大臣談話・大臣記者会見要旨

第2回循環経済及び資源効率性に関するグローバルアライアンス(GACERE)閣僚級会合における山口壯環境大臣発言

 出席者の皆様。このたびは、UNEA5.2 サイドイベントとして、「循環経済と自然」をテーマとして開催する「第2 回GACERE 閣僚級会合」に参加いただき、誠にありがとうございます。本会合を共催するUNEP 及びUNIDO にも感謝申し上げます。

 私たちは気候変動、生物多様性の損失及び環境汚染という3つの世界的危機に直面しています。これらに対応するためには、社会経済システムを持続可能で強靭なものに変革することが必要不可欠です。特に、循環経済は、生物多様性への悪影響を軽減するだけではなく、生態系を再生する可能性を秘めています。UNEA5.2 のテーマである自然保全の対策を強化するためにも、循環経済への移行を加速化していく必要があります。

 本日は、GACERE で作成したワーキングペーパー「循環経済と生物多様性」を公表する日でもあります。本ペーパーは、持続可能な生態系を構築するために循環経済が果たす役割をまとめています。取りまとめに御協力いただいたGACERE メンバーに感謝申し上げるとともに、本ペーパーが、今後、各国における政策の道しるべになることを期待しています。

 昨年9月に開催された前回のGACERE 閣僚級会合から、我々はグラスゴー気候合意の採択及びパリ・ルールブックの完成という非常に大きな成果を得ました。また、COP26において日本は、「循環経済とカーボンニュートラル」のサイドイベントを開催し、循環経済による脱炭素社会の実現に向けた手段や連携方策について議論を行いました。

 気温上昇を1.5 度に抑えるためには、世界各国が温室効果ガスの排出削減に取り組む必要があります。日本は、2030 年度に温室効果ガスの46%削減を目指し、さらに50%の高みに向けた挑戦を続けるとしたNDC(Nationally Determined Contribution:排出削減目標)の実施に尽力しています。岸田総理も、1月の国会冒頭における施政方針演説において、克服すべき最大の課題として気候変動を挙げています。引き続き、NDC の達成、2050 年カーボンニュートラルの目標実現に向けて全力を尽くしていきます。くわえて、脱炭素に必要なすべての資源の循環利用を加速化するため、「循環経済工程表」を本年夏までに策定すべく取り組んでいます。

 最後にプラスチックに関する取組として、昨年成立したプラスチックの資源循環を促進する法に基づき、プラスチック製品の設計・製造から廃棄までのライフサイクル全体で、プラスチックの循環利用を促します。たとえば、ストローやスプーンについて、プラスチック以外の代替素材への転換等を義務付けることとしています。この法律は来月に施行されます。さらに、海洋プラスチック汚染をはじめとするプラスチック汚染に関する新たな国際枠組みづくりに向けて積極的に貢献します。

 これらの取組については、GACERE において情報共有や意見交換を行っていきます。今後もGACERE メンバー国を家族として協力しながら、循環経済への世界的な移行に向けて取り組んでいきます。今日の会議において、循環経済を通じた自然保全の対策強化に向けて、我々の機運が高まることを願っています。是非、一緒に実現しましょう。

 ありがとうございました。

令和4年3月2日

(日本語仮訳)