、現実的には不可能でありますので、やはりそこはきちんと行動もある程度考えた上で、評価するというのが私は現実的だろうと思います。
  • 長瀧座長 わかりました。
     1回ということにすれば、線量がすごく上がるということはあって、線量は過大か過小かということは別として、多くなりますけれども、しかし、それより多くはないということの意味での参考値にはなるけれども、現実には1回だけということはあり得ないのではないかという解釈で、この委員会はいくということで、よろしゅうございますね。
     どうぞ、鈴木先生。
  • 鈴木委員 1ページの一番下のバックグラウンドの変動に隠れてしまうためというところなのですが、これのデータ、はっきりと見せてもらってなかったと思います。放医研の甲状腺シンポジウムの1回目のときは、バックグラウンドの変動幅を出して、それの線量評価というのをたしか出していたと思うのですが、今回の委員会の中では、その議論をデータとして出していなかったようなので、このゼロ~10というものに対して、また来週にでも、この次でも補足的な計算を出してもらうと納得がいくかと思います。よろしくお願いします。
  • 長瀧座長 たしか早野先生のデータとして出たやつは、バックグラウンドだけのばらつき出していなかったですか、ここに出した。新山さんじゃなくて、早野さんが何か後から出したやつはありますけどね。パックグラウンドだけ出して、それのばらつきがどうだというのがある。
  • 桐生参事官 そうです。早野先生とあと新山先生も出されているとは思いますけど、鈴木委員の指摘も踏まえて、次回に用意したいと思います。
  • 長瀧座長 じゃ、これはもうこれしかないということと、本当にやはり実測データがこれしかないというのは、我々もう本当に一生懸命議論して大事なデータだと思いますので、ここで可能な限りまとめたいと思いますので。
     ほかにございませんか。
     佐々木先生、どうぞ。
  • 佐々木委員 佐々木です。今の実測の議論とちょっと混同されると困るんですけれども、私がこれから申し上げるのは、あくまでも言葉の使い方、文章の表現の問題でありますが、今資料1-1の二つ目の丸の1行目、実効線量の実測のデータという表現がありますけれども、実効線量というのは、放射線防護の中核的な線量でありますけれども、実測ができない線量であります。推定はできるけど、実測はできない、下のほうにμSv/hとなるのが出てきますけど、ここは実用容量と言われているもので、実効線量の安全側の近似値と言われているものをはかっているわけでありますし、それもあくまでも、西洋人の標準人がそこにいたときの線量でありますので、そういうことを十分に理解した上で表現する必要があるので、私が申し上げたいのは、実効線量の実測のデータという表現は適切ではないのではないかということを申し上げたいと思います。
  • 長瀧座長 これも専門家会議ですから、厳しくお話ししたほうがいいと思うんで、本当にしシーベルトができるということを常に気にするとあれですね、飛ばしてしまうこともあり得るので。
     それでは、その次のページに行ってよろしい、今の指摘は後で気をつけていただくことにして。床次先生のデータも含めて、結局ここで、この4行目から書いてある、同調査で対象となった方々に関する限り、スクリーニングレベル超える者はいなかったということですけれども、このまとめでいいかどうかということ。
     対象となった方々に関する限りスクリーニングを超える者はいなかったと、これはこの前の30%あってもアトランダムではないとか、はかっていない人に何かという議論もかなりありましたが、何か先生、この議論でよろしいでしょうか。
  • 伴委員 その表現の問題というのは、あるとは思いますけれども、この1,080人なら1,080人のデータというのをできるだけ大切にするために、先ほどの摂取シナリオのやはり不確かさ、それによってどれぐらい評価値が動き得るのかということも考えるべきですし、それから、この1,080人の結果が捉え方次第ですけれども、思ったほど高くなかったという評価であるのならば、なぜ高くならなかったのかという裏づけといいますか、それが必要になるんじゃないかと思うのですね。
     ですから、例えば、先ほど環境省の事業の中でありましたけれども、牛乳の流通が事実上、ストップしていた、だから、そういう摂取経路は、恐らく聞いていなかったであろうと思われると。ですから、そういったインハレーション、インジェスチョンいろいろありますけれども、それをまた細かく見ていったときに、それぞれの摂取経路が、これはあまり寄与していなかった、これはこの程度寄与していたというふうに丁寧に見ていくことで、その裏づけがとれて、そうすると、より一般化してですね、ここでカバーされなかった人についてどうだったのか、量的には難しいですけれども、定性的な考察ができるのではないかと思います。
  • 長瀧座長 そうすると先生、低いということの、牛乳の口から経口摂取がどこまで抑えられたかと、一応調査として避難している場合、場所にはもうほとんど外から食料が持ってこられたので、そこで現地のものは入らなかっただろうとか、それから、牛乳も止めてから実際に市場に出るまでの間、時間がかかっていたけども、その間の牛乳が市場に出たことはないとか、そういう切れ切れの方向がありますけども、そういうものをまとめて、どうして低いんだろうかと、例えば、経口摂取はなかったからとか、そういうようなことを一緒にね。わかりました。
     それから、このページだと何か問題のところはありますか。
     甲状腺がかなりの話題になりますが。どうぞ。
  • 本間委員 さっき摂取が1日とかとおっしゃったのは、この飯館、川俣、いわきの方のことを言われていた、私、要領をしっかりつかんでいなかったんですが、少なくとも飯館、川俣の北西方向の方が摂取したと、空気中の濃度で、インハレーションで摂取した可能性というのは、やはり空気中濃度の詳細なデータはありませんけれども、それこそシミュレーションの傾向から言って、それから、空間線量の変動から言って、プルームが通過したのは、もう明らかに1日以内というかですね、そういうタームで、それ以後の減衰から考えて、空気中に舞い上がるリサスペンションという効果というのはありますけれども、それは、桁が違いますから、インハレーションのみという形でとると、1回摂取という仮定というのは、悪い仮定ではないというふうに私は思います。
     私が理解できないのは、この4番目の丸のところ、2ページのですね、これ委員会の中でこういうご説明があったのか、ここの表現で、簡易測定調査を実施した地域で、調査数と、当該地域に居住する小児の数を踏まえるというこの1,000が、この表現だと、かなり十分な量であるみたいに読めるんですけれども、そういうご説明でしたでしょうか。当該地域の小児の数、全体から見てですね、このおよそ1,000のサンプルというものが、ある種十分な精度で物を言えるような数であったかというのに、私は納得いかないのですけども。
  • 長瀧座長 何かありますか。
  • 前田参事官補佐 たしか飯館と川俣で小児の何%ぐらいを実際スクリーニングしたかというようなパーセントが出ていて、4割でしたか、3割~4割か。いわきのほうが小さいので、ここがまだ議論があるというところだと思います。
  • 長瀧座長 先生、もし書き直すとしたら、どうすればいいか、あとまた事務局から相談していいですか。じゃ、その下のほうで、これもまだあれですか。甲状腺のところだったかな、この2ページは。
  • 桐生参事官 鈴木委員のご指摘ありがとうございます。地域に分けたりした記述にしたいと思います。
  • 長瀧座長 どうぞ。
  • 春日委員 今の四つ目のポイント、それから、その次のところもそうですけれども、90%タイルが示されていて、それから、議論の中では、平均値と標準偏差もあったと思いますので、そこから考えて、想定はできるのですけれども。
  • 長瀧座長 ちょっとよく聞こえないのですが。
  • 春日委員 そうではあっても、いなかったという表現が、これがちょっと科学的かどうか疑問に思います。ですので、超える者がいるとは考えにくいですとかですね、いなかったと推察されたとか、もう少し表現として科学的に考え、表現、筆記したほうがいいのではないかというふうに思います。
  • 長瀧座長 いわきのところ、その上、4番目のことですね。
  • 春日委員 あくまでもこの分布のある、分布上のある数値のところの表現ですので。
  • 長瀧座長 どうですか、事務局としては、事故後の行動に特別の仮定を置かない限りというところで、今の先生のご質問に答えているという解釈ですか、ではないかという想像しますけども。
  • 前田参事官補佐 すみません。事務局でまとめさせていただいた考え方を言いますと、まさに座長、ご指摘のとおりでございまして、どれぐらいこの50mSvを超えた方について、この専門家会議としてご表現をいただくかというところをご議論賜ればというふうには存じます。
  • 長瀧座長 これはさっきから安全性をとれば、高いところがいくらでも出てくるのですけども、それが本当にいいことなのかという、我々今この専門家会議で考えるのは、そこら辺が本当に基本的な考え方としてどうしても避けて通れないところだろうと思いますので、本当に。
  • 春日委員 いや、その評価になると、また話がかなり違うことになってしまうと思います。それは話が、また焦点が違うのではないでしょうか。あくまでも、この分布の表現としていなかったというふうに言い切るのが科学的ではないのではないでしょうかというので。高いほうとか、何かそういった表現として発言しているわけではありません。
  • 長瀧座長 何か言葉を入れますか。
