保健・化学物質対策

GHS

GHSとは...

 GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)とは、化学品の危険有害性(ハザード)ごとに分類基準及びラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一されたルールとして提供するものです。GHSは2003年7月に国際連合から勧告され、その後定期的な更新が行われています。日本を含め各国で、化学品の分類や表示についてGHSを導入して行っています。

 詳しくはパンフレット「GHS」をご覧下さい。

 

【用語】

化学品:

化学物質または混合物を指し、私たちにとって身近なものでは、洗剤や殺虫剤、塗料などが該当します。

危険有害性:

爆発物や引火性などの危険性と発がん性や急性毒性、水生環境有害性などの有害性を併せて、危険有害性としています。

ラベル:

化学品の危険有害性情報や適切な取り扱い方法などを簡潔に分かりやすく伝えるために、容器、外部梱包に貼付や印刷されるものです。

安全データシート:

化学品の安全な取り扱いを確保するために、化学物質名・製品名・供給者・危険有害性・安全上の措置・緊急時対応などを記載した資料(Safety Data Sheet: SDS)のことで、事業者間の化学品の取引時に添付し、化学品の危険有害性や適切な取り扱い方法に関する情報を供給側の事業者から受取り側の事業者に提供するためのものです。

 

GHSにおける絵表示(ピクトグラム)の例

 GHSでは、情報伝達の手段として、危険有害性の特徴を視覚的に示した絵表示(ピクトグラム)や取り扱いの際の奨励措置等に関する記載を用いています。以下に、絵表示の例を示します。

GHS絵表示の例1 シンボル:炎

シンボル:炎

可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)、エアゾール、引火性液体、可燃性固体、自己反応性化学品、自然発火性液体、自然発火性固体、自己発熱性化学品、水反応可燃性化学品、有機化酸化物に相当する化学品であることを表しており、燃えやすい、空気との接触により発火しやすい、熱分解しやすい等の性質を有することを示します。

GHS絵表示の例2 シンボル:どくろ

シンボル:どくろ

急性毒性を表しており、経口摂取、経皮接触、吸入ばく露により、人へ有害な影響を及ぼし、死に至る場合があることを示します。

GHS絵表示の例3 シンボル:環境

シンボル:環境

水生環境有害性を表しており、環境中で水生生物へ有害な影響を及ぼす性質が強いことを示します。

GHS導入のメリット

 GHSを導入した国では、化学品の製造業者や輸入業者などが、GHSで決められた基準に従って化学品を分類し、表示を行っていくことになります。この分類表示により販売業者や消費者などは、身の回りにある化学品の危険有害性をより正しく知ることができるようになります。また、それらの表示に従って化学品を正しく取り扱うことで、誤った取り扱いによって引き起こされる事故などを防ぎ、リスクを最小限におさえ、人の健康及び環境の保護がより進むことが期待されます。

 我が国においては、化学物質排出把握管理促進法に基づきラベル表示に関する努力義務が規定されています。また、労働安全衛生法において、対象物質のラベルによる表示義務に加え、原則、危険有害性を有する全ての化学品についてもSDSの提供及びラベルによる表示を行う努力義務が定められています。さらに、GHSの分類と情報伝達に関する日本工業規格(JIS)がそれぞれ定められており、国連文書の更新に合わせた改訂が随時行われています。

 環境省では関係省庁と協力し、GHSの更なる普及に向けて積極的に取り組んでいます。

GHSに関するパンフレット

国連GHS文書

 最新版は、改訂10版(2023年、UNECEサイト)
 

日本語仮訳

国際連合欧州経済委員会(UNECE)GHS概要

環境省及び関係省庁によるGHS分類結果等

 環境省は2001年に発足したGHS関係省庁連絡会議に参画し、関係省庁と連携して、分類ガイダンスの作成や分類ガイダンスに基づく環境に対する有害性についてのGHS分類事業を継続して行っています。

分類ガイダンスについて

 経済産業省分類ガイダンス​(リンク)

分類結果について

 分類結果は、物理化学的危険性、健康に対する有害性と併せて製品評価技術基盤機構NITEのサイトで公開されています。

表示(ラベル)について

 環境省が実施した分類結果は、厚生労働省によるGHSモデルラベルにも反映されています。

その他のリンク