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取組紹介

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環境省の取組

「国際協力関連事業」

ExTEND2005 における魚類試験法開発について

H21 第1回 ExTEND2005 作用・影響評価検討部会
09.10.16
資料 1-1

ExTEND2005 における魚類試験法開発について

1.これまでの取組

The OECD Work on ED:A Special Activity of the Test Guideline Programme 添付資料1:The OECD Work on ED:A Special Activity of the Test Guideline Programme

これまで、環境省では、メダカを用いたビテロジェニンアッセイ、パーシャルライフサイクル試験及びフルライフサイクル試験を開発してきている。また、メダカエストロジェン受容体等を用いた受容体結合アッセイ及び遺伝子転写活性アッセイを開発してきた。 内分泌攪乱化学物質問題への環境庁の対応方針について-環境ホルモン戦略計画SPEED’98-では、36 物質に対してこれらの試験を実施し、その結果、環境中の濃度を考慮した濃度で4-ノニルフェノール(分岐型)と4-t-オクチルフェノールでメダカに対し内分泌かく乱作用を有することが強く推察され、またビスフェノールA とo,p’-DDT でもメダカに対し内分泌かく乱作用を有することが推察された。

添付資料2:魚類を用いた試験法の概要 添付資料2:魚類を用いた試験法の概要

ExTEND2005 において、環境省では、これら開発した試験法の国際整合性の確保とOECD などの国際的な内分泌かく乱対策へ貢献するため、これら試験法をOECD に提案するとともに、テストガイドライン化を進める取り組みを行ってきている(添付資料1)。さらに、平成18 年11 月に開催した第3回日米実務者会議では、魚類繁殖試験に関する技術的課題について共同で検討することが合意され、メダカを用いたフルライフサイクル試験及び二世代繁殖試験に関する試験プロトコルの適正化及び検証試験の実施を日米共同で進めて来ている(添付資料2)。

2.魚類試験法開発の状況

(1)魚類スクリーニングアッセイ(FSA)のテストガイドライン化

OECD では、内分泌かく乱作用のスクリーニングを目的としたFSA を提案し、平成15 年(2003 年)から基準物質による検証試験を行ってきている。本アッセイは、本事業で開発したビテロジェニンアッセイがモデルとなっており、ビテロジェニン濃度及び二次性徴を指標として化学物質のエストロジェン様作用、アンドロジェン様作用及びアロマターゼ阻害作用の影響をスクリーニングする試験である。これまでに、Phase1A(2003 年)、Phase1B(2004 年)及びPhase2(2005年)検証試験が行われている。環境省は本アッセイのテストガイドライン化のリード国として、検証作業に参加すると共にOECD 事務局とともにテストガイドライン化への取り組みを行ってきているところである。

本アッセイは、平成21 年3 月に開催された第21 回試験法ガイドラインプログラムのナショナルコーディネーターのワーキング・グループ会合(WNT)にて、“魚類21 日間スクリーニング試験テストガイドライン”として採択された。

(2)魚類性発達試験(FSDA)のテストガイドライン化

OECD では、平成18 年(2006 年)より、デンマークをリード国として基準物質を用いたFSDA の検証作業を行っている。FSDA は、本事業で開発したパーシャルライフサイクル試験がモデルであり、ビテロジェニン濃度、生殖腺組織及び二次性徴と性比を指標とする試験である。メダカは雌雄を決定する性決定遺伝子(DMY)を有し、外観的な雌雄と遺伝的な雌雄を区別ができ、性比をエンドポイントとするFSDA の有効なモデルであることから、Phase2(2009 年)検証試験に参加するよう、OECD 事務局及びリード国であるデンマークから強く要請されている。現在、Phase2 検証試験が行われているところであり、環境省でも、弱エストロジェン様物質、アンドロジェン様物質を用いたPhase2 検証試験を実施している。

(3)フルライフサイクル試験及び二世代繁殖試験

フルライフサイクル試験は“OECD Conceptual Framework for the Testing andAssessment of Endocrine Disrupting Chemicals”のレベル5に位置付けられており、OECD でも、平成15 年より、試験法の整備状況について調査を行って来ている。平成17 年には、米国より、メダカを用いた二世代繁殖試験が提案されており、環境省では、日米実務者会議のもとで、フルライフサイクル試験及び二世代繁殖試験のプロトコルの適正化及び試験結果の比較等を行って来ている。平成21 年3月、環境省では、“メダカを用いたフルライフサイクル試験/多世代試験”に関するSPSF(Standard Project Submission Form)を、日米共同で、平成21 年3月に開催された第21 回WNT に提出したところである。

環境省では、これまでに、強エストロジェン様物質、弱アンドロジェン様物質、高蓄積性物質等に関するフルライフサイクル試験及び二世代繁殖試験の結果を蓄積して来ており、今後は、さらに内分泌かく乱作用モードに着目してアロマターゼ阻害物質等の選定を行い、日米共同でこれら試験法の比較、検証を行う予定である。

(4)受容体結合試験等のin vitro 試験

OECD では、受容体結合試験などのin vitro 試験を用いた内分泌かく乱作用物質スクリーニング法に関し、非動物試験法検証グループ(VMG-non animal)にて検討を行って来ている。環境省では、平成18 年9 月に、英国、スウェーデンとともに、魚類等に関してもin vitro 試験を用いた内分泌かく乱作用物質スクリーニング法について検討するため、OECD にSPSF を提出している。また、環境省では、2008 年11 月に開催された第6回VMG-non animal にて、“魚類を用いたin vitro 試験に関する詳細レビュー報告書を作成、提案しており、11 月に米国で開催される第7回VMG-non animal において、今後の進め方に関する協議が行われる予定である。

添付資料

添付資料1
添付資料2