  • 前田参事官補佐 ご指摘のところの表現が、あくまでも事務局の案として提示させていただいているので、次回にまた整理して提出したいと思います。け次回また提示させていただいてご意見いただければと思います。
  • 長瀧座長 後はその下はUNSCEARの話ですね。
     そうすると、もう時間が大分なくなるので、次の3ページに行きまして、甲状腺のところはかなり議論があるかと思いますけども、後はなんですが、今度3ページの上のところでですね、1歳児の子どもに比べて。
  • 伴委員 先生、すみません。いいでしょうか、質問。
  • 長瀧座長 どうぞ。
  • 伴委員 資料の1-2なのですけれども、1-2-3ですか。先ほど明石先生から説明いただいた、母乳中の測定データから線量推計をしたやつですけれども、私が誤解しているといけないので授乳婦の甲状腺の等価線量というのが出ていて、結構大きな値になっているんですね。100mSvを超える値になっている。例えば、UNSCEARの成人に対する甲状腺の線量評価値は、これよりももっと小さくなっていますが、その辺の合わない理由について、どのようにお考えかというのをお聞きしたいのですが。
  • 明石委員 放医研の明石でございます。
     これは先ほども実は本間先生からもご指摘されまして、これは食べ物の場合、食べたという、インハレーションではない想定ですので、これは1回もしくは1日ではないのではないかというふうに私は思っているというところに一つ答えがあると思います。
     先ほど、産婦人科学会のデータのところで、水道水、これは推定を水道水の汚染から補正しているという点を考えると、やはりこれは1日だけで、食べ物のことは説明しにくいというところが線量のこの過大な線量になっているのではないかと私は理解をしています。
  • 伴委員 それで、全て違いを吸収できるのですね。
  • 明石委員 そうですね。恐らく例えば、先ほどの半減期依存等を比べてみても、これだけもう大きく差が出てきますし、積算した量自体がかなりになり、これは先ほど示したとおりで、そこで考えるべきだろうと私は考えています。
  • 長瀧座長 もともと今日だけでまとまるとは思っていなかったのですが、予想以上にといいますか、いろいろと皆さんご意見をいただきましたので、時間のことも考えまして、これは結論をもうこの次に延ばすということで、ある程度甲状腺のことは進みましたけども、途中ではありますが、ここで1-1の議論は次回に延ばすということに、今までの議論は、また次回にまとめていただく、これは本当に大きなことですので、十分に専門家の方のご意見を伺いたいと思っております、よろしくお願いいたします。
     それでは、次にもう入りますか。次のセッションにね。
     最初が、甲斐先生からでいいですか。小笹先生から。
     それでは、すみません。随分お待たせして、小笹先生においでいただきまして、先生にお願いしますが、実は小笹先生、お聞きになったかと思いますが、この前のときの演者が先生のスライドをお使いになって、いろいろと主張なさったので、それについて議論がございました。ちょっと僕も議事録を見て確かめようと思ったのですが、小笹先生のスライドを使って、あれはゼロ以外の、ゼロ以外は、書いてあります。どこにあります今。
  • 小笹氏 小笹ですが、先ほどちょっと議事録を拝見させていただいておりますので。
  • 長瀧座長 そこについて、皆さんご意見いただきましたけど、本当の小笹先生からそのスライドでそういう結論が出るのかどうかということも含めてお話しいただくことと、それから、もう一つは、遺伝について、放射線影響研究所で相当に大きな研究をしておりますし、遺伝に関してポジティブだという結果が放影研では出ていないと、人間ではないというようなことについてお話、よろしくお願いいたします。
  • 小笹氏 放射線影響研究所の小笹でございます。
     私の資料を見ていただきまして、今長瀧先生からおっしゃられましたように、2点ご説明させていただきます。
     まず、第1点でございます。資料の1ページ目になります。原爆被爆者の死亡率に関する研究という論文の説明です。
     かぎ括弧にありまして、放射線リスクの線量反応関係に関する要旨ということになりまして、ここで先ほどご質問にありました、低線量域におけるリスクがどうなっているのかという解釈ですね、それに対する若干の誤解が時々生じておりますので、それについて説明させていただきます。
     ここの要旨は、これは放影研のホームページにも載せておりますものですが、1950年に追跡を開始した寿命調査(LSS)集団を2003年まで追跡してということで概要を書いておりますが、その2行目ですね、後半になりますが、総固形がん死亡の過剰相対リスクは被ばく放射線量に対して直線の線量反応関係を示し、その最も適合するモデル直線の閾値はゼロであるが、リスクが有意となる線量域は0.20Gy以上であったと。ここの解釈が非常に時々誤解をされる方がおられるということでございます。
     これは最終的な解釈でございまして、この説明としまして、下に二つのグラフを掲載しております。いずれも原論文に掲載されております図でございまして、左側が原論文のFIG.4、右側が原論文のFIG.5でございます。
     左側には、点とその上下の棒、点はその線量域におけるリスクの推定値、この左側の縦軸はですね、ERR、過剰相対リスクでございまして、過剰相対リスクの場合には、ゼロとなるところが、リスクがないという点であります。0.4のところであれば、40%リスクが増える、1.0のところであれば、100%リスクが増えるという、そういう関係になっております。横軸が、これは重み付け結腸線量ということで、放射線量でございます。1.0というところが1.0Gy、2.0Gy、3.0Gyということで軸がとってあります。
     その点は、それぞれの線量カテゴリーにおけるリスクとその95%信頼区間ですが、全線量域においては、Lですね、直線モデル、それからLQ直線二次モデル、それから、2Gy未満の線量域においてLQモデルを適用しておりますが、今日は、そのL、直線モデルについてのみご説明いたします。
     全線量域においてこの直線のモデルを適用いたします。そうしますと、そのモデルは当然のことながら有意になってまいりまして、そのモデルの左端はですね、ゼロとゼロ、つまり原点に到達するということになります。
     これは、このモデルといいますのは、全線量域においてこのモデルが一旦有意になりますと、それは全線量域においてそのモデルは適用されてしまいますので、そのLという直線の上下に点線ですね、ちょっと見にくいですが、点線が書かれておりまして、これがLの直線の95%信頼区域になるわけですが、これはずっと左へ追っていきますと、ゼロのところに収束をしてしまいます。一方で、点とその上下の95%信頼区間は、その低線量域では、非常にこの不確実性がまだ残るわけですね。高いわけです。多くはそのゼロを超えて、あるいは点推定値そのものがゼロより下にあるものもあります。そういう形でこの低線量域のリスク推定値には、大きな不確実性があるわけですけれども、このモデル自体はそういうものを反映しません。ゼロのところで収束するというモデルなわけです。そこが非常に誤解を招く点なんですね。
     ですから、このモデルということであれば、そのモデルの直線の閾値はゼロになりまして、その閾値の95%信頼区間の上限は、0.15Gyまであるわけですが、その数字はここには記載されておりませんけれども、論文中には記載されておりますが、そういう閾値に関する不確実性、95%信頼区間の不確実性はそのぐらいあります。
     今このモデルが有意になるということは、1Gy、2Gy、3Gyという高線量域での量反応関係が極めて確実であるということに基づくものでありまして、この低線量域での不確実性を含んでいるわけではないということにご留意をいただきたいというところでございます。
     では、低線量域の不確実性をどのように評価しているのかということが右のグラフです。
     これは全線量域を二つの領域に分けます。例えば、それがここに書いてありますのが、0.01、0.1、1という対数目盛りに下の線量がなっておりますが、これはちょっとColon Doseだけになっていますが、左と同じ重み付け結腸線量です。これが例えば、0.1というところの値になりますと、ゼロ~0.1Gyまでの線の傾き、つまり1Gy当たりのERRですね、過剰相対リスク。それから、0.1~あと最大線量までの1Gy当たりのERR、直線の傾き。それを二つが別々の値をとるという仮定を置いて、その二つの傾きがどのようになっていくかということを検討します。
     ここの図に書かれていますのは、下側の領域の1Gy当たりのERRを示しております。これが0.2Gy、つまり下側の線量域が0.2Gyになるまでは有意な値をとりません。2Gy以上になってまいりますと有意になります。したがいまして、それをもって0.2Gy以上の線量域でリスクが有意になるものと考えるわけです。
     そこの統計学的な手法及びその結果の表現が、これはちょっと難しい表現になりますが、「リスクが有意となる最低の線量域がゼロ~0.2Gyである」という表現をしますので、この表現をそのままゼロ~0.2Gyで有意なのだというように解釈、誤解される方もおられますが、この今申しました文章の意味は、今説明しました方法を踏まえたといいますか、方法論に基づいたものですので、その意味しているところは、0.2Gy以上でリスクが有意になるということでございます。
