保健・化学物質対策
生態毒性予測システム KATE
はじめに
生態毒性予測システムKATE(ケイト、KAshinhou Tool for Ecotoxicity)は、環境省の請負業務として国立研究開発法人国立環境研究所 環境リスク・健康領域で開発されている生態毒性QSAR(Quantitative Structure-Activity Relationship:定量的構造活性相関)モデルです。
(Q)SARとは、化学物質の構造と生物学的(あるいは毒性学的)活性との関係のことをいいます。定性的な関係の場合(例:特定の官能基の有無から物質の有害性の多寡を推測する)はSAR、定量的な関係性についてはQSARと呼びます。化学構造を手掛かりに毒性等を定量的に算出する仕組みのことを、いわゆるQSARモデルといいます。
KATEは、化学物質の部分構造等から、急性毒性指標の予測値として魚類急性毒性試験の半数致死濃度(LC50)、ミジンコ急性遊泳阻害試験の半数影響濃度(EC50)及び藻類生長阻害試験の半数影響濃度(EC50)を予測することができます。また、慢性毒性指標の予測値として魚類初期生活段階毒性試験における無影響濃度(NOEC)、ミジンコ繁殖試験における無影響濃度(NOEC)及び藻類生長阻害試験における無影響濃度(NOEC)を予測することができます。
現在、KATE2020 version 5.0 (2024年3月25日版)を公開しています。化学物質の生態毒性影響の程度について、参考値を得るためのツールの1つとしてご利用が可能です。事業者の方には、生態への毒性影響が明らかではない化学物質について予測を行うことで、その情報を基に当該物質の適切な取扱いや管理方策を検討する際の参考にしていただくことが可能です。
ただし、注意事項として、本システムで得られた予測結果は、十分な予測精度を保証するものではありません。また、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づく届出に必要な生態毒性試験結果として利用することはできません。
■生態毒性予測システム KATE ホームページ
開発機関:国立研究開発法人国立環境研究所(環境リスク・健康領域)
お知らせ
24.3.25 | KATE2020 を version 5.0 へアップデートしました。(更新履歴) |
23.8.4 | KATE2020 を version 4.1 へアップデートしました。(更新履歴) |
23.3.30 | KATE2020 を version 4.0 へアップデートしました。(更新履歴) |
22.3.30 | KATE2020 を version 3.0 へアップデートしました。(更新履歴) |
21.2.12 | 生態毒性予測システム「KATE2020 version 2.0」への更新について |
19.1.29 | 生態毒性予測システム「KATE2017 on NET 正式版」の公開について |
18.3.29 | 生態毒性予測システム「KATE2017 on NET β版」の公開について |
09.3.9 | 生態毒性予測システム「KATE(ケイト)」のスタンドアロン版の公開及びインターネット版の更新について(お知らせ) |
08.1.31 | 生態毒性予測システム「KATE(ケイト)」の公開について |
※表中の「更新履歴」は、KATEのホームページの「更新履歴」にリンクします。