     あとこの図5を見ていただきますと、0.1Gyから下のほうで、結構1Gy当たりのERRが高い点推定値をとります。もちろんここは有意ではありませんし、それから、このあたりになってきますと、ベースラインですね、ゼロ線量の人でのがんの発生率をどのように想定するか、あるいは他の危険因子ですね、喫煙とか、生活習慣とかいろいろございます。あるいは地理的な要因、被爆者の方、市内から農村のほうに分布されておられますが、そういうことによるゼロ線量の方のがん死亡率の違い、そのようなものの影響をかなり大きく受けてきますので、ここのリスク推定値がどうなっているのかというのは、極めて不確実性の中に埋もれてしまうわけで、ここをどのように明らかにしていくというのが今の課題であるということで、ここは不確実であるということ以上のことは申し上げられないということでございます。
     したがいまして、モデルということを捉えますと、先ほど申しましたように、ゼロのところで収束してしまうようなモデルを使っておりますので、若干誤解を招くわけですが、この低線量域での不確実性というものは、今申しましたようなことであるわけです。それが、まず第1点でございます。
     とりあえず、ここでご質問等ございましたら。
  • 長瀧座長 どうぞ、ご質問いただきますように。もう十分議論にしている方も一杯いらっしゃいますけども、でもここで聞いている方に対してもわかりやすく説明するという意味でのご質問もあってもいいかと思いますので、どうぞ。
     要するに、先生、しきい値がないと、放影研ではしきい値がないと言っていると、しきい値がないから安全という線量はないので、全てゼロ以外は危険だという主張に対してどうお話しすればいいですかね。
  • 小笹氏 安全か安全でないかというのは、この結果を踏まえた上での評価になりますので、私どもとしましては、この現実のリスクがこういうふうに推定されているということをご報告する立場でございますので、そこから先はその判断ということには踏み込まないということにしております。
  • 長瀧座長 ほかにございませんか。
     どうぞ。
  • 伴委員 その情報提供という観点から。このDose Responseを問題にするときには、横軸のDoseの精度ということが問題になると思うのですけれども、特にこの原爆のデータで、低線量域の線量評価の精度がどうであるのかというところを、先生からご説明いただけるといいかと思いました。
  • 小笹氏 それは非常に難しいところはあります。この原爆被爆者の方の線量の評価は、その方がどこで被ばくされたかということを調査票、面接調査によって聞いております。そこの被ばく地点というものが最も重要な、つまり爆心地からの距離ですね、それが最も重要な要素になります。
     その次に、どのような遮へい状況であったか、家の中におられたのか、外におられたのか、家であればどんな家なのかということですが、この遠距離被爆者、こう一定線量の遠距離被爆者の方の場合には、そこがかなり大まかな被ばく状況、家の中とか、戸外、屋外とか、そういう状況ですので、それに対して平均的な日本家屋の中であれば半分とかいうような平均的な透過係数を掛けて線量を推定しているという状況になります。
     そういうこの調査をした当時は、この辺の低線量のリスクをそこまで問題にするということは、あまりある意味想定していなかったので、私が今ここでそういうことを言うのは、僣越でもあり、本当正しくないのかもしれませんが、非常にそこの部分の線量の問題というのは、そういう確かにそういう線量の問題の曖昧さの中で評価しているということは、今申しましたようなところです。
     これが1Gy、2Gyというようなところですと、非常に詳細な遮へい記録をとって、一人一人についてどのような家だったのか、どのような家の中の場所だったのかということを聞いて線量を推定されていますので、それは非常に正確なのですが、遠距離被爆者の方については、そこまでの精度はないというところは事実であります。
  • 長瀧座長 ほかにございませんでしょうか。
     どうぞ。
  • 本間委員 今のことに関連してお聞きしたいんですけど、私はこの分野は素人なんですが、そうすると線量の不確実さについては、今この図を拝見すると、エラーバーというか、バーになっている部分は、過剰相対゙リスクになっているわけですけれども、この横軸の方向にもそういう不確実さが線量の部分で、低線量には特にというおっしゃり方をしたわけですけれども、そういう不確実さを含めたこの単位、Gy当たりの、いわゆる傾きの有意差、ゼロ~2Gy以上では有意となるというようなその判断というのは、線量の不確実さについても、その不確実さを考慮してのメッセージというのは出ているのでしょうか。
  • 小笹氏 線量の不確実性に関しては、一応40%程度の不確実性があるということは考慮に入っております。ただ、それはいわゆる物理線量の推定における不確実性でありまして、例えば、その人の被ばく地点は本当にそこなのかとか、そういうことではないのですね。ですから、ただ、大体2.5kmぐらいになりますと、これは広島でも長崎でも空間線量そのものが20mGyとかそういうレベルになってきますので、もうそれ以上は絶対多くならないわけですね。そういう意味では、もうあと少々誤差がどうあれ、非常に低線量の中で被ばくしたということ自体は間違いありませんので、そういう意味で、それが1Gyとかいうような形で誤差があるというような、そういう問題ではありません。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     この前のときは、もう議論もかなり具体的にやりましたので、今回はご本人から直接伺うということで、ここでは次に移らせていただきたいと思いますが、小笹先生どうぞ、続けて遺伝のほうをお願いいたします。
  • 小笹氏 それでは、その紙の裏側から、引き続きまして、原爆被爆者の子どもの方の影響ということで、大きく遺伝学的調査、これは戦後、割と比較的早期から始められております。それから、がん及びその他の疾患に関する疫学的な追跡調査、それと最後に、これは疫学的追跡調査の中の人たちのうち、放影研に来ていただける人を実際に健康診断させていただいた、多因子疾患、ここで多因子疾患と書いておりますが、これは主に成人病のことですが、生活習慣病等のことですが、それに関する臨床疫学的調査の結果ということでご紹介させていただきます。
     スライドの2ですね、その下のフレームは、これは遺伝学的調査です。ここではこの表一つだけしか示していませんが、戦後の比較的早い時期から出生児障害、それから性比、これは今の感覚ではちょっと妙なところはあるのですが、放射線により性染色体に異常が出れば、それは出生児の性比に異常を来すであろうという仮定のもとに行われておりました。それから、染色体異常、それから、血液蛋白質の突然変異、最後にDNAの親子の比較ということがございますが、これそれぞれのここに書かれております期間に調査をされまして、いずれも親の放射線被ばくとの関連は見られていないという結果が出ております。
     これはここで簡単にこれだけ申し上げますので、もし詳しいことがということであれば、それは下に示しております放影研の要覧でご確認いただければと存じます。
     次のページになりますが、上がこの被爆者の子どもさんのがんの罹患リスクです。ここに書かれておりますように、1946年~84年生まれの人を、58年、この58年というのは、広島、長崎の地域がん登録が確立した年でございますが、それから97年までの追跡ですので、やはりがんを追跡するには、まだまだお若いのですが、その中でのこのリスクです。
     左側が、総固形がん、右側が白血病など、上のフレームがお父さんの線量、下のフレームがお母さんの線量、それぞれ1歳~19歳までの小児がんと、20歳以上の一応成人のがんという形で分けております。
     ここでは、相対リスクという形で表示しておりますので、1というラインがリスクがないということで、そこから左に行けばリスクが小さくなる、右に行けばリスクが大きくなるという、そういうグラフです。一応ゼロ~4mGyを1として、それに対して、例えば5~40mGyのこのレンジではどうなるかということを示しておりますが、総固形がんで父親・母親の線量、白血病などでも父親・母親の線量いずれもリスクの上昇も減少もないという状況です。
     カテゴリーだけでなく、線量を連続変量としたときの100mGyでの相対リスクというものを中にこの数字で示しておりますけれども、これももうほとんど1をまたいで有意ではないという状況です。
     下が、これは親の被ばく線量と子どもの死亡リスクです。がんに関しましては、罹患をがん登録で調べられるわけですが、死亡に関しましては、死亡診断書に書かれた死因を見ていくということになります。したがいまして、この場合は、1946年~99年までの追跡ということになっておりますが、非がん疾患全部入れておりますけれども、これも左側が父親の線量、右側が母親の線量と、死亡年齢が20歳前後で分けておりますが、そのいずれにおきましても、リスクの上昇も減少も見られていないと、そういう結果です。
     一番最後が、これは先ほどの疫学的に追跡させていただいている方々のうち、放影研に来て検診を受けていただいた約1万2,000人の方、これは少し時間がかかっておりますが、2002年~2006年にかけて1サイクルだけ調査をしました。ですから、そのときにどういう病気を持っておられたかということを見ております。したがって、ここでは有病リスクということになります。有病といいますのは、ある時点においてその病気を持っておられたか、なかったかということ。
     先ほどの罹患と申しますのは、ある時点では、持っておられなかったけれども、それから、あと発生したものを評価する場合には罹患ということになります。
     したがって、現在この時点で病気を持っておられなかった方について、その後、どれだけ発生してくるかという罹患調査を行っておりますが、それは現在進行中ですので、ここでは初回調査での有病リスクというものを表示させていただいております。
     疾患としましては、そこに挙げますように、高血圧から脳卒中、さらにそのいずれかがあるかどうかということを見ておりまして、ここではお父さんの線量・お母さんの線量が1Gy当たりという形で表現をしておりますが、いずれもここでのオッズ比は相対リスクと同義であると考えていただいていいのですが、1が、リスクがないという状況ですので、1を挟んだ値が出ておりまして、95%信頼区間につきましても、全部両方にまたがっておりますので、リスクは上昇も減少もしていないという、そういう状況であるということです。
     以上でございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     関係した方は皆さん、もうご存じのとおりでありますけども、人間でまだ遺伝的な影響が認められていないということが意外に世の中で知られていなくて、例えば、動物の実験であるとか、昆虫の実験を聞いて、すぐに被ばくすると遺伝的な影響あるいは子どもができない、福島でもテレビの前で、中学生が、「私は子どもができないのだから」というようなことを、非常に悲しそうな顔をして言われているのを見て、本当にどこまでこういう状況が続くんだろうかと。ここで改めて、また動物の話も伺うときがあるかもしれませんので、人間はこうだということを委員の方に理解していただくということですが、何かせっかくの機会でありますので、ご質問ございましたら、どうぞ。
  • 大久保委員 今の遺伝的調査ですが、この関連性が見られずというのは、95%ということでよろしいですか。
  • 小笹氏 全てがそういう形で評価、直接的にそういうような統計的な評価があるかどうかはわからないというのですけど、そういうことも踏まえて、最終的な判断として、ここでは見られないという、そういう最終的な評価をここに書いております。
     したがいまして、それぞれについてどういう統計学的な解析をして、こういう判断に至ったかというのは、この要覧なり、あるいは個別の論文なりで確認していただければと思います。申し訳ございません。
  • 大久保委員 はい、ありがとうございました。
  • 長瀧座長 じゃ、小笹先生、どうも本当にありがとうございました。
     じゃ、お待たせして申し訳ありません。じゃ甲斐先生、次のICRP、特に低線量に関していろいろと理解するところはなんですので、よろしくお願いいたします。
  • 甲斐氏 それでは、大分県立看護科学大学の甲斐でございます。
     それでは、ICRPの考え方ということでご紹介をさせていただきます。
     もうご存知のように、ICRPは、1928年に国際放射線医学会のもとでつくられた1委員会でございましたけども、現在はいろんな意味でNGOとして各国のもろもろ基準に影響を与えるまでの組織になっているということで、そういった意味でいろんな国やいろんな機関から注目され、また逆に、いろんな誤解やそういったものも多いかなというふうには理解しております。そういった意味で、一番誤解を受けやすいところ、わかりにくいところを、今日ちょっとお話をしたいと思います。
     特に、事故後の対応に関するICRPの考え方ということでお話をしたいと思います。
     今回、福島の事故を経験いたしまして、恐らく、ここにスライドの2枚目でございますけれども、こういったことが社会的には話題になりました。特に2011年3月の下旬に各主要新聞が福島事故後、ICRPは基準を緩和したと報道いたしました。これは2010年3月にICRPから日本に向けてメッセージが出されましたので、そのメッセージを受けて、こういう報道があったわけですけども、しかし、これは事故があった後に、こういったメッセージを出したわけではなくて、もう既に以前からこういう考え方を国際的に議論して、勧告をしてきたものを改めて繰り返したにすぎなかったのですけども、なかなかそこがこういう特に事故という非常に特殊な状況ですので、社会からはなかなか受け止めることができなかった現実がございました。
     そういった中で、よく現在は現存被ばくという言葉を国も含めていろんな方が使うわけですけども、じゃあなぜ現存被ばくと、今まで国が決めてきたような、いわゆる計画被ばくと呼んでいるわけですけど、そういったものとの管理の仕方が違うのか、基準が違うのかということがよく問題になります。つまり、健康といえば、一つの安全というのは、一つの数値があって、その数値をもとに判断できるのではないかというふうにどうしても考えがちなわけです。これは一般的に明らかにある数値をもって白黒、つまりその影響があるかないかということが判断できる場合には、多くの場合、そういったものが使われます。実際放射線でも確定的影響と呼ばれるものにつきましては、比較的しきい値が明確である場合には、そういった意味でしきい値を境にして影響がない・あるというメッセージを出すわけですけれども、先ほど、小笹先生からも紹介ありましたように、発がんや遺伝的影響というのは、いわゆる1個の細胞に与える影響ということから、特に遺伝については、歴史はさかのぼりますと、ショウジョウバエの突然変異の実験から遺伝的な突然変異が生じる可能性ということが議論になり、さらには、人のデータはそれまでありませんでしたけど、原爆を経験して、1950年代、60年代ごろから白血病を中心とした健康影響というものが問題になるようになって、ここはどういうふうに考えていく、まだまだデータは少なかったわけですけど、人のデータとして重要なデータでしたので、どういうふうに考えるべきなのか、防護する意味などを考えるべきなのかということが国際的に問題となったわけです。
     そこで、ICRPとしては、次の3ページでございますけれども、ちょっと英語で恐縮なのですが、原文を見ていただいたほうが、変に日本語訳することで意訳になっていないほうがいいかなと思いまして書きましたけど、これはもうPublication9、1960年代ですが、50年代~60年代にかけてこういった考え方を出していたわけです。
     つまり、サイエンスは、まだ十分、人のデータについてはございませんでしたので、50年代、60年代につきましては、そのころ、少しずつ出てきた人のデータとしましては、原爆データ、さらには、医療被ばくなどで、医療における放射線などの影響などのデータなどをもとにして、ここにありますように、慎重に考えることによって、いくらかの線量であっても、その影響は累積の線量に比例すると考えることが最も控えめな仮定であろうという考え方をとったわけです。
     赤字で書いていますように、この仮定というのは、実質的にSafe Doseがないということを意味してしまう、これ論理的にはそうなるということであります。これがいわゆるリスクという考え方の出発点でありまして、concept of riskというタイトルがついておりますように、このPublicationはついているわけですけど、ここから放射線のリスク論というのは出発しております。
     そういった意味で、なかなかこのリスクという考え方が、理解されないできたところもありますけども、逆にこういったものが理解されて、化学物質の管理などにも影響を与えたところもございます。
     しかし、なかなか社会的にはリスクというのは、なかなかわかりにくい概念であることは確かにございます。いずれにしても、こういったいわゆる閾値をなし、閾値がないという前提に立って防護しようというところからスタートしたわけです。
     そうしますと、閾値がないという前提に立てば、じゃどこが安全なの、どこまで被ばくしてもいいのという考え方が出てきますけど、それはなかなか難しい結論になります。
     したがって、そこでリスクというものをどう捉えていくのかということで、少しずつお話をしていきたいわけですけども、その大前提になっているのが、もう一度繰り返しますけれども、いわゆるLNTというしきい値のない直接仮説、先ほど、原爆データで見ましたけども、ああいった現場のデータは、1980年以降ぐらいにだんだん定量的なデータが出てきましたので、そういったことも含めて、さらに現在ICRPでは、2007年勧告でこのように書いておりますけれども、LNTモデルは生物学で真実として受け入れられているのではなくて、低線量の被ばくにどの程度のリスクが伴うのかを実際に知らない、正確に理解することがほとんど困難なわけですけれども、その理由は、先ほど小笹さんに示していただいたように、いろんな要因が絡んできますので、少ない線量になってきますと、そういう意味では、放射線だけが原因かどうかということがわからなくなってしまうと。
     しかし、そうは言っても、このリスクがあるという前提にICRPは立ちましたので、そうすると、不必要な被ばくを避けるために、一つの公衆衛生上の慎重な判断として、こういうものを使おうということで来たわけです。
     しかし、なかなかこういった考え方は、社会的には受け入れることは難しい面もあったりして、いろんな批判があることも事実であります。
     そこで、こういうリスク論に立ったときに、結局それぞれの目標値、参考レベルなど、または線量限度といったものがありますけれども、そういったものは全て一つの目標値であると、上限値であるということで、ICRPは言ってきたわけです。
     それを一つの目標値として、最適化しなさいというのが、ずっと変わらないメッセージであるわけです。そうすると、その最適化ということが、また一つの問題になるわけですけども、その線量を下げなさいといっても、じゃどこまで下げるのですかということになりますけども、そこがいろんな要因を考慮しながら、必要なものとして、必要な状況に応じて低減を図りなさいというメッセージであるわけです。
     じゃ、そこで、次のスライドに移りたいわけですけども、先ほど、事故時、または現存被ばくというものの考え方を変えているということが、なぜそうしているかということなのですが、もともとICRPは、1977年勧告までは線源が制御された被ばく、これどういうことかというと、例えば、医療や放射線利用、原発含めて、放射線を社会的に利用しようと、何らかの便益があるということで利用しようといった場合、計画をするわけですね、施設をつくったり、そういった計画をする際に、規制管理をするための基準、そういったものを目指して出してきたわけです。そうしますと、当然、それ以外のもの、例えば、今人工なものですとか、自然のものであるとか、または、事故であるとか、そういったものは対象ではなかったわけですね。もうあくまでも人が人為的に計画して放射線を利用する上で、LNTに基づいてしっかり管理をしましょうと、厳しい管理をしましょうと、そういう考え方でやってきたわけです。
     しかし、1980年以降、やはりチェルノブイリ以前からも事故に対する関心はあったわけですけれども、ICRPもチェルノブイリ事故以前からも事故に対する勧告をやっているのですけども、だんだん事故もやはり勧告をしなきゃいけない。ただ、事故の場合には、この通常と違いますので、放射線源が全く環境中にばらまかれている状態ですから、出発点が違っていると、そこから、なるべく避難やいろんな食物制限など、そういった別なパスウェイを制限することで防護しようと。
     ただ、何もしないというわけにはいかないだろうと。そういったことで、事故などについても、また自然放射線も、もともと確かに人間が意図的なものではありませんが、例えば、ラドンや宇宙船など、人の活動の上では、線量は決して低くない状況もあると、そういったときにも自然放射線も防護の対象にしようというふうにして広がってまいりました。
     つまり事故や自然放射線も防護の対象として考えていこうと。そういう意味で、ますます防護としては、非常に難しい状況になってきましたけども、そこで、その次のスライドでございますけど、これ2007年勧告で勧告された内容をまとめたものでございますけども、そこに被ばくのカテゴリーというのは、既にもう77年勧告以前、もう70年代からこういう考え方でやってきているわけですが、職業人対する勧告、それから医療被ばくに関する勧告、それからそれ以外、それ以外というのは、公衆というふうになりますけど、こういったもの。
     先ほどから申し上げていますLNTについて、一定の閾値を設けませんから、不必要な被ばくは避けるということで、正当化されるものに関して正当化をする。さらに、合理的に低減をする。さらに、その中でも、一定のレベルを設けていこうと、状況に応じては設けていこうと、こういった基準を、考え方を出したわけです。
     被ばく状況というものですけれども、事故というのは非常に特殊な状況ですから、事故が起きれば通常状態では対応はできません。そうすると、事故に応じた状況の対応をしなきゃいけないということは、何となく皆さん感覚的にはわかるわけですけど、じゃあ、その後どう対応していくのか。つまり事故後に汚染した状況、例えば、今福島のような状況ですけども、被ばくした状況のときにどう対応していくのか、それを自然放射線はもともと私たちの生活空間にございますので、それとある意味で、既に放射性物質が存在するという、そこに人為的なものなのか、自然のものかという違いがありますので、全く同じに扱うことはできませんが、それを現存被ばくという考え方を当てはめたわけです。
     そういった意味で、リスクを考えるときに、そのリスクを対峙する場合に、やはりリスクをコントロールできる程度、さらには、リスクを社会がどこまで受け入れられるのか、それはそのリスクを避けようとすれば、また別のリスクが大きくなってくる可能性、いわゆる人の健康含めてですね、そういったバランスの中で、リスクに対応していかざるを得ないと、そういう勧告を出しているわけです。そのことが被ばく状況によって基準が異なってくるということになるわけです。
     次のスライドをご覧ください。
     具体的に、今回皆さんもご存知のように、ICRPとしては、この被ばく状況に応じてということで、緊急事態が生じれば、事故などが生じれば、短期間で100ミリを超えないように、何らかの防護対策をしなさいと、これは100ミリというのは、これをこれ以上越えなければ、確定的影響はそんなに大きい影響を受けることはないだろうと。しかし、確率的影響のようなリスクが存在しますので、そのリスクとしては、100ミリ以下というところでは、制限をしていかざるを得ないと。しかし、まずは100ミリを超えないような対応しようと。
     ですから、その一つ、一番現在、公衆については、従来、計画する、つまり新しい何か施設や医療機関などをつくるときには、この一番厳しい放射線源を管理できていますから、1ミリというところで一つの目標として、これを超えないように、さらに最適化しなさいという勧告をしてきたわけです。じゃ、この100と1の間で、20という数値をこの2007年以降も出したわけですけど、20というのは、従来、これは職業人の線量限度として1990年勧告出されたわけですけども、その数値を確かに取り上げたんですね、公衆被ばくとしては、職業人の場合には、この20ミリというのを50年間という想定で管理をしなさいということでやってきたわけですけども、公衆の場合には事故ですから、非常に時間的に変化をする、つまりこれを何か何十年間被ばくさせるという当然そういったものを書いているわけではないわけです。
     非常に過度期なものとして、いわゆる中間的な目標値として書かれてきたわけです。従来、その事故以前、福島事故以前でも日本でも避難の基準が50ミリであるとか、こういったのが国際的ないろんな基準などを参考にして決められていたわけですけども、2007年勧告、日本はまだ2007年勧告を法律が対応しておりませんでしたので、そういう中で、ICRPが新しく出された基準に基づいて今の政府がこういう数値を取り入れたということになるわけです。
     例えば、先ほど、自然のものについてもお話をしましたけども、ラドンという自然のものについても、同じように現存被ばくですので、この1ミリ~20ミリの間、特に10ミリを一つの目標にしなさいといった形でICRPは勧告してきたわけです。
     職員については、これは事故の以前に、原子力発電委員会が決めておりましたけど、事故時のモニタリングの物差しとして、5ミリを超えないように、まず職員制限のためのモニタリングを行いなさいということで、こういう基準をつくってきたわけです。
     こういったふうに見ますと、たくさんの基準があるということで、それぞれの基準が何を意味しているのかと。確かに1個の数字で健康のある・なしということを議論することは非常にできないということがある。あくまでも、この基準は目標としましては、健康リスクを下げていくための手段として、こういう数値が上がってきたわけです。
     そこで、防護の最適化ということで、最適化というのは、一つのそれぞれの基準をもとに、上限値をもとに、さらに下げる努力をしていきなさいということをICRPとしては考えてきたわけで、ただ、そのときに、やはり確率的影響のリスクを低減するときに、社会的要因などを考慮して実施しなさいということもさんざん繰り返しお聞きしてきました。
     これは非常にやはり、そのときに、こういった判断するためには、放射線のリスクはどのぐらいなのか、そのリスクを避けるためにどういうことを犠牲にするのか、そことのバランスは十分考えなきゃいけないと。これは非常に難しいことではありますけども、そういったことが本当の意味のリスクを低減するには大事だという、人の健康の全体のリスクを考えるためには大事であるということを強調してきました。
     こういったことを考えるためには、どうしてもあるレベルが必要である、参考のためのレベルが必要であると、さらには、こういったリスクを低減するための合理的といったときに、やはり何が合理的かはなかなか難しいですので、意思決定の過程は透明化をし、情報公開していくということは、どうしても必要であるということを言ってきましたし、またや、そういう計画の策定のときに、いろんな利害関係者などのステークホルダーも関与して判断を支援していくと、判断の上で関わっていくということが望ましいということを勧告してまいったわけです。
     次に、その参考レベルでございますけれども、特に、今回のような事故の場合、緊急時の場合には、20~100の中をまず優先しなさいと、それが、緊急時がおさまってくると20~1ミリの低いほうで参考レベルとしなさい、低いほうというのは、20というのは、一つの緊急事態の上ですので、次の目標としては、20の下の1ミリ~20ミリの間の真ん中より下のほうを目指して、次のステップですね、そういうふうに次のステップ、つまり時間とともに目標を変えていくような、そういった一定の1個の数値だけを達成すれば終わりですよという考え方はとっていないわけです。
     そういうことから、最終的には、過去の経験から一つの1mSvが一つの目標になるのではないかという考え方を示してきたわけです。
     じゃ、なぜ長期的に1ミリが一つの目標になるのかということがいつも問題とされるわけですけども、その根拠をPublication103、主勧告ですけども、2007年勧告に出しましたICRPの文章を取り上げておりますけども、つまり事故後ですね、事故後どうしても多くの住民はほとんどの現存被ばく状況では、被ばくした個人と当局者が被ばくを通常と考えられるレベルと近いか、あるいは同等のレベルまで引き下げることを望んでいると、これは社会的な自然な望みであろうと、つまり事故という特殊な状況ですから、もとの状況に近い状態のことを望んでいるだろうと、こういったことをベースにICRPは、Publication111で事故の後の現存状況に応じて、1ミリを長期的には目標にしていくことが望ましいというふうに判断をいたしました。
     次のスライドをご覧ください。
     いうことで、1ミリというのが、今なかなか多くの問題を呼んでいるわけですけども、国は中間的な参考レベルなどを採用せずに、長期目標として1ミリだけを示しておりますので、やはり1ミリということが、どの時点で達成すべき目標なのかということは、なかなか国民にわかりにくいということもあります。
     したがって、1ミリの問題というのは、先ほど申し上げましたように、健康のリスクの何か根拠から来ているというよりも、この現存状況においては、もともと事故というものがあってはならないものなので、社会的にはそういう倫理的なものから低いレベルを目標に改善していくべきだという形でICRPは考えたということであります。
     しかし、今日本の中で、事故前では、1ミリというのは、いわゆる計画被ばくに関するものとしてしか日本は法律を持っておりませんでした。つまり現存被ばくのような条件は持っておりませんでしたので、多くの国民は、もうリスクを受容しているかどうかということではなくて、事故前に唯一定められた基準が、この1ミリでしたので、そういったところからこの1ミリを望んでいるということは強い意識があるように思います。
     しかし、いずれにしても、大事なところは、こういう基準というのは、どうしても基準が一つ先行してしまいますと、基準をクリアしているとそれで一つの根拠を持ってしまうところがあります。という意味で、ICRPの基準というのは、あくまでも線量を低減するための物差しであるというふうに勧告をしてきておりますので、そういったことを踏まえて、基準というのは、どういうものであるのか、どういう意味を持つものなのかということをご理解いただければというふうには思います。
     最後に、今回モニタリングはサーベイランスに関するものとして、ちょっと111に記載していることをちょっと取り上げてまいりましたけども、現在、福島の汚染、先ほど線量評価の問題ありましたけども、やはりこの事故後の線量評価のためには、個人のモニタリングをすることが非常に重要であるということをチェルノブイリの経験を踏まえて、ICRPでは勧告をしております。これは個人の生活様式が重要な線量に与える要因であるということを経験的にわかっておりますので、こういうことを勧告しておりますが、なかなかこういったことも理解されにくいところがございます。つまり、こういう個人の情報を評価することで、過小評価にしてしまうのではないかといったこととか、または、国や自治体が行っていることの評価が信用できないので、こういうのは協力できないという声も私も聞きます。
     そういう意味では、非常になかなか個人モニタリングが必要だということが、こういう勧告の趣旨がなかなか伝わらない面があることも事実です。そこにも耳を傾けなきゃいけないところがあります。
     こういうサーベイランスにつきましても、ICRPとしては、こういう事故ですから、やはり予防的に監視すると、健康影響を予防的に監視するという、公衆衛生上の責任という点から、一定のサーベイランスをしていくべきだというふうに勧告しているわけですけども、ただ、強調している点は、やはり健康影響が起きるか起きないかという議論だけではなくて、社会が何を望んでいるのか、例えば、非常に不安になっているという状況、つまりそういう住民の安心に対する対応という意味でも、一つの考え方として取り入れていくべきではないかというものを勧告しております。
     こういったことも今の福島の甲状腺サーベイランスも含めて、なかなか社会とのギャップは大きいところではございますけども、今後、こういった全体の改善をしていくためには、こういったものを理解しながら進めていくべきではないかというふうには思っております。
     以上でございます。
  • 長瀧座長 当面の問題を非常にわかりやすく、ポイントに絞ってお話しいただきました。
     本当に甲斐先生ありがとうございました。
     ご質問がありましたら、どうぞ、ご自由に。
     ICRPの考え方、いろんなところで、いろんな人がICRPはという言い方をされる場合が多いものですから、ここでもし少しでも疑問をクリアにしておきたいと思ったら、ぜひ甲斐先生にご質問いただきたいと思いますが。
     では、きっかけにですね、先生、1mSvと言っておきながらね、いきなり事故が起こったら20mSvだと、おかしいじゃないかということに対して、どういう回答が一番よろしいでしょうか。
  • 甲斐氏 今回、日本は、そういった事故後の状況というのは、全く想定した法律なり、ルールがなかったというのは、今回非常に残念なことではありました。
     2007年勧告は、チェルノブイリなどの経験を踏まえてつくられたものでしたので、日本としては、比較的ICRPを取り入れようという姿勢があったわけですけど、そういった準備はしておりましたけども、2011年の段階では、全く対応してなかったということがありますので、そういう意味では、ルールはなかったということがありますので、事故後にいろんな対応をつくっていったというのが現状ですので、その場でやはりきちんと説明するしかなかったということではありますね。
     特に、20ミリの説明というのは、非常に難しかったとは思うのですけども、やはり20ミリというこの線量の表現も非常に誤解を与えてしまいます。20mSv/yearと書きますとか、毎年毎年被ばくをしてもいいのかと、そういう印象を与えてしまいます。ですから、一つの物差し、中間的な目標値ではあったわけですけども、そういう期間を限定するとか、これによって、これまで被ばくをしてもいいということを言っているわけではない。これを一つ超える状況の人をまずなくしていくという、そういうドライバーである、線量を下げるためのドライバーであるということのメッセージが必要だったのかなというふうには思います。
  • 長瀧座長 どうぞ、ほかに何かございませんでしょうか。
     これは皆さんのためにということですけども、ICRP非常に専門家の間で議論を続けて、本当にその専門家の中の専門家の議論がずっとあって、それをその考えがきちっと発表されていくのは、非常にすばらしい存在なのですけども、逆に言うと、一般の人は、専門家でもすごい初めて入っていったらわからないというぐらいのわかりにくいところがあるので、それを何か簡易版とは言いませんけども、もう少しわかりやすくという方法は何か考えられますか。
  • 甲斐氏 私も個人的にもそういったことをふだんから思っておりまして、従来こういうICRPというのは、いわゆる規制当局であるとか、または、事業者とか、そういう放射線を管理する立場の人間に向けて勧告をしていたというのが現実でございます。
     しかし、こういった事故が起きたからというわけではありませんけども、もともとこういう安全の問題というのは、対社会に対してきちんとわかりやすいような情報発信をするべきであったと、そういう意味では、非常に英語もわかりにくい英語、専門家でさえわかりにくい英語が使われているところがありますので、やはりわかりやすい英語、わかりやすい表現でもって伝えていく努力をしなきゃいけない。
     最近、ICRPはそういった方向で、Publicationとはちょっと違いますけれども、そういったものをつくろうという動きは今ございます。
  • 長瀧座長 言葉自体もね、今おっしゃったように、線量限度とかね、拘束とかいうと、何か素人がいきなり言われると、非常に強く受け取る可能性があるので、そこら辺まで含めて、一般の人を相手にというような希望はあるのですが、実際には、非常にこの間も伺ったんですが、経済的にもそこまでの余裕はないと、ICRPそのものにはですね。
  • 甲斐氏 言葉の難しさは、私も思うのですが、なかなかそういうコンストレイントとか、リミットとか聞くと、ネイティブの方はすぐすんなり入るようなんですね。残念ながら、こういう違う国の人間、よく翻訳した場合、どうしてもかたくなってしまって難しい言葉になるし、意味がわからない。つまり、名前というのは一つ言葉としての名前ですから、その名前だけではなく、ひとり歩きしないようにその意味をしっかり伝えていくという努力をもっとしなきゃいけないということがあるのではないかというふうに思います。
     これは放射線だけじゃなく、いろんな基準が全てそのように思いますので、基準というものは、どういう意味でつくられているのか、どういう役割を果たしているのかということを、やはり繰り返していかなきゃいけないのではないかなと思いますけど。
  • 長瀧座長 何かございませんか。皆さんもご存知で、何も特になければ結構ですが。
     どうぞ、お願いいたします。
  • 明石委員 放医研の明石でございます。
     今先生、言葉のことを言われたのですが、例えば、先生も先ほど、日本語で書くよりは、英語でこう出したほうがというふうに言われて、実は一般の方がこれ読もうとしても、日本語よくわからなくて、多分、我々もこれ英語を読んで見て初めて、ああこうだろうなということが分かることがあります。日本語もそういう訳をしてしまうのは、結局、誤解を受けたくないという訳者の意図なのでしょうか。結局、日本語訳は非常にわかりにくいです。日本語で見るほうが、かえってわかりにくいというのが現実なのです。
  • 甲斐氏 これは佐々木先生に聞いたほうがいいかもしれませんが、日本の翻訳というのは、やはり意訳をしてしまって、本来の意味と違う訳を非常に避けたいということもあって、なるべく逐語訳、つまり原文に近い訳をしようという方針であって、日本語の翻訳をするときに、そういう方針でやってきたところもあるのかなというふうに。
     だから、それは一つの翻訳として、さらに翻訳本を解説する、もっとわかりやすい例えだとか、もちろんなるべく正確性を失わないように例えをして、多くの方に理解してもらうような説明、そういったことは、また別途必要なのかもしれません。
  • 長瀧座長 言葉は一番ですね。
  • 佐々木委員 ICRP Publicationの翻訳は、日本アイソトープ協会、最初はボランタリーな形で、浜田達二先生などが始められたわけですけれども、今はICRPの翻訳事業というのは、日本アイソトープ協会の重要な事業の一つとなっています。
     私も委員の一人として翻訳に関わっております。現在も関わっておりますけれども、おっしゃるように、非常にわかりにくいというご批判をよくいただく、日本語のほうが英語よりさらにわかりにくいというご批判はいただいております。できるだけわかりやすい翻訳をしようという努力はしているのではありますが、一つちょっと難しい点は、既に、例えば1990年勧告というのは、日本の法律用語として取り入れられてしまっている。それを次の翻訳のときに、そういう用語を勝手に変えてしまうのは、非常に影響が大きいというようなこともあって、できるだけ言葉を統一しようとしています。それでもよく考えて、今まで使っていた言葉を違う言葉に、日本語の言葉に変えるということもやる場合もありますけれども、必ずしも自由に一番わかりやすい言葉をその都度使えるというわけでもない。そういう制約の中で、しかし何とか素直に読めるような文章にしていこうという努力はしております。
     それから、先ほど、甲斐先生おっしゃいましたけども、本文がそもそも難しいので、これについては、私も何度も何度も主委員会で発言しましたが、どうしても英語圏の方たちが凝った英語をつくられる、それはもうよくわかるんですけども、英語圏でない国でも読むんだからということで、随分そういう意見を言う人たちは、英語圏以外の人たちが何人もおりまして、2007年勧告(103)、1990年勧告に比べれば英語もわかりやすくなっているんではないかと思います。だんだんICRPのほうもそういう点でわかりやすい文章にしようという努力はしていると思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございます。
     鈴木先生。
  • 鈴木委員 ICRPのこの勧告を見ていて、一般の人と話していて、なかなか伝わりにくいというのが、こういう勧告値あるいは参考レベルが出ているが、それの意味しているリスクの大きさ、健康影響の大きさというものをうまく住民に伝えることに失敗しているというところがあるんだと思うんです。
     先日の美味しんぼの話が出ましたけど、あのスピリッツちょっと見てみますと、いろんな意見が後で書いてありました。そうすると、同じmSvの値であっても、ICRPのリスクはこのぐらいだとすると、それに対して、もっと違うリスクの大きさを考えている人たちもいるというような意見も書いてあるんですね。ただ、実際にどのぐらいのリスクの大きさを扱っているのかというのが、読者の皆さんにブラインドのまま伝わってしまっているというところが、物すごくコンセンサスをつくるときに失敗しているところだと思います。
     私たちやっぱりもうちょっと作業者の場合だったら年間の被ばく限度レベルが、例えば、どのぐらいのがん死亡の確率というふうな形できっちり定義していて、それが住民になったときどの程度か、必ずしもそういう形で明確に述べてきてないというところが、住民になかなか伝わらないところなのじゃないかと思うんです。ちょっとその辺のところを少し補足していただけますでしょうか。
  • 甲斐氏 リスクに関するメッセージを失敗しているということなのですが、そもそもICRPは、従来、社会に対してリスクを伝える立場ではなかったというのがあります。むしろICRPが意識しているのは、世界共通にいろんな考え方をつくっていこうと。ですから、なるべくスペンフイックな情報を載せてしまっては、どうしても共通性がなくなってしまうということがあります。
     例えば、加重係数などは、どうしてもいろんな批判がございますけども、加重係数などは、ある意味で、全年齢、全民族に共通するような平均的なものとしてやっている。一つのルールみたいなものですよね。あまり最適なものというよりも、そういう一つの実効線量は、一つの防護の手順としてつくられたものですから、そういったことがやはりウエートに置かれていますので、むしろそのリスクに関するメッセージは、やはり国によってやはりがんの罹患率は違ってまいりますので、リスク推定も変わってまいりますので、そういう意味では、日本独自にそういったものを積極的にやって、国際的にも公表し、日本の中でそういったもののコンセンサスを得ていくという、そういうプロセスを私はやってもいいのではないかというふうには前から思っているんですが、各国やっておりますよね、イギリスにしてもアメリカにしてもいろんなそういう機関がやっているわけですけど、日本はそういう機関がないものですから、なかなかできてこなかったと、そういうのもある。もちろんそれは一つの防護のためのメッセージのためのものではありますけども。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     随分いろいろとご質問に答えていただいて、もう本当に時間がなくなってきまして、あと残りは、資料の2と資料の3がございますけども、資料の2はもうこの次にご説明していただくということで、本当に表紙を説明するぐらい一、二分でお願いいたします。
  • 前田参事官補佐 それでは、事務局でございます。
     資料の2について、ごく簡単にご説明をさせていただきます。
     スライドの1枚目、被ばくと健康影響について(その2)と書いてあるスライドでございます。
     このその2、この資料でございますが、これはWHOの健康リスク評価専門家会合報告書をベースに、事務局のほうで作成させていただいた資料ですので、これはそういう資料である位置づけ、ちょっと今その記載が甘いのですけれども、その旨、改めて記載をさせていただきたいと思います。
     報告書の全体としては、イントロからまとめまでという形になってございますが、今回、日本語スライドとしておつくりをしたものが、前々回の会議の中で、私のほうから四つのがんと、あと被ばく線量に対してどれぐらいのリスクを見込んでいるかという形、ご案内させていただきましたが、その他の疾患についてどのような扱いをされているかという点、あとはそのリスクに対してどのような健康調査なり、モニタリング長期フォローしていくかというところの記載もございますので、そちらの部分をピックアップしてスライドにさせていただきました。
     1枚おめくりをいただきまして、疾患別の健康影響の評価でございます。
     下側4ページ目でございますが、前回、がん及び白血病についてご説明をさせていただきましたが、その他、確定的影響、放射線による遺伝性影響、放射線緊急事態後の精神的な影響についてどのような評価をされているかということでございますが、確定的影響とされておりますものが、3ページ目下側、スライドの6ページ目のしきい値というところで、それぞれの障害と臓器、潜伏期はどれぐらいで、しきい値はこれぐらいの値であろうという前提で評価をしておりまして、これぐらいの線量のもので、これぐらいの影響が出るということで評価の対象から外しているというものでございます。
     おめくりいただいて、遺伝的障害でございますとか、催奇形性等の障害も同様な扱いでございまして、甲状腺の疾患についても、これは機能低下については確定的影響ということ、結節につきましては、経過観察が重要であるということで、ここについても線量に基づくリスク評価ということを行っていないものでございます。
     精神的影響についても同様のトレンドでございまして、おめくりいただいて、スライドの11ページ目でございますが、これは精神的影響、被ばく線量との定量関係というものは非常に難しゅうございますので、そちらについての評価はなされていないというものでございます。
     6ページ目下側、スライド12枚目が住民の健康フォローでございますが、こちらについては、大事なポイントといたしましては、次のページの7ページ、スライドの14番でございますが、これ医学的にスクリーニングを行う場合の要素として提示をしているものでございまして、最も影響を受けやすい母集団でありますとか、そういう集団でどういった疾患リスクがあるか特定をされていること、正確で実用的な検査手法があること、病気の早期発見が生存率の向上につながること、病気に対する効果的な治療法が用意されていること、そういった検査の当然メリット・デメリットがございますので、そういったメリットが起こり得るあらゆる弊害に対してメリットのほうが大きいということについて、積極的な検診でありますとか、そういうスクリーニング検査の目安という形でご提示をしているものでございます。
     おめくりをいただきまして、8ページ目、スライドの16番でございますが、その他の視点ということで、じゃあ医学的管理の視点から、確率的影響に対する長期のフォローアップに勧告する証拠が不十分である場合はどうしたらいいかということでございますが、そういった場合は、疾患のこれはがんを例示にしておりますが、登録を企画して、疫学的研究を長期にわたって実施していくことという形でまとめてございます。
     次のスライド9ページ目の上側、スライドの17番でございますが、そのときに評価をするときに影響を及ぼす因子として、ポツの三つ目でございますが、低線量、特に100mSv未満の被ばく線量の影響を検出するためには、ベースラインの発生率や死亡率がもともと高いということがあって、非常に多くの数でないと認めることは非常に難しいのではないかという形と、一方、過剰絶対リスク自体はベースラインの発生率や死亡率がより低い集団、例えば、小児の甲状腺がんとかでは、当然発生率や死亡率はより小さいので、疫学的に検出される可能性が高いという形で書いてございます。
     そういった検査を実施した場合、特に、甲状腺を例示としたからだと思いますが、そういったスクリーニングの実施によって、これはスクリーニングバイアスが当然生ずるということも注で記載をしてございます。
     こういったことは以前から指摘をしているというWHOの話がございまして、10ページ目以降は、これはチェルノブイリでも同じような報告書を出しておりまして、一つは、1Gyを目安にして、これは検診をどうするかとか、医学的フォローをどうするかという形でまとめておるものでございます。
     ページを変えまして、資料の2-3でございます。がん登録だけご説明をさせていただきますと、これは先ほどの登録という話の中で、今厚生労働省のほうで具体的な登録手法を議論されていると承知をしてございますが、1ページ目の右上側、がん登録はなぜ必要かというところの国や都道府県にとってということで、このメリットとして挙げられているものの黄色でない部分なのですが、がん患者数の推移でございますとか、地域格差の把握ということがございます。これは当然、今後モニタリングをしていく意味で非常に重要な要素かと思いますので、こういったものでご評価をいただくことも可能と思いますので、そういった点から、今後、ご議論いただければ承知をしてございます。
     事務局から以上でございます。
  • 長瀧座長 急いでご説明していただいて、多分、この次からもう被ばく線量に基づいた健康影響の推定に入っていきますので、その前提として、今のWHOの話を伺って、またこの次もまたもう1回ゆっくりと説明していただくようなつもりで、最後の資料の3はお配りしてあるんですね。
  • 前田参事官補佐 はい。
  • 長瀧座長 これはもう時間と。最後のお話が出ましたので、そういう意味で、あの中にも環境省にというのがございまして、環境省のほうから専門家としてどう考えるかという質問なのですが、その漫画を読んでいらっしゃる方もいらっしゃるだろうし、経過はご存知の方もご存知じゃない方もいらっしゃると思います。こういう会議ですから、その漫画の中で出てくるのは、福島の被ばく線量で鼻血が出るかという、鼻血と福島の被ばく線量の間に、因果関係があるのかという、それから疲れやすさでしたか。
  • 前田参事官補佐 強い疲労感ということで。
  • 長瀧座長 その二つの因果関係を科学的にどう考えるかということについて、ここのまさに環境省の専門家会議でございますので、専門家の先生、そこに絞ってお話をいただきたいと思いますが、どうぞ。
  • 鈴木委員 急性被ばくの場合ですと、骨髄の幹細胞がかなりやられます。それで幹細胞が少なくなって、それが分化してくる、結果として血小板減少が起きます。
     今までの、例えば、WHOのREMPANなんかのデータでいきますと、血小板減少が起きて、出血が来るのが3~4Gyです。それ以上でないと来ません。非常に高線量の場合ですと、被ばく後、1週間~10日ぐらいから出血のリスクが高まりますが、例えば、1Gyですと、3週、4週待っても出血傾向が来るまでは下がりません。原発に入って直後に鼻血を出すというのが被ばくであるというのは、どんな高い線量であってもまずないということと、それから、当然そういう線量を受けたら、その方は骨髄被ばくのために、別な命の問題が出てくるということがあるかと思います。
  • 清水委員 私は、県民健康調査委員会の委員になって、昨日実はその会議がありまして、そのほかに、甲状腺の評価部会のほうにも携わっているのですけども、ちょっとデータ的なことも、検査の評価、そこで今までで血小板の今のお話の血小板が低くなったというデータは一つもありません。
     それから、昨日、委員会が終わってから、その中の委員の先生とずっとしばらく話しまして、美味しんぼの話になりました。その先生は富岡で医院を開業されていて、被災されてちょっと別のところに避難しているのですが、そこでたくさんの患者さんを今まで診ていらっしゃる、3年間ですね。鼻血を実際に診察した経験は1例もないというふうにおっしゃっていましたので、現実的なもので例として、私はちょっと非現実的ではないかというふうに思います。
  • 長瀧座長 ほかに何かございませんでしょうか。
     ですから、放射線と鼻血といったときに、例えば、放射線は関係がないわけであり、それはもう大量に浴びて、急性影響として、骨髄に影響があるようなときには、もちろんその鼻血も関係があるだろうけども、定量的に福島の放射線量でといったときに、そんなことは科学的に因果関係を考えることはできないということ以外に何かありますでしょうかお話が、どうぞ。
  • 伴委員 多分、大量の被ばく云々ということに関して、もう一つ恐らく懸念されているのは、非常に放射能の高い微粒子、いわゆるホットパーティクルが鼻腔粘膜に付着して、それで鼻血が出ているのではないかという、そういう考え方もあるのではないかと思います。
     実際に、そのホットパーティクルで急性潰瘍が起きて、皮膚の組織構造が破壊されるためには、非常に高い線量が必要です。面積の問題がどうしても関係してきますので、多分、少なくとも数十Gy以上の被ばくが必要になってくるので、実際にいろんなモニタリングデータから、そういうホットパーティクルが存在し得るかというふうに考えると、それはやはり難しいとは思います。
     ただ、こういう問題が、事故から3年経ってまだ出てくるということは、放射線の影響に対して、福島県内あるいは県外で非常に懸念を抱いておられる方がまだまだたくさんおられるというのが現実なわけですから、我々はそれを真摯に受け止める必要があるだろうと思いますし、我々専門家と称する人間が、どういうデータを持って、どういう判断をしているのかというところをできるだけ伝えていく努力をすべきなのだろうと思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
     ほかにございませんか。
     この専門家会議の立場というのは、やはり被災者の方々の健康を守ると、そこがやっぱり基本だと思いますので、精神的な悪い影響を与えるのは、やっぱりそれは十分我々の責任だろうと思うし、被災者の方が、あらゆる意味で健康を害さないようにと、そのためにどういうアプローチがいいかというところは、基本のつもりでおりますけども、結局、ここは甲斐先生、本当にコミュニケーションの問題ですね、今最初に伺って、あまりにも話を広げないようにと思って、科学的にはそんなことはありませんよと、定性的にはあるかもしれないけども、定量的そんなことはないと、それで終わりに一つの結論ではあるのですけども、それだけでこの会議は終わっていいのかどうかというのは、保健部長、何かございますか。
  • 塚原環境保健部長 環境省の立場ということで申し上げますと、科学的にどう評価をするか、科学的にどういう事実かということは、一つとしてあるのですけれども、やはりそれを問題と思っておられる方、心配しておられる方がいるというのも一方でありますので、そういう方にどういうふうなメッセージを出していくかということも、一方では考えなくてはいけないと思うので、まさにリスク・コミュニケーション、そういうことだろうと思いますので、そういった観点からもこの取組は必要であるというふうに認識をしております。
  • 長瀧座長 今後も我々、常に被災者とのリスクコミニケーションというのは、やはりこの中で大きな立場を芯の部分を占めるところだろうと思いますので、引き続いて、気をつけていきますが、今回のことに関しては、今のお話でよろしゅうございますか。
     それでは、これで、あと事務局のほうから最後に。
  • 前田参事官補佐 ご議論ありがとうございました。
     議題の1でございますが、事務局の説明が長くて大変恐縮でございます。
     1-1、今後の議論に非常に重要なものかと思いますので、本日のご議論を踏まえまして、修正をして、事前に早急に先生方にお示しをさせていただきたいと思いますので、会議中途ではございますが、先生方のご議論、ご意見、事務局にまた頂戴できればという形でお願いを差し上げたいと思います。
     また、その他の外部被ばく、内部被ばく、本日はちょっとご議論をいただく時間を割けなかったところもございますが、現時点のバージョンでお気づきの点ございましたら、そちらもあわせてご意見を賜ればというふうに存じます。
     次回につきましては、6月の後半で、今先生方に仮押さえ幾つか日をいただいて調整してございますが、最終的な日程、改めて座長とご相談して決定させていただきますので、すみません。もう少々お持ちをいただければと思います。
     また、本日の議事概要及び議事録についても、後日公開とさせていただきますので、事務局からお送りいたします。後日、ご確認をお願いいたします。
     事務局から以上でございます。
  • 長瀧座長 本日、どうも司会の不手際もありまして、また、たくさんお話をしたいという気持ちもあって、資料が多くてどうも時間が足りなかったところもございます。
     また、次回からは、もう少しよく準備してまいりたいと思いますが、今日はどうも本当にありがとうございました。
     以上でございます。

午後5時45分 閉会

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